JP2023108216A - 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】電力供給設備を導入及び維持するためのコストと、実際に災害が発生した場合に予想される影響とを考慮し、電力供給設備の容量を決定する情報処理装置、方法及びプログラムを提供する。【解決手段】マイクログリッドが電力系統に対して切断された場合に対象設備の容量を決定する情報処理装置2は、対象設備の導入及び維持に要する第1コストを計算するための情報を取得する第1取得部210と、過去の所定期間の複数の負荷の夫々の消費電力の実績値を取得する第2取得部211と、複数の負荷の夫々に対して予め設定され、複数の負荷の夫々に対する電力供給の重要度を示す係数を取得する第3取得部213と、第1コストを計算するための情報に基づいて得られる第1コストと、複数の負荷の夫々の遮断電力及び係数で定まる第2コストの総和である総合コストを最小化する際の対象設備の容量及び複数の負荷の夫々の遮断電力を計算する計算部214とを備える。【選択図】図11
Description
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
地震や台風等の災害発生に備え、停電時に分散型の電力供給設備から一定範囲の地域内の需要家の負荷に電力を供給することが可能な電力供給システム(マイクログリッド)を構築する事例が近年増えている。
マイクログリッドを構築する際には分散型の電力供給設備の容量を決定する必要があり、そのための方法が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載された方法は、停電時に全ての負荷に対して電力を供給することを前提としている。そのため、決定された容量の電力供給設備を導入及び維持するためのコストと、実際に災害が発生した場合に予想される影響とを比較衡量すると、導入及び維持するためのコストが過大になる可能性があるといった課題がある。
本発明はこのような課題を鑑みてなされたものであり、電力供給設備を導入及び維持するためのコストと、実際に災害が発生した場合に予想される影響とを考慮し、電力供給設備の容量を決定することが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための一の発明は、マイクログリッドが電力系統に対して切断された場合に前記マイクログリッドに接続された複数の負荷に電力を供給すべく対象設備の容量を決定する情報処理装置であって、前記対象設備の導入及び維持に要する第1コストを計算するための情報を取得する第1取得部と、過去の所定期間における前記複数の負荷の夫々の消費電力の実績値を取得する第2取得部と、前記複数の負荷の夫々に対して予め設定され、前記複数の負荷の夫々に対する電力供給の重要度を示す係数を取得する第3取得部と、前記第1コストを計算するための情報に基づいて得られる前記第1コストと、前記複数の負荷の夫々の遮断電力及び前記係数で定まる第2コストとの総和である総合コストを最小化する際の前対象設備の容量及び複数の負荷の夫々の遮断電力を計算する計算部と、を備える、情報処理装置である。本発明の他の特徴については、本明細書の記載により明らかにする。
本発明によれば、電力供給設備を導入及び維持するためのコストと、実際に災害が発生した場合に予想される影響とを考慮し、電力供給設備の容量を決定することが可能な情報処理装置を提供することが可能となる。
==第1実施形態==
<<マイクログリッド>>
マイクログリッドは、地震や台風等の災害発生に備え、停電時に分散型の電力供給設備から一定範囲の地域内の需要家の負荷に電力を供給することが可能な電力供給システムである。
<<マイクログリッド>>
マイクログリッドは、地震や台風等の災害発生に備え、停電時に分散型の電力供給設備から一定範囲の地域内の需要家の負荷に電力を供給することが可能な電力供給システムである。
図1は、後述する情報処理装置2を用いて構築することを計画しているマイクログリッド1を説明するための図である。本実施形態では、地域Aにマイクログリッド1を構築することを計画しているとして説明する。
マイクログリッド1は、配電線10と、配電線10に接続された分散型の電力供給設備(対象設備11)と、負荷1~3とから構成されている。図1には、分散型の電力供給設備として、発電機11aと、太陽電池11bと、蓄電池11cとが示されている。マイクログリッド1は、配電線10上に設けられた遮断機30を介して電力系統3に接続されている。
また、図1には、需要家の負荷として、配電線10に接続された負荷1~3が示されている。需要家は、配電線10から供給される電力を消費する設備を含む。需要家としては、例えば、病院、工場、学校等の施設が挙げられる。
平常時には、遮断機30は接続状態を維持し、発電所(図示せず)で発電された電力が電力系統3を介してマイクログリッド1に接続された負荷1~3に供給される。
一方、地震や台風等の災害が発生し、発電所からの電力系統3を介したマイクログリッド1への電力供給が停止すると(停電時)、遮断機30は切断状態となる。つまり、このとき、マイクログリッド1は電力系統3に対して切断される。
マイクログリッド1が電力系統3に対して切断されると、電力供給設備(発電機11a、太陽電池11b及び蓄電池11c)は、負荷1~3に電力を供給する。
<<情報処理装置>>
情報処理装置2は、マイクログリッド1が電力系統3に対して切断された場合に、マイクログリッド1に接続された複数の負荷に電力を供給する分散型の電力供給設備の容量を決定するための装置である。
情報処理装置2は、マイクログリッド1が電力系統3に対して切断された場合に、マイクログリッド1に接続された複数の負荷に電力を供給する分散型の電力供給設備の容量を決定するための装置である。
情報処理装置2による容量決定の対象となる電力供給設備を、以下では「対象設備11」と称する。本実施形態では、対象設備11は、発電機11aと、太陽電池11bと、蓄電池11cとを含む(図1)。以下、情報処理装置2のハードウェア構成及び機能ブロックについて説明する。
<情報処理装置2のハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態である情報処理装置2のハードウェア構成を示す図である。情報処理装置2は、CPU(Central Processing Unit)200、メモリ201、通信装置202、記憶装置203、入力装置204、出力装置205、及び記録媒体読取装置206を有するコンピュータである。
図2は、本発明の一実施形態である情報処理装置2のハードウェア構成を示す図である。情報処理装置2は、CPU(Central Processing Unit)200、メモリ201、通信装置202、記憶装置203、入力装置204、出力装置205、及び記録媒体読取装置206を有するコンピュータである。
[CPU200]
CPU200は、メモリ201や記憶装置203に記憶された容量決定プログラム203a(「情報処理プログラム」に相当)を実行することにより、情報処理装置2が有する様々な機能を実現する。
CPU200は、メモリ201や記憶装置203に記憶された容量決定プログラム203a(「情報処理プログラム」に相当)を実行することにより、情報処理装置2が有する様々な機能を実現する。
[メモリ201]
メモリ201は、例えばRAM(Random-Access Memory)等であり、様々なプログラムやデータ等の一時的な記憶領域として用いられる。
メモリ201は、例えばRAM(Random-Access Memory)等であり、様々なプログラムやデータ等の一時的な記憶領域として用いられる。
[通信装置202]
通信装置202は、ネットワーク5を介して、他のコンピュータと各種プログラムやデータの受け渡しを行う。
通信装置202は、ネットワーク5を介して、他のコンピュータと各種プログラムやデータの受け渡しを行う。
[記憶装置203]
記憶装置203は、CPU200によって、実行または処理される各種データを格納する非一時的な(例えば不揮発性の)記憶装置である。
記憶装置203は、CPU200によって、実行または処理される各種データを格納する非一時的な(例えば不揮発性の)記憶装置である。
図3に示すように、記憶装置203には、容量決定プログラム203aと、設備情報DB203bと、負荷実績DB203cと、気象実績DB203dと、重要度DB203eとが記憶されている。
記憶装置203に記憶されている容量決定プログラム203aや設備情報DB203b等の各種のデータベースがメモリ201に読み出されてCPU200によって実行あるいは処理されることにより、情報処理装置2の各種機能が実現される。
また容量決定プログラム203aは、本実施形態の情報処理装置2が有する機能を実現するためのプログラムを総称しており、例えば、情報処理装置2上で動作するアプリケーションプログラムやOS(Operating System)、種々のライブラリ等を含む。
設備情報DB203bには、対象設備11の情報が記録されている。対象設備11の情報とは、対象設備11の導入及び維持に要するコスト(第1コストに相当)を計算するための情報、対象設備11の仕様に関する情報等を含む。図4は、設備情報DB203bの一例を示す図である。
図4には、対象設備11の導入に要するコストを計算するための情報として、「設備導入コスト」が示されている。「設備導入コスト」とは、例えば、単位容量(1kW)を有する対象設備11の導入に要するコスト(円)である。本実施形態では、発電機11aの設備導入コストは10,000[円/kW]であるため、容量が1kWの発電機11aを導入するには、10,000円を要する。
また、図4には、対象設備11の維持に要するコストを計算するための情報として、「燃料コスト」(発電機11aのみ)及び「償却期間」が示されている。「燃料コスト」とは、例えば、発電機11aが単位電力量(1kWh)を発電するための燃料に要するコスト(円)である。「償却期間」とは、例えば、対象設備11の使用可能期間(年)であり、対象設備11の減価償却費を計上する際に用いられる情報である。
本実施形態では、発電機11aの燃料コストは10[円/kWh]であるため、発電機11aが1kWhの電力量を発電するには、10円分の燃料を要する。また、本実施形態では、発電機11aの償却期間は20年であるため、発電機11aは導入してから20年間使用可能である。
また、図4には、対象設備11の仕様に関する情報として、「出力変化率」(発電機11a及び蓄電池11cのみ)及び「最低出力」(発電機11aのみ)が示されている。
「出力変化率」とは、例えば、対象設備11の定格出力に対する発電量の時間的な変化率の許容範囲である。本実施形態では、発電機11aの出力変化率は5[%/分]であるため、1分あたりの発電量の変化は、定格出力に対して5%の範囲で許容される。「最低出力」とは、対象設備11に対して予め設定された発電量の下限である。本実施形態では、発電機11aの最低出力は20[%]であるため、発電機11aの出力が定格出力の20%を下回らないように制御される必要がある。
負荷実績DB203cには、所定の期間において負荷1~3の夫々が消費した電力(kW)及びこれらの総計が時系列で記録されている。図5は、負荷実績報DB203cの一例を示す図である。
この例では、2020年5月20日の0:00から、30分置きの消費電力(kW)が記録されている。例えば、2020年5月20日の0:00において、負荷1、負荷2及び負荷3の夫々が消費した電力は、10kW、23kW及び20kWである。この時刻における負荷1~3が消費した電力総計は、53kWである。
なお、この例では30分置きに消費電力(kW)が記録されているが、これに代えて、例えば30分間の消費電力量(kWh)を30分置きに記録することとしてもよい。
図6及び図7は、負荷実績DB203cを用いて作成された負荷1~3の夫々の消費電力の推移を示す図である。図6及び図7において、負荷1~3の夫々の消費電力の推移が積み上げグラフで示されている。
図6及び図7のグラフは夫々、2020年8月1日及び同年9月1日における0:00から翌日の0:00までのグラフである。図6及び図7に示したL(1,t)、L(2,t)及びL(3,t)は夫々、負荷1、負荷2及び負荷3の消費電力の推移である。
図6に示した2020年8月1日において、負荷1、負荷2及び負荷3の消費電力は夫々、25kW、15kW及び10kW程度で推移している。そして、負荷1~3の消費電力の総計は、50kW程度で推移している。
一方、図7に示した2020年9月1日において、負荷1、負荷2及び負荷3の消費電力は夫々、25kW、10kW及び5kW程度で推移している。そして、負荷1~3の消費電力の総計は、40kW程度で推移している。
つまり、図6及び図7からわかるように、負荷1~3の消費電力の総計は、日が異なると大きく変動する場合がある。または、負荷1のように、日が異なっても消費電力が安定的に推移する負荷もある。
気象実績DB203dには、所定の期間における地域Aの気象情報が時系列で記録されている。図8は、気象実績DB203dの一例を示す図である。
この例では、2020年5月20日の0:00から、30分置きに気象情報が記録されている。本実施形態では、気象情報として、気温、湿度、日射量、雲量及び風速が含まれている。詳細は後述するが、気象情報は、太陽電池11bが発電する電力を計算するために用いられる。
重要度DB203eには、負荷1~3の夫々に対して予め設定され、負荷1~3の夫々に対する電力供給の重要度を示す係数(以下「重要度を示す係数」又は、単に「重要度」と称する)が記録されている。図9は、重要度DB203eの一例を示す図である。この例では、重要度を示す係数が「重要度」として示されている。
「重要度を示す係数」とは、詳細は後述するが、負荷1~3の夫々に対する電力供給が平常時に比べて単位電力量(1kWh)だけ低下した場合に予想される影響をコスト(円)に換算した値であり、単位は「円/kWh」である。
本明細書において「影響」とは、例えば、電力の供給が平常時に比べて不足することにより、負荷が受ける社会的な影響をいう。
重要度を示す係数は、情報処理装置2の使用者(以下、単に「使用者」と称する)によって予め設定されている係数である。
図9の例では、負荷1の重要度が、負荷1~3のうちで最も高く設定されている。例えば、負荷1に対する電力が停止又は平常時に比べて低下すると、負荷1は、負荷2又は負荷3に比べて大きな影響を受けることが予想される場合、使用者はこの例のように設定すればよい。
[入力装置204]
入力装置204は、ユーザによるコマンドやデータの入力を受け付ける装置であり、キーボード、タッチパネルディスプレイ上でのタッチ位置を検出するタッチセンサなどの入力インタフェースを含む。
入力装置204は、ユーザによるコマンドやデータの入力を受け付ける装置であり、キーボード、タッチパネルディスプレイ上でのタッチ位置を検出するタッチセンサなどの入力インタフェースを含む。
[出力装置205]
出力装置205は、例えばディスプレイやプリンタなどの装置である。
出力装置205は、例えばディスプレイやプリンタなどの装置である。
[記録媒体読取装置206]
記録媒体読取装置206は、SDカードやDVD、CDROM等の記録媒体6に記録された容量決定プログラム203a等の様々なデータを読み取り、記憶装置203に格納する。
記録媒体読取装置206は、SDカードやDVD、CDROM等の記録媒体6に記録された容量決定プログラム203a等の様々なデータを読み取り、記憶装置203に格納する。
<各種コストについて>
情報処理装置2は、後述する対象設備11の容量を決定する処理において、導入コストCiと、維持コストCoと、遮断コストCsとを扱う。更に、情報処理装置2は、これらのコストの総和である総合コストCtを扱う。以下、夫々について定義しておく。
[総合コスト]
総合コストCtは、詳細は後述する導入コストCiと、維持コストCoと、遮断コストCsとの総和であり、下記の数式1で定義される。
情報処理装置2は、後述する対象設備11の容量を決定する処理において、導入コストCiと、維持コストCoと、遮断コストCsとを扱う。更に、情報処理装置2は、これらのコストの総和である総合コストCtを扱う。以下、夫々について定義しておく。
[総合コスト]
総合コストCtは、詳細は後述する導入コストCiと、維持コストCoと、遮断コストCsとの総和であり、下記の数式1で定義される。
ここで、右辺の添え字「i」は、対象設備11の種別(発電機11a、太陽電池11b又は蓄電池11c)を識別するための添え字である。Cpは、図4の設備情報DB203bに示した「設備導入コスト」である。Yaは、設備情報DB203bに示した「償却期間」である。
Daは、評価期間であって、単位は「日」である。「評価期間」とは、総合コストCtが発生する期間であり、停電が発生している期間を想定した期間である。
従って、数式2によれば、導入コストCiは、対象設備11の導入に要するコストを、償却期間のうちの一部の期間である評価期間のコストに換算したものである。
ここで、右辺の添え字「i」は、数式2と同様に、対象設備11の種別を識別するための添え字である。右辺の添え字「t」は、評価期間Da内の各時刻であり、所定の時間間隔Δtで抽出された時刻である。
右辺のFは、対象設備11の燃料単価であり、単位は「円/リットル」などである。Eは、対象設備11の発電効率であり、単位は「リットル/kWh」などである。G(i,t)は、対象設備11の時刻tにおける発電量であり、単位は「kW」である。Mは、対象設備11の保守に要する費用であり、単位は「円/年である」。
維持コストCoについても導入コストCiと同様に、償却期間Yaのうちの一部の期間である評価期間Daのコストに換算したものである。
[遮断コスト]
遮断コストCsは、負荷1~3の夫々に対する電力供給が平常時に比べて低下した場合に予想される影響をコスト(円)に換算した値である。遮断コストCsは、複数の負荷の夫々の遮断電力(詳細は後述)及び重要度を示す係数(図9等)で定まるコストである。遮断コストは、例えば下記の数式4で定義される。
遮断コストCsは、負荷1~3の夫々に対する電力供給が平常時に比べて低下した場合に予想される影響をコスト(円)に換算した値である。遮断コストCsは、複数の負荷の夫々の遮断電力(詳細は後述)及び重要度を示す係数(図9等)で定まるコストである。遮断コストは、例えば下記の数式4で定義される。
ここで、右辺の添え字「k」は、負荷の種別を識別するための添え字である。右辺の添え字「t」は、数式3と同様に、評価期間Da内の各時刻である。
右辺のS(k)は、図9の重要度DB203eに示した負荷kの「重要度」である。Lcut(k,t)は、負荷kの時刻tにおける遮断電力であり、単位は「kW」である。
遮断電力Lcutについて詳細に説明する。複数の負荷kの夫々の遮断電力Lcut(k,t)は、対象設備11が供給可能な電力の予測値を所定の規則に基づいて複数の負荷の夫々に分配した電力と、複数の負荷kの夫々が消費した電力の実績値とで定まる電力である。
ここでの「供給可能な電力の予測値」は、発電機11aが発電可能な電力と、蓄電池11cが放電又は充電可能な電力と、太陽電池11bが発電する電力の予測値に基づいて計算される。
また、供給可能な電力の予測値は、対象設備11(発電機11a、太陽電池11b及び蓄電池11c)の夫々の容量に基づいて計算される。なお、太陽電池11bが発電する電力の予測値については、気象実績DB203dに記録された気象情報に更に基づいて計算される。
また、「所定の規則」とは、使用者が予め定めた規則であって、特に制限はない。一例として、所定の規則は、対象設備11の夫々の容量が与えられた場合に、遮断コストCsを最小化するように、供給可能な電力の予測値を複数の負荷kの夫々に分配するとした規則であってもよい。
他の例として、所定の規則は、供給可能な電力の予測値を、重要度が高い負荷kから順番に、負荷kが消費した電力の実績値を上限として分配するとした規則であってもよい。他の例として、所定の規則は、供給可能な電力の予測値を、複数の負荷kの夫々の重要度に比例する比率で分配するとした規則であってもよい。
また、ここでの「複数の負荷の夫々が消費した電力の実績値」とは、過去の所定の期間において負荷1~3の夫々が消費した電力の実績値であり、負荷実績DB203cに記録されている。遮断電力Lcutの計算に用いられる実績値L(k,t)は、負荷実績DB203cから抽出された過去の期間の実績値である(図6又は7等)。
本実施形態では、数式4に示すように、遮断コストCsを、複数の負荷kの夫々の遮断電力Lcut(k,t)に対し、重要度を示す係数S(k)を重み係数として適用した場合の総和として定める。
以上、各種コストについて定義を行ったが、ここで各種コストの間の関係について説明する。図10は、各種コストの間の関係を説明するための概念図である。
図10において、横軸は対象設備11の容量の総計であり、縦軸は各種コストである。一般に、対象設備11の容量が大きいほど、導入コストCi及び維持コストCoは大きくなり、これらの総和も大きくなる。また、対象設備11の容量が大きいほど、遮断電力は小さく抑えられるため、遮断コストCsは小さくなる。従って、これらの総和である総合コストCtは、対象設備11の容量を変数とした場合、図10に示すように極小値を有することが期待される。
マイクログリッド1を構築する際、総合コストCtを考慮することによって、電力供給設備を導入及び維持するためのコストと、実際に災害が発生した場合に予想される影響とを考慮し、電力供給設備の容量を決定することが可能となる。
このとき、対象設備11の容量として、総合コストCtを最小化する容量を選択することが好ましい。情報処理装置2は、そのような対象設備11の容量を決定するための装置である。
<情報処理装置2の機能ブロック>
図11を用いて、情報処理装置2の構成について説明する。図11は、情報処理装置2の機能ブロックを示す図である。
図11を用いて、情報処理装置2の構成について説明する。図11は、情報処理装置2の機能ブロックを示す図である。
情報処理装置2は、取得部210(第1取得部に相当)と、取得部211(第2取得部に相当)と、取得部212(第4取得部に相当)と、取得部213(第3取得部に相当)と、計算部214と、決定部215と、出力部216とを含む。
これらの各機能は、情報処理装置2のハードウェアによって本実施形態に係る容量決定プログラム203aが実行されることにより実現される。
[取得部210]
取得部210は、設備情報DB203b(図4)から、対象設備11の導入及び維持に要するコスト(導入コストCiと、維持コストCoとの和に相当)を計算するための情報を取得する。
取得部210は、設備情報DB203b(図4)から、対象設備11の導入及び維持に要するコスト(導入コストCiと、維持コストCoとの和に相当)を計算するための情報を取得する。
本実施形態では、対象設備11として発電機11a、太陽電池11b及び蓄電池11cを含む。そのため、取得部210は、図4の設備情報DB203bから、夫々の設備に対する項目の値を抽出して取得する。
[取得部211]
取得部211は、負荷実績DB203c(図5)から、過去の所定期間における複数の負荷の夫々の消費電力の実績値を取得する。取得部211は、異なる過去の所定期間について消費電力の複数の実績値を取得する。
取得部211は、負荷実績DB203c(図5)から、過去の所定期間における複数の負荷の夫々の消費電力の実績値を取得する。取得部211は、異なる過去の所定期間について消費電力の複数の実績値を取得する。
[取得部212]
取得部212は、気象実績DB203d(図8)から、過去の所定期間の気象情報を取得する。ここでの「過去の所定期間」とは、上述の取得部211が取得した消費電力の実績値に対応する期間である。
取得部212は、気象実績DB203d(図8)から、過去の所定期間の気象情報を取得する。ここでの「過去の所定期間」とは、上述の取得部211が取得した消費電力の実績値に対応する期間である。
[取得部213]
取得部213は、重要度DB203e(図9)から、負荷1~3の夫々について、重要度を示す係数を取得する。
取得部213は、重要度DB203e(図9)から、負荷1~3の夫々について、重要度を示す係数を取得する。
[計算部214]
計算部214は、導入コストCiと、維持コストCoと、遮断コストCsとの総和である総合コストCtを最小化する際の対象設備11の容量及び負荷1~3の夫々の遮断電力を計算する。
計算部214は、導入コストCiと、維持コストCoと、遮断コストCsとの総和である総合コストCtを最小化する際の対象設備11の容量及び負荷1~3の夫々の遮断電力を計算する。
このとき、計算部214は、対象設備11の容量を決定変数とし、総合コストCtを目的関数として最小化することにより、対象設備11の容量を計算する。
計算部214は、目的関数である総合コストCtを最小化する際、以下に示す5つの制約条件(制約条件1~5)を課す。以下、夫々について説明する。
・制約条件1
計算部214は、評価期間Da内の各時刻tにおいて、供給可能な電力の予測値から蓄電池11cに充電される電力の予測値を減じた量と、複数の負荷の消費電力の実績値から複数の負荷の夫々の遮断電力を減じた量とが等しいとする条件の下で、対象設備11の容量を計算する。
計算部214は、評価期間Da内の各時刻tにおいて、供給可能な電力の予測値から蓄電池11cに充電される電力の予測値を減じた量と、複数の負荷の消費電力の実績値から複数の負荷の夫々の遮断電力を減じた量とが等しいとする条件の下で、対象設備11の容量を計算する。
ここで、左辺の添え字「i」は、対象設備11の種別(発電機11a、太陽電池11b及び蓄電池11c)の夫々が複数である場合に、それらを識別するための添え字である。本実施形態では、発電機11a、太陽電池11b及び蓄電池11cの夫々の数は1であるため、a=b=c=1である。
右辺の添え字「i」は、負荷を識別するための添え字である。本実施形態では、負荷の数は3であるため、n=3である。
左辺のG(i,t)は、添え字「i」に対応する発電機11aが時刻tにおいて発電する電力である。R(i,t)は、添え字「i」に対応する太陽電池11bが時刻tにおいて発電する電力である。Bd(i,t)は、添え字「i」に対応する蓄電池11cが時刻tにおいて放電する電力である。Bc(i,t)は、添え字「i」に対応する蓄電池11cが時刻tにおいて充電する電力である。
右辺のL(i,t)は、負荷iが時刻tに消費した電力の実績値である。Lcut(i,t)は、負荷iの時刻tにおける遮断電力である。
・制約条件2
計算部214は、各時刻tにおいて、発電機11aの出力変化率が規定値の範囲内であるとする条件の下で対象設備11の容量を計算する。
計算部214は、各時刻tにおいて、発電機11aの出力変化率が規定値の範囲内であるとする条件の下で対象設備11の容量を計算する。
ここで、添え字「i」は、発電機11aの数が複数である場合に、それらを識別するための添え字であるが、本実施形態では発電機11aの数は1である。ΔGmin及びΔGmaxは夫々、発電機11aの出力変化率の下限及び上限である。
・制約条件3
計算部214は、各時刻tにおいて、発電機11aの出力が、規定値以上であるとする条件の下で対象設備11の容量を計算する。
計算部214は、各時刻tにおいて、発電機11aの出力が、規定値以上であるとする条件の下で対象設備11の容量を計算する。
ここで、添え字「i」は、数式6と同様である。Gminは、発電機11aの出力の下限である。
・制約条件4
計算部214は、評価期間Da内の各時刻tにおいて、対象設備11の夫々の燃料タンク内の燃料の残量が、規定値の範囲であるとする条件の下で対象設備11の容量を計算する。
計算部214は、評価期間Da内の各時刻tにおいて、対象設備11の夫々の燃料タンク内の燃料の残量が、規定値の範囲であるとする条件の下で対象設備11の容量を計算する。
ここで、添え字「i」は、数式2等と同様に、対象設備11の種別を識別するための添え字である。Fmin及びFmaxは夫々、燃料タンク内の燃料残量の下限及び上限である。Fは、燃料タンク内の燃料の残量である。
・制約条件5
計算部214は、評価期間Da内の各時刻tにおいて、蓄電池11cの充電状態(State Of Charge)が、規定値の範囲であるとする条件の下で対象設備11の容量を計算する。
・制約条件5
計算部214は、評価期間Da内の各時刻tにおいて、蓄電池11cの充電状態(State Of Charge)が、規定値の範囲であるとする条件の下で対象設備11の容量を計算する。
ここで、SOCは、蓄電池11cの充電状態であり、単位は「%」である。SOCが100%のときは満充電状態であり、0%のときは完全放電状態である。SOCmin及びSOCmaxはそれぞれ、SOCの下限値である。
本実施形態では、計算部214は、複数の消費電力の実績値の夫々についての総合コストCtを最小化する、複数通りの対象設備11の容量を計算する。
[決定部215]
決定部215は、計算部214による計算結果に基づいて対象設備11の容量を決定する。本実施形態では、決定部215は、計算部214が計算した複数通りの対象設備11の容量に基づいて、対象設備11の容量を決定する。具体的には、決定部215は、複数通りの対象設備11の最大の容量の値を、対象設備11の容量として決定する。
決定部215は、計算部214による計算結果に基づいて対象設備11の容量を決定する。本実施形態では、決定部215は、計算部214が計算した複数通りの対象設備11の容量に基づいて、対象設備11の容量を決定する。具体的には、決定部215は、複数通りの対象設備11の最大の容量の値を、対象設備11の容量として決定する。
ここで決定部215が決定する容量の一例として、複数通りの対象設備11の容量のうち最大の容量の値としたがこれに限られない。例えば、決定部215が決定する容量として、最大の容量の値に対して所定の値をマージンとして加えた値等であってもよい。また、決定部215が決定する容量の他の例として、複数通りの対象設備11の容量のうち、上位の2番目の容量、上位の2番目までの容量の平均等であっても、複数通りの対象設備11の容量の平均よりも大きければよい。
決定部215は、少なくとも、複数通りの対象設備11の容量の平均値より大きい値を、対象設備11の容量とすれば、導入コストCi及び維持コストCoの総計を抑制しつつ、より確実に重要度の高い負荷に電力を供給できる。
本実施形態では、決定部215は、複数通りの対象設備11の容量のうち最大の容量を、対象設備11の容量として決定する。
[出力部216]
出力部216は、決定部215によって決定された対象設備11の容量を出力する。
出力部216は、決定部215によって決定された対象設備11の容量を出力する。
以上、情報処理装置2の構成について説明した。このような構成によれば、電力供給設備を導入及び維持するためのコストと、実際に災害が発生した場合に予想される影響とを考慮し、電力供給設備の容量を決定することが可能となる。
<対象設備の容量を出力するまでの処理>
図12を用いて、対象設備11の容量を出力するまでの処理について説明する。図12は、情報処理装置2が対象設備11の容量を出力するまでの処理の流れを説明するフローチャートである。対象設備11の容量を出力するまでの処理は、ステップS101~S107を含む。
図12を用いて、対象設備11の容量を出力するまでの処理について説明する。図12は、情報処理装置2が対象設備11の容量を出力するまでの処理の流れを説明するフローチャートである。対象設備11の容量を出力するまでの処理は、ステップS101~S107を含む。
先ず、ステップS101において、取得部210は、設備情報DB203b(図4)から、対象設備11の導入及び維持に要するコスト(導入コストCiと、維持コストCoとの和に相当)を計算するための情報を取得する。
本実施形態では、対象設備11として、発電機11a、太陽電池11b及び蓄電池11cを含むため、図4の設備情報DB203bから、夫々の設備に対する項目の値を抽出して取得する。
次いで、ステップS102において、取得部211は、負荷実績DB203c(図5)から、過去の所定期間における複数の負荷の夫々の消費電力の実績値を取得する。ここで、取得部211は、異なる過去の所定期間について消費電力の複数の実績値を取得する。
この例では、取得部211は、異なる過去の所定期間として、過去1年間以内の日のうち、2020年8月1日、9月1日、10月1日、11月1日、12月1日、2021年1月1日、2月1日、3月1日、4月1日及び5月1日の10日(夫々、パターン1~10に対応する)の夫々の、暦日の消費電力の実績値を、負荷実績DB203cから抽出して取得する。
図6及び図7は、2020年8月1日(パターン1)及び9月1日(パターン2)の夫々の暦日の消費電力の実績値をグラフで示したものである。例えば、図6に示した2020年8月1日において、負荷1、負荷2及び負荷3の消費電力は夫々、25kW、15kW及び10kW程度で推移している。そして、負荷1~3の消費電力の総計は、50kW程度で推移している。
次いで、ステップS103において、取得部212は、気象実績DB203d(図8)から、過去の所定期間の気象情報を取得する(ステップS103)。ここでの「過去の所定期間」とは、上述の取得部211が取得した消費電力の実績値に対応する期間である。
つまり、この例では、取得部212は、過去1年間以内の日のうち、2020年8月1日、9月1日、10月1日、11月1日、12月1日、2021年1月1日、2月1日、3月1日、4月1日及び5月1日の10日(夫々、上述のパターン1~10に対応する)の夫々の、気象情報を、気象実績DB203dから抽出して取得する。
次いで、ステップS104において、取得部213は、重要度DB203e(図9)から、負荷1~3の夫々について、重要度を示す係数を取得する。取得部213は、負荷1、負荷2及び負荷3の重要度として夫々、25円/kWh、10円/kWh及び0円/kWhを取得する。
次いで、ステップS105において、計算部214は、導入コストCiと、維持コストCoと、遮断コストCsとの総和である総合コストCtを最小化する際の対象設備11の容量を計算する。
このとき、計算部214は、対象設備11の容量を決定変数とし、総合コストCtを目的関数として最小化することにより、対象設備11の容量を計算する。
また、このとき、計算部214は、上述した5つの制約条件(制約条件1~5)を課して、目的関数である総合コストCtを最小化する。
本実施形態では、計算部214は、ステップS105において、複数の消費電力の実績値の夫々についての総合コストCtを最小化する、複数通りの対象設備11の容量を計算する。複数の消費電力の実績値とは、取得部211がステップS102において取得した、10日の夫々の暦日の消費電力の実績値である。
計算部214による計算結果の例について説明する。図13及び図14は、気象情報の実績値毎に行った対象設備11の容量の計算結果の例を示す図である。図15は、対象設備11の容量の計算結果の例を示す図である。
図13及び図14は夫々、2020年8月1日(パターン1であって、図6に対応する)及び9月1日(パターン2であって、図7に対応する)の消費電力の実績値に基づく計算結果を示す図である。図13及び図14の夫々において、図6及び図7に示した実績値が破線で示されている。なお、10日のうち他の8日についての結果の図示は省略する。
図13及び図14には、各時刻tに、発電機11aが発電する電力G(t)、蓄電池11cが放電する電力Bd(t)、蓄電池11cが充電する電力Bc(t)及び太陽電池11bが発電する電力R(t)が示されている。
更に、図13及び図14には、各時刻tにおける、負荷k(k=1、2)についての遮断電力Lcut(k,t)が示されている。なお、負荷1についての遮断電力Lcut(1,t)は示されていないが、これは、遮断電力Lcut(1,t)が0であると計算されたことによる。
例えば、図6及び図13に着目すると、図6に示した負荷1の消費電力の実績値L(1,t)は、図13に示した発電機11aが発電する電力G(t)によって、1暦日に亘って賄えることがわかる。これは、負荷1~3のうち負荷1の重要度を示す係数が最も大きく設定されていることによる。これによって、負荷1の電力需要を優先的に満たせるよう、対象設備11の容量が計算される。
また、図6に示した負荷2の消費電力の実績値L(2,t)は、10:00~15:00付近の時間帯では、図13に示した太陽電池11bが発電する電力R(t)で全て賄えることがわかる。他の時間帯については、図13に示した太陽電池11bが発電する電力R(t)で一部のみ賄えることがわかる。
また、図6に示した負荷3の消費電力の実績値L(3,t)は、10:00~15:00付近の時間帯では、図13に示した太陽電池11bが発電する電力R(t)で全て賄えることがわかる。他の時間帯については、負荷3に対する電力の供給が完全に停止していることがわかる。これは、負荷1~3のうち負荷3の重要度を示す係数が最も小さく設定されていることによる。これによって、負荷3の電力需要を満たす優先度を最も下げるよう、対象設備11の容量が計算される。
図15に示すように、パターン1(2020年8月1日)について計算された発電機11a、太陽電池11b及び蓄電池11cの夫々の容量は、30kW、75kW及び25kWである。パターン2(2020年9月1日)について計算された発電機11a、太陽電池11b及び蓄電池11cの夫々の容量は、45kW、52kW及び34kWである。
詳細は後述するが、図15に示した計算結果に基づいて、決定部215は、対象設備11の容量を一意に決定する。
次いで、ステップS106において、決定部215は、計算部214による計算結果に基づいて対象設備11の容量を決定する。
本実施形態では、決定部215は、図15に示した複数通りの対象設備11の容量に基づいて、対象設備11の容量を決定する。図16は、決定部215によって決定された対象設備11の容量の一例を示す図である。
決定部215は、複数通りの対象設備11の容量のうち最大の容量を、対象設備11の容量として決定する。具体的には、図15に示した計算結果において、発電機11aの容量については、パターン1~10のうち、パターン5の結果が50kWで最大である。同様に、太陽電池11bの容量については、パターン6の結果が82kWで最大である。同様に、蓄電池11cの容量については、パターン3の結果が62kWで最大である。
決定部215は、上記の結果から、発電機11a、太陽電池11b及び蓄電池11cの容量を夫々、50kW、82kW及び62kWと決定する(図16)。
次いで、ステップS107において、出力部216は、決定部215によって決定された対象設備11の容量を出力する。
以上、情報処理装置2の処理手順について説明した。このような処理手順によれば、電力供給設備を導入及び維持するためのコストと、実際に災害が発生した場合に予想される影響とを考慮し、電力供給設備の容量を決定することが可能となる。
==まとめ==
以上、実施形態の情報処理装置2は、マイクログリッド1が電力系統3に対して切断された場合にマイクログリッド1に接続された複数の負荷に電力を供給すべく対象設備11の容量を決定する情報処理装置2であって、対象設備11の導入及び維持に要する第1コストを計算するための情報を取得する取得部210と、過去の所定期間における複数の負荷の夫々の消費電力の実績値を取得する取得部211と、複数の負荷の夫々に対して予め設定され、複数の負荷の夫々に対する電力供給の重要度を示す係数を取得する取得部213と、前記第1コストを計算するための情報に基づいて得られる第1コストと、複数の負荷の夫々の遮断電力及び係数で定まる第2コストとの総和である総合コストを最小化する際の対象設備11の容量及び複数の負荷の夫々の遮断電力を計算する計算部214と、を備える。
以上、実施形態の情報処理装置2は、マイクログリッド1が電力系統3に対して切断された場合にマイクログリッド1に接続された複数の負荷に電力を供給すべく対象設備11の容量を決定する情報処理装置2であって、対象設備11の導入及び維持に要する第1コストを計算するための情報を取得する取得部210と、過去の所定期間における複数の負荷の夫々の消費電力の実績値を取得する取得部211と、複数の負荷の夫々に対して予め設定され、複数の負荷の夫々に対する電力供給の重要度を示す係数を取得する取得部213と、前記第1コストを計算するための情報に基づいて得られる第1コストと、複数の負荷の夫々の遮断電力及び係数で定まる第2コストとの総和である総合コストを最小化する際の対象設備11の容量及び複数の負荷の夫々の遮断電力を計算する計算部214と、を備える。
このような構成によれば、電力供給設備を導入及び維持するためのコストと、実際に災害が発生した場合に予想される影響とを考慮し、電力供給設備の容量を決定することができる。
また、実施形態の情報処理装置2において、計算部214は、第2コストを、複数の負荷の夫々の遮断電力に対し、重要度を示す係数を重み係数として適用した場合の総和として定め、対象設備11の容量を決定変数とし、総合コストを目的関数として最小化することにより、対象設備11の容量を計算する。このような構成によれば、第2コストの精度が向上するため、実際に災害が発生した場合に予想される影響を正確に評価することができる。
また、実施形態の情報処理装置2は、計算部214による計算結果に基づいて対象設備11の容量を決定する決定部215を更に備え、取得部211は、異なる過去の所定期間について消費電力の複数の実績値を取得し、計算部214は、複数の実績値の夫々についての総合コストを最小化する、複数通りの対象設備11の容量を計算し、決定部215は、複数通りの対象設備11の容量の平均値よりも大きい容量の値を、対象設備11の容量として決定する。このような構成によれば、季節や気象等の変動を考慮して、対象設備11の容量を決定することができる。
また、実施形態の情報処理装置2において、決定部215は、複数通りの対象設備11の容量のうち最大の容量を、対象設備11の容量として決定する。このような構成によれば、季節や気象等が変動しても、必要最低限の電力を供給可能な対象設備11の容量を決定することができる。
また、実施形態の情報処理装置2において、対象設備11は、発電機11aと、蓄電池11cと、太陽電池11bとを含み、過去の所定期間の気象情報を取得する取得部212を更に備え、計算部214は、気象情報に基づいて太陽電池11bが発電する電力の予測値を計算し、供給可能な電力の予測値を、発電機11aが発電する電力の予測値と、蓄電池11cが放電又は充電する電力の予測値と、太陽電池11bが発電する電力の予測値に基づいて計算する。このような構成によれば、電力の供給源を分散することができ、電力の供給を安定させることができる。
また、実施形態の情報処理装置2において、計算部214は、各時刻において、供給可能な電力の予測値から蓄電池11cに充電される電力の予測値を減じた量と、複数の負荷の消費電力の実績値から複数の負荷の夫々の遮断電力を減じた量とが等しいとする条件の下で、対象設備11の容量を計算する。このような構成によれば、更に現実に基づいた容量の計算が可能になり、容量の計算精度が向上する。
実施形態の情報処理方法は、マイクログリッド1が電力系統3に対して切断された場合にマイクログリッド1に接続された複数の負荷に電力を供給すべく対象設備11の容量を決定する情報処理方法であって、対象設備11の導入及び維持に要する第1コストを計算するための情報を取得するステップと、過去の所定期間における複数の負荷の夫々の消費電力の実績値を取得するステップと、複数の負荷の夫々に対して予め設定され、複数の負荷の夫々に対する電力供給の重要度を示す係数を取得するステップと、前記第1コストを計算するための情報に基づいて得られる第1コストと、複数の負荷の夫々の遮断電力及び重要度を示す係数で定まる第2コストとの総和である総合コストを最小化する際の前対象設備11の容量及び複数の負荷の夫々の遮断電力を計算するステップと、を含む。
このような方法によれば、電力供給設備を導入及び維持するためのコストと、実際に災害が発生した場合に予想される影響とを考慮し、電力供給設備の容量を決定することができる。
実施形態の情報処理プログラムは、マイクログリッド1が電力系統3に対して切断された場合にマイクログリッド1に接続された複数の負荷に電力を供給すべく対象設備11の容量を決定する情報処理プログラムであって、コンピュータに、対象設備11の導入及び維持に要する第1コストを計算するための情報を取得する取得部210と、過去の所定期間における複数の負荷の夫々の消費電力の実績値を取得する取得部211と、複数の負荷の夫々に対して予め設定され、複数の負荷の夫々に対する電力供給の重要度を示す係数を取得する取得部213と、前記第1コストを計算するための情報に基づいて得られる第1コストと、複数の負荷の夫々の遮断電力及び重要度を示す係数で定まる第2コストとの総和である総合コストを最小化する際の前対象設備11の容量及び複数の負荷の夫々の遮断電力を計算する計算部214と、を実現さる。
このようなプログラムによれば、電力供給設備を導入及び維持するためのコストと、実際に災害が発生した場合に予想される影響とを考慮し、電力供給設備の容量を決定することができる。
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれるのはいうまでもない。
1:マイクログリッド
10:配電線
2:情報処理装置
200:CPU
201:メモリ
202:通信装置
203:記憶装置
203a:容量決定プログラム
203b:設備情報DB
203c:負荷実績DB
203d:気象実績DB
203e:重要度DB
204:入力装置
205:出力装置
206:記録媒体読取装置
210:取得部
211:取得部
212:取得部
213:取得部
214:計算部
215:決定部
216:出力部
3:電力系統
30:遮断機
5:ネットワーク
6:記録媒体
10:配電線
2:情報処理装置
200:CPU
201:メモリ
202:通信装置
203:記憶装置
203a:容量決定プログラム
203b:設備情報DB
203c:負荷実績DB
203d:気象実績DB
203e:重要度DB
204:入力装置
205:出力装置
206:記録媒体読取装置
210:取得部
211:取得部
212:取得部
213:取得部
214:計算部
215:決定部
216:出力部
3:電力系統
30:遮断機
5:ネットワーク
6:記録媒体
Claims (8)
- マイクログリッドが電力系統に対して切断された場合に前記マイクログリッドに接続された複数の負荷に電力を供給すべく対象設備の容量を決定する情報処理装置であって、
前記対象設備の導入及び維持に要する第1コストを計算するための情報を取得する第1取得部と、
過去の所定期間における前記複数の負荷の夫々の消費電力の実績値を取得する第2取得部と、
前記複数の負荷の夫々に対して予め設定され、前記複数の負荷の夫々に対する電力供給の重要度を示す係数を取得する第3取得部と、
前記第1コストを計算するための情報に基づいて得られる前記第1コストと、前記複数の負荷の夫々の遮断電力及び前記係数で定まる第2コストとの総和である総合コストを最小化する際の前対象設備の容量及び複数の負荷の夫々の遮断電力を計算する計算部と
を備える情報処理装置。 - 請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記計算部は、
前記第2コストを、前記複数の負荷の夫々の遮断電力に対し、前記係数を重み係数として適用した場合の総和として定め、
前記対象設備の容量を決定変数とし、前記総合コストを目的関数として最小化することにより、前記対象設備の容量を計算する、
情報処理装置。 - 請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記計算部による計算結果に基づいて前記対象設備の容量を決定する決定部を更に備え、
前記第2取得部は、異なる過去の所定期間について前記消費電力の複数の実績値を取得し、
前記計算部は、前記複数の実績値の夫々についての前記総合コストを最小化する、複数通りの前記対象設備の容量を計算し、
前記決定部は、前記複数通りの前記対象設備の容量の平均値よりも大きい容量の値を、前記対象設備の容量として決定する、
情報処理装置。 - 請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記決定部は、前記複数通りの前記対象設備の容量のうち最大の容量を、前記対象設備の容量として決定する、
情報処理装置。 - 請求項1~4の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記対象設備は、発電機と、蓄電池と、太陽電池とを含み、
前記過去の所定期間の気象情報を取得する第4取得部を更に備え、
前記計算部は、
前記気象情報に基づいて前記太陽電池が発電する電力の予測値を計算し、
前記供給可能な電力の予測値を、前記発電機が発電する電力の予測値と、前記蓄電池が放電又は充電する電力の予測値と、前記太陽電池が発電する電力の予測値に基づいて計算する、
情報処理装置。 - 請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記計算部は、各時刻において、前記供給可能な電力の予測値から前記蓄電池に充電される電力の予測値を減じた量と、前記複数の負荷の消費電力の実績値から前記複数の負荷の夫々の遮断電力を減じた量とが等しいとする条件の下で、前記対象設備の容量を計算する、
情報処理装置。 - マイクログリッドが電力系統に対して切断された場合に前記マイクログリッドに接続された複数の負荷に電力を供給すべく対象設備の容量を決定する情報処理方法であって、
前記対象設備の導入及び維持に要する第1コストを計算するための情報を取得するステップと、
過去の所定期間における前記複数の負荷の夫々の消費電力の実績値を取得するステップと、
前記複数の負荷の夫々に対して予め設定され、前記複数の負荷の夫々に対する電力供給の重要度を示す係数を取得するステップと、
前記第1コストを計算するための情報に基づいて得られる前記第1コストと、前記複数の負荷の夫々の遮断電力及び前記係数で定まる第2コストとの総和である総合コストを最小化する際の前対象設備の容量及び複数の負荷の夫々の遮断電力を計算するステップと、
を含む情報処理方法。 - マイクログリッドが電力系統に対して切断された場合に前記マイクログリッドに接続された複数の負荷に電力を供給すべく対象設備の容量を決定する情報処理プログラムであって、
コンピュータに、
前記対象設備の導入及び維持に要する第1コストを計算するための情報を取得する第1取得部と、
過去の所定期間における前記複数の負荷の夫々の消費電力の実績値を取得する第2取得部と、
前記複数の負荷の夫々に対して予め設定され、前記複数の負荷の夫々に対する電力供給の重要度を示す係数を取得する第3取得部と、
前記第1コストを計算するための情報に基づいて得られる前記第1コストと、前記複数の負荷の夫々の遮断電力及び前記係数で定まる第2コストとの総和である総合コストを最小化する際の前対象設備の容量及び複数の負荷の夫々の遮断電力を計算する計算部と、
を実現させる、
情報処理プログラム。
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