JP2023101933A - 保全最適化支援装置及び保全最適化支援方法 - Google Patents

保全最適化支援装置及び保全最適化支援方法 Download PDF

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尚幸 河野
Naoyuki Kono
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Abstract

【課題】原子力プラントの保全活動を適切に支援することができる保全最適化支援装置を提供する。【解決手段】原子力発電プラントにおいて、設計あるいは現場からの情報を活用して保全活動を最適化する保全最適化支援装置100は、保全対象となる系統に対して、当該系統の系統機能について要素機能単位での重要性、当該要素機能を実現する構成機器の必要性によって、機器の保全に対する重要度をクラスに分類するクラス分類部12と、当該クラスに応じて、参照に使用する情報を変化させ、現状の保全活動に関する情報と当該保全活動が適正であるかを判断するための情報とを対比させることによって、当該クラスごとに、適正化すべき保全活動・監視項目の候補を出力する候補出力部14と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、原子力発電所における保全活動を最適化する保全最適化支援装置及び保全最適化支援方法に関する。
原子力発電プラントは、数百の系統、それを構成する多数の機器から構成され、安全性を維持しつつ、発電プラントの性能を発揮するために、運転中からプラント中も含めて、信頼性を維持・向上するための保全活動を実施している。
建設当初から、厳しい基準の下に保全活動を実施してきたが、最近の規制動向、国内外の運転実績、建設以降の技術向上等を考慮すると、よりいっそうの保全活動の最適化に取り組むニーズがある。
特許文献1は、予兆診断システムとして、点検の対象機器および対象機器と同種の複数の同種機器の計測値の累積データから特徴量を抽出したクラスタ集合を生成するクラスタ集合生成手段と、生成したクラスタ集合と対象機器の計測値とに基づき、異常度を算出する異常度計算手段と、算出された異常度に基づいて対象機器の点検時期の予測に用いるクラスタをクラスタ集合から選択するクラスタ選択手段と、選択したクラスタに基づいて対象機器の機器状態の予測値を算出し、予測値と所定閾値に基づいて対象機器の点検時期を予測する点検時期予測手段とを有することが開示されている。
特開2016-157206号公報
特許文献1は、部品に対する試験データと実機測定データを用い、交換部品の余寿命予測を行うものである。機器や部品の劣化に注目して保全の適正化を実施するために、原子力発電プラントなどのように、構成機器や部品が多数ある場合に、一律にすべての対象機器に関して保全適正化の計画・実行を実行する場合には、効率的な運用が課題となる。
多数の機器から構成される発電プラントの保全適正化にあたって、数万に及ぶ機器に対して、優先度を付けて検討することが、作業の信頼性や効率性の確保の観点で重要である。
本発明は、前記の課題を解決するための発明であって、原子力プラントの保全活動を適切に支援することができる保全最適化支援装置及び保全最適化支援方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の保全最適化支援装置は、原子力発電プラントにおいて、設計あるいは現場からの情報を活用して保全活動を最適化する保全最適化支援装置において、保全対象となる系統に対して、当該系統の系統機能について要素機能単位での重要性、当該要素機能を実現する構成機器の必要性によって、機器の保全に対する重要度をクラスに分類するクラス分類部と、当該クラスに応じて、参照に使用する情報を変化させ、現状の保全活動に関する情報と当該保全活動が適正であるかを判断するための情報とを対比させることによって、当該クラスごとに、適正化すべき保全活動・監視項目の候補を出力する候補出力部と、を有することを特徴とする。本発明のその他の態様については、後記する実施形態において説明する。
本発明によれば、原子力プラントの保全活動を適切に支援することができる。
本実施形態に係る保全最適化支援システムの構成を示す図である。 本実施形態に係る保全最適化支援処理の概要を示すフローチャートである。 クラス分類判定テーブルの例を示す図である。 機器管理DBの構成データ例を示す図である。 保全活動・監視項目DBの構成データ例を示す図である。 センシングDBの構成データ例を示す図である。 FMEA DBの構成データ例を示す図である。 フィールドデータDBの構成データ例を示す図である。 保全最適化支援処理の詳細を示すフローチャートである。 系統・機能・コンポーネントの対応テーブルの例を示す図である。 クラスAの候補リストの例を示す図である。 クラスBの候補リストの例を示す図である。 クラスCの候補リストの例を示す図である。
本実施形態では、原子力発電所における保全活動を最適化する保全最適化支援装置及び保全最適化支援方法を提案している。まず、本実施形態で使用する用語、特徴等を説明する。
本願発明では、保全対象となる系統に対して、当該系統の系統機能について「要素機能」の用語を使用している。本願発明では、まず、系統の担う機能を、例えば、耐圧、冷却、流量制御などの「要素機能」に分解する。その上で、系統に要求される機能だけで重要度を分類するのではなく、系統に要求される機能に対応する、系統の「要素機能」の重要性として、重み付けをする。一方、系統を構成する機器に対しては、「要素機能」を果たす上での必要性という観点で、重み付けをする。
重み付けの例を図10に示す。詳細は後述するが、系統の担う要素機能を、冷却機能、隔離機能、流量制御機能等に分解し、その機能の重要性を、H(High)、M(Middle)、L(Low)と重み付けしている。一方、機器に対するコンポーネントの必要性を、H(High)、M(Middle)、L(Low)、寄与なしと重み付けしている。このように、「要素機能」を媒介にして、系統、機器の関係を明確にできることがひとつの特徴である。
そして、図3に示すクラス分類判定テーブル27に基づき、保全対象となる系統に対して、当該系統の系統機能について「要素機能」単位での重要性、当該「要素機能」を実現する構成機器の必要性によって、機器の保全に対する重要度をクラス(クラスA、クラスB、クラスC)に分類している。
なお、国内では、発電用軽水炉施設の安全性を確保するために必要な機能について、安全上の見地からそれらの相対的重要度を定め、構築物、系統、機器の設計について重要度に従って」、クラス1、クラス2、クラス3のように分類されている。従来の保全では、保全の重要度の設定において、最初に、系統の安全重要度で判定し、その後、機器の故障が系統機能に与える影響で、機器の保全重要度を分類する考え方が取られている。
<保全最適化支援システム>
図1は、本実施形態に係る保全最適化支援システム300の構成を示す図である。保全最適化支援システム300は、保全最適化支援装置100と、外部記憶装置のデータベース装置200を有する。保全最適化支援装置100は、処理部10、記憶部20、入力部30、出力部40、通信部50を有する。処理部10は、機器関係抽出部11、クラス分類部12、抽出・比較部13、候補出力部14等を有する。処理部10の詳細は、図2で後述する。
記憶部20には、系統・機能・コンポーネントの対応テーブル21、保全活動抽出情報22、フィールドデータ抽出情報23、FMEA抽出情報24、センシング抽出情報25、最適化のための候補データテーブルである候補リスト26、クラス分類判定テーブル27等が記憶されている。記憶部20のテーブルおよび抽出情報は、図11~図13で後述する。
図1において、処理部10は、中央演算処理装置(CPU)であり、RAMやHDD等に格納される各種プログラムを実行する。記憶部20は、HDDであり、保全最適化支援装置100が処理を実行するための各種データを保存する。入力部30は、キーボードやマウス等のコンピュータに指示を入力するための装置であり、プログラム起動等の指示を入力する。出力部40は、ディスプレイ等であり、保全最適化支援装置100による処理の実行状況や実行結果等を表示する。通信部50は、ネットワークNWを介して、他の装置と各種データやコマンドを交換する。
データベース装置200には、構成管理DB210、保全活動・監視項目DB220、センシングDB230、FMEA DB240、フィールドデータDB250等を有する。なお、DBはデータベースを意味する。FMEAは、Failure Mode and Effect Analysisの略称であり、故障・不具合の防止を目的とした、潜在的な故障の体系的な分析方法である。
各DBに格納されるデータについて説明する。
構成管理DB210は、発電プラントに対する設計要求、設計図書、実体のデータから構成されるデータベースである。
保全活動・監視項目DB220は、発電プラントの保全活動と監視項目の情報、すなわち、その内容、頻度、対象となる劣化事象を含むデータベースである。
センシングDB230は、発電プラントに適用可能なセンシング技術に関して、カバーする劣化モード、測定方法(原理、センサ設置場所など)を含むデータベースである。
FMEA DB240は、発電プラントを構成する機器に対する、劣化モード、すなわち、故障部位、劣化メカニズム、劣化の影響、劣化の重大度、劣化の頻度、および、有効な保全活動・監視項目等を含むデータベースである。
フィールドデータDB250は、保全活動の結果(点検結果、試験結果など)の他、点検手入れ前のデータ、日々の監視データなど、現場で取得されるデータを含むデータベースである。
<保全最適化支援処理の概要>
図2は、本実施形態に係る保全最適化支援処理S100の概要を示すフローチャートである。
機器関係抽出部11は、国内原子力発電所の保全対象機器について、系統、系統の要素機能、系統を構成する機器の関係を抽出する(処理S1:機器関係抽出処理)。
クラス分類部12は、系統の果たす重要な要素機能に対する必要性によって機器を3段階のクラス(クラスA、クラスB、クラスC)に分類する(処理S2:クラス分類処理)。
抽出・比較部13は、クラス(クラスA、クラスB、クラスC)ごとにデータベースと対比し、保全活動、監視項目の適正化の候補を検討する(処理S3:抽出・比較処理)。
候補出力部14は、更新すべき保全活動・監視項目の候補をデータテーブル又はリストに出力する(処理S4:候補出力処理)。
本実施形態では、保全最適化支援処理S100を機器関係抽出部11、クラス分類部12、抽出・比較部13、候補出力部14で実施しているがこれに限定されるわけではない。例えば、クラス分類部12に機器関係抽出部11を含めてもよいし、候補出力部14に抽出・比較部13を含めてもよい。
すなわち、処理部10(図1参照)は、保全対象となる系統に対して、当該系統の系統機能について要素機能単位での重要性、当該要素機能を実現する構成機器の必要性によって、機器の保全に対する重要度をクラスに分類するクラス分類部12と、当該クラスに応じて、参照に使用する情報を変化させ、現状の保全活動に関する情報と当該保全活動が適正であるかを判断するための情報とを対比させることによって、当該クラスごとに、適正化すべき保全活動・監視項目の候補を出力する候補出力部14と、を有する構成としてもよい。
<クラス分類判定テーブル>
図3は、クラス分類判定テーブル27の例を示す図である。クラス(クラスA、クラスB、クラスC)は、要素機能の重要性と、要素機能を実現する構成機器の必要性のマトリクスで分類される。縦軸は要素機能の重要性、横軸は要素機能に対する当該機器の必要性である。要素機能の重要性は、H(High)、M(Middle)、L(Low)の3分類である。当該機能の必要性は、H(High)、M(Middle)、L(Low)及び寄与なし(-)の4分類である。
クラスAは、要素機能の重要性が「H」、かつ、当該機器の必要性が「H」の場合である。クラスBは、要素機能の重要性が「H」、かつ、当該機器の必要性が「M」又は「L」の場合、要素機能の重要性が「M」、かつ、当該機器の必要性が「H」又は「M」の場合、要素機能の重要性が「L」、かつ、当該機器の必要性が「H」の場合である。
クラスCは、要素機能の重要性が「H」、かつ、当該機器の必要性が「-」(寄与なし)の場合、要素機能の重要性が「M」、かつ、当該機器の必要性が「L」又は「-」の場合、要素機能の重要性が「L」、かつ、当該機器の必要性が「M」又は「L」又は「-」の場合である。
<各DBの構成データ例>
図4は、構成管理DB210の構成データ例を示す図である。構成管理DB210は、カテゴリとその構成データで構成されている。カテゴリには、設計要件、施設構成情報、物理構成がある。例えば、設計要件には、法規制、設計基準図書、計算・解析結果がある。
図5は、保全活動・監視項目DB220の構成データ例を示す図である。保全活動・監視項目DB220は、保全活動、保全の頻度、対象となる劣化事象等のデータと、監視項目、監視の頻度、対象となる劣化事象等のデータを有する。具体的には、対象機器が〇〇弁の場合に、保全活動として、○〇の非破壊検査を、〇年ごとに実施していることがわかる。
図6は、センシングDB230の構成データ例を示す図である。センシングDB230は、機器名、故障部位、劣化メカニズム、劣化の要因、測定対象、測定方法、センサ設置場所等のデータを有している。図6によれば、〇〇弁の場合、故障部位としてシール部があり、パッキン劣化が予想されることがわかる。
図7は、FMEA DB240の構成データ例を示す図である。FMEA DB240は、機器名、劣化モード、有効な保全活動・監視項目等のデータ有している。劣化モードには、故障部位、劣化メカニズム、劣化の影響、劣化の重大度、劣化の頻度がある。図7によれば、〇〇弁の場合、シール部の樹脂劣化で漏えいが発生する可能性があることがわかる。
図8は、フィールドデータDB250の構成データ例を示す図である。図8のフィールドデータDB250は、図5の保全活動・監視項目DB220に対応するデータであり、保全活動、保全の頻度、保全活動の結果(実績)等のデータと、監視項目、監視の頻度、監視結果(実績)等のデータを有する。
<保全最適化支援処理の詳細>
図9は、保全最適化支援処理S100の詳細を示すフローチャートである。
機器関係抽出部11は、構成管理DB210から、保全活動適正化にあたっての優先度をつけるため、系統、系統のもつ系統機能、系統の要素機能(系統要素機能)、系統を構成する機器の関係を整理した情報を抽出し、系統・機能・コンポーネントの対応テーブル21を出力する(処理S101)。
図10は、系統・機能・コンポーネントの対応テーブル21の例を示す図である。系統・機能・コンポーネントの対応テーブル21は、系統の担う要素機能、機能の重要性、機能に対するコンポーネント(系統の構成機器)の必要性等で構成されている。
系統の担う要素機能として、冷却機能、隔離機能、流量制御機能等があり、各要素機能に対する機能の重要性が、H(High)、M(Middle)、L(Low)と重み付けされている。また、その機能に対するコンポーネントの必要性が、H(High)、M(Middle)、L(Low)、寄与なし(-)と重み付けされている。図10によれば、例えば、冷却機能の場合、機能の重要性は「M」であり、その機能に対するコンポーネントの必要性の高いものは、ポンプであることがわかる。
図10によれば、例えば、系統の担う要素機能が「冷却機能」の場合、その機能の重要性は「M」であり、機能に対するコンポーネントの必要性が、弁の場合「L」であるのに対し、ポンプの場合「H」であることがわかる。また、系統の担う要素機能が「隔離機能」の場合、その機能の重要性は「H」であり、機能に対するコンポーネントの必要性が、△△弁の場合「寄与なし」であるのに対し、〇〇弁の場合「H」であることがわかる。
本実施形態の場合、系統に要求される機能だけで重要度を分類するのではなく、系統に要求される機能に対応する、系統の要素機能の重要性として、重み付け(H、M、L)をする。一方、系統を構成する機器に対しては、要素機能を果たす上での必要性という観点で、重み付け(H、M、L、-)をしているのが特徴のひとつである。
図9に戻り、クラス分類部12は、系統・機器・コンポーネントの対応テーブル21とクラス分類判定テーブル27に基づいて、クラス分類をする(処理S102)。クラス分類により、系統の果たすべき重要な要素機能を維持するために必要な重要な機器(クラスA)か(処理S113)、当該機能維持に必須ではない機器(クラスC)か(処理S123)、それ以外か(クラスB)(処理S133)に、設定される。
(クラスA:最重要なクラス)
抽出・比較部13は、保全活動・監視項目DB220、FMEA DB240を参照するなどして、劣化モードと保全活動の対比関係を調べる(処理S114)。重要な系統要素機能を維持するために必要な重要な機器に対して劣化モードに対応する保全活動がない場合、候補出力部14は、センシングDB230を参照するなどして、追加すべき監視項目を出力する(処理S115)。
(クラスC:保全するまで稼働させる(事後保全)クラス)
抽出・比較部13は、保全活動・監視項目DB220と、系統・機能・コンポーネントの対応テーブル21を参照で得られる、その機器により達成される系統の要素機能とを対比して、保全活動の適正化を図る(処理S124)。抽出・比較部13は、保全活動が対応する機器の劣化モードが、重要な系統の要素機能に対応していない場合、あるいは、系統の要素機能の達成への必要性が低い場合は、保全活動を事後保全に切り替える候補とし、信頼性維持のため、故障検知の活動を設定する。また、必要に応じて警報を設置する。候補出力部14は、このような事後保全への切り替えや、故障検知のための監視項目の候補を出力する(処理S125)。
(クラスB:それ以外の、クラスAより重要度が低い中間のクラス)
クラスBには、クラスA、クラスC以外の機器がクラス分類されている。抽出・比較部13は、日々の点検や定期検査などの保全活動の結果と、現状実施している保全活動を対比し(処理S133)、候補出力部14は、適正化の可能性のある保全活動や監視項目の候補、すなわち、点検周期の延伸や、監視への代替等を検討する候補を出力する(処理S134)。
候補出力部14は、最後に、クラスA、クラスB、クラスCの結果を、更新すべき候補となる保全活動・監視項目のデータテーブル又は候補リスト26に集約し(処理S106)、表示部(出力部40(図1参照)に表示する。
管理者は、候補のデータテーブル又は候補リスト26に上がった保全活動・監視項目について、実際の保全活動に反映可能かを判断し、反映がOKであれば(処理S107,YES)、保全活動・監視項目DB220に反映する。反映がNOであれば(処理S107,NO)、今回の意思決定に使用した情報(データベースなど)に改善の余地がある可能性を示唆しており、管理者は、例えば、FMEA DB240等に、改善結果の反映(劣化モード等に関する情報の追加など)を実施する。
<候補リストの構成データ例>
(クラスA)
図11は、クラスAの候補リスト26の例を示す図である。系統・機能・コンポーネントの対応テーブル21は、図10に示す対応テーブルと同じである。図11の「〇〇弁」のケースでは、隔離機能は、機能の重要性が「H」、機器の必要性も「H」である(太線枠内参照)。機能の重要性×機器の必要性でみると、他は、冷却機能はM×M、流量制御機能はL×Lであるので、クラス分類の最も高いもの、すなわち、H×Hで判断する。したがって、クラスAに分類されている。
保全活動抽出情報22は、見直し前の保全活動・監視項目DB220からの抽出情報である。FMEA抽出情報24は、FMEA DB240からの抽出情報である。FMEA抽出情報24から、シール部のパッキン劣化が重大であることがわかり、保全最適化支援処理S100により、候補リスト26には新規に追加候補が出力されている。
候補リスト26には、保全活動抽出情報22と比較して、監視項目として、シール部付近の流体温度が追加されている。追加項目は、運転中に監視することにより、パッキンの熱による経年劣化を早期に把握するためとわかる。
(クラスB)
図12は、クラスBの候補リスト26の例を示す図である。系統・機能・コンポーネントの対応テーブル21は、図10に示す対応テーブルと同じである。図12の「◇◇ポンプ」のケースでは、機能の重要性×機器の必要性でみると、冷却機能はM×H、隔離機能はH×L、流量制御機能はL×H(太線枠内を参照)となり、最も高い場合で判断して、クラスBに分類されている。
保全活動抽出情報22は、見直し前の保全活動・監視項目DB220からの抽出情報である。フィールドデータ抽出情報23は、フィールドデータDB250からの抽出情報である。センシング抽出情報25は、センシングDB230からの抽出情報である。
候補リスト26には、保全活動抽出情報22と比較して、保全活動として、シール部パッキンの材料分析(硬さ分析)が追加されている。追加項目は、分解点検時に実施することにより、パッキンの経年劣化を把握するためとわかる。
(クラスC)
図13は、クラスCの候補リスト26の例を示す図である。図13の「△△弁」のケースでは、機能の重要性×機器の必要性でみると、冷却機能はM×L、隔離機能はH×-、流量制御機能はL×M(太線枠内を参照)となり、最も高い場合で判断して、クラスCに分類されている。
保全活動抽出情報22は、見直し前の保全活動・監視項目DB220からの抽出情報である。候補リスト26には、保全活動抽出情報22と比較して、保全活動の弁座の外観点検を事後保全へ切替えが候補と提案されている。この候補とした場合の補足として、監視項目の弁の開閉試験の故障検知が候補として提案されている。
以上説明した本実施形態の保全最適化支援装置100及び保全最適化支援方法は、次の特徴を有する。
(1)原子力発電プラントにおいて、設計あるいは現場からの情報を活用して保全活動を最適化する保全最適化支援装置100は、保全対象となる系統に対して、当該系統の系統機能について要素機能単位での重要性、当該要素機能を実現する構成機器の必要性によって、機器の保全に対する重要度をクラスに分類するクラス分類部12と、当該クラスに応じて、参照に使用する情報を変化させ、現状の保全活動に関する情報と当該保全活動が適正であるかを判断するための情報とを対比させることによって、当該クラスごとに、適正化すべき保全活動・監視項目の候補を出力する候補出力部14と、を有する。これにより、原子力プラントの保全活動を適切に支援することができる。
(2)クラスは、保全の重要性・必要性が高いクラスAと、クラスAと比較して保全の重要性・必要性が低いクラスCと、クラスA及びクラスC以外のクラスBである(図3参照)
(3)クラスAについては、構成機器により達成される系統の要素機能とFMEAの劣化モードとを対比させ、追加の監視項目の候補を選定することができる(図11の候補リスト26参照)。
(4)クラスBについては、保全活動と点検又は保全活動の実績データ(フィールドデータ)とを対比させ、適正化の可能性のある保全活動又は監視項目の少なくとも一方の候補を選定することができる(図12の候補リスト26参照)。
(5)クラスCについては、構成機器により達成される系統の要素機能と現状の保全活動とを対比させ、適正化の可能性のある保全活動の候補と、故障を検知するための監視項目の候補を選定することができる(図13の候補リスト26参照)
(6)原子力発電プラントにおいて、設計あるいは現場からの情報を活用して保全活動を最適化する保全最適化支援方法であって、保全対象となる系統に対して、当該系統の系統機能について要素機能単位での重要性、当該要素機能を実現する構成機器の必要性によって、機器の保全に対する重要度をクラスに分類し(処理S1、処理S2)、当該クラスに応じて、参照に使用する情報を変化させ、現状の保全活動に関する情報と当該保全活動が適正であるかを判断するための情報とを対比させることによって、当該クラスごとに、適正化すべき保全活動や監視項目の候補を出力する(処理S3、処理S4)。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
10 処理部
11 機器関係抽出部
12 クラス分類部
13 抽出・比較部
14 候補出力部
20 記憶部
21 系統・機能・コンポーネントの対応テーブル
22 保全活動抽出情報
23 フィールドデータ抽出情報
24 FMEA抽出情報
25 センシング抽出情報
26 候補リスト
27 クラス分類判定テーブル
30 入力部
40 出力部
50 通信部
100 保全最適化支援装置
200 データベース装置
210 構成管理DB
220 保全活動・監視項目DB
230 センシングDB
240 FMEA DB
250 フィールドデータDB
300 保全最適化支援システム
S1 機器関係抽出処理
S2 クラス分類処理
S3 抽出・比較処理
S4 候補出力処理
S100 保全最適化支援処理

Claims (6)

  1. 原子力発電プラントにおいて、設計あるいは現場からの情報を活用して保全活動を最適化する保全最適化支援装置において、
    保全対象となる系統に対して、当該系統の系統機能について要素機能単位での重要性、当該要素機能を実現する構成機器の必要性によって、機器の保全に対する重要度をクラスに分類するクラス分類部と、
    当該クラスに応じて、参照に使用する情報を変化させ、現状の保全活動に関する情報と当該保全活動が適正であるかを判断するための情報とを対比させることによって、当該クラスごとに、適正化すべき保全活動・監視項目の候補を出力する候補出力部と、を有する
    ことを特徴とする保全最適化支援装置。
  2. 前記クラスは、保全の重要性・必要性が高いクラスAと、前記クラスAと比較して保全の重要性・必要性が低いクラスCと、前記クラスA及び前記クラスC以外のクラスBであることを特徴とする請求項1に記載の保全最適化支援装置。
  3. 前記クラスAについては、構成機器により達成される系統の前記要素機能とFMEAの劣化モードとを対比させ、追加の監視項目の候補を選定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の保全最適化支援装置。
  4. 前記クラスBについては、保全活動と点検又は保全活動の実績データとを対比させ、適正化の可能性のある保全活動又は監視項目の少なくとも一方の候補を選定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の保全最適化支援装置。
  5. 前記クラスCについては、構成機器により達成される系統の前記要素機能と現状の保全活動とを対比させ、適正化の可能性のある保全活動の候補と、故障を検知するための監視項目の候補を選定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の保全最適化支援装置。
  6. 原子力発電プラントにおいて、設計あるいは現場からの情報を活用して保全活動を最適化する保全最適化支援方法であって、
    保全対象となる系統に対して、当該系統の系統機能について要素機能単位での重要性、当該要素機能を実現する構成機器の必要性によって、機器の保全に対する重要度をクラスに分類し、
    当該クラスに応じて、参照に使用する情報を変化させ、現状の保全活動に関する情報と当該保全活動が適正であるかを判断するための情報とを対比させることによって、当該クラスごとに、適正化すべき保全活動や監視項目の候補を出力する
    ことを特徴とする保全最適化支援方法。
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