JP2023099043A - 脳波(eeg)の非線形性の変化に基づく発作検出システム及び方法 - Google Patents

脳波(eeg)の非線形性の変化に基づく発作検出システム及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】脳波(EEG)の非線形性の変化に基づく発作検出システム及び方法を提供する。【解決手段】患者の電気的脳活動に基づいて生成された脳波(EEG)信号を受信するように構成された1つ以上の回路を含む発作検出システム。1つ以上の回路は、EEG信号の非線形特徴を示すメトリックをEEG信号に基づいて特定し、少なくとも部分的にメトリックに基づいて、EEG信号の非線形特徴の経時的な変化を特定することによって、EEG信号が候補発作を示すことを特定し、EEG信号が候補発作を示すことを示す発作アラートを生成するように構成される。非線形特徴の変化は、候補発作を引き起こす生理的力を示す。【選択図】図1

Description

本開示は、全体として脳波(EEG)解析に関する。より詳細には、本開示は、患者の発作検出のための脳波解析に関する。
関連特許出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている、2019年8月22日に出願された米国仮特許出願第62/890,497号の利益及び優先権を主張する。
発作は一般に、広範囲の医学的な問題を有する患者に起こる。世界中で5000万人以上が発作に苦しんでいる。一部の例では、発作は良性であり得るが、極端な場合は、発作が生命を脅かす可能性がある。したがって、発作を検出し、対処することが重要である。発作が早期に検出及び治療されるほど、患者の転帰は良好になる。しかしながら、患者に発作が発生していることを示す目に見える徴候がないことがあるため、発作の検出は困難な場合がある。特に、集中治療室の患者及び若い患者(小児又は幼児)が発作を起こしていることを視覚的に検出することは困難な場合がある。
したがって、しばしば、そのような患者のEEGデータの記録が、てんかん専門医による解析のために収集されることがあり、場合によっては、最大24時間の連続EEGデータ記録が、てんかん専門医による手動解析のために必要なことがある。このような大量のデータの手動解析は、煩雑で、時間がかかり、費用がかかる可能性がある。発作検出のためのいくつかの脳波解析アルゴリズムが存在するが、これらのアルゴリズムは幼児では性能が低い。例えば、いくつかの発作検出アルゴリズムは、成人では80%の検出率に達するが、幼児では50~60%の検出率しか達成しない可能性がある。また、このようなアルゴリズムはまた、多数の偽陽性率が発生する可能性があり、場合によっては、患者が幼児である場合、1人の患者に対して1日あたり100を超える偽陽性が発生する可能性がある。この偽陽性の数は、小児のすべての記録についてマニュアルレビューを必要とする。解析アルゴリズムは、必要とされるマニュアルEEGデータレビューの量を適切に減らさないからである。小児におけるこのような脳波検出アルゴリズムの失敗の一部は、小児に対して記録された異常なEEG波形の性質の高い変動性に起因する。
本開示の1つの実施は、1つ以上の回路を含む発作検出システムである。1つ以上の回路は、患者の電気的脳活動に基づいて生成された脳波(EEG)信号を受信するように構成される。1つ以上の回路は、EEG信号に基づいてメトリックを特定するように構成される。メトリックは、EEG信号の非線形特徴を示す。1つ以上の回路は、少なくとも部分的にメトリックに基づいて、EEG信号の非線形特徴の経時的な変化を特定することによって、EEG信号が候補発作を示すことを特定し、EEG信号が候補発作を示す可能性があることを示す発作アラートを生成するように構成される。本明細書で使用される「候補発作」は、任意の発作、てんかん性放電、無症状事象、技術者レビューのための潜在的発作などを指すことができる。非線形特徴の変化は、候補発作を引き起こす生理的力を示す。非線形特徴の変化の発生から候補発作の発生までの時間は様々であり得る。
いくつかの実施形態では、処理回路は、デフォルトのパラメータ値又はユーザー定義のパラメータ値の少なくとも一方に基づいて、EEG信号が候補発作を示すことを特定するように構成される。
いくつかの実施形態では、発作検出システムはクラウドベースのシステムであり、1つ以上の回路は、ネットワークを通じてローカルEEG収集システムからEEG信号を受信し、ネットワークを通じてローカルEEG収集システムに結果データを提供するように構成される。
いくつかの実施形態では、発作検出システムはローカルシステムである。いくつかの実施形態では、ローカルシステムは、ローカルEEGシステムと統合されるか又はEEG収集システムにローカル接続される。
いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にメトリックに基づいて、EEG信号の非線形特徴の変化を特定することは、非線形特徴の経時的な増加を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、非線形特徴の全体的な変化(例えば、非線形特徴がどれだけ変化したかを示す値)を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、ある期間にわたる非線形特徴の(例えば、非線形特徴のそれぞれの)全体的な増加又は全体的な減少を特定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、その期間にわたって非線形特徴の軌道が増加するか減少するかを特定することを含む。
いくつかの実施形態では、メトリックは、次元、同期性、リアプノフ指数、エントロピー、全体的な非線形性、再帰軌道間の距離差、自己相似性、又は固有値のうちの少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、1つ以上の回路は、メトリックのうちの1つを用いて、EEG信号が候補発作を示すこと又はEEG信号がノイズを含むことを示す予備解析を行うことと、メトリックのうちの1つ以上のメトリックを用いて、EEG信号が候補発作を示すかノイズ及び/又は他のアーチファクトを含むかを特定するために二次解析を行うこととによって、少なくとも部分的にメトリックに基づいて、EEG信号の非線形特徴の経時的な変化を特定することによって、EEG信号が発作アラートを示すことを特定するように構成される。
いくつかの実施形態では、1つ以上の回路は、複数の時点における複数のメトリックのそれぞれの軌道の確率を特定し、確率に基づいて複数のメトリックのそれぞれの軌道が有意であるか否かを特定するように構成される。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に複数のメトリックに基づいて、EEG信号の非線形特徴の変化を特定することは、複数のメトリックのうちの有意なメトリックをカテゴリーにマッピングすることを含み、カテゴリーは発作アラートをもたらす。いくつかの実施形態では、非線形特徴の変化を特定することは、非線形特徴の軌道を特定することを含み得る。軌道は、メトリックの経時的な変化のパターンであり得る。メトリックの軌道は、メトリックの値をプロット(又は値を記録)することによって特定することができる。いくつかの実施形態では、軌道を特定することは、位相空間におけるメトリックの値をプロットすることと、位相空間のプロットからメトリックの軌道を特定することとを含む。
いくつかの実施形態では、1つ以上の回路は、偽近傍の数がゼロに達するまで次元の値を増加させることによって位相空間解析を行うことによってEEG信号の次元を特定するように構成され、次元の初期値は患者の年齢に基づく。
いくつかの実施形態では、1つ以上の回路は、メトリックのうちの1つ以上が統計的に有意な経時的な変化を示すか否かを特定し、ユーザーインターフェースを生成するように構成される。いくつかの実施形態では、ユーザーインターフェースは、EEG信号及びメトリックのうちの1つ以上のリアルタイム傾向を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の回路は、ユーザーインターフェースデバイスにユーザーインターフェースを表示させるように構成される。
いくつかの実施形態では、メトリックの1つは固有値であり、ユーザーインターフェースは固有値の傾向をさらに含む。いくつかの実施形態では、ユーザーインターフェースがEEG信号及び固有値の傾向のビューをオペレータに提供できるように、固有値はEEG信号と共にプロットすることができる。
いくつかの実施形態では、ユーザーインターフェースはEEG信号の履歴ウィンドウをさらに含み、EEG信号の履歴ウィンドウは候補発作に関連する。
いくつかの実施形態では、1つ以上の回路は、EEG信号の固有値の移動ウィンドウを特定し、固有値が減少していることを特定し、固有値が減少しているという特定に応答して、少なくとも部分的にメトリックに基づいてEEG信号が候補発作と一致することを特定するように構成される。
いくつかの実施形態では、1つ以上の回路は、EEG信号に基づいてレニー順列エントロピー値(及び/又は任意の他のタイプのエントロピー測定値)を特定し、レニー順列エントロピー値が減少していることを特定し、固有値が減少しているという特定及びレニー順列エントロピー値が減少しているという第2の特定に応答して、EEG信号が候補発作を示すことを特定するように構成される。
いくつかの実施形態では、1つ以上の回路は、EEG信号に基づいてレニー順列エントロピー値を特定し、レニー順列エントロピー値が増加していることを特定し、レニー順列エントロピー値が増加しているという第1の特定に応答してEEG信号に基づいてサンプルエントロピー値を特定し、サンプルエントロピー値が減少している(例えば、負である)という第2の特定に応答してEEG信号が候補発作を示すことを特定し、サンプルエントロピー値が増加している(例えば、正である)という第3の特定に応答してEEG信号が候補発作を示さないことを特定するように構成される。
本開示の別の実施は、発作検出方法である。方法は、患者の電気的脳活動に基づいて生成された脳波(EEG)信号を処理回路が受信することと、EEG信号の非線形特徴を示すメトリックをEEG信号に基づいて処理回路が特定することと、少なくとも部分的にメトリックに基づいて、EEG信号の非線形特徴の(例えば、非線形特徴のそれぞれの)経時的な変化を特定することによって、EEG信号が候補発作を示すことを処理回路が特定することと、EEG信号が候補発作を示すことを示す発作アラートを処理回路が生成することとを含む。非線形特徴の変化は、候補発作を引き起こす生理的力を反映している。
いくつかの実施形態では、EEG信号が候補発作を示すことを処理回路が特定することは、デフォルトのパラメータ値又はユーザー定義のパラメータ値の少なくとも一方に基づく。
いくつかの実施形態では、メトリックは、次元、同期性、リアプノフ指数、エントロピー、全体的な非線形性、再帰軌道間の距離差、自己相似性、又は固有値のうちの少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にメトリックに基づいて、EEG信号の非線形特徴の経時的な変化を特定することによって、EEG信号が候補発作を示すことを処理回路が特定することは、メトリックのうちの1つを用いて、EEG信号が候補発作を示すこと又はEEG信号がノイズを含むことを示す予備解析を行うことと、メトリックのうちの1つ以上のメトリックを用いて、EEG信号が候補発作を示すかノイズを含むかを特定するために二次解析を行うこととによる。
いくつかの実施形態では、方法はさらに、複数の時点における複数のメトリックのそれぞれの軌道の確率を処理回路が特定することと、確率に基づいて複数のメトリックのそれぞれの軌道が有意であるか否かを処理回路が特定することとを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的に複数のメトリックに基づいて、EEG信号の非線形特徴の変化(例えば、非線形特徴の軌道の変化)を処理回路が特定することは、複数のメトリックのうちの有意なメトリックをカテゴリーにマッピングすることを含み、カテゴリーは発作カテゴリーである。
いくつかの実施形態では、方法は、偽近傍の数がゼロに達するまで次元の値を増加させることによって位相空間解析を行うことによってEEG信号の次元を処理回路が特定することを含み、次元の初期値は患者の年齢に基づく。
本開示の別の実施は、患者に接続された1つ以上の電極を含む発作検出システムであり、電極は、患者の電気的脳活動に基づいて脳波(EEG)信号を生成するように構成される。システムはさらに、患者の電気的脳活動に基づいて生成された脳波図(EEG)信号を受信し、EEG信号の非線形特徴を示すメトリックをEEG信号に基づいて特定し、少なくとも部分的にメトリックに基づいて、EEG信号の非線形特徴の(例えば、非線形特徴のそれぞれの)経時的な変化を特定することによって、EEG信号が候補発作を示すことを特定し、EEG信号が候補発作を示すことを示す発作アラートを生成するように構成された処理回路を含む。非線形特徴の変化は、候補発作を引き起こす生理的力を示す。
いくつかの実施形態では、処理回路は、デフォルトのパラメータ値又はユーザー定義のパラメータ値の少なくとも一方に基づいて、EEG信号が候補発作を示すことを特定するように構成される。
いくつかの実施形態では、処理回路は、非線形特徴の経時的な値を特定することによって非線形特徴のうちの一非線形特徴の軌道を特定することと、軌道の確率値が、軌道の発生が統計的に有意であることを示す確率レベル(例えば、分類基準によって設定された事前に定められた臨界確率レベル)よりも小さいことを特定することと、軌道の確率値が確率レベルよりも小さいとの特定に応答して、EEG信号が候補発作を示すことを特定することとによって、EEG信号が候補発作を示すことを特定するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の非線形特徴の軌道の確率レベルはそれぞれ、軌道がそれぞれ統計的に有意であること、及び/又は信号が候補発作を示すか否かを特定するために確率レベルと比較される。
いくつかの実施形態では、非線形特徴の値のそれぞれの値が、非線形特徴の値の前の値に対して減少する(すなわち、非線形特徴の値のパターンの個々の値は、前の値に対して減少する)。いくつかの実施形態では、処理回路は、それぞれが非線形特徴の値の前の値に対して減少する非線形特徴の値の数(すなわち、連続的に減少する値の数)に基づいて、軌道の確率値を特定するように構成される。
いくつかの実施形態では、処理回路は、ユーザーインターフェースを通してユーザー入力を受信し、確率レベルをユーザー入力によってユーザーが選択した値に設定することによって確率レベルを決定するように構成される。
いくつかの実施形態では、処理回路は、発作検出システムのメモリデバイスからデフォルト値を取得し、確率レベルをメモリデバイスから取得したデフォルト値に設定することによって確率レベルを決定するように構成される。
いくつかの実施形態では、処理回路は、非線形特徴のそれぞれの経時的な値を特定することによって非線形特徴のそれぞれの軌道を特定することと、非線形特徴のそれぞれの軌道の確率値が、非線形特徴のそれぞれの軌道の発生が統計的に有意であることを示す確率レベルよりも小さいことを特定することと、非線形特徴のそれぞれの軌道の確率値が確率レベルよりも小さいという特定に応答して、EEG信号が候補発作を示すことを特定することとによって、EEG信号が候補発作を示すことを特定するように構成される。
本開示の様々な目的、態様、特徴、及び利点は、添付の図面と合わせて詳細な説明を参照することによってより明らかになり、よりよく理解されるであろう。図面において、同様の符号は、全体にわたって対応する要素を識別する。図面において、同様の符号は、一般に、同一、機能的に類似、及び/又は構造的に類似の要素を示す。
例示的な実施形態による、EEG信号における非線形特徴の傾向に基づく候補発作検出のための発作検出器を含むローカルEEGシステムのブロック図である。
例示的な実施形態による、EEGデータを収集するためのEEG収集システムとEEGデータを解析して候補発作を検出するための発作検出器を含む解析システムとのブロック図である。
例示的な実施形態による、候補発作検出のための発作検出器を含むリモートクラウドベースのシステムのブロック図である。
例示的な実施形態による、より詳細に示された図1~3の発作検出器のブロック図である。
例示的な実施形態による、図4の発作検出器が行うことができる、EEG信号の非線形特徴の変化を特定することによって候補発作を検出するプロセスの流れ図である。
例示的な実施形態による、図4の発作検出器が行うことができる、固有値、レニー順列エントロピー、及びサンプルエントロピーを用いてEEG信号の非線形特徴の変化を特定することによって候補発作を検出するプロセスの流れ図である。
概要
全体として図を参照すると、様々な例示的な実施形態による、EEG非線形性の変化に基づく発作検出システム及び方法が示されている。発作検出器は、いくつかの実施形態では、非線形性の経時的な変化を解析することによって、すなわち、EEGデータの非線形性の経時的な変化(例えば、増加)を検出することによって、EEGデータに候補発作が存在するか否かを検出するように構成される。発作検出器は、いくつかの実施形態では、EEG信号を解析して、候補発作が発生したか否かを最終的に特定するマニュアルレビューのためにてんかん専門医又は他の臨床技術者に提示され得るエポック又は事象がEEG信号にあるか否かを特定するように構成される。発作検出器は、発作検出のためのEEGモニタリングを受ける患者の評価において大きな時間の節約をもたらす。
発作検出器は、異常波形、例えば、EEGデータ中のスパイク及び鋭波の多様な形態のセットを検出しようとするのではなく、これらの異常波形を生じさせる生理的力を検出することができる。いくつかの実施形態で非線形性によって候補発作を検出するように構成された発作検出器は、特に患者が小児又は幼児である場合、異常波形パターンの直接検出に焦点を当てたアルゴリズムを行う。小児及び幼児では、異常波形は非常に様々で多様である可能性があり、発作検出器がそれぞれの異常波形の兆候を記憶するのが困難な場合がある。発作検出器は、特定の異常波形を検出するのではなく、EEG信号の非線形性の傾向を監視することによって、候補発作を引き起こす生理的力を検出することができる。
発作検出器は、発作プロセスの生理学的又は数学的モデルを利用することができる。発作は、ニューロン群間の異常相互作用(すなわち、非線形挙動)から生じる。これらの相互作用は、多くの非発作状態に存在する見かけの相加性又は線形相互作用とは対照的である。また、これらの相互作用は発作中に発達するという意味で動的である。したがって、発作の発生は、発作の発達と共に発達する神経細胞群間の異常な非線形変換を反映するか、又はそれによって推進される。この種の現象を扱う数学の分野は、非線形動的システム解析と呼ばれる。
いくつかの実施形態では、発作検出器が行う発作検出は、患者の発作を停止させるための専用の閉ループ刺激装置を作動させるために、別のシステムで利用(又は別のシステムと統合)することができる。また、いくつかの実施形態では、発作検出器は、患者のEEGデータの長期の履歴記録をスクリーニングするために利用することができる。これにより、患者又は介護者に迅速なフィードバックが提供され、発作への早期介入につながる可能性がある。また、発作検出器は、EEG信号データのマニュアルレビューに訓練されたてんかん専門医が利用できない場合に利用することができる。EEG信号をレビューする神経科医の不足は、米国内で高く、米国外ではさらに高い。米国の約200の小児集中治療室(ICU)と800の新生児ICUには、EEGデータを読み取るための適切に訓練を受けた職員がいないと推定されている。
患者がつかんでいる視覚的手がかり(例えば、痙攣、筋緊張の変化など)への依存は問題が多い。観察者(例えば、家族、看護師、技術者など)は多くの場合、目に見える手がかりで患者の発作を検出できず、多くの場合、30から40%もの発作が観察者に見逃される。1つには、これは、多くの発作が非痙攣性であり、したがって視覚的に検出することがより困難であるために起こる。目に見える手がかりによって発作を検出することは、患者が非痙攣性の事象(例えば、精神錯乱、失語症、視覚障害、又はその他の知覚障害)を伝える能力に支障を来たしているか、又は患者が若すぎてこれらの事象を伝えることができないか又は病気の過程で麻痺している可能性がある、集中治療室などの状況では特に困難である。ICUにおける発作の約30から80%は、これらの非痙攣性カテゴリーの1つに分類される可能性があると推定される。
成人の発作の85%近くは側頭葉から発生し、一般に海馬に影響を与える。しかしながら、幼児及び小児の発作は解剖学的観点からより広範に発生し、その時間的形態は成人と比較してはるかに多様である。したがって、成人に適用される方法論、すなわち形態に基づく解析は、必ずしも小児に適用されるとは限らない。形態に基づく解析の例は、EEGデータに存在する周期性の解析を含み得る。多くの場合、発作が進行すると、EEGの振幅が増大するため、解析システムは全体的な振幅を解析することがある。周期性又は振幅の解析は、発作のビルドアップを示す。他の解析アルゴリズムは、患者における特定の発作パターンの機械学習に基づく線形時間領域解析であり得る。これらの方法の部分的なリストには、独立成分解析、形態学的解析、テンプレートマッチング、模倣方法、パラメトリックアプローチ、クラスタリング技術、及び知識ベースのルールが含まれる。しかしながら、このような解析は、小児ではあまり成功しない可能性がある。代わりに、本明細書に記載される発作検出器の非線形傾向解析を小児に適用することができる。また、このような非線形傾向解析は成人にも適用できる。
小児における発作の臨床的所見にはほとんど均一性がない。目に見える相関現象がないものもあれば、見た目が劇的なもの(例えば、転倒発作)もあるが、複数の挙動要素を含むもの(例えば、レノックスガストー症候群)もある。同様に、小児発作に見られる多様な電気記録パターン又は特徴がある。成人にみられる典型的なリズミカルなビルドアップのパターン、電圧抑制の期間(例えば、乳児痙攣)、「停止と開始を繰り返す」パターン、高振幅のリズミカルな減速、多棘波の群発などがある。1人の患者に複数のパターンが見られることもある。これらすべてのパターンとパターンの遷移をモデル化又はテンプレートマッチングする取り組みは成功していない。波形形態を検出の数学的処理の決定因子として使用する代わりに、本明細書に記載される発作検出器は、いくつかの実施形態では、これらの多様な変化を生じる基礎となる生理的力の形態を検出するように構成される。
また、同じ「駆動関数」が、(初期状態への依存を反映する)背景脳波に応じて様々な結果をもたらす可能性がある。EEGのその時々の成分は非常に大きく変化するので、可変入力に対する駆動関数の作用の結果は、場合によっては可変出力である。システム挙動は、背景活動の形、状態遷移を生じる生理的力の形、及び任意の外部変数(例えば、上昇温度、薬物の存在、代謝パラメータなど)の結合関数である。駆動関数の形を得ることは、短い定常期間の間は容易であるが、遷移期間の間はその形を特定することがより困難である。
筋電図(EMG)、動き、パッティング、電極「ポッピング」などのアーチファクトは、発作で見られるような先行する軌道変化パターンを有してはならないことに留意すべきである。観察されたアーチファクト又は他の擬似波形の形態は、発作と視覚的類似性を示す可能性があるが、これらのアーチファクト及び他の擬似事象は、てんかんで見られる生理的軌道発達の同じパターンを示すべきではない。発作検出器は、いくつかの実施形態では、誤警報を最小化するために発作事象から擬似事象を分離するように構成される。
発作の検出
ここで図1を参照すると、例示的な実施形態による、非線形特徴の傾向に基づく候補発作検出のための発作検出器108を含むEEGシステム104を含むシステム100が示されている。システム100において、信号処理ファームウェア及び/又はソフトウェアは、追加の信号処理ボードの有無にかかわらず、EEGデータ収集システムに統合され、EEGシステム104を形成する。EEGシステム104は、いくつかの実施形態では、患者102からEEGデータを収集し、さらに発作検出器108を用いてEEGデータに基づいて候補発作を検出する(例えば、ユーザーによるレビューのために可能性がある候補発作を検出する)ように構成される。発作検出器108は、いくつかの実施形態では、完全に統合された並列プロセッサである。
図1には、患者102が示されており、患者102の頭部に複数の電極が取り付けられている。電極は、患者102の電気的脳活動を感知する。患者102は、ヒト、例えば、成人、ティーンエイジャー、小児、幼児などであり得る。また、患者102は、動物、例えば、ネコ、イヌ、ウマ、ウシなどであり得る。発作検出器108による解析のためのEEGデータの収集のために患者102に取り付けられる電極の数は、所望の位置特定の精度(焦点が検出にある場合は位置特定の精度はそれほど重要ではない)、発作検出器108が特定する駆動関数の次元、頭蓋骨サイズの物理的限界、電極の空間分布、発生源の空間的範囲、及び電極間の相関構造などによって決まる。
電極は、いくつかの実施形態では、EEGシステム104に含まれる電極インターフェース106に接続される。電極インターフェース106は、発作検出器108による解析のためのEEGデータを生成するための1つ以上の予備ハードウェア回路を含むことができる。ハードウェア回路は、増幅回路(例えば、差動増幅回路)、フィルタ(例えば、ハイパス、ローパス、バンドパス)、アナログデジタル変換器(ADC)などを含むことができる。
いくつかの実施形態では、発作検出器108は、患者102に取り付けられた電極のフルセットによって生成される信号を解析しかつ/又は患者102に取り付けられた電極のサブセットを解析するように構成することができる。いくつかの実施形態では、発作の次元は一般に4の値を超えないので、約10個以下の電極が発作を検出するために発作検出器108によって解析され得る。これに関して、技術者が電極のフルセットを取り付ける場合でも、発作検出器108は、必要とされる適切な数の電極を選択する(例えば、10個の電極を選択する)ことができる。
いくつかの実施形態では、発作検出器108は、一般に約2から9まで変化するリアプノフスペクトルを特定するように構成され、ほとんどの発作は、発作の開始と共に次元が減少することを示す。発作中に4以上の次元がみられることはまれである。多チャンネルEEG法を用いると、軌道を2d+1電極で特性化することができ、ここでdはリアプノフスペクトルを用い基礎となる関数の推定次元である。発作検出器108は、動作中に、基礎となる関数の次元を特定し、ユーザーインターフェースデバイス110に、患者102に特定の数の電極を推奨させることができる。これに関して、患者102は、事前に定められた数の電極で開始することができるが、発作検出器108の解析に従って、技術者は、特定された次元に基づいて患者102に追加の電極を加えることができる。
EEGデータは、患者102の脳活動に対する1つ又は複数のEEG信号を表すことができる。発作検出器108は、EEGデータを受信し、EEGデータが患者102に発生した、発生する、又は発生している候補発作を示しているか否かを検出するためにEEGデータの非線形解析を行うことができる。発作検出器108が検出する候補発作の検出は、ユーザー、例えば、医師、看護師、患者102の家族、てんかん専門医、技術者などに対する視覚的及び/又は音声的な通知のためにユーザーインターフェースデバイス110に提供することができる。また、ユーザーは、ユーザーインターフェースデバイス110を通して構成データを提供することができる。構成データは、患者102の年齢、患者102の体重、患者102の過去のEEGデータ、患者の病状などを示すことができる。発作検出器108が行うように構成されている非線形解析は、少なくとも部分的に構成データに基づくことができる。
ユーザーインターフェースデバイス110は、ユーザーから入力を受信しかつ/又はユーザーに出力を提供するように構成されたシステム又はデバイスであり得る。ユーザーインターフェースデバイス110は、モニター、例えば、表示画面であり得る。表示画面は、発光ダイオード(LED)スクリーン、陰極線管ディスプレイ(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)及び/又は任意の他のタイプの表示画面であり得る。ユーザーインターフェースデバイス110は、入力装置、マウス、キーボード、タッチスクリーンなどをさらに含むことができる。また、ユーザーインターフェースデバイス110は、音声出力用スピーカ、音声入力用マイクなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、ユーザーインターフェースデバイス110は、EEGシステム104及び/又は発作検出器108と通信するコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどである。
原則として、発作の発生につながる特定の一連の事象が知られている場合、いくつかの実施形態では、システムは、特定の一連の事象を探索するように構成される。例えば、発作の原因となる解剖学的領域における単一ニューロンの異常な電気的挙動について多くのことが知られている。例えば、成人では特に側頭葉発作が認識されている。しかしながら、発作は、脳細胞のネットワーク又は集合体の機能不全によって起こる。したがって、発作検出器108は、既知の形態学的パターン(例えば、脳の特定領域における活動、活動の鋭いスパイクなど)を探索する代わりに、患者102の発作の開始の背後にある駆動力を探し求めて挙動の母集団を解析することができる。発作の生理の背景にある力はランダムではない。実際、力は決定論的であり、非線形動的システムツールを作動させることによって発作検出器108によって検出され得る。
発作検出器108は、発作検出を任意の範囲の年齢に適用するように構成され、いくつかの実施形態では、リアルタイムで実行することができる。また、発作検出器108の精度は、24時間にわたって患者102について収集されたEEGデータにおいて、90%よりも大きく、2桁未満の偽陽性であり得る。発作検出器108は、(図1及び図2に示すように)局所的に実施することができかつ/又は(図3に示すように)遠隔的に実施することができる。
いくつかの実施形態では、発作検出器108は、ユーザー入力に基づいて(発作検出器108にプログラムされたデフォルト値の代わりに、又はそれに加えて)、発作検出器108が行う発作の検出及び/又は事象の分類のためのパラメータ値を選択するように構成される。いくつかの実施形態では、パラメータ値は、ユーザーが手作業で選択することができ、ユーザーは、発作検出器108に関連するユーザーインターフェース110を通してユーザー入力を提供する。パラメータ値は、軌道の統計的有意水準及び/又は複数のメトリックがデータセットに同時に適用される場合のコンポーネントメトリック間のメトリックパラメータ値であり得る。ユーザー入力に基づいてパラメータ値を選択することによって、発作検出器108が生成する誤警報を低減することができ又は発作検出器108によるヒット率を増加させることができる。また、ユーザーがパラメータ値を選択することを可能にすることによって、偽陽性と真陽性との間の適切なトレードオフが、発作検出器108によって行われ得る。
ユーザー入力は、偽陽性の減少とヒット率の増加との間のバランスレベル(例えば、重み)を示すことができる。これは、提案されたデフォルト値を使用するか又は値を調整することによって実現することができ、調整は個人の好みに基づいて又は特定の患者の状況に最も適合するように行うことができる。バランスレベルは、範囲内の値であることができ、より低い又はより高い統計的有意水準に対応することができる(例えば、偽陽性の減少に有利に働くバランスレベルは、特定の方向に変化する(増加又は減少する)メトリックの軌道のより低い確率値と関連する可能性があり、一方、ヒット率の増加に有利に働くバランスレベルは、メトリック変化の軌道のより高い確率値と関連する可能性がある)。
発作検出器108は、いくつかの実施形態では、標的波形形態を検出しようと試みることなく、非発作から発作への状態遷移を生じる力のシフトパターンを検出するように構成される。これらの異常な生理的力は、いくつかの実施形態では、発作検出器108が数値化するように構成される波形軌道を生成する。発作検出器108は、発作状態の変化、すなわち、患者102の正常状態から発作状態への変化を含む、複数の状態変化を検出するために、軌道を利用することができる。より具体的には、発作検出器108は、いくつかの実施形態では、これらの軌道の出現を反映するEEGデータに基づいて、1つ又は複数の非線形メトリックを特定するように構成される。発作検出器108は、いくつかの実施形態では、これらの異常な軌道の出現を検出するために非線形動的システムツールを作動させるように構成される。
発作検出器108は、いくつかの実施形態では、状態変化の特定のカテゴリーを探索することによって、EEG時系列で発作を探索するように構成される。より詳細には、発作検出器108は、いくつかの実施形態では、変化、すなわち、EEGデータにおける構造的非線形性の変化を探索するように構成される。発作検出器108は、非線形法を利用して、数学的状態空間における状態変化、すなわち、システムダイナミクス(患者102の脳活動のダイナミクス)の再構成のための出発点を検出するように構成される。
発作検出器108は、いくつかの実施形態では、患者102に発作状態への段階的及び/又は突然の移行がある場合に候補発作を検出するように構成される。より詳細には、発作検出器108は、多くの形態の漸進的変化と共に、突然の変化(例えば、分岐)の両方を検出するために、動的システム解析を利用することができる。発作の探索は、特定の切り離された事象の探索でも、特徴の特定の単一の値の探索でもなく、代わりに、発作検出器108は、EEGデータの非線形特徴における変化の診断用シフト及びパターンを検出するために、複数の非線形メトリックを特定し、経時的な非線形メトリックを追跡することができる。例えば、発作検出器108は、非線形特徴の統計的に有意な増加又は減少軌道が生じているか否かを特定することができる。例えば、非線形性を示すメトリックの場合、メトリックの7つの連続した増加値は、軌道が増加していることを示すために統計的に有意である可能性がある。しかしながら、メトリックの値が5回連続して増加しても、増加軌道を示すのに統計的に有意ではない場合がある。同様に、連続した減少値の数は、発生する確率に関連する可能性があり、例えば、メトリックの5つの連続した減少値は有意ではない可能性があるが、メトリックの7つの連続した減少値は統計的に有意である可能性がある。
例えば、メトリックの5つの連続した増加値の確率は0.032であり得る(これは、5つの連続した増加値及び/又は過去の軌道データから発作検出器108によって特定され得る)。メトリックの7つの連続した増加値の確率は0.01であり得る。7つの連続した増加値の確率は、5つの連続した増加値の確率よりも小さいため、7つの連続した増加値は、5つの連続した増加値よりも統計的に有意(低い確率レベル)である可能性がある。メトリックの増加又は減少が統計的に有意であるか否か、例えば、発生の確率が確率閾値よりも小さいか否かを特定するために、発作検出器108は確率閾値を利用することができる。また、発作検出器108は、変化数閾値、すなわち、変化数閾値以上の連続した増加値又は連続した減少値の数を利用することができ、すなわち、閾値が7である場合、メトリックの7つの連続した増加値は統計的に有意であるが、メトリックの5つの連続した増加値は統計的に有意ではない。
統計的有意性を決定するための閾値は、偽陽性及び見逃される発作検出の量を定めることができる。例えば、多くの連続した増加値又は連続した減少値を必要とする閾値は、偽陽性は少ないが、多数の発作を見逃す可能性がある。しかしながら、閾値が低いほど、偽陽性は多いが、発作の見逃しは少ない可能性がある。統計的有意性を決定するための閾値を適切に設定するために、発作検出器108は最適化を行うことができる。最適化は、発作の見逃しを最小限に抑えかつ偽陽性を最小限に抑えることを試みる。最適化は、ユーザー入力、例えば、過去のEEG信号の特定の期間を発作に対応するものと特定し又はEEG信号の他の期間を偽陽性に関連するものと特定するユーザーフィードバックに基づくことができる。
発作検出器108は、いくつかの実施形態では、変化のパターンが発作状態遷移の不変の特徴であるため、EEGデータの非線形ダイナミクスのパターンの変化を検出するように構成される。多くの場合、非線形性の状態変化は、時間的に、電気記録又は臨床の発作のEEGデータにおけるスパイク、鋭波又は他の視覚的徴候の出現に先行する。したがって、発作検出器108は、いくつかの実施形態では、最初にEEGから非線形性の変化、すなわち固有値の非特異的検出部を特定するように構成される。非特異的検出部が候補発作を示す場合、発作検出器108は、その後のメトリック計算及び/又は解析を利用することができる。これにより、発作検出器108は、計算要件が低い計算、例えば固有値を利用し、その後に計算要件が高い計算、例えば次元を利用することによって、計算資源を節約することができる。
小さなサンプルサイズでの、複数の非線形測定の潜在的な不安定性のために、発作検出器108は、いくつかの実施形態では、メトリックの計算のために移動ウィンドウを利用するように構成される。移動ウィンドウ期間及びウィンドウ内のオーバーラップ率の特定の値は、特定のメトリックに基づいて事前に定めることができ、すなわち、それぞれのメトリックは、それ自身のウィンドウ期間及びオーバーラップ率に関連付けることができる。推定の安定性を確保するために、特定のメトリックのサンプルサイズへの依存性が大きいほど、発作検出器108は、いくつかの実施形態では、より長いウィンドウ期間でメトリックを特定するように構成される。
発作検出器108は、いくつかの実施形態では、発作を検出するために固有値の変化を解析するように構成される。しかしながら、固有値の変化は、EEGデータの非線形活動に対する線形活動の比の定量的変化、又はEEGデータ内のノイズの存在のいずれかから生じる可能性がある。したがって、発作検出器108は、候補発作を検出するために複数の非線形メトリックをまとめて特定及び解析することができる。例えば、発作検出器108は、いくつかの実施形態では、この発作とノイズの区別に役立つように、固有値と共にエントロピーを特定するように構成される。ノイズが律動的でない場合、ノイズは多くの場合エントロピーを増加させるが、大部分の発作はエントロピーを減少させる。
発作検出器108は、いくつかの実施形態では、他の多くの非線形メトリックを特定及び解析するように構成される。発作検出器108が解析するように構成されているメトリックは、構成データ、すなわち、患者102の臨床像又は臨床症候群(例えば、転倒発作、乳児痙攣、レノックスガストー症候群、低酸素後脳症、年齢、体重など)、及び患者102に関連するベースライン脳波パターンに基づくことができる。発作検出器108は、いくつかの実施形態では、特定の構成データを解析し、患者102に適したメトリックを特定及び/又は解析するように構成される。
臨床症候群及びベースライン脳波パターン(例えば、正常な脳活動の脳波パターン、発作パターンなど)、患者の年齢、患者の体重などは、構成データに含めることができ、第2段階(及び/又は予備段階)における非線形メトリックの混合物の構成(又は混合物の重み付け)の選択において発作検出器108によって利用され得る。候補となるメトリックには、次元、同期性、リアプノフ指数、様々な形態のエントロピー、(代理試験による)全体的な非線形性、位相空間における再帰軌道間の距離差、自己相似性などが含まれるが、これらに限定されない。
発作検出器108によって行われる解析の出力は、経時的に変化する非線形値のパネルであることができる。これらのパターンのいくつかは、候補発作を示している可能性があるが、他のパターンは入眠及び他のアーチファクトを反映している。したがって、発作検出器108は、非線形値のパネルを特定のカテゴリー、例えば、発作、ノイズ、睡眠などにマッピングすることができる。パネル内のメトリックの数は、EEGシステムのハードウェア及び/又はファームウェアアーキテクチャの信号処理能力に基づいて、発作検出器108によって設定され得る。メトリックの選択は、発作検出器108が、EEGデータをリアルタイムで解析するリアルタイムモードで動作しているか、以前に記録されたEEGデータを解析する履歴解析モードで動作しているかに基づいて変更することができる。
図2を参照すると、例示的な実施形態による、EEGデータを収集するためのEEG収集システム206と、EEGデータを解析して候補発作を検出するための発作検出器108を含む解析システム204とを含むシステム200が示されている。システム200では、発作検出器108の信号処理ハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアは、EEG収集システム206から切り離された、すなわち、解析システム204内のスタンドアロンのローカルコンピュータに完全に統合されている。
解析システム204は、いくつかの実施形態では、EEG収集システムの出力、すなわち、EEG収集システム206が収集したEEGデータを用いて、EEG収集システム206と共に動作するように構成される。システム200は、複数の実施形態で実施することができ、例えば、解析システム204は、EEG収集システム206用の簡略化されたヘッドボックス及び限定された信号処理能力を有するスクリーニング装置であることができる。ヘッドボックスは、EEG収集システム206のエンクロージャの最上部に位置するように構成することができる。システム200は、病院又は患者の家庭内での警告及び/又はスクリーニングに適している可能性がある。いくつかの実施形態では、解析システム204は、プラグインカード(例えば、EEG収集システム206の接続ポートに接続することができる接続ポートを有して構成された回路基板)である。ユーザーは、プラグインカードをEEG収集システム206に挿入して、EEG収集システム206に解析システム204のすべての操作力を与えることができる。例えば、プラグインカードは、グラフィックス又はデジタル信号処理回路と、本明細書に記載される動作を実施するための命令を含むメモリとを含むことができる。
EEG収集システム206は、収集マネージャ202を含むことができる。収集マネージャ202は、EEGデータを収集し、EEGデータの履歴記録を維持するように構成される。また、EEG収集マネージャ202は、解析及び発作検出のためにEEGデータを解析システム204に提供することができる。解析システム204からの要求を受信すると、収集マネージャ202は、収集マネージャ202が記憶している解析システム204が要求した過去のEEGデータを提供することができる。
ここで図3を参照すると、例示的な実施形態による、システム300、発作検出器108のクラウドベースの実施が示されている。システム300では、発作検出及び関連する信号処理は、リモートサイトで、すなわち、クラウドプラットフォーム306によって行われる。クラウドプラットフォーム306は、病院内の1つ以上のリモートサーバ及び/又はローカルサーバであることができ、MICROSOFT AZURE、AMAZON WEB SERVICESなどのクラウド解析システムであることができる。
EEGシステム100は、ネットワーク304を介した発作検出器108による解析のために、EEGデータ及び/又は構成データをクラウドプラットフォーム306に伝えるネットワークインターフェース302を含む。ネットワーク304は、EEGシステム100と、発作検出器108が特徴抽出及び/又は解析を行うクラウドプラットフォーム306との間のパイプラインとして機能することができる。解析システム204が行う解析の結果は、ユーザーインターフェースデバイス110による表示及びユーザーによる意思決定のためにEEGシステム100に送り返すことができる。
ネットワーク304は、1つ又は複数の異なる有線及び/又は無線ネットワークを含むことができる。ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)であることができる。ネットワークは、有線であり、イーサネットのワイヤ、ケーブル、及び/又は光ファイバ接続を含むことができ、かつ/又は無線であり、Wi-Fi及び/又はセルラーベースのネットワークであることができる。ネットワークインターフェース302は、いくつかの実施形態では、ネットワークインターフェース302がネットワーク304を通じて通信するように動作するように構成された、1つ以上の受信機、送信機、トランシーバ、無線機、信号処理回路などを含むことができる。
ここで図4を参照すると、例示的な実施形態による、発作検出器108を含むシステム400が示されている。発作検出器108は、構成データ及びEEGデータを受信するように示されている。また、発作検出器108は、ユーザーインターフェースを出力し、ユーザーインターフェースデバイス110にユーザーインターフェースを表示させるように示されている。ユーザーインターフェースは、候補発作の存在の表示、及び/又は発作検出器108がEEGデータから特定する計算されたメトリックの表示を含むことができる。
発作検出器108は、解析回路428を含む。解析回路428は、デジタル信号処理のための1つ以上の処理回路を含むことができる。解析回路428は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上の中央処理装置(CPU)、1つ以上のデジタル信号処理(DSP)ユニット、1つ以上のグラフィック処理ユニット(GPU)などを含むことができる。発作検出器108には高い処理要求がある場合があり、発作検出器108は、複数の処理ユニット(例えば、別個の処理カード、グラフィックスカード、リモートサーバ、クラウドベースのシステムなど)にわたって共有コンピューティングを利用することができる。
また、解析回路428は、1つ以上のメモリデバイスを含むことができる。メモリデバイスは、1つ以上のプロセッサで実行するための命令及び/又は計算データを記憶することができる。メモリデバイスは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、フラッシュメモリ、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、及び/又は一時的又は非一時的な、任意の他のタイプのメモリを含むことができる。
発作検出器108は、いくつかの実施形態では、履歴データの解析によって及び/又はリアルタイム解析で候補発作を検出するように構成される。発作検出器108は、いくつかの実施形態では、発作の開始と検出との間の15秒未満の遅れで候補発作を検出するように構成される。発作検出器108は、いくつかの実施形態では、幅広い電気記録パターン(すなわち、発作のタイプと、発作のそのタイプに対して発作検出器108が行う最適な検出アルゴリズムとの間のマッピング)を検出するように構成される。また、発作検出器108は、いくつかの実施形態では、発作状態遷移をアーチファクト及びノイズと区別するように構成される。また、発作検出器108は、いくつかの実施形態では、同じ患者のいくつかの場所から生じる、同じ患者のいくつかの発作タイプを検出するように構成される(多病巣性)。発作検出器108は、1人の患者について、90%を超える真陽性率及び1日当たり8回未満の誤検出を有し得る。
非発作状態から発作状態への遷移の一定の定量的特徴は、信号のエネルギーレベルに対する非線形性の要因の変化である。多くの、そしてほとんどの成人での、発作状態への移行は、細胞群間の律動性の増加又は同期の増加をもたらす。これは、固有値の減少(線形性の要因の減少)、エントロピーの減少、次元の減少、及び代理試験で明らかになったように、全体的な非線形性の増加に反映される。しかしながら、このパターンは普遍的ではない。このパターンの例外は、既存のアルゴリズムが失敗する小児又は幼児で特に顕著である。例えば、転倒発作のある多くの患者では、電気記録の相関は、最初の短時間の高エネルギーの減速であり、その後に低電圧非同期活動が続く。定量的メトリックの時間的パターンはより複雑であり、エントロピーの増加、固有値の増加及び全体的な非線形性の減少の期間を示す。このため、発作検出器108は、絶対値ではなくメトリックの変化に焦点を合わせ、複数の変化の形態を利用して、候補発作を検出する。これは、幅広い発作の電気記録形態を捕捉する。
ベースラインの脳波活動が不十分に組織化され、過度の徐波活動を有し、高電位の鋭波又はスパイクによって中断される場合(例えば、レノックスガストー症候群)、課題が生じる。この場合、発作検出器108が検出するように構成されるベースライン固有値は、非常に低いため、発作の出現が固有値の低下に反映されない可能性がある(例えば、床効果)。この場合、発作検出器108が行う複数のメトリックを用いた解析は、床効果及び/又は天井効果を回避する可能性を高める。これらの変化はすべて、増加したノイズ又はアーチファクトの侵入と区別できる(ノイズは一般に固有値を減少させ、エントロピーを増加させる)。
発作検出器108は、いくつかの実施形態では、複数のメトリックに定量的時間変化解析を適用し、複数のメトリック全体にわたる変化のパターンを特定するように構成され、これにより事象が、候補発作(例えば、レビューアラート)、信号ノイズ(アラートなし)、又は不確実な分類(発作の可能性があるアラートが発生する)に分類される。発作検出器108は、有意な変化として認識される必要がある確率の有意水準を調整することによって、真の検出、誤警報、及び見逃しの間のトレードオフを変更するように調整することができる。発作検出器108の検出は、機械学習を利用せずに行うことができる。機械学習は、患者に損傷を与える可能性のある治療の遅延を伴うデータ収集期間を必要とする。いくつかの実施形態では、メトリック軌道の時間的パターンは、統計的基準の適用のばらつきを減少させるために後処理(例えば、一時的なものを除去するための平滑化)を施すことができる。
解析回路428は、解析段階のパイプラインを利用することができ、それぞれの段階を利用するように構成されたコンポーネントを含むことができる。コンポーネントは、ソフトウェアモジュール、回路などであり得る。解析回路428は、チャンネルセレクタ402、フィルタリングステージ404、予備解析器406、二次解析器408、及びインターフェースジェネレータ410を含む。発作検出器108が受信したEEGデータは、最初にチャンネルセレクタ402を通過することができる。チャンネルセレクタ402は、EEGデータのどのチャンネルに発作検出器108が解析を行うかを制御することができる。例えば、複数の電極が存在する場合、1組以上の電極が解析回路428による解析に適している可能性がある。したがって、チャンネルセレクタ402は、適切なEEG信号チャンネルを選択し、選択されたチャンネルのEEG信号をフィルタリングステージ404に供給することができる。
フィルタリングステージ404は、1つ又は複数のローパス、ハイパス、及び/又はバンドパスフィルタを用いてEEGデータをフィルタリングすることができる。フィルタは、デジタルフィルタ及び/又はハードウェアフィルタ、例えば、無限インパルス応答(IIR)フィルタ及び/又は有限インパルス応答(FIR)フィルタであることができる。解析回路428が解析する信号に適した帯域幅は、患者102の年齢に特有であり得る。したがって、フィルタリングステージ404は、いくつかの実施形態では、患者の特性(例えば、年齢)を示す構成データを受信することができ、構成データに基づいてフィルタリングを行うように構成される。
フィルタリングステージ404が通過する帯域幅は、患者の年齢だけでなく、候補発作の検出のために発作検出器108が特定したメトリックによっても左右され得る。いくつかの実施形態では、フィルタリングステージ404は、100Hzから200Hzの周波数を通過させる。いくつかの実施形態では、フィルタリングステージ404が通過させる周波数帯域は、2Hzから400Hzの範囲であることができる。
解析回路428は、いくつかの実施形態では、複数の非線形メトリックを決定し、複数の非線形メトリックの発達のパターンを組み合わせて、予備解析器406及び二次解析器408によって候補発作を検出するように構成される。予備解析器406及び二次解析器408は、いくつかの実施形態では、いくつかの非線形メトリックアルゴリズムの利用を順番に及び/又は並列に連結させるように構成される。発作検出器108は、非特異的な全体的な非線形の変化、すなわち、固有値であり得るメトリック430に対する第1のスクリーニングによって、候補発作の存在を検出することができる。また、二次解析器408は、いくつかの実施形態では、二次解析器408によって、より特定のタイプの非線形性に焦点を合わせた、より計算量の多いメトリックを処理するように構成される。
予備解析器406は、いくつかの実施形態では、固有値、例えば、メトリック430の移動ウィンドウの実施を決定することによってスクリーニング段階を行うように構成される。固有値は、非線形相互作用(例えば、発作)の出現又はノイズの出現と共に減少する。固有値は、EEGデータが律動的又は周期的でなくなると増加する。また、予備解析器406は、いくつかの実施形態では、固有値の統計的に有意な変化のみが、候補発作を特定するために予備解析器406によって解析されるように、メトリック430の傾向の統計的有意性432を特定することによって、固有値の変化が統計的に有意である(例えば、事前に定められた量よりも大きい有意値又は事前に定められた量よりも小さいエラー確率を有する)か否かを特定するように構成される。
いくつかの実施形態では、予備解析器406は、移動ウィンドウを用いて統計的有意性を特定し、すなわち、二次解析器408を参照して説明した移動ウィンドウベースの傾向解析と同様の又は同じ移動ウィンドウを用いてメトリック430の傾向を特定する。メトリック430のサンプルの特定のウィンドウによって、予備解析器406は、メトリック430が増加しているか減少しているかを特定することができる。複数のウィンドウを用いて、予備解析器406は、メトリック430の傾向を特定し、過去のウィンドウに基づいた未来のウィンドウにわたって増加又は減少する傾向の確率レベル(統計的有意性432)を特定することができる。
予備解析器406が統計的に有意な量の(例えば、増加又は減少の確率が特定の確率よりも小さい)メトリック430の減少を特定することに応答して、二次解析器408は、他のメトリック、すなわちメトリック416~420を計算及び解析することができる。例えば、メトリック416~420は、レニー順列エントロピーを含むことができる。レニー順列は、予備解析器406が固有値の統計的に有意な減少を検出するEEGデータのサンプルのみについて二次解析器408によって特定され得る。順列エントロピーは、計算的に最も単純で、ノイズ及びアーチファクトに対してロバストであり得る。二次解析器408は、いくつかの実施形態では、メトリック416~420の統計的有意性をさらに特定するように、すなわち、メトリック416~420の統計的有意性422~426を特定するように構成される。
より具体的には、二次解析器408が計算するメトリック416~420、Miのそれぞれは、時系列のデータであり得る。メトリック416~420の時系列に基づいて、二次解析器408は、いくつかの実施形態では、帰無仮説の下でのメトリックの軌道のシフトパターンの確率を示す統計的有意性422~426、P(Mi)を特定するように構成される。同様に、統計的有意性422~426は時系列であり得る。傾向解析器414は、いくつかの実施形態では、時間全体にわたる統計的有意性422~426に基づいて、メトリック416~420の有意値及び非有意値のパターンを解析するように構成される。有意なメトリックの現在のセットは、結果のグループ又はパネルとして傾向解析器414によって解析され得る。それぞれのパネルは、特定のカテゴリー、例えば、候補発作事象、発作なし、不確定状態などの臨床カテゴリーにマッピングすることができる。また、パネルは、他のタイプの擬似事象(非発作)にマッピングすることができる。
メトリック416~420は、多数かつ多様であることができ、例えば、これらのメトリックタイプのそれぞれの多くの変化形で記載された12を超える非線形メトリックタイプが存在し得る。例えば、エントロピーには少なくとも14の異なる形式又は計算方法がある。メトリック416~420は、複雑性喪失のメトリックを含むことができる。それぞれのエントロピーメトリックは、特定の設定でパフォーマンス上の利点及び不利点を有する場合がある(例えば、サンプルエントロピーは、電圧抑制の検出においてほとんどのものよりも優れた性能を発揮し、コルモゴロフエントロピーは、同様に低い計算複雑性をなど有する順列エントロピーの複数の形式よりも脆弱である)。ファジィエントロピーは、ユーザーがクラス境界をより良く制御できるように、クラスメンバーシップが類別される点で魅力がある。標的事象(発作)の頻度は、いくつかのエントロピーの形式、例えばツァリスエントロピーに対するパラメータ値に含めることができる。レニーエントロピーは、状態変化が頻繁又は重大である場合(例えば、知覚麻痺)により良い選択であり得る。発作の頻度、知覚麻痺が存在するか否かなどに関する情報を構成データに含めることができ、したがって、二次解析器408は、非線形メトリックの適切な混合物を特定し、解析することができる。エントロピーを計算するための方法論の例は、Liang、Zhenhuらの「EEG Entropy Measures in Anesthesia」、Frontiers in Computational Neuroscience、vol. 9、2015、doi:10.3389/fncom.2015.00016にあり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
説明したように、メトリック416~420は、EEG信号に基づき、したがってEEG信号から得ることができる。メトリック416~420の1つの重要な側面は、メトリック416~420のそれぞれの経時的な軌道であり得る。メトリック416~420の絶対値は、患者の年齢、状態、症候群、併用薬などの関数として非常に変化し得る。したがって、傾向解析器414は、候補発作を検出及び/又は分類するために、メトリック416~420の軌道を解析するように構成され、必ずしもメトリック416~420の絶対値を解析するように構成されていない。候補発作によって引き起こされるメトリック416~420の経時的な変化の方向(増加対減少)は、患者の年齢及び/又は候補発作のタイプに基づいて変化し得る。このため、二次解析器408は、傾向解析器414が、軌道に基づいて、EEG信号のいずれかのセグメントが候補発作を示すか否か及び/又は脳波検査技師による目視評価のために提示されるべきか否かを判定することができるように、メトリック416~420の軌道を特定するように構成される。
メトリック416~420自体も、サンプルサイズに応じて安定性及び信頼性に関して変化する。サンプルサイズは、サンプル期間を長くすることによって増やすことができる。しかしながら、サンプル期間の延長は、発作事象が必要なサンプル期間よりも短い場合、発作事象を見逃す危険性がある。いくつかの実施形態では、二次解析器408は、移動ウィンドウを使用することによって、メトリック416~420の変化の方向を特定するように構成される。
例えば、400Hzのサンプリングレートでは、二次解析器408が利用するように構成され得る5秒間のウィンドウは2,000個のサンプルを含む。二次解析器408によってメトリック416~420に適用されるそれぞれのウィンドウのステップサイズ及びオーバーラップは、ユーザーインターフェースデバイス110を通してユーザー定義されかつ/又は事前に定められ得る。一般的な値は、5つのサンプルのうち4つがウィンドウ間でオーバーラップする1秒のステップサイズである(すなわち、5つのサンプルのうち4つは、ウィンドウが移動するときにウィンドウの2つの位置の間で同じである)。
それぞれのウィンドウは、二次解析器408によって解析されるとき、メトリック416~420のうちの1つの値の増加又は減少を示し、メトリックの経時的な軌道を構成し得る。傾向解析器414は、メトリック416~420のうちの1つのウィンドウのウィンドウ位置のうちの1つによって定義されるセグメントをレビュー及び/又は解析するための統計的基準を有することができる。例えば、それぞれのサンプルが独立していてランダムに振る舞うと仮定すると、同じ方向にn回連続して変化する確率は、1/2のn乗になる。いくつかの実施形態では、二次解析器408は、メトリック416~420のパターン(増加又は減少)に対する確率422~426を特定するように構成される。確率は、事前に定められた量の変化がメトリック416~420の1つにおいて特定の方向に生じる確率であり得る(例えば、将来のウィンドウの事前に定められた量は、過去のウィンドウの軌道に基づくメトリックの増加値又は減少値を示す)。傾向解析器414は、確率が閾値を上回るか又は下回る場合に、メトリック416~420のうちの特定の1つが統計的に有意なレベルで増加又は減少していることを示す閾値を利用することができる。傾向解析器414は、統計的に有意なメトリック416~420を特定するためにかつ/又は統計的に有意なメトリック416~420をカテゴリー、例えば、発作、ノイズなどにマッピングするために、1つ以上のユーザー定義された閾値及び/又は事前に定められた閾値を利用することができる。
二次解析器408が行う特定のメトリック計算方法の選択は、事象の頻度、それらの空間的範囲、サンプルサイズ、次元、患者102の状態、患者102の発作症候群、時間エポックの信号対ノイズ比によって決まる可能性があり、これらのすべては、構成データによって示され又は二次解析器408によってEEG信号から抽出され得る(例えば、信号対ノイズ比)。二次解析器408が行うメトリックの計算及びマッピングは、信号及び対象の要因、並びにどの特徴に優先順位を付けるべきかを決定するための本質的な計算複雑性を考慮に入れることができる。この同じプロセスは、次元、複雑性(又は複雑性損失)、リアプノフ指数などの計算にも適用される。
メトリック416~420及びそれらの統計的有意性422~426は、統計的に有意なメトリックのどの傾向が候補発作、ノイズなどを示すかを検出することができる傾向解析器414に渡され得る。例えば、傾向解析器414が固有値の減少と共に二次解析器408が特定したレニー順列エントロピーの増加を検出した場合、EEGデータはノイズ又は発作のバーストサプレッションパターンを示し、この場合、追加のメトリックを解析する必要がある。例えば、メトリック416~420の1つは、二次解析器408が、位相空間解析器412によって、位相空間において特定するサンプルエントロピーであり得る。サンプルエントロピーは、レニー順列エントロピーの計算及び解析の後に二次解析器408によって計算されかつ/又は固有値及び/又はレニー順列エントロピーと並行して計算され得る。サンプルエントロピーの計算は、1秒未満の遅れであり得る。
サンプルエントロピーは、順列エントロピーよりもバーストサプレッションに敏感である可能性がある。傾向解析器414は、サンプルエントロピーが正であるか負であるかを特定することができ、サンプルエントロピーが正である場合、減少する固有値に関連するEEGデータをノイズに分類することができる。メトリック416~420のこれらの結果は、事象を分類するために傾向解析器414によって統合され得る。レニー順列エントロピーと固有値の両方が減少する場合、傾向解析器414はEEGデータが候補発作を示すことを特定することができ、二次解析器408はサンプルエントロピーを特定しないことができる。
位相空間解析器412は、いくつかの実施形態では、次元などのメトリックを特定するために位相空間解析を行うように構成される。位相空間解析器412は、いくつかの実施形態では、EEG信号の位相空間プロットを生成するように構成される。動的システムは、解が閉じた形で存在しない可能性がある一連の微分方程式で表すことができる。しかしながら、位相空間解析器412は、位相空間における軌道を生成することによって、候補発作の挙動を特定することができる。EEG信号の時系列の各インスタンスにおいて、位相空間解析器412は、いくつかの実施形態では、位相空間における単一の点を生成するように構成され、これらの点のシーケンスは、そのパターンが駆動関数の性質への洞察、すなわち、発作の有無への洞察を提供する軌道を形成する。軌道は、位相空間の全体を占めることができ、又はアトラクタと呼ばれる低次元の領域に収束することができる。ノイズの位相空間軌道は決して収束しない。隣接する点が互いに近くなり始めてから発散する場合、奇妙なアトラクタが存在すると言われ、カオス挙動の存在が示唆される。
位相空間解析器412は、いくつかの実施形態では、EEG時系列の経験的データに基づいて位相空間プロットを生成するために時間シフトのターケンス法を行うように構成される。ターケンス法は、Basar、Erolらの「Strange Attractor EEG as Sign of Cognitive Function」Machinery of the Mind、1990、 pp 91-114、doi:10.1007/978-1-4757-1083-0_5に詳細に記載されている。EEG信号は、時系列、
Figure 2023099043000002
として表すことができる。
いくつかの実施形態では、この時系列から、位相空間解析器412は、時間遅延td及び埋め込み次元mを用いてEEG信号の位相空間表現を特定するように構成される。
Figure 2023099043000003
位相空間における軌道の形状は、位相空間解析器412が位相空間プロットを生成するために利用するタイムラグの選択によって強く影響され得る。いくつかの実施形態では、タイムラグは、自己相関関数における最初のゼロであり、位相空間解析器412によって特定され、次いで信号を位相空間に埋め込むために使用される。位相空間解析器412は、タイムラグを推定するための1つ又は複数の異なる方法を利用するように構成される。いくつかの実施形態では、位相空間解析器412は、位相空間解析器412が特定しようとしている非線形メトリックに基づいてタイムラグを特定することができる。いくつかの実施形態では、位相空間解析器412がタイムラグを特定するために使用する推定量は、線形及び/又は非線形である。
位相空間解析器412が選択する第2の値は、埋め込み次元である。アトラクタの次元がkである場合、ホイットニーの埋込み定理は、埋込み次元が2k+1でなければならないと述べている。したがって、位相空間解析器412は、いくつかの実施形態では、アトラクタの既知の又は特定された次元に基づいて埋め込み次元を選択するように構成される。
位相空間解析器412は、いくつかの実施形態では、カオ法を用いて位相空間の次元を推定するように構成される。位相空間解析器412が推定する次元は、位相空間内のアトラクタの次元であり得る。位相空間解析器412は、いくつかの実施形態では、低次元から開始し、偽近傍の数がゼロに達するまで次元を連続的に増加させるように構成される。位相空間解析器412が到達する次元は、候補発作の有無に関係し得る。例えば、傾向解析器414は、メトリック416~420及び/又は位相空間解析器412が特定する次元に基づいて、候補発作があるか否かを特定することができる。
場合によっては、次元の値が発作中の次元と同じくらい小さいこともある。また、次元は通常、発作間欠時に8以下である。実用的な観点から、位相空間解析器412が行うこの上昇法、すなわち、低次元から開始して次元値を増加させることによって、上昇法の計算負荷に基づくパフォーマンスのリアルタイムの低下があり得る。この計算負荷を克服するために、位相空間解析器412は、患者の年齢を示す構成データを受信することができる。位相空間解析器412は、いくつかの実施形態では、患者の年齢に基づいて初期次元値を選択して、位相空間解析器412が次元値をインクリメントし、偽近傍の数がいつゼロに達するかを特定するステップの数を減らすように構成される。
上昇法において位相空間解析器412が利用する初期次元値は、幼児では低く、年長の小児では高いことができる。これは、発作時であれ発作間欠時であれ、年齢が若いほど次元が低いためであり得る。初期次元値の選択は、幼児にのみ、例えば、患者102が10歳未満であることを構成データが示している場合にのみ適用することができる。新生児では覚醒と睡眠との間に明らかな次元の違いはない可能性があり、年長の小児及び成人では次元の年齢調整は有意でない可能性がある。傾向解析器414は、必ずしも次元の絶対値ではなく、次元の傾向を解析することができる。例えば、次元が時間と共に低下する場合、傾向解析器414は、EEG信号を、候補発作を示すものに分類することができる。これに関して、事象の分類は絶対値ではなくメトリックの変化に基づいているため、次元の絶対値の推定における小さな誤差の影響は部分的に減少する。
インターフェースジェネレータ410は、いくつかの実施形態では、予備解析器406及び/又は二次解析器408が特定するメトリックに基づいて、ユーザーインターフェースデバイス110に表示するためのインターフェースを生成するように構成される。また、インターフェースジェネレータ410は、いくつかの実施形態では、傾向解析器414が特定する候補発作の存在に基づいてインターフェースを生成するように構成される。また、インターフェースジェネレータ410が生成するユーザーインターフェースは、ユーザー入力、例えば、特定のメトリックを表示する要求、過去のEEGデータを表示する要求などに基づくことができる。
いくつかの実施形態では、インターフェースは、リアルタイムのEEGデータの傾向を含む。いくつかの実施形態では、EEGデータの傾向が常に表示される。また、インターフェースジェネレータ410が生成するインターフェースは、EEGの傾向の上に予備解析器406が特定した固有値の傾向を重ね合わせたグラフを含むことができる。固有値とEEG波形との間には750ミリ秒の遅延がある可能性がある。いくつかの実施形態では、750ミリ秒ごとに、二次解析器408は、メトリック416~420のそれぞれの新しい値を特定するように構成される。これらの値は共に、メトリック416~420のそれぞれに対する軌道を形成する。それぞれの値が前の値と比較して上昇又は下降することしかできないと仮定して、二次解析器408は、いくつかの実施形態では、同じ方向にn回連続して変化する確率を計算するように構成される。二次解析器408が同じ方向に8回連続して変化することを検出した場合、これは特定の方向への変化の十分な確率を示すことができる。それぞれのメトリックが750ミリ秒の期間にわたって特定され、増加又は減少を検出するために合計8つの値が決定され得るので、二次解析器408は、6秒の時間を使用して、メトリック416~420の増加又は減少の確率を特定することができる。予備解析器406は、メトリック430に対して同じ処理を行うように構成することができる。
固有値の変化が有意になると、インターフェースジェネレータ410は、いくつかの実施形態では、重ね合わされた固有値の波形の色を変えるように構成される。インターフェースジェネレータ410は、いくつかの実施形態では、固有値の傾向に関係するEEGの傾向の時間を記憶するように構成される。これにより、ユーザーは、ユーザーインターフェースデバイス110を通して、過去のEEGデータの特定の部分を要求することができる。要求に応答して、インターフェースジェネレータ410は、EEGデータの要求された部分と、その要求された部分に対応する固有値の傾向とをインターフェースに表示させることができる。いくつかの実施形態では、候補発作に分類されるEEGデータの任意のセクション及びEEGデータのこのセクションに対して特定された対応するメトリックは、インターフェースジェネレータ410が生成するユーザーインターフェースにおいて強調表示される。これにより、訓練を受けた臨床医は、候補発作である可能性のあるEEGデータの特定のセクションをレビューし、データのこのセクションが発作を示すか否かに関する最終特定を行うことができる。
いくつかの実施形態では、インターフェースジェネレータ410は、二次解析器408が特定する統計的に有意である非線形メトリックのパネルをインターフェースに含ませる。インターフェースジェネレータ410は、ユーザーインターフェースデバイス110を通してユーザー指定の有意水準を受信し、非線形メトリックの統計的有意水準がそのメトリックに対するユーザー指定の有意水準よりも大きいことに応答して、インターフェースに特定の非線形メトリックを含ませることができる。
いくつかの実施形態では、メトリックが、閾値の有意水準及び各メトリックの統計的有意性に基づいて非有意から有意に遷移するとき、インターフェースジェネレータ410は、インターフェースに表示されるメトリックを、第1の色から第2の色、例えば、白黒から黄色に変化させる。メトリックのパターンがより高い有意水準(ユーザー設定又は事前に定められたパラメータに基づいて定義することができる)で変化する場合、インターフェースジェネレータ410は、メトリックを第三の色、例えば、青色にすることができる。いくつかの実施形態では、インターフェースジェネレータ410は、EEGデータがリアルタイムで第1のウィンドウに示され、候補発作に分類された過去のEEGデータの期間も表示されるように、EEGデータの分割画面を表示する。
EEG軌道に有意な変化がない場合、レビューのための有意なEEGデータがない可能性があり、インターフェースジェネレータ410は、インターフェースに発作がないことの表示を含めることができる。いくつかの実施形態では、メトリックのパターン及び有意水準はユーザー定義され得る。いくつかの実施形態では、パターン及び/又は有意水準は事前に定められ得る。
ここで図5を参照すると、例示的な実施形態による、EEG信号の非線形特徴の変化を特定することによって候補発作を検出するプロセス500が示されている。発作検出器108は、いくつかの実施形態では、プロセス500を行うように構成される。特に、発作検出器108のチャンネルセレクタ402、フィルタリングステージ404、予備解析器406、及び/又は二次解析器408は、いくつかの実施形態では、プロセス500のいくつか及び/又はすべてを行うように構成される。また、本明細書に記載される任意のコンピューティングシステム又はデバイスは、プロセス500を行うように構成することができる。
ステップ502において、チャンネルセレクタ402は、患者102の脳活動を感知するように構成されたEEG電極のアレイからEEGデータを受信する。いくつかの実施形態では、チャンネルセレクタ402は、リアルタイムで、すなわち、データが収集されるときに、電極から直接EEGデータを受信する。いくつかの実施形態では、チャンネルセレクタ402は、データが収集された後、すなわち、EEGデータを記憶するデータベース又は他のメモリデバイスからデータを受信する。
ステップ504において、チャンネルセレクタ402は、ステップ502で受信したEEGデータの特定のチャンネルの又は複数のチャンネルからEEG信号を選択することができる。また、フィルタリングステージ404は、EEG信号に対してフィルタリングを行うことができる。いくつかの実施形態では、チャンネルの選択は、他の電極の他のEEG信号から特定の電極又は電極群のEEG信号を選択することを含む。いくつかの実施形態では、チャンネルセレクタ402が行う選択は、事前に定められ、すなわち、常に同じチャンネルが選択される。いくつかの実施形態では、チャンネル選択は、構成データ、すなわち、患者102の特徴、例えば、年齢、身長、医学的症候群などを示すデータに基づいて選択される。フィルタリングにより、特定の範囲の周波数を通過させることができる。いくつかの実施形態では、通過する周波数の範囲は予め定められている。いくつかの実施形態では、通過する周波数の範囲も構成データに基づく。
ステップ506において、予備解析器406は、移動ウィンドウを用いて非線形要因対線形要因比の変化を検出するのに適した一般化されたメトリックを用いて予備解析を行う。予備解析器406は、メトリックの傾向を検出することができる。例えば、予備解析器406は、移動ウィンドウを用いて固有値を特定し、固有値の軌道が増加しているか減少しているかを特定することができる。予備解析器406は、固有値の値に基づいて軌道の確率値を計算することができる。確率値が小さくなる、すなわち、事前に定められた量よりも小さくなる場合、固有値が増加又は減少しているという統計的有意性は、予備解析器406によって特定され得る(例えば、増加又は減少が起こる確率が低いため、増加又は減少は統計的に有意である)。
固有値の減少は、非線形要因と線形要因の比の変化、すなわち、EEG信号の非線形特徴の増加を示し得る。ステップ506におけるEEG信号の非線形特徴の増加の検出に応答して、プロセス500のステップ508を行うことができる。EEG信号の非線形特徴が増加していない場合、ステップ508は、計算資源が非効率的に利用されないようにスキップすることができる。
ステップ508において、二次解析器408は、非線形変化(例えば、次元、エントロピー、位相空間における再帰ループの分離度、リアプノフ指数などの変化)の形態をより正確に分類するメトリックを特定することを含む、第2の解析を行う。予備解析(ステップ506)で解析されたメトリックは、計算上効率的であり得るが、第2段階(ステップ508)で解析されたメトリックは、より多くの計算資源を必要とし得るので、メトリックを別々の段階で処理することにより、必要な場合にのみ、すなわち、予備解析が発作の可能性を示した後にのみ、計算資源の使用が可能になる。ステップ508において、二次解析器408は、第2のメトリックの傾向を特定し、第2のメトリックの変化の特定のパターンに基づいて、EEGデータが候補発作を示すか発作を示さないかを特定することができる。
ここで図6を参照すると、例示的な実施形態による、固有値、レニー順列エントロピー、及びサンプルエントロピーを用いてEEG信号の非線形特徴の変化を特定することによって候補発作を検出するプロセス600が示されている。プロセス600は、いくつかの実施形態では、発作検出器108が行うように構成される例示的なメトリック解析を提供する。プロセス600の特定は例示的なものであり、候補発作を検出するために発作検出器108によって利用され得るメトリック及び/又は解析ルールの多くの組合せが存在し得る。発作検出器108は、いくつかの実施形態では、固有値、レニー順列エントロピー、及び/又はサンプルエントロピーに加えて、又はそれらの代わりに、様々な異なる非線形メトリックを用いて様々な異なるパターンを解析するように構成される。発作検出器108は、いくつかの実施形態では、プロセス600を行うように構成される。特に、発作検出器108の予備解析器406及び/又は二次解析器408は、いくつかの実施形態では、プロセス600のいくつか及び/又はすべてを行うように構成される。また、本明細書に記載される任意のコンピューティングシステム又はデバイスは、プロセス600を行うように構成することができる。
ステップ602において、予備解析器406は、EEG信号を受信することができる。EEG信号は、患者102の電気的脳活動に基づいて生成された信号であり得る。また、EEG信号は、予備解析器406が受信する前に、チャンネルセレクタ402及び/又はフィルタリングステージ404によって処理され得る。EEG信号は、時系列のデータサンプルであり得る。
ステップ604において、予備解析器406は、EEG信号に基づいて固有値を特定することができる。いくつかの実施形態では、予備解析器406は、固有値の移動ウィンドウを用いて固有値を特定する。例えば、予備解析器460は、事前に定められた長さ及び事前に定められたウィンドウの以前の位置とのオーバーラップを有するウィンドウを利用して、ウィンドウ内にあるEEG信号のサンプルに基づいて固有値を生成することができる。
ステップ606において、予備解析器406は、ステップ604で特定された固有値の傾向を解析して、固有値が時間と共に増加しているか減少しているかを特定することができる。いくつかの実施形態では、予備解析器406は、軌道の確率、すなわち、固有値の全体的な増加又は減少を特定する。軌道が増加する確率が事前に定められた量よりも大きい場合、予備解析器406はステップ608を行う。同様に、軌道が減少する確率が事前に定められた量よりも大きい場合、予備解析器406はステップ610を行う。固有値が有意な増加又は減少を示さない場合、予備解析器406は、EEGデータを有意でないものに分類することができる。
固有値が増加している場合、ステップ608において、予備解析器406は、増加を示すEEGデータ(EEG信号の特定のサンプル)を有意でないものに分類することができる。しかしながら、固有値が減少していると予備解析器406が特定した場合、ステップ610において、EEG信号のデータは、予備解析器406によって、有意でかつ候補発作を示す可能性があるものに分類することができる。
ステップ612において、二次解析器408は、EEG信号に基づいてレニー順列エントロピー値を特定することができる。いくつかの実施形態では、二次解析器408は、予備解析器406が有意なものに分類したEEGデータのセグメントのみについてレニー順列エントロピー値を特定する。これにより、二次解析器408は、計算のみを行い、計算資源を効率的に利用することができる。
ステップ614において、二次解析器408は、ステップ612で特定されたレニー順列エントロピーの傾向を解析して、レニー順列エントロピーが時間と共に増加しているか減少しているかを特定することができる。いくつかの実施形態では、二次解析器408は、軌道の確率、すなわち、レニー順列エントロピーの全体的な増加又は減少を特定する。軌道が増加する確率が事前に定められた量よりも大きい場合、二次解析器408はステップ618を行う。同様に、軌道が減少する確率が事前に定められた量よりも大きい場合、二次解析器408はステップ616を行う。レニー順列エントロピーが有意な増加又は減少を示さない場合、二次解析器408はステップ618を行うことができる。
ステップ618において、二次解析器408は、EEG信号に基づいてサンプルエントロピー値を特定することができる。いくつかの実施形態では、二次解析器408は、予備解析器406が有意なものに分類したEEGデータのセグメントのみについてサンプル順列エントロピー値を特定する。これにより、二次解析器408は、計算のみを行い、計算資源を必要に応じて利用することができる。サンプル順列エントロピーは、いくつかの実施形態では、移動ウィンドウを用いて二次解析器408によって特定され得る。
ステップ620において、二次解析器408は、サンプルエントロピーが正か負かを特定する。サンプルエントロピーの極性に基づいて、二次解析器408は、データを、サンプルエントロピーが負の場合にはステップ624の候補発作に分類し、サンプルエントロピーが正の場合にはステップ622のノイズに分類する。
例示的な実施形態の構成
様々な例示的な実施形態に示されるシステム及び方法の構造及び配置は例示にすぎない。本開示では少数の実施形態しか詳細に説明されていないが、多くの修正(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び比率、パラメータの値、取付け方法、材料の使用、色、向きなどの変更)が可能である。例えば、要素の位置は逆にするか又は他の方法で変更することができ、別々の要素又は位置の性質又は数は変更し又は多様にすることができる。したがって、すべてのこのような修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。任意のプロセス又は方法ステップの順序又はシーケンスは、代替的な実施形態に従って変更又は再順序付けすることができる。本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態の設計、動作条件及び配置において、他の置換、変更、及び省略を行うことができる。
本開示は、様々な動作を達成するための任意の方法、システム、及び機械可読媒体のプログラム製品を意図している。本開示の実施形態は、既存のコンピュータプロセッサを用いて、又はこの目的もしくは別の目的のために組み込まれた適切なシステムのための専用コンピュータプロセッサによって、又は有線システムによって実施することができる。本開示の範囲内の実施形態は、機械実行可能命令を保持するか又は有するための機械可読媒体又は機械可読媒体に記憶されたデータ構造を含むプログラム製品を含む。このような機械可読媒体は、汎用コンピュータ又は専用コンピュータ又はプロセッサを有する他の機械によってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。例として、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、CD-ROM又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気ストレージデバイス、又は、機械実行可能命令又はデータ構造の形態で所望のプログラムコードを保持又は記憶するために使用することができ、汎用コンピュータ又は専用コンピュータ又はプロセッサを有する他の機械によってアクセスすることができる任意の他の媒体を含むことができる。上記のものの組み合わせも、機械可読媒体の範囲に含まれる。機械実行可能命令は、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は専用処理機械に特定の機能又は機能群を実行させる命令及びデータを含む。
図は特定の順序の方法ステップを示しているが、ステップの順序は示されているものとは異なる場合がある。また、2つ以上のステップを同時に又は部分的に同時に行うこともできる。このような変形例は、選択されるソフトウェア及びハードウェアシステム、ならびに設計者の選択によって決まる。すべてのこのような変形例は、本開示の範囲内にある。同様に、ソフトウェアの実行は、様々な接続ステップ、処理ステップ、比較ステップ及び決定ステップを遂行するために、ルールに基づいたロジック及び他のロジックを有する標準プログラミング技術を用いて遂行することができる。

Claims (28)

  1. 1つ以上の回路を含む発作検出システムであって、
    前記1つ以上の回路は、
    患者の電気的脳活動に基づいて生成された脳波(EEG)信号を受信し、
    前記EEG信号の非線形特徴を示す複数のメトリックを前記EEG信号に基づいて特定し、
    少なくとも部分的に前記複数のメトリックに基づいて、前記EEG信号の非線形特徴の経時的な変化を特定することによって、前記EEG信号が候補発作を示すことを特定し、
    前記EEG信号が前記候補発作を示すことを示す発作アラートを生成する
    ように構成され、
    前記非線形特徴の変化は、前記候補発作を引き起こす生理的力を示す、発作検出システム。
  2. 前記処理回路は、デフォルトのパラメータ値又はユーザー定義のパラメータ値の少なくとも一方に基づいて、前記EEG信号が前記候補発作を示すことを特定するように構成される、請求項1に記載の発作検出システム。
  3. 前記発作検出システムはクラウドベースのシステムであり、前記1つ以上の回路は、ネットワークを通じてローカルEEG収集システムから前記EEG信号を受信し、前記ネットワークを通じて前記ローカルEEG収集システムに結果データを提供するように構成される、請求項1に記載の発作検出システム。
  4. 前記発作検出システムはローカルシステムであり、
    前記ローカルシステムは、ローカルEEGシステムと統合されるか又はEEG収集システムにローカル接続される、請求項1に記載の発作検出システム。
  5. 少なくとも部分的に前記複数のメトリックに基づいて、前記EEG信号の非線形特徴の変化を特定することは、前記非線形特徴の経時的な増加を特定することを含む、請求項1に記載の発作検出システム。
  6. 前記複数のメトリックは、次元、同期性、リアプノフ指数、エントロピー、全体的な非線形性、再帰軌道間の距離差、又は自己相似性のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の発作検出システム。
  7. 前記1つ以上の回路は、
    前記複数のメトリックのうちの1つを用いて、前記EEG信号が前記候補発作を示すこと又は前記EEG信号がノイズを含むことを示す予備解析を行うことと、
    前記複数のメトリックのうちの1つ以上のメトリックを用いて、前記EEG信号が前記候補発作を示すかノイズを含むかを特定するために二次解析を行うことと
    によって、少なくとも部分的に前記複数のメトリックに基づいて、前記EEG信号の非線形特徴の経時的な変化を特定することによって、前記EEG信号が前記候補発作を示すことを特定する
    ように構成される、請求項1に記載の発作検出システム。
  8. 前記1つ以上の回路は、
    複数の時点における前記複数のメトリックのそれぞれの軌道の確率を特定し、
    前記確率に基づいて前記複数のメトリックのそれぞれの軌道が有意であるか否かを特定する
    ように構成され、
    少なくとも部分的に前記複数のメトリックに基づいて、前記EEG信号の非線形特徴の変化を特定することは、前記複数のメトリックのうちの有意なメトリックをカテゴリーにマッピングすることを含み、前記カテゴリーは発作カテゴリーである、請求項1に記載の発作検出システム。
  9. 前記1つ以上の回路は、偽近傍の数がゼロに達するまで次元の値を増加させることによって位相空間解析を行うことによって前記EEG信号の次元を特定するように構成され、前記次元の初期値は前記患者の年齢に基づく、請求項1に記載の発作検出システム。
  10. 前記1つ以上の回路は、
    前記複数のメトリックのうちの1つ以上が統計的に有意な経時的な変化を示すか否かを特定し、
    前記EEG信号のリアルタイムの傾向と、前記複数のメトリックの1つ以上とを含むユーザーインターフェースを生成し、
    ユーザーインターフェースデバイスに前記ユーザーインターフェースを表示させる
    ように構成される、請求項1に記載の発作検出システム。
  11. 前記複数のメトリックのうちの1つが固有値であり、前記ユーザーインターフェースは、前記固有値の傾向をさらに含む、請求項10に記載の発作検出システム。
  12. 前記ユーザーインターフェースは、前記EEG信号の履歴ウィンドウをさらに含み、前記EEG信号の履歴ウィンドウは前記候補発作に関連する、請求項10に記載の発作検出システム。
  13. 前記1つ以上の回路は、
    前記EEG信号の固有値の移動ウィンドウを特定し、
    前記固有値が減少していることを特定し、
    前記固有値が減少しているという特定に応答して、少なくとも部分的に前記複数のメトリックに基づいて前記EEG信号が前記候補発作を示すことを特定する
    ように構成される、請求項1に記載の発作検出システム。
  14. 前記1つ以上の回路は、
    前記EEG信号に基づいてレニー順列エントロピー値を特定し、
    前記レニー順列エントロピー値が減少していることを特定し、
    前記固有値が減少しているという特定及び前記レニー順列エントロピー値が減少しているという第2の特定に応答して、前記EEG信号が前記候補発作を示すことを特定する
    ように構成される、請求項13に記載の発作検出システム。
  15. 前記1つ以上の回路は、
    前記EEG信号に基づいてレニー順列エントロピー値を特定し、
    前記レニー順列エントロピー値が増加していることを特定し、
    前記レニー順列エントロピー値が増加しているという第1の特定に応答して、前記EEG信号に基づいてサンプルエントロピー値を特定し、
    前記サンプルエントロピー値が負であるという第2の特定に応答して、前記EEG信号が前記候補発作を示すことを特定し、
    前記サンプルエントロピー値が正であるという第3の特定に応答して、前記EEG信号が前記候補発作を示さないことを特定する
    ように構成される、請求項13に記載の発作検出システム。
  16. 発作検出方法であって、
    患者の電気的脳活動に基づいて生成された脳波(EEG)信号を処理回路が受信することと、
    前記EEG信号の非線形特徴を示す複数のメトリックを前記EEG信号に基づいて前記処理回路が特定することと、
    少なくとも部分的に前記複数のメトリックに基づいて、前記EEG信号の非線形特徴の経時的な変化を特定することによって、前記EEG信号が候補発作を示すことを前記処理回路が特定することと、
    前記EEG信号が前記候補発作を示すことを示す発作アラートを前記処理回路が生成することと
    を含み、
    前記非線形特徴の変化は、前記候補発作を引き起こす生理的力を示す、方法。
  17. 前記EEG信号が前記候補発作を示すことを前記処理回路が特定することは、デフォルトのパラメータ値又はユーザー定義のパラメータ値の少なくとも一方に基づく、請求項16に記載の方法。
  18. 前記複数のメトリックは、次元、同期性、リアプノフ指数、エントロピー、全体的な非線形性、再帰軌道間の距離差、又は自己相似性のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載の方法。
  19. 少なくとも部分的に前記複数のメトリックに基づいて、前記EEG信号の非線形特徴の経時的な変化を特定することによって、前記EEG信号が前記候補発作を示すことを前記処理回路が特定することは、
    前記複数のメトリックのうちの1つを用いて、前記EEG信号が前記候補発作を示すこと又は前記EEG信号がノイズを含むことを示す予備解析を行うことと、
    前記複数のメトリックのうちの1つ以上のメトリックを用いて、前記EEG信号が前記候補発作を示すかノイズを含むかを特定するために二次解析を行うことと
    による、請求項16に記載の方法。
  20. 複数の時点における前記複数のメトリックのそれぞれの軌道の確率を前記処理回路が特定することと、
    前記確率に基づいて前記複数のメトリックのそれぞれの軌道が有意であるか否かを前記処理回路が特定することと
    をさらに含み、
    少なくとも部分的に前記複数のメトリックに基づいて、前記EEG信号の非線形特徴の変化を前記処理回路が特定することは、前記複数のメトリックのうちの有意なメトリックをカテゴリーにマッピングすることを含み、前記カテゴリーは発作カテゴリーである、請求項16に記載の方法。
  21. 偽近傍の数がゼロに達するまで次元の値を増加させることによって位相空間解析を行うことによって前記EEG信号の次元を前記処理回路が特定することをさらに含み、前記次元の初期値は前記患者の年齢に基づく、請求項16に記載の方法。
  22. 発作検出システムであって、
    患者に接続された1つ以上の電極であって、患者の電気的脳活動に基づいて脳波(EEG)信号を生成するように構成された電極と、
    処理回路であって、
    患者の電気的脳活動に基づいて生成された脳波(EEG)信号を受信し、
    前記EEG信号の非線形特徴を示す複数のメトリックを前記EEG信号に基づいて特定し、
    少なくとも部分的に前記複数のメトリックに基づいて、前記EEG信号の非線形特徴の経時的な変化を特定することによって、前記EEG信号が候補発作を示すことを特定し、
    前記EEG信号が前記候補発作を示すことを示す発作アラートを生成する
    ように構成された処理回路と
    を含み、
    前記非線形特徴の変化は、前記候補発作を引き起こす生理的力を示す、発作検出システム。
  23. 前記処理回路は、デフォルトのパラメータ値又はユーザー定義のパラメータ値の少なくとも一方に基づいて、前記EEG信号が前記候補発作を示すことを特定するように構成される、請求項22に記載の発作検出システム。
  24. 前記処理回路は、
    前記非線形特徴のそれぞれの経時的な複数の値を特定することによって前記非線形特徴のそれぞれの軌道を特定することと、
    前記非線形特徴のそれぞれの軌道の確率値が、前記非線形特徴のそれぞれの軌道の発生が統計的に有意であることを示す確率レベルよりも小さいことを特定することと、
    前記非線形特徴のそれぞれの軌道の確率値が前記確率レベルよりも小さいという特定に応答して、前記EEG信号が前記候補発作を示すことを特定することと
    によって、前記EEG信号が前記候補発作を示すことを特定するように構成される、請求項22に記載の発作検出システム。
  25. 前記処理回路は、
    前記非線形特徴の経時的な複数の値を特定することによって、前記非線形特徴のうちの一非線形特徴の軌道を特定することと、
    前記軌道の確率値が、前記軌道の発生が統計的に有意であることを示す確率レベルよりも小さいことを特定することと、
    前記軌道の確率値が前記確率レベルよりも小さいという特定に応答して、前記EEG信号が前記候補発作を示すことを特定することと
    によって、前記EEG信号が前記候補発作を示すことを特定するように構成される、請求項22に記載の発作検出システム。
  26. 前記非線形特徴の前記複数の値のそれぞれの値が、前記複数の値の前の値に対して減少し、
    前記処理回路は、それぞれが前記複数の値の前の値に対して減少する前記複数の値の数に基づいて、前記軌道の確率値を特定するように構成される、請求項25に記載の発作検出システム。
  27. 前記処理回路は、
    ユーザーインターフェースを通してユーザー入力を受信し、
    前記確率レベルを前記ユーザー入力によってユーザーが選択した値に設定することによって前記確率レベルを決定する
    ように構成される、請求項25に記載の発作検出システム。
  28. 前記処理回路は、
    前記発作検出システムのメモリデバイスからデフォルト値を取得し、
    前記確率レベルを前記メモリデバイスから取得した前記デフォルト値に設定することによって前記確率レベルを決定する
    ように構成される、請求項25に記載の発作検出システム。
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