<第1実施形態>
1.遊技機の構造
図1、図2に基づいて、本発明の一実施形態としての遊技機1の構造について説明する。図1は、遊技機1の正面図である。図2は、大入賞装置36の詳細を示す説明図である。以下では、遊技機1の左右方向を、遊技機1に対面する遊技者から見た左右方向に一致させて説明する。また、遊技機1の前方向は、遊技機1から遊技者に向かう方向として説明し、遊技機1の後方向は、遊技者から遊技機1に向かう方向として説明する。
遊技機1は、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射させ、特定の入賞装置に遊技球が入賞すると、その入賞に基づいて所定数の遊技球を遊技者に払い出すパチンコ遊技機である。遊技機1は、遊技機枠50と、遊技盤2とを備え、遊技機枠50の内側に遊技盤2が取り付けられている。遊技機枠50は、前枠(前枠部)53のほか、遊技機の外郭部を形成する外枠(基枠部)と、外枠の内側において遊技盤2が取り付けられる内枠と、を備えている。前枠(前枠部)53は、外枠および内枠の前方側に配置される縦長方形状のユニットであり、ハンドル60と、打球供給皿(上皿)61と、余剰球受皿(下皿)62と、演出ボタン63と、枠ランプ66と、スピーカ67と、を備えている。前枠53の中央には開口部が形成されており、開口部を介して、遊技盤2の遊技領域3を視認することができる。
ハンドル60は、前枠53の右側の下端に配置され、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させる。打球供給皿(上皿)61は、前枠53の下方に設けられ、遊技球を貯留する。余剰球受皿(下皿)62は、打球供給皿(上皿)61の下方に配置され、打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する。演出ボタン63は、打球供給皿(上皿)61の近傍に配置され、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者によって操作される。枠ランプ66は、前枠53の開口部周辺に配置され、遊技中などに発光演出をおこなう。スピーカ67は、前枠53の左上方と右上方に配置され、遊技中などに音演出をおこなう。
遊技盤2は、遊技領域3と、レール部材4と、盤ランプ5と、画像表示装置7と、センター装飾体10と、第1始動口20Aと、第1始動口20Bと、第2始動口22と、普通可変入賞装置(電チュー)23と、ゲート(スルーチャッカー)28と、大入賞装置(アタッカー)36と、普通入賞口27と、アウト口16と、表示器類40と、を備えている。
遊技領域3は、ハンドル60の操作によって発射された遊技球が流下する領域であり、
遊技球を誘導する複数の遊技釘が突設されている。レール部材4は、遊技領域3の左側端部に配置され、ハンドル60の操作によって発射された遊技球を遊技領域3の上方に向けて誘導する。盤ランプ5は、遊技領域3の背面側に配置され、遊技領域3の背面側から光を照射する。
画像表示装置7は、遊技領域3の中央付近に設けられ、表示画面7aを備えている。画像表示装置7は、液晶表示装置であってもよいし、有機EL表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクター、ドットマトリクスなどの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置7の表示画面7aは、演出図柄(装飾図柄)8L、8C、8Rが可変表示(変動表示ともいう)される第1演出図柄表示領域と、演出図柄8X、8Y、8Zが可変表示される第2演出図柄表示領域と、保留画像9A、9Bが表示される保留画像表示領域と、保留消化画像9C、9Dが表示される保留消化画像表示領域と、を有している。
第1演出図柄表示領域は、「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアを含んでいる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示される。中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示される。右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄8L、8C、8Rは、例えば「1」~「9」までの数字を表した複数の図柄によって構成されている。演出図柄8L、8C、8Rの変動表示は、後述する第1特別図柄の変動表示と同期している。画像表示装置7は、左、中、右の図柄表示エリアに表示する演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aによって表示される第1特別図柄の可変表示の結果(大当たり小当たり抽選結果)を、遊技者にわかりやすく表示することができる。第2演出図柄表示領域は、第1演出図柄表示領域と同様に、「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアを含んでいる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Xが表示される。中の図柄表示エリアには中演出図柄8Yが表示される。右の図柄表示エリアには右演出図柄8Zが表示される。演出図柄8X、8Y、8Zは、演出図柄8L、8C、8Rと同様に「1」~「9」までの数字を表した複数の図柄によって構成されている。演出図柄8X、8Y、8Zの変動表示は、後述する第2特別図柄の変動表示と同期している。画像表示装置7は、左、中、右の図柄表示エリアに表示する演出図柄の組み合わせによって、後述の第2特別図柄表示器41bによって表示される第2特別図柄の可変表示の結果(大当たり小当たり抽選結果)を、遊技者にわかりやすく表示することができる。
第1演出図柄表示領域および第2演出図柄表示領域ともに、例えば、大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。遊技者は、大当たり小当たり抽選結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bのほか、画像表示装置7によって把握することができる。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様であってもよいしそれ以外の態様であってもよい。また、小当たりに当選した場合には「135」など予め定められたチャンス目で演出図柄を停止表示させてもよいし、バラケ目で演出図柄を停止表示させてもよい。各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは上記に限定されず任意に設定することができる。以後、演出図柄8L、8C、8Rおよび演出図柄8X、8Y、8Zを表示する演出を「演出図柄変動演出」、または、単に「変動演出」とも呼ぶ。
画像表示装置7は、演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(第2特別遊技)に並行しておこなわれる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示することができる。演出図柄変動演出では、演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出画像も表示されてもよい。また、画像表示装置7は、演出図柄に加え、特別図柄が変動中であることを示唆したり、特別図柄の抽選結果を示唆したりすることが可能な識別表示(第四図柄、図示省略)を、表示画面7aに表示してもよい。なお、識別表示(第四図柄
)は、遊技領域3に設けられたLEDなどの発光器によって表示させてもよい。
保留画像表示領域は、後述の第1特図保留の記憶数に応じて保留画像9Aを表示する第1保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて保留画像9Bを表示する第2保留表示エリアとを含んでいる。保留画像9A、9Bの表示によって、後述の第1特図保留表示器43aに表示される第1特図保留の記憶数と、第2特図保留表示器43bに表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく表示することができる。保留消化画像表示領域は、保留消化画像9Cを表示する第1保留消化表示エリアと、保留消化画像9Dを表示する第2保留消化表示エリアとを含んでいる。保留消化画像9Cは、表示画面7aで現在変動中の演出図柄(演出図柄8L、8C、8R)に対応しており、保留消化画像9Cの表示によって、第1特図保留が消化(後述の「特図1保留の消化」)されることを、遊技者にわかりやすく表示することができる。保留消化画像9Dは、表示画面7aで現在変動中の演出図柄(演出図柄8X、8Y、8Z)に対応しており、保留消化画像9Dの表示によって、第2特図保留が消化(後述の「特図2保留の消化」)されることを、遊技者にわかりやすく表示することができる。
センター装飾体10は、遊技領域3の中央付近であって、画像表示装置7の前方に配置されている。センター装飾体10には、可動式のいわゆるギミックである装飾可動体15が取り付けられている。センター装飾体10の下部には、ステージ部11が形成されている。ステージ部11は、ステージ部11の上面を転動する遊技球を後述する振分装置18の導入口17へと誘導可能な形状を有している。センター装飾体10の左下方には、ワープ部12が設けられている。ワープ部12は、遊技球が流入する入口部と遊技球が流出する出口部とを備え、入口部から流入した遊技球を出口部からステージ部11に流出させる。
第1始動口20Aは、遊技領域3における画像表示装置7の下方に配置される。また、第1始動口20Bは、遊技領域3の右側の領域(後述する右遊技領域3B)において、右打ち(詳細は後述)によって右遊技領域3Bに発射された遊技球が入賞可能な位置に配置される。右打ち時には、図1に示すように、右遊技領域3Bを流下する遊技球は、分岐点Wの地点において、第1始動口20Bに向かう場合と、大入賞装置36方向に向かう場合とに分岐する。これにより、第1始動口20Bには、右打ち時において、コンスタントに遊技球が入賞可能となっている。第1始動口20A、20Bへの遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり小当たり抽選)の契機となっている。
図1に戻って、普通可変入賞装置(電チュー)23は、遊技領域3における大入賞装置36の左側に配置され、第2始動口22を備えている。第2始動口22への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり小当たり抽選)の契機となっている。電チュー23は、前後に進退可能な可動部材24を備えており、可動部材24の作動によって第2始動口22を開閉する。可動部材24は、電チューソレノイド25(図4)によって駆動される。第2始動口22は、可動部材24が開状態(進出状態)のとき遊技球が入球可能である。なお、電チュー23は、可動部材24が開状態のときの方が閉状態(退避状態)のときよりも第2始動口22への入球が容易であればよく、閉状態のときに第2始動口22への入球が可能であってもよい。
ゲート(スルーチャッカー)28は、遊技領域3における画像表示装置7の右側に配置されており、遊技球が通過可能に構成されている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー23を開放するか否かを決定する普通図柄抽選の契機となっている。言い換えれば、ゲート28への遊技球の通過は、普通図柄当たり乱数の取得および当たり判定等の契機となっている。
ここで、「特別図柄の抽選」とは、第1始動口20A,20Bまたは第2始動口22に遊技球が入賞したときに、特別図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「大当たり」または「小当たり」に対応する値と比較することにより、大当たりか否か、および、小当たりか否かを判定する処理をいう。この「大当たり」および「小当たり」の抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、後述の第1特別図柄表示器41aまたは第2特別図柄表示器41bにおいて特別図柄の変動表示がおこなわれ、所定の変動時間を経過したところで、抽選結果に対応する特別図柄が停止表示(確定表示)され、遊技者に抽選結果が報知される。画像表示装置7では、特別図柄の変動表示と同期して演出図柄を変動表示する図柄合わせゲームが行われ、この図柄合わせゲームによって、より効果的に大当りの抽選結果が遊技者に報知される。
また、「普通図柄の抽選」とは、ゲート28を遊技球が通過したときに、普通図柄判定用の乱数を取得し、この取得した乱数を予め定められた「当り」に対応する値と比較することにより、当りか否かを判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、ゲート28を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、後述の普通図柄表示器42において普通図柄の変動表示がおこなわれ、所定の変動時間を経過したところで、抽選結果に対応する普通図柄が確定表示(点灯または消灯)され、遊技者に抽選結果が報知される。
大入賞装置(アタッカー、特別可変入賞装置)36は、遊技領域3における分岐点W(または第1始動口20B)の下方に配置され、大入賞口(第2特別入賞口)35を備えている。大入賞口35は、シャッター式の開閉動作により遊技球の受け入れを阻害または許容する開閉部材(第2特別入賞口開閉部材、可動部材)37を備えている。開閉部材37は、大入賞口ソレノイド38によって駆動される。大入賞口35は、開閉部材37が開状態のとき遊技球が入球可能となる。
大入賞装置36は、内部に、V領域(特定領域)39と、V領域センサ39aと、非V領域(非特定領域)70と、非V領域センサ70aと、大入賞口センサ35aと、V開閉部材71と、V開閉部材ソレノイド73と、を備えている。V領域(特定領域)39および非V領域(非特定領域)70は、大入賞装置36の内部において、大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な領域として構成されている。大入賞口センサ35aは、V領域39および非V領域70の上流に配置され、大入賞口35への遊技球の入賞を検知する。V領域センサ39aは、V領域39に配置され、V領域39への遊技球の通過を検知する。非V領域センサ70aは、非V領域70に配置され、非V領域70への遊技球の通過を検知する。V開閉部材71は、大入賞口35を通過した遊技球をV領域39または非V領域70のいずれかに振り分ける。V開閉部材ソレノイド73は、V開閉部材71を駆動する。V開閉部材71は、回転移動(遊技盤2に対して時計回りおよび反時計回り)するように構成され、V開閉部材ソレノイド73の通電時には、原点位置から時計回りに回転して遊技球をV領域39に振り分ける第1の状態(回動状態。詳細は後述)となり、V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、原点に位置して遊技球を非V領域70に振り分ける第2の状態(停止状態。詳細は後述)となる。なお、V開閉部材71は、回転移動に限らず、大入賞口35を通過した遊技球をV領域39または非V領域70のいずれかに振り分ける機能を有しておればよく、左右方向や前後方向に移動するように構成してもよい。すなわち、V開閉部材ソレノイド73の通電時には、遊技球をV領域39に振り分ける退避状態(第1の状態)となり、V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非V領域70に振り分ける進出状態(第2の状態)となるように構成してもよい。
図2(A)は、V開閉部材ソレノイド73が通電時の状態を示している。V開閉部材ソレノイド73の通電時には、V開閉部材71はV領域39への遊技球の通過を許容する状態(第1の状態)となる。V開閉部材71が第1の状態のときには、大入賞口35に入賞
した遊技球は、大入賞口センサ35aを通過した後、V領域39を通過する(図2(A)のAルート)。この遊技球のルートを「第1のルート」と呼ぶ。図2(B)は、V開閉部材ソレノイド73が非通電時の状態を示している。V開閉部材ソレノイド73の非通電時には、V開閉部材71はV領域39への遊技球の通過を妨げる状態(第2の状態)となる。V開閉部材71が第2の状態のときには、大入賞口35に入賞した遊技球は、大入賞口センサ35aを通過した後、V開閉部材71の上面を転動して非V領域70を通過する(図2(B)のBルート)。この遊技球のルートを「第2のルート」と呼ぶ。なお、遊技機1では、V領域39への遊技球の通過が後述の大当たり遊技(第2特別遊技)の実行契機となっている。つまり、V領域39への遊技球の通過が成功したか否かによっても大当たりの当否抽選がおこなわれる。上述の第1特別図柄の抽選または第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを「1種大当たり」とも呼び、V領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを「2種大当たり」とも呼ぶ。
図1に戻って、普通入賞口27は、遊技領域3の下部に設けられている。なお、普通入賞口27の数は任意に設定することができる。アウト口16は、遊技領域3の下部に設けられており、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3の外へ排出する。表示器類40は、遊技盤2の右下部に配置されている。表示器類40の詳細については後述する。
遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「左打ち」と呼ぶ。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打ち方を「右打ち」と呼ぶ。遊技機1では、左打ちにて、第1始動口20Aへの入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第1始動口20B、第2始動口22、大入賞口35への入賞が狙うことができるように構成されている。
図3は、表示器類40の拡大図である。表示器類40は、第1特別図柄表示器41aと、第2特別図柄表示器41bと、普通図柄表示器42と、第1特図保留表示器43aと、第2特図保留表示器43bと、普図保留表示器44と、を含んでいる。第1特別図柄表示器41aは、第1特別図柄を可変表示する。第2特別図柄表示器41bは、第2特別図柄を可変表示する。普通図柄表示器42は、普通図柄を可変表示する。第1特図保留表示器43aは、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する。第2特図保留表示器43bは、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する。普図保留表示器44は、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する。第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機としておこなわれる。第2特別図柄の可変表示は、第2A始動口21または第2始動口22への遊技球の入賞を契機としておこなわれる。以下では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して「特別図柄」とも呼ぶ。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して「特別図柄表示器41」とも呼ぶ。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して「特図保留表示器43」とも呼ぶ。
特別図柄表示器41は、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)した後、停止表示することによって第1始動口20、第2A始動口21または第2始動口22への入賞に基づく抽選(特別図柄当たり抽選、大当たり小当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口35を開放させる大当たり遊技(第2特別遊技)がおこなわれる。また、停止図柄が
予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種類(当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)がおこなわれる。なお、第1特別遊技または第2特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
特別図柄表示器41は、横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって特別図柄当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば、大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。特別図柄が停止表示される前には、所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされる。変動表示の態様は、例えば、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯してもよい。変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、上記態様に限定されず、任意の点灯態様とすることができる。例えば、変動表示の態様は、全LEDが一斉に点滅してもよい。
遊技機1では、第1始動口20A,20Bまたは第2始動口22への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した特別図柄当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶領域85(図6)に一旦記憶される。具体的には、第1始動口20A,20Bへの入賞であれば、第1特図保留として第1特図保留記憶領域85a(図6)に記憶され、第2始動口22への入賞であれば、第2特図保留として第2特図保留記憶領域85b(図6)に記憶される。各々の特図保留記憶領域85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本実施形態における上限値は、第1特図保留記憶領域85a、第2特図保留記憶領域85bともにそれぞれ4個となっている。特図保留記憶領域85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。「特図保留の消化」とは、その特図保留に対応する特別図柄当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って、遊技機1では、第1始動口20、第2A始動口21または第2始動口22への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐにおこなえない場合、すなわち、特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技または小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり小当たり抽選の権利を留保することができる。特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。第1特図保留表示器43aと第2特図保留表示器43bは、例えばそれぞれ4個のLEDで構成されている。各特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることによって特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機としておこなわれる。普通図柄表示器42は、普通図柄を可変表示(変動表示)した後、停止表示することによってゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。普図停止図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口22の開放パターンについては後述する。
普通図柄表示器42は、3個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通
図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、抽選結果が当たりである場合には、「○○●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2番目にあるLEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。抽選結果がハズレである場合には、「●●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には、所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされる。変動表示の態様は、例えば、左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯してもよい。変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、上記態様に限定されず、任意の点灯態様とすることができる。例えば、変動表示の態様は、全LEDが一斉に点滅してもよい。普通図柄表示器42のLEDの数は2個であってもよいし4個以上であってもよい。
遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄当たり乱数の値は、普図保留記憶領域86(図6)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶領域86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。普図保留記憶領域86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当たり乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って、遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐにおこなえない場合、すなわち、普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができる。普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。普図保留表示器44は、例えば、4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることによって普図保留の数を表示する。
2.遊技機の電気的構成
図4、図5に基づいて、遊技機1の電気的構成について説明する。図4は、遊技機1の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。図5は、遊技機1のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。遊技機1は、主制御基板80(図4)と、サブ制御基板90(図5)と、画像制御基板100(図5)と、ランプ制御基板107(図5)と、音声制御基板106(図5)と、払出制御基板110(図4)と、を備えている。主制御基板80は、大当たり小当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御をおこなう遊技制御基板であり、メイン制御部を構成する。サブ制御基板90は、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御をおこなう演出制御基板であり、画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていれば構成可能である。
主制御基板80は、遊技制御用マイコン81と、入出力回路87と、を備えている。遊技制御用マイコン81は、主制御基板80に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の進行を制御する。遊技制御用マイコン81は、遊技の進行を制御するためのプログラムなどを記憶するメインROM83と、ワークメモリとして使用されるメインRAM84と、メインROM83に記憶されているプログラムを実行するメインCPU82と、を含んでいる。メインROM83に記憶されているデータの詳細、および、メインRAM84に設けられている記憶領域の詳細については後述する。メインROM83は外付けROMとして構成されていてもよい。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
主制御基板80には、入出力回路87および中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。主制御基板80は、各センサから出力された信号が入力するとと
もに、各ソレノイドに対して信号を出力する。中継基板88を介して接続されるセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第1始動口センサ21a、第2始動口センサ22a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ35a、V領域センサ39a、非V領域センサ70a、および、普通入賞口センサ27a、が例示される。中継基板88を介して接続されるソレノイド類としては、電チューソレノイド25、大入賞口ソレノイド38、および、V開閉部材ソレノイド73が例示される。第1始動口センサ20aは、第1始動口20Aの内部に設けられ、第1始動口20Aに入賞した遊技球を検出する。第1始動口センサ21aは、第1始動口20Bの内部に設けられ、第1始動口20Bに入賞した遊技球を検出する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22の内部に設けられ、第2始動口22に入賞した遊技球を検出する。ゲートセンサ28aは、ゲート28の内部に設けられ、ゲート28を通過した遊技球を検出する。大入賞口センサ35aは、大入賞口35の内部に設けられ、大入賞口35に入賞した遊技球を検出する。V領域センサ39aは、大入賞口35の内部のV領域39に設けられ、V領域39を通過した遊技球を検出する。非V領域センサ70aは、大入賞口35の内部の非V領域70に設けられ、非V領域70を通過した遊技球を検出する。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27の内部に設けられ、普通入賞口27に入賞した遊技球を検出する。電チューソレノイド25は、電チュー23の可動部材24を駆動する。大入賞口ソレノイド38は、大入賞装置36の開閉部材37を駆動する。V開閉部材ソレノイド73は、大入賞口35のV開閉部材71を駆動する。
主制御基板80には、入出力回路87を介して表示器類40が接続されている。遊技制御用マイコン81は、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44についての表示制御おこなう。
主制御基板80には、入出力回路87を介して払出制御基板110が接続されている。主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120と、貸球払出装置130と、カードユニット135と、が接続され、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。賞球払出装置120は、賞球の払い出しをおこなう。払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しをおこなう。払い出される賞球は、計数のために賞球センサ122によって検知される。貸球払出装置130は、貸球の払い出しをおこなう。払出制御基板110は、遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しをおこなう。払い出される貸球は、計数のために貸球センサ132によって検知される。カードユニット135は、遊技機1に隣接して配置され、挿入されたプリペイドカードなどの情報に基づいて球貸に関する情報を出力する。発射装置112は、ハンドル60(図1)と、発射モータ113と、タッチスイッチ114と、発射ボリューム115と、を備えている。発射装置112は、遊技者によるハンドル60の操作があった場合に、タッチスイッチ114によってハンドル60の接触を検知し、発射ボリューム115によってハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるように発射モータ113を駆動する。すなわち、遊技者がハンドル60に接触すると、発射装置112のタッチスイッチ114によって接触を検知し、検知信号が発射制御回路111、払出制御基板110を介して主制御基板80に伝達される。主制御基板80は、発射装置112のタッチスイッチ114から検知信号が伝達されると、遊技者がハンドル60に接触したことを表すコマンドをサブ制御基板90に送信する。
主制御基板80には、入出力回路87を介してサブ制御基板90(図5)が接続されている。主制御基板80は、サブ制御基板90に対して各種コマンドを送信する。主制御基
板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
サブ制御基板90は、演出制御用マイコン91と、入出力回路95と、を備えている。演出制御用マイコン91は、サブ制御基板90に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って遊技機1の遊技の演出を制御する。演出制御用マイコン91は、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶するサブROM93と、ワークメモリとして使用されるサブRAM94と、サブROM93に記憶されているプログラムを実行するサブCPU92と、を含んでいる。サブROM93に記憶されているデータの詳細、および、サブRAM94に設けられている記憶領域の詳細については後述する。サブROM93は外付けROMとして構成されていてもよい。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)95を介して他の基板等とデータの送受信をおこなう。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。サブ制御基板90には、入出力回路95を介して、画像制御基板100と、音声制御基板106と、ランプ制御基板107と、演出ボタン検出スイッチ63aと、が接続されている。
画像制御基板100は、画像制御用マイコン101と、入力回路105aと、出力回路105bとを備えている。画像制御用マイコン101は、画像制御基板100に実装されているワンチップマイコンであり、プログラムに従って画像表示装置7の表示制御をおこなう。画像制御用マイコン101は、CPU102と、ROM103と、RAM104とを含んでいる。ROM103には、表示制御をおこなうためのプログラムのほか、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的には、キャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。RAM104は、画像データを展開するためのメモリとして使用される。CPU102は、ROM103に記憶されているプログラムを実行する。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御用マイコン101に画像表示装置7の表示制御をおこなわせる。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出し、読み出した画像データに基づいて表示制御をおこなう。
音声制御基板106には、スピーカ67が接続されており、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力させる。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のサブROM93に格納されている。なお、音声制御基板106は、CPUを実装していてもよく、そのCPUにコマンドに基づく音声制御を実行させてもよい。さらに、音声制御基板106は、ROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらに、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
ランプ制御基板107には、枠ランプ66と、盤ランプ5が接続され、また、中継基板108を介して装飾可動体15が接続されており、これらを制御する。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御をおこなう。つまり、演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のサブROM93に格納されているデータが用
いられる。演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、装飾可動体15を動作させる。装飾可動体15は、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックである。演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データ)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107は、CPUを実装していてもよく、そのCPUにコマンドに基づくランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。この場合、ランプ制御基板107はROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1)が押下操作されたことを検出する。演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出スイッチ63aから、サブ制御基板90にスイッチ信号が出力される。
3.遊技機のデータ構成
図6、図7に基づいて、遊技機1のデータ構成について説明する。図6(A)は、メインROM83に記憶されているテーブルを説明するための図である。図6(B)は、メインRAM84に設けられている記憶領域を説明するための図である。図7(A)は、サブROM93に記憶されているテーブルを説明するための図である。図7(B)は、サブRAM94に設けられている記憶領域を説明するための図である。
メインROM83(図6(A))には、特別図柄当たり判定テーブルT1と、リーチ判定テーブルT2と、特別図柄当たり種別判定テーブルT3と、特別図柄変動パターン判定テーブルT4と、普通図柄当たり判定テーブルT5と、普通図柄当たり種別判定テーブルT6と、普通図柄変動パターン判定テーブルT7と、電チュー開放パターン判定テーブルT8と、大入賞口開放パターン判定テーブルT9と、が格納されている。これらの判定テーブルは、遊技制御用マイコン81が実行する主制御メイン処理(後述)において、遊技制御用マイコン81によって参照される。各判定テーブルの具体的な内容については後述する。
メインRAM84(図6(B))には、コマンドセット領域84aと、フラグセット領域84bと、カウンタセット領域84cと、特図1動作ステータスセット領域84dと、特図2動作ステータスセット領域84eと、特図保留記憶領域85と、普図保留記憶領域86とが設けられている。コマンドセット領域84aは、主制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側からサブ制御部側に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、特図1変動開始コマンド、特図1変動停止コマンド、特図2変動開始コマンド、特図2変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンド、V通過コマンド、客待ち待機コマンド、保留球数コマンド、普通図柄変動開始コマンド、普通図柄変動停止コマンド、普通図柄オープニングコマンド、普通図柄エンディングコマンド、事前判定コマンドなどがセットされる。フラグセット領域84bは、主制御メイン処理(後述)において、遊技機の状態や遊技状態を示すフラグがセットされる領域であり、特図1大当たりフラグ、特図1小当たりフラグ、特図2大当たりフラグ、特図2小当たりフラグ、大当たり終了フラグ、小当たり終了フラグ、Vフラグ、時短フラグ、V開閉部材作動フラグなどがセットされる。カウンタセット領域84cは、主制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、ラウンドカウンタ、時短カウンタなどがセットされる。特図1動作ステータスセット領域84dは、後述する特別動作処理(図22)における特図1の動作ステータスがセットされる領域である。特図2動作ステータスセット領域84eは、後述する特別動作処理(図22)における特図2の動作ステータスがセットされる領域である。特図保留記憶領域85は、第1特図保留が記憶される第1特図保留記憶領域85aと、第2特図保留が記憶される第2特図保留記憶領域85bとを含んでいる。第
1特図保留記憶領域85aには、第1特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する特別図柄当たり乱数等の乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。第2特図保留記憶領域85bには、第2特図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。普図保留記憶領域86は、普図保留の1個目、2個目、3個目、4個目にそれぞれ対応する普通図柄当たり乱数等の乱数値群(保留情報)を記憶するための第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域が設けられている。なお、メインRAM84には、上記の領域の他に、特図停止図柄データがセットされる当たり種別セットバッファや、装飾可動体15を駆動させるための駆動データがセットされる駆動データバッファ等が設けられている。
サブROM93(図7(A))には、特図1変動演出パターン決定テーブルT51と、特図2変動演出パターン決定テーブルT52と、停止図柄パターン決定テーブルT53と、が格納されている。これらの決定テーブルは、演出制御用マイコン91が実行するサブ制御メイン処理(後述)において、演出制御用マイコン91によって参照される。各決定テーブルの具体的な内容については後述する。
サブRAM94(図7(B))には、コマンド記憶領域94aと、演出コマンドセット領域94bと、事前判定情報記憶領域94cと、カウンタセット領域94dと、が設けられている。コマンド記憶領域94aは、サブ制御メイン処理(後述)において、メイン制御部側から入力されたコマンドが記憶される領域(入力バッファ)であり、特図1変動開始コマンド、特図1変動停止コマンド、特図2変動開始コマンド、特図2変動停止コマンド、オープニングコマンド、ラウンド指定コマンド、エンディングコマンド、遊技状態指定コマンド、V通過コマンド、客待ち待機コマンド、保留球数コマンド、普通図柄変動開始コマンド、普通図柄変動停止コマンド、普通図柄オープニングコマンド、普通図柄エンディングコマンド、事前判定コマンドなどが格納される。演出コマンドセット領域94bは、サブ制御メイン処理(後述)において、サブ制御基板90から画像制御基板100、ランプ制御基板107、音声制御基板106に出力されるコマンドがセットされる領域(出力バッファ)であり、特図1変動演出開始コマンド、特図1変動演出終了コマンド、特図2変動演出開始コマンド、特図2変動演出終了コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、普通図柄変動演出開始コマンド、普通図柄変動演出終了コマンド、普通図柄オープニング演出開始コマンド、普通図柄エンディング演出開始コマンドなどがセットされる。カウンタセット領域94dは、サブ制御メイン処理(後述)において使用されるカウンタがセットされる領域であり、乱数カウンタ、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、普図保留演出カウンタなどがセットされる。
図8は、遊技機1において使用される各種の乱数を説明するための図である。図8(A)は、メイン制御部側の遊技制御用マイコン81が取得する乱数を示しており、図8(B)は、サブ制御部側の演出制御用マイコン91が取得する乱数を示している。遊技制御用マイコン81は、「特別図柄当たり乱数」と、「特別図柄当たり種別乱数」と、「リーチ乱数」と、「変動パターン乱数」と、「普通図柄当たり乱数」と、「普通図柄当たり種別乱数」とをそれぞれ後述するタイミングにおいて取得するように構成されている。「特別図柄当たり乱数」は、大当たり又は小当たりか否かの抽選(大当たり小当たり抽選)に用いられる乱数であり、0~65535までの範囲の値をとる。「特別図柄当たり種別乱数」は、当選した大当たり又は小当たりの種別の抽選(当たり種別判定)に用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「リーチ乱数」は、大当たり小当たり判定がハズレである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。リーチと
は、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり小当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば、「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で揺れているように表示されてもよい。「変動パターン乱数」は、変動時間を含む変動パターンを決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「普通図柄当たり乱数」は、電チュー23を開放させる補助遊技をおこなうか否かの当たり抽選(普通図柄抽選)に用いられる乱数であり、0~255までの範囲の値をとる。「普通図柄当たり種別乱数」は、普通図柄抽選で当選した当たりの種別の抽選(当たり種別判定)に用いられる乱数であり、0~65535までの範囲の値をとる。「特別図柄当たり乱数」、「特別図柄当たり種別乱数」、「リーチ乱数」、「変動パターン乱数」は、始動口(第1始動口20A、第1始動口20Bまたは第2始動口22)への入球に基づいて取得される。第1始動口20への入球に基づいて取得された乱数値群は第1特図保留記憶領域85aに記憶され、第2始動口22への入球に基づいて取得された乱数値群は第2特図保留記憶領域85bに記憶される。「普通図柄当たり乱数」、「普通図柄当たり種別乱数」は、ゲート28の通過に基づいて取得される。取得された普通図柄当たり乱数値および普通図柄当たり種別乱数値は、普図保留記憶領域86に記憶される。
演出制御用マイコン91は、「変動演出パターン乱数」を後述するタイミングにおいて取得するように構成されている。「変動演出パターン乱数」は、変動演出パターンを決定するために用いられる乱数であり、0~127までの範囲の値をとる。「変動演出パターン乱数」は、メイン制御部側からサブ制御部側に特図1変動開始コマンドまたは特図2変動開始コマンドが出力されたことに基づいて取得される。取得された乱数値はサブRAM94に記憶される。
図9は、特別図柄当たり判定テーブルT1およびリーチ判定テーブルT2を説明するための図である。図9(A)には、特別図柄当たり判定テーブルT1を説明するための図が示され、図9(B)には、リーチ判定テーブルT2を説明するための図が示されている。
特別図柄当たり判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した特別図柄当たり乱数値(0~65535のいずれか)が「大当たり」、「小当たり」、「ハズレ」のいずれに該当するかを判定するために参照されるテーブルである。図9(A)では、第1特別図柄(特図1)の抽選において、特別図柄当たり乱数値が「0~210」の場合には、「大当たり」と判定され、特別図柄当たり乱数値が「10000~10500」の場合には、「小当たり」と判定され、特別図柄当たり乱数値が0~65535のうち上記以外の数値の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。また、第2特別図柄(特図2)の抽選において、特別図柄当たり乱数値が「0~210」の場合には、「大当たり」と判定され、特別図柄当たり乱数値が「40000~65534」の場合には、「小当たり」と判定され、特別図柄当たり乱数値が0~65535のうち上記以外の数値(65535)の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。
リーチ判定テーブルT2は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得したリーチ乱数値(0~127のいずれか)が「リーチ有り」に該当するか「リーチ無し」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。図9(B)では、「非時短状態」において、リーチ乱数値が「0~13」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0~13以外の数値(14~127)」の場合には、「リーチ無し」と判定されることが示されている。また、「時短状態」において、リーチ乱数値が「0~5」の場合には、「リーチ有り」と判定され、リーチ乱数値が「0~5以外の数値(6~127)」の場合には、「リーチ無し」と判定されることが示されている。「時
短状態」および「非時短状態」の内容については後述する。リーチ判定テーブルT2では、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されることで、特図保留の消化スピードを速めるためである。
図10は、特別図柄当たり種別判定テーブルT3を説明するための図である。特別図柄当たり種別判定テーブルT3は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した特別図柄当たり種別乱数値(0~127のいずれか)に応じて、「大当たり種別」または「小当たり種別」と、「特別図柄の種類」を判定するために参照されるテーブルである。以下に、非時短状態または時短状態における特図1、非時短状態または時短状態における特図2の場合を詳細に説明する。
非時短状態における特図1の抽選において「大当たり当選」したとき、特別図柄当たり種別乱数値が「0~95」の場合には、大当たり種別が「15R通常大当たり」と判定され、第1特別図柄表示器41aに停止表示される特図1の停止図柄(特図1停止図柄)が「通常図柄」と判定され、特別図柄停止データが「11H」と判定される。特別図柄当たり種別乱数値が「96~127」の場合には、大当たり種別が「4R時短大当たり」と判定され、特図1停止図柄が「時短図柄」と判定され、特別図柄停止データが「12H」と判定される。「小当たり当選」した場合には、特別図柄当たり種別乱数値によらず(0~127のいずれであっても)、小当たり種別が「16R通常小当たり(実質5R・V通過実質不可)」と判定され、特図1停止図柄が「時短無し小当たり図柄」と判定され、特別図柄停止データが「13H」と判定される。
時短状態における特図1の抽選において「大当たり当選」したとき、特別図柄当たり種別乱数値が「0~95」の場合には、大当たり種別が「15R通常大当たり」と判定され、第1特別図柄表示器41aに停止表示される特図1の停止図柄(特図1停止図柄)が「通常図柄」と判定され、特別図柄停止データが「14H」と判定される。特別図柄当たり種別乱数値が「96~127」の場合には、大当たり種別が「4R時短大当たり」と判定され、特図1停止図柄が「時短図柄」と判定され、特別図柄停止データが「15H」と判定される。「小当たり当選」した場合には、特別図柄当たり種別乱数値によらず(0~127のいずれであっても)、小当たり種別が「16R通常小当たり(実質5R・V通過実質不可)」と判定され、特図1停止図柄が「時短無し小当たり図柄」と判定され、特別図柄停止データが「16H」と判定される。
「非時短状態時」における特図2の抽選において「大当たり当選」したとき、特別図柄当たり種別乱数値が「0~95」の場合には、大当たり種別が「15R通常大当たり」と判定され、第2特別図柄表示器41bに停止表示される特図2の停止図柄(特図2停止図柄)が「通常図柄」と判定され、特別図柄停止データが「21H」と判定される。特別図柄当たり種別乱数値が「96~127」の場合には、大当たり種別が「4R時短大当たり」と判定され、特図2停止図柄が「時短図柄」と判定され、特別図柄停止データが「22H」と判定される。「小当たり当選」した場合には、特別図柄当たり種別乱数値によらず(0~127のいずれであっても)、小当たり種別が「16R通常小当たり(実質5R・V通過実質不可)」と判定され、特図2停止図柄が「時短無し小当たり図柄」と判定され、特別図柄停止データが「23H」と判定される。
「時短状態時」における特図2の抽選において「大当たり当選」したとき、特別図柄当たり種別乱数値が「0~95」の場合には、大当たり種別が「15R通常大当たり」と判定され、特図2停止図柄が「通常図柄」と判定され、特別図柄停止データが「24H」と判定される。特別図柄当たり種別乱数値が「96~127」の場合には、大当たり種別が「4R時短大当たり」と判定され、特図2停止図柄が「時短図柄」と判定され、特別図柄
停止データが「25H」と判定される。「小当たり当選」したとき、特別図柄当たり種別乱数値によらず(0~127のいずれであっても~)、小当たり種別が「16R時短小当たり(実質5R・V通過可)」と判定され、特図2停止図柄が「時短有り小当たり図柄」と判定され、図柄停止データが「26H」と判定される。
なお、特別図柄当たり種別判定テーブルT3を参照することによって、特図停止図柄(特図1停止図柄および特図2停止図柄)に対応する「特図停止図柄データ」のほか、特別遊技の「オープニング(OP)コマンド」、「ラウンド指定コマンド」、「エンディング(ED)コマンド」も特定することができる。各大当たり、各小当たりの具体的な内容については後述する。
図11、図12に基づいて、特別図柄変動パターン判定テーブルT4について説明する。図11は、特図1の変動パターンを判定するための特別図柄変動パターン判定テーブルT4を説明するための図である。図12は、特図2の変動パターンを判定するための特別図柄変動パターン判定テーブルT4を説明するための図である。特別図柄変動パターン判定テーブルT4は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した変動パターン乱数値(0~127)に応じて、変動パターンを判定するために参照されるテーブルである。図11では、例えば、非時短状態において第1始動口20Aに入賞し、特別図柄当たり判定テーブルT1において「大当たり」と判定され、変動パターン乱数値が「112~127」の場合には、変動パターンが「P2」と判定されることが示されている。また、例えば、非時短状態において第1始動口20Aに入賞し、特別図柄当たり判定テーブルT1において「ハズレ」と判定され、リーチ判定テーブルT2において「リーチ無し」と判定され、保留球数が「1~2」の場合、変動パターン乱数値によらず(0~127のいずれであっても)、変動パターンが「P6」と判定されることが示されている。図11に示されるように、変動パターンが決定されれば、変動時間も決定される。また、リーチになる場合に、そのリーチがノーマルリーチとなるのかスーパーリーチ(SPリーチ)となるのかも決定される。また、スーパーリーチになる場合に、疑似連があるのか無いのかも決定される。
また、図11では、例えば、時短状態において、第1始動口20Bに入賞し、特別図柄当たり判定テーブルT1において「大当たり」と判定され、変動パターン乱数値が「0~63」の場合には、変動パターンが「P13」と判定され、変動パターン乱数値が「64~127」の場合には、変動パターンが「P14」と判定されることが示されている。
図12では、例えば、時短状態において、第2始動口22に入賞し、特別図柄当たり判定テーブルT1において「大当たり」と判定された場合、変動パターン乱数値によらず、変動パターンが「P31」と判定され、第2始動口22に入賞し、特別図柄当たり判定テーブルT1において「小当たり」と判定された場合、変動パターン乱数値によらず、変動パターンが「P32」と判定され、第2始動口22に入賞し、特別図柄当たり判定テーブルT1において「ハズレ」と判定された場合、変動パターン乱数値によらず、変動パターンが「P33」と判定されることが示されている。
図13(A)には、普通図柄当たり判定テーブルT5を説明するための図が示され、図13(B)には、普通図柄当たり種別判定テーブルT6を説明するための図が示され、図13(C)には、普通図柄変動パターン判定テーブルT7を説明するための図が示されている。普通図柄当たり判定テーブルT5は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した普通図柄当たり乱数値(0~255のいずれか)が「当たり」に該当するか「ハズレ」に該当するかを判定するために参照されるテーブルである。図13(A)では、「非時短状態」における普通図柄(普図)の抽選において、普通図柄当たり乱数値が「0~2」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄当たり乱数値が「
0~2以外の数値」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。また、「時短状態」における普通図柄(普図)の抽選において、普通図柄当たり乱数値が「0~254」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄当たり乱数値が「0~254以外の数値(255)」の場合には、「ハズレ」と判定されることが示されている。
普通図柄当たり種別判定テーブルT6は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、取得した普通図柄当たり種別乱数値(0~65535のいずれか)に応じて、「当たり種別」と「普通図柄の種類」を判定するために参照されるテーブルである。図13(B)では、「非時短状態時」に普図の抽選で当選したときは、普通図柄当たり種別乱数値によらず(0~65535のいずれであっても)、当たり種別が「短開放」と判定され、普通図柄表示器42に停止表示される普図の停止図柄(普図停止図柄)が「当たり図柄1」と判定される。一方、「時短状態時」に普図の抽選で当選した場合には、普通図柄当たり種別乱数値が「0~170」の場合には、当たり種別が「長開放1」と判定され、普図停止図柄が「当たり図柄2」と判定される。普通図柄当たり種別乱数値が0~170以外の場合には、当たり種別が「長開放2」と判定され、普図停止図柄が「当たり図柄3」と判定される。なお、普通図柄当たり種別判定テーブルT6を参照することによって、普図停止図柄に対応する「普図停止図柄データ」(図示しない)を特定することができる。
普通図柄変動パターン判定テーブルT7は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、普図の抽選結果や当たり種別に応じて、普図の変動時間を判定するために参照されるテーブルである。図13(C)では、例えば、非時短状態時には、普図の変動時間は「30秒」と判定されることが示されている。また、例えば、時短状態時における普図の抽選結果が「当たり」であり、当たり種別が「長開放1」のとき、普図の変動時間は「2秒」と判定され、当たり種別が「長開放2」のとき、普図の変動時間は「1秒」と判定されることが示されている。
図14は、電チュー開放パターン判定テーブルT8を説明するための図である。電チュー開放パターン判定テーブルT8は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、普図停止図柄(普図停止図柄データ)に応じて、電チュー23の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。図14(A)では、普図停止図柄が「当たり図柄1」のとき、電チュー23の開放パターンは「開放パターン11」と判定され、普図停止図柄が「当たり図柄2」のとき、開放パターンは「開放パターン12」と判定され、普図停止図柄が「当たり図柄3」のとき、電チュー23の開放パターンは「開放パターン13」と判定されることが示されている。図14(B)には、各開放パターン11~13の内容が示されている。開放パターン11では、開放時間0.02秒の電チュー23の開放を1回おこなう。開放パターン12では、開放時間3秒の電チュー23の開放を2回おこなう。一回目の開放と2回目の開放との間のインターバル時間は1秒である。開放パターン13では、開放時間5秒の電チュー23の開放を1回おこなう。ただし、この電チュー23の開放は、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、最大2個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。
図15は、大入賞口開放パターン判定テーブルT9を説明するための図である。大入賞口開放パターン判定テーブルT9は、遊技制御用マイコン81が主制御メイン処理(後述)において、特図停止図柄(特図停止図柄データ)に応じて、大入賞口35の開放パターンを判定するために参照されるテーブルである。図15(A)では、特図停止図柄データが「11H」、「14H」、「21H」、または、「24H」のとき、大入賞口35の開放パターンは「開放パターン21」と判定され、特図停止図柄データが「12H」、「15H」、「22H」、または、「25H」のとき、開放パターンは「開放パターン22」と判定され、特図停止図柄データが「13H」、「16H」、または、「23H」のとき
、開放パターンは「開放パターン23」と判定され、特図停止図柄データが「26H」のとき、開放パターンは「開放パターン24」と判定される。
図15(B)には、各開放パターン21~24の内容が示されている。開放パターン21では、6秒間のオープニング(OP)の後、1~15R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の大入賞口35の開放(ロング開放)をおこなう。開放パターン22では、6秒間のオープニング(OP)の後、1~4R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の大入賞口35の開放(ロング開放)をおこなう。開放パターン23では、4秒間のオープニング(OP)の後、1R目において、開放回数1回、開放時間1.6秒の大入賞口35の開放をおこない、2~6R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の大入賞口35の開放(ロング開放)をおこない、7~16R目において、開放回数1回、開放時間0.1秒の大入賞口35の開放(ショート開放)をおこなう。開放パターン24では、0.01秒間のオープニング(OP)の後、1R目において、開放回数1回、開放時間1.6秒の大入賞口35の開放をおこない、2~6R目において、開放回数1回、開放時間29.5秒の大入賞口35の開放(ロング開放)をおこない、7~16R目において、開放回数1回、開放時間0.1秒の大入賞口35の開放(ショート開放)をおこなう。ただし、大入賞口35の開放は、予め定められた数の遊技球の入賞(規定入賞数、例えば、最大9個)があった場合、開放時間が残っていても閉鎖される。
4.大当たり等の説明
遊技機1では、特別図柄抽選(大当たり小当たり抽選)の結果としての「大当たり」、「小当たり」、「ハズレ」がある。「大当たり」の場合には、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「小当たり」の場合には、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口35を開放させる「大当たり遊技(第2特別遊技)」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(小当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口35を1回開放させる「小当たり遊技(第1特別遊技)」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に大入賞口35の内部のV領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たりの種別に応じた開放パターンにて大入賞口35を開放させる「大当たり遊技(第2特別遊技)」が実行される。なお、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を「1種大当たり遊技」とも呼ぶ。また、V領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技を「2種大当たり遊技」とも呼ぶ。また、大当たり遊技や小当たり遊技を「特別遊技」とも呼ぶ。この特別遊技では1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドを含んでいてもよい。
大当たり遊技は、大入賞口35を開放する複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OP)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(ED)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了、または、前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口35の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放ラウンド遊技に含まれる。小当たり遊技は、大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)と、を含んでいる。
大当たりには複数の種別がある。ここでは、大当たり種別として「15R通常大当たり」、「4R時短大当たり」が設定されている。「15R通常大当たり」は、15Rにわたって大入賞口35を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)を実行した後、遊技状態を後述の「非時短状態かつ低ベース状態」に制御する大当たりである。「4R時短大当
たり」は、4Rにわたって大入賞口35を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)を実行した後、遊技状態を後述の「時短状態かつ高ベース状態」に制御する大当たりである。大当たり遊技後の「時短状態かつ高ベース状態」が終了する時短回数は99回である。「時短回数」とは、大当たり遊技後の「時短状態かつ高ベース状態」において実行可能な特別図柄の変動表示(可変表示)の回数である。なお、「時短状態かつ高ベース状態」は、時短回数の達成前であっても、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されると終了する。
小当たりには複数の種別がある。ここでは、小当たり種別として「16R通常小当たり」、「16R時短小当たり」が設定されている。これらの小当たりでは、まず、小当たり遊技が実行され、V領域39への遊技球の通過(V通過)があった場合には、大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。よって、小当たりでは、小当たり遊技としての大入賞口35の開放が1R目に相当し、V通過した場合にその後実行される、15Rにわたって大入賞口35を開放させる大当たり遊技が2R目~16R目に相当する。小当たり遊技においてV通過がなかった場合には、大当たり遊技は実行されない。ここでは「16R通常小当たり」は、V通過が実質的に不可能な小当たりとなっている。一方、「16R時短小当たり」は、V通過が可能な小当たりとなっている。小当たり遊技中のV通過が可能か否かは、V開閉部材71の作動パターン、および、大入賞装置36の開閉部材37の開放パターンによって設定することができる。具体的には以下の通りである。
上記の各小当たりは、いずれも、当選後の小当たり遊技において、大入賞口35の1.6秒の開放が1回おこなわれる(図15)。一方、小当たり遊技におけるオープニング時間は、小当たり種別に応じて異なっている。具体的には、「16R通常小当たり」(開放パターン23)は、オープニング時間が4秒であり、「16R時短小当たり」(開放パターン24)は、オープニング時間が0.01秒である。このように小当たり種別に応じて小当たり遊技のオープニング時間が異なっているのは、このオープニングの開始から一定の動作で動いているV開閉部材71に対する大入賞口35の開放タイミングを変えるためである。ここではV開閉部材71は、小当たり遊技が開始されると0.01秒間のオープニングの後、4秒間開放される。開放パターン23は、小当たり遊技が開始されて4秒後に大入賞口35が開放されるため、大入賞口35が開放されてから0.01秒後にV開閉部材71が閉じることになる。そのため、「16R通常小当たり」では、小当たり遊技中のV通過が実質的に不可能となっている。一方、開放パターン24は、小当たり遊技が開始されて0.01秒後に大入賞口35とV開閉部材71が同時に開放され、1.6秒間両方の開放が継続し、大入賞口35の閉鎖から2.4秒後にV開閉部材71が閉じることになる。よって、「16R時短小当たり」では、小当たり遊技中のV通過が可能となっている。
「16R時短小当たり」は、小当たり遊技後に大当たり遊技が実行された場合、大当たり遊技後の遊技状態を後述の「時短状態かつ高ベース状態」に制御する当たりである。「時短状態かつ高ベース状態」における時短回数は99回である。一方、「16R通常小当たり」は、大当たり遊技が実行された場合、大当たり遊技後、遊技状態を後述の「非時短状態かつ低ベース状態」に制御する当たりである。ただし、「16R通常小当たり」は、V通過が実質的に不可能な小当たりであるため、大当たり遊技が実行されることはほぼない。
遊技機1では、普通図柄抽選(当たり抽選)の結果としての「当たり」、「ハズレ」がある。「当たり」の場合には、普通図柄表示器42に「当たり図柄」が停止表示される。「ハズレ」のときには、普通図柄表示器42に「ハズレ図柄」が停止表示される。当たりに当選すると、停止表示された普通図柄の種類(当たりの種類)に応じた開放パターンにて、電チュー23を開放させる補助遊技としての「当たり遊技(普通遊技)」が実行され
る。当たりには複数の種別がある。ここでは、当たり種別として「短開放」、「長開放1」、「長開放2」が設定されている。これらの当たりは、変動時間、開放時間、開放回数の組み合わせが異なっている。
5.遊技状態の説明
遊技機1の遊技制御用マイコン81は、特別図柄表示器41に表示する特別図柄および普通図柄表示器42に表示する普通図柄に対して、それぞれ「変動時間短縮制御」を実行可能である。ここでは、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して変動時間短縮制御している状態を「時短状態」といい、変動時間短縮制御していない状態を単に「非時短状態」という。時短状態は、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。遊技制御用マイコン81は、時短状態のときに、非時短状態のときよりも変動時間の短い変動パターンが選択されることが多くなるように定められた特別図柄変動パターン判定テーブルT4(図11、図12)を用いた変動パターンの判定をおこなう。つまり、遊技制御用マイコン81が特別図柄表示器41の特別図柄に対して変動時間短縮制御を実行している場合には、変動時間短縮制御を実行していない場合と比べて、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。これにより、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
遊技制御用マイコン81は、普通図柄表示器42の普通図柄に対する変動時間短縮制御を、特別図柄表示器41の特別図柄に対する変動時間短縮制御に同期して実行する。すなわち、遊技制御用マイコン81は、時短状態のときに普通図柄に対する変動時間短縮制御を実行し、非時短状態のときには実行しない。時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。遊技制御用マイコン81は、時短状態のときに、非時短状態のときよりも変動時間の短い変動パターンが選択されることが多くなるように定められた普通図柄変動パターン判定テーブルT7(図13(C))を用いた変動パターンの判定をおこなう。つまり、遊技制御用マイコン81が普通図柄表示器42の普通図柄に対して変動時間短縮制御を実行している場合には、変動時間短縮制御を実行していない場合と比べて、普通図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。
さらに時短状態では、補助遊技における電チュー23の開放時間が、非時短状態よりも長くなりやすい(図14)。すなわち、時短状態では、遊技制御用マイコン81は、電チュー23に対して開放時間延長制御を実行しているといえる。遊技制御用マイコン81が、普通図柄表示器42の普通図柄に対する変動時間短縮制御、および、電チュー23に対する開放時間延長制御を実行している状況下では、これらの制御を実行していない場合と比べて、電チュー23が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの制御が実行されている状態を「高ベース状態」といい、実行されていない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態は、上記の全ての制御を実行するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の普通図柄に対する変動時間短縮制御、電チュー23に対する開放時間延長制御のうち一つ以上の制御を実行することによって、その制御が実行されていないときよりも電チュー23が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
遊技機1では、「4R時短大当たり」または「16R時短小当たり」に当選して実行された大当たり遊技後の遊技状態は、「時短状態かつ高ベース状態」である。「時短状態かつ高ベース状態」は、所定回数(99回)の特別図柄の変動表示(可変表示)が実行されるか、または、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。「15R通常大当たり」または「16R通常小当たり」に当選して実行された大当たり遊
技後の遊技状態は、「非時短状態かつ低ベース状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」とも呼ぶ。なお、遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、この通常遊技状態である。ここでは、「時短状態かつ高ベース状態」を単に「時短状態」とも呼び、「非時短状態かつ低ベース状態」を単に「非時短状態」とも呼ぶ。
高ベース状態(時短状態)では、右打ちによって右遊技領域3B(図1)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。低ベース状態(非時短状態)と比べて電チュー23が開放されやすくなっており、第2始動口22への入賞の方が容易となっているためである。このことから、高ベース状態では、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口22へ遊技球を入賞させるべく右打ちをおこなう。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお、遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技をおこなう。
6.遊技制御用マイコン81の動作
図16~図41に基づいて主制御基板80(図4)に設けられた遊技制御用マイコン81の動作について説明する。遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はメインRAM84に設けられている。以下に説明するように、遊技制御用マイコン81は、メインROM83に記憶されているプログラムを読み出すことによって、変動パターン決定手段として機能する。
[主制御メイン処理]
図16は、主制御メイン処理のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、遊技機1の電源がオンされると、メインROM83から主制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出す。主制御メイン処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、初期設定をおこなう(ステップS001)。初期設定では、例えば、メインCPU82の設定、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタなどのリセット等をおこなう。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお、初期設定は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを禁止し(ステップS002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(ステップS003)をおこなう。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、遊技制御用マイコン81は、図8(A)で示した種々の乱数カウンタ値(特別図柄当たり乱数値、特別図柄当たり種別乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値、普通図柄当たり乱数値、普通図柄当たり種別乱数値)を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は設定された上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるいわゆるハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、割り込み処理の割り込みを許可する(ステップS004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(ステップS005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理は、所定の周期(例えば、4msec周期)でメインCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理は、所定周期(例えば4msec周期)ごとに実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに、メインCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理はすぐには開始されず、割り込み許可がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]
図17は、メイン側タイマ割り込み処理(図16:ステップS005)のフローチャートである。メイン側タイマ割り込み処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、乱数更新処理をおこなう(ステップS101)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、図8(A)で示した種々の乱数カウンタ値を更新する。この乱数更新処理は、上述した主制御メイン処理(図16)でおこなう普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理と同じである。すなわち、各種乱数カウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理が開始されるまでの期間)との両方でおこなわれる。
乱数更新処理の後、遊技制御用マイコン81は、入力処理をおこなう(ステップS102)。入力処理では、遊技制御用マイコン81は、遊技機1に取り付けられている各種センサが検出した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをメインRAM84の出力バッファにセットする。各種センサとは、例えば、第1始動口センサ20a、第1始動口センサ21a、第2始動口センサ22a、大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a(図4)である。
入力処理の後、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(ステップS103)、普通動作処理(ステップS104)、特別動作処理(ステップS105)、V開閉部材制御処理(ステップS106)、V領域センサ検出処理(ステップS107)を順に実行する。これらの処理の詳細については後述する。V領域センサ検出処理の後、遊技制御用マイコン81は、保留球数処理をおこなう(ステップS108)。ここでは、遊技制御用マイコン81は、まず、メインRAM84に記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数、および、普通図柄保留球数の読み出しをおこなう。次に、遊技制御用マイコン81は、保留球数コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットする。保留球数コマンドは、保留球数をサブ制御基板90に通知するためのコマンドであり、特図1保留球数、特図2保留球数、および、普通図柄保留球数に関する情報を含んでいる。保留球数コマンドのセット後、遊技制御用マイコン81は、本処理を終了する。
保留球数処理の後、遊技制御用マイコン81は、出力処理をおこなう(ステップS109)。出力処理では、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットしたコマンド等をサブ制御基板90に出力する。出力処理の後、遊技制御用マイコン81は、その他の処理をおこなう(ステップS110)。その他の処理では、例えば、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御し、特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御する。
[始動口センサ検出処理]
図18は、始動口センサ検出処理(図17:ステップS103)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、ゲート28に遊技球が通過したか否かの判定をおこなう(ステップS201)。この判定は、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。ゲート28に遊技球が通過していない場合(ステップS201:NO)、処理はステップS205にスキップする。ゲート28に遊技球が通過した場合(ステップS201:YES)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数が「4(上限値)」であるか否かの判定をおこなう(ステップS202)。普通図柄保留球数とは、普図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた普図保留の数をカウントするカウンタの値である。普通図柄保留球数が「4」であれば(ステップS202:YES)、処理はステップS205にスキップする。普通図柄保留球数が「3」以下の場合(ステップS202:NO)、普通図柄保留球数に「1」を加算した後(
ステップS203)、普通図柄乱数取得処理をおこなう(ステップS204)。ここでは、遊技制御用マイコン81は、普通図柄当たり乱数カウンタの値(図8:ラベル-TRND-Hの値)、および、普通図柄当たり種別カウンタの値(図8:ラベル-TRND-HSの値)を取得し、取得した乱数値群をメインRAM84の普図保留記憶領域86の第1~第4記憶領域うち、現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、遊技制御用マイコン81は、第2始動口に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第2A始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞したか否かの判定をおこなう。この判定は、第1始動口センサ21aまたは第2始動口センサ22aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。第2A始動口21と第2始動口22のいずれにも遊技球が入賞していない場合(ステップS205:NO)、処理はステップS210にスキップする。第2A始動口21と第2始動口22のいずれかに遊技球が入賞した場合(ステップS205:YES)、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数が「4(上限値)」であるか否かの判定をおこなう(ステップS206)。特図2保留球数とは、第2特図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた第2特図保留の数をカウントするカウンタの値である。特図2保留球数が「4」であれば(ステップS206:YES)、処理はステップS210にスキップする。特図2保留球数が「3」以下の場合(ステップS206:NO)、特図2保留球数に「1」を加算した後(ステップS207)、特図2関係乱数取得処理をおこなう(ステップS208)。ここでは、特別図柄当たり乱数カウンタの値(図8:ラベル-TRND-Aの値)、特別図柄当たり種別乱数カウンタの値(図8:ラベル-TRND-ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(図8:ラベル-TRND-RCの値)、変動パターン乱数カウンタの値(図8:ラベル-TRND-T1の値)を取得する。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群を第2特図保留記憶領域85bの第1~第4記憶領域うち、現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。遊技制御用マイコン81は、後述の特図2事前判定処理(図19)のために、取得した乱数値群を第2特図保留記憶領域85bとは異なるバッファ(事前判定用バッファ)にも一時的に記憶(保持)させる。特図2関係乱数取得処理の後、遊技制御用マイコン81は、特図2事前判定処理をおこなう(ステップS209)。特図2事前判定処理の詳細については後述する。
ステップS210では、遊技制御用マイコン81は、第1始動口20に遊技球が入賞したか否かの判定をおこなう。この判定は、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かによっておこなわれる。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(ステップS210:NO)、本処理を終了する。第1始動口20に遊技球が入賞した場合(ステップS210:YES)、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数が「4(上限値)」であるか否かの判定をおこなう(ステップS211)。特図1保留球数とは、第1特図保留の数であり、より具体的には、メインRAM84に設けられた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値である。特図1保留球数が「4」であれば(ステップS211:YES)、本処理を終了する。特図1保留球数が「3」以下の場合(ステップS211:NO)、特図1保留球数に「1」を加算した後(ステップS212)、特図1関係乱数取得処理をおこなう(ステップS213)。ここでは、上述の特図2関係乱数取得処理(ステップS208)と同様に、特別図柄当たり乱数カウンタの値、特別図柄当たり種別乱数カウンタの値、リーチ乱数カウンタの値、変動パターン乱数カウンタの値を取得する。遊技制御用マイコン81は、取得した乱数値群を第1特図保留記憶領域85aの第1~第4記憶領域うち、現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。遊技制御用マイコン81は、後述の特図1事前判定処理(図20)のために、取得した乱数値群を第1特図保留記憶領域85aとは異なるバッファ(事前判定用バッファ)にも一時的に記憶(保持)させる。特図1関係乱数取得処理の後、遊技制御用マイコン81は、特図1事前判定処理をおこなう(ステップS214)。特図1事前判定処理の詳細については後述する。
[特図2事前判定処理]
図19は、特図2事前判定処理(図18:ステップS209)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、時短フラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS301)。時短フラグがOFFの場合(ステップS301:NO)、本処理を終える。すなわち、時短フラグがOFFの場合には、事前判定はおこなわれない。一方、時短フラグがONの場合、遊技制御用マイコン81は、特別図柄当たり判定テーブルT1(図9)のうちの特図2用テーブルを参照して特別図柄当たりの事前判定をおこなう(ステップS302)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、特図2関係乱数取得処理(図18:ステップS208)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての特別図柄当たり乱数値を取得する。次に、遊技制御用マイコン81は、参照する特別図柄当たり判定テーブルT1(図9)と特別図柄当たり乱数値とを用いて大当たり、小当たり、または、ハズレのいずれであるかの事前判定をおこなう。ここでは、遊技制御用マイコン81は、特別図柄当たり判定テーブルT1のうち、特図2用のテーブルを参照して事前判定する。なお、本実施形態では、後述する大当たり判定処理で用いられる特別図柄当たり判定テーブルT1を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、特別図柄当たり判定テーブルT1とは異なる事前判定用の特別図柄当たり判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
特別図柄当たり事前判定の結果が「ハズレ」の場合(ステップS304:NO)、処理はステップS306にスキップする。一方、特別図柄当たり事前判定の結果が「大当たり」または「小当たり」の場合(ステップS304:YES)、遊技制御用マイコン81は、特別図柄当たり種別事前判定をおこなう(ステップS305)。特別図柄当たり種別事前判定では、遊技制御用マイコン81は、まず、特図2関係乱数取得処理(図18:ステップS208)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての特別図柄当たり種別乱数値を取得する。次に、遊技制御用マイコン81は、取得した特別図柄当たり種別乱数値と特別図柄当たり種別判定テーブルT3(図10)に基づいて、特別図柄当たり種別の事前判定をおこなう。なお、本実施形態では、後述する大当たり判定処理で用いられる特別図柄当たり種別判定テーブルT3を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、特別図柄当たり種別判定テーブルT3とは異なる事前判定用の特別図柄当たり種別判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
ステップS306では、遊技制御用マイコン81は、変動パターン事前判定をおこなう。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、特図2関係乱数取得処理(図18:ステップS208)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての変動パターン乱数値、および、リーチ乱数値を取得する。次に、遊技制御用マイコン81は、特図2の時短状態用の特別図柄変動パターン判定テーブルT4(図12)を参照し、ステップS304の特別図柄当たり事前判定結果、および、変動パターン乱数値から変動パターン(変動時間)を特定する。なお、本実施形態では、後述する変動パターン選択処理で用いられる特別図柄変動パターン判定テーブルT4を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、特別図柄変動パターン判定テーブルT4とは異なる特別図柄変動パターン判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
ステップS307では、遊技制御用マイコン81は、事前判定コマンドの作成をおこなう。事前判定コマンドには、特別図柄当たり事前判定結果、、特別図柄当たり種別事前判定結果、および、変動パターン事前判定結果(変動時間)が含まれる。遊技制御用マイコン81は、作成した事前判定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットして(ステップS308)、本処理を終える。
[特図1事前判定処理]
図20は、特図1事前判定処理(図18:ステップS214)のフローチャートである
。遊技制御用マイコン81は、特別図柄当たり判定テーブルT1(図9)のうちの特図1用テーブルを参照して特別図柄当たりの事前判定をおこなう(ステップS402)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、特図1関係乱数取得処理(図18:ステップS213)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての特別図柄当たり乱数値を取得する。次に、遊技制御用マイコン81は、参照する特別図柄当たり判定テーブルT1(図9)と特別図柄当たり乱数値とを用いて大当たり、小当たり、または、ハズレのいずれであるかの事前判定をおこなう。ここでは、遊技制御用マイコン81は、特別図柄当たり判定テーブルT1のうち、特図1用のテーブルを参照して事前判定する。なお、本実施形態では、後述する大当たり判定処理で用いられる特別図柄当たり判定テーブルT1を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、特別図柄当たり判定テーブルT1とは異なる事前判定用の特別図柄当たり判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
特別図柄当たり事前判定の結果が「ハズレ」の場合(ステップS404:NO)、処理はステップS406にスキップする。一方、特別図柄当たり事前判定の結果が「大当たり」または「小当たり」の場合(ステップS404:YES)、遊技制御用マイコン81は、特別図柄当たり種別事前判定をおこなう(ステップS405)。特別図柄当たり種別事前判定では、遊技制御用マイコン81は、まず、特図1関係乱数取得処理(図18:ステップS213)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての特別図柄当たり種別乱数値を取得する。次に、遊技制御用マイコン81は、取得した特別図柄当たり種別乱数値と特別図柄当たり種別判定テーブルT3(図10)に基づいて、特別図柄当たり種別の事前判定をおこなう。なお、本実施形態では、後述する大当たり判定処理で用いられる特別図柄当たり種別判定テーブルT3を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、特別図柄当たり種別判定テーブルT3とは異なる事前判定用の特別図柄当たり種別判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
ステップS406では、遊技制御用マイコン81は、変動パターン事前判定をおこなう。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、特図1関係乱数取得処理(図18:ステップS213)によって事前判定用バッファに一時的に記憶されている判定値としての変動パターン乱数値、および、リーチ乱数値を取得する。次に、遊技制御用マイコン81は、特図1用の特別図柄変動パターン判定テーブルT4(図11)を参照し、ステップS404の特別図柄当たり事前判定結果、リーチ乱数値、および、変動パターン乱数値から変動パターン(変動時間)を特定する。ここでは、保留球数の違いによって選択される可能性のあるすべての変動パターンが選択されるものとする。なお、本実施形態では、後述する変動パターン選択処理で用いられる特別図柄変動パターン判定テーブルT4を用いて事前判定をおこなっているが、他の実施形態として、特別図柄変動パターン判定テーブルT4とは異なる特別図柄変動パターン判定テーブルを用いて事前判定をおこなってもよい。
ステップS407では、遊技制御用マイコン81は、事前判定コマンドの作成をおこなう。事前判定コマンドには、特別図柄当たり事前判定結果、、特別図柄当たり種別事前判定結果、および、変動パターン事前判定結果(変動時間)が含まれる。遊技制御用マイコン81は、作成した事前判定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットして(ステップS408)、本処理を終える。
[普通動作処理]
図21は、普通動作処理(図17:ステップS104)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、電チュー23が作動中か否かの判定をおこなう(ステップS501)。電チュー23が作動中の場合(ステップS501:YES)、処理はステップS540に移行する。電チュー23が作動中ではない場合(ステップS501:NO)
、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の停止表示中が(変動停止時間が経過したか)否かの判定をおこなう(ステップS502)。普通図柄の停止表示中の場合(ステップS502:YES)、処理はステップS531に移行する。普通図柄の停止表示中ではない場合(ステップS502:NO)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動中か否かの判定をおこなう(ステップS503)。普通図柄の変動中の場合(ステップS503:YES)、処理はステップS521に移行する。普通図柄の変動中ではない場合(ステップS503:NO)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の保留球数が「0」か否かの判定をおこなう(ステップS504)。保留球数が「0」の場合(ステップS504:YES)、本処理を終了する。保留球数が「0」ではない場合(ステップS504:NO)、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(ステップS505)。従って、普通図柄の保留球数が「0」の状態でゲート28を遊技球が通過した場合、始動口センサ検出処理(図18)のステップS203において、一旦、普通図柄の保留球数が「1」になり、その後、本ステップS505において保留が消化され即座に普通図柄の保留球数が「0」になる。これは、特別図柄の保留球数についても同様である。すなわち、始動口センサ検出処理(図18)のステップS207およびステップS212において、一旦、特別図柄の保留数が「1」になり、その後、後述の特図1待機処理(図23)におけるステップS1404および特図2待機処理(図30)におけるステップS1974において保留が消化され特別図柄の保留球数が「0」になる。なお、普通図柄保留球数のディクリメント(普図保留の消化)は、普図保留記憶領域86の第1記憶領域に格納されている保留情報(各種乱数値)をクリアするクリア処理とともに実行される。
次に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄当たり判定テーブルT5(図13(A))を参照して当たり判定をおこなう(ステップS506)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、普図保留記憶領域86の第1記憶領域(普図保留の1個目に対応)に記憶されている判定値としての普通図柄当たり乱数値を読み出す。そして、普通図柄当たり乱数値と、遊技状態(時短状態か否か)と、普通図柄当たり判定テーブルT5とを用いて当たりか否かを判定する。例えば、非時短状態において、普通図柄当たり乱数値が「0」~「2」の場合には、「当たり」と判定され、普通図柄当たり乱数値がそれ以外の場合には、「ハズレ」と判定される(図13(A))。
次に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄当たり種別判定テーブルT6(図13(B))を参照して普通図柄(普図停止図柄)の種別判定をおこなう(ステップS507)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、上記(ステップS506)の当たり判定において当選している場合には、まず、普図保留記憶領域86の第1記憶領域に記憶されている普通図柄当たり種別乱数値を読み出す。そして、普通図柄当たり種別乱数値と、遊技状態(時短状態か否か)と、普通図柄当たり種別判定テーブルT6とを用いて当たり種別と普通図柄(普図停止図柄)を判定する。例えば、時短状態において、普通図柄当たり種別乱数値が「0」~「170」の場合には、当たり種別が「長開放1」と判定され、普通図柄が「当たり図柄2」と判定される。普通図柄当たり種別乱数値がそれ以外の場合には、当たり種別が「長開放2」と判定され、普通図柄が「当たり図柄3」と判定される(図13(B))。一方、上記の当たり判定において「ハズレ」の場合には、普通図柄として「ハズレ図柄」が設定される。
次に、遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動パターン判定テーブルT7(図13(C))を参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS508)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、遊技状態(時短状態か否か)と、当たり判定結果と、当たり種別と、普通図柄変動パターン判定テーブルT7とを用いて、普通図柄変動パターンを選択する。例えば、時短状態において、当たり種別が「長開放1」の場合には、普通図柄の変動時間は「2秒」と判定される。また、例えば、時短状態において、上記当たり判定で「ハズレ」の場合には、普通図柄の変動時間は「1秒」と判定される(図13(C))。遊
技制御用マイコン81は、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始や変動時間を知らせるために、普通図柄変動開始コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域(出力バッファ)84aにセットする(ステップS509)。普通図柄変動開始コマンドには、普通停止図柄データに関する情報や普通図柄変動パターンに関する情報が含まれている。その後、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動表示を開始させて本処理を終える(ステップS510)。
ステップS521では、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動時間が経過して終了したか否かの判定をおこなう。普通図柄の変動時間とは、ステップS508で選択された変動時間である(図13(C))。変動時間が終了していない場合(ステップS521:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。すなわち、普通図柄の変動表示が継続される。一方、変動時間が終了している場合(ステップS521:YES)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動表示を、ステップS507で特定された普通図柄(当たりの普図停止図柄又はハズレの普図停止図柄)で停止させる(ステップS522)。また、遊技制御用マイコン81は、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるために、普通図柄変動停止コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットする(ステップS523)。その後、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の停止時間をセットして本処理を終える(ステップS524)。ここでは、普通図柄の停止時間は0.5秒である。
ステップS531では、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動停止時間が経過したか否かの判定をおこなう。停止時間が経過していない場合(ステップS531:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。すなわち、普通図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過している場合(ステップS531:YES)、遊技制御用マイコン81は、上記(ステップS506)の当たり判定において「ハズレ」の場合には(ステップS532:NO)、本処理を終える。一方、上記の当たり判定で「当たり」の場合には(ステップS532:YES)、遊技制御用マイコン81は、サブ制御基板90に当たり遊技(普通遊技)のオープニングの開始を知らせるために、普通図柄オープニングコマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットする(ステップS533)。また、遊技制御用マイコン81は、電チュー開放パターンのセットをおこなう(ステップS534)。電チュー23の開放パターンは、電チュー開放パターン判定テーブルT8(図14(A))を参照して選択される。具体的には、遊技制御用マイコン81は、上記(ステップS507)で判定された普通図柄の種類(普図停止図柄データ)と、電チュー開放パターン判定テーブルT8とを用いて電チュー23の開放パターンを選択する。ここでは、例えば、普通図柄が「当たり図柄1」のとき、「開放パターン11」が選択され、普通図柄が「当たり図柄3」のとき、「開放パターン13」が選択される(図14参照)。開放パターンの選択後、遊技制御用マイコン81は、選択した開放パターンに従うように電チュー作動を開始させ(ステップS535)、本処理を終える。
上述のステップS501において、電チュー23が作動中の場合(ステップS501:YES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー23の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS540)。ここでの閉鎖条件は、電チュー23への入賞個数が規定の最大入賞個数(例えば2個)に達したこと、または、電チュー23の開放時間が経過して電チュー23を閉鎖させる時間に至ったことのいずれかが満たされていることである。電チュー23の開放時間とは、ステップS534で選択された開放パターンに対応する開放時間である(図14参照)。電チュー23の閉鎖条件が成立していない場合(ステップS540:NO)、本処理を終える。一方、電チュー23の閉鎖条件が成立している場合(ステップS540:YES)、遊技制御用マイコン81は、サブ制御基板90に当たり遊技(普通遊技)のエンディングの開始を知らせるために、普通図柄エンディングコマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットする(ステップS54
1)。また、遊技制御用マイコン81は、電チュー23を閉鎖(閉塞)してその作動を停止し(ステップS542)、本処理を終える。
[特別動作処理]
図22は、特別動作処理(図17:ステップS105)のフローチャートである。ここでは、第1特別図柄表示器41aおよび大入賞装置(第1大入賞装置31および大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、各段階をそれぞれ「特図1動作ステータス」の「1」、「2」、「3」、「4」、「5」と呼ぶ。また、第2特別図柄表示器41bおよび大入賞装置に関する処理を5つの段階に分け、各段階をそれぞれ「特図2動作ステータス」の「1」、「2」、「3」、「4」、「5」と呼ぶ。「特図1動作ステータス」および「特図2動作ステータス」の初期設定は「1」である。遊技制御用マイコン81は、まず、「特図1動作ステータス」と「特図2動作ステータス」のいずれかが「4」または「5」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1301、ステップS1303)。「特図1動作ステータス」と「特図2動作ステータス」のいずれかが「4」のとき(ステップS1301:YES)、特別電動役物処理1をおこなう(ステップS1320)。特別電動役物処理1では、大当たり遊技(第2種特別遊技)が実行される。具体的には、特図1動作ステータスが「4」のときには、特図1の大当たりによる1種大当たり遊技または特図1の小当たりによる2種大当たり遊技が実行される。特図2動作ステータスが「4」のときには、特図2の大当たりによる1種大当たり遊技または特図2の小当たりによる2種大当たり遊技が実行される。「特図1動作ステータス」と「特図2動作ステータス」のいずれかが「5」のとき(ステップS1301:NO、ステップS1303:YES)、特別電動役物処理2をおこなう(ステップS1321)。特別電動役物処理2では、小当たり遊技(第1種特別遊技)が実行される。具体的には、特図1動作ステータスが「5」のときには、特図1の小当たりによる小当たり遊技が実行され、特図2動作ステータスが「5」のときには、特図2の小当たりによる小当たり遊技が実行される。
「特図1動作ステータス」と「特図2動作ステータス」のいずれも「4」または「5」ではない場合(ステップS1301、S1303:NO)、遊技制御用マイコン81は、「特図1動作ステータス」が「1」か「2」か「3」かの判定をおこなう(ステップS1305、S1307)。「特図1動作ステータス」が「1」のとき(ステップS1305:YES)、特図1待機処理をおこなう(ステップS1306)。特図1待機処理では、特図1の当たり判定や変動パターン選択等が実行される。「特図1動作ステータス」が「2」のとき(ステップS1305:NO、ステップS1307:YES)、特図1変動中処理をおこなう(ステップS1308)。特図1変動中処理では、特図1の変動時間経過後に変動停止コマンドの出力等が実行される。「特図1動作ステータス」が「3」のとき(ステップS1305、S1307:NO)、特図1確定処理をおこなう(ステップS1309)。特図1確定処理では、特図1抽選における大当たり時や小当たり時にオープニングコマンドの出力等が実行される。上記の各処理の詳細については後述する。
「特図1動作ステータス」が「1」か「2」か「3」かの判定をおこなった後、遊技制御用マイコン81は、「特図2動作ステータス」が「1」か「2」か「3」かの判定をおこなう(ステップS1315、S1317)。「特図2動作ステータス」が「1」のとき(ステップS1315:YES)、特図2待機処理をおこなう(ステップS1316)。特図2待機処理では、特図2の当たり判定や変動パターン選択等が実行される。「特図2動作ステータス」が「2」のとき(ステップS1315:NO、ステップS1317:YES)、特図2変動中処理をおこなう(ステップS1318)。特図2変動中処理では、特図2の変動時間経過後に変動停止コマンドの出力等が実行される。「特図2動作ステータス」が「3」のとき(ステップS1315、S1317:NO)、特図2確定処理をおこなう(ステップS1319)。特図2確定処理では、特図2抽選における大当たり時や小当たり時にオープニングコマンドの出力等が実行される。上記の各処理の詳細について
は後述する。上記のように、本実施形態の特別動作処理によれば、特図1の待機処理、変動中処理、確定処理と、特図2の待機処理、変動処理、確定処理とが並行して実行される。一方、大当たり遊技中や小当たり遊技球は、特図1および特図2の待機処理、変動処理、確定処理に優先して実行される。
[特図1待機処理]
図23は、特図1待機処理(図22:ステップS1306)のフローチャートである。特図1待機処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、特図1保留球数が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1401)。特図1保留球数が「0」である場合(ステップS1401:YES)、すなわち、第1特図保留記憶領域85aに、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1413に移行する。特図1保留球数が「1」以上である場合(ステップS1401:NO)、遊技制御用マイコン81は、特図1当たり判定処理(ステップS1402)、および、特図1変動パターン選択処理(ステップS1403)を実行する。これらの処理の詳細については後述する。特図1変動パターン選択処理の後、特図1保留球数を1つディクリメントする(ステップS1404)。次に、遊技制御用マイコン81は、第1特図保留記憶領域85aの第1~第4記憶領域に格納されている保留情報(各種乱数値)の格納場所を現在の位置から読み出される側に1つシフトするとともに、第1特図保留記憶領域85aにおいて読み出される側から最も遠い場所に格納されている保留情報をクリアする(ステップS1405)。例えば、第1~第3記憶領域に保留情報が格納されている場合には、第3記憶領域に格納されている保留情報をクリアし、第1~第4記憶領域に保留情報が格納されている場合には、第4記憶領域に格納されている保留情報をクリアする。上記ステップによって、第1特図保留が保留された順に消化される。この場合、画像表示装置7の表示画面7aでは、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域に対応する保留画像9A(4つの保留画像9Aのうち、一番右端の保留画像9A)が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Cとして表示される。また、第1特図保留記憶領域85aの第2~第4記憶領域に保留情報がある場合には、第2~第4記憶領域に対応する保留画像9A(4つの保留画像9Aのうち、右から2、3、4番目の保留画像9A)がそれぞれ右側に1つシフトする。これにより、遊技者は、第1特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。次に、遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理をおこなう(ステップS1406)。特図1変動開始処理では、特図1変動開始コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし、第1特別図柄の変動表示を開始させるとともに特図1変動時間タイマのセットをおこなう。特図1変動時間タイマには、特図1変動パターン選択処理で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間(図11参照)がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、特図1動作ステータスを「2」にセットする。なお、特図1変動開始処理でセットされる特図1変動開始コマンドには、特図1当たり判定処理(ステップS1402)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や特図1変動パターン選択処理(ステップS1403)でセットされた変動パターンに関する情報が含まれている。
ステップS1401において、特図1保留球数が「0」の場合(ステップS1401:YES)、遊技制御用マイコン81は、画像表示装置7の表示画面7aが待機画面か否かの判定をおこなう(ステップS1413)。待機画面とは、客待ち用のデモ画面のことである。遊技制御用マイコン81は、例えば、客待ち用のデモ画面表示フラグのON/OFFによって判定してもよい。待機画面である場合(ステップS1413:YES)、本処理を終了する。待機画面でない場合(ステップS1413:NO)、遊技制御用マイコン81は、所定の待機時間の経過をまって、待機場面を表示させるための客待ち待機コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし(ステップS1414)、本処理を終える。
[特図1当たり判定処理]
図24は、特図1当たり判定処理(図23:ステップS1402)のフローチャートである。特図1当たり判定処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、「特図2大当たりフラグ」と「特図2小当たりフラグ」のいずれかがONになっているか否かの判定をおこなう(ステップS1501)。特図2大当たりフラグと特図2小当たりフラグいずれかがONの場合(ステップS1501:YES)、遊技制御用マイコン81は、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をメインRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(ステップS1518)、本処理を終了する。このように「特図2大当たりフラグ」と「特図2小当たりフラグ」のいずれかがONになっている場合、特図1抽選は強制的にハズレ(強制ハズレ)になるように構成されている。「特図2大当たりフラグ」と「特図2小当たりフラグ」のいずれかがONになっている場合、特図2側において大当たり遊技または小当たり遊技が実行される前の変動が行われている状態となっている。もし、この状態において特図1抽選で大当たりまたは小当たりし、大当たりまたは小当たり前の変動が特図2側の変動よりも早く終了すると、特図2の変動演出中に特図1の大当たりまたは小当たりが開始される不具合が生じる。この構成(当たりの重複排除)によってその不具合の発生を抑制できる。
特図2大当たりフラグと特図2小当たりフラグのいずれもOFFとなっている場合(ステップS1501:NO)、遊技制御用マイコン81は、特別図柄当たり判定テーブルT1(図9(A))を参照して当たり判定をおこなう(ステップS1502)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域(第1特図保留の1個目に対応)に記憶されている判定値としての特別図柄当たり乱数値を読み出す。次に、参照する特別図柄当たり判定テーブルT1と、読み出した特別図柄当たり乱数値とを用いて大当たりか否か、および、小当たりか否かを判定する。このように、遊技制御用マイコン81は、「当否判定手段」として機能する。
当たり判定の結果が「大当たり」の場合(ステップS1503:YES)、遊技制御用マイコン81は、「特図1大当たりフラグ」をONにするとともに(ステップS1505)、大当たり種別の判定をおこなう(ステップS1507)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域に記憶されている判定値としての特別図柄当たり種別乱数値を読み出す。次に、読み出した特別図柄当たり種別乱数値と特別図柄当たり種別判定テーブルT3(図10)に基づいて、大当たり種別の判定をおこなう。大当たり種別の判定後、特定された大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(大当たり図柄)をメインRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(ステップS1509)、本処理を終了する。
一方、当たり判定の結果が「大当たり」ではなく(ステップS1503:NO)、「小当たり」である場合(ステップS1510:YES)、遊技制御用マイコン81は、「特図1小当たりフラグ」をONにするとともに(ステップS1512)、小当たり種別の判定をおこなう(ステップS1514)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大当たり種別の判定と同様に、判定値としての特別図柄当たり種別乱数値の読み出し、読み出した特別図柄当たり種別乱数値と特別図柄当たり種別判定テーブルT3(図10)に基づいて、小当たり種別の判定をおこなう。小当たり種別の判定後、特定された小当たり種別に応じた特図停止図柄データ(小当たり図柄)をメインRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(ステップS1516)、本処理を終了する。
当たり判定の結果が「大当たり」と「小当たり」のいずれでもなく、「ハズレ」の場合(ステップS1503、S1510:NO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をメインRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(ステップS1518)、本処理を終了する。
[特図1変動パターン選択処理]
図25および図26は、特図1変動パターン選択処理(図23:ステップS1403)のフローチャートである。特図1変動パターン選択処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、遊技状態が時短状態であるか否かの判定をおこなう(ステップS1600)。時短状態であるか否かの判定は、時短フラグがONか否かによっておこなわれる。時短状態である場合(ステップS1600:YES)、処理はステップS1612に移行する。時短状態でない場合(ステップS1600:NO)、遊技制御用マイコン81は、特図1大当たりフラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS1602)。
特図1大当たりフラグがONの場合(ステップS1602:YES)、遊技制御用マイコン81は、特別図柄変動パターン判定テーブルT4(図11)のうち、特図1の非時短状態大当たり用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1603)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域(第1特図保留の1個目に対応)に記憶されている判定値としての変動パターン乱数値を読み出す。次に、特別図柄変動パターン判定テーブルT4と変動パターン乱数値とを用いて変動パターンを選択する。ここでは、非時短状態大当たり用のテーブルとして、図11に示す特別図柄変動パターン判定テーブルT4のうち、非時短状態の大当たりに該当する部分(変動パターンが「P1」、「P2」の部分)が参照される(アドレスがセットされる)。読み出した変動パターン乱数値から、変動パターンとして「P1」、「P2」のいずれかが選択される。
ステップS1602において、特図1大当たりフラグがOFFの場合(ステップS1602:NO)、遊技制御用マイコン81は、特図1小当たりフラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS1604)。特図1小当たりフラグがONの場合(ステップS1604:YES)、遊技制御用マイコン81は、特別図柄変動パターン判定テーブルT4(図11)のうち、特図1の非時短状態小当たり用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1605)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、上記のステップS1603と同様に、判定値としての変動パターン乱数値の読み出しをおこなう。次に、遊技制御用マイコン81は、特別図柄変動パターン判定テーブルT4のうち、非時短状態の小当たりに該当する部分と、変動パターン乱数値とを用いて変動パターンを選択する。ここでは、特別図柄変動パターン判定テーブルT4のうち、非時短状態の小当たりに該当する部分は、変動パターンが「P3」の部分となるため、変動パターン乱数値にかかわらず「P3」が選択される。
ステップS1604において、特図1小当たりフラグがOFFの場合(ステップS1604:NO)、遊技制御用マイコン81は、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値か否かの判定をおこなう(ステップS1606)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、第1特図保留記憶領域85aの第1記憶領域(第1特図保留の1個目に対応)に記憶されている判定値としてのリーチ乱数値を読み出しをおこなう。次に、遊技制御用マイコン81は、リーチ判定テーブルT2(図9(B))と、リーチ乱数値とを用いてリーチの有無を判定する。ここでは、非時短状態であるため、リーチ判定テーブルT2のうち、非時短状態用のテーブル(リーチ有り判定値(リーチ成立乱数値)が「0」~「13」の部分)に基づいてリーチの有無を判定する。
リーチ乱数値がリーチ成立乱数値である場合(ステップS1606:YES)、すなわち、リーチ有りハズレの場合には、遊技制御用マイコン81は、特別図柄変動パターン判定テーブルT4(図11)のうち、特図1の非時短状態のリーチ有りハズレ用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1607)。ここでは、非時短状態のリーチ有りハズレ用のテーブルとして、図11に示す特別図柄変動パターン判定テー
ブルT4のうち、非時短状態のリーチ有りハズレに該当する部分(変動パターンが「P4」、「P5」の部分)が参照される。ここでは、読み出した変動パターン乱数値から、変動パターンとして「P4」、「P5」のいずれかが選択される。
リーチ乱数値がリーチ成立乱数値ではない場合(ステップS1606:NO)、すなわち、リーチ無しハズレの場合には、遊技制御用マイコン81は、特別図柄変動パターン判定テーブルT4(図11)のうち、特図1の非時短状態のリーチ無しハズレ用のテーブルを参照して変動パターンの選択をおこなう(ステップS1608)。ここでは、非時短状態のリーチ無しハズレ用のテーブルとして、図11に示す特別図柄変動パターン判定テーブルT4のうち、非時短状態のリーチ無しハズレに該当する部分(変動パターンが「P6」、「P7」の部分)が参照される。特図1では、読み出した変動パターン乱数値と、現在の特図1保留球数(1~4)から、変動パターンとして「P6」、「P7」のいずれかが選択される。特図1では、保留球数によって選択される変動パターンが変わるため、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特図1において、保留球数が「3」~「4」であるときは、保留球数が「1」~「2」であるときに比べて変動時間の短い変動パターンがより多く選択されるようになっている。これにより、保留球数が多いときに特図保留の消化スピードを速めることができる。
ステップS1600において、遊技状態が時短状態であると判定した場合には、遊技制御用マイコン81は、特図1大当たりフラグがONか否かの判定をおこなう(図26:ステップS1612)。以後、ステップS1613~S1618の処理は、以下の点を除いては上述のステップS1603~S1608の処理と同様であるため説明を省略する。ステップS1613~S1618の処理とステップS1603~S1608の処理との違いは、ステップS1613、S1615、S1617、S1618において、参照される特別図柄変動パターン判定テーブルT4の部分が既述のステップS1603、S1605、S1607、S1608と異なる。具体的には、ステップS1603、S1605、S1607、S1608では、特別図柄変動パターン判定テーブルT4のうちの非時短状態用のテーブルが参照されるのに対して、ステップS1613、S1615、S1617、S1618では、時短状態用のテーブルが参照される。例えば、ステップS1615の場合、特別図柄変動パターン判定テーブルT4のうち、時短状態の小当たりに該当する部分(変動パターンが「P12」の部分)が参照される。また、例えば、ステップS1617の場合、特別図柄変動パターン判定テーブルT4のうち、時短状態のリーチ有りハズレに該当する部分(変動パターンが「P13」の部分)が参照される。
上記のように変動パターンの選択をおこなった後、遊技制御用マイコン81は、選択した変動パターンをセットして(ステップS1630)本処理を終える。セットされた変動パターンの情報は特図1変動開始コマンドに含められて、出力処理(図17:ステップS109)においてサブ制御基板90に送信される。これにより特図1の変動表示が開始される。
[特図1変動中処理]
図27は、特図1変動中処理(図22:ステップS1308)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、特図1の変動時間が経過して終了したか否かの判定をおこなう(ステップS1701)。特図1の変動時間が経過して終了したか否かの判定は、特図1変動時間タイマが0となったか否かによっておこなわれる。変動時間が終了していない場合(ステップS1701:NO)、特図1変動時間タイマの減算をおこなった後(ステップS1702)、本処理を終える。すなわち、特図1待機処理(図23)のステップS1406において開始された特図1の変動表示が継続される。一方、変動時間が終了している場合(ステップS1701:YES)、特図1変動停止コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし(ステップS1712)、特図1動作ス
テータスを「3」にセットする(ステップS1713)。また、遊技制御用マイコン81は、特図1の変動停止にともなうその他の処理をおこなう(ステップS1714)。例えば、遊技制御用マイコン81は第1特別図柄表示器41aの第1特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄で停止させる処理(第1特別図柄の停止表示)等をおこなう。このように、遊技制御用マイコン81は、「図柄制御手段」として機能する。なお、特別図柄の停止表示時間は、特図1の抽選結果などに応じて任意に設定することができる。その後、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。
[特図1確定処理]
図28は、特図1確定処理(図22:ステップS1309)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、第1特別図柄の停止時間が経過しているか否かの判定をおこなう(ステップS1800)。停止時間を経過していなければ(ステップS1800:NO)、本処理を終了する。一方、停止時間を経過している場合(ステップS1800:YES)、遊技制御用マイコン81は、遊技状態管理処理をおこなう(ステップS1810)。遊技状態管理処理とは、時短状態中に実行された特別図柄の変動回数に応じて遊技状態の切り替えをおこなうための処理であり内容について後述する。遊技状態管理処理の後、特図1大当たりフラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS1822)。
特図1大当たりフラグがONの場合(ステップS1822:YES)、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種別に応じた大入賞口の開放パターンのセットをおこなう(ステップS1823)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放パターン判定テーブルT9(図15)を参照して、特図停止図柄データから大入賞口の開放パターンを決定し、決定した開放パターンをセットする。ここでは、特図停止図柄データが11Hのとき、入賞口の開放パターンとして「開放パターン21」がセットされ、特図停止図柄データが12Hのとき、「開放パターン22」がセットされる。大入賞口の開放パターンのセットとあわせてラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。ラウンドカウンタとは、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするものである。ここでは、特図停止図柄データが11Hのとき、ラウンドカウンタには「15」がセットされ、特図停止図柄データが12Hのとき、「4」がセットされる(図15(B))。
開放パターンのセット後、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONの場合(ステップS1824:YES)には、OFFに切り替える(ステップS1825)。これにより、1種大当たり遊技の実行中は非時短状態となる。その後、1種大当たり遊技を開始するために、1種大当たり遊技のオープニングコマンドをセットし(ステップS1826)、大当たり遊技のオープニングを開始する(ステップS1827)。その後、特図1動作ステータスを「4」にセットして(ステップS1828)、本処理を終える。特図1動作ステータスが「4」にセットされることで、処理は特別電動役物処理1(大当たり遊技)に移行する(図22)。
ステップS1822において、特図1大当たりフラグがOFFである場合(ステップS1822:NO)、遊技制御用マイコン81は、特図1小当たりフラグがONであるか否かの判定をおこなう(ステップS1830)。特図1小当たりフラグがONの場合(ステップS1830:YES)、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たりの種別に応じた大入賞口の開放パターンのセットをおこなう(ステップS1831)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、上述のステップS1823と同様に、大入賞口開放パターン判定テーブルT9を参照して、特図停止図柄データから大入賞口の開放パターンを決定し、決定した開放パターンをセットする。特図1の小当たり種別は「16R通常小当たりA」(特図停止図柄データが「13H」)のみなので、入賞口の開放パターンとして「開放パ
ターン23」がセットされる。大入賞口の開放パターンのセットとあわせてラウンドカウンタの値を、当選した小当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。ここでは、ラウンドカウンタには「16」がセットされる(図15(B))。
開放パターンのセット後、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材作動フラグをONに切り替える(ステップS1832)。V開閉部材作動フラグは、V開閉部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。V開閉部材制御処理(図40)において、V開閉部材作動フラグがONのときV開閉部材71を所定の動作パターンで動作させる。ここでは、V開閉部材71は、いずれの小当たり遊技においても、小当たり遊技後0.01秒間はオープニングとして閉鎖され、その後、4秒間開放され、その後、閉鎖されるように作動する。なお、特図1小当たりフラグがONの場合には、特図1大当たりフラグがONの場合と異なり、時短フラグがONであってもOFFに切り替えない。その後、小当たり遊技を開始するために、小当たりのオープニングコマンドをセットし(ステップS1833)、小当たり遊技のオープニングを開始する(ステップS1834)。その後、特図1動作ステータスを「5」にセットして(ステップS1835)、本処理を終える。特図1動作ステータスが「5」にセットされることで、処理は特別電動役物処理2(小当たり遊技)に移行する(図22)。
ステップS1830において、特図1小当たりフラグがOFFである場合(ステップS1830:NO)、遊技制御用マイコン81は、特図1動作ステータスを「1」にセットして(ステップS1840)、本処理を終了する。これにより、特図2抽選において大当たりまたは小当たりしない限り、大当たり遊技、小当たり遊技のいずれも開始されず、再度、特図1待機処理(図22:ステップS1306)に移行し、次の特図1保留に対する当たり判定等が実行される。
[遊技状態管理処理]
図29は、遊技状態管理処理(図28:ステップS1810)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、時短フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS1811)。時短フラグがOFFの場合(ステップS1811:NO)、すなわち非時短状態のとき、処理はステップS1815にスキップする。時短フラグがONの場合(ステップS1811:YES)、すなわち時短状態のとき、遊技制御用マイコン81は、時短カウンタC1の値を1ディクリメントする(ステップS1812)。「時短カウンタC1」とは、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数(第1特別図柄の変動回数、および、第2特別図柄の変動回数の合計)をカウントするものである。時短カウンタC1には初期値として「99」がセットされる。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1812の結果、時短カウンタC1の値が「0」になったか否かの判定をおこなう(ステップS1813)。時短カウンタC1の値が「0」ではない場合(ステップS1813:NO)、処理はステップS1815にスキップする。時短カウンタC1の値が「0」の場合(ステップS1813:YES)、時短フラグをOFFに切り替える(ステップS1814)。これにより、遊技状態が時短状態から非時短状態に切り替えられる。すなわち、時短状態において実行された特別図柄の変動回数が99に達したときに、遊技状態が非時短状態に切り替えられる。
ステップS1815では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットして、本処理を終える。遊技状態指定コマンドには、今設定した現在の遊技状態に関する情報(時短状態か否か、時短カウンタC1の値など)が含まれている。
[特図2待機処理]
図30は、特図2待機処理(図22:ステップS1316)のフローチャートである。特図2待機処理では、遊技制御用マイコン81は、まず、特図2保留球数が「0」であるか否かの判定をおこなう(ステップS1901)。特図2保留球数が「0」である場合(ステップS1901:YES)、すなわち、第2特図保留記憶領域85baに、第2A始動口21または第2始動口22への入賞に起因して取得した乱数値群の記憶がない場合には、処理はステップS1983に移行する。特図2保留球数が「1」以上である場合(ステップS1901:NO)、遊技制御用マイコン81は、特図2当たり判定処理(ステップS1910)、および、特図2変動パターン選択処理(ステップS1940)を実行する。これらの処理の詳細については後述する。特図2変動パターン選択処理の後、特図2保留球数を1つディクリメントする(ステップS1974)。次に、遊技制御用マイコン81は、第2特図保留記憶領域85bの第1~第4記憶領域に格納されている保留情報(各種乱数値)の格納場所を現在の位置から読み出される側に1つシフトするとともに、第2特図保留記憶領域85bにおいて読み出される側から最も遠い場所に格納されている保留情報をクリアする(ステップS1975)。上記ステップによって、第2特図保留が保留された順に消化される。この場合、画像表示装置7の表示画面7aでは、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域に対応する保留画像9B(4つの保留画像9Bのうち、一番左端の保留画像9B)が保留消化画像表示領域側にシフトし、保留消化画像9Dとして表示される。また、第2特図保留記憶領域85bの第2~第4記憶領域に保留情報がある場合には、第2~第4記憶領域に対応する保留画像9B(4つの保留画像9Bのうち、左から2、3、4番目の保留画像9B)がそれぞれ左側に1つシフトする。これにより、遊技者は、第2特図保留が1つ消化されたことを認識することができる。次に、遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理をおこなう(ステップS1976)。特図2変動開始処理では、特図2変動開始コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし、第2特別図柄の変動表示を開始させるとともに特図2変動時間タイマのセットをおこなう。特図2変動時間タイマには、特図2変動パターン選択処理で選択された変動パターンに応じて決定される変動時間(図12参照)がセットされる。また、遊技制御用マイコン81は、特図2動作ステータスを「2」にセットする。なお、特図2変動開始処理でセットされる特図2変動開始コマンドには、特図2当たり判定処理(ステップS1910)でセットされた特図停止図柄データに関する情報や特図2変動パターン選択処理(ステップS1940)でセットされた変動パターンに関する情報が含まれている。
ステップS1901において、特図2保留球数が「0」の場合、遊技制御用マイコン81は、画像表示装置7の表示画面7aが待機画面か否かの判定をおこない、待機画面である場合(ステップS1983:YES)、本処理を終了する。待機画面でない場合(ステップS1983:NO)、遊技制御用マイコン81は、所定の待機時間の経過をまって、待機場面を表示させるための客待ち待機コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし(ステップS1984)、本処理を終える。
[特図2当たり判定処理]
図31は、特図2当たり判定処理(図30:ステップS1910)のフローチャートである。特図2当たり判定処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、「特図1大当たりフラグ」と「特図1小当たりフラグ」のいずれかがONになっているか否かの判定をおこなう(ステップS1921)。特図1大当たりフラグと特図1小当たりフラグいずれかがONの場合(ステップS1921:YES)、遊技制御用マイコン81は、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をメインRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(ステップS1938)、本処理を終了する。このように「特図1大当たりフラグ」と「特図1小当たりフラグ」のいずれかがONになっている場合、特図2抽選は強制的にハズレになるように構成されている。「特図1大当たりフラグ」と「特図1小当たりフラグ」のいずれかがONになっている場合、特図1側において大当たり遊技または小当たり遊技が実行される前の変動が行われている状態となっている。もし、この状態に
おいて特図2抽選で大当たりまたは小当たりし、大当たりまたは小当たり前の変動が特図1側の変動よりも早く終了すると、特図1の変動演出中に特図2の大当たりまたは小当たりが開始される不具合が生じる。この構成によってその不具合の発生を抑制できる。
特図1大当たりフラグと特図1小当たりフラグのいずれもOFFとなっている場合(ステップS1921:NO)、遊技制御用マイコン81は、特別図柄当たり判定テーブルT1(図9(A))を参照して当たり判定をおこなう(ステップS1922)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域(第2特図保留の1個目に対応)に記憶されている判定値としての特別図柄当たり乱数値を読み出し、読み出した特別図柄当たり乱数値と特別図柄当たり判定テーブルT1とを用いて大当たりか否か、および、小当たりか否かを判定する。
当たり判定の結果が「大当たり」の場合(ステップS1923:YES)、遊技制御用マイコン81は、「特図2大当たりフラグ」をONにするとともに(ステップS1925)、大当たり種別の判定をおこなう(ステップS1927)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、まず、第2特図保留記憶領域85bの第1記憶領域に記憶されている判定値としての特別図柄当たり種別乱数値を読み出す。次に、読み出した特別図柄当たり種別乱数値と特別図柄当たり種別判定テーブルT3(図10)に基づいて、大当たり種別の判定をおこなう。大当たり種別の判定後、特定された大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(大当たり図柄)をメインRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(ステップS1929)、本処理を終了する。
一方、当たり判定の結果が「大当たり」ではなく(ステップS1923:NO)、「小当たり」である場合(ステップS1930:YES)、遊技制御用マイコン81は、「特図2小当たりフラグ」をONにするとともに(ステップS1932)、小当たり種別の判定をおこなう(ステップS1934)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大当たり種別の判定と同様に、判定値としての特別図柄当たり種別乱数値の読み出し、読み出した特別図柄当たり種別乱数値と特別図柄当たり種別判定テーブルT3(図10)に基づいて、小当たり種別の判定をおこなう。小当たり種別の判定後、特定された小当たり種別に応じた特図停止図柄データ(小当たり図柄)をメインRAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(ステップS1516)、本処理を終了する。当たり判定の結果が「ハズレ」の場合(ステップS1923、S1930:NO)、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をメインRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(ステップS1518)、本処理を終了する。
[特図2変動パターン選択処理]
図32および図33は、特図2変動パターン選択処理(図30:ステップS1940)のフローチャートである。特図2変動パターン選択処理のステップS1950~S1970の処理は、以下の点を除いては既述の特図1変動パターン選択処理(図32、図33)のステップS1600~S1630の処理と同様であるため説明を省略する。特図2変動パターン選択処理では、ステップS1952、S1962において特図2大当たりフラグを参照しているのに対して特図1変動パターン選択処理のステップS1602、S1612において特図1大当たりフラグを参照している。特図2変動パターン選択処理では、ステップS1954、S1964において特図2小当たりフラグを参照しているのに対して特図1変動パターン選択処理のステップS1604、S1614において特図1小当たりフラグを参照している。特図2変動パターン選択処理では、ステップS1953、S1955、S1957,S1958、S1963、S1965、S1967、S1968において特別図柄変動パターン判定テーブルT4(図12)の特図2の部分が参照されるのに対して特図1変動パターン選択処理のステップS1603、S1605、S1607、S1608、S1613、S1615、S1617、S1618において特別図柄変動パタ
ーン判定テーブルT4(図11)の特図1の部分が参照される。特図2変動パターン選択処理では、変動パターンの選択をおこなった後、遊技制御用マイコン81は、選択した変動パターンをセットして(ステップS1970)本処理を終える。セットされた変動パターンの情報は特図2変動開始コマンドに含められて、出力処理(図17:ステップS109)においてサブ制御基板90に送信される。これにより特図2の変動表示が開始される。
[特図2変動中処理]
図34は、特図2変動中処理(図22:ステップS1318)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、特図2の変動時間が経過して終了したか否かの判定をおこなう(ステップS2001)。特図2の変動時間が経過して終了したか否かの判定は、特図2変動時間タイマが0となったか否かによっておこなわれる。変動時間が終了していない場合(ステップS2001:NO)、特図2変動時間タイマの減算をおこなった後(ステップS2002)、本処理を終える。すなわち、特図2待機処理(図30)のステップS1976において開始された特図2の変動表示が継続される。一方、変動時間が終了している場合(ステップS2001:YES)、特図2変動停止コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットし(ステップS2012)、特図2動作ステータスを「3」にセットする(ステップS2013)。また、遊技制御用マイコン81は、特図2の変動停止にともなうその他の処理をおこなう(ステップS2014)。例えば、遊技制御用マイコン81は第2特別図柄表示器41bの第2特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄で停止させる処理(第2特別図柄の停止表示)等をおこなう。その後、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。
[特図2確定処理]
図35は、特図2確定処理(図22:ステップS1319)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、第2特別図柄の停止時間が経過しているか否かの判定をおこない、停止時間を経過していなければ(ステップS2100:NO)、本処理を終了する。一方、停止時間を経過している場合(ステップS2100:YES)、遊技状態管理処理(図29)をおこなう(ステップS2110)。遊技状態管理処理の後、特図2大当たりフラグがONであるか否かの判定をおこない、ONの場合(ステップS2122:YES)、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たりの種別に応じた大入賞口の開放パターンのセットをおこなう(ステップS2123)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放パターン判定テーブルT9(図15)を参照して、特図停止図柄データから大入賞口の開放パターンを決定し、決定した開放パターンをセットする。ここでは、特図停止図柄データが21H,24Hのとき、入賞口の開放パターンとして「開放パターン21」がセットされ、特図停止図柄データが22H,25Hのとき、「開放パターン22」がセットされる。大入賞口の開放パターンのセットとあわせてラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。ここでは、特図停止図柄データが21H,24Hのとき、ラウンドカウンタには「15」がセットされ、特図停止図柄データが22H,25Hのとき、「4」がセットされる(図15(B))。開放パターンのセット後、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONの場合(ステップS2124:YES)には、OFFに切り替える(ステップS2125)。その後、1種大当たり遊技を開始するために、1種大当たり遊技のオープニングコマンドをセットし(ステップS2126)、大当たり遊技のオープニングを開始する(ステップS2127)。その後、特図2動作ステータスを「4」にセットして(ステップS2128)、本処理を終える。特図2動作ステータスが「4」にセットされることで、処理は特別電動役物処理1(大当たり遊技)に移行する(図22)。
ステップS2122において、特図2大当たりフラグがOFFである場合、遊技制御用マイコン81は、特図2小当たりフラグがONであるか否かの判定をおこない、ONの場
合(ステップS2130:YES)、当選した小当たりの種別に応じた大入賞口の開放パターンのセットをおこなう(ステップS2131)。具体的には、遊技制御用マイコン81は、上述のステップS2123と同様に、大入賞口開放パターン判定テーブルT9を参照して、特図停止図柄データから大入賞口の開放パターンを決定し、決定した開放パターンをセットする。小当たり種別が「16R通常小当たり」(特図停止図柄データが「23H」)の場合、入賞口の開放パターンとして「開放パターン23」がセットされる。小当たり種別が「16R時短小当たり」(特図停止図柄データが「26H」)の場合、入賞口の開放パターンとして「開放パターン24」がセットされる。大入賞口の開放パターンのセットとあわせてラウンドカウンタの値を、当選した小当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。ここでは、ラウンドカウンタには「16」がセットされる(図15(B))。開放パターンのセット後、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材作動フラグをONに切り替え(ステップS2132)、小当たりのオープニングコマンドをセットし(ステップS2133)、小当たり遊技のオープニングを開始する(ステップS2134)。その後、特図2動作ステータスを「5」にセットして(ステップS2135)、本処理を終える。特図2動作ステータスが「5」にセットされることで、処理は特別電動役物処理2(小当たり遊技)に移行する(図22)。ステップS2130において、特図2小当たりフラグがOFFである場合、遊技制御用マイコン81は、特図2動作ステータスを「1」にセットして(ステップS2140)、本処理を終了する。これにより、特図1抽選において大当たりまたは小当たりしない限り、大当たり遊技、小当たり遊技のいずれも開始されず、再度、特図2待機処理(図22:ステップS1316)に移行し、次の特図2保留に対する当たり判定等が実行される。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]
図36は、特別電動役物処理1(図22:ステップS1320)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、大当たり終了フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2200)。「大当たり終了フラグ」とは、現在実行中の大当たり遊技において、開放パターンに基づく大入賞口35の開放がすべて終了したことを示すフラグである。大当たり終了フラグがONの場合(ステップS2200:YES)、処理はステップS2230に移行する。大当たり終了フラグがOFFの場合(ステップS2200:NO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口35が開放中か否かの判定をおこなう(ステップS2202)。開放中の場合(ステップS2202:YES)、処理はステップS2210に移行する。
大入賞口35が開放中ではない場合(ステップS2202:NO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口35を開放する時間(タイミング)か否かの判定をおこなう(ステップS2203)。大入賞口35を開放する時間(タイミング)には、例えば、大当たり遊技のオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時期に至ったときや、開放後に一時的に閉鎖した大入賞口35を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して、再度の開放開始の時期に至ったときが含まれる。大入賞口35を開放する時間(タイミング)ではない場合(ステップS2203:NO)、処理はステップS2220に移行する。
大入賞口35を開放する時間(タイミング)である場合(ステップS2203:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放処理をおこなう(ステップS2207)。ここでは、遊技制御用マイコン81は、当たり種別(大当たり種別または小当たり種別)に応じた開放パターン(図15(B))に従って大入賞口35を開放させる。1種大当たり遊技を実行中の場合、大当たり種別に応じて開放パターン21または開放パターン22に従って大入賞口35を開放させる。2種大当たり遊技を実行中の場合、小当たり種別に応じて開放パターン23、開放パターン24または開放パターン25に従って大入賞口35を開放させる。大入賞口開放処理の後、遊技制御用マイコン81は、ラウンド指定コマ
ンドのセットをおこなう(ステップS2208)。ラウンド指定コマンドには、実行中の特別遊技(小当たり遊技および大当たり遊技)のラウンド数に関する情報が含まれており、遊技制御用マイコン81は、ラウンド指定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットする。これによりサブ制御基板90に特別遊技のラウンド数を通知することができる。なお、本実施形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口35の開放がなされることがない。しかし、他の実施形態として、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口35の開放がなされる場合には、遊技制御用マイコン81は、大入賞口35の開放が1回のラウンド中での初めての開放か否かを判定し、初めての開放の場合のみ、ラウンド指定コマンドをセットするようにしてもよい。ラウンド指定コマンドをセットした後、本処理を終える。
上述のステップS2202において、大入賞口35が開放中の場合(ステップS2202:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口35の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS2210)。ここでの閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(例えば、1ラウンドあたり9個)に達したこと、または、大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち、大入賞口35を開放してから所定の開放時間(例えば、29.5秒)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口35の閉鎖条件が成立していない場合(ステップS2210:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、大入賞口35の閉鎖条件が成立している場合(ステップS2210:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口35を閉鎖(閉塞)した後(ステップS2211)、本処理を終える。
上述のステップS2203において、大入賞口35を開放する時間(タイミング)ではない場合、遊技制御用マイコン81は、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう(ステップS2220)。ここでは1回のラウンドは、大入賞口35が閉鎖してから所定の時間(例えば、2秒)経過後に終了する。上述のように、ラウンド遊技間の大入賞口35の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放ラウンド遊技に含まれるためである。遊技制御用マイコン81は、大入賞口35を閉鎖してから所定のインターバル時間が経過したか否かによって、当該ラウンド遊技が終了しているか否かの判定をおこなう。当該ラウンド遊技が終了していない場合(ステップS2220:NO)、遊技制御用マイコン81は本処理を終了する。
当該ラウンド遊技が終了している場合(ステップS2220:YES)、遊技制御用マイコン81は、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(ステップS2221)、ラウンドカウンタの値が「0」になったか否かの判定をおこなう(ステップS2226)。ラウンドカウンタの値が「0」でなはい場合(ステップS2226:NO)、すなわち、規定のラウンド遊技回数をまだ消化していない場合、次のラウンド遊技を開始するために本処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」の場合(ステップS2226:YES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たり遊技のエンディングコマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットするとともに(ステップS2227)、大当たりのエンディングを開始する(ステップS2228)。エンディングコマンドには特図1当たり判定処理(図23)または特図2当たり判定処理(図31)でセットされた特図停止図柄データに関する情報が含まれている。大当たりのエンディングの開始後、大当たり終了フラグをONにセットして(ステップS2229)、本処理を終える。
上述のステップS2200において、大当たり終了フラグがONの場合(ステップS2200:YES)、最終ラウンドが終了しているので、遊技制御用マイコン81は、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かの判定をおこなう(ステップS2230)。
エンディング時間が経過していない場合(ステップS2230:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過している場合(ステップS2230:YES)、遊技制御用マイコン81は、大当たり終了フラグをOFFにするとともに(ステップS2231)、特図1大当たりフラグまたは特図2大当たりフラグのうち、ONとなっているフラグをOFFにする(ステップS2232)。具体的には、特図1の大当たりによる1種大当たり遊技または特図1の小当たりによる2種大当たり遊技が実行されている場合には、特図1大当たりフラグがONとなっているため、特図1大当たりフラグをOFFにする。特図2の大当たりによる1種大当たり遊技または特図2の小当たりによる2種大当たり遊技が実行されている場合には、特図2大当たりフラグがONとなっているため、特図2大当たりフラグをOFFにする。次に、遊技制御用マイコン81は、特図1動作ステータスまたは特図2動作ステータスのうち、「4」となっている動作ステータスを「1」にセットする(ステップS2233)。具体的には、特図1の大当たりによる1種大当たり遊技または特図1の小当たりによる2種大当たり遊技が実行されている場合には、特図1動作ステータスを「1」にセットし、特図2の大当たりによる1種大当たり遊技または特図2の小当たりによる2種大当たり遊技が実行されている場合には、特図2動作ステータスを「1」にセットする。これにより、特図1と特図2のうち、動作ステータスが「1」にセットされた特別図柄については、次回の特別動作処理において、再び待機処理(図22:ステップS1306またはS1316)が実行される。その後、遊技制御用マイコン81は、後述の遊技状態設定処理(ステップS2234)を実行し、本処理を終える。遊技状態設定処理(図37)は、大当たり遊技後の遊技状態(時短状態または非時短状態)を設定し、時短状態の場合には、当たり種別に応じて、時短カウンタC1に初期値(時短回数)をセットする処理である。
[遊技状態設定処理]
図37は、遊技状態設定処理(図36:ステップS2234)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、遊技制御用マイコン81は、まず、今回実行した大当たり遊技が時短当たり(すなわち、「4R時短大当たり」、「16R時短小当たり」)を契機として実行された大当たり遊技であるか否かの判定をおこなう(ステップS2301)。時短当たりが契機ではない場合(ステップS2301:NO)、すなわち、今回の大当たり遊技が通常当たり(すなわち「15R通常大当たり」、「16R通常小当たり」)を契機に実行されている場合、処理はステップS2309にスキップする。一方、今回の大当たり遊技が時短当たりを契機に実行されている場合(ステップS2301:YES)、時短フラグをONにし(ステップS2302)、時短カウンタC1に示す設定値(ここでは「99」)をセットする(ステップS2303)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が「時短状態かつ高ベース状態」に設定される。この「時短状態かつ高ベース状態」は、特別図柄の可変表示が所定の回数(ここでは99回)おこなわれること、または、次の大当たり(1種大当たり、または、2種大当たり)に当選すること、のいずれかの条件の成立によって終了する。ステップS2309では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態指定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットして、本処理を終える。遊技状態指定コマンドには、今設定した遊技状態に関する情報(時短状態か否か、時短カウンタC1の値など)が含まれている。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]
図38および図39は、特別電動役物処理2(図22:ステップS1321)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、上述の特別電動役物処理1(大当たり遊技:図36)、および、この特別電動役物処理2(小当たり遊技)を実行することによって「当たり遊技実行手段」として機能する。遊技制御用マイコン81は、まず、小当たり終了フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2400)。「小当たり終了フラグ」とは、実行中の小当たり遊技において、開放パターンに基づく大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。小当たり終了フラグがONの場合(ステップS240
0:YES)、処理はステップS2420に移行する。小当たり終了フラグがOFFの場合(ステップS2400:NO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口35が開放中か否かの判定をおこなう(ステップS2402)。開放中の場合(ステップS2402:YES)、処理はステップS2410に移行する。
大入賞口35が開放中ではない場合(ステップS2402:NO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口35を開放する時間(タイミング)か否かの判定をおこなう(ステップS2404)。大入賞口35を開放する時間(タイミング)とは、小当たりのオープニングの時間が経過して開放開始の時期に至ったときである。小当たりのオープニングの時間は、開放パターン23の場合、4秒、開放パターン24、25の場合、0.01秒である。大入賞口35を開放する時間(タイミング)ではない場合(ステップS2404:NO)、本処理を終える。大入賞口35を開放する時間(タイミング)である場合(ステップS2404:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口開放処理をおこなう(ステップS2406)。ここでは、遊技制御用マイコン81は、小当たり種別に応じた開放パターン(図15(B))に従って大入賞口35を開放させる。大入賞口開放処理の後、遊技制御用マイコン81は、ラウンド指定コマンドのセットをおこなう(ステップS2408)。ラウンド指定コマンドには、実行中の特別遊技のラウンド数に関する情報が含まれており、遊技制御用マイコン81は、ラウンド指定コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットする。これによりサブ制御基板90に特別遊技のラウンド数を通知することができる。ラウンド指定コマンドをセットした後、本処理を終える。
上述のステップS2402において、大入賞口35が開放中の場合(ステップS2402:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口35の閉鎖条件が成立しているか否かの判定をおこなう(ステップS2410)。ここでの閉鎖条件は、大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(例えば、10個)に達したこと、または、大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち、大入賞口35を開放してから所定の開放時間(例えば、1.6秒)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。大入賞口35の閉鎖条件が成立していない場合(ステップS2410:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、大入賞口35の閉鎖条件が成立している場合(ステップS2410:YES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口35を閉鎖(閉塞)するため大入賞口閉鎖処理をおこなう(ステップS2412)。ここでは、あわせて、小当たり遊技を終了させる小当たり終了処理として、小当たり遊技のエンディングコマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットする。大入賞口閉鎖処理の後、遊技制御用マイコン81は、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントする(ステップS2414)。小当たり遊技は、1R目に相当するためである。その後、遊技制御用マイコン81は、小当たり終了フラグをONにセットして(ステップS2416)、本処理を終える。
上述のステップS2400において、小当たり終了フラグがONの場合(ステップS2400:YES)、遊技制御用マイコン81は、閉鎖後のインターバル時間(エンディング時間)が経過したか否かの判定をおこなう(ステップS2420)。エンディング時間が経過していない場合(ステップS2420:NO)、遊技制御用マイコン81は、本処理を終える。一方、エンディング時間が経過している場合(ステップS2420:YES)、遊技制御用マイコン81は、小当たり終了フラグをOFFに切り替えるとともに(ステップS2422)、特図1小当たりフラグまたは特図2小当たりフラグのうち、ONとなっているフラグをOFFに切り替える(ステップS2424)。具体的には、特図1の小当たりによる小当たり遊技が実行されている場合には、特図1小当たりフラグがONとなっているため、特図1小当たりフラグをOFFにする。特図2の小当たりによる小当たり遊技が実行されている場合には、特図2小当たりフラグがONとなっているため、特図2小当たりフラグをOFFにする。その後、遊技制御用マイコン81は、VフラグがON
か否かの判定をおこなう(ステップS2430)。「Vフラグ」は、小当たり遊技の実行中にV領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するV領域センサ検出処理(図41)においてONされるフラグである。VフラグがOFFの場合(ステップS2430:NO)、遊技制御用マイコン81は、2種大当たり遊技を実行しないため、ラウンドカウンタを「0」にセットするとともに(ステップS3432)、特図1動作ステータスまたは特図2動作ステータスのうち、「5」となっている動作ステータスを「1」にセットして(ステップS2434)、本処理を終える。具体的には、特図1の小当たりによる2種大当たり遊技が実行されている場合には、特図1動作ステータスを「1」にセットし、特図2の小当たりによる2種大当たり遊技が実行されている場合には、特図2動作ステータスを「1」にセットする。これにより、特図1と特図2のうち、動作ステータスが「1」にセットされた特別図柄については、次回の特別動作処理において、再び待機処理(図22:ステップS1306またはS1316)が実行される。
上述のステップS2430において、VフラグがONの場合(ステップS2430:YES)、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFに切り替えるとともに(ステップS2436)、2種大当たり遊技を実行するために、大当たりフラグをONに切り替え(ステップS2437)、特図1動作ステータスまたは特図2動作ステータスのうち、「5」となっている動作ステータスを「4」にセットする(ステップS2438)。特図1と特図2のいずれかの動作ステータスが「4」にセットされることで、次回の特別動作処理(図22)において、処理は、特別電動役物処理1(大当たり遊技)に移行する。動作ステータスのセット後、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かの判定をおこない(ステップS2440)、ONの場合(ステップS2440:YES)には、OFFに切り替える(ステップS2442)。これにより、2種大当たり遊技の実行中は非時短状態となる。その後、大当たり遊技を開始するために、遊技制御用マイコン81は、2種大当たり遊技のオープニングコマンドをセットし(ステップS2444)、大当たり遊技のオープニングを開始する(ステップS2446)。これにより、大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
[V開閉部材制御処理]
図40は、V開閉部材制御処理(図17:ステップS106)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、V開閉部材作動フラグがONか否かの判定をおこなう(ステップS2500)。V開閉部材作動フラグがOFFの場合(ステップS2500:NO)、本処理を終える。V開閉部材作動フラグがONの場合(ステップS2500:YES)、V開閉部材71を所定の作動パターンで作動させる「V開閉部材動作処理」をおこなうとともに(ステップS2502)、所定の期間(タイミング)における遊技球のV通過を有効とみなす「V有効期間設定処理」をおこなう(ステップS2504)。V開閉部材作動フラグがONの場合、小当たり遊技のオープニングが開始されるため(図28:ステップS1832,S1834、図35:ステップS2132,S2134)、この小当たり遊技に合わせて、V開閉部材動作処理およびV有効期間設定処理がおこなわれることになる。
V開閉部材動作処理では、V開閉部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマに基づいて、V開閉部材71の開放タイミングになったときにV開閉部材ソレノイド73をONにし、V開閉部材71の閉鎖タイミングになったときにV開閉部材ソレノイド73をOFFにする。これにより、V開閉部材71は、小当たり遊技のオープニング開始から一定の動作で動くことになる。具体的には、V開閉部材71をまず、小当たり遊技のオープニングの開始から0.01秒間にわたって通過阻止状態(閉鎖状態)に制御し、その後、4秒間にわたって通過許容状態(開放状態)に制御し、その後、6秒間にわたって通過阻止状態(閉鎖状態)に制御する。
V有効期間設定処理では、上記のようなV開閉部材71の一定動作に対して、V有効期間の設定をおこなう。「V有効期間」とは、V領域センサ39aによる遊技球の検知があった場合に、その検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。V有効期間は、V領域39の開放開始(V開閉部材71を通過許容状態に制御開始した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、V領域39の開放時間(V開閉部材71を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間(ここでは、V領域39の開放時間+1秒)が設定されている。これは、V開閉部材71の配置位置を通過した遊技球がV領域39に至るまでのタイムラグを考慮しているためである。V有効期間設定処理では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマに基づいて、V領域39を有効にするタイミングになったときにV有効フラグをONにし、V領域39を無効にするタイミングになったときにV有効フラグをOFFにする。なお、後述するV領域センサ検出処理(図41)では、このV有効フラグがONか否かによって、V有効期間中か否かが判定される。
V開閉部材動作処理およびV有効期間設定処理の後、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材71の動作が終了したか否かの判定をおこなう(ステップS2506)。具体的には、V開閉部材動作処理(ステップS2502)でセットしたタイマに基づいて、V開閉部材71が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(0.01秒+4秒+6秒)を経過したか否かを判定する。V開閉部材71の動作が終了していない場合(ステップS2506:NO)、本処理を終える。一方、V開閉部材71の動作が終了している場合(ステップS2506:YES)、遊技制御用マイコン81は、V開閉部材作動フラグをOFFに切り替えて(ステップS2508)、本処理を終える。
[V領域センサ検出処理]
図41は、V領域センサ検出処理(図17:ステップS107)のフローチャートである。遊技制御用マイコン81は、まず、V領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かの判定をおこなう(ステップS2601)。V領域センサ39aによる遊技球の検知がない場合には(ステップS2601:NO)、本処理を終える。一方、検知がある場合には(ステップS2601:YES)、遊技制御用マイコン81は、V有効期間中か否かの判定をおこなう(ステップS2602)。V有効期間は、V開閉部材制御処理(図40)のV有効期間設定処理(ステップS2504)によって設定される期間である。V有効期間は、V開閉部材71の開放時や閉鎖後の数秒間(球ハケ期間)に設定される。ここでは、球ハケ期間として1秒が設定されている。V有効期間中ではない場合には(ステップS2602:NO)、本処理を終える。一方、V有効期間中である場合(ステップS2602:YES)、遊技制御用マイコン81は、VフラグをONするとともに(ステップS2603)、V通過コマンドをメインRAM84のコマンドセット領域84aにセットして(ステップS2604)、本処理を終える。「V通過コマンド」は、サブ制御基板90にV通過を通知するためのコマンドである。
7.演出制御用マイコン91の動作
図42~図44に基づいてサブ制御基板90(図5)に設けられた演出制御用マイコン91の動作について説明する。演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等はサブRAM94に設けられている。
[サブ制御メイン処理]
図42は、サブ制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイコン91は、遊技機1の電源がオンされると、サブROM93からサブ制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出す。このように、演出制御用マイコン91は、サブROM93からサブ制御メイン処理を実行するためのプログラムを読み出し演算処理を実行することによって演出実行手段や保留手段として機能する。サブ制御メイン処理では、演出制御用
マイコン91は、まず、CPU初期化処理をおこなう(ステップS4000)。CPU初期化処理では、例えば、サブCPU92の設定、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタなどのリセット等をおこなう。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお、CPU初期化処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
CPU初期化処理の後、演出制御用マイコン91は、割り込み処理の割り込みを禁止し(ステップS4015)、乱数更新処理(ステップS4020)をおこなう。この乱数更新処理では、演出制御用マイコン91は、図8(B)で示した乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は設定された上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、乱数値は、1ずつ加算する以外に、2以上を加算するようにしてもよい。各乱数はいわゆるハードウェア乱数であってもよい。
乱数更新処理の後、演出制御用マイコン91は、割り込み処理の割り込みを許可する(ステップS4025)。割り込み許可中は、サブ側タイマ割り込み処理(ステップS4035)の実行が可能となる。サブ側タイマ割り込み処理は、所定の周期でサブCPU92に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、サブ側タイマ割り込み処理は、所定周期ごとに実行される。そして、サブ側タイマ割り込み処理が終了してから、次にサブ側タイマ割り込み処理が開始されるまでの間に、乱数更新処理が繰り返し実行される。
[サブ側タイマ割り込み処理]
図43は、サブ側タイマ割り込み処理(図42:ステップS4035)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、受信コマンド解析処理をおこなう(ステップS4300)。受信コマンド解析処理(図44)の詳細については後述する。受信コマンド解析処理の後、演出制御用マイコン91は、シーン演出表示処理をおこなう(ステップS4305)。本実施形態では、所定の条件を満たした場合に、シーン演出モードに移行する。このシーン演出モードでは、特図1の変動演出と特図2の変動演出とを並行して実行している場合に、通常演出とは異なる所定のシーン演出を実行する。これらのシーン演出には、シーン演出A、シーン演出B、シーン演出Cの3つのシーン演出があり、これらを順番に表示することで一つのストーリーが成り立つようになっている。従って、シーン演出A、シーン演出B、および、シーン演出Cは、互いに関連する演出である。このシーン演出表示処理(図47)、および、シーン演出の詳細について後述する。続いて、遊技制御用マイコン81は、スイッチ処理をおこなう(ステップS4310)。スイッチ処理では、演出制御用マイコン91は、演出ボタン検出スイッチ63aからの検知信号に基づいて出力されたスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)に基づいて、表示画面7aの表示内容の設定等をおこなう。スイッチ処理の後、演出制御用マイコン91は、コマンド送信処理をおこなう(ステップS4315)。コマンド送信処理では、演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(図44)等でサブRAM94の演出コマンドセット領域94b(出力バッファ)にセットした各種コマンドを画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107に送信する。各種コマンドを受信した画像制御基板100は、画像表示装置7を用いて、受信したコマンドに応じた表示演出を実行する。また、各種コマンドを受信した音声制御基板106は、受信したコマンドに応じて、スピーカ67から音声を出力する音声演出を実行する。各種コマンドを受信したランプ制御基板107は、受信したコマンドに応じて盤ランプ5や枠ランプ66の発光制御を行うランプ演出を実行する。コマンド送信処理の後、演出制御用マイコン91は、その他の処理をおこない(ステップS4320)、本処理を終える。その他の処理では、例えば、乱数更新処理等がおこなわれる。
[受信コマンド解析処理]
図44は、受信コマンド解析処理(図43:ステップS4300)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、主制御基板80から保留球数コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4402)。受信している場合(ステップS4402:YES)、保留表示処理をおこなう(ステップS4405)。保留表示処理では、保留球数コマンドに含まれている特図1保留球数、特図2保留球数、および、普通図柄保留球数に関する情報に基づいて、サブRAM94のカウンタセット領域94dに設けられた、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、および、普図保留演出カウンタの値を更新する。これにより、主制御基板80側だけでなく、サブ制御基板90側でも各保留球数の情報を保持することができる。また、演出制御用マイコン91は、第1特図保留演出カウンタ、第2特図保留演出カウンタ、および、普図保留演出カウンタの値に基づいて、表示画面7aに表示されている保留画像9A、9Bの更新をおこなう。一方、保留球数コマンドを受信していない場合(ステップS4402:NO)、上述の保留表示処理をスキップする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、主制御基板80から事前判定コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4405)。受信していない場合(ステップS4405:NO)、後述のステップS4415の処理に移行する。一方、受信している場合(ステップS4405:YES)、事前判定情報格納処理をおこなう(ステップS4410)。「事前判定情報格納処理」は、事前判定コマンドに含まれる事前判定情報(特別図柄当たり判定情報、特別図柄当たり種別情報、変動パターン情報、変動時間情報)を事前判定情報記憶領域94cに格納する処理である。
図45は、事前判定情報記憶領域94cの構成を説明するための図である。事前判定情報記憶領域94cには、上述した、事前判定情報として、特別図柄当たり判定情報、特別図柄当たり種別情報、および、変動パターン情報が記憶される。事前判定情報記憶領域94cは、特図1用の格納領域と特図2用の格納領域に区分され、特図1用の格納領域および特図2の格納領域のそれぞれで、当該領域と第1格納領域~第4格納領域を有している。これらの各格納領域は、保留球数(上述のステップS4404の処理で受信する保留球数コマンドに含まれる情報)に対応付けられている。具体的には、遊技制御用マイコン81は、ステップS4410の事前判定情報格納処理では、特別図柄の種類と保留球数に対応する格納領域に事前判定情報を格納する。受信した事前判別情報が特図1に対応し、保留球数が1の場合には、特図1の第1格納領域~第4格納領域のどの格納領域にも事前判定情報が格納されていない状態であり、受信した事前判定情報を特図1の第1格納領域に格納する。受信した事前判別情報が特図1に対応し、保留球数が2の場合には、特図1の第1格納領域に既に事前判定情報が格納されている状態であり、受信した事前判定情報を特図1の第2格納領域に格納する。受信した事前判別情報が特図1に対応し、保留球数が3の場合には、特図1の第1格納領域および第2格納領域に事前判定情報が既に格納されている状態であり、受信した事前判定情報を特図1の第3格納領域に格納する。受信した事前判別情報が特図1に対応し、保留球数が4の場合には、特図1の第1格納領域~第3格納領域に事前判定情報が格納されている状態であり、受信した事前判定情報を特図1の第4格納領域に格納する。特図2の場合も同様である。例えば、ステップS440で受信した事前判定情報が特図2に対応し、さらに、特図2の保留球数が「2」である場合には、受信した事前判定情報を特図2の第2格納領域に格納する。
図45(A)、(B)に示す事前判定情報記憶領域94cの例では、時短状態中の例であり、特図1および特図2のそれぞれの第1格納領域~第4格納領域にそれぞれ事前判定情報が格納された状態が示されている。
この事前判定情報記憶領域94cにおいて、特図1の各格納領域の事前判定情報は、後
述のステップS4430の特図1変動演出終了処理後において、シフト処理が実行される。また、特図2の各格納領域の事前判定情報は、後述のステップS4445の特図2変動演出終了後において、シフト処理が実行される。シフト処理としては、第1格納領域に格納されていた事前判定情報が当該領域にシフトし、第2~4格納領域に格納されていた事前判定情報が第1~3格納領域にそれぞれシフトし、第4記憶領域の事前判定情報がクリアされる。これにより、特図1または特図2の当該領域は、当該変動における事前判定情報が格納される。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図1変動開始コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4415)。受信している場合(ステップS4415:YES)、特図1変動演出開始処理をおこなう(ステップS4420)。「特図1変動演出開始処理」は、第1特別図柄変動中に実行する変動演出パターン(内容)を選択する処理である。特図1変動演出開始処理の詳細については後述する。一方、受信していない場合(ステップS4415:NO)、上述の特図1変動演出開始処理をスキップする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図1変動停止コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4425)。受信している場合(ステップS4425:YES)、特図1変動演出終了処理をおこなう(ステップS4430)。「特図1変動演出終了処理」は、第1特別図柄変動中に実行される変動演出を停止させるための処理である。特図1変動演出終了処理では、演出制御用マイコン91は、特図1変動停止コマンドの解析結果に基づいてカウンタのセット等をおこなうとともに、変動演出を終了させるための特図1変動演出終了コマンドをセットする。これにより変動中の特図1に対応する装飾図柄が停止表示される。なお、特図1変動停止コマンドを受信していない場合(ステップS4425:NO)、上述の特図1変動演出終了処理をスキップする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図2変動開始コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4435)。受信している場合(ステップS4435:YES)、特図2変動演出開始処理をおこなう(ステップS4440)。「特図2変動演出開始処理」は、第2特別図柄変動中に実行する変動演出パターン(内容)を選択する処理である。特図2変動演出開始処理の詳細については特図1変動演出開始処理の詳細とともに後述する。一方、受信していない場合(ステップS4435:NO)、上述の特図2変動演出開始処理をスキップする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図2変動停止コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4445)。受信している場合(ステップS4445:YES)、特図2変動演出終了処理をおこなう(ステップS4450)。「特図2変動演出終了処理」は、第2特別図柄変動中に実行される変動演出を停止させるための処理である。特図2変動演出終了処理では、演出制御用マイコン91は、特図2変動停止コマンドの解析結果に基づいてカウンタのセット等をおこなうとともに、変動演出を終了させるための特図2変動演出終了コマンドをセットする。これにより変動中の特図2に対応する装飾図柄が停止表示される。一方、受信していない場合(ステップS4445:NO)、上述の特図2変動演出終了処理をスキップする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4475)。受信している場合(ステップS4475:YES)、オープニング演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4480)。「オープニング演出パターン決定処理」は、特別遊技(大当たり遊技または小当たり遊技)開始時に実行するオープニング演出パターン(内容)を選択する処理である。オープニング演出パターン決定処理では、演出制御用マイコン91は、まず、オープニングコ
マンドの解析をおこない、オープニングコマンドに含まれる、大当たりまたは小当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データに関する情報をサブRAM94にセットする。そして、特図停止図柄データが示す当たり種別に対応して予め設定されているオープニング演出の演出パターンを選択し、選択したオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットする。演出コマンドセット領域94bにセットされたオープニング演出開始コマンドがコマンド送信処理(図43:ステップS4315)において画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のオープニング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。なお、ステップS4475において、オープニングコマンドを受信していない場合(ステップS4475:NO)、上述のオープニング演出パターン決定処理をスキップする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4485)。受信している場合(ステップS4485:YES)、ラウンド演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4490)。「ラウンド演出パターン決定処理」は、特別遊技(大当たり遊技または小当たり遊技)において、大入賞口の開放中や開放間のインターバル中に実行する開放遊技演出パターン(内容)を選択する処理である。ラウンド演出パターン決定処理では、演出制御用マイコン91は、まず、ラウンド指定コマンドの解析をおこない、ラウンド指定コマンドに含まれる、特図停止図柄データに関する情報、および、ラウンド数に関する情報をサブRAM94にセットする。そして、特図停止図柄データが示す当たり種別およびラウンド数に対応して予め設定されているラウンド演出の演出パターンを選択し、選択したラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットする。演出コマンドセット領域94bにセットされたラウンド演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、CPU102は、所定のラウンド演出画像をROM103から読み出して、表示画面7aに表示させる。なお、ステップS4485において、ラウンド指定コマンドを受信していない場合(ステップS4485:NO)、上述のラウンド演出パターン決定処理をスキップする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否かの判定をおこなう(ステップS4495)。受信している場合(ステップS4495:YES)、エンディング演出パターン決定処理をおこなう(ステップS4500)。「エンディング演出パターン決定処理」は、特別遊技(大当たり遊技または小当たり遊技)のエンディング中に実行するエンディング演出パターン(内容)を選択する処理である。エンディング演出パターン決定処理では、演出制御用マイコン91は、まず、エンディングコマンドの解析をおこない、エンディングコマンドに含まれる特図停止図柄データに関する情報をサブRAM94にセットする。そして、特図停止図柄データが示す当たり種別に応じたエンディング演出パターンを選択し、選択したエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをサブRAM94の出力バッファにセットする。演出コマンドセット領域94bにセットされたエンディング演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、CPU102は、所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、表示画面7aに表示させる。なお、エンディングコマンドを受信していない場合(ステップS4495:NO)、上述のエンディング演出パターン決定処理をスキップする。
続いて、演出制御用マイコン91は、その他の処理をおこなう(ステップS4545)。その他の処理では、例えば、演出制御用マイコン91は、普通図柄変動開始コマンドを受信したとき、普通図柄変動中に実行する普通図柄変動演出パターン(内容)を選択するための普通図柄変動演出開始処理をおこなう。また、演出制御用マイコン91は、普通図柄変動停止コマンドを受信したとき、普通図柄変動演出を停止させるための普通図柄変動
演出終了処理をおこなう。また、演出制御用マイコン91は、普通図柄オープニングコマンドを受信したとき、普通図柄当選にともなう当たり遊技(普通遊技)時に実行する普通遊技演出パターン(内容)を選択するための普通図柄オープニング演出パターン決定処理をおこなう。また、演出制御用マイコン91は、普通図柄エンディングコマンドを受信したとき、普通図柄当選にともなう当たり遊技(普通遊技)のエンディング中に実行するエンディング演出パターン(内容)を選択するための普通図柄エンディング演出パターン決定処理をおこなう。また、演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドを受信したときに、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態に関する情報(時短状態か否か、時短カウンタの値など)をサブRAM94に保持させる。また、演出制御用マイコン91は、V通過コマンドを受信したときに、V通過した情報をサブRAM94に保持させる。また、演出制御用マイコン91は、上記以外のコマンド(客待ち待機コマンド、事前判定コマンド、RAMクリア報知コマンドなど)に基づく処理をおこなって、本処理を終了する。
また、演出制御用マイコン91は、ラウンド指定コマンドを受信したとき、ラウンド遊技に応じた表示演出をおこなう。
[特図1変動演出開始処理]
図46は、特図1変動演出開始処理(図44:ステップS4420)のフローチャートである。演出制御用マイコン91は、まず、特図1変動開始コマンドの解析をおこなう(ステップS5000)。ここでは、演出制御用マイコン91は、特図1変動開始コマンドに含まれる特図停止図柄データに関する情報、および、変動パターンに関する情報をサブRAM94にセットする。セットされた情報には、現在の遊技状態を示す遊技状態情報や、特図1の当たり判定処理の判定結果としての図柄を示す図柄情報等が含まれている。ここで取得された遊技状態情報や図柄情報は、演出制御用マイコン91によって適宜参照され得る。
続いて、演出制御用マイコン91は、変動演出パターン決定処理をおこなう(ステップS5015)。変動演出パターン決定処理では、演出制御用マイコン91は、まず、演出決定用の変動演出パターン乱数値を取得する。そして、サブROM93に記憶されている特図1変動演出パターン決定テーブルT51の中から、特図1変動開始コマンドが示す変動パターン、および、変動演出パターン乱数値に対応する変動演出パターンをセットする。演出制御用マイコン91は、さらに、変動演出パターン乱数値に基づいて、いわゆるステップアップ予告演出や、チャンスアップ予告演出などの予告演出の内容、さらに、停止図柄パターン決定テーブルT53を参照して、停止表示する演出図柄8L、8C、8Rの組み合わせなどを決定してもよい。これらにより、変動演出としてどのような演出をおこなうかが決定される。
演出制御用マイコン91は、上記ステップS5015にて決定された特図1の変動演出パターンに基づく変動演出が実現されるよう特図1変動演出開始コマンドをサブRAM94の演出コマンドセット領域94b(出力バッファ)にセットし(ステップS5020)、本処理を終了する。サブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットされた特図1変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(図43:ステップS4315)において画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、特図1の変動演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。
特図2変動演出開始処理(図44:ステップS4440)は、以下の点を除いて特図1変動演出開始処理(図46)と同様である。特図2変動演出開始処理では、ステップS5000において、特図2変動開始コマンドの解析をおこなう点、また、ステップS5015において、サブROM93に記憶されている特図2変動演出パターン決定テーブルT52の中から、特図2変動開始コマンドが示す変動パターン、および、変動演出パターン乱
数値に対応する変動演出パターンをセットする。ステップS5020において、サブRAM94の演出コマンドセット領域94bにセットされた特図2変動演出開始コマンドがコマンド送信処理において画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、特図2の変動演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。
8.本実施形態の演出例、効果例、変形例、態様例
以下に、本実施形態の各演出例を説明する。また、その演出例に対する効果例、変形例、および、態様例も合わせて説明する。これから説明する演出は、上述したように、遊技制御用マイコン81から送信される種々の情報(大当たり判定情報、大当たり種別情報、変動パターン情報、事前判定情報など)に基づき、演出制御用マイコン91(画像制御用マイコン101)によって実現される演出である。なお、以下の表示演出例は、メイン表示装置7の表示画面7aで実行される。また、表示演出例において大当たり遊技中は保留表示(保留アイコン)が表示されないが、表示するようにしてもよい。
図47は、大当たり種別および大当たり振り分け率を説明するための図である。
上記実施例では、大当たり種別として、4回のラウンド遊技をおこなう4R大当たりと、16回のラウンド遊技をおこなう16R大当たりとを有していた(図10等参照)が、以下に示す演出例では、図47に示すテーブルTN1のように、4R大当たりと、16R大当たりとに加えて、8回のラウンド遊技をおこなう8R大当たりが実行可能な構成とする。そして、本演出例では、4R大当たりと8R大当たりと16R大当たりとが、それぞれ1/3の振り分け率で選択される構成とする。
以下に示す、楽曲選択演奏演出および楽曲自動演奏演出は、図47に示す大当たり種別の大当たりのうちのいずれかの大当たりとなった場合の大当たり遊技中に実行される演出である。
以下に図48~図50を用いて楽曲選択演奏演出A~Cについて説明する。この楽曲選択演奏演出は、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行され、ROM103から対応する画像データを読み出して表示画面7aに画像を表示させる演出である。
[楽曲選択演奏演出A]
この楽曲選択演奏演出Aは、16R大当たりの大当たり遊技中(ラウンド遊技中)に実行される演出である。
図48は、楽曲選択演奏演出Aを表す図である。楽曲選択演奏演出Aでは、まず、図48(A)に示すように、特定楽曲選択演出がおこなわれる。この特定楽曲選択演出では、表示画面7aにおいて、6つの楽曲画像X1と、演出ボタン63を表すボタン画像BTNとが表示される。6つの楽曲画像X1は、楽曲Aを表す楽曲画像X1Aと、楽曲Bを表す楽曲画像X1Bと、楽曲Cを表す楽曲画像X1Cと、楽曲Dを表す楽曲画像X1Dと、楽曲Eを表す楽曲画像X1Eと、楽曲Fを表す楽曲画像X1Fとを含む。ボタン画像BTNを見た遊技者は、演出ボタン63を操作すれば楽曲を選択できることを理解する。遊技者が、演出ボタン63を1回押すと、楽曲画像上の矢印とハッチングとが他の楽曲画像に移動する。遊技者は、好みの楽曲画像上に矢印とハッチングが移動するまで演出ボタン63を操作し、演出ボタン63を長押しすることで、6つの楽曲画像X1A~X1Fのうち、好みの楽曲を表す楽曲画像を選択することができる。遊技者が選択した楽曲画像が表す楽曲を以下では、選択楽曲または選択曲とも呼ぶ。
図48(A)の例では、楽曲画像X1B(楽曲B)が選択されたことを表している。
なお、演出例の楽曲A~楽曲Fは、それぞれ、Aメロから始まり、Bメロに移行し、その後、サビに移行して終了する構成となっている。
これに限られず、楽曲A~楽曲Fは、それぞれ、Aメロの前にイントロを有していても良いし、Bメロとサビの間にCメロを有していても良いし、間奏を有していても良い。
次に、図48(B)に示すように、楽曲開始タイミング決定演出がおこなわれる。楽曲開始タイミング決定演出では、所定の表示と、ボタン画像BTNとが表示され、さらに、第1所定条件の成立により、3つの開始タイミング表示X2がそれぞれ表示される。開始タイミング表示X2は、第1開始タイミング表示X2Aと、第2開始タイミング表示X2Bと、第3開始タイミング表示X2Cとを含む。第1開始タイミング表示X2Aは、遊技者が選択した楽曲画像が表す楽曲の開始タイミングをAメロの先頭からとすることを表している。第2開始タイミング表示X2Bは、遊技者が選択した楽曲画像が表す楽曲の開始タイミングをBメロからとすることを表している。第3開始タイミング表示X2Cは、遊技者が選択した楽曲画像が表す楽曲の開始タイミングをサビからとすることを表している。ボタン画像BTNを見た遊技者は、演出ボタン63を操作すれば開始タイミング表示X2を選択できることを理解する。遊技者が、1回演出ボタン63を押すと、開始タイミング表示X2を向く矢印とハッチングとが他の開始タイミング表示X2に移動する。遊技者は、好みの開始タイミングを表す開始タイミング表示X2に矢印とハッチングが移動するまで演出ボタン63を操作し、好みの開始タイミング表示X2に矢印とハッチングあるときに、演出ボタン63を長押しすることで、3つの開始タイミング表示X2のうち、好みの開始タイミングを表す開始タイミング表示X2を選択することができる。所定の表示としては、選択楽曲を表す「選択曲:楽曲B」という表示と、遊技者に楽曲の開始タイミングの選択を呼びかける「楽曲の開始タイミングを決めて!」という表示とを含む。
図48(B)の例では、第1開始タイミング表示X2Aが選択されたことを表している。
図48(B)に示す楽曲開始タイミング決定演出における第1所定条件について説明する。大当たり遊技において、1回のラウンド遊技の最大消化時間(29.5秒。上記実施例参照)を、以下では単に最大消化時間と呼ぶ。大当たりの最大ラウンド数×最大消化時間の数値を以下では、数値Xとも呼ぶ。選択楽曲において、Aメロ、Bメロ、および、サビ(Aメロの開始からサビの終了まで)の時間を、以下では、トータル時間Yとも呼ぶ。選択楽曲において、Bメロの開始からサビの終了までの時間を、以下では、時間Bとも呼ぶ。選択楽曲において、サビの開始からサビの終了までの時間を、以下では、時間Cとも呼ぶ。トータル時間Yは、楽曲のAメロからサビの終了までの時間と等しく、時間Y>時間B>時間Cの関係となる。図48の例では、16Rの大当たり遊技であるので、数値Xは、16(R)×29.5(秒)となる。
ここで、第1所定条件が成立する場合は、数値X>トータル時間Yとなる場合である。すなわち、選択楽曲のトータル時間よりも、16Rのラウンド遊技の最長時間が長い場合である。こうすれば、少なくとも選択楽曲のサビを遊技者は聞くことができる。
次に、図48(C)に示すように、楽曲演奏演出がおこなわれる。この楽曲演奏演出では、所定の表示と、楽曲インジゲータ表示X3と、歌詞表示X4とが表示され、選択楽曲が、楽曲開始タイミング決定演出で決定した開始タイミングでスピーカ67を介して流される。楽曲開始タイミング決定演出において決定した開始タイミング表示X2が表す開始タイミングが、第1開始タイミング表示X2Aである場合には、選択楽曲における開始タイミングを頭出し(Aメロ)からとして選択楽曲をスピーカ67から流す。楽曲インジゲータ表示X3は、Aメロ、Bメロ、および、サビのうち、楽曲開始タイミング決定演出で決定された開始タイミング表示X2が表す開始タイミングからサビの終わりまでに必ず含まれるメロディを表すインジケータであり、選択楽曲のうちどのタイミングで演奏されているのか矢印を用いて表している。例えば、図48(B)に示すように楽曲開始タイミング決定演出で決定された開始タイミング表示X2が第1開始タイミング表示X2Aの場合には、楽曲インジゲータ表示X3は、図48(C)に示すように、Aメロ、Bメロ、および、サビを表す。また、図48(C)の例では、楽曲インジゲータ表示X3において、矢印により演奏タイミングがAメロの先頭付近であることが示されている。楽曲インジゲータ表示X3の矢印は、選択楽曲の演奏速度に応じてインジケータ上を進行する。歌詞表示
X4は、選択楽曲の歌詞を表し、選択楽曲の演奏に連動する歌詞が表示される。
なお、図48の例では、楽曲開始タイミング決定演出において決定した開始タイミング表示X2が、第1開始タイミング表示X2Aである場合を表しているが、楽曲開始タイミング決定演出において決定した開始タイミング表示X2が、第2開始タイミング表示X2Bである場合には、選択楽曲における開始タイミングをBメロの先頭からとして選択楽曲をスピーカ67から流すと共に、Bメロ、および、サビを表す楽曲インジゲータ表示X3を表示する。また、楽曲開始タイミング決定演出において決定した開始タイミング表示X2が、第3開始タイミング表示X2Cである場合には、選択楽曲における開始タイミングをサビの先頭からとして選択楽曲をスピーカ67から流すと共に、サビを表す楽曲インジゲータ表示X3を表示する。
また、所定の表示としては、選択楽曲を表す「選択曲:楽曲B」という表示と、楽曲演奏中であることを表す表示と、キャラクタ画像CRAと、音符画像とを含む。キャラクタ画像CRAまたは音符画像は、楽曲の演奏に応じて動画表示される。
さらに、上記楽曲演奏演出において、選択楽曲の演奏を、早送りしたり、遅くしたりするなど、演奏速度を変更できる機能を有していてもよい。この場合、楽曲インジゲータ表示X3の矢印の進行速度も演奏速度に応じて変化する。
[楽曲選択演奏演出B]
この楽曲選択演奏演出Bは、8R大当たりの大当たり遊技中(ラウンド遊技中)に実行される演出である。
図49は、楽曲選択演奏演出Bを表す図である。楽曲選択演奏演出Bでは、まず、図49(A)に示すように、特定楽曲選択演出がおこなわれる。この特定楽曲選択演出では、表示画面7aにおいて、6つの楽曲画像X1と、演出ボタン63を表すボタン画像BTNとが表示される。6つの楽曲画像X1は、楽曲Aを表す楽曲画像X1Aと、楽曲Bを表す楽曲画像X1Bと、楽曲Cを表す楽曲画像X1Cと、楽曲Dを表す楽曲画像X1Dと、楽曲Eを表す楽曲画像X1Eと、楽曲Fを表す楽曲画像X1Fとを含む。ボタン画像BTNを見た遊技者は、演出ボタン63を操作すれば楽曲を選択できることを理解する。遊技者が、1回演出ボタン63を押すと、楽曲画像上の矢印とハッチングとが他の楽曲画像に移動する。遊技者は、好みの楽曲画像上に矢印とハッチングが移動するまで演出ボタン63を操作し、演出ボタン63を長押しすることで、6つの楽曲画像X1A~X1Fのうち、好みの楽曲を表す楽曲画像を選択することができる。遊技者が選択した楽曲画像が表す楽曲を以下では、選択楽曲または選択曲とも呼ぶ。
図49(A)の例では、楽曲画像X1B(楽曲B)が選択されたことを表している。
なお、演出例の楽曲A~楽曲Fは、それぞれ、Aメロから始まり、Bメロに移行し、その後、サビに移行して終了する構成となっている。
これに限られず、楽曲A~楽曲Fは、それぞれ、Aメロの前にイントロを有していても良いし、Bメロとサビの間にCメロを有していても良いし、間奏を有していても良い。
次に、図49(B)に示すように、楽曲開始タイミング決定演出がおこなわれる。楽曲開始タイミング決定演出では、所定の表示と、ボタン画像BTNとが表示され、さらに、第2所定条件の成立により、2つの開始タイミング表示X2がそれぞれ表示される。開始タイミング表示X2は、第2開始タイミング表示X2Bと、第3開始タイミング表示X2Cとを含む。第2開始タイミング表示X2Bは、遊技者が選択した楽曲画像が表す楽曲の開始タイミングをBメロからとすることを表している。第3開始タイミング表示X2Cは、遊技者が選択した楽曲画像が表す楽曲の開始タイミングをサビからとすることを表している。ボタン画像BTNを見た遊技者は、演出ボタン63を操作すれば開始タイミング表示X2を選択できることを理解する。遊技者が、演出ボタン63を1回押すと、開始タイミング表示X2を向く矢印とハッチングとが他の開始タイミング表示X2に移動する。遊技者は、好みの開始タイミングを表す開始タイミング表示X2に矢印とハッチングが移動
するまで演出ボタン63を操作し、好みの開始タイミング表示X2に矢印とハッチングあるときに、演出ボタン63を長押しすることで、2つの開始タイミング表示X2のうち、好みの開始タイミングを表す開始タイミング表示X2を選択することができる。所定の表示としては、選択楽曲を表す「選択曲:楽曲B」という表示と、遊技者に楽曲の開始タイミングの選択を呼びかける「楽曲の開始タイミングを決めて!」という表示とを含む。
図49(B)の例では、第2開始タイミング表示X2Bが選択されたことを表している。
図49(B)に示す楽曲開始タイミング決定演出における第2所定条件について説明する。大当たり遊技において、1回のラウンド遊技の最大消化時間(29.5秒。上記実施例参照)を、以下では単に最大消化時間と呼ぶ。大当たりの最大ラウンド数×最大消化時間の数値を以下では、数値Xとも呼ぶ。選択楽曲において、Aメロ、Bメロ、および、サビ(Aメロの開始からサビの終了まで)の時間を、以下では、トータル時間Yとも呼ぶ。選択楽曲において、Bメロの開始からサビの終了までの時間を、以下では、時間Bとも呼ぶ。選択楽曲において、サビの開始からサビの終了までの時間を、以下では、時間Cとも呼ぶ。トータル時間Yは、楽曲のAメロからサビの終了までの時間と等しく、時間Y>時間B>時間Cの関係となる。図49の例では、8Rの大当たり遊技であるので、数値Xは、8(R)×29.5(秒)となる。
ここで、第2所定条件が成立する場合は、トータル時間Y>数値X>時間Bとなる場合である。すなわち、8Rのラウンド遊技の最長時間が、選択楽曲のトータル時間よりも短く、時間B(Bメロ+サビのトータル時間)よりも長い場合である。こうすれば、少なくとも選択楽曲のサビを遊技者は聞くことができる。
次に、図49(C)に示すように、楽曲演奏演出がおこなわれる。この楽曲演奏演出では、所定の表示と、楽曲インジゲータ表示X3と、歌詞表示X4とが表示され、選択楽曲が、楽曲開始タイミング決定演出で決定した開始タイミングでスピーカ67を介して流される。楽曲開始タイミング決定演出において決定した開始タイミング表示X2が表す開始タイミングが、第2開始タイミング表示X2Bである場合には、選択楽曲における開始タイミングをBメロからとして選択楽曲をスピーカ67から流す。楽曲インジゲータ表示X3は、Aメロ、Bメロ、および、サビのうち、楽曲開始タイミング決定演出で決定された開始タイミング表示X2が表す開始タイミングからサビの終わりまでに必ず含まれるメロディを表すインジケータであり、選択楽曲のうちどのタイミングで演奏されているのか矢印を用いて表している。例えば、図49(B)に示すように楽曲開始タイミング決定演出で決定された開始タイミング表示X2が第2開始タイミング表示X2Bの場合には、楽曲インジゲータ表示X3は、図49(C)に示すように、Bメロ、および、サビを表す。また、図49(C)の例では、楽曲インジゲータ表示X3において、矢印により演奏タイミングがBメロの中付近であることが示されている。楽曲インジゲータ表示X3の矢印は、選択楽曲の演奏速度に応じてインジケータ上を進行する。歌詞表示X4は、選択楽曲の歌詞を表し、選択楽曲の演奏に連動する歌詞が表示される。
なお、図49の例では、楽曲開始タイミング決定演出において決定した開始タイミング表示X2が、第2開始タイミング表示X2Bである場合を表しているが、楽曲開始タイミング決定演出において決定した開始タイミング表示X2が、第3開始タイミング表示X2Cである場合には、選択楽曲における開始タイミングをサビの先頭からとして選択楽曲をスピーカ67から流すと共に、サビを表す楽曲インジゲータ表示X3を表示する。
また、所定の表示としては、選択楽曲を表す「選択曲:楽曲B」という表示と、楽曲演奏中であることを表す表示と、キャラクタ画像CRAと、音符画像とを含む。キャラクタ画像CRAまたは音符画像は、楽曲の演奏に応じて動画表示される。
さらに、上記楽曲演奏演出において、選択楽曲の演奏を、早送りしたり、遅くしたりするなど、演奏速度を変更できる機能を有していてもよい。この場合、楽曲インジゲータ表
示X3の矢印の進行速度も演奏速度に応じて変化する。
[楽曲選択演奏演出C]
この楽曲選択演奏演出Cは、4R大当たりの大当たり遊技中(ラウンド遊技中)に実行される演出である。
図50は、楽曲選択演奏演出Cを表す図である。楽曲選択演奏演出Cでは、まず、図50(A)に示すように、特定楽曲選択演出がおこなわれる。この特定楽曲選択演出では、表示画面7aにおいて、6つの楽曲画像X1と、演出ボタン63を表すボタン画像BTNとが表示される。6つの楽曲画像X1は、楽曲Aを表す楽曲画像X1Aと、楽曲Bを表す楽曲画像X1Bと、楽曲Cを表す楽曲画像X1Cと、楽曲Dを表す楽曲画像X1Dと、楽曲Eを表す楽曲画像X1Eと、楽曲Fを表す楽曲画像X1Fとを含む。ボタン画像BTNを見た遊技者は、演出ボタン63を操作すれば楽曲を選択できることを理解する。遊技者が、1回演出ボタン63を押すと、楽曲画像上の矢印とハッチングとが他の楽曲画像に移動する。遊技者は、好みの楽曲画像上に矢印とハッチングが移動するまで演出ボタン63を操作し、演出ボタン63を長押しすることで、6つの楽曲画像X1A~X1Fのうち、好みの楽曲を表す楽曲画像を選択することができる。遊技者が選択した楽曲画像が表す楽曲を以下では、選択楽曲または選択曲とも呼ぶ。
図50(A)の例では、楽曲画像X1B(楽曲B)が選択されたことを表している。
なお、演出例の楽曲A~楽曲Fは、それぞれ、Aメロから始まり、Bメロに移行し、その後、サビに移行して終了する構成となっている。
これに限られず、楽曲A~楽曲Fは、それぞれ、Aメロの前にイントロを有していても良いし、Bメロとサビの間にCメロを有していても良いし、間奏を有していても良い。
次に、図50(B)に示すように、楽曲開始タイミング決定演出がおこなわれる。楽曲開始タイミング決定演出では、所定の表示と、ボタン画像BTNとが表示され、第3所定条件の成立により、開始タイミング表示X2が表示される。開始タイミング表示X2は、第3開始タイミング表示X2Cを含む。第3開始タイミング表示X2Cは、遊技者が選択した楽曲画像が表す楽曲の開始タイミングをサビからとすることを表している。ボタン画像BTNを見た遊技者は、演出ボタン63を操作すれば開始タイミング表示X2を選択できることを理解する。遊技者が、1回演出ボタン63を押すと、開始タイミング表示X2を向く矢印とハッチングとが他の開始タイミング表示X2に移動する。遊技者は、好みの開始タイミングを表す開始タイミング表示X2に矢印とハッチングが移動するまで演出ボタン63を操作し、開始タイミング表示X2に矢印とハッチングあるときに、演出ボタン63を長押しすることで、開始タイミングを表す開始タイミング表示X2を選択することができる。所定の表示としては、選択楽曲を表す「選択曲:楽曲B」という表示と、遊技者に楽曲の開始タイミングの選択を呼びかける「楽曲の開始タイミングを決めて!」という表示とを含む。
図50(B)の例では、第3開始タイミング表示X2Cが選択されたことを表している。
図50(B)に示す楽曲開始タイミング決定演出における第3所定条件について説明する。大当たり遊技において、1回のラウンド遊技の最大消化時間(29.5秒。上記実施例参照)を、以下では単に最大消化時間と呼ぶ。大当たりの最大ラウンド数×最大消化時間の数値を以下では、数値Xとも呼ぶ。選択楽曲において、Aメロ、Bメロ、および、サビ(Aメロの開始からサビの終了まで)の時間を、以下では、トータル時間Yとも呼ぶ。選択楽曲において、Bメロの開始からサビの終了までの時間を、以下では、時間Bとも呼ぶ。選択楽曲において、サビの開始からサビの終了までの時間を、以下では、時間Cとも呼ぶ。トータル時間Yは、楽曲のAメロからサビの終了までの時間と等しく、時間Y>時間B>時間Cの関係となる。図50の例では、4Rの大当たり遊技であるので、数値Xは、4(R)×29.5(秒)となる。
ここで、第3所定条件が成立する場合は、時間B>数値Xとなる場合である。すなわち、4Rのラウンド遊技の最長時間が、選択楽曲の時間B(Bメロ+サビのトータル時間)よりも短い場合である。こうすれば、少なくとも選択楽曲のサビを遊技者は聞くことができる。なお、時間C>数値Xの場合には、後述する楽曲演奏演出において選択楽曲はサビを全て流すことができない場合があるが、サビの先頭から選択楽曲が流れるので、少なくとも一部はサブを堪能可能である。
次に、図50(C)に示すように、楽曲演奏演出がおこなわれる。この楽曲演奏演出では、所定の表示と、楽曲インジゲータ表示X3と、歌詞表示X4とが表示され、選択楽曲が、楽曲開始タイミング決定演出で決定した開始タイミングでスピーカ67を介して流される。楽曲開始タイミング決定演出において決定した開始タイミング表示X2が表す開始タイミングが、第3開始タイミング表示X2Cである場合には、選択楽曲における開始タイミングをサビの先頭からとして選択楽曲をスピーカ67から流す。楽曲インジゲータ表示X3は、Aメロ、Bメロ、および、サビのうち、楽曲開始タイミング決定演出で決定された開始タイミング表示X2が表す開始タイミングからサビの終わりまでに必ず含まれるメロディを表すインジケータであり、選択楽曲のうちどのタイミングで演奏されているのか矢印を用いて表している。例えば、図50(B)に示すように楽曲開始タイミング決定演出で決定された開始タイミング表示X2が第3開始タイミング表示X2Cの場合には、楽曲インジゲータ表示X3は、図50(C)に示すように、サビを表す。また、図50(C)の例では、楽曲インジゲータ表示X3において、矢印により演奏タイミングがBメロの中付近であることが示されている。楽曲インジゲータ表示X3の矢印は、選択楽曲の演奏速度に応じてインジケータ上を進行する。歌詞表示X4は、選択楽曲の歌詞を表し、選択楽曲の演奏に連動する歌詞が表示される。
また、所定の表示としては、選択楽曲を表す「選択曲:楽曲B」という表示と、楽曲演奏中であることを表す表示と、キャラクタ画像CRAと、音符画像とを含む。キャラクタ画像CRAまたは音符画像は、楽曲の演奏に応じて動画表示される。
さらに、上記楽曲演奏演出において、選択楽曲の演奏を、早送りしたり、遅くしたりするなど、演奏速度を変更できる機能を有していてもよい。この場合、楽曲インジゲータ表示X3の矢印の進行速度も演奏速度に応じて変化する。
[変形例]
上記楽曲選択演奏演出A~Cでは、特定楽曲選択演出または楽曲開始タイミング決定演出を大当たり遊技中でおこなうようにしているが、これに限られず、デモ画面中(客待ち中)におこなうようにしてもよい。また、遊技者は、特定楽曲選択演出または楽曲開始タイミング決定演出を特別図柄の変動中におこなうようにしてもよい。
上記楽曲選択演奏演出A~Cでは、楽曲演奏演出は大当たり遊技中におこなわれる構成であったが、これに限られず、デモ画面中(客待ち中)または特別図柄の変動中におこなうようにしてもよい。この場合、特定楽曲選択演出および/または楽曲開始タイミング決定演出も楽曲演奏演出と同じモード(デモ画面中または特別図柄の変動中)でおこなうようにしてもよい。
上記楽曲選択演奏演出A~Cでは、上記数値Xは、大当たりの最大ラウンド数×最大消化時間とし、すなわち、ラウンド遊技の最長時間を表しているが、これに限られない。上記遊技機1は、1回のラウンド遊技において、大入賞口35に所定カウント(例えば10)入賞すればラウンド遊技が終了するので、実際には1回のラウンド遊技の最大消化時間(29.5秒)に達する前に1回のラウンド遊技が終了してしまうことが多い。従って、数値Xを、大当たりの最大ラウンド数×所定時間としてもよい。この所定時間は、1回のラウンド遊技において、普通に遊技球を打ち出して、大入賞口35に所定カウント(例えば10)入賞する程度の時間(例えば、13秒)としてもよい。
[効果例]
以下に、楽曲選択演奏演出の効果例を示す。
[効果1]
上記楽曲選択演奏演出では、楽曲開始タイミング決定演出において、特定楽曲選択演出で選択した選択楽曲の開始タイミングパターンが異なる複数のパターンの開始タイミング表示X2を表示画面7aに表示し、複数の開始タイミング表示X2から一つの表示を演出ボタン63を用いて遊技者に選択させ、その後、楽曲開始タイミング決定演出において決定した開始タイミング表示X2が表す開始タイミングパターンが、第1開始タイミング表示X2Aである場合には、選択楽曲のうちの頭出しタイミング(Aメロ開始タイミング)を開始タイミングとして選択楽曲をスピーカ67から流(報知)し、楽曲開始タイミング決定演出においてに決定した開始タイミング表示X2が表す開始タイミングパターンが、第2開始タイミング表示X2Bである場合には、選択楽曲のうちのBメロ開始タイミングを開始タイミングとして選択楽曲をスピーカ67から流(報知)し、楽曲開始タイミング決定演出においてに決定した開始タイミング表示X2が表す開始タイミングパターンが、第3開始タイミング表示X2Cである場合には、選択楽曲のうちのサビ開始タイミングを開始タイミングとして選択楽曲をスピーカ67から流す(報知する)構成となっている。
この構成によれば、遊技者が選択楽曲のサビを聞くことができないときを回避可能であり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、楽曲開始タイミング決定演出では、選択楽曲サビまで流すことができない場合には、大当たり遊技のラウンド数に応じて、開始タイミング表示X2を変更するようにしている。この構成によれば、遊技者が選択楽曲のサビを聞くことができないときを確実に回避することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[効果2]
上記楽曲選択演奏演出では、楽曲開始タイミング決定演出の前に、特定楽曲選択演出がおこなわれ、特定楽曲選択演出では、表示画面7aに複数の楽曲画像X1A~X1Fを表示し、複数の楽曲画像X1A~X1Fのうちの一つの楽曲を演出ボタン63を用いて遊技者に選択させる構成となっている。
この構成によれば、遊技者が好みの楽曲を選択し、その後の楽曲開始タイミング決定演出、楽曲演奏演出によって、好みの楽曲のサビを聞くことができるので、テンションがあがり、遊技の興趣を向上させることができる。
[効果3]
上記楽曲選択演奏演出では、楽曲開始タイミング決定演出は、大当たり遊技中におこなわれる構成となっている。
この構成によれば、特定楽曲選択演出によって遊技者が選択した楽曲に対して、演奏直前に楽曲の開始タイミングを決定することができ、遊技者はサビがいつくるかを的確に把握することができ、遊技者はサビを快く楽しむことができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
[態様例]
本実施形態の遊技機では、以下の態様を実現可能である。
[態様XA-1]
表示演出を可能な表示手段と楽曲を流すこと可能な楽曲報知手段と遊技者が操作可能な操作手段とを備え、複数の演出をおこなうことが可能な遊技機であって、
前記複数の演出のうちの一つの演出として、第1の演出をおこなう場合があり、
前記複数の演出のうちの一つの演出として、第2の演出をおこなう場合があり、
前記第1の演出は、複数の楽曲のうちの一つの楽曲において、当該一つの楽曲の開始タイミングが第1のタイミングであることを表す第1の表示と、当該一つの楽曲の開始タイミングが第2のタイミングであることを表す第2の表示とを少なくとも含む複数の表示を
前記表示手段に表示し、前記複数の表示から一つの表示を前記操作手段を用いて遊技者に選択させる演出であり、
前記第2の演出は、前記第1の演出の後におこなわれ、前記第1の演出において遊技者が選択した表示が表す開始タイミングが前記第1のタイミングである場合には、前記一つの楽曲のうちの前記第1のタイミングを開始タイミングとして前記一つの楽曲を前記楽曲報知手段を介して流し、前記第2の演出において遊技者が選択した表示が表す開始タイミングが前記第2のタイミングである場合には、前記一つの楽曲のうちの前記第2のタイミングを開始タイミングとして前記一つの楽曲を前記楽曲報知手段を介して流す演出である、
ことを特徴とする遊技機。
[態様XA-2]
態様XA-1に記載の遊技機であって、
前記複数の演出のうちの一つの演出として、第3の演出をおこなう場合があり、
前記第3の演出は、前記第1の演出の前におこなわれ、前記表示手段に複数の楽曲を表示し、前記複数の楽曲のうちの一つの楽曲を前記操作手段を用いて遊技者に選択させる演出である、
ことを特徴とする遊技機。
[態様XA-3]
態様XA-2に記載の遊技機であって、
前記第2の演出は、大当たり遊技中におこなわれる、
ことを特徴とする遊技機。
[態様XA-4]
態様XA-3に記載の遊技機であって、
前記第1の演出において、前記複数の表示から一つの表示を遊技者に選択させる場合には、前記大当たり遊技中とは異なるタイミングでおこなう、
ことを特徴とする遊技機。
上記態様において、前記遊技機は、大当たりした場合には、ラウンド数が第1の回数の第1の大当たり遊技と、ラウンド数が前記第1の回数よりも多い第2の回数の第2の大当たり遊技とのうちから一つの大当たり遊技を実行可能であり、
前記第2の演出において、前記第2の大当たり遊技のときには、選択楽曲の開始タイミングが前記第1のタイミングである第1のパターンと選択楽曲の開始タイミングが前記第2のタイミングである第2のパターンとを含む複数のパターンのうちから一つのパターンを選択させ、前記第1の大当たり遊技のときには、前記第2のパターンのみを遊技者に選択させるようにしてもよい。
この場合、前記一つの楽曲において前記第1のタイミングは前記第2のタイミングよりも早く設定されてもよい。
例えば、前記第1のタイミングは、前記一つの楽曲の先頭のタイミング(Aメロの開始のタイミング)であり、前記第2のタイミングは、前記一つの楽曲のサビの開始タイミングであってもよい。
以下に図51~図53を用いて楽曲自動演奏演出A~Cについて説明する。この楽曲自動演奏演出は、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行され、ROM103から対応する画像データを読み出して表示画面7aに画像を表示させる演出である。
[楽曲自動演奏演出A]
この楽曲自動演奏演出Aは、16R大当たりの大当たり遊技中(ラウンド遊技中)に実行される演出である。
図51は、楽曲自動演奏演出Aを表す図である。楽曲自動演奏演出Aでは、まず、図51(A)に示すように、特定楽曲選択演出がおこなわれる。この特定楽曲選択演出では、
表示画面7aにおいて、6つの楽曲画像X1と、演出ボタン63を表すボタン画像BTNとが表示される。6つの楽曲画像X1は、楽曲Aを表す楽曲画像X1Aと、楽曲Bを表す楽曲画像X1Bと、楽曲Cを表す楽曲画像X1Cと、楽曲Dを表す楽曲画像X1Dと、楽曲Eを表す楽曲画像X1Eと、楽曲Fを表す楽曲画像X1Fとを含む。ボタン画像BTNを見た遊技者は、演出ボタン63を操作すれば楽曲を選択できることを理解する。遊技者が、1回演出ボタン63を押すと、楽曲画像上の矢印とハッチングとが他の楽曲画像に移動する。遊技者は、好みの楽曲画像上に矢印とハッチングが移動するまで演出ボタン63を操作し、演出ボタン63を長押しすることで、6つの楽曲画像X1A~X1Fのうち、好みの楽曲を表す楽曲画像を選択することができる。遊技者が選択した楽曲画像が表す楽曲を以下では、選択楽曲または選択曲とも呼ぶ。
図51(A)の例では、楽曲画像X1E(楽曲E)が選択されたことを表している。
なお、演出例の楽曲A~楽曲Fは、それぞれ、Aメロから始まり、Bメロに移行し、その後、サビに移行して終了する構成となっている。
これに限られず、楽曲A~楽曲Fは、それぞれ、Aメロの前にイントロを有していても良いし、Bメロとサビの間にCメロを有していても良いし、間奏を有していても良い。
また、各楽曲において、開始タイミングが異なる3つのバージョンが用意されている。具体的には、各楽曲は、開始タイミングがAメロの先頭であり、サビの終わりまでを流すフルバージョン(Aメロ+Bメロ+サビ)と、開始タイミングがBメロの先頭であり、サビの終わりまでを流すBメロ開始バージョン(Bメロ+サビ)と、開始タイミングがサビの先頭であり、サビの終わりまでを流すサビ開始バージョン(サビ)と、が用意されている。
本演出例では、楽曲Eの長さは、フルバージョンの長さは400秒となっており、Bメロ開始バージョンの長さは200秒となっており、サビ開始バージョンの長さは100秒となっている。
次に、図51(B)に示すように、楽曲開始タイミング決定演出がおこなわれる。楽曲開始タイミング決定演出では、所定の表示と、ラウンド数表示X6とが表示される。また、楽曲開始タイミング決定演出では、第4所定条件、第5所定条件、または、第6所定条件のうちのいずれかの条件の成立により、成立条件に応じて、選択楽曲の開始タイミングが決定されると共に、開始タイミング報知表示X5が表示される。開始タイミング報知表示X5は、選択楽曲の長さを表す情報と、選択楽曲の開始タイミングを表す情報とを含む。
図51(B)に示す楽曲開始タイミング決定演出における第4所定条件、第5所定条件、および、第6所定条件について説明する。大当たり遊技において、1回のラウンド遊技の最大消化時間(29.5秒。上記実施例参照)を、以下では単に最大消化時間と呼ぶ。大当たりの最大ラウンド数×最大消化時間の数値を以下では、数値Xとも呼ぶ。選択楽曲において、Aメロ、Bメロ、および、サビ(Aメロの開始からサビの終了まで)の時間を、以下では、トータル時間Yとも呼ぶ。選択楽曲において、Bメロの開始からサビの終了までの時間を、以下では、時間Bとも呼ぶ。選択楽曲において、サビの開始からサビの終了までの時間を、以下では、時間Cとも呼ぶ。トータル時間Yは、楽曲のAメロからサビの終了までの時間と等しく、時間Y>時間B>時間Cの関係となる。
ここで、第4所定条件が成立する場合は、以下の式を満たす場合である。
数値X>トータル時間Y
すなわち、選択楽曲のトータル時間よりも、16Rのラウンド遊技の最長時間が長い場合である。
また、第5所定条件が成立する場合は、以下の式を満たす場合である。
トータル時間Y>数値X>時間B
すなわち、8Rのラウンド遊技の最長時間が、選択楽曲のトータル時間よりも短く、時間B (Bメロ+サビのトータル時間)よりも長い場合である。
また、第6所定条件が成立する場合は、以下の式を満たす場合である。
時間B>数値X
すなわち、4Rのラウンド遊技の最長時間が、選択楽曲の時間B(Bメロ+サビのトータル時間)よりも短い場合である。なお、時間C>数値Xの場合には、後述する楽曲演奏演出において選択楽曲はサビを全て流すことができない場合があるが、サビの先頭から選択楽曲が流れるので、少なくとも一部はサブを堪能可能である。
図51に示す楽曲開始タイミング決定演出では、16R大当たり遊技であるので、数値Xは、16(R)×29.5(秒)=472(秒)であり、特定楽曲選択演出で楽曲E(フルバージョンの長さ:トータル時間Y:400秒)が選択されるので、数値X>トータル時間Yとなり、第4所定条件が成立する。従って、開始タイミング報知表示X5は、図51(B)の例では、「フルバージョンでお楽しみください!(開始タイミング:頭出し)」と表記されている。こうすれば、少なくとも選択楽曲のサビを遊技者は聞くことができる。ラウンド数表示X6は、大当たり遊技の総ラウンド数を表す表示であり、図51(B)の例では、「ROUND:16」と表記され、16Rラウンドの大当たり遊技であることが示されている。所定の表示としては、選択楽曲を表す「選択曲:楽曲E」という表示を含む。
次に、図51(C)に示すように、楽曲演奏演出がおこなわれる。この楽曲演奏演出では、所定の表示と、楽曲インジゲータ表示X3と、歌詞表示X4とが表示され、選択楽曲が、楽曲開始タイミング決定演出で決定した開始タイミングでスピーカ67を介して流される。楽曲開始タイミング決定演出において第4所定条件が成立した場合には、選択楽曲のフルバージョン(開始タイミングが頭出し(Aメロ))をスピーカ67から流す。楽曲インジゲータ表示X3は、Aメロ、Bメロ、および、サビのうち、楽曲開始タイミング決定演出で決定された選択楽曲のバージョンに必ず含まれるメロディを表すインジケータであり、選択楽曲のうちどのタイミングで演奏されているのか矢印を用いて表している。例えば、図51(B)に示す楽曲開始タイミング決定演出で決定されたバージョンがフルバージョンの場合には、楽曲インジゲータ表示X3は、図51(C)に示すように、Aメロ、Bメロ、および、サビを表す。また、図51(C)の例では、楽曲インジゲータ表示X3において、矢印により演奏タイミングがAメロの先頭付近であることが示されている。楽曲インジゲータ表示X3の矢印は、選択楽曲の演奏速度に応じてインジケータ上を進行する。歌詞表示X4は、選択楽曲の歌詞を表し、選択楽曲の演奏に連動する歌詞が表示される。
また、所定の表示としては、選択楽曲を表す「選択曲:楽曲E」という表示と、楽曲演奏中であることを表す表示と、キャラクタ画像CRAと、音符画像とを含む。キャラクタ画像CRAまたは音符画像は、楽曲の演奏に応じて動画表示される。
さらに、上記楽曲演奏演出において、選択楽曲の演奏を、早送りしたり、遅くしたりするなど、演奏速度を変更できる機能を有していてもよい。この場合、楽曲インジゲータ表示X3の矢印の進行速度も演奏速度に応じて変化する。
[楽曲自動演奏演出B]
この楽曲自動演奏演出Bは、8R大当たりの大当たり遊技中(ラウンド遊技中)に実行される演出である。
図52は、楽曲自動演奏演出Bを表す図である。楽曲自動演奏演出Bでは、まず、図52(A)に示すように、特定楽曲選択演出がおこなわれる。この特定楽曲選択演出では、表示画面7aにおいて、6つの楽曲画像X1と、演出ボタン63を表すボタン画像BTNとが表示される。6つの楽曲画像X1は、楽曲Aを表す楽曲画像X1Aと、楽曲Bを表す楽曲画像X1Bと、楽曲Cを表す楽曲画像X1Cと、楽曲Dを表す楽曲画像X1Dと、楽曲Eを表す楽曲画像X1Eと、楽曲Fを表す楽曲画像X1Fとを含む。ボタン画像BTN
を見た遊技者は、演出ボタン63を操作すれば楽曲を選択できることを理解する。遊技者が、1回演出ボタン63を押すと、楽曲画像上の矢印とハッチングとが他の楽曲画像に移動する。遊技者は、好みの楽曲画像上に矢印とハッチングが移動するまで演出ボタン63を操作し、演出ボタン63を長押しすることで、6つの楽曲画像X1A~X1Fのうち、好みの楽曲を表す楽曲画像を選択することができる。遊技者が選択した楽曲画像が表す楽曲を以下では、選択楽曲または選択曲とも呼ぶ。
図52(A)の例では、楽曲画像X1E(楽曲E)が選択されたことを表している。
なお、演出例の楽曲A~楽曲Fは、それぞれ、Aメロから始まり、Bメロに移行し、その後、サビに移行して終了する構成となっている。
これに限られず、楽曲A~楽曲Fは、それぞれ、Aメロの前にイントロを有していても良いし、Bメロとサビの間にCメロを有していても良いし、間奏を有していても良い。
また、各楽曲において、開始タイミングが異なる3つのバージョンが用意されている。具体的には、各楽曲は、開始タイミングがAメロの先頭であり、サビの終わりまでを流すフルバージョン(Aメロ+Bメロ+サビ)と、開始タイミングがBメロの先頭であり、サビの終わりまでを流すBメロ開始バージョン(Bメロ+サビ)と、開始タイミングがサビの先頭であり、サビの終わりまでを流すサビ開始バージョン(サビ)と、が用意されている。
本演出例では、楽曲Eの長さは、フルバージョンの長さは400秒となっており、Bメロ開始バージョンの長さは200秒となっており、サビ開始バージョンの長さは100秒となっている。
次に、図52(B)に示すように、楽曲開始タイミング決定演出がおこなわれる。楽曲開始タイミング決定演出では、所定の表示と、ラウンド数表示X6とが表示される。また、楽曲開始タイミング決定演出では、第4所定条件、第5所定条件、または、第6所定条件のうちのいずれかの条件の成立により、成立条件に応じて、選択楽曲の開始タイミングが決定されると共に、開始タイミング報知表示X5が表示される。開始タイミング報知表示X5は、選択楽曲の長さを表す情報と、選択楽曲の開始タイミングを表す情報とを含む。
図52(B)に示す楽曲開始タイミング決定演出における第4所定条件、第5所定条件、および、第6所定条件について説明する。大当たり遊技において、1回のラウンド遊技の最大消化時間(29.5秒。上記実施例参照)を、以下では単に最大消化時間と呼ぶ。大当たりの最大ラウンド数×最大消化時間の数値を以下では、数値Xとも呼ぶ。選択楽曲において、Aメロ、Bメロ、および、サビ(Aメロの開始からサビの終了まで)の時間を、以下では、トータル時間Yとも呼ぶ。選択楽曲において、Bメロの開始からサビの終了までの時間を、以下では、時間Bとも呼ぶ。選択楽曲において、サビの開始からサビの終了までの時間を、以下では、時間Cとも呼ぶ。トータル時間Yは、楽曲のAメロからサビの終了までの時間と等しく、時間Y>時間B>時間Cの関係となる。
ここで、第4所定条件が成立する場合は、以下の式を満たす場合である。
数値X>トータル時間Y
すなわち、選択楽曲のトータル時間よりも、ラウンド遊技(例えば、16R)の最長時間が長い場合である。
また、第5所定条件が成立する場合は、以下の式を満たす場合である。
トータル時間Y>数値X>時間B
すなわち、ラウンド遊技(例えば、8R)の最長時間が、選択楽曲のトータル時間よりも短 く、時間B(Bメロ+サビのトータル時間)よりも長い場合である。
また、第6所定条件が成立する場合は、以下の式を満たす場合である。
時間B>数値X
すなわち、ラウンド遊技(例えば、4R)の最長時間が、選択楽曲の時間B(Bメロ+サビのトータル時間)よりも短い場合である。なお、時間C>数値Xの場合には、後述す
る楽曲演奏演出において選択楽曲はサビを全て流すことができない場合があるが、サビの先頭から選択楽曲が流れるので、少なくとも一部はサブを堪能可能である。
図52に示す楽曲開始タイミング決定演出では、8R大当たり遊技であるので、数値Xは、8(R)×29.5(秒)=236(秒)であり、特定楽曲選択演出で楽曲E(フルバージョンの長さ:トータル時間Y:400秒、Bメロ開始バージョンの長さ:時間B:200秒。)が選択されるので、トータル時間Y>数値X>時間Bとなり、第5所定条件が成立する。従って、開始タイミング報知表示X5は、図52(B)の例では、「Bメロ開始バージョンでお楽しみください!(開始タイミング:Bメロ)」と表記されている。こうすれば、少なくとも選択楽曲のサビを遊技者は聞くことができる。ラウンド数表示X6は、大当たり遊技の総ラウンド数を表す表示であり、図52(B)の例では、「ROUND:8」と表記され、8Rラウンドの大当たり遊技であることが示されている。所定の表示としては、選択楽曲を表す「選択曲:楽曲E」という表示を含む。
次に、図52(C)に示すように、楽曲演奏演出がおこなわれる。この楽曲演奏演出では、所定の表示と、楽曲インジゲータ表示X3と、歌詞表示X4とが表示され、選択楽曲が、楽曲開始タイミング決定演出で決定した開始タイミングでスピーカ67を介して流される。楽曲開始タイミング決定演出において第5所定条件が成立した場合には、選択楽曲のBメロ開始バージョン(開始タイミングがBメロ)をスピーカ67から流す。楽曲インジゲータ表示X3は、Aメロ、Bメロ、および、サビのうち、楽曲開始タイミング決定演出で決定された選択楽曲のバージョンに必ず含まれるメロディを表すインジケータであり、選択楽曲のうちどのタイミングで演奏されているのか矢印を用いて表している。例えば、図52(B)に示す楽曲開始タイミング決定演出で決定されたバージョンがBメロ開始バージョンの場合には、楽曲インジゲータ表示X3は、図52(C)に示すように、Bメロ、および、サビを表す。また、図52(C)の例では、楽曲インジゲータ表示X3において、矢印により演奏タイミングがBメロの中付近であることが示されている。楽曲インジゲータ表示X3の矢印は、選択楽曲の演奏速度に応じてインジケータ上を進行する。歌詞表示X4は、選択楽曲の歌詞を表し、選択楽曲の演奏に連動する歌詞が表示される。
また、所定の表示としては、選択楽曲を表す「選択曲:楽曲E」という表示と、楽曲演奏中であることを表す表示と、キャラクタ画像CRAと、音符画像とを含む。キャラクタ画像CRAまたは音符画像は、楽曲の演奏に応じて動画表示される。
さらに、上記楽曲演奏演出において、選択楽曲の演奏を、早送りしたり、遅くしたりするなど、演奏速度を変更できる機能を有していてもよい。この場合、楽曲インジゲータ表示X3の矢印の進行速度も演奏速度に応じて変化する。
[楽曲自動演奏演出C]
この楽曲自動演奏演出Cは、4R大当たりの大当たり遊技中(ラウンド遊技中)に実行される演出である。
図53は、楽曲自動演奏演出Cを表す図である。楽曲自動演奏演出Cでは、まず、図53(A)に示すように、特定楽曲選択演出がおこなわれる。この特定楽曲選択演出では、表示画面7aにおいて、6つの楽曲画像X1と、演出ボタン63を表すボタン画像BTNとが表示される。6つの楽曲画像X1は、楽曲Aを表す楽曲画像X1Aと、楽曲Bを表す楽曲画像X1Bと、楽曲Cを表す楽曲画像X1Cと、楽曲Dを表す楽曲画像X1Dと、楽曲Eを表す楽曲画像X1Eと、楽曲Fを表す楽曲画像X1Fとを含む。ボタン画像BTNを見た遊技者は、演出ボタン63を操作すれば楽曲を選択できることを理解する。遊技者が、1回演出ボタン63を押すと、楽曲画像上の矢印とハッチングとが他の楽曲画像に移動する。遊技者は、好みの楽曲画像上に矢印とハッチングが移動するまで演出ボタン63を操作し、演出ボタン63を長押しすることで、6つの楽曲画像X1A~X1Fのうち、好みの楽曲を表す楽曲画像を選択することができる。遊技者が選択した楽曲画像が表す楽
曲を以下では、選択楽曲または選択曲とも呼ぶ。
図53(A)の例では、楽曲画像X1E(楽曲E)が選択されたことを表している。
なお、演出例の楽曲A~楽曲Fは、それぞれ、Aメロから始まり、Bメロに移行し、その後、サビに移行して終了する構成となっている。
これに限られず、楽曲A~楽曲Fは、それぞれ、Aメロの前にイントロを有していても良いし、Bメロとサビの間にCメロを有していても良いし、間奏を有していても良い。
また、各楽曲において、開始タイミングが異なる3つのバージョンが用意されている。具体的には、各楽曲は、開始タイミングがAメロの先頭であり、サビの終わりまでを流すフルバージョン(Aメロ+Bメロ+サビ)と、開始タイミングがBメロの先頭であり、サビの終わりまでを流すBメロ開始バージョン(Bメロ+サビ)と、開始タイミングがサビの先頭であり、サビの終わりまでを流すサビ開始バージョン(サビ)と、が用意されている。
本演出例では、楽曲Eの長さは、フルバージョンの長さは400秒となっており、Bメロ開始バージョンの長さは200秒となっており、サビ開始バージョンの長さは100秒となっている。
次に、図53(B)に示すように、楽曲開始タイミング決定演出がおこなわれる。楽曲開始タイミング決定演出では、所定の表示と、ラウンド数表示X6とが表示される。また、楽曲開始タイミング決定演出では、第4所定条件、第5所定条件、または、第6所定条件のうちのいずれかの条件の成立により、成立条件に応じて、選択楽曲の開始タイミングが決定されると共に、開始タイミング報知表示X5が表示される。開始タイミング報知表示X5は、選択楽曲の長さを表す情報と、選択楽曲の開始タイミングを表す情報とを含む。
図53(B)に示す楽曲開始タイミング決定演出における第4所定条件、第5所定条件、および、第6所定条件について説明する。大当たり遊技において、1回のラウンド遊技の最大消化時間(29.5秒。上記実施例参照)を、以下では単に最大消化時間と呼ぶ。大当たりの最大ラウンド数×最大消化時間の数値を以下では、数値Xとも呼ぶ。選択楽曲において、Aメロ、Bメロ、および、サビ(Aメロの開始からサビの終了まで)の時間を、以下では、トータル時間Yとも呼ぶ。選択楽曲において、Bメロの開始からサビの終了までの時間を、以下では、時間Bとも呼ぶ。選択楽曲において、サビの開始からサビの終了までの時間を、以下では、時間Cとも呼ぶ。トータル時間Yは、楽曲のAメロからサビの終了までの時間と等しく、時間Y>時間B>時間Cの関係となる。
ここで、第4所定条件が成立する場合は、以下の式を満たす場合である。
数値X>トータル時間Y
すなわち、選択楽曲のトータル時間よりも、ラウンド遊技(例えば、16R)の最長時間が長い場合である。
また、第5所定条件が成立する場合は、以下の式を満たす場合である。
トータル時間Y>数値X>時間B
すなわち、ラウンド遊技(例えば、8R)の最長時間が、選択楽曲のトータル時間よりも短 く、時間B(Bメロ+サビのトータル時間)よりも長い場合である。
また、第6所定条件が成立する場合は、以下の式を満たす場合である。
時間B>数値X
すなわち、ラウンド遊技(例えば、4R)の最長時間が、選択楽曲の時間B(Bメロ+サビのトータル時間)よりも短い場合である。なお、時間C>数値Xの場合には、後述する楽曲演奏演出において選択楽曲はサビを全て流すことができない場合があるが、サビの先頭から選択楽曲が流れるので、少なくとも一部はサブを堪能可能である。
図53に示す楽曲開始タイミング決定演出では、4R大当たり遊技であるので、数値Xは、4(R)×29.5(秒)=118(秒)であり、特定楽曲選択演出で楽曲E(Bメ
ロ開始バージョンの長さ:時間B:200秒)が選択されるので、時間B>数値Xとなり、第6所定条件が成立する。従って、開始タイミング報知表示X5は、図53(B)の例では、「サビ開始バージョンでお楽しみください!(開始タイミング:サビ)」と表記されている。こうすれば、少なくとも選択楽曲のサビを遊技者は聞くことができる。ラウンド数表示X6は、大当たり遊技の総ラウンド数を表す表示であり、図53(B)の例では、「ROUND:4」と表記され、4Rラウンドの大当たり遊技であることが示されている。所定の表示としては、選択楽曲を表す「選択曲:楽曲E」という表示を含む。
次に、図53(C)に示すように、楽曲演奏演出がおこなわれる。この楽曲演奏演出では、所定の表示と、楽曲インジゲータ表示X3と、歌詞表示X4とが表示され、選択楽曲が、楽曲開始タイミング決定演出で決定した開始タイミングでスピーカ67を介して流される。楽曲開始タイミング決定演出において第6所定条件が成立した場合には、選択楽曲のサビ開始バージョン(開始タイミングがサビ)をスピーカ67から流す。楽曲インジゲータ表示X3は、Aメロ、Bメロ、および、サビのうち、楽曲開始タイミング決定演出で決定された選択楽曲のバージョンに必ず含まれるメロディを表すインジケータであり、選択楽曲のうちどのタイミングで演奏されているのか矢印を用いて表している。例えば、図53(B)に示す楽曲開始タイミング決定演出で決定されたバージョンがサビ開始バージョンの場合には、楽曲インジゲータ表示X3は、図53(C)に示すように、サビのみを表す。また、図53(C)の例では、楽曲インジゲータ表示X3において、矢印により演奏タイミングがサビの中付近であることが示されている。楽曲インジゲータ表示X3の矢印は、選択楽曲の演奏速度に応じてインジケータ上を進行する。歌詞表示X4は、選択楽曲の歌詞を表し、選択楽曲の演奏に連動する歌詞が表示される。
また、所定の表示としては、選択楽曲を表す「選択曲:楽曲E」という表示と、楽曲演奏中であることを表す表示と、キャラクタ画像CRAと、音符画像とを含む。キャラクタ画像CRAまたは音符画像は、楽曲の演奏に応じて動画表示される。
さらに、上記楽曲演奏演出において、選択楽曲の演奏を、早送りしたり、遅くしたりするなど、演奏速度を変更できる機能を有していてもよい。この場合、楽曲インジゲータ表示X3の矢印の進行速度も演奏速度に応じて変化する。
[変形例]
上記楽曲自動演奏演出A~Cでは、特定楽曲選択演出または楽曲開始タイミング決定演出を大当たり遊技中でおこなうようにしているが、これに限られず、デモ画面中(客待ち中)におこなうようにしてもよい。また、遊技者は、特定楽曲選択演出または楽曲開始タイミング決定演出を特別図柄の変動中におこなうようにしてもよい。
上記楽曲自動演奏演出A~Cでは、楽曲演奏演出は大当たり遊技中におこなわれる構成であったが、これに限られず、デモ画面中(客待ち中)または特別図柄の変動中におこなうようにしてもよい。この場合、特定楽曲選択演出および/または楽曲開始タイミング決定演出も楽曲演奏演出と同じモード(デモ画面中または特別図柄の変動中)でおこなうようにしてもよい。
上記楽曲自動演奏演出A~Cでは、上記数値Xは、大当たりの最大ラウンド数×最大消化時間とし、すなわち、ラウンド遊技の最長時間を表しているが、これに限られない。上記遊技機1は、1回のラウンド遊技において、大入賞口35に所定カウント(例えば10)入賞すればラウンド遊技が終了するので、実際には1回のラウンド遊技の最大消化時間(29.5秒)に達する前に1回のラウンド遊技が終了してしまうことが多い。従って、数値Xを、大当たりの最大ラウンド数×所定時間としてもよい。この所定時間は、1回のラウンド遊技において、普通に遊技球を打ち出して、大入賞口35に所定カウント(例えば10)入賞する程度の時間(例えば、13秒)としてもよい。
上記楽曲自動演奏演出A~Cでは、楽曲開始タイミング決定演出において、特定楽曲選択演出で選択された楽曲Eについて、所定条件の成立に基づいて、楽曲の開始タイミング
が異なる3つのバージョンのうちの一つのバージョン選択をおこなっていたが、これに限られず、特定楽曲選択演出で選択された他の楽曲において、同様に、所定条件の成立に基づいて、楽曲の開始タイミングが異なる3つのバージョンのうちの一つのバージョン選択をおこなうようにしてもよい。この場合、楽曲によって曲の長さ、Aメロ、Bメロ、サビの長さは異なるので、大当たり遊技のラウンド数が同じラウンド数であっても、選択楽曲が第1の楽曲の場合と選択楽曲が第2の楽曲の場合では、選択楽曲の開始タイミングが異なるバージョンが選択される場合がある。
[効果例]
以下に、楽曲自動演奏演出の効果例を示す。
[効果1]
上記楽曲自動演奏演出では、選択楽曲X1のうちの一つの楽曲を選択し、選択楽曲を、所定条件の成立により(例えば、ラウンド数が所定のラウンド数であることにより)、複数のパターン(フルバージョン、Bメロ開始バージョン、サビ開始バージョン)のうちの一つのパターンでスピーカ67を用いて流す構成である。
この構成によれば、所定条件を満たすことにより、複数のパターンのうちの一つのパターンで選択楽曲が流れるので、所定条件によって遊技者に適したパターンの選択楽曲を提供することができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
[効果2]
上記楽曲自動演奏演出において、フルバージョンのパターンは、選択楽曲の開始タイミングがAメロ(曲の先頭)から開始され、Bメロ開始バージョンのパターンは、選択楽曲の開始タイミングがBメロから開始され、サビ開始バージョンのパターンは、選択楽曲の開始タイミングがサビから開始される構成である。
この構成によれば、同じ選択楽曲であっても開始タイミングが異なるパターンから、所定条件によって遊技者に適したパターンの選択楽曲を提供することができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
[効果3]
上記楽曲自動演奏演出では、楽曲開始タイミング決定演出において、4R大当たり遊技であることに基づき、選択楽曲をサビ開始バージョンのパターンでスピーカ67から流し、16R大当たり遊技であることに基づき、選択楽曲をフルバージョンのパターンでスピーカ67から流し、選択楽曲において、フルバージョンの開始タイミングは、サビ開始バージョンの開始タイミングよりも早いタイミングとなっている。
この構成によれば、選択楽曲において、比較的長い大当たり遊技である16R大当たり遊技中に比較的早い開始タイミングであるフルバージョンが流され、比較的短い大当たり遊技である4R大当たり遊技中に比較的遅い開始タイミングであるサビ開始バージョンが流されるので、いずれの大当たり遊技においても、遊技者は、選択楽曲で最も盛り上がるパートであるサビ部分を聞くことができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
[態様例]
本実施形態の遊技機では、以下の態様を実現可能である。
[態様XB-1]
楽曲を流すこと可能な楽曲報知手段を備える遊技機であって、
複数の楽曲のうちの一つの楽曲を、所定条件の成立により、第1のパターンと第2のパターンとを少なくとも含む複数のパターンのうちの一つのパターンで前記楽曲報知手段を用いて流す、
ことを特徴とする遊技機。
[態様XBー2]
態様XBー1に記載の遊技機であって、
前記第1のパターンは、前記一つの楽曲の開始タイミングが第1のタイミングであり、
前記第2のパターンは、前記一つの楽曲の開始タイミングが前記第1のタイミングとは異なる第2のタイミングである、
ことを特徴とする遊技機。
[態様XBー3]
態様XBー2に記載の遊技機であって、
前記遊技機は、大当たりした場合には、ラウンド数が第1の回数の第1の大当たり遊技と、ラウンド数が前記第1の回数よりも多い第2の回数の第2の大当たり遊技とのうちから一つの大当たり遊技を実行可能であり、
前記第1の大当たり遊技であることに基づいて、前記一つの楽曲を、前記第2のパターンで前記楽曲報知手段を用いて流し、
前記第2の大当たり遊技であることに基づいて、前記一つの楽曲を、前記第1のパターンで前記楽曲報知手段を用いて流し、
前記一つの楽曲において、前記第1のタイミングは前記第2のタイミングよりも早いタイミングである、
ことを特徴とする遊技機。
上記では、前記一つの楽曲で、態様例XBー3の内容を実現していたが、複数の楽曲のそれぞれで、態様例XBー3の内容を実現するようにしてもよい。
上記実施形態の遊技機1は、玉を払出すための払出装置を搭載した遊技機であったが、これに限られるものではない。例えば、上記遊技機1に代えて、所謂封入式遊技機のように、払い出し装置を搭載しない遊技機に本発明を適用するようにしてもよい。
本実施形態の遊技機1では、これらの演出を互いに組み合わせて一つの表示演出としてもよい。つまり、上述した複数の演出例および/または変形例のうち、2つ以上の演出例および/または変形例を組み合わせてもよい。
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。