JP2023084859A - ハーフミラー - Google Patents

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JP2023084859A
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聡 新山
Satoshi Niiyama
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Abstract

Figure 2023084859000001
【課題】無偏光が所定の光学的構造をより透過しやすくなる手段を提供する。
【解決手段】ハーフミラー10は支持体11と、支持体11の背面に積層される部分反射膜13と、部分反射膜13の背面に積層される選択反射フィルム15と、選択反射フィルム15の背面に積層される1/4波長板17aと、をこの順に備える。ハーフミラー10は、選択反射フィルム15の背面上に、1/4波長板17aの積層された第1の領域21aと、1/4波長板17aの積層されていない第2の領域22a及び22bとをさらに備える。ハーフミラー10は第2の領域の背面に積層された反射防止フィルム19a及び19bをさらに備える。反射防止フィルム19a及び19bは、その背面に反射防止層20a及び20bを有するとともに、無偏光の光に対して、1/4波長板17aの透過率よりも高い透過率を有する。
【選択図】図1

Description

本発明はハーフミラーに関し、特に円偏光に対する選択反射フィルムと波長板とがその背面に付加されたものに関する。
特許文献1及び特許文献2はハーフミラー(half-silvered mirror)の一種である光反射透過部材を開示している。この光反射透過部材は、支持体と、支持体の背面に積層された光学薄膜とを備える。光学薄膜は光の一部分を反射し、また残りの部分を透過する。光学薄膜は背面側から照射する画像光を透過する。したがって光反射透過部材は表示特性を発揮する。光学薄膜は正面から照射する外部光を反射する。したがって光反射透過部材はミラー特性を発揮する。
光学薄膜上にはさらに選択反射フィルムが積層されている。選択反射フィルムは左右の円偏光のうち一方を選択的に透過し、他方を選択的に反射する。例えば左円偏光からなる画像光が光反射透過部材の背面、すなわち選択反射フィルムに入射する。選択反射フィルムは左円偏光を透過し、右円偏光を反射する。選択反射フィルムを透過した左円偏光は、光学薄膜と選択反射フィルムとの間で多重反射する。この時、画像光は反射するたびに旋回方向を入れ替える。光学薄膜における左円偏光の透過率は、選択反射フィルムにおける右円偏光の透過率よりも高い。このため、画像光は多重反射を繰り返しながら光学薄膜側から優先的に出射する。したがって選択反射フィルムは光反射透過部材上に表示される画像を明るくする。
光学薄膜と選択反射フィルムとを組み合わせてなる光学的構造を適切に設計することで、その正面を観察する観察者から見て、画像光の透過率と外部光の反射率との合計が100%を超える。
直線偏光から円偏光を生成するために光反射透過部材の背面にはさらに1/4波長板が積層される。1/4波長板の速軸及び遅軸に対して偏光軸が45°傾いた直線偏光が入射すると、左円偏光又は右円偏光に変化する。かかる円偏光が光学薄膜と選択反射フィルムとの間で多重反射しながら、光反射透過部材の正面より優先的に出射する。
特許文献3及び特許文献4は、円偏光反射層を備える、画像表示機能付きミラーおよびハーフミラーを開示している。
国際公開第2017/126624号 特開2019-137085号公報 特開2017-122776号公報 特開2017-198961号公報
上述の光学的構造では、ハーフミラーの背面に円偏光に対する選択反射フィルムが積層され、さらに1/4波長板が積層されている。かかる光学的構造は、直線偏光の透過を促進するが、無偏光の光の透過は促進しない。本発明はより無偏光がかかる光学的構造を透過しやすくなる手段を提供することを目的とする。
<1> 支持体と
前記支持体の背面に積層される部分反射膜と、
前記部分反射膜の背面に積層される選択反射フィルムと、
前記選択反射フィルムの背面に積層される1/4波長板と、をこの順に備えるハーフミラーであって、
前記選択反射フィルムの背面上に、前記1/4波長板の積層された第1の領域と、前記1/4波長板の積層されていない第2の領域とをさらに備え、
前記第2の領域の背面に積層された反射防止フィルムをさらに備え、
前記反射防止フィルムは、その背面に反射防止層を有するとともに、無偏光の光に対して、前記1/4波長板の透過率よりも高い透過率を有する、
ハーフミラー。
<2> 前記反射防止フィルムは、前記1/4波長板よりも小さなリターデーションを有する、
<1>に記載のハーフミラー。
<3> 前記反射防止フィルムは、基材フィルム及び前記基材フィルムの背面に積層された前記反射防止層を有し、
前記基材フィルムは、前記1/4波長板よりも小さな複屈折を有する、
<2>に記載のハーフミラー。
<4> 前記反射防止フィルムは、可視光線の波長帯域の全体にわたって、無偏光の光に対して、前記1/4波長板の透過率よりも高い透過率を有する、
<1>~<3>のいずれかに記載のハーフミラー。
<5> さらに前記1/4波長板の背面に前記反射防止フィルムが積層されており、
前記反射防止フィルムが前記第1の領域と前記第2の領域との境界を覆っており、
前記1/4波長板の背面の中央は前記ハーフミラーの背面側に露出している、
<1>~<4>のいずれかに記載のハーフミラー。
<6> さらに前記1/4波長板の背面の中央に前記反射防止フィルムが積層されており、
前記反射防止フィルムがさらに前記第1の領域の中央を覆っている、
<1>~<4>のいずれかに記載のハーフミラー。
<7> 前記選択反射フィルムは、可視光帯域全体において、左円偏光及び右円偏光のうち一方、以下F偏光という、を他方、以下R偏光という、よりもよく透過するとともに、R偏光をF偏光よりもよく反射し、
前記選択反射フィルムのR偏光に対する反射率は、可視光帯域全体において、前記部分反射膜のF偏光に対する反射率よりも高く、
前記1/4波長板の背面より、前記1/4波長板の速軸及び遅軸に対して45度傾いた偏光軸を有する直線偏光が入射すると、前記1/4波長板が直線偏光をF偏光に変換し、
前記部分反射膜が前記選択反射フィルムに向かってF偏光を反射するとともに、F偏光をR偏光に変換し、さらに前記選択反射フィルムが前記部分反射膜に向かってR偏光を反射するとともに、R偏光をF偏光に変換することの繰り返しを通じて、前記支持体の正面から優先的にF偏光を出射する、
<1>~<6>のいずれかに記載のハーフミラー。
<8> <1>~<7>のいずれかに記載のハーフミラーと、ディスプレイと、照明とを備え、
前記ディスプレイの表示面は、前記第1の領域において、前記1/4波長板の背面に対向し、
前記表示面から前記1/4波長板に射し込む画像光は、前記1/4波長板の速軸及び遅軸に対して45度傾いた偏光軸を有する直線偏光であり、
前記照明は、前記第2の領域において、前記反射防止フィルムの背面に対向し、
前記照明から前記反射防止フィルムに射し込む照明光は、無偏光である、
多機能ミラー。
<9> <1>~<7>のいずれかに記載のハーフミラーを作製する方法であって、
部分反射膜と選択反射フィルムの積層された支持体の背面において、前記選択反射フィルムの背面の第1の領域上及び第2の領域上に、1/4波長板を積層し、
第1の領域上の前記1/4波長板を残しつつ、第2の領域上の前記1/4波長板を除去し、
前記第2の領域上において、前記反射防止フィルムを前記選択反射フィルム上に積層する、
方法。
<10> 前記1/4波長板の積層において、前記選択反射フィルムの背面と前記1/4波長板の正面とを透明粘着層で接合し、ここで前記透明粘着層は、前記1/4波長板よりも前記選択反射フィルムに対して強く結合し、
前記1/4波長板の除去において、前記1/4波長板を前記第1の領域と前記第2の領域との境界上で切断してから、前記第2の領域上の前記1/4波長板を前記選択反射フィルムより剥離し、
前記反射防止フィルムの積層において、前記選択反射フィルムの背面と前記反射防止フィルムの正面とを前記第2の領域上に残された前記透明粘着層で接合する、
<9>に記載の方法。
本発明はより無偏光が光学的構造を透過しやすくなる手段を提供できる。
ハーフミラーを平面視した時の断面図。 多機能ミラーの構成図。 ハーフミラーを平面視した時の拡大断面図。 ハーフミラーの背面図。 作製中のハーフミラーの平面図。 ハーフミラーを平面視した時の拡大断面図。 ハーフミラーの背面図。 ハーフミラーの試験の模式図。
<ハーフミラー>
図1はハーフミラー10を平面視した時の断面を表す。ハーフミラー10は支持体11及び選択反射フィルム15並びにその他の構成要素を備える。説明の便宜のため支持体11の側をハーフミラー10の正面(Front)とし、選択反射フィルム15の側をハーフミラー10の背面(Back)とする。ハーフミラー10内の構成要素及びこれと組み合わされる要素において統一的にその正面及び背面を定める。観察者Obはハーフミラー10をその正面から観察する。
図1に示す一態様において、ハーフミラー10は支持体11と、部分反射膜13と、選択反射フィルム15と、1/4波長板17aとをこの順に備える。部分反射膜13は支持体11の背面に積層される。選択反射フィルム15は部分反射膜13の背面に積層される。1/4波長板17aは選択反射フィルム15の背面に積層される。
図1に示す一態様において、ハーフミラー10は選択反射フィルム15の背面上に第1の領域と第2の領域とを備える。第1の領域の一態様は、ハーフミラー10の上下方向の中央に位置する領域21aである。第1の領域の個数は2個以上でもよい。第2の領域の一態様は、ハーフミラーの上下方向の外縁に位置する領域22a及び領域22bである。領域21aには1/4波長板17aが積層している。領域22a及び領域22bには1/4波長板17aは積層していない。第2の領域の個数は1個でもよく、3個以上でもよい。
図1に示す一態様において、光線Lpが1/4波長板17aの背面に射し込む。光線Lpは、1/4波長板17aの速軸及び遅軸に対して45度傾いた偏光軸を有する。1/4波長板17aは直線偏光を左円偏光及び右円偏光のうち一方に変換する。選択反射フィルム15と部分反射膜13とによって円偏光の多重反射が起きる、多重反射の詳細は後述する。
図1に示す一態様において、ハーフミラー10はAR(反射防止、Anti-Reflective)フィルム19a及び19bをさらに備える。一態様において無偏光の光線UpがARフィルム19a及び19bの背面に射し込む。別の一様態においては、無偏光の光線の発光点の背面、又は発光点に隣接する領域に反射層が設けられている。前記反射層は、選択反射フィルムに入射する無偏光の光線が選択反射フィルムにより反射されて生じる円偏光を、選択反射フィルムを透過する旋光方向に変換して反射する。
<支持体>
図1に示す一態様において支持体11はその全体が透明である。他の態様において支持体11は透明な領域と、不透明な領域とを有する。透明な領域を円偏光が透過する。一態様において支持体11は平坦である。他の態様において、支持体11は湾曲する。一態様において支持体11の正面及び背面の少なくともいずれかは平坦である。他の態様において支持体11の正面及び背面の少なくともいずれかは湾曲する。
図1に示す一態様において、支持体11は透明な基材からなる板である。基材は、可視光帯域全体に渡って20%以上、100%以下の透過率を有する。光学材料では、その表面、いわゆる界面で光が反射される。したがって、光学材料自体の透過率のことを内部透過率と呼ぶことがある。また界面をふくめた全体の透過率を外部透過率と呼ぶことがある。本実施形態では特に言及しない限り透過率は外部透過率をいう。本明細書中の透明な基材からなる他の要素において透過率を同様に解釈する。
図1に示す一態様において支持体11の透過率は30%以上、100%未満である。一態様において透過率は30、40、50、60、70、80及び90%のいずれかである。基材は無色又は有色である。基材の表面は平滑である。
一態様において基材は無機ガラスからなる。一態様において無機ガラスは無アルカリガラスである。一態様において無機ガラスはFe成分の少ないソーダライムガラスである。無アルカリガラスはソーダガラスよりも剛性に優れる。一態様において無機ガラスは貼り合わせガラスである。他の態様において基材はプラスチックからなる。一態様においてプラスチックはアクリル及びポリカーボネートのいずれかである。他の態様において支持体11は無機ガラス及び他の部材からなる。係る態様において無機ガラスからなる領域を光が透過する。その一態様において他の部材はプラスチックである。その一態様においてプラスチックはアクリル、ポリカーボネート及びその他のプラスチックである。
<部分反射膜>
図1に示す部分反射膜13は光を部分的に透過する。部分反射膜13は光を部分的に反射する。一態様において部分反射膜13は金属並びに金属酸化物及びその他の誘電体からなる。一態様において部分反射膜13は金属である。一態様において金属はアルミニウムである。一態様において、円偏光は金属からなる部分反射膜13の界面で金属反射する。他の態様において部分反射膜13は誘電体多層膜である。誘電体多層膜の反射率と透過率との比は、他の薄膜よりも調整しやすい。一態様において、円偏光は誘電体多層膜からなる部分反射膜13の内部でブラッグ反射する。
図1に示す他の態様において部分反射膜13は金属薄膜である。その一態様において透明保護膜を金属薄膜の上層に形成することでこれを保護する。一態様において透明保護膜は有機薄膜である。金属薄膜の厚みは、所望の透過率によって適宜設計すればよい。支持体11上に、タッチパネルを設置する場合には、部分反射膜13に設けられた金属薄膜をセンサー電極またはセンサー電極の一部として利用してもよい。
図1に示す一態様において部分反射膜13を支持体11の背面上に直接形成する。他の態様において、他の透明基材上に薄膜を形成するとともに、これを支持体11に貼り付けすることで、部分反射膜13を形成する。図に示す態様と異なる態様において貼り付けには透明粘着層を用いる。
図1に示す一態様において、支持体11及び部分反射膜13からなる基礎的なハーフミラー構造12の光学的性質を考慮する。一態様において、選択反射フィルム15や1/4波長板17aといったその他の要素は取り払った状態でハーフミラー構造12の光学的性質を評価する。
図1に示す一態様において、ハーフミラー構造12の波長550nmの光に対する反射率は透過率よりも高い。係る反射率はハーフミラー構造12の正面に入射する光に対するものである。一態様においてハーフミラー構造12は波長550nmの光に対する30%以上、100%未満の反射率を有する。その一態様において反射率は、35、40、45、50、52、54、56、58、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、75、80、85、90、及び95%のいずれかである。好ましい態様においてハーフミラー構造12の可視光帯域全体の光に対する反射率が透過率よりも高い。
図1に示す他の態様においてハーフミラー構造12の波長550nmの光に対する透過率は反射率よりも高い。他の態様において可視光帯域全体に渡りハーフミラー構造12の反射率は透過率と等しい。他の態様においてハーフミラー構造12の波長550nmの光に対する反射率は透過率と等しい。なお本明細書において「ハーフミラー」及び「ハーフミラー構造」の用語は透過率と反射率とが一致するものに限定されない。
<選択反射フィルム>
図2はハーフミラー10を通る光の光路を、ハーフミラー10を平面視しながら示す。選択反射フィルム15は特にその中心にある。選択反射フィルム15は、可視光帯域全体において、左円偏光及び右円偏光のうち一方、以下F偏光という、を他方、以下R偏光という、よりもよく透過する。また選択反射フィルム15は、R偏光をF偏光よりもよく反射する。一態様においてこの反射はブラッグ反射である。
図2は例示として、F偏光として左円偏光を、図中ではR偏光として右円偏光が表されている。また選択反射フィルム15のR偏光に対する反射率は、可視光帯域全体において、部分反射膜13のF偏光に対する反射率よりも高い。
図2に示す一態様において、選択反射フィルム15は円偏光に対する選択性を有する材料からなる。一態様において選択反射フィルム15は、ネマチック液晶及びスメクチック液晶のいずれかの液晶からなる。これらの液晶は、その一態様において液晶はカイラリティを有する相からなる。その一態様において相は、液晶分子にカイラルドーパントを添加したものからなる。他の態様においてカイラリティを有する液晶分子からなる。一態様において、選択反射フィルム15は、コレステリック液晶からなる。
一態様において選択反射フィルムは、螺旋ピッチの異なるフィルムを複数枚積層したものである。一態様において螺旋ピッチの大きさの順にこれらを積層する。螺旋ピッチの異なるフィルムは、互いに選択反射の帯域が異なる。かかる複層の選択反射フィルムの帯域幅Wは、単層のフィルムよりも大きい。一態様において帯域幅Wは広帯域である。他の態様において帯域幅Wは、可視光帯域全体である。
他の態様において選択反射フィルムは単層のフィルムである。単層のフィルム内で螺旋のピッチの大きさが連続的に変化する。または、単層のフィルム内で螺旋軸の方位が連続的に変化する。他の態様において選択反射フィルムは上記単層のフィルムが複数枚積層されたものである。
図1に戻る。図1に示す一態様において、1/4波長板17aは複屈折を有する樹脂からなる。1/4波長板17aの例としては、日本ゼオン(社)から提供される、ゼオノアフィルムZDシリーズが使用できる。
<ARフィルム>
図1に示す一態様において、ARフィルム19aは領域22aの背面に積層している。ARフィルム19bは領域22bの背面に積層している。これらのARフィルムは基材フィルム及び反射防止層20a又は20bからなる。ARフィルム19aの背面は反射防止層20aからなる。ARフィルム19bの背面は反射防止層20bからなる。反射防止層20a及び反射防止層20bはいずれも太い一点鎖線で表されている。
図1に示す反射防止層20a及び20bは以下のように形成する。その一態様において、無機誘導体を蒸着又はスパッタリングで基材フィルム上に積層する。他の態様において有機材料を基材フィルム上に塗布する。これらの反射防止層を含んだARフィルムの厚みは10μm~500μmとすることができる。これらの反射防止層を含んだARフィルムの厚みは25、40、50、80、100、125、及び200μmのいずれかとすることができる。
一態様において、基材フィルムは樹脂からなる。一態様において樹脂はTAC(トリアセチルセルロース)及びPET(ポリエチレンテレフタレート)のいずれかである。TACの多くは複屈折率がPETよりも小さい。PETの多くは耐熱性や寸法安定性に優れる。ARフィルムの他の態様は、低反射(Low Reflection)フィルムである。その一態様においてLRフィルムは基材フィルム上に低屈折率の材料を塗布したものである。
一態様において、ARフィルムの反射率は0%より大きく、2%より小さい。一態様においてARフィルムの反射率は1.0,0.9,0.8,0.7,0.6,0.5,0.4,0.3,0.2及び0.1のいずれかである。
図1に示すARフィルム19a及び19bは、1/4波長板17aよりも小さなリターデーションを有する。一態様においてリターデーションは位相差を表す。一態様において、これらのARフィルムの基材フィルムは、1/4波長板17aよりも小さな複屈折を有する。一態様において、ARフィルムは複屈折性を実質的に有しない。一態様において、実質的に、ARフィルムは、無偏光の光線を偏光の光線に変換しない。ARフィルム19a及び19bがこれらの光学的性質を有する技術的意味は後述する。
一態様において、複屈折Δnは下記式の通り表される。
Figure 2023084859000002
式中nは通常光線についての屈折率である。nは異常光線についての屈折率である。一態様において無偏光の光は通常光線及び異常光線をいずれも有している。一態様において直線偏光は通常光線及び異常光線のいずれか一方を有している。
リターデーションδは下記式の通り表される。
Figure 2023084859000003
式中tはARフィルムの基材フィルムの厚みである。
図1に示す一態様において、ARフィルム19a及び19bは、無偏光の光に対して、1/4波長板17aの透過率よりも高い透過率を有する。一態様においてこれらのARフィルムは、可視光線の波長帯域の全体にわたって、無偏光の光に対して、1/4波長板17aの透過率よりも高い透過率を有する。一態様において可視光線の波長帯域の全体は波長400~750nmである。他の態様において可視光線の波長の下界は360~400nmであり、上界は760~830nmである。
<各要素同士の接合>
図1に示す一態様において、各要素同士の接合には透明粘着層を用いる。一態様において透明粘着層はOCA(Optical Clear Adhesive)からなる。一態様においてOCAとは、フィルム同士の貼り合わせに使用する、それ自体もフィルム状の粘着シートである。以下、特に断らない限り、「透明粘着層」の用語は同様の透明粘着層を表す。
図1に示す一態様において、部分反射膜13の背面と、選択反射フィルム15の正面とを透明粘着層14で貼り合わせる。一態様において、透明粘着層14は、部分反射膜13及び選択反射フィルム15のそれぞれの屈折率よりも小さい屈折率を有する。一態様において、選択反射フィルム15の背面と、1/4波長板17aの正面とを透明粘着層16で貼り合わせる。一態様において、選択反射フィルム15の背面と、ARフィルム19a及び19bの正面とを透明粘着層16で貼り合わせる。一態様において、透明粘着層16は、選択反射フィルム15、1/4波長板17a並びにARフィルム19a及び19bのそれぞれの屈折率よりも小さい屈折率を有する。
<各領域における積層>
図1に示す一態様において、領域21aと領域22aとの境界を境界25aとする。また領域21aと領域22bとの境界を境界25bとする。一態様において、領域22a及び領域22bは選択反射フィルム15の外縁上に位置する。
図3は、図1に示す境界25a及び25bの近傍の一態様を拡大して示す。選択反射フィルム15よりも正面側にある要素は記載が省略されている。領域26aは、領域22a上の、境界25a付近の領域である。ARフィルム19aは領域26aを覆う。一態様においてARフィルム19aはさらに境界25aを覆う。図に示されない他の態様においてARフィルム19aは領域26aを覆わない。その一態様においてARフィルム19aは領域22aの中央に積層され、領域22aの外縁に積層されない。
図3に示す一態様において領域26bは、領域22b上の、境界25b付近の領域である。ARフィルム19bは領域26bを覆う。ARフィルム19bはさらに境界25bを覆う。図に示されない他の態様においてARフィルム19bは領域26bを覆わない。その一態様においてARフィルム19bは領域22bの中央に積層され、領域22bの外縁に積層されない。
図3に示す一態様においてARフィルム19a及び19bはさらに1/4波長板17aの背面に積層される。ARフィルム19a及び19bはさらに領域21aの外縁27a及び27bを覆う。一態様においてARフィルム19a及び19bは1/4波長板17aを覆う。
図3に示す一態様において、ARフィルム19a及び19bは選択反射フィルム15と1/4波長板17aとの間には積層されない。他の態様において、ARフィルム19a及び19bは選択反射フィルム15と1/4波長板17aの中央との間には積層されない。
図4は、背面視したハーフミラー10の一態様である。ARフィルム19aが領域26aを隙間なく覆っている。ARフィルム19bが領域26bを隙間なく覆っている。図中のIII-IIIで表される断面が図3に表されている。1/4波長板17aの背面の中央は、ARフィルム19a及び19bの間にあり、ハーフミラー10の背面側に露出している。
<ハーフミラーの作製>
図5は、ハーフミラーの作製の一態様を平面視したものである。積層体35は支持体11の背面に部分反射膜13、透明粘着層14及び選択反射フィルム15を順に積層したものである。一態様において積層体35の背面に1/4波長板17zを積層する。一態様において1/4波長板17zを、透明粘着層16を介して選択反射フィルム15上に積層する。一態様において透明粘着層16は、1/4波長板17zよりも選択反射フィルム15と強く結合する粘着剤からなる。積層は領域21a上及び領域22a及び22b上において行う。
図5に示す一態様において、領域22a及び22b上の1/4波長板17zを除去する。一方、領域21a上の1/4波長板17zを1/4波長板17aとして残す。この際、まず1/4波長板17zを境界25a及び25b上で切断する。一態様において、選択反射フィルム15は切断しない。一態様において、透明粘着層16は切断しない。
図5に示す一態様において、次に領域22a及び22b上の1/4波長板17zを選択反射フィルム15より剥離する。一態様において領域22a及び22bそれぞれの中央部分においてのみ、1/4波長板17zを選択反射フィルム15より剥離する。さらに図1及び図3に示したように、領域22a及び22b上において、ARフィルム19a及び19bを選択反射フィルム15上に透明粘着層16を介して積層する。
<ハーフミラーの光学的性質>
図2に戻る。一態様において観察者Obがハーフミラー10を正面から観察した時の、その反射率は50%より大きく、100%より小さい。係る反射率はハーフミラー10の正面に入射する光に対するものである。係る反射率はハーフミラー10内の各要素を加味したものである。一態様において反射率は、52、54、56、58、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、75、80、85、90、及び95%のいずれかである。一態様において反射率は550nmの無偏光の光線に対するものである。
図2に示す一態様において領域21aにおけるハーフミラー10の正面の反射率は、領域22a及び領域22bのいずれか又は双方におけるハーフミラー10の正面の反射率よりも大きい。
図2に示す領域21aの一態様において、その背面から正面に向かう光線Lpの透過率は50%より大きく、100%より小さい。一態様において透過率は、52、54、56、58、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、75、80、85、90、及び95%のいずれかである。一態様において透過率は550nmの直線偏光の光線に対する最大値である。
ここで図2に示す領域22a及び22bの背面から正面に向かう直線偏光の光線の存在を仮定する。領域21aにおける直線偏光の光線すなわち光線Lpの透過率の最大値は、領域22a及び22bにおける無偏光の光線の透過率よりも大きい。
図2に示す領域22a及び22bのいずれかの一態様において、その背面から正面に向かう光線Upの透過率は20%より大きく、100%より小さい。一態様において透過率は、21、22、23、24、25、30、35、40、50、60、70、80及び90%のいずれかである。一態様において領域22a及び22bの透過率は等しい。一態様において透過率は550nmの無偏光の光線に対するものである。
ここで図2に示す領域21aの背面から正面に向かう無偏光の光線の存在を仮定する。領域22a及び22bにおける無偏光の光線すなわち光線Upの透過率は、領域21aにおける無偏光の光線の透過率よりも大きい。
<多機能ミラー>
図2に示す光路の利用の一態様は多機能ミラー30の提供である。多機能ミラー30は領域21aにおいて透過表示ミラー又はミラーディスプレイである。多機能ミラー30はまた、領域22a及び22bにおいて透過照明付きのミラーである。
図2に示す一態様において、ハーフミラー10の背面側に表示面27を備える表示パネルと照明28a及び28bを付加する。表示面27は、領域21aにおいて、1/4波長板17aの背面に対向する。一態様において表示面27は、領域22a及び22b上には位置しない。
図2に示す一態様において、表示面27から直線偏光の光線Lpからなる画像光が出射する。光線Lpが1/4波長板17aの背面に射し込む。光線Lpは、1/4波長板17aの速軸及び遅軸に対して45度傾いた偏光軸を有する。
図2に示す一態様において、照明28aは、領域22aにおいて、ARフィルム19aの背面に対向する。照明28bは、領域22bにおいて、ARフィルム19bの背面に対向する。一態様において照明28a及び28bは、領域21a上には位置しない。照明28a及び28bから出射する照明光は、無偏光の光線Upからなる。光線UpはARフィルム19a及び19bの背面に射し込む。
<各光の光路>
図2を参照しつつ、画像光、照明光及び外部光の光路をさらに詳細に説明する。まず画像光について説明する。画像光は先に述べた円偏光の多重反射によってその透過が促進される。一態様において部分反射膜13と選択反射フィルム15とによって円偏光の多重反射が起きる。この多重反射は、特許文献1及び2において説明されるものと同じである。一態様において、この多重反射を起こすために、1/4波長板17aにより直線偏光を円偏光に変換する。
図2に示す一態様において、1/4波長板17aの背面より、光線Lpが入射する。先に述べた通り光線Lpは1/4波長板17aの速軸及び遅軸に対して45度傾いた偏光軸を有する直線偏光である。1/4波長板17aが光線LpをF偏光に変換する。
図2に示す一態様において、部分反射膜13が選択反射フィルム15に向かってF偏光を反射する。部分反射膜13はさらにF偏光をR偏光に変換する。一態様において部分反射膜13の内部又は界面でF偏光の位相が逆転してR偏光となる。さらに選択反射フィルム15が部分反射膜13に向かってR偏光を反射するとともに、R偏光をF偏光に変換する。一態様において選択反射フィルム15の内部又は界面でR偏光の位相が逆転してF偏光となる。これらの反射の繰り返しを通じて、ハーフミラー10は支持体11の正面から優先的にF偏光を出射する。したがって観察者Obがハーフミラー10を通じて観察する画像光は明るい。
次に照明光について説明する。図2に示す一態様において、領域22a及び22bには1/4波長板がない。先に述べた通り、これらの領域に射し込む光線Upは無偏光である。光線UpはARフィルム19a及び19b、選択反射フィルム15、部分反射膜13並びに支持体11を透過する。光線Upは支持体11の正面から出射する。光線Upは透過照明として観察者Ob側を照らす。ARフィルム19a及び19bは、無偏光の光線Upに対して、1/4波長板17aの透過率よりも高い透過率を有する。したがって光線Upの作る透過照明は明るい。
図1に戻る。ARフィルム19aや19bといった各ARフィルムを構成する基材フィルムは1/4波長板17aよりも小さな屈折率を有する。各ARフィルムの基材フィルムと透明粘着層16との間の屈折率の差は、1/4波長板17aと透明粘着層16との間の屈折率の差より小さい。したがって、各ARフィルムを構成する基材フィルムと透明粘着層16と間の接合界面での透過ロスは小さい。
図2に示す一態様において部分反射膜13と支持体11との間に界面がある。界面は、支持体11の正面に入射する外部光Exを反射する。一態様において部分反射膜13の内部は、支持体11の正面に入射する外部光Exを反射する。界面及び部分反射膜13は支持体11の正面側に鏡像を提示する。観察者Obは鏡像を支持体11の正面側から観察する。一態様において界面及び部分反射膜13の内部は可視光帯域全体にわたってむらなく外部光Exを反射する。
<多機能ミラーの用途>
図2に示す一態様において多機能ミラー30は観察者Obの姿を映す鏡である。観察者Obがその目で、多機能ミラー30の正面に映る観察者Ob自身の鏡像を観察する。観察者Obがその目で、鏡像に重畳する画像を観察する。一態様において鏡は鏡台、姿見、壁掛け鏡及び卓上立て鏡のいずれかである。一態様において多機能ミラー30は衣料品の試着や化粧品の試用の際、顧客がその姿を見るために用いられる。一態様において照明28a及び22bの提供する照明光が観察者Obを照らす。したがって多機能ミラー30の正面に映る観察者Obの鏡像は明るい。
図2に示す一態様において多機能ミラー30は、鏡像に重畳して鏡像よりも明るい画像を表示する。一態様において画像は販売及びその他に関する広告である。一態様において表示する画像は意匠性がある。他の態様において画像は記号的なものである。その一態様において、一態様において画像はQRコード(商標)及びその他のマトリックスコード並びにバーコードである。一態様において多機能ミラー30は画像を暗くすることで、画像に埋もれていた鏡像を回復する。
図2に示す一態様において、多機能ミラー30はカメラ31を備える。カメラ31は観察者Obを撮影する。一態様において、多機能ミラー30はさらにコンピューター33を備える。他の態様において多機能ミラー30はコンピューター33とネットワークを介して接続する。コンピューター33は観察者Obの画像を鏡像に変換する。多機能ミラー30はコンピューター33に変換された画像を送る。コンピューター33は表示面27を備える表示パネルに画像を送る。表示面27は観察者Obの画像を表示する。一態様において多機能ミラー30はこのようなデジタルミラーとして機能する。一態様において照明28a及び28bの提供する照明光が観察者Obを照らす。したがって多機能ミラー30の正面に映る観察者Obの画像は明るい。
図2に示す一態様において、コンピューター33は観察者Obの画像にはメイクの画像を付加する。一態様においてメイクの画像は化粧品を使用した時の状態を表す画像である。一態様において観察者Obが化粧品を指定する。一態様において多機能ミラー30はこのような仮想的なメイクアップルームとして機能する。他の態様において衣装の画像は衣料品を着用した時の状態を表す画像である。その一態様において観察者Obが衣料品を指定する。一態様において多機能ミラー30はこのような仮想的な試着室として機能する。
図2に示す他の態様において、コンピューター33は画像を分析する。一態様においてカメラ31とコンピューター33との組はモーションセンサーである。図2に示す態様と異なる態様において、カメラ31をハーフミラー10の背後に隠す。その一態様においてカメラ31を領域22a及び22bの背後に隠す。カメラ31はハーフミラー10越しに観察者Obを撮影する。カメラ31に対向する多機能ミラー30が、領域22aや22bと同様の光学構成を有していることで、ミラー30を介してカメラ31に入射する光の量が増えるため好ましい。
図2に示す一態様において多機能ミラー30はさらに不図示のセンサーを備える。一態様においてセンサーは、観察者Obの手の位置を検出する。一態様においてセンサーは、支持体11上に配置されたタッチパネルである。一態様においてセンサーは、支持体11上に配置された静電容量センサーである。
他の態様においてセンサーは物品に付されたタグを読み取る。一態様においてタグはQRコード(商標)及びその他のマトリックスコード並びにバーコードである。他の態様においてタグはRFID及びその他のハードタグである。一態様において多機能ミラー30はその物品の情報の画像を鏡像に重畳して表示する。
<ARフィルムの他の態様>
図6は、先の図に示したハーフミラー10とは異なる態様に係るハーフミラー40を、図3と同様の断面図で表したものである。選択反射フィルム15よりも正面側にある要素は記載が省略されている。図7は、背面視したハーフミラー40の一態様である。図中のVI-VIで表される断面が図6に表されている。
図6及び図7に示すハーフミラー40は以下を除き、図3に示すハーフミラー10と同様の構成を有する。ハーフミラー40は、領域21aに換えて領域21bを、領域22a及び領域22bに換えて領域22cを、ARフィルム19a及び19bに換えてARフィルム19cを、1/4波長板17aに換えて1/4波長板17bをそれぞれ備える。
図6及び図7に示す一態様において、領域22cは領域21bを取り囲む。領域21bと領域22cとの境界を境界25cとする。1/4波長板17bは領域21b上に位置する。境界25cは1/4波長板17bを取り囲む。
図6及び図7に示す一態様において、ARフィルム19cは領域22cを覆う。一態様においてARフィルム19cはさらに境界25cを覆う。一態様においてARフィルム19cは1/4波長板17bの背面を覆う。一態様においてARフィルム19cは領域21bの中央を覆う。一態様においてARフィルム19cは1/4波長板17bの背面の全体を覆う。一態様においてARフィルム19cは、選択反射フィルム15の全体を覆う1枚のフィルムである。
図6及び図7に示す一態様において、ARフィルム19cのARフィルムとしての組成及び光学的特徴は図3に示すARフィルム19a及び19bと同様である。ARフィルム19cはその背面に反射防止層20cを備える。1/4波長板17bの波長板としての組成及び光学的特徴は図3に示す1/4波長板17aと同様である。
図6及び図7に示す態様とは異なる態様において、ARフィルム19cの中央に窓が開いている。ARフィルム19cは領域21bの中央を覆わない。1/4波長板17bの背面の中央はARフィルム19cの窓を介してハーフミラー40の背面側に露出している。
図4に戻る。図4に示す態様と異なる態様において、図6及び図7に示したARフィルム19cと同様の1枚のARフィルムで領域21a並びに領域22a及び22bをまとめて覆う。その一態様において、1枚のARフィルムで1/4波長板17aの表面の全体を覆う。一態様においてARフィルムは、選択反射フィルム15の全体を覆う。
<ARフィルムの効果の確認>
図8は試験のために作製したハーフミラーを模式的に示す。上段はハーフミラーZを、中段はハーフミラーAを、下段はハーフミラーBを表す。まずガラス板からなる支持体11の背面に部分反射膜13を積層してハーフミラーZを得た。部分反射膜13の背面は空気に接する。
図8の上段に示すように、ハーフミラーZの正面から入射する外部光Exに対する反射率は63%だった。図中では支持体11の正面の界面で外部光Exが反射しているが、これは模式的な表現である。以下同様である。外部光Exの一部は支持体11と部分反射膜13との間の界面や部分反射膜13の内部や背面でも反射する。ハーフミラーZの背面から入射する無偏光の光線Upに対する透過率が36%だった。
図8の上段に示すように、ハーフミラーZの背面に25μm厚の透明粘着層14を介して選択反射フィルム15を接合した。選択反射フィルム15の背面に25μm厚の透明粘着層16を介して1/4波長板17zを接合した。1/4波長板17zの背面は空気に接する。以上によりハーフミラーAを得た。
図8において、ハーフミラーAの正面から入射する外部光Exに対する反射率は64%だった。外部光Exの一部は部分反射膜13よりも背面側に位置する要素によっても反射することに留意する。ハーフミラーAの背面から入射する無偏光の光線Upに対する透過率が23%だった。ハーフミラーAの背面から入射する直線偏光の光線Lpに対する透過率の最大値は63%だった。
図8において、ハーフミラーAの背面から1/4波長板17zを剥がした。次に選択反射フィルム15の背面に透明粘着層16を介してARフィルム19zを接合した。ARフィルム19zはその背面に反射防止層20zを備えるTACフィルムである。以上によりハーフミラーBを得た。反射防止層20zは空気に接する。
図8において、ハーフミラーBの正面から入射する外部光Exに対する反射率は61%だった。外部光Exの一部は部分反射膜13よりも背面側に位置する要素によっても反射することに留意する。鏡像を観察する限り、反射した外部光Exの色調はハーフミラーAとハーフミラーBとの間で差がなかった。ハーフミラーAの背面から入射する無偏光の光線Upに対する透過率が39%だった。
以上より、ハーフミラーAの背面の一部の領域の一部において、1/4波長板をARフィルムに置き換えることで、当該領域における無偏光の光線の透過率を高められることが示唆された。またこの時、当該領域における外部光の反射率の低下は大きくないことが示唆された。かかる効果を奏する実施態様は図1~図7を用いて詳細に説明した。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
10 ハーフミラー, 11 支持体, 12 ハーフミラー構造, 13 部分反射膜, 14 透明粘着層, 15 選択反射フィルム, 16 透明粘着層, 17a-b 1/4波長板, 19a-c,z ARフィルム, 20a-c,z 反射防止層, 21a-b 領域, 22a-c 領域, 25a-c 境界, 26a-b 領域, 27a-b 外縁, 27 表示面, 28a-b 照明, 30 多機能ミラー, 31 カメラ, 33 コンピューター, 35 積層体, 40 ハーフミラー, A ハーフミラー, B ハーフミラー, Ex 外部光, Lp 直線偏光の光線, Ob 観察者, Up 無偏光の光線, Z ハーフミラー

Claims (10)

  1. 支持体と
    前記支持体の背面に積層される部分反射膜と、
    前記部分反射膜の背面に積層される選択反射フィルムと、
    前記選択反射フィルムの背面に積層される1/4波長板と、をこの順に備えるハーフミラーであって、
    前記選択反射フィルムの背面上に、前記1/4波長板の積層された第1の領域と、前記1/4波長板の積層されていない第2の領域とをさらに備え、
    前記第2の領域の背面に積層された反射防止フィルムをさらに備え、
    前記反射防止フィルムは、その背面に反射防止層を有するとともに、無偏光の光に対して、前記1/4波長板の透過率よりも高い透過率を有する、
    ハーフミラー。
  2. 前記反射防止フィルムは、前記1/4波長板よりも小さなリターデーションを有する、
    請求項1に記載のハーフミラー。
  3. 前記反射防止フィルムは、基材フィルム及び前記基材フィルムの背面に積層された前記反射防止層を有し、
    前記基材フィルムは、前記1/4波長板よりも小さな複屈折を有する、
    請求項2に記載のハーフミラー。
  4. 前記反射防止フィルムは、可視光線の波長帯域の全体にわたって、無偏光の光に対して、前記1/4波長板の透過率よりも高い透過率を有する、
    請求項1~3のいずれかに記載のハーフミラー。
  5. さらに前記1/4波長板の背面に前記反射防止フィルムが積層されており、
    前記反射防止フィルムが前記第1の領域と前記第2の領域との境界を覆っており、
    前記1/4波長板の背面の中央は前記ハーフミラーの背面側に露出している、
    請求項1~4のいずれかに記載のハーフミラー。
  6. さらに前記1/4波長板の背面の中央に前記反射防止フィルムが積層されており、
    前記反射防止フィルムがさらに前記第1の領域の中央を覆っている、
    請求項1~4のいずれかに記載のハーフミラー。
  7. 前記選択反射フィルムは、可視光帯域全体において、左円偏光及び右円偏光のうち一方、以下F偏光という、を他方、以下R偏光という、よりもよく透過するとともに、R偏光をF偏光よりもよく反射し、
    前記選択反射フィルムのR偏光に対する反射率は、可視光帯域全体において、前記部分反射膜のF偏光に対する反射率よりも高く、
    前記1/4波長板の背面より、前記1/4波長板の速軸及び遅軸に対して45度傾いた偏光軸を有する直線偏光が入射すると、前記1/4波長板が直線偏光をF偏光に変換し、
    前記部分反射膜が前記選択反射フィルムに向かってF偏光を反射するとともに、F偏光をR偏光に変換し、さらに前記選択反射フィルムが前記部分反射膜に向かってR偏光を反射するとともに、R偏光をF偏光に変換することの繰り返しを通じて、前記支持体の正面から優先的にF偏光を出射する、
    請求項1~6のいずれかに記載のハーフミラー。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載のハーフミラーと、ディスプレイと、照明とを備え、
    前記ディスプレイの表示面は、前記第1の領域において、前記1/4波長板の背面に対向し、
    前記表示面から前記1/4波長板に射し込む画像光は、前記1/4波長板の速軸及び遅軸に対して45度傾いた偏光軸を有する直線偏光であり、
    前記照明は、前記第2の領域において、前記反射防止フィルムの背面に対向し、
    前記照明から前記反射防止フィルムに射し込む照明光は、無偏光である、
    多機能ミラー。
  9. 請求項1~7のいずれかに記載のハーフミラーを作製する方法であって、
    部分反射膜と選択反射フィルムの積層された支持体の背面において、前記選択反射フィルムの背面の第1の領域上及び第2の領域上に、1/4波長板を積層し、
    第1の領域上の前記1/4波長板を残しつつ、第2の領域上の前記1/4波長板を除去し、
    前記第2の領域上において、前記反射防止フィルムを前記選択反射フィルム上に積層する、
    方法。
  10. 前記1/4波長板の積層において、前記選択反射フィルムの背面と前記1/4波長板の正面とを透明粘着層で接合し、ここで前記透明粘着層は、前記1/4波長板よりも前記選択反射フィルムに対して強く結合し、
    前記1/4波長板の除去において、前記1/4波長板を前記第1の領域と前記第2の領域との境界上で切断してから、前記第2の領域上の前記1/4波長板を前記選択反射フィルムより剥離し、
    前記反射防止フィルムの積層において、前記選択反射フィルムの背面と前記反射防止フィルムの正面とを前記第2の領域上に残された前記透明粘着層で接合する、
    請求項9に記載の方法。
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