JP2023084411A - 廃棄体の形成方法および廃棄体の形成システム - Google Patents

廃棄体の形成方法および廃棄体の形成システム Download PDF

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Rui Akayama
勝 湯原
Masaru Yuhara
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Naomi Toyohara
誠二 山本
Seiji Yamamoto
雄生 山下
Takeo Yamashita
由樹 井上
Yuki Inoue
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Abstract

【課題】廃棄体内の水素ガスの発生量を低減する。【解決手段】廃棄体の形成方法は、固型化材料とホウ素化合物とを混合して混合物を形成するステップと、放射性廃棄物を収容する容器に混合物を充填して固化体を含む廃棄体を形成するステップと、廃棄体を加熱して固化体の平均細孔径を10nm以上50nm以下に調整するステップと、を具備する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、廃棄体の形成方法および廃棄体の形成システムに関する。
原子炉内で使用された制御棒などの長期間の中性子照射により放射化した金属など、比較的放射能濃度の高い、低レベル放射性廃棄物は、地表面から深度50~100m程度の領域に埋設処分されることが検討されている。日本原子力学会は、学会標準において、処理後の放射性廃棄物を含む細孔径調整材料と固型化材料から成る混合物の固化体を容器に収容した後、容器を密封して廃棄体を形成することを基本的な処理手法と想定している。
容器の密封は、高い放射能濃度を有する放射性廃棄物からの放射線照射により容器内に存在する水分が分解されることにより水素ガスが発生し、水素の燃焼下限値に至る懸念を有する。一般に水素ガス濃度は、酸素存在下において水素ガスに起因した燃焼を防ぐため、気体体積の4体積%以下とすることが求められる。学会標準は、容器内でも同様に、水素ガス濃度を気体体積の4体積%以下とする制限を設けている。つまり、容器内では、放射性廃棄物の総放射能量、含水量の制限に加え放射性廃棄物や固型化材料からの水素発生にも注意する必要がある。このことは、放射性廃棄物や固型化材料の収容量を制限し、廃棄体当たりの放射性廃棄物の充填量が低下し、廃棄体の個数を増大させる原因となる。
特許第5661492号明細書 特許第5807785号明細書
日本原子力学会標準 余裕深度処分対象廃棄体の製作要件及び検査方法:2015 ISBN978-4-89047-383-0 高橋他,「水素ガス発生に及ぼすセメント水和物試料中における水分の存在状態の影響」電力中央研究所報告L(11020), 1-18, 巻頭1-3, 2013-03 Frederic Chupin et al, Water content and porosity effect on hydrogen radiolytic yields of geopolymers, Journal of Nuclear Materials, 494 (2017) 138-146
放射性廃棄物の含水率を低減するために、容器に収容する前に放射性廃棄物を乾燥処理することが考えられる。しかしながら、例えば200L以上の容量を有する容器や1m以上の体積を有する固化体の脱水は難しく、乾燥による亀裂破損の懸念や、不十分な乾燥に至る可能性がある。
本発明の実施形態では、廃棄体内の水素ガスの発生量を低減することを課題の一つとする。
実施形態の廃棄体の形成方法は、固型化材料とホウ素化合物とを混合して混合物を形成するステップと、放射性廃棄物を収容する容器に混合物を充填して固化体を含む廃棄体を形成するステップと、廃棄体を加熱して固化体の平均細孔径を10nm以上50nm以下に調整するステップと、を具備する。
第1の実施形態の廃棄体の形成方法の例を説明するためのフローチャートである。 廃棄体の形成システムの一例を示す模式図である。 養生期間1カ月における固化体の一軸圧縮強度試験の結果を示す図である。 養生期間6カ月における固化体の一軸圧縮強度試験の結果を示す図である。 試料A、試料B、試料Cの固化体に対して、ガンマ線を17時間照射したときの水素発生量を示す図である。 試料A、試料B、試料Cの固化体の平均細孔径の測定結果を示す図である。 試料A、試料B、試料Cの固化体加熱温度と平均細孔径との関係を示す図である。 粉砕・加熱された試料Aないし試料Cに対してガンマ線を17時間照射したときの水素ガス発生のG値と平均細孔径との関係を示す図である。 試料Aないし試料Cと参考例との間の平均細孔径と水素ガス発生のG値との関係の比較結果を示す図である。 加熱処理後の固化体の含水率と水素ガス発生のG値とを示す図である。 試料Aないし試料Cと参考例との間の含水率と水素ガス発生のG値の関係の比較結果を示す図である。 第2の実施形態の廃棄体の形成方法の例を説明するためのフローチャートである。 廃棄体の形成システムの一例を示す模式図である。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を一部省略する場合がある。図面は模式的なものであり、各部の厚さと平面寸法との関係、各部の厚さの比率等は現実のものとは異なる場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の廃棄体の形成方法の例を説明するためのフローチャートである。第1の実施形態の廃棄体の形成方法の例は、混合ステップS1-1と、充填ステップS1-2と、加熱ステップS1-3と、を具備する。
第1の実施形態の廃棄体は、例えば図2に示す形成システム1Aを用いて形成できる。図2は、廃棄体の形成システムの一例を示す模式図である。図2に示す形成システム1Aは、貯留タンク101と貯留タンク102とを有する材料供給部100と、混練槽201と攪拌翼202とを有する混合部200と、加熱装置301または加熱室302を有する加熱部300と、を具備する。
混合ステップS1-1は、固型化材料と、細孔径調整材料と、を混合して混合物を形成する工程を含む。
固型化材料は、固化体を形成するためのバインダーとしての機能を有する。固型化材料は、例えばジオポリマーの組成物を含む。ジオポリマーは、無機ポリマーの一つである。ジオポリマーは、二酸化ケイ素等のSi系材料と、メタカリオン等のSi-Al系材料と、ケイ酸カリウム(KSiO)や水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ材と、を含む反応によって得られる。また、上記反応は、水等の水分を添加して行われてもよい。
ジオポリマーに限定されず、固型化材料は、セメント、無機物を加熱処理した焼成体であるセラミック、ガラス、アスファルト、またはプラスチック等の材料の組成物を含んでいてもよい。上記固型化材料を用いて形成された固化体は、上記材料を含む。
固型化材料は、貯留タンク101から混練槽201に供給される。貯留タンク101は、固型化材料を収容するために設けられる。貯留タンク101は、例えば配管を介して混練槽201に接続される。なお、固型化材料が複数の材料により構成される場合には、各材料を異なる貯留タンクに収容して混練槽201に供給してもよい。
細孔径調整材料は、固型化材料を固化することにより形成される固化体の細孔径を調整するための材料である。細孔径調整材料の例は、ホウ酸(HBO)等のホウ素化合物を含む。ホウ素化合物に限定されず、固化体の細孔径を制御可能であれば他の材料を用いてもよい。
細孔径調整材料の平均粒径は、例えば355μm以下であることが好ましい。355μm以下に細かくするほど混ざりやすくなり、反応性を向上させることができる。細孔径調整材料の平均粒径は、例えば355μm篩の使用、あるいは粒度分布計を用いて測定することが可能である。
細孔径調整材料は、貯留タンク102から混練槽201に供給される。貯留タンク102は、細孔径調整材料を収容するために設けられる。貯留タンク102は、例えば配管を介して混練槽201に接続される。
図1は、貯留タンク101および貯留タンク102が一つの配管を介して混練槽201に接続されている構成を示しているが、これに限定されず、貯留タンク101および貯留タンク102は、互いに別々の配管を介して混練槽201に接続されていてもよい。
固型化材料および細孔径調整材料は、混練槽201において攪拌翼202を用いて混練されることにより混合される。混合物において、固型化材料に対する細孔径調整材料の質量割合は、0%よりも大きく5%未満、さらには1%以上5%未満であることが好ましい。5%以上の場合、固化体の強度が大幅に低下することがある。
充填ステップS1-2は、放射性廃棄物11を収容する容器12に混合物を充填することにより、放射性廃棄物11と容器12と固化体13Aとを有する廃棄体10Aを形成する。混合物は、例えば形成システム1Aに設けられた充填部において配管を介して混練槽201から容器12に充填される。
放射性廃棄物11の例は、例えば放射化金属・高線量樹脂(炉内で使用された制御棒、チャンネルボックス等の長期間の中性子照射により放射化された放射化金属や、原子炉等の炉水浄化系で発生する使用済み樹脂など、放射性核種の濃度が高い放射性廃棄物)等が挙げられる。放射性廃棄物11の形状は、特に限定されず、例えば粒状、粉状、板状、管状、塊状、または液状であってもよい。容器12の例は、例えばドラム缶等が挙げられる。
固化体13Aは、充填ステップS1-2において上記混合物の半硬化体または硬化体である。固化体13Aは、放射性廃棄物11を覆うことが好ましい。
なお、図2に示す形成システム1Aは、アウトドラム式を示しているが、アウトドラム式に限定されず、攪拌翼を容器に備え、混練槽がないインドラム式を用いてもよい。
加熱ステップS1-3は、固化体13Aを加熱する工程を含む。加熱ステップS1-3は、例えば一つずつ若しくは連続的に加熱する加熱装置301、または複数同時加熱のバッチ式の加熱室302において廃棄体10Aを加熱することにより行われる。
加熱装置301および加熱室302は、加熱温度の制御が可能である。廃棄体10Aは、例えば搬送機構等を用いて充填部から加熱装置301または加熱室302に搬送される。加熱室302は、図2に示すように、複数の廃棄体10Aを同一工程により加熱できる。
廃棄体10Aは、容器により完全な密封状態とせずに加熱により蒸発した水蒸気が外部に放出できる程度の状態で行ってもよい。例えば容器に開閉可能な蓋を取り付けることにより上記状態を形成できる。これにより、固化体13Aを加熱して廃棄体10Aから水分を除去できる。そして、容器は、廃棄体の埋設処分前に蓋によって密封される。
固化体13Aは、多孔質構造を有する。固化体13Aを加熱することにより固化体13Aの平均細孔径を調整できる。これは、細孔径調整剤を添加することにより、固型化材料のネットワークの内部に細孔径調整剤が侵入して固化体13Aの平均細孔径を増加させるため、または固化体の固化速度が低下することにより気泡が発生するため等の理由が挙げられる。
平均細孔径を大きくすることにより、固化体13A内の水と固化体13Aとの接触面積を小さくできる。これにより、固化体13Aからのエネルギー移行を抑制することにより、廃棄体10A内の水素ガスの発生量を低減できる。
固化体13Aの平均細孔径は、10nm以上50nm以下、さらには12nm以上50nm以上50nm以下、さらには16nm以上50nm以下であることが好ましい。平均細孔径が10nm未満であると、固化体13A内の水と固化体13Aとの接触面積が増大して水素ガスの発生量が増加する。平均細孔径が50nmを超えると、強度が低下し、放射性廃棄物を固化するための機能が不十分となる。平均細孔径は、例えば窒素ガス吸着法による細孔径分布測定により測定可能である。
加熱ステップS1-3の加熱温度は、120℃以上1000℃以下であることが好ましい。加熱ステップS1-3の加熱時間は、12時間以上であることが好ましい。加熱時間の上限は、特に限定されないが、12時間以上加熱すれば細孔径等の物性は変化しないと考えられる。加熱ステップS1-3の加熱温度および加熱時間を上記範囲に制御することにより、固化体13Aの平均細孔径を10nm以上50nm以下に調整可能である。
第1の実施形態の廃棄体の形成方法の例は、さらに、養生ステップを具備してもよい。養生ステップにより、加熱ステップS1-3後の廃棄体10Aを養生して固化体の反応をさらに進行させることができる。養生ステップは、例えば常温常圧環境下で廃棄体10Aを静置することにより行われる。
以上のように、実施形態の廃棄体の形成方法では、混合ステップにおいて固型化材料に細孔径調整剤を添加するとともに、その後加熱処理を行うことにより、固化体の平均細孔径を10nm以上50nm以下に調整できる。これにより、固化体の水素発生量を低減できる。
ここで、固型化材料と細孔径調整材料とを含み、放射性廃棄物を含まない固化体の特性についての評価結果の例について説明する。表1は、評価に用いられた固化体試料の各材料とその質量割合(%)を示す。
Figure 2023084411000002
試料Aないし試料Cにおいて、固型化材料は、メタカオリンと、酸化ケイ素(SiO)を含む非晶質多孔体であるシリカヒュームと、30%の質量パーセント濃度を有するケイ酸カリウム溶液(KSiO)と、水酸化カリウム(KOH)と、水と、を含む。
試料Bと試料Cは、試料Aを固型化材料の基準として、そこに細孔径調整剤として加えられたホウ酸(HBO)を含有する。このときの固型化材料に対するホウ酸の質量割合は、試料Bでは1%であり、試料Cでは5%である。
図3は、養生期間1カ月における固化体の一軸圧縮強度試験の結果を示す図である。図3に示す一軸圧縮強度は、圧縮強度試験機を用いて測定された値である。図3から試料Cは十分な強度を得ることができず、一軸圧縮強度を測定できないことがわかる。このことから、固型化材料に対する細孔径調整材料の質量割合は、5%未満であることが好ましいことがわかる。さらに、図4は、養生期間6カ月における固化体の一軸圧縮強度試験の結果を示す図である。図4から養生期間を6ヵ月とすると、試料Cも硬化することがわかる。
図5は、試料A、試料B、試料Cの固化体に対して、ガンマ線を17時間照射したときの水素発生量を示す図である。試料A、試料B、試料Cを比較すると、固化体の質量当たりの吸収線量に対する水素ガス発生量(水素ガス発生のG値(10-7mol/J))は、ホウ酸の添加率上昇に伴い減少することがわかる。水素ガス発生量は、ガスクロマトグラフを用いて測定された値である。また、このときの固化体の平均細孔径の測定結果を図6に示す。平均細孔径は、窒素ガス吸着法による細孔径分布測定により測定された値である。ホウ酸の添加率が高いほど平均細孔径は大きくなり、図5との比較から平均細孔径が増大するに伴い、水素ガス発生量が減少する傾向を確認できる。
次に、加熱による試料A、試料B、試料Cの固化体の変化について説明する。図7は、試料A、試料B、試料Cの固化体の加熱温度と平均細孔径との関係を示す図である。図7は、試料A、試料B、試料Cに対し、粒経が355μm以下になるように粉砕処理を行い、12時間加熱処理を行った後の各試料の平均細孔径を示す。加熱温度は120℃、200℃、300℃、1000℃のいずれかである。図7から、120℃以上1000℃以下の温度で加熱処理を行うことで、試料Cだけでなく試料Bを用いた場合でも平均細孔径が大きくなることを確認できる。
図8は、上記の粉砕・加熱処理を行った試料Aないし試料Cに対してガンマ線を17時間照射したときの水素ガス発生のG値と固化体の平均細孔径との関係を示す図である。図8から平均細孔径の増大につれてG値が低減していることを確認できる。例えばG値を0.05×10-7mol/J以下にするためには、固化体の平均細孔径を10nm以上にすることが好ましい。
図9は、試料Aないし試料Cと参考例との間の平均細孔径と水素ガス発生のG値との関係の比較結果を示す図である。図9の文献値は、非特許文献(Frederic Chupin et al, Water content and porosity effect on hydrogen radiolytic yields of geopolymers, Journal of Nuclear Materials, 494 (2017) 138-146)に記載の試料の平均細孔径とG値との関係を示す。図9の実験値は、図8に示す試料Aないし試料Cの平均細孔径とG値との関係を示す。図9から、試料Aないし試料Cは、上記非特許文献に記載の試料よりもG値を低減できることがわかる。
図10は、加熱処理後の固化体の含水率と水素ガス発生のG値との関係を示す図である。図10から、加熱温度が1000℃の場合では大きな含水率低下を確認できるが、加熱温度が300℃以下の場合では加熱処理の含水率への影響は軽微であることがわかる。このことは、加熱処理による含水率低下が水素ガス発生のG値の低減の主な原因ではないことを示している。一方で、含水率と水素ガス発生のG値に全く相関がないわけではない。
図11は、試料Aないし試料Cと参考例との間の含水率と水素ガス発生のG値の関係の比較結果を示す図である。図11の文献値は、上記非特許文献に記載の試料の平均細孔径とG値との関係を示す。図11の実験値は、試料Aないし試料Cの平均細孔径とG値との関係を示す。図11から実験値は、文献値よりもデータの分布がなだらかな傾きを形成することがわかる。このことは、試料Aないし試料Cにおいて平均細孔径を調整することにより、水素ガス発生量の含水率依存性が低減することを示す。
(第2の実施形態)
図12は、第2の実施形態の廃棄体の形成方法の例を説明するためのフローチャートである。第2の実施形態の廃棄体の形成方法の例は、混合ステップS2-1と、充填ステップS2-2と、加熱ステップS2-3と、を具備する。
第2の実施形態の廃棄体は、例えば図13に示す形成システム1Bを用いて形成できる。図13は、廃棄体の形成システムの一例を示す模式図である。図13に示す形成システム1Bは、貯留タンク101と貯留タンク102と貯留タンク103とを有する材料供給部100と、混練槽201と攪拌翼202とを有する混合部200と、加熱装置301または加熱室302を有する加熱部300と、を具備する。なお、形成システム1Bにおいて、形成システム1Aと同じ部分については、形成システム1Aの説明を適宜援用できる。
混合ステップS2-1は、固型化材料と、細孔径調整材料と、放射性廃棄物と、を混合して混合物を形成する工程を含む。固型化材料、細孔径調整材料、放射性廃棄物のそれぞれの説明については、第1の実施形態の説明を適宜援用できる。
放射性廃棄物は、貯留タンク103から混練槽201に供給される。貯留タンク103は、放射性廃棄物を収容するために設けられる。貯留タンク103は、例えば配管を介して混練槽201に接続される。
図13は、貯留タンク101ないし103が一つの配管を介して混練槽201に接続されている構成を示しているが、これに限定されず、貯留タンク101ないし103は、互いに別々の配管を介して混練槽201に接続されていてもよい。
固型化材料、細孔径調整材料、放射性廃棄物は、混練槽201において攪拌翼202を用いて混練されることにより混合される。
充填ステップS2-2は、容器12に混合物を充填して固化体13Bを形成することにより、容器12と固化体13Bとを有する廃棄体10Bを形成する。混合物は、例えば形成システム1Bに設けられた充填部において容器12に充填されてもよい。容器12の説明については、第1の実施形態の説明を適宜援用できる。
固化体13Bは、充填ステップS2-2において上記混合物の半硬化体または硬化体である。
なお、図12に示す形成システム1Bは、アウトドラム式を示しているが、アウトドラム式に限定されず、攪拌翼を容器に備え、混練槽がないインドラム式を用いてもよい。
加熱ステップS2-3は、固化体13Bを加熱する工程を含む。固化体13Bは、例えば加熱装置301または加熱室302において廃棄体10Bを加熱することにより加熱される。加熱装置301または加熱室302の説明は、第1の実施形態の加熱装置301または加熱室302の説明を適宜援用できる。
廃棄体10Bは、容器により完全な密封状態とせずに加熱により蒸発した水蒸気が外部に放出できる程度の状態で行ってもよい。例えば容器に開閉可能な蓋を取り付けることにより上記状態を形成できる。これにより、固化体13Bを加熱して廃棄体10Bから水分を除去できる。そして、容器12は、廃棄体10Bの埋設処分前に蓋によって密封される。
固化体13Bは、多孔質構造を有する。固化体13Bを加熱することにより固化体13Bの平均細孔径を調整できる。固化体13Bのその他の説明は、固化体13Aの説明を適宜援用できる。また、加熱ステップS2-3のその他の説明は、加熱ステップS1-3の説明を適宜援用できる。
第2の実施形態の廃棄体の形成方法の例は、さらに、養生ステップを具備してもよい。養生ステップにより、加熱ステップS2-3後の廃棄体10Bを養生して固化体の反応をさらに進行させることができる。養生ステップは、例えば常温常圧環境下で廃棄体10Bを静置することにより行われる。
以上のように、実施形態の廃棄体の形成方法では、混合ステップにおいて固型化材料と細孔径調整剤と放射性廃棄物とを混合するとともに、その後加熱処理を行うことにより、固化体の平均細孔径を10nm以上50nm以下に調整できる。これにより、廃棄体内の水素発生量を低減できる。その他の説明については、第1の実施形態の説明を適宜援用できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1A…形成システム、1B…形成システム、10A…廃棄体、10B…廃棄体、11…放射性廃棄物、12…容器、13A…固化体、13B…固化体、100…材料供給部、101…貯留タンク、102…貯留タンク、103…貯留タンク、200…混合部、201…混練槽、202…攪拌翼、300…加熱部、301…加熱装置、302…加熱室。

Claims (10)

  1. 固型化材料とホウ素化合物とを混合して混合物を形成するステップと、
    放射性廃棄物を収容する容器に前記混合物を充填して固化体を含む廃棄体を形成するステップと、
    前記廃棄体を加熱して前記固化体の平均細孔径を10nm以上50nm以下に調整するステップと、
    を具備する、廃棄体の形成方法。
  2. 固型化材料とホウ素化合物と放射性廃棄物とを混合して混合物を形成するステップと、
    容器に前記混合物を充填して固化体を含む廃棄体を形成するステップと、
    前記廃棄体を加熱して前記固化体の平均細孔径を10nm以上50nm以下に調整するステップと、
    を具備する、廃棄体の形成方法。
  3. 前記廃棄体は、120℃以上の温度で加熱される、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記固型化材料に対する前記ホウ素化合物の質量割合は、0%よりも大きく5%未満である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記固化体は、ジオポリマー、セメント、セラミック、ガラス、アスファルト、またはプラスチックを含む、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 固型化材料を収容するための第1のタンクと、ホウ素化合物を収容するための第2のタンクと、を有する材料供給源と、
    前記第1のタンクから供給される前記固型化材料と、前記第2のタンクから供給される前記ホウ素化合物と、を混合して混合物を形成するための混合部と、
    前記混合部から供給される前記混合物を放射性廃棄物を収容する容器に充填して固化体を含む廃棄体を形成するための充填部と、
    前記廃棄体を加熱して前記固化体の平均細孔径を10nm以上50nm以下に調整する加熱部と、
    を具備する、廃棄体の形成システム。
  7. 固型化材料を収容するための第1のタンクと、ホウ素化合物を収容するための第2のタンクと、放射性廃棄物を収容するための第3のタンクと、を有する材料供給源と、
    前記第1のタンクから供給される前記固型化材料と、前記第2のタンクから供給される前記ホウ素化合物と、前記第3のタンクから供給される放射性廃棄物と、を混合して混合物を形成するための混練部と、
    前記混合部から供給される前記混合物を容器に充填して固化体を含む廃棄体を形成するための充填部と、
    前記廃棄体を加熱して前記固化体の平均細孔径を10nm以上50nm以下に調整する加熱部と、
    を具備する、廃棄体の形成システム。
  8. 前記加熱部は、120℃以上の温度で前記廃棄体を加熱する、請求項6または請求項7に記載のシステム。
  9. 前記固型化材料に対する前記ホウ素化合物の質量割合は、0%よりも大きく5%未満である、請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載のシステム。
  10. 前記固化体は、ジオポリマー、セメント、セラミック、ガラス、アスファルト、またはプラスチックを含む、請求項6ないし請求項9のいずれか一項に記載のシステム。
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