JP2023084313A - 描画システム - Google Patents

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Takashi Kyono
真也 伊藤
Shinya Ito
純平 松崎
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Abstract

【課題】投影歪みおよび色ズレが解消した映像を表示可能な描画システムを提供できる。【解決手段】一実施形態に係る描画システムは、少なくとも2色のレーザ光を含む描画レーザ光を出力する光出力部と、描画レーザ光によって形成される映像が投影される映像表示部と、描画レーザ光を走査する走査部であり描画レーザ光を2次元的に走査することで描画される映像を映像表示部に投影する走査部と、映像表示部と走査部の間に配置され投影歪みを補正する補正レンズ部と、光出力部および走査部を制御する制御部とを備え、走査部は、共振駆動により描画レーザ光を第1方向に走査するとともに、リニア駆動により描画レーザ光を第2方向に走査することによって映像を描画し、制御部は、映像における複数の領域ごとに第1および第2方向の両方において、色ズレを補正するように少なくとも2色のレーザ光の点灯タイミングを調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、描画システムに関する。
レーザ光を走査することによって、文字、図形などを含む映像を描画する装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2020-194116号公報
特許文献1に記載されているようなレーザ光を走査することによって描画される映像をスクリーン等の映像表示部に投影する場合、投影歪みが生じる場合がある。更に、描画するためのレーザ光が2色以上のレーザ光を含む場合、映像を構成する画素内において、異なる色のレーザ光のビームスポットの位置がズレる「色ズレ」が生じる場合がある。
本開示は、投影歪みおよび色ズレが解消した映像を表示可能な描画システムを提供することを目的とする。
一実施形態に係る描画システムは、赤色、緑色および青色のうち少なくとも2色のレーザ光を含む描画レーザ光を出力する光出力部と、前記描画レーザ光によって形成される映像が投影される映像表示部と、前記描画レーザ光を反射しながら走査する走査部であって、前記描画レーザ光を2次元的に走査することで描画される映像を前記映像表示部に投影する走査部と、前記映像表示部と前記走査部の間に配置され投影歪みを補正する補正レンズ部と、前記光出力部および前記走査部を制御する制御部と、を備え、前記走査部は、共振駆動によって前記描画レーザ光を第1方向に走査するとともに、リニア駆動によって前記描画レーザ光を前記第1方向と交差する第2方向に走査することによって映像を描画し、 前記制御部は、前記映像における複数の領域ごとに前記第1方向および前記第2方向の両方において、色ズレを補正するように前記少なくとも2色のレーザ光の点灯タイミングを調整する。
本開示によれば、投影歪みおよび色ズレが解消した映像を表示可能な描画システムを提供できる。
図1は、一実施形態に係る描画システムの構成を概略的に示す図面である。 図2は、光出力部および走査部の一例の構成を説明するための模式図である。 図3は、走査部によるラスタースキャンの概念図である。 図4は、補正レンズ部を用いた場合と用いない場合の映像を示す模式図である。 図5は、制御装置の一例の機能ブロック図である。 図6は、図4に示した補正レンズ部を用いない場合の映像における画素を模式的に示す図面である。 図7は、図4に示した補正レンズ部を用いた場合の映像における図6に示した画素に対応する画素を模式的に示す図面である。 図8は、制御装置(制御部)による色ズレ補正を説明するために映像を複数の領域に仮想的に分割した状態を示す図面である。 図9は、図8においてハッチングで示した領域における色ズレ補正用の点灯タイミングを説明するための図面である。 図10は、制御装置(制御部)による色ズレ補正を説明するための色ズレ補正の対象箇所を示すための図面である。 図11は、図10に示した第1ラインを構成する水平方向の各画素に対応する赤色レーザ光、緑色レーザ光および青色レーザ光の点灯タイミングを説明するための図面である。 図12は、図10に示した第2ラインを構成する水平方向の各画素に対応する赤色レーザ光、緑色レーザ光および青色レーザ光の点灯タイミングを説明するための図面である。 図13は、図10に示した第3ラインを構成する水平方向の各画素に対応する赤色レーザ光、緑色レーザ光および青色レーザ光の点灯タイミングを説明するための図面である。 図14は、色ズレ補正のための補正量が小さい領域での水平方向の色ズレ補正を説明するための図面である。 図15は、色ズレ補正のための補正量が大きい領域での色ズレ補正を説明するための図面である。 図16は、投影角度の影響を検討するためのシミュレーションを説明するための図面である。 図17は、第1投影領域に対する第2投影領域の割合を投影角度に対してプロットした図面である。 図18は、投影角度θが20度の場合の第1投影領域(投影歪み補正後の投影領域)および第2投影領域(投影歪み補正前の投影領域)の計算結果である。 図19は、投影角度θが30度の場合の第1投影領域および第2投影領域の計算結果である。 図20は、投影角度θが40度の場合の第1投影領域および第2投影領域の計算結果である。 図21は、補正レンズ部を用いた場合の映像の投影領域の他の例を説明するための図面である。 図22は、補正レンズ部の配置箇所の他の例を説明するための図面である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
一実施形態に係る描画システムは、赤色、緑色および青色のうち少なくとも2色のレーザ光を含む描画レーザ光を出力する光出力部と、前記描画レーザ光によって形成される映像が投影される映像表示部と、前記描画レーザ光を反射しながら走査する走査部であって、前記描画レーザ光を2次元的に走査することで描画される映像を前記映像表示部に投影する走査部と、前記映像表示部と前記走査部の間に配置され投影歪みを補正する補正レンズ部と、前記光出力部および前記走査部を制御する制御部と、を備え、前記走査部は、共振駆動によって前記描画レーザ光を第1方向に走査するとともに、リニア駆動によって前記描画レーザ光を前記第1方向と交差する第2方向に走査することによって映像を描画し、前記制御部は、前記映像における複数の領域ごとに前記第1方向および前記第2方向の両方において、色ズレを補正するように前記少なくとも2色のレーザ光の点灯タイミングを調整する。
上記描画システムが補正レンズ部を有することから、描画システムでは、投影歪みが解消された映像を表示できる。上記描画システムの制御部は、上記のように色ズレを補正するように少なくとも2色のレーザ光の点灯タイミングを調整する。よって、投影歪み解消のために補正レンズ部を備えていても、第1方向および第2方向それぞれの色ズレが解消された映像を表示できる。すなわち、上記描画システムでは、投影歪みおよび色ズレが解消した映像を表示可能である。
前記制御部は、前記共振駆動による前記描画レーザ光の走査によって形成されており前記映像を構成する複数の走査線の少なくとも1つにおいて、同一の走査線のうち前記複数の領域の少なくとも2つの領域において、前記第2方向における色ズレの補正に対する補正量が異なるように、前記少なくとも2色のレーザ光の点灯タイミングを調整してもよい。この場合、第2方向において補正量が異なる領域に対して適切に第2方向の補正が可能である。
前記走査部の駆動が停止している場合において、前記映像表示部のうち前記描画レーザ光が入射する面と前記描画レーザ光の間の角度は45度以下であってもよい。上記角度が45度以下の場合、補正レンズ部の補正量が大きくなるため、色ズレの影響も大きくなる。そのため、上記描画システムの構成は、上記角度が45度以下の場合に有効である。
前記角度は30度以下でもよい。上記角度が30度以下の場合、補正レンズ部の補正量が一層大きくなる。そのため、上記描画システムの構成は、上記角度が30度以下の場合に更に有効である。
前記走査部の駆動が停止している場合において、前記映像表示部のうち前記描画レーザ光が入射する面と前記描画レーザ光の間の角度は15度以上でもよい。上記角度が15度以上の場合、上記角度が15度未満の場合のより、補正レンズ部を準備し易い。その結果、補正レンズ部に対するコストを低減できるので、描画システムの製造コストの増加を抑制できる。
一実施形態に係る描画システムは、前記光出力部と前記走査部を収容する収容部を備え、前記光出力部は、前記少なくとも2色のレーザ光を出力する少なくとも2つのレーザダイオードチップと、前記少なくとも2色のレーザ光を合波するための合波部と、を有してもよい。この場合、前記走査部はMEMSチップでよい。このような構成では、描画システムの小型化を図れる。
前記収容部に前記補正レンズが収容されていてもよい。或いは、前記収容部に前記補正レンズが取り付けられていてもよい。この場合、描画システムの小型化を更に図れる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、一実施形態に係る描画システムの構成を概略的に示す図面である。図1に示した描画システム1は、映像表示部2と、描画モジュール3と、補正レンズ部4と、制御装置(制御部)40とを備える。描画システム1は、描画モジュール3が出力する描画レーザ光Lによって、映像表示部2に映像100を描画するシステムである。図1では、映像100を破線で模式的に示している。
映像表示部2は、描画レーザ光Lによって描画される映像100が投影されることによって、観察者に映像100を表示するための部材である。映像表示部2において描画レーザ光Lが入射される面を前面2aと称し、前面2aと反対の面を背面2bと称す。
一実施形態において、映像表示部2の例は、透明部材である。透明部材は、たとえば透明板または透明スクリーンである。上記透明部材の材料の例は、ガラス、透明樹脂等である。映像表示部2としての透明部材は、前面2a側からみて、背面2b側の背景などを観察者が視認可能な透明度を有する。
本開示における「透明度」は、可視光の波長帯に対する透過率(光透過性)によって評価され得る。映像表示部2としての透明部材は、可視光の波長帯に対する透過率が70%以上である部材である。透明部材の上記透過率は、80%以上でもよいし、90%以上でもよい。映像100をより明瞭に表示するため、上記透明部材は、上記透明度を確保可能な範囲において光の拡散機能を有してもよい。光拡散機能は、たとえば、透明部材への拡散剤または拡散粒子の添加、透明部材の内部または表面における微細構造の形成などによって実現され得る。
描画モジュール3は、映像100を描画するために描画レーザ光Lを2次元的に走査しながら出力する。描画モジュール3は、図2に示したように、光出力部10と、走査部20とを有する描画装置である。
光出力部10は、描画レーザ光Lを出力する。描画レーザ光Lは、赤色、緑色および青色のうち少なくとも2色のレーザ光を含み得るレーザ光である。赤色レーザ光L1の発振波長(或いは中心波長)の例は、波長620nm以上波長650nm以下である。緑色レーザ光L2の発振波長(或いは中心波長)の例は、波長510nm以上波長540nm以下である。青色レーザ光L3の発振波長(或いは中心波長)の例は、波長435nm以上波長465nm以下である。以下では、断らない限り、描画レーザ光Lは、赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3を含むレーザ光である。
光出力部10は、光源部11と合波部13とを有する。光源部11は、第1光源12a、第2光源12bおよび第3光源12cを有する。
第1光源12aは、赤色レーザ光L1を出力する半導体レーザ素子である。第2光源12bは、緑色レーザ光L2を出力する半導体レーザ素子である。第3光源12cは、青色レーザ光L3を出力する半導体レーザ素子である。
第1光源12a、第2光源12bおよび第3光源12cの例は、レーザダイオード(LD)である。第1光源12a、第2光源12bおよび第3光源12cは、レーザダイオードチップ(LDチップ)でもよい。
合波部13は、赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3を合波可能に構成されている。図2に示した合波部13に基づいて、合波部13の一例を説明する。合波部13は、レンズ14a、レンズ14b、レンズ14c、フィルタ15a、フィルタ15bおよびフィルタ15cを有する。
レンズ14aは、赤色レーザ光L1をコリメートするコリメートレンズである。レンズ14bは、緑色レーザ光L2をコリメートするコリメートレンズである。レンズ14cは、青色レーザ光L3をコリメートするコリメートレンズである。
フィルタ15a、フィルタ15bおよびフィルタ15cは、たとえば波長選択性フィルタである。
フィルタ15aは、レンズ14aによってコリメートされた赤色レーザ光L1をフィルタ15bに向けて反射する。フィルタ15bは、赤色レーザ光L1を透過するとともに、レンズ14bによってコリメートされた緑色レーザ光L2をフィルタ15cに向けて反射する。これにより、赤色レーザ光L1および緑色レーザ光L2が合波される。フィルタ15cは、赤色レーザ光L1および緑色レーザ光L2(すなわち、赤色レーザ光L1および緑色レーザ光L2の合波光)を透過し、レンズ14cによってコリメートされた青色レーザ光L3をフィルタ15bと反対側(図2における走査部20側)に反射する。これにより、赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3が合波された合波光である描画レーザ光Lが得られる。フィルタ15a、フィルタ15bおよびフィルタ15cを用いて合波される赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3は、コリメート光であるため、描画レーザ光Lもコリメート光である。
赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3が全て出力されている場合を例にして説明した。しかしながら、赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3のうち何れかが出力されていない場合、描画レーザ光Lは、出力されているレーザ光が合波された光である。
走査部20は、描画レーザ光Lを反射するミラー(反射部)21と、ミラー21を駆動する駆動機構22とを有する。図2では模式的に走査部20を示している。駆動機構22は、共振駆動とリニア駆動とによってミラー21を2軸で駆動する。共振駆動は、駆動機構22に支持されたミラー21の共振周波数(たとえば、25kHz)でミラー21を駆動する。共振駆動の場合、走査部20には、たとえば正弦波の駆動信号が入力される。リニア駆動は、非共振駆動であり、ミラー21の振れ角と駆動信号とが直線関係を有する駆動方式である。リニア駆動の場合、走査部20には、たとえばノコギリ波の駆動信号が入力される。リニア駆動用の駆動信号の周波数の例は、60Hzである。走査部20の例は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いたMEMSチップである。この場合、ミラー21はMEMSミラーである。
上記構成の走査部20では、描画レーザ光Lを前面2aに向けて反射しながら、映像100を描画するように描画レーザ光Lを2次元的に走査する。具体的には、走査部20は、描画レーザ光Lを反射しながらラスタースキャンする。これにより、映像100が映像表示部2に投影される。
図3は、ラスタースキャンの概念図である。図3に示したように、走査部20は、描画レーザ光Lを共振駆動によって水平方向(第1方向)Xに走査することで得られる走査線SLを、リニア駆動によって垂直方向Y(水平方向Xに直交する方向)に走査することによって映像100を描画する。本実施形態において、上記水平方向Xは、映像表示部2に表示される映像100を基準にした方向である。したがって、走査部20が、描画レーザ光Lを水平方向Xに走査するとは、描画レーザ光Lが映像表示部2の前面2aにおいて水平方向Xに移動するように描画レーザ光Lを走査することを意味する。
光出力部10および走査部20は、電子冷却モジュール(以下、TEC(Thermo-Electric Cooler)と称する場合もある。)上に設けられてもよい。TECの例は、熱電クーラー、またはペルチェモジュール(ペルチェ素子)である。
描画レーザ光Lの光路において、合波部13と走査部20との間には、描画レーザ光Lを通すアパーチャーが設けられてもよい。これにより、描画レーザ光Lの径をより小さくしたり、描画に寄与しない不要な光をカットしたりすることが可能である。
図2に示したように、光出力部10および走査部20は、パッケージ(収容部)30内に収容されてもよい。この場合、パッケージ30には、描画レーザ光Lを通す窓部31が形成される。窓部31は、たとえば、パッケージ30の壁面に形成された開口30aに窓部材32が取り付けられることよって形成され得る。一実施形態において、上記パッケージ30は、気密封止(ハーメチックシール)され得る。
図1に示したように、補正レンズ部4は、映像表示部2と描画モジュール3(具体的には、走査部20)との間に配置されている。補正レンズ部4は、映像表示部2へ映像100を投影する場合における投影歪みを補正する光学系である。補正レンズ部4は、たとえば、投影歪みを補正可能に設計された非球面レンズを含む。補正レンズ部4は、1つのレンズまたは複数のレンズによって構成され得る。
図1および図4を利用して、補正レンズ部4の機能を説明する。図4は、補正レンズ部4を用いる場合と用いない場合の映像100を示す模式図である。図4において、水平方向Xにおける0mmの位置および垂直方向Yにおける0mmの位置は、補正レンズ部4を用いない場合の映像100の中心位置に対応する。この点は、図中に水平方向Xおよび垂直方向Yにおいて0mm、±100mm等の表記を含む他の図面でも同様である。図4に示した映像100の大きさは一例であり、この点も他の図面において同様である。
図1に示したように、描画モジュール3は、描画レーザ光Lが前面2aに投影角度θで入射するように配置されている。投影角度θは、走査部20の共振駆動およびリニア駆動の両方を停止した状態において前面2aに入射される描画レーザ光Lと前面2aとの間の角度である。観察者が映像100を視認することを描画モジュール3が阻害しないように、描画モジュール3は映像表示部2に対して配置される。すなわち、投影角度θは、90度と異なる角度である。投影角度θは、たとえば、45度以下であり、30度以下でもよい。投影角度θは0度より大きい角度であり、たとえば、15度以上である。一実施形態において、投影角度θは、15度以上45度以下、または、15度以上30度以下である。
上記投影角度θを有するように描画レーザ光Lが配置されることから、補正レンズ部4を描画システムが備えない場合、図4の破線で示したように映像100は歪んだ状態で前面2aに投影される。補正レンズ部4は、図4に実線で示したように歪んでいない状態で映像100を投影するように、投影歪みを補正する。
説明の便宜のため、図4に実線で示したように、補正レンズ部4が存在する場合の映像100(投影歪み補正された映像)を第1映像100aと称し、補正レンズ部4が存在しない場合の映像100(投影歪みが生じた映像)を第2映像100bと称す。
図1に戻って、描画システム1を更に説明する。描画システム1が備える制御装置40は、光出力部10および走査部20を制御する装置である。描画システム1では、制御装置40は、外部から制御装置40に入力される映像入力信号に応じて、描画レーザ光Lが映像100を描画するように、光源部11および走査部20を駆動する。制御装置40は、たとえば、FPGA(field-programmable gate array)である。
映像入力信号は、描画すべき映像100の映像情報(各画素の位置情報、各画素の色情報など)を含む信号である。映像入力信号は、描画すべき映像100を作成する映像作成装置で作成される。映像作成装置は、たとえば、映像作成ソフトなどが組み込まれたパーソナルコンピュータである。
図5は、制御装置40の一例の機能ブロック図である。制御装置40は、信号入力部41、信号解析部42、走査制御部43、光源制御部44および記憶部45を有する。
信号入力部41は、映像入力信号を受け付ける。信号入力部41は、信号線などが接続されるポートを含む。
信号解析部42は、信号入力部41に入力された映像入力信号を解析する。信号解析部42は、映像入力信号を含まれる映像情報のうち、描画すべき映像100を構成する複数の画素の位置情報と色情報を光源制御部44に入力する。
走査制御部43は、規定の周波数に基づいて、描画レーザ光Lによって映像100を描画するように、走査部20を制御する。走査制御部43は、走査部20の駆動状態を検出し、上記複数の画素の位置情報に対応するタイミング情報を光源制御部44に入力する。
光源制御部44は、上記複数の画素の位置情報、色情報、タイミング情報に基づいて光源部11を駆動する。具体的には、光源制御部44は、赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3が各画素の色を実現するための出力強度を有するように、第1光源12a、第2光源12bおよび第3光源12cそれぞれを駆動する。
記憶部45は、コンピュータを、描画システム1の制御装置40として機能させるためのプログラム、その他、描画システム1を制御するのに必要な情報等を保存する。
制御装置40は、たとえば、描画システム専用の装置でもよい。或いは、上記制御装置40の機能を実現するプログラムを実行することによって、パーソナルコンピュータなどを制御装置40として使用し得る。
上記構成の描画システム1において、光出力部10から出力された描画レーザ光Lは、走査部20によってラスタースキャンされる。これによって、映像100が描画される。走査部20は、描画レーザ光Lを前面2aに向けて反射するので、上記映像100が前面2aに投影される。描画システム1は、補正レンズ部4を有することから、図1に示した投影角度θがたとえば45度以下であっても投影歪みが解消された第1映像100aを表示可能である。このように描画システム1は補正レンズ部4を有することで投影歪みが補正された映像100を前面2aに表示できる。
本実施形態の描画レーザ光Lは、3色(赤色、緑色および青色)のレーザ光が合波されたレーザ光である。そのため、補正レンズ部4を用いて投影歪みを補正する場合、色収差の影響が生じる。この点を、図6および図7を利用して説明する。
図6は、図4に示した第2映像100bの領域A1内の画素を模式的に示す図面である。描画レーザ光Lは、赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3を合波部13で光軸が一致された状態で合波されたレーザ光である。よって、赤色レーザ光L1のビームスポットBS1、緑色レーザ光L2のビームスポットBS2および青色レーザ光L3のビームスポットBS3の位置は、1つの画素P内で一致する。ただし、図6では、説明の便宜のため、ビームスポットBS1、ビームスポットBS2およびビームスポットBS3の位置をズラしている。ビームスポットBS1、ビームスポットBS2およびビームスポットBS3を示す円中の「R」、「G」および「B」は、ビームスポットBS1、ビームスポットBS2およびビームスポットBS3が、赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3のビームスポットであることを示すための文字である。
図7は、図4に示した第1映像100aにおける領域A2内の画素Pを模式的に示す図面である。領域A2は、領域A1が投影歪み補正された結果の領域である。したがって、領域A1および領域A2は、映像100内の同じ領域である。同様に、図7に示した画素Pは、映像100において図6に示した画素Pと同じである。
補正レンズ部4を通して描画レーザ光Lを前面2aに入射する場合、補正レンズ部4での色収差によって、描画レーザ光Lに含まれる赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3のビームスポットBS1、ビームスポットBS2およびビームスポットBS3の位置が互いにズレる。このような補正レンズ部4の色収差の影響で生じるビームスポットBS1、ビームスポットBS2およびビームスポットBS3の位置ズレを、本開示では、「色ズレ」と称す。
図7では、緑色レーザ光L2のビームスポットBS2の位置を基準にして、赤色レーザ光L1のビームスポットBS1および青色レーザ光L3のビームスポットBS3が、図6に示した状態(図7で破線で示した状態)からズレていることを示している。以下の色ズレの説明においても断らない限り、緑色レーザ光L2のビームスポットBS2の位置が基準である。レンズによる色収差の影響で、赤色レーザ光L1は、本実施形態で基準としている緑色レーザ光L2に対して補正が不足する一方、青色レーザ光L3は緑色レーザ光L2に対して補正が過剰になる。そのため、水平方向Xおよび垂直方向Yそれぞれにおいて、ビームスポットBS1およびビームスポットBS3は、ビームスポットBS2に対し反対側にズレる。
描画システム1は、上記色ズレを解消するための機能を有する。具体的には、制御装置40が有する光源制御部44は、映像100における複数の領域ごとに水平方向Xおよび垂直方向Yの両方において、色ズレを補正するように赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3の点灯タイミングを調整する。制御装置40による上記色ズレ補正のための点灯タイミング制御を説明する。
説明のために、図8に示したように、映像100を複数の領域に仮想的に分割する。図8では、水平方向Xにおいて映像100を領域α1、領域α2および領域α3の3つの領域に分けている。領域α1および領域α3は、水平方向Xにおいて映像100の両端部近傍の領域であり、領域α2は中央部近傍(位置0mm近傍)の領域である。図9では、第1映像100aに対した領域α1、領域α2および領域α3を示しているが、第2映像100bも対応する領域を有する。
[垂直方向の補正]
図8に示した映像100の上辺近傍の領域UA(ハッチングが付された領域)に着目して、制御装置40による垂直方向Yの補正を説明する。領域UAの補正は、以下のケース1の補正に対応する。
<ケース1>
ケース1は、領域α1、領域α2および領域α3の全てにおいて、図中下方向に補正が実施されるケースである。ケース1は、領域α1および領域α3での補正量が大きい一方、領域α2の補正量が小さいケースである。
映像100は、水平方向Xおよび垂直方向Yにそれぞれに沿って複数の画素が配置されることによって構成されている。具体的には、映像100は、M行N列の画素行列で表されている。Mは、100以上の整数であり、Nは、100以上の整数である。垂直方向Yの補正の説明においては、点灯タイミングを、画素行列の行に着目して説明する。図9は、領域UA内のある行(「第m1行」と称す)を構成する水平方向Xの各画素に対応する赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3の点灯タイミングを説明するための図面である。図9の横軸は、水平方向Xの画素の位置を示し、縦軸は点灯タイミングを示している。
前述したように、本実施形態では、ビームスポットBS2の位置を基準にして色ズレを説明している。そのため、第m1行の各画素に対して、光源制御部44は、領域α1、領域α2および領域α3のいずれにおいても映像100における第m1行に対応するタイミングで第m1行用の緑色レーザ光L2を点灯する。
一方、光源制御部44は、領域α1、領域α2および領域α3毎に、補正レンズ部4による色収差に基づく色ズレを考慮して赤色レーザ光L1および青色レーザ光L3の点灯タイミングを調整する。
領域α1および領域α3において、光源制御部44は、緑色レーザ光L2よりx1行分早いタイミング、すなわち、映像100における第(m1―x1)行に対応するタイミングで第m1行用の青色レーザ光L3を点灯する。逆に、領域α1および領域α3において、光源制御部44は、緑色レーザ光L2よりy1行分遅いタイミング、すなわち、映像100における第(m1+y1)行に対応するタイミングで第m1行用の赤色レーザ光L1を点灯する。
基準となる緑色レーザ光L2に対して早く点灯させるか、遅く点灯させるかは、垂直方向Yにおける緑色に対する赤色および青色の色ズレ方向に応じて設定され得る。同様に、色ズレに対する補正量に相当するx1行およびy1行は、色ズレ量に応じて設定され得る。
領域α2において、緑色レーザ光L2と同様に、映像における第m1行に対応するタイミングで第m1行用の赤色レーザ光L1および青色レーザ光L3を点灯する。図9では、赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3を示すために、領域α2においても、便宜的に赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3をズラして図示している。
次に、図10、図11、図12および図13を利用して、上記ケース1以外の典型的な複数のケース(ケース2、ケース3およびケース4)を説明する。図10は、ケース2、ケース3およびケース4で対象とする補正箇所を示すための図面である。ここでは、映像100内の第1ライン101,第2ライン102および第3ライン103を補正する場合を説明するが、第1ライン101,第2ライン102および第3ライン103それぞれの近傍でも同様である。第2ライン102は、映像100における垂直方向Yの中心ラインである。第1ライン101は、ケース1の場合の領域UAと第2ライン102との間のラインである。第3ライン103は、映像100における下辺である。図10における領域α1、領域α2および領域α3は、図8の場合と同様である。
第1ライン101、第2ライン102および第3ライン103を補正前後において区別する場合、補正前の第1ライン101、第2ライン102および第3ライン103を第1ライン101b、第2ライン102bおよび第3ライン103bと称し、補正後の第1ライン101、第2ライン102および第3ライン103を第1ライン101a、第2ライン102aおよび第3ライン103aと称す。更に、映像100を表す画素行列において、第1ライン101、第2ライン102および第3ライン103に対応する行を第m2行、第m3行および第m4行と称す。画素行列を表すM行N列におけるMが偶数である場合、第m3行は、第M/2行に相当し得る。第m4行は、第M行に相当し得る。
<ケース2>
ケース2は、第2映像100bにおける第1ライン101bを第1映像100aにおける第1ライン101aに補正するケースである。ケース2は、第1ライン101bのうち領域α1および領域α3において、ケース1の場合と同様に図中下方向に補正が実施される一方、第1ライン101bにおける領域α2では、図中上方向に補正が実施されるケースである。ケース2は、領域α2での補正量が領域α1および領域α3の補正量より大きいケースである。
図11は、第1ライン101(第m2行)を構成する水平方向Xの各画素に対応する赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3の点灯タイミングを説明するための図面である。図11の横軸および縦軸の意味は図9の場合と同様である。
図11に示したように、領域α1および領域α3においては、光源制御部44は、緑色レーザ光L2よりx2行分早いタイミング、すなわち、第(m2―x2)行に対応するタイミングで第m2行用の青色レーザ光L3を点灯する。逆に、領域α1および領域α3においては、光源制御部44は、緑色レーザ光L2よりy2行分遅いタイミング、すなわち、第(m2+y2)行に対応するタイミングで第m2行用の赤色レーザ光L1を点灯する。
領域α2においては、光源制御部44は、第m2行に対応するタイミングで第m2行用の緑色レーザ光L2を点灯する。光源制御部44は、緑色レーザ光L2よりy2a行分遅いタイミング、すなわち、第(m2+y2a)行に対応するタイミングで第m2行用の青色レーザ光L3を点灯する。光源制御部44は、緑色レーザ光L2よりx2a行分早いタイミング、すなわち、第(m2―x2a)行に対応するタイミングで第m2行用の赤色レーザ光L1を点灯する。
ケース2の領域α2において、青色レーザ光L3を緑色レーザ光L2より遅れて点灯する一方、赤色レーザ光L1を緑色レーザ光L2より早く点灯することは、領域α2では補正方向が図中上側であることと、補正レンズ部4における赤色および青色の色収差に基づいている。色ズレに対する補正量に相当するx2行、x2a行、y2行およびy2a行は、色ズレ量に応じて設定され得る。
<ケース3>
ケース3は、第2映像100bにおける第2ライン102bを第1映像100aにおける第2ライン102aに補正するケースである。ケース3は、領域α1、領域α2および領域α3の全てにおいて、図中上方向に補正を実施するケースである。ケース3は、領域α1、領域α2および領域α3での補正量が実質的に同じであるケースに相当する。
図12は、第2ライン102(第m3行)を構成する水平方向Xの各画素に対応する赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3の点灯タイミングを説明するための図面である。
領域α1、領域α2および領域α3の全てにおいて、光源制御部44は、緑色レーザ光L2よりy3行分遅いタイミング、すなわち、第(m3+y3)行に対応するタイミングで第m3行用の青色レーザ光L3を点灯する。光源制御部44は、緑色レーザ光L2よりx3行分早いタイミング、すなわち、第(m3―x3)行に対応するタイミングで第m3行用の赤色レーザ光L1を点灯する。色ズレに対する補正量に相当するx3行およびy3行は、色ズレ量に応じて設定され得る。
<ケース4>
ケース4は、第2映像100bにおける第3ライン103bを第1映像100aにおける第3ライン103aに補正するケースである。ケース4は、領域α1、領域α2および領域α3の全てにおいて実質的に補正が不要なケースである。
図13は、第3ライン103(第m4行)を構成する水平方向Xの各画素に対応する赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3の点灯タイミングを説明するための図面である。
ケース4では、領域α1、領域α2および領域α3において補正を実施しないことから、光源制御部44は、第m4行用の赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3を第m4行に対応するタイミングで点灯する。図13では、赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3を示すために、便宜的に赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3をズラして図示している。
ケース1からケース4で説明したように、垂直方向Yの色ズレ補正を行う場合、光源制御部44は、映像100を構成する複数の走査線SLのうち少なくとも1つの走査線SLでは、その同じ走査線SLにおいて、領域α1(または領域α3)における補正量と領域α2における補正量が異なるように赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3の点灯タイミングを調整する。
上記垂直方向Yの補正の説明では、垂直方向Yにおける着目する行(以下、「第i行」(iは1以上M以下の整数)とも称す)を構成する複数の画素それぞれの映像情報を有する赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3の点灯タイミングを説明した。
映像100は、描画レーザ光Lの水平方向Xへの走査で形成される走査線SLが垂直方向Yに複数配置されることで構成されている。したがって、ケース1からケース4で説明した点灯タイミングに基づけば、映像100に対応する画素行列において上記第i行を示す走査線用の描画レーザ光Lは、水平方向Xへの走査中において、少なくとも2つの領域で色ズレ補正のために点灯タイミングがズラされた第i行とは異なる行用の赤色レーザ光L1および青色レーザ光L3の少なくとも一方を含む。
この点をケース1の場合を例として説明する。前述したように、図9では、第m1行を構成する複数の画素それぞれの映像情報を有する赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3の点灯タイミングを示している。そのため、図9では示されていないが、第m1行に対応する走査線SL(描画レーザ光L)は、領域α1及び領域α3において、第m1行用の緑色レーザ光L2と、色ズレ補正を考慮した他の行用の赤色レーザ光L1および青色レーザ光L3とを含み、領域α2において、第m1行用の赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3を含む。
同様に、第(m1―x1)行に対応する走査線SL(描画レーザ光L)は、領域α1及び領域α3において、第(m1-x1)行用の緑色レーザ光と、色ズレ補正を考慮した第m1行用の青色レーザ光L3と、色ズレ補正を考慮した更に他の行の赤色レーザ光L1とを含み、領域α2において、第(m1-x1)行用の赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3を含む。
同様に、第(m1+y1)行に対応する走査線SL(描画レーザ光)は、領域α1及び領域α3において、第(m1+y1)行用の緑色レーザ光L2と、色ズレ補正を考慮した第m1行用の赤色レーザ光L1と、色ズレ補正を考慮した更に他の行の青色レーザ光L3とを含み、領域α2においては、第(m1+y1)行用の赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3を含む。
このように、走査線SLを形成する描画レーザ光Lに基づけば、水平方向Xにおける少なくとも2つの領域で上記走査線SLに対応する行と異なる行用の赤色レーザ光L1および青色レーザ光L3の少なくとも一方を含む。そのため、映像100を構成する画素行列において第i行に対応する赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3の前面2aへの入射タイミングは異なる場合も生じる。しかしながら、走査速度は、水平方向Xおよび垂直方向Yの両方において人の目の反応速度(認識速度)より充分速いため、色ズレ補正された状態で第i行の画素には、第i行用の赤色レーザ光、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3が一緒に入射されていると認識される。すなわち、上記のように、色ズレ補正のために点灯タイミングをズラしても、色ズレ補正された状態で観察者は、映像信号で提供される映像100を適切に視認できる。
[水平方向の補正]
図14および図15を利用して水平方向Xの補正を説明する。水平方向Xの補正においても緑色レーザ光L2のビームスポットBS2の位置を基準とする。換言すれば、赤色レーザ光L1および青色レーザ光L3のビームスポットBS1およびビームスポットBS3の位置をビームスポットBS2の位置に補正する場合を説明する。
図14は、色ズレ補正のための補正量が小さい領域(たとえば、図8および図10の領域α2)での色ズレ補正を説明するための図面である。図14の横軸は、水平方向Xの点灯タイミングであり、縦軸は発光出力を示している。図中のR、GおよびBは、水平方向Xにおける第n番目の画素の赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3の出力を意味している。図中のRn±k、Gn±kおよびBn±k(kは1または2)は、水平方向Xにおける第(n±k)番目の画素の赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3の出力を意味している。ここでは、k=2の場合までを例示しているが、kが3以上の場合も同様である。
図14に示したように、色ズレ補正のための補正量が小さい領域では、光源制御部44は、水平方向Xにおける各画素において、赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3を、実質的に同じタイミングで点灯する。
図15は、色ズレ補正のための補正量が大きい領域での色ズレ補正を説明するための図面である。具体的には、図8および図10における領域α1における水平方向Xの補正を説明するための図面である。図15の横軸および縦軸の意味は、図14の場合と同様である。図中のR、GおよびB並びにRn±k、Gn±kおよびBn±kの意味も図14の場合と同様である。
色ズレ補正のための補正量が大きい場合、水平方向Xにおける各画素において、光源制御部44は、赤色レーザ光L1および青色レーザ光L3を、緑色レーザ光L2の点灯タイミングからズラして点灯させる。点灯タイミングのズレ量は、色ズレに対する補正量に応じた値である。赤色レーザ光L1および青色レーザ光L3を緑色レーザ光L2に対し、早く点灯させるか、または、遅く点灯させるかは、水平方向Xにおける赤色および青色の緑色に対するズレ方向に応じて決定される。
たとえば、前述したように、図15は、図8および図10における領域α1に対する補正を示しており、水平方向Xにおいて図中右側に補正が実施される。この場合、赤色レーザ光L1は、補正が不足するため、光源制御部44は、たとえば、第n番目の画素に対応する緑色レーザ光L2の点灯タイミングに対して第n番目の画素に対応する赤色レーザ光L1を遅いタイミングで点灯する。青色レーザ光L3は、補正が過剰なため、光源制御部44は、たとえば、第n番目の画素に対応する緑色レーザ光L2の点灯タイミングに対して第n番目の画素に対応する青色レーザ光L3を早いタイミングで点灯する。
図8および図10における領域α3も領域α1と同様に補正量が大きい領域である。領域α3に対する補正の場合(水平方向Xにおいて図中左側に向けて補正が実施される場合)、緑色レーザ光L2に対する赤色レーザ光L1および青色レーザ光L3の点灯タイミングは、図15の場合と反対である。
光源制御部44が上記垂直方向Yおよび水平方向Xの色ズレ補正を実施するために、記憶部45(図5参照)には、映像100を構成する画素と、補正用の点灯タイミングとの対応関係を示す補正テーブルが保存されてもよい。上記補正テーブルは、投影角度θと、補正レンズ部4における補正量などに基づいて予め作成されていればよい。このように記憶部45が補正テーブルを有する形態では、光源制御部44は、上記補正テーブルに基づいて点灯タイミングを制御すればよい。
上記描画システム1では、前述したように、補正レンズ部4を有することで、投影歪みが解消された映像100を表示できる。更に、補正レンズ部4を用いていても、水平方向Xおよび垂直方向Yの両方における色ズレ補正がなされた映像100を表示できる。そのため、映像100の提供者が想定している所望の状態で映像100を観察者に提示可能である。
前述したように、一実施形態では、映像100を構成する複数の走査線SLのうちたとえば画素行列の第i行用の走査線SLにおいて、図8に示した領域α1(または領域α3)と領域α2では補正量が異なるように赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3の点灯タイミングを調整する。このような形態では、領域α1(または領域α3)と領域α2で要求される色ズレに対する補正量に応じて補正を実施可能である。その結果、適切に色ズレ補正が実施された映像100を表示し易い。
映像表示部2が透明部材または透明スクリーンである形態では、観察者は、映像100とともに背景を視認できる。そのため、映像100を背景に重畳した状態で表示可能であり、たとえば、拡張現実なども実施可能である。
描画システム1の構成は、投影角度θが45度以下、たとえば、30度以下でより有効である。この点を図16、図17、図18および図19を利用して説明する。図16は、投影角度の影響を検討するためのシミュレーションを説明するための図面である。シミュレーションの説明において、描画システム1が有する構成要素には同じ符号を用いて、重複する説明を省略する。
図16に示したように描画モジュール3を投影角度θが20度となるように配置する。この際、前面2aと描画モジュール3との間の距離は300mmとする。投影角度θが20度の場合を初期状態と称す。初期状態で、図18に示したように、補正レンズ部4を用いない場合における第2映像100bの投影領域(以下、「第2投影領域110b」と称す)と、補正レンズ部4を用いた場合の第1映像100aの投影領域(以下、「第1投影領域110a」と称す)を計算する。
次いで、図16に破線で示したように描画モジュール3を投影角度θが大きくなるように移動させて、投影角度θが、20度、25度、30度、35度、40度、45度および50度それぞれにおいて上記初期状態の場合と同様に、補正レンズ部4を用いない場合の第2投影領域110bと、補正レンズ部4を用いた場合の第1投影領域110aを計算する。
図17は、投影角度θを変えた場合の第2投影領域110bの面積に対する第1投影領域110aの面積の比を投影角度θに対してプロットした図面である。図17の横軸は、投影角度θを示しており、縦軸は、第2投影領域110bの面積に対する第1投影領域110aの面積の比を示している。以下、第2投影領域110bの面積に対する第1投影領域110aの面積の比を、第2投影領域110bに対する第1投影領域110aの割合と称す。図18は、投影角度θが20度の場合の第1投影領域および第2投影領域の計算結果である。図19は、投影角度θが30度の場合の第1投影領域および第2投影領域の計算結果である。図20は、投影角度θが40度の場合の第1投影領域および第2投影領域の計算結果である。
図17に示したように、投影角度θが小さくなるにつれて、第2投影領域110bに対する第1投影領域110aの割合が小さくなる。これは、図18から図20に示されるように、投影角度θが小さくなるにつれて、第2投影領域110bに対して第1投影領域110aが小さくなることを意味する。第2投影領域110bに対して第1投影領域110aが小さい場合、補正レンズ部4による補正量も大きくなり、結果として、色ズレ量も大きくなる。
図17に示した結果より、投影角度θが45度以下であれば、第2投影領域110bに対する第1投影領域110aの割合は、80%を下回る。そのため、投影角度θが45度以下である形態に対し、上述した色ズレ補正を解消する制御装置40による点灯タイミング制御は有効である。同様に、投影角度θが30度以下であれば、第2投影領域110bに対する第1投影領域110aの割合は、70%を下回る。そのため、投影角度θが30度以下である形態に対し、上述した色ズレ補正を解消する制御装置40による点灯タイミング制御は一層有効である。
投影角度θが15度未満の場合、所望の投影歪みを解消するための補正レンズ部4には高い歪み解消性能が要求される。そのため、たとえば、補正レンズ部4が非球面レンズを有する場合、非球面の加工が困難である。このような理由から、投影角度θが15度未満の場合に必要な補正レンズ部4の製造コストまたは購入コストが増加する。これに対して、投影角度θが15度以上の場合、補正レンズ部4を準備し易い。そのため、描画システム1の製造コストの増加を抑制または製造コストの低下を図れる。
本実施形態では、図8に示したように、映像100の中心ラインに相当する第2ライン102の位置も補正している。具体的には、補正後の第2ライン102aが、補正された映像100(第1映像100a)が投影される領域の垂直方向Yにおける中心に位置するように補正を行っている。この場合、第1映像100aにおいて、垂直方向Yにおける第2ライン102aの両側(第2ライン102aからみて上側および下側)における走査線SLの数が同じである。そのため、第1映像100aの輝度が所望の輝度として表示され得る。
第1光源12a、第2光源12bおよび第3光源12cがLDチップである場合、描画モジュール3(或いは描画システム1)の小型化を図れる。
走査部20がMEMSチップであり且つ走査部20が光出力部10と一緒にパッケージ30内に収容されている場合、描画モジュール3(或いは描画システム1)の小型化を図れる。たとえば、走査部20がMEMSチップである場合、光出力部10が実装される基板上に、走査部20も実装できる。換言すれば、光出力部10および走査部20の集積化を図れる。これにより、パッケージ30を小型化できる。パッケージ30の小型化により補正レンズ部4と走査部20の距離を近づけることができ、2次元的に走査される描画レーザ光Lをより小型な補正レンズ部4で捉えることが可能になる。
更に、パッケージ30内に走査部20も収容されているため、走査部20の配置状態を維持し易い。そのため、光出力部10から出力される描画レーザ光Lの偏光状態を維持し易い。第1光源12a、第2光源12bおよび第3光源12c、合波部13およびMEMSチップ(走査部20)を同じ基板に実装する場合、それらは、たとえば、適宜、支持台(たとえばサブマウント)などを介して基板に実装されてもよい。
以上、本開示による描画システムの種々の実施形態を説明したが、本開示による描画システムは、例示した実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。
第1映像100aの投影領域である第1投影領域110aは、第2映像100bの投影領域である第2投影領域110b内でなくてもよい。たとえば、図21に示したように、第1投影領域110aの少なくとも一部は、第2投影領域110bの外側に位置してもよい。更に、第1映像100aの中心ラインである第2ライン102aが第2映像100bの中心ラインである第2ライン102bとほぼ一致するように、第1映像100aを描画および投影してもよい。このような第1映像100aの描画位置(或いは投影位置)は、走査部20の走査タイミングと、赤色レーザ光L1、緑色レーザ光L2および青色レーザ光L3の点灯タイミングとの同期状態を調整することで実現され得る。
補正レンズ部4は、図22に示したように、パッケージ30に収容されていてもよい。図22では、補正レンズ部4がパッケージ30の内面に開口30aを塞ぐように取り付けられている形態を模式的に示している。補正レンズ部4は、窓部材32の代わりに補正レンズ部4が開口30aに取り付けられていてもよいし、パッケージ30の外面に開口30aを塞ぐように補正レンズ部4が取り付けられてもよい。この場合も、描画モジュール3と補正レンズ部4とを含むユニットの小型化を図ることが可能である。
光出力部10が有する光源(レーザ光源)の数は、3個に限定されない。2個または4個以上の光源を使用してもよい。
上記実施形態の説明では、水平方向において映像を3つの領域に仮想的に分割した場合を例にして、色ズレ解消のための補正を説明した。色ズレ解消のための補正を実施する領域の分割数は、3つに限定されない。色ズレ解消のための補正を実施する場合、垂直方向においても映像を仮想的に分割してもよい。色ズレ解消のための補正をする領域を特定するために、映像を水平方向および垂直方向それぞれにおいて複数の領域に分割し得る。
共振駆動による描画レーザ光の走査方向である第1方向およびリニア駆動による描画レーザ光の走査方向である第2方向それぞれは、例示した水平方向X、および水平方向Xに直交する垂直方向Yに限定されない。第1方向および第2方向は交差する2つの方向であればよい。
以上説明した種々の実施形態および変形例は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜組み合わされてもよい。
1…描画システム
2…映像表示部
2a…前面
2b…背面
3…描画モジュール
4…補正レンズ部
10…光出力部
11…光源部
12a…第1光源
12b…第2光源
12c…第3光源
13…合波部
14a…レンズ
14b…レンズ
14c…レンズ
15a…フィルタ
15b…フィルタ
15c…フィルタ
20…走査部
21…ミラー
22…駆動機構
30…パッケージ(収容部)
31…窓部
30a…開口
32…窓部材
40…制御装置
41…信号入力部
42…信号解析部
43…走査制御部
44…光源制御部
45…記憶部
100…映像
100a…第1映像
100b…第2映像
101…第1ライン
101a…第1ライン
101b…第1ライン
102…第2ライン
102a…第2ライン
102b…第2ライン
103…第3ライン
103b…第3ライン
103a…第3ライン
110a…第1投影領域
110b…第2投影領域
A1…領域
A2…領域
BS1…赤色レーザ光のビームスポット
BS2…緑色レーザ光のビームスポット
BS3…青色のレーザ光のビームスポット
L…描画レーザ光
L1…赤色レーザ光
L2…緑色レーザ光
L3…青色レーザ光
P…画素
UA…領域
X…水平方向(第1方向)
Y…垂直方向(第2方向)
θ…投影角度
α1…領域
α2…領域
α3…領域
SL…走査線

Claims (8)

  1. 赤色、緑色および青色のうち少なくとも2色のレーザ光を含む描画レーザ光を出力する光出力部と、
    前記描画レーザ光によって形成される映像が投影される映像表示部と、
    前記描画レーザ光を反射しながら走査する走査部であって、前記描画レーザ光を2次元的に走査することで描画される映像を前記映像表示部に投影する走査部と、
    前記映像表示部と前記走査部の間に配置され投影歪みを補正する補正レンズ部と、
    前記光出力部および前記走査部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記走査部は、共振駆動によって前記描画レーザ光を第1方向に走査するとともに、リニア駆動によって前記描画レーザ光を前記第1方向と交差する第2方向に走査することによって映像を描画し、
    前記制御部は、前記映像における複数の領域ごとに前記第1方向および前記第2方向の両方において、色ズレを補正するように前記少なくとも2色のレーザ光の点灯タイミングを調整する、
    描画システム。
  2. 前記制御部は、前記共振駆動による前記描画レーザ光の走査によって形成されており前記映像を構成する複数の走査線の少なくとも1つにおいて、同一の走査線のうち前記複数の領域の少なくとも2つの領域において、前記第2方向における色ズレの補正に対する補正量が異なるように、前記少なくとも2色のレーザ光の点灯タイミングを調整する、
    請求項1に記載の描画システム。
  3. 前記走査部の駆動が停止している場合において、前記映像表示部のうち前記描画レーザ光が入射する面と前記描画レーザ光の間の角度は45度以下である、
    請求項1または請求項2に記載の描画システム。
  4. 前記角度は30度以下である、
    請求項3に記載の描画システム。
  5. 前記走査部の駆動が停止している場合において、前記映像表示部のうち前記描画レーザ光が入射する面と前記描画レーザ光の間の角度は15度以上である、
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の描画システム。
  6. 前記光出力部と前記走査部を収容する収容部を備え、
    前記光出力部は、
    前記少なくとも2色のレーザ光を出力する少なくとも2つのレーザダイオードチップと、
    前記少なくとも2色のレーザ光を合波するための合波部と、
    を有し、
    前記走査部はMEMSチップである、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の描画システム。
  7. 前記収容部に前記補正レンズが収容されている、
    請求項6に記載の描画システム。
  8. 前記収容部に前記補正レンズが取り付けられている、
    請求項6に記載の描画システム。
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