JP2023084307A - 建物空間評価装置、評価方法およびプログラム - Google Patents

建物空間評価装置、評価方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

Figure 2023084307000001
【課題】建物空間環境の評価データの妥当性を高め、より適切な建物空間環境の評価を実現する。
【解決手段】建物空間評価装置1は、評価対象期間における建物内の1つ以上の利用空間に関する利用者毎の利用実態情報に基づいて、利用者が利用空間を評価する評価者として適正かどうかの指標である滞在有効度を決定するように構成された利用実態評価部11-2と、評価対象期間中の利用空間の環境に対するアンケート回答を取得するように構成されたアンケート回答情報取得部12と、アンケート回答者と同一人物の利用者の滞在有効度に基づいてアンケート回答を評価するように構成されたアンケート評価部13を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建物空間環境を評価する建物空間評価装置、評価方法およびプログラムに関するものである。
不動産価値の向上や、経営者が従業員に提供する労働空間の質の向上といった観点から、快適性、健康性、生産性といったウェルネス環境としての建物内空間の評価が重要となっている(特許文献1参照)。
従来から利用されている規格化された評価指標(例えばPMVなどの快適性指標)は、統計的なアプローチに基づく平均的な指標であるため、感じ方がそれぞれ異なる実際の居住者の空間評価の実態から乖離することも多い。
よって、実際に建物を利用する居住者を対象として、例えば年に数回などの継続的なアンケート調査(建物空間に関する快適性や満足度、居住者の生産性等に関する主観評価の調査)を行い、アンケート調査の結果に基づいて建物空間環境(居住環境)の調整が行なわれることがある。このようにアンケート調査が建物空間環境を左右する重要な情報になるので、ゆえに適切な調査とするために常に改善が求められている。
特開2021-96683号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、建物空間環境の評価データの妥当性を高め、より適切な建物空間環境の評価を実現することができる建物空間評価装置、評価方法およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明の建物空間評価装置は、評価対象期間における建物内の1つ以上の利用空間に関する利用者毎の利用実態情報に基づいて、利用者が前記利用空間を評価する評価者として適正かどうかの指標である滞在有効度を決定するように構成された利用実態評価部と、前記評価対象期間中の前記利用空間の環境に対するアンケート回答を取得するように構成されたアンケート回答情報取得部と、アンケート回答者と同一人物の利用者の前記滞在有効度に基づいて前記アンケート回答を評価するように構成されたアンケート評価部とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の建物空間評価装置の1構成例において、前記利用実態評価部は、前記利用実態情報に基づいて前記評価対象期間中の前記利用空間における利用者毎の総滞在時間を算出し、前記総滞在時間に基づいて利用者毎の前記滞在有効度を決定することを特徴とするものである。
また、本発明の建物空間評価装置の1構成例において、前記利用実態評価部は、前記総滞在時間に加えて、前記利用実態情報に基づいて前記評価対象期間中の前記利用空間における利用者毎の総滞在日数を算出し、前記総滞在時間と前記総滞在日数とに基づいて利用者毎の前記滞在有効度を決定することを特徴とするものである。
また、本発明の建物空間評価装置の1構成例は、前記評価対象期間中の前記利用空間の熱環境情報を取得するように構成された建物空間熱環境情報取得部をさらに備え、前記利用実態評価部は、前記利用実態情報と前記熱環境情報とに基づいて前記滞在有効度を決定することを特徴とするものである。
また、本発明の建物空間評価装置の1構成例において、前記利用実態評価部は、前記利用空間での利用者の滞在を有効とみなす熱環境条件と前記熱環境情報とに基づいて、利用空間毎に前記評価対象期間中の滞在無効期間を決定し、前記利用実態情報と前記滞在無効期間とに基づいて、前記評価対象期間中の前記利用空間における利用者毎の総滞在時間から前記滞在無効期間を除外した時間を算出し、前記総滞在時間から前記滞在無効期間を除外した時間に基づいて利用者毎の前記滞在有効度を決定することを特徴とするものである。
また、本発明の建物空間評価装置の1構成例において、前記利用実態評価部は、前記総滞在時間から前記滞在無効期間を除外した時間に加えて、前記利用実態情報に基づいて前記評価対象期間中の前記利用空間における利用者毎の総滞在日数を算出し、前記総滞在時間から前記滞在無効期間を除外した時間と前記総滞在日数とに基づいて利用者毎の前記滞在有効度を決定することを特徴とするものである。
また、本発明の建物空間評価装置の1構成例において、前記利用実態評価部は、前記利用空間での利用者の滞在を有効とみなす熱環境条件と前記熱環境情報とに基づいて、利用空間毎に前記評価対象期間中の滞在無効期間を決定し、前記利用実態情報に基づいて前記評価対象期間中の前記利用空間における利用者毎の総滞在時間を算出すると共に、前記総滞在時間から前記滞在無効期間を除外した時間を算出し、前記総滞在時間と前記総滞在時間から前記滞在無効期間を除外した時間とに基づいて利用者毎の前記滞在有効度を決定することを特徴とするものである。
また、本発明の建物空間評価装置の1構成例において、前記利用実態評価部は、利用者の日別の滞在時間が所定時間未満となった日の滞在時間を前記総滞在時間の算出から除外することを特徴とするものである。
また、本発明の建物空間評価装置の1構成例において、前記利用実態評価部は、利用者の日別の滞在時間が所定時間未満となった日の滞在時間を前記総滞在時間と前記総滞在日数の算出から除外することを特徴とするものである。
また、本発明の建物空間評価装置の1構成例において、前記アンケート評価部は、前記滞在有効度に基づいて利用者をグルーピングし、前記アンケート回答の統計量を利用者のグループ毎に算出することを特徴とするものである。
また、本発明の建物空間評価装置の1構成例において、前記アンケート評価部は、前記アンケート回答の統計量を前記滞在有効度によって重み付けすることを特徴とするものである。
また、本発明の建物空間評価方法は、評価対象期間における建物内の1つ以上の利用空間に関する利用者毎の利用実態情報に基づいて、利用者が前記利用空間を評価する評価者として適正かどうかの指標である滞在有効度を決定する第1のステップと、前記評価対象期間中の前記利用空間の環境に対するアンケート回答を取得する第2のステップと、アンケート回答者と同一人物の利用者の前記滞在有効度に基づいて前記アンケート回答を評価する第3のステップとを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の建物空間評価方法の1構成例は、前記第1のステップの前に、前記利用空間の熱環境情報を取得する第4のステップをさらに含み、前記第1のステップは、前記利用実態情報と前記熱環境情報とに基づいて前記滞在有効度を決定するステップを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の建物空間評価プログラムは、前記の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
本発明によれば、利用空間の環境に対するアンケート回答に、利用空間に関する利用者毎の利用実態情報を反映することにより、利用実態の格差によって生じる利用者の空間評価に対する不確定性の要因(ノイズ成分)を低減することができ、建物空間環境の評価データの妥当性を高め、より適切な建物空間環境の評価を実現することができる。
図1は、本発明の第1の実施例に係る建物空間評価装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の第1の実施例に係る建物空間評価装置の動作を説明するフローチャートである。 図3は、本発明の第1の実施例に係る建物空間利用情報の例を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施例に係る滞在有効度情報の例を示す図である。 図5は、本発明の第1の実施例に係る利用実態情報の例を示す図である。 図6は、本発明の第1の実施例に係る総滞在時間の算出方法を説明する図である。 図7は、本発明の第1の実施例に係る総滞在日数の算出方法を説明する図である。 図8は、本発明の第1の実施例に係るアンケートシステムの構成を示すブロック図である。 図9は、本発明の第1の実施例に係るアンケートシステムの動作を説明するフローチャートである。 図10は、本発明の第1の実施例に係るアンケート調査票の例を示す図である。 図11は、本発明の第1の実施例に係るアンケート回答情報の例を示す図である。 図12は、本発明の第1の実施例に係るアンケート評価結果の例を示す図である。 図13は、本発明の第2の実施例に係る建物空間評価装置の構成を示すブロック図である。 図14は、本発明の第2の実施例に係る建物空間評価装置の動作を説明するフローチャートである。 図15は、本発明の第2の実施例に係る評価対象空間と細分化区画の例を示す平面図である。 図16は、本発明の第2の実施例に係る座席の利用履歴情報の例と建物空間利用情報の例を示す図である。 図17は、本発明の第2の実施例に係る利用実態情報の例を示す図である。 図18は、本発明の第3の実施例に係る建物空間評価装置の構成を示すブロック図である。 図19は、本発明の第3の実施例に係る建物空間評価装置の動作を説明するフローチャートである。 図20は、本発明の第3の実施例に係る滞在有効期間と滞在無効期間の例を示す図である。 図21は、本発明の第3の実施例に係る熱環境履歴を考慮した総滞在時間の算出例を示す図である。 図22は、本発明の第1~第3の実施例に係る建物空間評価装置とアンケートシステムを実現するコンピュータの構成例を示すブロック図である。
[発明の原理1]
建物の利用者を対象として建物空間環境のアンケート調査を行う場合、より多くの利用者に調査を行うことが建物利用者全体の評価を把握する結果につながる。しかしながら、アンケートの調査結果は、本来の調査目的である建物空間環境に対する個々人の感じ方の差異だけでなく、建物の利用実態による不確定性を含んでいる。発明者はこの点に着眼して改善の余地を見出した。
例えば、同じ利用者が同じ建物空間を利用する場合であっても、1時間の短時間滞在の場合と、8時間滞在した場合とでは、利用空間に対する快適性の評価が異なる可能性が高い。短時間滞在の場合には、例えば、利用空間の温熱環境よりも、利用前に屋外でどのような環境や状態に晒されたかの影響も相対的に大きくなる。
近年のオフィスでは特に、フレックスタイム制やテレワーク併用型の勤務体系、さらには、フリーアドレス型のワークスタイルが普及しつつあり、同じオフィスの従業員であっても、建物内空間の滞在時間や滞在場所などの建物の利用実態が大きく異なるケースは珍しくない。このような利用者の利用実態の格差は、利用者各々の空間評価に対する不確定性の要因(ノイズ成分)となる。利用者の利用実態の格差が大きいと、ノイズ成分が大きくなり、アンケート調査データの評価結果が効果的な環境改善策に到達しにくくなる可能性が高い。
そこで、発明者は、建物空間環境に対する利用者アンケートの評価に、建物の利用実態情報を反映することにより、空間評価に対する不確定性の要因(ノイズ成分)を低減し、評価結果の妥当性を高められることに想到した。
[発明の原理2]
同じ利用者が同じ建物空間を利用する場合であっても、例えば、空調システムの起動時、停止時間帯、トラブル時などで通常の空調運用時の温熱環境と大きくかけ離れた環境に滞在した場合、利用空間に対する快適性の評価も大きく異なる可能性が高い。よって、建物空間環境に対する利用者アンケートの評価に滞在した空間の熱環境履歴(例えば、(室温-基準温度)×滞在時間))を反映できればさらに好適である。
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。本発明では、建物の利用実態および利用空間の熱履歴を利用する。本発明は、アンケート調査の回答者の全部または一部から、建物あるいは建物内の任意区画(座席でもよい)の利用情報(入退館、入退出、着席、退席等の滞在状態を示す情報)を取得可能であり、アンケート回答と滞在情報とを関係付けることが可能な場合に実施可能である。本発明は、匿名のアンケートなど、回答者を特定せずに実施し、アンケート回答と滞在情報とを関係付けることができないアンケートは評価対象としない。
本発明では、建物空間利用のアンケート調査対象となった過去の任意の期間を評価対象期間とし、建物空間利用のアンケートの調査対象となった建物内の居住空間を評価対象空間とする。評価対象空間は、建物全体でもよいし、建物内の1フロアや、フロア内の一部のエリアなどでもよい。本発明では、評価対象空間内に設定される複数の区画を細分化区画とする。例えば、評価対象空間である建物全体に対し細分化区画を建物内の1フロアとしたり、評価対象空間を1つのフロア全体とし、細分化区画をフロア内の1領域とする場合などがある。
本発明では、評価対象空間を利用空間と呼ぶ。また、評価対象空間と、評価対象空間を細分化した細分化区画の両方を利用空間と呼ぶ場合もある。本実施例では、評価対象空間を利用空間とする。後述する第2の実施例では、評価対象空間と細分化区画の両方を利用空間とする。後述する第3の実施例では、評価対象空間を利用空間とするか、あるいは評価対象空間と細分化区画の両方を利用空間とする。
本発明では、レイアウトや用途に応じて建物の管理者が設定する区画の単位をエリアとする。エリアの例としては、例えば執務エリア、会議室エリア、応接室エリアなどがある。エリアを細分化区画として設定することも可能である。ただし、エリアがレイアウトや用途に応じて設定されるのに対し、細分化区画は、建物評価のために設定される。このため、1つの細分化区画が複数のエリアに対応したり、エリア内を分割した領域を細分化区画としたりすることも有り得る。このように細分化区画は、必ずしもエリアと一致するとは限らない。
本発明では、建物利用者を特定できる情報をユーザIDとする。ユーザIDは、評価対象空間や細分化区画への利用者の入退出情報と関連付けることができる。ユーザIDの例としては、例えば入退館管理のための建物利用者番号、メールアドレス、社員番号(自社ビルの場合)、企業名+社員番号(複数企業が入居するビルの場合)などがある。説明を簡単にするために、以下の実施例ではユーザIDを、uIDXX(XXは1~Nの整数、Nは建物利用者の数)とする。
本発明の第1の実施例では、利用者の評価対象空間の利用実態情報(入退館、入退出などの利用履歴)から、利用者が評価対象空間を評価する評価者として適正かどうかの指標である滞在有効度を決定し、滞在有効度に基づいて、過去の一定期間を対象とした評価対象空間の環境に対する利用者の主観(快適性、満足度、生産性など)のアンケート回答結果を評価する。
本実施例では、評価対象期間を2021年7月1日~7月31の1ヶ月とし、評価対象空間を5階建ての建物Aの居住空間全体とする。
図1は本実施例に係る建物空間評価装置の構成を示すブロック図である。建物空間評価装置1は、利用空間に関する利用者の建物空間利用情報を取得する建物空間利用情報取得部10と、建物空間利用情報に基づいて評価対象期間における利用空間に関する利用者毎の利用実態情報を生成し、利用実態情報に基づいて、利用者が利用空間を評価する評価者として適正かどうかの指標である滞在有効度を利用者毎に決定する利用実態管理部11と、評価対象期間中の利用空間の環境に対するアンケート回答を取得するアンケート回答情報取得部12と、アンケート回答者と同一人物の利用者の滞在有効度に基づいてアンケート回答を評価するアンケート評価部13と、アンケート評価部13による評価結果を管理者等のオペレータに提示する評価結果提示部14とを備えている。
図2は本実施例の建物空間評価装置1の動作を説明するフローチャートである。建物空間評価装置1の建物空間利用情報取得部10は、評価対象空間に関する利用者の建物空間利用情報を取得する(図2ステップS100)。
[建物空間利用情報の説明]
建物空間利用情報は、建物空間の利用者を特定する情報と、その利用者の評価対象空間(本実施例では建物A)における滞在履歴(本実施例では、建物Aの入退館日時)の情報とを含む。建物空間利用情報は、評価対象空間への入退出を管理するセキュリティシステムや、利用者の勤怠を管理する労務管理システム(利用者が評価対象空間内で勤務する場合)などから取得可能である。労務管理システムについては、例えば特許第5237464号公報に開示されている。これらセキュリティシステムや労務管理システムは、評価対象空間への入退出時に必要となるセキュリティカードや顔認証、指紋認証などの個人認証の一般的な手法で利用者を特定し、利用者の入退出を管理する。
図3に建物空間利用情報(建物Aの入退館情報)の例を示す。本実施例ではuID1,uID2等のuIDm(m=1~N、Nは利用者の総数)をユーザIDとして、利用者を特定する情報とする。建物空間利用情報は、評価対象空間で採用されているセキュリティシシステムや労務管理システムに応じて多様な形式をとり得るが、利用者を特定する情報とその利用者の入退出日時の情報と入館/退館(または入室/退室)の種別の情報とを含んでいる。
建物空間評価装置1の利用実態管理部11は、利用実態情報生成部11-1と、利用実態評価部11-2とから構成される。
利用実態情報生成部11-1は、建物空間利用情報取得部10から建物空間利用情報を取得し、建物空間利用情報に基づいて評価対象空間に関する利用者毎(ユーザID毎)の利用実態情報を生成する(図2ステップS101)。
続いて、利用実態評価部11-2は、利用実態情報生成部11-1によって生成された利用実態情報と予め設定されている利用実態評価条件とに基づき、利用者毎(ユーザID毎)に滞在有効度αを決定して滞在有効度情報として保持する(図2ステップS102)。図4は滞在有効度情報の例を示す図である。
[利用実態情報生成部11-1が生成する利用実態情報の説明]
利用実態情報生成部11-1は、建物空間利用情報を用いて、評価対象期間全体に渡る評価対象空間の利用情報を、利用者毎に利用実態情報として生成する。利用実態情報の例を図5に示す。図5では、ユーザIDがuID1,uID2,uID3の利用者についての利用実態情報の例を示している。なお、2021年7月1日の分は、図3に示した建物空間利用情報から抽出されたものである。
図5によると、ユーザIDがuID3の利用者は、2021年7月1日の8時55分に建物Aに入館して11時54分に建物Aから一度退館後、同日の13時02分に再び入館して18時42分に退館したことが分かる。このように、利用実態情報によって各利用者が建物Aに滞在していた日時や時間帯が分かる。
なお、図5の例では、利用者毎にデータを分離して、利用実態情報を(入館日時、退館日時)の2つのカラムからなるデータとしているが、ユーザIDのカラムを追加して(ユーザID、入館日時、退館日時)の3つのカラムからなるデータを生成してももちろん構わない。利用実態情報のとり得る形式は多様であるが、ユーザIDと評価対象空間への入退出日時との対応がとれればよい。
[利用実態評価部11-2に設定されている利用実態評価条件の説明]
滞在有効度αの決定方法が、利用実態評価条件として、予めソリューションプロバイダや評価対象空間の管理者によって利用実態評価部11-2に登録されている。利用実態評価部11-2は、利用実態評価条件に従って滞在有効度αを決定する。滞在有効度αとは、評価対象期間中に評価対象空間の利用経験(滞在経験)がある利用者が、評価対象空間を評価する評価者として適正かどうかの指標であり、0以上の実数である。
本実施例では、評価対象期間(2021年7月1日~7月31日)中の評価対象空間(建物A)における利用者毎の総滞在時間SHを算出し、利用者毎の滞在有効度αを下記の式(1)により決定するという方法が、利用実態評価条件として利用実態評価部11-2に予め登録されている。
Figure 2023084307000002
式(1)は、ユーザIDがuIDm(m=1~N,NはユーザIDの総数)の利用者mの評価対象期間中の評価対象空間における総滞在時間SHmが30時間未満のときに、利用者mの滞在有効度αmを0(評価者として不適正)とし、総滞在時間SHmが30時間以上のときに、利用者mの滞在有効度αmを1(評価者として適正)とすることを意味している。
また、利用実態評価部11-2には、総滞在時間SHの算出方法が予め登録されている。図6は総滞在時間SHの算出方法を説明する図である。図6の例では、利用実態評価部11-2は、図5に示した利用実態情報を利用して総滞在時間SHを算出する。具体的には、利用実態評価部11-2は、利用実態情報の各データ行の入館日時と退館日時間の時間を評価対象空間における滞在時間とし、評価対象期間中の滞在時間の合計値を利用者毎に求めた値を、総滞在時間SHとする。
なお、例えば、9時から17時までが勤務時間のオフィスビルを対象として、評価対象期間1ヶ月のうち実質的に1週間以上勤務したオフィス勤務者を妥当な評価者と想定する場合、昼食時間と休憩時間とを除く1日の勤務時間を6時間とし、週休2日とした1週間の出勤日数を通常5日間とすれば、評価対象空間における総滞在時間SHが30時間以上、滞在日数が5日以上の利用者が、評価者として適切と考えられる。この条件を満たす利用者の滞在有効度αを高くしたい場合の滞在有効度αの決定方法(利用実態評価条件)は例えば、式(2)のようになる。
Figure 2023084307000003
式(2)は、利用者mの評価対象期間中の評価対象空間における総滞在時間SHmが30時間以上で、かつ利用者mの評価対象期間中の評価対象空間における総滞在日数SDmが5日以上のときに、利用者mの滞在有効度αmを1とすることを意味している。各利用者mの滞在有効度αmの初期値は全て0である。
滞在有効度αは総滞在時間に基づいて決定されればよく、このように、式(1)の代わりに式(2)の利用実態評価条件などによって滞在有効度αを決定するようにしてもよい。
さらに、1日の滞在時間が数時間などと短い利用者の滞在有効度αを下げたい場合には、例えば日別の滞在時間がk時間未満(kは0より長い所定の時間)となった日にちの滞在履歴データを総滞在時間SHや総滞在日数SDの算出から除外すればよい。例えば図7の例では、利用実態評価部11-2は、ユーザIDがuID3の利用者について日別の滞在時間を利用実態情報に基づいて算出している。入退館履歴無しの日の日別滞在時間は0(0:00)である。そして、利用実態評価部11-2は、日別の滞在時間が0以外の日数を総滞在日数SDとする。
このとき、利用実態評価部11-2は、日別の滞在時間がk時間未満の日の滞在時間を総滞在時間SHの算出から除外すれば、式(1)または式(2)の利用実態評価条件を用いる場合において、1日の滞在時間が短い利用者の滞在有効度αを下げることができる。また、利用実態評価部11-2は、日別の滞在時間がk時間以上の日数を総滞在日数SDとすれば、式(2)の利用実態評価条件を用いる場合において、1日の滞在時間が短い利用者の滞在有効度αを下げることができる。
また、利用実態評価部11-2は、日別滞在時間がk時間未満となる日数Mと、総滞在日数SD(日別滞在時間がk時間未満となる日も含む)との比率M/SDが一定の閾値以下であれば、滞在有効度αが大きくなるようにしてもよい。
なお、上記の滞在有効度αは、いずれも0または1となるが、例えば、以下の式(3)のように連続値で決定するようにしても構わない。
Figure 2023084307000004
式(3)は、利用者mの評価対象期間中の評価対象空間における総滞在時間SHmが20時間未満のときに、利用者mの滞在有効度αmを0とし、総滞在時間SHmが20時間以上40時間以下のときに、(SHm-20)/20により滞在有効度αmを算出し、総滞在時間SHmが40時間を超えるときに、滞在有効度αmを1とすることを意味している。
次に、建物空間評価装置1のアンケート回答情報取得部12は、評価対象期間中の評価対象空間に対する利用者のアンケート回答情報をアンケートシステムから取得する(図2ステップS103)。アンケート回答情報は、アンケート回答者を特定する情報とその回答結果とを関連付けた情報である。アンケート回答情報は、紙によるアンケート結果を電子化した情報でも構わないが、本実施例ではアンケートシステムに保持された情報とする。
図8は本実施例に係るアンケートシステムの構成を示すブロック図である。アンケートシステム2は、実施設定部20と、回答依頼送信部21と、設問設定部22と、回答票生成提示部23と、回答保持部24とから構成される。
設問設定部22には、評価対象空間に関するアンケートの実施者によってアンケートの設問と回答選択肢とが予め設定されている。
実施設定部20には、アンケート調査の依頼相手となる回答者の情報や、アンケート実施期間の情報などアンケートの実施にあたって必要な一般的な情報が、アンケートの実施者によって予め設定されている。
評価対象空間を評価するアンケートであるので、回答者は、評価対象空間を利用可能な利用者の少なくとも一部である。回答者の情報としては、アンケートへのアクセス方法を通知するための回答者のコンタクトアドレス(メールアドレスや電話番号など)や、氏名、所属、アンケートへのアクセスに必要なログインIDなど、回答者を特定する情報が含まれる。本実施例では、ログインIDとしてユーザIDが設定される例について説明する。
図9はアンケートシステム2の動作を説明するフローチャートである。アンケートシステム2の回答依頼送信部21は、例えばオペレータからアンケートの実施指示があったとき、あるいは実施設定部20に予め設定されたアンケート実施期間になったときに、実施設定部20に予め設定されている回答者のコンタクトアドレス宛にアンケートへのアクセス方法と回答期間等を知らせる案内情報を送信する(図9ステップS200)。
アンケートシステム2の回答票生成提示部23は、回答期間中に回答者の端末(PC、タブレット端末、スマートフォン等)からアンケートシステム2に対するアクセスがあったときに(図2ステップS201においてYES)、回答者の端末にアクセス画面を表示させる(図9ステップS202)。回答票生成提示部23は、回答者の端末上で動作するWebブラウザによってアクセス可能なWebページにアクセス画面を表示してもよいし、回答者の端末に予めインストールされたアンケート用のアプリケーションソフトウェアによってアクセス画面を表示させるようにしてもよい。
回答者は、端末を操作してアクセス画面上でログインID(ユーザID)を入力し、アンケートの回答を開始する(図9ステップS203)。
回答票生成提示部23は、設問設定部22に予め設定されている情報に従って回答者の端末にアンケート調査票を表示させる(図9ステップS204)。回答者は、端末を操作してアンケート調査票に回答を入力する。
アンケートシステム2の回答保持部24は、回答が終了すると(図9ステップS205においてYES)、回答者特定情報(ユーザID)とアンケート回答結果とを関連付けてアンケート回答情報として保持する(図9ステップS206)。ただし、後述のようにユーザIDの代わりに、回答者のメールアドレス等を回答者特定情報としてもよい。
回答保持部24は、建物空間評価装置1のアンケート回答情報取得部12から回答要求があったときに(図9ステップS207においてYES)、保持しているアンケート回答情報のうちアンケート回答情報取得部12から指定された評価対象期間のアンケート回答情報をアンケート回答情報取得部12に送信する(図9ステップS208)。
アンケートの設問は、評価対象空間の全体や一部のエリアに対する快適性、満足度、生産性などを問う一般的なもので構わない。アンケート調査票の例を図10に示し、アンケート回答情報の例を図11に示す。図11の例では、アンケート回答情報は、設問の番号(Q1~Q5)と設問に対する回答の番号(1~5)と回答者を特定する情報(ユーザID)とを対応付けたものとなる。
本実施例では、説明を簡単にするために、ユーザIDを持つ建物利用者全員がアンケートの回答者として設定され、全員がアンケートを回答した(全てのユーザIDについてアンケート回答が保持されている)とする。実際のアンケート回収率は100%とはならないため、未回答者のユーザIDのアンケート回答が評価対象から外れることはいうまでもない。
次に、建物空間評価装置1のアンケート評価部13は、利用実態評価部11-2から滞在有効度情報を取得すると共に、アンケート回答情報取得部12からアンケート回答情報を取得し、滞在有効度情報に含まれる滞在有効度αとアンケート回答とをユーザIDにより関連付けて、滞在有効度αに基づいてアンケート回答を評価する(図2ステップS104)。
なお、アンケート回答情報の回答者特定情報としてメールアドレスが使用されているなど、ユーザID以外が使用されている場合は、メールアドレス等の回答者特定情報をユーザIDに変換する必要がある。この場合、アンケート評価部13には、メールアドレス等の回答者特定情報とユーザIDとの対応テーブルが予め設定されている。アンケート評価部13は、対応テーブルを参照して、メールアドレス等の回答者特定情報をユーザIDに変換して以降の処理を実施する。
本実施例では、アンケート回答の評価の具体例として、以下の2つの例を挙げて説明する。
[アンケート回答評価の第1の評価例]
第1の評価例では、アンケート評価部13は、滞在有効度αの値に基づいて利用者をグルーピングし、グループ単位のアンケート回答について、集計や統計的な評価を実施する。グルーピングの方法としては、一般的な手法を採用すればよい。例えば、滞在有効度αが特定の値の建物利用者のグループを評価対象グループとして抽出する方法、滞在有効度αについて1つ以上の閾値を設け、滞在有効度αの値に応じてグルーピングする方法、また一般的なクラスタリング手法でグルーピングを行う方法などがある。
例えば、図4に示した滞在有効度情報で滞在有効度α=1の利用者を評価対象のグループとすると、ユーザIDがuID1,uID3,uID5,uID6,uID8,uID9・・・・の利用者がアンケート回答の評価対象となる。
アンケート評価部13は、評価対象となった利用者と同一人物の回答者(評価対象となった利用者と同一のユーザIDの回答者)のアンケート回答について、例えば設問のそれぞれについて回答番号毎の度数や回答番号の平均値等の統計量を算出する。
また、アンケート評価部13は、滞在有効度αが式(3)のように連続値で決定されている場合に、例えば滞在有効度αが0.5未満の利用者をグループI、滞在有効度αが0.5以上0.7未満の利用者をグループII、滞在有効度αが0.7以上の利用者をグループIIIとする。そして、アンケート評価部13は、評価対象となった利用者と同一人物の回答者のアンケート回答について、例えば設問のそれぞれについて回答番号毎の度数や回答番号の平均値等の統計量をグループ毎に算出する。
以上の第1の評価例によれば、評価後のアンケート回答を見た管理者等のオペレータは、各々のグループのアンケート回答の統計量について比較することができ、滞在有効度α(滞在時間)の違いによって回答結果がどのように変わるかを知ることができる。
図12はアンケート評価結果の例を示す図である。図12の例では、図10に示した設問番号Q1の設問について回答番号1~5毎の度数をグループI~III毎に算出し、さらに全ての度数のうちの最大値で各度数を規格化した相対度数を示している。
図12の結果を見たオペレータは、滞在有効度αが小さいほど、相対度数の最大値の位置が不満側に移動する傾向を確認することができる。このような傾向が生じる要因としては、例えば、夏季に長時間滞在する利用者向けに弱冷房の環境としているが、暑い屋外から建物内に入館して短期で退館する利用者にとっては「暑い」という不満が解消されにくい、ということが考えられる。オペレータは、図12のような結果を見て、評価対象空間の環境改善の検討を進めることができる。
[アンケート回答評価の第2の評価例]
第2の評価例では、アンケート評価部13は、アンケート回答の統計量を滞在有効度αによって重み付けする。アンケート評価部13は、例えば設問のそれぞれについて回答番号の平均値を算出する際に、アンケート回答者と同一人物の利用者の滞在有効度αによる重み付け平均値AVEを式(4)のように算出する。
Figure 2023084307000005
上記のとおり、uIDm(m=1~N、Nは利用者の総数)は利用者のユーザID、αmはユーザIDがuIDmの利用者の滞在有効度、Ans(uIDm)はユーザIDがuIDmの利用者のアンケート回答番号である。アンケート評価部13は、式(4)のような算出をアンケート回答の設問毎に行う。
以上の第2の評価例によれば、アンケート回答の統計量を滞在有効度αによって重み付けすることにより、評価対象空間に、より長い時間滞在した回答者の回答を重視した評価が可能となる。
次に、建物空間評価装置1の評価結果提示部14は、アンケート評価部13による評価結果を管理者等のオペレータに提示する(図2ステップS105)。提示(表示)方法は、オペレータのPCやスマートフォン等へのメールによる通知や、画面表示など一般的な方法で構わない。また、提示(表示)の形式も、数値表示、表形式、グラフ表示(図12)など一般的な形式で構わない。
以上のように、本実施例では、評価対象空間の利用者に対するアンケートの結果に利用者の利用実態情報を反映することにより、利用実態の格差によって生じる利用者の空間評価に対する不確定性の要因(ノイズ成分)を低減することができ、建物空間環境の評価データの妥当性を高めることができる。
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。本発明の第2の実施例では、利用者の評価対象空間と細分化区画の利用実態情報から、利用者が評価対象空間と細分化区画を評価する評価者として適正かどうかの指標である滞在有効度を評価対象空間と細分化区画の各々について決定し、滞在有効度に基づいて、過去の一定期間を対象とした評価対象空間と細分化区画の環境に対する利用者の主観(快適性、満足度、生産性など)のアンケート回答結果を、評価対象空間と細分化区画の各空間毎に評価する。
図13は本実施例に係る建物空間評価装置の構成を示すブロック図である。本実施例の建物空間評価装置1aは、評価対象空間と細分化区画に関する利用者の建物空間利用情報を取得する建物空間利用情報取得部10aと、建物空間利用情報に基づいて評価対象期間における評価対象空間と細分化区画に関する利用者毎の利用実態情報を生成し、利用実態情報に基づいて滞在有効度を利用空間毎および利用者毎に決定する利用実態管理部11aと、アンケート回答情報取得部12と、アンケート回答者と同一人物の利用者の滞在有効度に基づいてアンケート回答を利用空間毎に評価するアンケート評価部13aと、評価結果提示部14とを備えている。
細分化区画も対象となる点以外は基本的に第1の実施例と同様であるので、第1の実施例と異なる部分のみ説明する。
図14は本実施例の建物空間評価装置1aの動作を説明するフローチャートである。建物空間評価装置1aの建物空間利用情報取得部10aは、評価対象空間(以下、評価対象空間Z0とする)に関する利用者の建物空間利用情報に加えて、細分化区画Zq(qは1≦q≦Pの整数、Pは細分化区画の数であり、2以上の整数)に関する利用者の建物空間利用情報も合わせて取得する(図14ステップS100a)。
[細分化区画Zqの建物空間利用情報の説明]
図15は評価対象空間と細分化区画の例を示す平面図である。図15の例では、建物Aの5階のフロアのオフィスを評価対象空間Z0としている。評価対象空間Z0には、会議室エリアR1、応接室エリアR2、執務エリアR3が設けられている。図15のDO1は評価対象空間Z0の出入り口である自動ドア、DO2は会議室エリアR1のドア、DO3は応接室エリアR2のドア、Wは窓、S1~S24は執務エリアR3の座席である。
評価対象空間Z0には、利用者のドアDO1~DO3の通過を管理するセキュリティシステムが設置されており、これにより評価対象空間Z0への利用者の入退出、会議室エリアR1への利用者の入退出、および応接室エリアR2への利用者の入退出を管理できるようになっている。
また、評価対象空間Z0には、例えばアンケート調査を行う管理者等のオペレータによって細分化区画Z1~Z3の3つの区画が設定されている。細分化区画Z1は、会議室エリアR1の領域と同じである。したがって、セキュリティシステムが管理している会議室エリアR1への利用者の入退出情報を、細分化区画Z1に関する利用者の建物空間利用情報として取得することが可能である。
また、執務エリアR3の座席S1~S16のエリアが細分化区画Z2として設定され、座席S17~S24のエリアが細分化区画Z3として設定されている。評価対象空間Z0のオフィスでは、座席S1~S24を固定座席ではなく、フリーアドレスとしている。フリーアドレスのオフィスでは、座席S1~S24の利用履歴情報(いつ誰が利用したか)を取得可能な座席管理システムが導入されていることが多い。利用履歴情報は、例えば緊急時の安否確認や社員同士のコミュニケーション活性化のために利用される。
したがって、座席S1~S24と細分化区画Z2,Z3との対応関係の情報を建物空間利用情報取得部10aに予め登録しておけば、座席S1~S16の利用履歴情報を細分化区画Z2に関する利用者の建物空間利用情報として取得し、座席S17~S24の利用履歴情報を細分化区画Z3に関する利用者の建物空間利用情報として取得することが可能である。評価対象空間Z0、エリアR1~R3、座席S1~S24と細分化区画Z1~Z3との対応関係の情報は、予めソリューションプロバイダや管理者によって建物空間利用情報取得部10aに登録されている。
図16(A)に座席S1~S24の利用履歴情報の例を示し、この利用履歴情報から生成された、細分化区画Z2,Z3に関する利用者の建物空間利用情報の例を図16(B)に示す。上記のとおり、座席S1~S24と細分化区画Z2,Z3との対応関係の情報に基づいて、建物空間利用情報取得部10aは、利用履歴情報に含まれる座席番号を細分化区画の番号に変換する。
建物空間利用情報の保持形式は多様であるが、利用空間を特定する情報(Z0~Z3)と利用者を特定する情報(ユーザID)と利用履歴(利用開始と終了の日時)とが対応付けられた情報が含まれていればよい。
建物空間評価装置1aの利用実態管理部11aは、利用実態情報生成部11a-1と、利用実態評価部11a-2とから構成される。
利用実態情報生成部11a-1は、建物空間利用情報取得部10aから評価対象空間Z0と細分化区画Z1~Z3の建物空間利用情報を取得し、建物空間利用情報に基づいて、評価対象期間における評価対象空間Z0と細分化区画Z1~Z3のそれぞれに関する利用者毎(ユーザID毎)の利用実態情報を生成する(図14ステップS101a)。
図16(B)に示した建物空間利用情報から生成された利用実態情報の例を図17に示す。本実施例の利用実態情報には、利用者を特定する情報と利用履歴の情報に加えて、利用空間を特定する情報(Z0~Z3)が含まれる。
続いて、利用実態評価部11a-2は、利用実態情報生成部11a-1によって生成された利用実態情報と予め設定されている利用実態評価条件とに基づき、評価対象空間Z0と細分化区画Z1~Z3のそれぞれについて利用者毎(ユーザID毎)に滞在有効度αを決定して滞在有効度情報として保持する(図14ステップS102a)。つまり、図4に示したような評価対象空間Z0に関する滞在有効度情報と同様の情報が、細分化区画Z1~Z3のそれぞれについても生成される。
滞在有効度情報の保持形式は多様であるが、利用空間を特定する情報(Z0~Z3)と利用者を特定する情報(ユーザID)と滞在有効度αとが対応付けられて保持されていればよい。
本実施例の利用実態評価部11a-2には、第1の実施例で説明した評価対象空間Z0の利用実態評価条件に加えて、細分化区画Z1~Z3毎の利用実態評価条件が予めソリューションプロバイダや管理者によって登録されている。
評価対象空間Z0に関する利用者毎の滞在有効度αの決定方法は、第1の実施例で説明したとおりである。
細分化区画Z1~Z3に関する利用者毎の滞在有効度αは、評価対象期間中に細分化区画Z1~Z3の利用経験(滞在経験)がある利用者が、細分化区画Z1~Z3を評価する評価者として適正かどうかの指標であればよく、評価対象期間中の細分化区画のそれぞれにおける利用者毎の総滞在時間SHを算出し、第1の実施例の式(1)から式(3)で例示したような方法で細分化区画毎に滞在有効度αを決定すればよい。利用実態評価条件は、全ての細分化区画で同一の条件としてももちろん構わない。
なお、式(1)~式(3)を用いて滞在有効度αを決定する際に、第1の実施例で説明したように、日別の滞在時間がk時間未満となった日の滞在時間を総滞在時間SHや総滞在日数SDの算出から除外するようにしてもよい。
アンケートシステム2および建物空間評価装置1aのアンケート回答情報取得部12の動作(ステップS200~S208,S103)は第1の実施例と同じである。
建物空間評価装置1aのアンケート評価部13aは、利用実態評価部11a-2から評価対象空間Z0と細分化区画Z1~Z3のそれぞれに関する利用者毎の滞在有効度情報を取得すると共に、アンケート回答情報取得部12からアンケート回答情報を取得し、滞在有効度情報の滞在有効度αとアンケート回答とをユーザIDにより関連付けて、滞在有効度αに基づいて評価対象空間Z0と細分化区画Z1~Z3の各空間毎にアンケート回答を評価する(図14ステップS104a)。
評価対象空間Z0に関する利用者毎の滞在有効度αに基づいて、評価対象空間Z0に関するアンケート回答を評価する方法は、第1の実施例で説明したとおりである。
細分化区画Z1~Z3の各々に関する利用者毎の滞在有効度αに基づいて、細分化区画Z1~Z3の各々に関するアンケート回答を評価するには、第1の実施例の第1の評価例または第2の評価例で例示したような評価を細分化区画毎に実行すればよい。
建物空間評価装置1aの評価結果提示部14は、第1の実施例と同様にアンケート評価部13aによる評価結果を管理者等のオペレータに提示する(図14ステップS105)。
以上のように、本実施例では、評価対象空間Z0と細分化区画Z1~Z3の利用者に対するアンケートの結果に利用空間毎の利用者の利用実態情報を反映することにより、利用実態の格差によって生じる利用者の空間評価に対する不確定性の要因(ノイズ成分)を低減することができ、建物空間環境の評価データの妥当性を高めることができる。
[第3の実施例]
次に、本発明の第3の実施例について説明する。本発明の第3の実施例では、利用者の利用空間(評価対象空間と細分化区画)の利用実態情報と、利用空間の熱環境情報(熱環境履歴情報)とを取得して、利用空間毎に各々の熱環境を考慮した滞在有効度を決定し、滞在有効度に基づいて、過去の一定期間を対象とした利用空間の環境に対する利用者の主観のアンケート回答結果を利用空間毎に評価する。
図18は本実施例に係る建物空間評価装置の構成を示すブロック図である。本実施例の建物空間評価装置1bは、建物空間利用情報取得部10と、建物空間利用情報に基づいて評価対象期間における利用空間に関する利用者毎の利用実態情報を生成し、利用実態情報と熱環境情報とに基づいて滞在有効度を利用者毎に決定する利用実態管理部11bと、アンケート回答情報取得部12と、アンケート評価部13と、評価結果提示部14と、評価対象期間中の利用空間の熱環境情報を取得する建物空間熱環境情報取得部15とを備えている。
建物空間熱環境情報に基づき、熱環境履歴を考慮して滞在有効度を決定すること以外は第1、第2の実施例と同様であるので、第1、第2の実施例と異なる部分のみ説明する。
図19は本実施例の建物空間評価装置1bの動作を説明するフローチャートである。建物空間評価装置1bの建物空間利用情報取得部10の動作(図19ステップS100)は、第1の実施例と同じである。
建物空間熱環境情報取得部15は、評価対象期間中の建物空間熱環境情報を取得する(図19ステップS106)。本実施例を第1の実施例に適用する場合には、評価対象期間中の評価対象空間の建物空間熱環境情報を取得し、本実施例を第2の実施例に適用する場合には、評価対象期間中の評価対象空間の建物空間熱環境情報に加えて、評価対象期間中の細分化区画毎の建物空間熱環境情報を取得する。
[建物空間熱環境情報の説明]
建物空間熱環境情報は、評価対象空間と細分化区画の温熱環境の履歴情報であり、具体的には、評価対象空間と細分化区画の温度を含む情報とする。本実施例では、評価対象空間と細分化区画に対応する空調ゾーンの室温Tpvと室温設定値Tspの履歴情報とする。これらは評価対象空間に設けられた空調システムの運用データから取得可能である。上記のとおり、本実施例を第1の実施例に適用する場合には、評価対象空間の建物空間熱環境情報のみ取得すればよい。
なお、空調ゾーンのデータを利用する場合、細分化区画と空調ゾーンの単位空間とが一致しない場合が有り得る。この場合には、細分化区画毎の建物空間熱環境情報の取得方法を建物空間熱環境情報取得部15に予め設定しておけばよい。
具体的には、例えば細分化区画に複数の空調ゾーンK1,K2,K3が含まれる場合、予め定められた代表的な空調ゾーンK2の室温Tpvと室温設定値Tspの履歴情報を当該細分化区画の建物空間熱環境情報として取得してもよいし、3つの空調ゾーンK1,K2,K3の室温Tpvの平均値と室温設定値Tspの平均値の履歴情報を当該細分化区画の建物空間熱環境情報として取得してもよい。
同様に、評価対象空間については、評価対象空間に含まれる各空調ゾーンの室温Tpvの平均値と室温設定値Tspの平均値の履歴情報を建物空間熱環境情報として取得してもよいし、予め定められた代表的な空調ゾーンの室温Tpvと室温設定値Tspの履歴情報を建物空間熱環境情報として取得してもよい。
建物空間評価装置1bの利用実態管理部11bは、利用実態情報生成部11-1と、利用実態評価部11b-2とから構成される。
利用実態情報生成部11-1の動作(図19ステップS101)は、第1の実施例と同じである。
続いて、利用実態評価部11b-2は、利用実態情報生成部11-1によって生成された利用実態情報と建物空間熱環境情報取得部15によって取得された建物空間熱環境情報と予め設定されている利用実態評価条件とに基づき、利用者毎(ユーザID毎)に滞在有効度αを決定して滞在有効度情報として保持する(図19ステップS102b)。
[利用実態評価部11b-2に設定されている利用実態評価条件の説明]
利用空間(評価対象空間と細分化区画)の熱環境履歴を考慮して滞在有効度を決定する方法が、利用実態評価条件として、予めソリューションプロバイダや評価対象空間の管理者によって利用実態評価部11b-2に登録されている。
本実施例では、第1の実施例と同様に評価対象期間中の利用空間における利用者毎の総滞在時間に基づき滞在有効度を決定するが、この際に、利用空間での利用者の滞在を有効とみなす熱環境条件を設定する。空調が適切に設定値制御を行っている温熱環境での滞在を有効とする熱環境条件として、例えば以下の式(5)の条件を設定する。
Figure 2023084307000006
式(5)は、室温Tpvと室温設定値Tspとの差の絶対値が所定の偏差閾値γ以下のときに、滞在フラグFsを1(滞在有効)とし、室温Tpvと室温設定値Tspとの差の絶対値が偏差閾値γより大きいときに、滞在フラグFsを0(滞在無効)とすることを意味している。Fs=1となった滞在有効期間とFs=0となった滞在無効期間の例を図20に示す。
利用者の滞在を有効とする熱環境条件の他の例としては、室温設定値を使用せずに、室温Tpvが一定の範囲内にある場合としてもよいし、あるいは温度履歴情報に基づいて演算するPMV(Predicted Mean Vote)や作用温度などの一般的な快適指標でも構わない。このような場合には、建物空間熱環境情報取得部15で取得する建物空間熱環境情報に快適指標の演算に必要なデータが含まれていればよい。
利用実態評価部11b-2は、利用空間毎に評価対象期間全体に渡って滞在有効期間と滞在無効期間を決定した後に、評価対象期間中の評価対象空間と細分化区画のそれぞれにおける利用者毎の総滞在時間SHを算出する。
総滞在時間SHの算出方法は、第1の実施例で説明した方法と同様であるが、この算出過程において、熱環境条件によって決定した滞在無効期間を除外した総滞在時間SH’を利用者毎に算出する。本実施例における熱環境履歴を考慮した総滞在時間SH’の算出例を図21に示す。ただし、図21の例は、総滞在時間SH’を算出する評価対象期間の一部の時間帯のみを示している。
利用者の滞在時間帯が図21のt1の場合、滞在時間帯t1は滞在有効期間内である。したがって、滞在時間帯t1は、総滞在時間SH’の一部として加えられる。滞在時間帯t2の始まりは滞在無効期間内なので、滞在時間帯t2から滞在無効期間中の時間帯を除いた時間が総滞在時間SH’の一部として加えられる。
図21の滞在時間帯t3は途中から滞在無効期間になるので、滞在時間帯t3から滞在無効期間中の時間帯を除いた時間が総滞在時間SH’の一部として加えられる。滞在時間帯t4はその全てが滞在無効期間内である。したがって、滞在時間帯t4は、総滞在時間SH’の算出から除外される。以上のような熱環境履歴を考慮した総滞在時間SH’を、評価対象空間と細分化区画のそれぞれについて利用者毎に算出すればよい。
そして、利用実態評価部11b-2は、総滞在時間SHの代わりに、熱環境履歴を考慮した総滞在時間SH’を用いて、第1の実施例の式(1)から式(3)で例示したような方法で評価対象空間と細分化区画のそれぞれについて利用者毎に滞在有効度αを決定すればよい。
本実施例では、滞在有効度αの決定方法に熱環境履歴が考慮されていればよく、例えば式(6)のようにして滞在有効度αを決定してもよい。
Figure 2023084307000007
式(6)は、ユーザIDがuIDmの利用者mの総滞在時間SHmが30時間以上で、かつ利用者mの総滞在時間SHmに対する熱環境履歴を考慮した総滞在時間SH’mの割合が90%以上のときに、利用者mの滞在有効度αmを1とすることを意味している。各利用者mの滞在有効度αmの初期値は全て0である。
なお、式(1)~式(3)または式(6)などを用いて滞在有効度αを決定する際に、第1の実施例で説明したように、日別の滞在時間がk時間未満となった日の滞在時間を総滞在時間SH,SH’や総滞在日数SDの算出から除外するようにしてもよい。
建物空間評価装置1bのアンケート回答情報取得部12とアンケート評価部13と評価結果提示部14の動作(図19ステップS103~S105)は、第1の実施例と同じである。
以上のように、本実施例では、評価対象空間と細分化区画の利用者に対するアンケートの結果に利用空間毎の利用者の利用実態情報と熱環境情報とを反映することにより、利用空間の利用実態および熱環境の格差によって生じる利用者の空間評価に対する不確定性の要因(ノイズ成分)を低減することができ、建物空間環境の評価データの妥当性を高めることができる。
なお、以上の説明では、主として本実施例を第1の実施例に適用する場合について説明しているが、本実施例を第2の実施例に適用してもよい。本実施例を第2の実施例に適用する場合には、建物空間利用情報取得部10の代わりに建物空間利用情報取得部10aを設け、利用実態情報生成部11-1の代わりに利用実態情報生成部11a-1を設け、利用実態評価部11b-2において評価対象空間と細分化区画のそれぞれについて利用者毎に滞在有効度αを決定し、アンケート評価部13の代わりにアンケート評価部13aを設けるようにすればよい。
第1~第3の実施例で説明した建物空間評価装置1,1a,1bとアンケートシステム2の各々は、それぞれCPU(Central Processing Unit)、記憶装置及びインターフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このコンピュータの構成例を図22に示す。
コンピュータは、CPU200と、記憶装置201と、インタフェース装置(I/F)202とを備えている。建物空間評価装置1,1a,1bの場合、I/F202には、アンケートシステム2やディスプレイ装置、セキュリティシステム、労務管理システム、空調システム等が接続される。アンケートシステム2の場合、I/F202には、建物空間評価装置1,1a,1bや回答者の端末等が接続される。
本発明の建物空間評価方法を実現させるための建物空間評価プログラムは記憶装置201に格納される。各々の装置のCPU200は、記憶装置201に格納されたプログラムに従って第1~第3の実施例で説明した処理を実行する。
本発明は、建物空間環境を評価する技術に適用することができる。
1,1a,1b…建物空間評価装置、2…アンケートシステム、10,10a…建物空間利用情報取得部、11,11a,11b…利用実態管理部、11-1,11a-1…利用実態情報生成部、11-2,11a-2,11b-2…利用実態評価部、12…アンケート回答情報取得部、13,13a…アンケート評価部、14…評価結果提示部、15…建物空間熱環境情報取得部、20…実施設定部、21…回答依頼送信部、22…設問設定部、23…回答票生成提示部、24…回答保持部。

Claims (14)

  1. 評価対象期間における建物内の1つ以上の利用空間に関する利用者毎の利用実態情報に基づいて、利用者が前記利用空間を評価する評価者として適正かどうかの指標である滞在有効度を決定するように構成された利用実態評価部と、
    前記評価対象期間中の前記利用空間の環境に対するアンケート回答を取得するように構成されたアンケート回答情報取得部と、
    アンケート回答者と同一人物の利用者の前記滞在有効度に基づいて前記アンケート回答を評価するように構成されたアンケート評価部とを備えることを特徴とする建物空間評価装置。
  2. 請求項1記載の建物空間評価装置において、
    前記利用実態評価部は、前記利用実態情報に基づいて前記評価対象期間中の前記利用空間における利用者毎の総滞在時間を算出し、前記総滞在時間に基づいて利用者毎の前記滞在有効度を決定することを特徴とする建物空間評価装置。
  3. 請求項2記載の建物空間評価装置において、
    前記利用実態評価部は、前記総滞在時間に加えて、前記利用実態情報に基づいて前記評価対象期間中の前記利用空間における利用者毎の総滞在日数を算出し、前記総滞在時間と前記総滞在日数とに基づいて利用者毎の前記滞在有効度を決定することを特徴とする建物空間評価装置。
  4. 請求項1記載の建物空間評価装置において、
    前記評価対象期間中の前記利用空間の熱環境情報を取得するように構成された建物空間熱環境情報取得部をさらに備え、
    前記利用実態評価部は、前記利用実態情報と前記熱環境情報とに基づいて前記滞在有効度を決定することを特徴とする建物空間評価装置。
  5. 請求項4記載の建物空間評価装置において、
    前記利用実態評価部は、前記利用空間での利用者の滞在を有効とみなす熱環境条件と前記熱環境情報とに基づいて、利用空間毎に前記評価対象期間中の滞在無効期間を決定し、前記利用実態情報と前記滞在無効期間とに基づいて、前記評価対象期間中の前記利用空間における利用者毎の総滞在時間から前記滞在無効期間を除外した時間を算出し、前記総滞在時間から前記滞在無効期間を除外した時間に基づいて利用者毎の前記滞在有効度を決定することを特徴とする建物空間評価装置。
  6. 請求項5記載の建物空間評価装置において、
    前記利用実態評価部は、前記総滞在時間から前記滞在無効期間を除外した時間に加えて、前記利用実態情報に基づいて前記評価対象期間中の前記利用空間における利用者毎の総滞在日数を算出し、前記総滞在時間から前記滞在無効期間を除外した時間と前記総滞在日数とに基づいて利用者毎の前記滞在有効度を決定することを特徴とする建物空間評価装置。
  7. 請求項4記載の建物空間評価装置において、
    前記利用実態評価部は、前記利用空間での利用者の滞在を有効とみなす熱環境条件と前記熱環境情報とに基づいて、利用空間毎に前記評価対象期間中の滞在無効期間を決定し、前記利用実態情報に基づいて前記評価対象期間中の前記利用空間における利用者毎の総滞在時間を算出すると共に、前記総滞在時間から前記滞在無効期間を除外した時間を算出し、前記総滞在時間と前記総滞在時間から前記滞在無効期間を除外した時間とに基づいて利用者毎の前記滞在有効度を決定することを特徴とする建物空間評価装置。
  8. 請求項2、5、7のいずれか1項に記載の建物空間評価装置において、
    前記利用実態評価部は、利用者の日別の滞在時間が所定時間未満となった日の滞在時間を前記総滞在時間の算出から除外することを特徴とする建物空間評価装置。
  9. 請求項3または6記載の建物空間評価装置において、
    前記利用実態評価部は、利用者の日別の滞在時間が所定時間未満となった日の滞在時間を前記総滞在時間と前記総滞在日数の算出から除外することを特徴とする建物空間評価装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の建物空間評価装置において、
    前記アンケート評価部は、前記滞在有効度に基づいて利用者をグルーピングし、前記アンケート回答の統計量を利用者のグループ毎に算出することを特徴とする建物空間評価装置。
  11. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の建物空間評価装置において、
    前記アンケート評価部は、前記アンケート回答の統計量を前記滞在有効度によって重み付けすることを特徴とする建物空間評価装置。
  12. 評価対象期間における建物内の1つ以上の利用空間に関する利用者毎の利用実態情報に基づいて、利用者が前記利用空間を評価する評価者として適正かどうかの指標である滞在有効度を決定する第1のステップと、
    前記評価対象期間中の前記利用空間の環境に対するアンケート回答を取得する第2のステップと、
    アンケート回答者と同一人物の利用者の前記滞在有効度に基づいて前記アンケート回答を評価する第3のステップとを含むことを特徴とする建物空間評価方法。
  13. 請求項12記載の建物空間評価方法において、
    前記第1のステップの前に、前記利用空間の熱環境情報を取得する第4のステップをさらに含み、
    前記第1のステップは、前記利用実態情報と前記熱環境情報とに基づいて前記滞在有効度を決定するステップを含むことを特徴とする建物空間評価方法。
  14. 請求項12または13記載の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする建物空間評価プログラム。
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