JP2023082913A - 充放電装置、蓄電システム、及び、充放電制御方法 - Google Patents

充放電装置、蓄電システム、及び、充放電制御方法 Download PDF

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直樹 日高
Naoki Hidaka
直樹 綾井
Naoki Ayai
俊明 奥村
Toshiaki Okumura
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Abstract

【課題】蓄電池の劣化を抑制しつつ、利用可能温度範囲を拡げる。【解決手段】本開示の充放電装置は、蓄電池とDCバスとの間にあって双方向に動作可能であり、リアクトル、ローサイドのスイッチ、及び、ハイサイドのスイッチを含む、DC/DC変換回路と、蓄電池の温度情報を取得する機能を有し、DC/DC変換回路を制御する制御部と、を備え、制御部は、制御モードとして、温度情報に基づく第1の温度範囲において、DC/DC変換回路に、蓄電池の充電及び放電を許可する第1制御モードと、第1の温度範囲の下限値より低い第2の温度範囲において、DC/DC変換回路に、蓄電池の放電を許可し、かつ、充電を禁止する第2制御モードと、を有する。【選択図】図5

Description

本開示は、充放電装置、蓄電システム、及び、充放電制御方法に関する。充放電とは、充電又は放電を任意に選択して実行することを意味する。
住宅用の蓄電システムにおける蓄電池としては、リチウムイオン電池が広く採用されている。リチウムイオン電池には、蓄電池メーカーが推奨する動作温度範囲がある(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。仮に、その動作温度範囲を外れた温度で使用すると、蓄電池の劣化が早くなる可能性がある。特に、寒冷地における屋外設置の蓄電システムでは、上記の動作温度範囲を下回る低温になる場合があり、このような低温で充放電運転を行うと、劣化が進むと予想される。
国際公開番号WO2014/128756(段落[0032])
家庭用蓄電システム「POWER DEPO(登録商標)IV」住友電気工業株式会社(Webサイト製品カタログ)
しかしながら、低温では蓄電システムが運転できない、となると、寒冷地では十分に蓄電システムを活用できない。
本開示は、蓄電池の劣化を抑制しつつ、利用可能温度範囲を拡げることを目的とする。
本開示は、以下の発明を含む。但し、本発明は特許請求の範囲によって定められるものである。
(充放電装置)
本開示の充放電装置は、蓄電池と、DCバスと、前記蓄電池と前記DCバスとの間にあって双方向に動作可能であり、リアクトル、ローサイドのスイッチ、及び、ハイサイドのスイッチを含む、DC/DC変換回路と、前記蓄電池の温度情報を取得する機能を有し、前記DC/DC変換回路を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、制御モードとして、
前記温度情報に基づく第1の温度範囲において、前記DC/DC変換回路に、前記蓄電池の充電及び放電を許可する第1制御モードと、
前記第1の温度範囲の下限値より低い第2の温度範囲において、前記DC/DC変換回路に、前記蓄電池の放電を許可し、かつ、充電を禁止する第2制御モードと、
を有する充放電装置である。
(蓄電システム)
本開示の蓄電システムは、前記充放電装置と、前記充放電装置に接続され、直流/交流の電力変換を行うインバータと、を備えたものである。
(充放電制御方法)
本開示の充放電制御方法は、DC/DC変換回路を介して蓄電池を充放電させる場合の充放電制御方法であって、
前記蓄電池の温度情報を取得し、
前記蓄電池の第1の温度範囲において、前記DC/DC変換回路に、前記蓄電池の充電及び放電を許可し、
前記第1の温度範囲の下限値より低い第2の温度範囲において、前記DC/DC変換回路に、前記蓄電池の放電を許可し、かつ、充電を禁止する、
充放電制御方法である。
本開示によれば、蓄電池の劣化を抑制しつつ、その利用可能温度範囲を拡げることができる。
図1は、蓄電池を搭載したハイブリッド型の蓄電システムを含む、電源システムの構成を示す単線接続図である。 図2は、図1における充放電装置の第1例を示す回路図である。 図3は、蓄電池の放電を行う場合であって、リアクトルに流れる電流が小電流のときの、シームレス制御と切替制御との違いを例示するグラフであり、(a)が、シームレス制御の場合のグラフ、(b)が、切替制御の場合のグラフである。 図4は、本開示における、蓄電池の温度と、充放電装置を含む蓄電システムの動作との関係を示す図である。 図5は、蓄電システムの運転開始時及び運転中に、制御部が定期的に実行する温度による制御モード選択の一例を示すフローチャートである。 図6は、図1における充放電装置の第2例を示す回路図である。 図7は、図1における充放電装置の第3例を示す回路図である。
[本開示の実施形態の説明]
本開示の実施形態には、その要旨として、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)本開示の充放電装置は、蓄電池と、DCバスと、前記蓄電池と前記DCバスとの間にあって双方向に動作可能であり、リアクトル、ローサイドのスイッチ、及び、ハイサイドのスイッチを含む、DC/DC変換回路と、前記蓄電池の温度情報を取得する機能を有し、前記DC/DC変換回路を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、制御モードとして、前記温度情報に基づく第1の温度範囲において、前記DC/DC変換回路に、前記蓄電池の充電及び放電を許可する第1制御モードと、前記第1の温度範囲の下限値より低い第2の温度範囲において、前記DC/DC変換回路に、前記蓄電池の放電を許可し、かつ、充電を禁止する第2制御モードと、を有する。
このような充放電装置によれば、第1の温度範囲では、第1制御モードが実行され、蓄電池の充電及び放電を行うことができる。第2の温度範囲では、第2制御モードが実行され、蓄電池の放電のみ可能であり、充電はできない。充放電装置に使用される蓄電池は、現状では、リチウムイオン電池が主流である。かかる蓄電池には充電/放電に適した第1の温度範囲がある。この第1の温度範囲の下限値より低い第2の温度範囲で充電を行うと蓄電池が劣化する可能性があるが、放電は、劣化を招かない場合がある。そこで、第2の温度範囲では、蓄電池の放電のみを行うことにより、蓄電池の劣化を抑制しつつ、利用可能温度範囲を拡げることができる。
なお、スイッチとは、スイッチング素子及び、これに逆並列に接続されたダイオードを意味している。
(2)前記(1)の充放電装置では、例えば、前記制御部は、前記第2制御モードにおいて、前記ハイサイドのスイッチを、前記リアクトルから前記DCバスへの一方向に常時通電、かつ、逆方向には通電阻止の状態とし、前記ローサイドのスイッチをスイッチングするようにしてもよい。
この場合、DCバスから蓄電池への電流の流れを阻止し、蓄電池が充電されることを防止できる。
(3)前記(1)又は(2)の充放電装置において、前記蓄電池に付随して、前記蓄電池の内部の温度を検出するバッテリ管理システムが設けられ、前記制御部は、前記バッテリ管理システムから前記温度情報を含む情報を取得する、という構成であってもよい。
この場合、蓄電池の内部の温度に基づいて、より的確に、第1制御モード又は第2制御モードを実行することができる。また、温度情報以外の情報として、例えばSOC(State Of Charge)の情報に基づいて放電の可否を判定することもできる。
(4)前記(1)又は(2)の充放電装置において、前記蓄電池の外部に温度センサが設けられ、前記制御部は、前記温度センサの出力に基づいて、前記温度情報を取得する、という構成であってもよい。
温度センサを蓄電池の外部(例えば外面)に設けた場合でも、内部の温度との相関関係に基づいて、内部の温度を推定し、第1制御モード又は第2制御モードを実行することができる。
(5)前記(1)から(4)のいずれかの充放電装置において、前記第2の温度範囲は、具体的には、前記下限値より低く、前記下限値より10℃低い温度以上である。
このような第2の温度範囲では、充電は行えないが放電は可能であるという知見を得たことにより、第2制御モードを実行することができた。
(6)前記(1)から(5)のいずれかの充放電装置において、前記ハイサイドのスイッチは、スイッチング素子と、前記スイッチング素子と逆並列に接続され、前記リアクトルから前記DCバスへ電流が流れる方向を順方向とするダイオードと、を備え、前記制御部は、前記第2制御モードでは前記スイッチング素子を常時オフの状態とするようにしてもよい。
この場合、第2制御モードでは、DCバスから蓄電池への電流の流れを阻止し、蓄電池が充電されることを防止できる。
(7)前記(1)から(6)のいずれかの充放電装置において、前記リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、前記DC/DC変換回路の高電圧側端部の線間電圧を検出する第1電圧センサと、前記DC/DC変換回路の低電圧側端部の線間電圧を検出する第2電圧センサと、を備え、前記制御部は、前記電流センサの検出値を、前記リアクトルのインダクタンス、キャリア周波数、前記第1電圧センサの検出値及び前記第2電圧センサの検出値に基づいて補正するようにしてもよい。
この場合、電流センサの検出値を補正することにより、電流不連続状態におけるDC/DC変換回路の変換効率が向上する。
(8)蓄電システムとしては、(1)から(7)のいずれかの充放電装置と、前記充放電装置に接続され、直流/交流の電力変換を行うインバータと、を備えたものである。
このような蓄電システムでは、蓄電池の劣化を抑制しつつ、利用可能温度範囲を拡げることができる。
(9)方法の観点からは、DC/DC変換回路を介して蓄電池を充放電させる場合の充放電制御方法であって、前記蓄電池の温度情報を取得し、前記蓄電池の第1の温度範囲において、前記DC/DC変換回路に、前記蓄電池の充電及び放電を許可し、前記第1の温度範囲の下限値より低い第2の温度範囲において、前記DC/DC変換回路に、前記蓄電池の放電を許可し、かつ、充電を禁止する、充放電制御方法である。
このような充放電制御方法によれば、第1の温度範囲では、蓄電池の充電及び放電を行うことができる。第2の温度範囲では、蓄電池の放電のみ可能であり、充電はできない。蓄電池は、現状では、リチウムイオン電池が主流である。かかる蓄電池には充電/放電に適した第1の温度範囲がある。この第1の温度範囲の下限値より低い第2の温度範囲で充電を行うと蓄電池が劣化する可能性があるが、放電は、劣化を招かない場合がある。そこで、第2の温度範囲では、蓄電池の放電のみを行うことにより、蓄電池の劣化を抑制しつつ、利用可能温度範囲を拡げることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の充放電装置及び蓄電システムの具体例について、図面を参照して説明する。
《蓄電システム》
図1は、蓄電池を搭載したハイブリッド型の蓄電システム1を含む、電源システム100の構成を示す単線接続図である。蓄電システム1の直流側入力端P1には、太陽光発電パネル2が接続されている。蓄電システム1の交流側端部P2は、単相3線式の商用電力系統3と接続されている。もう一つの交流側端部P3は、単相3線の、200V又は100Vの負荷4と接続されている。なお、ハイブリッド型というのは一例であり、太陽光発電パネルを接続しない単機能型の蓄電システムもある。
図1の蓄電システム1は、内部に、蓄電池11と、DCバス12と、蓄電池11とDCバス12との間に設けられた第1のDC/DCコンバータ13と、DCバス12に出力可能な、太陽光発電用の第2のDC/DCコンバータ14と、DCバス12に接続されたインバータ15と、インバータ15の交流側端部15aから商用電力系統3へ繋がる第1交流電路16と、交流側端部15aから負荷4へ給電する第2交流電路17と、第1交流電路16に設けられた逆電力検出用の電流センサとしてのCT(Current Transformer)18と、第1交流電路16に設けられ、商用電力系統3との連系又は解列を実行する開閉器としてのリレー19と、を備えている。なお、CT18とリレー19とは互いに位置が逆になってもよい。
蓄電池11とDC/DCコンバータ13とは、充放電装置10を構成している。
DC/DCコンバータ13は、双方向に変換動作が可能であり、DCバス12の電圧に基づいて降圧した電圧により蓄電池11を充電するほか、逆に、蓄電池11の出力電圧を昇圧してDCバス12に送り込むことができる。インバータ15も双方向に変換動作が可能であり、DCバス12の電圧に基づいて交流電力を提供するほか、逆に、交流電圧を直流電圧に変換してDCバス12に供給することもできる。
なお、DC/DCコンバータ13,14、インバータ15、及び、リレー19を制御するとともに、CT18の検出出力を受け取る制御部があるが、ここでは図示を省略している。商用電力系統3が正常であるときは、リレー19は閉路し、電源システム100は商用電力系統3と系統連系している。
太陽光発電パネル2の発電電力は、DC/DCコンバータ14によりMPPT(Maximum Power Point Tracking)制御され、DCバス12にDC電圧が供給される。DCバス12の電圧はインバータ15により単相3線式の交流電力に変換され、負荷4に供給されるとともに、商用電力系統3へ逆潮流させて売電することができる。また、DCバス12からDC/DCコンバータ13を介して蓄電池11を充電することもできる。
太陽光発電パネル2が発電していないとき又は発電量が不足しているときは、蓄電池11を放電させDC/DCコンバータ13を介してDCバス12に出力し、さらに、インバータ15を介して負荷4に電力を供給することができる。この場合は、蓄電池由来の電力が商用電力系統3に逆潮流(逆電力)とならないよう、CT18の検出出力に基づいて、蓄電システム1の制御が行われる。また、商用電力系統3から負荷4に電力を供給することができる。商用電力系統3の交流電圧をインバータ15により逆変換してDCバス12に電力を供給し、DC/DCコンバータ13を介して蓄電池11を充電することもできる。
商用電力系統3の停電時には、リレー19が開路され、蓄電システム1は、商用電力系統3から解列される。この状態でも、太陽光発電中であれば太陽光発電の自立出力運転による電力を、単相3線200V/100Vの全負荷対応で、負荷4に供給することができる。太陽光発電パネル2が発電していないとき又は発電量が不足しているときは、蓄電池11を放電させて、負荷4に電力を供給することができる。
《充放電装置:第1例》
図2は、図1における充放電装置10の第1例を示す回路図である。図において、充放電装置10内のDC/DCコンバータ13は、DC/DC変換回路13Aと、制御部13Bとにより構成される。DC/DC変換回路13Aは、低電圧側(蓄電池11側)端部Tの直流電圧vを、高電圧側(DCバス12側)端部Tの直流電圧vに変換するか、又は、その逆の変換をする双方向変換が可能な回路である。相対的に、vの方が低電圧、vの方が高電圧の関係となる。
DC/DC変換回路13Aは、主回路要素として、コンデンサ131、リアクトル132、ハイサイドのスイッチング素子Q、ローサイドのスイッチング素子Q、及び、コンデンサ133を備えている。スイッチング素子Q,Qは同じ向きに直列に互いに接続されて直列体を成し、その相互接続点にリアクトル132の一端が接続されている。リアクトル132の他端及びスイッチング素子Qの一端(エミッタ)は、低電圧側端部Tに繋がっている。直列体の両端(スイッチング素子Qのコレクタ、スイッチング素子Qのエミッタ)は高電圧側端部Tに繋がっている。高電圧側端部Tは、DCバス12に接続される。
スイッチング素子Q,Qは例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、それぞれ、逆並列にダイオードd,dが接続されている。
計測・制御用の回路要素としては、電圧v又はコンデンサ131の両端電圧を検出する電圧センサ134が設けられている。電圧センサ134の検出出力は制御部13Bに送られる。リアクトル132に流れる電流は、電流センサ135によって検出される。電流センサ135の検出出力は制御部13Bに送られる。また、電圧v又はコンデンサ133の両端電圧を検出する電圧センサ136が設けられている。電圧センサ136の検出出力は制御部13Bに送られる。バッテリ管理システム(BMS:Baterry Management System)20は、蓄電池11に付随して設けられ、蓄電池11の内部の温度情報、SOC、SOH(State Of Health)その他、各種の電池情報を制御部13Bに提供する。
スイッチング素子Q,Qのオン/オフ制御は、制御部13Bによって行われる。制御部13Bは、例えばマイクロコンピュータを含むものであり、マイクロコンピュータがソフトウェア(コンピュータプログラム)を実行することで、必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、制御部13Bの記憶装置(図示せず。)に格納される。なお、制御部13Bは、マイクロコンピュータと同等の機能を有する他のデバイスで構成されていてもよい。
上記制御部13Bは、実際には図1におけるDC/DCコンバータ14及びインバータ15も制御するが、ここでは、充放電装置10におけるDC/DCコンバータ13の制御にのみ着目して説明する。
スイッチング素子Q,Qの制御には、充電/放電のいずれの場合も両方のスイッチング素子を交互にオン/オフさせる相補スイッチングを行うシームレス制御と、充電か放電かに対応して一方のスイッチング素子のみをスイッチングし、他方のスイッチング素子はオフに固定する切替制御とがある。本開示では、少なくとも低温の所定温度範囲では、切替制御を採用する。
切替制御により蓄電池11を充電するときは、ローサイドのスイッチング素子Qをオフに固定し、ハイサイドのスイッチング素子Qのみをスイッチングさせる。これにより、DCバスの電圧vを降圧した電圧vにより蓄電池11が充電される。ローサイドのスイッチング素子Q及びダイオードdには、電流が流れない。
切替制御により蓄電池11を放電させるときは、ハイサイドのスイッチング素子Qをオフに固定し、ローサイドのスイッチング素子Qのみをスイッチングさせる。スイッチング素子Qがオフであっても、ダイオードdの順方向には電流が流れる。これにより、蓄電池11の電圧vが昇圧されて、電圧vとしてDCバス12に送り込まれる。ハイサイドのスイッチング素子Qがオフであるため、蓄電池11を充電する方向には電流が流れない。
図3は、蓄電池11の放電を行う場合であって、リアクトル132に流れる電流が小電流のときの、シームレス制御と切替制御との違いを例示するグラフである。(a)が、シームレス制御の場合のグラフであり、(b)が、切替制御の場合のグラフである。
シームレス制御の場合、充電/放電で基本的に制御が変わらず、制御上の電流指令値が正であれば放電、負であれば充電となる。電流は連続して変化する電流連続状態となる。電流の平均値が大きいときは、波形が0[A]より十分上に上がるので、0[A]を割ることはない。しかしながら、小電流の場合、制御上では電流指令値が正(放電)であっても、リプル電流が負の方向(充電)に入り込んで意図せぬ充電が起こりうる。
これに対して、(b)の切替制御では、放電時にはハイサイドのスイッチング素子Qがオフに固定されているため、負の方向に電流は流れず、充電はされない。電流の変化は、0[A]を介在させる電流不連続状態となる。相補スイッチング制御では充電になるところでも、電流は0[A]となる。
《温度による制御モード》
図4は、本開示における、蓄電池11の温度と、充放電装置10を含む蓄電システム1の動作との関係を示す図である。温度[℃]が40℃以上の高温では、蓄電システム1は、自己の保護のため運転を停止する。-20℃より低温の場合も同様に、運転停止である。-10℃から40℃までの範囲(第1の温度範囲の一例)では、充電及び放電の動作が可能である(第1制御モード)。そして、このたび、-10℃より低温であるが、-20℃以上の場合(第2の温度範囲の一例)は、放電のみであれば(第2制御モード)、劣化の進行を抑制しつつ使用可能であるという知見を得るに至った。但し、充電はできない。
なお、この場合でも、例えばSOCの情報に基づいて放電の可否を判定し、放電が困難であれば放電させないという判定をすることもできる。
図5は、蓄電システム1の運転開始時及び運転中に、制御部13Bが定期的に実行する温度による制御モード選択の一例を示すフローチャートである。制御部13Bは、ステップS1において、蓄電池11の温度が-20℃から40℃の範囲内か否かを判定する。NOの場合は、運転停止である(ステップS5)。YESの場合、制御部13Bは、ステップS2において、蓄電池11の温度が-10℃から40℃の範囲内か否かを判定する。ここでもYESの場合、充放電許可となり(ステップS3)、充電、放電ともに可能となる。ステップS2においてNOの場合は、温度が-10℃より低温であるが、-20℃以上であることになるので、放電のみ許可される(ステップS4)。このようにして、従来使用できなかった低温領域でも、放電に限定することで、使用可能な温度範囲を拡げることができる。
《充放電装置:第2例》
図6は、図1における充放電装置10の第2例を示す回路図である。図2との違いは、バッテリ管理システム(BMS)20ではなく、蓄電池11の外部に温度センサ21を設けて温度情報を取得する点である。蓄電池11の内部の温度は、蓄電池11の例えば外面の温度と相関関係があるので、外面の温度から推定することができる。そこで、外面の温度を温度センサ21で検出し、その検出出力に基づいて制御部13Bが推定するようにしてもよい。なお、その他、蓄電池11の周囲温度(空気の温度)から内部の温度を推定することも可能である。
《充放電装置:第3例》
図7は、図1における充放電装置10の第3例を示す回路図である。図2との違いは、スイッチング素子Q,Qとして、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)を用いている点であり、その他の回路構成は図1と同様である。但し、この場合、シームレス制御と切替制御とを使い分ける。MOSFETがオンの状態では、ダイオードを除く素子本体部分が双方向に導通可能である。素子本体部分の通電抵抗は、ダイオードより低い。そのため、相補スイッチングを行うことによって導通損失を低減することができ、シームレス制御を選択する意義がある。
制御部13Bは、蓄電池11の温度が充放電可能な領域であり充放電許可(図5のステップS3)の場合は、スイッチング素子Q,Qを相補スイッチングして、シームレス制御を行う。放電のみ許可(図5のステップS4)の場合には、制御部13Bは切替制御を行う。切替制御により、充電を禁止しつつ、放電のみを行わせることができる。
《リアクトル電流の補正とPWM制御について》
なお、シームレス制御では、出力電流が小さいときに、電流不連続状態にならず、常に電流連続状態で動作するためリプル電流の振幅が大きい。そのため、低出力時にはスイッチング素子やリアクトルの抵抗によって発生する損失の割合が増え、変換効率が低下する。これを抑制するため、例えば、以下の手法を用いることができる。
例えば、電圧vi、voは定電圧であるとする。これらの電圧は、充電状態や、流れる電流によって生ずる電圧降下によって変化するが、コンデンサ131,133によってインピーダンスが低減されており、スイッチング周期程度の短時間では電圧は一定と考えてよい。よって、低電圧側、高電圧側はそれぞれ、電圧v、電圧vの電圧源とみなす。リアクトル132のインダクタンスをL、リアクトル132に流れる電流はi、電流iのリプルの中点における検出値をi、キャリア周波数をfとする。電流の符号は放電方向を「+」、充電方向を「-」と定義する。
(使用する記号の一覧)
:低電圧側の電圧
:高電圧側の電圧
L:リアクトルのインダクタンス
:リアクトル電流(リアクトルに流れる電流)
:リアクトル電流指令値(制御の指令値)
:リアクトル電流のセンサ検出値(キャリアの谷で検出)
Lx:電流不連続状態におけるリアクトル電流換算値
<i>:リアクトル電流の平均値(連続状態ではiと一致)
:キャリア周波数
:キャリア周期
D:ローサイドのスイッチング素子QのPWM(Pulse Width Modulation)参照値
:ハイサイドのスイッチング素子QのPWM参照値
cd:フィードバック制御のゲイン(放電時、電流連続状態)
dd:フィードバック制御のゲイン(放電時、電流不連続状態)
cc:フィードバック制御のゲイン(充電時、電流連続状態)
dc:フィードバック制御のゲイン(充電時、電流不連続状態)
上記ハイサイドのスイッチング素子Qと、ローサイドのスイッチング素子Qとは、交互にオンになるよう制御部13Bにより、制御される。
リアクトル132をチャージ(エネルギー蓄積)する期間をエネルギー蓄積期間、ディスチャージ(エネルギー放出)する期間をエネルギー放出期間と称する。
エネルギー蓄積期間に導通するスイッチング素子のゲート制御パルスを生成するためのPWM参照値は以下のようにして得られる。
放電時、電流不連続状態におけるリアクトル電流換算値は、i ≧0のとき、以下の式(1)により表される。
Lx=2Lf [(1/v)+{1/(v-v)}] ・・・(1)
また、放電時、電流連続状態におけるローサイドのスイッチング素子QのPWM参照値Dは、i ≧0、かつ、iLx≧iの場合、以下の式(2)により表される。
D={(v-v)/v}+{KcdLf(i -i)/v
・・・(2)
放電時、電流不連続状態におけるローサイドのスイッチング素子QのPWM参照値Dは、i >0、かつ、iLx<iの場合、以下の式(3)により表される。
D={2Lf(v-v)/(v)}1/2
{Lf(v-v)/(2i )}1/2 dd(i -iLx
・・・(3)
充電時、電流不連続状態におけるリアクトル電流換算値は、i <0の場合、以下の式(4)により表される。
Lx=2Lf [{1/(v-v)}-(1/v)] ・・・(4)
充電時、電流連続状態におけるハイサイドのスイッチング素子QのPWM参照値Dは、i <0、かつ、iLx≧iの場合、以下の式(5)により表される。
=(v/v)-{KccLf(i -i)/v} ・・・(5)
充電時、電流不連続状態におけるハイサイドのスイッチング素子QのPWM参照値Dは、i <0、かつ、iLx<iの場合、以下の式(6)により表される。
={2Lf /(v(v-v))}1/2
{Lf/(2v(v-v)i )}1/2 dc(i -iLx
・・・(6)
上記式(1),(4)により、電流センサ135の検出値を、リアクトル132のインダクタンス、キャリア周波数、電圧vi、電圧voに基づいて補正して、リアクトル132に流れる電流の換算値を求めることができる。換算値に基づいて、電流連続状態と電流不連続状態とを識別することができる。また、上記式(2),(3),(5),(6)により、スイッチング素子Q,QのPWM制御における、適切なPWM参照値を求めることができる。
《開示のまとめ》
以上のように、本開示の蓄電システム1における充放電装置10は、蓄電池11と、DCバス12との間にあって双方向に動作可能であり、リアクトル132、ローサイドのスイッチ(スイッチング素子Q,ダイオードd)、及び、ハイサイドのスイッチ(スイッチング素子Q,ダイオードd)を含む、DC/DC変換回路13Aと、蓄電池11の温度情報を取得する機能を有し、DC/DC変換回路13Aを制御する制御部13Bと、を備えている。そして、制御部13Bは、制御モードとして、温度情報に基づく第1の温度範囲において、DC/DC変換回路13Aに、蓄電池11の充電及び放電を許可する第1制御モードと、第1の温度範囲の下限値より低い第2の温度範囲において、DC/DC変換回路13Aに、蓄電池11の放電を許可し、かつ、充電を禁止する第2制御モードと、を有する。
例えば、第1の温度範囲とは、-10℃から40℃の範囲である。第2の温度範囲とは、-10℃より低温であり-20℃以上である。但し、温度の数値は一例にすぎず、この例示に限定されるわけではない。第2の温度範囲は、使用可能温度範囲を拡げる効果を得るためには、上限から下限までの幅が、10℃程度あることが好ましいと考えられる。
このような充放電装置10によれば、第1の温度範囲では、第1制御モードが実行され、蓄電池11の充電及び放電を行うことができる。第2の温度範囲では、第2制御モードが実行され、蓄電池11の放電のみ可能であり、充電はできない。充放電装置10に使用される蓄電池11としてのリチウムイオン電池には充電/放電に適した第1の温度範囲がある。この第1の温度範囲の下限値より低い第2の温度範囲で充電を行うと蓄電池11が劣化する可能性があるが、放電は、劣化を招かない場合がある。そこで、第2の温度範囲では、蓄電池11の放電のみを行うことにより、蓄電池11の劣化を抑制しつつ、利用可能温度範囲を拡げることができる。
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 蓄電システム
2 太陽光発電パネル
3 商用電力系統
4 負荷
10 充放電装置
11 蓄電池
12 DCバス
13 DC/DCコンバータ
13A DC/DC変換回路
13B 制御部
14 DC/DCコンバータ
15 インバータ
15a 交流側端部
16 第1交流電路
17 第2交流電路
18 CT
19 リレー
20 バッテリ管理システム(BMS)
21 温度センサ
100 電源システム
131 コンデンサ
132 リアクトル
133 コンデンサ
134 電圧センサ
135 電流センサ
136 電圧センサ
,d ダイオード
P1 直流側端部
P2,P3 交流側端部
,Q スイッチング素子
高電圧側端部
低電圧側端部

Claims (9)

  1. 蓄電池と、
    DCバスと、
    前記蓄電池と前記DCバスとの間にあって双方向に動作可能であり、リアクトル、ローサイドのスイッチ、及び、ハイサイドのスイッチを含む、DC/DC変換回路と、
    前記蓄電池の温度情報を取得する機能を有し、前記DC/DC変換回路を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、制御モードとして、
    前記温度情報に基づく第1の温度範囲において、前記DC/DC変換回路に、前記蓄電池の充電及び放電を許可する第1制御モードと、
    前記第1の温度範囲の下限値より低い第2の温度範囲において、前記DC/DC変換回路に、前記蓄電池の放電を許可し、かつ、充電を禁止する第2制御モードと、
    を有する充放電装置。
  2. 前記制御部は、前記第2制御モードにおいて、
    前記ハイサイドのスイッチを、前記リアクトルから前記DCバスへの一方向に常時通電、かつ、逆方向には通電阻止の状態とし、
    前記ローサイドのスイッチをスイッチングする、
    請求項1に記載の充放電装置。
  3. 前記蓄電池に付随して、前記蓄電池の内部の温度を検出するバッテリ管理システムが設けられ、前記制御部は、前記バッテリ管理システムから前記温度情報を含む情報を取得する請求項1又は請求項2に記載の充放電装置。
  4. 前記蓄電池の外部に温度センサが設けられ、前記制御部は、前記温度センサの出力に基づいて、前記温度情報を取得する請求項1又は請求項2に記載の充放電装置。
  5. 前記第2の温度範囲は、前記下限値より低く、前記下限値より10℃低い温度以上である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の充放電装置。
  6. 前記ハイサイドのスイッチは、
    スイッチング素子と、
    前記スイッチング素子と逆並列に接続され、前記リアクトルから前記DCバスへ電流が流れる方向を順方向とするダイオードと、を備え、
    前記制御部は、前記第2制御モードでは前記スイッチング素子を常時オフの状態とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の充放電装置。
  7. 前記リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、
    前記DC/DC変換回路の高電圧側端部の線間電圧を検出する第1電圧センサと、
    前記DC/DC変換回路の低電圧側端部の線間電圧を検出する第2電圧センサと、
    を備え、
    前記制御部は、前記電流センサの検出値を、前記リアクトルのインダクタンス、キャリア周波数、前記第1電圧センサの検出値及び前記第2電圧センサの検出値に基づいて補正する、
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の充放電装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項の充放電装置と、
    前記充放電装置に接続され、直流/交流の電力変換を行うインバータと、
    を備えた蓄電システム。
  9. DC/DC変換回路を介して蓄電池を充放電させる場合の充放電制御方法であって、
    前記蓄電池の温度情報を取得し、
    前記蓄電池の第1の温度範囲において、前記DC/DC変換回路に、前記蓄電池の充電及び放電を許可し、
    前記第1の温度範囲の下限値より低い第2の温度範囲において、前記DC/DC変換回路に、前記蓄電池の放電を許可し、かつ、充電を禁止する、
    充放電制御方法。
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