JP2023079239A - 通信回線を利用した電力系統安定化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】現状稼動している電力系統の安定化装置と連係しつつ、分散電源の発電電力の変動によって系統に周波数の擾乱が生じないようにする。【解決手段】分散電源20の変動する発電電力総量を通信回線40によって計測して、電力系統の従来の周波数制御に影響を与えないように、通信回線40を介して、特定の負荷13を制御し、変動を吸収するように電力計測制御装置30によって統括制御することで、変動電力の影響を回避するシステムにおいて、特定の負荷のオン/オフを時分割の三角波比較PWM制御で行う場合に、各負荷における三角波の位相を遅らせる行うことを特徴とする。さらに、負荷の特性に応じて三角波の形を変えて、起動が等間隔で来るノコギリ波、起動に必要な時間を確保するために変形した三角波などを採用する。【選択図】図8

Description

本発明は、再生可能エネルギー等の分散電源の電力変動が電力系統に周波数擾乱を与えないように、当該電力系統へ流入する分散電源の変動電力の総量と、その変動を補償する制御可能な特定負荷の電力総量を、通信回線を介して常に監視し、それらが一致するように特定負荷の電力を通信回線を介して統括集中制御する電力系統安定化システムに関し、特に、多数の特定負荷のオン/オフ制御を行う場合に、電力系統に深刻な電圧変動、周波数変動が起きないように制御することを特徴とした通信回線を利用した電力系統安定化システムに関する。
電力系統の周波数は総消費電力に等しい発電量に常に一致するように制御されなければならず、差がある場合、数秒から数十秒の時定数で目標値である50ヘルツまたは60ヘルツから時間変化することになる。その時定数は、電力系統に接続された発電機と共に回転する回転機の運動エネルギーによる。現状では周波数安定化に掛かる発電量の制御可能な発電手段は、数秒から数十秒の時定数で制御可能な手段として、高速調整可能な水力発電が担当している。 現状、原子力発電では一定の発電を行ない、火力は電力消費の予測と計画に応じて計画的発電を行なう。計画的発電から、高速な対応が可能な水力発電のみが出力制御を周波数のフィードバック制御を行なうがこの量は全体の10%程度で十分であった。
電源周波数が変動すると位相が変動して、送電線で連系する他の電力系統からの電力潮流が変化し、他の電力系統に擾乱が波及するとともに、連系送電線に過電流が発生するなど、障害が発生するので、これを避けなければならない。
周波数の制御は計画的な発電所の運用をベースに、時時刻刻の変化に対して、目標周波数を維持するように、周波数制御のために水力発電や揚水発電、さらに火力発電所の出力を変化させている。
自動制御機能によって周波数を安定した精度範囲に制御することは、従来の系統安定化制御装置にとってそれほど困難ではない。たとえば、目標値の0.05Hzの変動以内で運転されている。
しかし、かなりの容量の負荷が突然投入された場合、過渡的状態では周波数が低下し、過渡状態を脱するのに数秒の時間を必要とする。
同様に、発電電力の予測が困難な風力発電などの再生可能エネルギーは、今後、重要なエネルギー源として電力系統に接続される模様であるが、この普及が進めば周波数変動要因になる。また、太陽光発電は昼にピークとなって、かつ電力系統に占める割合が大きくなると周波数を制御する変動分を火力発電の削減で賄うか、さもなければ、太陽光発電を制限するしかなく、なんらかの補償手段が必要となる。
変動を高速に補償する能力のある水力発電などが極端に少ない我が国の電力系統にとって、電力貯蔵など再生可能エネルギー由来の電力平準化手段が必要とされている。
変動発電電力が大きくなると、その補償用発電設備をそれに応じて用意する必要があるが、そのために電力系統にあらたな電力源を用意することが困難である場合は、風力発電や太陽光発電等の総量を抑えるしか周波数の安定を保つ方法はない。そのため、電力会社は、電力系統の周波数擾乱要因として、風力発電の参入を制限する必要が生じている。
そこで、風力発電機の出力変動により電力系統に発生する電力変動を抑制するための系統安定化装置が提案されている(下記特許文献1参照)。これは風力発電機側に設置されるものであり、これにより電力系統に安定した電力を出力することが可能となるが、風力発電機ごとに設置する必要があり、また設置コストも高いため普及には困難がある。
1980年ごろから、夜間電力貯蔵のための揚水発電所において、揚水運転時に揚水出力を周波数調整に利用する可変速揚水発電が世界に先駆けて実用化されている。これは、我が国の原子力発電は負荷追従運転を行わないため、その比率が増えるにつれて夜間の電力調整能力が不足する事態になったためでもある。昨今の原子力発電が停止している状態では、この可変速揚水発電は太陽光発電の対応で運転されるべきである。
このように、負荷側での調整能力を、電力系統に存在する一般負荷に求めることは、21世紀の省エネ社会では当然要請されることと思われる。例えば、数百万台も普及している電気温水器は、30%程度の出力調整で温水器本来の機能(湯を沸かすこと)を失うことがないように時分割制御できるので、これをインターネットなどの通信手段で統括集中制御することが可能である。
そこで、分散電源の発電電力の変動を直接抑制する代わりに、系統全体の需給バランスから必要な可制御負荷の消費電力量の総量を判断し、消費電力調節を行わせる可制御負荷を選定し、消費電力指令を送信する系統情報監視システムが提案されている(下記特許文献2参照)。
しかしながら、このシステムは、大電力系統に連なる配電系統情報監視システムの構築を目的としているので、大電力系統全体の制御を行う中央給電指令所と同じ権限をもつ情報監視システムでなければうまくいかない、全体制御を目的としたシステムである。
かかる従来のシステムの問題点を解決するものとして、再生可能エネルギー等の分散電源の電力変動が電力系統に周波数擾乱を与えないように、電力系統の周波数を制御する従来からの系統安定化装置と連係しつつ、当該電力系統へ流入する分散電源の変動電力の総量と、その変動を補償する制御可能な特定の負荷の電力総量を通信回線を介して常に監視し、それらが一致するように特定負荷の電力を通信回線を介して統括集中制御する電力系統安定化システムが本発明者によって提案されている(下記特許文献3参照)。
すなわち、分散電源の発電電力変動に見合うだけの負荷側の消費電力変動があれば、実質変動分が相殺されるので、系統全体としは、(分散電源の発電電力変動に起因する)周波数の擾乱はなくなるということに着目したものである。なお、特定の負荷とは、このような負荷の消費電力制御を許容する契約をした特定の需要家の負荷を指す。例えば、全国に累計800万台(電力中央研究所報告2017年によると電気給湯器の台数は1995年から2015年まで累計800万台。そのうち300万台はヒーター電気式、500万台はエコキュート、これは原発16基分になる)普及していると思われる電気温水器や、エアコン等、湯を沸かしたり、室温の調節を行ったりする等の本来の機能が満たされていれば多少の消費電力変動があっても問題がないような負荷である。さらに例をあげると、自動販売機の冷蔵コンプレッサー、河川排水機や農業用水の汲み上げポンプも一定の電力で運転を行うことは必ずしも必須ではない。コンプレッサーやポンプ出力を数十秒周期で停止・変動させても運転に支障が無いからである。
しかし、起動時はコンプレッサーなどの過渡現象で大きな起動電流が流れるなど考慮が必要である。
各家庭で大きな電力機器であるヒートポンプ式の温水器・給湯器は空気熱源を用いて電気エネルギーの数倍の熱エネルギーを発生可能であるが、調査によると起動時にインバータ起動でも安定までに10秒程度時間が必要である。このような負荷に対応する制御が必要である。
しかしながら、かかる特定の負荷のオン/オフ制御をどのようにしたら自然エネルギーの負荷変動に合わせることができるかが問題である。例えば、多数の特定負荷のオン又はオフを同時に行えば、却って急激な負荷変動によってローカルな電力系に電圧変動をもたらすことが予想されるからである。
下記特許文献4の発明は、複数の特定負荷のオン/オフ制御を行う場合に、電力系統に深刻な電圧変動、周波数変動が起きないように制御するために、位相シフトした三角波PWM制御を用いたことを特徴とする通信回線を利用した電力系統安定化システムに関するものであり、本出願人によるものであった。
特開2002-125317号公報 特開2005-269744号公報 特開2006-353079号公報 特開2021-141625号公報
各家庭で大きな電力機器であるヒートポンプ式の温水器・給湯器は空気熱源を用いて電気エネルギーの数倍の熱エネルギーを発生可能であるが、起動時にインバータ起動でも安定までに10秒程度時間が必要である。すなわち、最低10秒は運転しなければならない。さもないと電力を無駄にすることになるからである。誘導電動機のポンプ負荷は起動時に定格の数倍の電流が流れる。これは配電線の電圧変動をもたらし、フリッカ現象となって電力品質を低下させる。
このような負荷に対応する制御が必要で、負荷によって負担にならない電力の品質を落とさない出力制御法を採用しなければならない。
本発明は、かかる要求に応える通信回線を利用した電力系統安定化システムを提供することを目的とする。
本発明は、電力系統に接続された複数の特定の負荷(以下「負荷」という。)の消費電力を通信回線を介して制御し、前記電力系統の周波数安定化を図る、通信回線を利用した電力系統安定化システムにおいて、該システムは、 前記電力系統に接続される数秒以上の周期で電力変動する発電電力を供給する一又は複数の分散電源と、前記各分散電源の発電電力を検出し時刻情報を含む発電電力情報を前記通信回線に送出する、前記分散電源ごとに設けられた発電電力検出部と、前記電力系統に接続された複数の負荷の消費電力を検出し時刻情報を含む消費電力情報を前記通信回線に送出するとともに、前記負荷の個別調整制御を行う、前記負荷ごとに接続された消費電力計測制御端末と、前記各発電電力検出部からの発電電力情報を前記通信回線を介して取得し、前記すべての分散電源の発電電力の時系列の発電量の総量を計測する発電電力変動計測監視手段と、前記各消費電力計測制御端末からの消費電力情報を前記通信回線を介して取得し、前記消費電力の時系列の総量を計測する負荷電力変動計測監視手段と、前記発電電力変動計測監視手段が所定時間内に次の発電電力情報を取得できなかったことを前記時刻情報に基づき判断し、該発電電力情報が取得できなかった場合にはそれ以前に取得した発電電力情報に基づいて次の発電電力情報を予測演算する電力変動予測手段と、前記分散電源の発電電力(前記予測演算された発電電力を含む。)の時系列の総量と前記消費電力の時系列の総量とが一致するように、前記負荷の調整制御を前記通信回線を介して前記消費電力計測制御端末に指令して行わせる負荷調整制御手段と、を備えるとともに、前記各消費電力計測制御端末が、前記負荷のオン/オフを行う遠隔スイッチを備え、前記時系列の発電量の総量の変動分と前記各負荷の消費電力値の総量とから、前記負荷調整制御手段が消費電力指令値を算出し、前記負荷調整制御手段が、前記消費電力指令値に基づいて時分割の参照三角波比較PWM制御により、前記各遠隔スイッチのオン/オフ指令信号を生成し、該オン/オフ指令信号によって前記遠隔スイッチを制御するものであり、さらに、前記参照三角波がノコギリ波であって、 前記発電電力検出部、消費電力計測制御端末、発電電力変動計測監視手段、負荷電力変動計測監視手段、電力変動予測手段、及び負荷調整制御手段が前記通信回線を介して相互に通信可能に接続されたことを特徴とする。
本発明に係る通信回線を利用した電力系統安定化システムによれば、複数の特定負荷のオン/オフ制御を行う場合に、電力系統に深刻な電圧変動、周波数変動が起きないように制御することが可能になる。
さらに、本発明に係る電力系統安定化システムによれば、参照三角波の形状をノコギリ波にすることで、負荷の特性に合った制御が可能になる。
本発明に係る通信回線を利用した電力系統安定化システムの第1実施形態を示すシステム構成図である。 発電電力量の計測と伝送遅れと消費電力指令の時間遅れを予測する制御法のフローを示す図である。 本発明に係る通信回線を利用した電力系統安定化システムの第2実施形態を示すシステム構成図である。 本発明に係る通信回線を利用した電力系統安定化シスそのためにテムの第3実施形態を示すシステム構成図である。 本発明に係るPWM三角波比較によるオンオフ制御の説明図である。 本発明に係る位相遅れの参照三角波比較で多数の負荷が平均化の説明図である。 本発明に係る電力指令値に従って負荷電力を制御するフローチャートである。 本発明に係る参照三角波をノコギリ波にしても同じように負荷率を制御できることを説明するための図である。 本発明に係るノコギリ波比較PWM制御では起動が一定の周期で来ることの説明図である。 本発明に係る起動シーケンスを完了するためにオン時に最低のオン時間が必ずある変形ノコギリ波の例である。
図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明に係る通信回線を利用した電力系統安定化システムの実施形態を示すシステム構成図である。
電力系統10には、火力発電、水力発電又は原子力発電等の一般発電設備11が含まれ、一般家庭や工場等の一般負荷設備12が接続されている。また、図示しない周波数安定化装置も接続されている。
また、電力系統10には、太陽光発電装置或いは風力発電機等の分散電源20が連系され、これによって発電された電力が電力系統10に供給されるようになっている。分散電源20には発電電力を検出する発電電力検出部21が接続されている。
さらに、電力系統10には、後述の電力計測制御装置30によって消費電力を制御することを許容する契約をした特定の需要家の負荷である特定の負荷13が複数接続されている。特定の負荷13には、消費電力の検出を行うとともに、負荷のオンオフ制御を行う遠隔制御スイッチ(不図示)を備えた消費電力計測制御端末14が接続されている。
電力計測制御装置30は、分散電源20の発電電力の時系列の総量と、特定の負荷13の消費電力の時系列の総量とが一致するように制御するものであり、発電電力検出部21 、消費電力計測制御端末14及び電力計測制御装置30の通信制御手段31が、インターネット通信網などの通信回線40を介して相互に通信可能に接続されている。
ここで、電力計測制御装置30は、通信回線40を介して分散電源20の発電電力情報を取得し、発電電力の時系列の発電量の総量を計測する発電電力変動計測監視手段32と、通信回線40を介して消費電力情報を取得し、消費電力の時系列の総量を計測する負荷電力変動計測監視手段33と、発電電力の時系列の総量と消費電力の時系列の総量とが一致するように特定の負荷13をオン/オフすることにより、負荷の調整制御を行う負荷調整制御手段34と、通信回線40の通信遅れによって所定時間内に次の発電電力情報が取得できなかった場合に、それ以前に取得した発電電力情報を基にして次の発電電力情報を予測演算する電力変動予測手段35を備えている。
以上の構成において、本発明に係る通信回線を利用した電力系統安定化システムの動作について説明する。
分散電源20で発電された電力が発電電力検出部21で検出されるとともに時刻データとともにリアルタイムで通信回線40を介して、電力計測制御装置30に送られ、発電電力変動計測監視手段32において、時系列の発電電力の変動が計測される。
また、特定の負荷13に接続された消費電力計測制御端末14からは各負荷の消費電力情報が時刻データとともにリアルタイムで送られ、負荷電力変動計測監視手段33において、時系列の消費電力の変動が計測される。
発電電力変動計測監視手段32において計測された時系列の発電電力の変動分と、負荷電力変動計測監視手段33で計測された各負荷の消費電力値の総量とから、負荷調整制御手段34で消費電力指令値を算出し、通信回線40を介して消費電力計測制御端末14によって特定の負荷13の遠隔制御スイッチを制御して全体の消費電力を調整制御する。
複数の特定の負荷の遠隔制御スイッチを同時にオン/オフすると、電圧変動の問題が発生するので、この遠隔スイッチ制御シーケンスが問題となる。これについては後述する。
具体的には、分散電源20の発電電力の変動分を特定の負荷13の台数で等分し、それを各々の特定の負荷13の消費電力指令値に割り振る。あるいは、負荷(湯沸かし器等)の状態(お湯の温度)をリアルタイムに計測し、湯温度の低い負荷に多くを振り向けるようにしてもよい。振分けの仕方は予め設定されたプログラムによって制御される。
特定の負荷13は系統に多数あるので、一台あたりの負担はわずかであり、本来の機能は十分果たすように制御することができる。
その結果、分散電源で発生した電力は、間接的に特定の負荷13で消費されたことになる。
本発明においては、発電量や電力消費量を正確に時間遅れなく計測制御することが制御の要になるが、通信回線の時間遅れは、状況によって変化するし、制御の機器の種類によって、個々に異なる場合がある。
発電電力の変動分を特定の負荷13の消費電力を変動させることによって補償しない場合があるが、変動発電電力と消費電力の大きさが一致しても、時間遅れが生じると周波数変動が現れるからである。
そこで、これを回避するために、計測には、すべて正確な時間データをつけて行い、時系列データの解析から電力計測制御装置30内の電力変動予測手段35により、発電電力の予測値を求めて、それに基づいて消費電力指令値を算出し、これを目標に負荷の制御を行えばこの問題を回避する事ができる。具体的には、図2に示すとおりである。発電電力の予測は、例えば、直前の3つのデータを用いて直線補間法によって次のデータを予測し、送れてきた実際のデータを用いて該予測データを補正し、さらに次のデータを予測するようにしてもよい。
実施例として、電力計測制御装置30は、通信回線40を介して、複数の風力発電業者から、0.5秒間隔で電力系統への発電電力量Prを受け取り、その分の消費電力を既に契約している多数の特定需要家の電気温水器に取り付けた消費電力計測制御端末14により、出力制御され、その結果の電力使用量Pcが返される。通信と制御の時間遅れは0.5秒を想定している。
図3は、本発明に係る通信回線を利用した電力系統安定化システムの第2実施形態を示すシステム構成図であり、電力系統をまたいで、発電電力の変動を他の電力系統に接続された特定の負荷で調整する場合の概念を示す図である。電力系統の連系線の電力潮流はこのシステムによる電力託送により変化するが、それによって、各々の電力系統は周波数制御や位相制御をしなくてよいことがわかる。その情報を系統連系制御装置(不図示)がわかっていれば、実際の動作は何もしなくて良いことになる。
図4は、本発明に係る通信回線を利用した電力系統安定化システムの第3実施形態を示すシステム構成図であり、電力貯蔵装置として、短時間に充放電可能なフライホイール付可変速発電機60がある場合を示している。
発電電力の急激な変動時に特定の負荷の消費電力の調整制御で補償し切れない分を、可変速発電機のフライホイールでエネルギーを充放電させて調整を行うものである。また、通信などの渋滞によって制御遅れが生じている場合、緊急に可変速発電機のフライホイールにエネルギーを充放電させてシステムの信頼性をあげる場合もある。この場合、フライホイールのエネルギーや充放電容量は制御遅れの分だけで良く、エネルギーが極端に小さく、また蓄積時間も数秒から長くて1分と考えられるので、フライホイールシステムがもっともコストメリットがある電力貯蔵装置であると言える。
なお、通信回線の例としてインターネットを挙げたが、イントラネットでもよいことは言うまでもない。
次に、遠隔スイッチの制御シーケンスについて説明する。
図5は、三角波比較PWM(Pulse Width Modulation) の制御ブロック図である。電気温水器などオンオフで制御可能な特定の負荷であるヒーター式の電力負荷をオンオフの時間配分で制御する。ここで参照三角波の位相をΔ遅らせることが特徴である。負荷ごとにこの位相Δを変えることで、負荷ごとのオン/オフのタイミングをずらすことができる。
すなわち、負荷調整制御手段34の中に設けられた負荷ごとの比較器15のプラス(+)端子には消費電力指令値が、比較器15のマイナス(-)端子には参照三角波がそれぞれ入力され、消費電力指令値と参照三角波が比較されて、前者が大きい時は比較器15の出力は1となり、後者が大きい時は比較器15の出力は0となる。この「1」と「0」の信号が遠隔スイッチの「オン」と「オフ」の指令信号に対応しており、インターネット通信網40を介して、特定の負荷13の消費電力計測制御端末14にある遠隔スイッチを制御する。
図6は、負荷ごとに位相の遅れに差があって、オンオフのタイミングが重ならないことを説明するための図である。
これは消費電力指令が一定の場合、オンオフ制御対象の特定の負荷が多数あれば、総合して負荷が連続的に変化しているようになっている。
例えば、制御対象となる特定の負荷がM台あった場合、1周期(360°)をMで割ったものが1台あたりの位相の遅れの差になる。
従って、特定の負荷に番号を振り、例えば、1,2,…Mとすると、
1番目の位相遅れは、360°/M
2番目の位相遅れは、360°/M×2
・・・・・・
N番目の位相遅れは、360°/M×N
(N+1)番目の位相遅れは、360°/M×(N+1)
・・・・・・
M番目の位相遅れは、360°/M×M=360°(位相遅れなし)
となる。
消費電力指令値は、負荷電力変動計測監視手段33で計測された各負荷の消費電力値の時系列の総量によって変動するものであるから、現在の各負荷の消費電力値の総量に応じて変更する必要がある。
図7は、消費電力指令値と実際の消費電力の総和との差を見て、消費電力指令値の参照レベルを変えるフローチャートを示すものである。
個々の負荷の消費電力はそれぞれ同じではなく、また、時間的にも変化する。極端な場合は停止している場合もある。すると、各消費電力が通信系統を介して集まってくるがその総和が足りない場合、参照レベルを上げる(逆の場合は下げる)というサイクルを繰り返すことで消費電力指令値どおりの消費電力となる。
図7を参照しながら具体的に説明する。
まず、最初の消費電力指令値Pdを読み込む(S101)。次に、負荷電力変動計測監視手段33で計測された各負荷の消費電力値の時系列の総量Psを読み込む(S102)。
次に、PdとPsとの差が所定の範囲(δ)内に入っているかをチェックする(S103)。δは、例えば、消費電力値の時系列の総量Psによって決めるが、5%以内とする。
もし、所定の範囲に入っていなければ(S103のNo)、消費電力指令値Pdを変更して(S104)、ステップS103に戻って再度チェックを行い、所定の範囲に入るまで繰り返す。
PdとPsとの差が所定の範囲(δ)内に入っている場合は(S103のYes)、消費電力指令値Pdと参照三角波との比較を行う(S105)。この比較シーケンスは図5で説明したとおりである。
比較器15の出力をインターネット通信網40を介して送信し(S106)、特定の負荷13の消費電力計測制御端末14にある遠隔スイッチを制御する。
そして、ステップS102に戻り、最新の消費電力値の総量Psを読み込み、以降の処理を繰り返す。
電力系統10に接続され、停止または連続運転を選択している負荷を除く、通信系で制御される特定の負荷13がM台あって、各負荷の消費電力がPk(k=1,2,…M)とすれば、オンオフ制御は、
制御周期時間Tのうち、d×Tの間が稼働していれば、全消費電力は、
all=Σ(Pk×M×d)
である。
各負荷が平等に電力削減を行なうには、時分割オンオフ制御のオンオフ比を同じにして、かつ非同期にして、重ならないように行えばよい。重ならないようにするためには、各負荷をある時間だけ遅らせて、本制御対象のすべての負荷を同じデューティ比:dでオンオフ制御を行なう。このようにすれば、全負荷を急変させる場合でも、時間遅れは無く負荷制御することができる。
実施例として制御周期時間は6分間と30分デマンドの場合を想定して、計算機シミュレーションにより確認している。個別の負荷では、360秒(6分間)ごとに283秒オンして77秒オフする。後半では256秒オフで、104秒オンの運転である。
これまでの三角波による負荷のPWM制御は、ヒーター式の電気温水器に対しては十分である。
しかし、ヒートポンプによる電気温水器、給湯器、排水ポンプ、揚水ポンプなどには起動時の過渡現象を考慮すると、PWM制御の単純な三角波も工夫するべきである。三角波をノコギリ波からさらに多彩な多角形な形など多彩な形(例えば後述の図10)を用意する。
図8は、図6と同様に、上記三角波をノコギリ波にしても同じように負荷率を制御できることを説明するための図である。
また、図9に示すように、ノコギリ波では、レファレンス値(消費電力指令)が変動した場合でも、オン/オフ制御のオンするタイミングが一定の時間の間隔でやってくる。オン時、起動にラッシュ電流が問題になる、例えばポンプ負荷設備ではラッシュ電流がフリッカなどの原因になっても、その管理が容易になる。なぜなら、決まった間隔で起動が起こるからである。
また、各家庭で大きな電力機器であるヒートポンプ式の温水器・給湯器は空気熱源を用いて電気エネルギーの数倍の熱エネルギーを発生可能であるが、起動時にインバータ起動でも安定までに10秒程度時間が必要である。すなわち、最低10秒は運転しなければならない。
そのために、図10に示すように、オン時に最小限のオン時間(例えば10秒)が必ず確保されるような変形ノコギリ波にするとよい。すなわち、ノコギリ波が0レベルになってから再び立ち上がるまでに所定の時間だけ0レベルを維持することで可能になる。
各家庭の末端までインターネットの常時接続などが標準になりつつあり、高速な通信手段の高度化と低コスト化によって、各家庭の負荷の端末(例えば分電盤など)に消費電力計測制御端末14を設置することで、インターネットを介して1台の電力計測制御装置30により運用可能である。制御不能な自然エネルギー発電電力を最大限利用するために、特定の負荷による同時同量制御を行なえば、両者を連系する電力システムは託送するのみで送電容量の範囲なら通過するに問題なく、周波数変動は起こらず、よって自然エネルギーの利用が拡大する。
10 電力系統
11 一般発電設備
12 一般負荷設備
13 特定の負荷
14 消費電力計測制御端末
15 比較器
20 分散電源(風力発電機、太陽光発電装置)
21 発電電力検出部
30 電力計測制御装置
31 通信制御手段
32 発電電力変動計測監視手段
33 負荷電力変動計測監視手段
34 負荷調整制御手段
35 電力変動予測手段
40 インターネット通信網
50 他の電力系統( 第二電力系統)
60 電力貯蔵装置( フライホイール付可変速発電機)

Claims (3)

  1. 電力系統に接続された複数の特定の負荷(以下「負荷」という。)の消費電力を通信回線を介して制御し、前記電力系統の周波数安定化を図る、通信回線を利用した電力系統安定化システムにおいて、該システムは、
    前記電力系統に接続される数秒以上の周期で電力変動する発電電力を供給する一又は複数の分散電源と、
    前記各分散電源の発電電力を検出し時刻情報を含む発電電力情報を前記通信回線に送出する、前記分散電源ごとに設けられた発電電力検出部と、
    前記電力系統に接続された複数の負荷の消費電力を検出し時刻情報を含む消費電力情報を前記通信回線に送出するとともに、前記負荷の個別調整制御を行う、前記負荷ごとに接続された消費電力計測制御端末と、
    前記各発電電力検出部からの発電電力情報を前記通信回線を介して取得し、前記すべての分散電源の発電電力の時系列の発電量の総量を計測する発電電力変動計測監視手段と、
    前記各消費電力計測制御端末からの消費電力情報を前記通信回線を介して取得し、前記消費電力の時系列の総量を計測する負荷電力変動計測監視手段と、
    前記発電電力変動計測監視手段が所定時間内に次の発電電力情報を取得できなかったことを前記時刻情報に基づき判断し、該発電電力情報が取得できなかった場合にはそれ以前に取得した発電電力情報に基づいて次の発電電力情報を予測演算する電力変動予測手段と、
    前記分散電源の発電電力(前記予測演算された発電電力を含む。)の時系列の総量と前記消費電力の時系列の総量とが一致するように、前記負荷の調整制御を前記通信回線を介して前記消費電力計測制御端末に指令して行わせる負荷調整制御手段と、
    を備えるとともに、
    前記各消費電力計測制御端末が、前記負荷のオン/オフを行う遠隔スイッチを備え、
    前記時系列の発電量の総量の変動分と前記各負荷の消費電力値の総量とから、前記負荷調整制御手段が消費電力指令値を算出し、
    前記負荷調整制御手段が、前記消費電力指令値に基づいて時分割の参照三角波比較PWM制御により、前記各遠隔スイッチのオン/オフ指令信号を生成し、該オン/オフ指令信号によって前記遠隔スイッチを制御するものであり、
    さらに、前記参照三角波がノコギリ波であって、
    前記発電電力検出部、消費電力計測制御端末、発電電力変動計測監視手段、負荷電力変動計測監視手段、電力変動予測手段、及び負荷調整制御手段が前記通信回線を介して相互に通信可能に接続されたことを特徴とする、通信回線を利用した電力系統安定化システム。
  2. 前記負荷ごとの参照三角波比較PWM制御において、前記ノコギリ波の位相が、360°を前記負荷の台数で割った角度分だけ順次遅れていくことを特徴とする請求項1に記載の通信回線を利用した電力系統安定化システム。
  3. 前記ノコギリ波が、0レベルになってから再び立ち上がるまでに所定の時間だけ0レベルを維持するような形状であることを特徴とする請求項2に記載の電力系統安定化システム。
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