JP2023075860A - 情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数の撮影領域が重複する領域に対応する仮想視点画像の生成に適した撮影装置を選択する。【解決手段】 バックエンドサーバ270は、第1の撮影領域を撮影する撮影装置グループと、第1の撮影領域と少なくとも一部が重複する第2の撮影領域を撮影する撮影装置グループと、を含む複数の撮影装置が撮影することにより得られる複数の撮影画像に基づく仮想視点画像の生成に使用される仮想視点の位置及び前記仮想視点からの視線方向を表す視点情報を取得し、視点情報に対応する仮想視点画像が撮影領域の共通領域に対応する画像を含む場合、撮影装置グループに含まれる一以上の撮影装置に関する情報、及び、視点情報により表される仮想視点の位置及び仮想視点からの視線方向の変化と、のうち少なくともいずれかに基づいて、仮想視点画像の生成に使用される撮影装置グループが選択されるように制御する仮想視点前景画像生成部03005を有する。【選択図】 図6
Description
本発明は、仮想視点画像を生成する技術に関する。
近年、複数の撮影装置(カメラ)を異なる位置に設置して多視点で同期撮影し、当該撮影により得られた複数視点画像を用いて仮想視点コンテンツを生成する技術が注目されている。仮想視点コンテンツの生成技術においては、ユーザは指定した視点(仮想視点)から見た画像を見ることができる。上記のようにして複数視点画像から仮想視点コンテンツを生成する技術によれば、例えば、サッカーやバスケットボールのハイライトシーンを様々な角度から視聴することが出来るため、通常の画像と比較してユーザに高臨場感を与えることが出来る。例えば、複数のカメラは、光軸が特定の方向を向くように設置され、その交点(以下、注視点ともいう)を中心とする撮影領域内に対応する仮想視点コンテンツが生成される。ここで光軸の中心が複数存在するようにカメラを設置し、より多くの領域で仮想視点コンテンツを生成できるようにするといったことも可能である。
特許文献1には、複数の注視点のそれぞれに向けられる複数のカメラグループから取得される撮影画像を使用して、仮想視点画像を生成することについて記載されている。
しかしながら、特許文献1には、複数の注視点のそれぞれを中心とする複数の撮影領域が重複する領域においては、いずれのカメラグループにより仮想視点画像を生成するかについては記載されていない。このため、撮影領域が重複する領域において、仮想視点画像の生成に適切でないカメラグループが使用される可能性がある。
本発明の目的は、複数の撮影領域が重複する領域に対応する仮想視点画像の生成に適した撮影装置を選択する方法を提供することである。
本発明に係る情報処理装置は、第1の撮影領域を撮影する一以上の撮影装置を含む撮影装置グループと、前記第1の撮影領域と少なくとも一部が重複する第2の撮影領域を撮影する一以上の撮影装置を含む撮影装置グループと、を含む複数の撮影装置が撮影することにより得られる複数の撮影画像に基づく仮想視点画像の生成に使用される仮想視点の位置及び前記仮想視点からの視線方向を表す視点情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得される視点情報に対応する仮想視点画像の生成に使用される撮影装置グループを選択する選択手段と、前記取得手段により取得される視点情報に対応する仮想視点画像が、前記第1の撮影領域と前記第2の撮影領域とが重複する共通領域に対応する画像を含む場合、前記撮影装置グループに含まれる一以上の撮影装置に関する情報、及び、前記取得手段により取得される視点情報により表される仮想視点の位置及び仮想視点からの視線方向の変化と、のうち少なくともいずれかに基づいて、仮想視点画像の生成に使用される撮影装置グループが前記選択手段により選択されるように制御する制御手段とを有する。
本発明によれば、複数の撮影領域が重複する領域に対応する仮想視点画像の生成に適した撮影装置を選択することができる。
(第一実施形態)
競技場(スタジアム)やコンサートホールなどの施設に複数のカメラ及びマイクを設置し撮影及び集音を行うシステムについて、図1のシステム構成図を用いて説明する。画像処理システム100は、センサシステム110a―センサシステム110z、画像コンピューティングサーバ200、コントローラ300、スイッチングハブ180、及びエンドユーザ端末190を有する。
競技場(スタジアム)やコンサートホールなどの施設に複数のカメラ及びマイクを設置し撮影及び集音を行うシステムについて、図1のシステム構成図を用いて説明する。画像処理システム100は、センサシステム110a―センサシステム110z、画像コンピューティングサーバ200、コントローラ300、スイッチングハブ180、及びエンドユーザ端末190を有する。
コントローラ300は制御ステーション310と仮想カメラ操作UI330を有する。制御ステーション310は画像処理システム100を構成するそれぞれのブロックに対してネットワーク310a―310c、180a、180b、及び170a―170yを通じて動作状態の管理及びパラメータ設定制御などを行う。ここで、ネットワークはEthernet(登録商標)であるIEEE標準準拠のGbE(ギガビットイーサーネット)や10GbEでもよいし、インターコネクトInfiniband、産業用イーサーネット等を組合せて構成されてもよい。また、これらに限定されず、他の種別のネットワークであってもよい。
最初に、センサシステム110a―センサシステム110zの26セットの画像及び音声をセンサシステム110zから画像コンピューティングサーバ200へ送信する動作を説明する。本実施形態の画像処理システム100は、センサシステム110a―センサシステム110zがデイジーチェーンにより接続される。
本実施形態において、特別な説明がない場合は、センサシステム110aからセンサシステム110zまでの26セットのシステムを区別せずセンサシステム110と記載する。各センサシステム110内の装置についても同様に、特別な説明がない場合は区別せず、マイク111、カメラ112、雲台113、外部センサ114、及びカメラアダプタ120と記載する。なお、センサシステムの台数として26セットと記載しているが、あくまでも一例であり、台数をこれに限定するものではない。尚、本実施形態では、特に断りがない限り、画像という文言が、動画と静止画の概念を含むものとして説明する。すなわち、本実施形態の画像処理システム100は、静止画及び動画の何れについても処理可能である。また、本実施形態では、画像処理システム100により提供される仮想視点コンテンツには、仮想視点画像と仮想視点音声が含まれる例を中心に説明するが、これに限らない。例えば、仮想視点コンテンツに音声が含まれていなくても良い。また例えば、仮想視点コンテンツに含まれる音声が、仮想視点に最も近いマイクにより集音された音声であっても良い。また、本実施形態では、説明の簡略化のため、部分的に音声についての記載を省略しているが、基本的に画像と音声は共に処理されるものとする。
センサシステム110a―センサシステム110zは、それぞれ1台ずつの撮影装置(カメラ112a―カメラ112z)を有する。即ち、画像処理システム100は、被写体を複数の方向から撮影するための複数のカメラを有する。複数のセンサシステム110同士はデイジーチェーンにより接続される。この接続形態により、撮影画像の4Kや8Kなどへの高解像度化及び高フレームレート化に伴う画像データの大容量化において、接続ケーブル数の削減や配線作業の省力化ができる効果があることをここに明記しておく。
尚これに限らず、接続形態として、各センサシステム110a-110zがスイッチングハブ180に接続されて、スイッチングハブ180を経由してセンサシステム110間のデータ送受信を行うスター型のネットワーク構成としてもよい。
また、図1では、デイジーチェーンとなるようセンサシステム110a-110zの全てがカスケード接続されている構成を示したがこれに限定するものではない。例えば、複数のセンサシステム110をいくつかのグループに分割して、分割したグループ単位でセンサシステム110間をデイジーチェーン接続してもよい。そして、分割単位の終端となるカメラアダプタ120がスイッチングハブに接続されて画像コンピューティングサーバ200へ画像の入力を行うようにしてもよい。このような構成は、スタジアムにおいてとくに有効である。例えば、スタジアムが複数階で構成され、フロア毎にセンサシステム110を配備する場合が考えられる。この場合に、フロア毎、あるいはスタジアムの半周毎に画像コンピューティングサーバ200への入力を行うことができ、全センサシステム110を1つのデイジーチェーンで接続する配線が困難な場所でも設置の簡便化及びシステムの柔軟化を図ることができる。
また、デイジーチェーン接続されて画像コンピューティングサーバ200へ画像入力を行うカメラアダプタ120が1つであるか2つ以上であるかに応じて、画像コンピューティングサーバ200での画像処理の制御が切り替えられる。すなわち、センサシステム110が複数のグループに分割されているかどうかに応じて制御が切り替えられる。画像入力を行うカメラアダプタ120が1つの場合は、デイジーチェーン接続で画像伝送を行いながら競技場全周画像が生成されるため、画像コンピューティングサーバ200において全周の画像データが揃うタイミングは同期がとられている。すなわち、センサシステム110がグループに分割されていなければ、同期はとれる。
しかし、画像入力を行うカメラアダプタ120が複数になる(センサシステム110がグループに分割される)場合は、それぞれのデイジーチェーンのレーン(経路)によって遅延が異なる場合が考えられる。そのため、画像コンピューティングサーバ200において全周の画像データが揃うまで待って同期をとる同期制御によって、画像データの集結をチェックしながら後段の画像処理を行う必要があることを明記しておく。
本実施形態では、センサシステム110aはマイク111a、カメラ112a、雲台113a、外部センサ114a、及びカメラアダプタ120aを有する。尚、この構成に限定するものではなく、少なくとも1台のカメラアダプタ120aと、1台のカメラ112aまたは1台のマイク111aを有していれば良い。また例えば、センサシステム110aは1台のカメラアダプタ120aと、複数のカメラ112aで構成されてもよいし、1台のカメラ112aと複数のカメラアダプタ120aで構成されてもよい。即ち、画像処理システム100内の複数のカメラ112と複数のカメラアダプタ120はN対M(NとMは共に1以上の整数)で対応する。また、センサシステム110は、マイク111a、カメラ112a、雲台113a、及びカメラアダプタ120a以外の装置を含んでいてもよい。また、カメラ112とカメラアダプタ120が一体となって構成されていてもよい。さらに、カメラアダプタ120の機能の少なくとも一部をフロントエンドサーバ230が有していてもよい。本実施形態では、センサシステム110b―110zについては、センサシステム110aと同様の構成なので省略する。なお、センサシステム110aと同じ構成に限定されるものではなく、其々のセンサシステム110が異なる構成でもよい。
マイク111aにて集音された音声と、カメラ112aにて撮影された画像は、カメラアダプタ120aにおいて後述の画像処理が施された後、デイジーチェーン170aを通してセンサシステム110bのカメラアダプタ120bに伝送される。同様にセンサシステム110bは、集音された音声と撮影された画像を、センサシステム110aから取得した画像及び音声と合わせてセンサシステム110cに伝送する。
前述した動作を続けることにより、センサシステム110a―センサシステム110zが取得した画像及び音声は、センサシステム110zから180bを用いてスイッチングハブ180に伝わり、その後、画像コンピューティングサーバ200へ伝送される。
尚、本実施形態では、カメラ112a-112zとカメラアダプタ120a-120zが分離された構成にしているが、同一筺体で一体化されていてもよい。その場合、マイク111a-111zは一体化されたカメラ112に内蔵されてもよいし、カメラ112の外部に接続されていてもよい。
次に、画像コンピューティングサーバ200の構成及び動作について説明する。本実施形態の画像コンピューティングサーバ200は、センサシステム110zから取得したデータの処理を行う。画像コンピューティングサーバ200はフロントエンドサーバ230、データベース250(以下、DBとも記載する。)、バックエンドサーバ270、タイムサーバ290を有する。
タイムサーバ290は時刻及び同期信号を配信する機能を有し、スイッチングハブ180を介してセンサシステム110a―センサシステム110zに時刻及び同期信号を配信する。時刻と同期信号を受信したカメラアダプタ120a―120zは、カメラ112a―112zを時刻と同期信号をもとにGenlockさせ画像フレーム同期を行う。即ち、タイムサーバ290は、複数のカメラ112の撮影タイミングを同期させる。これにより、画像処理システム100は同じタイミングで撮影された複数の撮影画像に基づいて仮想視点画像を生成できるため、撮影タイミングのずれによる仮想視点画像の品質低下を抑制できる。尚、本実施形態ではタイムサーバ290が複数のカメラ112の時刻同期を管理するものとするが、これに限らず、時刻同期のための処理を各カメラ112又は各カメラアダプタ120が独立して行ってもよい。
フロントエンドサーバ230は、センサシステム110zから取得した画像及び音声から、セグメント化された伝送パケットを再構成してデータ形式を変換した後に、カメラの識別子やデータ種別、フレーム番号に応じてデータベース250に書き込む。
バックエンドサーバ270では、仮想カメラ操作UI330から視点の指定を受け付け、受け付けられた視点に基づいて、データベース250から対応する画像及び音声データを読み出し、レンダリング処理を行って仮想視点画像を生成する等の情報処理を行う。
尚、画像コンピューティングサーバ200の構成はこれに限らない。例えば、フロントエンドサーバ230、データベース250、及びバックエンドサーバ270のうち少なくとも2つが一体となって構成されていてもよい。また、フロントエンドサーバ230、データベース250、及びバックエンドサーバ270の少なくとも何れかが複数含まれていてもよい。また、画像コンピューティングサーバ200内の任意の位置に上記の装置以外の装置が含まれていてもよい。さらに、画像コンピューティングサーバ200の機能の少なくとも一部をエンドユーザ端末190や仮想カメラ操作UI330が有していてもよい。
レンダリング処理された画像は、バックエンドサーバ270からエンドユーザ端末190に送信され、エンドユーザ端末190を操作するユーザは視点の指定に応じた画像閲覧及び音声視聴が出来る。すなわち、バックエンドサーバ270は、複数のカメラ112により撮影された撮影画像(複数視点画像)と視点情報とに基づく仮想視点コンテンツを生成する。より具体的には、バックエンドサーバ270は、例えば複数のカメラアダプタ120により複数のカメラ112による撮影画像から抽出された所定領域の画像データと、ユーザ操作により指定された視点に基づいて、仮想視点コンテンツを生成する。そしてバックエンドサーバ270は、生成した仮想視点コンテンツをエンドユーザ端末190に提供する。本実施形態における仮想視点コンテンツは、仮想的な視点から被写体を撮影した場合に得られる画像としての仮想視点画像を含むコンテンツである。言い換えると、仮想視点画像は、指定された視点における見えを表す画像であるとも言える。仮想的な視点(仮想視点)は、ユーザにより指定されても良いし、画像解析の結果等に基づいて自動的に指定されても良い。すなわち仮想視点画像には、ユーザが任意に指定した視点に対応する任意視点画像(自由視点画像)が含まれる。また、複数の候補からユーザが指定した視点に対応する画像や、装置が自動で指定した視点に対応する画像も、仮想視点画像に含まれる。尚、本実施形態では、仮想視点コンテンツに音声データ(オーディオデータ)が含まれる場合の例を中心に説明するが、必ずしも音声データが含まれていなくても良い。また、バックエンドサーバ270は、仮想視点画像をH.264やHEVCに代表される標準技術により圧縮符号化したうえで、MPEG-DASHプロトコルを使ってエンドユーザ端末190へ送信してもよい。また、仮想視点画像は、非圧縮でエンドユーザ端末190へ送信されてもよい。とくに圧縮符号化を行う前者はエンドユーザ端末190としてスマートフォンやタブレットを想定しており、後者は非圧縮画像を表示可能なディスプレイを想定している。すなわち、エンドユーザ端末190の種別に応じて画像フォーマットが切り替え可能であることを明記しておく。また、画像の送信プロトコルはMPEG-DASHに限らず、例えば、HLS(HTTP Live Streaming)やその他の送信方法を用いても良い。
この様に、画像処理システム100は、映像収集ドメイン、データ保存ドメイン、及び映像生成ドメインという3つの機能ドメインを有する。映像収集ドメインはセンサシステム110-110zを含み、データ保存ドメインはデータベース250、フロントエンドサーバ230及びバックエンドサーバ270を含み、映像生成ドメインは仮想カメラ操作UI330及びエンドユーザ端末190を含む。尚本構成に限らず、例えば、仮想カメラ操作UI330が直接センサシステム110a-110zから画像を取得する事も可能である。しかしながら、本実施形態では、センサシステム110a-110zから直接画像を取得する方法ではなくデータ保存機能を中間に配置する方法をとる。具体的には、フロントエンドサーバ230がセンサシステム110a-110zが生成した画像データや音声データ及びそれらのデータのメタ情報をデータベース250の共通スキーマ及びデータ型に変換している。これにより、センサシステム110a-110zのカメラ112が他機種のカメラに変化しても、変化した差分をフロントエンドサーバ230が吸収し、データベース250に登録することができる。このことによって、カメラ112が他機種カメラに変わった場合に、仮想カメラ操作UI330が適切に動作しない虞を低減できる。
また、仮想カメラ操作UI330は、データベース250に直接アクセスせずにバックエンドサーバ270を介してアクセスする構成である。バックエンドサーバ270で画像生成処理に係わる共通処理を行い、操作UIに係わるアプリケーションの差分部分を仮想カメラ操作UI330で行っている。このことにより、仮想カメラ操作UI330の開発において、UI操作デバイスや、生成したい仮想視点画像を操作するUIの機能要求に対する開発に注力する事ができる。また、バックエンドサーバ270は、仮想カメラ操作UI330の要求に応じて画像生成処理に係わる共通処理を追加又は削除する事も可能である。このことによって仮想カメラ操作UI330の要求に柔軟に対応する事ができる。
このように、画像処理システム100においては、被写体を複数の方向から撮影するための複数のカメラ112による撮影に基づく画像データに基づいて、バックエンドサーバ270により仮想視点画像が生成される。尚、本実施形態における画像処理システム100は、上記で説明した物理的な構成に限定される訳ではなく、論理的に構成されていてもよい。
図13は、競技場に設置された複数のカメラから仮想視点コンテンツが生成される様子を示す模式図である。図13(a)では円周上にカメラ112が置かれており、例えば、仮想カメラ08001により、あたかもゴールの近くにカメラがあるかのような映像を生成することができる。仮想カメラとは、指定された視点からの映像を再生する仮想的なカメラである。仮想カメラは、例えば設置されたカメラ112とは異なる位置に設置することも可能である。なお、以下の説明において、仮想カメラを仮想視点とも表す場合がある。すなわち、仮想視点の位置及び仮想視点からの視線方向は、それぞれ、仮想カメラの位置及び姿勢に対応する。
仮想カメラ08001の映像は、設置された複数のカメラの映像を画像処理し生成する。自由な視点からの映像を得るために、仮想カメラ08001のパスはオペレータにより管理される。図13(b)における仮想カメラパス08002とは、仮想カメラ08001の位置及び姿勢の変遷を表す情報である。
各カメラ112は光軸が特定の位置(以下、注視点という)を向くように設置される。図2は、競技場にカメラ112及びカメラアダプタ120が設置された様子を示す模式図である。各カメラ112は光軸が特定の注視点06302を向くように設置される。同じ注視点06302を向くように設置された一以上のカメラ112をまとめて、撮影装置グループ(以下、注視点グループという)に分割する。図2では9台のカメラ112a~112iが設置されており、2つの注視点06302A、06302Bが設定されている。同じ注視点06302を向くように設置されたカメラ112をまとめて、注視点グループに分割する。4台のカメラ112a、112c、112e、112gは、同じ注視点06302Aを向いており、注視点グループAに属する。すなわち、注視点グループAは、撮影領域06301Aを撮影するカメラのグループである。また、5台のカメラ112b、112d、112f、112h、112iは、同じ注視点06302Bを向いており、注視点グループBに属する。すなわち、注視点グループBは、撮影領域06301Bを撮影するカメラのグループである。それぞれの注視点グループに属するカメラにより、注視点を中心とする仮想視点コンテンツが生成されることとなる。なお、注視点グループに含まれるカメラの台数は上記に限定されず、一以上のカメラが含まれていればよい。
以下の説明では、同じ注視点グループに属するカメラ112の中で最も近いカメラ112の組を、論理的に隣接しているものとする。例えば、カメラ112aとカメラ112bは、物理的に隣接しているが、異なる注視点グループに属するため論理的には隣接していない。カメラ112aと論理的に隣接しているのは、カメラ112cである。一方、カメラ112hとカメラ112iは、物理的に隣接しているだけでなく、論理的にも隣接している。
次に図3を使用してカメラアダプタ120がデータを出力する処理フローについて説明する。図3はカメラアダプタ120g、120h、120i間のデータの流れを表している。カメラアダプタ120gとカメラアダプタ120h及び、カメラアダプタ120hとカメラアダプタ120iが其々接続している。またカメラアダプタ120iはフロントエンドサーバ230と接続している。
カメラアダプタ120は、ネットワークアダプタ06110、伝送部06120、画像処理部06130及び、外部機器制御部06140から構成されている。
ネットワークアダプタ06110は、他のカメラアダプタ120、フロントエンドサーバ230、タイムサーバ290、または、制御ステーション310とデータ通信を行う機能を有している。また、例えばIEEE1588規格のOrdinay Clockに準拠し、タイムサーバ290と送受信したデータのタイムスタンプを保存する機能と、タイムサーバ290と同期した時刻を提供する時刻制御機能を有している。
伝送部06120には、カメラアダプタ120gからの入力データ06721がネットワークアダプタ06110を介して入力され、カメラ112hからの撮影データ06720が画像処理部6130で画像処理されて入力される。また、伝送部06120は、カメラアダプタ120gからの入力データ06721を画像処理部06130へ出力し、画像処理部6130から入力されたデータを圧縮、フレームレート設定、およびパケット化してネットワークアダプタ06110に出力している。また、伝送部06120は、IEEE1588規格のPTP(Precision Time Protocol)に準拠し、タイムサーバ290と時刻同期に係わる処理を行う時刻同期制御機能を有している。なお、PTPに限定するのではなく他の同様のプロトコルを利用して時刻同期してもよい。
画像処理部06130は、カメラ制御部06141を介してカメラ112が撮影した画像データに対し、前景データと背景データに分離する機能を有する。また、画像処理部06130は、分離された前景データ及び、他のカメラアダプタ120から受取った前景データを利用し、例えばステレオカメラの原理を用いて三次元モデルに係わる映像情報(三次元モデル情報)を生成する機能を有する。
外部機器制御部06140は、カメラアダプタ120に接続されるカメラ112やマイク111、雲台113などの機器を制御する機能を有している。カメラ112の制御では、例えば撮影パラメータ(画素数、色深度、フレームレート、ホワイトバランス)の設定、参照、カメラ112の状態(撮影中、停止中、同期中、エラー)取得などが行われる。また、カメラ112の制御では、撮影開始・停止、ピント調整撮影画像取得、同期信号提供、時刻設定などが行われる。マイク111の制御では、ゲイン調整や状態取得、収音開始・停止、収音された音声データの取得などが行われる。雲台113の制御では、例えば、パン・チルト制御や、状態取得などが行われる。
最終的に、図2に示したカメラアダプタ120a~カメラアダプタ120iが作成した前景・背景データ及び、三次元モデル情報は直接ネットワーク接続されたカメラアダプタ間を逐次伝送し、後述するフロントエンドサーバ230に伝送される。なお、前景データと背景データとの分離の機能、及び、三次元モデル情報を生成する機能の少なくとも一部が、後述するフロントエンドサーバ230等の他の装置で行われる構成であってもよい。この場合、カメラアダプタは、前景・背景データ及び、三次元モデル情報の代わりに、カメラ112が撮影することにより取得された画像データを送信する構成でもよい。
次に、フロントエンドサーバ230について図4を利用して説明する。図4は、フロントエンドサーバ230の機能ブロックを示した模式図である。制御部02110はCPUやDRAM、プログラムデータや各種データを記憶したHDDやNANDメモリなどの記憶媒体、Ethernet(登録商標)等のハードウェアで構成される。制御部02110は、フロントエンドサーバ230の各機能ブロック及びフロントエンドサーバ230のシステム全体の制御を行う。また、Ethernet(登録商標)を通じて制御ステーション310からの制御指示を受信し、各機能ブロックの制御やデータの入出力制御などを行う。また、同じくネットワークを通じて制御ステーション310からスタジアムCADデータを取得し、スタジアムCADデータをCADデータ記憶部02135と撮影データファイル生成部02180に送信する。なお、スタジアムCADデータはスタジアムの形状を示す三次元データであり、メッシュモデルやその他の三次元形状を表すデータであればよく、CAD形式に限定されない。
データ入力制御部02120は、Ethernet(登録商標)等を有してカメラアダプタ120とネットワーク接続されている。さらに、ネットワークを通してカメラアダプタ120から前景・背景データ、三次元モデル、音声データ、カメラキャリブレーション撮影画像データを取得する。
データ入力制御部02120は、取得した前景・背景データをデータ同期部02130、カメラキャリブレーション撮影画像データをキャリブレーション部02140に送信する。また、データ入力制御部02120は、受信したデータの圧縮伸張やデータルーティング処理等を行う機能を有する。また、制御部02110とデータ入力制御部02120は共にEthernet(登録商標)等のネットワークによる通信機能を有しているが、これらは共有していてもよい。その場合は、制御ステーション310からの制御コマンドによる指示やスタジアムCADデータをデータ入力部で受けて、制御部02110に対して送る方法を用いてもよい。
データ同期部02130は、カメラアダプタ120から取得したデータをDRAM上に一次的に記憶し、前景データや背景データ、音声データ、三次元モデルデータが揃うまでバッファする。なお、前景データ、背景データ、音声データ、三次元モデルデータをまとめて、以降では撮影データと称する。撮影データにはルーティング情報やタイムコード情報、カメラ識別子等のメタ情報が付与されており、このメタデータ情報を元にデータの属性を確認する。これにより、同一時刻のデータであることなどを判断してデータがそろったことを確認する。これは、ネットワークによって各カメラアダプタ120から転送されたデータが、ネットワークパケットの受信順序は保証されず、ファイル生成に必要なデータが揃うまでバッファする必要があるためである。
データがそろうと、前景及び背景データ、三次元モデルデータ、音声データは、それぞれ、画像処理部02150、三次元モデル結合部02160、撮影データファイル生成部02180に送信される。なお、ここで揃えるデータの範囲とは後述される撮影データファイル生成部02180に於いてファイル生成を行うために必要なデータがそろった場合である。また、背景データは前景データとは異なるフレームレートで撮影されてもよい。例えば、背景データのフレームレートが1fpsである場合、1秒毎に1つの背景データが取得されるため、背景データが取得されない時間については、背景データが無い状態で全てのデータがそろったとしてよい。また、データ同期部02130において、所定時間を経過しデータが揃っていない場合には、データ集結の可否を示す情報で否を通知するとともに、後段のDB250においてデータを格納する際に、カメラ番号やフレーム番号とともにデータ欠落を示す。これにより、仮想カメラ操作UI330からバックエンドサーバ270への視点指示において、データ集結したカメラ112の画像から所望の画像が形成できるか否かをレンダリング前に即時自動通知が可能となる。この結果、仮想カメラUI330のオペレータの目視負荷を軽減できる。
CADデータ記憶部02135は制御部02110から受け取ったスタジアム形状を示す三次元データをDRAMまたはHDDやNANDメモリ等の記憶媒体に保存する。また、CADデータ記憶部02135は、画像結合部02170に対してスタジアム形状データの要求を受け取った際に保存されたスタジアム形状データを送信する。
キャリブレーション部02140はカメラのキャリブレーション動作を行い、キャリブレーションによって得られたカメラパラメータを後述する非撮影データファイル生成部02185に送る。また同時に、自身の記憶領域にも保持し、後述する三次元モデル結合部02160にカメラパラメータ情報を提供する。
画像処理部02150は前景データや背景データの画像に対して、カメラ間の色や輝度値の合わせこみ、RAW画像データが入力される場合には現像処理、カメラのレンズ歪みの補正等の処理を行う。そして、画像処理を行った前景データは撮影データファイル生成部02180、背景データは02170にそれぞれ送信する。
三次元モデル結合部02160は、カメラアダプタから取得した同一時刻の三次元モデルデータをキャリブレーション部02140が生成したカメラパラメータを用いて結合する。また、三次元モデル結合部02160は、VisualHullと呼ばれる方法を用いて、スタジアム全体における前景データの三次元モデルデータを生成する。生成した三次元モデルは撮影データファイル生成部02180に送信される。
画像結合部02170は画像処理部02150から背景データを取得し、CADデータ記憶部02135からスタジアムの三次元形状データを取得し、取得したスタジアムの三次元形状データの座標に対して背景データに映る画像の位置を特定する。背景データの各々がスタジアムの三次元形状データの座標に対して位置が特定できると、背景データをつなぎ合わせて一つの背景データとして結合する。なお、本背景データの三次元形状データの作成については、バックエンドサーバ270の処理として実施してもよい。
撮影データファイル生成部02180は、音声データ、前景データ、三次元モデルデータ、結合された背景データを、それぞれ、データ同期部02130、画像処理部02150、三次元モデル結合部02160、画像結合部02170から取得する。また、撮影データファイル生成部02180は、取得したデータを、DBアクセス制御部02190に対して送信する。撮影データファイル生成部02180が生成するファイルは、撮影時の時刻に紐づけられた撮影データを種類別にファイル化してもよく、ある時刻の撮影データを一つのファイルにまとめたファイル形式としてもよい。
非撮影データファイル生成部02185は、カメラパラメータ、スタジアムの三次元形状データを。それぞれ、キャリブレーション部02140、制御部02110から取得し、ファイル形式に成形した後DBアクセス制御部02190に送信する。なお、非撮影データファイル生成部02185に入力されるデータであるカメラパラメータまたはスタジアム形状データは個別にファイル形式に成形され、どちらか一方のデータを受信した場合、それらを個別にDBアクセス制御部02190に送信する。
DBアクセス制御部02190はInfiniBandなどの高速な通信によってデータベース250と接続され、撮影データファイル生成部02180及び非撮影データファイル生成部02185から受信したファイルをデータベース250に対して送信する。
次に、データベース250について図5を利用して説明する。図5はデータベース250の機能ブロックを示した模式図である。制御部02410はCPUやDRAM,プログラムデータや各種データを記憶したHDDやNANDメモリなどの記憶媒体、Ethernet(登録商標)等のハードウェアで構成される。制御部02410は、データベース250の各機能ブロック及びデータベース250のシステム全体の制御を行う。
データ入力部02420はInfiniBand等の高速な通信によって、フロントエンドサーバ230から取得した撮影データや非撮影データのファイルを受信する。受信したファイルはキャッシュ02440に対して送られる。また、この時、受信した撮影データのメタ情報を読み出し、メタ情報に記録されたタイムコード情報やルーティング情報、カメラ識別子等の情報を元に、取得したデータへのアクセスが可能になるようにデータベーステーブルを作成する。
データ出力部02430はInfiniBand等の高速な通信によって、バックエンドサーバ270から要求されたデータを後述するキャッシュ02440、一次ストレージ02450、二次ストレージ02460のいずれに保存されているかを判断する。データ出力部02430は、保存された先からデータを読み出してバックエンドサーバ270に送信する。
キャッシュ02440は高速な入出力スループットを達成可能なDRAM等の記憶装置を有しており、データ入力部02420から取得した撮影データや非撮影データを記憶装置に格納する。格納されたデータは一定量保持され、それを超えるデータが入力される場合に、古いデータから随時一次ストレージ02450へと書き出され、書き出されたデータは新たなデータによって上書きされる。
ここで、キャッシュ02440に一定量保存されるデータは少なくとも1フレーム分の撮影データである。このデータをキャッシングすることにより、バックエンドサーバ270に於いて映像のレンダリング処理を行う際に、データベース250内でのスループットを最小限に抑え、最新の映像フレームを低遅延かつ連続的にレンダリングすることが可能となる。このとき、前述の目的を達成するためにはキャッシュされるデータの中には背景データを含んでいる必要がある。1フレーム分の中で背景データを有さないフレームの撮影データがキャッシュされる場合、背景データは更新されず、そのままキャッシュ上に保持される。キャッシュ可能なDRAMの容量または予め決められたシステムに設定されたキャッシュフレームサイズ、または制御ステーションからの指示によって決められる。なお、非撮影データについては、入出力の頻度が少なく、また、試合前などにおいては、高速なスループットが要求されないため、すぐに一次ストレージへとコピーされる。キャッシュされたデータはデータ出力部02430によって読み出される。
一次ストレージ02450はSSD等のストレージメディアを並列につなぐなどして高速化し、データ入力部02420からの大量のデータの書き込み及びデータ出力部02430からのデータ読み出しが同時に実現できるように構成される。キャッシュ02440上に格納されたデータの古いものから順に書き出される。
二次ストレージ02460はHDDやテープメディア等で構成され高速性よりも大容量の一次ストレージと比較して安価で長期間の保存に適するメディアであることが求められる。撮影が完了した後、データのバックアップ先として一次ストレージ02450に格納されたデータを書き出す。
次に、バックエンドサーバ270について図6を利用して説明する。図6は、本実施形態にかかるバックエンドサーバ270の構成を示している。バックエンドサーバ270は、データ受信部03001、背景テクスチャ貼り付け部03002、前景テクスチャ決定部03003、テクスチャ境界色合わせ部03004、仮想視点前景画像生成部03005を有する。バックエンドサーバ270はさらに、レンダリング部03006、自由視点音声生成部03007、合成部03008、映像出力部03009、前景オブジェクト決定部03010を有する。バックエンドサーバ270はさらに、要求リスト生成部03011、要求データ出力部03012、背景メッシュモデル管理部03013、レンダリングモード管理部03014、カメラグループ管理部03015を有する。
データ受信部03001は、データベース250およびコントローラ300から送信されるデータを受信する。データベース250からは、スタジアムの形状を示す三次元データ(以降、背景メッシュモデルと称する)、前景データ、背景データ、前景データの三次元モデル(以降、前景三次元モデルと称する)、音声を受信する。また、コントローラ300からは仮想カメラパラメータを受信する。仮想カメラパラメータとは、仮想視点の位置や仮想視点からの視線方向などを表す視点情報である。仮想カメラパラメータは、例えば、外部パラメータの行列と内部パラメータの行列で表される。
背景テクスチャ貼り付け部03002は、背景メッシュモデル管理部03013から取得する背景メッシュモデルで示される三次元空間形状に対して背景データをテクスチャとして貼り付けることでテクスチャ付き背景メッシュモデルを生成する。メッシュモデルとは、例えばCADデータなど三次元の空間形状を面の集合で表現したデータのことである。テクスチャとは、物体の表面の質感を表現するために貼り付ける画像のことである。
前景テクスチャ決定部03003は、前景データ、前景三次元モデル群より前景三次元モデルのテクスチャ情報を決定する。前景テクスチャ境界色合わせ部03004は、各前景三次元モデルのテクスチャ情報と各三次元モデル群からテクスチャの境界の色合わせを行い前景オブジェクト毎に色付き前景三次元モデル群を生成する。
仮想視点前景画像生成部03005は、注視点グループ管理部03015からの注視点グループ情報と仮想カメラパラメータから、前景データ群を仮想視点からの見た目に透視変換する。レンダリング部03006は、レンダリングモード管理部03014で保持するレンダリングモードに基づいて背景データと前景データをレンダリングして全景画像を生成する。
レンダリングモードとして本実施例では、モデルベースレンダリング(Model-Based Rendering:MBR)とイメージベースレンダリング(Image-Based Rendering:IBR)を対象とする。MBRとは、視体積交差法、Multi-View-Stereo(MVS)などの三次元形状復元手法により得られた対象シーンの三次元形状(モデル)を利用し,仮想視点からのシーンの見えを画像として生成する技術である。IBRとは、対象のシーンを複数視点から撮影した入力画像群を変形、合成することによって仮想視点からの見えを再現した自由視点画像を生成する技術である。レンダリングモードがMBRの場合、背景メッシュモデルと前景テクスチャ境界色合わせ部03004で生成した前景三次元モデル群の合成により全景モデルを生成し、その全景モデルから仮想視点から見た画像を生成する。レンダリングモードがIBRの場合、背景テクスチャモデルから仮想視点からの見た背景画像を生成し、仮想視点前景画像生成部03005で生成した前景画像を合成して仮想視点から見た全景画像を生成する。
レンダリングモード管理部03014は、システムとして固有で決められたレンダリング方法を示すモード情報を管理する。本実施例では、レンダリングのモード情報としてIBRおよびMBRのいずれかを示すとする。なお、レンダリングモードはシステム固有ではなくユーザが任意に設定できてもよい。本システムでは、複数のレンダリングモードを有する。それは、エンドユーザ端末への最終出力画像の要求に応じて使い分けられる。例えば、設置されたカメラの台数が、ある閾値以上であればレンダリングとしてMBRを用い、ある閾値以下であればIBRを用いてもよい。また、撮影から映像出力までの処理遅延時間の長短で決めてもよい。遅延時間が長くても視点の自由度を優先する場合はMBR、遅延時間が短いことを要求する場合はIBRを用いる。このように、複数のレンダリングモードを用いて、要求に応じて切り替え可能な構成にすることで、柔軟にシステムを構成することが可能になり、本実施の形態のスタジアム以外の被写体にも適用可能となることを明記しておく。
自由視点音声生成部03007は、音声群、仮想カメラパラメータより仮想視点において聞こえる音声を生成する。
合成部03008は、レンダリング部03006で生成された画像群と自由視点音声生成部03007で生成される音声を合成して映像を生成する。
映像出力部03009は、コントローラ300とエンドユーザ端末190へEthernet(登録商標)を用いて映像を出力する。ただし、外部への伝送手段としてEthernet(登録商標)に限定するものではなく、SDI、DisplayPort、HDMI(登録商標)などの信号伝送手段を用いてもよい。
前景オブジェクト決定部03010は、仮想カメラパラメータと前景三次元モデルに含まれる前景オブジェクトの空間上の位置を示す前景オブジェクトの位置情報から、表示する前景オブジェクト群を決定して、前景オブジェクトリストを出力する。つまり、前景オブジェクト決定03010において、仮想視点の映像情報を物理的なカメラ112にマッピングする処理を実施する。本仮想視点は、レンダリングモード管理部03014で設定されるレンダリングモードに応じてマッピングが異なる。そのため、図示はしていないが、複数の前景オブジェクトを決定する制御が前景オブジェクト決定03010に配備されレンダリングモードと連動して制御を行うことを明記しておく。
要求リスト生成部03011は、指定時間の前景オブジェクトリストに対応する前景データ群と前景三次元モデル群、また背景画像と音声データをデータベース250に要求するリストとして生成する。
前景オブジェクトは仮想視点を考慮してデータベース250にデータを要求するが、背景画像と音声データはそのフレーム対して全てのデータを要求する。また、バックエンドサーバ270が起動後、背景メッシュモデルが取得されるまで背景メッシュモデルの要求リストを生成する。要求データ出力部03012は、入力された要求リストを元にデータベース250に対してデータ要求のコマンドを出力する。
背景メッシュモデル管理部03013は、データベース250から受信した背景メッシュモデルを記憶する。注視点グループ管理部03015は、コントローラ300から設定される注視点グループ情報を記憶する。図2に示した競技場の模式図では、注視点Aに光軸が向くように設置された4台のカメラ112a、112c、112e、112gを注視点グループAとする。また、注視点Bに光軸が向くように設置された5台のカメラ112b、112d、112f、112h、112iを注視点グループBとする。このように、図2の例では、2つの注視点グループに分けられる。これら注視点グループを構成するカメラ情報と、それぞれの注視点グループに共通の仮想視点コンテンツ生成領域がある場合にはその共通領域情報が注視点グループ情報としてコントローラ300から設定される。すなわち、共通領域は、撮影領域06301Aと、撮影領域06301Aと少なくとも一部が重複する撮影領域06301Bとの重複領域である。
図7は、仮想カメラ操作UI(330)の機能構成を説明するブロック図である。仮想カメラ操作UI(330)は、仮想カメラ管理部(08130)および操作UI部(08120)から構成される。これらを同一機器上に実装してもよいし、サーバ/クライアントとして実装してもよい。例えば、放送局のUIに使う場合は、中継車内のワークステーションに仮想カメラ管理部(08130)と操作UI部(08120)を実装して装置として提供してもよい。また、エンドユーザ端末(190)として使う場合は、例えば、仮想カメラ管理部(08130)をwebサーバに実装し、エンドユーザ端末(190)に操作UI部を実装してもよい。
仮想カメラ操作部08101は、オペレータの仮想カメラ08001に対する操作を処理する。オペレータの操作は、例えば、位置の変更(移動)、姿勢の変更(回転)、ズーム倍率の変更などである。オペレータは、仮想カメラ08001を操作するために、例えば、ジョイスティック、ジョグダイヤル、タッチパネル、キーボード、マウスなどの入力装置を使う。各入力装置の入力は予め仮想カメラ08001の操作と対応を決めておく。例えば、キーボードの「W」キーを、仮想カメラ08001を前方へ1メートル移動する操作に対応付ける。また、オペレータは軌跡を指定して仮想カメラ08001を操作することができる。例えば、ゴールポストを中心にして仮想カメラ08001が回るという軌跡を、タッチパッドに円を書いて指定する。仮想カメラ08001は、指定された軌跡に沿ってゴールポストの回りを移動する。また、仮想カメラ08001が常にゴールポストの方を向くように姿勢を変更する。仮想カメラ操作部08101は、ライブ映像およびリプレイ映像の生成に利用することができる。リプレイ映像を生成する際は、カメラの位置、姿勢の他に時間を操作する。リプレイ映像では、例えば、時間を止めて仮想カメラ08001を移動させることも可能である。
仮想カメラパラメータ計算部08102は、仮想カメラ08001の位置や姿勢などを表す仮想カメラパラメータを計算する。仮想カメラパラメータとして、例えば、外部パラメータの行列と内部パラメータの行列を用いる。ここで、仮想カメラ08001の位置と姿勢は外部パラメータに含まれ、ズーム値は内部パラメータに含まれる。
仮想カメラ制約管理部08103は、仮想カメラ08001の位置や姿勢、ズーム値などに関する制約を管理する。仮想カメラ08001は、カメラと異なり、自由に視点を移動して映像を生成することができるが、あらゆる視点からの映像を生成できるわけではない。例えば、どのカメラにも映っていない対象が映る向きに、仮想カメラ08001を向けても映像を獲得することはできない。また、ズーム倍率を上げると画質が劣化する。一定基準の画質を保つ範囲のズーム倍率を仮想カメラ制約としてよい。仮想カメラ制約は、例えば、カメラの配置などから事前に計算しておく。
衝突判定部08104は、仮想カメラ08001が仮想カメラ制約を満たしているかを判定する。仮想カメラパラメータ計算部08102で計算された新しい仮想カメラパラメータが制約を満たしているかを判定する。制約を満たしていない場合は、例えば、オペレータの操作をキャンセルし、制約を満たす位置に仮想カメラ08001を止めたり、位置を戻したりする。
フィードバック出力部08105は、衝突判定部08104の判定結果をオペレータにフィードバックする。オペレータの操作により、仮想カメラ制約を満たさなくなる場合に、そのことをオペレータに通知する。例えば、オペレータが仮想カメラ08001を上方に移動しようと操作したが、移動先が仮想カメラ制約を満たさないとする。その場合、オペレータに、これ以上前方に仮想カメラ08001を移動できないことを通知する。通知としては、音、メッセージ出力、画面の色変化、仮想カメラ操作部08101がロックする等の方法がある。さらには、自動で移動できる位置まで仮想カメラの位置を戻すことにより、オペレータの操作簡便性につながる効果がある。
仮想カメラパス管理部08106は、オペレータが操作した仮想カメラ08001のパスを管理する。仮想カメラパス08002とは、仮想カメラ08001の1フレームごと位置や姿勢を表す情報の列である。例えば、仮想カメラ08001の位置や姿勢を表す情報として仮想カメラパラメータを用いる。例えば、60フレーム/秒のフレームレートの設定で1秒分の情報は、60個の仮想カメラパラメータの列となる。仮想カメラパス管理部08106は、衝突判定部08104で判定済みの仮想カメラパラメータを、バックエンドサーバ270に送信する。
バックエンドサーバ270は、受信した仮想カメラパラメータを用いて、仮想カメラ映像・音声を生成する。また、仮想カメラパス管理部08160は、仮想カメラパラメータを仮想カメラパス08002に加えて保持する機能も有する。例えば、仮想カメラUI270を用いて、1時間分の仮想カメラ映像・音声を生成した場合、1時間分の仮想カメラパラメータが仮想カメラパス08002として保存される。本仮想カメラパスを保存することによって、後からデータベースの二次ストレージ02460に蓄積された映像情報と仮想カメラパスによって、仮想カメラ映像・音声を再度生成することが可能になる。つまり、高度な仮想カメラ操作を行うオペレータが生成した仮想カメラパスと二次ストレージ02460の蓄積された映像情報を再利用可能になる。仮想カメラパスとして、複数のシーンを選択可能に仮想カメラ管理部08130に蓄積することもできる。仮想カメラ管理部08130に蓄積する際には、シーンのスクリプトや試合の経過時間、シーンの前後指定時間、プレーヤ情報等のメタ情報もあわせて入力・蓄積することができる。これらの仮想カメラパスを仮想カメラパラメータとして、バックエンドサーバ270に通知する。
これにより、エンドユーザ端末190は、バックエンドサーバ270に仮想カメラパスの選択情報を要求することで、シーン名やプレーヤ、試合経過時間から、仮想カメラパスを選択可能になる。そこで、エンドユーザ端末190において、選択可能な仮想カメラパスの候補を通知し、エンドユーザはエンドユーザ端末190において、複数の候補の中から希望の仮想カメラパスを選択する。そして、エンドユーザ端末190で選択された仮想カメラパスに応じた映像生成をバックエンドサーバ270に要求することで、映像配信サービスをインタラクティブに享受することができる。
オーサリング部08107は、オペレータがリプレイ映像を生成する際の編集機能を提供する。リプレイ映像用の仮想カメラパス08002の初期値として、仮想カメラパス管理部08106から仮想カメラパス08002の一部を取り出す。前述されたように、仮想カメラパス管理部08106には、シーン名、プレーヤ、経過時間、シーンの前後指定時間をメタ情報としてもつ。例えば、シーン名がゴールシーン、シーンの前後指定時間を前後合わせて10秒分とした仮想カメラパス08002を取り出す。また、編集したカメラパスに再生速度を設定する。例えば、ボールがゴールに飛んで行く間の仮想カメラパス08002にスロー再生を設定する。なお、異なる視点からの映像に変更する場合、つまり仮想カメラパス08002を変更する場合は、仮想カメラ操作部08101を用いて再度仮想カメラ08001を操作する。
仮想カメラ映像・音声出力部(08108)は、バックエンドサーバ270から受け取った仮想カメラ映像・音声を出力する。オペレータは出力された映像・音声を確認しながら仮想カメラ08001を操作する。
次に、視聴者が使用するエンドユーザ端末について、説明する。図8は、エンドユーザ端末190の接続構成図である。
サービスアプリケーションが動作するエンドユーザ端末190は、例えばPC(Personal Computer)である。なお、エンドユーザ端末190は、PCに限らず、スマートフォンやタブレット端末、高精細な大型ディスプレイでもよいものとする。
エンドユーザ端末190は、インターネット回線を介して、映像を配信するバックエンドサーバ270と接続されている。例えば、PCは、LAN(Local Area Network)ケーブルや、無線LANを介してルータおよび、インターネット回線に接続されている。
また、視聴者がスポーツ放送映像を視聴するディスプレイと、視聴者の視点変更などの操作を受け付けるユーザ入力機器とが、接続されている。例えば、ディスプレイは液晶ディスプレイであり、PCとDisplay Portケーブルを介して接続されている。
ユーザ入力機器はマウスやキーボードであり、PCとUSB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して接続されている。
ここで、本実施形態において解決すべき課題について説明する。本実施形態のように、複数の撮影領域が重複する共通領域における仮想視点コンテンツを生成する場合、カメラグループの選択方法によっては、仮想視点コンテンツの画質の違いにより視聴者に対し不快感を与える画質劣化が生じる。画質の違いが生じる原因としては、例えばカメラ台数の違いが挙げられる。より多くのカメラで撮影された画像から仮想視点コンテンツを生成した方が、得られる複数視点画像の多さから鮮鋭な画像が得られる。カメラ台数の違いが生じる原因としては、カメラ設置の時点から注視点グループを構成するカメラ台数に違いがあるケースや、撮影中にカメラが故障するなどの異常が発生して注視点グループを構成するカメラ台数が減ってしまうといったケースが挙げられる。また、カメラ台数が同じであった場合でも、生成する仮想視点コンテンツの前景オブジェクトのまでの距離やカメラが対応する解像度の違いによっても画質の違いが生じる。前景オブジェクトまでの距離が遠いカメラを用いる場合、生成する仮想視点コンテンツに合わせて画像を拡大処理しなければならない事となり、ぼやけた画像となってしまう。
上述した課題を解決するための処理について、図9、10を用いて説明する。図9はフィールド上を移動する人やボールなどのオブジェクトと注視点グループの関係を示した模式図である。
図9では、白丸で表されるオブジェクトが初めは06305に示す位置に存在し、06304に示す軌道上を06307まで移動する様子を示している。ここで、オペレータは図7に示した仮想カメラ操作UI330の仮想カメラ操作部08101を操作し、06304に示す軌道でオブジェクトを追いかけるように仮想カメラ08001を操作するものとする。図6に示したバックエンドサーバ270では、コントローラ300からオペレータの操作に基づく仮想カメラパラメータが入力されると、仮想視点前景画像生成部03005は、注視点グループ情報と仮想カメラパラメータを取得する。仮想視点前景画像生成部03005は、取得した情報に基づいて、前景データ群を仮想視点からの見た目に透視変換する。注視点グループ管理部03015からは注視点グループ情報として、注視点グループA、Bそれぞれを構成するカメラ情報、並びにそれぞれの注視点グループが撮影する撮影領域が重複する生成領域があることを示す共通領域情報が出力される。
図10は、仮想視点前景画像生成部03005にて透視変換する際に使用する注視点グループの選択される処理の流れを示したフローチャート図である。
まず仮想視点前景画像生成部03005では、オペレータの操作に基づく仮想カメラパラメータが入力される。このとき、オブジェクトは初め撮影領域06301A内にあり、撮影領域06301A内から撮影領域06301Bに向かって移動する。したがって、仮想視点前景画像生成部03005は、共通領域06303にオブジェクトが移動するまでは共通領域ではないと判断する(S1001)。よって、仮想視点コンテンツを生成するために使用されるカメラ112として、注視点グループAを構成するカメラが選択され(S1002)、仮想視点コンテンツが生成される(S1003)。オブジェクトが06306に示す位置に移動すると、仮想視点前景画像生成部03005では仮想カメラ08001が共通領域を向いている、すなわち、仮想カメラ08001に対応する仮想視点画像が共通領域に対応する画像を含むと判断する(S1001)。仮想視点前景画像生成部03005は、各注視点グループに含まれるカメラに関する情報に基づき、画質の優位な注視点グループを選択する。ここでは仮想視点前景画像生成部03005は、例えば、カメラの数に関する情報に基づいて、カメラ台数の多い注視点グループBを構成するカメラを選択し(S1005)、仮想視点コンテンツを生成する(S1003)。なお、カメラの数は、注視点グループに含まれるカメラの数のうち、異常の発生していないカメラの数であるものとする。ただしこれに限定されず、注視点グループに含まれるカメラ全体の数であってもよい。
次にオブジェクトが撮影領域06301B内に移動すると仮想視点前景画像生成部03005は共通領域ではないと判断し(S1001)、注視点グループBを構成するカメラが選択される(S1002)。仮想視点前景画像生成部03005は、注視点グループBからの画像データを使用して仮想視点コンテンツを生成する(S1003)。以降、オブジェクトが06307に示す位置に移動するまで注視点グループBを使用した仮想視点コンテンツの生成が繰り返される(S1004)。
本実施形態によれば、複数の撮影領域が重なる共通領域において、画質の優位な注視点グループが選択されるため、画質のよい仮想視点コンテンツを生成することが可能となる。なお、画質の優位な注視点グループの判断は予めコントローラ300内で行い、その結果がコントローラ300から注視点グループ管理部03015に設定されている構成でもよい。
また本実施形態では、画質の優位な注視点グループをカメラの台数の多さから判断するとしているが、これに限定されない。例えば、カメラ設置位置に関する情報、及び、各カメラの対応している解像度に関する情報に基づいて、注視点グループが選択される構成でもよい。例えば、カメラ設置位置情報に基づき、注視点グループを構成するカメラと、生成する仮想視点コンテンツに含まれるオブジェクトとの間の距離によって、注視点グループが選択されてもよい。また、注視点グループに含まれる、より高い解像度に対応するカメラの台数に基づいて、注視点グループが選択されてもよい。
(第二実施形態)
第一実施形態では、複数の注視点を有する複数の撮影領域が重なる共通領域が存在する場合に、画質の優位な注視点グループのカメラを用いて共通領域の仮想視点コンテンツを生成する例について説明した。本実施形態では、共通領域における仮想視点コンテンツの生成に使用する注視点グループの別の決定方法について説明する。
第一実施形態では、複数の注視点を有する複数の撮影領域が重なる共通領域が存在する場合に、画質の優位な注視点グループのカメラを用いて共通領域の仮想視点コンテンツを生成する例について説明した。本実施形態では、共通領域における仮想視点コンテンツの生成に使用する注視点グループの別の決定方法について説明する。
図11は、フィールド上を移動する人やボールなどのオブジェクトと注視点グループの関係を示した第二の模式図である。図11では、白丸で表されるオブジェクトが、初めは06308に示す位置に存在し、06307に示す軌道上を06310まで移動する様子を示している。ここで、オペレータは図7に示した仮想カメラ操作UI330の仮想カメラ操作部08101を操作し、06304に示す軌道でオブジェクトを追いかけるように仮想カメラ08001を操作するものとする。第一実施形態では、オブジェクトが撮影領域06301A内にある場合は、仮想視点コンテンツの生成使用するカメラグループとして注視点グループAが選択される。また、代位実施形態では、共通領域06303においては、仮想視点コンテンツの生成使用するカメラグループとして、画質の優位な注視点グループである、カメラ台数の多い注視点グループBが選択される。
しかしながら、図11に示す例において、第一実施形態と同様に注視点グループが選択されると、共通領域06303において注視点グループBが選択された後に、再度注視点グループAが選択されることとなる。このように、仮想視点コンテンツの生成に使用されるカメラグループが頻繁に切り替わることにより、画質の変化が発生し、ユーザに違和感を与えてしまう虞がある。したがって、本実施形態では、図11に示すような場合でも、仮想視点コンテンツの画質の変化を抑制することが可能な注視点グループの選択方法について説明する。
図12は、本例において仮想視点前景画像生成部03005にて透視変換する際に使用する注視点グループの選択される処理の流れを示したフローチャート図である。
まず仮想視点前景画像生成部03005では、オペレータの操作に基づく仮想カメラパラメータが入力されると、保持している選択済み注視点グループ情報の初期化を行う(S2001)。次に、仮想視点前景画像生成部03005は、仮想視点コンテンツのオブジェクトは初め撮影領域06301A内にある為、共通領域06303にオブジェクトが移動するまでは共通領域ではないと判断する(S2001)。したがって、仮想視点前景画像生成部03005は、注視点グループAを構成するカメラを選択し(S2003)、仮想視点コンテンツを生成する(S2004)。オブジェクトが06309に示す位置に移動すると、仮想視点前景画像生成部03005では、仮想カメラ08001が共通領域を向いていると判断し(S2002)、直前の処理で選択された注視点グループが有るかどうかを判断する(S2006)。直前の処理で選択された注視点グループが無い場合は、画質の優位な注視点グループとしてカメラ台数の多い注視点グループBが選択され(S2007)、仮想視点コンテンツが生成される(S2004)。
直前の処理で選択された注視点グループが有る場合には(S2006)、直前の処理で選択された注視点グループを継続して選択し(S2008)、仮想視点コンテンツを生成する(S2004)。図11に示した仮想視点コンテンツのオブジェクトの移動では、06309に示す位置にオブジェクトが移動する直前には注視点グループAを構成するカメラが選択されている。したがって、オブジェクトが06309に示す位置に移動すると、仮想視点前景画像生成部03005では注視点グループAが再び選択されて仮想視点コンテンツが生成される。
次にオブジェクトが撮影領域06301A内に移動すると、仮想視点前景画像生成部03005は共通領域ではないと判断する(S2002)。よって、仮想視点前景画像生成部03005は、注視点グループAを構成するカメラを選択し(S2003)、仮想視点コンテンツを生成する(S2004)。以降、オブジェクトが06310に示す位置に移動するまで仮想視点コンテンツの生成が繰り返される(S2005)。
以上述べたように、本実施形態によれば、複数の撮影領域が重複する共通領域における仮想視点コンテンツの生成に使用されるカメラグループとして、直前の処理で選択された注視点グループが継続して選択される。これにより、注視点グループの切り替わりが頻繁に発生することが抑制され、結果として画質が変化することを抑制することが可能となる。
なお、上述した例では、直前に選択された注視点グループが選択される構成について説明したが。これに限定されない。例えば、リプレイ画像の生成のように、撮影済みの撮影画像に基づいて仮想視点コンテンツを生成する場合は、オブジェクトの移動経路がわかっている。このため、オブジェクトを見るような仮想カメラの移動経路を決定した後に、共通領域における仮想視点コンテンツの生成に使用されるカメラグループを選択することが可能である。このような場合は、例えば図9のように仮想カメラの移動経路が複数の撮影領域を経由する場合は、共通領域における仮想視点コンテンツの生成に使用されるカメラグループとして、画質の優位な注視点グループが選択されるようにする。また、図11のように仮想カメラが一つの撮影領域内を移動する場合は、共通領域における仮想視点コンテンツの生成に使用されるカメラグループとして、仮想カメラが移動する撮影領域を撮影する注視点グループが選択されるようにする。この選択方法においては、仮想カメラの移動経路の代わりに、オブジェクトの移動経路が使用されてもよい。このように、仮想カメラの移動経路、またはオブジェクトの移動経路に応じて、共通領域における仮想視点コンテンツの生成に使用されるカメラグループが選択される構成でもよい。
また、上述した第一の実施形態と本実施形態を組み合わせて実施してもよい。この場合、例えば、カメラに関する情報(台数及び解像度)に基づいて選択される注視点グループと、仮想カメラの位置及び姿勢の変化に応じて選択される注視点グループとが異なる場合がありうる。この場合は、仮想カメラの位置及び姿勢の変化に応じて選択される注視点グループが優先して選択されるようにしてもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 画像処理システム
270 バックエンドサーバ
03005 仮想視点前景画像生成部
270 バックエンドサーバ
03005 仮想視点前景画像生成部
Claims (14)
- 第1の撮影領域を撮影する一以上の撮影装置を含む撮影装置グループと、前記第1の撮影領域と少なくとも一部が重複する第2の撮影領域を撮影する一以上の撮影装置を含む撮影装置グループと、を含む複数の撮影装置が撮影することにより得られる複数の撮影画像に基づく仮想視点画像の生成に使用される仮想視点の位置及び前記仮想視点からの視線方向を表す視点情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得される視点情報に対応する仮想視点画像の生成に使用される撮影装置グループを選択する選択手段と、
前記取得手段により取得される視点情報に対応する仮想視点画像が、前記第1の撮影領域と前記第2の撮影領域とが重複する共通領域に対応する画像を含む場合、前記撮影装置グループに含まれる一以上の撮影装置に関する情報、及び、前記取得手段により取得される視点情報により表される仮想視点の位置及び仮想視点からの視線方向の変化と、のうち少なくともいずれかに基づいて、仮想視点画像の生成に使用される撮影装置グループが前記選択手段により選択されるように制御する制御手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。 - 前記撮影装置グループに含まれる一以上の撮影装置に関する情報は、前記撮影装置グループに含まれる撮影装置の数に関する情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
- 前記撮影装置グループに含まれる撮影装置の数に関する情報は、前記撮影装置グループに含まれる撮影装置のうち異常が発生していない撮影装置の数を表すことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
- 前記制御手段は、前記取得手段により取得される視点情報に対応する仮想視点画像が前記共通領域に対応する画像を含む場合、前記撮影装置グループに含まれる撮影装置の数がより多い撮影装置グループが前記選択手段により選択されるように制御することを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
- 前記撮影装置グループに含まれる一以上の撮影装置に関する情報は、前記撮影装置グループに含まれる撮影装置が対応する解像度に関する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
- 前記制御手段は、前記取得手段により取得される視点情報に対応する仮想視点画像が前記共通領域に対応する画像を含む場合、撮影装置が対応する解像度がより高い撮影装置を含む撮影装置グループが前記選択手段により選択されるように制御することを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
- 前記撮影装置グループに含まれる一以上の撮影装置に関する情報は、前記撮影装置グループに含まれる撮影装置の設置位置に関する情報を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
- 前記制御手段は、前記取得手段により取得される視点情報に対応する仮想視点画像が前記共通領域に対応する画像を含む場合、前記撮影装置グループに含まれる撮影装置のうち、前記仮想視点画像に含まれるオブジェクトと撮影装置の設置位置との距離がより短い撮影装置を含む撮影装置グループが前記選択手段により選択されるように制御することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
- 前記制御手段は、前記取得手段により取得される視点情報により表される仮想視点の位置及び仮想視点からの視線方向の変化に応じた仮想視点画像が、前記第1の撮影領域と前記第2の撮影領域とのうち一方に対応する画像のみを含む場合、前記仮想視点画像に含まれる撮影領域を撮影する撮影装置グループが前記選択手段により選択されるように制御することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
- 前記制御手段は、前記撮影装置グループに含まれる一以上の撮影装置に関する情報に基づいて選択される撮影装置グループと、前記取得手段により取得される視点情報により表される仮想視点の位置及び仮想視点からの視線方向の変化に基づいて選択される撮影装置グループとが異なる場合、前記取得手段により取得される視点情報により表される仮想視点の位置及び仮想視点からの視線方向の変化に基づいて選択される撮影装置グループが前記選択手段により優先して選択されるように制御することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
- 前記選択手段は、前記取得手段により取得される視点情報に対応する仮想視点画像に含まれる撮影領域を撮影する撮影装置グループを、前記仮想視点画像の生成に使用される撮影装置グループとして選択することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
- 前記選択手段により選択された撮影装置グループに含まれる一以上の撮影装置が撮影することにより得られる複数の撮影画像に基づいて、仮想視点画像を生成する生成手段を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
- 第1の撮影領域を撮影する一以上の撮影装置を含む撮影装置グループと、前記第1の撮影領域と少なくとも一部が重複する第2の撮影領域を撮影する一以上の撮影装置を含む撮影装置グループと、を含む複数の撮影装置が撮影することにより得られる複数の撮影画像に基づく仮想視点画像の生成に使用される仮想視点の位置及び前記仮想視点からの視線方向を表す視点情報を取得する取得工程と、
前記取得工程において取得される視点情報に対応する仮想視点画像の生成に使用される撮影装置グループを選択する選択工程と、
前記取得工程において取得される視点情報に対応する仮想視点画像が、前記第1の撮影領域と前記第2の撮影領域とが重複する共通領域に対応する画像を含む場合、前記撮影装置グループに含まれる一以上の撮影装置に関する情報、及び、前記取得工程において取得される視点情報により表される仮想視点の位置及び仮想視点からの視線方向の変化と、のうち少なくともいずれかに基づいて、仮想視点画像の生成に使用される撮影装置グループが前記選択工程において選択されるように制御する制御工程と
を有することを特徴とする情報処理方法。 - コンピュータを、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021189030A JP2023075860A (ja) | 2021-11-19 | 2021-11-19 | 情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021189030A JP2023075860A (ja) | 2021-11-19 | 2021-11-19 | 情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023075860A true JP2023075860A (ja) | 2023-05-31 |
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ID=86542257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021189030A Pending JP2023075860A (ja) | 2021-11-19 | 2021-11-19 | 情報処理装置、情報処理方法、及び、プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023075860A (ja) |
-
2021
- 2021-11-19 JP JP2021189030A patent/JP2023075860A/ja active Pending
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