JP2023065856A - 表示制御装置、ヘッドアップディスプレイ装置、及び表示制御方法 - Google Patents

表示制御装置、ヘッドアップディスプレイ装置、及び表示制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】左視点画像又は右視点画像が虚像表示領域の周縁部に表示される場合でも仮想オブジェクトの視認性低下を抑制することができる。【解決手段】プロセッサは、左視点画像と右視点画像のいずれか一方がヘッドアップディスプレイ装置20の画角VAの周縁部VBに配置され、一方の画像V30の欠損部PPが表示されない場合、他方の画像V40のうち欠損部PPに対応するペア部PQの輝度を低くする、又はペア部PQを非表示にする第1の表示制御を実行する。【選択図】図5

Description

本開示は、車両等の移動体で使用され、移動体の前景(車両の乗員から見た移動体の前進方向の実景)に画像を重畳して視認させる表示制御装置、ヘッドアップディスプレイ装置、及び表示制御方法等に関する。
特許文献1には、車両のフロントウインドシールド等の被投影部に投射される表示光が、車両の内側にいる車両の乗員(観察者)に向けて反射されることで、観察者に虚像を視認させるヘッドアップディスプレイ装置(虚像表示装置の一例)が記載されている。特に、特許文献1に記載のヘッドアップディスプレイ装置は、虚像の知覚距離(観察者が知覚する虚像までの距離)を変化させることで、車両の速度の状況を認識させるヘッドアップディスプレイ装置が記載されている。画像(虚像)は、観察者から見て近傍側に移動したり、遠方側に移動したりすることで、観察者の視覚的注意をひくことができたり、表示する画像に距離的な情報を付加することができたりする。このように知覚距離を変化させるヘッドアップディスプレイ装置は、内部に、立体表示装置を設けている。
立体表示装置は、例えば、レンズアレイなどを用いる方法(レンチキュラ方式、例えば特許文献2参照。)、パララックスバリアを用いる方法(パララックスバリア方式、例えば特許文献3を参照。)、又は、視差画像時分割表示方式(例えば、特許文献4,5、及び6を参照。)などがある。
これらは、左目が存在する位置に左視点画像の表示光を向け、右目が存在する位置に右視点画像の表示光を向けることで、視差のある左視点画像及び右視点画像を視認させ、融像させることにより仮想オブジェクトの知覚距離を変更する。
特開2019-127065号公報 特開2006-115198号公報 特開2014-150304号公報 特開2011-107382号公報 特開2000-236561号公報 特開2000-4452号公報
両目視差による仮想オブジェクトの所定の表現深度が、虚像結像面の手前や奥である場合、観察者の目は虚像結像面の距離に水晶体のピントを合わせようとする。一方、左視点画像及び右視点画像が1つの仮想オブジェクトとして脳内で融像され、両目の輻輳は虚像結像面の手前又は奥の所定の表現深度に設定された仮想オブジェクトの位置となる。すなわち、観察者の目の調節の距離(虚像結像面に対応する距離)と、輻輳の距離(仮想オブジェクトの表現深度の距離)とが異なる輻輳調節矛盾が生じ、この輻輳調節矛盾により視覚疲労や不快感を生じ得る。但し、適切に両目視差画像が表示されることで、このような視覚疲労や不快感は軽減される。
左視点画像と右視点画像は、観察者から見て左右方向に並んで表示されることになる。図10に示すように、仮想オブジェクト900が観察者から見てより左に配置されている場合、左視点画像911の左端を含む所定の部分(欠損部)911aが表示領域920の外側となり、表示できなくなる。この時、右視点画像912は、表示領域920の左縁近傍に表示される左視点画像911よりも右側に全体が表示される。観察者は、左目で左視点画像911の一部を視認し、右目で右視点画像912の全体を視認する。すなわち、左目で視認される左視点画像911は、右目で視認される右視点画像912と大きく異なる。これにより、仮想オブジェクト900の一部又は全部が立体視できない(立体視が困難になる)ので、仮想オブジェクトの視認性が低下してしまう。
本明細書に開示される特定の実施形態の要約を以下に示す。これらの態様が、これらの特定の実施形態の概要を読者に提供するためだけに提示され、この開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。実際に、本開示は、以下に記載されない種々の態様を包含し得る。
本開示の概要は、仮想オブジェクトの視認性低下を抑制することに関する。より、具体的には、左視点画像又は右視点画像が虚像表示領域の周縁部に表示される場合でも仮想オブジェクトの視認性低下を抑制し、立体視しやすい表示制御装置、ヘッドアップディスプレイ装置、及び表示制御方法等を提供することに関する。
したがって、本明細書に記載される表示制御装置、ヘッドアップディスプレイ装置、及び表示制御方法等は、前記課題を解決するため、以下の手段を採用した。本実施形態は、プロセッサは、左視点画像と右視点画像のいずれか一方がヘッドアップディスプレイ装置の画角の周縁部に配置され、一方の画像の一部(以下では、欠損部と呼ぶ)が表示されない場合、他方の画像のうち欠損部に対応する部分(以下では、ペア部と呼ぶ)の視認性を低下させる、ことをその要旨とする。
したがって、本発明の第1の実施態様の表示制御装置は、表示面に左視点画像と右視点画像を表示する表示器を有し、表示器が表示する左視点画像と右視点画像の光を被投影部に投影することで立体像を、前景に重ねて視認させるヘッドアップディスプレイ装置における表示制御を実行する表示制御装置であって、1つ又は複数のプロセッサと、メモリと、メモリに格納され、1つ又は複数のプロセッサによって実行されるように構成される1つ又は複数のコンピュータ・プログラムと、を備え、プロセッサは、左視点画像と右視点画像のいずれか一方がヘッドアップディスプレイ装置の画角の周縁部に配置され、一方の画像の一部(以下では、欠損部と呼ぶ)が表示されない場合、他方の画像のうち欠損部に対応する部分(以下では、ペア部と呼ぶ)の輝度を低くする第1の表示制御を実行する、ようになっている。本発明の第1の実施態様は、左視点画像又は右視点画像のいずれか一方に欠損部が生じた場合に、左視点画像又は右視点画像の他方において、ペア部の輝度を低くすることで、一方の目からは欠損部が全く見えないにもかかわらず、他方の目からはペア部がはっきり見えてしまうことを抑制することができるという利点も想定される。すなわち、立体視がしづらくなること(視認性の低下)を抑制することができる。
また、本発明のさらに好適な第1の実施態様の表示制御装置は、表示面に左視点画像と右視点画像を表示する表示器を有し、表示器が表示する左視点画像と右視点画像の光を被投影部に投影することで立体像を、前景に重ねて視認させるヘッドアップディスプレイ装置における表示制御を実行する表示制御装置であって、1つ又は複数のプロセッサと、メモリと、メモリに格納され、1つ又は複数のプロセッサによって実行されるように構成される1つ又は複数のコンピュータ・プログラムと、を備え、プロセッサは、左視点画像と右視点画像のいずれか一方が表示面の周縁部に配置され、一方の画像の一部(以下では、欠損部と呼ぶ)が表示されない場合、他方の画像のうち欠損部に対応する部分(以下では、ペア部と呼ぶ)を非表示にする第1の表示制御を実行する、ようになっている。本発明の第1の実施態様は、左視点画像又は右視点画像のいずれか一方に欠損部が生じた場合に、左視点画像又は右視点画像の他方において、ペア部を非表示にすることで、一方の目からは欠損部が全く見えないにもかかわらず、他方の目からはペア部が見えてしまうことを防止することができるという利点も想定される。すなわち、立体視がしづらくなること(視認性の低下)を防止することができる。
特に好適な第2の実施態様によれば、プロセッサは、第1の表示制御において、他方の画像のうちペア部の周辺部も輝度を低くする、又は周辺部も非表示にする、ようになっている。例えば、左視点画像と右視点画像のいずれか一方が表示面の周縁部に配置された場合、表示されない欠損部の周辺の輝度が低くなることが想定される。この場合、一方の目からは輝度が低下した欠損部の周辺、他方の目からは輝度が低下していないペア部の周辺部が明瞭に見えてしまう。第2の実施形態によれば、ペア部の周辺部の輝度を低くする、又は非表示にすることで、表示されない欠損部の周辺の輝度が低くなっても、立体視がしづらくなること(視認性の低下)を抑制することができる。
特に好適な第3の実施態様によれば、プロセッサは、ヘッドアップディスプレイ装置の画角の外から侵入するように表現された立体像に対し、第1の表示制御を実行する、ようになっている。このようにヘッドアップディスプレイ装置の画角で見切れた状態でも立体視しやすくすることができるという利点を有する。
特に好適な第4の実施態様によれば、プロセッサは、ヘッドアップディスプレイ装置の虚像表示面よりも観察者に近い表現深度が設定された立体像に対し、第1の表示制御を実行する、ようになっている。このようにヘッドアップディスプレイ装置の画角で見切れやすい虚像表示面よりも観察者に近い表現深度が設定された立体像でも立体視しやすくすることができるという利点を有する。
特に好適な第5の実施態様のヘッドアップディスプレイ装置によれば、第1乃至第3の実施形態のいずれか1項に記載の表示制御装置と、表示光を出射する表示器と、表示器からの表示光を被投影部にむけるリレー光学系と、を備える。これによって、前記利点が得られる。その他の利点および好適な特徴は、特に前記実施形態および前記説明に記載されている。
特に好適な第6の実施態様によれば、表示面に左視点画像と右視点画像を表示する表示器、表示器が表示する左視点画像と右視点画像の光を被投影部に投影することで立体像を、前景に重ねて視認させるヘッドアップディスプレイ装置における表示制御方法であって、左視点画像と右視点画像のいずれか一方がヘッドアップディスプレイ装置の画角の周縁部に配置され、一方の画像の一部(以下では、欠損部と呼ぶ)が表示されない場合、他方の画像のうち欠損部に対応する部分(以下では、ペア部と呼ぶ)の輝度を低くする、又はペア部を非表示にする第1の表示制御を含む、ようになっている。これによって、前記利点が得られる。その他の利点および好適な特徴は、特に前記実施形態および前記説明に記載されている。
図1は、車両用虚像表示システムの車両への適用例を示す図である。 図2は、ヘッドアップディスプレイ装置の構成を示す図である。 図3は、自車両の走行中において、観察者が視認する前景と、前景に重畳して表示される虚像の例を示す図である。 図4は、HUD装置が3D-HUD装置である実施態様において、虚像結像面に表示される左視点虚像と右視点虚像と、これら左視点虚像と右視点虚像により観察者が知覚する知覚画像と、の位置関係を概念的に示した図である。 図5は、いくつかの実施形態における第1の表示制御が実行された際の虚像を概念的に示した図である。 図6は、いくつかの実施形態における第1の表示制御が実行された際の虚像を概念的に示した図である。 図7は、いくつかの実施形態における第1の表示制御が実行された際の虚像を概念的に示した図である。 図8は、いくつかの実施形態における第1の表示制御が実行された際の虚像を概念的に示した図である。 図9は、いくつかの実施形態の車両用虚像表示システムのブロック図である。 図10は、ヘッドアップディスプレイ装置における立体画像データの生成の流れを概略的に示すフローチャートである。
以下、図1ないし図10では、例示的な車両用表示システムの構成、及び動作の説明を提供する。なお、本発明は以下の実施形態(図面の内容も含む)によって限定されるものではない。下記の実施形態に変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略する。
図1を参照する。図1は、視差式3D-HUD装置を含む車両用虚像表示システムの構成の一例を示す図である。なお、図1において、車両(移動体の一例。)1の左右方向(換言すると、車両1の幅方向)をX軸(X軸の正方向は、車両1の前方を向いた際の左方向。)とし、左右方向に直交すると共に、地面又は地面に相当する面(ここでは路面6)に直交する線分に沿う上下方向(換言すると、車両1の高さ方向)をY軸(Y軸の正方向は、上方向。)とし、左右方向及び上下方向の各々に直交する線分に沿う前後方向をZ軸(Z軸の正方向は、車両1の直進方向。)とする。この点は、他の図面においても同様である。
図示するように、車両(移動体の一例)1に備わる車両用表示システム10は、観察者(典型的には車両1の運転席に着座する運転者)の左目700Lと右目700Rの位置や視線方向を検出する瞳(あるいは顔)検出用の顔検出部409、車両1の前方(広義には周囲)を撮像するカメラ(例えばステレオカメラ)などで構成される車外センサ411、ヘッドアップディスプレイ装置(以下では、HUD装置とも呼ぶ)20、及びHUD装置20を制御する表示制御装置30、などで構成される。
図2は、ヘッドアップディスプレイ装置の構成の一態様を示す図である。HUD装置20は、例えばダッシュボード(図1の符号5)内に設置される。このHUD装置20は、立体表示装置(表示器の一例。)40、リレー光学系80、及びこれら表示装置40とリレー光学系80を収納し、表示装置40からの表示光Kを内部から外部(アイボックス200)に向けて出射可能な光出射窓21を有する筐体22、を有する。観察者は、アイボックス200内から見ると、HUD装置20によって表示された虚像Vを虚像表示領域VS内に視認することができる。
本実施形態の説明で用いる「アイボックス」とは、(1)領域内では画像の虚像Vの全部が視認でき、領域外では画像の虚像Vの少なくとも一部分が視認されない領域、(2)領域内では画像の虚像Vの少なくとも一部が視認でき、領域外では画像の虚像Vの一部分も視認されない領域、(3)領域内では画像の虚像Vの少なくとも一部が所定の輝度以上で視認でき、領域外では画像の虚像Vの全体が前記所定の輝度未満である領域、又は(4)HUD装置20が立体視可能な虚像Vを表示可能である場合、虚像Vの少なくとも一部が立体視でき、領域外では虚像Vの一部分も立体視されない領域である。すなわち、観察者が目(両目)をアイボックス200外に配置すると、観察者は、画像の虚像Vの全体が視認できない、画像の虚像Vの全体の視認性が非常に低く知覚しづらい、又は画像の虚像Vが立体視できない。前記所定の輝度とは、例えば、アイボックスの中心で視認される画像の虚像の輝度に対して1/50程度である。「アイボックス」は、HUD装置20が搭載される車両で観察者の視点位置の配置が想定されるエリア(アイリプスとも呼ぶ。)と同じ、又は前記アイリプスの大部分(例えば、80%以上。)を含むように設定される。
表示装置40は、ここでは視差式3D表示装置とする。この表示装置(視差式3D表示装置)40は、左視点画像と右視点画像とを視認させることで奥行き表現を制御可能な多視点画像表示方式を用いた裸目立体表示装置である表示器50、及びバックライトとして機能する光源ユニット60、により構成される。
表示器50は、光源ユニット60からの照明光を光変調して画像を生成する空間光変調素子51、及び、例えば、レンチキュラレンズやパララックスバリア(視差バリア)等を有し、空間光変調素子51から出射される光を、左目用の光線K11、K12、及びK13等の左目用表示光(図1の符号K10)と、右目用の光線K21、K22、及びK23等の右目用表示光(図1の符号K20)とに分離する光学レイヤ(光線分離部の一例。)52、を有する。光学レイヤ52は、レンチキュラレンズ、パララックスバリア、レンズアレイ、及びマイクロレンズアレイなどの光学フィルタを含む。但し、これは一例であり、限定されるものではない。光学レイヤ52の実施形態は、前述した光学フィルタに限定されることなく、空間光変調素子51から出射される光から左目用表示光(図1の符号K10)及び右目用表示光(図1の符号K20)を生成するものであれば、空間光変調素子51の前面又は後面に配置される全ての形態の光学レイヤを含む。光学レイヤ52のいくつかの実施形態は、電気的に制御されることで、空間光変調素子51から出射される光から左目用表示光(図1の符号K10)及び右目用表示光(図1の符号K20)を生成するものであってもよく、例えば、液晶レンズなどが挙げられる。すなわち、光学レイヤ52の実施形態は、電気的制御されるものと、電気的制御されないものと、を含み得る。
また、表示装置40は、光学レイヤ(光線分離部の一例。)52の代わりに又は、それに加えて、光源ユニット60を指向性バックライトユニット(光線分離部の一例。)で構成することで、左目用の光線K11、K12、及びK13等の左目用表示光(図1の符号K10)と、右目用の光線K21、K22、及びK23等の右目用表示光(図1の符号K20)と、を出射させてもよい。具体的に、例えば、後述する表示制御装置30は、指向性バックライトユニットが左目700Lに向かう照明光を照射した際に、空間光変調素子51に左視点画像を表示させることで、左目用の光線K11、K12、及びK13等の左目用表示光K10を、観察者の左目700Lに向け、指向性バックライトユニットが右目700Rに向かう照明光を照射した際に、空間光変調素子51に右視点画像を表示させることで、右目用の光線K21、K22、及びK23等の右目用表示光K20を、観察者の左目700Rに向ける。但し、上記の指向性バックライトユニットの実施形態は一例であり、限定されるものではない。
後述する表示制御装置30は、例えば、画像レンダリング処理(グラフィック処理)、表示器駆動処理などを実行することで、観察者の左目700Lへ左視点画像V10の左目用表示光K10、及び右目700Rへ右視点画像V20の右目用表示光K20、を向け、左視点画像V10及び右視点画像V20を調整することで、HUD装置20が表示する(観察者が知覚する)知覚画像FUの態様を制御することができる。なお、後述する表示制御装置30は、一定空間に存在する点などから様々な方向に出力される光線をそのまま(概ね)再現するライトフィールドを生成するように、ディスプレイ(表示器50)を制御してもよい。
リレー光学系80は、表示装置40からの光を反射し、画像の表示光K10、K20を、ウインドシールド(被投影部)2に投影する曲面ミラー(凹面鏡等)81、82を有する。但し、その他の光学部材(レンズなどの屈折光学部材、ホログラムなどの回折光学部材、反射光学部材又は、これらの任意の組み合わせを含む。)を、さらに有してもよい。
図1では、HUD装置20の表示装置40は、左右の目のそれぞれに視差のある画像(視差画像)が表示する。各視差画像は、図1に示されるように、虚像表示面(虚像結像面)VSに結像したV10、V20として表示される。観察者(人)の各目のピントは、虚像表示領域VSの位置に合うように調節される。なお、虚像表示領域VSの位置を、「調節位置(又は結像位置)」と称し、また、所定の基準位置(例えば、HUD装置20のアイボックス200の中心205、観察者の視点位置、又は、車両1の特定位置など)から虚像表示領域VSまでの距離(図4の符号D10を参照)を「調節距離(結像距離)」と称する。
但し、実際は、人の脳が、各画像(虚像)を融像するため、人は、調節位置よりもさらに奥側である位置(例えば、左視点画像V10と右視点画像V20との輻輳角によって定まる位置であり、輻輳角が小さくなるほど、観察者から離れた位置にあるように知覚される位置)に、知覚画像(ここでは、ナビゲーション用の矢先の図形)FUが表示されているように認識する。なお、知覚画像FUは、「立体虚像」と称される場合があり、また、「画像」を広義に捉えて虚像も含まれるとする場合には、「立体画像」と称することもできる。また、「立体像」、「3D画像(3D表示)」等と称される場合がある。なお、HUD装置20は、図1に示されるように、調節位置よりも奥側で知覚画像FUが知覚されるものに限定されず、調節位置よりも手前側である位置に、知覚画像FUが視認されるように、左視点画像V10及び右視点画像V20を表示し得る。
虚像表示領域VSは、HUD装置20の内部で生成された画像が、虚像Vとして結像する平面、曲面、又は一部曲面の領域であり、結像面とも呼ばれる。虚像表示領域VSは、HUD装置20の後述する表示器50のスクリーン(例えば、液晶光変調素子の出射面)50aが、虚像光学系90により虚像として結像される位置であり、すなわち、虚像表示領域VSは、HUD装置20の後述するスクリーン50aに対応し(言い換えると、虚像表示領域VSは、後述する表示器50のスクリーン50aと、共役関係となる。)、そして、虚像表示領域VSで視認される虚像は、HUD装置20の後述するスクリーン50aに表示される画像に対応している、と言える。虚像表示領域VS自体は、実際に観察者の目に視認されない、又は視認されにくい程度に視認性が低いことが好ましい。なお、虚像光学系90は、図2で示すリレー光学系80とフロントウインドシールド2とを合わせたものである。
次に、図3、及び図4を参照する。図3は、車両1の走行中において、観察者が視認する前景と、前記前景に重畳して表示される知覚画像の例を示す図である。図4は、虚像結像面に表示される左視点虚像と右視点虚像と、これら左視点虚像と右視点虚像により観察者が立体視する知覚画像(3D画像)と、の位置関係を概念的に示した図である。
図3において、車両1は、直線状の道路(路面)6を走行している。HUD装置20は、ダッシュボード5内に設置されている。HUD装置20の光出射窓21から表示光K(K10,K20)を被投影部(車両1のフロントウインドシールド)2に投影する。典型的には、HUD装置20は、被投影部2の配置、及び形状を考慮し、被投影部2の正反射(非正反射もあり得る)により左目700Lに向かうように左目用表示光K10を出射し、被投影部2の正反射(非正反射もあり得る)により右目700Rに向かうように右目用表示光K20を出射する。図3の例では、路面6に重畳し、車両1の経路(ここでは直進を示す。)を指示する第1のコンテンツ画像FU1、及び同じく車両1の経路(ここでは直進を示す。)を指示し、第1のコンテンツ画像FU1より遠方に知覚される第2のコンテンツ画像FU2、を表示する。
図4の左図に示すように、HUD装置20は、(1)顔検出部409で検出された左目700Lへ被投影部2によって反射されるような位置、及び角度で、被投影部2に左目用表示光K10を出射し、左目700Lから見た虚像表示領域VSの所定の位置に、第1の左視点コンテンツ画像V11を結像し、(2)右目700Rへ被投影部2によって反射されるような位置、及び角度で、被投影部2に右目用表示光K20を出射し、右目700Rから見た虚像表示領域VSの所定の位置に、第1の右視点コンテンツ画像V21を結像する。視差を有する第1の左視点コンテンツ画像V11、及び第1の右視点コンテンツ画像V21により知覚される第1のコンテンツ画像(3D画像)FU11は、虚像表示領域VSよりも距離D21だけ奥側である位置(上記の基準位置から距離D31だけ離れた位置)において視認される。
同様に、図4の右図に示すように、HUD装置20は、(1)顔検出部409で検出された左目700Lへ被投影部2によって反射されるような位置、及び角度で、被投影部2に左目用表示光K10を出射し、左目700Lから見た虚像表示領域VSの所定の位置に、第2の左視点コンテンツ画像V12を結像し、(2)右目700Rへ被投影部2によって反射されるような位置、及び角度で、被投影部2に右目用表示光K20を出射し、右目700Rから見た虚像表示領域VSの所定の位置に、第2の右視点コンテンツ画像V22を結像する。視差を有する第2の左視点コンテンツ画像V12、及び第2の右視点コンテンツ画像V22により知覚される第2のコンテンツ画像(3D画像)FU12は、虚像表示領域VSよりも距離D22だけ奥側である位置(上記の基準位置から距離D32だけ離れた位置)において視認される。
具体的には、上記の基準位置から虚像表示領域VSまでの距離(結像距離D10)は、例えば「4[meter]」の距離に設定され、上記の基準位置から図4の左図に示される第1のコンテンツ画像FU1及までの距離(第1の知覚距離D31)は、例えば「7[meter]」の距離に設定され、上記の基準位置から図4の右図に示される第2のコンテンツ画像FU2までの距離(第2の知覚距離D32)は、例えば「10[meter]」の距離に設定される。但し、これは一例であり、限定されるものではない。
(第1の実施形態)
第1の実施形態において、プロセッサ33(表示制御装置30)は、左視点画像V10と右視点画像V20のいずれか一方の画像V30がヘッドアップディスプレイ装置20の画角VAの周縁部VBに配置され、一方の画像V30の一部(以下では、欠損部と呼ぶ)PPが表示されない場合、他方の画像V40のうち欠損部PPに対応する部分(以下では、ペア部と呼ぶ)PQの輝度を低くする、又はペア部PQを非表示にする第1の表示制御を実行する。
図5は、いくつかの実施形態における第1の表示制御が実行された際の虚像を概念的に示した図である。図5の例では、左視点画像V31がヘッドアップディスプレイ装置20の画角VAの周縁部VBに配置され、左視点画像V31(V30)の一部(欠損部)PP1を表示しない。この場合、右視点画像V41(V40)のうち、左視点画像V31(V30)の欠損部PP1に対応する部分(ペア部)PQ1の輝度を、右視点画像V41(V40)の他の部分(ペア部PQ1以外の部分)より低くする。これによれば、左視点画像又は右視点画像のいずれか一方の画像V30に欠損部PPが生じた場合に、左視点画像又は右視点画像の他方の画像V40において、ペア部PQの輝度を低くすることで、一方の目からは欠損部が全く見えないにもかかわらず、他方の目からはペア部がはっきり見えてしまうことを抑制することができるという利点も想定される。すなわち、立体視がしづらくなること(視認性の低下)を抑制することができる。
また、いくつかの実施形態では、右視点画像V41(V40)のうち、左視点画像V31(V30)の欠損部PP1に対応する部分(ペア部)PQ1を非表示とする。これによれば、左視点画像又は右視点画像のいずれか一方の画像V30に欠損部PPが生じた場合に、左視点画像又は右視点画像の他方の画像V40において、ペア部PQの輝度を低くすることで、一方の目からは欠損部が全く見えないにもかかわらず、他方の目からはペア部が見えてしまうことを防止することができるという利点も想定される。すなわち、立体視がしづらくなること(視認性の低下)を防止することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態におけるプロセッサ33は、第1の表示制御において、他方の画像V40のうちペア部PQの周辺部PRも輝度を低くする、又は周辺部PRも非表示にする。
図6は、いくつかの実施形態における第1の表示制御が実行された際の虚像を概念的に示した図である。図6の例では、右視点画像V32がヘッドアップディスプレイ装置20の画角VAの周縁部VBに配置され、右視点画像V32(V30)の一部(欠損部)PP2を表示しない。この場合、左視点画像V42(V40)のうち、右視点画像V32(V30)の欠損部PP2に対応する部分(ペア部)PQ2の輝度を、左視点画像V42(V40)の他の部分(ペア部PQ1以外の部分)より低くする、又はペア部PQ2を非表示にする第1の表示制御を実行する。第1の表示制御において、プロセッサ33(表示制御装置30)は、左視点画像V42のうちペア部PQ2の周辺部PR2も輝度を低くする、又は周辺部PR2も非表示にする。これによれば、ペア部PQの周辺部PRの輝度を低くする、又は非表示にすることで、表示されない欠損部PPの周辺の輝度が低くなっても、立体視がしづらくなること(視認性の低下)を抑制することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態におけるプロセッサ33は、ヘッドアップディスプレイ装置20の画角VAの外から侵入するように表現された立体像FUに対し、第1の表示制御を実行する。
図7は、いくつかの実施形態における第1の表示制御が実行された際の虚像を概念的に示した図である。図7の立体像FU15は、画角VAの右端から左側へ侵入するような動画であり、左図の状態から右図の状態に遷移する。この際、プロセッサ33は、右視点画像V33の欠損部PP3が減少するに従い、左視点画像V43のペア部PQ3を減少させる。これによれば、ヘッドアップディスプレイ装置の画角で見切れた状態でも立体視しやすくすることができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態におけるプロセッサ33は、ヘッドアップディスプレイ装置の虚像表示領域VSよりも観察者に近い表現深度が設定された立体像に対し、第1の表示制御を実行する。
図8は、いくつかの実施形態における第1の表示制御が実行された際の虚像を概念的に示した図である。図8の立体像FU18の表現深度は、虚像表示領域VSよりも距離28だけ手前である位置(基準位置から距離D38だけ離れた位置)に設定される。具体的には、上記の基準位置から図48立体像FU18及までの距離(知覚距離D38)は、例えば「3[meter]」の距離に設定される。
図8の例では、右視点画像V38がヘッドアップディスプレイ装置20の画角VAの左側の周縁部VBに配置され、右視点画像V38(V30)の一部(欠損部)PP8を表示しない。この場合、左視点画像V48(V40)のうち、右視点画像V38(V30)の欠損部PP8に対応する部分(ペア部)PQ8の輝度を、左視点画像V48(V40)の他の部分(ペア部PQ8以外の部分)より低くする(又は非表示にする)。これによれば、ヘッドアップディスプレイ装置の画角で見切れやすい虚像表示面よりも観察者に近い表現深度が設定された立体像でも立体視しやすくすることができる。
図9は、いくつかの実施形態に係る、車両用虚像表示システムのブロック図である。表示制御装置30は、1つ又は複数のI/Oインタフェース31、1つ又は複数のプロセッサ33、1つ又は複数の画像処理回路35、及び1つ又は複数のメモリ37を備える。図9に記載される様々な機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれら両方の組み合わせで構成されてもよい。図9は、1つの実施形態に過ぎず、図示された構成要素は、より数の少ない構成要素に組み合わされてもよく、又は追加の構成要素があってもよい。例えば、画像処理回路35(例えば、グラフィック処理ユニット)が、1つ又は複数のプロセッサ33に含まれてもよい。
図示するように、プロセッサ33及び画像処理回路35は、メモリ37と動作可能に連結される。より具体的には、プロセッサ33及び画像処理回路35は、メモリ37に記憶されているコンピュータ・プログラムを実行することで、例えば画像データを生成、及び/又は送信するなど、車両用表示システム10(表示装置40)の制御を行うことができる。プロセッサ33及び/又は画像処理回路35は、少なくとも1つの汎用マイクロプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)、少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。メモリ37は、ハードディスクのような任意のタイプの磁気媒体、CD及びDVDのような任意のタイプの光学媒体、揮発性メモリのような任意のタイプの半導体メモリ、及び不揮発性メモリを含む。揮発性メモリは、DRAM及びSRAMを含み、不揮発性メモリは、ROM及びNVRAMを含んでもよい。
図示するように、プロセッサ33は、I/Oインタフェース31と動作可能に連結されている。I/Oインタフェース31は、例えば、車両に設けられた後述の車両ECU401、及び/又は他の電子機器(後述する符号403~419)と、CAN(Controller Area Network)の規格に応じて通信(CAN通信とも称する)を行う。なお、I/Oインタフェース31が採用する通信規格は、CANに限定されず、例えば、CANFD(CAN with Flexible Data Rate)、LIN(Local Interconnect Network)、Ethernet(登録商標)、MOST(Media Oriented Systems Transport:MOSTは登録商標)、UART、もしくはUSBなどの有線通信インタフェース、又は、例えば、Bluetooth(登録商標)ネットワークなどのパーソナルエリアネットワーク(PAN)、802.11x Wi-Fi(登録商標)ネットワークなどのローカルエリアネットワーク(LAN)等の数十メートル内の近距離無線通信インタフェースである車内通信(内部通信)インタフェースを含む。また、I/Oインタフェース31は、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN0、IEEE802.16-2004(WiMAX:Worldwide Interoperability for Microwave Access))、IEEE802.16eベース(Mobile WiMAX)、4G、4G-LTE、LTE Advanced、5Gなどのセルラー通信規格により広域通信網(例えば、インターネット通信網)などの車外通信(外部通信)インタフェースを含んでいてもよい。
図示するように、プロセッサ33は、I/Oインタフェース31と相互動作可能に連結されることで、車両用表示システム10(I/Oインタフェース31)に接続される種々の他の電子機器等と情報を授受可能となる。I/Oインタフェース31には、例えば、車両ECU401、道路情報データベース403、自車位置検出部405、操作検出部407、顔検出部409、車外センサ411、明るさ検出部413、IMU415、携帯情報端末417、及び外部通信機器419などが動作可能に連結される。なお、I/Oインタフェース31は、車両用表示システム10に接続される他の電子機器等から受信する情報を加工(変換、演算、解析)する機能を含んでいてもよい。
表示装置40は、プロセッサ33及び画像処理回路35に動作可能に連結される。したがって、空間光変調素子51によって表示される画像は、プロセッサ33及び/又は画像処理回路35から受信された画像データに基づいてもよい。プロセッサ33及び画像処理回路35は、I/Oインタフェース31から取得される情報に基づき、空間光変調素子51が表示する画像を制御する。
顔検出部409は、車両1の運転席に着座する観察者の目位置700(図1参照。)を検出する赤外線カメラなどのカメラを含み、撮像した画像を、プロセッサ33に出力してもよい。プロセッサ33は、顔検出部409から撮像画像(目位置700を推定可能な情報の一例。)を取得し、この撮像画像を、パターンマッチングなどの手法で解析することで、観察者の目位置700の座標を検出し、検出した目位置700の座標を示す信号を、プロセッサ33へ出力してもよい。
また、顔検出部409は、カメラの撮像画像を解析した解析結果(例えば、観察者の目位置700が、予め設定された複数の表示パラメータが対応する空間的な領域のどこに属しているかを示す信号。)を、プロセッサ33に出力してもよい。なお、車両1の観察者の目位置700、又は観察者の目位置700を推定可能な情報を取得する方法は、これらに限定されるものではなく、既知の目位置検出(推定)技術を用いて取得されてもよい。
また、顔検出部409は、観察者の目位置700の変化速度、及び/又は移動方向を検出し、観察者の目位置700の変化速度、及び/又は移動方向を示す信号を、プロセッサ33に出力してもよい。
また、顔検出部409は、(11)新たに検出した目位置700が、過去に検出した目位置700に対して、メモリ37に予め記憶された目位置移動距離閾値以上であること(所定の単位時間内における目位置の移動が規定範囲より大きいこと。)を示す信号、(12)目位置の変化速度が、メモリ37に予め記憶された目位置変化速度閾値以上であることを示す信号、(13)観察者の目位置700の移動が検出された後、観察者の目位置700が検出できないことを示す信号、を検出した場合、所定の2D条件を満たしたと判定し、当該状態を示す信号を、プロセッサ33に出力してもよい。
また、顔検出部409は、視線方向検出部としての機能を有していても良い。視線方向検出部は、車両1の運転席に着座する観察者の顔を撮像する赤外線カメラ、又は可視光カメラを含み、撮像した画像を、プロセッサ33に出力してもよい。プロセッサ33は、視線方向検出部から撮像画像(視線方向を推定可能な情報の一例。)を取得し、この撮像画像を解析することで観察者の視線方向(及び/又は前記注視位置)を特定することができる。なお、視線方向検出部は、カメラからの撮像画像を解析し、解析結果である観察者の視線方向(及び/又は前記注視位置)を示す信号をプロセッサ33に出力してもよい。なお、車両1の観察者の視線方向を推定可能な情報を取得する方法は、これらに限定されるものではなく、EOG(Electro-oculogram)法、角膜反射法、強膜反射法、プルキンエ像検出法、サーチコイル法、赤外線目底カメラ法などの他の既知の視線方向検出(推定)技術を用いて取得されてもよい。
車外センサ411は、車両1の周辺(前方、側方、及び後方)に存在する実オブジェクトを検出する。車外センサ411が検知する実オブジェクトは、例えば、障害物(歩行者、自転車、自動二輪車、他車両など)、後述する走行レーンの路面、区画線、路側物、及び/又は地物(建物など)などを含んでいてもよい。車外センサとしては、例えば、ミリ波レーダ、超音波レーダ、レーザレーダ等のレーダセンサ、カメラ、又はこれらの任意の組み合わせからなる検出ユニットと、当該1つ又は複数の検出ユニットからの検出データを処理する(データフュージョンする)処理装置と、から構成される。これらレーダセンサやカメラセンサによる物体検知については従来の周知の手法を適用する。これらのセンサによる物体検知によって、三次元空間内での実オブジェクトの有無、実オブジェクトが存在する場合には、その実オブジェクトの位置(車両1からの相対的な距離、車両1の進行方向を前後方向とした場合の左右方向の位置、上下方向の位置等)、大きさ(横方向(左右方向)、高さ方向(上下方向)等の大きさ)、移動方向(横方向(左右方向)、奥行き方向(前後方向))、変化速度(横方向(左右方向)、奥行き方向(前後方向))、及び/又は実オブジェクトの種類等を検出してもよい。1つ又は複数の車外センサ411は、各センサの検知周期毎に、車両1の前方の実オブジェクトを検知して、実オブジェクト情報の一例である実オブジェクト情報(実オブジェクトの有無、実オブジェクトが存在する場合には実オブジェクト毎の位置、大きさ、及び/又は種類等の情報)をプロセッサ33に出力することができる。なお、これら実オブジェクト情報は、他の機器(例えば、車両ECU401)を経由してプロセッサ33に送信されてもよい。また、夜間等の周辺が暗いときでも実オブジェクトが検知できるように、センサとしてカメラを利用する場合には赤外線カメラや近赤外線カメラが望ましい。また、センサとしてカメラを利用する場合、視差で距離等も取得できるステレオカメラが望ましい。
メモリ37に記憶されたソフトウェア構成要素は、モデリングモジュール502、レンダリングモジュール504、目位置検出モジュール506、目位置推定モジュール508、目位置予測モジュール510、及び顔検出モジュール512、などを含む。
図10は、ヘッドアップディスプレイ装置20における立体画像データの生成、出力処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
プロセッサ33は、ステップS11において、モデリングモジュール502を実行することで、モデリング処理を行う。このモデリング処理では、モデリングモジュール502は、各描画フレームにおいて、描画する仮想オブジェクトの各頂点データの計算を行う。この場合、各仮想オブジェクトのモデルを構築する。そして、仮想オブジェクト毎の「モデル座標系」(「ローカル座標系」)上で、描画する各頂点のデータを計算する。そして、描画する各仮想オブジェクトを、「ワールド座標系」の空間に配置する。すなわち、「モデル座標系」上で計算された描画対象の各仮想オブジェクトの頂点データを「ワールド座標系」上に配置していく。なお、一部又は全部の仮想オブジェクトは、「ワールド座標系」上に配置されなくてもよい。
次に、プロセッサ33は、レンダリングモジュール504を実行することで、視点の設定処理(ステップS12)を行うと共にレンダリング処理(ステップS13)を行って、左右の画像データを生成する。この場合、レンダリングモジュール504は、左視点画像について、視点設定、レンダリングを行って、左視点画像データを生成し、その後に、右視点画像について、視点設定、レンダリングを行って、右視点画像データを生成する。
視点設定の処理では、描画する各仮想オブジェクトが配置された「ワールド座標系」(又は「モデル座標系」(「ローカル座標系」))において、視点を設定する。この場合、両目の間隔だけ離して、左目用、右目用の視点の座標を決める。視点の座標は、予め設定された座標であってもよい。例えば、左目用の視点の座標及び右目用の視点の座標は、ヘッドアップディスプレイ装置20の予め設定されたアイボックス200の中心205を基点として両目の間隔だけ離した位置に設定されてもよい。また、好ましくは、左目用の視点の座標及び右目用の視点の座標は、後述する目位置検出モジュール506が検出する目位置、目位置推定モジュール508が推定する目位置、目位置予測モジュール510が予測する目位置、顔検出モジュール512が検出する顔位置、に応じて設定されてもよい。
レンダリングモジュール504は、左視点画像データ及び右視点画像データを生成する際、左視点画像の一部又は右視点画像の一部が表示器50のスクリーン(表示面)50aに表示されないか否かを判定する。具体的には、レンダリングモジュール504は、画像の一部が、スクリーン50aの限界表示領域に収まらない、又は前記限界表示領域より狭く予め設定された有効表示領域に収まらないか否かを判定する。スクリーン50aの前記限界表示領域又は前記有効表示領域に表示されない、左視点画像と前記右視点画像のいずれか一方の画像の一部を欠損部PPとし、他方の画像のうち欠損部PPに対応する部分をペア部PQに設定し、他方の画像のペア部PQの輝度を低くする、又は非表示にする(ステップS14)。レンダリングモジュール504は、ペア部PQの階調を低く設定することで輝度を低くする。なお、典型的には、虚像表示領域VSは、表示器50のスクリーン(表示面)50aに対応している。
レンダリングモジュール504は、他方の画像のペア部PQの周辺部PRの輝度を低くする、又は周辺部PRを非表示にする(ステップS15)。
表示制御装置30(プロセッサ33)は、観察者の目位置700、顔位置(不図示)、又は顔向き(不図示)を示す情報を取得する。
いくつかの実施形態において、表示制御装置30(プロセッサ33)は、図9の目位置検出モジュール506を実行することで、顔検出部409を介して、観察者の目位置700を検出する(目位置700を示す目位置関連情報を取得する)。目位置検出モジュール506は、観察者の目位置700を示す座標(X,Y軸方向の位置であり、目位置関連情報の一例である。)を検出すること、観察者の目の高さを示す座標(Y軸方向の位置であり、目位置関連情報の一例である。)を検出すること、観察者の目の高さ及び奥行方向の位置を示す座標(Y及びZ軸方向の位置であり、目位置関連情報の一例である。)を検出すること、及び/又は観察者の目位置700を示す座標(X,Y,Z軸方向の位置であり、目位置関連情報の一例である。)を検出すること、に関係する様々な動作を実行するための様々なソフトウェア構成要素を含む。
なお、目位置検出モジュール506が検出する目位置700は、右目と左目のそれぞれの位置700R,700L、右目位置700R及び左目位置700Lのうち予め定められた一方の位置、右目位置700R及び左目位置700Lのうち検出可能な(検出しやすい)いずれか一方の位置、又は右目位置700Rと左目位置700Lとから算出される位置(例えば、右目位置と左目位置との中点)、などを含んでいてもよい。例えば、目位置検出モジュール506は、目位置700を、表示設定を更新するタイミングの直前に顔検出部409から取得した観測位置に基づき決定する。
また、いくつかの実施形態の表示制御装置30(プロセッサ33)は、目位置推定モジュール508を実行することで、目位置を推定可能な情報(目位置関連情報の一例)を取得してもよい。目位置を推定可能な情報(目位置関連情報の一例)は、例えば、顔検出部409から取得した撮像画像、車両1の運転席の位置、観察者の顔の位置、観察者の顔位置、座高の高さ、又は複数の観察者の目の観測位置などである。目位置推定モジュール508は、1つ又は複数の目位置を推定可能な情報から、車両1の観察者の目位置700を推定する。目位置推定モジュール508は、顔検出部409から取得した撮像画像、車両1の運転席の位置、観察者の顔の位置、観察者の顔位置、座高の高さ、又は複数の観察者の目の観測位置などから、観察者の目位置700を推定すること、など観察者の目位置700を推定することに関係する様々な動作を実行するための様々なソフトウェア構成要素を含む。すなわち、目位置推定モジュール508は、目の位置を推定可能な情報から観察者の目位置700を推定するためのテーブルデータ、演算式、などを含み得る。
また、いくつかの実施形態の表示制御装置30(プロセッサ33)は、目位置予測モジュール510を実行することで、観察者の目位置700を予測可能な情報を取得してもよい。観察者の目位置700を予測可能な情報は、例えば、顔検出部409から取得した最新の観測位置、又は1つ又はそれ以上の過去に取得した観測位置などである。目位置予測モジュール510は、観察者の目位置700を予測可能な情報に基づいて、目位置700を予測することに関係する様々な動作を実行するための様々なソフトウェア構成要素を含む。具体的に、例えば、目位置予測モジュール510は、新たな表示設定が適用された画像が観察者に視認されるタイミングの、観察者の目位置700を予測する。目位置予測モジュール510は、例えば、最小二乗法や、カルマンフィルタ、α-βフィルタ、又はパーティクルフィルタなどの予測アルゴリズムを用いて、過去の1つ又はそれ以上の観測位置を用いて、次回の値を予測するようにしてもよい。
上述の処理プロセスの動作は、汎用プロセッサ又は特定用途向けチップなどの情報処理装置の1つ以上の機能モジュールを実行させることにより実施することができる。これらのモジュール、これらのモジュールの組み合わせ、及び/又はそれらの機能を代替えし得る公知のハードウェアとの組み合わせは全て、本発明の保護の範囲内に含まれる。
車両用表示システム10の機能ブロックは、任意選択的に、説明される様々な実施形態の原理を実行するために、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせによって実行される。図9で説明する機能ブロックが、説明される実施形態の原理を実施するために、任意選択的に、組み合わされ、又は1つの機能ブロックを2以上のサブブロックに分離されてもいいことは、当業者に理解されるだろう。したがって、本明細書における説明は、本明細書で説明されている機能ブロックのあらゆる可能な組み合わせ若しくは分割を、任意選択的に支持する。
1 :車両
2 :フロントウインドシールド(被投影部)
5 :ダッシュボード
6 :路面
10 :車両用表示システム
20 :ヘッドアップディスプレイ装置(HUD装置)
30 :表示制御装置
31 :I/Oインタフェース
33 :プロセッサ
35 :画像処理回路
37 :メモリ
40 :表示装置
50 :表示器
50a :スクリーン(表示面)
51 :空間光変調素子
52 :光学レイヤ
60 :光源ユニット
80 :リレー光学系
90 :虚像光学系
200 :アイボックス
205 :中心
401 :車両ECU
502 :モデリングモジュール
504 :レンダリングモジュール
506 :目位置検出モジュール
508 :目位置推定モジュール
510 :目位置予測モジュール
512 :顔検出モジュール
700 :目位置
D10 :結像距離
FU :知覚画像(立体像)
PP :欠損部
PQ :ペア部
PR :周辺部
V :虚像
V10 :左視点画像
V20 :右視点画像
VA :画角
VB :周縁部
VS :虚像表示領域

Claims (6)

  1. 表示面に左視点画像と右視点画像を表示する表示器(40)を有し、前記表示器(40)が表示する前記左視点画像と前記右視点画像の光を被投影部に投影することで立体像を、前景に重ねて視認させるヘッドアップディスプレイ装置(20)における表示制御を実行する表示制御装置(30)であって、
    1つ又は複数のプロセッサ(33)と、
    メモリ(37)と、
    前記メモリ(37)に格納され、前記1つ又は複数のプロセッサ(33)によって実行されるように構成される1つ又は複数のコンピュータ・プログラムと、を備え、
    前記プロセッサ(33)は、
    前記左視点画像と前記右視点画像のいずれか一方が前記ヘッドアップディスプレイ装置(20)の画角(VA)の周縁部に配置され、前記一方の画像(V30)の一部(以下では、欠損部と呼ぶ)(PP)が表示されない場合、他方の画像(V40)のうち前記欠損部(PP)に対応する部分(以下では、ペア部と呼ぶ)(PQ)の輝度を低くする、又は前記ペア部を非表示にする第1の表示制御を実行する、
    表示制御装置(30)。
  2. 前記プロセッサ(33)は、前記第1の表示制御において、
    前記他方の画像(V40)のうち前記ペア部(PQ)の周辺部(PR)も輝度を低くする、又は前記周辺部(PR)も非表示にする、
    請求項1に記載の表示制御装置(30)。
  3. 前記プロセッサ(33)は、
    前記ヘッドアップディスプレイ装置(20)の前記画角(VA)の外から侵入するように表現された前記立体像に対し、前記第1の表示制御を実行する、
    請求項1又は2に記載の表示制御装置(30)。
  4. 前記プロセッサ(33)は、
    前記ヘッドアップディスプレイ装置(20)の虚像表示面(VS)よりも観察者に近い表現深度が設定された前記立体像に対し、前記第1の表示制御を実行する、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示制御装置(30)。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示制御装置と、
    表示光を出射する表示器と、
    前記表示器からの前記表示光を被投影部にむけるリレー光学系と、を備える、ヘッドアップディスプレイ装置(20)。
  6. 表示面に左視点画像と右視点画像を表示する表示器(40)を有し、前記表示器(40)が表示する前記左視点画像と前記右視点画像の光を被投影部に投影することで立体像を、前景に重ねて視認させるヘッドアップディスプレイ装置(20)における表示制御方法であって、
    前記左視点画像と前記右視点画像のいずれか一方が前記表示面の周縁部に配置され、前記一方の画像の一部(以下では、欠損部と呼ぶ)が表示されない場合、他方の画像のうち前記欠損部に対応する部分(以下では、ペア部と呼ぶ)の輝度を低くする、又は前記ペア部を非表示にする第1の表示制御を含む、
    表示制御方法。



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