JP2023055553A - データ収集システム、データ収集装置、データ取得装置及びデータ収集方法 - Google Patents

データ収集システム、データ収集装置、データ取得装置及びデータ収集方法 Download PDF

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Abstract

【課題】データ取得装置から効率的にデータを収集する。【解決手段】データ収集システムは、所定の対象エリアに位置するデータ取得装置10と、データ取得装置と通信可能なデータ収集装置20とを有し、機械学習モデルの使用又は学習に必要なデータをデータ取得装置からデータ収集装置へ収集する。データ収集システムは、データ取得装置からデータ収集装置へのデータ収集を促進する収集促進条件が成立しているか否かを判定する判定部164、234と、データ取得装置からデータ収集装置へのデータの送信を制御する送信制御部165、235と、を有する。送信制御部は、収集促進条件が成立していると判定された場合には、収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、データ収集装置への単位時間当たりのデータ送信量が多くなるように、データ収集装置へのデータの送信を制御する。【選択図】図8

Description

本開示は、データ収集システム、データ収集装置、データ取得装置及びデータ収集方法に関する。
スマートシティにおいて、そのコミュニティ内の複数の主体からデータを収集することが提案されている。特に、特許文献1では、異なる事業主体の情報システムから得られるデータには不確かさがあることから、斯かる不確かさを解消すべく、得られたデータを補正したデータを収集することが提案されている。
特開2013-069084号公報
ところで、スマートシティなどでは、スマートシティ内に位置する様々なデータ取得装置(例えば、監視カメラ、スマートシティ内の人の携帯端末など)において様々なデータが取得される。加えて、これらデータ取得装置と通信可能なサーバは、取得されたデータに基づいて、機械学習モデルに関する様々な処理(機械学習モデルの使用又は学習)を行う。
このような機械学習モデルに関する様々な処理を行うために、サーバはデータ取得装置からデータを受信する必要がある。しかしながら、データ取得装置によって取得されたデータが全てサーバに送信されてサーバのストレージ装置に記憶されると、ストレージ装置には多量のデータが記憶されることになり、よって記憶容量の非常に大きなストレージ装置が必要になる。
上記課題に鑑みて、本開示の目的は、データ取得装置から効率的にデータを収集することにある。
本開示の要旨は以下のとおりである。
(1)所定の対象エリアに位置するデータ取得装置と、該データ取得装置と通信可能なデータ収集装置とを有し、機械学習モデルの使用又は学習に必要なデータを前記データ取得装置から前記データ収集装置へ収集するデータ収集システムであって、
前記データ取得装置から前記データ収集装置へのデータ収集を促進する収集促進条件が成立しているか否かを判定する判定部と、
前記データ取得装置から前記データ収集装置へのデータの送信を制御する送信制御部と、を有し、
前記送信制御部は、前記収集促進条件が成立していると判定された場合には、該収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、前記データ取得装置から前記データ収集装置への単位時間当たりのデータ送信量が多くなるように、前記データ取得装置から前記データ収集装置へのデータの送信を制御する、データ収集システム。
(2)当該データ収集システムは、前記機械学習モデルの学習に必要なデータを収集し、
前記収集促進条件は、該収集促進条件が成立しているときに前記データ取得装置から収集されたデータが、該収集促進条件が成立していないときに前記データ取得装置から収集されたデータに比べて、前記機械学習モデルの学習に使用されたときに前記機械学習モデルの精度向上に寄与するような条件である、上記(1)に記載のデータ収集システム。
(3)前記機械学習モデルは複数のクラスへの分類を行うモデルであり、
前記収集促進条件は、該収集促進条件が成立しているときの、前記クラスのうち相対的に発生確率の低いクラスの発生確率が、前記収集促進条件が成立していないときの、前記クラスのうち相対的に発生確率の低いクラスの発生確率よりも高くなるような条件である、上記(2)に記載のデータ収集システム。
(4)前記機械学習モデルは複数のクラスへの分類を行うモデルであり、
前記収集促進条件は、前記機械学習モデルによって分類される全てのクラスの発生確率が所定の基準確率以上であるときに成立する条件である、上記(2)又は(3)に記載のデータ収集システム。
(5)前記送信制御部は、前記収集促進条件が成立していると判定された場合には、該収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、前記データ取得装置から前記データ収集装置へのデータの送信頻度が高くなるように、前記データ取得装置から前記データ収集装置へのデータの送信を制御する、上記(1)~(4)のいずれか1つに記載のデータ収集システム。
(6)前記収集促進条件は、前記データ取得装置から受信する各データの信頼度が所定の基準値以下であるときに成立する条件である、上記(1)に記載のデータ収集システム。
(7)所定の対象エリアに位置するデータ取得装置と通信可能であって機械学習モデルの使用又は学習に必要なデータを前記データ取得装置から収集するデータ収集装置であって、
前記データ取得装置からのデータ収集を促進する収集促進条件が成立しているか否かを判定する判定部と、
前記データ取得装置から当該データ収集装置へのデータの送信を制御する送信制御部と、を有し、
前記送信制御部は、前記収集促進条件が成立していると判定された場合には、該収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、前記データ取得装置からの単位時間当たりのデータ送信量が多くなるように、前記データ取得装置から当該データ収集装置へのデータの送信を制御する、データ収集装置。
(8)データ収集装置と通信可能であって機械学習モデルの使用又は学習に必要なデータを取得して前記データ収集装置へ送信するデータ取得装置であって、
前記データ収集装置へのデータ収集を促進する収集促進条件が成立しているか否かを判定する判定部と、
前記データ収集装置へのデータの送信を制御する送信制御部と、を有し、
前記送信制御部は、前記収集促進条件が成立していると判定された場合には、該収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、前記データ収集装置への単位時間当たりのデータ送信量が多くなるように、前記データ収集装置へのデータの送信を制御する、データ取得装置。
(9)機械学習モデルの使用又は学習に必要なデータを、所定の対象エリアに位置するデータ取得装置からデータ収集装置へ収集するデータ収集方法であって、
前記データ取得装置から前記データ収集装置へのデータ収集を促進する収集促進条件が成立しているか否かを判定することと、
前記収集促進条件が成立していると判定された場合には、該収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、前記データ取得装置から前記データ収集装置への単位時間当たりのデータ送信量が多くなるように、前記データ取得装置から前記データ収集装置へのデータの送信を制御することと、を有する、データ収集方法。
本開示によれば、データ取得装置から効率的にデータを収集することができるようになる。
図1は、機械学習システムの概略的な構成図である。 図2は、端末機器のハードウェア構成を概略的に示す図である。 図3は、端末機器のプロセッサの機能ブロック図である。 図4は、サーバのハードウェア構成を概略的に示す図である。 図5は、サーバのプロセッサの機能ブロック図である。 図6は、各条件におけるユーザが熱中症に罹患する確率を示す図である。 図7は、機械学習モデルの学習処理の流れを示すシーケンス図である。 図8は、図7のステップS12において行われる目標送信頻度の設定処理の流れを示すフローチャートである。 図9は、第二実施形態に係る端末機器のプロセッサの機能ブロック図である。 図10は、第二実施形態に係るサーバのプロセッサの機能ブロック図である。 図11は、第二実施形態における機械学習モデルの学習処理の流れを示すシーケンス図である。 図12は、第三実施形態に係る機械学習システムの概略的な構成図である。 図13は、第三実施形態における機械学習モデルの学習処理の流れを示すシーケンス図である。 図14は、図13のステップS42において行われる目標送信頻度の設定処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
・第一実施形態
<機械学習システムの構成>
図1及び図2を参照して、第一実施形態に係る機械学習システム1の構成について説明する。図1は、機械学習システム1の概略的な構成図である。機械学習システム1は、サーバにおいて用いられる機械学習モデルを学習させる。また、機械学習システム1は、機械学習モデルの使用及び学習に必要なデータを収集するデータ収集システムとしても機能する。
図1に示したように、機械学習システム1は、複数の移動型の端末機器10と、端末機器10と通信可能なサーバ20とを有する。複数の端末機器10のそれぞれとサーバ20とは、光通信回線などで構成される通信ネットワーク4と、通信ネットワーク4にゲートウェイ(図示せず)を介して接続される無線基地局5とを介して、相互に通信可能に構成される。端末機器10と無線基地局5との通信としては、通信距離が長い種々の広域無線通信を用いることができ、例えば、3GPP、IEEEによって策定された4G、LTE、5G、WiMAX等の任意の通信規格に準拠した通信が用いられる。
特に、本実施形態では、サーバ20は、所定の対象エリア内に位置する端末機器10と通信する。対象エリアは、予め定められた境界によって囲まれた範囲であり、例えば、「ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域」として定義されるスマートシティである。サーバ20は、対象エリア外に位置する端末機器10と通信可能であってもよい。
端末機器10は、後述する機械学習モデルの使用又は学習に必要なデータを取得するデータ取得装置の一例である。特に、本実施形態では、端末機器10は、それぞれ個人に保持されて、端末機器10を保持している人の情報を取得する機器である。したがって、本実施形態では、端末機器10は、所定の対象エリア内の人の情報を取得する移動型データ取得装置として機能する。したがって、本実施形態では、端末機器10は、端末機器10を保持する個人の移動に伴って移動する。このため端末機器10を保持する個人が対象エリア内に移動すると、その個人によって保持された端末機器10も対象エリア内に移動することなる。逆に、端末機器10を保持する個人が対象エリア外へ移動すると、その個人によって保持された端末機器10も対象エリア外に移動することなる。
具体的には、本実施形態では、端末機器10は、例えば、時計型端末(スマートウォッチ)、リストバンド型端末、クリップ型端末、及びメガネ型端末(スマートグラス)などのウェアラブル端末、及び携帯端末を含む。斯かる端末機器は、例えば、携帯端末、ウェアラブル端末(スマートウォッチ、スマートグラスなど)を含む。斯かる端末機器は、例えば、対象エリア内のそれぞれの人の位置情報、バイタルサイン(体温、心拍数、血圧、呼吸数)、血中酸素濃度、血糖値など、各人の情報を取得する。
また、本実施形態では、端末機器10は、特に、時計型端末、及び時計型端末と近距離無線通信によって通信する携帯端末を含む。近距離無線通信としては、例えば、IEEE、ISO、IEC等によって策定された任意の通信規格(例えば、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標))に準拠した通信が用いられる。
図2は、端末機器10のハードウェア構成を概略的に示す図である。図2に示したように、端末機器10は、通信モジュール11と、センサ12と、入力装置13、出力装置14と、メモリ15と、プロセッサ16と、を有する。通信モジュール11、センサ12、入力装置13、出力装置14及びメモリ15は信号線を介してプロセッサ16に接続されている。
通信モジュール11は、他の機器と通信を行う通信部の一例である。通信モジュール11は、例えば、サーバ20と通信を行うための機器である。特に、通信モジュール11は、上述した広域無線通信により無線基地局5と通信する機器であり、よって通信モジュール11は無線基地局5及び通信ネットワーク4を介してサーバ20と通信する。
センサ12は、端末機器10の状況及び端末機器10の周りの状況に関する様々なパラメータを検出する検出器の一例である。特に、センサ12は、異なるパラメータを検出する複数の個別のセンサを有する。センサ12によって検出された各種パラメータの値は、信号線を介してプロセッサ16又はメモリ15に送信される。
具体的には、センサ12は、端末機器10の現在位置を検出するGNSS受信機を含む。また、センサ12は、端末機器10を保持しているユーザに関するパラメータを検出するセンサを含む。例えば、端末機器10が時計型端末(スマートウォッチ)である場合には、センサ12は、端末機器10を装着しているユーザの身体の状態に関するデータ(例えば、バイタルサイン(心拍数、体温、血圧及び呼吸数)、血中酸素濃度、心電図、血糖値、歩数、カロリー消費量、疲労度、睡眠状態等)を検出するセンサを含んでもよい。また、センサ12は、端末機器10の周りの環境データを検出するセンサを含んでもよい。例えば、端末機器10は、端末機器10の周りの気温や湿度を検出するセンサを含んでもよい。
入力装置13は、端末機器10のユーザが入力を行うための装置である。具体的には、入力装置13は、タッチパネル、マイク、ボタン、ダイヤルなどを含む。入力装置13を介して入力された情報は、信号線を介してプロセッサ16又はメモリ15に送信される。
出力装置14は、端末機器10が出力を行うための装置である。具体的には、出力装置14は、ディスプレイ、スピーカなどを含む。出力装置14は、信号線を介してプロセッサ16から送信された指令に基づいて、出力を行う。例えば、ディスプレイは、プロセッサ16からの指令に基づいて画面上に画像を表示させ、スピーカは、プロセッサ16からの指令に基づいて音を出力する。
メモリ15は、は、例えば、揮発性の半導体メモリ(例えば、RAM)、不揮発性の半導体メモリ(例えば、ROM)等を有する。メモリ15は、プロセッサ16において各種処理を実行するためのコンピュータプログラムや、プロセッサ16によって各種処理が実行されるときに使用される各種データ等を記憶する。メモリ15は、例えば機械学習モデルを、具体的には機械学習モデルの構成及び学習パラメータ(例えば、後述する重みやバイアスなど)を記憶する。
プロセッサ16は、一つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ16は、論理演算ユニット又は数値演算ユニットのような演算回路を更に有していてもよい。プロセッサ16は、メモリ15に記憶されたコンピュータプログラムに基づいて、各種処理を実行する。端末機器10のプロセッサ16によって実行される具体的な処理については後述する。
図3は、端末機器10のプロセッサ16の機能ブロック図である。図3に示したように、端末機器10のプロセッサ16は、データ取得部161と、モデル実行部162と、通知部163と、判定部164と、送信制御部165と、データ送信部166と、モデル更新部167と、を有する。端末機器10のプロセッサ16が有するこれら機能ブロックは、例えば、プロセッサ16上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。或いは、プロセッサ16が有するこれら機能ブロックは、プロセッサ16に設けられる専用の演算回路であってもよい。なお、これら各機能ブロックの詳細については、後述する。
サーバ20は、通信ネットワーク4を介して、複数の端末機器10と接続される。本実施形態では、サーバ20は、端末機器10において用いられる機械学習モデルを学習させる学習装置として機能する。また、サーバ20は、複数の端末機器10から、機械学習モデルの学習に必要なデータを収集するデータ収集装置としても機能する。
図4は、サーバ20のハードウェア構成を概略的に示す図である。サーバ20は、図4に示したように、通信モジュール21と、ストレージ装置22と、プロセッサ23とを備える。また、サーバ20は、キーボード及びマウスといった入力装置、及び、ディスプレイ及びスピーカといった出力装置を有していてもよい。
通信モジュール21は、サーバ20外の機器と通信を行う通信装置の一例である。通信モジュール21は、サーバ20を通信ネットワーク4に接続するためのインターフェース回路を備える。通信モジュール21は、通信ネットワーク4及び無線基地局5を介して、複数の端末機器10それぞれと通信可能に構成される。
ストレージ装置22は、データを記憶する記憶装置の一例である。ストレージ装置22は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)又は光記録媒体を有する。また、ストレージ装置22は、揮発性の半導体メモリ(例えば、RAM)、不揮発性の半導体メモリ(例えば、ROM)等を有していてもよい。ストレージ装置22は、プロセッサ23によって各種処理を実行するためのコンピュータプログラム、及びプロセッサ23によって各種処理が実行されるときに使用される各種データを記憶する。特に、ストレージ装置22は、端末機器10から受信したデータ、及び機械学習モデルの学習に使用されるデータを記憶する。
プロセッサ23は、一つ又は複数のCPU及びその周辺回路を有する。プロセッサ23は、更にGPU、又は論理演算ユニット若しくは数値演算ユニットのような演算回路を有していてもよい。プロセッサ23は、ストレージ装置22に記憶されたコンピュータプログラムに基づいて、各種処理を実行する。サーバ20のプロセッサ23によって実行される具体的な処理については後述する。
図5は、サーバ20のプロセッサ23の機能ブロック図である。図5に示したように、プロセッサ23は、データセット作成部231、学習部232と、モデル送信部233と、を有する。サーバ20のプロセッサ23が有するこれら機能ブロックは、例えば、プロセッサ23上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。或いは、プロセッサ23が有するこれら機能ブロックは、プロセッサ23に設けられる専用の演算回路であってもよい。
<機械学習モデル>
本実施形態では、端末機器10において所定の処理を行うときに、機械学習された機械学習モデルが用いられる。本実施形態では、機械学習モデルは、端末機器10のセンサ12から取得されたデータに基づいて、複数のクラスへの分類を行うモデルである。以下では、端末機器10のセンサ12から取得されたデータに基づいて、端末機器10を保持している人が熱中症に罹患するか否かを推定する(すなわち、熱中症に罹患することを表すクラスと、熱中症に罹患しないことを表すクラスとを分類する)機械学習モデルを例にとって説明する。
具体的には、本実施形態では、機械学習モデルには、端末機器10を保持しているユーザのバイタルサイン、血中酸素濃度及び心電図等のユーザの身体の状態に関するデータ、並びに端末機器10の周りの気温及び湿度などの環境データが入力パラメータとして入力される。端末機器10を保持しているユーザの身体に関するデータ及び環境データは、端末機器10のセンサ12から取得される。或いは、環境データは、センサ12からではなく、サーバ20から通信モジュール11を介して取得されてもよい。そして、機械学習モデルは、斯かる入力パラメータにデータが入力されると、端末機器10を保持しているユーザが熱中症に罹患するか否かを出力する。
機械学習モデルには、様々な機械学習アルゴリズムを用いることができる。本実施形態では、機械学習モデルは、例えば、ニューラルネットワーク(NN)、サポートベクトルマシン(SVM)、決定木(DT)といった、教師あり学習によって学習されるモデルである。特に、本実施形態では、機械学習モデルは、ユーザの身体の状態に関するデータ及び環境データを時系列で入力パラメータとして入力する、リカレントニューラルネットワーク(RNN)モデルであるのが好ましい。
なお、機械学習モデルとしては、様々な入力パラメータ及び出力パラメータを有するモデルを用いることができる。入力パラメータは、端末機器10のセンサ12によって検出することができる様々なパラメータを含む。具体的には、入力パラメータは、例えば、バイタルサイン(心拍数、体温、血圧及び呼吸数)、血中酸素濃度、心電図、血糖値、歩数、カロリー消費量、疲労度、睡眠状態、時刻、画像、動画等を含む。また、入力パラメータは、通信ネットワーク4を介してサーバ20から送信されるパラメータ(例えば、端末機器10の周りの気温、湿度、天気、風速等)を含んでもよい。加えて、出力パラメータは、ユーザの身体に関する様々なパラメータを含む。具体的には、出力パラメータは、例えば端末機器10を保持している人が低体温症にかかる確率等を含む。
本実施形態では、上述したような機械学習モデルの機械学習は、端末機器10ではなく、サーバ20で行われる。機械学習モデルは、学習用データセットを用いて学習される。学習用データセットは、入力パラメータとして使用されるデータと、このデータに対応する出力パラメータの値(正解値又は正解ラベル)とを含む。特に、本実施形態では、学習用データセットは、或る対象者についての端末機器10において取得された時系列のデータと、その対象者が熱中症に罹患したか否かのデータとを含む。例えば、上述したような、熱中症に罹患するか否が出力パラメータである場合には、熱中症に罹患した人について作成された学習用データセットでは出力パラメータのうち熱中症に罹患することを表すクラスの値が1とされる。一方、熱中症に罹患しなかった人について作成された学習用データセットでは出力パラメータのうち熱中症に罹患しないことを表すクラスの値が1とされる。また、学習用データセットは、センサ12の出力値に前処理(欠損処理、正規化、標準化など)を行うことで生成されてもよい。
機械学習モデルの学習にあたっては、例えば、公知の任意の手法(例えば、誤差逆伝搬法)によって、機械学習モデルにおける学習パラメータ(NNの重みw及びバイアスbなど、学習によって値が更新されるパラメータ)が繰り返し更新される。学習パラメータは、例えば、機械学習モデルの出力値と学習用データセットに含まれる出力パラメータの正解値との差が小さくなるように、繰り返し更新される。この結果、機械学習モデルが学習され、学習済みの機械学習モデルが生成される。
<機械学習モデルの使用>
次に、図3を参照して、端末機器10における機械学習モデルを使用した処理について説明する。本実施形態では、端末機器10は、端末機器10のセンサ12によって検出された各種パラメータの値に基づいて、端末機器10を保持するユーザが熱中症に罹患するか否を推定する。加えて、端末機器10は、熱中症に罹患すると判定されたときには熱中症になる危険性がある旨をユーザに通知する。端末機器10のプロセッサ16は、熱中症に罹患するか否を推定するにあたって、データ取得部161と、モデル実行部162と、通知部163と、を用いる。
データ取得部161は、機械学習モデルの入力パラメータに関するデータを含むデータを取得する。具体的には、データ取得部161は、端末機器10のセンサ12によって検出された入力パラメータの値を取得する。本実施形態では、データ取得部161は、センサ12から、ユーザの体温、心拍数、血圧及び呼吸数等を取得する。また、データ取得部161は、通信モジュール11を介してサーバ20等の外部の装置から入力パラメータの値を取得してもよい。本実施形態では、サーバ20は、各端末機器10のセンサ12によって検出された現在位置を各端末機器10から受信すると、その位置の周りの現在の温度及び現在の湿度をその端末機器10に送信する。したがって、データ取得部161は、サーバ20から端末機器10の周りの気温及び湿度を取得する。データ取得部161によって取得されたデータは、メモリ15に記憶される。
データ取得部161によって機械学習モデルの入力パラメータの現在の値が取得されると、モデル実行部162は、取得した入力パラメータの値を機械学習モデルに入力して、出力パラメータの値を算出する。本実施形態では、モデル実行部162では、データ取得部161によって取得されたユーザの身体に関するデータ及び環境データが機械学習モデルに入力されると、ユーザが熱中症に罹患するか否が出力される。
ここで、機械学習モデルを実行するためのプログラム及び機械学習モデルにおいて用いられる学習パラメータの値はメモリ15に記憶されている。したがって、モデル実行部162は、メモリ15に記憶されているプログラム及び学習パラメータの値を用いて、出力パラメータの値を算出する。
通知部163は、モデル実行部162によって算出された出力パラメータの値に基づいて、ユーザへの通知を行う。通知部163は、出力装置14を介してユーザへの通知を行う。具体的には、本実施形態では、通知部163は、モデル実行部162によってユーザが熱中症に罹患すると判定された場合には、出力装置14によってユーザへの通知を行う。この場合、通知部163は、例えば、ディスプレイ上に熱中症に関する警告を表示させてもよいし、スピーカから熱中症に関する警告音を発生させてもよい。
<機械学習モデルの学習>
次に、図3、図5~図8を参照して、各端末機器10のモデル実行部162において用いられる機械学習モデルの学習処理について説明する。本実施形態では、機械学習モデルの学習は、サーバ20において行われる。具体的には、端末機器10は、端末機器10において取得された学習用のデータをサーバ20へ送信する。サーバ20は、受信した学習用のデータを用いてサーバ20が機械学習モデルの学習を行うと共に学習済みの機械学習モデルを端末機器10へ送信する。そして、端末機器10は機械学習モデルを送信された学習済みのモデルに更新する。
端末機器10のプロセッサ16は、機械学習モデルの学習を行うにあたって、データ取得部161と、判定部164と、送信制御部165と、データ送信部166と、モデル更新部167と、を用いる(図3参照)。また、サーバ20のプロセッサ23は、機械学習モデルの学習を行うにあたって、データセット作成部231と、学習部232と、モデル送信部233と、を用いる(図5参照)。
ところで、端末機器10から取得されたデータに基づいてユーザが熱中症に罹患するか否かを推定する機械学習モデルを学習させるにあたって、サーバ20には、端末機器10によって取得されたデータが送信される。しかしながら、全ての端末機器10によって取得されたデータ全てがサーバ20に送信されてサーバ20のストレージ装置22に記憶されると、ストレージ装置22には多量のデータが記憶されることになる。したがって、記憶容量の非常に大きなストレージ装置22が必要になる。
一方、各端末機器10を保持するユーザが熱中症に罹患する確率は低い。したがって、機械学習モデルを学習させるにあたって全ての端末機器10にて取得されたデータを用いると、ユーザが熱中症に罹患しなかった場合のデータが過剰になり、必ずしも推定精度の高い機械学習モデルを作成することができない。このため、ユーザが熱中症に罹患しなかった場合のデータについては、必ずしも全てを使用しなくてもよい。
図6は、各条件におけるユーザが熱中症に罹患する確率を示す図である。特に、図6は、気温及び湿度によって定められる条件毎に、ユーザが熱中症に罹患する確率を示している。図6に示したように、気温が高いほど及び湿度が高いほどユーザが熱中症に罹患する確率が高くなる。一方で、気温が低い場合や湿度が低い場合にはユーザが熱中症に罹患する確率は低い。そこで、本実施形態では、ユーザが熱中症に罹患する確率が相対的に高い条件(図中の確率が0.1%以上の条件)においては、端末機器10が取得したデータをサーバ20へ送信する送信頻度が高くされる。一方、ユーザが熱中症に罹患する確率が相対的に低い条件(図中の確率が0.1%未満の条件)においては、端末機器10が取得したデータをサーバ20へ送信する送信頻度が低くされる。なお、以下では、サーバ20へデータを送信する送信頻度が高くされてデータのサーバ20への収集が促進される条件(本実施形態では、ユーザが熱中症に罹患する確率が相対的に高い条件)を収集促進条件とも称する。
ここで、上述したように、本実施形態の機械学習モデルは、熱中症に罹患することを表すクラスと、熱中症に罹患しないことを表すクラスとを分類するモデルである。そして各端末機器10を保持するユーザが熱中症に罹患する確率は低いことから、熱中症に罹患することを表すクラスは、相対的に発生確率の低いクラスであるということができる。したがって、収集促進条件は、収集促進条件が成立しているときの相対的に発生確率の低いクラスの発生確率が、収集促進条件が成立していないときの相対的に発生確率の低いクラスの発生確率よりも高くなるような条件であると考えられる。
また、上述したように、ユーザが熱中症に罹患しない確率はどの条件においても高い。したがって、例えば、ユーザが熱中症に罹患する確率が相対的に高い条件、例えば図6において確率が0.1%以上の条件では、熱中症に罹患することを表すクラスと、熱中症に罹患しないことを表すクラスのいずれも、発生確率が0.1%以上である。したがって、収集促進条件は、機械学習モデルによって分類される全てのクラスの発生確率が、所定の基準確率(図6に示した例では、0.1%)以上であるときに成立する条件であると考えることもできる。
また、上述したように、ユーザが熱中症に罹患する確率は低いことから、ユーザが熱中症に罹患した場合のデータは、ユーザが熱中症に罹患しなかった場合のデータに比べて、機械学習モデルの推定精度向上に寄与する。したがって、収集促進条件は、収集促進条件が成立しているときに端末機器10から収集されたデータが、収集促進条件が成立していないときに端末機器10から収集されたデータに比べて、機械学習モデルの学習に使用されたときに機械学習モデルの精度向上に寄与するような条件であると考えることができる。
端末機器10の判定部164は、端末機器10からサーバ20へのデータ収集を促進する収集促進条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、判定部164は、データ取得部161によって取得された端末機器10の周りの気温及び湿度に基づいて、収集促進条件が成立しているか否かを判定する。特に、本実施形態では、図6においてユーザが熱中症に罹患する確率が0.1%以上になる条件を端末機器10の周りの気温及び湿度が満たすときに、判定部164は、収集促進条件が成立していると判定する。一方、図6においてユーザが熱中症に罹患する確率が0.1%未満になる条件を端末機器10の周りの気温及び湿度が満たすときに、判定部164は、収集促進条件が成立していないと判定する。
端末機器10の送信制御部165は、端末機器10からサーバ20へのデータの送信を制御する。送信制御部165は、例えば、端末機器10からのデータの送信頻度を制御する。換言すると、送信制御部165、端末機器10が取得したデータのうちサーバ20へ送信するデータの割合を制御する。したがって、データの送信頻度が高く制御されているときには、例えば、端末機器10によって取得された全てのデータ(機械学習モデルに利用される全てのデータ)がサーバ20へ送信される。一方、データの送信頻度が低く制御されているときには、端末機器10によって取得されたデータのうち一部のデータ(機械学習モデルに利用されるデータのうち一部のデータ)がサーバ20へ送信される。
端末機器10のデータ送信部166は、データ取得部161によって端末機器10のセンサ12から取得されたデータを、通信ネットワーク4を介してサーバ20に送信する。サーバ20に送信されるデータは、機械学習モデルを学習させるのに用いられるため、機械学習モデルの入力パラメータの値を含む。また、端末機器10のセンサ12によって出力パラメータの値が検出されている場合(例えば、機械学習モデルが入力パラメータの値から出力パラメータの将来の値を推定するようなモデルである場合)には、サーバ20に送信されるデータは、出力パラメータの値を含んでもよい。
特に、本実施形態では、データ送信部166は、送信制御部165からの指令に従って、サーバ20へデータを送信する。したがって、データ送信部166は、送信制御部165によって設定された送信頻度にて、サーバ20へデータを送信する。
端末機器10のモデル更新部167は、上述したように、メモリ15に記憶されていたモデル実行部162によって使用される機械学習モデルを、モデル送信部233によって送信された機械学習モデルに更新する。
サーバ20のデータセット作成部231は、機械学習モデルを学習させるのに用いられる学習用データセットを作成する。学習用データセットは、機械学習モデルの入力パラメータの実測値と、出力パラメータの正解値又は正解ラベルとを含む。例えば、本実施形態では、学習用データセットは、或るユーザの端末機器10によって取得された時系列のデータと、そのユーザの熱中症の罹患情報(正解ラベル)とを含む。
各ユーザの端末機器10によって取得された時系列のデータは、データ送信部166によって各端末機器10からサーバ20へ送信される。データセット作成部231は、学習用データセットを作成するにあたって、このようにして各端末機器10から送信されてきたデータを用いる。
また、本実施形態では、ユーザが熱中症に罹患した場合に、その情報がユーザ自身により入力装置13を介してその端末機器10に入力される。端末機器10に入力された熱中症罹患情報は、通信ネットワーク4を介してサーバ20へ送信される。データセット作成部231は、学習用データセットを作成するにあたって、斯かる熱中症罹患情報を用いる。
或いは、ユーザが熱中症に罹患した場合に、その情報がそのユーザを診断した医療機関により、通信ネットワーク4に接続された端末機器(図示せず)を介して入力される。医療機関の端末機器によって入力された熱中症罹患情報は、通信ネットワーク4を介してサーバ20へ送信される。データセット作成部231は、学習用データセットを作成するにあたって、このようにして送信された熱中症罹患情報を用いてもよい。
サーバ20の学習部232は、学習用データセットを用いて、上述したような誤差逆伝播法などの手法により機械学習モデルを学習させる。具体的には、学習部232は、学習用データセットを用いて、機械学習モデルの学習パラメータの値を更新する。
サーバ20のモデル送信部233は、学習部232によって機械学習された学習済みの機械学習モデルを、通信ネットワーク4を介して、各端末機器10へ送信する。具体的には、学習部232による学習によって更新された学習パラメータの値を、各端末機器10へ送信する。
図7は、モデル実行部162において用いられる機械学習モデルの学習処理の流れを示すシーケンス図である。図7に示した学習処理は、端末機器10のプロセッサ16及びサーバ20のプロセッサ23において実行される。
本実施形態における学習処理では、図7に示したように、各端末機器10のプロセッサ16のデータ取得部161が、センサ12又はサーバ20から定期的に各種データを取得する(ステップS11)。本実施形態では、データ取得部161は、機械学習モデルの入力パラメータに関するデータ、及び収集促進条件の成否を判定するのに必要なデータを取得する。特に、本実施形態では、データ取得部161は、収集促進条件の成否を判定するのに必要なデータとして、端末機器10の周りの気温及び湿度に関するデータを取得する。
データ取得部161によってデータが取得されると、判定部164及び送信制御部165が、目標送信頻度を設定する(ステップS12)。図8は、ステップS12において行われる目標送信頻度の設定処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示したように、目標送信頻度を設定するにあたっては、まず、判定部164が、収集促進条件が成立しているか否かを判定する(ステップS21)。収集促進条件は人為的に又は自動的に予め設定されている。本実施形態では、判定部164は、ステップS11においてデータ取得部161によって取得された気温及び湿度に関するデータに基づいて、上述したように収集促進条件が成立しているか否かを判定する。
ステップS21において収集促進条件が成立していると判定された場合には、送信制御部165が、端末機器10からサーバ20へのデータの目標送信頻度を高く設定する(ステップS22)。具体的には、送信制御部165は、例えば、端末機器10によって取得された全てのデータがサーバ20へ送信されるように目標送信頻度を設定する。一方、ステップS21において収集促進条件が成立していないと判定された場合には、送信制御部165は、端末機器10からサーバ20へのデータの目標送信頻度を低く設定する(ステップS23)。具体的には、送信制御部165は、例えば、端末機器10によって取得されたデータのうち一部のデータがサーバ20へ送信されるように目標送信頻度を設定する。
このようにして目標送信頻度が設定されると、設定された目標送信頻度にて、データ送信部166がサーバ20へデータを送信する(図7のステップS13)。データ送信部166は、特に、データ取得部161によって取得されたデータのうち機械学習モデルに使用されるデータを送信する。サーバ20に送信されたデータは、サーバ20のストレージ装置22に記憶される。
データ送信部166によって送信されたデータがストレージ装置22に記憶されると、サーバ20のデータセット作成部231が学習用データセットを作成する(ステップS14)。データセット作成部231は、ストレージ装置22に記憶されたデータを入力パラメータとして用いて学習用データセットを作成する。また、データセット作成部231は、ユーザ自身によって端末機器10に入力された熱中症罹患情報又は医療機関の端末機器において入力された熱中症罹患情報を出力パラメータの正解値として用いて、学習用データセットを作成する。
ステップS14においてデータセット作成部231によって学習に必要な数の学習用データセットが作成されると、学習部232は、作成されたデータセットを用いて、機械学習モデルを学習させる(ステップS15)。機械学習モデルの学習は、上述したように誤差逆伝播法等、公知の手法によって行われる。
学習部232による機械学習モデルの学習が完了すると、モデル送信部233は、学習済みの機械学習モデルを、端末機器10へ送信する(ステップS16)。そして、端末機器10のモデル更新部167は、学習済みの機械学習モデルを受信すると、モデル実行部162によって使用される機械学習モデルを、サーバ20から送信されてきた機械学習モデルに更新する(ステップS17)。
<効果及び変形例>
本実施形態によれば、特定の収集促進条件が成立している場合に、端末機器10から高い頻度でデータがサーバ20へ送信される。一方、収集促進条件が成立していない場合に、端末機器10から低い頻度でデータがサーバ20へ送信される。したがって、高い精度で学習するのに必要なデータについては高い頻度でサーバ20へ送信される。一方、高い精度で学習するのにそれほど必要でないデータについては低い頻度でサーバ20へ送信される。この結果、端末機器10からサーバ20への過剰なデータの送信を抑制しつつ、推定精度の高い機械学習モデルを作成することができるようになる。したがって、本実施形態によれば、端末機器10から効率的にデータを収集することができるようになる。
なお、上記実施形態では、送信制御部165は、収集促進条件が成立していると判定された場合には、収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、端末機器10からサーバ20へのデータの送信頻度が高くなるように、端末機器10からサーバ20へのデータの送信を制御している。しかしながら、送信制御部165は、収集促進条件が成立していると判定された場合には、収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、端末機器10からサーバ20へ送信するデータを間引く量を減らして、端末機器10からサーバ20への単位時間当たりのデータ送信量を多くすることができれば、サーバ20へのデータの送信をどのように制御してもよい。例えば、送信制御部165は、データの送信頻度の代わりに、データの送信速度を制御してもよい。
したがって、本実施形態では、端末機器10は、収集促進条件が成立しているか否かを判定する判定部164と、サーバ20へのデータの送信を制御する送信制御部165と、を有する。そして、送信制御部165は、収集促進条件が成立していると判定された場合には、収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、サーバ20への単位時間当たりのデータ送信量が多くなるように、サーバ20へのデータの送信を制御する。
また、上記実施形態では、熱中症に罹患するか否かを推定する機械学習モデルが用いられている。しかしながら、端末機器10のようなデータ取得装置によって取得されたデータに基づいて任意の出力パラメータの値を推定するモデルであれば、機械学習モデルとして如何なるモデルが用いられてもよい。したがって、機械学習モデルとして、例えば、監視カメラによって取得された画像データに基づいて、画像データ内の異常者(不審者や急病にかかった虞のある者、など)の有無及びその位置を推定するモデル等が用いられてもよい。
加えて、上記実施形態では、機械学習モデルは端末機器10において使用される。しかしながら、機械学習モデルはサーバ20において使用されてもよい。この場合には、データ取得部161、モデル実行部162等が、サーバ20に設けられる。サーバ20のデータ取得部は、端末機器10のセンサ12によって検出されたデータを通信ネットワーク4を介して端末機器10から取得する。そして、サーバ20のモデル実行部は、端末機器10から受信したデータを入力パラメータとして機械学習モデルに入力して、出力パラメータの値を算出する。また、この場合、送信制御部165は、機械学習モデルの学習に用いられるデータのみならず、機械学習モデルの実行に使用されるデータについても、端末機器10からの送信を制御してもよい。
・第二実施形態
次に、図9~図11を参照して、第二実施形態に係る機械学習システム1について説明する。以下では、第一実施形態に係る機械学習システムと異なる点を中心に説明する。上記第一実施形態では、目標送信頻度が端末機器10において設定されるのに対して、本第二実施形態では、目標送信頻度がサーバ20において設定される。
図9は、第二実施形態に係る端末機器10のプロセッサ16の、図3と同様な機能ブロック図である。図9に示したように、プロセッサ16は、データ取得部161と、モデル実行部162と、通知部163と、データ送信部166と、モデル更新部167と、を有する。したがって、プロセッサ16は、判定部164及び送信制御部165を有さない。
図10は、第二実施形態に係るサーバ20のプロセッサ23の、図5と同様な機能ブロック図である。図5に示したように、プロセッサ23は、データセット作成部231、学習部232と、モデル送信部233と、判定部234と、送信制御部235と、を有する。判定部234は、第一実施形態の判定部164と同様に、収集促進条件が成立しているか否かを判定する。また、送信制御部235は、第一実施形態の送信制御部165と同様に、端末機器10からサーバ20へのデータの送信を制御する。
図11は、機械学習モデルの学習処理の流れを示す、図7と同様なシーケンス図である。図11に示した学習処理は、端末機器10のプロセッサ16及びサーバ20のプロセッサ23において実行される。図11におけるステップS31、S35~S39は、図7におけるステップS11、S13~S17と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態における学習処理では、図11に示したように、サーバ20のプロセッサ23が、サーバ20と通信可能な端末機器10が位置する領域の気温及び湿度に関するデータを、例えば他のサーバから取得する(ステップS32)。サーバ20のプロセッサ23によってデータが取得されると、サーバ20の判定部234及び送信制御部235は、目標送信頻度を設定する(ステップS33)。目標送信頻度の設定は、図8に示したフローチャートに従って行われる。
ステップS33において目標送信頻度が設定されると、サーバ20のプロセッサ23は、設定された目標送信頻度に関するデータを、各端末機器10へ送信する(ステップS34)。端末機器10のデータ送信部166は、送信されてきた目標送信頻度にて、サーバ20へデータを送信する(ステップS35)。
以上より、本実施形態では、サーバ20は、収集促進条件が成立しているか否かを判定する判定部234と、端末機器10からサーバ20へのデータの送信を制御する送信制御部235と、を有する。そして、送信制御部235は、集促進条件が成立していると判定された場合には、収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、端末機器10からの単位時間当たりのデータ送信量が多くなるように、端末機器10からサーバ20へのデータの送信を制御する。本実施形態においても、上記第一実施形態と同様に、端末機器10からサーバ20への過剰なデータの送信を抑制しつつ、推定精度の高い機械学習モデルを作成することができる。
・第三実施形態
次に、図12~図14を参照して、第三実施形態に係る機械学習システム1について説明する。以下では、第一実施形態及び第二実施形態に係る機械学習システムと異なる点を中心に説明する。
上記実施形態では、収集促進条件が成立しているときには端末機器10からサーバ20への単位時間当たりのデータ送信量が多くしている。そして、上記実施形態では、収集促進条件は、発生確率の低いクラスの発生確率が高くなるような条件であった。これに対して、本実施形態では、収集促進条件は、端末機器10からサーバ20へ送信するデータの信頼度が低くなるような条件である。
図12は、第三実施形態に係る機械学習システム1の概略的な構成図である。図12に示したように、機械学習システム1は、複数の端末機器10と、外部サーバ30と、これら端末機器10及び外部サーバ30と通信可能なサーバ20と、を有する。本実施形態では、端末機器10及び外部サーバ30とサーバ20とは、通信ネットワーク4を介して有線接続される。
端末機器10及び外部サーバ30は、いずれも機械学習モデルの使用又は学習に必要なデータを取得するデータ取得装置の一例である。本実施形態では、端末機器10は、上記対象エリア内の所定の領域をそれぞれ撮影するカメラである。特に、端末機器10は、それぞれ所定の領域を撮影する固定された監視カメラである。また、外部サーバ30は、対象エリア内のそれぞれの領域の環境情報を取得する。具体的には、外部サーバ30は、外部サーバ30に接続されたセンサなどから、対象エリア内のそれぞれの領域の気温、湿度、天気、イベント情報等の環境情報を取得する。
本実施形態では、機械学習モデルは、外部サーバ30にて取得されたデータに基づいて、回帰を行うモデルである。特に、本実施形態では、機械学習モデルは、対象エリア内のそれぞれの領域の環境情報を入力すると、その領域に集まると予想される人の数又はその領域に集まるっている人の快適度を推定する。
斯かる機械学習モデルを学習させる際に用いられる出力パラメータの正解値は、端末機器10によって取得されたデータに基づいて算出される。具体的には、例えば、端末機器10である監視カメラによって撮影された画像に対して物体検出が行われ、これにより画像の中の人が特定される。そして特定された人の数を数えることによってその画像に含まれる人の数が算出される。この監視カメラが特定の対象エリア内の特定の領域を撮影しているときには、その特定の領域内の人の数が算出される。また、物体検出によって特定されたそれぞれの人の表情の画像などに基づいて、それぞれの人の快適度が推定される。このようにして算出又は推定された各領域内の人の数と快適度が正解データとして機械学習モデルの学習に用いられる。
図13は、機械学習モデルの学習処理の流れを示すシーケンス図である。図13に示した学習処理は、端末機器10のプロセッサ16及びサーバ20のプロセッサ23において実行される。なお、図13におけるステップS45~S47は、図7のステップS15~S17と同様であるため説明を省略する。
本実施形態における学習処理では、図13に示したように、まず、各端末機器10のプロセッサ16のデータ取得部161が、センサ(カメラ)から定期的に画像データを取得する(ステップS41)。データ取得部161によってデータが取得されると、判定部164及び送信制御部165が、目標送信頻度を設定する(ステップS42)。図14は、ステップS42において行われる目標送信頻度の設定処理の流れを示すフローチャートである。
図14に示したように、目標送信頻度を設定するにあたっては、まず、判定部164が、データ取得部161によって取得されたデータの信頼度を推定する(ステップS51)。データの信頼度は、例えば、画像の中に重なって表されている人の数、画像の鮮明度合い等に基づいて算出される。画像の中に重なって表されている人の数が多いほど、また、画像の鮮明度合いが低いほど、データの信頼度が低いものとして算出される。画像中の重なって表される人の数や画像の鮮明度合は、例えば、画像を入力するとこれらパラメータの値を出力するモデルによって算出される。
データ取得部161によって取得されたデータの信頼度が推定されると、判定部164が、収集促進条件が成立しているか否かを判定する。特に本実施形態では、判定部164は、推定された信頼度が予め定められた所定の基準値以下であるか否かに基づいて、収集促進条件が成立しているか否かを判定する(ステップS52)。
ステップS52において収集促進条件が成立していると判定された場合、すなわち推定された信頼度が基準値以下であると判定された場合には、送信制御部165が、端末機器10からサーバ20へのデータの目標送信頻度を高く設定する(ステップS53)。一方、ステップS52において収集促進条件が成立していないと判定された場合、すなわち推定された信頼度が基準値よりも高いと判定された場合には、端末機器10からサーバ20へのデータの目標送信頻度を低く設定する(ステップS54)。
このようにして目標送信頻度が設定されると、データ送信部166が、設定された目標送信頻度にて、サーバ20へデータを送信する(図13のステップS43)。サーバ20に送信されたデータは、サーバ20のストレージ装置22に記憶される。
データ送信部166によって送信されたデータがストレージ装置22に記憶されると、サーバ20のデータセット作成部231が学習用データセットを作成する(ステップS44)。データセット作成部231は、ストレージ装置22に記憶されていた画像データに物体検出等を行って、画像データに表された画像内の人の数と画像内の人の快適度とを算出及び推定する。このようにして算出又は推定された各領域内の人の数と快適度を出力パラメータの正解値として学習用データセットが作成される。また、データセット作成部231は、外部サーバ30から取得された気温、湿度、天気、イベント情報等を入力パラメータとして学習用データセットを作成する。
ステップS44においてデータセット作成部231によって学習に必要な数の学習用データセットが作成されると、学習部232は、作成されたデータセットを用いて、機械学習モデルを学習させる(ステップS45)。
本実施形態では、データの信頼度が低い場合には収集促進条件が成立して、端末機器10から高い頻度でデータがサーバ20へ送信される。このようにデータの信頼度が低い場合には、サーバ20へ送信されるデータ量が多くされる。このようにサーバ20へ送信されるデータ量が多くなると、その分、機械学習モデルの学習精度が高くなる。一方で、データの信頼度が高い場合には収集促進条件は成立せずに、端末機器10から低い頻度でデータがサーバ20へ送信される。この結果、本実施形態においても、端末機器10からサーバ20への過剰なデータの送信を抑制しつつ、推定精度の高い機械学習モデルを作成することができるようになる。
以上、本発明に係る好適な実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。
1 機械学習システム
4 通信ネットワーク
5 無線基地局
10 端末機器
20 サーバ
30 外部サーバ

Claims (9)

  1. 所定の対象エリアに位置するデータ取得装置と、該データ取得装置と通信可能なデータ収集装置とを有し、機械学習モデルの使用又は学習に必要なデータを前記データ取得装置から前記データ収集装置へ収集するデータ収集システムであって、
    前記データ取得装置から前記データ収集装置へのデータ収集を促進する収集促進条件が成立しているか否かを判定する判定部と、
    前記データ取得装置から前記データ収集装置へのデータの送信を制御する送信制御部と、を有し、
    前記送信制御部は、前記収集促進条件が成立していると判定された場合には、該収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、前記データ取得装置から前記データ収集装置への単位時間当たりのデータ送信量が多くなるように、前記データ取得装置から前記データ収集装置へのデータの送信を制御する、データ収集システム。
  2. 当該データ収集システムは、前記機械学習モデルの学習に必要なデータを収集し、
    前記収集促進条件は、該収集促進条件が成立しているときに前記データ取得装置から収集されたデータが、該収集促進条件が成立していないときに前記データ取得装置から収集されたデータに比べて、前記機械学習モデルの学習に使用されたときに前記機械学習モデルの精度向上に寄与するような条件である、請求項1に記載のデータ収集システム。
  3. 前記機械学習モデルは複数のクラスへの分類を行うモデルであり、
    前記収集促進条件は、該収集促進条件が成立しているときの、前記クラスのうち相対的に発生確率の低いクラスの発生確率が、前記収集促進条件が成立していないときの、前記クラスのうち相対的に発生確率の低いクラスの発生確率よりも高くなるような条件である、請求項2に記載のデータ収集システム。
  4. 前記機械学習モデルは複数のクラスへの分類を行うモデルであり、
    前記収集促進条件は、前記機械学習モデルによって分類される全てのクラスの発生確率が所定の基準確率以上であるときに成立する条件である、請求項2又は3に記載のデータ収集システム。
  5. 前記送信制御部は、前記収集促進条件が成立していると判定された場合には、該収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、前記データ取得装置から前記データ収集装置へのデータの送信頻度が高くなるように、前記データ取得装置から前記データ収集装置へのデータの送信を制御する、請求項1~4のいずれか1項に記載のデータ収集システム。
  6. 前記収集促進条件は、前記データ取得装置から受信する各データの信頼度が所定の基準値以下であるときに成立する条件である、請求項1に記載のデータ収集システム。
  7. 所定の対象エリアに位置するデータ取得装置と通信可能であって機械学習モデルの使用又は学習に必要なデータを前記データ取得装置から収集するデータ収集装置であって、
    前記データ取得装置からのデータ収集を促進する収集促進条件が成立しているか否かを判定する判定部と、
    前記データ取得装置から当該データ収集装置へのデータの送信を制御する送信制御部と、を有し、
    前記送信制御部は、前記収集促進条件が成立していると判定された場合には、該収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、前記データ取得装置からの単位時間当たりのデータ送信量が多くなるように、前記データ取得装置から当該データ収集装置へのデータの送信を制御する、データ収集装置。
  8. データ収集装置と通信可能であって機械学習モデルの使用又は学習に必要なデータを取得して前記データ収集装置へ送信するデータ取得装置であって、
    前記データ収集装置へのデータ収集を促進する収集促進条件が成立しているか否かを判定する判定部と、
    前記データ収集装置へのデータの送信を制御する送信制御部と、を有し、
    前記送信制御部は、前記収集促進条件が成立していると判定された場合には、該収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、前記データ収集装置への単位時間当たりのデータ送信量が多くなるように、前記データ収集装置へのデータの送信を制御する、データ取得装置。
  9. 機械学習モデルの使用又は学習に必要なデータを、所定の対象エリアに位置するデータ取得装置からデータ収集装置へ収集するデータ収集方法であって、
    前記データ取得装置から前記データ収集装置へのデータ収集を促進する収集促進条件が成立しているか否かを判定することと、
    前記収集促進条件が成立していると判定された場合には、該収集促進条件が成立していないと判定された場合に比べて、前記データ取得装置から前記データ収集装置への単位時間当たりのデータ送信量が多くなるように、前記データ取得装置から前記データ収集装置へのデータの送信を制御することと、を有する、データ収集方法。
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