JP2023048529A - 照明制御装置、照明制御方法およびプログラム - Google Patents

照明制御装置、照明制御方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複数の観察条件下において、プリント物により適した照明制御を行うこと。【解決手段】照明装置を制御する照明制御装置であって、記録媒体が観察される際の目標とする明るさを表す第1照明輝度比率と、第1照明輝度比率とは異なる明るさを表す第2照明輝度比率と、を取得する観察情報取得手段と、記録媒体を観察する環境において配置されている照明装置の情報を取得する環境取得手段と、記録媒体が観察される第1観察位置と、第1観察位置とは異なる位置である第2観察位置と、を取得する観察者位置取得手段と、第1観察位置から記録媒体を観察するときに得られる正反射方向の照明輝度が、第1照明輝度比率が表す目標の明るさとなり、かつ、第2観察位置から記録媒体を観察するときに得られる正反射方向の照明輝度が、第2照明輝度比率が表す目標の明るさとなるように、環境取得手段にて取得した照明装置の情報に基づいて照明装置を制御する照明制御手段と、を備えることを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、プリント物を好適に観察するための照明制御の技術に関する。
近年、金属粒子を含有し、被記録媒体上に金属光沢を付与することができるメタリックインクまたは光沢インクが、記録装置等を用いた印刷に使用されている。また、メタリックインクまたは光沢インクはカラーインクとも併用され、高品位のカラー印刷に金属光沢を追加させる印刷手法が種々提案されている。
特許文献1では、プリント物の反射特性を拡散反射特性と鏡面反射特性とに分けており、照度が同じ環境でもプリント物を観察する際の正反射方向の照明の明るさの影響で色が変わって見えることに言及している。また、従来の観察環境に応じたカラープロファイルの適用といったカラーマネジメントのみならず、画像出力モードによる拡散反射特性と鏡面反射特性の違いから適したモードを選択し、観察環境に適したプリント物を生成する技術が記載されている。
特開2016―54356号公報
しかしながら、特許文献1は固定した観察条件での見えを最適化することを前提とした技術であり、複数の観察条件下においてプリント物の見えを制御することができない。
そこで本発明は、複数の観察条件下において、プリント物により適した照明制御を行うことを目的とする。
本発明に係る照明制御装置は、照明装置を制御する照明制御装置であって、記録媒体が観察される際の目標とする明るさを表す第1照明輝度比率と、前記第1照明輝度比率とは異なる明るさを表す第2照明輝度比率と、を取得する観察情報取得手段と、前記記録媒体を観察する環境において配置されている前記照明装置の情報を取得する環境取得手段と、前記記録媒体が観察される第1観察位置と、前記第1観察位置とは異なる位置である第2観察位置と、を取得する観察者位置取得手段と、前記第1観察位置から前記記録媒体を観察するときに得られる正反射方向の照明輝度が、前記第1照明輝度比率が表す目標の明るさとなり、かつ、前記第2観察位置から前記記録媒体を観察するときに得られる正反射方向の照明輝度が、前記第2照明輝度比率が表す目標の明るさとなるように、前記環境取得手段にて取得した前記照明装置の情報に基づいて前記照明装置を制御する照明制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、複数の観察条件下において、プリント物により適した照明制御を行うことができる。
プリント物の偏角反射特性を示す模式図である。 メタリックインクを使った観察条件による見えの変化を表す模式図である。 照明制御装置のハードウェア構成を示す図である。 照明制御装置の論理構成を示す図である。 照明制御のフローチャートを示す図である。 プリント掲示位置、カメラ、照明装置の位置関係を示す平面図である。 照明輝度ヒストグラムの例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の実施形態は本発明を必ずしも限定するものではない。また、本実施形態において説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<<実施形態1>>
図1はメタリックインクを使ったプリント物の偏角反射特性を説明する模式図である。偏角反射特性とは、異なる幾何条件での明るさの差を示す特性である。図1のパターン(a)~(i)では、それぞれ異なる量の色インクおよびメタリックインク使った場合の偏角反射特性を示している。パターン(a)~(i)は、色インクは矢印が右に行くほど量が増していることを示している。また、メタリックインクは、矢印が下に行くほど量が増していることを示している。破線の矢印はプリント物への入射光を示し、プリント物上の形状は光の入射点からそれぞれの角度に反射する光の強度を示している。左上のパターン(a)はインクをプリントしていない紙白の偏角反射特性を示す。この分布は特定の方向への反射が強いなどの偏りが少なく、どの角度から見ても明るさの変化は少ない。パターン(c)は、色インクのみを用いて印刷した際の偏角反射特性を示す。パターン(a)と同様に角度毎の偏りが少ないが、色インクが光を吸収するため反射量が少なくなる。一方、パターン(g)はメタリックインクのみを用いて印刷した際の偏角反射特性を示す。メタリックインクは指向性が高く正反射方向に強い光を反射する。このような特性により、観察角度を正反射光から拡散方向に同じだけ変えたときの明るさの変化は色インクよりもメタリックインクの方が大きい。このため、光源を映し込んで観察すると光源の明るさに応じて明るく見える。しかし、正反射方向以外に拡散する成分が少ないため光源を映し込まないと暗く見える。
色インクもメタリックインクもそれぞれ面積階調によりパターン(b)、およびパターン(d)のように中間的な特性を生成することが可能である。また、色インクとメタリックインクとを混色した場合、それぞれの偏角反射特性を掛け合わせた特性を生成することができる。なお、実際には色インクのみのプリントでも他の方向に比べ正反射方向に若干強い反射を示すことが一般的であるが、メタリックインクと比べて量が少ないので、説明を平易にするため省略する。なお、こうした偏角反射特性の違いは双方向反射率分布関数(Bidirectional Reflectance Distribution Function)などでモデル化されており、市販されているBRDF測定装置で計測することが可能である。
図2は、メタリックインクを使ったプリント物の観察条件による見えの変化を表す模式図である。図2(a)は、図1(g)に示した偏角反射特性と光源と観察位置の関係を示している。図2(b)、および図2(c)は、メタリックインクでプリントされた図形103を異なる方向から見た明るさを示している。図2(b)のように、主たる光源101に対して正反射方向から外れた方向102から観察するとその方向にはあまり光を反射しないため図形103は暗く見える。一方、図2(c)のように、主たる光源101に対して正反射方向である方向102’から観察するとその方向には光を多く反射するため図形103は明るく見える。観察者は図形103を観察しながら図形103が暗く見える方向102から図形103が明るく見える方向102’へ移動すると、その明るさは大きく変化する。
ここまで偏角反射特性とその見えについて単純な光源を例に説明をしたが、実際には自己発光する光源の他に、壁、天井、または家具などあらゆるものが光を反射する。このため光源以外のものも二次光源として扱わなければならない。本実施形態においては、プリント物からその面法線方向を中心に半天周すべての方向を照明として考える。
次に、本実施形態で扱うメタリックインクを用いたプリント物とその観察環境の管理方法について説明する。前述のようにプリント物の見えは観察環境の影響を受けるため、プリント物に推奨される観察環境を正反射方向の照明輝度と照度の比率Lspec/Eで規定する。以下、プリント物の明るさと照明の関係について説明する。
プリント物が完全拡散反射面であると仮定した場合、その輝度は下記の式で表される。
Lw=E/π ・・・式(1)
ここで、Lwは完全拡散反射面の輝度、Eは照度、πは円周率である。完全拡散反射面であれば、どの方向から光が入射しても全方位に拡散するため正反射方向の照明の明るさは考慮しなくてよい。
一方、完全鏡面の明るさは、下記の式で表される。
Lm=Lspec ・・・式(2)
ここで、Lmは完全鏡面の輝度、Lspecは正反射方向の照明輝度である。プリント物が完全鏡面であれば、映り込んだ照明の明るさがプリント物の明るさとなる。
また、一般的なプリント物は完全拡散反射面と完全鏡面との中間的な性質をもっており、その輝度は下記の式で表される。
L=E・ρdiff/π+Lspec・ρspec ・・・式(3)
ここで、Lはプリント物の輝度、Eは照度、πは円周率、Lspecは正反射方向の照明輝度、ρdiffは拡散反射における反射率、ρspecは鏡面反射における反射率である。つまり、一般的なプリント物の明るさは、メタリックインクを使ったものも含め、拡散反射成分と鏡面反射成分との足し合わせで表すことができる。
一般的にプリント物の色の管理は、紙の白を基準とした輝度比でされることが多い。これは観察者が物の明るさを瞳に入ってくる光の絶対量ではなく、周囲の明るさとの輝度比で知覚するためである。そこで、プリント物の見えを輝度比normLで書き直すと、下記の式で表される。
normL=L/Lw=ρdiff+Lspec・ρspec/(E/π) ・・・式(4)
この式は、紙白を完全拡散反射面とみなすことで、式(3)および式(1)から導出される。観察者から見た紙の白の明るさである輝度の絶対値は、プリント物への照度とほぼ比例する。これは紙の白の反射特性が完全拡散反射面に比較的近く、拡散反射成分と比べて鏡面反射成分をほぼ無視できるためである。
式(4)のうち、Lspec・ρspec/(E/π)は鏡面反射成分であり、観察環境によって変化するのは正反射方向の照明輝度Lspecおよび照度Eである。このため、照明輝度Lspecおよび照度Eの比が規定されれば正反射方向の照明の影響、すなわち鏡面反射成分を管理することが可能となる。
前述のとおりメタリックインクを使うことで、映し込む照明輝度を変えることにより異なる見えを有する画像を得ることができる。しかし、照明環境および観察位置が制限されている場合に所望のプリント物の見えを得ることができない場合があった。具体的には、複数の観察条件下においてプリント物の見えを制御することが困難であった。
本実施形態では、メタリックインクを使ったプリント物の掲示に際して、目標色を再現する上で想定している観察環境である正反射方向の照明輝度と照度の比を取得し、照明装置を制御することで想定している観察環境に近い照明分布を提供する。
<照明制御装置1のハードウェア構成>
図3は、照明制御装置1のハードウェア構成を示す図である。照明制御装置1は、CPU301、ROM302、RAM303、VC(ビデオカード)304、汎用I/F(インターフェース)305、SATA(シリアルATA)I/F306、およびNIC(ネットワークインターフェースカード)307を備える。
CPU301は、RAM303をワークメモリとして、ROM302またはHDD(ハードディスクドライブ)315などに格納されたOS(オペレーティングシステム)または各種プログラムを実行する。また、CPU301は、システムバス308を介して各構成を制御する。尚、後述するフローチャートによる処理は、ROM302またはHDD315などに格納されたプログラムコードがRAM303に展開され、CPU301によって実行される。VC(ビデオカード)304には、ディスプレイ317が接続される。汎用I/F(インターフェース)305には、シリアルバス309を介して、マウスもしくはキーボードなどの入力デバイス310、複数の光源からなる照明装置311、カメラ312、または画像形成装置313が接続される。
SATA(シリアルATA)I/F306には、シリアルバス314を介して、HDD315または各種記録メディアの読み書きを行う汎用ドライブ316が接続される。NIC307は、外部装置との間で情報の入出力を行う。CPU301は、HDD315または汎用ドライブ316にマウントされた各種記録メディアを各種データの格納場所として使用する。CPU301は、プログラムによって提供されるUI(ユーザインターフェース)画面をディスプレイ317に表示し、入力デバイス310を介して受け付けるユーザ指示などの入力を受信する。
<照明制御装置1の論理構成>
図4は、本実施形態における照明制御装置1の論理構成を示す図である。照明制御装置1は、プリント観察情報取得部401、環境取得部402、観察者位置取得部403、正反射照明位置決定部404、照明条件決定部405、および照明制御部406を有する。
プリント観察情報取得部401は、掲示されるプリント物の想定観察環境を取得する。想定観察環境とは、前述したとおり正反射方向の照明輝度Lspecおよび照度Eの比である。環境取得部402は、後述の観察者位置の取得または照明条件の決定において、プリント掲示位置に設置されたカメラ312から観察者位置指定またはプリント物への照明輝度分布推定に用いる撮影画像を取得する。観察者位置取得部403は、入力デバイス310などを介して環境取得部402が取得した撮影画像における観察者位置を取得する。
正反射照明位置決定部404は、観察者位置からプリント面を介して正反射方向となる照明位置を決定する。照明条件決定部405は後述の照明制御部406が制御した照明によるプリンタへの照明輝度分布を環境取得部402から取得し、想定観察環境と照明輝度分布がどの程度合致しているか評価し、照明条件を決定する。照明制御部406は、複数の光源からなる照明装置311を制御する。
<照明制御装置1が実行する処理のフローチャート>
前述でも説明した通り、本実施形態では、複数の観察位置から、所定の位置に掲示されたプリント物を観察したとき、想定した見えとなるように、観察環境内の複数の照明装置を用いて正反射方向の照明輝度を制御する方法を説明する。本実施形態では、第1観察位置および第2観察位置の2点を取得し、なお、第1観察位置からプリント物を見たときには明るい見えとなり、同じプリント物をもう第2観察位置からから見たときには暗い見えとなるように照明を制御する。
図5は照明制御装置1が照明装置311を制御する流れを示すフローチャートである。図5の各ステップにおける処理は、照明制御装置1のCPU301が、ROM302に記憶されているプログラムコードを、RAM303に展開し実行することにより行われる。また、各処理の説明における記号「S」は、当該フローチャートにおけるステップであることを意味する。
まず、S501においてプリント観察情報取得部401は、HDD315などの外部装置から、展示されるプリント物が想定している想定観察環境の情報として目標の照明輝度比率を二つ取得する。照明輝度比率とは、照明環境全体の照度に対する正反射方向の照明輝度の比率のことである。
本実施形態において取得する二つの照明輝度比率を(Lspec/E)_target1、(Lspec/E)_target2とする。二つ入力するのは、メタリックインクを使ったプリント物の明るさの変化を再現することを意図したものである。(Lspec/E)_target1を第1照明輝度比率ともいう。(Lspec/E)_target2を第2照明輝度比率ともいう。本実施形態において、第1照明輝度比率は第2照明輝度比率に対して相対的に明るい見えとなり、第2照明輝度比率は第1照明輝度比率に対して相対的に暗い見えとなる照明輝度比率を表すものとする。
S502において環境取得部402は、プリント掲示位置に設置されたカメラ312から撮影画像を取得する。
図6は、プリント掲示位置、カメラ312、および照明装置の位置関係を示す平面図である。また、図6(a)に示すように照明装置311は、シーリングライト611、スタンドライト612、およびフロアライト613を含んでいる。なお、照明制御装置1は、各照明装置の位置情報を、カメラ312の撮像画像から取得してもよいし、照明制御装置1とそれぞれの照明装置とが接続されるタイミングで取得してもよい。カメラ312は、プリント掲示位置に設置されプリント物の鉛直方向の中心から撮影を行う。図6(b)は、カメラ312の撮影画像の一例を示す模式図である。撮影画像は魚眼レンズなどを用いて撮像されプリント物に対して照明として働く半天周全方位の画像となる。
S503において観察者位置取得部403は、ディスプレイ317にUIとともにS502で取得した撮影画像を提示し、入力デバイスなどから観察位置となる観察者の眼の位置を設定する。本実施形態においては、S501で目標とする二つの情報が与えられていることから、それぞれに対応する2点第1観察位置である点p1、および第2観察位置である点p2をユーザが任意に指定する。この任意に指定した2点において、照明環境全体の照度に対する正反射方向の照明輝度比率が、目標とする比率(((Lspec/E)_target1、(Lspec/E)_target2))となるように、照明制御装置1は、照明装置311を制御する。
S504において正反射照明位置決定部404は点p1、p2の正反射方向になる照明位置s1、s2を決定する。なお、決定した照明位置s1、s2に実際に照明装置を配置するわけではなく、前述でも説明した通り、環境内の照明を組み合わせることで、観察位置p1,p2において照明位置s1、s2から正反射照明が得られているかのように照明装置を制御する。図6(c)に点p1、p2および照明位置s1、s2の関係の一例を示す。カメラ312で使用しているレンズ等の情報から各画素位置の方向は既知であるため、点p1,p2と正反射方向の位置s1,s2は容易に決定することができる。通常、プリント物の中央の画素を中心とし、点対称となる位置が正反射照明の位置となる。
S505において照明条件決定部405は、照明制御部406が逐次生成した照明分布を環境取得部402の撮影画像から取得および評価し、最適な照明条件を決定する。照明制御部406は制御可能な照明装置311(シーリングライト611、スタンドライト612、およびフロアライト613)の組み合わせLCによる照明分布を逐次生成する。図6(e)、(f)、および(g)は、それぞれシーリングライト611、スタンドライト612、およびフロアライト613が点灯した際の照明輝度分布画像の例である。照明装置311は、その指向性または反射物との相対位置関係から複雑な照明輝度分布をつくる。また、照明条件決定部405は、環境取得部402から生成された照明輝度分布画像を取得し、どの程度プリントの観察条件に合致しているか下記式により評価を行う。
VLC=abs((Lspec/E)_target1-Lspec1 /E)+ abs((Lspec/E)_target2-Lspec2 /E)
・・・式(5)
ここで、VLCは照明組み合わせLCの評価値、absは絶対値、Eは照度、Lspec1は照明位置s1の照明輝度、およびLspec2は照明位置s2の照明輝度である。式(5)は、照明位置S1およびS2での照明輝度比率と目標値との誤差を表す式である。したがって、プリントの観察条件における目標との合致度は、評価値VLCの値が小さいほど大きくなり、理想の照明環境を近づいていることになる。なお、照明位置s1、s2の照明輝度は、撮影画像の画素値を輝度と線形になるようにガンマ変換することで、各位置の画素値から決定することができる。この際、照明の最明点がカメラ312のダイナミックレンジから外れないよう露出アンダーで撮影したり、多段撮影してハイダイナミックレンジ画像を合成するなどが好ましい。また、照度Eは、撮影像の各画素の画素値に座標ごとにゆがみ補正として設定された重みをかけた値を積算することで推定することが可能である。この他、別途照度計を用いるなどしてもよい。
照明条件決定部405は、逐次評価値を比較し、式(6)に示すように評価した照明分布の中の最良値Vminとその評価値になる照明組み合わせLCbestとを記憶する。
Vmin=VLC、LCbest=LC if(Vmin>VLC) ・・・式(6)
式(6)により、照明組み合わせLCの数の分だけ最小値Vminと評価値VLCとの比較を行い、Vminよりも小さくなるときのVLCを最新のVminとして都度更新していく。これにより照明組み合わせLCの評価値が目標値に最も近い値となる組み合わせLCを記憶することができる。照明装置311の組み合わせにおいて、各照明がオンオフの二値の制御しかできなければ2の照明数乗回の撮影と評価を繰り返せばよい。照明が調光可能なものなら適度なステップで照明強度を変調すればよい。または、個別の照明が点灯している照明輝度分布画像から複数の照明が任意の強度で点灯した状態を推定することも可能である。この際、各照明装置の能力は全照明がオフの状態とその照明が点灯している状態の差分とし、これに調光の程度に応じた係数をかけ合成するなどすればよい。各照明がどのような点灯タイプなのかを示す情報に関しては、照明制御装置1が環境取得部402において各照明装置の位置情報を取得する際に取得しておけばよい。また、照明装置311は複数の装置で構成されていても、単体の装置で構成されていても構わない。また、照明装置311に含まれるそれぞれの装置は、1つの照明を有していてもよいし、複数の照明を有していてもよい。
なお、評価値Vminが許容できる所定の閾値以下にならない場合は、条件に合う照明装置の組み合わせがない旨をユーザに通知するなどすればよい。また、候補が複数存在する場合も、ユーザに通知し、選択させるなどの処理を追加する方法が考えられる。
S506において照明制御部406はS505で記憶された照明の組み合わせLCbestの組み合わせで照明装置311を点灯する。その後、照明制御装置1は本フローを終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の観察条件下において、プリント物により適した照明制御を行うことができる。即ち、メタリックインクを使ったプリント物の掲示に際して、プリント物が複数の目標色を再現する上で想定している観察環境に適した照明環境を提供することができる。これにより正反射方向へ映り込む光の量の変化による明るさ変化を所望のものにすることができ、メタリックインク特有の金属光沢感などを好適に観察者に知覚させることができる。
なお、本実施形態では目標とする照明輝度比率を二つ取得する場合を説明したが、三つ以上取得する方法をとってもよい。三つ以上取得する場合も本実施形態と同様に、それぞれに対応する観察位置を取得し、それぞれの観察位置における正反射方向の照明輝度と照明輝度比率との合致度を、式(5)を用いて算出し、合致度が最も大きくなる照明の組み合わせを決定すればよい。
<<第2実施形態>>
実施形態1では、観察環境内のプリント物に対し二つの観察位置を入力することで、好適な照明輝度分布を得る例を記載した。本実施形態では観察位置の範囲を指定した際に好適な照明輝度分布を得る例について説明する。なお実施形態1と共通する部分については説明を省略ないしは簡略化し、以下では差異を中心に説明するものとする。
本実施形態においても実施形態1と同様に図5に示すフローチャートに準じて制御する。S501、およびS502は実施形態1と同じ処理であるため省略する。
S503において、観察者位置取得部403はディスプレイ317にUIとともにS502で取得した撮影画像を提示し、入力デバイスなどから観察位置となる観察者の眼の移動範囲p3を設定する。
S504において、正反射照明位置決定部404は移動範囲p3の正反射方向になる照明範囲s3を決定する。本実施形態において移動範囲p3は、実施形態1で任意に指定した二つの観察位置p1,p2を少なくとも包含する範囲であるとする。図6(d)に、移動範囲p3と照明範囲s3の関係の一例を示す。観察位置が点ではなく範囲であっても、プリント物の中央の画素を中心とし、点対称となる範囲が正反射照明の位置となる。
S505において照明条件決定部405は、照明制御部406が逐次生成した照明分布を環境取得部402の撮影画像から評価し、最適な照明条件を決定する。
図7に照明輝度ヒストグラムの例を示す。本ステップにおける目標値設定および評価は、図7に示す照明範囲s3内の照明輝度ヒストグラムを用いて行われる。本ヒストグラムにおいて横軸は照明範囲s3に該当する撮影画像の各画素が表す照明輝度Ls3(x、y)を照度Eで割ったものを表し、縦軸は画素数であり頻度を表す。即ち、本ヒストグラムは、横軸(Ls3/E)が右に行くほど照明輝度が明るいことを示し、縦軸(画素数)が上に行くほどその輝度の画素が多く存在することを示している。図7(a)は、照明範囲s3の照明輝度が低い画素から高い画素まで同じ頻度で発生しているヒストグラムである。照明輝度分布にあまり高周波なパターンが含まれないと仮定すれば、隣接する画素の表す照明輝度に大きな差はない。つまり、範囲内を観察者が動いた場合の明るさが徐々に変化する場合に得られるヒストグラムとなる。一方、図7(b)に示すヒストグラムは、S501にて取得した想定観察環境の照明輝度比率 (Lspec/E)_target1、(Lspec/E)_target2に集中している。これは、ある位置で観察した際は暗く観察されたのに隣の位置では急に明るく観察されるといった状況が発生する。つまり、範囲内を観察者が動いた場合の明るさ変化が急な場合に得られるヒストグラムとなる。このように観察者が移動範囲p3内を移動した場合に得られる明るさ変化の滑らかさなどに応じて、目標となる照明輝度ヒストグラムを設定することで、より好適な照明環境を提供することができる。目標の照明輝度ヒストグラム(例えば図7(a)または図7(b))と実際の照明輝度ヒストグラム(図7(c)に例示)との合致度の評価は、区間ごとの頻度である画素数の差分を決定し、その二乗和をとるなどして評価することができる。なお、目標となる照明輝度ヒストグラムは予めROM303等に記憶しておいてもよいし、実際の照明輝度ヒストグラムを基に作成してもよい。
評価以降の流れは実施形態1と同様に、逐次評価値を比較し、評価した照明分布の中の最良値Vminとその評価値となる照明組み合わせLCbestを記憶する。S506は実施形態1と同じであるため省略する。S506の処理が終了すると照明制御装置1は本フローを終了する。
以上説明したように、観察者の位置を範囲指定することで、その中を移動した際の変化の滑らかさ、急峻さを考慮した照明環境を提供することができる。
<<その他の実施形態>>
前述の実施形態においてプリント物としてメタリックインクを用いるとした。その他、プリント表面の平滑性を上げ、正反射光を強くするクリアインクまたは屈折率の高い材料を用いて強い正反射光を得る高屈折率インクなどの、いわゆる光沢制御インクを用いたプリント物に対しても同様の効果を得ることが可能である。
また、実施形態1における式(5)の評価にて、想定観察環境の照明輝度比率(Lspec/E)_target1と照明位置s1の照明輝度Lspec1とを対応づけた。これは、指定された位置p1でのプリント物の見えの明るさを明示的に示していることになる。位置p1、p2でどちらが明るい方でも構わない場合、下記式のようにp1とp2の関係を入れ替えた評価も行い、VLCとVLC’でより良い方を採用する方法も考えられる。
VLC’=abs((Lspec/E)_target1-Lspec2 /E)+ abs((Lspec/E)_target2-Lspec1 /E)
・・・式(5)’
また、式(5)の評価にて目標値と測定値の絶対値を比較したが、2点での明るさ変化の量を評価するものとして下記式で評価する方法も考えられる。
VLC”= abs(abs((Lspec/E)_target1-(Lspec/E)_target2)- abs(Lspec2 /E -Lspec2 /E))
・・・式(5)”
また、差分ではなく比を使って評価する方法も考えられる。また、実施形態1において観察位置および想定観察環境を2点入力したが、1点または3点以上を入力する方法も考えられる。また、想定観察環境を2点入力するが、観察位置を1点のみの入力とし、時間経過で照明の明るさを変化させる方法も考えられる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を動作可能なプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1 照明制御装置
401 プリント観察情報取得部
402 環境取得部
403 観察者位置取得部
404 正反射照明位置決定部

Claims (10)

  1. 照明装置を制御する照明制御装置であって、
    記録媒体が観察される際の目標とする明るさを表す第1照明輝度比率と、前記第1照明輝度比率とは異なる明るさを表す第2照明輝度比率と、を取得する観察情報取得手段と、
    前記記録媒体を観察する環境において配置されている前記照明装置の情報を取得する環境取得手段と、
    前記記録媒体が観察される第1観察位置と、前記第1観察位置とは異なる位置である第2観察位置と、を取得する観察者位置取得手段と、
    前記第1観察位置から前記記録媒体を観察するときに得られる正反射方向の照明輝度が、前記第1照明輝度比率が表す目標の明るさとなり、かつ、前記第2観察位置から前記記録媒体を観察するときに得られる正反射方向の照明輝度が、前記第2照明輝度比率が表す目標の明るさとなるように、前記環境取得手段にて取得した前記照明装置の情報に基づいて前記照明装置を制御する照明制御手段と、
    を備えることを特徴とする照明制御装置。
  2. 前記第1照明輝度比率および第2照明輝度比率は、照明環境全体の照度に対する、前記記録媒体の正反射方向の照明輝度の比率であることを特徴とする請求項1に記載の照明制御装置。
  3. 前記正反射方向の照明位置は、前記記録媒体を観察する環境を撮像した画像を用いて、前記記録媒体の位置、前記第1観察位置、および前記第2観察位置に基づき決定されることを特徴とする請求項1または2に記載の照明制御装置。
  4. 前記照明制御手段は、
    前記第1観察位置から前記記録媒体を観察するときに得られる正反射方向の照明輝度と前記第1照明輝度比率との合致度、
    および前記第2観察位置から前記記録媒体を観察するときに得られる正反射方向の照明輝度と前記第2照明輝度比率との合致度、
    に基づいて前記照明装置を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明制御装置。
  5. 前記観察者位置取得手段が、前記第1観察位置および前記第2観察位置の2つの観察位置を少なくとも包含する移動範囲を取得する場合、
    前記照明制御手段は、前記移動範囲に対して正反射方向となる範囲の照明輝度および画素数を表したヒストグラムと、目標とする照明輝度のヒストグラムとの合致度に基づき前記照明装置を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の照明制御装置。
  6. 前記照明制御手段は、前記合致度が最も大きくなる組み合わせに基づき前記照明装置を制御することを特徴とする請求項4または5に記載の照明制御装置。
  7. 前記照明制御手段は、複数の前記照明装置を組み合わせることにより、前記第1観察位置および前記第2観察位置から前記記録媒体を観察するときに得られる正反射方向の照明輝度を制御することを特徴と請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明制御装置。
  8. 前記記録媒体は、鏡面反射成分を有するメタリックインク、クリアインク、または高屈折率インクを用いて記録されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明制御装置。
  9. 照明装置を制御する照明制御装置の制御方法であって、
    記録媒体が観察される際の目標とする明るさを表す第1照明輝度比率と、前記第1照明輝度比率とは異なる明るさを表す第2照明輝度比率と、を取得する観察情報取得ステップと、
    前記記録媒体を観察する環境において配置されている前記照明装置の情報を取得する環境取得ステップと、
    前記記録媒体が観察される第1観察位置と、前記第1観察位置とは異なる位置である第2観察位置と、を取得する観察者位置取得ステップと、
    前記第1観察位置から前記記録媒体を観察するときに得られる正反射方向の照明輝度が、前記第1照明輝度比率が表す目標の明るさとなり、かつ、前記第2観察位置から前記記録媒体を観察するときに得られる正反射方向の照明輝度が、前記第2照明輝度比率が表す目標の明るさとなるように、前記環境取得ステップにて取得した前記照明装置の情報に基づいて前記照明装置を制御する照明制御ステップと、
    を備えることを特徴とする照明制御装置の制御方法。
  10. コンピュータを請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明制御装置における各手段として機能させるためのプログラム。
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