JP2023042223A - 外装材の風荷重評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】繰返し風荷重に対する疲労損傷を考慮した外装材の風荷重評価方法を提供する。【解決手段】外装材の風荷重評価方法は、外装材の風荷重の時刻歴波形F(t)を作成し、これに基づいて、前記外装材の疲労照査箇所の応力時刻歴波形を算出し、各風速レベルjの疲労損傷度Djを算出し、前記各風速レベルjの前記疲労損傷度Djを全て足し合わせて想定する供用時間における疲労損傷度DTotalを算出し、前記疲労損傷度DTotalが閾値を超えている場合には、前記風荷重の時刻歴波形を疲労負担率η(>1)で除して、この際に前記疲労負担率ηを1に近い数値から徐々に大きくしていき、前記疲労損傷度DTotalが前記閾値未満になるまで繰り返し、前記疲労損傷度DTotalが前記閾値未満になった際の前記疲労負担率ηを用いて、疲労用風荷重Ffを算出し、前記疲労用風荷重Ffを用いて疲労損傷を考慮した風荷重とする。【選択図】なし
Description
本発明は、外装材の風荷重評価方法に関する。
従来から、建築物等は風荷重を考慮した耐風設計が行われており(下記の特許文献1参照)、外装材では等価静的風荷重に対する弾性設計が行われていた。
外装材の耐風設計では、下記式(1)で設計している。
しかし、この方法は静的風荷重に対する耐風設計であり、繰返し風荷重に対する外装材部材の疲労損傷までを考慮した耐風設計手法ではない。
本発明は、上記事情に鑑み、繰返し風荷重に対する疲労損傷を考慮した外装材の風荷重評価方法を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る外装材の風荷重評価方法は、空気密度ρ、設計風速U、風洞実験並びに数値流体計算から得られる風力係数の時刻歴波形Cf(t)(tは時間)および負担面積Aに基づいて、下記式(2)で外装材の風荷重の時刻歴波形F(t)を作成し、
これに基づいて、前記外装材の疲労照査箇所の応力時刻歴波形を算出し、各風速レベルjの疲労損傷度Djを下記式(3)で算出し、
前記各風速レベルjの前記疲労損傷度Djを全て足し合わせて想定する供用時間における疲労損傷度DTotalを算出し、前記疲労損傷度DTotalが閾値を超えている場合には、前記風荷重の時刻歴波形を疲労負担率η(>1)で除して、この際に前記疲労負担率ηを1に近い数値から徐々に大きくしていき、前記疲労損傷度DTotalが前記閾値未満になるまで繰り返し、前記疲労損傷度DTotalが前記閾値未満になった際の前記疲労負担率ηを用いて、下記式(4)より疲労用風荷重Ffを算出し、
前記疲労用風荷重Ffを用いて疲労損傷を考慮した風荷重とする。
すなわち、本発明に係る外装材の風荷重評価方法は、空気密度ρ、設計風速U、風洞実験並びに数値流体計算から得られる風力係数の時刻歴波形Cf(t)(tは時間)および負担面積Aに基づいて、下記式(2)で外装材の風荷重の時刻歴波形F(t)を作成し、
これに基づいて、前記外装材の疲労照査箇所の応力時刻歴波形を算出し、各風速レベルjの疲労損傷度Djを下記式(3)で算出し、
前記各風速レベルjの前記疲労損傷度Djを全て足し合わせて想定する供用時間における疲労損傷度DTotalを算出し、前記疲労損傷度DTotalが閾値を超えている場合には、前記風荷重の時刻歴波形を疲労負担率η(>1)で除して、この際に前記疲労負担率ηを1に近い数値から徐々に大きくしていき、前記疲労損傷度DTotalが前記閾値未満になるまで繰り返し、前記疲労損傷度DTotalが前記閾値未満になった際の前記疲労負担率ηを用いて、下記式(4)より疲労用風荷重Ffを算出し、
前記疲労用風荷重Ffを用いて疲労損傷を考慮した風荷重とする。
このように構成された外装材の風荷重評価方法では、想定する供用期間における外装材の繰返し風荷重に対する疲労損傷を考慮した風荷重の算定が可能になる。
本発明に係る外装材の風荷重評価方法によれば、繰返し風荷重に対する疲労損傷を考慮して設計することができる。
以下、本発明の実施形態による外装材の風荷重評価方法について説明する。
本実施形態の外装材の風荷重評価方法では、想定する供用期間中に発生する各風速レベルの風荷重および累積作用時間と、照査対象とする部材または位置の応力時刻歴波形に基づいて、供用期間中(疲労照査期間)の疲労損傷度を評価する。
定義した疲労損傷度の閾値未満の疲労負担率を耐風設計用風荷重に考慮することで、供用期間中の疲労損傷を反映した疲労用風荷重を算定する。これにより、風疲労を考慮した外装材の風荷重評価が可能となる。詳細な手順を説明する。
(手順1)
台風時の風速の累積作用時間、および非台風時の風速の確率分布に基づき、想定する供用期間における各風速レベルの累積作用時間を算出する。図1に、風速と累積作用時間の関係の一例を示す。
台風時の風速の累積作用時間、および非台風時の風速の確率分布に基づき、想定する供用期間における各風速レベルの累積作用時間を算出する。図1に、風速と累積作用時間の関係の一例を示す。
(手順2)
空気密度ρ、設計風速U、風洞実験並びに数値流体計算から得られる風力係数の時刻歴波形Cf(t)(tは時間)および負担面積Aに基づいて、下記式(5)で外装材の風荷重の時刻歴波形F(t)を作成する。この風荷重の時刻歴波形が、FEM時刻歴応答解析の入力条件となる。図2に、FEM時刻歴応答解析の入力条件となる風荷重の時刻歴波形の一例を示す。
空気密度ρ、設計風速U、風洞実験並びに数値流体計算から得られる風力係数の時刻歴波形Cf(t)(tは時間)および負担面積Aに基づいて、下記式(5)で外装材の風荷重の時刻歴波形F(t)を作成する。この風荷重の時刻歴波形が、FEM時刻歴応答解析の入力条件となる。図2に、FEM時刻歴応答解析の入力条件となる風荷重の時刻歴波形の一例を示す。
(手順3)
手順2で作成した風荷重の時刻歴波形を入力条件としたFEM時刻歴応答解析により、外装材の疲労照査箇所の応力時刻歴波形を算出する。ここで算出された応力時刻歴波形は設計風速に基づく値であるために、下記式(6)により各風速レベルおよび各風速レベルに基づく時間刻みを考慮して応力時刻歴波形を換算したうえで、各風速レベルの累積作用時間分の応力時刻歴波形を作成する。図3に、応力時刻歴波形の一例を示す。
手順2で作成した風荷重の時刻歴波形を入力条件としたFEM時刻歴応答解析により、外装材の疲労照査箇所の応力時刻歴波形を算出する。ここで算出された応力時刻歴波形は設計風速に基づく値であるために、下記式(6)により各風速レベルおよび各風速レベルに基づく時間刻みを考慮して応力時刻歴波形を換算したうえで、各風速レベルの累積作用時間分の応力時刻歴波形を作成する。図3に、応力時刻歴波形の一例を示す。
なお、疲労照査対象とする部材または位置の応力時刻歴波形を算出する際に,ここではFEM時刻歴応答解析を用いているが、外装材の種類の中には一般に減衰が数%程度あり、固有振動数が数十Hzと高いものもあるため、風速変動(風荷重の変動)による外装材の振動は風速変動(風荷重の変動)に追従すると考えられる場合もある。その場合には、風荷重と対象箇所の応力が比例関係にあると仮定して、風荷重の時刻歴波形から応力時刻歴波形を算出することも可能である。
また、ここでは評価対象とする部材または位置に発生する応力に着目して疲労損傷度を算出しているが、ひずみまたは変位に基づいて評価する事も可能である。
また、ここでは設計風速Uに基づく風荷重の時刻歴波形F(t)を入力条件としたFEM時刻歴応答解析で疲労照査対象箇所の応力時刻歴波形を作成しているが、各風速レベルujに基づく風荷重の時刻歴波形Fj(t)を入力条件としたFEM時刻歴応答解析を各風速レベルj毎に実施して応力時刻歴波形を作成してもよい。
(手順4)
手順3で作成した応力時刻歴波形に対してレインフロー法を適用するなどして応力範囲とその出現回数を計数し、線形累積被害則(マイナー則や修正マイナー則など)等により各風速レベルjの疲労損傷度Djを算出する。疲労損傷度Djを下記式(7)に示す。
手順3で作成した応力時刻歴波形に対してレインフロー法を適用するなどして応力範囲とその出現回数を計数し、線形累積被害則(マイナー則や修正マイナー則など)等により各風速レベルjの疲労損傷度Djを算出する。疲労損傷度Djを下記式(7)に示す。
(手順5)
各風速レベルjの疲労損傷度Djを全て足し合わせることで想定する供用期間における疲労損傷度DTotalを算出する。下記式(8)に示す。
各風速レベルjの疲労損傷度Djを全て足し合わせることで想定する供用期間における疲労損傷度DTotalを算出する。下記式(8)に示す。
(手順6)
あらかじめ疲労損傷度の閾値を決めておき、供用期間における疲労損傷度DTotalが閾値未満であることを確認する。供用期間における疲労損傷度DTotalが閾値未満の場合には、従来の算出方法により求めた等価静的風荷重を用いて耐風設計を行う。閾値を超えている場合には手順2に戻り、風荷重の時刻歴波形を疲労負担率η(>1)で除して、FEM時刻歴応答解析の入力条件である風荷重の時刻歴波形Fp(t)を下記式(9)で作成する。
あらかじめ疲労損傷度の閾値を決めておき、供用期間における疲労損傷度DTotalが閾値未満であることを確認する。供用期間における疲労損傷度DTotalが閾値未満の場合には、従来の算出方法により求めた等価静的風荷重を用いて耐風設計を行う。閾値を超えている場合には手順2に戻り、風荷重の時刻歴波形を疲労負担率η(>1)で除して、FEM時刻歴応答解析の入力条件である風荷重の時刻歴波形Fp(t)を下記式(9)で作成する。
なお、閾値は1未満が疲労破壊しないための条件であるが、地震などと比べて風は継続時間が長いため、D<0.1程度を閾値とすることが望ましい。
例えば、閾値が0.1であり、DTotal=0.6であったとする。この場合、閾値0.1を超えているため、手順2に戻り、風荷重の時刻歴波形を疲労負担率ηで除して、風荷重の時刻歴波形を更新する。
(手順7)
供用期間における疲労損傷度DTotalが閾値未満になるまで疲労負担率ηの値を1に近い数値から徐々に大きくして手順2~6を繰り返す。
供用期間における疲労損傷度DTotalが閾値未満になるまで疲労負担率ηの値を1に近い数値から徐々に大きくして手順2~6を繰り返す。
例えば、1回目の繰り返しはη=1.1で除してDTotal=0.45ならば、閾値0.1を超えているため、2回目の繰り返しを行う。2回目の繰り返しはη=1.2で除してDTotal=0.35ならば、閾値0.1を超えているため、3回目の繰り返しを行う。これを閾値0.1未満になるまで行う。5回目の繰り返しでη=1.5で除して、DTotal=0.05となれば、閾値0.1未満であるため、終了する。本実施形態では、ηを0.1ずつ大きくしたが、徐々に大きくする幅は適宜設定可能である。
(手順8)
供用期間における疲労損傷度DTotalが閾値未満になった場合、その時に用いた疲労負担率η(>1)を、設計風速Uおよびピーク風力係数Cf(Cの上に^(ハット))を用いて算出される風荷重F(下記式(10):従来算出方法により求めた等価静的風荷重)に掛けることで、想定する供用期間における繰返し風荷重に対する外装材の疲労照査対象箇所の疲労損傷を考慮した風荷重Ff(下記式(11):「疲労用風荷重」と呼ぶ)を算出する。
供用期間における疲労損傷度DTotalが閾値未満になった場合、その時に用いた疲労負担率η(>1)を、設計風速Uおよびピーク風力係数Cf(Cの上に^(ハット))を用いて算出される風荷重F(下記式(10):従来算出方法により求めた等価静的風荷重)に掛けることで、想定する供用期間における繰返し風荷重に対する外装材の疲労照査対象箇所の疲労損傷を考慮した風荷重Ff(下記式(11):「疲労用風荷重」と呼ぶ)を算出する。
このように構成された外装材の風荷重評価方法では、想定する供用期間における外装材の繰返し風荷重に対する疲労損傷を考慮した風荷重算定が可能になる。
以上、本発明に係る外装材の風荷重評価方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
Claims (1)
- 空気密度ρ、設計風速U、風洞実験並びに数値流体計算から得られる風力係数の時刻歴波形Cf(t)(tは時間)および負担面積Aに基づいて、下記式(1)で外装材の風荷重の時刻歴波形F(t)を作成し、
これに基づいて、前記外装材の疲労照査箇所の応力時刻歴波形を算出し、
各風速レベルjの疲労損傷度Djを下記式(2)で算出し、
前記各風速レベルjの前記疲労損傷度Djを全て足し合わせて想定する供用時間における疲労損傷度DTotalを算出し、
前記疲労損傷度DTotalが閾値を超えている場合には、前記風荷重の時刻歴波形を疲労負担率η(>1)で除して、この際に前記疲労負担率ηを1に近い数値から徐々に大きくしていき、前記疲労損傷度DTotalが前記閾値未満になるまで繰り返し、
前記疲労損傷度DTotalが前記閾値未満になった際の前記疲労負担率ηを用いて、下記式(3)より疲労用風荷重Ffを算出し、
前記疲労用風荷重Ffを用いて疲労損傷を考慮した風荷重とする外装材の風荷重評価方法。
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JP2021149412A JP2023042223A (ja) | 2021-09-14 | 2021-09-14 | 外装材の風荷重評価方法 |
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