JP2023041056A - 水性環境のpHを変更するためのシステム及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、概して、水性環境のpHを変更するためのシステム、又はその一部、及びそのシステムを動作させる方法に関する。
世界の海洋は、炭素サイクルの一部として大気から二酸化炭素(CO2)を吸収する。大気中の二酸化炭素レベルが上昇するにつれて、海洋によって吸収されるCO2の量も増加する。二酸化炭素が海水に溶解すると、反応して炭酸を生成する。炭酸は次に、水素イオン(H+)を放出し、炭酸イオン(CO3
-2)及び重炭酸イオン(HCO3
-)を形成する。海水のpHは、溶解した二酸化炭素、炭酸塩、及び重炭酸塩の相対画分を決定し、典型的には約8.3である。これは、海水中の溶解した総炭素の大部分が重炭酸塩の形態であることを意味する。これらの反応の経時的な蓄積は、海洋の海水の酸性度を上昇させ、海洋の動植物の寿命に悪影響を及ぼす。例えば、上昇した酸性度は、サンゴ礁の生態系の成長を阻害する。
サンゴ礁の再生は、サンゴ支持のための炭酸カルシウムの形成を伴う。炭酸カルシウムが、サンゴの成長を介して自然に形成されるか又は人工的に形成されるかにかかわらず、その形成は、1単位の溶解した炭酸カルシウムが1単位の炭酸カルシウムと1単位の炭酸に変換されるときに、環境内にCO2を放出し、水とCO2に解離することができる。サンゴ礁の再生又は成長領域付近の海洋水のアルカリ度を上昇させることにより、その領域の天然pHを回復させ、サンゴの成長を促進することができる。例えば、正味カーボンロー、ニュートラル、又はネガティブである電気化学プロセスを使用して、例えば、サンゴの成長を促進するために、水性環境のpHを変更することに関する実施形態が開示される。
特定の実施形態はシステムに関する。システムは、第1のpHを有する塩水溶液供給流と、水性再生領域付近に配置され、供給流を受け入れるように構成された電気化学デバイスと、を備える。電気化学デバイスはまた、供給流を、それぞれの所定のpH値を有する酸流及び塩基流に変換するように構成されている。塩基流を含む第1の流出流は、水性再生領域付近に送達される。第1の流出流は、第1のpHよりも高い第2のpHを有する。第2の流出流は、酸流を含み、第2の流出流は、第2のpHよりも低い第3のpHを有する。
他の実施形態は方法に関する。本方法は、第1のpHを有する塩水溶液の供給流を、水域内に浸漬された電気化学デバイスに流入させることを含む。電位が電気化学デバイスの第1及び第2の電極に印加され、電位の印加に応答して、供給流は、それぞれの所定のpH値を有する酸流及び塩基流に分離される。塩基流は、水性再生領域付近に出力されて、水性再生領域付近の水のpH値を上昇させて、再生活動を開始させ、酸流は、貯蔵ユニットに出力される。
上記の概要は、開示される各実施形態又は本開示の全ての実施を説明することを意図したものではない。図面及び以下の詳細な説明は、例示的な実施形態をより具体的に例示する。
以下の考察は、以下の図を参照し、同じ参照番号は、複数の図において類似の構成要素/同じ構成要素を識別するために使用することができる。しかしながら、所与の図の構成要素を指す数字の使用は、同じ数字でラベル付けされた別の図における構成要素を制限することを意図していない。図面は、必ずしも縮尺どおりではない。
いくつかの実施形態による、水性環境のpHを変更するためのシステムのブロック図である。
特定の実施形態による、バイポーラ膜電気透析「2区画」膜スタックの概略図である。
特定の実施形態による、バイポーラ膜電気透析「3区画」膜スタックの概略図である。
特定の実施形態による、層状無膜電気化学セルの概略図である。
特定の実施形態による方法のフロー図である。
大気からCO2を吸収する海洋の能力は、海洋の水の酸性度を上昇させる。酸性度の上昇による結果の1つは、サンゴの成長の阻害又は破壊である。サンゴ礁は、食品及び観光の供給源として、海洋生命の維持を通じて3750億ドルの最低年間経済価値を有する。この生計源は、サンゴが十分に迅速に適合することができず、漂白及び最終的には死につながる海洋水の急速な酸性化によって破壊されつつある。
サンゴの成長もまた、海洋にCO2を放出する。再生領域に固体水酸化ナトリウムを分配することによって、サンゴの成長/再生を開始させることとは対照的に、本明細書に記載の実施形態は、再生領域付近に既に存在する水から生成された塩基水溶液で再生領域付近の水のpHを変更すること(例えば、pH/アルカリ度を上昇させること)に関する。本明細書で論じられる実施形態は海洋又は海水を指すが、記載されるシステム及び方法は、淡水域を含む様々な塩度の水域に適用可能である。例えば、再生領域は、魚の養殖又はカキの養殖を含む、任意の養殖領域を含むことができる。したがって、「水」への言及は、0~100%の任意の量の塩分を含むことを理解されたい。
図1を参照すると、電気化学デバイス130を利用して、海水の入力供給流102を、別々の処理のために酸流105及び塩基流112に変換するシステム100が示されている。入力供給流102が海水である場合、供給流は約8.1のpHを有し得る。電気化学デバイス130は、様々なタイプのデバイスであり得、それらは、図2A、図2B、及び図3に関連して以下でさらに詳細に論じる。しかしながら、デバイスは、デバイス130を通って流れる海水102の後流を受け入れ、入力供給流102を酸流105及び塩基流112に変換して分離する電解槽であり、各々の流が所定の制御されたpH値を有する。例えば、水性環境のpHが(日時、光合成の速度、及びサンゴ種に応じて)約6.2~8.4であるとき、サンゴの成長が促進される。6.2~8.4のpH範囲は、再生領域付近の環境の最終目標pH範囲であるが、デバイス130は、この範囲をわずかに上回る又は下回る範囲のpHを有する塩基流を出力するように変更することができ、出力塩基流は、再生領域付近の環境内の既存の水と混合するように設計されている。制御システムの一部として、デバイス130は、デバイス130の内部又は外部に配置された様々なセンサに結合され得る。例えば、センサは、デバイス130への入力付近、再生領域118付近、及び塩基流112の出力付近の水のpHを測定し得る。同じ又は追加のセンサが、デバイス130付近のCO2捕捉効率も測定するように構成され得る。
出力塩基流のpHを制御するために、pH値が、水性再生領域118付近で、又はデバイス130の出力で検知され得る。次いで、検知されたpHが閾値を超えるかどうかが判定される。「閾値を超える」とは、感知された値が1つ以上の設定pH値を上回る、又はそれを下回ることを指し得る。例えば、検知されたpH値は、サンゴの成長の所望のpH(例えば、6.2未満のpH)よりも低い(より酸性である)ことによって、所定の閾値を超え得る。検知されたpHはまた、所定の範囲外である、すなわち、範囲の終点よりも高い又は低い場合、閾値を超え得る。検知されたpHが所定の閾値を超えることに応答して、電気化学デバイス130は、出力塩基流112のpHを変更するように制御される。電気化学デバイスを制御することは、電極に印加される電位、供給流が電気化学デバイスを通って流れる速度、並びに酸流及び塩基流のうちの少なくとも一方が電気化学デバイスを通って流れる速度のうちの1つ以上を変更することと、塩基流の少なくとも一部を希釈することと、を含み得る。特定の実施形態では、電気化学デバイス130によって生成される塩基流は、希釈された塩基流及び濃縮された塩基流にさらに分割されて、デバイスの出力pH及び結果として生じる局所的な炭酸塩沈殿をさらに制御する。
電気化学デバイス130の出力は、水性再生領域118付近に送達されるため、電気化学デバイス130は再生領域118付近に配置される。特定の実施形態では、これは、電気化学デバイス130が水域内に位置すること、すなわち、デバイス130が浸漬されることを意味する。したがって、デバイスは、水中動作のために封止され、排気される。電気化学デバイス130は、少なくとも5メートルの深さまで、又は少なくとも10メートルの深さまで、又は少なくとも20メートルの深さまで、又は少なくとも30メートルの深さまで、又は少なくとも40メートルの深さまで、又は少なくとも50メートルの深さまで、水中で動作するように構成される。
デバイスは、再生領域118付近に位置し、デバイスは、太陽光エネルギー/パネル、風力エネルギー/タービン、潮汐エネルギー、温度勾配駆動システム、及び/又は塩分勾配駆動システムなどのオフグリッド電源によって動力を供給され得る。さらなる実施形態では、システムは、バッテリ及び/又は原子力を含む様々な他の電源によって動力を供給され得る。電源は、遠隔であっても別個であってもよいが、電気化学デバイス130に電気的に接続され得る。電源は、水域の水面上又は水面より上にあってもよいが、水面下に浸漬された電気化学デバイス130にも電気的に接続され得る。電気化学デバイス130の出力流は、スイッチ104によって制御され得る。
塩基流112は、再生領域118(例えば、成長が望まれるサンゴ礁)付近に出力される。塩基流112は、回復領域118の上、上方、又はその近傍に向けられ得る。しかしながら、出力塩基流112は、入力供給流102が得られた水域に直接放出される。したがって、出力塩基流112は、海洋によって捕捉されたCO2又は炭素114と混合して、再生領域付近に水のpH/アルカリ度を上昇させる(すなわち、酸度を低下させる)ことによって、サンゴに海水から必要な量のカルシウム116を効果的に沈殿させて、サンゴ礁を形成する。海面を通じて拡散して局所アルカリ度を上昇させる塩基はまた、化学的な溶存無機炭素(DIC)平衡をシフトさせて、より多くの量の大気中CO2を海洋中の重炭酸カルシウムとして溶解させ、世界の大気中CO2レベルを有効に低下させる。開示される方法は、炭素捕捉法として説明され得る。したがって、海洋及びサンゴの成長への塩基排出の相対速度に応じて、プロセスは、プロセスが正味カーボンニュートラル、又は正味カーボンネガティブ、又は正味カーボンキャプチャである場合を含め、既知の炭酸カルシウム沈殿手段よりも低い排出量を有することができる。
酸流105は、入力供給流102よりも低いpHを有するため、酸流105は、貯蔵ユニット106に回収される。貯蔵された酸が、特定の加工、必要な純度、組成、又は他の特性を満たす、又は満たす可能性がある場合、貯蔵された酸は商品として販売されるために、分離及び輸送され得る。代替的な実施形態では、貯蔵ユニット106は、1種以上の鉱物又は地質学的岩石(例えば、炭酸塩及びケイ酸塩)を含み、海水pHを実質的に低下させることなく、海洋に安全に戻し得る酸を中和しながら108、岩石/鉱物の風化を促進し得る。例えば、貯蔵ユニット106を使用して、酸のpHを初期供給流のpH(例えば、8.1)に戻すことができる。岩石の風化は、地質学的に岩石を風化させるのにかかる時間と、海岸に沿った高強度の岩礁上に分散した岩石の超微粒子の風化速度のいずれよりも速い。促進された風化はまた、ケイ酸塩、炭酸塩、及び/又は重炭酸塩を海洋水に放出する110。放出されたケイ酸塩は、珪藻類によって使用され得、炭酸塩/重炭酸塩も、サンゴ礁形成のためにサンゴによって使用され得る。
バイポーラ膜電気透析(BPMED)を使用して、他の化学物質を添加することなく、水又は海水を酸及び塩基に変換し得る。BPMEDデバイスは、電圧が膜のスタック全体に印加されると、イオン交換膜を使用して、溶液中のイオン種を分離する。
現在利用可能なBPMED装置は、少なくとも1つの電気透析セルで構成された電気透析膜スタックを含む。電気透析セルは、電位がセル全体に印加されるときに水素イオン(H+)及び水酸化物イオン(OH-)への水の解離が発生するように、少なくとも1つのバイポーラ膜(BPM)を含む。
BPMは、陰イオン交換層と一緒に積層された陽イオン交換層だけでなく、陽イオン層と陰イオン層との間の接合層から形成される。水は接合層に拡散し、その解離定数に従ってH+イオン及びOH-イオンとの通常の平衡に達する。典型的には、BPMは、陰イオン交換層がBPMED装置のアノード(正極)端部に面し、陽イオン交換層が装置のカソード(負極)端部に面するように配向される。この配向により、膜スタック全体に電位が印加されたときに、OH-イオンが陰イオン交換層にわたって輸送され、H+陰イオンが陽イオン交換層にわたって輸送されることを可能にする。同時に、入力塩溶液を構成する陽イオン及び陰イオンは、陰イオン交換膜(AEM)、陽イオン交換膜(CEM)、又はそれらの組み合わせのいずれかのイオン交換膜を介して、電位の印加下で分離される。次いで、BPMによって「生成された」OH-(H+)イオンは、入力塩溶液から分離された陽イオン(陰イオン)と結合して、入力塩の親酸及び塩基を含有する出力塩基性(酸性)溶液を生成する。例えば、1つ以上の「3区画」セルから構成される膜スタック内の膜構成に応じて、希釈された塩溶液又は希釈された海水も、酸及び塩基出力溶液に加えて出力として生成され得る。
BPMED膜スタックは、2区画又は3区画構成のいずれかを有することができる。2区画構成では、隣接する膜は、BPMとAEMとの間で交互になり、BPM、AEM、BPM、AEMなどの形態の膜スタックを形成する、又は隣接する膜は、BPMとCEMとの間で交互になり、BPM、CEM、BPM、CEMなどの形態の膜スタックを形成することができる。3区画セルでは、隣接する膜は、BPMからAEM、CEMへと循環して、BPM、AEM、CEM、BPM、AEM、CEMなどの形態の膜スタックを形成する。バイポーラ膜なしでの電気透析も可能であり、交互の一連のAEMとCEMによって形成され、AEM、CEM、AEM、CEM、AEMの形態の膜スタックを形成する2区画構成からなる。これらの構成のいずれの場合も、膜スタックの2つの端部の端膜の各々は、構成及びプロセス条件に応じて、AEM、CEM、又はBPMであり得る。バイポーラ膜電気透析装置の例示的な実施形態は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,586,181号に開示されている。
図2Aは、上記のシステム100における電気化学デバイス130として特定の実施形態で使用され得るバイポーラ膜電気透析(BPMED)「2区画」膜スタックの概略図である。電圧は、バイポーラ膜(BPM)204と陰イオン交換膜(AEM)205との交互スタックにわたって印加される。酸性化溶液区画206が、BPM204とそれらの隣接するAEM205との間に形成され、塩基性化溶液区画207が、AEM205とそれらの隣接するBPM204との間に形成される。所与の電気化学スタック208内の酸性化溶液区画206及び塩基性化溶液区画207の数は、スタック208内の電気化学セル209の数の関数である。電気化学装置は、任意の数の電気化学セル209を受け入れるように適合させることができる。電気化学スタック208はまた、BPMEDスタック208(図示せず)の各端部に1つずつの計2つの端膜を含む。これらの端膜の各々は、膜スタック構成、並びに使用されるプロセス溶液及び条件に応じて、BPM、AEM、又は陽イオン交換膜(CEM)であり得る。
単一の入力供給溶液201は、電気化学スタック208の全ての区画206及び207を通じて流れる。特定の実施形態では、供給溶液201は、海水などの塩水溶液である。例えば、電気化学デバイスは海洋に浸漬され得、海水は海洋から直接入力され、電気化学装置に流入させることができる。KOH又はH2SO4/Na2SO4などの電極溶液は、電気化学スタック208の各端に位置する2つの電極区画に流入し、それにより、スタック208の各端に位置する電極202及び203をわたって流れる。電極202及び203で印加される電圧下で、AEM205は、負に帯電した陰イオンが負極203から正極202まで膜を横切って通過することを可能にする。海水を使用する場合、Cl-イオンは海水中に高い割合(約546mM)で存在するため、AEM205にわたるイオン輸送のほぼ全てがCl-イオンの形態である。BPM204は、印加電圧下で水をH+とOH-イオンに効果的に解離し、H+イオンはBPM204から負極203に向かって輸送され、OH-イオンはBPM204から正極202に向かって輸送される。したがって、H+イオンの酸性化溶液区画206内への輸送のために、供給溶液201は酸性化溶液区画206で酸性化される。供給溶液201はまた、OH-イオンの塩基性化溶液区画207への輸送のために、塩基性化溶液区画207内で塩基性化される。
塩基性化区画207から酸性化区画206に輸送される各Cl-イオンについて、H+イオンは、隣接するBPM204の中央から酸性化区画206に輸送され、OH-イオンは、隣接するBPM204の中央から塩基性化区画207に輸送される。このようにして、電気化学装置の動作は、酸性化溶液区画206のpHを低下させ、塩基性化溶液区画207のpHを上昇させる。入力供給流から出力塩基流及び酸流へのpHの変化は、入力供給溶液201の組成、印加される電流及びシステム効率によって左右されるイオン輸送速度、装置を通る入力供給溶液201の流量、及び任意選択の下流希釈に依存する。これらの要因のうちの1つ以上を制御することにより、出力塩基流に所定のpHを呈させて、塩基流の出力付近の水性環境を改変する。
代替の実施形態では、システム100内の電気化学デバイス130は、図2Bに示されるように、BPMED「3区画」膜スタック211であり得る。電圧は、BPM214、AEM215、及びCEM216の交互スタックにわたって印加される。図2Bに示される実施形態では、交互のBPM214、AEM215、及びCEM216が、「3区画」BPMEDスタックを形成する。酸性化溶液区画217が、BPM214とそれらの隣接するAEM215との間に形成され、塩基性化溶液区画219が、CEM216とそれらの隣接するBPM214との間に形成され、脱塩溶液が、AEM215とその隣接するCEM216との間の中央区画218内で生成される。したがって、「3区画」BPMED膜スタック211は、入力供給溶液流を酸流と塩基流に分離するだけでなく、脱塩水も生成する。入力供給溶液220が脱塩される程度は、供給溶液220の流量、印加電流密度、及びイオン輸送の効率に依存する。特定の実施形態では、脱塩溶液は、酸流と共に又は別個の出力として水域に戻される。
図2Aの2区画構成と同様に、所与のBPMEDスタック211内の酸性化溶液区画217、塩基性化溶液区画219、及び中央区画218の数は、スタック211内のセル210の数の関数である。BPMEDデバイスは、任意の数のセル210を受け入れるように適合させることができる。BPMEDスタック211はまた、BPMEDスタック211(図示せず)の各端部に1つずつの計2つの端膜を含む。各端膜は、膜スタック構成、入力供給溶液、及び条件に応じて、BPM、AEM、又はCEMであり得る。
電圧が電極212及び213に印加されると、AEM215は、負に帯電した陰イオン(供給溶液220が海水であるときはほとんどがCl--イオン)が、負極213から正極212に膜を横切って通過することを可能にする。BPM214は、印加電圧下で水をH+とOH-イオンに効果的に解離し、H+イオンはBPM214から負極213に向かって輸送され、OH-イオンはBPM214から正極212に向かって輸送される。CEM216は、Na+及びK+などの正に帯電した陰イオンが、正極212から負極213に膜を横切って通過することを可能にする。このプロセスを通して、入力供給溶液220は酸性化溶液区画217で酸性化され、塩基性化溶液区画219で塩基性化され、脱塩溶液が中央区画218で生成される。例えば、BPMEDデバイス(2又は3区画の実施形態)の追加の詳細は、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,586,181号に見出すことができる。バイポーラ膜を使用して、塩水溶液を酸性化流と塩基性化流に分離することができるが、膜を含まないデバイスを含む他の実施形態も、開示されたシステム及び方法で使用することができる。
流体流制御を使用して、膜などの物理的バリアを使用することなく、流体流の異なる部分を方向付けることができる。例えば、流体流は、流体流の異なる部分の混合を防止する、又は最小限に抑えるように制御され得る。これは、流体の層流を制御することによって、及び/又は流の異なる部分を所定の方向に沿って方向付けることによって達成され得る。2つの部分を混合することなく流体流(例えば、水性流)の別個の部分を制御することは、電気分解と組み合わされたときに、流体流中の材料の分離及び捕捉を可能にする。例えば、流体流中の分子又は溶質などの標的成分は、流体流の一部を酸性化して、標的分子又は溶質を放出することによって捕捉され得る。
バイポーラ膜内の境界ではなく2つの別個の電極において、流体流内でpH勾配を形成すること、及び流の酸性化部分の分離を独立して維持すること、すなわち、膜又は物理的バリアが存在しないことで、分離を実施及び維持するのに必要なエネルギー及びコストが低減される。膜が存在しない場合、電気化学デバイス又はセルは、部品が低減されることによって製造コストを低減する。また、膜が存在しないことは、電気化学セルがより広い範囲のpH値を有する流体(すなわち、電解液)と共に使用されることを可能にし、より広い種類(例えば、より安価な)材料を用いた構造を可能にする。例えば、極めて高い又は低いpHの入力流体流(すなわち、電解液)を用いる電気化学デバイスは、腐食に耐えるように設計された材料の必要性を回避し得る。さらに、電気化学分離セルからの膜の除去により、電解質中の成分に対する耐久性、汚損、及び弾性に関連する問題が取り除かれる。無膜システムはまた、電気化学セルの構成要素のうちの少なくともいくつかが、安価及び/又は使い捨てである、又は別様に周期的又は所定の間隔で交換可能であるように設計される設計パラダイムの可能性をもたらす。pH勾配を生成する例示的な無膜電気化学セルを以下に説明する。
本明細書で使用される「無膜電気化学セル」という用語は、2つの電極間に位置付けられる、膜又は他の非多孔性若しくはイオン選択性バリアを含まない電気化学セルを指す。例えば、特定の実施形態では、無膜電気化学セルは、電極間に介在するメッシュ又は多孔性セパレータを含み得る。
電気化学セルの電極は、カップリングを介して第1の電極に、及びカップリングを介して第2の電極に電圧を供給して、それらの電極にわたって電位を印加するエネルギー源に結合される。
電位が電極全体に印加されると、第1の電極の酸化還元活性材料は、電解質(例えば、水)と第1のプロトン結合ファラデー反応を受け、第2の電極の酸化還元活性材料は、電解質(例えば、海水)と第2のプロトン結合ファラデー反応を受け、それにより、第1の電極付近では、水酸化物イオンが生成され、又はヒドロニウムイオンが吸収され、第2の電極付近では、ヒドロニウムイオンが生成される、又は水酸化物イオンが吸収される。さらに、第1及び第2の酸化還元結合反応は、ナトリウムイオン又は塩化物イオンなどの、水酸化物イオン又はヒドロニウムイオン以外のイオンを(例えば、同時に)移動させ得る。結果として、第1の電極付近の入力流の第1の部分は、第2の電極付近の入力流の第2の部分とは異なるpH値を有して、無膜電気化学セル内にpH勾配を形成する。pH勾配は、供給流の流入pHに対するものであるが、例示的な勾配値は、約1~2pH単位、又は約2~4pH単位、又は約4~6pH単位の範囲を含み得る。pH勾配は、供給流の流入pHに焦点を合わせる必要はない。例えば、pH5とpH9の2つの出力流が、pH8を有する供給流で可能である。
図3は、本明細書ではプロトン結合無膜電解槽330又は層状無膜電解槽330と称される無膜電気化学セルの特定の実施形態を示す。プロトン結合無膜電解槽330は、第1の酸化還元活性材料306を含む第1の電極302と、第1の電極の反対側に配置された第2の酸化還元活性材料308を含む第2の電極304と、を有する層状セルを含む。第1の電極302及び第2の電極304はまた、それぞれの酸化還元活性材料306、308で全体が構成され得る。この場合、306、308は、層状無膜電解槽330の電極として理解されるべきである。特定の実施形態では、第1及び第2の酸化還元活性材料306、308は、Bi/BiOCl又はベンゾキノン/ヒドロキノンなどの同じ酸化還元対を構成する材料である。他の実施形態では、第1及び第2の酸化還元活性材料306、308は、同じであってもよく、異なっていてもよい。酸化還元活性材料306、308はまた、キノン、フェナジン、ピラジン、キノキサリン、又はそれらの誘導体のうちの少なくとも1つであり得る。酸化還元活性材料はまた、イオノマー及びポリマーのうちの少なくとも1つであり得、イオノマー及びポリマーのうちの少なくとも1つは、キノン、フェナジン、ピラジン、キノキサリン、及びそれらの誘導体のうちの少なくとも1つを含む。酸化還元活性材料306、308は、生産の容易さ、相対存在量及び相対利用能、コスト価格、いずれかの酸化還元状態での酸素安定性、いずれかの酸化還元状態での水安定性、及び入力流310のpHとの化学的適合性、又はその中に溶解された溶質の化学的適合性を含むいくつかの要因に基づいて選択される。
特定の実施形態では、図3に示すように、酸化還元活性材料306、308は、電極302、304上にコーティングされる。しかしながら、代替の実施形態では、酸化還元活性材料306、308は、電極302、304上及び/又は内にグラフトされる有機分子である。例えば、電極302、304の一方又は両方は、酸化還元活性材料306、308と、導電性材料、バインダ、及び導電性バインダのうちの少なくとも1つと、を含み得る。電極302、304は、間隙を介して互いに反対側に位置付けられる。間隙は、プロトン結合無膜電解槽330内の液体の層流特性、入力及び出力流量、電極動態、及び介在する多孔質セパレータ322の有無のうちの1つ以上によって決定される。介在する多孔質セパレータ322が存在する場合、それは平坦であってもよく、一体型の流路を有してもよい。介在する多孔質セパレータ322には、外部圧縮からプロトン結合無膜電解槽330へ圧力が印加され得、その圧力は、第1及び第2の電極302、304を通って方向付けられ得る。電極302、304自体はまた、平坦であってもよく、一体型の流路を有してもよい。
層状無膜電解槽330では、矢印310で示される入力流体流は、第1及び第2の電極302、304に実質的に平行にプロトン結合無膜電解槽330に流入し、その結果、図3に示すように、入力流体流310は、電極302、304の各々の主面及び対向面と接触している。したがって、入力流310の層流は、矢印310で示される同じ方向に流れる層又は部分と見なすことができる。例えば、第1の部分312又は層流は、第1の電極302付近であってもよく、第2の部分314又は層流は、第2の電極304付近であってもよい。電位が電極302、304にわたって印加されるとき、電極の酸化還元活性材料306、308は、電極302、304付近で電解質とのプロトン結合ファラデー反応を有する。例えば、第1の電極302付近では、水酸化物イオンが吸収され、又はヒドロニウムイオンが生成されることによって、第1の部分312の酸性度を上昇させ、第2の電極304付近では、ヒドロニウムイオンが吸収され、又は水酸化物イオンが生成されることによって、第2の部分314のアルカリ度を上昇させる。
第1及び第2の部分の両方の層流は、別個の部分がプロトン結合無膜電解槽330を通って流れるときに、第1の電極302付近の酸性の第1の部分312と第2の電極304付近のアルカリ性の第2の部分314との混合を最小化し又は低減して、維持するように制御される。例えば、流は、層状無膜電解槽330の入力又は出力に配置された1つ以上のポンプによって制御され得る。さらに、存在する場合に、電極302、304の一方又は両方の一体流路は、第1及び第2の部分312、314の層流を方向付けるのを支援し、酸化還元反応のための電極表面積を増加させる。
第1及び第2の部分312、314が層状無膜電解槽330を出るとき、それらは、異なるpH流の分離を維持するために、物理的バリア320(例えば、非透過性の壁)によって分離される。図示されるように、第1の流出流316は、低いpHを有し、第2の流出流318は、高いpHを有する。次いで、流出流は、システム100に関して上述したように分流され得る。例えば、プロトン結合無膜電解槽の追加の詳細は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、同一所有者の米国特許出願第17/214,404号(代理人整理番号20200467US01/0600.363US01)に見出すことができる。電気化学分離デバイスが膜(例えば、図2A~図2B)を利用するか、膜を有さない(例えば、図3)かに関係なく、水域又は水域の一部のpHは、以下でさらに論じるように変更することができる。
図4は、上記の酸/塩基分離デバイスのうちの少なくとも1つを使用して、水性環境のpHを変更するための方法を示す。塩水溶液を含む供給流は、電気化学デバイス402に流れ込む、又は供給される。上記のように、デバイスは、2つ以上の膜を利用してもよい、又は膜を有していなくてもよい。水性環境への所望の効果のために出力を方向付けるため、電気化学デバイスは、再生領域付近の水域内に配置される(すなわち、浸漬される)。第1及び第2の電極404にわたって電位が印加される。例えば、第1の電極は、アノードとして充電され、第2の電極は、カソードとして充電される。特定の実施形態では(例えば、デバイスが無膜電気化学セルであるとき)、電極にわたって印加される電位は、定期的に反転される。ここでは、定期的にとは、時折又は必要に応じて電位を反転させるか、又は設定されたスケジュールで電位を反転させることを指し得る。反転の期間及び電位は、順方向の非反転動作中の期間及び電位と等しくなくてもよい。上記のように、電位は、太陽光、風力、潮汐力、及び勾配駆動電力などの、電力系統以外の再生可能エネルギー源によって提供され得る。
電位の印加に応答して、供給流は、所定のpH値を有する塩基流及び所定のpH値を有する酸流に分離される406。所定のpH値は、デバイスに印加される電流を変更することによって、及び/又は入力供給流の流量を変更することによって調整される。例えば、pH値は、再生領域付近で検知され得、値が所定の閾値を超える場合、電気化学デバイスは、出力塩基流の所定のpH値を変更するように制御される。塩基流は、水性再生領域付近に出力されて、再生領域付近の水性環境のpHを上昇させ、再生活動を開始させる408。特定の実施形態では、水性再生領域は、サンゴ礁であり、再生活動は、サンゴの成長であり、塩基流は、サンゴ礁の上、上方、及び/又は近傍に出力される。
酸流は、貯蔵ユニット410に出力される。特定の実施形態では、酸流は、商品として販売される他の場所で貯蔵及び輸送される。他の実施形態では、酸流は、水性環境に放出するためにさらに処理される。例えば、貯蔵ユニットは、酸流と反応して、酸流のpHを、例えば、水性酸流が電気化学デバイスに入力される供給流のpHに匹敵する又は等しいpHを有するレベルまで上昇させる1種以上の炭酸塩に富む又はケイ酸塩に富む鉱物を含有し得る。この変性した酸流は、水性環境に放出され得る。酸流と反応した1種以上の鉱物は、ケイ酸塩、塩、炭酸塩、及び重炭酸塩のうちの1つ以上を生成し得る。ケイ酸塩、塩、炭酸塩、及び/又は重炭酸塩は、塩水溶液からの塩を用いて水性環境に放出することができ、ケイ酸塩は、海洋中の珪藻類によって使用され得、炭酸塩/重炭酸塩は、サンゴ礁を成長させるためにサンゴによって使用され得る。さらなる実施形態では、鉱物は、酸流と反応して二酸化炭素を抽出し得る。再生領域付近での塩基の排出速度と天然のサンゴの成長とに応じて、再生を開始するためのプロセスは、従来の炭酸カルシウム析出技術よりも二酸化炭素排出量が低くなり得、その結果、プロセス全体は、正味カーボンニュートラル、又は正味カーボンネガティブ、又は正味カーボンキャプチャである。
上記のように、塩水溶液供給流を塩基流と酸流に分離することに関する様々な実施形態は、水域のpHを局所的に変更するために使用され得る。特定の実施形態では、この目標とするpH変更を使用して、サンゴ礁の再構築などの水性環境の再生を開始させることができる。電気化学プロセスは、水域(例えば、海洋)の天然のカーボンキャプチャと組み合わされて、正味カーボンロー、ニュートラル、又はネガティブであり得る。
特段の指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴サイズ、量及び物理的特性を表す全ての数は、全ての場合において、「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、それと異なる指示がない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本明細書に開示される教示を利用して当業者が得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。端点による数値範囲の使用は、その範囲内の全ての数(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)、並びにその範囲内の任意の範囲を含む。
前述の説明は、例解示及び説明の目的のために提示されている。これは、網羅的であること、又は実施形態を、開示される形態に厳密に限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、多くの修正及び変形が可能である。開示される実施形態の任意の又は全ての特徴は、個別に又は任意の組み合わせで適用することができ、限定することを意図するものではなく、単に例解的なものである。本発明の範囲は、この「発明を実施するための形態」に限定されるものではなく、むしろ本明細書に添付の「特許請求の範囲」によって決定されることが意図される。
Claims (20)
- システムであって、
第1のpHを有する塩水溶液供給流と、
水性再生領域付近に配置され、前記塩水溶液供給流を受け入れ、前記塩水溶液供給流を、それぞれの所定のpH値を有する酸流及び塩基流に変換するように構成された電気化学デバイスと、
前記塩基流を含む第1の流出流であって、前記第1の流出流が、前記第1のpHよりも高い第2のpHを有し、前記第1の流出流が、前記水性再生領域付近に送達される、第1の流出流と、
前記酸流を含む第2の流出流であって、前記第2の流出流が、前記第2のpHよりも低い第3のpHを有する、第2の流出流と、
を備える、システム。 - 前記電気化学デバイスが水に浸漬されている、請求項1に記載のシステム。
- 太陽光、風力、潮汐力、温度勾配駆動システム、及び塩分勾配駆動システムのうちの少なくとも1つを含む電源をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
- 前記水性再生領域が、サンゴ礁である、請求項1に記載のシステム。
- 前記第2の流出流を受け入れ、前記酸流を回収のために貯蔵するように構成された第1の貯蔵ユニットをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
- 前記第1の貯蔵ユニットが、前記酸流と反応し、前記酸流のpHを上昇させる1種以上の鉱物を含む、請求項5に記載のシステム。
- 前記電気化学デバイスが、バイポーラ膜電気化学デバイスである、請求項1に記載のシステム。
- 前記電気化学デバイスが、プロトン結合無膜電解槽である、請求項1に記載のシステム。
- 前記電気化学デバイスが、前記水性再生領域付近に正味カーボンニュートラル、又は正味カーボンネガティブ、又は正味カーボンキャプチャプロセスをもたらす速度で前記第1の流出流を放出するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
- 第1のpHを有する塩水溶液の供給流を、水域に浸漬された電気化学デバイスに流入させることと、
前記電気化学デバイスの第1及び第2の電極に電位を印加することと、
前記電位の印加に応答して、前記供給流を、それぞれの所定のpH値を有する酸流と塩基流とに分離することと、
水性再生領域付近に前記塩基流を出力して、前記水性再生領域付近の水のpH値を上昇させて、再生活動を開始させることと、
前記酸流を貯蔵ユニットに出力することと、を含む、方法。 - 前記貯蔵ユニット内の前記酸流を1種以上の鉱物と反応させて、前記酸流のpHを第2のpH値まで上昇させ、1種以上のケイ酸塩、塩、炭酸塩、及び重炭酸塩を放出することと、
前記第2のpH値を有し、前記1種以上のケイ酸塩、塩、炭酸塩、及び重炭酸塩を含有する前記酸流を前記水域に排出することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。 - 前記貯蔵ユニットから貯蔵された前記酸流を除去することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
- 前記水性再生領域が、サンゴ礁であり、前記サンゴ礁付近に前記塩基流を出力して、前記サンゴ礁の成長を開始させる、請求項10に記載の方法。
- 前記水性再生領域付近のpH値を検知することと、
前記検知されたpH値が所定の閾値を超えるかどうかを判定することと、
前記検知されたpH値が前記所定の閾値を超えることに応答して、前記水性再生領域付近の前記塩基流の出力所定pH値を変更するように前記電気化学デバイスを制御することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。 - 前記電気化学デバイスを制御することが、前記第1及び第2の電極に印加される前記電位を変更することを含む、請求項14に記載の方法。
- 前記電気化学デバイスを制御することが、前記供給流が前記電気化学デバイスを通って流れる速度を変更することを含む、請求項14に記載の方法。
- 前記電気化学デバイスを制御することが、前記酸流及び前記塩基流のうちの少なくとも一方が前記電気化学デバイスを通って流れる速度を変更することを含む、請求項14に記載の方法。
- 前記電気化学デバイスを制御することが、前記塩基流の少なくとも一部を希釈することを含む、請求項14に記載の方法。
- 前記電位が、太陽光、風力、及び潮汐力のうちの少なくとも1つによって供給される、請求項10に記載の方法。
- 前記塩基流が前記水性再生領域付近に出力される速度と、再生活動の速度とが組み合わされて、正味カーボンニュートラル、又は正味カーボンネガティブ、又は正味カーボンキャプチャの生成をもたらす、請求項10に記載の方法。
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