JP2023033872A - 炭化物肥料の製造方法及び炭化物肥料 - Google Patents

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幸 久保田
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幸良 岩田
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Abstract

【課題】家畜ふん尿などを有効利用して微量要素の供給を最大化できる炭化物肥料を提供する。【解決手段】廃棄性有機物である1又は複数種の未炭化原料(1)の各々を、複数の炭化温度(6)でそれぞれ炭化することによって、各々が1又は複数種の化学成分(A)を所定の第1の成分組成でそれぞれ含む複数種の炭化物原料(2)を得る第1の工程と、前記複数種の炭化物原料(2)から選択された1又は複数の炭化物原料(2)を所定の配合割合(C)で配合することによって、1又は複数種の化学成分(A)を所定の第2の成分組成(B)で含む第1次の炭化物肥料(3)を得る第2の工程とを少なくとも有する炭化物肥料の製造方法。【選択図】図4

Description

本発明は、農業生産の場で必要不可欠な、作物生育に必要となる必須成分を供給するため、これまで廃棄性有機物であった家畜ふん尿、集落排水汚泥、作物残渣、食品などの未利用資源から得られる炭化物原料を用いた炭化物肥料の製造方法に関する。
畑作物の生産力を高めるには、高度利用と生産力向上を進め、多様な作物栽培による付加価値の高い農業を展開することが不可欠である。そのためには、畑作物の生産力を左右する農地の化学性を向上させる施肥技術が必要である。その中でも、作物の生存性や生育可能性を担保するリン酸や、極少でも不可欠の必須成分である微量要素を確実に供給することが求められる。これら成分を、より少なくより安価な資材によって供給しかつ供給した成分がより長期間機能することが期待される。
また、我が国においては農業生産に必要なリン酸や窒素等のほぼ全てを輸入に頼っているため、これら成分の有効利用が求められている。一方、家畜生産のための飼料を輸入に頼っている畜産では、家畜ふん尿に含まれる成分は堆肥などにより農地還元されているが、微量要素などを多く含む鶏ふんなどは廃棄され有効利用されないことが多い。このような、これまで廃棄性有機物であった家畜ふん尿、集落排水汚泥、作物残渣、食品などの未利用資源を、炭化物や資源灰に加工して、肥料(土壌改良資材も含む)として農地に循環利用することは、資源循環や肥料費削減において有効である。
また、以前は、化学成分のみにより製造される成分の安定している化学肥料と、有機質原料による堆肥等の成分の不安定な有機質肥料とは、混合した製品として取り扱うことができなかった。そのため、利用も別々に行っており、散布などの利用時も複数回行うなど手間がかかり、機動的ではなかった。これが令和2年12月1日施行の肥料の配合に関する規制の見直しにより、堆肥などの有機質肥料と、化学肥料とを混合した製品を流通できるようになった。このことにより、家畜ふん尿などの有機性資源による肥料と化学肥料とを組み合わせた資材の技術が、今後促進されると考えられる。
また、家畜ふん尿などの有機性資源の炭化物の研究は、最近の地球温暖化対策となる土壌への炭素貯留技術の一環として実施されてきているが、その知見は世界的に極めて少ない。
特開54-45265号公報(ケイ酸カリを主成分とする複合肥料の製造方法) 特開54-49872号公報(ニトロフミン酸を原料としたキレート化微量要素肥料の製法) 特開54-146765号公報(微量要素入り肥料組成物) 特開55-130886号公報(新規な化成肥料およびその製法) 特開2006-158384号公報(養液栽培用培養液の調整方法及び微量要素の供給方法)
「籾殻の低温燃焼による高溶解性ケイ酸質肥料資材化」中央農業総合研究センター2004年成果情報
家畜ふん尿などの有機性資源の炭化物を用いた肥料の従来技術には、以下のような問題点がある。
(1)有機性資源の炭化物に含まれる微量要素の化学成分毎に濃度や溶解性等を調整できない。
(2)有機性資源の炭化温度に依存する炭化物に含まれる微量要素の化学成分の溶解性や有効性に関しては未知であった。
(3)有機性資源の炭化物の化学成分毎に、別の資材原料をコーティングや粉衣、混合、混在するなどして用途を使い分ける方法はなかった。
(4)土壌中や植物近傍において炭化物からの養分の供給を考慮した肥料構造はなかった。
以上の現状に鑑み、本発明は、農業生産の場で必要不可欠な、作物生育に必要となる必須成分である微量要素を肥料により供給するため、これまで廃棄性有機物であった家畜ふん尿、集落排水汚泥、作物残渣、食品などの未利用資源を用いて、微量要素の供給のための肥料を製造する方法及びその肥料を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明は以下の構成を提供する。なお、括弧内の数字は、後述する図面中の符号であり、参考のために付するものである。
- 本発明の態様は、廃棄性有機物である1又は複数種の未炭化原料(1)の各々を、複数の炭化温度(6)でそれぞれ炭化することによって、各々が1又は複数種の化学成分(A)を所定の第1の成分組成でそれぞれ含む複数種の炭化物原料(2)を得る第1の工程と、
前記複数種の炭化物原料(2)から選択された1又は複数の炭化物原料(2)を所定の配合割合(C)で配合することによって、1又は複数種の化学成分(A)を所定の第2の成分組成(B)で含む第1次の炭化物肥料(3)を得る第2の工程とを有する炭化物肥料の製造方法である。
- 上記態様において、固体物の前記第1次の炭化物肥料(3)を粉末又は微粉末に加工することによって、粉末又は微粉末の第2次の炭化物肥料(4)を得る第3の工程をさらに有することが、好適である。
- 前記第3の工程において、微粉末の前記第2次の炭化物肥料(4)に液体を加えることによって半固体物又は液体物の第2次の炭化物肥料(4)を得る工程をさらに有することが、好適である。
- 上記態様において、前記第1次の炭化物肥料(3)又は前記第2次の炭化物肥料(4)に、固化剤を添加することによって、粒状又はペレット状の第3次の炭化物肥料(54、55)を得る第4の工程をさらに有することが、好適である。
- 前記第4の工程において、前記第3次の炭化物肥料(54、55)に、少なくとも窒素を含む粒状の資材原料(30)を加えることによって、前記第3次の炭化物肥料(54、55)と前記資材原料(30)とがそれぞれ単粒で混在する混在物としての第3次の炭化物肥料(57)を得る工程をさらに有することが、好適である。
- 上記態様において、前記第1次の炭化物肥料(3)又は前記第2次の炭化物肥料(4)に、少なくとも窒素を含む資材原料(30)及び固化剤を添加することによって、前記第1次又は第2次の炭化物肥料(3、4)と前記資材原料(30)とが単粒内で混合する固化成形物としての第3次の炭化物肥料(56)を得る第4の工程をさらに有することが、好適である。
- 上記態様において、少なくとも窒素を含む粒状の資材原料(30)の単粒の表面を緩衝膜(40)で被覆し、さらに前記緩衝膜(40)の表面に微粉末又は液体物の前記第2次の炭化物肥料(4)を粉衣又は塗布することによって、前記第2次の炭化物肥料(4)と前記資材原料(30)とが隔離した第3次の炭化物肥料(58)を得る第4の工程をさらに有することが、好適である。
- 上記態様において、少なくとも窒素を含む粒状の資材原料(30)の単粒の表面に、微粉末又は液体物の前記第2次の炭化物肥料(4)を直接粉衣又は塗布することによって、第3次の炭化物肥料(59)を得る第4の工程をさらに有することが、好適である。
- 上記態様において、前記第2の工程において、前記第1次の炭化物肥料(3)における前記1又は複数種の化学成分(A)のうち少なくとも1種の化学成分の濃度又は土壌中での溶解性もしくは溶出性が最大となるように、前記1又は複数の炭化物原料(2)を選択しかつ配合する。
- 本発明の別の態様は、廃棄性有機物である1又は複数種の未炭化原料(1)の各々を、複数の炭化温度(6)でそれぞれ炭化した複数種の炭化物原料(2)から選択された1又は複数の炭化物原料(2)を所定の配合割合(C)で配合した炭化物肥料(3)であって、
前記複数種の炭化物原料(2)の各々が、1又は複数種の化学成分(A)を所定の第1の成分組成でそれぞれ含み、
前記炭化物肥料(3)が、1又は複数種の化学成分(A)を所定の第2の成分組成(B)でそれぞれ含む、炭化物肥料である。
本発明は、これまで廃棄性有機物であった家畜ふん尿、集落排水汚泥、作物残渣、食品などの未利用資源を、複数の炭化温度でそれぞれ炭化して複数種の炭化物原料とすることによって、それらの炭化物原料に含まれる微量要素である化学成分の濃度、溶解性又は溶出性が、炭化温度によって異なることを明らかにした。これを利用して、所望する1又は複数の化学成分の濃度、溶解性又は溶出性を最適又は最大化するように、1又は複数の炭化物原料を組み合わせることによって、理想的な化学組成をもつ第1次の炭化物肥料を得る製造方法を実現した。
炭化物原料の組合せによる第1次の炭化物肥料は、さらに粉末、微粉末、半固体物、液状物、粒状、ペレット状に加工することによって、及び/又は、窒素を含む資材原料と混合等することによって、第2次又は第3次の炭化物肥料とすることができる。それによって、炭化物肥料をさらに適用し易くすると共に、土壌改良及び植物生育の効果をさらに向上させることができる。
本発明による炭化物肥料は、植物に対しては、植物根が溶解液を通した化学成分の吸収を容易にする。溶解液へ可溶化された炭化物原料由来の化学成分を吸収することで、植物に対する可給化が促進される。また、土壌に対しては、溶解液の成分や腐植酸などの有機酸により、溶解液に溶解された炭化物肥料及びその加工形態に含まれる化学成分(微量要素)が土壌に移行され保持される。その結果、植物が吸収するための土壌養分が増強される。
本発明によれば、これまで廃棄性有機物であった家畜ふん尿、集落排水汚泥、作物残渣、食品などの未利用資源を活用して、農業生産の場で必要不可欠な、作物生育に必要となる微量要素を供給するための最適な炭化物肥料の製造方法すなわち、炭化方法及び成分調整方法が実現される。その結果、本発明の炭化物肥料が有機農業用資材や特殊土壌の改良資材として供給できることにより、高生産性で優良な農地の創出に貢献できる。
図1は、複数種の未炭化原料と、複数の炭化温度で炭化された炭化物原料と、各炭化物原料に含まれる化学成分との関係を模式的に示す図である。 図2は、図1に示した未炭化原料1の炭化によって得られる炭化物原料のラインアップを示す概要図である。 図2Aは、図2に示した未炭化原料、化学成分及び炭化温度の関係の例を示したグラフである。 図3は、第2の工程の一例を示しており、図2に示した複数の炭化物原料のうち、同じ未炭化原料を異なる炭化温度で炭化した複数の炭化物原料を所定の配合割合で配合して第1次の炭化物肥料を得る方法を示す概要図である。 図4は、第2の工程の別の例を示しており、図2に示した複数の炭化物原料のうち、異なる未炭化原料を種々の炭化温度で炭化した複数の炭化物原料を所定の配合割合で配合して第1次の炭化物肥料を得る方法を示す概要図である。 図5は、図3又は図4に示した第1次の炭化物肥料、又は第2の炭化物肥料に窒素を含む資材原料を加えて第3次の炭化物肥料を得る方法を示す概要図である。 図6は、第1次及び第2次の炭化物肥料及び図5に示した第3次の炭化物肥料の形態の例を模式的に示す図である。 図7は、図6に示した炭化物肥料を農地等に散布施用する状況、及び、散布施用後に土壌接触により溶解した後の炭化物部と資材原料との配置を示した概要図である。 図8は、図7に示した土壌接触により溶解した後の炭化物部と資材原料の土壌中での化学反応と、各化学成分が養分として植物や土壌に供給される状況を示した概要図である。 図9(a)(b)は、本発明の実施例1を示した図である。
本発明の構成例を示した図面を参照して本発明の炭化物肥料の製造方法及び炭化物肥料の実施形態を説明する。
本発明による炭化物肥料の製造方法は、家畜ふん尿、集落排水汚泥、作物残渣、食品などの未利用資源を活用して、農業生産の場で必要不可欠な、作物生育のための必須成分を最適に含む炭化物肥料を製造する方法である。また、本発明による炭化物肥料は、当該製造方法により製造されたものである。
図1~図5中の符号について、英大文字及び数字のみの符号A、B、C、1、2、3、4、6は、構成要素又は概念の総称を意味し、英大文字又は数字に添字で英小文字を付した符号Aa、An、Ba、Bn、Ca、Cb、1a、1h、2a、2h、3a、3b、6a、6n等は個別の構成要素又は概念を示す。添字「n」は特に説明しない場合は所定の自然数を示す。
<第1の工程>
図1、図2、図2Aを参照して第1の工程を説明する。図1は、複数種の未炭化原料1を複数の炭化温度6で炭化して得た複数種の炭化物原料2と、各炭化物原料2に含まれる化学成分Aとの関係を模式的に示す図である。図1に示すように、本発明で未炭化原料1として利用できる廃棄性有機物の種類は多数あり得る。原理的には、未炭化原料1は1種でもよい(図3で後述)。未炭化原料1は、例えば、ふん尿1a、鶏ふん1b、豚ふん1c、牛ふん1d、汚泥1e、作物残渣1f、植物体1g、動物体1hである。未炭化原料1の各々は、それぞれ1又は複数種の化学成分Aを含有している。本明細書での化学成分Aとは、肥料の必須成分である微量要素のことをいう。個々の化学成分Aa..Anは、例えば、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン酸、銅、亜鉛、マンガン、鉄、ホウ素は、モリブデン等である。
1種の未炭化原料1を、所定の炭化温度6で炭化すると1種の炭化物原料2が得られる。本発明では、1種の未炭化原料1を、異なる複数の炭化温度6で炭化する。例えば、ふん尿1aを第1の炭化温度6a、第2の炭化温度6b..第nの炭化温度6nでそれぞれ炭化すると、炭化温度6の異なるn種のふん尿2aが得られる。
炭化物原料2には、基本的に元の未炭化原料1と同じ1又は複数種の化学成分Aが含まれるが、個別の化学成分Aa、Ab..Anの濃度、溶解性、溶出性は、炭化温度6によって異なることが新たに見出された。例えば、第1の炭化温度6aで炭化したふん尿2aに含まれる化学成分Aa..Anの各々の濃度と、第2の炭化温度6bで炭化したふん尿2aに含まれる化学成分Aa..Anの各々の濃度は異なる。すなわち、一定の化学組成をもつ1種の未炭化原料のふん尿1aは、その炭化温度6によってそれぞれ化学組成が異なる複数種の炭化物原料のふん尿2aとなる。
当然であるが、未炭化原料1の種類が異なれば、同じ炭化温度6で炭化しても、各炭化物原料2に含まれる化学成分A及び化学組成は異なる。したがって、未炭化原料1の種類と炭化温度6とを選択することによって、得られる炭化物原料2の化学組成や特性を調整できる。例えば、炭化物原料2における所定の化学成分Aの濃度、溶解性、溶出性を最大又は最適とするように、未炭化原料1及び炭化温度6を選択することができる。
未炭化原料1及び炭化温度6を選択することで、例えば、以下の特性を付加された炭化物原料2を得ることができる。
・所望の炭化物肥料に適した高濃度の化学成分Aを含む。
・所望の炭化物肥料に適した土壌中での液体への溶解性又は溶出性の高い化学成分Aを含む。
・所望の炭化物肥料に適した植物根周辺での溶解性と吸収性の高い化学成分Aを含む。
・所望の炭化物肥料に適した植物体への吸収性の高い化学成分Aを含む。
炭化物原料2において、化学成分Aの濃度、溶解性、溶出性が最大となる炭化温度6を含む炭化温度帯は、通常、200~800℃である。所定の炭化温度6における保持時間は10分以上であることが望ましい。図1の第1、第2..第nの炭化温度6a、6b..6nは、このような炭化温度帯から適宜選択された複数の炭化温度である。異なる未炭化原料1aと1bに対し、それぞれ異なる炭化温度6a..6nの組合せを採用してよい。炭化物原料2に含まれる個別の化学成分Aa..Anについて、濃度と溶出性を高めることができる好適な(又は最適な)温度帯は、例えば、以下の通りである。
・カリウム :500~800℃(最適な温度帯700~800℃)
・カルシウム :700~800℃
・マグネシウム:500~800℃
・リン酸 :200~500℃
・銅 :200~600℃
・亜鉛 :400~600℃
・マンガン :400~800℃
・鉄 :700~800℃
・ホウ素 :200~800℃
・モリブデン :200~800℃
図2は、図1に示した未炭化原料1の炭化によって得られる炭化物原料2のラインアップを示す概要図である。図2に示すように、炭化物原料2a..2hと、第1..第nの炭化温度6a..6nとの全ての組合せ(2a..2h)×(6a..6n)による複数種の炭化物原料2が生成される。各炭化物原料2は、それぞれ1又は複数の化学成分Aa..Anの組合せを含んでおり、それぞれ固有の化学組成を有している。このようにして複数種の炭化物原料2のラインアップ(Aa..An)×(2a..2h)×(6a..6n)が得られる。
図2Aは、図2に示した炭化物原料2、炭化温度6及び化学成分Aの関係の例を模式的に示したグラフである。横軸の炭化温度6に対し、図2A(a)は、炭化物原料2aに含まれる3つの化学成分Aa、Ab、Acの濃度の変化を示しており、(b)は、炭化物原料2bに含まれる4つの化学成分Ad、Ae、Af、Agの濃度の変化を示している。
<第2の工程>
図3は、第2の工程の一例を示している。ここでは、先ず、図2に示した複数種の全ての炭化物原料2の中から、同種の未炭化原料1aを異なる炭化温度6a..6nで炭化して得た1又は複数の炭化物原料(2a×6a)..(2a×6n)を選択する。そして、選択された炭化物原料(2a×6a)..(2a×6n)を、所定の配合割合Ca..Cnで配合することによって所定の炭化物肥料3aを得ている。この第2の工程における配合は、それにより得られる所定の炭化物肥料3aが最適な成分組成Baをもつように、炭化物原料(2a×6a)..(2a×6n)の各々に含まれる化学成分Aa..Anを考慮して行う。
例えば、ふん尿1aを異なる複数の炭化温度6a、6b..6nで炭化すると、化学成分Aa、Ab..Anの種類は同じでも化学組成が異なる複数種のふん尿2aの炭化物原料(Aa..An)×(2a×(6a..6n))が得られる。最適な化学組成Baをもつ第1次の炭化物肥料3aを生成するために、複数種のふん尿2aの各々の適切な配合割合Ca、Cb..Cnとなる分量を算定して、配合する。なお、各配合割合Ca、Cb..Cnはそれぞれ0~100%の範囲内で、各配合割合の合計は100%とする。
このようにして、1種の炭化物原料2のみでは得られない微量要素の最適な化学組成Bをもつ炭化物肥料3を、複数種の炭化物原料2を用いて作り出すことができる。この第2の工程で得られる炭化物肥料3を「第1次の炭化物肥料3」と称することとする。
図4は、第2の工程の別の例を示している。ここでは、先ず、図2に示した複数種の全ての炭化物原料2の中から、異種の未炭化原料1a..1gを種々の炭化温度6a..6nで炭化して得た複数の炭化物原料(2b×6a)..(2g×6n)を選択する。そして、選択された複数の炭化物原料(2b×6a)..(2g×6n)を所定の配合割合Ca..Cnで配合することによって第1次の炭化物肥料3bを得ている。この配合は、図3と同様に、第1次の炭化物肥料3bが最適な成分組成Bbをもつように、各炭化物原料(2b×6a)..(2g×6n)に含まれる化学成分Aa..Anを考慮して行う。例えば、第1次の炭化物肥料3における少なくとも1種の化学成分Aについて、その濃度又は土壌中での溶解性もしくは溶出性が最大となるように考慮する。
例えば、炭化温度6aで炭化した化学成分Aa..Anをもつ鶏ふんの炭化物原料2bと、炭化温度6bで炭化した化学成分Aa..Anをもつ豚ふんの炭化物原料2cと、..炭化温度6nで炭化した化学成分Aa..Anをもつ植物体の炭化物原料2gとを、各々の適切な配合割合Ca、Cb..Cnとなる分量を算定して、配合する。これにより、最適な微量要素の化学組成Bbをもつ第1次の炭化物肥料3bを生成することができる。
なお、図3及び図4で例示した第2の工程の配合が必要ない(1種の炭化物原料2の化学組成で足りる)場合は、1種の炭化物原料2をそのまま第1次の炭化物肥料3として用いることもあり得る。その場合の第2の工程は、便宜上、「1種の炭化物原料2を100%の配合割合Cで配合した」ものとみなす。
第2の工程で得られた第1次の炭化物肥料3は、炭化物自体であるので固体物である。第1次の炭化物肥料3は、そのまま固体物の炭化物肥料として適用することが可能である。その場合、第1次の炭化物肥料3は、融雪剤、微量要素資材、土壌改良資材などとして利用する。第1次の炭化物肥料3は、さらに加工することもできる。
<第3の工程>
好ましくは、第3の工程において、固体物の第1次の炭化物肥料3の形状又は形態の加工を行う。ここで、第3の工程で得られる炭化物肥料4を「第2次の炭化物肥料4」と称することとする。第3の工程は、主として、さらに後の工程で行う別の加工を容易にするために行う。
第3の工程における加工は、例えば以下のように行う。
・第1次の炭化物肥料3を粉砕して粉末とする。これにより粉末の第2次の炭化物肥料4が得られる。
・第1次の炭化物肥料3を微粉砕して微粉末とする。これにより微粉末の第2次の炭化物肥料4が得られる。
・上記微粉末にさらにグリセリンや油脂などの液体を加えて半固体物とする。これにより半固体物の第2次の炭化物肥料4が得られる。
・上記微粉末にさらに水と添加剤などを加えて液体物とする。これにより液体物の第2次の炭化物肥料4が得られる。
ここで、微粉末は、所定の粒体の表面に粉衣させるのに適した粒径を有するものを想定しており、粉末はそれよりも大きい粒径を有するものを想定している。一例として、篩分けによる分級において粉末は粒径1μm~1mm程度、微粉末は粒径0.1μm~1μm程度であるが、これらの粒径範囲は厳密に規定されるものではない。
第3の工程で得られた第2次の炭化物肥料4は、そのまま粉末、微粉末、半固体物、又は液体物の炭化物肥料として適用することが可能である。その場合、第2次の炭化物肥料4は、融雪剤、微量要素資材、土壌改良資材、粉衣材などとして利用する。第2次の炭化物肥料4は、さらに加工することもできる。
<第4の工程>
好ましくは、第4の工程において、第1次の炭化物肥料3又は第2次の炭化物肥料4のさらなる加工を行う。ここで、第4の工程で得られる炭化物肥料50を「第3次の炭化物肥料50」と称することとする。図5は、上述した第1次の炭化物肥料3又は第2次の炭化物肥料4に対し、窒素を含む資材原料30を加えて第3次の炭化物肥料50を得る方法を示す概要図である。ここでは図示しないが、資材原料30以外の材料をさらに加える場合もある。
図6は、第1次の炭化物肥料3、第2次の炭化物肥料4、及び図5に示した第3次の炭化物肥料50の種々の例を概略的に示す図である。第3次の炭化物肥料50は、第1次又は第2次の炭化物肥料3、4をさらに加工して生成される。異なる加工方法により多種類の第3次の炭化物肥料54、55、56、57、58、59が生成される。
第4の工程における加工は、例えば以下の方法で行う。
・固体物の第1次の炭化物肥料3、又は、粉末又は微粉末の第2次の炭化物肥料4に、固化剤を添加することによって、粒状の第3次の炭化物肥料54又はペレット状の第3次の炭化物肥料55を得る方法。
・上記の粒状又はペレット状の第3次の炭化物肥料54、55に、粒状の資材原料30を加えることによって、第3次の炭化物肥料54、55と資材原料30とがそれぞれ単粒で混在する混在物である第3次の炭化物肥料57を得る方法。
・固体物の第1次の炭化物肥料3、又は、粉末又は微粉末の第2次の炭化物肥料4に、粉末又は粒状の資材原料30及び固化剤を添加することによって、第1次又は第2次の炭化物肥料3、4と資材原料30とが単粒内で混合する固化成形物である第3次の炭化物肥料56を得る方法。
・資材原料30の単粒の表面を緩衝膜40で被覆し、さらに緩衝膜40の表面に微粉末又は液体物の第2次の炭化物肥料4を粉衣又は塗布することによって、第2次の炭化物肥料4と資材原料30とが隔離した第3次の炭化物肥料58を得る方法(セパレートコーティング法)。
・資材原料30の単粒の表面に微粉末又は液体物の第2次の炭化物肥料4を直接粉衣又は塗布することによって、第3次の炭化物肥料59を得る方法(ダイレクトコーティング法)。
固化剤としては、例えば、無機質資材の粘土であるベントナイト、カオリナイト、イライト、有機質資材であるデンプン粉、こんにゃく粉、リグニン、廃糖蜜、合成資材であるポリビニルアルコールなどを用いることができる。
緩衝膜40の資材としては、膜の形成が可能な、例えば、無機質資材の粘土であるベントナイト、カオリナイト、イライト、有機質資材であるデンプン粉、こんにゃく粉などを用いることができる。
第4の工程で用いる資材原料30は、少なくとも窒素を含み、例えば、高度化成肥料、硫アン、塩アン、酢アン、有機質肥料などである。資材原料30は、さらに石灰、リン酸などを含んでもよい。
第4の工程で生成された第3次の炭化物肥料50は、肥料、微量要素資材、土壌改良資材、融雪剤、苗用セル、栽培培地、粉衣材などとして利用する。
<炭化物肥料の適用形態>
図7は、図6に示した第3次の炭化物肥料50を農地等に散布施用する状況、及び、散布施用後に土壌接触により溶解した後の炭化物部と資材原料との配置を示した概要図である。
図7に示すように、第3次の炭化物肥料50を農地等に散布などにより施用すると、土壌接触や雨水などの水分の作用により溶解する。図示の例の第3次の炭化物肥料50では、水分により溶けたとき、資材原料30が散布位置やその中心に位置すると共に、その周辺に炭化物部3、4(炭化物原料2に由来する部分)が広がって配置される。
図8は、図7に示した土壌接触などにより溶解した後の炭化物部3、4と資材原料30の土壌中での各々の化学反応と、各化学成分が養分として植物や土壌に供給される状況を示した概要図である。
第3次の炭化物肥料50のうち、利用場面が多いと想定されるセパレートコーティング法の炭化物肥料58及びダイレクトコーティング法の炭化物肥料59についての土壌中での化学成分の化学反応は、次のとおりである。
図7に示すように、炭化物肥料50は、資材原料30と密接する土壌の限られた範囲内に炭化物部3、4の粒子が接触するように配置される。資材原料30に含まれる窒素のうちアンモニア態窒素として存在する成分は、硝酸化成により硝酸性窒素となり土壌を酸性化する。あるいは、尿素として存在する窒素成分は、アンモニア化成から硝酸化成により硝酸性窒素となり土壌を酸性化する。硝酸性窒素は土壌に施用することで土壌を酸性化する。いずれも最終的には硝酸化成により局所的酸性化を引き起こす。
また、アンモニア態窒素の直接的な養分吸収によって、資材原料30の成分の硫酸根や硝酸根が土壌に残存することにより、局所的酸性化が助長される。酸性化した水分や溶液による酸性化ゾーンに存在する炭化物部3、4からは、リン酸や塩基、微量要素が溶解され、溶液内をとおして植物と土壌への供給が促進される。
植物に対しては、植物根が溶解液を通した化学成分の吸収を容易にする。可溶化された炭化物部3、4由来の化学成分を溶液内へ吸収することで可給化が促進される。
土壌に対しては、水分と酸性化により溶解された溶液の化学成分や、腐植酸などの有機酸により炭化物部3、4の化学成分が土壌に移行されものが保持される。これにより、植物が吸収するための土壌養分を増強する。
<実施例1>
実施例1として、鶏ふん1bの場合の炭化温度6による炭化物原料2の化学成分Aの変化の試験を行った。また、鶏ふん1bの未炭化原料1についても同様の試験を行った。図9は、未炭化原料1が鶏ふん1bの場合の炭化温度6による炭化物原料2の化学成分の変化を示したグラフである。図9(a)は鉄について、(b)は亜鉛についての結果を示す。これらの元素は化学成分の変化の代表的な傾向を示す。未炭化原料1についての結果は、各グラフの左端に示している。
試験条件は次の通りである。
・製造試験の場所:茨城県つくば市農村工学研究部門の畑かん実験棟
・炭化方式 :耐熱容器を用いた電気炉による炭化
・分析方法 :炭化物原料の化学成分抽出方法
・全量:強酸全分解による化学成分の濃度
・可溶性:希塩酸抽出による可溶性の濃度
・化学成分の定量方法:原子吸光光度計による元素の定量
図9(a)に示すように、炭化物原料2の化学成分Aである鉄については、200~800℃の範囲内において炭化温度6が増加するに従い、重量あたりの濃度が増加するとともに、植物が吸収する成分の可溶性も増加する傾向が明確である。特に、700℃より高温の800℃付近では、炭化物原料2中の濃度と可溶性の濃度がともに高まる。
図9(b)に示すように、炭化物原料2の化学成分Aである亜鉛については、400~600℃の範囲内において、特異的に重量あたりの濃度が増加するとともに、植物が吸収する成分の可溶性も増加する傾向が明確である。同様に可給性も増加した。しかしながら、これより高温の700℃を超えると濃度とともに可溶性の濃度は低下し、同様に可給性も低下した。
このように、炭化物原料2の対象となる化学成分Aの元素によって、炭化温度6の変化による濃度、可溶性、可給性は異なる。そこで、これらの特徴を対象の元素について明らかにすることにより、化学成分Aの元素毎の最適な炭化温度が得られる。
一方、未炭化原料1については、化学成分Aである鉄及び亜鉛のいずれにおいても重量当たりの濃度並びに可溶性及び可給性は、炭化物原料2におけるそれらよりも低い。
また、水による水溶性は、微量要素ではいずれの成分でも確認できなかった。したがって、図8に示した土壌や溶液の局所的酸性化の作用、植物根による炭化物肥料の溶解、吸収が、炭化物原料2からの化学成分を植物が利用する上で必要であることが明らかとなった。これにより、本発明により製造された炭化物肥料の効果が確認された。
<実施例2>
実施例2として、鶏ふん1bの炭化物原料2による第3次の炭化物肥料50の場合の作物の化学成分Aの吸収量の試験を行った。また、実施例2の比較例として、一般的な化学肥料を用いた時の作物の化学成分の吸収量も試験した。
実施例2(鶏ふん炭化区1、2、3)及び比較例(対照区1、2)の試験条件は次の通りである。
・試験場所 :茨城県つくば市農村工学研究部門の栽培ポットを設置した試験区
・土壌条件 :黒ボク土
・炭化物原料 :鶏ふん1bの炭化物原料2による炭化物肥料50
・全てのポットに投入した基本的な肥料となる化学肥料(ポット当たり)
3大成分の窒素成分 :硫酸アンモニウム 900mg
3大成分のカリウム成分:塩化カリウム 900mg
・比較する成分:試験ポットと対照ポット(化学肥料)
3大成分のリン酸成分:鶏ふん1bの炭化物肥料50と以下の化学肥料
過リン酸石灰(化学肥料) 300mg
熔リン(化学肥料) 300mg
・栽培作物:コマツナ
Figure 2023033872000002
表1に試験結果を示す。コマツナによる栽培試験では、鶏ふんによる炭化物肥料50を施用した鶏ふん炭化区1、2、3では、いずれもリン酸とカリウムの吸収量が一般的な化学肥料の対照区1、2と同じレベルであり、鶏ふん炭化物製品からのリン酸とカリウムの供給が化学肥料と同じことが明らかになった。
また、共通の土壌には同量含まれているが対照区1、2の化学肥料には含まれていない鉄、亜鉛、銅の微量要素をコマツナは多く吸収していることから、鶏ふん炭化物肥料50に含まれ、そこから供給される銅と亜鉛を吸収したものと考えた。一般的な化学肥料は、炭化物肥料50による微量要素の供給力に比べて劣る。これにより、炭化物肥料50の供給の機能が確認でき、本発明の実施効果が確認された。
以上の通り、本発明により、これまで廃棄性有機物であった家畜ふん尿、集落排水汚泥、作物残渣、食品などの未利用資源を活用して、農業生産の場で必要不可欠な、作物生育に必要となる必須成分を供給するための最適な炭化物肥料の製造方法が開発された。当該製造方法は、炭化温度を利用した特徴的な化学成分調製方法を含む。この結果、炭化物肥料を有機農業用資材や特殊土壌改良資材として供給できることにより、高生産性で優良な農地の創出に貢献できる。
1 未炭化原料
1a ふん尿
1b 鶏ふん
1c 豚ふん
1d 牛ふん
1e 汚泥
1f 作物残渣
1g 植物体
1h 動物体
2 炭化物原料
2a ふん尿
2b 鶏ふん
2c 豚ふん
2d 牛ふん
2e 汚泥
2f 作物残渣
2g 植物体-
2h 動物体
3 第1次の炭化物肥料
3a、3b 個別の第1次の炭化物肥料
4 第2次の炭化物肥料
4a、4b、4c 個別の第2次の炭化物肥料
6 炭化温度
6a、6b、6n 各炭化温度
30 資材原料
40 緩衝膜
50 第3次の炭化物肥料
54 第3次(粒状)の炭化物肥料
55 第3次(ペレット状)の炭化物肥料
56 第3次(混合)の炭化物肥料
57 第3次(混在)の炭化物肥料
58 第3次(セパレートコーティング)の炭化物肥料
59 第3次(ダイレクトコーティング)の炭化物肥料
A 炭化物原料の化学成分
Aa、Ab、An 炭化物原料の個別の化学成分
B 第1次の炭化物肥料の化学組成
Ba、Bb、Bc 個別の第1次の炭化物肥料の化学組成
C 炭化物原料の配合割合
Ca、Cb、Cn 個別の炭化物原料の配合割合

Claims (10)

  1. 廃棄性有機物である1又は複数種の未炭化原料(1)の各々を、複数の炭化温度(6)でそれぞれ炭化することによって、各々が1又は複数種の化学成分(A)を所定の第1の成分組成でそれぞれ含む複数種の炭化物原料(2)を得る第1の工程と、
    前記複数種の炭化物原料(2)から選択された1又は複数の炭化物原料(2)を所定の配合割合(C)で配合することによって、1又は複数種の化学成分(A)を所定の第2の成分組成(B)で含む第1次の炭化物肥料(3)を得る第2の工程とを有する炭化物肥料の製造方法。
  2. 固体物の前記第1次の炭化物肥料(3)を粉末又は微粉末に加工することによって、粉末又は微粉末の第2次の炭化物肥料(4)を得る第3の工程をさらに有する請求項1に記載の炭化物肥料の製造方法。
  3. 前記第3の工程において、前記微粉末の第2次の炭化物肥料(4)に液体を加えることによって半固体物又は液体物の第2次の炭化物肥料(4)を得る工程をさらに有する請求項2に記載の炭化物肥料の製造方法。
  4. 前記第1次の炭化物肥料(3)又は前記第2次の炭化物肥料(4)に、固化剤を添加することによって、粒状又はペレット状の第3次の炭化物肥料(54、55)を得る第4の工程をさらに有する請求項1又は2に記載の炭化物肥料の製造方法。
  5. 前記第4の工程において、前記第3次の炭化物肥料(54、55)に、少なくとも窒素を含む粒状の資材原料(30)を加えることによって、前記第3次の炭化物肥料(54、55)と前記資材原料(30)とがそれぞれ単粒で混在する混在物としての第3次の炭化物肥料(57)を得る工程をさらに有する請求項4に記載の炭化物肥料の製造方法。
  6. 前記第1次の炭化物肥料(3)又は前記第2次の炭化物肥料(4)に、少なくとも窒素を含む資材原料(30)及び固化剤を添加することによって、前記第1次又は第2次の炭化物肥料(3、4)と前記資材原料(30)とが単粒内で混合する固化成形物としての第3次の炭化物肥料(56)を得る第4の工程をさらに有する請求項1又は2に記載の炭化物肥料の製造方法。
  7. 少なくとも窒素を含む粒状の資材原料(30)の単粒の表面を緩衝膜(40)で被覆し、さらに前記緩衝膜(40)の表面に微粉末又は液体物の前記第2次の炭化物肥料(4)を粉衣又は塗布することによって、前記第2次の炭化物肥料(4)と前記資材原料(30)とが隔離した第3次の炭化物肥料(58)を得る第4の工程をさらに有する請求項2又は3に記載の炭化物肥料の製造方法。
  8. 少なくとも窒素を含む粒状の資材原料(30)の単粒の表面に、微粉末又は液体物の前記第2次の炭化物肥料(4)を直接粉衣又は塗布することによって、第3次の炭化物肥料(59)を得る第4の工程をさらに有する請求項2又は3に記載の炭化物肥料の製造方法。
  9. 前記第2の工程において、前記第1次の炭化物肥料(3)における前記1又は複数種の化学成分(A)のうち少なくとも1種の化学成分の濃度又は土壌中での溶解性もしくは溶出性が最大となるように、前記1又は複数の炭化物原料(2)を選択しかつ配合する、請求項1~8のいずれかに記載の炭化物肥料の製造方法。
  10. 廃棄性有機物である1又は複数種の未炭化原料(1)の各々を、複数の炭化温度(6)でそれぞれ炭化した複数種の炭化物原料(2)から選択された1又は複数の炭化物原料(2)を所定の配合割合(C)で配合した炭化物肥料(3)であって、
    前記複数種の炭化物原料(2)の各々が、1又は複数種の化学成分(A)を所定の第1の成分組成でそれぞれ含み、
    前記炭化物肥料(3)が、1又は複数種の化学成分(A)を所定の第2の成分組成(B)でそれぞれ含む、炭化物肥料。
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