JP2023032839A - 保守計画システム、保守計画方法、および故障予測装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、駅設備の保守における、保守計画システム、保守計画方法、および故障予測装置に関する。
従来、出改札機器の保守は、故障が発生する度に修理を行うと共に、1~6ヶ月毎に各出改札機器の保守点検を行っていた。また、できるだけ出改札機器の使用中に故障が発生することを防ぎ、効率的に保守点検を行うために、保守点検周期の見直しを随時行うこともあった。例えば、特許文献1に示されるように、継続的に出改札機器(改札機)に設けられた各種センサの値等の稼働状況や故障の履歴を参照し、人為的に、各出改札機器の動作状況を判断して故障が発生しそうな出改札機器を抽出して、その出改札機器の保守点検の時期を早める等の保守点検周期の見直しを行っていた。
保守点検は保守員が出改札機器に赴いて行われ、各保守員は一日に複数の出改札機器の保守点検を行う。
保守員は複数の出改札機器の保守を行うため、効率的に保守点検を行うことが求められている。
本発明は、駅設備の保守点検を効率的に行うことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る保守計画システムは、駅に設けられる複数の駅設備から情報を取得し、前記情報からそれぞれの前記駅設備の故障予測を行う故障予測装置と、前記故障予測装置が行った予測結果から保守計画を生成する保守計画装置とを備え、前記予測結果は、それぞれの前記駅設備が、所定の第1期間中に故障する確率であり、前記保守計画装置は、複数の保守日毎に保守を行う前記駅設備を選択する保守日振分部と、それぞれの前記保守日に保守を行う前記駅設備への移動順序と路線網上の移動経路とを決定する移動経路生成部とを有する。
さらに、本発明の一実施形態に係る保守計画方法は、駅に設けられる複数の駅設備毎に取得された情報からそれぞれの前記駅設備の故障予測を行って、それぞれの前記駅設備が所定の第1期間中に故障する確率である予測結果を出力する工程と、前記予測結果に基づいて、複数の保守日毎に保守を行う前記駅設備を選択する工程と、それぞれの前記保守日に保守を行う前記駅設備への移動順序と路線網上の移動経路とを決定する工程とをコンピュータに実行させる。
以上のような構成によると、予測結果に基づいて各保守日に保守を行う駅設備を選択することにより、保守を行う緊急度に応じて各駅設備の保守日を振り分けることができ、駅設備が故障する前に保守が行われる可能性が向上し、動作中に駅設備が故障することを抑制することができる。
また、各保守日において保守を行う駅設備の、移動順序と路線網上の経路とを決定することにより、保守が必要な駅設備に保守員が効率的に移動することができ、効率的に保守を行うことが可能となる。
また、前記故障予測装置は、前記情報が入力されると、前記予測結果を出力するように機械学習された1つの学習済みモデルを用いて、それぞれの前記駅設備の前記故障予測を行っても良い。
このような構成により、AI技術を用いて容易かつ精度良く故障予測を行うことができ、駅設備が故障する前に保守が行われる可能性がより向上し、動作中に駅設備が故障することを抑制することができる。
また、複数の前記駅設備には、互いに前記情報の形式が異なる前記駅設備が含まれ、前記故障予測装置は、前記学習済みモデルに前記情報を入力する際に、入力される前記情報の形式を整合させる予測用前処理を行っても良い。
このような構成により、駅設備が互いに異なる情報の形式であっても、予測用前処理により、学習済みモデルに入力される情報の整合性を図ることができる。そのため、1つの学習済みモデルで、情報の形式の異なる駅設備の故障予測を行うことができ、効率的に故障予測を行うことができる。
また、前記故障予測装置は、所定の学習期間に取得された前記情報の形式を整合させる学習用前処理を行って学習用情報を生成する学習用前処理部と、所定の予測期間に取得された前記情報の形式を整合させる前記予測用前処理を行って予測用情報を生成する予測用前処理部と、前記学習用情報を入力データとし、前記学習期間にそれぞれの前記駅設備に故障が生じた場合の故障情報を教師データとする機械学習により、前記予測用情報が入力されると、それぞれの前記駅設備の前記予測結果を出力するように生成された前記学習済みモデルを取得するモデル取得部と、前記学習済みモデルに前記予測用情報を入力して、それぞれの前記駅設備の前記予測結果を出力させる故障予測部とを備えることが好ましい。
このような構成により、AI技術(AIモデル)を用いて容易かつ精度良く故障予測を行うことができ、駅設備が故障する前に保守が行われる可能性がより向上し、動作中に駅設備が故障することを抑制することができる。また、駅設備が互いに異なる情報の形式であっても、共通の学習済みモデルで、情報の形式の異なる駅設備の故障予測を行うことができ、効率的に故障予測を行うことができる。
また、複数の事業者がそれぞれ複数の前記駅設備を運用し、前記駅設備は複数の機器が混在し、前記学習用前処理は、前記事業者および前記機器の組み合わせに応じて行われ、前記学習済みモデルは、前記事業者および前記機器の組み合わせ毎に生成され、前記予測用前処理は、前記事業者および前記機器の組み合わせに応じて行われ、前記予測結果は、前記事業者および前記機器の組み合わせ毎に出力されても良い。
事業者毎に駅設備から取得するデータのフォーマット(データ形式)が異なる。また、駅設備も、改札機、券売機、精算機1c等の出改札機器や、その他の機器が含まれ、それぞれ、仕様やデータ形式・情報の形式が異なる場合がある。このような場合、事業者や機器に応じてデータ形式が異なるため、適切に学習済みモデルを生成し、故障予測を行うことが困難となる。
そのため、事業者および機器の組み合わせ毎に前処理(学習用前処理および予測用前処理)を行い、事業者および機器の組み合わせに対応する学習済みモデルをそれぞれ生成することが好ましい。上記のような構成により、事業者および機器の組み合わせに応じて前処理を行い、学習済みモデルを生成し、故障予測を行うことができる。これにより、より精度の良い学習済みモデルを生成し、より精度良く故障予測を行うことができる。その結果、駅設備が故障する前に保守が行われる可能性が向上し、動作中に駅設備が故障することを抑制することができる。
また、前記路線網は、1または複数の鉄道路線からなり、前記駅は鉄道駅であり、前記駅設備は出改札機器であっても良い。
このような構成により、鉄道の駅に設けられる出改札機器の保守を効率的に行うことができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る故障予測装置は、複数の駅設備のそれぞれに対して、所定の学習期間および所定の予測期間において情報を取得し、前記情報からそれぞれの前記駅設備の故障予測を行う故障予測装置であって、前記学習期間に取得された前記情報の形式を整合させる学習用前処理を行って学習用情報を生成する学習用前処理部と、前記予測期間に取得された前記情報の形式を整合させる予測用前処理を行って予測用情報を生成する予測用前処理部と、前記学習用情報を入力データとし、前記学習期間にそれぞれの前記駅設備に故障が生じた場合の故障情報を教師データとする機械学習により、前記予測用情報が入力されると、それぞれの前記駅設備の予測結果を出力するように生成された学習済みモデルを取得するモデル取得部と、前記学習済みモデルに前記予測用情報を入力して、それぞれの前記駅設備の前記予測結果を出力させる故障予測部とを備え、複数の事業者がそれぞれ複数の前記駅設備を運用し、前記駅設備は複数の機器が混在し、前記学習用前処理は、前記事業者および前記機器の組み合わせに応じて行われ、前記学習済みモデルは、前記事業者および前記機器の組み合わせ毎に生成され、前記予測用前処理は、前記事業者および前記機器の組み合わせに応じて行われ、前記予測結果は、前記事業者および前記機器の組み合わせ毎に出力される。
このような構成により、AI技術を用いて容易かつ精度良く故障予測を行うことができ、駅設備が故障する前に保守が行われる可能性がより向上し、動作中に駅設備が故障することを抑制することができる。また、事業者毎に駅設備から取得するデータのフォーマット(データ形式)が異なったり、駅設備が互いに異なる情報の形式であったりしても、事業者および機器の組み合わせに応じて前処理を行い、学習済みモデルを生成し、故障予測を行うことができる。これにより、より精度の良い学習済みモデルを生成し、より精度良く故障予測を行うことができる。その結果、駅設備が故障する前に保守が行われる可能性が向上し、動作中に駅設備が故障することを抑制することができる。
図1に示すように、鉄道の路線網は、複数の駅Sを繋ぐ1または複数の路線(鉄道路線)を備える。路線網は、通常1つの鉄道事業者(「事業者」に相当)により運営され、それぞれの鉄道事業者は自社の路線網を運営する。また、地域によっては、複数の鉄道事業者が、それぞれの路線網を運用する場合もある。
多くの駅Sは、各種の駅設備を備える。駅設備は、改札機1a等の改札機器、券売機1b・精算機1c等の出札機器、その他の各種の設備(機器)である。改札機器および出札機器は出改札機器1と総称される。以下では、駅設備として出改札機器1を例として説明する。
出改札機器1が故障すると、駅員等がメンテナンス会社等に故障を連絡するオンコールが行われる。オンコールでは、故障した出改札機器1を識別する情報と故障の状況とが連絡される。オンコールを受けたメンテナンス会社等の担当者は、該当する出改札機器1に赴き、修理を行う。また、それぞれの出改札機器1は、稼働中に故障することを抑制するために、保守計画に基づいて定期的に保守点検が行われる。さらに、保守計画は出改札機器1に故障が発生することを予測して、故障予測の予測結果に応じて適宜に見直される。故障予測は、出改札機器1の状態から、出改札機器1が将来故障する確率を予測することにより行われる。
図2に示すように、出改札機器1の状態を検知するために、出改札機器1を構成する各部位には、これらの稼働情報6を取得する稼働センサ(図示せず)が設けられる。稼働情報6は、鉄道事業者を識別する情報(企業ID)と、対応する出改札機器1が改札機1aや券売機1b・精算機1c等のどのような機器であるかを識別する情報(機器ID)とを含む。さらに、出改札機器1は、その内部または周辺に、温度や湿度、照度、気圧、天候等の環境情報7を取得する環境センサ(図示せず)を備えても良い。稼働センサおよび環境センサは、出改札機器1から情報を取得する情報取得部49として機能する。出改札機器1の状態を示す状態は、稼働情報6、または稼働情報6および環境情報7を含む情報から検知される。
特に近い将来に故障する確率が高く、保守の緊急度が高いと判断された場合、数日中に出改札機器1の保守点検が行われる。この際、保守点検の緊急度、および、鉄道による複数の出改札機器1への移動の効率の少なくとも一方を考慮して、特定の保守日に保守点検を行う複数の出改札機器1が選択され、路線網が考慮された各出改札機器1への効率的な移動順序と移動経路とが決定される。
このように、保守点検の緊急度が高い出改札機器1を選択して、早急に保守点検を行うことにより、故障が生じる前に出改札機器1をメンテナンスすることができ、動作中の出改札機器1が故障することを抑制することができる。また、選択された出改札機器1への効率的な移動順序と移動経路が決定されることにより、各出改札機器1への移動を効率的に行い、効率的に保守点検を行うことができる。
次に、図1,図2を用いて、出改札機器1の保守計画システムの全体構成の概略について説明する。
1または複数の出改札機器1は、インターネット回線2に接続される。また、インターネット回線2には、学習済みモデル生成装置3と、故障予測装置4と、サーバ5と、保守計画装置12とが接続される。例えば、学習済みモデル生成装置3と、故障予測装置4と、サーバ5とはクラウド上で動作する。
サーバ5は、それぞれの出改札機器1から、インターネット回線2を介して稼働情報6および環境情報7を経時的に取得し、記憶する。さらに、サーバ5は、それぞれの出改札機器1において行われたオンコールの内容を示すオンコールデータ8を、インターネット回線2を介して経時的に取得し、記憶する。具体的には、オンコールデータ8は、出改札機器1から直接サーバ5に送信されても良いが、一旦コールセンターに集約され、コールセンターからサーバ5や学習済みモデル生成装置3に送信されても良い。
学習済みモデル生成装置3は、各出改札機器1から取得された、稼働情報6,環境情報7およびオンコールデータ8から抽出された故障情報をAI(人工知能)9に入力して機械学習を行い、学習済みモデル24を生成する。ここで、AI9は、インターネット回線2上に設けられても良いし、学習済みモデル生成装置3内に設けられても良い。なお、学習済みモデル生成装置3の具体的な構成については、後に詳述する。
故障予測装置4は、各出改札機器1から取得された、稼働情報6,環境情報7を学習済みモデル24に入力して、出改札機器1毎の予測結果である故障予測情報36を出力する。なお、故障予測装置4の具体的な構成については、後に詳述する。
保守計画装置12は、各出改札機器1の保守計画を策定すると共に、故障予測情報36に基づいて、故障する可能性の高い出改札機器1の保守の優先度を必要に応じて高めるように、保守計画を変更する。さらに、保守計画装置12は、数日にわたる保守日のうち、いずれの保守日にどの出改札機器1の保守を行うか選択し、さらに、各保守日において、保守を行う出改札機器1への移動順序と、効率的な移動経路とを決定する。なお、保守計画装置12の具体的な構成については、後に詳述する。
図2,図3に示すように、出改札機器1の保守は、保守会社が行う。保守会社には、出改札機器1の製造販売と保守の両方を行うメーカも含まれる。各保守会社は、1または複数のメーカの出改札機器1の保守を行う。各鉄道事業者は、1または複数のメーカの出改札機器1を導入している。そのため、各保守会社は、複数の鉄道事業者に導入された出改札機器1の保守を行うことが一般的である。なお、図3では、1つの保守会社を示しているが、メーカまたは出改札機器1毎に保守を行う保守会社が決まっており、複数の保守会社が1または複数の鉄道事業者が備える出改札機器1の保守を行う場合もある。
各鉄道事業者に設けられた出改札機器1および各保守会社は、メンテナンスHUB50と接続される。メンテナンスHUB50はサーバ5に相当し、各保守会社が行う保守計画の作成および保守計画の変更を行う。
メンテナンスHUB50は、複数の鉄道事業者が運用し、複数の保守会社が保守を行う複数の出改札機器1を一括管理する。すなわち、メンテナンスHUB50は、これらの出改札機器1の情報を収集し、故障を予測し、保守計画を行う。このように、メンテナンスHUB50が、複数の鉄道事業者および複数の保守会社にまたがる出改札機器1を一括管理することにより、鉄道事業者毎、保守会社毎に出改札機器1を管理する場合に比べて、極めて効率的に出改札機器1の保守を行うことが可能となる。
〔学習済みモデル生成装置〕
次に、学習済みモデル生成装置3の具体的な構成や学習済みモデル生成フローの例について、図1~図3を参照しながら図4,図5を用いて説明する。
次に、学習済みモデル生成装置3の具体的な構成や学習済みモデル生成フローの例について、図1~図3を参照しながら図4,図5を用いて説明する。
学習済みモデル生成装置3は、データ通信部13、モデル用データ取得部14(「モデル取得部」に相当)、記憶部15、生成制御部16、モデル生成部17、学習用前処理部18を備える。
データ通信部13は、インターネット回線2を介して、各鉄道事業者の各路線の駅Sに設置された出改札機器1との間でデータの送受信を行う。モデル用データ取得部14は、各出改札機器1から所定の学習期間に取得された稼働情報6および環境情報7を、データ通信部13を介して、出改札機器1に紐づけられたモデル用稼働情報20およびモデル用環境情報21として取得する。また、モデル用データ取得部14は、所定の学習期間行われたオンコールデータ8を取得する。モデル用データ取得部14は、モデル用稼働情報20、モデル用環境情報21およびオンコールデータ8を記憶部15に記憶させる(図5のステップ#1)。
生成制御部16はCPUやGPU等のプロセッサを備え、モデル用データ取得部14やモデル生成部17等の学習済みモデル生成装置3の動作を制御する。
学習用前処理部18は、モデル用稼働情報20およびモデル用環境情報21に対して前処理を行い、学習用情報22を生成する。前処理は、モデル用稼働情報20およびモデル用環境情報21に対して出改札機器1毎に異なる係数を付与したり、異なる重みづけを付与したり、特有の特徴量を算出したりすることにより行われる(図5のステップ#2)。なお、前処理は任意の構成で行われても良いが、例えば、各出改札機器1間の仕様やデータ形式等の情報の形式の相関関係を機械学習により学習し、相関関係に基づいて行われても良い。
上述のように、出改札機器1は、異なるメーカが製造したものや、モデルが異なるものが混在する。また、鉄道事業者毎に取得するデータのフォーマット(データ形式)が異なる。また、出改札機器1は、改札機1a、券売機1b、精算機1c、さらにはその他の機器も含まれる。そのため、出改札機器1から取得されたデータは、仕様やデータ形式・機器等の情報の形式が異なるものが混在し、モデル用稼働情報20およびモデル用環境情報21は情報の形式が互いに必ずしも同一ではでない。それぞれの出改札機器1の情報の形式の相違点と相違の程度はあらかじめ知ることができる。そのため、学習用前処理部18は、モデル用稼働情報20およびモデル用環境情報21の情報の形式を共通化するために、モデル用稼働情報20およびモデル用環境情報21に対して前処理を行う。例えば、メーカやモデルが相違し、取得されたデータの情報の形式が相違しても、機械学習によりこの相違が吸収される可能性がある。これに対して、出改札機器1の機器の相違は、機械学習や故障予測の精度に大きな影響を与える。同様に、取得データのフォーマットの相違は、機械学習や故障予測の精度に大きな影響を与える。そのため、学習用前処理部18は、鉄道事業者と出改札機器1との組み合わせ毎に処理を行う。具体的には、学習用前処理部18は、鉄道事業者と出改札機器1との組み合わせ毎に、モデル用稼働情報20およびモデル用環境情報21に対して前処理を行い、鉄道事業者と出改札機器1との組み合わせ毎に学習用情報22を生成する。学習用前処理部18は、生成した複数の学習用情報22を記憶部15に記憶する。これにより、モデル用稼働情報20およびモデル用環境情報21から、鉄道事業者と出改札機器1との組み合わせに応じて適切な学習用情報22が生成される。
モデル生成部17は、モデル用稼働情報20およびモデル用環境情報21が前処理されて生成された学習用情報22を入力データとし、教師データをオンコールデータ8としてAI9に入力して機械学習させ、学習済みモデル24を生成する(図5のステップ#3)。この際、モデル生成部17は、鉄道事業者と出改札機器1との組み合わせ毎に、個別に学習済みモデル24を生成する。
なお、学習済みモデル24は、所定の予測期間、例えは7日以内に、出改札機器1が故障する確率を求める故障予測を行うために用いられるモデルである。また、学習済みモデル24は、例えば、決定木である。なお、学習済みモデル24は、複数の決定木が関連して設けられる、XGBoostやRandom Forest、LightGBM、CatBoost、AdaBoost等のアンサンブルモデルであっても良い。
このように、モデル用稼働情報20およびモデル用環境情報21に対して前処理を行うことにより、情報の形式が異なる出改札機器1であっても、鉄道事業者と出改札機器1との組み合わせ毎に、モデル用稼働情報20およびモデル用環境情報21を最適化することができ、情報の形式が異なる出改札機器1に対しても、鉄道事業者と出改札機器1との組み合わせ毎に、故障予測を行うことができる学習済みモデル24を生成することができる。
〔故障予測装置〕
次に、故障予測装置4の具体的な構成例について、図1~図3を参照しながら図4,図6を用いて説明する。
次に、故障予測装置4の具体的な構成例について、図1~図3を参照しながら図4,図6を用いて説明する。
故障予測装置4は、データ通信部28、モデル取得部29、予測用データ取得部30、記憶部31、予測制御部32、故障予測部33、予測用前処理部38を備える。
データ通信部28は、インターネット回線2を介して、出改札機器1や学習済みモデル生成装置3等との間でデータの送受信を行う。モデル取得部29は、データ通信部28を介して、学習済みモデル生成装置3から、故障予測に用いる学習済みモデル24を取得し、記憶部31に記憶させる(図6のステップ#1)。モデル取得部29は、鉄道事業者と出改札機器1との組み合わせ毎に生成された複数の学習済みモデル24を取得する。
予測用データ取得部30は、各出改札機器1から所定の予測期間に取得された稼働情報6および環境情報7を、予測用稼働情報34および予測用環境情報35として、データ通信部28を介して取得し、記憶部31に記憶させる(図6のステップ#2)。所定の予測期間は任意に設定できるが、例えば、故障予測を行う前日である。予測制御部32はCPU等のプロセッサを備え、故障予測部33等の故障予測装置4の動作を制御する。
予測用前処理部38は、予測用稼働情報34および予測用環境情報35に対して前処理を行い、予測用情報42を生成する。前処理は、学習用前処理部18で行われる前処理と同様に、予測用稼働情報34および予測用環境情報35に対して出改札機器1毎に異なる係数を付与したり、異なる重みづけを付与したりすることにより行われる。予測用前処理部38は、鉄道事業者と出改札機器1との組み合わせ毎に、予測用稼働情報34および予測用環境情報35に対して前処理を行い、鉄道事業者と出改札機器1との組み合わせ毎に予測用情報42を生成する(図6のステップ#3)。なお、前処理は任意の構成で行われても良いが、例えば、各出改札機器1間の仕様やデータ形式等の情報の形式の相関関係を機械学習により学習し、相関関係に基づいて行われても良い。
故障予測部33は、前処理された予測用稼働情報34および予測用環境情報35(予測用情報42)を、対応する学習済みモデル24に入力して故障予測を行い(図6のステップ#4)、予測結果である故障予測情報36を記憶部31に格納した後、保守計画装置12に出力する(図6のステップ#5)。このように、故障予測部33は、鉄道事業者と出改札機器1との組み合わせに対応して生成された、予測用情報42と学習済みモデル24を用いることにより、共通のアルゴリズム・AIモデルを用いて故障予測を行うことができる。
故障予測情報36は、所定の期間(「第1期間」に相当)内に、各出改札機器1のそれぞれが故障する確率を示すものである。所定の期間が7日である場合、7日以内に出改札機器1が故障する確率が、それぞれの出改札機器1毎に0以上1以下の値で示される。この値は、1に近づくほど故障する確率が高くなることを示す。
このように、予測用稼働情報34および予測用環境情報35に対して前処理を行うことにより、情報の形式が異なる出改札機器1であっても、鉄道事業者と出改札機器1との組み合わせ毎に、予測用稼働情報34および予測用環境情報35を統一化することができ、情報の形式が異なる出改札機器1に対しても、共通のアルゴリズム・AIモデルを用いて、鉄道事業者と出改札機器1との組み合わせに対応した学習済みモデル24を用いて故障予測を行うことができる。
〔前処理〕
次に、図2を参照しながら、図4,図7を用いて、上述の前処理について説明する。なお、以下の説明において、学習用前処理部18および予測用前処理部38を、単に前処理部と称する。また、以下の説明では、企業IDが“00”と“01”の2つの鉄道事業者に、機器IDが“00”である改札機1aと機器IDが“01”である券売機1bとが配置されている状況で保守が行われる場合を例に説明するが、鉄道事業者は1または3以上であっても良く、出改札機器1も1または3以上の機器が配置されていても良い。また、学習用前処理部18および予測用前処理部38は同様の前処理を行うが、異なる処理を行っても良く、例えば、予測用の前処理を行わない構成としても良い。
次に、図2を参照しながら、図4,図7を用いて、上述の前処理について説明する。なお、以下の説明において、学習用前処理部18および予測用前処理部38を、単に前処理部と称する。また、以下の説明では、企業IDが“00”と“01”の2つの鉄道事業者に、機器IDが“00”である改札機1aと機器IDが“01”である券売機1bとが配置されている状況で保守が行われる場合を例に説明するが、鉄道事業者は1または3以上であっても良く、出改札機器1も1または3以上の機器が配置されていても良い。また、学習用前処理部18および予測用前処理部38は同様の前処理を行うが、異なる処理を行っても良く、例えば、予測用の前処理を行わない構成としても良い。
まず、前処理部は、記憶部15または記憶部31に記憶される稼働情報6(モデル用稼働情報20または予測用稼働情報34)から、企業IDおよび機器IDを抽出する。
そして、前処理部は、企業IDを確認して対応する出改札機器1を運営する鉄道事業者を識別し(図7のステップ#1)、機器IDを確認して対応する出改札機器1が改札機1a・券売機1b・精算機1cのいずれであるかを識別する(図7のステップ#2)。例えば、企業ID“00”は鉄道事業者Aに対応し、企業ID“01”は鉄道事業者Bに対応する。また、機器ID”00“は改札機1aに対応し、機器ID”01“は券売機1bに対応する。さらに必要に応じて、前処理部は、機器ID”10“を精算機1cに対応させ、機器ID”11“をその他の機器に対応させても良い。前処理部は、以降の処理を、識別された鉄道事業者と機器との組み合わせに応じて行う。
次に、前処理部は、鉄道事業者と機器との組み合わせに応じた前処理モジュールを呼び出す(図7のステップ#3)。例えば、前処理部は、企業IDが”00“、機器IDが”00“である場合、鉄道事業者Aが備える改札機1aに特化した前処理モジュールを読み出す。また、前処理部は、企業IDが”00“、機器IDが”01“である場合、鉄道事業者Aが備える券売機1bに特化した前処理モジュールを読み出し、企業IDが”01“、機器IDが”00“である場合、鉄道事業者Bが備える改札機1aに特化した前処理モジュールを読み出し、企業IDが”01“、機器IDが”01“である場合、鉄道事業者Bが備える券売機1bに特化した前処理モジュールを読み出す。
各前処理モジュールは、学習済みモデルの生成や故障予測に対して、鉄道事業者と機器との組み合わせに応じた形式に、入力データを修正・処理する。各前処理モジュールは、アルゴリズムが同じで、入力データを修正・処理するための情報や係数・重み付けが、鉄道事業者と機器との組み合わせに応じて最適さされる。具体的には、各前処理モジュールは、鉄道事業者と機器との組み合わせ毎に特化された特徴量の算出方法や、算出するための情報や係数・重み付け等を備える。前処理モジュールは、機能ブロックやソフトウェアであっても良く、単に、入力データを修正・処理するための情報や係数・重み付けが列挙されたテーブルであっても良い。
次に、前処理部は、記憶部15または記憶部31に記憶される入力データを読み込む。学習済みモデル24の生成の際には、前処理部である学習用前処理部18は、記憶部15から、オンコールデータ8、モデル用稼働情報20、およびモデル用環境情報21を読み込む。故障予測の際には、前処理部である予測用前処理部38は、記憶部31から、予測用稼働情報34および予測用環境情報35を読み込む(図7のステップ#4)。
次に、前処理部は、鉄道事業者と機器との組み合わせに応じた前処理モジュールから、鉄道事業者と機器との組み合わせに応じた特徴量が列記された特徴量リストを読み込む。
ここで、鉄道事業者と機器との組み合わせに応じた特徴量は、例えば、以下のように求められる。まず、前処理部は、鉄道事業者と機器との組み合わせ毎に、過去の所定期間(例えば1年~2年)の間の稼働情報6(モデル用稼働情報20または予測用稼働情報34)および環境情報7(モデル用環境情報21または予測用環境情報35)の少なくとも一部を収集する。次に、前処理部は、収集された全てのデータに対して、項目毎に、平均、分散、増加率、合計を算出して特徴量を生成する。次に、前処理部は、生成された特徴量をAIモデルに入力して機械学習し、仮学習済みモデルを生成する。次に、前処理部は、AIモデルを用いて仮学習済みモデルの評価を行い、生成された入力データの重要度を算出する。そして、前処理部は、重要度が上位である所定の個数の特徴量を、鉄道事業者と機器との組み合わせに対応する特徴量としてリストアップする。なお、特徴量のリストアップは前処理部でなく、別途設けられた専用の機能ブロックまたはソフトウェア等により行われても良い。
最後に、前処理部は、読み込んだ特徴量リストに応じて、稼働情報6(モデル用稼働情報20または予測用稼働情報34)および環境情報7(モデル用環境情報21または予測用環境情報35)から、鉄道事業者と機器との組み合わせに応じてリストアップされた特徴量を算出する。この処理は、鉄道事業者と機器との組み合わせに応じた前処理モジュールにより実行されても良い。算出された特徴量が、鉄道事業者と機器との組み合わせに応じた、学習用情報22または予測用情報42となる。
前処理モジュールは、取得するデータのフォーマット(データ形式)が異なる鉄道事業者毎、かつ、取得される情報や仕様の異なる機器毎に特化される。そのため、前処理部は、鉄道事業者と機器との組み合わせに応じて最適化された特徴量を算出し、学習用情報22または予測用情報42を生成することができる。その結果、モデル生成部17は、鉄道事業者と機器との組み合わせに応じて、適切な学習済みモデルを生成することができる。また、故障予測部33は、共通のAIモデルを用いて故障予測を行いながら、鉄道事業者と機器との組み合わせに応じて、適切に故障予測を行うことができる。
〔保守計画装置〕
次に、保守計画装置12の具体的な構成例について、図1~図3を参照しながら図4,図8を用いて説明する。
次に、保守計画装置12の具体的な構成例について、図1~図3を参照しながら図4,図8を用いて説明する。
保守計画装置12は、データ通信部51、保守計画制御部52、保守日振分部53、移動経路生成部54、記憶部55、出力部59を備える。保守計画制御部52はCPU等のプロセッサを備え、保守日振分部53、移動経路生成部54等の保守計画装置12の動作を制御する。
データ通信部51は、インターネット回線2を介して、故障予測装置4等との間でデータの送受信を行う。データ通信部51は、故障予測装置4から故障予測情報36を取得し、記憶部55に記憶させる(図8のステップ#1)。
記憶部55は故障予測装置4から取得した故障予測情報36を記憶する。さらに、記憶部55は、各路線における駅Sの配置順序や位置関係、各路線の接続関係、時刻表等の運行情報等を含む路線情報57をあらかじめ記憶する。
保守日振分部53は、故障予測情報36に基づいて、早急に保守を行う必要がある出改札機器1を考慮して、所定の期間内の各保守日に保守を行う出改札機器1を選択する。
具体的には、保守日振分部53は、まず、故障予測の予測結果である故障予測情報36から、各出改札機器1の故障確率を出改札機器1と紐づけて抽出する。故障確率は、所定の期間(「第1期間」に相当)内に、該当する出改札機器1が故障する確率であり、例えば、7日以内に故障する確率であり、7日以内に故障する確率と3日以内に故障する確率とが含まれていても良い(図8のステップ#2)。
次に、保守日振分部53は、故障確率が所定の値以上高い出改札機器1を抽出する。例えば、保守日振分部53は、7日以内に故障する確率が0.95(95%)以上の出改札機器1を抽出する(図8のステップ#3)。各出改札機器1の故障確率は保守の緊急度を意味し、故障確率が高いほど、早急に保守を行う必要があることを意味する。
次に、保守日振分部53は、次の日以降、所定の期間(第1期間)内の各日を保守日として、それぞれの保守日に保守を行う出改札機器1を選択する。この選択は、保守会社毎に行われる(図8のステップ#4)。なお、保守日は、次の日以降に限らず、当日以降に設定されても良く、2日以上経過した日以降に設定されても良い。また、保守日は、所定の期間(第1期間)にわたって設けられることに限定されず、任意の期間内に設定されても良い。
故障予測情報36には、それぞれの出改札機器1の固有情報として、出改札機器1が設置される駅Sを特定する情報が含まれる。また、故障確率は7日(所定の期間)以内に故障する確率であるため、保守日は7日以内の各日が設定される。また、故障確率が高いほど早期に故障する確率が高いと判断される。
そのため、保守日振分部53は、抽出された出改札機器1の故障確率と、設置される駅Sの路線上の位置関係および路線情報57とを考慮して、故障確率が高い出改札機器1ができるだけ早い保守日になり、かつ、保守会社の保守員が各保守日において各出改札機器1への移動が効率的に行えるように、抽出された出改札機器1を各保守日に振り分ける。なお、保守日振分部53は、路線情報57を考慮せず、各出改札機器1が設置された駅Sの緯度経度等の、地図上の位置関係を、故障確率と共に考慮して、各出改札機器1を各保守日に振り分けても良い。
次に、移動経路生成部54は、路線情報57を参照して、各保守会社および各保守日について、各出改札機器1への移動順序と路線上の移動経路とを決定する(図8のステップ#5)。
路線情報57には、各路線における駅Sの配置順序や位置関係、各路線の接続関係、時刻表等の運行情報等が含まれるため、移動経路生成部54は、保守を行う各出改札機器1が設置された駅Sをめぐる、効率的な順序と経路を決定することができる。また、運行情報として、運賃を含めることにより、旅費を考慮して経路を決定することもでき、旅費を最適化することもできる。
例えば、移動経路生成部54は、以下の移動コストや条件を考慮して経路を決定することができる。まず、路線上の各駅間の移動コストとして、駅間の距離が考慮される。さらに、路線上では接続されていない駅間において、駅間の距離が所定の距離(例えば、300m)以上の場合は駅間の移動を考慮せず、駅間の距離が所定の距離未満の場合には徒歩による移動を可能とし、駅間の移動コストとして徒歩を行う距離を考慮する。
なお、移動経路生成部54は、各出改札機器1の保守予定時間の入力を受け付けることにより、運行情報等を考慮して、より効率的な移動順序と移動経路を決定することができるようになる。
そして、出力部59は、各保守会社に、各保守日に保守を行う出改札機器1の情報と、各保守日に保守を行う出改札機器1の移動順序と移動経路とを出力する(図8のステップ#6)。例えば、出力部59は表示装置であり、各保守日に保守を行う出改札機器1の情報と、各保守日に保守を行う出改札機器1の移動順序および移動経路とを表示する。これらの情報を確認した保守員は、情報に従って、容易に効率的な保守を実行することができる。
このように、保守会社毎、保守日毎に、保守を行う出改札機器1を振り分け、出改札機器1間の移動順序と移動経路とを決定することにより、保守を行う緊急度が高い出改札機器1に対して優先的に保守を行いながら、効率的に各出改札機器1に移動し、効率的な保守を行うことができる。また、保守会社は、鉄道事業者の相違を考慮せず、複数の鉄道事業者における出改札機器1の保守計画をひとまとめに行うことができ、効率的に各出改札機器1に移動し、効率的な保守を行うことができる。その結果、動作中の出改札機器1が故障することを抑制することができる。
上記のような保守計画を行うことにより、2000台の出改札機器1において、一台あたり年7回の定期点検を実施し、年2回の故障(オンコール)が発生している状況において、総点検回数が25%~35%削減され、故障発生件数が15%~25%削減されることが見込まれる。
〔別実施形態〕
(1)上記各実施形態において、学習済みモデル生成装置3、故障予測装置4および保守計画装置12の構成は、図4に示すような機能ブロックに分割する場合に限らず、学習済みモデル生成装置3、故障予測装置4および保守計画装置12の機能を実現できれば、機能ブロックの構成は任意である。例えば、生成制御部16、モデル生成部17、学習用前処理部18の機能ブロックは、このような構成に限らず、互いの機能の一部または全部を統合した機能ブロックにより構成されても良いし、それぞれの機能ブロックをさらに細分化した機能ブロックから構成されても良い。また、上記各実施形態において、学習済みモデル生成装置3、故障予測装置4および保守計画装置12の機能の一部または全部は統合された構成であっても良い。例えば、故障予測装置4に、学習用前処理部18、モデル生成部17のいずれかまたは両方が設けられても良い。
(1)上記各実施形態において、学習済みモデル生成装置3、故障予測装置4および保守計画装置12の構成は、図4に示すような機能ブロックに分割する場合に限らず、学習済みモデル生成装置3、故障予測装置4および保守計画装置12の機能を実現できれば、機能ブロックの構成は任意である。例えば、生成制御部16、モデル生成部17、学習用前処理部18の機能ブロックは、このような構成に限らず、互いの機能の一部または全部を統合した機能ブロックにより構成されても良いし、それぞれの機能ブロックをさらに細分化した機能ブロックから構成されても良い。また、上記各実施形態において、学習済みモデル生成装置3、故障予測装置4および保守計画装置12の機能の一部または全部は統合された構成であっても良い。例えば、故障予測装置4に、学習用前処理部18、モデル生成部17のいずれかまたは両方が設けられても良い。
(2)上記各実施形態において、学習済みモデル生成装置3は単独で、学習済みモデル24を生成して完結し、故障予測装置4に学習済みモデル24を送信しない構成であっても良い。逆に、故障予測装置4は、学習済みモデル生成装置3で生成された学習済みモデル24を用いず、別途生成された学習済みモデル24を用いて故障予測を行っても良い。さらに、保守計画装置12は、故障予測装置4が予測した故障予測情報36を用いず、別途予測された故障予測情報36を用いて保守計画を行っても良い。
(3)上記各実施形態において、学習済みモデル生成装置3が実現する学習済みモデル生成方法、故障予測装置4が実現する故障予測方法、および保守計画装置12が実現する保守計画方法の一部または全部は、上記装置構成に限らず、任意の構成で実現することができる。また、学習済みモデル生成装置3が実現する学習済みモデル生成方法、故障予測装置4が実現する故障予測方法、および保守計画装置12が実現する保守計画方法の一部または全部は、プログラムにより実現されても良い。プログラムは、記憶部15、記憶部31、または記憶部55等の任意の記録装置に記憶され、生成制御部16、予測制御部32、または保守計画制御部52が備えるCPUやGPU等の任意のプロセッサ(コンピュータに相当)がこのプログラムを実行する。
(4)上記各実施形態において、出改札機器1、学習済みモデル生成装置3、故障予測装置4、保守計画装置12は、インターネット回線2に接続される構成に限らず、互いに任意の構成でデータの受け渡しが可能な構成であれば良い。例えば、これらの機器は、機器間の少なくとも一部が、インターネット回線2以外のイントラネット等のネットワーク回線に接続されても良く、LAN等の専用回線で送受信可能な構成でも良く、記憶媒体を介してデータの受け渡しを行う構成であっても良い。また、メンテナンスHUB50(サーバ5)内に、学習済みモデル生成装置3、故障予測装置4および保守計画装置12が設けられる構成であっても良い。
(5)上記各実施形態において、出改札機器1の全体に対して故障予測を行う構成に限らず、出改札機器1が複数のブロックに分けられ、ブロック毎に故障予測が行われる構成としても良い。
(6)上記各実施形態において、駅Sは、鉄道に限らず、バスその他の乗り物の駅であっても良い。
(7)上記各実施形態において、出改札機器1には、改札機1a等に限らず、駅Sに設置され、保守会社によって保守が行われる各種の駅設備(機器)が含まれても良い。その他の機器は、例えば、ホームドア、エスカレータ、エレベータ等である。
本発明は、鉄道の駅(鉄道駅)やその他の交通機関の駅に設置される出改札機器等の駅設備における、保守計画システム、保守計画方法、および故障予測装置に適用することができる。
1 出改札機器(駅設備)
3 学習済みモデル生成装置
4 故障予測装置
11 故障予測情報
12 保守計画装置
14 モデル用データ取得部(モデル取得部)
18 学習用前処理部
24 学習済みモデル
36 故障予測情報
38 予測用前処理部
53 保守日振分部
54 移動経路生成部
57 路線情報
3 学習済みモデル生成装置
4 故障予測装置
11 故障予測情報
12 保守計画装置
14 モデル用データ取得部(モデル取得部)
18 学習用前処理部
24 学習済みモデル
36 故障予測情報
38 予測用前処理部
53 保守日振分部
54 移動経路生成部
57 路線情報
Claims (8)
- 駅に設けられる複数の駅設備から情報を取得し、前記情報からそれぞれの前記駅設備の故障予測を行う故障予測装置と、
前記故障予測装置が行った予測結果から保守計画を生成する保守計画装置とを備え、
前記予測結果は、それぞれの前記駅設備が、所定の第1期間中に故障する確率であり、
前記保守計画装置は、
複数の保守日毎に保守を行う前記駅設備を選択する保守日振分部と、
それぞれの前記保守日に保守を行う前記駅設備への移動順序と路線網上の移動経路とを決定する移動経路生成部とを有する保守計画システム。 - 前記故障予測装置は、前記情報が入力されると、前記予測結果を出力するように機械学習された1つの学習済みモデルを用いて、それぞれの前記駅設備の前記故障予測を行う請求項1に記載の保守計画システム。
- 複数の前記駅設備には、互いに前記情報の形式が異なる前記駅設備が含まれ、
前記故障予測装置は、前記学習済みモデルに前記情報を入力する際に、入力される前記情報の形式を整合させる予測用前処理を行う請求項2に記載の保守計画システム。 - 前記故障予測装置は、
所定の学習期間に取得された前記情報の形式を整合させる学習用前処理を行って学習用情報を生成する学習用前処理部と、
所定の予測期間に取得された前記情報の形式を整合させる前記予測用前処理を行って予測用情報を生成する予測用前処理部と、
前記学習用情報を入力データとし、前記学習期間にそれぞれの前記駅設備に故障が生じた場合の故障情報を教師データとする機械学習により、前記予測用情報が入力されると、それぞれの前記駅設備の前記予測結果を出力するように生成された前記学習済みモデルを取得するモデル取得部と、
前記学習済みモデルに前記予測用情報を入力して、それぞれの前記駅設備の前記予測結果を出力させる故障予測部とを備える請求項3に記載の保守計画システム。 - 複数の事業者がそれぞれ複数の前記駅設備を運用し、
前記駅設備は複数の機器が混在し、
前記学習用前処理は、前記事業者および前記機器の組み合わせに応じて行われ、
前記学習済みモデルは、前記事業者および前記機器の組み合わせ毎に生成され、
前記予測用前処理は、前記事業者および前記機器の組み合わせに応じて行われ、
前記予測結果は、前記事業者および前記機器の組み合わせ毎に出力される請求項4に記載の保守計画システム。 - 前記路線網は、1または複数の鉄道路線からなり、
前記駅は鉄道駅であり、前記駅設備は出改札機器である請求項1から5のいずれか一項に記載の保守計画システム。 - 駅に設けられる複数の駅設備毎に取得された情報からそれぞれの前記駅設備の故障予測を行って、それぞれの前記駅設備が所定の第1期間中に故障する確率である予測結果を出力する工程と、
前記予測結果に基づいて、複数の保守日毎に保守を行う前記駅設備を選択する工程と、
それぞれの前記保守日に保守を行う前記駅設備への移動順序と路線網上の移動経路とを決定する工程とをコンピュータに実行させる保守計画方法。 - 複数の駅設備のそれぞれに対して、所定の学習期間および所定の予測期間において情報を取得し、前記情報からそれぞれの前記駅設備の故障予測を行う故障予測装置であって、
前記学習期間に取得された前記情報の形式を整合させる学習用前処理を行って学習用情報を生成する学習用前処理部と、
前記予測期間に取得された前記情報の形式を整合させる予測用前処理を行って予測用情報を生成する予測用前処理部と、
前記学習用情報を入力データとし、前記学習期間にそれぞれの前記駅設備に故障が生じた場合の故障情報を教師データとする機械学習により、前記予測用情報が入力されると、それぞれの前記駅設備の予測結果を出力するように生成された学習済みモデルを取得するモデル取得部と、
前記学習済みモデルに前記予測用情報を入力して、それぞれの前記駅設備の前記予測結果を出力させる故障予測部とを備え、
複数の事業者がそれぞれ複数の前記駅設備を運用し、
前記駅設備は複数の機器が混在し、
前記学習用前処理は、前記事業者および前記機器の組み合わせに応じて行われ、
前記学習済みモデルは、前記事業者および前記機器の組み合わせ毎に生成され、
前記予測用前処理は、前記事業者および前記機器の組み合わせに応じて行われ、
前記予測結果は、前記事業者および前記機器の組み合わせ毎に出力される故障予測装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021139167A JP2023032839A (ja) | 2021-08-27 | 2021-08-27 | 保守計画システム、保守計画方法、および故障予測装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN117973818A (zh) * | 2024-04-01 | 2024-05-03 | 四川三瑞智慧建设工程有限公司 | 一种基于人工智能的物联网数据处理方法 |
-
2021
- 2021-08-27 JP JP2021139167A patent/JP2023032839A/ja active Pending
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CN117973818A (zh) * | 2024-04-01 | 2024-05-03 | 四川三瑞智慧建设工程有限公司 | 一种基于人工智能的物联网数据处理方法 |
CN117973818B (zh) * | 2024-04-01 | 2024-06-07 | 四川三瑞智慧建设工程有限公司 | 一种基于人工智能的物联网数据处理方法 |
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