JP2023032223A - 生体情報解析装置 - Google Patents

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嘉伸 海老澤
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【課題】被験者の生体情報の変化を継続的にモニタリングする。【解決手段】生体情報解析装置1は、対象者Aの眼を撮像するカメラ10と、カメラ10の開口部12に設けられて対象者Aの瞳孔に向けて第1の中心波長の光を照射する発光素子13aと、開口部12に対して発光素子13aと同じ位置に設けられて対象者Aの瞳孔に向けて第2の中心波長の光を照射する発光素子13bと、発光素子13a,13bを制御する光源コントローラ40と、演算装置20とを備え、演算装置20は、カメラ10から、発光素子13aによって照らされた眼を反映した第1の眼画像と、発光素子13bによって照らされた眼を反映した第2の眼画像とを取得し、第1の眼画像のうちの瞳孔に対応する領域における輝度と、第2の眼画像のうちの瞳孔に対応する領域における輝度とを基に、対象者Aの生体情報に関する解析量を計算および出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、生体情報に関する数値を解析する生体情報解析装置に関する。
従来から、被験者の眼底等の特定箇所の画像を取得して、その画像を基に被験者の血中酸素飽和度等の生体情報を生成する装置が用いられている(下記特許文献1~下記特許文献3)。被験者の画像を基に生体情報を生成することは、被験者の疾患、例えば、加齢性黄斑変性症、糖尿病性網膜症、網膜色素変性症、網膜血管閉塞などの診断に役立つことが一般的に知られている。また、近年の新型コロナウィルスの流行に際しては、重症化の目安となる血中酸素飽和度の測定の重要性が指摘されており、指先にプローブを装着して近赤外光を用いて血中酸素飽和度を測定する装置であるパルスオキシメータが利用されている。
特開2002-238850号公報 特開2001-145603号公報 特開2018-68484号公報
上述した従来の装置では、装置を被験者に接近させた状態、あるいは装置を被験者に装着させた状態で生体情報を測定する必要があった。そのため、日常生活における被験者の生体情報の変化を継続的にモニタリングすることは困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、被験者の生体情報の変化を継続的にモニタリングすることが可能な生体情報解析装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一形態にかかる生体情報解析装置は、対象者の眼を撮像することにより眼画像を取得するカメラと、カメラの開口部に設けられて対象者の瞳孔に向けて第1の中心波長の光を照射する第1の光源と、カメラの開口部に対して第1の光源と同じ位置に設けられて対象者の瞳孔に向けて第1の中心波長と異なる第2の中心波長の光を照射する第2の光源と、第1の光源と第2の光源とによる光の照射を制御する光源コントローラと、眼画像を処理する演算装置とを備え、演算装置は、カメラから、第1の光源によって照らされた眼を反映した眼画像である第1の眼画像と、第2の光源によって照らされた眼を反映した眼画像である第2の眼画像とを取得し、第1の眼画像のうちの瞳孔に対応する領域における第1の輝度と、第2の眼画像のうちの瞳孔に対応する領域における第2の輝度とを基に、対象者の生体情報に関する解析量を計算し、解析量を出力する。
なお、ここでいう「カメラの開口部」とは、カメラの外側からの像の光をカメラの内部のイメージセンサに取り込むための部位のことを意味し、必ずしもカメラの鏡筒の円形のレンズ部分には限定されず、カメラのレンズ部分をレンズ部分より狭い開口を有するカバー部材で覆う場合はその開口を意味する。また、開口部の形状は、円形には限定されず、長方形等の多角形、楕円形、等の様々な形状であってよい。
上記形態の生体情報解析装置によれば、第1の中心波長の光によって照らされた対象者の瞳孔を反映した第1の眼画像と、第2の中心波長の光によって、対象者の瞳孔全体に向けて第1の中心波長の光と同じ位置から照らされた対象者の瞳孔を反映した第2の眼画像とが取得され、第1の眼画像のうちの瞳孔に対応する領域における第1の輝度と、第2の眼画像のうちの瞳孔に対応する領域における第2の輝度とを基に、対象者の生体情報に関する解析量が計算および出力される。これにより、対象者はカメラの方向に顔を向けるだけで生体情報を取得することができ、生体情報の変化を継続的にモニタリングすることが容易となる。
ここで、第1の光源及び第2の光源は、カメラの開口部の周りに均等に設けられてる、こととしてもよい。この場合、対象者の瞳孔に均等に第1の中心波長の光と第2の中心波長の光を照射することができ、瞳孔全体の特性を反映した高精度の生体情報を得ることができる。
また、光源コントローラは、第1の光源と第2の光源とを別々のタイミングである第1のタイミングと第2のタイミングで交互に照射するように制御し、演算装置は、カメラから、第1のタイミングで撮像された眼画像である第1の眼画像と、第2のタイミングで撮像された眼画像である第2の眼画像とを取得する、こととしてもよい。この場合、第1の中心波長の光によって照らされた対象者の瞳孔を反映した第1の眼画像と、第2の中心波長の光によって照らされた対象者の瞳孔を反映した第2の眼画像とをノイズが少ない状態で取得することができるので、高精度の生体情報を取得することができる。
また、カメラは、第1の中心波長の光を通過させるバンドパスフィルタと所定角度の直線偏光を透過する第1の偏光子とが組み合わされた第1の分割素子と、第2の中心波長の光を通過させるバンドパスフィルタと所定角度と異なる角度の直線偏光を透過する第2の偏光子とが組み合わされた第2の分割素子とが、開口部のレンズの内側において分割して設けられた光学素子と、互いに異なる少なくとも2種類の角度の直線偏光の光を透過する偏光子が、隣り合う画素毎に取り付けられたイメージセンサと、を有し、光源コントローラは、第1の光源と第2の光源とを同時に照射させるように制御し、演算装置は、眼画像のうちの隣り合う画素の輝度を基に、第1の中心波長の光に対応する輝度を計算し、計算した輝度を組み合わせて第1の眼画像を取得し、眼画像のうちの隣り合う画素の輝度を基に、第2の中心波長の光に対応する輝度を計算し、計算した輝度を組み合わせて第2の眼画像を取得する、こととしてもよい。この場合、第1の中心波長の光によって照らされた対象者の瞳孔を反映した第1の眼画像と、第2の中心波長の光によって照らされた対象者の瞳孔を反映した第2の眼画像とを、同じタイミングでの瞳孔を反映した画像として、計算により取得することができ、信頼度の高い生体情報を取得することができる。
また、演算装置は、第1の輝度を基にした数値と、第2の輝度を基にした数値との比を計算することにより、対象者における血中酸素に関する解析量を計算する、こととしてもよい。この場合、対象者の血中酸素に関する生体情報の変化を継続的にモニタリングすることができる。
また、第1の中心波長及び第2の中心波長は、760nm以上1000nm以下の近赤外領域であってもよい。こうすれば、対象者に対して測定時に眩しさを感じさせることがないので、対象者に対して負担の少ない生体情報の解析を実現できる。
また、演算装置は、第1の光源及び第2の光源が光を照射していない第3のタイミングで撮像された眼画像である無照明画像を取得し、第1の眼画像と無照明画像とを用いて演算した画像と、第2の眼画像と無照明画像とを用いて演算した画像とを基に、解析量を計算する、こととしてもよい。この場合には、測定環境に自然光、照明光等の外乱光が入射する場合であっても第1の眼画像及び第2の眼画像からそれらの外乱光の影響を除去でき、高精度の生体情報を取得することができる。
また、演算装置は、第1の眼画像から対象者の角膜反射像の範囲を除外した画像と、第2の眼画像から対象者の角膜反射像の範囲を除外した画像とを基に、解析量を計算する、こととしてもよい。こうすれば、瞳孔からの画像のみを対象にして生体情報に関する解析量が計算されるので、生体情報を高精度に反映した解析量を得ることができる。
また、カメラの開口部から第1の光源及び第2の光源よりも遠い距離に設けられて対象者の瞳孔に向けて近赤外領域の光を照射する第3の光源をさらに備え、光源コントローラは、第3の光源を第1のタイミングと第2のタイミングからずらした第4のタイミングで照射するように制御し、演算装置は、第4のタイミングで撮像された眼画像である第3の眼画像を取得し、第3の眼画像と第1の眼画像又は第2の眼画像を比較することにより、眼画像上の瞳孔の領域を特定し、第1の眼画像のうちの当該瞳孔の領域における第1の輝度と、第2の眼画像のうちの当該瞳孔の領域における第2の輝度とを基に、解析量を計算する、こととしてもよい。この場合には、第1の眼画像及び第2の眼画像に加えて、カメラの光軸を基準にした第1の中心波長の光よりも大きい角度方向から、近赤外領域の光によって照らされた対象者の瞳孔を反映した第3の眼画像が取得され、第3の眼画像と第1の眼画像又は第2の眼画像との比較結果から特定された瞳孔の領域を対象に、解析量が計算される。このようにすることで、解析量の計算対象の領域を瞳孔の領域に安定して限定することができ、より高精度の生体情報を取得することができる。
さらに、演算装置は、第1の光源及び第2の光源が光を照射していないタイミングで撮像された眼画像である無照明画像を取得し、無照明画像のうちの隣り合う画素の輝度を基に、第1の中心波長の光に対応する輝度を計算し、計算した輝度を組み合わせて第1の無照明画像を取得し、無照明のうちの隣り合う画素の輝度を基に、第2の中心波長の光に対応する輝度を計算し、計算した輝度を組み合わせて第2の無照明画像を取得し、第1の眼画像と第1の無照明画像とを用いて演算した画像と、第2の眼画像と第2の無照明画像とを用いて演算した画像とを基に、解析量を計算する、こととしてもよい。この場合にも、測定環境に自然光、照明光等の外乱光が入射する場合であっても第1の眼画像及び第2の眼画像からそれらの外乱光の影響を除去でき、高精度の生体情報を取得することができる。
また、カメラの開口部から第1の光源及び第2の光源よりも遠い距離に設けられて対象者の瞳孔に向けて近赤外領域の光を照射する第3の光源をさらに備え、光学素子には、第3の光源の照射する光の中心波長を通過させるバンドパスフィルタと、第1の偏光子及び第2の偏光子と異なる角度の直線偏光を透過する第3の偏光子とが組み合わされた第3の分割素子が、開口部のレンズの内側において分割してさらに設けられ、光源コントローラは、第3の光源を第1の光源及び第2の光源と同時に照射させるように制御し、演算装置は、眼画像のうちの隣り合う画素の輝度を基に、第3の光源の照射する光に対応する輝度を計算し、計算した輝度を組み合わせて第3の眼画像を取得し、第3の眼画像と第1の眼画像又は第2の眼画像を比較することにより、眼画像上の瞳孔の領域を特定し、第1の眼画像のうちの当該瞳孔の領域における第1の輝度と、第2の眼画像のうちの当該瞳孔の領域における第2の輝度とを基に、解析量を計算する、こととしてもよい。この場合にも、第1の眼画像及び第2の眼画像に加えて、カメラの光軸を基準にした第1の中心波長の光よりも大きい角度方向から、近赤外領域の光によって照らされた対象者の瞳孔を反映した第3の眼画像が計算により取得され、第3の眼画像と第1の眼画像又は第2の眼画像との比較結果から特定された瞳孔の領域を対象に、解析量が計算される。このようにすることで、解析量の計算対象の領域を瞳孔の領域に安定して限定することができ、より高精度の生体情報を取得することができる。
またさらに、演算装置は、第1の眼画像における瞳孔の領域内の画素の輝度の平均値を第1の輝度として計算し、第2の眼画像における瞳孔の領域内の画素の輝度の平均値を第2の輝度として計算することとしてもよい。かかる構成によれば、瞳孔内における輝度ノイズの影響を除去できるので、生体情報の変化の傾向を安定してモニタリングすることができる。
さらにまた、演算装置は、第1の眼画像における瞳孔の領域内の画素の輝度と、第2の眼画像における瞳孔の領域内の画素の輝度とを基に、画素毎の解析量を計算し、瞳孔の領域内の画素間で解析量を平均化して出力する、こととしてもよい。このようにしても、瞳孔内における輝度ノイズの影響を除去できるので、生体情報の変化の傾向を安定してモニタリングすることができる。
また、演算装置は、第1の眼画像又は第2の眼画像と第3の眼画像とを基に、対象者の瞳孔位置あるいは視線方向を算出し、解析量の取得時に検出する瞳孔輝度の安定化処理を実行する、こととしてもよい。このようにすれば、対象者の瞳孔輝度が安定化されることにより、高感度で高精度の解析量を取得することができる。
また、上記瞳孔輝度の安定化処理は、瞳孔位置あるいは視線方向を所定位置あるいは所定方向に誘導する処理としてもよい。このようにすれば、対象者の瞳孔位置あるいは視線方向が安定化されることにより、高感度で高精度の解析量を取得することができる。
本発明によれば、被験者の生体情報の変化を継続的にモニタリングすることができる。
実施形態にかかる生体情報解析装置を示す斜視図である。 カメラのレンズ部分を示す平面図である。 実施形態に係る演算装置のハードウェア構成を示す図である。 実施形態に係る演算装置の機能構成を示すブロック図である。 タイミング制御部21によって制御された光源13の照射タイミング、及び、画像取得部22によって取得される眼画像の撮影タイミングの一例を示すタイミングチャートである。 血液中に存在する酸化ヘモグロビン(HbO)及び還元ヘモグロビン(Hb)の入射光の波長に対する吸光特性を示すグラフである。 変形例に係るカメラ110の概略構成を示す図である。 図7の光学素子を筐体の外側から見た平面図である。 図7の光学素子を筐体の外側から見た平面図である。 開口部12の内側に配置された撮像素子116の開口部12側から見た構造を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る生体情報解析装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
まず、図1~4を用いて、本開示の実施形態に係る生体情報解析装置1の構成を説明する。生体情報解析装置1は、対象者Aの眼の画像を取得し、その画像を基に対象者Aの生体情報に関する解析量を生成するコンピュータシステムである。対象者とは、生体情報を解析する対象となる人であり、被験者ともいうことができる。本実施形態の生体情報解析装置1は、対象者Aの生体情報の例として、眼底付近の血管内の血中酸素飽和度(SO2)を解析する。
図1に模式的に示すように、生体情報解析装置1は、ステレオカメラとして機能する一対のカメラ10、演算装置20、及び、光源コントローラ40を備える。以下では、必要に応じて、一対のカメラ10を、対象者Aの左側にある左カメラ10と、対象者Aの右側にある右カメラ10とに区別する。本実施形態では、生体情報解析装置1は、対象者Aが見る対象であるディスプレイ装置30をさらに備えるが、対象者Aの視線の先にある物はディスプレイ装置30に限定されず、例えば自動車のフロントガラス、ミラー、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。したがって、ディスプレイ装置30は生体情報解析装置1における必須の要素ではない。それぞれのカメラ10は演算装置20と無線または有線により接続され、カメラ10と演算装置20との間で各種のデータまたは命令が送受信される。各カメラ10に対しては予めカメラ較正が行われる。
カメラ10は対象者Aの瞳孔およびその周辺を含む眼を撮影することにより眼画像を取得するために用いられる。一対のカメラ10は水平方向に沿って所定の間隔をおいて配され、かつ、対象者Aが眼鏡をかけているときの顔画像における反射光の写り込みを防止する目的で対象者Aの顔より低い位置に設けられる。水平方向に対するカメラ10の仰角は、瞳孔の確実な検出と対象者Aの視野範囲の妨げの回避との双方を考慮して、例えば20~35度の範囲に設定される。
本実施形態では、カメラ10は、それぞれ、所定の時間間隔(例えば、2,000fpsの時間間隔)で撮像可能な高速度カメラである。カメラ10は、演算装置20からの命令に応じて対象者Aを撮像し、画像データを演算装置20に出力する。
カメラ10のレンズ部分を図2に模式的に示す。この図に示すように、カメラ10では、対物レンズ11が円形状の開口部12に収容され、開口部12の外側に光源13が取り付けられている。光源13は、対象者Aの眼(瞳孔)に向けて照明光を照射するための機器であり、複数の発光素子13a(第1の光源)と複数の発光素子13b(第2の光源)と複数の発光素子13c(第3の光源)とから成る。発光素子13aは、出力光の中心波長が810nm(第1の中心波長)の半導体発光素子(LED)である。発光素子13bは、出力光の中心波長が940nm(第2の中心波長)の半導体発光素子である。発光素子13cは、出力光の中心波長が940nm(近赤外領域)の半導体発光素子である。複数の発光素子13aと複数の発光素子13bとは二重のリング形状を形成するように配置されている。詳細には、複数の発光素子13aと複数の発光素子13bとは、開口部12の中心から所定距離D1ほど離れた位置に交互に等間隔に配列されて内側リングを構成し、開口部12の中心から所定距離D2(>D1)ほど離れた内側リングに隣接した位置に交互に等間隔に配列されて外側リングを構成する。このように、複数の発光素子13aと複数の発光素子13bとは、全体として、開口部12に対する位置が同じ位置となるように、具体的には、開口部12からの距離が同等な距離となるように配置される。ここでいう「全体として同じ位置の配置」とは、複数の発光素子13aの全体、及び複数の発光素子13bの全体が、対象者Aの眼(網膜)に対して同じ照射位置(本実施形態では同じリング形状の位置)から照明光を照射するように配置されていることを意味する。また、ここでいう「全体として等距離」とは、複数の発光素子13aを分割した複数のグループの発光素子13aと、複数の発光素子13bを分割した複数のグループの発光素子13bとが、それぞれの対応するグループ間で開口部12の中心からの距離が同一である状態のことをいう。複数の発光素子13cは、開口部12の中心から所定距離D1,D2より大きい所定距離D3ほど離れた位置に等間隔でリング状に配列される。複数の発光素子13a,13b,13cのそれぞれは、カメラ10の光軸に沿って照明光を出射するように設けられる。このように、複数の発光素子13a,13b,13cのそれぞれが開口部12の周りに均等に配置されていることにより、対象者Aの瞳孔全体に複数の発光素子13a,13b,13cのそれぞれによって照射される照明光の強度(光量)が均一化される。
上記の複数の発光素子13a,13bは、明瞳孔画像を得るための照明光によって、対象者Aの眼部(瞳孔)を照らすための光源である。明瞳孔画像とは、後述の暗瞳孔画像と比較して対象者Aの瞳孔が相対的に明るく写った画像をいう。複数の発光素子13a,13bは、開口部12の中心からの距離が比較的近い位置に配置されている。これにより、複数の発光素子13a,13bにより照らし出される対象者Aの像においては、瞳孔がより明るく映し出され、小さい瞳孔であっても検出が容易になる。
上記の発光素子13cは、暗瞳孔画像を得るための照明光によって、対象者Aの眼部(瞳孔)を照らすための光源である。暗瞳孔画像とは、前述の明瞳孔画像と比較して観察対象者の瞳孔が相対的に暗く映った画像をいう。複数の発光素子13cは、出力光の中心波長が発光素子13aの中心波長よりも長い近赤外領域の複数のLEDからなり、開口部12の中心からの距離が比較的遠い位置に配置されている。これにより、複数の発光素子13cにより照らし出される対象者Aの像においては、瞳孔が比較的暗く映し出される。
上記の複数の発光素子13a,13bのいずれかから対象者Aの眼球に照明光が出射され、カメラ10によってその照明光で照らされた瞳孔が撮像されると明瞳孔画像が取得される。また、上記の複数の発光素子13cから対象者Aの眼球に照明光が出射され、カメラ10によってその照明光で照らされた瞳孔が撮像されると暗瞳孔画像が取得される。これは、次のような性質によるものである。つまり、眼球への照明光がカメラ10の光軸から相対的に離れた位置から入射した場合には、眼球の瞳孔から入射し、眼球内部で反射されて再び瞳孔を通過した照明光がカメラ10に届きにくいため、瞳孔が相対的に暗く映るという性質である。
なお、光源13の配置は図2に示す構成に限定されない。例えば、複数の発光素子13a,13bの光量が足りない場合には発光素子13a,13bを3重以上のリング状に配置してもよいし、発光素子13cを2重以上のリング状に配置してもよい。また、演算装置20による光源コントローラ40を介した制御によって、眼画像における対象者Aの瞳孔の輝度に応じて、複数の発光素子13a,13b,13cのそれぞれのうちの一部の発光素子のみを発光させるように制御されてもよい。
ここで、複数の発光素子13a,13bとしては、指向性が同等の発光素子が用いられる。これにより、カメラ10から見た対象者Aの瞳孔の方向が変化しても、発光素子13aと発光素子13bとの間で瞳孔に入射する光の光量比が安定化される。好ましくは、複数の発光素子13a,13bとしては、指向性が弱いものが使用される。これにより、カメラ10に写る範囲において、カメラ10から見た瞳孔の方向が変化しても、複数の発光素子13aと複数の発光素子13bとのそれぞれから瞳孔に照射される光の光量を安定化させることができる。また、複数の発光素子13aと複数の発光素子13bとは、同一の外形形状を有するものであることも好ましい。この場合、開口部12からの距離が同等な距離となるような設計が容易となる。また、発光素子13a、発光素子13b、及び発光素子13cのそれぞれの前面には、出力光を狭帯域化するためのバンドパスフィルタが設けられていてもよい。発光素子13a、発光素子13b、及び発光素子13cとしては、発光波長が狭帯域化されたスーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode)を用いることが好ましい。この場合には、出力光を狭帯域化するためのバンドパスフィルタは省略されてよい。
光源コントローラ40は、左カメラ10及び右カメラ10のそれぞれの光源13における複数の発光素子13a,13b,13cの照明光の照射を制御する回路である。光源コントローラ40は、演算装置20に電気的に接続され、演算装置20からトリガ信号を周期的に受けてそれに応じて複数の発光素子13a,13b,13cの照明光の照射のタイミングを制御する。また、光源コントローラ40は、複数の発光素子13a,13b,13cの照明光の強度も調整可能に構成されている。詳細には、光源コントローラ40により、複数の発光素子13aと複数の発光素子13cの出射する照明光の強度は、対象者Aに照射された際に瞳孔以外の背景が同じ明るさ(画像上で同一の輝度)となるように予めそれぞれの強度が設定され、複数の発光素子13bの出射する照明光の強度は、対象者Aの瞳孔全体を照らす明るさ(画像上での輝度)が複数の発光素子13aと同じになるように予め設定される。つまり、上述した複数の発光素子13a,13bの配置および光源コントローラ40の調整により、対象者Aの瞳孔全体に複数の発光素子13aによって照射される照明光の強度が、対象者Aの瞳孔全体に複数の発光素子13bによって照射される照明光の強度と同等になるように設定される。
演算装置20は、カメラ10及び光源13の制御、及び、対象者Aの眼画像を対象とした演算処理を実行するコンピュータである。演算装置20は、据置型または携帯型のパーソナルコンピュータ(PC)により構築されてもよいし、ワークステーションにより構築されてもよいし、他の種類のコンピュータにより構築されてもよい。あるいは、演算装置20は複数台の任意の種類のコンピュータを組み合わせて構築されてもよい。複数台のコンピュータを用いる場合には、これらのコンピュータはインターネットやイントラネットなどの通信ネットワークを介して接続される。
演算装置20の一般的なハードウェア構成を図3に示す。演算装置20は、オペレーティングシステムやアプリケーション・プログラムなどを実行するCPU(プロセッサ)101と、ROMおよびRAMで構成される主記憶部102と、ハードディスクやフラッシュメモリなどで構成される補助記憶部103と、ネットワークカードあるいは無線通信モジュールで構成される通信制御部104と、キーボードやマウスなどの入力装置105と、ディスプレイやプリンタなどの出力装置106とを備える。
後述する演算装置20の各機能要素は、CPU101または主記憶部102の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU101の制御の下で通信制御部104や入力装置105、出力装置106などを動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶部102または補助記憶部103内に格納される。
図4に示すように、演算装置20は機能的構成要素としてタイミング制御部21、画像取得部22、瞳孔検出部23、解析量計算部24、及び注視点検出部25を備える。演算装置20の演算結果の出力先は何ら限定されない。例えば、演算装置20は演算結果を画像、図形、またはテキストでモニタに表示してもよいし、メモリやデータベースなどの記憶装置に格納してもよいし、通信ネットワーク経由で他のコンピュータシステムに送信してもよい。以下、演算装置20の各構成要素の機能の詳細について説明する。
タイミング制御部21は、左カメラ10の複数の発光素子13a,13b,13c、及び右カメラ10の発光素子13a,13cによる照明光の照射タイミングを、光源コントローラ40を介して制御する。すなわち、タイミング制御部21は、対象者Aを対象とした計測が開始されたタイミングでトリガ信号を光源コントローラ40に出力し、それに応じて、右カメラ10の複数の発光素子13a,13c、及び、左カメラ10の複数の発光素子13a,13b,13cを、順次、別々のタイミングでパルス状に照射させるように制御する。タイミング制御部21は、トリガ信号を30Hz又は60Hzで繰り返し出力することによって、左カメラ10の複数の発光素子13a,13b,13c、及び右カメラ10の複数の発光素子13a,13cによる照明光の照射を繰り返すように制御する。
画像取得部22は、タイミング制御部21による照明光の照射タイミングの制御に同期させて、左カメラ10及び右カメラ10から、それぞれの照明光によって照らされた対象者の眼を反映した眼画像を繰り返し取得する。すなわち、画像取得部22は、左カメラ10の複数の発光素子13cの照射タイミングに同期して左カメラ10によって取得された眼画像を左カメラ10の暗瞳孔画像(第3の眼画像)GLDとして取得し、左カメラ10の複数の発光素子13aの照射タイミングに同期して左カメラ10によって取得された眼画像を左カメラ10の明瞳孔画像(第1の眼画像)GLBAとして取得し、左カメラ10の複数の発光素子13bの照射タイミングに同期して左カメラ10によって取得された眼画像を左カメラ10の明瞳孔画像(第2の眼画像)GLBBとして取得する。また、画像取得部22は、右カメラ10の複数の発光素子13cの照射タイミングに同期して右カメラ10によって取得された眼画像を右カメラ10の暗瞳孔画像GRDとして取得し、右カメラ10の複数の発光素子13aの照射タイミングに同期して右カメラ10によって取得された眼画像を右カメラ10の明瞳孔画像GRBとして取得する。加えて、画像取得部22は、左カメラ10の複数の発光素子13aの照射タイミングの直前であって、いずれの光源13も光を照射していないタイミングに同期して左カメラ10によって取得された眼画像を左カメラ10の無照明画像GSAとして取得し、左カメラ10の複数の発光素子13bの照射タイミングの直前であって、いずれの光源13も光を照射していないタイミングに同期してして左カメラ10によって取得された眼画像を左カメラ10の無照明画像GSBとして取得する。
図5は、タイミング制御部21によって制御された光源13の照射タイミング、及び、画像取得部22によって取得される眼画像の撮影タイミングを示すタイミングチャートであり、(a)部にはトリガ信号のタイミング、(b)部には右カメラ10の複数の発光素子13aの照射タイミング、(c)部には右カメラ10の複数の発光素子13cの照射タイミング、(d)部には左カメラ10の複数の発光素子13cの照射タイミング、(e)部には左カメラ10の複数の発光素子13bの照射タイミング、(f)部には左カメラ10の複数の発光素子13aの照射タイミング、(g)部にはカメラ10からの眼画像の取得タイミングがそれぞれ示されている。このように、タイミング制御部21によって、トリガ信号に発生タイミング毎に、順次、右カメラ10の複数の発光素子13a及び複数の発光素子13c、左カメラ10の複数の発光素子13c、複数の発光素子13b、及び複数の発光素子13aから照明光が照射され、それらの照射タイミングに同期させて、明瞳孔画像GRB、暗瞳孔画像GRD、暗瞳孔画像GLD、無照明画像GSB、明瞳孔画像GLBB、無照明画像GSA、及び明瞳孔画像GLBAが取得される。明瞳孔画像GLBB及び明瞳孔画像GLBAのそれぞれの取得タイミングの直前に取得される無照明画像GSB及び無照明画像GSAは、明瞳孔画像GLBB及び明瞳孔画像GLBAにおける外部環境からの光(太陽光、光源13以外の照明光等)の影響を除外するために用いられる(詳細は後述する。)。
瞳孔検出部23は、画像取得部22によって周期的に取得される眼画像を用いて眼画像上の瞳孔領域の範囲および位置(カメラ座標系における範囲)を算出する。すなわち、瞳孔検出部23は、暗瞳孔画像GLD及び明瞳孔画像GLBAを用いて、両者の画像を比較した比較画像の一種としての差分画像を生成する。より具体的には、瞳孔検出部23は、明瞳孔画像GLBA及び暗瞳孔画像GLDの対応する画素間の輝度の差分を計算することにより、両画像を比較した差分画像を生成する。さらに、瞳孔検出部23は、差分画像を2値化することによって、瞳孔領域の範囲及び位置を特定する。なお、瞳孔検出部23は、暗瞳孔画像GLD及び明瞳孔画像GLBBを用いて瞳孔領域の範囲及び位置を特定してもよい。
解析量計算部24は、画像取得部22によって周期的に取得される眼画像を用いて、対象者Aの生体情報を算出する。すなわち、解析量計算部24は、次のような計算手順で、明瞳孔画像GLBAにおける瞳孔に対応する領域における輝度を基にした数値と、明瞳孔画像GLBBにおける瞳孔に対応する領域における輝度を基にした数値との比を計算することにより、対象者Aの眼底付近の血中酸素飽和度(SO2)を解析した解析量を生成する。
まずは、解析量計算部24は、明瞳孔画像GLBBにおける各画素の輝度値から、無照明画像GSBにおける対応する画素の輝度値を減算することにより、無照明画像GSBに反映される光の影響が除去されるように演算された減算後明瞳孔画像GLBBを取得する。また、解析量計算部24は、明瞳孔画像GLBAにおける各画素の輝度値から、無照明画像GSAにおける対応する画素の輝度値を減算することにより、無照明画像GSAに反映される光の影響が除去されるように演算された減算後明瞳孔画像GLBAを取得する。これにより、外部環境からの光(太陽光、光源13以外の照明光等)の影響を除外した明瞳孔画像を得ることができる。そして、解析量計算部24は、減算後明瞳孔画像GLBB及び減算後明瞳孔画像GLBAの画素から、角膜反射像が写り込んだ画素を除外する。例えば、解析量計算部24は、減算後明瞳孔画像GLBAの輝度値が所定の閾値よりも高い部分を角膜反射像の位置として特定し、その位置を含む所定範囲(角膜反射像の位置を中心とした所定の円形範囲であり、瞳孔輝度に角膜反射の影響がでないようなできるだけ狭い範囲)を処理対象の減算後明瞳孔画像GLBA,GLBBから除外する。
さらに、解析量計算部24は、減算後明瞳孔画像GLBAを対象に瞳孔検出部23によって特定された瞳孔領域の範囲内の画素における輝度の平均値L810を計算し、減算後明瞳孔画像GLBBを対象に瞳孔領域の範囲内の画素における輝度の平均値L940を計算する。ただし、解析量計算部24は、明瞳孔画像GLBAを対象に瞳孔検出部23によって特定された瞳孔領域の範囲内の画素における輝度の平均値を計算し、その平均値から無照明画像GSAにおける瞳孔領域の範囲内の輝度の平均値を減算して平均値L810を計算してもよい。同様に、明瞳孔画像GLBBを対象に瞳孔検出部23によって特定された瞳孔領域の範囲内の画素における輝度の平均値を計算し、その平均値から無照明画像GSBにおける瞳孔領域の範囲内の輝度の平均値を減算して平均値L940を計算してもよい。
ここで、一般的には、眼画像における瞳孔面積と瞳孔輝度との間の関係は線形直線によって近似することができる。例えば、複数の発光素子13aの照射によって得られる眼画像における瞳孔面積xと瞳孔輝度との関係を近似する近似直線f(x)、複数の発光素子13bの照射によって得られる眼画像における瞳孔面積xと瞳孔輝度との関係を近似する近似直線g(x)は、下記式(1),(2);
(x)=a・x+c (1),
(x)=b・x+d (2)
によって与えられる(a,b,c,dは予め設定されたパラメータ)。解析量計算部24は、演算装置20内に予め記憶されているパラメータを参照することにより、近似直線f(x)の切片の値に相当する値cと近似直線g(x)の切片の値に相当する値dとを特定し、輝度平均値L810から値cを減算し、輝度平均値L940から値dを減算し、それらの比を計算することによって、下記式(3)により解析量Bを生成する。そして、解析量計算部24は、計算した解析量Bをモニタ等の出力装置にその都度出力する。
=(L810-c)/(L940-d) (3)
なお、解析量計算部24は、上記の近似直線f(x),g(x)の関係を示すパラメータ(値c、d等)を予め正確に設定しておくために、ディスプレイ装置30に表示する画像の輝度を所定期間(例えば10秒間)の間に大きく変化させて、その際に繰り返し取得される眼画像における瞳孔面積と瞳孔輝度との関係を回帰分析することによって、近似直線f(x),g(x)の関係を設定及び記憶してもよい。
ここで、解析量計算部24による計算される解析量Bが示す特性について述べる。図6には、血液中に存在する酸化ヘモグロビン(HbO)及び還元ヘモグロビン(Hb)の入射光の波長に対する吸光特性を示す。このように、一般には、約810nmの波長を境にして、長波長側では酸化ヘモグロビンのほうが吸光係数が高く、短波長側では600nm付近まで還元ヘモグロビンのほうが吸光係数が高い。このような特性を利用すると、眼底付近の血管中の酸化ヘモグロビンが増加すると、940nmの帯域においては酸化ヘモグロビンの光吸収度のほうが還元ヘモグロビンの光吸収度よりも大きいので、結果的に眼画像における瞳孔輝度が低下する。これに対して、810nmの波長帯域においては、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの光吸収度が同等であるため、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの量の比が変化しても、眼画像における瞳孔輝度は変化しないはずである。この性質により、810nmの波長帯域の瞳孔輝度L810を940nmの波長帯域の瞳孔輝度L940で除算した値に相当する解析量Bは、血中酸素飽和度(SO2)が高くなると大きな値を示すようになる。このような特性を利用して、演算装置20の解析量計算部24は、解析量Bを計算することによって対象者Aの眼底付近の血管における血中酸素飽和度(SO2)の評価値を導出することができる。ここで、本実施形態では、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとの光吸収度の差がより大きい1000nm付近の波長帯域の照明光を用いずに940nmの波長帯域の照明光を用いることにより、取得する明瞳孔画像GLBBにおける左カメラ10の感度低下を防止できるとともに、発光素子13bの発光パワー不足を防ぐことができ、発光素子13aと発光素子13bとの発光帯域の重なりも防止できるという利点がある。
図4に戻って、注視点検出部25は、画像取得部22によって取得された、右カメラ10の明瞳孔画像GRB及び暗瞳孔画像GRDと左カメラ10の明瞳孔画像GLBA及び暗瞳孔画像GLDと基に、対象者Aの瞳孔の三次元位置、視線方向、及び注視点を周期的に検出する。瞳孔の三次元位置、視線方向、および注視点の算出手法は、本発明者らによって開発された手法(国際公開WO2012/020760号公報参照)を採用することができる。注視点検出部25は、対象者Aを対象とした生体情報の解析処理時に連続して検出した、瞳孔の三次元位置、視線方向、及び注視点を利用して、解析量計算部24が検出する瞳孔輝度を安定化する処理として、解析処理時にそれらが安定化するように対象者Aを誘導する処理を実行する。例えば、そのような処理としては、ディスプレイ装置30上に、瞳孔の位置あるいは注視点を所定の位置に誘導するための記号、文字、視標等を表示する処理、瞳孔の位置あるいは注視点の移動を音声出力によって指示する処理等が挙げられる。解析量計算部24による計算される解析量Bは、対象者Aの眼球が左カメラ10に対して回転すると変化してしまう。これは、光源13からの照明光が対象者Aの眼底の異なる領域(位置)に照射されることになるからである。注視点検出部25によって、対象者Aの瞳孔の三次元位置、視線方向、及び注視点が安定化されることにより、高感度で高精度の解析量Bを取得することができる。また、このとき、解析量計算部24は、連続的に検出した瞳孔の三次元位置、視線方向、あるいは、注視点を利用することにより、検出した瞳孔輝度を安定化する処理として、その瞳孔輝度の補正処理を行ってもよい。対象者Aの頭部の距離が変わったり、顔が横あるいは上を向いたりして顔の方向が変化することにより、瞳孔の三次元位置、視線方向、あるいは注視点が変わってしまうと、光源からの光の照射状態が変化してしまい、検出する瞳孔輝度が不安定になってしまう。解析量計算部24による上記補正処理によりそのような不具合を防ぎ、安定した瞳孔輝度を検出することができる。
本開示の実施形態の生体情報解析装置1の作用効果について説明する。
上述した生体情報解析装置1によれば、複数の発光素子13aによって照らされた対象者Aの瞳孔を反映した明瞳孔画像GLBAと、左カメラ10の光軸を基準にした複数の発光素子13aと同じ角度方向から、複数の発光素子13bによって照らされた対象者Aの瞳孔を反映した明瞳孔画像GLBBとが取得され、明瞳孔画像GLBAのうちの瞳孔に対応する領域における平均輝度L810と、明瞳孔画像GLBBのうちの瞳孔に対応する領域における平均輝度L940とを基に、対象者Aの生体情報に関する解析量Bが計算および出力される。これにより、対象者Aはカメラ10の方向に顔を向けるだけで生体情報を取得することができ、生体情報の変化を継続的にモニタリングすることが容易となる。従来の装置では、装置を対象者Aに接近させた状態、あるいは装置を対象者Aに装着させた状態で生体情報を測定する必要があった。本実施形態によれば、対象者Aの遠方から生体情報を取得することができ、対象者Aを装置に接近させること無く簡便に生体情報を解析することができる。従来の装置では、装置に被験者の眼を接近させた状態、あるいは装置を被験者に装着させた状態で生体情報を測定する必要があったが、本実施形態では、装置に被験者を接近させることなく、被験者の遠くから(例えば、20cm以上離れた位置から)瞳孔をマクロ的(巨視的)に撮影することによって生体情報の解析が可能となる。特に、本実施形態では、被験者の瞳孔にカメラ10のピントが合っていない状態でも解析が可能となる。
ここで、生体情報解析装置1の左カメラ10に備えられる複数の発光素子13a,13bは、全体として開口部12からの距離が等距離になるように配置されている。基本的に、照明光によって照らされた瞳孔の輝度は、瞳孔から見た場合の開口部12の中心から光源13までの角度に依存する。仮に、複数の発光素子13a,13bの開口部12からの距離が異なって設定されていた場合、異なる波長の照明光が照射される眼底上の位置が異なってしまうため、瞳孔サイズあるいは水晶体の変化によって、異なる波長の照明光によって照らされる瞳孔の輝度が、眼底における光反射率が一定であっても変動してしまう。本実施形態では、そのような瞳孔の輝度の変動を防止できるため、血中酸素飽和度に関する評価値の高精度のモニタリングが可能となる。
また、左カメラ10に備えられる複数の発光素子13a,13bは、リング状に互いに等間隔に配置されている。LEDである発光素子13a,13bは、製造バラツキにより、素子本体を光照射側から見たときの発光部の位置がばらつくことがある。本実施形態では、そのような製造バラツキがあった場合でも、発光素子13a,13bを交互に等間隔に所定角度ずつ回転させた方向に配置することにより、開口部12からの距離を平均化でき、2種類の発光素子間で開口部12からの距離も同等に設定することができる。
また、光源コントローラ40は、複数の発光素子13aと複数の発光素子13bとを別々のタイミングで交互に照射するように制御し、演算装置20は、左カメラ10から、別々のタイミングで撮像された眼画像である明瞳孔画像GLBAと明瞳孔画像GLBBとを取得している。この場合、810nmの中心波長の照明光によって照らされた対象者の瞳孔を反映した明瞳孔画像GLBAと、940nmの中心波長の照明光によって照らされた対象者の瞳孔を反映した明瞳孔画像GLBBとをノイズが少ない状態で取得することができるので、高精度の生体情報を取得することができる。
また、演算装置20は、平均輝度L810を基にした数値と平均輝度L940を基にした数値との比を計算することにより、対象者Aにおける血中酸素飽和度に関する解析量Bを計算している。この場合、対象者Aの血中酸素に関する生体情報の変化を継続的にモニタリングすることができる。
また、本実施形態では、複数の発光素子13a,13b,13cの照射光の中心波長が近赤外領域に設定されている。こうすれば、対象者Aに対して測定時に眩しさを感じさせることがないので、対象者Aに対して負担の少ない生体情報の解析を実現できる。一般に、対象者Aの眼部を観察あるいは診断する装置においては、可視光と近赤外光を使用する場合が多い。そのような装置を用いた場合、光源をフラッシュ発光させて用いたとしても対象者Aに眩しさを感じさせることとなってしまう。また、車両等を運転中の対象者Aを測定対象としたい場合においては、発光が対象者Aの視覚機能に対する障害となってしまうため、可視光光源を使用した装置を用いることは困難であり、休憩中等の限られたシーンでの測定に限定されることとなる。本実施形態では、近赤外光のみを用いて測定できるため、車両を運転中等の様々な利用シーンにおいて対象者Aに負担の少ない生体情報の計測が可能となる。生体情報解析装置1の備える発光素子13aの発光波長は810nmであり、発光素子13aの出力する照明光は、対象者Aからはわずかに光って見えるものの障害になることは少ない。例えば、本実施形態の生体情報解析装置1を、スマートフォン、タブレット装置等のポータブル機器によって実現したり、車両内の機器あるいは洗面所のミラー等に組み込むことにより、日常生活における対象者Aを対象にして、リアルタイムかつ継続的な生体情報の変化傾向を非接触でモニタリングすることが可能となる。
また、本実施形態の演算装置20は、光源13が照明光を照射していないタイミングで撮像された眼画像である無照明画像GSA,GSBを取得し、明瞳孔画像GLBAから無照明画像GSAを減算した画像と、明瞳孔画像GLBBから無照明画像GSBを減算した画像とを基に、解析量Bを計算している。生体情報解析装置1の使用環境において自然光あるいは室内の照明光等の外乱光が存在する場合には、明瞳孔画像GLBAあるいは明瞳孔画像GLBB中の瞳孔輝度に外乱光の影響が重畳する。無照明画像を減算することによって、明瞳孔画像GLBA及び明瞳孔画像GLBBからそれらの外乱光の影響を除去でき、高精度の生体情報を取得することができる。
また、本実施形態においては、複数の発光素子13cがさらに設けられ、光源コントローラ40が複数の発光素子13cを複数の発光素子13a,13bと異なるタイミングで照明光を照射するように制御し、演算装置20は、そのタイミングで撮像された眼画像である暗瞳孔画像GLDを取得し、暗瞳孔画像GLDと明瞳孔画像GLBA又は明瞳孔画像GLBBを比較することにより、眼画像上の瞳孔の領域を特定し、明瞳孔画像GLBAのうちの当該瞳孔の領域における平均輝度L810と、明瞳孔画像GLBBのうちの当該瞳孔の領域における平均輝度L940とを基に、解析量Bを計算している。この場合には、解析量Bの計算対象の領域を瞳孔の領域に安定して限定することができ、より高精度の生体情報を取得することができる。
また、本実施形態の演算装置20は、明瞳孔画像GLBAにおける瞳孔の領域内の画素の輝度の平均値を平均輝度L810として計算し、明瞳孔画像GLBBにおける瞳孔の領域内の画素の輝度の平均値を平均輝度L940として計算している。かかる構成によれば、瞳孔内における輝度ノイズの影響を除去できるので、生体情報の変化の傾向を安定してモニタリングすることができる。
本発明者らは、本実施形態の生体情報解析装置1を用いて実際の解析量Bを取得した。詳細には、複数の被験者毎に実際にパルスオキシメータを用いて経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)を計測し、複数の被験者毎に高SpO2の区間と低SpO2の区間とで生体情報解析装置1を用いて解析量Bを取得した。その結果、ほとんどの計測結果において、低SpO2の区間よりも高SpO2の区間のほうが解析量Bが有意に高い値を示すことが分かった。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。上記実施形態の構成は様々変更されうる。
上述した実施形態では、演算装置20の解析量計算部24は、解析量Bを計算するための計算式としては様々な計算式を使用できる。例えば、解析量計算部24は、下記式(4);
=(L810-c)/{(L940-d)+(L810-c)} (4)
によって解析量Bを計算してもよい。このような計算式によっても、対象者Aにおける血中酸素飽和度を評価することができる。
また、上述した実施形態にかかる生体情報解析装置1には、光源13として、出力光の中心波長が近赤外領域の810nmおよび940nmである発光素子が用いられていたが、中心波長が近赤外領域の740nm以上1,000nm以下であれば他の発光波長の発光素子が用いられてもよい。例えば、長波長側の発光素子13bとして、出力光の中心波長が870nm、890nm、あるいは910nmのものが用いられてもよい。また、短波長側の発光素子13aとして、中心波長が780nm、760nm、740nm等のものであって、出力光を狭帯域化するためのバンドバスフィルタを備えたものが用いられてもよい。この場合には、長波長側の発光素子13bとして、中心波長が870nm、890nm、910nm、あるいは940nmのものであって、出力光を狭帯域化するためのバンドバスフィルタを備えたものが用いられてもよい。このような発光素子13a,13bによっても、対象者Aにとって不可視の光源とすることができる。また、短波長側の発光素子13aと長波長側の発光素子13bとして、血中酸素飽和度(SO2)が変動した場合に吸光係数が互いに反対方向に変化する中心波長の発光素子が用いられているので、実際の血中酸素飽和度の変動に対する解析量Bの変動が大きくなり、解析量Bの検出感度が高くなる。一般に、発光素子の出力光のパワーは長波長になるほど小さくなり、長波長の光に対するカメラ10の感度も低くなる。長波長側の発光素子13bにバンドパスフィルタを設け、発光素子13bの出力光の波長を例えば850nmまで短くすることで、発光素子13bの出力光のパワーを大きくして、カメラ10による眼画像の検出感度も高くすることができる。その結果、少ない数の発光素子13bで生体情報のモニタリングが実現される。
また、上述した実施形態にかかる生体情報解析装置1には、光源13として、図2に示す構成以外のものが備えられてもよい。例えば、複数の発光素子13aと複数の発光素子13bとは全体として同じ位置に設けられていればよく、それぞれの発光素子13a,13bの個数は異なっていてもよい。例えば、1つの発光素子13aが2つの発光素子13bで挟まれたような配置が繰り返されたような構成であってもよい。また、1つの素子内に異なる波長の光を発生させる複数のLEDチップが搭載された発光素子が複数配置された構成であってもよい。
また、本実施形態の一対のカメラ10においては、不要な波長帯の光をカットするためのフィルタが対物レンズ11の前面に設けられていてもよい。このようなフィルタを設けることで、外乱光によってカメラ10によって取得される眼画像における輝度の飽和を防止することができ、安定した生体情報の測定が実現される。
また、本実施形態の演算装置20の解析量計算部24は、平均値L810,L940を基に解析量Bを計算していたが、2つの明瞳孔画像GLBA,GLBBの瞳孔領域の画素毎に輝度L810,L940を取得し、これらの瞳孔領域の画素毎の輝度L810,L940を基に上記式(3)を用いて解析量Bを計算し、瞳孔領域内の画素間で解析量Bを平均化し、平均化した解析量Bを最終結果として出力してもよい。このような場合、画素毎に輝度比を計算(除算)することにより、瞳孔領域の輝度比の値を、瞳孔領域以外の領域の値に比較して強調させることができる。輝度比を解析量として計算することにより、輝度の差を計算することに比べて、解析量を生体情報の変化(特に、血中酸素飽和度の変化)に容易に追随させることができる。なお、瞳孔領域の画素毎の輝度L810,L940を基に解析量Bを計算する場合には、解析量計算部24は、画素毎の輝度L810,L940を対象にヒストグラムを作成する等により外れ値を検出し、外れ値を有する画素を角膜反射の位置に対応する画素として除外して解析量Bの平均値を計算してもよい。
また、解析量計算部24は、平均値L810,L940を基に解析量Bを計算する際に考慮する近似関数としては、他の関数を用いてもよい。すなわち、上記実施形態では、眼画像における瞳孔面積xと瞳孔輝度との関係を線形関数によって近似していたが、二次関数、指数関数等によって定義される曲線によって近似してもよい。より具体的には、複数の発光素子13aによって得られる眼画像における瞳孔面積xと瞳孔輝度との関係、及び、複数の発光素子13bによって得られる眼画像における瞳孔面積xと瞳孔輝度との関係を、下記式(5),(6)に示す二次関数の近似関数f(x),g(x)によって近似することができる。
(x)=a・x+c・x+e (5)
(x)=b・x+d・x+h (6)
また、複数の発光素子13aによって得られる眼画像における瞳孔面積xと瞳孔輝度との関係、及び、複数の発光素子13bによって得られる眼画像における瞳孔面積xと瞳孔輝度との関係を、下記式(7),(8)に示す指数関数の近似関数f(x),g(x)によって近似することもできる。
(x)=a・exp(c・x) (7)
(x)=b・exp(d・x) (8)
そして、解析量計算部24は、これらの関係を規定するために予め記憶されているパラメータを参照して、平均値L810,L940のそれぞれを、瞳孔検出部23によって検出された瞳孔領域の面積xから計算される近似関数f(x),g(x)によって、下記式(9),(10)を用いて正規化する。
810=L810/f(x) (9)
940=L940/g(x) (10)
最後に、解析量計算部24は、平均値l810を平均値l940によって除算することによって解析量Bを計算する。このような変形例によっても、取得する解析量Bにおける瞳孔面積の変化の影響を低減することができ、生体情報の変化傾向を高精度にモニタリングすることが可能となる。
なお、解析量計算部24は、上述したように、上記式(5)~(8)に示す近似関数を、眼画像における瞳孔面積と瞳孔輝度との関係を回帰分析することによって、予め設定及び記憶してもよい。また、解析量計算部24は、眼画像における瞳孔面積xと瞳孔輝度の比L810/L940との関係を、1種類の近似関数によって近似し、画像のフレーム毎に得られる輝度比L810/L940を、その近似関数で計算される値によって正規化し、正規化した輝度比L810/L940を基に解析量Bを計算することもできる。
生体情報解析装置1に含まれる一対のカメラ10は、下記のような変形例に係るカメラ110の構成に変更されてもよい。
図7は、本変形例に係るカメラ110の概略構成を示す図である。カメラ110は、筐体115と、筐体115内に収容されたCCD、CMOS等の撮像素子(イメージセンサ)116と、筐体115内に収容された対物レンズ11及び光学素子119とを有する。筐体115は、対象者Aの眼球と対向する面に形成された円形状の開口部12を有する。対物レンズ11及び光学素子119は、筐体115の内部の開口部12と撮像素子116との間に配置されている。対物レンズ11の光軸L0は、開口部12の中心軸線と一致している。撮像素子116は、その受光面が対物レンズ11の光軸L0に対して垂直に交わるように固定されている。光学素子119は、対物レンズ11の光軸L0上において対物レンズ11の内側(撮像素子116側)に配置されている。撮像素子116は、対象者Aの眼球の像を撮像することによって眼画像データを生成して演算装置20に出力する。
なお、開口部12の径は、対物レンズ11の径に比較して小さく、対物レンズ11の有効径と略同程度である。また、光学素子119は全体として略円形の形状を有し、対物レンズ11の有効径と略同程度の径を有する。このような構成により、対象者Aの眼球付近の像は、開口部12を経て対物レンズ11及びカメラ110内の撮像素子116に向けて導入された後、カメラ110内の対物レンズ11及び光学素子119を含む光学系によって、撮像素子116の受光面に収束するように結像される。
図8には、開口部12の内側に配置された光学素子119の構造を示す。光学素子119は、円板状の構造を有し、対物レンズ11の光軸L0がその中心近傍を通り、かつ、光軸L0に対して略垂直になるように配置されている。この光学素子119は、中心で2つに分割された半円の板状の分割素子119A,119Bによって構成されている。分割素子119Aは、発光素子13aの出力光の中心波長(第1の中心波長)の第1の照明光を通過させるバンドパスフィルタと、開口部12の上下方向を基準にした0度の偏光方向の直線偏光を透過する第1の偏光子とが2枚重ねで組み合わされた光学素子である。分割素子119Bは、発光素子13bの出力光の中心波長(第2の中心波長)の第2の照明光を通過させるバンドパスフィルタと、上下方向を基準にした90度の偏光方向の直線偏光を透過する第2の偏光子とが2枚重ねで組み合わされた光学素子である。すなわち、第1の偏光子の透過する直線偏光の偏光方向と、第2の偏光子の透過する直線偏光の偏光方向とは略直交する。このような構造の光学素子119は、分割素子119A,119Bが開口部12の開口面に沿ってその中心を水平方向に貫く中心軸(線)の両側に配置されるように、より具体的には、中心軸を基準に線対称となるように構成されている。なお、分割素子119A,119Bを組み合わせた光学素子119の形状は円板状には限定されず、開口部12の縁の形状に対応した形状であれば、長方形状等の他の形状であってもよい。
一方、光学素子119は、図9に示すような構造であってもよい。図9に示す光学素子119は、開口部12の縁の形状に対応した連続した形状を有する分割素子119A,119Bによって構成され、これらの分割素子119A,119Bは、開口部12の縁に沿った境界線で2つに分割された形状を有し、分割素子119Bは分割素子119Aの内側に配置されている。すなわち、分割素子119Bは、中心が光軸L0付近に位置する円板状の形状(円形形状)とされ、分割素子119Aは分割素子119Bの外側に位置するリング状の形状とされる。このような構造の光学素子119は、光源13と同様に、分割素子119A,119Bが開口部12の中心を基準に点対称となるように構成されている。なお、分割素子119A,119Bを組み合わせた光学素子119の形状は円板状には限定されず、開口部12の縁の形状に対応した形状であれば、長方形状等の他の形状であってもよい。
図10には、開口部12の内側に配置された撮像素子116の開口部12側から見た構造を示す。撮像素子116は、光軸L0に略垂直となるように配置された受光面120と、受光素子(図示せず)が内部に形成され、受光面120上に二次元アレイ状に配置された複数の画素121と、複数の画素121のそれぞれの表面上に画素121を覆うように配置された4種類の偏光子122A,122B,122C,122Dとを有する。すなわち、互いに隣り合う4つの画素121(以下、4画素群とも言う。)のそれぞれの表面に、互いに異なる種類の偏光子122A,122B,122C,122Dが取り付けられる。偏光子122Aは、開口部12の上下方向に対して0度の偏光方向の直線偏光を透過する光学素子である。偏光子122Bは、開口部12の上下方向に対して反時計回りに45度回転させた偏光方向の直線偏光を透過する光学素子である。偏光子122Cは、開口部12の上下方向に対して反時計回りに90度回転させた偏光方向の直線偏光を透過する光学素子である。偏光子122Dは、開口部12の上下方向に対して反時計回りに135度回転させた偏光方向の直線偏光を透過する光学素子である。撮像素子116はこのような構造が二次元的(図10の左右方向及び上下方向に)に繰り返されたような構造を有する。
撮像素子116の受光面120上の4画素群の範囲は、対物レンズ11の大きさに比較して十分に小さい。従って、上記の光学素子119及び撮像素子116は、光学素子119の分割素子119Aを透過する第1の照明光が4画素群を構成する4つの画素に同じ強度で入射し、光学素子119の分割素子119Bを透過する第2の照明光が4画素群を構成する4つの画素を同じ強度で入射するように、構成される。
本変形例においては、光源コントローラ40は、トリガ信号によって規定されて30Hz又は60Hzで繰り返されるフレーム期間内において、複数の発光素子13aと複数の発光素子13bとを同じタイミングで照射させるように制御する。そして、演算装置20の画像取得部22は、次のような原理を用いて、明瞳孔画像GLBA,GLBB、及び無照明画像GSA,GSBを計算により取得する。
眼画像の取得時に第1の分割素子119A及び第2の分割素子119Bを透過した光は、それぞれ、互いに隣り合う4つの画素121で構成される4画素群に同一の光強度で入射する。入射するそれぞれの光の光強度を、I(λa1),I(λa2)とすると、4画素群のうち、偏光子122A,122B,122C,122Dが取り付けられた画素121によって検出されるそれぞれの光強度O(i=1~4)は、下記式で表わされる。
Figure 2023032223000002

上記式中、偏光子122A,122B,122C,122Dの透過する光の偏光方向の角度をそれぞれ、θsiで表わし、第1の分割素子119A及び第2の分割素子119Bを透過する光の偏光方向の角度をそれぞれθa1、θa2と表している。
上記式は、行列式で表現することにより、下記式;
Figure 2023032223000003

Figure 2023032223000004

に変形される。このような関係から、第1の分割素子119A及び第2の分割素子119Bのそれぞれを透過した第1及び第2の中心波長の光の光強度I(λa1),I(λa2)は、2行4列の擬似逆行列[Mijを用いて、下記式;
Figure 2023032223000005

によって計算される。
上記のような計算式を利用して、画像取得部22は、複数の発光素子13aと複数の発光素子13bとを照射させたタイミングで撮像された眼画像の中から各4画素群の輝度値[O]を読み取り、輝度値[O]と、予め設定された擬似逆行列[Mijを用いて、4画素群に入射する第1の中心波長の光に対応する輝度値I(λa1)と、4画素群に入射する第2の中心波長の光に対応する輝度値I(λa2)とを計算する。そして、画像取得部22は、受光面120上の各4画素群を対象に計算した輝度値I(λa1)を組み合わせて二次元画像データを生成することにより明瞳孔画像GLBAを取得し、各4画素群を対象に計算した輝度値I(λa2)を組み合わせて二次元画像データを生成することにより明瞳孔画像GLBBを取得する。同様にして、画像取得部22は、複数の発光素子13aと複数の発光素子13bとを照射させたタイミングの直前のタイミングであって、光源13が光を照射していないタイミングで撮像された眼画像を基にして、各4画素群を対象に計算した輝度値I(λa1)を組み合わせて二次元画像データを生成することにより無照明画像GSAを取得し、各4画素群を対象に計算した輝度値I(λa2)を組み合わせて二次元画像データを生成することにより無照明画像GSBを取得する。また、画像取得部22は、複数の発光素子13cのみが照射されたタイミングで撮像された眼画像を基に、計算によって暗瞳孔画像GLDを取得することができる。
本変形例によっても、演算装置20の解析量計算部24により、明瞳孔画像GLBAから無照明画像GSAに反映される光の影響を除去するように減算(演算)し、明瞳孔画像GLBBから無照明画像GSBに反映される光の影響を除去するように減算(演算)し、減算後の明瞳孔画像GLBA,GLBBを用いて解析量Bを計算することができる。これにより、測定環境に自然光、照明光等の外乱光が入射する場合であっても第2つの眼画像からそれらの外乱光の影響を除去でき、高精度の生体情報を取得することができる。
上記変形例においては、撮像素子116が4画素群毎に4種類の偏光子が設けられた構造を有していたが、少なくとも2種類以上の偏光子が設けられた構造であればよい。例えば、隣り合う2つの画素121毎に2種類の偏光子が設けられていてもよいし、隣り合う3つの画素121毎に3種類の偏光子が設けられていてもよい。このような変形例においても、演算装置20が、隣り合う2つの画素、あるいは、隣り合う3つの画素の画素値を基に、第1の中心波長の光成分の輝度値と第2の中心波長の光成分の輝度値を計算することができる。
また、上記変形例においては、演算装置20が、隣り合う4つの画素の画素値を基に、第1の中心波長の光成分の輝度値と第2の中心波長の光成分の輝度値を計算していたが、隣り合う4つの画素の中の少なくとも2つの画素(2つの画素、あるいは3つの画素)の画素値を基に、第1の中心波長の光成分の輝度値と第2の中心波長の光成分の輝度値を計算することもできる。
また、上記変化例にかかる光学素子119には、発光素子13cの照射する光の中心波長を通過させるバンドパスフィルタと、第1の偏光子及び第2の偏光子と異なる角度の直線偏光を透過する第3の偏光子とが組み合わされた分割素子119Cが、開口部12のレンズの内側において分割素子119A,119Bとともに分割してさらに設けられていてもよい。この場合、光源コントローラ40は、トリガ信号によって規定されたフレーム期間内において、発光素子13a,13bと異なる出力光の中心波長を有する複数の発光素子13cを、複数の発光素子13a,13bと同時に照射させるように制御する。また、演算装置20の画像取得部22は、取得される眼画像中の隣り合う画素の輝度を基に、複数の発光素子13cの照射する光に対応する輝度を計算し、計算した輝度を組み合わせて暗瞳孔画像GLDを取得することができ、複数の発光素子13aの照射する光に対応する輝度を計算し、計算した輝度を組み合わせて明瞳孔画像GLBAを取得することができ、複数の発光素子13bの照射する光に対応する輝度を計算し、計算した輝度を組み合わせて明瞳孔画像GLBBを取得することができる。
このような変形例に係る演算装置20の解析量計算部24によっても、暗瞳孔画像GLDと明瞳孔画像GLBA又は明瞳孔画像GLBBを比較することにより、眼画像上の瞳孔の領域を特定し、明瞳孔画像GLBA中の当該瞳孔の領域における輝度と、明瞳孔画像GLBB中の当該瞳孔の領域における輝度とを基に、解析量Bを計算することができる。このような構成によっても、解析量Bの計算対象の領域を瞳孔の領域に安定して限定することができ、より高精度の生体情報を取得することができる。なお、上記の変形例においても、発光素子13a,13b,13bの照射タイミングの直前に得られた眼画像を基に、計算により3種類の波長帯の無照明画像を取得して、暗瞳孔画像GLD及び明瞳孔画像GLBA,GLBBからそれぞれに対応する波長帯の無照明画像を減算するようにしてもよい。
1…生体情報解析装置、10,10,110…カメラ、12…開口部、13…光源、13a…発光素子(第1の光源)、13b…発光素子(第2の光源)、13c…発光素子(第3の光源)、20…演算装置、40…光源コントローラ、116…撮像素子(イメージセンサ)、119…光学素子、119A,119B,119C…分割素子、121…画素、122A,122B,122C,122D…偏光子、A…対象者、D1,D2,D3…所定距離、GLBA…明瞳孔画像(第1の眼画像)、GLBB…明瞳孔画像(第2の眼画像)、GLD…暗瞳孔画像(第3の眼画像)、GSA,GSB…無照明画像。

Claims (15)

  1. 対象者の眼を撮像することにより眼画像を取得するカメラと、
    前記カメラの開口部に設けられて前記対象者の瞳孔に向けて第1の中心波長の光を照射する第1の光源と、
    前記カメラの開口部に対して前記第1の光源と同じ位置に設けられて前記対象者の瞳孔に向けて第1の中心波長と異なる第2の中心波長の光を照射する第2の光源と、
    前記第1の光源と前記第2の光源とによる光の照射を制御する光源コントローラと、
    前記眼画像を処理する演算装置とを備え、
    前記演算装置は、
    前記カメラから、前記第1の光源によって照らされた前記眼を反映した前記眼画像である第1の眼画像と、前記第2の光源によって照らされた前記眼を反映した前記眼画像である第2の眼画像とを取得し、
    前記第1の眼画像のうちの前記瞳孔に対応する領域における第1の輝度と、前記第2の眼画像のうちの前記瞳孔に対応する領域における第2の輝度とを基に、前記対象者の生体情報に関する解析量を計算し、前記解析量を出力する、
    生体情報解析装置。
  2. 前記第1の光源及び前記第2の光源は、前記カメラの開口部の周りに均等に設けられてる、
    請求項1記載の生体情報解析装置。
  3. 前記光源コントローラは、前記第1の光源と前記第2の光源とを別々のタイミングである第1のタイミングと第2のタイミングで交互に照射するように制御し、
    前記演算装置は、
    前記カメラから、前記第1のタイミングで撮像された前記眼画像である第1の眼画像と、前記第2のタイミングで撮像された前記眼画像である第2の眼画像とを取得する、
    請求項1又は2に記載の生体情報解析装置。
  4. 前記カメラは、
    前記第1の中心波長の光を通過させるバンドパスフィルタと所定角度の直線偏光を透過する第1の偏光子とが組み合わされた第1の分割素子と、前記第2の中心波長の光を通過させるバンドパスフィルタと前記所定角度と異なる角度の直線偏光を透過する第2の偏光子とが組み合わされた第2の分割素子とが、前記開口部のレンズの内側において分割して設けられた光学素子と、
    互いに異なる少なくとも2種類の角度の直線偏光の光を透過する偏光子が、隣り合う画素毎に取り付けられたイメージセンサと、
    を有し、
    前記光源コントローラは、前記第1の光源と前記第2の光源とを同時に照射させるように制御し、
    前記演算装置は、
    前記眼画像のうちの前記隣り合う画素の輝度を基に、前記第1の中心波長の光に対応する輝度を計算し、計算した前記輝度を組み合わせて前記第1の眼画像を取得し、
    前記眼画像のうちの前記隣り合う画素の輝度を基に、前記第2の中心波長の光に対応する輝度を計算し、計算した前記輝度を組み合わせて前記第2の眼画像を取得する、
    請求項1又は2に記載の生体情報解析装置。
  5. 前記演算装置は、前記第1の輝度を基にした数値と、前記第2の輝度を基にした数値との比を計算することにより、前記対象者における血中酸素に関する前記解析量を計算する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の生体情報解析装置。
  6. 前記第1の中心波長及び前記第2の中心波長は、740nm以上1000nm以下の近赤外領域である、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の生体情報解析装置。
  7. 前記演算装置は、前記第1の光源及び前記第2の光源が光を照射していない第3のタイミングで撮像された前記眼画像である無照明画像を取得し、
    前記第1の眼画像と前記無照明画像とを用いて演算した画像と、前記第2の眼画像と前記無照明画像とを用いて演算した画像とを基に、前記解析量を計算する、
    請求項3記載の生体情報解析装置。
  8. 前記演算装置は、前記第1の眼画像から前記対象者の角膜反射像の範囲を除外した画像と、前記第2の眼画像から前記対象者の角膜反射像の範囲を除外した画像とを基に、前記解析量を計算する、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の生体情報解析装置。
  9. 前記カメラの開口部から前記第1の光源及び前記第2の光源よりも遠い距離に設けられて前記対象者の瞳孔に向けて近赤外領域の光を照射する第3の光源をさらに備え、
    前記光源コントローラは、前記第3の光源を前記第1のタイミングと前記第2のタイミングからずらした第4のタイミングで照射するように制御し、
    前記演算装置は、前記第4のタイミングで撮像された前記眼画像である第3の眼画像を取得し、
    前記第3の眼画像と前記第1の眼画像又は前記第2の眼画像を比較することにより、前記眼画像上の前記瞳孔の領域を特定し、
    前記第1の眼画像のうちの当該瞳孔の領域における第1の輝度と、前記第2の眼画像のうちの当該瞳孔の領域における第2の輝度とを基に、前記解析量を計算する、
    請求項3又は7に記載の生体情報解析装置。
  10. 前記演算装置は、前記第1の光源及び前記第2の光源が光を照射していないタイミングで撮像された前記眼画像である無照明画像を取得し、
    前記無照明画像のうちの前記隣り合う画素の輝度を基に、前記第1の中心波長の光に対応する輝度を計算し、計算した前記輝度を組み合わせて第1の無照明画像を取得し、
    前記無照明のうちの前記隣り合う画素の輝度を基に、前記第2の中心波長の光に対応する輝度を計算し、計算した前記輝度を組み合わせて第2の無照明画像を取得し、
    前記第1の眼画像と前記第1の無照明画像とを用いて演算した画像と、前記第2の眼画像と前記第2の無照明画像とを用いて演算した画像とを基に、前記解析量を計算する、
    請求項4記載の生体情報解析装置。
  11. 前記カメラの開口部から前記第1の光源及び前記第2の光源よりも遠い距離に設けられて前記対象者の瞳孔に向けて近赤外領域の光を照射する第3の光源をさらに備え、
    前記光学素子には、前記第3の光源の照射する前記光の中心波長を通過させるバンドパスフィルタと、前記第1の偏光子及び前記第2の偏光子と異なる角度の直線偏光を透過する第3の偏光子とが組み合わされた第3の分割素子が、前記開口部のレンズの内側において分割してさらに設けられ、
    前記光源コントローラは、前記第3の光源を前記第1の光源及び前記第2の光源と同時に照射させるように制御し、
    前記演算装置は、
    前記眼画像のうちの前記隣り合う画素の輝度を基に、前記第3の光源の照射する前記光に対応する輝度を計算し、計算した前記輝度を組み合わせて第3の眼画像を取得し、
    前記第3の眼画像と前記第1の眼画像又は前記第2の眼画像を比較することにより、前記眼画像上の前記瞳孔の領域を特定し、
    前記第1の眼画像のうちの当該瞳孔の領域における第1の輝度と、前記第2の眼画像のうちの当該瞳孔の領域における第2の輝度とを基に、前記解析量を計算する、
    請求項4又は10に記載の生体情報解析装置。
  12. 前記演算装置は、
    前記第1の眼画像における前記瞳孔の領域内の画素の輝度の平均値を前記第1の輝度として計算し、前記第2の眼画像における前記瞳孔の領域内の画素の輝度の平均値を前記第2の輝度として計算する、
    請求項9又は11に記載の生体情報解析装置。
  13. 前記演算装置は、
    前記第1の眼画像における前記瞳孔の領域内の画素の輝度と、前記第2の眼画像における前記瞳孔の領域内の画素の輝度とを基に、前記画素毎の前記解析量を計算し、前記瞳孔の領域内の画素間で前記解析量を平均化して出力する、
    請求項9又は11に記載の生体情報解析装置。
  14. 前記演算装置は、
    前記第1の眼画像又は前記第2の眼画像と前記第3の眼画像とを基に、前記対象者の瞳孔位置あるいは視線方向を算出し、前記解析量の取得時に検出する瞳孔輝度の安定化処理を実行する、
    請求項9又は11に記載の生体情報解析装置。
  15. 前記瞳孔輝度の安定化処理は、前記瞳孔位置あるいは前記視線方向を所定位置あるいは所定方向に誘導する処理である、
    請求項14に記載の生体情報解析装置。
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