JP2023031073A - 導電性高分子溶液の製造方法、及び導電性高分子 - Google Patents

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Hidenori Okuzaki
定快 林
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Abstract

【課題】電気化学的酸化重合法による、高導電性高分子の製造方法等を提供する。【解決手段】一般式(1)のモノマーと、溶媒と、酸とを含む溶液に、電位差を印加する重合工程などを含む、導電性高分子溶液を製造する製造方法である。TIFF2023031073000024.tif67146[M+は、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンなどを表す。]【選択図】なし

Description

本発明は、導電性高分子溶液の製造方法、及び導電性高分子に関するものである。
近年、半導体技術は急速な発展を遂げ、巨大なエレクトロニクス関連産業及び高度情報化社会が構築されている。そのなかで、導電性高分子のエレクトロニクス製品への応用例として、液晶ディスプレイ(LCD)及び有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等が、テレビ、コンピュータ及び近年普及してきた各種モバイル装置等、様々な分野で広く用いられている。このように、導電性高分子を利用するエレクトロニクス関連産業は、目覚ましい発展を遂げている。
このようなエレクトロニクス関連産業を下支えする材料として、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等に代表されるπ共役系高分子に、電子受容性化合物をドーパントとしてドープした外部ドープ型導電性高分子が開発されている。しかし、このような外部ドープ型導電性高分子は、溶解性が低いために精製が困難である、安定したドーピングを維持することが難しい、等の課題があった。
そこで、水溶性の付与とドーピング作用とを兼ね備えた置換基(スルホ基、スルホネート基等)を、直接又はスペーサを介してポリマー主鎖中に有する、いわゆる自己ドープ型導電性高分子が開発された。自己ドープ型導電性高分子としては、例えば、スルホン化ポリアニリン、スルホン化ポリチオフェン等が知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。これらの中でも、直鎖のアルキレンスルホン酸基が置換したポリ(4-(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イルメトキシ)-1-ブタンスルホン酸)(PEDT-S)等が報告されている(例えば、特許文献1、非特許文献3、4参照)。また、本願出願人はこれまでに高い導電性と優れた水溶性とを兼ね備えた自己ドープ型導電性高分子を報告している(例えば、特許文献2参照)。
特開2001-261795号公報 国際公開第2014/007299号
Journal of the American Chemical Society, 117, 10055-10062(1995) Journal of the Chemical Society, Chemical Communications, 23, 1694-1695(1990) Chemistry of Materials, 21, 1815-1821(2009) Advanced Materials, 23, 4403-4408(2011)
前記の先行技術(特許文献2)では、自己ドープ型導電性高分子を化学酸化重合法により合成しているが、この方法では触媒又は酸化剤に由来する金属イオン、特に鉄イオンが不純物として重合生成物中に残留しやすい。このような鉄イオン不純物については、有機EL及びLCD等の用途において、デバイスの特性及び耐久性等の低下を引き起こし得る。そのため、化学酸化重合法で得た導電性高分子については、陽イオン交換樹脂による鉄イオンの除去処理が提案されている。しかし、陽イオン交換樹脂による除去処理は、製造工程数の増加、変動費の上昇、環境負荷の増加等の点で、削減が好ましいという課題があった。
一方、触媒及び酸化剤を必要とせず、金属イオン、特に鉄イオンが不純物として残留しにくい合成法として、電気化学的酸化重合法が知られている。ただし、従来公知の電気化学的酸化重合法で得た自己ドープ型導電性高分子については、固体電解コンデンサ等に要求される高導電性を発現させることが困難であった。自己ドープ型導電性高分子の導電性を高めることができれば、固体電解コンデンサ等の性能をさらに向上させることが可能である。
本発明の一態様は、電気化学的酸化重合法による、高導電性を実現した導電性高分子の製造方法等を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、電気化学的酸化重合反応で得られた自己ドープ型ポリチオフェンの溶液を加熱処理することで、従来の電気化学的酸化重合法で得た自己ドープ型導電性高分子では成し得なかった極めて高い導電性を発現することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本願発明の一態様は、電気化学的酸化重合法で得られた、少なくとも下記一般式(2)及び下記一般式(3)で表される構造単位を含むポリチオフェンを加熱処理することで、より高い電気伝導度の自己ドープ型導電性高分子を得る製造方法に関するものである。
すなわち本願発明の一態様は、以下の[1]~[7]を含む。
[1]
下記一般式(2)で表される繰り返し構造及び下記一般式(3)で表される繰り返し構造からなる群より選ばれる繰り返し構造を少なくとも2つ以上含むポリチオフェンを含む導電性高分子溶液を製造する製造方法であって、
(i) 少なくとも下記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーを含むモノマーと、溶媒と、酸とを含む溶液に、少なくとも1対の電極を接触させ、前記電極間に電位差を印加することによって前記モノマーの重合物である重合物固体又は重合物溶液を得る重合工程と、
(ii) 前記重合工程で得られた前記重合物が前記重合物固体である場合は、当該重合物固体と前記溶媒とを混合して前記重合物溶液を得る溶解工程と、
(iii) 前記重合工程、又は前記溶解工程で得られた前記重合物溶液を加熱する加熱処理工程と、
を含むことを特徴とする製造方法。
Figure 2023031073000001
Figure 2023031073000002
Figure 2023031073000003
[前記一般式(1)及び(2)中、Mは、各々独立して、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。前記一般式(1)、(2)及び(3)において、Rは、水素原子、炭素数1~6の直鎖状、若しくは分岐状アルキル基、又はハロゲン原子を表す。mは、1~6の整数を表し、nは、0又は1を表す。]
[2]
前記一般式(1)、(2)及び(3)において、前記mが、2又は3である、[1]に記載の製造方法。
[3]
前記一般式(1)、(2)及び(3)において、前記Rが、メチル基である、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4]
前記重合工程において、前記モノマーの濃度が、0.1~30重量%である、[1]~[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]
前記重合工程において、電流密度が0.01~10mA/cmの範囲である、[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
前記加熱処理工程において、前記加熱の温度が50~250℃の範囲である、[1]~[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]
下記一般式(2)で表される繰り返し構造及び下記一般式(3)で表される繰り返し構造からなる群より選ばれる繰り返し構造を少なくとも2つ以上含むポリチオフェンを含む導電性高分子であって、キャリア移動度が1.5~10 cm/Vsであることを特徴とする、導電性高分子。
Figure 2023031073000004
Figure 2023031073000005
[前記一般式(2)中、Mは、各々独立して、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。前記一般式(2)及び(3)において、Rは、水素原子、炭素数1~6の直鎖状、若しくは分岐状アルキル基、又はハロゲン原子を表す。mは、1~6の整数を表し、nは、0又は1を表す。]
本発明の一態様によれば、電気化学的酸化重合法による、高導電性を実現した導電性高分子の製造方法等を提供できる。
以下、本願発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。
本願発明の一実施形態に係る導電性高分子溶液の製造方法は、下記一般式(2)で表される繰り返し構造及び下記一般式(3)で表される繰り返し構造からなる群より選ばれる繰り返し構造を少なくとも2つ以上含むポリチオフェンを含む導電性高分子溶液を製造する製造方法であって、
(i) 少なくとも下記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーを含むモノマーと、溶媒と、酸とを含む溶液に、少なくとも1対の電極を接触させ、前記電極間に電位差を印加することによって前記モノマーの重合物である重合物固体又は重合物溶液を得る重合工程と、
(ii) 前記重合工程で得られた前記重合物が前記重合物固体である場合は、当該重合物固体と前記溶媒とを混合して前記重合物溶液を得る溶解工程と、
(iii) 前記重合工程、又は前記溶解工程で得られた前記重合物溶液を加熱する加熱処理工程と、
を含むことを特徴とする製造方法。
Figure 2023031073000006
Figure 2023031073000007
Figure 2023031073000008
[前記一般式(1)及び(2)中、Mは、各々独立して、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。前記一般式(1)、(2)及び(3)において、Rは、水素原子、炭素数1~6の直鎖状、若しくは分岐状アルキル基、又はハロゲン原子を表す。mは、1~6の整数を表し、nは、0又は1を表す。]
前記一般式(1)及び(2)中、Mは、各々独立して、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン(NH )、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。
前記のアルカリ金属イオンとしては、特に限定するものではないが、例えば、Liイオン、Naイオン、又はKイオンが好ましいものとして挙げられる。
前記のアミン化合物の共役酸としては、アミン化合物にヒドロン(H)が付加してカチオン種になったものを示し、スルホン酸基と反応して共役酸を形成するアミン化合物であればよい。
前記のアミン化合物の共役酸におけるアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、一般式N(Rで表されるsp混成軌道を有するアミン化合物、ピリジン類又はイミダゾール類等のsp混成軌道を有するアミン化合物等が挙げられる。
前記の置換基Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、又は置換基を有する炭素数1~6のアルキル基を表す。
前記の炭素数1~6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、シクロペンチル基、n-へキシル基、2-エチルブチル基、又はシクロヘキシル基等が挙げられる。
前記の置換基を有する炭素数1~6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、ハロゲン原子、炭素数1~6のアルキル基、アミノ基、及びヒドロキシ基からなる群から選ばれる基を有する炭素数1~6のアルキル基が挙げられ、特に限定するものではないが、具体的には、トリフルオロメチル基、2-ヒドロキシエチル基等が例示される。
これらのうち、入手の観点から、置換基Rとしては、各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、又は2-ヒドロキシエチル基が好ましい。
一般式N(Rで表されるアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ノルマル-プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマルブチルアミン、ターシャリーブチルアミン、ヘキシルアミン、アミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、3-メチルアミノ-1,2-プロパンジオール、3-ジメチルアミノ-1,2-プロパンジオール、又は1,4-ブタンジアミン等を挙げることができる。
アミン化合物の共役酸を形成するsp混成軌道を有するアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、イミダゾール、N-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、ピリジン、ピコリン、又はルチジン等が例示される。
これらのアミン化合物の共役酸を形成するアミン化合物うち、入手の観点から、アンモニア、エタノールアミン化合物、又はイミダゾール化合物が好ましい。
前記の第4級アンモニウムカチオンとしては、特に限定するものではないが、例えば、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラノルマルプロピルアンモニウムカチオン、テトラノルマルブチルアンモニウムカチオン、又はテトラノルマルヘキシルアンモニウムカチオン等が挙げられる。これらのうち、入手の観点から好ましくは、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオンである。
以上の通り、Mとしては、各々独立して、水素イオン、Liイオン、Naイオン、Kイオン、アンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、N-メチルイミダゾリウムイオン、又は1,2-ジメチルイミダゾリウムイオンであることが好ましい。
前記の一般式(1)、(2)、及び(3)において、Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1~6の直鎖状、若しくは分岐状アルキル基、又はハロゲン原子を表す。
前記の炭素数1~6の直鎖状、又は分岐状アルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、シクロペンチル基、n-へキシル基、2-エチルブチル基、シクロヘキシル基、又はn-オクチル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、特に限定するものではないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
については、成膜性の点で、各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、又はフッ素原子であることが好ましく、メチル基、エチル基、又はフッ素原子であることがより好ましく、メチル基であることがより好ましい。
mは、各々独立して、1~6の整数を表し、好ましくは1~4の整数であり、より好ましくは2又は3である。
nは、各々独立して、0又は1であるが、好ましくは1である。
前記の一般式(3)で表される構造単位は、前記の一般式(2)で表される構造単位のドーピング状態を表す。本発明の一実施形態の導電性高分子においては、電解酸化重合の際に、前記の一般式(2)で表される構造単位が、一部、自己ドーピング反応を起こして前記の一般式(3)で表される構造単位に変化する。この作用により、得られた高分子には導電性が発現する。
ドーピングにより絶縁体-金属転移を引き起こすドーパントは、アクセプタとドナーとに分けられる。前者は、ドーピングにより導電性ポリマーの高分子鎖の近くに入り主鎖の共役系からπ電子を奪う。結果として、主鎖上に正電荷(正孔、ホール)が注入されるため、p型ドーパントとも呼ばれる。また、後者は、逆に主鎖の共役系に電子を与えることになり、この電子が主鎖の共役系を動くことになるため、n型ドーパントとも呼ばれる。
本願発明の一実施形態におけるドーパントは、ポリマー分子内に共有結合で結びついたスルホ基又はスルホナート基であり、p型ドーパントである。このように外部からドーパントを添加することなく導電性を発現するポリマーは、自己ドープ型高分子と呼ばれている。
前記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-エチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-プロピル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-ブチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-ペンチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-ヘキシル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-イソプロピル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-イソブチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-イソペンチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-フルオロ-1-プロパンスルホン酸ナトリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸カリウム、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸、3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸アンモニウム、又は3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸トリエチルアンモニウム等が挙げられる。
尚、前記に例示したチオフェンモノマーは、公知の方法(例えば、Journal of Electroanalytical Chemistry,443,217-226(1998))に基づいて合成可能なチエノ[3,4-b]-1,4-ジオキシン-2-メタノールと分岐したスルトン化合物とを用いて、例えば下記一般式(4)の通り製造することができる。
Figure 2023031073000009
[前記一般式(4)中、Rは前記一般式(1)で表されるRと同義語であり、Mはアルカリ金属イオン(Liイオン、Kイオン、Naイオン、又はCsイオン等)を表す。]
更に、このようにして製造される前記一般式(4)で表されるチオフェンモノマーについては、酸処理(酸、又はHイオン型陽イオン交換樹脂等と接触させる)により、Mが水素原子であるスルホン酸(前記の一般式(1)で表されるチオフェンモノマー)へと誘導できる。更に、このMが水素原子であるスルホン酸と、アルカリ金属化合物、アンモニア、アミン化合物、又は第4級アンモニウム化合物とを接触させることによって、前記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーを得ることができる。
本願発明の一実施形態の導電性高分子を含む導電性高分子溶液の製造方法においては、前記一般式(1)で表されるチオフェンモノマー以外のモノマーを併用することができる。当該モノマーとしては、特に限定するものではないが、例えば、チオフェン、3-ヘキシルチオフェン、3,4-エチレンジオキシチオフェン、ヒドロキメチル-3,4-エチレンジオキシチオフェン、ヒドロキシ-3,4-プロピレンオキシチオフェン、ブロモメチル-3,4-エチレンジオキシチオフェン、N-(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-2-アミノエタンスルホン酸、N-メチル-N-(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-2-アミノエタンスルホン酸、2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イルメタンスルホン酸、6-(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-][1,4]ジオキシン-2-イル)-1-ヘキセン、6-(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-][1,4]ジオキシン-2-イル)-1-ヘキサンスルホン酸、6-(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-][1,4]ジオキシン-2-イル)-1-ブタンスルホン酸、又はO-(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b][1,4]ジオキシン-2-イルメチル)-4-フェノールスルホン酸等を挙げることができる。
本発明の一実施形態に係る導電性高分子溶液の製造方法は、前記の(i)、(ii)、及び(iii)の工程を含むことを特徴とする。
以下、本願発明の一実施形態の(i) 少なくとも前記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーを含むモノマーと、溶媒と、酸とを含む溶液に少なくとも1対の電極を接触させ、前記電極間に電位差を印加する(電位を掛ける)ことによって前記モノマーを重合させて重合物を得る重合工程について説明する。
前記の重合工程については、少なくとも前記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーを含むモノマーを重合させる。当該重合反応における当該モノマーの濃度範囲としては、特に限定するものではないが、0.1~30重量%とすることが好ましく、0.2~20重量%とすることがより好ましく、0.3~10重量%とすることがより好ましく、0.5~8重量%とすることがより好ましい。
なお、ここでいう「モノマーの濃度」とは、(前記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーを含むモノマー)の重量/(前記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーを含むモノマー+溶媒+酸)の重量×100(重量%)で表される値である。
前記の重合工程に用いる溶媒としては、特に限定するものではないが、水、水を含む溶媒、又は水溶性溶媒であることが好ましく、水、水-水溶性アルコール混合溶媒、又は水溶性アルコールであることがより好ましい。
水としては、例えば、純水が挙げられ、蒸留水、イオン交換水でもよい。
水溶性アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、又はブタノール等のアルコール類が挙げられる。
これらの溶媒のうち、好ましくは、水又はメタノールであり、より好ましくは水である。また、当該溶媒については、脱気したり、窒素等の不活性ガスで置換したりしていてもよい。
前記の重合工程に使用する酸としては、特に限定するものではないが、例えば、無機酸、又は有機酸が使用できる。ここで、無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等が例示される。有機酸としては、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ギ酸、酢酸、乳酸、安息香酸等が例示される。これらのうち重合反応の速度に優れる点で、硫酸、メタンスルホン酸、又はパラトルエンスルホン酸が好ましく、硫酸がより好ましい。
少なくとも前記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーを含むモノマーと、溶媒と、酸とを含む溶液については、これらの成分を任意の順番で混合することで製造することができる。このような、電極と接触する前の、前記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーを含むモノマーと、溶媒と、酸とを含む溶液を、以下「仕込み溶液」と称する場合がある。
なお、酸の添加量(含有量)については、特に限定するものではないが、仕込み溶液中の酸の規定度(=酸のモル濃度×当該酸の価数)が、0.01~10[N]であることが好ましく、0.01~5[N]であることがより好ましく、0.01~2[N]であることがより好ましい。なお、仕込み溶液が水溶液の場合、仕込み溶液の液性(pH)が0~6.5の範囲になるように酸を添加する(含有させる)ことが好ましく、液性(pH)が0~5の範囲になるように酸を添加する(含有させる)ことがより好ましく、液性(pH)が0~3の範囲になるように酸を添加する(含有させる)ことがより好ましい。
前記の溶液に少なくとも1対の電極を接触させる方法については、特に限定するものではないが、例えば、前記の容器に前記の溶液を入れ、陽極および陰極を前記の溶液に浸漬して電位差を印加することで実施する。参照電極を用いる3電極法でもよいし、2電極法でもよい。また、前記の容器自体を電極とし、その対極の電極を前記の溶液に接触させる方法で行うこともできる。
電極間に印加する電位差は、前記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーを電気化学的酸化重合させることができる電位差であり、特に限定するものではないが、3電極法により規定される陽極の電位が、参照電極に対して0~+5Vの範囲が好ましく、+0.5~+2.5Vの範囲であることがより好ましい。
また、重合時の電流密度は、特に限定するものではないが、0.01~10mA/cmの範囲であることが好ましく、0.1~6mA/cmの範囲であることがより好ましい。
前記の容器の材質は前記の溶液に対して十分な耐久性があればよく、特に限定するものではないが、例えば、ガラス、グラスライニングした容器、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ステンレス等が好ましい。
前記の容器の形状は、前記の溶液を内部に保持できるものであればよく、多孔質の仕切り又はイオン橋によって、陽極と陰極とが分離できる構造であってもよい。
前記の重合工程に用いる電極としては、電極間に電位差を印加することでその表面で電気化学的酸化反応を進行させるものを用いることができる。このような電極は、特に限定するものではないが、例えば、金、白金、ニッケル、チタン、ステンレス、グラッシーカーボン、ITO等が挙げられ、これらを単独で又は二種以上を組み合わせて使用しても良い。
前記の重合工程の反応圧力は、常圧、減圧、加圧のいずれであってもよい。
本願発明の一実施形態に係る導電性高分子溶液の製造方法における反応雰囲気は、特に限定するものではないが、大気雰囲気であっても、窒素又はアルゴン等の不活性ガス雰囲気であってもよい。より好ましくは不活性ガス雰囲気である。
前記の重合工程の反応温度は、例えば、前記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーを電気化学的酸化重合できる温度であり、特に限定するものではないが、-10~50℃の範囲が好ましく、0~40℃の範囲が更に好ましい。
前記の重合工程の反応時間は、特に限定するものではないが、例えば、前記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーの酸化重合が十分進行する時間とすることができ、特に限定するものではないが、0.5~200時間の範囲が好ましく、0.5~80時間の範囲が更に好ましい。
前記の重合工程は、前記一般式(1)で表されるチオフェンモノマー、溶媒、及び酸以外に、界面活性剤を含んだ状態で行うこともできる。前記の界面活性剤の添加は、原料として用いられるチオフェンモノマー及び生成されるチオフェンポリマーの溶媒に対する溶解性及び分散性を改善する点で好ましい。
前記の界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤又は両性界面活性剤等が使用できるが、より好ましくはアニオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
アニオン界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、カルボン酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型等が挙げられる。
前記のカルボン酸型としては、特に限定するものではないが、例えば、オクタン酸ナトリウム、デカン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記のスルホン酸型としては、特に限定するものではないが、例えば、ヘキサンスルホン酸ナトリウム、デカンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記の硫酸エステル型としては、特に限定するものではないが、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等が挙げられる。
前記のリン酸エステル型としては、特に限定するものではないが、例えば、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウム等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレングリコール型界面活性剤、アセチレングリコール型界面活性剤、多価アルコール型界面活性剤、高分子型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
前記のポリエチレングリコール型界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、又はポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
前記のアセチレングリコール型界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、サーフィノール(登録商標、エアプロダクツ社製)、オルフィン(登録商標、日信化学工業社製)等が挙げられる。
前記の多価アルコール型界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、高アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
前記の高分子型非イオン界面活性剤としては、特に限定するものではないが、ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンの共重合体等が挙げられる。ポリビニルピロリドンの共重合体としては、特に限定するものではないが、親水性部と疎水性部とをポリマー鎖中に併せ持つものが好ましく、例えば、ポリビニルピロリドンをポリビニルアルコールにグラフトしたコポリマー、[ビニルピロリドン-酢酸ビニル]ブロック共重合体、[ビニルピロリドン-メチルメタクリレート]共重合体、[ビニルピロリドン-ノルマルブチルメタクリレート]共重合体、[ビニルピロリドン-アクリルアミド]共重合体等が例示できる。
以上のような重合反応を行うことによって、前記一般式(1)に示されるチオフェンモノマーを含むモノマーの重合物を生成させることができるが、当該重合物については、重合物溶液又は重合物固体として得られる。前記重合物が重合物固体として得られる場合は、その固体の全部または一部が、陽極上の析出物として得られる傾向がある。
前記重合物が重合物固体として得られた場合は、次の(ii)で表される溶解工程を実施して重合物溶液を取得する。
次に、本願発明の一実施形態の(ii) 前記重合工程で得られた重合物が重合物固体である場合に行う、当該重合物固体と溶媒とを混合して重合物溶液を得る溶解工程について説明する。
前記の重合工程で得られた重合物固体が電極上に析出している場合は、前記重合物固体は、前記電極からあらかじめ分離されることが好ましい。当該分離の方法については、特に限定するものではないが、打撃による剥離、超音波による剥離、へら等を用いた剥離、良溶媒を用いた溶解剥離等の方法を挙げることができる。なお、電極上に析出していたかどうかを問わず、得られた重合物固体についてはろ過処理することが好ましい。前記のろ過処理方法としては、特に限定するものではないが、吸引ろ過、加圧ろ過、遠心ろ過、自然ろ過等が例示される。
前記の重合物固体をろ過するのに用いるフィルターとしては、重合物固体を重合工程後の溶媒等から分離できるものであればよく、特に限定するものではないが、ろ紙、メンブレンフィルター、グラスフィルター、ろ布等が例示される。
次いで、前記で分離された重合物固体については、溶媒と混合することによって、重合物溶液が得られる。
前記の溶媒としては、特に限定するものではないが、水、水を含む溶媒、又は水溶性溶媒であることが好ましく、水、水-水溶性アルコール混合溶媒、又は水溶性アルコールであることがより好ましい。
水としては、例えば、純水が挙げられ、蒸留水、イオン交換水でもよい。
水溶性アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、又はブタノール等のアルコール類が挙げられる。
これらの溶媒のうち、好ましくは、水、水-メタノール混合溶媒、又はメタノールであり、より好ましくは水である。また、当該溶媒については、脱気したり、窒素等の不活性ガスで置換したりしていてもよい。
なお、前記重合物溶液については、その粘度が、0.1~1000mPa・sの範囲であることが好ましい。
また、前記の重合物溶液における重合物濃度については、特に限定するものではないが、0.01~20重量%の範囲とすることが好ましい。当該重合物濃度については、次の(iii)の加熱処理工程の処理効率に優れる点で、0.1~10重量%であることが好ましく、0.2~5重量%であることがより好ましい。
次に、本願発明の一実施形態の(iii) 前記重合工程、又は前記溶解工程で得られた重合物溶液を加熱する加熱処理工程について説明する。
当該加熱処理工程において加熱対象となる重合物溶液については、(i)の重合工程、又は(ii)の溶解工程で製造された重合物溶液をそのまま用いることもできるし、(i)の重合工程、又は(ii)の溶解工程で製造された重合物溶液を一般公知の精製方法によって精製してから用いることもできる。
前記の精製方法としては、特に限定するものではないが、限外ろ過、透析、イオン交換樹脂処理等が挙げられる。これらの精製は、単独で行ってもよく、あるいは2種類以上組合せて行ってもよい。
前記のイオン交換樹脂としては、特に限定するものではないが、例えば、弱酸性陽イオン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂、弱塩基性陰イオン交換樹脂、強塩基性陰イオン交換樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく、あるいは2種類以上を用いてもよい。
前記の加熱処理工程の加熱温度は、高導電性を得るために、ポリチオフェンの重合反応温度よりも高い温度であることが好ましく、特に限定するものではないが、50~200℃であることが好ましく、60~180℃であることがより好ましく、70~150℃であることがさらに好ましい。
前記の加熱処理工程における加熱については、重合工程における最大到達温度(℃)+10℃以上の温度に加熱することが好ましく、重合工程における最大到達温度(℃)+20℃以上の温度に加熱することがより好ましく、重合工程における最大到達温度(℃)+50℃以上の温度に加熱することがより好ましい。
前記の加熱処理工程における加熱は、密閉系で行ってもよいし、開放系で行ってもよい。高温で加熱する場合には、溶媒の蒸発等が考えられるため、密閉系で行うことが好ましく、必要に応じて耐圧容器を使用してもよい。
前記の加熱の時間は、特に限定するものではないが、0.1時間以上1000時間以内であることが好ましい。より好ましくは、0.5時間以上100時間以内、より好ましくは1時間以上50時間以内である。
以上の(i)、(ii)、及び(iii)の各工程を行うことによって、目的とする導電性高分子溶液を製造することができる。
本願発明の一実施形態に係る導電性高分子の製造方法については、前記の(i)、(ii)、及び(iii)の各工程に加えて、更に、(iv) 加熱処理工程で得られた重合物溶液を、陰イオン交換樹脂と接触させて、前記重合物溶液中の陰イオンを水酸化物イオンにイオン交換する陰イオン交換工程(所謂、精製工程)、を含んでいてもよい。当該(iv)の陰イオン交換工程については、(i)の重合工程と(iii)の加熱処理工程との間、(ii)の溶解工程と(iii)の加熱処理工程との間、又は(iii)の加熱処理工程の後、であることが好ましく、単回であってもよいし、複数回組み合わせて行ってもよい。
前記の陰イオン交換樹脂としては、特に限定するものではないが、例えば、弱塩基性陰イオン交換樹脂、又は強塩基性陰イオン交換樹脂等を挙げることができるが、前記の導電性高分子の純度を効率よく上げられるという優れる点で、弱塩基性陰イオン交換樹脂が好ましい。更に、前記の弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、特に限定するものではないが、アミン型弱塩基性陰イオン交換樹脂が好ましい。当該アミン型弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、市販品を使用することができ、特に限定するものではないが、例えば、ダイヤイオン(登録商標)WA20、ダイヤイオン(登録商標)WA21、ダイヤイオン(登録商標)WA30(三菱化学社製)、アンバーライト(登録商標)IRA67、アンバーライト(登録商標)IRA96SB、アンバーライト(登録商標)IRA98(オルガノ社製)、ダウエックス(登録商標)66(ダウ社製)、デュオライト(登録商標)A368MS(ローム&ハース社製)、LEWATIT(登録商標)MP62WS、LEWATIT(登録商標)モノプラスMP64等が好適に使用され得る。
なお、以上のような各工程を経て製造された導電性高分子溶液については、さらに粘度調整、又は成分調整等の操作を行うことによって、目的とする用途に適した導電性高分子溶液に調整することができる。
前記の粘度調整の方法としては、特に限定するものではないが、例えば、溶媒を限外ろ過又は留去により除去する方法、溶媒を添加する方法、ホモジナイズ処理(超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等の使用)が挙げられる。溶媒を添加する場合は、当該溶媒としては、特に限定するものではないが、重合工程に用いられる溶媒と同じものを例示することができ、水であることがより好ましい。
前記の成分調整については、特に限定するものではないが、導電性高分子組成物の分野で一般的に用いられる従来公知の添加剤を従来公知の方法に基づいて添加する等の操作を示すことができる。
前記の製造方法によって製造された導電性高分子溶液については、前記一般式(2)で表される繰り返し構造及び前記一般式(3)で表される繰り返し構造からなる群より選ばれる繰り返し構造を少なくとも2つ以上含むポリチオフェンを含むという特徴を備え、更に、鉄イオン含有量が少ないという特徴を備える。鉄イオン含有量が少ないため、本願発明の一実施形態に係る製造方法については、従来技術では常用的に行われていた陽イオン交換工程による精製操作が必須ではなくなり、工程削減ができ環境負荷を低減できるという効果を奏する。
なお、当該導電性高分子溶液については、その用途に適用する場面において鉄イオン含有量が少ないことが望まれており、その鉄含有量が10ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることが好ましく、2ppm以下であることがより好ましく、0.5ppm以下であることがより好ましく、0.2ppm以下であることがより好ましい。
前記の製造方法によって製造された導電性高分子については、高いキャリア移動度を有することが好ましく、特に限定するものではないが、そのキャリア移動度が1.5~10 cm/Vsであることが好ましく、1.8~5 cm/Vsであることがより好ましい。
また、本発明の一実施形態によれば、製造工程削減による高効率な製造方法により、導電性に優れた導電性高分子溶液の製造が可能となる。これは、エネルギー効率に優れたエレクトロニクス製品の高効率な製造方法の実現に繋がり、持続可能な開発目標(SDGs)の、例えば目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」等の達成に貢献できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
次に本発明の一態様を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されて解釈されるものではない。
(電気伝導度測定法)
スライドガラス(26×70mm)を長手方向の真中で2分割するようにビニールテープを貼り、ビニールテープで区画された一方(26×35mm)に導電性高分子溶液(導電性高分子の濃度が約1.0重量%)を滴下し、60℃で30分間、120℃で10分間乾燥させた。その後、200℃で真空1時間熱処理することにより、膜厚d=約5μmの導電性高分子キャストフィルムを作製した。作製した導電性高分子キャストフィルムを10×10mmに切り出した。膜厚dは、乾燥空気中(湿度10%以下で10分間乾燥)で触針式段差計D-100(KLA-Tencor)を用いて測定した。
導電性の評価は、電気伝導度を指標として行った。まず、抵抗率計ロレスタGP(三菱化学株式会社)に接続された四探針プローブPSP(三菱化学株式会社)をクランクで固定し、ラボジャッキを用いてキャストフィルムを持ち上げることでプローブに直接押し当てて抵抗Rを測定した。四探針法より測定した抵抗Rに、フィルム形状(膜厚、サイズ、測定座標)により決定される補正値である抵抗率補正係数(RCF値)を積算し、電気伝導度σを次の式より算出した。
Figure 2023031073000010
ここで、電気伝導度σ(S/cm)、電流I(A)、電圧U(V)、抵抗率補正係数RCF、フィルムの膜厚d(μm)である。
(分子量測定法)
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び多分散度(PDI)はGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定し、高速液体クロマトグラフィー装置(Prominence、島津製作所)カラムはTSKgel α-Mおよびguardcolumn α(東ソー)を用いた。標準試料はポリ(4-スチレンスルホン酸)(PSS、American polymer standard)を用いた。溶離液は10mMテトラブチルアンモニウムブロミド(TBABr)と10mMN-ジイソプロピルアミン(DIPA)とを溶かしたジメチルスルホキシド(DMSO)を用いた。測定試料は、溶離液を用いて導電性高分子濃度5×10-3重量%に中和・希釈した後、始めに50℃で20分間超音波処理を行い、50℃で18時間反応させた後、20分間超音波処理することで脱ドープ処理を行った。
(反射スペクトル測定及びキャリア移動度の算出)
紫外可視分光光度計(V-670、日本分光(株)製)を用いて、作製した導電性高分子キャストフィルムを測定サンプルとして用い、波長300~2500nmの範囲で反射スペクトルを測定した。反射スペクトルの外挿線と反射率0%との交点をプラズマ周波数fと定義し、プラズマ周波数fからキャリア密度Nは以下の式から算出した。
Figure 2023031073000011
ここで、f:プラズマ周波数(ω/2π)(Hz)、N:キャリア密度(/cm)、e:電気素量(1.6×10-19C)、ε:誘電率(8.85×10-12F/m)、m:有効質量(0.82m)、m:自由電子質量(9.11×10-31kg)である。
さらに、前記により得られた電気伝導度σ及びキャリア密度Nから、以下の式を用いることで、キャリア移動度μを算出した。
Figure 2023031073000012
ここで、電気伝導度σ(S/cm)、キャリア密度N(/cm)、電気素量e(1.6×10-19C)である。
(粘度測定)
ねじれ振動式粘度計(ビスコメイドVM-10A-L、セコニック)を用いて、導電性高分子溶液(導電性高分子の濃度が約1.0重量%)の粘度を25℃で測定した。
(pH測定)
pHメーター(F―53、堀場製作所)を用いて、導電性高分子溶液(導電性高分子の濃度が約1.0重量%)のpHを25℃で測定した。
(粒径測定)
動的光散乱測定装置(Nanotrac UPA-UT151、日機装)を用いて、導電性高分子の粒径を評価した。純水約2mlをバックグラウンドとして測定した後、導電性高分子溶液(導電性高分子の濃度が約1.0重量%)を10~20μl加えることで100~200倍に希釈して測定した。粒径分布ならびに積算の粒径分布曲線が50%の横軸と交差するメジアン径(D50)を、ソフトウェアMicrotrac II DMSを用いて算出した。
実施例1
(電気化学酸化重合の方法)
作用電極に白金(35cm)、対電極にチタン(690cm)、参照電極は銀-塩化銀電極の3電極式を用いて重合を行った。まず始めに、1M 希硫酸溶液 990gに3-[(2,3-ジヒドロチエノ[3,4-b]-[1,4]ジオキシン-2-イル)メトキシ]-1-メチル-1-プロパンスルホン酸ナトリウム(下記一般式(5)で表されるチオフェンモノマー、常法に従って製造) 10gを溶解させた。この時の前記のチオフェンモノマーの濃度は、1.0重量%であった。前記のチオフェンモノマーが完全に溶解した混合液を反応容器に加えた。反応容器内の混合液の温度を0℃に調温し、2時間窒素フローした後、電流密度1mA/cmで、作用電極に参照電極に対して+0.8Vの電位を20時間印加した結果、固形物が析出した。析出物を分析した結果、前記のチオフェンモノマーが重合したポリチオフェン(下記一般式(6)及び下記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体)であった。
Figure 2023031073000013
Figure 2023031073000014
Figure 2023031073000015
(電気化学酸化重合物の精製)
電気化学的酸化重合により析出したポリチオフェン(前記一般式(6)及び前記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体)を、ガラスフィルターろ過により回収した。次いで、得られたポリチオフェンに対して純水を3kg加えて一晩攪拌後、超音波ホモジナイザーにより10分間ホモジナイズすることで重合物溶液を得た。前記の重合物溶液を、限外ろ過(分画分子量=10kD)によって精製した後、吸引ろ過により未溶解の固体を取り除いた。さらに吸引ろ過して得られた重合物溶液を限外ろ過(分画分子量=10kD)により濃縮することで、濃度1.0重量%のポリチオフェン(前記一般式(6)及び前記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体であって、導電性高分子)を含む濃群青色水溶液(導電性高分子溶液)を得た。
(導電性高分子溶液の加熱処理)
前記の限外ろ過によって濃度1.0重量%に調整された前記のポリチオフェン(前記一般式(6)及び前記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体)が含まれる水溶液を、100℃で24時間、撹拌しながら加熱処理し、導電性高分子溶液を得た。
(電気伝導度)
本発明の一実施形態に係る製造方法によって得られた導電性高分子溶液に含まれる導電性高分子について、前記の電気伝導度測定方法により電気伝導度を測定したところ、322S/cmであった。
(分子量)
本発明の一実施形態に係る製造方法によって得られた導電性高分子溶液に含まれる導電性高分子について、前記の分子量測定方法により分子量を測定したところ、重量平均分子量は15,706g/molであった。
(キャリア密度、キャリア移動度)
本発明の一実施形態に係る製造方法によって得られた導電性高分子溶液に含まれる導電性高分子について、前記の反射スペクトル方法によりキャリア密度、キャリア移動度を測定したところ、キャリア密度は1.23×1021/cm、キャリア移動度は1.81cm/Vsであった。
(粘度)
本発明の一実施形態に係る製造方法によって得られた導電性高分子溶液について、前記の粘度測定方法により粘度を測定したところ、2.68mPa・sであった。
(pH)
本発明の一実施形態に係る製造方法によって得られた導電性高分子溶液について、前記のpH測定方法によりpHを測定したところ、1.87であった。
(粒径)
本発明の一実施形態に係る製造方法によって得られた導電性高分子溶液について、前記の粒径測定方法により粘度を測定したところ、2.07nmであった。
結果を表1、表2及び表3に記載した。
実施例2
実施例1において、電流密度1mA/cmの条件を、電流密度2mA/cmに変更した以外は、実施例1と同様の重合方法の操作、精製操作、及び重合液の加熱処理を行い、濃度1.0重量%のポリチオフェン(前記一般式(6)及び前記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体であって、導電性高分子)を含む濃群青色水溶液(導電性高分子溶液)を得た。物性評価の結果を表1、表2及び表3に記載した。
実施例3
実施例1において、電流密度1mA/cmの条件を、電流密度3mA/cmに変更した以外は、実施例1と同様の重合方法の操作、精製操作、及び重合液の加熱処理を行い、濃度1.0重量%のポリチオフェン(前記一般式(6)及び前記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体であって、導電性高分子)を含む濃群青色水溶液(導電性高分子溶液)を得た。物性評価の結果を表1、表2及び表3に記載した。
実施例4
実施例1において、電流密度1mA/cmの条件を、電流密度4mA/cmに変更した以外は、実施例1と同様の重合方法の操作、精製操作、及び重合液の加熱処理を行い、濃度1.0重量%のポリチオフェン(前記一般式(6)及び前記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体であって、導電性高分子)を含む濃群青色水溶液(導電性高分子溶液)を得た。物性評価の結果を表1、表2及び表3に記載した。
実施例5
実施例1において、電流密度1mA/cmの条件を、電流密度5mA/cmに変更した以外は、実施例1と同様の重合方法の操作、精製操作、及び重合液の加熱処理を行い、濃度1.0重量%のポリチオフェン(前記一般式(6)及び前記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体であって、導電性高分子)を含む濃群青色水溶液(導電性高分子溶液)を得た。物性評価の結果を表1、表2及び表3に記載した。
実施例6
実施例1において、電流密度1mA/cmの条件を、電流密度6mA/cmに変更した以外は、実施例1と同様の重合方法の操作、精製操作、及び重合液の加熱処理を行い、濃度1.0重量%のポリチオフェン(前記一般式(6)及び前記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体であって、導電性高分子)を含む濃群青色水溶液(導電性高分子溶液)を得た。物性評価の結果を表1、表2及び表3に記載した。
参考例1
実施例1において、加熱処理を行わなかった点以外は、実施例1と同様の重合方法の操作、及び精製操作を行い、濃度1.0重量%のポリチオフェン(前記一般式(6)及び前記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体)を含む濃群青色水溶液を得た。物性評価の結果を表1、表2及び表3に記載した。
参考例2
実施例2において、加熱処理を行わなかった点以外は、実施例2と同様の重合方法の操作、及び精製操作を行い、濃度1.0重量%のポリチオフェン(前記一般式(6)及び前記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体)を含む濃群青色水溶液を得た。物性評価の結果を表1、表2及び表3に記載した。
参考例3
実施例3において、加熱処理を行わなかった点以外は、実施例3と同様の重合方法の操作、及び精製操作を行い、濃度1.0重量%のポリチオフェン(前記一般式(6)及び前記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体)を含む濃群青色水溶液を得た。物性評価の結果を表1、表2及び表3に記載した。
参考例4
実施例4において、加熱処理を行わなかった点以外は、実施例4と同様の重合方法の操作、及び精製操作を行い、濃度1.0重量%のポリチオフェン(前記一般式(6)及び前記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体)を含む濃群青色水溶液を得た。物性評価の結果を表1、表2及び表3に記載した。
参考例5
実施例5において、加熱処理を行わなかった点以外は、実施例5と同様の重合方法の操作、及び精製操作を行い、濃度1.0重量%のポリチオフェン(前記一般式(6)及び前記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体)を含む濃群青色水溶液を得た。物性評価の結果を表1、表2及び表3に記載した。
参考例6
実施例6において、加熱処理を行わなかった点以外は、実施例6と同様の重合方法の操作、及び精製操作を行い、濃度1.0重量%のポリチオフェン(前記一般式(6)及び前記一般式(7)で表される繰り返し構造からなる重合体)を含む濃群青色水溶液を得た。物性評価の結果を表1、表2及び表3に記載した。
Figure 2023031073000016
Figure 2023031073000017
Figure 2023031073000018
前記表1から分かるように、ポリチオフェンを含む導電性高分子溶液を加熱処理することにより、塗膜の電気伝導度を向上させることができた。また、前記表2から分かるように、ポリチオフェンを含む導電性高分子溶液を加熱処理することで、塗膜のキャリア移動度についても向上させることができた。
また、前記各表から分かるように、本発明の一実施形態に係る製造方法によって製造された導電性高分子及びその溶液は、加熱処理を行っていないものに比べて分子量及び電気伝導度及びが向上しているにも関わらず、粘度が低下しているという特長を示した。導電性高分子については、一般的に高分子量化・高電気伝導度化に伴って粘度が上昇し、コンデンサミクロ細孔への含浸、塗布性、及び操作性等に悪影響が出る傾向があるが、本願発明の一実施形態に係る製造方法によれば、従来にない高い電気伝導度を有し、尚且つ高い操作性を有する導電性高分子及びその溶液を提供することが可能となる。
このように、本願発明の一実施形態によれば、従来公知の電気化学酸化重合では達成困難であった高い電気伝導度を示す自己ドープ型導電性高分子及びその溶液を製造、提供することができる。
また、本願発明の一実施形態に係る製造方法によって製造された導電性高分子については、従来にない高いキャリア移動度を示すという顕著異質な効果を奏するものである。この為、当該導電性高分子については、有機EL、LCD、及びコンデンサ等の性能を向上させることができる点で、産業上極めて有用である。
本願発明の一実施形態に係る導電性高分子溶液の製造方法で得られる導電性高分子は、高い電気伝導度を有するため、帯電防止剤、コンデンサの固体電解質、並びに帯電防止フィルム、巻回型アルミ電解コンデンサ用のセパレータへの利用が可能である。その他、エレクトロクロミック素子、透明電極、透明導電膜、熱電変換材料、化学センサ、アクチュエータ、電磁波シールド材等への応用も期待できる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(2)で表される繰り返し構造及び下記一般式(3)で表される繰り返し構造からなる群より選ばれる繰り返し構造を少なくとも2つ以上含むポリチオフェンを含む導電性高分子溶液を製造する製造方法であって、
    (i) 少なくとも下記一般式(1)で表されるチオフェンモノマーを含むモノマーと、溶媒と、酸とを含む溶液に、少なくとも1対の電極を接触させ、前記電極間に電位差を印加することによって前記モノマーの重合物である重合物固体又は重合物溶液を得る重合工程と、
    (ii) 前記重合工程で得られた前記重合物が前記重合物固体である場合は、当該重合物固体と前記溶媒とを混合して前記重合物溶液を得る溶解工程と、
    (iii) 前記重合工程、又は前記溶解工程で得られた前記重合物溶液を加熱する加熱処理工程と、
    を含むことを特徴とする製造方法。
    Figure 2023031073000019
    Figure 2023031073000020
    Figure 2023031073000021
    [前記一般式(1)及び(2)中、Mは、各々独立して、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。前記一般式(1)、(2)及び(3)において、Rは、水素原子、炭素数1~6の直鎖状、若しくは分岐状アルキル基、又はハロゲン原子を表す。mは、1~6の整数を表し、nは、0又は1を表す。]
  2. 前記一般式(1)、(2)及び(3)において、前記mが、2又は3である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記一般式(1)、(2)及び(3)において、前記Rが、メチル基である、請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記重合工程において、前記モノマーの濃度が、0.1~30重量%である、請求項1~請求項3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記重合工程において、電流密度が0.01~10mA/cmの範囲である、請求項1~請求項4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記加熱処理工程において、前記加熱の温度が50~250℃の範囲である、請求項1~請求項5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 下記一般式(2)で表される繰り返し構造及び下記一般式(3)で表される繰り返し構造からなる群より選ばれる繰り返し構造を少なくとも2つ以上含むポリチオフェンを含む導電性高分子であって、キャリア移動度が1.5~10 cm/Vsであることを特徴とする、導電性高分子。
    Figure 2023031073000022
    Figure 2023031073000023
    [前記一般式(2)中、Mは、各々独立して、水素イオン、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。前記一般式(2)及び(3)において、Rは、水素原子、炭素数1~6の直鎖状、若しくは分岐状アルキル基、又はハロゲン原子を表す。mは、1~6の整数を表し、nは、0又は1を表す。]
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