JP2023030283A - 情報管理システム及び情報管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】質の高い設計を効率よく行う技術の提供。【解決手段】BIMツール100で一通り設計を終えるとBIMモデルがサーバ200に保存され(S102)、3Dアニメに変換される(S110)。アプリ300で3Dアニメ等がダウンロードされ(S120)、3Dアニメ内にタグ情報が入力されると(S122)、サーバ200でタグ情報がデータベースに登録されて、データベースから情報を抽出してチェックリストが生成され(S130)、このチェックリストが次バージョンの設計に用いられる。そして、次バージョン以降の設計においても、同様の流れが繰り返される。このように、設計の初期段階から、チェック者により入力された指摘事項やチェックポイントを踏まえつつデータベースに蓄積された情報に基づいて生成されたチェックリストに沿って設計を行うことができるため、効率よく設計作業を進めることができ、配慮の行き届いた設計を行うことができる。【選択図】図6

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 〔公開日〕 令和3年7月7日 〔公開場所〕 武蔵精密工業株式会社 本社/植田工場(愛知県豊橋市植田町字大膳39-5) 〔公開日〕 令和3年7月15日 〔公開場所〕 株式会社フジタ主催のWEB会議
本発明は、情報管理システム及びその方法に関し、特に、建造物の設計業務に関する情報を管理するための情報管理システム及びその方法に関する。
建造物の設計過程では、クライアントからの指摘事項、施工現場の中間検査等で指摘される事項、メンテナンス業者等からの指摘事項等に基づいて改修がなされるが、これらの情報は、各現場で個別に管理されるのが一般的である。また、設計の担当者はクライアント毎に固定化する場合が多いことから、クライアントの嗜好や重視するポイント、クライアントに頻繁に指摘されるチェック項目等の情報は、担当者に属人化しやすい。
上記のように、設計業務における様々なノウハウが個々の現場や担当者により断片化した状態で保有されていると、経験の浅い担当者は、そうしたノウハウを知り得ず、OJTのような機会が設けられたとしても十分には伝承されにくい。そのため、担当者がノウハウを保有しているか否かにより、設計の質や効率に大きな差が生じる。
また、特定のクライアントに関するノウハウを保有している担当者についても、他のクライアントに関するノウハウは把握していないため、例えば、現在担当している案件の設計において、他のクライアントに関するノウハウを設計のヒントとして活用したり、他のクライアントからの指摘事項を参考にしたり、という具合に、担当外のノウハウを踏まえて別の視点から設計を発展させるといったことができないため、設計の幅を拡げることが困難である。
そこで、本発明は、質の高い設計を効率よく行う技術の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の情報管理システム及び情報管理方法を採用する。なお、以下の括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、本発明の情報管理システムは、建造物の3Dモデルを変換して生成された3Dアニメーション内の仮想空間において、任意の位置への指摘事項を含む所定情報の入力を受け付ける入力受付部と、入力された所定情報を蓄積するデータベース部と、データベース部から所定条件に該当する情報を抽出して上記の建造物に対するチェックリストを生成するチェックリスト生成部とを備えている。
この態様の情報管理システム及びその方法によれば、建造物に関する指摘事項を含む所定情報が蓄積されたデータベース部から所定条件に該当する情報を抽出してチェックリストが生成されるため、チェックリストに沿って設計することで、効率よく設計作業を進めることができるとともに、配慮の行き届いた設計を行うことができる。
好ましくは、上述した情報管理システムにおいて、上記の3Dアニメーションが起動される端末に搭載されたセンサを用いて取得される現実空間における現実位置と仮想空間における仮想位置とを対応付け、現実空間での移動に同期して仮想空間に設置された視点を移動させる位置管理部と、端末に搭載されたマイクが拾う音声を少なくとも文字に変換する音声管理部と、その文字を、音声が拾われた現実位置に対応する上記の3Dアニメーション内の仮想位置への所定情報として入力する自動入力部とをさらに備えている。
この態様の情報管理システム及びその方法によれば、現実空間において建造物のチェックを行うユーザ(チェック者)の移動に同期して仮想空間(3Dアニメーション内)における視点が移動し、ユーザの話声が文字に変換されて所定情報として自動入力されるため、ユーザが手動で所定情報を入力する手間を省くことができ、所定情報の入力を効率よく行うことができる。
より好ましくは、上述した情報管理システムにおいて、所定情報が入力された3Dアニメーション内の位置に、所定情報が付与されたことを示す表示を行う第1表示処理部と、所定情報が入力された上記の位置に対応する3Dモデル内の位置に、上記の表示を行う第2表示処理部をさらに備えている。
この態様の情報管理システム及びその方法によれば、3Dアニメーション内に所定情報が入力された位置(タグアイコンTAが表示された位置)に対応する3Dモデル内の位置に、所定情報が入力されたことの表示(タグアイコンTBの表示)がなされるため、設計者は、BIMモデルに対する設計作業を行いながら、どの位置にどのような所定情報が入力されたのかを容易に確認することができ、確認した内容を踏まえて設計の改修を行うことができる。
また好ましくは、上述した情報管理システムにおいて、3Dモデル内の仮想空間において、第2表示処理部によりなされた上記の表示を介して所定情報に対する応答の入力を受け付ける応答受付部をさらに備え、第1表示処理部は、表示を介して前記応答を表示することができる。
この態様の情報管理システム及びその方法によれば、3Dアニメーション内への所定情報の入力がなされ、その所定情報に対する応答の入力が設計者によりなされると、所定情報に対する応答が3Dアニメーション内になされる上記の表示(タグアイコンTAの表示)を介して表示可能とされるため、チェック者は、自身が手動で入力した所定情報、又は、自身の話声に基づいて自動入力された所定情報に対し、設計者によりどのような対応がなされたのかを容易に確認することができる。
さらに好ましくは、上述した情報管理システムにおいて、データベース部は、所定情報を3Dアニメーション及び3Dモデルの各バージョン情報と対応付けて蓄積する。
この態様の情報管理システム及びその方法によれば、入力された所定情報が3Dアニメーション及び3Dモデルの各バージョン情報と対応付けてデータベース部に蓄積されるため、所定情報がどのバージョンの3Dモデルのどの箇所に対して入力され、また、その所定情報を受けてどのバージョンでどのような対応がなされたのかを追跡することができる。また、このような履歴情報を見易い態様で表示することで、どの箇所(オブジェクト)に対しどのバージョンでどのような変更がなされたのかを容易に確認することが可能となる。
本発明によれば、質の高い設計を効率よく行うことができる。
情報管理システム1の動作環境を示す概要図である。 情報管理システム1の構成を示すブロック図である。 アプリケーション300において実行されるタグ情報入力処理の手順例を示すフローチャートである。 3Dアニメーション内にタグ情報を入力する際の表示例を示す連続図である。 クラウドサーバ200において実行されるチェックリスト生成処理の手順例を示すフローチャートである。 設計を開始してから設計審査がなされるまでの情報管理システムの動作例を概略的に示すシーケンス図である。 タグ情報のリスト表示の例を示す図である。 情報管理システム1において管理されるデータの構造例を概略的に示すER図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下の実施形態では、情報管理システムの好適な一例を挙げているが、本発明の形態は例示のものに限定されない。
〔情報管理システムの動作環境〕
図1は、情報管理システム1の動作環境を示す概要図である。
情報管理システム1は、個々の担当者が保有するノウハウを含めた建造物の設計業務に関する情報をデータベースに蓄積してナレッジとして一元管理し、ナレッジに基づく設計を可能とするシステムであり、設計用コンピュータDC(BIMツール100)と、クラウドサーバ200と、情報端末MD(アプリケーション300)とがインターネット等の通信回線に接続された環境で動作する。
設計者がBIMツール100で作成する建造物のBIMモデルは、クラウドサーバ200において3Dアニメーションに変換され、情報端末MDにインストールされたアプリケーション300を介して画面に表示可能となる。3Dアニメーションは、BIMモデルから必要最小限のデータを抽出して作成されるため、BIMモデルと比較してデータ量が大幅に圧縮される。また、アプリケーション300は、タブレットやスマートフォン、モバイルPC等のような情報端末MDで動作し(動作に高いスペックは要求されず)、一般的なユーザによる利用を想定して操作のインタフェースが実装されるため、操作性に優れている。
なお、本実施形態における3Dアニメーションとは、所定の操作に伴って、又は、ユーザの現実空間での動きに連動して、あたかもその内部空間を移動しているかのように表示が変化する3次元のアニメーションのことである。上記の所定の操作等がない状態では、3Dアニメーションの表示は基本的には停止しており、常に表示が変化し続けるものではない。
アプリケーション300のユーザ(チェック者)としては、提案時、着工前、施工中、完成後等の様々な段階で建造物のチェックや検査を行う設計部員、営業部員、施工部員、施工業者、メンテナンス業者等が想定される。チェック者がアプリケーション300で所定の操作を行って3Dアニメーションの内部を移動しながら建造物のチェックを行い、選択した箇所に対して情報の入力を行うと、その箇所に情報が入力されたことを示すタグアイコンTAが表示される。
チェック者が入力した情報は、3Dアニメーション内の位置情報及びこれに対応するBIMモデル内の位置情報とともに、クラウドサーバ200上のデータベースに設けられたタグ情報テーブルに蓄積される。そして、設計者がBIMツール100でBIMモデルを開くと、3Dアニメーション内で入力された情報が読み込まれ、3Dアニメーション内のタグアイコンTAが表示された箇所に対応するBIMモデル上の箇所に、タグアイコンTAと同様の態様による表示が再現(タグアイコンTBが表示)され、この表示を介してチェック者により入力された情報を確認可能となる。
また、クラウドサーバ200上のデータベースには、上述したタグ情報テーブルの他にも様々なテーブルが設けられており、過去の設計業務に関する様々な情報が蓄積されている。クラウドサーバ200では、これらのテーブルからBIMモデル(設計対象の造形物)に該当する情報を抽出してチェックリスト(帳票)を生成する。
設計者は、チェック者により入力された情報やチェックリストを確認し、これらを踏まえてBIMモデルの改修(次バージョンの設計)を行うこととなる。
〔情報管理システムの構成〕
図2は、情報管理システム1の構成を示すブロック図である。図2においては、通信回線の図示を省略している。以下、情報管理システム1における情報の流れに沿って、各ブロックを説明する。
クラウドサーバ200は、例えば、モデル管理部210、モデル変換部220、ファイル交換部230、データ管理部240、座標変換部250、データベース260、チェックリスト管理部270等を有している。なお、これらの機能部のうち一部(例えば、モデル管理部210やモデル変換部220)を、クラウドサーバ200とは別のサーバ(例えば、社内ネットワークに接続されたサーバ)に設けてもよい。
モデル管理部210は、BIMツール100で作成されるBIMモデルを管理しており、BIMモデルが作成(バージョンが更新)されると、その旨をモデル変換部220に通知する。モデル変換部220は、モデル管理部210からの通知を契機として、又は、所定の時刻になると、BIMモデルを変換して3Dアニメーション及びDATファイルを作成してファイル交換部230に格納する。BIMモデルの最初のバージョンが変換される(3Dアニメーションの最初のバージョンが作成される)際に作成される初期状態のDATファイルには、対象のBIMモデル名とバージョン情報のみが記録される。また、次バージョン以降のBIMモデルが変換される(3Dアニメーションが作成される)際には、既存のDATファイルに記録されたバージョン情報の更新がなされる。
なお、3Dアニメーションの作成には、ゲームエンジンを用いてもよいし、その他のツールや独自に開発した変換ツールを用いてもよい。また、BIMモデルのバージョンは、タイムスタンプで管理してもよい。さらに、対象のBIMモデル名は、DATファイルのファイル名として管理してもよい。
アプリケーション300は、例えば、ファイル送受信部310、記憶部320、表示処理部330、入力受付部340、位置管理部350、音声管理部360、自動入力部370、モード設定部380等を有している。アプリケーション300は2つの実行モード(現地視察モード、ウォークスルーモード)を有しており、チェック者によりいずれかが選択されると、モード設定部380が選択された実行モードへの切り替えを行う。なお、2つの実行モードについては、別の図面を参照しながら詳しく後述する。
情報端末MDでアプリケーション300を起動すると、ファイル送受信部310は、クラウドサーバ200(ファイル交換部230)に照会して3Dアニメーション及びDATファイルをダウンロードし、記憶部320に格納する。表示処理部330は、3Dアニメーションの表示に関する処理全般を担い、記憶部320に格納された3Dアニメーションを情報端末の画面に表示するとともにDATファイルに記録された情報に基づいて3Dアニメーション内に上記のタグアイコンTAを表示する。また、表示処理部330は、チェック者が所定の操作を行って3Dアニメーション内に設けられた視点を移動させると、これに伴って画面への表示位置を変更する。入力受付部340は、タグアイコンTAが選択された場合に表示されるメッセージ、優先度、ステータス等の情報(以下、「タグ情報」と称する。)の入力フォームを提供し、チェック者が入力フォームに入力した情報をタグアイコンTAが設置された位置の座標とともにDATファイルに記録する。
また、アプリケーション300は、後述する現地視察モードにおいて、情報端末MDに搭載された位置センサLS、気圧センサPS、マイクMCを用いる。位置センサLSは、実体はGPSであり、情報端末MDの位置の特定に用いられる。電波状況の悪い環境での利用が想定される場合には、GPSに代えてジャイロセンサを用い、基準点からの相対位置を演算により算出することも可能である。気圧センサPSは、大気の圧力を検知するセンサであり、情報端末MDの高さ方向の位置(階数)の特定に用いられる。マイクMCは、建造物の現地視察時になされる会話等の録音に用いられる。なお、用いられるセンサは、上記の例に限定されず、例えば、方向を検出するための磁気センサ、対象物との距離を検出するLiDAR等を適宜活用することができる。
位置管理部350は、現地視察モードを開始するための操作がなされると、位置センサLS及び気圧センサPSからの情報に基づいて、3Dアニメーション内の仮想空間における視点の位置と情報端末MD(チェック者)の現実空間における位置を対応付けて管理し、位置センサLS及び気圧センサPSからの情報の変化に応じて(現実空間でのチェック者の移動に同期して)、仮想空間における視点を移動させる。これに伴い、表示処理部330は、画面への表示内容を変更する。
音声管理部360は、現地視察時にマイクMCが拾った音声(チェック者と帯同者(クライアント等)の会話や、単独で視察するチェック者がマイクMCに向かって発する話声等)を録音するとともに、文字に変換する。自動入力部370は、位置管理部350に照会して音声を拾った位置を特定し、特定された3Dアニメーション内の位置に対し音声から変換された文字をタグ情報として自動入力し、DATファイル(記憶部320)に記録する。なお、音声を記録に残す場合には、所定のキーワードを検出した場合に記録を開始する方法、画面上を所定回数タッチすることにより記録を開始する方法、チェック者が3Dアニメーション上で録音開始操作により記録を開始する方法のいずれかを選択することができる。さらに、会話情報を連続的に記録する場合には、現実空間の移動情報を連続的又は間欠的に記録し、3Dアニメーション内の移動情報と対応付けることができる。
そして、入力受付部340又は自動入力部370により更新されたDATファイル、及び、音声管理部360が録音した(自動入力されたタグ情報の元となった)音声データを、ファイル送受信部310がクラウドサーバ200(ファイル交換部230)にアップロードする。
これを受けて、データ管理部240は、先ず、DATファイルにタグ情報とともに記録された3Dアニメーションの座標を座標変換部250に照会し、同じ位置を示すBIMモデルの座標を取得する。その上で、データ管理部240は、取得したBIMモデルの座標を追記してDATファイルを更新するとともに、タグ情報とこれが付与された位置を示す3Dアニメーション及びBIMモデルの各座標と、音声データとを対応付けたレコードを、タグ情報テーブルに登録する。
チェックリスト管理部270は、データベース260に設けられた様々なテーブルからBIMモデルに該当する情報を抽出してチェックリストを生成し、ファイルへの出力及びチェックリストテーブルへの登録を行う。また、チェックリスト管理部270は、指定条件が送信されると、指定条件に応じた情報を抽出してソートしたチェックリストを生成し、指定条件の送信元に提供する。
BIMツール100は、例えば、ファイル送受信部110、記憶部120、情報表示部130、応答受付部140、チェック受付部150等を有している。これらの各機能部は、例えば、BIMツール100のAPIを用いて実装される。なお、これらの機能部の一部をBIMツール100とは切り離して別に実装してもよい。
BIMツール100でBIMモデルを開くと、ファイル送受信部110は、クラウドサーバ200(ファイル交換部230)に照会し、読み込むべきDATファイルや音声データ、チェックリストが存在すればダウンロードして記憶部120に格納する。情報表示部130は、DATファイルに記録されたタグ情報及び座標情報に基づいてBIMモデル内に上記のタグアイコンTBを表示する。また、情報表示部130は、複数のチェック項目で構成されるチェックリストを、各チェック項目への対応状況を更新可能な状態で表示する。応答受付部140は、タグアイコンTBが選択された場合に、3Dアニメーション内で入力されたタグ情報(その元となった音声データが存在する場合には、さらにその再生メニュー)を表示するとともに、タグ情報に対する応答の入力フォームを提供し、設計者が入力フォームに入力した応答をDATファイルに追記する。更新されたDATファイルは、ファイル送受信部110がクラウドサーバ200(ファイル交換部230)にアップロードする。これを受けて、データ管理部240は、DATファイルに追記された応答に対応するレコードをタグ情報テーブルに格納する。
チェック受付部150は、チェックリストのチェック項目に対する対応状況が更新(チェックボックスに対するチェックの有無が変更)されると、更新データをファイル交換部230に送信する。これを受けて、チェックリスト管理部270は、チェックリストテーブルに格納されている対応するレコードの対応状況フラグ(チェック項目に対する対応がなされたか否かを管理するフラグデータ)を更新する。
なお、本実施形態においては、DATファイルがBIMモデル単位で管理される(1つのBIMモデルに対して1つのDATファイルが設けられる)が、BIMモデルが所定の規模を超える場合等にDATファイルを複数に分割して管理し、例えば、BIMモデル内の領域単位で管理を行ってもよい。DATファイルを複数に分割して管理することで、検索性が向上する。
また、本実施形態においては、DATファイルを介してタグ情報の送受信(ダウンロード、アップロード)を行っているが、電波状況が安定した環境での利用が想定される場合には、DATファイルを介さずに直接送受信するよう構成してもよい。或いは、BIMツール100とクラウドサーバ200との間ではDATファイルを介さずにタグ情報を送受信するよう構成し、アプリケーション300とクラウドサーバとの間ではDATファイルを介してタグ情報を送受信するよう構成してもよい。
〔タグ情報入力処理〕
図3は、アプリケーション300において実行されるタグ情報入力処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS10:モード選択処理が実行される。この処理では、モード設定部380が、現地視察モード及びウォークスルーモードのうちいずれのモードでアプリケーション300を実行するかについて、チェック者による選択を受け付ける。ここで、「現地視察モード」とは、実際の建造物を視察しながら3Dアニメーション内へのタグ情報の自動入力を行うモードのことであり、「ウォークスルーモード」とは、3Dアニメーション内へのタグ情報の入力をチェック者が手動で行うモードのことである。ウォークスルーモードは、主に机上でのチェックを目的として設けられているが、状況に応じて、現地視察の際に敢えてウォークスルーモードを選択することも可能である。
ステップS12:上記のステップS10にて現地視察モードで選択された場合には(ステップS12:Yes)、ステップS20に進む。一方、ウォークスルーモードが選択された場合には(ステップS12:No)、ステップS40に進む。
ステップS20:現地視察モード開始処理が実行される。この処理では、例えば、位置管理部350が位置センサLS及び気圧センサPSをONにして位置の基準点を設定し、3Dアニメーション内の仮想空間における視点の位置と現実空間における位置を対応付けた管理を開始する。また、音声管理部360がマイクMCをONにし、音声を拾った場合に自動的に録音を行う状態に設定する。
ステップS22:位置管理部350が、現実空間でのチェック者の移動に連動して、3Dアニメーション内の仮想空間内における視点を移動させて位置情報を更新する。これを受けて、表示処理部330が、3Dアニメーションの画面への表示位置を変更する。
ステップS24:指摘事項がない場合には(ステップS24:No)、ステップS30に進む。一方、指摘事項がある場合には(ステップS24:Yes)、例えば、チェック者又は帯同者がそれに関して会話する。
ステップS26:音声管理部360が、話声を録音するとともに、音声から文字への変換を行う。
ステップS28:自動入力部370が、話声が生じた現実空間での位置に対応する3Dアニメーション内の位置に対し、音声から変換された文字をタグ情報として自動入力して、タグ情報と位置情報(座標)とを対応付けてDATファイルに記録する。音声を保存する場合は、音声データの保存先も併せて記録する。
ステップS30,32:現地視察を継続する場合には(ステップS30:No)、ステップS22に戻って以降の手順を繰り返す。一方、現地視察を終了する場合には(ステップS30:Yes)、現地視察モード終了処理が実行される(ステップS32)。この処理では、例えば、位置管理部350が位置の管理を終了するとともに位置センサLS及び気圧センサPSを現地視察モード開始処理の実行前の状態に戻し、また、音声管理部360がマイクMCをOFFにする。
ステップS40:表示処理部330が、チェック者の操作に応じて3Dアニメーション内の仮想空間内における視点を移動させて位置情報を更新し、3Dアニメーションの画面への表示位置を変更する。
ステップS42:指摘事項がない場合には(ステップS42:No)、ステップS46に進む。一方、指摘事項がある場合には(ステップS42:Yes)、チェック者が指摘事項を入力したい位置を選択する。
ステップS44:入力受付部340が、タグ情報の入力フォームを提供し、選択された位置に対するタグ情報の入力を受け付け、入力されたタグ情報を選択された位置の座標と対応付けてDATファイルに記録する。
ステップS46:チェック作業を継続する場合には(ステップS46:No)、ステップS40に戻って以降の手順を繰り返す。一方、チェック作業を終了する場合には(ステップS46:Yes)、ステップS50に進む。
ステップS50:ファイル送受信部310が、DATファイルをクラウドサーバ200(ファイル交換部230)にアップロードする。なお、DATファイルのアップロードは、このタイミングでの実行に代えて、ステップS30、ステップS46の終了判定時に実行してもよい。終了判定時にDATファイルがアップロードされることで、入力されたタグ情報はリアルタイムに更新される。これにより、トラブル等によりシステムが停止した場合でも、それまでに入力されたタグ情報を損失することなく確実にデータベースで保持することができる。
このように、現地視察モードが選択された場合には、現実空間での移動に同期して3Dアニメーション内の視点が自動的に移動し、話声が生じた現実空間での位置に対応する3Dアニメーション内の位置に対し、話声を文字変換した情報がタグ情報として自動的に登録される。これに対し、ウォークスルーモードが選択された場合には、チェック者の操作に応じて3Dアニメーション内の視点が移動し、チェック者により選択された位置に入力されたタグ情報が登録される。
なお、3Dアニメーション内へのタグ情報の入力は、通信回線に接続していない状態(オフライン状態)でも可能である。オフライン状態で現地視察やチェック作業を終えた場合には、DATファイルはオンライン状態に切り替わった直後に自動的にクラウドサーバ200にアップロードされる。このような構成により、通信状況の悪い場所であっても問題なく作業を行うことができる。
図4は、ウォークスルーモードで3Dアニメーション内にタグ情報を入力する際の表示例を示す連続図である。なお、3Dアニメーションの表示画面には、所定の位置(図示の例においては、左端部及び左下部)に操作メニューが設けられ、3Dアニメーションに対する操作に用いる各種のボタンが配置されるとともにそれぞれのボタンに対応付けられたショートカットキー又はマウスボタンの表示がなされるが、図4においては、その一部の図示を省略し簡略化して示している。
図4中(A):チェック者が所定の操作を行って3Dアニメーションの内部空間に設けられた視点を移動させると、視点の位置や方向に応じてアプリケーション300の画面に表示される内容が変化する。ところで、この視点は、チェック者の分身として内部空間に配置されたアバターの視点であり、内部空間をアバター目線で見ることや、アバターの背後から見ることが可能である。前者の場合にはアバターは画面には表示されず、後者の場合にはアバターが画面の略中央部に表示される。図示の例は、アバター目線であるため、アバターは表示されていない。アバターを画面に表示する(アバターの背後から内部空間を見る)ことにより、アバターの大きさとの対比により建造物の大きさを容易にイメージすることができる。一方、アバターを非表示とすることにより、アバターを表示する場合と比較して前方中央部の視認性を高めることができ没入感を向上させることができる。
チェック者が操作メニューのいずれかのボタンを選択(タッチ又はクリック)するか、ボタンに対応付けられたショートカットキー又はマウスボタンを押下することにより、そのボタンに対応する操作を行うことができる。内部空間の様々な見え方を確認するために、アバターの種類(大人、子供、身体障がい者、車椅子使用者等)を変更することも可能である。チェック者は、アバターの視点を移動させながら建造物のチェックを行い、タグ情報を入力したい場合には、先ず、対象となる箇所(具体的には、壁、扉、窓等のオブジェクト)を選択する。例えば、図4中(A)の中央部に表示された壁に対してタグ情報を入力したい場合には、チェック者はこの箇所を選択する。
図4中(B):タグ情報を入力したい箇所を選択すると、選択した位置にタグアイコンTAが表示され、このタグアイコンTAを選択すると、タグ情報の入力フォームが表示される。タグ情報の入力フォームには、例えば、メッセージ、優先度、ステータスの入力欄が設けられている。メッセージには、その箇所に関する指摘事項(どの部分をどのように改善すべきか)やチェックポイント(どの部分をどのようにチェックすべきか)が入力される。優先度には、メッセージに入力された内容に関する対応の優先度として、予め用意された選択肢(緊急、重要、通常等)の中からいずれかが選択される。ステータスには、メッセージに入力された内容への対応がなされたか否かを示す選択肢(未対応、対応済)が用意されるが、タグ情報の新規入力時には無条件に「未対応」にセットされる。チェック者は、各入力項目に対して入力を終えると、[保存]を選択する。
図4中(C):入力フォームで[保存]を選択すると、入力フォームが閉じられ、タグアイコンTAの態様が、タグ情報の入力時の態様(図4中(B):アイコン内に十字)とは異なる態様(アイコン内に3本線)に変化する。また、タグアイコンTAは、入力された優先度に応じて異なる色で表示される。例えば、優先度が「緊急」の場合には赤色で表示され、「重要」の場合にはオレンジ色で表示され、「通常」の場合には緑色で表示される。さらに、タグアイコンTBは、ステータスが「対応済」に更新されると、黒色で表示される。タグアイコンTAがこのような態様で表示されることにより、チェック者は、タグアイコンTAが設置された位置にどのような優先度のタグ情報が入力されているか、また、どのタグ情報が既に対応済みであるかを容易に認識することができる。
なお、図示の例においては、タグ情報の入力フォームにメッセージ、優先度、ステータスの入力欄が設けられているが、その他の更なる入力欄が設けられてもよい。
このように、ウォークスルーモードでは、チェック者の操作に応じて、入力フォームが表示された上で、選択された位置にタグ情報が入力されてタグアイコンTAが表示される。これに対し、現地視察モードでは、チェック者が操作を行うことなく、話声の発生に応じて話声が文字に自動変換され、話声の発生位置に対応する3Dアニメーション内の位置に変換後の文字がタグ情報として自動入力されるため、入力フォームは表示されず、タグ情報が自動入力されると、その位置に図4中(C)に示した態様のタグアイコンTAが表示されることとなる。そして、いずれのモードを経た場合も、タグアイコンTAと同じ態様による表示がBIMモデル内の対応する位置にタグアイコンTBとして再現されることとなる。
なお、現地視察モードでは、自動入力されるタグ情報の重要度は一律で設定されるが、タグ情報が自動入力されてタグアイコンTAが表示された後に、チェック者がタグアイコンTAを選択すれば、自動入力されたタグ情報がセットされた入力フォームが表示され、ここでより適切な重要度を選択して再設定することができる。或いは、現地視察モードでの実行中にチェック者が会話をしながら所定の操作を行った場合に、操作に応じた重要度を設定するよう構成してもよい。
〔チェックリスト生成処理〕
図5は、アプリケーション300からDATファイルがアップロードされた場合にクラウドサーバ200において実行される、チェックリスト生成処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS60:データ管理部240が、DATファイルの内容に基づいてBIMモデルのバージョン情報を取得する。
ステップS62:座標変換部250が、DATファイルに記録された3Dアニメーションの座標をBIMモデルの座標に変換する。
ステップS64:データ管理部240が、DATファイル内に記録されたタグ情報及びその関連情報(入力者、入力日時、3Dアニメーションの座標等)とBIMモデルの座標とを対応付けたレコードを、タグ情報テーブルに登録(追加又は更新)する。
ステップS66:チェックリスト管理部270が、BIMモデルに該当する情報をデータベース260から抽出して、チェックリストを生成する。BIMモデルに該当する情報としては、例えば、建造物種別やクライアントが同一である過去の案件に対して挙げられた指摘事項やチェックポイント、クライアントの嗜好等に関する情報の他、社内標準の管理項目等が該当する。生成したチェックリストは、ファイルに出力されるとともに、データベース260に設けられたチェックリストテーブルに登録される。
〔情報管理システムの動作例〕
図6は、設計が開始されてから設計審査に至るまでの間における情報管理システムの動作例をBIMモデルのバージョンを示しながら概略的に示すシーケンス図である。なお、前後の処理が非同期で実行される箇所には、省略線を付している。また、図中では3Dアニメーションを「3Dアニメ」と略記している。以下、時系列に沿って説明する。
ステップS100,S102:BIMツール100において、最初のバージョン1.0の設計が開始され(ステップS100)、一通り設計を終えると、バージョン1.0のBIMモデルがクラウドサーバ200に保存される(ステップS102)。
ステップS110:クラウドサーバ200が、バージョン1.0のBIMモデルを3Dアニメーションに変換するとともに初期状態のDATファイルを作成する。
ステップS120,122:アプリケーション300が、クラウドサーバ200から3Dアニメーション及びDATファイルをダウンロードし(ステップS120)、上記のタグ情報入力処理(図3)を実行する(ステップS122)。
ステップS130:クラウドサーバ200が、上記のチェックリスト生成処理(図5)を実行し、次バージョン(ここではバージョン2.0)のBIMモデルに向けたチェックリストを生成する。
ステップS140,S142:BIMツール100が、チェックリスト及びDATファイルをダウンロードし(ステップS140)、DATファイルの内容に基づいてタグアイコンやタグ情報をBIMモデルに反映させるとともに、チェックリストを表示する。その上で、バージョン2.0の設計が開始される(ステップS142)。
ステップS144,S145:タグ情報に対する応答が入力されると、BIMツール100がDATファイルを更新してクラウドサーバ200にアップロードし(ステップS144)、これを受けてクラウドサーバ200がタグ情報テーブルを更新する(ステップS145)。
ステップS146,S147:チェックリストのチェック項目に対する対応状況が更新(チェックボックスに対するチェックの有無が変更)されると、BIMツール100が対応状況の更新データをクラウドサーバ200に送信し(ステップS146)、これを受けてクラウドサーバ200がチェックリストテーブルを更新する(ステップS147)。
ステップS148:一通り設計を終えると、バージョン2.0のBIMモデルがクラウドサーバ200に保存される。
ステップS150:クラウドサーバ200が、バージョン2.0のBIMモデルを3Dアニメーションに変換する。
ステップS160,162:アプリケーション300が、クラウドサーバ200から3Dアニメーション及びDATファイルをダウンロードし(ステップS160)、上記のタグ情報入力処理(図3)を実行する(ステップS162)。
ステップS170:クラウドサーバ200が、上記のチェックリスト生成処理(図5)を実行し、次バージョン(ここではバージョン3.0)のBIMモデルに向けたチェックリストを生成する。
ステップS180,S182:BIMツール100が、チェックリスト及びDATファイルをダウンロードし(ステップS180)、DATファイルの内容に基づいてタグアイコンやタグ情報をBIMモデルに反映させるとともに、チェックリストを表示する。その上で、バージョン3.0の設計が開始される(ステップS182)。
その後も引き続き、上述した流れと同様にして、BIMモデルの設計→BIMモデルから3Dアニメーションへの変換→3Dアニメーションへのタグ情報の入力→チェックリストの生成という一連の流れが繰り返される。
ステップS190:バージョンN.0の設計を一通り終えると、バージョンN.0のBIMモデルがクラウドサーバ200に保存される。
ステップS200:クラウドサーバ200が、設計審査用のチェックリストを生成する。このチェックリストに対し、必要に応じて追加や修正がなされた上で、経験豊富な設計者により設計審査がなされることとなる。
このように、本実施形態の情報管理システムによれば、設計の初期段階から、チェック者により入力された指摘事項やチェックポイントを踏まえつつ、データベースに蓄積されたナレッジに基づいて生成されたチェックリストに沿って設計を行うことができるため、設計審査に至る段階では、過去のナレッジに基づいて既に望ましい設計がなされた状態とすることができ、設計審査では、さらに高いレベルで実施することが可能となる。
なお、上記の動作例はあくまで一例であり、常に同じ流れで処理が実行されるものではない。また、状況に応じて適宜他の処理を挿入してもよい。例えば、上記のステップS100にて最初のバージョンの設計が開始される前に、クラウドサーバ200で今回の設計に該当する情報(例えば、クライアントや建造物種別等が同一である過去の案件に対して挙げられた指摘事項やチェックポイント等)をデータベースから抽出して、最初のバージョンのBIMモデルを対象としたチェックリストを生成してもよい。
図7は、タグ情報のリスト表示の例を示す図である。チェック者は、3Dアニメーション内で所定の操作を行うことにより、入力された全てのタグ情報をリスト表示することができる。リスト表示には、例えば、タグ情報が入力された箇所(オブジェクト)の名称、メッセージ、優先度、ステータス、BIMバージョン、スクリーンショットのアドレス、入力者、入力日、位置(3Dアニメーションの座標)等が含まれる。なお、リスト表示される項目はこれに限定されず、さらなる項目が含まれてもよい。また、タグ情報が入力された箇所の名称は座標情報で管理されてもよい。
上述したように、情報管理システム1においては、3Dアニメーション内に入力されたタグ情報に対して設計者がBIMモデル内で応答を入力することができるが、リスト表示においては、これらの一連の入力及び応答がスレッド形式で表示される。応答が入力されているスレッドに対しては、リストの左端に折り畳み表示([+])がなされ、その行にはスレッド内の最新の情報(最後に入力された情報)が表示される。そして、折り畳み表示を選択すると、展開表示([-])に切り替わるとともにスレッドが展開され、スレッド内の全ての情報が時系列で表示される。これに対し、応答が入力されていないスレッドに対しては、折り畳み表示はなされない。このような表示により、どの箇所(オブジェクト)に対してどのようなタグ情報が入力され、それに対しどのような対応がなされたのかを容易に把握することができる。
ところで、図7に示した例は、バージョン2.0のBIMモデルを変換して作成された3Dアニメーションで表示されるリスト表示である。左端の展開表示から、エントランスに関して入力された1~2行目の情報は、同一スレッドであることが分かる。各情報を確認してみると、1行目からは、バージョン1.0に対して幅が少し狭い旨の指摘がなされたことが分かり、2行目からは、バージョン2.0に対して幅を拡げた旨の応答がなされたことが分かる。このうち、2行目では、バージョン番号の先頭に星印が付されている。星印は、そのバージョンで対象のオブジェクトに変更が生じた(設計が改修された)ことを強調して示している。このような強調表示により、どの箇所(オブジェクト)に対してどのバージョンで変更がなされたのかを容易に認識することができる。
また、リスト表示の中からいずれかのタグ情報を選択すると、そのタグ情報が入力された位置に3Dアニメーション内のアバターの視点が移動し、タグ情報が入力された箇所が画面の中央部に表示される。バージョン番号に星印が付されているタグ情報を選択すると、変更がなされたオブジェクトを画面で確認することができる。そして、変更がなされたオブジェクトは、例えば、表面が赤色で染色されて強調表示される。このような強調表示がなされることにより、3Dアニメーション内をチェックしながら、どの箇所が変更された箇所であるかを直観的に認識することができる。
なお、上述した例では、リスト表示においては星印、3Dアニメーション内では赤色により、変更がなされた箇所が強調表示されているが、強調表示の態様はこれに限定されず、チェック者が認識し易い態様であればよい。また、リスト表示においては、変更がなされたバージョン番号が強調表示されているが、これに代えて、バージョン番号以外の項目を強調表示してもよいし、行全体を強調表示してもよい。
図8は、情報管理システム1においてデータベース260で管理されるデータの構造例を概略的に示すER図である。各テーブルにおいて、下線を付したフィールド名は、そのテーブルの主キーであることを示している。なお、図8に示したテーブルは主要な一部の例示に過ぎず、実際には他にも設計業務に関連する様々なテーブルが設けられており、それらのテーブルに蓄積されたナレッジが設計者に利用可能とされている。
上述したように、アプリケーション300においてタグ情報入力処理(図3)が実行されると、入力されたタグ情報及びその関連情報がタグ情報テーブルに蓄積される。タグ情報テーブルでは、BIMモデルのバージョンや座標が併せて管理されており、これらの情報から、入力されたタグ情報がBIMモデルのどのバージョンのどの位置に対して入力されたものであるかが特定される。
また、クラウドサーバ200においてチェックリスト生成処理(図5)が実行されると、生成されたチェックリストがチェックリストテーブルに登録される。チェックリストを生成する際には、例えば、タグ情報テーブルとBIMマスタを連結させて、過去の案件で挙げられた様々な指摘事項やチェックポイントのうち、今回のBIMモデルとクライアントや建造物種別が同じ案件に対して挙げられた情報を抽出して複数のチェック項目を設ける。このとき、同じ情報が挙げられた回数(指摘回数)に応じて各チェック項目に対し重要度を与えてもよいし、他のクライアントの案件で頻繁に挙げられた情報を抽出しチェック項目として加えてもよい。各チェック項目がチェックリストに加えられた理由(どのような条件に該当したか等)は、例えば、チェックリストテーブルのチェック項目ソース区分にセットされる。
チェックリストを構成する複数のチェック項目は、所定の規則に沿って、或いは、ユーザの指定に応じてソートされる。そして、チェックリストに沿って設計がなされ、チェックリストをチェック項目への対応を終えると、チェックリストテーブルの対応状況フラグが更新される。また、設計に関する履歴の管理とともに工程や予算の管理等もなされるが、これらに関する情報もデータベース260で管理される。
このように、チェック者により入力された指摘事項やチェックポイントやこれに対する設計者による応答や具体的な対応の内容(設計の履歴管理に関する情報)、設計に伴って発生する工程管理やコスト管理に関する情報がデータベース260でナレッジとして一元管理されて利用可能となるため、設計者はナレッジを活用して設計を行うことができる。したがって、設計者の経験の多寡に拘わらず、効率よく設計作業を進めることができる。また、設計業務に関する情報を情報管理システムから取得することができるため、情報が一元管理されていない場合と比較して、情報の取得(検索、調査、知得等)に要する時間、ひいては設計に要する時間を短縮することができる。そして、設計の初期段階からチェックリストに沿って設計を行うことで、配慮の行き届いた設計を行うことができ、より高品質な設計審査を実現することが可能となる。
上述した各実施形態によれば、以下のような優位性が得られる。
(1)チェック者により今回のBIMモデルに対して入力されたタグ情報を含めた、データベースに蓄積されたナレッジから今回のBIMモデルに該当する情報を抽出してチェックリストが生成されるため、このチェックリストに沿って設計を行うことで、どのような設計者であっても、配慮の行き届いた設計を行うことができる。また、このような流れで設計の改修を重ねることにより、設計審査に至る段階では、過去のナレッジに基づいて既に望ましい設計がなされた状態とすることができるため、一段とレベルの高い高品質な設計審査を実現することが可能となる。
(2)現地視察モードを選択することにより、チェック者の移動に同期して3Dアニメーション内に設けられた視点が移動して位置情報が更新され、チェック者の話声が文字に変換されてタグ情報として自動入力されるため、これらに対応する操作をチェック者が手動で行う手間を省くことができ、タグ情報の入力を効率よく行うことができる。
(3)3Dアニメーション内にタグアイコンTAが設置された(タグ情報が入力された)位置に対応するBIMモデル内の位置にタグアイコンTBが表示され、タグアイコンTBを介して、3Dアニメーション内に入力されたタグ情報が表示されるため、設計者は、チェック者により入力されたタグ情報(現地視察モードで入力された場合には、さらにその元となった音声データ)をBIMツール100で容易に確認することができ、この内容を踏まえて設計の改修を行うことができる。
(4)BIMモデルのバージョンと3Dアニメーションのバージョンが対応付けて管理されており、タグ情報のリスト表示において、変更がなされたオブジェクトのバージョンが強調して表示されるため、チェック者は、どのオブジェクトに対しどのバージョンで変更がなされたのかを容易に認識することができる。また、3Dアニメーションにおいて、変更がなされたオブジェクトが強調表示されるため、チェック者は、3Dアニメーション内を目視しながら、どのオブジェクトに対して変更がなされたのかを直観的に認識することができる。
(5)操作性に優れたアプリケーション300を介して3Dアニメーションの表示やタグ情報の入力が可能であるため、どのようなユーザ(チェック者)にも抵抗なく3Dアニメーションを利用させることができ、3Dアニメーションを介して個々のチェック者が有するノウハウを効率よく吸い上げてデータベースに蓄積することができる。結果として、データベースに蓄積されたナレッジに基づいて、以後の設計作業の効率化に寄与することが可能となる。
本発明は上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。
上述した実施形態においては、BIMモデルを変換して3Dアニメーションが作成されているが、これに代えて、BIMツール以外の3DCGツール(例えば、3DCADツール)で作成された3Dモデルを変換して3Dアニメーションを作成してもよい。そのように構成する場合には、上述した実施形態におけるBIMツール100が有する各機能は、3DCGツールに実装されることとなる。
上述した実施形態においては、チェックリスト管理部270がデータベース260からBIMモデルに該当する情報を抽出してチェックリストを生成しているが、これに代えて、データベース260に蓄積されたナレッジを学習モデルに学習させ、対象のBIMモデルに最適なチェックリストを学習済みモデルに生成させるよう構成してもよい。
上述した実施形態において、クラウドサーバ200においてDATファイルの更新(タグ情報テーブルのレコードの追加又は更新)を行った場合に、予め登録された設計者のメールアドレスに対し、更新通知メールを送信するよう構成してもよい。
その他、実施形態において図示とともに挙げたものはいずれも、飽くまで好ましい一例であり、本発明の実施に際して適宜に変形が可能であることはいうまでもない。
1 情報管理システム
100 BIMツール
200 クラウドサーバ
260 データベース
300 アプリケーション

Claims (10)

  1. 建造物の3Dモデルを変換して生成された3Dアニメーション内の仮想空間において、任意の位置への指摘事項を含む所定情報の入力を受け付ける入力受付部と、
    入力された前記所定情報を蓄積するデータベース部と、
    前記データベース部から所定条件に該当する情報を抽出して前記建造物に対するチェックリストを生成するチェックリスト生成部と
    を備えた情報管理システム。
  2. 請求項1に記載の情報管理システムにおいて、
    前記3Dアニメーションが起動される端末に搭載されたセンサを用いて取得される現実空間における現実位置と前記仮想空間における仮想位置とを対応付け、前記現実空間での移動に同期して前記仮想空間に設置された視点を移動させる位置管理部と、
    前記端末に搭載されたマイクが拾う音声を少なくとも文字に変換する音声管理部と、
    前記文字を、前記音声が拾われた前記現実位置に対応する前記3Dアニメーション内の前記仮想位置への前記所定情報として入力する自動入力部と
    をさらに備えた情報管理システム。
  3. 請求項1又は2に記載の情報管理システムにおいて、
    前記所定情報が入力された前記3Dアニメーション内の位置に、前記所定情報が付与されたことを示す表示を行う第1表示処理部と、
    前記所定情報が入力された前記位置に対応する前記3Dモデル内の位置に、前記表示を行う第2表示処理部
    をさらに備えた情報管理システム。
  4. 請求項3に記載の情報管理システムにおいて、
    前記3Dモデル内の仮想空間において、前記第2表示処理部によりなされた前記表示を介して前記所定情報に対する応答の入力を受け付ける応答受付部
    をさらに備え、
    前記第1表示処理部は、
    前記表示を介して前記応答を表示することができる
    ことを特徴とする情報管理システム。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の情報管理システムにおいて、
    前記データベース部は、
    前記所定情報を前記3Dアニメーション及び前記3Dモデルの各バージョン情報と対応付けて蓄積することを特徴とする情報管理システム。
  6. 建造物の3Dモデルを変換して生成された3Dアニメーション内の仮想空間において、任意の位置への指摘事項を含む所定情報の入力を受け付ける入力受付工程と、
    入力された前記所定情報をデータベースに蓄積する情報蓄積工程と、
    前記データベースから所定条件に該当する情報を抽出して前記建造物に対するチェックリストを生成するチェックリスト生成工程と
    を含む情報管理方法。
  7. 請求項6に記載の情報管理方法において、
    前記3Dアニメーションが起動される端末に搭載されたセンサを用いて取得される現実空間における現実位置と前記仮想空間における仮想位置とを対応付け、前記現実空間での移動に同期して前記仮想空間に設置された視点を移動させる位置管理工程と、
    前記端末に搭載されたマイクが拾う音声を少なくとも文字に変換する音声管理工程と、
    前記文字を前記音声が拾われた前記現実位置に対応する前記3Dアニメーション内の前記仮想位置への前記所定情報として入力する自動入力工程と
    をさらに含む情報管理方法。
  8. 請求項6又は7に記載の情報管理方法において、
    前記所定情報が入力された前記3Dアニメーション内の位置に、前記所定情報が付与されたことを示す表示を行う第1表示工程と、
    前記所定情報が入力された前記位置に対応する前記3Dモデル内の位置に、前記表示を行う第2表示工程
    をさらに含む情報管理方法。
  9. 請求項8に記載の情報管理方法において、
    前記3Dモデル内の仮想空間において、前記第2表示工程でなされた前記表示を介して前記所定情報に対する応答の入力を受け付ける応答受付工程
    をさらに含み、
    前記第1表示工程は、
    前記表示を介して前記応答を表示することができる
    ことを特徴とする情報管理方法。
  10. 請求項6から9のいずれかに記載の情報管理方法において、
    前記情報蓄積工程では、
    前記所定情報を前記3Dアニメーション及び前記3Dモデルの各バージョン情報と対応付けて前記データベースに蓄積することを特徴とする情報管理方法。
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