JP2023030126A - ポリソルベートを使用するポリペプチドの精製方法 - Google Patents

ポリソルベートを使用するポリペプチドの精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料から該タンパク質を精製するための方法を提供する。
【解決手段】a)タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料をクロマトグラフィー材料に適用する工程、b)ポリソルベートを含む溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、およびc)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、を含む、精製方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、概して、ポリペプチド精製またはタンパク質精製の分野に関する。本発明は、特に、試料中の加水分解活性の低減に関する。本明細書では、ポリペプチドまたはタンパク質を精製するための方法であって、精製工程、例えばクロマトグラフィー工程の前および/または間に、ポリペプチドを含む試料をポリソルベート(例えばポリソルベート20もしくはポリソルベート80)またはポリソルベート様界面活性剤と接触させることによる方法を報告する。
発明の背景
表面活性剤(surface-active agent)または界面活性剤(surfactant)は、原薬(active pharmaceutical ingredient)(API)の不安定化を防止するために、頑強で安定なバイオ医薬製剤の不可欠な構成成分になっている。この目的のために、モノクローナル抗体(mAB)のような現在販売中のバイオ治療薬の大半は、非イオン性洗浄剤(detergent)/界面活性剤(surfactant)、とりわけポリソルベート20(PS20もしくはTween(登録商標)20)またはポリソルベート80(PS80もしくはTween(登録商標)80)を含有している[1]。ポリソルベートが、APIと表面[2~5]および気液界面[5~7]との接触面積を最小限に抑えることによって、またタンパク質-タンパク質相互作用を妨害することによって[8、9]、タンパク質の安定性を向上させることは、公知である。これらの有利な属性は、APIを凝集、変性および有効タンパク質濃度の低減から保護することになる。
ポリソルベートは多様なポリソルベート分解産物の形成につながる酸化および加水分解を受けやすいので[1、17、18]、ニート材料中に存在すると共に、静止貯蔵(quiescent storage)中にバイオ医薬製剤内で生じるいくつかの不純物および分解生成物を、ポリソルベートは含みうる。酸化的経路は、主として、過酸化物、アルデヒド、ケトンおよび短鎖エステル化ソルビタン/イソソルビド-PEG種の存在を特徴とし、一方、加水分解は、遊離脂肪酸(FFA)および非エステル化ソルビタン/イソソルビド-PEG種のレベルの上昇をもたらす。加えて、長期貯蔵後のmAB製剤における可視粒子およびサブ可視粒子の出現は、水性溶液へのFFAの溶解度が低いことから、FFAの蓄積によるものと認められることが報告されている[18、19]。分子完全性の喪失は、保護効果を与える機能的界面活性剤濃度を低下させることによる、そしてインタクトなコンフォメーション構造に直接影響を及ぼすことによる、APIの安定性の低減と関連付けられている[17, 20]。
ポリソルベートの加水分解は、酵素的に起こるか、または酸/塩基触媒機序によって起こりうる[21]。しかし後者は典型的な製剤条件下では無視できる。これに対して、バイオ医薬製剤におけるポリソルベートの加水分解に関与すると考えられるCHO宿主細胞タンパク質(host cell protein)(HCP)不純物を除去することは困難であることが、最近の研究で明らかになっている。推定ホスホリパーゼB様2(PLBL2)およびリポタンパク質リパーゼ(LPL)または他のタイプのリパーゼおよびエステラーゼの存在がポリソルベート分解の原因であるだろうと報告されている[22~24]。
生物製剤製造に付随するリパーゼは上流プロセスにおいて発現することが、最近の知見によって確立されている。一般に、下流精製プロセス(例えばプロテインA)でHCPを除去することはできるが、一部のHCPは抗体との特異的相互作用ゆえに除去することが困難な場合があり(Vanderlaan, M., et al., Bioproc Int. 2015, 13:18-29)、したがって原薬および医薬品にはそれらが痕跡量で残ることが示されている(K.Lee, et al., A Chinese Hamster Ovary Cell Host Cell Protein That Impacts PS-80 Degradation.AccBio Conference(2015))。それゆえ、バイオ医薬製品の貯蔵には、ポリソルベートの分解と、例えば遊離脂肪酸の蓄積によって形成される粒子の形成とを、抑制し、最小限に抑えることが重要である。特に、ポリソルベートの酵素的分解に対処する必要がある。
この課題に対処するために、リパーゼを同定し、例えばリパーゼ発現量が低減した細胞を工学的に作出することによってタンパク質薬からリパーゼを除去しようとする試み(WO2015/095568)や、ポリソルベート分解が低減した製剤を見つけようとする試み(WO2017/117311)などが、継続して行われているところである。しかし、ポリソルベートのような界面活性剤の酵素的分解を抑制/低減する必要は依然としてあり、それは今もバイオ医薬開発における重要な課題である。
WO2016/057739では、薬学的製剤中のサブ可視粒子を低減するためのプロセスが提示されている。
本明細書では、試料中または調製物中の加水分解活性を低減させるために、精製工程において、例えばクロマトグラフィー工程において、ポリソルベートを使用する、タンパク質またはポリペプチド(例えば抗体)の精製方法を報告する。タンパク質またはポリペプチドを生産するための方法およびタンパク質調製物またはポリペプチド調製物を生産するための方法も報告する。
本明細書では、薬学的製剤における粒子形成を阻害または低減するために、精製工程において、例えばクロマトグラフィー工程において、ポリソルベートを使用する、タンパク質またはポリペプチド(例えば抗体)の精製方法も報告する。本明細書では、薬学的製剤におけるポリソルベート分解を阻害または低減するために、精製工程において、例えばクロマトグラフィー工程において、ポリソルベートを使用する、タンパク質またはポリペプチド(例えば抗体)の精製方法も報告する。
本発明の方法および使用により、試料中の加水分解活性を有意に低減させうることがわかった。試料をクロマトグラフィー用材料にロードする前に、もしくは試料をクロマトグラフィー工程において精製している間に、またはその両方、クロマトグラフィー工程の前および間に、精製対象のタンパク質と加水分解活性を持つ不純物とを含む試料を、ポリソルベートのような非イオン性界面活性剤と接触させ、または混合する。これらの状況のすべてにおいて、加水分解活性、例えばポリソルベート分解をもたらすものが、低減されうる。
例えばクロマトグラフィー工程の前および/または間にポリソルベートを使用しないクロマトグラフィー工程で精製された試料と比較すると、加水分解活性は(とりわけポリソルベート加水分解に関して)、精製手順においてポリソルベートと接触させまたは混合した試料では、かなり低下することがわかった。こうして、精製試料(例えば抗体調製物/抗体製剤)における(加水分解による)ポリソルベート分解は、先行する精製手順において添加剤として実際にポリソルベートを使用する工程を履行することによって、低減させうることがわかった。それゆえに、理論に束縛されるものではないが、エステラーゼなどの加水分解活性を持つ酵素のような不純物の低減は、精製手順において/精製手順中に、不純物の基質または標的(後に、例えば貯蔵中に、加水分解による切断を受けうるもの)を加えることによって、実行/達成される。
したがって本明細書において報告される一局面は、タンパク質を(タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料から)精製するための方法であって、以下の工程を含む方法である:
i)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
b)ポリソルベートを含む溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、
または
ii)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、
または
iii)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程。
本明細書において報告される一局面は、タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料中の加水分解活性を低減させるための方法であって、以下の工程を含む方法である:
i)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
b)ポリソルベートを含む溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、
または
ii)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、
または
iii)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程。
すべての局面のさらなる一態様において、不純物はヒドロラーゼである。
すべての局面のさらなる一態様において、不純物はエステラーゼである。
すべての局面のさらなる一態様において、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、またはポリソルベート80を含む群から選択される。
すべての局面のさらなる一態様において、ポリソルベートは、ポリソルベート20またはポリソルベート80である。
すべての局面のさらなる一態様において、ポリソルベートはポリソルベート20である。
すべての局面のさらなる一態様において、ポリソルベートはポリソルベート80である。
すべての局面のさらなる一態様において、ポリソルベートは、最終濃度が少なくとも約0.001%(w/v)になるように加えられる。
すべての局面のさらなる一態様において、ポリソルベートは、最終濃度が約0.001%(w/v)~約10%(w/v)になるように加えられる。
すべての局面のさらなる一態様において、クロマトグラフィー材料は、アフィニティークロマトグラフィー材料、カチオン交換クロマトグラフィー材料、アニオン交換クロマトグラフィー材料、疎水性相互作用クロマトグラフィー材料、または混合モードクロマトグラフィー材料である。
すべての局面のさらなる一態様において、クロマトグラフィー材料は、アフィニティークロマトグラフィー材料またはカチオン交換クロマトグラフィー材料である。
すべての局面のさらなる一態様において、クロマトグラフィー材料は、アフィニティークロマトグラフィー材料または強カチオン交換クロマトグラフィー材料である。
すべての局面のさらなる一態様において、クロマトグラフィー材料は、プロテインAクロマトグラフィーまたはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントをリガンドとするクロマトグラフィー材料から選択されるアフィニティークロマトグラフィー材料である。
すべての局面のさらなる一態様において、アフィニティークロマトグラフィー材料は、CaptureSelect FcXLまたはMabSelect SuReである。
すべての局面のさらなる一態様において、カチオン交換クロマトグラフィー材料は、SP Sepharose Fast FlowまたはPoros XSもしくはPoros 50 HSである。
すべての局面のさらなる一態様において、タンパク質はモノクローナル抗体である。
すべての局面のさらなる一態様において、タンパク質は、ヒト化タイプII抗CD20抗体または抗VEGF/Ang2抗体または抗HER2抗体である。
本明細書において報告される一局面は、本明細書において報告される方法によって得られる、加水分解活性が低減した(ポリソルベートの分解安定性が向上した/ポリソルベートの分解が低減した)液体抗体調製物である。
本明細書において報告される一局面は、本明細書において報告される方法によって得られる、安定性が向上した液体抗体調製物である。
本明細書において報告される一局面は、本明細書において報告される方法によって得られる、(遊離脂肪酸集合物による)粒子形成が低減した液体抗体調製物である。
本明細書において報告される一局面は、抗体とポリソルベートとを含む液体組成物であって、液体組成物の貯蔵中に分解されるポリソルベートが1年あたり20%以下である液体組成物である。
一態様において、抗体は、ヒト化タイプII抗CD20抗体または抗VEGF/Ang2抗体または抗HER2抗体である。一態様において、抗体は、オビヌツズマブ、ファリシマブ(faricimab)、トラスツズマブまたはペルツズマブである。
[本発明1001]
以下の工程を含む、タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料から該タンパク質を精製するための方法:
i)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
b)ポリソルベートを含む溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、または
ii)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、または
iii)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程。
[本発明1002]
以下の工程を含む、タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料中の加水分解活性を低減させるための方法:
i)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
b)ポリソルベートを含む溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、または
ii)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、または
iii)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程。
[本発明1003]
前記不純物がヒドロラーゼである、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
前記不純物がエステラーゼである、本発明1001~1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
前記ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、またはポリソルベート80を含む群から選択される、本発明1001~1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
前記ポリソルベートがポリソルベート20またはポリソルベート80である、本発明1001~1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.001%(w/v)になるように加えられる、本発明1001~1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
前記ポリソルベートが、最終濃度が約0.001%(w/v)~約10%(w/v)になるように加えられる、本発明1001~1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
前記クロマトグラフィー材料が、アフィニティークロマトグラフィー材料、カチオン交換クロマトグラフィー材料、アニオン交換クロマトグラフィー材料、疎水性相互作用クロマトグラフィー材料または混合モードクロマトグラフィー材料である、本発明1001~1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
前記クロマトグラフィー材料が、アフィニティークロマトグラフィー材料またはカチオン交換クロマトグラフィー材料である、本発明1001~1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
前記クロマトグラフィー材料が、プロテインAクロマトグラフィーまたはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントをリガンドとするクロマトグラフィー材料から選択されるアフィニティークロマトグラフィー材料である、本発明1001~1010のいずれかの方法。
[本発明1012]
前記アフィニティークロマトグラフィー材料が、CaptureSelect FcXLまたはMabSelect SuReである、本発明1001~1011のいずれかの方法。
[本発明1013]
前記カチオン交換クロマトグラフィー材料が、SP Sepharose Fast FlowまたはPoros 50HSまたはPoros XSである、本発明1001~1010のいずれかの方法。
[本発明1014]
前記タンパク質がモノクローナル抗体である、本発明1001~1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
前記タンパク質が、ヒト化タイプII抗CD20抗体または抗VEGF/Ang2抗体または抗HER2抗体である、本発明1001~1014のいずれかの方法。
[本発明1016]
前記本発明のいずれかの方法によって得られる、加水分解活性が低減した液体抗体調製物。
[本発明1017]
タンパク質を生産するための方法であって、
a)該タンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を培養する工程、
b)該細胞または培養培地から該タンパク質を回収する工程、および
c)本発明1001~1015のいずれかの方法で該タンパク質を精製する工程
を含み、それによって該タンパク質を生産する、方法。
[本発明1018]
抗体とポリソルベートとを含む液体組成物であって、該液体組成物の貯蔵中に分解されるポリソルベートが1年あたり20%以下である、液体組成物。
[本発明1019]
前記抗体が、ヒト化タイプII抗CD20抗体または抗VEGF/Ang2抗体または抗HER2抗体である、本発明1018の液体組成物。
[本発明1020]
前記抗体が、オビヌツズマブ、ファリシマブ、トラスツズマブ、またはペルツズマブである、本発明1018または1019の液体組成物。
発明の詳細な説明
本明細書では、タンパク質(および加水分解活性を持つ不純物)を含む試料を、クロマトグラフィー工程の前および/または間に、ポリソルベート20(PS20)のようなポリソルベートと接触させることによってタンパク質を精製するための方法が報告される。
例えばクロマトグラフィー工程などの精製工程においてポリソルベートを添加剤として使用することにより、タンパク質を試料から精製できることがわかった。特に、加水分解酵素(例えばリパーゼ)のような加水分解活性を持つ不純物を低減させることができる。
したがって、本明細書において報告される一局面は、タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料からタンパク質を精製するための方法であって、以下の工程を含む方法である:
i)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に(該タンパク質が該クロマトグラフィー材料と結合するのに適した条件下で)適用する工程、
b)ポリソルベート/ポリソルベート様非イオン性界面活性剤を含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に(該タンパク質が該クロマトグラフィー材料と結合するのに適した条件下で)適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、
または
ii)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物(すなわち、工程a)の、該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料と、ポリソルベートとを含む溶液)をクロマトグラフィー材料に(該タンパク質が該クロマトグラフィー材料と結合するのに適した条件下で)適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、
または
iii)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物(すなわち、工程a)の、該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料と、ポリソルベートとを含む溶液)をクロマトグラフィー材料に(該タンパク質が該クロマトグラフィー材料と結合するのに適した条件下で)適用する工程、
c)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に(該タンパク質が該クロマトグラフィー材料と結合するのに適した条件下で)適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程。
本明細書において報告される一局面は、タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料からタンパク質を精製するための方法であって、以下の工程を含む方法である:
i)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物(すなわち、工程a)の、該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料と、ポリソルベートとを含む溶液)をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、
または
ii)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物(すなわち、工程a)の、該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料と、ポリソルベートとを含む溶液)をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程。
本明細書において報告される一局面は、タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料からタンパク質を精製するための方法であって、以下の工程を含む方法である:
i)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
b)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、
または
ii)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物(すなわち、工程a)の、該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料と、ポリソルベートとを含む溶液)をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程。
本明細書において報告される一局面は、タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料からタンパク質を精製するための方法であって、以下の工程を含む方法である:
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
b)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程。
本明細書において報告される一局面は、タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料からタンパク質を精製するための方法であって、以下の工程を含む方法である:
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物(すなわち、工程a)の、該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料と、ポリソルベートとを含む溶液)をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程。
本明細書において報告される一局面は、タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料からタンパク質を精製するための方法であって、以下の工程を含む方法である:
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物(すなわち、工程a)の、該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料と、ポリソルベートとを含む溶液)をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程。
精製手順において/精製手順中に、不純物の基質または標的(後に、貯蔵中に加水分解による切断を受けうるもの)を加えることにより、試料中の加水分解活性を低減させうることがわかった。加水分解活性はポリソルベートに対する活性を有しうる。加水分解活性が低減すると、ポリソルベートの安定性は向上する。
本明細書において報告される一局面は、タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料における(例えばポリソルベートに対する)加水分解活性を低減させる(ポリソルベートの分解安定性を向上させる)ための方法であって、以下の工程を含む方法である:
i)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
b)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、
または
ii)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物(すなわち、工程a)の、該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料と、ポリソルベートとを含む溶液)をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、
または
iii)
a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物(すなわち、工程a)の、該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料と、ポリソルベートとを含む溶液)をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程。
加水分解活性は加水分解酵素に起因しうる。これらは、本明細書において報告される方法によって低減させることができる。
本明細書において報告される一局面は、タンパク質と加水分解酵素とを含む試料中の加水分解酵素の量を低減するための方法であって、以下の工程を含む方法である:
a)タンパク質と加水分解酵素とを含む試料をクロマトグラフィー材料に適用する前に、タンパク質と加水分解酵素とを含む試料にポリソルベートを加える工程、および/または
b)タンパク質と加水分解酵素とを含む試料をクロマトグラフィー材料に適用した後に、ポリソルベートを含む溶液で洗浄する工程。
本明細書において報告される方法により、例えば貯蔵安定性が改良されたまたは加水分解活性が低減した、抗体などの組換えタンパク質を生産できることがわかった。
本明細書において報告される一局面は、(組換え)タンパク質を生産するための方法であって、以下の工程:
a)(組換え)タンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を培養する工程、
b)細胞または培養培地から(組換え)タンパク質を回収する工程、および
c)本明細書において報告される方法で(組換え)タンパク質を精製する工程
を含み、それによって(組換え)タンパク質を生産する方法である。
本明細書において報告される一局面は、抗体を生産するための方法であって、以下の工程:
a)抗体をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を培養する工程、
b)細胞または培養培地から抗体を回収する工程、および
c)本明細書において報告される方法で抗体を精製する工程
を含み、それによって抗体を生産する方法である。
タンパク質を含む試料は極めて小さな体積から極めて大きな体積までさまざまであってよく、これにはバイオ治療薬の大規模製造における調製用試料も明確に含まれうると理解される。
本明細書において報告される方法を使用することで、低減した加水分解活性を有し、それゆえに向上した安定性を有する、タンパク質調製物または抗体調製物も、調製することができる。
実施者は、本明細書において報告される方法および使用により、低減した加水分解活性を持ち、それゆえに、より高い分解安定性を持つ、タンパク質調製物または抗体調製物を生産することが可能になることがわかった。調製物中または製剤中のタンパク質の安定性を向上させるためにポリソルベートそのものが液体抗体調製物に加えられるので、同様に、本明細書において報告される方法および使用は、液体抗体調製物/製剤の安定性を向上させるのにも適している。
本明細書において報告される一局面は、本明細書において報告される方法によって得られる、加水分解活性が低減した(ポリソルベートの分解安定性が向上した)液体抗体調製物(加水分解により切断されうる界面活性剤/ポリソルベートを含むもの)である。
本明細書において報告される一局面は、本明細書において報告される方法によって得られる、安定性が向上した液体抗体調製物である。
タンパク質調製物または抗体調製物における粒子形成は、ポリソルベートの分解または切断によって発生しうる遊離脂肪酸の集合物によって促進されうるので、本明細書において報告される方法で加水分解活性を低下させることにより、これらの調製物における粒子形成を低減させることができる。
例えば、ポリソルベートと共にインキュベートした後に、カチオン交換クロマトグラフィー材料に適用し、回収後に、ポリソルベートと共に製剤化された、ペルツズマブを含む液体抗体調製物は、5℃における36ヶ月の貯蔵後に可視粒子を一切示さないことを、明らかにすることができた。
したがって、本明細書において報告される一局面は、本明細書において報告される方法によって得られる、(遊離脂肪酸によって形成される)粒子形成が低減した液体抗体調製物である。
本明細書において報告されるさらなる局面は、貯蔵中のポリソルベート分解が少ない液状抗体組成物である。本発明の一局面は、抗体/タンパク質とポリソルベートとを含む液体組成物であって、液体組成物の貯蔵/有効期間中に分解するポリソルベートが1年あたり20%以下(一態様では15%以下、一態様では12%以下、一態様では10%以下、一態様では9%以下、一態様では8%以下、一態様では7%以下、一態様では6%以下、一態様では5%以下、一態様では4%以下、一態様では3%以下、一態様では2%以下、一態様では1%以下)である液体組成物である。一態様において、液体組成物の貯蔵中に分解されるポリソルベートは1年あたり10%以下である。
別の一局面は、抗体とポリソルベートとを含む液体組成物であって、1年後に、ポリソルベートが、液体組成物中の抗体の製剤化時または貯蔵開始時の濃度である初期濃度の少なくとも80%(一態様では少なくとも85%、一態様では少なくとも88%、一態様では少なくとも90%、一態様では少なくとも91%、一態様では少なくとも92%、一態様では少なくとも93%、一態様では少なくとも94%、一態様では少なくとも95%、一態様では少なくとも96%、一態様では少なくとも97%、一態様では少なくとも98%、一態様では少なくとも99%)の濃度で組成物中に存在する液体組成物である。
本発明の液体組成物のすべての局面の一態様において、抗体は治療用抗体である。一態様において、抗体はIgG1アイソタイプの治療用抗体である。一態様において、抗体は、ヒト化タイプII抗CD20抗体または抗VEGF/Ang2抗体または抗HER2抗体である。一態様において、抗体はVEGFに特異的に結合する。一態様において、抗体はオビヌツズマブ、ファリシマブ、トラスツズマブ、またはペルツズマブである。一態様において、抗体はオビヌツズマブである。一態様において、抗体はファリシマブである。一態様において、抗体はトラスツズマブである。一態様において、抗体はペルツズマブである。一態様において、抗体は皮下注射用に製剤化される。一態様において、液体組成物における抗体濃度は少なくとも50mg/mlである。一態様において、液体組成物における抗体濃度は少なくとも80mg/mlである。一態様において、液体組成物における抗体濃度は少なくとも100mg/mlである。一態様において、液体組成物における抗体濃度は少なくとも120mg/mlである。一態様において、液体組成物における抗体濃度は少なくとも150mg/mlである。一態様において、液体組成物における抗体濃度は少なくとも200mg/mlである。
1つまたは複数の精製工程の前に、または1つもしくは複数の精製工程において、ポリソルベートを使用すると、試料中の加水分解活性を低減させうることがわかった。
本明細書において報告される一局面は、タンパク質を含む試料中の加水分解活性を低減させる(ポリソルベートの分解安定性を向上させる)ための、ポリソルベートの使用であり、
ここで、タンパク質を含む試料は、
i)タンパク質を含む試料をクロマトグラフィー材料に適用する前に、ポリソルベートを追加され、かつ/または
ii)タンパク質を含む試料をクロマトグラフィー材料に適用した後に、ポリソルベートを含む溶液で洗浄される。
以下に本明細書において報告される局面の態様を記載する。この一覧には個々の態様の任意の組合せも包含されることを明言しておく。
不純物は、薬学的製造プロセス中に、なかんずく、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞のような使用した宿主細胞からの宿主細胞タンパク質の放出によって、発生する。これらのHCPは加水分解活性を有しうる。例示的なHCPは、トリグリセリド内のエステル結合を加水分解するリポタンパク質リパーゼ(LPL)のようなリパーゼを含むヒドロラーゼの酵素クラスに属する。
「加水分解活性を持つ不純物」または「加水分解活性不純物」(本明細書では相互可換的に使用される)は、化学結合を加水分解する能力、すなわち化学結合を加水分解によって、すなわち水の付加によって切断する能力を有する。酸塩基加水分解の一例はアミドまたはエステルの加水分解である。求核剤がエステルまたはアミドのカルボニル基の炭素を攻撃すると、加水分解が起こる。加水分解はプロテアーゼまたはエステラーゼのような酵素によって触媒されうる。
一態様において、不純物(加水分解活性を持つもの)は酵素である。さらなる一態様において、不純物はヒドロラーゼである。さらなる一態様において、不純物はエステラーゼである。さらなる一態様において、不純物はリパーゼである。
「ポリソルベート」は、脂肪酸でエステル化されたエトキシ化ソルビタン(ソルビトールの誘導体)から誘導される物質(すなわちポリオキシエチレンソルビタンエステル)である。ポリソルベートは乳化剤(界面活性剤としても公知である)の一種であり、ポリソルベートは非イオン性界面活性剤である。ポリソルベートは加水分解により切断されうる界面活性剤である。ポリソルベートの例は、例えばポリソルベート20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、ポリソルベート40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)、ポリソルベート60(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート)、ポリソルベート65(ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアレート)、ポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート)である。「ポリオキシエチレン」に続く数字20は、分子中に見いだされるオキシエチレン-(CH2CH2O)-基の総数を指す。「ポリソルベート」に続く数字は、その分子のポリオキシエチレンソルビタン部分に付随している脂肪酸のタイプに関係する。モノラウレートは20で示され、モノパルミテートは40で示され、モノステアレートは60で示され、モノオレートは80で示される。ポリソルベートの一般的な商標名には、Scattics、Alkest、CanarcelおよびTweenがあり、例えばTween 20はポリソルベート20の商標名である。「ポリソルベート様非イオン性界面活性剤」は、ポリソルベートと類似する化学的特徴または化学的挙動を示す界面活性剤である。
さらなる一態様において、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85もしくはポリソルベート120、またはそれらの組合せを含む群から選択される。さらなる一態様において、ポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、またはそれらの組合せを含む群から選択される。さらなる一態様において、ポリソルベートは、ポリソルベート20もしくはポリソルベート80、またはそれらの組合せを含む群から選択される。さらなる一態様において、ポリソルベートはポリソルベート20である。さらなる一態様において、ポリソルベートはポリソルベート80である。
さらなる一態様において、ポリソルベートは最終濃度が少なくとも約0.001%(w/v)になるように加えられ、かつ/またはポリソルベートを含む洗浄溶液は少なくとも約0.001%(w/v)の最終濃度を有する。さらなる一態様において、ポリソルベートは最終濃度が少なくとも約0.005%(w/v)になるように加えられ、かつ/またはポリソルベートを含む洗浄溶液は少なくとも約0.005%(w/v)の最終濃度を有する。さらなる一態様において、ポリソルベートは最終濃度が少なくとも約0.007%(w/v)になるように加えられ、かつ/またはポリソルベートを含む洗浄溶液は少なくとも約0.007%(w/v)の最終濃度を有する。さらなる一態様において、ポリソルベートは最終濃度が少なくとも約0.01%(w/v)になるように加えられ、かつ/またはポリソルベートを含む洗浄溶液は少なくとも約0.01%(w/v)の最終濃度を有する。さらなる一態様において、ポリソルベートは最終濃度が少なくとも約0.04%(w/v)になるように加えられ、かつ/またはポリソルベートを含む洗浄溶液は少なくとも約0.04%(w/v)の最終濃度を有する。さらなる一態様において、ポリソルベートは最終濃度が約0.001%(w/v)~約10%(w/v)になるように加えられ、かつ/またはポリソルベートを含む洗浄溶液は少なくとも約0.001%(w/v)~約10%(w/v)の最終濃度を有する。さらなる一態様において、ポリソルベートは最終濃度が約0.001%(w/v)~約5%(w/v)になるように加えられ、かつ/またはポリソルベートを含む洗浄溶液は少なくとも約0.001%(w/v)~約5%(w/v)の最終濃度を有する。さらなる一態様において、ポリソルベートは最終濃度が約0.001%(w/v)~約3%(w/v)になるように加えられ、かつ/またはポリソルベートを含む洗浄溶液は少なくとも約0.001%(w/v)~約3%(w/v)の最終濃度を有する。さらなる一態様において、ポリソルベートは最終濃度が約0.001%(w/v)~約2%(w/v)になるように加えられ、かつ/またはポリソルベートを含む洗浄溶液は少なくとも約0.001%(w/v)~約2%(w/v)の最終濃度を有する。さらなる一態様において、ポリソルベートは最終濃度が約0.001%(w/v)~約1%(w/v)になるように加えられ、かつ/またはポリソルベートを含む洗浄溶液は少なくとも約0.001%(w/v)~約1%(w/v)の最終濃度を有する。タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料にポリソルベートを加えた後に、その混合物は一定時間インキュベートされると理解される。洗浄工程においてポリソルベート含有溶液を使用する場合も、例えば低流速で洗浄すること、または流れを一定時間止めることによって、同じことを行いうる。
一般的なクロマトグラフィー法およびそれらの使用は当業者には公知である。例えばHeftmann, E.(ed.), Chromatography, 5th edition, Part A:Fundamentals and Techniques, Elsevier Science Publishing Company, New York(1992)、Deyl, Z.(ed.), Advanced Chromatography and Electromigration Methods in Biosciences, Elsevier Science BV, Amsterdam, The Netherlands(1998)、Poole, C.F., and Poole, S.K., Chromatography Today, Elsevier Science Publishing Company, New York(1991)、Scopes, Protein Purification:Principles and Practice, Springer Verlag(1982)、Sambrook, J., et al.(eds.), Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(1989)またはAusubel, F.M., et al.(eds.), Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley&Sons, Inc., New York(1987-1994)を参照されたい。
タンパク質の回収および精製には、微生物タンパク質によるアフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインAまたはプロテインGまたはプロテインLアフィニティークロマトグラフィー)、組換えタンパク質をリガンドとするアフィニティークロマトグラフィー(例えば、一本鎖Fvをリガンドとする、例えばKappa select)、ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントをリガンドとするアフィニティークロマトグラフィー(例えばCapture Select FcXL)、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、カチオン交換(カルボキシメチル樹脂)、アニオン交換(アミノエチル樹脂)、および混合モード交換)、チオフィリック吸着(例えば、ベータ-メルカプトエタノールおよび他のSHリガンドによるもの)、疎水性相互作用または芳香族吸着クロマトグラフィー(例えば、phenyl-sepharose、アザ-アレノフィリック(aza-arenophilic)樹脂またはm-アミノフェニルボロン酸)、金属キレートアフィニティークロマトグラフィー(例えば、Ni(II)-およびCu(II)-アフィニティー材料)、サイズ排除クロマトグラフィー、および電気泳動法(例えばゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動)など、さまざまな方法が確立されており、広く使用されている。これらの方法は、本明細書において報告されるさまざまな態様において、独立して組み合わせることができる。
「に適用する」という用語は、精製方法の部分工程であって、溶液をクロマトグラフィー材料またはクロマトグラフィー用材料(これらの用語は相互可換的に使用することができる)と接触させる工程を表す。これは、a)クロマトグラフィー材料が入っているクロマトグラフィー装置に溶液を加えること、またはb)クロマトグラフィー材料を溶液に加えることのどちらかを表す。a)の場合、溶液は装置を通過して、クロマトグラフィー材料と溶液中に含まれる物質との間の相互作用を可能にする。例えばpH、伝導率、塩濃度、温度および/または流量などの条件に応じて、溶液の一部の物質がクロマトグラフィー材料に結合するので、さらなる工程において、当該物質をクロマトグラフィー材料から回収することができる。溶解したままの物質は素通り画分に見いだすことができる。「素通り画分」とは装置の通過後に得られる溶液を表し、これは、適用された溶液であるか、カラムを洗浄するためまたはクロマトグラフィー材料に結合している物質の溶出を引き起こすために使用される緩衝溶液であるかの、どちらかでありうる。
所与のクロマトグラフィー材料からタンパク質を回収する方法は当業者に理解される。例えばこれは、pH値が低い溶液または塩濃度を高めた溶液を適用することで、タンパク質がクロマトグラフィー材料によってもはや結合されず、この溶液(例えば溶出緩衝液を適用することによって得られる溶出画分)中に見いだされるようにすることによる方法でありうる。
装置は例えばカラムまたはカセットであることができる。b)の場合、クロマトグラフィー材料を、例えば固形物として、例えば精製しようとする関心対象の物質を含有する溶液に加えて、クロマトグラフィー材料と溶液中の物質との間の相互作用を可能にすることができる。相互作用後に、クロマトグラフィー材料は例えば濾過によって除去され、それに伴ってクロマトグラフィー材料に結合している物質も溶液から除去されるが、クロマトグラフィー材料に結合していない物質は溶解したままである。ポリソルベートを含む(洗浄)溶液が手順の一工程として履行される場合、クロマトグラフィー工程の条件は、関心対象のタンパク質がクロマトグラフィー材料に結合したままとなるように選ばれる。
本明細書にいうクロマトグラフィー用「材料」、例えばカチオン交換材料またはアフィニティー材料とは、固定相または固相を指す。これは樹脂またはマトリックスともいえる。この文脈における「材料」は、混合物の構成成分(例えば関心対象のタンパク質)が結合しうるマトリックスを提供する。材料は、例えばエクスパンデッドベッドカラムまたはパックドベッドカラムなどのカラムであってもよいし、そのようなカラムを含んでもよい。材料は離散粒子または離散ビーズの形態をとりうる。材料はメンブレンの形態をとりうる。材料は多孔性モノリス状材料の形態をとりうる。材料は、機能化繊維、機能化フリース(fleece)または機能化メッシュの形態をとりうる。材料は、官能基を担持することができるまたはクロマトグラフィー特性を呈する他の任意の固形支持体の形態をとりうる。精製対象のタンパク質と相互作用する能力を有するリガンドを固相に共有結合させることができる。例えば「プロテインAクロマトグラフィー用材料」は、プロテインAが共有結合される不活性な固相を表す。
さらなる一態様において、クロマトグラフィー材料は、アフィニティークロマトグラフィー材料、カチオン交換クロマトグラフィー材料、アニオン交換クロマトグラフィー材料、疎水性相互作用クロマトグラフィー材料または混合モードクロマトグラフィー材料である。さらなる一態様において、クロマトグラフィー材料は、アフィニティークロマトグラフィー材料、カチオン交換クロマトグラフィー材料またはアニオン交換クロマトグラフィー材料である。さらなる一態様において、クロマトグラフィー材料はアフィニティークロマトグラフィー材料またはカチオン交換クロマトグラフィー材料である。さらなる一態様において、クロマトグラフィー材料はアフィニティークロマトグラフィー材料または強カチオン交換クロマトグラフィー材料である。
さらなる一態様において、クロマトグラフィー材料はアフィニティークロマトグラフィー材料である。さらなる一態様において、クロマトグラフィー材料は、プロテインAもしくはプロテインGもしくはプロテインLアフィニティークロマトグラフィー、一本鎖Fvリガンドアフィニティークロマトグラフィー、金属キレートアフィニティークロマトグラフィー、またはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントをリガンドとするアフィニティークロマトグラフィー材料(FcXL)を含む群から選択されるアフィニティークロマトグラフィー材料である。さらなる一態様において、クロマトグラフィー材料は、プロテインAクロマトグラフィーまたはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントをリガンドとするクロマトグラフィー材料から選択されるアフィニティークロマトグラフィー材料である。さらなる一態様において、アフィニティークロマトグラフィー材料は、アルデヒド活性化アガロースのマトリックスと、すべてのヒトIgGサブクラスのCH3ドメインに特異的に結合するCaptureSelect FcXLアフィニティーリガンド[これはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントである]とを持つ材料であって、リガンドが、リガンドのNH2残基を介して、アルデヒドカップリングによってマトリックスにカップリングされるもの(CaptureSelect(商標)FcXL)、または架橋アガロースのマトリックスとアルカリ安定化プロテインA由来リガンドとを持つ材料(MabSelect(商標)SuRe(商標))である。さらなる一態様において、アフィニティークロマトグラフィー材料は、アルデヒド活性化アガロースのマトリックス、65μmの平均粒径、およびすべてのヒトIgGサブクラスのCH3ドメインに特異的に結合するCaptureSelect(商標)FcXLアフィニティーリガンド[これはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントである]を持つ材料であって、リガンドが、リガンドのNH2残基を介して、アルデヒドカップリングによってマトリックスにカップリングされるもの(CaptureSelect(商標)FcXL)、または架橋アガロースのマトリックス、アルカリ安定化プロテインA由来リガンドおよび85μmの平均粒径を持つ材料(MabSelect(商標)SuRe(商標))である。さらなる一態様において、アフィニティークロマトグラフィー材料はCaptureSelect(商標)FcXLまたはMabSelect(商標)SuRe(商標)である。
さらなる一態様において、クロマトグラフィー材料はカチオン交換クロマトグラフィー材料である。さらなる一態様において、クロマトグラフィー材料は強カチオン交換クロマトグラフィー材料である。「強」イオン交換体は、ひとたびカラムを平衡化すればそのマトリックス上の電荷を失わず、それゆえに広範なpH緩衝液を使用することができる。さらなる一態様において、カチオン交換クロマトグラフィー材料は、架橋アガロースのマトリックスとリガンドとしてのスルホプロピルとを持つ材料(例えばSP Sepharose(登録商標)Fast Flow)である。さらなる一態様において、カチオン交換クロマトグラフィー材料は、粒径45~165μm(平均90μm)の架橋アガロースのマトリックス(6%)とリガンドとしてのスルホプロピルとを持つ材料(SP Sepharose(登録商標)Fast Flow)である。さらなる一態様において、カチオン交換クロマトグラフィー材料はSP Sepharose(登録商標)Fast Flowである。さらなる一態様において、カチオン交換クロマトグラフィー材料は、架橋ポリ(スチレンジビニルベンゼン)のマトリックスとリガンドとしてのスルホプロピルとを持つ材料(例えばPoros XSまたはPoros 50 HS)である。さらなる一態様において、カチオン交換クロマトグラフィー材料はPoros XSまたはPoros 50 HSである。さらなる一態様において、カチオン交換クロマトグラフィー材料はPoros 50 HSである。
「タンパク質」および「ポリペプチド」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指し、ポリマーの最小の長さに関して制限はない。好ましくは、タンパク質またはポリペプチドは、少なくともアミノ酸を有する。この定義には、完全長タンパク質およびそのフラグメント、ならびにそれらの修飾(例えばグリコシル化、リン酸化、欠失、付加および置換)を包含する。好ましくは、タンパク質またはポリペプチドは抗体である。
本明細書において「抗体」という用語は、最も広義に使用され、さまざまな抗体構造、例えば限定するわけではないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、抗体融合タンパク質および抗体フラグメントを、それらが所望の抗原結合活性を呈する限り、包含する。この用語は、さらなるエフェクター部分が抗体に結合している融合タンパク質のような分子も包含する。また、抗体薬物コンジュゲート(ADC)も包含される。
本明細書において使用される「エフェクター部分」という用語は、細胞の活動に例えばシグナル伝達経路または他の細胞経路を介して影響を及ぼす、ポリペプチド、例えばタンパク質または糖タンパク質を指す。したがって本発明のエフェクター部分は、エフェクター部分に対して1つまたは複数の受容体を保持する細胞において、細胞膜外からのシグナルを伝達して応答を調節する受容体媒介シグナリングに関連しうる。また、エフェクター部分は、エフェクター部分に対する1つまたは複数の受容体を保持する細胞において、細胞毒性応答を誘発する場合もある。また、エフェクター部分は、エフェクター部分に対する1つまたは複数の受容体を保持する細胞において、増殖応答を誘発する場合もある。エフェクター部分は、エフェクター部分に対する受容体を保持する細胞において、分化を誘発することができる。また、エフェクター部分は、エフェクター部分に対する受容体を保持する細胞において、内在性細胞タンパク質の発現を変化(すなわちアップレギュレートまたはダウンレギュレート)させる場合もある。エフェクター部分の非限定的な例として、サイトカイン、成長因子、ホルモン、酵素、基質および補因子が挙げられる。
「抗体フラグメント」とは、インタクト抗体以外の分子であって、インタクト抗体のうち、インタクト抗体が結合する抗原に結合する部分を含む分子を指す。抗体フラグメントの例として、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2、ダイアボディ、線状抗体、一本鎖抗体分子(例えばscFv)、および抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体(例えば多重特異性Fab)が挙げられるが、それらに限定されるわけではない。Fabフラグメントは、(完全長/完全)抗体のパパイン消化によって得られる抗体フラグメントである。
「多重特異性抗体」は、2つ以上の異なる抗原結合特異性を有する抗体である。「二重特異性抗体」は、2つの異なる抗原結合特異性を有する抗体である。本明細書において使用される「二重特異性」抗体という用語は、それぞれが異なるエピトープに結合する少なくとも2つの結合部位を有する抗体を表す。
先行技術ではさまざまな抗HER2抗体が公知である。そのような抗体は好ましくはモノクローナル抗体である。それらは、いわゆるキメラ抗体、ヒト化抗体または完全ヒト抗体のいずれかでありうる。それらは、完全長抗HER2抗体、同じ生物学的活性を有する抗HER2抗体フラグメントのいずれかであることができ、そのような抗体またはフラグメントのアミノ酸配列変異体および/またはグリコシル化変異体を含む。ヒト化抗HER2抗体の例はトラスツズマブおよびペルツズマブというINN名で公知である。別の適切な抗HER2抗体はT-DM1である。これは、huMAb4D5-8(ハーセプチン(商標))とメイタンシノイド(すなわちDM1=N2’-デアセチル-N2’-(3-メルカプト-1-オキソプロピル)-メイタンシン;極めて強力な抗微小管作用物質)とからなる抗体-毒素コンジュゲートであり、このコンジュゲート(MCCリンカーによるもの)は現在、転移性乳がん用に開発が進められている。Tagliabue et al., Int.J.Cancer, 47:933-937(1991);McKenzie et al., Oncogene, 4:543-548(1989);Cancer Res., 51:5361-5369(1991);Bacus et al., Molecular Carcinogenesis, 3:350-362(1990);Stancovski et al., PNAS(USA), 88:8691-8695(1991);Bacus et al., Cancer Research, 52:2580-2589(1992);Xu et al., Int.J.Cancer, 53:401-408(1993);WO94/00136;Kasprzyk et al., Cancer Research, 52:2771-2776(1992);Hancock et al., Cancer Res., 51:4575-4580(1991);Shawver et al., Cancer Res., 54:1367-1373(1994);Arteaga et al., Cancer Res., 54:3758-3765(1994);Harwerth et al., J.Biol.Chem., 267:15160-15167(1992);米国特許第5,783,186号;およびKlapper et al., Oncogene, 14:2099-2109(1997)には、さまざまな特性を持つ他のHER2抗体が記載されている。最も成功している治療用抗HER2抗体は、Genentech Inc.とF.Hoffmann-La Roche Ltdがハーセプチン(商標)という商品名で販売しているトラスツズマブである。HER2抗原およびそれに対する抗体に関するさらなる詳細は、多くの特許文献および非特許文献に記載されている(適切な概観を得るには米国特許第5,821,337号およびWO 2006/044908を参照されたい)。
「トラスツズマブ」、「ペルツズマブ」および「T-DM1」という用語は、米国、欧州および日本からなる国群から選択される国または地域において同一製品またはバイオシミラー製品として販売許可を取得するのに必要な要件を満たす、対応する抗HER2抗体をすべて包含する。トラスツズマブはEP-B-590058に規定されたCDR領域を有する。ペルツズマブはWO 01/00245に規定されたCDR領域を有する。BT-474抗増殖アッセイにおけるトラスツズマブの活性[Nahta, R.et al., “The HER-2-targeting antibodies trastuzumab and pertuzumab synergistically inhibit the survival of breast cancer cells”, Cancer Res.2004;64:2343.2346]は、0.7~1.3×104U/mgであることがわかっている。T-DM1はWO 2005/117986に記載されている。
ヒト化HER2抗体には、米国特許第5,821,337号のTable 3に記載のhuMAb4D5-1、huMAb4D5-2、huMAb4D5-3、huMAb4D5-4、huMAb4D5-5、huMAb4D5-6、huMAb4D5-7およびhuMAb4D5-8、すなわちトラスツズマブ(HERCEPTIN(商標));ヒト化520C9(WO93/21319)およびヒト化2C4抗体、例えば本明細書において以下にさらに説明するペルツズマブがある。
本明細書において、「トラスツズマブ」、「HERCEPTIN(商標)」および「huMAb4D5-8」とは、4D5エピトープに対する抗HER2抗体を指す。そのような抗体は、好ましくは、例えばWO 2006/044908のFig. 14に開示されている軽鎖および重鎖アミノ酸配列を含む。
「エピトープ4D5」は、HER2の細胞外ドメイン中にあって、抗体4D5(ATCC CRL 10463)およびトラスツズマブが結合する領域である。このエピトープはHER2の膜貫通ドメインに近く、HER2のドメインIV内にある。4D5エピトープに結合する抗体をスクリーニングするには、定型的な交差遮断アッセイ、例えばAntibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Ed Harlow and David Lane(1988)に記載されているものを実行することができる。あるいは、抗体がHER2の4D5エピトープ(例えばHER2の残基529前後から残基625前後(両端を含む)までの領域中の任意の1残基または複数残基)に結合するかどうかを評価するために、エピトープマッピングを実行することができる。「エピトープ7C2/7F3」は、HER2の細胞外ドメインのアミノ末端、ドメインI内にあって、7C2抗体および/または7F3抗体が結合する領域である。7C2/7F3エピトープに結合する抗体をスクリーニングするには、定型的な交差遮断アッセイ、例えば“Antibodies, A Laboratory Manual”(Cold Spring Harbor Laboratory, Ed Harlow and David Lane(1988))に記載されているものを実行することができる。あるいは、抗体がHER2の7C2/7F3エピトープ(例えばHER2の残基22前後から残基53前後までの領域中の任意の1残基または複数残基)に結合するかどうかを評価するために、エピトープマッピングを実行することができる。
本明細書において「ペルツズマブ」および「rhuMAb 2C4」とは、2C4エピトープに結合し、好ましくは、WO 2006/044908に開示されている可変軽鎖および可変重鎖アミノ酸配列を含む抗体、より具体的にはWO 2006/044908のFig 2に開示されているヒト化2C4バージョン574を指す。
「エピトープ2C4」は、HER2の細胞外ドメイン中にあって、抗体2C4が結合する領域である。2C4エピトープに結合する抗体をスクリーニングするには、定型的な交差遮断アッセイ、例えばAntibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Ed Harlow and David Lane(1988)に記載されているものを実行することができる。あるいは、抗体がHER2の2C4エピトープに結合するかどうかを評価するために、エピトープマッピングを実行することもできる。エピトープ2C4はHER2の細胞外ドメイン中のドメインIIからの残基を含む。2C4およびペルツズマブは、HER2の細胞外ドメインに、ドメインI、IIおよびIIIの接合部において結合する(Franklin et al.Cancer Cell 5:317-328(2004))。
「宿主細胞」、「宿主細胞株」および「宿主細胞培養」という用語は、相互可換的に使用され、外因性核酸が導入されている細胞を指し、そのような細胞の子孫を含む。宿主細胞は「形質転換体」および「形質転換細胞」を包含し、それらには、初代形質転換細胞とそこから派生する子孫とが継代数を問わず包含される。子孫は、核酸内容物が親細胞と完全には同一でなくて、変異を含有してもよい。最初に形質転換された細胞において選別または選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する変異型子孫は、ここに包含される。「細胞」という用語は、核酸の発現に使用される細胞を包含する。宿主細胞は、CHO細胞(例えばCHO K1、CHO DG44)、またはBHK細胞、またはNS0細胞、またはSP2/0細胞、またはHEK 293細胞、またはHEK 293 EBNA細胞、またはPER.C6(登録商標)細胞、またはCOS細胞でありうる。本明細書において使用される「細胞」という表現は、対象細胞とその子孫とを包含する。
さらなる一態様において、タンパク質は組換えタンパク質である。さらなる一態様において、タンパク質は抗体である。さらなる一態様において、タンパク質はモノクローナル抗体である。さらなる一態様において、タンパク質は多重特異性抗体、二重特異性抗体または単一特異性抗体である。さらなる一態様において、タンパク質はヒト化タイプII抗CD20抗体、抗VEGF/Ang2抗体または抗HER2抗体である。さらなる一態様において、タンパク質はヒト化タイプII抗CD20抗体である。さらなる一態様において、タンパク質は抗VEGF/Ang2抗体である。さらなる一態様において、タンパク質は抗HER2抗体である。さらなる一態様において、タンパク質は、(a)SEQ ID NO:01の重鎖可変領域と(b)SEQ ID NO:02の軽鎖可変領域とを含む、ヒト化タイプII抗CD20抗体である。さらなる一態様において、タンパク質は、可変領域としてSEQ ID NO:3~SEQ ID NO:6を含む抗VEGF/Ang2抗体である。さらなる一態様において、タンパク質は、オビヌツズマブ、ファリシマブ、トラスツズマブ、またはペルツズマブである。さらなる一態様において、タンパク質は、オビヌツズマブ、ファリシマブまたはトラスツズマブである。さらなる一態様において、タンパク質はオビヌツズマブである。さらなる一態様において、タンパク質はファリシマブである。さらなる一態様において、タンパク質はトラスツズマブである。さらなる一態様において、タンパク質はペルツズマブである。
クロマトグラフィーの前に、ポリペプチド/タンパク質を含む溶液を、ポリソルベート/ポリソルベート様界面活性剤を用いてインキュベート/コンディショニングし、加えてクロマトグラフィー中にも、ポリペプチド/タンパク質を含む溶液を、ポリソルベート様界面活性剤を含む溶液で洗浄すれば、精製の程度は特に際立つことがわかった。
「約」という用語は、その後ろに続く数値の±20%の範囲を表す。一態様において、約という用語は、その後ろに続く数値の±10%の範囲を表す。一態様において、約という用語は、その後ろに続く数値の±5%の範囲を表す。
アミノ酸配列、例えばポリペプチドのアミノ酸配列を、そのアミノ酸配列をコードする対応核酸配列に変換するための手順および方法は、当業者には周知である。したがって核酸は、個々のヌクレオチドからなるその核酸配列によって特徴づけられ、それがコードするポリペプチドのアミノ酸配列によっても同様に特徴づけられる。
抗体製剤または液体抗体調製物を作製し、貯蔵する方法は、当業者には公知である。例えば、より長期間貯蔵するために、液体抗体調製物は、低温で、例えば8℃未満の温度で、例えば5℃で、貯蔵されるだろう。
所与の試料中のポリソルベートの量を測定する方法も当業者には知られている。ポリソルベートの量は、例えば実施例7において報告される方法で評価することができる。したがって、試料中の出発/初期ポリソルベート濃度がわかれば、当業者は、所与の期間について、ポリソルベートの分解速度を決定することもできる。
発明の具体的態様
1. タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料から該タンパク質/ポリペプチドを精製するための方法であって、以下の工程を含む方法:
i)
a)該タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
b)ポリソルベート/ポリソルベート様非イオン性界面活性剤を含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質/ポリペプチドを回収する工程、または
ii)
a)該タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質/ポリペプチドを回収する工程、または
iii)
a)該タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質/ポリペプチドを回収する工程。
2. タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料から該タンパク質/ポリペプチドを精製するための方法であって、以下の工程を含む方法:
i)
a)該タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質/ポリペプチドを回収する工程、または
ii)
a)該タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質/ポリペプチドを回収する工程。
3. タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料から該タンパク質/ポリペプチドを精製するための方法であって、以下の工程を含む方法:
i)
a)該タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
b)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質/ポリペプチドを回収する工程、または
ii)
a)該タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質/ポリペプチドを回収する工程。
4. タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料から該タンパク質/ポリペプチドを精製するための方法であって、以下の工程を含む方法:
a)該タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
b)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質/ポリペプチドを回収する工程。
5. タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料から該タンパク質/ポリペプチドを精製するための方法であって、以下の工程を含む方法:
a)該タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程。
6. タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料から該タンパク質/ポリペプチドを精製するための方法であって、以下の工程を含む方法:
a)該タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質/ポリペプチドを回収する工程。
7. タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料中の加水分解活性を低減させる(ポリソルベートの分解安定性を向上させる)ための方法であって、以下の工程を含む方法:
i)
a)該タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
b)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質/ポリペプチドを回収する工程、または
ii)
a)該タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質/ポリペプチドを回収する工程、または
iii)
a)該タンパク質/ポリペプチドと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質/ポリペプチドを回収する工程。
8. (加水分解活性を持つ)前記不純物が酵素である、態様1~7のいずれかに記載の方法。
9. 前記不純物がヒドロラーゼである、態様1~8のいずれかに記載の方法。
10. 前記不純物がエステラーゼである、態様1~9のいずれかに記載の方法。
11. 前記不純物がリパーゼである、態様1~10のいずれかに記載の方法。
12. 前記ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、またはポリソルベート120を含む群から選択される、態様1~11のいずれかに記載の方法。
13. 前記ポリソルベートが、ポリソルベート20またはポリソルベート80を含む群から選択される、態様1~12のいずれかに記載の方法。
14. 前記ポリソルベートがポリソルベート20である、態様1~13のいずれかに記載の方法。
15. 前記ポリソルベートがポリソルベート80である、態様1~13のいずれかに記載の方法。
16. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.001%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.001%(w/v)の最終濃度を有する、態様1~15のいずれかに記載の方法。
17. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.005%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.005%(w/v)の最終濃度を有する、態様1~16のいずれかに記載の方法。
18. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.007%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.007%(w/v)の最終濃度を有する、態様1~17のいずれかに記載の方法。
19. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.01%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.01%(w/v)の最終濃度を有する、態様1~18のいずれかに記載の方法。
20. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.04%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.04%(w/v)の最終濃度を有する、態様1~19のいずれかに記載の方法。
21. 前記ポリソルベートが、最終濃度が約0.001%(w/v)~約10%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.001%(w/v)~約10%(w/v)の最終濃度を有する、態様1~20のいずれかに記載の方法。
22. 前記クロマトグラフィー材料が、アフィニティークロマトグラフィー材料、カチオン交換クロマトグラフィー材料、アニオン交換クロマトグラフィー材料、疎水性相互作用クロマトグラフィー材料または混合モードクロマトグラフィー材料である、態様1~21のいずれかに記載の方法。
23. 前記クロマトグラフィー材料が、アフィニティークロマトグラフィー材料、カチオン交換クロマトグラフィー材料またはアニオン交換クロマトグラフィー材料である、態様1~22のいずれかに記載の方法。
24. 前記クロマトグラフィー材料が、アフィニティークロマトグラフィー材料またはカチオン交換クロマトグラフィー材料である、態様1~23のいずれかに記載の方法。
25. 前記クロマトグラフィー材料がアフィニティークロマトグラフィー材料である、態様1~24のいずれかに記載の方法。
26. 前記クロマトグラフィー材料が、プロテインAもしくはプロテインGもしくはプロテインLアフィニティークロマトグラフィー、一本鎖Fvリガンドアフィニティークロマトグラフィー、金属キレートアフィニティークロマトグラフィー、またはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントをリガンドとするアフィニティークロマトグラフィー材料(FcXL)を含む群から選択されるアフィニティークロマトグラフィー材料である、態様1~25のいずれかに記載の方法。
27. 前記クロマトグラフィー材料が、プロテインAクロマトグラフィーまたはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントをリガンドとするクロマトグラフィー材料から選択されるアフィニティークロマトグラフィー材料である、態様1~26のいずれかに記載の方法。
28. 前記アフィニティークロマトグラフィー材料が、アルデヒド活性化アガロースのマトリックスと、すべてのヒトIgGサブクラスのCH3ドメインに特異的に結合するCaptureSelect FcXLアフィニティーリガンド[これはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントである]とを持つ材料であって、該リガンドが、該リガンドのNH2残基を介して、アルデヒドカップリングによって前記マトリックスにカップリングされるもの(CaptureSelect(商標)FcXL)であるか、または架橋アガロースのマトリックスとアルカリ安定化プロテインA由来リガンドとを持つ材料(MabSelect(商標)SuRe(商標))である、態様1~27のいずれかに記載の方法。
29. 前記アフィニティークロマトグラフィー材料が、アルデヒド活性化アガロースのマトリックス、65μmの平均粒径、およびすべてのヒトIgGサブクラスのCH3ドメインに特異的に結合するCaptureSelect(商標)FcXLアフィニティーリガンド[これはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントである]を持つ材料であって、該リガンドが、該リガンドのNH2残基を介して、アルデヒドカップリングによって該マトリックスにカップリングされるもの(CaptureSelect(商標)FcXL)であるか、または架橋アガロースのマトリックス、アルカリ安定化プロテインA由来リガンドおよび85μmの平均粒径を持つ材料(MabSelect(商標)SuRe(商標))である、態様1~28のいずれかに記載の方法。
30. 前記アフィニティークロマトグラフィー材料が、CaptureSelect(商標)FcXLまたはMabSelect(商標)SuRe(商標)である、態様1~29のいずれかに記載の方法。
31. 前記クロマトグラフィー材料がカチオン交換クロマトグラフィー材料である、態様1~24のいずれかに記載の方法。
32. 前記カチオン交換クロマトグラフィー材料が、架橋アガロースのマトリックスとリガンドとしてのスルホプロピルとを持つ材料(SP Sepharose(登録商標)Fast Flow)である、態様1~24および態様31のいずれかに記載の方法。
33. 前記カチオン交換クロマトグラフィー材料が、粒径45~165μm(平均90μm)の架橋アガロースのマトリックス(6%)とリガンドとしてのスルホプロピルとを持つ材料(SP Sepharose(登録商標)Fast Flow)である、態様1~24および態様31~32のいずれかに記載の方法。
34. 前記カチオン交換クロマトグラフィー材料がSP Sepharose(登録商標)Fast Flowである、態様1~24および態様31~33のいずれかに記載の方法。
35. 前記タンパク質/ポリペプチドが組換えタンパク質/ポリペプチドである、態様1~34のいずれかに記載の方法。
36. 前記タンパク質が抗体である、態様1~35のいずれかに記載の方法。
37. 前記タンパク質/ポリペプチドがモノクローナル抗体である、態様1~36のいずれかに記載の方法。
38. 前記タンパク質/ポリペプチドが、多重特異性抗体、二重特異性抗体、または単一特異性抗体である、態様1~37のいずれかに記載の方法。
39. 前記タンパク質/ポリペプチドがヒト化タイプII抗CD20抗体である、態様1~38のいずれかに記載の方法。
40. 前記タンパク質/ポリペプチドが、
(a)SEQ ID NO:01の重鎖可変領域と
(b)SEQ ID NO:02の軽鎖可変領域と
を含む、ヒト化タイプII抗CD20抗体である、態様1~39のいずれかに記載の方法。
41. 前記タンパク質/ポリペプチドがオビヌツズマブである、態様1~40のいずれかに記載の方法。
42. タンパク質を含む試料中の加水分解活性を低減させる(ポリソルベートの分解安定性を向上させる)ための、ポリソルベートの使用であって、
タンパク質を含む該試料が、
i)該タンパク質を含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する前に、ポリソルベートを追加され、かつ/または
ii)該タンパク質を含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用した後に、ポリソルベートを含む溶液で洗浄される、
使用。
43. 前記ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、またはポリソルベート120を含む群から選択される、態様42記載の使用。
44. 前記ポリソルベートが、ポリソルベート20またはポリソルベート80を含む群から選択される、態様42~43のいずれかに記載の使用。
45. 前記ポリソルベートがポリソルベート20である、態様42~44のいずれかに記載の使用。
46. 前記ポリソルベートがポリソルベート80である、態様42~44のいずれかに記載の使用。
47. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.001%(w/v)になるように加えられる、態様42~46のいずれかに記載の使用。
48. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.005%(w/v)になるように加えられる、態様42~47のいずれかに記載の使用。
49. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.007%(w/v)になるように加えられる、態様42~48のいずれかに記載の使用。
50. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.01%(w/v)になるように加えられる、態様42~49のいずれかに記載の使用。
51. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.04%(w/v)になるように加えられる、態様42~50のいずれかに記載の使用。
52. 前記ポリソルベートが、最終濃度が約0.001%(w/v)~約1%(w/v)または約0.001%(w/v)~約10%(w/v)になるように加えられる、態様42~51のいずれかに記載の使用。
53. 前記クロマトグラフィー材料が、アフィニティークロマトグラフィー材料、カチオン交換クロマトグラフィー材料、アニオン交換クロマトグラフィー材料、疎水性相互作用クロマトグラフィー材料または混合モードクロマトグラフィー材料である、態様42~52のいずれかに記載の使用。
54. 前記クロマトグラフィー材料が、アフィニティークロマトグラフィー材料、カチオン交換クロマトグラフィー材料またはアニオン交換クロマトグラフィー材料である、態様42~53のいずれかに記載の使用。
55. 前記クロマトグラフィー材料が、アフィニティークロマトグラフィー材料またはカチオン交換クロマトグラフィー材料である、態様42~54のいずれかに記載の使用。
56. 前記クロマトグラフィー材料がアフィニティークロマトグラフィー材料である、態様42~55のいずれかに記載の使用。
57. 前記クロマトグラフィー材料が、プロテインAもしくはプロテインGもしくはプロテインLアフィニティークロマトグラフィー、一本鎖Fvリガンドアフィニティークロマトグラフィー、金属キレートアフィニティークロマトグラフィー、またはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントをリガンドとするアフィニティークロマトグラフィー材料(FcXL)を含む群から選択されるアフィニティークロマトグラフィー材料である、態様42~56のいずれかに記載の使用。
58. 前記クロマトグラフィー材料が、プロテインAクロマトグラフィーまたはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントをリガンドとするクロマトグラフィー材料から選択されるアフィニティークロマトグラフィー材料である、態様42~57のいずれかに記載の使用。
59. 前記アフィニティークロマトグラフィー材料が、アルデヒド活性化アガロースのマトリックスと、すべてのヒトIgGサブクラスのCH3ドメインに特異的に結合するCaptureSelect FcXLアフィニティーリガンド[これはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントである]とを持つ材料であって、該リガンドが、該リガンドのNH2残基を介して、アルデヒドカップリングによって該マトリックスにカップリングされるもの(CaptureSelect(商標)FcXL)であるか、または架橋アガロースのマトリックスとアルカリ安定化プロテインA由来リガンドとを持つ材料(MabSelect(商標)SuRe(商標))である、態様42~58のいずれかに記載の使用。
60. 前記アフィニティークロマトグラフィー材料が、アルデヒド活性化アガロースのマトリックス、65μmの平均粒径、およびすべてのヒトIgGサブクラスのCH3ドメインに特異的に結合するCaptureSelect FcXLアフィニティーリガンド[これはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントである]を持つ材料であって、該リガンドが、該リガンドのNH2残基を介して、アルデヒドカップリングによってマトリックスにカップリングされるもの(CaptureSelect(商標)FcXL)であるか、または架橋アガロースのマトリックス、アルカリ安定化プロテインA由来リガンドおよび85μmの平均粒径を持つ材料(MabSelect(商標)SuRe(商標))である、態様42~59のいずれかに記載の使用。
61. 前記アフィニティークロマトグラフィー材料が、CaptureSelect(商標)FcXLまたはMabSelect(商標)SuRe(商標)である、態様42~55のいずれかに記載の使用。
62. 前記クロマトグラフィー材料がカチオン交換クロマトグラフィー材料である、態様42~55のいずれかに記載の使用。
63. 前記カチオン交換クロマトグラフィー材料が、架橋アガロースのマトリックスとリガンドとしてのスルホプロピルとを持つ材料(SP Sepharose(登録商標)Fast Flow)である、態様42~55および態様62のいずれかに記載の使用。
64. 前記カチオン交換クロマトグラフィー材料が、粒径45~165μm(平均90μm)の架橋アガロースのマトリックス(6%)とリガンドとしてのスルホプロピルとを持つ材料(SP Sepharose(登録商標)Fast Flow)である、態様42~55および態様62~63のいずれかに記載の使用。
65. 前記カチオン交換クロマトグラフィー材料がSP Sepharose(登録商標)Fast Flowである、態様42~55および態様62~64のいずれかに記載の使用。
66. 前記タンパク質が組換えタンパク質である、態様42~65のいずれかに記載の使用。
67. 前記タンパク質が抗体である、態様42~66のいずれかに記載の使用。
68. 前記タンパク質がモノクローナル抗体である、態様42~67のいずれかに記載の使用。
69. 前記タンパク質が、多重特異性抗体、二重特異性抗体、または単一特異性抗体である、態様42~68のいずれかに記載の使用。
70. 前記タンパク質がヒト化タイプII抗CD20抗体である、態様42~69のいずれかに記載の使用。
71. 前記タンパク質が、
(a)SEQ ID NO:01の重鎖可変領域と
(b)SEQ ID NO:02の軽鎖可変領域と
を含む、ヒト化タイプII抗CD20抗体である、態様42~70のいずれかに記載の使用。
72. 前記タンパク質がオビヌツズマブである、態様42~71のいずれかに記載の使用。
73. 態様1~41または態様77~107のいずれかに記載の方法によって得られる、加水分解活性が低減した(ポリソルベートの分解安定性が向上した)液体抗体調製物(ポリソルベートを含むもの)。
74. 前記抗体がヒト化タイプII抗CD20抗体である、態様73記載の液体抗体調製物。
75. 前記抗体が、
(a)SEQ ID NO:01の重鎖可変領域と
(b)SEQ ID NO:02の軽鎖可変領域と
を含む、ヒト化タイプII抗CD20抗体である、態様73~74のいずれかに記載の液体抗体調製物。
76. 前記抗体がオビヌツズマブである、態様73~75のいずれかに記載の液体抗体調製物。
77. タンパク質と加水分解酵素とを含む試料中の加水分解酵素の量を低減するための方法であって、以下の工程を含む方法:
a)タンパク質と加水分解酵素とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する前に、タンパク質と加水分解酵素とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、および/または
b)タンパク質と加水分解酵素とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用した後に、ポリソルベートを含む溶液で洗浄する工程。
78. 前記ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、またはポリソルベート120を含む群から選択される、態様77記載の方法。
79. 前記ポリソルベートが、ポリソルベート20またはポリソルベート80を含む群から選択される、態様77~78のいずれかに記載の方法。
80. 前記ポリソルベートがポリソルベート20である、態様77~79のいずれかに記載の方法。
81. 前記ポリソルベートがポリソルベート80である、態様77~79のいずれかに記載の方法。
82. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.001%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.001%(w/v)の最終濃度を有する、態様77~81のいずれかに記載の方法。
83. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.005%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.005%(w/v)の最終濃度を有する、態様77~82のいずれかに記載の方法。
84. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.007%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.007%(w/v)の最終濃度を有する、態様77~83のいずれかに記載の方法。
85. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.01%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.01%(w/v)の最終濃度を有する、態様77~84のいずれかに記載の方法。
86. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.04%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.04%(w/v)の最終濃度を有する、態様77~85のいずれかに記載の方法。
87. 前記ポリソルベートが、最終濃度が約0.001%(w/v)~約1%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、約0.001%(w/v)~約1%(w/v)または約0.001%(w/v)~約10%(w/v)の最終濃度を有する、態様77~86のいずれかに記載の方法。
88. 前記クロマトグラフィー材料が、アフィニティークロマトグラフィー材料、カチオン交換クロマトグラフィー材料、アニオン交換クロマトグラフィー材料、疎水性相互作用クロマトグラフィー材料または混合モードクロマトグラフィー材料である、態様77~87のいずれかに記載の方法。
89. 前記クロマトグラフィー材料が、アフィニティークロマトグラフィー材料、カチオン交換クロマトグラフィー材料またはアニオン交換クロマトグラフィー材料である、態様77~88のいずれかに記載の方法。
90. 前記クロマトグラフィー材料が、アフィニティークロマトグラフィー材料またはカチオン交換クロマトグラフィー材料である、態様77~89のいずれかに記載の方法。
91. 前記クロマトグラフィー材料がアフィニティークロマトグラフィー材料である、態様77~90のいずれかに記載の方法。
92. 前記クロマトグラフィー材料が、プロテインAもしくはプロテインGもしくはプロテインLアフィニティークロマトグラフィー、一本鎖Fvリガンドアフィニティークロマトグラフィー、金属キレートアフィニティークロマトグラフィー、またはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントをリガンドとするアフィニティークロマトグラフィー材料(FcXL)を含む群から選択されるアフィニティークロマトグラフィー材料である、態様77~91のいずれかに記載の方法。
93. 前記クロマトグラフィー材料が、プロテインAクロマトグラフィーまたはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントをリガンドとするクロマトグラフィー材料から選択されるアフィニティークロマトグラフィー材料である、態様77~92のいずれかに記載の方法。
94. 前記アフィニティークロマトグラフィー材料が、アルデヒド活性化アガロースのマトリックスと、すべてのヒトIgGサブクラスのCH3ドメインに特異的に結合するCaptureSelect FcXLアフィニティーリガンド[これはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントである]とを持つ材料であって、該リガンドが、該リガンドのNH2残基を介して、アルデヒドカップリングによって該マトリックスにカップリングされるもの(CaptureSelect(商標)FcXL)であるか、または架橋アガロースのマトリックスとアルカリ安定化プロテインA由来リガンドとを持つ材料(MabSelect(商標)SuRe(商標))である、態様77~93のいずれかに記載の方法。
95. 前記アフィニティークロマトグラフィー材料が、アルデヒド活性化アガロースのマトリックス、65μmの平均粒径、およびすべてのヒトIgGサブクラスのCH3ドメインに特異的に結合するCaptureSelect FcXLアフィニティーリガンド[これはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントである]を持つ材料であって、該リガンドが、該リガンドのNH2残基を介して、アルデヒドカップリングによって該マトリックスにカップリングされるもの(CaptureSelect(商標)FcXL)であるか、または架橋アガロースのマトリックス、アルカリ安定化プロテインA由来リガンドおよび85μmの平均粒径を持つ材料(MabSelect(商標)SuRe(商標))である、態様77~94のいずれかに記載の方法。
96. 前記アフィニティークロマトグラフィー材料が、CaptureSelect(商標)FcXLまたはMabSelect(商標)SuRe(商標)である、態様77~95のいずれかに記載の方法。
97. 前記クロマトグラフィー材料がカチオン交換クロマトグラフィー材料である、態様77~90のいずれかに記載の方法。
98. 前記カチオン交換クロマトグラフィー材料が、架橋アガロースのマトリックスとリガンドとしてのスルホプロピルとを持つ材料(SP Sepharose(登録商標)Fast Flow)である、態様77~90および態様97のいずれかに記載の方法。
99. 前記カチオン交換クロマトグラフィー材料が、粒径45~165μm(平均90μm)の架橋アガロースのマトリックス(6%)とリガンドとしてのスルホプロピルとを持つ材料(SP Sepharose(登録商標)Fast Flow)である、態様77~90および態様97~98のいずれかに記載の方法。
100. 前記カチオン交換クロマトグラフィー材料がSP Sepharose(登録商標)Fast Flowである、態様77~90および態様97~99のいずれかに記載の方法。
101. 前記タンパク質が組換えタンパク質である、態様77~100のいずれかに記載の方法。
102. 前記タンパク質が抗体である、態様77~101のいずれかに記載の方法。
103. 前記タンパク質がモノクローナル抗体である、態様77~102のいずれかに記載の方法。
104. 前記タンパク質が、多重特異性抗体、二重特異性抗体、または単一特異性抗体である、態様77~103のいずれかに記載の方法。
105. 前記タンパク質がヒト化タイプII抗CD20抗体である、態様77~104のいずれかに記載の方法。
106. 前記タンパク質が、
(a)SEQ ID NO:01の重鎖可変領域と
(b)SEQ ID NO:02の軽鎖可変領域と
を含む、ヒト化タイプII抗CD20抗体である、態様77~105のいずれかに記載の方法。
107. 前記タンパク質がオビヌツズマブである、態様77~106のいずれかに記載の方法。
108. (組換え)タンパク質を生産するための方法であって、以下の工程:
a)(組換え)タンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を培養する工程、
b)該細胞または培養培地から該(組換え)タンパク質を回収する工程、および
c)態様1~41のいずれかに記載の方法で該(組換え)タンパク質を精製する工程
を含み、それによって該(組換え)タンパク質を生産する、方法。
109. 態様1~41または態様77~107のいずれかに記載の方法によって得られる、安定性が向上した液体抗体調製物。
110. 態様1~41または態様77~107のいずれかに記載の方法によって得られる、(遊離脂肪酸集合物によって形成される)粒子形成が低減した液体抗体調製物。
111. 前記ポリソルベートが、最終濃度が約0.001%(w/v)~約5%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.001%(w/v)~約5%(w/v)の最終濃度を有する、態様1~41または態様77~107のいずれかに記載の方法。
112. 前記ポリソルベートが、最終濃度が約0.001%(w/v)~約3%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.001%(w/v)~約3%(w/v)の最終濃度を有する、態様1~41または態様77~107または態様111のいずれかに記載の方法。
113. 前記ポリソルベートが、最終濃度が約0.001%(w/v)~約2%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.001%(w/v)~約2%(w/v)の最終濃度を有する、態様1~41または態様77~107または態様111~112のいずれかに記載の方法。
114. 前記ポリソルベートが、最終濃度が約0.001%(w/v)~約1%(w/v)になるように加えられ、かつ/または、ポリソルベートを含む前記洗浄溶液が、少なくとも約0.001%(w/v)~約1%(w/v)の最終濃度を有する、態様1~41または態様77~107または態様111~113のいずれかに記載の方法。
115. 前記クロマトグラフィー材料がカラム中にある、態様1~41または態様77~107または態様111~114のいずれかに記載の方法。
116. 前記クロマトグラフィー材料が前記溶液/試料中に懸濁される、態様1~41または態様77~107または態様111~114のいずれかに記載の方法。
117. 前記タンパク質/ポリペプチドが、ヒト化タイプII抗CD20抗体または抗VEGF/Ang2抗体または抗HER2抗体である、態様1~38または態様77~104または態様111~116のいずれかに記載の方法または態様42~69のいずれかに記載の使用または態様73もしくは態様109~110のいずれかに記載の液体抗体調製物。
118. 前記タンパク質/ポリペプチドが抗VEGF/Ang2抗体である、態様1~38または態様117または態様111~116のいずれかに記載の方法または態様42~69のいずれかに記載の使用または態様73もしくは態様109~110のいずれかに記載の液体抗体調製物。
119. 前記タンパク質/ポリペプチドが、可変領域としてSEQ ID NO:3~SEQ ID NO:6を含む抗VEGF/Ang2抗体である、態様1~38または態様117~118または態様111~116のいずれかに記載の方法または態様42~69のいずれかに記載の使用または態様73もしくは態様109~110のいずれかに記載の液体抗体調製物。
120. 前記タンパク質/ポリペプチドが抗HER2抗体である、態様1~38または態様117または態様111~116のいずれかに記載の方法または態様42~69のいずれかに記載の使用または態様73もしくは態様109~110のいずれかに記載の液体抗体調製物。
121. 前記タンパク質/ポリペプチドが、オビヌツズマブまたはファリシマブまたはトラスツズマブまたはペルツズマブである、態様1~40または態様117~120または態様111~116のいずれかに記載の方法または態様42~69のいずれかに記載の使用または態様73もしくは態様109~110のいずれかに記載の液体抗体調製物。
122. 前記タンパク質/ポリペプチドが、オビヌツズマブまたはファリシマブまたはトラスツズマブである、態様1~40または態様117~121または態様111~116のいずれかに記載の方法または態様42~69のいずれかに記載の使用または態様73もしくは態様109~110のいずれかに記載の液体抗体調製物。
123. 前記タンパク質/ポリペプチドがファリシマブである、態様1~38または態様117~119または態様111~116のいずれかに記載の方法または態様42~69のいずれかに記載の使用または態様73もしくは態様109~110のいずれかに記載の液体抗体調製物。
124. 前記タンパク質/ポリペプチドが、トラスツズマブまたはペルツズマブである、態様1~38または態様117または態様120~122または態様111~116のいずれかに記載の方法または態様42~69のいずれかに記載の使用または態様73もしくは態様109~110のいずれかに記載の液体抗体調製物。
125. 前記タンパク質/ポリペプチドがトラスツズマブである、態様1~38または態様117または態様120~122または態様124または態様111~116のいずれかに記載の方法または態様42~69のいずれかに記載の使用または態様73もしくは態様109~110のいずれかに記載の液体抗体調製物。
126. 前記タンパク質/ポリペプチドがペルツズマブである、態様1~38または態様117または態様120~122または態様124または態様111~116のいずれかに記載の方法または態様42~69のいずれかに記載の使用または態様73もしくは態様109~110のいずれかに記載の液体抗体調製物。
127. ファリシマブと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料からファリシマブを精製するための方法であって、以下の工程を含む方法:
i)
a)ファリシマブと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料からファリシマブを回収する工程、または
ii)
a)ファリシマブと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料からファリシマブを回収する工程。
128. オビヌツズマブと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料からオビヌツズマブを精製するための方法であって、以下の工程を含む方法:
i)
a)オビヌツズマブと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料からオビヌツズマブを回収する工程、または
ii)
a)オビヌツズマブと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料からオビヌツズマブを回収する工程。
129. トラスツズマブと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料からトラスツズマブを精製するための方法であって、以下の工程を含む方法:
i)
a)トラスツズマブと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
c)該クロマトグラフィー材料からトラスツズマブを回収する工程、または
ii)
a)トラスツズマブと加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
c)ポリソルベートを含む(洗浄)溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
d)該クロマトグラフィー材料からトラスツズマブを回収する工程。
130. 抗体とポリソルベートとを含む液体組成物であって、該液体組成物の貯蔵中に分解されるポリソルベートが1年あたり20%以下である、液体組成物。
131. 前記抗体が、ヒト化タイプII抗CD20抗体または抗VEGF/Ang2抗体または抗HER2抗体である、態様130記載の液体組成物。
132. 前記抗体が、オビヌツズマブ、ファリシマブ、トラスツズマブ、またはペルツズマブである、態様130または態様131のいずれかに記載の液体組成物。
133. 前記抗体がオビヌツズマブである、態様130または態様131のいずれかに記載の液体組成物。
134. 前記抗体がファリシマブである、態様130または態様131のいずれかに記載の液体組成物。
135. 前記抗体がトラスツズマブである、態様130または態様131のいずれかに記載の液体組成物。
136. 前記抗体がペルツズマブである、態様130または態様131のいずれかに記載の液体組成物。
137. 態様1~41または態様111~129のいずれかに記載の方法によって得られる、安定性が向上した液体抗体調製物。
138. 態様1~41または態様111~129のいずれかに記載の方法によって得られる、(遊離脂肪酸集合物によって形成される)粒子形成が低減した液体抗体調製物。
参考文献
Figure 2023030126000001
Figure 2023030126000002
Figure 2023030126000003
Figure 2023030126000004
以下の実施例、配列、および図面は本発明を理解することを目的として提供され、本発明の真の範囲は添付の特許請求の範囲において示される。本発明の主旨から逸脱することなく、示された手法に修飾を施し得ることが理解されよう。
配列表の説明
SEQ ID NO:01 ヒト化タイプII抗CD20抗体(オビヌツズマブ)の重鎖可変領域(VH)のアミノ酸配列。

SEQ ID NO:02 ヒト化タイプII抗CD20抗体(オビヌツズマブ)の軽鎖可変領域(VL)のアミノ酸配列。

SEQ ID NO:03 抗VEGF/Ang2抗体(ファリシマブ)の重鎖可変領域1(VH-1)のアミノ酸配列。

SEQ ID NO:04 抗VEGF/Ang2抗体(ファリシマブ)の軽鎖可変領域1(VL-1)のアミノ酸配列。

SEQ ID NO:05 抗VEGF/Ang2抗体(ファリシマブ)の重鎖可変領域2(VH-2)のアミノ酸配列。

SEQ ID NO:06 抗VEGF/Ang2抗体(ファリシマブ)の軽鎖可変領域2(VL-2)のアミノ酸配列。
オプションのプレインキュベーション工程(ポリソルベート20(PS20)によるHCCFロード/ロードSPのコンディショニング)、PS20含有溶液による結合mAbの洗浄、またはそれら両工程の併用をそれぞれ含む、抗CD20抗体(オビヌツズマブ)に関して実行される下流処理ワークフローの応用例の模式的概略図。対応する溶出画分(溶出液:PS20コンディショニング、溶出液:PS20洗浄、および溶出液:PS20コンディショニング/洗浄)の加水分解活性(時間の関数としての残存PS20含量として測定される)を、標準的クロマトグラフィー条件を用いる基準溶出液と比較した。 対応する基準溶出液の相対的PS20含量を基準とする、下流処理に使用した0.04%(w/v)のPS20濃度での238時間(A)および317時間(B)のインキュベーション時間後の、抗CD20抗体(オビヌツズマブ)のMabSelect SuRe溶出画分の残存PS20含量。残存PS20含量が多ければ、加水分解活性は低減しているということになる。 対応する基準溶出液の相対的PS20含量を基準とする、下流処理に使用した0.04%(w/v)のPS20濃度での86時間(A)および163時間(B)のインキュベーション時間後の、抗CD20抗体(オビヌツズマブ)のCaptureSelect FcXL溶出画分の残存PS20含量。残存PS20含量が多ければ、加水分解活性は低減しているということになる。 対応する基準溶出液の相対的PS20含量を基準とする、下流処理に使用した0.28%(w/v)のPS20濃度での86時間(A)および163時間(B)のインキュベーション時間後の、抗CD20抗体(オビヌツズマブ)のCaptureSelect(商標)FcXL溶出画分の残存PS20含量。残存PS20含量が多ければ、加水分解活性は低減しているということになる。 対応する基準溶出液の相対的PS20含量を基準とする、下流処理に使用した0.04%(w/v)のPS20濃度での238時間(A)および317時間(B)のインキュベーション時間後の、抗CD20抗体(オビヌツズマブ)のSP Sepharose Fast Flow溶出画分の残存PS20含量。残存PS20含量が多ければ、加水分解活性は低減しているということになる。 対応する基準溶出液の相対量を基準とする、下流処理に使用した0.04%(w/v)のPS20濃度での141時間のインキュベーション時間後の、抗CD20抗体(オビヌツズマブ)のMabSelect SuRe溶出画分における遊離ラウリン酸と遊離ミリスチン酸の合計量。遊離脂肪酸の量が少なければ加水分解活性は低減しているということになる。 対応する基準溶出液の相対量を基準とする、下流処理に使用した0.04%(w/v)のPS20濃度での141時間のインキュベーション時間後の、抗CD20抗体(オビヌツズマブ)のSP Sepharose Fast Flow溶出画分における遊離ラウリン酸と遊離ミリスチン酸の合計量。遊離脂肪酸の量が少なければ加水分解活性は低減しているということになる。 対応する基準溶出液の相対的PS20含量を基準とする、下流処理に使用した0.28%(w/v)のPS20濃度での87時間(A)および159時間(B)のインキュベーション時間後の、抗VEGF/ANG2抗体(ファリシマブ)のCaptureSelect FcXL溶出画分の残存PS20含量。残存PS20含量が多ければ、加水分解活性は低減しているということになる。 対応する基準溶出液の相対量を基準とする、下流処理に使用した0.28%(w/v)のPS20濃度での116時間(A)および162時間(B)のインキュベーション時間後の、抗VEGF/ANG2抗体(ファリシマブ)のCaptureSelect FcXL溶出画分における遊離ラウリン酸と遊離ミリスチン酸の合計量。遊離脂肪酸の量が少なければ加水分解活性は低減しているということになる。 対応する基準溶出液の相対量を基準とする、下流処理に使用した0.28%(w/v)のPS20濃度での168時間のインキュベーション時間後の、抗HER2抗体(トラスツズマブ)のSP Sepharose Fast Flow溶出画分における遊離ラウリン酸と遊離ミリスチン酸の合計量。緩衝液対照(0.1mM Tris/HCl、10mMメチオニン、pH8.0)を使ってすべての試料についてブランクサブトラクションを実行した。遊離脂肪酸の量が少なければ加水分解活性は低減しているということになる。 対応する基準条件での相対量を基準とする、140時間(A)および235時間(B)のインキュベーション時間後の、オプションの下流PS20コンディショニングおよび洗浄工程(カチオン交換クロマトグラフィー(SP Sepharose)による精製前/精製中に0.28%(w/v)のPS20濃度を使用)を含む、コンディショニングなしのバルクレベルまで処理された抗HER2抗体(トラスツズマブ)試料における遊離ラウリン酸と遊離ミリスチン酸の合計量。緩衝液対照(0.1mM Tris/HCl、10mMメチオニン、pH8.0)を使ってすべての試料についてブランクサブトラクションを実行した。遊離脂肪酸の量が少なければ加水分解活性は低減しているということになる。
一般的方法
タンパク質純度の測定
タンパク質純度は、Dionex UltiMate 3000 HPLCシステム(Thermo Scientific)を用いるサイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE-HPLC)によって測定した。タンパク質分離は、TSKGEL G3000SWXL 7.8X300カラム(Tosoh Bioscience LLC)において、0.2M K2HPO4/KH2PO4、0.25M KCl、pH7.0をランニング緩衝液とし、0.5ml/分の流速で実行した。
タンパク質濃度の測定
タンパク質濃度は、Cary(登録商標)50 UV-Vis分光測光器(Varian)を使ったUV分光法によって測定した。タンパク質試料をそれぞれの緩衝液にて希釈し、二つ一組として測定した。濃度は、ランベルト-ベール(Lambert-Beer)の法則から導かれる以下の等式に従って決定した:c=(A280nm-A320nm)/ε・d・F。ここで、cはタンパク質濃度[mg/ml]、Aは吸光度、εは吸光係数[ml/(mg・cm)]、dはセル長[cm]、Fは希釈係数である。オビヌツズマブ特異的吸光係数は1.49ml/(mg・cm)である。
抗体
可変領域としてSEQ ID NO:01~SEQ ID NO:02を含むWO 2005/044859記載のヒト化タイプII抗CD20抗体(オビヌツズマブ)、または可変領域としてSEQ ID NO:3~SEQ ID NO:6を含むWO 2014/009465記載のVEGFおよびAng2に対する二重特異性抗体(抗VEGF/Ang2抗体;ファリシマブ)、または例えばWO 2011/012637記載のHER2に対する抗体(抗HER2抗体;トラスツズマブ)などの例示的抗体を使って、本発明を例示する。
精製の概観
下流処理の応用例の模式的概観を図1に図示する。
実施例1
プロテインAクロマトグラフィー(MabSelect SuRe)における抗CD20抗体の精製
ロード調製:
以下の工程を逐次的に実行した:
1)オビヌツズマブ(抗CD20)を含有する無処理のHCCFを融解し、孔径0.22μmのフィルタユニット(Merck Millipore)を使って濾過した。
2)HCCFを四等分した。PS20コンディショニングの場合は、最終濃度0.04%(w/v)のPS20をHCCFに加えた。コンディショニングありの溶液は、撹拌(300rpm、10分、室温)によってホモジナイズされ、撹拌せずに4℃で24時間インキュベートされた。すべての部分を-20℃で貯蔵した。
クロマトグラフィー:
AEKTA Explorer 100システム(GE Healthcare)でMabSelect(商標)SuRe(商標)カラム(φ1cm、h=25.5cm、V=20.3ml)(GE Healthcare)を使用し、どの工程においても440cm/時の定流量で、クロマトグラフィーによるタンパク質精製を実行した。実験の詳細を以下のとおり列挙する。
実験1(基準):
ロード密度:38.2g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
2. ロードHCCF
3. 洗浄1 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
4. 洗浄2 0.7M Tris/HCl、pH7.2
5. 洗浄3 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
6. 溶出 30mM 酢酸(0.25AU-0.25AU(1cm UVセル)をプール)
実験2(0.04%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF):
ロード密度:37.45g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
2. ロードHCCF 0.04%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF
3. 洗浄1 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
4. 洗浄2 0.7M Tris/HCl、pH7.2
5. 洗浄3 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
6. 溶出 30mM 酢酸(0.25AU-0.25AU(1cm UVセル)をプール)
実験3(0.04%(w/v)PS20での追加の洗浄-ストリッピング):
ロード密度:38.2g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
2. ロードHCCF
3. 洗浄1 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
4. 洗浄2 0.04%(w/v)PS20(合計5CV:4CV、30分保持、1CV)
5. 洗浄3 0.7M Tris/HCl、pH7.2
6. 洗浄4 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
7. 溶出 30mM 酢酸(0.25AU-0.25AU(1cm UVセル)をプール)
実験4(0.04%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF+0.04%(w/v)PS20での追加の洗浄-ストリッピング):
ロード密度:37.45g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
2. ロードHCCF 0.04%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF
3. 洗浄1 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
4. 洗浄2 0.04%(w/v)PS20(合計5CV:4CV、30分保持、1CV)
5. 洗浄3 0.7M Tris/HCl、pH7.2
6. 洗浄4 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
7. 溶出 30mM 酢酸(0.25AU-0.25AU(1cm UVセル)をプール)
MSS実験のプールの概要(図2および図6参照):
MabSelect SuRe(登録商標)溶出液(オビヌツズマブを含有するもの)を1.5M Tris-アミノ(Tris-amino)で6.0±0.2のpH値に調節し、続いて、孔径0.45μmおよび0.22μmのMinisart(登録商標)フィルタユニット(Sartorius Stedim)を使って濾過した。濾過された溶出液を-20℃で凍結し、その後の分析のための出発材料とした。
Figure 2023030126000005
実施例2
抗IgG Fcクロマトグラフィー/ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントをリガンドとする材料(CaptureSelect(商標)FcXL)を用いるクロマトグラフィーにおける抗CD20抗体の精製
ロード調製:
以下の工程を逐次的に実行した:
1)オビヌツズマブ(抗CD20)を含有する無処理のHCCFを融解し、孔径0.22μmのフィルタユニット(Merck Millipore)を使って濾過した。
2)HCCFを七等分した。PS20コンディショニングの場合は、最終濃度0.04%(w/v)または0.28%(w/v)のPS20をHCCFに加えた。コンディショニングありの溶液は、撹拌(300rpm、10分、室温)によってホモジナイズされ、撹拌せずに4℃で24時間インキュベートされた。すべての部分を-20℃で貯蔵した。
クロマトグラフィー:
AEKTA AVANT 150システム(GE Healthcare)でCaptureSelect FcXLカラム(φ1cm、h=20.5cm、V=16.1ml)(Thermo Fisher)を使用し、どの工程においても200cm/時の定流量で、クロマトグラフィーによるタンパク質精製を実行した。実験の詳細を以下のとおり列挙する。
実験1(基準):
ロード密度:19.81g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
2. ロードHCCF
3. 洗浄1 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
4. 洗浄2 精製水(タイプII)
5. 洗浄3 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
6. 溶出 30mM 酢酸(2.5AU-2.5AU(1cm UVセル)をプール)
実験2(0.04%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF):
ロード密度:19.75g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
2. ロードHCCF 0.04%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF
3. 洗浄1 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
4. 洗浄2 精製水(タイプII)
5. 洗浄3 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
6. 溶出 30mM 酢酸(2.5AU-2.5AU(1cm UVセル)をプール)
実験3(0.04%(w/v)PS20での追加の洗浄-ストリッピング):
ロード密度:19.81g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
2. ロードHCCF
3. 洗浄1 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
4. 洗浄2 0.04%(w/v)PS20(合計5CV:4CV、30分保持、1CV)
5. 洗浄3 精製水(タイプII)
6. 洗浄4 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
7. 溶出 30mM 酢酸(2.5AU-2.5AU(1cm UVセル)をプール)
実験4(0.04%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF+0.04%(w/v)PS20での追加の洗浄-ストリッピング)
ロード密度:19.77g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
2. ロードHCCF 0.04%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF
3. 洗浄1 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
4. 洗浄2 0.04%(w/v)PS20(合計5CV:4CV、30分保持、1CV)
5. 洗浄3 精製水(タイプII)
6. 洗浄4 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
7. 溶出 30mM 酢酸(2.5AU-2.5AU(1cm UVセル)をプール)
実験5(0.28%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF):
ロード密度:19.82g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
2. ロードHCCF 0.28%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF
3. 洗浄1 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
4. 洗浄2 精製水(タイプII)
5. 洗浄3 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
6. 溶出 30mM 酢酸(2.5AU-2.5AU(1cm UVセル)をプール)
実験6(0.28%(w/v)PS20での追加の洗浄-ストリッピング):
ロード密度:19.81g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
2. ロードHCCF
3. 洗浄1 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
4. 洗浄2 0.28%(w/v)PS20(合計5CV:4CV、30分保持、1CV)
5. 洗浄3 精製水(タイプII)
6. 洗浄4 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
7. 溶出 30mM 酢酸(2.5AU-2.5AU(1cm UVセル)をプール)
実験7(0.28%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF+0.28%(w/v)PS20での追加の洗浄-ストリッピング)
ロード密度:19.86g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
2. ロードHCCF 0.28%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF
3. 洗浄1 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
4. 洗浄2 0.28%(w/v)PS20(合計5CV:4CV、30分保持、1CV)
5. 洗浄3 精製水(タイプII)
6. 洗浄4 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.0
7. 溶出 30mM 酢酸(2.5AU-2.5AU(1cm UVセル)をプール)
抗IgG-Fc(CaptureSelect(商標)FcXL)実験のプールの概要(図3および図4参照):
CaptureSelect(商標)FcXL溶出液(オビヌツズマブを含有するもの)を1.5M Tris-アミノで6.0±0.2のpH値に調節し、続いて、孔径0.45μmおよび0.22μmのMinisart(登録商標)フィルタユニット(Sartorius Stedim)を使って濾過した。濾過された溶出液を-20℃で凍結し、その後の分析のための出発材料とした。
Figure 2023030126000006
実施例3
カチオン交換クロマトグラフィー(SP-Sepharose Fast Flow)における抗CD20抗体の精製
ロード調製:
以下の工程を逐次的に実行した:
1)異なる濃度のオビヌツズマブを含有する2つの無処理のSPロード(「プローブ4.1ロードSPFF」(Probe 4.1 Load SPFF);G002.01E)を融解し、孔径0.22μmのフィルタユニット(Merck Millipore)を使って別々に濾過した。
2)第1のSPロード画分を3等分し(実験1~3に使用)、第2のSPロードは実験4に使用した。PS20コンディショニングの場合は、最終濃度0.04%(w/v)のPS20をSPロードに加えた。コンディショニングありの溶液は、撹拌(300rpm、10分、室温)によってホモジナイズされ、撹拌せずに4℃で24時間インキュベートされた。すべての部分を-20℃で貯蔵した。
クロマトグラフィー:
AEKTA Explorerシステム(GE Healthcare)でSP Sepharose Fast Flowカラム(φ1cm、h=27.3cm、V=21.4ml)(GE Healthcare)を使用し、どの工程においても160cm/時の定流量で、クロマトグラフィーによるタンパク質精製を実行した。実験の詳細を以下のとおり列挙する。
実験1(基準):
ロード密度:51.04g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/酢酸 pH5.0
2. ロードSPFF
3. 洗浄1 10mM Tris/酢酸 pH9.0
4. 洗浄2 25mM Tris/酢酸 pH5.0
5. 溶出 25mM Tris/酢酸、150mM NaCl、pH5.0
(0.25AU-0.88AU(1cm UVセル)をプール)
実験2(0.04%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのSPロード):
ロード密度:49.02g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/酢酸 pH5.0
2. ロードSPFF 0.04%(w/v)PS20を含有するSPロード
3. 洗浄1 10mM Tris/酢酸 pH9.0
4. 洗浄2 25mM Tris/酢酸 pH5.0
5. 溶出 25mM Tris/酢酸、150mM NaCl、pH5.0
(0.25AU-0.88AU(1cm UVセル)をプール)
実験3(0.04%(w/v)PS20での追加の洗浄-ストリッピング):
ロード密度:49.68g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/酢酸 pH5.0
2. ロードSPFF
3. 洗浄1 10mM Tris/酢酸 pH9.0
4. 洗浄2 0.04%(w/v)PS20(合計5CV:4CV、30分保持、1CV)
5. 洗浄3 25mM Tris/酢酸 pH5.0
6. 溶出 25mM Tris/酢酸、150mM NaCl、pH5.0
(0.25AU-0.88AU(1cm UVセル)をプール)
実験4(0.04%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのSPロード+0.04%(w/v)PS20での追加の洗浄-ストリッピング)
ロード密度:28.93g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/酢酸 pH5.0
2. ロードSPFF 0.04%(w/v)PS20を含有するSPロード
3. 洗浄1 10mM Tris/酢酸 pH9.0
4. 洗浄2 0.04%(w/v)PS20(合計5CV:4CV、30分保持、1CV)
5. 洗浄3 25mM Tris/酢酸 pH5.0
6. 溶出 25mM Tris/酢酸、150mM NaCl、pH5.0
(0.25AU-0.88AU(1cm UVセル)をプール)
SP-Sepharose Fast Flow実験のプールの概要(図5および図7参照)
SP-Sepharose Fast Flow溶出液(オビヌツズマブを含有するもの)を-20℃で凍結し、その後の分析のための出発材料とした。
Figure 2023030126000007
実施例4
抗IgG Fcクロマトグラフィー/ラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントをリガンドとする材料(CaptureSelect(商標)FcXL)を用いるクロマトグラフィーにおける抗VEGF/Ang2抗体(ファリシマブ)の精製
ロード調製:
以下の工程を逐次的に実行した:
1)ファシリマブ(抗VEGF/Ang2)を含有する無処理のHCCFを融解し、孔径0.22μmのフィルタユニット(Merck Millipore)を使って濾過した。
2)HCCFを二等分した。PS20コンディショニングの場合は、最終濃度0.28%(w/v)のPS20をHCCFに加えた。コンディショニングありの溶液は、撹拌(300rpm、10分、室温)によってホモジナイズされ、撹拌せずに4℃で24時間インキュベートされた。すべての部分を-20℃で貯蔵した。
クロマトグラフィー:
AEKTA Avant 150システム(GE Healthcare)でCaptureSelect(商標)FcXLカラム(φ1cm、h=21.3cm、V=16.73ml)(Thermo Fisher)を使用し、どの工程においても200cm/時の定流量で、クロマトグラフィーによるタンパク質精製を実行した。実験の詳細を以下のとおり列挙する。
実験1(基準):
ロード密度:29.47g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.2
2. ロードHCCF
3. 洗浄1 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.2
4. 洗浄2 精製水(タイプII)
5. 溶出 30mM 酢酸(2.5AU-2.5AU(1cm UVセル)をプール)
実験2(0.28%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF+0.28%(w/v)PS20での追加の洗浄-ストリッピング)
ロード密度:28.8g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.2
2. ロードHCCF 0.28%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF
3. 洗浄1 25mM Tris/HCl、25mM NaCl、pH7.2
4. 洗浄2 0.28%(w/v)PS20(合計5CV:4CV、30分保持、1CV)
5. 洗浄3 精製水(タイプII)
6. 溶出 30mM 酢酸(2.5AU-2.5AU(1cm UVセル)をプール)
抗IgG-Fc(CaptureSelect(商標)FcXL)実験のプールの概要(図8および図9参照)
CaptureSelect(商標)FcXL溶出液(ファリシマブを含有するもの)を1.5M Tris-アミノで6.0±0.2のpH値に調節し、続いて、孔径0.45μmおよび0.22μmのMinisart(登録商標)フィルタユニット(Sartorius Stedim)を使って濾過した。濾過された溶出液を-20℃で凍結し、その後の分析のための出発材料とした。
Figure 2023030126000008
実施例5
カチオン交換クロマトグラフィー(SP-Sepharose Fast Flow)における抗HER2抗体(トラスツズマブ)の精製
ロード調製:
以下の工程を逐次的に実行した:
1)トラスツズマブを含有する無処理のSPロード(「プローブ2.2ロードSP-FF」;G299.00P1)を融解し、孔径0.22μmのフィルタユニット(Merck Millipore)を使って濾過した。
2)SPロードを三等分した。PS20コンディショニングの場合はいずれも、最終濃度0.28%(w/v)のPS20をSPロードに加えた。コンディショニングありの溶液は、撹拌(300rpm、10分、室温)によってホモジナイズされ、撹拌せずに4℃で24時間インキュベートされた。すべての部分を-70℃で貯蔵した。
クロマトグラフィー:
AEKTA Explorerシステム(GE Healthcare)でSP Sepharose Fast Flowカラム(φ1.0cm、h=36.80cm、V=28.90ml)(GE Healthcare)を使用し、どの工程においても150cm/時の定流量で、クロマトグラフィーによるタンパク質精製を実行した。実験の詳細を以下のとおり列挙する。
実験1(基準):
ロード密度:30.00g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 30mM MES、45mM NaCl、pH5.6
2. ロードSP
3. 洗浄1 30mM MES、45mM NaCl、pH5.6
4. 洗浄2 平衡化緩衝液/溶出緩衝液勾配(21-71%溶出緩衝液)
5. 溶出 30mM MES、95mM NaCl、pH5.6(0.6AU-0.5AU(1cm UVセル)をプール)
実験2(0.28%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのロードSP)
ロード密度:30.10g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 30mM MES、45mM NaCl、pH5.6
2. ロードSP 0.28%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF
3. 洗浄1 30mM MES、45mM NaCl、pH5.6
4. 洗浄2 30mM MES、45mM NaCl、pH5.6
5. 洗浄3 平衡化緩衝液/溶出緩衝液勾配(21-71%溶出緩衝液)
6. 溶出 30mM MES、95mM NaCl、pH5.6(0.6AU-0.5AU(1cm UVセル)をプール)
実験3(0.28%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのロードSP+0.28%(w/v)PS20での追加の洗浄-ストリッピング)
ロード密度:30.10g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 30mM MES、45mM NaCl、pH5.6
2. ロードSP 0.28%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF
3. 洗浄1 30mM MES、45mM NaCl、pH5.6
4. 洗浄2 0.28%(w/v)PS20(合計5CV;4CV、30分保持、1CV)
5. 洗浄3 30mM MES、45mM NaCl、pH5.6
6. 洗浄4 平衡化緩衝液/溶出緩衝液勾配(21-71%溶出緩衝液)
7. 溶出 30mM MES、95mM NaCl、pH5.6(0.6AU-0.5AU(1cm UVセル)をプール)
SP-Sepharose Fast Flow実験のプールの概要(図10参照):
SP溶出液(トラスツズマブを含有するもの)を-20℃で凍結し、その後の分析のための出発材料とした。
Figure 2023030126000009
実施例6
コンディショニングなしのバルクレベルまで処理された抗Her2抗体(トラスツズマブ)の精製
処理工程:
Figure 2023030126000010
実験2用のロード調製:
以下の工程を逐次的に実行した:
1)トラスツズマブを含有する無処理のSPロード(「プローブ2.2ロードSP-FF」;G403.00P1)を融解し、孔径0.22μmのフィルタユニット(Sartorius、Sartopore-2)を使って濾過した。
2)PS20によるSPロードのコンディショニング:最終濃度0.28%(w/v)のPS20をSPロードに加えた。コンディショニングありの溶液は、撹拌(300rpm、10分、室温)によってホモジナイズされ、撹拌せずに4℃で24時間インキュベートされた。すべての部分を-20℃で貯蔵した。
クロマトグラフィーSP Sepharose Fast Flow実験2:
AEKTA Avant 150システム(GE Healthcare)でSP Sepharose Fast Flowカラム(φ1.6cm、h=37.0cm、V=74.39ml)(GE Healthcare)を使用し、どの工程においても102cm/時の定流量で、クロマトグラフィーによるタンパク質精製を実行した。実験の詳細を以下のとおり列挙する。
実験2(0.28%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのロードSP+0.28%(w/v)PS20での追加の洗浄-ストリッピング)
ロード密度:35.3g/L樹脂
クロマトグラフィー工程:
1. 平衡化 30mM MES、45mM NaCl、pH5.6
2. ロードSP 0.28%(w/v)PS20を含有するコンディショニングありのHCCF
3. 洗浄1 30mM MES、45mM NaCl、pH5.6
4. 洗浄2 0.28%(w/v)PS20(合計5CV;4CV、30分保持、1CV)
5. 洗浄3 30mM MES、45mM NaCl、pH5.6
6. 洗浄4 平衡化緩衝液/溶出緩衝液勾配(21-72%溶出緩衝液)
6. 溶出 30mM MES、95mM NaCl、pH5.6(0.6AU-0.5AU(1cm UVセル)をプール)
コンディショニングなしのバルクレベルでの実験のプールの概要(図11参照):
SP溶出液(トラスツズマブを含有するもの)を-20℃で凍結し、その後の分析のための出発材料とした。
Figure 2023030126000011
実施例7
加水分解活性の測定
A)残存するインタクトなPS20の含量を後で定量し、質量分析によって遊離脂肪酸を測定するための、溶出画分とPS20とのインキュベーション
安定性試験は、異なる精製設定からの材料を使って実行した。例えば、「プロテインA(MabSelect SuRe)」という設定の場合は、プロテインAクロマトグラフィー後の溶出画分を評価した。「ダウンスケールモデル」という設定の場合は、コンディショニングなしのバルクレベルに至る数回の精製工程後の溶出画分を評価した。コンディショニングなしのバルクでは、試料が最終レベルまで精製されている。
実施例1~6からの各溶出画分における(残存)加水分解活性をモニターするために、試料を同じタンパク質濃度になるように調節し、PS20または超精製(Super-refined)PS20(SR-PS20)のストック溶液と、対応する溶出緩衝液系またはTRIS緩衝液(pH8)とを、以下の表において指定するように使用して、PS20安定性試験用に試料を調製した。さらに、実験の時間経過中のPS20の酸化的分解を抑制するために、有効な酸化防止剤としてメチオニンのストック溶液(100mM)を加えた。残存するインタクトなPS20の含量を後で定量し(実施例7B参照)、質量分析によって遊離脂肪酸を測定するために(実施例7C参照)、(例えば図の説明および以下の試料調製スキームにおいて示すとおり)さまざまな時点において試料を取り出した。
1)プロテインA(MabSelect SuRe); 抗CD20抗体; オビヌツズマブ:
Figure 2023030126000012
残存するインタクトなPS20の含量を後で分析するために、238時間および317時間のインキュベーション後に試料を取り出した。遊離脂肪酸測定用の試料は141時間のインキュベーション後に取り出した(図2および図6参照)。
2)抗IgG-Fc(CaptureSelect(商標)FcXL); 抗CD20抗体; オビヌツズマブ:
Figure 2023030126000013
残存するインタクトなPS20の含量を後で分析するために、86時間および163時間のインキュベーション後に試料を取り出した(図3および図4参照)。
3)CEX(SP Sepharose); 抗CD20抗体; オビヌツズマブ:
Figure 2023030126000014
残存するインタクトなPS20の含量を後で分析するために、238時間および317時間のインキュベーション後に試料を取り出した。遊離脂肪酸測定用の試料は141時間のインキュベーション後に取り出した(図5および図7参照)。
4)抗IgG-Fc(CaptureSelect(商標)FcXL); 抗VEGF/Ang2抗体; ファリシマブ:
Figure 2023030126000015
残存するインタクトなPS20の含量を後で分析するために、87時間および159時間のインキュベーション後に試料を取り出した。遊離脂肪酸測定用の試料は116時間のインキュベーション後に取り出した(図8および図9参照)。
5)カチオン交換クロマトグラフィー(SP-Sepharose); 抗HER2抗体、トラスツズマブ:
Figure 2023030126000016
遊離脂肪酸測定用の試料は168時間のインキュベーション後に取り出した(図10参照)。
6)ダウンスケールモデル; 抗HER2抗体、トラスツズマブ:
Figure 2023030126000017
遊離脂肪酸測定用の試料は140時間および235時間のインキュベーション後に取り出した(図11参照)。
反応混合物はすべて、Thermomixerにおいて、37℃または40℃で、300rpmで振とうしながらインキュベートした。試料は所定の時点(それぞれの図の説明に表示するとおり、例えばプロテインAクロマトグラフィー精製の場合であれば238時間および317時間のインキュベーション)後に抜き取り、その後の分析まで-80℃で貯蔵した。
B)残存するインタクトなPS20の含量の定量
PS20含量の定量には、Hewittら(Journal of chromatography.A 2011, 1218, 2138-2145)およびLippoldら(Journal of pharmaceutical and biomedical analysis 2017, 132, 24-34)によって記載された方法と同等の方法を使用した。Oasis MAX Cartridgeカラム(30μm、2.1×20mm、Waters)ならびにLPG-3400XRS高圧力範囲クォータナリポンプ(Extended Pressure Range Quaternary Pump)、オートサンプラー、温度制御されたカラム室およびCorona(商標)Veo(商標)RS荷電化粒子検出器(charged aerosol detector)(CAD)(Thermo Fisher)を装備したUltiMate(商標)3000 RS(Thermo Fisher)を使って、混合モードHPLCによって試料を分離した。CAD設定は以下のとおりとした:インハウスソース(in-house source)から提供される内部窒素圧50psi、パワーファンクション(power function)設定1.00およびデフォルトでレンジ200pA。カラム後スイッチバルブにより、2.4~6.5分の間は流れをCADに向かわせ、他の時間はいずれも流れを廃棄するように変えた。分析のために、名目PS20濃度0.4mg/mlの試料25μLを注入し、5μL(2μg)~40μL(16μg)の範囲の注入体積で確立された検量線によって、PS20含量を決定した。カラム温度は30℃に設定した。溶媒A(精製水中の2%ギ酸)と溶媒B(メタノール中の2%ギ酸)を、以下の勾配となるように、流速1.25ml/分で移動相として使用した。
Figure 2023030126000018
各試料について得られたPS20濃度(単位mg/mL)を、実験の出発時点において各試料にスパイクされた所定量のポリソルベートを表す対応するt=0値と関係づけた(相対PS20濃度)。すべての試料を予め定められた期間にわたってインキュベートすることで、ポリソルベートの加水分解を生じさせた。グラフ表示のために、基準溶出液(100%に設定)を、本明細書において報告される方法(PS20処理)によって処理された試料中の相対PS20濃度と関連付けた(図2~図5および図8参照)。こうして、所与の時点における残存PS20含量を残存加水分解活性と相関させることができる。すなわち、インキュベーション後に溶出画分試料(加水分解活性を持つ不純物と共に関心対象のタンパク質を含有するもの)内に残っているPS20が多いほど、試料中に存在する残存加水分解活性は少なく、すなわち、精製中の加水分解的に活性な不純物の低減は、より効果的であったことになる。ポリソルベートによる処理後の溶出画分では加水分解活性が低下しているという知見と合致して、各洗浄画分には、より高い加水分解活性を検出することもできた。
PSの加水分解による分解の結果として生じる遊離脂肪酸を検出するために、補足的分析を行った(下記参照)。残存PS含量について示された結果と同様に、これらの結果は、精製時にポリソルベートによる処理を実行した試料の方が、試料中に検出される遊離脂肪酸(分解産物)の量が少ないことを明らかにした。
クロマトグラフィー工程の前にタンパク質を含む溶液をポリソルベートと共にインキュベート/コンディショニングし、加えてクロマトグラフィー中にも、タンパク質を含む溶液を、ポリソルベートを含む溶液で洗浄すれば、精製の程度は最も顕著であることを観察することができる。これらの処理の併用は、単一の処理のみの場合よりも、さらに良い結果につながる。
C)質量分析による遊離脂肪酸の測定
PS20加水分解の主要分解生成物であるラウリン酸およびミリスチン酸の量の定量化には、M.Honemann, et al., Journal of Chromatography B, https://doi.org/10.1016/j.jchromb.2019.03.030に記載されているものと同等の方法を使用した。溶出プールからの試料を採取し、そこにスパイクされたPS20と共にインキュベートした。異なる時点(詳細については実施例7A参照)で各試料から50μLを抜き取りし、次にそれを反応チューブに移した。200μLの遊離脂肪酸溶剤溶液(アセトニトリルに溶解した500ng/mL 2d23-ラウリン酸および500ng/mL 13C14ミリスチン酸)を加え、その混合物を手短にボルテックスした。試料を14000rpmで5分間遠心分離し、MS分析のためにHPLCバイアルに移した。脂肪酸の分離は、Thermo Scientific Vanquish UHPLCシステムでの、ACQUITY UPLCペプチドBEH C18カラム(1.7μm 2.1×150mmおよび300Å)を用いる逆相クロマトグラフィーによって達成した。注入体積は5μLに設定し、カラム室は60℃に維持した。0.3ml/分の流速で、以下の勾配のために、溶媒A(精製水中の0.1%水酸化アンモニウム)と溶媒B(100%アセトニトリル)を移動相として使用した:
Figure 2023030126000019
質量分析計(Triple TOF6600, AB Sciex)は、イオンスプレー電圧-4500Vの負イオン化モードで操作した。ソース温度は450℃に設定し、飛行時間型(TOF)質量範囲は100~1000m/Zとした。デクラスタリング電位を-120Vに、また衝突エネルギーを-10Vに設定した。ラウリン酸およびミリスチン酸の含量は、以下の式を使って脂肪酸のピーク面積をそれぞれの内部標識標準(2d23-ラウリン酸および13C14ミリスチン酸)と関連付けることによって決定した:
Figure 2023030126000020
式中、FFAのピーク面積Σおよび内部標準のピーク面積Σは、それぞれ、抽出イオンクロマトグラム(XIC)のモノアイソトピックピークおよび+1/+2または-1/-2のイソトピックピークの和を指す。すべての測定を技術的二重実験で実行した。
グラフ表示のために、基準溶出液(100%に設定)を、本明細書において報告される方法(PS20処理)によって処理された試料中のラウリン酸とミリスチン酸の合計量と関連付けた(図6、図7、図9、図10および図11参照)。こうして、所与の時点におけるラウリン酸とミリスチン酸の合計量は残存加水分解活性と相関させることができる。すなわち、インキュベーション後に溶出画分試料(加水分解活性を持つ不純物と共に関心対象のタンパク質を含有するもの)内の遊離脂肪酸の量が少ないほど、試料中に存在する残存加水分解活性は少なく、すなわち、精製中の加水分解的に活性な不純物の低減は、より効果的であったことになる。実施例5および実施例6については、高いpHでは(固有の)加水分解活性が上昇するので、それぞれの試料の緩衝液組成物を使って追加の緩衝液対照サブトラクションを適用した。
配列情報
SEQUENCE LISTING
<110> F. Hoffmann-La Roche AG
<120> Methods for purification of polypeptides using polysorbates
<150> EP18169762.4
<151> 2018-04-27
<160> 6
<170> PatentIn version 3.5

<210> 1
<211> 119
<212> PRT
<213> Artificial
<220>
<223> amino acid sequences of variable region of the heavy chain (VH)
of humanized B-Ly1 antibody (B-HH6)
<400> 1
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ser
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Ala Phe Ser Tyr Ser
20 25 30
Trp Ile Asn Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Met
35 40 45
Gly Arg Ile Phe Pro Gly Asp Gly Asp Thr Asp Tyr Asn Gly Lys Phe
50 55 60
Lys Gly Arg Val Thr Ile Thr Ala Asp Lys Ser Thr Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Glu Leu Ser Ser Leu Arg Ser Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg Asn Val Phe Asp Gly Tyr Trp Leu Val Tyr Trp Gly Gln Gly
100 105 110
Thr Leu Val Thr Val Ser Ser
115

<210> 2
<211> 115
<212> PRT
<213> Artificial
<220>
<223> amino acid sequences of variable region of the light chain (VL)
of humanized B-Ly1 antibody B-KV1
<400> 2
Asp Ile Val Met Thr Gln Thr Pro Leu Ser Leu Pro Val Thr Pro Gly
1 5 10 15
Glu Pro Ala Ser Ile Ser Cys Arg Ser Ser Lys Ser Leu Leu His Ser
20 25 30
Asn Gly Ile Thr Tyr Leu Tyr Trp Tyr Leu Gln Lys Pro Gly Gln Ser
35 40 45
Pro Gln Leu Leu Ile Tyr Gln Met Ser Asn Leu Val Ser Gly Val Pro
50 55 60
Asp Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Lys Ile
65 70 75 80
Ser Arg Val Glu Ala Glu Asp Val Gly Val Tyr Tyr Cys Ala Gln Asn
85 90 95
Leu Glu Leu Pro Tyr Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys
100 105 110
Arg Thr Val
115

<210> 3
<211> 123
<212> PRT
<213> Artificial
<220>
<223> heavy chain variable domain VH, <VEGF>
<400> 3
Glu Val Gln Leu Val Glu Ser Gly Gly Gly Leu Val Gln Pro Gly Gly
1 5 10 15
Ser Leu Arg Leu Ser Cys Ala Ala Ser Gly Tyr Asp Phe Thr His Tyr
20 25 30
Gly Met Asn Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Val
35 40 45
Gly Trp Ile Asn Thr Tyr Thr Gly Glu Pro Thr Tyr Ala Ala Asp Phe
50 55 60
Lys Arg Arg Phe Thr Phe Ser Leu Asp Thr Ser Lys Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Leu Gln Met Asn Ser Leu Arg Ala Glu Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Lys Tyr Pro Tyr Tyr Tyr Gly Thr Ser His Trp Tyr Phe Asp Val
100 105 110
Trp Gly Gln Gly Thr Leu Val Thr Val Ser Ser
115 120

<210> 4
<211> 107
<212> PRT
<213> Artificial
<220>
<223> light chain variable domain VL, <VEGF>
<400> 4
Asp Ile Gln Leu Thr Gln Ser Pro Ser Ser Leu Ser Ala Ser Val Gly
1 5 10 15
Asp Arg Val Thr Ile Thr Cys Ser Ala Ser Gln Asp Ile Ser Asn Tyr
20 25 30
Leu Asn Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Lys Ala Pro Lys Val Leu Ile
35 40 45
Tyr Phe Thr Ser Ser Leu His Ser Gly Val Pro Ser Arg Phe Ser Gly
50 55 60
Ser Gly Ser Gly Thr Asp Phe Thr Leu Thr Ile Ser Ser Leu Gln Pro
65 70 75 80
Glu Asp Phe Ala Thr Tyr Tyr Cys Gln Gln Tyr Ser Thr Val Pro Trp
85 90 95
Thr Phe Gly Gln Gly Thr Lys Val Glu Ile Lys
100 105

<210> 5
<211> 129
<212> PRT
<213> Artificial
<220>
<223> heavy chain variable domain VH, <ANG-2>
<400> 5
Gln Val Gln Leu Val Gln Ser Gly Ala Glu Val Lys Lys Pro Gly Ala
1 5 10 15
Ser Val Lys Val Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Gly Tyr
20 25 30
Tyr Met His Trp Val Arg Gln Ala Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Met
35 40 45
Gly Trp Ile Asn Pro Asn Ser Gly Gly Thr Asn Tyr Ala Gln Lys Phe
50 55 60
Gln Gly Arg Val Thr Met Thr Arg Asp Thr Ser Ile Ser Thr Ala Tyr
65 70 75 80
Met Glu Leu Ser Arg Leu Arg Ser Asp Asp Thr Ala Val Tyr Tyr Cys
85 90 95
Ala Arg Ser Pro Asn Pro Tyr Tyr Tyr Asp Ser Ser Gly Tyr Tyr Tyr
100 105 110
Pro Gly Ala Phe Asp Ile Trp Gly Gln Gly Thr Met Val Thr Val Ser
115 120 125
Ser

<210> 6
<211> 110
<212> PRT
<213> Artificial
<220>
<223> light chain variable domain VL, <ANG-2>
<400> 6
Ser Tyr Val Leu Thr Gln Pro Pro Ser Val Ser Val Ala Pro Gly Gln
1 5 10 15
Thr Ala Arg Ile Thr Cys Gly Gly Asn Asn Ile Gly Ser Lys Ser Val
20 25 30
His Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Gln Ala Pro Val Leu Val Val Tyr
35 40 45
Asp Asp Ser Asp Arg Pro Ser Gly Ile Pro Glu Arg Phe Ser Gly Ser
50 55 60
Asn Ser Gly Asn Thr Ala Thr Leu Thr Ile Ser Arg Val Glu Ala Gly
65 70 75 80
Asp Glu Ala Asp Tyr Tyr Cys Gln Val Trp Asp Ser Ser Ser Asp His
85 90 95
Trp Val Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Thr Val Leu Ser Ser
100 105 110

Claims (20)

  1. 以下の工程を含む、タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料から該タンパク質を精製するための方法:
    i)
    a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
    b)ポリソルベートを含む溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
    c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、または
    ii)
    a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
    b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
    c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、または
    iii)
    a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
    b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
    c)ポリソルベートを含む溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
    d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程。
  2. 以下の工程を含む、タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む試料中の加水分解活性を低減させるための方法:
    i)
    a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
    b)ポリソルベートを含む溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
    c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、または
    ii)
    a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
    b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、および
    c)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程、または
    iii)
    a)該タンパク質と加水分解活性を持つ少なくとも1つの不純物とを含む該試料にポリソルベートを加える工程、
    b)工程a)の混合物をクロマトグラフィー材料に適用する工程、
    c)ポリソルベートを含む溶液を該クロマトグラフィー材料に適用する工程、および
    d)該クロマトグラフィー材料から該タンパク質を回収する工程。
  3. 前記不純物がヒドロラーゼである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記不純物がエステラーゼである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ポリソルベートが、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、またはポリソルベート80を含む群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ポリソルベートがポリソルベート20またはポリソルベート80である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記ポリソルベートが、最終濃度が少なくとも約0.001%(w/v)になるように加えられる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ポリソルベートが、最終濃度が約0.001%(w/v)~約10%(w/v)になるように加えられる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記クロマトグラフィー材料が、アフィニティークロマトグラフィー材料、カチオン交換クロマトグラフィー材料、アニオン交換クロマトグラフィー材料、疎水性相互作用クロマトグラフィー材料または混合モードクロマトグラフィー材料である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記クロマトグラフィー材料が、アフィニティークロマトグラフィー材料またはカチオン交換クロマトグラフィー材料である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記クロマトグラフィー材料が、プロテインAクロマトグラフィーまたはラクダ科動物由来の単一ドメイン抗体フラグメントをリガンドとするクロマトグラフィー材料から選択されるアフィニティークロマトグラフィー材料である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記アフィニティークロマトグラフィー材料が、CaptureSelect FcXLまたはMabSelect SuReである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記カチオン交換クロマトグラフィー材料が、SP Sepharose Fast FlowまたはPoros 50HSまたはPoros XSである、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記タンパク質がモノクローナル抗体である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記タンパク質が、ヒト化タイプII抗CD20抗体または抗VEGF/Ang2抗体または抗HER2抗体である、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記請求項のいずれか一項に記載の方法によって得られる、加水分解活性が低減した液体抗体調製物。
  17. タンパク質を生産するための方法であって、
    a)該タンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を培養する工程、
    b)該細胞または培養培地から該タンパク質を回収する工程、および
    c)請求項1~15のいずれか一項に記載の方法で該タンパク質を精製する工程
    を含み、それによって該タンパク質を生産する、方法。
  18. 抗体とポリソルベートとを含む液体組成物であって、該液体組成物の貯蔵中に分解されるポリソルベートが1年あたり20%以下である、液体組成物。
  19. 前記抗体が、ヒト化タイプII抗CD20抗体または抗VEGF/Ang2抗体または抗HER2抗体である、請求項18記載の液体組成物。
  20. 前記抗体が、オビヌツズマブ、ファリシマブ、トラスツズマブ、またはペルツズマブである、請求項18または19に記載の液体組成物。
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