JP2023029208A - 医用画像処理装置及び医用画像処理方法 - Google Patents

医用画像処理装置及び医用画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】医用画像における複数の特徴点を正確に検出すること。【解決手段】実施形態に係る医用画像処理装置は、参照点検出部と、候補点生成部と、位置スコア部と、構造スコア部と、出力部とを備える。参照点検出部は、複数の特徴点に対応する複数の目標点それぞれごとに、医用画像において目標点との間に空間的な相関性を有する参照点を検出する。候補点生成部は、検出モデルを用いて、複数の目標点それぞれごとに、目標点に対応する複数の候補点を生成する。位置スコア部は、複数の目標点それぞれごとに、目標点と参照点との間の空間的な位置関係を示す位置特徴に基づいて、候補点を選択する。構造スコア部は、複数の候補点組み合わせそれぞれごとに、複数の目標点の間の空間的な構造関係を示す構造特徴に基づいて、候補点組合せを選択する。出力部は、選択された候補点及び候補点組み合わせに基づいて、医用画像における複数の特徴点を出力する。【選択図】図1

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用画像処理装置及び医用画像処理方法に関する。
被検体を撮影した医用画像に対して画像処理を行う際には、特徴点の検出が重要となる。特に、例えば医用画像に対して位置合わせ、分割、定量分析などの画像処理を行う場合には、医用画像における特徴点を正確に検出することが要求され、検出された特徴点に基づいて、医用画像に対して他の画像処理が行われる。
従来技術として、ディープラーニングを含む機械学習を用いて学習モデルを生成し、学習モデルに基づいて、医用画像における特徴点の位置を予測する方法がある。しかし、そのような方法では、特定の医用画像における特徴点の検出が困難であり、特徴点の検出率が低いという問題が存在する。
例えば、従来技術の一例として、医用画像において、例えば骨などのように、位置が安定していて特徴が明らかであり、かつ、検出しやすい目標を参照点として、目標特徴点と参照点との間の距離制限などの空間的制約に基づいて、検出された複数の候補特徴点から異常な位置にある候補特徴点を排除することにより、正確な目標特徴点を検出する方法がある。また、例えば、従来技術の別の例として、機械学習の方法を用いて、複数の目標特徴点を予測できる結合検出モデルを生成する方法がある。結合検出モデルは、学習段階において、目標特徴点自体の特徴を学習するとともに、複数の目標特徴点の間の相対的関係を学習することにより、複数の目標特徴点の位置を同時に予測するものである。
しかし、参照点に基づいて特徴点を検出する方法では、空間的制約の定義が高い精度で実現されていないため、例えば膵臓の末尾の付近に腸が存在するというような、目標特徴点の近くに多くの干渉組織が存在する場合には、いずれも予め設定された空間的制約を満たす複数の類似する目標特徴点が同時に検出されることがあり得る。これにより、検出結果である点が所望の目標特徴点ではなくなり、特徴点の検出率が低くなる。また、複数の目標特徴点の間の相対的関係に基づいて目標特徴点を予測する方法は、複数の目標特徴点の間の位置関係が安定した場合しか適用することができない。例えば、軟質組織などの人体器官は個人差が存在するため、異なる被検体の医用画像では位置が大きく変化する。したがって、そのような場合に複数の目標特徴点の間の相対的関係を利用すると、それぞれの特徴点を正確に検出することが保証できないため、特徴点の検出率が低くなる。
米国特許第10297027号明細書 米国特許第10210613号明細書 特開2009-129237号公報 特開2016-36685号公報 特開2015-36123号公報
「Collaborative Regression-based Anatomical Landmark Detection」、[令和4年4月20日検索]、インターネット<URL:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4833677/> 「Robust Multi-scale Anatomical Landmark Detection in Incomplete 3D-CT Data」、[平成4年4月20日検索]、インターネット<URL:https://www5.informatik.uni-erlangen.de/Forschung/Publikationen/2017/Ghesu17-RMA.pdf>
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の1つは、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
実施形態に係る医用画像処理装置は、医用画像における複数の特徴点を検出する医用画像処理装置であって、参照点検出部と、候補点生成部と、位置スコア部と、構造スコア部と、出力部とを備える。参照点検出部は、前記複数の特徴点に対応する複数の目標点それぞれごとに、前記医用画像において前記目標点との間に空間的な相関性を有する参照点を検出する。候補点生成部は、検出モデルを用いて、前記複数の目標点それぞれごとに、前記目標点に対応する複数の候補点を生成する。位置スコア部は、前記複数の目標点それぞれごとに、前記医用画像における前記目標点と前記参照点との間の空間的な位置関係を示す位置特徴に基づいて、前記候補点に対して位置スコアを採点し、前記位置スコアが予め設定された条件を満たす候補点を選択する。構造スコア部は、前記複数の目標点の間で前記候補点を組み合わせて得られる複数の候補点組み合わせそれぞれごとに、前記医用画像における前記複数の目標点の間の空間的な構造関係を示す構造特徴に基づいて、前記候補点組み合わせに対して構造スコアを採点し、前記構造スコアが予め設定された条件を満たす候補点組合せを選択する。出力部は、前記位置スコア部によって選択された候補点及び前記構造スコア部によって選択された候補点組み合わせに基づいて、前記複数の特徴点を出力する。
図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。 図2は、第1の実施形態に係る特徴分布算出段階のステップを示すフローチャートである。 図3は、第1の実施形態に係る位置特徴分布の算出を示すフローチャートである。 図4は、第1の実施形態に係る特定の分布に従う空間的な位置関係の一例を示す模式図である。 図5は、第1の実施形態に係る構造特徴分布の算出を示すフローチャートである。 図6は、第1の実施形態に係る検出段階のステップを示すフローチャートである。 図7は、第1の実施形態に係る検出段階のステップを示すフローチャートである。 図8は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。 図9は、第2の実施形態に係る分類器学習段階のステップを示すフローチャートである。 図10は、第2の実施形態に係る検出段階のステップを示すフローチャートである。 図11は、第3の実施形態に係る検出段階のステップを示すフローチャートである。 図12は、第1の実施形態に係る位置特徴分布の一例を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、医用画像処理装置及び医用画像処理方法の実施形態について詳細に説明する。
一実施形態に係る医用画像処理装置は、医用画像における複数の特徴点を検出する医用画像処理装置であって、参照点検出部と、候補点生成部と、位置スコア部と、構造スコア部と、出力部とを備える。参照点検出部は、前記複数の特徴点に対応する複数の目標点それぞれごとに、前記医用画像において前記目標点との間に空間的な相関性を有する参照点を検出する。候補点生成部は、検出モデルを用いて、前記複数の目標点それぞれごとに、前記目標点に対応する複数の候補点を生成する。位置スコア部は、前記複数の目標点それぞれごとに、前記医用画像における前記目標点と前記参照点との間の空間的な位置関係を示す位置特徴に基づいて、前記候補点に対して位置スコアを採点し、前記位置スコアが予め設定された条件を満たす候補点を選択する。構造スコア部は、前記複数の目標点の間で前記候補点を組み合わせて得られる複数の候補点組み合わせそれぞれごとに、前記医用画像における前記複数の目標点の間の空間的な構造関係を示す構造特徴に基づいて、前記候補点組み合わせに対して構造スコアを採点し、前記構造スコアが予め設定された条件を満たす候補点組合せを選択する。出力部は、前記位置スコア部によって選択された候補点及び前記構造スコア部によって選択された候補点組み合わせに基づいて、前記複数の特徴点を出力する。
一実施形態に係る医用画像処理装置によれば、前記位置スコア部は、前記候補点生成部によって生成された複数の候補点から、前記位置スコアが前記条件を満たす複数の候補点を選択する。また、前記構造スコア部は、前記位置スコア部によって選択された複数の候補点を組み合わせて得られる複数の候補点組み合わせから、前記構造スコアが前記条件を満たす候補点組合せを選択する。また、前記出力部は、前記構造スコア部によって選択された候補点組み合わせに含まれる複数の候補点を前記複数の特徴点として出力する。
一実施形態に係る医用画像処理装置によれば、前記構造スコア部は、前記候補点生成部によって生成された複数の候補点を組み合わせて得られる複数の候補点組み合わせから、前記構造スコアが前記条件を満たす候補点組合せを選択する。また、前記位置スコア部は、前記構造スコア部によって選択された候補点組み合わせに含まれる複数の候補点から、前記位置スコアが前記条件を満たす複数の候補点を選択する。また、前記出力部は、前記位置スコア部によって選択された複数の候補点を前記複数の特徴点として出力する。
これにより、位置特徴及び構造特徴に基づいて、目標点の複数の候補点に対して位置スコア及び構造スコアを採点し、位置スコア及び構造スコアが所定の条件を満たす候補点を特徴点として選択することで、医用画像における複数の特徴点を同時に正確に検出することができる。
一実施形態に係る医用画像処理装置は、前記検出モデルの学習データセットに基づいて、前記位置特徴の確率分布を示す位置特徴分布、及び、前記構造特徴の確率分布を示す構造特徴分布を算出する特徴分布算出部をさらに備える。また、前記位置スコア部は、前記位置特徴及び前記位置特徴に対応する前記位置特徴分布に基づいて、前記候補点に対して前記位置スコアを採点する。また、前記構造スコア部は、前記構造特徴及び前記構造特徴に対応する前記構造特徴分布に基づいて、前記候補点組合せに対して前記構造スコアを採点する。
一実施形態に係る医用画像処理装置は、前記検出モデルの学習データセットに基づいて、複数の空間的な位置関係を前記位置特徴として結合した結合位置特徴の確率分布を示す結合位置特徴分布、及び、複数の構造特徴を前記構造特徴として結合した結合構造特徴の確率分布を示す結合構造特徴分布を算出する特徴分布算出部をさらに備える。また、前記位置スコア部は、前記結合位置特徴及び前記結合位置特徴に対応する前記結合位置特徴分布に基づいて、前記候補点に対して前記位置スコアを採点する。また、前記構造スコア部は、前記結合構造特徴及び前記結合構造特徴に対応する前記結合構造特徴分布に基づいて、前記候補点組合せに対して前記構造スコアを採点する。
これにより、位置特徴分布及び構造特徴分布、又は、結合位置特徴分布及び結合構造特徴分布に基づいて、位置特徴及び構造特徴を算出し、候補点を特徴点としてさらに正確に選択することができ、医用画像における複数の特徴点の検出率をさらに向上させることができる。
一実施形態に係る医用画像処理装置は、前記位置特徴、及び、前記医用画像における異常点と前記参照点との間の空間的な位置関係に基づいて、位置特徴分類器を学習し、前記構造特徴、前記医用画像における複数の異常点の間の空間的な構造関係、及び、前記医用画像における前記複数の目標点と前記複数の異常点との間の空間的な構造関係に基づいて、構造特徴分類器を学習する分類器学習部をさらに備える。また、前記位置スコア部は、前記位置特徴分類器に基づいて、前記候補点に対して前記位置スコアを採点する。また、前記構造スコア部は、前記構造特徴分類器に基づいて、前記候補点組合せに対して前記構造スコアを採点する。
これにより、位置特徴分類器及び構造特徴分類器に基づいて、目標点の複数の候補点に対してスコア及び構造スコアを採点することで、医用画像における複数の特徴点の検出率をさらに向上させることができる。特に、目標点の特徴分布の構築が困難である医用画像においても、位置特徴分類器及び構造特徴分類器によって正確な候補点を特徴点として選択することで、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することができる。
一実施形態に係る医用画像処理装置によれば、前記候補点生成部は、前記検出モデルを用いて、前記複数の目標点それぞれごとに、前記複数の候補点それぞれの視覚特徴をさらに生成する。また、前記位置スコア部は、前記位置特徴及び前記視覚特徴に基づいて、前記候補点に対して個別総合スコアを前記位置スコアとして採点する。また、前記構造スコア部は、前記構造特徴及び前記個別総合スコアに基づいて、前記候補点組合せに対して組合せ総合スコアを前記構造スコアとして採点する。
これにより、視覚特徴と、位置特徴と、構造特徴とに基づいて、目標点の複数の候補点を総合的に評価することで、医用画像における複数の特徴点の検出率をさらに向上させることができる。特に、手術等の原因によって被検体の医用画像における干渉点の位置スコアが目標点の位置スコアよりも高くなる場合でも、視覚特徴に基づく総合スコアを利用して正確な候補点を特徴点として選択することができることで、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することができる。
一実施形態に係る医用画像処理装置は、前記位置スコア及び前記構造スコアに基づいて、前記位置特徴分布及び前記構造特徴分布をオンライン学習により更新する更新部をさらに備える。
一実施形態に係る医用画像処理装置は、前記位置スコア及び前記構造スコアに基づいて、前記位置特徴分類器及び前記構造特徴分類器をオンライン学習により更新する更新部をさらに備える。
これにより、更新部を利用して、検出モデルをオンライン学習し、検出モデルを更新することにより、現在のデータセットにより適応した位置スコア及び構造スコアを得ることができることで、医用画像における複数の特徴点の検出率をさらに向上させることができる。
一実施形態に係る医用画像処理方法は、医用画像における複数の特徴点を検出する医用画像処理方法であって、参照点検出ステップと、候補点生成ステップと、位置スコアステップと、構造スコアステップと、出力ステップとを含む。参照点検出ステップは、前記複数の特徴点に対応する複数の目標点それぞれごとに、前記医用画像において前記目標点との間に空間的な相関性を有する参照点を検出する。候補点生成ステップは、検出モデルを用いて、前記複数の目標点それぞれごとに、前記目標点に対応する複数の候補点を生成する。位置スコアステップは、前記複数の目標点それぞれごとに、前記医用画像における前記目標点と前記参照点との間の空間的な位置関係を示す位置特徴に基づいて、前記候補点に対して位置スコアを採点し、前記位置スコアが予め設定された条件を満たす候補点を選択する。構造スコアステップは、前記複数の目標点の間で前記候補点を組み合わせて得られる複数の候補点組み合わせそれぞれごとに、前記医用画像における前記複数の目標点の間の空間的な構造関係を示す構造特徴に基づいて、前記候補点組み合わせに対して構造スコアを採点し、前記構造スコアが予め設定された条件を満たす候補点組合せを選択する。出力ステップは、前記位置スコアステップで選択された候補点及び前記構造スコアステップで選択された候補点組み合わせに基づいて、前記複数の特徴点を出力する。
一実施形態に係る医用画像処理方法によれば、前記位置スコアステップは、前記候補点生成ステップで生成された複数の候補点から、前記位置スコアが前記条件を満たす複数の候補点を選択する。また、前記構造スコアステップは、前記位置スコアステップで選択された複数の候補点から、前記構造スコアが前記条件を満たす候補点組合せを選択する。また、前記出力ステップは、前記構造スコアステップで選択された候補点組み合わせに含まれる複数の候補点を前記複数の特徴点として出力する。
一実施形態に係る医用画像処理方法によれば、前記構造スコアステップは、前記候補点生成ステップで生成された複数の候補点から、前記構造スコアが前記条件を満たす候補点組合せを選択する。また、前記位置スコアステップは、前記構造スコアステップで選択された候補点組み合わせに含まれる複数の候補点から、前記位置スコアが前記条件を満たす複数の候補点を選択する。また、前記出力ステップは、前記位置スコアステップで選択された複数の候補点を前記複数の特徴点として出力する。
一実施形態に係る医用画像処理方法は、前記検出モデルの学習データセットに基づいて、前記位置特徴の確率分布を示す位置特徴分布、及び、前記構造特徴の確率分布を示す構造特徴分布を算出する特徴分布算出ステップをさらに含む。前記位置スコアステップは、前記位置特徴及び前記位置特徴に対応する前記位置特徴分布に基づいて、前記候補点に対して前記位置スコアを採点する。前記構造スコアステップは、前記構造特徴及び前記構造特徴に対応する前記構造特徴分布に基づいて、前記候補点組合せに対して前記構造スコアを採点する。
これにより、位置特徴及び構造特徴に基づいて、目標点の複数の候補点に対して位置スコア及び構造スコアを採点し、位置スコア及び構造スコアが条件を満たす候補点を特徴点として正確に選択することができることで、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することができる。
本実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法によれば、位置特徴分布及び構造特徴分布に基づいて、目標点の複数の候補点に対して位置スコア及び構造スコアを採点し、位置スコア及び構造スコアが所定の条件を満たす候補点を特徴点として選択することで、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することができる。特に、構造特徴に基づいて、複数の候補点を含む候補点組合せに対して構造スコアを採点し、構造スコアが所定の条件を満たす候補点組合せ内の候補点を特徴点として選択することで、医用画像における複数の特徴点を同時に正確に検出することができる。
また、本実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法によれば、位置特徴分類器及び構造特徴分類器に基づいて、目標点の複数の候補点に対して位置スコア及び構造スコアを採点することで、医用画像における複数の特徴点の検出率をさらに向上させることができる。特に、目標点の特徴分布の構築が困難である医用画像においても、位置特徴分類器及び構造特徴分類器によって正確な候補点を特徴点として選択することで、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することができる。
また、本実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法によれば、視覚特徴と、位置特徴と、構造特徴とに基づいて、目標点の複数の候補点を総合的に評価することで、医用画像における複数の特徴点の検出率をさらに向上させることができる。特に、手術等の原因によって被検体の医用画像における干渉点の位置スコアが目標点の位置スコアよりも高くなる場合でも、視覚特徴に基づく総合的スコアを利用して正確な候補点を特徴点として選択することができることで、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することができる。
本実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法において、「特徴点」とは、医用画像における固定的、本質的及び重要な特徴属性を有する数値化又は符号化された点である。また、「目標点」とは、ある特徴点に対して、本実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法によって検出結果として検出される点である。目標点は、特徴点に対応する。また、「候補点」とは、ある目標点に対して、後述の検出モデル1によって予測結果として生成される点である。1つの目標点に対して1つ又は複数の候補点を生成することができ、後述の位置スコア及び構造スコアに基づいて複数の候補点を評価することで、複数の候補点から1つの候補点を目標点として選択することができる。「参照点」とは、位置が固定されており、顕著な特徴を有し、目標点との間に空間的な相関性がある点である。参照点は、後述の検出モデル1において、出力データとして目標点の複数の候補点を生成するためのものである。参照点は、1つ又は複数であってもよい。例えば、腹腔(abdomen)において、参照点は、椎骨又は肝臓の上部であってもよく、また、骨盤(pelvis)において、参照点は、大腿骨又は恥骨であってもよい。参照点は、これらに限られるものではなく、位置が固定されており、顕著な特徴を有し、目標点との間に空間的な相関性がある点であればよい。
本実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法では、機械学習に基づいて目標点の検出モデル1を取得し、目標点の複数の候補点を生成する。具体的には、検出モデル1の学習段階において、それぞれの目標点に対して、学習データセット2としての医用画像に参照点と目標点とを設定し、目標点に対応する検出モデル1に当該目標点に関連する視覚特徴を学習させることで、検出モデル1を学習させる。さらに、予測段階では、学習済みの検出モデル1を用いて、入力データとして入力された医用画像に基づいて目標点を検出することで、目標点の複数の候補点を生成する。また、本実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法において、入力データとして入力された医用画像における参照点を自動的に検出してもよく、医用画像における参照点を手動で指定してもよく、自動的又は手動的な方法により参照点として指定された構造位置と目標点との間に相関性があればよい。
(第1の実施形態)
以下、図1~図7に基づいて、第1の実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法について説明する。
最初に、図1に基づいて、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の機能構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る医用画像処理装置は、検出モデル1と、参照点検出部10と、候補点生成部20と、位置スコア部30と、構造スコア部40と、特徴分布算出部50と、出力部60とを備える。なお、第1の実施形態に係る医用画像処理装置は、図示していない更新部(詳細は後述)をさらに備えてもよい。
医用画像処理装置は、学習データセット2としての医用画像に目標点及び参照点を設定して、検出モデル1を学習し、学習済みの検出モデル1を用いて、入力データとして入力された医用画像に対して、複数の候補点を出力データとして生成する。
特徴分布算出部50は、学習データセット2における目標点と参照点との間の空間的な位置関係に基づいて、位置特徴分布を算出し、学習データセット2における複数の目標点の間の空間的な構造関係に基づいて、構造特徴分布を算出する。
参照点検出部10は、目標点に対応する参照点を検出する。
候補点生成部20は、学習済みの検出モデル1に基づいて、指定された目標点に対して複数の候補点を生成する。
位置スコア部30は、位置特徴分布に基づいて、複数の候補点それぞれに対して位置スコアを採点し、予め設定された条件を満たす候補点を選択する。
構造スコア部40は、構造特徴分布に基づいて、複数の候補点組合せそれぞれに対して構造スコアを採点し、予め設定された条件を満たす候補点組合せを選択する。
出力部60は、選択された複数の候補点を医用画像における複数の特徴点として出力する。
そして、医用画像処理装置は、出力部60によって出力された複数の特徴点に基づいて、医用画像に対して位置合わせ、分割、定量分析などの各種の画像処理を行う。
次に、図2~図5に基づいて、第1の実施形態に係る特徴分布算出段階について説明する。図2は、第1の実施形態に係る特徴分布算出段階のステップT100~T200を示すフローチャートである。図3は、第1の実施形態に係る位置特徴分布の算出を示すフローチャートである。図4は、第1の実施形態に係る特定の分布に従う空間的な位置関係の一例を示す模式図である。図5は、第1の実施形態に係る構造特徴分布の算出を示すフローチャートである。
図2に示すように、ステップT100において、目標点の位置特徴分布を算出する。
詳述すると、図3に示すように、ステップT110において、学習データセット2における目標点と参照点との間の複数の空間的な位置関係を算出する。具体的には、特徴分布算出部50が、学習データセット2に設定された参照点と目標点との間の複数の空間的な位置関係を算出する。続いて、ステップT120に進む。
ステップT120において、学習データセット2における目標点と参照点との間の複数の空間的な位置関係から位置特徴を選択する。具体的には、特徴分布算出部50が、ステップT110で算出された、学習データセット2における目標点と参照点との間の複数の空間的な位置関係から、特定の分布に従う空間的な位置関係を当該目標点の位置特徴として選択する。なお、ここでは、空間的な位置関係が正規分布に従う場合の例を説明する。
医用画像においては、被検体の解剖学的構造によって、通常、目標点と参照点との間に一定の空間的な位置関係が存在する。ここで、例えば医用画像の空間は、XYZの三次元空間であり、X、Y、Z軸が互いに直交する。このとき、目標点の位置特徴とは、目標点と参照点との間の空間的な位置関係であり、X、Y、Z方向における両者の相対的変位、XY、XZ、YZ平面における両者のユークリッド距離、XY、XZ、YZ平面における両者の角度、XYZの三次元空間における両者のユークリッド距離、及び、これらの位置特徴を正規化した結果を含む。正規化は、例えば、目標点と参照点とのX、Y、Z方向における相対的変位が被検体領域の大きさに対して正規化することである。
図4を例として、特定の分布に従う空間的な位置関係を位置特徴として選択することについて説明する。図4の上図は、学習データセット2における目標点と参照点とのZ方向における相対的変位の空間的な位置関係を示す図であり、図4の下図は、学習データセット2における目標点と参照点とのXY平面におけるユークリッド距離の空間的な位置関係を示す図である。
図4の上図に示すように、学習データセット2における目標点と参照点とのZ方向における相対的変位という空間的な位置関係は、正規分布(尖度(kurtosis)及び歪度(skewness)がいずれも0と接近する)に従う。一方、図4の下図に示すように、学習データにおける同様の目標点と参照点とのXY平面におけるユークリッド距離という空間的な位置関係は、正規分布に従わない。したがって、このとき、特徴分布算出部50は、学習データにおける目標点と参照点とのZ方向における相対的変位という空間的な位置関係を位置特徴として選択する。なお、ここで選択される位置特徴は、1つ又は複数であってもよい。例えば、特定の分布に従う空間的な位置関係が複数存在する場合に、特徴分布算出部50は、特定の分布に従う複数の空間的な位置関係をそれぞれ位置特徴として選択してもよい。続いて、ステップT130に進む。
ステップT130において、位置特徴分布を算出する。具体的には、特徴分布算出部50が、ステップT120で選択された位置特徴が従う分布の確率密度関数を当該位置特徴の位置特徴分布として算出する。例えば、特徴分布算出部50は、学習データセット2における目標点及び参照点に対して、最大尤度推定を用いて、ステップT120で選択された位置特徴の平均値μ及び分散σを推定し、次の式(1)により、当該位置特徴に対応する確率密度関数f(x)を位置特徴分布として算出する。
Figure 2023029208000002
図12を例として説明する。図12は、第1の実施形態に係る位置特徴分布の一例を示す模式図である。
図12において、R、Rは、学習データセット2で指定された参照点R(x,y,z)、R(x,y,z)を示し、Aは、学習データセット2で指定された目標点A(x,y,z)を示す。目標点Aと参照点R、Rとの間には、3つの空間的な位置関係F、F、Fが含まれている。ここで、Fは、目標点Aと参照点R1とのZ方向における相対的変位を示し、Fは、目標点Aと参照点R2とのXY平面における角度を示し、Fは、目標点Aと参照点RとのXY平面におけるユークリッド距離を示す。また、f(x)、f(x)、f(x)は、それぞれ、空間的な位置関係F、F、Fが従う分布の確率密度関数を示す。ここで、空間的な位置関係Fは、F~N(μ、σ )の正規分布に従うので、特徴分布算出部50は、空間的な位置関係Fを目標点Aの位置特徴Fとして選択し、位置特徴Fの確率密度関数f(x)を位置特徴分布として算出する。同様に、特徴分布算出部50は、空間的な位置関係F、Fについて、特定の分布に従うか否かを判断し、特定の分布に従う場合に、それらを目標点Aの位置特徴F、Fとして選択し、対応する確率密度関数f(x)、f(x)を位置特徴分布として算出する。ここで、位置特徴分布は、学習データセット2において、位置特徴F、F、Fに基づいて決定された、目標点Aが異なる位置に現れる確率を示す。
このように、ステップT110~ステップT130によって、特徴分布算出部50は、検出モデル1の学習データセット2に基づいて、学習データセット2における特定の分布に従う目標点と参照点との間の空間的な位置関係を位置特徴として選択し、当該位置特徴の分布を示す確率密度関数を位置特徴分布として算出する。
なお、ここでは、空間的な位置関係が正規分布に従う場合の例を説明したが、他の種類の分布に従う空間的な位置関係を位置特徴として選択し、当該分布の確率密度関数を算出してもよい。学習データセット2における目標点と参照点との間の空間的な位置関係が特定の分布に従い、当該分布を確率密度関数で示すことができればよい。
また、複数の空間的な位置関係を位置特徴として結合することで、複数の空間的な位置関係に対して結合位置特徴を構築し、当該結合位置特徴の確率密度関数を結合位置特徴分布として算出してもよい。
図2に戻り、ステップT200において、複数の目標点の構造特徴分布を算出する。
複数の特徴点の間の相対的位置は、当該複数の特徴点の間の空間的な構造関係を反映することができる。例えば、同じ臓器における複数の特徴点の間の相対的位置は、幾何的形状、体内の形態などの臓器全体の構造を反映することができる。また、異なる臓器における複数の特徴点の間の相対的な位置関係は、被検体の体の局部の解剖構造を反映することができる。
このことから、特徴分布算出部50が、検出モデル1の学習データセット2に基づいて、学習データセット2における特定の分布に従う複数の目標点の間の空間的な構造関係を構造特徴として選択し、当該構造特徴の分布を示す確率密度関数を構造特徴分布として算出する。
詳述すると、図5に示すように、まず、ステップT210において、学習データセット2における複数の目標点の間の複数の空間的な構造関係を算出する。具体的には、特徴分布算出部50が、学習データセット2における複数の目標点の間の複数の空間的な構造関係を算出する。ここで、複数の目標点の間の空間的な構造関係は、ステップT110における目標点と参照点との間の空間的な位置関係と類似し、複数の目標点の間の位置関係を示す。続いて、ステップT220に進む。
ステップT220において、学習データセット2における複数の目標点の間の複数の空間的な構造関係から構造特徴を選択する。具体的には、特徴分布算出部50が、ステップT210で算出された、学習データセット2における複数の目標点の間の複数の空間的な構造関係から、特定の分布に従う空間的な構造関係を構造特徴として選択する。ここで、特定の分布に従う空間的な構造関係は、ステップT120と類似する。続いて、ステップT230に進む。
ステップT230において、構造特徴分布を算出する。具体的には、特徴分布算出部50が、ステップT220で選択された構造特徴が従う分布の確率密度関数を当該構造特徴の構造特徴分布として算出する。
ここで、ステップT210~ステップT230について、学習データセット2に3つの目標点A、B、Cが含まれる場合を例として説明する。この場合、ステップT210において、特徴分布算出部50は、目標点A、B、Cを組み合わせ、当該組合せに含まれる2つの目標点ごとに、当該2つの目標点の間の複数の位置関係を複数の空間的な構造関係として算出する。さらに、特徴分布算出部50は、算出された複数の空間的な構造関係のうち、特定の分布に従う空間的な構造関係を構造特徴として選択する。例えば、特徴分布算出部50は、構造特徴F、F、Fを選択する。そして、特徴分布算出部50は、当該構造特徴F、F、Fに対して、対応する確率密度関数f(x)、f(x)、f(x)を構造特徴分布としてそれぞれ算出する。ここで、構造特徴分布f(x)、f(x)、f(x)は、学習データセット2において、構造特徴F、F、Fに基づいて決定された、目標点A、B、Cの複数の組合せによって構成される異なる構造が異なる位置に現れる確率を示す。
なお、複数の空間的な構造関係を構造特徴として結合することで、複数の空間的な構造関係に対して結合構造特徴を構築し、当該結合構造特徴の確率密度関数を結合構造特徴分布として算出してもよい。
このように、特徴分布算出段階であるステップT100~T200によって、特徴分布算出部50は、検出モデル1の学習データセット2における目標点及び参照点に基づいて、位置特徴及び構造特徴を選択し、それらに対応する位置特徴分布及び構造特徴分布を算出する。
次に、図6~図7に基づいて、第1の実施形態に係る検出段階について説明する。図6及び図7は、第1の実施形態に係る検出段階のステップS100~S600を示すフローチャートである。
図6に示すように、ステップS100において、参照点を検出する。
具体的には、参照点検出部10が、複数の特徴点に対応する複数の目標点それぞれごとに、入力データとして入力された医用画像において目標点との間に空間的な相関性を有する参照点を検出する。ここで、参照点検出部10は、検出モデル1に基づいて医用画像における参照点を検出してもよいし、他の自動的又は手動的な方式に基づいて参照点を検出又は指定してもよい。また、参照点は、1つ又は複数であってもよい。また、検出又は指定される1つ又は複数の参照点は、目標点との間の相関性を示すものであればよい。続いて、ステップS200に進む。
ステップS200において、目標点の複数の候補点を生成する。
具体的には、候補点生成部20が、検出モデル1を用いて、複数の目標点それぞれごとに、目標点に対応する複数の候補点を生成する。ここで、学習済みの検出モデル1は、指定された目標点に対して、入力データとして入力された医用画像において当該目標点の視覚特徴と最も一致する複数の候補点を生成し、位置スコア部30に出力する。なお、本実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法は、複数の特徴点、すなわち、複数の目標点を同時に検出する。そのため、ステップS200において、候補点生成部20は、複数の目標点のそれぞれに対して複数の候補点を生成する。すなわち、複数の目標点のそれぞれは、複数の候補点に対応する。続いて、ステップS300に進む。
ステップS300において、位置特徴分布に基づいて、候補点に対して位置スコアを採点する。
具体的には、位置スコア部30が、複数の目標点それぞれごとに、位置特徴分布を算出するステップT110~T130で特徴分布算出部50によって選択された位置特徴及び算出された位置特徴分布に基づいて、ステップS200で候補点生成部20によって生成された候補点に対して位置スコアを採点する。
ここで、位置スコアの採点について、前述した目標点A、及び、目標点Aに対応する位置特徴F、F、Fを例として説明する。例えば、ステップS200において、候補点生成部20が、目標点Aに対して3つの候補点DA1、DA2、DA3を生成したとする。その場合に、位置スコア部30は、候補点DA1(xDA1,yDA1,zDA1)に対して、目標点Aに対応する位置特徴F、F、Fを算出する。まず、位置スコア部30は、位置特徴Fに基づいて、候補点DA1(xDA1,yDA1,zDA1)と参照点R(x,y,z)とのZ方向における相対的変位dzF1=zD1-zを算出する。ここで、位置特徴Fは、F~N(μ、σ )の正規分布に従うので、位置スコア部30は、位置特徴Fに対応する位置特徴分布、すなわち確率密度関数f(x)を用いて、次の式(2)により、候補点DAの位置スコアSDA1_F1を算出する。
Figure 2023029208000003
ここで、f(dz)は、位置特徴分布における候補点DA1での確率密度を示し、f(μ)は、位置特徴分布における学習データセット2の平均値での確率密度を示す。すなわち、位置スコアSDA1_F1は、位置特徴Fに基づいて、確率密度関数f(x)の曲線上で、目標点Aの候補点DA1と、学習データセット2における目標点Aの平均値との距離を反映する。位置スコアSDA1_F1は、0より大きく、1以下の値であり、位置スコアSDA1_F1が高いほど(1に近付くほど)、位置特徴Fに基づいて、目標点Aの候補点DA1と、学習データセット2における目標点Aの平均値との距離が短くなることを示す。
さらに、位置スコア部30は、目標点Aに対応する位置特徴F、Fに基づいて、上記と同様に、候補点DA1に対して、位置特徴F、Fに基づく位置スコアを採点し、位置スコアSDA1_F2、SDA1_F3を算出する。さらに、位置スコア部30は、次の式(3)により、候補点DA1の合計位置スコアSDA1を算出する。
Figure 2023029208000004
ここで、λは、重み係数を示す。位置スコア部30は、位置特徴F、F、Fに基づく位置スコアSDA1_F1、SDA1_F2に対して、それぞれ異なる重み係数λ、λ、λを付与し、各重み係数で重み付けされた位置スコアを加算することによって、候補点DA1の合計位置スコアSDA1を算出する。例えば、位置スコア部30は、信頼度が高い位置特徴に対して、より高い重み係数を付与する。ここで、信頼度が高いということは、例えば、当該位置特徴がガウス分布に従うことや標準偏差が小さいことなどを意味する。
候補点DA1の合計位置スコアSDA1が高いほど、ステップS200で候補点生成部20によって生成された候補点DA1が目標点Aとなる可能性が高いことを示す。同様の方法で、位置スコア部30は、候補点DA2、DA3に対しても位置スコアをそれぞれ採点する。
なお、以上の説明では、候補点に対して、位置特徴分布における候補点での確率密度と、位置特徴分布における学習データセット2の平均値での確率密度との比を位置スコアとして、候補点に対して位置スコアを採点したが、他の方法で位置スコアを採点してもよい。位置スコアは、位置特徴分布に基づいて候補点が目標点である可能性を示すことができるものであればよい。例えば、位置スコアは、候補点と目標点との一致度や、候補点が目標点であることの確からしさ等を示す指標値である。
このように、位置スコア部30は、位置特徴分布に基づいて、複数の候補点に対して位置スコアを採点する。続いて、ステップS400に進む。
ステップS400において、位置スコアが予め設定された条件を満たす候補点を選択する。
具体的には、位置スコア部30が、複数の目標点それぞれごとに、予め設定された閾値に基づいて、ステップS200で候補点生成部20によって生成された複数の候補点から、位置スコアが閾値を超える候補点を選択し、構造スコア部40に出力する。
なお、ステップS400において、予め設定された条件とは、候補点の位置スコアが予め設定された閾値を超えることであるが、これに限られず、位置スコア部30は、全ての候補点の中で位置スコアが高い順で上位のいくつかの候補点を選択して構造スコア部40に出力してもよい。また、位置スコア部30は、位置スコアに基づいて、他の基準を予め設定された条件として候補点を選択してもよく、当該基準が目標点となる可能性の高い候補点を選択することができるものであればよい。続いて、ステップS500に進む。
ステップS500において、構造特徴分布に基づいて、候補点組合せに対して構造スコアを採点する。
具体的には、構造スコア部40が、複数の目標点の間で、ステップS400で位置スコア部30によって選択された候補点を組み合わせて得られる複数の候補点組み合わせそれぞれごとに、構造特徴分布を算出するステップT210~T230で特徴分布算出部50によって選択された構造特徴及び算出された構造特徴分布に基づいて、候補点組合せに対して構造スコアを採点する。
ここで、構造スコアの採点について、前述した目標点A、B、C、目標点A、B、Cにそれぞれ対応する候補点DA1、DA2、DA3、DB1、DB2、DB3、DC1、DC2、DC3、及び、目標点A、B、Cに対応する構造特徴F、F、Fを例として説明する。例えば、ステップS400において、位置スコア部30が、目標点A、B、Cそれぞれの位置スコアに基づいて、目標点Aに対して候補点DA1、DA2を選択し、目標点Bに対して候補点DB1、DB2を選択し、目標点Cに対して候補点DC1、DC2を選択したとする。ここで、候補点組合せとは、1つの組合せに目標点A、B、Cに対応する候補点が1つずつ含まれることであり、すなわち、これらの候補点を組み合わせて、(DA1,DB1、DC1)、(DA1,DB1、DC2)、(DA1,DB2、DC1)、(DA1,DB2、DC2)、(DA2,DB1、DC1)、(DA2,DB1、DC2)、(DA2,DB2、DC1)、(DA2,DB2、DC2)という8つの候補点組合せを得ることができる。その場合に、構造スコア部40は、ある候補点組合せn(DAn,DBn、DCn)(n∈[1,8])に対して、構造特徴F、F、Fを算出する。続いて、構造スコア部40は、構造特徴F、F、Fに基づいて、それらに対応する構造特徴分布f(x)、f(x)、f(x)を用いて、候補点組合せnの構造スコアSn_F4、Sn_F5、Sn_F6をそれぞれ算出する。そして、構造スコア部40は、各構造特徴に基づいた構造スコアにそれぞれ異なる重み係数を付与し、各重み係数で重み付けされた構造スコアを加算することによって、候補点組合せnの合計構造スコアSを算出する。ここで、構造スコアの具体的な算出方法は、ステップS300と同じであるので、説明を省略する。
候補点組合せn(DAn,DBn,DCn)の合計構造スコアSnが高いほど、当該候補点組合せのうちの各候補点DAn、DBn、DCnが目標点A、B、Cである可能性が高いことを示す。同様の方法で、構造スコア部40は、他の候補点組合せに対しても構造スコアをそれぞれ採点する。
このように、構造スコア部40は、構造特徴分布に基づいて、候補点組合せに対して構造スコアを採点する。続いて、ステップS600に進む。
ステップS600において、構造スコアが予め設定された条件を満たす候補点組合せを選択する。
具体的には、構造スコア部40が、予め設定された閾値に基づいて、構造スコアが最も高い候補点組合せに含まれる候補点を選択し、出力部60に出力する。
例えば、前述した8つの候補点組合せのうち、候補点組合せ(DA2、DB1、DC2)の構造スコアが最も高いスコアであった場合、構造スコア部40は、候補点組合せ(DA2、DB1、DC2)に含まれる候補点DA2、DB1、DC2をそれぞれ選択する。
なお、ステップS600において、予め設定された条件とは、候補点組合せの構造スコアが最も高いことであるが、これに限られず、構造スコア部40は、全ての候補点組合せの中で構造スコアが高い順で上位のいくつかの候補点組合せに含まれる候補点を選択してもよい。構造スコア部40は、構造スコアに基づいて、他の基準を予め設定された条件として候補点組合せを選択してもよく、当該基準が目標点である可能性の高い候補点を選択できるものであればよい。続いて、ステップS700に進む。
ステップS700において、選択された候補点を特徴点として出力する。
具体的には、出力部60は、ステップS600で構造スコア部40によって選択された候補点を特徴点として出力する。
なお、第1の実施形態において、位置スコアの採点と構造スコアの採点の順序が入れ替えられてもよい。すなわち、図7に示すように、ステップS200において、候補点生成部20が、生成した候補点を構造スコア部40に出力した後に、構造スコア部40が、ステップS500を実行し、構造特徴分布に基づいて、候補点生成部20によって生成された候補点を組み合わせた複数の候補点組合せに対して構造スコアを採点する。続いて、構造スコア部40は、ステップS600を実行し、複数の候補点組合せから、構造スコアが高い候補点組合せに含まれる候補点を選択し、位置スコア部30に出力する。その後、位置スコア部30が、ステップS300を実行し、位置特徴分布に基づいて、構造スコア部40によって選択された候補点に対して位置スコアを採点する。続いて、位置スコア部30は、ステップS400を実行し、位置スコアの高い候補点を選択し、出力部60に出力する。そして、出力部60は、位置スコア部30により選択された候補点を特徴点として出力する。
また、目標点が多いほど、候補点が多くなるため、候補点組合せの数が大きくなる。そのような候補点組合せの数の増大による組合せ爆発(Combinatorial Explosion)を避けるため、ステップS500において、構造スコア部40が、階層的に構造スコアを採点してもよい。具体的には、複数の目標点が、所属する器官又は組織によって、いくつかのサブセットに分けられてもよい。例えば、第1のサブセットは肝臓の特徴点に対応する目標点を含み、第2のサブセットは腎臓の特徴点に対応する目標点を含み、第3のサブセットは膵臓の特徴点に対応する目標点を含み、これらのサブセットにおいて、目標点に対応する候補点を組み合わせて、その構造スコアを算出する。このとき、構造特徴は、それぞれの器官又は組織の生理的構造特徴を示す。異なるサブセットにおける候補点組合せに対してスコアを採点して選択した後、器官又は組織の間の生理的構造特徴に基づいて、器官又は組織の間の構造特徴を算出して選択された候補点を組み合わせて、構造スコアを採点し、候補点を選択する。
上述した第1の実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法によれば、目標点と参照点との間の空間的な位置関係に基づいて位置特徴分布を算出し、複数の目標点の間の空間的な構造関係に基づいて構造特徴分布を算出することができる。さらに、位置特徴分布及び構造特徴分布に基づいて、ある目標点の複数の候補点に対して位置スコア及び構造スコアを採点する。その上、位置スコア及び構造スコアが高い候補点を目標点として選択し、その目標点を特徴点として出力する。これにより、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することができる。
また、第1の実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法によれば、位置特徴分布及び構造特徴分布に基づいていずれの1つの目標点に対応する複数の候補点に対して位置スコア及び構造スコアを採点するので、目標点の付近において同じく空間的な位置関係に従う類似する干渉組織が存在する場合であっても、位置スコア及び構造スコアを同時に採点することにより、空間的な位置関係のみを満たし、空間的な構造関係を満たさない干渉組織を排除することができる。これにより、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することができる。
また、第1の実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法によれば、位置スコア及び構造スコアは、検出過程とは独立しているため、検出モデル1に対して高い検出精度を有することのみが要求され、また、位置スコア及び構造スコアについて、目標点と参照点との間又は複数の目標点の間の空間関係を正確に反映することができることが要求される。このため、上記要因を同時に考慮する必要のある従来技術の結合検出モデルと比べ、本実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法は、それぞれの目標点に対して高い検出精度を得ると同時に、空間的な位置関係及び空間的な構造関係を正確に確保することができる。上記2つの角度から、検出精度が高く、空間関係が正確な検出結果が得られることを確保することができる。これにより、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することができる。
(第2の実施形態)
次に、図8~図10に基づいて、第2の実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法について説明する。なお、以下の説明では、第2の実施形態と第1の実施形態との相違点のみについて説明し、同じ構成については説明を省略する。
第1の実施形態は、特徴分布算出段階と検出段階とに分けられており、特徴分布算出段階において、特定の分布に従う位置特徴及び構造特徴を選択し、当該位置特徴及び構造特徴に対応する確率分布を構築して位置特徴分布及び構造特徴分布とすることで、複数の候補点の位置スコア及び構造スコアを採点するものである。この方法は、生成的アプローチ(generative approach)とも呼ばれる。
これに対し、第2の実施形態では、複数の候補点の位置スコア及び構造スコアの基礎として、いわゆる識別的アプローチ(discriminative approach)を採用する。具体的には、第2の実施形態は、分類器学習段階と検出段階とに分けられる。
図8は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。図9は、第2の実施形態に係る分類器学習段階のステップT300~T400を示すフローチャートである。
図8に示すように、第2の実施形態に係る医用画像処理装置は、検出モデル1と、参照点検出部10と、候補点生成部20と、位置スコア部30と、構造スコア部40と、分類器学習部70と、出力部60とを備える。なお、第2の実施形態に係る医用画像処理装置は、図示していない更新部(詳細は後述)をさらに備えてもよい。
図9に示すように、ステップT300において、位置特徴に基づいて分類器を学習する。
具体的には、分類器学習部70が、学習データセット2としての医用画像に目標点、異常点及び参照点を設定する。そして、分類器学習部70は、学習データセット2における目標点をポジティブサンプルとして設定し、異常点をネガティブサンプルとして設定する。ここで、異常点とは、学習データセット2にある視覚特徴が目標点と類似するが目標点とみなせない点である。続いて、分類器学習部70は、学習データセット2における目標点と参照点との間の空間的な位置関係及び異常点と参照点との間の空間的な位置関係をそれぞれ算出し、上述したT100と同様に、目標点と参照点との間の空間的な位置関係を位置特徴として選択し、分類器に、当該位置特徴、及び、異常点と参照点との間の空間的な位置関係を学習させることにより、位置特徴分類器3を学習する。
続いて、ステップT400において、構造特徴に基づいて分類器を学習する。
具体的には、分類器学習部70が、学習データセット2としての医用画像に目標点及び異常点を設定する。そして、分類器学習部70は、学習データセット2における目標点をポジティブサンプルとして設定し、異常点をネガティブサンプルとして設定する。続いて、分類器学習部70は、学習データセット2における複数の目標点の間の空間的な構造関係と、複数の異常点間の空間的な構造関係と、複数の目標点と複数の異常点との間の空間的な構造関係とをそれぞれ算出し、上述したT200と同様に、複数の目標点の間の空間的な構造関係を構造特徴として選択し、分類器に、当該構造特徴、複数の異常点の間の空間的な構造関係、及び、複数の目標点と複数の異常点との間の空間的な構造関係を学習させることにより、構造特徴分類器4を学習する。
ここで、位置特徴分類器3及び構造特徴分類器4は、目標点と異常点に基づいて、入力データとして入力された医用画像における候補点の分類確率を予測することができる。ここで、候補点の分類確率とは、当該候補点が目標点又は異常点であるかを示す確率である。
また、例えば、分類器学習部70は、複数の相関性が小さい弱分類器を学習して、結合予測してもよい。分類器学習部70は、できるだけ多くの有効な特徴を同時に選択して、1つの強い分類器を学習して予測してもよい。分類器の形式及び学習方法は、上述に限定されず、目標点又は異常点の空間的な位置関係及び空間的な構造関係に基づいて学習され、目標点の候補点に対してスコアを採点することができればよい。
次に、図10に基づいて、第2の実施形態に係る検出段階について説明する。図10は、第2の実施形態に係る検出段階のステップS100~S700を示すフローチャートである。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態と異なるステップのみについて説明し、第1の実施形態と同じステップについては図10において同じ符号を付して説明を省略する。同じステップは、例えば、ステップS100、S200、S400、S600、S700である。
ステップS200において、候補点生成部20が、目標点の複数の候補点を生成する。続いて、ステップS310に進む。
ステップS310において、位置スコア部30が、位置特徴分類器3により予測される候補点の分類確率に基づいて、複数の候補点に対して位置スコアを採点する。続いて、ステップS400に進む。
ここで、候補点の位置スコアは、当該候補点が位置特徴分類器3により予測される分類確率、すなわち、当該候補点が目標点又は参照点である確率を示す。例えば、位置スコアは、0より大きく、1以下の値であり、位置スコアが1に近付くほど、その候補点が目標点である確率が高いことを示し、位置スコアが0に近付くほど、その候補点が異常点である確率が高いことを示す。なお、位置スコアは、他の形態であってもよく、目標点又は異常点の分類確率を示すことができるものであればよい。
ステップS400において、位置スコア部30が、位置スコアが予め設定された条件を満たす候補点を選択し、構造スコア部40に出力する。続いて、ステップS510に進む。
ステップS510において、構造スコア部40が、構造特徴分類器4に基づいて、複数の候補点組合せに対して構造スコアを採点する。続いて、ステップS600に進む。
ステップS600以降のステップは、第1の実施形態と同じであるので、説明を省略する。以上により、第2の実施形態のフローが完了する。
なお、第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、位置スコアの採点と構造スコアの採点の順序が入れ替えられてもよい。
上述した第2の実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法によれば、目標点と参照点との間の空間的な位置関係(すなわち、位置特徴)及び異常点と参照点との間の空間的な位置関係に基づいて位置特徴分類器を学習し、複数の目標点の間の空間的な位置関係(すなわち、構造特徴)と、複数の異常点間の空間的な構造関係と、複数の目標点と複数の異常点との間の空間的な構造関係とに基づいて構造特徴分類器を学習する。さらに、位置特徴分類器及び構造特徴分類器に基づいて、1つの目標点の複数の候補点に対して位置スコア及び構造スコアを採点し、その候補点が目標点又は参照点に属する分類確率を判断する。したがって、位置スコア及び構造スコアが予め設定された条件を満たす候補点を目標点として選択し、その目標点を特徴点として出力する。これにより、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することができる。
また、第2の実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法によれば、医用画像において特定の分布に従う位置特徴又は構造特徴を選択できない場合でも、分類器で候補点において目標点と異常点とを区分することで、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することができる。
(第3の実施形態)
次に、図11に基づいて、第3の実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法について説明する。図11は、第3の実施形態に係る検出段階のステップS100~S700を示すフローチャートである。第3の実施形態では、第1の実施形態と異なるステップのみについて説明し、第1の実施形態と同じステップについては図11において同じ符号を付して説明を省略する。同じステップは、例えば、ステップS100、S700である。
ステップS220において、候補点生成部20が、目標点の複数の候補点を生成して、候補点の視覚予測確率を出力する。
目標点Aを例として説明すると、候補点生成部20は、目標点Aの複数の候補点DAnを生成し、それぞれの候補点DAnに対して、対応する視覚特徴の視覚予測確率ProbAnを当該候補点DAnの視覚特徴類似性として出力する。ここで、視覚特徴は、医用画像から抽出された情報、例えば、輝度、エッジ形態、模様などを含む。続いて、ステップS320に進む。
ステップS320において、位置スコア部30が、位置特徴及び視覚特徴に基づいて、複数の候補点に対して個別総合スコアを採点する。
具体的には、位置スコア部30は、第1の実施形態と同様に、位置特徴及び位置特徴分布を算出し、候補点に対して位置評価を行う。例えば、位置スコア部30は、位置特徴F、F、Fに基づいて、候補点DAnの位置スコアSDAn_F1、SDAn_F2、SDAn_F3をそれぞれ算出する。続いて、位置スコア部30は、次の式(4)により、それぞれの位置特徴の位置スコアSDAn_F1、SDAn_F2、SDAn_F3及び視覚特徴類似性ProbAnに対して異なる重み係数を付与し、各重み係数で重み付けされた位置スコアを加算することによって、候補点DAnの個別総合スコアSAnを算出する。
Figure 2023029208000005
ここで、λは、重み係数を示す。例えば、位置スコア部30は、信頼度の高い位置特徴又は視覚特徴に対して、より高い重み係数を付与する。続いて、ステップS420に進む。
ステップS420において、位置スコア部30が、個別総合スコアが予め設定された条件を満たす候補点を選択し、構造スコア部40に出力する。具体的な選択方法は、第1の実施形態と同じであるので、説明を省略する。続いて、ステップS520に進む。
ステップS520において、構造スコア部40が、構造特徴及び各候補点の個別総合スコアに基づいて、候補点組合せに対して組合せ総合スコアを採点する。
目標点A、B、Cを例とし、ステップS220において、候補点生成部20が、目標点A、B、Cの複数の候補点DAn、DBn、DCnを生成したとすると、構造スコア部40は、構造特徴F、F、Fに基づいて、それぞれの候補点組合せn(DAn,DBn,DCn)の構造スコアS_F1、S_F2、S_F3を算出する。そして、ステップS320において、位置スコア部30が、候補点DAn、DBn、DCnそれぞれの個別総合スコアSAn、SBn、SCnを算出したとすると、構造スコア部40は、次の式(5)により、候補点組合せn(DAn,DBn,DCn)の組合せ総合スコアSnを算出する。
Figure 2023029208000006
ここで、λは、重み係数を示す。続いて、ステップS620に進む。
ステップS620において、構造スコア部40が、組合せ総合スコアが予め設定された条件を満たす候補点組合せに含まれる候補点を選択し、出力部60に出力する。具体的な選択方法は、第1の実施形態と同じであるので、説明を省略する。続いて、ステップS700に進む。
ステップS700において、出力部60は、目標点を特徴点として出力する。以上により、第3の実施形態のフローが完了する。
なお、第3の実施形態でも、第1の実施形態と同様に、位置スコアの採点と構造スコアの採点の順序が入れ替えらえてもよい。
上述した第3の実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法によれば、医用画像における視覚特徴に基づいて、視覚予測確率を示す視覚特徴類似性と位置特徴及び構造特徴とを合わせることで、候補点に対して個別総合スコアを採点し、候補点組合せに対して組合せ総合スコアを採点することができる。これにより、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することができる。
例えば、術後の被検体の医用画像では、干渉点の位置特徴スコアが目標点の位置特徴スコアより高い可能性がある。このような場合でも、位置スコアの高い干渉点に対して、視覚特徴類似性を用いて総合スコアを採点することにより、干渉点を排除することができ、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することができる。
(変形例)
なお、上述した各実施形態は例として挙げられるものであり、本願に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法は、各実施形態で説明した構成に限られない。
例えば、各実施形態において、医用画像処理装置は、位置特徴分布及び構造特徴分布を算出するために用いられる検出モデル、及び、学習位置特徴分類器及び構造特徴分類器に用いられる検出モデルをオンライン学習により更新する更新部をさらに備えてもよい。これにより、現在のデータセットに対して、より適応する位置スコア及び構造スコアを得ることができる。
また、上記の説明で用いた目標点、候補点、参照点等は本実施形態に係る画像処理の手順を説明するために例として挙げたものであり、それらの位置、形式、個数等を限定することは意図していない。それらの具体的な位置、形式、個数等は、本実施形態に係る医用画像処理装置及び医用画像処理方法を実現できれば、どのようなものであってもよい。
また、各実施形態における参照点検出部10、候補点生成部20、位置スコア部30、構造スコア部40、特徴分布算出部50、出力部60及び分類器学習部70は、例えばプロセッサ等の処理回路により実現される。その場合に、これらの各処理部が有する処理機能は、例えば、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶部に記憶される。そして、処理回路は、記憶部に記憶された各プログラムを読み出して実行することにより、各プログラムに対応する処理機能を実現する。換言すると、各実施形態における医用画像処理装置は、処理回路が各プログラムを読み出した状態で、図1及び図8に示す機能構成を有することとなる。その場合に、図2、図3、図5~図7及び図9~図11に示す各ステップの処理は、例えば、処理回路が、各処理機能に対応するプログラムを記憶部から読み出して実行することにより実現される。
また、各実施形態において、処理回路は、単一のプロセッサによって実現されるものに限られず、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサがプログラムを実行することによって各処理機能を実現するものであってもよい。また、各処理部が有する処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、各処理部が有する処理機能は、回路等のハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって実現されても構わない。また、ここでは、各処理機能に対応するプログラムが単一の記憶回路に記憶される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、各処理機能に対応するプログラムが複数の記憶回路に分散して記憶され、各処理部が、各記憶回路から各プログラムを読み出して実行する構成としても構わない。
また、上述した実施形態の説明で用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、又は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。ここで、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、プロセッサは、回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。また、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成され、その機能を実現するようにしてもよい。
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることによって提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各処理機能を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
また、上述した実施形態において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、上述した実施形態で説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
なお、本明細書において扱う各種データは、典型的にはデジタルデータである。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、医用画像における複数の特徴点を正確に検出することができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 検出モデル
2 学習データセット
3 位置特徴分類器
4 構造特徴分類器
10 参照点検出部
20 候補点生成部
30 位置スコア部
40 構造スコア部
50 特徴分布算出部
60 出力部
70 分類器学習部

Claims (13)

  1. 医用画像における複数の特徴点を検出する医用画像処理装置であって、
    前記複数の特徴点に対応する複数の目標点それぞれごとに、前記医用画像において前記目標点との間に空間的な相関性を有する参照点を検出する参照点検出部と、
    検出モデルを用いて、前記複数の目標点それぞれごとに、前記目標点に対応する複数の候補点を生成する候補点生成部と、
    前記複数の目標点それぞれごとに、前記医用画像における前記目標点と前記参照点との間の空間的な位置関係を示す位置特徴に基づいて、前記候補点に対して位置スコアを採点し、前記位置スコアが予め設定された条件を満たす候補点を選択する位置スコア部と、
    前記複数の目標点の間で前記候補点を組み合わせて得られる複数の候補点組み合わせそれぞれごとに、前記医用画像における前記複数の目標点の間の空間的な構造関係を示す構造特徴に基づいて、前記候補点組み合わせに対して構造スコアを採点し、前記構造スコアが予め設定された条件を満たす候補点組合せを選択する構造スコア部と、
    前記位置スコア部によって選択された候補点及び前記構造スコア部によって選択された候補点組み合わせに基づいて、前記複数の特徴点を出力する出力部と
    を備える、医用画像処理装置。
  2. 前記位置スコア部は、前記候補点生成部によって生成された複数の候補点から、前記位置スコアが前記条件を満たす複数の候補点を選択し、
    前記構造スコア部は、前記位置スコア部によって選択された複数の候補点を組み合わせて得られる複数の候補点組み合わせから、前記構造スコアが前記条件を満たす候補点組合せを選択し、
    前記出力部は、前記構造スコア部によって選択された候補点組み合わせに含まれる複数の候補点を前記複数の特徴点として出力する、
    請求項1に記載の医用画像処理装置。
  3. 前記構造スコア部は、前記候補点生成部によって生成された複数の候補点を組み合わせて得られる複数の候補点組み合わせから、前記構造スコアが前記条件を満たす候補点組合せを選択し、
    前記位置スコア部は、前記構造スコア部によって選択された候補点組み合わせに含まれる複数の候補点から、前記位置スコアが前記条件を満たす複数の候補点を選択し、
    前記出力部は、前記位置スコア部によって選択された複数の候補点を前記複数の特徴点として出力する、
    請求項1に記載の医用画像処理装置。
  4. 前記検出モデルの学習データセットに基づいて、前記位置特徴の確率分布を示す位置特徴分布、及び、前記構造特徴の確率分布を示す構造特徴分布を算出する特徴分布算出部をさらに備え、
    前記位置スコア部は、前記位置特徴及び前記位置特徴に対応する前記位置特徴分布に基づいて、前記候補点に対して前記位置スコアを採点し、
    前記構造スコア部は、前記構造特徴及び前記構造特徴に対応する前記構造特徴分布に基づいて、前記候補点組合せに対して前記構造スコアを採点する、
    請求項1~3のいずれか1つに記載の医用画像処理装置。
  5. 前記検出モデルの学習データセットに基づいて、複数の空間的な位置関係を前記位置特徴として結合した結合位置特徴の確率分布を示す結合位置特徴分布、及び、複数の構造特徴を前記構造特徴として結合した結合構造特徴の確率分布を示す結合構造特徴分布を算出する特徴分布算出部をさらに備え、
    前記位置スコア部は、前記結合位置特徴及び前記結合位置特徴に対応する前記結合位置特徴分布に基づいて、前記候補点に対して前記位置スコアを採点し、
    前記構造スコア部は、前記結合構造特徴及び前記結合構造特徴に対応する前記結合構造特徴分布に基づいて、前記候補点組合せに対して前記構造スコアを採点する、
    請求項1~3のいずれか1つに記載の医用画像処理装置。
  6. 前記位置特徴、及び、前記医用画像における異常点と前記参照点との間の空間的な位置関係に基づいて、位置特徴分類器を学習し、前記構造特徴、前記医用画像における複数の異常点の間の空間的な構造関係、及び、前記医用画像における前記複数の目標点と前記複数の異常点との間の空間的な構造関係に基づいて、構造特徴分類器を学習する分類器学習部をさらに備え、
    前記位置スコア部は、前記位置特徴分類器に基づいて、前記候補点に対して前記位置スコアを採点し、
    前記構造スコア部は、前記構造特徴分類器に基づいて、前記候補点組合せに対して前記構造スコアを採点する、
    請求項1~3のいずれか1つに記載の医用画像処理装置。
  7. 前記候補点生成部は、前記検出モデルを用いて、前記複数の目標点それぞれごとに、前記複数の候補点それぞれの視覚特徴をさらに生成し、
    前記位置スコア部は、前記位置特徴及び前記視覚特徴に基づいて、前記候補点に対して個別総合スコアを前記位置スコアとして採点し、
    前記構造スコア部は、前記構造特徴及び前記個別総合スコアに基づいて、前記候補点組合せに対して組合せ総合スコアを前記構造スコアとして採点する、
    請求項1~3のいずれか1つに記載の医用画像処理装置。
  8. 前記位置スコア及び前記構造スコアに基づいて、前記位置特徴分布及び前記構造特徴分布をオンライン学習により更新する更新部をさらに備える、
    請求項4に記載の医用画像処理装置。
  9. 前記位置スコア及び前記構造スコアに基づいて、前記位置特徴分類器及び前記構造特徴分類器をオンライン学習により更新する更新部をさらに備える、
    請求項6に記載の医用画像処理装置。
  10. 医用画像における複数の特徴点を検出する医用画像処理方法であって、
    前記複数の特徴点に対応する複数の目標点それぞれごとに、前記医用画像において前記目標点との間に空間的な相関性を有する参照点を検出する参照点検出ステップと、
    検出モデルを用いて、前記複数の目標点それぞれごとに、前記目標点に対応する複数の候補点を生成する候補点生成ステップと、
    前記複数の目標点それぞれごとに、前記医用画像における前記目標点と前記参照点との間の空間的な位置関係を示す位置特徴に基づいて、前記候補点に対して位置スコアを採点し、前記位置スコアが予め設定された条件を満たす候補点を選択する位置スコアステップと、
    前記複数の目標点の間で前記候補点を組み合わせて得られる複数の候補点組み合わせそれぞれごとに、前記医用画像における前記複数の目標点の間の空間的な構造関係を示す構造特徴に基づいて、前記候補点組み合わせに対して構造スコアを採点し、前記構造スコアが予め設定された条件を満たす候補点組合せを選択する構造スコアステップと、
    前記位置スコアステップで選択された候補点及び前記構造スコアステップで選択された候補点組み合わせに基づいて、前記複数の特徴点を出力する出力ステップと
    を含む、医用画像処理方法。
  11. 前記位置スコアステップは、前記候補点生成ステップで生成された複数の候補点から、前記位置スコアが前記条件を満たす複数の候補点を選択し、
    前記構造スコアステップは、前記位置スコアステップで選択された複数の候補点から、前記構造スコアが前記条件を満たす候補点組合せを選択し、
    前記出力ステップは、前記構造スコアステップで選択された候補点組み合わせに含まれる複数の候補点を前記複数の特徴点として出力する、
    請求項10に記載の医用画像処理方法。
  12. 前記構造スコアステップは、前記候補点生成ステップで生成された複数の候補点から、前記構造スコアが前記条件を満たす候補点組合せを選択し、
    前記位置スコアステップは、前記構造スコアステップで選択された候補点組み合わせに含まれる複数の候補点から、前記位置スコアが前記条件を満たす複数の候補点を選択し、
    前記出力ステップは、前記位置スコアステップで選択された複数の候補点を前記複数の特徴点として出力する、
    請求項10に記載の医用画像処理方法。
  13. 前記検出モデルの学習データセットに基づいて、前記位置特徴の確率分布を示す位置特徴分布、及び、前記構造特徴の確率分布を示す構造特徴分布を算出する特徴分布算出ステップをさらに含み、
    前記位置スコアステップは、前記位置特徴及び前記位置特徴に対応する前記位置特徴分布に基づいて、前記候補点に対して前記位置スコアを採点し、
    前記構造スコアステップは、前記構造特徴及び前記構造特徴に対応する前記構造特徴分布に基づいて、前記候補点組合せに対して前記構造スコアを採点する、
    請求項10~12のいずれか1つに記載の医用画像処理方法。
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