以下、本発明の遊技機の第1実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の第1実施形態であるパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1~図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、外枠22と、その外枠22に対して開閉可能な前扉23とを備えている。さらに、前扉23は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠2Aに対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。通常ボタン40は、例えば押下面を有するボタン,把持部を有するレバー等で構成される。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。特殊ボタン41は、例えば押下面を有するボタン,把持部を有するレバー等で構成される。
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に図2~図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能もしくは極めて困難な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」という)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。
第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能もしくは極めて困難である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。なお、誘導ステージ12gの上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでおり、遊技球が第2大入賞口15に入球することは不可能もしくは極めて困難である。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であると遊技球の第2大入賞口15への入球が容易となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能もしくは極めて困難であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。
また、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。図4に示すように、表示器類8には、特図1を可変表示する特図1表示器81a、特図2を可変表示する特図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器81aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器81bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器81aおよび特図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特図1保留表示器83aと特図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(数値情報や判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。
次に、図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイ,ドット表示器,7セグ表示器等で構成され、図柄等を表示可能な表示部50aを具備する。
盤上可動装置55は、表示部50aよりも前方に配置され、表示部50aに沿って移動可能であり、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示部50aよりも前方に配置され、表示部50aに沿って移動可能であり、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する(図5(B)参照)。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に、図6~図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6~図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出)、客待ち演出、通常ボタン40や特殊ボタン41の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON操作またはOFF操作により、電源の投入と遮断とが切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。また、遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。
また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118、および遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ119が実装されている。
主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類MSや各種アクチュエータ類MAが接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類MSが出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類MAに信号を出力する。
主制御基板100に接続されている各種センサ類MSには、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する第1始動口センサ、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する第2始動口センサ、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する一般入賞口センサ、ゲート13を通過した遊技球を検知するゲートセンサ13a、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する第1大入賞口センサ、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する第2大入賞口センサ15a、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する特定領域センサ16a、および、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する非特定領域センサ17aが含まれている。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類MAには、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する電チューソレノイド、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する第1大入賞口ソレノイド、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する第2大入賞口ソレノイド、および、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sが含まれている。なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73や貸球払出装置74を用いて、賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球の数は、払出制御基板170に出力される。
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイドを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、および、サブ側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類SA、各種ランプ類SLが接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類SAに信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類SLの点灯制御を行う。
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類SAには、盤上可動装置55,盤下可動装置56,枠可動装置58等を駆動するモータが含まれ、モータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類SLには、枠ランプ53,盤ランプ54等が含まれ、各ランプを発光させる。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図8~図15を用いて説明する。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、図9(A)に示すような1または複数の当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、遊技状態には非時短状態と時短状態とが含まれ、当たり判定テーブルとして、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、を区別することが可能である。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。また、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-1-2.普図変動
普図変動パターン判定は、図9(B)に示すような1または複数の普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、普図変動パターン判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
補助遊技は、補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)、すなわち、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態に基づいて、図9(C)に示すような1または複数の補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。また、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.00秒))だけ電チュー12Dを開放する。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たりおよびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たりおよびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。なお、乱数を判定情報と言うこともある。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、図10(A)に示すような1または複数の大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。遊技状態には、通常確率状態と高確率状態とが含まれ、大当たり判定テーブルは、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルとして、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と、高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たりおよびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり又はハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図10(B)に示すような1または複数の大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルとして、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)と、を区別することが可能である。
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。また、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
例えば、図10(B)に示すように、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Xが50%、大当たり図柄Yが50%にし、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Zが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すような1または複数のリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
リーチ判定テーブルは、遊技状態に関連付けることが可能である。すなわち、リーチ判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)と、を区別することが可能である。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3-2-4.特図変動
特図変動パターン判定は、図11~図12に示すような1または複数の特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることが可能である。特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルとして、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)と、を区別することが可能である。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態にも関連付けることが可能である。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、を区別することが可能である。
また、遊技状態に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果またはリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用(大当たり図柄種別ごと)、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用などがある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用(大当たり図柄種別ごと)、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用などがある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、を区別することが可能である。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンには、図11~図12の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローに関連付けることが可能である。
なお、図11~図12の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」という。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」という。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、図13に示すような1または複数の先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行う。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルとして、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、を区別することが可能である。
また、先読み判定テーブルは、遊技状態にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルとして、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、を区別することが可能である。
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、を区別することが可能である。なお、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
3-3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14または第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、図14に示すような1または複数の大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎に大当たり遊技構成要素が格納されている。大当たり遊技として、1種類又は複数種類の大当たり遊技を制御することが可能である。
例えば、図14に示すように、1Rから15Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、16R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサに検知されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
また、各要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。このように、振分部材16kが一定の作動態様(特定領域16が一定の開閉態様)で制御されるが、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)が設定されることになる。なお、以下において、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいう。
第2大入賞口の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、大当たり遊技には、当該大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技と、を実行することが可能である。このように、Vロング開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vロング大当たり」という。一方、Vショート開放パターンでVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たり遊技を「Vショート大当たり」という。
3-4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、図15に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することができる。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.00秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われるようにすることも可能である(図11~図12参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くすることが可能である。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くすることが可能である。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な状態であると言える。
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態は、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、当たり判定は行われるが大当たり判定は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図16~図22を用いて説明する。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モード、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図16(A-1)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、図16(A-2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定(「光量設定」)、実行される演出の頻度設定(「演出設定」)などがある。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、図16(B-1)に示すように、表示部50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、図16(B-2)に示すように、表示部50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、図16(B-3)に示すように、表示部50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1~第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示部50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、図16(B-4)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示部50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、図16(B-5)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示部50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、図16(C-1)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、図16(C-2)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、図16(C-3)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄は、例えば1~9の数字図柄で構成され、演出図柄の変動表示では、特図の可変表示の開始に伴って演出図柄が変動し、特図の可変表示の終了に伴って演出図柄が停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示(本停止表示)が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
4-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図17(A)に示すように、表示部50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図17(A)に示すように、表示部50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。小図柄KZ1,KZ2,KZ3は、例えば、1~9の数字図柄で構成される。
なお、図17(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
4-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特図の可変表示が開始されると、例えば、図17(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、図17(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。なお、図17中の「↓」は、図柄の変動表示中であることを示している。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、図17(C-1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図17(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。ハズレを示唆する停止態様には、「1・1・2」や「2・4・6」など、左右の図柄が同一ではない停止態様が複数種類ある。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、図17(C-2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様(所謂リーチ目)で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図18(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定の時間(例えば、10秒)維持され、図18(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図18(C-1)に示すように、リーチハズレを示唆する停止態様(所謂リーチハズレ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もリーチハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。リーチハズレを示唆する停止態様には、「7・6・7」や「5・3・5」など、左右の図柄が同一且つ中の図柄が左右の図柄と異なる停止態様が複数種類ある。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、図18(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。大当たりを示唆する停止態様には、「7・7・7」や「2・2・2」など、左右中の図柄が同一の停止態様が複数種類ある。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図19(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図19(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、図19(C-1)に示すように、表示部50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、図19(C-2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して喜んでいる表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチハズレを示唆する停止態様で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とした場合、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%とした場合、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%とすれば、SPリーチBの大当たり期待度を、SPリーチAの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
4-3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図20(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特図1保留数が『1』の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、図20(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示することが可能である。
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特図1保留数および特図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。
4-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
保留演出では、特図1保留数が『0』のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、図20(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、図20(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特図1保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
4-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、入力装置40,41等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
4-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、図21(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、遊技者から見て、表示部50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示部50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、図21(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態に戻ってSPリーチに発展する。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者が通常ボタン40や特殊ボタン41を操作する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、特殊ボタン41の押下操作が有効な期間(ボタン操作有効期間)が発生し、このボタン操作有効期間の発生に伴って、図22(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(ボタン操作促進演出)が行われる。ボタン操作促進演出において、表示部50aに、ボタン操作促進画像G3が表示される。ボタン操作促進画像G3は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像G32)と、ボタン操作有効期間の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像G33)と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、ボタン操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、図22(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、遊技者から見て、盤上可動体55kが表示部50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
先読み演出では、例えば、特図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。例えば、特図変動演出における演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様を変化させることも可能である。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に図23~図24に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図23に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図8(A)および図8(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[2.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図24に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図23の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。すなわち、図8(A)および図8(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
特別動作処理(S106)に次いで、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理を行う(S107)。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S108)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し(図23参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[2-1.センサ検出処理]
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図2関係乱数を取得し、取得した特図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図2保留記憶部105bに記憶する。特図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特図2関係乱数と第2先読み判定テーブルとを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図1関係乱数を取得し、取得した特図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図1保留記憶部105aに記憶する。特図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数)の複数の記憶領域があり、取得された特図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特図1関係乱数と第1先読み判定テーブルとを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
特定領域センサ処理では、特定領域センサによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
[2-2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
[2-3.特別動作処理]
特別動作処理(S106)では、特別図柄待機処理、特別図柄変動処理、特別図柄確定処理、大当たり遊技制御処理、遊技状態設定処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[2-3-1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理は、大当たり遊技状態ではなく、特図の可変表示が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数に基づいて、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理を行うとともに、特図2保留記憶部シフト処理を行う。また、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数に基づいて、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理を行うとともに、特図1保留記憶部シフト処理を行う。
特図2判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルと、を用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図2関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と特図2大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。
特図2変動パターン判定処理は、特図2判定処理の後に行われる処理である。特図2変動パターン判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図2変動パターンテーブルと、を用いて、特図2変動パターンを判定する。なお、特図2変動パターンの判定は、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)にも関連付けられる。そして、判定された特図2変動パターンを表す特図2変動開始コマンドを生成する。特図2変動開始コマンドには、特図2であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の可変表示を開始させる。
特図2保留記憶部シフト処理は、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図2保留記憶部シフト処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されていた特図2関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図2関係乱数を特図2保留記憶部105bからクリアする。このようにして、特図2関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図2保留数を表す特図2保留数コマンド生成をする。
特図1判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルと、を用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図1関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と特図1大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。
特図1変動パターン判定処理は、特図1判定処理の後に行われる処理である。特図1変動パターン判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図1変動パターンテーブルと、を用いて、特図1変動パターンを判定する。なお、特図1変動パターンの判定は、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)にも関連付けられる。そして、判定された特図1変動パターンを表す特図1変動開始コマンドを生成する。特図1変動開始コマンドには、特図1であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、大当たり種別判定の結果に関する情報、特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の可変表示を開始させる。
特図1保留記憶部シフト処理は、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図1保留記憶部シフト処理では、特図1保留記憶部105aに記憶されていた特図1関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図1関係乱数を特図1保留記憶部105aからクリアする。このようにして、特図1関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図1保留数を表す特図1保留数コマンドを生成する。
なお、本実施形態では、特図2保留数および特図1保留数の何れも存在する場合、特図2判定処理が優先して行われ、特図2の可変表示と特図1の可変表示とが並行して行われないようになっている。
[2-3-2.特別図柄変動処理]
特別図柄変動処理は、特図の可変表示中に行われる処理である。特別図柄変動処理では、特図変動時間が経過することに応じて、特図表示器81に、特図の可変表示を終了させるとともに、大当たり判定の結果に応じた特図を停止表示させる。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たりを示す大当たり図柄を停止表示させ、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを示すハズレ図柄を停止表示させる。そして、特図の可変表示の終了を示す特図変動停止コマンドを生成する。
[2-3-3.特別図柄確定処理]
特別図柄確定処理は、特図が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理では、現在停止表示している特図が大当たり図柄である場合には、大当たり遊技状態に移行させる。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドには、大当たり種別判定の結果に関する情報が含まれる。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ高確率状態を終了させる場合には、通常確率状態を設定する。そして、通常確率状態への移行を示す高確率終了コマンドを生成する。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ時短状態を終了させる場合には、非時短状態を設定する。そして、非時短状態への移行を示す時短終了コマンドを生成する。なお、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ特図2保留数および特図1保留数が「0」の場合には、パチンコ遊技機PY1が待機状態であることを示す客待ちコマンドを生成する。
[2-3-4.大当たり遊技制御処理]
大当たり遊技制御処理は、大当たり遊技状態において行われる処理である。大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技制御テーブルを用いて、大当たり遊技を行う。大当たり遊技状態への移行後、オープニング時間または閉鎖時間の経過に応じて、各ラウンド遊技を開始する。そして、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技コマンドを生成する。また、最終のラウンド遊技を終了させることに応じて、エンディングを開始する。そして、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドには、大当たり種別判定の結果に関する情報が含まれる。
[2-3-5.遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理は、大当たり遊技状態が終了する際に行われる処理である。遊技状態設定処理では、通常確率状態から高確率状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に高確率状態を設定する。高確率状態の継続期間を制限する場合には、高確率状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく高確率状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、高確率状態の設定を示す高確率設定コマンドを生成する。また、非時短状態から時短状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に時短状態を設定する。時短状態の継続期間を制限する場合には、時短状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく時短状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、時短状態の設定を示す時短設定コマンドを生成する。
なお、遊技制御用マイコン101が各処理において生成するコマンドは、適宜に追加または変更することが可能である。
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、図25および図26に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン121による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
[1.サブ制御メイン処理]
サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図25に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、サブ制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、および、サブ側タイマ割り込み処理(S4011)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011)に優先して実行される。
[2.サブ側タイマ割り込み処理]
サブ側タイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板120に所定の周期(例えば、1msec周期)の割り込みパルスが入力される度に実行される。サブ側タイマ割り込み処理(S4011)では、図26に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)、受信コマンド解析処理(S4105)、演出タイマ更新処理(S4106)、音声制御処理(S4107)、演出用データ作成処理(S4108)を順次行う。
入力処理では、通常ボタン検出スイッチ40aや特殊ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出する。発光データ出力処理では、後述する演出データ作成処理で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データをランプ制御回路151に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動装置制御処理では、演出データ作成処理で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58などの可動装置を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。音声制御処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
7.第1実施形態の特徴点の説明
第1実施形態のパチンコ遊技機PY1における特徴点に関して、さらなる詳細な説明を以下に加える。
7-1.特図に関わる遊技
本実施形態の特図に関わる遊技について図8、図10および図27を用いて説明する。パチンコ遊技機PY1は、始動条件の成立によって特図関係乱数を取得して種々の判定を行う。本実施形態の特図関係乱数には、図8(B)に示す特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数に加えて、図27(A)に示す転落乱数がある。本パチンコ遊技機PY1の遊技制御用マイコン101は、遊技状態が高確率状態のときにおいて大当たり判定を行う場合、高確率状態から通常確率状態に切り替えるか否かを判定する転落判定を実行可能である。転落乱数はその転落判定を行うための乱数である。
転落乱数は、始動口11,12への遊技球の入賞の際、遊技制御用マイコン101によって各種特図関係乱数とともに取得され得る。そして、遊技制御用マイコン101によって取得された場合には、遊技用RAM104の保留記憶部(特図1保留記憶部105a,特図2保留記憶部105b)に特図保留として記憶される。
転落乱数は、図27(A)に示すように0~79の判定値から成る。遊技制御用マイコン101は、特図1判定処理または特図2判定処理において大当たり判定を行う直前に、転落判定テーブルを用いて転落判定を行う。なお、遊技状態が通常確率状態のときには転落判定は行われない。
本実施形態の遊技用ROM103には、図27(B)に示す転落判定テーブルが格納されている。この転落判定テーブルは、転落判定の結果である「転落当選」および「転落非当選」に、転落乱数の判定値が振り分けられている。遊技制御用マイコン101は、転落判定において、保留記憶部105a,105bに記憶されている転落乱数を転落判定テーブルに照合して「転落当選」および「転落非当選」の何れであるかを判定する。遊技制御用マイコン101は、「転落当選」であると判定した場合(具体的には転落乱数の値が「7」の場合)には、遊技状態を高確率状態から通常確率状態に切り替え、「転落非当選」であると判定した場合(具体的には転落乱数の値が「7」以外の場合)には、遊技状態を高確率状態のまま切り替えない。よって「転落当選」と判定された場合、図10(A)に示す大当たり判定テーブルのうち、遊技状態が「通常確率状態」における大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定が行われ、「転落非当選」と判定された場合、遊技状態が「高確率状態」における大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定が行われる。
7-2.遊技状態
次に、遊技制御用マイコン101が制御可能な遊技状態について、図14、図15および図28を用いて説明する。遊技制御用マイコン101は「大当たり遊技X」、「大当たり遊技Y」および「大当たり遊技Z」の何れの大当たり遊技が実行される大当たり遊技状態の後であっても、遊技状態を時短状態に設定する。また、遊技制御用マイコン101は「大当たり遊技X」および「大当たり遊技Z」の何れかの大当たり遊技が実行される大当たり遊技状態の後には、遊技状態を高確率状態に設定する一方、「大当たり遊技Y」が実行される大当たり遊技状態の後には、遊技状態を高確率状態に設定せず、通常確率状態に設定する。従って、「大当たり遊技X」および「大当たり遊技Z」の何れかの大当たり遊技が実行される大当たり遊技状態の後には、高確率状態且つ時短状態が設定される「高確率高ベース遊技状態」になり、「大当たり遊技Y」が実行される大当たり遊技状態の後には、通常確率状態且つ時短状態が設定される「低確率高ベース遊技状態」になる。本実施形態では、「高確率高ベース遊技状態」は、転落判定で「転落当選」であると判定されるまで、或いは、大当たり判定で大当たりと判定されるまで継続可能である。一方、「低確率高ベース遊技状態」は、特図の可変表示の回数が100回となるまで継続可能である。
従って、その後に高確率状態が設定される「大当たり遊技X」または「大当たり遊技Z」は、その後に高確率状態が設定されない「大当たり遊技Y」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言え、「大当たり遊技X」または「大当たり遊技Z」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技Y」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。
ここで、「高確率高ベース遊技状態」のときに、転落判定で「転落当選」であると判定された場合の時短状態、および、大当たり判定で大当たりと判定された場合の時短状態について説明する。遊技制御用マイコン101は、「高確率高ベース遊技状態」になってからの特図の可変表示の回数が100回となるまでにおいては、転落判定で「転落当選」であると判定しても時短状態から非時短状態に切り替えない。例えば、50回目の特図の可変表示に係る転落判定で「転落当選」であると判定された場合、図28(A)に示すように、高確率状態から通常確率状態に切り替えられるが、時短状態から非時短状態には切り替えられない。その後、100回目の特図の可変表示と停止表示とが終了すると、時短状態から非時短状態に切り替えられる。この場合、特図の可変表示が、1回目~49回目が「高確率高ベース遊技状態」となり、50回目~100回目が「低確率高ベース遊技状態」となり、101回目以降が「低確率低ベース遊技状態」となる。
一方、遊技制御用マイコン101は、「高確率高ベース遊技状態」になってからの特図の可変表示の回数が100回となっても転落判定で「転落当選」であると判定しなかった場合においては、それ以降も時短状態を継続する。そして、その後の転落判定で「転落当選」であると判定すると、特図の可変表示を開始する際に、時短状態から非時短状態に切り替える。例えば、120回目の特図の可変表示に係る転落判定で「転落当選」であると判定された場合、図28(B)に示すように、120回目の特図の可変表示の開始タイミングで、高確率状態から通常確率状態に切り替えられるとともに、時短状態から非時短状態に切り替えられる。この場合、特図の可変表示が、1回目~119回目が「高確率高ベース遊技状態」となり、120回目以降が「低確率低ベース遊技状態」となる。
また、遊技制御用マイコン101は、「高確率高ベース遊技状態」になってからの特図の可変表示の回数が100回となるまでにおいては、大当たり判定で「大当たり」であると判定すると、その判定に基づく特図の可変表示と停止表示とが終了するまで時短状態を継続する。一方、「高確率高ベース遊技状態」になってからの特図の可変表示の回数が101回目以降においては、大当たり判定で「大当たり」であると判定すると、その判定に基づく特図の可変表示を開始する際に、時短状態から非時短状態に切り替える。例えば、120回目の特図の可変表示に係る大当たり判定で「大当たり」であると判定された場合、図28(C)に示すように、120回目の特図の可変表示の開始タイミングで、時短状態から非時短状態に切り替えられる。つまり、時短状態における特図の可変表示の回数が101回目以降においては、転落判定で「転落当選」であると判定された場合であっても、大当たり判定で「大当たり」であると判定された場合であっても、同じタイミング(特図の可変表示の開始)で時短状態から非時短状態に切り替えられる。そのため、時短状態から非時短状態への切り替えによっては、転落判定で「転落当選」であると判定されたのか、大当たり判定で「大当たり」であると判定されたのかを遊技者が判別できない。この場合、特図の可変表示が、1回目~119回目が「高確率高ベース遊技状態」となり、120回目が「高確率低ベース遊技状態」となる。
また、遊技用RAM104には、特図の可変表示の回数を記憶する回数記憶部(図示なし)が設けられ、遊技制御用マイコン101は、時短状態を設定してからの特図の可変表示の開始に応じて、回数記憶部に記憶されている回数を更新することによって、時短状態を設定してからの特図の可変表示の回数を計数することが可能である。なお、回数記憶部に記憶されている回数は、次回の大当たり遊技が行われることによってリセットされる。
7-3.特図変動パターン判定
次に、本実施形態における特図変動パターン判定について、図11、図12および図29に基づいてさらに説明する。本実施形態では、遊技制御用マイコン101が特図1の特図変動パターン判定を行う場合には、図11に示す特図1変動パターン判定テーブルを用いる。また、特図2の特図変動パターン判定を行う場合には、図12に示す特図2変動パターン判定テーブルの他、図29に示す特図2変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブルA,特図2変動パターン判定テーブルB,特図2変動パターン判定テーブルC,特図2変動パターン判定テーブルD)を用いるときがある。
特図2変動パターン判定テーブルA、特図2変動パターン判定テーブルB、特図2変動パターン判定テーブルCおよび特図2変動パターン判定テーブルDが遊技用ROM103に格納されている。遊技制御用マイコン101は、図29(A)~図29(D)に示す、特図2変動パターン判定テーブルA、特図2変動パターン判定テーブルB、特図2変動パターン判定テーブルCまたは特図2変動パターン判定テーブルDを用いて特図2変動パターンを決定可能である。本実施形態では図29(A)~図29(D)に示す特図2変動パターン判定テーブルA~Dを用いることとするが、図12に示す特図2変動パターン判定テーブルを併用して用いることも可能である。
遊技制御用マイコン101は、時短状態における特図2変動パターン判定処理において、大当たり確率の状態、大当たり判定の結果、リーチ判定の結果、特図変動パターン乱数および特図の可変表示の回数に基づいて、特図2変動パターンを決定する。図29(A)~図29(D)に示すように、特図2変動パターンとして「THP001」~「THP008」、「THP011」~「THP015」、「THP021」~「THP024」および「THP031」~「THP032」の19種類の特図2変動パターンを決定することが可能である。何れの特図2変動パターンに決定するかは、特図変動パターン乱数によって異なる。
特図2変動パターン判定テーブルAは「大当たり遊技X」,「大当たり遊技Y」,「大当たり遊技Z」が実行された後の時短状態における特図の可変表示の回数が1回目~99回目の場合に用いられる。特図2変動パターン判定テーブルBは「大当たり遊技X」,「大当たり遊技Z」が実行された後の時短状態における特図の可変表示の回数が100回目の場合に用いられる。特図2変動パターン判定テーブルCは「大当たり遊技X」,「大当たり遊技Z」が実行された後の時短状態における特図の可変表示の回数が101回目以降の場合に用いられる。そして、特図2変動パターン判定テーブルDは「大当たり遊技Y」が実行された後の時短状態における特図の可変表示の回数が100回目の場合に用いられる。
特図2変動パターン判定テーブルAでは、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合、遊技状態のうちの大当たり確率の状態にかかわらず(つまり、大当たり確率の状態が「高確率状態」であっても「通常確率状態」であっても)、特図2変動パターンとして「THP001」~「THP003」の3種類のうち何れかが決定される(図29(A)参照)。3種類の特図1変動パターンのうち「THP002」が、他の特図2変動パターンよりも決定され易くなっている(図29(A)参照)。なお「THP001」を「即大当たり変動」といい、「THP002」を「対決大当たり変動」といい、「THP003」を「対決/復活大当たり変動」という。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」、且つリーチ判定の結果が「リーチ有り」の場合、大当たり確率の状態にかかわらず、特図2変動パターンとして「THP011」~「THP012」の2種類のうち何れかが決定される(図29(A)参照)。2種類の特図2変動パターンのうち「THP012」よりも「THP011」が決定され易くなっている。なお「THP011」を「対決ハズレ変動」といい、「THP012」を「対決/復活ハズレ変動」という。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」、且つリーチ判定の結果が「リーチ無し」の場合、大当たり確率の状態にかかわらず、特図2変動パターンとして「THP013」~「THP014」の2種類のうち何れかが決定される(図29(A)参照)。2種類の特図2変動パターンのうち何れに決定されるかは、特図2保留数によって振り分けが異なる。特図2保留数が0~1個の場合には、特図変動時間が比較的長い13000msの「THP013」が決定され易く、特図2保留数が2~4個の場合には、特図変動時間が比較的短い4000msの「THP014」が決定され易くなっている。なお「THP013」を「通常Aハズレ変動」といい、「THP014」を「通常Bハズレ変動」という。
特図2変動パターン判定テーブルBでは、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合、大当たり確率の状態にかかわらず、特図2変動パターンとして「THP004」~「THP005」の2種類のうち何れかが決定される(図29(B)参照)。2種類の特図2変動パターンのうち「THP004」よりも「THP005」が決定され易くなっている。なお「THP004」を「分岐大当たり変動」といい、「THP005」を「分岐/復活大当たり変動」という。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」、且つ大当たり確率の状態が「高確率状態」の場合(具体的には100回分の転落判定の全てで「転落非当選」であると判定された場合)、特図2変動パターンとして「THP021」~「THP022」の2種類のうち何れかが決定される(図29(B)参照)。2種類の特図2変動パターンのうち「THP021」よりも「THP022」が決定され易くなっている。なお「THP021」を「分岐/成功ハズレ変動」といい、「THP022」を「分岐/復活/成功ハズレ変動」という。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」、且つ大当たり確率の状態が「通常確率状態」であった場合(具体的には100回分の転落判定の何れかで「転落当選」であると判定された場合)、特図2変動パターンとして、「THP031」だけが決定される(図29(B)参照)。なお「THP031」を「分岐/復活/失敗ハズレ変動」という。
特図2変動パターン判定テーブルCでは、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合、大当たり確率の状態にかかわらず、特図2変動パターンとして「THP001」,「THP006」~「THP007」の3種類のうち何れかが決定される(図29(C)参照)。3種類の特図1変動パターンのうち「THP007」が、他の特図2変動パターンよりも決定され易くなっている。なお「THP006」を「決着大当たり変動」といい、「THP007」を「決着/復活大当たり変動」という。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」、且つ大当たり確率の状態が「高確率状態」の場合(具体的には転落判定で「転落非当選」であると判定された場合)、特図2変動パターンとして「THP023」~「THP024」の2種類のうち何れかが決定される(図29(C)参照)。2種類の特図2変動パターンのうち何れに決定されるかは、特図2保留数によって振り分けが異なる。特図2保留数が0~1個の場合には、「THP023」が決定され易く、特図2保留数が2~4個の場合には、「THP024」が決定され易くなっている。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」、且つ大当たり確率の状態が「通常確率状態」であった場合(具体的には転落判定で「転落当選」であると判定された場合)、特図2変動パターンとして「THP032」だけが決定される(図29(C)参照)。なお「THP032」を「決着/復活ハズレ変動」という。
特図2変動パターン判定テーブルDでは、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合、特図2変動パターンとして「THP008」が、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合、特図2変動パターンとして「THP015」がそれぞれ決定される(図29(D)参照)。なお「THP008」を「リザルト大当たり変動」といい、「THP015」を「リザルトハズレ変動」という。
7-4.各種演出
次に、本実施形態における各種演出について図30~図41に基づいて説明する。本実施形態の演出制御用マイコン121は、大当たり遊技状態後における演出モードとして「超RUSHモード」または「RUSHモード」を設定可能である。また、特図変動演出のリーチ演出として「対決リーチ」または「決着リーチ」を実行可能である。さらに、特図変動演出として「大当たり確定演出」や「分岐演出」や「リザルト演出」や「復活演出」や「大当たり告知演出」や「復活煽り演出」をそれぞれ実行可能である。さらに「転落示唆演出」を実行可能である。
7-4-1.超RUSHモードおよびRUSHモード
「超RUSHモード」は、遊技状態が「高確率高ベース遊技状態」であることを示唆可能な演出モードである。そして、この「超RUSHモード」は、大当たり遊技Yの実行を伴う「大当たり遊技状態」から「高確率高ベース遊技状態」に遊技状態が設定変更される際に設定される。つまり、この「超RUSHモード」は「高確率高ベース遊技状態」の設定開始に応じて設定される。
「RUSHモード」は、遊技状態が「低確率高ベース遊技状態」であることを示唆する演出モードである。そして、この「RUSHモード」は、大当たり遊技Xまたは大当たり遊技Zの実行を伴う「大当たり遊技状態」から「低確率高ベース遊技状態」に遊技状態が設定変更される際に設定される。つまり、この「RUSHモード」は「低確率高ベース遊技状態」の設定開始に応じて設定される。
各演出モードは、表示部50aの表示によって区別される。「超RUSHモード」が設定されている場合、図30(A)に示すように、表示部50aの上部に文字列「超RUSHモード」が付された帯画像G20Aが表示される。それに対し「RUSHモード」が設定されている場合、図30(B)に示すように、表示部50aの上部に文字列「RUSHモード」が付された帯画像G20Bが表示される。
図31(A)に、大当たり遊技状態後に「高確率高ベース遊技状態」になり、(100+α)回目(αは1以上の整数)の特図の可変表示に転落判定で「転落当選」であると判定される場合の演出モードの遷移(遷移A)を示す。大当たり遊技の実行後、「高確率高ベース遊技状態」の設定開始とともに「超RUSHモード」の実行が開始される。この「超RUSHモード」は、100回分の特図の可変表示が行われるまで継続可能である。「超RUSHモード」中の100回分の特図の可変表示に係る全ての転落判定の結果が「転落当選」とならずに「高確率高ベース遊技状態」が維持された場合には、101回目の特図の可変表示以降も「超RUSHモード」が継続する。この「超RUSHモード」は、転落判定で「転落当選」であると判定されるまで、或いは、大当たり判定で「大当たり」であると判定されるまで継続する。
(100+α)回目の特図の可変表示の「超RUSHモード」の実行中に、転落判定で「転落当選」であると判定された場合、遊技状態が「高確率高ベース遊技状態」から「低確率低ベース遊技状態」に設定変更される(図31(A)参照)。そして(100+α)回目の特図の可変表示が開始される。本実施形態では「低確率低ベース遊技状態」に変更された(100+α)回目の特図の可変表示中においても、演出モードとして「超RUSHモード」の実行が継続する。その後の(100+α)回目の特図の可変表示の終了に応じて、演出モードが「超RUSHモード」から上述の「通常演出モード」に変更される。そのため、(100+α+1)回目の特図の可変表示の開始時には、演出モードが「通常演出モード」になっている。
なお、図31(A)に示す演出モードの遷移Aの場合において、大当たり遊技後、1回目から100回目までの特図の可変表示が行われる期間を第1期間とする。具体的には、大当たり遊技の実行が終了した後、1回目の特図の可変表示が開始してから、100回目の特図の可変表示が停止表示されるまでの期間を第1期間とする。つまり、第1期間とは、大当たり遊技後、特図の可変表示が100回に達するまでの期間である。また、101回目以降(100+α)回目までの特図の可変表示が行われる期間を第2期間とする。具体的には、101回目の特図の可変表示が開始してから、転落判定の結果が「転落当選」である特図の可変表示が停止表示されるまでの期間を第2期間とする。つまり、第2期間とは、特図の可変表示が100回なされた後、1回又は複数回なされる期間である。
また、図31(B)に、大当たり遊技状態後に「高確率高ベース遊技状態」になり、(100+α)回目の特図の可変表示に大当たり判定で「大当たり」であると判定される場合の演出モードの遷移(遷移B)を示す。大当たり遊技の実行後、「高確率高ベース遊技状態」の設定開始とともに「超RUSHモード」の実行が開始される。この「超RUSHモード」中の100回分の特図の可変表示に係る全ての転落判定の結果が「転落当選」とならずに「高確率高ベース遊技状態」が維持された場合には、101回目の特図の可変表示以降も「超RUSHモード」が継続する。(100+α)回目の特図の可変表示の「超RUSHモード」の実行中に、大当たり判定で「大当たり」であると判定された場合、遊技状態が「高確率高ベース遊技状態」から「高確率低ベース遊技状態」に設定変更される(図31(B)参照)。そして(100+α)回目の特図の可変表示が開始される。本実施形態では「高確率低ベース遊技状態」に変更された(100+α)回目の特図の可変表示中においても、演出モードとして「超RUSHモード」の実行が継続する。その後の大当たり遊技状態の開始に応じて、演出モードが「超RUSHモード」から上述の「大当たり演出モード」に変更される。
なお、図31(B)に示す演出モードの遷移Bの場合において、上述の遷移Aと同じく、大当たり遊技後、1回目から100回目までの特図の可変表示が行われる期間を第1期間とする。また、101回目以降(100+α)回目までの特図の可変表示が行われる期間を第2期間とする。具体的には、101回目の特図の可変表示が開始してから、大当たり判定の結果が「大当たり」である特図の可変表示が停止表示されるまでの期間を第2期間とする。
また、図31(C)に、大当たり遊技状態後に「高確率高ベース遊技状態」になり、100回分の特図の可変表示が行われる前に転落判定で「転落当選」であると判定される場合の演出モードの遷移(遷移C)を示す。大当たり遊技の実行後、「高確率高ベース遊技状態」の設定開始とともに「超RUSHモード」の実行が開始される。この「超RUSHモード」中の100回分の特図の可変表示に係る何れかの転落判定の結果が「転落当選」となり、「高確率高ベース遊技状態」から「低確率高ベース遊技状態」に既になっている場合には、100回目の特図の可変表示の終了に応じて、演出モードが「超RUSHモード」から上述の「通常演出モード」が設定される。そのため、101回目の特図の可変表示の開始時には、演出モードが「通常演出モード」になっている。
なお、図31(C)に示す演出モードの遷移Cの場合において、上述の遷移Aや遷移Bと同じく、大当たり遊技後、1回目から100回目までの特図の可変表示が行われる期間を第1期間とする。
また、図31(D)に、大当たり遊技状態後に「低確率高ベース遊技状態」になり、100回分の特図の可変表示に係る全ての大当たり判定で「ハズレ」であると判定される場合の演出モードの遷移(遷移D)を示す。大当たり遊技の実行後、「低確率高ベース遊技状態」の設定開始とともに「RUSHモード」の実行が開始される。この「RUSHモード」は、100回分の特図の可変表示が行われるまで継続可能である。「RUSHモード」中の100回分の特図の可変表示に係る全ての大当たり判定の結果が「大当たり」とならずに「低確率高ベース遊技状態」が維持された場合には、100回目の特図の可変表示の終了に応じて、演出モードが「RUSHモード」から上述の「通常演出モード」が設定される。そのため、101回目の特図の可変表示の開始時には、演出モードが「通常演出モード」になっている。
なお、図31(D)に示す演出モードの遷移Dの場合において、上述の遷移Aや遷移Bや遷移Cと同じく、大当たり遊技後、1回目から100回目までの特図の可変表示が行われる期間を第1期間とする。
7-4-2.大当たり確定演出
「大当たり確定演出」は、「超RUSHモード」,「RUSHモード」における「通常変動」の後に、「リーチ」が成立することなく、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが表示部50a上に移動する可動体演出である。この「大当たり確定演出」は、大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合にのみ行われることがあるため、大当たり遊技が行われることを示唆する演出として機能する。
「大当たり確定演出」は、演出制御用マイコン121によって、特図2変動パターンに「即大当たり変動」が選択された場合に行われる。この「大当たり確定演出」は、「超RUSHモード」または「RUSHモード」における100回目の特図変動演出を除く特図変動演出で行われることがある。
図32(A)~図32(C)に、「大当たり確定演出」が行われる様子を示す。特図変動演出において「通常変動」が開始されると、図32(A)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が表示部50a上で変動表示する。その後、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されてから所定時間(例えば5秒)が経過すると、「大当たり確定演出」が行われる。
「大当たり確定演出」では、図32(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の全てが変動表示しているときに、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが表示部50a上に出現する。具体的には、盤上可動体55kが通常の待機状態から下降し、盤下可動体56kが通常の待機状態から上昇する。その後、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが通常の待機状態に戻り、図32(C)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する態様(例えば『7・7・7』のゾロ目)で停止表示する。
7-4-3.対決リーチ
「対決リーチ」は、「超RUSHモード」,「RUSHモード」における1回目~99回目の特図変動演出において、「リーチ」の後に行われることがあるリーチ演出である。この「対決リーチ」は、主人公キャラクタが敵キャラクタとバトルする動画像演出である。本実施形態では、大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合よりも「大当たり」であった場合の方が「対決リーチ」は行われ易い。そのため、この「対決リーチ」は大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。
「対決リーチ」は、演出制御用マイコン121によって、特図2変動パターンに「対決大当たり変動」、「対決/復活大当たり変動」、「対決ハズレ変動」または「対決/復活ハズレ変動」が選択された場合に行われる。「対決リーチ」は、「超RUSHモード」または「RUSHモード」における1回目~99回目の特図変動演出で行われることがあるが、それ以外の特図変動演出では行われない。
図33(A)~図33(E)に、「対決リーチ」が行われる様子を示す。特図変動演出において「通常変動」が開始されると、図33(A)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が表示部50a上で変動表示する。その後、図33(B)に示すように、「リーチ」が成立すると「対決リーチ」が行われる。
「対決リーチ」では、図33(C)に示すように、主人公キャラクタ画像G10と敵キャラクタ画像G11とが表示部50aに表示され、主人公キャラクタと敵キャラクタとがバトルする場面が表示される。その後、特図2変動パターンが「対決大当たり変動」であった場合には、図33(D)に示すように、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利した場面が表示部50aに表示され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する態様(例えば『5・5・5』のゾロ目)で停止表示する。一方、特図2変動パターンが「対決/復活大当たり変動」、「対決ハズレ変動」または「対決/復活ハズレ変動」であった場合には、図33(E)に示すように、主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北した場面(主人公キャラクタが倒れる場面)が表示部50aに表示され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様(例えば『5・6・5』のリーチハズレ目)で停止表示する。その後、特図2変動パターンが「対決ハズレ変動」であった場合には、このまま特図変動演出は終了するが、特図2変動パターンが「対決/復活大当たり変動」または「対決/復活ハズレ変動」であった場合には、後述の「復活煽り演出A」を介して「復活演出A」が行われる。
7-4-4.決着リーチ
「決着リーチ」は、「超RUSHモード」における101回目以降の特図変動演出において、「リーチ」の後に行われることがあるリーチ演出である。この「決着リーチ」は、主人公キャラクタが強敵キャラクタとバトルする動画像演出である。本実施形態では、大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合よりも「大当たり」であった場合の方が「決着リーチ」は行われ易い。そのため「決着リーチ」は、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。また、転落判定の結果が「転落当選」であった場合に「決着リーチ」は行われることがある。そのため、この「決着リーチ」は高確率状態から通常確率状態に切り替わる可能性があることを示唆する演出としても機能する。
「決着リーチ」は、演出制御用マイコン121によって、特図2変動パターンに「決着大当たり変動」、「決着/復活大当たり変動」または「決着/復活ハズレ変動」が選択された場合に行われる。「決着リーチ」は、「超RUSHモード」における101回目以降の特図変動演出で行われることがあるが、それ以外の特図変動演出では行われない。
図34(A)~図34(E)に、「決着リーチ」が行われる様子を示す。「通常変動」が開始されると、図34(A)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が表示部50a上で変動表示する。その後、図34(B)に示すように、「リーチ」が成立すると「決着リーチ」が行われる。
「決着リーチ」では、図34(C)に示すように、主人公キャラクタ画像G10と強敵キャラクタ画像G18とが表示部50aに表示され、主人公キャラクタと強敵キャラクタとがバトルする場面が表示される。その後、特図2変動パターンが「決着大当たり変動」であった場合には、図34(D)に示すように、主人公キャラクタが強敵キャラクタに勝利した場面が表示部50aに表示され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する態様(例えば『5・5・5』のゾロ目)で停止表示する。一方、特図2変動パターンが「決着/復活大当たり変動」または「決着/復活ハズレ変動」であった場合には、図34(E)に示すように、主人公キャラクタが強敵キャラクタに敗北した場面が表示部50aに表示され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様(例えば『5・6・5』のリーチハズレ目)で停止表示する。その後、後述の「復活煽り演出B」を介して「復活演出B」が行われる。
7-4-5.分岐演出
「分岐演出」は、「超RUSHモード」における100回目の特図変動演出において行われることがある演出であり、主人公キャラクタがミッションに挑戦する演出である。本実施形態では、この「分岐演出」の実行後に時短状態が継続するときと、時短状態が終了するときとがある。そのため「分岐演出」は、時短状態が継続する可能性があることを示唆する演出としても、また、時短状態が終了する可能性があることを示唆する演出としても機能する。また、この「分岐演出」の実行後に、大当たり遊技が行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出としても機能する。
「分岐演出」は、演出制御用マイコン121によって、特図2変動パターンに「分岐大当たり変動」、「分岐/復活大当たり変動」、「分岐/成功ハズレ変動」、「分岐/復活/成功ハズレ変動」または「分岐/復活/失敗ハズレ変動」が選択された場合に行われる。「分岐演出」は、「超RUSHモード」における100回目の特図変動演出で行われることがあるが、それ以外の特図変動演出では行われない。
図35(A)~図35(D)に、「分岐演出」が行われる様子を示す。「分岐演出」は、特図変動演出の開始に応じて行われる。「分岐演出」では、図35(A)に示すように、主人公キャラクタ画像G10と扉画像G14とが表示部50aに表示され、主人公キャラクタが扉を開放するミッションに挑戦する場面が表示される。その後、特図2変動パターンが「分岐大当たり変動」であった場合には、図35(B)に示すように、主人公キャラクタが扉を開放してミッションに成功する場面が表示部50aに表示され、大当たり遊技が行われることを示唆する大当たり示唆画像G15(ここでは「大当たり」の文字画像)が表示される、後述の「大当たり告知演出」が行われる。このとき、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は大当たりを示唆する態様(例えば『5・5・5』のゾロ目)で停止表示する。また、特図2変動パターンが「分岐/成功ハズレ変動」であった場合には、図35(C)に示すように、主人公キャラクタが扉を開放してミッションに成功する場面が表示部50aに表示され、「超RUSHモード」が継続することを示唆する継続示唆画像G16(ここでは「継続」の文字画像)が表示される。このとき、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はハズレを示唆する態様(例えば『1・2・3』のバラケ目)で停止表示する。一方、特図2変動パターンが「分岐/復活大当たり変動」、「分岐/復活/成功ハズレ変動」または「分岐/復活/失敗ハズレ変動」であった場合には、図35(D)に示すように、主人公キャラクタが扉を開放できずミッションに失敗する場面が表示部50aに表示されて、後述の「復活演出C」が行われる。
7-4-6.リザルト演出
「リザルト演出」は「RUSHモード」における100回目の特図変動演出において行われることがある演出であり、「RUSHモード」の終了を示唆可能な演出である。本実施形態では、この「リザルト演出」の実行後に、時短状態から非時短状態に切り替わることがある。そのため「リザルト演出」は、時短状態が終了する可能性があること(または非時短状態が開始する可能性があること)を示唆する演出として機能する。また、「リザルト演出」の実行後に、「通常演出モード」に移行することがあるため、「通常演出モード」に移行する可能性があることを示唆する演出としても機能する。
「リザルト演出」は、演出制御用マイコン121によって、特図2変動パターンに「リザルト大当たり変動」または「リザルトハズレ変動」が選択された場合に行われる。「リザルト演出」は、「RUSHモード」における100回目の特図変動演出で行われることがあるが、それ以外の特図変動演出では行われない。
図36(A)~図36(C)に、「リザルト演出」が行われる様子を示す。「リザルト演出」は、特図変動演出の開始に応じて行われる。「リザルト演出」では、図36(A)に示すように、「RUSHモード」が終了することを示唆するRUSH終了示唆画像G19(ここでは「RUSH終了」の文字画像)が表示部50aに表示される。その後、特図2変動パターンが「リザルト大当たり変動」であった場合には、図36(B)に示すように、RUSH終了示唆画像G19が、大当たり遊技が行われることを示唆する祝福画像G20(ここでは「おめでとう」の文字画像)に変化する。このとき、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は大当たりを示唆する態様(例えば『5・5・5』のゾロ目)で停止表示する。一方、特図2変動パターンが「リザルトハズレ変動」であった場合には、図36(C)に示すように、RUSH終了示唆画像G19が変化することなく、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様(例えば『1・2・3』のバラケ目)で停止表示し、特図変動演出は終了する。
7-4-7.復活演出
「復活演出」は、通常ボタン40の連打操作によって、主人公キャラクタが復活しようとする演出である。この「復活演出」は、上述の「対決リーチ」、「決着リーチ」または「分岐演出」が行われた後に引き続き実行され得る演出である。「対決リーチ」の後に実行され得る復活演出を「復活演出A」、「決着リーチ」の後に実行され得る復活演出を「復活演出B」、そして「分岐演出」の後に実行され得る復活演出を「復活演出C」とそれぞれいう。
「復活演出A」は、「対決リーチ」で主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北した後に行われることがある演出である。その後に、大当たり遊技が行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。
「復活演出A」は、演出制御用マイコン121によって、特図2変動パターンに「対決/復活大当たり変動」または「対決/復活ハズレ変動」が選択された場合に行われる。「復活演出A」は、「対決リーチ」と同様、「超RUSHモード」または「RUSHモード」における1回目~99回目の特図変動演出で行われることがあるが、それ以外の特図変動演出では行われない。
図37(A)~図37(E)に「復活演出A」が行われる様子を示す。「対決リーチ」で、主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北した場面が表示部50aに表示され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様で停止表示すると(図33(E)参照)、「復活演出A」が行われる前に後述の「復活煽り演出A」が行われる。なお、「復活煽り演出A」は、「対決ハズレ変動」の特図変動演出においても行われることがあり、詳細については後述する。
「復活演出A」では、通常ボタン40のボタン操作有効期間が発生し、図37(C)に示すように、半透明でないボタン画像G12cが表示部50aに表示されるとともに、ボタン画像G12cの下部に、通常ボタン40の連打操作を促す操作促進画像G13が表示される。その後、ボタン操作有効期間において通常ボタン40が連打操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において通常ボタン40が連打操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、特図2変動パターンが「対決/復活大当たり変動」の場合には、図37(D)に示すように、主人公キャラクタが立ち上がる場面が表示部50aに表示され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する態様(例えば『5・5・5』のゾロ目)に変化して停止表示する。一方、特図2変動パターンが「対決/復活ハズレ変動」であった場合には、図37(E)に示すように、主人公キャラクタが立ち上がれない場面が表示部50aに表示され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様(例えば『5・6・5』のリーチハズレ目)のまま停止表示する。
「復活演出B」は、「決着リーチ」で主人公キャラクタが強敵キャラクタに敗北した後に行われることがある演出である。その後に、大当たり遊技が行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。
「復活演出B」は、演出制御用マイコン121によって、特図2変動パターンに「決着/復活大当たり変動」または「決着/復活ハズレ変動」が選択された場合に行われる。「復活演出B」は、「決着リーチ」と同様、「超RUSHモード」または「RUSHモード」における101回目以降の特図変動演出で行われることがあるが、それ以外の特図変動演出では行われない。
「復活演出B」では、通常ボタン40のボタン操作有効期間が発生し、上述した「復活演出A」と同様に、半透明でないボタン画像G12cが表示部50aに表示されるとともに、ボタン画像G12cの下部に、通常ボタン40の連打操作を促す操作促進画像G13が表示される(図37(C)参照)。その後、ボタン操作有効期間において通常ボタン40が連打操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において通常ボタン40が連打操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、特図2変動パターンが「決着/復活大当たり変動」であった場合には、主人公キャラクタが立ち上がる場面が表示部50aに表示される(図37(D)参照)。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する態様(例えば『5・5・5』のゾロ目)に変化して停止表示する。一方、特図2変動パターンが「決着/復活ハズレ変動」であった場合には、主人公キャラクタが立ち上がれない場面が表示部50aに表示され、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様(例えば『5・6・5』のリーチハズレ目)のまま停止表示する(図37(E)参照)。
「復活演出C」は、「分岐演出」で主人公キャラクタがミッションに失敗した後に行われることがある演出である。その後に、時短状態が継続することがあるため、時短状態が継続する可能性があることを示唆する演出として機能する。また、その後に、大当たり遊技が行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出としても機能する。
「復活演出C」は、演出制御用マイコン121によって、特図2変動パターンに「分岐/復活大当たり変動」、「分岐/復活/成功ハズレ変動」または「分岐/復活/失敗ハズレ変動」が選択された場合に行われる。「復活演出C」は、「分岐演出」と同様、「超RUSHモード」における100回目の特図変動演出で行われることがあるが、それ以外の特図変動演出では行われない。
図38(A)~図38(D)は、「復活演出C」が行われる様子を示す図である。「復活演出C」では、通常ボタン40のボタン操作有効期間が発生し、図38(A)に示すように、ボタン画像G12cと操作促進画像G13とが表示部50aに表示されるとともに、主人公キャラクタが扉を開放するミッションに再挑戦する場面が表示される。その後、ボタン操作有効期間において通常ボタン40が連打操作されることに応じて、または、ボタン操作有効期間において通常ボタン40が連打操作されることなくボタン操作有効期間が経過した後、特図2変動パターンが「分岐/復活大当たり変動」であった場合には、図38(B)に示すように、主人公キャラクタが扉を開放してミッションに成功する場面とともに大当たり示唆画像G15が表示部50a表示される、後述の「大当たり告知演出」が行われる。このとき、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は大当たりを示唆する態様(例えば『5・5・5』のゾロ目)で停止表示する。一方、特図2変動パターンが「分岐/復活/成功ハズレ変動」であった場合には、図38(C)に示すように、主人公キャラクタが扉を開放してミッションに成功する場面とともに継続示唆画像G16が表示部50aに表示される。このとき、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はハズレを示唆する態様(例えば『1・2・3』のバラケ目)で停止表示する。また、特図2変動パターンが「分岐/復活/失敗ハズレ変動」であった場合には、図38(D)に示すように、主人公キャラクタが扉を開放できずミッションに失敗する場面が表示部50aに表示され、「超RUSHモード」が終了することを示唆する超RUSH終了示唆画像G17(ここでは「終了」の文字画像)が表示される。このとき、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はハズレを示唆する態様(例えば『1・2・3』のバラケ目)で停止表示する。
7-4-8.大当たり告知演出
「大当たり告知演出」は、上述の「分岐演出」または「復活演出C」で主人公キャラクタがミッションに成功した後に行われることがある演出である。その後に、大当たり遊技が行われるため、大当たり遊技が行われることを示唆する演出として機能する。具体的には、図35(B)や図38(B)に示す、大当たり遊技が行われることを示唆する大当たり示唆画像G15(ここでは「大当たり」の文字画像)が表示される演出である。
7-4-9.復活煽り演出
「復活煽り演出」は、上述の「対決リーチ」(または「決着リーチ」)の実行中、主人公キャラクタが敵キャラクタ(または強敵キャラクタ)に敗北した後に行われることがある演出である。つまり「復活煽り演出」は、上述の「対決リーチ」または「決着リーチ」の終盤に実行され得る演出である。「対決リーチ」の終盤に実行され得る復活煽り演出を「復活煽り演出A」、「決着リーチ」の終盤に実行され得る復活煽り演出を「復活煽り演出B」という。
「復活煽り演出A」は、「対決リーチ」で主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北した後に行われることがある演出であり、通常ボタン40の画像がフェードイン表示する演出である。その後に、上述の「復活演出A」が行われることがあるため、「復活演出A」が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。
「復活煽り演出A」では、図37(A)に示すように、通常ボタン40を模した半透明のボタン画像G12a,G12bが表示部50aの左右からそれぞれ出現し、2つのボタン画像G12a,G12bが中央に向かって移動するフェードイン表示が行われる。その後、図37(B)に示すように、2つのボタン画像G12a,G12bが表示部50aの中央で重なると、上述の「復活演出A」が行われる。一方、図39(A)および図39(B)に示すように、フェードイン表示の後、2つのボタン画像G12a,G12bが表示部50aの中央で重ならない場合には「復活演出A」は行われない。
「復活煽り演出B」は、「決着リーチ」で主人公キャラクタが強敵キャラクタに敗北した後に行われることがある演出であり、通常ボタン40の画像がフェードイン表示する演出である。その後に、「復活演出B」が行われることがあるため、「復活演出B」が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。
「復活煽り演出B」では、上述の「復活煽り演出B」と同様、図37(A)に示すように、通常ボタン40を模した半透明のボタン画像G12a,G12bが表示部50aの左右からそれぞれ出現し、2つのボタン画像G12a,G12bが中央に向かって移動するフェードイン表示が行われる。その後、図37(B)に示すように、2つのボタン画像G12a,G12bが表示部50aの中央で重なると、上述の「復活演出B」が行われる。一方、図39(A)および図39(B)に示すように、フェードイン表示の後、2つのボタン画像G12a,G12bが表示部50aの中央で重ならない場合には「復活演出B」は行われない。
7-4-10.転落示唆演出
「転落示唆演出」は、特図(特図2)の可変表示中に当該特図の転落判定の結果が転落当選であることを遊技者に報知可能な演出である。具体的に、転落判定の結果が「転落当選」で、高確率高ベース遊技状態から低確率高ベース遊技状態に遊技状態が変化(変更)したことを報知可能な演出である。
この転落示唆演出は、特殊有効期間(具体的には演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示中)に遊技者が通常ボタン40を押圧操作(押下操作)した場合に、実行可能となっている。本実施形態では、「超RUSHモード」において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の表示が変動しているときに遊技者が通常ボタン40を押圧操作した場合には、転落示唆演出が実行可能となっている。換言すれば、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の表示が変動しているときに遊技者が通常ボタン40を押圧操作しない限り、転落示唆演出が実行されることはない。つまり「超RUSHモード」中、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の表示が変動しているときに遊技者が自発的に通常ボタン40を押圧操作すれば転落示唆演出は行われるが、そのときに遊技者が通常ボタン40を押圧操作しなければ転落示唆演出は行われない。一方、「超RUSHモード」において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の表示が停止しているときに遊技者が通常ボタン40を押圧操作しても、転落示唆演出が行われることはない。しかも、本実施形態では、通常ボタン40の押圧操作を遊技者に促す画像演出が表示部50aに実行されることはない。そのため、本実施形態の転落示唆演出は、いわゆる「裏ボタン」操作に伴って実行可能な演出になっている。
高確率高ベース遊技状態で開始した「超RUSHモード」中に不利な遊技状態(低確率高ベース遊技状態)に変化した場合、遊技状態が変化したかどうかを知りたい遊技者と、知りたくない遊技者とがいる。「超RUSHモード」中における特図(第2特図)の可変表示中に通常ボタン40が押圧操作されない限り、転落示唆演出が実行されないため、不利な遊技状態に変化したかどうかを知りたくない遊技者には、その遊技者の意図に反して転落示唆演出が実行されることを防ぐことが可能となっている。一方、遊技状態が変化したかどうかを知りたい遊技者は、自発的に通常ボタン40を押圧操作した際に転落示唆演出が実行され得るので、その転落示唆演出が実行された場合には、遊技状態が変化したかどうかを知りたい遊技者に、低確率高ベース遊技状態に遊技状態が変化したことを報知することが可能となっている。
「超RUSHモード」中における特図の変動表示の開始時に、遊技状態が高確率高ベース遊技状態である場合には、その特図の変動表示に伴う特殊有効期間中に通常ボタン40が操作されても転落示唆演出が行われない。一方「超RUSHモード」中における特図の変動表示の開始時に、遊技状態が低確率高ベース遊技状態になっている場合には、特図の変動表示に伴う特殊有効期間中に通常ボタン40が操作されると転落示唆演出が行われる。
また、特殊有効期間は、上述したように演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示中であるため、実行される各特図変動演出に特殊有効期間がそれぞれあることになる。これにより、大当たり遊技の実行後から100回までの間の「超RUSHモード」中に、特図の可変表示の全部の回数において転落示唆演出の実行が可能であるため、遊技者の気が向いたタイミングで転落示唆演出を実行させることが可能である。
転落示唆演出について、図40(A)に示すように、特殊有効期間において遊技者が通常ボタン40を操作した場合、転落示唆演出が行われるときと転落示唆演出が行われないときとがある。転落示唆演出が行われない場合には、図40(B-1)に示すように、通常ボタン40の操作後でも盤下可動体56kの発光部56xが消灯したままである。つまり、通常ボタン40の操作後、発光部56xの発光がない。一方、転落示唆演出が行われる場合には、図40(B-2)に示すように、通常ボタン40の操作後に盤下可動体56kの発光部56xが赤色で点灯する。そして、所定の実行期間(本実施形態では0.5秒間)が経過した後、発光部56xの点灯が終了する。転落示唆演出の実行によって、当該の特図(第2特図)の可変表示中において、転落判定の結果が「転落当選」であることを遊技者に報知可能となっている。
7-5.演出フロー
次に、上述した各演出を含む特図変動演出の演出フローを説明する。演出制御用マイコン121は、演出フローを構成する各演出において、表示部50aに演出画像を表示するとともに、演出画像の表示に応じて、枠ランプ53や盤ランプ54を用いた発光演出と、スピーカ52を用いた音演出とを実行可能である。
特図2変動パターンが「即大当たり変動」の特図変動演出では、図41(A)に示すように「通常変動」→「大当たり確定演出」で構成される演出フローが実行される。
特図2変動パターンが「対決大当たり変動」,「対決ハズレ変動」の特図変動演出では、図41(B)に示すように、「通常変動」→「リーチ」→「対決リーチ」で構成される演出フローが実行される。なお「対決ハズレ変動」の「対決リーチ」において「復活煽り演出A」が行われることがある。
本実施形態では、特図2変動パターンが「対決大当たり変動」である場合でも「対決ハズレ変動」である場合でも、時間T1から時間T2にわたって特殊有効期間が設けられている。その期間に遊技者が通常ボタン40を操作した場合には、その通常ボタン40の操作後に転落示唆演出が行われるときと転落示唆演出が行われないときとがある。特殊有効期間に遊技者が通常ボタン40を操作して、その操作後に転落示唆演出が行われる場合には、盤下可動体56kの発光部56xが点灯し0.5秒後に消灯する。それに対し、特殊有効期間に遊技者が通常ボタン40を操作して、その操作後に転落示唆演出が行われない場合には、盤下可動体56kの発光部56xは消灯したまま点灯しない。このことから、転落示唆演出が実行された場合に、遊技者は当該の第2特図の転落判定の結果が「転落当選」であることを把握可能となっている。一方、転落示唆演出が実行されなかった場合に、遊技者は当該の第2特図の転落判定の結果が「転落当選」ではなく、大当たり判定の結果が「大当たり」か「ハズレ」であることを把握可能となっている。
特図2変動パターンが「対決/復活大当たり変動」,「対決/復活ハズレ変動」の特図変動演出では、図41(C)に示すように、「通常変動」→「リーチ」→「対決リーチ」→「復活演出A」で構成される演出フローが実行される。なお「対決/復活ハズレ変動」,「対決/復活ハズレ変動」の「対決リーチ」において「復活煽り演出A」が行われることがある。
本実施形態では、特図2変動パターンが「対決/復活大当たり変動」である場合でも「対決/復活ハズレ変動」である場合でも、時間T1から時間T2にわたって特殊有効期間が設けられている。その期間に遊技者が通常ボタン40を操作した場合には、その通常ボタン40の操作後に転落示唆演出が行われるときと転落示唆演出が行われないときとがある。特殊有効期間に遊技者が通常ボタン40を操作して、その操作後に転落示唆演出が行われる場合には、盤下可動体56kの発光部56xが点灯し0.5秒後に消灯する。それに対し、特殊有効期間に遊技者が通常ボタン40を操作して、その操作後に転落示唆演出が行われない場合には、盤下可動体56kの発光部56xは消灯したまま点灯しない。このことから、転落示唆演出が実行された場合に、遊技者は当該の第2特図の転落判定の結果が「転落当選」であることを把握可能となっている。一方、転落示唆演出が実行されなかった場合に、遊技者は当該の第2特図の転落判定の結果が「転落当選」ではなく、大当たり判定の結果が「大当たり」か「ハズレ」であることを把握可能となっている。
特図2変動パターンが「分岐大当たり変動」,「分岐/成功ハズレ変動」の特図変動演出では、図41(D)に示すように「分岐演出」のみで構成される演出フローが実行される。
特図2変動パターンが「分岐/復活大当たり変動」,「分岐/復活/成功ハズレ変動」,「分岐/復活/失敗ハズレ変動」の特図変動演出では、図41(E)に示すように「分岐演出」→「復活演出C」で構成される演出フローが実行される。
特図2変動パターンが「決着大当たり変動」の特図変動演出では、図41(F)に示すように「通常変動」→「リーチ」→「決着リーチ」で構成される演出フローが実行される。
特図2変動パターンが「決着/復活大当たり変動」,「決着/復活ハズレ変動」の特図変動演出では、図41(G)に示すように「通常変動」→「リーチ」→「決着リーチ」→「復活演出B」で構成される演出フローが実行される。なお「決着/復活大当たり変動」,「決着/復活ハズレ変動」の「決着リーチ」において「復活煽り演出B」が行われることがある。
特図2変動パターンが「リザルト大当たり変動」,「リザルトハズレ変動」の特図変動演出では、図41(H)に示すように「リザルト演出」のみで構成される演出フローが実行される。
特図2変動パターンが「通常Aハズレ変動」,「通常Bハズレ変動」の特図変動演出では、「通常変動」のみで構成される演出フローが実行される(図示なし)。
続いて、「対決リーチ」と「超RUSHモード」との関係および「決着リーチ」と「超RUSHモード」との関係について説明する。「対決リーチ」は、「超RUSHモード」における1回目~100回目の特図変動演出で行われることがあるが、「対決リーチ」において主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北しても(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様で停止表示しても)、「超RUSHモード」が終了することはない。一方、「決着リーチ」は、「超RUSHモード」における101回目以降の特図変動演出で行われることがあるが、「決着リーチ」において主人公キャラクタが強敵キャラクタに敗北すると(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様で停止表示すると)、その後の「復活演出B」で主人公キャラクタが立ち上がらなければ(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する態様に変化しなければ)、「超RUSHモード」が終了する。つまり、「対決リーチ」後にハズレとなった場合と、「決着リーチ」後にハズレとなった場合とで、時短状態の終了のし易さが異なる。本実施形態では、「対決リーチ」後にハズレとなった場合よりも「決着リーチ」後にハズレとなった場合の方が、時短状態が終了され易くなっている。そのため、「対決リーチ」は、時短状態の終了に対する不安感が比較的低いと言え、「決着リーチ」は、時短状態の終了に対する不安感が比較的高いと言える。
次に、「復活演出A」と「超RUSHモード」との関係および「復活演出B」と「超RUSHモード」との関係について説明する。「復活演出A」は、「超RUSHモード」における1回目~100回目の特図変動演出で行われることがあるが、「復活演出A」において主人公キャラクタが立ち上がれなくても(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様のままで停止表示しても)、「超RUSHモード」が終了することはない。一方、「復活演出B」は、「超RUSHモード」における101回目以降の特図変動演出で行われることがあるが、「復活演出B」において主人公キャラクタが立ち上がれないと(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様のままで停止表示すると)、「超RUSHモード」が終了する。つまり、「復活演出A」後にハズレとなった場合と、「復活演出B」後にハズレとなった場合とで、時短状態の終了のし易さが異なる。本実施形態では、「復活演出A」後にハズレとなった場合よりも「復活演出B」後にハズレとなった場合の方が、時短状態が終了され易くなっている。そのため、「復活演出A」は、時短状態の終了に対する不安感が比較的低いと言え、「復活演出B」は、時短状態の終了に対する不安感が比較的高いと言える。
次に、「復活煽り演出A」と「復活演出A」との関係および「復活煽り演出B」と「復活演出B」との関係について説明する。「復活煽り演出A」は、「超RUSHモード」における1回目~100回目の特図変動演出で行われることがあるが、「復活煽り演出A」の後には、「復活演出A」が行われるときと行われないときとがある。一方、「復活煽り演出B」は、「超RUSHモード」における101回目以降の特図変動演出で行われることがあるが、「復活煽り演出B」の後には、必ず「復活演出B」が行われる。つまり、「復活煽り演出A」が行われた場合と、「復活煽り演出B」が行われた場合とで、その後に「復活演出A」または「復活演出B」が実行される確率が異なる。本実施形態では、「復活煽り演出A」後よりも「復活煽り演出B」後の方が、実行確率が高くなっている。そのため、「復活煽り演出A」は、「復活演出A」に対する期待感が比較的低いと言え、「復活煽り演出B」は、「復活演出B」に対する期待感が比較的高いと言える。
次に、「大当たり告知演出」と「分岐演出」,「復活演出C」との関係について説明する。「大当たり告知演出」は、「分岐演出」または「復活演出C」において行われることがあるが、「分岐演出」においては行われ難く、「復活演出C」においては行われ易い。つまり、「分岐演出」と「復活演出C」とで、「大当たり告知演出」が行われる確率が異なる。本実施形態では、「分岐演出」よりも「復活演出C」の方が、実行確率が高くなっている。そのため、「分岐演出」は、「大当たり告知演出」に対する期待感が比較的低いと言え、「復活演出C」は、「大当たり告知演出」に対する期待感が比較的高いと言える。
次に、「対決リーチ」と「復活演出A」との関係および「決着リーチ」と「復活演出B」との関係について説明する。「対決リーチ」は、「超RUSHモード」における1回目~100回目の特図変動演出で行われることがあるが、「対決リーチ」において主人公キャラクタが敵キャラクタに敗北すると(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様で停止表示すると)、その後に「復活演出A」が行われるときと行われないときとがある。一方、「決着リーチ」は、「超RUSHモード」における101回目以降の特図変動演出で行われることがあるが、「決着リーチ」において主人公キャラクタが強敵キャラクタに敗北しても(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する態様で停止表示しても)、その後に「復活演出B」が必ず行われる。つまり、「対決リーチ」でハズレが示唆された場合と、「決着リーチ」でハズレが示唆された場合とで、「復活演出A」または「復活演出B」が実行される確率が異なる。本実施形態では、「対決リーチ」でハズレが示唆された場合よりも「決着リーチ」でハズレが示唆された場合の方が、実行確率が高くなっている。そのため、「対決リーチ」は、「復活演出A」に対する期待感が比較的低いと言え、「決着リーチ」は、「復活演出B」に対する期待感が比較的高いと言える。
次に、「対決リーチ」と「決着リーチ」との関係について説明する。「対決リーチ」は、「超RUSHモード」における1回目~100回目の特図変動演出で行われることがあるが、転落判定の結果が「転落当選」であっても「転落非当選」であっても、「対決リーチ」が行われることがある。一方、「決着リーチ」は、「超RUSHモード」における101回目以降の特図変動演出で行われるが、転落判定の結果が「転落非当選」であった場合には「決着リーチ」が行われることはなく、転落判定の結果が「転落当選」であった場合にだけ「決着リーチ」が行われる。つまり、「超RUSHモード」における1回目~100回目の特図変動演出に係る転落判定で「転落当選」であると判定された場合と、「超RUSHモード」における101回目以降の特図変動演出に係る転落判定で「転落当選」であると判定された場合とで、リーチ演出が実行される確率が異なる。本実施形態では、「超RUSHモード」における1回目~100回目の特図変動演出に係る転落判定で「転落当選」であると判定された場合よりも、「超RUSHモード」における101回目以降の特図変動演出に係る転落判定で「転落当選」であると判定された場合の方が、実行確率が高くなっている。そのため、「対決リーチ」は、通常確率状態への切り替わりに対する不安感が比較的低いと言え、「決着リーチ」は、通常確率状態への切り替わりに対する不安感が比較的高いと言える。
8.第1実施形態の効果
以上で詳細に説明したように、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1を遊技する遊技者には、高確率高ベース遊技状態で開始した「超RUSHモード」中に不利な遊技状態(低確率高ベース遊技状態)に変化したかどうかを知りたい遊技者と、知りたくない遊技者とがある。「超RUSHモード」中に通常ボタン40が操作されない限り、転落示唆演出は実行されないので、不利な遊技状態に変化したかどうかを知りたくない遊技者の意図に反して転落示唆演出が行われることを回避できる。また、「超RUSHモード」中に自発的に通常ボタン40を操作した際には転落示唆演出が実行され得るため、「超RUSHモード」中における通常ボタン40の操作に伴い転落示唆演出が実行された場合には、その転落示唆演出によって、変化したかどうかを知りたい遊技者の願望を叶えること(不利な遊技状態(低確率高ベース遊技状態)に変化したかどうかを知りたいこと)が可能となっている。
また、転落示唆演出とは、遊技状態が高確率高ベース遊技状態から低確率高ベース遊技状態に変化していることを報知可能な演出であるので、転落示唆演出が実行された場合には、変化したかどうかを知りたい遊技者に、既に不利な遊技状態に変化していることを把握させることが可能となっている。
また「超RUSHモード」における第2特別図柄の変動表示の開始時の遊技状態が高確率高ベース遊技状態であれば、通常ボタン40が操作されても転落示唆演出が実行されず、その遊技状態が低確率高ベース遊技状態であれば、通常ボタン40の操作に伴って転落示唆演出が実行され得る。そのため、転落示唆演出が実行された場合には、変化したかどうかを知りたい遊技者に、第2特別図柄の変動表示の開始時に既に不利な遊技状態に変化していることを報知可能となっている。
また「超RUSHモード」において第2特別図柄の変動表示が100回(所定の回数)に達した際、その所定の回数における第2特別図柄の変動表示の開始時に遊技状態が不利な遊技状態(低確率高ベース遊技状態)である場合には、転落示唆演出の実行によって低確率高ベース遊技状態であることを遊技者に必ず報知可能となっている。よって、「超RUSHモード」中、所定の回数に達する前に不利な遊技状態に変化したかどうかを知りたくない遊技者にも、「超RUSHモード」の最後には、不利な遊技状態であるかどうかを報知可能となっている。
9.変更例
次に、上記第1実施形態のパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、変更例の説明において、第1実施形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記第1実施形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
9-1.変更形態1
変更形態1に係るパチンコ遊技機PY1は、遊技制御用マイコン101が、パチンコ遊技機PY1の電源投入からの総賞球数および総発射数をカウントし、これらの総賞球数と総発射数との差玉が一定数(例えば+12万球)となった場合には、所定の発動タイミングで、遊技停止とする(第1始動口11や第2始動口12等の各種の入賞口への遊技球の入賞を無効とし、一切の抽選や賞球を行わないようにする)。この場合、遊技停止の発動タイミングは、総賞球数と総発射数との差玉が一定数に到達した大当たり遊技の終了時とするのが好ましい。また、遊技停止とするのに代えて、発射停止とする(ハンドル72kが操作されても遊技球を発射しないようにする)構成としたり、遊技停止と発射停止の両方を行う構成としたりしてもよい。なお、電源投入からの総発射数は、遊技領域6に発射されて各種の入賞口(第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、一般入賞口10)やアウト口19を通過した遊技球に基づいてカウントされるものとする。なお、各種の入賞口(第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口14、第2大入賞口15、一般入賞口10)への入賞、アウト口19の通過をカウントすることで、総発射数を求めてもよい。或いは、遊技領域6の入口に戻り球防止部が設けられていて、この戻り球防止部に遊技球を検知可能なセンサが設けられている場合に、このセンサの検知をカウントすることで、総発射数を求めてもよい。また、総賞球数と総発射数との差玉のカウントは、パチンコ遊技機PY1の電源投入に基づいて(すなわち電源スイッチのON操作に基づいて)、クリアされるものとする。また、遊技停止や発射停止となった場合には、パチンコ遊技機PY1の電源を遮断した後、初期化スイッチの操作(例えば、初期化スイッチを押しながらの電源投入)がなされたことに応じて、遊技可能な状態に復帰されるものとする。このようなパチンコ遊技機PY1の電源投入からの総賞球数と総発射数との差玉が一定数(例えば+12万球)となった場合に遊技停止や発射停止とする構成を、過賞球防止手段と称する。過賞球防止手段は、パチンコ遊技機PY1が一日の遊技において過剰な賞球を行ってしまう不都合を防止するための機能である。なお、遊技停止や発射停止の発動条件となる総賞球数と総発射数との差玉数は、適宜変更可能である。
ここで、遊技制御用マイコン101が過賞球防止手段を備える場合には、次のような構成を付帯させるとよい。例えば、パチンコ遊技機PY1の電源投入からの総賞球数と総発射数との差玉(以下「特定差玉」と言う)が一定数(例えば+12万球)に到達した場合には、そのことを示す所定の信号を外部端子板からホールコンピュータに向けて出力する構成とするとよい。外部端子板は、パチンコ遊技機PY1から、遊技場に設置されているホールコンピュータ等の外部に向けて種々の信号を出力するための基板であり、パチンコ遊技機PY1は、遊技制御用マイコン101がセットした信号を、外部端子板を介して、当該パチンコ遊技機PY1の外部に出力することが可能であるとする。このような構成とすれば、特定差玉が一定数に到達したことを、遊技場の従業員等がホールコンピュータによって確認することが可能となる。なお、このような構成に代えて、若しくは、このような構成と共に、特定差玉が一定数(例えば+12万球)よりも小さい所定数(例えば+11万球)に到達したタイミングで、そのことを示す外端信号(外部端子板から外部に出力される信号)を出力する構成としてもよい。この外端信号は、特定差玉が一定数に到達しそうであることを示す信号として機能する。
また、過賞球防止手段によって遊技停止や発射停止が行われた場合には、その旨を示す画像を画像表示装置50の表示部50aに表示したり、その旨を示す発光態様で枠ランプ53や盤ランプ54を発光させたり、その旨を示す音声をスピーカ52から出力したりする構成とするとよい。このような報知によって、遊技場の従業員や遊技者等が状況(特定差玉が一定数に到達したこと)を把握できるからである。
また、パチンコ遊技機PY1の電源投入からの総賞球数と総発射数との差玉が一定数に到達すると遊技停止や発射停止となる旨の報知を、遊技中の演出として行ったり(例えば特図変動演出に伴う予告演出の1つとして行ったり)、客待ち演出において行ったりするとよい。遊技停止や発射停止になる場合があることを、遊技者に事前に知らせることができるからである。
また、パチンコ遊技機PY1の電源投入に基づいて、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)のカウントがクリアされた場合には、その旨を示す画像を画像表示装置50の表示部50aに表示したり、その旨を示す発光態様で枠ランプ53や盤ランプ54を発光させたり、その旨を示す音声をスピーカ52から出力したりするとよい。特定差玉のカウントのクリアを、遊技場の従業員や遊技者等に知らせることができるからである。
なお、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)のカウントのクリアは、単なるパチンコ遊技機PY1の電源投入では行われず、パチンコ遊技機PY1の電源投入に際して初期化スイッチを操作したときに行われる構成としたり、初期化スイッチとは異なる特定差玉のカウントのクリア用のスイッチを設けて、このスイッチをパチンコ遊技機PY1の電源投入に際して操作したときに行われる構成としたりしてもよい。又は、パチンコ遊技機PY1の電源投入に際して主制御部100を成す基板に設けられている設定キーシリンダを操作すると、特定差玉のカウントがクリアされるようにしてもよい。或いは、パチンコ遊技機PY1の電源投入時に拘わらず、特定差玉のカウントのクリア用のスイッチを操作するだけで、特定差玉のカウントがクリアされるようにしてもよい。また、総賞球数と総発射数との差玉のカウントのクリアが、客待ち状態(特別遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)も特図の可変表示も行われておらず特図保留が1つも無い状態)になってから所定時間(例えば15分)が経過したタイミングで行われる構成としてもよい。また、総賞球数と総発射数との差玉のカウントのクリアが、通常遊技状態以外の遊技状態から通常遊技状態に変更されたタイミングで行われる構成としてもよい。又は、通常遊技状態が所定時間(例えば1時間)継続したり、通常遊技状態にて遊技球が発射されない状態が特定時間(例えば1時間)継続することで、総賞球数と総発射数との差玉のカウントがクリアされるようにしてもよい。なお、初期化スイッチの操作以外の手法で特定差玉のカウントのクリアを行う構成の場合には、初期化スイッチの操作時には特定差玉のカウントのクリアは行われない構成としてもよい。この場合、特定差玉の記憶情報は、不揮発性の記憶手段(例えばFRAM(登録商標))に記憶されるようにしたり、主制御部100のRAMの記憶領域うち初期化スイッチの操作時に消去されない非消去記憶領域に記憶されるようにしてもよい。
なお、過賞球防止手段を備える構成とした場合、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)のカウントの始期を、所謂初当たり(低確率低ベース遊技状態における当選に基づく大当たり)からとしてもよい。このような構成とすれば、初当たりに至るまでの特定差玉のマイナス分がカウントされないこととなり、遊技停止の契機となる特定差玉の数を、初当たり以降に増えた持ち球の数と同じにすることが可能である。
また、過賞球防止手段を備える構成とした場合、遊技停止や発射停止の発動タイミングを、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)が一定数に到達した連荘期間の終了時としてもよい。連荘期間とは、低確率低ベース遊技状態における当選に基づく大当たり遊技の開始から再び低確率低ベース遊技状態に戻るまで(若しくは低確率低ベース遊技状態に戻って特図2保留が無くなるまで)の遊技期間である。このような構成とした場合、連荘期間中に特定差玉が一定数を越えたときには、当該連荘期間が終了すると、遊技停止や発射停止となる旨の報知を、表示画面7aでの画像表示やランプ(枠ランプ53、盤ランプ54)の発光、スピーカ52からの音声出力によって行う構成とするとよい。
なお上記では、総賞球数と総発射数との差玉(特定差玉)が一定数に到達したことに基づいて、遊技停止や発射停止を行ったが、その他の特定計測値に基づいて、遊技停止や発射停止を行うようにしてもよい。例えば、特定計測値は、総賞球数と総発射数との割合であるベース(例えば連荘期間中のベース)や、単に総賞球数(連荘期間中の総賞球数)としてもよく、総賞球数に基づく計測値であれば、適宜変更可能である。
9-2.変更形態1以外の変更例
上記第1実施形態等では、通常ボタン40を本発明に係る「操作部」とした。しかしながら、例えば特殊ボタン41など、通常ボタン40以外の操作部を「操作部」としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、高確率高ベース遊技状態を本発明に係る「第1遊技状態」とした。しかしながら、例えば高確率低ベース遊技状態、低確率高ベース遊技状態、低確率低ベース遊技状態など、高確率高ベース遊技状態以外の遊技状態としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、低確率高ベース遊技状態を本発明に係る「第2遊技状態」とした。しかしながら、第2遊技状態は、第1遊技状態よりも不利な遊技状態であれば、例えば高確率低ベース遊技状態、低確率低ベース遊技状態など、低確率高ベース遊技状態以外の遊技状態としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、遊技状態が低確率高ベース遊技状態(第2遊技状態)であることを報知する転落示唆演出(特殊報知演出)が実行可能な構成とした。しかしながら、第2遊技状態である可能性があることを報知する特殊報知演出としてもよい。つまり、第2遊技状態であることを報知可能な特殊報知演出としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、転落示唆演出(特殊報知演出)を、遊技状態が高確率高ベース遊技状態(第1遊技状態)から低確率高ベース遊技状態(第2遊技状態)に変化したことを報知可能な演出とした。しかしながら、特殊報知演出を、遊技状態が第1遊技状態から第2遊技状態に変化していないことを報知可能な演出としてもよい。このような特殊報知演出によれば、特殊報知演出が実行された場合には、変化したかどうかを知りたい遊技者に、まだ不利な遊技状態に変化していない可能性があることを把握させることが可能である。
また、そのような特殊報知演出の場合、「超RUSHモード」期間(特定期間)における特別図柄の変動表示の開始時に、遊技状態が低確率高ベース遊技状態(第2遊技状態)である場合には、特別図柄の変動表示中に通常ボタン40(操作部)が操作されても特殊報知演出が行われず、特定期間における特別図柄の変動表示の開始時に、遊技状態が高確率高ベース遊技(第1遊技状態)になっている場合には、特別図柄の変動表示中に操作部が操作されると特殊報知演出が行われ得る構成とすることが好ましい。
この構成の遊技機によれば、特殊報知演出が実行された場合には、変化したかどうかを知りたい遊技者に、特別図柄の変動表示の開始時にまだ不利な遊技状態に変化していない可能性があることを報知可能である。
また、上記第1実施形態等では、転落示唆演出(特殊報知演出)を盤下可動体56kの発光部56xが点灯する演出とした。しかしながら、特殊報知演出を盤下可動体56kの発光部56xが点滅する演出としてもよい。また、特殊報知演出を盤下可動体56kの4つの発光部56xが点灯する演出としたが、4つ以外の数の発光部56xが点灯する演出としてもよい。また、特殊報知演出の発光色を赤色としたが、赤色以外の単色、或いは、虹色等、赤色を含む複数色や赤色を含まない複数色としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、転落示唆演出(特殊報知演出)を盤下可動体56kの発光部56xが点灯する演出とした。しかしながら、特殊報知演出を盤下可動体56kの発光部56x以外の発光部が発光(点灯,点滅)する演出としてもよい。また、特殊報知演出について発光部56xを用いた演出としたが、特殊報知演出について、可動体を用いた演出や、液晶を用いた演出や、スピーカを用いた演出や、操作部を用いた演出や、振動体を用いた演出としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、「超RUSHモード」期間中を本発明に係る「特定期間」としたが、例えば「RUSHモード」など、「超RUSHモード」以外のモード期間を「特定期間」としてもよい。
また、上記第1実施形態では、「超RUSHモード」(特定期間)における特別図柄の変動表示の開始時に、遊技状態が高確率高ベース遊技状態(第1遊技状態)である場合には、その特別図柄の変動表示中に通常ボタン40(操作部)が操作されても転落示唆演出(特殊報知演出)が行われず、特定期間における特別図柄の変動表示の開始時に、遊技状態が低確率高ベース遊技状態(第2遊技状態)になっている場合には、その特別図柄の変動表示中に操作部が操作されると特殊報知演出が必ず行われる構成とした。しかしながら、特定期間における特別図柄の変動表示の開始時に、遊技状態が第2遊技状態になっている場合には、その特別図柄の変動表示中に操作部が操作されると特殊報知演出が行われるときと行われないときとがある構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では、通常ボタン40(操作部)の特殊有効期間(ボタン操作有効期間)を特図変動演出の演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示中とした。しかしながら、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示中とは異なる期間を特殊有効期間としてもよい。具体的に例えば、上述の「対決リーチ」の実行中を特殊有効期間とする構成が挙げられる。このような構成とした場合、「対決リーチ」が行われず通常変動のみで終了する特図変動演出には特殊有効期間がないことになる。これにより、大当たり遊技の実行後から100回までの間に、特図の可変表示の全部の回数において特殊報知演出の実行が必ずしもないので、100回目の分岐演出の実行中に、高確率高ベース遊技状態(第1遊技状態)にあるかどうかについて、遊技者にドキドキ感を与えることが可能である。
また、上記第1実施形態では、「超RUSHモード」(特定期間)における特別図柄の変動表示の開始時に、遊技状態が高確率高ベース遊技状態(第1遊技状態)である場合には、その特別図柄の変動表示中に通常ボタン40(操作部)が操作されても転落示唆演出(特殊報知演出)が実行されず、特定期間における特別図柄の変動表示の開始時に、遊技状態が低確率高ベース遊技状態(第2遊技状態)になっている場合には、その特別図柄の変動表示中に操作部が操作されると特殊報知演出が実行され得る構成とした。しかしながら、特定期間における特別図柄の変動表示中の所定のタイミングに、遊技状態が第1遊技状態である場合には、その特別図柄の変動表示中、且つ、所定のタイミング以降に操作部が操作されても特殊報知演出が実行されず、特定期間における特別図柄の変動表示中の所定のタイミングに、遊技状態が第2遊技状態になっている場合には、その特別図柄の変動表示中、且つ所定のタイミング以降に操作部が操作されると特殊報知演出が実行され得る構成としてもよい。
また、転落示唆演出(特殊報知演出)を、遊技状態が高確率高ベース遊技状態(第1遊技状態)から低確率高ベース遊技状態(第2遊技状態)に変化していないことを報知可能な演出とした上で、「超RUSHモード」(特定期間)における特別図柄の変動表示の開始時に、特定期間における特別図柄の変動表示中の所定のタイミングに、遊技状態が第2遊技状態である場合には、その特別図柄の変動表示中、且つ、所定のタイミング以降に操作部が操作されても特殊報知演出が実行されず、特定期間における特別図柄の変動表示中の所定のタイミングに、遊技状態が第1遊技状態になっている場合には、その特別図柄の変動表示中、且つ所定のタイミング以降に操作部が操作されると特殊報知演出が実行され得る構成としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、特別図柄を第2特別図柄(第2特図)としたが、第1特別図柄(第1特図)としても、第1特別図柄および第2特別図柄の両方としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、大当たり遊技の種類を3種類としたが、3種類以外の数にしてもよい。
また、上記第1実施形態等では、本発明に係る「所定の回数」を100回とした。しかしながら、所定の回数を100回以外の回数としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、特図の可変表示が101回目以降に、転落判定の結果が「転落当選」の場合には、当該特図の可変表示の開始前に遊技状態が「高確率高ベース遊技状態」から「低確率低ベース遊技状態」に変化する(切り替わる)構成とした。しかしながら、特図の可変表示が101回目以降に転落判定の結果が「転落当選」の場合には、当該特図の可変表示の開始前に遊技状態が「高確率高ベース遊技状態」から変化せず、その特図の可変表示および停止表示の後に、「高確率高ベース遊技状態」から「低確率低ベース遊技状態」に変化する構成としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、特図の可変表示が101回目以降に、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には、当該特図の可変表示の開始前に遊技状態が「高確率高ベース遊技状態」から「高確率低ベース遊技状態」に変化しない(切り替わる)構成とした。しかしながら、特図の可変表示が101回目以降に転落判定の結果が「転落当選」の場合には、当該特図の可変表示の開始前にも可変表示中にもその後の停止表示中にも「高確率高ベース遊技状態」から「低確率低ベース遊技状態」に変化しない構成としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、遊技用RAM104に、特図の可変表示の回数を記憶する回数記憶部を設けた。しかしながら、遊技用RAM104に加えて、演出用RAM124にも回数記憶部を設けてもよい。或いは、遊技用RAM104に加えて、画像用RAM143にも回数記憶部を設けてもよい。つまり、遊技制御基板100側にのみ回数記憶部を設けた構成に代えて、遊技制御基板100側にも演出制御基板120側にも回数記憶部を設けた構成としてもよい。また、例えば遊技用RAM104に代えて、演出用RAM124に回数記憶部を設けてもよい。つまり、遊技制御基板100側にのみ回数記憶部を設けた構成に代えて、演出制御基板120側にのみ回数記憶部を設けた構成としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、特図2変動パターン判定テーブルAを「大当たり遊技」(「大当たり遊技X」,「大当たり遊技Y」,「大当たり遊技Z」)が実行された後の時短状態における特図の可変表示の回数が1回目~99回目の場合に用いられるテーブルとした。しかしながら、特図2変動パターン判定テーブルBおよび特図2変動パターン判定テーブルDを設けずに、特図2変動パターン判定テーブルAを「大当たり遊技」が実行された後の時短状態における特図の可変表示の回数が1回目~100回目(つまり本発明に係る「所定の回数」目)の場合に用いられるテーブルとしてもよい。あるいは、特図2変動パターン判定テーブルBを設けずに、特図2変動パターン判定テーブルAを「大当たり遊技X」,「大当たり遊技Z」が実行された後の時短状態における特図の可変表示の回数が1回目~100回目(「所定の回数」目)の場合に用いられるテーブルとしてもよい。または、特図2変動パターン判定テーブルDを設けずに、特図2変動パターン判定テーブルAを「大当たり遊技Y」が実行された後の時短状態における特図の可変表示の回数が1回目~100回目(「所定の回数」目)の場合に用いられるテーブルとしてもよい。
また、上記第1実施形態等では、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合の特図2変動パターンを3種類設けた。しかしながら、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合の特図2変動パターンの種類を3種類以外の数としてもよい。また、判定の結果が所謂「リーチ有りハズレ」の場合の特図2変動パターンを2種類設けた。しかしながら、大当たり判定の結果が「リーチ有りハズレ」の場合の特図2変動パターンの種類を2種類以外の数としてもよい。また、判定の結果が所謂「リーチ無しハズレ」の場合の特図2変動パターンを2種類設けた。しかしながら、大当たり判定の結果が「リーチ無しハズレ」の場合の特図2変動パターンの種類を2種類以外の数としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合の特図2変動パターンに即大当たり変動を設けたが、即大当たり変動を設けない構成としてもよい。
また、上記第1実施形態では「大当たり確定演出」を盤上可動体55kと盤下可動体56kとが表示部50a上に移動する可動体演出とした。つまり可動体を用いた演出とした。しかしながら、可動体を用いない演出としてもよい。また、盤上可動体55kまたは盤下可動体56kを用いた可動体演出としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、「超RUSHモード」の表示態様(演出態様)と「RUSHモード」の表示態様(演出態様)とが異なる構成とした(図30参照)。しかしながら、「超RUSHモード」の表示態様(演出態様)と「RUSHモード」の表示態様(演出態様)とが同じ構成としてもよい。具体的に、大当たり遊技の実行後、高確率高ベース遊技状態の設定開始に伴う演出モード、および、大当たり遊技の実行後、低確率高ベース遊技状態の設定開始に伴う演出モードとして、同一の演出モードが実行される構成でもよい。
また、上記第1実施形態等では、3D液晶ディスプレイである表示部50aを「表示部」とした。しかしながら、例えば2D液晶ディスプレイ、ドット表示器、7セグ表示器といったものを「表示部」としてもよい。
また、上記第1実施形態等では、所謂「第1種」,「デジパチ」といわれるパチンコ遊技機PY1を遊技機として示した。しかしながら遊技機を、所謂「第3種」,「権利物」といわれるパチンコ遊技機や、「第1種」のパチンコ遊技機の特徴と「第2種」のパチンコ遊技機の特徴とを併せ持つ所謂「1種2種混合」といわれるパチンコ遊技機としてもよい。また、当選確率が次の大当たり遊技の当選まで高確率状態に制御可能な所謂「ループ機」といわれるパチンコ遊技機としてもよい。
10.上記の実施形態に示されている発明
上記の実施形態には、以下の発明(発明A1~発明A6)が示されている。以下に記す発明の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
発明A1は、
遊技者が操作可能な操作部(通常ボタン40)と、
複数の遊技状態から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段(遊技状態設定処理を実行する遊技制御用マイコン101)と、
所定の演出を実行可能な演出実行手段(サブ制御基板120)と、を備え、
前記複数の遊技状態には、第1遊技状態(高確率高ベース遊技状態)と、前記第1遊技状態よりも不利な第2遊技状態(低確率高ベース遊技状態)と、が含まれ、
遊技状態が前記第1遊技状態から開始される特定期間中に、遊技状態が当該第1遊技状態から前記第2遊技状態に変化するときと、当該第1遊技状態から前記第2遊技状態に変化しないときと、があり、
前記演出実行手段は、
遊技状態が前記第1遊技状態から前記第2遊技状態に変化しているか否かを判別可能な特殊報知演出(転落示唆演出)を実行可能であり、
前記特定期間中に、前記操作部が操作されない場合には前記特殊報知演出が実行されず、前記操作部が操作された場合には前記特殊報知演出が実行され得ることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)である。
この構成の遊技機を遊技する遊技者には、第1遊技状態で開始した特定期間中に不利な遊技状態(第2遊技状態)に変化したかどうかを知りたい遊技者と、知りたくない遊技者とがある。特定期間中に操作部が操作されない限り特殊報知演出は実行されないので、不利な遊技状態に変化したかどうかを知りたくない遊技者の意図に反して特殊報知演出が行われることを回避できる。また、特定期間中に自発的に操作部を操作した際には特殊報知演出が実行され得るため、特定期間中における操作部の操作に伴い特殊報知演出が実行された場合には、その特殊報知演出によって、変化したかどうかを知りたい遊技者の願望を叶えることが可能である。
発明A2は、
発明A1に記載の遊技機であって、
前記特殊報知演出とは、遊技状態が前記第1遊技状態から前記第2遊技状態に変化していることを報知可能な演出であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特殊報知演出が実行された場合には、変化したかどうかを知りたい遊技者に、既に不利な遊技状態に変化している可能性があることを把握させることが可能である。
発明A3は、
発明A2に記載の遊技機であって、
特別図柄の変動表示を実行可能な可変表示手段(特図表示器81)を備え、
前記特定期間における特別図柄の変動表示の開始時に、遊技状態が前記第1遊技状態である場合には、当該特別図柄の変動表示中に前記操作部が操作されても前記特殊報知演出が実行されず、前記特定期間における特別図柄の変動表示の開始時に、遊技状態が前記第2遊技状態になっている場合には、当該特別図柄の変動表示中に前記操作部が操作されると前記特殊報知演出が実行され得ることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定期間における特別図柄の変動表示の開始時の遊技状態が第1遊技状態であれば、操作部が操作されても特殊報知演出が実行されず、その遊技状態が第2遊技状態であれば、操作部の操作に伴って特殊報知演出が実行され得る。そのため、特殊報知演出が実行された場合には、変化したかどうかを知りたい遊技者に、特別図柄の変動表示の開始時に既に不利な遊技状態に変化している可能性があることを報知可能である。
発明A4は、
発明A1に記載の遊技機であって、
前記特殊報知演出とは、遊技状態が前記第1遊技状態から前記第2遊技状態に変化していないことを報知可能な演出であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特殊報知演出が実行された場合には、変化したかどうかを知りたい遊技者に、まだ不利な遊技状態に変化していない可能性があることを把握させることが可能である。
発明A5は、
発明A4に記載の遊技機であって、
特別図柄の変動表示を実行可能な可変表示手段を備え、
前記特定期間における特別図柄の変動表示の開始時に、遊技状態が前記第2遊技状態である場合には、当該特別図柄の変動表示中に前記操作部が操作されても前記特殊報知演出が実行されず、前記特定期間における特別図柄の変動表示の開始時に、遊技状態が前記第1遊技状態になっている場合には、当該特別図柄の変動表示中に前記操作部が操作されると前記特殊報知演出が実行され得ることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定期間における特別図柄の変動表示の開始時の遊技状態が第2遊技状態であれば、操作部が操作されても特殊報知演出が実行されず、その遊技状態が第1遊技状態であれば、操作部の操作に伴って特殊報知演出が実行され得る。そのため、特殊報知演出が実行された場合には、変化したかどうかを知りたい遊技者に、特別図柄の変動表示の開始時にまだ不利な遊技状態に変化していない可能性があることを報知可能である。
発明A6は、
発明A3または発明A5に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特定期間において遊技状態が前記第2遊技状態であることを報知可能な期間報知演出(「分岐/復活/失敗ハズレ変動」の特図変動演出)を実行可能であり、
前記特定期間とは、特別図柄の変動表示が所定の回数(100回)に達するまでの期間であり、
前記特定期間において特別図柄の変動表示が前記所定の回数に達した際、当該所定の回数における特別図柄の変動表示の開始時に遊技状態が前記第2遊技状態である場合には、前記期間報知演出が行われることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定期間において特別図柄の変動表示が所定の回数に達した際、その所定の回数における特別図柄の変動表示の開始時に遊技状態が不利な遊技状態(第2遊技状態)である場合には、特殊報知演出の実行によって第2遊技状態であることを遊技者に必ず報知可能である。よって、特定期間中、所定の回数に達する前に不利な遊技状態に変化したかどうかを知りたくない遊技者にも、特定期間の最後には、不利な遊技状態(第2遊技状態)であるかどうかを報知可能である。