JP2023028246A - 品質予測モデルの作成方法、品質予測方法、操業条件提示方法、品質予測モデルの作成装置、品質予測装置および操業条件提示装置 - Google Patents

品質予測モデルの作成方法、品質予測方法、操業条件提示方法、品質予測モデルの作成装置、品質予測装置および操業条件提示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】製品の品質を高精度に予測可能な、品質予測モデルの作成方法、品質予測方法、操業条件提示方法、品質予測モデルの作成装置、品質予測装置および操業条件提示装置を提供すること。【解決手段】複数の工程を経て製造される製品の品質予測モデルの作成方法であって、最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における一以上の操業条件と最終製品の品質とを紐づけて、二次元データを作成するデータ作成ステップと、二次元データを入力データとして、製品の欠陥発生確率スコアを出力データとして、特定方向の特定位置ごとの品質を予測する品質予測モデルを機械学習によって作成するモデル作成ステップと、を含む。【選択図】図4

Description

本発明は、品質予測モデルの作成方法、品質予測方法、操業条件提示方法、品質予測モデルの作成装置、品質予測装置および操業条件提示装置に関する。
特許文献1には、鉄鋼製品の品質を予測する方法として、多工程にわたる製品製造時の操業条件データと最終工程における品質判定データとを、製品上の品質判定位置を考慮して紐付けた後、当該データによって学習させたモデルを用いて品質を予測する方法が開示されている。
特開2019-74969号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、学習するデータが製品上の特定の品質判定位置に限定される。そのため、例えば製品上の品質判定位置の周辺の情報については学習することができず、当該周辺の情報を含めた操業条件の変化に伴う品質への影響を考慮することが難しかった。従って、特許文献1の方法では、製品の品質の予測精度に未だ改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、製品の品質を高精度に予測可能な、品質予測モデルの作成方法、品質予測方法、操業条件提示方法、品質予測モデルの作成装置、品質予測装置および操業条件提示装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る品質予測モデルの作成方法は、複数の工程を経て製造される製品の品質予測モデルの作成方法であって、最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における一以上の操業条件と前記最終製品の品質とを紐づけて、二次元データを作成するデータ作成ステップと、前記二次元データを入力データとして、製品の欠陥発生確率スコアを出力データとして、前記特定方向の特定位置ごとの品質を予測する品質予測モデルを機械学習によって作成するモデル作成ステップと、を含む。
また、本発明に係る品質予測モデルの作成方法は、上記発明において、前記最終製品の品質が、予め定めた所定長ごとに取得され、前記データ作成ステップが、前記所定長ごとの品質に対して、前記最終製品の長さ方向の予め定めた単位長さごとに、各工程における一以上の操業条件と前記最終製品の品質とを紐づけて、前記二次元データを作成する。
また、本発明に係る品質予測モデルの作成方法は、上記発明において、前記データ作成ステップが、前記品質予測モデルによる予測精度が向上するように、各工程における操業条件の並び順を決定し、決定した並び順で前記最終製品の品質と紐づけて、前記二次元データを作成する。
また、本発明に係る品質予測モデルの作成方法は、上記発明において、前記モデル作成ステップが、畳み込みニューラルネットワークを用いてモデルを作成する。
また、本発明に係る品質予測モデルの作成方法は、上記発明において、前記製品が、複数の工程を経て製造される鉄鋼製品であり、前記複数の工程には、製銑、製鋼、熱延、冷延、焼鈍および表面処理のいずれか一つ以上の工程が含まれる。
また、本発明に係る品質予測モデルの作成方法は、上記発明において、前記操業条件が、各工程において標準条件として設定された設定操業条件、または各工程において計測された実績操業条件である。
また、本発明に係る品質予測モデルの作成方法は、上記発明において、前記実績操業条件が、計測されたデータの平均値、最大値または最小値である。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る品質予測方法は、上記の品質予測モデルの作成方法で作成された品質予測モデルに対して、最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における一以上の操業条件と前記最終製品の品質とが紐づけられた二次元データを入力することにより、製品の欠陥発生確率スコアを予測する品質予測ステップを含む。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る操業条件提示方法は、上記の品質予測モデルの作成方法で作成された品質予測モデルに対して、最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、製品の製造途中工程までの実績操業条件と、その後の工程について標準条件として設定された設定操業条件とを入力することにより、前記実績操業条件および前記設定操業条件で製造した場合の前記製品の欠陥発生確率スコアを予測する品質予測ステップと、前記欠陥発生確率スコアが所定の値以下となるような設定操業条件を探索する操業条件探索ステップと、探索した前記設定操業条件を提示する操業条件提示ステップと、を含む。
また、本発明に係る操業条件提示方法は、上記発明において、前記操業条件探索ステップが、前記設定操業条件のうち、前記欠陥発生確率スコアの値が所定の値を超える設定操業条件を変更しながら、前記実績操業条件とともに前記品質予測モデルに対して入力することにより、前記欠陥発生確率スコアが所定の値以下となるような前記設定操業条件を探索する。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る品質予測モデルの作成装置は、複数の工程を経て製造される製品の品質予測モデルの作成装置であって、最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における一以上の操業条件と前記最終製品の品質とを紐づけて、二次元データを作成するデータ作成手段と、前記二次元データを入力データとして、製品の欠陥発生確率スコアを出力データとして、前記特定方向の特定位置ごとの品質を予測する予測モデルを機械学習によって作成するモデル作成手段と、を備える。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る品質予測装置は、上記の品質予測モデルの作成装置で作成された品質予測モデルに対して、最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における一以上の操業条件と前記最終製品の品質とが紐づけられた二次元データを入力することにより、製品の欠陥発生確率スコアを予測する品質予測手段を備える。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る操業条件提示装置は、上記の品質予測モデルの作成装置で作成された品質予測モデルに対して、最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、製品の製造途中工程までの実績操業条件と、その後の工程について標準条件として設定された設定操業条件とを入力することにより、前記実績操業条件および前記設定操業条件で製造した場合の前記製品の欠陥発生確率スコアを予測する品質予測手段と、前記欠陥発生確率スコアが所定の値以下となるような設定操業条件を探索する操業条件探索手段と、探索した前記設定操業条件を提示する操業条件提示手段と、を備える。
本発明に係る品質予測モデルの作成方法、品質予測方法、操業条件提示方法、品質予測モデルの作成装置、品質予測装置および操業条件提示装置によれば、最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における一以上の操業条件と最終製品の品質とを紐づけた二次元データを入力データとして学習させることにより、製品の品質を高精度に予測可能な品質予測モデルを作成することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る品質予測モデルの作成装置、品質予測装置および操業条件提示装置を実現する情報処理装置の概略的な構成を示す図である。 図2は、本発明の実施形態に係る品質予測モデルの作成方法において、操業条件データと品質データとを紐付けて作成した二次元データを示す図である。 図3は、本発明の実施形態に係る品質予測モデルの作成方法の概要を説明するための説明図である。 図4は、本発明の実施形態に係る品質予測モデルの作成方法の手順を示すフローチャートである。
本発明の実施形態に係る品質予測モデルの作成方法、品質予測方法、操業条件提示方法、品質予測モデルの作成装置、品質予測装置および操業条件提示装置について、図面を参照しながら説明する。
〔情報処理装置〕
図1は、実施形態に係る品質予測モデルの作成装置(以下、「モデル作成装置」という)、品質予測装置および操業条件提示装置を実現する情報処理装置1の構成を示している。情報処理装置1は、図1に示すように、入力部10と、記憶部20と、演算部30と、表示部40と、を備えている。
実施形態に係るモデル作成装置は、情報処理装置1のうち、演算部30の品質予測部33、影響度算出部34および操業条件提示部35を除いた構成要素により実現される。また、実施形態に係る品質予測装置は、情報処理装置1のうち、演算部30の影響度算出部34および操業条件提示部35を除いた構成要素により実現される。また、実施形態に係る操業条件提示装置は、情報処理装置1の各構成要素により実現される。以下、情報処理装置1の各構成要素について説明する。
入力部10は、演算部30に対する入力手段であり、例えばキーボード、マウスポインタ、テンキー等の入力装置によって実現される。入力部10は、演算部30における各種処理に必要な情報を入力する。
記憶部20は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)およびリムーバブルメディア等の記録媒体から構成される。リムーバブルメディアとしては、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)のようなディスク記録媒体が挙げられる。記憶部20には、オペレーティングシステム(Operating System:OS)、各種プログラム、各種テーブル、各種データベース等が格納可能である。記憶部20には、操業DB(データベース)21が保存されている。
操業DB21には、過去に製造された製品の操業データが索出可能に格納されている。ここで、本実施形態における「製品」としては、複数の工程を経て製造される鉄鋼製品(例えばコイル)等が挙げられる。例えば鉄鋼製品の場合、前記した「複数の工程」としては、例えば製銑工程、製鋼工程、熱延工程、冷延工程、焼鈍工程および表面処理工程の、いずれか一つ以上の工程が含まれる。
また、「操業データ」としては、例えば各工程において標準条件として事前に設定されている設定操業条件(設定製造条件)データ、過去に製品を製造した際の複数の工程において計測装置によって計測された実績操業条件(実績製造条件)データ、等が挙げられる。
また、「実績操業条件データ」としては、例えば各工程において計測装置によって計測されたデータの平均値、最大値または最小値のいずれかが用いられる。なお、本実施形態では、設定操業条件データと実績操業条件データとを併せたデータのことを、「操業条件データ」と呼ぶ。
例えば鉄鋼製品の場合、前記した設定操業条件データおよび実績操業条件データとしては、製鋼工程における製品厚、製品幅、製品長、鋼中成分、鋳造速度等のデータ、熱延工程における製品厚、製品幅、製品長、製品温度、圧延速度等のデータ、冷延工程における製品厚、製品幅、製品長、圧延速度等のデータ、表面処理工程における製品厚、製品幅、製品長、表面処理炉中温度、表面処理速度等のデータ、が挙げられる。また、前記した品質データとしては、表面処理工程終了時における表面欠陥検査結果のデータ等が挙げられる。
演算部30は、例えばCPU(Central Processing Unit)等からなるプロセッサと、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等からなるメモリ(主記憶部)と、によって実現される。
演算部30は、プログラムを主記憶部の作業領域にロードして実行し、プログラムの実行を通じて各構成部等を制御することにより、所定の目的に合致した機能を実現する。演算部30は、前記したプログラムの実行を通じて、データ作成部31、モデル作成部32、品質予測部33、影響度算出部34および操業条件提示部35として機能する。なお、図1では、例えば一つのコンピュータによって各部の機能を実現する例を示しているが、各部の機能の実現手段は特に限定されず、例えば複数のコンピュータによって各部の機能をそれぞれ実現してもよい。
データ作成部31は、操業条件データと品質データとの紐付けを行うことにより、モデルへの入力データを作成する。まず、データ作成部31は、多工程における製造の過程で、製造設備や製造装置に事前に設定されている設定操業条件データと、各工程に設置されている複数の計測装置によって計測された実績操業条件データと、最終工程後に実際に検査された製品の品質データとを、操業DB21から収集する。なお、設定操業条件データ、実績操業条件データおよび品質データは、必要に応じて入力部10から入力してもよい。
ある製品の製造時の操業条件データXは、例えば下記式(1)のような要素を有している。
Figure 2023028246000002
但し、上記式(1)の「xmn」は、製品の特定方向(例えば製品の長さ方向)の特定位置(領域)に対する製造条件情報として、予め定めた単位長さ(例えば1m)ごとに一番目からM番目まで区切ったうちのm番目(1≦m≦M)の値を示している。また、「xmn」は、製品を製造するための複数の工程を通して存在する多数の製造設備または製造装置の設定値または出力値(すなわち設定操業条件データ)、あるいは操業状態を計測することにより得られる計測値(すなわち実績操業条件データ)等の、N種類の集合を、一番目からN番目まで並べたうちのn番目(1≦n≦N)の値を示している。
また、ある製品の品質データYは、例えば下記式(2)のような要素を有している。
Y=[y] ・・・(2)
但し、上記の「y」は、製品を製造する際に、一番目の工程からK番目の工程までのK個の工程を経る場合に、K個の工程のうちの工程K、すなわち最終工程後における最終製品の品質検査判定結果を示している。ここで、品質は、複数の異なる品質評価であってもよい。すなわち、品質カテゴリごとにyとして複数の出力を考慮することもできる。また、最終製品の品質データは、予め定めた所定長(例えば100m)ごとに取得される。
データ作成部31は、後記する品質予測モデルを作成する際に入力する入力データを作成する。この入力データは、最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における一以上の操業条件データと、最終工程後に検査された最終製品の品質データとが紐付けられた二次元データであり、例えば図2に示すような複数の二次元行列によって構成される。
図2に例示した二次元データは、二次元行列からなるデータD1,D2,D3から構成されている。データD1,D2,D3の列方向には、品質データYと、各工程の操業条件データが並んでいる。また、データD1,D2,D3の行方向には、製品の特定方向の特定位置(特定領域)に関するデータが並んでいる。
前記した「製品の特定方向の特定位置に関するデータ」とは、例えば最終製品を特定方向(例えば長さ方向)に分割した際のどの位置であるかを表す番号、座標等が挙げられる。図2に例示したような二次元データが、後記する品質予測モデルを作成する際の入力データとなる。なお、データ作成部31は、作成した二次元データを記憶部20に一時的に保存してもよい。
図2に示したデータD1,D2,D3は、同じ製品(例えばコイル)に関するデータでもよく、異なる製品に関するデータでもよい。データD1,D2,D3が同じ製品に関するデータである場合、データD1は、例えば前記した製品の位置「1~100」までの各工程の操業条件データが行方向に並んだデータとなる。また、データD2は、前記した製品の位置「101~200」までの各工程の操業条件データが行方向に並んだデータとなる。そして、データD3は、前記した製品の位置「201~300」までの各工程の操業条件データが行方向に並んだデータとなる。
データ作成部31が二次元データの作成の際に用いる、最終工程後の最終製品の長さ方向の操業条件データは、予め定めた単位長さごとに収集され、上記式(1)のMは所定長に設定される。これにより、最終製品の長さ方向Mmごと、言い換えるとデータ行M個ごとに、行列方式で二次元データが作成される。また、前記した「単位長さ」は例えば1mに設定することができ、前記した「所定長」は例えば100mに設定することができる。この場合、例えば図2のAに相当する長さは1mであり、Bに相当する長さは100mとなる。
前記「単位長さ」内の値は、観測データの平均値を基本として扱う。また、項目全体のうちの一部に、最大値を取る項目もしくは最小値を取る項目を含めてもよい。前記「単位長さ」の特徴として、最終工程で製造される鋼板の単位長さは、品質予測モデルを作成するために必要な品質データの長さ方向のデータ収集周期に応じた最小単位の限界がある。また、「単位長さ」は、途中工程で得られる長さ方向の操業条件データの、最終工程の単位長さに対応したデータ収集周期よりも、長い単位であることが好ましく、予測の対象のデータ収集周期に応じて個別に設定される。
また、前記「所定長Mm」は、コイル内位置を可能な限り詳細に特定するにあたっては、小さな値であることが好ましい。一方で、高い品質予測性能を実現するには、操業条件データの変動の特徴が表れる最低限の長さが必要である。従って、「所定長Mm」は、位置特定の要求と入力データの特徴に応じた適切な値があり、予測の対象や目的に応じて個別に設定される。
このように、データ作成部31は、所定長(例えば100m)ごとの品質に対して、最終製品の長さ方向の予め定めた単位長さ(例えば1m)ごとに、各工程における操業条件データと品質データとを紐づけて、二次元データを作成する。
データ作成部31で作成された二次元データには、潜在的な情報として、製品の特定方向に対する操業条件の変動情報と、データ構造上で近傍にある操業条件間の関係性の情報とが含まれていると見做すことができる。従って、品質予測モデルに対する入力データを二次元化し、通常の一次元データよりも、製品の特定方向に対する操業条件の情報量を増加させることにより、品質の良否に関係する操業変動のパターンを捉えやすくなる。
ここで、データ作成部31は、通常は、操業条件データ列を製造工程の上流側から下流側へと順に並べたものを用いて二次元データを作成するが、後記する品質予測モデルによる予測精度が向上するように、各工程における操業条件データの並び順を決定し、決定した並び順で最終製品の品質データと紐づけて、二次元データを作成してもよい。
二次元データ(図2参照)における複数の操業条件データ列の並び順が、製品の品質の良否に対して関係性を有する場合、操業条件データ列の並び順によって、特定の二次元的パターンに対して反応して情報を伝達する品質予測モデル特徴判別層が、操業条件データ間の関係性の情報のパターンを一層判別しやすくなる状況が発生し得る。
そのため、データ作成部31は、二次元データを作成する際に、当初は製造工程順に並んでいた操業条件データ列の並び順を、予測精度が最も高くなるように、例えば最適化アルゴリズムによって探索して並び替えてもよいし、あるいは品質に関する各操業条件データ間の関連性の知見等に応じて並び替えてもよい。このように、二次元データを作成する際の操業条件データの並び順を最適化することにより、製品の品質の予測精度をより向上させることができる。
モデル作成部32は、データ作成部31が作成した二次元データを用いて、任意の要求条件に対する製品の品質を予測する品質予測モデルを作成する。この品質予測モデルは、入力部分、特徴判別部分、予測判定部分および出力部分で構成される。
入力部分では、前記した図2に示すように、製品の特定方向(例えば製品の長さ方向)の位置座標を行方向、各操業条件を列方向とする二次元行列の構造を有する二次元データが入力される。
特徴判別部分では、入力データの二次元的特徴のパターンを捉えて特徴判別するように、モデルの学習が実施される。これにより、特定の二次元パターンに対して反応して情報を伝達する特徴判別層が形成される。この特徴判別層は複数層分形成され、ある層から次の層へと順次情報を伝達する。また、情報を渡す入力部分に接続された層から、情報を受ける予測判定部分に接続された層に向かって情報を伝達する。
予測判定部分では、品質に影響を及ぼす複数の操業条件の複雑なパターンを基に、二次元データの入力に対して、品質判定予測結果を出力する。
本実施形態では、ニューラルネットワーク構造のアルゴリズムの一種である畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network(以下、「CNN」という))を利用して品質予測モデルを構築する。CNNは、人間の脳の神経回路網と呼ばれる神経細胞(ニューロン)からなるネットワーク構造とその学習機構を模した機械学習アルゴリズムである。CNNは、入力層、畳み込み層、プーリング層、全結合層および出力層から構成される。
CNNでは、畳み込み層で入力データの一部の領域ごとにカーネルと呼ばれるフィルタを適用することにより、データの畳み込みを行い、特徴抽出を行って特徴マップ(「要素」ともいう)を構成する。フィルタの数は複数であってもよく、その場合は構成される特徴マップの数も複数になる。CNNの学習においては、フィルタのパラメータを自動的に学習する。
プーリング層では、畳み込みによって得られた各々の特徴マップのサイズを縮約する。畳み込み層およびプーリング層は、交互にそれぞれ同数の複数層で構成してもよい。全結合層では、特徴マップの組み合わせから、特定の予測結果に分類するための識別を行う。例えば鉄鋼製品の場合、前記した「特定の予測結果」としては、表面欠陥等の品質不良の有無が挙げられる。
このように、品質予測モデルの作成にCNNを適用することにより、入力データに対する特徴的なパターンを抽出し、そのパターンによって高精度に識別される分類を出力データとして得ることができる。本実施形態では、品質に影響を及ぼす複数の操業条件の複雑なパターンを、各操業条件の一次元入力に対して品質不良発生の有無の分類確率を出力とするCNN(一次元CNN)によって識別を行う。この場合、品質不良発生の分類確率が、任意の値p(0≦p≦1)未満の場合は「品質不良なし」と分類し、当該分類確率が任意の値p以上の場合は「品質不良あり」と分類するように、分類確率の閾値を設定する。
図3は、二次元データの入力に対して品質を予測するCNNモデルの概要を示している。同図の「入力」では、説明の便宜上、列方向と行方向のデータの並べ方を、図2から変更している。すなわち、同図では、列方向に製品の特定方向位置が並んでおり、行方向に各工程の操業条件データが並んでいる。また、同図の「入力」において太枠で示した領域は、CNNへのデータの入力単位であり、例えば図2のデータD1,D2,D3のそれぞれに対応している。
モデル作成部32は、データ作成部31で作成した二次元データを入力データとして、製品の品質カテゴリごとの欠陥発生確率スコアを出力データとして、特定方向の特定位置ごとの品質を予測する品質予測モデルを機械学習(CNN)によって作成する。なお、「品質カテゴリごとの欠陥発生確率スコア」とは、例えば「欠陥Aの発生確率が70%」、「欠陥Bの発生確率が30%」等のように、複数種類の欠陥の有無に関する分類確率のことを示している。
品質予測部33は、最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における一以上の操業条件データと最終製品の品質データとが紐づけられた二次元データを入力することにより、対象製品の欠陥発生確率スコアを予測する。すなわち、品質予測部33では、モデル作成部32で作成された品質予測モデルに対して、図2に示すような、品質を予測したい製品の特定方向の特定位置の座標と、複数の操業条件とからなる二次元構造のデータを入力することにより、対象製品の欠陥発生確率スコアを出力させる。
そして、品質予測部33は、品質予測結果である欠陥発生確率スコアを、表示部40に表示させる。この場合、品質予測部33は、対象製品に関する情報を閲覧できる表示部40に、品質不良なしの予測結果の場合には○印を表示させ、品質不良ありの予測結果の場合には×印を表示させてもよく、あるいは品質不良ありの予測結果の場合にのみ「対象製品は品質不良発生が予測される」等といった文言を表示させてもよい。
ここで、品質予測部33は、モデル作成部32で作成された品質予測モデルに対して、最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、製品の製造途中工程までの実績操業条件と、その後の工程について標準条件として設定された設定操業条件とを入力データとして入力することにより、実績操業条件および設定操業条件で製造した場合の対象製品の欠陥発生確率スコアを予測してもよい。
この場合、品質予測部33は、製品を製造するための工程として、一番目の工程からK番目の工程までのK個の工程を実施する際に、一番目の工程1からk番目(1≦k≦K)の工程kまでの実績操業条件データと、k+1番目の工程(k+1)からK番目の工程Kまでの設定操業条件データとを入力データとして、品質予測モデルによる予測を行う。
影響度算出部34は、機械学習アルゴリズムに対する入力データの相対的影響度(相対的影響度評価値)を算出する。影響度算出部34は、具体的には、品質予測部33によって予測された欠陥発生確率スコアが所定の値を超える場合に、欠陥発生確率スコアに対する各設定操業条件の相対的影響度を算出する。
影響度算出部34は、製品の品質を予測する品質予測モデルに対して、各設定操業条件の相対的影響度を算出する数理手法を適用する。この数理手法としては、例えばGrad-CAM(Gradient-weighted Class Activation Mapping)、Guided Grad-CAM等を用いることができる。本実施形態では、この数理手法として、以下の参考文献1に記載されたGrad-CAM(Gradient-weighted Class Activation Mapping)を用いる。
参考文献1:Ramprasaath R. Selvaraju, et al.「Grad-CAM: Visual Explanations from Deep Networks via Gradient-based Localization」,2017,IEEE International Conference on Computer Vision(ICCV)
影響度算出部34は、以下の手順により、欠陥発生確率スコアに対する各設定操業条件の相対的影響度を算出する。
(1)学習済みのCNNにおいて、特定分類クラス判定の出力(特定の品質カテゴリの欠陥発生確率スコア)を、最終畳み込み層の一つの特徴マップの一箇所(一ピクセル)の値について微分し、当該ピクセル値を微小変化させた場合の欠陥発生確率スコアの変化率を表す微分係数を求める。
(2)全ピクセルの微分係数の平均を取ることにより、特定分類クラス判定に応じた一つの特徴マップに対する重み係数を求める。
(3)最終畳み込み層の全ての特徴マップにそれぞれ重み係数をかけて平均を計算する。これにより、特定クラスに分類するために重要な特徴マップが重視された、重ね合わせとなる。
(4)活性化関数ReLU(ランプ関数)を通して、0から1までの範囲の実数値を取る相対的影響度を算出する。
ここで、上記演算では、最終畳み込み層との関係で特定分類クラスの出力への影響を評価しているが、最終畳み込み層は、入力層から複数の畳み込み層とプーリング層とを経て得られる。そのため、最終畳み込み層のサイズは、入力層をサイズ的に縮約したものとなっている。従って、縮約されたサイズの大きさだけ拡張することにより、入力との対応を明確に付けることが可能である。
操業条件提示部35は、影響度算出部34によって算出された相対的影響度に基づいて、欠陥発生確率スコアが所定の値以下となるような設定操業条件を探索し、探索した設定操業条件を、表示部40を介して提示する。
操業条件提示部35は、影響度算出部34によって相対的影響度を算出した設定操業条件のうち、欠陥発生確率スコアの値が、予め定めた所定の値を超える設定操業条件を変更しながら、当該設定操業条件を実績操業条件とともに品質予測モデルに対して入力して品質予測を行う。これにより、欠陥発生確率スコアが所定の値以下となるような設定操業条件を探索する。
操業条件提示部35は、以下の手順により、設定操業条件を探索して提示する。
(1)影響度算出部34によって算出された相対的影響度から、k+1番目の工程(k+1)からK番目の工程Kまでの設定操業条件の項目のみを抽出する。
(2)上記(1)で抽出した各項目の相対的影響度を、その値が大きい項目順に並べ替える。
(3)上記(2)で並べ替えた項目の上位から順に、設定変更の可否を任意の方法で判定する。なお、「設定変更の可否」とは、その設定操業条件の値を操作(変更)できるか否かを示している。例えば例えばある設備の状態を単純に計測することを目的としており、操作ができないような設定操業条件は、「設定変更不可」と判定される。
(4)上記(3)で設定変更可能な項目が初めて判定された際に、その項目を操作可能な設定操業条件と決定する。
(5)上記(4)で決定された操作可能な設定操業条件については現在の値から別の値に変更し、他の設定操業条件については現在の値のままとして、これらの設定操業条件と工程kまでの実績操業条件を合わせて品質予測モデルに入力し、品質予測結果を出力する。
(6)上記(5)で出力された品質予測結果を、予め設定された品質管理範囲と照合する。
(7)上記(6)において、品質予測結果が品質管理範囲内に収まっている場合、上記(5)で変更した値を設定操作条件として、表示部40を介して提示する。
(8)上記(6)において、品質予測結果が品質管理範囲内に収まっていない場合、上記(5)に戻り、操作可能な設定操業条件の値を更に別の値に変更し、以降の(6)を繰り返す。なお、上記(5)、(6)を繰り返す場合、例えば反復法等の最適化手法を用いてもよい。
ここで、上記の手順(2)~(5)では、相対的影響度が最も大きい(かつ設定変更可能な)一つの設定操業条件のみを別の値に変更しているが、相対的影響度が予め設定された値よりも大きい(かつ設定変更可能な)複数の設定操業条件をそれぞれ別の値に変更してもよい。
表示部40は、例えばLCDディスプレイ、CRTディスプレイ等の表示装置によって実現される。表示部40は、演算部30から入力される表示信号をもとに、例えば品質予測部33による品質予測結果、影響度算出部34による相対的影響度の算出結果、操業条件提示部35による設定操業条件の探索結果等を、文字や図形等形式で表示する。
〔モデル作成方法〕
実施形態に係る品質予測モデルの作成方法(以下、「モデル作成方法」という)について、図4を参照しながら説明する。モデル作成方法では、データ収集ステップ(ステップS1)と、データ作成ステップ(ステップS2)と、モデル作成ステップ(ステップS3)とを行う。
(データ収集ステップ)
データ収集ステップにおいて、データ作成部31は、複数の工程における操業条件データおよび品質データを、操業DB21から収集する(ステップS1)。
(データ作成ステップ)
データ作成ステップにおいて、データ作成部31は、最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における操業条件データと品質データとを紐づけて、二次元データを作成する(ステップS2)。
(モデル作成ステップ)
モデル作成ステップにおいて、モデル作成部32は、ステップS2で作成した二次元データを入力とし、対象製品の欠陥発生確率スコアを出力とし、特定方向の特定位置ごとの品質を予測する品質予測モデルを、例えばCNNを用いて作成する。以上により、モデル作成方法の処理は完了する。
〔品質予測方法〕
実施形態に係る品質予測方法について説明する。品質予測方法では、モデル作成方法の各ステップ(データ収集ステップ、データ作成ステップおよびモデル作成ステップ)に加えて、品質予測ステップを行う。
データ収集ステップ、データ作成ステップおよびモデル作成ステップは、前記したモデル作成方法と同様であるため、説明を省略する。また、データ収集ステップ、データ作成ステップおよびモデル作成ステップについては、それ以外のステップとは別のタイミングで予め実施してもよい。
(品質予測ステップ)
品質予測ステップにおいて、品質予測部33は、品質予測モデルに対して、最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における操業条件データと品質データとが紐づけられた二次元データを入力することにより、対象製品の欠陥発生確率スコアを予測する。以上により、品質予測方法の処理は完了する。
〔操業条件提示方法〕
実施形態に係る操業条件提示方法について説明する。操業条件提示方法では、品質予測方法の各ステップ(データ収集ステップ、データ作成ステップ、モデル作成ステップおよび品質予測ステップ)に加えて、影響度算出ステップおよび設定操業条件探索ステップを行う。
データ収集ステップ、データ作成ステップ、モデル作成ステップおよび品質予測ステップは、前記した品質予測方法と同様であるため、説明を省略する。また、データ収集ステップ、データ作成ステップ、モデル作成ステップおよび品質予測ステップについては、それ以外のステップとは別のタイミングで予め実施してもよい。
(影響度算出ステップ)
影響度算出ステップにおいて、影響度算出部34は、品質予測モデルが品質不良発生と予測したか否か、すなわち品質予測モデルに入力した実績操業条件および設定操業条件のもとで品質不良が発生するか否かを判定する。品質不良が発生すると判定した場合、影響度算出部34は、学習済みの品質予測モデルをもとに、欠陥発生確率スコアに対する各設定操業条件の相対的影響度を算出する。
(設定操業条件探索ステップ)
設定操業条件探索ステップにおいて、操業条件提示部35は、品質予測モデルに入力された設定操業条件のうち、相対的影響度の大きい設定操業条件の値を変更しながら、品質予測モデルによって欠陥発生確率スコアを予測する。続いて、操業条件提示部35は、欠陥発生確率スコアが目標範囲内になると予測された際の設定操業条件を、表示部40を介して提示する。以上により、操業条件提示方法の処理は完了する。
なお、操業条件提示方法では、設定操業条件探索ステップの後に、当該設定操業条件探索ステップで提示された操業条件に基づいて、その後の工程を実行して鉄鋼製品を製造する製品製造ステップを更に実施してもよい。
〔実施例〕
本発明の実施例について説明する。本実施例では、実施形態に係る品質予測方法を、鉄鋼製品に関するデータに対して適用した。具体的には、鋼板の製造において、製鋼工程、熱延工程、冷延工程および表面処理工程を通過した製品の実績データに対して、表面処理工程を通過後の鋼板の表面に発生した表面欠陥を予測した。
データ収集ステップでは、製鋼工程における操業条件データ(製品厚、製品幅、製品長、鋼中成分、鋳造速度、…)と、熱延工程における操業条件データ(製品厚、製品幅、製品長、製品温度、圧延速度、…)と、冷延工程における操業条件データ(製品厚、製品幅、製品長、圧延速度、…)と、表面処理工程における操業条件データ(製品厚、製品幅、製品長、表面処理炉中温度、表面処理速度、…)と、表面処理工程の終了時に検査した鋼板の表面欠陥検査結果データ(品質データ)と、を収集した。このとき、表面処理工程における製品の長さ方向の1mごとに相当する間隔でデータを収集した。すなわち、前記した「単位長さ」を1mに設定した。
データ作成ステップでは、前記した製鋼工程、熱延工程、冷延工程および表面処理工程における操業条件データおよび表面処理工程終了時における表面欠陥検査結果データを紐付け、記憶部20に保存した。このとき、製品データの長さ方向の領域を、100mごとに区切って保存した。すなわち、前記した「所定長」を100mに設定した。
モデル作成ステップでは、表面処理工程通過後の鋼板の長さ方向の位置を行方向に、工程の操業条件データを列方向に並べた二次元入力に対して、表面欠陥発生の有無の分類確率(欠陥発生確率スコア)を出力する二次元CNNを適用した品質予測モデルを作成した。モデル作成ステップでは、約400製品分相当のデータで、100m毎区切りにすると5367個のデータのサンプルを用いた。この品質予測モデルでは、表面欠陥発生の分類確率が0.5未満である場合は「表面欠陥なし」と分類予測し、分類確率が0.5以上である場合は「表面欠陥あり」と分類予測するように、分類確率の閾値を設定した。
品質予測ステップでは、作成された品質予測モデルを用いて、任意の約500製品分相当のデータであって、かつ100mごとに区切られた627個の入力データのサンプルに対して、品質予測の正答率を検証した。その結果、以下の表1に示すように、正答率は74.2%であった。
Figure 2023028246000003
二次元CNNの予測正答率を比較評価するために、二次元CNNと同一の約400製品分相当のデータによって、1mごとの多工程にわたる操業条件項目列による一次元入力に対するCNNを適用した品質予測モデルを作成し、表面欠陥発生有無の予測の正答率を検証した結果も示す。一次元入力では、特徴マップも一次元となり、製品データの長さ方向のパターンを抽出することはできない。二次元CNNと同一の約50製品分相当のデータを用いて、一次元CNNによる表面欠陥発生有無を予測した結果、正答率は70.0%であった。
従って、二次元CNNによって、長さ方向の情報を考慮することにより、データが持つ特徴をより多く捉えることができ、同一データ群からの予測性能を向上することができた。
このように、本発明によって作成した品質予測モデルに対して、品質不良の一種である表面欠陥発生要因を抽出したい対象の操業条件データを入力することにより、製品の製造完了前に表面欠陥発生の発生を予測することが可能となった。
以上説明した実施形態に係る品質予測モデルの作成方法、品質予測方法、操業条件提示方法、品質予測モデルの作成装置、品質予測装置および操業条件提示装置によれば、最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における一以上の操業条件と最終製品の品質とを紐づけた二次元データを入力データとして学習させることにより、製品の品質を高精度に予測可能な品質予測モデルを作成することができる。
すなわち、実施形態に係る品質予測モデルの作成方法、品質予測方法、操業条件提示方法、品質予測モデルの作成装置、品質予測装置および操業条件提示装置では、互いに対応する操業条件データと品質データとを、最終製品の特定方向の特定位置に対応付けて紐付けることにより、二次元データを作成し、この二次元データを用いて、各工程の操業条件および製品の特定方向の特定位置の情報を、その周辺情報も含めて一括で入力し、製品の品質を予測する高精度な品質予測モデルを作成する。これにより、任意の操業条件および製品の特定方向の特定位置の情報から、高い精度で製品の品質を予測できるようになる。従って、最終工程後に完成する最終製品が品質不良となるか否かを。従来よりも高精度に事前判定することが可能となる。
以上、本発明に係る品質予測モデルの作成方法、品質予測方法、操業条件提示方法、品質予測モデルの作成装置、品質予測装置および操業条件提示装置について、発明を実施するための形態および実施例により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
1 情報処理装置
10 入力部
20 記憶部
21 操業DB
30 演算部
31 データ作成部
32 モデル作成部
33 品質予測部
34 影響度算出部
35 操業条件提示部
40 表示部

Claims (13)

  1. 複数の工程を経て製造される製品の品質予測モデルの作成方法であって、
    最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における一以上の操業条件と前記最終製品の品質とを紐づけて、二次元データを作成するデータ作成ステップと、
    前記二次元データを入力データとして、製品の欠陥発生確率スコアを出力データとして、前記特定方向の特定位置ごとの品質を予測する品質予測モデルを機械学習によって作成するモデル作成ステップと、
    を含む品質予測モデルの作成方法。
  2. 前記最終製品の品質は、予め定めた所定長ごとに取得され、
    前記データ作成ステップは、前記所定長ごとの品質に対して、前記最終製品の長さ方向の予め定めた単位長さごとに、各工程における一以上の操業条件と前記最終製品の品質とを紐づけて、前記二次元データを作成する、
    請求項1に記載の品質予測モデルの作成方法。
  3. 前記データ作成ステップは、前記品質予測モデルによる予測精度が向上するように、各工程における操業条件の並び順を決定し、決定した並び順で前記最終製品の品質と紐づけて、前記二次元データを作成する請求項1または請求項2に記載の品質予測モデルの作成方法。
  4. 前記モデル作成ステップは、畳み込みニューラルネットワークを用いてモデルを作成する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の品質予測モデルの作成方法。
  5. 前記製品は、複数の工程を経て製造される鉄鋼製品であり、
    前記複数の工程には、製銑、製鋼、熱延、冷延、焼鈍および表面処理のいずれか一つ以上の工程が含まれる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の品質予測モデルの作成方法。
  6. 前記操業条件は、各工程において標準条件として設定された設定操業条件、または各工程において計測された実績操業条件である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の品質予測モデルの作成方法。
  7. 前記実績操業条件は、計測されたデータの平均値、最大値または最小値である請求項6に記載の品質予測モデルの作成方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の品質予測モデルの作成方法で作成された品質予測モデルに対して、最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における一以上の操業条件と前記最終製品の品質とが紐づけられた二次元データを入力することにより、製品の欠陥発生確率スコアを予測する品質予測ステップを含む品質予測方法。
  9. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の品質予測モデルの作成方法で作成された品質予測モデルに対して、最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、製品の製造途中工程までの実績操業条件と、その後の工程について標準条件として設定された設定操業条件とを入力することにより、前記実績操業条件および前記設定操業条件で製造した場合の前記製品の欠陥発生確率スコアを予測する品質予測ステップと、
    前記欠陥発生確率スコアが所定の値以下となるような設定操業条件を探索する操業条件探索ステップと、
    探索した前記設定操業条件を提示する操業条件提示ステップと、
    を含む操業条件提示方法。
  10. 前記操業条件探索ステップは、前記設定操業条件のうち、前記欠陥発生確率スコアの値が所定の値を超える設定操業条件を変更しながら、前記実績操業条件とともに前記品質予測モデルに対して入力することにより、前記欠陥発生確率スコアが所定の値以下となるような前記設定操業条件を探索する請求項9に記載の操業条件提示方法。
  11. 複数の工程を経て製造される製品の品質予測モデルの作成装置であって、
    最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における一以上の操業条件と前記最終製品の品質とを紐づけて、二次元データを作成するデータ作成手段と、
    前記二次元データを入力データとして、製品の欠陥発生確率スコアを出力データとして、前記特定方向の特定位置ごとの品質を予測する予測モデルを機械学習によって作成するモデル作成手段と、
    を備える品質予測モデルの作成装置。
  12. 請求項11に記載の品質予測モデルの作成装置で作成された品質予測モデルに対して、最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、各工程における一以上の操業条件と前記最終製品の品質とが紐づけられた二次元データを入力することにより、製品の欠陥発生確率スコアを予測する品質予測手段を備える品質予測装置。
  13. 請求項11に記載の品質予測モデルの作成装置で作成された品質予測モデルに対して、最終工程後の最終製品の特定方向の特定位置ごとに、製品の製造途中工程までの実績操業条件と、その後の工程について標準条件として設定された設定操業条件とを入力することにより、前記実績操業条件および前記設定操業条件で製造した場合の前記製品の欠陥発生確率スコアを予測する品質予測手段と、
    前記欠陥発生確率スコアが所定の値以下となるような設定操業条件を探索する操業条件探索手段と、
    探索した前記設定操業条件を提示する操業条件提示手段と、
    を備える操業条件提示装置。
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