JP2023025740A - 液体吐出装置および液体吐出ヘッド - Google Patents

液体吐出装置および液体吐出ヘッド Download PDF

Info

Publication number
JP2023025740A
JP2023025740A JP2021131046A JP2021131046A JP2023025740A JP 2023025740 A JP2023025740 A JP 2023025740A JP 2021131046 A JP2021131046 A JP 2021131046A JP 2021131046 A JP2021131046 A JP 2021131046A JP 2023025740 A JP2023025740 A JP 2023025740A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
liquid ejection
detection resistor
resistance
information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021131046A
Other languages
English (en)
Inventor
優 塩沢
Yu Shiozawa
政貴 森
Masaki Mori
栄樹 平井
Eiki Hirai
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2021131046A priority Critical patent/JP2023025740A/ja
Publication of JP2023025740A publication Critical patent/JP2023025740A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】液体吐出ヘッドにおいて、検出抵抗体の抵抗値と温度との対応関係を簡易な方法で設定することができる技術を提供する。【解決手段】液体吐出装置は、液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドの温度を取得するための温度取得部と、液体吐出ヘッドの吐出動作を制御する制御部と、を備える。液体吐出ヘッドは、複数の圧力室を有する圧力室基板と、個別電極、共通電極および圧電体を備える圧電素子と、圧電体を駆動する電圧を圧電体に印加するための駆動配線と、圧力室内の温度を取得するための検出抵抗体とを有する。温度取得部は、記憶部に予め記憶された検出抵抗体の第1抵抗温度係数に関する第1係数情報を、吐出動作よりも前に取得し、吐出動作中に、検出抵抗体の抵抗値に関する吐出時抵抗情報を取得し、取得した第1係数情報および吐出時抵抗情報を用いて、吐出動作中の圧力室内の吐出時温度を取得する第1温度取得動作を実行可能である。【選択図】図2

Description

本開示は、液体吐出装置および液体吐出ヘッドに関する。
液体吐出ヘッドが搭載されたキャリッジの側面に温度検出部を備える液体吐出装置が知られている(例えば、特許文献1)。この液体吐出装置は、温度検出部により検出された環境温度に基づいて、圧電素子に印加するメンテナンス用駆動パルスの印加数を変更する。
特開2011-104916号公報
しかしながら、液体吐出ヘッドの外部に温度検出部を設けると、圧力室内のインクの温度の検出精度が低下する可能性がある。そのため、温度検出部を液体吐出ヘッド内に配置したいといった要望がある。そこで、発明者らは、抵抗配線を液体吐出ヘッドの内部に配置して、抵抗配線の抵抗値と温度との対応関係を用いて圧力室内のインクの温度を取得することを新たに見出した。しかしながら、抵抗値と温度との対応関係を簡易な方法により設定したいといった要望がある。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
本開示の第1の形態によれば、液体吐出装置が提供される。この液体吐出装置は、液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドの温度を取得するための温度取得部と、前記液体吐出ヘッドの吐出動作を制御する制御部と、を備える。前記液体吐出ヘッドは、複数の圧力室を有する圧力室基板と、前記圧力室基板に積層される圧電素子であって、前記複数の圧力室のそれぞれに対して個別に設けられる個別電極、前記複数の圧力室に対して共通に設けられる共通電極、および、前記圧電素子の積層方向において前記個別電極と前記共通電極との間に設けられ、前記圧力室内の液体に圧力を付与するための圧電体、を備える圧電素子と、前記個別電極および前記共通電極と電気的に接続され、前記圧電体を駆動する電圧を前記圧電体に印加するための駆動配線と、前記個別電極、前記共通電極、および前記駆動配線のいずれかと同じ材料で形成され、前記圧力室内の温度を取得するための検出抵抗体と、を有する。前記温度取得部は、記憶部に予め記憶された、前記検出抵抗体の第1抵抗温度係数に関する第1係数情報を、前記液体吐出ヘッドの吐出動作よりも前に取得し、前記液体吐出ヘッドの吐出動作中に、前記検出抵抗体の抵抗値に関する吐出時抵抗情報を取得し、取得した前記第1係数情報および前記吐出時抵抗情報を用いて、前記液体吐出ヘッドの吐出動作中の前記圧力室内の吐出時温度を取得する第1温度取得動作を実行可能である。
本開示の第2の形態によれば、液体吐出ヘッドが提供される。この液体吐出ヘッドは、複数の圧力室を有する圧力室基板と、前記圧力室基板に積層される圧電素子であって、前記複数の圧力室のそれぞれに対して個別に設けられる個別電極、前記複数の圧力室に対して共通に設けられる共通電極、および、前記圧電素子の積層方向において前記個別電極と前記共通電極との間に設けられ、前記圧力室内の液体に圧力を付与するための圧電体、を備える圧電素子と、前記個別電極および前記共通電極と電気的に接続され、前記圧電体を駆動する電圧を前記圧電体に印加するための駆動配線と、前記個別電極、前記共通電極、前記駆動配線のいずれかと同じ材料で形成され、前記圧力室内の温度を検出するための検出抵抗体と、前記検出抵抗体の第1抵抗温度係数に関する第1係数情報が記憶された記憶部と、を備える。
本開示の第1実施形態としての液体吐出装置の概略構成を示す説明図。 液体吐出装置の機能構成を示すブロック図。 液体吐出ヘッドの構成を示す分解斜視図。 液体吐出ヘッドの構成を平面視で示す説明図。 図4のIV-IV位置を示す断面図。 圧電素子の近傍を拡大して示す断面図。 図4のVI-VI位置を示す断面図。 温度取得部によって実行される第1温度演算式の生成方法を示すフロー図。 液体吐出ヘッドの製造条件と、テストパターンの抵抗値との対応関係を示すグラフ。 液体吐出ヘッドの製造条件と、テストパターンの抵抗温度係数との対応関係を示すグラフ。 テストパターンの抵抗値と、テストパターンの抵抗温度係数との対応関係を示すグラフ。 液体吐出装置が実行する第1温度取得動作および吐出動作制御を示すフロー図。 第2実施形態としての液体吐出装置の全体構成を示す説明図。 液体吐出装置の初期設定を示すフロー図。 液体吐出装置が実行する第2温度取得動作および吐出動作制御を示すフロー図。 第3実施形態としての液体吐出装置の内部機能構成を示す説明図。
A.第1実施形態:
図1は、本開示の第1実施形態としての液体吐出装置500の概略構成を示す説明図である。本実施形態において、液体吐出装置500は、液体の一例としてのインクを印刷用紙Pに吐出して画像を形成するインクジェット式プリンターである。液体吐出装置500は、印刷用紙Pに代えて、樹脂フィルム、布帛等の任意の種類の媒体を、インクの吐出対象としてもよい。図1ならびに図1以降の各図に示すX、Y、Zは、互いに直交する3つの空間軸を表している。本明細書では、これらの軸に沿った方向をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向とも呼ぶ。向きを特定する場合には、正の方向を「+」、負の方向を「-」として、方向表記に正負の符合を併用し、各図の矢印が向かう向きを+方向、その反対方向を-方向として説明する。本実施形態では、Z方向は、鉛直方向と一致しており、+Z方向は鉛直下向き、-Z方向は鉛直上向きを示す。さらに、正方向及び負方向を限定しない場合には、3つのX、Y、ZがX軸、Y軸、Z軸であるとして説明する。
図1に示すように、液体吐出装置500は、液体吐出ヘッド510と、温度取得部400と、制御部580と、インクタンク550と、搬送機構560と、移動機構570と、制御部580とを備えている。液体吐出ヘッド510は、検出抵抗体401を有している。本実施形態では、温度取得部400は、液体吐出ヘッド510に備えられている。液体吐出ヘッド510には、複数のノズルが形成されており、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの合計4色のインクを+Z方向に吐出して、印刷用紙P上に画像を形成する。液体吐出ヘッド510は、キャリッジ572に搭載され、キャリッジ572の移動と共に主走査方向に往復移動する。本実施形態において、主走査方向は、+X方向および-X方向である。液体吐出ヘッド510は、4色に限らずライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイトなど、任意の色のインクを吐出してもよい。
インクタンク550は、液体吐出ヘッド510から吐出されるインクを収容する。インクタンク550は、樹脂製のチューブ552によって液体吐出ヘッド510と接続されている。インクタンク550のインクは、チューブ552を介して液体吐出ヘッド510へと供給される。インクタンク550に代えて、可撓性フィルムで形成された袋状の液体パックが備えられてもよい。
搬送機構560は、印刷用紙Pを副走査方向に搬送する。副走査方向は、主走査方向であるX軸方向と交差する方向であり、本実施形態では、+Y方向および-Y方向である。搬送機構560は、3つの搬送ローラー562が装着された搬送ロッド564と、搬送ロッド564を回転駆動する搬送用モーター566とを備える。搬送用モーター566が搬送ロッド564を回転駆動することにより、印刷用紙Pは、副走査方向である+Y方向に搬送される。搬送ローラー562の数は、3つに限らず任意の数であってもよい。また、搬送機構560を複数備える構成としてもよい。
移動機構570は、キャリッジ572に加えて、搬送ベルト574と、移動用モーター576と、プーリー577とを備える。キャリッジ572は、インクを吐出可能な状態で液体吐出ヘッド510を搭載する。キャリッジ572は、搬送ベルト574に固定されている。搬送ベルト574は、移動用モーター576と、プーリー577との間に架け渡されている。移動用モーター576が回転駆動することにより、搬送ベルト574は、主走査方向に往復移動する。これにより、搬送ベルト574に固定されているキャリッジ572も、主走査方向に往復移動する。
制御部580は、液体吐出装置500の全体を制御する。制御部580は、例えば、キャリッジ572の主走査方向に沿った往復動作や、印刷用紙Pの副走査方向に沿った搬送動作、液体吐出ヘッド510の吐出動作を制御する。制御部580は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の1または複数の処理回路と、半導体メモリー等の1または複数の記憶回路とにより構成されてよい。
図2は、液体吐出装置500の機能構成を示すブロック図である。図2では、インクタンク550と、搬送機構560と、移動機構570との構成は省略されている。本実施形態の液体吐出ヘッド510には、圧電素子300と、検出抵抗体401と、温度取得部400とが備えられている。
圧電素子300は、後述するように、液体吐出ヘッド510の圧力室内のインクに圧力変化を生じさせる。検出抵抗体401は、圧電素子300に対応して設けられている抵抗配線である。検出抵抗体401は、圧電素子300に対応する圧力室の温度を検出するために用いられる。本実施形態では、金属や半導体等の電気抵抗値が温度によって変化する特性を利用して検出抵抗体401の温度を検出する。
温度取得部400は、検出抵抗体401を用いて、圧力室の温度を取得する。温度取得部400は、電流印加回路430と、電圧検出回路440と、温度演算部450と、記憶部460と、を備えている。電流印加回路430は、検出抵抗体401に電流を印加する。本実施形態では、電流印加回路430は、検出抵抗体401に予め定められた一定の電流を流す定電流回路である。電圧検出回路440は、電流の印加によって検出抵抗体401に発生した電圧の電圧値を検出する。
記憶部460としては、例えば、EEPROMのような電気信号で消去可能な不揮発性メモリーやOne-Time-PROM、EPROM等、紫外線で消去可能な不揮発性メモリー、PROMのような消去不可能な不揮発性メモリーを用いることができる。記憶部460には、本実施形態において温度取得部400によって提供される機能を実現するための各種プログラムが格納されている。温度取得部400のCPUが記憶部460に格納されている各種プログラムを実行することによって、温度演算部450として機能する。
温度演算部450は、検出抵抗体401の電気抵抗値の取得と、圧力室の温度の検出(推定)とを行う。温度演算部450は、電流印加回路430から検出抵抗体401に印加される電流の電流値と、電流の印加によって検出抵抗体401に発生した電圧の電圧値と、に基づいて検出抵抗体401の抵抗値を取得する。温度演算部450は、取得した検出抵抗体401の抵抗値と、記憶部460に格納された温度演算式を用いて、圧力室の温度を検出(推定)する。温度演算式は、後述するように、検出抵抗体401の電気抵抗値と、温度との対応関係を示している。
温度取得部400は、検出した圧力室の温度を制御部580に出力する。本実施形態では、制御部580は、温度取得部400から取得した圧力室の温度に基づく駆動信号を液体吐出ヘッド510に出力して圧電素子300を駆動させることにより、印刷用紙Pへのインクの吐出を制御する。
図3から図5を参照して液体吐出ヘッド510の詳細な構成について説明する。図3は、液体吐出ヘッド510の構成を示す分解斜視図である。図4は、液体吐出ヘッド510の構成を平面視で示す説明図である。図4では、液体吐出ヘッド510における圧力室基板10周辺の構成が示されている。図4では、技術の理解を容易にするために、保護基板30、ケース部材40が省略されている。図5は、図4のIV-IV位置を示す断面図である。
液体吐出ヘッド510は、図3に示すように、圧力室基板10と、連通板15と、ノズルプレート20と、コンプライアンス基板45と、保護基板30と、ケース部材40と、中継基板120と、を有し、さらに、図4に示す圧電素子300と、図5に示す振動板50と、を有している。圧力室基板10、連通板15、ノズルプレート20、コンプライアンス基板45、振動板50、圧電素子300、保護基板30、およびケース部材40は、積層部材であり、積層されることで液体吐出ヘッド510を形成する。本開示において、液体吐出ヘッド510を形成する積層部材が積層される方向を、「積層方向」とも呼ぶ。
圧力室基板10は、例えば、シリコン基板、ガラス基板、SOI基板、各種セラミック基板等を用いて形成されている。図4に示すように、圧力室基板10には、複数の圧力室12が、圧力室基板10において予め定められた方向に沿って配列されている。複数の圧力室12が配列される方向を、「配列方向」とも呼ぶ。圧力室12は、平面視においてX軸方向の長さがY軸方向の長さよりも長い長方形状で形成されている。圧力室12の形状は、長方形状には限定されず、平行四辺形状、多角形状、円形状、オーバル形状等であってもよい。ここでいうオーバル形状とは、長方形状を基本として長手方向の両端部を半円状とした形状をいい、角丸長方形状、楕円形状、卵形状などが含まれる。
本実施形態では、複数の圧力室12は、それぞれY軸方向を配列方向とする2つの列で配列されている。図4の例では、圧力室基板10には、Y軸方向を配列方向とする第1圧力室列L1と、Y軸方向を配列方向とする第2圧力室列L2との2つの圧力室列が形成されている。第2圧力室列L2は、第1圧力室列L1の配列方向に交差する方向において、第1圧力室列L1と隣接して配置されている。配列方向に交差する方向を「交差方向」とも呼ぶ。図4の例では、交差方向は、X軸方向であり、第2圧力室列L2は、第1圧力室列L1の-X方向に隣接している。複数の圧力室12は、例えば、1つおきに交差方向に互い違いに配置される、いわゆる千鳥配置に従って複数の圧力室12がY軸方向に沿って複数配列されてもよい。
第1圧力室列L1に属する複数の圧力室12と、第2圧力室列L2に属する複数の圧力室12とは、それぞれ配列方向での位置が互いに一致し、交差方向では互いに隣接するように配置されている。各圧力室列において、Y軸方向で互いに隣接する圧力室12は、後述するように、図7に示す隔壁11によって区画されている。
図3に示すように、圧力室基板10の+Z方向側には、連通板15と、ノズルプレート20及びコンプライアンス基板45とが積層されている。連通板15は、例えば、シリコン基板、ガラス基板、SOI基板、各種セラミック基板、金属基板等を用いた平板状の部材である。金属基板としては、例えば、ステンレス基板等が挙げられる。図5に示すように、連通板15には、ノズル連通路16と、第1マニホールド部17と、第2マニホールド部18と、供給連通路19とが設けられている。連通板15は、熱膨張率が圧力室基板10と略同一の材料を用いることが好ましい。これにより、圧力室基板10及び連通板15の温度が変化した際、熱膨張率の違いに起因する圧力室基板10及び連通板15の反りを抑制することができる。
図5に示すように、ノズル連通路16は、圧力室12と、ノズル21とを連通する流路である。第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18は、複数の圧力室12が連通する共通液室となるマニホールド100の一部として機能する。第1マニホールド部17は、連通板15をZ軸方向に貫通して設けられている。また、第2マニホールド部18は、図5に示すように、連通板15をZ軸方向に貫通することなく、連通板15の+Z方向側の面に設けられている。
供給連通路19は、圧力室12のX軸方向の一方の端部に連通する流路である。供給連通路19は、複数であり、Y軸方向、すなわち配列方向に沿って配列され、圧力室12の各々に個別に設けられている。供給連通路19は、第2マニホールド部18と各圧力室12とを連通して、マニホールド100内のインクを各圧力室12に供給する。
ノズルプレート20は、連通板15を挟んで圧力室基板10とは反対側、すなわち、連通板15の+Z方向側の面に設けられている。ノズルプレート20の材料としては、特に限定されず、例えば、シリコン基板、ガラス基板、SOI基板、各種セラミック基板、金属基板を用いることができる。金属基板としては、例えば、ステンレス基板等が挙げられる。ノズルプレート20の材料としては、ポリイミド樹脂のような有機物などを用いることもできる。ただし、ノズルプレート20は、連通板15の熱膨張率と略同一の材料を用いることが好ましい。これにより、ノズルプレート20及び連通板15の温度が変化した際、熱膨張率の違いに起因するノズルプレート20及び連通板15の反りを抑制することができる。
ノズルプレート20には、複数のノズル21が形成されている。各ノズル21は、ノズル連通路16を介して各圧力室12と連通している。図3に示すように、複数のノズル21は、圧力室12の配列方向、すなわちY軸方向に沿って配列されている。ノズルプレート20には、これら複数のノズル21が列設されたノズル列が2列設けられている。2つのノズル列は、第1圧力室列L1、第2圧力室列L2にそれぞれ対応する。
図5に示すように、コンプライアンス基板45は、ノズルプレート20と共に、連通板15を挟んで圧力室基板10とは反対側、すなわち、連通板15の+Z方向側の面に設けられている。コンプライアンス基板45は、ノズルプレート20の周囲に設けられ、連通板15に設けられた第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18の開口を覆う。本実施形態では、コンプライアンス基板45は、可撓性を有する薄膜からなる封止膜46と、金属等の硬質の材料からなる固定基板47と、を備えている。図5に示すように、固定基板47のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部48となっている。このため、マニホールド100の一方面は、封止膜46のみで封止されたコンプライアンス部49となっている。
図5に示すように、圧力室基板10を挟んでノズルプレート20等とは反対側、すなわち圧力室基板10の-Z方向側の面には、振動板50と、圧電素子300とが積層されている。圧電素子300は、振動板50を撓み変形させて圧力室12内のインクに圧力変化を生じさせる。図5では、技術の理解を容易にするために、圧電素子300の構成については簡略化して示している。振動板50は、圧電素子300の+Z方向側に設けられ、圧力室基板10は、振動板50の+Z方向側に設けられている。
図5に示すように、圧力室基板10の-Z方向側の面には、さらに、圧力室基板10と略同じ大きさを有する保護基板30が接着剤等によって接合されている。保護基板30は、圧電素子300を保護する空間である保持部31を有する。保持部31は、配列方向に沿って配列された圧電素子300の列毎に設けられたものであり、本実施形態では、X軸方向に2列で並んで形成されている。また、保護基板30において、2列の保持部31の間に、Y軸方向に沿って延伸し、Z軸方向に沿って貫通する貫通孔32が設けられている。
図5に示すように、保護基板30上には、ケース部材40が固定されている。ケース部材40は、複数の圧力室12に連通するマニホールド100を、連通板15と共に形成している。ケース部材40は、平面視において連通板15と略同一の外形形状を有し、保護基板30と、連通板15とに亘って接合されている。
ケース部材40は、収容部41と、供給口44と、第3マニホールド部42と、接続口43と、を有している。収容部41は、圧力室基板10及び保護基板30を収容可能な深さを有する空間である。第3マニホールド部42は、ケース部材40において、収容部41のX軸方向における両外側に形成されている空間である。第3マニホールド部42と、連通板15に設けられた第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18とが接続されることによって、マニホールド100が形成されている。マニホールド100は、Y軸方向に亘って連続する長尺な形状を有している。供給口44は、マニホールド100に連通して各マニホールド100にインクを供給する。接続口43は、保護基板30の貫通孔32に連通する貫通孔であり、中継基板120が挿通される。
本実施形態の液体吐出ヘッド510では、図1に示すインクタンク550から供給されるインクを、図5に示す供給口44から取り込み、マニホールド100からノズル21に至るまで内部の流路をインクで満たした後、複数の圧力室12に対応するそれぞれの圧電素子300に、駆動信号に基づく電圧を印加する。これにより圧電素子300と共に振動板50がたわみ変形して各圧力室12内の圧力が高まり、各ノズル21からインク滴が吐出される。
図4から図7を用いて、圧力室基板10の-Z方向側の構成について説明する。図6は、圧電素子300近傍を拡大して示す断面図である。図7は、図4のVI-VI位置を示す断面図である。図6に示すように、液体吐出ヘッド510は、圧力室基板10の-Z方向側に、振動板50、圧電素子300に加え、さらに、個別リード電極91、共通リード電極92、測定用リード電極93、検出抵抗体401を有している。
図6および図7に示すように、振動板50は、圧力室基板10側に設けられた酸化シリコンからなる弾性膜55と、弾性膜55上に設けられた酸化ジルコニウム膜からなる絶縁体膜56と、を備えている。圧力室12等の圧力室基板10に形成される流路は、圧力室基板10を+Z方向側の面から異方性エッチングすることにより形成されており、圧力室12等の流路の-Z方向側の面は、弾性膜55で構成されている。振動板50は、例えば、弾性膜55と絶縁体膜56との何れか一方で構成されていてもよく、さらには、弾性膜55及び絶縁体膜56以外のその他の膜が含まれていてもよい。その他の膜の材料としては、シリコン、窒化ケイ素等が挙げられる。
圧電素子300は、圧力室12に圧力を付与する。図6および図7に示すように、圧電素子300は、第1電極60と、圧電体70と、第2電極80とを有する。第1電極60と、圧電体70と、第2電極80とは、図6および図7に示すように、+Z方向側から-Z方向側に向かって順に積層されている。圧電体70は、第1電極60、第2電極80、および圧電体70が積層される積層方向、すなわちZ軸方向において、第1電極60と第2電極80との間に設けられている。
第1電極60および第2電極80は、いずれも図5に示す中継基板120と電気的に接続されている。第1電極60および第2電極80は、駆動信号に応じた電圧を、圧電体70に印加する。第1電極60には、インクの吐出量に応じて異なる駆動電圧が供給され、第2電極80には、インクの吐出量に関わらず、一定の基準電圧信号が供給される。インクの吐出量は、圧力室12の容積変化量である。圧電素子300が駆動されることにより、第1電極60と第2電極80との間に電位差が生じると、圧電体70が変形する。圧電体70の変形により、振動板50は、変形または振動して圧力室12の容積が変化する。圧力室12の容積が変化することにより、圧力室12に収容されているインクに圧力が付与され、ノズル連通路16を介してノズル21からインクが吐出される。
図6に示すように、圧電素子300のうち、第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加した際に圧電体70に圧電歪みが生じる部分を、活性部310とも呼ぶ。これに対して、圧電体70に圧電歪みが生じない部分を非活性部320とも呼ぶ。すなわち、圧電素子300のうち、圧電体70が第1電極60と第2電極80とで挟まれた部分が活性部310であり、圧電体70が第1電極60と第2電極80とで挟まれていない部分が非活性部320である。圧電素子300を駆動させた際、実際にZ軸方向に変位する部分を可撓部とも呼び、Z方向に変位しない部分を非可撓部とも呼ぶ。すなわち、圧電素子300のうち、圧力室12にZ軸方向で対向する部分が可撓部となり、圧力室12の外側部分が非可撓部となる。活性部310は能動部、非活性部320は非能動部とも呼ばれる。
第1電極60は、例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、金(Au)、チタン(Ti)といった金属、ITOと略される酸化インジウムスズといった導電性金属酸化物等の導電材料で形成されている。第1電極60は、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、金(Au)、チタン(Ti)等の複数の材料が積層されて形成されてもよい。本実施形態では、第1電極60として白金(Pt)を用いた。
図4に示すように、第1電極60は、複数の圧力室12に対して個別に設けられる個別電極である。第1電極60のY軸方向の幅は、圧力室12の幅よりも狭い。すなわち、第1電極60のY方向の両端は、圧力室12のY軸方向の両端よりも内側に位置している。図6に示すように、第1電極60の+X方向の端部60a及び-X方向の端部60bは、それぞれ圧力室12の外側に配置されている。例えば、第1圧力室列では、第1電極60の端部60aは、圧力室12の+X方向の端部12aよりも+X方向側となる位置に配置されている。第1電極60の端部60bは、圧力室12の-X方向の端部12bよりも-X方向側となる位置に配置されている。
圧電体70は、図4に示すように、X軸方向に所定の幅を有するとともに、圧力室12の配列方向、すなわちY軸方向に沿って延在して設けられている。圧電体70としては、第1電極60上に形成される電気機械変換作用を示す強誘電性セラミックス材料からなるペロブスカイト構造の結晶膜、いわゆるペロブスカイト型結晶が挙げられる。圧電体70の材料としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の強誘電性圧電材料や、これに酸化ニオブ、酸化ニッケル又は酸化マグネシウム等の金属酸化物を添加したもの等を用いることができる。具体的には、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、ジルコニウム酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb,La),TiO3)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン((Pb,La)(Zr,Ti)O3)又は、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛(Pb(Zr,Ti)(Mg,Nb)O3)等を用いることができる。本実施形態では、圧電体70として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いた。
圧電体70の材料としては、鉛を含む鉛系の圧電材料に限定されず、鉛を含まない非鉛系の圧電材料を用いることもできる。非鉛系の圧電材料としては、例えば、鉄酸ビスマス((BiFeO3)、略「BFO」)、チタン酸バリウム((BaTiO3)、略「BT」)、ニオブ酸カリウムナトリウム((K,Na)(NbO3)、略「KNN」)、ニオブ酸カリウムナトリウムリチウム((K,Na,Li)(NbO3))、ニオブ酸タンタル酸カリウムナトリウムリチウム((K,Na,Li)(Nb,Ta)O3)、チタン酸ビスマスカリウム((Bi1/2K1/2)TiO3、略「BKT」)、チタン酸ビスマスナトリウム((Bi1/2Na1/2)TiO3、略「BNT」)、マンガン酸ビスマス(BiMnO3、略「BM」)、ビスマス、カリウム、チタン及び鉄を含みペロブスカイト構造を有する複合酸化物(x[(BixK1-x)TiO3]-(1-x)[BiFeO3]、略「BKT-BF」)、ビスマス、鉄、バリウム及びチタンを含みペロブスカイト構造を有する複合酸化物((1-x)[BiFeO3]-x[BaTiO3]、略「BFO-BT」)や、これにマンガン、コバルト、クロムなどの金属を添加したもの((1-x)[Bi(Fe1-yMy)O3]-x[BaTiO3](Mは、Mn、CoまたはCr))等が挙げられる。
圧電体70の厚さは、例えば、1000ナノメートルから4000ナノメートル程度で形成される。図6に示すように、圧電体70のX軸方向の幅は、圧力室12の長手方向であるX軸方向の幅よりも長い。このため、圧力室12のX軸方向の両側では、圧電体70は、圧力室12の外側まで延在している。このように、圧電体70がX軸方向において圧力室12の外側まで延在していることで、振動板50の強度が向上する。したがって、活性部310を駆動させて圧電素子300を変位させた際、振動板50や圧電素子300にクラック等が発生するのを抑制することができる。
図6に示すように、圧電体70の+X方向の端部70aは、第1圧力室列において、第1電極60の端部60aよりも外側となる+X方向側に位置している。すなわち、第1電極60の端部60aは圧電体70によって覆われている。一方、圧電体70の-X方向の端部70bは、第1電極60の端部60bよりも内側となる+X方向側に位置しており、第1電極60の端部60bは、圧電体70では覆われていない。
圧電体70には、図4および図7に示すように、他の領域よりも厚さが薄い部分である溝部71が形成されている。溝部71は、図7に示すように、各隔壁11に対応する位置に設けられる。溝部71は、圧電体70をZ軸方向に完全に除去することで形成されている。溝部71の底面に圧電体70が他の部分よりも薄く形成されてもよい。溝部71のY軸方向の幅は、隔壁11のY軸方向の幅と同一もしくは、それよりも広く形成されている。溝部71は、図4に示すように、平面視で略矩形状の外観形状を有している。圧電体70に溝部71を設けることにより、振動板50の圧力室12のY軸方向の端部に対向する部分、いわゆる振動板50の腕部の剛性が抑えられるため、圧電素子300をより良好に変位させることができる。溝部71は、矩形状に限定されず、5角形以上の多角形状であってもよく、円形状や楕円形状等であってもよい。
第2電極80は、図6および図7に示すように、第1電極60とは圧電体70を挟んだ反対側、すなわち圧電体70の-Z方向側に設けられている。第2電極80は、図4に示すように、複数の圧力室12に対して共通に設けられ、複数の活性部310に共通する共通電極である。第2電極80の材料は特に限定されないが、第1電極60と同様に、例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、金(Au)、チタン(Ti)といった金属、ITOと略される酸化インジウムスズといった導電性金属酸化物等の導電材料が用いられる。或いは、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、金(Au)、チタン(Ti)等の複数の材料が積層されて形成されてもよい。本実施形態では、第2電極80としてイリジウム(Ir)を用いた。
第2電極80は、図4に示すように、X軸方向に所定の幅を有するとともに、圧力室12の配列方向、すなわちY軸方向に沿って延在して設けられている。図7に示すように、第2電極80は、圧電体70の溝部71の側面上及び溝部71の底面である絶縁体膜56上にも設けられている。
図6に示すように、第2電極80の+X方向の端部80aは、圧電体70で覆われている第1電極60の端部60aよりも外側、すなわち+X方向側に配置されている。第2電極80の端部80aは、圧力室12の端部12aよりも外側であり、かつ第1電極60の端部60aよりも外側に位置している。本実施形態では、第2電極80の端部80aは、X軸方向において、圧電体70の端部70aと略一致している。この結果、活性部310の+X方向の端部において、活性部310と非活性部320との境界は、第1電極60の端部60aによって規定されている。
図6に示すように、第2電極80の-X方向の端部80bは、圧力室12の-X方向の端部12bよりも外側となる-X方向側に配置され、圧電体70の端部70bよりも内側となる+X方向側に配置されている。圧電体70の端部70bは、第1電極60の端部60bよりも+X方向側となる内側に位置している。したがって、第2電極80の端部80bは、第1電極60の端部60bよりも+X方向側となる圧電体70上に位置している。第2電極80の端部80bの-X方向側には、圧電体70の表面が露出された部分が存在する。このように、第2電極80の端部80bは、圧電体70の端部70b及び第1電極60の端部60bよりも+X方向側に配置されているため、活性部310の-X方向の端部において、活性部310と非活性部320との境界は、第2電極80の端部80bによって規定される。
第2電極80の端部80bの外側には、第2電極80と同一層となるが、第2電極80とは電気的に不連続となる配線部85が設けられている。配線部85は、第2電極80の端部80bから間隔を空けた状態で、圧電体70の端部70b近傍から第1電極60の端部60bに亘って形成されている。配線部85は、活性部310毎に設けられている。すなわち、配線部85は、Y軸方向に沿って所定の間隔で複数配置されている。配線部85は、第2電極80と同一層で形成されることが好ましい。これにより、配線部85の製造工程を簡略化してコストの低減を図ることができる。ただし、配線部85は、第2電極80とは別の層で形成されていてもよい。
図6に示すように、個別電極である第1電極60には個別リード電極91が接続され、共通電極である第2電極80には駆動用共通電極である共通リード電極92がそれぞれ電気的に接続されている。個別リード電極91及び共通リード電極92は、圧電体70を駆動する電圧を圧電体70に印加するための駆動配線として機能する。本実施形態では、駆動配線を介して圧電体70に電力を供給するための電源回路と、検出抵抗体401に電力を供給するための電源回路とは、互いに異なる回路とされている。
図4および図5に示すように、個別リード電極91及び共通リード電極92は、保護基板30に形成された貫通孔32内に露出するように延設されており、貫通孔32内で中継基板120と電気的に接続されている。中継基板120には、制御部580および図示しない電源回路と接続するための複数の配線が形成されている。本実施形態において、中継基板120は、例えば、フレキシブル基板(FPC:Flexible Printed Circuit)により構成されている。なお、FPCに代えて、FFC(Flexible Flat Cable)など、可撓性を有する任意の基板により構成されてもよい。
中継基板120には、スイッチング素子を有する集積回路121が実装されている。集積回路121には、中継基板120で伝搬する圧電素子300を駆動するための信号が入力される。集積回路121は、入力される信号に基づいて、圧電素子300を駆動するための信号が第1電極60に供給されるタイミングを制御する。これにより、圧電素子300が駆動するタイミング、及び圧電素子300の駆動量が制御される。
個別リード電極91及び共通リード電極92の材料は、導電性を有する材料であり、例えば、金(Au)、銅(Cu)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)等を用いることができる。本実施形態では、個別リード電極91及び共通リード電極92として金(Au)を用いた。また、個別リード電極91及び共通リード電極92は、第1電極60及び第2電極80や振動板50との密着性を向上する密着層を有していてもよい。
個別リード電極91及び共通リード電極92は、同一層に形成されているが、電気的に不連続となるように形成されている。これにより、個別リード電極91と、共通リード電極92とを個別に形成する場合に比べて、製造工程を簡略化してコストを低減することができる。個別リード電極91と共通リード電極92とは、異なる層に形成されてもよい。
個別リード電極91は、活性部310毎、すなわち、第1電極60毎に設けられている。図6に示すように、例えば、個別リード電極91は、第1圧力室列L1では、配線部85を介して、第1電極60の端部60b付近に接続され、振動板50上まで-X方向に引き出されている。
図4に示すように、例えば、第1圧力室列L1では、共通リード電極92は、Y軸方向の両端部において屈曲し、第2電極80上から振動板50上にまで-X方向に引き出されている。共通リード電極92は、延設部92a、および延設部92bを有する。図6に示すように、例えば、第1圧力室列L1では、延設部92aは、圧力室12の端部12aに対応する領域にY軸方向に沿って延設され、延設部92bは、圧力室12の端部12bに対応する領域にY軸方向に沿って延設される。延設部92aおよび延設部92bは、複数の活性部310に対してY軸方向に亘って連続して設けられている。
延設部92a、および延設部92bは、X軸方向において、圧力室12の内側から圧力室12の外側まで延設されている。本実施形態では、圧電素子300の活性部310は、圧力室12のX軸方向の両端部において圧力室12の外側まで延設されており、延設部92aおよび延設部92bは、活性部310上において、圧力室12の外側まで延設されている。
図4および図6に示すように、本実施形態では、振動板50の-Z方向側の面には、さらに、検出抵抗体401が設けられている。図6に示すように、検出抵抗体401は、Z軸方向において、振動板50と圧電体70との間に位置し、圧電体70に覆われている。すなわち、検出抵抗体401は、圧力室基板10に対する圧電素子300の積層方向において、圧電素子300と同じ位置、すなわち圧電素子300と同じ層に配置される。
検出抵抗体401の材料は、電気抵抗値が温度依存性を有する材料であり、例えば、金(Au)、白金(Pt)、イリジウム(Ir)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)等を用いることができる。このうち、白金(Pt)は、温度による電気抵抗の変化が大きく、安定性と精度が高いという観点から、検出抵抗体401の材料として好適に採用できる。電気抵抗値は、測定される検出抵抗体の測定値の一例である。本実施形態では、検出抵抗体401は、積層方向において第1電極60と同じ層とされ、第1電極60とは電気的に不連続となるように形成されている。検出抵抗体401は、第1電極60を形成する工程で第1電極60とともに形成される。したがって、検出抵抗体401の材料は、第1電極60と同じ白金(Pt)である。これにより、検出抵抗体401を、第1電極60とは別に形成する場合に比べて、製造工程を簡略化してコストを低減することができる。ただし、これに限らず、検出抵抗体401は、第1電極60と異なる層で形成されてもよい。検出抵抗体401は、白金(Pt)単相には限らず、複数の金属の積層体であってもよい。検出抵抗体401は、例えば、白金の一方の面に密着層としてのTi層、ならびに白金の他方の面に、シード層や配向制御層としてのTi層を備える積層体とすることもできる。
図4に示すように、本実施形態では、検出抵抗体401は、第1圧力室列L1および第2圧力室列L2の周囲を囲むように連続して形成されている。図4には、測定用リード電極93aおよび測定用リード電極93bを含む測定用リード電極93が示されている。測定用リード電極93は、検出抵抗体401と、中継基板120とを接続する接続部として機能する。検出抵抗体401の一端は、測定用リード電極93aと接続され、検出抵抗体401の他端は、測定用リード電極93bと接続されている。これにより、温度演算部450は、検出抵抗体401の電気抵抗値を検出可能になる。図4の例では、検出抵抗体401は、直線状に形成されているが、これに限らず、例えば、第1圧力室列L1および第2圧力室列L2の近傍で複数回往復される、いわゆる蛇行パターンとして形成されてもよい。このように構成することにより、圧力室12の温度の検出精度を高くすることができる。
本実施形態では、測定用リード電極93は、個別リード電極91および共通リード電極92と同一層に形成され、電気的に不連続となるように形成されている。測定用リード電極93の材料は、導電性を有する材料であり、例えば、金(Au)、銅(Cu)、チタン(Ti)、タングステン(W)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)等である。本実施形態では、測定用リード電極93として金(Au)を用いた。測定用リード電極93の材料は、個別リード電極91および共通リード電極92と同じ材料である。測定用リード電極93は、検出抵抗体401や振動板50との密着性を向上する密着層を有していてもよい。
図4に示すように、本実施形態では、検出抵抗体401は、第1圧力室列L1および第2圧力室列L2の周囲を囲むように、液体吐出ヘッド510の外側において連続して形成されている。検出抵抗体401の一部は、第1圧力室列L1における圧力室12の配列方向に沿って直線状に形成されており、第1圧力室列L1に含まれる圧力室12よりも+X方向側、すなわち交差方向における液体吐出ヘッド510の外側に配置されている。本実施形態では、検出抵抗体401の他の部分では、第2圧力室列L2における圧力室12の配列方向に沿って直線状に形成されており、第2圧力室列L2に含まれる圧力室12よりも-X方向側、すなわち交差方向における液体吐出ヘッド510の外側に配置されている。
本実施形態の液体吐出ヘッド510には、図4に示すように、検出抵抗体401と同じ層に、テストパターン62が配置されている。テストパターン62は、液体吐出ヘッド510の製造工程における工程管理の目的で使用される。例えば、液体吐出ヘッド510の製造工程において、液体吐出ヘッド510に形成される各配線の物性値が管理範囲内であるか否かを判定するために、テストパターン62の抵抗値が用いられる。テストパターン62の抵抗値を、相関抵抗値とも呼ぶ。テストパターン62は、例えば、検出抵抗体401とともに、第1電極60を形成する工程で第1電極60とともに形成される。したがって、テストパターン62の材料は、検出抵抗体401および第1電極60と同じ白金(Pt)である。テストパターン62は、任意の形状とすることができる。本実施形態では、テストパターン62は、2つの電極パッドと、電極パッド間の配線部とを備えており、2つの電極パッドから配線部に通電することにより、配線部の電気抵抗を測定することができる。なお、製造工程において、検出抵抗体401の第1抵抗温度係数α1が直接的に測定されるなど、第1係数情報が直接的に取得されるような場合には、テストパターン62を省略することもできる。
図8は、温度取得部400によって実行される第1温度演算式の生成方法を示すフロー図である。本フローは、液体吐出ヘッド510の吐出動作が開始されるよりも前のタイミングで実行される。本実施形態では、ステップS10~S30は、例えば、ユーザーが液体吐出装置500を最初に起動する時など、液体吐出ヘッド510によるインクの吐出動作が開始される前のいわゆる初期設定として実行される。ステップS10~S30は、液体吐出装置500の最初の起動時のみに実行されてもよく、任意に設定される一定の期間ごとに繰り返し実行されてもよい。
本フローでは、検出抵抗体401の抵抗値を用いて、液体吐出ヘッド510の吐出動作中の温度を導出するための温度演算式を決定する。ここで、任意の温度Tと、当該温度Tにおける検出抵抗体401の抵抗値RTとには、以下の式(1)が成り立つ。
RT=RT0・(1+α0・(T-T0)) ・・・式(1)
α0:検出抵抗体401の抵抗温度係数
T0:任意の基準温度
RT0:任意の基準温度T0における第1基準抵抗値
本フローでは、第1抵抗温度係数α1と、第1基準温度T1における第1基準抵抗値RT1とを取得して、式(1)のα0、T0、ならびにRT0に代入することにより、検出抵抗体401の抵抗値RTから温度Tを導出するための温度演算式を決定する。第1抵抗温度係数α1を用いた温度演算式を、「第1温度演算式」とも呼ぶ。液体吐出ヘッド510の吐出動作中の抵抗値RT、ならびに抵抗値RTを導出可能な種々のパラメーターを総じて「吐出時抵抗情報」とも呼ぶ。
ステップS10では、温度取得部400は、第1係数情報を取得する。ステップS10は、第1温度取得動作に含まれる。第1係数情報は、記憶部460に予め記憶されている。ステップS10では、温度取得部400は、記憶部460に記憶された第1係数情報を読み出すことで、第1係数情報を取得する。「第1係数情報」とは、検出抵抗体401の第1抵抗温度係数α1、ならびに第1抵抗温度係数α1を導出可能な種々のパラメーターを意味する。抵抗温度係数とは、温度変化に対する抵抗値の変化を示す係数を意味し、単位は、%/℃である。第1係数情報には、第1抵抗温度係数α1に加え、例えば、テストパターン62の抵抗値、熱処理温度などのテストパターン62形成時の製造条件、テストパターン62の抵抗温度係数などが含まれ得る。第1係数情報は、液体吐出装置500の製造過程において取得され、液体吐出装置500の完成時点において、記憶部460に格納されている。本実施形態では、液体吐出装置500の製造過程において、図4に示したテストパターン62の物性値を利用して、検出抵抗体401の第1抵抗温度係数α1が第1係数情報として取得されており、記憶部460に予め記憶されている。
図9から図11を用いて、テストパターン62を利用した検出抵抗体401の第1抵抗温度係数α1の取得方法について説明する。図9は、液体吐出ヘッド510の製造条件と、テストパターン62の抵抗値との対応関係を示すグラフである。図10は、液体吐出ヘッド510の製造条件と、テストパターン62の抵抗温度係数との対応関係を示すグラフである。図11は、テストパターン62の抵抗値と、テストパターン62の抵抗温度係数との対応関係を示すグラフである。図11に示すグラフは、図9および図10のグラフの合成結果に相当する。図9から図11のグラフは、例えば、液体吐出ヘッド510の製造時の工程管理値としてのテストパターン62の抵抗値および抵抗温度係数の結果を用いることにより取得することができる。また、液体吐出ヘッド510を用いて予め実験的に求めることもでき、テストパターン62の設計値を用いたシミュレーションによっても導出することができる。
発明者らは、テストパターン62の物性値ならびに抵抗温度係数が、液体吐出ヘッド510の製造条件の影響を受けること、特に、液体吐出ヘッド510の製造工程のうち、熱処理の温度条件によって変化することを新たに知見した。図9および図10の横軸は、液体吐出ヘッド510の熱処理工程での熱処理温度の実測値を示している。図9および図10に示すように、テストパターン62は、例えば、液体吐出ヘッド510の製造工程における熱処理の条件によって、抵抗値および抵抗温度係数が変動し得る。具体的には、図9に実線G1として示すように、テストパターン62の抵抗値は、熱処理温度の上昇に伴い一次関数的に減少する。また、図10に実線G2として示すように、テストパターン62の抵抗温度係数は、温度上昇に伴い一次関数的に上昇する。この結果、図11に実線G3として示すように、テストパターン62の抵抗値の増加に対して、第1抵抗温度係数α1が一次関数的に減少する相関関係が得られた。したがって、図11に示すように、液体吐出ヘッド510の製造工程における工程管理値として取得されるテストパターン62の抵抗値を利用することにより、テストパターン62の抵抗温度係数を推測することができる。
本実施形態では、検出抵抗体401が第1電極60とともにテストパターン62と同じ工程で形成されることから、検出抵抗体401およびテストパターン62が、互いに近似する金属配線の物性値を有していると考えられる。したがって、推定したテストパターン62の抵抗温度係数を、検出抵抗体401の第1抵抗温度係数α1として取得することができる。このように、本実施形態では、液体吐出ヘッド510の製造工程において、工程管理として取得されるテストパターン62の抵抗値を利用して、検出抵抗体401の第1抵抗温度係数α1を取得する。取得した第1抵抗温度係数α1は、図2に示すように、記憶部460に格納される。
図8に示すように、ステップS20では、第1基準温度T1における検出抵抗体401の第1基準抵抗情報を取得する。第1基準抵抗情報には、例えば、第1基準温度T1における検出抵抗体401の抵抗値である第1基準抵抗値RT1、ならびに第1基準抵抗値RT1を導出可能な種々のパラメーターが含まれる。第1基準抵抗値RT1を導出可能なパラメーターには、例えば、第1基準抵抗値RT1を導出する際に検出抵抗体401に印加される電流値ならびに電圧値などが含まれ得る。また、第1基準温度T1とは、任意に設定可能な検出抵抗体401の温度である。本実施形態では、第1基準温度T1は、常温としての25℃で設定されている。第1基準温度T1、ならびに第1基準温度T1を導出可能な種々のパラメーターを総じて「第1基準温度情報」とも呼ぶ。
本実施形態では、温度取得部400は、第1基準抵抗値RT1として、任意の1点の温度における1点の検出抵抗体401の抵抗値を取得する。具体的には、温度取得部400は、検出抵抗体401の温度が第1基準温度T1である状態で、電流印加回路430から検出抵抗体401に電流を印加し、検出抵抗体401に発生した電圧の電圧値を電圧検出回路440により検出する。温度取得部400は、電流印加回路430から検出抵抗体401に印加した電流値と、検出抵抗体401に発生した電圧値とを用いて、検出抵抗体401の第1基準抵抗値RT1を取得する。なお、第1基準温度T1は、常温には限定されず、例えば、常温以外の任意の温度で設定されてよい。この場合には、例えば、図示しない加熱器もしくは冷却器を用いて、検出抵抗体401の温度を任意の温度に調節したうえで、温度取得部400は、第1基準抵抗値RT1を取得する。
検出抵抗体401の抵抗値は、例えば、検出抵抗体401を形成する導体の種類、導体の厚み、幅、長さ、熱処理などの液体吐出ヘッド510の製造条件、ならびに、電気系統や湿度などの液体吐出ヘッド510の使用環境の影響を受け得る。したがって、検出抵抗体401を用いた温度の検出精度を高くする観点から、第1基準温度T1における検出抵抗体401の抵抗値、すなわち、第1基準抵抗値RT1は、ユーザーによる液体吐出装置500の使用環境下で実測されることが好ましい。
ステップS30では、取得した第1係数情報、第1基準温度情報および第1基準抵抗情報を用いて、第1温度演算式を決定する。具体的には、上述した式(1)のうち、α0に第1抵抗温度係数α1を代入し、T0に第1基準温度T1を代入し、RT0に第1基準温度T1での第1基準抵抗値RT1を代入して第1温度演算式として生成する。第1温度演算式は以下の式(2)となる。
T=T1+(RT-RT1)/(α1・RT1) ・・・式(2)
第1温度演算式を、記憶部460に格納して処理は終了する。
図12は、液体吐出装置500が実行する第1温度取得動作および吐出動作制御を示すフロー図である。図12に示すフローは、例えば、制御部580が液体吐出装置500による画像形成の開始指示を受け付けることによって開始する。
ステップS102では、温度演算部450は、吐出時抵抗情報を取得する。具体的には、温度演算部450は、液体吐出ヘッド510の吐出動作中における検出抵抗体401の抵抗値RTを、吐出時抵抗情報として取得する。吐出時抵抗情報とは、液体吐出ヘッド510の吐出動作中における検出抵抗体401の抵抗値RT、ならびに抵抗値RTを導出可能な種々のパラメーターを意味する。抵抗値RTを導出可能なパラメーターには、例えば、抵抗値RTを導出する際に検出抵抗体401に印加される電流値ならびに電圧値などが含まれ得る。
温度演算部450は、液体吐出ヘッド510の吐出動作中に電流印加回路430から検出抵抗体401に電流を印加し、電圧検出回路440によって検出抵抗体401に発生した電圧の電圧値を検出する。温度演算部450は、電流印加回路430から検出抵抗体401に印加した電流値と、電圧検出回路440によって検出された電圧値とを用いて、検出抵抗体401の抵抗値RTを取得する。
ステップS104では、温度演算部450は、吐出時温度Tを取得する。吐出時温度Tとは、液体吐出ヘッド510の吐出動作中における圧力室12内の温度を意味する。本実施形態では、取得した検出抵抗体401の温度を、圧力室12内の温度として推定し、吐出時温度Tとして取得する。温度演算部450は、ステップS102で取得した検出抵抗体401の抵抗値RTを、上述したステップS30で生成した第1温度演算式に代入することによって吐出時温度Tを取得する。なお、ステップS102およびステップS104は、第1温度取得動作の一部に該当する。
ステップS110では、温度演算部450は、取得した吐出時温度Tを制御部580へ出力する。ステップS120では、制御部580は、温度演算部450から取得した吐出時温度Tに基づく駆動信号を、液体吐出ヘッド510に出力して圧電素子300を駆動させることにより、印刷用紙Pへのインクの吐出動作を制御する。
以上、説明したように、本実施形態の液体吐出装置500は、液体吐出ヘッド510と、液体吐出ヘッド510の温度Tを取得するための温度取得部400と、液体吐出ヘッド510の吐出動作を制御する制御部580と、を備えている。液体吐出ヘッド510は、複数の圧力室12を有する圧力室基板10と、圧力室基板10に積層される圧電素子300と、圧電体70を駆動する電圧を印加するための駆動配線と、第1電極60と同じ材料で形成され、圧力室12内の温度Tを取得するための検出抵抗体401と、を有している。温度取得部400は、第1温度取得動作を実行可能である。具体的には、温度取得部400は、記憶部460に予め記憶された、検出抵抗体401の第1抵抗温度係数α1を、液体吐出ヘッド510の吐出動作よりも前に取得する。温度取得部400は、液体吐出ヘッド510の吐出動作中に、検出抵抗体401の吐出時抵抗情報を取得する。取得した第1係数情報および抵抗値RTを用いて、液体吐出ヘッド510の吐出動作中の圧力室12内の吐出時温度Tを取得する。第1係数情報を予め取得しておくことにより、任意の1点の温度での抵抗を取得するだけで、検出抵抗体401の抵抗値と、検出抵抗体401の温度との対応関係、すなわち第1温度演算式を設定することができる。したがって、例えば、任意の複数の抵抗値を用いて抵抗温度係数を取得するなど、第1係数情報を予め取得しない方法に比べて、検出抵抗体401の抵抗値と温度との対応関係を簡易な方法で設定することができる。
本実施形態の液体吐出装置500によれば、温度取得部400は、第1温度取得動作において、液体吐出ヘッド510の吐出動作よりも前に、さらに、第1基準温度T1と、第1基準温度T1における検出抵抗体401の第1基準抵抗値RT1を取得する。取得した第1係数情報および吐出時の抵抗値RTとともに、さらに、取得した第1基準温度情報と第1基準抵抗値RT1を用いて、吐出時温度Tを取得する。製造過程において変化し得る検出抵抗体401の物性としての温度と抵抗値との相関関係を、吐出動作前に取得することにより、吐出時温度Tの検出精度を向上することができる。
本実施形態の液体吐出装置500によれば、液体吐出ヘッド510は、さらに、抵抗値を測定可能なテストパターン62を備えている。テストパターン62の抵抗値は、検出抵抗体401の第1抵抗温度係数α1との相関関係を有する。したがって、検出抵抗体401の第1抵抗温度係数α1を、テストパターン62の抵抗値を用いて取得することができる。液体吐出ヘッド510の製造時にテストパターン62の抵抗値を取得することにより、検出抵抗体401の第1抵抗温度係数α1を、液体吐出ヘッド510の製造時に設定することができる。したがって、ユーザーが第1抵抗温度係数α1を設定する必要がなくなり、簡易な方法により、検出抵抗体401の抵抗値と温度との対応関係を設定することができる。
本実施形態の液体吐出装置500によれば、記憶部460は、液体吐出ヘッド510に備えられる。液体吐出ヘッド510に、第1抵抗温度係数α1や第1基準温度T1、第1基準抵抗値RT1等の温度演算のための情報を格納させておくことができる。したがって、温度取得部400と検出抵抗体401との配線長を短くすることができ、温度取得部400への熱伝導や誘導ノイズの影響を小さくすることができる。また、液体吐出ヘッド510で圧力室12内の温度を推定する機能を持たせることができ、制御部580の処理負担を軽減することができる。
本実施形態の液体吐出装置500によれば、検出抵抗体401は、個別電極としての第1電極60と同じ材料で形成される。したがって、検出抵抗体401を、第1電極60とは別に形成する場合に比べて、製造工程を簡略化してコストを低減することができる。
本実施形態の液体吐出ヘッド510は、複数の圧力室12を有する圧力室基板10と、圧力室12の液体に圧力を付与するための圧電体70を備える圧電素子300と、個別電極および共通電極と電気的に接続され、圧電体70を駆動する電圧を圧電体70に印加するための駆動配線と、第1電極60と同じ材料で形成され、圧力室12内の温度Tを検出するための検出抵抗体401と、検出抵抗体401の第1抵抗温度係数α1に関する第1係数情報が記憶された記憶部460と、を備えている。第1係数情報を記憶部460に予め記憶させておくことにより、任意の1点の温度での抵抗を取得するだけで、検出抵抗体401の抵抗値と、検出抵抗体401の温度との対応関係、すなわち第1温度演算式を設定することができる。したがって、例えば、任意の複数の抵抗値を用いて抵抗温度係数を取得するなど、第1係数情報を予め取得しない方法に比べて、検出抵抗体401の抵抗値と温度との対応関係を簡易な方法で設定することができる。
B.第2実施形態:
図13は、第2実施形態としての液体吐出装置500bの全体構成を示す説明図である。第2実施形態の液体吐出装置500bは、第1実施形態の液体吐出装置500とは、選択部590を備える点において相違し、それ以外の構成は同様である。選択部590は、上述した第1温度取得動作と、第1温度取得動作とは異なる第2温度取得動作とのいずれを実行するかを決定するために用いられるインターフェースである。本実施形態では、選択部590は、液体吐出装置500bの図示しない筐体に設けられるタッチパネルである。ユーザーは、例えば、液体吐出装置500bの初期設定を行う際に、タッチパネルとしての選択部590の操作により、第1温度取得動作と、第2温度取得動作とのいずれを実行するかを選択することができる。
図14は、液体吐出装置500bの初期設定を示すフロー図である。本フローは、液体吐出ヘッド510によるインクの吐出動作が開始される前に実行される。ステップS200では、選択部590を介して、第1温度取得動作と、第2温度取得動作とのいずれを実行するかをユーザーに確認する。第1温度取得動作が選択される場合(S200:第1温度取得動作)、ステップS20~S30が実行される。なお、記憶部460には第1抵抗温度係数α1が格納済みである。ステップS20~S30が完了すると、上述した図12に示すフローが実行される。ステップS20~S30は、図8に示したステップS20~S30と同様の処理であるので説明を省略する。
第2温度取得動作が選択される場合(S200:第2温度取得動作)、ステップS210に移行し、第2温度取得動作を開始する。第2温度取得動作では、任意の2点の温度における検出抵抗体401の抵抗値を取得し、検出抵抗体401の第2係数情報を取得する。具体的には、第2温度動作では、検出抵抗体401の第2抵抗温度係数α2を取得し、第1係数情報を用いずに、第2係数情報を用いることにより吐出時温度Tを取得する。「第2係数情報」とは、検出抵抗体401の第2抵抗温度係数α2、ならびに第2抵抗温度係数α2を導出可能な種々のパラメーターを意味する。
ステップS210では、温度演算部450は、第2基準温度T2における検出抵抗体401の第2基準抵抗情報を取得する。第2基準抵抗情報とは、第2基準温度T2における検出抵抗体401の抵抗値である第2基準抵抗値RT2、ならびに第2基準抵抗値RT2を導出可能な種々のパラメーターを意味する。第2基準抵抗情報には、例えば、第2基準抵抗値RT2を導出する際に印加される電流値ならびに電圧値などが含まれ得る。第2基準温度T2は、任意に設定可能な検出抵抗体401の温度である。第2基準温度T2は、第1基準温度T1と同じであってもよく、異なっていてもよい。本実施形態では、第2基準温度T2は、第1基準温度T1と同じ常温としての25℃で設定されている。第2基準温度T2、ならびに第2基準温度T2を導出可能な種々のパラメーターを総じて「第2基準温度情報」とも呼ぶ。
温度演算部450は、検出抵抗体401の温度が第2基準温度T2である状態で、電流印加回路430から検出抵抗体401に電流を印加し、検出抵抗体401に発生した電圧の電圧値を電圧検出回路440により検出する。温度演算部450は、電流印加回路430から検出抵抗体401に印加した電流値と、検出抵抗体401に発生した電圧値とを用いて、検出抵抗体401の第2基準抵抗値RT2を取得する。
ステップS220では、温度演算部450は、第3基準温度T3における検出抵抗体401の第3基準抵抗情報を取得する。第3基準抵抗情報とは、第3基準温度T3における検出抵抗体401の抵抗値である第3基準抵抗値RT3、ならびに第3基準抵抗値RT3を導出可能な種々のパラメーターを意味する。第3基準抵抗情報には、例えば、第3基準抵抗値RT3を導出する際に印加される電流値ならびに電圧値などが含まれ得る。第3基準温度T3は、任意に設定可能な検出抵抗体401の温度である。第3基準温度T3、ならびに第3基準温度T3を導出可能な種々のパラメーターを総じて「第3基準温度情報」とも呼ぶ。第3基準温度T3は、第2基準温度T2とは異なる温度であれば足り、例えば、第1基準温度T1と同じ温度であってもよい。ただし、第2抵抗温度係数α2の算出精度の低下を防止する観点から、第2基準温度T2と、第3基準温度T3とには、例えば、10℃以上などの一定程度の温度差があることが好ましい。本実施形態では、第3基準温度T3は、第2基準温度T2とは異なる温度として、50℃で設定されている。第2基準温度T2から第3基準温度T3への昇温または冷却は、加熱器もしくは冷却器を用いて実行することができる。
温度演算部450は、検出抵抗体401の温度が第3基準温度T3である状態で、電流印加回路430から検出抵抗体401に電流を印加し、検出抵抗体401に発生した電圧の電圧値を電圧検出回路440により検出する。温度演算部450は、電流印加回路430から検出抵抗体401に印加した電流値と、検出抵抗体401に発生した電圧値とを用いて、検出抵抗体401の第3基準抵抗値RT3を取得する。
ステップS230では、温度演算部450は、第2係数情報を取得する。取得した第2係数情報は、記憶部460に記憶される。「第2係数情報」とは、検出抵抗体401の第2抵抗温度係数α2、ならびに第2抵抗温度係数α2を導出可能な種々のパラメーターを意味する。第2係数情報には、第2抵抗温度係数α2に加え、例えば、第2基準温度情報、第2基準抵抗情報、第3基準温度情報、ならびに第3基準抵抗情報の組み合わせなどが含まれ得る。温度演算部450は、式(1)において、T0に第2基準温度T2を代入し、RT0にステップS210で取得した第2基準抵抗値RT2を代入することで、第2抵抗温度係数α2を導出する。具体的には、第2抵抗温度係数α2は、以下の式(3)で導出することができる。
α2=(RT-RT2)/(RT2・(T-T2)) ・・・式(3)
ステップS240では、温度演算部450は、検出抵抗体401の抵抗値RTから温度Tを求めるための温度演算式を決定する。取得した温度演算式は、記憶部460に記憶され、処理は完了する。第2抵抗温度係数α2を用いた温度演算式を、「第2温度演算式」とも呼ぶ。具体的には、式(1)において、α0に第2抵抗温度係数α2を代入し、T0に第3基準温度T3を代入し、RT0に第3基準抵抗値RT3を代入することにより、第2温度取得動作で用いられる第2温度演算式を取得する。具体的には、第2温度演算式は、以下の式(4)となる。
T=T3+(RT-RT3)/(α2・RT3) ・・・式(4)
図15は、液体吐出装置500bが実行する第2温度取得動作および吐出動作制御を示すフロー図である。図15に示すフローは、例えば、ステップS210~S240を完了した後に、制御部580が液体吐出装置500bによる画像形成の開始指示を受け付けることによって開始する。
ステップS302では、温度演算部450は、吐出時抵抗情報を取得する。具体的には、温度演算部450は、液体吐出ヘッド510の吐出動作中における検出抵抗体401の抵抗値RTを、吐出時抵抗情報として取得する。温度演算部450は、液体吐出ヘッド510の吐出動作中に電流印加回路430から検出抵抗体401に電流を印加し、電圧検出回路440によって検出抵抗体401に発生した電圧の電圧値を検出する。温度演算部450は、電流印加回路430から検出抵抗体401に印加した電流値と、電圧検出回路440によって検出された電圧値とを用いて、検出抵抗体401の抵抗値RTを取得する。
ステップS304では、温度演算部450は、吐出時温度Tを取得する。温度演算部450は、ステップS302で取得した検出抵抗体401の抵抗値RTを、ステップS240で生成した第2温度演算式に代入することによって吐出時温度Tを導出する。ステップS310では、温度演算部450は、取得した吐出時温度Tを制御部580へ出力する。なお、ステップS302およびステップS304は、第2温度取得動作の一部に該当する。ステップS320では、制御部580は、温度演算部450から取得した吐出時温度Tに基づく駆動信号を、液体吐出ヘッド510に出力して圧電素子300を駆動させることにより、印刷用紙Pへのインクの吐出動作を制御する。
以上、説明したように、本実施形態の液体吐出装置500bによれば、さらに、第1温度取得動作と、第1温度取得動作とは異なる第2温度取得動作であって、吐出時温度Tを取得するための第2温度取得動作と、のいずれを実行するかを決定するための選択部590を備えている。したがって、ユーザーは、希望に基づく任意の温度取得動作を選択することができる。
本実施形態の液体吐出装置500bによれば、温度取得部400は、第1係数情報を用いずに、第2基準温度T2に関する第2基準温度情報と、第2基準温度T2における検出抵抗体401の第2基準抵抗値RT2に関する第2基準抵抗情報と、第2基準温度T2とは異なる第3基準温度T3に関する第3基準温度情報と、第3基準温度T3における検出抵抗体401の第3基準抵抗値RT3に関する第3基準抵抗情報と、を用いて吐出時温度Tを取得する第2温度取得動作を実行する。したがって、ユーザーが希望する場合には、第1温度取得動作よりも測定点数を増加させた第2温度取得動作により、抵抗温度係数の検出精度を向上させることができる。
本実施形態の液体吐出装置500bによれば、温度取得部400は、第2温度取得動作において、液体吐出ヘッド510の吐出動作よりも前に、第2基準温度情報と、第2基準抵抗情報と、第3基準温度情報と、第3基準抵抗情報と、を用いて、検出抵抗体401の第2抵抗温度係数α2に関する第2係数情報を取得する。液体吐出装置500bは、液体吐出ヘッド510の吐出動作中に、吐出時抵抗情報を取得し、取得した第2係数情報および吐出時抵抗情報を用いて、吐出時温度Tを取得する。したがって、2点測定により決定された第2係数情報を用いることにより、温度取得部400による吐出時温度Tの検出精度を向上することができる。
なお、本実施形態では第2基準温度T2と第2基準抵抗値RT2とに基づいて第2抵抗温度係数α2を導出し、第3基準温度T3と第3基準抵抗値RT3と第2抵抗温度係数α2に基づいて第2温度演算式を取得したが、第2抵抗温度係数α2を導出することなく第2温度演算式を得ることもできる。
具体的には、式(1)において、T0に第2基準温度T2を代入し、RT0にステップS210で取得した第2基準抵抗値RT2を代入した式と、式(1)において、T0に第3基準温度T3を代入し、RT0にステップS210で取得した第3基準抵抗値RT3を代入した式との、2つの式を連立させ、α2の項をキャンセルし、Tについて解くと、以下の式(5)を得ることができる。
T=(RT3・(RT-RT2)・T3-RT2・(RT-RT3)・T2)/(RT・(RT3-RT2)) ・・・式(5)
式(5)を第2温度演算式とすることで、α2を導出することなく、第2温度取得動作が可能となる。なお、式(4)に対し、式(3)のα2を代入し整理すれば、式(5)と同様の式を得ることができる。
C.第3実施形態:
図16は、第3実施形態としての液体吐出装置500cの内部機能構成を示す説明図である。第3実施形態の液体吐出装置500cは、第1実施形態の液体吐出装置500とは、記憶部460に代えて接続部470を有する温度取得部400cを備える点において相違し、それ以外の構成は同様である。本実施形態の液体吐出装置500cでは、温度演算部450は、第1抵抗温度係数α1などの吐出時温度Tを算出するために必要な情報を、液体吐出装置500cの外部に設けられた記憶部としてのサーバー600から接続部470を介して受信することによって取得する。
接続部470は、例えば、無線通信機能を有する入出力I/Fである。例えば、接続部470は図示しない無線中継器を介して、サーバー600からの無線電波を受信する。接続部470は、液体吐出ヘッド510に代えて、液体吐出装置500c内の配線基板などの液体吐出ヘッド510以外の場所に備えられてもよい。接続部470自身が無線アクセスポイントとしてサーバー600から無線電波を受信可能な場所に配置されていてもよい。また、接続部470は、無線中継器に対して有線接続されていてもよい。無線通信は、たとえば、IEEE802.11規格に準拠した無線ローカルネットワーク(LAN)を通じた無線接続やBluetooth(登録商標)を用いた無線通信などによって実現され得る。また、接続部470は、無線通信に代えて有線通信を行ってもよい。
本実施形態の液体吐出装置500cによれば、液体吐出装置500cの外部に設けられた記憶部としてのサーバー600と通信するための接続部470、を備えている。したがって、液体吐出ヘッド510または液体吐出装置500cの構成から、例えば、第1抵抗温度係数α1などを格納するための記憶部460を省略することができ、液体吐出ヘッド510または液体吐出装置500cを簡易な構成とすることができる。
D.他の形態:
(D1)上記第1実施形態では、検出抵抗体401の材料は、白金(Pt)であり、個別電極である第1電極60と同じ材料で形成されている。これに対して、検出抵抗体401は、共通電極、駆動配線のいずれかと同じ材料で形成されてよい。これにより、検出抵抗体401を、共通電極または駆動配線とは別に形成する場合に比べて、製造工程を簡略化してコストを低減することができる。例えば、検出抵抗体401は、共通電極である第2電極80と同じ材料で形成されてもよい。この形態の液体吐出ヘッド510によれば、例えば、検出抵抗体401を第2電極80の形成工程で形成することができ、製造工程を簡略化してコストを低減することができる。また、例えば、検出抵抗体401を、駆動配線として機能する個別リード電極91及び共通リード電極92、ならびに測定用リード電極93aおよび測定用リード電極93bを含む測定用リード電極93と同層とし、測定用リード電極93と電気的に連続となるように、圧電体70の-Z方向側の面に積層形成してもよい。すなわち、検出抵抗体401は、測定用リード電極93と同一配線であってよい。このため、検出抵抗体401は、個別リード電極91および共通リード電極92と同一層からなるが、電気的に不連続となるように形成され、検出抵抗体401の材料は個別リード電極91、および共通リード電極92と同じ材料である金(Au)である。これにより、検出抵抗体401を、個別リード電極91および共通リード電極92と個別に形成する場合に比べて、製造工程を簡略化してコストを低減することができる。
(D2)上記第1実施形態では、テストパターン62は、検出抵抗体401とともに、第1電極60を形成する工程で第1電極60とともに形成される例を示した。これに対して、テストパターン62は、検出抵抗体401とは異なる層に配置されてもよい。ただし、検出抵抗体401の抵抗値の推定精度を高くする観点から、テストパターン62と、検出抵抗体401との製造条件が同じであることが好ましい。
(D3)上記第1実施形態では、吐出動作前の検出抵抗体401の第1抵抗温度係数α1の取得方法として、テストパターン62を用いる例を示した。これに対して、検出抵抗体401の第1抵抗温度係数α1の取得方法は、テストパターン62を用いることなく、例えば、検出抵抗体401に用いられる金属の種類ごとの抵抗温度係数の理論値を用いて設定されてよい。検出抵抗体401が複数の金属の積層膜として形成される場合には、その厚み、幅、長さの設計値に基づく並列回路モデルと、各金属の抵抗温度係数の理論値とを用いることにより、検出抵抗体401の第1抵抗温度係数α1の理論値を導出することができる。
E.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
(1)本開示の一形態によれば、液体吐出装置が提供される。この液体吐出装置は、液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドの温度を取得するための温度取得部と、前記液体吐出ヘッドの吐出動作を制御する制御部と、を備える。前記液体吐出ヘッドは、複数の圧力室を有する圧力室基板と、前記圧力室基板に積層される圧電素子であって、前記複数の圧力室のそれぞれに対して個別に設けられる個別電極、前記複数の圧力室に対して共通に設けられる共通電極、および、前記圧電素子の積層方向において前記個別電極と前記共通電極との間に設けられ、前記圧力室内の液体に圧力を付与するための圧電体、を備える圧電素子と、前記個別電極および前記共通電極と電気的に接続され、前記圧電体を駆動する電圧を前記圧電体に印加するための駆動配線と、前記個別電極、前記共通電極、および前記駆動配線のいずれかと同じ材料で形成され、前記圧力室内の温度を取得するための検出抵抗体と、を有する。前記温度取得部は、記憶部に予め記憶された、前記検出抵抗体の第1抵抗温度係数に関する第1係数情報を、前記液体吐出ヘッドの吐出動作よりも前に取得し、前記液体吐出ヘッドの吐出動作中に、前記検出抵抗体の抵抗値に関する吐出時抵抗情報を取得し、取得した前記第1係数情報および前記吐出時抵抗情報を用いて、前記液体吐出ヘッドの吐出動作中の前記圧力室内の吐出時温度を取得する第1温度取得動作を実行可能である。この形態の液体吐出装置によれば、第1係数情報を予め取得しておくことにより、任意の1点の温度での抵抗値を取得するだけで、検出抵抗体の抵抗値と、検出抵抗体の温度との対応関係を設定することができる。したがって、検出抵抗体の抵抗値と温度との対応関係を簡易な方法で設定することができる。
(2)上記形態の液体吐出装置において、前記温度取得部は、前記第1温度取得動作において、前記液体吐出ヘッドの吐出動作よりも前に、さらに、第1基準温度に関する第1基準温度情報と、前記第1基準温度における前記検出抵抗体の第1基準抵抗値に関する第1基準抵抗情報とを取得してよく、取得した前記第1係数情報および前記吐出時抵抗情報とともに、さらに、取得した前記第1基準温度情報と前記第1基準抵抗情報を用いて、前記吐出時温度を取得してよい。この形態の液体吐出装置によれば、製造過程において変化し得る検出抵抗体の物性としての温度と抵抗値との相関関係を吐出動作前に取得することにより、吐出時温度の検出精度を向上することができる。
(3)上記形態の液体吐出装置において、前記液体吐出ヘッドは、さらに、相関抵抗値を測定可能なテストパターンを備え、前記テストパターンの前記相関抵抗値は、前記検出抵抗体の第1抵抗温度係数との相関関係を有してもよい。この形態の液体吐出装置によれば、液体吐出ヘッドの製造時にテストパターンの相関抵抗値を取得することにより、液体吐出ヘッド510の製造時に、検出抵抗体の第1抵抗温度係数を取得することができる。
(4)上記形態の液体吐出装置において、さらに、前記第1温度取得動作と、前記第1温度取得動作とは異なる第2温度取得動作であって、前記吐出時温度を取得するための第2温度取得動作と、のいずれを実行するかを決定するための選択部を備えてよい。この形態の液体吐出装置によれば、ユーザーは、希望に基づく任意の温度取得動作を選択することができる。
(5)上記形態の液体吐出装置において、前記温度取得部は、前記第2温度取得動作として、前記第1係数情報を用いずに、第2基準温度に関する第2基準温度情報と、前記第2基準温度における前記検出抵抗体の第2基準抵抗値に関する第2基準抵抗情報と、前記第2基準温度とは異なる第3基準温度に関する第3基準温度情報と、前記第3基準温度における前記検出抵抗体の第3基準抵抗値に関する第3基準抵抗情報と、を用いて前記吐出時温度を取得してよい。この形態の液体吐出装置によれば、ユーザーが希望する場合には、第1温度取得動作よりも測定点数を増加させた第2温度取得動作により、抵抗温度係数の検出精度を向上させることができる。
(6)上記形態の液体吐出装置において、前記温度取得部は、前記第2温度取得動作において、前記液体吐出ヘッドの吐出動作よりも前に、前記第2基準温度情報と、前記第2基準抵抗情報と、を用いて、前記検出抵抗体の第2抵抗温度係数に関する第2係数情報を取得し、前記液体吐出ヘッドの吐出動作中に、前記吐出時抵抗情報を取得してよく、取得した前記第2係数情報および前記吐出時抵抗情報とともに、前記第3基準温度情報と前記第3基準抵抗情報を用いて、前記吐出時温度を取得してよい。この形態の液体吐出装置によれば、2点測定により決定された第2係数情報を用いることにより、温度取得部による吐出時温度の検出精度を向上することができる。
(7)上記形態の液体吐出装置において、前記記憶部は、前記液体吐出ヘッドに備えられてよい。この形態の液体吐出装置によれば、温度取得部と検出抵抗体との配線長を短くすることができ、温度取得部への熱伝導や誘導ノイズの影響を小さくすることができる。
(8)上記形態の液体吐出装置において、前記液体吐出装置の外部に設けられた前記記憶部と通信するための接続部、を備えてよい。この形態の液体吐出装置によれば、液体吐出ヘッドまたは液体吐出装置を簡易な構成とすることができる。
(9)上記形態の液体吐出装置において、さらに、前記検出抵抗体に電流を印加する電流印加回路と、前記電流印加回路から電流が印加されたときの前記検出抵抗体の電圧を検出する電圧検出回路と、を備えてよい。
(10)上記形態の液体吐出装置において、前記検出抵抗体は、前記個別電極と同じ材料で形成されてよい。この形態の液体吐出装置によれば、検出抵抗体を個別電極と同じ行程で形成することにより、製造工程を簡略化してコストを低減することができる。
(11)上記形態の液体吐出装置において、前記検出抵抗体は、前記共通電極と同じ材料で形成されてよい。この形態の液体吐出装置によれば、検出抵抗体を共通電極と同じ行程で形成することにより、製造工程を簡略化してコストを低減することができる。
(12)上記形態の液体吐出装置において、前記検出抵抗体は、前記駆動配線と同じ材料で形成されてよい。この形態の液体吐出装置によれば、検出抵抗体を駆動配線と同じ行程で形成することにより、製造工程を簡略化してコストを低減することができる。
(13)本開示の他の形態によれば、液体吐出ヘッドが提供される。この液体吐出ヘッドは、複数の圧力室を有する圧力室基板と、前記圧力室基板に積層される圧電素子であって、前記複数の圧力室のそれぞれに対して個別に設けられる個別電極、前記複数の圧力室に対して共通に設けられる共通電極、および、前記圧電素子の積層方向において前記個別電極と前記共通電極との間に設けられ、前記圧力室内の液体に圧力を付与するための圧電体、を備える圧電素子と、前記個別電極および前記共通電極と電気的に接続され、前記圧電体を駆動する電圧を前記圧電体に印加するための駆動配線と、前記個別電極、前記共通電極、前記駆動配線のいずれかと同じ材料で形成され、前記圧力室内の温度を検出するための検出抵抗体と、前記検出抵抗体の第1抵抗温度係数に関する第1係数情報が記憶された記憶部と、を備える。この形態の液体吐出ヘッドによれば、第1係数情報を記憶部に予め記憶させておくことにより、任意の1点の温度での抵抗値を取得するだけで、検出抵抗体の抵抗値と、検出抵抗体の温度との対応関係を設定することができる。したがって、検出抵抗体の抵抗値と温度との対応関係を簡易な方法で設定することができる。
本開示は、液体吐出装置、液体吐出ヘッド以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出装置の製造方法等の形態で実現することができる。
本開示は、インクジェット方式に限らず、インク以外の他の液体を吐出する任意の液体吐出装置及びそれらの液体吐出装置に用いられる液体吐出ヘッドにも適用することができる。例えば、以下のような各種の液体吐出装置およびその液体吐出ヘッドに適用可能である。
(1)ファクシミリ装置等の画像記録装置。
(2)液晶ディスプレイ等の画像表示装置用のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出装置。
(3)有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ(Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材吐出装置。
(4)バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を吐出する液体吐出装置。
(5)精密ピペットとしての試料吐出装置。
(6)潤滑油の吐出装置。
(7)樹脂液の吐出装置。
(8)時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を吐出する液体吐出装置。
(9)光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂液等の透明樹脂液を基板上に吐出する液体吐出装置。
(10)基板などをエッチングするために酸性又はアルカリ性のエッチング液を吐出する液体吐出装置。
(11)他の任意の微小量の液滴を吐出させる液体消費ヘッドを備える液体吐出装置。
「液体」とは、液体吐出装置が消費できるような材料であれば良い。例えば、「液体」は、物質が液相であるときの状態の材料であれば良く、粘性の高い又は低い液状態の材料、及び、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような液状態の材料も「液体」に含まれる。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなども「液体」に含まれる。また、液体の代表的な例としては、以下のものが挙げられる。
(1)接着剤の主剤および硬化剤
(2)塗料のベース塗料および希釈剤や、クリア塗料および希釈剤
(3)細胞用インクの細胞を含有する主溶媒および希釈溶媒
(4)金属光沢感を発現するインク(メタリックインク)のメタリックリーフ顔料分散液および希釈溶媒
(5)車両用燃料のガソリン・軽油およびバイオ燃料
(6)薬品の薬主成分および保護成分
(7)発光ダイオード(LED)の蛍光体および封止材
10…圧力室基板、11…隔壁、12…圧力室、12a,12b…端部、15…連通板、16…ノズル連通路、17…第1マニホールド部、18…第2マニホールド部、19…供給連通路、20…ノズルプレート、21…ノズル、30…保護基板、31…保持部、32…貫通孔、40…ケース部材、41…収容部、42…第3マニホールド部、43…接続口、44…供給口、45…コンプライアンス基板、46…封止膜、47…固定基板、48…開口部、49…コンプライアンス部、50…振動板、55…弾性膜、56…絶縁体膜、60…第1電極、60a,60b…端部、62…テストパターン、70…圧電体、70a,70b…端部、71…溝部、80…第2電極、80a,80b…端部、85…配線部、91…個別リード電極、92…共通リード電極、92a,92b…延設部、93,93a,93b…測定用リード電極、100…マニホールド、120…中継基板、121…集積回路、300…圧電素子、310…活性部、320…非活性部、400,400c…温度取得部、401…検出抵抗体、430…電流印加回路、440…電圧検出回路、450…温度演算部、460…記憶部、470…接続部、500,500b,500c…液体吐出装置、510…液体吐出ヘッド、550…インクタンク、552…チューブ、560…搬送機構、562…搬送ローラー、564…搬送ロッド、566…搬送用モーター、570…移動機構、572…キャリッジ、574…搬送ベルト、576…移動用モーター、577…プーリー、580…制御部、590…選択部、600…サーバー、L1…第1圧力室列、L2…第2圧力室列、P…印刷用紙、T…吐出時温度、T0…基準温度、T1…第1基準温度、T2…第2基準温度、T3…第3基準温度、α1…第1抵抗温度係数、α2…第2抵抗温度係数、RT…抵抗値、RT0…基準温度、RT1…第1基準抵抗値、RT2…第2基準抵抗値、RT3…第3基準抵抗値

Claims (13)

  1. 液体吐出装置であって、
    液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドの温度を取得するための温度取得部と、
    前記液体吐出ヘッドの吐出動作を制御する制御部と、を備え、
    前記液体吐出ヘッドは、
    複数の圧力室を有する圧力室基板と、
    前記圧力室基板に積層される圧電素子であって、前記複数の圧力室のそれぞれに対して個別に設けられる個別電極、前記複数の圧力室に対して共通に設けられる共通電極、および、前記圧電素子の積層方向において前記個別電極と前記共通電極との間に設けられ、前記圧力室内の液体に圧力を付与するための圧電体、を備える圧電素子と、
    前記個別電極および前記共通電極と電気的に接続され、前記圧電体を駆動する電圧を前記圧電体に印加するための駆動配線と、
    前記個別電極、前記共通電極、および前記駆動配線のいずれかと同じ材料で形成され、前記圧力室内の温度を取得するための検出抵抗体と、を有し、
    前記温度取得部は、
    記憶部に予め記憶された、前記検出抵抗体の第1抵抗温度係数に関する第1係数情報を、前記液体吐出ヘッドの吐出動作よりも前に取得し、
    前記液体吐出ヘッドの吐出動作中に、前記検出抵抗体の抵抗値に関する吐出時抵抗情報を取得し、
    取得した前記第1係数情報および前記吐出時抵抗情報を用いて、前記液体吐出ヘッドの吐出動作中の前記圧力室内の吐出時温度を取得する第1温度取得動作を実行可能である、
    液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記温度取得部は、前記第1温度取得動作において、
    前記液体吐出ヘッドの吐出動作よりも前に、さらに、第1基準温度に関する第1基準温度情報と、前記第1基準温度における前記検出抵抗体の第1基準抵抗値に関する第1基準抵抗情報とを取得し、
    取得した前記第1係数情報および前記吐出時抵抗情報とともに、さらに、取得した前記第1基準温度情報と前記第1基準抵抗情報を用いて、前記吐出時温度を取得する、
    液体吐出装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の液体吐出装置であって、
    前記液体吐出ヘッドは、さらに、相関抵抗値を測定可能なテストパターンを備え、
    前記テストパターンの前記相関抵抗値は、前記検出抵抗体の第1抵抗温度係数との相関関係を有する、
    液体吐出装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    さらに、前記第1温度取得動作と、前記第1温度取得動作とは異なる第2温度取得動作であって、前記吐出時温度を取得するための第2温度取得動作と、のいずれを実行するかを決定するための選択部を備える、
    液体吐出装置。
  5. 請求項4に記載の液体吐出装置であって、
    前記温度取得部は、前記第2温度取得動作として、
    前記第1係数情報を用いずに、第2基準温度に関する第2基準温度情報と、前記第2基準温度における前記検出抵抗体の第2基準抵抗値に関する第2基準抵抗情報と、前記第2基準温度とは異なる第3基準温度に関する第3基準温度情報と、前記第3基準温度における前記検出抵抗体の第3基準抵抗値に関する第3基準抵抗情報と、を用いて前記吐出時温度を取得する、
    液体吐出装置。
  6. 請求項5に記載の液体吐出装置であって、
    前記温度取得部は、前記第2温度取得動作において、
    前記液体吐出ヘッドの吐出動作よりも前に、前記第2基準温度情報と、前記第2基準抵抗情報と、を用いて、前記検出抵抗体の第2抵抗温度係数に関する第2係数情報を取得し、
    前記液体吐出ヘッドの吐出動作中に、前記吐出時抵抗情報を取得し、
    取得した前記第2係数情報および前記吐出時抵抗情報とともに、さらに、前記第3基準温度情報と前記第3基準抵抗情報を用いて、前記吐出時温度を取得する、
    液体吐出装置。
  7. 前記記憶部は、前記液体吐出ヘッドに備えられる、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記液体吐出装置の外部に設けられた前記記憶部と通信するための接続部、を備える、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の液体吐出装置であって、
    さらに、前記検出抵抗体に電流を印加する電流印加回路と、
    前記電流印加回路から電流が印加されたときの前記検出抵抗体の電圧を検出する電圧検出回路と、を備える、
    液体吐出装置。
  10. 前記検出抵抗体は、前記個別電極と同じ材料で形成される、請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記検出抵抗体は、前記共通電極と同じ材料で形成される、請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  12. 前記検出抵抗体は、前記駆動配線と同じ材料で形成される、請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  13. 液体吐出ヘッドであって、
    複数の圧力室を有する圧力室基板と、
    前記圧力室基板に積層される圧電素子であって、前記複数の圧力室のそれぞれに対して個別に設けられる個別電極、前記複数の圧力室に対して共通に設けられる共通電極、および、前記圧電素子の積層方向において前記個別電極と前記共通電極との間に設けられ、前記圧力室内の液体に圧力を付与するための圧電体、を備える圧電素子と、
    前記個別電極および前記共通電極と電気的に接続され、前記圧電体を駆動する電圧を前記圧電体に印加するための駆動配線と、
    前記個別電極、前記共通電極、前記駆動配線のいずれかと同じ材料で形成され、前記圧力室内の温度を検出するための検出抵抗体と、
    前記検出抵抗体の第1抵抗温度係数に関する第1係数情報が記憶された記憶部と、を備える、
    液体吐出ヘッド。
JP2021131046A 2021-08-11 2021-08-11 液体吐出装置および液体吐出ヘッド Pending JP2023025740A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021131046A JP2023025740A (ja) 2021-08-11 2021-08-11 液体吐出装置および液体吐出ヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021131046A JP2023025740A (ja) 2021-08-11 2021-08-11 液体吐出装置および液体吐出ヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023025740A true JP2023025740A (ja) 2023-02-24

Family

ID=85252316

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021131046A Pending JP2023025740A (ja) 2021-08-11 2021-08-11 液体吐出装置および液体吐出ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023025740A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8876261B2 (en) Actuator, liquid ejecting head, and liquid ejecting apparatus
US8197035B2 (en) Actuator device and liquid ejecting head including the same
US20230018898A1 (en) Liquid discharge head unit and liquid discharge device
US11872814B2 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
JP2023025740A (ja) 液体吐出装置および液体吐出ヘッド
US10611150B2 (en) Liquid discharge head, liquid discharge apparatus, piezoelectric device, and ultrasonic sensor
JP2023031987A (ja) 液体吐出装置、液体吐出方法、およびコンピュータープログラム
US20230020673A1 (en) Liquid discharge head and liquid discharge device
US20230182465A1 (en) Liquid ejecting apparatus
US20240165963A1 (en) Liquid Ejecting Head And Liquid Ejecting Apparatus
US20230166497A1 (en) Liquid discharge head and liquid discharge device
JP2023080590A (ja) 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
US20230166498A1 (en) Liquid discharge head and liquid discharge device
US20240165950A1 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
US20240165951A1 (en) Liquid Ejecting Head And Liquid Ejecting Apparatus
JP2024073751A (ja) 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
EP4371774A1 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
US20230173808A1 (en) Liquid ejecting head and liquid ejecting apparatus
JP2024073750A (ja) 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
JP2024073749A (ja) 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
US20220203683A1 (en) Liquid discharge head and actuator
JP7098942B2 (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、及び、圧電デバイス
JP2024073752A (ja) 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
JP2023012771A (ja) 液体吐出ヘッドユニットおよび液体吐出装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20210917

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20211104