JP2023023548A - 液体取扱装置および液体取扱システム - Google Patents

液体取扱装置および液体取扱システム Download PDF

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Abstract

Figure 2023023548000001
【課題】ポンプに起因する液体の流量の変動を低減できる液体取扱装置を提供すること。
【解決手段】液体取扱装置は、ポンプを含む上流部から送られてきた液体を下流部に向けて流すように構成された第1流路と、前記第1流路にそれぞれ接続され、前記第1流路内の液体の圧力に応じて内部の気体の体積が変動することで、前記ポンプに起因する前記第1流路内を流れる液体の流量の変動を低減させるように構成された複数のダンパーと、を有する。前記複数のダンパーにおいて、互いに隣接する2つのダンパーのうち上流側のダンパーの体積は、下流側のダンパーの体積以下である。前記複数のダンパーのうち最も上流側のダンパーの体積は、最も下流側のダンパーの体積よりも小さい。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体取扱装置および液体取扱システムに関する。
近年、核酸やタンパク質、細胞などの分析を高精度かつ高速に行うために、液体取扱装置(例えば流路チップ)が使用されている。液体取扱装置は、分析に必要な試薬および試料の量が少なくてよいという利点を有しており、臨床検査や食物検査、環境検査などの様々な用途での使用が期待されている。このような液体取扱装置の一例として、核酸やタンパク質などを含む微小な液滴や、細胞などの粒子を選別し、分取することができる液体取扱装置が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2017-181369号公報
特許文献1に記載されているような液体取扱装置を用いて粒子の選別および分取を行う場合、流路内に粒子を含む液体を流すために、ペリスタルティックポンプなどの定量送液が可能なポンプを接続するのが一般的である。しかしながら、このような定量送液ポンプには、その構造に起因して、平均流量は一定であっても、単位時間当たりの流量が周期的に変化するものが多い。このような流量の周期的な変化は「脈動」とも称される。
一方で、特許文献1に記載されているような液体取扱装置を用いて粒子の選別および分取を高精度に行うためには、上記脈動を抑制して流路内の流量を安定させることが好ましい。
本発明の目的は、ポンプに起因する液体の流量の変動を低減できる液体取扱装置および液体取扱システムを提供することである。
本発明に係る液体取扱装置は、ポンプを含む上流部から送られてきた液体を下流部に向けて流すように構成された第1流路と、前記第1流路にそれぞれ接続され、前記第1流路内の液体の圧力に応じて内部の気体の体積が変動することで、前記ポンプに起因する前記第1流路内を流れる液体の流量の変動を低減させるように構成された複数のダンパーと、を有し、前記複数のダンパーにおいて、互いに隣接する2つのダンパーのうち上流側のダンパーの体積は、下流側のダンパーの体積以下であり、前記複数のダンパーのうち最も上流側のダンパーの体積は、最も下流側のダンパーの体積よりも小さい。
本発明に係る液体取扱システムは、ポンプと、前記ポンプの下流に位置するように前記ポンプと接続された上記本発明に係る液体取扱装置と、を有する。
本発明によれば、ポンプに起因する液体の流量の変動を低減できる液体取扱装置および液体取扱システムを提供することができる。
図1は、実施の形態に係る液体取扱システムの構成を示す模式図である。 図2A~Eは、実施の形態に係る液体取扱装置の構成を示す図である。 図3Aおよび図3Bは、1つのダンパーが機能する様子を説明するための模式図である。 図4A~Cは、複数のダンパーが機能する様子を説明するための模式図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る液体取扱システムおよび液体取扱装置について説明する。ここでは、液体に含まれる多数の粒子から特定の粒子を選別および分取することができる液体取扱システムおよび液体取扱装置について説明する。
(液体取扱システムの構成)
図1は、本実施の形態に係る液体取扱システム100の構成を示す模式図である。図1では、液体取扱装置200の構成要素の一部を破線で示している。図2A~Eは、本実施の形態に係る液体取扱装置200の構成を示す図である。図2Aは平面図であり、図2Bは底面図であり、図2Cはフィルム204を取り外した状態の底面図(基板202の底面図)であり、図2Dは正面図であり、図2Eは図2CのE-E線の断面図である。
図1に示されるように、液体取扱システム100は、液体取扱装置200、導入部300、ポンプ400、選別部500、第1回収部600および第2回収部700を有する。本実施の形態では、導入部300とポンプ400との間、ポンプ400と液体取扱装置200の導入口210との間、液体取扱装置200の第1回収口270と第1回収部600との間、液体取扱装置200の第2回収口280と第2回収部700との間は、それぞれチューブ800で接続されている。
図1に示されるように、液体取扱装置200は、ポンプ400の下流に位置するようにポンプ400と接続されている。本実施の形態では、液体取扱装置200は、導入部300およびポンプ400の下流に、かつ第1回収部600および第2回収部700の上流に配置されている。図2A~Eに示されるように、液体取扱装置200は、導入口210、第1流路220、複数のダンパー230a~d、分岐部240、第2流路250、第3流路260、第1回収口270および第2回収口280を有する。本実施の形態では、液体取扱装置200は、基板202と、基板202の裏面に接合されたフィルム204とから構成されている。
基板202には、第1流路220、第2流路250または第3流路260になるための複数の溝と、ダンパー230a~dになるための複数の凹部と、導入口210、第1回収口270または第2回収口280になるための複数の貫通孔が形成されている。複数の溝および凹部は、基板202の裏側に開口している。複数の貫通孔は、基板202の表側および裏側に開口している。基板202の表側では、導入口210、第1回収口270または第2回収口280となるための貫通孔の開口部の周囲に円筒状の突起が突出している。これらの突起は、チューブ800の接続部として機能する。フィルム204は、上記溝、凹部および貫通孔の開口部を塞ぐように基板202の裏面に接合されている。フィルム204により塞がれた基板202の溝は、例えば粒子を含む液体を流すための第1流路220、第2流路250および第3流路260となる。また、フィルム204により塞がれた基板202の凹部は、ダンパー230a~dとなる。さらに、フィルム204により一方の開口部が塞がれた基板202の貫通孔は、導入口210、第1回収口270または第2回収口280となる。
基板202の厚みは、特に限定されず、例えば、1mm以上10mm以下である。ここで「基板202の厚み」とは、基板202のうち上記溝、凹部、貫通孔および突起が形成されていない部分の厚みを意味する。また、基板202に含まれる材料も、特に限定されない。基板202に含まれる材料は、例えば、公知の樹脂およびガラスから適宜選択されうる。基板202に含まれる材料の例には、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリスチレン、シクロオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂およびエラストマーが含まれる。
フィルム204の厚みは、特に限定されず、例えば、30μm以上300μm以下である。また、フィルム204に含まれる材料も、特に限定されない。フィルム204に含まれる材料は、例えば、公知の樹脂から適宜選択されうる。フィルム204に含まれる材料の例には、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリスチレン、シクロオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂およびエラストマーが含まれる。フィルム204は、例えば、熱溶着やレーザー溶着、接着剤などにより基板202に接合される。
導入口210は、第1流路220の上流端に接続された、第1流路220内に液体を導入するための開口部である。本実施の形態では、導入口210は、チューブ800を介してポンプ400と接続されている。後述するように、ポンプ400は、チューブ800を介して導入部300と接続されている。したがって、ポンプ400を駆動させることで、導入部300内の液体が導入口210から第1流路220に導入される。導入口210の構成は、ポンプ400と適切に接続することができれば特に限定されない。本実施の形態では、導入口210は、基板202に形成された貫通孔と、当該貫通孔の裏側の開口部を閉塞しているフィルム204と、上記円筒状の突起とから構成されており、チューブ800の端部を保持可能な形状とされている。
第1流路220、第2流路250および第3流路260は、その内部を液体が移動しうる流路であり、ポンプ400を含む上流部から送られてきた液体を下流部に向けて流すように構成されている。本実施の形態では、第1流路220の下流端に、第2流路250の上流端および第3流路260の上流端が接続されている。すなわち、第1流路220は、分岐部240で第2流路250および第3流路260に分岐する。第1流路220内を上流から下流に向けて流れてきた液体は、分岐部240で第2流路250または第3流路260に進み、第2流路250または第3流路260内を上流から下流に向けて流れる。後述するように、本実施の形態では、選別部500が、分岐部240で第1流路220内を流れる液体に含まれる粒子を選別し、選別した粒子を第2流路250に進ませ、残りの粒子を第3流路260に進ませる。
本実施の形態では、第1流路220、第2流路250および第3流路260は、基板202に形成されている溝と、当該溝の開口部を閉塞しているフィルム204とから構成されている。第1流路220、第2流路250および第3流路260の断面積および断面形状は、特に限定されない。本明細書において、「流路の断面」とは、液体が流れる方向に直交する流路の断面を意味する。第1流路220、第2流路250および第3流路260の断面形状は、特に限定されず、例えば、一辺の長さ(幅および深さ)が数十μm程度の略矩形状である。第1流路220、第2流路250および第3流路260の断面積は、液体の流れ方向において、一定であってもよいし、一定でなくてもよい。本実施の形態では、第1流路220、第2流路250および第3流路260の断面積は、一定である。
複数のダンパー(減衰器)230a~dは、第1流路220にそれぞれ接続されており、第1流路220内の液体の圧力に応じて内部の気体の体積が変動することで、ポンプ400に起因する第1流路220内を流れる液体の流量の変動(脈動)を低減させるように構成されている。本実施の形態では、複数のダンパー230a~dは、それぞれ、基板202に形成されている凹部および溝と、当該凹部および溝の開口部を閉塞しているフィルム204とから構成されている。フィルム204により塞がれた凹部は、第1流路220内の液体の圧力に応じて体積が変化する気体を収容するチャンバーとなる。気体の種類は、特に限定されず、例えば空気である。フィルム204により塞がれた溝は、第1流路220と上記チャンバーとを接続する流路となる。上記チャンバーは、上記流路を介して第1流路220にのみ開放されている。
第1流路220内を流れる液体の一部は、第1流路220とダンパー230との接続部からダンパー230内に入り込む。このとき、ダンパー230内の気体は外部に移動することができないため、液体がダンパー230内に入り込むほど、ダンパー230内の気体が圧縮されて、ダンパー230内の気体の圧力が大きくなる。その結果、上記接続部における液体の圧力とダンパー230内の気体の圧力とが釣り合うまで、液体はダンパー230内に入り込む。したがって、第1流路220内の液体の圧力が大きいときは、ダンパー230内に入り込む液体の量が多くなり、第1流路220内の液体の圧力が小さいときは、ダンパー230内に入り込む液体の量が少なくなる(図3B参照)。これにより、第1流路220内の液体の圧力が周期的に変動している場合であっても、ダンパー230は、第1流路220内の流量の変動(脈動)を抑制することができる。すなわち、ダンパー230は、第1流路220内の液体の圧力が上がったときは、第1流路220内の液体を取り込むことで第1流路220内の流量を減らし、第1流路220内の液体の圧力が下がったときは、第1流路220内に液体を送り込むことで第1流路220内の流量を増やすことで、第1流路220内の流量の変動(脈動)を抑制する。
本実施の形態に係る液体取扱装置200では、複数のダンパー230a~dが第1流路220のそれぞれ異なる位置に接続されている。複数のダンパー230a~dのそれぞれの第1流路220との接続部の位置は、特に限定されない。たとえば、複数のダンパー230a~dの第1流路220との接続部は、等間隔に配置されていてもよいし、異なる間隔で配置されていてもよい。本実施の形態では、複数のダンパー230a~dの第1流路220との接続部は、等間隔に配置されている。
また、複数のダンパー230a~dの大きさは、上流側のダンパー230ほど小さく、下流側のダンパー230ほど大きくなるように調整されている。より具体的には、複数のダンパー230a~dのうち最も上流側のダンパー230aの体積は、最も下流側のダンパー230dの体積よりも小さい。また、互いに隣接する2つのダンパー230のうち上流側のダンパー230の体積は、下流側のダンパー230の体積以下である。たとえば、上流側から2番目に位置するダンパー230bの体積は、上流側から3番目に位置するダンパー230cの体積と同じか、それよりも小さい。このように互いに隣接する2つのダンパー230の体積は同じであってもよいが、互いに隣接する2つのダンパー230のうち上流側のダンパー230の体積は、下流側のダンパー230の体積よりも小さいことが好ましい。上流側のダンパー230ほど小さく、下流側のダンパー230ほど大きくなるように複数のダンパー230a~dを設けることで、第1流路220内の液体の変動(脈動)を短時間で効率よく抑制することができる。
図3Aおよび図3Bは、1つのダンパー230’が機能する様子を説明するための模式図である。
図3Aに示されるように、第1流路220に液体を流し始めた直後は、ダンパー230’内の圧力は外気と同じ(例えば100kPa)である。この状態では、ダンパー230’は機能を発揮していない。なお、ここでは、ポンプ400が150kPaで送液をしており、ダンパー230’と第1流路220との接続部における液体の圧力は140kPaであるとする。
第1流路220内を流れる液体の一部は、ダンパー230’内に入り込む。このとき、ダンパー230’内の気体が圧縮されて、ダンパー230’内の気体の圧力が大きくなる。その後、図3Bに示されるように、上記接続部における液体の圧力とダンパー230内の気体の圧力とが釣り合うまで、液体はダンパー230’内に入り込む。この状態になると、ダンパー230’は初めて機能を発揮できる。すなわち、ダンパー230’は、第1流路220内の液体の圧力が上がったときは、第1流路220内の液体を取り込むことで第1流路220内の流量を減らし、第1流路220内の液体の圧力が下がったときは、第1流路220内に液体を送り込むことで第1流路220内の流量を増やすことで、第1流路220内の流量の変動(脈動)を抑制する。
ここで、第1流路220内の流量の変動(脈動)を抑制する機能を高める観点からは、ダンパー230’の大きさは大きいほど好ましい。一方で、図3Bからわかるように、大きいダンパー230’を機能させるためには、より多くの液体がダンパー230’内に流れ込むことが必要となるため、ダンパー230’が機能を発揮できるまでに要する時間が長くなる。また、ダンパー230’が基板202に形成された凹部とフィルム204とにより構成されている場合、ダンパー230’が大きいと基板202の凹部を塞ぐフィルム204が撓みやすくなり、ダンパー230’の機能が損なわれるおそれもある。そこで、本実施の形態に係る液体取扱装置200では、1つの大きなダンパー230’の代わりに、複数の小さなダンパー230a~dを設けることで、機能を発揮できるまでの時間を短くしつつ、流量の変動(脈動)を抑制する機能を高めることを実現している。
図4A~Cは、複数のダンパー230a~dが機能する様子を説明するための模式図である。図4Aおよび図4Bでは、同じ大きさの複数のダンパー230a’~d’を有する比較例に係る液体取扱装置を示しており、図4Cでは、上流側ほど小さい複数のダンパー230a~dを有する本実施の形態に係る液体取扱装置200を示している。
図4Aに示されるように、第1流路220に液体を流し始めた直後は、各ダンパー230a’~d’内の圧力は外気と同じ(例えば100kPa)である。この状態では、各ダンパー230a’~d’は機能を発揮していない。なお、ここでは、ポンプ400が150kPaで送液をしており、各ダンパー230a’~d’と第1流路220との接続部における液体の圧力は、上流側からそれぞれ140kPa、130kPa,120kPa,110kPaであるとする。
第1流路220内を流れる液体の一部は、各ダンパー230a’~d’内に入り込む。このとき、各ダンパー230a’~d’内の気体が圧縮されて、ダンパー230内の気体の圧力が大きくなる。その後、図4Bに示されるように、上記接続部における液体の圧力とダンパー230内の気体の圧力とが釣り合うまで、液体はダンパー230内に入り込む。この状態になると、各ダンパー230a’~d’は初めて機能を発揮できる。すなわち、各ダンパー230a’~d’は、第1流路220内の液体の圧力が上がったときは、第1流路220内の液体を取り込むことで第1流路220内の流量を減らし、第1流路220内の液体の圧力が下がったときは、第1流路220内に液体を送り込むことで第1流路220内の流量を増やすことで、第1流路220内の液体の変動(脈動)を抑制する。
図3Bに示される1つのダンパー230’の体積と、図4Bに示される複数のダンパー230a’~d’の合計体積が同一である場合、図4Bに示される複数のダンパー230a’~d’は、図3Bに示される1つのダンパー230’と同程度の機能を発揮することが期待できる。一方で、図4Bに示される各ダンパー230a’~d’は、図3Bに示されるダンパー230’よりも顕著に小さいため、図4Bに示される各ダンパー230a’~d’が、短時間で機能を発揮することも期待できる。また、各ダンパー230a’~d’が基板202に形成された凹部とフィルム204とにより構成されている場合であっても、各ダンパー230a’~d’が小さいためフィルム204が撓みにくい。また、大きな1つのダンパー230’を設けるよりも小さな複数のダンパー230a’~d’を設ける方が、液体取扱装置200の設計自由度が上がり、液体取扱装置200を小型化することもできる。
ここで、図4Bに示される最も上流側のダンパー230a’と最も下流側のダンパー230d’とを比較すると、最も上流側のダンパー230a’の方が機能を発揮できるまでに要する時間(圧力が釣り合うまでに要する時間)が長いことがわかる。そこで、本実施の形態に係る液体取扱装置200では、機能を発揮できるまでに要する時間をより短縮するために、図4Cに示されるように、複数のダンパー230a~dの大きさは、上流側のダンパー230ほど小さく、下流側のダンパー230ほど大きくなるように調整されている。このようにすることで、各ダンパー230a~dにおける機能を発揮できるまでに要する時間を近付けることが可能となり、複数のダンパー230a~d全体として、流量の変動(脈動)を抑制する十分な機能を確保しつつ、機能を発揮できるまでの時間をより短縮することを実現している。
複数のダンパー230a~dの合計体積は、特に限定されず、ポンプ400に起因する脈動の大きさなどに応じて適宜設定されうる。たとえば、複数のダンパー230a~dの合計体積は、30~600μLである。
ダンパー230の数は、2つ以上であれば特に限定されないが、3つ以上が好ましい。本実施の形態では、ダンパー230の数は、4つである。また、ダンパー230の形状は、上記の体積の条件を満たしていれば特に限定されない。本実施の形態では、ダンパー230の形状は、略四角柱である。
第1回収口270は、第2流路250の下流端に接続された、第2流路250内を流れてきた液体を回収するための開口部である。本実施の形態では、第1回収口270は、チューブ800を介して第1回収部600と接続されている。したがって、第2流路250内を流れてきた液体は、第1回収部600に回収される。第1回収口270の構成は、第1回収部600と適切に接続することができれば特に限定されない。本実施の形態では、第1回収口270は、基板202に形成された貫通孔と、当該貫通孔の裏側の開口部を閉塞しているフィルム204と、上記円筒状の突起とから構成されており、チューブ800の端部を保持可能な形状とされている。
第2回収口280は、第3流路260の下流端に接続された、第3流路260内を流れてきた液体を回収するための開口部である。本実施の形態では、第2回収口280は、チューブ800を介して第2回収部700と接続されている。したがって、第3流路260内を流れてきた液体は、第2回収部700に回収される。第2回収口280の構成は、第2回収部700と適切に接続することができれば特に限定されない。本実施の形態では、第2回収口280は、基板202に形成された貫通孔と、当該貫通孔の裏側の開口部を閉塞しているフィルム204と、上記円筒状の突起とから構成されており、チューブ800の端部を保持可能な形状とされている。
前述のとおり、液体取扱システム100は、液体取扱装置200以外にも、導入部300、ポンプ400、選別部500、第1回収部600および第2回収部700を有する(図1参照)。
導入部300は、液体取扱装置200に導入する液体を保持する。導入部300の構成は、特に限定されない。たとえば、導入部300は、液体を収容した容器である。本実施の形態では、導入部300は、所定の粒子を含む液体を保持している。粒子の例には、核酸やタンパク質などを含む微小な液滴や、細胞などが含まれる。液体中の分散媒の種類は、特に限定されず、粒子の種類などに応じて適宜選択されうる。
ポンプ400は、液体取扱装置200の第1流路220に液体を送る。本実施の形態では、ポンプ400は、導入部300および液体取扱装置200の導入口210にそれぞれチューブ800を介して接続されており、導入部300内の粒子を含む液体を吸引し、導入口210に上記液体を送る。ポンプ400の種類は、上記機能を発揮できれば特に限定されない。本実施の形態に係る液体取扱システム100は脈動を低減できるため、ポンプ400は、脈動を生じさせることがあるペリスタルティックポンプ(チューブポンプ、ローラーポンプなどとも称される)などであってもよい。本実施の形態では、ポンプ400は、ペリスタルティックポンプである。
選別部500は、液体取扱装置200の分岐部240の近傍に配置された検出部および操作部を有しており、液体取扱装置200の第1流路220内を流れてきた液体に含まれる粒子を選別し、分取する。より具体的には、選別部500の検出部は、分岐部240に到達した粒子が所定の粒子であるか否かを検出する。選別部500の操作部は、検出部が検出した粒子が分取対象の粒子であったときはこの粒子が第2流路250に進むように粒子を操作し、検出部が検出した粒子が分取対象の粒子でなかったときはこの粒子が第3流路260に進むように粒子を操作する。
検出部の構成は、粒子の選別を行うことができれば特に限定されず、粒子の種類に応じて適宜選択される。たとえば、選別されるべき粒子が所定の波長の蛍光を放出し、それ以外の粒子が当該蛍光を放出しない場合は、検出部は、励起光を出射する光源と、蛍光を検出する検出器とを有する。
操作部の構成は、粒子の進む方向を操作できれば特に限定されず、粒子の種類に応じて適宜選択される。たとえば、選別されるべき粒子が正または負の電場に引き寄せられる場合は、操作部は、分岐部240内において第2流路250の上流端近傍に上記正または負の電場を印可可能な電極対を有していてもよい(特許文献1参照)。
第1回収部600は、液体取扱装置200の第2流路250内を流れてきた液体を回収する。前述のとおり、本実施の形態では、選別部500により選別された粒子を含む液体が第2流路250内を流れる。したがって、第1回収部600は、選別部500により選別された粒子を含む液体を回収する。本実施の形態では、第1回収部600は、液体取扱装置200の第1回収口270にチューブ800を介して接続されており、第1回収口270に流れてきた液体を収容する。第1回収部600の構成は、特に限定されない。たとえば、第1回収部600は、液体を収容可能な容器である。
第2回収部700は、液体取扱装置200の第3流路260内を流れてきた液体を回収する。前述のとおり、本実施の形態では、選別部500により選別されなかった粒子を含む液体が第3流路260内を流れる。したがって、第2回収部700は、選別部500により選別されなかった粒子を含む液体を回収する。本実施の形態では、第2回収部700は、液体取扱装置200の第2回収口280にチューブ800を介して接続されており、第2回収口280に流れてきた液体を収容する。第2回収部700の構成は、特に限定されない。たとえば、第2回収部700は、液体を収容可能な容器である。
(液体取扱システムの動作)
以下、液体取扱システム100を用いて液体を取り扱う方法の一例を説明する。ここでは、導入部300内に収容された液体中の多数の粒子の中から、所定の粒子を分取して第1回収部600に回収する例を説明する。
まず、導入部300に多数の粒子を含む液体を設置した状態で、ポンプ400を駆動させる。これにより、導入部300内の液体が、チューブ800を介して液体取扱装置200の導入口210から第1流路220内に導入される。第1流路220内に導入された液体の一部は、複数のダンパー230a~dに入り込み、第1流路220内に導入された液体の残部は、第1流路220内を進む。前述のとおり、複数のダンパー230a~d内の気体の圧力と第1流路220内の液体の圧力が釣り合うまで液体が複数のダンパー230a~d内に入り込んだ後、複数のダンパー230a~dは、ポンプ400に起因する脈動を適切に抑制できるようになる。それまでは、選別部500は、分岐部240に到達したすべての粒子を第3流路260に移動させる。
複数のダンパー230a~dが機能すると、分岐部240における流量の変動がほとんどなくなる。この状態になったら、選別部500は、分岐部240に到達した粒子の中から所定の粒子を選別し、第2流路250に移動させる。選別部500は、残りの粒子は第3流路260に移動させる。分岐部240における流量が安定しているため、選別部500は、粒子の選別および分取を高精度に行うことができる。
選別部500により第2流路250内に移動させられた所定の粒子は、第1回収口270およびチューブ800を介して第1回収部600に回収される。一方、選別部500により第3流路260内に移動させられた所定の粒子は、第2回収口280およびチューブ800を介して第2回収部700に回収される。したがって、液体取扱システム100を用いることで、第1回収部600に所定の粒子のみを回収することができる。
(効果)
以上のように、本実施の形態に係る液体取扱システム100および液体取扱装置200によれば、複数のダンパー230a~dを設けてポンプ400に起因する液体の流量の変動を低減することで、選別部500において高精度に粒子の選別および分取を行うことができる。
本実施の形態に係る液体取扱システム100および液体取扱装置200は、例えば、臨床検査や食物検査、環境検査などの様々な用途において有用である。
100 液体取扱システム
200 液体取扱装置
202 基板
204 フィルム
210 導入口
220 第1流路
230a~d ダンパー
240 分岐部
250 第2流路
260 第3流路
270 第1回収口
280 第2回収口
300 導入部
400 ポンプ
500 選別部
600 第1回収部
700 第2回収部
800 チューブ

Claims (7)

  1. ポンプを含む上流部から送られてきた液体を下流部に向けて流すように構成された第1流路と、
    前記第1流路にそれぞれ接続され、前記第1流路内の液体の圧力に応じて内部の気体の体積が変動することで、前記ポンプに起因する前記第1流路内を流れる液体の流量の変動を低減させるように構成された複数のダンパーと、
    を有し、
    前記複数のダンパーにおいて、互いに隣接する2つのダンパーのうち上流側のダンパーの体積は、下流側のダンパーの体積以下であり、
    前記複数のダンパーのうち最も上流側のダンパーの体積は、最も下流側のダンパーの体積よりも小さい、
    液体取扱装置。
  2. 前記複数のダンパーにおいて、互いに隣接する2つのダンパーのうち上流側のダンパーの体積は、下流側のダンパーの体積よりも小さい、請求項1に記載の液体取扱装置。
  3. 前記複数のダンパーの前記第1流路との接続部は、等間隔に配置されている、請求項1または請求項2に記載の液体取扱装置。
  4. 第2流路および第3流路をさらに有し、
    前記第2流路の上流端および前記第3流路の上流端は、前記第1流路の下流端に接続されている、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の液体取扱装置。
  5. 前記液体取扱装置は、一方の面に溝および複数の凹部が形成された基板と、前記基板の前記一方の面に接合されたフィルムと、を有し、
    前記第1流路は、前記フィルムにより開口部が塞がれた前記溝を含み、
    前記複数のダンパーは、前記フィルムにより開口部が塞がれた前記複数の凹部を含む、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の液体取扱装置。
  6. ポンプと、
    前記ポンプの下流に位置するように前記ポンプと接続された請求項1~5のいずれか一項に記載の液体取扱装置と、
    を有する、液体取扱システム。
  7. 前記ポンプは、ペリスタルティックポンプである、請求項6に記載の液体取扱システム。
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