JP2023023441A - 船舶用太陽光パネル制御装置、船舶用太陽光パネル制御方法及び船舶用太陽光パネル制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】船舶用太陽光パネルの駆動による消費電力量と船舶用太陽光パネルの発電量との収支を効率良く大きくする。【解決手段】本発明の船舶用太陽光パネル制御装置100は、船の現在位置及び船の将来の目標位置と指令舵角とのうちの少なくとも一方を含む運航情報を取得する取得部106と、運航情報に基づいて船に設置された太陽光パネル10の向きを制御するパネル制御部109と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、船舶用太陽光パネル制御装置、船舶用太陽光パネル制御方法及び船舶用太陽光パネル制御プログラムに関する。
従来の船舶用太陽光パネル制御装置としては、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。特許文献1の技術は、船の帆に複数の太陽電池を設け、帆の適所または船の適所に設けた光量センサと入射角センサとによって、太陽光を検出すると共に太陽光線の入射方向を検出し、これら検出データに基づいて帆の向きを調整している。
太陽光パネルからより多くの電力を得るための技術として、例えば一定の時間間隔毎に船のそのときの船首方位に基づいて太陽光パネルを太陽に向けて太陽光パネルを太陽に自動的に追従させることが想定される。これにより、太陽光パネルに対する太陽光の入射量を大きくすることができるため、太陽光パネルの発電量を大きくすることができる。
しかし、例えば船の船首方位が頻繁に変化する場合、変化途中の船首方位の向きに基づいて太陽光パネルの向きを太陽に向けて頻繁に変化させてしまうことがある。そのため、船首方位の変化が落ち着いた後の最終的な船首方位となるまでに太陽光パネルを不必要に駆動させてしまい、無駄に電力を消費してしまう場合があった。その結果、この駆動による消費電力量と太陽光パネルの発電量との収支を効率良く大きくすることができなかった。
上記課題を鑑みて、本発明の目的は、船舶用太陽光パネルの駆動による消費電力量と船舶用太陽光パネルの発電量との収支を効率良く大きくすることが可能な技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の船舶用太陽光パネル制御装置は、船の現在位置及び前記船の将来の目標位置と指令舵角とのうちの少なくとも一方を含む運航情報を取得する取得部と、前記運航情報に基づいて前記船に設置された太陽電池パネルの向きを制御するパネル制御部と、を備える。
本発明の他の態様の船舶用太陽光パネル制御方法は、船の現在位置及び前記船の将来の目標位置と指令舵角とのうちの少なくとも一方を含む運航情報を取得するステップと、前記運航情報に基づいて前記船に設置された太陽電池パネルの向きを制御するステップと、を備える。
本発明の他の態様の船舶用太陽光パネル制御プログラムは、プロセッサに、船の現在位置及び前記船の将来の目標位置と指令舵角とのうちの少なくとも一方を含む運航情報を取得するステップと、前記運航情報に基づいて前記船に設置された太陽電池パネルの向きを制御するステップと、を実行させるための船舶用太陽光パネル制御プログラムである。
なお、以上の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、プログラム、プログラムを記録した一時的なまたは一時的でない記憶媒体、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、船舶用太陽光パネルの駆動による消費電力量と船舶用太陽光パネルの発電量との収支を効率良く大きくすることが可能になる。
以下の実施形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の船舶用太陽光パネル装置1を例示する。図1に示すように、船舶用太陽光パネル装置1は、基部4と、方位角駆動部6と、連結部8と、太陽光パネル10と、仰角駆動部12と、を備える。基部4は、船の甲板2、例えば船首付近の甲板2に設けられた支柱などである。方位角駆動部6は、基部4の上端部に設けられる。この方位角駆動部6には連結部8が取り付けられ、連結部8は、図1に一点鎖線で示す垂直な軸線の回りに方位角駆動部6によって360度回転可能である。連結部8には、上述した垂直な軸線と直交する水平軸線の回りに回転自在に太陽光パネル10が取り付けられている。太陽光パネル10は、太陽光による光エネルギーを電気エネルギーに変換することにより発電する。太陽光パネル10は、連結部8に設けられた例えば仰角駆動部12によって水平軸線の回りにほぼ360度回転可能で、例えば甲板2と平行な水平状態をとることができる。
図1は、本実施形態の船舶用太陽光パネル装置1を例示する。図1に示すように、船舶用太陽光パネル装置1は、基部4と、方位角駆動部6と、連結部8と、太陽光パネル10と、仰角駆動部12と、を備える。基部4は、船の甲板2、例えば船首付近の甲板2に設けられた支柱などである。方位角駆動部6は、基部4の上端部に設けられる。この方位角駆動部6には連結部8が取り付けられ、連結部8は、図1に一点鎖線で示す垂直な軸線の回りに方位角駆動部6によって360度回転可能である。連結部8には、上述した垂直な軸線と直交する水平軸線の回りに回転自在に太陽光パネル10が取り付けられている。太陽光パネル10は、太陽光による光エネルギーを電気エネルギーに変換することにより発電する。太陽光パネル10は、連結部8に設けられた例えば仰角駆動部12によって水平軸線の回りにほぼ360度回転可能で、例えば甲板2と平行な水平状態をとることができる。
図2を参照する。船舶用太陽光パネル装置1は、パネル制御装置100を備える。パネル制御装置100は、船舶位置出力部101と、船首方位出力部102と、太陽位置出力部103と、指令舵角出力部104と、パネル方位及び仰角検出部105と、取得部106と、舵角判断部107と、算出部108と、パネル制御部109と、記憶部110と、を備える。本実施形態のパネル制御装置100は、船舶用太陽光パネル制御装置の一例である。
船舶位置出力部101は、衛星航法システム、例えばGPS用の衛星から送信される衛星航法システム用信号、例えばGPS信号を受信する例えばGPS受信機(図示せず)の受信信号に基づいて現在位置(例えば、船の緯度及び経度)を出力する。船首方位出力部102は、GPS信号またはジャイロに基づいて船の船首方位を出力する。太陽位置出力部103は、現在の日付及び時刻に基づいて現在の太陽の現在位置を出力する。指令舵角出力部104は、船の舵操作に基づく船の指令舵角を出力する。パネル方位及び仰角検出部105は、太陽光パネル10の現在の向き(方位及び仰角)を検出する。なお、ここでの船首方位は例えば北などの特定の方位を基準としたときの方位を指し、太陽光パネル10の方位は例えば船首方位を基準としたときの方位を指す。
取得部106は、船の現在位置、船の現在の船首方位、太陽の現在位置、船の指令舵角、及び太陽光パネルの現在の向きを船舶位置出力部101、船首方位出力部102、太陽位置出力部103、指令舵角出力部104、及びパネル方位及び仰角検出部105からそれぞれ取得する。本実施形態の指令舵角、船の現在位置及び船の現在の船首方位は、運航情報の一例である。
算出部108は、船を所定時間移動させた場合を想定したときの太陽光パネル10の発電量に対する太陽光パネル10の駆動に必要な消費電力量(以下、駆動電力量という)の差分を算出する。
パネル制御部109は、方位角駆動部6及び仰角駆動部12に駆動指令を供給することにより、船に設置された太陽光パネル10の向き(方位及び仰角)を制御する。
記憶部110は、各種閾値や太陽光パネル10の制御を実行するための各種プログラムを記憶している。
ところで、太陽光パネルからより多くの電力を得るための技術として、例えば一定の時間間隔毎に船のそのときの船首方位に基づいて太陽光パネルを太陽に向けて太陽光パネルを太陽に自動的に追従させることが想定される。これにより、太陽光パネルの発電量を大きくすることができる。
しかし、例えば船の船首方位が頻繁に変化する場合、変化途中の船首方位の向きに基づいて太陽光パネルの向きを太陽に向けて頻繁に変化させてしまうことがある。そのため、船首方位の変化が落ち着いた後の最終的な船首方位となるまでに太陽光パネル10を不必要に駆動させてしまい、その駆動電力を無駄に消費してしまう場合があった。
また、船首方位が頻繁に変化する場合には、太陽光パネルを水平に配置することが想定される。水平状態を維持することにより、その駆動による電力消費を削減しながら、船首方位が頻繁に変化する場合であっても太陽光パネル10への太陽光の一定の入射量を確保することが可能となる。しかし、太陽光パネル10が任意の向きである状態から水平状態に移行させる動作も電力を消費する。そのため、例えば船首方位が頻繁に変化する期間が短い場合などに太陽光パネル10を水平に配置した直後にさらに太陽光パネル10の向きを変更してしまう場合があり、太陽光パネル10を水平に配置する際の駆動電力を無駄に消費してしまう場合があった。
特に、船舶で使用される太陽光パネル10は大型なものも多く、これを駆動する際の消費電力量も大きくなる。そのため、太陽光パネル10の発電量と駆動電力量と収支を効率よく大きくする観点から太陽光パネル10の向きを適切に制御することが求められる。
上記を踏まえて、図3を用いて、本実施形態のパネル制御装置の処理S100について説明する。処理S100は、一定の時間間隔毎に実行される。そのため、太陽光パネル10の向きは、一定の時間間隔毎に制御可能である。
ステップS101で、取得部106は、船及び太陽の現在位置、船の現在の船首方位、太陽光パネルの方位及び仰角、並びに指令舵角を取得する。取得部106は、取得した指令舵角を舵角判断部107に供給し、船の現在位置、太陽の現在位置、船の現在の船首方位、及び指令舵角を算出部108に供給し、船及び太陽の現在位置、船の現在の船首方位、太陽光パネル10の方位及び仰角をパネル制御部109に供給する。
ステップS102で、舵角判断部107は、指令舵角が舵角閾値を超えるか否かを判断する。指令舵角が舵角閾値を超えない場合(ステップS102のN)、舵角判断部107は維持指令をパネル制御部109に供給し、処理S100はステップS103に進む。指令舵角が舵角閾値を超える場合(ステップS102のY)、舵角判断部107は算出指令を算出部108に供給し、処理S100はステップS104に進む。
ステップS103で、パネル制御部109は、太陽光パネル10の向きを現在の向きで維持する。ステップS103の後、処理S100は終了する。
ステップS104で、算出部108は、指令舵角、船の現在位置、太陽の現在位置及び船の現在の船首方位に基づいて、第1制御~第3制御の各々において船を所定時間移動させた場合を想定したときの太陽光パネル10の発電量に対する駆動電力量の差分を算出する。ここで、第1制御は太陽光パネル10を太陽に追従させる制御であり、第2制御は太陽光パネル10を水平に配置する制御であり、第3制御は太陽光パネル10の現在の向きを維持する制御である。第1制御では、太陽光パネル10が太陽に追従するため、比較的大きな発電量が得られるが、太陽光パネル10を太陽に追従させるための駆動電力量も比較的大きい。第2制御では、太陽光パネル10が水平に配置されるため、例えば船首方位が頻繁に変化する場合に船がどの方向を向いても効率的に発電できるようにし、かつ太陽光パネルの駆動量が比較的少なくて済むため、省エネルギー化を図ることが可能となる。第3制御では、太陽光パネル10が現在の向きで維持されるため、現在の太陽光パネル10の向きで比較的大きな発電量が得られる場合に有効である。
例えば、算出部108は、船及び太陽の現在位置に基づいて、船に対する太陽の方位及び仰角を算出する。本実施形態では、算出部108は、指令舵角、現在の船首方位、算出した船に対する太陽の方位及び仰角に基づいて、船の現在位置及び現在の船首方位から指令舵角に応じて進路変更して所定時間移動させた場合を想定したときの第1制御~第3制御での発電量及び駆動電力量の差分を算出する。この発電量及び駆動電力量は、公知の計算方法を用いて算出される。算出部108は、第1制御~第3制御の各々についての上記差分をパネル制御部109に供給する。
ステップS105で、パネル制御部109は、第1制御~第3制御のうち上記差分が最大となる制御を実行する。例えば、第1制御、第2制御及び第3制御における上記差分がそれぞれ2kW、-1kW、1kWである場合、パネル制御部109は、上記差分が最大となる第1制御を実行する。例えば、第1制御が実行される場合、パネル制御部109は、船及び太陽の現在位置、船の現在の船首方位、太陽光パネル10の方位及び仰角に基づいて、太陽光パネル10を太陽に向けるように方位角駆動部6及び仰角駆動部12に駆動指令を供給する。パネル制御部109は、船及び太陽の位置と船首方位とに基づいて、太陽光パネル10をそのときの太陽光パネル10の方位及び仰角から何度の方位角及び仰角に回転させればよいかを演算し、その演算された方位角及び仰角を用いて太陽光パネル10を駆動するように方位角駆動部6及び仰角駆動部12に駆動指令を供給する。例えば、第2制御が実行される場合、パネル制御部109は、太陽光パネル10の仰角に基づいて太陽光パネル10を水平に配置するように方位角駆動部6及び仰角駆動部12に駆動指令を供給する。例えば、第3制御が実行される場合、パネル制御部109は、太陽光パネル10の方位及び仰角を維持する。
ステップS105の後、処理S100は終了する。
以下、本実施形態の作用及び効果を説明する。
本実施形態では、パネル制御部109は、指令舵角に基づいて太陽光パネル10の向きを制御する。ここで、マニュアル操作である舵の指令舵角は、船を目標とする位置に向けて航行させるためのものであり、将来の船体動作を反映している。そのため、指令舵角に基づいて太陽光パネル10の向きを制御することにより、将来の船体動作を考慮して太陽光パネル10の発電量と駆動電力量との収支を効率良く大きくすることが可能となる。
本実施形態では、パネル制御部109は、舵角判断部107によって指令舵角が舵角閾値を超えると判断された場合に太陽光パネル10の向きを変更し、舵角判断部107によって指令舵角が舵角閾値を超えないと判断された場合に太陽光パネル10の向きを現在の向きで維持する。ここで、指令舵角が小さい場合には、船の船首方位はそれほど変化しないことが予想される。そのため、太陽光パネル10の向きを変化させたとしても太陽光パネル10の発電量は向きの変化前後で十分に得られず、太陽光パネル10の駆動電力量の増大によるデメリットの方が大きく表れると考えられる。一方で、指令舵角が大きい場合には、船の船首方位は大きく変化することが予想される。そのため、太陽光パネル10の向きを変化させた場合には、太陽光パネル10の発電量は向きの変化前後で十分に得られ、太陽光パネル10の駆動電力量によるデメリットよりも太陽光パネル10の発電量を十分に得ることができるメリットの方が大きくなると考えられる。したがって、本構成によると、太陽光パネル10の発電量と駆動電力量との収支を効率良く大きくすることが可能となる。
本実施形態では、パネル制御部109は、太陽光パネル10の向きを制御する際に、所定時間移動させたと想定したときの上記差分が最大となるように、太陽光パネル10を太陽に追従させる第1制御と、太陽光パネル10を水平に配置する第2制御と、太陽光パネル10の現在の向きを維持する第3制御と、のうちのいずれかを実行する。本構成によると、太陽光パネル10の発電量と駆動電力量との収支が最大となるように太陽光パネル10の向きを適切に制御することが可能となる。
(変形例)
以下、実施形態の変形例を説明する。
以下、実施形態の変形例を説明する。
実施形態では、第1制御~第3制御のいずれかの制御が実行されたが、第1制御~第3制御のうちの2つのいずれかの制御が実行されてもよい。例えば、第2制御及び第3制御の一方の制御が実行されてもよい。この場合、太陽光パネル10を太陽に追従させる第1制御は実行されないため、例えば船及び太陽の現在位置、船の現在の船首方位は取得されなくてもよい。
実施形態では、算出部108は、船を所定時間移動させた場合を想定することにより上記差分を算出したが、これに限定されない。例えば、算出部108は、船を所定の位置(例えば次のウェイポイント)に移動させた場合を想定することにより上記差分を算出してもよい。ここでのウェイポイントは、船の旋回を開始するために設定される変針点である。
図4を参照する。パネル制御装置100は、船の現在の速度と船の現在位置と船の現在の船首方位と太陽の現在位置とに基づいて現在の時点から所定の時間経過後における船の位置と太陽の位置を予測する位置予測部116と、予測した船及び太陽の位置に基づいて上記差分が最大となるように太陽光パネル10の向きを変更するか否かを判断するための判断時間間隔を決定する時間間隔決定部117と、を備えてもよい。例えば、位置予測部116は、船の現在の速度と船の現在位置と船の現在の船首方位と太陽の現在位置とに基づく公知の方法により船及び太陽の位置を予測することができる。船の現在の速度は、一定時間の前後の船の位置の差に基づいて求められてもよいし、船の速度計の測定値によって求められてもよい。また、例えば、時間間隔決定部は、それぞれ異なる複数の判断時間間隔(例えば、1分、10分、1時間など)について、予測した船及び太陽の位置に基づいて上記差分をシミュレーション演算し、上記差分が最大となる時間間隔を決定する。ここで、上述したように、太陽光パネル10の向きを変更するか否かは、一定の時間間隔毎に判断される。しかしながら、太陽光パネル10の向きを変更するか否かを判断してから次に判断するまでの一定の時間間隔の間では太陽光パネル10が発電に最適な向きになっているとはいえないため、発電量の観点からはこの時間間隔は短くすることが好ましい。一方で、この時間間隔を短くすると、太陽光パネル10の向きが頻繁に変更されて駆動電力量が大きくなる場合がある。本構成によると、上記差分が最大となるように太陽光パネル10の向きを変更するか否かを判断するための時間間隔が決定されるため、太陽光パネル10の発電量と駆動電力量との収支を効率良く大きくすることが可能となる。
太陽光パネル10を船に複数設け、パネル制御部109は複数の太陽光パネル10の向きの制御を太陽光パネル毎に異なるタイミングで実行してもよい。例えば、複数の太陽光パネル10の向きを同時に制御する場合、複数の太陽光パネル10による駆動電力量の最大瞬時値が大きくなるため、電源装置を大容量化する必要がある。複数の太陽光パネル10の向きの制御を太陽光パネル毎に異なるタイミングで実行することにより、駆動電力量を経時的に平坦化することができるため、電源装置を大容量化する必要がなくなり、そのコストを抑制できる。
取得部106は船の周辺の天候を示す天候情報を取得し、パネル制御部109は天候情報が晴天以外を示す場合に太陽光パネル10を水平に配置してもよい。ここで、天候が晴天以外の場合、例えば太陽光パネル10を太陽に追従させたとしても、太陽光パネル10への太陽光の入射量自体が少ないことから多くの発電量が得られないため、太陽光パネル10の駆動電力量の増大によるデメリットが大きく表れると考えられる。したがって、本構成によると、太陽光パネル10の発電量と駆動電力量との収支を効率良く大きくすることが可能となる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
以下、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
図5を参照する。第2実施形態のパネル制御装置100は、舵角判断部107は備えずに、船の運航状態を推定する運航状態推定部111を備える。パネル制御部109は、運航状態推定部111の推定結果に基づいて太陽光パネル10の向きを制御する。また、第2実施形態のパネル制御装置100は、将来の船首方位を予測する必要があるか否かを判断する予測要否判断部112と、将来の船首方位を予測する方位予測部113と、を備える。第2実施形態の記憶部110は、指令舵角、現在の速度及び方位情報に基づいて船の運航状態を推定するための第1状態推定データテーブルを記憶している。
図6のフローチャートを参照して、本実施形態のパネル制御装置100による処理S200を説明する。
ステップS201で、取得部106は、船及び太陽の現在位置、船の現在の速度、船の時系列的な船首方位を示す方位情報、太陽光パネル10の方位及び仰角、並びに指令舵角を取得する。取得部106は、取得した船及び太陽の現在位置、船の現在の速度、船の時系列的な船首方位を示す方位情報、太陽光パネルの方位及び仰角、並びに指令舵角を運航状態推定部111に供給する。本実施形態の指令舵角、船の現在の速度及び方位情報は、運航情報の一例である。
ステップS202で、運航状態推定部111は、指令舵角、現在の速度及び方位情報に基づいて船の運航状態を推定する。図7を参照する。運航状態推定部111は、記憶部110に記憶された第1状態推定データテーブルを読み出し、第1状態推定データテーブルに基づいて船の運航状態を推定する。船の現在の速度をVとすると、例えば、V=0(すなわち、停止状態)、指令舵角が0度、方位情報における船首方位に基づいて変針がない場合、運航状態は停船中であると推定される。例えば、V=0、指令舵角が0度、方位情報における船首方位に基づいて変針がある場合、船のバウスラスタによる回頭中又は接岸・離岸の操船中であると推定される。例えば、V>0(すなわち、停止状態以外)、指令舵角が0度、方位情報における船首方位に基づいて変針がない場合、船が一定方向に航行中であると推定される。例えば、V>0、指令舵角が0度、方位情報における船首方位に基づいて変針がある場合、意図しない変針が生じている状態又は舵操作に追従中であると推定される。例えば、V>0、指令舵角が左右一方向に変化しており、方位情報における船首方位に基づいて現在よりも前の時点から変針がある状態が継続しており(事前に変針があり)、舵角と変針方向が逆である場合、当て舵状態であると推定される。例えば、V>0、指令舵角が左右一方向に変化しており、方位情報における船首方位に基づいて事前に変針があり、舵角と変針方向が同じである場合、船首方位を変更している状態であると推定される。例えば、V>0、指令舵角が左右一方向に変化しており、方位情報における船首方位に基づいて事前に変針がない場合、船首方位を変更している状態又はその後に船首方位が変化する状態であると推定される。例えば、V>0、指令舵角が左右両方向に交互に変化しており、方位情報における船首方位の左右両方向に往復する回数が所定回数以下である場合、当て舵状態又は避航操船中であると推定される。V>0、指令舵角が左右両方向に交互に変化しており、方位情報における船首方位の左右両方向に往復する回数が所定回数を超える場合、ジグザグ航行中であると推定される。運航状態推定部111は、船の運航状態の推定結果を予測要否判断部112に供給する。
ステップS203で、予測要否判断部112は、船の運航状態の推定結果に基づいて、後述のステップS204における船首方位の予測が必要であるか否かを判断する。例えば、パネル制御部109は、運航状態が船首方位を変更している状態、その後に船首方位が変化する状態、又はジグザグ航行中であると推定される場合には船首方位の予測が必要であると判断し、推定結果が上記以外の場合には船首方位の予測が必要ではないと判断する。船首方位の予測が必要であると判断される場合(ステップS203のY)、予測要否判断部112は予測指令を方位予測部113に供給し、処理S200はステップS204に進む。船首方位の予測が必要ではないと判断される場合(ステップS203のN)、予測要否判断部112は算出指令を算出部108に供給し、処理S200はステップS205に進む。
ステップS204で、方位予測部113は、指令舵角に基づいて将来の船首方位を予測する。具体的には、運航状態が船首方位を変更している状態又はその後に船首方位が変化する状態である場合には、指令舵角が0°から変更されてから0°に戻ると想定される。この場合、方位予測部113は、指令舵角が0°から変更されてから0°に戻るまでの指令舵角の推移に基づいて将来の船首方位を予測する。また、運航状態がジグザグ航行中である場合には、方位予測部113は、現在から所定時間経過するまでの指令舵角の推移に基づいて将来の船首方位を予測する。例えば、方位予測部113は、指令舵角の移動平均値や中央値に基づいて将来の船首方位を予測する。これらの将来の船首方位は、公知の方法を用いて予測される。方位予測部113は将来の船首方位の予測結果及び算出指令を算出部108に供給し、処理S200はステップS205に進む。
ステップS205で、算出部108は、第1制御~第3制御のうち運航状態の推定結果に対応する制御についての上記差分を算出する。例えば、算出部108は、運航状態が停船中又は一定方向へ航行中であると推定された場合、現在の船首方位に基づいて第1制御~第3制御の各々について上記差分を算出する。例えば、算出部108は、運航状態が船のバウスラスタによる回頭中又は接岸・離岸の操船中であると推定された場合、現在の船首方位に基づいて第2制御及び第3制御の各々について上記差分を算出する。例えば、算出部108は、運航状態が船首方位を変更している状態、その後に船首方位が変化する状態、又はジグザグ航行中であると推定される場合、予測した将来の船首方位に基づいて第1制御~第3制御の各々について上記差分を算出する。例えば、算出部108は、運航状態が意図しない変針が生じている状態、舵操作に追従中、当て舵状態、又は避航操船中であると推定される場合、第3制御についての上記差分を算出する。なお、運航状態が意図しない変針が生じている状態、舵操作に追従中、当て舵状態、又は避航操船中であると推定される場合における第3制御についての上記差分の算出は省略されてもよい。算出部108は、各制御についての上記差分をパネル制御部109に供給する。
ステップS206で、パネル制御部109は、上記差分が最大となる制御に基づいて、船の運航状態の推定結果に応じて太陽光パネル10の向きを制御する。
再び図7を参照する。例えば、パネル制御部109は、運航状態が停船中又は一定方向へ航行中であると推定された場合、第1制御~第3制御のうち、上記差分が最大となる制御を実行する。運航状態が停船中又は一定方向へ航行中である場合、船首方位が変化する頻度は少ないと考えられる。したがって、これらの場合には、パネル制御部109は、発電量と駆動電力量との収支が最大となるように、第1制御~第3制御のうち、上記差分が最大となる制御を実行する。
例えば、パネル制御部109は、運航状態が船のバウスラスタによる回頭中又は接岸・離岸の操船中であると推定された場合、第2制御及び第3制御のうち、上記差分が最大となる制御を実行する。運航状態が船のバウスラスタによる回頭中又は接岸・離岸の操船中である場合、船首方位は頻繁に変化しやすいと考えられる。そのため、この場合、第1制御を実行すると、船首方位の頻繁な変化により太陽光パネル10も頻繁に変化し、その駆動電力量が大きくなると考えられる。したがって、これらの場合には、パネル制御部109は、第1制御を実行せずに、第2制御及び第3制御のうち、上記差分が最大となる制御を実行する。
例えば、パネル制御部109は、運航状態が意図しない変針が生じている状態、舵操作に追従中、当て舵状態、又は避航操船中であると推定される場合、第3制御を実行する。運航状態が意図しない変針が生じている状態、舵操作に追従中、当て舵状態、又は避航操船中である場合、船の船首方位の変化は一時的なものであって、その後に変化前の船首方位に戻ると考えられる。したがって、これらの場合には、パネル制御部109は、第1制御及び第2制御を実行せずに、第3制御を実行する。
例えば、パネル制御部109は、運航状態が船首方位を変更している状態又はその後に船首方位が変化する状態であると推定される場合、指令舵角が0度に戻るまで第3制御を実行し、その後、予測した船首方位に基づいて第1制御~第3制御のうち、上記差分が最大となる制御を実行する。運航状態が船首方位を変更している状態又はその後に船首方位が変化する状態である場合、仮に指令舵角が0度に戻る前に太陽光パネル10の向きを変化させたとしても、指令舵角が0度に戻ったときの船首方位に基づいて太陽光パネル10の向きが再び制御される。そのため、指令舵角が0度に戻る前の太陽光パネル10の駆動による電力が無駄に消費されることになる。したがって、これらの場合には、パネル制御部109は、指令舵角が0度に戻るまで太陽光パネル10の向きを現在の向きに維持し、指令舵角が0度に戻ったときに、予測した船首方位に基づいて第1制御~第3制御のうち、上記差分が最大となる制御を実行する。
例えば、パネル制御部109は、運航状態がジグザグ航行中であると推定される場合、船首方位が左右方向に交互に変化することを繰り返した後、所定の方位を向くと考えられる。したがって、この場合には、パネル制御部109は、第3制御を所定時間実行した後、予測した船首方位に基づいて第1制御~第3制御のうち、上記差分が最大となる制御を実行する。
ステップS206の後、処理S200は終了する。
本実施形態では、パネル制御装置は、指令舵角と現在の速度と方位情報とに基づいて船の運航状態を推定する運航状態推定部111を備える。また、パネル制御部109は運航状態推定部111の推定結果に基づいて太陽光パネルの向きを制御する。本構成によると、指令舵角等に基づいて運航状態を精度良く推定でき、その推定結果に基づいて太陽光パネルの向きをより適切に制御することが可能となる。
本実施形態では、パネル制御装置は、指令舵角が0°から変更されてから0°に戻るまでの指令舵角の推移に基づいて将来の船首方位を予測する方位予測部113を備える。また、パネル制御部109は、指令舵角が0°から変更された場合、指令舵角が0°から変更されてから0°に戻るまで現在の太陽光パネル10の向きを維持し、指令舵角が0°から変更されてから0°に戻った後、予測された船首方位に基づいて太陽光パネルの向きを制御する。本構成によると、指令舵角が0°から変更されてから0°に戻るまで現在の太陽光パネル10の向きを維持することにより、太陽光パネル10の駆動による無駄な電力消費を抑制することが可能となる。
本実施形態では、運航状態の推定結果が当て舵状態、避航操船中、意図しない変針又は舵操作に追従中であることを示す場合に現在の前記太陽光パネルの向きを維持する。本構成によると、当て舵状態、避航操船中、意図しない変針又は舵操作に追従中のような船首方位が一時的に変化している状態において太陽光パネルの向きを維持することにより、太陽光パネル10の駆動による無駄な電力消費を抑制することが可能となる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
以下、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態の図面および説明では、第1実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第1実施形態と重複する説明を適宜省略し、第1実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
第1実施形態では、指令舵角に基づいて太陽光パネルの向きが制御されたが、第3実施形態では船の現在位置及び将来の目標位置に基づいて太陽光パネル10の向きが制御される。第3実施形態の船の現在位置及び船の将来の目標位置は、運航情報の一例である。
本実施形態の取得部106は、船の現在位置及び船の計画航路を取得する。この計画航路は、船の出発地点から到着地点までの航路を含み、この航路には複数のウェイポイントが設定されている。船が直近に到達したウェイポイント以降に到達することになるウェイポイントは、船の将来の目標位置の一例である。
図8を参照する。第3実施形態のパネル制御装置100は、指令舵角出力部104及び舵角判断部107を備えずに、計画航路を出力する計画航路出力部114と、現在位置に基づいて船が計画航路の通りに運航されているか否かを判断する航路判断部115と、を備える。パネル制御部109は、航路判断部115の判断結果に基づいて太陽光パネルの向きを制御する。計画航路出力部114は、不図示のユーザ入力装置や外部装置と通信する通信装置を介して入力された船の計画航路を取得部106に出力する。
図9のフローチャートを参照して、第3実施形態のパネル制御装置100による処理S300を説明する。
ステップS301で、取得部106は、船の計画航路、船の現在位置、太陽の現在位置、船の現在の船首方位及び将来の船首方位を取得する。特に、取得部106は、船の計画航路を計画航路出力部114から取得する。取得部106は、取得した船の計画航路、船の現在位置、太陽の現在位置、船の現在の船首方位及び将来の船首方位を航路判断部115に供給する。
ステップS302で、航路判断部115は、船の現在位置に基づいて船が計画航路の通りに運航されているか否かを判断する。例えば、航路判断部115は、船の現在位置が計画航路から所定の距離範囲外に位置するか否かを判断する。具体的には、航路判断部115は、船の現在位置が計画航路において直近に到達したウェイポイントとその次のウェイポイントとを結ぶ直線航路から所定の距離範囲外に位置するか否かを判断する。航路判断部115は、船が所定の距離範囲外に位置しない場合には計画航路の通りに運航されていると判断し、船が所定の距離外に位置する場合には計画航路の通りに運航されていないと判断する。計画航路の通りに運航されていない場合(ステップS302のN)、航路判断部115は維持指令をパネル制御部109に供給し、処理S300はステップS303に進む。計画航路の通りに運航されている場合(ステップS302のY)、航路判断部115は算出指令を算出部108に供給し、処理S300はステップS304に進む。
ステップS303で、パネル制御部109は、太陽光パネル10の向きを現在の向きで維持する。ステップS303の後、処理S300は終了する。
ステップS304で、算出部108は、計画航路、船の現在位置、太陽の現在位置、船の現在の船首方位及び将来の船首方位に基づいて、第1制御~第3制御の各々について上記差分を算出する。第3実施形態では、算出部108は、計画航路、現在の船首方位、算出した船に対する太陽の方位及び仰角に基づいて、船の現在位置及び現在の船首方位から計画航路における次のウェイポイントに移動したときの第1制御~第3制御での発電量及び駆動電力量の差分を算出する。算出部108は、第1制御~第3制御の各々についての上記差分をパネル制御部109に供給する。
ステップS305で、パネル制御部109は、第1制御~第3制御のうち上記差分が最大となる制御を実行する。
ステップS305の後、処理S100は終了する。
第3実施形態では、パネル制御部109は、船の将来の目標位置に基づいて太陽光パネル10の向きを制御する。ここで、船の将来の目標位置は、その位置に向けて船を航行させるものであり、将来の船体動作を反映している。そのため、船の将来の目標位置に基づいて太陽光パネル10の向きを制御することにより、将来の船体動作を考慮して太陽光パネル10の発電量と駆動電力量との収支を効率良く大きくすることが可能となる。
第3実施形態では、パネル制御装置100は、船の現在位置に基づいて船が計画航路の通りに運航されているか否かを判断する航路判断部115と、を備える。パネル制御部109は、航路判断部115によって計画航路の通りに運航されていないと判断された場合に現在の太陽光パネル10の向きを維持する。ここで、仮に船が計画航路の通りに運航されていない状態で太陽光パネル10の向きが変更されたとしても、その後に船が計画航路に戻った場合に太陽光パネル10の向きを再度変更してしまう場合があり、その駆動電力を無駄に消費してしまう場合がある。本構成によると、太陽光パネル10の駆動電力を無駄に消費してしまうことを抑制することが可能となる。
第3実施形態では、航路判断部115は船の現在位置が計画航路から所定の距離範囲外に位置する場合に計画航路の通りに運航されていないと判断する。本構成によると、計画航路の通りに運航されているか否かを精度良く判断することが可能となる。ただし、計画航路の通りに運航されているか否かの判断手法はこの態様に限定されない。例えば、航路判断部115は、現在位置からの現在の船首方位が計画航路における次のウェイポイントを向いているか否かを判断し、場合に現在位置からの現在の船首方位が目標位置を向いている場合に計画航路の通りに運航されていると判断してもよい。この場合、運航情報は、現在の船首方位をさらに含むことができる。本構成によると、計画航路の通りに運航されているか否かを精度良く判断することが可能となる。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態の図面および説明では、第2実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第2実施形態と重複する説明を適宜省略し、第2実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
以下、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態の図面および説明では、第2実施形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。第2実施形態と重複する説明を適宜省略し、第2実施形態と相違する構成について重点的に説明する。
図10を参照する。第4実施形態のパネル制御装置100は、指令舵角出力部104の代わりに計画航路出力部114を有する点を除き、第2実施形態のパネル制御装置100と基本的に同様の構成を有する。第2実施形態では、指令舵角に基づいて太陽光パネルの向きが制御されたが、第4実施形態では船の現在位置及び将来の目標位置に基づいて太陽光パネル10の向きが制御される。第4実施形態の船の現在位置、将来の目標位置、及び船の現在の速度は、運航情報の一例である。
第4実施形態の取得部106は、船の現在位置と船の計画航路を取得する。この計画航路は、船の出発地点から到着地点までの航路を含み、複数のウェイポイントを含む。本実施形態のウェイポイントは、船の将来の目標位置の一例である。第4実施形態の記憶部110は、計画航路、現在の速度及び船の現在の位置に基づいて船の運航状態を推定するための第2状態推定データテーブルを記憶している。
図6のフローチャートを再び参照する。第4実施形態のパネル制御装置100による処理は、第2実施形態のパネル制御装置100による処理と基本的に同様である。以下、図6を用いて、第4実施形態のパネル制御装置100による処理S400について、第2実施形態のパネル制御装置100による処理S200と異なる点について説明する。
ステップS401で、取得部106は、船及び太陽の現在位置、船の現在の速度、船の現在の船首方位、太陽光パネルの方位及び仰角、並びに計画航路を取得する。取得部106は、取得した船及び太陽の現在位置、船の現在の速度、船の現在の船首方位、太陽光パネルの方位及び仰角、並びに計画航路を運航状態推定部111に供給する。
ステップS402で、運航状態推定部111は、計画航路、現在の速度及び船の現在の位置に基づいて船の運航状態を推定する。図11を参照する。運航状態推定部111は、記憶部110に記憶された第2状態推定データテーブルを読み出し、第2状態推定データテーブルに基づいて船の運航状態を推定する。例えば、V=0、船の現在位置が入港地又は出港地に位置する場合、運航状態は停泊中又はアンカー中であると推定される。例えば、V>0、船の現在位置が入港地又は出港地に位置する場合、船がマニュバリングエリアにて操船中であると推定される。例えば、V=0、船の現在位置が大洋に位置する場合、運航状態はアンカー中であると推定される。V>0、船の現在位置が大洋に位置し、船の現在位置が計画航路に合致している場合、運航状態は計画航路の通りに運航中であると推定される。V>0、船の現在位置が大洋に位置し、船の現在位置が計画航路から逸脱している場合、運航状態は避航操船中であると推定される。運航状態推定部111は、船の運航状態の推定結果を予測要否判断部112に供給する。
ステップS403で、予測要否判断部112は、船の運航状態の推定結果に基づいて、船首方位の予測が必要であるか否かを判断する。例えば、パネル制御部109は、運航状態がマニュバリングエリアにて操船中であると推定される場合には船首方位の予測が必要であると判断し、推定結果が上記以外の場合には船首方位の予測が必要ではないと判断する。
ステップS404で、方位予測部113は、計画航路に基づいて将来の船首方位を予測する。具体的には、方位予測部113は、現在の位置、現在の船首方位、及び計画航路に基づいて、次のウェイポイントでの将来の船首方位を予測する。方位予測部113は将来の船首方位の予測結果及び算出指令を算出部108に供給し、処理S200はステップS205に進む。
ステップS405で、算出部108は、第1制御~第3制御のうち運航状態の推定結果に対応する制御についての上記差分を算出する。例えば、算出部108は、運航状態が停泊中、アンカー中、又は計画航路の通りに航行中であると推定された場合、現在の船首方位に基づいて第1制御~第3制御の各々について上記差分を算出する。例えば、算出部108は、運航状態がマニュバリングエリアにて操船中であると推定された場合、次にウェイポイントでの将来の船首方位に基づいて第1制御~第3制御の各々について上記差分を算出する。例えば、算出部108は、運航状態が避航操船中であると推定される場合、第3制御についての上記差分を算出する。なお、運航状態が意図しない変針が生じている状態、舵操作に追従中、当て舵状態、又は避航操船中であると推定される場合における第3制御についての上記差分の算出は省略されてもよい。算出部108は、各制御についての上記差分をパネル制御部109に供給する。
ステップS406で、パネル制御部109は、上記差分が最大となる制御に基づいて、船の運航状態の推定結果に応じて太陽光パネル10の向きを制御する。
再び図11を参照する。例えば、パネル制御部109は、運航状態が停泊中、アンカー中、又は計画航路の通りに航行中であると推定された場合、第1制御~第3制御のうち、上記差分が最大となる制御を実行する。運航状態が停泊中、アンカー中、又は計画航路の通りに航行中である場合、船首方位が変化する頻度は少ないと考えられる。したがって、これらの場合には、パネル制御部109は、発電量と駆動電力量との収支が最大となるように、第1制御~第3制御のうち、上記差分が最大となる制御を実行する。
例えば、パネル制御部109は、運航状態がマニュバリングエリアにて操船中であると推定された場合、第2制御及び第3制御のうち、上記差分が最大となる制御を実行する。運航状態がマニュバリングエリアにて操船中である場合、船首方位は頻繁に変化しやすいと考えられる。そのため、この場合、第1制御を実行すると、船首方位の頻繁な変化により太陽光パネル10も頻繁に変化し、その駆動電力量が大きくなると考えられる。したがって、これらの場合には、パネル制御部109は、第1制御を実行せずに、第2制御及び第3制御のうち、上記差分が最大となる制御を実行する。
例えば、パネル制御部109は、運航状態が避航操船中であると推定される場合、第3制御を実行する。その理由は上述した通りである。
ステップS406の後、処理S400は終了する。
本実施形態では、パネル制御装置100は、船の現在位置と、船の将来の目標位置と、船の現在の速度とに基づいて船の運航状態を推定する運航状態推定部111を備える。また、パネル制御部109は、運航状態推定部111の推定結果に基づいて太陽光パネルの向きを制御する。本構成によると、船の現在位置と、船の将来の目標位置と、船の現在の速度とに基づいて運航状態を精度良く推定でき、その推定結果に基づいて太陽光パネルの向きをより適切に制御することが可能となる。
上述した実施形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。例えば、第1及び第2実施形態の運航情報は指令舵角を含み、第3及び第4実施形態の運航情報は船の現在位置及び将来の目標位置を含んだが、各実施形態の態様を適宜組み合わせることにより、運航情報は船の現在位置及び将来の目標位置と指令舵角との少なくとも一方を含んでもよい。
1 船舶用太陽光パネル装置、 4 基部、 6 方位角駆動部、 8 連結部、 10 太陽光パネル、 12 仰角駆動部、 100 パネル制御装置、 101 船舶位置出力部、 102 船首方位出力部、 103 太陽位置出力部、 104 指令舵角出力部、 105 パネル方位及び仰角検出部、 106 取得部、 107 舵角判断部、 108 算出部、 109 パネル制御部、 110 記憶部、 111 運航状態推定部、 112 予測要否判断部、 113 方位予測部、 114 計画航路出力部、 115 航路判断部、 116 位置予測部、 117 時間間隔決定部。
Claims (15)
- 船の現在位置及び前記船の将来の目標位置と指令舵角とのうちの少なくとも一方を含む運航情報を取得する取得部と、
前記運航情報に基づいて前記船に設置された太陽光パネルの向きを制御するパネル制御部と、
を備える、
船舶用太陽光パネル制御装置。 - 前記運航情報における前記指令舵角が舵角閾値を超えるか否かを判断する舵角判断部を備え、
前記パネル制御部は前記舵角判断部によって前記指令舵角が前記舵角閾値を超えると判断された場合に前記太陽光パネルの向きを変更し、前記舵角判断部によって前記指令舵角が前記舵角閾値を超えないと判断された場合に前記太陽光パネルの向きを現在の向きで維持する、
請求項1に記載の船舶用太陽光パネル制御装置。 - 前記運航情報は前記目標位置を含む前記船の計画航路と前記現在位置とを含み、
前記現在位置に基づいて前記船が前記計画航路の通りに運航されているか否かを判断する航路判断部と、を備え、
前記パネル制御部は、
前記航路判断部によって前記計画航路の通りに運航されていると判断された場合に前記太陽光パネルの向きを変更し、
前記航路判断部によって前記計画航路の通りに運航されていないと判断された場合に現在の前記太陽光パネルの向きを維持する、
請求項1又は2に記載の船舶用太陽光パネル制御装置。 - 前記航路判断部は前記現在位置が前記計画航路から所定の距離内に位置する場合に前記計画航路の通りに運航されていると判断する、
請求項3に記載の船舶用太陽光パネル制御装置。 - 前記運航情報は前記船の現在の船首方位をさらに含み、
前記航路判断部は前記現在位置からの前記現在の船首方位が前記目標位置を向いている場合に前記計画航路の通りに運航されていると判断する、
請求項3又は4に記載の船舶用太陽光パネル制御装置。 - 前記運航情報は前記現在位置、前記目標位置及び前記船の現在の速度を含み、
前記目標位置と前記現在の速度と前記現在位置とに基づいて前記船の運航状態を推定する運航状態推定部を備え、
前記パネル制御部は前記運航状態推定部の推定結果に基づいて前記太陽光パネルの向きを制御する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の船舶用太陽光パネル制御装置。 - 前記運航情報は前記指令舵角、前記船の現在の速度、及び前記船の時系列的な船首方位を示す方位情報を含み、
前記指令舵角と前記現在の速度と前記方位情報とに基づいて前記船の運航状態を推定する運航状態推定部を備え、
前記パネル制御部は前記運航状態推定部の推定結果に基づいて前記太陽光パネルの向きを制御する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の船舶用太陽光パネル制御装置。 - 前記パネル制御部は前記運航状態の前記推定結果が当て舵状態、避航操船中、意図しない変針又は舵操作に追従中であることを示す場合に現在の前記太陽光パネルの向きを維持する、
請求項6又は7に記載の船舶用太陽光パネル制御装置。 - 前記運航情報は前記現在位置、前記目標位置、前記船の現在の速度及び前記船の現在の船首方位を含み、
前記取得部は太陽の位置を示す太陽位置情報を更に取得し、
前記現在の速度と前記現在位置と前記現在の船首方位と前記太陽位置情報とに基づいて現在の時点から所定の時間経過後における前記船の位置と前記太陽の位置とを予測する位置予測部と、
前記予測した船及び太陽の位置に基づいて前記太陽光パネルの発電量に対する前記太陽光パネルの駆動に必要な消費電力量の差分が最大となるように前記太陽光パネルの向きを変更するか否かを判断するための時間間隔を決定する時間間隔決定部と、
を備える、
請求項1から8のいずれか1項に記載の船舶用太陽光パネル制御装置。 - 前記指令舵角が0°から変更されてから0°に戻るまでの前記運航情報における前記指令舵角の推移に基づいて将来の船首方位を予測する方位予測部を備え、
前記パネル制御部は、前記指令舵角が0°から変更された場合、
前記指令舵角が0°から変更されてから0°に戻るまで現在の前記太陽光パネルの向きを維持し、
前記指令舵角が0°から変更されてから0°に戻った後、前記予測された船首方位に基づいて前記太陽光パネルの向きを制御する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の船舶用太陽光パネル制御装置。 - 前記パネル制御部は、前記太陽光パネルの向きを制御する際に、船を所定の位置まで又は所定時間移動させたと想定したときの前記太陽光パネルの発電量に対する前記太陽光パネルの駆動に必要な消費電力量の差分が最大となるように、前記太陽光パネルを太陽に追従させる制御と、前記太陽光パネルを水平に配置する制御と、前記太陽光パネルの現在の向きを維持する制御と、のうちのいずれかを実行する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の船舶用太陽光パネル制御装置。 - 前記太陽光パネルは前記船に複数設けられており、
前記パネル制御部は前記複数の太陽光パネルの向きの制御を前記太陽光パネル毎に異なるタイミングで実行する、
請求項1から11のいずれか1項に記載の船舶用太陽光パネル制御装置。 - 前記取得部は前記船の周辺の天候を示す天候情報を取得し、
前記パネル制御部は前記天候情報が晴天以外を示す場合に前記太陽光パネルを水平に配置する、
請求項1から12のいずれか1項に記載の船舶用太陽光パネル制御装置。 - 船の現在位置及び前記船の将来の目標位置と指令舵角とのうちの少なくとも一方を含む運航情報を取得するステップと、
前記運航情報に基づいて前記船に設置された太陽光パネルの向きを制御するステップと、
を備える、
船舶用太陽光パネル制御方法。 - プロセッサに、
船の現在位置及び前記船の将来の目標位置と指令舵角とのうちの少なくとも一方を含む運航情報を取得するステップと、
前記運航情報に基づいて前記船に設置された太陽光パネルの向きを制御するステップと、
を実行させるための船舶用太陽光パネル制御プログラム。
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WO2024190567A1 (ja) * | 2023-03-15 | 2024-09-19 | ソフトバンクグループ株式会社 | 自律航行船舶 |
-
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WO2024190567A1 (ja) * | 2023-03-15 | 2024-09-19 | ソフトバンクグループ株式会社 | 自律航行船舶 |
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