JP2023023079A - 電動アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】モータシャフトと出力シャフトとが互いに傾くことを抑制できる構造を有する電動アクチュエータを提供する。【解決手段】電動アクチュエータ100は、モータ軸を中心として回転可能な中空のモータシャフト23を有するモータ20と、モータシャフトに連結された伝達機構30と、モータシャフトの軸方向に延び、伝達機構を介してモータシャフトの回転が伝達される出力シャフト46と、第1スラスト軸受61と、を備える。出力シャフトの少なくとも一部は、モータシャフトの内部に位置する。モータシャフトは、軸方向を向く第1対向面23dを有する。出力シャフトは、軸方向を向き第1対向面と対向する第2対向面41fを有する。第1スラスト軸受は、第1対向面と第2対向面との軸方向の間に位置し、モータシャフトと出力シャフトとを支持している。【選択図】図1
Description
本発明は、電動アクチュエータに関する。
伝達機構によって連結されたモータシャフトと出力シャフトとを備える電動アクチュエータが知られている。例えば、特許文献1には、車両の自動変速機のシフトを切り替えるシフトバイワイヤシステムの動力源として適用される回転式アクチュエータが記載されている。
上記のような電動アクチュエータにおいては、モータシャフトと出力シャフトとの一方が他方に対して傾く恐れがあった。
本発明は、上記事情に鑑みて、モータシャフトと出力シャフトとが互いに傾くことを抑制できる構造を有する電動アクチュエータを提供することを目的の一つとする。
本発明の電動アクチュエータの一つの態様は、モータ軸を中心として回転可能な中空のモータシャフトを有するモータと、前記モータシャフトに連結された伝達機構と、前記モータシャフトの軸方向に延び、前記伝達機構を介して前記モータシャフトの回転が伝達される出力シャフトと、第1スラスト軸受と、を備える。前記出力シャフトの少なくとも一部は、前記モータシャフトの内部に位置する。前記モータシャフトは、軸方向を向く第1対向面を有する。前記出力シャフトは、軸方向を向き前記第1対向面と対向する第2対向面を有する。前記第1スラスト軸受は、前記第1対向面と前記第2対向面との軸方向の間に位置し、前記モータシャフトと前記出力シャフトとを支持している。
本発明の一つの態様によれば、電動アクチュエータにおいて、モータシャフトと出力シャフトとが互いに傾くことを抑制できる。
各図においてZ軸方向は、正の側(+Z側)を上側とし、負の側(-Z側)を下側とする上下方向である。各図に適宜示すモータ軸J1の軸方向は、Z軸方向、すなわち上下方向と平行である。以下の説明においては、モータ軸J1の軸方向と平行な方向を単に「軸方向」と呼ぶ。また、モータ軸J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、モータ軸J1を中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
本実施形態において、下側は「軸方向一方側」に相当し、上側は「軸方向他方側」に相当する。なお、上下方向、上側、および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態の電動アクチュエータ100は、車両に取り付けられる。より詳細には、電動アクチュエータ100は、例えば、車両の運転者のシフト操作に基づいて駆動されるパーク・バイ・ワイヤ方式のアクチュエータ装置に搭載される。図1に示すように、電動アクチュエータ100は、ケース10と、モータ20と、伝達機構30と、出力部40と、第1ベアリング51と、第2ベアリング52と、第3ベアリング53と、基板80と、回転センサ81と、センサマグネット45と、仕切部材90と、を備える。第1ベアリング51、第2ベアリング52、および第3ベアリング53は、例えば、ボールベアリングである。
図1に示す本実施形態の電動アクチュエータ100は、車両に取り付けられる。より詳細には、電動アクチュエータ100は、例えば、車両の運転者のシフト操作に基づいて駆動されるパーク・バイ・ワイヤ方式のアクチュエータ装置に搭載される。図1に示すように、電動アクチュエータ100は、ケース10と、モータ20と、伝達機構30と、出力部40と、第1ベアリング51と、第2ベアリング52と、第3ベアリング53と、基板80と、回転センサ81と、センサマグネット45と、仕切部材90と、を備える。第1ベアリング51、第2ベアリング52、および第3ベアリング53は、例えば、ボールベアリングである。
ケース10は、モータ20および伝達機構30を含む電動アクチュエータ100の各部を内部に収容している。ケース10は、ケース本体11と、カバー12と、を有する。ケース本体11は、上側に開口している。ケース本体11は、例えば、モータ軸J1を中心とする円筒状である。ケース本体11は、第1収容部11aと、第2収容部11bと、を有する。
第1収容部11aは、例えば、ケース本体11の下側部分である。第1収容部11aは、下側に位置する底部11cと、底部11cの径方向外縁部から上側に延びる筒部11dと、を有する。底部11cは、底部11cを軸方向に貫通する孔部11eを有する。孔部11eは、例えば、モータ軸J1を中心とする円形状の孔である。孔部11eの上側部分は、第1ベアリング51を内部に保持する第1ベアリング保持部11fを構成している。第1ベアリング51は、第1ベアリング保持部11fの内部に保持されることで、ケース本体11に保持されている。第1ベアリング51の外輪は、例えば、第1ベアリング保持部11fの内周面に嵌め合わされている。
第2収容部11bは、例えば、ケース本体11の上側部分である。第2収容部11bは、第1収容部11aの上側に繋がっている。第2収容部11bは、上側に開口する筒状である。第2収容部11bの内径は、第1収容部11aの内径よりも大きい。第2収容部11bの外径は、第1収容部11aの外径よりも大きい。第2収容部11bの下端部は、例えば、筒部11dの上端部の径方向外縁部に繋がっている。第2収容部11bの内周面には、上側を向く段差面11gを有する段差が設けられている。段差面11gは、例えば、軸方向と直交する面である。
段差面11gには、基板80が固定されている。基板80は、板面が軸方向を向く板状であり、径方向に広がっている。基板80の径方向外縁部は、例えば、段差面11gにネジで固定されている。基板80は、第2収容部11bの内部に収容されている。基板80は、後述するロータ本体24よりも上側に位置する。基板80は、基板80を軸方向に貫通する貫通孔80aを有する。貫通孔80aは、例えば、モータ軸J1を中心とする円形状の孔である。貫通孔80aには、後述する出力シャフト46のうち上側の部分が軸方向に通されている。基板80の板面には、図示しないプリント配線が設けられている。図示は省略するが、基板80には、例えば、モータ20に電力を供給するインバータ回路が設けられている。
基板80には、回転センサ81が取り付けられている。回転センサ81は、後述する出力シャフト46の回転を検出可能なセンサである。本実施形態において回転センサ81は、磁気センサである。回転センサ81は、例えば、ホールICなどのホール素子である。回転センサ81は、例えば、周方向に沿って複数ずつ設けられていてもよい。本実施形態において回転センサ81は、基板80の上側の面うち貫通孔80aの周縁部に取り付けられている。
カバー12は、ケース本体11に固定されている。カバー12の径方向外縁部は、例えば、第2収容部11bの上側の端部にネジで固定されている。カバー12は、ケース本体11の上側の開口を塞いでいる。カバー12は、ケース本体11の上側の開口を覆うカバー本体12aと、カバー本体12aから下側に突出する第2ベアリング保持部12bと、を有する。第2ベアリング保持部12bは、例えば、モータ軸J1を中心とし、下側に開口する円筒状である。第2ベアリング保持部12bの内部には、第2ベアリング52が保持されている。これにより、第2ベアリング52は、カバー12に保持されている。第2ベアリング52の外輪は、例えば、第2ベアリング保持部12bの内周面に嵌め合わされている。
モータ20は、ロータ21と、ステータ22と、を有する。ロータ21は、モータシャフト23と、ロータ本体24と、を有する。つまり、モータ20は、モータシャフト23と、モータシャフト23の外周面に固定されたロータ本体24と、を有する。モータシャフト23は、モータ軸J1を中心として回転可能である。モータシャフト23は、中空シャフトである。モータシャフト23は、例えば、モータ軸J1を中心として軸方向に延びる円筒状である。モータシャフト23は、軸方向の両側に開口している。モータシャフト23は、第1収容部11aの内部から上側に延びて、第2収容部11bの内部に突出している。モータシャフト23は、例えば、鉄などの金属製である。モータシャフト23は、本体部23aと、偏心軸部23bと、を有する。
本体部23aは、ロータ本体24が固定された部分である。本体部23aの上側の端部は、モータシャフト23の上側の端部である。本体部23aの上側の端部は、第2収容部11bの内部に位置する。本体部23aのうち上側の端部を除いた部分は、第1収容部11aの内部に位置する。
偏心軸部23bは、本体部23aの下側に繋がっている。偏心軸部23bは、第1収容部11aの内部に位置する。偏心軸部23bの下側の端部は、モータシャフト23の下側の端部である。偏心軸部23bは、モータ軸J1に対して偏心した偏心軸J2を中心とする部分である。偏心軸J2は、モータ軸J1と平行である。偏心軸部23bには、第3ベアリング53の内輪が嵌め合わされて固定されている。これにより、第3ベアリング53は、モータシャフト23に固定されている。
偏心軸部23bの内径は、本体部23aの内径よりも大きい。偏心軸部23bの内周面は、モータ軸J1を中心とする円筒状である。本体部23aの内周面と偏心軸部23bの内周面との間には、下側を向く段差面として第1対向面23dを有する段差が設けられている。つまり、モータシャフト23は、軸方向を向く第1対向面23dを有する。第1対向面23dは、モータシャフト23の内周面に設けられた段差面である。第1対向面23dは、モータ軸J1を囲む円環状の面である。本実施形態において第1対向面23dは、軸方向と直交する平坦面である。第1対向面23dの径方向内縁部は、本体部23aの内周面の下端部と繋がっている。第1対向面23dの径方向外縁部は、偏心軸部23bの内周面の上端部と繋がっている。
図1に示すように、本体部23aの上側の端面は、上側を向く第3対向面23fである。つまり、モータシャフト23は、軸方向を向く第3対向面23fを有する。また、第3対向面23fは、モータシャフト23の軸方向他方側の端面である。第3対向面23fは、モータ軸J1を囲む円環状の面である。本実施形態において第3対向面23fは、軸方向と直交する平坦面である。
図1に示すように、ロータ本体24は、本体部23aの外周面、すなわちモータシャフト23の外周面に固定されている。ロータ本体24は、本体部23aの外周面における下側部分に固定されている。ロータ本体24は、第1収容部11aの内部に収容されている。ロータ本体24は、モータシャフト23の外周面に固定された円筒状のロータコア24aと、ロータコア24aに固定されたロータマグネット24bと、を有する。
ステータ22は、ロータ21と隙間を介して径方向に対向している。ステータ22は、ロータ21の径方向外側に位置する。ステータ22は、第1収容部11aの内部に収容されている。ステータ22は、ロータ本体24の径方向外側を囲む環状のステータコア22aと、ステータコア22aに装着されたインシュレータ22bと、インシュレータ22bを介してステータコア22aに装着された複数のコイル22cと、を有する。ステータコア22aの外周面は、例えば、筒部11dの内周面に固定されている。
伝達機構30は、第1収容部11aの内部においてロータ本体24およびステータ22の下側に位置する。本実施形態において伝達機構30は、モータシャフト23の回転を減速して出力シャフト46に伝達する減速機構である。伝達機構30は、外歯ギア31と、内歯ギア32と、出力フランジ部42と、複数の突出部43と、を有する。
外歯ギア31は、偏心軸部23bの偏心軸J2を中心として、軸方向と直交する平面に沿って広がる略円環板状である。図2に示すように、外歯ギア31の径方向外側面には、複数の歯部31aによって構成された歯車部が設けられている。図1に示すように、外歯ギア31は、偏心軸部23bに第3ベアリング53を介して連結されている。これにより、伝達機構30は、モータシャフト23の下側に連結されている。本実施形態において伝達機構30は、モータシャフト23の下側の端部に連結されている。外歯ギア31は、第3ベアリング53の外輪に径方向外側から嵌め合わされている。これにより、第3ベアリング53は、モータシャフト23と外歯ギア31とを、偏心軸J2回りに相対的に回転可能に連結している。
外歯ギア31は、外歯ギア31の下側の面から上側に窪む複数の穴部31bを有する。本実施形態において穴部31bは、外歯ギア31を軸方向に貫通している。図2に示すように、複数の穴部31bは、モータ軸J1を囲んで配置されている。より詳細には、複数の穴部31bは、偏心軸J2を中心とする周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。穴部31bは、例えば、8つ設けられている。穴部31bの軸方向に沿って見た形状は、例えば、円形状である。穴部31bの内径は、突出部43のうち穴部31bに挿入された部分の外径よりも大きい。
内歯ギア32は、外歯ギア31の径方向外側を囲み、外歯ギア31と噛み合っている。内歯ギア32は、モータ軸J1を中心とする円環状である。図1に示すように、本実施形態において内歯ギア32は、ケース10に固定されている。内歯ギア32の外周面は、第1収容部11aの内周面に嵌め合わされて固定されている。図2に示すように、内歯ギア32の内周面には、複数の歯部32aを有する歯車部が設けられている。内歯ギア32の歯車部は、外歯ギア31の歯車部と噛み合っている。より詳細には、内歯ギア32の歯車部は、外歯ギア31の歯車部と周方向の一部において噛み合っている。
出力フランジ部42は、出力部40の一部である。図1に示すように、出力フランジ部42は、外歯ギア31の下側に対向して配置されている。出力フランジ部42と外歯ギア31との軸方向の間には隙間が設けられている。出力フランジ部42は、例えば、モータ軸J1を中心として径方向に広がる円環板状である。出力フランジ部42は、後述する出力シャフト本体41のうちモータシャフト23よりも下側に位置する部分から径方向外側に広がっている。
突出部43は、出力フランジ部42から外歯ギア31に向かって上側に突出している。本実施形態において突出部43と出力フランジ部42とは、同一の単一部材の一部である。図2に示すように、複数の突出部43は、円柱状である。複数の突出部43は、モータ軸J1を囲んで配置されている。複数の突出部43は、例えば、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。突出部43は、例えば、8つ設けられている。
図1に示すように、複数の突出部43は、複数の穴部31bのそれぞれに下側から挿入されている。突出部43のうち穴部31b内に挿入された部分の外径は、穴部31bの内径よりも小さい。突出部43の外周面は、穴部31bの内周面と内接している。複数の突出部43は、穴部31bの内周面を介して、外歯ギア31をモータ軸J1回りに揺動可能に支持している。
出力部40は、電動アクチュエータ100の駆動力を出力する部分である。出力部40には、伝達機構30を介してモータシャフト23の回転が伝達される。出力部40は、出力シャフト46と、出力フランジ部42と、を有する。つまり、電動アクチュエータ100は、出力シャフト46と、出力フランジ部42と、を備える。本実施形態において出力シャフト46と出力フランジ部42とは、互いに別体である。なお、出力シャフト46と出力フランジ部42とは、同一の単一部材の一部であってもよい。
出力シャフト46は、モータシャフト23の軸方向に延びている。出力シャフト46は、モータシャフト23と同軸に配置されている。つまり、出力シャフト46は、モータ軸J1を中心として回転可能である。出力シャフト46の少なくとも一部は、モータシャフト23の内部に位置する。本実施形態において出力シャフト46は、下側からモータシャフト23の内部に通されてモータシャフト23よりも上側に突出している。出力シャフト46は、モータシャフト23よりも軸方向両側に突出している。本実施形態において出力シャフト46の外周面とモータシャフト23の内周面との間には、全周に亘って隙間が設けられている。出力シャフト46の外周面とモータシャフト23の内周面とは、互いに接触していない。出力シャフト46の外周面とモータシャフト23の内周面との径方向の隙間には、例えば、潤滑油が設けられていてもよい。
出力シャフト46は、軸方向に延びる出力シャフト本体41と、出力シャフト本体41の外周面に固定された取付部材44と、を有する。本実施形態において出力シャフト本体41と取付部材44とは、互いに別体である。なお、出力シャフト本体41と取付部材44とは、同一の単一部材の一部であってもよい。出力シャフト本体41は、第1ベアリング51および第2ベアリング52によって回転可能に支持されている。出力シャフト本体41は、例えば、鉄などの金属製である。出力シャフト本体41は、連結部41aと、延伸部41bと、を有する。
連結部41aは、出力シャフト本体41の下側部分である。連結部41aの下側の端部は、出力シャフト本体41の下側の端部である。連結部41aの下側の端部は、孔部11eの内部に挿入されている。連結部41aの下側の端部は、例えば、孔部11eの下側の端部と同じ軸方向位置にある。連結部41aの上側の端部は、偏心軸部23bの内部に挿入されている。連結部41aの外径は、延伸部41bの外径よりも大きい。連結部41aは、第1ベアリング51によってモータ軸J1回りに回転可能に支持されている。これにより、第1ベアリング51は、出力シャフト46のうちモータシャフト23よりも下側に位置する部分を回転可能に支持している。
連結部41aは、連結部41aの下側の端面から上側に窪む連結凹部41cを有する。連結凹部41cは、下側に開口し、ケース10の外部に露出している。連結凹部41cは、例えば、下側から見てモータ軸J1を中心とする円形状である。連結凹部41cが設けられていることで、連結部41aは、モータ軸J1を中心とし、下側に開口する円筒状となっている。
連結凹部41cの内周面には、スプライン溝が設けられている。連結凹部41cの内部には、下側から被駆動シャフトDSが挿入されて連結される。これにより、連結部41aには、被駆動シャフトDSが連結される。より詳細には、被駆動シャフトDSの外周面に設けられたスプライン部が、連結凹部41cの内周面に設けられたスプライン溝に嵌め合わされることで、出力シャフト本体41と被駆動シャフトDSとが連結される。被駆動シャフトDSには、出力シャフト本体41を介して電動アクチュエータ100の駆動力が伝達される。これにより、電動アクチュエータ100は、被駆動シャフトDSをモータ軸J1回りに回転させる。
延伸部41bは、出力シャフト本体41の上側部分である。延伸部41bの上側の端部は、出力シャフト本体41の上側の端部である。延伸部41bは、連結部41aの上側の端部における径方向の中央部から上側に延びている。延伸部41bは、モータ軸J1を中心として軸方向に延びる円柱状である。延伸部41bの軸方向の寸法は、連結部41aの軸方向の寸法よりも大きい。延伸部41bは、中空シャフトであるモータシャフト23の内部に通されている。延伸部41bは、モータシャフト23の下側からモータシャフト23の内部に挿入され、モータシャフト23よりも上側に突出している。延伸部41bは、基板80の貫通孔80aに軸方向に通されている。延伸部41bの上側の端部は、第2ベアリング52によってモータ軸J1回りに回転可能に支持されている。これにより、第2ベアリング52は、出力シャフト46のうちモータシャフト23よりも上側に位置する部分を回転可能に支持している。
図1に示すように、軸方向における連結部41aの外周面と延伸部41bの外周面との間には、上側を向く段差面として第2対向面41fを有する段差が設けられている。第2対向面41fは、第1対向面23dと対向する。つまり、出力シャフト46は、軸方向を向き第1対向面23dと対向する第2対向面41fを有する。第2対向面41fは、出力シャフト本体41の外周面に設けられた段差面である。第2対向面41fは、モータ軸J1を囲む円環状の面である。本実施形態において、第2対向面41fは、軸方向と直交する平坦面である。第2対向面41fの径方向内縁部は、延伸部41bの外周面の下端部と繋がっている。第2対向面41fの径方向外縁部は、連結部41aの外周面の上端部と繋がっている。
図1に示すように、取付部材44は、延伸部41bのうちモータシャフト23よりも上側に位置する部分の外周面に固定されている。つまり、取付部材44は、出力シャフト本体41のうちモータシャフト23の外部に位置する部分の外周面に固定されている。取付部材44は、出力シャフト本体41にセンサマグネット45を取り付けるための部材である。取付部材44は、固定筒部44aと、対向部44bと、を有する。つまり、出力シャフト46は、固定筒部44aと、対向部44bと、を有する。
固定筒部44aは、モータ軸J1を中心とし、軸方向両側に開口する円筒状である。固定筒部44aは、延伸部41bの外周面に嵌め合わされて固定されている。固定筒部44aは、例えば、圧入により延伸部41bに固定されている。固定筒部44aの外周面には、センサマグネット45が固定されている。固定筒部44aの外周面には、モータ軸J1を囲む円環状の環状溝が設けられている。環状溝には、例えば、センサマグネット45を固定する接着剤が充填されている。
センサマグネット45は、モータ軸J1を囲む円環状である。センサマグネット45は、固定筒部44aの外周面に嵌め合わされている。センサマグネット45は、例えば、接着剤によって固定筒部44aの外周面に固定されている。センサマグネット45の下側の面は、対向部44bの上側の面に接触している。センサマグネット45は、取付部材44よりも径方向外側に突出している。センサマグネット45の径方向外縁部は、回転センサ81の上側に対向して配置されている。センサマグネット45の磁界は、回転センサ81によって検出される。本実施形態において回転センサ81は、センサマグネット45の磁界を検出することでセンサマグネット45の回転を検出し、出力シャフト46の回転を検出する。
対向部44bは、固定筒部44aの下側の端部から径方向外側に突出している。対向部44bは、モータシャフト23の上側に対向して配置されている。取付部材44は、モータシャフト23の上側に対向して配置されている。
対向部44bには、下側を向く第4対向面44dが設けられている。すなわち、本実施形態において第4対向面44dは、取付部材44に設けられている面である。第4対向面44dは、対向部44bの下側の面である。第4対向面44dは、第3対向面23fと対向している。つまり、出力シャフト46は、軸方向を向き、第3対向面23fと対向する第4対向面44dを有する。第4対向面44dは、モータ軸J1を囲む円環状の面である。本実施形態において、第4対向面44dは、軸方向と直交する平坦面である。第4対向面44dの径方向内縁部は、固定筒部44aの内周面の下端部と繋がっている。第4対向面44dの外径、すなわち対向部44bの外径は、後述する第2スラスト軸受62の外径よりも大きい。第4対向面44dは、第2スラスト軸受62の上側の面の全体と接触している。
図1に示すように、電動アクチュエータ100は、第1スラスト軸受61と、第2スラスト軸受62と、を備える。第1スラスト軸受61は、第1対向面23dと第2対向面41fとの軸方向の間に位置する。第2スラスト軸受62は、第3対向面23fと第4対向面44dとの軸方向の間に位置する。第1スラスト軸受61は、ロータ本体24よりも下側に位置する。第2スラスト軸受62は、ロータ本体24よりも上側に位置する。本実施形態において、第1スラスト軸受61および第2スラスト軸受62は、互いに同様の形状を有する軸受である。第1スラスト軸受61と第2スラスト軸受62とは、軸方向において互いに逆向きに配置されている。
第1スラスト軸受61は、偏心軸部23bの径方向内側に位置する。第1スラスト軸受61は、出力シャフト46の延伸部41bを囲む円環状の部材である。図3および図4に示すように、第1スラスト軸受61は、第1軌道盤61aと、第2軌道盤61bと、複数の第1転がり部材61eと、第1保持器61fと、を有する。第1軌道盤61aは、第1保持器61fの上側に位置する。第2軌道盤61bは、第1保持器61fの下側に位置する。複数の第1転がり部材61eは、第1保持器61fに保持され、第1軌道盤61aと第2軌道盤61bとの軸方向の間に位置する。複数の第1転がり部材61eは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。本実施形態における第1転がり部材61eは、例えば、球形状である。なお、第1転がり部材61eの形状は、転がることが可能であれば、特に限定されず、円筒形状または円柱形状などであってもよい。
第1軌道盤61aは、モータ軸J1を中心とする円環状である。図4に示すように、第1軌道盤61aは、出力シャフト46を囲んでいる。より詳細には、第1軌道盤61aは、延伸部41bを囲んでいる。第1軌道盤61aと延伸部41bとの径方向の間には、隙間が設けられている。第1軌道盤61aの上側を向く面は、接触面61cである。接触面61cは、モータ軸J1を中心とする円環状の面である。接触面61cは、第1対向面23dと接触する。これにより、第1スラスト軸受61は、第1対向面23dを軸方向に支持する。すなわち、第1スラスト軸受61は、モータシャフト23を軸方向に支持する。
第2軌道盤61bは、モータ軸J1を中心とする円環状である。第2軌道盤61bは、出力シャフト46を囲んでいる。より詳細には、第2軌道盤61bは、延伸部41bを囲んでいる。本実施形態において延伸部41bは、第2軌道盤61bの内側に隙間嵌めされている。第2軌道盤61bの内周面と延伸部41bの外周面との径方向の隙間は、第1軌道盤61aの内周面と延伸部41bの外周面との径方向の隙間よりも小さい。つまり、第1軌道盤61aの内周面と出力シャフト46の外周面との径方向の隙間は、第2軌道盤61bの内周面と出力シャフト46の外周面との径方向の隙間よりも大きい。第1軌道盤61aの内径は、第2軌道盤61bの内径よりも大きい。第2軌道盤61bの外径は、第1軌道盤61aの外径と同じである。本実施形態において第1軌道盤61aの内径と出力シャフト46のうち第1軌道盤61aの内側に位置する部分における外径との差は、第2軌道盤61bの内径と出力シャフト46のうち第2軌道盤61bの内側に位置する部分における外径との差よりも大きい。なお、第2軌道盤61bは出力シャフト46と圧入により固定されてもよい。
第2軌道盤61bの下側を向く面は、接触面61dである。接触面61dは、モータ軸J1を中心とする円環状の面である。接触面61dは、第2対向面41fと接触する。これにより、第1スラスト軸受61は、第2対向面41fを軸方向に支持する。すなわち、第1スラスト軸受61は、出力シャフト46を軸方向に支持する。
第1保持器61fは、転動体である第1転がり部材61eを保持する。第1保持器61fは、モータ軸J1を中心とする円環状である。第1保持器61fには、周方向に沿って、複数の保持孔61gが設けられている。複数の保持孔61gは、第1保持器61fを軸方向に貫通している。各保持孔61gには、各第1転がり部材61eがそれぞれ保持されている。各第1転がり部材61eは、各保持孔61gから軸方向両側に突出している。
第1軌道盤61aの下側の面は、第1保持器61fの保持孔61gから突出する複数の第1転がり部材61eと接触する。第2軌道盤61bの上側の面は、第1保持器61fの保持孔61gから突出する複数の第1転がり部材61eと接触する。第1軌道盤61aと第2軌道盤61bとは、第1転がり部材61eを介して、互いにモータ軸J1回りに相対回転できる。
モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対回転するとき、第1軌道盤61aは、第1対向面23dと接触面61cとの摩擦力によって、モータシャフト23と共に回転する。上述したように、第1軌道盤61aの内周面と出力シャフト46の外周面との間には、径方向において隙間が設けられている。そのため、第1軌道盤61aと出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対回転する際に、第1軌道盤61aは出力シャフト46と擦れない。
モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対回転するとき、第2軌道盤61bは、第2対向面41fと接触面61dとの摩擦力によって、出力シャフト46と共に回転する。なお、図4の例では、第2軌道盤61bの内周面と出力シャフト46の外周面と間には、径方向において隙間が設けられているが、第2軌道盤61bの内周面と出力シャフト46の外周面とは、径方向において接触していてもよい。その場合、モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対回転する際に、第2軌道盤61bには、第2対向面41fと接触面61dとの摩擦力に加えて、出力シャフト46の外周面と第2軌道盤61bの内周面との摩擦力が加わる。そのため、第2軌道盤61bを、より安定して、出力シャフト46と共に回転させることができる。
図1に示すように、第2スラスト軸受62は、軸方向において本体部23aと、取付部材44との間に位置する。第2スラスト軸受62は、出力シャフト46の延伸部41bを囲む円環状の部材である。図5および図6に示すように、第2スラスト軸受62は、第3軌道盤62aと、第4軌道盤62bと、複数の第2転がり部材62eと、第2保持器62fと、を有する。第3軌道盤62aは、第2保持器62fの下側に位置する。第4軌道盤62bは、第2保持器62fの上側に位置する。複数の第2転がり部材62eは、第2保持器62fに保持され、第3軌道盤62aと第4軌道盤62bとの軸方向の間に位置する。複数の第2転がり部材62eは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。本実施形態における、第2転がり部材62eは、例えば、球形状である。なお、第2転がり部材62eの形状は、転がることが可能であれば、特に限定されず、円筒形状または円柱形状などであってもよい。
第3軌道盤62aは、モータ軸J1を中心とする円環状である。図6に示すように、第3軌道盤62aは、出力シャフト46を囲んでいる。より詳細には、第3軌道盤62aは、延伸部41bを囲んでいる。第3軌道盤62aと延伸部41bとの径方向の間には、隙間が設けられている。第3軌道盤62aの下側を向く面は、接触面62cである。接触面62cは、モータ軸J1を中心とする円環状の面である。接触面62cは、第3対向面23fと接触する。これにより、第2スラスト軸受62は、第3対向面23fを軸方向に支持する。すなわち、第2スラスト軸受62は、モータシャフト23を軸方向に支持する。
第4軌道盤62bは、モータ軸J1を中心とする円環状である。第4軌道盤62bは、出力シャフト46を囲んでいる。より詳細には、第4軌道盤62bは、延伸部41bを囲んでいる。本実施形態において延伸部41bは、第4軌道盤62bの内側に隙間嵌めされている。第4軌道盤62bの内周面と延伸部41bの外周面との径方向の隙間は、第3軌道盤62aの内周面と延伸部41bの外周面との径方向の隙間よりも小さい。つまり、第3軌道盤62aの内周面と出力シャフト46の外周面との径方向の隙間は、第4軌道盤62bの内周面と出力シャフト46の外周面との径方向の隙間よりも大きい。第3軌道盤62aの内径は、第4軌道盤62bの内径よりも大きい。第4軌道盤62bの外径は、第3軌道盤62aの外径と同じである。本実施形態において第3軌道盤62aの内径と出力シャフト46のうち第3軌道盤62aの内側に位置する部分における外径との差は、第4軌道盤62bの内径と出力シャフト46のうち第4軌道盤62bの内側に位置する部分における外径との差よりも大きい。なお、第4軌道盤62bは出力シャフト46と圧入により固定されてもよい。
第4軌道盤62bの上側を向く面は、接触面62dである。接触面62dは、モータ軸J1を中心とする円環状の面である。接触面62dは、第4対向面44dと接触する。これにより、第2スラスト軸受62は、第4対向面44dを軸方向に支持する。すなわち、第2スラスト軸受62は出力シャフト46を軸方向に支持する。
第2保持器62fは、転動体である第2転がり部材62eを保持する。第2保持器62fはモータ軸J1を中心とする円環状である。第2保持器62fには、周方向に沿って、複数の保持孔62gが設けられている。複数の保持孔62gは、第2保持器62fを軸方向に貫通している。各保持孔62gには、各第2転がり部材62eがそれぞれ保持されている。各第2転がり部材62eは、各保持孔62gから軸方向両側に突出している。
第3軌道盤62aの上側の面は、第2保持器62fの保持孔62gから突出する複数の第2転がり部材62eと接触する。また、第4軌道盤62bの下側の面は、第2保持器62fの保持孔62gから突出する複数の第2転がり部材62eと接触する。第3軌道盤62aと第4軌道盤62bとは、第2転がり部材62eを介して、互いにモータ軸J1回りに相対回転できる。
モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対回転するとき、第3軌道盤62aは、第3対向面23fと接触面62cとの摩擦力によって、モータシャフト23と共に回転する。上述したように、第3軌道盤62aの内周面と出力シャフト46の外周面との間には、径方向において隙間が設けられている。そのため、第3軌道盤62aと出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対回転する際に、第3軌道盤62aは出力シャフト46と擦れない。
モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対回転するとき、第4軌道盤62bは、第4対向面44dと接触面62dとの摩擦力によって、出力シャフト46と共に回転する。なお、図6の例では、第4軌道盤62bの内周面と出力シャフト46の外周面と間には、径方向において隙間が設けられているが、第4軌道盤62bの内周面と出力シャフト46の外周面とは、径方向において接触していてもよい。その場合、モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対回転する際に、第4軌道盤62bには、第4対向面44dと接触面62dとの摩擦力に加えて、出力シャフト46の外周面と第4軌道盤62bの内周面との摩擦力が加わる。そのため、第4軌道盤62bを、より安定して、出力シャフト46と共に回転させることができる。
モータ20に電力が供給されてモータシャフト23がモータ軸J1回りに回転されると、偏心軸部23bは、モータ軸J1を中心として周方向に公転する。偏心軸部23bの公転は第3ベアリング53を介して外歯ギア31に伝達され、外歯ギア31は、穴部31bの内周面と突出部43の外周面との内接する位置が変化しつつ、揺動する。これにより、外歯ギア31の歯車部と内歯ギア32の歯車部とが噛み合う位置が、周方向に変化する。したがって、内歯ギア32に、外歯ギア31を介してモータシャフト23の回転力が伝達される。
ここで、本実施形態では、内歯ギア32はケース10に固定されているため回転しない。そのため、内歯ギア32に伝達される回転力の反力によって、外歯ギア31が偏心軸J2回りに回転する。このとき外歯ギア31の回転する向きは、モータシャフト23の回転する向きと反対向きとなる。外歯ギア31の偏心軸J2回りの回転は、穴部31bと突出部43とを介して、出力フランジ部42に伝達される。これにより、出力シャフト本体41がモータ軸J1回りに回転する。このようにして、出力シャフト46には、伝達機構30を介してモータシャフト23の回転が伝達される。減速機構としての伝達機構30の構造が上述したような複数の突出部43を介して回転を伝達する構造となっていることで、モータシャフト23の回転に対する出力シャフト46の回転の減速比を比較的大きくできる。そのため、出力シャフト46の回転トルクを比較的大きくできる。
本実施形態によれば、モータシャフト23は、中空シャフトであり、出力シャフト46の少なくとも一部は、モータシャフト23の内部に位置する。出力シャフト46は、モータシャフト23を回転可能に支持している。そのため、モータシャフト23が出力シャフト46に対して径方向に倒れようとしても、モータシャフト23が出力シャフト46によって支持される。これにより、モータシャフト23が出力シャフト46に対して傾くことが抑制される。したがって、モータシャフト23と出力シャフト46とが互いに傾くことを抑制できる。また、モータシャフト23を出力シャフト46によって支持できるため、モータシャフト23を回転可能に支持するベアリングを別途設ける必要がない。したがって、電動アクチュエータ100の部品点数を低減できる。
また、本実施形態によれば、モータシャフト23の第1対向面23dと、出力シャフト46の第2対向面41fとの軸方向の間に、第1スラスト軸受61が設けられている。第1スラスト軸受61は、モータシャフト23と出力シャフト46とを軸方向に支持している。そのため、モータシャフト23と出力シャフト46とは、互いに直接的には軸方向に接触せずに、第1スラスト軸受61を介して軸方向に接触する。これにより、モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対回転する際に、モータシャフト23と出力シャフト46とが直接的に擦れる場合と比べて、周方向に生じる摩擦力を低減できる。したがって、モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対的に回転する際に生じる損失を低減でき、回転の伝達効率を向上できる。
また、本実施形態によれば、第1スラスト軸受61は、第1対向面23dを軸方向に支持する第1軌道盤61aと、第2対向面41fを軸方向に支持する第2軌道盤61bと、第1軌道盤61aと第2軌道盤61bとの軸方向の間に位置する複数の第1転がり部材61eと、を有する。そのため、複数の第1転がり部材61eを介して、第1軌道盤61aと第2軌道盤61bとをモータ軸J1回りに相対回転可能にでき、第1軌道盤61aと第2軌道盤61bとがモータ軸J1回りに相対回転する際に生じる摩擦力を好適に小さくできる。これにより、第1スラスト軸受61によって支持されたモータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対回転する際に、周方向に生じる摩擦力をより低減できる。したがって、モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対的に回転する際に生じる損失をより低減でき、回転の伝達効率をより向上できる。
また、第1軌道盤61aの内径と出力シャフト46のうち第1軌道盤61aの内側に位置する部分における外径との差は、第2軌道盤61bの内径と出力シャフト46のうち第2軌道盤61bの内側に位置する部分における外径との差よりも大きい。そのため、出力シャフト46の外周面が、モータシャフト23を支持する第1軌道盤61aに接触することを抑制できる。つまり、モータシャフト23と共に第1軌道盤61aが回転する際に、第1軌道盤61aが出力シャフト46と擦れることを抑制できる。これにより、モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対回転する際に、周方向に生じる摩擦力をより低減できる。したがって、モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対的に回転する際に生じる損失をより低減でき、回転の伝達効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、第1対向面23dは、モータシャフト23の内周面に設けられた段差面である。つまり、モータシャフト23に設けられた段差面を利用して第1対向面23dを設けることができる。第2対向面41fは、出力シャフト46のうちモータシャフト23の内部に位置する部分の外周面に設けられた段差面である。つまり、出力シャフト46に設けられた段差面を利用して第2対向面41fを設けることができる。そのため、他の部材を別途設けることなく、第1対向面23dおよび第2対向面41fを設けることができる。したがって、電動アクチュエータ100の部品点数が増加することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、電動アクチュエータ100は、第2スラスト軸受62を備える。第2スラスト軸受62は、モータシャフト23の第3対向面23fと、出力シャフト46の第4対向面44dとの軸方向の間に位置し、モータシャフト23と出力シャフト46を軸方向に支持する。そのため、第2スラスト軸受62によっても、上述した第1スラスト軸受61と同様にして、モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対回転する際に、周方向に生じる摩擦力を低減できる。したがって、モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対的に回転する際に生じる損失を低減でき、回転の伝達効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、第1スラスト軸受61は、ロータ本体24よりも下側、すなわち、軸方向一方側に位置する。第2スラスト軸受62は、ロータ本体24よりも上側、すなわち、軸方向他方側に位置する。そのため、ロータ本体24を挟んだ軸方向両側において、モータシャフト23と出力シャフト46とが相対回転する際の周方向の摩擦力を低減できる。したがって、モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対的に回転する際に生じる損失を好適に低減でき、回転の伝達効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、第2スラスト軸受62は、第3対向面23fを軸方向に支持する第3軌道盤62aと、第4対向面44dを軸方向に支持する第4軌道盤62bと、第3軌道盤62aと第4軌道盤62bとの軸方向の間に位置する第2転がり部材62eと、を有する。さらに、第3軌道盤62aの内径と出力シャフト46のうち第3軌道盤62aの内側に位置する部分における外径との差は、第4軌道盤62bの内径と出力シャフト46のうち第4軌道盤62bの内側に位置する部分における外径との差よりも大きい。そのため、第2スラスト軸受62によっても、上述した第1スラスト軸受61と同様にして、モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対回転する際に、周方向に生じる摩擦力を低減できる。したがって、モータシャフト23と出力シャフト46とがモータ軸J1回りに相対的に回転する際に生じる損失を低減でき、回転の伝達効率をより向上できる。
また、本実施形態によれば、第4対向面44dの少なくとも一部は、取付部材44に設けられている。そのため、第4対向面44dの面積を大きくしやすい。これにより、第2スラスト軸受62によって、第4対向面44dを介して、安定して出力シャフト46を支持することができる。また、センサマグネット45が取り付けられる取付部材44を利用して第4対向面44dの少なくとも一部を設けるため、他の部材を別途設けることなく、第4対向面44dの面積を大きくできる。したがって、電動アクチュエータ100の部品点数が増加することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、第3対向面23fは、モータシャフト23の上側の端面である。つまり、モータシャフト23の軸方向の端面を利用して第3対向面23fを設けることができる。そのため、他の部材を別途設けることなく、第3対向面23fを設けることができる。したがって、電動アクチュエータ100の部品点数が増加することを抑制できる。
また、本実施形態によれば、出力シャフト46は、モータシャフト23よりも下側からモータシャフト23の内部を通ってモータシャフト23よりも上側まで延びている。そのため、モータシャフト23の内部における軸方向の全体に亘って出力シャフト46を配置できる。これにより、出力シャフト46によってモータシャフト23をより好適に支持することができる。したがって、モータシャフト23と出力シャフト46とが互いに傾くことをより抑制できる。
また、本実施形態によれば、出力シャフト46がモータシャフト23に対して軸方向両側に突出しているため、出力シャフト46の軸方向両側を支持する第1ベアリング51および第2ベアリング52をケース10に保持させやすい。したがって、ケース10の構造が複雑化することを抑制でき、かつ、第1ベアリング51および第2ベアリング52の組み付けを容易にできる。このように、出力シャフト46を第1ベアリング51および第2ベアリング52によって支持し、出力シャフト46によってモータシャフト23を支持する構造とすることで、例えばベアリングで支持されたモータシャフト23によって出力シャフト46を支持する構造に比べて、電動アクチュエータ100の構造が複雑化することを抑制でき、かつ、電動アクチュエータ100の組み立てを容易にできる。
<第2実施形態>
図7に示すように、本実施形態の電動アクチュエータ200において、モータシャフト223の本体部223aは、取付部223hを有する。取付部223hは、本体部223aの上側の端部である。本体部223aの外径は、取付部223hにおいて小さくなっている。本体部223aのうち取付部223hよりも下側に位置する部分と、取付部223hとの軸方向の間には、上側を向く段差面223gを有する段差が設けられている。本実施形態において、段差面223gは、例えば、モータ軸J1と直交する平面である。本体部223aのその他の構成は、第1実施形態の本体部23aのその他の構成と同様である。
図7に示すように、本実施形態の電動アクチュエータ200において、モータシャフト223の本体部223aは、取付部223hを有する。取付部223hは、本体部223aの上側の端部である。本体部223aの外径は、取付部223hにおいて小さくなっている。本体部223aのうち取付部223hよりも下側に位置する部分と、取付部223hとの軸方向の間には、上側を向く段差面223gを有する段差が設けられている。本実施形態において、段差面223gは、例えば、モータ軸J1と直交する平面である。本体部223aのその他の構成は、第1実施形態の本体部23aのその他の構成と同様である。
モータシャフト223は、取付部223hに固定された支持部材263を有する。支持部材263は、第2スラスト軸受62を下側から支持する部材である。支持部材263は、モータ軸J1を囲む環状である。支持部材263は、取付部223hの外周面に嵌め合わされている。支持部材263は、例えば、接着剤によって取付部223hの外周面に固定されている。なお、支持部材263は、圧入によって取付部223hの外周面に固定されてもよい。支持部材263の下側の面は、段差面223gと接触する。軸方向において、支持部材263の上側の面の位置と取付部223hの上端面の位置とは、互いに同じである。本実施形態において、支持部材263の外径は、第2スラスト軸受62の第3軌道盤62aの外径と同じである。支持部材263は、接触面62cの全体と接触する。なお、支持部材263の外径は、第3軌道盤62aの外径よりも大きくてもよい。
本実施形態においてモータシャフト223に設けられた第3対向面223fは、支持部材263の上側の面と、取付部223hの上端面とによって構成されている。つまり、第3対向面223fの少なくとも一部は、支持部材263に設けられている。本実施形態の電動アクチュエータ200のその他の構成は、第1実施形態の電動アクチュエータ100のその他の構成と同様である。
本実施形態によれば、モータシャフト223は、取付部223hの外周面に固定された支持部材263を有し、第3対向面223fの少なくとも一部は、支持部材263に設けられている。そのため、第3対向面223fを径方向へ容易に広げることができ、第3対向面223fの面積を好適に大きくできる。これにより、第3対向面223fによって第2スラスト軸受62を安定して支持できる。したがって、モータ軸J1に対して第2スラスト軸受62が傾くことを抑制できる。これにより、第2スラスト軸受62によってモータシャフト223と出力シャフト46とをより好適に支持できる。
なお、本実施形態において支持部材263の位置および形状は、第2スラスト軸受62を支持できるならば、特に限定されない。例えば、支持部材263の上側の面を、取付部223hの上側の端面よりも上側に設けてもよい。
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および方法を採用することもできる。第1スラスト軸受および第2スラスト軸受は、モータシャフトと出力シャフトとを軸方向に支持できるならば、どのように取り付けられてもよいし、どのような形状であってもよい。第2スラスト軸受は、設けられなくてもよい。また、各スラスト軸受は、軸方向において、一方の軌道盤と保持器との間に複数の転がり部材を備え、他方の軌道盤と保持器との間に別の複数の転がり部材を備える構成でもよい。第1スラスト軸受と第2スラスト軸受とは、互いに同一形状でもよいし、互いに異なる形状でもよい。各スラスト軸受の各軌道盤と、モータシャフトもしくは出力シャフトとは、互いに接着して固定されていてもよい。各スラスト軸受が支持する各対向面は、各シャフトに対してどのように設けられてもよい。
伝達機構は、モータシャフトの回転を出力シャフトに伝達できるならば、特に限定されない。伝達機構は、増速機構であってもよいし、モータシャフトの回転を変速しない機構であってもよい。伝達機構が減速機構である場合、減速機構の構造は、特に限定されない。複数の突出部は外歯ギアに設けられ、複数の穴部は出力フランジ部に設けられてもよい。この場合、突出部は、外歯ギアから出力フランジ部に向かって突出し、穴部に挿入される。
本発明が適用される電動アクチュエータの用途は、特に限定されない。電動アクチュエータは、運転者のシフト操作に基づいて駆動されるシフト・バイ・ワイヤ方式のアクチュエータ装置に搭載されてもよい。また、電動アクチュエータは、車両以外の機器に搭載されてもよい。なお、以上に、本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
20…モータ、23,223…モータシャフト、23d…第1対向面、23f,223f…第3対向面、24…ロータ本体、30…伝達機構、41…出力シャフト本体、41f…第2対向面、44…取付部材、44d…第4対向面、46…出力シャフト、61…第1スラスト軸受、61a…第1軌道盤、61b…第2軌道盤、61e…第1転がり部材、62…第2スラスト軸受、62a…第3軌道盤、62b…第4軌道盤、62e…第2転がり部材、100,200…電動アクチュエータ、223a…本体部、223h…取付部、263…支持部材、J1…モータ軸
Claims (7)
- モータ軸を中心として回転可能な中空のモータシャフトを有するモータと、
前記モータシャフトに連結された伝達機構と、
前記モータシャフトの軸方向に延び、前記伝達機構を介して前記モータシャフトの回転が伝達される出力シャフトと、
第1スラスト軸受と、
を備え、
前記出力シャフトの少なくとも一部は、前記モータシャフトの内部に位置し、
前記モータシャフトは、軸方向を向く第1対向面を有し、
前記出力シャフトは、軸方向を向き前記第1対向面と対向する第2対向面を有し、
前記第1スラスト軸受は、前記第1対向面と前記第2対向面との軸方向の間に位置し、前記モータシャフトと前記出力シャフトとを軸方向に支持している、電動アクチュエータ。 - 前記第1スラスト軸受は、
前記出力シャフトを囲む円環状であり、前記第1対向面を軸方向に支持する第1軌道盤と、
前記出力シャフトを囲む円環状であり、前記第2対向面を軸方向に支持する第2軌道盤と、
前記第1軌道盤と前記第2軌道盤との軸方向の間に位置する複数の第1転がり部材と、
を有し、
前記第1軌道盤の内径と前記出力シャフトのうち前記第1軌道盤の内側に位置する部分における外径との差は、前記第2軌道盤の内径と前記出力シャフトのうち前記第2軌道盤の内側に位置する部分における外径との差よりも大きい、請求項1に記載の電動アクチュエータ。 - 前記第1対向面は、前記モータシャフトの内周面に設けられた段差面であり、
前記第2対向面は、前記出力シャフトのうち前記モータシャフトの内部に位置する部分の外周面に設けられた段差面である、請求項1または2に記載の電動アクチュエータ。 - 第2スラスト軸受を備え、
前記モータシャフトは、軸方向を向く第3対向面を有し、
前記出力シャフトは、軸方向を向き前記第3対向面と対向する第4対向面を有し、
前記第2スラスト軸受は、前記第3対向面と前記第4対向面との軸方向の間に位置し、前記モータシャフトと前記出力シャフトとを支持し、
前記モータは、前記モータシャフトに固定されたロータ本体を有し、
前記第1スラスト軸受は、前記ロータ本体よりも軸方向一方側に位置し、
前記第2スラスト軸受は、前記ロータ本体よりも軸方向他方側に位置する、請求項1から3のいずれか一項に記載の電動アクチュエータ。 - 前記第2スラスト軸受は、
前記出力シャフトを囲む円環状であり、前記第3対向面を軸方向に支持する第3軌道盤と、
前記出力シャフトを囲む円環状であり、前記第4対向面を軸方向に支持する第4軌道盤と、
前記第3軌道盤と前記第4軌道盤との軸方向の間に位置する複数の第2転がり部材と、
を有し、
前記第3軌道盤の内径と前記出力シャフトのうち前記第3軌道盤の内側に位置する部分における外径との差は、前記第4軌道盤の内径と前記出力シャフトのうち前記第4軌道盤の内側に位置する部分における外径との差よりも大きい、請求項4に記載の電動アクチュエータ。 - 前記出力シャフトは、
軸方向に延びる出力シャフト本体と、
前記出力シャフト本体のうち前記モータシャフトの外部に位置する部分の外周面に固定され、前記モータシャフトの軸方向他方側に対向して配置された取付部材と、
を有し、
前記第4対向面の少なくとも一部は、前記取付部材に設けられている、請求項4または5に記載の電動アクチュエータ。 - 前記モータシャフトは、
取付部を有する本体部と、
前記取付部の外周面に固定された支持部材と、
を有し、
前記第3対向面の少なくとも一部は、前記支持部材に設けられている、請求項4から6のいずれか一項に記載の電動アクチュエータ。
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JP2021128271A JP2023023079A (ja) | 2021-08-04 | 2021-08-04 | 電動アクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2021128271A JP2023023079A (ja) | 2021-08-04 | 2021-08-04 | 電動アクチュエータ |
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JP2023023079A true JP2023023079A (ja) | 2023-02-16 |
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Family Applications (1)
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JP2021128271A Pending JP2023023079A (ja) | 2021-08-04 | 2021-08-04 | 電動アクチュエータ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2023023079A (ja) |
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2021
- 2021-08-04 JP JP2021128271A patent/JP2023023079A/ja active Pending
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