[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。また、開閉枠は、その左端側がヒンジに取り付けられる軸着端側になっており、その右端側が回動によって開放される開放端側になっている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(特別遊技状態)、小当り遊技状態(小当り状態)である。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ちが含まれる。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2を参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2は、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40bは、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞しやすくなっている。
センターケース40の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dが設けられる。上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dは、盤装飾装置46(図4参照)及び盤演出装置44(図4参照)の一部を構成している。
センターケース40の右側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a~35n(図3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する始動入賞口(始動口1、第1始動入賞領域)36が設けられる。センターケース40の右側の遊技領域32において、普図始動ゲート34の下方には第2始動入賞口(始動口2、第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37(普通電動役物、普電)が設けられる。普通変動入賞装置37は、前方へ回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する可動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。なお、始動入賞口36には、左打ち時に遊技球が入賞し易くなり、普通変動入賞装置37には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。
可動部材37bは、いわゆるベロ型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して動作して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。可動部材37bは、開状態(入賞容易状態)でなければ、遊技球が普通変動入賞装置37に流入し難い閉状態(入賞非容易状態、入賞困難状態)となる。なお、本実施形態において、始動入賞口36は、普通変動入賞装置37と異なり、可動部材(開閉部材)を有さず、常時、開放状態(開状態)であるが、可動部材(開閉部材)を有する構成も可能である。
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、特別な遊技を行わない通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
始動入賞口36の右方の遊技領域32には、下大入賞口ソレノイド38b(図7参照)によって前方から奥側に引っ込むことで大入賞口を開放する下大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉38cを有する第1特別変動入賞装置38(特別電動役物)が設けられている。第1特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な遊技状態)に変換し、下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(例えば、賞球や大当り終了後の時短回数/確変回数)を付与するようになっている。なお、下大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として下大入賞口スイッチ38a(カウントスイッチ)が配設されている。なお、第1特別変動入賞装置38には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。
普通変動入賞装置37の上方の遊技領域32には、上大入賞口ソレノイド39b(図3参照)によって上端側が右側に倒れる方向に回動することで上大入賞口を開放する開閉扉39cを有する第2特別変動入賞装置39が設けられている。第2特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(例えば、賞球や大当り終了後の時短回数/確変回数)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として上大入賞口スイッチ39a(カウントスイッチ)(図3参照)が配設されている。なお、第2特別変動入賞装置39には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。また、下大入賞口スイッチ38aと上大入賞口スイッチ39aを総称して、大入賞口スイッチ43と呼ぶ。
第2特別変動入賞装置39の内部には、特定領域86(いわゆるV入賞口)が設けられている。小当りによって開閉扉39cが開放された後に特定領域86(V入賞口)に遊技球が入球した場合に大当りが確定する。特定領域86は、小当り中にのみ、長時間開放されるなどして遊技球が容易に通過できるようにしてよい。なお、遊技制御装置100は、特定領域86への遊技球の通過(V入賞)をセンサ(後述の特定領域スイッチ72)等を介して検知でき、V入賞を検知すると小当り終了後に大当り状態に移行することを確定するとともに、後述の演出制御装置300にV入賞があったことを示す情報(特定領域通過コマンド等)を送信する。そして、演出制御装置300は、V入賞を表示装置41などにおいて報知できる。
即ち、本実施形態では、遊技機10は、いわゆる1種2種混合機(1+2種機)である。本実施形態では、小当りで第2特別変動入賞装置39が開放されることによって、第2特別変動入賞装置39内の特定領域86(V入賞口)に遊技球がV入賞して、大当りが発生する。
一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置38、39の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。また、下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。また、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置38、39やその近傍には、遊技球が入賞した場合などに発光可能なLED(後述の盤装飾装置46の一部)が配設されている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51~60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特図1表示器、ランプD1)及び第2特図変動表示部52(特図2表示器、ランプD2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普図表示器、ランプD8、D10、D18)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、を有している。特図1保留表示器54はランプD11、D12により構成される。特図2保留表示器55は、ランプD13、D14により構成される。普図保留表示器56は、ランプD15、D16により構成される。
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器、ランプD7)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58(第2遊技状態表示器、ランプD17)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部59(第3遊技状態表示器、確率状態表示部、ランプD9)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(ランプD3-D6)が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、このようなセグメント型の表示部に限らず、複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよい。普図表示器53においても、変動表示ゲームは、ランプD10、D18の点灯消灯を繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器53も特図1表示器51、特図2表示器52と同様に適宜構成することが可能である。
ランプ表示装置80は、図柄(後述の第四特別図柄、第4図柄)として点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部1、2(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部3-6(LED)を有する。なお、ランプ表示装置80は、演出制御装置300(後述)で制御される。
ランプ表示部1、2は、変動表示として所定の点滅周期(例えば200msec(ミリ秒))で点滅する。即ち、ランプ表示部1、2の消灯と点灯の切り替えは、点滅周期の2分の1(例えば、100msec)の期間で行われる。一括表示装置50の特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53における変動表示の変動時間が遊技制御装置100で計測されるのに対して、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2の変動時間は演出制御装置300(後述)で計測される。
ランプ表示部3、4(特図1保留LED1、特図1保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態の組合せによって、特図1保留数(第1始動記憶数)を表示する。同様に、ランプ表示部5、6(特図2保留LED1、特図2保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態の組合せによって、特図2保留数(第2始動記憶数)を表示する。ランプ表示部3-6は、大当り発生により保留数の表示を終了するが、大当り状態中以外の場合(表示装置41で後述のリーチが発生している場合も含む)では、保留数の表示を行う。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数(普図保留数)が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶(普図保留)には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄(普図)が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば3秒間×2回)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の始動入賞口36への入賞及び普通変動入賞装置37への入賞は、始動口1スイッチ36a(図3参照)及び始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶(特図1始動記憶、特図1保留)に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞若しくは第2始動記憶(特図2始動記憶、特図2保留)に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。
また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2において、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)によって第四特別図柄(第4図柄)が変動する。ランプ表示部1、2の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの場合は「消灯」、大当りもしくは小当りの場合は「点灯」で停止する。
始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置38、39は、大入賞口ソレノイド(38b、39b)(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置38、39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が小当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定結果態様(小当り結果態様)が導出され、小当り状態となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は小当り結果態様となる。なお、本実施形態では、小当りの判定にも大当り乱数値が使用されるが、小当り値(小当り判定値)は、大当り値(大当り判定値)と異なる。
このとき、特別変動入賞装置38、39は、大入賞口ソレノイド38b、39b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の短時間だけ閉状態から開状態に変換される。なお、大入賞口の全開放時間は、小当り状態(小当り遊技状態)の方が大当り状態(特別遊技状態)よりも短いため、小当り状態では大当り状態よりも遊技者が獲得可能な遊技価値(獲得球数)が少ない。なお、小当り状態と大当り状態では両方とも大入賞口が開放状態となるが、大当り状態を第1特別遊技状態と呼び、小当り状態を第2特別遊技状態と呼んでもよい。なお、簡単のため、本実施形態では、小当り状態で特別変動入賞装置39(上大入賞口)のみが開状態に変換され、大当り状態(小当り中のV入賞による大当り状態も含む)で特別変動入賞装置38(下大入賞口)のみが開状態に変換される構成を説明する。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特定結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38、39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。また、条件装置が作動するとは、特定領域86への遊技球の通過(V入賞)があったことを意味してもよい。条件装置が作動しないとは、例えば単に小当り抽選に当選した場合のように上述の特定のフラグがセットされないことを意味する。ただし、本実施形態で後述するように、小当り状態中にV入賞があった場合には条件装置が作動することになる。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用語として使用している。
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される(特図2保留優先消化、特図2優先変動)。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにしてよい。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ(38a、39a)には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。RAM初期化スイッチ112が押下げられてオン操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100(主基板)は、設定キースイッチ93を備える。設定キースイッチ93は、操作者の回転操作等によってオンすることによって遊技条件(遊技)に関する設定に応じた確率設定値(設定値)を変更可能な状態にする。なお、RAM初期化スイッチ112は、操作者の操作に応じて確率設定値を変更可能な設定値変更スイッチとしても使用可能である。本実施形態では、確率設定値は、大当り確率や小当り確率などの当選確率を設定するための設定値であるが、確率以外の他の遊技条件(演出など)も確率設定値に応じて変更可能である。設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技条件に関する設定(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42、設定手段)を構成する。なお、RAM初期化スイッチ112ではなく、他のスイッチが、設定値変更スイッチを兼用してもよいし、専用に独自の設定値変更スイッチを設けてもよい。
設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技機10内部の遊技制御装置100上に設けられることによって、前面枠12(本体枠)が開放されなければ操作できない位置(アクセスできない位置)に配置される。即ち、一般の遊技者は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112にアクセスして操作することができない。
後述するように、遊技機10の電源投入(停電復旧、復電)の際に、遊技機10は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112のオン/オフ状態に応じて、確率設定値を変更可能(設定可能)な設定可変状態(設定変更状態、設定可能状態、設定変更モード)、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)などの各種状態に、移行することができる。
本実施形態において、確率設定値は、例えば6段階で規定され、確率設定値1(設定1)、確率設定値2(設定2)、確率設定値3(設定3)、確率設定値4(設定4)、確率設定値5(設定5)、確率設定値6(設定6)がある。一般的に、設定1が遊技者に最も不利な設定であり、設定6が遊技者に最も有利な設定である。設定1、2が低設定であり、設定3、4が中間の設定(中間設定)であり、設定5、6が高設定である。
確率設定変更処理では、操作者によってRAM初期化スイッチ112が押下操作される度に、作業用設定値領域の作業用設定値(設定)が、設定値0(設定1、確率設定値1)→設定値1(設定2、確率設定値2)→設定値2(設定3、確率設定値3)→設定値3(設定4、確率設定値4)→設定値4(設定5、確率設定値5)→設定値5(設定6、確率設定値6)→設定値0(設定1)→設定値1(設定2)→・・・のように変更される。このように、RAM初期化スイッチ112は、設定値変更スイッチとしても機能する。なお、説明の都合上、設定変更状態(設定変更モード)中に、作業用設定値0~5をそれぞれ確率設定値1~6に対応して設けるが、作業用設定値と確率設定値は同じ数値範囲(即ち0~5又は1~6)に揃えて同じものとして取り扱ってもよい(作業用設定値と確率設定値を同じ数値にする)。
なお、RAM初期化スイッチ112(設定値変更スイッチ)の操作ではなく、設定キースイッチ93を所定の位置に回転操作して確率設定値を変更する構成としてもよい。また、確率設定値は6段階に限られない。そして、選択されている0~5の作業用設定値に対応する表示用確率設定値が、例えば4桁の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器である性能表示装置152等に表示される。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶する。RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用されるもので、遊技に関する情報(遊技情報)が記憶され、停電が発生しても記憶された情報の記憶保持が可能な保持記憶手段となる。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1~3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様(大当り態様)が導出される可能性が異なる(期待度が異なる)リーチ演出の系統(種類)として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、大当りの期待度(期待値)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
なお、演出(予告)の期待度は、その演出が選択された場合に大当りになる確率を示唆し、大当りであるときのその演出の選択率及び大当りでないとき(はずれのとき)のその演出の選択率などに基づいて算出することができる。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの図柄を決定するための小当り図柄乱数、後述の時短図柄(サポ当りの停止図柄)を決定するためのサポ当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37(普通変動入賞装置)内の始動口2スイッチ37a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38、39の大入賞口スイッチ43(下大入賞口スイッチ38a、上大入賞口スイッチ39a)に接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
さらに、インタフェースチップ(近接I/F)121は、特定領域スイッチ72、残存球排出口スイッチ73、アウト球検出スイッチ74に接続される。特定領域スイッチ72は、特定領域86(V入賞口)への遊技球の通過(V入賞)を検出する。残存球排出口スイッチ73は、特別変動入賞装置38、39からの遊技球を排出する残存球排出口を通過した遊技球を検出する。アウト球検出スイッチ74は、アウト口30bを通過する遊技球のみを検出してもよいし、遊技領域に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出してもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124、又は、第4入力ポート126に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ43の検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ72、残存球排出口スイッチ73、又は、アウト球検出スイッチ74の検出信号は第4入力ポート126に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12(本体枠)等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65からの信号が入力される。
また、第2入力ポート123は、設定キースイッチ93からの設定キースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123、第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号、RAM初期化スイッチ112からの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放させるソレノイド(普電ソレノイド)37c、第1特別変動入賞装置38を開放させる下大入賞口ソレノイド38b(大入賞口ソレノイド1)、第2特別変動入賞装置39を開放させる上大入賞口ソレノイド39b(大入賞口ソレノイド2)、レバーを動作させ特定領域86を開放させるレバーソレノイド86bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38b、39bなどの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりデジット線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力されるシリアルデータ(制御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)など)を受けて、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150が設けられている。本実施形態では、性能表示装置152は、複数(4つ)の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)からなり、ドライバ150はLEDドライバであるが、これに限られるものではない。
性能表示装置152は、遊技制御装置100(主基板)上に設けられるものであるが、他の場所に設けられてもよい。例えば、性能表示装置152は、表示用確率設定値や役物比率や出玉率や排出球数を表示可能である。
ここで、排出球数は、遊技領域32から排出された遊技球の数(アウト球数とも呼ぶ)であり、入賞口を通過した遊技球の数(入賞数)とアウト口30bを通過した遊技球の数との合計である。排出球数は、アウト球検出スイッチ74の信号などをカウント(計数)することにより取得できる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口35、始動入賞口36(第1始動入賞口、始動口1)、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動口2)、及び、特別変動入賞装置38、39(大入賞口)が含まれる。
出玉率は、排出球数(或は発射球数)に対する賞球数の合計の比率(割合)であり、(獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。即ち、出玉率は、排出球数100個当りの獲得球数(賞球数の合計)となる。
例えば、役物比率は、所定期間(例えば、遊技機10の電源投入から現在まで)に入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物比率)である。なお、役物比率は、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(大当り状態中と小当り状態中)の割合(=大入賞口比率)でもよいし、或は、大入賞口及び普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球数の割合(=一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率))でもよい。
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、表示内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0~n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置80が含まれてよい。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、3秒間×2回)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能である。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能である。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行ってよく、特別な遊技を行わない通常遊技状態よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電サポートを実行する。
なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され得るようにし、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率、普図当り確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、特別な遊技を行わない通常遊技状態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲームの実行回数が当該通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
〔電源投入時の移行状態〕
前述のように、電源投入時のRAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93のオンオフ状態によって、4つの状態(モード)へ移行する。
電源投入時に、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ93とがオンにされている場合には、確率設定値(設定値)を変更可能(設定可能)な設定可変状態(設定変更状態、設定可能状態、設定変更モード)に移行する(図5BのA1027-A1036と図6B参照)。
次に、電源投入時に、設定キースイッチ93がオンにされているがRAM初期化スイッチ112がオフの場合には、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する(図5BのA1031-A1036と図6B参照)。
また、電源投入時に、設定キースイッチ93がオフであるがRAM初期化スイッチ112がオンにされている場合には、RAM初期化状態(RAMクリアモード)に移行し、RAM初期化処理(RAMクリア処理)が実行されて、RAM111cが初期化される(図5BのA1042-1044参照)。
電源投入時に、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112とがオフである場合には、通常復電状態(通常復電モード)に移行し、単に復電されるだけの状態になる。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5A及び図5Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5A及び図5Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h~01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込む(A1006)。即ち、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112からの信号を読み込む。
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、待機時間の開始前に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むことで、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても、電源投入時に行った設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1010)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込むなどして、停電が発生しているか否か判定する(A1008)。停電が発生している場合に(A1008の結果が「Y」)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
遊技制御装置100は、停電が発生していない場合には(A1008の結果が「N」)、電源投入ディレイタイマを-1更新し(A1009)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1010)。タイマの値が0でない場合(A1010の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の処理に戻る。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1011)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1012)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1013)。
さらに、ここで、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150を初期設定してもよい。遊技制御装置100は、初期設定の内容に対応する制御用データを含むコマンドを、第2出力ポート134(シリアル通信回路)の送信バッファに書き込んでドライバ150に送信する。例えば、遊技制御装置100は、初期設定においてデューティ比を設定する。デューティ比は、性能表示装置152の各LED(各セグメント)の明るさに対応する。遊技制御装置100は、初期設定において、性能表示装置152の使用桁数を設定する。本実施形態では、使用桁数は4である。
次に、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1014)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
続いて、遊技制御装置100は、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRAM異常フラグをセットする(A1015)。ここでは、一旦、異常前提のフラグを所定のレジスタにセットしておく。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1016)。そして、正常であれば(A1016の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RWM内の所定領域(例えば遊技制御用作業領域)のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1018)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1019)。チェックサムが一致する場合には(A1019の結果が「Y」)、RAMは正常であり、RAMの異常を示すRAM異常フラグをクリアする(A1020)。その後、ステップA1021の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1016の結果が「N」、又は、A1017の結果が「N」)、チェックサムが一致しない場合には(A1019の結果が「N」)、RAM異常フラグをクリアすることなく、ステップA1021の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両スイッチがオンであるか否かを判定する(A1021)。遊技制御装置100は、両スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、設定可変状態(設定変更モード)に移行し、ステップA1027-A1037の確率設定変更中の処理を実行する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフである場合に(A1021の結果が「N」)、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRAM異常フラグがセットされているか否か判定する(A1022)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1022の結果が「N」)、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A1023)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、ステップA1031-A1037の確率設定確認中(設定確認状態中、設定確認モード中)の処理、ステップA1041-1044のRAM初期化処理(RAMクリア処理)、又は、ステップA1041、A1045、A1046の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を実行する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1023の結果が「Y」)、遊技制御装置100(主基板、メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する(A1024)。メイン異常エラー報知のコマンドを受信した演出制御装置300は、遊技制御装置100の異常があったことを報知する。
続いて、遊技制御装置100は、遊技停止時の7セグ表示データ(「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152で表示するために性能表示装置152のドライバ150に出力する(A1025)。そして、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)や情報収集端末など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、ここで、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機し、再度、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両方のオン操作)をして電源が投入されるのを待つ。なお、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機して待機している間、割込みは禁止されたままであり(A1001)、特図1、2ゲーム処理や普図ゲーム処理を実行可能なタイマ割込み処理(図7)が実行できないため、遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)は実行できない。
このように、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両方のオン操作)を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされている場合に異常があったとして、A1024-A1026の処理を実行する。例えば、確率設定変更中(設定変更が完了する前)に電源がオフして再起動した場合などに、設定変更の操作を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされることがある。
一方、遊技制御装置100は、RAM異常フラグがセットされている場合も(A1022の結果が「Y」)、遊技制御装置100(メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信し(A1024)、遊技停止時の7セグ表示データ(「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152のドライバ150に出力し(A1025)、外部装置にRAM異常を知らせるために、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、前述と同様に、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、確率設定変更中(設定可変状態中)の処理を開始して、まず、RAM異常フラグがセットされているか否かを判定する(A1027)。RAM異常フラグがセットされている場合に(A1027の結果が「Y」)、確率設定値が正しいものであるか不明であるため、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている確率設定値をクリアし初期値(例えば最低設定値「1」)にしてから(A1028)、確率設定変更中であることを示す確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1027の結果が「N」)、確率設定値をクリアせずに、確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。次に、確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1030)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定変更中であることを表示装置41などにおいて報知する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフであり(A1021の結果が「N」)、RAM異常フラグがセットされておらず(A1022の結果が「N」)、且つ、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、設定キースイッチ93がオンであるか否かを判定する(A1031)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1031の結果が「Y」)、RAM初期化スイッチ112はオフということになり、確率設定確認中(設定確認状態中)の処理が開始して、確率設定確認中であることを示す確率設定確認中フラグをセットする(A1032)。そして、確率設定確認中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1033)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることを表示装置41などにおいて報知する。
ステップA1030又はステップA1033の後に、遊技制御装置100は、確率設定変更中と確率設定確認中の共通の処理として、ステップA1034からA1040の処理を実行する。
遊技制御装置100は、まず、確率設定変更中と確率設定確認中においてセキュリティ信号を出力するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128ms(所定時間)をセーブする(A1034)。なお、セキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、後述の確率設定変更/確認処理(図6B)において実行されるが、確率設定変更又は確率設定確認が早期に終了した場合には、残りのセキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、外部情報編集処理(A1321)で実行される。確率設定変更中と確率設定確認中において、少なくとも50msは、セキュリティ信号は出力される。
次に、遊技制御装置100は、割込みを許可する(A1035)。これにより、タイマ割込み処理(図7)が実行可能となる。そして、設定キースイッチ93がオフであるか否かを判定する(A1036)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1036の結果が「N」)、停電が発生しているか否かを判定する(A1037)。停電が発生していない場合に(A1037の結果が「N」)、ステップA1036の処理に戻る。一方、停電が発生している場合に(A1037の結果が「Y」)、ステップA1055-A1061の停電発生時の処理を実行する。
このように、設定キースイッチ93がオンであり、停電が発生していない限り、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、又は、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)が継続される。
一方、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1036の結果が「Y」)、割込みを禁止し(A1038)、報知終了のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する(A1039)。なお、報知終了のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることの報知又は確率設定変更中であることの報知を終了する。
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否か、即ち、これまで確率設定変更中であったか否かを判定する(A1040)。確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1040の結果が「Y」)、即ち、これまで確率設定変更中であった場合に、ステップA1042-A1044のRAM初期化処理(後述)を実行する。一方、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1040の結果が「N」)、即ち、これまで確率設定確認中であった場合に、ステップA1045以降の電源投入時(電源復旧時)の通常の処理を実行する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1031の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ112がオンであるか否かを判定する(A1041)。RAM初期化スイッチ112がオンである場合に(A1041の結果が「Y」)、RAM111cにおいて、確率設定値を記憶するための確率設定値領域以外のRAM領域を0クリアする(A1042)。即ち、確率設定値領域で記憶されている確率設定値を除いて、RAM111cに記憶された遊技情報は0クリアされる。さらに、前述の確率設定変更中フラグもここでクリアされる。また、ここで、確率設定値領域の他に、スタック領域や未使用領域をクリアしない構成や、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック領域をクリアしない構成も可能である。なお、性能情報は、入賞により得られた賞球数に基づいて導出されるもので、例えば、出玉率、ベース値(通常遊技状態における出玉率)、役物比率、排出球数などである。
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1043)。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1044)、ステップA1047の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112がオフである場合に(A1041の結果が「N」)、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112が両方ともオフであるため、通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を開始し、停電復旧処理を実行する(A1045)。例えば、初期化すべき領域に停電復旧時(復電時)の初期値をセーブする。また、前述の確率設定確認中フラグもここでクリアされる。次に、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1046)、ステップA1047の処理に移行する。
なお、ステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンド及びステップA1046の処理で送信される停電復旧時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態(高確率状態又は低確率状態)や時短状態の有無を示す確率情報コマンド、所定の演出モードで特図変動表示ゲームが実行された回数を示す演出回数情報コマンド、電源投入されたこと示す停電復旧コマンドが含まれる。
さらに、RAM初期化時のコマンド及び停電復旧時のコマンドには、遊技機10の確率設定値(設定値)の情報である設定値情報(設定情報)を示す設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)が含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一度だけ設定値情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、以降、演出制御装置300は自身が記憶した設定値情報を参照して演出制御を行える。
なお、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマンド)も含まれる。RAM初期化のコマンドを受信した演出制御装置300は、例えば、表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカの音でRAM初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。また、停電復旧時のコマンドには、表示装置41の画面の表示内容を指定する画面指定のコマンドが含まれる。なお、画面指定のコマンドは、特図1、2について共に普段処理中では(変動中でも当り中でもないとき)、客待ちデモコマンドであり、それ以外なら復旧画面コマンドである。
ステップA1044又はステップA1046の後に、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1047)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する大当り図柄乱数の初期値(大当り図柄初期値乱数)、小当り図柄を決定する小当り図柄乱数の初期値(小当り図柄初期値乱数)、時短図柄を決定するためのサポ当り図柄乱数の初期値(サポ当り図柄初期値乱数)、普図の当りを決定する当り乱数の初期値(当り初期値乱数)、転落抽選で使用する転落抽選乱数の初期値(転落抽選初期値乱数)等)のスタート値としてRWMの所定領域にセーブし(A1048)、割込みを許可する(A1049)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数のスタート値(初期値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1050)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、当り図柄乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、サポ当り図柄乱数)、当り乱数、転落抽選乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、当り乱数、当り図柄乱数、転落抽選乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
続いて、遊技制御装置100は、割込みを禁止し(A1051)、性能情報やその表示(性能表示)を編集する性能表示編集処理を実行する(A1052)。ここで、性能情報(役物比率や出玉率など)を計算してよい。また、RAM異常フラグがレジスタにセットされていた場合に、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック領域をクリアしてもよい(ステップA1042でクリアされていないなら)。その後、割込みを許可する(A1053)。これにより、タイマ割込み処理(図7)が実行可能となる。
次に、遊技制御装置100は、停電が発生しているか否かを判定する(A1054)。停電が発生していない場合に(A1054の結果が「N」)、ステップA1050の処理に戻る。これにより、停電が発生するまで、ステップA1050-A1054の処理が繰り返される。
停電が発生した場合に(A1054の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電発生時の処理を開始し、一旦割込みを禁止し(A1055)、全出力ポートにオフデータを出力する(1056)。その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1057)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1058)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1059)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1060)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1061)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6Aは、タイマ割込み処理(割込み処理プログラム)の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。次に、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグに基づいて、確率設定変更中又は確率設定確認中であるか否かを判定する(A1304)。確率設定変更中又は確率設定確認中である場合に(A1304の結果が「Y」)、確率設定値を変更又は確認するための確率設定変更/確認処理を実行する(A1305)。
遊技制御装置100は、確率設定変更中でも確率設定確認中でもない場合に(A1304の結果が「N」)、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(例えば大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御やLEDの駆動制御(発光制御)などを行うための出力処理を実行する(A1306)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とする。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1307)、さらに、ソフトウェアでの当り図柄乱数、当り乱数等の更新を行う乱数更新処理1(A1308)、変動パターン乱数1~3の更新を行う乱数更新処理2(A1309)を実行する。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1310)。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口で遊技球の異常排出が発生中であるか否かを判定する(A1311)。後述の異常排出監視処理(A1318)によって異常排出発生中フラグが設定された場合に、異常排出が発生中であると判定できる。異常排出が発生中である場合に(A1311の結果が「Y」)、ステップA1315以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、異常排出が発生中でない場合に(A1311の結果が「N」)、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A1312a)。なお、特図ゲーム処理の詳細については後述する。続いて、特別変動入賞装置38の下大入賞口の開放動作に関する処理を行う役物ゲーム処理を実行する(A1312b)。なお、役物ゲーム処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1313)。遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1314)。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1315)。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1316)。
その後、遊技制御装置100は、振動センサ65からの入力に基づいて振動による不正を監視する振動不正監視処理を実行する(A1317)。次に、大入賞口からの異常排出を監視する異常排出監視処理を実行する(A1318)。異常排出監視処理では、特別変動入賞装置39における大入賞口スイッチ39a、特定領域スイッチ72(V入賞口スイッチ)、残存球排出口スイッチ73からの入力に基づいて、特別変動入賞装置39の異常排出を監視し、異常排出が発生した場合に異常排出発生中フラグが設定される。なお、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aを通過した遊技球は、特定領域スイッチ72(V入賞口スイッチ)又は残存球排出口スイッチ73を通過して排出される。
次に、遊技制御装置100は、各種外部装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1319)。そして、性能表示装置152の表示を制御する性能表示モニタ制御処理を実行する(A1320)。その後、タイマ割込み処理を終了する。
なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔確率設定変更/確認処理〕
次に、タイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理(A1305)の詳細について説明する。図6Bは、確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。確率設定変更/確認処理では、確率設定値が変更又は確認できる。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値が正常範囲内であるか否かを判定する(A2401)。ここでの確率設定値は、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている。
遊技制御装置100は、確率設定値が正常範囲内である場合に(A2401の結果が「Y」)、確率設定値に対応する確率設定値表示データを設定して(A2402)、性能表示装置152にドライバ150を介して出力する(A2404)。確率設定値が正常範囲内でない場合に(A2401の結果が「N」)、確率設定値表示データとして消灯データを設定して(A2403)、性能表示装置152にドライバ150を介して出力する(A2404)。
ここで、確率設定値表示データは、性能表示装置152で表示される表示用確率設定値のデータであり、確率設定値表示データ領域に記憶されている。なお、ホール関係者等の混乱を防止するため、確率設定値が異なっても同じ大当り確率(及び小当たり確率)であれば、表示用確率設定値を大当り確率(及び小当たり確率)に対応付けて同じにしてよい。即ち、同じ表示用確率設定値は、同じ大当り確率(及び小当たり確率)を意味してよい。
次に、遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ-1更新する(A2405)。セキュリティ信号制御タイマは、ステップA1034で設定された128ms(所定時間)である。続いて、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、ここで、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。
その後、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A2407)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A2407の結果が「N」)、即ち、確率設定確認中である場合に、何もせずに確率設定変更/確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A2407の結果が「Y」)、即ち、確率設定変更中である場合に、電源投入後の最初のタイマ割込み処理であるか否かを判定する(A2408)。電源投入後の最初のタイマ割込み処理である場合に(A2408の結果が「Y」)、確率設定変更/確認処理を終了する。これは、RAM初期化スイッチ112を押しっぱなしだった場合に、意図せずに確率設定値の更新がされる事態を防止するためである。
遊技制御装置100は、電源投入後の最初のタイマ割込み処理でない場合に(A2408の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ112の入力があるか否かを判定する(A2409)。RAM初期化スイッチの入力がない場合に(A2409の結果が「N」)、確率設定変更/確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112の入力がある場合に(A2409の結果が「Y」)、作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)の作業用設定値を0~5の範囲で+1更新するとともに、作業用設定値に対応して確率設定値領域の確率設定値1~6を+1更新する(A2410)。これにより、RAM初期化スイッチ112が操作される度に、確率設定値領域の確率設定値が1ずつ更新される。その後、確率設定変更/確認処理を終了する。なお、設定変更モードに入ったときに作業用設定値を格納する作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)に、確率設定値領域から読み出した確率設定値に対応する値(確率設定値から1減算した値)が格納されてよい。
なお、上記では、RAM初期化スイッチ112が操作される度に、作業用設定値の更新に対応して確率設定値領域の確率設定値を直接更新するようにしたが、RAM111cの作業用設定値領域に設定変更中の確率設定値(作業用設定値)を記憶するようにし、設定キースイッチ93がオフになり設定変更作業が完了したときに(A1036の結果が「Y」)、作業用設定値領域の作業用設定値に対応する値をはじめて確率設定値領域に格納するようにしてもよい。このようにすれば、設定変更中に停電が発生した場合(A1037の結果が「Y」)に、遊技制御や演出制御等に使用される確率設定値(確率設定値領域に記憶される確率設定値)が意図しない値で変更される事態を防止できる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1312a)の詳細について説明する。図7は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2600)。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
続いて、特定領域86(V入賞口)への遊技球の入賞(入球)を監視する特定領域スイッチ監視処理を実行する(A2601)。なお、特定領域スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、上大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。上大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、-1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果が「N」)、ステップA2619の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理を実行する(A2609)。例えば、特図変動中処理では、特別図柄の停止を示す図柄停止コマンドや停止図柄パターンに対応する停止表示時間など必要な情報を設定して、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、大当り状態又は小当り状態に移行するために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行する(A2610)。例えば、特図表示中処理では、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報領域に設定して特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果が小当りであれば、小当りファンファーレコマンドや小当り開放前時間など必要な情報を設定して、小当り開放前処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果がはずれであれば、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、小当り開放前処理を実行する(A2611)。例えば、小当り開放前処理では、小当りによる大入賞口の開放時間(小当り開放時間、例えば1.6秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、上大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブし、小当り開放中コマンドを演出コマンドとして設定し、小当り開放中処理に係る処理番号「4」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、小当り開放中処理を実行する(A2612)。例えば、小当り開放中処理では、小当り残存球処理時間(例えば3.0秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、小当り残存球処理に係る処理番号「5」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、小当り残存球処理を実行する(A2613)。例えば、小当り残存球処理では、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2614)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2615)。そして、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2616)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2617)。次に、小当り中にレバーソレノイド86bを開放するようにレバーソレノイド86bの開放動作を制御するレバーソレノイド制御処理(A2618)を実行して、特図ゲーム処理を終了する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2600)の詳細について説明する。図8は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、始動入賞口36への入賞があるか否かを判定する(A2703)。始動入賞口36への入賞がない場合(A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、始動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、右打ちする遊技状態であるか否かを判定する(A2704)。
遊技制御装置100は、右打ちする遊技状態でないと判定した場合(A2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、右打ちする遊技状態である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、始動入賞口36へは左打ちの方が入賞し易く、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に始動入賞口36に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を右打ち指示表示によって表示装置41等で実行する。
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(A2711の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」)、ステップA2714の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結果が「Y」)と判定した場合にも、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A2715)の詳細について説明する。図9は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロードした値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値(ここでは4)未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満(ここでは4)である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(A2906)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(A2907)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(A2908)、ステップA2805にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。次に、監視対象の始動口スイッチの検出によって開始する特図変動表示ゲームの大当り図柄乱数を抽出し、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2910)。続いて、監視対象の始動口スイッチの検出によって開始する特図変動表示ゲームの小当り図柄乱数を抽出し、小当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2911)。また、時短図柄を決定するためのサポ当り図柄乱数を抽出し、サポ当り図柄乱数をRWMのサポ当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2912)。
なお、本実施形態では、前述のように小当り後に確実にV入賞によって大当りが発生するため、小当り図柄乱数を使用しなくてもよく、ステップA2911はオプションであり実行されなくてもよい。また、特図1変動表示ゲームに小当り結果はないため、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ36aであれば、小当り図柄乱数を抽出しなくてもよい。
なお、小当り図柄乱数、サポ当り図柄乱数、大当り図柄乱数は、後述の特図1停止図柄設定処理(A3403)と特図2停止図柄設定処理(A3503)において、小当り時の停止図柄番号、サポ当り時の停止図柄番号、又は大当り時の停止図柄番号と、これら停止図柄番号に対応する小当り停止図柄パターン、サポ当り停止図柄パターン、又は大当り停止図柄パターンを決定するために用いられる。
本実施形態において、混乱を回避するため、小当り図柄乱数、サポ当り図柄乱数、大当り図柄乱数は、各々、独立に設けられるが、RWMの乱数格納領域を小さくするため、1つの乱数(共通乱数)を共用して、小当り図柄(小当り時の停止図柄番号、小当り停止図柄パターン)、サポ当り図柄(サポ当り時の停止図柄番号、サポ当り停止図柄パターン)、大当り図柄(大当り時の停止図柄番号、大当り停止図柄パターン)の振り分けを行ってよい。即ち、小当り図柄を決定する場合に、共通乱数の範囲を区分して各小当り図柄に割り当てたり、サポ当り図柄を決定する場合に、共通乱数の範囲を区分して各サポ当り図柄に割り当てたり、大当り図柄を決定する場合に、共通乱数の範囲を区分して各大当り図柄に割り当てたりしてよい。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(A2913)、変動表示ゲームの結果(遊技結果)を事前に判定可能な特図保留情報判定処理(事前判定処理、先読み処理)を実行する(A2914)。特図保留情報判定処理では、セーブした大当り乱数や当り図柄乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、サポ当り図柄乱数)などに基づく停止図柄情報(大当り停止図柄、小当り停止図柄、時短停止図柄、はずれ停止図柄)に対応する先読み停止図柄コマンドや、セーブした変動パターン乱数1から3に基づく前半変動番号(リーチ前変動の番号)及び後半変動番号(リーチ後変動の番号)に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして設定する。そして、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A2915)、演出コマンド設定処理(A2916)を実行して、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。このように、遊技制御装置100は、始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に当該変動表示ゲームの結果を事前に判定可能な事前判定手段を構成する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特定領域スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における特定領域スイッチ監視処理(A2601)の詳細について説明する。図10は、特定領域スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、小当り中であるか否かを判定する(A3001)。特図ゲーム処理番号が「4」「5」であれば、小当り中であると判定できる。小当り中である場合に(A3001の結果が「Y」)、条件装置作動中であるか否かを判定する(A3002)。条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報が設定されていれば、条件装置作動中であると判定できる。
遊技制御装置100は、条件装置作動中でない場合に(A3002の結果が「N」)、特定領域スイッチ72に入力があるか否かを判定する(A3003)。特定領域スイッチ72に入力がある場合に(A3003の結果が「Y」)、即ち、特定領域86への入賞(V入賞)があった場合に、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報領域にセーブして(A3004)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。
小当り中でない場合(A3001の結果が「N」)、条件装置作動中である場合(A3002の結果が「Y」)、又は、特定領域スイッチ72に入力がない場合に(A3003の結果が「N」)、何もせずに特定領域スイッチ監視処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。図11は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、後述の役物ゲーム処理の役物普段処理中であり、且つ、大入賞口の残存球カウンタが0であるか否かを判定する(A3200)。役物普段処理中でないか、又は、大入賞口の残存球カウンタが0でない場合に(A3200の結果が「N」)、特図変動表示ゲームを開始せずステップA3215の処理に移行する。
遊技制御装置100は、役物普段処理中であり、且つ、大入賞口の残存球カウンタが0である場合に(A3200の結果が「Y」)、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3201)。特図2保留数が0である場合(A3201の結果が「Y」)、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3206)。そして、特図1保留数が0である場合(A3206の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(A3211)、客待ちデモが開始済みでない場合(A3211の結果が「N」)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(A3212)。
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備して(A3213)、演出コマンド設定処理を行い(A3214)、ステップA3215の処理に移行する。一方、ステップA3211にて、客待ちデモが開始済みである場合(A3211の結果が「Y」)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A3215)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A3216)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A3217)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A3218)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図2保留数が0でない場合(A3201の結果が「N」)、特図2変動開始処理を実行し(A3202)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3203)、演出コマンド設定処理を実行する(A3204)。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3205)、特図普段処理を終了する。
特図2の特図変動中処理移行設定処理では、処理番号として「1」を設定し特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、客待ちデモフラグ領域をクリアし、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする。
また、遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(A3206の結果が「N」)、特図1変動開始処理を実行し(A3207)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3208)、演出コマンド設定処理を実行する(A3209)。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3210)、特図普段処理を終了する。
特図1の特図変動中処理移行設定処理では、処理番号として「1」を設定し特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、客待ちデモフラグ領域をクリアし、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には特図2変動開始処理(A3202)が実行されることとなる。すなわち、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームに優先して実行されることとなる(特図2保留優先消化)。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。なお、特図1変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームに優先して実行されることとする特図1保留優先消化にする場合には、ステップA3201の判定を、特図1保留数≠0であるか否かを判定すればよい。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3207)の詳細について説明する。図12は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定するなどの処理を行う大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームに関する特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設定処理では、はずれ時、サポ当り時、又は大当り時の停止図柄番号と、この停止図柄番号に対応するはずれ停止図柄パターン、サポ当り停止図柄パターン、又は大当り停止図柄パターンをセーブする。サポ当り時、又は大当り時の停止図柄番号は、各々、サポ当り図柄乱数、大当り図柄乱数に対応して決定される。
さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3405)。
その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターン(変動パターン番号)を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)。次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を行う。また、変動開始情報設定処理では、これから開始する特図変動表示ゲームの特図種別(特図1又は特図2)に係る特図保留数を-1更新する(1だけ減少する)。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3202)の詳細について説明する。図13は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図12に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3501)。続いて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定するなどの処理を行う大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
次に、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームに関する特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3505)。
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3506)。最後に、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3507)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細について説明する。図14は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域、サポ当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3601)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3602)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3603)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3604)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りである場合(A3605の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3606)、大当りフラグ1設定処理を終了する。
一方、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りでない場合(A3605の結果が「N」)、オプションで、取得した大当り乱数値に基づいて、特図変動表示ゲームがサポ当りであるか否かを判定するサポ当り判定処理を実行し(A3607)、判定の結果はサポ当りであるか否か判断する(A3608)。なお、本実施形態では、サポ当りの判定にも大当り乱数値が使用される(別の言い方では、サポ当り判定と大当り判定に同じ乱数値が使用される)。ここで、特図変動表示ゲームのサポ当り(時短当り)とは、次回の特図変動表示ゲームから時短状態に突入する時短結果(特定結果)のことであり、この時短結果に対応して、演出制御装置300は、飾り特図変動表示ゲームの停止結果として時短図柄を表示装置41に表示できる。
遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームがサポ当りである場合(A3608の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブしたサポ当りフラグ1領域にサポ当り情報を上書きしてセーブし(A3609)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、特図変動表示ゲームがサポ当りでない場合(A3608の結果が「N」)、サポ当りフラグ1領域にサポ当り情報をセーブすることなく、大当りフラグ1設定処理を終了する。
このように、本実施形態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「サポ当り(時短当り)」、及び「はずれ」のうちの何れかとなり、「小当り」はない。なお、ステップA3607-A3609は、オプションで設けられるものであり、これらを省略して、特図1変動表示ゲームの結果に「サポ当り(時短当り)」を設けなくてもよい。また、特図1変動表示ゲームの結果に「小当り」を設ける構成も可能である。
なお、大当りフラグ1設定処理において、サポ当りフラグ1領域にサポ当り情報をセーブする構成としたが、大当りとサポ当りは重複しないため、大当りフラグ1領域にサポ当り情報をセーブしてもよい。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細について説明する。図15は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図14に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域、小当りフラグ2領域、サポ当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3701)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3702)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行する(A3704)。
遊技制御装置100は、小当り判定処理(A3704)の判定結果が小当りである場合(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ2領域に小当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームが小当りでない場合(A3705の結果が「N」)、取得した大当り乱数値に基づいて、特図変動表示ゲームがサポ当りであるか否かを判定するサポ当り判定処理を実行し(A3707)、判定の結果はサポ当りであるか否か判断する(A3708)。なお、本実施形態では、サポ当りの判定にも大当り乱数値が使用される(別の言い方では、サポ当り判定と大当り判定に同じ乱数値が使用される)。ここで、特図変動表示ゲームのサポ当り(時短当り)とは、次回の特図変動表示ゲームから時短状態に突入する時短結果(特定結果)のことであり、この特定結果に対応して、演出制御装置300は、飾り特図変動表示ゲームの停止結果として時短図柄を表示装置41に表示できる。
遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームがサポ当りである場合(A3708の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブしたサポ当りフラグ2領域にサポ当り情報を上書きしてセーブし(A3709)、大当りフラグ2設定処理を終了する。
一方、サポ当り判定処理(A3707)の判定結果がサポ当りでない場合(A3708の結果が「N」)は、オプションで、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行してもよい(A3710)。遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3710)の判定結果が大当りである場合(A3711の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3712)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3710)の判定結果が大当りでない場合(A3711の結果が「N」)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。
このように、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの結果は、「小当り」、「サポ当り(時短当り)」、及び「はずれ」のうちの何れかとなるが、オプションで、特図2変動表示ゲームの結果として「大当り」を設ける構成も可能である。
なお、大当りフラグ2設定処理において、小当りフラグ2領域に小当り情報をセーブし、サポ当りフラグ2領域にサポ当り情報をセーブする構成としたが、大当りとサポ当りと小当りは重複しないため、大当りフラグ2領域に小当り情報とサポ当り情報をセーブしてもよい。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3604、A3710)の詳細について説明する。図16Aは、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値に対応する上限判定値を設定し(A3800)、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3801)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3802)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。上限判定値は、低確率状態(確変状態以外の通常確率状態)と高確率状態(確変状態)で異なってよい。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3802の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3804)、大当り判定処理を終了する。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3803)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3803の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3804)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3803の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3805)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、大当りフラグ2設定処理における小当り判定処理(A3704)の詳細について説明する。図16Bは、小当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、小当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における小当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値に対応する小当り上限判定値を設定し(A3900)、対象(特図2)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満であるか否かを判定する(A3901)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。小当り上限判定値は、低確率状態(確変状態以外の通常確率状態)と高確率状態(確変状態)で異なってよい。
当然ながら、同じ特図変動表示ゲームの結果が小当り且つ大当りとなることを避けるべく、小当り判定値の範囲(小当り下限判定値と小当り上限判定値の間)は、前述の大当り判定値の範囲(下限判定値と上限判定値の間)とは重ならない。なお、本実施形態では、独自に小当り乱数を設けることはせず、小当りの判定にも大当り乱数を利用するが、独自の小当り乱数を設ける構成も可能である。
遊技制御装置100は、対象(特図2)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(A3901の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(A3903)、小当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合には(A3901の結果が「N」)、対象(特図2)の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいか否かを判定する(A3902)。大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(A3902の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定する(A3903)。一方、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(A3902の結果が「N」)、判定結果として小当りを設定する(A3904)。判定結果を設定すると、小当り判定処理を終了する。なお、本実施形態では、小当り確率が1/8(=12.5%)になるように、小当り下限判定値と小当り上限判定値が設定されるが、小当り確率は他の値でもよい。
〔サポ当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等におけるサポ当り判定処理(A3607、A3707)の詳細について説明する。図16Cは、サポ当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、サポ当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理におけるサポ当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値に対応するサポ当り上限判定値を設定する(A7001)。次に、サポ当り判定値の下限判定値を設定し(A7002)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A7003)。なお、サポ当りであるとは、大当り乱数が、確率設定値と遊技状態に対応するサポ当り判定値と一致することである。サポ当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、サポ当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、サポ当り判定値の上限の値であるサポ当り上限判定値以下である場合に、サポ当りであると判定される。なお、サポ当り上限判定値は、低確率状態(確変状態以外の通常確率状態)と高確率状態(確変状態)で異なってよい。
当然ながら、同じ特図変動表示ゲームの結果がサポ当り且つ大当り、又は、サポ当り且つ小当りとなることを避けるべく、サポ当り判定値の範囲(サポ当り下限判定値とサポ当り上限判定値の間)は、前述の大当り判定値及び小当り判定値の範囲とは重ならない。なお、本実施形態では、独自にサポ当り乱数を設けることはせず、サポ当りの判定にも大当り乱数を利用するが、独自のサポ当り乱数を設ける構成も可能である。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値がサポ当り下限判定値未満である場合(A7003の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(サポ当り以外)を設定し(A7005)、サポ当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値がサポ当り下限判定値未満でない場合には(A7003の結果が「N」)、対象の大当り乱数の値がサポ当り上限判定値より大きいか否かを判定する(A7004)。大当り乱数の値がサポ当り上限判定値より大きい場合(A7004の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(サポ当り以外)を設定する(A7005)。一方、大当り乱数の値がサポ当り上限判定値より大きくない場合(A7004の結果が「N」)、判定結果としてサポ当りを設定する(A7006)。判定結果を設定すると、サポ当り判定処理を終了する。
サポ当り判定処理では、大当り乱数値を用いた抽選によって、サポ当り判定(時短判定)が行われる。抽選としてのサポ当り判定(時短判定)では、大当り乱数値がサポ当り判定値(時短判定値)に一致すると、判定結果として、サポ当り結果(時短結果、特定結果)が得られ時短が設定される。サポ当り判定値は、大当り判定値及び小当り判定値とは異なる。
なお、メリハリを付けるために、確率設定値毎にサポ当りの当選確率(サポ当り判定値の範囲÷大当り乱数の範囲)を異ならせてもよいし、簡便のために、確率設定値毎にサポ当りの当選確率を同じにしてもよい。設定1(又は低設定側)がサポ当りに当選し易く、設定6(又は高設定側)がサポ当りに当選し難くなるようにサポ当りの当選確率を設定して、低設定の不利益を緩和してよいし、逆に設定して、高設定側でサポ当りに当選し易いと期待する遊技者の期待感に合わせてよい。また、設定1から設定6へと、単調にサポ当りの当選確率を変化させてもよいし、設定の2段階ごとに変化させるなど単調でなくてもよい。偶数設定と奇数設定とでサポ当りの当選確率を異ならせて、確率設定値の推定に関する遊技者の興趣を向上してよい。
また、大当り確率の低確率中(確変状態中以外)と高確率中(確変状態中)で、サポ当りの当選確率を異ならせてメリハリを付けてもよいし、簡単化のため同じでもよい。低確率中(確変状態中以外)に当選し易く高確率中(確変状態中)に当選し難くなるように、サポ当りの当選確率を設定して、低確率中の不利益を緩和してもよいし、逆に設定して、高確率中にサポ当りにも当選し易いと期待する遊技者の期待感に合わせてよい。例えば、低確率中だけサポ当りに当選するようにサポ当りの当選確率を設定して(高確率中はサポ当りの当選確率はゼロ)、低確率中の不利益を緩和してもよい。
また、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとでサポ当りの当選確率を異ならせてメリハリを付けてもよいし、簡便のために同じでもよい。例えば、普電サポート状態(時短状態や確変状態)におけるサポ当りを増やすべく、特図2変動表示ゲームでのサポ当りの当選確率を特図1変動表示ゲームよりも大きくしてよい。逆に、通常遊技状態で遊技の興趣を向上させるべく、特図1変動表示ゲームでのサポ当りの当選確率を特図2変動表示ゲームよりも大きくしてよい。端的には、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうちの一方の特図変動表示ゲームでのサポ当りの当選確率をゼロにして、他方の特図変動表示ゲームでのみサポ当りが発生するようにしてよい。
特図変動表示ゲームの結果がサポ当り結果(時短結果)の場合に、特図1停止図柄設定処理(A3403)又は特図2停止図柄設定処理(A3503)において、停止図柄(停止図柄番号、停止図柄パターン)として時短図柄(時短図柄番号、時短図柄パターン)が設定され、次回の特図変動表示ゲームから時短状態に突入する。即ち、この場合には、大当りを経由せずに突然に時短状態になる(突然時短)。また、この場合に、時短図柄に対応する飾り特図コマンドが演出制御装置300に送信され、表示装置41において、演出制御装置300によって飾り停止図柄としても時短図柄(飾り時短図柄)が表示される。
表示装置41に表示される時短図柄としては、例えば、左図柄と中図柄のみが揃った「1,1,3」などがある。時短図柄は、予め決めておけば制約はないが、数字が順番に並んだ「1,2,3」や左図柄と右図柄のみが揃った「1,3,1」など規則性があるものが、遊技者が覚えやすく好ましい。時短図柄を複数用意しておき、時短状態が継続する特図変動表示ゲームの回数(時短回数)が時短図柄ごとに定められてもよい。
ランプ表示装置80のランプ表示部1、2は、時短結果(時短図柄)の場合に、大当り結果又は小当り結果の場合と異なって、第四特別図柄(第4図柄)として特定の態様で発光する。例えば、ランプ表示部1、2は、大当り結果又は小当り結果の場合に、赤色などの暖色系の色で発光してよく、時短結果(時短図柄)の場合に、緑色や青色などの中性色系や寒色系の色(即ち暖色系以外の色)で発光してよい。また、はずれの場合に消灯状態となる。従って、停止図柄として時短図柄が表示される場合に、大当りが発生したと遊技者が誤認することが防止できるとともに、時短に当選したことを遊技者は把握しやすくなる。
なお、大当り状態終了後に実行される特図変動表示ゲームの回数(確変状態での回数を除く)が所定回数(いわゆる天井回数、時短天井)に到達した場合に、サポ当りに当選しなくても時短状態(遊タイム)に突入する。このとき、特図変動表示ゲームの結果がはずれであればランプ表示部1、2は消灯状態とし、小当り又は大当りであれば暖色系の色で発光する。なお、このとき、小当り又は大当りでなければ、時短状態に突入することを遊技者が認識しやすくするため、ランプ表示部1、2は寒色系の色で第4図柄として発光してもよい。所定回数(天井回数)は、例えば、500回である。この場合に、特図表示器や表示装置41において停止図柄としてはずれ図柄(時短図柄でもよい)又は小当り図柄(V入賞のない小当りであれば)が表示され、次回の特図変動表示ゲームから時短状態に突入する。この場合に、表示装置41に表示される時短図柄としては、例えば、左図柄と中図柄のみが揃った「3,3,5」(サポ当り結果による時短の場合と同じく「1,1,3」でもよい)などがある。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(A3403)の詳細について説明する。図17は、特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1は大当りであるか否か、即ち、大当りフラグ1領域に大当り情報がセーブされているか判定する(A4001)。大当りフラグ1が大当りである場合(A4001の結果が「Y」)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4002)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(A4003)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得してRWMの特図1停止図柄番号領域にセーブする(A4004)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(A4005)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(A4006)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。そして、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、RWMの特図1ラウンド数上限値情報領域にセーブし(A4007)、停止図柄番号に対応するファンファーレ情報を取得し、ファンファーレ情報領域にセーブする(A4008)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする(A4009)。時間短縮判定データは、大当り終了後の時短状態の有無(時短あり又は時短なし)の情報を含み、後述の特図1大当り終了処理と特図2大当り終了処理で使用される。続いて、停止図柄パターン(或は停止図柄番号、後述の図柄A)に対応する演出モード移行情報をセーブする(A4010)。その後、ステップA4020の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4001の結果が「N」)、オプションで、サポ当りフラグ1はサポ当りであるか否かを判定する(A4011)。サポ当りフラグ1はサポ当りである場合に(A4011の結果が「Y」)、特図1サポ当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし(A4012)、特図1サポ当り図柄テーブルを設定する(A4013)。そして、特図1サポ当り図柄テーブルを参照して、ロードした乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(A4014)。続いて、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(A4015)。その後、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブし(A4016)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブする(A4017)。その後、ステップA4020の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4001の結果が「N」)、且つ、サポ当りフラグ1はサポ当りでない場合に(A4011の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(A4018)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブする(A4019)。その後、ステップA4020の処理に移行する。なお、大当りフラグ1設定処理でサポ当りに関する処理(A3607-A3609)を実行しない場合には、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4001の結果が「N」)、ステップA4011-A4017を実行せずに、ステップA4018に移行する。
遊技制御装置100は、ステップA4010、A4017、A4019の後、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備し、演出コマンドとして飾り特図1コマンドを飾り特図1コマンド領域にセーブする(A4020)。以上の処理により、特図1変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、遊技制御装置100は、演出コマンド設定処理を実行する(A4021)。これにより、飾り特図1コマンドは、演出制御装置300に送信される。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4022)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A4023)。その後、特図1停止図柄設定処理を終了する。なお、前述の図柄変動制御処理によって、停止図柄パターン或いは停止図柄番号に対応した停止図柄(大当り図柄、時短図柄、はずれ図柄など)の停止表示が、特図1表示器51で実行される。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(A3503)の詳細について説明する。図18は、特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、小当りフラグ2は小当りであるか否か、即ち、小当りフラグ2領域に小当り情報がセーブされているか判定する(A4101)。小当りフラグ2が小当りである場合(A4101の結果が「Y」)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4102)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(A4103)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得してRWMの特図2停止図柄番号領域にセーブする(A4104)。この処理により特別結果の種類が選択される。
なお、本実施形態では、小当りで第2特別変動入賞装置39が開放されることによって遊技球がV入賞し、小当り後にすぐに大当りが発生するため、特図2変動表示ゲームが小当り(小当りフラグ2が小当り)であっても大当り図柄乱数をロードしている。しかし、小当り図柄乱数(A2911)をロードし、小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得する構成も可能である。この構成では、V入賞時(図10のA3003の結果が「Y」となった時)に大当り図柄乱数をロードして停止図柄番号を取得してステップA4107からA4110からの処理を実行してもよい。
その後、遊技制御装置100は、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(A4105)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(A4106)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。そして、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、RWMの特図2ラウンド数上限値情報領域にセーブし(A4107)、停止図柄番号に対応するファンファーレ情報を取得し、ファンファーレ情報領域にセーブする(A4108)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする(A4109)。時間短縮判定データは、大当り終了後の時短状態の有無(時短あり又は時短なし)の情報を含み、後述の特図1大当り終了処理と特図2大当り終了処理で使用される。続いて、停止図柄パターン(或は停止図柄番号、後述の図柄B-G)に対応する演出モード移行情報をセーブする(A4010)。その後、ステップA4121の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、小当りフラグ2が小当りでない場合(A4101の結果が「N」)、大当りフラグ2は大当りであるか否か、即ち、大当りフラグ2領域に大当り情報がセーブされているか判定する(A4111)。大当りフラグ2は大当りである場合(A4111の結果が「Y」)、ステップA4102以降の処理に移行するが、小当りの場合と異なる特図2大当り図柄テーブルや特図2大当り停止図柄情報テーブルを使用してよい。
遊技制御装置100は、大当りフラグ2は大当りでない場合(A4111の結果が「N」)、サポ当りフラグ2はサポ当りであるか否かを判定する(A4112)。サポ当りフラグ2がサポ当りである場合に(A4112の結果が「Y」)、特図2サポ当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし(A4113)、特図2サポ当り図柄テーブルを設定する(A4114)。そして、特図2サポ当り図柄テーブルを参照して、ロードした乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(A4115)。続いて、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブし(A4116)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする(A4117)。その後、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブし(A4118)、ステップA4121の処理に移行する。
遊技制御装置100は、小当りフラグ2が小当りでなく(A4101の結果が「N」)、大当りフラグ2は大当りでなく(A4111の結果が「N」)、且つ、サポ当りフラグ2がサポ当りでない場合に(A4112の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(A4119)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブする(A4120)。その後、ステップA4121の処理に移行する。
なお、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの結果として「大当り」を設けないため、ステップA4111の処理はオプションであり実行しなくてもよい。即ち、大当りフラグ2が小当りでない場合(A4101の結果が「N」)、ステップA4111を実行せずに、ステップA4112の処理に移行してよい。
遊技制御装置100は、ステップA4110、A4118、A4120の後、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備し、演出コマンドとして飾り特図2コマンドを飾り特図2コマンド領域にセーブする(A4121)。以上の処理により、特図2変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、遊技制御装置100は、演出コマンド設定処理を実行する(A4122)。飾り特図2コマンドは、演出制御装置300に送信される。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4123)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A4124)。また、小当り図柄乱数(A2911)を抽出した場合には、特図2小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアしてもよい。その後、特図2停止図柄設定処理を終了する。なお、前述の図柄変動制御処理によって、停止図柄パターン或いは停止図柄番号に対応した停止図柄(大当り図柄、時短図柄、はずれ図柄など)の停止表示が、特図2表示器52で実行される。
このように、遊技制御装置100が、第1始動入賞口36での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして特図1変動表示ゲームを実行し、普通変動入賞装置37での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして特図2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理における特図情報設定処理(A3404、A3504)の詳細について説明する。図19は、特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態において、確率状態(低確率/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに直接影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。なお、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに基づいて直接的に変動の振り分けを行ってもよい。
遊技制御装置100は、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4201)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(A4202)。次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4203)、対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4204)。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4205)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(A4206)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4207)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(A4208)。次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4209)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4210)。
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4211)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(A4212)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(A3406、A3506)の詳細について説明する。図20は、変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A4301)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(A4302)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(A4303)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(A4304)、はずれである場合(A4304の結果が「Y」)、2バイト振り分け処理(A4305)を行って、ステップA4307の処理に移行する。また、はずれでない場合(A4304の結果が「N」)、振り分け処理(A4306)を行って、ステップA4307の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブル(後半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4307)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(A4308)。そして、振り分け処理を実行し(A4309)、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4310)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループテーブルを設定し(A4311)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4312)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブル(前半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4313)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(A4314)。その後、振り分け処理(A4315)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(A4316)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(A4305)の詳細について説明する。図21は、2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置100は、まず、選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4401)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4402の結果が「Y」)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4402の結果が「N」)は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4403)。
続けて、ステップA4303にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA4403にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4404)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4405)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4405の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4406)、ステップA4403の処理に移行して、それ以降の処理を行う。すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4403)、その後、前回のステップA4405にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4404)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4405)。
上記の処理をステップA4405にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4405の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップA4405にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4405の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における振り分け処理(A4306、A4309、A4315)の詳細について説明する。図22は、振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
遊技制御装置100は、まず、対象の選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グループテーブル、ステップA4307にて準備した後半変動選択テーブル、又はステップA4313にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4501)。ここで、後半変動グループテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4502の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。一方、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4502の結果が「N」)、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4503)。
続けて、遊技制御装置100は、ステップA4303やA4308やA4314にて準備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA4503にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4504)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4505)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4505の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4506)、ステップA4503の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4503)、その後、前回のステップA4505にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4504)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4505)。上記の処理をステップA4505にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4505の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択される。
そして、遊技制御装置100は、ステップA4505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4505の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(A3407、A3507)の詳細について説明する。図23は、変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、開始する変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームであるか否かを判定する(A4600a)。開始する変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームでなく特図1変動表示ゲームである場合に(A4600aの結果が「N」)、対象の変動パターン乱数1~3の乱数格納領域をクリアする(A4601)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(A4602)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(A4603)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(A4604)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A4605)。
そして、遊技制御装置100は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A4606)、加算値(全変動時間値)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4607)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A4608)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を演出コマンドとして準備して(A4609)、演出コマンド設定処理を行う(A4610)。次に、開始する変動の図柄(特図1又は特図2)を示す変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を-1更新して(A4611)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(A4612)。次いで、乱数格納領域をシフトし(A4613)、シフト後の空き領域をクリアして(A4614)、変動開始情報設定処理を終了する。
遊技制御装置100は、まず、開始する変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームである場合に(A4600aの結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームの結果が小当り又は大当りであるか否かを判定する(A4600b)。特図2変動表示ゲームの結果が小当り又は大当りである場合に(A4600bの結果が「Y」)、開始する変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームである場合と同様にステップA4601以降の処理を実行する。なお、本実施形態と異なり、特図2変動表示ゲームの結果がサポ当りの場合も、ステップA4601以降の処理を実行する構成でもよい。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果が小当りでもなく大当りでもない場合(A4600bの結果が「N」)、即ち、特図2変動表示ゲームの結果がはずれ結果の場合に、大当り終了後の特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)に対応する変動時間値(全変動時間値)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4615)。
従って、特図1変動表示ゲームの変動時間値と、小当り又は大当りの場合の特図2変動表示ゲームの変動時間値は、振り分け(抽選)で設定され固定されない時間値である一方、はずれの場合の特図2変動表示ゲームの変動時間値は、大当り終了後の特図2変動回数ごとに設定される固定時間値となる。即ち、特図2変動表示ゲームの変動時間値は、回転数制御がなされる。なお、小当り又は大当りの場合の特図2変動表示ゲームの変動時間値も固定時間値とする構成も可能である。
その後、遊技制御装置100は、変動時間値に対応した変動コマンド(MODE,ACTION)を演出コマンドとして準備し(A4616)、ステップA4610以降の処理を実行する。
なお、後述の変形例のように普電サポートの態様(内容)に関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、変動時間値は、大当り終了後の特図2変動回数だけでなく、サポ状態にも対応して設定してもよい。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図変動中処理(A2609)の詳細について説明する。図24は、特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2変動中(特図2変動表示ゲームが実行中)であるか否かを判定する(A4801)。特図2変動中でない場合、即ち、特図1変動中(特図1変動表示ゲームが実行中)である場合に(A4801の結果が「N」)、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(A4802)。
一方、遊技制御装置100は、特図2変動中である場合(A4801の結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームのか結果が小当り又は大当りであるか否かを判定する(A4803)。特図2変動表示ゲームのか結果が小当り又は大当りである場合に(A4803の結果が「Y」)、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(A4802)。表示時間(停止表示時間)は、変動表示ゲームの結果である停止図柄(停止表示)の表示時間である。なお、本実施形態と異なり、特図2変動表示ゲームの結果がサポ当りの場合も、ステップA4802の処理に移行する構成でもよい。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果が小当り又は大当りでない場合、即ち、はずれの場合に(A4803の結果が「N」)、大当り終了後の特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)に対応する表示時間を設定する(A4804)。
従って、特図1変動表示ゲームの表示時間と、小当り又は大当りの場合の特図2変動表示ゲームの表示時間は、抽選で設定された停止図柄パターンに基づく固定されない時間である一方、はずれの場合の特図2変動表示ゲームの表示時間は、大当り終了後の特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)ごとに固定的に設定される。なお、小当り又は大当りの場合の特図2変動表示ゲームの表示時間も固定的に設定する構成も可能である。
なお、後述のように普電サポートの態様(内容)に関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、表示時間(停止表示時間)は、大当り終了後の特図2変動回数だけでなく、サポ状態にも対応して設定してもよい。
次に、遊技制御装置100は、ステップA4802又はA4804で設定された表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4805)。続いて、遊技制御装置100は、普電サポート中(時短状態中)であるか否か判定する(A4806)。普電サポート中でない場合(A4806の結果が「N」)、ステップA4813の処理に移行する。普電サポート中である場合(A4806の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの変動であるか否か判定する(A4807)。特図1変動表示ゲームの変動である場合(A4807の結果が「Y」)、ステップA4810の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動である場合(A4807の結果が「N」)、時間短縮変動回数2を-1更新(1だけ減少)して(A4808)、時間短縮変動回数2が0であるか否か判定する(A4809)。時間短縮変動回数2が0である場合(A4809の結果が「Y」)、時短の終了を設定する時短終了設定処理を実行する(A4812)。
遊技制御装置100は、時間短縮変動回数2が0でない場合(A4809の結果が「N」)、時間短縮変動回数1を-1更新(1だけ減少)して(A4810)、時間短縮変動回数1が0であるか否か判定する(A4811)。時間短縮変動回数1が0でない場合(A4811の結果が「N」)、ステップA4813の処理に移行する。一方、時間短縮変動回数1が0である場合(A4811の結果が「Y」)、時短の終了を設定する時短終了設定処理を実行する(A4812)。その後、後述の演出モード情報チェック処理を実行する(A4813)。
その後、遊技制御装置100は、特図表示中処理移行設定処理を実行する(A4814)。特図表示中処理移行設定処理では、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブする。その後、特図変動中処理を終了する。
〔時短終了設定処理〕
次に、特図変動中処理における時短終了設定処理(A4812)の詳細について説明する。図25Aは、時短終了設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短終了に関する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(A4901)。ここで、時短終了に関する信号は、大当り2信号のオフデータである。これにより、時短終了に関する信号が外部情報として外部情報端子71を介して外部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。
なお、通常遊技状態において、普通変動入賞装置37の開放時間が非常に短いか又は普図変動表示ゲームの当り確率が非常に低いため、普通変動入賞装置37への入賞はなく第2始動記憶は発生しない。このため、時短終了の時点で第2始動記憶(特図2始動記憶、特図2保留)が残保留として残っている場合に、大当り2信号のオンデータの出力を継続し(このようにしても不都合が生じない)、最後の残保留に係る特図変動表示ゲームの変動表示が停止するときに、大当り2信号のオフデータ(時短終了に関する信号)を外部装置に出力してもよい。
次に、遊技制御装置100は、時短終了に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(A4902)。これにより、時短終了に関する信号が、試験信号として試射試験装置に出力される。ここでの時短終了に関する信号は、例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号のオフデータ、特別図柄2変動時間短縮状態信号のオフデータ、普通図柄1変動時間短縮状態信号のオフデータ、普通電動役物1開放延長状態信号のオフデータ、普通図柄1高確率状態信号のオフデータである。そして、RWMの遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(A4903)、RWMの普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブし(A4904)、RWMの特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(A4905)。
続いて、遊技制御装置100は、時間短縮変動回数1が格納されるRWMの時間短縮変動回数1領域をクリアし(A4906)、時間短縮変動回数2が格納されるRWMの時間短縮変動回数2領域をクリアする(A4907)。そして、左打ち指示に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(A4908)、RWMの遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブする(A4909)。
その後、RWMの通常ベース状態判定領域に通常ベース状態情報をセーブする(A4910)。ここで、通常ベース状態情報は、ベース値(通常遊技状態における出玉率)を算出する期間である通常遊技状態を示す値である。その後、時短終了設定処理を終了する。
このように、時短終了設定処理が実行されることで、時短状態(特図低確率且つ普電サポートありの状態)から適切に通常遊技状態(特図低確率且つ普電サポートなしの状態)へ移行させることができる。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、特図変動中処理における演出モード情報チェック処理(A4813)の詳細について説明する。図25Bは、演出モード情報チェック処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるか否かを判定する(A5001)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(A5001の結果が「Y」)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、遊技制御装置100は、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(A5001の結果が「N」)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を-1更新し(A5002)、演出残り回転数が0となったか否かを判定する(A5003)。ここで、演出残り回転数は、今回実行したのが主となる特図変動表示ゲームである場合にのみ、-1更新されるが、主ではない変動表示ゲームである場合も-1更新される構成も可能である。
遊技状態等に応じて、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち一方の変動表示ゲームが、主となる変動表示ゲームとして定められている。例えば、主となる変動表示ゲーム(主変動表示ゲーム)は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち頻繁に実行される方であり、主ではない変動表示ゲーム(従変動表示ゲーム)は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち頻繁には実行されない方である。なお、遊技制御装置100及び/又は演出制御装置300は、遊技状態等に応じて、主となる変動表示ゲームを示す情報(特図1又は特図2)を記憶してもよい。
演出残り回転数が0となっていない場合(A5003の結果が「N」)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、演出残り回転数が0となった場合(A5003の結果が「Y」)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを移行する場合は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(A5004)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(A5005)。
そして、遊技制御装置100は、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(A5006)、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(A5007)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(A5008)。
なお、時短状態の終了(時間短縮変動回数1又は2=0)によって演出モードを移行する場合には、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を規定の残保留数(例えば4~9)に設定してよい。残保留数とは、時短状態終了後に消化される特図2保留(残保留)の数であり、時短終了後の特図2変動回数である。残保留は、時短状態中の普図当りによって開放される普通変動入賞装置37への入賞によって生じる。このようにして、残保留(特図2保留、特図2始動記憶)の消化中に対応する演出モードとして残保留消化モード(図54)を設定できる。
或は、時短状態中の普図当りによって開放される普通変動入賞装置37の開放(後述の後半開放に対応)が終了した際に演出モードを移行する場合には、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)をその時点での特図2保留数に設定してよい。これにより、時短状態中の普図当りによって開放される普通変動入賞装置37の開放が終了した後の特図2保留の消化中に対応する演出モードとして普電開放終了後モード(図54A)を設定できる。さらに、この場合に、時短状態の終了(時間短縮変動回数1又は2=0)によって移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を時短回数に応じた所定値(例えば6から時短回数を減算した値)に設定して、普電開放終了前モード(図54A)を設定できる。
さらに、時短状態の終了(時間短縮変動回数1又は2=0)によって演出モードを切り替える場合には、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)をその時点での特図2保留数又は特図2保留数以下の所定数に設定してよい。このようにして、時短終了時の特図2保留数又は所定数の残保留(特図2保留、特図2始動記憶)の消化中に対応する演出モードとして時短中発生残保留消化モード(図54B)を設定できる。時短中発生残保留消化モードの後に移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を、規定の残保留数(例えば10)から時短中発生残保留消化モードで消化された残保留の数を引いた値(過剰保留数)に設定できる。このようにして、時短中発生残保留消化モード後の演出モードとして過剰保留消化モード(図54B)を設定できる。
その後、遊技制御装置100は、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンド(確率状態の情報と時短の有無の情報と演出モードの情報を含む)を演出コマンドとして準備し(A5009)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するか否かを判定する(A5010)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(A5010の結果が「Y」)、すなわち確率情報コマンドが変化していない場合には、演出モード情報チェック処理を終了する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(A5010の結果が「N」)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(A5011)、確率情報コマンドを演出コマンドとして設定する演出コマンド設定処理を実行する(A5012)。
次いで、遊技制御装置100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コマンドとして準備して(A5013)、演出コマンド設定処理を実行する(A5014)。これにより、演出制御装置300は、演出残り回転数を取得できる。次に、時間短縮変動回数2に対応する時間短縮変動回数コマンドを演出コマンドとして準備して(A5015)、演出コマンド設定処理(A5016)を実行する。これにより、演出制御装置300は、時間短縮変動回数2を取得できる。なお、遊技制御装置100は、同様に、時間短縮変動回数1も演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を実行してよい。
次いで、遊技制御装置100は、ステップA5006で新たな演出モード番号が取得された場合に、新たな演出モードは左打ちするモードであるか否かを判定し(A5017)、左打ちするモードでない場合(A5017の結果が「N」)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、左打ちするモードである場合(A5017の結果が「Y」)には、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(A5018)、演出コマンド設定処理を実行して(A5019)、演出モード情報チェック処理を終了する。
なお、上記において、さらに、演出残り回転数が0であるか否かの判定結果(A5003)によらず、更新された演出残り回転数(A5002)に対応する演出回転数コマンドと更新された時間短縮変動回数1、2(A4808、A4810)に対応する時間短縮変動回数コマンドも演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を実行してもよい。
〔特図表示中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図表示中処理(A2610)の詳細について説明する。図26は、特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。図26Aは、特図表示中処理の前半部分を示し、図26Bは、特図表示中処理の後半部分を示す。
遊技制御装置100は、まず、今回実行したのが特図1の変動であるか否かを判定する(A5101)。即ち、停止図柄の表示(停止表示)が特図1変動表示ゲームに関するものであるか否かを判定する。今回実行したのが特図1の変動である場合に(A5101の結果が「Y」)、大当りフラグ1をロードし(A5102)、大当りフラグ1領域をクリアし(A5103)、ロードした大当りフラグ1は大当りであるか否かを判定する(A5104)。
遊技制御装置100は、ロードした大当りフラグ1は大当りである場合に(A5104の結果が「Y」)、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報領域にセーブし(A5105)、ステップA5106の処理に移行する。ロードした大当りフラグ1は大当りでない場合に(A5104の結果が「N」)、ステップA5111の処理に移行する。
そして、遊技制御装置100は、特図普段処理移行設定処理を実行する(A5106)。特図普段処理移行設定処理では、特図普段処理に係る処理番号として0を設定し特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、変動図柄判別フラグ領域をクリアする。その後、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、今回実行したのが特図2の変動である場合に(A5101の結果が「N」)、大当りフラグ2をロードし(A5107)、大当りフラグ2領域をクリアする(A5108)。ロードした大当りフラグ2は大当りであるか否かを判定する(A5109)。大当りフラグ2は大当りである場合に(A5109の結果が「Y」)、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報領域にセーブし(A5110)、ステップA5106の処理に移行する。大当りフラグ2が大当りでない場合に(A5109の結果が「N」)、即ち、小当り又ははずれの場合に、ステップA5111の処理に移行する。
なお、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの結果として「大当り」を設けないため、ステップA5107からA5110の処理はオプションであり実行しなくてもよい。即ち、ステップA5101の後に、ステップA5111の処理に移行してよい。
次に、遊技制御装置100は、現在、特図高確率中(確変状態中)であるか否かを判定する(A5111)。特図高確率中でない場合に(A5111の結果が「N」)、特図変動表示ゲームの実行された回数が天井回数(時短天井)に到達したことを示す天井到達済みフラグがあるか否か判定する(A5112)。
遊技制御装置100は、天井到達済みフラグがない場合に(A5112の結果が「N」)、RWMの天井カウンタ領域の天井カウンタ値を+1更新(1だけ増加)する(A5113)。そして、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを含む)の実行された回数が天井回数に到達したか否かを判定する(A5114)。例えば、天井回数は、500回である。天井回数に到達した場合(A5114の結果が「Y」)、天井時短が発生することを示す天井時短発動フラグと、天井回数に到達したことを示す天井到達済みフラグをセット(オン)する(A5115)。なお、天井時短発動フラグと天井到達済みフラグをまとめて一つのフラグとする構成も可能である。
なお、天井到達済みフラグは、大当りが発生するとクリアされるが、大当りが発生しない限りクリアされない。従って、一旦天井回数に到達した後、大当りしないまま時短回数が終了してしまうと、天井到達済みフラグがセット(オン)されたままであるため、以降、天井時短は発生しないことになるし、天井カウンタ値も更新されない。
一方、遊技制御装置100は、特図高確率中(確変状態中)である場合(A5111の結果が「Y」)、天井到達済みフラグがある場合(A5112の結果が「Y」)、天井回数に到達していない場合(A5114の結果が「N」)、小当りフラグ2が小当りか否かを判定する(A5116)。
次に、遊技制御装置100は、小当りフラグ2は小当りである場合に(A5116の結果が「Y」)、小当りファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備し(A5117)、演出コマンド設定処理を実行する(A5118)。そして、飾り特図2コマンド領域から飾り特図2コマンドを演出コマンドとしてロードし、準備し(A5119)、演出コマンド設定処理を実行する(A5120)。その後、小当り開放前処理移行設定処理を実行して(A5121)、特図表示中処理を終了する。
小当り開放前処理移行設定処理では、小当り開放前処理に係る処理番号として3を設定し、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、小当り開放前時間(例えば300ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。また、小当り遊技の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をオン(大当り、小当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブする。
一方、遊技制御装置100は、小当りフラグ2は小当りでない場合、即ち、はずれの場合に(A5116の結果が「N」)、天井時短が発生することを示す天井時短発動フラグがあるか否かを判定する(A5122)。天井時短発動フラグがある場合(A5122の結果が「Y」)、天井時短回数(天井時短による時短回数)となる初期値を時間短縮変動回数1領域と時間短縮変動回数2領域にセーブする(A5123)。前述した、天井時短の場合の時間短縮変動回数1と時間短縮変動回数2の初期値(例えば704回と700回)は、ここでセーブされることになる。初期値は、抽選で決定してもよい。続いて、天井時短による時短状態を発生するためにサポ作動設定処理を実行し(A5127)、特図普段処理移行設定処理を実行し(A5128)、特図表示中処理を終了する。特図普段処理移行設定処理では、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、天井時短が発生することを示す天井時短発動フラグがない場合(A5122の結果が「N」)、サポ当りフラグ2はサポ当りであるか否かを判定する(A5124)。そして、サポ当りフラグ2はサポ当りでない場合(A5124の結果が「N」)、サポ当りフラグ1はサポ当りであるか否かを判定する(A5125)。
遊技制御装置100は、サポ当りフラグ1とサポ当りフラグ2のいずれかがサポ当りである場合(A5124又はA5125の結果が「Y」)、時間短縮判定データに対応する初期値を時間短縮変動回数1領域と時間短縮変動回数2領域にセーブする(A5126)。前述した、サポ当り結果(突然時短)の場合の時間短縮変動回数1と時間短縮変動回数2の初期値(例えば34回と30回、或いは、104回と100回)は、ここでセーブされることになる。続いて、時短図柄による時短状態(突然時短)を発生するためにサポ作動設定処理を実行し(A5127)、特図普段処理移行設定処理を実行し(A5128)、特図表示中処理を終了する。
なお、時間短縮判定データは、特図1停止図柄設定処理(A3403)や特図2停止図柄設定処理(A3503)において、停止図柄番号に対応して設定されるため、サポ当り結果の場合の初期値(即ち時短回数)は、サポ当り図柄乱数による抽選で決定されることになる。
遊技制御装置100は、サポ当りフラグ1とサポ当りフラグ2の両方がサポ当りでない場合(A5124とA5125の結果が「N」)、時短を設定するサポ作動設定処理を実行せずに、特図普段処理移行設定処理を実行し(A5128)、特図表示中処理を終了する。
以上のように、特図表示中処理において、天井時短と突然時短に関して、時短回数(即ち、時間短縮変動回数の初期値)の設定など、時短の設定が実行される。なお、大当りによる時短、即ち、大当り状態の終了から開始する時短に関しては、大当り終了処理において、時短回数の設定など、時短の設定が実行される。
なお、特図表示中処理は、停止表示時間(A4805)が設定された特図ゲーム処理タイマが0になったときに実行されるため(A2604、A2610)、特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するとき(又は終了する際:終了する時や終了する直前を含む)に実行されることになる。従って、特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するとき(次の特図変動表示ゲームが開始するなら開始するときに略等しい)に、時間短縮変動回数(A5123、A5126)が設定され、天井時短と突然時短による時短状態が開始する。
〔サポ作動設定処理〕
次に、特図表示中処理におけるサポ作動設定処理(A5127)の詳細について説明する。図27は、サポ作動設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時短開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(A5701)。これにより、天井回数到達による天井時短と時短図柄(サポ当り)による突然時短の開始時に、時短開始に関する信号が外部情報として外部情報端子71ひいては外部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。ここで、時短開始に関する信号は、大当り2信号のオンデータである。そして、時短信号制御タイマ領域にタイマ初期値(例えば128msec)をセーブする(A5702)。このタイマ初期値は、後述の外部情報編集処理によって大当り3信号を出力する時間となる。
次に、遊技制御装置100は、時短開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A5703)。これにより、天井時短と突然時短の開始時に、時短開始に関する信号が試験信号として試射試験装置に出力される。ここでの時短開始に関する信号は、例えば、特別図柄1変動時間短縮状態信号のオンデータ、特別図柄2変動時間短縮状態信号のオンデータ、普通図柄1高確率状態信号のオンデータ、普通図柄1変動時間短縮状態信号のオンデータ、普通電動役物1開放延長状態信号のオンデータである。そして、遊技状態表示番号領域に時短ありの番号をセーブし(A5704)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率&時短ありフラグをセーブし(A5705)、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短ありフラグを合成する(A5706)。続いて、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A5707)、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブする(A5708)。
その後、遊技制御装置100は、天井時短又は突然時短に応じた演出モード情報アドレステーブルを設定し(A5709)、特図1停止図柄設定処理(A3403)又は特図2停止図柄設定処理(A3503)で設定した演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得し(A5710)、演出モードの演出モード番号(演出モードの番号)をテーブルに基づいて取得してセーブする(A5711)。これにより、天井時短と突然時短の開始時に移行する演出モードが選択できる。
次に、遊技制御装置100は、演出モードの演出残り回転数(初期値)をテーブルに基づいて取得してセーブする(A5712)。例えば、演出残り回転数(初期値)は、時短回数(時間短縮変動回数1又は時間短縮変動回数2の初期値)である。これにより、例えば、時短が終了するまで同一の演出モードが継続できる。
続いて、遊技制御装置100は、天井時短中又は突然時短中の演出モードの次のモードへの移行の情報である次モード移行情報をテーブルに基づいて取得してセーブする(A5713)。そして、特図ゲームモードフラグと今回新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを演出コマンドとして準備し(A5714)、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブし(A5715)、確率情報コマンドを演出コマンドとして設定する演出コマンド設定処理を実行する(A5716)。ここで、確率情報コマンドには、確率状態、時短(普電サポート)の有無、演出モードの情報が含まれる。
次に、遊技制御装置100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コマンドとして準備し(A5717)、演出コマンド設定処理を実行する(A5718)。そして、時間短縮変動回数1と時間短縮変動回数2(ここでは初期値である時短回数)のそれぞれに対応する時間短縮変動回数コマンドを演出コマンドとして準備し(A5719)、演出コマンド設定処理を実行する(A5720)。
その後、遊技制御装置100は、時間短縮判定データ領域をクリアし(A5721)、演出モード移行情報領域をクリアし(A5722)、大当り終了処理を終了する。
〔役物ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における役物ゲーム処理(A1312b)の詳細について説明する。図28は、役物ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。役物ゲーム処理では、大当り状態に関する処理全体の制御を行う。
遊技制御装置100は、まず、下大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A5601)。下大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aでの遊技球の検出を監視する。
次に、遊技制御装置100は、役物ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1だけ減算する)(A5602)。役物ゲーム処理タイマは、-1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、役物ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、役物ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A5603)。役物ゲーム処理タイマが0でない場合(A5603の結果が「N」)、役物ゲーム処理を終了する。
遊技制御装置100は、役物ゲーム処理タイマが0である場合(A5603の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、役物ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する役物ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A5604)。さらに、役物ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて役物ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A5605)。続いて、役物ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、役物ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A5606)。
遊技制御装置100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「0」の場合には、大当り開始の際の設定などを行う役物普段処理を実行する(A5607)。例えば、役物普段処理では、所定の場合にファンファーレ中処理に係る処理番号「1」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。なお、役物普段処理の詳細については、図29にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「1」の場合には、ファンファーレ中処理を実行する(A5608)。例えば、ファンファーレ中処理では、インターバル中処理に係る処理番号「2」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「2」の場合には、インターバル中処理を実行する(A5609)。例えば、インターバル中処理では、ラウンド数を+1更新して、下大入賞口開放時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブし、下大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブし、ラウンドコマンドを演出コマンドとして設定し、大当り開放中処理に係る処理番号「3」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り開放中処理を実行する(A5610)。例えば、大入賞口開放中処理では、インターバルコマンドやエンディングコマンドなど必要な情報を設定して、大当り残存球処理に係る処理番号「4」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り残存球処理を実行する(A5611)。例えば、大当り残存球処理では、最終ラウンドでなければインターバル時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブし、インターバル中処理に係る処理番号「2」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。最終ラウンドであればエンディング時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終了処理に係る処理番号「5」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「5」の場合には、役物普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A5612)。例えば、大当り終了処理では、大当り終了後の時短状態の有無(時短あり又は時短なし)の情報を含む時間短縮判定データに基づいて、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)など必要な情報の設定を行い、役物普段処理に係る処理番号「0」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
〔役物普段処理〕
次に、前述の役物ゲーム処理における役物普段処理(A5607)の詳細について説明する。図29は、役物普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、条件装置が作動中であるか否かを判定する(A5801)。条件装置作動情報が条件装置作動情報領域にセーブされている場合に(A3004、A5005、A5010)、即ち、大当りフラグ1或は大当りフラグ2に大当り情報があるか、又は、特定領域86(V入賞口)への入賞(特定領域スイッチ72への入力、V入賞)があった場合に、条件装置が作動中であると判定できる。条件装置が作動中でない場合に(A5801の結果が「N」)、役物普段処理を終了する。
遊技制御装置100は、条件装置が作動中である場合に(A5801の結果が「Y」)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値をラウンド数上限値領域にセーブする(A5802)。続いて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLED出力ポインタをラウンドLED出力ポインタ領域にセーブし(A5803)、確率情報コマンド(通常中)を演出コマンドとして準備し(A5804)、演出コマンド設定処理を実行する(A5805)。
次に、遊技制御装置100は、ファンファーレ情報に対応するファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備し(A5806)、演出コマンド設定処理を実行する(A5807)。そして、今回大当り又は小当りとなった特図の飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)をロードし、演出コマンドとして準備し(A5808)、演出コマンド設定処理を実行する(A5809)。
続いて、遊技制御装置100は、条件装置作動情報に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A5810)、条件装置作動情報に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A5811)。そして、ラウンド数領域に初期値をセーブする(A5812)。初期値は、大当り情報によって条件装置が作動中の場合には0であり、特定領域86への入賞(V入賞)によって条件装置が作動中の場合には1である。
次に、遊技制御装置100は、ファンファーレ中処理移行設定処理を実行し(A5813)、役物普段処理を終了する。例えば、ファンファーレ中処理移行設定処理では、ファンファーレ中処理に係る処理番号として「1」を設定して役物ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、ファンファーレ時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
ファンファーレ中処理移行設定処理において、遊技制御装置100は、時間短縮変動回数1が格納される時間短縮変動回数1領域、時間短縮変動回数2が格納される時間短縮変動回数2領域、天井カウンタ値が格納される天井カウンタ領域、天井時短発動フラグが格納される天井時短発動フラグ領域、天井到達済みフラグが格納される天井到達済みフラグ領域をクリアする。また、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率&時短なしフラグをセーブし、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする。
さらに、ファンファーレ中処理移行設定処理において、遊技制御装置100は、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号(例えば、大当り1信号をオン(大当り、小当りで出力)、大当り4信号をオン(大当りで出力))を外部情報出力データ領域にセーブする。そして、高確率状態と時短状態の終了に関する信号(例えば、特別図柄1高確率状態信号をオフ、特別図柄2高確率状態信号をオフ、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフ、普通図柄1高確率状態信号をオフ、普通図柄1変動時間短縮状態信号をオフ、普通電動役物1開放延長状態信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする。
〔大当り終了処理〕
次に、前述の役物ゲーム処理における大当り終了処理(A5612)の詳細について説明する。図30は、大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時間短縮判定データ(A4009、A4109)が、時短ありのデータであるか否かを判定する(A6001)。時短ありのデータは、大当り状態終了後に時短状態(普電サポート状態)になることを示す。時短なしのデータは、大当り状態終了後に時短状態(普電サポート状態)にならないことを示す。
遊技制御装置100は、時間短縮判定データが時短なしのデータの場合に、大当り終了後に通常遊技状態に移行するために大当り終了設定処理1を実行し(A6002)、時間短縮判定データが時短ありのデータの場合に、大当り終了後に時短状態(普電サポート状態)に移行するために大当り終了設定処理2を実行する(A6003)。
遊技制御装置100は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(A6004)、停止1図柄設定処理又は停止2図柄設定処理で設定した演出モード移行情報(A4010、A4110)に対応するテーブルのアドレスを取得し(A6005)、大当り状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号(演出モードの番号)を取得してセーブする(A6006)。これにより、大当り終了後に移行する演出モードが選択できる。
次に、遊技制御装置100は、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数(初期値)を取得してセーブする(A6007)。例えば、演出残り回転数(初期値)は、時短回数(時間短縮変動回数初期値)や、時短回数と規定の残保留数の合計回数(例えば10回)である。これにより、例えば、大当り終了後に、時短が終了するまで、又は、残保留に係る特図2変動表示ゲームが全て実行されるまで、同一の演出モードが継続できる。
続いて、遊技制御装置100は、大当り状態終了直後に設定される演出モードの次のモードへの移行の情報である次モード移行情報を取得してセーブする(A6009)。そして、特図ゲームモードフラグと今回新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを演出コマンドとして準備し(A6009)、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブし(A6010)、確率情報コマンドを演出コマンドとして設定する演出コマンド設定処理を実行する(A6011)。ここで、確率情報コマンドには、大当り状態の終了後における確率状態、時短(普電サポート)の有無、演出モードの情報が含まれる。
次に、遊技制御装置100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コマンドとして準備し(A6012)、演出コマンド設定処理を実行する(A6013)。そして、時間短縮変動回数(ここでは初期値である時短回数、例えば、5回以下又は99回)に対応する時間短縮変動回数コマンドを演出コマンドとして準備し(A6014)、演出コマンド設定処理を実行する(A6015)。
その後、遊技制御装置100は、演出モード移行情報領域をクリアし(A6016)、役物普段処理移行設定処理を実行し(A6017)、大当り終了処理を終了する。役物普段処理移行設定処理では、役物普段処理に移行するために、役物普段処理に係る処理番号「0」を設定し役物ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、条件装置作動情報領域をクリアし、時間短縮判定データ領域をクリアする。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理1(A6002)の詳細について説明する。図31は、大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A6201)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6202)。例えば、外部情報端子71を介して外部装置に出力する外部情報として、大当り1信号のオフデータ、大当り2信号のオフデータ、大当り3信号のオフデータ、大当り4信号のオフデータを、外部情報出力データ領域にセーブする。大当り終了設定処理1は大当り状態終了後に時短がない場合の処理であるため、大当り2信号をオフする。一括表示装置50の第2遊技状態表示部58(ランプD17)の表示データとして遊技状態表示番号2領域に通常中の番号をセーブする(A6203)。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲームモードフラグ領域に低確率フラグをセーブし
(A6204)、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短なしフラグをセーブする(A6205)。そして、時間短縮変動回数領域をクリアし(A6206)、一括表示装置50の第1遊技状態表示部57(ランプD7)の表示データとして遊技状態表示番号1領域に左打ち状態中の番号をセーブし(A6207)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理2(A6003)の詳細について説明する。図32は、大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A6401)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6402)。例えば、外部情報端子71を介して外部装置に出力する外部情報として、大当り1信号のオフデータ、大当り3信号のオフデータ、大当り4信号のオフデータを、外部情報出力データ領域にセーブする。そして、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A6403)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6404)。大当り終了設定処理2は大当り状態終了後に時短状態(普電サポート状態)に突入する場合の処理であるため、時短の開始に関する信号として、大当り2信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブする(本実施形態では大当り状態中から大当り2信号が出力されているため、大当り2信号のオン状態が継続する形になる)。
次に、遊技制御装置100は、一括表示装置50の第2遊技状態表示部58(ランプD17)の表示データとして遊技状態表示番号2領域に時短中の番号をセーブし(A6405)、普図ゲームモードフラグ領域に高確率フラグをセーブし(A6406)、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短中フラグをセーブする(A6407)。
続いて、遊技制御装置100は、時短終了後に特図2変動表示ゲームが大当りになったか否か、即ち、残保留に係る特図2変動表示ゲームが大当りになったか否かを判定する(A6408)。特図1変動表示ゲームが大当りになった場合又は時短状態中に特図2変動表示ゲームが大当りになった場合に(A6408の結果が「N」)、時間短縮変動回数領域に停止図柄パターン(或は停止図柄番号、後述の図柄A-F)に対応する時間短縮変動回数初期値(時短回数)をセーブして(A6409)、ステップA6411以降の処理を実行する。ここで、時間短縮変動回数初期値(時短回数)は、時間短縮変動回数2の初期値(後述の第1所定回数)となる。なお、ステップA6409では、時間短縮変動回数2についての時間短縮変動回数初期値(時短回数)の他に、時間短縮変動回数1の初期値(後述の第2所定回数)もセーブする。例えば、時間短縮変動回数1の初期値は、時間短縮変動回数2の初期値に、特図1保留数(第1始動記憶数)の最大値(例えば4)を加算したものでよい。
遊技制御装置100は、時短終了後に特図2変動表示ゲームが大当りになった場合、即ち、残保留に係る特図2変動表示ゲームが大当りになった場合に(A6408の結果が「Y」)、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(時短回数、ここでは99)をセーブする(A6410)。ここでも、時間短縮変動回数初期値(時短回数)は、時間短縮変動回数2の初期値(後述の第1所定回数)となる。なお、ステップA6410では、時間短縮変動回数2についての時間短縮変動回数初期値(時短回数)の他に、時間短縮変動回数1の初期値(後述の第2所定回数)もセーブする。例えば、時間短縮変動回数1の初期値は、時間短縮変動回数2の初期値に、特図1保留数(第1始動記憶数)の最大値(例えば4)を加算したものでよい。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄パターン(或は停止図柄番号、後述の図柄A-G)に対応して、普電サポートの状態(態様)であるサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)の種別をサポ状態領域にセーブする(A6411)。なお、ステップA6411の処理は、オプションであり、後述の変形例のように普電サポートの態様(内容)に関するサポ状態が可変である場合に実行される。
次に、遊技制御装置100は、一括表示装置50の第1遊技状態表示部57(ランプD7)の表示データとして遊技状態表示番号1領域に右打ち状態中の番号をセーブし(A6412)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(A6413)、演出コマンド設定処理を実行し(A6414)、大当り終了設定処理2を終了する。
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(A1310)の詳細について説明する。図33は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(A7601)。ゲートスイッチ監視処理の詳細については、後述する。
続いて、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理を実行する(A7602)。普電入賞スイッチ監視処理の詳細については、後述する。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ-1更新する(1だけ減算する)(A7603)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A7604)。
遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A7605)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7606)。そして、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A7607)。
遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する(A7608)。普図普段処理の詳細については、後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する(A7609)。例えば、普図変動中処理では、普図表示中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「2」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理を実行する(A7610)。例えば、普図表示中処理では、普図変動表示ゲームの結果が当りの場合に、普図当り中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする一方、はずれの場合に、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理を実行する(A7611)。例えば、普図当り中処理では、所定回数だけ普通変動入賞装置37を開放するための設定を行った後、普電残存球処理に移行するために、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する(A7612)。例えば、普電残存球処理では、普図当り終了処理に移行するために、ゲーム処理番号として「5」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図エンディング時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(A7608)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理を実行する(A7613)。例えば、普図当り終了処理では、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備する(A7614)。その後、普図表示器53による普通図柄(普図)の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7615)、普図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7604の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7614以降の処理を実行する。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
図34は、ゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。ゲートスイッチ監視処理は、図33に示した普図ゲーム処理におけるステップA7601にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるか否かを判定する(A7701)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(A7701の結果が「Y」)、右打ちする遊技状態であるか否かを判定する(A7702)。右打ちする遊技状態は、大当り状態、時短状態(普電サポート状態)である。右打ちする遊技状態である場合(A7702の結果が「Y」)、ステップA7705の処理に移行する。右打ちする遊技状態でない場合(A7702の結果が「N」)、左打ち指示報知コマンド(左打ち指示コマンド)を演出コマンドとして準備し(A7703)、演出コマンド設定処理を実行する(A7704)。左打ち指示報知コマンドを受信した演出制御装置300は、左打ちするよう指示する報知(警告)を左打ち指示表示によって表示装置41等で実行する。
次に、遊技制御装置100は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(本実施形態では1)未満であるか否かを判定する(A7705)。遊技制御装置100は、普図保留数が上限値未満である場合には(A7705の結果が「Y」)、普図変動表示ゲームの変動中(実行中)又は普図当り状態中であるか否かを判定する(A7706)。普図変動表示ゲームの変動中でも普図当り状態中でもない場合に(A7706の結果が「N」)、普図保留数を+1更新する(A7707)。このように、普図変動表示ゲームの変動中や普図当り状態中でない場合にだけ普図保留数が+1更新され、+1更新されるとすぐに普図保留は消化されるため、普図保留は実質的に貯まらず普図変動表示ゲームが開始する直前のみ瞬間的に1となる(普図保留数は実質的に0となる)。
続いて、遊技制御装置100は、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(A7708)。そして、当り乱数を抽出してRWMの当り乱数格納領域にセーブし(A7709)、当り図柄乱数を抽出し、当り図柄乱数格納領域にセーブし(A7710)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、ゲートスイッチ34aに入力がない場合(A7701の結果が「N」)、普図保留数が上限値未満でないと判定された場合(A7705の結果が「N」)、又は、普図変動表示ゲームの変動中又は普図当り状態中である場合には(A7706の結果が「Y」)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(A7602)の詳細について説明する。図35は、普電入賞スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り中か否か、すなわち、普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37が所定回数の開放動作を実行中であるか否かを判定する(A7801)。そして、普図当り中である場合には(A7801の結果が「Y」)、始動口2スイッチ37aに入力があるか否かを判定する(A7802)。始動口2スイッチ37aに入力がある場合には(A7802の結果が「Y」)、普電カウンタのカウント数を+1更新する(A7803)。
次に、遊技制御装置100は、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば、10)に達したか否かを判定する(A7804)。そして、カウント数が上限値に達した場合には(A7804の結果が「Y」)、RWM内の普図当り終了ポインタ領域から当り終了ポインタ値(例えば、2)をロードし、RWM内の普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(A7805)。
最後に、普図ゲーム処理タイマをクリアし(A7806)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合には、その時点で普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了の値をセーブし、普通変動入賞装置37が閉じられて普図の当り状態が途中で終了するようにする。
一方、遊技制御装置100は、普図当り中でないと判定された場合(A7801の結果が「N」)、始動口2スイッチ37aに入力がないと判定された場合(A7802の結果が「N」)、又は、カウント数が上限値に達していないと判定された場合には(A7804の結果が「N」)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図普段処理(A7608)の詳細について説明する。図36は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図保留数が0であるか否かを判定する(A7901)。普図保留数が0でない場合には(A7901の結果が「N」)、RWMの普図当り乱数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし、RWMの普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から当り図柄乱数をロードし、ロードした後の普図当り乱数格納領域(保留数1用)と普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A7902)。さらに、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高い普図高確率中(高確率状態中)であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(A7903)。なお、本実施形態において、当り乱数の範囲は0~250であり、高確率中の普図当り確率は251/251であり、低確率中での普図当り確率は0/251である。なお、これに限られず、低確率中での普図当り確率は、0%より大きい値(例えば、2/251(0.8%))でもよい。
遊技制御装置100は、普図高確率中でない場合(A7903の結果が「N」)、普図低確率中の下限判定値である低確率下限判定値(ここでは251)を設定し(A7904)、普図高確率中である場合(A7903の結果が「Y」)、普図高確率中の下限判定値である高確率下限判定値(ここでは0)を設定し(A7905)、ステップA7906の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が上限判定値(ここでは251)以上であるか否か判定する(A7906)。なお、ここでの上限判定値は、普図高確率中と普図低確率中とで共通する。当り乱数が上限判定値以上である場合(A7906の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、ステップA7908の処理に移行する。当り乱数が上限判定値未満である場合(A7906の結果が「N」)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する(A7907)。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満である場合(A7907の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A7908)。さらに、普図停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(A7909)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7910)、ステップA7914の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満でない場合(A7907の結果が「N」)、即ち、当りの場合、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(A7911)、ロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(A7912)、当り停止図柄番号に対応する当り停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7913)、ステップA7914の処理に移行する。なお、ここでは、当り停止図柄(普図当り図柄)は1種類であるが、後述の変形例では数種類存在してよい。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(A7914)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブし(A7915)、普図当り乱数格納領域をシフトし(A7916)、シフト後の空き領域を0クリアした後(A7917)、普図保留数を-1更新する(A7918)。
すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2~4の順位を1つずつ繰り上げる。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用の値がクリアされて0になるとともに、普図保留数が1デクリメントされ0になる。
その後、遊技制御装置100は、サポ状態(サポ態様、普電開放パターン)の情報をロードする(A7919)。なお、ステップA7919の処理は、オプションであり、後述の変形例のように普電サポートの状態(態様)であるサポ状態が可変である場合に実行される。
次に、遊技制御装置100は、固定の普図変動時間(例えば200msec)を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A7920)。なお、後述の変形例のように普電サポートの状態(態様)であるサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応する可変の普図変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、普図変動中処理移行設定処理を実行し(A7921)、普図普段処理を終了する。なお、普図変動中処理移行設定処理については後述する。
また、遊技制御装置100は、普図保留数が0である場合には(A7901の結果が「Y」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A7922)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7923)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A7924)、普図普段処理を終了する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
図37は、普図変動中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普図変動中処理移行設定処理は、普図普段処理におけるステップA7921にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し(A8101)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8102)。
その後、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの開始に関する信号(普通図柄1変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A8103)、普図変動表示ゲームが変動中であることを示す変動中フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブする(A8104)。そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値を普図点滅制御タイマ領域にセーブし(A8105)、普図変動図柄番号領域に初期値(ここでは0)をセーブする(A8106)。その後、普図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図変動中処理(A7609)の詳細について説明する。図38は、普図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図表示中処理に移行するための設定処理として処理番号を「2」に設定し(A8301)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8302)。その後、遊技制御装置100は、普図表示器における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(普図停止時間、例えば、48msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8303)。
さらに、遊技制御装置100は、普図の変動終了に関する信号(普通図柄1変動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8304)。そして、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブし(A8305)、普図変動中処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図表示中処理(A7610)の詳細について説明する。図39は、普図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(A8401)、RWMの当りフラグ領域をクリアする(A8402)。そして、ロードされた当りフラグに当り情報が設定されているか否かを判定する(A8403)。
遊技制御装置100は、当りフラグに当り情報が設定されている場合には(A8403の結果が「Y」)、当り中処理設定テーブルを設定し(A8404)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタ値(ここでは0)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(A8405)。また、普図停止図柄情報に対応する当り終了ポインタ値を取得し、普図当り終了ポインタ領域にセーブする(A8406)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば3000msec)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8407)。以上の処理により時短状態中での普通変動入賞装置37の開放態様が設定され、例えば2回の開放が可能となる。なお、当りの普図停止図柄(普図当り図柄)は1種類であり、当り開始ポインタ値、当り終了ポインタ値、普電開放時間は、固定されているが、後述の変形例のように普電サポートに関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応する当り開始ポインタ値、当り終了ポインタ値、普電開放時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブしてよい。
続いて、遊技制御装置100は、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(A8408)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8409)。その後、普図変動表示ゲームの当りに関する信号(普通図柄1当り中信号をオン)と、普電作動開始に関する信号(普通電動役物1作動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8410)。さらに、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(A8411)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアし(A8412)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(A8413)。最後に、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグを普電不正監視期間フラグ領域にセーブする(A8414)。
遊技制御装置100は、当りフラグに当り情報が設定されていない場合には(A8403の結果が「N」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A8415)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8416)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A8417)、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図当り中処理(A7611)の詳細について説明する。図40は、普図当り中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り中制御ポインタをロードして準備し(A8601)、ロードされた普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値(当り終了ポインタ値)に達したか否かを判定する(A8602)。
そして、遊技制御装置100は、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了ポインタ値)に達していない場合には(A8602の結果が「N」)、普図当り中制御ポインタを+1更新する(A8603)。さらに、普電作動移行設定処理を実行し(A8604)、普図当り中処理を終了する。なお、普電作動移行設定処理の詳細については後述する。
また、遊技制御装置100は、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了ポインタ値)に達した場合には(A8602の結果が「Y」)、ステップA8603における普図当り中処理制御ポインタ領域を更新(+1)する処理を実行せずに、普電作動移行設定処理を実行し(A8604)、普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
次に、普図当り中処理における普電作動移行設定処理(A8604)の詳細について説明する。図41は、普電作動移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御を行う処理であり、制御ポインタの値に応じて処理を分岐するようにしている。
遊技制御装置100は、まず、制御ポインタ(普図当り中制御ポインタ)の値に応じて処理を分岐させる(A8701)。なお、ここで、制御ポインタは、ステップA8603で更新する前の値を使用する。制御ポインタの例は、後述の図56、図72、図73に示される。制御ポインタの値が偶数の値であった場合には、ステップA8702の処理に移行して普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間(普電インターバル時間、例えば60000msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8702)。なお、後述の変形例のように普電サポートに関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応してウェイト時間(普電インターバル時間)を設定してよい。
さらに、遊技制御装置100は、普電ソレノイド37cをオフさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータを設定し(A8703)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が奇数の値であった場合には、遊技制御装置100は、ステップA8704の処理に移行して普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8704)。ここでの普電開放時間は、ステップA8407で設定した値(例えば3000msec)と同じでよい。さらに、普電ソレノイド37cをオンさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータを設定し(A8705)、普電作動移行設定処理を終了する。
さらに、制御ポインタの値が当り終了ポインタ値であった場合には、遊技制御装置100は、ステップA8706に移行して普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理(A7612)を実行するために、処理番号として「4」を設定し(A8706)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8707)。
続いて、遊技制御装置100は、普電残存球処理時間(例えば600msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8708)。その後、普電ソレノイド37cをオフに設定するために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(A8709)、普電作動移行設定処理を終了する。なお、後述の変形例のように普電サポートに関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応して普電残存球処理時間を設定してよい。
〔普電残存球処理〕
次に、普図ゲーム処理における普電残存球処理(A7612)の詳細について説明する。図42は、普電残存球処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り終了処理に係る処理番号「5」を設定し(A8901)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8902)。その後、普図エンディング時間(例えば、100msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8903)。なお、後述の変形例のように普電サポートに関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応して普図エンディング時間を設定してよい。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の作動終了に関する信号(普通電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8904)。続いて、普通変動入賞装置37への入賞数を計数する普電カウント数領域をクリアし(A8905)、さらに、普図当り中制御ポインタ領域をクリアする(A8906)。その後、普図当り終了ポインタ領域をクリアし(A8907)、普電残存球処理を終了する。
〔普図当り終了処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図当り終了処理(A7613)の詳細について説明する。図43は、普図当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図普段処理に係る処理番号「0」を設定し(A9101)、さらに、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A9102)。その後、普図変動ゲームの当り終了に関する信号(普通図柄1当り中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A9103)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブし(A9104)、その後、普図当り終了処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、タイマ割込み処理における外部情報編集処理(A1319)の詳細について説明する。図44Aと図44Bは、外部情報編集処理の手順を示すフローチャートである。図44Aは外部情報編集処理の前半部分を示し、図44Bは外部情報編集処理の後半部分を示す。外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(A1307)、入賞口スイッチ/状態監視処理(A1310)、磁石不正監視処理(A1315)、盤電波不正監視処理(A1316)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や、試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ガラス枠開放エラーが発生中であるか否かを判定する(A9501)。ガラス枠開放エラーが発生中でない場合(A9501の結果が「N」)、本体枠開放エラー(前面枠開放エラー)が発生中であるか否かを判定する(A9502)。本体枠開放エラーが発生中でない場合(A9502の結果が「N」)、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9503)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(A9504)。
遊技制御装置100は、ガラス枠開放エラーが発生中である場合(A9501の結果が「Y」)、又は、本体枠開放エラーが発生中である場合(A9502の結果が「Y」)、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9505)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9506)。
遊技制御装置100は、ステップA9504、A9506の後、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ-1更新し(A9507)、セキュリティ信号制御タイマが0であるか否か(タイムアップしたか否か)を判定する(A9508)。セキュリティ信号制御タイマの初期値は、初期化スイッチ(設定値変更スイッチ102)の操作等によりRAMに記憶されたデータが初期化されたときなどに、所定時間(例えば256msec)が設定される(メイン処理のA1044)。そして、セキュリティ信号制御タイマはRAM初期化時から計時されることになる。
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でない場合(A9508の結果が「N」)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9509)、ステップA9510の処理に移行する。即ち、RAMに記憶されたデータの初期化が行われたことが外部情報として出力される。
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0である場合(A9508の結果が「Y」)、磁石不正が発生中であるか否かを判定する(A9510)。なお、磁気センサスイッチ61からの検出信号があった場合に、磁石不正が発生中であると判定できる。磁石不正が発生中でない場合(A9510の結果が「N」)、さらに、盤電波不正が発生中であるか否かを判定する(A9511)。なお、電波センサ62から検出信号があった場合に、盤電波不正が発生中であると判定できる。
遊技制御装置100は、盤電波不正が発生中でない場合(A9511の結果が「N」)、さらに、枠電波不正が発生中であるか否かを判定する(A9512)。枠電波不正信号があった場合に、枠電波不正が発生中であると判定できる。枠電波不正が発生中でない場合(A9512の結果が「N」)、さらに、大入賞口不正が発生中であるか否か判定する(A9513)。なお、入賞口スイッチ/状態監視処理によって大入賞口に関しての不正入賞発生フラグが不正フラグ領域にセーブされている場合、大入賞口不正が発生中であると判定できる。大入賞口不正が発生中でない場合(A9513の結果が「N」)、さらに、普電不正発生中であるか否かを判定する(A9514)。なお、入賞口スイッチ/状態監視処理によって普通変動入賞装置37の第2始動入賞口に関しての不正入賞発生フラグが不正フラグ領域にセーブされている場合、普電不正が発生中であると判定できる。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A9514の結果が「N」)、振動不正が発生中であるか否か判定する(A9515)。なお、振動センサ65から検出信号があった場合に、振動不正が発生中であると判定できる。振動不正が発生中でない場合(A9515の結果が「N」)、異常排出エラーが発生中であるか否か判定する(A9516)。なお、異常排出監視処理(A1318)によって異常排出発生中フラグが設定された場合に、異常排出エラーが発生中であると判定できる。
遊技制御装置100は、異常排出エラーが発生中でない場合(A9516の結果が「N」)、V通過エラーが発生中であるか否か判定する(A9517)。不適切なタイミングで特定領域スイッチ72の検出信号が発生した場合に、V通過エラーが発生中であると判定できる。V通過エラーが発生中でない場合(A9517の結果が「N」)、残存球に関するエラーである残存球エラーが発生中であるか否か判定する(A9518)。残存球エラーが発生中でない場合(A9518の結果が「N」)、スイッチ異常エラーが発生中であるか否かを判定する(A9519)。
遊技制御装置100は、スイッチのコネクタ抜けなどのスイッチ異常エラーが発生中でない場合(A9519の結果が「N」)、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9520)。スイッチ異常エラーが発生中である場合(A9519の結果が「Y」)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9522)。
一方、遊技制御装置100は、磁石不正が発生中である場合(A9510の結果が「Y」)、盤電波不正が発生中である場合(A9511の結果が「Y」)、枠電波不正が発生中である場合(A9512の結果が「Y」)、大入賞口不正が発生中である場合(A9513の結果が「Y」)、普電不正発生中である場合(A9514の結果が「Y」)、振動不正が発生中である場合(A9515の結果が「Y」)、異常排出エラーが発生中である場合(A9516の結果が「Y」)、V通過エラーが発生中である場合(A9517の結果が「Y」)、残存球エラーが発生中である場合(A9518の結果が「Y」)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9521)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9522)。セキュリティ信号のオンデータの設定によって、セキュリティ信号が外部情報として外部情報端子71を介して外部装置(ホールコンピュータなど)に出力される。
遊技制御装置100は、ステップA9520、A9522の後、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理を実行する(A9523)。続いて、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理を実行し(A9524)、特図変動表示ゲームの停止図柄が確定する際に生成される図柄確定回数信号を外部装置に出力する図柄確定回数信号編集処理を実行する(A9525)。
次に、遊技制御装置100は、時短信号制御タイマが0でなければ-1更新し(A9526)、時短信号制御タイマが0であるか否かを判定する(A9527)。時短信号制御タイマが0である場合(A9527の結果が「Y」)、そのまま外部情報編集処理を終了し、時短信号制御タイマが0でない場合(A9527の結果が「N」)、大当り3信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(A9528)、外部情報編集処理を終了する。
このようにして、天井回数到達による天井時短と時短図柄(サポ当り)による突然時短の開始時に、大当り3信号のオンデータが、遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)などの外部装置に、外部情報端子71を介して出力される。ここで、大当り3信号のオンデータは、前述のサポ作動設定処理のステップA5702において時短信号制御タイマ領域に設定されたタイマ初期値(例えば128msecの固定時間)の間、出力される。従来の大当り1~4信号は大当り等の期間中に出力していたが、大当り3信号の当該出力は、大当り等の期間に比べてずっと短い固定時間(例えば128msec)の出力とした。このため、外部装置(ホールコンピュータ等)は、大当りや大当りに続く時短等と混同することなく、天井回数到達による天井時短や時短図柄による突然時短によって時短が発生したことを認識できる。
なお、前述のように、大当り2信号は、大当り状態中と大当り状態に続く時短状態(大当りに起因する時短状態、第1特定遊技状態、第1時短状態)において長時間継続して外部装置に外部情報として出力される。上記の短い固定時間(例えば128msec)の大当り3信号は、天井時短又は突然時短による時短状態(第2特定遊技状態、第2時短状態)の発生を示す外部情報として、大当りに起因する時短状態を示す外部情報(長時間の大当り2信号)と区別して外部装置に出力され、外部装置で混同されない。
なお、他の構成として、天井時短と突然時短の一方でのみ、時短開始時に、大当り3信号を固定時間の間出力するようにしてよい。また、天井時短の発生と突然時短の発生とを区別するために、一方の時短では、時短開始時に固定時間の間、大当り3信号と大当り4信号の両方を出力し、他方の時短では、大当り3信号のみを出力してよい。例えば、天井時短について大当り3信号と大当り4信号を出力し、突然時短について大当り3信号だけを出力してもよい(逆でもよい)。また、天井時短の発生と突然時短の発生とを区別するために、時短開始時に、天井時短について大当り3信号(又は大当り4信号)を出力し、突然時短について大当り4信号(又は大当り3信号)を出力してもよい。このように、大当り3信号と大当り4信号を適宜組み合わせて、外部装置が認識できるように天井時短の発生と突然時短の発生とを区別してもよい。
〔外部情報又は試験信号の送信の様子〕
図45は、外部情報又は試験信号の送信の様子を示すタイムチャートである。
図45(A)は、先の時短状態における最後の特図変動表示ゲーム(時短回数に達する特図変動表示ゲーム)で、天井回数の到達や時短図柄の停止があり、次の特図変動表示ゲームから後の時短状態(天井時短や突然時短による時短状態)になる場合を示している。
この場合に、本実施形態において、先の時短状態が終了するタイミングは、特図変動中処理内で時短終了設定処理(A4812、図24)が実行されるタイミング、即ち、先の特図変動表示ゲームの変動表示が停止するタイミングである。また、後の時短状態(天井時短や突然時短)が開始するタイミングは、特図表示中処理内で時間短縮変動回数(A512、A5126)が設定されるタイミング、即ち、先の特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するタイミング(次の特図変動表示ゲームが開始するなら開始するタイミングに略等しい)である。
また、先の特図変動表示ゲームの変動表示が停止するタイミングで、特図変動中処理内で時短終了設定処理によって、時短終了に関する信号として大当り2信号のオフデータが、外部情報出力データ領域に設定されて外部装置(ホールコンピュータなど)に出力されるとともに(A4901)、時短終了に関する信号として変動時間短縮状態信号(特別図柄1変動時間短縮状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号、普通図柄1変動時間短縮状態信号)のオフデータなどが、試験信号出力データ領域に設定されて、試射試験装置に出力される(A4902)。従って、外部情報としての大当り2信号と試験信号としての変動時間短縮状態信号は、先の特図変動表示ゲームの変動表示が停止するタイミングの後(先の時短終了後)にオフ状態になる。
さらに、先の特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するタイミングで、サポ作動設定処理によって、時短開始に関する信号として大当り2信号のオンデータが、外部情報出力データ領域に設定されて外部装置(ホールコンピュータなど)に出力されるとともに(A5701)、時短開始に関する信号として変動時間短縮状態信号(特別図柄1変動時間短縮状態信号、特別図柄2変動時間短縮状態信号、普通図柄1変動時間短縮状態信号)のオンデータなどが、試験信号出力データ領域に設定されて、試射試験装置に出力される(A5703)。従って、外部情報としての大当り2信号と試験信号としての変動時間短縮状態信号は、先の特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するタイミングの後にオン状態になる。
このようにして、時短が終了となる特図変動表示ゲーム(先の特図変動表示ゲーム)が、ちょうど天井回数に達した場合や時短図柄で停止した場合に、時短が一旦終了したことが明確になる。また、外部情報(大当り2信号)や試験信号(変動時間短縮状態信号など)の出力が、停止結果(停止図柄)の表示時間(停止表示時間)の分だけオフ状態となることにより、時短が再開した場合に、外部情報や試験信号の出力のオン状態が、明確に識別できる。
一方、図45(B)のように、従来の遊技機では、先の特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するタイミングで、特図表示中処理内で時短終了設定処理によって時短が終了する。時短終了設定処理において、時短終了に関する信号として大当り2信号のオフデータが、外部情報出力データ領域に設定されて外部装置(ホールコンピュータなど)に出力されるとともに、時短終了に関する信号として変動時間短縮状態信号のオフデータなどが、試験信号出力データ領域に設定されて、試射試験装置に出力される。
このため、従来の遊技機では、外部情報としての大当り2信号と試験信号としての変動時間短縮状態信号は、先の特図変動表示ゲームの停止結果の表示が終了するタイミングの後にオフ状態になるが、このタイミングでサポ作動設定処理によって、大当り2信号と変動時間短縮状態信号はすぐにオン状態になるため、実質的にオフ状態になることはない(オン状態が実質的に継続されたままになる)。従って、本実施形態と異なり、従来の遊技機では、時短が一旦終了したことが不明確になるとともに、時短再開の際に外部情報や試験信号の出力のオン状態が不明確になる。
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を説明する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図46Aは、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
その後、演出制御装置300は、RTC(リアルタイムクロック)338から時刻の情報を読み込むRTC読込処理を実行する(B0009)。
RTC読込処理では、所定の周期(例えば2時間おき)でRTC338から時刻の情報を読み込む構成としてもよく、ステップB0009へ処理が移行する度に時刻の情報を読み込む必要はない。演出制御装置300への電源投入(即ち遊技機10への電源投入)の際に、一度だけ、RTC読込処理を実行する構成としてもよい(RTC読込処理の位置を変えて、例えばステップB0003とB0004の間で実行してもよい)。演出制御装置300は、RAM内のタイマ領域に時刻を計時する時刻用タイマ(計時手段)を設定し、所定の周期でRTC338から時刻の情報を読み込んだ際又は電源投入時に一度だけRTC338から時刻の情報を読み込んだ際に、時刻用タイマ(計時手段)をRTC338の時刻に合わせるよう調整してよい。そして、演出制御装置300は、時刻用タイマを使用して各種処理を実行してもよい。このようにすれば、RTC338から時刻を読み込む処理の回数を低減でき、CPU311の負荷が減少する。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンスイッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0010)。続いて、遊技場(遊技店)の責任者や遊技者等によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0011)。ホール・遊技者設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制御処理を実行する(B0012)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算対象となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報等を含む情報がQRコード(登録商標)として表示装置41に表示される。例えば、演出制御装置300は、ホール・遊技者設定モード処理において、QRコード(登録商標)を表示装置41に表示できる。
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B0013)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B0014)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図46Bにて後述する。
続いて、演出制御装置300は、表示装置41で表示される客待ちデモの内容を編集して制御する客待ちデモ編集処理を実行し(B0015)、客待ち中の遊技機10の節電状態を制御する節電制御処理を実行する(B0016)。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等の表示装置(表示手段)に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0017)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B0018)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B0019)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0019の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB0019の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B0019の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0020)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B0021)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0022)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の輝度制御(発光制御)を実行する。
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置44)を制御する可動体制御処理を実行する(B0023)。可動体制御処理では、例えば、モータを駆動する役物動作演出を設定する。
そして、演出制御装置300は、前述のB0023の処理を終えると、B0008の処理に戻る。以降、B0008からB0023までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図46Bを参照して、上述したメイン処理(図46A)における受信コマンドチェック処理(B0014)の詳細について説明する。図46Bは、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0~31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0~31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y」)、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図46Cにて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y」)、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図46Cを参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図46B)における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図46Cは、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンなどを指令するコマンドであり、例えば変動コマンドがある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、当り系コマンドは、大当り中や小当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)などを指令するコマンドであり、例えば、ファンファーレ画面を指令するためのファンファーレコマンド、ラウンド画面を指令するためのラウンドコマンド、インターバル画面を指令するためのインターバルコマンド、エンディング画面を指令するためのエンディングコマンドなどである。そして、MODE部が当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、例えば、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドと飾り特図2コマンドがある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、例えば、先読み停止図柄コマンドがある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、例えば、先読み変動パターンコマンドがある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、図47を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図46C)における単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図47は、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B1302)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧系コマンドを表すか否かを判定する(B1305)。例えば、停電復旧系コマンドとして、停電復旧コマンドと復旧画面コマンドがある。そして、MODE部が停電復旧系コマンドを表す場合には(B1305の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧系コマンドを表していない場合には(B1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1307の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表すか否かを判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表すか否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1312)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コマンド、不正解除コマンド、状態オフコマンド、状態オンコマンド、磁石不正報知コマンド(磁気エラーコマンド)、盤電波不正報知コマンド(盤電波エラーコマンド)がある。不正発生コマンドとして、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ43の信号に基づく不正入賞の発生を示すコマンドがある。不正解除コマンドは、不正の解除を示すコマンドである。入賞口スイッチ/状態監視処理(A1310)において、不正入賞の発生と不正の解除が監視されて、不正発生コマンドと不正解除コマンドが送信され得る。状態オンコマンドとして、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号の発生(ガラス枠開放エラー)や、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号の発生(本体枠開放エラー、前面枠開放エラー)を示すコマンドがある。また、状態オフコマンドは、エラーの不発生を示す。入賞口スイッチ/状態監視処理(A1310)において状態オンコマンドと状態オフコマンドが送信され得る。磁気センサスイッチ61からの検出(磁石不正)があった場合に、磁石不正監視処理(A1315)において磁石不正報知コマンドが送信される。電波センサ62からの検出(電波不正)があった場合に、電波不正監視処理(A1316)において盤電波不正報知コマンドが送信される。
そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(B1316)、単発系コマンド処理を終了する。エラー/不正設定処理では、エラーや不正の報知音を発生するよう設定する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合には(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(特図表示中処理等で設定)を表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部がアウト球数を示すアウト球数コマンドを表すか否かを判定する(B1319)。そして、MODE部がアウト球数コマンドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、アウト球数受信時処理を実行し(B1320)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がアウト球数コマンドを表していない場合には(B1319の結果が「N」)、次に、MODE部がカウントのコマンド(大入賞口カウントコマンド)を表すか否かを判定する(B1321)。そして、MODE部が大入賞口スイッチのカウントのコマンドを表す場合には(B1321の結果が「Y」)、カウント情報設定処理を実行し(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がカウントのコマンドを表していない場合には(B1321の結果が「N」)、MODE部が設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)を表すか否かを判定する(B1323)。設定値情報コマンドは、図6BのステップA1046の停電復旧時のコマンド及びステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドに含まれる。そして、MODE部が設定値情報コマンドを表す場合には(B1323の結果が「Y」)、設定値受信時処理を実行し(B1324)、単発系コマンド処理を終了する。設定値受信時処理では、設定値(確率設定値)をRAM等の記憶部に記憶するとともに必要な処理を実行する。
演出制御装置300は、MODE部が設定値情報コマンドを表していない場合には(B1323の結果が「N」)、MODE部が設定変更系のコマンドを表すか否かを判定する(B1325)。設定変更系のコマンドとして、例えば、確率設定変更中のコマンド(A1030)がある。そして、MODE部が設定変更系のコマンドを表す場合には(B1325の結果が「Y」)、設定変更系情報設定処理を実行し(B1326)、単発系コマンド処理を終了する。設定変更系情報設定処理では、設定変更系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定変更中のコマンドを受信した場合に、設定変更系情報設定処理では、遊技者に設定変更中であること報知する設定変更中表示を表示装置41に表示する。
演出制御装置300は、MODE部が設定変更系のコマンドを表していない場合には(B1325の結果が「N」)、MODE部が設定確認系のコマンドを表すか否かを判定する(B1327)。設定確認系のコマンドとして、例えば、確率設定確認中のコマンド(A1033)がある。そして、MODE部が設定確認系のコマンドを表す場合には(B1327の結果が「Y」)、設定確認系情報設定処理を実行し(B1328)、単発系コマンド処理を終了する。設定確認系情報設定処理では、設定確認系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定確認中のコマンドを受信した場合に、設定確認系情報設定処理では、遊技者に設定確認中であること報知する設定確認中表示を表示装置41に表示する。
次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1329)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンド(飾り特図1停止コマンド)と特図2の図柄停止コマンド(飾り特図2停止コマンド)がある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1329の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1330)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1330の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1331)、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1332)、単発系コマンド処理を終了する。B1332の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り中」「小当り中」のフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1329の結果が「N」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1330の結果が「N」)には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
その他、演出制御装置300は、図47には記載されていないコマンドに対する処理を単発系コマンド処理において実行してよい。例えば、演出制御装置300は、時間短縮変動回数コマンド、演出回転数コマンド、打ち方指示報知コマンド(左打ち指示報知コマンド、右打ち指示報知コマンド)などを遊技制御装置100から受信して、当該コマンドに対応する処理を行ってよい。演出制御装置300は、時間短縮変動回数コマンド(時間短縮変動回数)などから時短状態における残りの変動回数を取得でき、演出回転数コマンドなどから各演出モードの演出残り回転数を取得でき、時短状態における残りの変動回数や各演出モードの演出残り回転数などに基づいて演出を設定できる。演出制御装置300は、打ち方指示報知コマンド(左打ち指示報知コマンド又は右打ち指示報知コマンド)に応じて、打ち方を指示(示唆)する打ち方指示表示(左打ち指示表示又は右打ち指示表示)を表示装置41などにおいて表示(報知)できる。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図48を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図46C)における先読み図柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。図48は、演出制御装置300によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報であるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマンドであるか否かを判定する(B1601)。最新保留情報が特図1保留の情報である場合(B1601の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1602)。
演出制御装置300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(B1601の結果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマンドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1603)。
演出制御装置300は、ステップB1602とB1603の後、先読み変動系コマンドの受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B1604)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信されるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図49を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図46C)における先読み変動系コマンド処理(B1216)の詳細について説明する。図49は、演出制御装置300によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンド(先読み変動パターンコマンド)の受信待ち中であるか否かを判定する(B1701)。前述の先読み変動系コマンド受信待ちフラグ(B1604)が設定されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中であると判定できる。先読み変動系コマンドの受信待ち中でない場合(B1701の結果が「N」)、先読み変動系コマンド処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中である場合(B1701の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリアする(B1702)。
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2)の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1703)、先読み変動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(B1704)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1705)、先読み変動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT部を取得する(B1706)。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1707)。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、ACT部が共に0以外である場合(B1707の結果が「Y」)、変換後のMODE部とACT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセーブする(B1708)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B1709)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1710)。
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になければ長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同じに扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンドMODE部に変換しておく。
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置300がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、ノーマルリーチ-1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担を軽減する。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1707の結果が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B1710の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B1710の結果が「Y」)、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマンド領域からロードし(B1711)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を実行する(B1712)。先読み演出としては、例えば、連続予告演出(チャンス目先読み演出を含む)、先読みゾーン演出、保留変化予告などがある。続いて、最新保留の先読み演出(保留変化予告等)が発生するか否かを判定する(B1713)。最新保留の先読み演出が発生する場合(B1713の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応するポイント情報を設定する(B1714)。
次に、演出制御装置300は、発生する先読み演出(保留変化予告等)が直ちに開始する演出であるか否か判定する(B1715)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出である場合(B1715の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定する(B1716)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B1715の結果が「N」)、保留シフトの際(保留表示の移動の際、保留数減少の際)の先読み演出に対応する表示を設定、保存する(B1717)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み演出が発生しない場合(B1713の結果が「N」)、そのまま、先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図50を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図46C)における図柄系コマンド処理(B1210)の詳細について説明する。図50は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B1802)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態において、図柄種別は、はずれ図柄や、特図1の大当り図柄A、特図2の大当り図柄B-F、残保留(特図2保留)での大当り図柄G、時短図柄(サポ当り図柄)などに対応する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図51を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図46C)における変動系コマンド処理(B1206)の詳細について説明する。図51は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1905)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続演出等の先読み演出回数が0でなければ-1更新する(B1907)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図52を参照して、前述した変動系コマンド処理(図51)における変動演出設定処理(B1905)の詳細について説明する。図52は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にならない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(B2001の結果が「Y」)、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、設定情報(設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2003)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報(設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2005)。
演出制御装置300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。続いて、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報(設定値)に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B2009)。その後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B2010)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決定する(B2011)。その後、リーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する(B2012)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する。
次に、演出制御装置300は、変動演出の表示設定を行い(B2013)、予告演出の表示設定を行う(B2014)。続いて、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行い、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減る表示(保留シフトの表示)が設定される(B2015)。続いて、スピーカの音声による演出態様(音出力態様)を定める音声番号、装飾装置の発光による演出態様を定める装飾番号を設定する(B2016)。装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)は、複数の装飾用発光部(装飾LED等)を有し、装飾番号で定められる発光態様(各LEDの色や発光タイミング等)で発光する。
なお、音声番号や装飾番号を演出内容だけでなく設定情報(設定値)に基づいて設定することも可能である。このようにすると、遊技者は、装飾装置の発光態様、即ち、装飾用発光部(LED)の発光態様から遊技機10の設定情報(設定値)を推測することを楽しめる。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B2017)、表示装置41で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄、識別情報)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(B2018)。なお、第4図柄変動は、表示装置41以外に設けた前述のランプ表示装置80のランプ表示部1、2(LED)で表示されてもよいし、表示装置41の表示画面上で実行されてもよい。
〔当り系コマンド処理〕
次に、図53を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図46C)における当り系コマンド処理(B1208)の詳細について説明する。図53は、演出制御装置300によって実行される当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表すか否かを判定する(B2101)。当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表す場合(B2101の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドが大当りファンファーレコマンド又は小当りファンファーレコマンドである場合、ファンファーレ演出を設定するためのファンファーレ演出設定処理を実行する(B2102)。また、大当りファンファーレコマンド又は小当りファンファーレコマンドに対応して、打ち方指示(左打ち指示又は右打ち指示)の表示を表示装置41などにおいて表示(報知)してよい。なお、ファンファーレコマンドには、今回の大当りのラウンド数上限値の情報が含まれている。続いて、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにファンファーレ中を設定し(B2103)、当り系コマンド処理を終了する。なお、ラウンド数上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から判定される図柄種別からも得ることができる。
演出制御装置300は、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さない場合には(B2101の結果が「N」)、当り系コマンドのMODE部がラウンドを表すか否かを判定する(B2104)。MODE部がラウンドを表す場合(B2104の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがラウンドコマンド又は小当り開放中コマンドである場合、演出制御装置300は、ラウンド演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにラウンド中を設定し(B2105、B2106)、当り系コマンド処理を終了する。
受信した当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B2104の結果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がインターバルを表すか否かを判定する(B2107)。MODE部がインターバルを表す場合(B2107の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御装置300は、インターバル演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定し(B2108、B2109)、当り系コマンド処理を終了する。
受信した当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B2107の結果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がエンディングを表すか否かを判定する(B2110)。MODE部がエンディングを表す場合(B2110の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがエンディングコマンドである場合、演出制御装置300は、エンディング演出を設定するためのエンディング演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B2111、B2112)、当り系コマンド処理を終了する。
なお、受信した当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B2110の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、当り系コマンド処理を終了する。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)の例〕
図54Aは、第1実施形態における遊技状態の遷移を例示する遊技状態遷移図(ゲームフロー)である。遊技状態は、遊技制御装置100の遊技制御によって遷移(移行)する。遊技状態は、特に、大当りの発生を契機として遷移するものや、所定のゲーム数(回転数、変動回数)の経過を契機として遷移するものなどが示されている。図54Aにおいて、それぞれの遊技状態について、大当り確率(特図確率)の状態、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率である普図当り確率(普図確率)の状態、演出モード、主となる変動表示ゲーム(主変動表示ゲーム、主変動)、右打ち又は左打ちの発射態様などの特徴が示されている。
なお、演出モード(演出ステージ)は、前述のように、遊技制御装置100が大当り終了処理(図30)や演出モード情報チェック処理(図25B)などによって設定することができる。しかし、これに限られず、演出制御装置300が、時短回数、規定の残保留数、大当り終了後の特図2変動表示ゲームの実行回数などに基づいて設定することもできる。
また、図54Aにおいて、天井回数到達による天井時短と時短図柄による突然時短の場合の特定遊技状態B、C(時短モード#3、#4)は省略されているが(図54Bも同様)、後述の第3実施形態(図88)で詳細に説明される。
第1実施形態において、遊技状態は、通常遊技状態、特定遊技状態、移行状態が存在する。本実施形態において、特定遊技状態は時短状態であるが、特定遊技状態を大当り確率が高確率状態である確変状態とする構成も可能である。
なお、移行状態において大当り確率と普図当り確率は通常遊技状態と変わらないため、確率的には移行状態を通常遊技状態に含めてよい。即ち、移行状態を主変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームとなる通常遊技状態とみなしてもよい。しかし、移行状態では、残保留の消化によって特図2変動表示ゲームが実行されて特図2変動表示ゲームが主変動表示ゲームとなり、小当りひいては小当り中でのV通過(V入賞口への遊技球の通過、V入賞)による大当りが、小当り確率(1/8)で発生する。このため、移行状態は、通常よりも遊技者に有利な有利状態であり、この観点では通常遊技状態とは区別できる遊技状態とみなしてもよい。また、移行状態と特定遊技状態(時短状態)とまとめて遊技者に有利な有利状態としてもよいし、或は、特定遊技状態(時短状態)を第1有利状態とし、移行状態を第2有利状態としてもよい。
まず、各遊技状態について説明する。通常遊技状態において、遊技制御装置100は、大当り確率を低確率とし(特図低確率)、普図当り確率も低確率とする(普図低確率)。なお、本実施形態では、普図低確率の状態を普電サポートのない状態(サポ無し状態)とし、普図高確率の状態を普電サポートのある状態(サポ有り状態)とする。従って、本実施形態では、サポ有り状態での普図当りに起因して普通変動入賞装置37(普電)が開放されても、開放時に普図低確率となっている場合にはサポ無し状態となる。しかし、これに限られず、普通変動入賞装置37の開放中はサポ有り状態とみなす構成も可能である。
また、通常遊技状態において、演出モードは通常モードである。通常遊技状態において、第1始動入賞口36への遊技球の入球を容易にする左打ちが、右打ちよりも遊技者にとって有利となり、遊技球の発射態様として推奨される。推奨される発射態様で遊技球が入賞し易い主始動領域は第1始動入賞口36となり、主変動表示ゲーム(主変動特図)は特図1変動表示ゲームとなる。推奨される発射態様で遊技球が入賞し難い従始動領域は普通変動入賞装置37となり、従変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームとなる。
特定遊技状態(時短状態)において、遊技制御装置100は、大当り確率は低確率状態であるが、普図当り確率は高確率(普図高確率)となるように制御する。特定遊技状態において、遊技球の発射態様として、普通変動入賞装置37が開放され易くなり普通変動入賞装置37を狙う右打ちが推奨される。そのため、特定遊技状態において、主始動領域は普通変動入賞装置37となり従始動領域は第1始動入賞口36となることから、主変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームとなり、従変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームとなる。
また、特定遊技状態において、時短回数が基準回数(ここでは5回)以下である場合(時短回数≦5)と、基準回数より大きい99回の場合(時短回数=99)がある。時短回数≦5の場合の演出モードを時短モード#1として、時短回数=99の場合の演出モードを時短モード#2とし、時短モード#1と時短モード#2の演出の態様を異ならせて遊技の興趣を向上してよい。なお、基準回数は、例えば、小当り確率1/8の逆数の値(8回)程度であればよく、7回等でもよい。基準回数が小さいほど、時短モード#1で小当り(小当り中でのV通過で大当り状態になるもの)が発生し難くなる一方、演出モード#2との差が大きくなりメリハリがでる。
移行状態は、特定遊技状態(時短状態)の終了後に発生可能な状態である。移行状態において、特定遊技状態中の普図当りによって開放される普通変動入賞装置37(普電)への入賞によって生じる残保留が消化され、主変動表示ゲームとして特図2変動表示ゲームが実行される。移行状態の演出モードは、残保留消化モードである。さらに、残保留消化モードを、特定遊技状態中の普図当りによる普電の開放が終了する前の普電開放終了前モードと、普電の開放が終了した後の普電開放終了後モードに分けてもよい。普電開放終了前モードでは、普電を狙う右打ちが推奨され、普電開放終了後モードでは普電が閉鎖されているため左打ちが推奨される。
移行状態の演出モードである残保留消化モードを普電開放終了前モードと普電開放終了後モードに分けると、遊技者は、普電が開放されているか(右打ちすべきか)、閉鎖されているか(左打ちすべき)をわかり易くなる。なお、分けない場合には、移行状態を通して、残保留が消化中であることが認識し易くなる。
また、前述のように、移行状態と特定遊技状態(時短状態)とまとめて遊技者に有利な有利状態とし、有利状態において、演出モードを分けずに同じ演出モードとしてもよい。この場合には、特図2変動表示ゲームが主変動表示ゲームとなる有利状態を共通の演出態様とすることができる。後述のように、残保留の消化で特図の当り(小当り中でのV通過で大当り)が発生した場合に、特定遊技状態中に特図の当りが発生した場合よりも、遊技者に付与する遊技価値を大きくすれば、時短状態中であるか残保留の消化中であるか共通の演出態様から不明であるにもかかわらず大きな遊技価値が得られて、遊技者を喜ばすことができる。なお、ここでは、遊技価値(特典)は、大当り終了後の時短回数や最終的に得られる大当りの回数などである。
次に、各遊技状態からの遷移(移行)について説明する。まず、通常遊技状態において、特図変動表示ゲームによって大当り(V入賞によるものではない)が発生すると、大当り状態の終了後に特定遊技状態に遷移する。
特定遊技状態において、特図変動表示ゲームによって小当り(V通過で大当り状態になるもの)が発生すると、大当り状態の終了後に再び特定遊技状態に戻る。なお、この場合は、時短モード#1に戻って、遊技価値(特典)としての時短回数は基準回数以下である(時短回数≦5)。
所定の遷移条件が成立した場合に、特定遊技状態から移行状態に遷移する。例えば、この所定の遷移条件は、(i)特定遊技状態における特図2変動表示ゲームの実行回数が時短回数(第1所定回数、時間短縮変動回数2の初期値)を超えること、及び、(ii)特定遊技状態における特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)の合計の実行回数が時短回数(第1所定回数)よりも大きい第2所定回数(時間短縮変動回数1の初期値、例えば時短回数の2倍)を超えること、(iii)所定開放回数(例えば2回)の普電開放が終了すること、の何れかが成立することである。なお、第2所定回数は、時短回数(第1所定回数)に、特図1保留数の最大値(例えば4)を足したものでもよい。
特定遊技状態では、主変動表示ゲームである特図2変動表示ゲームが時短回数実行できることが遊技機10の本来の仕様(性能)であるが、従来の如く、特図変動表示ゲームの合計の実行回数が時短回数を超えることだけを特定遊技状態からの遷移条件とすると、従変動表示ゲームである特図1変動表示ゲームが実行された分、遊技機10の本来の仕様から離れてしまう。しかし、2つの条件(i)(ii)を設けることで従変動表示ゲームの実行分はおまけ(特典)として扱い、遊技者に損をさせることなく本来の仕様で遊技を行わせることができる。なお、遊技者が普通に遊技すれば、(i)の条件の成立で移行状態に移行し、(ii)の条件が成立することはまずありえない。(iii)の条件を設けた理由については図66に関連して後述する。
なお、特定遊技状態の時短モード#2では、時短回数99回の特図2変動表示ゲームが実行されるまで継続可能であるため、ほぼ確実に小当り(V通過で大当り状態になる)が発生し、大当り状態終了後に再度特定遊技状態(時短モード#1)になる。従って、時短モード#2は、大当り状態終了後に特定遊技状態が確実に継続する次回継続確定モード(確定モード)となる。
移行状態において、特図2変動が終了すると、主変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームとなる通常遊技状態に遷移する。一方、移行状態において、小当り(小当り中でのV通過で大当り状態になる)が発生すると、大当り状態終了後に特定遊技状態の時短モード#2に遷移して99回の時短回数が付与される。即ち、残保留が消化される移行状態(残保留消化モード)において小当り(V通過後に大当り)が発生すると、特定遊技状態において小当り(V通過後に大当り)が発生した場合の時短回数(≦5)よりも、時短回数が多くなり、遊技者に付与する遊技価値が大きくなる。さらに、移行状態(残保留消化モード)において小当り(V通過後に大当り)が発生すると、次の時短モード#2でほぼ確実に小当り(V通過後に大当り)が発生するから、合計2回の大当りが遊技価値として確保される。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)の別例〕
図54Bは、遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図の別例である。なお、図54Bの遊技状態の遷移は、第2実施形態においても適用することができる。
図54Bでは、時短終了後に消化される全ての特図2保留である残保留を、所定残保留(第1残保留)と過剰保留(第2残保留)に分けるとともに、移行状態に対応する演出モードとしての残保留消化モードを、所定残保留が消化される時短中発生残保留消化モードと、過剰保留が消化される過剰保留消化モードとに分ける。ここで、所定残保留は、時短中に発生して時短終了後に消化される特図2保留のうちの最初の所定個(当該特図2保留のうちの全部または一部)であり、過剰保留は、所定残保留の後に消化される特図2保留(残保留)である。過剰保留消化モードは、例えば、遊技結果を示すリザルト画面を表示装置41に表示するモードやその他の特殊モードを含んでよい。なお、時短中発生残保留消化モードと時短モード(時短モード#1又は時短モード#2)は、時短中に発生した特図2保留を消化する点で共通するため、同じ演出モードとして演出態様を共通にしてもよい。
〔図柄に対応する時短回数と規定残保留数〕
図55は、特図変動表示ゲームの当りの種類である図柄に対応する時短回数と規定の残保留数(規定残保留数)などについて示すテーブルである。図柄は、大当りになる場合の図柄であり、ここでは大当り図柄乱数によって決定され、時短図柄は除かれる。図柄は、当りの停止図柄であり停止図柄番号と停止図柄パターンの何れに対応させてもよい。(A)は、特図1変動表示ゲームの当りの図柄に関するものである。(B)の上図は、普図高確率状態中(時短状態中)における特図2変動表示ゲームの当りの図柄に関するものであり、下図は、普図低確率状態中における特図2変動表示ゲームの当りの図柄(残保留での当りの図柄)に関するものである。
図柄Aは、大当り図柄乱数によって決定される停止図柄であり、特図1変動表示ゲームの大当りの停止図柄である。図柄B-Fも、大当り図柄乱数によって決定される停止図柄であるが、普図高確率状態中(時短状態中)における特図2変動表示ゲームの小当りでのV通過(V入賞)に関する大当りの停止図柄である。図柄Gも、大当り図柄乱数によって決定される停止図柄であるが、普図低確率状態中における特図2変動表示ゲームの小当り(残保留での小当り)でのV通過(V入賞)に関する大当りの停止図柄である。なお、大当り図柄乱数の他に小当り図柄乱数がある場合には、図柄B-Fと図柄Gを、小当り図柄乱数によって決定される小当りの停止図柄とする構成も可能である。
図柄Aは、振り分け(選択率)が100%であり、特図1変動表示ゲームの大当りの停止図柄は図柄Aしか存在しない。図柄B-Fは、それぞれ、大当り図柄乱数に対する振り分けが40%、25%、15%、10%、10%である。図柄Gは、振り分けが100%である。
特図1変動表示ゲームの大当りの種類である図柄Aでは、大当り後の時短回数は1回である。また、図柄Aでは、時短状態終了後に消化される規定(予定)の残保留数は4個である。従って、大当り状態終了後に特図2変動表示ゲームの実行によって消化可能な特図2保留の合計数は、規定では5(=1+4)になる。図柄Aでは、1/8の小当り確率に対して、継続率は、{1-(1-1/8)5}×100%=48.7%であり、確定モード移行率は、(1-1/8)×{1-(1-1/8)4}×100%=36.2%となる。
普図高確率状態中に開始した特図2変動表示ゲームの大当りの種類である図柄B-Fでは、各々、大当り後の時短回数は5回、4回、3回、2回、1回である。また、図柄B-Fでは、各々、規定残保留数は、5個、6個、7個、8個、9個である。従って、大当り状態終了後に特図2変動表示ゲームの実行によって消化可能な特図2保留の合計数は、図柄B-Fのいずれでも規定では10になる。図柄B-Fでは、1/8の小当り確率に対して、各々、継続率は同じであり、{1-(1-1/8)10}×100%=73.7%であり、確定モード移行率は、各々、25.0%、32.3%、40.7%、50.3%、61.2%となる。
普図低確率状態中に開始した特図2変動表示ゲームの大当り(残保留の大当り)の種類である図柄Gでは、大当り後の時短回数は99回である。また、図柄Gでは、規定残保留数は4個である。従って、大当り状態終了後に特図2変動表示ゲームの実行によって消化可能な特図2保留の合計数は103になる。図柄Gでは、1/8の小当り確率に対して、各々、継続率は略100%であり、確定モード移行率は略0%となる。従って、図柄Gでは、残保留での大当り終了後には、時短モード#2に移行して確実に再度大当りとなりその後に特定遊技状態(時短状態)が継続する。一方、図柄Gでは確定モード移行率は略0%であり、特定遊技状態の時短モード#2から大当りを経て時短モード#1に遷移する流れがほとんどである。
なお、継続率は、大当り状態終了後の特図2変動表示ゲーム(図柄Aでは5回内、図柄B-Fでは10回内、図柄Gでは103回内)によって特定遊技状態が継続する確率であり、通常遊技状態(通常モード)を経ずに特定遊技状態へ再度突入する確率である。確定モード移行率は、大当り状態終了後に残保留に基づく特図2変動表示ゲームによって残保留消化モードから時短モード#2(確定モード、次回継続確定モード)に移行する確率である。
継続率は、大当り状態終了後に消化される特図2保留の合計数(即ち、大当り状態終了後の特図2変動表示ゲームの実行回数)に依存し、合計数が10である図柄B-Fの場合の継続率は、合計数が5である図柄Aの場合の継続率よりも大きい。また、図柄B-Fの順に、時短回数が減少して規定残保留数が増加するのに伴って、確定モード移行率が上昇する。
以上のように、図柄B-Fにおいて、時短回数は、大当りの種類(特別結果の種類)である図柄に応じて設定されるため、大当り終了後の特定遊技状態が、抽選(振り分け)で設定されランダムに変化するような可変な時短回数(1~5)を有して、遊技の興趣が向上する。さらに、特定遊技状態の終了後に特図2変動表示ゲームが実行される実行回数である残保留数(5~9)を時短回数に応じて変化させている。従って、残保留数も抽選で設定されるランダム且つ可変なものとなり、遊技の興趣が向上する。特に、特定遊技状態での大当りと残保留での大当りとに遊技価値の差を設ける場合には、抽選で設定される残保留数で遊技者が一喜一憂して遊技の興趣が向上することになる。
また、さらに、特定遊技状態での主変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の当り図柄B-Fに関して、時短回数と残保留数が可変でも、時短回数と残保留数との合計を一定(10)にしているため、特定遊技状態の継続率を同じにしつつ、確定モード移行率を可変にできる。前述のように、時短回数と残保留数との合計の数の特図2変動表示ゲームが実行される間、即ち、特定遊技状態(時短モード)と移行状態(残保留消化モード)において同じ演出モードを実行すると、遊技者は時短中なのか残保留消化中なのか見分けにくくなり、残保留での大当りで大きな遊技価値(99回の時短回数)が得られると驚くことになり、遊技の興趣が向上する。
〔普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等〕
図56は、普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等ついて示す図である。
図56(A)のように、普図変動表示ゲームの当り図柄(当り停止図柄、普図当り図柄)は1種類のみであり、常に同じ普電開放パターンとなり、普図変動表示ゲームの当り状態において、普通変動入賞装置37(普電)は常に同じタイミングで開放される。
普図当り確率は、低確率状態で0/251(0%)、高確率状態で251/251(100%)である。普図変動表示ゲームは高確率状態では必ず当り、低確率状態では必ずはずれるため、ランダム性が排除される。なお、これに限られず、普図当り確率は、低確率状態(通常遊技状態等)において0%より大きい値(例えば、2/251(0.8%))でもよい。
普図変動表示ゲームの始動記憶数(普図保留数)は実質的に0であり、普図変動表示ゲームの当り状態中(普電動作中)と変動中において、普図始動ゲート34を遊技球が通過しても普図変動表示ゲームの普図始動記憶は記憶されない。普図変動表示ゲームは停止図柄の停止表示中においてのみ開始でき、停止表示中に遊技球が普図始動ゲート34を通過すると普図始動記憶が発生するがすぐに消化されて普図変動表示ゲームが開始する。このように普図変動表示ゲームの始動記憶が実質的に貯まらないため、テンポよく普図変動表示ゲームが実行される。従って、特定遊技状態において、普図変動表示ゲーム又は普電動作と特図変動表示ゲームとがズレなしで連動し易くなるとともに、攻略の防止にもつながる。
普図変動表示ゲームの変動時間である普図変動時間は200msecである。なお、普図高確率状態で200msecとし、普図低確率状態では200msecよりも長くしてもよい。普図停止時間(普図表示時間)は、48msecである。特定遊技状態(時短状態、普図高確率状態)において、普図変動表示ゲーム(ひいては普電動作)と特図変動表示ゲームとをズレなしで連動させるために、普図変動時間と普図停止時間は極力短い時間であることが好ましい。遊技球の発射速度が1分ごとに100個であると想定すると、普図始動ゲート34には600msecごとに遊技球が通過可能なため、1回の普図変動表示ゲームに要する時間、即ち普図変動時間と普図停止時間の合計は、600msecより小さいことが好ましい。
また、普電の最大カウント数(カウント数上限値)は10である。
図56(B)は、普図始動ゲート34と普通変動入賞装置37(普電)とその周囲の構成を示す図である。遊技機10は、普電の開放(普電開放)に合わせて右打ちしたほぼ全ての遊技球が普図始動ゲート34を通過して普電に入賞するための以下の構成を有する。
まず、普電開放に合わせた右打ち時に普通変動入賞装置37への入賞率(遊技球1個が入賞する割合)を一定にするために、遊技球の動きにムラが生じ難い構成として、普図始動ゲート34と普通変動入賞装置37の周囲の遊技領域32から障害釘32aや構造物が極力排除される。例えば、遊技領域32において普図始動ゲート34と普通変動入賞装置37の間や左右に障害釘32aや構造物が配置されない。普図始動ゲート34の略真上に配置される障害釘32aは、2列で遊技球の通路を形成し、そこから遊技球が外に漏れ難いようにしている。2列の障害釘32aが形成する当該通路は、構造物によって形成される上側の通路32cとなだらかに繋がっている。
また、普図始動ゲート34と普通変動入賞装置37は、普図始動ゲート34を通過した遊技球がそのまま普通変動入賞装置37に入るような位置関係で配置される。即ち、普通変動入賞装置37は、普図始動ゲート34の直下に配置される。例えば、普図始動ゲート34を通過した遊技球が普通変動入賞装置37に到達するまでに、普通変動入賞装置37が開放されるようにする場合には、普図始動ゲート34と普通変動入賞装置37の間の距離L(上下方向の中心間の距離)は、遊技球の平均落下速度と1回の普図変動表示ゲームに要する時間とを乗算したものより大きくしてもよい。しかし、距離Lは、普図始動ゲート34を通過した遊技球の落下方向が垂直からずれてもそのまま普通変動入賞装置37に入るような近い距離とする。
さらに、普通変動入賞装置37への入賞数にムラが生じ難いように、前述の通り、普通変動入賞装置37は可動部材37bが前方へ倒れるように回動可能ないわゆるベロ型であることが好ましい。
図56(C)は、本実施形態の普通変動入賞装置37(普電)の開放パターン(普電開放パターン)を示す。普電開放パターンは、一回の普図当りによる普電の動作態様を示す。大当り状態終了後の普電開放パターンは、大当りの図柄A-G(即ち大当りの種類)によらず同じである。なお、四角の枠に囲まれた数字は、普図当り中制御ポインタ(図41等)の値である。
本実施形態では、一回の普図当りによる普電開放パターンにおいて、普電は2回開放される。なお、普電は2回以上の複数回開放されてもよい。普電開放は、普電の閉状態である長時間のインターバルを挟んで前半開放と後半開放に分けられる。インターバルの時間である普電インターバル時間(ウェイト時間)は60000msecであり、前半開放と後半開放の普電開放時間は、両方とも、3000msecである。
例えば、遊技球の発射速度が1分ごとに100個であるとすると、600msecごとに遊技球が普電に到達するため、3000msecの前半開放の間に5回普電に入賞可能であり、60000msecのインターバルの後、3000msecの後半開放の間に5回普電に入賞可能である。前半開放の間に貯めた特図2保留は、60000msecの普電の閉状態であるインターバルの間に消化して特図2保留数を0にすることができ、その後の後半開放の間に最大限(ここでは4個)の特図2保留が貯められる。
普電のインターバル中(閉状態中)に、大当り状態終了後の特図2変動表示ゲームの実行回数が時短回数に到達すると特定遊技状態(時短状態、普図高確率状態、サポ有り状態)が終了して普図低確率状態(移行状態)となる。そして、前半開放の間に貯めたが時短状態終了後に消化される特図2保留は残保留となり、加えて、3000msecの後半開放の間に普電への入賞によって貯まる特図2保留も残保留となる。このように、普図低確率状態になっても、後半開放によって残保留を多く貯めることができる。
以上のように、普図変動表示ゲームの1回の普図当り(特定結果)が導出されることによって、普通変動入賞装置37を開状態に複数回変換可能であり、普図変動表示ゲームが普図当りとなる確率が高確率である高確率状態と低確率である低確率状態の両方で、普通変動入賞装置37を開状態に変換可能である。従って、普図当りとなる確率が低確率であっても、普通変動入賞装置37を開状態に変換でき特図2保留を貯めることができるため、遊技者を喜ばすことができ遊技の興趣が向上する。
さらに、普電の前半開放で特図2保留を貯めインターバルで消化することができるとともに、普電の後半開放で特図2保留を再度貯め普電動作終了後に消化することができる。このため、残保留を特図2保留数の上限値である4よりも多くすることができるとともに、時短回数を可変にすることによって残保留数も可変にすることができる。
〔タイミングチャート〕
図57-図59は、大当りの後に関して、遊技状態、普図確率(普図当り確率)、普図状態、普電状態、特図2保留数、特図変動表示ゲーム(特図変動)などを示すタイミングチャートである。なお、タイミングチャートにおいて右側にいくほど時間が経過する。図57は、図柄Aの大当りの後に関し、図58は、図柄Bの大当りの後に関し、図59は、図柄Fの大当りの後に関するものである。
図柄B-Fの大当りの後の様子については、時短回数と規定残保留数が異なることによって普図高確率状態(特定遊技状態)から普図低確率状態に変化するタイミングが異なるだけであるため、図柄Bと図柄Fについてのみを例示している。遊技状態と普図確率の2つ以外の様子は、図柄B-Fの全てに関して共通する。
また、図57-図59は、普図始動ゲート34(普図ゲート)の遊技球の通過(ゲートスイッチ34aの検出)と、普通変動入賞装置37(普電)への遊技球の入賞(始動口2スイッチ37aの検出)もパルスで示す。図57-図59において、普図ゲートの遊技球の通過、普図状態、普電状態、普電入賞(普電への入賞)の様子や変化については同じであり、適宜説明が省略される。
図57-図59において、大当り状態の一部として大当りラウンド中(大当り中)と大当りエンディングが示されている。エンディング演出が実行される大当りエンディングにおいて、遊技者は、右打ち指示表示に促されるなどして右打ちをすると、普図始動ゲート34(普図ゲート)を遊技球が通過し(図57の最初のパルスで示す)、普図(普通図柄)が普図表示器53で変動して普図変動表示ゲームが実行されて、その後停止する。ここで、普図の変動開始時に普図低確率状態であるため、はずれ停止する。
ここでは普図がはずれ停止する際に大当りエンディングが終了して、普図確率の高確率状態になり、図54Aの特定遊技状態(時短モード#1)に対応して、サポ有りの右打ち状態になる。サポ有りの右打ち状態(普図高確率状態)の最初に、普図始動ゲート34を遊技球が通過して、普図の変動が開始する。そして、普図確率100%の高確率状態であるため、普図当りとなり普電動作が開始し、前半開放として普電は開放される。普電が開放された開状態において、普図始動ゲート34を通過した遊技球はそのまま普電に入賞する(パルスで示される)。特図2保留が1個発生するとすぐに特図2保留は消化され、特図2変動表示ゲームが開始されて特図2保留数は0になる。
前述のように、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動時間(実行時間)と停止表示時間を、大当り状態終了からの特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)に基づいて制御している(図23の変動開始情報設定処理と図24の特図変動中処理)。なお、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動時間と停止表示時間を、図柄Aの大当り終了後、図柄B-Fの大当り終了後、図柄Gの大当り終了後の3種類で異なるように設定する。
図57の図柄Aの大当りの後においては、1回目の特図2変動表示ゲームが少なくとも普電動作の終了、即ち、後半開放の終了まで継続するように変動時間が十分長く設定されている。1回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、図57では普電動作時間(66000msec、66秒)と略同一であるが、普電動作時間にマージン(数秒~十数秒)を加えたものでもよい。このように、2回の開状態を含む普電動作に対応して(合わせて)、1回目の特図2変動表示ゲームが実行中となり、この特図2変動表示ゲームの実行中に特図2保留が上限値である4個貯められる。
図柄Aの大当りの後の時短回数は1回であるため、1回目の特図2変動表示ゲームが終了すると、特定遊技状態(時短モード)が終了し普図低確率状態になり、移行状態(残保留消化モード)に遷移する。移行状態(残保留消化モード)では、残保留として4個貯めた特図2保留に基づく特図2変動表示ゲームが1回目よりもかなり短い変動時間で4回実行される(2~5回目の特図2変動表示ゲーム)。この2~5回目の特図2変動表示ゲームは、いずれも同じ固定の変動時間を有してよい。
図58の図柄Bの大当りの後においては、1回目の特図2変動表示ゲームが少なくとも普電の前半開放の終了前に開始し終了以降まで継続する。また、1回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、図58では普電開放時間(3000msec、3秒)と略同一であるが、変動時間の詳細については図62に関連して説明する。普電の前半開放に対応して(合わせて)、1回目の特図2変動表示ゲームが実行中となり、この特図2変動表示ゲームの実行中に特図2保留が上限値である4個貯められる。4個貯めた特図2保留が普電の閉状態であるインターバル中に全て消化され、インターバル中に、特図2変動表示ゲームが1回目よりもかなり短い変動時間で4回実行される(2~5回目の特図2変動表示ゲーム)。この2~5回目の特図2変動表示ゲームは、いずれも同じ固定の変動時間を有してよい。
図柄Bの大当りの後の時短回数は5回であるため、5回目の特図2変動表示ゲームが終了すると、特定遊技状態(時短モード)が終了し普図低確率状態になり、移行状態(残保留消化モード)に遷移する。移行状態(残保留消化モード)では、後半開放として普電は開放される。開状態の普電への入賞によって特図2保留が残保留として1個発生するとすぐに特図2保留は消化され、6回目の特図2変動表示ゲームが開始されて特図2保留数は0になる。
普電の後半開放に対応して(合わせて)、6回目の特図2変動表示ゲームが実行中となり、この特図2変動表示ゲームの実行中に特図2保留が上限値である4個貯められる。6回目の特図2変動表示ゲームは少なくとも普電の後半開放の終了前に開始し終了以降まで継続する。6回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、図58では普電開放時間(3000msec、3秒)と略同一であるが、詳細については図62に関連して説明する。
6回目の特図2変動表示ゲームの後、残保留として4個貯めた特図2保留に基づく特図2変動表示ゲームが1回目と6回目よりもかなり短い変動時間で4回実行される(7~10回目の特図2変動表示ゲーム)。このように、6~10回目の特図2変動表示ゲームに対応する5個の規定残保留数が実現できる。
7~10回目の特図2変動表示ゲームは、いずれも同じ固定の短い変動時間を有してよく、2~5回目の特図2変動表示ゲームの変動時間(特に時短状態中の変動時間)と同じかより短い固定の変動時間でよい。これにより、テンポよく同じリズムで特図2変動表示ゲームが実行できるとともに、早く残保留を消化できる。なお、7~10回目の特図2変動表示ゲームは、特図2保留を消化するだけで貯めることと関係がないため、変動パターンの振り分け(抽選)によって選択されるような可変の変動時間にすると、遊技が単調でなくなる。また、7~10回目の特図2変動表示ゲームの変動時間を、2~5回目の特図2変動表示ゲームの変動時間(特に時短状態中の変動時間)よりも長くして、ゆっくりと対応する演出を行うこともできる。
また、普電の後半開放が終了すると、普図当り状態は終了して、普図始動ゲート34(普図ゲート)の遊技球の通過によって普図変動表示ゲームが実行できるが、普図当り確率0%の普図低確率状態であるため、普図変動表示ゲームに当り結果は生じない。なお、普図当り状態の終了後の停止は、普電残存球処理時間と普図エンディング時間に相当する。
図59の図柄Fの大当りの後においては、普図ゲートの遊技球の通過、普図状態、普電状態、普電入賞、特図2保留数、特図変動表示ゲーム(特図変動)の様子や変化については、図58の図柄Bの大当りの後と同じである。しかし、時短回数と規定残保留数が図柄Bと図柄Fで異なることによって特定遊技状態(普図高確率状態)から移行状態(普図低確率状態、残保留消化モード)に変化するタイミングが異なる。
図柄Fの大当りの後において、1回目の特図2変動表示ゲームが終了すると、特定遊技状態(時短モード)が終了し普図低確率状態になり、移行状態(残保留消化モード)に遷移する。その後、図柄Bの大当りの後と同様に、9回の特図2変動表示ゲームが実行され、9個の規定残保留数が実現できる。
図58と図59のように、遊技制御装置100は、普電の開状態に対応して特図2変動表示ゲームを長時間実行し、普電の閉状態(インターバル)に対応して特図2変動表示ゲームを短時間で実行可能である。従って、普電の前半開放で特図2保留を貯めインターバルで消化することができるとともに、普電の後半開放で特図2保留を再度貯め普電動作終了後に消化することができる。このため、残保留を特図2保留数の上限値である4個よりも多くすることができるとともに、時短回数を可変にすることによって残保留数も可変にすることができる。
なお、図柄Gの大当りの後について図示しないが、例えば、普電動作を繰り返しながら特図2変動表示ゲームが、図57-図59の2~5回目、7~10回目のような短い固定の変動時間で時短回数(99回)と残保留分(4個)だけ実行されてよい。なお、図柄Gの大当りの後の特図2変動表示ゲームの変動時間は、固定であるとテンポよく特図2変動表示ゲームが実行でき、固定はなく可変の変動時間とすると遊技が単調でなくなる。
〔ズレ対策〕
ここで、大当り状態終了後における普電開放(普電動作)の開始タイミングと特図2変動表示ゲームの開始タイミングのズレ対策として、特図2変動表示ゲームと普電動作に関する適切な時間値について検討する。
図60と図61は、普電開放の開始タイミングと特図2変動表示ゲームの開始タイミングのズレ発生の例1と例2を示すタイムチャートである。なお、図60と図61は、図58に対応し、図柄B(時短回数5回、規定残保留数5個)の大当りの後の様子を示す。
図60において、特定遊技状態の前の大当りエンディング(大当り状態)で普図始動ゲート34(普図ゲート)の遊技球の通過があり普図変動表示ゲーム(はずれ変動)が開始すると、普図変動表示ゲームは時短状態よりも長い変動時間となる場合がある。この場合に、特定遊技状態で普図ゲートに次の遊技球の通過があっても普図変動表示ゲームが開始できずに、さらに次の遊技球の普図ゲートへの通過でようやく普図変動表示ゲーム(当り変動)が開始して、普電開放の開始タイミングが、大当りエンディング後すぐに開始される場合(図58)よりも後ろにズレる(ズレ<1>)。
また、図60において、大当りが繰り返される連チャン時などにおいて、大当り状態前の特図2保留が大当り状態後に持ち越されて、大当り状態が終了すると普電開放を待たずにすぐに特図2変動表示ゲームが開始される。そして、特図2変動表示ゲームが普電開放後に開始される場合(図58)よりも、特図2変動表示ゲームの開始タイミングが前にズレる(ズレ<2>)。
ズレ<1>とズレ<2>が同時に発生すると、普電開放の開始タイミングに対して、1回目の特図2変動表示ゲームの開始タイミングが前に大きくズレてしまう(前ズレ)。そして、図60のように、6回目の長時間の特図2変動表示ゲームも普電の後半開放から大きく前にズレて、後半開放中に7回目と8回目の特図2変動表示ゲームが開始してしまい、後半開放中に図58よりも普電に過剰な入賞が生じて特図2保留が余分に1個発生する。従って、実際の残保留数が、規定残保留数5個よりも1個多い6個になってしまう。
図61において、大当り状態中やそれ以前に発生した特図1保留が、大当り状態後に持ち越されて、大当り状態の終了時に特図2保留がないと(特図2保留数=0)、大当り状態の終了時にすぐに特図1変動表示ゲームが開始されて、特図2変動表示ゲームの開始タイミングが普電開放後すぐに開始される場合(図58)よりも後にズレる。
即ち、普電開放の開始タイミングに対して、1回目の特図2変動表示ゲームの開始タイミングが後に大きくズレてしまう(後ズレ)。そして、図61のように、後半開放中に5回目の特図2変動表示ゲームが実行されるとともに、6回目の長時間の特図2変動表示ゲームが普電の後半開放の開始から大きく後にズレて、後半開放中に貯まる特図2保留が3個しか貯まらず4個から1個不足する。従って、実際の残保留数が、規定残保留数5個よりも1個少ない4個になってしまう。
特に、本実施形態の特図2保留優先消化(特図2優先変動)と異なり、特図1保留優先消化の場合には、1回目の特図2変動表示ゲームの開始タイミングが後に大きくズレが生じてしまう。
図62は、上記の前ズレと後ズレによる特図2保留の過不足を防止して、実際の残保留数と規定残保留数の相違をなくすズレ対策について説明する図である。図62も、図58に対応し、図柄B(時短回数5回、規定残保留数5個)の大当りの後の様子を示す。
ズレ対策として、1回目の特図2変動表示ゲームの変動時間Taを、前半の普電開放時間にマージン(数秒~十数秒)を加えた値にする。また、普電インターバル時間Tbを、特図2変動表示ゲームが短い固定の変動時間で4回変動するに要する時間にマージン(数秒~十数秒)を加えた値にする。例えば、この4回変動するに要する時間は、(固定の変動時間+固定の停止表示時間)×4である。さらに、6回目の特図2変動表示ゲームの変動時間Tcを後半の普電開放時間よりも大きな値にする。
図63と図64は、各々、ズレ対策の前ズレに対する効果(効果1)と後ズレに対する効果(効果2)を示すタイムチャートである。
図63では、1回目の特図2変動表示ゲームの前ズレによって、普電の前半開放が1回目の特図2変動表示ゲームより遅れても、1回目の特図2変動表示ゲームの変動時間Taが、前半開放の普電開放時間(3000msec、3秒)よりもマージン(数秒~十数秒)の分だけ長いため、普電の前半開放の遅れを吸収できる。即ち、大当り状態前の特図2保留の持ち越しによって1回目の特図2変動表示ゲームが大当り状態終了の直後に開始して長時間継続する間に、普電の前半開放が行われている。
また、普電の閉状態の期間である普電インターバル時間Tbの間に特図2変動表示ゲームが短い固定の変動時間で4回以上実行される。このため、普電の後半開放が始まるまでに特図2保留が必ず0個になり、後半開放の1個目の普電への入賞が特図2変動表示ゲームの開始となるため、普電の前半開放の遅れの影響が消される。
さらに、6回目の特図2変動表示ゲームの変動時間Tcを後半の普電開放時間よりも大きな値にするため、特図2保留が上限値の4個まで貯まり、後半開放中に実際の残保留と規定残保留数が相違することが抑制できる。
図64では、1回目の特図2変動表示ゲームが後ズレによって普電の前半開放に対して遅れても、長い普電インターバル時間Tbの間に吸収できる。このため、普電の後半開放が始まるまでに特図2保留が必ず0個になり、後半開放の1個目の普電への入賞が特図2変動表示ゲームの開始となるため、1回目の特図2変動表示ゲームの遅れの影響が消される。
なお、その他の後ズレの対策として、特図2変動表示ゲームの後ズレが、特定遊技状態において実行される特図1変動表示ゲームに起因することから、特図1変動表示ゲームの時間値(変動時間と停止表示時間)を普電の前半開放中に特図2変動表示ゲームが必ず開始できる超短時間の変動にすることがある。超短時間の変動として、図64と異なり、特定遊技状態において特図1変動表示ゲームの変動時間を特図2変動表示ゲームの短い固定の変動時間よりもさらに短くしてもよい。
また、そもそも、本実施形態では、特図2変動表示ゲームを特図1変動表示ゲームよりも優先して実行する特図2保留優先消化(特図2優先変動)であるため、特定遊技状態において実行される特図1変動表示ゲームはせいぜい1回程度となるから、特図2保留優先消化自体が後ズレの対策となっている。
〔止め打ち対策〕
図65は、止め打ちによって規定残保留数よりも実際の残保留を増やす方法を説明するタイムチャートである。図65は、図58に対応し、図柄B(時短回数5回、規定残保留数5個)の大当りの後の様子を示す。
図64において、普電の前半開放中に止め打ちによって4個しか普電に入賞させず、最大5個までは入賞させない。即ち、普電の前半開放中に特図2保留を4個だけ発生させ、最大(規定の時短回数に対応する5個)までは発生させない。このため、規定の時短回数の5回転目が始まらず、図58や図62と異なり、普電のインターバル中に普図当り確率が低確率に落ちない。
2回目の普電動作(2回目の普図当り)によって、普電の前半開放中に5回目の特図2変動表示ゲームが始まり、ようやく普図低確率状態になるが、普電はすでに動作しているため、普電動作は後半開放まで継続してさらに特図2保留を発生できる。このように、止め打ちによって普図高確率状態が延命されて普電が2回動作するため、残保留数を数個(ここでは4個)増やせる。
図66は、止め打ち対策について説明するタイムチャートである。遊技制御装置100は、特定遊技状態において、1回の普電動作における後半開放が終了したとき(普電動作が終了したとき)、即ち、規定回数(2回)の普電の開状態が終了したときに、特定遊技状態を終了させる。例えば、普電残存球処理(図42)或いは普図当り終了処理(図43)において、時間短縮変動回数を0に設定する処理ステップを設けることによって、遊技制御装置100は後半開放が終了したとき特定遊技状態を終了させることができる。
これは、先に図54Aに関連して説明した、特定遊技状態から移行状態に遷移する遷移条件の(iii)に相当し、遷移条件の(iii)が成立すると特定遊技状態(時短モード)の終了後に移行状態(残保留モード)に遷移する。なお、後半開放の終了によって特定遊技状態を終了させる際に特図2保留がなければ、移行状態(残保留モード)を飛び越して図54Aの通常遊技状態(通常モード)に遷移する。
このようにすると、図65のように、特図2変動回数は時短回数(ここでは5回)に達してしていないが、1回の普電動作終了(後半開放終了)を契機に、普図当り確率は低確率に落ちているため、2回目の普図当りはなく2回目の普電動作もない。このため、止め打ちの利点がなくなり、遊技者は止め打ちすることがなくなる。
なお、別の止め打ちとして、大当り状態前の特図2保留が大当り状態後に持ち越される場合に、この特図2保留が全て消化されるまで遊技球を打ち出さないと残保留が増える可能性がある。この対策として、大当り状態終了後に普図始動ゲート34のゲートスイッチ34aで遊技球を検出した後に、特図2変動表示ゲームを開始することが挙げられる。
〔打ち方指示表示〕
図67は、表示装置41において遊技者に遊技球の発射態様を示唆(指示)する打ち方指示表示の一例を示す図である。図67のように、打ち方指示表示の態様が段階的に変化してよい。特に、図67では、右打ち指示表示の態様が段階的に変化する様子を示しているが、左打ち指示表示が同様に段階的に変化してもよい。
図67において、大当り中(大当りラウンド中)と普電開放中は、大入賞口(特別変動入賞装置)と普電(普通変動入賞装置37)が開放されるため、遊技者は右打ちする利益がある。従って、大当り中(大当りラウンド中)と普電開放中において、演出制御装置300は、右打ち指示表示を目立つように大きな態様で表示している。しかし、それ以外の大当りエンディングや普電のインターバル中(閉状態中)において、右打ち状態中であっても右打ちする利益があまりなく必ずしも右打ちで遊技球を発射する必要がない。このため、大当りエンディングや普電のインターバル中において、演出制御装置300は、右打ち指示表示を目立たない小さな態様で表示している。
普電の前半開放の直前と後半開放の直前に、演出制御装置300は、目立たないように小さく表示されていた右打ち指示表示の態様を段階的に変化させて、前半開放の開始と後半開放の開始の際又は直後に目立つように大きな態様で表示する。これにより、遊技者は、前半開放の前から前半開放に備えて右打ちでの遊技球の打ち出しを開始することができるとともに、後半開放の前から後半開放に備えて右打ちでの遊技球の打ち出しを開始することができる。従って、普電の前半開放と後半開放において、普電への入賞を重ねて確実に規定された個数の特図2保留を貯めることができ、規定の残保留数を達成できる。
図68は、打ち方指示表示(ここでは右打ち指示表示)の段階的変化を例示する図である。
(A)は、図67に示した段階的変化と同じであるが、実線の矢印のように、矢印形状の右打ち指示表示が、目立たない小さな態様から段階的(3段階)に変化して目立つ大きな態様になる。なお、逆に、点線の矢印のように、大当りエンディングの直前や普電のインターバルの直前などに、目立つ大きな態様から段階的(3段階)に変化して目立たない小さな態様になってもよい。
(B)では、実線の矢印のように、右打ち指示表示が、目立たない白抜きの態様から多段階(3段階)で部分的に(徐々に)赤色などで着色されていき、全体的に着色された目立つ態様になる。逆に、点線の矢印のように、大当りエンディングの直前や普電のインターバルの直前などに、全体的に着色された目立つ態様から段階的(3段階)に変化して目立たない白抜きの態様になってもよい。
(C)では、実線の矢印のように、右打ち指示表示が、目立たない白色(白抜き)の態様から段階的(3段階)に目立つ色に変化し、青色から黄色を経て、目立つ赤色の態様になる。なお、色変化として、淡い色(彩度低い状態)から濃い色(彩度高い状態)へと変化してもよいし、暗い色(明度の低い状態)から明るい色(明度の高い状態)へと変化してもよい。また、逆に、点線の矢印のように、大当りエンディングの直前や普電のインターバルの直前などに、目立つ赤色の態様から段階的(3段階)に目立たない白色(白抜き)の態様になってもよい。
〔画面遷移の一例〕
図69Aから図69Dは、第1実施形態に関して、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図の一例である。表示装置41での演出は、演出制御装置300によって制御される。なお、図69は、図58(図柄Bでの大当り後)に対応するものである。
(ア)では、大当り中の最後の大当りラウンド(10R)において、大当りラウンド演出が実行されている。右打ちする利益があるため、矢印形状の右打ち指示表示551が目立つ大きな態様で表示されている。
続いて、(イ)では、最後の大当りラウンドの後の大当りエンディングにおいて、大当りエンディング演出が実行されている。右打ち状態中であっても右打ちする利益があまりないため、右打ち指示表示551が目立たない小さな態様で表示されている。
次に、(ウ)では、大当りエンディング後の時短状態において、特図変動表示ゲームの開始前の状態である。演出モードは時短モード#1になっている。表示装置41の表示画面の右上隅の特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「0」と特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。サポ有りの右打ち状態(普図高確率状態)であり、すぐに普電が開放されるため、右打ち指示表示551が目立つ大きな態様で表示されている。なお、前述の通り、小さく表示されていた右打ち指示表示551の態様を段階的に変化させて大きな態様にしてもよい。
普図始動ゲート34を遊技球が通過して普図の変動が開始するが、普図確率100%の高確率状態であるため、普図当りとなり普電動作が開始し、前半開放(前半の普電開放)として普電は開放される。
そして、(エ)では、普電の開状態において普図始動ゲート34を通過した遊技球はそのまま普電に入賞し、飾り特図2変動表示ゲームが開始されている。飾り特図2変動表示ゲームの開始時に変動演出設定処理(図52)によって、時短モード#1に対応した演出が設定されている。
そして、識別情報として飾り特別図柄(大図柄)の変動(↓↓↓)が変動表示領域610で実行中となり、識別情報として飾り縮小図柄(小図柄)の変動(↓↓↓)が変動表示領域615で実行中となる。変動表示領域610の左領域610A、右領域610B、中領域610Cで、それぞれ、左図柄(飾り第1図柄A)、右図柄(飾り第1図柄B)、中図柄(飾り第1図柄C)が変動している。各飾り特別図柄(左図柄、右図柄、中図柄)は、四角形状の枠(枠画像)と数字(数字画像)からなるが、四角形状の枠ではなくキャラクタ(キャラクタ画像)でもよい。枠内において、数字の色は、数字以外の部分の色と異なる。また、(エ)で、各飾り特別図柄は高い移動速度で変動中(高速変動中)であるが、枠画像(又はキャラクタ画像)を非表示にして(削除して)、数字だけが変動してよい。また、高速変動中に各飾り特別図柄は半透明で薄く表示されてよい。
変動表示ゲーム実行前の第2始動記憶(特図2始動記憶)を第2保留表示として表示する第2保留表示部530b(待機領域)において、普電への入賞によって保留表示533(第2保留表示)が瞬間的に表示されるが、すぐに左側の四角形枠の保留消化領域540に移動(保留シフト)する。保留消化領域540では、実行中の特図変動表示ゲームに係る変動中保留(この特図変動表示ゲームの実行権利となっていた始動記憶)を示す変動中保留表示533bが、表示されている。なお、第1始動記憶(特図1始動記憶)を第1保留表示(第1始動記憶表示)として表示する第1保留表示部530aは、ここでは表示されていない。
その後、(オ)では、普電の前半開放中に、普電への入賞によって特図2保留が次々に発生し、第2保留表示部530bに特図2保留に対応する保留表示533が次々に表示される。そして、特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「0」と特図2保留数を示す数字「3」が表示されている。また、後の対戦演出(バトル演出)で対戦することになる敵のキャラクタ554(おたまじゃくし)が出現するとともに、味方のキャラクタ557も出現する。セリフ演出として、敵のキャラクタ554のセリフ「勝負だ」が文字表示され、味方のキャラクタ557のセリフ「保留増加」が、特図2保留の増加したことに対応して文字表示される。セリフは、音声としてスピーカから出力されてもよい。
そして、(カ)では、特図2保留が上限値である4個貯められたことに対応して、味方のキャラクタ557のセリフ「充填完了」が文字表示される。特図2保留数表示部660には、特図2保留数を示す数字「4」が表示されている。
次に、(キ)では、前半開放(前半の普電開放)が終了するとともに、大当り状態終了後の1回目の特図2変動表示ゲームが終了してはずれ停止図柄「1,8,2」が、変動表示領域610,615に表示される。普電のインターバル中(閉状態中)になるため、右打ち状態中であっても右打ちする利益があまりなく、右打ち指示表示551が目立たない小さな態様で表示される。
また、ここで、先読み演出(保留変化予告)として、通常態様の保留表示533が、特図2保留の変動表示ゲームの大当りになる期待度を示す態様(キャラクタ)に変化して保留表示533d-533gとなる。例えば、キャラクタの期待度の大きさは、保留表示533e>保留表示533d>保留表示533g>保留表示533fとなる。
その後、(ク)では、保留表示533dの特図2保留が消化され、大当り状態終了後の2回目の特図2変動表示ゲームが、1回目の特図2変動表示ゲームよりもかなり短い変動時間で普電のインターバル中に実行される。また、特図2保留数表示部660には、特図2保留数を示す数字「3」が表示されている。さらに、第2保留表示部530bは、右上側に移動しているが、保留表示533dは消えている。
保留消化領域540では、保留表示533dに対応する変動中保留表示533bが表示される。変動中保留表示533b(▽)は、キャラクタを模した保留表示533とは異なる態様であるが、同じ態様でもよい。異なる態様であると狭い保留消化領域540で変動中保留表示533bは表示し易く、同じ態様であると待機中(消化前)の保留表示533と消化中の変動中保留表示533bの関連性がわかり易い。
画面の中央では、保留表示533dのキャラクタが味方のキャラクタ557となって、対戦演出として敵のキャラクタ554を攻撃して(敵のキャラクタ554に作用して)、ビーム(光線)を敵のキャラクタ554に放射している。普電のインターバル中に出現する敵のキャラクタ554は、普電の前半開放中の(オ)(カ)で出現したものであり、演出の連続性が保たれる。なお、キャラクタ557になるのではなく、キャラクタを模した保留表示533dが直接的に敵のキャラクタ554に作用して対戦してもよい。この場合、(ク)において、保留消化領域540と変動中保留表示533bを非表示にする(後述の(チ)なども同様)。
その後、(ケ)では、大当り状態終了後の3回目の特図2変動表示ゲームが、2回目の特図2変動表示ゲームの終了後に、短い変動時間で普電のインターバル中に実行される。保留消化領域540では、保留表示533eに対応する変動中保留表示533bが表示される。また、特図2保留数表示部660には、特図2保留数を示す数字「2」が表示されている。また、第2保留表示部530bから保留表示533eは消えている。
画面では、保留表示533eのキャラクタが、味方のキャラクタ557を応援するサブキャラクタ558a(助っ人キャラクタ、補助キャラクタ)となって、敵のキャラクタ554の攻撃に参加して、味方のキャラクタ557(メインキャラクタ)とともにビーム(光線、エフェクト)を敵のキャラクタ554に放射している。なお、攻撃に参加した際に、サブキャラクタ558aのビームの態様は、攻撃に参加したことが認識できるように、味方のキャラクタ557のビームの態様と異なっている。なお、サブキャラクタ558aになるのではなく、キャラクタを模した保留表示533eが直接的に敵のキャラクタ554に作用して対戦してもよい(以下で、保留表示533f,533gについても同様)。この場合、(ケ)から(サ)において、保留消化領域540と変動中保留表示533bを非表示にする(後述の(ツ)から(ト)なども同様)。
また、第2保留表示部530bでの保留表示533のキャラクタと、サブキャラクタ558は、メインキャラクタであるキャラクタ557よりも目立たないように、例えば、小さく表示されたり、モノクロや淡い色で表示される。これにより、どのキャラクタがメインキャラクタであるか認識し易くなる。
続いて、(コ)では、大当り状態終了後の4回目の特図2変動表示ゲームが、3回目の特図2変動表示ゲームの終了後に、短い変動時間で普電のインターバル中に実行される。保留消化領域540では、保留表示533fに対応する変動中保留表示533bが表示される。また、特図2保留数表示部660には、特図2保留数を示す数字「1」が表示されている。また、第2保留表示部530bから保留表示533fは消えている。
画面では、保留表示533fのキャラクタが、味方のキャラクタ557を応援するサブキャラクタ558bとなって、敵のキャラクタ554の攻撃に参加して、味方のキャラクタ557(メインキャラクタ)とサブキャラクタ558aとともにビーム(光線)を敵のキャラクタ554に放射している。
続いて、(サ)では、大当り状態終了後の5回目の特図2変動表示ゲームが、4回目の特図2変動表示ゲームの終了後に、短い変動時間で普電のインターバル中に実行される。保留消化領域540では、保留表示533gに対応する変動中保留表示533bが表示される。また、特図2保留数表示部660には、特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。また、第2保留表示部530bから保留表示533gは消えている。
画面では、保留表示533gのキャラクタが、味方のキャラクタ557を応援するサブキャラクタ558cとなって、敵のキャラクタ554の攻撃に参加して、味方のキャラクタ557(メインキャラクタ)とサブキャラクタ558a,558bとともにビーム(光線)を敵のキャラクタ554に放射している。
次に、(シ)では、大当り状態終了後の5回目の特図2変動表示ゲームが終了して、はずれ停止図柄「7,2,3」が、変動表示領域610,615に表示される。また、これにより、時短状態(時短モード#1)が終了して、残保留を消化可能な移行状態(普図低確率状態)になる。その後、後半開放(後半の普電開放)が開始して普電は開放される。
続いて、(ス)では、普電の開状態において普図始動ゲート34を通過した遊技球はそのまま普電に入賞し、飾り特図2変動表示ゲームが開始されている。ここではサポ無しの右打ち状態(普図低確率状態)であるが、後半開放として普電が開放されるため、右打ち指示表示551が目立つ大きな態様で表示されている。なお、前述の通り、小さく表示されていた右打ち指示表示551の態様を段階的に変化させて大きな態様にしてもよい。
ここでは、普図高確率の時短状態が終了して、遊技者が普電の開放されていることをよく認識できない可能性があるため、「普電を狙え」という文字表示と共に、遊技盤30における普電の位置を模式的に示す普電位置画像561を表示してもよい。
なお、以降の(ス)から(ナ)では、時短状態終了後の移行状態において残保留が消化されることによって、大当り状態終了後の6回目から10回目までの特図2変動表示ゲームが実行される様子を示す。図69Cと図69Dにおいて、移行状態の(ス)から(ナ)では、前述のように時短状態から遊技者に有利な有利状態が継続しているとして、時短状態の時短モード#1と同じ演出モード(共通の演出モード)とする。従って、(ス)から(ナ)では、(エ)から(シ)と同様の演出が実行される。
即ち、普電の後半開放中の(ス)から(ソ)では6回目の特図2変動表示ゲームに対応して特図2保留(残保留)を4つ貯める演出が実行され、後半開放終了後の(タ)から(ナ)では7回目から10回目までの特図2変動表示ゲームが実行されつつ、各特図2変動表示ゲームに対応する対戦演出が実行される。
このように時短状態と移行状態を同じ演出モードにすると、時短状態中であるか残保留の消化中であるか共通の演出態様で認識し難い傾向にもかかわらず、残保留の変動表示ゲームの当りで大きな遊技価値が得られることがあり、遊技者を喜ばすことができる。
なお、移行状態において、時短状態の時短モード#1から別の残保留消化モードに切り替える例については、図69Eと図69Fにおいて後述する。
(ス)から(ソ)では、普電の後半開放(後半の普電開放)が維持されるとともに、6回目の特図2変動表示ゲームが実行され、残保留として特図2保留が増加する。その後、(タ)から(ナ)では、後半開放で貯まった4個の特図2保留(残保留)が7回目から10回目までの特図2変動表示ゲームの実行によって消化される。なお、(ナ)以降に、通常遊技状態になり、演出モードも通常モードに変化する。
なお、普電の後半開放の開始以降において出現する敵のキャラクタ554は、時短状態の(エ)から(シ)で出現したものであり、時短モード#1との演出の連続性が保たれる。また、(ス)から(ナ)は、(エ)から(シ)に対応して同様の演出となるが、(セ)での敵のキャラクタ554のセリフと、味方のキャラクタ557(メインキャラクタ)、保留表示533のキャラクタなどは、時短モード#1から相違してよい。また、(タ)以降では、後半開放終了により右打ち状態から左打ち状態に変化し、左打ち指示表示552が目立たない小さな態様で表示されている。なお、(タ)から(ト)のように特図2保留が消化されている間は、遊技者が混乱することを防止するために打ち方指示表示(ここでは左打ち指示表示552)を表示せず、特図2保留が全て消化されて特図1変動表示ゲームが開始可能になった(ナ)以降から打ち方指示表示を表示してよい。
また、(ニ)から(ネ)は、(ツ)の8回目の特図2変動表示ゲームが小当り(V通過後に大当り)又は大当りになる場合を示し、(ニ)でSPリーチとなりムービー演出が実行される。なお、ムービーでは、敵のキャラクタ554(おたまじゃくし)が爆発して消滅するような演出が行われてよい。
また、(ニ)で、ムービー演出等の邪魔にならないように、左打ち指示表示552が目立つ色(赤色)から目立たない色(青色)に変化している。また、(ニ)で、保留表示533gの態様を元の態様(▽)に戻してもよい。さらに、(ニ)で、ムービー演出等の邪魔にならないように、保留表示533、保留消化領域540、変動中保留表示533bを非表示にしてもよい。
続いて、(ヌ)では、小当り又は大当りの停止図柄が表示され、(ネ)で小当り又は大当りのファンファーレ演出が実行される。
以上、図69A-Dを参照して、図柄Bの大当り後の表示装置41での演出の一例について説明したが、図柄C-Fの大当り後の演出は、時短状態の終了のタイミングが(サ)よりも前になるだけで図69A-Dと同じ演出が実行される。例えば、図柄Fの大当り後では、(キ)の時点で時短状態の終了となる。
また、図柄Aの大当り後では、(エ)から(カ)の特図2保留を貯める演出が、普電の後半開放の終了(普電動作終了)まで実行され、(キ)から(ソ)までの演出を省略して、後半開放の終了後に(タ)以降の演出を実行すればよい。また、図柄Gの大当り後では、例えば、時短状態の終了まで(エ)から(サ)の演出を繰り返せばよい。
〔画面遷移の別例〕
図69Eと図69Fは、第1実施形態に関して、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図の別例である。図69Eと図69Fの(ス1)から(ネ1)は、前述の図69Cと図69Dの(ス)から(ネ)を置き換えたものである。この別例も、図58(図柄Bの大当り後)に対応するものである。
移行状態の(ス1)から(ナ1)では、前述の(ス)から(ナ)と異なり、時短状態の終了後に、演出モードは、時短状態の時短モード#1から異なる残保留消化モード(図54A)に変化する。ハッチングで示すように残保留消化モードでは、演出モードの変化に関連して、時短モード#1と異なる画面背景にしてよい。従って、(ス1)から(ナ1)では、(エ)から(シ)と異なる態様の演出が実行される。
(ス1)から(ソ1)では、普電の後半開放(後半の普電開放)が維持されるとともに、6回目の特図2変動表示ゲームが実行され、残保留として特図2保留が増加する。なお、敵のキャラクタ554は、演出モードの変化に関連して、(ウ)から(サ)の時短モード#1のキャラクタ(おたまじゃくし)から別のキャラクタ(UFO)に変化している。他は、(ス)から(ソ)と同様である。
その後、(タ1)から(ナ1)では、後半開放で貯まった4個の特図2保留(残保留)が7回目から10回目までの特図2変動表示ゲームの実行によって消化される。なお、(ナ1)以降に、通常遊技状態になり、演出モードも通常モードに変化する。
(タ1)から(ナ1)では、第2保留表示部530bにおける保留表示533d-533gを、(タ)から(ナ)と異なって弾丸を模した態様で表示する。そして、(ス1)から(ソ1)で表示された味方のキャラクタ557が、別の味方のキャラクタである戦車のキャラクタ563に乗り込んで合体し(作用して合体し)、敵のキャラクタ554(UFO)を弾丸で撃ち落とす演出が実行される。なお、保留変化予告として、第2保留表示部530bにおける保留表示533d-533gの態様(色、形状、模様等)を大当りの期待度に応じて変化させてもよい。
新しい特図2変動表示ゲームが実行される度に第2保留表示部530bにおける弾丸を模した保留表示533が消去され、戦車のキャラクタ563で敵のキャラクタ554(UFO)への砲撃に使用されるかのような演出が実行できる。消去された保留表示533は、保留消化領域540の変動中保留表示533bになるが、変動中保留表示533b(▽)は、弾丸を模した保留表示533とは異なる態様である。
また、(ニ1)から(ネ1)は、保留表示533gの態様を除いて、(ニ)から(ネ)と同じであるため、説明を省略する。なお、(ニ1)のムービーでは、敵のキャラクタ554(UFO)が撃墜されて落下するような演出が行われてよい。
なお、(タ1)以降では、普電の後半開放が終了して左打ちの状態となるため、図54Aのように、演出モードとしての残保留消化モードは、(ス1)から(ソ1)の普電開放終了前モードと、(タ1)から(ナ1)(又は(ヌ1))の普電開放終了後モードに分けられる。このため、(ス1)から(ソ1)の背景画像(ハッチングで示す)と、(タ1)から(ナ1)(又は(ヌ1))の背景画像(網掛けで示す)等は異なり、別々の演出態様となる。なお、普電開放終了前モードと普電開放終了後モードとで敵のキャラクタ554(UFO)を同じにするなど、演出に共通性を持たせてもよい。
以上の図69E-Fのように、時短状態終了後に普電が開状態に変換される所定状態の演出態様を、所定状態以外での演出態様とは異ならせる。所定状態以外での演出態様とは、普電が閉状態となった残保留の消化中の(タ1)から(ナ1)(又は(ヌ1))の演出態様や、時短状態中の(ウ)から(サ)の演出態様や、大当り状態での演出態様、対戦演出のないような通常遊技状態(通常モード)での演出態様である。特に、同じ右打ち状態でも、時短状態中と異なる演出とすることによって、時短状態終了後に普電が開状態になる所定状態を遊技者に認識し易くすることができる。なお、本実施形態と異なって普図の低確率を0%より大きくする場合(例えば、数%程度)には、通常遊技状態(通常モード)中に普図当りによって普電が開状態に変換される場合があるが、この場合も普電が開状態に変換される所定状態に含めてもよい。
以上、図69E-Fを参照して、図柄Bの大当り後の表示装置41での演出の別例について説明した。しかし、図柄C-Fの大当り後の演出では、時短状態の終了のタイミングが(サ)よりも前になるため、(サ)よりも前から残保留消化モードに変化して、保留表示の態様やキャラクタの態様や画面背景などの演出態様が変わる。(サ)よりも前に、保留表示の態様やキャラクタの態様を変化させると違和感がある場合には、画面背景だけを残保留消化モードのものに切り替えればよい。
また、図柄Aの大当り後では、(エ)から(カ)の特図2保留を貯める演出が、普電の後半開放の終了(普電動作終了)まで実行され、(キ)から(ソ1)までの演出を省略して、後半開放の終了後に(タ1)以降の演出を実行すればよい。また、図柄Gの大当り後では、例えば、時短状態の終了まで(エ)から(サ)の演出を繰り返せばよい。
[第1実施形態の変形例]
図70から図77を参照して、第1実施形態の変形例について説明する。本変形では、図柄B-Fにおいて、時短回数が4回で一定となるが、普電サポートの態様に関する状態であるサポ状態が図柄に応じて異なり、その結果、規定の残保留数(規定残保留数)も図柄に応じて変化する。
〔変形例に係る図柄に対応する時短回数と規定残保留数〕
図70は、変形例に関して、特図変動表示ゲームの当りの種類である図柄に対応するサポ状態と時短回数と規定の残保留数などについて示すテーブルである。図柄Aと図柄Gに関しては、サポ状態Aであることを除いて図55と同様であるため、説明を省略する。
普図高確率状態中に開始した特図2変動表示ゲームの大当りの種類である図柄B-Fでは、大当りの後の時短回数は4回で一定であるが、図柄B-Fでの大当りの後のサポ状態は、各々、サポ状態A-Eであり、図柄に対応して変化する。
また、図柄B-Dでは、各々、規定残保留数は、サポ状態に応じて4個、6個、8個であるが、図柄Eと図柄Fでは、サポ状態Dとサポ状態Eのためランダムである。従って、大当り状態終了後に特図2変動表示ゲームの実行によって消化可能な特図2保留の合計数は、図柄B-Dでは8、10、12になり、図柄Eと図柄Fではランダムである。
図柄B-Dでは、1/8の小当り確率に対して、継続率は、各々、65.6%、73.7%、79.9%であり、確定モード移行率は、各々、24.3%、32.3%、38.5%となる。図柄Eと図柄Fでは、継続率と確定モード移行率はランダムである。継続率は、大当り状態終了後に消化される特図2保留の合計(即ち、大当り状態終了後の特図2変動表示ゲームの実行回数)に依存し、図柄B-Dで合計が増加するにつれて、継続率が大きくなる。また、図柄B-Dで規定残保留数が増加するのに伴って、確定モード移行率が大きくなる。
このように、大当り(特別結果)の種類(図柄B-F)に応じて、大当り状態の終了後の普電の動作態様(サポ状態、サポ態様)が異なるため、大当りの種類(図柄B-F)に応じて、継続率も確定モード移行率も異なり遊技の興趣が向上する。
〔変形例に係る普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等〕
図71は、変形例に関して、普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等ついて示す図である。普図当り確率、普電の最大カウント数、普図停止時間は、図56と同じである。
普図変動表示ゲームの当り図柄(当り停止図柄、普図当り図柄)は1種類又は複数(ここでは4つ)であり、大当りの図柄Eと図柄Fでは複数となるが、その他の大当りの図柄では1種類となる。
普図変動表示ゲームの始動記憶数(普図保留数)は1であり、普図変動表示ゲームの当り状態中(普電動作中)と変動中においても、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると普図変動表示ゲームの始動記憶が1だけ記憶される。このため、本変形例では、ゲートスイッチ監視処理(図34)のステップA7706の処理を実行しないようにし、普図変動表示ゲームの変動中や普図当り状態中である場合でも普図保留数が+1更新できる。
普図変動表示ゲームの変動時間である普図変動時間は、サポ状態に対応して設定される。普図停止時間(普図表示時間)は、固定の48msecである。前述のとおり、普図変動時間と普図停止時間の合計は、600msecより小さいことが好ましい。
〔変形例に係る普電開放パターン〕
図72と図73は、本変形例の普通変動入賞装置37(普電)の開放パターン(普電開放パターン)を示す。普電開放パターンは、一回の普図当りによる普電の動作態様を示す。大当り状態終了後に選択される普電開放パターンは、大当りの図柄A-G(即ち大当りの種類)に依存して異なる。なお、四角の枠に囲まれた数字は、普図当り中制御ポインタ(図41等)の値である。
図柄A,B,Gでの大当り状態の終了後において、普電サポートの態様に関する状態は、サポ状態Aとなる(図70)。図72のように、サポ状態Aの普電開放パターンでは、一回の普図当りによる普電動作においてインターバルを挟んで普電は2回開放されるになる。普電インターバル時間(ウェイト時間)は100msecであり、前半開放と後半開放の普電開放時間は、両方とも、1300msecである。
遊技球の発射速度が1分ごとに100個であると想定すると、普電には600msecごとに遊技球が入賞可能なため、サポ状態Aでは、一回の普電動作で普電に遊技球が4個入賞することが想定される。なお、当然ながら、普電に遊技球がうまく入賞しない場合には、実際の入賞の個数は、想定される数(ここでは4個)よりも少なくなる。前半開放と後半開放の普電の総開放時間2600msecは、入賞間隔600msecと想定される数(ここでは4個)とを乗算したものよりも若干大きく、余裕を持たせてある。
図柄Cでの大当り状態の終了後において、普電サポートの態様に関する状態は、サポ状態Bとなる(図70)。図72のように、サポ状態Bの普電開放パターンでは、一回の普図当りによる普電動作においてインターバルを挟んで普電は2回開放されるになる。普電インターバル時間(ウェイト時間)は30000msecであり、前半開放と後半開放の普電開放時間は、両方とも、1950msecである。
遊技球の発射速度が1分ごとに100個であると想定すると、普電には600msecごとに遊技球が入賞可能なため、サポ状態Bでは、一回の普電動作で普電に遊技球が6個入賞することが想定される。前半開放と後半開放の普電の総開放時間3900msecは、入賞間隔600msecと想定される数(ここでは6個)とを乗算したものよりも若干大きく、余裕を持たせてある。
図柄Dでの大当り状態の終了後において、普電サポートの態様に関する状態は、サポ状態Cとなる(図70)。図72のように、サポ状態Cの普電開放パターンでは、一回の普図当りによる普電動作においてインターバルを挟んで普電は2回開放されるになる。普電インターバル時間(ウェイト時間)は30000msecであり、前半開放と後半開放の普電開放時間は、両方とも、2600msecである。
遊技球の発射速度が1分ごとに100個であると想定すると、普電には600msecごとに遊技球が入賞可能なため、サポ状態Cでは、一回の普電動作で普電に遊技球が8個入賞することが想定される。前半開放と後半開放の普電の総開放時間5200msecは、入賞間隔600msecと想定される数(ここでは8個)とを乗算したものよりも若干大きく、余裕を持たせてある。
以上のように、大当り状態の終了後の特定遊技状態中又は特定遊技状態後における普電の開状態の期間と閉状態(インターバル)の期間を、大当り(特別結果)の種類である図柄に応じて変化可能である。従って、時短回数が同じ4回であっても、大当りの図柄に応じて、規定残保留数ひいては実際の残保留数を変えることができ、遊技のバリエーションが増えて遊技の興趣が向上する。
図柄E,Fでの大当り状態の終了後において、普電サポートの態様に関する状態は、サポ状態D,Eとなる(図70)。図73(A)のように、サポ状態D,Eにおいて、普図変動表示ゲームの当り図柄は、普図当り図柄1~4の4つがあり、普図当りの度に当り図柄乱数による振り分け(抽選)で選択される。サポ状態D,Eで普図当り図柄1~4が選択された状態を、それぞれ、サポ状態D1,E1、サポ状態D2,E2、サポ状態D3,E3、サポ状態D4,E4と呼んでよい。
一回の普図当りによる普電動作において、普図当り図柄1~4(サポ状態D1-D4,E1-E4)では、各々、インターバルを挟んで普電は1~4回開放される普電開放パターンになる。普図当り図柄1~4(サポ状態D1-D4,E1-E4)に応じた開放回数によらず、一回の普電インターバル時間(ウェイト時間)は100msecであり、一回の普電開放時間は、1500msecである。
また、サポ状態D1とサポ状態E1の両方、サポ状態D2とサポ状態E2の両方、サポ状態D3とサポ状態E3の両方、サポ状態D4とサポ状態E4の両方は、同一の普電開放パターンである。
遊技球の発射速度が1分ごとに100個であると想定すると、普電には600msecごとに遊技球が入賞可能である。このため、総開放時間に基づいて、一回の普電動作で遊技球が普電に入賞する個数は、サポ状態D1,E1で2個、サポ状態D2,E2で5個、サポ状態D3,E3で7個、サポ状態D4,E4で10個と、想定される。なお、当然ながら、普電に遊技球がうまく入賞しない場合には、実際の入賞の個数は、想定される数よりも少なくなる。
図73(B)(C)のように、サポ状態Dとサポ状態Eは、当り図柄乱数による振り分け(抽選)における普図当り図柄1~4の振り分け率(選択率)だけが異なっている。図柄Eに対応するサポ状態Dでは、普図当り図柄1~4の振り分け率(選択率)がそれぞれ、40%、30%、20%、10%である。図柄Fに対応するサポ状態Eでは、普図当り図柄1~4の振り分け率(選択率)がそれぞれ、10%、20%、30%、40%である。従って、一回の普図当りによる普電動作において、普電の開放回数の平均値が、サポ状態E(平均値=3回)では、サポ状態D(平均値=2回)よりも大きくなる。
このように、大当り(特別結果)が所定の種類(図柄E,F)である場合に、大当り状態終了後の普電の動作態様を、普図当りの度に複数の動作態様(サポ状態D1-D4,E1-E4)から振り分け(抽選)によって決定する。従って、大当りが所定の種類(図柄E,F)であれば、規定された残保留数というものがなく、遊技者は実際の残保留数がいくつになるのか予想できずに、残保留数に期待感を持って遊技をできるため遊技の興趣が向上する。
〔変形例に係るタイミングチャート〕
図74-図76は、本変形例の大当りの後に関して、遊技状態、普図確率(普図当り確率)、普図状態、普電状態、特図2保留数、特図変動表示ゲーム(特図変動)などを示すタイミングチャートである。なお、タイミングチャートにおいて右側にいくほど時間が経過する。図74は、図柄Bでの大当りの後にサポ状態Aになる場合、図75は、図柄Dの大当りの後にサポ状態Cになる場合、図76は、図柄E(又は図柄F)の大当りの後にサポ状態D(又はサポ状態E)になる場合を例示する。
また、図74-図76は、普図始動ゲート34(普図ゲート)の遊技球の通過(ゲートスイッチ34aの検出)と、普通変動入賞装置37(普電)への遊技球の入賞(始動口2スイッチ37aの検出)もパルスで示す。
図74-図76において、1回目の普電動作及びそれに伴う1回目の特図2変動表示ゲームが開始されるまでは、図57-図59までと同様である。
図74において、図柄Bでの大当りの後に、サポ状態Aでの普電動作(前半開放+インターバル+後半開放)が3回実行され、合計6回普電が開放される。前述のように、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動時間(実行時間)と停止表示時間を、大当り状態終了からの特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)に基づいて制御する。そして、サポ状態Aでは、3回目の普電動作(普図当り状態)に合わせて、時短回数に相当する4回目の特図2変動表示ゲームが実行されるように制御される。なお、普図当り状態の終了後の停止は、普電残存球処理時間と普図エンディング時間に相当する。
特図2保留数は、普電の開放中(開状態)に増加し、普電の閉鎖中(閉状態)に特図2保留の消化によって減少する傾向となる。
なお、時短状態中かつ3回目の普電動作中に特図2保留が4個貯められるように、4回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、1回目から3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間よりも長く且つ1回の普電開放時間(前半開放又は後半開放の時間)よりも長く設定される。
図74では、2回目の普電動作における後半開放の終了に合わせて、4回目の特図2変動表示ゲームを開始させているが、この後半開放の終了後且つ3回目の普電動作の開始前であれば4回目の特図2変動表示ゲームをいつ終了してもよい。また、3回目の普電動作における前半開放の終了に合わせて、4回目の特図2変動表示ゲームを停止させているが、この前半開放の終了後且つ後半開放の開始前であれば4回目の特図2変動表示ゲームをいつ終了してもよい。
そして、時短状態中の普図当りによって開始した3回目の普電動作の終了後に、5回目の特図2変動表示ゲームが開始されるように制御される。時短状態の終了後に残保留によって実行される5~8回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、時短状態中の1~3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間以下でよい。これにより、早く残保留を消化できる。逆に、5~8回目の特図2変動表示ゲームの変動時間を、時短状態中の1~3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間よりも長くして、ゆっくりと対応する演出を行うこともできる。また、図柄Bでは、規定残保留数は、時短状態中に発生した4個になる。
図75において、図柄Dでの大当りの後に、サポ状態Cでの普電動作(前半開放+インターバル+後半開放)が2回実行され、合計4回普電が開放される。サポ状態Cでは、1回目の普電動作の後半開放(1回目の後半開放)及び2回目の普電動作の前半開放(2回目の前半開放)に合わせて、時短回数に相当する4回の特図2変動表示ゲームが実行されるように制御される。
なお、時短状態中かつ2回目の普電動作の前半開放中に特図2保留が4個貯められるように、4回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、1~3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間よりも長く且つ1回の普電開放時間よりも長く設定される(図75では普電開放時間の2倍程度に設定される)。なお、図75では、2回目の普電動作における前半開放の終了に合わせて、4回目の特図2変動表示ゲームを停止させているが、2回目の前半開放後に5回目の特図2変動表示ゲームを実行するのであれば、多少ずれてもよい。
特図2保留数は、普電の開放中(開状態)に増加し、普電の閉鎖中(閉状態)に特図2保留の消化によって減少する傾向となる。
そして、2回目の前半開放の終了後のインターバル中に、5~7回目の特図2変動表示ゲームが開始されるように制御される。その後、時短状態中の普図当りによって開始した2回目の普電動作における後半開放が、時短状態の終了後に行われ、特図2保留を残保留として増やしつつ特図2変動表示ゲームを実行する。時短状態の終了後に残保留によって実行される5回目以降の特図2変動表示ゲームの変動時間を適切に調整すると、時短終了後に8個の特図2保留(残保留)の消化によって5~12回目の特図2変動表示ゲームが実行できる。このようにして、図柄Dでは、規定残保留数は8個になる。
なお、早く残保留を消化できるため、5~12回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、時短状態中の1~3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間以下でよい。逆に、5~12回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、時短状態中の1~3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間よりも長くして、ゆっくりと演出を行ってもよい。
なお、図柄Dの場合と同様に、図柄Cについても、普電の動作態様(サポ状態B)に対応して、特図2変動表示ゲームの変動時間(実行時間)と停止時間を実行回数に応じて変化させて、残保留数が6個になるようにできる。例えば、図柄Cについて、時短終了後の普電のインターバル中に開始される特図2変動表示ゲームの数を図柄Dの場合よりも減らすことによって、残保留数が6個になる。
以上のように、特図2変動表示ゲームの実行回数に応じた変動時間(実行時間)と停止時間のパターンを、普電の動作態様(サポ状態A-C)に応じて設定する。このため、普電の動作態様(サポ状態A-C)に応じて、残保留数を変化させることができる。
図76において、図柄E又図柄Fはでの大当りの後に、サポ状態D又はサポ状態Eで、普図当り図柄に応じた普電動作(前半開放+インターバル+後半開放+・・・)がランダムに繰り返され、合計何回か普電が開放される。サポ状態D又はサポ状態Eでは、時短回数に相当する4回の特図2変動表示ゲームがランダムな普電の開放に合わせて実行されるように制御することは難しい。
しかし、特図2保留数は、普電の開放中(開状態)に増加し、普電のインターバル中(閉状態)に特図2保留の消化によって減少する傾向となる。
なお、時短状態中に特図2保留が4個貯められるように、4回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、1~3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間よりも長く且つ1回の普電開放時間よりも長く設定される。残保留数は、4回目の特図2変動表示ゲームの変動中の最後に普図当りとなった場合の普図当り図柄1~4(サポ状態D1-D4,E1-E4)に対応する普電動作態様で決まる。図76のように、4回目の特図2変動表示ゲームの変動中の最後に普図当り図柄4で普図当りとなった場合に、普電の総開放時間が大きいため残保留数も大きくなるが、普図当り図柄1で普図当りとなった場合に、普電の総開放時間が小さいため残保留数も小さくなる。
なお、早く残保留を消化できるため、時短状態終了後の5回目以降の特図2変動表示ゲームの変動時間は、時短状態中の1~3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間以下でよい。逆に、5回目以降の特図2変動表示ゲームの変動時間は、時短状態中の1~3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間よりも長くして、ゆっくりと演出を行ってもよい。
本変形例における前述の前ズレへのズレ対策として、規定残保留数と実際の残保留数を一致させるために、図柄B-Dの大当り後に関しては、4回目の特図2変動表示ゲーム中に開始した普電開放(前半開放)が終了するまで、5回目の特図2変動表示ゲームを実行しないことが挙げられる。前述の後ズレへのズレ対策として、規定残保留数と実際の残保留数を一致させるために、図柄B-Dの大当り後に関しては、4回目の特図2変動表示ゲーム中の普図当りによる普電の後半開放を、所定回(例えば、図柄Bでは0回、図柄Dでは2回)の特図2変動表示ゲームが開始されてから実行することが挙げられる。なお、図柄E,Fの大当り後に関しては、残保留数は規定できずランダムなため、ズレ対策を行わなくてよい。逆に、ズレ対策を行わなくてよいため、図柄B-Dに関しても、図柄E,Fと同様に普図当り図柄を4つ設ける構成も可能である。
以上、各図柄での大当り状態の終了後について説明したが、大当り状態の終了後の4回目の特図2変動表示ゲーム以外(1~3回目と5回目以降の特図2変動表示ゲーム)の変動時間を図柄B-Fに関係なく同じにして、制御を簡単にするとともにROM111bやRAM111c等において使用する記憶容量を減少してもよい。
〔変形例に係る画面遷移の一例〕
図77Aと図77Bは、第1実施形態の変形例に関して、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図の一例である。なお、図77は、図75(図柄Dの大当り後)に対応するものである。
図69の(ア)から(オ)までと同じ演出が行われた後、時短状態中において、普電の開状態と閉状態が繰り返されるが、(オ1)のように、普電の閉状態(普電閉鎖中)では特図2保留が減少してなかなか特図2保留数が4個に到達しない。
その後、(カ)で時短状態終了の際に特図2保留数が4個に到達し、その後に図69の(キ)、(ク)と同じ演出が行われる。
次に、(ク1)から(ク4)において、図69の(ク)から(サ)と異なって、第2保留表示部530b(待機領域)の保留表示533e-533i等のキャラクタが、味方のキャラクタ557を応援するサブキャラクタではなく、メインキャラクタとして一対一で次々に敵のキャラクタ554と対戦する。なお、(ク4)の後に、図69の(ツ)以降と同じ演出が行われ、ここでは第2保留表示部530b(待機領域)の保留表示533e-533i等のキャラクタが、味方のキャラクタ557を応援するサブキャラクタ558として使用される。
なお、時短状態終了後に、(ク)から(ク2)の普電の閉状態(普電閉鎖中)では特図2保留が減少し、(ク3)から(ク4)の普電の開状態(普電開放中)では特図2保留が増加する。そして、普電の閉状態では、右打ち状態中であっても右打ちする利益があまりなく、右打ち指示表示551が目立たない小さな態様で表示され、普電の開状態では、右打ちする利益があるため、右打ち指示表示551が目立つ大きな態様で表示される。
以上、第1実施形態とその変形例について説明したが、特定遊技状態は、時短状態だけでなく確変状態(潜伏確変状態を除く)でもよい。また、1種2種混合機(1+2種機)だけでなく、単に、特定遊技状態(時短状態又は確変状態)を有する1種の遊技機(いわゆるデジパチ)に第1実施形態とその変形例を適用してもよい。確変状態を有する1種の遊技機では、特に、確変状態終了後の特図低確率でも大当り確率が高い機種(いわゆる甘デジ、ちょいパチ)について、残保留数に大当りが期待できるため、第1実施形態とその変形例を適用すると効果が大きい。
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)を備える。遊技機10は、特定遊技状態(例えば時短状態又は確変状態)において開状態と閉状態とに変換可能な変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)を備える。遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)は、変動入賞装置への入賞によって発生する始動記憶(例えば特図2保留)に基づいてゲーム(例えば特図2変動表示ゲーム)を実行可能である。特定遊技状態においてゲームが特別結果(例えば、小当り又は大当り、小当り後のV入賞による大当りも含む)となる場合に遊技者に付与する遊技価値(例えば時短回数又は確変回数)は、特定遊技状態の終了後においてゲームが特別結果となる場合に遊技者に付与する遊技価値と異なる。
このような遊技機10では、特定遊技状態中と特定遊技状態の終了後において、ゲームの特別結果で付与する遊技価値に差があるため、特定遊技状態中に発生して特定遊技状態の終了後にゲームが実行される始動記憶の数に関して遊技者が一喜一憂して、遊技の興趣が向上することになる。
第1実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(普図変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)を備える。遊技機10は、ゲーム(普図変動表示ゲーム)の結果が特定結果(普図当り)となる場合に開状態と閉状態とに変換可能な変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)を備える。遊技制御手段は、1回の特定結果(普図当り)が導出されることによって、変動入賞装置を開状態に複数回変換可能であり、ゲームが特定結果(普図当り)となる確率が高確率である高確率状態と低確率である低確率状態の両方で、変動入賞装置を開状態に変換可能である。
このような遊技機10では、ゲームが特定結果(普図当り)となる確率が低確率であっても、変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)を開状態に変換でき、変動入賞装置への入賞によって発生する始動記憶(例えば特図2保留)を貯めることができるため、遊技者を喜ばすことができ、遊技の興趣が向上する。
第1実施形態に係る遊技機10は、ゲームを実行可能な遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)と、ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(例えば演出制御装置300)と、を備える。遊技機10は、特定遊技状態(例えば時短状態又は確変状態)において開状態と閉状態とに変換可能な変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)を備える。遊技制御手段は、特定遊技状態の終了後においても、変動入賞装置が開状態に変換される所定状態(例えば普図低確率の右打ち状態)を発生可能であり、演出制御手段は、所定状態での演出態様を、所定状態以外での演出態様とは異ならせる。
このような遊技機10では、特定遊技状態の終了後において、特定遊技状態と同様に変動入賞装置が開状態に変換される所定状態を、演出上の見た目で特定遊技状態と区別できる。また、所定状態に特有の演出態様とすることによって、遊技の興趣を向上できる。
第1実施形態において、遊技制御手段は、変動入賞装置の開状態に対応してゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行可能である。従って、変動入賞装置の開状態で、ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行権利となる始動記憶(例えば特図2保留)を消化することなく、変動入賞装置への入賞によって当該始動記憶を貯めることができる。
第1実施形態において、遊技制御手段は、変動入賞装置の開状態に対応してゲーム(特図変動表示ゲーム)を長時間で実行し、変動入賞装置の閉状態に対応してゲームを短時間で実行可能である。従って、特定遊技状態中に変動入賞装置の開状態(例えば前半開放)で始動記憶(例えば特図2保留)を多く貯め、その後の閉状態(例えばインターバル)で始動記憶(例えば特図2保留)を多く消化し、特定遊技状態終了後に再度の開状態(例えば後半開放)で始動記憶(例えば特図2保留)を多く貯められる。このため、特定遊技状態終了後に消化される始動記憶の数(残保留数)を、始動記憶数の上限値(例えば4個)よりも多くすることができる。さらに、残保留数を可変にすることができる。
第1実施形態において、遊技制御手段は、変動入賞装置の開状態の時間よりも長い時間、変動入賞装置の開状態に対応してゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行する。従って、変動入賞装置の開状態とゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行期間(変動時間、変動期間)がズレても、ズレを吸収でき、実際の残保留数が規定の残保留数に過不足なく一致する。
第1実施形態において、遊技制御手段は、変動入賞装置の閉状態の期間において、ゲーム(特図変動表示ゲーム)を所定回数(例えば4回)以上実行可能である。従って、変動入賞装置の開状態とゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行期間(変動時間、変動期間)がズレても、ズレを吸収でき、実際の残保留数が規定の残保留数に過不足なく一致する。
第1実施形態において、遊技制御手段は、ゲーム(特図変動表示ゲーム)が所定回数(例えば時短回数又は確変回数)実行された場合に特定遊技状態が終了するように制御する。そして、特定遊技状態の終了後に、変動入賞装置への入賞によって発生する始動記憶に基づくゲームが実行される実行回数(規定の残保留数5~9)を、所定回数(例えば時短回数又は確変回数)に応じて変化させる。従って、所定回数を抽選で選択すれば、残保留数も抽選で設定されるランダム且つ可変なものとなり、残保留数で遊技者が一喜一憂して遊技の興趣が向上することになる。
第1実施形態において、遊技制御手段は、ゲーム(特図変動表示ゲーム)が特別結果(小当り又は大当り)となる場合に遊技者に付与する遊技価値として所定回数(例えば時短回数又は確変回数)を設定可能であり、所定回数を特別結果の種類(図柄)に応じて設定する。従って、特別結果に基づく特別遊技状態の終了後の特定遊技状態の所定回数が抽選(振り分け)で設定され可変(例えば1~5)となりランダムに変化するようになり、遊技の興趣が向上する。
第1実施形態において、遊技制御手段は、特定遊技状態の終了後にゲーム(特図変動表示ゲーム)が実行される実行回数(規定残保留数)と、所定回数(例えば時短回数又は確変回数)との合計を一定(例えば10)とする。従って、特定遊技状態の継続率を同じにしつつ、残保留数を可変にできる。特定遊技状態中と特定遊技状態の終了後にこの一定の数の特図2変動表示ゲームが実行される間、同じ演出モードを実行すると、遊技者は特定遊技状態中なのか特定遊技状態の終了後なのか見分けにくくなり、特定遊技状態の終了後の残保留の大当りで大きな遊技価値が得られると驚くことになり、遊技の興趣が向上する。
第1実施形態において、ゲームは、第1のゲーム(特図1変動表示ゲーム)と第2のゲーム(特図2変動表示ゲーム)を含む。遊技制御手段は、所定の入賞領域(例えば始動入賞口36)への遊技球の入賞によって発生する始動記憶に基づいて第1のゲームを実行可能であり、変動入賞装置への遊技球の入賞によって発生する始動記憶に基づいて第2のゲームを実行可能である。第2のゲーム(特図2変動表示ゲーム)を第1のゲーム(特図1変動表示ゲーム)よりも優先して実行可能であるとともに、特定遊技状態において第1のゲームが実行される場合には、第2のゲームよりも短い時間で実行される。
従って、特定遊技状態において第1のゲーム(特図1変動表示ゲーム)が実行される回数が少なくなるとともに、特定遊技状態において第1のゲーム(特図1変動表示ゲーム)が実行されても、第2のゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始が大きく遅れない。
第1実施形態において、ゲームは、第1ゲーム(普図変動表示ゲーム)と第2ゲーム(特図変動表示ゲーム)を含む。遊技制御手段は、所定の領域(普図始動ゲート34)での遊技球の通過に基づいて第1ゲームを実行可能であり、変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)への入賞によって発生する始動記憶に基づいて第2ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行可能である。特定遊技状態において、第1ゲームの実行中、及び、第1ゲームの特定結果によって発生する当り状態中に、所定の領域(普図始動ゲート34)で遊技球の通過があっても、第1ゲームの実行権利となる始動記憶(普図記憶)を発生させない。
従って、第1ゲーム(普図変動表示ゲーム)は停止表示中においてのみ開始でき、停止表示中に遊技球が所定の領域(普図始動ゲート34)を通過するとすぐに普図変動表示ゲームが開始する。このように第1ゲーム(普図変動表示ゲーム)の始動記憶(普図記憶)が実質的に貯まらないため、テンポよく第1ゲーム(普図変動表示ゲーム)が実行される。このため、特定遊技状態において、第1ゲーム(普図変動表示ゲーム)の当りによる変動入賞装置の動作と第2ゲーム(特図変動表示ゲーム)とがズレなしで連動し易くなる。
第1実施形態において、遊技制御手段は、特定遊技状態において変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)の開状態が規定回数(例えば2回)終了した場合に、特定遊技状態を終了させる。従って、止め打ちによって変動入賞装置への入賞数を所定回数(例えば時短回数又は確変回数)未満として特定遊技状態を延長するような事態を防止できる。さらに、延長された特定遊技状態での第1ゲーム(普図変動表示ゲーム)の当りに起因して変動入賞装置の開状態を余分に増やすことを防止できる。
第1実施形態において、遊技制御手段は、特別遊技状態の終了からのゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行回数に基づいてゲームの実行時間(変動時間)を制御する。従って、変動入賞装置の開状態に対応してゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行可能となり、変動入賞装置の開状態で、ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行権利となる始動記憶(例えば特図2保留)を貯めることができる。
第1実施形態の変形例に係る遊技機10において、ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果(例えば、小当り又は大当り、小当り後のV入賞による大当りも含む)となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば大当り状態)を発生可能である。遊技機10は、開状態と閉状態とに変換可能であり、特別遊技状態後の特定遊技状態(例えば時短状態又は確変状態)において特別遊技状態よりも開状態に変換し易くなる変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)を備える。変動入賞装置は、特別結果の種類(図柄)に応じて特別遊技状態の終了後の動作態様(サポ状態、サポ態様)が異なる。
従って、特別結果の種類(図柄)に応じて、特定遊技状態後のゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行回数である残保留数や特定遊技状態の継続率なども特別結果の種類(図柄)に応じて変化する。このため、特別結果の種類(図柄)に遊技者が注目するようになり、遊技の興趣も向上する。
第1実施形態の変形例において、遊技機10はゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段を備える。遊技制御手段は、特別遊技状態の終了後において、ゲームの実行回数に応じてゲームの実行時間とゲームの停止時間を設定する。ゲームの実行回数に応じた実行時間と停止時間のパターンを、変動入賞装置の動作態様(サポ状態A-C)に応じて設定する。従って、特別結果の種類(図柄)ひいては変動入賞装置の動作態様(サポ状態A-C)に応じて、特定遊技状態の終了後におけるゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行回数である残保留数を変化させることができる。
第1実施形態の変形例において、遊技制御手段は、特別結果が所定の種類(図柄E又は図柄F)である場合に、特別遊技状態の終了後の変動入賞装置の動作態様を、複数の動作態様から抽選(普図当り図柄の抽選)によって決定する。従って、特別結果が所定の種類(図柄E又は図柄F)であれば、規定された残保留数というものがなく、遊技者は実際の残保留数がいくつになるのか予想できずに、残保留数に期待感を持って遊技をできるため遊技の興趣が向上する。
第1実施形態の変形例において、遊技制御手段は、特定遊技状態中又は特定遊技状態後における変動入賞装置の開状態の期間と閉状態の期間を、特別結果の種類(図柄B-D)に応じて変化可能である。従って、特別結果の種類(図柄B-D)ひいては普電の動作態様(サポ状態A-C)に応じて、残保留数を変化させることができる。
[第2実施形態]
図78から図80を参照して、第2実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第2実施形態は、特定遊技状態としての時短状態(普電サポート状態、電サポ)中または時短状態後の第2始動記憶に対応する保留表示(始動記憶表示)の表示態様に関する。
〔時短状態から時短状態後にかけての画面遷移例〕
図78から図80を参照して、時短状態から時短状態後における第2始動記憶に対応する保留表示の表示態様について説明する。
図78は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、時短状態から時短状態後の画面遷移の一例(前半)である。また、図79は時短状態から時短状態後の画面遷移の一例(中盤)であり、図80は時短状態から時短状態後の画面遷移の一例(後半)である。
図78の(あ)は、大当り終了後に時短状態になってから、大当り前に発生した第1始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
表示装置41の表示画面の中央には、複数の変動表示領域610(左領域610A、右領域610B、中領域610C)が設けられる。変動表示領域610において、左領域610Aには飾り第1図柄A(識別情報、図柄、飾り特別図柄)が、右領域610Bには飾り第1図柄Bが、中領域610Cには飾り第1図柄Cが、それぞれ大図柄で拡大表示され、変動表示(「↓↓↓」)される。
表示画面の右上隅には、変動表示ゲームが飾り特別図柄(小図柄)によって実行される変動表示領域615が設けられている。変動表示領域615の小図柄は、通常の変動態様で変動表示(「↓↓↓」)される。変動表示領域610及び変動表示領域615の変動表示の結果は、互いに一致する内容となる。また、変動表示ゲームが実行されている場合には、表示装置41の表示画面において、変動表示領域610及び変動表示領域615のうちの少なくとも1つが表示されるようにする。
なお、時短状態において特図1変動表示ゲームが実行される場合には、変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cを表示せずに、右上隅の変動表示領域615で小図柄のみを変動表示してもよい。このように、時短状態などの特定遊技状態中に、変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cで特図1変動表示ゲームに係る変動表示を表示させないことによって、通常遊技状態における主となるゲームである特図1変動表示ゲームと、特定遊技状態における主となるゲームである特図2変動表示ゲームと、遊技者が区別し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。また、時短状態において特図1変動表示ゲームが実行される場合には、変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cに直前の停止図柄、すなわち大当り図柄が表示されたままにしてもよく、デフォルト(初期状態)の図柄(例えば「123」)等が表示されている状態で待機していてもよい。
また、表示装置41の表示画面の右上隅には、特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660とが設けられる。特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「1」と特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。
表示装置41の表示画面の下部には、始動記憶表示領域(特定表示部、特定表示領域)として、四角枠の保留消化領域640(変動中保留表示領域)と第2保留表示部630bとが設けられる。
保留消化領域640には、実行中(消化中)の変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に係る第1始動記憶(特図1保留)に対応する保留表示(始動記憶表示、特図1保留表示、特図変動中保留表示、特図消化中保留表示)として変動中保留表示633wが表示される。すなわち、大当り前に発生した第1始動記憶が2つあり、当該2つの第1始動記憶のうち先に発生した始動記憶(古い始動記憶)に対応する保留表示が、変動中保留表示633wに相当する。
また、2つの第1始動記憶のうち後に発生した始動記憶(新しい始動記憶)は消化されずに待機しており、特図1保留数表示部650の特図1保留数を示す数字が前述のように「1」となる。なお、第1始動記憶に対応する変動中保留表示633wや、当該変動中保留表示633wが表示される領域である保留消化領域640は、時短状態においては非表示にされてもよい。
第2保留表示部630bには、発生した第2始動記憶(特図2保留)に対応する保留表示(始動記憶表示、特図2保留表示、待機中保留表示)が表示される。例えば大当り終了直後に時短状態になったばかりの図78の(あ)では、第2始動記憶はまだ発生しておらず、第2始動記憶に対応する保留表示は表示されていない(0個)。また、時短状態等の特定遊技状態における主となる変動表示ゲームの始動記憶は第2始動記憶となる。なお、第1実施形態と同様に、遊技状態等に応じて、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち一方の変動表示ゲームが、主となる変動表示ゲームとして定められている。
なお、表示画面の下部の始動記憶表示領域において、第1始動記憶に対応する保留表示が表示される第1保留表示部630aは非表示になっており、待機中の第1始動記憶に対応する保留表示は時短状態中に表示されない。他方で、遊技状態が通常遊技状態であるときには、演出制御装置300は、第2保留表示部630bに代えて、第1保留表示部630aを表示画面の下部(特定表示部)に表示できる。すなわち、通常遊技状態における主となる変動表示ゲームの始動記憶は第1始動記憶となる。
また、演出制御装置300は、時短状態になってから第2始動記憶が発生するまでの間、右打ち表示(右打ち指示画像)を表示するようにしてもよい。さらに、第2始動記憶が発生してからも、右打ち状態のときは右打ち表示を継続して表示してもよい。なお、大当り遊技(特別遊技)中から遊技者は右打ち遊技を行っているので、演出制御装置300は、遊技者が左打ちを行わない限りは、右打ち表示を表示しないでもよい。
図78の(い)は、第1始動記憶に基づいて図78の(あ)に示すように特図1変動表示ゲームが実行されてから、第2始動記憶が複数発生したときの表示装置41の表示画面である。
普通変動入賞装置37(普通電動役物、普電)の第2始動入賞口(始動口2、第2始動入賞領域)に遊技球が入賞することによって、第2始動記憶が発生する。その際、例えば図78の(い)に示すように第2始動記憶が3つ発生した場合には、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字が「3」になるとともに、第2保留表示部630bに保留表示633x、633y、633zが表示される。
第2保留表示部630bに表示される保留表示633x、633y、633zは、第1始動記憶に対応する保留表示633wの表示態様(例えば「〇」)とは異なる所定の表示態様(例えば「▽」)で表示される。なお、第1始動記憶の保留表示と形状(「〇」や「▽」等)を異ならせる以外にも、所定の表示態様として色や模様(柄)や大きさ等を異ならせてもよい。したがって、第1始動記憶に対応する保留表示と第2始動記憶に対応する保留表示とがそれぞれ異なる表示態様で表示されるので、どちらの始動記憶に対応する保留表示であるかを遊技者が判別し易くなる。
また、保留表示633x、633y、633zの下部には、これらの保留表示が特別な保留表示であることを示す所定の表示態様として台座となる長方形の四角枠(例えば「□」)が表示される。そのため、当該四角枠の台座を遊技者が視認することで、保留表示633x、633y、633zが特別な保留表示であることを認識でき、期待感を高めることができる。当該特別な保留表示は、後述する第1残保留に対応する保留表示となり、当該特別な保留表示に基づいて変動表示ゲームが実行される際に所定の演出モードに演出が切り替えられる。なお、図78の(い)や後述する図では、新たに発生した保留表示であることが分かるように、当該保留表示の上部に「new」という説明書きを図示しているが、表示装置41の表示画面上に「new」という文字を実際に表示させて遊技者に新たな保留表示が発生したことを報知してもよい。
図78の(う)は、図78の(あ)(い)で実行されていた特図1変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
例えば、図78の(う)に示すように、変動表示ゲームがはずれ図柄(例えば「358」)で変動停止すると、待機中の保留(始動記憶)に応じて次の変動表示ゲームが実行されることになる。また、図78の(う)では、新たに第2始動記憶が発生して、第2保留表示部630bに保留表示633が表示される。特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は「4」になる。なお、以下の説明では、変動表示ゲームの停止結果は、全てはずれになるものとして説明する。
また、変動表示ゲームの停止結果が、仮に大当りまたは小当りになる場合には、以下の説明の途中で大当りや小当りに伴う演出(ファンファーレ演出やV入賞を狙うよう打ち方指示する演出等)に遷移できるものとする。また、大当りや小当りに伴う演出となる場合の変動表示ゲームの変動時間値は、はずれとなる場合の変動時間値よりも長め設定され、演出制御装置300は、当該演出として専用演出を実行できる。また、大当り等やはずれとなる場合の変動時間値は、固定値(固定の変動時間値)でよい。
また、第2始動記憶が発生するまでに、特図1変動表示ゲームが先に実行されることになるので、当該特図1変動表示ゲーム中に第2始動記憶を溜めやすくなる。そのため、所定の演出モード(所定の演出ステージ)に切り替わった際に、遊技者は、複数の第2始動記憶による一連の演出(連続演出)を途切れることなく連続して視認し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。さらに、演出制御装置300は、時短状態のときの特図1変動表示ゲームを短縮変動(固定の変動時間値)で実行する。そのため、特図1変動表示ゲームを間延びしないで変動停止できるので、速やかに特図2変動表示ゲームを開始することができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、特図1変動表示ゲームが変動停止した際に、待機中の第2始動記憶がある場合には、保留消化領域640の四角枠が変化し、第2始動記憶を消化するための専用の枠(例えば「凸状の台座」)に切り替わる。そのため、次の変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームであることを遊技者に認識させ易くでき、期待感を高めることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、演出制御装置300は、図78の(う)等では時短状態中に第1保留表示部630aを表示していないが、第2保留表示部630bとともに第1保留表示部630aを表示して、第1始動記憶に対応する保留表示を表示するようにしてもよい。また、保留消化領域640の表示態様(枠)は、第1始動記憶の保留表示用の表示態様(四角枠、例えば「□」)と第2始動記憶の保留表示用の表示態様(専用の枠、例えば「凸状の台座」)とを分けなくてもよく、共通の表示態様、例えば第2始動記憶の保留表示用の表示態様(専用の枠、例えば「凸状の台座」)で表示してもよい。
図78の(え)は、特図1変動表示ゲームの後に、第2始動記憶に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。遊技制御装置100は、待機(記憶)している第1始動記憶よりも第2始動記憶を優先して、特図2変動表示ゲームを実行することができる(特図2優先変動)。
特図2変動表示ゲームが実行されると、図78の(え)に示すように、変動表示領域610の飾り第1図柄A~Cや変動表示領域615の小図柄が変動表示(「↓↓↓」)される。また、特図2変動表示ゲームが開始される際に、第2保留表示部630bに表示されている保留表示633x、633y、633z、633が左側に1つずつ移動(保留シフト)するとともに、第2保留表示部630bの左端の1つの保留表示633xが保留消化領域640に移動し、保留消化領域640の凸状の台座上に変動中保留表示633xが表示される。
また、演出制御装置300は、時短状態中に特図2変動表示ゲームが実行される際に、時短状態に対応する演出モード(時短モード、時短ステージ)に演出を切り替えることができる。なお、時短状態になった際や、時短状態中に最初の変動表示ゲーム、すなわち特図1変動表示ゲームが実行される際に(図78の(あ))、時短状態に対応する演出モードに演出を切り替えてもよい。
また、図78の(え)では、新たに保留表示633aが発生し、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は「4」になる。
保留消化領域640の変動中保留表示633xには、例えば、「残り4」という所定の演出モードの残り回数を遊技者に報知する文字が表示される。なお、図78の(え)に示すように、残り回数を示す数字を変動中保留表示633xと一体的に表示し、「残り」を変動中保留表示633xの上部に表示させてもよい。このような表示態様によれば、保留シフトに合わせて残り回数を示す数字のみを切り替えることができるので、どの変動中保留表示に対応して表示される数字であるかが分かり易くなり、所定の演出モードの残り回数を遊技者が正確に把握し易くなる。
なお、共通の表示態様で保留消化領域640を表示する場合において、第1始動記憶の保留表示が保留消化領域640に表示されるときには、「残り4」等の残り回数を報知する文字を非表示にしてもよい。また、第1始動記憶の保留表示が保留消化領域640に表示されるときには、当該残り回数を報知する文字は、半透明やグレー等の目立たない表示態様にすることで、遊技者が注視し難いように表示してもよい。
また、例えば本実施形態では時短回数は1回に設定されており、変動中保留表示633xに対応する特図2変動表示ゲームが変動停止すると、時短状態が終了(時短終了)し、遊技状態が移行状態に移行する。そして、時短状態中(時短中)に発生したが(記憶されたが)、時短中に消化されなかった第2始動記憶(特図2保留)は、残保留として時短終了後の移行状態において消化される。図78の(え)では、残保留に対応する保留表示は、保留表示633y、633x、633、633aになる。そのため、移行状態では、通常遊技状態と同様の大当り確率および普図確率となる一方で、残保留の消化によって小当り確率(例えば1/8)で小当りを発生させやすい有利状態となる。したがって、第1実施形態と同様に、確率的には移行状態を通常遊技状態に含めてもよいし、有利状態であることから通常遊技状態とは区別して扱ってもよい。また、遊技者は、小当り中のV通過(V入賞口への遊技球の通過、V入賞)によって大当りを発生させることができる(1種2種混合機)。
ここで、第1実施形態では、時短終了後に消化される第2始動記憶(特図2保留)を全て残保留と呼んだが、第2実施形態では、例えば、時短中に発生して時短終了後に消化される特図2保留を所定残保留(第1残保留、時短中発生残保留)と呼び、時短終了後に発生する特図2保留を過剰保留(第2残保留、過剰な残保留)と呼んでよい。
また、例えば、第2実施形態では、時短中に発生して時短終了後に消化される特図2保留のうち最初の所定個を所定残保留(第1残保留)と呼び、所定残保留の後に消化される特図2保留を過剰保留(第2残保留)と呼んでもよい。
所定残保留に係る変動表示ゲームの実行後に、過剰保留に係る変動表示ゲームが実行開始される際に、所定の演出モード(所定の演出ステージ)から他の演出モードに演出が切り替えられる。このため、別の言い方では、所定残保留は、所定の演出モード中に変動表示ゲームが実行される残保留となり、過剰保留は、他の演出モード中に変動表示ゲームが実行される残保留となる。
例えば、図78の(え)では、時短中に発生し、時短終了後に消化される保留表示633y、633x、633、633aが所定残保留(第1残保留、時短中発生残保留)に対応する保留表示となる。また、この場合の所定残保留(第1残保留、時短中発生残保留)の数は、例えば4個となる。
図78の(お)は、時短終了後に、1つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
演出制御装置300は、第1残保留に基づく変動表示ゲームが実行開始される際に、時短モードから所定の演出モードとして例えば移行状態の時短中発生残保留消化モードに演出を切り替えることができる。
時短中発生残保留消化モードは、時短中に発生し、時短終了後に消化される第1残保留(所定残保留、時短中発生残保留)を消化するモードである。
時短中発生残保留消化モードで所定個(例えば4個)の第1残保留が消化されると、それ以降の保留(過剰保留、第2残保留、過剰な残保留)を消化する過剰保留消化モード(第1演出)に演出が移行する。
また、これらの時短中発生残保留消化モードと過剰保留消化モードとからなるモードとして、移行状態の残保留消化モードがある。
例えば、所定の演出モードとしての時短中発生残保留消化モードにおける演出は、直前に実行される時短モードによる演出とストーリーや登場するキャラクタ等が関連する一連の演出として実行可能である。したがって、時短中に消化される特図第2保留と、時短終了後に消化される第1残保留とに、基づいて実行される複数の変動表示ゲームに亘って展開(表示、再生)されるシナリオを一連の演出として遊技者が視認でき、ストーリー性が深いより複雑な演出を楽しめるようになるので、遊技の興趣を高めることができる。なお、前述のように移行状態と特定遊技状態といった有利状態における演出モード(時短モード、残保留消化モードの時短中発生残保留消化モード)を分けずに同じ演出モードにして共通の演出態様としてもよい。
また、例えば時短終了後に、普通変動入賞装置37の開放、普図変動表示ゲームのさらなる当り(普図の低確率が0%より大きい場合)等によって普通変動入賞装置37(普電)の可動部材37bが開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に入賞すると、第2残保留が発生し、図78の(お)に示すように第2残保留に対応する保留表示633bが新たに表示される(「new」と表示)。なお、時短終了後でも普通変動入賞装置37の開放が行われる場合とは、例えば、時短終了時点で普通変動入賞装置37の開放中で時短終了後も開放状態が若干継続する場合や第1実施形態の後半開放の場合である。第2残保留に対応する保留表示633bは、時短中発生残保留消化モードで所定個(例えば4個)の第1残保留が消化された後に移行する過剰保留消化モードで、消化されることになる過剰な残保留である。
第1残保留に対応する保留表示633z、633、633aの下部には、台座となる長方形の四角枠(例えば「□」)が表示される一方で、第2残保留に対応する保留表示633bの下部には、台座となる長方形の四角枠は表示されない。そのため、最後(最新)の第1残保留に対応する保留表示633aを見分け易くなるので、どこまで所定の演出モードとして時短中発生残保留消化モードによる演出が行われるかを、遊技者に認識させ易くできる。さらに、最後(最新)の第1残保留に対応する保留表示633aを見分け易くするように、保留表示633aの台座には、「Last」という文字を表示することもできる。
また、保留消化領域640の変動中保留表示633yに表示される所定の演出モードの残り回数を遊技者に報知する文字(モード残り回数)は、例えば「残り3」に切り替わる。そのため、所定の演出モードとして時短中発生残保留消化モードによる演出が後何回行われるかを、遊技者に認識させ易くできる。
図78の(か)は、時短終了後に、2つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留シフトの後、2つ目の第1残保留、すなわち変動中保留表示633zに対応する第2始動記憶に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されると、保留消化領域640の変動中保留表示633zに表示されるモード残り回数は、例えば「残り2」に切り替わる。また、遊技球が普通変動入賞装置37に入賞すると第2残保留が発生し、当該第2残保留に対応する保留表示633cが新たに表示される(「new」と表示)。なお、時短終了後の残保留消化モード(時短中発生残保留消化モードや過剰保留消化モード)では、消化保留(変動中保留表示)や待機中保留の保留シフト演出を省略するようにしてもよい。
図79の(き)は、時短終了後に、3つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留シフトの後、図78の(か)と同様に3つ目の第1残保留、すなわち変動中保留表示633に対応する第2始動記憶に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、保留消化領域640の変動中保留表示633に表示されるモード残り回数が例えば「残り1回」に切り替わる。また、新たな第2残保留に対応する保留表示633dが第2保留表示部630bに表示される(「new」と表示)。
図79の(く)は、時短終了後に、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留シフトの後、4つ目の第1残保留、すなわち変動中保留表示633aに対応する第2始動記憶に基づいて特図2変動表示ゲームが図78の(か)と同様に実行され、保留消化領域640の変動中保留表示633aに表示されるモード残り回数が例えば「残り0」に切り替わる。
第2保留表示部630bには、3つの第2残保留に対応する保留表示633b、633c、633dが表示される。特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は、「3」になる。
図79の(け)は、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、図79の(く)の後に第2始動記憶(特図2保留)が発生したときの表示装置41の表示画面である。
遊技球が普通変動入賞装置37に入賞すると、第2始動記憶の第2残保留が発生し、当該第2残保留に対応する保留表示633eが新たに表示される(「new」と表示)。また、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は、「4」になる。そして、待機中の第1残保留は0個になり、第2残保留が4個になる。
図79の(こ)は、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、図79の(け)の後にリザルト画面670に遷移したときの表示装置41の表示画面である。
4つ目の第1残保留、すなわち最後(最新)の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、変動後半になると、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面に所定期間の遊技結果を示すリザルト画面670を表示することができる(リザルト表示)。なお、4つ目の第1残保留に基づく特図2変動表示ゲームは実行中であり、図79の(こ)における演出モードは時短中発生残保留消化モードが継続している。なお、これに限られず、リザルト表示の時点で時短中発生残保留消化モードが終了して他の演出モードである過剰保留消化モードに遷移してもよい。
このように、演出制御装置300は、時短モードから時短中発生残保留消化モードにおける変動表示ゲームが全てはずれ結果となる場合に、最新の第1残保留に基づく変動表示ゲームの実行途中でリザルト表示を行うことができる。
リザルト画面670には、直近(最新)の大当りで獲得した遊技球数や、初当り(最初に通常大当り)になってからの一連の大当りで獲得した遊技球数や一連の大当り回数、大当り内容の内訳(通常大当りや時短中や移行状態中のV入賞による大当り、大当り発生時の演出内容)等を表示することができる。一連の大当りには、例えば右打ち状態が継続している間に発生した全ての大当りが含まれる。
また、演出制御装置300は、リザルト表示中に変動表示領域610や第2保留表示部630b、保留消化領域640を非表示にする。したがって、表示画面に大きくリザルト画面670を表示することができ、遊技者がリザルト画面670を視認し易くなるので、遊技の興趣を高めることができる。
他方で、変動表示領域615や特図1保留数表示部650、特図2保留数表示部660の表示は維持されており、遊技者は変動図柄や特図1保留数、特図2保留数を確認することができる。
なお、リザルト画面670は、1つ目の(最初の)第2残保留に基づく変動表示ゲームが開始されるタイミング(図79の(さ))で表示されるようにしてもよい。また、第2残保留が待機していない場合には、リザルト画面670は、最後の第1残保留に基づく変動表示ゲームが変動停止するタイミング(図79の(こ)直後)で非表示にされてもよい。
図79の(さ)は、リザルト表示中に、1つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
1つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されると、所定の演出モード(時短中発生残保留消化モード)から他の演出モードである過剰保留消化モードに演出が切り替えられる。また、過剰保留消化モードに演出が切り替えられても、表示装置41の表示画面にはリザルト画面670の表示が維持される。したがって、リザルト画面670に表示される遊技結果を確認するための十分な時間を遊技者が確保することができる。
また、第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが実行されることで、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は「3」になる。
なお、過剰保留消化モードにおいて、リザルト画面670が表示されている状態をリザルトモードと呼んでもよい。
図79の(し)は、1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
例えば、1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止するとリザルトモードが終了して、図79の(し)に示すように、リザルト画面670から表示が切り替わり、変動表示ゲームがはずれ図柄(例えば「267」)で変動停止する。すなわち、演出制御装置300は、第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが1回実行されるまで、リザルト画面670を表示するようにできる。なお、リザルト画面670からの表示の切り替えタイミング(画面遷移の契機)は、始動入賞口36(第1始動入賞領域、始動口1)や普通図柄始動ゲート34(普図始動ゲート)に遊技球が入賞または通過したタイミングでもよい。
また、図79の(し)では、リザルト画面670が非表示になるとともに、第1保留表示部630aと保留消化領域640とが表示される。このように、最後の第1残保留に基づく変動表示ゲーム中に表示開始されたリザルト画面670は、1つ目の(最初の)第2残保留に基づく変動表示ゲームが変動停止するタイミングで、非表示にされる。なお、演出制御装置300は、第1保留表示部630aを表示して待機中の第2残保留を表示する一方で、リザルト画面670とともに保留消化領域640を非表示にして消化中の第2残保留(変動中保留表示)を非表示にしてもよい。
図80の(す)は、2つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
演出制御装置300は、過剰保留消化モード中にリザルトモードから特殊モード(専用モード、特殊ステージ)に演出を切り替えて、リザルト画面670を非表示にし、変動表示領域610を表示画面に表示する。すなわち、過剰保留消化モードは、リザルトモードと特殊モードとに分けることができる。
特殊モード(専用モード、特殊ステージ)では、第2残保留を消化するための特図2変動表示ゲームが、通常遊技状態における特図1変動表示ゲームの変動時間の平均値と比べて比較的短い変動時間(固定の変動時間値)で実行される。また、特殊モードにおける表示画面の背景やステージには、通常遊技状態とは異なる専用の背景やステージを用いてもよく、通常遊技状態と同じものを用いてもよい。
また、特殊モードでは、第2保留表示部630bは表示されずに、第1保留表示部630aが表示される。そして、表示された第1始動記憶(特図1保留)の保留表示633fは消化されずに第1保留表示部630aに待機したままであり、非表示の第2始動記憶(特図2保留)が優先消化される(特図2優先変動)。なお、特図2保留数は、特図2保留数表示部660に表示されている数字「2」から簡単に確認することができる。
また、保留消化領域640には、2つ目の第2残保留に対応する保留表示633c(例えば「▽」)が表示される。したがって、第1保留表示部630aの保留表示633fが保留シフトしないことと、保留消化領域640に第2残保留の保留表示633cが表示されることを、視認した遊技者は、特殊モードで変動中の変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームであることを簡単に認識することができる。このように、特殊モードにおける主となる変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の始動記憶は第2始動記憶(特図2保留)になる。
なお、保留消化領域640に表示される第2残保留(変動中保留表示633c)は、非表示にされてもよく、後述する図87の(す7)に示すように、第1始動記憶(特図1保留)と同じ表示態様(例えば「〇」)で表示されてもよい。
図80の(せ)は、3つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面であり、図80の(そ)は、4つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
図80の(せ)に示すように、3つ目の第2残保留、すなわち変動中保留表示633dに対応する第2始動記憶に基づいて特図2変動表示ゲームが図80の(す)と同様に実行され、特図2保留数表示部660に表示されている特図2保留数を示す数字が「1」になる。
また、図80の(そ)に示すように、4つ目の第2残保留、すなわち変動中保留表示633eに対応する第2始動記憶に基づいて特図2変動表示ゲームが同様に実行され、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字が「0」になる。
なお、図79の(さ)から図80の(た)に示すリザルトモードや特殊モードにおける第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームは、短縮変動(固定の変動時間値)で実行される。
すなわち、第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームは、時短中の特図2変動表示ゲーム(図78の(え))や、第1残保留に基づく特図2変動表示ゲーム(図78の(お)~図79の(こ))と比べて、変動時間が短く早期に終了(変動停止)する。
また、第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームは、時短中に実行される特図1変動表示ゲーム(図78の(あ)~(う))と比べても変動時間が短く早期に終了する。
したがって、時短モードや時短中発生残保留消化モードでの一連の演出が終了した後に、過剰保留消化モード(第1演出)で第2残保留が速やかに消化され、通常モード(第2演出)に戻ることができる。そのため、移行状態が間延びすることを抑制でき、テンポよくゲームを進行できるので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、時短中に実行される特図1変動表示ゲームも、時短中の特図2変動表示ゲームや第1残保留に基づく特図2変動表示ゲームと比べて、変動時間が短く早期に終了する。したがって、時短開始時に実行された特図1変動表示ゲームが間延びすることを抑制しつつ、特図2保留を溜めて、速やか特図2変動表示ゲームを開始できる。そのため、特図2変動表示ゲームの実行に伴う一連の演出を遊技者が途切れることなく連続して視認し易くなるので、遊技の興趣を高めることができる。
図80の(た)は、4つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
例えば、図80の(た)に示すように、変動表示ゲームがはずれ図柄(例えば「416」)で変動停止すると、保留消化領域640の変動中保留表示633eが非表示になり、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は「0」になる。
第2残保留が全て消化されると、特殊モードが終了し通常モードに演出が切り替わる。また、表示画面の左上隅には、左打ち表示671(左打ち指示画像)が表示される。左打ち表示671は、遊技者に左打ちを指示するための表示である。
なお、左打ち表示671は、第2残保留が全て消化されたときに限らず、時短終了後(図78の(お))に表示されるようにしてもよい。また、左打ち表示671は、リザルト画面670が表示される図79の(こ)のタイミングや、過剰保留消化モードに演出が切り替わる図79の(さ)のタイミングや、特殊モードに演出が切り替わる図80の(す)のタイミングで表示されるようにしてもよい。
図80の(ち)は、第1始動記憶(特図1保留)に基づいて特図1変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留シフトによって、特図1保留に対応する変動中保留表示633fが第1保留表示部630aから保留消化領域640へと移動し表示されて、当該特図1保留に基づいて特図1変動表示ゲームが実行される。
図80の(つ)は、特図1変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
その後、例えば、図80の(つ)に示すように、変動表示ゲームがはずれ図柄(例えば「521」)で変動停止すると、特図1保留や特図2保留が全て消化された状態となる。その後、第1始動記憶または第2始動記憶が発生することで、次の変動表示ゲームが開始される。
なお、普通変動入賞装置37が開放されにくい通常モード(左打ち)時には、第2始動記憶が発生することは通常難しくなっており、遊技者は第1始動記憶に基づく変動表示ゲームを開始させるために、始動入賞口36(第1始動入賞領域、始動口1)に遊技球を入賞させることを通常狙うことになる。
また、第1始動記憶が発生することが普通である通常モードで、仮に第2始動記憶が発生した場合(普図の低確率が0%より大きい場合)には、図79(こ)(さ)のリザルト表示中や図79(す)~(そ)の特殊モード中と異なって、演出制御装置300は、第2保留表示部630bを表示し、発生した第2始動記憶に対応する保留表示を表示してもよい。これにより、通常モードで遊技者は第2始動記憶が発生したことを認識できる。
逆に、通常モードで仮に第2始動記憶が発生した場合(普図の低確率が0%より大きい場合)には、図79(こ)(さ)のリザルト表示中や図79(す)~(そ)の特殊モード中と同じく、演出制御装置300は、第2保留表示部630bを表示せず、発生した第2始動記憶に対応する保留表示を表示しなくてもよい。これにより、通常モードで第2始動記憶が発生しても、遊技者に違和感を与えない。
〔時短100回機における時短状態からの画面遷移例〕
図81を参照して、時短100回機における時短状態からの第2始動記憶に対応する保留表示の表示態様について説明する。なお、以下の説明では、図78から図80における内容と同様のものについては適宜省略して説明する。
図81は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、時短100回機における時短状態からの画面遷移の一例である。なお、時短100回機(時短機)は、時短状態(特定遊技状態)に移行可能な一般的な遊技機で、大当りの後に所定回数(例えば100回)の時短状態(普電サポート状態)が発生可能なものをいうものとする。
図81の(は)は、遊技状態が大当り終了後に時短状態になってから、時短1回目の特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留消化領域640は、第2始動記憶を消化するための専用の枠(例えば「凸状の台座」)に切り替わっており、当該凸状の台座上に、変動中保留表示633vが特図2保留(第2始動記憶)を示す表示態様(例えば「▽」)で表示されている。
保留消化領域640の変動中保留表示633vには、例えば、「残り99」という時短モードの残り回数(時短残り回数)を遊技者に報知する文字が表示される。なお、図81の(は)や後述する図では、時短回数が分かるように、第2保留表示部630bの上部に「時短x回目」という説明書きを図示しているが、表示装置41の表示画面上に「時短x回目」という文字を実際に表示させて遊技者に時短回数を報知してもよい。このように時短回数を報知することで、遊技者が現在何回目の時短状態における変動表示ゲームであるかを認識し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
また、第2保留表示部630bには、第2始動記憶を示す表示態様(例えば「▽」)で保留表示633uが表示されている。当該保留表示633uの下部には、当該保留表示633uが時短中に消化されることを示す所定の表示態様として台座となる長方形の四角形(例えば「□」)が表示される。そのため、どの保留表示まで時短状態が継続するのかを遊技者が認識し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
図81の(ひ)は、その後、時短状態で特図2変動表示ゲームが繰り返されて、時短95回目の特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留消化領域640の変動中保留表示633wには、例えば、「残り5」という時短残り回数が表示される。また、第2保留表示部630bには、第2始動記憶を示す表示態様(例えば「▽」)で保留表示633x、633y、633zが表示されている。当該保留表示633x、633y、633zの下部には、時短中に消化されることを示す所定の表示態様の台座(例えば「□」)が前述した保留表示633uと同様に表示される。
図81の(う2)は、図81の(ひ)で実行されていた特図2変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
例えば、図81の(う2)に示すように、変動表示ゲームがはずれ図柄(例えば「358」)で変動停止すると、図78の(う)と同様に、待機中の保留(始動記憶)に応じて次の変動表示ゲームが実行されることになる。また、図81の(う2)でも、新たに第2始動記憶が発生して、第2保留表示部630bに保留表示633が表示される。
また、特図2変動表示ゲームが変動停止した際に、待機中の次の第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームが実行されるまでの間、保留消化領域640には変動中保留表示は表示されずに、第2始動記憶を消化するための専用の枠(例えば「凸状の台座」)のみが表示される。なお、演出制御装置300は、保留シフトのシフト演出(保留がシフトする演出)を行ってから、次の第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームを実行してもよく、シフト演出を行わずに保留表示を瞬時に次の位置(保留シフト後の位置)に切り替えてから特図2変動表示ゲームを実行してもよい。なお、変動停止中において、変動中の変動中保留表示とは色や透明度を異なせた保留表示を保留消化領域640に表示し、次の時短残り回数(例えば「残り4」)を表示してもよい。
図81の(え2)は、時短96回目の特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留消化領域640の変動中保留表示633xには、例えば、「残り4」という時短残り回数が表示される。また、第2保留表示部630bには、第2始動記憶を示す表示態様(例えば「▽」)の保留表示633aが新たに表示される。
ここで、演出制御装置300は、図81の(え2)に示すように、新たな保留表示633aの下部の台座(例えば「□」)に「Last」という時短状態を終了することを報知する文字を表示することができる。したがって、残り回数を表示した部分を注視しなくても、時短終了のタイミングを遊技者が保留表示から認識できるようになるので、遊技の流れを把握し易くなって遊技の興趣を高めることができる。
図81の(お2)は、時短97回目の特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
第2保留表示部630bには、第2始動記憶(特図2保留)に対応する保留表示633bが新たに表示される。当該保留表示633bは、時短状態が終了した後に移行する移行状態(確率的には通常遊技状態)で消化されることになる残保留(所定残保留、第1残保留、時短中発生残保留)である。このように、時短残り回数が3回以下になると、時短終了後に消化される残保留が第2保留表示部630bに溜まり始めることになる。
なお、時短終了後に消化される残保留は第2始動記憶であり、当該第2始動記憶の大当り図柄乱数は、第1始動記憶の大当り図柄乱数よりも確変状態の発生する確率が高くなる有利な振り分けとなっている。そのため、残保留が消化される移行状態中(残保留消化モード中)は、確率的には通常遊技状態であるが遊技者に有利な有利状態であるとも言える。
また、演出制御装置300は、新たに表示される保留表示633bの下部にも所定の表示態様として台座(例えば「□」)を表示してもよい。このような表示態様によっても、保留表示633aの下部の台座に「Last」という文字を遊技者が視認でき、時短終了のタイミングを保留表示から認識することができる。また、時短中に消化される保留と時短終了後に消化される残保留とで、保留表示の表示態様が同じになり統一性が増すので、時短モードにおける演出に違和感が生じることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
図81の(か2)は、時短98回目の特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
第2保留表示部630bには、第2始動記憶(特図2保留)に対応する保留表示633cが新たに表示される。当該保留表示633cも、保留表示633bと同様に残保留である。
その後、時短99回目の特図2変動表示ゲームが実行されると、表示装置41の表示画面は、図79の(き)と同様の画面遷移になり、時短100回目では図79の(く)(け)と同様の画面遷移になる。そして、演出制御装置300は、時短終了後に、図79の(こ)移行に示すようにリザルト画面670を表示してもよい。
なお、上述した1種2種混合機における図79の(き)~(け)の画面遷移例では、第2保留表示部630bに表示される保留表示633b、633c、633d、633eは、過剰な残保留の第2残保留であると説明した。しかしながら、時短100回機において図81の(か2)から遷移して図79の(き)~(け)となる場合には、当該保留表示633b、633c、633d、633eは、時短中に発生して時短終了後に消化される第1残保留(残保留)になる。4個の残保留に基づく特図2変動表示ゲームが時短100回後に実行可能になるので、遊技者は、合計で104回(100+4回)の特図2変動表示ゲームを行って大当りを狙うことができ、遊技の興趣を高めることができる。
〔特図2保留表示の変形例における画面遷移例〕
図82、図83を参照して、特図2保留表示の変形例の表示態様として、特図2保留の全消化までのリザルト表示を継続する表示態様について説明する。なお、以下の図87までの変形例は、図78から図80で説明した1種2種混合機(時短回数1回)の遊技機10における特図2保留表示の変形例になる。
図82は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、特図2保留表示の変形例における画面遷移の一例(前半)である。図83は、特図2保留表示の変形例における画面遷移の一例(後半)である。
図82の(き2)は、時短終了後の時短中発生保留消化モードに、3つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留シフトの後、3つ目の第1残保留(第2始動記憶)の変動中保留表示633に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されると、保留消化領域640の変動中保留表示633に表示されるモード残り回数は例えば「残り1」になる。また、特図1保留数表示部650の特図1保留数を示す数字は「1」であり、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は「4」である。すなわち、図82の(き2)では、図79の(き)と同じ特図1保留数、特図2保留数になっており、待機中の第1残保留が1個、第2残保留が3個になっている。
ここで、演出制御装置300は、図82の(き2)に示すように、第1残保留の保留表示633aを表示する一方で、3個の第2残保留の保留表示は表示しない。したがって、第1残保留(保留表示633a)だけが表示されているので、どの保留が消化されるまで、所定の演出モード(移行状態の時短中発生残保留消化モード)による演出が実行されるのかを遊技者が把握し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。また、実行される演出との関連性が強い第1残保留のみが表示されるので効果的な演出を行えるとともに、関連性が弱い第2残保留は非表示になるので演出の妨げとなることを抑制でき遊技者を演出に集中させ易くできるので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、図82の(き2)以降の図において第2残保留の保留表示は表示されていないが、特図2保留数表示部660に特図2保留数を示す数字「4」が表示されているので、遊技者は特図2保留数を把握することができる。
図82の(く2)は、時短終了後に、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示が実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留シフトの後、4つ目の第1残保留である変動中保留表示633aに基づいて特図2変動表示ゲームが図82の(き2)と同様に実行され、保留消化領域640の変動中保留表示633aに表示されるモード残り回数が例えば「残り0」に切り替わる。
また、演出制御装置300は、第2残保留の保留表示を第2保留表示部630bに表示しない状態を維持している。特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は、「3」になる。
図82の(け2)は、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、図82の(く2)の後に第2始動記憶(特図2保留)が発生したときの表示装置41の表示画面である。
第2始動記憶の第2残保留が発生すると、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は「4」になる。その際、第2保留表示部630bには保留表示が表示されていないので、第2始動記憶が発生したことが分かり易くなるように、特図2保留数表示部660の近くに第2始動記憶が発生したことを報知する文字(例えば「new」という文字)を表示してもよい。
図82の(こ2)は、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、図82の(け2)の後にリザルト画面670に遷移したときの表示装置41の表示画面である。
4つ目(最後、最新)の第1残保留に基づく特図2変動表示ゲームの変動後半で、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面に所定期間の遊技結果を示すリザルト画面670を表示する(リザルト表示)。演出制御装置300は、リザルト画面670を表示する一方で、第2残保留の保留表示は第2保留表示部630bに表示しない状態を維持している。したがって、表示画面には、第2残保留の保留表示が表示されなくなり、代わりにリザルト画面670が大きく表示されるので、当該リザルト画面670を遊技者が視認し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
図82の(さ2)は、リザルト表示中に、1つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームの実行に伴い、時短中発生残保留消化モードから過剰保留消化モード(リザルトモード)に演出が切り替えられる。表示装置41の表示画面にはリザルト画面670が引き続き表示されている。
図82の(し2)は、1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。また、図83の(す2)から(そ2)は、2つ目から4つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
本変形例では、例えば1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止してもリザルトモードが継続され、図82の(し2)に示すように、リザルト画面670の表示が維持される。なお、変動表示領域615では、小図柄が変動停止し、はずれ図柄(例えば「267」)となっている。
その後も、2つ目から4つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行される際もリザルトモードが継続されており、図83の(す2)から(そ2)に示すように、リザルト画面670の表示が維持される。その際、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は、特図2変動表示ゲームが実行される毎に1つずつ減少し、最終的には図83の(そ2)に示すように「0」になる。
したがって、第2残保留が全て消化されるまでリザルトモードが維持されることになるので、リザルト画面670を確認するための時間を長めに確保することができ、遊技者が遊技の結果を慌てずにゆっくりと確認できるようになる。また、リザルト画面670を比較的長めに表示可能になるので、演出制御装置300は、演出内容等のより詳細なデータをリザルト画面670に表示するようにしてもよい。
図82の(た2)は、4つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
4つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止すると、リザルトモードが終了して通常モードに演出が切り替わり、リザルト画面670が非表示になる。また、表示画面の変動表示領域610には、特図2変動表示ゲームのはずれ図柄(例えば「416」)が表示される。そして、図80の(た)と同様に、保留消化領域640と第1保留表示部630aと左打ち表示671とが表示された状態になる。第1保留表示部630aには、特図1保留に対応する保留表示633fが表示される。
その後、図82の(ち2)(つ2)では、図80の(ち)(つ)と同様に、第1始動記憶(特図1保留)に基づいて特図1変動表示ゲームが実行され、はずれ図柄(例えば「521」)で変動停止する。
なお、リザルト画面670の非表示になるタイミングは、4つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止するタイミングに限らず、特図1変動表示ゲームが開始されるタイミングでもよく、また、両方の条件が成立するタイミングでもよい。
〔特図2保留表示の変形例2における画面遷移例〕
図84を参照して、特図2保留表示の変形例2の表示態様として、リザルト表示時の表示態様について説明する。
図84は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、特図2保留表示の変形例2における画面遷移の一例である。
図84の(け)は、時短中発生残保留消化モード中に、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行される図79の(く)の後に、第2始動記憶(特図2保留)が発生したときの表示装置41の表示画面であり、図79の(け)と同じものである。第2始動記憶の第2残保留が発生すると、当該第2残保留に対応する保留表示633eが新たに表示される(「new」と表示)。
図84の(こ3)は、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、図84の(け)の後にリザルト画面670に遷移したときの表示装置41の表示画面である。
4つ目(最後、最新)の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、変動後半になると、演出制御装置300はリザルト表示を行う。
その際、特図2保留表示の変形例2では、演出制御装置300は、リザルト表示中に変動表示領域610を非表示にする一方で、第2保留表示部630bや保留消化領域640の表示を維持する。したがって、遊技者は、特図2保留数表示部660と第2保留表示部630bの保留表示とを視認することで、特図2保留の数を確認できるとともに、当該特図2保留が第2残保留であることも簡単に確認することができる。
なお、表示装置41の表示画面の中央には、図79の(こ)と同様に、変動表示領域610に代わってリザルト画面670が大きく表示されているので、当該リザルト画面670を遊技者が視認し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
図84の(さ3)は、リザルトモードにおけるリザルト表示中に、1つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
表示装置41の表示画面にはリザルト画面670の表示が維持されるとともに、保留消化領域640の変動中保留表示633bの上部には「終了」という時短中発生残保留消化モードの終了を報知する文字が表示される。したがって、時短中の特図2保留と第1残保留とに基づく複数の特図2変動表示ゲームによる一連の演出が終了したことを、遊技者は容易に認識することができる。
また、1つ目の第2残保留が変動中保留表示633bとして保留消化領域640に位置するとともに、第2保留表示部630bの第2残保留に対応する保留表示633c、633d、633eも一つ左に位置する。なお、リザルトモード(過剰保留消化モード)では、演出制御装置300は、特図2変動表示ゲームの短縮変動(固定の変動時間値)に合わせて保留シフトのシフト演出を省略し、第2残保留がより早期に消化されるようにしてもよい。また、演出制御装置300は、保留シフトのシフト演出を省略せずに、遊技者にどの保留表示が消化されているかを分かり易く表示するようにしてもよい。
図84の(し3)は、1つ目の第2残保留に基づく特図変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
例えば、特図2保留表示の変形例2では、1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止してもリザルトモードは終了せず、図84の(し3)に示すように、リザルト画面670や第2保留表示部630b、保留消化領域640の表示が維持される。変動表示領域615には、はずれ図柄(例えば「267」)の小図柄が変動停止する。
そして、リザルトモードで第2残保留が全て消化されて、図83の(た2)に示すように、変動表示領域610と第1保留表示部630aが表示されるまで、リザルト画面670と同様に、第2保留表示部630bや保留消化領域640の表示も維持される。したがって、第2残保留が全て消化されるまで、遊技者はどの保留表示が消化されているかを容易に確認することができる。
〔特図2保留表示の変形例3における画面遷移例〕
図85を参照して、特図2保留表示の変形例3の表示態様として、リザルト表示前の表示態様について説明する。
図85は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、特図2保留表示の変形例3における画面遷移の一例である。
図85の(き4)は、時短終了後の時短中発生残保留消化モード中に、3つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
図85の(き4)では、第2保留表示部630bの第2残保留に対応する保留表示633b、633c、633dは、第1始動記憶(特図1保留)の保留表示と同じ表示態様(例えば「〇」)で表示される。
他方で、第1残保留に対応する保留表示633aは、所定の表示態様(例えば「▽」)で表示され、当該保留表示633aの下部には台座(例えば「□」)が表示される。
図85の(く4)(け4)は、4つ目の第1残保留に基づいて特図変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。図85の(け4)では、新たな第2始動記憶(特図2保留)として第2残保留が発生している。図85の(く4)(け4)でも同様に、第2保留表示部630bの第2残保留に対応する保留表示633b、633c、633d、633eは、第1始動記憶(特図1保留)の保留表示と同じ表示態様(例えば「〇」)で表示される。
したがって、過剰保留消化モード(リザルトモード、特殊モード)で消化される第2残保留が、その後すぐに移行する通常モードで消化される第1始動記憶の保留表示と同じ表示態様で表示されることになるので、第2残保留と第1始動記憶の保留表示が異なる表示態様となることで生じる演出の違和感を抑制することができる。また、第2残保留と第1始動記憶の保留表示が共通の表示態様で表示されることで変動表示ゲーム中の演出の邪魔になることも抑制できるので、遊技者が演出に集中し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
その後、演出制御装置300は、過剰保留消化モードのリザルトモードに演出を切り替えて、図79の(こ)に示すようにリザルト画面670を表示することができる(リザルト表示)。
〔特図2保留表示の変形例4、5における画面遷移例〕
図86を参照して、特図2保留表示の変形例4、5の表示態様として、リザルト表示後の表示態様について説明する。
図86は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、特図2保留表示の変形例4、5における画面遷移の一例である。
図86の(さ)は、リザルトモードにおけるリザルト表示中に、1つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面であり、図79の(さ)と同じものである。その後、例えば、特図2保留表示の変形例4の表示態様では図86の(し5)のように画面遷移し、変形例5の表示態様では図86の(し6)のように画面遷移する。
図86の(し5)は、1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの、特図2保留表示の変形例4における表示装置41の表示画面である。
図86の(し5)では、第2始動記憶(第2残保留)に基づく保留表示633c、633d、633eと、第1始動記憶に基づく保留表示633fとが、共通保留表示部630cにまとめて表示される。
共通保留表示部630cは、第2始動記憶(第2残保留)基づく保留表示および第1始動記憶に基づく保留表示の共通の保留表示領域である。すなわち、共通保留表示部630cは、第1保留表示部630aと第2保留表示部630bとを含む表示部である。
なお、演出制御装置300は、第1始動記憶の保留表示の表示態様(例えば「〇」)と区別し易くなるように、第2残保留の保留表示を所定の表示態様(例えば「▽」)で表示することができる。
したがって、このように共通保留表示部630cを用いるとともに複数の表示態様で保留表示を行うことで、待機中の保留表示の数や種類が分かり易くなって遊技者が遊技の流れを把握し易くなるので、遊技の興趣を高めることができる。
図86の(す5)は、その後、2つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。リザルトモードから特殊モード(専用モード)に演出が切り替わっても、演出制御装置300は、同様に共通保留表示部630cを表示して、まとめて保留表示を行うことができる。
その後、同様に3つ目、4つ目の第2残保留に基づいて特図変動表示ゲームが実行された後、演出制御装置300は、例えば図80の(た)に示すように画面遷移して、特殊モードから通常モードへと演出の切り替えを行うことができる。
他方で、図86の(し6)は、1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの、特図2保留表示の変形例5における表示装置41の表示画面である。
図86の(し6)では、独立した保留表示領域に区分けされて、第1保留表示部630aと第2保留表示部630bとが表示画面の下部に同時に表示される。
なお、演出制御装置300は、第1保留表示部630aの表示領域(例えば実線の四角枠)と区別し易くなるように、第2保留表示部630bの表示領域(例えば破線の四角枠)を表示することができる。
図86の(す6)は、その後、2つ目の第2保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。保留表示の移動に合わせて、すなわち特図2保留の数に応じて、独立した保留表示領域における第1保留表示部630aの占める割合が大きくなり、第2保留表示部630bの占める割合が小さくなる。
したがって、独立した保留表示領域における第1保留表示部630aと第2保留表示部630bとの占める割合を比較することによっても、待機中の第2残保留の数が分かり易くなり、遊技者が遊技の流れを把握し易くなるので、遊技の興趣を高めることができる。
その後、同様に3つ目、4つ目の第2残保留に基づいて特図変動表示ゲームが実行された後、演出制御装置300は、例えば変形例4と同様に、図80の(た)に示すように画面遷移することができる。
〔特図2保留表示の変形例6における画面遷移例〕
図87を参照して、特図2保留表示の変形例6の表示態様として、リザルト表示後の消化中保留の表示態様について説明する。
図87は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、特図2保留表示の変形例6における画面遷移の一例である。
図87の(さ)は、リザルトモードにおけるリザルト表示中に、1つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面であり、図79の(さ)と同じものである。また、図87の(し)は、1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面であり、図79の(し)と同じものである。
第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームがはずれ図柄(例えば「267」)で変動停止されると、演出制御装置300は、リザルト表示を終了してリザルト画面670を非表示にするとともに、当該はずれ図柄が表示される変動表示領域610を表示する。
図87の(す7)は、2つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
2つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されると、第1保留表示部630aの第1始動記憶の保留表示633fの位置を変化させずに、保留消化領域640に変動中保留表示633cを表示する。変動中保留表示633cは、2つ目の第2残保留に基づく変動中の保留表示である。
また、演出制御装置300は、図87の(す7)に示すように、所定の表示態様(例えば「▽」)に代えて、第1始動記憶の保留表示と同じ表示態様(例えば「〇」)で、変動中保留表示633cを表示することができる。
このように、第2残保留の変動中保留表示633cを、第1始動記憶の保留表示と同じ共通の表示態様(例えば「〇」)で表示することによって、第2残保留と第1始動記憶の変動中保留表示が異なる表示態様となることで生じる演出の違和感を抑制することができる。また、第2残保留と第1始動記憶の変動中保留表示が共通の表示態様で表示されることで変動表示ゲーム中の演出の邪魔になることも抑制できるので、遊技者が演出に集中し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
その後、同様に3つ目、4つ目の第2残保留に基づいて特図変動表示ゲームが実行された後、演出制御装置300は、例えば図80の(た)に示すように画面遷移することができる。
[第2実施形態の作用・効果]
第2実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム))を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、演出を表示可能な表示手段(表示装置41)と、を備える。遊技機10では、遊技制御手段は遊技者に有利な遊技状態として特定遊技状態(時短状態(時短モード))を発生可能であり、演出制御手段は、特定遊技状態から通常遊技状態(通常モード)に移行するとき(移行状態(過剰保留消化モード))、特定遊技状態における主となるゲーム(特図2変動表示ゲーム)の始動記憶(第2始動記憶)に応じた所定の始動記憶表示(第2残保留の表示)を表示手段の特定表示部(始動記憶表示領域(保留消化領域640、第1保留表示部630a、第2保留表示部630b))に表示しない。
このような遊技機10によれば、どの保留が消化されるまで特定遊技状態に対応する演出(一連の演出)が実行されるのかを、遊技者がより把握し易い表示態様とすることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10は、ゲームの実行権利として始動記憶(第1始動記憶、第2始動記憶)を記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100のRAM111c)を備える。演出制御手段は、特定遊技状態において発生した始動記憶(時短中に消化される第2始動記憶、第1残保留など)に応じた始動記憶表示(例えば所定の表示態様として台座となる長方形の四角枠(「□」の表示))を特定表示部に表示可能である。
このような遊技機10によれば、複数の表示態様で保留表示が行われるので、保留表示の数や種類が分かり易くなって遊技者が遊技の流れを把握し易くなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、演出制御手段は、特定遊技状態の終了後に、第1演出(過剰保留消化モード(リザルトモード、特殊モード))とその後の第2演出(通常モード)を実行し、第2演出は、通常遊技状態における主となるゲーム(特図1変動表示ゲーム)に関連して実行される。
このような遊技機10によれば、第1始動記憶に基づくゲームと異なる態様で第2始動記憶に基づくゲームが実行されることになるので、変動中のゲームがどちらの始動記憶に基づくゲームであるかが遊技者にとって分かり易くなる。その結果、遊技者は有利状態であるときのゲームの結果に対して特に期待感を高めることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、演出制御手段は、特定遊技状態において発生した始動記憶に基づく所定回数(例えば100回)のゲームが完了する際に、演出の態様を切り替え可能(例えば時短モードから通常モードへの切り替え)であり、所定回数のゲームのうち最後のゲームの始動記憶(例えば100回目)に応じた始動記憶表示を特殊な態様で表示する(例えば下部の台座に「LAST」表示)。
このような遊技機10によれば、遊技者が特定遊技状態の残り回数の表示を注視しなくても、特定遊技状態の終了タイミングを保留表示から認識できるようになるので、遊技の流れを把握し易くなって遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、特定表示部は、ゲームの実行前に始動記憶表示を表示する待機保留表示領域(第1保留表示部630a、第2保留表示部630b)とゲームの実行中に始動記憶表示を表示する変動中保留表示領域(保留消化領域640)のうち少なくとも一つを含む。
このような遊技機10によれば、少なくとも待機保留表示領域または変動中保留表示領域のどちらかを遊技者が視認することで、どの保留(始動記憶)が消化されるまで特定遊技状態に対応する演出(一連の演出)が実行されるのかを把握することができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、演出制御手段は、特定遊技状態において発生した始動記憶に基づく所定回数(例えば時短回数(1回)+4回)のゲームが完了する際に、表示手段において特殊画像(リザルト画面670)を表示可能であり、特定遊技状態における主となるゲームの始動記憶が特定遊技状態よりも後に発生しても(第2残保留)、当該始動記憶に基づくゲームが全て終了するまで特殊画像を継続して表示し、特殊画像の表示中は、ゲームの実行時間が振り分け(抽選)で選択されずに固定されている。
このような遊技機10によれば、特定遊技状態における主となる始動記憶(第2残保留)が全て消化されるまで特殊画像が継続して表示されているので、変動中のゲームが第1始動記憶または第2始動記憶のどちらの始動記憶に基づくゲームであるかが遊技者にとって分かり易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、演出制御手段は、特定遊技状態において発生して特定遊技状態の後にゲームが実行される始動記憶(時短中発生保留、第1残保留)に応じた所定の始動記憶表示(保留消化領域640の変動中保留表示)を、当該始動記憶に基づく全てのゲームが完了するまでのゲーム数(ゲームの実行回数)を示す態様(所定の演出モードの残り回数を遊技者に報知する文字(例えば「残りx」))にて表示可能である。
このような遊技機10によれば、特定遊技状態において発生して特定遊技状態の後にゲームが実行される始動記憶に基づくゲームが終了するタイミングを遊技者が把握し易くなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、特定遊技状態において発生した始動記憶と、特定遊技状態の後において発生した始動記憶とで、所定の始動記憶表示(第2始動記憶の保留表示(例えば「▽」))を異なる態様(所定の表示態様(例えば台座となる長方形の四角形「□」)の有無)で表示する。
このような遊技機10によれば、特定遊技状態において発生した始動記憶を遊技者が容易に識別できるので、どの保留が消化されるまで特定遊技状態に対応する演出(一連の演出)が実行されるのかを把握し易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
[第3実施形態]
図88から図91を参照して、第3実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態又は第2実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態又は第2実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第3実施形態は、普電サポートのある特定遊技状態の終了後の特図変動表示ゲームに関するものである。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)の例〕
図88は、第3実施形態における遊技状態の遷移を例示する遊技状態遷移図(ゲームフロー)である。図88は、図54Aと同様であるが、天井回数到達による天井時短と時短図柄(サポ当り)による突然時短の場合の特定遊技状態(図54Aと図54Bで省略されていた)が追加されている点などで図54Aと異なる。
特定遊技状態には、大当りに起因して大当り直後の時短(a時短)として発生する時短状態である特定遊技状態A、大当りに起因せずに天井時短(b時短)として発生する時短状態である特定遊技状態B、大当りに起因せずに突然時短(c時短)として発生する時短状態である特定遊技状態Cが含まれる。なお、本実施形態において、特定遊技状態は時短状態であるが、特定遊技状態を大当り確率が高確率状態である確変状態(普電サポート有り/特図高確率)とする構成も可能である。
特定遊技状態A-Cにおいて、大当り確率は低確率状態であるが、普電サポートがある。特定遊技状態A-Cにおいて、普通変動入賞装置37(普電)が開放され易くなるため、遊技球の発射態様として普通変動入賞装置37を狙う右打ちが推奨される。そのため、特定遊技状態において、主始動領域は普通変動入賞装置37となり従始動領域は第1始動入賞口36となることから、主変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームとなり、従変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームとなる。
特定遊技状態Aの演出モードとして、図54Aと同じく時短モード#1、#2がある。本実施形態では、時短モード#1に関する時短回数は、簡単のため固定値(ここでは3回)とするが、第1実施形態(図55)と同じく可変値でもよい。特定遊技状態Bの演出モードは時短モード#3であり、特定遊技状態Cの演出モードは時短モード#4であり、演出モードは異なり、遊技者は天井時短(b時短)による時短状態と突然時短(c時短)による時短状態とを演出によって区別できる。なお、特定遊技状態Bと特定遊技状態Cで演出モードを同じにして、演出の共通化を図り開発コストを削減することもできる。
また、時短モード#3、#4は、時短モード#1、#2とは異なる演出モードとなり、演出モードは異なり、大当りに起因する時短状態(特定遊技状態A)と大当りに起因しない時短状態(特定遊技状態B、C)とを演出によって区別できる。なお、特定遊技状態Aと特定遊技状態B、Cで演出モードを同じにして、演出の共通化を図り開発コストを削減することもできる。
また、特定遊技状態A中において、天井時短又は突然時短による時短状態を発生可能とする場合には、時短モード#1、#2を時短モード#3、#4に変更せずに、時短モード#1、#2を継続する構成としてもよく、この場合に遊技者に特定遊技状態Aが延長された印象(時短回数が増えた印象)を与えることもできる。もちろん、特定遊技状態A中において、天井時短又は突然時短による時短状態を発生可能とする場合に、時短モード#1、#2を時短モード#3、#4に変更して、天井時短又は突然時短が発生したことを遊技者に報知してもよい。
通常遊技状態、移行状態(残保留を消化する通常遊技状態)の内容は、第1実施形態(図54A)と同じである。移行状態の演出モードは、普電開放終了前モードと普電開放終了後モードを分けずに一つの残保留消化モードとして説明するが、分けてもよい。
次に、各遊技状態からの遷移(移行)、特に、特定遊技状態B、Cへの遷移と特定遊技状態B、Cからの遷移について説明する。
通常遊技状態、移行状態、特定遊技状態Aにおいて、大当り状態終了後に実行される特図変動表示ゲームの回数(確変状態での回数を除く)が天井回数に到達した場合に、天井時短(b時短)となり特定遊技状態B(時短モード#3)に遷移する。また、通常遊技状態、移行状態、特定遊技状態Aにおいて、特図変動表示ゲームの結果がサポ当り結果(時短結果、時短図柄)の場合に、突然時短(c時短)となり特定遊技状態C(時短モード#4)に遷移する。
なお、特定遊技状態A中に天井回数に到達した場合やサポ当り結果が発生した場合に、天井時短又は突然時短によって時短状態を継続して(重ねて)発生させてもよいし、継続して発生させなくてもよい。基本的には、特定遊技状態Aの残りの時短回数によらず、特定遊技状態B、Cへ遷移する条件(天井回数到達やサポ当り結果発生)が成立したら、特定遊技状態B、Cに遷移するが、残りの時短回数に応じて遷移するかしないかを変えてもよい。例えば、特定遊技状態Bの時短回数(b時短回数m3)が、特定遊技状態Aでの残りの時短回数(未消化の時短回数)よりも大きい場合には、特定遊技状態Aから特定遊技状態Bに遷移する。特定遊技状態Cの時短回数(c時短回数m4)が、特定遊技状態Aでの残りの時短回数よりも大きい場合には、特定遊技状態Aから特定遊技状態Cに遷移する。特定遊技状態B、Cの時短回数(m3、m4)が特定遊技状態Aでの残りの時短回数以下の場合には、時短図柄は表示されても、特定遊技状態B、Cは発生せず特定遊技状態Aから特定遊技状態B、Cに遷移しない。なお、時短図柄は、天井時短の場合に表示されなくてもよい。
なお、基本的には特定遊技状態B、Cの時短回数が終了すると残保留消化モードに移行するが、特定遊技状態Aの時短回数が残っている場合には特定遊技状態Aに戻るようにしてもよい。即ち、特定遊技状態B、Cの時短回数が終了しても特定遊技状態Aの時短回数が残っている場合には、特定遊技状態Aに継続する特定遊技状態B、Cから特定遊技状態Aに戻り、移行状態(残保留消化モード)には移行しなくてもよい。
また、特定遊技状態A中に天井回数に到達した場合やサポ当り結果が発生した場合に、特定遊技状態B、Cの時短回数と特定遊技状態Aでの残りの時短回数の関係によらず、天井時短又は突然時短による時短状態を全く発生させない構成も可能である。この構成でも、時短図柄は表示されても、特定遊技状態Aから特定遊技状態B、Cに遷移することはない。
なお、本実施形態において、特定遊技状態A中において、サポ当り結果(時短図柄)による突然時短(c時短)による時短状態を発生させない(重ねない)ことが好適である。即ち、特定遊技状態Aでも特図2変動表示ゲームに対してサポ当り結果に当選する場合があるが、時短図柄が停止表示されても、突然時短(c時短)による時短状態を発生させないことが好適である。なお、この場合に、表示装置41やランプ表示装置80では、演出上の飾り特別図柄としてはずれ図柄を表示してもよい。また、第1実施形態の図14で説明したと同様に、本実施形態において、特図1変動表示ゲームに対してサポ当り結果を設けず、通常モード(通常遊技状態)でも、突然時短(c時短)による時短状態を発生させないことが好適である。従って、本実施形態において、好適には、残保留を消化するための移行状態(残保留消化モード)からのみ、特定遊技状態C(時短モード#4)に遷移する。このようにすれば、残保留消化モードの価値が高まり、遊技者は残保留消化モードに集中的に期待するようになり、遊技の興趣が向上する。
また、図88には示していないが、特定遊技状態B、C中に天井回数に到達した場合やサポ当り結果が発生した場合に、天井時短又は突然時短によって時短状態を継続して(重ねて)発生させてもよいし、継続して発生させなくてもよい。即ち、特定遊技状態B、Cからさらに特定遊技状態B、Cに遷移することも可能である。
特定遊技状態B、Cから遷移条件が成立すると、残保留を消化する移行状態(通常遊技状態に含めてよい)に遷移する。特定遊技状態B、Cから移行状態に遷移する遷移条件は、特定遊技状態Aから移行状態に遷移する遷移条件と同様でよい。遷移条件は、(i)特定遊技状態における特図2変動表示ゲームの実行回数が時短回数m3、m4(第1所定回数、時間短縮変動回数2の初期値)を超えること、及び、(ii)特定遊技状態における特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)の合計の実行回数が時短回数m3、m4(第1所定回数)よりも大きい第2所定回数(時間短縮変動回数1の初期値)を超えること、の何れかが成立することである。本実施形態では、必要ないため第1実施形態の(iii)の条件(所定開放回数の普電開放が終了すること)は設けられない。なお、第2所定回数は、時短回数に、特図1保留数の最大値(例えば4)を足したものでもよい。
なお、時短モード#1-#4の時短回数m1-m4や天井回数m5は、適宜大小関係を調整して、遊技性を変更することができる。
例えば、特定遊技状態Aと特定遊技状態B、Cの利益をバランスよくするため、m1(a時短回数1)<m4(c時短回数)<m2(a時短回数2)<m5(天井回数)<m3(b時短回数)の関係を満たすよう調整してよい。
また、例えば、天井時短(b時短)と突然時短(c時短)が大当りに続く時短(a時短)より有利になるように、m1(a時短回数1)<m2(a時短回数2)<m4(c時短回数)<m5(天井回数)<m3(b時短回数)の関係を満たすよう調整してよい。
また、例えば、天井時短の利益が少なくなるよう、m1(a時短回数1)<m4(c時短回数)<m3(b時短回数)<m2(a時短回数2)<m5(天井回数)の関係を満たすよう調整してよい。
〔図柄に対応する時短回数と規定残保留数〕
図89は、本実施形態において、特図変動表示ゲームの当りの種類である図柄に対応する時短回数と規定の残保留数(規定残保留数)などについて示すテーブルである。図柄は、大当り(小当り後のV入賞も含む)になる場合の図柄であり、ここでは大当り図柄乱数によって決定され、時短図柄は除かれている。
本実施形態では、特図1変動表示ゲームの大当りの図柄Aに関して、時短回数が異なるだけで、第1実施形態と同じである。普電サポート無しの状態での特図2変動表示ゲームの大当り(残保留での大当り)の図柄Gに関しては、第1実施形態と同じである。普電サポート有りの状態での特図2変動表示ゲームの大当り(小当りでのV入賞を含む)に関して、時短回数が3回に固定されるため、図柄は、図柄Sの1種類のみである。
通常遊技状態(通常モード)において、特図1変動表示ゲームによって大当り(図柄A)が発生すると、大当り状態の終了後に特定遊技状態A(時短モード#1)に移行する。特定遊技状態Aにおいて、特図2変動表示ゲームによって大当り(図柄S)が発生すると、大当り状態の終了後に再び特定遊技状態A(時短モード#1)に戻る。特定遊技状態B、Cにおいて、特図2変動表示ゲームによって大当り(図柄S)が発生すると、大当り状態の終了後に特定遊技状態A(時短モード#1)に移行する。本実施形態では、第1実施形態と異なり、特定遊技状態Aの時短モード#1で、時短回数を3回、規定残保留数を4個に固定している。
〔普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等〕
図90は、本実施形態において、普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等ついて示す図である。
図90(A)のように、普図変動表示ゲームの当り図柄(当り停止図柄、普図当り図柄)は1種類のみである。本実施形態では、普電サポートの有無によらず、普図当り確率は常に一定値250/251であり、第1実施形態と異なり、低確率(普図低確率)と高確率(普図高確率)の間で変化するようには制御されない。なお、第1実施形態と同様に、通常遊技状態で250/251よりも低い低確率としてもよい。
普図変動表示ゲームの始動記憶数(普図保留数)は4である。普電の最大カウント数(カウント数上限値)は10である。
普図変動表示ゲームの変動時間である普図変動時間FZ1は一定値500msecである。なお、通常遊技状態で普図変動時間FZ1を500msecよりも長い値としてもよい。普図停止時間FZ2(普図表示時間)は、600msecである。なお、図90に記載されていないが、普電残存球処理時間と普図エンディング時間の合計FZ3は、例えば、普図変動時間FZ1又は普図停止時間FZ2と同等かそれ以上の700msecでよい。
図90(B)のように、一回の普図変動表示ゲームの当りに対して、一回だけ普通変動入賞装置37(普電)は開放されて入賞容易状態になる。しかし、一回の普電開放時間は、通常遊技状態など普電サポート無しの状態で短時間(例えば48msec)であり、時短状態など普電サポート有りの状態で長時間(例えば3400msec)であり、普電開放パターン(普電開放態様)は遊技状態に応じて異なる。前述のように、遊技状態に関係なく普図当り確率は常に一定値であるため、本実施形態において、普電サポートの入賞容易状態は、普電サポート無しの場合よりも普電開放時間を長くすることによって実現される。
また、普電開放時間は、普電サポート無しの状態で、普図変動時間FZ1、普図停止時間FZ2、普電残存球処理時間と普図エンディング時間の合計FZ3よりも短時間であってよく、普電サポート有りの状態で、これら普図や普電の制御に関連する時間FZ1-FZ3よりも長時間でよい。
〔タイミングチャート〕
図91は、特定遊技状態としての時短状態から移行状態(通常遊技状態に含めてよい)にかけて、遊技状態、特図変動表示ゲーム(特図変動)、普図状態、普電状態、特図2保留数などを示すタイミングチャートである。なお、図91において、簡単のため、時短終了のタイミングと普電開放の開始タイミングを揃えているが、この限りではなくズレていてもよい。
図91(A)は、大当りに続く特定遊技状態A(第1特定遊技状態)の時短モード#1、#2が終了して移行状態(残保留消化モード)に遷移する状況を示す。図91(A)の場合、時短モード#1、#2の最終の特図変動表示ゲームである時短最終変動の終了から次の特図変動表示ゲームの開始までの停止表示時間STP1(第1期間)を、普電サポートになる長時間の普電開放時間OPN(第3期間、例えば3400msec)よりも長くする。即ち、STP1>OPNの関係に設定する。
なお、遊技制御装置100は、大当り終了後の特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)に対応する停止表示時間を設定できるが(A4804)、本実施形態では、さらに、時短最終変動の停止表示時間を時短モード(特定遊技状態)の種類にも対応して設定する。時短モード#1、#2(特定遊技状態A)に対応して、時短最終変動の停止表示時間STP1は、普電が入賞容易状態になる長時間の普電開放時間OPNよりも長く設定される。
なお、図91では、時短最終変動は、大当り終了後の特図2変動回数が時短回数(3回)になる変動として説明する。しかし、時短最終変動は、特図1変動(特図1変動表示ゲーム)であってよく、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)の合計の実行回数が前述の第2所定回数になるものでもよい。
時短最終変動の開始前において特図2保留数が最大値の4個であるとすると、特図2の時短最終変動時に特図2保留数が1減って3個になるが、普通変動入賞装置37の普電開放によって普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、特図2保留数がまた4個になる。時短最終変動の終了直前に普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、この際に開始した普図変動表示ゲーム(普図変動)の当り結果によって、時短終了後の残保留消化モードでも普電開放となる。
仮に、時短終了後の残保留消化モードで長時間の普電開放中に特図2変動表示ゲームの変動(特図2残保留変動)が開始すると、特図2保留数が1だけ減少して3個になり、ここで普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると特図2保留数が再び4個となって、時短状態終了後に消化される特図2保留(残保留)の数である残保留数が5個(1個+4個)になる。なお、残保留消化モードでの普電開放中に特図2変動表示ゲームの変動開始が2回あれば、残保留数が6個になる(5個よりも大きくなる)可能性もある。
特定遊技状態A(時短モード#1、#2)は、大当り状態を経由しているため、出玉(獲得球数)として遊技者の特典や遊技価値が大きい。そこで、本実施形態では、過度に遊技者に特典や遊技価値を与えないように、残保留数が規定残保留数の4個を超えて5個以上にならないようにする。このため、前述のように、特定遊技状態Aの時短最終変動の停止表示時間STP1を、普電サポートになる長い普電開放時間OPNよりもさらに長く設定して、普電開放時間OPN中に残保留の消化(特図2変動表示ゲームの実行)が開始されないようにしている(STP1>OPN)。これにより、残保留数を規定残保留数の4個に保持することができる。
また、残保留消化モードにおける普図変動の当り結果によって生じる普電開放時間(例えば48msec)は、時短モード#1、#2で開始された普図変動の当り結果によって生じる普電開放時間OPN(例えば3400msec)に比較して、かなり短時間である。このため、残保留消化モードでの短時間の普電開放(普電開放時間OPNによる普電開放の後の普電開放)では、特図2保留(残保留)は貯まらず残保留数は増加しないため、残保留数は規定残保留数の4個になる。
なお、普図変動時間FZ1や普図停止時間FZ2を考慮して、より厳しい条件STP1>(OPN+FZ2)の関係、又は、STP1>(FZ1+FZ2+OPN)の関係を設定することもできるが、普図変動時間FZ1や普図停止時間FZ2は普電開放時間OPNに比較してかなり短く無視できるため、STP1>OPNの関係を設定することで、残保留数を規定残保留数の4個に保持する効果は十分に得られる。
一方、図91(B)は、天井時短又は突然時短による特定遊技状態B、C(時短状態、第2特定遊技状態)の時短モード#3、#4が終了して移行状態(残保留消化モード)に遷移する状況を示す。図91(B)の場合、時短モード#3、#4の最終の特図変動表示ゲームである時短最終変動の終了から次の特図変動表示ゲームの開始までの停止表示時間STP2(第2期間)を、普電サポートになる長時間の普電開放時間OPN(第3期間、例えば3400msec)よりも短くする。即ち、STP2<OPNの関係に設定する。時短モード#3、#4(特定遊技状態B、C)に対応して、時短最終変動の停止表示時間STP2は、普電が入賞容易状態になる長時間の普電開放時間OPNよりも短く設定される(A4804)。
このため、時短モード#3、#4の時短終了後の残保留消化モードで普電開放中に特図2変動表示ゲームの変動(特図2残保留変動)が開始すると、特図2保留数が1だけ減少して3個になる。この普電開放中に、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると特図2保留数が再び4個となって、時短状態終了後に消化される特図2保留(残保留)の数である残保留数が5個(1個+4個)になる。なお、残保留消化モードでの普電開放中に特図2変動表示ゲームの変動開始が2回あれば、残保留数が6個になる(5個よりも大きくなる)。
特定遊技状態B、C(時短モード#3、#4)は、大当り状態を経由せずに発生して、出玉(獲得球数)としての遊技者の特典や遊技価値が小さい。そこで、本実施形態では、遊技者に特典や遊技価値をより大きく与えるように、残保留数が規定残保留数の4個を超えて5個以上になる可能性を高める。このため、前述のように、特定遊技状態B、Cの時短最終変動の停止表示時間STP2を、普電サポートになる長い普電開放時間OPNよりも短く設定して、普電開放時間OPN中に残保留の消化(特図2変動表示ゲームの実行)が開始され易くしている(STP2<OPN)。
もちろん、時短最終変動の終了直前に普図始動ゲート34を遊技球が通過しないと、時短終了後の残保留消化モードで普電開放時間OPNの長い普電開放が起こらなかったり、この長い普電開放が前倒しになり一部が時短終了前に開放されたりする。この場合には、STP2<OPNの関係に設定しても、残保留数が規定残保留数の4個にとどまって、5個以上にならないこともある。
なお、普図変動時間FZ1や普図停止時間FZ2を考慮して、より緩い条件STP2<(OPN+FZ2)の関係、又は、STP2<(FZ1+FZ2+OPN)の関係を設定することもできるが、よりSTP2の値の範囲が狭い厳しい条件STP2<OPNの関係を設定することで、残保留数が5個以上になる可能性を確実に高めている。
なお、本実施形態において、STP2(第2期間)<OPN(第3期間)<STP1(第1期間)の関係が成立し、普電開放時間OPNの長さによらず、STP2<STP1の関係が成立する。このように、特定遊技状態A(時短モード#1、#2)における時短最終変動の停止表示時間STP1(第1期間)を、特定遊技状態B、C(時短モード#3、#4)における時短最終変動の停止表示時間STP2よりも大きくする。ここで、時短最終変動の停止表示時間は、残保留がある場合に、特定遊技状態の最終の特図変動表示ゲームの終了から次の特図変動表示ゲームの開始までの時間と同じになる。
なお、普電開放時間OPNによらず、STP2<STP1の関係が成立するだけでも、特定遊技状態B、Cの時短終了後の残保留変動の開始が特定遊技状態Aの場合よりも早まるため、特定遊技状態B、Cに対して特定遊技状態Aよりも残保留数が大きくなる可能性を高められる。このため、大当り状態を経由して出玉が大きい特定遊技状態Aと、大当り状態を経由せず出玉が小さい特定遊技状態B、Cとの差異(特典や遊技価値の差異)を緩和することができる。従って、大当りに続く特定遊技状態A(時短モード#1、#2)よりも出玉が少ないような、天井時短又は突然時短による特定遊技状態B、C(時短モード#3、#4)でも、特典や遊技価値が補償され、遊技の興趣が高まる。
なお、特定遊技状態A中に特定遊技状態B、Cを発生させる条件が成立した場合、即ち、特定遊技状態A中に天井回数に到達した場合やサポ当り結果が発生した場合に、時短最終変動の停止表示時間をSTP1(第1期間)ではなく、STP1よりも小さいSTP2(第2期間)に設定してもよい。この場合に、大当り後に特定遊技状態Aから天井時短や突然時短による時短状態(特定遊技状態B、C)を継続して(重ねて)発生させ得るが、時短最終変動の停止表示時間を短時間のSTP2に設定し、大当り後の一連の時短状態(特定遊技状態Aと特定遊技状態B、C)の時短最終変動の後に、小さいSTP2(第2期間)による特典や遊技価値をさらに与えて、遊技の興趣を向上できる。
なお、基本的には、特定遊技状態Aに継続する特定遊技状態B、Cの時短回数が終了すると残保留消化モードに移行し、時短最終変動は特定遊技状態B、Cでの変動となる。特定遊技状態Aから特定遊技状態B、Cが発生する場合に、時間短縮変動回数1、2領域は、特定遊技状態B、Cの時短回数(時間短縮変動回数1、2の初期値)に上書きされてしまうので、特定遊技状態Aの残りの時短回数が消えてしまうためである。しかし、特定遊技状態Aに継続する特定遊技状態B、Cの時短回数が終了しても特定遊技状態Aの残りの時短回数が別の所定領域にコピーされて消えずに残っているような構成の場合には、特定遊技状態Aに継続する特定遊技状態B、Cから特定遊技状態Aに戻り、移行状態(残保留消化モード)には移行しなくてよい。この場合には、時短最終変動は特定遊技状態Aでの変動となる。残りのの時短回数は、特定遊技状態Aについての時間短縮変動回数2の初期値より小さく、ゼロよりも大きい。
また、特定遊技状態A中に特定遊技状態B、Cを発生させ得る時短図柄(サポ当り結果)が停止表示されても、時短最終変動の停止表示時間をSTP2ではなく、STP2よりも大きいSTP1に設定してよい。時短図柄が停止表示されても、特定遊技状態Aから時短図柄による時短状態を継続して発生させないような構成(好適な構成)の場合には、長時間の第1期間(STP1)によって、前述のように特定遊技状態Aの後に消化される残保留数を規定残保留数に保持し、大当りに続く特定遊技状態Aが有利になりすぎないようにできる。また、たとえ特定遊技状態Aから時短図柄による時短状態を継続して発生させるような構成の場合でも、特定遊技状態B、Cは、大当りに続く特定遊技状態Aを経由しているため、特定遊技状態B、Cが有利になりすぎないようにできる。
[第3実施形態の作用・効果]
第3実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(例えば特図変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)を備え、ゲームの結果が特別結果となる場合に遊技者に有利な特別遊技状態(例えば大当り状態)を発生可能である。遊技制御手段は、特別遊技状態の発生を伴って、当該特別遊技状態に続いて遊技者に有利な第1特定遊技状態(例えば特定遊技状態A)を発生可能であるとともに、特別遊技状態の発生を伴わずに、遊技者に有利な第2特定遊技状態(例えば特定遊技状態B、C)を発生可能である。遊技制御手段は、第1特定遊技状態の最終ゲームの終了から次のゲームの開始までの第1期間(例えば、時短最終変動の停止表示時間STP1)を、第2特定遊技状態の最終ゲームの終了から次のゲームの開始までの第2期間(例えば、時短最終変動の停止表示時間STP2)よりも大きくする。
このような遊技機10では、第2期間が第1期間よりも短いため、第2特定遊技状態の終了後に第2特定遊技状態で最大限貯まった始動記憶(残保留)の消化が早まり、この分だけ余分に始動記憶(残保留)を貯められる可能性がある。このため、特別遊技状態を経由して特別遊技状態の利益(例えば出玉)が得られる第1特定遊技状態(例えば特定遊技状態A)と、特別遊技状態を経由せず特別遊技状態の利益(例えば出玉)が得られない第2特定遊技状態(例えば特定遊技状態B、C)との間の利益の差異を緩和することができる。従って、特別遊技状態の発生を伴わない第2特定遊技状態でも、利益が補償されて遊技の興趣が高まる。
第3実施形態に係る遊技機10は、入賞容易状態と非入賞容易状態とに変換可能であり、第1特定遊技状態と第2特定遊技状態において通常遊技状態よりも入賞容易状態に変換し易くなる変動入賞装置(例えば普通変動入賞装置37)を備える。変動入賞装置が入賞容易状態になる第3期間(例えば普電開放時間OPN)は、第1期間(STP1)よりも小さく、第2期間(STP2)よりも大きい。従って、第1特定遊技状態(例えば特定遊技状態A)の終了後に消化される残保留数を規定残保留数に保持することができるとともに、第2特定遊技状態(例えば特定遊技状態B、C)の終了後に消化される残保留数が規定残保留数を超える可能性を高められる。これによって、特別遊技状態の発生を伴わない第2特定遊技状態でも、利益が確保されて遊技の興趣が高まる。
第3実施形態に係る遊技機10において、遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)は、第1特定遊技状態の最終ゲームの終了から次のゲームの開始までの期間を第1期間(STP1)に設定可能であり、第2特定遊技状態の最終ゲームの終了から次のゲームの開始までの期間を第2期間(STP2)に設定可能である。遊技制御手段は、第1特定遊技状態中に第2特定遊技状態を発生させる条件が成立した場合(例えば、天井回数に到達した場合やサポ当り結果が発生した場合)は、第1特定遊技状態又は第2特定遊技状態としての特定遊技状態の最終ゲームの終了から次のゲームの開始までの期間を、第1期間ではなく、第1期間よりも小さい第2期間に設定可能である。
このような遊技機10では、特別遊技状態と第1特定遊技状態と第2特定遊技状態とを含む一連の遊技状態の後に、小さい第2期間(STP2)による特典や遊技価値をさらに与えて、遊技の興趣を向上できる。
第3実施形態に係る遊技機10において、遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)は、第1特定遊技状態の最終ゲームの終了から次のゲームの開始までの期間を第1期間に設定可能であり、第2特定遊技状態の最終ゲームの終了から次のゲームの開始までの期間を第2期間に設定可能である。遊技制御手段は、第1特定遊技状態中に、第2特定遊技状態を発生させ得るゲームの結果(例えば時短図柄、サポ当り結果)が表示されても、第1特定遊技状態又は第2特定遊技状態としての特定遊技状態の最終ゲームの終了から次のゲームの開始までの期間を、第2期間ではなく、第2期間(STP2)よりも大きい第1期間(STP1)に設定可能である。
このような遊技機10では、第2特定遊技状態を発生させ得るゲームの結果が表示されても、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態を継続して(重ねて)発生させないような構成の場合には、特別遊技状態に続く第1特定遊技状態が有利になりすぎることを、長い第1期間(STP1)によって防止できる。また、第1特定遊技状態から第2特定遊技状態を継続して(重ねて)発生させるような構成の場合でも、第2特定遊技状態は、特別遊技状態に続く第1特定遊技状態を経由しているため、第2特定遊技状態が有利になりすぎないようにできる。
[第4実施形態]
図92と図93を参照して、第4実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第3実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第3実施形態までの実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第4実施形態は、表示画面での残保留の保留表示(始動記憶表示)に関するものである。
〔画面遷移の一例〕
図92Aと図92Bは、第4実施形態に関して、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図の一例である。
(ハ)では、時短状態において、演出モードとしての時短モードに対応したモード表示679が表示されている。ここでは、時短モードとして時短モード#2を例示するが、時短モードは時短モード#2に限られない。時短モードに対応したモード表示679として「花モード」と表示される。モード表示679の表示内容に対応した背景として、画像688としての月(ここでは満月)が、画像687としての花の開花した樹木を照らすような背景画像が表示されている。樹木の画像687は、キャラクタとしての花を含んでいる。
(ハ)では、飾り特図2変動表示ゲームとして、識別情報としての飾り特別図柄(大図柄)の変動(↓↓↓)が表示画面中央の変動表示領域610で実行中であり、識別情報としての飾り縮小図柄(小図柄)の変動(↓↓↓)が表示画面右下隅の変動表示領域615で実行中である。変動表示領域610の左領域610A、右領域610B、中領域610Cで、それぞれ、左図柄(飾り図柄A)、右図柄(飾り図柄B)、中図柄(飾り図柄C)が変動している。
また、前回の大当り終了からの特図変動表示ゲームの実行回数が変動回数表示677によって表示されている。ここでは、変動回数表示677は「95G」であり、大当り終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が95であることを示す。これにより、遊技者は特図変動表示ゲームの実行回数が天井回数に近いか否かを把握できる。サポ当り(時短当り)の継続回数が、継続回数表示680によって表示されている。ここでは、継続回数表示680は「6日目」であり、継続回数が6回であることを示す。サポ当りの継続回数は、大当り(小当り後のV入賞による大当りも含む)を経ないで連続して発生したサポ当りの回数でよい。サポ当りの継続回数は、大当りの発生によってクリアされてゼロになる。
変動表示ゲーム実行前の第2始動記憶(特図2始動記憶)を第2保留表示として表示する第2保留表示部630b(待機領域)において、保留表示683a(第2保留表示)が4つ表示される。保留表示683aは、樹木の画像687内の花のキャラクタに対応する表示態様(第1表示態様)を有する。また、保留消化領域640では、実行中の特図変動表示ゲームに係る変動中保留(この特図変動表示ゲームの実行権利となっていた始動記憶)を示す変動中保留表示683bが、表示されている。なお、四角形枠や台で保留消化領域640を示してよい。なお、変動表示ゲーム実行前の第1始動記憶(特図1始動記憶)を第1保留表示(第1始動記憶表示)として表示する第1保留表示部630aには、ここでは何も表示されていない。
表示画面の右上隅の特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「0」と特図2保留数を示す数字「4」が表示されている。第1所定画像675は特図1変動表示ゲームが停止中であることを示す記号「×」となっており、第2所定画像676は特図2変動表示ゲームが実行中(変動中)であることを示す記号「○」になっている。記号「○」を点滅表示して、第四特別図柄(第4図柄)として第4図柄変動を行ってもよい。
次に、(ヒ)は、(ハ)から2ゲーム後の特図2変動表示ゲームが実行中である。変動回数表示677は「97G」である。第2保留表示部630bの保留表示683aは、(ハ)から保留消化領域640に向けて2回移動(保留シフト)しているが、残保留となる特図2保留が2個発生しており、第2保留表示部630bにおいて残保留に対応する保留表示683c(〇、第2表示態様)が新たに2つ表示されている。保留表示683c(〇)は、花のキャラクタの態様(第1表示態様)を有する保留表示683aとは、異なる態様(第2表示態様)である。これにより、遊技者は、時短状態終了後に消化される残保留に対応する保留表示683cを、時短状態中に消化される保留表示683aとは区別して認識でき、残保留数を把握し易くなるとともに時短状態の終了が迫っていることを認識できる。
次に、(フ)では、(ヒ)から2ゲーム後の特図2変動表示ゲームが実行中である。変動回数表示677は「99G」であり、時短状態の最終の特図変動表示ゲームである時短最終変動となる。また、残保留になる特図2保留に対応する保留表示683c(〇)が2つ新たに発生している。時短最終変動が終了すると時短モードも終了する。
次に、(へ)では、時短モード終了後に残保留消化モード(残保留を消化する通常遊技状態)に移行して、最初の残保留の消化、即ち、最初の残保留に係る特図2変動表示ゲームが開始される。残保留消化モードに対応したモード表示679として「月モード」と表示される。特図2変動表示ゲームの開始時に、4つの残保留に対応する4つの保留表示683cが保留消化領域640に向けて左側に移動(保留シフト)している。変動回数表示677によって、前回の大当り終了からの特図変動表示ゲームの実行回数が「100G」と表示されている。なお、特図2保留数表示部660には、特図2保留数を示す数字「4」が表示されているが、この時点で「3」に変化してもよい。
(へ)では、特図2変動表示ゲームとして、飾り縮小図柄(小図柄)の変動が表示画面右下隅の変動表示領域615で実行されるが、(ハ)-(フ)とは異なり、表示画面中央で、飾り特別図柄(大図柄)の変動(↓↓↓)は表示されない。飾り特別図柄(大図柄)の変動は実行されないか、実行されても背景画像の背面側のレイヤーにあって背景画像によって隠されてよい。特図2保留数表示部660には、特図2保留数を示す数字「3」が表示されている。
表示画面中央で、飾り特別図柄(大図柄)の変動の代わりに、月の画像690が、(ハ)-(フ)の月の画像688よりも大きく表示されている。月の画像690として、光った半月(半円)が表示されるが、月の光らない残りの部分も目立たないように薄く表示される(点線)。これにより、全体画像としての月全体の円状の輪郭が若干認識されるように表示されている。なお、残保留に対応する保留表示683cと保留表示683bは、月全体の円状の輪郭に対応して円状の態様(〇の形態、第2表示態様)で表示されている。
次に、(ホ)では、操作演出が開始され、操作前演出として文字表示である操作促進表示「押」が、変動中保留表示683bに重ねて、変動中保留表示683bの前面側に表示される。なお、操作演出には、遊技者に対して演出ボタン25(操作手段)の操作を促す操作前演出(操作要求音や操作促進表示)、及び/又は、演出ボタン25の操作に対応する操作後演出(操作対応演出)が含まれる。また、操作促進表示「押」は、表示画面中央で、画像690に重ねて、画像690の前面側に表示されてもよい。操作促進表示は、他の文字表示「PUSH」でもよいし、演出ボタン25を模した画像の表示でもよい。
次に、(マ)では、演出ボタン25の操作(ここでは押下操作)があったので、演出ボタン25の操作に対応する操作対応演出として、月の画像690として光った円状の満月が表示され、(ホ)の月の光らない残りの部分が光るような演出になる。
次に、(ミ)では、操作対応演出の一環として、実行中の特図変動表示ゲームの結果が表示される。(ホ)の演出は時短当り(サポ当り)の期待度の高い演出であり、(ミ)では、特図変動表示ゲームの結果は時短当りとなる。そして、表示画面右下隅の変動表示領域615で飾り時短図柄「113」が停止表示されるとともに、表示画面中央で文字「おめでとう時短当り!!」などの祝福演出表示691が実行されて遊技の興趣が高まる。なお、突然に時短に突入して遊技者を驚かすよう祝福演出表示691は実行されなくてもよい。この場合も、遊技の興趣が高まる。
次に、(ム)では、特定遊技状態Cに対応する時短モードに突入し、時短モードに対応したモード表示679として「花モード」と表示される。ここでの時短モードは、時短モード#4であり、(ハ)-(フ)の時短モード#2とは異なるため、モード表示679として別の名前(例えば「桜モード」)の表示がされてもよい。継続回数表示680は「7日目」であり、サポ当り(時短当り)の継続回数が1回増えて7回であることを示す。
(ム)では、(ハ)と同様に、飾り特別図柄(大図柄)の変動(↓↓↓)が表示画面中央の変動表示領域610でも実行され、飾り縮小図柄(小図柄)の変動(↓↓↓)が表示画面右下隅の変動表示領域615で実行される。変動回数表示677は「101G」であり、前回の大当り終了からの特図変動表示ゲームの実行回数が101であることを示す。
保留表示683a、683bは、(ミ)から形態の変化した保留表示となり、樹木の画像687内の花のキャラクタに対応する表示態様(第1表示態様)を有する。特図2保留数表示部660には、特図2保留数を示す数字「2」が表示されている。また、右打ちを遊技者に促す右打ち指示表示693がなされ、右打ちによって開放された普通変動入賞装置37への入賞が発生し得る。第3実施形態と同様に、残保留の場合(通常遊技状態での特図2変動表示ゲーム)でしか突然時短(c時短)が発生しない構成が好適であるが、この好適な構成の場合に、花のキャラクタに対応する表示態様に戻った保留表示683a、683b(元残保留)では、突然時短が発生しない。従って、遊技者は、突然時短に期待できるか否かを、保留表示の態様(第1表示態様又は第2表示態様)で容易に認識可能となる。
次に、(メ)では、時短モードで開放された普通変動入賞装置37への入賞が2回発生し、特図2保留数表示部660には、特図2保留数を示す数字「4」が表示されている。また、第2保留表示部630b(待機領域)において、保留表示683a(第2保留表示)が4つ表示される。
以上、図92Aと図92Bにおいて、残保留に対応して表示される保留表示683cは、時短モードと残保留消化モードの両方で同じ態様(〇)であるが、異ならせてもよい。例えば、(ヒ)(フ)で、時短モードにおいて残保留に対応して表示される保留表示683cは、菱形(◇、第3表示態様)のように表示して、残保留消化モードにおいて残保留に対応して表示される保留表示683c(〇、第2表示態様)と異ならせてよい。このようにしても、遊技者は、時短状態終了後に消化される残保留に対応する保留表示683cを、時短状態中に消化される保留表示683aとは区別して認識でき、残保留数を把握し易くなるとともに時短状態の終了が迫っていることを認識できる。
また、最初の残保留ではなく2~4個目の残保留が当り結果(大当り、小当り、時短当り)となる場合には、当りとなる残保留に係る長時間の特図変動表示ゲーム中に操作演出を実行し、当りとなるまでのはずれ結果の残保留に係る特図変動表示ゲームを短時間で実行してよい。
〔画面遷移の別例〕
図93は、第4実施形態に関して、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図の別例である。図93は、図92Aの(ホ)での残保留に係る特図変動表示ゲームが未実行分も含めて全てはずれ結果の場合の例である。なお、演出制御装置300は、未実行の残保留に係る特図変動表示ゲームの結果を先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)から取得できる。図92Aの例では、最初の残保留に係る特図変動表示ゲームが時短当り結果であった。
(ミ1)では、(ホ)の後に演出ボタン25の操作があったが、残保留のはずれ結果に対応して、月の画像690の態様は(ホ)から何も変化しない。そして、はずれ図柄「724」が停止表示される。
次に、(ミ2)では、表示装置41は遊技結果を示すリザルト画面692になり、獲得した遊技球数などが表示される。なお、リザルト画面692は、第2実施形態のリザルト画面670と同じものでよい。リザルト画面692では、モード表示679は邪魔にならないよう消去して非表示にしてよい。
ここで、2個目の残保留に係る特図変動表示ゲームが変動表示領域615でのみ実行され、その後にはずれ結果が停止表示される。特図2保留数表示部660には、一つ減少した特図2保留数を示す数字「2」が表示されている。変動回数表示677が一つ増えて「101G」と表示されている。
次に、(ミ3)では、リザルト画面692が継続し、3個目の残保留に係る特図変動表示ゲームが変動表示領域615でのみ実行され、その後にはずれ結果が停止表示される。特図2保留数表示部660には、一つ減少した特図2保留数を示す数字「1」が表示されている。変動回数表示677が一つ増えて「102G」と表示されている。
次に、(ミ4)では、リザルト画面692が継続し、4個目の最後の残保留に係る特図変動表示ゲームが変動表示領域615でのみ実行され、その後にはずれ結果が停止表示される。特図2保留数表示部660には、一つ減少した特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。変動回数表示677が一つ増えて「103G」と表示されている。
以上の(ミ2)から(ミ4)において、2個目から4個目までの残保留に係る特図変動表示ゲームの変動時間は、時短状態中の変動時間よりも短時間でよい。これにより、はずれの残保留が短時間で消化されるため、遊技者を苛立たせたりすることがない。また、遊技者はリザルト画面692を一回見るだけで事足りるため、リザルト画面692が長時間表示されることもなくなる。
次に、(ヤ)では、残保留消化モードが終了して通常モードに移行する。通常モードに対応したモード表示679として「ノーマルモード」と表示される。また、左打ちを遊技者に促す左打ち指示表示694がなされ、左打ちによって始動入賞口36への入賞が発生し得る。なお、継続回数表示680は「6日目」のままであり、サポ当りの継続回数が6回であることを示すが、サポ当りの継続回数は、大当りだけでなく通常モードの発生によってもクリアされてゼロになってもよい。この場合に、サポ当りの継続回数は、大当り(小当り後のV入賞による大当りも含む)と通常モードを経ないで連続して発生したサポ当りの回数となる。また、サポ当りの継続回数(連チャン回数)に相当する継続回数表示680は、非表示としてもよい。
そして、実際に始動入賞口36への入賞が発生して、飾り特図1変動表示ゲームとして、飾り特別図柄(大図柄)の変動(↓↓↓)が表示画面中央の変動表示領域610で実行中であり、飾り縮小図柄(小図柄)の変動(↓↓↓)が表示画面右下隅の変動表示領域615で実行中である。変動回数表示677が一つ増えて「104G」と表示されている。第1所定画像675は特図1変動表示ゲームが実行中(変動中)であることを示す記号「○」になっており、第2所定画像676は特図2変動表示ゲームが停止中であることを示す記号「×」となっている。
保留消化領域640では、実行中の特図変動表示ゲームに係る変動中保留(この特図変動表示ゲームの実行権利となっていた始動記憶)を示す変動中保留表示683bが、表示されている。なお、ここでの変動中保留表示683bは、特図1変動表示ゲームに係るものであるため、特図2変動表示ゲームに係る変動中保留表示683b(図92A(ハ)(ヘ)など)とは異なる態様(形態)の三角形で表示される。
次に、(ユ)では、第1保留表示部630aに、第1始動記憶(特図1保留)が一つ発生して、これに対応する保留表示682a(第1保留表示)が第1保留表示部630aに1つ表示される。また、特図1保留数表示部650には、特図1保留数を示す数字「1」が表示されている。
以上、第4実施形態を説明したが、時短最終変動及び残保留の変動が全てはずれ結果になる場合には、時短最終変動で操作促進表示とはずれ結果に対応する操作対応演出とを実行するとともに、時短最終変動の次の残保留の変動からリザルト画面にして、残保留に係る変動を時短中の変動よりも短時間にしてはずれの残保留を短時間で消化してよい。また、第4実施形態は、特定遊技状態として時短状態(演出モードとしては時短モード)の場合を説明したが、特定遊技状態は普電サポートのある確変状態(演出モードとしては確変モード)の場合でもよい。
[第4実施形態の作用・効果]
第4実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(例えば特図変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)と、ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(例えば演出制御装置300)と、を備える。遊技機10は、ゲームの実行権利として始動記憶を記憶可能な始動記憶手段(例えば遊技制御装置100)を備える。演出制御手段は、始動記憶に対応する始動記憶表示の表示制御を行う。演出制御手段は、始動記憶表示の表示態様を、第1遊技状態(例えば時短状態、確変状態)に実行されるゲームの始動記憶に対して第1表示態様(例えば花のキャラクタ)とし、第2遊技状態(例えば残保留を消化する通常遊技状態(移行状態))に実行されるゲームの始動記憶に対して第2表示態様(例えば〇)とする。第1遊技状態において、第2遊技状態に実行されるゲームの始動記憶が発生した場合には、当該始動記憶に対して第2表示態様(例えば〇)又は第3表示態様(例えば◇)とする。
このような遊技機10では、遊技者は、第1遊技状態(例えば時短状態、確変状態)の終了後の第2遊技状態(例えば通常遊技状態)で消化される始動記憶(例えば残保留)に対応する始動記憶表示(例えば保留表示683c)を、第1遊技状態中に消化される始動記憶の始動記憶表示(例えば保留表示683a)とは区別して認識できる。従って、第1遊技状態の次の第2遊技状態の開始前に、第2遊技状態で消化される始動記憶の数(例えば残保留数)を把握し易くなるとともに第1遊技状態の終了が近いことを認識できる。このため、次の第2遊技状態に消化される始動記憶を忘れずに貯めることができ、遊技の興趣の低下を防ぐことができる。
[第5実施形態]
図94から図96を参照して、第5実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第4実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第4実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第5実施形態は、第4図柄(第四特別図柄)に関するものである。
〔ランプ表示装置80の表示態様〕
図94は、第5実施形態に関して、ランプ表示装置80の構成の一例を説明する図である。
図94の上図のように、ランプ表示装置80は、直線状に並んだ特図1用のランプ表示部1、3、4と、直線状に並んだ特図2用のランプ表示部2、5、6とが、並列して配置されるものである。
図94の下図のように、ランプ表示装置80は、第四特別図柄(第4図柄)として所定の周期(循環点灯周期)で緑色点灯と赤色点灯と消灯を繰り返す変動表示(循環点灯)を実行可能なランプ表示部1、2(フルカラーLED)と、各特図変動表示ゲームの始動記憶数(保留数)報知用のランプ表示部3-6(ここでは単色LED)を有する。所定の周期は、例えば300msecや400msecに設定される。また、ランプ表示部3-6は、フルカラーLEDであってもよいが、RGB(赤緑青)の発光素子のうち例えばR(赤)のみが使用される。即ち、フルカラーLEDのRGBの3つの端子のうち1つの端子(R)の導電線を接続することで使用できる。
ランプ表示部80は、演出制御装置300によって制御される。このため、一括表示装置50の特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53における変動表示の変動時間が遊技制御装置100で計測されるのに対して、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2の変動時間は演出制御装置300で計測される。
図94の上図では、ランプ表示部1をランプ表示部3、4の上側に配置し、ランプ表示部2をランプ表示部5、6の上側に配置している。なお、配置はこれに限られず、例えばランプ表示部1をランプ表示部3、4の下側に配置して、上下の位置を逆にしてもよい。また、同様に、ランプ表示部2をランプ表示部5、6の下側に配置してもよい。
ランプ表示部3とランプ表示部4との間には、装飾部として繋ぎ部分81aが設けられている。繋ぎ部分81aには、例えば盛り上がった部分(リッジ部)や凹んだ部分(溝部)が線状に形成されており、共同して特図1保留数を示すランプ表示部3、4がセットになっていることを当該リッジ部や溝部によって遊技者に認識させ易くできる。また、ランプ表示部5とランプ表示部6との間にも同様に、共同して特図2保留数を示すランプ表示部5、6がセットになっていることを遊技者に認識させ易くする繋ぎ部分81bが設けられる。なお、繋ぎ部分81a、81bは、ランプ表示部3、4やランプ表示部5、6がセットになっていることを遊技者に認識させ易くできる態様であればよく、例えば、装飾シール等によって平面的な線状として形成されてもよい。また、繋ぎ部分81a、81bは、ランプ表示部3、4やランプ表示部5、6をそれぞれ区画するように四角枠や楕円等の枠として形成されてもよい。また、当該四角枠や楕円等の枠内と枠外の色を変えることで、区画された領域をより分かり易くできるようにしてもよい。
図95はランプ表示部1、2における第4図柄の表示態様を説明する図であり、図96はランプ表示部3-6における特図1保留数または特図2保留数の表示を説明する図である。
図95の(A)の一例(例1)のように、第4図柄が変動表示中(特図変動中)であるときのランプ表示部1、2は、消灯→緑色点灯→赤色点灯→消灯→緑色点灯→赤色点灯→消灯・・・の順で、例えば100msecごとに第4図柄の態様が変化する(切り替わる)変動表示を行う。この場合の循環点灯周期(消灯→緑色点灯→赤色点灯→消灯の1サイクルの時間)は300msecになる。このように、ランプ表示部1、2が緑色や赤色に交互に切り替わるので、第4図柄が変動表示していることを遊技者に認識させ易くできる。
また、図95の(A)の他例(例2)のように、第4図柄が変動表示中であるときのランプ表示部1、2は、消灯→緑色点灯→消灯→赤色点灯→消灯→緑色点灯→消灯→赤色点灯→消灯・・・の順で、例えば100msecごとに第4図柄の態様が変化する変動表示を行ってもよい。この場合の循環点灯周期(消灯→緑色点灯→消灯→赤色点灯→消灯の1サイクルの時間)は400msecになる。このように、ランプ表示部1、2が緑色や赤色に交互に切り替わる際に、消灯を間に挟むことによって、残像などによって緑色と赤色が重なって遊技者に見えることを回避でき、視認性を高めることができる。
また、図95の(A)の別の他例(例3)のように、フルカラーLEDの各素子を組み合わせて表示する中間色(例えば紫色(R+B)、混合色)を用いて変動表示を行うこともできる。具体的には、第4図柄が変動表示中であるときのランプ表示部1、2は、消灯→緑色点灯→赤色点灯→紫色点灯→消灯→緑色点灯→赤色点灯→紫色点灯→消灯・・・の順で、例えば100msecごとに第4図柄の態様が変化する変動表示が行える。この場合の循環点灯周期(消灯→緑色点灯→赤色点灯→紫色点灯→消灯の1サイクルの時間)は400msecになる。このように、ランプ表示部1、2が切り替わる際の循環点灯態様に、緑色や赤色だけでなく停止結果にはならない別の色(例えば紫色)を含めることで変動表示態様を強調でき、より分かり易く変動表示していることを遊技者に報知できる。
他方で、図95の(B)の例1で後述するように、第4図柄の停止結果を表示する場合には、ランプ表示部1、2は、紫色等の中間色を使わずに、各素子(赤(R)、緑(G)、青(B))および消灯のみを用いることが好ましい。このように、ランプ表示部1、2において第4図柄の停止結果に中間色を使わないことで、一部の素子が破損等により使用不可になった際のトラブルを回避することができる。例えば、当り結果以外を中間色の紫色(R+B)で表示すべきところ一部の素子(青(B))の使用不可(破損)で当り結果(赤色R)が表示されるとトラブルになる。しかし、中間色を使用せず、一部の素子の使用不可(破損)ではずれ(消灯)が表示されて実際には大当りになる場合には、遊技者にとって表示態様以上の有利な結果となりトラブルになり難い。
なお、図95の(A)の例2では消灯を間に挟むことにより、例3では紫色(R+B)を間に挟むことにより、切り替え周期が長くなるが、例1と同じ循環点灯周期(300msec)となるように、例えば75msecごとに第4図柄の態様が変化する変動表示を行ってもよい。このように、ランプ表示部1、2の第4図柄の変動表示における循環点灯周期や切り替えタイミング(態様の変化するタイミング)は、第4図柄が変動表示していることを遊技者に認識させ易くできるように適宜設定することができる。
また、前述の実施形態と同様に、本実施形態においても、図16Aの大当り判定処理と同様に、大当り乱数値を用いた抽選によって、小当りの判定と時短判定も行われる(図16Bの小当り判定処理、図16Cのサポ当り判定処理)。抽選としての時短判定では、大当り乱数値が時短判定値に一致すると判定結果として時短が設定される。時短判定値は、小当り判定値及び大当り判定値とは異なる。時短の判定結果(時短結果)の場合に、特図1停止図柄設定処理(A3403)又は特図2停止図柄設定処理(A3503)において、停止図柄(停止図柄番号、停止図柄パターン)として時短図柄(時短図柄番号、時短図柄パターン)が設定され、時短図柄に対応する飾り特図コマンドが演出制御装置300に送信される。そして、表示装置41において、演出制御装置300によって飾り停止図柄(例えば、「1,1,3」、「1,2,3」、「1,3,1」)として時短図柄が表示され、次回の特図変動表示ゲームから時短状態に突入する。
図95の(B)の例1のように、第4図柄の変動表示が停止(変動停止、特図停止)すると、ランプ表示部1(特図1用第4図柄LED)は、第4図柄として、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の結果(特図停止結果)がはずれの場合に消灯し、大当り結果または小当り結果の場合に赤色(R)で発光する。このように、本実施形態のランプ表示部1は、特図の停止した際に消灯または赤色で発光する。なお、本実施形態では、特図1変動表示ゲームの結果が時短図柄にならないように、特図1変動表示ゲームに対して時短判定値が無しや大当り乱数値の範囲外に設定されており、ランプ表示部1は緑色(時短図柄)では発光しない。また、サポ当り判定処理を実行しない(スキップ(省略)する)ことで、特図1変動表示ゲームの結果が時短図柄にならないようにしてもよい。
他方で、ランプ表示部2(特図2用第4図柄LED)は、第4図柄として、特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果がはずれの場合に消灯し、大当り結果または小当り結果の場合に赤色(R)で発光し、さらに時短図柄の場合に緑色(G)で発光する。このように、本実施形態のランプ表示部2は、特図の停止した際に消灯、赤色または緑色で発光できる。また、本実施形態のランプ表示部2では、比較的温かみのある印象を与える暖色系の色の赤色で遊技者に有利な特別遊技状態となる特別結果(大当り結果または小当り結果)を報知し、冷たい印象を与える寒色系又は中性色系の色(暖色系以外の青や緑色など)で特別遊技状態とは異なる遊技者に有利な特定遊技状態となる特定結果(時短図柄)を報知するので、停止図柄の当りの大きさ(遊技価値の大きさ)を遊技者が連想し易くなり遊技の興趣を高めることができる。ここで、暖色系の色は、寒色系や中性色系の色よりも、光の波長(平均的な波長)が長く、また、色温度は低い。なお、中性色系の色は、暖色系でも寒色系でもない色であり、緑色は中性色系の色とみなしてもよいし寒色系の色とみなしてもよい(なお、青色は寒色系の色とみなされる)。なお、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの結果が時短図柄になれる(サポ当りに当選する)ように、特図2変動表示ゲームに対して時短判定値が設定されており、且つサポ当り判定処理が実行される。そして、大当り乱数値が当該時短判定値に一致することにより、ランプ表示部1は緑色(時短図柄)で発光することができる。
また、ランプ表示部1、2を発光させるとともに、遊技機10に設けられた各種の照明部材(盤装飾装置46や枠装飾装置18のLED等)を発光させてもよい。その際、特に、ランプ表示部2について時短図柄であることを報知する発光演出として、これらの照明部材は、通常の白色等による発光だけでなく、時短図柄に対応する表示態様(例えば緑色)で発光させてもよく、時短図柄でも大当り結果と同様に虹色等で発光させて確定報知を行ってもよい。また、これらの照明部材を、時短図柄ではない色(例えば赤色)で敢えて発光させることで、遊技者に意外性を感じさせることもできる。
このように、ランプ表示部1には第4図柄として時短図柄(例えば緑色)が表示されることはないが、ランプ表示部2には時短図柄が表示されることができる。すなわち、第1特図変動表示ゲームの結果は時短図柄(サポ当りに当選、特定結果)にならない一方で、第2特図変動表示ゲームの結果は時短図柄(サポ当りに当選、特定結果)になることができる。その一方で、上述の図95の(A)の例(例1、2)のように、ランプ表示部1における特図1変動表示ゲームの変動表示中には、時短図柄に対応する表示態様(緑色点灯)を含むように循環点灯が行われ、ランプ表示部2における特図2変動表示ゲームの変動表示と同じ態様となる。
このように遊技機10では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち一方の特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が時短図柄(サポ当りに当選、特定結果)となる場合に、大当り遊技状態(特別遊技状態)の発生を伴わずに、遊技者が有利な特定遊技状態(特定遊技状態C、時短状態(時短モード))を発生させることができる。また、演出制御装置300は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち一方の変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の時短図柄(サポ当りに当選、特定結果)に対応する表示態様(第4図柄の時短図柄(例えば緑色))を含めて、他方の変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)を実行することができる。
そのため、変動表示する際の表示態様が3パターン以上となり、変動表示していることを分かり易くできる。また、ランプ表示部1、2の変動態様を同じにできるので、制御を統一化できて開発効率を良くすることができる。さらに、ランプ表示部1、2の変動態様が同じになることで特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの変動表示の統一感を出して違和感をなくすことができるとともに、演出制御装置300の演出制御を簡素にでき、処理を軽くすることができる。また、始動記憶数(保留数)報知用のランプ表示部3-6が単色(例えば赤色)で発光する一方で、ランプ表示部1、2が時短図柄に対応する表示態様(緑色点灯)と大当り結果または小当り結果に対応する表示態様(赤色点灯)と消灯を繰り返すことによりフルカラーで第4図柄の変動表示(循環点灯)を行うので、特図変動表示ゲームに対応する発光がランプ表示部1、2で行われていることを分かり易くでき、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図95の(A)で上述した変動表示の態様以外にも、時短図柄が表示されない特図1変動表示ゲームの第4図柄を表示するランプ表示部1では、赤色点灯と消灯とにより変動表示を行ってもよい(消灯→赤色点灯→消灯・・・)。このように、変動停止時に用いる色だけで変動表示を行うことで、特図1変動表示ゲームで時短図柄が停止されないことを遊技者が認識し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。他方で、時短図柄が表示される特図2変動表示ゲームの第4図柄を表示するランプ表示部2では、赤色点灯と緑色点灯と消灯とにより変動表示を図95の(A)の例1のように行うことができる。そのため、特図2変動表示ゲームでは時短図柄が停止されることを遊技者が認識し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
また、ランプ表示部1、2において、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの変動表示を赤色点灯と消灯とにより行ってもよい(消灯→赤色点灯→消灯・・・)。このような態様でも、変動停止時に用いる色だけで変動表示を行うことができる。なお、この場合のランプ表示部2における特図2変動表示ゲームでは、時短図柄での停止時のみに緑色点灯となる。したがって、時短図柄(サポ当りに当選)となるときだけ、ランプ表示部2が緑色に点灯するので、時短図柄であることを遊技者が認識し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
また、ランプ表示部1、2がフルカラーLEDであることを利用して、遊技機10がRAM初期化状態(RAMクリアモード)に移行した際に、ランプ表示部1、2を青色(B)に発光させてもよい。このようにランプ表示部1、2を青色で発光させる状態(モード)を設けることで、ランプ表示部1、2の青色の素子(青色LED)が機能していることを確認することができる。また、遊技機10が設定可変状態(設定変更状態、設定可能状態、設定変更モード)、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)などの各種状態に移行した際や、遊技機10に設けられた各種可動部材(盤演出装置44の可動役物、枠装飾装置18の突出演出ユニット13や照明部材(盤装飾装置46や枠装飾装置18のLED等)の初期動作チェックの際に、ランプ表示部1、2を青色(B)に発光させてもよい。
なお、ランプ表示部1、2における特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの変動表示の循環点灯の態様に停止結果にはならない別の色として青色を含めてもよい。このように変動表示ゲームの停止結果にはならない色として、単体の素子(青色の素子)のみで表示可能な色を含めることで、ランプ表示部1、2の各素子が正常に機能していることを確認する機会を増やすことができるとともに、変動表示態様を強調でき、変動表示していることを分かり易く遊技者に報知できる。例えば、図95の(A)の例3で、紫色を青色に入れ替えれば、ランプ表示部1、2の全素子(RGB)の発光が正常又は異常か確認できる。
さらに、図95の(B)の例(例1)では、変動表示ゲームの停止結果がはずれになる場合のはずれ図柄を消灯にしたが、はずれ図柄を青色点灯により表示してもよい。このよう青色点灯をはずれ図柄に用いることで、同様にフルカラーLEDの各素子をそれぞれ用いて変動表示ゲームの停止結果も分かり易く遊技者に報知できるし、各素子の発光が正常か異常かを確認できる。また、これらの点灯態様や変動表示態様は、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームにおいてそれぞれ適宜組み合せて用いることができる。
次に、図96のように、ランプ表示部3、4(特図1保留LED1、特図1保留LED2)は、例えば赤色(R)で発光可能であり、消灯状態、点灯状態、点滅状態によって、特図1保留数(第1始動記憶数、保留数)を表示する。同様に、ランプ表示部5、6(特図2保留LED1、特図2保留LED2)は、例えば赤色(R)で発光可能であり、消灯状態、点灯状態、点滅状態によって、特図2保留数(第2始動記憶数、保留数)を表示する。例えば、図96に示すように、保留数0ではランプ表示部3、4が両方とも消灯状態になり、保留数2では点灯状態になり、保留数4では点滅状態になる。また、保留数1ではランプ表示部3のみが点灯状態になり(ランプ表示部4は消灯状態)、保留数3ではランプ表示部3のみが点滅状態になる(ランプ表示部4は点灯状態)。点滅状態は、例えば100msecごとに表示態様(消灯と点灯)の切り替えが行われる。ランプ表示部5、6でも同様の態様で特図2保留数が表示される。また、ランプ表示部3-6は、大当り発生により保留数の表示を終了するが、大当り状態中以外の場合(表示装置41で後述のリーチが発生している場合も含む)では、保留数の表示を行う。
以上のように、図94から図96を説明したが、第5実施形態として以下のような構成も可能である。
ランプ表示部1、2は、大当り結果又は小当り結果の場合に赤色以外の暖色系の色で発光してもよい(橙色等)。また、ランプ表示部2は、時短結果(時短図柄)の場合に緑色以外で寒色系又は中性色系の色(青色、青緑(G+B)、紫など)で発光してもよい。このように大当り結果や小当り結果であれば暖色系の色で発光させ、時短結果であれば寒色系又は中性色系の色で発光させること、すなわち大当り結果や小当り結果と態様(色)を変えて発光させることで、時短状態に突入することを遊技者に認識させ易くできる。
なお、演出として変動表示ゲームを実行するランプ表示部1、2は、はずれ結果の場合に消灯して黒色になるが、黒色は遊技者に与えるイメージ(印象)としては低い温度であり寒色系の色に分類され、変動表示ゲームの結果も遊技価値(利益)の一番低いものであることを連想しやすい。なお、はずれ結果を寒色系の青色とした場合でも、消灯(黒色)と同様に、遊技価値の一番低いものであることを連想しやすい。このようにランプ表示部1、2の結果の遊技価値を色で示した青(黒)→緑→赤という順番、即ち、イメージとして温度が高くなる寒色系→中性色系→暖色系の順番が、表示装置41での背景演出や保留変化予告など一般的な予告演出で使われる色の大当り期待度の順番と同じになり、色の大当り期待度と連動する。これにより、ランプ表示部1、2の結果に係る遊技価値が、寒色系→中性色系→暖色系の色の順番で高くなることを、遊技者がより連想しやすい。なお、イメージとしての温度とは逆に、いわゆる色温度は、寒色系(青)→中性色系(緑)→暖色系(赤)の色の順番で低くなる。
また、ランプ表示部2は、時短結果の場合に緑色等の寒色系又は中性色系の色以外で発光してもよく(暖色系の色で発光してよい)、大当り結果や小当り結果の態様(色)と異なる態様(色)で発光できる。さらに、大当り結果又は小当り結果の場合に、ランプ表示部1、2を赤色等の暖色系の色以外で発光してもよく、例えば、大当り結果又は小当り結果の場合の色を緑色にし、時短結果の場合の色を赤色にするように入れ替えてもよい。このように、ランプ表示部1、2で表示する第4図柄の態様(色)は適宜選択できる。
また、本実施形態では、ランプ表示部1で第4図柄として時短結果(例えば緑色)が表示されずに、ランプ表示部2のみで第4図柄として時短結果(例えば緑色)を表示できるようにしたが、逆の態様としてもよい。すなわち、ランプ表示部1で第4図柄として時短結果を表示できるようにして、ランプ表示部2で第4図柄として時短結果が表示されないようにできる。この場合には、特図1変動表示ゲームの結果が時短図柄となれるように、かつ、特図2変動表示ゲームの結果が時短図柄とならないように、特図2変動表示ゲームに対して時短判定値が無しや大当り乱数値の範囲外に設定されるか又はサポ当り判定処理を実行しない。このように、特図1変動表示ゲームの結果が時短図柄になって通常遊技状態のときに時短状態に突入可能となることで、大当り遊技を行えていない遊技者に大当り結果以外の結果(時短結果)が発生して持ち球を長持ちできる機会を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、ランプ表示部1、2のうち主となる変動表示ゲーム(主変動表示ゲーム)の第4図柄を時短結果(例えば緑色)で表示できるようにし、主ではない変動表示ゲーム(従変動表示ゲーム)の第4図柄を時短結果(例えば緑色)で表示できないようにしてもよい。この場合には、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームのそれぞれにおいて、主変動表示ゲームのときの時短判定値が大当り乱数値に一致できるように設定され、従変動表示ゲームのときの時短判定値が大当り乱数値に一致できないように設定される。例えば、通常遊技状態のときの主変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームになり、従変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームになる。また、特定遊技状態のときの主変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームになり、従変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームになる。
なお、サポ当りに当選しない場合でも、大当り状態終了後に実行される特図変動表示ゲームの回数(確変状態での回数を除く)が所定回数(いわゆる天井回数、時短天井)(例えば500回)に到達した場合には、特図変動表示ゲームの結果がはずれでも、時短状態(いわゆる天井時短による時短状態、遊タイム)に突入したことを、ランプ表示部1、2を発光させて報知してもよい。このように天井時短による時短状態に突入するときに、ランプ表示部1、2は、第4図柄として例えば緑色などの寒色系又は中性色系の色で発光できる。
なお、図95の(B)の例2に示すように、天井時短によって時短状態に突入するときのランプ表示部1、2の第4図柄は、サポ当りに当選したときの時短図柄の色(例えば緑色)と異ならせた色(例えば、紫色(R+B))で発光させてもよい。このように、天井時短になる場合の第4図柄を、大当り結果や小当り結果、時短図柄、はずれの場合に用いた表示態様(赤色点灯、緑色点灯、消灯)とは異なった表示態様(紫色点灯)にすることで、意外性のある演出にできるとともに、天井時短となったことを遊技者に分かり易く報知でき、遊技の興趣を高めることができる。また、サポ当りに当選したときの時短図柄の色も、その後に付与される時短回数によって色を異ならせてもよい(例えば、時短回数30回で緑色、時短回数100回で黄色)。
また、天井時短により時短状態に突入する場合は、所定回数に到達した特図変動表示ゲームに対応するランプ表示部1、2のどちらかを、上述の時短図柄(時短結果)を第4図柄として表示する場合と同じ態様(色、例えば緑色)で発光させることができる。なお、天井時短になる場合のランプ表示部1、2の発光態様を、第4図柄が時短図柄となる場合の態様と異ならせてもよい。他方で、本実施形態の第4図柄としての時短図柄(例えば緑色)は、上述の通りランプ表示部2のみで発光可能であり、ランプ表示部1では発光しないように設定されている。
また、第1実施形態で上述したように、天井時短による時短状態に突入したときに、特図変動表示ゲームの結果がはずれであることに対応させて、ランプ表示部1、2を消灯状態としてもよい。その際、ランプ表示部1、2を消灯状態としつつ、特図表示器や表示装置41において停止図柄としてはずれ図柄(時短図柄でもよい)または小当り図柄(V入賞のない小当りであれば)を表示できる。表示装置41に表示される時短図柄としては、例えば、左図柄と中図柄のみが揃った「3,3,5」(サポ当り結果による時短の場合と同じく「1,1,3」でもよい)などがある。
なお、図54や図88のように大当りの後に所定回数(例えば99回)の時短状態(普電サポート状態)を発生可能な遊技機10においては、次の態様のようにランプ表示部2に第4図柄として時短図柄(例えば緑色)を表示させてもよく、表示させなくてもよい。
具体的には、大当り終了後の時短状態中(特定遊技状態A中)に、サポ当りに当選した場合には、ランプ表示部2に第4図柄として時短図柄を表示させることができる。このような態様によれば、第4図柄として時短図柄が表示されることで、特定遊技状態A中にサポ当りが発生したことを遊技者が認識できデータとして収集できるようになる。さらに、第3実施形態で記載したように特定遊技状態A後にサポ当りによる時短状態(特定遊技状態C)が継続される(重なる)場合には、特定遊技状態A後の当該サポ当りによる時短状態がどの程度続くのか時短回数を遊技者が把握し易くできる。また、特定遊技状態A中にサポ当りが発生した場合のランプ表示部2の時短図柄を、特定遊技状態Aではないときにサポ当りが発生した場合(例えば残保留でサポ当りに当選)の時短図柄の色(例えば緑色)と異ならせた色(例えば水色)にしてもよい。このように、特定遊技状態Aであるときと、特定遊技状態Aではないときの時短図柄の色を異ならせることで、サポ当りによる時短回数が全て付与されるか否かを遊技者が認識し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
他方で、大当り終了後の時短状態中(特定遊技状態A中)に、サポ当りに当選した場合には、ランプ表示部2に第4図柄として時短図柄を表示させなくてもよい。このような態様によれば、第4図柄として時短図柄が表示されないことで、特定遊技状態A中にサポ当りが発生したことを遊技者が認識できないので遊技に集中し易くできる。さらに、特定遊技状態A後にサポ当りによる時短状態(特定遊技状態C)が継続されない(重ならない)仕様の遊技機の場合には、特定遊技状態A中にサポ当りに当選しても時短図柄が表示されず当選したことが分からなくなるので、サポ当りに当選したのに時短回数が増えないことで遊技者が落胆することを抑制できる。
また、時短状態後の残保留消化中にサポ当りに当選した場合には、ランプ表示部2の第4図柄として時短図柄を表示することができる。したがって、上述の特定遊技状態Aと特定遊技状態Cが重なる仕様、または重ならない仕様の遊技機のどちらにおいても、発生した特定遊技状態C(サポ当りによる時短状態)の時短回数が全て消化できることを遊技者が認識し易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、ランプ表示部2に第4図柄として時短図柄を表示するまたは表示しないに関わらず、表示装置41において飾り停止図柄として時短図柄(例えば「1,1,3」等)を表示できる。このような態様によれば、ランプ表示部2に時短図柄を表示しない場合でも、表示装置41の時短図柄によって、サポ当りに当選したことを遊技者に認識させることができる。また、ランプ表示部2に時短図柄を表示する場合には、表示装置41の時短図柄とともに、サポ当りに当選したことを強調した表示にでき、遊技者により認識させ易くできる。
他方で、ランプ表示部2に第4図柄として時短図柄を表示するまたは表示しないに関わらず、表示装置41において飾り停止図柄として時短図柄を表示させなくてもよい。このような態様によれば、表示装置41の飾り停止図柄からはサポ当りに当選したことを遊技者が認識できなくなり、例えば表示装置41に表示される演出に集中でき、遊技に集中し易くなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
[第5実施形態の作用・効果]
第5実施形態に係る遊技機10は、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)と第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を演出として表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備え。遊技機10は、第1変動表示ゲームまたは第2変動表示ゲームの結果が特別結果(例えば大当り結果)となる場合に遊技者に有利な特別遊技状態(例えば大当り遊技状態)を発生可能である。遊技機10では、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうち一方の変動表示ゲームの結果が特定結果(例えば時短図柄、サポ当りに当選)となる場合に、特別遊技状態の発生を伴わずに、遊技者に有利な特定遊技状態(例えば時短状態(時短モード)、特定遊技状態C)を発生可能である。演出制御手段は、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうち一方の変動表示ゲームの特定結果に対応する表示態様(例えば第4図柄の時短図柄(例えば緑色))を含めて、他方の変動表示ゲームを実行可能である。
このような遊技機10によれば、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームの変動表示中の表示態様を同じにできるので、制御を統一化できて開発効率を良くすることができる。また、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームの変動表示中の表示態様が同じになることで統一感を出して違和感をなくすことができるとともに、演出制御手段の演出制御を簡素にでき、処理を軽くすることもできる。さらに、一方の変動表示ゲームの特定結果に対応する表示対応を含めて、他方の変動表示ゲームを実行できるので、他方の変動表示ゲームで変動表示する際の表示態様のパターン数を増やして変動表示していることを分かり易くできる。
また、第5実施形態に係る遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、特別結果(例えば大当り結果または小当り結果)に対応する表示態様(例えば第4図柄の赤色)、特定結果(時短結果)に対応する表示態様(第4図柄の時短図柄(例えば緑色))、及び、特別結果と特定結果以外の結果に対応する表示態様(はずれ(例えば消灯))を含めて、第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームの各々(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)を表示可能である。
このような遊技機10によれば、変動表示ゲームで変動表示する際の表示態様に3パターンを含めてパターン数をさらに増やせるので、変動表示していることをより分かり易くできる。また、特別結果、特定結果、はずれ結果に対応する表示態様を含めて変動表示するので、それぞれの結果となったときの違和感をなくすことができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、第5実施形態に係る遊技機10は、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム))を演出として表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果(例えば大当り結果または小当り結果)となる場合に遊技者に有利な特別遊技状態(例えば大当り遊技状態)を発生可能である。変動表示ゲームの結果が特定結果(例えば時短図柄、サポ当りに当選)となる場合に、特別遊技状態の発生を伴わずに、遊技者に有利な特定遊技状態(例えば時短状態(時短モード)、特定遊技状態C)を発生可能である。演出制御手段は、発光可能な発光部(例えばランプ表示装置80のLED)において変動表示ゲームの結果を表示可能であり、変動表示ゲームの結果(停止図柄)が、特別結果となる場合に第1表示態様(例えば赤色(R)、暖色系の色)を表示し、特定結果となる場合に第2表示態様(例えば緑色(B)、暖色系以外の色)を表示し、特別結果または特定結果以外の場合に第3表示態様(例えば消灯)を表示する。
このような遊技機10によれば、変動表示ゲームの結果が、特別結果となる場合と、特定結果となる場合と、はずれの場合とで、それぞれ異なる色を用いて報知されるので、停止図柄を遊技者が把握し易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
[第6実施形態]
図97から図114を参照して、第6実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第5実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第5実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第6実施形態は、変動表示ゲームの変動パターンを選択するための変動パターンテーブル(変動パターン選択テーブル、変動パターン群)などに関するものである。
〔遊技盤〕
図97を参照して、第6実施形態における遊技盤30について説明する。図97の遊技盤30は、図2の遊技盤30に対して、センターケース40の左下方の遊技領域32において、普図始動ゲート34が一般入賞口35の近傍にもう一つ追加されている。2つの普図始動ゲート34が、センターケース40の右側方と左下方の遊技領域32に存在していることになる。普図始動ゲート34自体の機能と構成は、第1実施形態と同様である。即ち、普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34aが設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過してゲートスイッチ34aで検出されると、普図変動表示ゲームが実行される。
左下方の遊技領域32にて普図始動ゲート34が存在するため、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)であっても、普図始動ゲート34での遊技球の通過によって、普図変動表示ゲームが実行される。普図変動表示ゲームの結果が当り結果になると可動部材37bが開状態(入賞容易状態)に変換され、普通変動入賞装置37(普電)への遊技球の入賞が許容される。ただし、右側の遊技領域32の普通変動入賞装置37へ遊技球を入賞させるために、遊技者は、左下方の普図始動ゲート34での遊技球の通過直後に、遊技球の発射態様(打ち方)を左打ちから右打ちに素早く切り替えるような技能が要求される。従って、左下方の普図始動ゲート34を遊技球が通過して、右側の遊技領域32の普通変動入賞装置37が開状態に変換されても、普通変動入賞装置37へ遊技球がうまく入賞するとは限らない。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)の例〕
図98は、第6実施形態における遊技状態の遷移を例示する遊技状態遷移図(ゲームフロー)である。図98は、図88と同様であるが、天井回数到達によって発生する特定遊技状態B(時短モード#3)において普電サポートが高サポとなり、時短図柄によって発生する特定遊技状態C(時短モード#4)において普電サポートが中サポとなる点などで図88と異なる。なお、本実施形態において、特定遊技状態は時短状態であるが、特定遊技状態の一部又は全てを大当り確率が高確率状態である確変状態(普電サポート有り/特図高確率)とする構成も可能である。
中サポでは、普通変動入賞装置37は、普電サポート(電サポ)の無い通常遊技状態よりも開状態に変換し易いが、高サポよりも開状態に変換し難い。このため、電サポ無し(普電サポート無し)<中サポ<高サポの順に、遊技者の得る利益は大きくなる。そして、普通変動入賞装置37は、特定遊技状態Cにおいて、通常遊技状態よりも開状態に変換し易いが特定遊技状態Bよりも開状態に変換し難くなる。
なお、大当りに続いて発生する特定遊技状態A(時短モード#1、#2)では、普電サポートは、特定遊技状態Bと同じ種類の高サポであってもよいし、他の種類の高サポでもよい。この他の種類の高サポにおいて、普通変動入賞装置37が特定遊技状態Cよりも開状態に変換し易く、特定遊技状態Bよりも開状態に変換し難い又は変換し易い。特定遊技状態Aと特定遊技状態Bの高サポが同じ種類であれば制御が簡単になる一方、異なる種類であれば遊技にバリエーションが出る。
特定遊技状態A、Bにおいて、普通変動入賞装置37が開放され易くなるため、遊技球の発射態様として普通変動入賞装置37を狙う右打ちが推奨される。そのため、特定遊技状態A、Bにおいて、主始動領域は普通変動入賞装置37となり従始動領域は第1始動入賞口36となることから、主変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームとなり、従変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームとなる。
なお、前述のとおり、第1始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶(特図1始動記憶、特図1保留)の発生が、特図1変動表示ゲームを実行可能とする第1の始動条件となっている。なお、普通変動入賞装置37への入賞若しくは第2始動記憶(特図2始動記憶、特図2保留)の発生が、特図2変動表示ゲームを実行可能とする第2の始動条件となっている。
一方、本実施形態では、特定遊技状態Cにおいて、中サポによって普通変動入賞装置37が通常遊技状態よりも若干開放され易くなるものの、特定遊技状態C中に右打ちを常に継続すると始動入賞口36に入賞しなくなる不利益の方が大きくなる。例えば、左打ちの場合の単位発射球数当りの始動入賞口36への入賞数が、右打ちの場合の単位発射球数当りの普通変動入賞装置37への入賞数よりも大きいと、右打ちでの不利益の方が左打ちでの不利益よりも大きくなる。
このため、本実施形態では、特定遊技状態Cにおいて、遊技球の発射態様(打ち方)として始動入賞口36を狙う左打ちが基本的に推奨される。そのため、特定遊技状態Cにおいて、主始動領域は第1始動入賞口36となり従始動領域は普通変動入賞装置37となることから、主変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームとなり従変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームとなる。
特定遊技状態Aの演出モードとして、図54Aや図88と同じく時短モード#1、#2がある。本実施形態では、時短モード#1、#2に関する時短回数m1、m2は、各々4回、30回の固定値であるが、遊技のバリエーションを増やすために可変値でもよい。例えば、時短回数m2は、抽選によって、20回、30回、50回のいずれかが選択されてよい。本実施形態では、第1実施形態と異なり、特図2変動表示ゲームの小当り確率は1/15.79であるとともに時短回数m2は小さい。このため、時短モード#2は、確実に小当り(V通過の大当り状態)が発生するわけではないので、次回継続確定モード(確定モード)とはならない。
特定遊技状態Bの演出モードは時短モード#3であり、特定遊技状態Cの演出モードは時短モード#4であり、演出モードは異なり、遊技者は天井時短(b時短)による時短状態と突然時短(c時短)による時短状態とを演出によって区別できる。なお、特定遊技状態Bと特定遊技状態Cで演出モードを同じにして、演出の共通化を図り開発コストを削減することもできる。本実施形態では、時短モード#3、#4に関する時短回数m3、m4は、各々251回、30回の固定値であるが、遊技のバリエーションを増やすために可変にしてもよい。例えば、時短回数50回の時短図柄、時短回数30回の時短図柄、時短回数20回の時短図柄など複数の時短図柄を設けて、各々、10%、70%、20%でサポ当り図柄乱数によって抽選して、時短回数m4の平均回数を30回にしてもよい。
また、時短モード#3、#4は、時短モード#1、#2とは異なる演出モードとなり、大当りに起因する時短状態(特定遊技状態A)と大当りに起因しない時短状態(特定遊技状態B、C)とを演出によって区別できる。なお、特定遊技状態Aと特定遊技状態B、Cで演出モードを同じにして、演出の共通化を図り開発コストを削減することもできる。
次に、各遊技状態からの遷移(移行)について説明する。
本実施形態では、天井回数m5は580回であり、特定遊技状態A中と移行状態(残保留消化モード)において、大当り状態終了後に所定条件下(特図低確率状態、確変状態でない状態)で実行される特図変動表示ゲームの回数が天井回数に到達することはない。従って、特定遊技状態A中と残保留消化モードから特定遊技状態Bに遷移することはない。
そして、本実施形態では、通常遊技状態又は特定遊技状態Cにおいて、大当り状態終了後に所定条件下で実行される特図変動表示ゲームの回数が天井回数に到達した場合に、天井時短(b時短)となり特定遊技状態B(時短モード#3)に遷移する。
また、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの結果にサポ当り(時短結果、時短図柄)はなく、特図1変動表示ゲームの結果のみにサポ当りがあるようにする。このようにするため、大当りフラグ1設定処理(図14)においてサポ当り判定処理(A3607-A3609)が実行され、逆に、大当りフラグ2設定処理(図15)においてサポ当り判定処理等(A3707-A3709)が実行されない構成とする。従って、基本的に、主変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームとなる特定遊技状態A中と移行状態(残保留消化モード)と特定遊技状態Bから、特定遊技状態Cに移行しない。
そして、本実施形態では、主変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームとなる通常遊技状態において、特図1変動表示ゲームの結果がサポ当り結果(時短図柄)の場合に、突然時短(c時短)としての特定遊技状態C(時短モード#4)に遷移する。このようにして、遊技者の得る利益が少なく演出も単調になりがちな通常遊技状態において、サポ当り結果(時短図柄)になる特典を設けて、遊技の興趣を向上できる。
さらに、特定遊技状態B、Cにおいて小当り又は大当りが発生せずに遷移条件が成立すると、残保留を消化する移行状態(残保留消化モード)に遷移する。特定遊技状態B、Cから移行状態に遷移する遷移条件は、第3実施形態の図88と同様でよい。即ち、遷移条件は、(i)特定遊技状態における特図2変動表示ゲームの実行回数が時短回数m3、m4(第1所定回数)を超えること、及び、(ii)特定遊技状態における特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)の合計の実行回数が時短回数m3、m4(第1所定回数)よりも大きい第2所定回数を超えること、の何れかが成立することである。なお、第2所定回数は、時短回数に、特図1保留数又は特図2保留数の最大値(例えば4)を足したものでもよい。また、特定遊技状態Cから移行状態への遷移する場合の条件(i)について、特定遊技状態Cにおける特図1変動表示ゲーム(主変動表示ゲーム)の実行回数が時短回数m4を超えることとしてもよい。
〔図柄に対応する時短回数と規定残保留数〕
図99は、第6実施形態において、特図変動表示ゲームの当りの種類である図柄に対応する時短回数と規定残保留数などについて示すテーブルである。図柄は、大当り(V入賞による大当りも含む)になる場合の図柄であり、ここでは、時短図柄は除かれている。
(A)のように、本実施形態では、普電サポート無しの状態において、特図1変動表示ゲームの大当りの図柄には、図柄A1のみがある(主に通常遊技状態での大当りとなる)。図柄A1に関して、時短回数(ここでは4回)が異なるだけで、第1実施形態と第3実施形態の図柄Aと同じである。また、普電サポート有りの状態において、特図1変動表示ゲームの大当りの図柄には、図柄P1のみがある(主に特定遊技状態Cでの大当りとなる)。図柄P1に関して、時短回数は30回(m2)になり規定残保留数は4個になる。大当りの図柄A1、図柄P1は、V入賞による大当りではないものであり、また、大当り図柄乱数によって決定される停止図柄である。なお、図柄A1と図柄P1を特図1変動表示ゲームの小当りでのV入賞に関する大当りの停止図柄とする構成も可能だが、この場合に、大当り図柄乱数の他に小当り図柄乱数があるなら、図柄A1と図柄P1を、小当り図柄乱数によって決定される小当りの停止図柄とする構成も可能である。
普電サポート無しの状態において、特図1変動表示ゲームが大当りである場合の図柄は、図柄A1のみであり振り分けは100%である。従って、通常遊技状態で、主変動表示ゲームの特図1変動表示ゲームが大当りになると、大当り状態後に特定遊技状態Aの時短モード#1(時短回数4回)に遷移する。なお、図柄A1以外に図柄P1を設けて、特図1変動表示ゲームの大当り状態後に特定遊技状態Aの時短モード#2に遷移するようにしてもよい(図98の点線など)。或いは、図柄A1の代わりに図柄P1を設けて、特図1変動表示ゲームが大当りになると、通常遊技状態から、大当り状態を経て特定遊技状態Aの時短モード#2に遷移するようにしてもよい。
普電サポート有りの状態において、特図1変動表示ゲームが大当りである場合の図柄は、図柄P1のみであり振り分けは100%である。従って、特定遊技状態Cで、主変動表示ゲームの特図1変動表示ゲームが大当りになると、大当り状態後に特定遊技状態Aの時短モード#2(時短回数30回)に遷移する。なお、図柄P1以外に図柄A1を設けて、特図1変動表示ゲームの大当り状態後に特定遊技状態Aの時短モード#1に遷移するようにしてもよい。或いは、図柄P1の代わりに図柄A1を設けて、特図1変動表示ゲームが大当りになると、特定遊技状態Cから、大当り状態を経て特定遊技状態Aの時短モード#1に遷移するようにしてもよい。
(B)のように、普電サポート有りの状態での特図2変動表示ゲームの大当りに関して、図柄は、大当り終了後に付与される時短回数m2が30回となる図柄S1の1種類のみであり振り分けは100%である。なお、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの大当りは、小当りでのV入賞によるものであるが、これに限られない。普電サポート有りの特定遊技状態A-Cで、主変動表示ゲームの特図2変動表示ゲームが大当りになると、特定遊技状態Aの時短モード#2に遷移する。なお、図柄S1以外に、時短回数m2が20回、50回の2つの図柄を設けて、振り分けによる図柄の抽選によって、時短回数m2として20回、30回、50回のいずれかが選択されてよい。
なお、本実施形態では、小当り確率は特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとで異なり、小当り上限判定値(A3900)は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとで異なる。特図2変動表示ゲームの小当り確率は1/15.79であるのに対して、特図1変動表示ゲームの小当り確率は1/199.80である。従って、主変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームである特定遊技状態A、特定遊技状態B、及び、移行状態(残保留消化モード)において、主変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームである通常遊技状態と特定遊技状態Cよりも、小当りひいては小当りでのV入賞による大当りが発生し易い。
普電サポート無しの状態での特図2変動表示ゲームの大当り(残保留における小当りでのV入賞による大当り)の図柄G1に関して、第1実施形態の図柄Gと同じである。図柄は、大当り終了後に付与される時短回数m2が30回となる図柄G1の1種類のみであり振り分けは100%である。従って、移行状態(残保留消化モード)で、主変動表示ゲームの特図2変動表示ゲームが大当りになると、特定遊技状態Aの時短モード#2に遷移する。なお、図柄G1と図柄S1によって大当り終了後に同じ時短モードに移行するため、図柄G1と図柄S1を共通の図柄としてもよい。また、図柄G1以外に、時短回数m2が20回、50回の2つの図柄を設けて、振り分けによる図柄の抽選によって、時短回数m2として20回、30回、50回のいずれかが選択されてよい。また、図柄G1以外に図柄A1を設けて、特定遊技状態Aの時短モード#1に遷移するようにしてもよい(図98の点線)。
以上、図98と図99のように、通常遊技状態、移行状態、特定遊技状態A、特定遊技状態B、特定遊技状態Cは、個々の発生条件(遷移条件)に基づいて発生し、発生条件(遷移条件)は互いに異なってよい。
特に、本実施形態において、特定遊技状態Cで特図1変動表示ゲームが大当りになると、特図2変動表示ゲームが大当りになる場合(図柄S1、G1の場合)と同じく、大当り終了後に時短モード#2に遷移して高サポでの時短回数30回が得られる。このため、特定遊技状態Cは高サポではなく中サポであっても、遊技者に非常に有利となり遊技の興趣が向上する。なお、中サポの特定遊技状態Cも、普電サポート有りの状態には変わりないので、通常遊技状態を経ないで大当り状態と特定遊技状態が継続する連チャン扱いとなる。
なお、(C)のラウンド数上限値の割合の円グラフに例示するように、ラウンド数上限値(大当りラウンド数)が複数ある場合に、各ラウンド数上限値に対応する大当りの図柄があってよい。例えば、(C)のように、特図2変動表示ゲームの大当りに対してラウンド数上限値が複数9R、6R、3Rの3種類ある場合に、図柄S1-9R(振り分け15%)、図柄S1-6R(振り分け10%)、図柄S1-3R(振り分け75%)や、図柄G1-9R(振り分け15%)、図柄G1-6R(振り分け10%)、図柄G1-3R(振り分け75%)のように、ラウンド数上限値に対応する図柄があってよい。なお、小当りでのV入賞による大当りの場合には、小当りを1ラウンド分とみなしてラウンド数上限値に含めてよいし、小当りをラウンド数上限値に含めなくてもよい。
〔時短の作動状況〕
図100は、各遊技状態から新たな時短の作動契機が発生した場合について、時短の作動状況をまとめたテーブルである。時短の作動契機とは、大当りを経由した時短(a時短)であれば大当りであり、天井時短(b時短)であれば天井回数到達であり、突然時短(c時短)であれば時短図柄の設定や導出(表示)である。
前述の通り、通常遊技状態(残保留消化モードを含む)と特定遊技状態A-Cにおいて、a時短の発生契機として大当りが発生すると、大当り状態を経由して、大当り終了直後にa時短が作動して特定遊技状態Aに遷移する。
通常遊技状態(残保留消化モードを含む)、特定遊技状態A、及び、特定遊技状態Cにおいて、b時短の発生契機として天井回数に到達すると、b時短が作動して特定遊技状態Bに遷移可能である。しかし、特定遊技状態Bにおいて、b時短の発生契機として天井回数に到達しても、新たに天井時短発動フラグ(A5115)が発生せず、新たなb時短は作動不能である。このように、特定遊技状態Bにおいてb時短が重複して発生することを禁止し、特定遊技状態Bが実質的に延長される事態を防止して、過度に遊技者に有利になることを防止できる。なお、本実施形態において、特定遊技状態Aと残保留消化モードでは天井回数に到達できないため、実質的に特定遊技状態Aと、通常遊技状態のうちの残保留消化モードから特定遊技状態Bに遷移することはない。これにより、過度に遊技者に有利になることを防止できる。
なお、前述のように天井回数到達によって、中サポの特定遊技状態C(c時短)から高サポの特定遊技状態B(b時短)に遷移すると、演出モードは時短モード#4から時短モード#3に切り替わり、演出が変化する。また、この場合に、遊技球の打ち方は左打ちが推奨される左打ち状態から右打ちが推奨される右打ち状態に切り替わり、主変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームから特図2変動表示ゲームに切り替わる。
また、通常遊技状態(残保留消化モードを除く)において、c時短の発生契機としてサポ当りで時短図柄が導出されると、c時短が作動して特定遊技状態Cに遷移する。しかし、特定遊技状態Aと、特定遊技状態Bと、通常遊技状態のうちの残保留消化モードとにおいて、主変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームであり、前述のように特図2変動表示ゲームでサポ当り(時短図柄)は発生しない構成のため、c時短は作動せず特定遊技状態Cに遷移しない。さらに、本実施形態において、特定遊技状態Cにおいて、特図1変動表示ゲームによってc時短の発生契機として時短図柄が導出されても、例えば時間短縮変動回数の初期値の設定(A5126)とサポ作動設定処理(A5127)を実行しないことによって、c時短の作動を禁止し新たなc時短を作動不能にする。このように、特定遊技状態Cにおいてc時短が重複して発生することを禁止し、特定遊技状態Cが実質的に延長される事態をなくし、過度に遊技者に有利になることを防止できる。なお、特定遊技状態Cにおいて時短図柄が導出された場合に、時間短縮変動回数の初期値を再設定しサポ作動設定処理を実行して、新たなc時短を作動させる構成も可能である。ただし、この構成でも、時短残り回数の方が時間短縮変動回数の初期値(新たなc時短の時短回数)よりも大きい場合には、時短残り回数が突然減ってしまうことになるため、新たなc時短を作動不能にしてキャンセルしてよい。
なお、特定遊技状態A、Bにおいて、始動入賞口36に入賞し特図2始動記憶が無ければ特図1変動表示ゲームが実行されることもあるが、強制的にc時短の作動を禁止して特定遊技状態Cに遷移しないようにしてもよい。このようにするため、特定遊技状態A、Bにおいて、特図1変動表示ゲームの結果がサポ当り(時短図柄)となった場合でも、時間短縮変動回数の初期値の設定(A5126)とサポ作動設定処理(A5127)を実行しない構成とする。
〔一括表示装置の表示〕
図101は、第6実施形態に関して、一括表示装置50の表示を説明する図である。なお、図101に示す表示以外の一括表示装置50の表示は、第1実施形態と同様であり説明を省略する。
本実施形態では、特図高確率の確変状態がないため、第1実施形態と異なってLEDランプD9(第3遊技状態表示部59)は、LEDランプD7(第1遊技状態表示部57)と同様に、点灯又は消灯によって右打ち時又は左打ち時(通常打ち時)であることを報知する。
普電サポート無し(電サポ無し)の状態、即ち、通常遊技状態又は移行状態において、一括表示装置50のLEDランプD7、D9は消灯して左打ち状態(通常打ち状態)であることを示し、一括表示装置50のLEDランプD17も消灯して変動時間短縮機能未作動の状態(即ち非時短状態)であることを示す。
c時短である特定遊技状態Cにおいて、LEDランプD7、D9は消灯して左打ち状態(通常打ち状態)であることを示す一方、LEDランプD17は点灯して変動時間短縮機能作動の状態(即ち時短状態)であることを示す。ただし、例外的にc時短中(特定遊技状態C)において普図変動表示ゲームの当り(普図当り)が発生する場合には、当り図柄の停止タイミングで、普電が開放される右打ち状態であることを示すべく右打ちLEDとしてのLEDランプD7、D9が点灯する。従って、左打ち状態で左下方の遊技領域32の普図始動ゲート34を遊技球が通過することで実行された普図変動表示ゲームが当りとなって、中サポによって普通変動入賞装置37が開状態に変換する場合に、遊技者に対して右打ちの指示(示唆)が報知される。
なお、特定遊技状態Cにおいて、一括表示装置50のLEDランプD7、D9の示す左打ち状態と右打ち状態に対応して、表示装置41において、左打ちを指示する左打ち指示表示と右打ちを指示する右打ち指示表示を表示してよい。このようにすると、熟練していない遊技者でも、右打ちすることを把握し易くなり、中サポによる普電開放の利益を受け易くなる。なお、表示装置41の右打ち指示表示は、遊技者の利益になるよう、LEDランプD7、D9が点灯するタイミングでなく、実際に普通変動入賞装置37(普電)が開放されるタイミングで表示されてよい。また、特定遊技状態Cにおいて、普通変動入賞装置37の開放が短時間(例えば50msec以下)の普図当りの場合(後述の普電開放パターンH1の場合)には、遊技者を失望させないように、右打ち指示表示は表示装置41に表示されなくてもよい。
また、特定遊技状態Cにおいて、右打ちが推奨される右打ち状態は例外的に発生するものであるため、LEDランプD7、D9の示す左打ち状態と右打ち状態に関係なく、常に、表示装置41において左打ち指示表示を表示してもよい。このようにすると、熟練した遊技者が普電開放に対応して右打ちするため中サポによる利益を受け易くなり、遊技者が熟練度を増そうとして遊技機10の稼働が向上する可能性がある。
また、特定遊技状態Cにおいて、左打ち状態が通常であるため、遊技者が不快にならないように、表示装置41において左打ち指示表示は表示されなくてもよいし、或いは、特定遊技状態Cに遷移した際の所定期間にのみ、表示装置41において左打ち指示表示は表示されてもよい。
さらに、a時短である特定遊技状態Aとb時短である特定遊技状態Bにおいて、LEDランプD7、D9は点灯して右打ち状態であることを示すとともに、LEDランプD17は点灯して変動時間短縮機能作動の状態であることを示す。
大当り状態中と小当り遊技状態中は、LEDランプD7、D9は点灯して右打ち状態であることを示し、LEDランプD17は消灯して変動時間短縮機能未作動の状態(即ち非時短状態)であることを示す。なお、例外的に、特定遊技状態において、特図1変動表示ゲームの小当り結果によるV入賞のない短時間の小当り遊技状態中(図113の小当り開放中)に、変動時間短縮機能をオフとせず(時短なしフラグをセーブせず)作動したままとするため、LEDランプD7、D9は点灯して右打ち状態であることを示し、LEDランプD17は点灯して変動時間短縮機能作動の状態(即ち時短状態)であることを示す。また、特図2変動表示ゲームの小当り結果による長時間の小当り遊技状態中(図114の小当り開放中)にV入賞が確実に発生して大当りとなるため、変動時間短縮機能をオフして(時短なしフラグをセーブして)非作動にし、LEDランプD17は消灯して変動時間短縮機能未作動の状態(即ち非時短状態)であることを示す。
〔普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等〕
図102と図103は、第6実施形態において、普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等ついて示す図である。
図102のように、普図変動表示ゲームの当り図柄(当り停止図柄、普図当り図柄)は3種類である。本実施形態では、普電サポートの有無によらず、普図当り確率は常に一定値250/251であり、低確率(普図低確率)と高確率(普図高確率)の間で変化するようには制御されない。なお、通常遊技状態や中サポの特定遊技状態Cで250/251よりも低い低確率としてもよい。
普図変動表示ゲームの始動記憶数(普図保留数)は4である。普電の最大カウント数(カウント数上限値)は5である。普図停止時間(普図表示時間)は、遊技状態に関係なく600msecである。
普図変動表示ゲームの変動時間である普図変動時間は、普電サポート(電サポ)が無い通常遊技状態と移行状態で5000msecであり、c時短の特定遊技状態Cで4900msecであり、a時短の特定遊技状態Aとb時短の特定遊技状態Bで200msecである。普図変動時間は、電サポ無し(通常遊技状態、移行状態)>中サポ(特定遊技状態C)>高サポ(特定遊技状態A、B)の順に短くなる。このように、通常遊技状態と移行状態での普電サポート無しの状態(低サポ)に比較して、中サポの特定遊技状態Cにおいて、普電の入賞容易状態(開状態)に若干なり易く、高サポの特定遊技状態A、Bにおいて、普電の入賞容易状態に極めてなり易い。なお、普図変動時間は、普図普段処理において、各遊技状態に対応するサポ状態(即ち、電サポ無し、中サポ、高サポ)に基づいて設定される(図36のA7920)。
図103(A)のように、65521通りある普図の当り図柄乱数(A7710)の振り分けによる抽選によって、65321/65521の確率で当り1の図柄に対応する当り停止図柄番号1が設定され、100/65521の確率で当り2の図柄に対応する当り停止図柄番号2が設定され、100/65521の確率で当り3の図柄に対応する当り停止図柄番号3が設定される(A7912)。
普図変動表示ゲーム用の変動表示部53のLEDランプD8、D10、D18の点灯/消灯の組合せによって、当り1の図柄は(消灯,点灯,消灯)、当り2の図柄は(消灯,消灯,点灯)、当り3の図柄は(消灯,点灯,点灯)のように表示される。なお、停止図柄番号0であるはずれ停止図柄番号(A7909)のはずれ図柄は(消灯,消灯,消灯)のように表示される。
普電開放パターンは、1度の普図当りでの普通変動入賞装置37(普電)の開放態様である。通常時、即ち、通常遊技状態と移行状態において、普電開放パターンは、当り1~3の全図柄に対して短時間の普電1回開放のパターンH1となり、100%の確率でパターンH1が選択されるため普電サポートは無い(電サポ無し)。また、特定遊技状態A(a時短)と特定遊技状態B(b時短)において、普電開放パターンは、当り1~3の全図柄に対して長時間の普電1回開放のパターンH3となり、100%の確率でパターンH3が選択されるため高サポになる。
一方、特定遊技状態C(c時短)において、普電開放パターンは、当り1の図柄に対してパターンH1であり、当り2、3の図柄に対して普電2回開放のパターンH2となり、パターンH1とパターンH2が混在する。短時間の普電1回開放のパターンH1が65321/65521×100%の確率で選択されて、普電2回開放のパターンH2が200/65521×100%の確率で選択される。このように、特定遊技状態Cでは、パターンH2よりも普電開放が短時間になるパターンH1の選択確率が、パターンH2の選択確率よりも極めて大きいため、中サポになる。中サポ(特定遊技状態C)において、電サポ無し(通常遊技状態)よりも少しだけ有利にすることによって、遊技者側の利益が大きくなり過ぎないように遊技者側の利益と遊技場側の利益を調整している。
なお、上述のように、当り2、3に対応するパターンは各遊技状態で同じであるため、当り2、3を一つの当りとしてまとめてもよい。
図103(B)のように、短時間開放のパターンH1では、普通変動入賞装置37は1回だけ短時間開放される。パターンH1の普電開放時間(A8407)は36msec、普電残存球処理時間(A8708)は600msec、普図エンディング時間(A8903)は100msec、普図エンディング後に次の普図変動表示ゲームが可能になるまでの復帰時間は4msec(タイマ割込み処理の割込み周期)となる。
普電2回開放のパターンH2では、普通変動入賞装置37は2回開放され、普電開放時間が1回目の開放で36msec、2回目の開放で1624msecとなる。1回目の開放の普電開放時間(A8407)は、パターンH1の普電開放時間36msecと同じになる。1回目の開放ではパターンH2はパターンH1と見分けがつかないところ、2回目の開放で遊技者を驚かせて遊技の興趣が向上する。2回目の開放の普電開放時間(A8704)は、1回目の開放の普電開放時間よりもかなり長い。また、パターンH2の2回目の開放の普電開放時間(1624msec)或いは1回目と2回目の合計開放時間(36msec+1624msec)は、パターンH1の普電開放時間36msecよりも長い。なお、パターンH2の普電残存球処理時間、普図エンディング時間、復帰時間は、パターンH1と同じであり、普電の制御が簡単になる。
さらに、パターンH2において、1回目の開放と2回目の開放の間のウェイト時間(A8702)は、1回目と2回目の普電開放時間よりも長く、例えば3000msecである。左下方の普図始動ゲート34への遊技球の通過、及び、1回目の普電開放を確認した遊技者は、この長いウェイト時間によって、左打ちから右打ちへ切り替える余裕が生じて、2回目の放電開放に間に合わせて右打ちをすることができる。パターンH2の普電開放開始から復帰時間完了までの全時間(36msec+3000msec+1624msec+704msec)は、パターンH1の全時間(36msec+704msec)やパターンH3の全時間(2800msec+704msec)よりも長くなる。
長時間開放のパターンH3では、普通変動入賞装置37は1回だけ長時間開放される。パターンH3の普電開放時間(A8407)は2800msecであり、パターンH1の普電開放時間36msecよりも長く、さらに、パターンH2の2回目の開放の普電開放時間(1624msec)或いは合計開放時間(36msec+1624msec)よりも長い。従って、パターンH3は、パターンH1、H2よりも、普通変動入賞装置37への入賞が容易になる。パターンH3の普電残存球処理時間、普図エンディング時間、復帰時間は、パターンH1、H2と同じであり、普電の制御が簡単になる。
以上のように、普電の合計開放時間は、パターンH1<パターンH2<パターンH3の順に大きくなるとともに、最短の合計開放時間を有するパターンH1の選択確率は、電サポ無し(通常遊技状態、移行状態)>中サポ(特定遊技状態C)>高サポ(特定遊技状態A、B)の順に小さくなる。そして、電サポ無しでは、パターンH1の選択確率は100%であり、高サポでは、パターンH3の選択確率は100%である。また、前述のように、普図変動時間は、電サポ無し>中サポ>高サポの順に小さくなる。従って、電サポ無し<中サポ<高サポの順に、遊技者の得る利益は大きくなる。
なお、本実施形態において、普電開放時間、当り開始ポインタ値、及び、当り終了ポインタ値は、普図停止図柄情報(当り1-3の図柄)、及び、各遊技状態に応じたサポ状態(電サポ無し、中サポ、高サポ)に対応して設定される(図39のA8405-A8407、図41のA8704)。従って、パターンH1の普電開放、パターンH2の1回目と2回目の普電開放、パターンH3の普電開放に関して、普電開放時間がパターンH1-H3ごとに設定されることになる。そして、パターンH1とパターンH3に関して、当り開始ポインタ値と当り終了ポインタ値は同じ値(ここでは0)に設定され、普電は1回のみ開放される。さらに、パターンH3に関して、当り開始ポインタ値と当り終了ポインタ値は異なる値(ここでは0と2)に設定され、普電は2回開放される。
なお、本実施形態において、2回目の普電開放があるのはパターンH2だけであるため、ウェイト時間と2回目の普電開放の普電開放時間は、当り2、3の普図停止図柄情報、及び、特定遊技状態Cに応じたサポ状態(中サポ)に対してのみ、即ちパターンH2に対してのみ、普電作動移行設定処理で設定される(図41のA8702とA8704)。
普電残存球処理時間、普図エンディング時間は、普図停止図柄情報(当り1-3の図柄)、及び、各遊技状態に応じたサポ状態(電サポ無し、中サポ、高サポ)に関係なく、即ち、パターンH1-H3のいずれであるかに関係なく、同じ値が設定される(図41のA8708、図42のA8903)。しかし、これらを普図停止図柄情報とサポ状態に対応して設定してもよい。
〔特図情報設定処理〕
図104は、第6実施形態に係る特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。特図情報設定処理は、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理において実行される(A3404、A3504)。なお、図104の処理では、第1実施形態の図19と異なり、簡単のため前半変動と後半変動の区別はなくしたが、区別してもよい。
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A14201)、この変動グループ選択ポインタテーブルを用いて、演出モード情報に対応する変動グループ選択ポインタを取得する(A14202)。図98のとおり、通常モード、残保留消化モード、時短モード#1-#4等の演出モードは、それぞれ、各遊技状態(通常遊技状態、移行状態、特定遊技状態A-C)に対応する。従って、ステップA14202の処理によって、後述のように各遊技状態に応じて変動パターンテーブルが設定されることになる。
続いて、遊技制御装置100は、変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A14203)、この変動グループ選択オフセットテーブルを用いて、変動図柄判別フラグと停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A14204)。
変動図柄判別フラグは、開始する変動の図柄(特図1又は特図2)を示し、開始する特図変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームであるか特図2変動表示ゲームであるかを判別する。従って、ステップA14204の処理によって、後述のように特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとで変動パターンテーブルを異ならせることができる。また、停止図柄パターンは、特図変動表示ゲームの結果(大当り、小当り、サポ当り、はずれ)に対応する。従って、ステップA14204の処理によって、特図変動表示ゲームの結果に対応して変動パターンテーブルを異ならせることができる。
次に、遊技制御装置100は、変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A14205)、加算して得た値を変動振分情報として変動振分情報領域にセーブする(A14206)。
〔変動パターン設定処理〕
図105は、第6実施形態に係る変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。変動パターン設定処理は、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理において実行される(A3406、A3506)。なお、図105の処理では、第1実施形態の図20と異なり、簡単のため前半変動と後半変動の区別はなくしたが、区別してもよい。また、簡単のため、変動パターン乱数1~3のうち一つの変動パターン乱数(例えば変動パターン乱数2)しか使用しない。
遊技制御装置100は、まず、変動選択アドレステーブル(変動グループテーブル)を設定する(A14301)。そして、変動振分情報(A14206)に対応する変動パターンテーブル(変動パターン選択テーブル、変動選択テーブル)のアドレスを取得し、準備する(A14302)。ここで、変動パターンテーブルは、一又は複数の変動パターン(変動番号)の集まりからなる変動パターン群であり、そのアドレス(例えば先頭アドレス)を取得することによって設定される。前述のように、特図情報設定処理(図104)において、変動振分情報は、遊技状態に対応する演出モード、変動図柄判別フラグ、停止図柄パターンに基づいて設定される。このため、各遊技状態(通常遊技状態、移行状態、特定遊技状態A-C)、特図種別(特別図柄の種類:特図1又は特図2)、特図変動表示ゲームの結果(大当り、小当り、サポ当り、はずれ)に対応して、変動パターンテーブル(変動パターン群)を設定することができる。
その後、対象(特図1又は特図2)の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(A14303)。そして、振り分け処理(A14304)を行い、振り分けられた結果得られた変動番号を取得し、変動番号領域にセーブする(A14305)。変動番号は、所定の変動パターンに対応付けられており、所定の変動パターン(例えばノーマルリーチはずれA、SP3リーチ大当りBなど)を示す。このように、変動パターン設定処理において、変動パターンテーブルに基づいて、抽選としての振り分け処理によって、変動パターンとしての変動番号が設定されることになる。
〔変動開始情報設定処理〕
図106は、第6実施形態に係る変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。変動開始情報設定処理は、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理において実行される(A3407、A3507)。なお、図106において、第1実施形態の図23と同様の処理には同じステップ番号を付して説明を省略する。図106の処理では、第1実施形態の図23と異なり、簡単のため前半変動と後半変動の区別はなくしたが、区別してもよい。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果が小当りでもなく大当りでもない場合(A4600bの結果が「N」)、時短モード#1又は残保留消化モードであるか否かを判定する(A4600c)。時短モード#1又は残保留消化モードである場合に(A4600cの結果が「Y」)、大当り終了後の特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)に対応する変動時間値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4615)。これにより、時短モード#1又は残保留消化モードにおいて、はずれの場合には(サポ当りはなし)、特図2変動表示ゲームの変動時間値は、大当り終了後の特図2変動回数ごとに設定され回転数制御がなされる。時短モード#1又は残保留消化モードでの回転数制御によって、遊技の興趣が向上する可能性がある。
なお、ステップA4600cにおいて、代わりに、特定遊技状態A(時短モード#1、#2)又は残保留消化モードであるか否かを判定して、特定遊技状態A又は残保留消化モードにおいて、はずれの場合には、特図2変動表示ゲームの変動時間値の回転数制御がなされてもよい。或いは、ステップA4600cにおいて、残保留消化モードであるか否かのみ判定して、残保留消化モードにおいてのみ、はずれの場合には、特図2変動表示ゲームの変動時間値の回転数制御がなされてもよい。ステップA4600cにおいて、時短モード#1であるか否かのみ判定して、時短モード#1においてのみ、はずれの場合には、特図2変動表示ゲームの変動時間値の回転数制御がなされてもよい。
遊技制御装置100は、開始する変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームでなく特図1変動表示ゲームである場合に(A4600aの結果が「N」)、特図2変動表示ゲームの結果が小当り又は大当りである場合に(A4600bの結果が「Y」)、又は、時短モード#1でも残保留消化モードでもない場合に(A4600cの結果が「N」)、ステップA14601-A14605の処理を実行する。
遊技制御装置100は、対象の変動パターン乱数2の乱数格納領域をクリアする(A14601)。そして、変動時間値テーブルを設定し(A14602)、変動時間値テーブルを用いて、変動パターンを示す変動番号に対応する変動時間値を取得する(A14603)。これにより、変動パターンに対応する変動時間値が得られる。続いて、変動時間値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A14604)。その後、変動番号(つまり変動パターン)に対応する変動コマンド(MODE,ACTION)を演出コマンドとして準備する(A14605)。これにより、次の演出コマンド設定処理(A4610)によって、変動コマンド(MODE,ACTION)が演出制御装置300に送信される。
なお、図106において、ステップA4600a、A4600b、A4600c、A4615、A4616の処理をなくして、全ての場合に、変動番号(変動パターン)に対応する変動時間値を取得してもよい(A14603)。
〔変動パターンテーブルの設定状況〕
図107は、図104と図105等の処理に基づいて設定される変動パターンテーブル(変動パターン選択テーブル、変動選択テーブル、変動パターン群)(A14302)の設定状況を、各遊技状態と特図種別(特図1又は特図2)に対して示す表である。前述のとおり、特図1変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)の変動パターンを抽選によって選択するために、特図1変動パターンテーブルが設定され、特図2変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)の変動パターンを抽選によって選択するために、特図2変動パターンテーブルが設定されている。
特図1変動表示ゲームに係る特図1変動パターンテーブルは、電サポ無しである通常遊技状態(通常モード)、中サポである特定遊技状態C(時短モード#4)、高サポである特定遊技状態B(時短モード#3)において、共通の同じ変動パターンテーブルAが設定される(A14302)。そして、この変動パターンテーブルAを参照して、特図1変動表示ゲームの変動パターン(変動番号)が振り分け処理(A14304)による抽選によって選択される。
特図2変動表示ゲームに係る特図2変動パターンテーブルは、通常遊技状態において、特図1変動パターンテーブルと同じく、変動パターンテーブルAが設定される。一方、通常遊技状態と異なって、特定遊技状態Cと特定遊技状態Bにおいて、特図2変動パターンテーブルは、共通の同じ変動パターンテーブルCが設定される。
図98のように、天井回数到達によって特定遊技状態Cから特定遊技状態Bに遷移する場合に、時短状態(時短モード)であることに変化はないため、同一の特図種別の変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲーム)に関して、変動パターンテーブルを変えずに同じにしておくと違和感が少なく、また、遊技規則等にも違反しない。なお、変動パターンテーブルを同じにすると、変動パターン或いは変動表示ゲームの変動時間値が共通化され、違和感が少なくなる。
このため、特定遊技状態Cと特定遊技状態Bにおいて、特図1変動パターンテーブル(第1変動パターン群)として共通の同じ変動パターンテーブルAが設定され、特図2変動パターンテーブル(第2変動パターン群)として共通の同じ変動パターンテーブルCが設定されることになる。また、通常遊技状態から特定遊技状態Cに遷移する場合に、左打ち状態で主変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームであることに変化はないため、違和感が少ないように、通常遊技状態と特定遊技状態Cとで、特図1変動パターンテーブルとして共通の同じ変動パターンテーブルAが設定されることになる。
なお、特定遊技状態Cから特定遊技状態Bに遷移する場合に、普電サポートの種類(状態)は中サポから高サポに遷移して遊技の内容が大きく変化するため、主変動表示ゲーム(特定遊技状態Cで特図1変動表示ゲーム、特定遊技状態Bで特図2変動表示ゲーム)の変動パターンの種類を普電サポートの変化に合わせて明確に切り替えることが好適である。従って、特定遊技状態Cと特定遊技状態Bの両方において、特図1変動パターンテーブル(第1変動パターン群)と特図2変動パターンテーブル(第2変動パターン群)は、変動パターンテーブルAと変動パターンテーブルCのように、異なったものが設定されている。
また、図107には示していないが、特定遊技状態A(a時短、時短モード#1、#2)において、特図1変動パターンテーブルは、共通の変動パターンによる演出の共通性確保と開発コスト削減のため、特定遊技状態B、Cと同じく変動パターンテーブルAでもよいし、演出バリエーションの増加のため変動パターンテーブルA以外でもよい。同様に、特定遊技状態Aにおいて、特図2変動パターンテーブルは、演出の共通性確保とコスト削減のため特定遊技状態B、Cと同じく変動パターンテーブルCでもよいし、演出バリエーションの増加のため変動パターンテーブルC以外でもよい。
或いは、特図1変動パターンテーブルは、特定遊技状態Aのうち時短モード#2において、共通の変動パターンによる演出の共通性確保と開発コスト削減のため、特定遊技状態B、Cと同じく変動パターンテーブルAでもよいし、時短モード#1において、時短モード#2や特定遊技状態B、Cに比較して時短回数が極めて少ないので、演出上の区別を付けるために変動パターンテーブルA以外でもよい。同様に、特図2変動パターンテーブルは、時短モード#2において、演出の共通性確保と開発コスト削減のために特定遊技状態B、Cと同じく変動パターンテーブルCでもよいし、時短モード#1において、演出上の区別を付けるために変動パターンテーブルC以外でもよい。
また、図107の変動パターンテーブルの設定は、変動表示ゲームの結果によらず同じでよい。或いは、図107の変動パターンテーブルの設定は、変動表示ゲームの結果(大当り、小当り、サポ当り、はずれ)に応じて変わることになってもよい。例えば、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には図107に示す通りだが、小当り又は大当りの場合には、特図1と特図2や遊技状態に関係なく共通の変動パターンテーブルDを用いて、特図1と特図2や遊技状態によらず変動パターン或いは変動時間値を共通化してよい。
〔演出画面の一例〕
図108は、第6実施形態に係る表示装置41の表示画面として演出画面を示す図である。(A)は、普電サポートの無い通常遊技状態の演出モードである通常モードの演出画面を示し、(B)は、中サポの特定遊技状態Cの演出モードである時短モード#4の演出画面を示す。
図108(A)では、通常モードに対応したモード表示679として「ハイスクールモード」や「ハイスクールステージ」などと表示され、学校を模した背景画像が表示される。ここでは、モード表示679と背景画像は静止画であるが、動画でもよい。変動回数表示677は「95G」であり、大当り終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が95であることを示す。表示画面の右上の特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数(特図1始動記憶数)を示す数字「4」と特図2保留数(特図2始動記憶数)を示す数字「0」が表示されている。
表示画面において、飾り特別図柄(大図柄)として、左図柄611a、右図柄611b、及び、中図柄611cを変動表示することができる。左図柄611a、右図柄611b、中図柄611cの変動表示は、各々、左の変動表示領域610A、右の変動表示領域610B、中央の変動表示領域610Cに表示される。さらに、飾り縮小図柄(小図柄)の変動表示が表示画面右側の変動表示領域615で実行される。
左図柄611aと右図柄611bは、縦スクロールで変動表示される。例えば、縦スクロールでは、1から7までの数字に対応する7個の一連の複数の図柄(飾り識別図柄)が、順番に表示画面に出現して縦方向(上下方向)に表示画面を横切って移動した後、表示画面から消える。表示領域の節約のため、中図柄611cは、左図柄611aと右図柄611bの縦スクロールとは変動表示の方向が異なり、軸を中心に回転するように遊技者に視認される回転変動で変動表示される。なお、回転変動に代えて、重なった一連の複数の図柄が前後方向に移動するように遠近法などによって見せる前後変動(前後スクロール)が行われてもよい。また、中図柄611cは、左図柄611aと右図柄611bと同じく、縦スクロールさせてもよい。
左図柄611aは、キャラクタを示すキャラクタ画像612a(キャラクタ構成要素、キャラクタ部)と数字(文字)を示す文字画像613a(文字構成要素、文字部)から構成される。なお、左図柄611a全体の横幅を短くするために、キャラクタ画像612aと文字画像613aは、中心をスクロール方向(縦方向)にほぼ並べて配置され、文字画像613aは、キャラクタ画像612aの中心軸上に位置する。同様に、右図柄611bは、キャラクタを示すキャラクタ画像612bと数字を示す文字画像613bから構成される。なお、右図柄611b全体の横幅を短くするために、キャラクタ画像612bと文字画像613bは、中心をスクロール方向(縦方向)にほぼ並べて配置され、文字画像613bはキャラクタ画像612bの中心軸上に位置する。また、表示領域を節約するため、中図柄611cは、数字を示す文字画像613cだけから構成される。
なお、通常モードにおいて、識別情報としての1から7までの複数の数字は、例えば、1(緑)、2(青)、3(橙)、4(青)、5(緑)、6(青)、7(橙)のように同色でなく、少なくとも一つの数字が他と異なる色となる。なお、偶数の数字は同色(寒色系)でよい。奇数の数字は、偶数の数字と異なる色で、緑(中性色系)や橙(暖色系)など複数の色を含んでよい。また、本実施形態において、飾り特別図柄が、キャラクタと数字を含む場合に、キャラクタは数字に一対一で対応して数字ごとに異なるが、この限りでなく、異なる数字に対して同じキャラクタを用いてもよい。
変動表示ゲーム実行前の第1始動記憶(特図1始動記憶)を第1保留表示として表示する第1保留表示部630a(待機領域)において、保留表示682a(第1保留表示)が4つ表示される。保留表示682aは、トランプを模した表示態様を有する。また、保留消化領域640では、実行中の特図1変動表示ゲームに係る変動中保留(この特図変動表示ゲームの実行権利となっていた始動記憶)を示す変動中保留表示682bが、めくったトランプを模した表示態様で表示されている。なお、台座で保留消化領域640を示してよい。なお、変動表示ゲーム実行前の第2始動記憶(特図2始動記憶)を第2保留表示(第2始動記憶表示)として表示する第2保留表示部630bには、ここでは何も表示されていない。
図108(B)では、動画(ムービー)の背景画像(背景ムービー)が表示装置41の全画面で表示される。また、中サポの時短モード#4に対応したモード表示679として、左上隅と右下隅の対向する2か所で、「超絶モード」や「超絶領域」などと表示される。複数のモード表示679は、保留表示682aの背面側のレイヤーに表示されるため、右下隅のモード表示679が前面側のレイヤーの保留表示682aに隠れて表示されている。しかし、保留表示682aに隠れない左上隅のモード表示679によって、遊技者は現在の演出モードを十分に認識できる。モード表示679は、図108(A)の横方向と異なって斜め方向に表示され、背景画像の動画の一部或いは動画とは独立して、帯状の領域を斜め方向に移動してよい。このように、モード表示679の態様は、時短モード#4と通常モードで明確に異なるため、時短モード#4を通常モードから区別して視認し易くできる。
変動回数表示677は「124G」であり、大当り終了後の特図変動表示ゲームの実行回数が124であることを示す。表示画面の右上隅の残り回数表示696は、時短残り回数、即ち、時短モード#4で今後に実行可能な変動表示ゲームの回数を表示する。表示画面の右上の特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「4」と特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。なお、中サポであるため、普通変動入賞装置37への入賞によって、特図2保留数表示部660の数字が「0」以外になることも多々ある。
図108(B)の中サポの時短モード#4では、図108(A)の通常モードと同様に、左図柄611aと右図柄611bは、縦スクロールで変動表示され、中図柄611cは、回転変動で変動表示されている。しかし、図108(B)では中サポであることがわかるよう、図108(A)と異なる変動態様でもよく、例えば、中図柄611cが縦スクロールで変動表示されてよく、左図柄611aと右図柄611bは、回転変動で変動表示されてよい。
図108(B)の中サポの時短モード#4では、図108(A)の通常モードと同様に、左図柄611aと右図柄611bは、キャラクタを示すキャラクタ画像と数字を示す文字画像から構成される。中図柄611cは、数字を示す文字画像613cだけから構成される。しかし、図108(B)では中サポであることが明確にわかるよう、図108(A)と異なる飾り特別図柄の構成態様でよく、例えば、中図柄611cがキャラクタ画像と文字画像から構成されてよく、左図柄611aと右図柄611bは、文字画像のみから構成されよい。なお、時短モード#4と通常モードとで、同じ数字に対して同じキャラクタを用いる場合に、共通の特徴によって同じキャラクタであると認識可能な範囲で表示態様を異ならせてよい。
また、中サポの時短モード#4において、識別情報としての1から7までの複数の数字は、例えば、1(赤)、2(赤)、3(赤)、4(赤)、5(赤)、6(赤)、7(赤)のように、暖色系の同色(ここでは赤)である。キャラクタの色も数字と同色(赤)にする。従って、普電サポート無しの通常モードとは異なる中サポの時短モード#4であることが、遊技者にわかり易くなる。また、時短モード#4であることがわかり易くなるように、上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dなどの盤装飾装置46のLEDや、装飾装置18a、18bなどの枠装飾装置18のLEDも、数字と同色(赤)で発光してよい。なお、時短モード#4と通常モードは、共通に、左打ち状態であり特図1変動表示ゲームが主変動表示ゲームであるため、時短モード#4を通常モードから視覚的に区別し易くすることは重要である。
また、時短モード#4において、変動表示ゲーム実行前の第1始動記憶(特図1始動記憶)を第1保留表示として表示する第1保留表示部630a(待機領域)において、保留表示682a(第1保留表示)が4つ表示される。ただし、図108(A)の通常モードとは異なり、保留表示682aは、星型の表示態様を有する。これによっても、時短モード#4を通常モードから区別し易くできる。また、保留消化領域640では、実行中の特図1変動表示ゲームに係る変動中保留を示す変動中保留表示682bが、星型の表示態様で表示されている。
なお、中サポによって普通変動入賞装置37への入賞があった場合に、変動表示ゲーム実行前の第2始動記憶(特図2始動記憶)を第2保留表示(第2始動記憶表示)として第2保留表示部630bに表示してよい。また、第2保留表示部630bと第1保留表示部630aの区別をなくして、第2保留表示を第1保留表示とともに、共通の保留表示部(待機領域)に表示してもよい。
また、中サポの時短モード#4において、普電サポート無しの通常モードとは異なり、上部演出ユニット40cは、可動役物(可動部材)として、表示装置41の表示画面の遊技者側の前方において、表示画面に沿ってゆっくりと上下動を繰り返して振動するように動作する。これにより、中サポであるとともに時短回数30回の時短モード#2に移行可能な時短モード#4に対して、遊技者の期待を高めて遊技の興趣を向上できる。また、このように時短モード#4で出現可能だが通常モードにおいて出現しない演出(上部演出ユニット40cの動作演出)を設けて、時短モード#4を通常モードから区別し易くできる。なお、上部演出ユニット40cは、特図変動表示ゲームにおいて、飾り特別図柄の変動開始から動作を行い、変動終了時、または、既定の演出が発生した時に動作を停止してよい。
さらに、中サポの時短モード#4において、通常モードで出現可能な演出(予告演出)のうち一部の演出が出現しない。通常モードで出現可能だが時短モード#4において出現しない演出として、保留変化予告のうち特定の態様の保留表示への変化や、可動役物の動作による先読み演出や、特定の種類のセリフ予告や、特定の種類のステップアップ演出などがある。
以上、中サポの時短モード#4と通常モードの演出上の違いを説明したが、さらに中サポの時短モード#4と高サポの時短モード#2、#3と演出上の違いを設けて、時短モード#4を時短モード#2、#3から区別し易くしてよい。例えば、時短モード#4と時短モード#2、#3との間で、モード表示679の表示態様、背景画像、飾り特別図柄の構成態様や変動態様、飾り特別図柄の数字の色彩やキャラクタの色彩、出現可能な演出などを異ならせてよい。
〔外部情報編集処理〕
図109Aは、第6実施形態に係る外部情報編集処理の後半部分の手順を示すフローチャートである。外部情報編集処理は、タイマ割込み処理において実行される(A1319)。なお、図109Aにおいて、第1実施形態の図44Bと同様の処理には同じステップ番号を付して説明を省略する。
遊技制御装置100は、時短信号制御タイマが0でなければ-1更新し(A9526)、その後、時短モード#3(b時短中、特定遊技状態B)であるか否かを判定する(A9527a)。なお、時短信号制御タイマのタイマ初期値は、前述のサポ作動設定処理(図27)のステップA5702において時短信号制御タイマ領域に設定されたものである(例えば128msecの固定時間)。遊技制御装置100は、時短モード#3でない場合に(A9527aの結果が「N」)、ステップA9527cの処理に移行する。
遊技制御装置100は、時短モード#3である場合に(A9527aの結果が「Y」)、時短信号制御タイマが0であるか否かを判定する(A9527b)。時短信号制御タイマが0である場合(A9527の結果が「Y」)、そのまま外部情報編集処理を終了し、時短信号制御タイマが0でない場合(A9527bの結果が「N」)、大当り3信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(A9528)、外部情報編集処理を終了する。
これにより、天井回数到達による天井時短(b時短)の開始時に、大当り3信号のオンデータが、遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)などの外部装置に、外部情報端子71を介して出力される。その後、大当り3信号のオンデータの出力は、時短信号制御タイマ領域に設定されたタイマ初期値(例えば128msecの固定時間)の間だけ継続する。
遊技制御装置100は、時短モード#3でない場合に(A9527aの結果が「N」)、時短モード#4(c時短中、特定遊技状態C)以外であるか否かを判定する(A9527c)。時短モード#4(特定遊技状態C)以外の遊技状態である場合に(A9527cの結果が「Y」)、そのまま外部情報編集処理を終了し、時短モード#4(特定遊技状態C)である場合に(A9527cの結果が「N」)、大当り4信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(A9529)、外部情報編集処理を終了する。
これにより、時短図柄(サポ当り)による突然時短(c時短)の開始時に、大当り4信号のオンデータが、遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)などの外部装置に、外部情報端子71を介して出力される。その後、大当り4信号のオンデータの出力は、時短モード#4(特定遊技状態C)の間、継続する。
なお、遊技制御装置100は、ステップA9527cにおいて、時短信号制御タイマが0であるか否かの判定も追加してよい。即ち、ステップA9527cにおいて、時短モード#4以外であるか又は時短信号制御タイマが0であるか否かを判定してよい。このようにすれば、時短モード#4(特定遊技状態C)の開始からタイマ初期値(例えば128msecの固定時間)の間だけ、大当り4信号のオンデータが出力される。
〔大当り信号(外部情報)の出力〕
図109Bは、外部情報としての大当り1~4信号のオン/オフの様子を示すタイムチャートである。(I)は、b時短へ突入する前後(即ち天井回数到達の前後)の様子を示す。(II)は、c時短へ突入する前後(即ち時短図柄導出の前後)の様子を示す。
大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、大当り4信号は、機種により定義される信号であってよい。本実施形態では、大当り1信号は、大当り又は小当りの開始時にオンし、大当り又は小当りの終了時にオフする。大当り2信号は、大当り又は小当りの開始時にオンし大当り又は小当りの終了時にオフする。さらに、大当り2信号は、高サポの時短(中サポの時短を除く)の開始時にオンし残保留消化モードの終了時(最後の残保留に係る変動表示ゲームの停止時)にオフする。
大当り3信号は、大当り又は小当りの開始時にオンし、大当り又は小当りの終了時にオフする。さらに、大当り3信号は、b時短(天井時短)の開始時にオンし短い固定時間(例えば128msec)の経過後にオフする。大当り4信号は、中サポの時短(高サポの時短を除く)の開始時にオンし中サポの時短の終了時にオフする。
図109B(I)において、天井回数到達によってb時短へ突入すると、遊技状態は、通常遊技状態から特定遊技状態Bに変化する。高サポのb時短へ突入すると、時短開始に関する信号として大当り2信号のオンデータ(オン状態の大当り2信号)が出力される。大当り2信号のオンデータの出力は、残保留消化モードの終了時、即ち、最後の残保留に係る変動表示ゲームが停止時まで長時間継続する。
また、b時短へ突入すると、図109Aの処理によって、大当り3信号のオンデータが外部装置に短い固定時間(例えば128msec)の間、出力される。これにより、外部装置は、大当りに起因する時短(a時短)やc時短の発生と区別して、b時短の発生又は天井回数到達を認識できる。また、外部装置は、大当り3信号が大当り又は小当りにより発生する場合(長時間継続する場合)と、大当り3信号がb時短により発生する場合(短時間継続する場合)とを区別することができる。
なお、図109B(I)において、大当り、小当り、c時短は発生しないため、大当り1信号と大当り4信号はオフのままである。
図109B(II)において、時短図柄によってc時短(突然時短)へ突入すると、図109Aの処理によって、大当り4信号のオンデータが外部装置に出力される。これにより、外部装置は、大当りに起因する時短(a時短)やb時短の発生と区別して、c時短(特定遊技状態C)の発生又は時短図柄の導出を認識できる。大当り4信号のオンデータの出力は、c時短(特定遊技状態C)の終了まで長時間継続する。
なお、図109B(II)において、大当り、小当り、b時短は発生しないため、大当り1信号と大当り2信号と大当り3信号はオフのままである。なお、中サポのc時短へ突入しても、高サポの時短で発生する大当り2信号のオンデータ(オン状態の大当り2信号)は出力されない。
〔試験信号の出力〕
図110Aは、試射試験装置に出力される試験信号として、普通図柄1高確率状態信号(1ビット)、普通電動役物1開放延長状態信号(1ビット)、普通図柄1変動時間短縮状態信号(1ビット)、入賞容易状態信号1~4(4ビット)、入賞容易状態確定信号(1ビット)のオン/オフの出力の様子を示すタイムチャートである。図110Bは、中サポと高サポに対応する入賞容易状態信号1~4を例示する。
普通電動役物1開放延長状態信号、普通図柄1変動時間短縮状態信号、普通図柄1高確率状態信号など、普電の状態や普図変動の状態を示す普電普図状態信号は、入賞容易状態信号1~4と同時か遅れてオンに変化でき、普電普図状態信号と入賞容易状態信号1~4のオンタイミングの時間差は0msec以上でよい。入賞容易状態確定信号は入賞容易状態信号1~4と同時か遅れてオンに変化でき、入賞容易状態確定信号と入賞容易状態信号1~4のオンタイミングの時間差は0msec以上でよい。
図110Aは、特に、通常遊技状態→特定遊技状態C(中サポ、c時短)→特定遊技状態B(高サポ、b時短)→大当り状態又は移行状態の順に、遊技状態が遷移する場合を例示する。
通常遊技状態において特図1変動表示ゲームのサポ当りで時短図柄が導出されると、特定遊技状態Cが発生し、普電サポートの種類は中サポ(入賞容易化状態2)となる。この際に、まず、普電サポートの種類を示す4ビットの入賞容易状態信号1~4が、不定の状態から中サポに対応する01Hに変化して、試射試験装置に出力される。続いて、普電サポート状態(入賞容易化状態)が確定したことを示す入賞容易状態確定信号が、所定期間(2msec以上、例えば32msec)だけオンになって試射試験装置に出力される。次に、普電開放時間が長くなることを示す普通電動役物1開放延長状態信号と、普図変動時間が通常遊技状態よりも短縮されることを示す普通図柄1変動時間短縮状態信号が、普電の状態や普図変動の状態を示す普電普図状態信号として、オンに変化して試射試験装置に出力される。図110Aでは、入賞容易状態信号1~4→入賞容易状態確定信号→普電普図状態信号の順に変化している。
その後、特定遊技状態Cにおいて大当り状態終了後に所定条件下(特図低確率状態)で実行される特図変動表示ゲームの回数が天井回数に到達すると、特定遊技状態Bが発生し、普電サポートは高サポ(入賞容易化状態1)となる。この際に、普電サポートの種類を示す4ビットの入賞容易状態信号1~4が、中サポに対応する01Hから高サポに対応する00Hに変化して、試射試験装置に出力される。続いて、普電サポート状態(入賞容易化状態)が確定したことを示す入賞容易状態確定信号が、所定期間(2msec以上、例えば32msec)だけオンに変化して試射試験装置に出力される。そして、普通電動役物1開放延長状態信号と普通図柄1変動時間短縮状態信号が、特定遊技状態Cから引き続きオンに維持されて試射試験装置に出力される。
その後、特定遊技状態Bから大当り状態又は移行状態に遷移すると、入賞容易状態信号1~4が不定の状態になり、普通電動役物1開放延長状態信号と普通図柄1変動時間短縮状態信号がオフとなる。
なお、本実施形態では、図102のように普図当り確率は変化せずに常に一定値250/251であるため、普図当り確率が通常よりも高確率であることを示す普通図柄1高確率状態信号はオンにならない。しかし、高サポの時だけ普図当り確率が高確率になる場合には、点線のように普通図柄1高確率状態信号はオンに変化して試射試験装置に出力される。中サポ及び高サポの両方で普図当り確率が高確率になる場合には、普通電動役物1開放延長状態信号や普通図柄1変動時間短縮状態信号のオン期間と同じ期間に、普通図柄1高確率状態信号はオンになって試射試験装置に出力される。
図111と図112は、試射試験装置に出力される試験信号として、発射位置指定信号1と発射位置指定信号2の出力の様子を示す表とタイムチャートである。発射位置指定信号1と発射位置指定信号2は、共に、右側の遊技領域32に遊技球を発射すべき右打ちを示す信号である。
図111(A)のように、中サポ(特定遊技状態C)において、普図当りによってパターンH1で普電が開放される場合に、発射位置指定信号1がオンして出力されるが発射位置指定信号2はオフする。一方、中サポにおいて、普図当りによってパターンH2で普電が開放される場合に、発射位置指定信号1と発射位置指定信号2の両方がオンして出力される。このように、パターンH1の普電開放とパターンH2の普電開放で、発射位置指定信号1と発射位置指定信号2の出力状態がことなるため、試射試験装置はこれら2種類の普電開放を区別して認識できる。なお、普電開放を区別するために、パターンH1で普電が開放される場合に、発射位置指定信号1と発射位置指定信号2の一方のみをオンして、パターンH2で普電が開放される場合に、他方のみをオンする構成も可能である。また、中サポ中でも普図当りが発生していない期間や、通常遊技状態の期間において、発射位置指定信号1と発射位置指定信号2の両方がオフされる。
図111(B)のように、中サポ以外の電サポ中(高サポ、特定遊技状態Aと特定遊技状態B)、小当り中、大当り中では、右打ち状態であるため、発射位置指定信号1と発射位置指定信号2は、共に、オンして出力される。
例えば、図112のように、パターンH1の普電開放中に小当りがあった場合に、パターンH1の普電開放の開始時に発射位置指定信号1がオンし、小当り開始時に発射位置指定信号2がオンし、小当り終了時に発射位置指定信号1と発射位置指定信号2がオフする。小当り中にパターンH1の普電開放があった場合に、小当り開始時に発射位置指定信号1と発射位置指定信号2がオンし、小当り終了時に発射位置指定信号1と発射位置指定信号2がオフする。小当り終了間際にパターンH1の普電開放があった場合に、小当り開始時に発射位置指定信号1と発射位置指定信号2がオンし、小当り終了時に発射位置指定信号2がオフし、パターンH1の普電開放の終了時に発射位置指定信号1がオフする。
パターンH2の普電開放中に小当りがあった場合に、パターンH2の普電開放の開始時に発射位置指定信号1と発射位置指定信号2がオンし、小当り終了時に発射位置指定信号1と発射位置指定信号2がオフする。小当り中にパターンH2の普電開放があった場合に、小当り開始時に発射位置指定信号1と発射位置指定信号2がオンし、小当り終了時に発射位置指定信号1と発射位置指定信号2がオフする。小当り終了間際にパターンH2の普電開放があった場合に、小当り開始時に発射位置指定信号1と発射位置指定信号2がオンし、パターンH2の普電開放の終了時に発射位置指定信号1と発射位置指定信号2がオフする。
〔大入賞口やレバーソレノイド等の動作〕
図113は、特図1変動表示ゲームの小当り結果の場合において、第2特別変動入賞装置39の上大入賞口の開放動作や、特定領域86を開放させるレバーソレノイド86bのオン/オフ動作などを例示するタイムチャートである。(A)は、残存球エラーの無い状況を示し、(B)は、残存球エラーの有る状況を示す。第2特別変動入賞装置39の上大入賞口の開放と閉塞(閉鎖)に関する動作は、小当り開放中処理(A2612)で制御される。レバーソレノイド86bのオン/オフ動作、即ち、特定領域86の開放/閉塞の動作は、レバーソレノイド制御処理(A2618)で制御される。
図113(A)では、特図1変動表示ゲームの小当り結果の場合に、特図2変動表示ゲームの小当り結果の場合と異なって、第2特別変動入賞装置39の上大入賞口は、短時間だけ一回開放される。この短時間は、例えば、小当り開放時間(例えば1000msec)と上大入賞口への規定数入賞までの時間との短い方の時間である。
この短時間の上大入賞口の小当り開放中に、レバーソレノイド86bがさらに短時間(例えば100msec)だけオンして、特定領域86が開放される。しかし、特定領域86(V入賞口)の開放は非常に短いため、遊技球が特定領域86に入球することはほぼ無い。従って、特図1変動表示ゲームの結果による小当り開放中に、V入賞による大当りはほとんど発生しない。
特定領域86への入球としてのV入賞は、特定領域86の特定領域スイッチ72によって検出される。特定領域スイッチ72は、レバーソレノイド86bがオンすると有効になり、残存球の処理の終了時に無効になる。また、特定領域スイッチ72が有効である間、試験信号として特別電動役物作動中信号がオンになり試射試験装置に出力される。
上大入賞口スイッチ39a(カウントスイッチ)は、上大入賞口に入った遊技球を検出すると、パルス状にオンする。その後、すぐに、残存球排出口スイッチ73又は特定領域スイッチ72が遊技球を検出するため、残存球エラーが無い。なお、特定領域スイッチ72が遊技球を検出した場合には、残存球の処理の終了時に、想定しない異常なV入賞による大当りであることを示すイレギュラー当り情報が、エンディングコマンドとともに演出制御装置300に送信される。そして、演出制御装置300は、異常なV入賞であることを報知するなど、イレギュラー当り情報に対応する処理を実行する。
なお、残存球の処理は、小当り開放の終了時(上大入賞口の閉鎖時)から開始して、残存球カウンタが0になる時と残存球処理時間の経過時との遅い方の時点に終了する。残存球カウンタは、遊技球が上大入賞口スイッチ39aを通過した後に+1更新され、その遊技球(残存球)が残存球排出口スイッチ73又は特定領域スイッチ72で検出されると-1更新される。図113(A)では、残存球処理時間(例えば1900msec)の経過前に、残存球排出口スイッチ73又は特定領域スイッチ72が遊技球を検出して残存球カウンタが既に0になっている。このため、小当り残存球処理(A2613)は残存球処理時間(例えば1900msec)の経過時に実行終了し、この時点で特定領域スイッチ72は無効になる。
本実施形態では、残存球の処理の後に小当りのエンディングになるが、特図ゲーム処理(図7)にゲーム処理番号「6」の処理として小当り終了処理が設けられ、小当り残存球処理(A2613)で設定される小当りエンディング時間(例えば2000msec)の間、小当りのエンディングが継続する。小当り終了処理で特図普段処理に係るゲーム処理番号「0」が設定され特図ゲーム処理番号領域にセーブされる。V入賞による大当りが発生した場合に、ファンファーレ時間の間、ファンファーレコマンド(A5806)に対応するファンファーレ演出(B2102)が実行される。
図113(B)では、図113(A)と同様に、上大入賞口は短時間だけ開放され、この短時間の上大入賞口の小当り開放中に、レバーソレノイド86bが短時間(例えば100msec)だけオンして特定領域86が開放される。特定領域スイッチ72は、レバーソレノイド86bがオンすると有効になる。しかし、残存球エラーがあり、残存球処理時間(例えば1900msec)が経過しても、小当り残存球処理は終了しない。このため、レバーソレノイド86bのオンオフパターン(即ち特定領域86の開放パターン)にしたがって、短時間でのオンオフ後に、インターバル(例えば2900msec)を挟んで、再度、レバーソレノイド86bが長時間オンした後に残存球エラーの解除(残存球の処理の終了)に応じてオフする。ここで、インターバルの時間は、小当り開放時間(例えば1000msec)と残存球処理時間(例えば1900msec)と和になっているが、この限りでない。なお、レバーソレノイド86bのオンオフパターンは、特図1変動表示ゲームによる小当りと特図2変動表示ゲームによる小当り(図114)とで共通に設定されている。
その後、残存球エラーが解除されるまで、小当り残存球処理が継続するとともに、レバーソレノイド86bがオンに維持され、特定領域スイッチ72が有効状態に維持される。そして、特定領域スイッチ72が有効である間、試験信号として特別電動役物作動中信号がオンになり試射試験装置に出力される。残存球エラーが解除されて小当り残存球処理が終了すると、図113(A)と同様に小当りのエンディングになる。
なお、上大入賞口に入った遊技球を検出して上大入賞口スイッチ39a(カウントスイッチ)がパルス状にオンオフしてから残存球エラー監視時間(例えば3000msec)経過すると、残存球エラーの発生中であることを示す残存球エラー発生中フラグがオンに設定される。その後、残存球カウンタが0になると、残存球エラー発生中フラグがオフにされて残存球エラーが解除される。例えば、残存球エラー監視時間に関するタイマの計測や残存球エラー発生中フラグのオンオフは、入賞口スイッチ/状態監視処理(A1310)内に残存球監視処理を設けて実行される。
図114は、特図2変動表示ゲームの小当り結果の場合において、第2特別変動入賞装置39の上大入賞口の開放動作や、特定領域86を開放させるレバーソレノイド86bのオン/オフ動作などを例示するタイムチャートである。(A)は、残存球エラーの無い状況を示し、(B)は、残存球エラーの有る状況を示す。
図114(A)では、特図2変動表示ゲームの小当り結果の場合に、特図1変動表示ゲームの小当り結果の場合(図113)と異なって、第2特別変動入賞装置39の上大入賞口は、短時間(例えば48msec)だけ一回開放された後に、インターバル(例えば2860msec)を挟んで、長時間の間に複数回開放される。例えば、複数回開放は、48msec×19回の開放と424msec×18回の閉塞からなり、この長時間は計8544msec又は上大入賞口への規定数入賞までの時間になる。このような上大入賞口の開放パターンとするため、例えば小当り開放中処理において、普電開放パターンと同様に、制御ポインタによって第2特別変動入賞装置39の開放と閉塞が制御されてよい。
また、図114(A)では、レバーソレノイド86bの前述のオンオフパターンにしたがって、レバーソレノイド86bは、短時間(例えば100msec)でのオンオフ後に、インターバル(例えば2900msec)を挟んで、再度、レバーソレノイド86bが長時間オンした後にオフする。ここでの長時間は、21000msecと残存球の処理が終了するまでの時間の短い方の時間である。なお、特図2変動表示ゲームによる小当りの場合に、レバーソレノイド86bのオンオフパターン(即ち特定領域86の開放パターン)と上大入賞口の開放パターンは、上大入賞口の複数回の開放が開始するまで同様であり、略同期して連動する(レバーソレノイド86bと上大入賞口ソレノイド39bも略同期して連動する)。
上大入賞口スイッチ39a(カウントスイッチ)は、上大入賞口に入った遊技球を検出すると、パルス状にオンする。その後、すぐに、或いは、残存球の処理の前に、残存球排出口スイッチ73又は特定領域スイッチ72が遊技球を検出するため、残存球エラーが無い。なお、特定領域スイッチ72が遊技球を検出した場合に、正常なV入賞による大当りであるため、イレギュラー当り情報は演出制御装置300に送信されない。残存球の処理の終了時には、エンディングコマンドだけが演出制御装置300に送信される。
なお、残存球の処理は、小当り開放の終了時(上大入賞口の閉鎖時)から開始して、残存球処理時間の経過時と残存球カウンタが0になる時(エラー解除時)との遅い方の時点に終了する。図114(A)では、残存球処理時間(例えば1900msec)の経過前に、残存球排出口スイッチ73又は特定領域スイッチ72が遊技球を検出して残存球カウンタが既に0になっているため、小当り残存球処理(A2613)は残存球処理時間(例えば1900msec)の経過時に実行終了し、この時点で特定領域スイッチ72は無効になる。
本実施形態では、残存球の処理の後に小当りのエンディングになるが、小当り残存球処理(A2613)で設定される小当りエンディング時間(例えば4200msec)の間、小当りのエンディングが継続する。なお、特図2変動表示ゲームによる小当りの場合の小当りエンディング時間は、特図1変動表示ゲームによる小当りの場合よりも長い。
図114(B)では、図114(A)と同じ開放パターンで、上大入賞口は開放される。上大入賞口の開放パターンは、残存球エラーの有無によらない。また、図114(B)では、小当り開放終了まで、図114(A)と同じオンオフパターンでレバーソレノイド86bが動作するが、残存球エラーがあるため、残存球処理時間(例えば1900msec)が経過しても、レバーソレノイド86bは長時間21000msecの間オンしたままである。
その後、残存球エラーが解除されるまで、小当り残存球処理が継続するとともに、特定領域スイッチ72が有効状態に維持される。そして、特定領域スイッチ72が有効である間、試験信号として特別電動役物作動中信号がオンになり試射試験装置に出力される。残存球エラーが解除されて小当り残存球処理が終了すると、図114(A)と同様に小当りのエンディングになる。なお、残存球エラーの発生と解除は、図113(B)で説明したとおりである。
[第6実施形態の作用・効果]
第6実施形態に係る遊技機10は、識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)を備える。遊技制御手段は、遊技者に有利な第1の特定遊技状態(例えば特定遊技状態B、特定遊技状態Aでも可)と、第1の特定遊技状態とは発生条件の異なる第2の特定遊技状態(例えば特定遊技状態C)と、を発生可能である。遊技制御手段は、変動表示ゲームとして、第1の始動条件の成立に基づいて第1変動表示ゲーム(例えば特図1変動表示ゲーム)を実行可能であり、第2の始動条件の成立に基づいて第2変動表示ゲーム(例えば特図2変動表示ゲーム)を実行可能である。第1の特定遊技状態及び第2の特定遊技状態において、第1変動表示ゲームの変動パターンを選択するための第1変動パターン群(例えば特図1変動パターンテーブル、変動パターンテーブルA)と、第2変動表示ゲームの変動パターンを選択するための第2変動パターン群(例えば特図2変動パターンテーブル、変動パターンテーブルC)とを異ならせる。
例えば、主変動表示ゲームが、第1の特定遊技状態で第2変動表示ゲームになり第2の特定遊技状態で第1変動表示ゲームになるなど、第1の特定遊技状態と第2の特定遊技状態で主変動表示ゲームが異なることがある。しかし、このような遊技機10では、第1の特定遊技状態でも第2の特定遊技状態でも第1変動パターン群と第2変動パターン群とを異ならせることによって、特図変動表示ゲームで選択される変動パターンの種類を特定遊技状態の種類に合わせて明確に切り替えることができる。このため、特定遊技状態の種類に合わた演出ができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、第6実施形態では、第1の特定遊技状態及び第2の特定遊技状態において、第1変動パターン群(例えば特図1変動パターンテーブル)を通常遊技状態と同じにする。従って、第1変動表示ゲームで選択される変動パターンの種類が、通常遊技状態、第1の特定遊技状態、及び、第2の特定遊技状態で共通して演出上の違和感が少なくなり、遊技の興趣を向上することができる。さらに、遊技制御も簡単になる。また、遊技規則等にも違反しないことになる。
また、第6実施形態では、第1の特定遊技状態及び第2の特定遊技状態において、第2変動パターン群(例えば特図2変動パターンテーブル)を同じにする。従って、第2変動表示ゲームで選択される変動パターンの種類が、第1の特定遊技状態及び第2の特定遊技状態で共通して演出上の違和感がなり、遊技の興趣を向上することができる。さらに、遊技制御も簡単になる。また、遊技規則等にも違反しないことになる。
また、第6実施形態に係る遊技機10は、識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に遊技者に有利な特別遊技状態(例えば大当り状態)を発生可能である。遊技機10は、遊技球が入賞容易な入賞容易状態(例えば開状態)と入賞困難な入賞非容易状態(例えば閉状態)とに変換可能であり、特定遊技状態において通常遊技状態よりも入賞容易状態に変換し易くなる変動入賞装置(例えば普通変動入賞装置37)を備える。遊技制御手段は、所定条件(例えば特図低確率)での変動表示ゲームの実行回数が所定回数(例えば天井回数)になる場合に、特別遊技状態の発生を伴わずに第1の特定遊技状態(例えば特定遊技状態B、b時短)を発生可能であり、変動表示ゲームの結果が特別結果と異なる特定結果(例えば時短図柄)になる場合に、特別遊技状態の発生を伴わずに第2の特定遊技状態(例えば特定遊技状態C、c時短)を発生可能である。遊技制御手段は、変動表示ゲームとして、第1の始動条件の成立に基づいて第1変動表示ゲーム(例えば特図1変動表示ゲーム)を実行可能であり、第2の始動条件の成立に基づいて第2変動表示ゲーム(例えば特図2変動表示ゲーム)を実行可能である。第1の特定遊技状態及び第2の特定遊技状態において、第1変動表示ゲームの変動パターンを選択するための第1変動パターン群(例えば特図1変動パターンテーブル、変動パターンテーブルA)と、第2変動表示ゲームの変動パターンを選択するための第2変動パターン群(例えば特図2変動パターンテーブル、変動パターンテーブルC)とを異ならせる。変動入賞装置(例えば普通変動入賞装置37)は、第2の特定遊技状態(例えば特定遊技状態C、c時短)において、通常遊技状態よりも入賞容易状態に変換し易くなるが、第1の特定遊技状態(例えば特定遊技状態B、b時短)よりも入賞容易状態に変換し難くなる。
主変動表示ゲーム(例えば第2の特定遊技状態で特図1変動表示ゲーム、第1の特定遊技状態で特図2変動表示ゲーム)と普電サポートの種類(例えば第1の特定遊技状態で高サポ、第2の特定遊技状態で中サポ)が第1の特定遊技状態と第2の特定遊技状態で異なることがある。しかし、このような遊技機10では、第1の特定遊技状態でも第2の特定遊技状態でも第1変動パターン群と第2変動パターン群とを異ならせることによって、特図変動表示ゲームで選択される変動パターンの種類を特定遊技状態の種類、ひいては、普電サポートの種類に合わせて明確に切り替えることができる。このため、特定遊技状態の種類、ひいては、普電サポートの種類に合わた演出ができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、第6実施形態では、遊技制御手段は、特別遊技状態(例えば大当り状態)の発生を伴って、特別遊技状態に続いて遊技者に有利な第3の特定遊技状態(例えば特定遊技状態A、a時短)を発生可能である。変動入賞装置(例えば普通変動入賞装置37)は、第1の特定遊技状態(例えば特定遊技状態B、b時短)と第3の特定遊技状態(例えば特定遊技状態A、a時短)において、第2の特定遊技状態(例えば特定遊技状態C、c時短)よりも入賞容易状態に変換し易くなる。
従って、第2の特定遊技状態の普電サポートを中サポとし、第1の特定遊技状態と第3の特定遊技状態の普電サポートをを高サポとすることができる。そして、第2の特定遊技状態は、他の複数の特定遊技状態(第1の特定遊技状態と第3の特定遊技状態)とは、遊技者が得られる利益や遊技球の発射態様である打ち方も異なる特色のある特定遊技状態にすることができ、遊技にメリハリが出て遊技の興趣を向上することができる。
また、第6実施形態に係る遊技機10において、遊技球が入賞容易な入賞容易状態と入賞困難な入賞非容易状態とに変換可能であり、特定遊技状態(例えば、時短状態、確変状態、普電サポート状態)において通常遊技状態よりも入賞容易状態に変換し易くなる変動入賞装置(例えば普通変動入賞装置37)を備える。遊技制御手段は、特別遊技状態(例えば大当り状態)の終了後に第1の特定遊技状態(例えば特定遊技状態A又は特定遊技状態B)を発生可能であり、変動表示ゲームの結果が特別結果と異なる特定結果(例えば時短図柄)になる場合に、特別遊技状態の発生を伴わずに第2の特定遊技状態(例えば特定遊技状態C)を発生可能である。遊技制御手段は、第1の特定遊技状態において、第2の特定遊技状態よりも変動入賞装置を入賞容易状態に変換し易くする。遊技制御手段は、変動表示ゲームとして、第1の始動条件の成立に基づいて第1変動表示ゲームを実行可能であり、第2の始動条件の成立に基づいて第2変動表示ゲームを実行可能である。第1の特定遊技状態及び第2の特定遊技状態において、第1変動表示ゲームの変動パターンを選択するための第1変動パターン群(例えば特図1変動パターンテーブル、変動パターンテーブルA)と、第2変動表示ゲームの変動パターンを選択するための第2変動パターン群(例えば特図2変動パターンテーブル、変動パターンテーブルC)とを異ならせる。
例えば、主変動表示ゲームが、第1の特定遊技状態で第2変動表示ゲームになり第2の特定遊技状態で第1変動表示ゲームになるなど、第1の特定遊技状態と第2の特定遊技状態で主変動表示ゲームが異なることがある。しかし、第1の特定遊技状態でも第2の特定遊技状態でも、第1変動パターン群と第2変動パターン群とが互いに異なるようにし、特図変動表示ゲームで選択される変動パターンの種類を、特定遊技状態の種類、ひいては、変動入賞装置が入賞容易状態になる頻度(例えば普電サポートの種類)に合わせて切り替えることができる。このため、特定遊技状態の種類、ひいては、変動入賞装置が入賞容易状態になる頻度(程度)に応じた演出ができ、遊技の興趣を向上できる。
また、第6実施形態に係る遊技機10において、遊技制御手段は、第1の特定遊技状態(例えば特定遊技状態A又は特定遊技状態B)において、第2の特定遊技状態(例えば特定遊技状態C)よりも変動入賞装置(例えば普通変動入賞装置37)を入賞容易状態に変換し易くし、変動表示ゲームとして、第1の始動条件の成立に基づいて第1変動表示ゲームを実行可能であり、第2の始動条件の成立に基づいて第2変動表示ゲームを実行可能であり、第2の特定遊技状態において、第1変動表示ゲームの変動パターンを選択するための第1変動パターン群を通常遊技状態と同じにする。
第1の特定遊技状態(例えば特定遊技状態A又は特定遊技状態B)よりも入賞容易状態に変換し難い第2の特定遊技状態(例えば特定遊技状態C)は、変動入賞装置の入賞容易状態に変換する頻度(程度)が第2の特定遊技状態よりも通常遊技状態に近い場合もある。従って、第2の特定遊技状態において、第1変動パターン群を通常遊技状態と同じにすれば、第2の特定遊技状態の第1変動表示ゲームで選択される変動パターンの種類が、通常遊技状態と共通して演出上の違和感を少なくしつつ、入賞容易状態に変換する頻度の異なる2つの特定遊技状態によって遊技の興趣を向上できる。また、遊技制御も簡単になる。特に、第2の特定遊技状態と通常遊技状態において、遊技球の発射態様である打ち方(右打ち又は左打ち)が同じで、主変動表示ゲームが第1変動表示ゲームで共通する場合には、第1変動パターン群を第2の特定遊技状態と通常遊技状態とで同じにして第1変動表示ゲームの変動パターンの種類を共通化する利点が大きくなる(共通化しない場合には違和感が大きくなってしまう)。
[第7実施形態]
図115から図121を参照して、第7実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第6実施形態までの実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第6実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第7実施形態は、回路基板間の配線などに関するものである。
〔FFC接続の正常接続状態の回路図〕
図115は、演出制御装置300の装飾制御基板750(第1回路基板)からLED基板862(第2回路基板)へ正常に接続された配線を示す回路図である。
装飾制御基板750は、演出制御装置300の一部として構成され、FFC中継基板861を介して、LED基板862に接続される。LED基板862は、遊技機10に設けられた照明部材(盤装飾装置46や枠装飾装置18のLED等)の発光制御を行う。なお、照明部材とLED基板862は、各種可動部材(盤演出装置44の可動役物、枠装飾装置18の突出演出ユニット13)に設けられてもよく、可動部材の移動(動作)によって、LED基板862と装飾制御基板750との間の距離は変化可能である。また、装飾制御基板750は、演出制御装置300に接続される基板であってもよい。
装飾制御基板750は、シリアルデータ信号(遊技盤SDA)端子、クロック信号(遊技盤SCL)端子、DC12V端子、DC5V端子、グランド(GND)端子といった11個の各種端子(11端子)を有するコネクタCN11を備える。
遊技盤SDA端子は、演出制御装置300からI2C通信方式(又はI2C通信方式)によるシリアルデータ信号(遊技盤SDA)をLED基板862に送信(伝送)する端子である。同様に、遊技盤SCL端子は、I2C通信方式によるクロック信号(遊技盤SCL)をLED基板862に送信(伝送)する端子である。コネクタCN11は、遊技盤SDA端子(端子6)と遊技盤SCL端子(端子8)とを1個ずつ有する。なお、装飾制御基板750に、LED基板862からの信号を受信可能な端子を設けてもよい。
また、DC12V端子とDC5V端子は、電源装置400からのDC12VとDC5Vの電圧をLED基板862にそれぞれ供給(給電)する端子(給電端子)である。グランド(GND)端子は、接地電圧(GND、0V)をLED基板862に供給する端子(接地端子、アース端子)である。コネクタCN11は、3個のDC12V端子を有し(端子1~3)、1個のDC5V端子を有し(端子4)、5個のGND端子を有する(端子5、7、9~11)。
装飾制御基板750のコネクタCN11は、遊技機10内でネジ止め等によって固定されたFFC中継基板861のコネクタCN21(11端子)にハーネス871を介して接続される。本実施形態で、ハーネスとは、複数の配線(信号線や接地線や電力線など、電線)を束にした集合部品であり、ワイヤーハーネス又はケーブルとも呼ばれる。
図115に示すように、ハーネス871は、コネクタCN11の端子1~11に対応する複数(11本)の配線871-1~871-11から構成される。
ハーネス871の配線871-1~871-3は、コネクタCN11の端子1~3に接続されDC12Vを供給する配線(DC12V配線)である。同様に、配線871-4は、コネクタCN11の端子4に接続されDC5Vを供給する配線(DC5V配線)である。配線871-5、871-7、871-9~871-11は、コネクタCN11の端子5、7、9~11に接続され接地電圧を供給する配線(GND配線)である。ハーネス871の配線871-6は、コネクタCN11の端子6に接続され遊技盤SDAを送信(伝送)する配線であり、ハーネス871の配線871-8は、端子8に接続され遊技盤SCLを送信(伝送)する配線である。
DC12Vを供給する3本の配線871-1~871-3のうち最も外側の配線871-1は、接続テスト(接続判定)用の配線(テスト線TD)として機能し、非テスト時且つ正常接続時にはDC12V(DC12V(TEST))を供給する。すなわち、配線871-1は、装飾制御基板750(第1回路基板)とLED基板862(第2回路基板)間のテスト線TDの一部となり、配線871-2、872-3は、通常のDC12V配線の一部となる。テスト線TDは、通常のDC12V配線と並列的に設けられ、装飾制御基板750(第1回路基板)とLED基板862(第2回路基板)間で通常のDC12V配線が正当(正常)に接続されているか否かを判定可能な接続テスト用配線(接続判定用配線)になる。
同様に、接地電圧を供給する4本の配線871-5、871-7、871-9~871-11のうち最も外側の配線871-11は、接続テスト用の配線(テスト線TG)、すなわち接続テスト用配線(接続判定用配線)として機能し、非テスト時且つ正常接続時には接地電圧(GND(TEST))を供給する。
このように、装飾制御基板750とFFC中継基板861間で、単数(1本)ではなく複数(3、4本)の配線によって、DC12Vや接地電圧が供給される。その結果、ハーネス871のうち1、2本の配線が曲がり過ぎたり他の部材と干渉して断線しても、他の断線していない配線を用いてLED基板862の制御を継続することができる。
さらに、ハーネス871において、最も外からの力がかかり易く断線の発生起点となる可能性の高い最外側の配線871-1、871-11を接続テスト用の配線として用いることで、正常に接続されている状態であるか否かをより検出し易くできる。
FFC中継基板861内では、コネクタCN21の端子は、一部の端子からの配線を二股又は三股等の複数に分岐させてコネクタCN22(12端子)に接続できる。
また、コネクタCN21の端子1からの配線(テスト線TD)は、コネクタCN22の端子12に接続する。他方で、コネクタCN21の端子11からの配線(テスト線TG)は、コネクタCN22の端子1に接続する。したがって、コネクタCN21の端子1、端子11に接続される2つの配線(テスト線TD、TG)は、FFC中継基板861内で互いの位置を交換することで、位置が入れ替わった関係となって、コネクタCN22の端子1、端子12に接続される配線(テスト線TG、TD)になる。
FFC中継基板861のコネクタCN22は、遊技機10内で移動可能かつ配置変更可能なLED基板862のコネクタCN31(12端子)に、ハーネス872を介して接続される。ハーネス872は、柔軟性があるフレキシブルフラットケーブル(FFC)であり、LED基板862の移動や配置変更に追従して曲がるように変形可能である。
ハーネス872は、コネクタCN22やコネクタCN31の端子1~12に対応する複数(12本)の配線872-1~872-12から構成される。配線872-2~872-4、872-12(DC12V配線)の4本はDC12Vを供給し、配線872-1、872-6、872-8、872-10、872-11(GND配線)の5本は接地電圧を供給する。また、配線872-5(DC5V配線)はDC5Vを供給し、配線872-7は遊技盤SDAを送信(伝送)し、配線872-9は遊技盤SCLを送信(伝送)する。
そして、ハーネス872でもハーネス871と同様に、最も外側の配線872-1、872-12が接続テスト用の配線として機能する。配線872-1は、接続テスト用のテスト線TGになり、非テスト時且つ正常接続時には接地電圧(GND(TEST))を供給する。配線872-12は接続テスト用のテスト線TDになり、非テスト時且つ正常接続時にはDC12V(DC12V(TEST))を供給する。
LED基板862は、ハーネス872の配線872-1~872-12に対応するコネクタCN31(12端子)を有する。
ハーネス872は、折り曲げられてLED基板862に接続されることで、図115に示すように、LED基板862のコネクタCN31側の配線の配置関係が上下反転している。例えば、FFC中継基板861のコネクタCN22の端子1と接続されたテスト線TG(配線872-1)は、LED基板862のコネクタCN31の端子12に接続される。また、コネクタCN22の端子12と接続されたテスト線TD(配線872-12)は、コネクタCN31の端子1に接続される。
FFC中継基板861とLED基板862間のハーネス872では、単数(1本)ではなく複数(4、5本)の配線によって、DC12Vや接地電圧が供給される。その結果、外からの力に弱いフレキシブルフラットケーブルであるハーネス872のうち1~3本の配線が仮に曲がり過ぎたり他の部材と干渉して断線しても、他の断線していない配線を用いてLED基板862の制御を継続することができる。例えば、ハーネス872のDC12V配線(4本)やGND配線(5本)が仮に数本断線されても、DC12Vや接地電圧を供給する配線が少なくとも各1本ずつ残っていれば、LED基板862の制御を継続することができる。
さらに、FFC中継基板861内では、接続テスト用の配線(テスト線TD、TG)の位置関係が入れ替わっている。その結果、例えばハーネス872の外側から4本目に配置されたDC12V配線(872-4)までの4本の配線(872-1~872-4)が仮に断線した場合でも、逆側の最外側に配置されたテスト線TD(872-12)を用いて、LED基板862にDC12Vを供給できる。このように、ハーネス872において、テスト線TD(872-12)が通常のDC12V配線(872-2~872-4)と逆側に予備(バックアップ)の配線として配置されることで、一方の側部で断線が発生した場合でも、他方の側部に配置された配線を用いて、LED基板862の制御を継続することができる。
また、ハーネス872において、最も外からの力がかかり易く断線の発生起点となる可能性の高い最外側の配線872-1、872-12を接続テスト用且つ補強用の配線として用いることで、ハーネス872が断線されることなくLED基板862やFFC中継基板861に正常に接続された状態であるか否かをより検出し易くできる。
さらに、FFC中継基板861内では、コネクタCN21の端子1とコネクタCN22の端子12とを導通するテスト線TDは、通常のDC12V配線などの他の配線とは接続することなく、電気的に独立した1つの回路(直列回路、直列配線)として形成される。同様に、コネクタCN21の端子11とコネクタCN22の端子1とを導通するテスト線TGは、通常のGND配線などの他の配線とは接続することなく、電気的に独立した1つの回路(直列回路、直列配線)として形成される。
このようにテスト線TD、TGが独立して形成される一方で、DC12Vのテスト線TD以外の通常のDC12V配線は、FFC中継基板861内で他のDC12V配線とも接続をとるように形成され、接地電圧のテスト線TG以外の通常のGND配線は、他のGND配線とも接続をとるように形成される。すなわち、通常のDC12V配線やGND配線では、コネクタCN21の端子2、3や端子5、7、9、10からの配線を、それぞれ結合(結線)させた後、三股や四又等の複数に分岐させてコネクタCN22の端子2、3、4や端子6、8、10、11に接続している。
このように通常のDC12V配線(例えば3本)やGND配線(例えば4本)をそれぞれ結合させることによって、FFC中継基板861内の配線を少なくして簡素な構造にできる。FFC中継基板861は、遊技機10内に固定されて動くことがなく内部の配線が断線する可能性が低いので、上述したハーネス872(FFC)のように複数の配線を用いて給電を行う必要がなく、一つにまとめることができる。
また、LED基板862内で、通常のDC12V配線はテスト線TDと接続され、通常のGND配線はテスト線TGと接続されている。
そして、テスト線TD、TGを用いて接続テスト(導通テスト(試験))を行うことによって、ハーネス871やハーネス872が正しく接続された状態(正常接続状態、導通された状態)であるかか否かをチェックすることができる。
接続テストは、ハーネス871、FFC中継基板861、ハーネス872、およびLED基板862を全て接続させた状態で行われる。接続テストは、例えばハーネス871のコネクタをコネクタCN11から抜いて、ハーネス871において装飾制御基板750のコネクタCN11の端子に対応する側で、2つの配線間の抵抗値をテスター(回路計)によって測定することにより行うことができる。
例えば、DC12V配線が正常に接続された状態であるか否かは、ハーネス871のテスト線TD(配線871-1)と、いずれかの通常のDC12V配線(871-2、871-3)との間の抵抗値を測定することによって確認できる。
また、GND配線が正常に接続された状態であるか否かは、ハーネス871のテスト線TG(配線871-11)と、いずれかの通常のGND配線(871-5、871-7、871-9、871-10)との間の抵抗値を測定することによって確認できる。
これらの配線が正常に接続された場合の抵抗値は、正常に接続されていない場合の非常に大きな抵抗値(>xMΩ(∞、絶縁状態))と比べて、極端に小さな値となる(回路内の配線や抵抗器等による合成抵抗に近似する値となる)。また、正常接続状態では、接続されることのないDC12V配線(871-1~871-3)とGND配線(871-5、871-7、871-9~871-11)との間の抵抗値は、非常に大きな抵抗値となる。そのため、接続されることのないDC12V配線とGND配線間の抵抗値が極端に小さい場合は、正常に接続されていない状態になる(異常接続状態、ショート状態)。
なお、接続テストでは、DC5V配線(配線871-3)、遊技盤SDA配線(配線871-5)、遊技盤SCL配線(配線871-7)が他の配線と接続されていないか(独立しているか)、すなわち他の配線との間で非常に大きな抵抗値となっているかを確認することもできるが、図116Aで後述するように両側ズレ状態の場合は確認が行えなくなる。
〔FFC接続の両側ズレ状態の回路図〕
図116A、図116Bを参照して、ハーネス872の両端の端子が1つずつズレた状態でコネクタCN22とコネクタCN31とに接続された場合について説明する。
図116Aは、ハーネス872の両端の端子が1つずつズレてコネクタCN22とコネクタCN31とに接続されている状態を示す回路図である。
例えば図116Aに示すように、ハーネス872の配線872-1(テスト線TG)は、コネクタCN22とコネクタCN31の両方に対して未接続(浮いた配線、回路から独立した配線)となっている。そして、配線872-2がコネクタCN22の端子1とコネクタCN31の端子12とに接続された結果、当該配線872-2は、GND(TEST)を供給する配線として機能している。
他方で、配線872-12(テスト線TD)は、コネクタCN22の端子11(GND)およびコネクタCN31の端子2(GND)に接続されており、通常のGND配線として機能している。同様に、配線872-3~872-11も1つずつズレて接続されており、各配線872-3~872-11の給電電圧(DC12V、DC5V、GND)や信号内容(遊技盤SDA、遊技盤SCL)が正常接続状態とはズレた状態となっている。
このように図116Aの回路図では、ハーネス872の両端の端子が1つずつズレた結果、本来接続されるべき端子とは異なる端子に接続されており、正常接続状態とはなっていない(FFC接続の両側ズレ状態)。
ここで、図116AのFFC接続の両側ズレ状態で接続テストが行われる場合について説明する。
コネクタCN22の端子12は、ハーネス872に接続されていない状態となっており、DC12V(TEST)の接続が途切れている。例えば、ハーネス871のコネクタををコネクタCN11から抜いて、ハーネス871のテスト線TD(配線871-1)と、いずれかの通常のDC12V配線(871-2、871-3)との間の抵抗値を接続テストで測定すると、非常に大きな抵抗値となる。そのため、ハーネス872においてテスト線TDとして本来機能するはずのDC12V(TEST)用の配線872-12が、(GND用配線となっており)正常に接続されていない状態であることを検出することができる。
他方で、ハーネス872の配線872-2は、上記の通りコネクタCN22やコネクタCN31に接続されておりGND(TEST)の接続は途切れていない。そのため、ハーネス872におけるGND(TEST)の接続ズレを接続テストで確認することはできない。例えば、ハーネス871のテスト線TG(配線871-11)と、いずれかの通常のGND配線(配線871-5、871-7、871-9、871-10)との間の抵抗値を測定すると、抵抗値は小さな値となる。
ハーネス872の配線872-2と同様に、配線872-3~872-12も、コネクタCN22やコネクタCN31に接続されており通常のDC12V接続、通常のGND接続、DC5V接続、遊技盤SDA接続、遊技盤SCL接続は途切れていない。そして、各種配線は、他(他種)の配線と接続されることがなく(独立しており)、他の配線との間で非常に大きな抵抗値となる。したがって、接続テストで各種配線と他の配線との間の抵抗値を測定しても、正常接続状態であるか否かを確認することはできない。
また、ハーネス872の配線872-1がコネクタCN22とコネクタCN31との両方に対して未接続となる配線ズレも、接続テストによって確認することはできない。
しかしながら、上記の通り接続テストによってDC12V(TEST)用の配線872-12が正常に接続されていないことを検出できた結果、ハーネス872を正常に接続し直す機会が得られるので、配線871-12とともに配線872-1~872-11の接続ズレ、すなわちハーネス872全体の接続ズレも同様に直すことができる。
図116Bは、ハーネス872の両端の端子が図116Aとは逆側に1つずつズレてコネクタCN22とコネクタCN31とに接続されている状態を示す回路図である。
例えば図116Bに示すように、ハーネス872の配線872-12(テスト線TD)は、コネクタCN22とコネクタCN31の両方に対して未接続(浮いた配線、回路から独立した配線)となっている。そして、配線872-11がコネクタCN22の端子11とコネクタCN31の端子1とに接続された結果、当該配線872-11は、DC12V(TEST)を供給する配線として機能している。
他方で、配線872-1(テスト線TG)は、コネクタCN22の端子2(DC12V)およびコネクタCN31の端子11(DC12V)に接続されており、通常のDC12V配線として機能している。同様に、配線872-2~872-10も1つずつズレて接続されており、各配線872-2~872-10の給電電圧(DC12V、DC5V、GND)や信号内容(遊技盤SDA、遊技盤SCL)が正常接続状態とはズレた状態となっている。そのため、図116Bの回路図でも、図116Aの回路図と同様にハーネス872の両端の端子が正常接続状態とはなっていない(FFC接続の両側ズレ状態)(図116Aとは逆ズレ)。
ここで、図116BのFFC接続の両側ズレ状態で接続テストが行われる場合について説明する。
コネクタCN22の端子1は、ハーネス872に接続されていない状態となっており、GND(TEST)の接続が途切れている。例えば、ハーネス871のコネクタをコネクタCN11から抜いて、ハーネス871のテスト線TG(配線871-11)と、いずれかの通常のGND配線(871-5、871-7、871-9、871-10)との間の抵抗値を接続テストで測定すると、非常に大きな抵抗値となる。そのため、ハーネス872においてテスト線TGとして本来機能するはずのGND(TEST)用の配線872-1が、(DC12V用配線となっており)正常に接続されていない状態であることを検出することができる。
他方で、ハーネス872の配線872-11は、上記の通りコネクタCN22やコネクタCN31に接続されておりDC12V(TEST)の接続は途切れていない。そのため、ハーネス872におけるDC12V(TEST)の接続ズレを接続テストで確認することはできない。例えば、ハーネス871のテスト線TD(配線871-1)と、いずれかの通常のDC12V配線(配線871-2、871-3)との間の抵抗値を測定すると、抵抗値は小さな値となる。
ハーネス872の配線872-11と同様に、配線872-1~872-10も、コネクタCN22やコネクタCN31に接続されており通常のDC12V接続、通常のGND接続、DC5V接続、遊技盤SDA接続、遊技盤SCL接続は途切れていない。そして、各種配線は、他(他種)の配線と接続されることがなく(独立しており)、他の配線との間で非常に大きな抵抗値となる。したがって、接続テストで各種配線と他の配線との間の抵抗値を測定しても、正常接続状態であるか否かを確認することはできない。
また、ハーネス872の配線872-12がコネクタCN22とコネクタCN31との両方に対して未接続となる配線ズレも、接続テストによって確認することはできない。
しかしながら、上記の通り接続テストによってGND(TEST)用の配線872-1が正常に接続されていないことを検出できた結果、ハーネス872を正常に接続し直す機会が得られるので、配線871-1とともに配線872-2~872-12の接続ズレ、すなわちハーネス872全体の接続ズレも同様に直すことができる。
〔FFC接続の片側ズレ状態について〕
なお、ハーネス872がコネクタCN22またはコネクタCN31の一方に正常接続される一方で、他方のコネクタに1つずつズレて接続される場合には、ハーネス872の配線872-1(テスト線TG)または配線872-12(テスト線TD)の何れかが当該他方のコネクタに対して未接続の状態となる。
そのため、接続テストを行った際に、未接続の状態となっているテスト線(テスト線TGまたはテスト線TD)と通常の配線(DC12V配線またはGND配線)との間の抵抗値が非常に大きくなるので、正常に接続できていないことを容易に検出することができる。なお、これらの片側ズレ状態の接続態様では、一方のコネクタに対して配線872-1および配線872-12は接続されており、浮いた配線となることはない。
〔比較例のFFC接続の正常接続状態の回路図〕
ここで、図120、図121を参照して、比較例のFFC接続で接続テストを行った場合について説明する。
図120は、比較例として、演出制御装置300の装飾制御装置1750からLED基板1862へ正常に接続された従来の配線を示す回路図である。なお、図115と重複する記載は適宜省略して説明する。
装飾制御装置1750は、FFC中継基板1861を介してLED基板1862に接続される。装飾制御装置1750は、9個の各種端子(9端子)を有するコネクタCN111を備える。コネクタCN111は、FFC中継基板1861のコネクタCN121(9端子)にハーネス1871を介して接続される。
ハーネス1871は、コネクタCN111の端子1~9に対応する複数(9本)の配線1871-1~1871-9から構成される。
ハーネス1871の配線1871-1、1871-2は、コネクタCN111の端子1、2に接続されDC12Vを供給する配線(DC12V配線)である。同様に、配線1871-3は、コネクタCN111の端子3に接続されDC5Vを供給する配線(DC5V配線)である。配線1871-4、1871-6、1871-8、1871-9は、コネクタCN111の端子4、6、8、9に接続され接地電圧を供給する配線(GND配線)である。配線1871-5は、コネクタCN111の端子5に接続され遊技盤SDAを送信する配線であり、配線1871-7は、端子7に接続され遊技盤SCLを送信する配線である。
ここで、従来のハーネス1871は、図115等に示す本実施形態のハーネス871とは異なり、テスト線TD(DC12V(TEST))やテスト線TG(GND(TEST))を有していない。また、以下に説明するFFC中継基板1861、ハーネス1872、LED基板1862も、テスト線TDやテスト線TGを有していない。
FFC中継基板1861内では、コネクタCN121の端子は、一部の端子からの配線を二股又は三股等の複数に分岐させてコネクタCN122(10端子)に接続している。
FFC中継基板1861のコネクタCN122は、遊技機10内で移動可能かつ配置変更可能なLED基板1862のコネクタCN131(10端子)に、柔軟性があるフレキシブルフラットケーブル(FFC)のハーネス1872を介して接続される。
ハーネス1872は、コネクタCN122の端子1~10に対応する複数(10本)の配線1872-1~1872-10から構成される。配線1872-1~1872-3(DC12V配線)の3本はDC12Vを供給し、配線1872-5、1872-7、1872-9、1872-10(GND配線)の4本は接地電圧を供給する。また、配線1872-4(DC5V配線)はDC5Vを供給し、配線1872-6は遊技盤SDAを送信し、配線1872-8は遊技盤SCLを送信する。
また、LED基板1862は、ハーネス1872の配線1872-1~1872-10に対応するコネクタCN131(10端子)を有する。
ここで、従来の回路では、接続テストを行った際に、DC12V配線、GND配線、DC5V配線(配線1871-3)、遊技盤SDA配線(配線1871-5)、遊技盤SCL配線(配線1871-7)が他(他種)の配線と接続されていないことは確認できる。
しかしながら、テスト線TDやテスト線TGを有さない従来の回路では、本実施形態の回路のように接続テストによって、DC12V配線自体の接続を確認することや、GND配線自体の接続を確認することはできない。
例えば、コネクタCN121の端子1、2からのDC12V配線は、FFC中継基板1861内で接続されており、ハーネス1871の2本のDC12V配線間の抵抗値は常に小さくなる。その結果、ハーネス1871の2本のDC12V配線(配線1871-1、1871-2)間の抵抗値を接続テストで測定しても、ハーネス1872が正常に接続されているか否かを確認することはできない。
同様に、コネクタCN121の端子4、6、8、9からのGND配線も、FFC中継基板1861内で接続されており、ハーネス1871の4本のGND配線(1871-4、1871-6、1871-8、1871-9)間の抵抗値を接続テストで測定しても小さな抵抗値となるので、ハーネス1872が正常に接続されているかを確認することはできない。
〔比較例のFFC接続のズレ状態について〕
図121を参照して、ハーネス1872の端子が1つずつズレた状態でコネクタCN122とコネクタCN131とに接続された場合について説明する。
〔比較例のFFC接続の片側ズレ状態〕
図121(a)は、ハーネス1872の片側の端子が1つずつズレてコネクタCN131に接続されている状態を示す回路図である。
ハーネス1872は、コネクタCN122に正常接続される一方で、配線1871-2~1872-10がコネクタCN131の端子2~10に1つずつズレた状態で接続され、本来通常のDC12V配線として機能する配線1872-1が未接続の状態となっている。
一方で、通常のDC12V配線は、配線1872-2、1872-3によってLED基板1862までの接続がとられている。
そして、接続テストを行うと、コネクタCN121の端子1、2からのDC12V配線がFFC中継基板1861内で接続されていることにより、ハーネス1871の2本のDC12V配線間の抵抗値が小さくなり、ハーネス1872が正常に接続されているか否かを確認することができない。
なお、接続テストでDC12V配線(配線1871-1、1871-2)とDC5V配線(配線1871-3)間の抵抗値が小さいことを検出して、ハーネス1872が正常に接続されていないことを確認することはできる。図121(a)に示すように、ハーネス1872が1つずつズレてLED基板1862と接続されることによって、LED基板1862内でDC5V配線はDC12V配線に接続されている。
同様に、GND配線(1871-4、1871-6、1871-8、1871-9)と遊技盤SDA配線(配線1871-5)、遊技盤SCL配線(配線1871-7)間の抵抗値が小さいことを検出して、ハーネス1872が正常に接続されていないことを確認することもできる。図121(a)に示すように、LED基板1862内で遊技盤SDA配線および遊技盤SCL配線はGND配線に接続されている。
なお、図121(a)とは逆側にハーネス1872の端子が1つずつズレてコネクタCN131に接続された場合も、同様にDC12V配線間の接続テストやGND配線間の接続テストを行うことはできない。また、ハーネス1872の端子がコネクタCN122に対して1つずつズレて接続された場合も、同様にDC12V配線間の接続テストやGND配線間の接続テストを行うことはできない。
〔比較例のFFC接続の両側ズレ状態〕
図121(b)は、ハーネス1872の両側の端子が1つずつズレてコネクタCN122とコネクタCN131とに接続されている状態を示す回路図である。
ハーネス1872は、配線1872-1が未接続になる。また、1つずつズレた状態でコネクタCN122の端子1~9と接続されている配線1872-2~1872-10は、コネクタCN131の対応する端子2~10に接続される。そのため、ハーネス1872の本来接続するはずの配線から1つズレた配線がコネクタCN131に接続されており、DC12V接続、GND接続、DC5V接続、遊技盤SDA接続、遊技盤SCL接続は途切れていない。そして、各種配線は、他(他種)の配線と接続されることがなく(独立しており)、他の配線との間で非常に大きな抵抗値となる。したがって、接続テストで各種配線と他の配線との間の抵抗値を測定しても、正常接続状態であるか否かを確認することはできない。
その結果、比較例の回路図では、ハーネス1872の両端の端子が1つずつズレて、本来接続されるべき端子とは異なる端子に接続されても(両側ズレ状態が発生しても)、正常に接続されていない状態であることを本実施形態のように検出することはできない。
〔変形例のFFC接続の回路図〕
図117~図119を参照し、変形例のFFC接続の回路図について説明する。
図117は、変形例の装飾制御基板750(第1回路基板)から盤装飾モータM1、落下右基板866R、落下左基板866L(複数の第2回路基板)への配線の接続構成を示す概要図である。
図117に示すように、変形例の装飾制御基板750(演出制御装置300の一部であってよい)には、固定中継基板863と可動中継基板864を介して、盤装飾モータM1と落下中継基板865とが接続される。また、落下中継基板865には、落下右基板866Rと落下左基板866Lとが接続される。
盤装飾モータM1は、装飾制御基板750のドライバ(例えば盤演出可動体制御回路334(図4))からのモータ制御信号(すなわち、MCS1~MCS4等の出力信号)に基づいて駆動制御され、例えば遊技機10や遊技盤30に設けられた可動演出ユニット(可動役物、例えば盤演出装置44)を演出動作させるために用いられる。なお、ここでのモータ制御信号は、A相(0°)、B相(90°)、/A相(180°)、/B相(270°)のコイルに入力されるパラレル通信による信号(すなわち、MCS1~MCS4等の出力信号)を指し、一定電圧である駆動電圧(DC15V等)の信号や接地電圧の信号は含まない。また、装飾制御基板750は、例えばモータ制御信号のいずれかの信号が0Vの場合に、盤装飾モータM1の対応するコイルに電流を流すように制御することができる。
また、装飾制御基板750は、電源装置400からのDC15Vの電圧を盤装飾モータM1に供給する2つのDC15V端子をコネクタCN12において有し、一方のDC15V端子がA相と/A相のコイルで共通の端子となり、他方のDC15V端子がB相と/B相のコイルで共通の端子となる。
モータ制御信号は、装飾制御基板750のドライバから固定中継基板863と可動中継基板864とを経て盤装飾モータM1に出力(伝送)される。
落下右基板866R、落下左基板866Lは、LEDドライバ回路(ICチップ等)を有し、例えば盤装飾モータM1が可動させる可動演出ユニットのロゴやキャラクタ等を発光させる発光部材(LED等)を制御するために用いられる。落下右基板866R、落下左基板866Lは、装飾制御基板750内のドライバ(図示省略)からの制御信号(即ち、遊技盤SDAや遊技盤SCL)に基づいて発光制御される。
固定中継基板863は遊技機10内に固定された中継基板であり、可動中継基板864および落下中継基板865は遊技機10内で移動可能かつ配置変更可能な中継基盤である。
装飾制御基板750と固定中継基板863は、複数(例えば2本)のハーネス873、874によって接続される。同様に、固定中継基板863と可動中継基板864は、複数(例えば2本)のハーネス875、876によって接続される。
可動中継基板864は、ハーネス877によって盤装飾モータM1と接続され、ハーネス878によって落下中継基板865に接続される。同様に、落下中継基板865は、ハーネス879Rによって落下右基板866Rに接続され、ハーネス879Lによって落下左基板866Lに接続される。
なお、装飾制御基板750には、盤装飾モータM1の初期位置等の回転位置を検出する盤面モータセンサ等が接続されてもよい。
また、装飾制御基板750は、固定中継基板863等の中継基板を介することなく、他のモータや、当該他のモータの回転位置を検出する盤面モータセンサに、別のハーネスで直接的に接続されてもよい。また、装飾制御基板750は、盤面装飾LEDドライバ、上スピーカ19a、下スピーカ19b、演出ボタンスイッチ25a等の別の部材を制御する基板に接続されてもよい。
続いて、図118および図119を参照し、変形例のFFC接続の回路図の詳細を説明する。
また、図118は、変形例のFFC接続の接続構成の詳細を示す詳細図1(上流側)であり、図119は、変形例のFFC接続の接続構成の詳細を示す詳細図2(下流側)である。
図118に示すように、装飾制御基板750は、8個の各種端子(8端子)を有するコネクタCN12と、9個の各種端子(9端子)を有するコネクタCN13とを備える。
コネクタCN12は、DC15V端子(2端子)と、モータ制御信号MCS1~MCS4を出力するMCS端子(出力端子、6端子)とを有する。コネクタCN13は、DC12V端子(2端子)と、DC5V端子(1端子)と、GND端子(4端子)と、遊技盤SDA端子(1端子)と、遊技盤SCL端子(1端子)とを有する。
DC15V端子とDC12V端子は、電源装置400からのDC15VとDC12Vを盤装飾モータM1や落下右基板866Rや落下左基板866Lに供給(給電)する端子(給電端子)である。同様に、DC5V端子はDC5Vを供給する端子であり、GND端子は接地電圧を供給する端子(接地端子、アース端子)である。
MCS端子は、装飾制御基板内のドライバ(例えば盤演出可動体制御回路334(図4))から盤装飾モータM1へモータ制御信号MCS1~MCS4、MCS1-T、MCS4-T(パラレル信号)を出力(伝送)する端子である。モータ制御信号MCS1-T、MCS4-Tは、接続テスト用の配線に出力されるモータ制御信号である。モータ制御信号MCS1-Tはモータ制御信号MCS1と同じ信号になり、モータ制御信号MCS4-Tはモータ制御信号MCS4と同じ信号になる。
また、遊技盤SDA端子はシリアルデータ信号(遊技盤SDA)を落下右基板866Rや落下左基板866Lに送信する端子であり、遊技盤SCL端子はクロック信号(遊技盤SCL)を落下右基板866Rや落下左基板866Lに送信する端子である。
装飾制御基板750のコネクタCN12は、固定中継基板863のコネクタCN41にハーネス873を介して接続される。
図118に示すように、ハーネス873は、コネクタCN12の端子1~8に対応する複数(8本)の配線873-1~873-8から構成される。
ハーネス873の配線873-4、873-5は、コネクタCN12の端子4、5に接続されDC15Vを供給する配線(DC15V配線)である。
配線873-2、873-3、873-6、873-7は、それぞれコネクタCN12の端子2、3、6、7に接続されてモータ制御信号MCS1~MCS4を出力(伝送)する配線(MCS1~MCS4配線(パラレル通信線))である。
また、配線873-1は、コネクタCN12の端子1に接続されモータ制御信号MCS1-Tを出力するMCS1配線であるが、接続テスト用のテスト線(MCS1-T配線)としても機能する。
同様に、配線873-8は、コネクタCN12の端子8に接続されモータ制御信号MCS4-Tを出力するMCS4配線であるが、接続テスト用のテスト線(MCS4-T配線)としても機能する。
固定中継基板863内では、コネクタCN41の端子は、一部の端子からの配線を四股又は五股(図示省略)等の複数に分岐させてコネクタCN43(24端子)やコネクタCN44(20端子)に接続できる。
また、コネクタCN41の端子1からのテスト線であるMCS1-T配線は、コネクタCN43の端子24に接続する。他方で、コネクタCN41の端子8からのテスト線であるMCS4-T配線は、コネクタCN43の端子1に接続する。したがって、コネクタCN41の端子1、端子8に接続される2つのテスト線(MCS1-T配線、MCS4-T配線)は、固定中継基板863内で互いの位置を交換することで、位置が入れ替わった関係となって、コネクタCN43の端子1、端子24に接続されるテスト線(MCS4-T配線、MCS1-T配線)になる。
固定中継基板863のコネクタCN43は、可動中継基板864のコネクタCN51(24端子)に、FFCのハーネス875を介して接続される。
ハーネス875は、コネクタCN43やコネクタCN51の端子1~24に対応する複数(24本)の配線875-1~875-24から構成される。配線875-2~875-5がMCS1配線であり、配線875-6~875-10がMCS2配線であり、配線875-15~875-19がMCS3配線であり、配線875-20~875-23がMCS4配線である。また、配線875-11~875-14がDC15V配線である。
配線875-1はモータ制御信号MCS4を出力するテスト線(MCS4-T配線)であり、配線875-24はモータ制御信号MCS1を出力するテスト線(MCS1-T配線)である。
可動中継基板864は、ハーネス875の配線875-1~875-24に対応するコネクタCN51(24端子)を有する。
ハーネス875は、折り曲げられることで配線の配置関係を上下反転させて、可動中継基板864のコネクタCN51に接続される。
可動中継基板864内で、接続テスト用のテスト線(MCS1-T配線)は、モータ制御信号MCS1を出力し、通常のモータ制御信号MCS1配線と接続され、接続テスト用のテスト線(MCS4-T配線)は、モータ制御信号MCS4を出力し、通常のモータ制御信号MCS4配線と接続されている。なお、図示省略しているが、通常のモータ制御信号MCS2配線、モータ制御信号MCS3配線、DC15V配線も可動中継基板864内でそれぞれ一つまたは二つにまとまるように接続されている。
また、DC15V配線は、図118に示すように、固定中継基板863のコネクタCN44からハーネス876を介して可動中継基板864のコネクタCN52に接続させた後で、一つにまとめてからコネクタCN53の例えば端子4に接続させてもよい(図118の下段ルート)。すなわち、DC15V配線は、ハーネス875を介して可動中継基板864のコネクタCN51に接続させる図118の上段ルートと、ハーネス876を介した下段ルートとに分岐させることができる。この場合には、例えば固定中継基板863のコネクタCN41の端子4と可動中継基板864のコネクタCN53の端子3とを上段ルート用の端子として使用し、コネクタCN41の端子5とコネクタCN53の端子4とを下段ルート用の端子として使用することで、接続テストの対象となるハーネスを切り分けたり、分かり易い回路構成にすることができる。
そして、可動中継基板864のコネクタCN53は、ハーネス877を介して盤装飾モータM1に接続される。
ハーネス877は、コネクタCN53や盤装飾モータM1のコネクタCNMの端子1~6に対応する複数(6本)の配線877-1~877-6から構成される。配線877-1はモータ制御信号MCS1を出力し、配線877-2はモータ制御信号MCS2を出力する。配線877-3、877-4はDC15Vを供給する。配線877-5はモータ制御信号MCS3を出力し、配線877-6はモータ制御信号MCS4を出力する。
装飾制御基板750から盤装飾モータM1への配線は途中で(例えばハーネス875、876において)分岐しても、盤装飾モータM1に接続する前に最終的には元に戻されることになる。そのため、盤装飾モータM1への配線の接続が難しくなることはない。
ここで、モータ制御信号MCS1を出力するテスト線(MCS1-T配線)は、ハーネス873の配線873-1から可動中継基板864まで、電気的に独立した1つの回路(直列回路、直列配線)として形成される。そして、テスト線(MCS1-T配線)は、可動中継基板864の内部で、テスト線以外の通常のモータ制御信号MCS1配線と接続されている。
したがって、ハーネス873における装飾制御基板750のコネクタCN12側からの接続テストで、テスト線(MCS1-T配線)の配線873-1と、通常のモータ制御信号MCS1配線の配線873-2間の抵抗値を測定することにより、ハーネス873やハーネス875(特にモータ制御信号MCS1配線)が正しく接続された状態であるか否かをチェックすることができる。なお、接続テストは、例えばハーネス873のコネクタををコネクタCN12から抜くなどして、ハーネス873におけるコネクタCN12側から実行できる。
例えば、ハーネス873やハーネス875が正しく接続された状態(正常接続状態、導通された状態)である場合には、配線873-1、873-2間の抵抗値は極端に小さな値となる。
同様に、接続テストで、テスト線(MCS4-T配線)の配線873-8と、通常のモータ制御信号MCS4配線の配線873-7間の抵抗値を測定することにより、ハーネス873やハーネス875(特にモータ制御信号MCS4配線)が正しく接続された状態であるか否かをチェックすることもできる。例えば正常接続状態では、配線873-8、873-7間の抵抗値は極端に小さな値となる。
また、正常接続状態では、モータ制御信号MCS1配線となる配線873-1、873-2と、モータ制御信号MCS4配線となる配線873-8、873-7間は接続されることがないので、抵抗値は非常に大きな値となる。同様に、正常接続状態において異なる種類(異種)の配線間の抵抗値は非常に大きな値となる。
他方で、装飾制御基板750のコネクタCN13は、固定中継基板863のコネクタCN42にハーネス874を介して接続される。
ハーネス874は、コネクタCN13の端子1~9に対応する複数(9本)の配線874-1~874-9から構成される。
ハーネス874の配線874-2は、コネクタCN13の端子2に接続されてDC12Vを供給する配線(DC12V配線)であり、配線874-3は、コネクタCN13の端子3に接続されDC5Vを供給する配線(DC5V配線)である。
配線874-4、874-6、874-8は、端子4、6、8に接続されて接地電圧を供給する配線(GND配線)である。配線874-5はコネクタCN13の端子5に接続され遊技盤SDAを送信する配線(遊技盤SDA配線)であり、配線874-7はコネクタCN13の端子7に接続され遊技盤SCLを送信する配線(遊技盤SCL配線)である。
また、配線874-1は、コネクタCN13の端子1に接続されるDC12V配線でありDC12Vを供給するが、接続テスト用のテスト線(DC12V-T配線)としても機能する。
同様に、配線873-9は、コネクタCN13の端子9に接続されるGND配線であり接地電圧を供給するが、接続テスト用のテスト線(GND-T配線)としても機能する。
固定中継基板863内で、コネクタCN41と同様にコネクタCN42の端子も、一部の端子からの配線を三股又は五股(図示省略)等の複数に分岐させてコネクタCN44(20端子)に接続できる。なお、複数に分岐させた配線の一部をコネクタCN43(24端子)に接続させてもよい。
また、コネクタCN42の端子1からのテスト線であるDC12V-T配線は、コネクタCN44の端子20に接続する。他方で、コネクタCN42の端子9からのテスト線であるGND-T配線は、コネクタCN44の端子1に接続する。したがって、コネクタCN42の端子1、端子9に接続される2つのテスト線(DC12V-T配線、GND-T配線)は、固定中継基板863内で互いの位置を交換することで、位置が入れ替わった関係となって、コネクタCN44の端子1、端子20に接続されるテスト線(GND-T配線、DC12V-T配線)になる。
固定中継基板863のコネクタCN44は、可動中継基板864のコネクタCN52(20端子)に、FFCのハーネス876を介して接続される。
ハーネス876は、コネクタCN44やコネクタCN52の端子1~20に対応する複数(20本)の配線876-1~876-20から構成される。配線876-2~876-4が通常のDC12V配線であり、配線876-5~876-10がDC15V配線であり、配線876-11、876-12がDC5V配線である。また、配線876-13、876-14、876-16、876-17、876-19がGND配線であり、配線876-15が遊技盤SDA配線であり、配線876-18が遊技盤SCL配線である。
配線876-1は接地電圧を供給するテスト線(GND-T配線)であり、配線876-20はDC12Vを供給するテスト線(DC12V-T配線)である。
可動中継基板864は、ハーネス876の配線876-1~876-20に対応するコネクタCN52(20端子)を有する。ハーネス876は、折り曲げられることで配線の配置関係を上下反転させて、可動中継基板864のコネクタCN52に接続される。
可動中継基板864内において、コネクタCN52とコネクタCN54の間で、テスト線のGND-T配線は通常のGND配線等の他の配線と接続させず独立しており、テスト線のDC12V-T配線は通常のDC12V配線等の他の配線と接続せず独立している。コネクタCN52の端子1からのテスト線(DC12V-T配線)は、コネクタCN54の端子1に接続し、コネクタCN52の端子20からのテスト線(GND-T配線)は、コネクタCN54の端子9に接続する。また、通常のGND配線と通常のDC12V配線は、可動中継基板864内でそれぞれ一つにまとまるように接続されている。なお、図示省略しているが、DC5V配線、DC15V配線も可動中継基板864内でそれぞれ一つにまとまるように接続されている。また、DC15V配線は、例えばコネクタCN53の端子4に接続されている。
そして、可動中継基板864のコネクタCN54は、ハーネス878を介して落下中継基板865に接続される。
ハーネス878は、コネクタCN54や落下中継基板865のコネクタCN61(図119参照)の端子1~9に対応する複数(9本)の配線878-1~878-9から構成される。配線878-1~878-9は、ハーネス874の配線874-1~874-9と同じ配線構成(配列)になる。なお、配線878-1~878-9の配線構成は、2本のテスト線(DC12V-T、GND-T)が最も外側に配置されていれば、DC12V配線やDC5V配線等の並びを適宜入れ替えてもよい。
図119のように、落下中継基板865は、コネクタCN61(9端子)とコネクタCN62(12端子)とコネクタCN63(12端子)とを有する。コネクタCN61は、ハーネス878の配線878-1~878-9に対応する。
落下中継基板865内で、コネクタCN61の各端子1~9からの配線は、二股(図示省略)、四股又は八股等の複数に分岐させてコネクタCN62またはコネクタCN63のいずれかの端子に接続できる。なお、コネクタCN62の端子12とコネクタCN63の端子1は互いに接続されており、コネクタCN61の端子には直接接続されていないが、ハーネス879Rや落下右基板866R等を介して間接的に接続されている。
また、コネクタCN61の端子1からのテスト線(GND-T配線)は、コネクタCN62の端子1に接続する。他方で、コネクタCN61の端子9からのテスト線(DC12V-T配線)は、コネクタCN63の端子12に接続する。
落下中継基板865のコネクタCN62は、落下右基板866RのコネクタCN71R(12端子)に、FFCのハーネス879Rを介して接続され、コネクタCN63は、落下左基板866LのコネクタCN71L(12端子)に、FFCのハーネス879Lを介して接続される。
落下右基板866Rは、ハーネス879Rの配線879R-1~879R-12に対応するコネクタCN71R(12端子)を有する。また、落下左基板866Lは、ハーネス879Lの配線879L-1~879L-12に対応するコネクタCN71L(12端子)を有する。ハーネス879R、879Lは、折り曲げられることで配線の配置関係を上下反転させる。ハーネス879Rは落下右基板866RのコネクタCN71Rに接続され、ハーネス879Lは落下左基板866LのコネクタCN71Lに接続される。
ハーネス879Rは、コネクタCN62やコネクタCN71Rの端子1~12に対応する複数(12本)の配線879R-1~879R-12から構成される。配線879R-2、879R-3がテスト線でない通常のDC12V配線であり、配線879R-4、879R-5がDC5V配線である。また、配線879R-6、879R-7、879R-9、879R-11がテスト線でない通常のGND配線であり、配線879R-8が遊技盤SDA配線であり、配線879R-10が遊技盤SCL配線である。これらの各種配線は、落下右基板866RのコネクタCN71Rの対応する端子2~11に接続される。
同様に、ハーネス879Lは、コネクタCN63やコネクタCN71Lの端子1~12に対応する複数(12本)の配線879L-1~879L-12から構成される。配線879L-10、879L-11がテスト線でない通常のDC12V配線であり、配線879L-9、879L-8がDC5V配線である。また、配線879L-7、879L-6、879L-4、879L-2がテスト線でない通常のGND配線であり、配線879L-5が遊技盤SDA配線であり、配線879L-3が遊技盤SCL配線である。これらの各種配線は、落下左基板866LのコネクタCN71Lの対応する端子2~11に接続される。なお、ハーネス879Lの配線879L-2~879L-11は、ハーネス879Rの配線879R-2~879R-11と上下反転した配置構成(配列)になる。
配線879L-12は、接地電圧を供給するテスト線(GND-T配線)である。
配線879R-1、879R-12、879L-1、は、DC12Vを供給するテスト線(DC12V-T配線)である。図119の矢印は、テスト線のつながりをわかりやすくするために、DC12V-T配線の電流の向きを一例として示しているが、電流の向きが逆の場合には矢印も逆向きでよい。
落下右基板866R内でコネクタCN71Rの端子1、12は導通しており、配線879R-1からの電流、すなわちDC12V-T配線の電流は、図119の矢印に示すように、端子12から端子1、配線879R-12へと流れる。そのため、配線879R-1の電流の向き(図119の右矢印)は、配線879R-12の電流の向き(図119の左矢印)と逆方向になる。そして、DC12V-T配線の電流は、落下中継基板865のコネクタCN62の端子12からコネクタCN63の端子1、ハーネス879Lの配線879L-1、落下左基板866LのコネクタCN71Lの端子12へと順に流れる。
DC12V-T配線は、落下左基板866L内で通常のDC12V配線に接続され、GND-T配線は、落下左基板866L内で通常のGND配線に接続される。
このように、図117~図119に示す変形例の回路図では、テスト線(MCS1-T配線、MCS4-T配線、DC12V-T配線、GND-T配線)は、各ハーネス(ハーネス873~876、878~879L)の最も外側に電気的に独立した1つの回路(直列回路、直列配線)として形成される。
したがって、変形例の回路図でも、接続テストで、ハーネス873のモータ制御信号MCS1のテスト線(MCS1-T、配線873-1)と通常のMCS1配線(配線873-2)間の抵抗値を測定することで、MCS1配線が正常接続状態であるか否かを確認することができる。MCS1配線が正常接続状態である場合には、これらの配線間の抵抗値は、正常接続状態でないときと比べ極端に小さな値となる。
同様に、接続テストで、ハーネス873のモータ制御信号MCS4のテスト線(MCS4-T、配線873-8)と通常のMCS4配線(配線873-7)間の抵抗値を測定することで、MCS4配線が正常接続状態であるか否かを確認することもできる。
さらに、接続テストで、モータ制御信号MCS1のテスト線(MCS1-T、配線873-1)とモータ制御信号MCS4のテスト線(MCS4-T、配線873-8)間の抵抗値が非常に大きな抵抗値であり、接続されていないことを確認することもできる。
同様に、接続テストで、通常のMCS1配線(配線873-2)と通常のMCS4配線(配線873-7)間の抵抗値が非常に大きな抵抗値であり接続されていないことも確認するのが好ましい。
また、ハーネス874のDC12V-T配線(配線874-1)と通常のDC12V配線(配線874-2)間や、GND-T配線(配線874-9)と通常のGND配線(配線874-8)間の抵抗値を測定することで、これらの配線が正常接続状態であるか否かを確認することができる。さらに、DC12V-T配線(配線874-1)とGND-T配線(配線874-9)間が接続されていないこと、通常のDC12V配線(配線874-2)と通常のGND配線(配線874-8)間が接続されていないことを接続テストによって確認することが好ましい。
このように、接続テストによって、接続されるべき配線間の抵抗値や、接続されるべきではない配線間の抵抗値を測定することで、変形例の回路図が正常接続状態であるか否かをFFCのハーネス875、876等を接続したまま容易に確認することができる。
また、固定中継基板863と可動中継基板864を1本ではなく複数(2本)のフレキシブルフラットケーブル(ハーネス875、876)で接続することによって、接続の柔軟性が増して、可動中継基板864を動かせる可動範囲を広げることができる。また、複数のフレキシブルフラットケーブル(FFC)のうち一本が曲がり過ぎて断線しても、断線したFFCだけを交換すれば良いため、コストの削減となる。
また、図117等に示すように、可動役物等の複数の部材(盤装飾モータM1、落下右基板866R、落下左基板866L等)との接続に複数(例えば2本)のハーネス(特にFFCのハーネス(ハーネス875、876))を用いて接続している。このように複数のハーネスを用いて可動役物等を動かすモータや基板と接続することで、部材の増減に対応してハーネスを増減できるようになり、例えばモータ(役物)の増減に対応し易くできる。また、遊技機10の演出の仕様を代えてモータ(役物)が増減しても、遊技機10を再利用し易くできる。なお、可動役物等の移動(動作)によって、可動役物等の複数の部材(盤装飾モータM1、落下右基板866R、落下左基板866L等)と装飾制御基板750との間の距離は変化可能である。
さらに、変形例のFFCのハーネス875、876、879R、879Lは、MCS1配線~MCS4配線やDC12V配線、GND配線等が、単数(1本)ではなく複数(2~5本)の配線によって構成される。その結果、仮に曲がり過ぎたり他の部材と干渉して断線した配線があっても、他の断線していない配線を用いて盤装飾モータM1や落下右基板866R、落下左基板866Lの制御を継続することができる。例えば、ハーネス875のMCS1配線(4本)やMCS2配線(5本)が仮に数本断線されても少なくとも各1本ずつ残っていれば、盤装飾モータM1の制御を継続することができる。
さらに、固定中継基板863内では、MCS1-T配線とMCS4-T配線の位置関係が入れ替わっている。その結果、例えばハーネス875の外側から9本目に配置されたMCS2配線(配線875-9)までの9本の配線(配線875-1~875-9)が仮に断線した場合でも、残ったMCS2配線(配線875-10)や逆側の最外側に配置されたMCS1-T配線(配線875-24)を用いて、盤装飾モータM1の制御を継続することができる。
同様に、固定中継基板863内では、DC12V-T配線とGND-T配線の位置関係が入れ替わっている。その結果、例えばハーネス876の外側から9本目に配置されたDC15V配線(配線876-9)までの9本の配線(配線876-1~876-9)が仮に断線した場合でも、残ったDC15V配線(配線876-10)や逆側の最外側に配置されたDC12V-T(配線876-20)を用いて、落下右基板866Rや落下左基板866Lの制御を継続することができる。
なお、固定中継基板863と可動中継基板864は、可動中継基板864に接続されるモータの数以上のハーネス(FFC)で接続されればよく、コネクタを増やして、固定中継基板863と可動中継基板864とを接続するハーネスの数を2本以上としてもよい。また、固定中継基板863と可動中継基板864の間で、DC15V配線と同様に、モータ制御信号MCS1~4や落下右基板866R、落下左基板866Lへの信号(遊技盤SDA、遊技盤SCL)を別のハーネスで伝送してもよい。
[第7実施形態の作用・効果]
第7実施形態の遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム)と、当該ゲームに関連する演出と、を実行可能であり、制御用(演出制御用)の第1回路基板(例えば装飾制御基板750)と、第1回路基板との間で信号を送信又は受信可能な第2回路基板(例えばLED基板862、盤装飾モータM1、落下右基板866R、落下左基板866L)と、第1回路基板と第2回路基板の間で少なくとも一つのコネクタ(コネクタCN11~CN31等)を介して接続される配線(ハーネス871の配線871-2、871-3、ハーネス872の配線872-2~872-4等)と、第1回路基板と第2回路基板との間で配線に並列的に設けられ、第1回路基板と第2回路基板の間で配線が正当に接続されている場合(正常接続状態である場合)に、第2回路基板において配線と電気的に導通(接続)する接続判定用配線(テスト線TD(配線871-1、872-12)、テスト線TG(配線871-11、872-1)等)と、を備える。
このような遊技機10によれば、配線に並列的に設けられる接続判定用配線を用いて第1回路基板と第2回路基板の間で配線が正当に接続されているか否かを適切に判定(確認)できる。その結果、従来判定不能であったFFC接続の両側ズレ状態のような未接続となる配線が発生する場合でも、接続判定用配線を用いて配線が正当に接続されていないことを確認できるので、配線を接続し直す機会が得られるので、配線全体の接続ズレを正常に直すことができる。
また、遊技機10は、第1回路基板と第2回路基板との間の距離は変化可能である。このような遊技機10によれば、例えば変位可能な可動役物等(部材)に第2回路基板を設けることができ、第1回路基板と距離が相対的に変化する部材上の第2回路基板でも配線が正当に接続されているか否かを適切に判定(確認)できる。また、例えば変位可能な可動役物等の動作に追従できるように第1回路基板と第2回路基板間の配線に、端子の穴が小さい汎用的なフレキシブルフラットケーブル(FFC)が使われても、第1回路基板(上流側)からテスターを当てて接続テストを容易に行うことができる。
また、遊技機10では、接続判定用配線における第1回路基板のコネクタの端子に対応する側と、配線における第1回路基板に接続するコネクタの端子に対応する側とを介して、第1回路基板と第2回路基板の間で配線が正当に接続されているか否かを判定可能である。このような遊技機10によれば、第1回路基板側で配線及び接続判定用配線のコネクタを抜いて、接続判定用配線と配線との間での接続テストを行うだけで、第1回路基板と第2回路基板とが正当に接続されているかを簡単に確認することができる。
また、遊技機10では、接続判定用配線と配線が、一部分でフレキシブルフラットケーブルとして設置され、フレキシブルフラットケーブル内で接続判定用配線が配線を挟んで最外側に位置する。このような遊技機10によれば、最も外からの力がかかり易く断線の発生起点となる可能性の高いフレキシブルフラットケーブルの最外側に接続判定用配線が配置されるので、配線が断線されることなく第1回路基板と第2回路基板とを正当に接続されている状態であるか否かをより判定し易くできる。
また、遊技機10では、接続判定用配線と配線を中継する中継基板を備え、中継基板において、接続判定用配線と配線は電気的に導通しない。このような遊技機10によれば、第1回路基板からの接続判定用配線と配線とは、中継基板で導通することがなく第2回路基板に接続されることになるので、中継基板を取り外すことなく、接続判定用配線と配線との間での接続テストを行うだけで、第1回路基板と第2回路基板全体で配線が正当に接続されているかを簡単に確認することができる。
また、遊技機10では、接続判定用配線と配線が、一部分でフレキシブルフラットケーブルとして設置され、接続判定用配線と配線を中継する中継基板において、第1回路基板側のコネクタと、第2回路基板側かつフレキシブルフラットケーブル側のコネクタとで、接続判定用配線用の端子の位置が逆になる。このような遊技機10によれば、第1回路基板側のコネクタと第2回路基板等側のコネクタとで接続判定用配線の端子の位置関係が逆(反転すること)になるので、フレキシブルフラットケーブルの一方の側部の配線が仮に断線した場合でも、逆側の側部に配置された接続判定用配線を予備の配線として用いて、第2回路基板の制御を継続することができる。
また、遊技機10では、配線が電圧用又は接地用の導線(DC12V配線、GND配線)である。また、遊技機10では、配線がシリアル通信線(遊技盤SDA配線、遊技盤SCL配線)である。また、遊技機10では、配線がモータ制御用のパラレル通信線である
したがって、このような遊技機10によれば、一般的な配線と並列的に設置して接続判定用配線を用いることができるので、様々な回路に汎用的に接続判定用配線を使用できる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、時短状態を確変状態に置き換えることも可能である。例えば、複数の実施形態や複数の変形例を種々に組合せることも可能である。また、例えば、本発明を他の種類の遊技機(スロットマシンなど)に適用することもできる。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上述の実施形態をスロットマシンに適用する場合において、遊技に使用する遊技媒体は、遊技球に代えてメダル(コイン)になり、賞球数はメダルの払い出し枚数に代えられる。そして、スロットマシンでは、性能情報としての出玉率(ベース)は、スロットマシンへのメダルの投入枚数に対する払い出し枚数の比率(%)となり、役物比率は、所定期間に払い出したメダルの枚数のうち、各種ボーナスにより払い出した枚数の比率(%)となる。