JP2023016265A - スポット溶接用電極の研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極の研磨に用いる工具の損耗状態を正確に把握することで、生産性を維持しながら電極の研磨を低コストに行う。【解決手段】このスポット溶接用電極の研磨方法は、電極10に所定の工具21で研磨を施す研磨工程S1と、研磨工程S1で研磨を施した電極10の研磨状態を検査する検査工程S2と、検査工程S2で得た電極10の研磨状態に関する検査結果に基づき電極10に再研磨を施す再研磨工程S3と、再研磨を実施した回数をカウントする再研磨カウント工程S5と、当該カウント数に基づいて工具21の損耗状態を予測する予測工程6とを備える。【選択図】図6

Description

本発明は、スポット溶接用電極の研磨方法に関する。
例えば自動車の車体の組立工程では、複数の鋼板に電極を当接させて通電することにより、鋼板同士の接触部を抵抗発熱により溶融させて接合部としてのナゲットを形成するスポット溶接が行われている。
ここで、スポット溶接に用いられる電極には、溶接時に高温下で大きな加圧力が作用するとともに大電流が流れるため、継続使用に伴い電極の先端が摩耗して形状が変化し、又は溶接対象物の金属成分が付着する事態が想定される。この状態のまま溶接作業を続けると、電流密度が低下して溶接箇所を十分に加熱することができないなど溶接不良を引き起こすおそれが生じる。そのため、溶接現場では、電極の先端を溶接開始時の形状に戻すべく、例えば所定の回数使用する度に電極の先端を研磨することが行われている。
上述した電極の研磨は、通常、溶接ロボットの近くに配置された研磨装置を使用して行われる。ここで、研磨装置には、例えば特許文献1に記載のように、電極の先端を導入可能な凹み部にカッターが装着されたカッターホルダを有するものが用いられ、溶接ガンの先端に設けられた一対の電極を凹み部に押し付けてカッターホルダを挟みながら、当該カッターホルダをモータの駆動力によって一定方向に回転させることにより、電極の先端を研磨可能としている。
また、上述のように電極を研磨した場合には、所定の検査装置を用いて、研磨後の電極先端の状態を検査し、当該電極の研磨状態の良否を判定している(例えば、特許文献2を参照)。
そして、検査の結果、良好な研磨状態であると判定された場合には、研磨後の電極を次のスポット溶接に用い、良好な研磨状態であるとはいえない(研磨が足りない)と判定された場合には、上述した研磨装置を用いて再研磨を行うようにしている(例えば、特許文献3を参照)。
一方で、特許文献4には、電極の研磨回数をカウントする研磨回数計測手段と、研磨回数計測手段でカウントした研磨回数が予め設定された最大研磨回数を超えた場合に異常表示を行う研磨回数異常表示手段とを備えた研磨装置を用いて、電極を研磨する方法が記載されている。また、上述した異常表示を作業者が視認した場合、当該作業者は電極の研磨回数が最大研磨回数を超えたものと認識し、現在使用中の研磨刃を新しい研磨刃に交換することが記載されている。
特開2018-167302号公報 特開2002-273535号公報 特開2017-87221号公報 特開2008-73715号公報
ところで、この種の研磨工程においては、スポット溶接用の電極だけでなく、電極を研磨する工具(通常は研磨刃)の損耗状態にも留意する必要がある。すなわち、工具は繰り返し使用するのに伴い損耗していくため、工具の研磨能力も低下していく。そのため、再研磨後の検査においても良好な研磨状態であるとはいえないと判定された場合に、研磨異常が発生したとして溶接工程を含むラインを停止し、研磨異常内容の確認と対処(例えば工具の研磨能力が低下したことが異常の原因として研磨時間の延長、又は研磨刃の交換など)を図っている。しかしながら、上述のように何らかの異常が発生してから対処したのでは、本来停止する必要のないタイミングでラインを停止する必要が生じるため、生産性の低下が懸念される。また、異常が発生する度に作業者が異常内容を確認して対処を検討する手間が生じるため、人的コストの面でも望ましいとはいえない。
特許文献4には、電極の研磨回数が所定の回数(最大研磨回数)を超えた場合に、研磨刃を交換することが記載されている。しかしながら、研磨刃の損耗の進行度合いは、板組の種類や溶接態様、又は電極の損耗状態に左右される。そのため、予め定めた交換時期(最大研磨回数を超えたとき)に研磨刃を交換しても、再研磨の頻度が高く当初の想定よりも研磨刃の損耗が進行している場合だと、交換までに研磨異常が発生する確率が高い。
以上の事情に鑑み、本明細書では、電極の研磨に用いる工具の損耗状態を正確に把握することで、生産性を維持しながら電極の研磨を低コストに行うことを、解決すべき技術課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係るスポット溶接用電極の研磨方法によって達成される。すなわち、この研磨方法は、スポット溶接用の電極に所定の工具で研磨を施す研磨工程と、研磨工程で研磨を施した電極の研磨状態を検査する検査工程と、検査工程で得た電極の研磨状態に関する検査結果に基づき電極に再研磨を施す再研磨工程とを備えたスポット溶接用電極の研磨方法において、再研磨を実施した回数をカウントし、カウント数に基づいて工具の損耗状態を予測する予測工程をさらに備えた点をもって特徴付けられる。
本発明者らは、電極に再研磨を施した回数に着目し、この再研磨の回数と、研磨用の工具の損耗状態との関係について鋭意検討した結果、研磨の回数と工具の損耗状態との間の相関と比べて、再研磨の回数と工具の損耗状態との間により強い相関があることを見出すに至った。そのため、本発明のように、再研磨を実施した回数をカウントし、当該カウント数に基づいて工具の損耗状態を予測することによって、工具個別の使用状況を反映した損耗状態を正確に予測することができる。これによれば、例えば予測した工具の損耗状態の程度に応じて研磨条件を自動的に変更することができるので、作業者が実際に工具の状態を確認して研磨条件を変更する手間をかけることなく、研磨工程での電極に対する良好な研磨状態を維持することが可能となる。よって、優れた生産性を維持することができる。また、再研磨をカウントするだけで足りるので、例えば工具の損耗状態をセンサやカメラ等で直接的に検出する場合と比べて、容易にかつ低コストに工具の損耗状態を予測して、以後の研磨工程における電極の研磨状態を良好に保つことが可能となる。
また、本発明に係るスポット溶接用電極の研磨方法において、予測工程で、再研磨の累積発生回数をカウントし、当該累積カウント数に基づいて工具の損耗状態を予測してもよい。
このように再研磨の累積発生回数をカウントし、当該累積カウント数に基づいて工具の損耗状態を予測することによって、工具の損耗状態を容易にかつ正確に予測することができる。従って、電極の研磨条件の変更の要否など損耗状態の予測結果に基づいた種々の判断を的確に行うことが可能となる。
また、本発明に係るスポット溶接用電極の研磨方法において、予測工程で、再研磨が連続して発生した回数をカウントし、当該連続カウント数に基づいて工具の損耗状態を予測してもよい。
研磨後の検査工程では、限られた検査時間の中で採り得る検査方法が限られる等の事情により、どうしても一定数の誤判定(良好な研磨状態であるのに良好でないと判定)が起こり得る。そのため、再研磨の累積発生回数よりも、再研磨の連続発生回数に基づいて工具の損耗状態を予測することで、より正確に工具の損耗状態を予測することができる。よって、本構成によれば、工具の損耗状態の予測結果に基づいた種々の判断をさらに的確に行うことが可能となる。
また、本発明に係るスポット溶接用電極の研磨方法において、予測工程で得た工具の損耗状態に関する予測結果に基づいて、研磨工程における電極の研磨時間の延長の要否を判定する延長判定工程をさらに備えてもよい。
工具の損耗が進むにつれて工具の研磨能力は低下していく。そのため、工具の損耗が一定程度進んでいるとみなした(予測した)時点で、工具による電極の研磨時間を延長することにより、工具自体の研磨能力の低下を補うことができる。そのため、本構成によれば、他の研磨条件(工具の回転数や電極の加圧力など)を変更することなく、研磨工程後における電極の良好な研磨状態を容易に維持することが可能となる。
また、本発明に係るスポット溶接用電極の研磨方法において、予測工程で得た工具の損耗状態に関する予測結果に基づいて、工具の交換を行うべき旨の予告の要否を判定する交換判定工程をさらに備えてもよい。
一方で、たとえ研磨時間の延長などにより工具の研磨能力の低下を補ったとしても、工具が使用寿命(研磨用の工具として最低限必要な研磨能力を実質的に喪失する時)を迎えることは避けられない。この点を考慮した場合、本構成のように、予測工程で得た工具の損耗状態に関する予測結果に基づいて、工具の交換を行うべき旨の予告の要否を判定するのがよい。本発明のように再研磨のカウント数に基づいて工具の損耗状態を予測することで、工具個別の使用状況を反映した損耗状態を正確に予測できる。そのため、工具の使用寿命についても個別の使用状況に応じて精度よく予測することができ、上述のように工具の交換を行うべき旨の予告の要否を判定することで、適切な時期に交換することが可能となる。従って、再研磨の後に電極の研磨不良が発生する事態を確実に防止して、高い生産性を維持することが可能となる。
以上のように、本発明に係るスポット溶接用電極の研磨方法によれば、電極の研磨に用いる工具の損耗状態を正確に把握することで、生産性を維持しながら電極の研磨を低コストに行うことが可能となる。
本発明の一実施形態に係るスポット溶接用電極の研磨方法のうち、研磨工程から再研磨工程に至る一連の流れを示すフローチャートである。 図1に示す研磨工程を模式的に示した図である。 図1に示す検査工程を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態に係る研磨方法のうち、再研磨カウント工程から交換判定工程に至る一連の流れを示すフローチャートである。 図4に示す再研磨カウント工程の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る研磨方法を実施した場合における、(a)累積研磨回数と再研磨の累積カウント数との関係を示すグラフ、(b)累積研磨回数と再研磨の連続カウント数との関係を示すグラフ、及び(c)累積研磨回数と研磨時間との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る研磨方法のうち、予測工程及び延長判定工程の流れを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る研磨方法を実施した場合における、累積研磨回数と研磨時間との関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る研磨方法のうち、予測工程から交換判定工程に至る一連の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係るスポット溶接用電極の研磨方法の内容を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスポット溶接用電極の研磨方法のうち、研磨工程から再検査工程に至る一連の流れを示すフローチャートを示している。このチャートに示すように、本実施形態に係る研磨方法は、電極の研磨工程S1と、検査工程S2と、再研磨工程S3、及び再検査工程S4とを備える。以下、各工程S1~S4の詳細を説明する。
(S1)研磨工程
この工程では、スポット溶接に所定の回数(例えば1~5×102回)使用した電極の先端に研磨加工を施す。ここで、研磨加工の対象となる電極としては、図2に示すように、先端が部分球面状をなす電極10が一例として挙げられる。もちろん、電極10の先端の形状はこれに限らず、例えば何れも図示は省略するが、一又は複数の部分球面からなる先端形状をなす電極であってもよく、あるいは、先端に平坦面が設けられると共に、この平坦面の外周側に連続してテーパ面が設けられた形状をなす電極など、公知の形状をなす電極であってもよい。
また、この際に用いられる研磨装置20としては、モータ(図示は省略)により回転駆動可能な研磨刃21を有するものが用いられる。この場合、研磨刃21が本発明に係る研磨用の工具に相当する。この研磨装置20を用いた研磨加工は、例えば図2に示すように、一対の電極10,10と研磨刃21とを何れも同軸に配置した状態で、一対の電極10,10を研磨刃21に押し当てると共に、研磨刃21を回転駆動することにより各電極10の先端に研磨加工を施す。これにより、各電極10の先端を、溶接作業への使用を開始した際の形状に向けて加工する。
(S2)検査工程
この工程では、研磨工程S1で研磨加工を施した電極10の研磨状態を検査する。例えば本実施形態では、一対の電極10,10間に検査装置30を配置し、検査装置30から各電極10の先端に向けて照射された光の反射光量に基づいて、電極10の先端に黒皮などの未研磨部が残っているか否かを判定することで、各電極10の研磨状態を検査する。
そして、検査の結果、未研磨部が残っていなければ良好な研磨状態である(図1中、「Yes」との判定)として、溶接作業に復帰させる(ステップS21)。すなわち、図示は省略するが、各電極10が溶接ロボットのアーム部先端に取り付けられている場合には、当該取り付けられた状態で、上述した研磨工程S1と検査工程S2とが行われるので、良好な研磨状態であると判定された電極10については、溶接ロボットのアーム部を溶接工程に向けて移動させて、所定の板組に対する溶接を再開する。
あるいは、検査の結果、未研磨部が残っていれば良好な研磨状態であるとはいえない(図1中、「No」との判定)と判定し、当該検査結果を受けた電極10に対して再研磨を施す。
なお、検査工程S2における上述の検査態様は一例に過ぎない。反射光量以外の基準で電極10先端の研磨状態を検査可能な公知の検査装置が広く適用可能なことはもちろんである。
(S3)再研磨工程
この工程では、検査工程S2で、良好な研磨状態とはいえないと判定された電極10についてのみ再研磨を施す。この際使用する研磨装置としては、研磨工程S1で使用した研磨装置20を使用することができ、例えば溶接ロボットのアーム部を検査装置30から研磨装置20に向けて移動させて、研磨装置20による研磨加工を上記電極10に施す。この際の研磨条件(研磨刃21の回転数、電極10の加圧力、研磨時間など)は、例えば直前の研磨工程S1で実施した際の研磨条件と同一に設定される。また、後述するように、研磨工程S1における電極10の研磨条件(ここでは研磨時間)が変更された場合、再研磨工程S3の研磨条件を、研磨工程S1における変更後の研磨条件と同一に設定してもよい。もちろん、再研磨工程S3の研磨条件を、研磨工程S1の研磨条件と異ならせてもよい。
(S4)再検査工程
この工程では、再研磨工程S3で再研磨を施した電極10についてのみ研磨状態に関する検査を行う。この際使用する検査装置として、検査工程S2で使用した検査装置30を使用することができ、例えば溶接ロボットのアーム部を研磨装置20から検査装置30に向けて移動させて、検査装置30による検査を上記電極10に対して行う。すなわち反射光量に基づいて、再研磨後の電極10の先端に未研磨部が残っているか否かを判定する。
そして、再検査の結果、未研磨部が残っていなかった場合、電極10の再研磨状態は良好である(図1中、「Yes」との判定)と判定し、溶接作業に復帰させる(ステップS21)。すなわち、上述のように、各電極10が溶接ロボットのアーム部先端に取り付けられている場合には、溶接ロボットのアーム部を溶接工程に向けて移動させて、所定の板組に対する溶接を再開する。
あるいは、再検査の結果、未研磨部が残っていた場合、電極10の再研磨状態は良好であるとはいえない(図1中、「No」との判定)と判定し、言い換えると、研磨異常と判定し、上記溶接工程を備えたラインを停止する(ステップS41)。この場合、例えば研磨用の工具である研磨刃21を含む研磨装置20の状態や、検査装置30の状態を作業者が確認するなどして、再研磨後も良好な研磨状態が得られない理由並びに対処方法を検討する。
以上のようにして電極10が一定回数スポット溶接に使用される度に、研磨工程S1から再検査工程S4までの一連の工程が必要に応じて実施される。すなわち、本実施形態では、一回の研磨(研磨工程S1)につき再研磨(再研磨工程S3)は一回とし、一回の再研磨後の検査(再検査工程S4)の検査結果に基づいて、溶接作業への復帰と、溶接異常の何れかを判定する。これにより研磨能力を回復した電極10を用いたスポット溶接が繰り返し行われる。
次に、研磨用工具(ここでは研磨刃21)の管理に関する方法についての詳細を、主に図4~図9に基づいて説明する。
本実施形態に係るスポット溶接用電極の研磨方法は、上述した研磨工程S1、検査工程S2、再研磨工程S3、再検査工程S4に加えて、図4に示すように、再研磨カウント工程S5と、予測工程S6と、延長判定工程S7、及び交換判定工程S8とを備える。この場合、本実施形態に係る再研磨カウント工程S5と予測工程S6とが、本発明に係る予測工程に相当する。以下、各工程の詳細を順に説明する。
(S5)再研磨カウント工程
この工程では、研磨工程S1を実施する度に、再研磨を実施したか否かを判定する(ステップS51)。そして、再研磨(再研磨工程S3)を実施したと判定した場合には、再研磨の累積発生回数をカウントする(ステップS52)。これにより、再研磨の累積カウント数が一回増加する。
このようにして再研磨の累積発生回数をカウントした場合、続いて、直前の研磨工程S1で再研磨を実施したか否かを判定する。言い換えると、上述した再研磨が連続して発生しているか否かを判定する(ステップS53)。そして、再研磨(再研磨工程S3)が連続して発生している場合には、再研磨の連続発生回数をカウントする(ステップS54)。これにより、再研磨の連続カウント数が一回増加する。
一方、ステップS51で、再研磨を実施していないと判定した場合には、再研磨の累積発生回数、連続発生回数ともにカウントせずに本工程S5を終了する。また、ステップS53で、直前の研磨工程S1で再研磨を実施していないと判定した場合には、再研磨の連続発生回数をカウントせずに本工程S5を終了する。このようにして、研磨工程S1を一回実施する度に、再研磨の累積カウント数と連続カウント数の増加の有無が判定される。このうち連続カウント数については、カウントされない場合にカウント数がリセットされる(ゼロに戻る)。
(S6)予測工程
(S7)延長判定工程
上述のようにして、再研磨カウント工程S5で、再研磨の累積発生回数と連続発生回数の少なくとも何れか一方がカウントされた場合、工具としての研磨刃21の損耗状態を予測する。本実施形態では、図7に示すように、まず再研磨の連続カウント数が増加した場合、その都度、当該連続カウント数が予め設定した閾値(第一閾値)以上であるか否かを判定する(ステップS71)。
そして、再研磨の連続カウント数が第一閾値以上であると判定された場合、研磨刃21は電極10に対して十分な研磨能力を有していない程度にまで損耗していると予測(判定)し、研磨条件を変更する。ここでは、研磨時間を延長する(ステップS72)。
あるいは、再研磨の連続カウント数が第一閾値未満であると判定された場合、次の累積カウント数に基づく延長の要否判定工程に進む。そして、再研磨の累積カウント数が予め設定した閾値(第二閾値)以上であるか否かを判定する(ステップS73)。
ここで、再研磨の累積カウント数が第二閾値以上であると判定された場合、研磨刃21は電極10に対して十分な研磨能力を有していない程度にまで損耗していると予測(判定)し、研磨条件を延長する(ステップS72)。
あるいは、再研磨の累積カウント数が第二閾値未満であると判定された場合、すなわち連続カウント数と累積カウント数がともに対応する閾値(第一閾値、第二閾値)未満であると判定された場合、研磨時間の延長を行うことなく本工程S6,S7を終了する。
図6(a)は、電極10に対する累積研磨回数(研磨刃21の使用開始時からの研磨工程S1の総実施数)と、研磨工程S1ごとの再研磨の回数との関係、及び累積研磨回数と再研磨の累積発生回数(累積カウント数)との関係を示すグラフの一例である。また、図6(b)は、電極10に対する累積研磨回数と、研磨工程S1ごとの再研磨の回数との関係、及び累積研磨回数と再研磨の連続発生回数(連続カウント数)との関係を示すグラフの一例である。また、図6(c)は、電極10に対する累積研磨回数と、研磨工程S1ごとの再研磨の回数との関係、及び累積研磨回数と研磨時間との関係を示すグラフの一例である。
ここで、本図示例における連続カウント数の閾値(第一閾値)を例えば5回、累積カウント数の閾値(第二閾値)を例えば10回とした場合、図6(a)~(c)に示すように、例えば累積研磨回数が10回の時点では、再研磨の連続カウント数は3回で、累積カウント数は4回となり、何れも閾値未満となるため、研磨時間は延長されない(維持される)。また、累積研磨回数が16回の時点では、再研磨の連続カウント数は4回で、累積カウント数は8回となり、何れも閾値未満であるため、未だ研磨時間は延長されない。これに対して、累積研磨回数が17回の時点では、再研磨の連続カウント数は5回となり閾値(第一閾値)に達するため、研磨時間がTaからTbに延長される。なお、この際の延長量(Tb-Ta)は基本的に任意であり、例えば延長前の研磨時間Taの10~20%の範囲内で適宜に設定される。
このようにして研磨時間が延長された場合、損耗状態の予測工程S6及び延長判定工程S7における再研磨の連続カウント数と累積カウント数をともにリセットした状態で、上述した工程S5~S7を繰り返し行う。そして、一又は複数回の研磨時間の延長の後、延長後の研磨時間に基づいて、研磨刃21の交換の要否を判定する(交換判定工程S8)。以下、交換判定工程S8の詳細を説明する。
(S6)予測工程
(S8)交換判定工程
この工程では、上述のように研磨時間が延長された場合、工具としての研磨刃21の交換の要否を判定する。本実施形態では、延長判定工程S7で研磨工程S1における研磨時間が延長された場合、その都度、図9に示すように、当該研磨時間が予め設定した閾値(第三閾値)以上であるか否かを判定する(ステップS81)。
そして、延長後の研磨時間が第三閾値以上であると判定された場合、研磨刃21は電極10に対して継続使用するのに最低限必要な研磨能力を有していない程度にまで損耗していると予測(判定)し、研磨刃21を交換すべき旨の予告を行う(ステップS82)。
あるいは、延長後の研磨時間が第三閾値未満であると判定された場合、次の累積研磨回数に基づく工具交換の要否判定工程に進む。そして、工具(研磨刃21)の使用開始時からの累積研磨回数が予め設定した閾値(第四閾値)以上であるか否かを判定する(ステップS83)。
ここで、上記累積研磨回数が第四閾値以上であると判定された場合、研磨刃21は電極10に対して継続使用するのに必要最低限な研磨能力を有していない程度にまで損耗していると予測(判定)し、研磨刃21を交換すべき旨の予告を行う(ステップS82)。
ここで、研磨刃21を交換すべき旨の予告を行った場合、例えば次の設備稼働停止時(通常、ラインの定期メンテナンス等、予定されている設備の稼働停止時)に、研磨刃21の交換を行う。
なお、交換すべき旨の予告は、例えば所定のモニタに交換すべき旨の予告を表示し、あるいは交換すべき旨を意味するランプを点灯させるなど、作業者が視覚的に認識可能な方法で行うことができる。あるいは、交換すべき旨の予告を音声で発信し、作業者が聴覚で認識可能な方法で行うことができる。
また、ステップS82において、上記累積研磨回数が第四閾値未満であると判定された場合、すなわち延長後の研磨時間と累積研磨回数がともに対応する閾値(第三閾値、第四閾値)未満であると判定された場合、研磨刃21を交換すべき旨の予告を行うことなく本工程S8を終了する(ステップS84)。
図8は、研磨刃21の交換の前後における、電極10に対する累積研磨回数と、研磨工程S1ごとの再研磨の回数との関係、及び累積研磨回数と研磨時間との関係を示すグラフの一例である。なお、図8中、縦方向の一点鎖線は、累積研磨回数の観点で見た場合に、工具としての研磨刃21の交換が行われた時点を意味している。よって、当該時点で、累積研磨回数はリセットされる(ゼロに戻る)。
ここで、図6に示す場合と同じ基準で研磨時間の延長がなされると共に、研磨時間の最大延長回数を例えば4回、延長後の研磨時間の閾値(第三閾値)をTd(最大研磨時間Tmに延長する直前の研磨時間)とした場合、例えば一回目の研磨時間の延長後の時点(研磨時間をTaからTbにまで延長した時点)では、延長後の研磨時間Tbが第三閾値(Td)未満であるため、研磨刃21を交換すべき旨の予告はなされない。同様に、二回目の研磨時間の延長後の時点(研磨時間をTbからTcにまで延長した時点)では、延長後の研磨時間Tcが第三閾値(Td)未満であるため、研磨刃21を交換すべき旨の予告はなされない。これに対して、三回目の研磨時間の延長後の時点(研磨時間をTcからTdにまで延長した時点)では、延長後の研磨時間Tdが第三閾値(Td)に達するため、研磨刃21を交換すべき旨の予告がこの時点でなされる。そのため、研磨時間の四回目の延長後に訪れる設備稼働停止時(図8中、縦方向に伸びる一点鎖線で示す時)、研磨刃21が新しい研磨刃に交換される。ここで、累積研磨回数がリセットされ(ゼロになり)、上述した工程S1~S8が繰り返される。このようにして、電極10の研磨状態が管理されると共に研磨刃21の損耗状態が適切に管理され得る。
以上述べたように、本実施形態に係るスポット溶接用電極の研磨方法によれば、電極10の再研磨を実施した回数をカウントし、当該カウント数に基づいて工具としての研磨刃21の損耗状態を予測するようにしたので、研磨刃21個別の使用状況を反映した損耗状態を正確に予測することができる。これによれば、例えば予測した研磨刃21の損耗状態の程度に応じて研磨条件を自動的に変更することができるので、作業者がラインを停止する等して研磨刃21の状態を確認して研磨条件を変更する手間をかけることなく、研磨工程S1での電極10に対する良好な研磨状態を維持することが可能となる。よって、優れた生産性を維持することができる。また、再研磨をカウントするだけで足りるので、例えば研磨刃21の損耗状態をセンサやカメラ等で直接的に検出する場合と比べて、容易にかつ低コストに工具の損耗状態を予測して、以後の研磨工程S1における電極10の研磨状態を良好に保つことが可能となる。
また、本実施形態のように、各回の研磨工程S1につき再研磨工程S3の実施を一回とし、かつこの各一回の再研磨のカウント数に基づいて研磨刃21の損耗状態を予測することによって、損耗状態をより正確に予測することができる。すなわち、再研磨時における研磨条件を相対的に緩やかに(研磨時間であれば短めに)設定した場合、研磨し過ぎる事態は抑制できる代わりに、電極10の状態によって、再研磨の回数が大きく異なる(例えば0~3回などの)事態が起こり得る。このような場合、再研磨ごとに研磨量がばらつくおそれがあるために、これら再研磨を一律にカウントした場合、当該カウント数と研磨刃21の損耗状態との相関は相対的に低い可能性が高い。これに対して、各回の研磨工程S1につき再研磨工程S3の実施を一回とする場合、再研磨時の研磨条件を相対的に厳しく(研磨時間であれば長めに)設定することになる。この場合、再研磨ごとの研磨量が安定するので、再研磨の各種カウント数と研磨刃21の損耗状態との間で高い相関を得ることができる。よって、予め設定した再研磨の各種カウント数に関する閾値(第一~第四閾値)に基づいて研磨条件の変更(ここでは研磨時間の延長)の要否、又は研磨刃21の交換の要否を判定することによって、これらの要否を精度良く判定することが可能となる。
また、本実施形態では、延長判定工程S7において、先に再研磨の連続カウント数に基づいて研磨時間の延長の要否を判定し(ステップS71)、かつ当該ステップS71で延長の必要なしと判定された場合に、再研磨の累積カウント数に基づいて研磨時間の延長の要否を判定するようにした。このように、先に連続カウント数に基づいて研磨時間の延長の要否を判定することで、検査工程S2における誤検知等のノイズを取り除いた状態で、より正確に研磨刃21の損耗状態を予測することができる。また、連続カウント数に基づく要否判定で研磨時間の延長の必要なしと判定された場合に、累積カウント数に基づき研磨時間の延長要否の判定を行うことで、研磨刃21が大きく損耗している状態を漏れなく検知して、研磨条件を確実に改善することが可能となる。
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明に係るスポット溶接用電極の研磨方法は、その趣旨を逸脱しない範囲において、上記以外の構成を採ることも可能である。
例えば、上記実施形態では、再研磨の累積カウント数と連続カウント数の双方に基づいて研磨時間の延長の要否を判定する場合を説明したが(図7を参照)、もちろんこれには限られない。例えば再研磨の累積カウント数と連続カウント数の何れか一方に基づいて研磨時間の延長の要否を判定してもよい。あるいは、累積カウント数と連続カウント数の何れとも異なる種類の再研磨に関するカウント数に基づいて研磨時間の延長の要否を判定してもよい。
また、上記実施形態では、研磨時間が延長された場合、損耗状態の予測工程S6及び延長判定工程S7における再研磨の連続カウント数と累積カウント数をともにリセットした状態で、上述した工程S5~S7を繰り返し行う場合を説明したが、もちろんこれには限られない。例えば再研磨の累積カウント数に基づく研磨時間の延長に関する閾値(第二閾値)を複数設定し、累積カウント数が各閾値に達する度に研磨時間を延長するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、再研磨に関するカウント数に基づいて研磨時間の延長の要否を判定した場合を説明したが、もちろん、これ以外の条件を変更してもよい。すなわち、再研磨に関するカウント数に基づいて、例えば研磨刃21の回転数を増加し、又は電極10の研磨刃21に対する加圧力を増大してもよい。
また、上記実施形態では、延長後の研磨時間に基づいて研磨刃21の交換要否を判定すると共に、累積研磨回数に基づいて研磨刃21を交換すべき旨の予告の要否を判定した場合を説明したが(図9を参照)、もちろんこれには限られない。例えば累積研磨回数に基づいて研磨刃21の交換要否を判定するステップS83を省略してもよい。あるいは、延長後の研磨時間と累積研磨時間の何れとも異なる種類の再研磨に関するカウント数、又は当該カウント数に起因する数値、例えば再研磨の累積発生回数に基づいて研磨刃21の交換要否を判定してもよい。
10 電極
20 研磨装置
21 研磨刃
30 検査装置
S1 研磨工程
S2 検査工程
S3 再研磨工程
S4 再検査工程
S5 再研磨カウント工程
S6 予測工程
S7 延長判定工程
S8 交換判定工程
Ta,Tb,Tc,Td 研磨時間
Tm 最大研磨時間

Claims (5)

  1. スポット溶接用の電極に所定の工具で研磨を施す研磨工程と、
    前記研磨工程で研磨を施した電極の研磨状態を検査する検査工程と、
    前記検査工程で得た前記電極の研磨状態に関する検査結果に基づき前記電極に再研磨を施す再研磨工程とを備えたスポット溶接用電極の研磨方法において、
    前記再研磨を実施した回数をカウントし、当該カウント数に基づいて前記工具の損耗状態を予測する予測工程をさらに備えたことを特徴とする、スポット溶接用電極の研磨方法。
  2. 前記予測工程で、前記工具の使用開始時から起算した前記再研磨の累積発生回数をカウントし、当該累積カウント数に基づいて前記工具の損耗状態を予測する請求項1に記載のスポット溶接用電極の研磨方法。
  3. 前記予測工程で、前記再研磨が連続して発生した回数をカウントし、当該連続カウント数に基づいて前記工具の損耗状態を予測する請求項1又は2に記載のスポット溶接用電極の研磨方法。
  4. 前記予測工程で得た前記工具の損耗状態に関する予測結果に基づいて、前記研磨工程における前記電極の研磨時間の延長の要否を判定する延長判定工程をさらに備えた請求項1~3の何れか一項に記載のスポット溶接用電極の研磨方法。
  5. 前記予測工程で得た前記工具の損耗状態に関する予測結果に基づいて、前記工具の交換を行うべき旨の予告の要否を判定する交換判定工程をさらに備えた請求項1~4の何れか一項に記載のスポット溶接用電極の研磨方法。
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