<基本的な実施形態>
最初に、本発明の遊技機の特徴部分の前提となる本発明の基本的な実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、以下において、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
1.遊技機の機械的構成
本発明の遊技機の基本的な実施形態であるパチンコ遊技機PYについて説明する。最初に、パチンコ遊技機PYの機械的構成について図1~図4を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PYの各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PYに対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」とはパチンコ遊技機PYから当該パチンコ遊技機PYに対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」をパチンコ遊技機PYに対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PYに近づく方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機PYは、遊技盤1を含む遊技盤ユニットYUと、遊技盤ユニットYUを内部に収納した遊技機枠2とを備えている。遊技機枠2は、遊技店に固定される枠状の外枠21と、外枠21に取り付けられ、遊技盤ユニットYUが取り付けられる内枠22と、内枠22に回転自在に支持される前扉23と、を備える。
外枠21、内枠22、および前扉23の正面視外周形状は大体同一である。そして、外枠21の前面に内枠22が取り付けられている。
前扉23は内枠22に対して開閉が可能である。前扉23は、大体中央に略縦長矩形状の大きな開口部が形成された枠状の前枠23mと、その開口部に嵌め込まれた透明板23tと、を備える。前扉23が閉じられているとき、遊技盤ユニットYUに含まれる遊技盤1と透明板23tとが対面する。透明板23tは、透明な合成樹脂板で略縦長矩形状に成形されている。よって、パチンコ遊技機PYが遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PYの前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6を視認することができる。なお、透明板23tとして、透明な合成樹脂板の代わりに透明なガラス板を用いてもよい。パチンコ遊技機PYの前方から透明板23tを通して遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。
また、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側中央には、下方に押下操作可能な第1演出ボタン41kが設けられている。第1演出ボタン41kの上皿34の上面から視認可能に突出している操作部分は半球形に成形されている。さらに、上皿34の上面の後方側には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための供給球貯留穴34Aが形成されている。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
さらに、前枠23mの前面の透明板23tの上側、右側、および左側には、前方に突出した上側装飾体31、右側装飾体32、および左側装飾体33が設けられている。上側装飾体31の底面には、音を出力可能な一対の2つのスピーカー52、具体的には左側に配されたスピーカー52Lと右側に配されたスピーカー52R、が下方を向いて左右方向に所定距離をおいて並設されている。また、右側装飾体32の下部には、下方に押下操作可能な第2演出ボタン42kが設けられている。第2演出ボタン42kの操作部分は棒状に成形されている。さらに、右側装飾体32から上皿34の正面右部分にかけて、および左側装飾体33から上皿34の正面左部分にかけて、発光可能な枠ランプ53が設けられている。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、図1に加えて図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は、透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。
遊技盤1の前面には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が前方に突出して形成されている。また、センター装飾体61の外側には、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状に形成された外レール62と、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に略平行な湾曲状の内レール63と、が形成されている。
そして、遊技盤1の前面において、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の前面が、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PYで遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6の所定位置に一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(例えば、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61sが設けられている。ステージ61sの先端には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。この下方誘導部61yの直下には第1始動口11が設けられている。
遊技領域6における第1始動口11の直下には、第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
電チュー開閉部材12kは正面視略L字状部材からなり、通常は第2始動口12を閉鎖している。電チュー開閉部材12kは、前方側先端面が遊技領域6と面一状態になる退避状態から前方に突出することができる。電チュー開閉部材12kが前方に突出すると、電チュー開閉部材12kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、第2始動口12が入球可能に開放する。具体的には、電チュー開閉部材12kの水平部の左端に立設された垂直部分が遊技球を受けとめられ、水平部から第2始動口12へと導かれる。
このように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(例えば、2個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、センター装飾体61の右側にゲート13が設けられている。ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。遊技球がゲート13を通過しても賞球が払い出されない。なお、ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の下流側には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、AT開閉部材14kの作動によって大入賞口14が開閉する。
AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口14を閉鎖している。AT開閉部材14kの下端部には、水平な回転軸が設けられている。AT開閉部材14kはその回転軸を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材14kが回転すると、AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、大入賞口14が入球可能に開放する。
このように、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(基本的な実施形態では、1個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、大入賞口14に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの下方には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導経路64が遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導経路64の上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入球することはできない。
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、およびゲート13への「入賞」と総称する。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。
遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2には、不図示の多数の遊技用くぎによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
次に、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUについて説明する。盤用演出ユニットEUは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。盤用演出ユニットEUには、画像表示装置50、および盤可動装置55が取り付けられている。
画像表示装置50は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。画像表示装置50は、遊技盤1の数センチ後方に配置されている。
盤可動装置55は、動作可能な盤可動体55kを備える。盤可動体55kは、水平状態を保持された横長で板状の昇降部材55k2と、昇降部材55k2の左右方向中央に設けられた略楕円形状の回転部材55k1と、を有する。盤可動体55kは、遊技盤1と画像表示装置50との間に配されている。盤可動体55kは、初期位置に配されている待機状態において、盤可動体55kの下端部分、具体的に回転部材55k1の下端部分が、遊技盤1の開口部1Aの上端から少しだけ下方に位置している。すなわち、盤可動体55kは、待機状態において、回転部材55k1の下端部の一部のみが遊技者から視認でき、大部分が視認できないよう配されている(図3(A)参照)。
そして、盤可動体55kは、全体的に初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる(図3(B)参照)。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
また、回転部材55k1は、その中心において前後方向に形成された回転軸を中心に正面視右回りおよび左回りに回転運動することが可能である(図3(C)参照)。なお、回転部材55k1の回転運動は、盤可動体55kが待機位置から作動位置に移動するとき、作動位置に保持されているとき、および作動位置から待機位置に移動するときに実行可能である。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の上下方向略中央の右隣(遊技領域6以外の部分)に配置されている表示器類8について説明する。図4に示すように、表示器類8には、第1特別図柄(以下、「特図1」という)を可変表示する特図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特図2」という)を可変表示する特図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特図2抽選が行われると実行される。特図1抽選、および特図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特図1、および特図2を総称して「特図」といい、特図1抽選、および特図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特図1表示器81a、および特図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特図1保留表示器83a、および特図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
特図1表示器81a、および特図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特図1表示器81a、および特図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PYでは、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示が保留される。この保留された特図抽選および特図の可変表示のことを「特図保留」という。
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて保留された特図1抽選、および特図1の可変表示を表す「特図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて保留された特図2抽選、および特図2の可変表示を表す「特図2保留」と、がある。そして、特図1保留の数、すなわち保留されている特図1抽選および特図1の可変表示の数を特図1保留表示器83aが表示する。一方、特図2保留の数、すなわち保留されている特図2抽選、および特図2の可変表示の数を特図2保留表示器83bが表示する。
特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値に設けることも設けないことも可能である。また、特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値を設ける場合、特図1保留の数と特図2保留の数を同一にしても良いし、異ならせても良い。なお、基本的な実施形態では、特図1保留の数、および特図2保留の数の上限値が「4」に設定されているとする。
特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図1保留および特図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特図1保留および特図2保留の数を表示する。なお、以下において、特図1保留の数を「特図1保留数(U1)」といい、特図2保留数の数を「特図2保留数(U2)」という。また、「特図1保留数」と「特図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特図1保留表示器83a」と「特図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
また、普図の可変表示は、遊技球のゲート13への入賞を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、基本的な実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
2.遊技機の電気的構成
次に、図5~図7に基づいて、パチンコ遊技機PYの電気的な構成を説明する。図5に示すように、パチンコ遊技機PYの背面側には、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板100、遊技制御基板100による遊技の制御に応じた演出に関する制御を行う演出制御基板120、画像の制御を行う画像制御基板140、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170、および各基板100、120、140、170に電力を供給する電源基板190が取り付けられている。
電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。また、電源基板190には、押下操作可能なRAMクリアスイッチ192が設けられている。RAMクリアスイッチ192は、電源投入時に、後述する遊技制御用マイコン101の遊技用RAM104に記憶されている遊技情報を、遊技用CPU102にクリア(以下「RAMクリア」と呼ぶ)させるためのものである。RAMクリアスイッチ192は、本パチンコ遊技機PYの裏側に配置された電源基板190上に設けられている。そのため、基本的には、前扉23を開閉可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ192を操作することはできない。すなわち、RAMクリアスイッチ192は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。RAMクリアスイッチ192が特定操作(例えば、RAMクリアスイッチ192を所定時間(例えば、5秒)押下操作、RAMクリアスイッチ192を所定回数(例えば、5回)押下操作)されると、RAMクリアスイッチ192がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン101に入力される。なお、本形態では、RAMクリアスイッチ192が電源基板190上に設けられているが、RAMクリアスイッチ192の配置箇所は適宜変更可能であり、例えば遊技制御基板100上や専用の基板上に設けられていても良い。また、RAMクリアを行うためのRAMクリアスイッチ192の操作態様は特に限定されず適宜に変更しても良い。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。よって、遊技制御基板100は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。なお、遊技制御基板100の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。
遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する遊技制御メイン処理や遊技制御側タイマー割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
また、遊技用RAM104には、特図保留記憶部105が設けられている。ここで、特図保留記憶部105について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口11への入賞により取得される判定情報のことを「特図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口12への入賞により取得される判定情報のことを「特図2関連判定情報」という。また、特図1関連判定情報と特図2関連判定情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
そして、特図1関連判定情報は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関連判定情報は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図1保留数の上限値は「4」に設定されている。また、特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2関連判定情報の数、すなわち、特図2保留数の上限値は「4」に設定されている。
また、遊技制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、遊技制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、遊技制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aが含まれている。
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ14aは、大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。
また、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動する。
なお、遊技制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、遊技制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU、および払出装置73が接続されているとともに、発射装置72が接続されている。また、カードユニットCUは、パチンコ遊技機PYに隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モータ73mを駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のための払出センサ73aにより検知される。
また、発射装置72は遊技球を発射する装置である。ハンドル72kが、発射装置72に遊技球を発射させるための操作を受け付ける操作部または入力部を構成しており、発射装置72に含まれる。ハンドル72kには、遊技者などの人のハンドル72kへの接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、発射制御回路175を介して検知信号(接触検知信号)を払出制御基板170に出力する。すなわち、タッチスイッチ72aは、ハンドル72kが接触されているときには払出制御基板170に接触検知信号を出力し(ON状態にし)、ハンドル72kが接触されていないときには払出制御基板170に接触検知信号を出力しない(OFF状態にする)。さらに、ハンドル72kには、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検知可能な発射ボリュームのつまみ72bが接続されている。
払出制御基板170は、発射装置72を制御可能であり、タッチスイッチ72aからの接触検知信号がON状態、言い換えるとハンドル72kが遊技者に接触されている状態であることを条件として、発射装置72に遊技球の発射を許可する。したがって、接触検知信号がOFF状態、言い換えるとハンドル72kが遊技者に接触されていない状態では、発射装置72は遊技球を発射させることができない。発射装置72は、遊技球の発射を許可されている状態では、発射ボリュームのつまみ72bが検知したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モーター72mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PYにおいては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、遊技制御基板100から送られてきた各種コマンドに基づいて、遊技制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。
なお、遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。そして、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御回路161、およびサブドライブ基板162と共に、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。ただし、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出装置(画像表示装置50、スピーカー52、枠ランプ53、および盤可動体55k等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出などを制御可能であればよい。
なお、演出制御基板120の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出など)、客待ち演出、第1演出ボタン41kや第2演出ボタン42kの操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
演出制御用マイコン121には、遊技制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
演出用ROM123には、後述する演出制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマー割り込み処理、および10msタイマー割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
演出用RAM124には、後述する始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部125、後述する図柄指定コマンドを記憶する図柄指定コマンド記憶部126、および後述する特図変動開始コマンドを記憶する特図変動開始コマンド記憶部127が設けられている。
また、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。
CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクター、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声、楽曲、および効果音等を出力する。
スピーカー52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカー52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種センサ類や駆動源となる各種アクチュエータ類が接続されている。演出制御基板120には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、第1演出ボタンセンサ41a、および第2演出ボタンセンサ42aが含まれている。第1演出ボタンセンサ41aは、第1演出ボタン41kが押下操作されたことを検出する。第2演出ボタンセンサ42aは、第2演出ボタン42kが押下操作されたことを検出する。第1演出ボタンセンサ41a、および第2演出ボタンセンサ42aは、それぞれが操作されたことを検知すると、その検知内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、盤可動体回転用モーター55m1、および盤可動体昇降用モーター55m2が含まれている。盤可動体回転用モーター55m1は、回転部材55k1を駆動して、回転部材55k1を回転させることが可能である。盤可動体昇降用モーター55m2は、昇降部材55k2を上昇または下降させることが可能である。詳細には、演出制御用マイコン121は、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作を制御する。
なお、以下において、「回転部材55k1や昇降部材55k2」の動作を「盤可動体55kの動作」と総称することもある。また、回転部材55k1を回転させることや昇降部材55k2を下降または上昇させることについて「盤可動体55kを回転させる、または下降もしくは上昇させる」ともいう。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53などの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162を基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53等の点灯制御、および、盤可動体55kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な遊技について、図8~図15を用いて説明する。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を実行することができる。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。
当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PYは、普図変動始動条件が成立し、普図関連判定情報を取得して普図抽選を行うことに基づいて、普図の可変表示、および補助遊技といった一連の遊技を行うことができる。取得する普図関連判定情報には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、例えば図9(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。
各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-1-2.普図変動パターン判定・普図可変表示
普図変動パターン判定は、例えば図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられる場合、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PYは、非時短状態と時短状態とで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。なお、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。
そして、普図変動パターン判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。補助遊技において、電チュー12Dが開放する
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。パチンコ遊技機PYは、補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。例えば図9(C)に示すように、補助遊技制御テーブルに遊技状態(非時短状態/時短状態)を関連付けることが可能である。すなわち、補助遊技構成要素を、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。なお、開放回数や開放時間などの各要素の具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PYは、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、0.2秒などの遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な第1の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。一方、時短状態における補助遊技では、例えば、1.0秒のインターバル(閉鎖)を挟んだ2.5秒の2回開放などの第1の開放時間よりも長く、遊技球を電チュー12Dに入賞させることが容易な第2の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。
なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。一方、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。また、各補助遊技における開放時間は、その補助遊技での合計時間であり、例えば、一度開放した後に一旦閉鎖するインターバルを挟んで再度開放するなど、1回の補助遊技の中で複数回開放するように構成しても良い。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を実行することができる。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。また、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を実行することができる。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。さらに、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
また、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PYは、始動条件が成立し、特図関連判定情報を取得して特図抽選を行うことに基づいて、特図の可変表示、および大当たり遊技といった一連の遊技を行う。そして、特図の可変表示を行うために、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。
特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)、言い換えると、大当たり、またはハズレの何れかを決定することである。大当たり判定テーブルは、例えば図10(A)に示すように、後述する遊技状態に関連付けて設けることができる。具体的には、大当たり判定テーブルには、後述する通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「通常確率用大当たり判定テーブル」という)と、後述する高確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)と、がある。
遊技状態に関連付けられた各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PYは、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに、取得した特別図柄乱数を照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
なお、大当たり確率や各種大当たり判定の判定結果に対する特別図柄乱数判定値の振り分け方については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、例えば図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定することである。大当たり図柄の種別に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素(遊技者に有利な内容)を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄は複数種類設定可能である。各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
特図1の大当たり図柄、および特図2の大当たり図柄の種類は適宜に設定することができるが、例えば、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、特図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄を設け、特図2の大当たり図柄として、大当たり図柄D、大当たり図柄E、および大当たり図柄Fの3種類の大当たり図柄を設けることができる。そして、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、例えば、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定することである。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、例えば、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。
図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。また、「リーチ無しハズレ」のことを「どハズレ」と称し、「リーチ有りハズレ」のことを「リーチハズレ」と称することもある。
3-2-4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、例えば図11~図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定することである。
特図変動パターンとは、特図変動時間、所謂「尺」や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果、およびリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることも可能である。なお、特図変動パターンの種類や数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)とがある。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。具体的には、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図1変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、非時短用特図2変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図1保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。同様に、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルも、特図2保留数にも関連付けることが可能である。具体的には、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の変動表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の変動表示の後に、特図可変表示の表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンに、図11~図12の表の右から3番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローを関連付けることが可能である。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する代表的な演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ロングリーチ(Lリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)、バトル演出、がある。
通常変動は、停止表示していた演出図柄が変動を開始し、各演出図柄を構成する1つ1つが認識困難な程度に高速で変動表示して特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出である。そして、リーチ無しハズレ変動に係る特図変動演出(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、リーチが発生する特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されることがある。
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、例えば当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチ、およびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチ、SPリーチに発展する(切り替わる)。
Lリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、Lリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Nリーチよりも長時間行われ、Nリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像に切り替わる(Lリーチ専用の映像が流れる)。なお、Lリーチでは、主に表示部50aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、主人公キャラクターが必殺技を習得するために特訓を行うなど後述のSPリーチに係る試合とは異なるシーンの映像が表示される。
SPリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、SPリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Lリーチよりも長時間行われ、Lリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、SPリーチ専用の背景画像に切り替わる(SPリーチ専用の映像が流れる)。なお、SPリーチでは、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、主人公キャラクターが所属するチームと、主人公キャラクターのライバルが所属するチームとが試合を行うシーンの映像が表示される。
バトル演出は、例えば時短状態においてリーチ後に実行可能な演出であり、通常変動よりも大当たり期待度が高いことを示唆する演出である。バトル演出でも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、バトル演出専用の背景画像に切り替わる(バトル演出専用の映像が流れる)。また、バトル演出では、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。
なお、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出における「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出においてリーチを構成する演出図柄が表示部50aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部50aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。また、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出の演出内容は適宜に変更可能である。さらに、特図変動演出を構成する演出は、これらに限られず、適宜に加え、あるいは減らすことが可能である。
また、図11~図12の表の右から2番目の欄に示すように、特図変動パターンに、大当たり判定結果および特図変動演出の演出内容などを関連付けて名称を付すことが可能である。そして、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と総称することもある。
さらに、大当たり判定結果に関わらずSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nリーチ変動」と総称することもある。また、リーチ有りのハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」といい、リーチ無しのハズレ変動のことを「通常ハズレ変動」と総称することもある。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PYは、大当たり判定を行う前に、取得した特図関連判定情報に基づいて、例えば図13~図14に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行うことが可能である。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)、言い換えると、その始動入賞によって可変表示される特図の種類(特図1/特図2)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞し、特図1の可変表示が行われる場合の第1先読み判定テーブル(図13)と、第2始動口12に入賞し、特図2の可変表示が行われる場合の第2先読み判定テーブル(図14)と、がある。なお、第1先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第1先読み判定」、第2先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第2先読み判定」ともいう。
また、先読み判定テーブルは、後述する遊技状態(通常遊技状態/高確率高ベース遊技状態/低確率高ベース遊技状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(通常遊技状態用先読み判定テーブル)と、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(高確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(低確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、通常遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。
なお、図13~図14に示す先読み判定テーブルを用いる先読み判定によって、当該始動口11、12への入賞によって行われる特図の可変表示に係る特図変動パターンが特定される。すなわち、当該入賞に基づく特図の可変表示が行われるよりも前にその特図の可変表示に係る特図変動パターンが先読み判定結果として特定される。特図変動パターンを特定する過程で、大当たりの当否も先読み判定結果として特定される。
そして、特図変動パターンなどに関する情報が含まれる先読み判定結果は始動入賞コマンドに対応付けられている。後述するように、始動入賞コマンドは、その生成に伴って先読み判定結果として演出制御基板120に送信される。なお、先読み判定結果としてどのような情報を特定させるかは適宜に変更可能である。例えば、大当たり図柄種別に関する情報も先読み判定結果に含ませることができる。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器81において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
3-3.大当たり遊技
大当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。
なお、OPやEDを設けないようすることが可能である。また、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
そして、パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルは大当たり図柄の種別毎に設定することが可能である。すなわち、大当たり遊技を大当たり図柄の種別に対応付けることが可能である。そして、大当たり遊技は1種類、または複数種類設定可能である。
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)が格納されている。大当たり遊技構成要素には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口14の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。
そして、パチンコ遊技機PYは、例えば図15(A)に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御することが可能である。すなわち、図15(A)に示すような大当たり遊技の種別および各大当たり遊技に対する大当たり遊技構成要素を設定することが可能である。ここで、図15(A)で設定されている大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第1大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第2大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第2大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第3大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第3大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第4大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第4大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Eに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第5大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第5大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Fに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第6大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第6大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
なお、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14aによって検知されると、大入賞口14の最大開放時間が経過する前であっても、大入賞口14を閉鎖してラウンド遊技が終了する。また、大当たり遊技構成要素の種類や具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
また、図15(A)に示す大当たり遊技制御テーブルでは、何れの種類の大当たり遊技が実行されるかは、大当たり図柄の種類によって決定されているが、これとは異なる方法で大当たり遊技が実行されるようにしても良い。例えば、遊技領域6に2つの入賞口に振分け可能な装置を設け、一方の入賞口に入賞すると所定数のラウンド遊技からなる大当たり遊技のみが実行される一方、他方の入賞口に入賞すると、所定数より多いラウンド遊技からなる大当たり遊技と所定数より少ないラウンド遊技からなる大当たり遊技の何れかが抽選などによって所定の確率で実行されるようにしても良い。
3-4.遊技状態
次に、パチンコ遊技機PYが制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技が実行されている状態である大当たり遊技状態と、大当たり遊技が実行されていない非大当たり遊技状態がある。非大当たり遊技状態には、基本的なベースとなる遊技状態である通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態と、がある。この特定遊技状態に係る「遊技者に有利」となる要素には大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性とがある。すなわち、特定遊技状態に大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性を関連付けることができる。
大当たり確率について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも大当たり確率が高くなり、大当たり当選し易くなるということである。また、第2始動口12の開放の容易性について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも第2始動口12の開放の容易性が高くなり、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が長くなるということである。
そして、特定遊技状態としては、大当たり確率および第2始動口12の単位時間あたりの開放時間の何れもが遊技者に有利な第1特定遊技状態と、大当たり確率のみが遊技者に有利な第2特定遊技状態と、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間のみが遊技者に有利な第3特定遊技状態の3種類を設定可能である。なお、これらの3種類の特定遊技状態の全てをパチンコ遊技機PYに搭載せずに、3種類の特定遊技状態の中の一部を搭載することもできる。
ここで、大当たり確率に注目した部分的な遊技状態として、大当たり確率が通常遊技状態よりも高くなり、大当たり確率について遊技者に有利な状態を「高確率状態」という。これに対して、大当たり確率が通常遊技状態での通常確率であり、大当たり確率について遊技者に有利ではない状態を「通常確率状態」という。
また、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間に注目した部分的な遊技状態として、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態よりも長く、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利な状態を「時短状態」という。これに対して、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態での開放時間であり、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利ではない状態を「非時短状態」という。
ここで、非時短状態と時短状態について詳細に説明する。前述のように、時短状態は、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。すなわち、時短状態は非時短状態よりも第2始動口12に入賞させ易い状態である。ここで、非時短状態よりも時短状態で第2始動口12に入賞させ易くするための具体的な方法について説明する。
例えば、時短状態を、非時短状態に比べて普図変動時間が短くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、当たり判定の結果に関わらず、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30.0秒)よりも短い普図変動時間(5.0秒)が決定されるようにする。その結果、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が同一であると、単位時間あたりにおける普図抽選の実行回数が多い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
また、時短状態を、非時短状態に比べて1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが合計で5.0秒開放するようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と普図変動時間が同一であると、単位時間あたりの補助遊技の実行回数が等しくなるため、1回の補助遊技での電チュー12Dの開放時間が長い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
さらに、時短状態を、非時短状態に比べて当たり判定で当たりと判定され易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、当たり判定において6600/65536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/65536の確率で当たりと判定されるようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間と普図変動時間が同一であると、当たり判定で当たりと判定される確率が高い分、単位時間あたりの当たり判定の回数が多くなるため、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
このように、時短状態においては非時短状態よりも当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易いことからなる3つの条件が成立することによって、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞を容易にすることができる。この結果、発射球数に対する賞球数の割合である所謂「ベース」が高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、通常遊技状態に比べて所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも遊技者にとって有利であるといえる。
なお、時短状態においては、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間が長くなるための3つの条件が全て揃わずに一部の条件のみが揃うようにしても良い。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞が容易になればよい。
また、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易くなるようにするなどして、単位時間あたりにおける特図可変表示の実行回数が少ない、または特図変動時間の平均が低くなるようにしても良い。その結果、時短状態では、特図保留が消化されるペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
なお、以下において、各特定遊技状態について遊技者に対する有利性の内容に関連付けて、第1特定遊技状態のことを「高確率高ベース遊技状態」、第2特定遊技状態のことを「高確率低ベース遊技状態」、および第3特定遊技状態のことを「低確率高ベース遊技状態」ともいう。さらに、通常遊技状態のことを「低確率低ベース遊技状態」ともいう。
よって、低確率低ベース遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態で制御されている遊技状態といえる。同様に、低確率高ベース遊技状態は通常確率状態且つ時短状態、高確率低ベース遊技状態は高確率状態且つ非時短状態、および高確率高ベース遊技状態は高確率状態且つ時短状態で制御されている遊技状態といえる。
このように、パチンコ遊技機PYは、低確率低ベース遊技状態、低確率高ベース遊技状態、高確率低ベース遊技状態、高確率高ベース遊技状態、および大当たり遊技状態で制御可能である。なお、大当たり遊技状態では、大入賞口14が長時間開放し、遊技球を多量に獲得することができるので、大当たり遊技状態も遊技者に有利な遊技状態ということができる。よって、大当たり遊技状態と、特定遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な「有利遊技状態」ということもできる。
なお、高確率高ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態は、大当たり確率が通常確率状態よりも高確率となっている点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。また、高確率高ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態は、第2始動口12への入賞容易性が非時短状態よりも高い点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。さらには、大当たり遊技状態では、1回の入賞による賞球数が第1始動口11、および第2始動口12よりも多い大入賞口14が開放するので、大当たり遊技状態は低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。
また、パチンコ遊技機PYの電源が投入されると最初に通常遊技状態が設定される。また、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の停止表示が行われることによって設定される。一方、特定遊技状態は、大当たり当選して大当たり遊技が実行されることによって設定される。次に、特定遊技状態の設定について説明する。
3-5.特定遊技状態の設定
パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技の終了に伴って、新たに特定遊技状態を設定することができる。すなわち、大当たり遊技の後に、特定遊技状態にて遊技を制御・進行させることができる。この特定遊技状態の継続期間は適宜に設定可能である。例えば、特定遊技状態を次回大当たり当選するまで継続させることができる。また、特定遊技状態が継続できる期間を制限することもできる。
特定遊技状態の継続期間を制限させる場合は、継続期間に対する終了条件が成立することを契機に特定遊技状態を終了させることができる。そして、特定遊技状態が終了すると通常遊技状態が設定されるようにすることができる。また、高確率高ベース遊技状態については、終了条件が成立すると、低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態が設定されるようにすることもできる。この場合、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態は次回大当たり当選するまで継続するようにしても良い。また、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態についても同一または異なる終了条件を設け、当該終了条件が成立すると通常遊技状態が設定されるようにしても良い。
また、特定遊技状態の継続期間に対する終了条件は適宜に設定することができる。終了条件として、例えば特図可変表示の実行回数を設定することができる。また、特図可変表示の実行回数に限られず、大当たり遊技後の経過時間、大当たり遊技後の遊技球の発射球数、大当たり遊技後のゲート13への通過回数、または特定遊技状態を終了させるか否かの抽選(所謂、「転落抽選」)において終了させるという結果の導出などを終了条件に設定することができる。さらには、これらの要素を単独で終了条件に設定しても良く、また複合的に設定しても良い。
なお、これらの終了条件は、大当たり遊技後に設定可能な全ての特定遊技状態に対して同一に設定しても良く、また設定可能な特定遊技状態の中の一部の特定遊技状態に対して設定しても良い。さらに、特定遊技状態毎に終了条件を異ならせても良い。
さらに、大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容は、その大当たり遊技に係る大当たり図柄種別に対応付けることが可能である。例えば、前述のように大当たり図柄種別が設定されている場合、図15(B)に示すように、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dに係る大当たり遊技の終了後に高確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この高確率高ベース遊技状態については終了条件を設けずに、大当たり当選するまで継続可能にすることができる。さらに、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技の終了後に低確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この低確率高ベース遊技状態については終了条件を設け、終了条件として100回の特図可変表示に設定することができる。なお、この大当たり種別図柄と大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容との関係は一例であって、これに限られない。
また、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行する大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な演出について、図16~図32を用いて説明する。なお、パチンコ遊技機PYには、演出上、主人公キャラクターや敵キャラクターによる野球の物語が題材として対応付けられている。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PYは、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図可変表示が行われていないときに設定可能であり、特図可変表示が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図16(A)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PYを紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに第1演出ボタン41kが操作されると、図16(B)に示すように、パチンコ遊技機PYの演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカー52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、および実行される演出の頻度設定などがある。なお、演出に関する設定の項目は適宜に設定することができる。また、客待ちデモ動画G100から遊技者の操作によって設定画面G101が表示されないようにすることもできる。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」において設定可能であり、通常遊技状態であることを示す演出モードである。そして、さらに通常演出モードに属する下位の演出モードを複数設けることができる。例えば、通常演出モードに属する下位の階層の演出モードとして、第1通常演出モード、第2通常演出モード、および第3通常演出モードなどを設けることができる。
なお、以下において、演出モードに属する下位の階層の演出モードを「演出ステージ」ともいう。それに伴って、第1通常演出モードを「第1通常演出ステージ」ともいい、第2通常演出モードを「第2通常演出ステージ」ともいい、第3通常演出モードを「第3通常演出ステージ」ともいう。なお、特段の事情がない場合以外、基本的にはパチンコ遊技機PYの電源が投入された後、最初に特図変動表示が開始されたときに設定される演出モードは第1通常演出ステージ(第1通常演出モード)であるとする。ただし、当該最初に設定される演出モードの種類は特に限定されずに適宜変更しても良い。
このように通常演出モードに属する複数の演出ステージを設けた場合、所定の切替条件が成立すると演出ステージを順番に繰り返して切り替えていくことができる。切替条件は適宜に設定可能であるが、例えば、切替条件として、大当たりに当選することなく所定回数の特図可変演出が行われることに設定することができる。さらに、切替条件として、SPリーチハズレ変動に基づく特図変動演出など、特定の演出が実行されることに設定することもできる。
また、後述するように特図変動演出においてリーチが発生することがあるが、特図変動演出を、リーチが発生しない場合の特図変動演出の全区間、およびリーチが発生する場合のリーチが成立する前の前段部分と、リーチが発生する場合のリーチが成立した後の後段部分と、に分けることができる。なお、前段部分は、前述の「通常変動」で構成される。
そして、第1通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に街の景色を表す背景画像(図17(A):第1通常用背景画像G111)が表示される。第2通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に野球場のグラウンドを表す背景画像(図17(B):第2通常用背景画像G112)が表示される。第3通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に飲食店内を表す背景画像(図17(C):第3通常用背景画像G113)が表示される。一方、第1通常演出ステージ~第3通常演出ステージの後段部分では、第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112および第3通常用背景画像G113が表示されず、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像は、演出ステージの種別に関係なく通常演出モードに共通の背景画像としても良く、また、演出ステージ毎に異なる背景画像としても良い。
また、「高確率低ベース遊技状態」においても通常演出モードを設定可能にし、通常演出モードは非時短状態であることを示す演出モードにしても良い。あるいは「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定され、通常演出モードとは異なる所定の演出モードを設けても良い。さらに、ある条件で発生した低確率低ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態において、通常演出モードと異なる所定の演出モードを設定しても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、高確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードである。確変演出モードの前段部分では、例えば、図17(D)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G120)が表示され、確変用BGMがスピーカー52から出力される。また、確変演出モードの後段部分では、確変演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、低確率高ベース遊技状態、または高確率高ベース遊技状態の何れかであり、少なくとも時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードの前段部分では、例えば、図17(E)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G130)が表示され、時短用BGMがスピーカー52から出力される。また、時短演出モードの後段部分では、時短演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、時短演出モードは、低確率高ベース遊技状態においてのみ設定され、低確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードにすることもできる。
また、確変演出モードおよび時短演出モードの何れもまたは何れか一方について、通常演出モードと同様に、さらにその演出モード用の演出ステージを複数設け、所定の切替条件が成立すると、演出ステージが切り替わるようにしても良い。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中に、図18(A)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G1や「右打ち」を促す右打ち画像G2が表示される大当たりオープニング演出が行われる。加えて、オープニング中には、大当たりオープニング演出として、表示部50aにおいて、オープニング画像G1や右打ち画像G2の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(オープニング用背景画像G200)が表示される。
また、大当たり演出モードでは、大当たり遊技におけるラウンド遊技中に、図18(B)に示すように、表示部50aにおいて、右打ち画像G2がオープニングから引き続いて表示されると共に、ラウンド数を示すラウンド画像G3や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G4が表示されるラウンド演出が行われる。加えて、ラウンド遊技中には、ラウンド演出として、表示部50aにおいて、右打ち画像G2、ラウンド画像G3、および賞球数画像G4の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(ラウンド用背景画像G201)が表示されると共に、スピーカー52から大当たり遊技の種別に応じたBGMが出力される。
さらに、大当たり遊技におけるエンディング中には、図18(C)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G5や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G6が表示される大当たりエンディング演出が行われる。加えて、エンディング中には、大当たりエンディング演出として、表示部50aにおいて、エンディング画像G5や総賞球数画像G6の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(エンディング用背景画像G202)が表示される。
なお、以下において、大当たりオープニング演出、ラウンド演出、および大当たりエンディング演出を合わせて、大当たり遊技において実行される演出として「大当たり遊技演出」ともいう。すなわち、大当たり演出モードにおいて大当たり遊技演出が行われる。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。
特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、基本的には、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、表示部50aで行われる特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外の画像を用いることも可能である。さらに、表示部50aを含む画像表示装置50以外に、スピーカー52、枠ランプ53、盤可動装置55、第1演出ボタン装置41、および第2演出ボタン装置42などの様々な演出装置を用いた特図変動演出を行うことが可能である。
次に、特図可変表示に応じて実行される特図変動演出において、表示部50aに表示される演出図柄について説明する。演出図柄は、特図抽選結果を示すための識別情報でもあり、複数種類設けられている。詳細には、演出図柄の構成要素の1つが、特図抽選結果を示すための識別情報を構成し、その識別情報の違いによって演出図柄が複数種類設けられている。
例えば、図19(A)に示すように、演出図柄を1~9の数字で構成させ、9つの演出図柄を設けることができる。そして、数字「1」を含む演出図柄を演出図柄G10aとする。同様に、数字「2」~数字「9」を含む演出図柄を演出図柄G10b~演出図柄G10eとする。なお、便宜上、個々の演出図柄を区別なく取り扱う場合は、「演出図柄G10」と総称する。
また、「3」、および「7」に係る演出図柄G10c、G10gの数字部分は赤色であり、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」、および「9」の演出図柄G10a、G10b、G10d、G10e、G10f、G10h、G10iの数字部分は青色である。すなわち、演出図柄G10の構成要素に、色が含まれている。なお、演出図柄G10の構成や識別情報を何に設定するかは適宜に変更しても良い。例えば、演出図柄G10に、各数字に対応付けられたキャラクターなどの他の構成要素を加えても良い。
続いて、演出図柄G10を表示するための演出図柄表示領域について説明する。例えば、図19(B)に示すように、表示部50aを水平方向に略均等に3つに分けた左側、中央および右側を、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3とすることができる。左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3の何れにも演出図柄G10が表示される。
そして、主に、特図変動演出の前段部分において、左演出図柄領域50b1に表示される演出図柄G10を「左演出図柄EZ1」と総称し、中演出図柄領域50b2に表示される演出図柄G10を「中演出図柄EZ2」と総称し、および右演出図柄領域50b3に表示される演出図柄G10を「右演出図柄EZ3」と総称する。すなわち、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3において、共通して、数字の1~9からなる演出図柄G10が表示されるが、相対的な表示位置で演出図柄G10を区別する場合には、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3と表記する。
なお、後述するように、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、最終的には、特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別、リーチ判定結果)を示す態様で演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。そして、特図抽選結果として大当たりを報知する場合には、同じ数字の演出図柄G10が3つ横に並ぶように(所謂「ゾロ目」で)、演出図柄EZ1~EZ3が停止表示する。そこで、以下において、大当たりを報知する場合に停止表示している演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「大当たり演出図柄」と称する。例えば、演出図柄EZ1~EZ3が「7・7・7」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10g」となり、「9・9・9」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10i」となる。また、さらに、大当たり演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、大当たり演出図柄が「演出図柄G10g」であれば大当たり演出図柄は「7」となり、大当たり演出図柄が「演出図柄G10i」であれば大当たり演出図柄は「9」となる。また、後述するように、特図変動演出において、特図抽選結果が完全に示されるのは、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示するときである。しかしながら、基本的には、特図変動演出の途中で、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する前に、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示(仮停止表示)する。これは、一度暫定的に停止表示された演出図柄EZ1~EZ3の内容が変更することもあるからである。例えば、ある(相対的に遊技者に不利な)大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示した後に、別の(相対的に遊技者に有利な)大当たりを示す態様に変更されることがある。そこで、このように最初に大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示する場合(変更される前)の演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことについても「大当たり演出図柄」と称する。
また、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の途中で、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が同じ数字の演出図柄G10で暫定的に停止表示(仮停止表示)するリーチを行うことがある。後述するように、リーチは、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出であり、リーチが行われたことによって大当たりに対してチャンスアップしたことになる。そこで、リーチに係る左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「リーチ演出図柄」と称する。例えば、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が「1」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10a」となり、「3」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10c」となる。また、さらに、リーチ演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、リーチ演出図柄が「演出図柄G10a」であればリーチ演出図柄を「1」と略称し、リーチ演出図柄が「演出図柄G10c」であればリーチ演出図柄を「3」と略称する。
また、図19(B)に示すように、表示部50aの下端部の左端(左下隅)の一区画に、小図柄を可変表示する小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cにおいて、特図の可変表示に応じて小図柄を可変表示させることができる。なお、小図柄のデザインは適宜に設定可能であるが、例えば、演出図柄G10の数字部分をそのまま縮小させて構成させることができる。
なお、図19(B)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは一点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
また、前述したように、特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出がある。ここで、これらの一部について説明する。
4-2-1.通常変動
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。次に、通常変動を具体的に説明する。なお、小図柄として、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3に対応する左小図柄KZ1、中小図柄KZ2、および右小図柄KZ3が小図柄領域50cで可変表示する。
例えば、図20(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、特図の可変表示が開始されると、図20(B)に示すように、その開始に伴って特図変動演出が開始される。具体的には、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。
演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを異ならせることができる。例えば、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示は、各演出図柄EZ1~EZ3が表示部50aの上から下にスクロール表示して行い、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は、各小図柄KZ1~KZ3を定位置で次々に入れ替えて行うようにしても良い。なお、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを同一にしても良い。
また、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は変動表示の開始直後から高速で変動表示する。演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3が高速で変動表示されている間は、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は、基本的に背景画像G111~G114などのその背景側の画像が視認容易な透明性を持って表示される。
そして、この特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常ハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
演出図柄EZ1~EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図20(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に図20(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、さらに、図20(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)する。
そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で暫定的に停止(仮停止)している演出図柄EZ1~EZ3が、図20(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる)。暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の確定的な停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。
なお、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止するとは、演出図柄EZ1~EZ3がスクロール表示のように場所を大きく移動することはなく、その場で微かに揺れたり小さく往復運動することをいう。よって、厳密には、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示している状態と、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示している状態とは異なるが、この暫定的な停止表示と確定的な停止表示を広義に「停止表示」と称することもある。また、図20の例では、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が停止したが、停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。
4-2-2.リーチ
次に、リーチの成立について説明する。特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)である場合も、基本的には前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、図21(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示されていると共に、小図柄KZ1~KZ3が停止表示されている状態から、特図の可変表示が開始されて、図21(B)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始すると共に、小図柄KZ1~KZ3の変動表示が開始する。
その後、所定時間が経過した後に、図21(C)に示すように、数字「5」に係る左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に、図21(D)に示すように、同一の数字「5」に係る右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで暫定的に停止(仮停止)して、リーチが成立する。リーチが成立したときには、リーチが成立したことを示す画像(リーチ成立示唆画像)G11が表示される。なお、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3でリーチが成立しても、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は継続して行われている。
さらに、図21の例では、リーチが成立する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が暫定的に停止(仮停止)したが、仮停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、暫定的に停止(仮停止)する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
このように、リーチ無しハズレである場合の特図変動演出の全期間と、リーチが発生する場合の特図変動演出の開始時からリーチ成立時までの区間を通常変動とすることができる。ただし、リーチが成立するまでの時間は、特図変動パターンなどに基づいて適宜に設定することができる。さらに、リーチが成立するまでの間に、所謂「疑似連」や、カットイン予告、台詞予告などの種々の予告演出を実行することも可能である。あるいは、リーチが成立するまでの間に、所謂「ゾーン」に突入するようにすることも可能である。
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PYは、通常変動の後にリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。次に、Nリーチを具体的に説明する。
リーチが成立すると、例えば、図21(D)に示すように、その時点からNリーチが行われる。Nリーチでは、図22(A)に示すように、リーチが成立したときの状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図22(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、リーチが成立した状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)してハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。このとき、リーチが成立しているので、図22(C-1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図22(C-1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、図22(D-1)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
また、暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。なお、Nリーチの内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、図22(C-2)に示すように、停止していない残りの1つの中演出図柄EZ2が再び高速で変動すると、表示部50a全体が徐々に白くなっていき、図22(D-2)に示すように、ホワイトアウトした後に、LリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)ことがある。
4-2-4.Lリーチ
パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図23(A)に示すように、Lリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、Lリーチの開始時に、例えば、図23(A)に示すように、表示部50aにLリーチ専用の背景画像(Lリーチ用背景画像G114)が表示される。Lリーチ用背景画像G114は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。Lリーチ用背景画像G114に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクターが女の子に告白するという内容で構成されている。
Lリーチ用背景画像G114が表示されると、最初に、図23(A)に示すように、主人公キャラクターがある待ち合わせ場所で女の子を待っているシーンから開始される。続いて、図23(B)に示すように、待ち合わせ場所に女の子が現れる。このとき、表示部50aの略中央にて、中演出図柄EZ2として、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が現れて、奥側から手前側に出てきてはまた奥側へ戻るようにゆっくりと回転する。
数字「4」の演出図柄と数字「5」の演出図柄の回転が継続して行われている中、Lリーチ用背景画像G114に係るスーリーが進展する。そして、図23(C)に示すように、主人公キャラクターが女の子に告白するシーンを迎える。このとき、表示部50aの略中央にて、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が相互に相手を弾き飛ばそうとぶつかり合う。数字「5」の演出図柄はリーチを構成し、数字「4」の演出図柄はリーチを構成していないことから、数字「4」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「5」の演出図柄が残ると、大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する一方、数字「5」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「4」の演出図柄が残ると、リーチハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する。よって、この図23(C)の場面は、当該Lリーチの最終局面であり、大当たりを示唆する演出(大当たり示唆演出)が実行されるかハズレを示唆する演出(ハズレ示唆演出)が実行されるかに分岐する分岐点(所謂「当落分岐点」)を構成している。
当落分岐点において、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(L大当たり変動)であると、図24(A-1)に示すように、表示部50aに、笑顔の女の子がアップで表示された後、図24(B-1)に示すように、告白に成功して喜んでいる主人公キャラクターが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、そのリーチを構成している数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3が大当たりを示す態様で仮停止表示している。
告白に成功して喜んでいる主人公キャラクターの表示と、所定の効果音の出力とは、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、図24(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動(Lハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、Lリーチ用背景画像G114にて、図24(A-2)に示すように、表示部50aに、悲しい表情をした女の子がアップで表示された後、図24(B-2)に示すように、告白に失敗して落胆している主人公キャラクターが表示される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、リーチを構成していない数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3がリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
告白に失敗して落胆している主人公キャラクターの表示は、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、図24(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
4-2-5.SPリーチ
また、パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Lリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図25(A)に示すように、SPリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、SPリーチの開始時に、例えば、図25(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G115)が表示される。SPリーチ用背景画像G115は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。SPリーチ用背景画像G115に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクターと、主人公キャラクターのライバルである敵キャラクターとが対決するという内容で構成されている。なお、主人公キャラクターは野球のピッチャーであり、敵キャラクターは野球のバッターであり、両者は野球の試合においてピッチャーとバッターの立場で対決する。
SPリーチ用背景画像G115が表示されると、最初に、図25(A)に示すように、敵キャラクターが出現し、続いて、図25(B)に示すように、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G11が表示される。SPリーチ開始タイトル画像G11は、SPリーチのタイトルを表すタイトル画像G11a「図25(B)において「敵バッター○○を打ち取れ!!」」と、タイトル画像G11aを引き立てるエフェクト画像G11bとで構成される。
次に、図25(C)に示すように、主人公キャラクターと敵キャラクターが対峙しているシーンが表示される。その後、SPリーチ用背景画像G115にて、図26(A)に示すように、主人公キャラクターがボールを投げ、図26(B)に示すように、ボールが敵キャラクターに向かって進み、図26(C)に示すように、敵キャラクターがバットを振り始める。続いて、図26(D)に示すように、ボールとバットとが接近し、主人公キャラクターと敵キャラクターとの対決に決着がつこうとする場面を迎える。この場面は、ピッチャーとバッターの対決で主人公キャラクターが勝利して大当たりが示唆されるか敗北してハズレが示唆されるかの分岐点(当落分岐点)を構成する。
この当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、図27(A-1)に示すように、表示部50aに、敵キャラクターが空振りをして対決に勝利した後、図27(B-1)に示すように、敵キャラクターを三振に取ってマウンド上で雄叫びを上げる主人公キャラクターが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、演出図柄EZ1~EZ3は大当たりを示す態様で仮停止表示している。
対決に勝利して雄叫びを上げている主人公キャラクターの表示と、所定の効果音の出力とが、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、図27(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、SPリーチ用背景画像G115にて、図27(A-2)に示すように、敵キャラクターがホームランを打って対決に敗北し、図27(B-2)に示すように、主人公キャラクターがマウンド上で落胆する。このとき、演出図柄EZ1~EZ3はリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
対決に敗北して落胆している主人公キャラクターの表示が、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、図27(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
次に、特図変動演出において行われる可動体演出と操作演出について説明する。可動体演出と操作演出は、前述のSPリーチ、Lリーチ、およびNリーチ、さらには大当たり遊技演出などに組み込まれる形でこれらの演出の一部として行われる場合と、これらの演出とは独立して行われる場合とがある。最初に可動体演出について説明する。
4-3.可動体演出
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで可動体の動作を伴う可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、例えば盤可動装置55などの可動装置を用いた演出であり、大当たり期待度やSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する。
例えば、可動体演出がSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する場合、図28(A)に示すように、特図変動演出において、NリーチからSPリーチに発展する際に、まずは図28(B)に示すように、盤可動装置55が作動し、盤可動体55kが正面視で作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持される。さらに、このとき、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13も表示される。そして、図28(C)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、盤可動体55kが待機位置まで上昇して、盤可動装置55が通常の待機状態に戻る。盤可動装置55が通常の待機状態に戻ると、SPリーチに発展する。なお、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4.操作演出
次に操作演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで、操作促進演出、および第1演出ボタン41kや第2演出ボタン42k等の操作に応じた操作結果演出を含む操作演出を行うことが可能である。操作促進演出は、遊技者に操作手段の操作を促す演出であり、操作結果演出は、操作促進演出における操作手段の操作に応じて行われる演出であり、それぞれ遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
例えば、前述のように、LリーチやSPリーチにおいて当落分岐点に達すると、第1演出ボタン41kの押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、図29(A)に示すように、第1演出ボタン41kの操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。
操作促進演出において、表示部50aに、第1演出ボタン操作促進演出画像G12が表示される。第1演出ボタン操作促進演出画像G12は、操作対象である第1演出ボタン41kを表す画像(操作対象画像)G12aと、第1演出ボタン41kの操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G12bと、第1演出ボタン41kの操作に係る操作有効期間(操作有効期間)の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像)G12cと、を含む。
なお、操作有効期間残り時間画像G12cは、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。なお、図29(B)は、操作有効期間が発生して、操作有効時間の1/3の時間が経過した様子を表している。
そして、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン41kが押下操作された後、または、操作有効期間において第1演出ボタン41kが操作されることなく操作有効期間の残り時間がなくなった後、操作結果演出が行われる。
操作結果演出としては、例えば図29(C)に示すように、盤可動装置55が作動して、盤可動体55kが作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持されると共に、回転部材55k1が所定時間回転する。このように、操作結果演出に可動体演出も含まれている。さらに、このとき、操作結果演出として、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13が表示される。そして、図29(D)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、回転部材55k1の回転が止まり、盤可動体55kが上昇することによって操作結果演出が終了する。操作結果演出が終了すると大当たり示唆演出が行われる。
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン41kが押下操作されても、または、第1演出ボタン41kが押下操作されることなく演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなっても、操作結果演出が行われることがなく、ハズレ示唆演出が行われる。
なお、操作結果演出は、盤可動装置55の作動やエフェクト画像G13の表示に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、操作演出は特図変動演出に限られず大当たり演出においても実行可能である。
4-5.先読み演出
次に、特図保留の対象となる特図可変表示が実行される前に実行可能な先読み演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出の任意のタイミングで、先読み判定の結果に基づいて、大当たり判定が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する大当たり期待度を示唆する演出であり、その保留に対応する特図の可変表示の前から大当たりを期待させる演出として機能する。先読み演出の一例として、特図保留を表す保留演出を用いた保留変化予告がある。ここで、通常演出モードにおいて行われる保留演出、および保留変化予告について説明する。
保留演出は、図30(A)に示すように、表示部50aの下端部における略中央の一区画において横長矩形状に形成された保留表示領域50dにおいて行われる。保留表示領域50dは、保留表示領域50dを左右方向に略均等に4つに分割した第1領域50d1、第2領域50d2、第3領域50d3、および、第4領域50d4で構成されている。すなわち、保留表示領域50dにおいて、第1領域50d1~第4領域50d4が左端から右端に向けて順に並んで設けられている。
第1領域50d1には、保留されている特図1保留の中で最も先に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて最も先に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。同様に、第2領域50d2~第4領域50d4には、保留されている特図1保留の中で2~4番目に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて2~4番目に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。
なお、以下において、第1領域50d1に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順1の特図1保留」と称する。同様に、第2領域50d2、第3領域50d3、および第4領域50d4に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順2の特図1保留」、「保留順3の特図1保留」、および「保留順4の特図1保留」と称する。すなわち、存在している特図1保留について、発生した順に「保留順1」~「保留順4」と称する。
また、保留表示領域50dの左隣には、当該表示領域50eが形成されている。当該表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す当該アイコンが表示される。よって、当該表示領域50eに表示される当該アイコンが示す対象は、保留表示領域50dに表示される保留アイコンが示す対象と異なり、厳密には、特図1保留に応じた「保留演出」には含まれないが、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とは関連性を有しているので、以下においては、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とをまとめて、「保留演出」とする。また、保留アイコンと当該アイコンとをまとめて、「アイコン」と称する。さらに、当該アイコンが示す実行中の特図1変動表示を「当該変動」とも称する。
なお、図30(A)において保留表示領域50dおよび当該表示領域50eは一点鎖線で明示され、第1領域50d1~第4領域50d4は破線で明示されているが、これは保留表示領域50d、第1領域50d1~第4領域50d4、および当該表示領域50eの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
次に、保留演出の具体例について説明する。なお、以降の説明では、小図柄KZ1~KZ3の可変表示は省略する。前提として、特図1変動表示中(特図変動演出中)であり、特図1保留数(U1)が「2」であるとする。この状況下において、図30(B)に示すように、前述した不図示の第1領域50d1において、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留(保留順1の特図1保留)を表した保留アイコンHA2が表示され、前述した不図示の第2領域50d2において、保留アイコンHA2が表す特図1保留の次に発生した特図1保留(保留順2の特図1保留)を表した保留アイコンHA3が表示されている。また、前述した不図示の当該表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す当該アイコンHA1が表示されている。なお、図30(B)で表示されているアイコンHA1~HA3の表示態様は通常態様である。
このように、保留演出においては、特図1保留が発生した順に保留表示領域50dの左端から右に並んで表示される。すなわち、保留されている特別図柄の可変表示、言い換えれば、特図保留記憶部105に記憶されている特図関連判定情報に基づく未実行の特別図柄の可変表示は、個別に保留アイコンで表示される。
そして、図30(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA1が消去される。続けて、保留アイコンHA2を表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、保留アイコンHA2と保留アイコンHA3がシフトする。具体的には、不図示の第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA2は不図示の当該表示領域50eに移動し、不図示の第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の第1領域50d1に移動する。すなわち、表示されていた保留アイコンHA2および保留アイコンHA3がそれぞれ1つずつ左にシフトする。これは、保留アイコンHA2に対応する特別図柄の可変表示が開始され、保留アイコンHA3が表す特図1保留が、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留になり、次に開始される特図可変表示になったことに応じて、保留アイコンHA2および保留アイコンHA3をその状況に適応させるためである。
また、当該表示領域50eに表示されている保留アイコンHA2は、実行中の特図1変動表示を表しているので、当該表示領域50eに表示される際に当該アイコンHA2となる。すなわち、「アイコン」の前に付く言葉として、保留表示領域50dに表示されているアイコンについては「保留」とし、当該表示領域50eに表示されているアイコンについては「当該」とする。換言すれば、保留アイコンが表示されているときに、該保留アイコンが示す特図保留に対して特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、該開始条件の成立に係る特別図柄の変動表示に対応する保留アイコンが当該アイコンとして表示される。
なお、保留アイコンから当該アイコンになる際に、言い換えると、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に、アイコンの大きさが同一のままでも拡大されても良い。図30(C)では、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に約2倍に拡大している。
そして、この状況から第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図30(E)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、新たな保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
このように、第1始動口11に入賞して特図1関係乱数が取得されると、1つの共通したアイコンが表示される。このアイコンは、当該入賞に基づく特図1可変表示が終了すると消去されるが、表示されている間は、当該特図1可変表示の置かれている状態(保留の状態および実行中の状態)に応じて、異なる名称(保留アイコンおよび当該アイコン)で存在していることになる。
ところで、前述のとおり、始動入賞コマンドには当否情報および特図変動パターン情報が含まれている。そして、パチンコ遊技機PYは、この当否情報および特図変動パターン情報に基づいて、保留アイコンを通常態様、または特別態様で表示することができる。この保留アイコンを特別態様で表示することを「保留変化予告」という。
保留アイコンの表示態様が特別態様である、すなわち保留変化予告が行われると、遊技者は、その保留アイコンに対応した特別図柄の可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。次に、保留変化予告の具体例について説明する。保留変化予告の具体例として、図30(E)に示す保留アイコンHA4の表示態様が特別態様になるとする。
保留変化予告の1つの種別として、保留アイコンが表示された直後に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留の発生時(第1始動口11への入賞時)に保留変化予告が行われる保留予告種別がある。例えば、図31(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図30(E)の場合と同様に、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。なお、図面においては、通常態様の保留アイコンは完全に静止しているように見えるが、実際には、基本的には、完全に静止状態にするようにしても、表示位置は移動しないがその場で軽く揺れたりするように構成しても良い。
そして、その直後に、図31(B)に示すように、保留アイコンHA4の表示態様が通常態様から特別態様(図31(B)において灰色)に変化する(保留変化予告が行われる)。なお、図31の例では保留アイコンHA4は表示直後に一瞬通常態様で表示されるが、特別態様で表示されるようにし、通常態様で表示される期間をなくしてもよい。
別の保留変化予告の種別として、保留アイコンが移動する際に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留のシフト時に保留変化予告が行われる保留予告種別がある。例えば、図32(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図32(B)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様(図32(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
そして、図32(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA2が消去される。続けて、保留アイコンHA3が表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、図32(D)に示すように、第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の当該表示領域50eに移動し、第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA4は不図示の第1領域50d1に移動する。ここで、保留アイコンHA4が第2領域50d2から第1領域50d1に移動する際に、その表示態様が通常態様から特別態様(図32(D)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。
また、保留変化予告に係る特別態様を複数種類設けて、特別態様の種類によって大当たり期待度が異なるようにすることができる。例えば、保留アイコンの表示態様を、保留アイコンの色に関連付け、保留アイコンの表示態様として白色、緑色、赤色、および金色が設定されているとする。ここで、白色が通常態様であり、緑色、赤色、および金色が特別態様とする。そして、保留アイコンの表示態様が示す大当たり期待度は、白色<緑色<赤色<金色の順で高くなるように設定することができる。
なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様に限られず、例えば背景画像などの表示部50aにおける保留アイコンHA以外の画像や、スピーカー52から出力される音、枠ランプ53による発光、および盤可動装置55による動作などの画像表示装置50以外の演出装置を用いて実行することが可能である。さらには、先読み演出の演出態様として、保留アイコンHAによる保留変化予告などのように実行されてから特図変動表示が開始されるまで途切れることなく継続する演出態様の他に、演出図柄の停止表示が行われる度または演出図柄の変動表示が開始される度など、断続的且つ連続的に実行する演出態様にしても良い。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
[遊技制御メイン処理]
次に図33~図42に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下に説明する遊技を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマー、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、遊技用ROM103から図33に示した遊技制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、遊技制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。
遊技制御用マイコン101は、電源投入処理において、まず遊技用RAM104へのアクセスの許可設定を行う。これにより、遊技用RAM104に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン101は、遊技制御基板100に搭載されたRAMクリアスイッチ192が特定操作されたか否か(ONか否か)を判定する。
遊技制御用マイコン101は、RAMクリアスイッチ192が特定操作されていなければ、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理でONにされるフラグである。
遊技制御用マイコン101は、電源断フラグがONであれば、チェックサムを算出して、これを電断時に算出しておいたチェックサムと比較する。チェックサムは、遊技用RAM104に記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計が算出されたものである。
遊技制御用マイコン101は、チェックサムの値が一致すれば、遊技用RAM104の記憶内容が正常であると判断し、復電時における遊技用RAM104の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、遊技用ROM103から復電時情報を読み出し、この復電時情報を遊技用RAM104の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグをOFFして、電源投入コマンド設定処理を行う。
遊技制御用マイコン101は、電源投入コマンド設定処理では、所定時間(例えば、3秒)経過後に演出制御基板120に電源投入コマンドを出力するための設定処理を行う。具体的には、電源投入コマンドを出力するまでの所定時間をタイマーにセットして、そのタイマーにセットされた時間の減算を開始する。そして減算されたタイマーの値が「0」になったとき、所定時間が経過したことになるため、電源投入コマンドを遊技用RAM104の所定の出力バッファにセットする。これにより、セットされた電源投入コマンドは、後述する出力処理(S101)にて演出制御基板120に出力されるようになっている。さらに、復電時情報には、電断時の遊技状態を示す情報が含まれている。そこで、遊技制御用マイコン101は、電源投入コマンドと共に、復電時情報に含まれる電断時の遊技状態を示すコマンド(遊技状態指定コマンド)も所定の出力バッファにセットする。これにより、セットされた遊技状態指定コマンドは、後述する出力処理(S101)にて電源投入コマンドと共に演出制御基板120に出力される。
また、遊技制御用マイコン101は、電源断フラグがONでなければ、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、または、RAMクリアスイッチ192が特定操作されていれば、遊技用RAM104に記憶されている全ての遊技情報をクリアする。その後、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の作業領域の初期設定を行う。この初期設定の処理では、遊技用ROM103から読み出された初期設定情報が遊技用RAM104の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン101は、RAMクリアを行ったことを通知するためのRAMクリア通知コマンドを演出制御基板120に対して出力して、電源投入コマンド設定処理を行う。
遊技制御用マイコン101は、電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各種乱数に係るカウンタ(乱数カウンタ)は、ソフトウェア的に乱数を生成する手段である。各乱数カウンタのカウンタ値(乱数カウンタ値)は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)の実行が可能となる。遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)が終了してから、次に遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[遊技制御側タイマー割り込み処理]
次に、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)について説明する。図34に示すように、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、余剰球貯留穴35Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図33の遊技制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る各種乱数のカウンタ値の更新処理は、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマー割り込み処理(S005)の終了後、次の遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検知処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検知処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S107)を実行して、遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマーの更新などが行われる。また、その他の処理(S107)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口11用の賞球カウンタ、第2始動口12用の賞球カウンタ、大入賞口14用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口10用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは遊技制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行された遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回の遊技制御側タイマー割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検知処理]
次に、図35~図36を用いてセンサ検知処理について説明する。センサ検知処理(S104)ではまず、一般入賞口10に遊技球が入賞したか否か、即ち、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口10に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口10に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口10用の賞球カウンタに、一般入賞口10への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート13を通過していなければ(S203でNO)、ステップS207に進む。一方、遊技球がゲート13を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS207に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を普図関連判定情報として取得し(S205)、取得した普図関連判定情報を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部86に記憶して(S206)、ステップS207に進む。
ステップS207では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS214に進み、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口12用の賞球カウンタに、第2始動口12への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「2」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S209)。特図2保留数が「4」以上である場合(S209でYES)には、ステップS214に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S209でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S210)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図2関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S211)。
次に、第2先読み判定処理を行う(S212)。第2先読み判定処理では、図14に示す第2先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS211で取得した特図2関連判定情報とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS211で取得した特図2関連判定情報を特図2保留記憶部105bに記憶する(S213)。
続いて、ステップS214では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S214でNO)にはステップS221に進み、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S214でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S215)。第1始動口賞球処理では、第1始動口11用の賞球カウンタに、第1始動口11への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S216)。特図1保留数が「4」以上である場合(S216でYES)には、ステップS221に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S216でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S217)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図1関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S218)。
次に、第1先読み判定処理を行う(S219)。第1先読み判定処理では、図13に示す第1先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS218で取得した特図1関連判定情報とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS218で取得した特図1関連判定情報を特図1保留記憶部105aのうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S220)。
ステップS221では、大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、即ち、大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否か判定する。大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはセンサ検知処理を終了し、大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S222)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において大入賞口14に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。基本的な実施形態では、1回のラウンド遊技において賞球に関われる大入賞口14への入賞個数(入賞規定個数)が「10」に設定されている。よって、ステップS222の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であると(S222でYES)、センサ検知処理を終了し、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上でない、すなわち、「11」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための大入賞口賞球処理を行い(S224)、センサ検知処理を終了する。なお、大入賞口賞球処理では、大入賞口14用の賞球カウンタに、大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「9」)を加算する。なお、遊技制御用マイコン101は、大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、大入賞口14への入賞があったことを指定するコマンド(大入賞口入賞コマンド)を演出制御基板120に送信するようにしても良い。また、遊技制御用マイコン101は、大入賞口賞球処理(S224)において、大入賞口14への入賞に基づく賞球を払い出したことを指定するコマンド(大入賞口賞球コマンド)を演出制御基板120に送信するようにしても良い。
なお、遊技球を検知可能なセンサとして、センサ10a~14a以外のセンサを設け、そのセンサが遊技球を検知したことに基づいて、図35~図36に示す処理以外の処理を行うようにしても良い。
[普通動作処理]
次に、普図表示器82および電チュー12Dの制御に関する普通動作処理について説明する。図37に示すように、普図表示器82および電チュー12Dに関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器82に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動パターン判定結果に応じた普図変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。さらに、遊技制御用マイコン101は、補助遊技の開始時に、補助遊技開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dの制御に関する特別動作処理について説明する。図38に示すように、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理は、5つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。なお、各ラウンド遊技が開始される際には、そのラウンド数を示すラウンド数指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始される際には、当該大当たり遊技に係る大当たり図柄に応じたエンディングを示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお、遊技制御用マイコン101が、特別動作ステータス「4」を設定し、大当たり遊技を制御する状態が、「大当たり遊技状態」であり、特別動作ステータス「4」が設定されていることを「大当たり遊技状態」と称する。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、大当たり遊技後に制御する遊技状態を設定する処理である。例えば、大当たり遊技後に高確率状態で制御する場合は、高確率フラグを遊技用RAM104の高確率フラグ領域にONして高確率状態を設定する。さらにこのときに、高確率状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、高確率状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「高確率規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。また、大当たり遊技後に時短状態で制御する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定する。さらにこのときに、時短状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、時短状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「時短規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
また、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理において、大当たり遊技後の遊技状態を示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[特別図柄待機処理]
次に図39を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、特図可変表示、および大当たり遊技状態が行われていない客待ち状態であることを示すコマンド(客待ちコマンド)を出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、即ち、特図2関連判定情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
特図1判定処理(S1609)では、特図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、またはハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。
ここで、大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM104に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットする。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理(S1610)について図40を用いて説明する。特図1変動パターン判定処理では、まず、現在非時短状態であるか否かを判定する(S1651)。非時短状態であれば(S1651でYES)、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、非時短状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。大当たりでなければ(S1654でNO)、ステップS1655に進み、大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり図柄用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進む。
ステップS1655において、遊技制御用マイコン101は、リーチ判定を行う。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、次に、ステップS1655のリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657~ステップS1659の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する特図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン101は、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマーにセットし(S1662)、特図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。
なお、特別動作用タイマーは、遊技制御側タイマー割り込み処理におけるその他の処理において、4ms分、更新される。また、セットされる特図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図1であるということ)に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む特図変動パターンの情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1610で決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
遊技制御用マイコン101は、続いて、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)は、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
特図2判定処理(S1602)は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて、基本的には特図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように基本的な実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして基本的な実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている。なお、特図1保留の消化を特図2保留の消化に優先して実行されるようにしても良い。また、特図1保留の消化と特図2保留の消化を、特図の種別に関わらず保留が発生した順に行っても良い。
[特別図柄変動処理]
次に図41を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄変動処理ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマーにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器81に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマーにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に図42を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマーにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、通常確率状態(高確率フラグがOFF)であるか否かを判定する(S1752)。
遊技制御用マイコン101は、現在、通常確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1757に進み、現在、通常確率状態であれば(S1752でYES)、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1753)。遊技制御用マイコン101は、時短状態でなければ(S1753でNO)、ステップS1757に進み、現在、時短状態であれば(S1753でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1754)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1755)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1755でNO)、ステップS1757に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1755でYES)、時短状態から非時短状態に移行させて(時短フラグをOFFする)(S1756)、ステップS1757に進む。
次に、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態を確認し、その遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1757)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1758)。大当たり図柄でなければ(S1758でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更して(S1762)、特別図柄確定処理を終え、大当たり図柄であれば(S1758でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1759)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理を行い(S1760)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1761)、特別図柄確定処理を終了する。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマーにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
6.演出制御基板120による演出の制御
[演出制御メイン処理]
次に図43~図47のフローチャートを用いて、演出制御基板120による演出の制御について説明する。なお、以下に説明する演出を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下の演出制御基板120による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマー、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。
同図に示すように、演出制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、後述する停止図柄パターン判定用乱数、および特図変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。
種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、およびエンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板140に送信する。
コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(大当たりオープニング演出、ラウンド演出、大当たりエンディング演出)、客待ち演出、操作演出、および先読み演出等がある。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマー割り込み処理(S4011)、および10msタイマー割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。1msタイマー割り込み処理(S4011)、および10msタイマー割り込み処理(S4012)については後述する。
受信割り込み処理(S4010)は、ストローブ信号、すなわち、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[1msタイマー割り込み処理]
次に図44を用いて1msタイマー割り込み処理について説明する。1msタイマー割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、1msタイマー割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン121は、第1演出ボタンセンサ41aからの検出信号に基づいて第1演出ボタンスイッチデータを作成する。演出制御用マイコン121は、第2演出ボタンセンサ42aからの検出信号に基づいて第2演出ボタンスイッチデータを作成する。
続いて、演出制御用マイコン121は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン121は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53を発光させるべく、後述の10msタイマー割り込み処理における発光データ作成処理(S4203)で作成された発光データをサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53を所定の発光態様で発光させる。
次いで、演出制御用マイコン121は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン121は、所定のタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データ(盤可動体55kの駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。
次に、演出制御用マイコン121は、タイマー更新処理を行う(S4104)。タイマー更新処理では、各種所定の演出に関する時間の管理・制御を行うために、後述する演出用RAM124に設けられた各種タイマーの更新が行われる。当該処理では、演出用RAM124に設けられたタイマーが1msec分、更新される。
そして、演出制御用マイコン121は、ウォッチドッグタイマーのリセット設定を行うウォッチドッグタイマー処理を行って(S4105)、1msタイマー割り込み処理を終える。
[10msタイマー割り込み処理]
次に図45を用いて10msタイマー割り込み処理について説明する。10msタイマー割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、10msタイマー割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述の基本的な実施形態で詳細に説明する。
次いで、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S4202)。音声制御処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカー52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。
次いで、演出制御用マイコン121は、発光データ作成処理を行う(S4203)。発光データ作成処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
[受信コマンド解析処理]
次に図46~図47を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理ではまず、遊技制御基板100から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。演出制御用マイコン121は、始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、演出制御用マイコン121は、第1始動口11や第2始動口12に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドを演出用RAM124にある始動入賞コマンド保留記憶部125に記憶する。次に、演出制御用マイコン121は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの判定を行う。先読み演出には、保留アイコンを特別態様で表示する保留変化予告の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって行われる連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた先読み演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による先読み演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による先読み演出が行われている間、画像制御基板140に送信された先読み演出開始コマンドが示す先読み演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による先読み演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による先読み演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による先読み演出を実行する)ことが可能である。
ステップS4303において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドを演出用RAM124にある図柄指定コマンド記憶部126に記憶する(S4304)。
ステップS4305において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出開始処理では、まず、特図変動開始コマンドを演出用RAM124にある特図変動開始コマンド記憶部127に記憶する。次いで、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、停止特図および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を決定して、決定した演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。例えば、特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動であれば所謂「バラケ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。また、特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動であれば、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一で、中演出図柄EZ2がそれらと異なるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。さらに、特図変動パターンが大当たり変動であれば、演出モードおよび大当たり図柄の種別に応じて所謂「ゾロ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。
次に、演出制御用マイコン121は、滞在している演出モードと特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容が対応付けられた特図変動演出パターンを判定する特図変動演出パターン判定を行うための特図変動演出パターン判定テーブルを選択する。特図変動演出パターン判定テーブルは、演出モードおよび特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに対応付けられた特図変動演出パターン判定テーブルを1つ選択する。各特図変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、1又は複数の特図変動演出パターンに特図変動演出パターン判定用乱数の値(特図変動演出パターン判定値)が振り分けられている。続いて、演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を特図変動演出パターン判定用乱数として取得し、取得した特図変動演出パターン判定用乱数に基づいて特図変動演出パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定において、選択した特図変動演出パターンテーブルに、取得した特図変動演出パターン判定用乱数を照合し、特図変動演出パターンを決定して、決定した特図変動演出パターンを表すデータ(特図変動演出パターンデータ)を演出用RAM124の所定領域にセットすると共に、特図変動演出パターンを示す特図変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による特図変動演出を行う。
また、特図変動演出開始コマンドには、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに関連付けられた演出フローに関する情報が含まれている。また、特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置50で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカー52から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ53で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動体55kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板140に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
ステップS4307において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4307でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4308)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。画像制御基板140は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を停止)する。
ステップS4309において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4309でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4310)。
演出制御用マイコン121は、遊技状態設定処理において、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグを演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「01H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。さらに、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が低確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「02H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。
ステップS4311において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4311でYES)、客待ち演出待機処理を行い(S4312)、受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、30秒)を客待ち演出タイマーにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、この待機時間が経過したか否かを判定可能であり、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4313において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、オープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、オープニングコマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4315に進む一方、オープニングコマンドを受信していれば(S4313でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4314)。
演出制御用マイコン121は、大当たりオープニング演出開始処理では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じた大当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりオープニング演出の演出内容(大当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した大当たりオープニング演出パターンにて大当たりオープニング演出を開始するための大当たりオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4315において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4315でNO)、ステップS4317に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4315でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4316)。
演出制御用マイコン121は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4317において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、エンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4317でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、エンディングコマンドを受信していれば(S4317でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4318)、および演出モード設定処理(S4319)を行ってから受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、大当たりエンディング演出開始処理において、エンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン121は、演出モード設定処理において、エンディングコマンドの解析結果、具体的には、エンディングコマンドが示す大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定する処理(演出モードを制御するための処理)を行う。
例えば、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄A、または大当たり図柄Dであると、高確率高ベース遊技状態を示唆する確変演出モードに設定する。そして、確変演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、確変演出モードを設定することを示す確変演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた確変演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として確変用背景画像G120を表示し、BGMとして確変用BGMを出力する。
また、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄B、大当たり図柄C、または大当たり図柄Eであると、高確率高ベース遊技状態、または低確率高ベース遊技状態の何れであるか判別困難、または判別不可能な時短演出モードを設定する。そして、演出制御用マイコン121は、時短演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、時短演出モードを設定することを示す時短演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた時短演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として時短用背景画像G130を表示し、BGMとして時短用BGMを出力する。
<第1実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第1実施形態について説明する。以下においては、主に、第1実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1では、非時短状態において特図1変動パターンを決定するための特図1変動パターン判定テーブルが、基本的な実施形態で説明した非時短状態において特図1変動パターン判定テーブルと異なる。第1実施形態に係る非時短状態における特図1変動パターン判定テーブルの構成例を図48に示す。図48に示すように、非時短状態において決定可能な特図1変動パターンとして、大当たり変動のTHP01~THP04、リーチ有りハズレ変動のTHP11~THP15、およびリーチ無し変動のTHP21~THP23がある。
大当たりの場合は、20%の確率でTHP01に決定され、10%の確率でTHP02に決定され、65%の確率でTHP03に決定され、5%の確率でTHP04に決定される。
リーチ有りハズレの場合は、3%の確率でTHP11に決定され、2%の確率でTHP12に決定され、10%の確率でTHP13に決定され、30%の確率でTHP14に決定され、55%の確率でTHP15に決定される。
リーチ無しハズレであって特図1保留数が0~2個の場合は、80%の確率でTHP21に決定され、15%の確率でTHP22に決定され、5%の確率でTHP23に決定される。一方、リーチ無しハズレであって特図1保留数が3~4個の場合は、5%の確率でTHP21に決定され、10%の確率でTHP22に決定され、85%の確率でTHP23に決定される。
また、図48に示すように、非時短状態における特図1変動パターンに基づく特図変動演出の演出フローを構成する演出(演出フロー構成演出)として、基本的な実施形態で説明した通常変動、リーチ、Nリーチ、Lリーチ、およびSPリーチの他に、SPSPリーチがある。
SPSPリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。詳細には、SPSPリーチは、SPリーチよりも大当たり遊技状態になる可能性が高いことを示唆する演出である。
また、SPSPリーチは、Lリーチから発展的に実行可能である。言い換えると、Lリーチが開始されてから所定時間(例えば、15秒)が経過したときに、LリーチからSPSPリーチに切り替わる。同様に、SPSPリーチは、SPリーチから発展的に実行可能である。言い換えると、SPリーチが開始されてから所定時間(例えば、30秒)が経過したときに、SPリーチからSPSPリーチに切り替わる。
なお、SPSPリーチでは、当該SPSPリーチが実行される前まで実行されていたLリーチ、またはSPリーチにおいて成立していたリーチがそのまま維持される。ただし、SPSPリーチに切り替わることに応じて、その前のLリーチ、またはSPリーチに係るリーチ演出図柄が、相対的に大当たり遊技状態になる可能性が高いことを示すものに変化(昇格)することがあるようにしてもよい。言い換えると、所謂「青図柄」から、所謂「赤図柄」に変化することがあるようにしてもよい。
また、以下において、LリーチにおけるLリーチからSPSPリーチに切り替わる時点のことを「LリーチSPSP発展時点」と称する。同様に、SPリーチにおけるSPリーチからSPSPリーチに切り替わる時点のことを「SPリーチSPSP発展時点」と称する。なお、LリーチSPSP発展時点は、Lリーチにおける中盤に属し、Lリーチに係る当落分岐点よりも早い時点である。同様に、SPリーチSPSP発展時点は、SPリーチにおける中盤に属し、SPリーチに係る当落分岐点よりも早い時点である。
SPSPリーチにおいては、表示部50aの全体に、SPSPリーチ専用の背景画像(SPSPリーチ用背景画像)G116が表示される。SPSPリーチ用背景画像G116の具体的な表示内容は適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、SPSPリーチ用背景画像G116は、3DCGの動画で構成される。そして、SPSPリーチ用背景画像G116を構成する動画には、所定のストーリー(特定ストーリー)が対応付けられている。この所定のストーリーは、主人公キャラクターの監督が監督に就任する前には企業に勤めていたという設定の下、主に、企業勤めの頃の監督が働いていた様子の回想で構成されている。なお、以下において、このSPSPリーチ用背景画像G116に係る所定のストーリーのことを「特定ストーリー」と称することもある。
また、SPSPリーチ用背景画像G116は、SPリーチ用背景画像G115やLリーチ用背景画像G114と同様に構成されており、SPSPリーチ用背景画像G116において特定ストーリーが進行していくと、SPSPリーチの最終局面において、大当たりを示唆する演出(大当たり示唆演出)が実行されるかハズレを示唆する演出(ハズレ示唆演出)が実行されるかに分岐する分岐点(所謂「当落分岐点」)が訪れる。そして、大当たり変動(長SPSP大当たり変動、短SPSP大当たり変動)である場合は、SPSPリーチ専用の大当たり示唆演出が実行されてから、大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。一方、ハズレ変動(長SPSPハズレ変動、短SPSPハズレ変動)である場合は、SPSPリーチ専用のハズレ示唆演出が実行されてから、ハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。
なお、第1実施形態では、SPSPリーチが開始してから当落分岐点に達するまでの時間は、約60秒となっており、SPリーチやLリーチが開始してから当該当落分岐点に達するまでの時間よりも長く設定されている。
次に、各特図変動パターンに基づく特図変動演出の流れ(演出フロー)について説明する。
THP21~THP23に基づく特図変動演出では、それぞれ演出時間が異なる通常変動が行われ、当該通常変動で特図変動演出が終了する。
THP13に基づく特図変動演出では、通常変動の後にリーチが成立し、リーチ成立後にNリーチが実行され、当該Nリーチで特図変動演出が終了する。
THP01、THP11に基づく特図変動演出では、最初に通常変動が実行されてからリーチが成立する。リーチ成立後にはNリーチが実行され、NリーチからSPリーチに発展する。そして、SPリーチが途中(中盤)まで実行されてSPリーチSPSP発展時点になるとSPSPリーチに発展し、SPSPリーチが最後まで実行されてSPSPリーチで当該特図変動演出が終了する。
THP02、THP12に基づく特図変動演出では、最初に通常変動が実行されてからリーチが成立する。リーチ成立後にはNリーチが実行され、NリーチからLリーチに発展する。そして、Lリーチが途中(中盤)まで実行されてLリーチSPSP発展時点になるとSPSPリーチに発展し、SPSPリーチが最後まで実行されてSPSPリーチで当該特図変動演出が終了する。
THP03、THP13に基づく特図変動演出では、最初に通常変動が実行されてからリーチが成立する。リーチ成立後にはNリーチが実行され、NリーチからSPリーチに発展する。そして、SPリーチが最後まで実行されてSPリーチで当該特図変動演出が終了する。
THP04、THP14に基づく特図変動演出では、最初に通常変動が実行されてからリーチが成立する。リーチ成立後にはNリーチが実行され、NリーチからLリーチに発展する。そして、Lリーチが最後まで実行されてLリーチで当該特図変動演出が終了する。
なお、第1実施形態では、各種特図変動パターン(THP01~THP04、THP11~THP15、およびTHP21~THP23)に、図48の特図変動パターン判定テーブルの構成例の右から2番目の項目「特図変動パターンの名称」に示す名称を付している。例えば、SPリーチからSPSPリーチに発展する大当たりの特図変動パターン「THP01」を「長SPSP大当たり変動」と称し、LリーチからSPSPリーチに発展する大当たりの特図変動パターン「THP02」を「短SPSP大当たり変動」と称し、SPリーチからSPSPリーチに発展するハズレの特図変動パターン「THP11」を「長SPSPハズレ変動」と称し、LリーチからSPSPリーチに発展するハズレの特図変動パターン「THP12」を「短SPSPハズレ変動」と称する。
さらに、SPSPリーチに係る大当たり変動(長SPSP大当たり変動、短SPSP大当たり変動)のことをまとめて「SPSP大当たり変動」と称し、SPSPリーチに係るハズレ変動(長SPSハズレ変動、短SPSPハズレ変動)のことをまとめて「SPSPハズレ変動」と称する。加えて、SPSPリーチに係る特図変動パターン(SPSP大当たり変動、SPSPハズレ変動)のことをまとめて「SPSPリーチ変動」と称する。
また、パチンコ遊技機PY1では、通常遊技状態、且つ通常演出モードでの特図変動演出において、リーチや各種リーチ演出などのような演出フロー構成演出とは別に、遊技者に有利な遊技状態になる可能性があることを示唆する特定演出、言い換えると、実行されることが遊技者に有利な遊技状態になることに対するチャンスアップとなる特定演出が表示部50aにおいて実行されることがある。
特定演出の種類として、第1特定演出、第2特定演出、および第3特定演出がある。第1特定演出は、通常変動において実行される。第2特定演出は、Nリーチにおいて実行される。第3特定演出は、LリーチにおけるLリーチSPSP発展時点よりも前の期間、およびSPリーチにおけるSPリーチSPSP発展時点よりも前の期間に実行される。
第1特定演出、第2特定演出、および第3特定演出は、相互に演出内容について異なるが、何れも主人公キャラクターの監督が関わる画像表示で構成されるという点で共通する。
各種特定演出の具体例は後述するが、第1特定演出では、第1特定演出に対応付けられた画像(第1特定演出画像)G51が表示部50aに表示され、第2特定演出では、第2特定演出に対応付けられた画像(第2特定演出画像)G52が表示部50aに表示され、第3特定演出では、第3特定演出に対応付けられた画像(第3特定演出画像)G53が表示部50aに表示される。
第1特定演出画像G51は、監督キャラクターがワイングラスで乾杯をしている様子を表す静止画で構成される。第2特定演出画像G52は、監督キャラクターがけん玉をしている様子を表す動画で構成される。第3特定演出画像G53は、監督キャラクターが主人公キャラクター(A太郎)に向かって「A太郎がんばるんだ!」と発して励ましている様子を表す静止画で構成される。
ところで、前述の通り、SPSPリーチにおいて表示されるSPSPリーチ用背景画像G116では、監督キャラクターが過去の企業勤めの頃を回想する映像が表示されるが、SPSPリーチと、各種特定演出とは、画像表示で構成され、画像に監督キャラクターが含まれている点で共通する。そこで、以下において、SPSPリーチ、および各種特定演出を合わせて「監督演出」と称することがある。また、各種監督演出は、パチンコ遊技機PY1において、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する(有利な遊技状態になることに対するチャンスアップとなる)演出として機能するが、詳細には、大当たり遊技状態になる可能性が高いことを示唆する(有利な遊技状態になることに対して大きなチャンスアップとなる)演出として機能する。
また、パチンコ遊技機PY1では、特図変動演出において監督演出が実行される場合、1回実行されるときと、2回実行されるときとがある。パチンコ遊技機PY1では、各種監督演出が示唆する大当たり遊技状態になる可能性は高いことになっているが、1回の特図変動演出において、監督演出が2回実行された場合、大当たり遊技状態になる可能性が極めて高い。すなわち、監督演出の2回の実行は、大当たり遊技状態になる可能性が極めて高いことを示唆する。
さらに、基本的には、種類を問わず監督演出が実行される場合、監督演出が実行されることを示唆する前兆演出が実行される。前兆演出は、表示部50aにおける画像表示で構成される。前兆演出では、前兆演出に対応付けられた画像(前兆演出画像)G50が表示部50aに表示される。前兆演出画像G50は、白色の円の内部に文字「監督」が表示された静止画で構成される。
なお、第1実施形態においては、1回の特図変動演出において監督演出が1回実行される場合も2回実行される場合も、前兆演出は1回のみ実行される。したがって、1回の前兆演出の実行は、総じて監督演出の実行を報知しており、当該報知には、監督演出の1回の実行の報知と、監督演出の2回の実行の報知と、が含まれている。
次に、各種監督演出の実行タイミング、および前兆演出の実行タイミングについて説明する。図49は、長SPSP大当たり変動、短SPSP大当たり変動、SP大当たり変動、L大当たり変動、長SPSPハズレ変動、短SPSPハズレ変動、SPハズレ変動、およびLハズレ変動における各種監督演出の実行タイミング、および前兆演出の実行タイミングを説明する説明図である。なお、図49において、後述する監督演出に係るタイミングS、タイミングT、タイミングU、タイミングV、タイミングW、およびタイミングXについては、「S」、「T」、「U」、「V」、「W」、および「X」と表記しつつ、下向きの白抜き三角矢印でプロットしている。また、後述する前兆演出に係るタイミングA、タイミングB、タイミングC、タイミングD、タイミングE、およびタイミングFについては、「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、および「F」と表記しつつ、下向きの黒色三角矢印でプロットしている。
第1特定演出は、長SPSP大当たり変動、短SPSP大当たり変動、SP大当たり変動、L大当たり変動、長SPSPハズレ変動、短SPSPハズレ変動、SPハズレ変動、およびLハズレ変動の通常変動(特図変動演出)において実行される。詳細には、第1特定演出の演出時間は2秒であり、第1特定演出は、通常変動が開始してから3秒が経過したときに開始する。
第2特定演出は、長SPSP大当たり変動、短SPSP大当たり変動、SP大当たり変動、L大当たり変動、長SPSPハズレ変動、短SPSPハズレ変動、SPハズレ変動、およびLハズレ変動のNリーチにおいて実行される。詳細には、第2特定演出の演出時間は5秒であり、第2特定演出は、Nリーチが開始してから5秒が経過したときに開始する。
第3特定演出は、長SPSP大当たり変動、SP大当たり変動、長SPSPハズレ変動、およびSPハズレ変動のSPリーチ、ならびに短SPSP大当たり変動、L大当たり変動、短SPSPハズレ変動、Lハズレ変動のLリーチにおいて実行される。詳細には、第3特定演出の演出時間は3秒である。そして、長SPSP大当たり変動、SP大当たり変動、長SPSPハズレ変動、およびSPハズレ変動の場合は、第3特定演出は、SPリーチが開始してから15秒が経過したときに開始する。一方、短SPSP大当たり変動、L大当たり変動、短SPSPハズレ変動、およびLハズレ変動の場合は、第3特定演出は、Lリーチが開始してから8秒が経過したときに開始する。
SPSPリーチは、長SPSP大当たり変動、および長SPSPハズレ変動、ならびに短SPSP大当たり変動、および短SPSPハズレ変動で実行される。そして、長SPSP大当たり変動、および長SPSPハズレ変動の場合は、SPSPリーチは、SPリーチが開始してから30秒が経過したときに開始する。すなわち、SPSPリーチは、SPリーチの途中から切り替わって、言い換えると発展的に実行される。一方、短SPSP大当たり変動、および短SPSPハズレ変動の場合は、SPSPリーチは、Lリーチが開始してから15秒が経過したときに開始する。すなわち、SPSPリーチは、Lリーチの途中から切り替わって、言い換えると発展的に実行される。
なお、以下において、各種監督演出が開始するタイミングを「監督実行タイミング」と称することもある。そして、第1特定演出の監督実行タイミングを「タイミングS」と称し、第2特定演出の監督実行タイミングを「タイミングT」と称し、Lリーチに係る第3特定演出の監督実行タイミングを「タイミングU」と称し、SPリーチに係る第3特定演出の監督実行タイミングを「タイミングV」と称し、Lリーチに係るSPSPリーチの監督実行タイミングを「タイミングW」と称し、SPリーチに係るSPSPリーチの監督実行タイミングを「タイミングX」と称する。
また、Lリーチで実行される場合の第3特定演出の演出内容とSPリーチで実行される場合の第3特定演出の演出内容とは同一であるが、以下において、Lリーチで実行される第3特定演出のことを「第3特定演出(L)」と称し、SPリーチで実行される第3特定演出のことを「第3特定演出(SP)」と称することもある。さらに、Lリーチから発展的に実行される場合のSPSPリーチの演出内容とSPリーチから発展的に実行される場合のSPSPリーチの演出内容とは同一であるが、以下において、Lリーチから発展的に実行されるSPSPリーチのことを「SPSPリーチ(L)」と称し、SPリーチから発展的に実行されるSPSPリーチのことを「SPSPリーチ(SP)」と称することもある。
一方、前兆演出が開始するタイミングは複数設定されている。以下において、前兆演出が開始するタイミングを「前兆実行タイミング」と称することもある。そして、前兆実行タイミングとして、タイミングA、タイミングB、タイミングC、タイミングD、タイミングE、およびタイミングFが設定されている。
タイミングAは、通常変動(特図変動演出)が開始されてから1秒が経過した時点、言い換えると、タイミングSの2秒前である。タイミングBは、Nリーチが開始されてから3秒経過した時点、言い換えると、タイミングTの2秒前である。タイミングCは、Lリーチが開始されてから6秒経過した時点、言い換えると、タイミングUの2秒前である。タイミングDは、SPリーチが開始されてから13秒経過した時点、言い換えると、タイミングVの2秒前である。タイミングEは、Lリーチが開始されてから13秒経過した時点、言い換えると、タイミングVの2秒前である。タイミングFは、SPリーチが開始されてから28秒経過した時点、言い換えると、タイミングWの2秒前である。なお、前兆演出の演出時間は、2秒に設定されている。
また、前述した通り、監督演出は、1回の特図変動演出において、1回実行される場合と2回実行される場合とがある。監督演出が1回実行される場合のパターン(監督演出1回パターン)として、第1特定演出が実行されるパターン(監督演出1回パターン1)と、第2特定演出が実行されるパターン(監督演出1回パターン2)と、第3特定演出(L)が実行されるパターン(監督演出1回パターン3)と、第3特定演出(SP)が実行されるパターン(監督演出1回パターン4)と、SPSPリーチ(L)が実行されるパターン(監督演出1回パターン5)と、SPSPリーチ(SP)が実行されるパターン(監督演出1回パターン6)と、がある。一方、監督演出が2回実行される場合のパターン(監督演出2回パターン)として、第1特定演出、および第2特定演出が実行されるパターン(監督演出2回パターン1)と、第1特定演出、および第3特定演出(L)が実行されるパターン(監督演出2回パターン2)と、第1特定演出、および第3特定演出(SP)が実行されるパターン(監督演出2回パターン3)と、第1特定演出、およびSPSPリーチ(L)が実行されるパターン(監督演出2回パターン4)と、第1特定演出、およびSPSPリーチ(SP)が実行されるパターン(監督演出2回パターン5)と、第2特定演出、および第3特定演出(L)が実行されるパターン(監督演出2回パターン6)と、第2特定演出、および第3特定演出(SP)が実行されるパターン(監督演出2回パターン7)と、第2特定演出、およびSPSPリーチ(L)が実行されるパターン(監督演出2回パターン8)と、第2特定演出、およびSPSPリーチ(SP)が実行されるパターン(監督演出2回パターン9)と、第3特定演出(L)、およびSPSPリーチ(L)が実行されるパターン(監督演出2回パターン10)と、第3特定演出(SP)、およびSPSPリーチ(SP)が実行されるパターン(監督演出2回パターン11)と、がある。
また、前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、監督演出が実行されるパターン(監督演出1回パターン、監督演出2回パターン)に対応付けられている。
監督演出1回パターン1で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングAである。監督演出1回パターン2で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングA、およびタイミングBである。監督演出1回パターン3で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングA、タイミングB、およびタイミングCである。監督演出1回パターン4で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングA、タイミングB、およびタイミングDである。監督演出1回パターン5で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングA、タイミングB、タイミングC、およびタイミングEである。監督演出1回パターン6で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングA、タイミングB、タイミングD、およびタイミングFである。
監督演出2回パターン1で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングAである。監督演出2回パターン2で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングAである。監督演出2回パターン3で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングAである。監督演出2回パターン4で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングAである。監督演出2回パターン5で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングAである。監督演出2回パターン6で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングAである。監督演出2回パターン7で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングA、およびタイミングBである。監督演出2回パターン8で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングA、およびタイミングBである。監督演出2回パターン9で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングA、およびタイミングBである。監督演出2回パターン10で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングA、タイミングB、およびタイミングCである。監督演出2回パターン11で前兆演出が開始(実行)可能な実行タイミングは、タイミングA、タイミングB、およびタイミングDである。
このように、1回の特図変動演出で監督演出が1回実行される場合、前兆演出は必ずその前に実行される。また、1回の特図変動演出で監督演出が2回実行される場合、前兆演出は必ず1回目の監督演出の前に実行される。
また、各種監督演出の監督実行タイミングの2秒前に前兆実行タイミングが設定されており、前兆演出の演出時間は2秒であるので、各種監督演出の直近の前兆実行タイミングで前兆演出が実行された場合、前兆演出と監督演出とは、連続して一体的に実行されることになる。そこで、以下においては、各種監督演出の監督実行タイミングの直前の前兆実行タイミングのことを「監督演出対応前兆実行タイミング」と称することもある。したがって、第1特定演出の監督演出対応前兆実行タイミングはタイミングAであり、第2特定演出の監督演出対応前兆実行タイミングはタイミングBであり、第3特定演出(L)の監督演出対応前兆実行タイミングはタイミングCであり、第3特定演出(SP)の監督演出対応前兆実行タイミングはタイミングDであり、SPSPリーチ(L)の監督演出対応前兆実行タイミングはタイミングEであり、SPSPリーチ(SP)の監督演出対応前兆実行タイミングはタイミングFである。
次に、前兆演出、および監督演出の具体例について説明する。図50は、前兆演出の具体例を表す説明図であり、図51は、第1特定演出の具体例を表す説明図であり、図52は、第2特定演出の具体例を表す説明図であり、図53は、第3特定演出(L)の具体例を表す説明図であり、図54は、第3特定演出(SP)の具体例を表す説明図であり、図55は、SPSPリーチ(L)の具体例を表す説明図であり、図56は、SPSPリーチ(SP)の具体例を表す説明図である。
前述の通り、前兆演出は様々なタイミング(タイミングA~タイミングF)で開始可能であるが、例えば、タイミングA(通常変動(特図変動演出)が開始されてから1秒経過した時点)で前兆演出が実行される場合、それまで停止表示していた演出図柄EZ1~EZ3が図50(A)に示すように、変動表示を開始してから1秒が経過したときに、図50(B)に示すように、表示部50a全体が白色になると共に、表示部50aの中央に大きく、前兆演出画像G50が表示される。前兆演出の演出時間は2秒であるので、前兆演出が開始してから2秒が経過すると、前兆演出は終了する。具体的には、例えば、図50(C)に示すように、前兆演出画像G50が消えるとともに、表示部50a全体は元の状態に戻る。ただし、前兆演出の後に、第1特定演出が実行される場合は、図50(C)のように元の背景画像に戻らず、そのまま第1特定演出画像G51が表示されることとなる。
第1特定演出は、通常変動におけるタイミングSに開始される。したがって、例えば、図51(A)に示すように、第1通常用背景画像G111に重畳的に演出図柄EZ1~EZ3が変動表示しているときに、タイミングSになると、図51(B)に示すように、表示部50a全体に、第1特定演出画像G51がカットインされる。第1特定演出の演出時間は2秒であるので、第1特定演出が開始してから2秒が経過すると、第1特定演出は終了する。具体的には、例えば、図51(C)に示すように、第1特定演出画像G51が消えると共に、表示部50aには第1通常用背景画像G111が表示され、第1通常用背景画像G111に重畳的に、変動表示している演出図柄EZ1~EZ3が表示される。
第2特定演出は、NリーチにおけるタイミングTに開始される。したがって、例えば、図52(A)に示すように、第1通常用背景画像G111に重畳的にNリーチが実行されているときに、タイミングTになると、図52(B)に示すように、表示部50a全体に、第2特定演出画像G52が表示される。前述の通り、第2特定演出画像G52は、監督キャラクターがけん玉を行う様子を表す動画で構成されているので、例えば図52(B)から図52(D)に示すように、表示部50a全体には、第2特定演出画像G52として、監督キャラクターがけん玉を行う動画が表示される。第2特定演出の演出時間は5秒であるので、第2特定演出が開始してから5秒が経過すると、第2特定演出は終了する。具体的には、例えば、図52(E)に示すように、第2特定演出画像G52が消えると共に、表示部50a全体がホワイトアウトしてNリーチも終了し、その後、LリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)。
第3特定演出(L)は、LリーチにおけるタイミングUに開始される。したがって、例えば、図53(A)に示すように、表示部50aにLリーチ用背景画像G114が表示され、Lリーチ用背景画像G114に係る所定のストーリーが、タイミングUに係る場面まで進行したときに、図53(B)に示すように、表示部50a全体に、第3特定演出画像G53がカットインされる。第3特定演出の演出時間は3秒であるので、第3特定演出が開始してから3秒が経過すると、第3特定演出は終了する。具体的には、例えば、図53(C)に示すように、第3特定演出画像G53が消えると共に、表示部50a全体にLリーチ用背景画像G114が表示される。なお、第3特定演出画像G53が表示されているとき、画像制御基板140の内部ではLリーチ用背景画像G114の表示制御が進行して行われているものとする。したがって、Lリーチ用背景画像G114に戻ったときには、Lリーチ用背景画像G114に係る動画は、第3特定演出の演出時間分、進行しているものとする。
第3特定演出(SP)は、SPリーチにおけるタイミングVに開始される。したがって、例えば、図54(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ用背景画像G115が表示され、SPリーチ用背景画像G115に係る所定のストーリーが、タイミングVに係る場面まで進行したときに、図54(B)に示すように、表示部50a全体に、第3特定演出画像G53がカットインされる。第3特定演出の演出時間は3秒であるので、第3特定演出が開始してから3秒が経過すると、第3特定演出は終了する。具体的には、例えば、図54(C)に示すように、第3特定演出画像G53が消えると共に、表示部50a全体にSPリーチ用背景画像G115が表示される。なお、第3特定演出画像G53が表示されているとき、画像制御基板140の内部ではSPリーチ用背景画像G115の表示制御が進行して行われているものとする。したがって、SPリーチ用背景画像G115に戻ったときには、SPリーチ用背景画像G115に係る動画(特定ストーリー)は、第3特定演出の演出時間分、進行しているものとする。
SPSPリーチ(L)は、LリーチにおけるタイミングW(LリーチSPSP発展時点)に開始される。したがって、例えば、図55(A)に示すように、表示部50aにLリーチ用背景画像G114が表示され、Lリーチ用背景画像G114に係る所定のストーリーが、タイミングWに係る場面まで進行したときに、まずは図55(B)に示すように、表示部50a全体がホワイトアウトしてから、図55(C)に示すように、表示部50a全体にSPSPリーチ用背景画像G116が表示される。SPSPリーチ用背景画像G116は、特定ストーリーからなる動画で構成されているので、その後は、図55(D)に示すように、表示部50a全体に、特定ストーリーが展開される。
SPSPリーチ(SP)は、SPリーチにおけるタイミングX(SPリーチSPSP発展時点)に開始される。したがって、例えば、図56(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ用背景画像G115が表示され、SPリーチ用背景画像G115に係る所定のストーリーが、タイミングXに係る場面まで進行したときに、まずは図56(B)に示すように、表示部50a全体がホワイトアウトしてから、図56(C)に示すように、表示部50a全体にSPSPリーチ用背景画像G116が表示される。SPSPリーチ用背景画像G116は、特定ストーリーからなる動画で構成されているので、その後は、図56(D)に示すように、表示部50a全体に、特定ストーリーが展開される。
なお、第1実施形態では、SPSPリーチ変動に係る特図変動演出は、SPSPリーチが最後まで実行されて終了する。すなわち、SPSPリーチが開始されると、SPSPリーチ用背景画像G116において特定ストーリーが進行し、前述したように最終局面で当落分岐点を迎える。そして、SPSP大当たり変動に係る特図変動演出であれば、当落分岐点から、不図示の大当たり示唆演出が実行され、最終的に大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。一方、SPSPハズレ変動に係る特図変動演出であれば、当落分岐点から、不図示のハズレ示唆演出が実行され、最終的にハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。
また、図51~図56では、各種監督演出が実行される場合の具体例を図示しているが、何れも監督演出対応前兆タイミングで前兆演出が実行されないで各種監督演出が実行されているものとする。各種監督演出の監督演出対応前兆タイミングで前兆演出が実行されてから監督演出が実行される場合は、前兆演出が終了するタイミングでちょうど各種監督演出が開始することになるが、図50(B)に示すように、表示部50aに前兆演出画像G50が表示されている状況から、図51(B)、図52(B)、図53(B)、図54(B)、図55(B)、および図56(B)に示す各種監督演出の開始時に繋がるものとする。すなわち、表示部50aにおいて、前兆演出と各種監督演出とが連続して一体的に行われるものとする。
次に、監督演出、および前兆演出に係る制御内容の一例について説明する。なお、以下に説明する制御内容は、監督演出、および前兆演出に係る制御内容の一例であるので、その制御内容は以下の内容に限定されることなく、適宜に変更しても良い。
例えば、演出制御用マイコン121は、ステップS4306において、通常遊技状態、且つ通常演出モードである場合には、特図1変動パターンを確認する。
演出制御用マイコン121は、特図1変動パターンが、長SPSP大当たり変動、または長SPSPハズレ変動である場合、SPリーチSPSP発展時点からSPSPリーチが開始し、当該SPSPリーチで特図変動演出が終了する演出内容を示す特図変動開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。また、演出制御用マイコン121は、特図1変動パターンが、短SPSP大当たり変動、または短SPSPハズレ変動である場合、LリーチSPSP発展時点からSPSPリーチが開始し、当該SPSPリーチで特図変動演出が終了する演出内容を示す特図変動開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン121は、Lリーチ変動、SPリーチ変動、およびSPSPリーチ変動に係る特図変動開始コマンド、および特図変動演出データを演出用RAM124にセットした後、特定演出の実行の可否、および特定演出が実行される場合の演出種別を決定するための特定演出判定を行う。
特定演出判定は、特定演出判定テーブルを参照して実行される。特定演出判定テーブルの構成例を図57に示す。図57に示すように、特定演出判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、特定演出判定テーブルとして、長SPSP大当たり変動用の特定演出判定テーブル、短SPSP大当たり変動用の特定演出判定テーブル、SP大当たり変動用の特定演出判定テーブル、L大当たり変動用の特定演出判定テーブル、長SPSPハズレ変動用の特定演出判定テーブル、短SPSPハズレ変動用の特定演出判定テーブル、SPハズレ変動用の特定演出判定テーブル、およびLハズレ変動用の特定演出判定テーブルが設けられている。
図57に示すように、各特定演出判定テーブルの判定結果として、特定演出種別と、特定演出を実行しないこととが設定されている。判定結果としての特定演出種別には、特定演出を実行することが含まれている。すなわち、当該特定演出判定テーブルに基づく特定演出判定で、特定演出種別に決定されると、その特定演出種別の特定演出がこれから開始される特図変動演出で実行されることになる一方、特定演出を実行しないことに決定されると、これから開始される特図変動演出では特定演出が実行されないことになる。なお、判定結果としての「特定演出種別」には、特定演出種別が1種類のものと、特定演出種別が2種類のものと、がある。2種類のものに決定されると、これから開始される特図変動演出で、決定された2種類の特定演出が実行されることになる。
図57に示す各特定演出判定テーブルは、各特定演出種別、および特定演出を実行しないことに対する選択率が図57に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。図57に示すように、何れの種類の特定演出種別も、ハズレ変動の場合だけでなく大当たり変動の場合にも決定されることがある。したがって、各種特定演出は、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出であり、大当たり遊技状態への移行に対してチャンスアップとなる演出である。
また、SPSPリーチ変動の場合に、2種類の特定演出種別が選択されることはない。これは、第1実施形態においては、1回の特図変動演出における監督演出の最大の実行回数が2回であり、SPSPリーチ変動では、必ず、監督演出を構成するSPSPリーチが実行され、SPSPリーチ以外に実行できる監督演出の実行回数は1回だからである。
ところで、特図変動演出フローについて対の関係となるSP大当たり変動、およびSPハズレ変動について、各種1種類の特定演出種別に係る選択率は、SPハズレ変動の場合よりもSP大当たり変動の場合の方がかなり高い。同様に、特図変動演出フローについて対の関係となるL大当たり変動、およびLハズレ変動について、各種1種類の特定演出種別に係る選択率は、Lハズレ変動の場合よりもL大当たり変動の場合の方がかなり高い。したがって、1回の特図変動演出において、特定演出が1回実行されると、特定演出の種別に関わらず、大当たり遊技状態になる可能性は、通常よりも高いということができる。
さらには、SP大当たり変動、およびL大当たり変動について、全体的には各種2種類の特定演出種別に係る選択率よりも各種1種類の特定演出種別に係る選択率の方が高い。同様に、SPハズレ変動、およびLハズレ変動についても、全体的には各種2種類の特定演出種別に係る選択率よりも各種1種類の特定演出種別に係る選択率の方が高い。しかしながら、SPハズレ変動での各種1種類の特定演出種別に係る選択率に対するSP大当たり変動での各種1種類の特定演出種別に係る選択率の割合よりも、SPハズレ変動での各種2種類の特定演出種別に係る選択率に対するSP大当たり変動での各種2種類の特定演出種別に係る選択率の割合の方が極めて高い。同様に、Lハズレ変動での各種1種類の特定演出種別に係る選択率に対するL大当たり変動での各種1種類の特定演出種別に係る選択率の割合よりも、Lハズレ変動での各種2種類の特定演出種別に係る選択率に対するL大当たり変動での各種2種類の特定演出種別に係る選択率の割合の方が極めて高い。したがって、SPリーチ変動やLリーチに係る特図変動演出でSPSPリーチ以外の監督演出が2回実行された場合の大当たり遊技状態になる可能性は、監督演出が1回実行された場合の大当たり遊技状態になる可能性よりも高い。言い換えると、SPリーチ変動やLリーチに係る特図変動演出でSPSPリーチ以外の監督演出が2回実行されると、大当たり遊技状態になる可能性が極めて高い(大当たり遊技状態への移行が濃厚となる)。
また、SPSP大当たり変動に係る各種1種類の特定演出種別の選択率に比べて、SPSPハズレ変動に係る各種1種類の特定演出種別の選択率が極めて低い。したがって、SPSPリーチ変動に係る特図変動演出でSPSPリーチを含む監督演出が2回実行された場合の大当たり遊技状態になる可能性は、SPSPリーチを含む監督演出が1回実行された場合の大当たり遊技状態になる可能性よりも高い。言い換えると、SPSPリーチ変動に係る特図変動演出で特定演出が1回、言い換えるとSPSPリーチを含む監督演出が2回実行されると、大当たり遊技状態になる可能性が極めて高い(大当たり遊技状態への移行が濃厚となる)。
前述の通り、第1実施形態では、監督演出が実行される場合、監督演出が実行される前に前兆演出が実行される。そこで、演出制御用マイコン121は、これから開始される特図変動演出で監督演出が実行される場合、言い換えると、特図変動パターンがSPSPリーチ変動である場合、または特定演出判定で何れかの特定演出種別に決定された場合、前兆実行タイミングを決定するための第1前兆演出実行タイミング判定を行う。
第1前兆実行タイミング判定は、第1前兆実行タイミング判定テーブルを参照して実行される。第1前兆実行タイミング判定テーブルの構成例を図58に示す。図58に示すように、第1前兆実行タイミング判定テーブルは、当該特図変動演出で実行される監督演出の種別(監督演出種別)に対応付けられている。
図58(A)は、当該特図変動演出で監督演出が2回実行される場合の第1前兆実行タイミング判定テーブルの構成例であり、この場合の第1前兆実行タイミング判定テーブルとして、第1特定演出、および第2特定演出用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、第1特定演出、および第3特定演出(L)用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、第1特定演出、および第3特定演出(SP)用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、第1特定演出、およびSPSPリーチ(L)用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、第1特定演出、およびSPSPリーチ(SP)用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、第2特定演出、および第3特定演出(L)用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、第2特定演出、および第3特定演出(SP)用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、第2特定演出、およびSPSPリーチ(L)用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、第2特定演出、およびSPSPリーチ(SP)用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、第3特定演出(L)、およびSPSPリーチ(L)用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、ならびに第3特定演出(SP)、およびSPSPリーチ(SP)用の第1前兆実行タイミング判定テーブルが設けられている。
図58(B)は、当該特図変動演出で監督演出が1回実行される場合の第1前兆実行タイミング判定テーブルの構成例であり、この場合の第1前兆実行タイミング判定テーブルとして、第1特定演出用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、第2特定演出用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、第3特定演出(L)用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、第3特定演出(SP)用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、SPSPリーチ(L)用の第1前兆実行タイミング判定テーブル、ならびにSPSPリーチ(SP)用の第1前兆実行タイミング判定テーブルが設けられている。
図58(A)、および図58(B)に示す各第1前兆実行タイミング判定テーブルは、各前兆実行タイミングに対する選択率が図58(A)、および図58(B)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。前述の通り、当該特図変動演出で実行される監督演出種別によって、前兆演出が開始可能な実行タイミングが設定されている。
また、演出制御用マイコン121は、受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがLリーチ変動、およびSPリーチ変動であり、特定演出判定の結果が「特定演出を実行しない」であった場合、前兆演出の実行の可否を決定するための前兆演出判定を行う。
前兆演出判定は、前兆演出判定テーブルを参照して実行される。前兆演出判定テーブルの構成例を図59に示す。図59に示すように、前兆演出判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、前兆演出判定テーブルとして、SP大当たり変動用の前兆演出判定テーブル、L大当たり変動用の前兆演出判定テーブル、SPハズレ変動用の前兆演出判定テーブル、およびLハズレ変動用の前兆演出判定テーブルが設けられている。図59に示す各前兆演出判定テーブルは、前兆演出を実行する/実行しないに対する選択率が図59に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図59に示すように、大当たり変動の場合もハズレ変動の場合も「実行する」と選択されることがある。したがって、前兆演出が実行されたが、特定演出が実行されなかった場合、大当たり遊技状態になる可能性がある。詳細には、特図変動演出フローについて対の関係となるSP大当たり変動、およびSPハズレ変動について、「前兆演出を実行する」に係る選択率は、SPハズレ変動の場合よりもSP大当たり変動の場合の方が極めて高い。同様に、特図変動演出フローについて対の関係となるL大当たり変動、およびLハズレ変動について、「前兆演出を実行する」に係る選択率は、Lハズレ変動の場合よりもL大当たり変動の場合の方が極めて高い。したがって、前兆演出が実行されたが、特定演出が実行されなかった場合、大当たり遊技状態になる可能性は極めて高いということができる。
演出制御用マイコン121は、前兆演出判定で「前兆演出を実行する」に決定した場合、前兆実行タイミングを決定するための第2前兆実行タイミング判定を行う。
第2前兆実行タイミング判定は、第2前兆実行タイミング判定テーブルを参照して実行される。第2前兆実行タイミング判定テーブルの構成例を図60に示す。図60に示すように、第2前兆実行タイミング判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、第2前兆実行タイミング判定テーブルとして、SP大当たり変動用の第2前兆実行タイミング判定テーブル、L大当たり変動用の第2前兆実行タイミング判定テーブル、SPハズレ変動用の第2前兆実行タイミング判定テーブル、およびLハズレ変動用の第2前兆実行タイミング判定テーブルが設けられている。図60に示す各第2前兆実行タイミング判定テーブルは、各前兆演実行タイミングに対する選択率が図60に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
なお、演出制御用マイコン121は、第1前兆実行タイミング判定、および第2前兆実行タイミング判定を行うと、その判定結果である前兆実行タイミングを示すコマンド(前兆演出開始コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
出力バッファにセットされた前兆演出開始コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。画像制御基板140の画像用CPU141は、前兆演出開始コマンドを受信すると、前兆演出開始コマンドが示す前兆実行タイミングとなったときに、表示部50aにおいて、前兆演出画像G50を表示することで前兆演出を開始させる。
また、演出制御用マイコン121は、特定演出種別判定で何れかの特定演出種別に決定した場合、その判定結果である特定演出種別を示すコマンド(特定演出開始コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
出力バッファにセットされた特定演出開始コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。画像制御基板140の画像用CPU141は、特定演出開始コマンドを受信すると、特定演出開始コマンドが示す特定演出種別に係る特定演出の実行タイミング(監督実行タイミング)となったときに、表示部50aにおいて、当該特定演出種別に対応した画像(第1特定演出画像G51、第2特定演出画像G52、第3特定演出画像G53)を表示することで各種特定演出、言い換えると監督演出を開始させる。
また、前述の通り、出力バッファにセットされた特図変動演出開始コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。したがって、画像制御基板140の画像用CPU141は、SPSPリーチに係る特図変動演出開始コマンドを受信すると、LリーチSPSP発展時点、またはSPリーチSPSP発展時点になったときに、表示部50aにおいて、SPSPリーチ用背景画像G116を表示することでSPSPリーチ、言い換えると監督演出を開始させる。
以上のように、パチンコ遊技機PY1によれば、大当たり遊技状態(有利遊技状態)になる可能性があることを示唆する監督演出(特定演出)を実行することがあり、監督演出(特定演出)を実行する前に、監督演出(特定演出)が実行されることを示唆する前兆演出を実行することがあり、前兆演出が実行された後に監督演出(特定演出)が実行されなかった場合、大当たり遊技状態(有利遊技状態)にならない可能性よりも大当たり遊技状態(有利遊技状態)になる可能性の方が高いことによって、前兆演出が実行された場合に監督演出の実行に期待させつつも、監督演出が実行されなかった場合にも大当たり遊技状態への期待感を保たせることができるので、遊技興趣が向上する。また、監督演出には、相互に演出態様が異なる特定演出(第1特定演出)と、SPSPリーチ(第2特定演出)と、があることから、前兆演出が実行された場合に何れの種類の特定演出が実行されるのか遊技者をドキドキさせることができるので、遊技興趣がさらに向上する。さらに、前兆演出は、特定演出(第1特定演出)が実行されることを示唆する場合と、SPSPリーチ(第2特定演出)が実行されることを示唆する場合と、があり、いずれの場合も略同一の演出態様で実行されることによって、何れの種類の特定演出が実行されるのかが分かり難くなるので、さらに遊技者をドキドキさせることができて遊技興趣が向上する。
(第1実施形態の変更例)
次に、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
第1実施形態では、監督演出、および前兆演出は通常遊技状態且つ通常演出モードにおいて実行されるが監督演出が実行可能な遊技状態、および演出モードは第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。また、監督演出、および前兆演出を、複数種類の遊技状態や演出モードで実行可能としても良い。さらには、特図2変動が行われているときに監督演出、および前兆演出を実行可能にしても良い。
監督演出、および前兆演出の具体的な演出内容、および実行(開始)タイミングも特に限定されることはないので、適宜に変更しても良い。また、監督演出を構成する第1特定演出、および第2特定演出の実行タイミングは1種類であるが、複数のタイミングで実行可能であるようにしても良い。
また、第1実施形態では、監督演出の種類は4つであるが、1種類、2種類、または5種類以上であってもよい。
1回の特図変動演出における監督演出の実行回数の上限は2回であるが、この上限は1回であってもよいし、3回、もしくは4回であってもよい。
1回の特図変動演出において監督演出が1回実行される場合も2回実行される場合も、同一の演出内容の前兆演出が実行されるが、1回実行される場合の前兆演出の演出態様と、2回実行される場合の前兆演出の演出態様とが異なるようにしても良い。あるいは、前兆演出の演出態様が複数設定されており、前兆演出の演出態様によって、監督演出が実行される回数の期待度が異なるようにしても良い。例えば、前兆演出の演出態様には、第1演出態様と第2演出態様とがあり、第1演出態様よりも第2演出態様の方が、監督演出が2回実行されることに対する期待度が高いというようにしても良い。なお、この場合の演出態様には、前兆演出画像G50の具体的な表示内容、前兆演出画像G50の表示位置、および前兆演出画像G50の表示時間などが含まれる。
また、1回の特図変動演出において監督演出が1回実行される場合、および2回実行される場合の何れについても、必ず、実行される監督演出種別に係る監督演出対応前兆実行タイミングで前兆演出が実行されるようにしても良い。例えば、1回の特図変動演出において、第2特定演出と第3特定演出(SP)が実行される場合、前兆演出は、タイミングBとタイミングDの2回で実行されることになる。また、1回の特図変動演出において、第1特定演出とSPSPリーチ(L)が実行される場合、前兆演出は、タイミングAとタイミングEの2回で実行されることになる。なお、その変更例について、前兆演出が実行されるが監督演出が実行されないという場合は、前兆演出を何れの前兆実行タイミングでも実行可能としても良い。そして、この場合、前兆演出が実行されたが監督演出が実行されないことが1回の特図変動演出で2回以上起こり得るようにしても良い。この場合、前兆演出が実行されたが監督演出が実行されない回数が多くなるにつれて、大当たり遊技状態に移行する期待度が向上するようにしても良い。
監督演出は、大当たり遊技状態に移行する可能性があることを示唆する演出であるが、示唆する対象は大当たり遊技状態に限られず適宜に変更しても良い。例えば、相対的にラウンド遊技の実行回数が多い(所謂「出玉性能」が相対的に高い)大当たり遊技状態と、相対的にラウンド遊技の実行回数が少ない(所謂「出玉性能」が相対的に低い)大当たり遊技状態とがあり、監督演出の全て、あるいは一部は、相対的にラウンド遊技の実行回数が多い(所謂「出玉性能」が相対的に高い)大当たり遊技状態に移行する可能性があることを示唆する演出であっても良い。また、相対的に遊技者に有利な遊技状態(例えば、高確率高ベース遊技状態)を伴う大当たり遊技状態と、相対的に遊技者に不利な遊技状態(例えば、低確率高ベース遊技状態)を伴う大当たり遊技状態とがあり、監督演出の全て、あるいは一部は、相対的に遊技者に有利な遊技状態(例えば、高確率高ベース遊技状態)を伴う大当たり遊技状態に移行する可能性があることを示唆する演出であっても良い。
さらには、1回の特図変動演出で2回の監督演出が実行されること、および1回の特図変動演出で前兆演出が実行されたが監督演出が実行されなかったことは、大当たり遊技状態になる可能性が極めて高いことを示唆しているが、これらの双方、または一方は、大当たり遊技状態になる可能性が極めて高いことに加えて、または代えて、相対的にラウンド遊技の実行回数が多い(所謂「出玉性能」が相対的に高い)大当たり遊技状態に移行する可能性が極めて高いこと、および/または相対的に遊技者に有利な遊技状態(例えば、高確率高ベース遊技状態)を伴う大当たり遊技状態に移行する可能性が極めて高いことを示唆するようにしても良い。
また、第1実施形態では、監督演出は、特図変動演出において実行されているが、大当たり遊技において実行可能に構成しても良い。この場合、例えば、監督演出が所定のラウンド遊技において実行可能であり、大当たり遊技がその所定のラウンド遊技で大当たり遊技が終了する場合と、さらに大当たり遊技が継続して実行される場合とがあり、監督演出が実行されることによって、大当たり遊技が継続して実行されることに対してチャンスアップとなるようにしても良い。あるいは、監督演出が所定のラウンド遊技において実行可能であり、大当たり遊技の終了に応じて第1遊技状態に移行する場合と、大当たり遊技の終了に応じて第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態に移行する場合とがあり、セリフ予告が実行されることによって、大当たり遊技の終了に応じて第2遊技状態に移行することに対してチャンスアップとなるようにしても良い。
さらには、監督演出、および前兆演出は、先読み判定結果に基づく先読み演出として実行可能であり、先読み判定に係る特図1保留に対応する特図変動演出が開始する前から複数回の特図変動演出にわたって実行可能にしても良い。
<第2実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第2実施形態について説明する。以下においては、主に、第2実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2は、通常演出モードにおいて、表示部50aの保留表示領域50d、および当該表示領域50eの付近に装飾画像G60を表示する。基本的な実施形態で説明したように、表示部50aには、保留順1~保留順4の保留アイコンを表示する第1領域50d1~第4領域50d4(保留表示領域50d)、および当該アイコンを表示する当該表示領域50eが形成されているが、パチンコ遊技機PY2は、通常演出モードにおいて、第1領域50d1~第4領域50d4(保留表示領域50d)、および当該表示領域50eの直下に装飾画像G60を表示する。
図61は、表示部50aに表示される装飾画像G60を説明するための説明図である。図61(A)は、表示部50a全体における装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eの概略を表す説明図であり、図61(B)は、装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eを詳細に表す説明図である。図61(A)、および図61(B)に示すように、装飾画像G60は、全体的に横長矩形状に形成され、通常演出モードにおいて、通常は表示部50aの下端部に表示される。ただし、後述するように、装飾画像G60、ならびに保留表示領域50d、および当該表示領域50eは、一体的に移動することがある。
装飾画像G60は、基本的には、客待ちデモ動画G100や、Lリーチ用背景画像G114、およびSPリーチ用背景画像G115が表示されているとき以外は、通常用背景画像G111~113に重畳的に表示される。言い換えると、特図可変表示や大当たり遊技などの遊技が行われていない状態でデモ演出が実行(客待ちデモ動画G100が表示)されたり、特図変動表示中にLリーチやSPリーチが実行(Lリーチ用背景画像G114やSPリーチ用背景画像G115が表示)されたりせずに、通常ハズレ変動やNリーチ変動が繰り返し実行され続けている状況下では、装飾画像G60は、複数の特図可変表示に跨ってシームレスに表示され続ける。したがって、ある特図可変表示でハズレを示す態様の特図停止表示が行われ、続いて次の特図可変表示が開始される場合、特図可変表示の切り替えの際にも、装飾画像G60は、変化することなくシームレスに表示され続ける。
また、装飾画像G60は、保留表示領域50dの下側に隣接して表示され、保留アイコンを載置するような保留アイコン載置画像G60aと、当該表示領域50eの下側に隣接して表示され、当該アイコンを載置するような当該アイコン載置画像G60bと、保留アイコン載置画像G60a、および当該アイコン載置画像G60bを一体的に支持する土台のような土台画像G60cとを含む。
保留アイコン載置画像G60aは、さらに、第1領域50d1に表示される(保留順1に対応した)保留アイコンを載置する第1保留アイコン載置画像G60a1と、第2領域50d2に表示される(保留順2に対応した)保留アイコンを載置する第2保留アイコン載置画像G60a2と、第3領域50d3に表示される(保留順3に対応した)保留アイコンを載置する第3保留アイコン載置画像G60a3と、第4領域50d4に表示される(保留順4に対応した)保留アイコンを載置する第4保留アイコン載置画像G60a4とを含む。第1保留アイコン載置画像G60a1、第2保留アイコン載置画像G60a2、第3保留アイコン載置画像G60a3、第4保留アイコン載置画像G60a4、および当該アイコン載置画像G60bは、全て低い高さの台座を表している。
次に、装飾画像G60、ならびに保留表示領域50d、および当該表示領域50eの一体的な移動について説明する。なお、第2実施形態では、装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eの何れかが部分的に他と離れて単独で移動することはなく、移動する場合は必ず装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eが一体的に移動する。そこで、以下においては、基本的には、装飾画像G60、ならびに保留表示領域50d、および当該表示領域50eは一体的なものであると捉え、一体的な装飾画像G60、ならびに保留表示領域50d、および当該表示領域50eのことを代表して「装飾画像G60」と称する。したがって、例えば、「装飾画像G60の移動/装飾画像G60が移動する」とは、「装飾画像G60、ならびに保留表示領域50d、および当該表示領域50eの一体的な移動/装飾画像G60、ならびに保留表示領域50d、および当該表示領域50eが一体的に移動する」を意味することとする。
また、装飾画像G60の移動態様には、第1移動態様と第2移動態様とがある。第1移動態様は、装飾画像G60が全体的に正面視で時計回りに90度回転した姿勢となり、表示部50aの左端部に移動していることである。一方、第2移動態様は、装飾画像G60が全体的に正面視で反時計回りに90度回転した姿勢となり、表示部50aの右端部に移動していることである。なお、図61(A)、および図61(B)に示す装飾画像G60が移動していない装飾画像G60の態様を「通常態様」と称し、通常態様の装飾画像G60が、装飾画像G60の標準と位置付けられる。
図62(A)は、第1移動態様の装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eの概略を表す説明図であり、図62(B)は、第1移動態様の装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eを詳細に表す説明図である。図62(A)、および図62(B)に示すように、装飾画像G60が第1移動態様になると、相対的には当該表示領域50eが上端に配置され、そこから、第1領域50d1、第2領域50d2、第3領域50d3、および第4領域50d4が下方に向かって順番に配置されている。なお、第2実施形態では、通常態様の装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eと、第1移動態様の装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eとは、姿勢、および表示位置について相違するが、第1領域50d1~第4領域50d4、および当該表示領域50eの大きさや、第1領域50d1~第4領域50d4の各間隔や、保留表示領域50dと当該表示領域50eとの間隔などその他の要素については変化していないものとする。また、保留アイコンや当該アイコンの大きさも、通常態様の装飾画像G60の場合と、第1移動態様の装飾画像G60の場合とで変化しないものとする。
図63(A)は、第2移動態様の装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eの概略を表す説明図であり、図63(B)は、第2移動態様の装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eを詳細に表す説明図である。図63(A)、および図63(B)に示すように、装飾画像G60が第2移動態様になると、相対的には当該表示領域50eが下端に配置され、そこから、第1領域50d1、第2領域50d2、第3領域50d3、および第4領域50d4が上方に向かって順番に配置されている。なお、第2実施形態では、通常態様の装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eと、第2移動態様の装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eとは、姿勢、および表示位置について相違するが、第1領域50d1~第4領域50d4、および当該表示領域50eの大きさや、第1領域50d1~第4領域50d4の各間隔や、保留表示領域50dと当該表示領域50eとの間隔などその他の要素については変化していないものとする。また、保留アイコンや当該アイコンの大きさも、通常態様の装飾画像G60の場合と、第2移動態様の装飾画像G60の場合とで変化しないものとする。
なお、以下において、図61(A)に示す通常態様の装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50e全体に対する表示部50aでの表示位置のことを「通常位置」と称する。同様に、図62(A)に示す第1移動態様の装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50e全体に対する表示部50aでの表示位置のことを「第1特別位置」と称し、図63(A)に示す第2移動態様の装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50e全体に対する表示部50aでの表示位置のことを「第2特別位置」と称する。そして、「第1特別位置」、および「第2特別位置」のことをまとめて「特別位置」と称することもある。
また、保留表示領域50d、および当該表示領域50eが第1特別位置に移動した場合は、保留アイコンや当該アイコンなども第1特別位置に表示されるということになる。同様に、保留表示領域50d、および当該表示領域50eが第2特別位置に移動した場合は、保留アイコンや当該アイコンなども第2特別位置に表示されるということになる。したがって、保留表示領域50d、および当該表示領域50eの移動は、保留アイコンや当該アイコンの移動と捉えることもできる。
なお、図示しないが、装飾画像G60が通常位置から第1特別位置に移動する場合の移動過程は適宜に設定可能であるが、例えば、装飾画像G60は、図61(A)に示す状況から、右端を中心として時計回りに90度回転して、全体的に表示部50aの右端部付近で略垂直に起立した姿勢になり、その姿勢のまま左方向に移動して、表示部50aの左端部付近で停止して図62(A)に示す第1移動態様になるものとする。また、装飾画像G60が第1特別位置から通常位置に戻るときは、通常位置から第1特別位置に移動するときと逆の移動過程で戻る。
さらに、図示しないが、装飾画像G60が通常位置から第2特別位置に移動する場合の移動過程は適宜に設定可能であるが、例えば、装飾画像G60は、図61(A)に示す状況から、左端を中心として反時計回りに90度回転して、全体的に表示部50aの左端部付近で略垂直に起立した姿勢になり、その姿勢のまま右方向に移動して、表示部50aの右端部付近で停止して図63(A)に示す第2移動態様になるものとする。また、装飾画像G60が第2特別位置から通常位置に戻るときは、通常位置から第2特別位置に移動するときと逆の移動過程で戻る。
なお、装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eの通常位置から第1特別位置、および第2特別位置への移動は、当該アイコンや保留アイコンが表示されているときでも表示されていないときでも同じように行われるものとする。また、通常位置での保留表示領域50d、および当該表示領域50eに当該アイコンや保留アイコンが表示されているときに、第1特別位置、および第2特別位置に移動する場合、当該アイコンや保留アイコンと装飾画像G60との位置関係は保たれるものとする。言い換えると、装飾画像G60が通常位置から第1特別位置、および第2特別位置へ移動する場合、そこに表示されている当該アイコンや保留アイコンも装飾画像G60と一体的に回転や移動を行うものとする。
ところで、装飾画像G60の通常位置から第1特別位置への移動、および装飾画像G60の通常位置から第2特別位置への移動は、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出、言い換えると、実行されることによって大当たり遊技状態への移行に対する期待度が向上(チャンスアップ)する演出を構成する。以下において、装飾画像G60の通常位置から第1特別位置への移動のことを「第1保留位置移動予告」と称し、装飾画像G60の通常位置から第2特別位置への移動のことを「第2保留位置移動予告」と称することもある。第2実施形態では、第1保留位置移動予告が実行された場合よりも第2保留位置移動予告が実行された場合の方が、大当たり遊技状態になる可能性が高い。
なお、「第1保留位置移動予告」、および「第2保留位置移動予告」のことをまとめて「保留位置移動予告」と称することもある。また、第2実施形態では、1つの演出機会で第1保留位置移動予告と第2保留位置移動予告とが一緒に実行されることはない。すなわち、第1保留位置移動予告から第2保留位置移動予告が連続的に実行されること、および第2保留位置移動予告から第1保留位置移動予告が連続的に実行されることはない。さらに換言すると、通常位置から第1特別位置に移動した装飾画像G60がさらに第2特別位置に移動することはない。同様に、通常位置から第2特別位置に移動した装飾画像G60がさらに第1特別位置に移動することはない。したがって、第1保留位置移動予告が終了すると、装飾画像G60は通常位置に戻る。同様に、第2保留位置移動予告が終了すると、装飾画像G60は通常位置に戻る。
また、第2実施形態では、後述するように、保留位置移動予告は、先読み判定結果に基づく先読み演出として実行される。そして、当該先読み判定に係る特図1保留に対応する保留アイコンが表示されてから1秒が経過したときに保留位置移動予告が開始するものとする。すなわち、保留位置移動予告に係る特図1保留に対応する保留アイコンが表示されてから1秒が経過したときに、装飾画像G60は通常位置から特別位置に移動するものとする。
さらに、詳細には、先読み判定結果が「SP大当たり変動」、「L大当たり変動」、「SPハズレ変動」、「Lハズレ変動」、および「Nハズレ変動」の場合に、保留位置移動予告が実行可能である。すなわち、保留位置移動予告が実行されると、保留位置移動予告に係る先読み判定に対応する特図1変動表示で必ずリーチが成立する。そして、保留位置移動予告は、そのリーチが成立するときに終了し、リーチが成立してからNリーチが開始するまでの間に、装飾画像G60が特別位置から通常位置に戻るものとする。
また、パチンコ遊技機PY2では、特図1保留の発生時、保留アイコンは通常態様で出現する。そして、装飾画像G60が通常位置に表示されているとき、装飾画像G60が第1特別位置に表示(第1保留位置移動予告が実行)されているとき、装飾画像G60が第2特別位置に表示(第2保留位置移動予告が実行)されているとき、通常態様の保留アイコンが特別態様に変化する保留変化予告が実行されることがある。第2実施形態では、装飾画像G60が通常位置で表示されているとき(保留位置移動予告が実行されていないとき)<装飾画像G60が第1特別位置で表示されているとき(第1保留位置移動予告が実行されているとき)<装飾画像G60が第2特別位置で表示されているとき(第2保留位置移動予告が実行されているとき)の順番で、保留変化予告が実行される可能性が高い。
さらに、パチンコ遊技機PY2では、特別態様として、第1特別態様、第2特別態様、および第3特別態様の3種類の特別態様が設定されている。なお、第2実施形態では、通常態様は白色の円であり、第1特別態様は緑色の円であり、第2特別態様は赤色の円であり、第3特別態様3つ態様は金色の円である。そして、第1特別態様<第2特別態様<第3特別態様の順番で、当該特別態様種別が示唆する大当たり遊技状態になる可能性が高い。
次に、保留位置移動予告、および保留変化予告に係る制御内容の一例について説明する。なお、以下に説明する制御内容は、保留位置移動予告、および保留変化予告に係る制御内容の一例であるので、その制御内容は以下の内容に限定されることなく、適宜に変更しても良い。
例えば、演出制御用マイコン121は、第1始動入賞コマンドを受信するとステップS4302に進むが、ステップS4302において、まずは、当該第1始動入賞コマンドに対応する特図1保留に係る保留順を示し、当該特図保留1の発生、言い換えると大当たり判定、または特図1可変表示の実行権利を得たことに応じた保留アイコンを表示することを示すコマンド(保留演出コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン121は、現在、特図変動表示中である場合、受信した第1始動入賞コマンドに基づいて、保留位置移動予告の実行の可否、および実行する場合の保留位置移動予告の種別(保留位置移動予告種別:第1保留位置移動予告、第2保留位置移動予告)を決定するための保留位置移動予告判定を行う。なお、演出制御用マイコン121は、特図変動表示中でない場合、保留位置移動予告判定を行わず、後述する保留変化予告判定を行うものとする。したがって、第2実施形態では、特図変動表示が行われていないときに発生した特図1保留に対して、保留位置移動予告が行われることはないということになる。
保留位置移動予告判定は、保留位置移動予告判定テーブルを参照して実行される。保留位置移動予告判定テーブルの構成例を図64に示す。図64に示すように、保留位置移動予告判定テーブルは、第1始動入賞コマンドが示す先読み判定結果である特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、保留位置移動予告判定テーブルとして、SP大当たり変動用の保留位置移動予告判定テーブル、L大当たり変動用の保留位置移動予告判定テーブル、SPハズレ変動用の保留位置移動予告判定テーブル、Lハズレ変動用の保留位置移動予告判定テーブル、Nハズレ変動用の保留位置移動予告判定テーブル、および通常ハズレ変動用の保留位置移動予告判定テーブルが設けられている。
各保留位置移動予告判定テーブルには、判定結果として、「第1保留位置移動予告」、「第2保留位置移動予告」、および「実行しない」が設定されている。判定結果としての「第1保留位置移動予告」は、第1保留位置移動予告を実行することに対応し、判定結果としての「第2保留位置移動予告」は、第2保留位置移動予告を実行することに対応し、判定結果としての「実行しない」は、保留位置移動予告を実行しないことに対応している。図64に示す各保留位置移動予告判定テーブルは、各判定結果(第1保留位置移動予告、第2保留位置移動予告、実行しない)に対する選択率が図64に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図64に示すように、大当たり変動の場合もハズレ変動の場合も「第1保留位置移動予告」、および「第2保留位置移動予告」が選択されることがある。したがって、第1保留位置移動予告、または第2保留位置移動予告が実行されると、大当たり遊技状態になる可能性がある。すなわち、第1保留位置移動予告、および第2保留位置移動予告は、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出である。
また、SP大当たり変動、およびL大当たり変動については、第1保留位置移動予告の選択率よりも第2保留位置移動予告の選択率の方が高く、SPハズレ変動、およびLハズレ変動については、第2保留位置移動予告の選択率よりも第1保留位置移動予告の選択率の方が高い。したがって、総じて、第1保留位置移動予告が実行される場合よりも第2保留位置移動予告が実行される場合の方が、当該第1始動入賞コマンドに対応する特図可変表示に基づいて大当たり遊技状態になる可能性が高い。
演出制御用マイコン121は、保留位置移動予告判定の結果が「第1保留位置移動予告」、または「第2保留位置移動予告」であった場合、当該判定結果(保留位置移動予告種別)を示すコマンド(保留位置移動予告コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
なお、以下において、保留位置移動予告判定で「第1保留位置移動予告」、または「第2保留位置移動予告」が選択された場合の、当該判定の対象である特図1保留のことを「保留位置移動予告対象保留」と称する。すなわち、保留位置移動予告対象保留が、保留位置移動予告の対象であり、保留位置移動予告は、保留位置移動予告対象保留に係る大当たり判定や特図1変動表示に向けた演出として位置付けられる。
演出制御用マイコン121は、保留位置移動予告判定を終えると、続いて、保留変化予告の実行の可否、および実行する場合の特別態様の種別(第1特別態様、第2特別態様、第3特別態様)を決定するための保留変化予告判定を行う。保留変化予告判定は、保留変化予告判定テーブルを参照して実行される。保留変化予告判定テーブルの構成例を図65-1~図65-3に示す。
図65-1~図65-3に示すように、保留変化予告判定テーブルは、始動入賞コマンドが示す先読み判定結果である特図変動パターン、および保留位置移動予告判定の判定結果(第1保留位置移動予告、第2保留位置移動予告、実行しない)に対応付けられている。具体的には、保留変化予告判定テーブルとして、SP大当たり変動用の保留変化予告判定テーブル、L大当たり変動用の保留変化予告判定テーブル、SPハズレ変動用の保留変化予告判定テーブル、Lハズレ変動用の保留変化予告判定テーブル、Nハズレ変動用の保留変化予告判定テーブル、および通常ハズレ変動用の保留変化予告判定テーブルが設けられている。さらに、特図変動パターンに対応付けられた各保留変化予告判定テーブルには、保留位置移動予告判定結果「第1保留位置移動予告」に対応付けられたものと、保留位置移動予告判定結果「第2保留位置移動予告」に対応付けられたものと、保留位置移動予告判定結果「実行しない」に対応付けられたものと、がある。
各保留変化予告判定テーブルには、判定結果として、「通常態様」、「第1特別態様」、「第2特別態様」、および「第3特別態様」が設定されている。判定結果としての「通常態様」は、当該判定の対象となるアイコンの最終表示態様は通常態様であり、保留変化予告を実行しないことに対応し、判定結果としての「第1特別態様」は、当該判定の対象となるアイコンの最終表示態様は第1特別態様であり、保留アイコンを通常態様から第1特別態様に変化させる保留変化予告を実行することに対応し、判定結果としての「第2特別態様」は、当該判定の対象となるアイコンの最終表示態様は第2特別態様であり、保留アイコンを通常態様から第2特別態様に変化させる保留変化予告を実行することに対応し、判定結果としての「第3特別態様」は、当該判定の対象となるアイコンの最終表示態様は第3特別態様であり、保留アイコンを通常態様から第3特別態様に変化させる保留変化予告を実行することに対応している。図65-1~図65-3に示す各保留変化予告判定テーブルは、各判定結果(通常態様、第1特別態様、第2特別態様、第3特別態様)に対する選択率が図65-1~図65-3に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図65-1~図65-3に示すように、SP大当たり変動、L大当たり変動、SPハズレ変動、およびLハズレ変動については、保留位置移動予告判定結果が「実行しない」<「第1保留位置移動予告」<「第2保留位置移動予告」の順番で、特別態様全体に係る選択率が高い。また、Nリーチ変動については、「第2保留位置移動予告」が選択されることはないが、保留位置移動予告判定結果が「実行しない」<「第1保留位置移動予告」の順番で、特別態様全体に係る選択率が高い。したがって、総じて、保留位置移動予告が実行されない場合<第1保留位置移動予告が実行される場合<第2保留位置移動予告が実行される場合の順番で、保留変化予告が実行される可能性(期待度)が高い。
さらに、SP大当たり変動、およびL大当たり変動については、保留位置移動予告判定結果が「実行しない」<「第1保留位置移動予告」<「第2保留位置移動予告」の順番で、第2特別態様、および第3特別態様に係る選択率が高い。また、SPハズレ変動については、「実行しない」、および「第1保留位置移動予告」の場合に「第3特別態様」が選択されることがないが、「第2保留位置移動予告」の場合に「第3特別態様」が選択されることがあり、「実行しない」<「第1保留位置移動予告」<「第2保留位置移動予告」の順番で、第2特別態様に係る選択率が高い。また、Lハズレ変動については、「第3特別態様」が選択されることがないが、「実行しない」<「第1保留位置移動予告」<「第2保留位置移動予告」の順番で、第2特別態様に係る選択率が高い。また、Nハズレ変動については、第2特別態様、および第3特別態様が選択されることはない。したがって、総じて、保留位置移動予告が実行されない場合<第1保留位置移動予告が実行される場合<第2保留位置移動予告が実行される場合の順番で、相対的に大当たり遊技状態に移行する可能性が高いことを示唆する保留変化予告が実行される(保留アイコンが、相対的に大当たり遊技状態に移行する可能性が高いことを示唆する表示態様に変化する)可能性が高い。
なお、保留位置移動予告が実行されないということは装飾画像G60、および保留アイコンや当該アイコンが通常位置で表示されるということであり、第1保留位置移動予告が実行されるということは装飾画像G60、および保留アイコンや当該アイコンが第1特別位置で表示されるということであり、第2保留位置移動予告が実行されるということは装飾画像G60、および保留アイコンや当該アイコンが第2特別位置で表示されるということである。したがって、装飾画像G60、および保留アイコンや当該アイコンの表示位置が、通常位置<第1特別位置<第2特別位置の順番で、保留変化予告が実行される可能性が高いということになる。また、装飾画像G60、および保留アイコンや当該アイコンの表示位置が、通常位置<第1特別位置<第2特別位置の順番で、相対的に大当たり遊技状態に移行する可能性が高いことを示唆する保留変化予告が実行される(保留アイコンが、相対的に大当たり遊技状態に移行する可能性が高いことを示唆する表示態様に変化する)可能性が高いということになる。
また、演出制御用マイコン121は、ステップS4302において、最初に、現在、特図変動表示中ではないと判断した場合、保留位置移動予告判定を行わずに保留変化予告判定を行う。この場合、演出制御用マイコン121は、保留位置移動予告判定での判定結果が「実行しない」であった場合と同様に、保留変化予告を行う。
演出制御用マイコン121は、保留変化予告判定の結果が「第1特別態様」、「第2特別態様」、または「第3特別態様」であった場合、言い換えると、保留変化予告で保留変化予告を実行すると判定した場合、当該判定結果(特別態様種別)を示すコマンド(保留変化予告コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、保留変化予告判定の対象となる特図1保留に対応した保留アイコンに係る保留演出コマンドに対応付けて、保留変化予告コマンドを出力バッファにセットするものとする。
なお、以下において、保留変化予告判定で「第1特別態様」、「第2特別態様」、または「第3特別態様」が選択された場合の、当該判定の対象である特図1保留のことを「保留変化予告対象保留」と称する。すなわち、保留変化予告対象保留が、保留変化予告の対象であり、保留変化予告は、保留変化予告対象保留に係る大当たり判定や特図1変動表示に向けた演出として位置付けられる。
また、演出制御用マイコン121は、保留変化予告判定の結果が「第1特別態様」、「第2特別態様」、または「第3特別態様」であった場合、保留変化予告を実行するタイミング(保留変化タイミング)を決定するための保留変化タイミング判定を行う。保留変化タイミング判定は、保留変化タイミング判定テーブルを参照して実行される。保留変化タイミング判定テーブルの構成例を図66に示す。
図66に示すように、保留変化タイミング判定テーブルは、保留変化予告対象保留が発生したときの保留順に対応付けられている。具体的には、保留変化タイミング判定テーブルとして、保留順4用の保留変化タイミング判定テーブル、保留順3用の保留変化タイミング判定テーブル、保留順2用の保留変化タイミング判定テーブル、および保留順1用の保留変化タイミング判定テーブルが設けられている。
各保留変化タイミング判定テーブルには、判定結果として、「保留順3」、「保留順2」、「保留順1」、および「当該変動」が設定されている。判定結果としての「保留順3」は、保留変化予告対象保留に係るアイコン(保留変化予告対象アイコン)が第3領域50d3にシフト(移動)してから2秒経過したタイミングを表し、「保留順2」は、保留変化予告対象アイコンが第2領域50d2にシフト(移動)してから2秒が経過したタイミングを表し、「保留順1」は、保留変化予告対象アイコンが第1領域50d1にシフト(移動)してから2秒が経過したタイミングを表し、「当該変動」は、保留変化予告対象アイコンが当該表示領域50deにシフト(移動)してから2秒が経過したタイミングを表している。図66に示す各保留変化タイミング判定テーブルは、各判定結果(保留順3、保留順2、保留順1、当該変動)に対する選択率が図66に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
演出制御用マイコン121は、保留変化タイミング判定を終えると、当該判定結果(保留変化タイミング)を示すコマンド(保留変化タイミングコマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、保留変化タイミング判定の対象となる保留変化予告に係る保留変化予告コマンドに対応付けて、保留変化タイミングコマンドを出力バッファにセットするものとする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた保留演出コマンド、保留位置移動予告コマンド、保留変化予告コマンド、および保留変化タイミングコマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。なお、保留演出コマンド、保留位置移動予告コマンド、保留変化予告コマンド、および保留変化タイミングコマンドは上述の一連の処理によって、同一のステップS4302内で演出用RAM124の出力バッファにセットされ、基本的にはまとめて画像制御基板140に送信されることになるが、厳密には、演出制御用マイコン121は、先に保留演出コマンドを送信し、次いで、保留位置移動予告コマンドを送信し、その後、保留変化予告コマンド、保留変化タイミングコマンドの順番で送信するものとする。
画像制御基板140の画像用CPU141は、保留演出コマンドを受信した場合、直ぐに、保留表示領域50dの中の当該保留演出コマンドが示す特図1保留に係る保留順に応じた位置(第1領域50d1、第2領域50d2、第3領域50d3、第4領域50d4)に通常態様の保留アイコンを表示する。
また、画像制御基板140の画像用CPU141は、保留位置移動予告コマンドを受信した場合、保留位置移動予告対象保留に対応する保留アイコンを表示してから1秒が経過したときに、保留位置移動予告コマンドが示す種別の保留位置移動予告を実行する。
さらに、画像制御基板140の画像用CPU141は、保留変化予告コマンドを受信した場合、当該保留変化予告コマンドに対応付けられている保留演出コマンドに係る通常態様の保留アイコンを、当該保留変化予告コマンドが対応付けられている保留変化タイミングコマンドが示すタイミングで、当該保留変化予告コマンドが示す特別態様に変化させる。
次に、保留位置移動予告、および保留変化予告の具体例について説明する。図67~図69は、保留位置移動予告、および保留変化予告の具体例を説明する説明図である。
なお、保留位置移動予告、および保留変化予告の具体例を説明するにあたり、現在、図67(A)に示すように、通常演出モードであり、第1通常用背景画像G111に重畳的に演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われていると共に、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示に対応した通常態様の当該アイコンHA0、および保留順1の特図1保留に対応した通常態様の保留アイコンHA1が表示されている状況であると仮定する。
また、図67(A)に示す状況において、保留位置移動予告、および保留変化予告が実行される予定はないものとする。また、当該アイコンHA0に係る特図変動パターンはリーチ無しハズレであり、保留アイコンHA1に係る特図変動パターンはリーチ無しハズレであったと仮定する。
そして、例えば、図67(A)に示す状況から保留順2の特図1保留が発生し、当該特図1保留に係る先読み判定結果はSP大当たり変動であり、当該特図1保留の発生に基づく保留位置移動予告判定で「第2保留位置移動予告」と判定され、保留変化予告判定で「第2特別態様」と判定され、保留変化タイミング判定で「保留順1」と判定されたと仮定する。すなわち、当該特図1保留が保留位置移動予告対象保留となる。そうすると、まずは、その保留順2の特図1保留の発生に応じて、図67(B)に示すように、通常態様の保留アイコンHA2が、保留順2に対応した位置に表示される。
そして、保留位置移動予告対象保留に対応した保留アイコンHA2が表示されてから2秒が経過すると、図67(C)に示すように、装飾画像G60が第2特別位置に移動することによって第2保留位置移動予告が実行される。それから、図67(A)に示す状況のときに行われていた特図1変動表示が終了して、図67(D)に示すように、リーチ無しハズレを示す態様で特図1の停止表示が行われると、それまで変動表示していた演出図柄EZ1~EZ3がリーチ無しハズレを示す態様で停止表示すると共に、当該アイコンHA0が消去される。
続いて、保留順1の特図1保留に対応した特図1変動表示が開始すると、図68(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始すると共に、保留アイコンHA1が当該表示領域50e(図示なし)に移動して、当該アイコンHA1になり、保留アイコンHA2が第1領域50d1(図示なし)に移動して、保留順1を表す保留アイコンHA2になる。
ここで、保留アイコンHA2に対応する特図1保留に基づく保留変化タイミング判定の結果は「保留順1」であったので、当該特図1保留の保留順が保留順1になってから2秒が経過したときに、図68(B)に示すように、保留アイコンHA2の表示態様が通常態様から第2特別態様に変化する。それから、図68(A)に示す状況のときに行われていた特図1変動表示が終了して、図68(C)に示すように、ハズレを示す態様で特図1の停止表示が行われると、それまで変動表示していた演出図柄EZ1~EZ3がリーチ無しハズレを示す態様で停止表示すると共に、当該アイコンHA1が消去される。
続いて、保留順1の特図1保留に対応した特図1変動表示が開始すると、図68(D)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始すると共に、保留アイコンHA2が当該表示領域50e(図示なし)に移動して、当該アイコンHA2になる。
その後は、保留アイコンHA2に対応する特図1保留の先読み判定結果は「SP大当たり変動」であったので、例えば、図69(A)に示すように、通常変動が行われて、図69(B)に示すように、リーチが成立したときに、第1保留位置移動予告が終了する。具体的には、リーチが成立してから、図69(C)に示すように、Nリーチが開始するまでの間に、装飾画像G60が通常位置に戻る。
以上のように、パチンコ遊技機PY2によれば、表示部50aにおいて、保留アイコンや当該アイコン(特定画像)を第1特別位置(第1表示位置)に表示するときと、第2特別位置(第2表示位置)に表示するときと、があり、保留アイコンや当該アイコン(特定画像)が第1特別位置(第1表示位置)に表示された場合よりも第2特別位置(第2表示位置)に表示された場合の方が大当たり遊技状態(有利遊技状態)になる可能性が高いことによって、遊技者に驚きを与えつつ、保留アイコンや当該アイコンの表示位置に注目させることができるので、遊技興趣が向上する。また、保留アイコンや当該アイコン(特定画像)の表示位置として、通常の通常位置(通常表示位置)があり、保留アイコンや当該アイコン(特定画像)が通常位置(通常表示位置)に表示されているときに、第1特別位置(第1表示位置)に移動するときと、第2特別位置(第2表示位置)に移動するときと、があることによって、保留アイコンや当該アイコン(特定画像)を用いた演出の単調化を抑えることができるので、さらに遊技興趣が向上する。さらに、第1特別位置(第1表示位置)や第2特別位置(第2表示位置)に表示される対象が、特図1保留(大当たり判定、特図可変表示を実行する権利)が発生することに応じて通常位置(通常表示位置)に表示されることがあるアイコン(保留アイコン、当該アイコン)であるので、遊技興趣を向上させる期間を持続させることができる。
(第2実施形態の変更例)
次に、第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY2の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
第2実施形態では、保留位置移動予告、および保留変化予告は通常遊技状態且つ通常演出モードにおいて実行されるが、保留位置移動予告、および保留変化予告が実行可能な遊技状態、および演出モードは第2実施形態に限られず適宜に変更しても良い。また、保留位置移動予告、および保留変化予告を、複数種類の遊技状態や演出モードで実行可能としても良い。さらには、特図2保留に係る先読み判定結果に基づいて、保留位置移動予告、および保留変化予告を実行可能にしても良い。
保留位置移動予告種別、言い換えると、装飾画像G60の特別表示位置、さらに換言すると、保留アイコンやアイコンの特別表示位置は2種類であるが、この種別数は特に限定されることはなく、1種類であってもよいし、3種類以上であっても良い。
また、各種保留位置移動予告の演出内容、言い換えると、装飾画像G60の特別表示位置、さらに換言すると、保留アイコンやアイコンの特別表示位置は2種類であるが、この演出内容は特に限定されることはなく、適宜に変更しても良い。
例えば、第1保留位置移動予告として、装飾画像G60は通常態様に対して時計回りに90度回転した状態で、表示部50aの左端部に表示されているが、この角度、および表示部50aにおける表示位置の双方、または一方を適宜に変更しても良い。同様に、第2保留位置移動予告として、装飾画像G60は通常態様に対して反時計回りに90度回転した状態で、表示部50aの右端部に表示されているが、この角度、および表示部50aにおける表示位置の双方、または一方を適宜に変更しても良い。
第1保留位置移動予告、および第2保留位置移動予告の何れにおいても、装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eは、通常態様のときと同一の大きさであるが、第1保留位置移動予告、および第2保留位置移動予告の双方、または一方については、通常態様のときと比べて拡大、もしくは縮小されても良い。あるいは、装飾画像G60、保留表示領域50d、および当該表示領域50eは、第1保留位置移動予告、および第2保留位置移動予告の一方においては、通常態様のときと比べて拡大され、他方においては通常態様のときと比べて縮小されても良い。なお、これらの拡大、および縮小がなされた場合は、当然に当該アイコンや保留アイコンなどのアイコンの大きさもそれに応じて拡大、および縮小されるものとする。
例えば、第1保留位置移動予告では、装飾画像G60が全体的に1/3程度に縮小されるが、通常態様と同じ水平方向に保持されつつ、例えば、表示部50aの左演出図柄EZ1が表示される領域の上下方向略中央に配置され、第2保留位置移動予告では、装飾画像G60が全体的に1/3程度に縮小されるが、通常態様と同じ水平方向に保持されつつ、例えば、表示部50aの右演出図柄EZ3が表示される領域の上下方向略中央に配置されるようにしても良い。あるいは、第1保留位置移動予告では、装飾画像G60が全体的に2/3程度に縮小されつつ、通常態様に対して反時計回りに30度回転した状態で保持され、表示部50aの左演出図柄EZ1が表示される領域の下部辺りに配置され、第2保留位置移動予告では、装飾画像G60が全体的に4/5程度に縮小されつつ、通常態様に対して反時計回りに20度回転した状態で保持され、表示部50aの左演出図柄EZ1が表示される領域の下部辺りに配置されるようにしても良い。
また、第1保留位置移動予告や第2保留位置移動予告が実行されることによって、保留表示領域50d、および当該表示領域50eの表示位置が一体的に移動するが、この場合には、装飾画像G60のデザインが変更、または装飾画像G60が消去されるようにしても良い。
保留位置移動予告は、保留位置移動予告対象保留に対応した保留アイコンが表示されてから1秒経過したときに実行されるが、この実行タイミングは特に限定されることなく、適宜に変更しても良い。例えば、保留位置移動予告対象保留に対応した保留アイコンが表示されるタイミングで保留位置移動予告が実行されるようにしても良いし、保留位置移動予告対象保留に係る保留順が先に進んだ後に、言い換えると保留位置移動予告対象保留対応した保留アイコンが当該表示領域50e側へ移動した後に保留位置移動予告が実行されるようにしても良い。さらには、保留位置移動予告を実行可能なタイミングを複数設定しても良い。
また、保留位置移動予告は、保留位置移動予告対象保留に対応した特図変動演出でリーチが成立するときに終了するが、保留位置移動予告の終了タイミングは特に限定されず、適宜に変更しても良い。例えば、保留位置移動予告対象保留に対応した特図変動演出が開始するときに保留位置移動予告が終了したり、保留位置移動予告対象保留に対応した特図変動演出が開始する前に保留位置移動予告が終了したりすることがあるようにしても良い。また、保留位置移動予告が終了するタイミングが複数設定されていても良い。
特別態様種別は3種類であるが、この種別数は特に限定されることはなく、1種類、2種類、または4種類以上であっても良い。また、第2実施形態では、保留アイコンは必ず通常態様で出現するようになっているが、特別態様で出現することがあってもよい。さらには、保留変化予告は通常態様から特別態様への変化であるが、特別態様から通常態様へ変化する保留変化予告、および/または何れかの特別態様から別の特別態様へ変化する保留変化予告を実行可能にしても良い。加えて、1つの保留アイコンが出現してから消滅するまでの間に、複数回表示態様が変化する保留変化予告を実行可能にしても良い。この場合、装飾画像G60が通常位置で表示されている場合<装飾画像G60が第1特別位置で表示されている(第1保留位置移動予告が実行されている)場合<装飾画像G60が第2特別位置で表示されている(第2保留位置移動予告が実行されている)場合の順番で、保留位置移動予告対象保留に対応したアイコン、または別の特図1保留に対応したアイコンの表示態様が変化する回数の期待値が多くなるようにしても良い。
また、第2実施形態では、保留変化予告の実行タイミングとして、保留変化予告対象アイコンが第3領域50d3にシフト(移動)してから2秒が経過したとき、保留変化予告対象アイコンが第2領域50d2にシフト(移動)してから2秒が経過したとき、保留変化予告対象アイコンが第1領域50d1にシフト(移動)してから2秒が経過したとき、および保留変化予告対象アイコンが当該表示領域50eにシフト(移動)してから2秒が経過したときに設定されているが、保留変化予告の実行タイミングは適宜に設定可能であり、これらの全て、または一部に加え、または代えて、適宜に設定しても良い。
特図1保留に係る先読み判定結果に基づく先読み演出として、装飾画像G60、言い換えると保留アイコンや当該アイコンなどのアイコンの表示位置が移動する保留位置移動予告が実行されるが、表示位置の対象を装飾画像G60、言い換えると保留アイコンや当該アイコンから別の画像に変更しても良い。例えば、特図1保留に係る先読み判定結果に基づく先読み演出として、演出図柄EZ1~EZ3、小図柄KZ1~KZ3、または別の特定画像の表示位置が移動する演出を実行可能としても良い。この場合、表示位置の違いによって先読み演出の演出種別を複数設定しても良い。また、前述の保留位置移動予告の変更例と同様に、当該先読み演出が実行された場合に、対象となる画像の大きさや姿勢が変更されても良い。
<第3実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第3実施形態について説明する。以下においては、主に、第3実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3では、通常遊技状態、且つ通常演出モードでの特図変動演出において、リーチや各種リーチ演出などのような演出フロー構成演出とは別に、遊技者に有利な遊技状態になる可能性があることを示唆する特別モード演出、言い換えると、実行されることが遊技者に有利な遊技状態になることに対するチャンスアップとなる特別モード演出が実行されることがある。特別モード演出は、特図変動演出の通常変動において実行可能である。
なお、具体例は後述するが、特別モード演出では、特別モード演出専用の背景画像(特別モード演出用背景画像)G117が表示部50aの全体に表示される。詳細な説明は省略するが、特別モード演出用背景画像G117は、所定のストーリー性を有する2Dのアニメーションで構成されている。また、特別モード演出は、演出フロー構成演出である通常変動において実行される。
図70は、特別モード演出に係る演出フローを表す図である。図70に示すように、特別モード演出では、最初に、特別モード演出が開始したことを報知する特別モード演出開放報知演出が実行され、続いて、当該特別モード演出の中心的な位置づけである3回の単位演出が実行され、それから、3回の単位演出をまとめ上げるような総括演出が実行され、最後に、特別モード演出が終了することを報知する特別モード演出終了報知演出が実行される。
各単位演出では、最初に、チャンスアップ演出の種別(チャンスアップ種別)を示唆するチャンスアップ種別示唆演出が実行され、続いて、チャンスアップ演出が実行される。チャンスアップ演出は、実行されることによって大当たり遊技状態になる期待度が高まる(チャンスアップする)演出である。
チャンスアップ種別として、第1チャンスアップ演出、第2チャンスアップ演出、および第3チャンスアップ演出が設定されている。第1チャンスアップ演出は、表示部50aでカットインが行われる演出(カットイン演出)で構成され、第2チャンスアップ演出は、表示部50aで所定の群が左から右に横断する演出(群横断演出)で構成され、第3チャンスアップ演出は、枠ランプ53が特定態様で発光する演出(枠ランプフラッシュ)で構成されている。したがって、第1チャンスアップ演出のチャンスアップ種別示唆演出(第1チャンスアップ種別示唆演出)は、カットイン演出が実行されることを示唆する演出であり、第2チャンスアップ演出のチャンスアップ種別示唆演出(第2チャンスアップ種別示唆演出)は、群横断演出が実行されることを示唆する演出であり、第3チャンスアップ演出のチャンスアップ種別示唆演出(第3チャンスアップ種別示唆演出)は、枠ランプフラッシュが実行されることを示唆する演出である。
また、第1チャンスアップ演出には、第1演出態様A、第1演出態様B、および第1演出態様Cの3種類の演出態様(第1チャンスアップ演出態様)が設定されている。第2チャンスアップ演出にも、第2演出態様A、第2演出態様B、および第2演出態様Cの3種類の演出態様(第2チャンスアップ演出態様)が設定されている。同様に、第3チャンスアップ演出にも、第3演出態様A、第3演出態様B、および第3演出態様Cの3種類の演出態様(第3チャンスアップ演出態様)が設定されている。
第1チャンスアップ演出態様、第2チャンスアップ演出態様、および第3チャンスアップ演出態様には、その演出態様が示唆する大当たり遊技状態になる期待度が対応付けられている。第1チャンスアップ演出態様については、第1演出態様A<第1演出態様B<第1演出態様Cの順番で大当たり遊技状態になる期待度が高い。第2チャンスアップ演出態様については、第2演出態様A<第2演出態様B<第2演出態様Cの順番で大当たり遊技状態になる期待度が高い。第3チャンスアップ演出態様については、第3演出態様A<第3演出態様B<第3演出態様Cの順番で大当たり遊技状態になる期待度が高い。
なお、第1チャンスアップ演出態様の種類は、カットイン演出で用いられる画像(カットイン演出画像)G61の色彩に関連付けられている。第1演出態様Aは緑色に関連付けられ、第1演出態様Bは赤色に関連付けられ、第1演出態様Cは金色に関連付けられている。第2チャンスアップ演出態様の種類は、群横断演出で用いられる画像(群横断演出画像)G62を構成する野球のボールの群の数に関連付けられている。第2演出態様Aは5個に関連付けられ、第2演出態様Bは15個に関連付けられ、第2演出態様Cは30個に関連付けられている。第3チャンスアップ演出態様の種類は、枠ランプフラッシュで発光する枠ランプ53の発光色に関連付けられている。そして、第3演出態様Aは緑色に関連付けられ、第3演出態様Bは赤色に関連付けられ、第3演出態様Cは虹色に関連付けられている。
次に、チャンスアップ演出の昇格について説明する。前述の通り、特別モード演出全体を通してチャンスアップ演出が実行され得る回数は、3回である。そして、何れの順番の単位演出でも第1チャンスアップ演出が実行されるときと、第2チャンスアップ演出が実行されるときと、第3チャンスアップ演出が実行されるときと、がある。したがって、当該特別モード演出において、第1チャンスアップ演出、第2チャンスアップ演出、および第3チャンスアップ演出のそれぞれが1回ずつ実行される場合と、第1チャンスアップ演出が2回、第2チャンスアップ演出が1回実行される場合と、第1チャンスアップ演出が2回、第3チャンスアップ演出が1回実行される場合と、第2チャンスアップ演出が2回、第1チャンスアップ演出が1回実行される場合と、第2チャンスアップ演出が2回、第3チャンスアップ演出が1回実行される場合と、第3チャンスアップ演出が2回、第1チャンスアップ演出が1回実行される場合と、第3チャンスアップ演出が2回、第2チャンスアップ演出が1回実行される場合と、第1チャンスアップ演出が3回実行される場合と、第2チャンスアップ演出が3回実行される場合と、第3チャンスアップ演出が3回実行される場合と、がある。
そして、パチンコ遊技機PY3では、特別モード演出において同一種別のチャンスアップ演出が複数回実行される場合は、単位演出の順番が上がっていくにつれて、チャンスアップ演出態様が示唆する(チャンスアップ演出態様に対応付けられた)大当たり遊技状態になる期待度が高くなっていくようにチャンスアップ演出態様が変化していくことがある。言い換えると、特別モード演出全体を通して、大当たり遊技状態になる期待度が高くなっていくようにチャンスアップ演出態様が変化していく。この大当たり遊技状態になる期待度が高くなるようにチャンスアップ演出態様が変化していくことを「チャンスアップ演出の昇格」と称する。
また、表示部50aで実行され、総括演出に対応付けられた画像(総括演出画像)G64の表示で構成されている。そして、総括演出には、第4演出態様A、第4演出態様B、および第4演出態様Cの3種類の演出態様(総括演出態様)が設定されている。総括演出態様には、その演出態様が示唆する大当たり遊技状態になる期待度が対応付けられている。総括演出態様については、第4演出態様A<第4演出態様B<第4演出態様Cの順番で大当たり遊技状態になる期待度が高い。
なお、具体例は後述するが総括演出画像G64は、所定の女性教師キャラクターの台詞で構成されている。そして、総括演出の種類は、総括演出画像G64を構成する台詞の内容に関連付けられている。第4演出態様Aは台詞「ひと言でまとめると 普通ね」であり、第4演出態様Bは台詞「ひと言でまとめると 良好ね」であり、第4演出態様Cは台詞「ひと言でまとめると 優秀ね」である。
また、第3実施形態では、特別モード演出の演出時間(特別モード演出時間)は11秒に設定されている。詳細には、特別モード演出開始示唆演出の演出時間は0.5秒であり、各単位演出の演出時間は3秒であり、総括演出の演出時間は1秒であり、特別モード演出終了示唆演出の演出時間は0.5秒である。さらには、特別モード演出が実行される場合は、特図変動演出(通常変動)が開始してから1秒が経過したときに特別モード演出が開始し、当該通常変動中に特別モード演出は終了する。
次に、特別モード演出に係る制御内容の一例について説明する。なお、以下に説明する制御内容は、特別モード演出に係る制御内容の一例であるので、その制御内容は以下の内容に限定されることなく、適宜に変更しても良い。
例えば、演出制御用マイコン121は、ステップS4306において、通常遊技状態、且つ通常演出モードである場合には、特図変動演出パターンを決定した後に、特図変動開始コマンドに基づいて、特別モード演出の実行の可否を決定するための特別モード演出実行判定を行う。
特別モード演出実行判定は、特別モード演出実行判定テーブルを参照して実行される。特別モード演出実行判定テーブルの構成例を図71(A)に示す。図71(A)に示すように、特別モード演出実行判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、特別モード演出実行判定テーブルとして、SP大当たり変動用の特別モード演出実行判定テーブル、L大当たり変動用の特別モード演出実行判定テーブル、SPハズレ変動用の特別モード演出実行判定テーブル、Lハズレ変動用の特別モード演出実行判定テーブル、Nハズレ変動用の特別モード演出実行判定テーブル、通常Aハズレ変動用の特別モード演出実行判定テーブル、通常Bハズレ変動用の特別モード演出実行判定テーブル、および通常Cハズレ変動用の特別モード演出実行判定テーブルが設けられている。図71(A)に示す各特別モード演出実行判定テーブルは、特別モード演出を実行する/実行しないに対する選択率が図71(A)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図71(A)に示すように、大当たり変動の場合もハズレ変動の場合も「実行する」と選択されることがある。したがって、特別モード演出が実行されると、大当たり遊技状態になる可能性がある。すなわち、特別モード演出は、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出である。また、リーチが成立する特図変動の場合に「実行する」と選択されることがあるが、リーチが成立しない特図変動の場合に「実行する」と選択されることはない。したがって、特別モード演出が実行されると、必ずリーチが成立する。すなわち、特別モード演出は、リーチになることを示唆する演出である。
演出制御用マイコン121は、特別モード演出実行判定で特別モード演出を実行すると判定した場合には、引き続き、特図変動開始コマンドに基づいて、特別モード演出における3回のチャンスアップ演出に関する演出態様の変化内容を表すシナリオ(チャンスアップシナリオ)を決定するためのチャンスアップシナリオ判定を行う。
チャンスアップシナリオ判定で決定可能なチャンスアップシナリオには、シナリオ1(sc1)、シナリオ2(sc2)、シナリオ3(sc3)、シナリオ4(sc4)、シナリオ5(sc5)がある。
シナリオ1は、1回目の単位演出にて、あるチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Aで実行され(1A)、2回目の単位演出にて、同一のチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Bで実行され(1B)、3回目の単位演出にて、同一のチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Cで実行される(1C)という内容である。
シナリオ2は、1回目の単位演出にて、あるチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Aで実行され(1A)、2回目の単位演出にて、同一のチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Bで実行され(1B)、3回目の単位演出にて、別のチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Aで実行される(2A)という内容である。
シナリオ3は、1回目の単位演出にて、あるチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Aで実行され(1A)、2回目の単位演出にて、別のチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Aで実行され(2A)、3回目の単位演出にて、1回目のチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Bで実行される(1B)という内容である。
シナリオ4は、1回目の単位演出にて、あるチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Aで実行され(1A)、2回目の単位演出にて、別のチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Aで実行され(2A)、3回目の単位演出にて、2回目のチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Bで実行される(2B)という内容である。
シナリオ5は、1回目の単位演出にて、あるチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Aで実行され(1A)、2回目の単位演出にて、別のチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Aで実行され(2A)、3回目の単位演出にて、1回目、または2回目と異なるチャンスアップ種別のチャンスアップ演出が演出態様Aで実行される(3A)という内容である。
このように、シナリオ1では、ある種別のチャンスアップ演出が3回実行され、演出態様が最終的に演出態様Cまで変化(昇格)し、シナリオ2、シナリオ3、およびシナリオ4では、過程が相互に異なるが、ある種別のチャンスアップ演出が2回実行され、演出態様が最終的に演出態様Bまで変化(昇格)し、シナリオ5では、各種別のチャンスアップ演出が1回実行され、演出態様が変化(昇格)することはない。
チャンスアップシナリオ判定は、チャンスアップシナリオ判定テーブルを参照して実行される。チャンスアップシナリオ判定テーブルの構成例を図71(B)に示す。図71(B)に示すように、チャンスアップシナリオ判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、チャンスアップシナリオ判定テーブルとして、SP大当たり変動用のチャンスアップシナリオ判定テーブル、L大当たり変動用のチャンスアップシナリオ判定テーブル、SPハズレ変動用のチャンスアップシナリオ判定テーブル、Lハズレ変動用のチャンスアップシナリオ判定テーブル、およびNハズレ変動用のチャンスアップシナリオ判定テーブルが設けられている。図71(B)に示す各チャンスアップシナリオ判定テーブルは、各チャンスアップシナリオに対する選択率が図71(B)に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図71(B)に示すように、SP大当たり変動、およびL大当たり変動については、シナリオ1に対する選択率が最も高く、シナリオ5に対する選択率が最も低い。しかも、シナリオ5の選択率に対するシナリオ1の選択率の割合がかなり高い。また、SPハズレ変動については、シナリオ1に対する選択率とシナリオ5に対する選択率とはほぼ同程度であり、Lハズレ変動については、シナリオ5に対する選択率が最も高く、シナリオ1に対する選択率が最も低い。さらには、Nハズレ変動については、シナリオ1の選択率が「0」であり、シナリオ5の選択率が最も高い。また、SP大当たり変動、およびL大当たり変動について、シナリオ2~シナリオ4のそれぞれの選択率がシナリオ5より高くてシナリオ1より低い。さらには、SPハズレ変動については、シナリオ2~シナリオ4のそれぞれの選択率がシナリオ1、およびシナリオ5より高い。また、Lハズレ変動について、シナリオ2~シナリオ4のそれぞれの選択率がシナリオ1より高くてシナリオ5より低い。以上のことや図71(B)に示す選択率によれば、シナリオ1が選択された場合が、大当たり遊技状態に移行する期待度が最も高く、シナリオ5が選択された場合が、大当たり遊技状態に移行する期待度が最も低い。言い換えると、特別モード演出で演出態様が演出態様Cまで変化(昇格)した場合>演出態様が演出態様Bまで変化(昇格)した場合>演出態様が演出態様B、または演出態様Cまで変化(昇格)しなかった場合の順番で、大当たり遊技状態になる可能性が高いということができる。
演出制御用マイコン121は、チャンスアップシナリオ判定を終えると、引き続き、特図変動開始コマンド、およびチャンスアップシナリオ判定結果に基づいて、チャンスアップシナリオを構成するチャンスアップ種別を決定するためのチャンスアップ種別パターン判定を行う。チャンスアップ種別パターン判定は、各チャンスアップシナリオに対して決定される。
シナリオ1では、同一種別のチャンスアップ演出が3回実行され、演出態様が「演出態様A→演出態様B→演出態様C」の順番で変化(昇格)していくが、演出制御用マイコン121は、チャンスアップシナリオ判定でシナリオ1に決定した場合には、チャンスアップ種別パターン判定で、この対象のチャンスアップ種別を第1チャンスアップ演出、第2チャンスアップ演出、または第3チャンスアップ演出の何れかに決定する。
シナリオ2、シナリオ3、およびシナリオ4では、ある種別のチャンスアップ演出が2回実行され、別の種別のチャンスアップ演出が1回実行され、2回のものの演出態様は「演出態様A→演出態様B」と変化(昇格)するが、演出制御用マイコン121は、チャンスアップシナリオ判定でシナリオ2~シナリオ4に決定した場合には、チャンスアップ種別パターン判定で、この2回の対象のチャンスアップ種別と1回の対象のチャンスアップ種別とを第1チャンスアップ演出、第2チャンスアップ演出、または第3チャンスアップ演出の何れかに決定する。
シナリオ5では、全ての種別のチャンスアップ演出が1回ずつ演出態様Aで実行されるが、演出制御用マイコン121は、チャンスアップシナリオ判定でシナリオ5に決定した場合には、チャンスアップ種別パターン判定で、どのような順番で実行するのかを決定する。
チャンスアップ種別パターン判定は、チャンスアップ種別パターン判定テーブルを参照して実行される。チャンスアップ種別パターン判定テーブルの構成例を図72~図73に示す。図72~図73に示すように、チャンスアップ種別パターン判定テーブルは、特図変動パターン、およびチャンスアップシナリオ判定結果に対応付けられている。具体的には、チャンスアップ種別パターン判定テーブルとして、SP大当たり変動用のチャンスアップ種別パターン判定テーブル、L大当たり変動用のチャンスアップ種別パターン判定テーブル、SPハズレ変動用のチャンスアップ種別パターン判定テーブル、Lハズレ変動用のチャンスアップ種別パターン判定テーブル、およびNハズレ変動用のチャンスアップ種別パターン判定テーブルが設けられている。そして、Nハズレ変動用以外のチャンスアップ種別パターン判定テーブルはさらに、シナリオ1用のものと、シナリオ2~シナリオ4用のものと、シナリオ5用のものと、がある。一方、Nハズレ変動用のチャンスアップ種別パターン判定テーブルはさらに、シナリオ2~シナリオ4用のものと、シナリオ5用のものと、がある。図72~図73に示す各のチャンスアップ種別パターン判定テーブルは、各チャンスアップ種別パターン(種別P)に対する選択率が図72~図73に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。なお、各チャンスアップ種別パターン判定テーブルの備考に記載されている「第1」、「第2」、「第3」は、それぞれ「第1チャンスアップ演出」、「第2チャンスアップ演出」、「第3チャンスアップ演出」のことを表している。
図72~図73に示すように、シナリオ1について、大当たり変動で第3チャンス演出が最も選択され易く、ハズレ変動で第3チャンスアップ演出が最も選択され難い。したがって、シナリオ1が第3チャンスアップ演出で実行された場合が大当たり遊技状態への移行に対する可能性が最も高い。反対に、シナリオ1について、大当たり変動で第1チャンス演出が最も選択され難く、ハズレ変動で第1チャンスアップ演出が最も選択され易い。したがって、シナリオ1が第1チャンスアップ演出で実行された場合が大当たり遊技状態への移行に対する可能性が最も低い。
シナリオ2について、大当たり変動で第3チャンス演出の2回実行が最も選択され易く、ハズレ変動で第3チャンスアップ演出の2回実行が最も選択され難い。したがって、シナリオ2が第3チャンスアップ演出の2回実行で実行された場合が大当たり遊技状態への移行に対する可能性が最も高い。反対に、シナリオ2について、大当たり変動で第1チャンス演出の2回実行が最も選択され難く、ハズレ変動で第1チャンスアップ演出の2回実行が最も選択され易い。したがって、シナリオ1が第1チャンスアップ演出の2回実行で実行された場合が大当たり遊技状態への移行に対する可能性が最も低い。
演出制御用マイコン121は、チャンスアップ種別パターン判定を終えると、次に、チャンスアップシナリオ判定結果に基づいて、総括演出態様を決定するための総括演出態様判定を行う。総括演出態様判定は、総括演出態様判定テーブルを参照して実行される。総括演出態様判定テーブルの構成例を図74に示す。図74に示すように、総括演出態様判定テーブルは、チャンスアップシナリオに対応付けられている。具体的には、総括演出態様判定テーブルとして、シナリオ1用の総括演出態様判定テーブル、シナリオ2~シナリオ4用の総括演出態様判定テーブル、およびシナリオ5用の総括演出態様判定テーブルが設けられている。図74に示す各総括演出態様判定テーブルは、各総括演出態様に対する選択率が図74に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
図74に示すように、シナリオ1については100%の確率で第4演出態様C「台詞:ひと事でまとめると 優秀ね」が選択されることになり、シナリオ2~シナリオ4については100%の確率で第4演出態様B「台詞:ひと事でまとめると 良好ね」が選択されることになり、シナリオ5については100%の確率で第4演出態様A「台詞:ひと事でまとめると 普通ね」が選択されることになる。すなわち、総括演出態様は、チャンスアップシナリオに関連付けられている。
そして、演出制御用マイコン121は、総括演出態様判定を終えると、チャンスアップシナリオ判定結果を示すコマンド(チャンスアップシナリオコマンド)、チャンスアップ種別パターン判定結果を示すコマンド(チャンスアップ種別パターンコマンド)、および総括演出態様を示すコマンド(総括演出態様コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットすると共に、チャンスアップシナリオ判定結果を示すデータ(チャンスアップシナリオデータ)、チャンスアップ種別パターン判定結果を示すデータ(チャンスアップ種別パターンデータ)、および総括演出態様判定結果を示すデータ(総括演出態様データ)を演出用RAM124の所定領域にセットする。
出力バッファにセットされたチャンスアップシナリオコマンド、チャンスアップ種別パターンコマンド、および総括演出態様コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。画像制御基板140の画像用CPU141は、チャンスアップシナリオコマンド、チャンスアップ種別パターンコマンド、および総括演出態様コマンドを受信すると、当該特図変動演出において、チャンスアップシナリオコマンド、チャンスアップ種別パターンコマンド、および総括演出態様コマンドが示す内容で特別モード演出を実行する。
また、演出制御用マイコン121は、チャンスアップシナリオデータ、チャンスアップ種別パターンデータ、および総括演出態様データが示す内容で特別モード演出を実行する。
次に、特別モード演出の具体例について説明する。図75~図79は、特別モード演出の具体例を説明する説明図である。なお、図75~図79では、表示部50a、および枠ランプ53を抽出して模式的に表している。また、ここでは、シナリオ5、且つ種別P32で構成される単位演出が実行されるものとする。すなわち、1回目の単位演出で、第1演出態様Aの第1チャンスアップ演出(カットイン演出)が実行され、2回目の単位演出で、第3演出態様Aの第3チャンスアップ演出(枠ランプフラッシュ)が実行され、3回目の単位演出で、第2演出態様Aの第2チャンスアップ演出(群横断演出)が実行されるものとする。さらには、総括演出は、第4演出態様Aで実行されるものとする。
図75(A)に示すように、特図変動演出、言い換えると演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始してから1秒が経過すると、特別モード演出が開始する。具体的には、図75(B)に示すように、表示部50a全体に、特別モード演出用背景画像G117が表示される。特別モード演出が開始すると、最初に、特別モード演出用背景画像G117において、特別モード演出開始示唆演出が実行される。特別モード演出開始示唆演出の表示内容としては、例えば、図75(B)に示すように、所定の女性教師キャラクターが出現すると共に、当該所定の女性教師キャラクターが、特別モード演出における主要な部分を構成するチャンスアップ演出が開始することを示唆する台詞「チャンスアップの授業を始めるわよ」を発しているような文字画像が表示される。なお、第3実施形態においては、特別モード開始示唆演出の演出内容は、この後に行われる単位演出、および総括演出の演出内容に関わらず同一に設定されている。
特別モード演出では、特別モード演出開始示唆演出が実行されると、次に、1回目の単位演出が開始する。具体的には、図76(A)に示すように、1回目のチャンスアップ種別示唆演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第1チャンスアップ演出(カットイン演出)が実行されることを表すフレーズ「1限目は、カットイン予告よ」が表示され、続いて、図76(B)に示すように、1回目のチャンスアップ演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第1演出態様Aのカットイン演出画像G61が表示される。なお、1回目のチャンスアップ演出として、第2チャンスアップ演出(群横断演出)が実行される場合は、1回目のチャンスアップ種別示唆演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第2チャンスアップ演出(群横断演出)が実行されることを表すフレーズ「1限目は、群予告よ」が表示され、第3チャンスアップ演出(枠ランプフラッシュ)が実行される場合は、1回目のチャンスアップ種別示唆演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第3チャンスアップ演出(枠ランプフラッシュ)が実行されることを表すフレーズ「1限目は、枠フラッシュよ」が表示されていたものとする。また、1回目のチャンスアップ種別示唆演出に係るフレーズに含まれる「1限目」が、単位演出の順番「1回目」に対応している。
1回目の単位演出が終了すると、続いて、2回目の単位演出が開始する。具体的には、図77(A)に示すように、2回目のチャンスアップ種別示唆演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第3チャンスアップ演出(枠ランプフラッシュ)が実行されることを表すフレーズ「2限目は、枠フラッシュよ」が表示され、続いて、図77(B)に示すように、2回目のチャンスアップ演出として、枠ランプ53が第3演出態様Aで発光すると共に、特別モード演出用背景画像G117において、枠ランプ53の第3演出態様Aでの発光に応じたエフェクト画像G63が表示される。なお、2回目のチャンスアップ演出として、第1チャンスアップ演出(カットイン演出)が実行される場合は、2回目のチャンスアップ種別示唆演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第1チャンスアップ演出(カットイン演出)が実行されることを表すフレーズ「2限目は、カットイン予告よ」が表示され、第2チャンスアップ演出(群横断演出)が実行される場合は、2回目のチャンスアップ種別示唆演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第2チャンスアップ演出(群横断演出)が実行されることを表すフレーズ「2限目は、群予告よ」が表示されていたものとする。また、2回目のチャンスアップ種別示唆演出に係るフレーズに含まれる「2限目」が、単位演出の順番「2回目」に対応している。
2回目の単位演出が終了すると、続いて、3回目の単位演出が開始する。具体的には、図78(A)に示すように、3回目のチャンスアップ種別示唆演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第2チャンスアップ演出(群横断演出)が実行されることを表すフレーズ「3限目は、群予告よ」が表示され、続いて、図78(B)に示すように、3回目のチャンスアップ演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第2演出態様Aの群横断演出画像G62が表示される。なお、3回目のチャンスアップ演出として、第1チャンスアップ演出(カットイン演出)が実行される場合は、3回目のチャンスアップ種別示唆演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第1チャンスアップ演出(カットイン演出)が実行されることを表すフレーズ「3限目は、カットイン予告よ」が表示され、第3チャンスアップ演出(枠ランプフラッシュ)が実行される場合は、3回目のチャンスアップ種別示唆演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第3チャンスアップ演出(枠ランプフラッシュ)が実行されることを表すフレーズ「3限目は、枠フラッシュよ」が表示されていたものとする。また、3回目のチャンスアップ種別示唆演出に係るフレーズに含まれる「3限目」が、単位演出の順番「3回目」に対応している。
3回目の単位演出が終了すると、続いて、総括演出が開始する。具体的には、図79(A)に示すように、総括演出として、特別モード演出用背景画像G117において、所定の女性教師キャラクターが出現すると共に、第4演出態様Aの総括演出画像G64が表示される。なお、ここで、総括演出が第4演出態様Bで実行されていた場合は、総括演出画像G64の表示内容は、第4演出態様Bに対応付けられた台詞を表す文字「ひと言でまとめると 良好ね」で構成され、総括演出が第4演出態様Cで実行されていた場合は、総括演出画像G64の表示内容は、第4演出態様Cに対応付けられた台詞を表す文字「ひと言でまとめると 優秀ね」で構成される。
そして、図79(B)に示すように、図79(C)に示すように、
次に、シナリオ3、且つ種別P22で構成される単位演出が実行され、第4演出態様Bの総括演出が実行される場合の特別モード演出の具体例について説明する。すなわち、1回目の単位演出で、第1演出態様Aの第1チャンスアップ演出(カットイン演出)が実行され、2回目の単位演出で、第3演出態様Aの第3チャンスアップ演出(枠ランプフラッシュ)が実行され、3回目の単位演出で、第1演出態様Bの第1チャンスアップ演出(カットイン演出)が実行される。なお、特別モード演出開始示唆演出、1回目の単位演出、および2回目の単位演出の演出内容は先の具体例(図75~図77)と同一であるので、ここでの図示は省略する。
2回目の単位演出が終了すると、続いて、3回目の単位演出が開始する。具体的には、図80(A)に示すように、3回目のチャンスアップ種別示唆演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第1チャンスアップ演出(カットイン演出)が実行されることを表すフレーズ「3限目は、カットイン予告よ」が表示され、続いて、図80(B)に示すように、3回目のチャンスアップ演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第1演出態様Bのカットイン演出画像G61が表示される。
3回目の単位演出が終了すると、続いて、総括演出が開始する。具体的には、図80(C)に示すように、総括演出として、特別モード演出用背景画像G117において、所定の女性教師キャラクターが出現すると共に、第4演出態様Bの総括演出画像G64が表示される。総括演出が終了すると、その後は、先の具体例と同様に、特別モード演出終了示唆演出が実行されてから、特別モード演出が終了する(図79(B)~図79(C))。
次に、シナリオ1、且つ種別P13で構成される単位演出が実行され、第4演出態様Cの総括演出が実行される場合の特別モード演出の具体例について説明する。すなわち、1回目の単位演出で、第2演出態様Aの第2チャンスアップ演出(群横断演出)が実行され、2回目の単位演出で、第2演出態様Bの第2チャンスアップ演出(群横断演出)が実行され、3回目の単位演出で、第2演出態様Cの第2チャンスアップ演出(群横断演出)が実行される。なお、特別モード演出開始示唆演出の演出内容は先の具体例(図75)と同一であるので、ここでの図示は省略する。
特別モード演出開始示唆演出が終了すると、次に、1回目の単位演出が開始する。具体的には、図81(A)に示すように、1回目のチャンスアップ種別示唆演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第2チャンスアップ演出(群横断演出)が実行されることを表すフレーズ「1限目は、群予告よ」が表示され、続いて、図81(B)に示すように、1回目のチャンスアップ演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第2演出態様Aの群横断演出画像G62が表示される。
1回目の単位演出が終了すると、続いて、2回目の単位演出が開始する。具体的には、図81(C)に示すように、2回目のチャンスアップ種別示唆演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第2チャンスアップ演出(群横断演出)が実行されることを表すフレーズ「2限目は、群予告よ」が表示され、続いて、図81(D)に示すように、2回目のチャンスアップ演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第2演出態様Bの群横断演出画像G62が表示される。
2回目の単位演出が終了すると、続いて、3回目の単位演出が開始する。具体的には、図81(E)に示すように、3回目のチャンスアップ種別示唆演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第2チャンスアップ演出(群横断演出)が実行されることを表すフレーズ「3限目は、群予告よ」が表示され、続いて、図81(F)に示すように、3回目のチャンスアップ演出として、特別モード演出用背景画像G117において、第2演出態様Cの群横断演出画像G62が表示される。
3回目の単位演出が終了すると、続いて、総括演出が開始する。具体的には、図81(G)に示すように、総括演出として、特別モード演出用背景画像G117において、所定の女性教師キャラクターが出現すると共に、第4演出態様Cの総括演出画像G64が表示される。総括演出が終了すると、その後は、先の具体例と同様に、特別モード演出終了示唆演出が実行されてから、特別モード演出が終了する(図79(B)~図79(C))。
以上のように、パチンコ遊技機PY3によれば、大当たり遊技状態(有利遊技状態)になる可能性があることを示唆する特別モード演出(特定演出)を実行することがあり、特別モード演出(特定演出)において、複数種類の特定演出(カットイン演出、群横断演出、枠ランプフラッシュ:単位演出)が3回(N回)、連続的に実行可能であり、同一種類の特定演出(カットイン演出、群横断演出、枠ランプフラッシュ:単位演出)が2回(N-1回)実行される場合よりも、3回(N回)実行される場合の方が大当たり遊技状態(有利遊技状態)になる可能性が高いことから、各種類の特定演出(単位演出)の実行回数に注目させつつ、特別モード演出(特定演出)にメリハリをつけることができるので、遊技興趣が向上する。また、特定演出(単位演出)には、第1特定演出(カットイン演出:第1単位演出)と第2特定演出(群横断演出:第2単位演出)とがあり、特別モード演出(特定演出)において、第1特定演出(第1単位演出)、および第2特定演出(第2単位演出)の双方が混在して実行された場合よりも、第1特定演出(第1単位演出)、または第2特定演出(第2単位演出)の一方のみが単独で実行された場合の方が大当たり遊技状態(有利遊技状態)になる可能性が高いことから、特定演出(単位演出)の種類に注目させつつ、特別モード演出(特定演出)にメリハリをつけることができるので、さらに、遊技興趣が向上する。さらに、特定演出(単位演出)には、第1特定演出(カットイン演出:第1単位演出)と第2特定演出(群横断演出:第2単位演出)とがあり、特別モード演出(特定演出)において、第1特定演出(カットイン演出:第1単位演出)が3回(N回)実行された場合よりも、第2特定演出(群横断演出:第2単位演出)が3回(N回)実行された場合の方が、大当たり遊技状態(有利遊技状態)になる可能性が高いことから、特定演出(単位演出)の種類に注目させることができるので、さらに、遊技興趣が向上する。
(第3実施形態の変更例)
次に、第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY3の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
第3実施形態では、特別モード演出は通常遊技状態且つ通常演出モードにおいて実行されるが、特別モード演出を実行可能な遊技状態、および演出モードは第3実施形態に限られず適宜に変更しても良い。また、特別モード演出を、複数種類の遊技状態や演出モードで実行可能としても良い。さらには、特図2変動パターンに係る特図変動演出において、特別モード演出を実行可能にしても良い。
特別モード演出は、特図変動演出が開始してから1秒が経過したときに開始されるが、この実行タイミングは特に限定されることなく、適宜に変更しても良い。さらには、特別モード演出を実行可能なタイミングを複数設定しても良い。また、特別モード演出の演出時間も適宜に変更しても良い。
チャンスアップ演出種別は3種類であるが、この種別数は特に限定されることはなく、2種類、または4種類以上であっても良い。また、各チャンスアップ演出の演出態様は3種類であるが、この演出態様数は特に限定されることはなく、2種類、または4種類以上であっても良い。さらには、チャンスアップ演出種別によって、演出態様数が異なるようにしても良い。
1回の特別モード演出において、単位演出は3回実行されるが、この実行回数は特に限定されることはなく、2回、または4回以上であっても良い。また、例えば、1回の特別モード演出における単位演出の実行回数は複数の中から選択可能であるのにしても良い。この場合、実行回数が多くなるにつれて、大当たり遊技状態に移行する期待度が高い演出態様に昇格する可能性、および/または大当たり遊技状態に移行する期待度が高くなるようにしても良い。
総括演出の演出態様は、チャンスアップシナリオに対応付けられているが、完全にチャンスアップシナリオに対応付けられておらず、各チャンスアップシナリオに対して、何れの総括演出態様も決定されることがあるようにしても良い。ただし、例えば、シナリオ1の場合は、第4演出態様C>第4演出態様B>第4演出態様Aの順番で選択率が高く、シナリオ5の場合は、第4演出態様A>第4演出態様B>第4演出態様Cの順番で選択率が高くなるなど、総括演出態様の選択率とチャンスアップシナリオとの間に関係性があるようにしても良い。また、特別モード演出において、総括演出が実行されるときと総括演出が実行されないときとがあり、総括演出が実行された場合の方が大当たり遊技状態になる可能性が高くなるようにしても良い。さらには、特別モード演出では、総括演出が実行されないように構成しても良い。
特別モード演出において、各チャンスアップ演出態様が昇格する場合、演出態様Aから演出態様Bや演出態様Bから演出態様Cなど1段階ずつ昇格するが、演出態様Aから演出態様Cなど複数段階昇格することがあるようにしても良い。また、当該特別モード演出において当該チャンスアップ演出種別が1回目に実行される場合は、演出態様Aで実行されるが、演出態様Bや演出態様Cで実行されることがあるようにしても良い。
第1チャンスアップ演出態様の種類はカットイン演出画像G61の色彩に対応付けられ、第2チャンスアップ演出態様の種類は群横断演出画像G62を構成する野球のボールの数に対応付けられ、第3チャンスアップ演出態様の種類は枠ランプ53の発光色に対応付けられているが、各演出態様の種類に対応付けられた演出を構成する要素は適宜に変更しても良い。
特別モード演出を構成する第1チャンスアップ演出(カットイン演出)、第2チャンスアップ演出(群横断演出)、および第3チャンスアップ演出(枠ランプフラッシュ)は、特別モード演出とは別の形で実行されることがあるようにしても良い。
さらに、第1チャンスアップ演出態様、第2チャンスアップ演出態様、および第3チャンスアップ演出態様は、大当たり遊技状態になる期待度を示唆するが、示唆する内容は大当たり遊技状態になる期待度に限られず適宜に変更しても良い。例えば、第1チャンスアップ演出態様、第2チャンスアップ演出態様、および第3チャンスアップ演出態様の全て、または一部は、大当たり遊技状態になる期待度が高いことを示唆する演出などの特定の演出が実行される期待度、相対的に遊技球を多く獲得可能な特定の大当たり遊技が実行される期待度、または当該大当たり遊技状態の後に高確率状態や時短状態などの遊技者に有利な遊技状態になる期待度を示唆するようにしても良い。
また、前述の例示では、第1チャンスアップ演出はカットイン演出で構成され、第2チャンスアップ演出は群横断演出で構成され、第3チャンスアップ演出は、枠ランプフラッシュで構成されているが、チャンスアップ演出の演出内容はこれらに限られず適宜に変更しても良い。例えば、チャンスアップ演出を保留アイコンの表示態様の変化や当該アイコンの表示態様の変化で構成させても良い。この場合、チャンスアップ種別示唆演出が実行されてから、チャンスアップ演出として、保留アイコンや当該アイコンの表示態様が変化するようにしても良い。さらに、チャンスアップ演出を表示部50aで行う場合、チャンスアップ演出態様が関連付けられる演出の要素は、色彩に限られず適宜に変更しても良い。例えば、チャンスアップ演出態様は、画像の大きさ、画像の表示位置、または画像が表すキャラクターの種類(形状)に関連付けられるようにしても良い。さらに、チャンスアップ演出を盤可動体55kの作動で構成しても良い。この場合、チャンスアップ演出態様は、盤可動体55kの移動距離、または作動態様に関連付けられるようにしても良い。あるいは、チャンスアップ演出をスピーカー52からの音の出力で構成しても良い。この場合、チャンスアップ演出態様は、音量、または音の種類に関連付けられるようにしても良い。
<第4実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第4実施形態について説明する。以下においては、主に、第4実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機PY4は、遊技者が操作可能な操作手段として、第1演出ボタン41kや第2演出ボタン42kの他に、十字ボタン40kを備えている。図82は、上皿34付近の部分拡大平面図である。図82に示すように、十字ボタン40kは、上皿34の上面の第1演出ボタン41kの左側近辺に設けられ、第1演出ボタン41kと同様に、押下操作可能に構成されている。
十字ボタン40kは、略「十」の字状に成形されており、全体として上下左右に分けたうちの上側に位置する上操作部40ku、下側に位置する下操作部40kd、右側に位置する右操作部40kr、および左側に位置する左操作部40klを有し、十字ボタン40kを構成する操作部40ku、40kd、40kr、40klごとに独立して押下操作可能に構成されている。なお、以下において、十字ボタン40kの上操作部40ku、および下操作部40kdを合わせて「上下ボタン40k1」と総称し、十字ボタン40kの右操作部40kr、および左操作部40klを合わせて「左右ボタン40k2」と総称する。
また、十字ボタン40kは、十字ボタン40kへの操作を検知する十字ボタンセンサ40aに接続されている。十字ボタン40kと十字ボタンセンサ40aは、一体的に構成されており、十字ボタン40kと十字ボタンセンサ40aを合わせて「十字ボタン装置40」と称する。
次に、第4実施形態における演出制御基板120側の電気的な構成について説明する。図83は、第4実施形態における演出制御基板120側の電気的な構成を示すブロック図である。
図83に示すように、第1演出ボタンセンサ41aや第2演出ボタンセンサ42aと同様に、十字ボタンセンサ40aが演出制御基板120に接続されている。十字ボタンセンサ40aは、十字ボタン40kの何れの部分、具体的には、上操作部40ku、下操作部40kd、右操作部40kr、および左操作部40klの何れが押下操作されたのかを検知することが可能である。換言すると、十字ボタンセンサ40aは、上操作部40kuへの操作を検知する上操作部センサ40auと、下操作部40kdへの操作を検知する下操作部センサ40adと、右操作部40krへの操作を検知する右操作部センサ40arと、左操作部40klへの操作を検知する左操作部センサ40alと、を有する。
各操作部センサ40au、40ad、40ar、40alは、各操作部40ku、40kd、40kr、40klへの操作を検知すると、検知内容としてその部分への操作が行われたことを示す信号(上操作部検知信号、下操作部検知信号、右操作部検知信号、左操作部検知信号)を演出制御基板120に出力する。なお、以下において、十字ボタンセンサ40aの上操作部センサ40au、および下操作部センサ40adを合わせて「上下ボタンセンサ40a1」と総称し、十字ボタン40kの右操作部センサ40ar、および左操作部センサ40alを合わせて「左右ボタンセンサ40a2」と総称する。
また、詳細は後述するがパチンコ遊技機PY4は、演出に関する特定事項について遊技者が任意に設定可能(カスタム可能)に構成されている。パチンコ遊技機PY4において、カスタム可能な演出に関する特定事項として、プレミアアップモード、一発告知、オートボタン、3D、および先読みチャンスの5つの項目がある。以下において、これらのカスタム可能な演出に関する特定事項のことを「演出特定事項」と称することがある。また、「プレミアアップモード」、「一発告知」、「オートボタン」、「3D」、および「先読みチャンス」のことをそれぞれ、「第1演出特定事項」、「第2演出特定事項」、「第3演出特定事項」、「第4演出特定事項」、および「第5演出特定事項」と称することもある。なお、各演出特定事項について遊技者が任意に設定可能なことを「カスタム機能」と称することもある。
演出特定事項の設定・制御は、主に演出制御用マイコン121によって行われる。そのために、演出制御基板120の演出用RAM124には、演出特定事項に関する情報を記憶する演出特定事項記憶部128が設けられている。そして、演出特定事項記憶部128は、第1演出特定事項に関する情報を記憶する第1特定事項記憶部128aと、第2演出特定事項に関する情報を記憶する第2特定事項記憶部128bと、第3演出特定事項に関する情報を記憶する第3特定事項記憶部128cと、第4演出特定事項に関する情報を記憶する第4特定事項記憶部128dと、第5演出特定事項に関する情報を記憶する第5特定事項記憶部128eと、を有する。
次に、パチンコ遊技機PY4のカスタム機能について説明する。
第1演出特定事項を構成する「プレミアアップモード」とは、パチンコ遊技機PY4で実行可能なプレミア演出の出現頻度が向上するモードのことである。ここでは、プレミア演出の具体的な説明は省略するが、パチンコ遊技機PY4で実行可能な演出の中に、大当たり遊技状態になる可能性が高いことを示唆する複数種類のプレミア演出が設定されているものとする。基本的には、言い換えると、デフォルト状態としては、パチンコ遊技機PY4においてプレミア演出の出現率は極めて低く(例えば、5%未満)設定されているところ、カスタム機能でプレミアアップモードをON設定(有効化)することによって、プレミア演出の出現率を向上させることができる。
第2演出特定事項を構成する「一発告知」とは、大当たり判定で大当たりとなった場合に特図変動演出の途中で実行可能であり、所謂「Pフラ」などのような大当たりを告知する演出のことである。ここでは、一発告知の具体的な説明は省略するが、基本的には、言い換えると、デフォルト状態としては、パチンコ遊技機PY4において一発告知が実行されることがあるように設定されているところ、カスタム機能で一発告知をOFF設定(無効化)することによって、一発告知が実行されることがないようにすることができる。
第3演出特定事項を構成する「オートボタン」とは、第1演出ボタン41kや第2演出ボタン42kに対しての通常の単打操作、連打、および長押しといった様々な操作内容に対する操作促進演出が実行されている途中で、当該操作促進演出の操作対象となる操作手段(第1演出ボタン41k、第2演出ボタン42k)が操作されていないにも関わらず、操作結果演出を実行するモードのことである。ここでは、オートボタンの具体的な説明は省略するが、基本的には、言い換えると、デフォルト状態としては、オートボタンは設定されていないところ、カスタム機能でオートボタンをON設定(有効化)することによって、操作促進演出が実行されているときに、第1演出ボタン41kや第2演出ボタン42kに、当該操作促進演出が示す内容の操作を行わなくても、操作結果演出を実行させることができる。
第4演出任意設定事項を構成する「3D」とは、裸眼で3D映像を見ることができるモードのことである。ここでは、画像表示装置50の詳細な説明は省略するが、第4実施形態に係る画像表示装置50は、裸眼3D立体視対応液晶モニターで構成されているものとする。そして、裸眼3D立体視による具体的な演出例の説明は省略するが、基本的には、言い換えると、デフォルト状態としては、3Dが設定されており、SPリーチ用背景画像G115、Lリーチ用背景画像G114、および特定の予告演出などが裸眼3D立体視で表示されるところ、カスタム機能で3DをOFF設定(無効化)することによって、SPリーチ用背景画像G115、Lリーチ用背景画像G114、および特定の予告演出などを2Dで表示させることができる。
第5演出任意設定事項を構成する「先読みチャンス」とは、先読み判定に基づいて実行される予告演出のことである。ここでは、先読みチャンスの具体的な説明は省略するが、基本的には、言い換えると、デフォルト状態としては、パチンコ遊技機PY4において先読みチャンスが実行されることがあるように設定されているところ、カスタム機能で先読みチャンスをOFF設定(無効化)することによって、先読みチャンスが実行されることがないようにすることができる。
このように、パチンコ遊技機PY4は、遊技者が第1演出特定事項~第5演出特定事項を任意に設定可能に構成されており、例えば、RAMクリアスイッチ192が操作されて所謂「RAMクリア」が行われた後のデフォルト状態においては、第1演出特定事項としてプレミアアップモードがOFF設定され、第2演出特定事項として一発告知がON設定され、第3演出特定事項としてオートボタンがOFF設定され、第4演出特定事項として3DがON設定され、第5演出特定事項として先読みチャンスがON設定されている。なお、これらのデフォルト状態に対して、第1演出特定事項としてプレミアアップモードがON設定されていること、第2演出特定事項として一発告知がOFF設定されていること、第3演出特定事項としてオートボタンがON設定されていること、第4演出特定事項として3DがOFF設定されていること、および第5演出特定事項として先読みチャンスがOFF設定されていることのそれぞれを、「カスタマイズ状態」と称する。また、第1演出特定事項~第5演出特定事項の何れか1つでもカスタマイズ状態となっていれば、パチンコ遊技機PY4全体としてもカスタイマーイズ状態になっているものとする。
そして、演出制御用マイコン121は、各種演出特定事項に係るデフォルト状態として、第1特定事項記憶部128aにおいて、プレミアアップモードがON設定されていることを示すフラグ(プレミアアップモードフラグ)をOFFし、第2特定事項記憶部128bにおいて、一発告知がOFF設定されていること(一発告知の禁止)を示すフラグ(一発告知禁止フラグ)をOFFし、第3特定事項記憶部128cにおいて、オートボタンがON設定されていることを示すフラグ(オートボタンフラグ)をOFFし、第4特定事項記憶部128dにおいて、3DがOFF設定されていること(3Dの禁止)を示すフラグ(3D禁止フラグ)をOFFし、第5特定事項記憶部128eにおいて、先読みチャンスがOFF設定されていること(先読みチャンスの禁止)を示すフラグ(先読み禁止フラグ)をOFFする。したがって、カスタマイズ状態においては、演出制御用マイコン121は、第1特定事項記憶部128aにおいて、プレミアアップモードフラグをONし、第2特定事項記憶部128bにおいて、一発告知禁止フラグをONし、第3特定事項記憶部128cにおいて、オートボタンフラグをONし、第4特定事項記憶部128dにおいて、3D禁止フラグをONし、第5特定事項記憶部128eにおいて、先読み禁止フラグをONしていることになる。
次に、パチンコ遊技機PY4におけるカスタム機能に係る操作について説明する。カスタム機能に係る操作として、遊技が行われていないときに実行可能な非遊技中カスタム操作と、遊技が行われているときに実行可能な遊技中カスタム操作とがある。非遊技中カスタム操作は、十字ボタン40k、および第1演出ボタン41kを用いて実行可能であり、遊技中カスタム操作は、十字ボタン40kを用いて実行可能である。
なお、以下において、カスタム機能についての表示部50aでの表示について説明するが、カスタム機能に係る操作として、十字ボタン40kや第1演出ボタン41kが操作されると、各種検知信号(上操作部検知信号、下操作部検知信号、右操作部検知信号、左操作部検知信号、第1演出ボタン検知信号)が演出制御基板120に入力する。演出制御用マイコン121は、各種検知信号が入力すると、当該検知信号を示すコマンドを即座に画像制御基板140に送信するものとする。そして、画像制御基板140の画像用CPU141は、検知信号を示すコマンドに基づいて、言い換えると、結果的には演出制御基板120を介して十字ボタン40kや第1演出ボタン41kの操作に応じて、後述するカーソルG76、G71c、G72c、G73c、G74c、G75c、G83を図示するように適宜に移動させるものとする。
最初に、非遊技中カスタム操作について説明する。図84~図87は、非遊技中カスタム操作を説明する説明図である。パチンコ遊技機PY4では、例えば、特図可変表示、および大当たり遊技が行われていない状態(客待ち状態)において、図84(A)に示すよう、表示部50aの全体に、客待ちデモ動画G100が表示されているとき、第1演出ボタン41kが操作されると、演出制御用マイコン121は、図84(B)に示すように、非遊技中カスタム操作、または音量・光量を変更するための操作を選択することができる画面(設定選択画面)に推移する。
設定選択画面では、表示部50aの全体に、当該客待ち状態になる直前に表示されていた遊技に係る背景画像(図84(B)では、第1通常用背景画像G111)が表示され、当該背景画像に重畳的に、当該客待ち状態になる直前に停止表示していた演出図柄EZ1~EZ3(図84(B)では、「9・3・5」)が表示され、当該演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に、非遊技中カスタム操作に係る画面、および音量・光量を変更するための操作に係る画面への推移方法について説明する画像(画面推移説明画像)G70が表示される。
画面推移説明画像G70では、十字ボタン40kの中で上下ボタン40k1が強調された図形が表示され、当該図形の右隣りに「メニュー画面へ移動します」という説明文が表示されていると共に、十字ボタン40kの中で左右ボタン40k2が強調された図形が表示され、当該図形の右隣りに「音量・光量を変更できます」という説明文が表示されている。画面推移説明画像G70は、上下ボタン40k1を操作すると非遊技中カスタム操作に係る画面(非遊技中カスタム操作画面)に推移し、左右ボタン40k2を操作すると音量・光量を変更するための操作に係る画面に推移することを説明している。
したがって、画面推移説明画像G70が表示されているときに、上下ボタン40k1が操作されると、演出制御用マイコン121は、設定選択画面から非遊技中カスタム操作画面に切り替える。すなわち、演出制御用マイコン121は、表示部50aにおいて、非遊技中カスタム操作画面G102を表示する。
図85は、非遊技中カスタム操作画面の具体例を表す図である。非遊技中カスタム操作画面G102には、第1演出特定事項(プレミアアップモード)に係るカスタム機能の操作を行うための領域(第1演出特定事項領域)G71、第2演出特定事項(一発告知)に係るカスタム機能の操作を行うための領域(第2演出特定事項領域)G72、第3演出特定事項(オートボタン)に係るカスタム機能の操作を行うための領域(第3演出特定事項領域)G73、第4演出任意設定事項(3D)に係るカスタム機能の操作を行うための領域(第4演出特定事項領域)G74、および第5演出任意設定事項(先読みチャンス)に係るカスタム機能の操作を行うための領域(第5演出特定事項領域)G75が略同一の横長矩形状に形成されている。第4実施形態では、非遊技中カスタム操作画面G102の略上半分において、第1演出特定事項領域G71、第2演出特定事項領域G72、第3演出特定事項領域G73、第4演出特定事項領域G74、および第5演出特定事項領域G75が上から下に向かって隣接した状態で並設されている。
各種演出特定事項領域G71、G72、G73、G74、G75のそれぞれの内部には、当該演出特定事項を表す名称(プレミアップモード、一発告知、オートボタン、3D、先読みチャンス)が左揃えで表示されている。また、各種演出特定事項領域G71、G72、G73、G74、G75のそれぞれの内部には、各演出特定事項に対して、デフォルト状態が選択されていることを表すデフォルト選択部G71a、G72a、G73a、G74a、G75aと、カスタマイズ状態が選択されていることを表すカスタマイズ選択部G71b、G72b、G73b、G74b、G75bと、が形成されている。
第1演出特定事項領域G71には、第1演出特定事項がデフォルト状態(プレミアアップモードがOFF設定)であることを表す第1デフォルト選択部G71aが形成されている。さらに、第1デフォルト選択部G71aの右隣りには、第1演出特定事項がカスタマイズ状態(プレミアアップモードがON設定)であることを表す第1カスタマイズ選択部G71bが形成されている。
第2演出特定事項領域G72には、第2演出特定事項がデフォルト状態(一発告知がON設定)であることを表す第2デフォルト選択部G72aが形成されている。さらに、第2デフォルト選択部G72aの右隣りには、第2演出特定事項がカスタマイズ状態(一発告知がOFF設定)であることを表す第2カスタマイズ選択部G72bが形成されている。
第3演出特定事項領域G73には、第3演出特定事項がデフォルト状態(オートボタンがOFF設定)であることを表す第3デフォルト選択部G73aが形成されている。さらに、第3デフォルト選択部G73aの右隣りには、第3演出特定事項がカスタマイズ状態(オートボタンがON設定)であることを表す第3カスタマイズ選択部G73bが形成されている。
第4演出特定事項領域G74には、第4演出特定事項がデフォルト状態(3DがON設定)であることを表す第4デフォルト選択部G74aが形成されている。さらに、第4デフォルト選択部G74aの右隣りには、第4演出特定事項がカスタマイズ状態(3DがOFF設定)であることを表す第4カスタマイズ選択部G74bが形成されている。
第5演出特定事項領域G75には、第5演出特定事項がデフォルト状態(先読みチャンスがON設定)であることを表す第5デフォルト選択部G75aが形成されている。さらに、第5デフォルト選択部G75aの右隣りには、第5演出特定事項がカスタマイズ状態(先読みチャンスがOFF設定)であることを表す第5カスタマイズ選択部G75bが形成されている。
なお、第4実施形態では、第1デフォルト選択部G71a、第1カスタマイズ選択部G71b、第2デフォルト選択部G72a、第2カスタマイズ選択部G72b、第3デフォルト選択部G73a、第3カスタマイズ選択部G73b、第4デフォルト選択部G74a、第4カスタマイズ選択部G74b、第5デフォルト選択部G75a、第5カスタマイズ選択部G75bは略同一の横長矩形状に形成されている。また、第1デフォルト選択部G71a、第2デフォルト選択部G72a、第3デフォルト選択部G73a、第4デフォルト選択部G74a、および第5デフォルト選択部G75aは、上下方向に並んで(左右方向に揃った状態で)表示され、第1カスタマイズ選択部G71b、第2カスタマイズ選択部G72b、第3カスタマイズ選択部G73b、第4カスタマイズ選択部G74b、および第5カスタマイズ選択部G75bは、上下方向に並んで(左右方向に揃った状態で)表示されている。
また、第1演出特定事項領域G71、第2演出特定事項領域G72、第3演出特定事項領域G73、第4演出特定事項領域G74、および第5演出特定事項領域G75のそれぞれの内部には、選択されている各演出特定事項に係る状態(デフォルト状態/カスタマイズ状態)を示すサブカーソルG71c、G72c、G73c、G74c、G75cが表示される。各演出特定事項領域G71~G75に係るサブカーソルG71c~G75cは、デフォルト選択部G71a~G75a、およびカスタマイズ選択部G71b~G75bの外周線にちょうど重なるような枠状の図形で構成されている。
なお、パチンコ遊技機PY4全体として各演出特定事項が完全にデフォルト状態のときに、非遊技中カスタム操作画面G102が表示されると、図85に示すように、各演出特定事項領域G71~G75に係るサブカーソルG71c~G75cは、デフォルト選択部G71a~G75aを選択しているものとする。具体的には、非遊技中カスタム操作画面G102が表示されたとき、第1演出特定事項に係るサブカーソル(第1サブカーソル)G71cは、ちょうど第1デフォルト選択部G71aに重なって表示され、第2演出特定事項に係るサブカーソル(第2サブカーソル)G72cは、ちょうど第2デフォルト選択部G72aに重なって表示され、第3演出特定事項に係るサブカーソル(第3サブカーソル)G73cは、ちょうど第3デフォルト選択部G73aに重なって表示され、第4演出特定事項に係るサブカーソル(第4サブカーソル)G74cは、ちょうど第4デフォルト選択部G74aに重なって表示され、第5演出特定事項に係るサブカーソル(第5サブカーソル)G75cは、ちょうど第5デフォルト選択部G75aに重なって表示されている。
また、パチンコ遊技機PY4では、左右ボタン40k2を操作することによって、各サブカーソルG71c~G75cを個別に、各デフォルト選択部G71a~G75aと各カスタマイズ選択部G71b~G75bとの間で移動させることが可能、すなわち各演出特定事項について個別でデフォルト状態とカスタマイズ状態との間で変更することが可能である。ただし、その操作は、当該演出特定事項が選択されているときに行うことが可能である。
各演出特定事項領域G71~G75の左隣りには、当該演出特定事項が選択されていることを示すメインカーソルG76を表示可能である。メインカーソルG76が左隣に配置されている演出特定事項領域G71~G75に係る演出特定事項について、デフォルト状態、およびカスタマイズ状態を選択することができる。なお、メインカーソルG76の表示内容は適宜に設定可能であるが、第4実施形態では、メインカーソルG76は、頂点が上下と右に配置された黒塗りの正三角形で構成されている。
非遊技中カスタム操作画面G102が表示されたとき、メインカーソルG76は、第1演出特定事項領域G71の左隣に表示されるものとする。すなわち、非遊技中カスタム操作画面G102が表示された場合、最初は第1演出特定事項が選択されている状態になる。
なお、第5演出特定事項領域G75の下方には、メインカーソルG76によって選択されている演出特定事項に関する説明文を表示する説明文表示領域G77が横長矩形状に形成されている。したがって、非遊技中カスタム操作画面G102が表示されたとき、説明文表示領域G77には、第1演出特定事項(プレミアアップモード)に関する説明文(第4実施形態では「プレミア演出の頻度を選択できます」)が表示される。
また、非遊技中カスタム操作画面G102が表示された後は、上下ボタン40k1の操作によってメインカーソルG76を移動、言い換えると選択対象となる演出特定事項を変更することができる。演出特定事項領域G71~G75間では、下操作部40kdが1回操作されると、メインカーソルG76が演出特定事項領域G71~G75の1つ分、下方へ移動する。一方、演出特定事項領域G71~G75間では、上操作部40kuが1回操作されると、メインカーソルG76が演出特定事項領域G71~G75の1つ分、上方へ移動する。
したがって、例えば、図86(A)に示すように、図85の状況から下操作部40kdが1回操作されると、図86(B)に示すように、メインカーソルG76が1つ分、下方へ移動して、第2演出特定事項領域G72の左隣に配置され、第2演出特定事項が選択されている状況になると共に、説明文表示領域G77には、第2演出特定事項(一発告知)に関する説明文(第4実施形態では「一発告知の有無を選択できます」)が表示される。なお、図86(B)に示す状況で上操作部40kuが1回操作されると、図86(A)に示す状況となる。
また、図86(B)の状況から下操作部40kdが1回操作されると、図86(C)に示すように、メインカーソルG76が1つ分、下方へ移動して、第3演出特定事項領域G73の左隣に配置され、第3演出特定事項が選択されている状況になると共に、説明文表示領域G77には、第3演出特定事項(オートボタン)に関する説明文(第4実施形態では「オートボタンの有無を選択できます」)が表示される。なお、図86(C)に示す状況で上操作部40kuが1回操作されると、図86(B)に示す状況となる。
さらに、図86(C)の状況から下操作部40kdが1回操作されると、図86(D)に示すように、メインカーソルG76が1つ分、下方へ移動して、第4演出特定事項領域G74の左隣に配置され、第4演出特定事項が選択されている状況になると共に、説明文表示領域G77には、第4演出特定事項(3D)に関する説明文(第4実施形態では「3Dの有無を選択できます」)が表示される。なお、図86(D)に示す状況で上操作部40kuが1回操作されると、図86(C)に示す状況となる。
また、図86(D)の状況から下操作部40kdが1回操作されると、図86(E)に示すように、メインカーソルG76が1つ分、下方へ移動して、第5演出特定事項領域G75の左隣に配置され、第5演出特定事項が選択されている状況になると共に、説明文表示領域G77には、第5演出特定事項(先読みチャンス)に関する説明文(第4実施形態では「先読み演出の有無を選択できます」)が表示される。なお、図86(E)に示す状況で上操作部40kuが1回操作されると、図86(D)に示す状況となる。
また、図示しないが、図86(A)に示す状況において、右操作部40krが1回操作されると、第1サブカーソルG71cが右側に移動して第1カスタマイズ選択部G71bに重なって表示され、第1演出特定事項についてカスタマイズ状態(プレミアアップモードのON設定)が選択されている状態となる。一方、その状況において、左操作部40klが1回操作されると、第1サブカーソルG71cが左側に移動して第1デフォルト選択部G71aに重なって表示され、第1演出特定事項についてデフォルト状態(プレミアアップモードのOFF設定)が選択されている状態となる。
また、図示しないが、図86(B)に示す状況において、右操作部40krが1回操作されると、第2サブカーソルG72cが右側に移動して第2カスタマイズ選択部G72bに重なって表示され、第2演出特定事項についてカスタマイズ状態(一発告知のOFF設定)が選択されている状態となる。一方、その状況において、左操作部40klが1回操作されると、第2サブカーソルG72cが左側に移動して第2デフォルト選択部G72aに重なって表示され、第2演出特定事項についてデフォルト状態(一発告知のON設定)が選択されている状態となる。
また、図示しないが、図86(C)に示す状況において、右操作部40krが1回操作されると、第3サブカーソルG73cが右側に移動して第3カスタマイズ選択部G73bに重なって表示され、第3演出特定事項についてカスタマイズ状態(オートボタンのON設定)が選択されている状態となる。一方、その状況において、左操作部40klが1回操作されると、第3サブカーソルG73cが左側に移動して第3デフォルト選択部G73aに重なって表示され、第3演出特定事項についてデフォルト状態(オートボタンのOFF設定)が選択されている状態となる。
また、図示しないが、図86(D)に示す状況において、右操作部40krが1回操作されると、第4サブカーソルG74cが右側に移動して第4カスタマイズ選択部G74bに重なって表示され、第4演出特定事項についてカスタマイズ状態(3DのOFF設定)が選択されている状態となる。一方、その状況において、左操作部40klが1回操作されると、第4サブカーソルG74cが左側に移動して第4デフォルト選択部G74aに重なって表示され、第4演出特定事項についてデフォルト状態(3DのON設定)が選択されている状態となる。
また、図示しないが、図86(E)に示す状況において、右操作部40krが1回操作されると、第5サブカーソルG75cが右側に移動して第5カスタマイズ選択部G75bに重なって表示され、第5演出特定事項についてカスタマイズ状態(先読みチャンスのOFF設定)が選択されている状態となる。一方、その状況において、左操作部40klが1回操作されると、第5サブカーソルG75cが左側に移動して第5デフォルト選択部G75aに重なって表示され、第5演出特定事項についてデフォルト状態(先読みチャンスのON設定)が選択されている状態となる。
なお、演出制御基板120(演出制御用マイコン121)は、メインカーソルG76の位置、言い換えると、メインカーソルG76によって選択されている演出特定事項を演出用RAM124に記憶可能である。前述の通り、非遊技中カスタム操作画面G102は必ず第1演出特定事項が選択されている状態で表示されることから、非遊技中カスタム操作画面G102が表示されたときには、演出制御用マイコン121は、現在、第1演出特定事項が選択されていることを示す情報を演出用RAM124の所定領域に記憶する。そして、演出制御用マイコン121は、図86(A)に示す状況で下操作部検知信号が入力すると、第2演出特定事項が選択されていることを示す情報を演出用RAM124の所定領域に記憶する。同様に、演出制御用マイコン121は、図86(B)に示す状況で下操作部検知信号が入力すると、第3演出特定事項が選択されていることを示す情報を演出用RAM124の所定領域に記憶する一方、上操作部検知信号が入力すると、第1演出特定事項が選択されていることを示す情報を演出用RAM124の所定領域に記憶する。また、演出制御用マイコン121は、図86(C)に示す状況で下操作部検知信号が入力すると、第4演出特定事項が選択されていることを示す情報を演出用RAM124の所定領域に記憶する一方、上操作部検知信号が入力すると、第2演出特定事項が選択されていることを示す情報を演出用RAM124の所定領域に記憶する。さらに、演出制御用マイコン121は、図86(D)に示す状況で下操作部検知信号が入力すると、第5演出特定事項が選択されていることを示す情報を演出用RAM124の所定領域に記憶する一方、上操作部検知信号が入力すると、第3演出特定事項が選択されていることを示す情報を演出用RAM124の所定領域に記憶する。また、演出制御用マイコン121は、図86(E)に示す状況で上操作部検知信号が入力すると、第4演出特定事項が選択されていることを示す情報を演出用RAM124の所定領域に記憶する。
また、演出制御用マイコン121は、左右ボタン40k2の操作が行われると、演出特定事項記憶部128に記憶している情報を適宜に更新するものとする。例えば、演出制御用マイコン121は、図85(図86(A))に示すような完全なデフォルト状態では、プレミアアップモードフラグ、一発告知禁止フラグ、オートボタンフラグ、3D禁止フラグ、および先読み禁止フラグをOFFにしている。
そして、例えば、演出制御用マイコン121は、図86(A)に示す状況で右操作部検知信号が入力すると、プレミアアップモードフラグをONにする。反対に、演出制御用マイコン121は、プレミアアップモードフラグをONしている状況で左操作部検知信号が入力すると、プレミアアップモードフラグをOFFにする。同様に、演出制御用マイコン121は、図86(B)に示す状況で右操作部検知信号が入力すると、一発告知禁止フラグをONにする。反対に、演出制御用マイコン121は、一発告知禁止フラグをONしている状況で左操作部検知信号が入力すると、一発告知禁止フラグをOFFにする。また、演出制御用マイコン121は、図86(C)に示す状況で右操作部検知信号が入力すると、オートボタンフラグをONにする。反対に、演出制御用マイコン121は、オートボタンフラグをONしている状況で左操作部検知信号が入力すると、オートボタンフラグをOFFにする。さらに、演出制御用マイコン121は、図86(D)に示す状況で右操作部検知信号が入力すると、3D禁止フラグをONにする。反対に、演出制御用マイコン121は、3D禁止フラグをONしている状況で左操作部検知信号が入力すると、3D禁止フラグをOFFにする。また、演出制御用マイコン121は、図86(E)に示す状況で右操作部検知信号が入力すると、先読み禁止フラグをONにする。反対に、演出制御用マイコン121は、先読み禁止フラグをONしている状況で左操作部検知信号が入力すると、先読み禁止フラグをOFFにする。
また、説明文表示領域G77の下方には、非遊技中カスタム機能に係る操作を終了すること、言い換えると非遊技中カスタム操作画面G102を閉じることが選択されていることを示す終了部G78と、各演出特定事項をデフォルト状態にすることが選択されていることを示す初期化部G79とが左右方向に並んで配置されている。終了部G78、および初期化部G79は、メインカーソルG76によって選択可能である。図86(E)に示すように、メインカーソルG76が第5演出特定事項領域G75の左隣りに配置されている状況で下操作部40kdが操作されると、メインカーソルG76は終了部G78の左隣に移動する。また、メインカーソルG76が終了部G78の左隣りに配置されている状況で右操作部40krが操作されると、メインカーソルG76は初期化部G79の左隣に移動する。さらに、メインカーソルG76が初期化部G79の左隣りに配置されている状況で左操作部40klが操作されると、メインカーソルG76は終了部G78の左隣に移動する。また、メインカーソルG76が終了部G78の左隣りに配置されている状況で上操作部40kuが操作されると、メインカーソルG76は第5演出特定事項領域G75の左隣に移動する。
そして、メインカーソルG76が終了部G78の左隣りに配置されている状況で第1演出ボタン41kが操作されると、非遊技中カスタム操作画面G102から設定選択画面に切り替わり、非遊技中カスタム操作を行うことができなくなると共に、そのときの各演出特定事項領域G71~G75におけるサブカーソルG71c~G75cの位置が示す各演出特定事項の状態(デフォルト状態/カスタマイズ状態)に決定される。
例えば、遊技者によって、最終的に、図87(A)に示すように、第1サブカーソルG71cが第1カスタマイズ選択部G71bを選択し、第2サブカーソルG72cが第2デフォルト選択部G72aを選択し、第3サブカーソルG73cが第3カスタマイズ選択部G73bを選択し、第4サブカーソルG74cが第4デフォルト選択部G74aを選択し、第5サブカーソルG75cが第5カスタマイズ選択部G75bを選択している状態、言い換えると、第1演出特定事項、第3演出特定事項、および第5演出特定事項についてカスタマイズ状態を選択し、第2演出特定事項、および第4演出特定事項についてデフォルト状態を選択している状態になされたとする。また、メインカーソルG76は、終了部G78の左隣に配置されている状態とする。
そして、図87(A)に示す状況で、第1演出ボタン41kが操作されると、図87(B)に示すように、非遊技中カスタム操作画面G102から設定選択画面に切り替わる。これによって、非遊技中カスタム操作を行うことができなくなり、各種演出特定事項に係る状態が確定するが、図87(A)に示すように、演出特定事項の中で1つでもカスタマイズ状態が選択されている状態で非遊技中カスタム操作画面G102から設定選択画面に切り替わると、演出制御用マイコン121は、演出用RAM124の所定領域において、パチンコ遊技機PY4全体として演出特定事項についてカスタマイズ状態である(完全なデフォルト状態ではない)ことを示すフラグ(演出カスタマイズ状態フラグ)をONする。
図87(B)に示す状況から遊技者による遊技が開始されて、例えば、遊技球が第1始動口11に入賞して特図1可変表示が開始されると、図87(C)に示すように、画面推移説明画像G70が消えて、設定選択画面から遊技用の画面に切り替わる共に、停止表示していた演出図柄EZ1~EZ3が変動表示(特図変動演出)を開始する。このように、非遊技中カスタム操作画面G102が表示されているときに非遊技中カスタム操作によってパチンコ遊技機PY4全体としてデフォルト状態からカスタマイズ状態に変更された後、最初に特図変動演出が行われるときは、後述する遊技中カスタム操作画像G80は表示されない。
次に、遊技中カスタム操作について説明する。図88~図90は、遊技中カスタム操作を説明する説明図である。
図87(C)に示す状況の後、例えば、複数回の特図1可変表示が連続的に実行され、最終的に、ハズレを示す態様の特図1の停止表示が行われて、それに応じてハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われたとする。そして、ここで、図88(A)に示すように、次の特図1可変表示が行われないまま30秒が継続すると、言い換えると、特図1可変表示、または大当たり遊技が実行されていない客待ち状態が30秒継続すると、演出制御用マイコン121は、図88(B)に示すように、表示部50aにおいて客待ちデモ動画G100を表示させる。
次に、図88(B)に示すような客待ちデモ動画G100が表示されてから、再び遊技者による遊技が開始されて、例えば、遊技球が第1始動口11に入賞して特図1可変表示が開始されると、図88(C)に示すように、客待ちデモ動画G100から第1通常用背景画像G111に切り替わると共に、変動表示を行っている演出図柄EZ1~EZ3が出現するが、演出制御用マイコン121は、このタイミングで、遊技中カスタム操作を行うための画像(遊技中カスタム操作画像)G80が、表示部50aの左上隅辺りに、第1通常用背景画像G111に重畳的に表示させる。
このように、演出制御用マイコン121は、非遊技中カスタム操作画面G102での操作(非遊技中カスタム操作)によってカスタマイズ状態になった後、一度、特図可変表示が行われてから再び客待ち状態となって客待ちデモ動画G100が表示され、その状態から特図可変表示が実行されると共に、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(特図変動演出)が行われる場合、遊技中カスタム操作画像G80を表示して遊技中カスタム操作を可能にさせる。換言すると、演出制御用マイコン121は、前述の演出カスタマイズ状態フラグがONされた後に新たに開始された(移行した)客待ち状態において最初に表示された客待ちデモ動画G100から特図可変表示(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示、特図変動演出)が開始されるときに、遊技中カスタム操作画像G80を表示して遊技中カスタム操作を可能にさせる。
なお、「演出カスタマイズ状態フラグがONされた後に新たに開始された(移行した)客待ち状態」であるので、例えば、図87(B)に示す状況から図87(C)に示す状況に移行せずに客待ちデモ動画G100が表示されたとしても、当該客待ちデモ動画G100は、演出カスタマイズ状態フラグがONされときに既に滞在している客待ち状態において最初に表示された客待ちデモ動画G100であり、演出カスタマイズ状態フラグがONされた後に新たに開始された(移行した)客待ち状態において表示された客待ちデモ動画G100ではないことから、そのような客待ちデモ動画G100から特図可変表示(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示、特図変動演出)が開始されても、遊技中カスタム操作画像G80は表示されない。さらに、例えば、演出カスタマイズ状態フラグがONされた後に最初に開始された客待ち状態であってもそこで客待ちデモ動画G100が表示されないまま特図可変表示(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示、特図変動演出)が開始されても、遊技中カスタム操作画像G80は表示されない。すなわち、遊技中カスタム操作画像G80が表示される条件、言い換えると遊技中カスタム操作が可能となる条件には、少なくとも、カスタマイズ状態になってから特図可変表示が行われていることと、客待ちデモ動画G100が表示されている状態から特図可変表示(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示、特図変動演出)が開始することが含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、遊技中カスタム操作画像G80を表示すると、前述の演出カスタマイズ状態フラグをOFFにする。また、第4実施形態においては、例えば、図87(A)に示すように非遊技中カスタム操作画面G102が表示されている状況で、第1始動口11に遊技球が入球して、特図1可変表示が開始すると、そのまま図87(C)に示す状況になる。なお、この状況の推移は、非遊技中カスタム操作画面G102で、演出特定事項が完全なデフォルト状態になっている場合でも少なくとも一部がカスタマイズ状態になっている場合でも同一である。また、そのときに、カスタマイズ状態になっている場合は、演出制御用マイコン121は、特図1可変表示が開始するときに演出カスタマイズ状態フラグをONにする。すなわち、非遊技中カスタム操作画面G102が表示されている状況での特図可変表示の開始は、メインカーソルG76が終了部G78の左隣に配置しているときに第1演出ボタン41kが操作されたことと同じ機能を有する。
ところで、図88(C)で図示している遊技中カスタム操作画像G80は簡略化されたものである。ここで、遊技中カスタム操作画像G80について詳細に説明する。図89は、遊技中カスタム操作画像G80を説明するための説明図である。
図89(A)は遊技中カスタム操作画像G80が表示された直後の遊技中カスタム操作画像G80の様子を表している。図89(A)に示すように、遊技中カスタム操作画像G80は全体的に横長矩形状に形成されており、内部において、「カスタムを続行しますか?」と表記されている。すなわち、遊技中カスタム操作画像G80は、演出特定事項のカスタマイズ状態の続行・継続の是非について問う演出として機能する。さらに、遊技中カスタム操作画像G80の内部には、カスタマイズ状態の続行を選択することを表す続行選択部G81と、カスタマイズ状態の終了を選択することを表す終了選択部G82と、続行選択部G81と終了選択部G82との間で移動可能であり、配置されている方が選択されていることを表すカーソルG83と、遊技中カスタム操作画像G80が表示されている残りの時間(遊技中カスタム残り時間)を表す残り時間表示部G84と、が設けられている。なお、遊技中カスタム操作画像G80が演出特定事項のカスタマイズ状態の続行・継続の是非について問う演出として機能するための表記内容「カスタムを続行しますか?」は、遊技者が演出特定事項のカスタマイズ状態の続行・継続の是非について問われていることが認識可能な範囲で適宜に変更しても良い。
遊技中カスタム操作は遊技中カスタム操作画像G80が表示されているときに実行可能であり、遊技中カスタム操作画像G80は3秒間表示される。すなわち、遊技中カスタム操作に係る有効時間は3秒である。そして、遊技中カスタム残り時間を表す残り時間表示部G84は、直線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が遊技中カスタム残り時間を容易に理解できるように変化する。
また、続行選択部G81と終了選択部G82とは、同一の略横長矩形状に形成されており左右方向に並んで配置されている。詳細には、続行選択部G81が左側に配置され、終了選択部G82が右側に配置されている。そして、カーソルG83は、続行選択部G81、および終了選択部G82の外周線とちょうど重なるような枠状の図形で構成されており、遊技中カスタム操作画像G80が表示されたときには、終了選択部G82の外周線に重なって表示されている。すなわち、遊技中カスタム操作画像G80が表示されたとき、カスタマイズ状態の終了が選択されていることになる。なお、続行選択部G81、および終了選択部G82の外周線よりも、カーソルG83に係る線の方がかなり太いので、遊技者は、カーソルG83が、続行選択部G81、および終了選択部G82の何れに重なっているのかを容易に理解することができるものとする。
そして、遊技中カスタム操作画像G80が表示されているとき、左右ボタン40k2の操作によって、カーソルG83を続行選択部G81と終了選択部G82との間で交互に移動、言い換えるとカスタマイズの続行とカスタマイズの終了とを交互に選択することができる。カーソルG83が終了選択部G82に重なって表示され、終了選択部G82が選択されているときに、左操作部40klが操作されると、カーソルG83は左側へ移動して続行選択部G81に重なり、続行選択部G81が選択されている状態になる。一方、カーソルG83が続行選択部G81に重なって表示され、続行選択部G81が選択されているときに、右操作部40krが操作されると、カーソルG83は右側へ移動して終了選択部G82に重なり、終了選択部G82が選択されている状態になる。
例えば、図89(A)に示すカーソルG83が終了選択部G82を選択している状況から少し時間(0.75秒)が経過して図89(B)に示す状況になったときに、左操作部40klが操作されると、図89(C)に示すように、カーソルG83は、続行選択部G81を選択している状態になる。さらに、それから右操作部40krが操作されると、図89(D)に示すように、カーソルG83は、終了選択部G82を選択している状態になる。
なお、図89(A)~図89(D)に示すように、遊技中カスタム操作画像G80が表示されてからの時間の経過に応じて、残り時間表示部G84に係る遊技中カスタム残り時間を表す部分(図89において、着色部分)は左側に向かって縮小していく。そして、遊技中カスタム残り時間が0秒になると、図89(E)に示すように、残り時間表示部G84に係る遊技中カスタム残り時間を表す部分が消滅する。
そして、残り時間表示部G84に係る遊技中カスタム残り時間を表す部分が消滅すると直ぐに、図90に示すように、遊技中カスタム操作画像G80が消去される。なお、図89(A)~図89(E)に示すように、遊技中カスタム操作画像G80が表示されてから時間が経過する中で、左右ボタン40k2が操作されてカーソルG83が続行選択部G81と終了選択部G82との間を移動していても、表示部50aでは、これらに影響されず特図変動演出が適宜に展開されているものとする。
また、演出制御用マイコン121は、カーソルG83が続行選択部G81と終了選択部G82との何れを選択しているのかをリアルタイムで把握するものとする。そして、遊技中カスタム残り時間が0秒になったときのカーソルG83の配置状況に応じて、カスタマイズの制御を行う。具体的には、演出制御用マイコン121は、遊技中カスタム残り時間が0秒になったときにカーソルG83が終了選択部G82を選択しているときは、演出特定事項記憶部128における全てのフラグをOFFにすることで、演出特定事項を完全なデフォルト状態にする。一方、演出制御用マイコン121は、遊技中カスタム残り時間が0秒になったときにカーソルG83が続行選択部G81を選択しているときは、演出特定事項記憶部128における全てのフラグを維持することで、演出特定事項についての現状のカスタマイズ状態を続行する。
したがって、例えば、図89(E)に示すように、カーソルG83が終了選択部G82を選択している状況で遊技中カスタム残り時間が0秒になると、演出制御用マイコン121は、演出特定事項記憶部128に記憶されているすべてのフラグ(プレミアアップモードフラグ、一発告知禁止フラグ、オートボタンフラグ、3D禁止フラグ、先読み禁止フラグ)をOFFにして、演出特定事項について完全なデフォルト状態にする。この場合、その後に、初めて非遊技中カスタム操作画面G102が表示されると、図91(A)に示すように、非遊技中カスタム操作画面G102は、各サブカーソルG71c~G75cが各デフォルト選択部G71a~G75aを選択している状態で表示される。
また、例えば、図89(D)に示すように、カーソルG83が続行選択部G81を選択している状況でそのまま遊技中カスタム残り時間が0秒になると、演出制御用マイコン121は、演出特定事項記憶部128に記憶されているすべてのフラグ(プレミアアップモードフラグ、一発告知禁止フラグ、オートボタンフラグ、3D禁止フラグ、先読み禁止フラグ)のON/OFFをそのまま維持にして、演出特定事項について現状のカスタマイズ状態を続行する。この場合、その後に、初めて非遊技中カスタム操作画面G102が表示されると、図91(B)に示すように、非遊技中カスタム操作画面G102は、図88(C)に示す遊技中カスタム操作画像G80が表示される前の直近でカスタマイズ状態になされた非遊技中カスタム操作画面G102と同じ内容(サブカーソルG71c、G73c、G75cがカスタマイズ選択部G71b、G73b、G75bを選択し、サブカーソルG72c、G73cがデフォルト選択部G72a、G74aを選択している内容)で表示される。
なお、前述の通り、図88(C)に示すように、遊技中カスタム操作画像G80が表示されたときに、演出カスタマイズ状態フラグがOFFされる。そして、このOFFされた演出カスタマイズ状態フラグは、例えば当該遊技中カスタム操作画像G80においてカーソルG83が続行選択部G81を選択している状況でそのまま遊技中カスタム残り時間が0秒になってもONにされない。したがって、遊技中カスタム操作として、カスタマイズ状態の続行がなされた場合、その後に当該カスタマイズ状態が維持されていたとしても、その後に客待ち状態となって表示部50aにおいて客待ちデモ動画G100が表示され、客待ちデモ動画G100が表示されているときに特図可変表示が開始されて、特図変動演出(演出図柄EZ1~EZ3の変動表示)が開始したときに、遊技中カスタム操作画像G80は表示されない。
また、各種演出特定事項の変更という観点では、例えば、演出特定事項がカスタマイズ状態であり、図87(A)に示すような状態で非遊技中カスタム操作画面G102が表示されて、その後、非遊技中カスタム操作によって、最終的にサブカーソルG71c~G75cがデフォルト選択部G71a~G75aを選択している状況で、設定選択画面に推移したとする。言い換えると、非遊技中カスタム操作によって、カスタマイズ状態からデフォルト状態になったとする。この場合においては、演出特定事項に関する変更が行われたものの、演出カスタマイズ状態フラグはONされない。したがって、この後、一度、特図可変表示が行われてから再び客待ち状態となって客待ちデモ動画G100が表示され、その状態から特図可変表示が実行されると共に、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(特図変動演出)が行われても、遊技中カスタム操作画像G80は表示されない。言い換えると、遊技中カスタム操作を可能にさせる機会は訪れない。
さらに、各種演出特定事項の変更という観点では、例えば、演出特定事項がカスタマイズ状態であり、図87(A)に示すような状態で非遊技中カスタム操作画面G102が表示されて、その後、非遊技中カスタム操作によって、最終的にサブカーソルG71c~G73cがカスタマイズ選択部G71b~G73bを選択し、サブカーソルG74c~G75cがカスタマイズ選択部G74b~G75bを選択している状況で、設定選択画面に推移したとする。言い換えると、非遊技中カスタム操作によって、あるカスタマイズ状態から別のカスタマイズ状態になったとする。この場合においては、演出カスタマイズ状態フラグがONされるものとする。したがって、この後、一度、特図可変表示が行われてから再び客待ち状態となって客待ちデモ動画G100が表示され、その状態から特図可変表示が実行されると共に、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(特図変動演出)が行われると、遊技中カスタム操作画像G80が表示されて遊技中カスタム操作が可能になる。なお、この後の遊技中カスタム操作画像G80が表示されているときの表示制御については、デフォルト状態からカスタマイズ状態になったときと同様である。
また、各演出特定事項の変更という観点では、例えば、演出特定事項がデフォルト状態であり、図87(A)に示すような状態で非遊技中カスタム操作画面G102が表示されたが、その後、十字ボタン40kが操作されなかった場合、または十字ボタン40kが操作されたがその結果、最終的にサブカーソルG71c、G74c、G75cがカスタマイズ選択部G71b、G73b、G75bを選択し、サブカーソルG72c、G74cがデフォルト選択部G72b、G72bを選択している状況で、設定選択画面に推移したとする。言い換えると、一度、非遊技中カスタム操作画面G102が表示されたが、当該画面が表示される前とデフォルト状態が変化しなかったとする。この場合においては、演出カスタマイズ状態フラグがONされるものとする。したがって、この後、一度、特図可変表示が行われてから再び客待ち状態となって客待ちデモ動画G100が表示され、その状態から特図可変表示が実行されると共に、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(特図変動演出)が行われると、遊技中カスタム操作画像G80が表示されて遊技中カスタム操作が可能になる。なお、この後の遊技中カスタム操作画像G80が表示されているときの表示制御については、デフォルト状態からカスタマイズ状態になったときと同様である。
さらに、各演出特定事項の変更という観点では、例えば、演出特定事項がデフォルト状態であり、図85(A)に示すような状態で非遊技中カスタム操作画面G102が表示されたが、その後、十字ボタン40kが操作されなかった場合、または十字ボタン40kが操作されたがその結果、最終的にサブカーソルG71c~G75cがデフォルト選択部G71a~G75aを選択している状況で、設定選択画面に推移したとする。言い換えると、一度、非遊技中カスタム操作画面G102が表示されたが、当該画面が表示される前と同じくデフォルト状態が変化しなかったとする。この場合においては、演出特定事項に関する変更が行われたものの、演出カスタマイズ状態フラグはONされない。したがって、この後、一度、特図可変表示が行われてから再び客待ち状態となって客待ちデモ動画G100が表示され、その状態から特図可変表示が実行されると共に、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(特図変動演出)が行われても、遊技中カスタム操作画像G80は表示されない。言い換えると、遊技中カスタム操作を可能にさせる機会は訪れない。
なお、プレミア演出、一発告知、オートボタン、裸眼3D立体視を用いた演出、および先読みチャンスに係る具体的な演出内容・制御内容についての説明は省略するが、演出制御基板120は、演出特定事項記憶部128に記憶されている情報に基づいて、適宜にプレミア演出、一発告知、オートボタン、裸眼3D立体視を用いた演出、および先読みチャンスを制御するものとする。
以上のように、パチンコ遊技機PY4によれば、演出特定事項(第1演出特定事項~第5演出特定事項:演出に係る特定事項)の仕様として、デフォルト状態(デフォルトの第1仕様)と、カスタマイズ状態(第1仕様と異なる第2仕様)とがあり、演出特定事項(第1演出特定事項~第5演出特定事項:演出に係る特定事項)の仕様として、カスタマイズ状態(第1仕様と異なる第2仕様)に設定されている場合、カスタマイズ状態(第1仕様と異なる第2仕様)の設定の継続について問う遊技中カスタム操作画像G80を表示部50aにおいて表示可能(特定表示を表示部において実行可能)であることから、例えば、遊技者が、演出特定事項を変更できる機能があることを知らない場合などに、意図しない仕様で遊技を行うことを防ぐことができるので、遊技興趣の低下を抑えることができる。また、特図可変表示(識別情報の可変表示)、および大当たり遊技(特定遊技)が実行されていない客待ち状態(非遊技状態)において、始動口11,12に遊技球が入賞して(所定条件が成立して)特図可変表示(識別情報の可変表示)が実行されているときに、遊技中カスタム操作画像G80を表示(特定表示を実行)することがあることから、特に、新たに遊技を開始した遊技者に対して演出特定事項の変更機能について認知させることができるので、さらに遊技興趣の低下を抑えることができる。さらに、客待ち状態(非遊技状態)において、十字ボタン40kや第1演出ボタン41k(操作手段)の操作によって演出特定事項(演出に係る特定事項)の仕様をデフォルト状態(第1仕様)からカスタマイズ状態(第2仕様)に変更可能であり、客待ち状態(非遊技状態)で演出特定事項(演出に係る特定事項)の仕様がデフォルト状態(第1仕様)からカスタマイズ状態(第2仕様)に変更された場合、当該客待ち状態(非遊技状態)で始動口11,12に遊技球が入賞して(所定条件が成立して)実行された特図可変表示(識別情報の可変表示)において遊技中カスタム操作画像G80を表示(特定表示を実行)することはなく、その次に発生した客待ち状態(非遊技状態)で始動口11,12に遊技球が入賞して(所定条件が成立して)実行された特図可変表示(識別情報の可変表示)において遊技中カスタム操作画像G80を表示(特定表示を実行)することがあることから、自身の意思で演出特定事項をカスタマイズ状態に変更した遊技者に対して遊技中カスタム操作画像G80を表示してしまって遊技者が煩わしさを感じることを防止することができるので、遊技興趣の低下を抑えることができる。
(第4実施形態の変更例)
次に、第4実施形態に係るパチンコ遊技機PY4の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
遊技者が任意に設定可能な演出特定事項として、プレミアアップモード、一発告知、オートボタン、3D、および先読みチャンスがあるが、演出特定事項の具体的な内容は特に限定されることはなく、適宜に変更してもよい。また、遊技者が任意に設定可能な演出特定事項の種類は5種類であるが、種類の数は特に限定されることはなく、適宜に変更してもよい。
非遊技中カスタム操作画面G102は、設定選択画面が表示されているときに上下ボタン40k1(上操作部40ku、または下操作部40kd)が操作されることによって表示されるが、非遊技中カスタム操作画面G102の表示方法は特に限定されることなく適宜に変更してもよい。例えば、客待ちデモ動画G100が表示されているときに第1演出ボタン41kや第2演出ボタン42kが操作されると非遊技中カスタム操作画面G102が表示されるようにしてもよい。または、客待ち状態であって、表示部50aにおいて、第1通常用背景画像G111などのように通常変動で表示される背景画像にハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3が重畳的に停止表示されているときに第1演出ボタン41kや第2演出ボタン42kが操作されると非遊技中カスタム操作画面G102が表示されるようにしてもよい。
また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに第1演出ボタン41kが操作されると設定選択画面が表示されが、非遊技中カスタム操作画面G102の表示方法は特に限定されることなく適宜に変更してもよい。例えば、客待ち状態においては、客待ちデモ動画G100が表示されているときに、十字ボタン40k、第1演出ボタン41k、および第2演出ボタン42kの何れを操作しても、設定選択画面に切り替わらないが、客待ちデモ動画G100の演出時間が設定されており、客待ちデモ動画G100が終了すると設定選択画面に切り替わるようにしてもよい。また、この場合、設定選択画面の継続的な表示時間が設定されており、上下ボタン40k1や左右ボタン40k2が操作されない限り、設定選択画面が表示されてから、当該継続的な表示時間が経過すると、再び客待ちデモ動画G100に切り替わり、以降、設定選択画面で上下ボタン40k1や左右ボタン40k2が操作されない限り、客待ちデモ動画G100と設定選択画面とが繰り返し交互に表示されるようにしてもよい。
非遊技中カスタム操作画面G102の表示内容・レイアウトは、当該画面G102が表示されているときに、遊技者が操作によって各種演出特定事項に係る状態(デフォルト状態/カスタマイズ状態)を任意に設定できる範囲で適宜に変更してもよい。例えば、メインカーソルG76を移動させる操作方法(演出特定事項を選択する方法)や各サブカーソルG71c~G75cを移動させる操作方法(各種演出特定事項に係る状態を選択する方法)を適宜に変更してもよい。
また、非遊技中カスタム操作画面G102において、メインカーソルG76が終了部G78の左隣に配置されているときに第1演出ボタン41kが操作されると、設定選択画面に切り替わり、そのときのサブカーソルG71c~G75cの位置(デフォルト選択部G71a~G75a、またはカスタマイズ選択部G71b~G75bの何れかに重なっているサブカーソルG71c~G75cの状態)に基づく各種演出特定事項に係る状態に決定されるが、この決定のための操作方法も適宜に変更してもよい。例えば、メインカーソルG76が演出特定事項G71~G75の何れかの左隣りに配置されているときに第1演出ボタン41kが操作されると、設定選択画面に切り替わり、そのときのサブカーソルG71c~G75cの位置に基づく各種演出特定事項に係る状態に決定されるようにしてもよい。
非遊技中カスタム操作画面G102が表示されているときに特図可変表示が開始されると、そのときのサブカーソルG71c~G75cの位置に基づく各種演出特定事項に係る状態に決定されるが、この場合は、当該非遊技中カスタム操作画面G102が表示されたときから、演出特定事項の何れかに係る状態が変更されていても、当該変更は認められず非遊技中カスタム操作画面G102が表示されたときの演出特定事項に係る状態になるようにしてもよい。
遊技中カスタム操作画像G80が表示される時間、言い換えると、遊技中カスタム操作に係る有効時間は、特に限定されることなく、適宜に変更してもよい。また、遊技中カスタム操作画像G80表示内容・レイアウトは、当該遊技中カスタム操作画像G80が表示されているときに、遊技者が操作によってカスタマイズ状態の続行および終了を任意に設定できる範囲で適宜に変更してもよい。例えば、第1演出ボタン41kを操作するたびにカーソルG83は選択されていない方に移動するなどカーソルG83を移動させる操作方法(カスタマイズ状態の続行および終了を選択する方法)を適宜に変更してもよい。
また、遊技中カスタム操作画像G80が表示されるとき、カーソルG83は終了選択部G82に重なって表示されているが、言い換えるとカスタマイズ状態の終了が選択されているが、カーソルG83が続行選択部G81に重なって表示、言い換えるとカスタマイズ状態の続行が選択されているようにしてもよい。
遊技中カスタム操作でカスタマイズ状態の続行が選択された場合、その後に客待ち状態になり、当該客待ち状態で客待ちデモ動画G100が表示されているときに特図可変表示が開始されて特図変動演出が実行された場合、当該特図変動演出において遊技中カスタム操作画像G80が表示されることはないが、遊技中カスタム操作画像G80が表示されることがあるようにしてもよい。この場合、当該カスタマイズ状態の続行が継続している限り、客待ちデモ動画G100から実行される最初の特図変動演出では毎回、遊技中カスタム操作画像G80が表示されるようにしてもよいし、最初の所定回数まで、またはその後の特定期間までのように、当該カスタマイズ状態が継続していても、遊技中カスタム操作画像G80の表示に対して制限を設けてもよい。
非遊技中カスタム操作画面G102での操作(非遊技中カスタム操作)によってカスタマイズ状態になった後、一度、特図可変表示が行われてから再び客待ち状態となって客待ちデモ動画G100が表示され、その状態から1回目の特図可変表示が実行されると共に、1回目の演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(特図変動演出)が行われる場合、遊技中カスタム操作画像G80が表示されるが、再びの客待ち状態で設定選択画面が表示され、その状態から1回目の特図可変表示が実行されると共に、1回目の演出図柄EZ1~EZ3の変動表示(特図変動演出)が行われる場合にも、遊技中カスタム操作画像G80が表示されるようにしてもよい。
非遊技中カスタム操作画面G102での操作(非遊技中カスタム操作)によってあるカスタマイズ状態から別のカスタマイズ状態になった場合、その後の特定の特図変動演出で遊技中カスタム操作画像G80が表示されるが、この場合は遊技中カスタム操作画像G80が表示されないようにしてもよい。
あるカスタマイズ状態において非遊技中カスタム操作画面G102が表示されたが、結果的に当該カスタマイズ状態が変更されずに非遊技中カスタム操作画面G102が閉じられた場合でも、その後の特定の特図変動演出で遊技中カスタム操作画像G80が表示されるが、この場合は遊技中カスタム操作画像G80が表示されないようにしてもよい。
完全なデフォルト状態において非遊技中カスタム操作画面G102が表示され、非遊技中カスタム操作画面G102での操作(非遊技中カスタム操作)によって1つでも演出特定事項がカスタマイズ状態になると、その後の特定の特図変動演出で遊技中カスタム操作画像G80が表示されるが、例えば、演出特定事項には、特定の演出特定事項、および非特定の演出特定事項の2種類の演出特定事項があり、少なくとも特定の演出特定事項がカスタマイズ状態になっていることが、遊技中カスタム操作画像G80が表示されるための条件であり、非特定の演出特定事項のみがカスタマイズ状態になっていても、遊技中カスタム操作画像G80は表示されないようにしてもよい。ここでの特定の演出特定事項と非特定の演出特定事項との区別として、例えば、非遊技中カスタム操作以外でも設定可能な演出特定事項は非特定の演出特定事項になり、非遊技中カスタム操作でのみ設定可能な演出特定事項は特定の演出特定事項になるようにしてもよい。
カスタマイズ状態の終了が選択されている状態で遊技中カスタム操作画像G80が消えた場合(遊技中カスタム操作が終了する場合)、演出制御用マイコン121はそのときに全ての演出特定事項に係るフラグをOFFにするが、このOFFにするタイミング、言い換えると演出特定事項の完全なデフォルト状態への移行タイミング全ての演出特定事項に係るフラグをOFF全ての演出特定事項に係るフラグをOFF全ての演出特定事項に係るフラグをOFFは特に限定されることはなく、適宜に変更してもよい。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技中カスタム操作画像G80が表示されているときに行われている特図変動演出が終了するときに、または次の特図変動演出が開始するときに、全ての演出特定事項に係るフラグをOFFにしてもよい。
<第5実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第5実施形態について説明する。以下においては、主に、第5実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第5実施形態に係るパチンコ遊技機PY5は、所謂「1種2種混合機」で構成される。1台のパチンコ遊技機PY5において、遊技球の第1始動口11への入賞を契機に特図1抽選が行われて大当たりに当選すると、後述の第1大入賞口14が開放する大当たり遊技が実行される「第1種(所謂「デジパチタイプ」)」と称される仕様と、遊技球の第2始動口12への入賞を契機に特図2抽選が行われて小当たりに当選すると、後述の第2大入賞口15が開放する小当たり遊技が実行され、小当たり遊技で開放した第2大入賞口15に入球した遊技球が、後述する特定領域16(所謂「Vゾーン」)を通過(所謂「V入賞」)すると大当たり遊技が実行される「第2種(所謂「羽根モノタイプ」)」と称される仕様とが混在する。
ここで、パチンコ遊技機PY5の遊技盤ユニットYUの正面図を図92に示す。図92に示すように、遊技領域6には、遊技球が入賞不可能な状態と入賞可能な状態との間で可逆的に変化可能な第1大入賞装置14D、および第2大入賞装置15Dが設けられている。第1大入賞装置14Dは、基本的な実施形態の大入賞装置14Dに対応している。したがって、第1大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第1大入賞口14が形成されており、第1大入賞口14は、第1大入賞装置14Dが具備する第1AT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。また、第1大入賞装置14Dには、遊技球が第1大入賞口14に入球(入賞)したことを検知する第1大入賞口センサ14aが設けられている。
第2大入賞装置15Dは、第1大入賞装置14Dの下流域側直下に設けられており、部分的に第1大入賞装置14Dと同じように構成されている。第2大入賞装置15Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2大入賞口15が形成されており、第2大入賞口15は、第2大入賞装置15Dが具備する第2AT開閉部材15kによって閉態様と開態様とをとる。また、第2大入賞装置15Dには、遊技球が第2大入賞口15に入球(入賞)したことを検知する第2大入賞口センサ15aが設けられている。
なお、第5実施形態では、第1大入賞口14への入球に伴って15個の賞球が払い出される。また、第2大入賞口15への入球に伴って15個の賞球が払い出される。
次に、遊技球が第2大入賞口15へ入賞した後の部分の遊技盤1の構成について説明する。図93は、遊技球が第2大入賞口15へ入賞した後の部分の遊技盤1の構成を模式的に表した説明図である。図91に示すように、遊技球が第2大入賞口15へ入賞した後の構成として、第2大入賞口15に入球した遊技球が通過可能な特定領域16および非特定領域17が設けられている。さらに、第2大入賞口15に入球した遊技球を特定領域16と非特定領域17に振り分け可能な振分部材16kが設けられている。
振分部材16kは、振分ソレノイド16s(図94参照)によって進退可能に構成される。振分ソレノイド16sは、遊技制御用マイコン101と電気的に接続され、遊技制御用マイコン101は、後述する小当たり遊技において、振分ソレノイド16sを制御することが可能である。
遊技制御用マイコン101は、振分ソレノイド16sを用いて振分部材16kを進退させることによって、第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過可能な第1通過状態と、第2大入賞口15に入球した遊技球が非特定領域17を通過可能な第2通過状態とのどちらかの状態にすることが可能である。振分部材16kは、通常では第2通過状態となるように進出位置に保持され、小当たり遊技の実行に際し、所定時間(例えば2.8秒)だけ退避位置に退避して第1通過状態に変化する。小当たり遊技における振分部材16kの動作の詳細については後述する。
また、パチンコ遊技機PY5には、特定領域16を通過した遊技球を検知するが、非特定領域17を通過した遊技球を検知しない特定領域センサ16a(図91参照)が設けられている。特定領域センサ16aは、遊技制御用マイコン101と電気的に接続され、遊技球を検知すると、遊技球が特定領域16を通過したことを検知したことを示す信号を遊技制御基板100に出力する。
なお、特定領域16および非特定領域17の前面には、合成樹脂製の透明な窓(図示なし)が設けられ、第2大入賞口15に入賞した遊技球が、特定領域16および非特定領域17の何れを通過したのかを、遊技者が視認可能になっている。
次に、パチンコ遊技機PY5における遊技制御基板100側の電気的な構成を説明する。図94は、パチンコ遊技機PY5における遊技制御基板100側の電気的な構成を示すブロック図である。図94に示すように、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類として、第1ATソレノイド14s、第2ATソレノイド15s、および振分ソレノイド16sが含まれている。
遊技制御基板100は、第1ATソレノイド14s、第2ATソレノイド15s、および振分ソレノイド16sのそれぞれに対して、第1ATソレノイド14s、第2ATソレノイド15s、および振分ソレノイド16sの駆動を制御するための信号を出力可能である。第1ATソレノイド14sは第1AT開閉部材14kに接続されており、第1ATソレノイド14sが駆動することによって第1AT開閉部材14kが開閉動作を行う。第2ATソレノイド15sは第2AT開閉部材15kに接続されており、第2ATソレノイド15sが駆動することによって第2AT開閉部材15kが開閉動作を行う。振分ソレノイド16sは振分部材16kに接続されており、振分ソレノイド16sが駆動することによって振分部材16kが遊技盤1の前面に対して進退動作を行う。
また、遊技制御基板100に接続されている各種センサ類として、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、および特定領域センサ16aが遊技制御基板100へ信号を出力可能に接続されている。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知可能であり、遊技球を検知すると、第1大入賞口14に遊技球が入賞したことを示す信号を遊技制御基板100に出力する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知可能であり、遊技球を検知すると、第2大入賞口15に遊技球が入賞したことを示す信号を遊技制御基板100に出力する。特定領域センサ16aは、特定領域16を通過した遊技球を検知可能であり、遊技球を検知すると、遊技球が特定領域16を通過(V入賞)したことを示す信号を遊技制御基板100に出力する。
次に、第5実施形態における演出制御基板120側の電気的な構成について説明する。図95は、第5実施形態における演出制御基板120側の電気的な構成を示すブロック図である。
詳細は後述するが、パチンコ遊技機PY5の演出制御用マイコン121は、遊技者に有利な遊技状態、詳細には、通常遊技状態での特図変動表示で大当たりとなったことを契機に発生した時短状態になってから、次に時短状態での特図変動表示でハズレにとなって通常遊技状態になるまでの所謂「連荘」において、当該最初の時短状態になってから経過した時間(連荘経過時間)を計測する。そして、演出用RAM124には、連荘経過時間を計測するためのタイマー(連荘経過時間タイマー)128が設けられている。連荘経過時間タイマー128は、最初は「0」になっている。演出制御用マイコン121は、連荘経過時間の計測を開始すると、タイマー更新処理を行う(S4104)によって、経過時間に応じて連荘経過時間タイマー128を適宜に更新する。すなわち、タイマー更新処理が行われる度に、連荘経過時間タイマー128は、1msec分、カウントアップされる。
また、払出制御基板170と演出制御基板120との接続は、払出制御基板170から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、払出制御基板170と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。そして、第5実施形態では、払出制御基板170は、タッチスイッチ72aから出力される信号(接触検知信号)をそのまま演出制御基板120に出力する。遊技者がハンドル72kに接触しているときには接触検知信号が出力され(ON状態になり)、遊技者がハンドル72kに接触していないときには接触検知信号が出力されない(OFF状態になる)。したがって、演出制御用マイコン121は、遊技者がハンドル72kに接触しているか接触していないかを検知可能である。また、遊技者がハンドル72kに接触していないということは、遊技球の発射操作が行われていないということ、言い換えると遊技球の発射が停止しているということでもあるので、演出制御用マイコン121は、遊技球の発射操作が行われていないこと、および遊技球の発射の停止を検知可能でもあるということである。
次に、パチンコ遊技機PY5で制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY5では、大当たり判定での大当たり当選確率に係る遊技状態として、通常確率状態の1種類のみ設定されている。一方、第2始動口12の入賞容易性に係る遊技状態として、基本的な実施形態と同様に、非時短状態(低ベース状態)と時短状態(高ベース状態)とが設定されている。そこで、以下において、低確率低ベース遊技状態のことを「通常遊技状態」と称し、低確率高ベース遊技状態のことを単に「時短状態」と称する。
なお、パチンコ遊技機PY5は、通常遊技状態において、第1始動口11に入賞させるように狙って左打ちで遊技球を発射させ続けて第1始動口11に入賞させるよりも、時短状態において第2始動口12に入賞させるように狙って右打ちで遊技球を発射させ続けて第2始動口12に入賞させる方が容易になるように構成されている。さらに、通常遊技状態においては、第2始動口12に入賞させるように狙って右打ちで遊技球を発射させ続けて第2始動口12に入賞させるよりも、第1始動口11に入賞させるように狙って左打ちで遊技球を発射させ続けて第1始動口11に入賞させる方が容易になるように構成されている。
また、第5実施形態では、第1始動口11に入賞した場合には、基本的な実施形態のように、最大で4個の特図1保留が発生し得るが、第2始動口12に入賞した場合には、特図2保留が発生し得ない。言い換えると、特図1保留数の上限値は4つであり、特図2保留数の上限値は「0」である。
次に、第5実施形態に係る大当たり判定について説明する。第5実施形態に係る大当たり判定で参照される大当たり判定テーブルの構成例を図96(A)に示す。図96(A)に示すように、大当たり判定テーブルとして、第1始動口11への入賞に基づく大当たり判定(第1大当たり判定)で用いられる特図1に係る大当たり判定テーブル(第1大当たり判定テーブル)と、第2始動口12への入賞に基づく大当たり判定(第2大当たり判定)で用いられる特図2に係る大当たり判定テーブル(第2大当たり判定テーブル)とが設けられている。
第1大当たり判定テーブルによると、第1大当たり判定では、大当たり、またはハズレに決定される。一方、第2大当たり判定テーブルによると、第2大当たり判定では、小当たり、またはハズレに決定される。後述するように、第2大当たり判定で小当たりに決定されると、特図2可変表示で最終的に小当たりを示す態様の特図2の停止表示が実行され(「小当たり」という所定結果が導出され)、当該停止表示に応じて小当たり遊技が実行される。そして、小当たり遊技において第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過すると、大当たり遊技が実行される。
また、図96(A)に示すように、第1大当たり判定において、大当たりと判定される確率は1/319に設定されている。一方、第2大当たり判定において、小当たりと判定される確率は266/319(≒1/1.2)に設定されている。基本的な実施形態と同様に、各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、小当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が図96(A)に示す選択率となるように適宜に振り分けられている。ただし、この大当たりの選択率、および小当たりの選択率は、特に限定されることはなく、適宜に変更可能である。また、第1大当たり判定で、大当たり判定結果として小当たりが含まれるようにしても良い。あるいは、第2大当たり判定で、大当たり判定結果として大当たりが含まれるようにしても良い。
次に、第5実施形態に係る大当たり図柄、および小当たり図柄について説明する。前述のように、大当たり図柄は、大当たり当選と共に大当たりの種類を示唆する特別図柄である。大当たり図柄は、大当たり図柄種別判定によって決定され、大当たり図柄種別判定は大当たり図柄種別判定テーブルを用いて行われる。図96(B)は、第5実施形態に係る大当たり図柄種別判定テーブルの構成例を示す図である。
図96(B)に示すように、特図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、および大当たり図柄Bの2種類の大当たり図柄が設けられている。特図1に係る大当たり図柄種別判定テーブルによると、大当たり図柄Aは50%の確率で選択され、大当たり図柄Bは50%の確率で選択される。
また、小当たり図柄は、小当たり当選と共に小当たりの種類を示唆する特別図柄である。小当たり当選した場合の特図可変表示において、大当たり判定の結果の導出として、小当たり図柄が停止表示される。小当たり図柄は、小当たり図柄種別判定によって決定され、小当たり図柄種別判定は小当たり図柄種別判定テーブルを用いて行われる。図96(C)は、第5実施形態に係る小当たり図柄種別判定テーブルの構成例を示す図である。
図96(C)に示すように、特図2の小当たり図柄として、小当たり図柄Aの1種類の小当たり図柄が設けられている。特図2に係る小当たり図柄種別判定テーブルによると、小当たり図柄Aは100%の確率で選択される。
なお、第5実施形態では、特図2関連判定情報には、前述の特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数の他に、小当たり図柄種別判定を行うための小当たり図柄種別乱数も含まれている。したがって、遊技用RAM104の所定領域には、小当たり図柄種別乱数に係る小当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-KS)が設けられている。小当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-KS)は、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)や大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)と同様に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)で更新される。そして、遊技制御用マイコン101が、ステップS211において、特図2関連判定情報として、小当たり図柄種別乱数も取得して、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する。なお、小当たり図柄種別乱数の範囲は適宜に設定可能であるが、第5実施形態では、「0~255」に設定されている。
また、小当たり図柄種別判定テーブルでは、小当たり図柄種別判定の結果である小当たり図柄種別に、小当たり図柄種別乱数の判定値(小当たり図柄種別乱数判定値)が、図96(C)に示す選択率となるように適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY5は、後述するように、取得した小当たり図柄種別乱数を小当たり図柄種別判定テーブルに照合して、小当たり図柄の種別を判定する。
なお、特図1、および特図2に係る大当たり図柄種別の数、および小当たり図柄種別の数、ならびに各大当たり図柄種別の選択率、および各小当たり図柄種別の選択率は、第5実施形態に限られず適宜に設定しても良い。
次に、第5実施形態に係る大当たり遊技について説明する。第5実施形態では、大当たり遊技は、大当たり図柄が停止表示された場合と、小当たり図柄が停止表示された後に実行される小当たり遊技において開放した第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過(V入賞)した場合に実行される。そして、大当たり遊技を構成する大当たり遊技構成要素、言い換えると大当たり遊技を制御するための大当たり遊技制御テーブルは、停止表示した特別図柄の種別、詳細には、当該大当たり遊技の実行契機となる大当たり図柄の種別、および小当たり図柄の種別に対応付けられている。図97は、第5実施形態に係る大当たり遊技制御テーブルの構成例を示す図である。
なお、小当たり図柄が停止表示されても、当該小当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過しなかった場合は大当たり遊技が実行されない。したがって、小当たり図柄が停止表示した場合の大当たり遊技の直接的な実行契機は遊技球が特定領域16を通過(V入賞)することであるが、遊技球が第2大入賞口15に入賞しないと遊技球が特定領域16を通過することができず、第2大入賞口15への入賞は第2大入賞口15の開放によって実現可能であり、第2大入賞口15の開放は小当たり遊技で実行されるので、小当たり図柄の停止表示も大当たり遊技の実行契機に含めるものとする。
さらに、以下において、大当たり判定で小当たりに当選すること、小当たり図柄が停止表示することを「小当たり/小当たりする/小当たりになる」と称し、大当たり判定で大当たりに当選すること、大当たり図柄が停止表示すること、および遊技球が特定領域16を通過することを「大当たり/大当たりする/大当たりになる」と称することもある。なお、後述するように、第5実施形態において、小当たり遊技が実行されると、普通に遊技球を発射し続けている限りは、遊技球が特定領域16を通過(V入賞)するので、小当たりは実質的には大当たりと位置付けて良いものとする。
図97に示すように、大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)、および大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)に係るラウンド遊技の実行回数は10回である。
また、小当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)に係るラウンド遊技の実行回数は10回である。なお、第3大当たり遊技は、小当たり図柄Aの停止表示によって実行される小当たり遊技(以下、「第1小当たり遊技」ともいう)で遊技球が特定領域16を通過した場合に当該小当たり遊技が終了することに応じて実行される。
また、第5実施形態では、大当たり遊技構成要素に、開放する大入賞口の種類も含まれている。図97に示すように、特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技の全てのラウンド遊技で、第1大入賞口14が開放するように設定されている。さらには、図97に示すように、特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技の全てのラウンド遊技について、ラウンド遊技における第1大入賞口14の開放回数が1回に設定され、各開放に係る時間(開放時間)が29.5秒に設定され、開放後の閉鎖に係る時間(閉鎖時間)が2.0秒に設定されている。なお、各大当たり遊技における最後のラウンド遊技については閉鎖時間が設定されていない。これは、最後のラウンド遊技に係る第1大入賞口14の開放が終了すると続いて、第1大入賞口14の閉鎖が保持されるエンディングが行われるからである。
さらに、第5実施形態では、特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技のオープニング時間(図97において「OP時間」)が10.0秒に設定され、全ての大当たり遊技のエンディング時間(図97において「ED時間」)が10.0秒に設定されている。
なお、大当たり遊技構成要素に係る具体的な値は特に限定されず適宜に変更しても良い。例えば、オープニング時間やエンディング時間をその特別図柄が停止表示したときの遊技状態に応じて異なる値にしても良い。また、ラウンド遊技の順番に応じて、開放する大入賞口14、15の種類が異なるようにしても良い。さらに、ラウンド遊技の順番に応じて、大入賞口14、15が開放する回数、当該ラウンド遊技において大入賞口14、15が開放する総時間、および大入賞口14、15の開放後の閉鎖に係る時間(閉鎖時間)が異なるようにしても良い。また、小当たり図柄の種別に応じて、当該大当たり遊技でのラウンド遊技の実行回数や大入賞口14、15が開放可能な総時間が異なるようにしても良い。
次に、第5実施形態に係る小当たり遊技について説明する。パチンコ遊技機PY5は、小当たり遊技制御テーブルを用いて小当たり遊技における大入賞口14、15の開閉を制御する。第5実施形態では、小当たり遊技制御テーブルは、小当たり図柄の種別に対応付けて設定することが可能である。
小当たり遊技制御テーブルには、特に大入賞口14、15の開閉について小当たり遊技を構成する要素(小当たり遊技構成要素)が格納されている。小当たり遊技構成要素には、開放させる大入賞口の種類、当該小当たり遊技における大入賞口の開放回数、各開放に係る開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。すなわち、小当たり遊技構成要素は、小当たり図柄種別に対応付けられている。図98は、第5実施形態に係る小当たり遊技制御テーブルの構成例を示す図である。
図98に示すように、小当たり遊技では、第2大入賞口15の開放が1回行われる。そして、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放時間は1.8秒である。また、小当たり遊技のオープニング時間は2.0秒であり、エンディング時間は2.0秒である。
ここで、図99を用いて、小当たり遊技の詳細を説明する。図99は、小当たり遊技の流れを示すタイムチャートである。図99に示すように、特図2の停止表示として「小当たり図柄(小当たり図柄A)」が停止表示すると、小当たり遊技が行われる。そして、小当たり遊技の開始に応じて、最初に第2大入賞口15の閉鎖状態が保持されるオープニング(小当たりOP)が行われる。この小当たりOPは、小当たり遊技の開始後2.0秒が経過するまで継続し、小当たりOPが終了すると、第2大入賞口15が開放する(小当たり開放が行われる)と共に、振分部材16kが退避して第1通過状態になる。この小当たり開放は、当該開放の開始後1.8秒が経過するまで、もしくは、10個の遊技球が第2大入賞口15に入賞するまで継続する一方、振分部材16kの退避は、当該退避の開始後2.8秒が経過するまで継続する。そして、小当たり開放が終了すると、第2大入賞口15が閉鎖して当該閉鎖状態が保持されるエンディング(小当たりED)が行われる。この小当たりEDは、当該EDの開始後2.0秒が経過するまで継続し、小当たりEDの終了によって、小当たり遊技が終了する。
小当たり遊技中に第2大入賞口15に入球した遊技球は、第1通過状態では、振分部材16kが退避位置にあるため、非特定領域17まで流下することなく、特定領域16を通過する一方、第2通過状態では、振分部材16kが進出位置にあるため、振分部材16k上を流下して、非特定領域17を通過する。そして、遊技球が特定領域16を通過した場合には、当該小当たり遊技の終了に応じて、小当たり図柄種別に応じた大当たり遊技が行われる。
なお、前述の通り、小当たり図柄種別に対応付けられた大当たり遊技が開始されると、最初に第1大入賞口14の閉鎖状態が保持されるオープニングが10.0秒かけて行われ、当該オープニングの終了に応じて1回目のラウンド遊技が開始されて第1大入賞口14が開放する。
また、小当たり遊技において、第2大入賞口15が開放している間、さらに第2大入賞口15が閉鎖してから1.0秒が経過するまでの間、振分部材16kが退避しており(第1通過状態が保持されており)、遊技球が特定領域16を通過(V入賞)可能な状態になっている。そして、パチンコ遊技機PY5は、当該小当たり遊技が開始されてから右打ちで遊技球の発射を開始させ、その後、小当たり遊技において遊技球を右打ちで発射させ続けると、基本的には(特段問題がない限り)遊技球が特定領域16を通過(V入賞)できるように構成されている。また、小当たり遊技中に遊技球が第2大入賞口15に入球(入賞)すると、遊技球が特定領域16を通過したか否かに関わらず、15個の遊技球が賞球として払い出される。
次に、パチンコ遊技機PY5が、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行させる遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件について説明する。第5実施形態では、当該大当たり遊技が大当たり図柄の停止表示に基づいて実行される場合は、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行する遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、当該特別図柄の種別に対応付けられている。一方、当該大当たり遊技が遊技球の特定領域16の通過(V入賞)に基づいて実行される場合は、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行する遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、当該特別図柄の種別に対応付けられている。
図100は、当該大当たり遊技の発生契機となる特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例を示す図である。
図100に示すように、特別図柄の種別が大当たり図柄A、および小当たり図柄Aである場合、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技(第1大当たり遊技、第3大当たり遊技)の終了に伴って、時短状態(低確率高ベース遊技状態)に移行する。そして、この時短状態には終了条件が設定されている。大当たり図柄A、および小当たり図柄Aの場合は特図2可変表示が1回実行されることで構成されている。よって、大当たり図柄Aが停止表示されてから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する時短状態、および小当たり図柄Aが停止表示されてから実行される小当たり遊技で第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過してから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する時短状態は、大当たり遊技が実行されることなく特図2可変表示が1回実行されるまで継続可能である。すなわち、大当たり図柄Aの停止表示によって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行される時短状態の規定回数(時短規定回数)、および小当たり図柄Aの停止表示によって実行される小当たり遊技で第2大入賞口15に入賞した遊技球の特定領域16の通過によって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行される時短状態の規定回数(時短規定回数)は、1回である。
そして、詳細な説明は省略するが、大当たり図柄A、および小当たり図柄Aに係る時短状態で、ハズレに係る特図2可変表示が1回実行されると、当該特図2可変表示の終了に応じて、時短状態から通常遊技状態に移行する。ただし、前述の通り、第2大当たり判定で小当たりと判定される確率は、1/1.2であるので、時短状態における特図2可変表示で小当たり図柄の停止表示が行われて、そこからV入賞して第3大当たり遊技が実行され、当該第3大当たり遊技の終了に応じて時短状態に移行するというサイクルがある程度連続的に行われることが見込まれる。すなわち、連荘がある程度は継続できる見込みである。
また、特別図柄種別が大当たり図柄Bである場合、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技(第2大当たり遊技)の終了に伴って、通常遊技状態(低確率低ベース遊技状態)に移行する。そして、この通常遊技状態には終了条件が設定されていない。
次に、第5実施形態における時短状態に係る特図2変動パターンについて説明する。第5実施形態に係るパチンコ遊技機PY5では、時短状態において特図2変動パターンを決定するための特図2変動パターン判定テーブルが、基本的な実施形態で説明した時短状態において特図2変動パターンを決定するための特図2変動パターン判定テーブルと異なる。第5実施形態における時短状態に係る特図2変動パターン判定テーブル(時短特図2変動パターン判定テーブル)の構成例を図101に示す。図101に示すように、時短特図2変動パターン判定テーブルには、大当たり判定結果「小当たり」に対応付けられた時短特図2変動パターン判定テーブルと、大当たり判定結果「ハズレ」に対応付けられた時短特図2変動パターン判定テーブルとがある。
小当たりの場合は、90%の確率でTHP81に決定され、10%の確率でTHP82に決定される。ハズレの場合は、100%の確率でTHP83に決定される。
ここで、各特図変動パターンに基づく特図変動演出の流れ(演出フロー)について説明する。
THP81に基づく特図変動演出では、特図変動演出の開始直後から特殊演出が実行され、当該特殊演出によって当該特図変動演出が終了する。
THP82に基づく特図変動演出では、特図変動演出の開始直後から特殊演出が実行され、続いて、連荘結果演出が実行され、その後に復活演出が実行され、当該復活演出によって当該特図変動演出が終了する。
THP83に基づく特図変動演出では、特図変動演出の開始直後から特殊演出が実行され、続いて、連荘結果演出が実行され、当該連荘結果演出によって当該特図変動演出が終了する。
なお、第5実施形態では、各種特図変動パターン(THP81~THP83)に、図101の特図変動パターン判定テーブルの構成例の右から2番目の項目「特図変動パターンの名称」に示す名称を付している。例えば、基本的には特殊演出で特図変動演出が終了する小当たりの特図変動パターン「THP81」を「特殊通常小当たり変動」と称し、基本的には復活演出で特図変動演出が終了する小当たりの特図変動パターン「THP82」を「特殊復活小当たり変動」と称し、基本的には連荘結果演出で特図変動演出が終了するハズレの特図変動パターン「THP83」を「特殊ハズレ変動」と称する。
前述の通り、第5実施形態では、時短規定回数は1回であるので、時短状態における最初の特図2可変表示でハズレとなると、当該時短状態が終了して通常遊技状態に移行する。そこで、特殊演出は、小当たり(実質的には、大当たり)かハズレかを煽る演出であると共に、小当たりに当選して最終的に時短状態に移行して遊技者に有利な遊技状態(連荘)を継続させることができるか、遊技者に不利な通常遊技状態になってしまうかを煽る演出でもある。
特殊演出では、SPリーチやLリーチなどと同様に、特殊演出専用の背景画像が表示部50aの全体に表示される。特殊演出専用の背景画像の具体的な表示内容は適宜に設定可能であるが、第5実施形態では、特殊演出専用の背景画像は、3DCGの動画で構成される。そして、特殊演出専用の背景画像を構成する動画には、所定のストーリーが対応付けられている。特殊演出専用の背景画像に係る動画においては、所定のストーリーが進行していくと、最終局面において、小当たり(実質的には大当たり)を示唆する演出(大当たり示唆演出)が実行されるかハズレを示唆する演出(ハズレ示唆演出)が実行されるかに分岐する分岐点(所謂「当落分岐点」)が訪れる。
THP81に基づく特図変動演出では、当落分岐点の後、特殊演出専用の大当たり示唆演出が実行されてから、大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。一方、THP83に基づく特図変動演出では、当落分岐点の後、特殊演出専用のハズレ示唆演出が実行され、続いて、連荘が終了することを示唆する連荘結果演出が実行されてから、通常演出モードに戻りつつ、ハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。
なお、位置づけは適宜に設定可能であるが、THP81に係る特図変動演出における大当たり示唆演出は特殊演出に含まれるものとし、THP83に係る特図変動演出におけるハズレ示唆演出は特殊演出に含まれるものとしている。
また、THP82に基づく特図変動演出では、特殊ハズレ変動の場合と同様に、特殊演出(ハズレ示唆演出を含む)、および連荘結果演出が実行され、その後に、一旦、通常演出モードに戻りつつ、ハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の仮停止表示が行われるが、そこから、実は小当たりであったことを報知する復活演出が行われ、大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。
なお、時短状態に係る特図2変動パターンに基づく特図変動演出の演出フロー構成演出の演出時間は適宜に設定可能であるが、第5実施形態では、特殊演出が開始してから当落分岐点までの時間が7秒に設定されている。また、大当たり示唆演出の演出時間は13秒に設定され、ハズレ示唆演出の演出時間は3秒に設定され、連荘結果演出の演出時間は5秒に設定され、復活演出の演出時間は18秒に設定され、連荘結果演出から復活演出までの時間は2秒に設定されている。
ここで、連荘結果演出について説明する。連荘結果演出は、特殊復活大当たり変動で実行されることがあるものの、基本的には連荘が終了することを示唆する演出である。連荘結果演出では、連荘が開始する直前の大当たりを含めた連荘での大当たりの回数の合計(連荘中大当たり回数)、連荘が開始する直前の大当たり遊技(第1大当たり遊技)、および連荘における大当たり遊技(第3大当たり遊技)での第1大入賞口14への入賞によって獲得した遊技球の個数の合計(連荘中獲得遊技球数)、ならびに連荘結果演出が終了する直前の連荘経過時間が表示される。
詳細な説明は省略するが、演出制御用マイコン121は、連荘経過時間の他、連荘中大当たり回数、および連荘中獲得遊技球数を適宜に計測可能に構成されているものとする。そして、演出制御用マイコン121は、特殊ハズレ変動に係る特図変動演出開始コマンド、または特殊復活大当たり変動に係る特図変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットするときに、連荘中大当たり回数を示すコマンド(連荘中大当たり回数コマンド)、および連荘中獲得遊技球数を示すコマンド(連荘中獲得遊技球数コマンド)も演出用RAM124の出力バッファにセットする。また、演出制御用マイコン121は、連荘結果演出が開始するタイミングを適宜に計測可能なものとし、そのタイミングで、そのときの連荘経過時間を表すコマンド(連荘結果演出時連荘経過時間コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
そして、演出用RAM124の出力バッファにセットされた特殊ハズレ変動に係る特図変動演出開始コマンド、または特殊復活大当たり変動に係る特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示部50aにおいて、特殊ハズレ変動、または特殊復活大当たり変動に係る特図変動演出を開始させてから10秒(当落分岐点までの7秒+ハズレ示唆演出の3秒)が経過したときに、画像用ROM142から、連荘結果演出用の画像(連荘結果演出画像)G91を読み出して、表示部50aの中央辺りに大きく表示する。ここで、画像用CPU141は、受信した連荘中大当たり回数コマンド、連荘中獲得遊技球数コマンド、および連荘結果演出時連荘経過時間コマンドに基づいて、連荘結果演出画像G91において、連荘中大当たり回数、連荘中獲得遊技球数、および連荘結果演出が終了する直前の連荘経過時間を表示する。
第5実施形態における連荘結果演出の演出時間は5秒間に設定されている。したがって、画像用CPU141は、連荘結果演出を開始してから5秒が経過すると、連荘結果演出画像G91を消去して連荘結果演出を終了させると共に、表示部50aに第1通常用背景画像G111、およびハズレを示す態様で仮停止している演出図柄EZ1~EZ3を表示する。ここで、画像用CPU141は、特殊ハズレ変動であれば、連荘結果演出が終了してから5秒が経過したときに仮停止表示している演出図柄EZ1~EZ3をそのまま完全に(確定的に)停止表示させる一方、特殊復活大当たり変動であれば、連荘結果演出が終了してから2秒が経過したときに表示部50aにおいて図29(C)に示すような実は小当たりであったことを報知する復活演出を開始し、最終的には特図2停止表示が行われるタイミングで大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3を確定的に停止表示させる。
ところで、パチンコ遊技機PY5では、特殊演出、連荘結果演出、および復活演出などのような演出フロー構成演出とは別に、通常遊技状態での特図可変表示で大当たりとなって実行された大当たり遊技(第1大当たり遊技)の後の時短状態(特定時短状態)に移行してから経過した時間、言い換えると連荘が開始してから経過した時間を連続的に表示する時間演出を実行可能である。
時間演出は、連荘中に実行可能であり、連荘の経過時間をリアルタイムで表示する演出と位置付けることができる。なお、この連荘の経過時間は、前述の連荘経過時間タイマー128の計測対象である「連荘経過時間」に相当する。ただし、後述するように、連荘中に、演出制御用マイコン121が、連荘経過時間タイマー128による連荘経過時間の計測を中断することがある。したがって、時間演出が表示する時間が、実際の連荘の経過時間を正確に表示していないこともある。
第5実施形態では、時間演出は、特定時短状態に移行するタイミングで開始する。そこで、例えば、演出制御用マイコン121は、第1大当たり遊技のエンディングが終了するときに、連荘経過時間タイマー128による連荘経過時間の計測を開始すると共に、時間演出の開始を示すコマンド(時間演出開始コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた時間演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から、時間演出用の画像(時間演出画像)G90を読み出して、表示部50aの左下隅部辺りに表示して時間演出を開始する。時間演出画像G90は、小数点第2位までの秒・分・時間をカウントアップで計測できる8桁(00:00:00:00)のストップウィッチを表している。画像用CPU141は、時間演出を開始した後は、時間の経過に応じて時間演出画像G90が表す時間を適宜に更新する。
また、時間演出は、特殊ハズレ変動に係る特図可変表示が終了して通常遊技状態になるときに終了する。詳細には、時間演出は、特殊ハズレ変動に基づく特図変動演出で連荘結果演出が行われる直前に終了する。画像用CPU141は、前述の連荘結果演出時連荘経過時間コマンドを受信すると、時間演出画像G90を消去(非表示に)してから連荘結果演出画像G91を表示する。なお、演出制御用マイコン121は、特殊ハズレ変動に基づく特図変動演出において連荘結果演出時連荘経過時間コマンドをセットすると、連荘経過時間タイマー128をリセットすることで、連荘経過時間の計測を終了する。
次に、時間演出の中断について説明する。時間演出の中断には、第1中断態様による時間演出の中断と、第2中断態様による時間演出の中断と、第3中断態様による時間演出の中断と、がある。第1中断態様、第2中断態様、および第3中断態様で、当該中断の要因となる事象が異なるが、中断に係る演出態様として、第1中断態様は、時間演出画像G90は表示されているが、時間演出画像G90が表す連荘経過時間の更新が停止するという演出内容であり、第2中断態様、および第3中断態様は、時間演出画像G90が一時的に非表示になるという演出内容である。
最初に、第1中断態様による時間演出の中断について説明する。第1中断態様による時間演出の中断は、大当たり特殊演出に起因して行われる。大当たり特殊演出は、大当たり当選を報知する演出であり、時間演出画像G90において実行される。具体的には、時間演出画像G90の中で連荘経過時間の更新が行われているときに、時間演出画像G90が表すタイマーがあたかも故障したかのようにタイマーが表す時間が「00:00:00:00」になる演出である。なお、第5実施形態では、大当たり特殊演出は、特殊通常大当たり変動に係る特図変動演出が開始してから1秒が経過したときに開始する。
また、大当たり特殊演出の演出時間は10秒に設定されている。したがって、第1中断態様によって中断した時間演出は、当該中断が開始してから10秒が経過したときに再開する。そして、第1中断態様によって中断した時間演出は、中断されていた時間が補正されるように再開する。すなわち、第1中断態様によって中断したときに時間演出(時間演出画像G90)が表す連荘経過時間と、再開したときに時間演出(時間演出画像G90)が表す連荘経過時間とは異なる。詳細には、再開したときに時間演出(時間演出画像G90)が表す連荘経過時間から第1中断態様によって中断したときに時間演出(時間演出画像G90)が表す連荘経過時間を減算した値は、中断していた時間ということになる。
演出制御用マイコン121は、特殊通常大当たり変動に係る特図変動パターンを受信すると、大当たり特殊演出を実行するか否かを決定する大当たり特殊演出実行判定を行う。大当たり特殊演出実行判定は、例えば、演出用ROM123に格納されている大当たり特殊演出実行判定テーブルを用いて実行される。大当たり特殊演出実行判定テーブルは、10%の確率で大当たり特殊演出を実行すると決定されるように構成されているものとする。そして、演出制御用マイコン121は、大当たり特殊演出実行判定で大当たり特殊演出を実行すると判定すると、特殊通常大当たり変動に係る特図変動演出開始コマンドと共に、大当たり特殊演出の開始を示すコマンド(大当たり特殊演出開始コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた特殊通常大当たり変動に係る特図変動演出開始コマンド、および大当たり特殊演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示部50aにおいて、特殊通常大当たり変動に係る特図変動演出を開始させてから1秒が経過すると、時間演出画像G90が表す連荘経過時間を「00:00:00:00」に変更しつつ、時間演出画像G90が表すタイマーが故障しているような(バグっているような)態様にすることで大当たり特殊演出を実行する。
大当たり特殊演出が実行されている間、演出制御用マイコン121は、連荘経過時間タイマー128による連荘経過時間の計測を継続している。そして、大当たり特殊演出の演出時間は10秒に設定されているので、演出制御用マイコン121は、大当たり特殊演出を開始してから10秒が経過すると、そのときの連荘経過時間タイマー128が示す連荘経過時間を含む時間演出の再開を示すコマンド(第1時間演出再開コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた第1時間演出再開コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示部50aにおいて、時間演出画像G90が示す連荘経過時間を第1時間演出再開コマンドが示す連荘経過時間に変更して、時間演出画像G90の表示態様を元の通常態様に戻して時間演出を再開させる。
次に、第2中断態様による時間演出の中断について説明する。第2中断態様による時間演出の中断は、遊技球の発射操作の停止に起因して行われる。ラウンド遊技が行われている期間以外の期間において、遊技球の発射操作が停止しているときに、詳細には、ハンドル72kが接触されていないときに、時間演出画像G90が非表示にされる。
また、第2中断態様によって中断した時間演出は、遊技球の発射操作が再開したとみなされる状況になったときに、詳細には、ハンドル72kが再び接触されたときに、再開する。厳密には、ハンドル72kが再び接触されたことは、必ずしも遊技球の発射操作の再開を構成しないが、第5実施形態では、遊技球の発射操作の再開とみなされる。そして、第2中断態様によって中断した時間演出は、中断されたときの連荘経過時間で再開する。すなわち、第2中断態様によって中断したときに時間演出(時間演出画像G90)が表す連荘経過時間と、再開したときに時間演出(時間演出画像G90)が表す連荘経過時間とは同一である。
演出制御用マイコン121は、1回目のラウンド遊技を示すラウンド数指定コマンドを受信してから大当たり遊技のエンディングコマンドを受信するまでの期間を除く期間、言い換えると、ラウンド遊技が実行されている期間以外の期間のステップS4011の1msタイマー割り込み処理において、タッチスイッチ72aからの出力がONからOFFになったか否か、すなわちハンドル72kが接触されていた状態から接触されていない状態になったか否か(遊技球の発射操作が停止したか否か)と、タッチスイッチ72aからの出力がOFFからONになったか否か、すなわちハンドル72kが接触されていなかった状態から接触されている状態になったか否か(遊技球の発射操作が再開したか否か)と、を判定するものとする。
そして、演出制御用マイコン121は、遊技球の発射操作が停止したと判定した場合、連荘経過時間タイマー128で連荘経過時間を計測していれば、当該計測を中断する。具体的には、演出制御用マイコン121は、連荘経過時間タイマー128をそのときの連荘経過時間で一時停止させる。さらに、演出制御用マイコン121は、時間演出を第2中断態様で中断させる(時間演出画像G90を非表示にする)ことを示すコマンド(第2中断態様中断コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた第2中断態様中断コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示部50aにおいて、時間演出画像G90を非表示にする。
また、演出制御用マイコン121は、遊技球の発射操作が再開したと判定した場合、連荘経過時間タイマー128での連荘経過時間の計測を一時停止していれば、当該計測を解除、すなわち再開する。具体的には、演出制御用マイコン121は、連荘経過時間タイマー128をそのときの連荘経過時間から再開させる。さらに、演出制御用マイコン121は、そのときの連荘経過時間、すなわち連荘経過時間タイマー128の計測を一時停止したときの連荘経過時間を含む時間演出画像G90の表示を再開することを示すコマンド(第2時間演出再開コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた第2時間演出再開コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示部50aにおいて、第2時間演出再開コマンドが示す連荘経過時間で時間演出画像G90の表示を再開して、時間演出画像G90での時間演出を再開させる。
次に、第3中断態様による時間演出の中断について説明する。第3中断態様による時間演出の中断は、特殊復活大当たり変動に係る連荘結果演出の実行に起因して行われる。特殊復活大当たり変動に係る特図変動演出で、連荘結果演出が開始される直前から復活演出が開始するまでの間、時間演出画像G90が非表示にされる。
また、連荘結果演出が開始されてから復活演出が開始するまでの時間は7秒(連荘結果演出の5秒間+演出図柄EZ1~EZ3の仮停止表示の2秒間)に設定されている。したがって、第3中断態様によって中断した時間演出は、当該中断が開始してから7秒が経過したときに再開する。そして、第3中断態様によって中断した時間演出は、中断されていた時間が補正されるように再開する。すなわち、第3中断態様によって中断したときに時間演出(時間演出画像G90)が表す連荘経過時間と、再開したときに時間演出(時間演出画像G90)が表す連荘経過時間とは異なる。詳細には、再開したときに時間演出(時間演出画像G90)が表す連荘経過時間から第3中断態様によって中断したときに時間演出(時間演出画像G90)が表す連荘経過時間を減算した値は、中断していた時間ということになる。
そして、特殊復活大当たり変動に係る特図変動演出でも、特殊ハズレ変動の場合と同様に、連荘結果演出が開始される直前に、時間演出画像G90が消去される(非表示になる)。しかし、特殊ハズレ変動の場合、時間演出画像G90が消去されることによってそのまま時間演出が終了していたのに対して、特殊復活大当たり変動の場合は、復活演出の開始に応じて、時間演出画像G90が表示されて時間演出が再開する。すなわち、特殊復活大当たり変動の場合、時間演出は、非表示という態様で中断されていたことになる。
前述の通り、演出制御用マイコン121は、特殊復活大当たり変動に係る特図変動演出を開始してから10秒(当落分岐点までの7秒間+ハズレ示唆演出の3秒間)が経過したときに、連荘結果演出時連荘経過時間コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。ただし、演出制御用マイコン121は、特殊復活大当たり変動に基づく特図変動演出において連荘結果演出時連荘経過時間コマンドをセットした場合、連荘経過時間タイマー128をリセットすることはなく、連荘経過時間の計測を継続する。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた連荘結果演出時連荘経過時間コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示部50aにおいて、時間演出画像G90を非表示にする。
また、演出制御用マイコン121は、特殊復活大当たり変動に係る特図変動演出が実行されている間、連荘経過時間タイマー128による連荘経過時間の計測を継続しており、特殊復活大当たり変動に係る特図変動演出を開始してから17秒(当落分岐点までの7秒間+ハズレ示唆演出の3秒間+連荘結果演出の5秒間+演出図柄EZ1~EZ3の仮停止表示の2秒間)が経過したときに、そのときの連荘経過時間タイマー128が示す連荘経過時間を含む時間演出画像G90の表示を再開することを示すコマンド(第3時間演出再開コマンド)を演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた第3時間演出再開コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、表示部50aにおいて、第3時間演出再開コマンドが示す連荘経過時間で時間演出画像G90の表示を再開して、時間演出画像G90での時間演出を再開させる。
次に、図102~図109を用いて、時間演出の具体例を説明する。ここでの具体例は、以下のように遊技が進行されるものと仮定する。当該具体例は、第1大当たり遊技のエンディングから開始する。そして、第1大当たり遊技の終了に応じて時短状態になる。すなわち、連荘が開始する。当該時短状態では特殊通常大当たり変動に係る特図変動演出が実行される。この特図変動演出では時間演出の中断は行われず、時間演出が正常に行われるものとする。そして、特殊通常大当たり変動に係る特図2可変表示が終了して小当たり遊技が実行されてV入賞し、第3大当たり遊技が実行される。第3大当たり遊技の終了に応じて時短状態になり、当該時短状態では再び特殊通常大当たり変動に係る特図変動演出が実行される。この特図変動演出では、大当たり特殊演出によって時間演出が中断される(時間演出が第1中断態様で中断する)する。そして、特殊通常大当たり変動に係る特図2可変表示が終了して小当たり遊技が実行されてV入賞し、第3大当たり遊技が実行される。第3大当たり遊技の終了に応じて時短状態になり、当該時短状態では特殊復活大当たり変動に係る特図変動演出が実行される。この特図変動演出では、途中、例えば、特図変動演出が開始してから2秒が経過したときにタッチスイッチ72aからの出力(接触検知信号)がONからOFFになり、それから3秒が経過したときにタッチスイッチ72aからの出力(接触検知信号)がOFFからONになる。すなわち、特図変動演出が開始してから2秒が経過した後の3秒間、遊技球の発射操作が停止する。その結果、遊技球の発射操作が停止している間、時間演出が非表示によって中断される(時間演出が第2中断態様で中断する)。また、特殊復活大当たり変動であるので、連荘結果演出が開始してから復活演出が開始するまでの間も、時間演出が非表示によって中断される(時間演出が第3中断態様で中断する)。そして、特殊復活大当たり変動に係る特図2可変表示が終了して小当たり遊技が実行されてV入賞し、第3大当たり遊技が実行される。第3大当たり遊技の終了に応じて時短状態になり、当該時短状態では特殊ハズレ変動に係る特図変動演出が実行される。特殊ハズレ変動に係る特図2可変表示が実行されると、通常遊技状態になり、連荘が終了する。なお、この特図変動演出では、連荘結果演出が実行されるときに時間演出が終了する。
例えば、図102(A)に示すように、第1大当たり遊技のエンディングが行われている状況から、当該エンディングが終了すると、時短状態に移行するが、時短状態に移行すると、図102(B)に示すように、表示部50aには、特殊演出用の背景画像が表示されると共に、当該第1大当たり遊技に係る大当たりを示す態様で停止表示している演出図柄EZ1~EZ3が表示される。そして、この通常遊技状態での特図可変表示に基づいて実行された第1大当たり遊技が終了して時短状態に移行するタイミングで、言い換えると連荘が開始するタイミングで時間演出画像G90が表示部50aに表示されて時間演出が開始する。時間演出画像G90が表示されると直ぐに、時間演出画像G90に表示される連荘経過時間の更新が開始する。
そして、例えば、図102(C)に示すように、時短状態に移行してから4秒が経過したときに第2始動口12に入賞して特図2可変表示が開始したとする。なお、前述のここでの具体例での説明通り、この連荘における1回目の特図2可変表示に係る特図2変動パターンは特殊通常大当たり変動である。したがって、図102(C)~図102(E)に示すように、表示部50aでは、特殊演出が進行して最終的に大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。そして、この特図2可変表示では時間演出は正常に行われるという仮定であるので、この間、時間の経過に応じて、時間演出画像G90に表示される連荘経過時間が適宜に更新され続ける。
次に、小当たり遊技が実行され、当該小当たり遊技でV入賞して、第3大当たり遊技が実行されるが、表示部50aでは、小当たり遊技、および第3大当たり遊技に応じた演出が適宜に展開される。そして、この間、図103(A)~図103(D)に示すように、時間の経過に応じて、時間演出画像G90に表示される連荘経過時間が適宜に更新され続ける。
第3大当たり遊技が終了すると時短状態に移行し、時短状態での特図2可変表示が行われるが、この連荘における2回目の特図2可変表示に係る特図2変動パターンは特殊通常大当たり変動である。しかし、ここでの具体例では、当該特殊通常大当たり変動に係る特図変動演出において、大当たり特殊演出が実行されることになっている。したがって、図104(A)~図104(B)に示すように、連荘における2回目の特図2可変表示に係る特図変動演出が開始されて、時間の経過に応じて時間演出画像G90に表示される連荘経過時間が適宜に更新され続けている中で、当該特図変動演出が開始してから1秒が経過したときに、大当たり特殊演出が開始する。具体的には、図104(C)に示すように、時間演出画像G90に表示される連荘経過時間が「00:00:00:00」となって更新が停止すると共に、時間演出画像G90の表示態様が、通常態様から、時間演出画像G90表すタイマーが故障しているような特殊態様になる。
そして、大当たり特殊演出の演出時間は10秒であるので、図104(D)に示すように、大当たり特殊演出が開始してから10秒が経過したときに大当たり特殊演出が終了して時間演出が再開する。具体的には、時間演出画像G90の表示態様が通常態様に戻ると共に、連荘経過時間の更新が行われる。ここで、大当たり特殊演出による時間演出画像G90における連荘経過時間の更新が停止している間、該演出制御用マイコン121の連荘経過時間タイマー128による連荘経過時間の計測は継続しているので、時間演出が再開するときには、時間演出画像G90が表す連荘経過時間に対して、実際の(正規の)連荘経過時間に修正(補正)されてから更新が再開する。言い換えると、時間演出画像G90が表す連荘経過時間に対して、更新の停止が行われていた時間が加算されたようになる。
なお、大当たり特殊演出による時間演出画像G90における連荘経過時間の更新が停止している間、表示部50aでは、停止が行われなかった場合と同様に特殊演出が進行する。そして、時間演出が再開してからは、図104(E)~図104(F)に示すように、表示部50aでは、特殊演出が進行して最終的に大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われるが、この間、時間の経過に応じて、時間演出画像G90に表示される連荘経過時間が適宜に更新され続ける。
図104(F)に示す状況の後は、小当たり遊技が実行され、当該小当たり遊技でV入賞して、第3大当たり遊技が実行されるが、表示部50aでは、小当たり遊技、および第3大当たり遊技に応じた演出が展開される。そして、この間、図105(A)~図105(G)に示すように、時間の経過に応じて、時間演出画像G90に表示される連荘経過時間が適宜に更新され続ける。なお、実はこのラウンド遊技の途中で、遊技者がハンドル72kから手を離して遊技球の発射操作が停止されている時間帯があったとする。しかし、前述の通り、タッチスイッチ72aからの出力状態がONからOFFになって時間演出が中断、詳細には時間演出画像G90が非表示されると共に、演出制御用マイコン121の連荘経過時間タイマー128による連荘経過時間の計測が中断されるのは、ラウンド遊技が行われている期間以外の期間であるので、ここでは、図105(D)~図105(F)に示すように、タッチスイッチ72aからの出力状態がONからOFFになって遊技球の発射が停止されていない時間帯も時間の経過に応じて、時間演出画像G90に表示される連荘経過時間が適宜に更新され続ける。
連荘における2回目の第3大当たり遊技が終了すると時短状態に移行し、時短状態での特図2可変表示が行われるが、この連荘における3回目の特図2可変表示に係る特図2変動パターンは特殊復活大当たり変動と仮定されている。さらに、ここでの具体例では、当該特殊通常大当たり変動に係る特図変動演出が開始してから2秒が経過したときにタッチスイッチ72aからの出力がONからOFFになり、それから3秒が経過したときにタッチスイッチ72aからの出力がOFFからONになったと仮定されている。したがって、図106(A)~図106(B)に示すように、連荘における3回目の特図2可変表示に係る特図変動演出が開始されて、時間の経過に応じて時間演出画像G90に表示される連荘経過時間が適宜に更新され続けている中で、当該特図変動演出が開始してから2秒が経過したときに、図106(C)に示すように、時間演出画像G90が非表示にされて時間演出が中断する。なお、タッチスイッチ72aからの出力がOFFになっている間、演出制御用マイコン121の連荘経過時間タイマー128による連荘経過時間の計測が中断する。
そして、タッチスイッチ72aからの出力がOFFになってから3秒が経過したときにタッチスイッチ72aからの出力がOFFからONになるので、図106(D)に示すように、時間演出画像G90が表示されて時間演出が再開する。ただし、ここでは、演出制御用マイコン121の連荘経過時間タイマー128による連荘経過時間の計測も中断していたことから、時間演出が再開するときには、時間演出画像G90が表す連荘経過時間に対して、時間演出画像G90が非表示になったときの連荘経過時間で再開する。
時間演出が再開してからは、図106(E)~図107(A)に示すように、表示部50aでは、特殊演出が進行するが、この間、時間の経過に応じて、時間演出画像G90に表示される連荘経過時間が適宜に更新され続ける。しかし、特殊復活大当たり変動に係る特図変動演出が実行されているので、特図変動演出が開始されてから10秒が経過すると、図107(B)に示すように、時間演出画像G90が非表示にされて時間演出が中断すると共に、表示部50aの中央に連荘結果演出画像G91が表示されて連荘結果演出が実行される。
そして、特殊復活大当たり変動に係る特図変動演出では、連荘結果演出が終了すると、図107(C)に示すように、特殊ハズレ変動の場合と同様に、第1通常用背景画像G111が表示されると共に、ハズレを示す態様で仮停止している演出図柄EZ1~EZ3が表示される。このときも時間演出画像G90が非表示にされて時間演出が中断している。
連荘結果演出が終了してから2秒が経過すると、図107(D)に示すように、実は小当たり(実質的には、大当たり)であったことを報知する復活演出が実行される。そして、この復活演出が開始するときに、時間演出が再開する。具体的には、時間演出画像G90が表示されると共に、時間演出画像G90での連荘経過時間の更新が行われる。なお、連荘結果演出等による時間演出画像G90が非表示されている間、該演出制御用マイコン121の連荘経過時間タイマー128による連荘経過時間の計測は継続しているので、時間演出が再開するときには、時間演出画像G90が表す連荘経過時間に対して、実際の(正規の)連荘経過時間に修正(補正)されてから更新が再開する。言い換えると、時間演出画像G90が表す連荘経過時間に対して、更新の非表示が行われていた時間が加算されたようになる。
そして、時間演出が再開してからは、図107(D)~図107(E)に示すように、表示部50aでは、復活演出が進行して最終的に大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われるが、この間、時間の経過に応じて、時間演出画像G90に表示される連荘経過時間が適宜に更新され続ける。
図107(E)に示す状況の後は、小当たり遊技が実行され、当該小当たり遊技でV入賞して、第3大当たり遊技が実行されるが、表示部50aでは、小当たり遊技、および第3大当たり遊技に応じた演出が展開される。そして、この間、図108(A)~図108(D)に示すように、時間の経過に応じて、時間演出画像G90に表示される連荘経過時間が適宜に更新され続ける。
連荘における3回目の第3大当たり遊技が終了すると時短状態に移行し、時短状態での特図2可変表示が行われるが、この連荘における4回目の特図2可変表示に係る特図2変動パターンは特殊ハズレ変動と仮定されている。したがって、図109(A)~図109(B)に示すように、連荘における4回目の特図2可変表示に係る特図変動演出が開始されてから連荘結果演出が実行されるまでは、時間の経過に応じて時間演出画像G90に表示される連荘経過時間が適宜に更新され続ける。そして、特図変動演出が開始されてから10秒が経過すると、図109(C)に示すように、時間演出画像G90が非表示にされて時間演出が終了すると共に、表示部50aの中央に連荘結果演出画像G91が表示されて連荘結果演出が実行される。
その後は、図109(D)に示すように、第1通常用背景画像G111が表示されると共に、ハズレを示す態様で仮停止表示している演出図柄EZ1~EZ3が表示され、図109(E)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3がそのまま停止表示し、通常遊技状態に移行して連荘が終了する。そして、連荘の終了に応じて、例えば、図109(E)に示すように、通常遊技状態に応じた左打ちを報知する左打ち画像G93が表示される。
以上のように、パチンコ遊技機PY5によれば、演出を実行する演出制御用マイコン121(演出実行手段)は、連荘(遊技者に有利な特定遊技状態)の連荘経過時間を計測する時間演出を実行可能であり、時間演出の実行中に特定条件が成立した場合、連荘経過時間の計測を中断することがあることから、連荘経過時間の計測の精度が向上するので、時間演出の演出効果が高まって遊技興趣が向上する。また、連荘経過時間の計測の中断に係る特定条件に、遊技球の発射操作が行われないことが含まれていることから、連荘経過時間が遊技者の遊技時間をより正確に反映していることになるので、より一層時間演出の演出効果が高まって遊技興趣が向上する。さらに、大当たり遊技状態(大入賞口14,15に遊技球が入球容易になる特別遊技状態)における時間演出の実行中に特定条件が成立した場合、連荘経過時間の計測を中断しないことから、連荘経過時間が遊技者の遊技時間をより正確に反映していることになるので、さらに時間演出の演出効果が高まって遊技興趣が向上する。
また、パチンコ遊技機PY5によれば、演出制御用マイコン121(演出を実行する演出実行手段)は、連荘(遊技者に有利な特定遊技状態)の連荘経過時間を計測するとともに、当該経過時間に応じて、時間演出画像G90(所定の数値画像)の数値を更新して表示部50aに表示する時間演出を実行可能であり、時間演出の実行中に数値画像の数値の更新を中断することがあることから、遊技者に時間演出画像G90に注目させることができるので、時間演出の演出効果が高まって遊技興趣が向上する。また、時間演出における時間演出画像G90(所定の数値画像)の数値の更新の中断として、時間演出画像G90(所定の数値画像)の数値の更新の停止と、時間演出画像G90(所定の数値画像)の非表示と、があるので、さらに時間演出の演出効果が高まって遊技興趣が向上する。さらに、時間演出の実行中に、大当たり特殊演出が実行された場合(第1条件が成立した場合)には、時間演出画像G90(所定の数値画像)の数値の更新を停止する一方、遊技球の発射操作が停止された場合、または連荘結果演出が実行された場合(第2条件が成立した場合)には、時間演出画像G90(所定の数値画像)を非表示にすることから、数値画像の数値の更新の中断にメリハリがつくので、時間演出の演出効果の低下を抑えることができる。
また、パチンコ遊技機PY5によれば、演出制御用マイコン121(演出を実行する演出実行手段)は、連荘(遊技者に有利な特定遊技状態)の連荘経過時間を計測するとともに、当該連荘経過時間に応じて、時間演出画像G90(所定の数値画像)の数値を更新して表示部50aに表示する時間演出を実行可能であり、時間演出の実行中に、連荘経過時間の計測を中断することなく時間演出画像G90(所定の数値画像)の数値の更新を中断することがあることから、時間演出が再開したときに遊技者に驚きを与えることができるので、時間演出の演出効果が高まって遊技興趣が向上する。また、演出制御用マイコン121(演出を実行する演出実行手段)は、時間演出の実行中に、連荘経過時間の計測を中断することなく時間演出画像G90(所定の数値画像)の数値の更新を中断するときと、連荘経過時間の計測を中断するとともに時間演出画像G90(所定の数値画像)の数値の更新を中断するときとがあることから、時間演出画像G90の数値の更新の中断にメリハリがつくので、時間演出の演出効果の低下を抑えることができる。さらに、演出制御用マイコン121(演出を実行する演出実行手段)は、時間演出の実行中に、大当たり特殊演出が実行された場合(第1条件が成立した場合)には、連荘経過時間の計測を中断することなく時間演出画像G90(所定の数値画像)の数値の更新を中断する一方、遊技球の発射操作が停止された場合(第2条件が成立した場合)には、連荘経過時間の計測を中断するとともに時間演出画像G90(所定の数値画像)の数値の更新を中断することから、経過時間が遊技者の遊技時間をより正確に反映していることになるので、より一層時間演出の演出効果が高まって遊技興趣が向上する。
(第5実施形態の変更例)
次に、第5実施形態に係るパチンコ遊技機PY5の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
時間演出における連荘経過時間の更新の開始は時短状態への移行時であるが、この開始タイミングは特に限定されることはなく、例えば、当該時短状態前の大当たり遊技の開始時や時短状態での特図2可変表示の開始時など適宜に変更してもよい。
大当たり特殊演出によって時間演出が中断されるが、ハズレに係る特図変動演出においても同じ演出内容で時間演出の中断を実行可能にしてもよい。すなわち、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出、言い換えると、実行されることが大当たり遊技状態への移行に対するチャンスアップとなる演出として、時間演出画像G90における連荘経過時間の更新の停止を行ってもよい。この場合、停止時間が長くなるにつれて大当たり遊技状態になる可能性が高くなるようにしてもよい。
あるいは、所謂「出玉性能」や大当たり遊技の終了後に移行する遊技状態の観点から、相対的に遊技者に有利な大当たり遊技と相対的に遊技者に不利な大当たり遊技とがあり、遊技者に有利な大当たり遊技では、所定の確率で大当たり特殊演出のように時間演出が中断されることによって、遊技者に有利な大当たり遊技であることを報知するようにしてもよい。または、遊技者に有利な大当たり遊技、および遊技者に不利な大当たり遊技の何れでも、大当たり特殊演出のように時間演出が中断されることがあるが、当該実行によって遊技者に有利な大当たり遊技が実行されていることに対するチャンスアップとなるようにしてもよい。
また、大当たり特殊演出に係る時間演出画像G90における連荘経過時間の更新の停止として、大当たり特殊演出が開始したときの連荘経過時間で更新が停止するようにしてもよい。あるいは、大当たり特殊演出として、時間演出画像G90が非表示になるようにしてもよい。
さらには、大当たり特殊演出によって中断された時間演出が再開する場合、遊技球の発射停止(タッチスイッチ72aからの出力がONからOFF)の場合と同様に、中断開始時の連荘経過時間で再開するようにしてもよい。すなわち、大当たり特殊演出が実行されている間、演出制御用マイコン121の連荘経過時間タイマー128による連荘経過時間の計測が中断されるようにしてもよい。
タッチスイッチ72aからの出力がONからOFFになったときの時間演出の中断として、時間演出画像G90が非表示にされるが、この場合の中断態様として、時間演出画像G90が表示されているが、時間演出画像G90が表す連荘経過時間がONからOFFになったときのまま停止しているという演出内容にしてもよい。そして、この場合の時間演出の再開としては、タッチスイッチ72aからの出力がOFFからONになったときに、停止していた連荘経過時間から更新が再開するようにしてもよい。
さらには、タッチスイッチ72aからの出力がONからOFFになることによって中断された時間演出が再開する場合、大当たり特殊演出の場合と同様に、中断中の時間が加算されるように再開するようにしてもよい。すなわち、タッチスイッチ72aからの出力がOFFになっている間、演出制御用マイコン121の連荘経過時間タイマー128による連荘経過時間の計測が継続されるようにしてもよい。
連荘結果演出が実行されたときの時間演出の中断として、時間演出画像G90が非表示にされるが、この場合の中断態様として、時間演出画像G90が表示されているが、時間演出画像G90が表す連荘経過時間が連荘結果演出の開始時のまま停止しているという演出内容にしてもよい。この場合、特殊ハズレ変動において時間演出が終了する場合も、連荘結果演出が実行されている間は、同じように時間演出画像G90が表示されるようにしてもよい。そして、例えば、ハズレを示す特図2停止表示が行われるときに時間演出画像G90が消去されて時間演出が終了するようにしてもよい。あるいは、特殊ハズレ変動の場合は連荘結果演出が終了するタイミングで時間演出が終了し、特殊復活大当たり変動の場合は連荘結果演出が終了しても時間演出が継続するようにしてもよい。なお、連荘結果演出が実行されている間、時間演出画像G90が表示される場合、連荘結果演出の表示内容に連荘経過時間が含まれないようにしてもよい。
また、連荘結果演出によって中断された時間演出は、復活演出が開始するときに再開するが、この再開タイミングは特に限定されることはなく、例えば、連荘結果演出が終了するタイミングなど適宜に変更してもよい。
さらには、連荘結果演出によって中断された時間演出が再開する場合、遊技球の発射停止(タッチスイッチ72aからの出力がONからOFF)の場合と同様に、中断開始時の連荘経過時間で再開するようにしてもよい。すなわち、連荘結果演出が実行されている間、演出制御用マイコン121の連荘経過時間タイマー128による連荘経過時間の計測が中断されるようにしてもよい。
タッチスイッチ72aからの出力がOFFになっていることが遊技球の発射の停止ととらえているが、遊技球の発射の停止の検知方法は特に限定されることはなく適宜に変更してもよい。例えば、発射ボリュームのつまみ72bの出力が「0」になったことを遊技球の発射の停止として、時間演出を中断するようにしてもよい。あるいは、発射領域7に遊技球を検知可能なセンサを設け、当該センサが所定時間遊技球を検知しないことを遊技球の発射の停止として、時間演出を中断するようにしてもよい。
ラウンド遊技が行われている期間以外の期間で、タッチスイッチ72aからの出力がONからOFFになったか否かと、タッチスイッチ72aからの出力がOFFからONになったか否かと、が判定されているが、この期間は特に限定されることはなく適宜に変更してもよい。例えば、オープニング、ラウンド遊技、およびエンディングを含む大当たり遊技全体以外の期間で、タッチスイッチ72aからの出力がONからOFFになったか否かと、タッチスイッチ72aからの出力がOFFからONになったか否かと、が判定されるようにしてもよい。あるいは、小当たり遊技、および大当たり遊技以外の期間で、タッチスイッチ72aからの出力がONからOFFになったか否かと、タッチスイッチ72aからの出力がOFFからONになったか否かと、が判定されるようにしてもよい。
演出制御基板120によって連荘経過時間が計測されているが、画像制御基板140によって連荘経過時間が計測されるようにしてもよい。
時短状態における特図2変動パターンの種類、時短状態における特図2変動パターンに係る時間、小当たり当選確率、特図2保留数の上限値、大当たりの種類、大当たり遊技構成要素、大当たり遊技の終了に応じて移行する遊技状態の種類も特に限定されることはなく適宜に変更してもよい。
連荘は、時短状態においてハズレに係る特図2可変表示が実行されてそのまま通常遊技状態に移行することで終了するが、連荘の終了契機は適宜に変更しても良い。例えば、第2大当たり判定での大当たりに基づく大当たり遊技の後には時短状態に移行するときと、通常遊技状態に移行するときと、があり、通常遊技状態に移行するときに連荘が終了するようにしても良い。この場合、ラウンド遊技において、特殊演出のように連荘が継続するか終了するかを煽る演出を実行可能とし、例えば、最後のラウンド遊技において、時短状態に移行する場合には連荘が継続することを示唆する演出が実行される一方、通常遊技状態に移行する場合に連荘が終了することを示唆する演出が実行されて、エンディングで連荘結果演出が実行されるようにしても良い。ただし、このような場合にも、時短状態に移行する場合に、最後のラウンド遊技において、連荘が終了することを示唆する演出が実行されて、エンディングで連荘結果演出が実行されるが、最終的には復活演出が実行されるようにしても良い。
7.その他の変更例
次に、基本的な実施形態に係るパチンコ遊技機PY、および第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1乃至第5実施形態に係るパチンコ遊技機PY5についてのその他の変更例を以下に説明する。以下、基本的な実施形態、および第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1乃至第5実施形態に係るパチンコ遊技機PY5について「パチンコ遊技機PYなど」という。
パチンコ遊技機PYなどでは、特図抽選結果を報知するために表示部50aを用いて演出図柄EZ1~EZ3の可変表示を行っているが、画像表示装置に代えて、所謂「回胴式遊技機(スロットマシーン)」のように図柄が表示されたドラムを配設し、当該ドラムを可変表示することによって特図抽選結果を報知してもよい。
また、パチンコ遊技機PYなどでは、大当たり遊技で大入賞口14が開放可能であるが、大入賞口14以外にも大当たり遊技で開放可能な入賞領域を設けても良い。
また、パチンコ遊技機PYなどでは、特定の大当たり図柄種別に判定されると、必ず大当たり遊技後に高確率状態にて遊技が進行する。すなわち、高確率状態の設定が大当たり図柄種別に対応付けられている。しかしながら、高確率状態の設定条件を変更してもよい。例えば、大入賞装置14Dとは別に、開閉可能であり、開放時に遊技球が入球可能な第2大入賞装置を遊技領域6の遊技球が到達可能な位置に設けておき、大当たり遊技中の所定のラウンド遊技において第2大入賞装置が開放して第2大入賞装置に入球した遊技球が、その下流側に設けられた特定領域を通過すると、大当たり遊技の終了に伴って高確率状態が設定されるようにしてもよい。
この場合、例えば第2大入賞装置が入球容易な時間(例えば、29.5秒)開放する特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ易い大当たり図柄)と、第2大入賞装置が入球困難な時間(例えば、0.5秒)開放する非特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ難い大当たり図柄)と、を設けることができる。また、第2大入賞装置に入賞した遊技球が通過可能な領域として特定領域と非特定領域があり、遊技球を特定領域と非特定領域に振り分ける振分装置を設けておく。そして、第2大入賞装置の開放時間は同じであるが、第2大入賞装置の開放態様と振分装置の作動態様との組み合わせで、高確率状態を設定させ易い大当たり図柄と高確率状態を設定させ難い大当たり図柄を設けることも可能である。
また、パチンコ遊技機PYなどでは、遊技の進行に係る基本的な制御を遊技制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御を演出制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機や回胴式遊技機(所謂「スロットマシーン」)などに適用することも可能である。
8.前述した実施形態に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A~発明Gが開示されている。発明A~発明Gの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A3の総称であり、発明Bは、以下の発明B1~B3の総称であり、発明Cは、以下の発明C1~C3の総称であり、発明Dは、以下の発明D1~D3の総称であり、発明Eは、以下の発明E1~E3の総称であり、発明Fは、以下の発明F1~F3の総称であり、発明Gは、以下の発明G1~G3の総称である。
なお、発明Aによれば、特開2022-059249号公報に記載の遊技機について次に説明する課題1に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2022-059249号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球するなどの所定条件が成立すると、特別図柄の変動表示が実行される。特別図柄の変動表示が行われた後には、特別図柄の停止表示が行われる。ここで、特定の特別図柄が停止表示されると、遊技者に有利な有利遊技状態に制御されることがある。そして、有利遊技状態になる可能性があることを示唆する特定演出を実行することがあり、さらに特定演出が実行される前に、特定演出が実行されることを示唆する前兆演出が実行されることがある。しかしながら、有利遊技状態になる可能性があることを示唆する特定演出が実行される前に、特定演出が実行されることを示唆する前兆演出を実行可能な遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題1とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
また、発明B、発明E、発明F、および発明Gによれば、特開2022-059249号公報に記載の遊技機について次に説明する課題2に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2022-059249号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球するなどの所定条件が成立すると、特別図柄の変動表示が実行される。特別図柄の変動表示が行われた後には、特別図柄の停止表示が行われる。ここで、特定の特別図柄が停止表示されると、遊技者に有利な有利遊技状態に制御されることがある。そして、表示部において特定画像を表示することがある。しかしながら、表示部において特定画像を表示可能な遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題2とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
さらに、発明Cによれば、特開2019-181255号公報に記載の遊技機について次に説明する課題3に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2019-181255号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球するなどの所定条件が成立すると、特別図柄の変動表示が実行される。特別図柄の変動表示が行われた後には、特別図柄の停止表示が行われる。ここで、特定の特別図柄が停止表示されると、遊技者に有利な有利遊技状態に制御されることがある。そして、有利遊技状態になる可能性があることを示唆する特定演出を実行することがあり、特定演出では複数回の単位演出が連続的に実行される。しかしながら、複数回の単位演出が連続的に実行される特定演出を実行可能な遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題3とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
また、発明Dによれば、特開2022-059249号公報に記載の遊技機について次に説明する課題4に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2022-059249号公報に記載の遊技機では、遊技球が始動口に入球するなどの所定条件が成立すると、特別図柄の変動表示が実行される。特別図柄の変動表示が行われた後には、特別図柄の停止表示が行われる。ここで、特定の特別図柄が停止表示されると、遊技者に有利な有利遊技状態に制御されることがある。そして、遊技中に種々の演出が実行されるが、演出に関する特定事項について仕様を変更できる。しかしながら、演出に関する特定事項について仕様を変更できる遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題4とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
8-1-1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態)にすることがある遊技実行手段(遊技制御基板100)と、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御基板120、画像制御基板140)と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記有利遊技状態になる可能性があることを示唆する特定演出(監督演出)を実行することがあり、
前記特定演出を実行する前に、前記特定演出が実行されることを示唆する前兆演出(前兆演出)を実行することがあり、
前記前兆演出が実行された後に前記特定演出が実行されなかった場合、前記有利遊技状態にならない可能性よりも前記有利遊技状態になる可能性の方が高いことを特徴とする遊技機。
8-1-2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
前記特定演出には、第1特定演出(第1特定演出)と、前記第1特定演出と演出態様が異なる第2特定演出(第2特定演出)と、があることを特徴とする遊技機。
8-1-3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
発明A2に係る遊技機であって、
前記前兆演出は、前記第1特定演出が実行されることを示唆する場合と、前記第2特定演出が実行されることを示唆する場合と、があり、いずれの場合も略同一の演出態様で実行されることを特徴とする遊技機。
8-2-1.発明B1
発明B1に係る遊技機は、
遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態)にすることがある遊技実行手段(遊技制御基板100)と、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御基板120、画像制御基板140)と、を備え、
前記演出実行手段は、
表示部において、特定画像(保留アイコン、当該アイコン)を第1表示位置(第1特別位置)に表示するときと、前記特定画像を第2表示位置(第2特別位置)に表示するときと、があり、
前記特定画像が前記第1表示位置に表示された場合よりも前記特定画像が前記第2表示位置に表示された場合の方が前記有利遊技状態になる可能性が高いことを特徴とする遊技機。
8-2-2.発明B2
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
前記特定画像の表示位置として、通常の通常表示位置(通常位置)があり、
前記特定画像が前記通常表示位置に表示されているときに前記第1表示位置に移動するときと、前記特定画像が前記通常表示位置に表示されているときに前記第2表示位置に移動するときと、があることを特徴とする遊技機。
8-2-3.発明B3
発明B3に係る遊技機は、
発明B1または発明B2に係る遊技機であって、
前記遊技実行手段は、前記有利遊技状態にするか否かの判定(大当たり判定)を実行可能であり、当該判定で前記有利遊技状態にすると判定した場合に前記有利遊技状態にすることがあり、
前記特定画像は、前記判定を実行する権利(特図1保留)が発生することに応じて前記通常表示位置に表示されることがある画像であることを特徴とする遊技機。
8-3-1.発明C1
発明C1に係る遊技機は、
遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、高確率状態、時短状態)にすることがある遊技実行手段(遊技制御基板100)と、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御基板120、画像制御基板140)と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記有利遊技状態になる可能性があることを示唆する特定演出(特別モード演出)を実行することがあり、
前記特定演出において、複数種類の単位演出(カットイン演出、群横断演出、枠ランプフラッシュ)がN回(3回)、連続的に実行可能であり、同一種類の前記単位演出がN-1回実行される場合よりも、N回実行される場合の方が前記有利遊技状態になる可能性が高いことを特徴とする遊技機。
8-3-2.発明C2
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
前記単位演出には、第1単位演出(カットイン演出)と第2単位演出(群横断演出)とがあり、
前記特定演出において前記第1単位演出、および前記第2単位演出の双方が混在して実行された場合よりも、前記特定演出において前記第1単位演出、または前記第2単位演出の一方のみが単独で実行された場合の方が前記有利遊技状態になる可能性が高いことを特徴とする遊技機。
8-3-3.発明C3
発明C3に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
前記単位演出には、第1単位演出(カットイン演出)と第2単位演出とがあり、
前記特定演出において前記第1単位演出がN回実行された場合よりも、前記特定演出において前記第2単位演出(群横断演出)がN回実行された場合の方が前記有利遊技状態になる可能性が高いことを特徴とする遊技機。
8-4-1.発明D1
発明D1に係る遊技機は、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御基板120)を備え、
演出に係る特定事項(第1演出特定事項~第5演出特定事項)の仕様として、デフォルトの第1仕様(デフォルト状態)と、前記第1仕様と異なる第2仕様(カスタマイズ状態)とがあり、
前記演出実行手段は、前記特定事項の仕様として、前記第2仕様に設定されている場合、前記第2仕様の設定の継続について問う特定表示(遊技中カスタム操作画像G80)を表示部において実行可能であることを特徴とする遊技機。
8-4-2.発明D2
発明D2に係る遊技機は、
発明D1に係る遊技機であって、
所定条件(第1始動口11、第2始動口12への入賞)の成立において識別情報(特図)の可変表示を実行可能であり、前記識別情報の可変表示で特定結果(大当たり図柄)が導出されると、遊技者に有利な特定遊技(大当たり遊技)を実行することがある遊技実行手段(遊技制御基板100)をさらに備え、
前記演出実行手段は、前記識別情報の可変表示、および前記特定遊技が実行されていない非遊技状態(客待ち状態)において前記所定条件が成立して前記識別情報の可変表示が実行されているときに、前記特定表示を実行することがあることを特徴とする遊技機。
8-4-3.発明D3
発明D3に係る遊技機は、
発明D2に係る遊技機であって、
遊技者が操作可能な操作手段(十字ボタン40k、第1演出ボタン41k)をさらに備え、
前記非遊技状態において、前記操作手段の操作によって前記特定事項の仕様を前記第1仕様から前記第2仕様に変更可能であり、
前記非遊技状態で前記特定事項の仕様が前記第1仕様から前記第2仕様に変更された場合、当該非遊技状態で前記所定条件が成立して実行された前記識別情報の可変表示において前記特定表示を実行することはなく、その次に発生した前記非遊技状態で前記所定条件が成立して実行された前記識別情報の可変表示において前記特定表示を実行することがあることを特徴とする遊技機。
8-5-1.発明E1
発明E1に係る遊技機は、
遊技者に有利な特定遊技状態(連荘)にすることが可能な遊技制御手段(遊技制御基板100)と、
所定の表示手段(表示部50a)を含む演出手段を用いて演出を実行する演出実行手段(演出制御基板120、画像制御基板140)と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記特定遊技状態の経過時間を計測する時間演出(時間演出)を実行可能であり、
前記時間演出の実行中に特定条件が成立した場合、前記経過時間の計測を中断することがあることを特徴とする遊技機。
8-5-2.発明E2
発明E2に係る遊技機は、
発明E1に係る遊技機であって、
遊技者が遊技球の発射操作を行うことが可能な操作手段(ハンドル72k)をさらに備え、
前記特定条件は、前記発射操作が行われないことであることを特徴とする遊技機。
8-5-3.発明E3
発明E3に係る遊技機は、
発明E2に係る遊技機であって、
遊技球が入球可能な入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)をさらに備え、
前記特定遊技状態には、前記入賞口に遊技球が入球容易になる特別遊技状態(大当たり遊技状態)が含まれ、
前記演出実行手段は、前記特別遊技状態における前記時間演出の実行中に前記特定条件が成立した場合、前記経過時間の計測を中断しないことがあることを特徴とする遊技機。
8-6-1.発明F1
発明F1に係る遊技機は、
遊技者に有利な特定遊技状態(連荘)にすることが可能な遊技制御手段(遊技制御基板100)と、
所定の表示手段(表示部50a)を含む演出手段を用いて演出を実行する演出実行手段と(演出制御基板120、画像制御基板140)、を備え、
前記演出実行手段は、
前記特定遊技状態の経過時間を計測するとともに、当該経過時間に応じて、所定の数値画像(時間演出画像G90)の数値を更新して前記表示手段に表示する時間演出(時間演出)を実行可能であり、
前記時間演出の実行中に前記数値画像の数値の更新を中断することがあることを特徴とする遊技機。
8-6-2.発明F2
発明F2に係る遊技機は、
発明F1に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記時間演出の実行中に、前記数値画像の数値の更新を停止するときと、前記数値画像を非表示にするときと、があることを特徴とする遊技機。
8-6-3.発明F3
発明F3に係る遊技機は、
発明F2に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記時間演出の実行中に、第1条件(大当たり特殊演出の実行)が成立した場合には、前記数値画像の数値の更新を停止する一方、第2条件(遊技球の発射停止、連荘結果演出の実行)が成立した場合には、前記数値画像を非表示にすることを特徴とする遊技機。
8-7-1.発明G1
発明G1に係る遊技機は、
遊技者に有利な特定遊技状態(連荘)にすることが可能な遊技制御手段(遊技制御基板100)と、
所定の表示手段(表示部50a)を含む演出手段を用いて演出を実行する演出実行手段と(演出制御基板120、画像制御基板140)、を備え、
前記演出実行手段は、
前記特定遊技状態の経過時間を計測するとともに、当該経過時間に応じて、所定の数値画像(時間演出画像G90)の数値を更新して前記表示手段に表示する時間演出(時間演出)を実行可能であり、
前記時間演出の実行中に、前記経過時間の計測を中断することなく前記数値画像の数値の更新を中断することがあることを特徴とする遊技機。
8-7-2.発明G2
発明G2に係る遊技機は、
発明G1に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記時間演出の実行中に、前記経過時間の計測を中断することなく前記数値画像の数値の更新を中断するときと、前記経過時間の計測を中断するとともに前記数値画像の数値の更新を中断するときとがあることを特徴とする遊技機。
8-7-3.発明G3
発明G3に係る遊技機は、
発明G2に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記時間演出の実行中に、第1条件(大当たり特殊演出の実行、連荘結果演出の実行)が成立した場合には、前記経過時間の計測を中断することなく前記数値画像の数値の更新を中断する一方、第2条件(遊技球の発射停止)が成立した場合には、前記経過時間の計測を中断するとともに前記数値画像の数値の更新を中断することを特徴とする遊技機。