JP2023013928A - セルロースファイバーを用いた積層複合材 - Google Patents

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貴行 附木
Takayuki Tsukuki
治 吉村
Osamu Yoshimura
大輝 松本
Daiki Matsumoto
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Abstract

【課題】複数の繊維強化複合樹脂層で構成される積層複合材において、高強度,耐衝撃性に優れるとともに、軽量化を図るのに有効な積層複合材の提供を目的とする。【解決手段】平均繊維径100μm以下のセルロースファイバー基材と樹脂組成物とを複合化したセルロースファイバー複合化基材と、炭素繊維基材と樹脂組成物とを複合化した炭素繊維複合化基材、アラミド繊維基材と樹脂組成物とを複合化したアラミド繊維複合化基材及びガラス繊維基材と樹脂組成物とを複合化したガラス繊維複合化基材のうち、いずれか1つ以上を積層したことを特徴とする。【選択図】 図5

Description

近年、化石資源の替わりに再生可能な資源への転換が注目され、その一つとしてバイオマス資源の活用が検討されている。
バイオマス資源の活用例として、木や草本類を構成するセルロースに着目し、セルロースマイクロファイバーやセルロースナノファイバー等の繊維にし、他の材料と複合化することで軽量で高強度の材料が得られないか検討されている。
例えば特許文献1には、マトリックス樹脂にセルロースナノファイバーと炭素繊維を配合した炭素繊維強化プラスチックが開示されている。
しかし、セルロースナノファイバーと炭素繊維を均一に配合するのは難しい技術的課題がある。
特開2019-1872号公報
繊維(ファイバー)強化複合樹脂としては、マトリックスに各種の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が採用されている。
これに対して強化繊維としては、ガラス繊維(GF)、炭素繊維(CF)及びアラミド繊維(AF)等の高強度合成繊維が採用されている。
これらの比重は一般的にGF:約2.8g/cm,CF:約1.8g/cm,AF:1.5g/cmといわれている。
これらに対してセルロースナノファイバー(CNF)は約1.5g/cmとGFよりも軽いのに強度は400~1500GPaとGF:2.4~3.4GPaより、非常に高強度である。
そこで本発明は、軽量化の観点から比重の大きいGFの替わりに、あるいはGFとともにセルロースファイバーの使用ができないか検討して本発明に至った。
本発明に係る積層複合材は、平均繊維径100μm以下のセルロースファイバー基材と樹脂組成物とを複合化したセルロースファイバー複合化基材と、炭素繊維基材と樹脂組成物とを複合化した炭素繊維複合化基材、アラミド繊維基材と樹脂組成物とを複合化したアラミド繊維複合化基材及びガラス繊維基材と樹脂組成物とを複合化したガラス繊維複合化基材のうち、いずれか1つ以上を積層したことを特徴とする。
本発明に用いることができる積層複合材は、製品に要求される各種用途に合せて強度,重量等を考慮しながら設計される。
したがって、本発明は要求される製品の用途に合せて、ガラス繊維複合化基材,炭素繊維複合化基材及びアラミド繊維複合化基材等が多層に積層されている積層複合材において、そのうち少なくとも一層をセルロースファイバー複合化基材に置換したものである。
例えば、従来ガラス繊維複合化基材を二層以上に積層して用いられていた積層部のうち、一層以上をセルロースファイバー複合化基材に置換したものも含まれる。
よって、本発明に係る積層複合材は、少なくとも一層以上のセルロースファイバー複合化基材が用いられていれば、他の積層材としては炭素繊維複合化基材,アラミド繊維複合化基材及びガラス繊維複合化基材等の他の繊維を用いた樹脂組成物との複合化基材を任意に積層したものも含まれる。
ここで平均繊維径100μm以下のセルロースファイバー基材と表現したのは、本発明に用いるセルロースファイバーは用途により平均繊維径が300nmを超え、100μm以下のいわゆるセルロースマイクロファイバーと称されるもの、及び平均繊維径が1nm~300nm以下のセルロースナノファイバーが含まれる趣旨である。
繊維長さも平均長0.05μm~10μm程度の比較的短い短繊維や平均長10μm~100μmの比較的長い長繊維であってもよい。
本発明に用いられるセルロースファイバーは不織布や織物布の状態でもよく、他のパルプ材との混抄紙であってもよい。
また、複数の不織布、織物布、混抄紙を複数の層に重ねて使用することもできる。
セルロースファイバーを強化繊維に用いたマトリックス樹脂との複合化基材を積層複合材の表面に用いると、何らかの理由により破壊した場合に破断部はせん断破壊モードになり、破片の飛散防止効果がある。
マトリックスに用いる樹脂には、ポリアミド,ポリ乳酸,ポリプロピレン,ポリエチレン等の熱可塑性樹脂,エポキシ樹脂,ポリウレタン樹脂,フェノール樹脂,ポリイミド樹脂,ポリイソシアネート樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
その中でもセルロースと相溶性の高い、エポキシ基,アミド基,エステル基等の官能基を有する樹脂が好ましい。
本発明に係る積層複合材は、従来の積層構造からなるヘルメット材等の保安部材、スケートボード等の高強度板材等に広く採用でき、これらに採用することで高強度でありながら軽量化を図ることができる。
ヘルメットは、頭部を保護するための高強度,耐衝撃性が要求される一方で、軽量でなければ装着者に不快感を与えることになるが、ヘルメット材を構成する積層構造のうち、相対的に比重が大きいガラス繊維強化樹脂複合化基材層のうち、一層又は複層をセルロースファイバー複合化基材に置き換えることで、安全基準を確保しつつ、軽量化を図ることができる。
この場合に、製品の用途に合せて複数のセルロースファイバー複合化基材層を、他の繊維からなる複合化基材層と組み合せて用いてもよい。
評価に用いたCNF基材を示す。 VaRTMによる成形法の説明図である。 CNFとしてA,B,C,Dの4種類を用いたマトリックス樹脂との複合化基材の評価結果を示す。 評価に用いた積層構造例を示す。 強度試験結果と重量比較表を示す。 圧縮破壊モードを示す。 積層構造例[3]~[9]を示す。 強度試験結果を示す。 シャルピー衝撃試験結果を示す。
本発明に係る積層複合材について、市販されている二輪自動車用ヘルメット材とを比較検討したので、以下説明する。
まずは、予備実験として図1に示したA~Dの4種類のセルロースナノファイバー(CNF)を用いた不織布(いずれも阿波製紙株式会社)、マトリックス樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(日本シーカー株式会社)を用いて、図2に示したVaRTM法にてセルロールナノファイバー複合化基材を製作した。
製造条件は、CNF基材に100kPaレベルの減圧下で液状の樹脂を注入及び含浸させ、40℃×12時間の一次硬化後に、50℃×8時間の二次硬化を行った。
試験サンプルに用いたA,B,C,DのCNF不織布は、それぞれ厚みがA:0.29mm,B:0.33mm,C:0.12mm,D:0.04mmと相違することから、図3のグラフにPLYとして示したように、A:7枚,B:4枚,D:9枚,D:24枚を重ね合せることで、合計の厚みを統一した。
図3には、A,B,C,DのCNF不織布を用いて、エポキシ樹脂を含浸,硬化させたシート状の試験片の曲げ試験結果を示す。
<試験条件>
・万能試験機(株式会社島津製作所:AG-5kN×plus)
・試験モード:シングル
・支点間距離:80mm
・試験片幅:15mm
・試験片厚さ:約1mm
図3に示したグラフから、曲げ強度が最も高かったCNF,Dを用いて、以下積層材を製作評価した。
評価に用いた積層複合材としては、図4(a)に示すように、市販されている「helmet model」に対して、新規積層構造(New laminated structure)[1]及び[2]を製作し、比較評価した。
図4の表に示したCFは、炭素繊維を強化繊維に用いたマトリックス樹脂との炭素繊維複合化基材を示し、GFは同様にガラス繊維,AFはアラミド繊維を用いたものを示す。
これらの複合化基材は、繊維に配向性を有していることから、図4(b)に示した配向方向の定義を用いて、表中に記載した。
新規積層構造[1]は、市販のヘルメット材に対して3層あるGF層のうち、一層分をCNFに置換したものであり、新規積層構造[2]は全てのGF層の替わりに、CF層とCNF層を積層したものである。
図5に、曲げ強度と曲げ弾性率の評価結果を示す。
比重の大きい3層のGF層のうち、1層のみをCNF層に置換した[1]は、曲げ強度が10%増加し、重量を8%軽減できている。
また、[2]は市販のヘルメット材に対して、曲げ強度45%増加,曲げ弾性率27%増加し、重量は18%軽量化できている。
また、図6に積層複合材の表面から圧縮荷重を加えた破壊モードを示す。
従来のヘルメットモデルでは、層間剥離モードになり、破片が飛散する恐れが生じるのに対して圧縮表面にCNF層を配置することで、せん断破壊モードに変化することが分かる。
図7に新規の積層構造として、[3]~[9]の組み合せからなる積層複合材を製作し、評価した。
図8に、曲げ強度,曲げ弾性率の測定結果を示し、図9にシャルピー衝撃強度の試験結果を示す。
構造[3]~[7]は、GF層の1層又は2層をCNF層に置換した例であり、構造[8],[9]は全てのGF層をCNF層に置換した例である。
GF層を減らすと若干、強度が低下するものの、構造[7],[8]のようにGF層がないものであっても、構造[8]のようにAF層とCF層の間にCNF層を配置することで、耐衝撃性が向上することも明らかになった。
今回の評価結果からすると、従来の炭素繊維複合化基材,アラミド繊維複合化基材及びガラス繊維複合化基材とを複数に積層したヘルメット材等の分野において、比重の相対的に大きいガラス繊維複合化基材の部分をセルロースファイバー複合化基材に置換することで、高強度でかつ、軽量な積層複合材が得られる。
このような積層構造は、ヘルメット材のみならず、スケートボート用板材や各種保護積層材として利用できる。
ガラス繊維複合化基材は、他の繊維を用いたものよりも相対的に比重が大きいものの、炭素繊維,アラミド繊維やセルロースファイバーよりも現時点では安価である。
そこで確認のために、株式会社SHINDO社製のGF Non Crimp Fabric,繊維径10μm,図4(b)に示した(0/90)配向目付量440g/m,(-45/90)配向目付量430g/mを用いて、マトリックス樹脂組成物としてエポキシ樹脂を用い、曲げ試験を行ったところ、曲げ強度298MPa,曲げ弾性率15.6GPaであった。
本実施例では、マトリックス樹脂にエポキシ樹脂を用いて、VaRTM法で含浸成形した例を示したが、熱可塑性樹脂を用いることもでき、また成形方法も加熱,加圧プレス等、これまでに周知の成形法を用いることができる。

Claims (3)

  1. 平均繊維径100μm以下のセルロースファイバー基材と樹脂組成物とを複合化したセルロースファイバー複合化基材と、
    炭素繊維基材と樹脂組成物とを複合化した炭素繊維複合化基材、アラミド繊維基材と樹脂組成物とを複合化したアラミド繊維複合化基材及びガラス繊維基材と樹脂組成物とを複合化したガラス繊維複合化基材のうち、いずれか1つ以上を積層したことを特徴とする積層複合材。
  2. 前記セルロースファイバー複合化基材は、セルロースファイバー不織布が積層されていることを特徴とする請求項1記載の積層複合材。
  3. 前記セルロースファイバー複合化基材は、少なくとも表面側の第1層に積層されていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層複合材。
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