以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1および図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
[全体構成]
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材および金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット7aが設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4および外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット7aは施錠具とともに一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット7aが作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域9a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域9aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はカードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6bまたは下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10および返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではカードユニットに接続する遊技機を例に挙げているが、パチンコ機1は現金機(カードユニットに接続しない遊技機)であってもよい。
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域9a(図3参照)に向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域9a内に放り込まれる。遊技領域9a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域9a内を流下する。なお、遊技領域9a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
[枠前面の構成]
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素としてレンズユニット47および右上電飾ユニット49が設置されている。このうちレンズユニット47にはランプ46が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のランプ50が組み込まれている。
上述した各種ランプ46,50は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4にはそれぞれスピーカ54a~54dが組み込まれている。これらスピーカ54a~54dは、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出ボタン45を押し込み操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
さらに、演出ボタン45の周囲には、演出ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(操作入力受付手段、回転型セレクター)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示器42に表示される演出内容を変化させることができる。
[裏側の構成]
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172aおよび賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
[遊技盤ユニットの構成]
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技盤9を備えており、この遊技盤9の前面側に遊技領域9aが形成されている。遊技盤9は、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技盤9の前面はガラスユニットに平行となる。遊技盤9の前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域9aが形成されている。
遊技領域9a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域9aが左側部分、右側部分および下部分に大きく分かれている。
遊技領域9aの左側部分は、通常遊技状態(非時短状態)で使用される第1遊技領域(以下、左打ち領域とも称する)であり、遊技領域9aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、時短状態)で使用される第2遊技領域(以下、右打ち領域とも称する)である。なお、本実施形態では、非時短状態を非時間短縮状態と称することがあり、時短状態を時間短縮状態と称することがある。
遊技領域の最上部には、遊技領域9aの上部に向かって発射された遊技球を右打ち領域に導くための入口(例えば演出ユニット40の上部に形成された一列の通路の入口)と出口を有する区画に基づく案内通路18が形成されている。
また、遊技領域9a内には、始動ゲート20、普通入賞口22、第1始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が分布して設置されている。
このうち、普通入賞口22は遊技領域9aの左側部分に配置されている。第1始動入賞口26は、遊技領域9aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30は、遊技領域9aの右側部分に配置されている。なお、本実施形態では、上流側から下流側にかけて、可変入賞装置30、可変始動入賞装置28、始動ゲート20の順に配置されている。したがって、遊技球の流下経路において、可変始動入賞装置28は可変入賞装置30よりも下流側に配置されている。
遊技領域9a内に発射された遊技球は、その流下の過程で第1始動入賞口26、普通入賞口22に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置30に入球したりする。
そして、始動ゲート20を通過した遊技球、普通入賞口22、第1始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域9a(盤面)の構成上、第1始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域9a内の左打ち領域に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、始動ゲート20、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に遊技球を入球させる場合は、遊技領域9a内の右打ち領域に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
始動ゲート20を遊技球が通過すると作動抽選(普通図柄抽選)が行われる。そして、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄抽選で当選し、普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動する。
可変始動入賞装置28は板状の開閉部材28aを備えている。開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復移動可能である。常態では、開閉部材28aは、遊技盤9の盤面の内部に収納された状態になっている。このとき、可変始動入賞装置28の第2始動入賞口28bに遊技球が進入する難易度が高く、遊技球は開閉部材28aの上面を転動することなく下流側に流下してしまう。そして、可変始動入賞装置28が作動すると、開閉部材28aが盤面の前方(すなわち、遊技者側)に突出した状態になる。開閉部材28aは図中に向かって右側から左向かって傾斜している。また、開閉部材28aの左側方には第2始動入賞口28bが設けられている。そして、開閉部材28aが突出したときは遊技球が開閉部材28bの上面を転動し、第2始動入賞口28bに導かれる。これにより、開閉部材28aが突出したときに可変始動入賞装置28の第2始動入賞口28bに遊技球が進入する難易度が低くなり、開閉部材28b上の遊技球を第2始動入賞口28bに入球させることが可能になる。
可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合または特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動する。
可変入賞装置30は、板状の開閉部材30aを備えている。開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復移動可能である。常態では、開閉部材30aは、遊技盤9の盤面から遊技者側に突出している。このとき遊技球は開閉部材30aの上面を転動するため、可変入賞装置30内に遊技球を流入させることができない。そして、可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、可変入賞装置30内への遊技球の流入が可能になる。可変入賞装置30内に遊技球が流入すると、可変入賞装置30内に設けられた大入賞口30bへ遊技球を入球させることが可能になる。なお、以下、大入賞口30bを単に大入賞口と称することがある。
ここで、可変入賞装置30内には特定領域誘導装置30cが設けられている。そして、特定領域誘導装置30cの下流側には、特定領域(V入賞口)スイッチ85aと、非特定領域(非V入賞口)スイッチ85bとが横並びに設けられている。特定領域スイッチ85aと非特定領域スイッチ85bは遊技球が通過可能なセンサで構成されている。そして、特定領域スイッチ85aにおける遊技球の通過領域が特定領域30d、非特定領域スイッチ85bにおける遊技球の通過領域が非特定領域30eとなっている。
特定領域誘導装置30cは、図示しないソレノイドにより前後方向に延びる軸を中心に回転可能になっている。そして、特定領域誘導装置30cは、遊技状況に応じて、特定領域スイッチ85a(すなわち、特定領域30d)を遊技球が通過しやすくなる第1位置と、非特定領域スイッチ85b(すなわち、非特定領域30e)を遊技球が通過しやすくなる第2位置とのいずれかの位置に回転可能である。詳しくは後述するように、特定領域30dと非特定領域30eは小当り遊技状態を大当り遊技状態に発展させるか否かを決定するための領域である。
そして、可変入賞装置30内に入球(入賞)した遊技球は、特定領域誘導装置30cによって、特定領域30dまたは非特定領域30eのいずれかに振り分けられる。特定領域または非特定領域を通過した遊技球は、さらに下流側の貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収されることとなる。
なお、本実施形態では、特定領域誘導装置30cは遊技状態に関わらず第1位置に位置している。これにより、可変入賞装置30内に進入した遊技球の大半は特定領域30dを通過する構成となっている。よって、小当りに当選したときに可変入賞装置30に遊技球が進入すると大当りに発展することがほとんどである。
なお、各入賞口や入賞装置に遊技球が入球(進入)することを「入賞」ともいう。特に、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて上記の演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40bを備えている。装飾部品40bはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技盤9が透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技盤9の背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
液晶表示器42の画面上では、例えば、第1特別図柄の変動表示や第2特別図柄の変動表示と同期して、特別図柄とは異なる複数種類の演出図柄(数字などを示す図柄など)の変動表示が行われる。ここでは、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示に同期して(換言すると並行して)、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア42L、42C、42Rにおいて演出図柄が変動表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、本実施形態では、演出図柄表示エリア42Lで変動表示が行われる演出図柄を左図柄、演出図柄表示エリア42Cで変動表示が行われる演出図柄を中図柄、演出図柄表示エリア42Rで変動表示が行われる演出図柄を右図柄と称することがある。
また、例えば、液晶表示器42の画面上には、実行が保留されている変動表示に対応する保留表示を表示するための表示エリアが設けられている。本例では、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示を表示するための第1保留表示領域42aと、第2特別図柄の可変表示に対応する保留表示を表示するための第2保留表示領域42bとが設けられている。
なお、保留されている変動表示の数は保留記憶数ともいう。第1特別図柄に対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特別図柄に対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
その他、遊技領域9a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22や第1始動入賞口26、第2始動入賞口28b、可変入賞装置30に入球した遊技球も含めて、遊技領域9a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
図4は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33および普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そして、ランプの点灯または消灯により普通図柄を停止表示する。なお、本実施形態では1分の1の確率で当りとなるので必ず当り図柄が停止する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯または点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34および第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、特別図柄表示装置34,35は複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄の同時変動が行われないので、特別図柄の変動表示には第1特別図柄表示装置34が用いられる。そして、第2特別図柄表示装置35は普通図柄の変動表示に用いられる。そして、抽選により決定された種類の普通図柄が第2特別図柄表示装置35により停止表示される。第2特別図柄表示装置35による変動表示は普通図柄表示装置33での変動表示に同期して行われる。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34aおよび第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯または点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の第1始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(第2始動入賞口28b)に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で第1始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(第2始動入賞口28b)に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄または第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b、小当り表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応する5つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(普通図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄または普通図柄が更新表示される。後述の演出図柄の変動では、複数種類の演出図柄がスクロール表示または更新表示されたり、1以上の演出図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出または導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
[遊技の進行の概略]
パチンコ機1の遊技状態には、通常状態(非時短状態)と、通常状態と大当りの確率は同一であるが通常状態よりも特別図柄の変動効率が向上する時短状態とがある。なお、本実施形態において、特別図柄を特図と省略し、普通図柄を普図と省略することがある。また、第1特別図柄を特図1、第2特別図柄を特図2と省略することがある。
パチンコ機1では、遊技状態が通常状態である場合には、遊技者は遊技領域9aの左方を狙って発射操作(いわゆる左打ち操作)を行うのが有利である。通常状態は、パチンコ機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。通常状態において、パチンコ機1が備えるハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、左打ち操作を行い、第1始動入賞口26に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置34による第1特別図柄の変動表示が開始される。なお、通常状態では開閉部材28aが突出する時間が極めて短いため、通常状態中に第2始動入賞口28bに遊技球が入賞することは不可能である。
なお、特別図柄の変動表示の実行中の期間、大当り遊技状態、小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ入賞した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特別図柄の変動表示を直ちに実行できない場合)には、当該入賞に基づく特別図柄の変動表示は所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
第1特別図柄の変動表示において大当り図柄が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる小当り図柄が停止表示されれば、「小当り」となる。また、はずれ図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。
第1特別図柄の変動表示での表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。第1特別図柄の変動表示での表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態および小当り遊技状態のいずれにおいてもパチンコ機1が備えるハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、右打ち操作が行われる。
大当り遊技状態では、可変入賞装置30により形成される大入賞口30bが所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口30bに進入した遊技球の数が所定個数(例えば10個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口30bを開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口30bが開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口30bに進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、時短状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ないまたはほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、可変入賞装置30により形成される大入賞口30bが所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口30bに進入した遊技球の数が所定個数(例えば10個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。小当り遊技状態では、1ラウンドのみ実行可能となっている。
そして、小当り遊技状態において、大入賞口30bに進入した遊技球が特定領域30dを通過すると、小当り遊技状態の終了後に大当り遊技状態に制御される。このとき、小当り遊技状態が1ラウンド目とされ、2ラウンド目から大当り遊技状態が開始される。
大当り遊技状態に制御されることなく小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特別図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。
一方で、大入賞口30bに進入した遊技球が非特定領域30eを通過すると、大当り遊技状態に発展することなく小当り遊技状態は終了する。しかし、本実施形態では、大入賞口30bに進入した遊技球は必ず特定領域30dを通過する構成となっているため、小当りが発生すると大当りに発展する。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態に制御されることがある。本実施形態では、全ての大当りで時短状態に制御される。大当り遊技を終了し、遊技状態が時短状態に制御されると、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作(右打ち操作)を行うのが有利である。パチンコ機1が備えるハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、右打ち操作を行い、遊技球が始動ゲート20を通過すると、普通図柄表示装置33による普通図柄の変動表示が開始される。なお、前回の普通図柄の変動表示の実行中の期間等に遊技球が始動ゲート20を通過した場合(遊技球が始動ゲート20を通過したが当該通過に基づく普通図柄の変動表示を直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普通図柄の変動表示は所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普通図柄の変動表示では、普図当り図柄が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、普図当り図柄以外の普通図柄(普図はずれ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図はずれ」となる。「普図当り」となると、可変始動入賞装置28を所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口28bが開放状態になる)。なお、本実施形態では、1分の1で普図当りとなるので全て普図当り図柄であるが、普図当り図柄として複数種類の図柄が設けられている(図45(b)参照)。
可変始動入賞装置28に形成された第2始動入賞口28bに遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置35による第2特別図柄の変動表示が開始される。
第2特別図柄の変動表示において、大当り図柄が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる小当り図柄が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なるはずれ図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。
第2特別図柄の変動表示での表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。第2特別図柄の変動表示での表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態や大当り遊技状態では上記と同様の遊技が行われる。
時短状態では、普図図柄の変動表示で「普図当り」となる確率は、通常状態(非時短状態)と同一確率(1/1)であるが、普通図柄の変動表示で「普図当り」となったときの第2始動入賞口28bの開放期間が非時短状態よりも長くなることがある。具体的には、本実施形態では、第2始動入賞口28bの開放態様として、遊技球の入賞が不可能なように第2始動入賞口28bが極めて短い時間開放されるショート開放と、ショート開放よりも長時間の開放であり、複数の遊技球の入賞が可能なように第2始動入賞口28bが開放されるロング開放とがある。そして、非時短状態ではショート開放のみであるが、時短状態ではロング開放が行われることがある。これにより、通常状態で可変始動入賞装置28に遊技球を進入させることは不可能であるが、時短状態では可変始動入賞装置28に遊技球を進入させることが可能になる。さらに、時短状態では、普通図柄の変動表示の時間も非時短状態より短くなる。
なお、本例では、第2始動入賞口28bに遊技球が入賞した場合には約1/1の確率で小当りになるか、ごく稀に大当りとなる(はずれとなることはない)。そして、第2始動入賞口28bに遊技球を入賞させることができるのは時短状態に限られるので、時短状態は小当り遊技状態に制御されやすい状態ということができる。
そして、ロング開放が行われたときには、第2始動入賞口28bに複数の遊技球を入賞させることができるため、特別図柄の保留記憶(以下、「特図保留」と略すことがある)が発生しやすくなる。そして、第2始動入賞口28bでは約1/1で小当りが発生し、小当りが発生しなくても大当りが発生する。よって、第2始動入賞口28bで特図保留が発生した場合は、1個目の入賞に基づいて小当りまたは大当りが発生して大当り遊技状態に制御され、当該大当り遊技状態が終了した後の1変動目で特図保留に基づいて再度小当りまたは大当りが発生して大当り遊技状態に制御される。このため、第2始動入賞口28bでの特図保留が3個である場合は、大当り遊技状態→1変動→大当り遊技状態→1変動→大当り遊技状態→1変動→大当り遊技状態→時短状態という流れで1変動を介して大当りを4連荘させることが可能な構成となっている。そして、本実施形態では、この流れにおける1変動での遊技状態を大当りの連荘中と称する。なお、大当り連荘中の1変動は大当り遊技状態の終了後であるため、実際の遊技状態として時短状態に制御されるが、特図用演出図柄により変動表示が行われる構成となっている。よって、大当りの連荘中である場合は、その旨を示す状態指定コマンドが主制御CPU72から演出制御CPU126に送信される。
時短状態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行される、あるいは、所定回数の普通図柄の変動表示が実行されるといった、所定の終了条件が成立するまで継続する。そして、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されたこと、あるいは、所定回数の普図図柄の変動表示が実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り確変等)ともいう。
なお、本実施形態では、時短状態として時短状態Aと時短状態Bと時短状態Cが設けられている。時短状態Aは特図1の変動回数と特図2の変動回数の合計が5回、特図2の変動回数が1回、普図の変動回数が10000回のいずれかに達すると時短状態が終了する。時短状態Bは特図1の変動回数と特図2の変動回数の合計が5回、特図2の変動回数が1回、普図の変動回数が200回のいずれかに達すると時短状態が終了する。時短状態Cは特図1の変動回数と特図2の変動回数の合計が5回、特図2の変動回数が1回、普図の変動回数が100回のいずれかに達すると時短状態が終了する。
[演出の進行など]
パチンコ機1では、遊技の進行に応じて種々の演出が実行される。当該演出は、液晶表示器42に各種の演出画像を表示することによって行われる。
遊技の進行に応じて実行される演出として、液晶表示器42に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア42L、42C、42Rでは、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示が開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。第1特別図柄の変動表示や第2特別図柄の変動表示において表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、演出図柄の変動表示の表示結果となる確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)も停止表示される。同様に、普通図柄の変動表示において表示結果(確定普通図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、演出図柄の変動表示の表示結果となる確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)も停止表示される。
演出図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示の態様が所定のリーチ態様となることがある。ここで、リーチ態様とは、液晶表示器42の画面上にて停止表示された演出図柄が後述の大当り組合せや小当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動表示が継続している態様などのことである。
また、演出図柄の変動表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ機1では、演出態様に応じて表示結果(特別図柄の変動表示の表示結果や演出図柄の変動表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)や「小当り」となる割合(小当り信頼度、小当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
本実施形態では、通常状態や大当りの連荘中では特別図柄に対応する演出図柄の変動表示が行われる。より具体的には、通常状態では第2始動入賞口28bに遊技球を入賞させることができないので、通常状態中は第1特別図柄に対応する演出図柄の変動表示が行われる。また、大当りの連荘は、時短状態において第2始動入賞口28bで保留記憶が発生した場合に発生するので、大当りの連荘中は第2特別図柄に対応する演出図柄の変動表示が行われる。
特別図柄の変動表示の表示結果が「大当り」となるときには、液晶表示器42の画面上において、演出図柄の変動表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定演出図柄が導出される(演出図柄の変動表示の表示結果が「大当り」となる)。例えば、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア42L、42C、42Rにおける所定の有効ライン上に同一の演出図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
特別図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となるときには、液晶表示器42の画面上において、演出図柄の変動表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定演出図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(演出図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となる)。例えば、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア42L、42C、42Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する演出図柄が停止表示される。
特別図柄の変動表示の表示結果が「はずれ」となる場合には、演出図柄の変動表示の態様がリーチ態様とならずに、演出図柄の変動表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定演出図柄(「非リーチはずれ」ともいう。)が停止表示される(演出図柄の変動表示の表示結果が「非リーチはずれ」となる)ことがある。また、表示結果が「はずれ」となる場合には、演出図柄の変動表示の態様がリーチ態様となった後に、演出図柄の変動表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチはずれ」ともいう)の確定演出図柄が停止表示される(演出図柄の変動表示の表示結果が「リーチはずれ」となる)こともある。
なお、本実施形態では、時短状態中は、普通図柄に対応する演出図柄の変動表示が行われる。そして、前述したように、時短状態で第2始動入賞口28bに遊技球が入賞した場合は小当りまたは大当りとなり、小当りとなった場合でも大当りに発展する構成となっている。よって、時短状態で第2始動入賞口28bに遊技球が入賞した場合は、液晶表示器42の画面上において、演出図柄の変動表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せが導出される(演出図柄の変動表示の表示結果が「大当り」となる)。例えば、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア42L、42C、42Rにおける所定の有効ライン上に同一の演出図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
パチンコ機1が実行可能な演出には、保留表示や変動表示中表示を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が演出図柄の変動表示中に実行される。予告演出には、実行中の変動表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の変動表示(実行が保留されている変動表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、変動表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、液晶表示器42において、演出図柄の変動表示中に演出図柄を一旦仮停止させた後に変動表示を再開させることで、1回の変動表示を擬似的に複数回の変動表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特別図柄の変動表示等が実行されていないときには、液晶表示器42にデモ(デモンストレーション)画像が表示される。
[制御上の構成]
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(または内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、第1始動入賞口26に対応する第1始動入賞口スイッチ80、第2始動入賞口28bに対応する第2始動入賞口スイッチ82、可変入賞装置30に対応するカウントスイッチ84、可変入賞装置30の特定領域30dに対応する特定領域検出スイッチ85a、可変入賞装置30の非特定領域30eに対応する非特定領域検出スイッチ85bが設けられている。
第1始動入賞口スイッチ80は第1始動入賞口26への遊技球の入球を検出し、第2始動入賞口スイッチ82は第2始動入賞口28bへの遊技球の入球を検出するためのものである。第1始動入賞口スイッチ80や第2始動入賞口スイッチ82によって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、カウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口30b)へ入球した数をカウントするためのものである。カウントスイッチ84によって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特定領域検出スイッチ85aは、可変入賞装置30の特定領域30dに遊技球が入球したことを検出するためのものである。また、非特定領域検出スイッチ85bは、可変入賞装置30の非特定領域30eに遊技球が入球したことを検出するためのものである。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する普通入賞口スイッチ81が設けられている。普通入賞口スイッチ81によって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(6個)の遊技球が賞球として払い出される。
これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、普通入賞口スイッチ81、カウントスイッチ84、特定領域検出スイッチ85a、非特定領域検出スイッチ85bからの検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38およびランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38およびランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28に対応する普通電動役物ソレノイド88、可変入賞装置30に対応する大入賞口ソレノイド89が設けられている。これらソレノイド88,89は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,89についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ、払出手段)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110および球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110および球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域9aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114および発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122および貸出および返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出および返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10または返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出および返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46,50や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54a~54dから実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(またはデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、ランプ46,50の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、スピーカ54a~54dを駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46,50やスピーカ54a~54dに印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、演出ボタン45が接続されており、遊技者が演出ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、ジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出ボタン45およびジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、受皿電飾基板を設置する場合、演出ボタン45およびジョグダイアル45aは受皿電飾基板に接続されていてもよい。
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上述したように各種ランプ46,50等やスピーカ54a~54dを用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)および払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
[リセットスタート(メイン)処理]
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図6および図7は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域およびスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグおよびサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域およびスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図7に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド89等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグおよびサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、および普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図9中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図9中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数および当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数および当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図9)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
[電源断発生チェック処理]
図8は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)す
る。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド89に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグおよびサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域およびスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図6)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
[割込管理処理(タイマ割込処理)]
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図9は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB~Lの各ペア)の値をR
AM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A~L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、第1始動入賞口スイッチ80、普通入賞口スイッチ81、第2始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、特定領域スイッチ85a、非特定領域スイッチ85bからの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、第1始動入賞口スイッチ80、普通入賞口スイッチ81、第2始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、特定領域スイッチ85a、非特定領域スイッチ85bからの入賞検出信号または通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、第1始動入賞口スイッチ80または第2始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄または第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、第1始動入賞口スイッチ80または第2始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理および普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄または第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34および第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ81,82,84,85a,85bから入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態または高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数および表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ONまたはOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、大入賞口ソレノイド89の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205~ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A~L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
[スイッチ入力イベント処理]
図10は、スイッチ入力イベント処理(図9中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する第1始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する第2始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、可変入賞装置30の大入賞口30bに対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS20:大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。そして、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、通過検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS26に進む。
ステップS26a:主制御CPU72は、可変入賞装置30(すなわち、大入賞口30b)内の特定領域30dに対応する特定領域スイッチ85aから通過検出信号が入力されたか否かを確認する。特定領域30dに対応する通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS27に進んで特定領域通過時処理を実行する。一方、特定領域30dに対応する通過検出信号の入力が確認されない場合(No)、主制御CPU72は次のステップS26bに進む。
ステップS26b:主制御CPU72は、可変入賞装置30(すなわち、大入賞口30b)内の非特定領域30eに対応する非特定領域スイッチ85bから通過検出信号が入力されたか否かを確認する。非特定領域30eに対応する通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28に進んで非特定領域通過時処理を実行する。一方、非特定領域30eに対応する通過検出信号の入力が確認されない場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図9)に復帰する。
ステップS27:特定領域通過時処理では、主制御CPU72は、RAM76の記憶領域に特定領域30dの通過が確認されたことを記憶させる。また、特定領域30dをしたことを示す特定領域通過コマンドを生成する。特定領域通過コマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
ステップS28:非特定領域通過時処理では、主制御CPU72は、非特定領域30eをしたことを示す非特定領域通過コマンドを生成する。非特定領域通過コマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
[第1特別図柄記憶更新処理]
図11は、第1特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄用の4つのセクションと、第2特別図柄用の4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数および大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。なお、本実施形態では、第1特別図柄における作動記憶数、すなわち第1特別図柄での最大保留記憶数は4個に設定されている。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図9中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位および下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数および変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数および変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数および変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1~第4)が設定されており、現段階で第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS38:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」~「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」~「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」~「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、ステップS38で生成した作動記憶数増加時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
[第2特別図柄記憶更新処理]
次に図12は、第2特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。なお、本実施形態では、第2特別図柄における作動記憶数、すなわち第2特別図柄での最大保留記憶数は3個に設定されている。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図11)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図9中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図11)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図11)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数および変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図11)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数および変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図11)と同様である。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」~「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図10)に復帰する。
[特別図柄遊技処理]
次に、割込管理処理(図9)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図13は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000~ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34または第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメントおよびドット(0番~7番)に対してONまたはOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34または第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメントおよびドットに対してONまたはOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。なお、特別図柄の停止表示される態様に応じて、大当り遊技または小当り遊技が開始される。
[大当り遊技]
例えば、特別図柄が7ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド89が一定時間(例えば29秒間または10個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば7回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で7回あれば、これらを「7ラウンド」と総称することがある。本実施形態では、7ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。なお、大当りの種類として7ラウンド大当りだけでなく、その他に複数種類の4ラウンド大当りおよび2ラウンド大当りを設けてもよい。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(時短フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(時短状態)を変化させる(時短状態移行手段)。「時短状態」では時間短縮機能が作動し、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。
[小当り遊技]
また、本実施形態では、非当選(はずれ)以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当り遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り状態(遊技者にとって有利な特殊遊技状態)に移行する契機が発生する。小当り中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド89が一定時間(例えば29秒間)または10個の入賞をカウントするまで、予め設定された作動回数(例えば10回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、ある程度の賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。
また、小当り中の可変入賞装置管理処理においては、可変入賞装置30内に進入した遊技球が特定領域30dを通過することで、遊技者には、大当り遊技を開始する機会が与えられる。すなわち、小当り中に特定領域30dを遊技球が通過するか否かで大当り遊技を開始するか否かが決定される。
また、特定領域30dを遊技球が通過せずに小当りの遊技が終了した場合は、新たに「時間短縮機能」が作動することもないので、「時短状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)(上限回数に達した場合を除く。)。
[複数の当選種類]
本実施形態では、複数の当選種類として上記の「7ラウンド大当り」の他に、「10ラウンド大当り」が設けられている。これらの大当りは特別図柄が大当り態様で停止表示した際に開始される他、特別図柄が小当り態様で停止表示し、かつ、小当り中に特定領域30dを遊技球が通過した際に開始されることがある。小当り中に特定領域30dを遊技球が通過した際に大当りが開始された場合には、小当りが1ラウンド目としてラウンド数がカウントされる。
上記の「7ラウンド大当り」および「10ラウンド大当り」は、当選時に停止表示される第1特別図柄または第2特別図柄の種類に対応している。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
[7ラウンド大当り図柄]
先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「7ラウンド図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが7ラウンド目(最終ラウンド)まで継続する。この当り遊技は、7ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与することが可能なものとなる(特定価値特別遊技)。また、大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「時間短縮機能」を作動させることで、その結果として「時短状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
[10ラウンド大当り図柄]
先の特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「10ラウンド図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目(最終ラウンド)まで継続する。この当り遊技は、10ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与することが可能なものとなる(特定価値特別遊技)。また、大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「時間短縮機能」を作動させることで、その結果として「時短状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
[7ラウンド小当り図柄]
先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が「7ラウンド小当り図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当りの状態に移行する契機が発生する。そして、小当り中に特定領域30dを遊技球が通過すると、小当りから大当り遊技状態に移行する契機が発生する。2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが7ラウンド目(最終ラウンド)まで継続する。この「7ラウンド小当り図柄」の大当り遊技は、7ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与することが可能なものとなる(特定価値特別遊技)。また、大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。
[10ラウンド小当り図柄]
先の特別図柄停止表示中処理において、第2特別図柄が「10ラウンド小当り図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当りの状態に移行する契機が発生する。そして、小当り中に特定領域30dを遊技球が通過すると、小当りから大当り遊技状態に移行する契機が発生する。2ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが10ラウンド目(最終ラウンド)まで継続する。この「10ラウンド小当り図柄」の大当り遊技は、10ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与することが可能なものとなる(特定価値特別遊技)。また、大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。
なお、本実施形態では、7ラウンドの大当りでは1050個、10ラウンドの大当りでは1500個の賞球を得ることが可能である。よって、10ラウンドの大当りが4連荘すると約6000個の賞球を得ることができる。
なお、本実施形態では、図柄の種別に応じて、大当り遊技終了後に内部状態を「時短状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、小当り中に特定領域30dを遊技球が通過し大当り遊技が開始された場合、その大当り遊技終了後に内部状態を「時短状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、「時短状態」において内部抽選に小当りに当選し、小当り中に特定領域30dを遊技球が通過し大当り遊技が開始されると、その大当り遊技終了後も「時短状態」が継続(再開)される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄のほうが小当り確率を高い構成としているが、第1特別図柄よりも第2特別図柄のほうが特定領域30dへ遊技球が通過しやすくする、あるいは、小当りは第2特別図柄でのみ当選するなど、小当りに関する有利度を第1特別図柄と第2特別図柄とで異なる方法として、本実施形態以外の構成とすることも可能である。
[特別図柄変動前処理]
図14は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数または第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄および第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数、第1特別図柄変動用乱数値)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば(第1特別図柄のみが該当)、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄または第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図9中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34aまたは第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
[特別図柄記憶エリアシフト処理]
図15は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄または第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図14中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、現在ある作動記憶の中で最も古いものが第1特別図柄に対応するものであるか否かを確認する。すなわち、RAM76の記憶エリアにアクセスし、その中で最も古い作動記憶が第1特別図柄に対応するものでなく、第2特別図柄に対応するものであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、最も古い作動記憶が第1特別図柄に対応するものであった場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212またはステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(-1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」~「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」~「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」~「1」(コマンド表記は「13H」~「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」~「0」(コマンド表記は「12H」~「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224またはステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図14)に復帰する。
[図14:特別図柄変動前処理を参照]
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(内部抽選実行手段)。このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「時短状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。「小当り」は、可変入賞装置30のみを作動させる条件を満たすものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件は満たさない)。さらに、「小当り」中に特定領域30dを遊技球が通過すると、「大当り」に発展させるものとして位置付けられている(条件装置を作動させる条件を満たす)。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ここで、具体例として、本実施形態では、特別図柄の内部抽選において、特別図柄が第1特別図柄である場合、大当りに当選する確率が319分の1程度に設定され、小当りに当選する確率が500分の1程度に設定されている。また、第2特別図柄である場合、大当りに当選する確率は同一の319分の1程度に設定、小当りに当選する確率は1分の1程度に設定されている。したがって、第2特別図柄に関する内部抽選が実行されると、ほぼ小当りに当選することを表している。これらの大当りの当選確率や小当りの当選確率を満たすべく、大当り値の範囲や小当り値の範囲が主制御CPU72により設定され、読み出した乱数値と比較される。なお、第1特別図柄の小当りの当選確率を0にし、第2特別図柄についてのみ小当りに当選させてもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)または小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34または第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンドおよび抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「-」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。
ここで、はずれ時の変動時間は、リーチ演出を実行する変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個~3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、特別図柄による内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
[第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブルの例]
図16は、図14のステップS2405で使用する第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における低確率非時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」~「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」~「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」~「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数に応じて異なるテーブル内容としてもよい(以下、同様)。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて3.0秒~12.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒~150秒程度)に対応するものである。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
図17は、図14のステップS2405で使用する第1特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における低確率時間短縮状態または高確率時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「21」~「28」が割り当てられている。
変動パターン番号「21」~「25」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「26」~「28」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「22」を選択する。
なお、本実施形態では、第2特別図柄では、はずれになることがないので、第2特別図柄はずれ時変動パターン選択テーブルは設けられていない。
[図14:特別図柄変動前処理を参照]
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)または小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄または第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
[大当り時の当選図柄]
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて2種類が用意されている。2種類の内訳は、「第1当選図柄」と「第2当選図柄」があり、特別図柄の種類が第1特別図柄であれば当選種類は「第1当選図柄」に決定され、特別図柄の種類が第2特別図柄であれば当選種類は「第2当選図柄」に決定される。
さらに、第1当選図柄は「7ラウンド大当り図柄1」、「7ラウンド大当り図柄2」を含んでおり、第2当選図柄は「10ラウンド大当り図柄」を含んでいる。そして、本実施形態では、大当り時に選択された当選図柄はRAM76で記憶される。
[特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル]
図18は、特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。
図18(a)に示すように、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。
そして、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「7ラウンド大当り図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述され、当選図柄として「7ラウンド大当り図柄2」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H02H」で記述されることになる。また、本実施形態では、大当りに当選したときに、「7ラウンド大当り図柄1」が選択される割合が95%、「7ラウンド大当り図柄2」が選択される割合が5%となるように判定値の数が振り分けられている。
また、「7ラウンド大当り図柄1」が選択された場合は、時短状態として時短状態Bが選択される。よって、時短状態の終了条件は、特図1の変動回数と特図2の変動回数の合計が5回、特図2の変動回数が1回、普図の変動回数が200回のいずれかに達するまでとなる。
一方で「7ラウンド大当り図柄2」が選択された場合は、時短状態として時短状態Aが選択される。よって、時短状態の終了条件は、特図1の変動回数と特図2の変動回数の合計が5回、特図2の変動回数が1回、普図の変動回数が10000回のいずれかに達するまでとなる。
図18(b)に示すように、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。そして、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものである場合、当選図柄として「10ラウンド大当り図柄」が選択され、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
また、「10ラウンド大当り図柄」が選択された場合は、時短状態として時短状態Cが選択される。よって、時短状態の終了条件は、特図1の変動回数と特図2の変動回数の合計が5回、特図2の変動回数が1回、普図の変動回数が100回のいずれかに達するまでとなる。
以上のように、主制御CPU72は特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
[図14:特別図柄変動前処理を参照]
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行っている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、特別リーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。また、時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択している。
[大当り時変動パターン選択テーブルの例]
図19は、図14のステップS2412で用いられる第1特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における低確率非時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。なお、本実施形態では、7ラウンド大当り1~2で変動パターンを区別していないが、それぞれの大当りで専用の変動パターン選択テーブルを用いてもよい(以下、同様)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「61」~「68」が割り当てられている。
変動パターン番号「61」~「68」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「62」を選択する。
図20は、図14のステップS2412で用いられる第2特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第2特別図柄抽選における低確率非時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「71」~「78」が割り当てられている。
変動パターン番号「71」~「78」は、いずれもリーチ演出が行われずに当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「72」を選択する。
図21は、図14のステップS2412で用いられる第1特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における低確率時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「81」~「88」が割り当てられている。
変動パターン番号「81」~「88」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「82」を選択する。
図22は、図14のステップS2412で用いられる第2特別図柄大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態・高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第2特別図柄抽選における低確率時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「91」~「98」が割り当てられている。
変動パターン番号「91」~「98」は、いずれもリーチ演出が行われずに当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「92」を選択する。
[図14:特別図柄変動前処理を参照]
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)に対応して遊技状態フラグとして時短状態A~Cに対応する時短フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットしてもよい(時短状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34または第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンドおよび抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時停止図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
[小当り時の当選図柄]
本実施形態では小当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて2種類が用意されている。2種類の内訳は、「第1当選図柄」と「第2当選図柄」があり、特別図柄の種類が第1特別図柄であれば当選種類は「第1当選図柄」に決定され、特別図柄の種類が第2特別図柄であれば当選種類は「第2当選図柄」に決定される。
さらに、第1当選図柄は「7ラウンド小当り図柄」を含んでおり、第2当選図柄は「10ラウンド小当り図柄」を含んでいる。そして、本実施形態では、小当り時に選択された当選図柄はRAM76で記憶される。
[小当り時停止図柄選択テーブル]
図23は、小当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、図23に示された小当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
図23に示すように、今回の小当りの結果、例えば、特別図柄の種類が第1特別図柄であれば、当選種類は「7ラウンド小当り図柄」に決定され、第2特別図柄であれば、「10ラウンド小当り図柄」に決定される。特別図柄小当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値-EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」、「B2H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄、第2特別図柄の小当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。
そして、今回の小当りの結果、当選図柄として「7ラウンド小当り図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B1H03H」で記述され、今回の小当りの結果、当選図柄として「10ラウンド小当り図柄」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H02H」で記述されることになる。
また、「7ラウンド小当り図柄」が選択された場合は、時短状態として時短状態Aが選択される。よって、時短状態の終了条件は、特図1の変動回数と特図2の変動回数の合計が5回、特図2の変動回数が1回、普図の変動回数が10000回のいずれかに達するまでとなる。
一方で「10ラウンド小当り図柄」が選択された場合は、時短状態として時短状態Cが選択される。よって、時短状態の終了条件は、特図1の変動回数と特図2の変動回数の合計が5回、特図2の変動回数が1回、普図の変動回数が100回のいずれかに達するまでとなる。
以上のように、主制御CPU72は小当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての小当り時停止図柄番号を決定する。
[図14:特別図柄変動前処理を参照]
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
[第1特別図柄小当り時変動パターン選択テーブルの例]
図24は、図14のステップS2408で用いられる第1特別図柄小当り時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における低確率非時間短縮状態での小当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「211」~「218」が割り当てられている。
変動パターン番号「211」~「215」は、リーチ演出が行われずに、小当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「216」~「218」は、リーチ後に小当りとなる変動パターンに対応している。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「212」を選択する。
図25は、図14のステップS2408で用いられる第1特別図柄小当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、第1特別図柄抽選における低確率時間短縮状態または高確率時間短縮状態での小当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「221」~「228」が割り当てられている。
変動パターン番号「221」~「225」は、リーチ演出が行われずに、小当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「226」~「228」は、リーチ後に小当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「222」を選択する。
[第2特別図柄小当り時変動パターン選択テーブルの例]
図26(a)は、図14のステップS2408で用いられる第2特別図柄小当り時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮)を示す図である。
この選択テーブルは、第2特別図柄抽選における低確率非時間短縮、低確率時間短縮状態または高確率時間短縮状態での小当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
本テーブルでは、すべて同一の変動パターン(変動時間は規定時間(例えば10秒程度の時間))を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ小当り変動パターン201)を選択するテーブル構成としている(変動時間規定手段)。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「201」を選択する。
[第2特別図柄小当り時変動パターン選択テーブルの例]
図26(b)は、図14のステップS2408で用いられる第2特別図柄小当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮)である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮における第2特別図柄での小当り時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
本テーブルでは、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば10.0秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ小当り変動パターン201)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「201」を選択する。
[図14:特別図柄変動前処理を参照]
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンドおよび抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンドおよび抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。また、時短フラグの値(01H)がセットされている場合は、時短状態に応じた処理が実行される。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する特図用変動開始コマンドを生成する。特図用変動開始コマンドは、ステップS2405、ステップS2408、ステップS2412で決定した変動パターンを特定可能なコマンドである。この特図用変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
ステップS2416:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値管理処理を実行する。この処理において、主制御CPU72は、回数切りカウンタ値の値を更新する処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。また、このような処理は、特別図柄停止表示中処理の中で実行してもよい。
[図13:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理]
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数または割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図14中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
[回数切りカウンタ値管理処理]
図27は、回数切りカウンタ値管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に従って説明する。
ステップS2420:主制御CPU72は、第1回数切りカウンタ(特図の変動回数をカウントするカウンタ)または第2回数切りカウンタ(普図の変動回数をカウントするカウンタ)の回数切りカウンタ値をロードする処理を実行する。「回数切りカウンタ値」は、「時間短縮状態」においてカウンタ値がRAM76の時短カウント領域にセットされている。本実施形態では、「低確率時間短縮状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは設定されず、時間短縮状態に関する回数切りカウンタは所定の数値に設定される。
ステップS2422:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンド(時短回数指定コマンド等)を生成してから、主制御CPU72は次にステップS2424を実行する。
ステップS2424:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS2426:そして、主制御CPU72は、その減算結果が0であるか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0である場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2428を実行する。これに対し、回数切りカウンタの値が0でない場合(No)、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図14)に復帰する。
ステップS2428:主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする処理を実行する。本実施形態では、「時間短縮状態」に移行される場合、時間短縮状態に関する回数切りカウンタが所定の数値に設定されるため、この場合にリセットされるのは、時短フラグだけである。
そして、以上の処理を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図14)に復帰する。なお、回数切りカウンタ値管理処理は、変動停止時に実行されるようにしてもよい。
[特別図柄停止表示中処理]
次に図28は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図13中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示
時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドおよび停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンドおよび停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
[当選時]
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、通常状態(非時短状態)に移行されることになる。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
[非当選時]
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。また、これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4605を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理(図13のステップS2000)のアドレスをセットする。そして、主制御CPU72は次にステップS4610を実行する。
ステップS4605:小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
[表示出力管理処理]
次に図29は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図9中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34aおよび第2特別図柄作動記憶数表示ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成および出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)および連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成および出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、時短フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時短フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技または小当りの遊技により可変入賞装置30が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時短フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定ランプ38fは、大当り遊技を経て「時短状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時短状態」が終了するまで点灯し、「時短状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「7ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「7ラウンド(7R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。さらに、連続作動回数ステータスの値が「10ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「10ラウンド(10R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
[可変入賞装置管理処理]
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図30は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200~ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理および大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
[大入賞口開放パターン設定処理]
図31は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時または小当り時にそれぞれ可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。この確認の結果、大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5203を実行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、すなわち、小当りフラグの値(01H)がセットされている場合、主制御CPU72は次にステップS5204を実行する。
ステップS5203:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、大当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大当り時の当選図柄に対応した大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5204:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理を実行する。この処理では、小当り時図柄別開放パターン設定テーブルに基づいて、大入賞口の開放パターンを設定するものである。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5205を実行する。
ステップS5205:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
[大当り時大入賞口開放パターン設定処理]
図32は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5210:主制御CPU72は、条件装置および役物連続作動装置を作動させる。ここで、「条件装置」とは、その作動が役物連続作動装置の作動に必要な条件とされる装置であり、「役物連続作動装置」とは、可変入賞装置30を連続して作動させることができる装置である。したがって、この条件装置が作動していない限り、大当り遊技において可変入賞装置30は作動しないことを表している。主制御CPU72は次にステップS5212を実行する。
ステップS5212:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。なお、本実施形態では、大当り図柄の種類に応じて、連続作動回数ステータスには「7ラウンド」または「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5214を実行する。
ステップS5214:主制御CPU72は、大当り時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、可変入賞装置30を作動させる設定を表し、例えば、実行ラウンド数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5216を実行する。
ステップS5216:主制御CPU72は、可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(1ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5218を実行する。
ステップS5218:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。なお、本実施形態においては、実行ラウンド数として7ラウンド又は10ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5220を実行する。
ステップS5220:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大当り時の当選図柄に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、大入賞口を開放する開放時間が29.0秒に設定される。したがって、開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に第1大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。主制御CPU72は次にステップS5222を実行する。
ステップS5222:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、1ラウンド目と2ラウンド目の間の大入賞口の開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5224を実行する。
ステップS5224:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5218)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。したがって、大当り時の当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数「7R又は10R」に基づいて、連続作動回数コマンドは「7ラウンド」または「10ラウンド」を表す値が生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図31)に復帰する。
[小当り時大入賞口開放パターン設定処理]
図33は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5252:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5254を実行する。
ステップS5254:主制御CPU72は、小当り時開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時開放パターン設定テーブルを参照し、開放パターンを選択する。ここで、開放パターンとは、可変入賞装置30を作動させる設定を表し、例えば、開放回数、開放時間、インターバル時間等の設定を表している。主制御CPU72は次にステップS5256を実行する。
ステップS5256:主制御CPU72は、可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り中に作動させる可変入賞装置の種類を可変入賞装置30に設定する。主制御CPU72は次にステップS5258を実行する。
ステップS5258:主制御CPU72は、開放回数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに対応した開放パターンに基づいて、小当り中に実行する開放回数を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに対応する開放パターンの開放回数として1回が設定される。主制御CPU72は次にステップS5260を実行する。
ステップS5260:主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当り時に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、0.5秒または1.8秒が設定される。主制御CPU72は次にステップS5262を実行する。
ステップS5262:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、大入賞口の開放間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、大入賞口の開放回数が1回であるため、インターバルタイマは設定されない(0.0秒が設定される)。主制御CPU72は次にステップS5264を実行する。
ステップS5264:主制御CPU72は、特定領域30dの開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は小当り時に対応した開放パターンに基づいて、特定領域30dの開放時間(開放タイマ)を設定する。本実施形態においては、特定領域30dは常に開放されるため、本処理は省略される。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大入賞口開放パターン設定処理(図31)に復帰する。
[大入賞口開閉動作処理]
図34は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファにアクセスし、制御上の内部状態フラグとして「大役中(大当り遊技中)」のフラグがセットされているか否かで、現在の内部状態が「大役中」であるか否かを確認する。なお、「大役中(大当り遊技中)」のフラグは、先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理中:ステップS5212)や後述する特定領域通過時処理中において主制御CPU72によりセットされる。この確認の結果、現在の内部状態が「大役中」である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5306を実行する。一方、現在の内部状態が「大役中」ではない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5304を実行する。
ステップS5304:主制御CPU72は、小当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、大入賞口30bを開閉するために可変入賞装置30を作動させる(大入賞口ソレノイド89に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS5306:主制御CPU72は、大当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、大入賞口30bを開閉するために可変入賞装置30を作動させる(大入賞口ソレノイド89に対して印加する駆動信号を出力する)処理を行う。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理(図30)に復帰する。
[小当り時大入賞口開閉動作処理]
図35は、小当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5310:主制御CPU72は、大入賞口30bを開放する。具体的には、大入賞口ソレノイド89に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5310bを実行する。なお、すでに大入賞口30bを開放済みの場合は主制御CPU72はステップS5316を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図33中)のステップS5260やステップS5264、ステップS5266)で設定したタイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5313を実行する。
ステップS5314:主制御CPU72は、特定領域開閉動作処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は設定された開放パターンに基づいて、特定領域30dを開閉するために入口開放ソレノイド86に対して印加する駆動信号を出力する処理を行う。主制御CPU72は次にステップS5316を実行する。なお、本実施形態では、特定領域0dは常時開放されているので、本処理は省略される。
ステップS5316:主制御CPU72は、大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。一方、大入賞口30bの開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5317aを実行する。
ステップS5317a:主制御CPU72は、大入賞口30bに遊技球が入球したか否かを確認する。具体的には、カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この確認の結果、大入賞口30bに遊技球が入球した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。一方、大入賞口30bに遊技球が入球していない場合(No)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理(図34)に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310~ステップS5316の手順を繰り返し実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5320を実行する。
ステップS5320:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理(図34)に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5310~ステップS5320の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5316で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5320でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5322を実行する。
ステップS5322:主制御CPU72は、大入賞口30bを閉止する。具体的には、大入賞口ソレノイド89に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5324:主制御CPU72は、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、特定領域通過フラグの値が01Hであるか否かにより、特定領域通過フラグがONであるか否かを確認する。この確認の結果、特定領域通過フラグがONである場合(Yes)、すなわち、小当り中の大入賞口が開放している間に遊技球が特定領域30dを通過した場合、主制御CPU72は次にステップS5326を実行する。一方、特定領域通過フラグがONではない場合(No)、すなわち、小当り中の大入賞口が開放している間に遊技球が特定領域30dを通過しなかった場合、主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5326:主制御CPU72は、特定領域通過時処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り中に遊技球が特定領域30dを通過したことに基づき、条件装置や役物連続作動装置を作動させ、可変入賞装置30を連続作動させる処理、すなわち、大当り遊技を開始する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。主制御CPU72は次にステップS5328を実行する。
ステップS5328:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図34)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
[特定領域通過時処理]
図36は、特定領域通過時処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS5350:主制御CPU72は、小当りフラグをリセットする。具体的には、主制御CPU72はRAM76のフラグバッファ領域にアクセスし、小当りフラグの値を00Hにリセットする。主制御CPU72は次にステップS5352を実行する。
ステップS5352:主制御CPU72は、小当り終了を宣言する。具体的には、主制御CPU72は内部状態フラグから「小当り中」を消去し、制御処理上での内部状態としての小当り終了を宣言する。主制御CPU72は次にステップS5354を実行する。
ステップS5354:主制御CPU72は、条件装置および役物連続作動装置を作動させる。これにより、可変入賞装置30を連続して作動させることができ、大当り遊技を開始できることとなる。主制御CPU72は次にステップS5356を実行する。
ステップS5356:主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。なお、本実施形態では、大当り図柄の種類に応じて、連続作動回数ステータスには「7ラウンド」または「10ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。主制御CPU72は次にステップS5358を実行する。
ステップS5358:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別開放パターン選択処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は特定領域通過時図柄別開放パターン設定テーブルを参照し、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンを選択する。例えば、第1特別図柄では、作動させる可変入賞装置の種類が可変入賞装置30のみであり、実行ラウンド数が7ラウンドである開放パターンを選択する。また、第2特別図柄では、作動させる可変入賞装置の種類が可変入賞装置30のみであり、実行ラウンド数が10ラウンドである開放パターンを選択する。なお、この実行ラウンド数には、小当りで開放された可変入賞装置30の作動が含まれているため、これから開始される大当り遊技では7ラウンドから1ラウンド分が減算された6ラウンド、または、10ラウンドから1ラウンド分が減算された9ラウンドが実質的な大当り遊技でのラウンド数であることを表している。そして、1ラウンドあたりに大入賞口を開放する開放時間が29.0秒であり、各ラウンド間に設けられるインターバル時間が1.0秒であるといった開放パターンを選択する。主制御CPU72は次にステップS5350を実行する。
ステップS5360:主制御CPU72は、可変入賞装置30の作動の設定を行う。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中のラウンド毎(2ラウンド~最終ラウンド)に作動させる可変入賞装置の種類を可変入賞装置30に設定する。なお、本実施形態においては、全ての小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応する開放パターンが2ラウンド~最終ラウンドで大入賞口が開放されるため、可変入賞装置30の作動が設定される。主制御CPU72は次にステップS5362を実行する。
ステップS5362:主制御CPU72は、実行ラウンド数を設定する。具体的には、主制御CPU72は小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応した開放パターンに基づいて、大当り遊技中に実行するラウンド数を設定する。なお、本実施形態においては、全ての小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数として、第1特別図柄では7ラウンド、第2特別図柄では10ラウンドが設定される。主制御CPU72は次にステップS5364を実行する。
ステップS5364:主制御CPU72は、大当り時開放タイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド毎に大入賞口を開放する際の1回あたりの開放時間(開放タイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応する開放パターンの開放時間に基づいて、ラウンド毎に設定される。例えば、大入賞口を開放する開放時間が29.0秒に設定される。主制御CPU72は次にステップS5366を実行する。
ステップS5366:主制御CPU72は、大当り時インターバルタイマを設定する。具体的には、主制御CPU72は大当り時におけるラウンド間での待機時間(インターバルタイマ)を設定する。なお、本実施形態においては、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応する開放パターンのインターバルタイマとして1.0秒が設定される。例えば、2ラウンド目と3ラウンド目の間の大入賞口の開放が終了し一旦閉鎖状態になった後、1.0秒間程度のインターバルタイマが設定される。主制御CPU72は次にステップS5368を実行する。また、小当りが終了してから大当りが開始されるまでの待期期間(インターバル期間)もインターバルタイマに設定される。
ステップS5368:主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の処理(ステップS5362)で設定された実行ラウンド数に基づいて生成することができる。したがって、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応する開放パターンの実行ラウンド数「7R」または「10R」に基づいて、連続作動回数コマンドは「7ラウンド」または「10ラウンド」を表す値が生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5370:主制御CPU72は、特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理を実行する。この処理では、小当りに該当した際の特別図柄に関する当選図柄に対応して遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は小当り時大入賞口開閉動作処理(図35および図30)に復帰する。
[大当り時大入賞口開閉動作処理]
図37は、大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5380:主制御CPU72は、主制御CPU72は、大入賞口30bを開放する。具体的には、大入賞口ソレノイド89に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。主制御CPU72は次にステップS5382を実行する。
ステップS5382:主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5386を実行する。
ステップS5386:主制御CPU72は、大入賞口30bの開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大入賞口30bについての開放タイマの値が0以下であるか否かを確認する。この確認の結果、大入賞口30bの開放時間が終了した場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。一方、大入賞口の開放時間が終了していない場合(No)、主制御CPU72は次にステップS5388を実行する。
ステップS5388:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。主制御CPU72は次にステップS5390を実行する。
ステップS5390:主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5380~ステップS5390の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5386で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5390でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5392を実行する。
ステップS5392:主制御CPU72は、大入賞口を閉止する。具体的には、大入賞口ソレノイド89に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。主制御CPU72は次にステップS5324を実行する。
ステップS5394:主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は先の処理(大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図32中)のステップS5222、または、特定領域通過時処理(図36中)のステップS5366)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。主制御CPU72は次にステップS5314を実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5395に進む。なお、ここでは特に図示していないが、インターバル時間が経過するまでの間(インターバルタイマ値が0になるまでの間)、割り込み毎に主制御CPU72はステップS5394から呼び出し元である可変入賞装置管理処理(図30)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5380からではなく直にステップS5394を実行する。
ステップS5395:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5396:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお、本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5380~ステップS5390までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5395で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5398に進むことになる。
ステップS5398:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、大入賞口開閉動作処理(図34)に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
[大入賞口閉鎖処理]
図38は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。なお、小当り中に特定領域30dを遊技球が通過し、小当りの終了後に大当り遊技が開始された場合、小当り時の大入賞口の開放を1ラウンド目として扱い、大当り遊技が開始される1回目のラウンドは2ラウンド目として扱われる。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1~7、1~10)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の6、または、9)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図30中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402~ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(15回または16回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
[小当り時]
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図33中のステップS5258)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する(ステップS5408)。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図30中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401~ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。本実施形態では、開放回数が1回に設定されているため、可変入賞装置30の開閉動作は繰り返し実行されずに終了する。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
[終了処理]
図39は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図14中のステップS2414)や、先の特定領域通過時処理中の特定領域通過時図柄別時間短縮機能設定処理(図36中のステップS5370)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時間短縮回数を設定する。本実施形態では、普通図柄の変動回数または特別図柄の変動回数が所定回数(図18、図23参照)に達することが時短状態の終了条件となっている。そして、時短状態において特別図柄の変動回数をカウントするための第1回数切りカウンタと、時短状態において普通図柄の変動回数をカウントするための第2回数切りカウンタとがRAM76の時短カウント領域に設けられている。そして、本処理では、時短状態の種類に応じた値が第1回数切りカウンタおよび第2回数切りカウンタに時間短縮回数(以下、時短回数と略することがある)として設定される。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行せず、ステップS5514に進む。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、フラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセットまたは大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、時短フラグがセットされていれば、内部状態として時短状態の種類に応じて「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り中」を消去する。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。主制御CPU72は次にステップS5524を実行する。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図13中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
[普通図柄遊技処理]
次に、割込管理処理(図9)の中で実行される普通図柄遊技処理の詳細について説明する。図40は、普通図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。普通図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1001)、普通図柄変動前処理(ステップS2001)、普通図柄変動中処理(ステップS3001)、普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)、可変始動入賞装置管理処理(ステップS5001)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って普通図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1001:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2001~ステップS5001のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして普通図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(普通図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ普通図柄が変動表示を開始していない状況であれば(普通図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として普通図柄変動前処理(ステップS2001)を選択する。一方、既に普通図柄変動前処理が完了していれば(普通図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として普通図柄変動中処理(ステップS3001)を選択し、普通図柄変動中処理まで完了していれば(普通図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2001:普通図柄変動前処理では、主制御CPU72は普通図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3001:普通図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、普通図柄表示装置33の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各ドットに対してONまたはOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって普通図柄の変動表示が行われる。
ステップS4001:普通図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各ドットに対してONまたはOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより普通図柄の停止表示が行われる。
ステップS5001:可変始動入賞装置管理処理は、先の普通図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で普通図柄が停止表示された場合に選択される。
[普通図柄変動前処理]
図41は、普通図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2600:先ず主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。普通図柄の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72は処理を終了する。
これに対し、普通図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2602を実行する。
ステップS2602:主制御CPU72は、普通図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(普通図柄変動用乱数値)を読み出す。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された乱数は、次の当り判定処理で内部抽選に使用される。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図9中のステップS210)の中で普通図柄作動記憶ランプ33aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2604を実行する。
ステップS2604:主制御CPU72は、当り判定処理(普図抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(普図抽選実行手段)。ここで、本実施形態では、普図抽選で当りに当選する確率が1分の1に設定されており、普図抽選が行われると必ず当りとなる。そして、主制御CPU72はステップS2606に進む。
ステップS2606:主制御CPU72は、停止図柄決定処理を実行する。乱数値と停止図柄の種類との関係は、予め普通図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、停止図柄決定処理において停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から図柄乱数に基づいて停止図柄の種類を決定することができる。そして、主制御CPU72は、普通図柄表示装置33による停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンドを生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。そして、主制御CPU72はステップS2608に進む。
ステップS2608:主制御CPU72は、決定された停止図柄がロング開放に該当するか、又はショート開放に該当するかを判定する。そして、主制御CPU72は、ロング開放の場合はロング開放フラグ(01H)をセットしてステップS2612に進み、ショート開放の場合はショート開放フラグ(01H)をセットしてステップS2610に進む。
なお、本実施形態では、時短状態でのみ停止図柄に応じてロング開放が選択可能になり、非時短状態では停止図柄に関わらずロング開放は選択されない構成となっている。すなわち、非時短状態ではショート開放のみが選択される。また、本実施形態では、停止図柄に応じてロング開放またはショート開放のいずれかを決定しているが、別の処理によりロング開放またはショート開放のいずれかを決定する構成としてもよい。
ステップS2610:次に主制御CPU72は、ショート開放時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、普通図柄について、ショート開放時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、普通図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。
本実施形態では、ショート開放に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「ショート開放時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
[普通図柄ショート開放時変動パターン選択テーブルの例]
図42は、図41のステップS2610で使用する普通図柄ショート開放時変動パターン選択テーブル(低確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、普通図柄抽選における低確率非時間短縮状態でのショート開放時(ショート開放に該当した場合)に使用するテーブルである。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」~「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」~「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」~「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数に応じて異なるテーブル内容としてもよい(以下、同様)。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて3.0秒~12.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒~150秒程度)に対応するものである。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
図43は、図42のステップS2610で使用する普通図柄ショート開放時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、普通図柄抽選における低確率時間短縮状態でのショート開放時(ショート開放に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「21」~「28」が割り当てられている。
変動パターン番号「21」~「25」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「26」~「28」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「22」を選択する。
[図41:普通図柄変動前処理を参照]
以上のステップS2610は、ショート開放時の制御手順であるが、判定結果がロング開放(ステップS2608:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。
ステップS2612:主制御CPU72は、ロング開放時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて普通図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、普図抽選の結果、ロング開放に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて当りとする制御を行っている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、ロング開放に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、特別リーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。また、時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択している。
[普通図柄ロング開放時変動パターン選択テーブルの例]
図44は、図42のステップS2612で用いられる普通図柄ロング開放時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。なお、本実施形態では、低確率非時間短縮状態ではロング開放は選択されないため、低確率非時間短縮状態用の普通図柄ロング開放時変動パターン選択テーブルは設けられていない。
この選択テーブルは、普通図柄抽選における低確率時間短縮状態でのロング開放当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「81」~「88」が割り当てられている。
変動パターン番号「81」~「88」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「82」を選択する。
[図41:普通図柄変動前処理を参照]
ステップS2616:次に主制御CPU72は、普通図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(ショート開放時/ロング開放時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に普通図柄の変動開始フラグをセットする。また、時短フラグの値(01H)がセットされている場合は、時短状態に応じた処理が実行される。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する普図用変動開始コマンドを生成する。普図用変動開始コマンドは、ステップS2405、ステップS2408、ステップS2412で決定した変動パターンを特定可能なコマンドである。この普図用変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は普通図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、普通図柄遊技処理に復帰する。
ステップS2618:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値管理処理を実行する。この処理において、主制御CPU72は、回数切りカウンタ値の値を更新する処理を実行する。なお、処理の詳細は後述する。また、このような処理は、普通図柄停止表示中処理の中で実行してもよい。
[図40:普通図柄変動中処理,普通図柄停止表示中処理]
普通図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数または割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように普通図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は普通図柄停止表示中処理(ステップS4001)を次のジャンプ先に設定する。
また、普通図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図41中のステップS2606)で決定した停止図柄に基づいて普通図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。普通図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
[普通図柄の変動時間]
図45(a)は、普通図柄の変動時間を示す説明図である。
図45(a)に示すように、非時間短縮状態では普通図柄の変動時間は30秒に設定されている。また、時間短縮状態では普通図柄の変動時間は0.5秒に設定されている。なお、普図抽選では、例えば「1」~「65536」の範囲の値が抽出され、当りとする乱数値は「1」~「65536」の範囲の値となっている。よって、普図抽選の当選確率は65536/65536、すなわち1/1となっている。
[可変始動入賞装置の開放パターン]
図45(b)は、可変始動入賞装置の開放パターンと普通図柄の種類と関係を示す説明図である。本実施形態では、普通図柄が変動表示されたときに停止し得る停止図柄として普通図柄1~5が設けられている。また、可変始動入賞装置28の開放パターンとしてショート開放とロング開放とが設けられている。ショート開放は、可変始動入賞装置28が0.044秒間開放される開放パターンである。ロング開放は、可変始動入賞装置28が0.1秒間開放された後に2.7秒のインターバルを置いて5.8秒間開放される開放パターンである。よって、実質的には、ショート開放のときに遊技球は入賞させることができず、ロング開放のときに遊技球を入賞させることが可能になる。
そして、図45(b)に示すように、非時短状態の場合は、普通図柄1が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。また、普通図柄2が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。また、普通図柄3が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。また、普通図柄4が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。また、普通図柄5が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。
よって、非時短状態である場合は、停止図柄としていずれの普通図柄が選択されてもロング開放となることがない(換言すると、非時時短状態ではショート開放のみが選択される)。
また、時短状態Bの場合は、普通図柄1が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。また、普通図柄2が停止図柄として選択されたときはロング開放となる。また、普通図柄3が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。また、普通図柄4が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。また、普通図柄5が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。
よって、時短状態Bである場合は停止図柄として普通図柄2が選択されたときにロング開放となる。
また、時短状態Aの場合は、普通図柄1が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。また、普通図柄2が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。また、普通図柄3が停止図柄として選択されたときはロング開放となる。また、普通図柄4が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。また、普通図柄5が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。
よって、時短状態Aである場合は停止図柄として普通図柄3が選択されたときにロング開放となる。
また、時短状態Cの場合は、普通図柄1が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。また、普通図柄2が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。また、普通図柄3が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。また、普通図柄4が停止図柄として選択されたときはロング開放となる。また、普通図柄5が停止図柄として選択されたときはショート開放となる。
よって、時短状態Cである場合は停止図柄として普通図柄4が選択されたときにロング開放となる。
[普通図柄の選択確率]
図46(c)は、図42のステップS2606での普通図柄の選択確率を示す説明図である。
図46(c)に示すように、本実施形態では、普通図柄の変動表示を行ったときの停止図柄の種類を決定するときは、例えば「1」~「65536」の範囲の値が抽出される。そして、普通図柄1が選択される確率は55111/65536(1/1.2)、普通図柄2が選択される確率は225/65536(1/291.3)、普通図柄3が選択される確率は10000/65536(1/6.6)、普通図柄4が選択される確率は180/65536(1/364.1)、普通図柄5が選択される確率は20/65536(1/3276.8)となるように判定値が振り分けられている。
[ロング開放の選択割合]
図46(d)は、普図抽選の結果、可変始動入賞装置28においてロング開放が選択される確率を示す説明図である。本実施形態では、図45(b)に示すように時短状態の種類に応じてロング開放が選択される普通図柄の種類が異なる。そして、図46(c)に示す確率で各普通図柄が選択される。
よって、図46(d)に示すように、ロング開放の選択確率は、時短状態Bである場合は1/291.3、時短状態Aである場合は1/6.6、時短状態Cである場合は1/364.1となる。なお、本実施形態では、大当り遊技中にも普図抽選が行われるが、大当り遊技中は時短状態Cと同一の抽選テーブルが用いられるため、大当り遊技中はロング開放の選択確率は1/364.1となる。なお、大当り遊技中は時短状態とはせずに、通常状態(非時短状態)で使用する抽選テーブルを用いて抽選を行ってもよい。
[ゲームフロー]
図47は、パチンコ機において展開されるゲームフローについて説明する図である。パチンコ機1による遊技は、遊技者の操作に応じて遊技球を遊技領域9a内に打ち込む(発射する)ことで進行する。なお以下の説明では、適宜、図中の参照符号a~k等を括弧付きで示す。また、以下の説明で用いる「入賞」は、「検出された入球が有効なものとして扱われること」を意味している。以下、各内部状態または各契機に沿って内容を説明する。
例えば、遊技者がパチンコ機1で遊技を開始した当初は、パチンコ機1の内部状態(遊技状態)が「通常遊技中」の状態となっているものとする。本実施形態において「通常遊技中」の状態は、普通図柄(普図抽選)に関して「非時短状態(ロング開放非当選)」であり、かつ、特別図柄(内部抽選)に関して「非時短状態」であることを意味する。
通常状態(非時短状態)中には、遊技領域9aの左側を遊技球が流下するように遊技球を発射する左打ちにより遊技が行われる。そして、第1始動入賞口26に遊技球が入賞すると、第1特別図柄に関する内部抽選が実行され、その後所定の変動時間にわたる第1特別図柄の変動表示が開始される。
第1特別図柄に関する内部抽選の結果、小当り(7ラウンド小当り図柄)に当選すると(当選確率399分の1)、第1特別図柄の変動表示(停止表示)の終了後に小当り遊技が開始される。本実施形態では、小当り遊技中に遊技球が必ず特定領域30dを通過するので、小当り遊技に引き続き、大当り遊技(7ラウンド)が開始される(a)。
また、第1特別図柄に関する内部抽選の結果、大当り(7ラウンド大当り図柄2)に当選すると(当選確率319分の1)、第1特別図柄の変動表示(停止表示)の終了後に大当り遊技(7ラウンド)が開始される(b)。
また、第1特別図柄に関する内部抽選の結果、大当り(7ラウンド大当り図柄1)に当選すると(当選確率319分の1)、第1特別図柄の変動表示(停止表示)の終了後に大当り遊技(7ラウンド)が開始される(c)。
なお、第1特別図柄に関する内部抽選の結果、非当選(はずれ)に該当すると、小当り遊技や大当り遊技は開始されず、次の特別図柄の変動表示が可能な状態の準備が行われる。
大当り遊技は、遊技領域9aの右側を遊技球が流下するように遊技球を発射する右打ちにより遊技が行われる。大当り遊技が開始されると、可変入賞装置30が作動し、大当り時の第1特別図柄に関する当選図柄の種類に対応した開放パターンに基づいて大入賞口30bが開放される。そして、大当り遊技が終了すると、当選図柄に基づき、内部状態(遊技状態)を時短状態に設定する。このとき、7ラウンド小当り図柄または7ラウンド大当り図柄2の場合は時短状態Aに設定する(a,b)。一方、7ラウンド大当り図柄1の場合は時短状態Bに設定する(c)。なお、大当りに当選した場合に、5%の割合(5/100)で7ラウンド大当り図柄2が選択され、95%の割合(95/100)で7ラウンド大当り図柄1が選択される。
本実施形態において「時短遊技中」の状態は、普通図柄(普図抽選)に関して「時短状態(ロング開放当選可能)」であり、かつ、特別図柄(内部抽選)に関して「時短状態」であることを意味する。
時短状態Aは、普図抽選の当選確率が1分の1であり、ロング開放が行われる確率が1分の6.5である。そして、普図の変動回数が10000回のいずれかに達するか、特図2の変動回数が1回に達するか、特図1の変動回数と特図2の変動回数の合計が5回に達すると終了する。
時短状態Bは、普図抽選の当選確率が1分の1であり、ロング開放が行われる確率が1分の291.2である。普図の変動回数が200回のいずれかに達するか、特図2の変動回数が1回に達するか、特図1の変動回数と特図2の変動回数の合計が5回に達すると終了する。
時短状態中には、右打ちにより遊技が行われる。そして、始動ゲート20を遊技球が通過し、普図抽選で当選すると、可変始動入賞装置28が作動し、第2始動入賞口28bが開放される。なお、本実施形態では普図抽選の当選確率が1/1に設定されているため、始動ゲート20を遊技球が通過すると必ず第2始動入賞口28bが開放される。
第2始動入賞口28bが開放されたときに遊技球が入賞すると第2特別図柄に関する内部抽選が実行され、その後所定の変動時間にわたる第2特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、第2特別図柄に関する内部抽選の結果、非当選(はずれ)に該当することはなく、必ず小当りまたは大当りに当選する。
そして、時短状態Aまたは時短状態Bにおいて、第2特別図柄に関する内部抽選の結果、小当り(10ラウンド小当り図柄)に当選すると(当選確率1.003分の1)、第2特別図柄の変動表示(停止表示)の終了後に小当り遊技が開始される。本実施形態では、小当り遊技中に遊技球が必ず特定領域30dを通過するので、小当り遊技に引き続き、大当り遊技(10ラウンド)が開始される(d,f)。
また、時短状態Aまたは時短状態Bにおいて、第2特別図柄に関する内部抽選の結果、大当り(10ラウンド大当り図柄)に当選すると(当選確率319分の1)、第2特別図柄の変動表示(停止表示)の終了後に大当り遊技(10ラウンド)が開始される(e,g)。
本実施形態では、可変始動入賞装置28の開放パターンとしてショート開放またはロング開放のいずれかが選択される。そして、ショート開放が選択されたときは第2始動入賞口28bに遊技球を入賞させることが不可能であるが、ロング開放のときは第2始動入賞口28bに遊技球を入賞させることが可能になる。そして、ロング開放が行われたときには、第2始動入賞口28bに複数の遊技球を入賞させることが可能になるため、第2特別図柄の変動表示の保留(以下、特図保留とも称する)が発生しやすくなる。なお、第2始動入賞口28bでは3個の特図保留を上限に記憶させることが可能であり、一度に4個の遊技球を入賞させることが可能である。
そして、可変始動入賞装置28のロング開放が行われ、上限である4個の遊技球が第2始動入賞口28bに入賞した場合は、まず、1個目の入賞に基づいて小当りまたは大当りが発生して大当り遊技状態に制御される。そして、当該大当り遊技状態が終了した後の1変動目で1個目の特図保留が消化されて再度小当りまたは大当りが発生して大当り遊技状態に制御される。そして、1個目の特図保留に基づく大当り遊技状態が終了した後の1変動目で2個目の特図保留が消化されて再度小当りまたは大当りが発生して大当り遊技状態に制御される。そして、2個目の特図保留に基づく大当り遊技状態が終了した後の1変動目で3個目の特図保留が消化されて再度小当りまたは大当りが発生して大当り遊技状態に制御される。
このため、ロング開放が行われたときに上限の4個の遊技球が第2始動入賞口28bに入賞した場合は、大当り遊技状態(1個目の入賞)→1変動目に小当りまたは大当り発生→大当り遊技状態(1個目の特図保留)→1変動目に小当りまたは大当り発生→大当り遊技状態(2個目の特図保留)→1変動目に小当りまたは大当り発生→大当り遊技状態(3個目の特図保留)→時短状態という流れで1変動を介して大当りを4連荘させることが可能である。これにより、10ラウンドの大当りで約1500発の賞球を得ることができるので、大当りが4連荘すると約6000発の遊技球を得ることができる。
なお、大当り連荘中の1変動は大当り遊技状態の終了後であるため、実際の遊技状態として時短状態に制御されるが、第2特別図柄の変動開始時に時短状態が終了する構成となっている。そして、3個目の特図保留の消化により大当りの連荘に係る最後の大当り遊技状態が終了すると、時短状態Cに設定する(h)。
時短状態Cは、普図抽選の当選確率が1分の1であり、ロング開放が行われる確率が1分の364.1である。普図の変動回数が100回のいずれかに達するか、特図2の変動回数が1回に達するか、特図1の変動回数と特図2の変動回数の合計が5回に達すると終了する。
そして、時短状態Cでロング開放が行われ、第2始動入賞口28bに遊技球が入賞した場合は、小当り(10ラウンド小当り図柄)または大当り(10ラウンド大当り図柄)が発生し、再度大当り遊技状態に制御される(i,j)。このとき、第2始動入賞口28bに4個の遊技球を入賞させると、上記したように大当りが4連荘する。そして、3個目の特図保留の消化により大当りの連荘に係る最後の大当り遊技状態が終了すると、再度時短状態Cに制御される。
また、時短状態Cでロング開放が行われることなく、第2始動入賞口28bに遊技球が入賞せずに時短状態Cの終了条件が満たされた場合は通常状態に制御される(k)。
[可変始動入賞装置の開放時間と第2特別図柄の変動時間について]
次に、本実施形態における可変始動入賞装置28の開放時間と第2特別図柄の変動時間との関係について説明する。
図48に示すように、可変始動入賞装置28(図中「電チュー」)の開放パターンとしてロング開放が選択された場合は、第2始動入賞口28bが開放時間t1(約10秒)にわたって開放される。そして、第2始動入賞口28bに1個目の遊技球が入賞(図中「N1」)したときに第2特別図柄の変動表示が開始されるが、第2特別図柄の変動時間t2は開放時間t1よりも長い時間に設定されている。よって、可変入賞装置30(図中「アタッカ」)の開放開始を可変始動入賞装置28の閉鎖後にすることができる。このため、第2特別図柄を変動表示している間に可変始動入賞装置28に複数(例えば、3個)の遊技球を入賞(図中「N2」~「N4」)させることができる。
本実施形態では、遊技球の流下経路上において、可変始動入賞装置28は可変入賞装置30の下流側に配置されている。よって、可変入賞装置30が開放された状態では、大半の遊技球が可変入賞装置30内に進入するため、可変始動入賞装置28まで流下する遊技球の数が減少する。そして、本実施形態では第2特別図柄が変動表示されると必ず小当りまたは大当りが発生する。
よって、図49に示すように、仮に、第2特別図柄の変動時間t2を可変始動入賞装置28の開放時間t1よりも短い時間に設定した場合、可変始動入賞装置28が開放して第2始動入賞口28bに1個目の遊技球が入賞し(図中「N1」)、当該入賞N1に基づいて小当りまたは大当りが発生すると、可変始動入賞装置28が開放している間に可変入賞装置30が開放開始される。
この場合には、遊技領域9aを流下する遊技球が可変入賞装置30内に進入(換言すると、アタッカに入賞)してしまい、可変始動入賞装置28に進入させることが困難になってしまう。よって、可変始動入賞装置28がロング開放されたにも関わらず、4個の遊技球を入賞させることができなくなってしまう。
また、小当り遊技や大当り遊技中はロング開放の当選確率が低い(時短状態Cと同一確率)ため、小当り遊技や大当り遊技中に可変始動入賞装置28に遊技球を進入させることは困難である。よって、時短状態中に可変始動入賞装置28のロング開放が行われたときに、複数の遊技球を進入させることができないと、大当りを連荘させることができなくなってしまう。
しかし、本実施形態では、第2特別図柄の変動時間t2を可変始動入賞装置28の開放時間t1よりも長い時間に設定しているので、可変入賞装置30(図中「アタッカ」)の開放開始を可変始動入賞装置28の閉鎖後にすることができる。このため、第2特別図柄を変動表示している間に可変始動入賞装置28に複数の遊技球を入賞させることができる。これにより、大当りを連荘させることができ、大量の賞球を得ることができるため、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態のロング開放では、0.1秒の開放後にインターバルを置いて5.8秒の開放(合計で約10秒)が行われる。そして、0.1秒の開放を契機に液晶表示器42において右打ちを行うことを示唆する右打ち表示が行われる。また、インターバル期間は遊技球を発射したときに可変始動入賞装置28に遊技球が到達するまでの期間を考慮して設定されている。そして、インターバル期間後の開放期間は4個の遊技球を入賞させることが可能な期間に設定されている。
[演出図柄の変動表示の具体例]
次に、液晶表示器42で行われる演出図柄の変動表示について具体的に説明する。パチンコ機1において特別図柄に関する内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(換言すると、変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる。
また、パチンコ機1において普図抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(換言すると、変動時間)を決定し、普通図柄による変動表示が行われる。
ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄、普通図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、上記のように演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
図50に示すように、演出図柄43には、例えば左演出図柄43L、中演出図柄43C、右演出図柄43Rの3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄は、例えば数字の「1」~「9」を表したものとなっている。ここで、左演出図柄43L、中演出図柄43C、右演出図柄43Rは、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
本実施形態では、演出図柄は特別図柄に対応する演出図柄(以下、特図用演出図柄と称することがある)と普通図柄に対応する演出図柄(以下、普図用演出図柄と称することがある)を含んでいる。そして、遊技状態に応じて特図用演出図柄または普図用演出図柄の変動表示が行われる。具体的には、通常状態および大当りの連荘中は特図用演出図柄の変動表示が行われる。時短状態は普図用演出図柄の変動表示が行われる。
そして、特図用演出図柄の表示態様と普図用演出図柄の表示態様は同一態様であり、特図用演出図柄と普図用演出図柄のいずれの変動表示が行われているかは演出図柄から識別することができない構成となっている。なお、図50では、第1特別図柄に対応する特図用演出図柄の変動表示が行われる例について説明するが、第2特別図柄に対応する特図用演出図柄の変動表示や普図用演出図柄の変動表示も同様の態様で行われる。また、特図用演出図柄の表示態様及び普図用演出図柄の表示態様は、識別が困難な態様であれば、同一態様でなくてもよい。例えば、形状が多少変形しているものや、色彩が微妙に異なるとうのもの、透明度が微妙に異なるもの、大きさが微妙に異なるものを挙げることができる。
図50は、特別図柄の変動表示および停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
[変動表示前]
図50中(a):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄または第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
また、液晶表示器42の画面下部には、第1特別図柄および第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これらマーカM1,M2は、特図用演出図柄が変動対象となっているときに表示可能となり、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。なお、図50中(a)の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)になることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している(記憶数表示演出実行手段)。
さらに、マーカM1は、普図用演出図柄が変動対象となっているときにも表示され(このときはマーカM2が非表示となる)、マーカM1の表示個数が対応する普通図柄の作動記憶数(普通図柄作動記憶ランプ33aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
また、液晶表示器42の画面右下のサブ表示領域Zには、ミニ図柄および第4図柄(図51参照)が表示されている。このミニ図柄および第4図柄は、左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、特別図柄および普通図柄の変動表示に同期して変動表示される。
図50中(b):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄43L、中演出図柄43C、右演出図柄43Rの列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また、マーカM1,M2は、変動開始前は、液晶表示器42の下方部分における帯状部分の変動前表示領域X1に表示されているが、変動開始後は、液晶表示器42の左下部分に表示されている台座画像による変動中表示領域X2に移動して、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで表示され続ける(当該変動中記憶表示演出)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
また、液晶表示器42の画面右下のサブ表示領域Zではミニ図柄および第4図柄が変動表示される。
図50中(c):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄43Lが変動を停止する。この例では、画面の左側位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
ここで、先の図50中(b)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ変動中表示領域X2に移動され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が消費されたということを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図50中(c)の例においては、記憶順で先頭にあったマーカM1が変動中表示領域X2に移動することにより、変動前表示領域X1での表示が残り3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へシフトする演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということや「作動記憶が消費されて特別図柄が変動中である」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
図50中(d):左演出図柄43Lに続いて、その後に右演出図柄43Rが変動を停止する。この例では、画面の中側位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
図50中(e):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄43Cが停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」-「1」-「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄およびミニ図柄は、はずれに対応する態様で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、変動中表示領域X2に移動して表示を継続していたマーカM1も非表示となる。したがって、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上述した例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様(例えば、「7」-「7」-「7」など、同一の数字が揃う態様)で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34または第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。また、小当り(当選)時には停止表示演出において演出図柄が小当りの態様(例えば、「1」-「3」-「5」など、一定の法則で小当りを連想させる態様)で停止表示される。
なお、本実施形態では、時短状態中は普図用演出図柄による変動表示が行われ、大当りの連荘中には特図用演出図柄による変動表示が行われるため、時短状態中にロング開放が選択され、第2始動入賞口28bに4個の遊技球が入賞した場合は、普図用演出図柄によりロング開放に当選したことが表示される。その後に右打ち表示が行われ、大当りの開始演出後に大当り遊技状態に移行する。そして、大当り遊技終了後の1変動目(大当りの連荘中の1変動)では特図用演出図柄により大当り図柄が停止表示される。よって、大当りが連荘する場合は、1回目の大当り遊技の開始に際しては特図用図柄による大当り図柄の停止表示は行われないが、連荘中の1変動中では特図用図柄による大当り図柄の停止表示が行われる。
[ミニ図柄および第4図柄の例]
次に、図50の液晶表示器42の画面内のサブ表示領域Zで表示されるミニ図柄および第4図柄について図51を用いて説明する。
図51(a)に示すように、ミニ図柄は、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄の両方を含む)に対応する特図用ミニ図柄300と、普通図柄に対応する普図用ミニ図柄302とを含む。特図用ミニ図柄300と普図用ミニ図柄302とは上下に並べて配置されている。具体的には、特図用ミニ図柄300が上段に配置され、普図用ミニ図柄302が下段に配置されている。特図用ミニ図柄300および普図用ミニ図柄302は演出図柄43よりも小さい演出図柄である。
特図用ミニ図柄300は、左ミニ図柄300L、中ミニ図柄300C、右ミニ図柄300Rの3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各ミニ図柄は、例えば数字の「1」~「9」を表したものとなっている。ここで、左ミニ図柄300L、中ミニ図柄300C、右ミニ図柄300Rは、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。なお、特図用ミニ図柄300および普図用ミニ図柄302は左右に配置するものでもよいし、液晶画面の四隅(左下→特図用ミニ図柄、右下→普図用ミニ図柄)に別々に表示するものでもよい。
同様に、普図用ミニ図柄302は、左ミニ図柄302L、中ミニ図柄302C、右ミニ図柄302Rの3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各ミニ図柄は、例えば数字の「1」~「9」を表したものとなっている。ここで、左ミニ図柄302L、中ミニ図柄302C、右ミニ図柄302Rは、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
なお、特図用ミニ図柄300は、白色の背景で左ミニ図柄300Lが緑色、中ミニ図柄300Cが青色、右ミニ図柄300Rが赤色で表示される。また、普図用ミニ図柄302は、青色の背景で左ミニ図柄302Lが薄い水色、中ミニ図柄302Cが紫色、右ミニ図柄302Rが黄色で表示される。すなわち、各ミニ図柄と背景色は互いに表示色が異なっている。このため、いずれの特別図柄または普通図柄のいずれに対応するミニ図柄の変動表示が行われているかを識別しやすくすることができる。なお、特図用ミニ図柄300および普図用ミニ図柄302が識別可能であれば、背景画像を同じ態様とするものでもよい。
そして、本実施形態では、特別図柄の変動表示に同期して特図用ミニ図柄300の変動表示が行われ、普通図柄の変動表示に同期して普図用ミニ図柄302の変動表示が行われる。また、特図用ミニ図柄300は特図用演出図柄と同一の数字が停止するように停止表示が行われ、普図用ミニ図柄302は普図用演出図柄と同一の数字が停止するように停止表示が行われる。なお、停止表示する図柄(数字)は、当りまたは外れの態様が識別可能であれば同一態様でなくともよい。
そして、演出図柄の変動表示が行われる図柄に対応するミニ図柄は赤色の変動対象報知枠304によって囲まれる。これにより、特別図柄または普通図柄のいずれに対応する演出図柄の変動表示が行われているかが示唆される。すなわち、特図用ミニ図柄300が変動対象報知枠304で囲まれているときには、特図用演出図柄の変動表示が行われていることが示唆される。一方、普図用ミニ図柄302が変動対象報知枠304で囲まれているときには、普図用演出図柄の変動表示が行われていることが示唆される。これにより、特図用演出図柄または普図用演出図柄のいずれの変動表示が行われているかを明確に表示することができる。なお、特図用演出図柄または普図用演出図柄のいずれの変動表示が行われているかを表示できれば、変動対象報知枠ではなく、単に対象の図柄を強調表示(明度を変更する、大きさを変更する、透明度を変更する等)するものでもよい。
また、液晶表示器42のサブ表示領域Z内の上部には、第1特別図柄(図中「特図1」)に対応する第4図柄306と、第2特別図柄(図中「特図2」)に対応する第4図柄308とが横並びに配置されている。
第4図柄306,308は「〇」および「×」を交互に表示することにより変動表示を実行する。そして、変動時間を終了した場合には、図柄確定期間の開始時に第4図柄の停止図柄を確定表示させる。この場合、大当りとなる場合には大当り図柄として「〇」が停止された状態で停止表示される。また、小当りとなる場合には小当り図柄として「△」が停止された状態で停止表示される。また、はずれとなる場合には「×」が停止された状態で停止表示される。
また、液晶表示器42の下部には、普通図柄(図中「普図」)に対応する第4図柄310が配置されている。この第4図柄310は、上記の左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」である。第4図柄310は「〇」および「×」を交互に表示することにより変動表示を実行する。そして、変動時間を終了した場合には、図柄確定期間の開始時に第4図柄の停止図柄を確定表示させる。この場合、ロング開放となる場合には大当り図柄として「〇」が停止された状態で停止表示される。また、ショート開放となる場合にははずれ図柄として「×」が停止された状態で停止表示される。なお、変動中に停止表示結果としては表示されない変動中図柄「-(バー)」等を表示するようにしてもよい。
なお、第4図柄306は第1特別図柄の変動表示に同期して濃い水色の背景で白色のマークで変動表示を実行する。第4図柄308は第2特別図柄の変動表示に同期して赤色の背景で白色のマークで変動表示を実行する。第4図柄310は普通図柄の変動表示に同期して緑色の背景で白色のマークで変動表示を実行する。すなわち、各第4図柄は互いに表示色が異なっている。このため、特別図柄1または特別図柄2、普通図柄のいずれに対応する第4図柄の変動表示が行われているかを識別しやすくすることができる。
[特図用ミニ図柄の変動表示]
図51(b)に示すように、例えば、特図用演出図柄の変動表示が行われる場合(本例では、第1特別図柄)は、変動対象報知枠304は特図用ミニ図柄300を囲む位置に移動する。そして、特別図柄の変動開始に同期して(換言すると、特図用演出図柄の変動開始に同期して)、液晶表示器42の表示画面上で特図用ミニ図柄300の3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左ミニ図柄300L、中ミニ図柄300C、右ミニ図柄300Rの列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。
また、特図用ミニ図柄300の変動表示中、液晶表示器42の画面上部では第4図柄306が変動表示されており、第4図柄306は、その「〇」と「×」を交互に変化させることで変動表示を表現している。
そして、最初に左演出図柄43Lの停止に同期して左ミニ図柄300Lを停止する。このとき、左演出図柄43Lと同一の数字図柄が停止する。次いで、左ミニ図柄300Lに続いて、その後に右演出図柄43Rの停止に同期して右ミニ図柄300Rが変動を停止する。そして、次いで、右ミニ図柄300Rに続いて、その後に中演出図柄43Cの停止に同期して中ミニ図柄300Cが変動を停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、ミニ図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。一方、大当り(当選)時や小当り当選時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出においてミニ図柄が大当りの態様や小当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34または第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。なお、第2特別図柄の変動表示が行われるときも同様に変動表示が行われる。
[普図用ミニ図柄の変動表示]
図51(c)に示すように、例えば、普図用演出図柄の変動表示が行われる場合は、変動対象報知枠304は普図用ミニ図柄302を囲む位置に移動する。そして、普通図柄の変動開始に同期して(換言すると、普図用演出図柄の変動開始に同期して)、液晶表示器42の表示画面上で普図用ミニ図柄302の3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(図柄演出実行手段)。すなわち、普通図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左ミニ図柄302L、中ミニ図柄302C、右ミニ図柄302Rの列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。
また、普図用ミニ図柄302の変動表示中、液晶表示器42の画面上部では第4図柄306が変動表示されており、第4図柄310は、その「〇」と「×」を交互に変化させることで変動表示を表現している。
そして、最初に左演出図柄43Lの停止に同期して左ミニ図柄302Lを停止する。このとき、左演出図柄43Lと同一の数字図柄が停止する。次いで、左ミニ図柄302Lに続いて、その後に右演出図柄43Rの停止に同期して右ミニ図柄302Rが変動を停止する。そして、次いで、右ミニ図柄302Rに続いて、その後に中演出図柄43Cの停止に同期して中ミニ図柄302Cが変動を停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、普通図柄がショート開放の態様で停止表示される場合、ミニ図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる。一方、ロング開放当選時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出においてミニ図柄が当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(普通図柄表示装置33の停止表示態様)に対応させて選択される。なお、ミニ図柄の停止表示は図柄が確定するまで全ての図柄を変動させ、図柄確定時に全ての図柄を同時に停止させるようにしてもよい。
[演出制御処理]
図52は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)およびその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。
なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、(特別図柄、普通図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄、普通図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動入賞口に入賞したことを示す始動口入賞音制御コマンド、デモ状態に移行したことを示すデモ演出用コマンド、内部抽選や普図抽選の結果を示す抽選結果コマンド、変動パターンを示す変動パターンコマンド、特別図柄や普通図柄が変動開始したことを示す変動開始コマンド、特別図柄や普通図柄の停止図柄を示す停止図柄コマンド、特別図柄や普通図柄が変動後の停止することを示す図柄停止時コマンド、遊技状態を示す状態指定コマンド、大当りのラウンド数を示すラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラーの発生およびエラーの種類を示すエラー通知コマンド、大当りの終了時のエンディング期間の演出を行うことを示す大当り終了演出コマンド、残りの時短回数を示す回数切りカウンタ値コマンド、保留された変動表示の変動パターンの判定結果を示す変動パターン先判定コマンド、図柄の変動終了時の停止表示時間が終了したことを示す停止表示時間終了コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や、マーカM1、M2を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において、演出制御CPU126は演出図柄の表示態様を初期設定したり(素材設定手段)、初期の設定を変化させたりする(素材設定変化手段)。また、この処理において演出制御CPU126は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄および第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146およびVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46,48,50~52や盤面ランプ53等を駆動(点灯または消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54a~54dから演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は演出用の可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。演出用の可動体は対応するソレノイドを駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、または単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
[演出図柄管理処理]
図53は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)および可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図13中のステップS5000)が選択された場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。また、演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は擬似変動(擬似連続予告)を実行する処理も実行する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(演出実行手段)。なお、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行することができる。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中または大当り中の演出内容を制御する(特別遊技演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば10ラウンド大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、10ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
[演出図柄変動前処理]
図54及び図55は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図52中のステップS404)、ランプ駆動処理(図52中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、遊技状態が通常状態(非時短状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、通常状態を示す状態指定コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、通常状態を示す状態指定コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS608を実行する。逆に、通常状態を示す状態指定コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。
ステップS606:大当りの連荘中であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当りの連荘中を示す状態指定コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当りの連荘中を示す状態指定コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS608を実行する。逆に、通常状態を示す状態指定コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、すなわち、時短状態を示す状態指定コマンドが保存されている場合、演出制御CPU126はステップS617aを実行する。
ステップS607a:演出制御CPU126は、普図用演出開始コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、普図用演出開始コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、普図用演出開始コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS607cを実行する。
一方、普図用演出開始コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS607bを実行する。
ステップS607b:演出制御CPU126は、特図用演出開始コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、特図用演出開始コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、特図用演出開始コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS608を実行する。演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。一方、特図用演出開始コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。
ステップS607c:演出制御CPU126は、普通図柄の変動パターンに基づいて、普図用ミニ図柄および普図の第4図柄の変動表示の変動パターンを選択する処理を実行する。これにより、通常状態および大当りの連荘中は、普図用演出図柄の変動表示が制限され、普図用演出図柄の変動表示が行われないが普図用ミニ図柄および普図の第4図柄の変動表示が行われる。本処理を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰し、そのまま演出制御処理に復帰する。
ステップS608:演出制御CPU126は、今回の特別図柄の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS616を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS608:No)、次に演出制御CPU126は、今回の特別図柄の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS614を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、特別図柄に対応する小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。すなわち、特図用演出図柄における小当り時の変動パターンを選択する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」~「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。また、本ステップにおいて、演出制御CPU126は、普通図柄の変動パターンに基づいて、普図用ミニ図柄および普図の第4図柄の変動表示の変動パターン(具体的には、変動パターン番号)を選択する処理を実行する。さらに、本ステップにおいて、演出制御CPU126は、変動対象報知枠が特図用ミニ図柄を囲む演出パターンを同時に選択する。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動表示演出や停止表示演出の内容)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS610で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、特別図柄に対応する大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。すなわち、特図用演出図柄における大当り時の変動パターンを選択する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」~「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。また、本ステップにおいて、演出制御CPU126は、普通図柄の変動パターンに基づいて、普図用ミニ図柄および普図の第4図柄の変動パターン(具体的には、変動パターン番号)を選択する処理を実行する。さらに、本ステップにおいて、演出制御CPU126は、変動対象報知枠が特図用ミニ図柄を囲む演出パターンを同時に選択する。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS608ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS616を実行する。
ステップS616:演出制御CPU126は、特別図柄に対応するはずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。すなわち、特図用演出図柄における、はずれ時の変動パターンを選択する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」~「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。また、本ステップにおいて、演出制御CPU126は、普通図柄の変動パターンに基づいて、普図用ミニ図柄および普図の第4図柄の変動パターン(具体的には、変動パターン番号)を選択する処理を実行する。さらに、本ステップにおいて、演出制御CPU126は、変動対象報知枠が特図用ミニ図柄を囲む演出パターンを同時に選択する。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。
以上の手順は遊技状態が通常状態および大当りの連荘中に該当した場合であるが、遊技状態が時短状態である場合、演出制御CPU126はステップS617aを実行する。
ステップS617a:演出制御CPU126は、特図用演出開始コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、特図用演出開始コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、特図用演出開始コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS617cを実行する。
一方、特図用演出開始コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS617bを実行する。
ステップS617b:演出制御CPU126は、普図用演出開始コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、普図用演出開始コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、普図用演出開始コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS618を実行する。一方、普図用演出開始コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。
ステップS617c:演出制御CPU126は、特別図柄の変動パターンに基づいて、特図用ミニ図柄と、特図1の第4図柄または特図2の第4図柄の変動表示の変動パターンとを選択する。これにより、時短状態では、特図用演出図柄の変動表示が制限され、特図用演出図柄の変動表示が行われないが特図用ミニ図柄と、特図1の第4図柄または特図2の第4図柄の変動表示が行われる。本処理を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰し、そのまま演出制御処理に復帰する。
ステップS618:演出制御CPU126は、今回の普通図柄の変動がショート開放に対応する変動であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、ショート開放の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、ショート開放の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS620を実行する。逆に、ショート開放の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るはロング開放の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS622を実行する。
ステップS620:演出制御CPU126は、普通図柄に対応するショート開放時変動演出パターン選択処理を実行する。すなわち、普図用演出図柄におけるショート時の変動演出パターンを選択する。ショート開放が実行されるときは遊技球が第2始動入賞口28bに入賞することがないので、ショート開放時変動演出パターンは、はずれになる変動パターンが選択される。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」~「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。また、本ステップにおいて、演出制御CPU126は、特別図柄の変動パターンに基づいて、特図用ミニ図柄と、特図1の第4図柄または特図2の第4図柄の変動パターン(具体的には、変動パターン番号)とを選択する。さらに、本ステップにおいて、演出制御CPU126は、変動対象報知枠が普図用ミニ図柄を囲む演出パターンを同時に選択する。
以上の手順は「ショート開放」に該当した場合であるが、ロング開放に該当した場合、演出制御CPU126はステップS618で「ロング開放」であることを確認する(No)。この場合、演出制御CPU126はステップS622を実行する。
ステップS622:演出制御CPU126は、普通図柄に対応するロング開放時変動演出パターン選択処理を実行する。すなわち、普図用演出図柄におけるロング時の変動パターンを選択する。ロング開放が実行されるときは遊技球が第2始動入賞口28bに入賞することが可能なので、ロング開放時変動演出パターンは、当りになる変動パターンが選択される。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」~「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。また、本ステップにおいて、演出制御CPU126は、特別図柄の変動パターンに基づいて、特図用ミニ図柄と、特図1の第4図柄または特図2の第4図柄の変動パターン(具体的には、変動パターン番号)とを選択する。さらに、本ステップにおいて、演出制御CPU126は、変動対象報知枠が普図用ミニ図柄を囲む演出パターンを同時に選択する。
ステップS620やステップS622において、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動表示演出や停止表示演出の内容)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、ショート開放のときは「はずれ時の図柄の組み合わせ」、ロング開放のときは「当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
なお、図示を省略しているが、大当り遊技状態では普通図柄に対応する演出図柄の変動パターンを選択する。このとき、特別図柄に対応する演出図柄は非表示にする。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図45中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出および停止表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
なお、図54及び図55において、通常状態及び大当りの連荘中に普図用変動開始コマンド受信した場合および時短状態中に特図用変動開始コマンドを受信した場合に演出図柄の実行を制限しているが、演出図柄の変動中や停止表示中、すなわち図53のステップS504やステップS506においても同様の処理により演出図柄の実行が制限される。よって、演出図柄の実行が制限されている場合には、ミニ図柄および第4図柄の変動表示のみが行われる。
なお、演出制御CPU126は、第1特別図柄に対応する特図用演出図柄の変動パターンを選択するときは通常状態であるので、通常演出画面の演出データを選択する。また、第2特別図柄に対応する特図用演出図柄の変動パターンを選択するときは大当りが発生することが確定する状態であるので、大当り準備画面の演出データを選択する。また、普通図柄に対応する普図用演出図柄の変動パターンを選択するときは時短状態であるので、時短演出画面の演出データを選択する。
通常演出画面、大当り準備画面、時短演出画面の演出データを選択するときはそれぞれの画面で表示する演出も選択される。そして、演出制御CPU126は、その後の演出図柄変動中処理(図45中のステップS504)において、選択した演出画面を表示するとともに、選択した演出を実行する。
[変動対象の演出図柄の示唆]
次に、遊技状態に応じて変動対象の演出図柄を示唆するときの具体例について説明する。本実施形態では、図54及び図55のようにミニ図柄および第4図柄の変動パターンを選択することによって図56に示すように変動対象となるミニ図柄が変動表示される。
図56(a)に示すように、遊技状態が通常状態のときは変動対象の演出図柄は特図用演出図柄になる。よって、変動対象報知枠304は特図用ミニ図柄300を囲む位置に移動する。
図56(b)に示すように、遊技状態が時短状態のときは、変動対象の演出図柄は普図用演出図柄になる。よって、変動対象報知枠304は普図用ミニ図柄302を囲む位置に移動する。
図56(c)に示すように、遊技状態が大当りの連荘中(大当り遊技状態間の1変動)のときは、変動対象の演出図柄は特図用演出図柄になる。よって、変動対象報知枠304は特図用ミニ図柄300を囲む位置に移動する。
図56(d)に示すように、遊技状態が大当り遊技状態のときは、変動対象の演出図柄は普図用演出図柄になる。よって、変動対象報知枠304は普図用ミニ図柄302を囲む位置に移動する。また、遊技状態が大当り遊技状態のときは特別図柄の変動表示が行われないので、特図用ミニ図柄303は非表示となる(第4図柄306,308のみ継続表示される)。このとき、演出図柄の確定表示時に非表示となる。そして、大当り遊技状態では時短状態Cと同一の確率でロング開放が行われるので、普図用ミニ図柄302では、普図抽選の結果がロング開放またはショート開放に応じた変動表示および停止表示が行われる。
このように、遊技状態に応じて特図用演出図柄または普図用演出図柄の変動表示を同一の演出図柄43によって行うように構成した場合でも変動対象報知枠304によって特図用ミニ図柄300または普図用ミニ図柄302を囲むことにより、特図用演出図柄または普図用演出図柄のいずれが変動表示されているかを明確に表示することができる。よって、遊技の内容を分かりやすくすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、特図用ミニ図柄300、普図用ミニ図柄302、第4図柄306,308,310は、演出用の可動体が可動したときに可動体によって視認性が低下することのない位置に配置されており、また、液晶表示器42の画像の表示に関して最も上位のレイヤーで表示される。これにより、状況を問わず遊技の内容を明確にすることができる。
また、本実施形態において、例えば、第1始動入賞口26や第2始動入賞口28bに遊技球を入賞させつつ始動ゲート20を遊技球が通過させた場合や、特別図柄の保留記憶と普通図柄の保留記憶がある場合など、特別図柄と普通図柄の同時変動が行われることがある。
この場合には、遊技状態に対応しない図柄(すなわち、演出図柄の変動表示を行わない図柄)に関しては、当該図柄の変動表示が行われているときは、演出図柄の変動表示は行わないがミニ図柄および第4図柄の変動表示は行うように構成することが可能である。そして、デモ演出用コマンドを受信したときにはデモ画面を表示するように構成することが可能である。
また、遊技状態に対応しない図柄(すなわち、演出図柄の変動表示を行わない図柄)が特定の抽選結果(大当り、小当り、ロング開放、普図当り)になった場合でも、デモ画面の表示中であるときは、デモ画面の表示を継続するように構成することが可能である。
なお、本発明を適用する場合において、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示するように構成し、遊技状態に応じて第1特別図柄に対応する演出図柄または第2特別図柄に対応する演出図柄の変動表示を行うように構成し、さらに、いずれの演出図柄の変動表示が行われているかを、主制御CPU72が制御する第1特別図柄表示装置34および第2特別図柄表示装置35によって示唆する構成とすることが可能である。この場合にも同様の構成とすることが可能である。遊技状態に対応しない図柄(すなわち、演出図柄の変動表示を行わない図柄)に関しては、当該図柄の変動表示が行われているときは、演出図柄の変動表示は行わないがミニ図柄および第4図柄の変動表示は行うように構成することが可能である。そして、デモ演出用コマンドを受信したときにはデモ画面を表示するように構成することが可能である。また、遊技状態に対応しない図柄(すなわち、演出図柄の変動表示を行わない図柄)が特定の抽選結果(大当り、小当り)になった場合でも、デモ画面の表示中であるときは、デモ画面の表示を継続するように構成することが可能である。
[演出画面の切り替えタイミングについて]
次に、本実施形態において時短状態から通常状態に移行したときの演出画面の切り替えタイミングについて説明する。本例では、時短状態Aから通常状態に移行するときの例について説明する。
図57に示すように、時短状態Aでは、時短演出画面が液晶表示器42から表示される。時短演出画面は普図用演出図柄の変動表示が実行可能な演出画面である。そして、時短状態において第1特別図柄の変動回数が5回になって時短終了条件が充足されることで時短状態Aが終了する。そして、5回目の第1特別図柄の変動が終了して、5回目の第1特別図柄の変動終了後の図柄確定時間が経過することで遊技状態が時短状態Aから通常状態に変更される。通常状態に制御されると、液晶表示器42では時短演出画面から通常演出画面に切り替えられる。このとき、普図用演出図柄の変動表示が行われているか否かに関わらず、通常演出画面に切り替えられる。よって、普図用演出図柄の変動表示中であっても通常演出画面に切り替えられる。通常演出画面は特図用演出図柄の変動表示が実行可能な演出画面である。
この場合に、第1特別図柄の停止前から普通図柄の変動表示(図4の普通図柄表示装置33による変動表示)が開始され、通常状態に制御された後も変動表示が継続されているとする。この普通図柄の変動表示は時短状態中に始動ゲート20を遊技球が通過して普図抽選が行われたことに基づくものである。そして、本実施形態では、通常状態における普図抽選ではショート開放のみが選択されるが、時短状態における普図抽選ではロング開放が選択されることがある。よって、通常状態に制御された後であってもロング開放になることがある。
そして、普図抽選でロング開放に当選しており、通常状態に制御されてからも継続していた普通図柄の変動表示が停止したときにロング開放に対応する図柄(図45(b)に示す普通図柄2)が停止したとする。この場合、通常演出画面であるが、液晶表示器42の一部の画面表示領域(以下、小ウインドウとも称する)において、可変始動入賞装置28に向けて遊技球を発射させることを促す(すなわち、右打ち操作を促す)右打ち促進画面を表示する。これにより、通常状態で左打ち操作を行っている遊技者が右打ち操作に切り替えることにより、ロング開放された可変始動入賞装置28(すなわち、第2始動入賞口28b)に遊技球が入賞させることができる。すなわち、通常演出画面における特図用演出図柄の変動表示に並行して、右打ち促進画面(第2始動口入賞示唆画像)を表示するものである。
この後、第2始動入賞口28bに遊技球が入賞すると、当該入賞に基づいて第2特別図柄の変動表示が開始される。本例では、4個の遊技球が入賞(入賞N1~N4)した例を示しているが、1個目の入賞N1に基づいて第2特別図柄の変動表示が開始される。そして、本実施形態では、第2始動入賞口28bに遊技球が入賞した場合には、必ず小当りか大当りになり、小当りであっても大当りに発展する構成となっているので、液晶表示器42では第2特別図柄が変動開始されたときに通常演出画面から大当り準備画面に切り替えられる。大当り準備画面は液晶表示器42の全体の画像表示領域で表示される。そして、大当り準備画面では、大当りの開始を予告する画像や右打ちを促す画像が表示される。
すなわち、第1特別図柄に対応する特図用演出図柄の変動表示中であっても、大当り準備画面(第2特別図柄にかかる演出画像)に切り替えられるものである。なお、大当り準備画面において右打ちを促す画像は、第1特別図柄に対応する特図用演出図柄の変動表示中に並行して表示されていた画像と同じ画像を表示するものでもよいし、別の画像を表示するものでもよい。
なお、時短状態での普図抽選でショート開放に当選しており、通常状態に制御されてから継続していた普通図柄の変動表示が停止したときにショート開放に対応する図柄が停止した場合は、第2始動入賞口28bに遊技球が入賞することがなく、これにより、大当りが発生することがないので、液晶表示器42では継続して通常演出画面の表示が継続される。
[演出画面の切り替えの具体例]
次に、図57で説明した液晶表示器42で行われる演出画面の切り替えについて、図58及び図59を用いて具体的に説明する。パチンコ機1において特別図柄に関する内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(換言すると、変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる。
[変動表示前]
図58中(a):例えば、時短状態Aでは時短演出画面500が表示される。時短演出画面では、特別図柄の変動表示(図4に示す第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35による変動表示)中か否かに関わらず、普通図柄の変動表示(本実施形態では、図4の普通図柄表示装置33による変動表示)が行われていない状態では普図用演出図柄(図中の演出図柄43)は停止表示された状態になっている(本例では「467」)。
図58中(b):そして、普通図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で普図用演出図柄の変動表示が行われる(図中の矢印)。このとき、液晶表示器42の画面右下のサブ表示領域Zでは、普通図柄に対応する普図用ミニ図柄302および第4図柄310が変動表示される。また、このとき、第1特別図柄の変動表示が行われているとする。この場合に、特図用演出図柄の変動表示が行われないが、特別図柄に対応する特図用ミニ図柄300および第4図柄306が変動表示される。
図58中(c):そして、普図用演出図柄の変動表示中にリーチ予告演出が行われることがある。本例では、「敵を撃破せよ!」と表示され、リーチが発生すること及びこれに伴うリーチ演出が実行されることが予告される。
図58中(d):次いで、特別図柄に対応する特図用ミニ図柄300および第4図柄306がはずれ図柄(図中「156」)で停止し、第1特別図柄の変動表示の回数が5回になると、時短状態Aから通常状態に制御される。このとき、普図用演出図柄の変動表示中であっても時短演出画面500から通常演出画面502に切り替えられる。このため、普図用演出図柄の変動表示による表示結果が導出されることなく、普図用演出図柄の変動表示は強制的に終了となる。
このとき、普図用演出図柄の変動表示は終了するが普通図柄の変動表示が継続して行われる。そして、液晶表示器42の画面上では左打ち操作を促す左打ち促進画面504が表示される。これにより、遊技者は時短状態中の右打ち操作から左打ち操作に切り替える。なお、この場合においては、通常演出画面に切り替えられても普図用ミニ図柄302および第4図柄310の変動表示は継続して行われる。すなわち、普図用演出図柄の変動表示は終了するが、普通図柄の変動表示および普図用ミニ図柄302および第4図柄310の変動表示は通常状態においても継続して実行されるものである。
図58中(e):左打ち促進画面504の表示を開始してから所定時間が経過すると特図用演出図柄(図中の演出図柄43)が停止表示された状態に切り替わる(本例では「156」)。
図59中(f):通常演出画面502に切り替えられた後に時短状態から継続して変動表示されていた普通図柄の変動表示が停止し、ロング開放に対応する図柄(図45(b)に示す普通図柄2)が停止したとする。このとき、可変始動入賞装置28はロング開放される。
この場合に、液晶表示器42の画像表示領域の一部に小ウインドウ506が表示される。すなわち、ロング開放に対応する普通図柄が停止表示されたことを契機にして、時短状態時に実行可能とする右打ち促進画面が通常状態に対応する通常演出画面に重畳表示されるようになっている。そして、小ウインドウ506において、可変始動入賞装置28に向けて遊技球を発射させることを促す右打ち促進画面508(特別打分け示唆表示)を表示する。なお、小ウインドウ506内に表示される画像は、時短状態から通常状態に移行するにあたり普図変動による時短終了条件以外の条件成立時にのみ実行される特別な画像となっている。具体的には「右打ち READY」と表示される。これにより、通常状態で左打ち操作を行っている遊技者が右打ち操作に切り替えることにより、ロング開放された可変始動入賞装置28(すなわち、第2始動入賞口28b)に遊技球が入賞させることができる。
なお、本例では、小ウインドウ506外の領域でも右打ち状態(時短状態・当り状態)に移行する場合に常に表示される右打ちを促す文字画像(図中「右打ちしてください」:通常打分け示唆表示)が表示される。なお、普図用ミニ図柄302および第4図柄310の変動表示は普通図柄の停止に同期して停止する。そして、ロング開放に対応する図柄が停止する。
図59中(g):次いで、所定時間(例えば、2秒)が経過すると右打ち促進画面508の態様が変化する。具体的には「右打ち FIRE」と表示される。
図59中(h):そして、所定時間(例えば、1秒)が経過すると右打ち促進画面508の態様がさらに変化する。具体的には「右打ち 狙え!」と表示される。このように、右打ち促進画面508の表示態様は段階的に変化する。これにより、遊技者は、右打ち操作を行うことをより明確に認識することができる。また、遊技者に直接的に指示するような画像(「右打ち 狙え!」)を、他の右打ち促進画面よりも長くしていることで、右打ち操作を遊技者に明確に伝えることができる。
図59中(i):次いで、ロング開放された可変始動入賞装置28に遊技球が入賞し、第2特別図柄の変動表示が開始されると、小ウインドウ42cでの右打ち促進画面508の表示が終了する。そして、右打ち促進画面508の表示が終了すると通常演出画面から画面表示領域全体(全画面)による大当り準備画面510に切り替えられる。大当り準備画面には、右打ちを促す文字510a(図中「CHARGE」)、大当りが開始されることを予告する文字510b(図中「1ラウンド開始準備」)、可変始動入賞装置28への入賞数を示すメータ510cが含まれる。
なお、大当り準備画面510に切り替えられる際には、通常演出画面502よりも上位のレイヤに大当り準備画面510を表示するものでもよいし、通常演出画面502を消去して大当り準備画面510を表示するものでもよい。また、ロング開放された可変始動入賞装置28への遊技球の入賞を契機に、右打ち促進画面508の表示を、さらに表示領域を大きくしたり、右打ち促進画面508(「右打ち 狙え」)から右打ちを促す文字510a(「CHARGE」)に変更する等、異なる態様の右打ち促進画面に切り替えるものであってもよい。
以上のように、時短状態においては、演出図柄として普通図柄に対応する普図用演出図柄の変動表示が行われる。よって、時短状態では普通図柄が主たる図柄といえる。そして、時短状態で主たる図柄でない特別図柄の変動表示に基づいて時短状態が終了した場合は普通図柄の変動中であっても時短演出画面から通常演出画面に切り替える。また、通常演出画面の表示中に普通図柄でロング開放に当選しても、可変始動入賞装置28への入賞を契機に大当り準備画面を表示する。このように、主たる図柄でない特別図柄の変動表示により時短状態が終了しても演出画面は状況(ロング開放の当選タイミング、第2特別図柄の変動開始タイミング)に応じてスムーズに遷移する。よって、遊技者に違和感を抱かせることがなく、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本例では、普図抽選の当選確率を1分の1としてロング開放又はショート開放のいずれかを決定する例を挙げたが、普図抽選の抽選結果に応じて可変始動入賞装置28を開放するか否かを決定してもよい。このように構成した場合でも、時短演出画面から通常演出画面に切り替えた後に時短状態から継続して変動表示されている普通図柄が当り図柄で停止し、可変始動入賞装置28を開放するときに、小ウインドウで右打ち促進画面を表示することが可能である。
[レールの構成]
次に、遊技盤9において案内通路18の同様の案内通路を形成するための外レール803の取り付け方法について説明する。
図60~図62に示すように遊技盤9には、遊技領域を確定するとともに外レール803を取り付けるためのレールベース801が取り付けられている。これにより、遊技盤9の前面側に遊技領域9aが形成されている。
そして、遊技盤9には、レールベース801を介して外レール803が取り付けられている。外レール803は、可撓性のある部材(例えば、アルミニウム)で矩形板状に形成されている。
そして、外レール803は、レールベース801のガイド面801aに一面側が取り付けられている。レールベース801の内面は上方側が頂点となるように略円弧状に屈曲している。したがって、外レール803をレールベース801に取り付けると、外レール803は上方側が頂点となるように略円弧状に屈曲した状態となる。また、レールベース801のガイド面801aは遊技球が前方向に流れにくくなるように手前側から奥側に向かって傾斜している。そして、発射装置により発射された遊技球(図30中A)は外レール803によって遊技領域802に案内される。
外レール803には、遊技盤9に対して位置決めするための位置決め孔803aが形成されている。位置決め孔803aは、外レール803の長手方向に沿って離間するように複数個所に形成されている。位置決め孔803aの配置間隔が均等にならないように位置が決められている。
そして、外レール803は、位置決め孔803aをレールベース801の内面に設けられている位置決め突起801bに挿入することにより、遊技盤9に対して位置決めされる。
そして、外レール803が遊技盤9に取り付けられた状態において、外レール803の一端側(換言すると、発射装置側)の始端803bから左端803cまでの範囲を第1の範囲H1とし、外レール803の左端803cから上端803dまでの範囲を第2の範囲H2とし、外レールの上端803dから他端側の終端803eまでの範囲を第3の範囲H3として設定する。
この場合に、変形例7では、第1の範囲H1に形成された位置決め孔803aの数(例えば、3個)の方が第2の範囲H2に形成された位置決め孔803aの数(例えば、2個)より多く、第2の範囲H2に形成された位置決め孔803aの数(例えば、2個)の方が第3の範囲H3に形成された位置決め孔803aの数(例えば、0個)よりも多くなっている。なお、本実施形態では、位置決め孔803aは、第3の範囲H3に形成されておらず、また、外レール803の左端803cおよび上端803dには形成されていない。さらに、位置決め孔803aは、遊技領域802に向けて発射された遊技球が接触しない位置に形成されている。
このように、変形例7では、遊技球から受ける衝撃が大きく、かつ、外レール803の配置について特に正確さが求められる発射装置側に位置決め孔803aの数を多くしているので、発射装置側の外レール803のずれや振動を確実に防止することができる。また、遊技球から受ける衝撃が小さく、かつ、遊技に与える影響が少ない終端側は位置決め孔803aの数を少なくしているので、外レール803の加工やレールベース801への取り付けを容易にすることができる。また、位置決め孔803aは、遊技球が接する可能性の高い外レール803の左端803cおよび上端803dには形成されていないので、外レール803のずれや振動を確実に防止することができる。
なお、位置決め孔803aの数について、上述した構成以外の構成としても同様の効果を得ることが可能である。
例えば、第1の範囲H1に形成された位置決め孔803aの数は第2の範囲H2に形成された位置決め孔803aの数以上であり、第2の範囲H2に形成された位置決め孔803aの数は第3の範囲H3に形成された位置決め孔803aの数以上にすることが可能である。
また、例えば、第1の範囲H1に形成された位置決め孔803aの数は第3の範囲H3に形成された位置決め孔803aの数以上であり、第2の範囲H2に形成された位置決め孔803aの数は第3の範囲H3に形成された位置決め孔803aの数以上にすることが可能である。
また、例えば、第1の範囲H1に形成された位置決め孔803aの数は、第2の範囲H2に形成された位置決め孔803aの数以上、かつ第3の範囲H3に形成された位置決め孔803aの数以上にすることが可能である。
また、外レール803が遊技盤9に取り付けられた状態において、外レール803の一端側(換言すると、発射装置側)の始端803bから左端803cまでの範囲を第4の範囲H4とし、外レール803の左端803cから他端側の終端803eまでの範囲を第5の範囲H5として設定する。この場合に、第4の範囲H4に形成された位置決め孔803aの数(例えば、3個)の方が第5の範囲H5に形成された位置決め孔803aの数(例えば、2個)より多くすることが可能である。
また、外レール803が遊技盤9に取り付けられた状態において、外レール803の一端側(換言すると、発射装置側)の始端803bから上端803dまでの範囲を第6の範囲H6とし、外レール803の上端803dから他端側の終端803eまでの範囲を第7の範囲H7として設定する。この場合に、第6の範囲H6に形成された位置決め孔803aの数(例えば、6個)の方が第7の範囲H7に形成された位置決め孔803aの数(例えば、0個)より多くすることが可能である。
また、外レール803が遊技盤9に取り付けられた状態において、外レール803の一端側(換言すると、発射装置側)の始端803bから外レール803の中間点までの範囲を第8の範囲H8とし、外レール803の中間点から他端側の終端803eまでの範囲を第9の範囲H9として設定する。この場合に、第8の範囲H8に形成された位置決め孔803aの数(例えば、4個)の方が第9の範囲H9に形成された位置決め孔803aの数(例えば、1個)より多くすることが可能である。
以上のような構成とすることにより、変形例7は下記(A)~(T)に示す発明を含むものである。
(A)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲と設定し、
前記外レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲と設定し、
前記外レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲と設定し、
前記第1の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数よりも多く、前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第3の範囲に形成された前記所定の案内部の数よりも多いことを特徴とする遊技機。
(B)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲と設定し、
前記外レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲と設定し、
前記外レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲と設定し、
前記所定の案内部は、前記第3の範囲には形成されていないことを特徴とする遊技機。
(C)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲と設定し、
前記外レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲と設定し、
前記外レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲と設定し、
前記第1の範囲に形成された前記所定の案内部の数は前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数以上であり、前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数は前記第3の範囲に形成された前記所定の案内部の数以上であることを特徴とする遊技機。
(D)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲と設定し、
前記外レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲と設定し、
前記外レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲と設定し、
前記第1の範囲に形成された前記所定の案内部の数は前記第3の範囲に形成された前記所定の案内部の数以上であり、前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数は前記第3の範囲に形成された前記所定の案内部の数以上であることを特徴とする遊技機。
(E)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲と設定し、
前記外レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲と設定し、
前記外レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲と設定し、
前記第1の範囲に形成された前記所定の案内部の数は前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数以上、かつ前記第3の範囲に形成された前記所定の案内部の数以上であることを特徴とする遊技機。
(F)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から左端までの範囲を第4の範囲と設定し、
前記外レールの左端から終端までの範囲を第5の範囲と設定し、
前記第4の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第5の範囲に形成された前記所定の案内部の数より多いことを特徴とする遊技機。
(G)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から上端までの範囲を第6の範囲と設定し、
前記外レールの上端から終端までの範囲を第7の範囲と設定し、
前記第6の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第7の範囲に形成された前記所定の案内部の数より多いことを特徴とする遊技機。
(H)遊技を行うことが可能な遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技盤に設けられた外レールと、を備え、
前記外レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部が複数形成されており、
前記外レールが遊技盤に設けられた状態において、
前記外レールの始端から中間までの範囲を第8の範囲と設定し、
前記外レールの中間から終端までの範囲を第9の範囲と設定し、
前記第8の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が第9の範囲に形成された前記所定の案内部の数より多いことを特徴とする遊技機。
(I)前記所定の案内部は、前記外レールの左端および上端には形成されていないことを特徴とする(A)から(H)のうちのいずれかに記載の遊技機。
(J)前記所定の案内部は、遊技球が接触しない位置に形成されていることを特徴とする(A)から(I)のうちのいずれかに記載の遊技機。
(K)前記外レールは、前記遊技盤に取り付けられたレールベースのガイド面に沿うように支持されており、レールベースのガイド面は、遊技球が前方向に流れにくくなるように傾斜していることを特徴とする(A)から(J)のうちのいずれかに記載の遊技機。
(L)前記所定の案内部は、配置間隔が均等ではないことを特徴とする(A)から(J)のうちのいずれかに記載の遊技機。
[上記実施形態の効果]
(a)上記実施形態では、識別情報の可変表示を実行可能な遊技機(本例では、パチンコ機1)であって、
前記識別情報の可変表示に基づき、演出用識別情報(本例では、演出図柄43)の可変表示を実行可能な演出用可変表示手段と、
第1状態(本例では、通常状態)と第2状態(本例では、時短状態)とに制御可能な状態制御手段と、を備え、
前記識別情報は、第1識別情報(本例では、特別図柄)と第2識別情報(本例では、普通図柄)とを含み、
前記演出用可変表示手段は、
前記第1状態では、前記第1識別情報の可変表示に対応する演出用識別情報(本例では、特図用演出図柄)の可変表示を実行可能であるとともに、前記第2識別情報の可変表示に対応する演出用識別情報(本例では、普図用演出図柄)の可変表示の実行を制限し(本例では、図54のステップS604,S606,S612,S614)、
前記第2状態では、前記第1識別情報の可変表示に対応する演出用識別情報(本例では、特図用演出図柄)の可変表示の実行を制限するとともに、前記第2識別情報の可変表示に対応する演出用識別情報(本例では、普図用演出図柄)の可変表示を実行可能であり(本例では、図54のステップS604,S606,S620,S622)、
前記演出用可変表示手段が実行している前記演出用識別情報の可変表示が、前記第1識別情報または前記第2識別情報のいずれに対応しているかを示唆する示唆手段(本例では、特図用ミニ図柄300、普図用ミニ図柄302,変動対象報知枠304)を備えた。
よって、演出用識別情報の可変表示が第1識別情報または第2識別情報のいずれに対応しているかが分かりやすくなるので、遊技の内容を理解しやすくなり、遊技の興趣を高めることができる。
(b)また、上記実施形態では、識別情報の可変表示を実行可能な遊技機(本例では、パチンコ機1)であって、
遊技球が進入可能な特別領域(本例では、第1始動入賞口26)と、
遊技球が進入可能な第1状態と、遊技球が進入不可能または前記第1状態よりも進入し難い第2状態とに変化可能な第1可変入賞手段(本例では、可変始動入賞装置28)と、
特定領域を有し、遊技球が進入可能な第1状態と、遊技球が進入不可能または前記第1状態よりも進入し難い第2状態とに変化可能な第2可変入賞手段(本例では、可変入賞装置30)と、
可変表示に関する情報を保留記憶として記憶する保留記憶手段(本例では、図10に示すステップS12、S16)と、を備え、
前記識別情報は、第1識別情報(本例では、第1特別図柄)と第2識別情報(本例では、第2特別図柄)とを含み、
前記特別領域(本例では、第1始動入賞口26)に遊技球が進入した場合に前記第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示が実行可能となり、
前記第1可変入賞手段(本例では、可変始動入賞装置28)内に前記遊技球が進入した場合に前記第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示が実行可能となり、
前記第1識別情報の可変表示または前記第2識別情報の可変表示の実行により特定表示結果(本例では、小当り図柄)が導出表示された場合に、前記第2可変入賞手段が前記第1状態に変化可能となり、
前記第2可変入賞手段内に進入した遊技球が前記特定領域に進入した場合に遊技者によって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能であり、
前記第2識別情報の可変表示が実行された場合のほうが前記第1識別情報の可変表示が実行された場合よりも前記特定表示結果が導出表示されやすく(本例では、第2特別図柄では小当りの当選確率が約1分の1であり、第1特別図柄では小当りの当選確率が約399分の1)、
前記遊技球の流下経路において、前記第1可変入賞手段は前記第2可変入賞手段よりも下流側に配置されており(本例では、図3)、
通常状態と、該通常状態よりも前記第1可変入賞手段が前記第1状態に変化しやすい特別状態(本例では、時短状態)とに制御可能であり、
前記特別状態では、前記第1可変入賞手段が前記第1状態に変化する時間よりも前記第2識別情報の可変表示が実行される時間のほうが長い(本例では、図48)。
よって、特別状態において第2可変入賞手段に遊技球が進入して第1可変入賞手段への遊技機の進入が阻害されることを防止することが可能になり、第1識別情報よりも有利な第2識別情報の可変表示の回数を増加させることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
(c)また、上記実施形態では、遊技領域が形成された遊技盤(本例では、遊技盤9)と、前記遊技盤に設けられたレール(本例では、外レール803)と、を備え、前記レールには、前記遊技盤への取り付け位置を案内する所定の案内部(本例では、位置決め孔803a)が複数形成されており、前記レールが遊技盤に設けられた状態において、前記レールの始端から左端までの範囲を第1の範囲(本例では、H1)と設定し、前記レールの左端から上端までの範囲を第2の範囲(本例では、H2)と設定し、前記レールの上端から終端までの範囲を第3の範囲(本例では、H3)と設定し、前記第1の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数よりも多く、前記第2の範囲に形成された前記所定の案内部の数の方が前記第3の範囲に形成された前記所定の案内部の数よりも多い(本例では、図60~図62)。よって、レールのずれや振動を確実に防止することができ、遊技球の軌道を安定させることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
(d)識別情報の可変表示が実行可能な遊技機(本例では、パチンコ機1)において、
前記識別情報の可変表示と並行して演出用識別情報の可変表示を実行可能な画像表示手段(本例では、液晶表示器42)と、
遊技状態の制御を行うことが可能な状態制御手段(本例では、図13)と、を備え、
前記遊技状態は通常状態(本例では、通常状態)と特別状態(本例では、時短状態)とを含み、
前記状態制御手段は、
前記第1識別情報に係る第1終了条件が満たされた場合(本例では、特別図柄が5回変動した場合)に前記特別状態を終了させることが可能であり(本例では、図27)、
前記第2識別情報に係る第2終了条件が満たされた場合(本例では、普通図柄が10000回、200回、100回変動した場合)に前記特別状態を終了させることが可能であり(本例では、図27)、
前記演出用識別情報は、前記第1識別情報に対応する第1演出用識別情報(本例では、特図用演出図柄)と、前記第2識別情報に対応する第2演出用識別情報(本例では、普図用演出図柄)とを含み、
前記画像表示手段は、
前記通常状態では、前記第1演出用識別情報の可変表示を実行可能な通常演出画像を表示可能であり(本例では、図54のステップS620,S622)、
前記特別状態では、前記第2演出用識別情報の可変表示を実行可能な特別演出画像を表示可能であり(本例では、図54のステップS612,S614,S616)、
前記特別状態に制御されているときに前記第1終了条件が満たされた場合と、前記特別状態に制御されているときに前記第2終了条件が満たされた場合とで、前記特別状態の終了を示唆する終了示唆演出を実行可能であり、
前記第1終了条件が満たされた場合に実行される終了示唆演出と、前記第2終了条件が満たされた場合に実行される終了示唆演出とは異なる態様である。
よって、遊技の興趣を高めることができる。
[変形例]
上記実施形態では、特別状態に制御されているときに第1終了条件が満たされた場合に通常演出画像を表示する例を挙げたが、特別状態に制御されているときに第1終了条件が満たされた場合であっても、特別状態から所定状態に制御されたときは通常演出画像を表示しない構成としてもよい。
上記実施形態では、特別状態に制御されているときに第1終了条件が満たされた場合に通常演出画像を表示し、通常演出画像の表示後に第2識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合は発射促進画像を表示する例を挙げたが、特別状態に制御されているときに第1終了条件が満たされた場合に通常演出画像を表示し、通常演出画像の表示中に第2識別情報の表示結果が特定表示結果となった場合に、発射促進画像を通常の発射促進画像とは異なる特別な発射促進画像を表示する構成としてもよい。
上記実施形態では、特別状態に制御されているときに第1終了条件が満たされた場合に、通常演出画像が表示されることを示唆することなく通常演出画像を表示するようにしたが、通常演出画像を表示する前に通常演出画像に移行することを示唆する演出(第1終了条件が成立したことを示唆する演出)を実行する構成としてもよい。
なお、特別状態に制御されているときに第1終了条件が満たされた場合と、特別状態に制御されているときに第2終了条件が満たされた場合とにおいて、特別状態の終了を示唆する終了示唆演出を実行する構成とし、終了示唆演出を異なる構成としてもよい。例えば、終了示唆演出の実行時間や演出内容を異ならせることが可能である。具体的には、第1終了条件が満たされた場合の方が、第2終了条件が満たされた場合よりも終了示唆演出の実行時間を短い時間とすることが可能である。
上記実施形態では、演出用識別情報の実行を制限する例として特図用演出図柄および普図用演出図柄の変動表示を行わない例を挙げたが、例えば、制限の対象となる演出図柄の透明度を低下させて変動表示を行う、制限の対象となる演出図柄を他方の演出図柄よりも小さく表示して変動表示を行うなど、制限の態様は上記実施形態と異なる態様にしてもよい。
なお、時短状態において、特別図柄の変動表示中は特図用演出図柄の変動表示を行わず、特図用ミニ図柄および第4図柄のみで変動表示を行うが、このときに、特別図柄の変動表示結果が大当りまたは小当りとなる場合は、普図用演出図柄の変動中であっても液晶表示器42で強制的に普図用演出図柄上にシャッターを表示して普図用演出図柄を非表示とし、大当りまたは小当りを示唆するなど、演出図柄以外の演出画像によって、大当りまたは小当りの示唆演出を実行する構成としてもよい。
上記実施形態では、時短状態として、終了条件の異なる時短状態A~時短状態Cを設ける例を挙げたが、例えば、小当りが所定回数(例えば、3回)発生したときに終了する時短状態を設けるなど、上記実施形態と異なる種類の時短状態を設けてもよい。
上記実施形態では、時短状態A~時短状態Cの終了条件として、普通図柄の変動回数が10000回、200回、100回実行された場合を例に挙げたが、例えば、可変始動入賞装置28の開放回数が所定回数に達した場合に時短状態を終了させる、小当りが所定回数(例えば3回)に達した場合に時短状態を終了させるなど、時短状態A~時短状態Cの終了条件は上記実施形態と異なる終了条件としてもよい。
上記実施形態では、特図用ミニ図柄と普図用ミニ図柄の両方を表示し、遊技状態に応じて変動対象報知枠を移動させ、変動対象の演出図柄を示唆する例を挙げたが、特別図柄または普通図柄のいずれが変動しているかによって変動対象報知枠を移動させる構成としてもよい。また、特図用ミニ図柄と普図用ミニ図柄を異なる表示態様にするとともに一方のみを表示する構成とし、表示されているミニ図柄の表示態様によって特別図柄または普通図柄のいずれが変動中であるかを示唆する構成としてもよい。
上記実施形態では、可変入賞装置が1つの例を説明したが、小当たり用の可変入賞装置と大当たり用の可変入賞装置を別個に設けるなど、可変入賞装置を複数設けてもよい。
上記実施形態では、第1特別図柄で小当りに当選する例を挙げて説明したが、第1特別図柄で小当りに当選しない構成としてもよい。また、第2特別図柄で大当りに当選しない構成としてもよい。
上記実施形態では、大当り終了後に時短状態に制御される例を挙げたが、パチンコ機への電源投入後や、大当り発生後に所定回数(例えば、500回)の変動表示を終了しても次の大当りが発生しなかった場合にも、時短状態に制御されるように構成してもよい。大当り発生後に所定回数(例えば、500回)の変動表示が行われることを天井到達と称し、これにより制御される時短状態を天井時短と称する。
なお、天井時短に制御されるまでの変動回数nおよび天井時短での時短回数Nは、以下のように規定することが好ましい。
2.5P≦n≦3.0P
0.4P≦N≦3.8P
(P=大当り確率MLの分母、n=作動回数、N=時短回数)
具体的には、例えば、大当り確率が1/300である場合には、変動回数nは750~900となり、時短回数Nは120~1140となる。
そして、例えば、天井時短に制御されたときに上記実施形態の時短状態Aや時短状態Bに制御するように構成してもよい。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。