JP2023008132A - 損傷評価装置、損傷評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機器の運用多様化に対応し、かつ信頼性の高い評価を実現することのできる損傷評価装置、損傷評価方法を提供する。【解決手段】実施形態の損傷評価装置は、機器の損傷を評価する損傷評価装置であって、機器の状態を検出し運転データとして取得する運転データ取得部と、運転データに基づいて、機器の所定の評価部位における温度および発生応力の少なくとも一方を含む運転状態量を算出する運転状態量評価部と、運転状態量に基づいて機器をなす材料の材料劣化量を評価する材料劣化評価部と、運転状態量および材料劣化量に基づいて機器をなす材料の累積損傷量および破損リスクの少なくとも一方を評価するリスク評価部と、リスク評価部の評価結果に基づいて、機器の保守推奨時期を提示する保守推奨時期提示部と、を具備する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、例えば発電機器などの運転に伴う機器の損傷量を評価する装置およびその方法に関する。
火力発電プラントの主要な構成機器であるタービンやケーシング、制御弁などは、運転に伴いその各部位に損傷や劣化が発生・蓄積し、経年的に構成機器の破損リスクが増大することが知られている。このため、これら火力発電プラントを健全かつ経済的に運用するためには、運転に伴って構成機器の各部位に発生・蓄積する損傷を定量的に把握し、適切なタイミングで補修や部品交換などの保守を行う必要がある。
損傷の一例として、高温環境下で使用される部材におけるき裂発生及びその進展がある。き裂発生および進展は、クリープや金属疲労によって生じることが知られている。クリープとは、金属材料が融点の半分程度の温度環境下で使用される際に、金属材料の耐力以下の低い応力においても時間経過に伴って徐々に永久変形が生じ、最終的にき裂が生じて金属が破断する現象である。疲労とは静的負荷では破断しないような応力であっても、繰り返し生じることによってき裂が発生・進展し、破損に至る現象である。この繰り返し応力は、外力によるものだけでなく、熱応力によっても生じる。例えば火力発電プラント機器では、高温環境下での使用や、運転中及び起動停止時の応力発生が避けられず、運転に伴ってその各部位にこれらによる損傷が蓄積される。このようなクリープや疲労による機器損傷を避けるため、火力発電プラント機器には適切な保守管理が求められている。
例えば蒸気タービンにおいてき裂発生・進展による損傷の保守管理が特に重要とされている機器にタービン軸(以降、単にロータと称する。)やタービンケーシングがある。ロータとは、動翼が蒸気流から受けた回転力を発電機に伝える回転軸であり、タービンケーシングとはロータを囲む覆いである。蒸気流は、このタービンケーシングとロータの間を流れ、ロータ外周に設けられた動翼よって蒸気流から回転力を生み出している。ロータ外周には動翼が複数段配置されており、これらの動翼が蒸気流を受けることで、ロータに回転力が生じる。一方、高温で流入した蒸気は、動翼の各段落を通過することでエネルギーを消費するため、下流に行くに従い蒸気温度が低下する。そのため、この蒸気に接するロータやタービンケーシングは高温環境で使用されることに加え、同一部材内で温度分布も生じることになる。
これらロータやタービンケーシングは、例えば起動停止時や負荷変動時における昇温・冷却の温度変化によって熱応力を受ける。これに加えて、運転時にはロータが高速回転することで常に遠心力による応力が発生する。このような熱応力により疲労損傷が蓄積し、高温環境下での遠心力によってクリープ損傷が蓄積される。
損傷の進行には温度変化や応力だけでなく、評価部材の材料特性が影響する。この材料特性も高温環境や負荷応力によって劣化することが知られている。そのため、クリープ損傷および疲労損傷評価に用いる材料諸特性も材料劣化に伴い、適宜修正する必要がある。
材料劣化の例として、硬度の低下や脆化が挙げられる。一般に材料強度と硬さの間には相関があることが知られており、硬さの低下に伴いクリープや疲労特性等の強度特性も低下する。タービン機器において、運用中の機器から十分な大きさ、量の強度特性評価用サンプルを取得することは困難であるため、比較的計測が容易な硬度計測結果よりこれらの強度特性の変化を推定する場合は多い。また、材料の脆化はき裂伝播速度に影響するため、適切に脆化を評価しなければ、運転中のき裂の進展を評価することは困難となる。つまり、タービン機器の適切な損傷管理には、プラント運用中の各部材の温度、発生応力、材料劣化量の評価が必要となる。
従来、材料劣化評価はプラント停止時に蒸気タービンを開放し実施されている。評価部位の硬さ計測や脆化評価より材料劣化を評価し、有限要素解析や設計条件より運転中や起動停止時の各部の温度、応力を評価、そして運転データからそれらの温度・応力に曝された回数・時間を評価することで各部位の疲労損傷やクリープ損傷を評価してきた。この材料劣化はプラントの運転に伴い進行していくため、材料劣化量を適切に評価するためには定期的な計測が必要となる。しかしながら、発電プラントの停止及び蒸気タービンの開放は、手間と時間から発電コストの増加につながる。そのため、コストの制約から十分な評価回数を確保することは困難である。
また、従来の火力発電はベースロード運転が主体であり、プラント効率が最大となる定格出力近辺で運転されることが多かった。このような運転ケースでは、ロータやタービンケーシングの各部分に生じる温度や応力(以下、「運転状態量」と称する。)は、タービン設計時に精緻な評価および最適化を行っているため非常に明確であり、また運転中のタービン出力変動も少ないことから運転状態量も変動しにくい。そのため、設計データと運用履歴に基づき、評価部位の温度・負荷応力を算出し、クリープ損傷を評価することは比較的容易であった。
しかしながら、近年では再生可能エネルギーの普及により、火力発電所で部分負荷運転を行う機会が増え、また起動停止回数も増えている。部分負荷運転が増えることで、設計点を外れた運転が増え、設計時に想定していない温度、負荷応力にタービン機器が長時間晒されることとなる。そのため、設計データと運用履歴に基づき、定格出力近辺での運転が多い前提でクリープ損傷評価を行うと、評価精度が著しく低下することが考えられる。
また、負荷変動時や起動停止時の温度変化に伴う熱応力評価も精度が求められる。熱応力の大きさはタービン機器の温度変化量や周囲の機器も含めた温度分布に関連する。タービン停止時の温度変化を考えた場合、定常状態から自然冷却によって各部位の温度が低下していく。部位によって冷却速度が異なるため、温度が一様に低下するわけではなく、周囲のタービン機器間での温度差や同一部材内でも温度差は常に変化し、これに応じた熱応力が生じる。また、ロータやケーシングをはじめとしたタービン機器が室温まで冷却されるには数日を要する。この室温まで冷却される前に再びプラントを起動した場合、起動時の温度分布や定常状態までの温度変化量も一様ではない。つまり起動停止時によって繰り返し発生する熱応力は、起動停止の条件によって異なる。同様に、部分負荷運転においても、負荷変動条件によって熱応力は異なる。従来のベースロード電源としての運用に比べ、近年の起動停止や部分負荷運転が多い運用では、これらの条件も多様化し、予測が困難となっている。つまり、単に起動停止回数に着目した疲労損傷評価では、評価精度が低いことが考えられる。
タービン機器のき裂発生ないしはき裂進展による損傷評価には経年的な材料劣化とクリープ損傷、疲労損傷を適切に評価する必要がある。一方、硬度低下や脆化等の材料劣化は温度や負荷応力によって進行する。つまり、プラントの運転に伴い材料劣化が進行するため、損傷を適切に評価するためには定期的な材料特性評価が必要となる。しかしながら、評価部位を直接計測するにはタービンの開放を伴うため、手間やコスト面に課題がある。更に、近年では火力発電所の部分負荷運転や起動停止回数の増加が予想される。これにより設計時に想定していない温度、圧力にタービン機器が長時間晒されることとなり、定格出力近辺での運転を前提としたクリープ損傷評価では精度の低下が懸念される。また、熱応力による疲労損傷においても、近年の多様化した運用パターンにおいて発生する熱応力の予測が難しく、単に起動停止及び負荷変動回数に着目した疲労損傷評価では信頼性が悪い。
藤山一成、他4名、「経年劣化を考慮した蒸気タービン部品の寿命評価手法と寿命診断システム」、材料、公益社団法人日本材料学会、1988年3月15日、第37巻、第414号、p.315-321 鈴木悠介、他3名,「改良9Cr-1Mo鋼のクリープ軟化予測モデルを用いた余寿命評価」、日本材料学会学術講演会講演論文集、公益社団法人日本材料学会、2012年5月25日、第61巻、p.331-332 植村啓美、他1名、「Cr-Mo-V鋼タービンロータの使用中焼戻し脆化特性」、鉄と鋼、一般社団法人日本鉄鋼協会、2007年4月1日、第93巻、第4号、p.324-329
このように、従来の損傷評価装置、損傷評価方法では、タービンの開放を伴うことから手間やコストが増大するとともに、精度や信頼性の高い評価が難しいという問題がある。実施形態に係る損傷評価装置、損傷評価方法は、かかる課題を解決するためになされたもので、機器の運用多様化に対応し、かつ信頼性の高い評価を実現することのできる損傷評価装置、損傷評価方法を提供することを目的とする。
実施形態の損傷評価装置は、機器の損傷を評価する損傷評価装置であって、機器の状態を検出し運転データとして取得する運転データ取得部と、運転データに基づいて、機器の所定の評価部位における温度および発生応力の少なくとも一方を含む運転状態量を算出する運転状態量評価部と、運転状態量に基づいて機器をなす材料の材料劣化量を評価する材料劣化評価部と、運転状態量および材料劣化量に基づいて機器をなす材料の累積損傷量および破損リスクの少なくとも一方を評価するリスク評価部と、リスク評価部の評価結果に基づいて、機器の保守推奨時期を提示する保守推奨時期提示部と、を具備する。
実施形態の損傷評価方法は、機器の損傷を評価する損傷評価方法であって、機器の状態を検出し運転データとして取得し、運転データに基づいて、機器の所定の評価部位における温度および発生応力の少なくとも一方を含む運転状態量を算出し、運転状態量に基づいて機器をなす材料の材料劣化量を評価し、運転状態量および材料劣化量に基づいて機器をなす材料の累積損傷量および破損リスクの少なくとも一方を評価し、リスク評価部の評価結果に基づいて、機器の保守推奨時期を提示することを特徴とする。
実施形態に係る損傷評価装置の構成を示すブロック図である。 実施形態に係るセンサの取付け位置の一例を示す模式図である。 実施形態に係る運転データ取得部の動作を示すフローチャートである。 実施形態に係る材料劣化評価部の動作を示すフローチャートである。 実施形態に係るリスク評価部の動作を示すフローチャートである。 実施形態に係るクリープ損傷評価を説明する図である。 実施形態に係る疲労損傷評価を説明する図である。 実施形態に係るき裂進展評価を説明する図である。 実施形態に係るき裂進展評価を説明する図である。 実施形態に係る破損リスク評価を説明する図である。
(実施形態の構成)
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。この実施形態の損傷評価装置は、タービン機器の損傷を評価する。図1に示すように、実施形態の損傷評価装置1は、センサ10、運転データ取得部20、評価部品材料記憶部30、入力部35、運転データ記憶部40、運転状態量評価部50、材料劣化評価部60、リスク評価部70および保守推奨時期提示部80を有する。
運転データ取得部20は、センサ10を介して運転データを取得する演算ブロックである。評価部品材料記憶部30は、タービン機器をなす材料の材料データを記憶する。入力部35は、例えばキーボードなどの入力インタフェースであり、材料データなどを評価部品材料記憶部30などに予め格納するために用いられる。運転データ記憶部40は、タービン機器をなす構成部品の各部位の状態を示す運転データを記憶する。運転状態量評価部50は、運転データ取得部が取得した運転データ等に基づいて運転状態量を評価する演算ブロックである。材料劣化評価部60は、運転状態量の評価結果および評価部品の化学成分等の材料データを用いて材料劣化評価する演算ブロックである。リスク評価部70は、材料劣化の評価結果および運転状態量の評価結果に基づいて、累積損傷および破損リスクを評価する演算ブロックである。保守推奨時期提示部80は、累積損傷、破損リスクの評価結果および今後のプラント運用計画に基づいて保守推奨時期をユーザに提示するインタフェースである。
評価部品材料記憶部30は、タービン機器などの構成部品であるロータやタービンケーシングなどをなす材料データを記憶する。評価部品材料記憶部30は、不揮発性メモリやハードディスクドライブなどにより実現することができる。
運転データ記憶部40は、タービン機器をなす構成部品の各部位の状態を示す運転データを記憶する。運転データ記憶部40は、不揮発性メモリやハードディスクドライブなどにより実現することができる。運転データ記憶部40は、取得した運転データを記憶するだけでなく、過去の運転データを履歴データとして記憶してもよい。履歴データは、時々刻々と得られる運転データ、総運転時間などの積算履歴、起動・停止ないしは出力変動時における各部位の温度・圧力等の変化量、単位時間当たりの変化量などを含んでいる。なお、運転データ記憶部40は、運転データおよびその履歴データに加えて、評価部位の運転データに対応する状態量およびその履歴データを記憶してもよい。
(センサ10)
センサ10は、タービン機器の運転データを取得する。センサ10が取得する運転データは、例えば蒸気入口及び出口側の温度や圧力、抽気温度や圧力、ケーシング温度やひずみなどが例示される。この他にも、センサ10は、蒸気弁前後の温度や圧力、蒸気弁ケーシングの温度、プラントの出力、負荷割合などを検出してもよい。センサ10は、プラント設計、製造時に予め取り付けられるか、評価のために新たに追設される。
図2は、タービン機器のタービンケーシングにおけるセンサの取り付け位置の例を示す。図2に示すタービン機器2は、タービンケーシング3と、ロータ4と、段落群Iおよび段落群IIをなす複数の動翼5とを有している。このタービンケーシングには、センサ10aないし10hが配設されている。図2に示す例では、センサ10aないし10hは、温度を検出する温度センサである。
センサ10aは、タービンケーシング3における蒸気入口11から1段目の動翼5の後流近傍に配設されている。センサ10bは、タービンケーシング3における段落群Iの蒸気出口12の近傍に配設されている。センサ10cおよび10dは、タービンケーシング3における蒸気出口12以降の蒸気通路近傍に配設されている。センサ10eおよび10gは、タービンケーシング3における段落群II近傍に配設されている。センサ10fは、タービンケーシング3における段落群IIの蒸気入口13の近傍に配設されている。センサ10hは、タービンケーシング3における段落群IIの蒸気出口14近傍に配設されている。
図2に示すタービンケーシング3において、段落群Iの各段落の状態量を推定する場合、蒸気入口11近傍のセンサ10aおよび蒸気出口12のセンサ10bの検出結果を用いることができる。蒸気入口温度および出口温度を用いて各段落温度を算出する場合、蒸気入口に近い位置での温度計測データから蒸気温度を推定することで、蒸気出入口温度の推定誤差を小さくすることができる。また、これを用いて算出した各段落温度も誤差を小さくすることができる。
センサ10aは、タービンケーシング3における蒸気入口11から1段目の動翼の後流近傍に配設されているが、これには限定されない。各センサの取り付け位置は、設計条件によって異なるものであり、1段目の動翼の後流に限定されず、他の位置であってもよい。例えばタービンケーシング3の設計上、センサ10bの位置における温度計測が困難な場合は、センサ10cやセンサ10dなどで検出できる蒸気出口12以降の蒸気通路部の温度を用いて推定しても良い。センサ10aと同様に段落間にセンサを設置してもよい。
運転データを抽出するセンサ10の数は、状態量を評価する部位数や位置、推定式に応じて決まることから、蒸気入口や蒸気出口近傍の2カ所に限定されない。例えば、段落群Iの蒸気入口11から1段目の動翼5交流近傍の温度推定を行うような場合であれば、評価部位に近いセンサ10aのデータのみで良い場合もある。また、段落群IIの各段落状態量を推定するために抽出するデータは、センサ10fおよびセンサ10gまたはセンサ10hのうち二か所、あるいはセンサ10f、センサ10gおよびセンサ10hの三か所のセンサを用いて各部位の温度を検出しても良い。また、複数個所のセンサ10をデータ抽出対象として準備し、蒸気圧力や運転出力等の収集データないしは任意の時刻における状態推定量等の推定データに応じてデータ収集するセンサを選定しても良い。圧力やひずみセンサにおいても同様であり、検出したい運転データの場所と内容に応じてセンサの配置を決定することができる。
各段落の温度推定のため、推定したい段落の近傍ないしはその前後の温度センサの計測値を用いる手法を説明したが、温度センサの計測値と併せて圧力センサの計測値を用いてもよい。例えば、伝熱の計算の際には動粘性係数やレイノルズ数、ヌセルト数、プラントル数等を使用し計算する方法がある。これらの値の算出には、蒸気圧力もパラメータとして必要になる。その場合、センサ10として圧力センサを設け、その計測値を基にこれらのパラメータの値を算出して、温度センサの計測値と組み合わせる。これにより、推定したい段落の温度を算出することができる。圧力やひずみ等の推定においても、複数種類の状態量の計測データを組み合わせて推定することができる。
(運転データ取得部20)
運転データ取得部20は、タービン機器2に設けられたセンサ10が運転中に計測した運転データを適切なサンプリング周波数で取得し、平均化およびノイズ除去を施し、後工程に出力する機能を有する。また、運転データ取得部20は、取得する運転データの内容に応じて、タービン機器2の各所に配設されたセンサ10を選定して当該センサ10から所望の運転データを取得することができる。すなわち、ある運転データを取得する場合に、どのセンサからどういうデータ(温度・圧力他)を取得するのかを設定することができる。
図3は、運転データ取得部20による運転データの取得動作を示している。運転データ取得部20は、タービン機器2に設けられたセンサ10から、温度や圧力などの検出データ、プラント出力、負荷割合などの運転データを読み込む(S21)。
運転データを読み込むと、運転データ取得部20は、ノイズ除去処理(S22)や平均化処理(S23)などのデータ処理を実行してデータ整理を行う。
運転データが整理されると、運転データ取得部20は、運転データ記憶部40から履歴データを読み出す(S24)。履歴データは、時々刻々と得られる運転データ、総運転時間などの積算履歴、起動・停止ないしは出力変動時における各部位の温度・圧力等の変化量、単位時間当たりの変化量などが例示される。すなわち、運転データ取得部20は、センサ10を通じて取得した運転データに加えて、運転データの過去の履歴も取得する。履歴データは、さらに、評価時刻におけるプラントの状態を示す過渡的なデータ、これら過渡的なデータを積算したデータ、タービン機器2の各部位の温度・圧力変化量等、複数の任意の時間におけるデータを加算・減算して得られたデータを含んでもよい。運転データ取得部20は、運転データ記憶部40から履歴データを取得する。
また、運転データ取得部20は、運転データ記憶部40から過渡的なデータ(運転データ)を積算・演算処理して履歴データを生成する(S25)。生成した履歴データは、運転データ記憶部40に記憶される(S26)。なお、運転データ取得部20が生成する履歴データは、センサ10を通じて取得した運転データに基づくものに限定されない。一定期間継続して運用している既設プラントである場合、運転データ取得部20は、運転開始時から装置設置時までの運転履歴を取得・積算し、運転データ記憶部40に記憶させてもよい。また、運転データは、入力部35を通じて入力され、運転データ記憶部40に記憶させてもよい。
(運転状態量評価部50)
運転状態量評価部50は、運転データ取得部20が取得し生成した運転データおよび履歴データを用いて、タービン機器2内部のロータ4、タービンケーシング3等の所定の評価部位の状態量を計算する。運転状態量評価部50が計算する状態量とは、例えばタービン機器の評価対象たる所定の部位における温度、応力、ひずみなどが例示される。なお、これら各状態量においてプラントが運用された累積時間を状態量に含めてもよい。
運転状態量評価部50による計算方法としては、例えば、(1)任意の評価部位における温度について、図2に示すタービンケーシング3の蒸気入口11および蒸気出口12の温度計測データやタービン出力などの条件に基づいて蒸気温度を推定し、タービン各段落のヒートバランスを収支計算にて求める方法、(2)あらかじめタービンケーシング3などの所定の位置に取り付けた各種センサの計測データと評価部位温度の関係式を作成しこれより求める方法、(3)所定部位における負荷応力について、タービン出力、タービン入口側温度、タービン出口側温度、タービンケーシング3などの所定の位置に取り付けたセンサ10a~10hなどの計測データ等との関係式を作成し、作成した関係式に基づいてこれにより算出する方法などが例示される。ここで、タービン出力などの条件や関係式などはあらかじめ運転データ記憶部40に記憶させておくことができる。
なお、損傷評価装置1を設置するプラント構成や評価対象の機器、評価部位数によっては、逐次送付される運転データを全て計算処理するのは困難な場合がある。そのような場合、例えば予め想定される運転データに対して評価部位の状態量をあらかじめ運転データ記憶部40に記憶しておき、センサ10により取得する運転データに替えて運転データ記憶部40に記憶された運転データを用いて所定の評価部位での状態量を出力してもよい。
(材料劣化評価部60)
材料劣化評価部60は、運転状態量評価部50が算出した所定の評価部位における状態量と、あらかじめ評価部品材料記憶部30に記憶されたロータ4、タービンケーシング3などの評価部品の材料データとに基づいて、タービン機器2の任意の評価部位における材料劣化量を推定する。材料データは、タービン機器2をなす材料の化学成分や結晶粒径、硬度、耐力、衝撃値などの強度データが例示される。また、材料劣化量は、例えば硬度低下量や脆化量などが挙げられる。
図4は、材料劣化評価部60による評価動作の例を示している。現時刻における単位時間当たりの材料劣化量評価において、単位時間とは、温度、応力等の入力された運転状態量が一定とみなせる時間内における任意の時間区分のことを指す。単位時間は予め設定しても良いし、運転状態量の変化や、その計算のインプットである運転データの変化量をモニタリングし、逐次決定しても良い。材料劣化評価部60は、運転状態量評価部50が算出した状態量を取得し(S61)、次いで評価部品の材料データを取得する(S62)。
材料劣化評価部60は、これらの評価部位の材料データ及び運転状態量に基づいて、以下の式より単位時間当たりの材料劣化量を算出する(S63)。
材料劣化量=f(材料データ,運転状態量,運転時間) ・・・(1)
すなわち、材料劣化量は、材料データ・運転状態量・運転時間をパラメータとする演算式により求められる。
次いで、材料劣化評価部60は、算出した単位時間当たりの材料劣化量を積算することで、現時刻における材料劣化量を算出する(S64)。材料劣化評価部60は、算出した材料劣化量を評価部品材料記憶部30に保存する(S65)。
ここで材料劣化量の算出の例として、硬度の推定に用いる式の一例を示す。
硬度 = f(材料データ,運転状態量,運転時間)
= A + B・g(S,T,t) ・・・(2)
ここで、AおよびBは、材料データより定まる定数、g(S,T,t)は、現時刻における応力、温度、運転時間の関数である。関数gの一例を以下に示す。
g(S,T,t) = ln{exp(E-H0)/F + β・(S/G)γ・exp(-H/T)・t} ・・・(3)
ここで、E、F、G、Hは、評価部位の材料データより決定される定数、β、γは、あらかじめ実験的に求めた定数、H0は初期硬度、Sは応力、Tは温度、tは時間である。
また、材料劣化量の算出の例として、脆化量の算出に用いる式の一例を示す。
脆化量 = f(材料データ,運転状態量,運転時間)
= g(A,T)・h(B,T,t) ・・・(4)
ここで、A,Bは、材料データより定まる定数、g(A,T)は、材料データの定数と運転温度の関数、h(B,T,t)は、材料データの定数、運転温度、時間の関数である。定数AおよびBは、材料製造時の化学成分より任意の不純物元素の質量重量を重み付けし、足し合わせまたは足し合わせた値の積から算出する。
A = (2・Si + Mn + Ni + Cu) × B ・・・(5)
B = 10・P + 5・Sb + 4・Sn + As ・・・(6)
ここで、Si、Mn、Ni、Cu、P、Sb、Sn、Asは、各不純物元素の質量である。
このように、材料劣化量は上記したような推定式として表される。上記以外の推定式によって評価しても良い。これらの式に基づいて単位時間当たりの材料劣化量を算出し、累積することで現時刻における材料劣化量を算出することができる。
(リスク評価部70)
リスク評価部70は、運転状態量評価部50が取得した評価部位の温度、負荷応力などの状態量と材料劣化評価部60が評価した材料劣化量を用いて現時点における任意の評価部位のクリープ損傷及び疲労損傷を評価し、損傷量を算出する。また、得られた損傷量と材料劣化量、別途入力する運転計画に基づき、今後の変形量を予測し、破損リスクを評価する機能を有する。
図5はリスク評価部70による損傷量算出動作を示す。現時刻における単位時間当たりの評価式の修正において、クリープ損傷評価における単位時間とは、材料劣化量及び温度、応力などの状態量が一定とみなせる期間における任意の時間区分のことを指す。単位時間は予め設置しても良いし、運転状態量の変化や、その計算のインプットである運転データの変化量をモニタリングし、逐次決定しても良い。一方、疲労損傷における単位時間とは、発生する応力ないしはひずみが増加ないしは減少に転じてから、再び減少ないしは増加へ転じるないしは温度、応力等の状態量に変化が無くこれらの状態量が一定とみなせるまでの時間を指す。
リスク評価部70は、材料劣化評価部60が評価した材料劣化量を評価部品材料記憶部30から取得し(S71)、損傷量を算出する(S72)。次いで、リスク評価部70は、算出した損傷量に基づいて単位時間当たりの損傷評価式を修正する(S73)。
具体的には、リスク評価部70は、材料劣化評価部60より出力された現時刻における硬度に基づいて、単位時間当たりのクリープ損傷評価に用いるクリープラプチャ曲線を修正し、この式より同状態量におけるクリープラプチャ時間を算出する。このクリープラプチャ時間と単位時間の比が、単位時間におけるクリープ損傷量となる。
図6は、クリープによるき裂発生寿命評価に用いるクリープラプチャ曲線の模式図を示している。プラント運用に伴い経年的に材料劣化が生じた場合、それに応じてき裂発生までの時間(寿命)が短くなる。そのため、材料劣化量、例えば硬度の低下に応じて曲線を図6中例えばC1曲線からC2曲線へ修正する。硬度によるクリープラプチャ曲線の修正式の一例を示す。
A + B × log(S) + C × log(S)2 = (T + 273)(D + log(tr)) ・・・(7)
ここで、Sは応力、trはクリープラプチャ時間、Tは使用温度、A、B、Cは硬度によって定まる変数、Dは定数である。
リスク評価部70は、求めた単位時間当たりのクリープ損傷量を運転データ記憶部40に記憶された累積損傷量に加えて積算することで、現時刻の累積クリープ損傷量を算出する(S74)。リスク評価部70は、累積損傷量や現時刻の累積クリープ損傷量などを運転データ記憶部40に保存する(S75)。
疲労き裂発生評価についても、クリープ損傷評価と同様にして算出することができる。図7は、疲労き裂発生評価に用いる疲労曲線の模式図を示している。前述したクリープ損傷評価と同様に、リスク評価部70は、材料硬度に合わせて疲労曲線を図7中F1曲線からF2曲線へと修正する。修正式の一例を以下に示す。
ΔS = A × NB + C × ND ・・・(8)
ここで、ΔSは応力ないしはひずみ振幅、Nはき裂発生寿命(き裂発生までの繰り返し数)、A、Bは硬度によって定まる変数、C、Dは評価部位によって定まる定数である。
単位時間に発生した応力ないしはひずみの変化量に基づいて寿命となる繰り返し数を算出し、この繰り返し数と単位時間に発生した応力ないしはひずみ繰り返し数の比が単位時間における疲労損傷量となる。そしてこの単位時間当たりの疲労損傷量を運転データ記憶部40に記憶された累積損傷量に加えて積算することで、現時刻の累積疲労損傷量を算出する。現時刻の累積疲労損傷量も運転データ記憶部40に保存される。
上記ではき裂発生を破損と考え、損傷率を算出した例を示したが、き裂進展による損傷評価においても同様に材料劣化量に応じてき裂伝播曲線を修正し、き裂進展損傷を評価する。図8および図9にき裂伝播曲線の模式図を示す。材料劣化、例えば脆化に伴ってき裂伝播速度は大きくなる。き裂伝播曲線の修正式の一例を示す。
クリープき裂伝播速度の修正式 : da/dt = A × KB ・・・(9)
疲労き裂伝播速度の修正式 : da/dN = C × ΔKD ・・・(10)
ここでda/dtおよびda/dNは、き裂伝播速度、Kは、応力拡大係数、ΔKは、応力拡大係数範囲、A,B,C,Dは使用温度および脆化量によって定まる変数である。図8および図9に示す例では、き裂伝搬速度を示す特性線はM1からM2、M3からM4へと修正されている。
このき裂伝播速度から単位時間当たりのき裂進展量を算出し、積算することでき裂長さを算出する。このき裂長さと、脆化量等の材料劣化量および材料データ、運転状態量から決まる限界き裂長さ、ないしはあらかじめ設計データより定めた限界き裂長さの比から損傷量を算出する。得られた損傷量は結果として出力されるだけでなく、運転データ記憶部40に保存することができる。損傷量はクリープ損傷および疲労損傷を分けても良いし、これらを合わせて評価しても良い。
リスク評価部70は、計算された現時点の損傷量及びその他状態量を用いて破損リスクの評価を行う(S76)。図10は、本実施形態における破損リスクの評価例である。本実施形態では、予め損傷量と総運転時間に基づき破損リスクを決定する。図中に示した各閾値(A、B、a、b)は、各評価対象部材の設計条件と、用いた素材等で予め決定される定数である。本実施例ではロータやケーシングを例とし、想定される損傷形態から損傷量を計算しているが、材料劣化および材料強度のバラツキにより損傷量の予測誤差が生じる。この誤差は運転時間の増加に比例して大きくなるため、損傷量と総運転時間の2パラメータより破損リスクを評価することで、適切なリスク評価が可能である。
例えば、総運転時間がa時間以上であって損傷量がA%以上であれば、破損リスクは高い(high)と判定できる。一方、総運転時間がb時間以下であって損傷量がB%以下であれば、破損リスクは低い(low)と判定できる。
なお、本評価では2パラメータのマトリクスよりリスクを評価する方法を示したが、必ずしもこの手段に限るものではない。例えば機器の稼働率や平均的な運転温度、起動停止回数などをパラメータに用いても良いし、損傷量をクリープ損傷量および疲労損傷量のパラメータに分けて評価しても良い。マトリクスとパラメータにより一義的にリスクを決定するのではなく、確率論的手法を用いて破損確率を算出することも可能である。本実施例では運転データに基づきリアルタイムで推定された損傷量を用いて破損リスクを算出するが、算出した損傷量を不確定なものとするパラメータも併せて破損リスク評価に用いることで適切なリスク評価を可能とする。
(保守推奨時期提示部80)
保守推奨時期提示部80は、累積損傷、リスク評価部70にて生成された損傷量、損傷リスク評価結果などのデータを元に、別途ユーザが入力部35を介して入力する運転計画データに基づき、将来の損傷量を予測し、保守推奨時期の提案を行う。保守推奨時期提示部80は、ディスプレイ装置などの表示デバイスを有しており、提案内容をユーザに提示することができる。ここで運転計画とは、例えば設備稼働率や平均出力、起動停止回数頻度などを示す情報であり、運転データ記憶部40にあらかじめ格納されている。保守推奨時期提示部80は、得られた損傷量や材料劣化データに紐づけられた運転データや履歴データのデータセットに基づいて、与えられた運転計画に対して予測される材料劣化量や累積損傷量を計算する。
計算例として、累積運転時間を用いる例を説明する。履歴データと材料劣化量の関係より、あらかじめ任意の時間単位を設定しておき、その時間単位における材料劣化量と運転時間の関係を得ることで、別途ユーザが入力する運転時間より材料劣化量の推移を予測することが可能となる。また、同じく履歴データより、時間単位における温度及び負荷応力等の状態量の変動を予測する。これらの材料劣化量及び状態量からクリープ損傷量を予測する。同様に疲労損傷においても、単位運転時間当たりの発生負荷応力の大きさ、回数を推定し、材料劣化予測と併せることで疲労損傷量を予測することが可能となる。なお、この例では累積運転時間をパラメータとして用いたが、例えばプラント出力や稼働率、評価式を用いることも可能である。
このように予測した損傷量を用いて、再度将来の破損リスクを評価し、この結果より保守推奨時期を提示する。破損リスク評価は図10に示したような手法を用いて行い、保守推奨時期は評価結果に基づき提案される。
このように、実施形態の損傷評価装置によれば、タービン機器の運転中に得られるデータよりロータ、ケーシング等の任意の評価部位における運転状態量を逐次計算し、運転状態量および履歴データから現時刻における材料劣化量を推定し、これらを基にき裂発生ないしは進展による累積損傷評価、破損リスク評価を行い、今後の運用計画から保守時期推奨までを行う。すなわち、得られたデータに基づいて逐次材料劣化量を算出することで、タービン開放を伴う劣化量の計測の機会を減らすことが可能になる。また、逐次計算される温度、応力等の状態量が一定とみなせる単位時間においてクリープ損傷量、疲労損傷量を算出し、積算していくことで、状態量の変動が伴う部分負荷運転においても適切に損傷量を評価することが可能となる。
これら特徴を有することで、例えば負荷変動運転や起動停止回数が増加した場合においても、逐次最新の運転形態に基づき損傷を予測するため、信頼性の高い保守管理に繋がることが期待できる。またタービン開放などの大掛かりな検査を行わずとも材料劣化量、損傷量の予測が可能となり、コスト低減が期待できる。なお、本実施例は蒸気タービンとボイラーにより構成される火力発電プラントへの適用例を対象として示したが、必ずしもこの構成に限るものではない。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが,これらの実施形態は,例として提示したものであり,発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は,その他の様々な形態で実施されることが可能であり,発明の要旨を逸脱しない範囲で,種々の省略,置き換え,変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は,発明の範囲や要旨に含まれるとともに,特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…損傷評価装置、2…タービン機器、3…タービンケーシング、4…ロータ、5…動翼、10,10a~10h…センサ、20…運転データ取得部、30…評価部品材料記憶部、35…入力部、40…運転データ記憶部、50…運転状態量評価部、60…材料劣化評価部、70…リスク評価部、80…保守推奨時期提示部。

Claims (6)

  1. 機器の損傷を評価する損傷評価装置であって、
    前記機器の状態を検出し運転データとして取得する運転データ取得部と、
    前記運転データに基づいて、前記機器の所定の評価部位における温度および発生応力の少なくとも一方を含む運転状態量を算出する運転状態量評価部と、
    前記運転状態量に基づいて前記機器をなす材料の材料劣化量を評価する材料劣化評価部と、
    前記運転状態量および前記材料劣化量に基づいて前記機器をなす材料の累積損傷量および破損リスクの少なくとも一方を評価するリスク評価部と、
    前記リスク評価部の評価結果に基づいて、前記機器の保守推奨時期を提示する保守推奨時期提示部と、
    を具備する損傷評価装置。
  2. 前記材料劣化評価部は、
    前記運転状態量および前記材料劣化量に基づいて前記評価部位のクリープ損傷量または疲労損傷量の少なくとも一方を与える損傷評価式情報、および
    前記運転状態量が一定とみなせる単位時間における、前記運転状態量、変動する応力、変動するひずみの変化量情報に基づいて、
    前記単位時間当たりのクリープまたは疲労損傷量を積算した累積損傷量を算出すること
    を特徴とする請求項1記載の損傷評価装置。
  3. 前記リスク評価部は、前記累積損傷量および前記運転状態量に基づいて、前記評価部位の破損リスクを判定することを特徴とする請求項2記載の損傷評価装置。
  4. 前記機器の状態を検出するセンサと、
    前記運転データを記憶する記憶部と、をさらに備え、
    前記運転データ取得部は、前記センサを介して取得した運転データと、前記記憶部から取得した過去の前記運転データを含む履歴データとに基づいて、前記運転データを積算したデータを前記記憶部に記憶すること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の損傷評価装置。
  5. 前記機器をなす材料の特性を含む材料データを記憶する材料記憶部をさらに備え、
    前記材料劣化評価部は、前記運転データおよび前記材料データに基づいて、前記累積損傷量を算出すること
    を特徴とする請求項2または3記載の損傷評価装置。
  6. 機器の損傷を評価する損傷評価方法であって、
    前記機器の状態を検出し運転データとして取得し、
    前記運転データに基づいて、前記機器の所定の評価部位における温度および発生応力の少なくとも一方を含む運転状態量を算出し、
    前記運転状態量に基づいて前記機器をなす材料の材料劣化量を評価し、
    前記運転状態量および前記材料劣化量に基づいて前記機器をなす材料の累積損傷量および破損リスクの少なくとも一方を評価し、
    前記リスク評価部の評価結果に基づいて、前記機器の保守推奨時期を提示すること
    を特徴とする損傷評価方法。
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