JP2023005002A - 遊技機 - Google Patents

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智久 川添
Tomohisa Kawazoe
覚 中山
Satoru Nakayama
智宣 牧
Tomonobu Maki
浩志 柏木
Hiroshi Kashiwagi
浩司 梶野
Koji Kajino
諒 下田
Ryo Shimoda
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Abstract

Figure 2023005002000001
【課題】遊技興趣の低下を抑制可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】可動演出部材の異常が発生した場合には、その後の特別図柄の変動表示において可動演出の実行が制限され、可動演出部材の初期作動の実行中に特別図柄の変動表示が開始された場合には、当該変動表示において可動演出及び可動体ランプ演出の実行が制限され、RAMクリア報知の実行中に特別図柄の変動表示が開始された場合には、当該変動表示において可動演出、可動体ランプ演出、変動表示演出及び変動音演出の実行が制限されるように構成する。これにより、演出の最適化を図ることが可能となり、遊技興趣が低下するのを抑制することが可能となる。
【選択図】図57

Description

本発明は、パチンコ遊技機(弾球遊技機)やスロットマシン(回胴式遊技機)等の遊技機に関する。
従来、識別情報の変動表示を行い、変動表示の表示結果に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機が知られている。この種の遊技機では、表示演出をはじめとする種々の演出が実行可能とされている。最近では特に、遊技盤や遊技機枠(前面枠)に作動可能に設けられた可動役物(可動部)を作動させる演出(所謂「ギミック演出」)が、遊技興趣を高める上で欠かせない存在となってきている(例えば特許文献1を参照)。
特開2018-79117号公報
ギミック演出を行う可動役物は機械的な部品や機構等を含んで構成されるため、他の演出に比して故障や誤作動等の不具合が発生しやすい。このような不具合が発生すると、演出の実行に支障をきたしたり演出効果が損なわれたりすることがあり、延いては遊技興趣を低下させてしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技興趣の低下を抑制可能な遊技機を提供することにある。
前述の課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用した。
手段1の遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、変動表示の表示結果に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機であって、
表示物を表示可能な表示部と、
作動可能な可動部と、
発光可能な発光部と、
前記特別遊技状態に制御するか否かの判定を実行可能な判定実行手段と、
前記判定の結果に基づいて演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、
前記演出態様決定手段により決定された演出態様に基づく演出を前記変動表示において実行可能な演出実行手段と、
前記可動部の異常を検知可能な異常検知手段と、
当該遊技機への電力供給の開始に基づいて、前記可動部の初期作動を実行可能な初期作動実行手段と、を備え、
前記演出態様決定手段は、前記演出態様として特定演出態様を決定可能であり、
前記可動部の異常が検知されていない状態で決定された演出態様が前記特定演出態様である場合、前記表示部に表示物を表示させる表示演出と、前記可動部を作動させる可動演出と、前記発光部を発光させる発光演出とが、前記変動表示において実行されるように構成され、
前記可動部の異常が検知された後の状態で決定された演出態様が前記特定演出態様である場合、前記表示演出と前記発光演出とが前記変動表示において実行されて前記可動演出が実行されないように構成され、
前記初期作動の実行中に前記変動表示が開始される場合、該変動表示において演出の実行が制限されるように構成される
ことを要旨とする。
このような遊技機によれば、特別遊技状態に制御するか否かの判定の結果に基づいて決定された演出態様が特定演出態様である場合、特定演出態様に基づく演出が識別情報の変動表示において実行される。そして、可動部の異常が発生していないときには、特定演出態様に基づく演出として、表示部に表示物を表示させる表示演出と、可動部を作動させる可動演出と、発光部を発光させる発光演出とが実行される。この場合、表示演出、可動演出及び発光演出(特定演出態様に基づく演出)による演出効果が得られるものとなる。一方、可動部の異常が発生した後には、特定演出態様に基づく演出として表示演出と発光演出とが実行され、可動演出は実行されないものとなる。この場合、表示演出及び発光演出(特定演出態様に基づく演出)による演出効果が得られるものとなり、異常が発生した可動部の破損や当該異常に起因する更なる不具合等が生じにくくなる。
また、本遊技機への電力供給の開始に基づいて可動部が初期作動する。そして、初期作動の実行中に識別情報の変動表示が開始される場合、当該変動表示において演出の実行が制限される。このため、可動部の初期作動の妨げとなるような演出の実行を制限することが可能となり、可動部が初期作動中であることの確認が容易となる。
このように、可動部の状態(異常有無や初期作動の実行・非実行等)に応じた演出の実行により、演出の最適化を図ることが可能となる。これにより、可動部(可動演出)を備える遊技機の遊技興趣が低下するのを抑制することが可能となる。
手段2の遊技機は、前述した手段1の遊技機において、
所定記憶領域の記憶内容を初期化する初期化処理を実行可能な初期化処理実行手段と、
前記初期化処理の実行に基づいて初期化報知を実行可能な初期化報知実行手段と、を備え、
前記初期化報知の実行中に前記変動表示が開始される場合、該変動表示において演出の実行が制限されるように構成され、
前記初期作動の実行中に前記変動表示が開始される場合の演出の実行の制限と、前記初期化報知の実行中に前記変動表示が開始される場合の演出の実行の制限とで、制限の内容が異なるように構成される
ことを要旨とする。
このような遊技機によれば、所定記憶領域の記憶内容を初期化する初期化処理が実行されると、当該初期化処理の実行に基づいて初期化報知が実行され、初期化報知の実行中に識別情報の変動表示が開始される場合、当該変動表示において演出の実行が制限される。そして、演出の実行の制限に関し、可動部の初期作動の実行中に識別情報の変動表示が開始される場合と、初期化報知の実行中に識別情報の変動表示が開始される場合とで、制限の内容が異なるものとされる。このため、可動部の初期作動中に識別情報の変動表示が開始される場合には、可動部の初期作動の妨げとなるような演出の実行を制限することで、可動部が初期作動中であることの確認が容易となり、初期化報知中に識別情報の変動表示が開始される場合には、初期化報知の妨げとなるような演出の実行を制限することで、初期化報知中である(初期化処理が実行された)ことの確認が容易となる。これにより、可動部の初期作動や記憶内容の初期化報知が妨げられないようにすることが可能となる。
以上の本発明によれば、遊技興趣の低下を抑制可能な遊技機を提供することが可能である。
本発明の実施例に係る遊技機の正面図である。 本発明の実施例に係る遊技機の裏面図である。 本発明の実施例に係る遊技盤の構成を示す正面図である。 図3に示す主表示器の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。 大当りの種別と大入賞口の開放パターンとの対応等を示す表である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当り判定テーブルであり、(B)は大当り種別判定テーブルであり、(C)は普通図柄当り判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターンテーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン割り込み処理のフローチャートである。 始動口センサ検知処理のフローチャートである。 始動入球時処理のフローチャートである。 普図動作処理のフローチャートである。 普通図柄待機処理のフローチャートである。 普通図柄当否判定処理のフローチャートである。 普通図柄乱数シフト処理のフローチャートである。 普通図柄変動中処理のフローチャートである。 普通図柄確定処理のフローチャートである。 普通電動役物処理のフローチャートである。 特図動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 特図2当否判定処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図2乱数シフト処理のフローチャートである。 特図1当否判定処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1変動パターン選択処理のフローチャートである。 特図1乱数シフト処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理(大当り遊技)のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 保留球数処理のフローチャートである。 電源断監視処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 受信割り込み処理のフローチャートである。 2msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 保留アイコン予告処理のフローチャートである。 (A)は出力可能な音の一例を示す表であり、(B)は音の再生チャンネルの一例を示す図である。 音制御処理のフローチャートである。 報知音制御処理のフローチャートである。 不正検知音出力開始処理のフローチャートである。 枠開放音出力開始処理のフローチャートである。 左打ち指示音出力開始処理のフローチャートである。 報知監視処理のフローチャートである。 音量調整処理のフローチャートである。 可動演出制限処理のフローチャートである。 電源投入時処理のフローチャートである。 (A)は可動演出部材の非作動状態(待機状態)を示す図であり、(B)は可動演出部材の作動状態を示す図である。 (A)はギミック予告が実行されたときの演出場面の一例を示す図であり、(B)は可動演出の実行が制限されている状態でギミック予告の実行タイミングが到来したときの演出場面の一例を示す図である。 (A)は、RAMクリア報知の実行中であって特別図柄の変動表示が開始される前の表示画面の一例を示す図であり、(B)はRAMクリア報知の実行中に特別図柄の変動表示が開始された場合の表示画面の一例を示す図である。 演出の制限内容を示す表である。
次に、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、遊技盤面に向けて遊技球を発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に本発明を適用した例を説明する。
なお、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の表面側(手前側)であって、遊技時に遊技者が位置する側のことである。また、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の裏面側(背面側)のことである。さらに、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。
本実施例のパチンコ遊技機1は、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄が変動表示する図柄変動遊技(単に「変動遊技」ともいう。)を行い、変動遊技の結果として大当り図柄が表示(停止表示)されると、遊技者に所定の遊技価値(例えば賞球)を付与する大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「デジパチタイプ」のパチンコ遊技機である。
[パチンコ遊技機1の基本構成]
図1~図3に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技盤2は遊技機枠50に対して着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態を示す。
遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等が取り付けられる本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されている。前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留可能であり貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留可能な余剰球受皿(下皿)62が設けられている。
前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bや、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音を出力(出音)することが可能なスピーカ67等も設けられている。第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bの何れか一方又は両方を指して「演出ボタン63」ともいう。
パチンコ遊技機1は、スピーカ67として、前面枠51の左上部に設けられる左上スピーカ67Lと、前面枠51の右上部に設けられる右上スピーカ67Rとを備えている。左右一対のスピーカ67L,67Rによりステレオ音を出力することが可能となっている。なお、ステレオ音だけでなくモノラル音を出力することも勿論可能である。左上スピーカ67L及び右上スピーカ67Rの両方を指してスピーカ67ということがある。
演出ボタン63は、遊技者が入力を行う際に用いる入力手段として機能するものであり、遊技者が操作可能な操作手段としても機能するものである。遊技者等は、遊技の状況や実行される遊技演出の種類等に応じて、使用(操作)する演出ボタン(第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63b)を使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63a又は第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。本実施例では、前面枠51のうち上皿61の上面(天面)に第1演出ボタン63aが設けられており、下皿62の左側前面に第2演出ボタン63bが設けられている。
第1演出ボタン63aは、所定の作動態様で作動可能な可動式の操作手段として構成されている。本実施例では、その作動態様を振動としている。第1演出ボタン63aの振動は、例えば、第1演出ボタン63aを、偏心モータ(振動モータ)を含む演出ボタンユニット(演出ボタン装置)として構成し、偏心モータを駆動させることにより実現することができる。このように作動(振動)可能に構成される第1演出ボタン63aは、パチンコ遊技機1の前面側(前面構成部材)に作動可能に設けられた演出用の可動部(「演出可動部」ともいう。)として機能する。
なお、第1演出ボタン63aの作動態様は振動に限られず、例えば、上方への突出や回転等としてもよく、振動、突出、回転等の複数種の作動態様の中から演出パターンに基づいて選択された作動態様で作動可能となるようにしてもよい。また、第2演出ボタン63bも所定の作動態様で作動可能に構成してもよい。
また、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、レバータイプの入力手段(操作手段)であってもよいし、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う接触式の入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技盤2(遊技領域3)は、前面枠51に設けられる窓部(視認窓)を介してパチンコ遊技機1の手前側(遊技者側)から視認可能とされる(図1を参照)。
遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。
遊技盤2の中央付近(遊技領域内)には、種々の画像(表示物)を表示可能な表示画面7a(表示部)を有する画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7は液晶表示器(液晶ディスプレイ)を備えてなるもので、その表示画面7a(表示部)が遊技盤2(遊技領域3)の略中央に設けられた開口を介して前方から視認可能となるように、遊技盤2の裏面側に設けられる。
画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8(表示物の一態様)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう。)が設けられている。演出図柄8は、左演出図柄8L、中演出図柄8C及び右演出図柄8Rの3つの図柄により構成され、後述の特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行い、特別図柄の停止表示に同期して停止表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。演出図柄8L,8C,8Rの何れか又は全部を指して単に「演出図柄8」ともいう。
演出図柄表示領域7bは、「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。なお、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。
本実施例の演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」~「9」までの数字図柄(識別情報種、図柄種)からなるもので、これらの数字図柄が順に表示されるものとなっている。具体的に、当該演出図柄8の変動表示は、「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で演出図柄をスクロール表示させることによって行われるものとなっており、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。
本実施例では、演出図柄8を構成する「1」~「9」の図柄のそれぞれに色の情報を含ませており、各図柄を色によって分類できるものとしている。具体的には、奇数図柄である「3」と「7」を赤色の図柄(以下「赤図柄」ともいう。)としており、これ以外の奇数図柄である「1」、「5」、「9」を緑色の図柄(以下「緑図柄」ともいう。)としている。また、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青色の図柄(以下「青図柄」ともいう。)としている。
演出図柄表示領域7bに表示(停止表示)される左、中、右の演出図柄の組み合わせ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう。)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している3つの演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する順序(停止順)を、原則、「左→右→中」としている。すなわち、停止順が1番目の停止図柄を左演出図柄8Lとし、停止順が2番目の停止図柄を右演出図柄8Rとし、停止順が3番目(最後)の停止図柄を中演出図柄8Cとしている。なお、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
ここで、特別図柄及び演出図柄の何れか一方又は両方を指して「図柄」又は「識別情報」ともいい、普通図柄のことを「普図」又は「普通識別情報」ともいい、特別図柄のことを「特図」、「特別識別情報」又は「第1識別情報」ともいい、第1特別図柄のことを「特図1」、「第1特図」又は「第1特別識別情報」ともいい、第2特別図柄のことを「特図2」、「第2特図」又は「第2特別識別情報」ともいい、演出図柄のことを「演出識別情報」又は「第2識別情報」ともいう。
また、第1特別図柄を表示する後述の第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を表示する後述の第2特別図柄表示器41b及び特別図柄の表示に係る制御を行う後述の主制御部80(遊技制御用マイコン81)の少なくとも一つを指して「特別識別情報表示手段」又は「第1識別情報表示手段」ともいい、演出図柄8を表示する画像表示装置7(表示画面7a)、演出図柄8の表示に係る制御を行う後述のサブ制御部90(演出制御用マイコン91)及び画像制御部100(画像制御用マイコン101)の少なくとも一つを指して「演出識別情報表示手段」又は「第2識別情報表示手段」ともいう。さらに、画像表示装置7、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bのことを「識別情報表示手段」又は「図柄表示手段」ともいい、単に「表示手段」ともいう。
演出図柄8の停止表示態様は次のように定めることができる。例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合、「222」や「777」などの三桁同一の図柄配列(所謂「ゾロ目」)で演出図柄8を停止表示することができ、特別図柄当否判定の結果が外れの場合、「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が他の図柄と異なる図柄配列(所謂「バラケ目」)で演出図柄8を停止表示することができる。三桁同一の図柄配列(ゾロ目)のことを「当り図柄配列」ともいい、少なくとも1つの図柄が他の図柄と異なる図柄配列(バラケ目)のことを「外れ図柄配列」ともいう。当り図柄配列及び外れ図柄配列には、それぞれ複数種の図柄配列(停止表示態様)が存在する。また、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合、その大当りの種類によってゾロ目又はゾロ目以外の停止表示態様で演出図柄8を停止表示することもできる。
遊技者は、画像表示装置7の表示画面7aに表示される演出図柄8を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)に表示される演出図柄8を見て把握する。こうした演出図柄8を用いた遊技演出は、特別図柄当否判定の結果を遊技者に報知する演出(「報知演出」ともいう。)であるといえる。演出図柄8を用いた遊技演出(報知演出)のことを「演出図柄遊技演出」ともいい、演出図柄8を変動表示させて停止表示(確定表示)させる演出(つまり、演出図柄遊技演出)のことを「変動演出」ともいう。
ここで、特別図柄当否判定の結果のうち「大当り」のことを「特定結果」ともいい、「外れ」のことを「非特定結果」ともいう。また、特別図柄当否判定の結果が「大当り」の場合に対応する特別図柄の表示態様(停止表示態様)のことを「特定表示態様」又は「特定表示結果」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「外れ」の場合に対応する特別図柄の表示態様(停止表示態様)のことを「非特定表示態様」又は「非特定表示結果」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「大当り」の場合に対応する演出図柄8の表示態様(当り図柄配列)のことを「特別表示態様」又は「特別表示結果」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「外れ」の場合に対応する演出図柄8の表示態様(外れ図柄配列)のことを「非特別表示態様」又は「非特別表示結果」ともいう。さらに、特別図柄当否判定の結果が大当りであることに基づいて実行される特別図柄及び/又は演出図柄の変動表示のことを「大当り変動」又は「特定変動」ともいい、特別図柄当否判定の結果が外れであることに基づいて実行される特別図柄及び/又は演出図柄の変動表示のことを「外れ変動」又は「非特定変動」ともいう。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄8を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出、報知演出、変動演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などの各種演出表示が表示される。演出図柄遊技演出(変動演出)や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像等、演出図柄以外の種々の画像も表示される。
またデモ演出では、不図示の演出設定画面(表示物の一態様)が表示可能となっている。演出設定画面は、例えば、スピーカ67から出力される音の音量(ボリューム)や、表示画面7aの明るさ(輝度)、盤面ランプ5や枠ランプ66、可動体ランプ15等の電飾部材の明るさ(光量)、背景表示、予告演出の実行条件等、当該遊技機の演出に関する設定を遊技者が行うための画面である。遊技者は、デモ演出が実行される客待ち中(待機中)に演出ボタンや他の操作手段(例えば操作レバーや十字キー等)を操作して表示画面7aに演出設定画面を表示させ、演出設定画面の内容にしたがって演出ボタン等を操作することで、演出に関する様々な設定を任意に行うこと(所謂「カスタマイズ」)が可能となる。なお、変動遊技中や特別遊技中(つまり、遊技中)にも演出のカスタマイズを可能としてもよい。この場合、現在進行中の遊技(演出)の妨げにならないよう演出設定画面を表示画面7aの一部に表示することで、遊技中のカスタマイズが可能となる。
本実施例では、音量調整用の操作手段(例えば、第1演出ボタン63aや不図示の操作レバー、十字キー、回転つまみ等)を備えており、当該操作手段の操作(「音量調整操作」ともいう。)に基づいて、「0」~「5」の6段階(段階の値が大きいほど音量が大きい)で音量を設定(調整)することが可能となっている。具体的には、例えば、音量「0」は「消音(無音)」、音量「1」は「最小音量」、音量「2」は「小音量」、音量「3」は「中音量」、音量「4」は「大音量」、音量「5」は「最大音量」とすることができる。この場合、音量「3」(中音量)が標準的な音量(標準音量)となる。音量の段階を示す「0」~「6」の値のことを「音量設定値」ともいい、音量設定値のことを「音量情報」ともいう。
音量調整用の操作手段(「音量調整操作手段」ともいう。)は、例えば、前面枠51の上皿61の上面(天面)に設けたり音声制御基板106に設けたりすることができる。上皿61の上面(天面)に設けられる音量調整操作手段は、パチンコ遊技機1の前面側から操作可能であり、音声制御基板106に設けられる音量調整操作手段は、パチンコ遊技機1の裏面側から操作可能である。このため、パチンコ遊技機1の前面側から操作可能な音量調整操作手段は、主として遊技者による音量調整用の操作手段として機能し、裏面側から操作可能な音量調整操作手段は、主としてホール店員による音量調整用の操作手段として機能するように構成される。パチンコ遊技機1の前面側の裏面側の双方に音量調整操作手段を備えていてもよい。なお、少なくとも遊技者による音量調整に際しては、調整対象の音量の段階(音量設定値)をあらわす不図示の画像(音量調整画像)を表示画面7aの所定位置(例えば、画面下部中央)に表示して、音量の段階を視覚的に認識できるようにしてもよい。これにより、音量調整の利便性を高めることができる。音量調整画像の表示は公知の形態を採用することができる。
また本実施例では、光量調整用の操作手段(例えば、第1演出ボタン63aや不図示の操作レバー、十字キー、回転つまみ等)を備えており、当該操作手段の操作(「光量調整操作」ともいう。)に基づいて、「1」~「5」の5段階(段階の値が大きいほど光量が多い(明るい))で光量を設定(調整)することが可能となっている。具体的には、例えば、光量「1」は「10%」、光量「2」は「25%」、光量「3」は「50%」、光量「4」は「75%」、光量「5」は「100%」とすることができる。光量の段階を示す「1」~「5」までの値のことを「光量設定値」ともいい、光量設定値のことを「光量情報」ともいう。
光量調整用の操作手段(「光量調整操作手段」ともいう。)は、例えば、前面枠51の上皿61の上面(天面)に設けたりランプ制御基板107に設けたりすることができる。上皿61の上面(天面)に設けられる光量調整操作手段は、パチンコ遊技機1の前面側から操作可能であり、ランプ制御基板107に設けられる光量調整操作手段は、パチンコ遊技機1の裏面側から操作可能である。このため、パチンコ遊技機1の前面側から操作可能な光量調整操作手段は、主として遊技者による光量調整用の操作手段として機能し、裏面側から操作可能な光量調整操作手段は、主としてホール店員による光量調整用の操作手段として機能するように構成される。パチンコ遊技機1の前面側の裏面側の双方に光量調整操作手段を備えていてもよい。なお、少なくとも遊技者による光量調整に際しては、調整対象の光量の段階(光量設定値)をあらわす不図示の画像(光量調整画像)を表示画面7aの所定位置(例えば、画面下部中央)に表示して、光量の段階を視覚的に認識できるようにしてもよい。これにより、光量調整の利便性を高めることができる。光量調整画像の表示は公知の形態を採用することができる。また、パチンコ遊技機1の前面側に設けられる光量調整操作手段は、音量調整操作手段と兼用であってもよい。
表示画面7aには、演出図柄8とは別に、特別図柄当否判定の結果を示す(報知する)判定図柄8sが表示される判定図柄表示領域7cが設けられている(図3を参照)。本実施例では、演出図柄表示領域7bの右上方(表示画面7aの右上部)に判定図柄表示領域7cが設けられている(図3を参照)。判定図柄表示領域7cの大きさは、演出図柄表示領域7bよりも小さく、これに伴って、判定図柄8sの大きさも演出図柄8よりも小さくなっている。判定図柄8sのことを「小図柄」又は「小識別情報」ともいう。
判定図柄8sは、演出図柄8と同様に、左判定図柄8sL、中判定図柄8sC及び右判定図柄8sRの3つの図柄により構成され、後述の特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行い、特別図柄の停止表示に同期して停止表示を行う。判定図柄8sの変動表示の態様としては、例えば上下又は左右方向にスクロール表示する態様や、上下又は左右方向に回転表示する態様等がある。左判定図柄8sL、中判定図柄8sC及び右判定図柄8sRの何れか又は全部を指して単に「判定図柄8s」ともいう。
判定図柄表示領域7cにおいても、左、中、右の判定図柄8sの組み合わせ(停止表示態様)によって、特別図柄当否判定の結果が表示される。つまり、特別図柄当否判定の結果に基づいて判定図柄8sが変動表示されて停止表示される。本実施例では、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄8の停止表示態様(図柄配列、確定停止図柄)と同じ停止表示態様(図柄配列)で判定図柄8sが表示されるようになっている。但し、演出図柄8のような停止順は定められておらず、3つの判定図柄8sL,8sC,8sRは、特別図柄の変動表示の開始に伴って一斉に変動表示を開始し、特別図柄の停止表示に伴って一斉に停止表示するように構成されている。
なお、演出図柄8と判定図柄8sとで停止表示態様を異ならせてもよい。また、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合の停止表示態様(当り図柄配列)を演出図柄8と判定図柄8sとで同じとし、外れの場合の停止表示態様(外れ図柄配列)を演出図柄8と判定図柄8sとで異ならせてもよい。外れの場合の停止表示態様(外れ図柄配列)を演出図柄8と判定図柄8sとで異ならせる場合、判定図柄8sの外れ図柄配列は1種類のみ(例えば「246」等)とすることができる。遊技者は主に演出図柄8を見て当否判定の結果(当り外れ)を把握することから、判定図柄8sの外れ図柄配列を演出図柄8と同様に複数種類設ける必要性は低いからである。また、遊技進行過程で行われる特別図柄当否判定の結果(変動遊技の結果)は、大当り確率を鑑みると外れになることが殆どであり、判定図柄8sの外れ図柄配列を1種類とすることで、図柄表示制御の効率化や簡素化等を図ることが可能となる。
判定図柄8sを表示する(判定図柄表示領域7cを設ける)のは、例えば、変動演出の実行中において、後述の予告演出やスーパーリーチ演出など遊技者の大当りに対する期待感を煽る演出画像が表示画面7aの略全体に表示される際、その演出画像により演出図柄8が隠されたり、演出図柄8が非表示となったり(消去されたり)する等、演出図柄8が視認できない状態になることがあるからである。つまり、演出図柄8が視認できない(表示されない)状態になったとしても、特別図柄が変動表示中であることや停止表示(確定停止)したことを、判定図柄8sを通じて把握することが可能となっている。このため、変動遊技が実行可能とされる遊技状態(「変動遊技状態」ともいう。)において判定図柄8は常に表示される。
なお、本実施例の判定図柄8sは、演出図柄8のように色による区別はなく、数字(図柄種)に関係なく同じ色で表示されるものとしている。本実施例では、判定図柄8sの色(表示色)を白と黒の中間色である「灰色(グレー)」の一色としている。判定図柄8sを比較的目立たない灰色(中間色)とするのは、判定図柄8sは、特別図柄当否判定の結果を把握するために遊技者が主として見る図柄(すなわち、特別図柄当否判定の結果を遊技者に報知する図柄)として機能するものではなく、主に特別図柄の変動状況を示す図柄として機能するものであり、演出図柄8のように目立たせる必要はないからである。また、判定図柄8sの色(表示色)を一色とすることで、図柄表示制御の効率化や簡素化等を図ることが可能となるからである。但し、判定図柄8sについても演出図柄8と同様に色の情報を含ませてもよく、演出図柄8と同様の色分けとしたり異なる色分けとしたりすることができる。
また表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている。本実施例では、演出図柄表示領域7bの下方(表示画面7aの下部)に第1演出保留表示領域9c及び第2演出保留表示領域9dが設けられている(図3を参照)。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
ここで、第1演出保留表示領域9cに表示される第1演出保留9aのことを「第1保留アイコン」又は「第1記憶情報」ともいい、第2演出保留表示領域9dに表示される第2演出保留9bのことを「第2保留アイコン」又は「第2記憶情報」ともいい、第1演出保留9a及び第2演出保留9bの何れか一方又は両方を指して「保留アイコン」又は「記憶情報」ともいう。また。第1演出保留表示領域9cのことを「第1記憶情報表示部」又は「第1記憶情報表示手段」ともいい、第2演出保留表示領域9dのことを「第2記憶情報表示部」又は「第2記憶情報表示手段」ともいい、第1演出保留表示領域9c及び第2演出保留表示領域9dの何れか一方又は両方を指して「記憶情報表示部」又は「記憶情報表示手段」ともいう。
また図3に示すように、表示画面7aには、現在変動表示している特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する演出保留、すなわち、消化された特図保留に対応する演出保留(第1演出保留9a又は第2演出保留9b)を表示する変動保留表示領域9eが設けられている(図3を参照)。本実施例では、第1演出保留表示領域9c及び第2演出保留表示領域9dの左側に変動保留表示領域9eが設けられている。
第1演出保留表示領域9cに表示される第1演出保留9aは、当該表示領域9cの左端から右端に向かって順に特図1保留球数「1」、「2」、「3」、「4」に対応するものとなっており、第2演出保留表示領域9dに表示される第2演出保留9bは、当該表示領域9dの左端から右端に向かって順に特図2保留球数「1」、「2」、「3」、「4」に対応するものとなっている。このため、特図1保留球数「1」に対応する第1特別図柄の変動表示の開始(第1特図保留の消化)に伴って、当該保留に対応する第1演出保留9a(第1演出保留表示領域9cの左端に表示される第1演出保留9a)が第1演出保留表示領域9cから変動保留表示領域9eへ移動する(移動表示される)。また、特図2保留球数「1」に対応する第2特別図柄の変動表示の開始(第2特図保留の消化)に伴って、当該保留に対応する第2演出保留9b(第2演出保留表示領域9dの左端に表示される第2演出保留9b)が第2演出保留表示領域9dから変動保留表示領域9eへ移動する(移動表示される)。なお、特図保留球数が「0」の状態で始動口(第1始動口20又は第2始動口21)に遊技球が入球して特別図柄の変動表示が開始される場合、当該変動表示(変動遊技)の開始契機となる始動入球に伴って変動保留表示領域9eに演出保留(第1演出保留9a又は第2演出保留9b)が表示される。
ここで、変動保留表示領域9eも「記憶情報表示部」又は「記憶情報表示手段」ということができ、変動保留表示領域9eに表示される演出保留も「記憶情報」又は「保留アイコン」ということができる。また、変動保留表示領域9eに表示される演出保留のことを「変動記憶情報」、「変動保留アイコン」又は「アクティブ保留アイコン」ともいい、演出保留表示領域9c、9dに表示される演出保留(保留アイコン)及び変動保留表示領域9eに表示される演出保留(アクティブ保留アイコン)のことを総じて「記憶情報」又は「保留アイコン」ともいう。また、演出保留9a,9bを表示することが可能な演出保留表示領域9c,9d及び変動保留表示領域9eのことを「演出保留表示部」又は「演出保留表示手段」ともいう。
以上のように、種々の演出表示や演出画像(これらを「表示物」ともいう。)を表示可能な表示画面7a(画像表示装置7)のことを「演出表示部」又は「演出表示手段」ともいい、単に「表示部」ともいう。また、演出図柄8を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出、報知演出、変動演出)や大当り遊技演出、デモ演出、後述の予告演出など、表示画面7aに表示されることにより行われる演出(表示画面上で行われる演出)のことを「表示演出」ともいう。
遊技盤2(遊技領域3)の中央付近であって画像表示装置7(表示手段)の前方には、表示画面7aを取り囲むようにしてセンター装飾体10(所謂「センター役物」)が設けられている。センター装飾体10は、プラスチック製(樹脂製)の成型物によって構成されるもので、中央が開口した枠状の部品(盤部品)として、遊技盤2の表面(前面)に取り付けられるものである。当該センター装飾体10の中央開口を介して画像表示装置7の表示画面7aが視認可能とされる。
センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられており、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3(左遊技領域3A)を流下する遊技球をワープ入口から受け入れてワープ出口から排出することで、当該遊技球をステージ部11へ誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球よりも高い可能性で後述の第1始動口20に入球可能とされる。また、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯・点滅等が可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が設けられている。
センター装飾体10の上部であって装飾部材13の左方には、所定の作動態様で作動可能な可動演出部材14(「可動体」ともいう。)が設けられている。本実施例の可動演出部材14(可動体)は、図3に示すように外周が鋸歯状の円形の可動体とされており、遊技者から常時視認可能となるように設けられている。可動演出部材14は、普段(非作動時)は、センター装飾体10の上部左側(左上)の待機位置(初期位置)にあり、画像表示装置7の表示画面7aに被らないようになっている(図54(A)を参照)。
可動演出部材14を待機位置から作動位置へ移動させる条件(「作動条件」ともいう。)が成立すると、可動演出部材14が作動を開始して、待機位置から所定の作動位置に向かって移動する。具体的には、可動演出部材14が待機位置から右斜め下方に向かって移動し、表示画面7aの略中央部分を覆う位置(作動位置)で停止するものとなっている(図54(B)を参照)。可動演出部材14が作動位置にあるとき、可動演出部材14は表示画面7aの手前側に位置して、表示画面7aの一部(本実施例では、演出図柄表示領域7bの一部)を覆う状態となる。この状態から、可動演出部材14を作動位置から待機位置へ移動させる条件(「復帰条件」ともいう。)が成立すると、可動演出部材14が作動を開始して、作動位置から待機位置に向かって移動する。具体的には、可動演出部材14が作動位置から左斜め上方に向かって移動し、表示画面7aの左上方の待機位置で停止するものとなっている(図54(A)を参照)。このように可動演出部材14は、待機位置と作動位置との間で移動(作動)することが可能(変位可能)となっている。
可動演出部材14(可動体)には複数のLEDからなる可動体ランプ15(「可動体電飾」ともいう。)が設けられており、可動演出と一緒に又は別々に可動体ランプ15が発光可能となっている。すなわち、本実施例の可動演出部材14は、可動体ランプ15を含んで構成される。また、可動演出部材14は、作動位置に移動した状態(表示画面7aの手前側)で、表示画面7aに垂直な軸(図示せず)を回転軸として回転可能となっている(図54(B)を参照)。
本実施例では、可動演出部材14を作動させる演出(「可動演出」ともいう。)を、演出図柄8の変動表示中の予告演出として行ったりリーチ演出の一部として行ったりすることが可能となっている。このような可動演出の実行により、遊技者の大当りに対する期待感を高める(煽る)ことが可能となる。なお、可動演出の終了条件が成立すると、可動演出部材14は元の待機位置へ移動(復帰)する。
ここで、可動演出部材14は所謂「ギミック」に相当するものであり、可動演出部材14を作動させる演出(可動演出)は「ギミック演出」に相当するものである。可動演出部材14(可動体)のことを「可動部」又は「可動演出手段」ともいう。すなわち、可動演出部材14は演出用の可動部(演出可動部)として機能する。
本実施例では、センター装飾体10の上部に一の可動演出部材14を設けているが、可動演出部材を設ける位置や可動演出部材の個数はこれに限定されるものではない。例えば、センター装飾体10の中央開口(表示画面7a)の左右の何れか一方又は両方に可動演出部材を設けたり、センター装飾体10の中央開口(表示画面7a)の下方(ステージ部11側)に可動演出部材を設けたりしてもよい。また、前面枠51に可動演出部材を設けてもよい。この場合、遊技盤側の可動演出部材を作動させる可動演出(「盤側可動演出」又は「第1可動演出」ともいう。)が実行されるパターンと、枠側の可動演出部材を作動させる可動演出(「枠側可動演出」又は「第2可動演出」ともいう。)が実行されるパターンとを設けることができる。遊技盤側の可動演出部材のことを「盤側可動演出部材」や「盤側可動体」ともいい、枠側の可動演出部材のことを「枠側可動演出部材」や「枠側可動体」ともいう。このように、可動演出のバリエーションを増やすことで遊技興趣を高めることが可能となる。また可動演出部材14以外にも、例えば、演出ボタン63が振動等する場合、演出ボタン63を作動させる演出(ギミック演出)のことも「可動演出」ということができ、演出ボタン63のことも「可動部」又は「可動演出手段」ということができる。
また、種々の音(効果音)をスピーカ67から発生(出力)させる演出のことを音演出ともいい、スピーカ67のことを「音演出手段」ともいう。また、遊盤面ランプ5や枠ランプ66、装飾部材13、可動体ランプ15等を発光させる演出のことを「発光演出」又は「光演出」ともいい、遊盤面ランプ5や枠ランプ66、装飾部材13、可動体ランプ15等のことを「発光部」又は「発光演出手段」ともいう。盤面ランプ5等以外にも、例えば、演出ボタン63や発射ハンドル60がLED等の電飾部材を内蔵しており、当該電飾部材が点灯・点滅等する場合、演出ボタン63や発射ハンドル60を発光させる演出のことを「発光演出」ということができ、演出ボタン63や発射ハンドル60に内蔵された電飾部材のことを「発光部」又は「発光演出手段」ということができる。「表示演出手段」、「可動演出手段」、「音演出手段」及び「発光演出手段」を総じて「演出手段」ともいう。
遊技領域3における画像表示装置7の下方(ステージ部11の下方)には、遊技球の入球し易さ(入球可能性)が変化しない非可変式の第1始動口20(「非可変始動口」又は「固定始動口」ともいう。)を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行され、当該当否判定の結果に基づいて第1特別図柄の変動表示及び停止表示が実行される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さ(入球可能性)が変化する可変式の第2始動口21(「可変始動口」ともいう。)を備える可変入賞装置22が設けられている。可変入賞装置22(第2始動口21)は、普通電動役物として設けられるものである。
第2始動口21への遊技球の入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行され、当該当否判定の結果に基づいて第2特別図柄の変動表示及びが実行示される。
可変入賞装置22は可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)と、当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)とに変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、大入賞口30(「特別入球口」又は「可変入球口」ともいう。)を備える大入賞装置31が設けられている。この大入賞装置31(大入賞口30)は、特別電動役物として設けられるものである。
大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
遊技領域3のうち右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。
遊技領域3のうち下側領域には、には、複数の一般入賞口27が設けられている。第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。例えば、第1始動口20の賞球数は「3」、第2始動口21の賞球数は「1」、大入賞口30の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」とされる。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域3A(第1領域)と、右側の右遊技領域3B(第2領域)と、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「左打ち」ともいい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射することを「右打ち」ともいう。
複数の入球口のうち、第1始動口20および左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、大入賞口30、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。このため、パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が特別遊技状態等に変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、大入賞口30への入球を狙うこととなる。なお、始動口、大入賞口、一般入賞口及ゲートの数は本実施例に限定されるものではなく、例えば、始動口を3個としたり、大入賞口を2個としたり、一般入賞口を4個としたり、ゲートを2個としたりする等、それぞれの設置個数は任意である。
図3及び図4に示すように、遊技領域3の外側(遊技領域外)であって遊技盤2の右下部には主表示器40が設けられている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向(左打ちすべき状態か右打ちすべき状態か)を示す発射方向表示器47と、第1特別図柄当否判定又は第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、が含まれている(図4を参照)。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述の主制御部80によって表示制御される。
なお、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがあり、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して「特別図柄表示器」又は「特別図柄表示部」ということがあり、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して「特図保留表示器」又は「特図保留表示部」ということがある。
特別図柄表示部では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。つまり、第1特別図柄の変動表示は第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われ、第2特別図柄の変動表示は第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当り図柄(特定特別図柄、特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定表示態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる大当り遊技(特別遊技)が実行される大当り遊技状態(特別遊技状態)に移行する。大当り遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
特別図柄の停止表示は、所定の停止表示時間(確定表示時間)が経過するまで行われる。そして、停止表示された特別図柄が外れ図柄(外れ態様、非特定態様)であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されている場合には、停止表示時間が経過すると、記憶順の最も古い(最先の)特図保留が消化され、これにより次の特別図柄の変動表示が開始される。また、停止表示された特別図柄が外れ図柄であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されていない場合には、停止表示時間が経過した後も、特別図柄の停止表示状態が維持される。一方、停止表示された特別図柄が大当り図柄である場合には、停止表示時間が経過すると、後述する大当り遊技のオープニング期間に移行し、当該オープニング期間を経て大当り遊技の1ラウンド目が開始される。
特別図柄の停止表示時間は「0.5秒~1.0秒」とされるのが一般的で、本実施例では「0.6秒」としている。なお、停止表示された特別図柄が外れ図柄の場合の停止表示時間(外れ停止表示時間)と、停止表示された特別図柄が大当り図柄の場合の停止表示時間(大当り停止表示時間)とを異ならせてもよく、この場合、大当り停止表示時間を外れ停止表示時間よりも長くしたり、外れ停止表示時間を大当り停止表示時間よりも長くしたりすることができる。また、後述の低ベース状態や高ベース状態等の遊技状態により停止表示時間を異ならせてもよい。
図4に示すように、第1特別図柄表示器41aは、「i~p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「10R第1大当り」、「10R第2大当り」、「10R第3大当り」、「10R第4大当り」、「10R第5大当り」、「5R第6大当り」及び「5R第7大当り」の7種類の大当りが設けられており(図6、図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら7種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定表示態様、特定表示結果)を表示することが可能となっている。例えば、第1特別図柄当否判定の結果が10R第1大当りの場合は「ij」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(10R第1大当り図柄)、10R第2大当りの場合は「in」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(10R第2大当り図柄)、10R第3大当りの場合は「im」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(10R第3大当り図柄)等、第1特別図柄表示器41aを構成する複数のLEDの点灯と消灯の組み合わせにより、各種大当り図柄(特定表示態様、特定表示結果)を表示する。また、第1特別図柄当否判定の結果が外れの場合は「p」の1個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
一方、第2特別図柄表示器41bは、「a~h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「10R第8大当り」及び「10R第9大当り」の2種類の大当りが設けられており(図6、図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。例えば、第2特別図柄当否判定の結果が10R第8大当りの場合は「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(10R第8大当り図柄)、10R第9大当りの場合は「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(10R第9大当り図柄)等、第2特別図柄表示器41bを構成する複数のLEDの点灯と消灯の組み合わせにより、各種大当り図柄(特定表示態様、特定表示結果)を表示する。また、外れの場合は「h」の1個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
なお、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)や大当りの種類(ラウンド数の種類、大当りの数など)はこれらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。
特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示の態様は、例えば、時計回り方向や反時計回り方向など、予め定められた順序で光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様とすることができる。また、第1特別図柄表示器41aに停止表示された第1特別図柄は、前述の停止表示時間が経過するまでその停止表示態様が維持され、停止表示時間が経過すると次の変動表示が開始される。同様に、第2特別図柄表示器41bに停止表示された第2特別図柄は、前述の停止表示時間が経過するまでその停止表示態様が維持され、停止表示時間が経過すると次の変動表示が開始される。次の変動表示が開始されない場合には、停止表示時間が経過しても停止表示態様は維持される。
パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)が取得され(取得手段)、取得された各種情報が、主制御部80のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数には上限が設定されており、本実施例における上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部のことを、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。また、取得情報記憶手段のことを単に「記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定個数(本実施例では4)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
なお、前述の第1演出保留表示領域9c及び第2演出保留表示領域9dと同様に、第1特図保留表示器43aのことを「第1記憶情報表示部」又は「第1記憶情報表示手段」ということができ、第2特図保留表示器43bのことを「第2記憶情報表示部」又は「第2記憶情報表示手段」ということができ、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bの何れか一方又は両方を指して「記憶情報表示部」又は「記憶情報表示手段」ということができる。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンで第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。第2始動口21の開放パターンについては後述する。
図4に示すように、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示することが可能となっている。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄(非特定普通図柄)を表示する。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行される。その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。また、普通図柄表示器42に停止表示された普通図柄は、停止表示時間が経過するまでその停止表示態様が維持され、停止表示時間が経過すると次の変動表示が開始される。次の変動表示が開始されない場合には、停止表示時間が経過しても停止表示態様は維持される。
パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)が取得され、この取得された各種情報は、主制御部80のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数には上限が設定されており、本実施例における上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することができるようになっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」~「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
図4に示すように、ラウンド表示器45は、5R用ランプ及び10R用ランプの2個のLEDで構成されている。ラウンド表示器45では、例えば5R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、5R用ランプが点灯表示される。具体的には、「5▲10R△」の様な表示態様(例えば、△:消灯、▲:点灯)となる。また、10R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、10R用ランプが点灯表示される。具体的には、「5△10R▲」の様な表示態様(例えば、△:消灯、▲:点灯)となる。
[パチンコ遊技機1の電気的構成]
次に図2及び図5に基づいて、パチンコ遊技機1の電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技の進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板(「主制御部」又は「遊技制御部」ともいう。)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う副制御基板(「サブ制御部」又は「演出制御部」ともいう。)90、画像表示装置7の表示制御を行う画像制御基板(「画像制御部」ともいう。)100、スピーカ67による効果音の出力制御を行う音声制御基板106、盤面ランプ5や枠ランプ66等の駆動制御を行うランプ制御基板107、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板(「払出制御部」ともいう。)110等を備えている。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面側(裏面側)には、その略中央部に主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、主制御基板ケースの上方に、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、画像制御基板等収納ケース上に副制御基板90を収納した副制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側に、払出制御基板110を収納した払出制御基板ケースが設けられ、払出制御基板ケースの右側に、電源基板109を収納した電源基板ケースが設けられている。電源基板109は、本パチンコ遊技機1が備える各種基板や基板に接続される各種電気部品等に対して駆動(作動)に必要な電力を供給する(電力供給手段)。
図5に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(「遊技制御用マイコン」ともいう。)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。
遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のROMには、遊技進行に係る各種の判定や決定(選択)に用いるテーブルや、特別図柄や普通図柄の変動パターン、第2始動口21や大入賞口30の開放パターンなど、遊技の進行を制御するのに必要な各種のデータが記憶されている。
遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)や普図保留記憶部等が設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、遊技球を検知可能なセンサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。これらの遊技球を検知可能なセンサのことを「球検知センサ」又は「遊技球検知手段」ともいう。
ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24および大入賞口ソレノイド33が接続されている。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。
中継基板88を介して主制御基板80に接続されるセンサ類として、球検知センサの他に、電波出力機器から出力される電波を検知可能な電波センサ71と、磁石から発せられる磁気を検知可能な磁気センサ72とを備えている。
電波センサ71は、例えば、遊技盤2の前面側において電波出力機器から電波が出力された場合に、その電波を検知するものである。この電波センサ71は、主に、球検知センサを電波(不正電波)により誤検知させる不正行為(所謂「電波ゴト」)を検知するために設けられるもので、電波ゴト対策の対象となる入球口(球検知センサ)の個数や位置、電波の検知範囲(検知性能)等に応じて1又は複数設けられる。具体的には、例えば、特別図柄当否判定の実行契機となる第1始動口20(第1始動口センサ20a)や第2始動口21(第2始動口センサ21a)を対象として電波センサ71を設けることができる。
主制御基板80に入力される電波センサ71の検知信号(「電波検知信号」又は「電波センサ信号」ともいう。)は、例えば、電波センサ71が電波(不正電波)を検知していない場合にOFF(非検知状態)となり、電波センサ71が電波(不正電波)を検知した場合にON(検知状態)となる。
磁気センサ72は、例えば、前面枠51の窓部(視認窓)の表面に磁石を近づけた場合に、その磁石の磁気を検知するものである。この磁気センサ72は、主に、磁石を使って遊技球を始動口や一般入賞口、特定領域(V領域)等へ強制的に誘導する不正行為(所謂「磁石ゴト」)を検知するために設けられるもので、磁石ゴト対策の対象となる入球口(球検知センサ)の個数や位置、磁気の検知範囲(検知性能)等に応じて1又は複数設けられる。具体的には、例えば、特別図柄当否判定の実行契機となる第1始動口20や賞球払出の契機となる一般入賞口27を対象として磁気センサ72を設けることができる。
主制御基板80に入力される磁気センサ72の検知信号(「磁気検知信号」又は「磁気センサ信号」ともいう。)は、例えば、磁気センサ72が磁気を検知していない場合にOFF(非検知状態)となり、磁気センサ72が磁気を検知した場合にON(検知状態)となる。
電波ゴトや磁石ゴトといった不正行為を検知可能な電波センサ71や磁気センサ72のことを「不正検知センサ」又は「不正検知手段」ともいう。なお、不正検知センサ(不正検知手段)として、遊技機に与えられる振動を検知可能な振動センサを設けることも可能である。振動センサは、主に、遊技上の特典を付与する契機となる特定領域(V領域)や、遊技上の特典付与に係る抽選が実行される契機となる抽選領域(例えば始動口)の近傍を遊技球が流下する際に、遊技機を叩いて遊技盤(遊技領域)に振動(衝撃)を加えて、遊技球をそれらの領域へ向かわせる不正行為(所謂「どつき」)を検知するために設けられるものである。遊技上の特典としては、特別遊技状態や確変遊技状態等の相対的に有利な遊技状態への移行が例示できる。
また主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板(「発射制御部」ともいう。)111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン(「払出制御用マイコン」ともいう。)116が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。
払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。発射装置112の発射ハンドル60の操作があった場合には、その操作者(遊技者)による発射ハンドル60への接触をタッチスイッチ114が検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さ(発射強度)で遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御される。本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数が1分間で約100個となっている。
払出制御基板110には、前面枠51が開放されていることを検知可能な枠開放検知スイッチ70が接続されている。枠開放検知スイッチ70のことを「開放検知手段」ともいう。枠開放検知スイッチ70は、例えば、前面枠51又は本体枠52に設けられるもので、前面枠51が閉じた状態(閉状態)から開いた状態(開状態)に変化したり開状態から閉状態に変化したりした場合に、その状態変化に応じてオンオフが切り替わるように構成される。つまり、枠開放検知スイッチ70は、前面枠51の開閉を検知する開閉検知スイッチでもある。開閉検知スイッチのことを「開閉検知手段」ともいう。前面枠51は、例えば、遊技盤2のメンテナンス作業や遊技領域3内の球詰まり(所謂「ブドウ」)の解消作業などを行う際に、遊技ホールの店員等の操作(外部からの操作)により開閉される。
払出制御基板110に入力される枠開放検知スイッチ70の検知信号(「枠開放検知信号」ともいう。)は、例えば、前面枠51が閉状態にある場合にOFFとなり(非検知状態)、前面枠51が開状態にある場合にONとなる(検知状態)。すなわち、枠開放検知スイッチ70が前面枠51の開放(前面枠51の閉状態から開状態への変化)を検知すると、枠開放検知スイッチ70の検知信号はONとなる。また、枠開放検知スイッチ70が前面枠51の閉鎖(前面枠51の開状態から閉状態への変化)を検知すると、枠開放検知スイッチ70の検知信号はOFFとなる。
払出制御基板110に入力される枠開放検知信号は、主制御基板80に入力される。つまり、枠開放検知スイッチ70の検知信号は、払出制御基板110を介して主制御基板80に入力される。遊技制御用マイコン81は、入力される枠開放検知信号の状態に基づいて、前面枠51の状態(開閉)を検知することが可能となっている。また、遊技制御用マイコン81は、主制御基板80に入力される前述の電波検知信号や磁気検知信号の状態に基づいて、電波ゴトや磁石ゴトの不正行為を検知することが可能となっている。
前面枠51が開放したり不正行為が発生したりすると、遊技を正常に行うことは困難(不可能)となり、パチンコ遊技機1の状態は遊技に適さない状態となる。このような遊技に適さない状態(本実施例では、前面枠51が開放した状態や不正行為が発生した状態)のことを「特定状態」ともいう。
主制御基板80は、副制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80と副制御基板90との接続は、主制御基板80から副制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80と副制御基板90との間には、通信方向規制手段としての不図示の単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、副制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(「演出制御用マイコン」ともいう。)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って行われる演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。
演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。なお、入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。副制御基板90(演出制御用マイコン91)のROMには、遊技演出に係る各種の判定や決定(選択)に用いるテーブルや、変動演出や予告演出等の演出パターンなど、演出を制御するのに必要な各種のデータが記憶されている。また、副制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
副制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106及びランプ制御基板107等が接続されている。副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、遊技の状況に応じて画像制御基板100、音声制御基板106及びランプ制御基板107と協働して、表示演出や音演出、ランプ演出(発光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる。この副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、遊技の状況に応じて種々の演出を実行させることが可能な演出実行手段(「演出制御手段」ともいう。)として機能する。なお、画像制御基板100、音声制御基板106及びランプ制御基板107のうち少なくとも一つを、副制御基板90とともに演出実行手段(演出制御手段)として機能するものと捉えることもできる。
副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン(「画像制御用マイコン」ともいう。)101のCPUに画像表示装置7の表示制御を行わせる。
画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の各種画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。なお、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて又は加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から演出音(効果音)や報知音等の種々の音を出力する。スピーカ67から出力される音は、楽曲(BGM)、音声、電子音等により構成することができ、当該音のデータ(音データ)は副制御基板90のROMに格納されている。
なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音データを格納してもよい。
ここで、パチンコ遊技機1が出力可能な音の例を図44(A)に示す。同図に示すように、本実施例では、出力可能な音として、演出音(効果音)、報知音及び確認音が設けられている。
演出音は、例えば、演出図柄8の変動表示(変動演出)に伴って出力される通常変動BGM(通常変動音)、リーチ演出に伴って出力されるリーチBGM(リーチ演出音)、演出図柄8の停止表示(仮停止及び/又は確定停止)に伴って出力される図柄停止音、予告演出に伴って出力される予告音、始動口や一般入賞口、大入賞口等の特定の入賞口への遊技球の入球に伴って出力される入賞音、大当り遊技演出に伴って出力される大当りBGM(大当り演出音)等である。演出音は、前述の音量調整操作により設定される「0(消音)」、「1(最小)」、「2(小)」、「3(中)」、「4(大)」及び「5(最大)」の各段階(音量設定値、音量情報)に応じた音量で、スピーカ67から出力される。
報知音は、例えば、枠開放検知スイッチ70が前面枠51の開放を検知したこと(つまり、前面枠51が開放中であること)を報知する枠開放音、電波センサ71が電波を検知したことを報知する電波検知音、磁気センサ72が磁気を検知したことを報知する磁気検知音、遊技者に左打ちを行うよう指示する左打ち指示音、下皿62が満杯であることを報知する下皿満杯音等である。報知音は、前述の音量調整操作により設定される音量の段階にかかわらず、「5(最大)」に応じた音量でスピーカ67から出力される。電波検知音及び磁気検知音の何れか一方又は両方を指して「不正検知音」ともいう。
確認音は、例えば、前述の音量調整操作により音量の設定(調整)が行われた場合の当該設定(調整)後の音量の段階(前述の音量設定値に応じた段階)を遊技者に示す(報知する)音量確認音や、前述の光量調整操作に基づいて光量の設定(調整)が行われた場合の当該設定(調整)後の光量の段階(前述の光量設定値に応じた段階)を遊技者に示す(報知する)光量確認音等である。確認音は、前述の音量調整操作に基づいて設定される「0(消音)」、「1(最小)」、「2(小)」、「3(中)」、「4(大)」及び「5(最大)」の各段階(音量設定値、音量情報)に応じた音量で、スピーカ67から出力される。なお、音量確認音は、音量調整操作に基づいて設定される音量の段階にかかわらず消音以外の所定の音量(例えば中音量(音量「3」))で出力されるようにしてもよく、音量調整操作により音量「0」が設定された場合には音量「1」に対応する音量(最小音量)で出力されるようにしてもよい。また、光量確認音は、音量調整操作に基づいて設定される音量の段階にかかわらず消音としてもよく、消音以外の所定音量(例えば中音量(音量「3」))で出力されるようにしてもよい。
パチンコ遊技機1は、音データを再生する複数のチャンネル(「再生チャンネル」ともいう。)を備えており、再生チャンネル(以下「再生ch」と表記することもある。)にセットされた(割り当てられた)音(音データ)が出力される。本実施例では、図44(B)に示すように、再生ch01から再生ch16までの16個のチャンネルが設けられている。なお、再生chの個数(チャンネル数)は本実施例に限定されるものではなく、出力(出音)する音の種類や音演出の仕様等に応じて適宜変更可能である。音の出力制御については後述する。
副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5、可動体ランプ15等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータであり、「ランプデータ」ともいう。)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5、可動体ランプ15等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
副制御基板90(演出制御用マイコン91)は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動演出部材14(可動体)を作動させる。可動演出部材14の作動は、不図示のモータ等の電気的駆動源(「駆動手段」ともいう。)により行われる。演出制御用マイコン91は、可動演出部材14を所定の作動態様で作動させるためのデータ(「駆動データ」ともいう。)を、副制御基板90のROMに予め格納(記憶)されている複数の作動パターンデータの中から決定(選択)し、その決定した作動パターンデータに基づいて可動演出部材14の作動(可動演出)を制御する。可動演出部材14及びこれを作動させる駆動手段を含んで可動演出装置が構成される。
なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、この場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動演出部材14の作動制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや作動パターンに関するデータを格納してもよい。
副制御基板90には、可動演出部材14の位置を検知可能な位置検知センサ17が接続されている。本実施例では、位置検知センサ17として、可動演出部材14が待機位置(初期位置)にある場合に検知状態(例えば「ON」)となり、待機位置にない場合に非検知状態(例えば「OFF」)となる待機位置検知センサ17a(「第1位置検知センサ」又は「第1位置検知手段」ともいう。)と、可動演出部材14が作動位置にある場合に検知状態(例えば「ON」)となり、作動位置にない場合に非検知状態(例えば「OFF」)となる作動位置検知センサ17b(「第2位置検知センサ」又は「第2位置検知手段」ともいう。)と、が設けられている。位置検知センサ17(待機位置検知センサ17a、作動位置検知センサ17b)は、例えば、発光部と受光部とを備えたフォトインタラプタにより構成される。
待機位置検知センサ17aの検知の状態を示す信号(「待機位置検知信号」ともいう。)、及び作動位置検知センサ17bの検知の状態を示す信号(「作動位置検知信号」ともいう。)は、それぞれ副制御基板90に入力される。演出制御用マイコン91は、その入力された信号に基づいて、可動演出部材14が待機位置にあるのか作動位置にあるのか、すなわち、可動演出部材14の位置(状態)を判別したり、可動演出部材14の異常を検知したりすることが可能に構成されている。
例えば、パチンコ遊技機1の稼働中(電源ON時)において、可動演出部材14が作動する前の非作動時(可動演出の非実行時)や作動開始時(可動演出の開始時)等に待機位置検知信号がOFF(待機位置検知センサ17aが非検知状態)になっていたり、可動演出部材14を待機位置から作動位置へ移動させる条件(可動演出部材14の作動条件)が成立してから所定時間(例えば、可動演出部材14が待機位置から作動位置へ移動するのに要する時間)が経過したにもかかわらず作動位置信号がON(作動位置検知センサ17bが検知状態)にならなかったり待機位置検知信号がON(待機位置検知センサ17aが検知状態)のままであったり、可動演出部材14を作動位置から待機位置へ移動させる条件(可動演出部材14の復帰条件)が成立してから所定時間(例えば、可動演出部材14が作動位置から待機位置へ移動するのに要する時間)が経過したにもかかわらず待機位置検知信号がON(待機位置検知センサ17aが検知状態)にならなかったり作動位置検知信号がON(作動位置検知センサ17bが検知状態)のままであったりする等、可動演出部材14の作動状況と位置検知信号(位置検知センサ17の検知状態)とが整合しない場合に、可動演出部材14の異常(可動部の異常)が発生したと判断することができる。
位置検知センサ17(待機位置検知センサ17a及び作動位置検知センサ17bの何れか一方又は両方)のことを「位置検知手段」ともいい、可動演出部材14の異常を検知可能な演出制御用マイコン91のことを「異常検知手段」ともいい、待機位置検知信号及び作動位置検知信号の何れか一方又は両方を指して「位置検知信号」ともいう。
副制御基板90には、第1演出ボタン63aや第2演出ボタン63b(図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号が副制御基板90に入力される。第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dの何れか一方又は両方を指して「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
[当りの概要]
次に、パチンコ遊技機1の当りの概要について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。前述したように、「大当り」のときには特別図柄表示部に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには特別図柄表示部に「外れ図柄」が停止表示される。特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技のことを「大当り遊技」ともいう。
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、図6に示すように、大当りとして「10R(ラウンド)第1大当り」、「10R第2大当り」、「10R第3大当り」、「10R第4大当り」、「10R第5大当り」、「5R第6大当り」、「5R第7大当り」、「10R第8大当り」及び「10R第9大当り」の計9種類が設けられている。これらの大当りのうち、「10R第1大当り」、「10R第2大当り」、「10R第3大当り」、「10R第4大当り」、「10R第5大当り」、「5R第6大当り」及び「5R第7大当り」は第1特別図柄に係る大当りであり、「10R第8大当り」及び「10R第9大当り」は第2特別図柄に係る大当りである。特別図柄表示部には、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。なお、本明細書ではラウンドを「R」と表記することがある。
10R第1大当り、10R第8大当り及び10R第9大当りは、何れもラウンド数が「10」、大入賞口30の開放回数が1R~10Rの各ラウンドにつき「1回」、大入賞口30の開放時間が1R~10Rの各ラウンドにつき「25秒」の大当りである。開放時間「25秒」の開放のことを「ロング開放」ともいう。
5R第6大当り及び5R第7大当りは、何れもラウンド数が「5」、大入賞口30の開放回数が1R~5Rの各ラウンドにつき「1回」、大入賞口30の開放時間が1R~5Rの各ラウンドにつき「25秒」の大当りである。
10R第2大当りは、ラウンド数が「10」、大入賞口30の開放回数が1R~10Rの各ラウンドにつき「1回」、大入賞口30の開放時間が1R~10Rの各ラウンドにつき「25秒」の大当りである。
10R第3大当りは、ラウンド数が「10」、大入賞口30の開放回数が1R~10Rの各ラウンドにつき「1回」、大入賞口30の開放時間が、1R~7Rの各ラウンドにつき「25秒」、8R~10Rの各ラウンドにつき「0.1秒」の大当りである。開放時間「0.1秒」の開放のことを「ショート開放」ともいう。10R第3大当りに係る大当り遊技(「10R第3大当り遊技」ともいう。)のうち、8R~10Rは大入賞口30の1ラウンドあたりの開放時間が「0.1秒」という極短時間であり、大入賞口30に遊技球が入球する可能性は極めて低いもの(実質的にゼロ)となる。このため、10R第3大当り遊技では、1ラウンドあたりの開放時間が「25秒」とされる1R~7Rにおいて大入賞口30への遊技球の入球可能性が高くなり、遊技球を容易に大入賞口30に入球させることが可能となる。したがって、10R第3大当りは実質的に「7R大当り」であり、10R第3大当り遊技は実質的に「7R大当り遊技」である。
10R第4大当りは、ラウンド数が「10」、大入賞口30の開放回数が1R~10Rの各ラウンドにつき「1回」、大入賞口30の開放時間が、1R~5Rの各ラウンドにつき「25秒」、6R~10Rの各ラウンドにつき「0.1秒」の大当りである。10R第4大当りに係る大当り遊技(「10R第4大当り遊技」ともいう。)のうち、6R~10Rは大入賞口30の1ラウンドあたりの開放時間が「0.1秒」という極短時間であり、大入賞口30に遊技球が入球する可能性は極めて低いもの(実質的にゼロ)となる。このため、10R第4大当り遊技では、1ラウンドあたりの開放時間が「25秒」とされる1R~5Rにおいて大入賞口30への遊技球の入球可能性が高くなり、遊技球を容易に大入賞口30に入球させることが可能となる。したがって、10R第4大当りは実質的に「5R大当り」であり、10R第4大当り遊技は実質的に「5R大当り遊技」である。
10R第5大当りは、ラウンド数が「10」、大入賞口30の開放回数が1R~10Rの各ラウンドにつき「1回」、大入賞口30の開放時間が、1R~3Rの各ラウンドにつき「25秒」、4R~10Rの各ラウンドにつき「0.1秒」の大当りである。10R第5大当りに係る大当り遊技(「10R第5大当り遊技」ともいう。)のうち、4R~10Rは、大入賞口30の1ラウンドあたりの開放時間が「0.1秒」という極短時間であり、大入賞口30に遊技球が入球する可能性は極めて低いもの(実質的にゼロ)となる。このため、10R第4大当り遊技では、1ラウンドあたりの開放時間が「25秒」とされる1R~3Rにおいて大入賞口30への遊技球の入球可能性が高くなり、遊技球を容易に大入賞口30に入球させることが可能となる。したがって、10R第5大当りは実質的に「3R大当り」であり、10R第5大当り遊技は実質的に「3R大当り遊技」である。
これら9種類の大当りのうち、10R第1大当り、5R第6大当り、5R第7大当り、10R第8大当り及び10R第9大当りは、各ラウンドの間(ラウンド間)に一定のインターバル時間(例えば、約0.5秒~1秒)が設定され、1ラウンドから最終ラウンドまでの各ラウンドが同じ(一定の)インターバル時間を挟んで消化される。このようにラウンドが消化される10R第1大当り、5R第6大当り、5R第7大当り、10R第8大当り及び10R第9大当りは、一般的な大当りであるといえる。
これに対し、10R第2大当り及び10R第3大当り(実質7R大当り)は、3ラウンド、5ラウンド及び7ラウンドが終了したときのラウンド間と、それ以外のラウンド(1R、2R、4R、6R、8R、9R)が終了したときのラウンド間とで、インターバル時間を異ならせており、前者の方が後者よりもインターバル時間が長くなっている。例えば、3ラウンド、5ラウンド及び7ラウンドが終了したときのラウンド間のインターバル時間は「約3秒~5秒」とされ、それ以外のラウンド(1R、2R、4R、6R、8R、9R)が終了したときのラウンド間のインターバル時間は「約0.5秒~1秒」とされる。
10R第4大当り(実質5R大当り)は、3ラウンド及び5ラウンドが終了したときのラウンド間と、それ以外のラウンド(1R、2R、4R、6R、7R、8R、9R)が終了したときのラウンド間とで、インターバル時間を異ならせており、前者の方が後者よりもインターバル時間が長くなっている。例えば、3ラウンド及び5ラウンドが終了したときのラウンド間のインターバル時間は「約3秒~5秒」とされ、それ以外のラウンド(1R、2R、4R、6R、8R、9R)が終了したときのラウンド間のインターバル時間(「第2インターバル時間」ともいう。)は「約0.5秒~1秒」とされる。
10R第5大当り(実質3R大当り)は、3ラウンドが終了したときのラウンド間と、それ以外のラウンド(1R、2R、4R、5R、6R、7R、8R、9R)が終了したときのラウンド間とで、インターバル時間を異ならせており、前者の方が後者よりもインターバル時間が長くなっている。例えば、3ラウンドが終了したときのラウンド間のインターバル時間は「約3秒~5秒」とされ、それ以外のラウンド(1R、2R、4R、5R、6R、7R、8R、9R)が終了したときのラウンド間のインターバル時間は「約0.5秒~1秒」とされる。
10R第2~第5大当りにおいて、相対的に長いインターバル時間(例えば、約3秒~5秒)のことを「第1インターバル時間」ともいい、相対的に短いインターバル時間(例えば、約0.5秒~1秒)のことを「第2インターバル時間」ともいう。
第1インターバル時間が設定されるラウンド間(「インターバル期間」ともいう。)では、次のラウンドも大入賞口30がロング開放されるか否か、すなわち、ロング開放のラウンドが実行(継続)されるか否かを示唆する演出が、画像表示装置7(表示画面7a)等を用いて実行される。第1インターバル時間が設定されるラウンド間のことを「ラウンド分岐タイミング」ともいい、ラウンド分岐タイミングにおいて実行される演出のことを「ラウンド分岐演出」ともいう。
例えば、10R第5大当り遊技の3ラウンド目が終了したときのラウンド間(ラウンド分岐タイミング)では、ラウンド分岐演出として、次ラウンド以降、ロング開放のラウンドが実行(継続)されない旨を示唆する演出(例えば、ロング開放ラウンド終了演出や大当り終了演出)が実行され、10R第2~第4大当り遊技の3ラウンド目が終了したときのラウンド間(ラウンド分岐タイミング)では、ラウンド分岐演出として、次ラウンド以降もロング開放のラウンドが実行(継続)される旨を示唆する演出(例えば、ロング開放ラウンド継続演出)が実行される。
また、10R第4大当り遊技の5ラウンド目が終了したときのラウンド間(ラウンド分岐タイミング)では、ラウンド分岐演出として、次ラウンド以降、ロング開放のラウンドが実行(継続)されない旨を示唆する演出(例えば、ロング開放ラウンド終了演出や大当り終了演出)が実行され、10R第2・第3大当り遊技の5ラウンド目が終了したときのラウンド間(ラウンド分岐タイミング)では、ラウンド分岐演出として、次ラウンド以降もロング開放のラウンドが実行(継続)される旨を示唆する演出(例えば、ロング開放ラウンド継続演出)が実行される。
また、10R第3大当り遊技の7ラウンド目が終了したときのラウンド間(ラウンド分岐タイミング)では、ラウンド分岐演出として、次ラウンド以降、ロング開放のラウンドが実行(継続)されない旨を示唆する演出(例えば、ロング開放ラウンド終了演出や大当り終了演出)が実行され、10R第2大当り遊技の7ラウンド目が終了したときのラウンド間(ラウンド分岐タイミング)では、ラウンド分岐演出として、次ラウンド以降もロング開放のラウンドが実行(継続)される旨を示唆する演出(例えば、ロング開放ラウンド継続演出)が実行される。
このように10R第2~第5大当りは、ロング開放のラウンドが継続するか否かの分岐点(ラウンド分岐タイミング)となるラウンド間において、それ以外のラウンド間に比して長時間のインターバル時間(第1インターバル時間)が設定され、当該インターバル時間を利用してラウンド分岐演出が実行されるものとなっている。このように、ラウンド分岐タイミングにおいてラウンド分岐演出が実行される10R第2~第5大当りに係る大当り遊技は所謂「ランクアップボーナス」と呼ばれるもので、10R第1大当り等の一般的な大当りとは遊技性が異なる特殊な大当りである。以下、ランクアップボーナスのことを「RUB」と表記することもある。
ここで、ラウンドのことを「ラウンド遊技」ともいい、ラウンド遊技のことを「大入賞口開閉遊技」、「可変入球遊技」又は「特別入球遊技」ともいう。また、5R第6大当り及び5R第7大当りのことを総じて「5R大当り」ともいい、10R第1~第5大当り及び10R第8・第9大当りのことを総じて「10R大当り」ともいう。さらに、10R第2~第5大当りのことを「特殊大当り」ともいい、10R第2~第5大当り以外の大当り(10R第1・第8・第9大当り、5R第6・第7大当り)のことを「一般大当り」ともいい、特殊大当りに係る大当り遊技(ランクアップボーナス(RUB))のことを「第1特別遊技」ともいい、一般大当りに係る大当り遊技(5R大当り遊技又は10R大当り遊技)のことを「第2特別遊技」ともいう。
また、大当り遊技の実行契機となる特別図柄の大当り図柄(特定表示態様、特定表示結果)のうち、特殊大当りに係る大当り図柄(10R第2大当り図柄、10R第3大当り図柄、10R第4大当り図柄、10R第5大当り図柄)のことを「第1特定表示態様」又は「第1特定表示結果」ともいい、一般大当りに係る大当り図柄(10R第1大当り図柄、5R第6大当り図柄、5R第7大当り図柄、10R第8大当り図柄、10R第9大当り図柄)のことを「第2特定表示態様」又は「第2特定表示結果」ともいう。
なお、本実施例では、ラウンド数の違いによる大当り種別を、5R大当り及び10R大当りの2種類としているが、例えば、3R大当りと6R大当りと10R大当りの3種類としたり、7R大当りの1種類としたりする等、種々の大当り種別を設けることが可能である。また本実施例では、大当り遊技の最大ラウンド数を10R(10R大当り)としているが、最大ラウンド数はこれに限られず、例えば、10Rよりも多いラウンド(例えば15R)を最大ラウンド数としたり、10Rよりも少ないラウンド(例えば9R)を最大ラウンド数としたりすることも可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1では、発生(当選)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させる。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の10R第1~第5大当り、5R第6大当り及び10R第8大当りの何れかである場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」に制御される(図6を参照)。これに対して、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の5R第7大当り及び10R第9大当りの何れかである場合には、大当り遊技終了後の遊技状態が後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」に制御される(図6を参照)。このことから、10R第1~第5大当り、5R第6大当り及び10R第8大当りは「確変大当り」として捉えることができ、5R第7大当り及び10R第9大当りは「非確変大当り」(「通常大当り」又は「時短大当り」ともいう。)として捉えることができる。
図6及び図8(B)に示すように、第1特別図柄(特図1)の当否判定で大当りとなった場合の各大当りの振分確率は、10R第1大当りが5%、10R第2大当りが5%、10R第3大当りが7%、10R第4大当りが10%、10R第5大当りが13%、5R第6大当りが15%、5R第7大当りが45%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定で大当りとなった場合の各大当りの振分確率は、10R第8大当りが55%、10R第9大当りが45%となっている。すなわち、第2始動口21への入球に基づく当否判定(特図2当否判定)で大当りとなった場合には、10R大当りの出現率(振分確率)が100%となっており、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特図1当否判定)で大当りとなった場合に比べ、10R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。このようにパチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特図1当否判定)で大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特図2当否判定)で大当りとなる方が、獲得可能な賞球量(賞球数)の観点で遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる後述の開放延長機能の作動中(高ベース状態の発生中)においては顕著である。
パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう。)」に基づいて行われ、当否判定の結果が大当りである場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」又は「図柄決定用情報」ともいう。)」に基づいて行われる。本実施例では、図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0~629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0~99」までの範囲で値をとる。特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数は、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)である。
第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他、図7(A)に示すように「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう。)」がある。変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、本実施例では「0~198」までの範囲で値をとる。
また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数(取得情報)には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、本実施例では「0~240」までの範囲で値をとる。
[遊技状態]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能並びに普通電動役物の開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」や「確変状態」ともいい、作動していない状態を「低確率状態」や「通常状態」ともいう。
高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態(低確率状態)よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」や「短縮変動状態」ともいい、作動していない状態を「非時短状態」や「通常変動状態」ともいう。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始から終了(確定表示)までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化ペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定の当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技(普図当り遊技)における第2始動口21の開放時間が非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」又は「高頻度状態」ともいい、作動していない状態を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
なお、高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときに比べ第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なるものであればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生させる機能のことを「高ベース発生機能」ともいう。
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、10R第1~5大当り、5R第6大当り及び10R第8大当りの何れかが発生した場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を「高確高ベース状態」ともいう。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、遊技者にとっては所謂「確変状態」となる。
また、5R第7大当り及び10R第9大当りの何れかが発生した場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を「低確高ベース状態」ともいう。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。
なお、「低確高ベース状態」のことを「第1遊技状態」ともいい、「高確高ベース状態」のことを「第2遊技状態」ともいう。また、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより遊技球を右遊技領域3Bへ進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっている(第1始動口よりも第2始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対し、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行させることができる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっている(第2始動口よりも第1始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDを有しており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すことが可能とされている。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
以上のように本実施例のパチンコ遊技機1では、大当り遊技が行われていない低確低ベース状態を基準にすると、この低確低ベース状態を「通常遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技(変動遊技)を「通常遊技」として捉えることができる。一方、高確高ベース状態や低確高ベース状態は、低確低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な遊技状態であることから、これら高確高ベース状態や低確高ベース状態を「特別遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技を「特別遊技」として捉えることができる。
また、大当り遊技は、特別図柄を変動表示させて大当り図柄が停止表示されることで実行され得る遊技であって、遊技者にとっては、大入賞口30への遊技球の入球により多量の賞球を獲得できることから、大当り遊技が行われる遊技状態は、大当り遊技が行われていない遊技状態に比べ遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。このため、大当り遊技が行われる遊技状態を「特別遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて行われる大当り遊技を「特別遊技」として捉えることができる。
また、低確低ベース状態や高確低ベース状態といった低ベース状態は、前述のように左打ちによって遊技球を左遊技領域3Aに進入させて遊技を進行させる遊技状態であることから、低ベース状態を「左打ち状態」として捉えることができる。一方、低確高ベース状態や高確高ベース状態といった高ベース状態および大入賞口への遊技球の入球を狙う大当り遊技が行われる状態は、前述のように右打ちによって遊技球を右遊技領域3Bに進入させて遊技を進行させる遊技状態であることから、高ベース状態や大当り遊技状態を「右打ち状態」として捉えることができる。そして、前述のように、高ベース状態(右打ち状態)では、低ベース状態(左打ち状態)に比べ第2始動口21が開放されやすく、第1始動口20よりも第2始動口21の方が遊技球の入球が容易となり、また、第1始動口20への遊技球の入球に基づく第1特別図柄の当否判定で大当りとなるよりも、第2始動口21への遊技球の入球に基づく第2特別図柄の当否判定で大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、左打ち状態を「通常遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技(変動遊技)を「通常遊技」として捉えることができる。また、左打ち状態に比べ遊技者にとって有利な遊技状態である右打ち状態を「特別遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技(変動遊技)を「特別遊技」として捉えることができる。
また、高確低ベース状態は、低確低ベース状態と比較した場合、ともに低ベース状態である点では一致するものの、高確率状態では特別図柄の確率変動機能が作動して特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる確率が低確率状態よりも高くなることから、低確低ベース状態に比べ遊技者にとって有利な遊技状態である高確低ベース状態を「特別遊技状態」として捉えることができ、当該状態にて特別図柄を変動表示させる遊技(変動遊技)を「特別遊技」として捉えることができる。
以上の各種遊技状態の設定、移行等に係る制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。そして、確率変動機能の作動・非作動に係る制御を行う主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄当否判定の当選確率(大当り確率)を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能な確率設定手段として機能する。また、変動時間短縮機能の作動・非作動に係る制御を行う主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる短縮変動状態(時短状態)を設定可能な短縮変動状態設定手段(時短状態設定手段)として機能する。
[主制御メイン処理]
次に、図10~図36に基づいて遊技制御用マイコン81(遊技制御手段)の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。また、本明細書においてS101等の「S」(フローチャート中の「S」)はステップを意味する。
遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源が投入(オン)されて本パチンコ遊技機1への電力供給が開始されると、図10に示す主制御メイン処理のプログラムを主制御基板80のROMから読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
また、パチンコ遊技機1の電源投入に際してRAMクリアスイッチ(図示せず)が押下された場合、すなわち、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入がなされた場合、主制御基板80のRAM(「所定記憶領域」ともいう。)の初期化を行い、副制御基板90に向けてRAMクリアコマンドを送信する。RAMの初期化のことを「RAMクリア」ともいう。電源投入用のスイッチ(電源スイッチ)は電源基板109(図2を参照)に設けられ、RAMクリアスイッチは電源スイッチの近傍に設けられる。このような主制御基板80のRAMの初期化(RAMクリア)は「所定記憶領域の記憶内容を初期化する初期化処理」の一態様に相当し、主制御基板80のRAMの初期化(初期化処理)を実行する遊技制御用マイコン81は「初期化処理実行手段」の一態様に相当する。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、副制御基板90や払出制御基板110等に出力する。出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が含まれる。コマンドは、例えば2バイトの情報からなり、この場合、上位1バイトはコマンドの種類に関する情報とされ、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報とされる。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a等)が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われる。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)および電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102~S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行される割り込み処理(S105)の出力処理(S201)では、前回の割り込み処理(S105)でRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否かを判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H、図7(B)を参照)を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル-TRND-A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)のS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)の特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて当否(大当り又は外れ)を判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303、S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
事前判定は、例えば、図8(A)に示す大当り判定テーブル、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することにより行うことが可能である。またS317では、当否判定の他、大当り種別決定用乱数に基づく大当り種別判定や変動パターン乱数に基づく変動パターン判定を、事前判定(保留先読み)の対象とすることができる。
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。特図2始動入球コマンドには、S316で読み出した特図2取得乱数値の一部又は全部を示す情報を事前判定情報として含めてもよい。
主制御部80から送信された特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90側で特定することが可能となる。本実施例ではそれに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるか否か、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるか否かを特定可能としている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドにより特定される情報を保留情報(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該保留情報(演出保留情報)を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているか否かを判定することが可能となる。このことは、後述の特図1始動入球コマンドをサブ制御部90が受信した場合についても同様である。
なお、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをサブ制御部90に送信するようにしてもよい。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、S321以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。
ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(第2特別図柄当否判定)が行われやすい状態となっている。また本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S321~S323の処理は、前述したS316~S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。なお、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603、S1604)に先立って行うものである。
以上の始動入球時処理(S205)におけるS317及びS322の処理を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「事前判定手段」として機能するものである。また、第1始動口20への入球に基づいて取得された特図1取得乱数値(取得情報)の事前判定(S322)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「第1事前判定手段」として機能するものであり、第2始動口21への入球に基づいて取得された特図2取得乱数値(取得情報)の事前判定(S317)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「第2事前判定手段」として機能するものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に普図動作ステータス「1」~「4」を割り当てている。そして、普図動作ステータスが「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。なお、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、S502以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行った後、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、本処理を終える。普通図柄変動開始処理(S505)では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また普通図柄変動開始処理では、副制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」~「239」)に基づいて高確率普図当否判定を行い(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。
これに対し、S602で時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づいて低確率普図当否判定を行い(S603)、S605の処理に移行する。
S605では、普図当否判定(S603、S604)の結果が当り(普図当り)であるか否かを判定し(S605)、当りでない(外れである)と判定した場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、当り(普図当り)であると判定した場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、S802以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、普通図柄の変動時間が経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で普通図柄を停止表示させる(普通図柄の変動表示を終了する)等のその他の処理を行い(S804)、本処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、本処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中であるか否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。このことに対応して、S903では、第2始動口21の時短状態中の開放パターンをセットするとともに、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。このことに対応して、S906では、第2始動口21の非時短状態中の開放パターンをセットするとともに、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、本処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中であるか否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、本処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、本処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)、本処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま本処理を終える。一方、第2始動口開放カウンタの値が「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)、本処理を終える。なお、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回行われると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回行われると「0」になる。
これに対して、S1001にて普図当り終了フラグがONであると判定した場合(S1001でYES)、S903又はS906でセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)、本処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(S206)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。図21に示すように、特図動作処理(S207)では、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に特図動作ステータス「1」~「4」の何れかを割り当てている。
特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「4」である場合には(S1101、S1103、S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。なお、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、そうであれば(S1211でYES)、S1212の処理を行うことなく本処理を終え、そうでなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。待機画面には、前述の演出設定画面(図示せず)が含まれる。
待機画面設定処理(S1212)では、特図保留球数(特図1保留球数及び特図2保留球数)が「0」であり且つ変動遊技が実行されない状態で所定時間(例えば60秒)が経過すると、表示画面7aに待機画面を表示するようになっている。待機画面が表示された状態、すなわち、特図保留球数が「0」であり且つ変動遊技が実行されない状態が所定時間(例えば60秒)継続した場合に発生(移行)するパチンコ遊技機1の状態のことを「待機状態」又は「客待ち状態」ともいう。
S1201で特図2保留球数が「0」でないと判定した場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになり易いものとなっている(図8(B)を参照)。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
当否判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」である場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル-TRND-AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、本処理を終える。一方、当否判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でない(「外れ」である)場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、本処理を終える。
ここで、大当り種別を判定するにあたり、第1特別図柄に係る当否判定(「特図1当否判定」ともいう。)の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定(「特図2当否判定」ともいう。)の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。なお、特別図柄当否判定や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。第2特別図柄に係る当否判定(S1303、S1304)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「特図2当否判定実行手段」として機能するものである。特図2当否判定実行手段のことを「判定実行手段」ともいう。
[特図2変動パターン選択処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。その結果、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。
S1402で大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1~P3の何れかが選択される。なお、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。
一方、S1402で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」~「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4~P7の何れかが選択される。
一方、S1405で保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8~P11の何れかが選択される。第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
S1401で時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。その結果、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12~P14の何れかが選択される。
一方、S1408で大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」~「4」の何れかの値とされている。S1410で保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15~P18の何れかが選択される。
S1410で保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」~「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2~4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19~P22の何れかが選択される。
ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
以上のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を行い(S1404)、本処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。セットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
なお、特別図柄の変動パターン(「特図変動パターン」ともいう。)の種類や数は本実施例に示すもの(図9を参照)に限定されるものではなく、本実施例に比して変動パターンを増やしたり減らしたりする等、その種類や数は任意である。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」~「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして(S1503)、本処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示すように特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットするとともに、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601~S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)を読み出して処理を行う。第1特別図柄に係る当否判定(S1603、S1604)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「特図1当否判定実行手段」として機能するものである。特図1当否判定実行手段のことを「判定実行手段」ともいう。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701~S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして(S1803)、本処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示すように特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットするとともに、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間、すなわち、前述のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間(図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、S1902以降の処理を行うことなく本処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。確変カウンタが「0」であると判定した場合(S1905でYES)、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。S1906の処理により高確率状態(確変状態)が終了する。一方、S1903で確変フラグがONでないと判定した場合(S1903でNO)、又は、S1905で確変カウンタが「0」でないと判定した場合(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
S1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1909)。時短カウンタの値が「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。S1910の処理により時短状態(及び高ベース状態)が終了する。一方、S1907で時短フラグがONでないと判定した場合(S1907でNO)、又は、S1909で時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S1909でNO)、S1911の処理に移行する。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた表示結果で特別図柄を停止表示させる(特別図柄の変動表示を終了する)等のその他の処理を行い(S1912)、本処理を終える。遊技制御用マイコン81は、特別図柄の変動表示を停止(終了)する際、特別図柄(停止図柄)の停止表示時間(停止表示期間)を設定する。そして、その設定した停止表示時間(停止表示期間)が経過すると、特別図柄確定処理(S1106)を行う。
なお、確変カウンタの値が「0」になることに基づいて確変フラグをOFFにしたり、時短カウンタの値が「0」になることに基づいて時短フラグをOFFにしたりする処理(S1906、S1910)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「遊技状態制御手段」として機能するものである。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当り(今回の大当り)の種別が10R大当りであるか否かを判定する(S2002)。その結果、10R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「10」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。一方、S2002で大当りの種別が10R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当り(今回の大当り)の種別は5R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「5」をセットし(S2004)、S2009の処理に移行する。
S2009では、確定した大当りの種別(種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは大当りの種別に応じて定められているので(図6を参照)、S2009では、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターン(ロング開放、ショート開放、開放回数等)をセットする。そして、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口30の開放動作が大当り遊技(特別遊技)で実行される。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、10R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、10R第2大当り~第5大当りに対応する第2オープニングコマンド、5R第6大当りに対応する第3オープニングコマンド、5R第7大当りに対応する第4オープニングコマンド、10R第8大当りに対応する第5オープニングコマンドおよび10R第9大当りに対応する第6オープニングコマンドの計6種類が設けられている。
S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドをセットする。そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信する。オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定のオープニング演出の実行処理を行う。本実施例では、10R第2大当り~第5大当りに対応するオープニングコマンドを共通のコマンド(第2オープニングコマンド)としており、10R第2大当り~第5大当りでオープニング演出を共通(同様の演出態様)としている。これは、RUBの遊技性、すなわち、ロング開放のラウンドがいつまで継続するかに遊技者を注目させる遊技性に鑑み、オープニング演出等の大当り(特殊大当り)に係る演出を通じて遊技者が大当りの種別を判別することを困難にするためである。
次いで、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。
オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、大当り図柄で停止表示した特別図柄(演出図柄)の停止表示時間(「停止表示期間」又は「確定停止期間」ともいう。)の経過後に設定される期間であり、特別図柄(演出図柄)の変動表示が実行不能とされる期間である。オープニング期間のことを「開始期間」ともいい、オープニング期間(開始期間)において実行する演出(オープニング演出)のことを「開始演出」ともいう。本実施例では、オープニング期間は特別遊技状態に含まれるものとしている。なお、オープニング期間は、特別遊技状態に含まれないものとしてもよい。
本実施例では、確定した大当りの種別と、その大当りが確定したとき(大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別およびオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。オープニング期間の長さ(オープニング時間)は、大当り遊技が開始されることを遊技者に認識させることができる程度の長さとされるのが一般的であり、例えば、大当り停止表示時間よりも長い時間とすることができる。また、大当りが発生したときの遊技状態や大当りの種別に応じてオープニング期間の長さ(オープニング時間)を異ならせてもよい。
以上の特別図柄待機処理(S1102)、特別図柄変動中処理(S1104)及び特別図柄確定処理(S1106)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「変動遊技実行手段」として機能するものである。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)では、まず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにし(S2104)、S2105の処理に移行する。なお、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、確変フラグはOFFであるため、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行する。また、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、時短フラグはOFFであるため、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置31の動作処理(大入賞口30の開放処理)が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル時間が経過(インターバル期間が終了)している否かによって判定する。
S2106でラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口30が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。S2107では、例えば、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理によりサブ制御部90に送信される。また、S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターン、すなわち、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口30を開放させるべく、開閉部材32を動作(開動作)させる。
S2106でラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば25秒)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば10個)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が先に成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
S2113でラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。S2114では、例えば、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理によりサブ制御部90に送信される。
S2115では大入賞口閉鎖処理を行い、大入賞口30の開閉部材32を動作(閉動作)させて、大入賞口30を閉鎖状態とする(S2115)。また、大入賞口閉鎖処理(S2115)では、大入賞口30を閉鎖状態に保つ閉鎖時間、すなわちインターバル時間をセットする。前述のように、本実施例ではインターバル時間として第1インターバル時間(例えば、約3秒~5秒)と第2インターバル時間(例えば、約0.5秒~1秒)とが設けられているので、実行中の大当り遊技の種類及び終了したラウンド遊技のラウンド数に応じて、第1インターバル時間又は第2インターバル時間がセットされる(S2115)。
次いでS2116では、インターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、そのまま本処理を終える。一方、インターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。そして、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、そのまま本処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットするとともに(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、本処理を終える。なお、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技が終了すると「0」になる。
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当りの種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口30の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間である。エンディング期間のことを「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、大入賞口30は閉鎖状態とされている。エンディング期間(終了期間)において実行する演出のことを「エンディング演出」又は「終了演出」ともいう。本実施例では、エンディング期間は特別遊技状態に含まれるものとしている。なお、エンディング期間は、特別遊技状態に含まれないものとしてもよい。
主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信する。そして、エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
S2105で大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングが到来したか否かを判定する(S2122)。その結果、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、そのまま本処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、本処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。
以上の特別電動役物処理(S1107)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「特別遊技実行手段」として機能するものである。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)では、まず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、10R第1大当り、5R第2大当り及び10R第4大当りの3種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら3種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。そして、今回終了したのが確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、処理を終える。
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定(換言すると、特別図柄の変動表示)を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。つまり、確変大当りに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「高確高ベース状態」(第2遊技状態)となる。なお、本実施例のように、確変カウンタおよび時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグおよび時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定するような制御を採用してもよい。
一方、S2201で確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了したのが非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技である場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」をセットして(S2207)、処理を終える。本実施例では、前述したように、5R第3大当り及び10R第5大当りの2種類を非確変大当り(通常大当り)としているので、これら2種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「低確高ベース状態」(第1遊技状態)となる。低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。
時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。なお、時短カウンタ及び確変カウンタにセット(設定)する値は本実施例に限定されるものではなく、パチンコ遊技機1の遊技性や出球性能、スペック等を考慮して任意に定めることができる。また、それぞれのカウンタに異なる値をセットするようにしてもよい。
以上の遊技状態設定処理(S2124)を実行する主制御部80(遊技制御用マイコン81)は「遊技状態制御手段」として機能するものである。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(保留球数を示す情報を副制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。
保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断すると、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d、変動保留表示領域9e)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特図1保留球数「1」に対応する箇所、図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを変動保留表示領域9eに移動するとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側(保留数減少方向)に1つ移動(シフト)する。
なお、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(S105)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図37~図43及び図45~図53に基づいて、演出制御用マイコン91(演出制御手段)の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、副制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。
演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源が投入されて本パチンコ遊技機1への電力供給が開始されると、図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを副制御基板90のROMから読み出して実行する。電源投入に伴い、主制御基板80から副制御基板90に対して電源投入コマンドが送信されるので、演出制御用マイコン91は、電源投入コマンドの受信に基づいて、サブ制御メイン処理のプログラムを副制御基板90のROMから読み出す。
図37に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
次いでS4002では、電源断信号がONでかつ副制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、副制御基板90のRAM(所定記憶領域)の初期化を行い(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、副制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、副制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。
また、副制御基板90のRAM(所定記憶領域)を初期化は、パチンコ遊技機1の電源投入に際してRAMクリアスイッチ(図示せず)が押下された場合、すなわち、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入がなされた場合(RAMクリアコマンドを受信した場合)にも行われる。このような副制御基板90のRAMの初期化(RAMクリア)は「所定記憶領域の記憶内容を初期化する初期化処理」の一態様に相当し、副制御基板90のRAMの初期化(RAMクリア)を実行する演出制御用マイコン91は「初期化処理実行手段」の一態様に相当する。
なお、S4001~S4003の処理は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。すなわち、前述のように、電源投入に伴って主制御基板80から副制御基板90に対して電源投入コマンドが送信される(RAMクリアスイッチが押下された場合はRAMクリアコマンドも送信される)ので、演出制御用マイコン91は、電源投入コマンド(及びRAMクリアコマンド)の受信に基づいてS4001~S4003の処理を実行する。また本実施例では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータが副制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、副制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。また演出制御用マイコン91は、電源投入コマンドの受信に基づいて、図53に示す電源投入時処理(S6000)を実行する。電源投入時処理(S6000)の詳細については後述する。
S4004では割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、副制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。なお、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。
演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、副制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、副制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう。)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動演出部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や特別遊技演出等)を実行する。
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004~S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7(表示画面7a)による画像(表示物)の表示制御(表示演出制御)や、各種ランプの発光制御(発光演出制御)、可動演出部材14の作動制御(可動演出制御)、スピーカ67からの音出力制御(音演出制御)等を、遊技の進行に伴って行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
図38に示すように、受信割り込み処理(S4008)では、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。
一方、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドを副制御基板90のRAMに格納し(S4102)、本処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、副制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等の各種ランプ(電飾部材)を発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動演出部材14を作動させる(駆動手段を駆動する)ための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。なお、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、副制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)、音制御処理(S4303)及び可動演出制限処理(S4304)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして副制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4305)、その格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4306)。そして、電飾部材を発光させるためのランプデータを作成したり、可動演出部材14を作動させる(駆動手段を駆動する)ための駆動データを作成したり、演出決定用乱数を更新したりする等のその他の処理を行い(S4308)、本処理を終える。
可動演出部材14の駆動データは、後述のS4505で設定される変動演出パターンや、後述のS4506で設定される予告演出パターンが可動演出部材14の作動(可動演出)を含む場合の当該予告演出パターンに含まれる可動演出部材14の作動パターン(可動演出パターン)に基づいて作成される。また、電飾部材のうち可動体ランプ15のランプデータは、後述のS4505で設定される変動演出パターンや可動演出部材14の作動パターン(可動演出パターン)等に基づいて作成される。
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定する(S4390)。始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4390でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4390でYES)、演出保留情報記憶処理(S4395)及び保留アイコン予告処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。
演出保留情報記憶処理(S4395)は、S4390で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式で副制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。
こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。副制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、副制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段(単に「記憶手段」ともいう。)」といえる。
なお、演出保留情報のことを「先読み情報」ともいい、特図1演出保留情報のことを「第1先読み情報」ともいい、特図2演出保留情報のことを「第2先読み情報」ともいう。また、演出保留情報記憶領域(取得情報記憶手段)のことを「先読み情報記憶手段」ともいい、特図1演出保留情報記憶領域のことを「第1先読み情報記憶手段」ともいい、特図2演出保留情報記憶領域のことを「第2先読み情報記憶手段」ともいう。
保留アイコン予告処理(S4400)は、S4395で記憶された演出保留情報(事前判定結果)に基づく予告演出の一種である保留アイコン予告に関する処理である。保留アイコン予告とは、表示画面7aに表示される演出保留(保留アイコン)の表示態様を通常と異なる表示態様(「予告表示態様」ともいう。)で表示して当該予告表示態様により大当りの可能性(期待度)を示唆する演出のことである。保留アイコン予告のことを「保留変化予告」ともいう。保留アイコン予告は、表示画面7a上で行われる表示演出の一種である。保留アイコン予告処理(S4400)については後述する。
S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S4401)。変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行ってS4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、S4402の処理を行うことなくS4405の処理に移行する。
S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S4403)。変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、S4404の処理を行うことなくS4405の処理に移行する。なお、変動演出とは、演出図柄8の変動表示や停止表示、後述のリーチ演出など、特別図柄が変動表示を開始してから終了(停止表示)するまでの変動遊技に合わせて行われる種々の演出を指す。表示画面7a上で行われる変動演出は、表示演出の一種である。
変動演出開始処理(S4402)及び変動演出終了処理(S4404)を実行するサブ制御部90(演出制御用マイコン91)も「変動遊技実行手段」として機能するものである。
S4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4405)。大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出の実行に係る大当り遊技関連演出処理を行う(S4406)。
例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出、エンディング演出等の大当り遊技に関連する演出(「大当り遊技演出」又は「大当り遊技関連演出」ともいう。)を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。表示画面7a上で行われる大当り遊技演出(大当り遊技関連演出)は、表示演出の一種である。
最後にS4407の処理を行い、本処理を終える。S4407では、その他の処理として、例えば、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う(S4407)。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図42に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理を行う(S4501)。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いでS4502では、前述のS4401で受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1~P22)や現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれる(図8を参照)。また変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。なお、変動パターン情報や遊技状態情報、図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の処理においても利用可能である。
次いでS4503では、現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」~「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA~Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで、演出モードとは、変動遊技が実行されるとき(変動遊技状態)の演出形式(演出環境)のことであり、演出モードが異なると、表示画面7aの背景や変動演出、リーチ演出、予告演出等の各種表示演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される演出画像(演出表示)の一部又は全部が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出、ラウンド演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。
本実施例では、演出モードAおよび演出モードBを遊技状態が低確低ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードCを遊技状態が低確高ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードDを遊技状態が高確高ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードEを遊技状態が低確高ベース状態と高確高ベース状態の何れの場合においても実行可能な演出モードとしている。従って、演出モードが「A」~「D」の何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。一方、演出モードが「E」である場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握(判別)することは困難(不可能)である。その意味において演出モードEは「遊技状態非報知モード」といえる。
次いでS4504では、特別図柄当否判定の結果に基づき演出図柄等を用いて行う変動演出の実行パターン(「変動演出パターン」ともいう。)を決めるための不図示の変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)である場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。本実施例では、演出モード(モードステータス)に対応した複数の変動演出パターン決定テーブルが副制御基板90のROMに予め格納されているので、S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)が副制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いでS4505では、S4501で取得した変動演出決定用乱数およびS4504でセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターン(特図変動パターン)に適合した変動演出パターンを決定(選択)し、これを設定する(S4505)。特図変動パターンは、特別図柄の変動時間、すなわち、変動遊技の実行時間を規定するものであるから(図9を参照)、S4505で設定される変動演出パターンに基づく変動演出の実行時間(実行期間)は、特図変動パターンに準じたものとなる。
変動演出パターンとしては、主に、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合、リーチ演出を実行しない場合等が決定される。リーチ演出を実行する(含む)変動演出のことを「リーチあり変動演出」ともいい、リーチ演出を実行しない(含まない)変動演出のことを「リーチなし変動演出」ともいう。
なお、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(当り図柄配列、特別表示態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L,8C,8Rのうちの2個(例えば左演出図柄8L及び右演出図柄8R)が当り図柄配列(特別表示態様)を構成する図柄(「リーチ図柄」又は「リーチ態様」ともいう。)で停止表示(仮停止)され、残り1個(例えば中演出図柄8C)が変動表示を続けている状態(「リーチ状態」ともいう。)で、その残り1個の演出図柄が当り図柄配列を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。このリーチ演出によれば、大当りを狙う遊技者の期待感を効果的に煽ることが可能となる。表示画面7a上で行われるリーチ演出は、表示演出の一種である。
変動演出パターンには、演出図柄8の変動態様の他、演出図柄8の変動表示に付随して実行される表示演出や音演出、発光演出、可動演出等の実行態様(演出パターン)も含まれ、これら演出の実行有無等についても決定される(S4505)。このため、変動演出に付随して実行される表示演出や音演出、発光演出、可動演出等を含めて変動演出ということができる。つまり、S4505では、特別図柄当否判定の結果に基づいて、演出図柄8の変動態様をはじめとする変動演出に係る種々の演出態様が決定される。S4505の処理(S4505の処理を実行する演出制御用マイコン91)は「演出態様決定手段」の一態様に相当する。
またS4505では、S4501で取得した演出図柄決定用乱数および不図示の停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう。)を決定し、これを設定する。停止演出図柄は、演出図柄8のリーチ図柄や当り図柄配列、外れ図柄配列等を構成するものである。停止表示の種類には、演出図柄8を確定的に停止表示する確定停止表示(単に「確定停止」ともいう。)と、演出図柄8を確定的に停止表示する前の仮停止表示(単に「仮停止」ともいう。)とがある。
仮停止とは、演出図柄8の変動表示(例えばスクロール表示)が一旦停止(一時停止)され、演出図柄8が表示画面7a上の所定の停止位置に一時的に停止表示されることを意味する。仮停止した演出図柄は、僅かに動いた状態で表示したり静止した状態で表示したりすることができる。変動表示の終了前に3つの演出図柄8L,8C,8Rが第1停止図柄、第2停止図柄、第3停止図柄の順で停止表示されるときの各図柄の停止表示も仮停止に該当する。一方、確定停止とは、演出図柄8の変動表示が終了して、演出図柄8が表示画面7a上の所定の停止位置(例えば演出図柄表示領域7b)にて完全に静止した状態で表示されることを意味する。演出図柄8が変動表示を経て確定停止されると、その変動表示の表示結果(変動演出の結果)が確定的に表示(確定表示)される(導出表示される)こととなる。つまり、特別図柄の変動表示の終了(つまり、特別図柄の停止表示)に伴って、演出図柄8が確定停止される。したがって、演出図柄8の仮停止は、確定停止に至るまで1回または複数回行うことが可能である。
S4505で決定(選択)する停止演出図柄は、仮停止する図柄(「仮停止図柄」ともいう。)と、確定停止する図柄(「確定停止図柄」ともいう。)である。例えば、変動演出の結果として停止表示(確定停止)される演出図柄8、すなわち確定停止図柄は、特別図柄当否判定の結果が外れであり、その外れがリーチあり外れである場合、「787」等のバラケ目(「リーチ外れ目」又は「リーチ図柄配列」ともいう。)とされ、リーチなし外れである場合、「635」や「655」等のバラケ目(「完全バラケ目」又は「非リーチ図柄配列」ともいう。)とされる。
また、低確低ベース状態において特別図柄当否判定(第1特別図柄当否判定)の結果が大当りであり、その大当りが5R大当り(一般大当り)である場合、演出図柄8の確定停止図柄は「777」以外の数字図柄のゾロ目とされ、10R第1大当り(一般大当り)である場合、演出図柄8の確定停止図柄は「777」のゾロ目とされる。一方、低確高ベース状態又は高確高ベース状態において特別図柄当否判定(第2特別図柄当否判定)の結果が大当りであり、その大当りが10R第9大当り(一般大当り)である場合、演出図柄8の確定停止図柄は「777」以外の数字図柄のゾロ目(当り図柄配列)とされ、10R第8大当り(一般大当り)である場合、演出図柄8の確定停止図柄は「777」のゾロ目とされる。このように「777」のゾロ目は、遊技者にとって最も有利な大当りといえる10R確変大当りの確定出目である。
また、低確低ベース状態において特別図柄当否判定(第1特別図柄当否判定)の結果が大当りであり、その大当りが10R第2~第5大当りの何れか(特殊大当り)である場合、演出図柄8の確定停止図柄は、バラケ目のうち特定のバラケ目とされる。この特定のバラケ目は、外れ図柄配列と同様の図柄配列によって特殊大当りの当選(発生)を報知するものであり、当り図柄配列(特別表示態様)の一種である。特定のバラケ目のことを「特殊図柄配列」ともいう。
特定のバラケ目(特殊図柄配列)は、例えば、「123」や「567」等の順目で構成されるバラケ目や、「373」や「773」等の三桁非同一の赤図柄(3,7)で構成されるバラケ目など、何らかの法則性のある図柄配列により構成することができる。また、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1つ(例えば中演出図柄8C)が普段表示されることない図柄とされる図柄配列により構成することができる。
なお、前述した演出図柄8の停止表示態様(図柄配列)は一例であり、停止演出図柄として何を表示するかは適宜変更可能である。また、S4505で決定する仮停止図柄及び確定停止図柄は、互いに同じ停止表示態様を構成するものであっても異なる停止表示態様を構成するものであってもどちらでもよい。仮停止図柄が確定停止図柄と異なる場合、仮停止後の演出図柄の再度の変動表示(再変動表示、再変動演出)等を経て最終的に確定停止図柄が停止表示されるように構成することができる。
またS4505では、判定図柄表示領域7cにおいて停止表示する判定図柄8s(「停止判定図柄」ともいう。)を決定し、これを設定する。判定図柄8sの停止表示の種類は確定停止表示(確定停止)のみである。判定図柄8sは前述のように、特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行い、特別図柄の停止表示に同期して停止表示を行うものであって、主に特別図柄の変動状況を示す図柄として機能するからである。このため、S4505で設定する停止判定図柄は確定停止する図柄(確定停止図柄)である。本実施例では、判定図柄8sの確定停止図柄として、演出図柄8の確定停止図柄と同じ図柄(数字図柄)配列の確定停止図柄が設定される。なお、判定図柄8sの確定停止図柄のうち少なくとも外れ図柄配列(外れ確定停止図柄)については、演出図柄8の外れ図柄配列(外れ確定停止図柄)にかかわらず共通(1種類)の図柄配列としてもよい。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出等の複数の態様(変動演出パターン)が設けられている。S4505では、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「通常変動」ともいう。)かが決定される。以下では、ノーマルリーチを「NMリーチ」と表記することがあり、スーパーリーチを「SPリーチ」と表記することがある。
そして、例えば、リーチあり変動演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、SPリーチ演出が実行される場合には、NMリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、SPリーチ演出はNMリーチ演出と比較して大当りとなる可能性(大当り期待度)の高い遊技演出であるといえる。
本実施例では、主制御基板80からの変動パターン指定コマンドとして、変動時間が30000ms(30秒)以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを副制御基板90が受信した場合に、当該コマンドに基づいてリーチ演出(リーチあり変動演出)が設定(実行)され得る。そのうち、変動時間が30000ms(30秒)の場合には、リーチ演出としてNMリーチ演出が設定(実行)され、変動時間が45000ms(45秒)以上の場合には、リーチ演出としてSPリーチ演出が設定(実行)される。SPリーチ演出が実行されずNMリーチ演出が実行される(SPリーチ演出を含まない)変動演出のことを「NMリーチ変動演出」ともいい、SPリーチ演出が実行される(SPリーチ演出を含む)変動演出のことを「SPリーチ変動演出」ともいい、NMリーチ変動演出及びSPリーチ変動演出のことを総じて「リーチ変動演出」ともいう。
本実施例では、NMリーチ演出とSPリーチ演出のそれぞれについて複数の演出パターン(リーチ演出パターン)が設けられており、リーチ演出が実行可能とされる変動時間(30000ms以上)に応じて何れかの演出パターンが設定(実行)される。なお、リーチ演出(リーチ演出パターン)の種類(数)は任意に定めることができる。
ここで、演出図柄8の変動表示(変動演出)は、基本的に次のようにして行われる。まず、特別図柄当否判定が実行されて特別図柄の変動表示が開始されると、これに伴って3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始する。そして、3つの演出図柄8L,8C,8Rの変動速度が高速で略一定となり、変動開始から所定時間(例えば9秒)が経過すると、第1停止図柄(本実施例では左演出図柄8L)の変動速度が低下して第1停止図柄が停止(仮停止)する。これに次いで第2停止図柄(本実施例では右演出図柄8R)の変動速度が低下して第2停止図柄が停止(仮停止)し、最後に第3停止図柄(本実施例では中演出図柄8C)の変動速度が低下して第3停止図柄が停止(仮停止)する。この後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが確定停止することで、変動表示の表示結果が導出表示され、これをもって1回の変動表示が終了する。このような変動表示の開始から終了までの流れをベースとして、通常変動やリーチ演出等が行われる。
具体的に、例えば、特図保留球数や遊技状態に応じた特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない場合(変動時間短縮機能非作動時)において、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した場合、当該変動開始から所定時間(例えば9秒)が経過したタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)し、これに続いて右演出図柄8R(第2停止図柄)が停止(仮停止)する。このとき、左右の演出図柄8L,8Rが同じ数字の図柄(リーチ態様)で停止(仮停止)すればリーチ成立となり、その後、リーチ演出(NMリーチ演出又はSPリーチ演出)が実行される。SPリーチ演出の場合は、NMリーチ演出を経てSPリーチ演出が実行される(NMリーチ演出からSPリーチ演出に発展する)。
一方、左右の演出図柄8L,8Rが停止(仮停止)したときにリーチ成立とならなければ(つまり、通常変動であれば)、右演出図柄8R(第2停止図柄)の停止(仮停止)に続いて中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)する。本実施例では、通常変動にて、演出図柄8の変動開始から第3停止図柄(本実施例では中演出図柄8C)が停止(仮停止)するまでにかかる時間は約11秒となっている。但し、特別図柄の変動時間短縮機能が作動している場合の通常変動では、変動表示の開始から左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間が通常(変動時間短縮機能非作動時)よりも短くなり、これに伴って、右演出図柄8R(第2停止図柄)および中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間も短くなる。
なお、S4505で設定される変動演出パターンや、後述のS4506で設定される予告演出パターンによっては、例えば、演出図柄8の変動表示の開始後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが同時期に一斉に停止(仮停止)したり、第1停止図柄が停止するまでの所定時間(例えば9秒)を越えても全図柄が変動し続けたりする等、演出図柄の停止表示の順序やタイミング等が前述した態様と異なる場合がある。
次いでS4506では、予告演出の設定に係る処理(予告演出設定処理)を行う(S4506)。予告演出とは、現在実行中の変動表示に関する示唆や、記憶されている保留(後に実行される変動表示)に関する示唆を行う演出のことであり、例えば、現在実行中の変動表示の表示結果が特定表示結果(又は特別表示結果)となる可能性(大当り期待度)を示唆したり、後に実行される変動表示の表示結果が特定表示結果(又は特別表示結果)となる可能性(大当り期待度)を示唆したりする演出である。
本実施例では、S4395で記憶した演出保留情報(事前判定結果)に基づく予告演出(「保留先読み予告」ともいう。)や、現在(今回)の変動表示(「当該変動」ともいう。)に係る予告演出(「当該変動予告」ともいう。)など、種々の予告演出が実行可能となっており、このことに対応して複数の予告演出パターンが設けられている。予告演出は、例えば、大当り期待度を示唆する画像(「予告画像」又は「予告情報」ともいう。)を表示画面7aに表示すること(「予告表示」ともいう。)により行われる。また、表示演出(予告表示)の他、音演出や光演出、可動演出によっても予告演出を行うことが可能であり、これら各演出の組み合わせにより行うことも可能である。つまり、予告演出パターンには、表示演出や音演出、発光演出、可動演出等の実行態様が含まれる。予告演出を実行する場合、複数種の予告演出のうち、一の予告演出(一種類の予告演出)を実行することもあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を同時期に実行することもある。
S4506では、各予告演出について実行するか否か(実行有無)を判定したり、実行する予告演出の演出態様(予告演出パターン)を設定したりする。具体的には、S4501で取得した予告演出決定用乱数と、副制御基板90のROMに記憶された予告演出決定テーブル(図示せず)とに基づいて、予告演出の実行有無や予告演出パターンを決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。
予告演出決定テーブルは複数設けられており、S4395で記憶される演出保留情報の記憶内容(事前判定結果)や、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果(今回の特図変動表示に係る当否判定結果)、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報(今回の特図変動表示に係る変動パターンや停止図柄)に応じて、S4506で使用(参照)するテーブルが決まるように構成されている。つまり、S4506では、事前判定結果(保留先読み結果)や今回の特図変動表示に係る当否判定結果、変動パターン等に基づいて、予告演出パターン(予告演出の演出態様)が乱数抽選により決定される。S4506の処理(S4506の処理を実行する演出制御用マイコン91)は「演出態様決定手段」の一態様に相当する。
予告演出設定処理(S4506)は、演出図柄8の変動表示(変動演出)の開始を契機として当該変動表示中(当該変動演出中)を含めた所定時期に実行可能な予告演出(保留先読み予告、当該変動予告)に関する処理を行うものであり、ここでの処理に係る予告演出には、始動入球の発生に伴う保留アイコン予告(保留先読み予告の一種)は含まれないものとなっている。すなわち、始動入球の発生に伴う保留アイコン予告の設定に係る処理は、予告演出設定処理(S4506)でなく、後述の保留アイコン予告処理(S4400)で行うものとしている。
ここで、演出保留情報(先読み情報)に基づいて実行される予告演出(保留先読み予告)のことを「先読み演出」ともいい、特図1演出保留情報(第1先読み情報)に基づいて実行される予告演出のことを「第1先読み演出」ともいい、特図2演出保留情報(第2先読み情報)に基づいて実行される予告演出のことを「第2先読み演出」ともいう。
本実施例では、変動演出中(変動表示中)に実行可能な予告演出として、可動演出部材14を用いた予告演出(「ギミック予告」ともいう。)を備えている。可動演出部材14を用いた予告演出(ギミック予告)は、可動演出の一種である。副制御基板90のROMには、ギミック予告の実行タイミングや実行回数等を定めたギミック予告の実行パターン(「ギミック予告パターン」ともいう。)が複数記憶されている。
本実施例では、S4505で設定した変動演出パターンがSPリーチ変動演出の変動演出パターン(変動時間45000ms以上の変動演出パターン)である場合や、SPリーチ変動演出の実行契機となる特図保留(変動時間45000ms以上の取得情報)が記憶されている場合等に、ギミック予告が実行され得るものとしている。演出制御用マイコン91は、ギミック予告を実行することをS4506で決定した場合、副制御基板90のROMに記憶されている複数のギミック予告パターンの中から実行するパターンを決定(選択)し、これを設定する(S4506)。
ギミック予告パターンには、可動演出部材14の作動パターン(作動態様)と、可動体ランプ15の発光パターン(発光態様)とが含まれている。可動演出部材14の作動パターンは、例えば、可動演出部材14の作動タイミングや作動回数、作動スピード等を定めるものである。可動体ランプ15の発光パターンは、例えば、可動体ランプ15の発光タイミングや発光色、点灯又は点滅の別、点滅回数(発光回数)、点滅スピード等を定めるものである。
S4506でギミック予告パターンを設定した場合、そのギミック予告パターンに含まれる可動演出部材14の作動パターン及び可動体ランプ15の発光パターンにしたがって、可動演出部材14を作動させるための駆動データ及び可動体ランプ15を発光させるためのランプデータが前述のS4308で作成される。この作成された駆動データ及びランプデータが、ギミック予告パターンで規定されるギミック予告の実行タイミングに合わせて出力されることにより(S4202、S4203)、可動演出部材14が作動したり可動体ランプ15が発光したりする(ギミック予告が実行される)。
なお、S4506で設定される予告演出パターンの一部又は全部は、S4505で設定される変動演出パターンに含まれるものとしてもよい。例えば、ギミック予告パターンを変動演出パターンに含まれるものとして、ギミック予告ありの変動演出パターンと、ギミック予告なしの変動演出パターンとを設けることができる。前述のように、可動演出部材14を用いた演出(可動演出)は、演出図柄8の変動表示中のリーチ演出の一部として実行することも可能であることから、ギミック予告パターンを変動演出パターンに含めることで、ギミック予告(可動演出)の実行有無や実行する場合のギミック予告パターン(可動演出パターン)を、変動演出パターンとしてS4505の処理でまとめて決定したり設定したりすることが可能となる。これにより、演出パターンの決定(設定)に係る処理の効率化を図ることが可能となる。
次いでS4507では、S4505で設定した変動演出パターン及びS4506で設定した予告演出パターンに基づいて変動演出等を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終える。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データ(演出図柄8の変動開始、変動中、変動停止等を示す画像データ)と、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、判定図柄表示領域7cに表示される判定図柄8sの変動表示も実行する。さらに、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターンや予告演出パターンに基づいて、音演出や光演出、可動演出(ギミック演出)等の各種演出が、対応する演出装置(スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66、可動演出部材14等)により実行される。
[保留アイコン予告処理]
次に、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したこと(S4390でYES)に基づいて実行される保留アイコン予告処理(S4400)について説明する。図43に示すように、保留アイコン予告処理(S4400)では、まず、保留アイコン予告フラグがOFFであるか否かを判定する(S4601)。
保留アイコン予告フラグは、保留アイコン予告を実行中であるか否かを示すフラグであり、保留アイコン予告を実行する場合に後述のS4605でONされ、保留アイコン予告の実行契機となった特図保留(「予告対象保留」ともいう。)に対応する変動表示(変動遊技)の終了に基づいてOFFされる。このため、演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c又は第2演出保留表示領域9d)に予告表示態様で表示された演出保留が変動保留表示領域9eに移動した場合、当該演出保留(予告対象保留)に対応する変動表示(変動遊技)が終了するまでは、演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)に新たに演出保留が表示(追加表示)されたとしても、新たな演出保留が予告表示態様で表示されることはない。これにより、現在実行中の変動遊技について大当りへの期待感を遊技者に抱かせることが可能となる。
なお、保留アイコン予告の実行契機となった特図保留に対応する変動表示(変動遊技)の開始(特図保留の消化)に伴って保留アイコン予告がOFFされるようにしてもよい。この場合、変動保留表示領域9eに演出保留が予告表示態様で表示された状態で、演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)に新たに表示(追加表示)される演出保留が予告表示態様で表示可能となるため、現在実行中の変動遊技に加え、後続の特図保留(予告対象保留)に対応する変動遊技についても遊技者に期待感を抱かせることが可能となる。
S4601で保留アイコン予告フラグがOFFでない(ONである)と判定した場合(S4601でNO)、現在、保留アイコン予告を実行中であるため、S4602以降の処理を行うことなく本処理を終える。このため、本実施例では保留アイコン予告の実行中、新たに記憶(追加記憶)された特図保留(後の特図保留)を対象とする保留アイコン予告が実行されることはない。すなわち、演出保留表示領域に予告表示態様の演出保留が2以上表示されることはない。なお、保留アイコン予告フラグを設けず、保留アイコン予告の実行中に後の特図保留を対象とする保留アイコン予告が実行可能となるようにしてもよい。すなわち、演出保留表示領域に予告表示態様の演出保留が2以上表示され得る構成としてもよい。
一方、S4601で保留アイコン予告フラグがOFFであると判定した場合(S4601でYES)、保留アイコン予告を実行するか否かの判定(抽選)を行う(S4602)。本実施例では、遊技状態が低確低ベース状態である場合、すなわち、第1特別図柄の変動表示(「第1変動遊技」ともいう。)が主として実行される低ベース状態である場合、第1演出保留9aによる保留アイコン予告(「第1保留アイコン予告」ともいう。)が実行可能となるように構成されている。また、遊技状態が低確高ベース状態である場合と高確高ベース状態である場合、すなわち、第2特別図柄の変動表示(「第2変動遊技」ともいう。)が主として実行される高ベース状態である場合、第2演出保留9bによる保留アイコン予告(「第2保留アイコン予告」ともいう。)が実行可能となるように構成されている。このことに対応して、S4602では、現在の遊技状態が低ベース状態である場合には第1保留アイコン予告を実行するか否かの判定を行い、高ベース状態である場合には第2保留アイコン予告を実行するか否かの判定を行う。
保留アイコン予告を実行するか否かの判定(「保留アイコン予告実行判定」ともいう。)は、例えば、不図示の保留アイコン予告実行判定テーブルに基づいて行うことができる。具体的には、例えば、演出決定用乱数として保留アイコン予告実行判定用乱数(例えば「0~99」)を設け、当該乱数から1つの値をランダムに取得してその取得した値(保留アイコン予告実行判定用乱数値)を保留アイコン予告実行判定テーブルに基づいて判定することにより行うことができる。保留アイコン予告実行判定用乱数値は、例えば、始動入球コマンドを受信したタイミング(S4390)や、保留アイコン予告実行判定を行うタイミング(S4602)で取得可能である。
S4602の判定の結果、保留アイコン予告を実行しない場合(S4603でNO)、S4604以降の処理を行うことなく本処理を終え、保留アイコン予告を実行する場合(S4603でYES)、保留アイコン予告の実行パターン(「保留アイコン予告パターン」ともいう。)を設定する(S4604)。
保留アイコン予告パターンは、保留アイコンを予告表示態様で表示する場合の表示タイミングや予告表示態様の種類、変化回数(保留変化回数)など、保留アイコン予告を実行するための種々の条件を定めるものである。予告表示態様の表示タイミングは、例えば、始動入球の発生時(始動入球に伴う新たな保留アイコンの表示時)や、予告対象保留より前に記憶された特図保留(「先行保留」ともいう。)の消化に伴い予告対象保留に対応する保留アイコンの演出保留表示領域上の表示位置が保留数減少方向に移動(シフト)したとき、予告対象保留に対応する保留アイコンが演出保留表示領域から変動保留表示領域に移動したとき(アクティブ保留アイコンに変化したとき)等とすることができる。
S4604では、保留アイコン予告実行判定(S4602)で第1保留アイコン予告を実行することが決定された場合には、第1保留アイコン予告の実行パターン(「第1保留アイコン予告パターン」ともいう。)を設定し、第2保留アイコン予告を実行することが決定された場合には、第2保留アイコン予告の実行パターン(「第2保留アイコン予告パターン」ともいう。)を設定する。第1保留アイコン予告パターン及び第2保留アイコン予告パターンのことを総じて「保留アイコン予告パターン」ともいう。
S4604で設定する保留アイコン予告パターンは、例えば、不図示の保留アイコン予告パターン決定テーブルに基づいて決定(選択)することができる。具体的には、例えば、演出決定用乱数として保留アイコン予告パターン決定用乱数(例えば「0~99」)を設け、当該乱数から1つの値をランダムに取得してその取得した値(保留アイコン予告パターン決定用乱数値)を保留アイコン予告パターン決定テーブルに基づいて判定することにより、予め定められた複数の保留アイコン予告パターンの中から実行するパターンを決定(選択)する。保留アイコン予告パターン決定用乱数値は、例えば、始動入球コマンドを受信したタイミング(S4390)や、保留アイコン予告パターンを決定するタイミング(S4604)で取得可能である。
S4064で保留アイコン予告パターンを設定したら、保留アイコン予告フラグをONにする(S4605)。そして、S4604で設定した保留アイコン予告パターンに基づく保留アイコン予告の実行を指示する保留アイコン予告コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4606)、本処理を終える。
S4606でセットした保留アイコン予告コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、受信した保留アイコン予告コマンドに基づき特定される保留アイコン予告パターン、すなわちS4604で設定された保留アイコン予告パターンに対応する保留アイコン予告用の画像データ(演出保留画像データ等)を画像制御基板100のROMから読み出し、該読み出した画像データによる保留アイコン予告を画像表示装置7の表示画面7a上(演出保留表示領域、変動保留表示領域)で実行する。
[音制御処理]
次に、10msタイマ割り込み処理(S4010)において実行される音制御処理(S4303)について説明する。図45に示すように、音制御処理(S4303)では、まず、演出音制御処理(S4701)を行う。演出音制御処理(S4701)は、前述のS4505で設定される変動演出パターンに基づいて実行される変動演出に含まれる演出音(通常変動BGM、リーチBGM等)や、前述のS4506で設定される予告演出パターンに基づいて実行される予告演出に含まれる演出音(予告音等)、前述の大当り遊技関連演出処理(S4406)により実行される大当り遊技演出に含まれる演出音(大当りBGM等)など、遊技の進行に伴って種々の演出音を出力する処理である。
パチンコ遊技機1は、前述のように、再生ch01から再生ch16までの16個の再生チャンネルを備えている(図44(B)を参照)。本実施例では、演出音や報知音、確認音等の音(音データ)を出力(再生)するときの再生chの空き状況によって、使用する再生chが自動的に決まるもの(可変)となっている(自動チャンネル方式)。具体的には、音を出力(再生)するに際し、再生ch01~16の中から現在使用(再生)していないチャンネル(「空きチャンネル」ともいう。)を抽出し、その抽出した空きチャンネルを音の出力(再生)に使用するように構成される。例えば、再生ch01~16がすべて空きチャンネル(非再生)の場合、再生ch01から順に使用される。また、再生ch01,02が使用中(再生中)であり再生ch03以降が空きチャンネルであれば、再生ch03以降が使用される。そして、例えば、一の演出音(例えば、通常変動BGM)をステレオ音で出力する場合、2つの再生chを使って演出音が出力(再生)される。また、複数種の演出音(例えば、通常変動BGMと図柄停止音、通常変動BGMと予告音と始動入賞音など)が同時期に出力(再生)されることもある。この場合も、チャンネルの空き状況によって使用する再生chが自動的に決定される。このように、使用する再生chは出力する音(音データ)の種類に応じて固定されておらず、可変とされる。
なお、パチンコ遊技機1で出力可能な演出音や報知音、確認音等の各音について、それぞれ出力(再生)する際の優先順位を予め定めておき、その優先順位に従って再生chを決定するようにしてもよい。例えば、ある音を出力するにあたり空きチャンネルが存在しない場合、その出力しようとする音(「新規音」ともいう。)よりも優先順位の低い音を再生中のチャンネルや、再生中の複数種の音のうち相対的に優先順位の低い音を再生中のチャンネルを使って、新規音を再生するようにしてもよい。これにより、新規音の出力(再生)に際し空きチャンネルが存在しないとしても、新規音を優先して出力(再生)することが可能となる。また、音の出力に用いる再生chは、音の種類(内容)に応じて固定されていてもよい(固定チャンネル方式)。
S4701では、前述のS4505で設定された変動演出パターンに基づいて、変動演出に伴って出力する演出音(音データ)を、再生ch01~16のうち空きチャンネルにセットして(割り当てて)出力する処理を行う。この演出音は、出力時に設定されている音量の段階(音量設定値)に応じた音量(出力音量)でスピーカ67から出力される。変動演出パターンに基づく演出音の他、予告演出パターンに基づく演出音(予告音)や大当り遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)の演出パターンに基づく演出音(大当り演出音)等についても同様に、再生ch01~16のうち空きチャンネルにセットして(割り当てて)出力する処理を行う(S4701)。
再生ch(空きチャンネル)にセットされた音(音データ)の再生時間が経過して当該音の再生が終了すると、そのセットされた音(音データ)は再生chから削除(消去)される。音(音データ)の再生時間は、音(音データ)の再生開始から再生終了までの再生期間に相当する。再生期間は、スピーカ67から音が出力される期間に相当することから、再生期間のことを「出力期間」ともいう。
以上が演出音制御処理(S4701)の概要であり、演出音制御処理(S4701)を実行する演出制御用マイコン91(サブ制御部90)は「演出音出力手段」として機能する。演出制御用マイコン91は、演出音制御処理(S4701)に次いで、後述の報知音制御処理(S4703)及び音量調整処理(S4705)を行う。
[報知音制御処理]
図46に示すように、報知音制御処理(S4703)では、まず、不正が検知されたか否かを判定する(S4803)。前述のように、本実施例では、不正検知手段として電波センサ71及び磁気センサ72を備えており(図5を参照)、電波センサ71により電波が検知されたり磁気センサ72により磁気が検知されたりすると、主制御基板80に入力される電波検知信号や磁気検知信号がON(検知状態)になる。主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、電波検知信号がONになると、不正検知コマンドの一種である電波検知コマンドを副制御基板90に向けて送信し、磁気検知信号がONになると、不正検知コマンドの一種である磁気検知コマンドを副制御基板90に向けて送信する。
S4803では、主制御基板80からの不正検知コマンド(電波検知コマンド、磁気検知コマンド)の受信状況に基づいて、不正が検知されたか否かを判定することができる。すなわち、電波検知コマンドや磁気検知コマンドを受信していない場合、不正が検知されていないと判定し(S4803でNO)、電波検知コマンドや磁気検知コマンドを受信した場合、不正が検知されたと判定する(S4803でYES)。
S4803で不正が検知されたと判定した場合(S4803でYES)、後述の不正検知音出力開始処理(S4805)を行い、不正が検知されていないと判定した場合(S4803でNO)、S4805の処理を行うことなくS4807の処理に移行する。
S4807では、前面枠51の開放が検知されたか否かを判定する(S4807)。前述のように、本実施例では、前面枠51が開放されていることを検知可能な枠開放検知スイッチ70を備えており(図5を参照)、枠開放検知スイッチ70により前面枠51の開放が検知されると、払出制御基板110を介して主制御基板80に入力される枠開放検知信号がON(検知状態)になる。一方、枠開放検知スイッチ70により前面枠51の閉鎖が検知されると、払出制御基板110を介して主制御基板80に入力される枠開放検知信号がOFF(非検知状態)になる。主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、枠開放検知信号がOFFからONに変化すると、副制御基板90に向けて枠開放コマンドを送信する。また、枠開放検知信号がONからOFFに変化すると、副制御基板90に向けて枠閉鎖コマンドを送信する。
S4807では、主制御基板80からの枠開放コマンドの受信状況に基づいて、前面枠51の開放が検知されたか否かを判定することができる。すなわち、枠開放コマンドを受信していない場合、前面枠51の開放が検知されていない(前面枠51が開放されていない)と判定し(S4807でNO)、枠開放コマンドを受信した場合、前面枠51の開放が検知された(前面枠51が開放された)と判定する(S4807でYES)。
S4807で前面枠51の開放が検知されたと判定した場合(S4807でYES)、後述の枠開放音出力開始処理(S4809)を行い、前面枠51の開放が検知されていないと判定した場合(S4807でNO)、S4809の処理を行うことなくS4811の処理に移行する。
S4811では、遊技盤面に形成される遊技領域3のうち右遊技領域3B(図3を参照)に向けて遊技球を発射する右打ちが低ベース状態で検知されたか否かを判定する(S4811)。前述したように、低ベース状態は、左打ちにより遊技球を発射して、左遊技領域3Aへ遊技球を進入させて遊技を進行させる遊技状態(「左打ち遊技状態」ともいう。)である。第2始動口21よりも第1始動口20の方が遊技球の入球可能性が高い(遊技球が入球し易い)からである。にもかかわらず、低ベース状態で右打ちが検知されるということは、遊技球の発射が遊技状態に応じた発射態様で行われていない、すなわち、遊技球の発射が適切に行われていないことを意味し、このまま遊技を進めると遊技者にとって不利になる虞があり、また、遊技の公平性が損なわれる虞もある。これに関連してS4811の処理を行うものとしている。低ベース状態(左打ち遊技状態)で右打ちが行われる状態のことを「所定状態」ともいう。
S4811の判定は、例えば、右遊技領域3Bを流下する遊技球の検知状況に基づいて行うことができる。本実施例では、右遊技領域3Bにゲート28が設けられており(図3を参照)、そのゲート28にはゲートセンサ28aが設けられている。ゲートセンサ28aは、ゲート28を通過した遊技球を検知するものであり、その検知信号(「ゲート通過検知信号」ともいう。)は主制御基板80に入力される(図5を参照)。ゲートセンサ28aにより遊技球が検知されると、主制御基板80に入力されるゲート通過検知信号がON(検知状態)になる。主制御基板80の遊技制御用マイコン81は、低ベース状態にてゲート通過検知信号が少なくとも1回ONになると、副制御基板90に向けて左打ち指示コマンドを送信する。なお、左打ち指示コマンドの送信条件は、例えば、低ベース状態にてゲート通過検知信号が所定時間内(例えば5秒以内)に所定回数(例えば3回)ONになることや、低ベース状態にて右一般入賞口27への入球が検知されたこと等とすることもできる。また、低ベース状態での右打ちを検知するための専用のセンサ類を遊技盤2(右遊技領域3B)に設けてもよい。
S4811では、主制御基板80からの左打ち指示コマンドの受信状況に基づいて、低ベース状態で右打ちが検知されたか否か(右打ちが行われているか否か)を判定することができる。すなわち、左打ち指示コマンドを受信していない場合、低ベース状態で右打ちが検知されていない(右打ちが行われていない)と判定し(S4811でNO)、左打ち指示コマンドを受信した場合、低ベース状態で右打ちが検知された(右打ちが行われている)と判定する(S4811でYES)。
S4811にて、低ベース状態で右打ちが検知されたと判定した場合(S4811でYES)、後述の左打ち指示音出力開始処理(S4813)及び報知監視処理(S4815)を行い、本処理を終える。一方、低ベース状態で右打ちが検知されていないと判定した場合(S4811でNO)、S4813の処理を行うことなくS4815の処理を行い、本処理を終える。
ここで、遊技制御用マイコン81は、主制御基板80に入力される電波検知信号や磁気検知信号に基づいて不正を検知することが可能であり、枠開放検知信号に基づいて前面枠51の開放を検知することが可能であり、ゲート通過検知信号に基づいて低ベース状態での右打ちを検知することが可能である。また、演出制御用マイコン91は、S4803の処理により不正を検知することが可能であり、S4807の処理により前面枠51の開放を検知することが可能であり、S4811の処理により低ベース状態での右打ちを検知することが可能である。つまり、遊技制御用マイコン81や演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の状態が、遊技に適さない状態(特定状態)であることや遊技状態に適さない遊技球の発射が行われている状態(所定状態)であることを検知することが可能である。このようにパチンコ遊技機1の状態を検知可能な遊技制御用マイコン81や演出制御用マイコン91は、「状態検知手段」として機能するものである。そして、報知音制御処理(S4703)を実行する演出制御用マイコン91は、状態検知手段による検知の状況に応じて、以下に説明する各種報知音(不正検知音、枠開放音及び左打ち指示音)の出力や監視に係る処理を実行するものであり、「報知音出力手段」として機能するものである。
[不正検知音出力開始処理]
前述の報知音制御処理(S4703)において、不正(電波又は磁気)が検知されたと判定した場合(S4803でYES)、すなわち、不正検知音の出力開始条件が成立した場合(つまり、特定状態が検知された場合)に実行される不正検知音出力開始処理(S4805)について説明する。
図47に示すように、不正検知音出力開始処理(S4805)では、まず、枠開放音フラグがOFFであるか否かを判定する(S4900)。枠開放音フラグは、後述する枠開放音出力開始処理(S4809)のS5007の処理でONされるフラグであり、枠開放音の出力(再生)が開始される場合にその開始に伴ってONになる。枠開放音の出力開始後、当該枠開放音の出力(再生)が終了するまで、枠開放音フラグはONに維持される。このため、枠開放音フラグがOFFである場合、枠開放音の出力中(再生中)でないと判断することができ、枠開放音フラグがOFFでない(ONである)場合、枠開放音の出力中(再生中)であると判断することができる。
S4900で枠開放音フラグがOFFでない(ONである)と判定した場合(S4900でNO)、すなわち、枠開放音の出力中(再生中)である場合、S4901以降の処理を行うことなく本処理を終える。このため、枠開放音の出力中は、不正検知音の出力(再生)は開始されず、枠開放音が出力(再生)されているときに不正検知音が出力(再生)されることはないものとなる。なお、枠開放音の出力中に不正検知音の出力開始条件が成立した場合、枠開放音の出力を停止(終了)してS4901以降の処理を行うようにし、不正検知音が出力されるようにしてもよい。
S4900で枠開放音フラグがOFFであると判定した場合(S4900でYES)、すなわち、枠開放音の出力中(再生中)でない(枠開放音が出力(再生)されていない)場合、S4901の処理に移行する。S4901では、現在設定されている音量の段階(音量設定値、音量情報)、すなわち、現在の音量情報の設定内容にかかわらず、演出音の音量(「演出音量」ともいう。)をゼロ(「0」)に設定する(S4901)。これにより、スピーカ67から出力される演出音の音量はゼロ(消音、無音)となり、遊技者やホール店員等は演出音を聴き取ることができなくなる。
ここで、S4901の処理が行われるときに演出音が出力されている場合、その出力中(再生中)の演出音は、再生ch01~16のうちの何れか(空きチャンネル)にセットされて(割り当てられて)出力(再生)されているが、S4901で演出音の音量をゼロに設定しても、その出力中の演出音の再生chに対する割り当ては継続するものとしている。つまり、S4901の処理が行われるときに演出音の出力(再生)に使用している再生chは、その演出音の音量がゼロに設定されても空きチャンネルとはならず、その使用(演出音の再生)が継続される(演出音の再生chが確保される)。これにより、演出音の音量が、S4901によるゼロ設定(消音設定)前の音量(例えば音量「3」)に復帰する際、再生chの空きチャンネルが不足する等して演出音の再生を直ちに開始(再開)することができないといった不具合を回避することが可能となる。
なお、S4901では、演出音の音量を「0」ではなく、標準的な音量(例えば音量「3」)よりも小さい小音量(音量「2」)や最小音量(音量「1」)に設定するようにしてもよい。要するに、S4901で設定する演出音の音量は、スピーカ67からの不正検知音の出力(聴取)の妨げにならない音量であればよく、演出音を不正検知音に比して聴き取りにくくする(換言すると、不正検知音を聴き取りやすくする)ことができる音量であればよい。S4901で設定する演出音の音量(本実施例では、音量「0」)のことを「特定音量」ともいう。
次いでS4903では、左打ち指示音フラグがONであるか否かを判定する(S4903)。左打ち指示音フラグは、後述する左打ち指示音出力開始処理(S4813)のS5101の処理でONされるフラグであり、左打ち指示音の出力(再生)が開始される場合にその開始に伴ってONになる。左打ち指示音の出力開始後、当該左打ち指示音の再生時間が経過するまで(左打ち指示音の出力が終了するまで)、左打ち指示音フラグはONに維持される。このため、左打ち指示音フラグがONである場合、左打ち指示音の出力中(再生中)であると判断することができ、左打ち指示音フラグがONでない(OFFである)場合、左打ち指示音の出力中(再生中)でないと判断することができる。
S4903で左打ち指示音フラグがONであると判定した場合(S4903でYES)、左打ち指示音の再生を停止する(S4905)。つまり、左打ち指示音の出力期間中に不正検知音の出力開始条件が成立した場合、左打ち指示音の出力を停止して不正検知音の出力を開始するようになっている。このため、不正検知音が出力(再生)されるときに左打ち指示音が出力(再生)されることはなく、不正検知音の出力(再生)が左打ち指示音の出力(再生)よりも優先されることとなる。低ベース状態で右打ちが検知される場合に比べ、不正が検知される場合の方が、遊技の進行に悪影響を及ぼす可能性が高いからであり、前者に比べ後者の方が重度のエラーとして捉えることができるからである。
S4905の処理により左打ち指示音の再生が停止されると、スピーカ67からの左打ち指示音の出力が停止される。S4905では、再生ch01~16のうちの何れか(空きチャンネル)にセットされて(割り当てられて)再生されている左打ち指示音の再生を停止するが、その左打ち指示音の再生chに対する割り当ては継続するものとしている。これにより、左打ち指示音の再生時間が経過するまで当該左打ち指示音の再生chが確保されることとなる。
一方、S4903で左打ち指示音フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S4903でNO)、S4905の処理を行うことなくS4907の処理に移行する。
S4907では、不正検知音フラグをONにする(S4907)。前述のように、不正検知音フラグは報知音フラグの一種である。本実施例では、不正検知に係る報知音(不正検知音)として電波検知音及び磁気検知音が設けられており(図44(A)を参照)、このことに対応して、不正検知音フラグとして電波検知音フラグ(「第1不正検知音フラグ」ともいう。)及び磁気検知音フラグ(「第2不正検知音フラグ」ともいう。)が設けられている。
不正検知音出力開始処理(S4805)は、S4803で不正が検知されたと判定した場合、すなわち、電波センサ71により電波が検知された場合又は磁気センサ72により磁気が検知された場合に実行される処理である。S4907では、今回の不正検知音出力開始処理(S4805)が、電波センサ71による電波の検知(電波検知コマンドの受信)を契機とする場合、不正検知音フラグとしての電波検知音フラグをONにし、磁気センサ72による磁気の検知(磁気検知コマンドの受信)を契機とする場合、不正検知音フラグとしての磁気検知音フラグをONにする。
次いでS4909では、S4907でONにした不正検知音フラグの種類に応じた不正検知音(不正検知音の音データ)、すなわち、電波検知音(電波検知音の音データ)又は磁気検知音(磁気検知音の音データ)を再生ch01~16chの何れかの空きチャンネルにセットし(割り当て)、不正検知音の再生を開始するとともに(S4909)、不正検知音の再生時間を計測するタイマ(「不正検知音タイマ」ともいう。)の作動を開始する(S4911)。
S4909で再生が開始される不正検知音の音量は、現在設定されている音量の段階(音量設定値、音量情報)、すなわち、現在の音量情報の設定内容にかかわらず、最大音量(音量「5」に応じた音量)とされる。このため、スピーカ67からは不正検知音が最大音量で出力される。また、不正検知音の出力(再生)開始に際して、音量情報の設定内容にかかわらず演出音の音量がゼロ(特定音量)に設定されるものとなっている(S4901)。すなわち、状態検知手段により特定状態が検知された場合、音量情報の設定内容にかかわらず演出音の音量を特定音量に設定するように構成されている。このため、不正検知音が出力される間、演出音は聴き取れず不正検知音が聴き取れるようになる。
ここで、不正検知音の内容について説明する。不正検知音である電波検知音及び磁気検知音は、いずれも再生時間が30秒で、所定の警告音と所定のメッセージ音とを含んで構成される。電波検知音は、「ブー・ブー」の警告音と「電波を検知しました」のメッセージ音(「第1案内音声」ともいう。)とを含んで構成され、磁気検知音は、「ブー・ブー」の警告音と「磁気を検知しました」のメッセージ音(「第1案内音声」ともいう。)とを含んで構成される。このような警告音とメッセージ音(第1案内音声)とを含んで構成される不正検知音(不正検知に係る報知音)のことを「特定報知音」や「第1報知音」ともいう。
S4909で電波検知音の再生を開始した場合、「ブー・ブー」の警告音と「電波を検知しました」のメッセージ音とがこの順でワンセット(一連の音データ)として、再生時間が経過するまでループ再生(繰り返し再生)される。
S4909で磁気検知音の再生を開始した場合、「ブー・ブー」の警告音と「磁気を検知しました」のメッセージ音とがこの順でワンセット(一連の音データ)として、再生時間が経過するまでループ再生(繰り返し再生)される。
なお、不正検知音の再生時間や、不正検知音を構成する警告音及びメッセージ音の内容等は、本実施例で示すものに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
[枠開放音出力開始処理]
前述の報知音制御処理(S4703)において、前面枠51の開放(枠開放)が検知されたと判定した場合(S4807でYES)、すなわち、枠開放音の出力開始条件が成立した場合(つまり、特定状態が検知された場合)に実行される枠開放音出力開始処理(S4809)について説明する。
図48に示すように、枠開放音出力開始処理(S4809)では、まず、不正検知音フラグがOFFであるか否かを判定する(S5000)。不正検知音フラグは、前述した不正検知音出力開始処理(S4805)のS4907の処理でONされるフラグであり、不正検知音の出力(再生)が開始される場合にその開始に伴ってONになる。不正検知音の出力開始後、当該不正検知音の出力(再生)が終了するまで、不正検知音フラグはONに維持される。このため、不正検知音フラグがOFFである場合、不正検知音の出力中(再生中)でないと判断することができ、不正検知音フラグがOFFでない(ONである)場合、不正検知音の出力中(再生中)であると判断することができる。
S5000で不正検知音フラグがOFFでない(ONである)と判定した場合(S5000でNO)、すなわち、不正検知音の出力中(再生中)である場合、S5001以降の処理を行うことなく本処理を終える。このため、不正検知音の出力中は、枠開放音の出力(再生)は開始されず、不正検知音が出力(再生)されているときに枠開放音が出力(再生)されることはないものとなる。なお、不正検知音の出力中に枠開放音の出力開始条件が成立した場合、不正検知音の出力を停止(終了)してS5001以降の処理を行うようにし、枠開放音が出力されるようにしてもよい。
S5000で不正検知音フラグがOFFであると判定した場合(S5000でYES)、すなわち、不正検知音の出力中(再生中)でない(不正検知音が出力(再生)されていない)場合、S5001の処理に移行する。S5001では、現在設定されている音量の段階(音量設定値、音量情報)、すなわち、現在の音量情報の設定内容にかかわらず、演出音の音量(演出音量)をゼロ(「0」)に設定する(S5001)。これにより、スピーカ67から出力される演出音の音量(出力音量)はゼロ(消音、無音)となり、遊技者やホール店員等は演出音を聴き取ることができなくなる。
ここで、S5001の処理が行われるときに演出音が出力されている場合、その出力中(再生中)の演出音は、再生ch01~16のうちの何れか(空きチャンネル)にセットされて(割り当てられて)出力(再生)されているが、S5001で演出音の音量をゼロに設定しても、その出力中の演出音の再生chに対する割り当ては継続するものとしている。つまり、S5001の処理が行われるときに演出音の出力(再生)に使用している再生chは、その演出音の音量がゼロに設定されても空きチャンネルとはならず、その使用(演出音の再生)が継続される(演出音の再生chが確保される)。これにより、演出音の音量が、S5001によるゼロ設定(消音設定)前の音量(例えば音量「3」)に復帰する際、再生chの空きチャンネルが不足する等して演出音の再生を直ちに開始(再開)することができないといった不具合を回避することが可能となる。
なお、S5001では、演出音の音量を「0」ではなく、標準的な音量(例えば音量「3」)よりも小さい小音量(音量「2」)や最小音量(音量「1」)に設定するようにしてもよい。要するに、S5001で設定する演出音の音量は、スピーカ67からの枠開放音の出力(聴取)の妨げにならない音量であればよく、演出音を枠開放音に比して聴き取りにくくする(換言すると、枠開放音を聴き取りやすくする)ことができる音量であればよい。S5001で設定する演出音の音量(本実施例では、音量「0」)のことを「特定音量」ともいう。
次いでS5003では、左打ち指示音フラグがONであるか否かを判定する(S5003)。左打ち指示音フラグについては前述したとおりであるので、ここでの説明は省略する。S5003で左打ち指示音フラグがONであると判定した場合(S5003でYES)、左打ち指示音の再生を停止する(S5005)。つまり、左打ち指示音の出力期間中に枠開放音の出力開始条件が成立した場合、左打ち指示音の出力を停止して枠開放音の出力を開始するようになっている。このため、枠開放音が出力(再生)されるときに左打ち指示音が出力(再生)されることはなく、枠開放音の出力(再生)が左打ち指示音の出力(再生)よりも優先されることとなる。そもそも前面枠51が開放しているときに遊技球を発射しても、発射された遊技球は遊技盤面(遊技領域3)から機外に零れてしまうので、前面枠51の開放中に左打ち指示音を出力する必要性は低いからである。
S5005の処理により左打ち指示音の再生が停止されると、スピーカ67からの左打ち指示音の出力が停止される。このとき、前述のS4905で左打ち指示音の再生を停止する場合と同様に、左打ち指示音の再生chに対する割り当ては継続するものとしている。これにより、左打ち指示音の再生時間が経過するまで当該左打ち指示音の再生chは確保されることとなる。一方、S5003で左打ち指示音フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S5003でNO)、S5005の処理を行うことなくS5007の処理に移行する。
S5007では、枠開放音フラグをONにする(S5007)。前述のように、枠開放音フラグは報知音フラグの一種である。本実施例では、枠開放に係る報知音として枠開放音が設けられており(図44(A)を参照)、このことに対応して枠開放音フラグが設けられている。
枠開放音出力開始処理(S4809)は、S4807で前面枠51の開放が検知されたと判定した場合、すなわち、枠開放検知スイッチ70により前面枠51の開放が検知された場合に実行される処理である。S5007では、枠開放検知スイッチ70による前面枠51の開放検知(枠開放コマンドの受信)を契機として、枠開放音フラグをONにする。
次いでS5009では、枠開放音(枠開放音の音データ)を再生ch01~16chの何れかの空きチャンネルにセットし(割り当て)、枠開放音の再生を開始する(S5009)。枠開放音の音量は、現在設定されている音量の段階(音量設定値、音量情報)、すなわち、現在の音量情報の設定内容にかかわらず、最大音量(音量「5」に応じた音量)とされる。このため、スピーカ67からは枠開放音が最大音量で出力される。また、枠開放音の出力(再生)開始に際して、音量情報の設定内容にかかわらず演出音の音量がゼロ(特定音量)に設定されるものとなっている(S5001)。すなわち、状態検知手段により特定状態が検知された場合、音量情報の設定内容にかかわらず演出音の音量を特定音量に設定するように構成されている。このため、枠開放音が出力される間、演出音は聴き取れず枠開放音が聴き取れるようになる。
ここで、枠開放音の内容について説明する。枠開放音は、再生時間の定めがなく、前面枠51が開放している間、すなわち、枠開放検知スイッチ70により前面枠51の開放が検知されてから閉鎖が検知されるまでの間、再生されるものである。枠開放音は、所定の警告音と所定のメッセージ音とを含んで構成される。具体的には、「キンコン・キンコン」の警告音と「扉が開いています」のメッセージ音(「第1案内音声」ともいう。)とを含んで構成される。このような警告音とメッセージ音(第1案内音声)とを含んで構成される枠開放音(枠開放に係る報知音)のことを「特定報知音」や「第1報知音」ともいう。
S5009で枠開放音の再生を開始すると、「キンコン・キンコン」の警告音と「扉が開いています」のメッセージ音とがこの順でワンセット(一連の音データ)として、前面枠51が閉じられるまで(前面枠51の閉鎖が検知されるまで)ループ再生(繰り返し再生)される。
なお、枠開放音を構成する警告音及びメッセージ音の内容は本実施例で示すものに限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、枠開放音に再生時間を設定してもよい。この場合、前面枠51が閉鎖されない限り、枠開放音の再生時間(例えば20秒)が経過するまで、枠開放音がループ再生(繰り返し再生)される。枠開放音に再生時間を設定することで、例えば、パチンコ遊技機1の電源がONのまま、前面枠51を開放して遊技盤2のメンテナンス作業や所謂ブドウの解消作業等を行う際、その作業時間が長くなり前面枠51の開放が続くとしても、枠開放音が作業中に鳴り続けることがなくなるので、作業者やその周りの者(遊技者等)に不快感を与えないようにすることが可能となる。枠開放音に再生時間を設定する場合、S5009で枠開放音の再生を開始するのに伴って、枠開放音の再生時間を計測するタイマ(「枠開放音タイマ」ともいう。)の作動を開始するように構成すればよい。)
[左打ち指示音出力開始処理]
前述の報知音制御処理(S4703)において、低ベース状態での右打ちが検知されたと判定した場合(S4811でYES)、すなわち、左打ち指示音の出力開始条件が成立した場合(つまり、所定状態が検知された場合)に実行される左打ち指示音出力開始処理(S4813)について説明する。
図49に示すように、左打ち指示音出力開始処理(S4813)では、まず、左打ち指示音フラグをONにする(S5101)。次いで、枠開放音フラグ、電波検知音フラグ及び磁気検知音フラグがそれぞれOFFであるか否かを判定する(S5103、S5105)。その結果、枠開放音フラグ、電波検知音フラグ及び磁気検知音フラグがそれぞれOFF(すべてOFF)であると判定した場合(S5103でYES、S5105でYES)、左打ち指示音(左打ち指示音の音データ)を再生ch01~16chの何れかの空きチャンネルにセットし(割り当て)、左打ち指示音の再生を開始するとともに(S5107)、左打ち指示音の再生時間を計測するタイマ(「左打ち指示音タイマ」ともいう。)の作動を開始して(S5109)、本処理を終える。
S5107で再生が開始される左打ち指示音の音量は、現在設定されている音量の段階(音量設定値、音量情報)、すなわち、現在の音量情報の設定内容にかかわらず、最大音量(音量「5」に応じた音量)とされる。このため、スピーカ67からは左打ち指示音が最大音量で出力される。また、左打ち指示音の出力(再生)開始に際して、演出音の音量はゼロ(特定音量)に設定されないものとなっている。つまり、状態検知手段により所定状態が検知された場合、演出音の音量を特定音量に設定しないように構成されている。このため、左打ち指示音が出力される間、演出音と左打ち指示音の両方が聴き取れるようになる。但し、左打ち指示音は必ず最大音量で出力されるので、音量調整操作により演出音の音量(音量の段階)が最大音量(音量「5」)よりも小さい音量に設定されている場合、演出音は左打ち指示音に比べ聴き取りにくいものとなる。また、音量調整操作により演出音の音量(音量の段階)が最大音量(音量「5」)に設定されている場合、演出音と同等に左打ち指示音を聴き取ることができる。なお、前述の不正検知音や枠開放音が出力される場合と同様に、左打ち指示音の出力(再生)開始に際して演出音の音量を特定音量に設定するようにしてもよい。
ここで、左打ち指示音の内容について説明する。左打ち指示音は、再生時間が8秒で、警告音を含まず所定のメッセージ音を含んで構成される。具体的には、警告音を含まずに「左打ちに戻してください」のメッセージ音(「第2音声案内」ともいう。)を含んで構成される。警告音を含まずメッセージ音(第2案内音声)を含んで構成される左打ち指示音(左打ち指示に係る報知音)のことを「所定報知音」や「第2報知音」ともいう。
S5107で左打ち指示音の再生を開始すると、「左打ちに戻してください」のメッセージ音が、再生時間が経過するまでループ再生(繰り返し再生)される。なお、左打ち指示音の再生時間や、左打ち指示音を構成するメッセージ音の内容は本実施例で示すものに限定されるものではなく、適宜変更可能である。
一方、前述のS5101で左打ち指示音フラグをONにした後、枠開放音フラグ、電波検知音フラグ及び磁気検知音フラグの何れかがOFFでない(ONである)と判定した場合(S5103でNO又はS5105でNO)、S5107の処理を行うことなく、すなわち、左打ち指示音の再生を開始することなく、左打ち指示音タイマの作動を開始して(S5109)、本処理を終える。つまり、左打ち指示音(左打ち指示音の音データ)を再生チャンネルにセットする(割り当てる)ことなく、左打ち指示音タイマの作動を開始して、本処理を終える。
この場合、左打ち指示音フラグがONであるものの(左打ち指示音の再生(出力)開始条件が成立したものの)、スピーカ67からは左打ち指示音が出力されず、左打ち指示音タイマが作動する(再生時間が計測される)こととなる。つまり、左打ち指示音フラグがONであり、左打ち指示音が再生(出力)されず左打ち指示音タイマが作動する場合、左打ち指示音フラグは、左打ち指示音の再生(出力)開始条件が成立してから、左打ち指示音の再生(出力)終了条件が成立するまでの期間中であることを示し、左打ち指示音タイマは、左打ち指示音の再生(出力)終了条件が成立するまでの残り期間(残り時間)を示すこととなる。
このように、不正検知音又は枠開放音の出力期間中(第1報知音の出力期間中)に左打ち指示音(第2報知音)の出力開始条件が成立した場合、左打ち指示音タイマの作動を開始して、左打ち指示音(第2報知音)の出力を開始しないように構成されている。
また、前述のように、左打ち報知音の出力期間中に不正検知音又は枠開放音の出力開始条件が成立した場合、左打ち報知音の出力(再生)を停止して(S4905、S5005)、不正検知音又は枠開放音の出力を開始する(S4909、S5009)ようになっている。つまり、第2報知音の出力期間中に第1報知音の出力開始条件が成立した場合、第2報知音に含まれる第2案内音声(本実施例では、「左打ちに戻してください」のメッセージ音)が再生途中であってもこれを中断して第1報知音の出力を開始するように構成されている。
[報知監視処理]
前述の報知音制御処理(S4703)において実行される報知監視処理(S4815)について説明する。図50に示すように、報知監視処理(S4815)では、まず、不正検知音フラグがONであるか否かを判定する(S5201)。前述のように、不正検知音フラグとして電波検知音フラグ(第1不正検知音フラグ)と磁気検知音フラグ(第2不正検知音フラグ)とが設けられているので、S5201では、電波検知音フラグ及び磁気検知音フラグの何れかがONであるか否かを判定する。
不正検知音フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S5201でNO)、すなわち、電波検知音フラグ及び磁気検知音フラグの両方がOFFであると判定した場合、後述のS5207の処理に移行する。一方、不正検知音フラグがONであると判定した場合(S5201でYES)、すなわち、電波検知音フラグ又は磁気検知音フラグがONであると判定した場合、不正検知音としての電波検知音又は磁気検知音の再生(出力)が開始済であるので、その再生期間が終了したか否かを判定する(S5203)。すなわち、不正検知音の再生終了条件(出力終了条件)が成立したか否かを判定する(S5203)。
前述のように、不正検知音には再生時間が定められており、不正検知音の再生開始に伴って不正検知音タイマが作動を開始するので(S4911)、S5203では、その不正検知音タイマに基づく再生時間が経過(不正検知音タイマがタイムアップ)していれば、不正検知音の再生期間が終了したと判定し、そうでなければ不正検知音の再生期間が終了していない(再生中である)と判定することができる。
S5203で不正検知音の再生期間が終了していないと判定した場合(S5203でNO)、後述のS5207の処理に移行する。一方、不正検知音の再生期間が終了したと判定した場合(S5203でYES)、その不正検知音(電波検知音又は磁気検知音)に対応する不正検知音フラグ(電波検知音フラグ又は磁気検知音フラグ)をOFFにして(S5205)、後述のS5213の処理に移行する。不正検知音の再生期間が終了(再生時間が経過)すると、その再生に使用した再生chから不正検知音(不正検知音の音データ)が削除されて、再生chへの不正検知音(不正検知音の音データ)の割り当てが解除される。
S5207では、枠開放音フラグがONであるか否かを判定する(S5207)。そして、枠開放音フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S5207でNO)、後述のS5219の処理に移行する。一方、枠開放音フラグがONであると判定した場合(S5207でYES)、枠開放音の再生(出力)が開始済であるので、その再生が終了したか否かを判定する(S5209)。すなわち、枠開放音の再生終了条件(出力終了条件)が成立したか否かを判定する(S5209)。
前述のように、枠開放音には再生時間が定められておらず、枠開放検知スイッチ70により前面枠51の閉鎖が検知されると(主制御基板80からの枠閉鎖コマンドを受信すると)、枠開放音の再生が終了する。このため、S5209では、前面枠51の開放後に閉鎖が検知されていれば(枠閉鎖コマンドを受信していれば)枠開放音の再生が終了したと判定し、そうでなければ枠開放音の再生が終了していない(再生中である)と判定することができる。
S5209で枠開放音の再生が終了していないと判定した場合(S5209でNO)、後述のS5219の処理に移行する。一方、枠開放音の再生が終了したと判定した場合(S5209でYES)、枠開放音フラグをOFFにして(S5211)、S5213の処理に移行する。枠開放音の再生が終了すると、その再生に使用した再生chから枠開放音(枠開放音の音データ)が削除されて、再生chへの枠開放音(枠開放音の音データ)の割り当てが解除される。
S5213では、演出音の音量を、現在設定されている音量の段階(音量設定値、音量情報)に対応する音量に設定する(S5213)。S5213の処理により、前述のS4901又はS5001でゼロ(特定音量)に設定された演出音の音量が、ゼロに設定される前の音量に復帰する。これにより、スピーカ67からは、現在設定されている音量の段階に応じた音量で演出音が出力されるようになり、演出音を聴き取ることができるようになる。但し、現在設定されている音量の段階が「0」である場合、演出音の音量はゼロなので、演出音を聴き取ることはできない。
次いでS5215では、左打ち指示音フラグがONであるか否かを判定する(S5215)。そして、左打ち指示音フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S5215でNO)、S5217の処理を行うことなく本処理を終える。一方、左打ち指示音フラグがONであると判定した場合(S5215でYES)、左打ち指示音(左打ち指示音の音データ)を再生ch01~16chの何れかの空きチャンネルにセットし(割り当て)、左打ち指示音の再生を開始して(S5217)、本処理を終える。このとき再生が開始される左打ち指示音は、前述のS5107で再生開始される左打ち指示音と同様であり、左打ち指示音(左打ち指示音の音データ)の最初から再生が開始される。
ここで、S5215で左打ち指示音フラグがONであると判定されるのは、前述の左打ち指示音出力開始処理(S4813)において左打ち指示音フラグをONにしたものの左打ち指示音の再生を開始しなかった場合(S5101、S5103又はS5105でNO)である。すなわち、不正検知音の出力中(再生中)に左打ち指示音の出力開始条件が成立した場合や、枠開放音の出力中(再生中)に左打ち指示音の出力開始条件が成立した場合である。
このため、例えば、不正検知音(第1報知音、特定報知音)の出力開始後(不正検知音の出力期間中)に左打ち指示音(第2報知音、所定報知音)の出力開始条件が成立し、左打ち指示音の出力終了条件が成立する前に不正検知音の出力終了条件が成立すると、スピーカ67からは、不正検知音の出力が終了して、左打ち指示音を構成するメッセージ音(第2案内音声)が最初から再生されるように左打ち指示音が出力される(S5217)。また、枠開放音(第1報知音、特定報知音)の出力開始後(枠開放音の出力期間中)に左打ち指示音(第2報知音、所定報知音)の出力開始条件が成立し、左打ち指示音の出力終了条件が成立する前に枠開放音の出力終了条件が成立すると、スピーカ67からは、枠開放音の出力が終了して、左打ち指示音を構成するメッセージ音(第2案内音声)が最初から再生されるように左打ち指示音が出力される(S5217)。つまり、第1報知音の出力開始後に第2報知音の出力終了条件が成立することなく第1報知音の出力終了条件が成立した場合、第1報知音の出力を終了して、第2案内音声が最初から再生されるように第2報知音の出力を開始するように構成されている。
また、S5215で左打ち指示音フラグがONであると判定される場合、左打ち指示音タイマは作動を開始済であり(S5109)、S5217で左打ち指示音の再生が開始される場合、改めて左打ち指示音タイマの作動を開始することはしないものとなっている。このため、S5217で開始された左打ち指示音の再生は、既に作動を開始している左打ち指示音タイマにより計測される再生時間に準じて行われる。したがって、S5217で開始された左打ち指示音の再生(第2報知音の出力)は、その左打ち指示音に含まれるメッセージ音(第2案内音声)が再生途中であっても、左打ち指示音タイマのタイムアップにより終了することとなる。つまり、第2報知音の出力期間中に第2報知音の出力終了条件が成立した場合、第2報知音に含まれる第2案内音声が再生途中であっても、第2報知音の出力を終了するように構成されている。
また、左打ち指示音フラグをONにしたとき(S5101)に枠開放フラグ又は不正検知フラグがONである場合(S5103又はS5105でNO)、左打ち指示音の再生が開始されず、その後、枠開放フラグ又は不正検知フラグがOFFになったとき(S5205、S5211)に左打ち指示音フラグがONである場合(S5215でYES)、左打ち指示音の再生が開始される(S5217)。このため、不正検知音の出力期間中に左打ち指示音の出力開始条件が成立した場合、不正検知音の出力終了条件が成立する前に左打ち指示音の出力が開始されることはない。つまり、第1報知音の出力期間中に第2報知音の出力開始条件が成立した場合、第1報知音の出力終了条件が成立する前に第2報知音の出力を開始しないように構成されている。
S5219では、左打ち指示音フラグがONであるか否かを判定する(S5219)。S5219の処理は、不正検知音及び枠開放音が何れも出力中でない場合(不正検知音フラグ及び枠開放音フラグがともにOFFである場合)や、不正検知音又は枠開放音が出力中(再生終了前)である場合に行われる処理である。S5219で左打ち指示音フラグがONであると判定されるのは、左打ち指示音フラグをONにして左打ち指示音の再生を開始した場合(S5101、S5107)や、左打ち指示音フラグをONにしたものの左打ち指示音の再生を開始しなかった場合(S5101、S5103又はS5105でNO)である。
S5219で左打ち指示音フラグがONでない(OFFである)と判定した場合(S5219でNO)、S5221及びS5223の処理を行うことなく本処理を終える。一方、左打ち指示音フラグがONであると判定した場合(S5219でYES)、左打ち指示音の再生期間が終了したか否かを判定する(S5221)。すなわち、左打ち指示音の再生終了条件(出力終了条件)が成立したか否かを判定する(S5221)。
前述のように、左打ち指示音には再生時間が定められており、左打ち指示音フラグがONになる(左打ち指示音の出力開始条件が成立する)と左打ち指示音タイマが作動を開始するので(S5109)、S5221では、その左打ち指示音タイマに基づく再生時間が経過(左打ち指示音タイマがタイムアップ)していれば、左打ち指示音の再生期間(出力期間)が終了したと判定し、そうでなければ、左打ち指示音の再生期間(出力期間)が終了していない(再生中である)と判定することができる。
S5221で左打ち指示音の再生期間が終了していないと判定した場合(S5221でNO)、S5223の処理を行うことなく本処理を終える。一方、左打ち指示音の再生期間が終了したと判定した場合(S5221でYES)、左打ち指示音フラグをOFFにして(S5223)、本処理を終える。左打ち指示音の再生期間が終了(再生時間が経過)すると、その再生に使用した再生chから左打ち指示音(左打ち指示音の音データ)が削除されて、再生chへの左打ち指示音(左打ち指示音の音データ)の割り当てが解除される。
[音量調整処理]
次に、音制御処理(S4303)において実行される音量調整処理(S4705)について説明する。図51に示すように、音量調整処理(S4705)では、まず、音量調整操作により音量の調整(音量の段階変更)が行われたか否かを判定する(S5301)。前述のように、本実施例のパチンコ遊技機1は、音量調整用の操作手段(音量調整操作手段)を備えており、その操作手段を操作することで遊技者やホール店員等が音量調整を行うことが可能となっている。ここでは、遊技者による音量調整操作を例に説明する。
音量の調整(音量調整操作)が行われていないと判定した場合(S5301でNO)、S5303以降の処理を行うことなく本処理を終え、音量の調整(音量調整操作)が行われたと判定した場合(S5301でYES)、調整後(変更後)の音量の段階を示す音量設定値(音量情報)を、副制御基板90又は音声制御基板106に設けられる音量段階記憶領域(音量情報記憶領域)に記憶する(S5303)。本実施例では、「0」~「5」の6段階で音量を設定(調整)することが可能となっているので、S5303では、「0」~「5」の6段階うち何れかの段階を示す音量設定値(音量情報)が記憶(設定)される。
次いでS5305では、不正検知音フラグがOFFであるか否かを判定する(S5305)。前述のように、本実施例では、不正検知音フラグとして電波検知音フラグ(第1不正検知音フラグ)及び磁気検知音フラグ(第2不正検知音フラグ)が設けられているので、S5305では、電波検知音フラグ及び磁気検知音フラグの両方がOFFであるか否かを判定する。
S5305で電波検知音フラグ及び磁気検知音フラグのうち少なくとも一方がOFFでない(ONである)と判定した場合(S5305でNO)、S5307以降の処理を行うことなく本処理を終え、両方がOFFである(つまり、不正検知音フラグがOFFである)と判定した場合(S5305でYES)、さらに枠開放音フラグがOFFであるか否かを判定する(S5307)。
S5307で枠開放音フラグがOFFでない(ONである)と判定した場合(S5307でNO)、S5309以降の処理を行うことなく本処理を終え、OFFであると判定した場合(S5307でYES)、S5303で記憶(設定)した音量設定値に対応する演出音量を設定し(S5309)、当該設定した演出音量を示す(報知する)音量確認音を再生(出力)して(S5311)、本処理を終える。
このように、不正検知音フラグ及び枠開放音フラグがともにOFFである場合(S5305でYES 、S5307でYES)、すなわち、不正検知音や枠開放音といった特定報知音(第1報知音)が出力されていない(特定報知音の出力期間中でない)場合、S5303で記憶(設定)した音量設定値がS5309の演出音量の設定(演出音の音量設定)に直ちに反映されることとなり、S5309で設定した演出音量に対応する音量確認音が出力されることとなる(S5311)。そしてこれ以降、S5309で設定した演出音量で演出音が出力される。
一方、不正検知音フラグ及び枠開放音フラグの何れかがOFFでない(ON)である場合(S5305でNO又はS5307でNO)、すなわち、不正検知音や枠開放音といった特定報知音(第1報知音)が出力されている(特定報知音の出力期間中である)場合、S5303で記憶(設定)した音量設定値がS5309の演出音量の設定(演出音の音量設定)に直ちに反映されることはなく、音量確認音が出力されることもない。これは、特定報知音が出力される間は、演出音の音量がゼロ(特定音量)に設定されており(S4901、S5001)、特定報知音の出力(再生)が優先されるからである。つまり、特定報知音の出力期間中は、演出音の音量がゼロ(特定音量)に設定される期間中であり、その期間中は、S5303の処理による音量設定値(音量情報)の設定が可能とされるものの、該設定された音量設定値がS5309の処理による演出音の音量設定に反映されないものとなる。そして、特定報知音の出力期間、すなわち、特定報知音の再生が終了する場合(S5203でYES→S5205、S5209でYES→S5211)、当該終了時に設定されている音量の段階(音量設定値、音量情報)に基づいて演出音の音量(演出音量)が設定される(S5213)。これにより、特定報知音の出力期間中に音量調整操作(音量の段階変更)が行われた場合には、当該操作により設定された音量設定値が、特定報知音の出力期間の終了後、S5213の処理(図50を参照)による演出音の音量設定に反映されるものとなる。そしてこれ以降、S5213で設定した演出音量で演出音が出力される。
なお、図50に示す報知監視処理(S4815)には、S5213の処理による演出音の音量設定の後に、音量調整処理(S4705)のS5311に相当する処理が設けられていない。このため、特定報知音の出力期間(特定報知音の再生)が終了する場合、すなわち、演出音の音量がゼロ(特定音量)に設定される期間が終了する場合、S5213の処理により演出音の音量が設定されるものの、この設定に係る音量確認音の再生(出力)は実行されないものとなっている。これは、特定報知音の出力期間中に音量調整操作(音量の段階変更)が行われた場合、その時点では演出音の音量がゼロ(特定音量)に設定されており、音量調整操作(音量の段階変更)が演出音の音量設定に反映されず、音量調整操作(音量の段階変更)のタイミングと、特定報知音出力(再生)終了に伴う演出音量設定のタイミングとに差異(ズレ)が生じるからであり、音量調整操作(音量の段階変更)が行われてから暫くして音量確認音を出力すると、遊技者に唐突感や違和感を与えてしまい、音量確認音の出力が不適切なものになる虞があるからである。
S5311では、音量確認音(音量確認音の音データ)を再生ch01~16chの何れかの空きチャンネルにセットし(割り当て)、音量確認音を再生する。音量確認音は、例えば、「オンリョウニ」や「オンリョウヨン」等のように音量の段階(音量設定値)を示すメッセージ音(音量案内音)とすることができる。なお、音量確認音は本実施例で示すものに限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、音量確認音に替えて又は加えて、音量調整操作が行われたことを示す操作音を出力するように構成することもできる。この場合、音量調整操作により設定された音量の段階(音量設定値)に応じた音量で操作音が出力されるように構成することができる。
S5311による音量確認音の再生(出力)は、特定報知音が出力されていないときに音量調整操作により音量設定値が設定され当該音量設定値に基づいて演出音量が設定されるごとに行われる。つまり、特定報知音の非出力期間において、音量調整操作による音量の段階変更1回につき、音量確認音が1回出力される。
左打ち指示音の再生(出力)が開始されるときには不正検知音フラグ及び枠開放音フラグはOFFになっている(図49を参照)。このため、左打ち指示音(所定報知音)の出力期間中に音量調整操作による音量の調整(音量の段階変更)が行われた場合(S5301でYES)、S5305及びS5307で肯定判定となり、S5303で記憶(設定)した音量設定値がS5309の演出音量の設定(演出音の音量設定)に直ちに反映されて、S5309で設定した演出音量に対応する音量確認音が出力される(S5311)。そしてこれ以降、S5309で設定した演出音量で演出音が出力される。
つまり、所定報知音の出力期間中は、音量調整操作に基づくS5303の処理による音量設定値(音量情報)の設定が可能とされ、該設定された音量設定値に基づくS5309の処理による演出音の音量設定が可能とされる。左打ち指示音(所定報知音)の出力(再生)開始に際して、演出音の音量はゼロ(特定音量)に設定されず、左打ち指示音が出力される間、演出音と左打ち指示音の両方が聴き取れる状況にあるので、このような状況下で音量調整操作(音量の段階変更)が行われ、当該操作により設定された音量設定値(S5303)に基づいて演出音の音量を設定し(S5309)、これに伴い音量確認音を出力し(S5311)、S5309で設定した演出音量で直ぐに演出音を出力しても、特に支障はないからである。
ここで、S5303の処理(S5303の処理を実行する演出制御用マイコン91)は「音量情報設定手段」の一態様に相当し、S4901、S5001、S5213及びS5309の処理(S4901、S5001、S5213及びS5309の処理を実行する演出制御用マイコン91)は「音量設定手段」の一態様に相当する。
[可動演出制限処理]
次に、10msタイマ割り込み処理(S4010)において実行される可動演出制限処理(S4304)について説明する。図52に示すように、可動演出制限処理(S4304)では、まず、可動演出部材14の異常が発生しているか否かを判定する(S5401)。前述のように、副制御基板90には、可動演出部材14の位置を検知可能な位置検知センサ17(待機位置検知センサ17a、作動位置検知センサ17b)が接続されており、各検知センサの位置検知信号が入力されるようになっている(図5を参照)。S5401では、可動演出部材14の作動条件が成立していないにもかかわらず待機位置検知信号がOFF又は作動位置検知信号がONになっていたり、可動演出部材14の作動条件が成立したにもかかわらず待機位置検知信号がON又は作動位置検知信号がOFFになっていたりする等、可動演出部材14の作動状況と位置検知信号の状態とに基づいて、可動演出部材14の異常有無を判定(異常を検知)することが可能となっている。S5401の処理(S5401の処理を実行する演出制御用マイコン91)は「異常検知手段」の一態様に相当する。
なお、可動演出部材14の異常の原因としては、可動演出部材14の構造上の不具合や、可動演出部材14(可動体)を作動させるモータ(「可動体モータ」ともいう。)の回転不良、位置検知センサ17の検知不良、断線等が考えられる。これらの異常の原因となり得る事象を監視するセンサ類や回路等を設け、この監視状況をもとに可動演出部材14の異常有無を判定(異常を検知)するようにしてもよい。
S5401で可動演出部材14の異常が発生していないと判定した場合(S5401でNO)、S5403以降の処理を行うことなく本処理を終える。一方、可動演出部材14の異常が発生していると判定した場合(S5401でYES)、可動演出部材14を復帰作動態様で作動させ(S5403)、可動演出制限フラグをONにし(S5405)、可動演出制限報知を行って(S5407)、本処理を終える。
復帰作動態様は、可動演出部材14を待機位置に移動(復帰)させる態様である。復帰作動態様による可動演出部材14の作動のことを「復帰作動」ともいう。S5403では、可動演出部材14を復帰作動させるための駆動データ(「復帰駆動データ」ともいう。)を出力して、該復帰駆動データにより可動体モータを駆動させる。可動演出部材14の復帰作動により可動演出部材14を待機位置で停止させて(待機位置にとどめて)、表示画面7a上の表示内容(表示物)の視認が妨げられることのないようにしている。
可動演出制限フラグは、可動演出の実行が制限されているか否かを示すフラグであり、可動演出部材14の異常の発生に起因してONになり、所定の制限解除条件が成立するまでONに維持される。つまり、所定の制限解除条件が成立するとOFFになる。本実施例では、パチンコ遊技機1の電源を切る(OFFにする)と、可動演出制限フラグがOFFになる。その後、パチンコ遊技機1の電源を入れて(ONにして)、後述の電源投入時処理(S6000)で可動演出部材14の異常が検知されなければ(S6007でNO)、可動演出制限フラグはOFFのままとなる。可動演出制限フラグがOFFの場合には、可動演出の実行は制限されない。このような可動演出制限フラグは、可動演出部材14の異常が発生しているか否かを示すフラグであるともいえる。可動演出制限フラグは、前述のS4505で変動演出パターンを設定(決定)したり前述のS4506で予告演出パターンを設定(決定)したりする際に参照される。
可動演出制限報知は、可動演出の実行が制限されていること、すなわち、可動演出部材14の異常が発生していることを外部(遊技者やホール店員等)に報知するための報知演出である。本実施例では、前面枠51に設けられた枠ランプ66(図1を参照)を所定の可動演出制限報知パターンで発光(点灯)させることにより、可動演出制限報知を行うものとしている。本実施例では可動演出制限報知パターンを、一部の枠ランプ66(例えば、前面枠51の右上部に配置された枠ランプ)を橙色で点灯させるものとしている。遊技者やホール店員等は、可動演出制限報知を通じて、可動演出の実行が制限されている(可動演出部材14の異常が発生している)ことを認識することができる。なお、枠ランプ66による可動演出制限報知(可動演出制限報知パターン)は、通常の発光演出で枠ランプ66が発光する際の発光態様(発光演出パターン)と区別できる態様であればよい。また、盤面ランプ5を所定の発光態様で発光させたり、表示画面7aに所定の報知画像を表示したりすることにより、可動演出制限報知を行うようにしてもよい。
[電源投入時処理]
次に、主制御基板80からの電源投入コマンドの受信に基づいて演出制御用マイコン91(演出制御手段)が実行する電源投入時処理(S6000)について説明する。電源投入時処理(S6000)は、前述したサブ制御メイン処理のS4001~S4003の処理(図37を参照)と同様に、パチンコ遊技機1の電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行される処理である。すなわち、パチンコ遊技機1への電力供給の開始に基づいて実行される処理である。
図53に示すように、電源投入時処理(S6000)では、まず、パチンコ遊技機1の電源投入に伴いRAMの初期化(RAMクリア)が行われた否かを判定する(S6001)。すなわち、RAMクリアコマンドを受信したか否かを判定する。そして、RAMの初期化(RAMクリア)が行われた(RAMクリアコマンドを受信した)と判定した場合(S6001でYES)、RAMクリアが行われた旨を報知するRAMクリア報知を行う(S6003)。これに対し、RAMの初期化(RAMクリア)が行われていない(RAMクリアコマンドを受信していない)と判定した場合(S6001でNO)、S6003の処理を行うことなくS6005の処理に移行する。RAMクリア報知のことを「初期化報知」ともいう。S6003の処理(S6003の処理を実行する演出制御用マイコン91)は「初期化報知実行手段」の一態様に相当する。
RAMクリア報知は、予め定められたRAMクリア報知時間に従って実行される。RAMクリア報知が行われている間(RAMクリア報知の実行中)は、RAMクリア報知フラグがONになる。
RAMクリア報知は、例えば、図56に示すように表示画面7aに、RAMクリアが行われた旨を示すRAMクリア報知画像202を表示することにより行うことができる。RAMクリア報知画像202(「RAMクリア報知画面」ともいう。)は、例えば、図56に示すように、無地の背景画像と、「RAMがクリアされました/しばらくお待ちください」のメッセージ画像とを含んで構成することができる。
RAMクリア報知として、RAMクリア報知画像202の表示とともに、又は、RAMクリア報知画像202の表示に替えて、RAMクリアが行われた旨を示すRAMクリア報知音を出力(再生)するようにしてもよい。本実施例では、RAMクリア報知画像202の表示とともにRAMクリア報知音を出力するものとしている。
RAMクリア報知音は、例えば、所定の警告音(例えば「ブイーン・ブイーン」の警告音)と、所定のメッセージ音(例えば「RAMがクリアされました」のメッセージ音)とを含んで構成することができる。この場合、RAMクリア報知の警告音(ブイーン・ブイーン)とメッセージ音(RAMがクリアされました)とがこの順でワンセット(一連の音データ)として、RAMクリア報知時間が経過するまでループ再生(繰り返し再生)される。遊技者やホール店員等は、RAMクリア報知を通じて、RAMクリアが行われたことを認識することができる。
なお、RAMクリア報知画像202(RAMクリア報知画面)やRAMクリア報知音は本実施例で示すものに限定されるものではなく、RAMクリアが行われた旨を示す(RAMクリアが行われたことを認識させることができる)ものであれば、その態様は特に問わない。
次いでS6005では、可動演出部材14を初期作動態様で作動させる(S6005)。初期作動態様は、変動演出中に可動演出(ギミック演出)が実行される場合の可動演出部材14の作動態様、すなわち、前述のS4505やS4506で設定される可動演出部材14の作動パターンと異なるものである。具体的には、可動演出部材14(可動体)が待機位置から作動位置へ移動して待機位置に戻る一連の往復動を2回行った後、可動演出部材14(可動体)が再度作動位置へ移動して作動位置で所定時間(例えば2秒)又は所定回数(例えば3回転)の回転を行い、回転を終えた後、待機位置に戻って停止する態様としている。初期作動態様による可動演出部材14の作動のことを「初期作動」ともいう。この初期作動(初期作動態様)は、パチンコ遊技機1の電源投入に伴う可動演出部材14の作動確認といえるものである。S6005では、可動演出部材14を初期作動させるための駆動データ(「初期駆動データ」ともいう。)を出力して、該初期駆動データにより可動体モータを駆動させる。
パチンコ遊技機1の電源投入に伴いRAMクリアが行われた場合には、副制御基板90のRAMの初期化(初期化処理)の終了後に可動演出部材14の初期作動が実行(開始)されるように、初期作動の実行タイミング(実行時期)が定められている。これにより、RAMクリアが実行されたときの当該RAMクリア(初期化処理)に係る制御処理負担と、可動演出部材14の初期作動に係る制御処理負担とを分散させることが可能となる。
可動演出部材14の初期作動は、予め定められた初期作動時間に従って実行される。可動演出部材14が初期作動を行っている間(初期作動の実行中)は、初期作動フラグがONになる。S6005の処理(可動演出部材14の初期作動)を実行する演出制御用マイコン91は「初期作動実行手段」の一態様に相当する。
なお、可動演出部材14の初期作動態様は本実施例に限定されるものではなく、例えば、可動演出部材14の往復動回数を1回としたり3回としたり、可動演出部材14の作動速度(移動速度)を変動演出中の可動演出に比して低速としたりする等、適宜変更可能である。また、変動演出中に可動演出が実行される場合の可動演出部材14の作動態様と同じ態様であってもよい。
パチンコ遊技機1の電源投入に伴いRAMクリアが行われた場合、RAMクリア報知と可動演出部材14の初期作動とが並行して(同時期に)実行されることがある。つまり、RAMクリア報知の実行中に可動演出部材14の初期作動が実行されることがある。前述のように、可動演出部材14の初期作動は副制御基90のRAMクリア(初期化処理)の終了後に実行(開始)されるようになっているが、本実施例ではRAMクリア報知時間内に可動演出部材14の初期作動時間が収まるようにRAMクリア報知時間及び可動演出部材14の初期作動時間を定めてあり、RAMクリア報知時間の方が可動演出部材14の初期作動時間よりも長くなっているからである。こうすることで、RAMクリア報知の実行中に可動演出部材14の初期作動を終わらせることが可能となり、RAMクリア報知が終了したときには可動演出部材14を確実に待機位置で停止させておくことが可能となる。つまり、RAMクリア報知の終了により、パチンコ遊技機1の状態を、外観上、遊技開始可能な状態とすることができる。
可動演出部材14の初期作動(S6005)に次いで、S6007以降の処理を行い、本処理を終える。S6007~S6013の処理は、前述の可動演出制限処理(S4304)のS5401~S5407の処理と同様である。すなわち、可動演出部材14を初期作動態様で作動させた際(可動演出部材14の初期作動を行った際)、可動演出部材14の異常が発生していると判定した場合(S6007でYES)、可動演出部材14を復帰作動態様で作動させ(S6009)、可動演出制限フラグをONにし(S6011)、可動演出制限報知を行う(S6013)。これに対し、可動演出部材14の異常が発生していないと判定した場合(S6007でNO)、S6009~S6013の処理を行うことなく本処理を終える。なお、S6007~S6013の処理は、S5401~S5407の処理と同様であるため、S6003~S6009の処理についての詳細な説明は省略する。
本実施例では、RAMクリア報知を表示画面7aへの画像表示やスピーカ67からの音出力により行い、可動演出制限報知を枠ランプ66の点灯により行うものとしている。このため、S6003の処理によるRAMクリア報知と、S6013の処理による可動演出制限報知とを並行して実行することが可能となっている。これにより、RAMクリアが行われたことと、可動演出の実行が制限されている(可動演出部材14の異常が発生している)こととを外部から同時に認識することが可能である。なお、RAMクリア報知と可動演出制限報知とが、何れも同じ表示画面7a(画像表示表示装置7)を用いて行ったり同じ枠ランプ66を用いて行ったりする等、共通のデバイスを用いて行うものとされる場合、RAMクリアが行われ且つ可動演出の実行が制限されるときには、RAMクリア報知と可動演出制限報知とを並行して実行するのではなく、可動演出制限報知を実行せずにRAMクリア報知を実行したり、RAMクリア報知の終了後に可動演出制限報知を実行したりするように構成することができる。つまり、RAMクリア報知を可動演出制限報知よりも優先して実行するように構成することができる。これにより、RAMクリアが行われた場合のその旨の認識の確実性を高めることが可能となる。また、遊技制御上(遊技進行上)、可動演出の実行が制限されることよりもRAMクリアが実行されることの方が重要である旨を遊技者やホール店員等に意識付けることが可能となる。
ここで、前述のS4506で予告演出パターンがギミック予告パターンに決定された場合や、前述のS4505で変動演出パターンがギミック予告ありの変動演出パターンに決定された場合には、その決定された演出パターンに基づいて実行される変動演出(演出図柄8の変動表示)において、可動演出部材14が作動するギミック予告が実行される。ギミック予告パターンやギミック予告ありの変動演出パターンのことを「特定演出パターン」又は「特定演出態様」ともいう。特定演出パターン(特定演出態様)に基づく変動演出においてギミック予告が実行されたときの演出場面の一例を図55(A)に示す。
図55(A)は、前述の可動演出制限処理(S4304)や電源投入時処理(S6000)により可動演出部材14の異常が検知されていない状態、すなわち、可動演出の実行が制限されていない状態(可動演出制限フラグがOFFの状態)で、特定演出パターンが決定(設定)されて変動演出(演出図柄8の変動表示)が開始された場合の当該変動演出において、ノーマルリーチやSPリーチ等のリーチ演出に発展した後の所定時期にギミック予告が実行されたときの演出場面を示している。このとき表示画面7aには、表示物として、リーチ状態の演出図柄8と、変動表示中の判定図柄8sと、アクティブ保留アイコン9aとが表示されている。
図55(A)に示すように、ギミック予告が実行されると、可動演出部材14(可動体)が表示画面7aの手前側であって当該画面の略中央位置(作動位置)まで移動し、その位置で所定時間(例えば5秒)とどまる作動状態となる。作動状態では、可動体ランプ15が所定の色で発光(点灯又は点滅)するようになっており、その発光色により大当り期待度を示唆するものとなっている。本実施例では、赤色、緑色、青色のうちの何れかの色で発光するものとなっており、大当り期待度の最も高い色が赤色であり、以下、緑色、青色の順で大当り期待度が低くなるようにしてある。なお、可動体ランプ15とともに、装飾部材13や盤面ランプ5,枠ランプ66等の他のランプ類(発光部)を、可動体ランプ15と同色で発光させるようにしてもよい。
可動演出部材14が作動状態にあるとき、表示画面7aには、作動状態にある可動演出部材14に対応する演出画像201(「可動体対応画像」ともいう。)が表示される。具体的には、可動体対応画像として、可動演出部材14の外周から表示画面7aの周縁に向かって光線が放射状に延びる様子をあらわした演出画像201(表示物)が、可動演出部材14の背後に表示される。
このように、可動演出の実行が制限されていない状態(可動部の異常が検知されていない状態)で、前述のS4505又はS4506で特定演出パターン(特定演出態様)が決定(設定)された場合には、特定演出パターンに基づく演出として、演出図柄8や演出保留(保留アイコン)、演出画像201等(表示物)が表示される表示演出と、可動演出部材14が作動する可動演出と、可動体ランプ15が発光する発光演出とが、変動遊技(変動表示)において実行されるように構成される。
可動演出部材14が作動状態になった後、所定時間が経過すると可動演出部材14の復帰条件が成立し、可動演出部材14が待機位置まで移動し、その位置にとどまる待機状態(「非作動状態」ともいう。)となる(図54(A)を参照)。これにより、ギミック予告が終了する。可動演出部材14が待機状態になる(ギミック予告が終了する)のに伴い、可動体ランプ15は消灯され、演出画像201は消去される。なお、演出画像201(可動体対応画像)は本実施例で示すものに限定されるものではなく、可動演出部材14の外観や作動態様等に応じて適宜変更可能である。
一方、前述の可動演出制限処理(S4304)や電源投入時処理(S6000)により可動演出部材14の異常が検知された後の状態、すなわち、可動演出の実行が制限されている状態(可動演出制限フラグがONの状態)で、前述のS4505又はS4506で演出パターンとして特定演出パターン(特定演出態様)が決定(設定)されると、該決定された特定演出パターン(特定演出態様)に基づく変動演出では、可動演出(ギミック予告)が実行されず、表示演出及び発光演出が実行されるように構成される。
具体的には、可動演出の実行が制限されている状態で、特定演出パターンが決定(設定)されて変動演出(演出図柄8の変動表示)が開始された場合の当該変動演出において、ギミック予告の実行タイミング(リーチ演出に発展した後の所定時期)が到来すると、演出制御用マイコン91は、可動演出部材14を作動させるための駆動データ(可動体モータを駆動させる駆動データ)を出力せずに演出の実行を制御する。演出制御用マイコン91による、駆動データを出力するか否か(可動演出部材14を作動させるか否か)の判断は、例えば、前述のS4505又はS4506で演出パターンを決定(設定)するときや、特定演出パターンが決定されたとき等に、可動演出制限フラグを参照して行うことができる。そして、可動演出制限フラグがONである場合には、可動演出部材14(可動体モータ)の駆動データを出力せず、可動演出制限フラグがOFFである場合には、可動演出部材14(可動体モータ)の駆動データを出力するように構成することができる。
可動演出の実行が制限されている状態で、特定演出パターン(特定演出態様)に基づく変動演出においてギミック予告の実行タイミングが到来したときの演出場面の一例を図55(B)に示す。同図は、図55(A)に示す演出場面と同時期の演出場面を示しており、ギミック予告の実行タイミングにおいて可動演出部材14が作動しなかった(可動演出が実行されなかった)場合を示している。
図55(B)に示すように、可動演出の実行が制限されている状態では、図55(A)に示す演出場面のうち表示画面7aの手前側の略中央(作動位置)に位置する可動演出部材14が表示画面7aの手前側に存在しない(出現しない)ものとなる。このとき表示画面7aには、リーチ状態の演出図柄8と、変動表示中の判定図柄8sと、アクティブ保留アイコン9aと、演出画像201(可動体対応画像)とが表示されている。これらの表示物は、可動演出の実行が制限されていない状態(可動演出の実行が制限される前)と同じ条件で表示されるものである。つまり、可動演出の実行が制限されている場合とされていない場合とで、変動表示に係る各種画像(表示物)の表示(表示演出)は同じ条件で実行される。これにより、可動演出の制限の有無によって画像の表示制御を異ならせる必要がないので、表示制御が煩雑になるのを防ぐことが可能となる。
演出画像201は、ギミック予告が実行されたときに可動演出部材14の背後に表示される画像(図55(A)を参照)と同じ画像である。具体的に、演出画像201は、太陽を中心にしてその周りから光線が外方に向かって放射状に延びる様子を描いた画像であり、図55(A)に示すように可動演出部材14と組み合わせて表示されても、図55(B)に示すように可動演出部材14と組み合わさることなく単独で表示されても、演出を成立させることができる態様となっている。すなわち、図55(A)に示すように、演出画像201の手前側に可動演出部材14が位置するときは、演出画像201のうち太陽の部分がちょうど可動演出部材14に隠れて画面手前側から見えなくなり、可動演出部材14の外周から表示画面7aの周縁に向かって光線が放射状に延びるように見えるのである。これに対し、図55(B)に示すように、演出画像201の手前側に可動演出部材14が位置しないときは、演出画像201の全体が画面手前側から見えるようになり、画面中央の太陽から画面周縁に向かって光線が放射状に延びるように見えるのである。このため、ギミック予告の実行タイミングで可動演出部材14が作動(画面手前に出現)してもしなくても、変動演出を支障なく続けることが可能である。
また、図55(B)に示す演出場面のときには、可動演出部材14が待機位置にある状態(図54(A)を参照)で可動体ランプ15が発光する。このときの可動体ランプ15の発光は、図55(A)に示すようにギミック予告が実行された場合(可動演出の実行が制限されていない場合)と同じ条件で実行される。つまり、可動演出の実行が制限されている状態とされていない状態とで、可動体ランプ15の発光(発光演出)は同じ条件で実行される。これにより、可動演出の制限の有無によって可動体ランプの発光制御を異ならせる必要がないので、発光制御が煩雑になるのを防ぐことが可能となる。なお、可動演出部材14が待機位置にある状態(待機状態)においても、可動体ランプ15とともに、装飾部材13や盤面ランプ5、枠ランプ66等の他のランプ類(発光部)を、可動体ランプ15と同色で発光させるようにしてもよい。
このように、可動演出の実行が制限されている状態(可動部の異常が検知された後の状態)で、前述のS4505又はS4506で特定演出パターン(特定演出態様)が決定(設定)され場合には、特定演出パターンに基づく演出として、演出図柄8や保留アイコン、演出画像201等(表示物)が表示される表示演出と、可動体ランプ15が発光する発光演出とが変動遊技(変動表示)において実行されて、可動演出部材14が作動する可動演出が実行されないように構成される。
以上のように本実施例では、特定演出パターン(特定演出態様)が決定(設定)された場合に可動演出の実行が制限されることがあるものとなっているが、この他にも演出の実行が制限されることがあるように構成されている。
例えば、本実施例では、可動演出部材14の初期作動の実行中に特別図柄の変動表示が開始される場合、当該変動表示において演出の実行が制限されるようになっている。具体的には、可動演出部材14を作動させる可動演出及び可動体ランプ15を発光させる発光演出(「可動体ランプ演出」ともいう。)が実行されないようになっている。
前述したように、パチンコ遊技機1の電源投入時には、主制御メイン処理のS101の処理(図10を参照)と、サブ制御メイン処理のS4001~S4003の処理(図37を参照)とが実行され、これらの処理(「起動処理」ともいう。)が終了すると、遊技進行に係る制御(遊技制御、演出制御)が実行可能となり、遊技を進行させることが可能となる。またパチンコ遊技機1の電源投入時には、演出制御用マイコン91による電源投入時処理(S6000)が実行され、可動演出部材14の初期作動(S6005)が所定の初期作動時間に従って実行される(図53を参照)。初期作動の実行中は初期作動フラグがONになる。
ここで、パチンコ遊技機1の電源投入後、各制御部による制御が安定するまでの時間を確保すべく、例えば、可動演出部材14の初期作動にかかる初期作動時間を、起動処理にかかる時間(「所定起動時間」又は「第1起動時間」ともいう。)よりも長い時間に設定することで、可動演出部材14の初期作動が行われている間は遊技機の起動準備中である印象を遊技者等に与えて、制御が不安定な状況で遊技が開始されないようにすることが考えられる。こうした観点から、本実施例では、可動演出部材14の初期作動時間を所定起動時間よりも長い時間に設定しており、パチンコ遊技機1の電源投入後、初期作動が終了する前に起動処理が終了するようになっている。このため、可動演出部材14が初期作動中であっても、起動処理が終了していれば、制御上(内部的には)、遊技の進行が可能となる。したがって、可動演出部材14の初期作動の実行中であっても、特別図柄当否判定の実行条件が成立し、特別図柄の変動表示の開始条件が成立した場合には、特別図柄の変動表示が実行されることとなる。しかしながら、当該変動表示に係る変動演出では、少なくとも、可動演出部材14を用いた可動演出を確実に実行することはできない。可動演出部材14の初期作動が終了していない(初期作動中である)からである。
そこで本実施例では、可動演出部材14の初期作動の実行中(初期駆動データによる駆動中)に特別図柄の変動表示が開始される場合、演出制御用マイコン91は、当該変動表示において可動演出部材14の駆動データ(可動演出用の駆動データ)を出力しない(可動演出を実行しない)ように構成されている。これにより、初期駆動データと可動演出用の駆動データとが競合することがなくなり、初期駆動データによる可動演出部材14の初期作動が妨げられることがないものとなる。
また、可動演出部材14の初期作動の実行中は、可動体ランプ15のランプデータを出力しない(可動体ランプ演出を実行しない)ように構成されている。可動演出部材14の初期作動は作動確認として行われるものであり、初期作動中(作動確認中)に可動体ランプ15を発光させる必要性は低いからである。また、電源投入時の制御が煩雑になったり処理負担が増加したりするのを防ぐためである。
演出制御用マイコン91による、可動演出部材14の可動演出用の駆動データを出力するか否か(可動演出を実行するか否か)の判断や、可動体ランプ15のランプデータを出力するか否か(可動体ランプ演出を実行するか否か)の判断は、例えば、前述のS4505又はS4506で演出パターンを決定(設定)するときや、特定演出パターンが決定されたとき等に、初期作動フラグを参照して行うことができる。そして、初期作動フラグがONである場合には、可動演出部材14の可動演出用の駆動データ及び可動体ランプ15のランプデータを出力せず、初期作動フラグがOFFである場合には、可動演出部材14の駆動データ及び可動体ランプ15のランプデータを出力するように構成することができる。
可動演出部材14の初期作動が終了すると、初期作動フラグはOFFとなり、初期作動の実行中に制限されていた演出の実行が許容される。但し、後述するようにRAMクリア報知の実行中に特別図柄の変動表示(変動遊技)が開始される場合には、RAMクリア報知の実行中(RAMクリア報知時間の経過前)に可動演出部材14の初期作動が終了しても、RAMクリア報知が終了するまでは、可動演出及び可動体ランプ演出の実行が制限される。
また本実施例では、RAMクリア報知の実行中に特別図柄の変動表示が開始される場合、当該変動表示において演出の実行が制限されるようになっている。具体的には、変動演出を構成する各種画像(「変動演出構成画像」ともいう。)を表示画面7aに表示する表示演出及び演出図柄8の変動表示に伴う演出音(「変動演出音」ともいう。)をスピーカ67から出力する音演出が実行されないようになっている。
変動演出構成画像とは、演出図柄8や保留アイコン、予告画像、変動遊技用の背景画像等、変動演出において表示画面7aに表示される演出画像のことである。変動遊技用の背景画像とは、例えば、リーチ背景やモード背景等、変動演出(変動遊技)の進行に合わせて表示画面7aに背景として表示される演出画像のことである。変動演出構成画像を表示して行う表示演出のことを「変動表示演出」ともいう。変動演出構成画像のうち、演出図柄8を表示して行う表示演出のことを「演出図柄表示演出」ともいい、保留アイコンを表示して行う表示演出のことを「保留表示演出」ともいい、予告画像を表示して行う表示演出のことを「予告表示演出」ともいい、変動遊技用の背景画像を表示して行う表示演出のことを「背景表示演出」ともいう。変動演出音を出力して行う音演出のことを「変動音演出」ともいう。
前述したように、パチンコ遊技機1の電源投入に際してRAMクリアスイッチ(図示せず)が押下された場合、すなわち、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入がなされた場合(このことを「RAMクリアを伴う電源投入」ともいう。)、前述の起動処理に加えRAMクリア(初期化処理)が実行され、これに伴ってRAMクリア報知(S6003)が実行される(図53、図56を参照)。RAMクリア報知の実行中はRAMクリア報知フラグがONになる。
ここで、パチンコ遊技機1のRAMクリアを伴う電源投入後、各制御部による制御が安定するまでの時間を確保すべく、例えば、RAMクリア報知にかかるRAMクリア報知時間を、RAMクリアを含めた起動処理(「特定起動処理」ともいう。)にかかる時間(「特定起動時間」又は「第2起動時間」ともいう。)よりも長い時間に設定することで、RAMクリア報知が行われている間は遊技機の起動準備中である印象を遊技者等に与えて、制御が不安定な状況で遊技が開始されないようにすることが考えられる。こうした観点から、本実施例では、RAMクリア報知時間を特定起動時間よりも長い時間に設定しており、パチンコ遊技機1のRAMクリアを伴う電源投入後、RAMクリア報知が終了する前に特定起動処理が終了するようになっている。このため、RAMクリア報知の実行中であっても、特定起動処理が終了していれば、制御上(内部的には)、遊技の進行が可能となる。したがって、RAMクリア報知の実行中であっても、特別図柄当否判定の実行条件が成立し、特別図柄の変動表示の開始条件が成立した場合には、特別図柄の変動表示が実行されることとなる。しかしながら、当該変動表示が実行されるときには表示画面7aにRAMクリア報知画像202が表示されて、スピーカ67からRAMクリア報知音が出力されるので、当該変動表示において変動演出を通常と同じ態様で実行するのは望ましくない。RAMクリアが行われた場合には、その旨を遊技者やホール店員等にしっかりと伝える(認識させる)ことが遊技の信頼性や公平性を高める上で重要であり、RAMクリア報知の必要性が高いからである。
そこで本実施例では、RAMクリア報知の実行中に特別図柄の変動表示が開始される場合、演出制御用マイコン91は、当該変動表示において、変動演出構成画像の表示(変動表示演出)及び変動演出音の出力(変動音演出)を実行しないように構成されている。
演出制御用マイコン91による、変動演出構成画像を表示するか否か(変動表示演出を実行するか否か)の判断や、変動演出音を出力するか否か(変動音演出を実行するか否か)の判断は、例えば、前述のS4505又はS4506で演出パターンを決定(設定)するときにRAMクリア報知フラグを参照して行うことができる。そして、RAMクリア報知フラグがONである場合には、変動演出構成画像を表示せずに変動演出音を出力せず、RAMクリア報知フラグがOFFである場合には、変動演出構成画像を表示して変動演出音を出力するように構成することができる。
なお、前述したように、RAMクリア報知の実行中は可動演出部材14の初期作動も実行されるので、RAMクリア報知の実行中に特別図柄の変動表示が開始される場合には、可動演出部材14の初期作動の実行中に特別図柄の変動表示が開始される場合と同様に、可動演出及び可動体ランプ演出の実行も制限される。
RAMクリア報知の実行中は、図56に示すように、RAMクリア報知画像202(RAMクリア報知画面)が表示画面7aに表示される。図56(A)は、RAMクリア報知の実行中であって特別図柄の変動表示が開始される前の表示画面7aの一例を示しており、図56(B)は、RAMクリア報知の実行中に特別図柄の変動表示が開始された場合の表示画面7aの一例を示している。
RAMクリア報知の実行中、表示画面7aには、RAMクリア報知画像202及び判定図柄8sが表示されるものとなっており、演出図柄8や保留アイコン、変動演出用の背景画像等の変動演出構成画像は表示されないものとなっている。判定図柄8sが表示されるのは、判定図柄8sは図柄変動遊技を演出するためではなく、主として、特別図柄が変動表示中であることや停止表示中(確定停止中)であることを示すために設けられる機能的な図柄(画像)だからである。このため本実施例では、判定図柄8sを変動演出構成画像に含めないものとしている。
判定図柄8sは、パチンコ遊技機1の電源投入後、主制御基板80(主制御部)、副制御基板90(サブ制御部)及び画像制御基板100(画像制御部)が立ち上がる(起動する)と表示されるものであり、電源投入時にRAMクリアが実行された場合には、RAMクリア報知の実行中(RAMクリア報知時間が経過する前)に表示される。そして、RAMクリア報知の実行中に特別図柄の変動表示が開始されると、図56(B)に示すように、表示画面7aでは、RAMクリア報知画像202が表示されたまま、画面右上の判定図柄8sが変動表示を開始する。このように、RAMクリア報知画像202の表示中は、特別図柄の変動表示及び停止表示に伴って判定図柄8sの変動表示及び停止表示が行われ、変動演出構成画像が表示されることはない。なお、RAMクリア報知画像202の表示中(RAMクリア報知の実行中)は、判定図柄8sも非表示としてもよい。
RAMクリア報知が終了すると、RAMクリア報知画像202の表示が終了し、RAMクリア報知フラグはOFFとなり、RAMクリア報知の実行中に制限されていた演出の実行が許容される。
以上のように本実施例のパチンコ遊技機1は、当該遊技機の作動状況(単に「状況」ともいう。)に応じて演出の実行が制限されることがあるものとなっており、その制限の内容が状況に応じて異なるものとなっている。具体的には、図57に示すように、可動演出部材14の異常が発生した(検知された)場合には、その異常が解消されるまで、可動演出の実行が制限される。また、可動演出部材14の初期作動の実行中は、その初期作動が終了するまで、可動演出及び可動体ランプ演出の実行が制限される。また、RAMクリア報知の実行中は、その報知が終了するまで、可動演出、可動体ランプ演出、変動表示演出及び変動音演出の実行が制限される。
なお、制限の内容は図57に示す内容に限定されるものではない。例えば、盤面ランプ5や枠ランプ66、装飾部材13等の他の発光演出の実行が制限されたり、可動演出部材14が演出ボタン63の操作に基づいて作動し得る場合には演出ボタン63を用いた演出(「ボタン演出」又は「操作演出」ともいう。)の実行が制限されたりする等、制限の対象とされる演出の種類(制限内容)は適宜変更可能である。
[実施例の作用効果]
以上に説明した実施例のパチンコ遊技機1によれば、音量調整用の操作手段を操作して行う音量調整操作に基づいて、「0」~「5」の6段階の範囲で音量の段階(音量設定値、音量情報)を設定することが可能であり、その設定された段階に基づいて演出音の音量が設定される。このように音量調整操作が行われて演出音の音量が設定されると、当該設定後(調整後)の音量の段階に応じた音量確認音が出力される。このような構成のもと、パチンコ遊技機1の前面枠51の開放(特定状態)が検知される(枠開放音の出力開始条件が成立する)と、枠開放音(特定報知音)が出力され、電波ゴトや磁石ゴトの不正行為(特定状態)が検知される(不正検知音の出力開始条件が成立する)と、不正検知音(特定報知音)が出力される。すなわち、パチンコ遊技機1の状態が遊技に適さない状態(特定状態)になると、特定報知音の出力開始条件が成立し、特定報知音が出力される。
枠開放音及び不正検知音は、設定中の音量の段階にかかわらず、いずれも最大音量で出力され、枠開放音や不正検知音の出力期間中は、設定中の音量の段階にかかわらず演出音の音量がゼロ(特定音量)に設定される(図47、図48を参照)。枠開放音や不正検知音の出力期間中、すなわち、演出音の音量がゼロに設定されている間(特定音量の設定期間中)は、音量調整操作に基づく音量の段階(音量情報)の設定が可能とされるものの、当該設定された段階が演出音の音量設定には反映されないものとなる(図51を参照)。つまり、演出音の音量はゼロに保たれる。そして、演出音の音量がゼロに設定される期間、すなわち、枠開放音や不正検知音の出力が終了する場合、該終了するときに設定されている音量の段階に基づいて演出音の音量が設定されるが、このときの演出音の音量設定に係る音量確認音は出力されないものとなっている(図50、図51を参照)。この場合の演出音の音量設定は、前述の音量調整操作によるものではないからである。
一方、左打ちにより遊技を進行させる低ベース状態(左打ち遊技状態)で右打ち(所定状態)が検知される(左打ち指示音の出力開始条件が成立する)と、左打ち指示音(所定報知音)が出力される。すなわち、パチンコ遊技機1の状態が、遊技球の発射が適切に行われていない状態(所定状態)になると、所定報知音の出力開始条件が成立し、所定報知音が出力される。
左打ち指示音は、設定中の音量の段階にかかわらず最大音量で出力されるが、左打ち指示音が出力される際に演出音の音量がゼロ(特定音量)に設定されることはないものとなっている(図49を参照)。すなわち、左打ち指示音が出力される間、設定中の音量の段階に応じた音量で演出音が出力される。そして、左打ち指示音の出力期間中(所定報知音の出力期間中)は、音量調整操作に基づく音量の段階(音量情報)の設定が可能とされ、該設定された段階に基づく演出音の音量設定が可能とされる(図51を参照)。つまり、音量調整操作に基づき設定された音量の段階が演出音の音量設定に反映され、演出音の音量は音量調整操作に応じて可変とされる。
また、枠開放音及び不正検知音は、いずれも警告音と所定のメッセージ音(第1案内音声)を含んで構成されるもの(第1報知音)となっており、左打ち指示音は、警告音を含まず所定のメッセージ音(第2案内音声)を含んで構成されるもの(第2報知音)となっている。そして、左打ち指示音の出力期間中に枠開放音又は不正検知音の出力開始条件が成立すると、左打ち指示音に含まれるメッセージ音(第2案内音声)が再生途中であってもその再生(つまり、左打ち指示音の出力)が中断され、枠開放音又は不正検知音の出力が開始される(図47、図48を参照)。その後、左打ち指示音の出力期間(再生時間)を規定する左打ち指示音タイマがタイムアップする前に、枠開放音の出力期間(再生時間)を規定する枠開放音タイマ又は不正検知音の出力期間を規定する不正検知音タイマがタイムアップすることにより、枠開放音又は不正検知音の出力終了条件が成立すると、枠開放音又は不正検知音の出力が終了されて、左打ち指示音に含まれるメッセージ音(第2案内音声)が最初から再生されるように左打ち指示音の出力が開始される(図50を参照)。また、左打ち指示音タイマがタイムアップすることにより左打ち指示音の出力終了条件が成立すると、左打ち指示音に含まれるメッセージ音(第2案内音声)が再生途中であっても左打ち指示音の出力が終了される(図49、図50を参照)。
このように、音量確認音(確認音)や演出音、枠開放音(特定報知音、第1報知音)、不正検知音(特定報知音、第1報知音)、左打ち指示音(所定報知音、第2報知音)といった種々の音が出力時の状況に応じて出力されるので、音による演出効果や情報伝達等の機能が効果的に発揮されるようになる。これにより、好適な音出力を実現して、遊技興趣の低下を抑制することが可能となる。
また実施例のパチンコ遊技機1によれば、枠開放音(第1報知音)の出力期間中に左打ち指示音(第2報知音)の出力開始条件が成立すると、枠開放音の出力終了条件が成立するまでは、左打ち指示音の出力が開始されないものとなっている(図49、図50を参照)。また、不正検知音(第1報知音)の出力期間中に左打ち指示音(第2報知音)の出力開始条件が成立すると、不正検知音の出力終了条件が成立するまでは、左打ち指示音の出力が開始されないものとなっている(図49、図50を参照)。このため、枠開放音と左打ち指示音とが重複して(同時期に)出力されたり、不正検知音と左打ち指示音とが重複して(同時期に)出力されたりすることはなく、枠開放音及び不正検知音はいずれも左打ち指示音に優先して出力されるようになる。これにより、優先順位にしたがって報知音を出力することが可能となる。
また実施例のパチンコ遊技機1によれば、枠開放音及び不正検知音は、いずれも警告音と所定のメッセージ音(第1案内音声)を含む報知音(特定報知音、第1報知音)として構成され、左打ち指示音は、警告音を含まず所定のメッセージ音(第2案内音声)を含む報知音(特定報知音、第2報知音)として構成される。このため、前面枠51の開放検知や不正行為の検知の方が、低ベース状態での右打ち検知に比して、強調して報知されるようになる。これにより、前面枠51の開放や不正行為(特定状態)に対応する報知音と、低ベース状態での右打ち(所定状態)に対応する報知音とに強弱をつけて、それぞれの報知音の区別をしやすくすることが可能となる。
また実施例のパチンコ遊技機1によれば、特別図柄当否判定の結果等に基づいて変動演出や予告演出等の演出パターンが決定される。決定された特定演出パターン(特定演出態様)である場合、特定演出パターンに基づく演出が特別図柄(識別情報)の変動表示(変動遊技)において実行される。そして、可動演出部材14の異常が発生していないときには、特定演出パターンに基づく演出として、表示画面7a(表示部)に変動演出構成画像(表示物)が表示される表示演出と、可動演出部材14(可動部)が作動する可動演出と、可動体ランプ15(発光部)が発光する発光演出とが実行される。この場合、表示演出、可動演出及び発光演出(特定演出パターンに基づく演出)による演出効果が得られるものとなる。
一方、可動演出部材14の異常が発生した後には、特定演出パターンに基づく演出として前述の表示演出と発光演出とが実行され、可動演出は実行されない(可動演出の実行が制限される)ものとなる。この場合、可動演出は実行されないものの、表示演出及び発光演出(特定演出パターンに基づく演出)による演出効果が得られるものとなり、異常が発生した可動演出部材14の破損や当該異常に起因する更なる不具合等が生じにくくなる。
また、パチンコ遊技機1への電力供給の開始(電源投入)に基づいて可動演出部材14が初期作動する。そして、初期作動の実行中に特別図柄の変動表示が開始される場合、当該変動表示において演出の実行が制限される。具体的には、可動演出部材14を作動させる可動演出及び可動体ランプ15を発光させる発光演出(「可動体ランプ演出」ともいう。)の実行が制限される。このため、可動演出部材14の初期作動の妨げとなるような演出の実行を制限することが可能となり、可動演出部材14が初期作動中であることの確認が容易となる。
このように、可動演出部材14の状態(異常有無や初期作動の実行・非実行等)に応じた演出の実行により、演出の最適化を図ることが可能となる。これにより、演出用の可動部(可動演出)を備える遊技機の遊技興趣が低下するのを抑制することが可能となる。
また実施例のパチンコ遊技機1によれば、RAM(所定記憶領域)の記憶内容を初期化するRAMクリア(初期化処理)が実行されると、当該RAMクリアの実行に基づいてRAMクリア報知(初期化報知)が実行され、RAMクリア報知の実行中に特別図柄の変動表示が開始される場合、当該変動表示において演出の実行が制限される。具体的には、変動演出構成画像を表示画面7aに表示する表示演出及び変動演出音をスピーカ67から出力する音演出の実行が制限される。そして、可動演出部材14の初期作動の実行中に特別図柄の変動表示が開始される場合と、RAMクリア報知の実行中に特別図柄の変動表示が開始される場合とで、演出の実行が制限される際の制限の内容が異なるものとなっている。このため、可動演出部材14の初期作動中に特別図柄の変動表示が開始される場合には、可動演出部材14の初期作動の妨げとなるような演出の実行を制限することで、可動演出部材14が初期作動中であることの確認が容易となり、RAMクリア報知中に特別図柄の変動表示が開始される場合には、RAMクリア報知の妨げとなるような演出の実行を制限することで、RAMクリア報知中である(RAMがクリアされた)ことの確認が容易となる。これにより、可動演出部材14の初期作動やRAMクリア報知が妨げられないようにすることが可能となる。
以上、本発明の一実施の形態として実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば前述の実施例では、特定報知音が枠開放音及び不正検知音である場合について説明したが、特定報知音はこれに限られず、例えば、本体枠52の開放が検知された場合に出力される本体枠開放音であってもよい。また前述の実施例では、所定報知音が左打ち指示音である場合について説明したが、所定報知音はこれに限られず、例えば下皿満杯音であってもよい。
また、可動演出部材14の復帰作動の実行中に特別図柄の変動表示が開始される場合、当該変動表示において演出の実行が制限されるようにしてもよい。この場合の制限の内容は、例えば、可動演出部材14の初期作動の実行中に特別図柄の変動表示が開始される場合と同様とすることができる(図57を参照)。これにより、可動演出部材14の復帰作動の妨げとなるような演出の実行を制限することが可能となり、可動演出部材14が復帰作動中であることの確認が容易となる。
また前述の実施例では、RAMクリアスイッチを押下した状態で電源投入(RAMクリアを伴う電源投入)がなされた場合、副制御基板90のRAMクリア(初期化処理)の終了後に可動演出部材14の初期作動が実行(開始)されるものしていたが、RAMクリア報知の終了後に可動演出部材14の初期作動が実行(開始)されるようにしてもよい。これによっても、RAMクリアが実行されたときの当該RAMクリアに係る制御処理負担と、可動演出部材14の初期作動に係る制御処理負担とを分散させることが可能となる。
また前述の実施例では、始動入球に基づく事前判定について、特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出して、当該読み出した取得乱数値(取得情報)を判定(事前判定)するものとしていたが、事前判定の手法はこれに限定されるものではない。例えば、特図保留記憶部に加え、事前判定の対象となる取得情報(つまり、始動入球に基づいて取得された取得情報)を記憶する領域(取得情報記憶手段)を主制御部80やサブ制御部90のRAMに設け、当該記憶領域(事前判定用記憶部)に記憶した取得情報を判定(事前判定)するものとしてもよい。この場合、事前判定の結果を主制御部80やサブ制御部90のRAMに記憶することで、事前判定に用いた取得情報(別の記憶領域に記憶した取得情報)を消去することも可能である。
また前述の実施例では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先消化の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留と第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とを並行して実行可能な制御処理としてもよい。
また前述の実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定するタイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定するタイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行されるタイプのパチンコ遊技機(所謂「1種2種混合機」)にも本発明を適用することが可能である。さらに、遊技機内部で遊技球を循環させるタイプのパチンコ遊技機(所謂「封入式遊技機」)にも本発明を適用することが可能である。
また前述の実施例では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
(参考発明1)
従来、遊技球や遊技メダル等の遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機が知られている。この種の遊技機では、遊技の進行状況や遊技機の状態に応じて様々な演出音や報知音がスピーカから出力されるようになっており、その出力される音の音量を遊技者が任意に設定(調節)することが可能となっている(例えば、特開2013-59447号公報を参照)。
遊技機における音の出力は、遊技の演出効果や情報伝達等の観点で重要な機能といえるが、その機能が不十分であると遊技興趣を低下させてしまう虞がある。
本参考発明1は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技興趣の低下を抑制可能な遊技機を提供することにある。
前述の課題を解決するために、本参考発明1は以下の構成を採用した。
参考発明1-1の遊技機は、
所定の遊技媒体を用いて遊技を行うことが可能な遊技機であって、
遊技の進行に伴って所定の演出音を出力可能な演出音出力手段と、
音量調整操作に基づいて音量情報を設定可能な音量情報設定手段と、
前記演出音の音量を前記音量情報に基づいて設定可能な音量設定手段と、
当該遊技機の状態を検知可能な状態検知手段と、
前記状態検知手段による検知の状況に応じて所定の報知音を出力可能な報知音出力手段と、を備え、
前記音量調整操作に基づいて音量情報が設定され、該音量情報に基づいて前記演出音の音量が設定される場合に、所定の確認音の出力が実行可能とされており、
前記報知音出力手段は、
前記状態検知手段により特定状態が検知された場合に特定報知音を出力可能であり、
前記状態検知手段により所定状態が検知された場合に所定報知音を出力可能であり、
前記音量設定手段は、
前記状態検知手段により前記特定状態が検知された場合、前記音量情報の設定内容にかかわらず前記演出音の音量を特定音量に設定し、
前記状態検知手段により前記所定状態が検知された場合、前記演出音の音量を前記特定音量に設定しない、ように構成されており、
前記演出音の音量が前記特定音量に設定される期間中は、前記音量調整操作に基づく前記音量情報設定手段による音量情報の設定が可能とされるものの、該設定された音量情報が前記音量設定手段による演出音の音量設定に反映されず、
前記演出音の音量が前記特定音量に設定される期間が終了する場合、該終了するときに設定されている前記音量情報に基づいて前記演出音の音量が設定されるものの、前記確認音の出力は実行されず、
前記所定報知音が出力される期間中は、前記音量調整操作に基づく前記音量情報設定手段による音量情報の設定が可能とされ、該設定された音量情報に基づく前記音量設定手段による演出音の音量設定が可能とされるものであり、
さらに前記報知音出力手段は、
警告音及び第1案内音声を含む第1報知音と、前記警告音を含まず第2案内音声を含む第2報知音と、を出力可能であり、
前記第2報知音の出力期間中に前記第1報知音の出力開始条件が成立した場合、前記第2報知音に含まれる前記第2案内音声が再生途中であってもこれを中断して前記第1報知音の出力を開始し、
前記第1報知音の出力開始後に前記第2報知音の出力終了条件が成立することなく前記第1報知音の出力終了条件が成立した場合、前記第1報知音の出力を終了して、前記第2案内音声が最初から再生されるように前記第2報知音の出力を開始し、
前記第2報知音の出力期間中に前記第2報知音の出力終了条件が成立した場合、前記第2報知音に含まれる前記第2案内音声が再生途中であっても前記第2報知音の出力を終了する、ように構成されている
ことを要旨とする。
このような遊技機によれば、音量調整操作に基づいて音量情報が設定され、該音量情報に基づいて演出音の音量が設定される場合に、所定の確認音の出力が実行可能とされている。遊技機の状態が特定状態になると、特定報知音が出力されて、音量情報の設定内容にかかわらず演出音の音量が特定音量に設定される。特定音量の設定期間中は、音量調整操作に基づく音量情報の設定が可能とされるものの、当該設定された音量情報が演出音の音量設定には反映されないものとなる。つまり、演出音の音量は特定音量に保たれる。そして、特定音量の設定期間が終了する場合、該終了するときに設定されている音量情報に基づいて演出音の音量が設定されるが、このとき、演出音の音量設定に係る確認音が出力されることはない。特定音量の設定期間が終了するときに設定されている音量情報に基づく演出音の音量設定は、特定音量の設定期間終了によるものであり、音量調整操作によるものではないからである。一方、遊技機の状態が所定状態になると、所定報知音が出力されて、演出音の音量は特定音量に設定されない。所定報知音の出力期間中は、音量調整操作に基づく音量情報の設定が可能とされ、該設定された音量情報に基づく演出音の音量設定が可能とされる。つまり、音量調整操作に基づき設定された音量情報が演出音の音量設定に反映され、演出音の音量は音量調整操作に応じて可変とされる。
また、警告音及び第1案内音声を含む第1報知音と、警告音を含まず第2案内音声を含む第2報知音とが出力可能とされており、第2報知音の出力期間中に第1報知音の出力開始条件が成立すると、第2報知音に含まれる第2案内音声が再生途中であってもその再生(つまり、第2報知音の出力)が中断されて第1報知音の出力が開始され、その後、第2報知音の出力終了条件が成立することなく第1報知音の出力終了条件が成立すると、第1報知音の出力が終了されて、第2案内音声が最初から再生されるように第2報知音の出力が開始される。また、第2報知音の出力期間中に第2報知音の出力終了条件が成立すると、第2報知音に含まれる第2案内音声が再生途中であっても第2報知音の出力が終了される。
このように、確認音や演出音、特定報知音、所定報知音、第1報知音、第2報知音といった種々の音が出力時の状況に応じて出力されるので、音による演出効果や情報伝達等の機能が効果的に発揮されるようになる。これにより、好適な音出力を実現して、遊技興趣の低下を抑制することが可能となる。
参考発明1-2の遊技機は、前述した参考発明1-1の遊技機において、
前記報知音出力手段は、前記第1報知音の出力期間中に前記第2報知音の出力開始条件が成立した場合、前記第1報知音の出力終了条件が成立する前に前記第2報知音の出力を開始しないように構成されている
ことを要旨とする。
このような遊技機によれば、第1報知音の出力期間中に第2報知音の出力開始条件が成立すると、第1報知音の出力終了条件が成立するまでは、第2報知音の出力が開始されないものとなる。このため、第1報知音と第2報知音とが重複して(同時期に)出力されることはなく、第1報知音が第2報知音に優先して出力されるようになる。これにより、優先順位にしたがって報知音を出力することが可能となる。
参考発明1-3の遊技機は、前述した参考発明1-1又は1-2の遊技機において、
前記特定演出音は前記第1報知音であり、
前記所定報知音は前記第2報知音である
ことを要旨とする。
このような遊技機によれば、遊技機の状態が特定状態になると、特定報知音として、警告音及び第1案内音声を含む報知音(第1報知音)が出力され、遊技機の状態が所定状態になると、所定報知音として、警告音を含まず第2案内音声を含む報知音(第2報知音)が出力される。このため、特定状態の発生(検知)が、所定状態の発生(検知)に比して強調して報知されるようになる。これにより、特定状態に対応する報知音と所定状態に対応する報知音とに強弱をつけて、それぞれの報知音の区別をしやすくすることが可能となる。
以上の本参考発明1によれば、遊技興趣の低下を抑制可能な遊技機を提供することが可能である。
(参考発明2)
従来、識別情報の変動表示を行い、変動表示の表示結果に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機が知られている。この種の遊技機では、表示演出をはじめとする種々の演出が実行可能とされている。最近では特に、遊技盤や遊技機枠(前面枠)に作動可能に設けられた可動役物(可動部)を作動させる演出(所謂「ギミック演出」)が、遊技興趣を高める上で欠かせない存在となってきている(例えば、特開2018-79117号公報を参照)。
ギミック演出を行う可動役物は機械的な部品や機構等を含んで構成されるため、他の演出に比して故障や誤作動等の不具合が発生しやすい。このような不具合が発生すると、演出の実行に支障をきたしたり演出効果が損なわれたりすることがあり、延いては遊技興趣を低下させてしまう虞がある。
本参考発明2は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技興趣の低下を抑制可能な遊技機を提供することにある。
前述の課題を解決するために、本参考発明2は以下の構成を採用した。
参考発明2-1の遊技機は、
識別情報の変動表示を行い、変動表示の表示結果に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機であって、
表示物を表示可能な表示部と、
作動可能な可動部と、
発光可能な発光部と、
前記特別遊技状態に制御するか否かの判定を実行可能な判定実行手段と、
前記判定の結果に基づいて演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、
前記演出態様決定手段により決定された演出態様に基づく演出を前記変動表示において実行可能な演出実行手段と、
前記可動部の異常を検知可能な異常検知手段と、
当該遊技機への電力供給の開始に基づいて、前記可動部の初期作動を実行可能な初期作動実行手段と、を備え、
前記演出態様決定手段は、前記演出態様として特定演出態様を決定可能であり、
前記可動部の異常が検知されていない状態で決定された演出態様が前記特定演出態様である場合、前記表示部に表示物を表示させる表示演出と、前記可動部を作動させる可動演出と、前記発光部を発光させる発光演出とが、前記変動表示において実行されるように構成され、
前記可動部の異常が検知された後の状態で決定された演出態様が前記特定演出態様である場合、前記表示演出と前記発光演出とが前記変動表示において実行されて前記可動演出が実行されないように構成され、
前記初期作動の実行中に前記変動表示が開始される場合、該変動表示において演出の実行が制限されるように構成される
ことを要旨とする。
このような遊技機によれば、特別遊技状態に制御するか否かの判定の結果に基づいて決定された演出態様が特定演出態様である場合、特定演出態様に基づく演出が識別情報の変動表示において実行される。そして、可動部の異常が発生していないときには、特定演出態様に基づく演出として、表示部に表示物を表示させる表示演出と、可動部を作動させる可動演出と、発光部を発光させる発光演出とが実行される。この場合、表示演出、可動演出及び発光演出(特定演出態様に基づく演出)による演出効果が得られるものとなる。一方、可動部の異常が発生した後には、特定演出態様に基づく演出として表示演出と発光演出とが実行され、可動演出は実行されないものとなる。この場合、表示演出及び発光演出(特定演出態様に基づく演出)による演出効果が得られるものとなり、異常が発生した可動部の破損や当該異常に起因する更なる不具合等が生じにくくなる。
また、本遊技機への電力供給の開始に基づいて可動部が初期作動する。そして、初期作動の実行中に識別情報の変動表示が開始される場合、当該変動表示において演出の実行が制限される。このため、可動部の初期作動の妨げとなるような演出の実行を制限することが可能となり、可動部が初期作動中であることの確認が容易となる。
このように、可動部の状態(異常有無や初期作動の実行・非実行等)に応じた演出の実行により、演出の最適化を図ることが可能となる。これにより、可動部(可動演出)を備える遊技機の遊技興趣が低下するのを抑制することが可能となる。
参考発明2-2の遊技機は、前述した参考発明2-1の遊技機において、
所定記憶領域の記憶内容を初期化する初期化処理を実行可能な初期化処理実行手段と、
前記初期化処理の実行に基づいて初期化報知を実行可能な初期化報知実行手段と、を備え、
前記初期化報知の実行中に前記変動表示が開始される場合、該変動表示において演出の実行が制限されるように構成され、
前記初期作動の実行中に前記変動表示が開始される場合の演出の実行の制限と、前記初期化報知の実行中に前記変動表示が開始される場合の演出の実行の制限とで、制限の内容が異なるように構成される
ことを要旨とする。
このような遊技機によれば、所定記憶領域の記憶内容を初期化する初期化処理が実行されると、当該初期化処理の実行に基づいて初期化報知が実行され、初期化報知の実行中に識別情報の変動表示が開始される場合、当該変動表示において演出の実行が制限される。そして、演出の実行の制限に関し、可動部の初期作動の実行中に識別情報の変動表示が開始される場合と、初期化報知の実行中に識別情報の変動表示が開始される場合とで、制限の内容が異なるものとされる。このため、可動部の初期作動中に識別情報の変動表示が開始される場合には、可動部の初期作動の妨げとなるような演出の実行を制限することで、可動部が初期作動中であることの確認が容易となり、初期化報知中に識別情報の変動表示が開始される場合には、初期化報知の妨げとなるような演出の実行を制限することで、初期化報知中である(初期化処理が実行された)ことの確認が容易となる。これにより、可動部の初期作動や記憶内容の初期化報知が妨げられないようにすることが可能となる。
以上の本参考発明2によれば、遊技興趣の低下を抑制可能な遊技機を提供することが可能である。
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技領域、4 レール部材、7 画像表示装置、7a 表示画面、7b 演出図柄表示領域、7c 判定図柄表示領域、8 演出図柄、8s 判定図柄、9a 第1演出保留、9b 第2演出保留、9c 第1演出保留表示領域、9d 第2演出保留表示領域、9e 変動保留表示領域、10 センター装飾体、13 装飾部材、14 可動演出部材、15 可動体ランプ、16 遊技釘、19 固定入賞装置、20 第1始動口、21 第2始動口、22 可変入賞装置、28 ゲート、30 大入賞口、31 大入賞装置、40 主表示器、41a 第1特別図柄表示器、41b 第2特別図柄表示器、50 遊技機枠、51 前面枠、52 本体枠、53 外枠、60 発射ハンドル、63a 第1演出ボタン、63b 第2演出ボタン、66 枠ランプ、67 スピーカ、80 主制御基板、81 遊技制御用マイコン、90 副制御基板、91 演出制御用マイコン、100 画像制御基板、101 画像制御用マイコン、106 音声制御基板、107 ランプ制御基板、201 演出画像、202 RAMクリア報知画像。

Claims (2)

  1. 識別情報の変動表示を行い、変動表示の表示結果に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能な遊技機であって、
    表示物を表示可能な表示部と、
    作動可能な可動部と、
    発光可能な発光部と、
    前記特別遊技状態に制御するか否かの判定を実行可能な判定実行手段と、
    前記判定の結果に基づいて演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、
    前記演出態様決定手段により決定された演出態様に基づく演出を前記変動表示において実行可能な演出実行手段と、
    前記可動部の異常を検知可能な異常検知手段と、
    当該遊技機への電力供給の開始に基づいて、前記可動部の初期作動を実行可能な初期作動実行手段と、を備え、
    前記演出態様決定手段は、前記演出態様として特定演出態様を決定可能であり、
    前記可動部の異常が検知されていない状態で決定された演出態様が前記特定演出態様である場合、前記表示部に表示物を表示させる表示演出と、前記可動部を作動させる可動演出と、前記発光部を発光させる発光演出とが、前記変動表示において実行されるように構成され、
    前記可動部の異常が検知された後の状態で決定された演出態様が前記特定演出態様である場合、前記表示演出と前記発光演出とが前記変動表示において実行されて前記可動演出が実行されないように構成され、
    前記初期作動の実行中に前記変動表示が開始される場合、該変動表示において演出の実行が制限されるように構成される
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 所定記憶領域の記憶内容を初期化する初期化処理を実行可能な初期化処理実行手段と、
    前記初期化処理の実行に基づいて初期化報知を実行可能な初期化報知実行手段と、を備え、
    前記初期化報知の実行中に前記変動表示が開始される場合、該変動表示において演出の実行が制限されるように構成され、
    前記初期作動の実行中に前記変動表示が開始される場合の演出の実行の制限と、前記初期化報知の実行中に前記変動表示が開始される場合の演出の実行の制限とで、制限の内容が異なるように構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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JP2018051383A (ja) * 2018-01-12 2018-04-05 株式会社三共 遊技機
JP2018108536A (ja) * 2018-04-17 2018-07-12 株式会社サンセイアールアンドディ 遊技機

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