JP2023003481A - 画像復号装置および画像符号化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】符号化効率を向上させることができる画像符号化・復号技術を提供する。【解決手段】複数のパラメータを復号するパラメータ復号部と、対象ブロックをまたがる直線分によって前記対象ブロックが分割された2つの非矩形予測単位毎に予測を行う予測部を備えている画像復号装置であって、前記予測部は、前記パラメータ復号部によって復号された前記複数のパラメータのうちのパーティションインデックスの値と、パーティションインデックスと角度インデックスおよび距離インデックスのペアとを対応付けているテーブルと、に少なくとも基づいて、前記予測を行うための重みの導出を行い、前記テーブルは対象ブロックにおいてABTが用いられるか否かによって異なることを特徴とする。【選択図】図17

Description

本発明の実施形態は、画像復号装置および画像符号化装置に関する。
動画像を効率的に伝送または記録するために、動画像を符号化することによって符号化データを生成する動画像符号化装置、および、当該符号化データを復号することによって復号画像を生成する動画像復号装置が用いられている。
具体的な動画像符号化方式としては、例えば、H.264/AVCやHEVC(High-Efficiency Video Coding)方式などが挙げられる。
このような動画像符号化方式においては、動画像を構成する画像(ピクチャ)は、画像を分割することにより得られるスライス、スライスを分割することにより得られる符号化ツリーユニット(CTU:Coding Tree Unit)、符号化ツリーユニットを分割することで得
られる符号化単位(符号化ユニット(Coding Unit:CU)と呼ばれることもある)、及び
、符号化単位を分割することより得られる変換ユニット(TU:Transform Unit)からなる階層構造により管理され、CU毎に符号化/復号される。
また、このような動画像符号化方式においては、通常、入力画像を符号化/復号することによって得られる局所復号画像に基づいて予測画像が生成され、当該予測画像を入力画像(原画像)から減算して得られる予測誤差(「差分画像」または「残差画像」と呼ぶこともある)が符号化される。予測画像の生成方法としては、画面間予測(インター予測)、および、画面内予測(イントラ予測)が挙げられる。
また、近年の動画像符号化及び復号の技術として非特許文献1が挙げられる。非特許文献1には、マージ予測が開示されている。マージ予測には、対象ブロックを矩形以外の形状に分割し、領域ごとに異なるインター予測を実施するGPM(GPMmetric partition mode
)モードが開示されている。このように対象ブロックを矩形以外の形状に分割することにより、複雑なテクスチャに対してもより正確に予測することができ、符号化効率が向上する。
非特許文献2には、再帰的なCU分割として、2分木のブロック分割において、1:1以外の分割を用いる、ABT(asymmetric binary tree)が開示されている。このように分割形状
を増やすことにより、複雑なテクスチャに対してもより正確に予測することができ、符号化効率が向上する。
ITU-T Rec. H.266 "EE2 related: asymmetric binary tree splitting on top of VVC", JVET-V0083, Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29,22nd Meeting, by teleconference, 20-28 Apr. 2021
しかしながら非特許文献1の記載の方法では、非特許文献2に記載されているABTによ
り、水平、垂直方向の冗長な分割が生じ、符号化効率が低下する課題がある。
また、非特許文献1の記載の方法では、対象ブロック内でエッジの方向が変わる場合など、テクスチャが複雑な場合に対応できないことが考えられる。
上記課題を解決するために、少なくとも2分木分割と予測形状のパラメータを復号するパラメータ復号部と、上記予測形状のパラメータが示す重みと2つの予測画像によって予測を行う予測部と、を備えている画像復号装置であって、
前記予測部は、前記パラメータ復号部によって復号された前記複数のパラメータのうちのパーティションインデックスの値と、パーティションインデックスと角度インデックスおよび距離インデックスのペアとを対応付けているテーブルと、に少なくとも基づいて、前記予測を行うための重みの導出を行い、
前記テーブルは対象ブロックにおいてABTが用いられるか否かによって異なることを特
徴とする。
本発明の態様によれば、画像符号化・復号処理において、符号化効率を向上させることができる。
本実施形態に係る画像伝送システムの構成を示す概略図である。 本実施形態に係る動画像符号化装置を搭載した送信装置、および、動画像復号装置を搭載した受信装置の構成について示した図である。(a)は動画像符号化装置を搭載した送信装置を示しており、(b)は動画像復号装置を搭載した受信装置を示している。 本実施形態に係る動画像符号化装置を搭載した記録装置、および、動画像復号装置を搭載した再生装置の構成について示した図である。(a)は動画像符号化装置を搭載した記録装置を示しており、(b)は動画像復号装置を搭載した再生装置を示している。 符号化ストリームのデータの階層構造を示す図である。 CTUの分割例を示す図である。 参照ピクチャおよび参照ピクチャリストの一例を示す概念図である。 動画像復号装置の構成を示す概略図である。 動画像復号装置の概略的動作を説明するフローチャートである。 インター予測パラメータ導出部の構成を示す概略図である。 マージ予測パラメータ導出部、および、AMVP予測パラメータ導出部の構成を示す概略図である。 インター予測画像生成部の構成を示す概略図である。 動画像符号化装置の構成を示すブロック図である。 インター予測パラメータ符号化部の構成を示す概略図である。 GPM予測を説明する図である。 GPM予測の符号化パラメータを説明するシンタックス図である。 GPM予測において、merge_gpm_partition_idxとangleIdxおよびdistanceIdxとの対応を示すテーブルの構造を示す図である。 GPM予測において、merge_gpm_partition_idxとangleIdxおよびdistanceIdxとの対応を示す別のテーブルの構造を示す図である。 GPM予測における重み係数導出処理および動きベクトル格納処理において用いられるidxとdisLut[idx]との対応を示すテーブルの構造を示す図である。 GPM予測における重み画素予測処理の流れを示すフローチャートである。 GPM予測の処理の流れを示すフローチャートである。 GPM予測の別の実施例1における符号化パラメータを説明するシンタックス図である。 GPM予測の別の実施例1における符号化パラメータを説明する別のシンタックス図である。 GPM予測の別の実施例1における重み画素予測処理の流れを示すフローチャートである。 GPM予測の別の実施例1における分割の例を示す図である。 GPM予測の別の実施例2における重み画素予測処理の流れを示すフローチャートである。 GPM予測の別の実施例3における符号化パラメータを説明する別のシンタックス図である。 GPM予測の別の実施例3における重み画素予測処理の流れを示すフローチャートである。 ABT分割の符号化パラメータを説明するシンタックス図である。 ABT分割の符号化パラメータを説明する別のシンタックス図である。
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像伝送システム1の構成を示す概略図である。
画像伝送システム1は、対象画像を符号化した符号化ストリームを伝送し、伝送された符号化ストリームを復号し画像を表示するシステムである。画像伝送システム1は、動画像符号化装置(画像符号化装置)11、ネットワーク21、動画像復号装置(画像復号装置)31、及び動画像表示装置(画像表示装置)41を含んで構成される。
動画像符号化装置11には画像Tが入力される。
ネットワーク21は、動画像符号化装置11が生成した符号化ストリームTeを動画像復号装置31に伝送する。ネットワーク21は、インターネット(Internet)、広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)、小規模ネットワーク(LAN:Local Area Network)またはこれらの組み合わせである。ネットワーク21は、必ずしも双方向の通信網に限らず、地上デジタル放送、衛星放送等の放送波を伝送する一方向の通信網であっても良い。また、ネットワーク21は、DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)、BD(Blue-ray Disc:登録商標)等の符号化ストリームTeを記録した記憶媒体で代替されても良い。
動画像復号装置31は、ネットワーク21が伝送した符号化ストリームTeのそれぞれを復号し、復号した1または複数の復号画像Tdを生成する。
動画像表示装置41は、動画像復号装置31が生成した1または複数の復号画像Tdの全部または一部を表示する。動画像表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスを備える。ディスプレイの形態としては、据え置き、モバイル、HMD等が挙げられる。また、動画像復号装置31が高い処理能力を有する場合には、画質の高い画像を表示し、より低い処理能力しか有しない場合には、高い処理能力、表示能力を必要としない画像を表示する。
<演算子>
本明細書で用いる演算子を以下に記載する。
>>は右ビットシフト、<<は左ビットシフト、&はビットワイズAND、|はビットワイズOR
、|=はOR代入演算子であり、||は論理和を示す。
x?y:zは、xが真(0以外)の場合にy、xが偽(0)の場合にzをとる3項演算子である。
Clip3(a,b,c)は、cをa以上b以下の値にクリップする関数であり、c<aの場合にはaを返
し、c>bの場合にはbを返し、その他の場合にはcを返す関数である(ただし、a<=b)。
abs(a)はaの絶対値を返す関数である。
Int(a)はaの整数値を返す関数である。
floor(a)はa以下の最大の整数を返す関数である。
ceil(a)はa以上の最小の整数を返す関数である。
a/dはdによるaの除算(小数点以下切り捨て)を表す。
<符号化ストリームTeの構造>
本実施形態に係る動画像符号化装置11および動画像復号装置31の詳細な説明に先立って、動画像符号化装置11によって生成され、動画像復号装置31によって復号される符号化ストリームTeのデータ構造について説明する。
図4は、符号化ストリームTeにおけるデータの階層構造を示す図である。符号化ストリ
ームTeは、例示的に、シーケンス、およびシーケンスを構成する複数のピクチャを含む。図4の(a)~(f)は、それぞれ、シーケンスSEQを既定する符号化ビデオシーケンス、ピクチャPICTを規定する符号化ピクチャ、スライスSを規定する符号化スライス、スライスデータを規定する符号化スライスデータ、符号化スライスデータに含まれる符号化ツリーユニット、符号化ツリーユニットに含まれる符号化ユニットを示す図である。
(符号化ビデオシーケンス)
符号化ビデオシーケンスでは、処理対象のシーケンスSEQを復号するために動画像復号
装置31が参照するデータの集合が規定されている。シーケンスSEQは、図4に示すように、ビデオパラメータセット(Video Parameter Set)、シーケンスパラメータセットSPS(Sequence Parameter Set)、ピクチャパラメータセットPPS(Picture Parameter Set)、Adaptation Parameter Set(APS)、ピクチャPICT、及び、付加拡張情報SEI(Supplemental Enhancement Information)を含んでいる。
ビデオパラメータセットVPSは、複数のレイヤから構成されている動画像において、複
数の動画像に共通する符号化パラメータの集合および動画像に含まれる複数のレイヤおよび個々のレイヤに関連する符号化パラメータの集合が規定されている。
シーケンスパラメータセットSPSでは、対象シーケンスを復号するために動画像復号装
置31が参照する符号化パラメータの集合が規定されている。例えば、ピクチャの幅や高さが規定される。なお、SPSは複数存在してもよい。その場合、PPSから複数のSPSの何れか
を選択する。
ピクチャパラメータセットPPSでは、対象シーケンス内の各ピクチャを復号するために
動画像復号装置31が参照する符号化パラメータの集合が規定されている。例えば、ピクチャの復号に用いられる量子化幅の基準値(pic_init_qp_minus26)や重み付き予測の適用を示すフラグ(weighted_pred_flag)が含まれる。なお、PPSは複数存在してもよい。その場合、対象シーケンス内の各ピクチャから複数のPPSの何れかを選択する。
(符号化ピクチャ)
符号化ピクチャでは、処理対象のピクチャPICTを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。ピクチャPICTは、図4に示すように、スライス0~スライスNS-1を含む(NSはピクチャPICTに含まれるスライスの総数)。
なお、以下、スライス0~スライスNS-1のそれぞれを区別する必要が無い場合、符号の
添え字を省略して記述することがある。また、以下に説明する符号化ストリームTeに含まれるデータであって、添え字を付している他のデータについても同様である。
(符号化スライス)
符号化スライスでは、処理対象のスライスSを復号するために動画像復号装置31が参照
するデータの集合が規定されている。スライスは、図4に示すように、スライスヘッダ、
および、スライスデータを含んでいる。
スライスヘッダには、対象スライスの復号方法を決定するために動画像復号装置31が参照する符号化パラメータ群が含まれる。スライスタイプを指定するスライスタイプ指定情報(slice_type)は、スライスヘッダに含まれる符号化パラメータの一例である。
スライスタイプ指定情報により指定可能なスライスタイプとしては、(1)符号化の際にイントラ予測のみを用いるIスライス、(2)符号化の際に単方向予測、または、イントラ予測を用いるPスライス、(3)符号化の際に単方向予測、双方向予測、または、イントラ予測を用いるBスライスなどが挙げられる。なお、インター予測は、単予測、双予測に限定されず、より多くの参照ピクチャを用いて予測画像を生成してもよい。以下、P
、Bスライスと呼ぶ場合には、インター予測を用いることができるブロックを含むスライ
スを指す。
なお、スライスヘッダは、ピクチャパラメータセットPPSへの参照(pic_parameter_set_id)を含んでいても良い。
(符号化スライスデータ)
符号化スライスデータでは、処理対象のスライスデータを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。スライスデータは、図4(d)に示すように、CTUを含んでいる。CTUは、スライスを構成する固定サイズ(例えば64x64)のブロックであり、最大符号化単位(LCU:Largest Coding Unit)と呼ぶこともある。
(符号化ツリーユニット)
図4には、処理対象のCTUを復号するために動画像復号装置31が参照するデータの集合が規定されている。CTUは、再帰的な4分木分割(QT(Quad Tree)分割)、2分木分割(BT(Binary Tree)分割)あるいは3分木分割(TT(Ternary Tree)分割)により、符号化
処理の基本的な単位である符号化ユニットCUに分割される。BT分割とTT分割を合わせてマルチツリー分割(MT(Multi Tree)分割)と呼ぶ。再帰的な4分木分割により得られる木構造のノードのことを符号化ノード(Coding Node)と称する。4分木、2分木、及び3
分木の中間ノードは、符号化ノードであり、CTU自身も最上位の符号化ノードとして規定
される。
CTは、CT情報として、CT分割を行うか否かを示すCU分割フラグ(split_cu_flag)、QT分
割を行うか否かを示すQT分割フラグ(qt_split_cu_flag)、MT分割の分割方向を示すMT分割方向(mtt_split_cu_vertical_flag)、MT分割の分割タイプを示すMT分割タイプ(mtt_split_cu_binary_flag)を含む。split_cu_flag、qt_split_cu_flag、mtt_split_cu_vertical_flag、mtt_split_cu_binary_flagは符号化ノード毎に伝送される。以下、CT情報を単に「分割情報」とも呼ぶ。
split_cu_flagが1かつqt_split_cu_flagが1の場合、符号化ノードは4つの符号化ノ
ードに分割される(図5(b))。
split_cu_flagが0の場合に符号化ノードは分割されず1つのCUをノードとして持つ(
図5(a))。CUは符号化ノードの末端ノードであり、これ以上分割されない。CUは、符号化処理の基本的な単位となる。
split_cu_flagが1かつqt_split_cu_flagが0の場合に符号化ノードは以下のようにMT
分割される。mtt_split_cu_binary_flagが1の時、mtt_split_cu_vertical_flagが0の場合に符号化ノードは2つの符号化ノードに水平分割され(図5(d))、mtt_split_cu_vertical_flagが1の場合に符号化ノードは2つの符号化ノードに垂直分割される(図5(c))。また、mtt_split_cu_binary_flagが0の時、mtt_split_cu_vertical_flagが0の場合に符号化ノードは3つの符号化ノードに水平分割され(図5(f))、mtt_split_cu_vertical_flagが1の場合に符号化ノードは3つの符号化ノードに垂直分割される(図5(e))。これらを図5(g)に示す。
また、CTUのサイズが64x64画素の場合には、CUのサイズは、64x64画素、64x32画素、32x64画素、32x32画素、64x16画素、16x64画素、32x16画素、16x32画素、16x16画素、64x8画素、8x64画素、32x8画素、8x32画素、16x8画素、8x16画素、8x8画素、64x4画素、4x64画素、32x4画素、4x32画素、16x4画素、4x16画素、8x4画素、4x8画素、及び、4x4画素の何れかをとり得る。
輝度と色差で異なるツリーを用いても良い。ツリーの種別をtreeTypeで示す。例えば、輝度(Y, cIdx=0)と色差(Cb/Cr, cIdx=1,2)で共通のツリーを用いる場合、共通単一ツリーをtreeType=SINGLE_TREEで示す。輝度と色差で異なる2つのツリー(DUALツリー)を用いる場合、輝度のツリーをtreeType= DUAL_TREE_LUMA、色差のツリーをtreeType=DUAL_TREE_CHROMAで示す。
(符号化ユニット)
図4は、処理対象の符号化ユニットを復号するために動画像復号装置31が参照するデー
タの集合が規定されている。具体的には、CUは、CUヘッダCUH、予測パラメータ、変換パ
ラメータ、量子化変換係数等から構成される。CUヘッダでは予測モード等が規定される。
予測処理は、CU単位で行われる場合と、CUをさらに分割したサブCU単位で行われる場合がある。CUとサブCUのサイズが等しい場合には、CU中のサブCUは1つである。CUがサブCUのサイズよりも大きい場合、CUはサブCUに分割される。たとえばCUが8x8、サブCUが4x4の場合、CUは水平2分割、垂直2分割からなる、4つのサブCUに分割される。
予測の種類(予測モード)は、イントラ予測と、インター予測の2つがある。イントラ予測は、同一ピクチャ内の予測であり、インター予測は、互いに異なるピクチャ間(例えば、表示時刻間、レイヤ画像間)で行われる予測処理を指す。
変換・量子化処理はCU単位で行われるが、量子化変換係数は4x4等のサブブロック単位
でエントロピー符号化してもよい。
(予測パラメータ)
予測画像は、ブロックに付随する予測パラメータによって導出される。予測パラメータ
には、イントラ予測とインター予測の予測パラメータがある。
(インター予測の予測パラメータ)
インター予測の予測パラメータについて説明する。インター予測パラメータは、予測リスト利用フラグpredFlagL0とpredFlagL1、参照ピクチャインデックスrefIdxL0とrefIdxL1、動きベクトルmvL0とmvL1から構成される。predFlagL0、predFlagL1は、参照ピクチャリスト(L0リスト、L1リスト)が用いられるか否かを示すフラグであり、値が1の場合に対応する参照ピクチャリストが用いられる。なお、本明細書中「XXであるか否かを示すフラグ」と記す場合、フラグが0以外(たとえば1)をXXである場合、0をXXではない場合とし、論理否定、論理積などでは1を真、0を偽と扱う(以下同様)。但し、実際の装置や方法では真値、偽値として他の値を用いることもできる。
インター予測パラメータを導出するためのシンタックス要素には、例えば、マージフラグmerge_flag (general_merge_flag)、マージインデックスmerge_idx、merge_subblock_flag、regulare_merge_flag、イントラインターフラグciip_flag、AMVPモードで用いる参照ピクチャを選択するためのインター予測識別子inter_pred_idc、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、動きベクトルを導出するための予測ベクトルインデックスmvp_LX_idx、差分ベクトルmvdLX、動きベクトル精度モードamvr_modeがある。
(参照ピクチャリスト)
参照ピクチャリストは、参照ピクチャメモリ306に記憶された参照ピクチャからなるリ
ストである。図6は、参照ピクチャおよび参照ピクチャリストの一例を示す概念図である
。図6(a)において、矩形はピクチャ、矢印はピクチャの参照関係、横軸は時間、矩形中のI、P、Bは各々イントラピクチャ、単予測ピクチャ、双予測ピクチャ、矩形中の数字は復
号順を示す。図に示すように、ピクチャの復号順は、I0、P1、B2、B3、B4であり、表示順は、I0、B3、B2、B4、P1である。図6(b)に、ピクチャB3(対象ピクチャ)の参照ピクチャリストの例を示す。参照ピクチャリストは、参照ピクチャの候補を表すリストであり、1つのピクチャ(スライス)が1つ以上の参照ピクチャリストを有してもよい。図の例では、対象ピクチャB3は、L0リストRefPicList0およびL1リストRefPicList1の2つの参照ピクチャリストを持つ。個々のCUでは、参照ピクチャリストRefPicListX(X=0または1)中のどのピクチャを実際に参照するかをrefIdxLXで指定する。図は、refIdxL0=2、refIdxL1=0の例である。なお、LXは、L0予測とL1予測を区別しない場合に用いられる記述方法であり、以降では、LXをL0、L1に置き換えることでL0リストに対するパラメータとL1リストに対するパラメータを区別する。
(マージ予測とAMVP予測)
予測パラメータの復号(符号化)方法には、マージ予測(merge)モードとAMVP(Advanced Motion Vector Prediction、適応動きベクトル予測)モードがあり、merge_flagは、これらを識別するためのフラグである。マージ予測モードは、予測リスト利用フラグpredFlagLX、参照ピクチャインデックスrefIdxLX、動きベクトルmvLXを符号化データに含めずに、既に処理した近傍ブロックの予測パラメータ等から導出するモードである。AMVPモードは、inter_pred_idc、refIdxLX、mvLXを符号化データに含めるモードである。なお、mvLXは、予測ベクトルmvpLXを識別するmvp_LX_idxと差分ベクトルmvdLXとして符号化される。
inter_pred_idcは、参照ピクチャの種類および数を示す値であり、PRED_L0、PRED_L1、PRED_BIの何れかの値をとる。PRED_L0、PRED_L1は、各々L0リスト、L1リストで管理され
た1枚の参照ピクチャを用いる単予測を示す。PRED_BIはL0リストとL1リストで管理され
た2枚の参照ピクチャを用いる双予測を示す。
merge_idxは、処理が完了したブロックから導出される予測パラメータ候補(マージ候
補)のうち、いずれの予測パラメータを対象ブロックの予測パラメータとして用いるかを示すインデックスである。
(動きベクトル)
mvLXは、異なる2つのピクチャ上のブロック間のシフト量を示す。mvLXに関する予測ベクトル、差分ベクトルを、それぞれmvpLX、mvdLXと呼ぶ。
(インター予測識別子inter_pred_idcと予測リスト利用フラグpredFlagLX)
inter_pred_idcと、predFlagL0、predFlagL1の関係は以下のとおりであり、相互に変換可能である。
inter_pred_idc = (predFlagL1<<1)+predFlagL0
predFlagL0 = inter_pred_idc & 1
predFlagL1 = inter_pred_idc >> 1
なお、インター予測パラメータは、予測リスト利用フラグを用いても良いし、インター予測識別子を用いてもよい。また、予測リスト利用フラグを用いた判定は、インター予測識別子を用いた判定に置き替えてもよい。逆に、インター予測識別子を用いた判定は、予測リスト利用フラグを用いた判定に置き替えてもよい。
(双予測biPredの判定)
双予測であるかのフラグbiPredは、2つの予測リスト利用フラグがともに1であるかによって導出できる。
あるいは、biPredは、インター予測識別子が2つの予測リスト(参照ピクチャ)を使うことを示す値であるか否かによっても導出できる。
(動画像復号装置の構成)
本実施形態に係る動画像復号装置31(図7)の構成について説明する。
動画像復号装置31は、エントロピー復号部301、パラメータ復号部(予測画像復号装置
)302、ループフィルタ305、参照ピクチャメモリ306、予測パラメータメモリ307、予測画像生成部(予測画像生成装置)308、逆量子化・逆変換部311、及び加算部312、予測パラ
メータ導出部320を含んで構成される。なお、後述の動画像符号化装置11に合わせ、動画
像復号装置31にループフィルタ305が含まれない構成もある。
パラメータ復号部302は、さらに、ヘッダ復号部3020、CT情報復号部3021、スケーリン
グリスト復号部3026、及びCU復号部3022(予測モード復号部)を備えており、CU復号部3022はさらにTU復号部3024を備えている。これらを総称して復号モジュールと呼んでもよい。ヘッダ復号部3020は、符号化データからVPS、SPS、PPS、APSなどのパラメータセット情報、スライスヘッダ(スライス情報)を復号する。CT情報復号部3021は、符号化データからCTを復号する。CU復号部3022は符号化データからCUを復号する。TU復号部3024は、TUに予測誤差が含まれている場合に、符号化データからQP更新情報(量子化補正値)と量子化予測誤差(residual_coding)を復号する。
TU復号部3024は、符号化データから変換基底を示すインデックスmts_idxを復号する。
また、TU復号部3024は、符号化データから非分離変換の利用の有無、及び、変換基底を示すパラメータlfnst_idxを復号する。具体的には、TU復号部3024は、CUの幅と高さが4以
上であり、且つ、予測モードがイントラモードである場合に、lfnst_idxを復号する。な
お、lfnst_idxは0の場合、非分離変換の非適用を示し、1の場合、非分離変換基底のセッ
ト(ペア)のうち一方の変換を示し、2の場合、上記ペアのうち他方の変換を示す。
予測画像生成部308は、インター予測画像生成部309(図11)及びイントラ予測画像生成部310を含んで構成される。
予測パラメータ導出部320は、インター予測パラメータ導出部303(図9)及びイントラ
予測パラメータ導出部を含んで構成される。
また、以降では処理の単位としてCTU、CUを使用した例を記載するが、この例に限らず
、サブCU単位で処理をしてもよい。あるいはCTU、CUをブロック、サブCUをサブブロック
と読み替え、ブロックあるいはサブブロック単位の処理としてもよい。
エントロピー復号部301は、外部から入力された符号化ストリームTeに対してエントロ
ピー復号を行って、個々の符号(シンタックス要素)を復号する。エントロピー符号化には、シンタックス要素の種類や周囲の状況に応じて適応的に選択したコンテキスト(確率モデル)を用いてシンタックス要素を可変長符号化する方式と、あらかじめ定められた表、あるいは計算式を用いてシンタックス要素を可変長符号化する方式がある。
エントロピー復号部301は、復号した符号をパラメータ復号部302に出力する。復号した符号とは、例えば、予測モードpredMode、merge_flag、merge_idx、inter_pred_idc、refIdxLX、mvp_LX_idx、mvdLX、amvr_mode等である。どの符号を復号するかの制御は、パラメータ復号部302の指示に基づいて行われる。
(基本フロー)
図8は、動画像復号装置31の概略的動作を説明するフローチャートである。
(S1100:パラメータセット情報復号)ヘッダ復号部3020は、符号化データからVPS、SPS、PPSなどのパラメータセット情報を復号する。
(S1200:スライス情報復号)ヘッダ復号部3020は、符号化データからスライスヘッダ
(スライス情報)を復号する。
以下、動画像復号装置31は、対象ピクチャに含まれる各CTUについて、S1300からS5000
の処理を繰り返すことにより各CTUの復号画像を導出する。
(S1300:CTU情報復号)CT情報復号部3021は、符号化データからCTUを復号する。
(S1400:CT情報復号)CT情報復号部3021は、符号化データからCTを復号する。
(S1500:CU復号)CU復号部3022はS1510、S1520を実施して、符号化データからCUを復
号する。
(S1510:CU情報復号)CU復号部3022は、符号化データからCU情報、予測情報、TU分割
フラグsplit_transform_flag、CU残差フラグcbf_cb、cbf_cr、cbf_luma等を復号する。
(S1520:TU情報復号)TU復号部3024は、TUに予測誤差が含まれている場合に、符号化
データから量子化予測誤差、変換インデックスmts_idxを復号する。
(S2000:予測画像生成)予測画像生成部308は、対象CUに含まれる各ブロックについて、予測情報に基づいて予測画像を生成する。
(S3000:逆量子化・逆変換)逆量子化・逆変換部311は、対象CUに含まれる各TUについて、逆量子化・逆変換処理を実行する。
(S4000:復号画像生成)加算部312は、予測画像生成部308より供給される予測画像と
、逆量子化・逆変換部311より供給される予測誤差とを加算することによって、対象CUの
復号画像を生成する。
(S5000:ループフィルタ)ループフィルタ305は、復号画像にデブロッキングフィルタ、SAO、ALFなどのループフィルタをかけ、復号画像を生成する。
(インター予測パラメータ導出部の構成)
インター予測パラメータ導出部303は、パラメータ復号部302から入力されたシンタックス要素に基づいて、予測パラメータメモリ307に記憶された予測パラメータを参照してイ
ンター予測パラメータを導出する。また、インター予測パラメータをインター予測画像生成部309、予測パラメータメモリ307に出力する。インター予測パラメータ導出部303及び
その内部の要素であるAMVP予測パラメータ導出部3032、マージ予測パラメータ導出部3036、GPM予測部30377、MV加算部3038は、動画像符号化装置、動画像復号装置で共通する手段であるので、これらを総称して動きベクトル導出部(動きベクトル導出装置)と称してもよい。
ciip_flagが0、すなわち、GPM予測モードを示す場合、GPM予測部30377はGPM予測パラ
メータを導出する。
merge_flagが1、すなわち、マージ予測モードを示す場合、merge_idxを導出し、マー
ジ予測パラメータ導出部3036に出力する。
merge_flagが0、すなわち、AMVP予測モードを示す場合、AMVP予測パラメータ導出部3032はinter_pred_idc、refIdxLXかmvp_LX_idxからmvpLXを導出する。
(MV加算部)
MV加算部3038では導出されたmvpLXとmvdLXを加算し、mvLXを導出する。
(マージ予測)
図10(a)は、本実施形態に係るマージ予測パラメータ導出部3036の構成を示す概略図で
ある。マージ予測パラメータ導出部3036は、マージ候補導出部30361、マージ候補選択部30362を備える。なお、マージ候補は、予測パラメータ(predFlagLX、mvLX、refIdxLX)を含んで構成され、マージ候補リストに格納される。マージ候補リストに格納されたマージ候補には、所定の規則に従ってインデックスが割り当てられる。
マージ候補導出部30361は、復号済の隣接ブロックの動きベクトルとrefIdxLXをそのま
ま用いてマージ候補を導出する。それ以外に、マージ候補導出部30361は、後述する空間
マージ候補導出処理、時間マージ候補導出処理等を適用してもよい。
空間マージ候補導出処理として、マージ候補導出部30361は、所定の規則に従って、予
測パラメータメモリ307が記憶している予測パラメータを読み出し、マージ候補に設定す
る。参照ピクチャの指定方法は、例えば、対象ブロックから予め定めた範囲内にある隣接ブロック(例えば、対象ブロックの左A1、右B1、右上B0、左下A0、左上B2にそれぞれ接するブロックの全部または一部)のそれぞれに係る予測パラメータである。各々のマージ候補をA1,B1,B0,A0,B2と呼ぶ。ここで、A1,B1,B0,A0,B2は各々、下記の座標を含むブロック
から導出される動き情報である。
A1: (xCb - 1, yCb + cbHeight - 1)
B1: (xCb + cbWidth - 1, yCb - 1)
B0: (xCb + cbWidth, yCb - 1)
A0: (xCb - 1, yCb + cbHeight)
B2: (xCb - 1, yCb - 1)
対象ブロックの左上座標を(xCb, yCb)、幅cbWidth、高さcbHeightとする。
時間マージ導出処理として、マージ候補導出部30361は、対象ブロックの右下CBR、あるいは、中央の座標を含む参照画像中のブロックCの予測パラメータを、予測パラメータメ
モリ307から読み出してマージ候補Colとし、マージ候補リストmergeCandList[]に格納す
る。
mergeCandList[]に格納する順番は、例えば、空間マージ候補(A1,B1,B0,A0,B2)、時間
マージ候補Colである。なお、利用可能でない(ブロックがイントラ予測等)参照ブロッ
クはマージ候補リストに格納しない。
i = 0
if(availableFlagA1)
mergeCandList[i++] = A1
if(availableFlagB1)
mergeCandList[i++] = B1
if(availableFlagB0)
mergeCandList[i++] = B0
if(availableFlagA0)
mergeCandList[i++] = A0
if(availableFlagB2)
mergeCandList[i++] = B2
if(availableFlagCol)
mergeCandList[i++] = Col
マージ候補選択部30362は、マージ候補リストに含まれるマージ候補のうち、merge_idxが示すマージ候補Nを以下の式で選択する。
N = mergeCandList[merge_idx]
ここでNは、マージ候補を示すラベルであり、A1,B1,B0,A0,B2,Colなどをとる。ラベルNで示されるマージ候補の動き情報は(mvLXN[0], mvLXN[0])、predFlagLXN, refIdxLXNで示される。
選択された(mvLXN[0], mvLXN[0])、predFlagLXN, refIdxLXNを対象ブロックのインター予測パラメータとして選択する。マージ候補選択部30362は選択したマージ候補のインター予測パラメータを予測パラメータメモリ307に記憶するとともに、インター予測画像生成部309に出力する。
(GPM予測)
GPM予測について説明する。GPM予測は、GPMモードで利用される予測であり、対象CUを
線分で分割する2つの非矩形の予測単位として、予測画像を生成する。図14(a)に示す直
線分の例を示す。対象CUをまたがる直線分は、図14(b)に示す角度インデックスangleIdx
(角度変数)と、距離インデックスdistanceIdx(距離変数)とによって規定される。angleIdxは、垂直方向の直線と当該直線分とがなす角度φを示す。distanceIdxは、対象CUの中心から当該直線分までの距離ρを示す。angleIdxは、直線分の角度を整数値に割り当てたものであり、例えば、360度を大まかに32等分した場合には、図14(c)に示す値が割り当てられる。なお、この例では、大まかにと記載したように、完全な等分ではなく、正方形の目盛り(座標)を用いて360度を32分割したものを用いる。なお、360度を64分割し、さらに細かい角度インデックスを送る構成であってもよい。エッジ分割は、angleIdxとdistanceIdxによって一意に決まるため、angleIdxとdistanceIdxのペアをGPM形状(予測形状)とも呼ぶ。
GPM予測の予測画像生成では、非矩形予測単位を含む「矩形の」予測画像(一時的予測
画像)を2つ導出し、上記2つの矩形領域を、非矩形予測単位の形状に応じた重み付けを行うことで導出してもよい。動き補償部3091が対象CUの一時的予測画像を2つ導出し、GPM合成部30952が、上記2つの一時的予測画像の各画素に、画素の位置に応じた重み付け処理を施すことで予測画像を導出する。この処理をGPM合成処理と呼ぶ。予測以外の処理(例えば変換(逆変換)及び量子化(逆量子化))は対象CU全体に適用される。
GPM予測部30377は、2つの非矩形領域の予測パラメータを導出し、インター予測画像生成部309に供給する。GPM予測では処理の簡略化のために、双予測を用いない構成でもよい。この場合、非矩形領域に対し単方向予測のインター予測パラメータを導出する。
(GPM予測におけるシンタックスの復号)
GPM予測のオン/オフ、およびGPM予測がオンである場合のパラメータは、符号化データで以下のように通知される。
図15(a)に示すように、sps_gpm_enabled_flagは、SPSで通知され、対象シーケンスにおいて、GPM予測モードが用いられるか否かを示す。sps_gpm_enabled_flagが0である場合、対象シーケンスにおいて、GPM予測モードが用いられないことを示す。sps_gpm_enabled_flagが1である場合、対象シーケンスにおいて、GPM予測モードが用いられることを示す。ここでは、対象シーケンスにおいて、選択可能な分割パターン(分割タイプ)数がNumGPMFull個(例えば、64)であるGPM予測モードが用いられることを示す。なお、sps_gpm_enabled_flagは、SPSに限定されず、PPSやピクチャヘッダ、スライスヘッダで伝送されてもよい。
図15(b)はマージモードで通知されるシンタックス構成を示す図である。パラメータ復
号部302は、符号化データ中のシンタックス要素を復号し、GPM予測部30377(インター予
測パラメータ導出部303)は、以下の規則に従ってGPM予測のパラメータを導出する。
SPSでは、sps_max_num_merge_cand_minus_max_num_gpm_candが通知される。sps_max_num_merge_cand_minus_max_num_gpm_candは、GPM予測のマージ候補数の最大値MaxNumGpmMergeCandの導出に使用されるパラメータである。GPM予測部30377は、0からマージ予測の候補数の最大値MaxNumMergeCand-1までのマージ候補MergeCandを導出する。
sps_gpm_enabled_flagがオンで、MaxNumMergeCandが3以上の場合、MaxNumGpmMergeCandを下式で導出する。
MaxNumGpmMergeCand = MaxNumMergeCand - sps_max_num_merge_cand_minus_max_num_gpm_cand
sps_gpm_enabled_flagがオンで、MaxNumMergeCandが2の場合、MaxNumGpmMergeCandを下式で導出する。
MaxNumGpmMergeCand = 2
上記のいずれにも当てはまらない場合、MaxNumGpmMergeCandを下式で導出する。
MaxNumGpmMergeCand = 0
MaxNumGpmMergeCandが0のとき、GPM予測は禁止される。
図15(b)は、対象ブロックにおいてマージ予測がオン(general_merge_flag==1)の場合にmerge_data()が通知されるシンタックス例である。general_merge_flagは、対象ブロックがスキップモードでない場合に通知される、対象ブロックの予測パラメータが隣接ブロックから導出されるか否かを示すフラグである。すなわち、マージモードを利用するか否かを示すフラグである。スキップモードの場合、インター予測パラメータ導出部303は、general_merge_flag=1に設定する。merge_data()はマージ予測のパラメータを通知するシンタックス構造である。
merge_subblock_flagは、対象ブロックのサブブロックベースインター予測のパラメー
タが隣接ブロックから導出されるか否かを示すフラグである。merge_subblock_flagが1である場合、サブブロックベースインター予測が用いられることを示す。merge_subblock_flagが0である場合、サブブロックベースインター予測が用いられないことを示す。
regular_merge_flagは、対象ブロックにおいて通常のマージモードか差分動きベクトルを用いるマージモード(MMVD)が用いられるかを示すフラグである。regular_merge_flagが1である場合、通常のマージモードまたはMMVDが用いられることを示す。regular_merge_flagが0である場合、通常のマージモードとMMVDは用いられないことを示す。
ciip_flagは対象ブロックにおいてイントラインターが用いられるか否かを示すフラグ
である。ciip_flagが1である場合は、イントラインターのシンタックス要素を復号する
。ciip_flagが0である場合に、GPM予測のシンタックス要素merge_gpm_partition_idx、merge_gpm_idx0、およびmerge_gpm_idx1が通知される。merge_gpm_partition_idxは、GPM予測モードの分割パターンを示すインデックス(パーティションインデックス)である。パーティションインデックスは、対象ブロックを2つの非矩形領域に分割にするための、対象ブロックをまたがる直線分を特定するangleIdxおよびdistanceIdxの組み合わせを示す。GPM予測の予測画像生成に用いる動き情報は、マージ候補を用いる。merge_gpm_idx0およびmerge_gpm_idx1はそれぞれ、2つの非矩形領域の動き情報を示すマージ候補のインデックスである。パーティションインデックスの選択肢の数(分割パターン数)はNumGPMFullであり、merge_gpm_partition_idxは0~NumGPMFull-1(=63)のうちのいずれかの整数値をとる。merge_gpm_partition_idxは、GPMで用いられる予測の形状(GPM形状)を示す情報であるので、分割情報とも呼ぶ。
MergeGpmFlagは、対象ブロックでGPM予測を実施するか否かを示すフラグである。以下
の条件(GPM判定条件)がすべて満たされる場合には、GPM予測部30377は、MergeGpmFlag=1(GPM予測オン)に設定し、そうでない場合には、GPM予測部30377は、MergeGpmFlag=0に設定する。
・sps_gpm_enabled_flag=1
・slice_typeはBスライス
・general_merge_flag=1
・cbWidth>=8かつcbHeight>=8
・cbWidth<8*cbHeightかつcbHeight<8*cbWidth
・regular_merge_flag=0
・merge_subblock_flag=0
・ciip_flag=0
GPM予測部30377は、MergeGpmFlag=1の場合に、以下の手順で予測画像生成に必要なパラメータを導出し、GPM合成部30952に出力する。
パラメータ復号部302(CU復号部3022)は、merge_gpm_partition_idx、merge_gpm_idx0、merge_gpm_idx1を復号する。パラメータ復号部302(CU復号部3022)は、!ciip_flag[x0][y0] && MaxNumGpmMergeCand>1の場合に、merge_gpm_partition_idxとmerge_gpm_idx0を復号し、さらにMaxNumGpmMergeCand>2の場合にmerge_gpm_idx1を復号してもよい。
(GPM予測における動き情報導出処理)
GPM予測部30377は、以下のように、2つの非矩形領域の動き情報を示すシンタックス要素merge_gpm_idx0およびmerge_gpm_idx1からマージインデックスmおよびnを導出する。
m = merge_gpm_idx0
n = merge_gpm_idx1 + (merge_gpm_idx1 >= m) ? 1 : 0
以下では、マージインデックスmが指すマージ候補がMとして示され、マージインデックスnが指すマージ候補がNとして示される。
マージ予測パラメータ導出部3036は、(マージ予測)に記載された方法でマージ候補M
およびNの動き情報(mvLXM、mvLXN、refIdxLXM、refIdxLXN、predFlagLXM、predFlagLXN
、bcwIdx、mergeCandList等)を導出する。GPM予測部30377は、これらの動き情報を用い
て、以下のように、merge_gpm_idx0およびmerge_gpm_idx1の動きベクトルmvAおよびmvB、参照インデックスrefIdxAおよびrefIdxB、ならびに、予測リストフラグpredListFlagAお
よびpredListFlagBを設定する。
mvA[0] = mvLXM[0]
mvA[1] = mvLXM[1]
refIdxA = refIdxLXM
predListFlagA = X
ここで、GPM予測部30377は、Xにmの下位1bitを設定する(m & 0x01)。なお、predFlagLXMが0である場合、GPM予測部30377は、Xを(1-X)に設定する。
mvB[0] = mvLXN[0]
mvB[1] = mvLXN[1]
refIdxB = refIdxLXN
predListFlagB = X
ここで、GPM予測部30377は、Xにnの下位1bitを設定する(n & 0x01)。なお、predFlagLXNが0である場合、GPM予測部30377は、Xを(1-X)に設定する。
これらの動き情報は、2つの非矩形領域の一時的予測画像を生成するために参照される。
GPM予測部30377は図16に示すテーブルに従って、merge_gpm_partition_idxに対応するangleIdxおよびdistanceIdxを導出し、GPM合成部30952に出力する。
GPM予測部30377は上記動き情報(mvX, refIdxX, predListFlagX, X=AまたはB)を用い
て、一時的予測画像predSamplesLA、predSamplesLBを導出し、GPM合成部30952に出力する。GPM合成部30952は、angleIdx、distanceIdxを用いて導出される重みと一時的予測画像predSamplesLA、predSamplesLBを用いて予測画像を生成する。
(ABT)
上記では、再帰的なCU分割として、2分木、3分木を説明したが、さらに、ABT(asymmetric binary tree)と呼ばれる分割を行ってもよい。ABTでは、2分木のブロック分割において、1:1以外の分割を用いる。例えば、1:3、3:1、1:7、3:5、5:3、7:1などがありえる。ABTは分割後のブロックのサイズが2の累乗の値にならないブロック分割ともいえる。例として、図5(h)~(k)に示すようにブロックを水平または垂直に1:3または3:1に分割する例を説明する。
図28(a)に示すように、ABTを用いるか否かはSPSでsps_abt_enabled_flagを通知し、対
象シーケンスにおいて、ABTによる分割が用いられるか否かを示してもよい。パラメータ
復号部302は、sps_abt_enabled_flagを復号してもよい。sps_abt_enabled_flagが0である場合、対象シーケンスにおいて、ABTによる分割が用いられないことを示す。sps_abt_enabled_flagが1である場合、対象シーケンスにおいて、ABTによる分割が用いられることを示す。
図28(b)は符号化ツリー(CT)で通知されるシンタックス構成を示す図である。CU復号部3022、CU符号化部1112はsps_abt_enabled_flag==1、かつ、CUの幅と高さが両方ともABT可
能な最小ブロックサイズ以上(例えば16)、かつ、mtt_split_cu_binary_flagが1の場合、mtt_split_cu_abt_flagを復号、符号化する。mtt_split_cu_abt_flagが0の場合には1:1のBTとしてさらに2つのCTを復号、符号化する。mtt_split_cu_abt_flag=1の場合には、ABTによって3:1と1:3のうち、どちらに分割されるかを示すフラグmtt_split_cu_near_flagを復号、符号化してもよい。例えば、mtt_split_cu_near_flagが1の時に1:3、mtt_split_cu_near_flagが0の時に3:1に分割してもよい。そして、分割した2つのCTを復号、符号化する。
別の例として図29に示すように、CU復号部3022、CU符号化部1112は、sps_abt_enabled_flag==1、かつ、CUの幅と高さが両方ともABT可能な最小ブロックサイズ以上(例えば16)、かつ、mtt_split_cu_binary_flagが1の場合、ブロックをどの位置で分割を行うかを示すbt_split_pos_indexを復号してもよい。例えば、bt_split_pos_indexが0の場合1:1で分割(BT)し、bt_split_pos_indexが1の場合1:3で分割し、bt_split_pos_indexが2の場合3:1で分割してもよい。bt_split_pos_indexは復号されない場合、0に設定してもよい。
以下、sps_abt_enabled_flag==1、かつ、CUの幅と高さが両方ともABT可能な最小ブロックサイズ以上の場合、対象ブロックにおいてABTによる分割が可能(AvailableABTが真)
としてもよい。また、AvailableABTを対象ブロックでABTによる分割が可能か否かを示す
変数としてもよい。例えばABT可能な最小ブロックサイズはcbWidth >= 16 && cbHeight >= 16、GPM可能な最小ブロックサイズは、cbWidth >= 8 && cbHeight >= 8と設定してもよい。つまり、ABT可能な最小ブロックサイズ>GPM可能な最小ブロックサイズとしてもよい。
(水平、垂直のangleを省略した構成1)
GPMで実現可能な水平、垂直方向の分割はABTによっても分割が可能であり、冗長な分割となる可能性がある。
GPM予測部30377は、対象ブロックでABTが用いられる可能性を考慮して、水平、垂直のangleIdxを含まない図17(a)に示すテーブルに従って、merge_gpm_partition_idxに対応す
るangleIdxおよびdistanceIdxを導出し、GPM合成部30952に出力してもよい。このテーブ
ルでは、図16のテーブルと比較して、水平、垂直方向の角度(angleIdx=0,8,16,24)が除かれている。なお、水平、垂直のangleIdxを含まないテーブル図17(a)の代わりに、水平、
垂直を示すangleIdxの数が、図16のテーブルよりも少ないテーブルを用いてもよい。
ABTが可能な分割をテーブルから削除し、NumGPMFullを56とすることにより、merge_gpm_partition_idxのビット長を削減することが可能となり符号化効率が向上する。例えば、パラメータ復号部302(CU復号部3022)は、シンタックス要素の取りうる値の上限cMaxが決まっているトランケートバイナリ(TB)を用いて、シンタックス要素のバイナリゼーション(2進数表現)を行ってもよい(TBバイナリ)。cMaxが決まっているシンタックス要素を復号してもよい。merge_gpm_partition_idxのcMaxはNumGPMFullに基づいて以下のよう
に設定してもよい。
cMax = NumGPMFull - 1
なお、NumGPMFull = 64の場合は、cMax=63のFLバイナリを利用してもよい。cMax=2^N-1の場合のTBバイナリは、FLバイナリと一致する。
(TBバイナリの例)
なお、TBバイナリは以下のように導出してもよい。
n = cMax + 1
k = Floor(Log2(n))
u = (1 << (k + 1)) - n
シンタックス要素の値synVal(ここではmerge_gpm_partition_idx)が、u未満の場合にはcMax = (1<<k)-1を用いたFixedLengthバイナリ(以下FLバイナリ)でTBバイナリを導出する。それ以外(synValがu以上)の場合には、cMax = (1<<(k+1))-1とする。
なお、FLバイナリはシンタックス要素のBIN長fixedLengthを導出し、fixedLengthビッ
トでsynValを2進数表現することにより導出してもよい。
fixedLength = Ceil(Log2(cMax + 1))
(水平、垂直のangleを省略した構成2)
GPM予測部30377は、対象ブロックでABTが用いられる可能性を考慮して、例えば、水平
、垂直のangleIdxを含まない図17(b)に示すテーブルを用いて、merge_gpm_partition_idxからGPM形状(angleIdx、distanceIdx)を導出してもよい。また、水平、垂直のangleIdxを含むが、distanceIdxの値の異なる図17(c)に示すテーブルを用いて、merge_gpm_partition_idxからGPM形状(angleIdx、distanceIdx)を導出してもよい。図17(b)のテーブルは、図16のテーブルと比較して、水平、垂直方向の角度(angleIdx=0,8,16,24)が除かれ、代わりにangleIdx=6,10,16,22のdistanceIdx=2,3が入っている。また、図17(b)のテーブルでは、図16のテーブルと比較して、水平、垂直方向の角度(angleIdx=0,8,16,24)において1,3の距離が除かれて、代わりにABTの分割では表現できないdistanceIdx(1.5、2.5等)を含んでいる。このように、水平、垂直方向の角度を除く代わりに他の角度を用いる、あるいは別の距離を用いてもよい。
(ABTによってテーブルを切り替える構成)
GPM予測部30377は、対象シーケンスでABTが用いられるか否かで、重みwValueの導出方
法を切り替えてもよい。例えば、sps_abt_enabled_flagの値に応じてmerge_gpm_partition_idxからGPM形状(angleIdx、distanceIdx)を導出する方法を変更してもよい。
(ABTによってNumGPMFullを変更する例)
GPM予測部30377は、対象ブロックでABTが用いられない(AvailableABTが0)場合、水平、垂直のangleidxを含む図16に示すテーブルに従って、merge_gpm_partition_idxからangleIdxおよびdistanceIdxを導出し、GPM合成部30952に出力してもよい。このとき、NumGPMFull=64である。一方、GPM予測部30377は、対象ブロックでABTが用いられる(AvailableABTが1)場合、以下の方法によって、angleIdxおよびdistanceIdxを導出し、GPM合成部30952に出力してもよい。
(ABTによってNumGPMFullを変更する例1)
GPM予測部30377は、対象ブロックでABTが用いられる場合、水平、垂直のangleIdxを含
まない図17(a)に示すテーブルに従って、merge_gpm_partition_idxからangleIdxおよびdistanceIdxを導出し、GPM合成部30952に出力してもよい。このテーブルは、図16のテーブルと比較して、水平、垂直方向の角度(angleIdx=0,8,16,24)が除かれており、NumGPMFull=56である。なお、水平、垂直のangleIdxの数が図16のテーブルよりも少ない、図17(a)以外のテーブルを用いてもよい。
(ABTによってNumGPMFullを変更する例2)
GPM予測部30377は、対象ブロックでABTが用いられる場合、図17(a)に示すテーブル、および、(GPM予測の別の実施例2)に示すGPM重みモードの考え方を用いて、水平、垂直方向の角度を除く代わりに、GPM重みモードを選択可能にしてもよい。このとき、NumGPMFull=63であり、merge_gpm_partition_idxが55以下の場合には、図17(a)に示すテーブルを用いてangleIdx及びdistanceIdxを導出し、それ以外(merge_gpm_partition_idxが56以上63以下)の場合、angleIdx及びdistanceIdxはそれぞれ-1に設定する。詳細は後述する。
なお、対象ブロックでABTが用いられるか(AvailableABT)を判定する代わりに、対象
シーケンスでABTが用いられるか(sps_abt_enabled_flag)を判定してもよい。前者は、
ブロックサイズが小さくABT分割ができない場合でもGPM分割が可能であり、符号化効率の点から好適である。後者は低複雑度の点から好適である。
ABTが可能な分割をテーブルから削除し、NumGPMFullを削減することにより、merge_gpm_partition_idxのビット長を小さくすることが可能となり符号化効率が向上する。あるいは、削除したmerge_gpm_partition_idxの一部を、別のモードを割り当てて利用することで、符号化効率が向上する。
(ABTの有無によってNumGPMFullを変更しない例)
ABTを用いるか否かによらず、GPMモード数(NumGPMFull)を一定にしてもよい。具体的には、GPM予測部30377は、AvailableABTが0の場合、水平、垂直のangleIdxを含む図16に
示すテーブルを用いて、merge_gpm_partition_idxからGPM形状(angleIdx、distanceIdx
)を導出する。そうではなくAvailableABTが1の場合、水平、垂直のangleidxを含まない
図17(b)に示すテーブルを用いて、merge_gpm_partition_idxからGPM形状(angleIdx、distanceIdx)を導出してもよい。また、水平、垂直のangleIdxを含むが、distanceIdxの値の異なる図17(c)に示すテーブルを用いて、merge_gpm_partition_idxからGPM形状(angleIdx、distanceIdx)を導出してもよい。
ここでもAvailableABTの代わりに、sps_abt_enabled_flagを用いても判定してもよい。
(GPM予測における重み画素予測処理)
図19は、GPM予測における重み画素予測処理の流れを示すフローチャートである。GPM合成部30952は、予測画素値pbSampleを以下の手順で導出する。ここで、nCbW=cbWidth、nCbH=cbHeightである。
まず、GPM合成部30952は、以下のように、変数nW、nH、shift1、offset1、displacementX、displacementY、partFlipおよびshiftHorを導出する。(S35041、S35042)
nW = (cIdx == 0) ? nCbW : nCbW * SubWidthC
nH = (cIdx == 0) ? nCbH : nCbH * SubHeightC
shift1 = Max(5, 17 - BitDepth)
offset1 = 1 << (shift1 - 1)
displacementX = angleIdx
displacementY = (angleIdx + 8) % 32
partFlip = (angleIdx>=13 && angleIdx<=27) ? 0 : 1
shiftHor = (angleIdx%16==8 || (angleIdx%16!=0 && nH>=nW)) ? 0 : 1
ここで、SubWidthCおよびSubHeightCは、色差フォーマットに応じて予め定められた値
である。shiftHorが0である場合、GPM合成部30952は、以下のように、offsetXおよびoffsetYを導出する。(S35043)
offsetX = (-nW) >> 1
offsetY = ((-nH) >> 1) + (angleIdx<16? (distanceIdx * nH) >> 3 : -((distanceIdx * nH) >> 3))
shiftHorが1である場合、GPM合成部30952は、以下のように、offsetXおよびoffsetYを
導出する。(S35043)
offsetX = ((-nW) >> 1) + (angleIdx<16? (distanceIdx * nW) >> 3 : -((distanceIdx * nW) >> 3))
offsetY = (-nH) >> 1
GPM合成部30952は、以下のステップに従って、予測画素pbSamplesを導出する。(S35044)
1)GPM合成部30952は、以下のように、xLおよびyLを導出する。
xL = (cIdx==0) ? x : x * SubWidthC
yL = (cIdx==0) ? y : y * SubHeightC
2)GPM合成部30952は、図18に示すdisLutを用いて、以下のように、wValueを算出する。(S35045~S35047)
weightIdx = (((xL + offsetX) << 1) + 1) * disLut[displacementX] + (((yL + offsetY) << 1) + 1) * disLut[displacementY] (S35045)
weightIdxL = partFlip? 32 + weightIdx : 32 - weightIdx (S35046)
wValue = Clip3(0, 8, (weightIdxL + 4) >> 3) (S35047)
3)GPM合成部30952は、以下のように、pbSampleの値を導出する。(S35048)
pbSamples[x][y] = Clip3(0, (1 << BitDepth) - 1, (predSamplesLA[x][y] * wValue + predSamplesLB[x][y] * (8 - wValue) + offset1) >> shift1)
(GPM予測における動きベクトル格納処理)
GPM予測部30377は、後続の処理で参照できるように、以下の手順で、非矩形領域Aおよ
びBの動きベクトル(mvA、mvB)と参照ピクチャの情報(predFlagA、prefFlagB、refIdxLA
、refIdxLB)を4*4サブブロック単位でメモリに格納する。
以下では、第1の例および第2の例に共通する処理を説明する。
numSbXおよびnumSbYはそれぞれ、対象ブロックの水平および垂直方向の4*4サブブロッ
クの個数である。GPM予測部30377は、numSbX = cbWidth >> 2、numSbY = cbHeight >> 2
を設定する。GPM予測部30377は、以下のように、変数displacementX、displacementY、isFlipおよびshiftHorを導出する。
displacementX = angleIdx
displacementY = (angleIdx + 8) % 32
isFlip = (angleIdx>=13 && angleIdx<=27)? 1 : 0
shiftHor = (angleIdx%16==8 || (angleIdx%16!=0 && cbHeight>=cbWidth)) ? 0 : 1
shiftHorが0である場合、GPM予測部30377は、以下のように、offsetXおよびoffsetYを
導出する。
offsetX = (-cbWidth) >> 1
offsetY = ((-cbHeight) >> 1) + ((angleIdx<16) ? (distanceIdx * cbHeight) >>
3 : -((distanceIdx * cbHeight) >> 3))
shiftHorが1である場合、GPM予測部30377は、以下のように、offsetXおよびoffsetYを
導出する。
offsetX = ((-cbWidth) >> 1) + ((angleIdx<16) ? (distanceIdx * cbWidth) >> 3 : -((distanceIdx * cbWidth) >> 3))
offsetY = (-cbHeight) >> 1
GPM予測部30377は、xSbIdx = 0..numSbX - 1、ySbIdx = 0..numSbY - 1である4*4サブ
ブロックの位置(xSbIdx,ySbIdx)毎に、以下の処理を実行する。
GPM予測部30377は、図18に示すdisLutを用いて、以下のように、motionIdxを算出す
る。
motionIdx = (((4 * xSbIdx + offsetX) << 1) + 5) * disLut[displacementX] + (((4 * ySbIdx + offsetY) << 1) + 5) * disLut[displacementY]
GPM予測部30377は、以下のように、sTypeを導出する。
sType = (abs(motionIdx)<32) ? 2 : ((motionIdx<=0) ? (1 - isFlip) : isFlip)
sTypeが0である場合、GPM予測部30377は、以下を実施する。
Aの予測リストフラグが0である(predListFlagA==0)場合、GPM予測部30377は、単方向予測としてL0にAの動きベクトルを格納する。Aの予測リストフラグが0でない(predListFlagA!=0)場合、GPM予測部30377は、単方向予測としてL1にAの動きベクトルを格納する。
predFlagL0 = (predListFlagA == 0) ? 1 : 0
predFlagL1 = (predListFlagA == 0) ? 0 : 1
refIdxL0 = (predListFlagA == 0) ? refIdxA : -1
refIdxL1 = (predListFlagA == 0) ? -1 : refIdxA
mvL0[0] = (predListFlagA == 0) ? mvA[0] : 0
mvL0[1] = (predListFlagA == 0) ? mvA[1] : 0
mvL1[0] = (predListFlagA == 0) ? 0 : mvA[0]
mvL1[1] = (predListFlagA == 0) ? 0 : mvA[1]
そうではなく、sTypeが1である、または、sTypeが2でありかつpredListFlagA+predListFlagBが1でない場合、GPM予測部30377は、以下を実施する。ここで、predListFlagA+predListFlagBが1でないことは、AおよびBの参照ピクチャリストが同じであることを表す。
Bの予測リストフラグが0である(predListFlagB==0)場合、GPM予測部30377は、単方向予測としてL0にBの動きベクトルを格納する。Bの予測リストフラグが0でない(predListFlagB!=0)場合、GPM予測部30377は、単方向予測としてL1にBの動きベクトルを格納する。
predFlagL0 = (predListFlagB == 0) ? 1 : 0
predFlagL1 = (predListFlagB == 0) ? 0 : 1
refIdxL0 = (predListFlagB == 0) ? refIdxB : -1
refIdxL1 = (predListFlagB == 0) ? -1 : refIdxB
mvL0[0] = (predListFlagB == 0) ? mvB[0] : 0
mvL0[1] = (predListFlagB == 0) ? mvB[1] : 0
mvL1[0] = (predListFlagB == 0) ? 0 : mvB[0]
mvL1[1] = (predListFlagB == 0) ? 0 : mvB[1]
そうでない場合(sTypeが2でありかつpredListFlagA+predListFlagBが1である場合)、GPM予測部30377は、以下を実施する。ここで、predListFlagA+predListFlagBが1であることは、AおよびBの参照ピクチャリストが異なることを表す。
Aの予測リストフラグが0である(predListFlagA==0)の場合、GPM予測部30377は、L0にAの動きベクトルを格納し、L1にBの動きベクトルを格納した双方向予測に設定する。Aの予測リストフラグが0でない(predListFlagA!=0)場合、GPM予測部30377は、L0にBの動きベクトルを格納し、L1にAの動きベクトルを格納した双方向予測に設定する。
predFlagL0 = 1
predFlagL1 = 1
refIdxL0 = (predListFlagA == 0) ? refIdxA : refIdxB
refIdxL1 = (predListFlagA == 0) ? refIdxB : refIdxA
mvL0[0] = (predListFlagA == 0) ? mvA[0] : mvB[0]
mvL0[1] = (predListFlagA == 0) ? mvA[1] : mvB[1]
mvL1[0] = (predListFlagA == 0) ? mvB[0] : mvA[0]
mvL1[1] = (predListFlagA == 0) ? mvB[1] : mvA[1]
(GPM予測の処理の流れ)
図20は、GPM予測の処理の流れを示すフローチャートである。以下では、上記のようにMergeGpmFlag=1(GPM予測オン)として設定される条件がすべて満たされるという前提で、GPM予測の処理の流れを説明する。
S3501において、パラメータ復号部302は、例えば図8に示すように、SPS、PPS、スライ
スヘッダ、マージデータ等で通知された各種のシンタックス要素を適宜復号し、これらのシンタックス要素をインター予測パラメータ導出部303(マージ予測パラメータ導出部3036、GPM予測部30377等)に出力する。
S3502において、GPM予測部30377は、MergeGpmFlagが1であるか否かを判定する。
S3502において、MergeGpmFlagが1でない場合、S3506において、GPM予測部30377は、GPM予測をオフにして、処理を終了する。
S3502において、MergeGpmFlagが1である場合、GPM予測部30377は、S3503~S3505において、GPM予測処理を実施する。
S3503において、GPM予測部30377は、上記の(GPM予測における動き情報導出処理)に記載された方法で、動き情報を導出する。
S3504において、GPM予測部30377は、上記の(GPM予測における重み係数導出処理)に記載された方法で、重み係数を導出する。
より具体的には、GPM予測部30377は、図16に示すテーブルに従って、merge_gpm_partition_idxに対応するangleIdxおよびdistanceIdxを導出する。さらに、GPM予測部30377は、angleIdxおよびdistanceIdx等に基づいて、重み係数を導出する。
S3505において、GPM予測部30377は、上記の(GPM予測における動きベクトル格納処理)に記載された方法で、動きベクトルをメモリに格納する。
(GPM予測の別の実施例1)
上記GPM予測では、2つの非矩形の領域を予測単位として予測画像を生成する。しかし
ながら、対象ブロック内でエッジの方向が変わる場合など、テクスチャが複雑な場合に対応できない。上記課題を解決するために、分割情報を増やす方法を説明する。複雑なテクスチャが存在するブロックでも、複数の分割情報を用いることで効果的に符号化できる効果を奏する。
(GPM予測の別の実施例1におけるシンタックスの復号)
図21は複数の分割情報を用いる場合における、マージモードで通知されるシンタックス構成を示す例である。パラメータ復号部302は、ciip_flagが0である場合に、GPM予測のシンタックス要素merge_gpm_partition_idx0、merge_gpm_idx0、およびmerge_gpm_idx1を復号する。merge_gpm_partition_idx0は1つ目の分割情報(パーティションインデックス)である。merge_gpm_idx0およびmerge_gpm_idx1はそれぞれ、2つの非矩形領域の動き情報を示すマージ候補のインデックスである。パラメータ復号部302は、複数の分割情報を用
いる場合、図21の(a)~(d)に示す方法で2つ目の分割情報を通知してもよい。
図21(a)では、パラメータ復号部302は2つ目の分割情報をmerge_gpm_partition_idx1として復号する。merge_gpm_partition_idx1はmerge_gpm_partition_idx0と同様にパーティションインデックスであり、パーティションインデックスの選択肢の数(分割パターン数)はNumGPMFullである。merge_gpm_partition_idx1は、0~NumGPMFull-1(=63)のうちのいずれかの整数値をとる。
図21(b)では、パラメータ復号部302はまず、merge_gpm_second_partition_flagを復号
する。merge_gpm_second_partition_flagは、対象ブロックにおいて2つ目の分割情報を
用いるか否かを示すフラグである。merge_gpm_second_partition_flagが1である場合には、2つ目の分割情報をmerge_gpm_partition_idx1として復号する。
図21(c)では、パラメータ復号部302は、2つ目の分割情報を用いるか否かを示すフラグである、merge_gpm_second_partition_flagを復号する。このとき、2つ目の分割情報merge_gpm_partition_idx1は1つ目の分割情報から導出される。具体的には、merge_gpm_partition_idx1は、1つ目の分割に直交する角度を設定したangleIdxと、ブロックの中心を
通るdistanceIdx=0をGPM形状として持ってもよい。直交するangleIdxが図16,図17のテー
ブルで使用されていない場合、隣接する角度をangleIdxとして選択してもよい。また、2つ目の分割の角度が水平、垂直(angleIdx=0,8,16,24)の場合、distanceIdx=0はCU分割
と重複して冗長であるため、distanceIdx=1としてもよい。具体的な処理として、パラメ
ータ復号部302は、以下の疑似コードによって、merge_gpm_partition_idx1を設定しても
よい。
angleIdx0 = g_GeoParams[merge_gpm_partition_idx0][0];
angleIdx1 = (angleIdx0 + 8) % 16;
if (angleIdx1 == 6) angleIdx1 -= 1;
if (angleIdx1 == 10) angleIdx1 += 1;
distanceIdx1 = angleIdx1 % 8 == 0 ? 1 : 0;
for (int i = 0; i < NumGPMFull; i++)
{
if (g_GeoParams[i][0] == angleIdx1 && g_GeoParams[i][1] == distanceIdx1)
{
merge_gpm_partition_idx1 = i;
break;
}
}
g_GeoParamsは図16や図17に示すようなテーブルであり、merge_gpm_partition_idxからan
gleIdx、distanceIdxを導出するために用いる。
図21(d)では、パラメータ復号部302はまず、2つ目の分割情報を用いるか否かを示すフラグである、merge_gpm_second_partition_flagを復号する。merge_gpm_second_partition_flagが1である場合には、merge_gpm_sec_distance_idxを復号する。merge_gpm_sec_distance_idxは2つ目の分割情報の距離情報のみを示すシンタックス要素であり、0~6の整数値をとる。このとき、2つ目の分割情報merge_gpm_partition_idx1は、1つ目の分割情報とmerge_gpm_sec_distance_idxから導出される。具体的には、1つ目の分割の角度angleIdx0に直交する角度をangleIdx1として設定する。またmerge_gpm_sec_distance_idxを参照してdistanceIdx1を導出する。angleIdx1とdistanceIdx1からmerge_gpm_partition_idx1を導出してもよい。具体的な処理として、パラメータ復号部302は、以下の疑似コードによって、merge_gpm_partition_idx1を導出してもよい。
angleIdx0 = g_GeoParams[merge_gpm_partition_idx0][0];
angleIdx1 = (angleIdx0 + 8) % 16;
if (angleIdx1 == 6) angleIdx1 -= 1;
if (angleIdx1 == 10) angleIdx1 += 1;
if (merge_gpm_sec_distance_idx > 3)
{
distanceIdx1 = merge_gpm_sec_distance_idx - 3;
angleIdx1 += 16;
}
for (int i = 0; i < NumGPMFull; i++)
{
if (g_GeoParams[i][0] == angleIdx1 && g_GeoParams[i][1] == distanceIdx1)
{
merge_gpm_partition_idx1 = i;
break;
}
}
上記により、2つ目の分割情報を復号することができ、ブロック内の複雑なテクスチャに対応することが可能となる。
また、2つ目の分割情報はブロックサイズが所定のサイズ以上の時に復号されてもよい。図22(a)~(d)は、各々図21(a)~(d)に対し、2つ目の分割情報をブロックサイズが所定のサイズ以上の時に2つ目の分割情報を復号する例である。ブロックサイズの幅cbwidthと高さcbHeightが所定のサイズTH(例えば、TH=16,32等。図ではTH=16)以上であるときに、パラメータ復号部302は、上記で述べたシンタックスを復号してもよい。このとき、merge_gpm_partition_idx1は上記に述べた方法で導出される。一方、ブロックサイズが所定のサイズ未満である場合、merge_gpm_partition_idx1はmerge_gpm_partition_idx0に設定される。
(GPM予測の別の実施例1における動き情報導出処理)
以下に、GPM予測の別の実施例における動き情報導出処理について述べる。
まず、GPM予測部30377は、2つの非矩形領域の動き情報を示すシンタックス要素merge_gpm_idx0およびmerge_gpm_idx1から動きベクトルmvAおよびmvB、参照インデックスrefIdxAおよびrefIdxB、ならびに、予測リストフラグpredListFlagAおよびpredListFlagBを設定する。具体的な処理は記載済みのため省略する。
次に、GPM予測部30377は図16や図17に示すテーブルに従って、merge_gpm_partition_idx0に対応するangleIdx0およびdistanceIdx0、および、merge_gpm_partition_idx1に対応するangleIdx1およびdistanceIdx1を導出し、GPM合成部30952に出力する。
GPM予測部30377は上記動き情報(mvX, refIdxX, predListFlagX, X=AまたはB)を用い
て、一時的予測画像predSamplesLA、predSamplesLBを導出し、GPM合成部30952に出力する。GPM合成部30952は、angleIdx0、distanceIdx0、angleIdx1、distanceIdx1を用いて導出される重みと一時的予測画像predSamplesLA、predSamplesLBを用いて予測画像を生成する。
以下の実施形態のGPM合成部30952は2つのGPM形状(angleIdx、distanceIdx)を用いて予測画像を生成する。2つのGPM形状は、上述のように符号化データのシンタックスを復
号して得られる(angleIdx0、distanceIdx0)、(angleIdx1、distanceIdx1)で示される。GPM合成部30952は、2つのGPM形状(angleIdx0、distanceIdx0)、(angleIdx1、distanceIdx1)から、2つの重みwValue0, wValue1を導出し、2つの重みから1つの重みfWeightを導出する。なお以下ではN=0,1を用いて、(angleIdxN、distanceIdxN)で示す。
(GPM予測の別の実施例1における重み画素予測処理)
図23は、GPM予測の別の実施例1における重み画素予測処理の流れを示すフローチャー
トである。GPM合成部30952は、予測画素値pbSampleを以下の手順で導出する。ここで、nCbW=cbWidth、nCbH=cbHeightである。
GPM合成部30952は、以下のように変数nW、nH、shift1、offset1を導出する。(S35041)
nW = (cIdx == 0) ? nCbW : nCbW * SubWidthC
nH = (cIdx == 0) ? nCbH : nCbH * SubHeightC
shift1 = Max(5, 17 - BitDepth)
offset1 = 1 << (shift1 - 1)
次に、GPM合成部30952は、以下の処理によって、N=0,1の各々に(S35049)、変数displacementXN、displacementYN、partFlipN、offsetXNおよびoffsetYNを導出する。(S35042)
displacementXN = angleIdxN
displacementYN = (angleIdxN + 8) % 32
partFlipN = (angleIdxN>=13 && angleIdxN<=27) ? 0 : 1
ここで、GPM合成部30952は一時変数shiftHorを以下のように導出する。
shiftHor = (angleIdxN%16==8 || (angleIdxN%16!=0 && nH>=nW)) ? 0 : 1
shiftHorが0である場合、GPM合成部30952は、以下のようにoffsetXNおよびoffsetYN
を導出する。(S35043)
offsetXN = (-nW) >> 1
offsetYN = ((-nH) >> 1) + (angleIdxN<16? (distanceIdxN * nH) >> 3 : -((distanceIdxN * nH) >> 3))
shiftHorが1である場合、GPM合成部30952は、以下のように、offsetXNおよびoffsetYNを導出する。(S35043)
offsetXN = ((-nW) >> 1) + (angleIdxN<16? (distanceIdxN * nW) >> 3 : -((distanceIdxN * nW) >> 3))
offsetYN = (-nH) >> 1
最後に、GPM合成部30952は、以下のステップに従って、予測画素pbSamplesを導出する
。(S35044)
1)GPM合成部30952は、以下のように、xLおよびyLを導出する。
xL = (cIdx==0) ? x : x * SubWidthC
yL = (cIdx==0) ? y : y * SubHeightC
2)GPM合成部30952は、図18に示すdisLutを用いて、N=0,1の各々に(S3504A)、以下のよ
うにwValueNを算出する。(S35045~S35047)
weightIdx = (((xL + offsetXN) << 1) + 1) * disLut[displacementXN] + (((yL + offsetYN) << 1) + 1) * disLut[displacementYN] (S35045)
weightIdxL = partFlipN? 32 + weightIdx : 32 - weightIdx (S35046)
wValueN = Clip3(0, 8, (weightIdxL + 4) >> 3) (S35047)
3)GPM合成部30952は、以下のように、最終的な重みfWeightの値を導出する。(S3504B)
fWeight = max(wValue0, wValue1)
4)GPM合成部30952は、以下のように、pbSampleの値を導出する。(S35048)
pbSamples[x][y] = Clip3(0, (1 << BitDepth) - 1, (predSamplesLA[x][y] * fWeight + predSamplesLB[x][y] * (8 - fWeight) + offset1) >> shift1)
上記のように処理を行うことにより、複雑な分割を表現することが可能となる。図24は、最終的な分割情報の例を示す図である。図24(a)は、merge_gpm_partition_idx0、および、merge_gpm_partition_idx1から得られた分割情報の例を示しており、各画素のwValueNの値が示されている。GPM合成部30952がこれらの分割情報を用いて3)の処理を行うと、図24(b)に示すようなfWeightが導出される。図24(c)は図24(b)の簡略図であり、2つの分割情報を用いることにより、ブロック内で複数方向の分割を表現することが可能となる。上記、3)の処理、すなわち2つの重みのmaxの計算は、2つの重みのminの計算で置き換えてもよい。すなわち、GPM合成部30952は、以下のように、最終的な重みfWeightの値を導出してもよい。
fWeight = min(wValue0, wValue1)
このとき、図24(d)に示すようなfWeightが導出される。
(GPM予測の別の実施例1における動きベクトル格納処理)
GPM予測部30377は、後続の処理で参照できるように、以下の手順で、非矩形領域Aおよ
びBの動きベクトル(mvA、mvB)と参照ピクチャの情報(predFlagA、prefFlagB、refIdxLA
、refIdxLB)を4*4サブブロック単位でメモリに格納する。
numSbXおよびnumSbYはそれぞれ、対象ブロックの水平および垂直方向の4*4サブブロッ
クの個数であり下記のように設定する。
numSbX = cbWidth >> 2
numSbY = cbHeight >> 2
GPM予測部30377は、以下のように、N=0,1のそれぞれの場合について、変数displacementXN、displacementYN、isFlip、NoffsetXNおよびoffsetYNを導出する。
displacementXN = angleIdxN
displacementYN = (angleIdxN + 8) % 32
isFlipN = (angleIdxN>=13 && angleIdxN<=27)? 1 : 0
ここで、GPM予測部30377は、一時変数shiftHorを以下のように導出する。
shiftHor = (angleIdxN%16==8 || (angleIdxN%16!=0 && cbHeight>=cbWidth)) ? 0 :
1
shiftHorが0である場合、GPM予測部30377は、以下のように、offsetXNおよびoffsetYNを導出する。
offsetXN = (-cbWidth) >> 1
offsetYN = ((-cbHeight) >> 1) + ((angleIdxN<16) ? (distanceIdxN * cbHeight
) >> 3 : -((distanceIdxN * cbHeight) >> 3))
shiftHorが1である場合、GPM予測部30377は、以下のように、offsetXNおよびoffsetYNを導出する。
offsetXN = ((-cbWidth) >> 1) + ((angleIdxN<16) ? (distanceIdxN * cbWidth) >> 3 : -((distanceIdxN * cbWidth) >> 3))
offsetYN = (-cbHeight) >> 1
GPM予測部30377は、xSbIdx = 0..numSbX - 1、ySbIdx = 0..numSbY - 1である4*4サブ
ブロックの位置(xSbIdx,ySbIdx)毎に以下の処理を実行し、sTypeを導出する。
1)GPM予測部30377は、N=0,1のそれぞれの場合について、図18に示すdisLutを用いてmotionIdxを算出し、sTypeNを導出する。
motionIdx = (((4 * xSbIdx + offsetXN) << 1) + 5) * disLut[displacementXN] + (((4 * ySbIdx + offsetYN) << 1) + 5) * disLut[displacementYN]
sTypeN = (abs(motionIdx)<32) ? 2 : ((motionIdx<=0) ? (1 - isFlipN) : isFlipN)
2)GPM予測部30377は、以下のように、最終的なsTypeの値を導出する。
sType = (sType0 + sType1 == 3) ? 2 : sType0 & sType1
sTypeを導出した後の処理は通常のGPM予測と同様のため、説明を省略する。
上記2)の処理は、重みの計算にmaxが使われた時の処理である。重みの計算にminが使われた場合、上記2)の処理は、以下のようにしてsTypeを導出する。
sType = (sType0 + sType1 == 3) ? 1 : sType0 | sType1
(GPM予測の別の実施例2)
更なる符号化効率向上のために、GPM予測において、ブロック単位で2枚の予測画像の加重平均を行うBCWの考え方を導入してもよい。BCWはマージモードにおいては重みを符号化しないが、本手法によりマージモードでも指定された重みによる加重平均を用いることが可能となり、効果的に符号化できる効果を奏する。以下では、GPM予測における加重平均
モードをGPM重みモードと呼び、従来のGPM予測における分割モードはGPM分割モードと呼
ぶこととする。
GPM分割モードのモード数をNumGpmSplitMode、GPM重みモードのモード数をNumGpmWeightModeとすると、NumGPMFullは以下のように導出される。
NumGPMFull = NumGpmSplitMode + NumGpmWeightMode
例えば、GPM重みモードを持たないようなGPM予測の場合、NumGpmSplitMode=64、NumGpmWeightMode=0である。
GPM重みモードを持つ場合について説明する。GPM重みモードを、2枚の予測画像を、1:7、2:6、3:5、4:4、5:3、6:2、7:1の割合で加重平均する7モードとしてもよい。このとき、NumGpmWeightMode=7であり、NumGpmSplitMode=64とすると、NumGPMFull=71である。また、図17(a)に示すようにNumGpmSplitMode=56とすると、NumGPMFull=63である。
(GPM予測の別の実施例2における動き情報導出処理)
以下に、GPM予測の別の実施例における動き情報導出処理について述べる。
まず、GPM予測部30377は、2つの非矩形領域の動き情報を示すシンタックス要素merge_
gpm_idx0およびmerge_gpm_idx1から動きベクトルmvAおよびmvB、参照インデックスrefIdxAおよびrefIdxB、ならびに、予測リストフラグpredListFlagAおよびpredListFlagBを設定する。具体的な処理は記載済みのため省略する。
次に、GPM予測部30377は、merge_gpm_partition_idxの値によって以下の処理を行う。
merge_gpm_partition_idxがNumGpmSplitModeより小さい場合、すなわち、GPM分割モ
ードである場合、図16や図17に示すテーブルに従って、merge_gpm_partition_idxに対応
するangleIdxおよびdistanceIdxを導出し、GPM合成部30952に出力する。
merge_gpm_partition_idxがNumGpmSplitMode以上の場合、すなわち、GPM重みモード
である場合、angleIdxおよびdistanceIdxを-1に設定し、GPM合成部30952に出力する。
GPM予測部30377は上記動き情報(mvX, refIdxX, predListFlagX, X=AまたはB)を用い
て、一時的予測画像predSamplesLA、predSamplesLBを導出し、GPM合成部30952に出力する。GPM合成部30952は、angleIdx、distanceIdxを用いて導出される重みと一時的予測画像predSamplesLA、predSamplesLBを用いて予測画像を生成する。
(GPM予測の別の実施例2における重み画素予測処理)
図25は、GPM予測の別の実施例2における重み画素予測処理の流れを示すフローチャー
トである。GPM合成部30952は、予測画素値pbSampleを以下の手順で導出する。ここで、nCbW=cbWidth、nCbH=cbHeightである。
GPM合成部30952は、GPM分割モードかGPM重みモードであるかを判定する(S35049)。具体的には、0 <= angleIdx <= 31 かつ 0 <= distanceIdx <= 3であればGPM分割モード、そ
れ以外の場合にGPM重みモードと判定する。または、merge_gpm_partition_idx < NumGpmSplitModeであればGPM分割モード、それ以外の場合にGPM重みモードと判定してもよい。
GPM合成部30952は、GPM分割モードであれば、記載済みの処理により、分割情報の変数
、例えばoffsetX、offsetY、displacementX、displacementY、partFlipを導出する(S35041~S35043)。
最後に、GPM合成部30952は、以下のステップに従って、予測画素pbSamplesを導出する
。(S35044)
1)GPM合成部30952は、GPM分割モードかGPM重みモードであるかを判定する(S3504A)。
2)GPM合成部30952は、GPM分割モードであれば、記載済みの処理により、重みwValue
を導出する(S35045~S35047)。
2)GPM合成部30952は、GPM重みモードであれば、以下の処理により、重みwValueを導
出する(S3504B)。
wValue = merge_gpm_partition_idx - NumGpmSplitMode + 1
3)GPM合成部30952は、以下のように、pbSampleの値を導出する。(S35048)
pbSamples[x][y] = Clip3(0, (1 << BitDepth) - 1, (predSamplesLA[x][y] * wValue + predSamplesLB[x][y] * (8 - wValue) + offset1) >> shift1)
処理S3504Bにおいて、predSamplesLAに掛かる一様な重みが導出される。例えば、NumGpmSplitMode=56、NumGpmWeightMode=7、NumGPMFull=63の場合において、merge_gpm_partition_idx = 56であるとすると、wValue = 56 - 56 + 1 = 1となり、1:7の加重平均が実現
される。
(GPM予測の別の実施例2における動きベクトル格納処理)
GPM予測部30377は、後続の処理で参照できるように、非矩形領域AおよびBの動きベクトル(mvA、mvB)と参照ピクチャの情報(predFlagA、prefFlagB、refIdxLA、refIdxLB)を4*4サブブロック単位でメモリに格納する。
GPM予測部30377は、GPM分割モードかGPM重みモードであるかを判定する。GPM分割モー
ドである場合、GPM予測部30377は、記載済みの方法によって動きベクトル格納処理を行う。
GPM重みモードである場合、sTypeを以下のように決定する。sTypeを導出した後の処理
は通常のGPM予測と同様である。
val = merge_gpm_partition_idx - NumGpmSplitMode + 1
sType = val < 3 ? 1 : (val > 5 ? 0 : 2)
なお、sTypeを決定するための条件は上記に限定されるものではない。以下のように、sType=2となる重みの範囲を変更してもよい。
sType = val < 4-TH ? 1 : (val > 4+TH ? 0 : 2)(例えば、TH=0,1,2,3)
(GPM予測の別の実施例3)
更なる符号化効率向上のために、非矩形に分割されたそれぞれの領域にBCWの方法を用
いる。それぞれの領域でBCWの効果を得ることで効果的に符号化できる効果を奏する。
(GPM予測の別の実施例3におけるシンタックスの復号)
図26は非矩形領域重み付けを用いる場合における、マージモードで通知されるシンタックス構成を示す例である。パラメータ復号部302は、ciip_flagが0である場合に、GPM予測のシンタックス要素merge_gpm_partition_idx、merge_gpm_idx0、およびmerge_gpm_idx1
を復号する。merge_gpm_partition_idx0は1つ目の分割情報(パーティションインデックス)である。merge_gpm_idx0およびmerge_gpm_idx1はそれぞれ、2つの非矩形領域の動き情報を示すマージ候補のインデックスである。パラメータ復号部302は、非矩形領域重み
付けを用いるために、図26に示すmerge_gpm_weight_idxを復号する。merge_gpm_weight_idxは非矩形領域の重み付けのために用いるシンタックスであり、0~3のうちのいずれかの整数値をとる。
(GPM予測の別の実施例3における動き情報導出処理)
以下に、GPM予測の別の実施例における動き情報導出処理について述べる。
まず、GPM予測部30377は、2つの非矩形領域の動き情報を示すシンタックス要素merge_gpm_idx0およびmerge_gpm_idx1から動きベクトルmvAおよびmvB、参照インデックスrefIdxAおよびrefIdxB、ならびに、予測リストフラグpredListFlagAおよびpredListFlagBを設定する。具体的な処理は記載済みのため省略する。
次に、GPM予測部30377は図16や図17に示すテーブルに従って、merge_gpm_partition_idxに対応するangleIdxおよびdistanceIdxを導出し、merge_gpm_weight_idxと共に、GPM合成部30952に出力する。
GPM予測部30377は上記動き情報(mvX, refIdxX, predListFlagX, X=AまたはB)を用い
て、一時的予測画像predSamplesLA、predSamplesLBを導出し、GPM合成部30952に出力する。GPM合成部30952は、angleIdx、distanceIdx、merge_gpm_weight_idxを用いて導出される重みと一時的予測画像predSamplesLA、predSamplesLBを用いて予測画像を生成する。
(GPM予測の別の実施例3における重み画素予測処理)
図27は、GPM予測の別の実施例3における重み画素予測処理の流れを示すフローチャー
トである。GPM合成部30952は、予測画素値pbSampleを導出するが、S35047'以外の処理は
、図19と同様であるため省略する。
GPM合成部30952は、S35046においてweightIdxLを導出した後、以下の処理でwValueを導出する。
wValueN = Clip3(merge_gpm_weight_idx, 8 - merge_gpm_weight_idx, (weightIdxL + 4) >> 3) (S35047')
(AMVP予測)
図10(b)は、本実施形態に係るAMVP予測パラメータ導出部3032の構成を示す概略図であ
る。AMVP予測パラメータ導出部3032は、ベクトル候補導出部3033とベクトル候補選択部3034を備える。ベクトル候補導出部3033は、refIdxLXに基づいて予測パラメータメモリ307が記憶する復号済みの隣接ブロックの動きベクトルから予測ベクトル候補を導出し、予測ベクトル候補リストmvpListLX[]に格納する。
ベクトル候補選択部3034は、mvpListLX[]の予測ベクトル候補のうち、mvp_LX_idxが示
す動きベクトルmvpListLX[mvp_LX_idx]をmvpLXとして選択する。ベクトル候補選択部3034は選択したmvpLXをMV加算部3038に出力する。
(MV加算部)
MV加算部3038は、AMVP予測パラメータ導出部3032から入力されたmvpLXと復号したmvdLXを加算してmvLXを算出する。加算部3038は、算出したmvLXをインター予測画像生成部309
および予測パラメータメモリ307に出力する。
mvLX[0] = mvpLX[0]+mvdLX[0]
mvLX[1] = mvpLX[1]+mvdLX[1]
(動きベクトルの精度)
amvr_modeは、AMVPモードで導出される動きベクトルの精度を切り替えるシンタックス
要素である、例えば、amvr_mode=0, 1, 2において、1/4画素、1画素、4画素精度を切り替える。amvr_modeの代わりに、1/4であるかのフラグamvr_flagと、1/16と1を切り替えるフラグamvr_precision_flagを用いても良い。
動きベクトルの精度を1/16精度とする場合、1/4, 1, 4画素精度の動きベクトル差分を1/16画素精度の動きベクトル差分に変更するために下記のように、amvr_modeから導出されるMvShift (=1<<amvr_mode =(amvr_flag+amvr_precision_flag)<<1)を用いて逆量子化してもよい。
MvdLX[0] = MvdLX[0] << (MvShift + 2)
MvdLX[1] = MvdLX[1] << (MvShift + 2)
同様に、affine_flagが1の場合には、以下の式で導出される。
MvShift = amvr_precision_flag ? (amvr_precision_flag<<1):(-(amvr_flag<<1)))
MvdCpLX[cpIdx][0] = MvdLX[cpIdx][0] << (MvShift + 2)
MvdCpLX[cpIdx][1] = MvdLX[cpIdx][1] << (MvShift + 2)
なお、さらにパラメータ復号部302は、上記MvShiftでシフトする前のmvdLX[]を、以下の
シンタックス要素を復号して導出してもよい。
・abs_mvd_greater0_flag
・abs_mvd_minus2
・mvd_sign_flag
そして、パラメータ復号部302は、以下の式を用いることによって、シンタックス要素か
ら差分ベクトルlMvd[]を復号する。
lMvd[compIdx] = abs_mvd_greater0_flag[compIdx] * (abs_mvd_minus2[compIdx]+2) *
(1-2*mvd_sign_flag[compIdx])
さらにlMvd[]は、並進MVDの場合(MotionModelIdc==0)にはMvdLXに設定され、制御点MVDの場合(MotionModelIdc!=0)には、MvdCpLXに設定される。
if (MotionModelIdc == 0)
MvdLX[compIdx] = lMvd[compIdx]
else
MvdCpLX[cpIdx][compIdx] = lMvd[cpIdx][compIdx]
ここでcompIdx = 0, 1、cpIdx = 0, 1, 2である。
(インター予測画像生成部309)
predModeがインター予測モードを示す場合、インター予測画像生成部309は、インター
予測パラメータ導出部303から入力されたインター予測パラメータと参照ピクチャを用い
てインター予測によりブロックもしくはサブブロックの予測画像を生成する。
図11は、本実施形態に係る予測画像生成部308に含まれるインター予測画像生成部309の構成を示す概略図である。インター予測画像生成部309は、動き補償部(予測画像生成装
置)3091、合成部3095を含んで構成される。合成部3095は、IntraInter合成部30951、GPM合成部30952、BIO部30954、重み予測部3094を含んで構成される。
(動き補償)
動き補償部3091(補間画像生成部3091)は、インター予測パラメータ導出部303から入
力された、インター予測パラメータ(predFlagLX、refIdxLX、mvLX)に基づいて、参照ピクチャメモリ306から参照ブロックを読み出すことによって補間画像(動き補償画像)を
生成する。参照ブロックは、refIdxLXで指定された参照ピクチャRefPicLX上で、対象ブロックの位置からmvLXシフトした位置のブロックである。ここで、mvLXが整数精度でない場合には、動き補償フィルタと呼ばれる小数位置の画素を生成するためのフィルタを施して、補間画像を生成する。
動き補償部3091は、まず、予測ブロック内座標(x,y)に対応する整数位置(xInt,yInt)および位相(xFrac,yFrac)を以下の式で導出する。
xInt = xPb+(mvLX[0]>>(log2(MVPREC)))+x
xFrac = mvLX[0]&(MVPREC-1)
yInt = yPb+(mvLX[1]>>(log2(MVPREC)))+y
yFrac = mvLX[1]&(MVPREC-1)
ここで、(xPb,yPb)は、bW*bHサイズのブロックの左上座標、x=0…bW-1、y=0…bH-1であり、MVPRECは、mvLXの精度(1/MVPREC画素精度)を示す。例えばMVPREC=16である。
動き補償部3091は、参照ピクチャrefImgに補間フィルタを用いて水平補間処理を行うことで、一時的画像temp[][]を導出する。以下のΣはk=0..NTAP-1のkに関する和、shift1は値のレンジを調整する正規化パラメータ、offset1=1<<(shift1-1)である。
temp[x][y] = (ΣmcFilter[xFrac][k]*refImg[xInt+k-NTAP/2+1][yInt]+offset1)>>s
hift1
続いて、動き補償部3091は、一時的画像temp[][]を垂直補間処理により、補間画像Pred[][]を導出する。以下のΣはk=0..NTAP-1のkに関する和、shift2は値のレンジを調整する正規化パラメータ、offset2=1<<(shift2-1)である。
Pred[x][y] = (ΣmcFilter[yFrac][k]*temp[x][y+k-NTAP/2+1]+offset2)>>shift2
なお、双予測の場合、上記のPred[][]をL0リスト、L1リスト毎に導出し(補間画像PredL0[][]とPredL1[][]と呼ぶ)、PredL0[][]とPredL1[][]から補間画像Pred[][]を生成する。
合成部3095は、IntraInter合成部30951、GPM合成部30952、重み予測部3094、BIO部30954を備えている。
(IntraInter合成処理)
IntraInter合成部30951は、インター予測画像とイントラ予測画像の重み付け和により
予測画像を生成する。
(GPM合成処理)
GPM合成部30952は、上述したIntraGPM予測もしくはGPM予測を用いた予測画像を生成す
る。
MergeGpmFlagが1である場合、GPM合成部30952は予測画像predSamplesを生成する。
以下では、predSamplesはcbWidth*cbHeightサイズの予測ブロックである。predSamplesLAおよびpredSamplesLBは、イントラ予測部3104、動き補償部3091がAおよびBの動き情報
を用いて生成した予測画像である。
GPM合成部30952は、すでに説明したように2つの一時的予測画像predSamplesLA、predSamplesLBを用いて重み予測処理を適用して、以下のように、pbSamplesを生成する。
(BIO予測)
次に、BIO部30954が行うBIO予測(Bi-Directional Optical Flow, BDOF処理)の詳細について説明する。BIO部30954は、双予測モードにおいて、2つの予測画像(第1の予測画像及び第2の予測画像)及び勾配補正項を参照して予測画像を生成する。
(重み予測)
重み予測部3094は、補間画像PredLXに重み係数を乗算することによりブロックの予測画像を生成する。予測リスト利用フラグの一方(predFlagL0もしくはpredFlagL1)が1(単予測)、かつ、重み予測を用いない場合、PredLX(LXはL0もしくはL1)を画素ビット数bitDepthに合わせる以下の式の処理を行う。
Pred[x][y] = Clip3(0,(1<<bitDepth)-1,(PredLX[x][y]+offset1)>>shift1)
ここで、shift1=14-bitDepth、offset1=1<<(shift1-1)である。
また、予測リスト利用フラグの両者(predFlagL0とpredFlagL1)が1(双予測PRED_BI)
、かつ、重み予測を用いない場合、PredL0、PredL1を平均し画素ビット数に合わせる以下の式の処理を行う。
Pred[x][y] = Clip3(0,(1<<bitDepth)-1,(PredL0[x][y]+PredL1[x][y]+offset2)>>shift2)
ここで、shift2=15-bitDepth、offset2=1<<(shift2-1)である。
さらに、単予測、かつ、重み予測を行う場合、重み予測部3094は重み予測係数w0とオフセットo0を符号化データから導出し、以下の式の処理を行う。
Pred[x][y] = Clip3(0,(1<<bitDepth)-1,((PredLX[x][y]*w0+2^(log2WD-1))>>log2WD)+o0)
ここで、log2WDは所定のシフト量を示す変数である。
さらに、双予測PRED_BI、かつ、重み予測を行う場合、重み予測部3094は重み予測係数w0、w1、o0、o1を符号化データから導出し、以下の式の処理を行う。
Pred[x][y] = Clip3(0,(1<<bitDepth)-1,(PredL0[x][y]*w0+PredL1[x][y]*w1+((o0+o1+1)<<log2WD))>>(log2WD+1))
インター予測画像生成部309は生成したブロックの予測画像を加算部312に出力する。
(イントラ予測画像生成部)
predModeがイントラ予測モードを示す場合、イントラ予測画像生成部は、イントラ予測パラメータ導出部から入力されたイントラ予測パラメータと参照ピクチャメモリ306から
読み出した参照画素を用いてイントラ予測を行う。
逆量子化・逆変換部311は、パラメータ復号部302から入力された量子化変換係数を逆量子化して変換係数を求める。
加算部312は、予測画像生成部308から入力されたブロックの予測画像と逆量子化・逆変換部311から入力された予測誤差を画素毎に加算して、ブロックの復号画像を生成する。
加算部312はブロックの復号画像を参照ピクチャメモリ306に記憶し、また、ループフィルタ305に出力する。
(動画像符号化装置の構成)
次に、本実施形態に係る動画像符号化装置11の構成について説明する。図12は、本実施形態に係る動画像符号化装置11の構成を示すブロック図である。動画像符号化装置11は、予測画像生成部101、減算部102、変換・量子化部103、逆量子化・逆変換部105、加算部106、ループフィルタ107、予測パラメータメモリ(予測パラメータ記憶部、フレームメモリ)108、参照ピクチャメモリ(参照画像記憶部、フレームメモリ)109、符号化パラメータ決定部110、パラメータ符号化部111、予測パラメータ導出部120、エントロピー符号化部104を含んで構成される。
予測画像生成部101はCU毎に予測画像を生成する。予測画像生成部101は既に説明したインター予測画像生成部309とイントラ予測画像生成部を含んでおり、説明を省略する。
減算部102は、予測画像生成部101から入力されたブロックの予測画像の画素値を、画像Tの画素値から減算して予測誤差を生成する。減算部102は予測誤差を変換・量子化部103に出力する。
変換・量子化部103は、減算部102から入力された予測誤差に対し、周波数変換によって変換係数を算出し、量子化によって量子化変換係数を導出する。変換・量子化部103は、
量子化変換係数をパラメータ符号化部111及び逆量子化・逆変換部105に出力する。
逆量子化・逆変換部105は、動画像復号装置31における逆量子化・逆変換部311と同じであり、説明を省略する。算出した予測誤差は加算部106に出力される。
パラメータ符号化部111は、ヘッダ符号化部1110、CT情報符号化部1111、CU符号化部1112(予測モード符号化部)を備えている。CU符号化部1112はさらにTU符号化部1114を備えている。以下、各モジュールの概略動作を説明する。
ヘッダ符号化部1110はヘッダ情報、分割情報、予測情報、量子化変換係数等のパラメータの符号化処理を行う。
CT情報符号化部1111は、QT、MT(BT、TT)分割情報等を符号化する。
CU符号化部1112はCU情報、予測情報、分割情報等を符号化する。
TU符号化部1114は、TUに予測誤差が含まれている場合に、QP更新情報と量子化予測誤差を符号化する。
CT情報符号化部1111、CU符号化部1112は、インター予測パラメータ(predMode、merge_flag、merge_idx、inter_pred_idc、refIdxLX、mvp_LX_idx、mvdLX)、イントラ予測パラメータ(intra_luma_mpm_flag、intra_luma_mpm_idx、intra_luma_mpm_reminder、intra_chroma_pred_mode)、量子化変換係数等のシンタックス要素をパラメータ符号化部111に供給する。
エントロピー符号化部104には、パラメータ符号化部111から量子化変換係数と符号化パラメータ(分割情報、予測パラメータ)が入力される。エントロピー符号化部104はこれ
らをエントロピー符号化して符号化ストリームTeを生成し、出力する。
予測パラメータ導出部120は、インター予測パラメータ符号化部112、イントラ予測パラメータ符号化部を含む手段であり、符号化パラメータ決定部110から入力されたパラメー
タからイントラ予測パラメータ及びイントラ予測パラメータを導出する。導出されたイントラ予測パラメータ及びイントラ予測パラメータは、パラメータ符号化部111に出力され
る。
(インター予測パラメータ符号化部の構成)
インター予測パラメータ符号化部112は図13に示すように、パラメータ符号化制御部1121、インター予測パラメータ導出部303を含んで構成される。インター予測パラメータ導出部303は動画像復号装置と共通の構成である。パラメータ符号化制御部1121は、マージインデックス導出部11211とベクトル候補インデックス導出部11212を含む。
マージインデックス導出部11211は、マージ候補等を導出し、インター予測パラメータ
導出部303に出力する。ベクトル候補インデックス導出部11212は予測ベクトル候補等を導出し、インター予測パラメータ導出部303とパラメータ符号化部111に出力する。
(イントラ予測パラメータ符号化部の構成)
イントラ予測パラメータ符号化部は、パラメータ符号化制御部とイントラ予測パラメータ導出部を備える。イントラ予測パラメータ導出部は動画像復号装置と共通の構成である。
ただし、動画像復号装置と異なり、インター予測パラメータ導出部303、イントラ予測
パラメータ導出部への入力は符号化パラメータ決定部110、予測パラメータメモリ108であり、パラメータ符号化部111に出力する。
加算部106は、予測画像生成部101から入力された予測ブロックの画素値と逆量子化・逆変換部105から入力された予測誤差を画素毎に加算して復号画像を生成する。加算部106は生成した復号画像を参照ピクチャメモリ109に記憶する。
ループフィルタ107は加算部106が生成した復号画像に対し、デブロッキングフィルタ、SAO、ALFを施す。なお、ループフィルタ107は、必ずしも上記3種類のフィルタを含まな
くてもよく、例えばデブロッキングフィルタのみの構成であってもよい。
予測パラメータメモリ108は、符号化パラメータ決定部110が生成した予測パラメータを、対象ピクチャ及びCU毎に予め定めた位置に記憶する。
参照ピクチャメモリ109は、ループフィルタ107が生成した復号画像を対象ピクチャ及びCU毎に予め定めた位置に記憶する。
符号化パラメータ決定部110は、符号化パラメータの複数のセットのうち、1つのセッ
トを選択する。符号化パラメータとは、上述したQT、BTあるいはTT分割情報、予測パラメータ、あるいはこれらに関連して生成される符号化の対象となるパラメータである。予測画像生成部101は、これらの符号化パラメータを用いて予測画像を生成する。
符号化パラメータ決定部110は、複数のセットの各々について情報量の大きさと符号化
誤差を示すRDコスト値を算出する。RDコスト値は、例えば、符号量と二乗誤差に係数λを乗じた値との和である。符号量は、量子化誤差と符号化パラメータをエントロピー符号化して得られる符号化ストリームTeの情報量である。二乗誤差は、減算部102において算出
された予測誤差の二乗和である。係数λは、予め設定されたゼロよりも大きい実数である。符号化パラメータ決定部110は、算出したコスト値が最小となる符号化パラメータのセットを選択する。符号化パラメータ決定部110は決定した符号化パラメータをパラメータ符号化部111と予測パラメータ導出部120に出力する。
なお、上述した実施形態における動画像符号化装置11、動画像復号装置31の一部、例えば、エントロピー復号部301、パラメータ復号部302、ループフィルタ305、予測画像生成
部308、逆量子化・逆変換部311、加算部312、予測パラメータ導出部320、予測画像生成部101、減算部102、変換・量子化部103、エントロピー符号化部104、逆量子化・逆変換部105、ループフィルタ107、符号化パラメータ決定部110、パラメータ符号化部111、予測パラメータ導出部120をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、動画像符号化装置11、動画像復号装置31のいずれかに内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
また、上述した実施形態における動画像符号化装置11、動画像復号装置31の一部、また
は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現しても良い。動画像符号化装置11、動画像復号装置31の各機能ブロックは個別にプロセッサ化しても良いし、一部、または全部を集積してプロセッサ化しても良い。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いても良い。
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
〔応用例〕
上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31は、動画像の送信、受信、記録、再生を行う各種装置に搭載して利用することができる。なお、動画像は、カメラ等により撮像された自然動画像であってもよいし、コンピュータ等により生成された人工動画像(CGおよびGUIを含む)であってもよい。
まず、上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31を、動画像の送信及び受信に利用できることを、図2を参照して説明する。
図2(a)は、動画像符号化装置11を搭載した送信装置PROD_Aの構成を示したブロック図である。図に示すように、送信装置PROD_Aは、動画像を符号化することによって符号化データを得る符号化部PROD_A1と、符号化部PROD_A1が得た符号化データで搬送波を変調することによって変調信号を得る変調部PROD_A2と、変調部PROD_A2が得た変調信号を送信する送信部PROD_A3と、を備えている。上述した動画像符号化装置11は、この符号化部PROD_A1として利用される。
送信装置PROD_Aは、符号化部PROD_A1に入力する動画像の供給源として、動画像を撮像
するカメラPROD_A4、動画像を記録した記録媒体PROD_A5、動画像を外部から入力するための入力端子PROD_A6、及び、画像を生成または加工する画像処理部A7を更に備えていて
もよい。図においては、これら全てを送信装置PROD_Aが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、記録媒体PROD_A5は、符号化されていない動画像を記録したものであってもよい
し、伝送用の符号化方式とは異なる記録用の符号化方式で符号化された動画像を記録したものであってもよい。後者の場合、記録媒体PROD_A5と符号化部PROD_A1との間に、記録媒体PROD_A5から読み出した符号化データを記録用の符号化方式に従って復号する復号部(
不図示)を介在させるとよい。
図2(b)は、動画像復号装置31を搭載した受信装置PROD_Bの構成を示したブロック図である。図に示すように、受信装置PROD_Bは、変調信号を受信する受信部PROD_B1と、受信部PROD_B1が受信した変調信号を復調することによって符号化データを得る復調部PROD_B2と
、復調部PROD_B2が得た符号化データを復号することによって動画像を得る復号部PROD_B3と、を備えている。上述した動画像復号装置31は、この復号部PROD_B3として利用される
受信装置PROD_Bは、復号部PROD_B3が出力する動画像の供給先として、動画像を表示す
るディスプレイPROD_B4、動画像を記録するための記録媒体PROD_B5、及び、動画像を外部に出力するための出力端子PROD_B6を更に備えていてもよい。図においては、これら全て
を受信装置PROD_Bが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、記録媒体PROD_B5は、符号化されていない動画像を記録するためのものであって
もよいし、伝送用の符号化方式とは異なる記録用の符号化方式で符号化されたものであってもよい。後者の場合、復号部PROD_B3と記録媒体PROD_B5との間に、復号部PROD_B3から
取得した動画像を記録用の符号化方式に従って符号化する符号化部(不図示)を介在させるとよい。
なお、変調信号を伝送する伝送媒体は、無線であってもよいし、有線であってもよい。また、変調信号を伝送する伝送態様は、放送(ここでは、送信先が予め特定されていない送信態様を指す)であってもよいし、通信(ここでは、送信先が予め特定されている送信態様を指す)であってもよい。すなわち、変調信号の伝送は、無線放送、有線放送、無線通信、及び有線通信の何れによって実現してもよい。
例えば、地上デジタル放送の放送局(放送設備など)/受信局(テレビジョン受像機など)は、変調信号を無線放送で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である。また、ケーブルテレビ放送の放送局(放送設備など)/受信局(テレビジョン受像機など)は、変調信号を有線放送で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である。
また、インターネットを用いたVOD(Video On Demand)サービスや動画共有サービスなどのサーバ(ワークステーションなど)/クライアント(テレビジョン受像機、パーソナルコンピュータ、スマートフォンなど)は、変調信号を通信で送受信する送信装置PROD_A/受信装置PROD_Bの一例である(通常、LANにおいては伝送媒体として無線または有線の何れかが用いられ、WANにおいては伝送媒体として有線が用いられる)。ここで、パーソナルコンピュータには、デスクトップ型PC、ラップトップ型PC、及びタブレット型PCが含まれる。また、スマートフォンには、多機能携帯電話端末も含まれる。
なお、動画共有サービスのクライアントは、サーバからダウンロードした符号化データを復号してディスプレイに表示する機能に加え、カメラで撮像した動画像を符号化してサーバにアップロードする機能を有している。すなわち、動画共有サービスのクライアントは、送信装置PROD_A及び受信装置PROD_Bの双方として機能する。
次に、上述した動画像符号化装置11及び動画像復号装置31を、動画像の記録及び再生に利用できることを、図3を参照して説明する。
図3(a)は、上述した動画像符号化装置11を搭載した記録装置PROD_Cの構成を示したブロック図である。図に示すように、記録装置PROD_Cは、動画像を符号化することによって符号化データを得る符号化部PROD_C1と、符号化部PROD_C1が得た符号化データを記録媒体PROD_Mに書き込む書込部PROD_C2と、を備えている。上述した動画像符号化装置11は、この符号化部PROD_C1として利用される。
なお、記録媒体PROD_Mは、(1)HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのように、記録装置PROD_Cに内蔵されるタイプのものであってもよいし、(2)SDメモリカードやUSB(Universal Serial Bus)フラッシュメモリなどのように、記録装置PROD_Cに接続されるタイプのものであってもよいし、(3)DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)やBD(Blu-ray Disc:登録商標)などのように、記録装置PROD_Cに内蔵されたドライブ装置(不図示)に装填されるものであってもよい。
また、記録装置PROD_Cは、符号化部PROD_C1に入力する動画像の供給源として、動画像
を撮像するカメラPROD_C3、動画像を外部から入力するための入力端子PROD_C4、動画像を
受信するための受信部PROD_C5、及び、画像を生成または加工する画像処理部PROD_C6を更に備えていてもよい。図においては、これら全てを記録装置PROD_Cが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、受信部PROD_C5は、符号化されていない動画像を受信するものであってもよいし
、記録用の符号化方式とは異なる伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを受信するものであってもよい。後者の場合、受信部PROD_C5と符号化部PROD_C1との間に、伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを復号する伝送用復号部(不図示)を介在させるとよい。
このような記録装置PROD_Cとしては、例えば、DVDレコーダ、BDレコーダ、HDD(Hard Disk Drive)レコーダなどが挙げられる(この場合、入力端子PROD_C4または受信部PROD_C5が動画像の主な供給源となる)。また、カムコーダ(この場合、カメラPROD_C3が動画像の主な供給源となる)、パーソナルコンピュータ(この場合、受信部PROD_C5または画像処理部C6が動画像の主な供給源となる)、スマートフォン(この場合、カメラPROD_C3または受信部PROD_C5が動画像の主な供給源となる)なども、このような記録装置PROD_Cの一例である。
図3(b)は、上述した動画像復号装置31を搭載した再生装置PROD_Dの構成を示したブロックである。図に示すように、再生装置PROD_Dは、記録媒体PROD_Mに書き込まれた符号化データを読み出す読出部PROD_D1と、読出部PROD_D1が読み出した符号化データを復号することによって動画像を得る復号部PROD_D2と、を備えている。上述した動画像復号装置31は、この復号部PROD_D2として利用される。
なお、記録媒体PROD_Mは、(1)HDDやSSDなどのように、再生装置PROD_Dに内蔵されるタイプのものであってもよいし、(2)SDメモリカードやUSBフラッシュメモリなどのよ
うに、再生装置PROD_Dに接続されるタイプのものであってもよいし、(3)DVDやBDなど
のように、再生装置PROD_Dに内蔵されたドライブ装置(不図示)に装填されるものであってもよい。
また、再生装置PROD_Dは、復号部PROD_D2が出力する動画像の供給先として、動画像を
表示するディスプレイPROD_D3、動画像を外部に出力するための出力端子PROD_D4、及び、動画像を送信する送信部PROD_D5を更に備えていてもよい。図においては、これら全てを
再生装置PROD_Dが備えた構成を例示しているが、一部を省略しても構わない。
なお、送信部PROD_D5は、符号化されていない動画像を送信するものであってもよいし
、記録用の符号化方式とは異なる伝送用の符号化方式で符号化された符号化データを送信するものであってもよい。後者の場合、復号部PROD_D2と送信部PROD_D5との間に、動画像を伝送用の符号化方式で符号化する符号化部(不図示)を介在させるとよい。
このような再生装置PROD_Dとしては、例えば、DVDプレイヤ、BDプレイヤ、HDDプレイヤなどが挙げられる(この場合、テレビジョン受像機等が接続される出力端子PROD_D4が動
画像の主な供給先となる)。また、テレビジョン受像機(この場合、ディスプレイPROD_D3が動画像の主な供給先となる)、デジタルサイネージ(電子看板や電子掲示板等とも称され、ディスプレイPROD_D3または送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、デスクトップ型PC(この場合、出力端子PROD_D4または送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、ラップトップ型またはタブレット型PC(この場合、ディスプレイPROD_D3または送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)、スマートフォン(この場合、ディスプレイPROD_D3または送信部PROD_D5が動画像の主な供給先となる)なども、このような再生装置PROD_Dの一例である。
(ハードウェア的実現およびソフトウェア的実現)
また、上述した動画像復号装置31および動画像符号化装置11の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU
(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
後者の場合、上記各装置は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記
プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random
Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の実施形態の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである上記各装置の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記各装置に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD-ROM(Compact Disc Read-Only Memory)/MOディスク(Magneto-Optical disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc:登録商標)/CD-R(CD Recordable)/ブルーレイディスク(Blu-ray Disc:登録商標)等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)/EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory:登録商標)/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
また、上記各装置を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(Local Area Network)、ISDN(Integrated Services Digital Network)、VAN(Value-Added Network)、CATV(Community Antenna television/Cable Television)通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDA(Infrared Data Association)やリモコンのような赤外線、BlueTooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance:登録商標)、携帯電話網、衛星回線、地上デジタル放送網等の無線でも利用可能である。なお、本発明の実施形態は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明の実施形態は、画像データが符号化された符号化データを復号する動画像復号装置、および、画像データが符号化された符号化データを生成する動画像符号化装置に好適
に適用することができる。また、動画像符号化装置によって生成され、動画像復号装置によって参照される符号化データのデータ構造に好適に適用することができる。
31 画像復号装置
301 エントロピー復号部
302 パラメータ復号部
303 インター予測パラメータ導出部
30377 GPM予測部
305、107 ループフィルタ
306、109 参照ピクチャメモリ
307、108 予測パラメータメモリ
308、101 予測画像生成部
309 インター予測画像生成部
30952 GPM合成部
311、105 逆量子化・逆変換部
312、106 加算部
320 予測パラメータ導出部
11 画像符号化装置
102 減算部
103 変換・量子化部
104 エントロピー符号化部
110 符号化パラメータ決定部
111 パラメータ符号化部
112 インター予測パラメータ符号化部
120 予測パラメータ導出部

Claims (16)

  1. 少なくとも2分木分割と予測形状のパラメータを復号するパラメータ復号部と、上記予測形状のパラメータが示す重みと2つの予測画像によって予測を行う予測部と、を備えている画像復号装置であって、
    前記予測部は、前記パラメータ復号部によって復号された前記複数のパラメータのうちのパーティションインデックスの値と、パーティションインデックスと角度インデックスおよび距離インデックスのペアとを対応付けているテーブルと、に少なくとも基づいて、前記予測を行うための重みの導出を行い、
    前記テーブルは対象ブロックにおいてABTが用いられるか否かによって異なることを特
    徴とする、画像復号装置。
  2. 対象ブロックにおいてABTが用いられる場合は、水平方向および垂直方向の角度インデ
    ックスを含まないテーブルを用いることを特徴とする請求項1に記載の画像復号装置。
  3. 対象ブロックにおいてABTが用いられる場合は、水平方向および垂直方向の角度インデ
    ックスを含まないテーブルと、ブロック分割を行わない2つの予測画像の重み付けを行うモードを用いることを特徴とする請求項1に記載の画像復号装置。
  4. 対象ブロックにおいてABTが用いられる場合は、水平方向および垂直方向の角度インデ
    ックスを含まない代わりに、他の角度を含んだテーブルを用いることを特徴とする請求項1に記載の画像復号装置。
  5. 対象ブロックにおいてABTが用いられる場合は、水平方向および垂直方向の角度インデ
    ックスにおける距離インデックスが、ABTによって表現されない分割を表すテーブルを用
    いることを特徴とする請求項1に記載の画像復号装置。
  6. 複数のパラメータを復号するパラメータ復号部と、対象ブロックをまたがる直線分によって前記対象ブロックが分割された2つの非矩形予測単位毎に予測を行う予測部と、を備えている画像復号装置であって、
    前記パラメータ復号部は追加情報を復号し、
    前記予測部は、前記パラメータ復号部によって復号された前記複数のパラメータのうちのパーティションインデックスの値と、パーティションインデックスと角度インデックスおよび距離インデックスのペアとを対応付けているテーブルと、に少なくとも基づいて、前記予測を行うための重みの導出を行い、
    前記予測部は、前記重みを、追加情報によって得られる追加の重みを用いることで変更を行い、
    変更した重みを用いて、前記予測を行うことを特徴とする、画像復号装置。
  7. 別の分割情報を追加情報として復号することで、複数方向分割を行うことを特徴とする請求項6に記載の画像復号装置。
  8. 重さを示すインデックスを追加情報として復号することで、最終的な重みのクリップを変更することを特徴とする請求項6に記載の画像復号装置。
  9. 複数のパラメータを符号化するパラメータ符号化部と、対象ブロックをまたがる直線分によって前記対象ブロックが分割された2つの非矩形予測単位毎に予測を行う予測部と、を備えている画像符号化装置であって、
    前記予測部は、前記パラメータ符号化部によって符号化された前記複数のパラメータのうちのパーティションインデックスの値と、パーティションインデックスと角度インデッ
    クスおよび距離インデックスのペアとを対応付けているテーブルと、に少なくとも基づいて、前記予測を行うための重みの導出を行い、
    前記テーブルは対象ブロックにおいてABTが用いられるか否かによって異なることを特
    徴とする、画像符号化装置。
  10. 対象ブロックにおいてABTが用いられる場合は、水平方向および垂直方向の角度インデ
    ックスを含まないテーブルを用いることを特徴とする請求項9に記載の画像符号化装置。
  11. 対象ブロックにおいてABTが用いられる場合は、水平方向および垂直方向の角度インデ
    ックスを含まないテーブルと、ブロック分割を行わない2つの予測画像の重み付けを行うモードを用いることを特徴とする請求項9に記載の画像符号化装置。
  12. 対象ブロックにおいてABTが用いられる場合は、水平方向および垂直方向の角度インデ
    ックスを含まない代わりに、他の角度を含んだテーブルを用いることを特徴とする請求項9に記載の画像符号化装置。
  13. 対象ブロックにおいてABTが用いられる場合は、水平方向および垂直方向の角度インデ
    ックスにおける距離インデックスが、ABTによって表現されない分割を表すテーブルを用
    いることを特徴とする請求項9に記載の画像符号化装置。
  14. 複数のパラメータを符号化するパラメータ符号化部と、対象ブロックをまたがる直線分によって前記対象ブロックが分割された2つの非矩形予測単位毎に予測を行う予測部と、を備えている画像符号化装置であって、
    前記パラメータ符号化部は追加情報を符号化し、
    前記予測部は、前記パラメータ符号化部によって符号化された前記複数のパラメータのうちのパーティションインデックスの値と、パーティションインデックスと角度インデックスおよび距離インデックスのペアとを対応付けているテーブルと、に少なくとも基づいて、前記予測を行うための重みの導出を行い、
    前記予測部は、前記重みを、追加情報によって得られる追加の重みを用いることで変更を行い、
    変更した重みを用いて、前記予測を行うことを特徴とする、画像符号化装置。
  15. 別の分割情報を追加情報として符号化することで、複数方向分割を行うことを特徴とする請求項14に記載の画像符号化装置。
  16. 重さを示すインデックスを追加情報として復号することで、最終的な重みのクリップを変更することを特徴とする請求項14に記載の画像符号化装置。
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