JP2023003299A - 生体情報処理装置 - Google Patents

生体情報処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023003299A
JP2023003299A JP2021104388A JP2021104388A JP2023003299A JP 2023003299 A JP2023003299 A JP 2023003299A JP 2021104388 A JP2021104388 A JP 2021104388A JP 2021104388 A JP2021104388 A JP 2021104388A JP 2023003299 A JP2023003299 A JP 2023003299A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
subject
biological information
symptom
occurrence
biological
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021104388A
Other languages
English (en)
Inventor
敬介 橋本
Keisuke Hashimoto
耕平 渡邉
Kohei Watanabe
文理 藤田
Fumimasa Fujita
祐一 川端
Yuichi Kawabata
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Canon Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Medical Systems Corp filed Critical Canon Medical Systems Corp
Priority to JP2021104388A priority Critical patent/JP2023003299A/ja
Publication of JP2023003299A publication Critical patent/JP2023003299A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Medical Treatment And Welfare Office Work (AREA)

Abstract

【課題】被検体の生体情報に基づいて、就寝時における睡眠の質を低下させる症状の発生を予測し、被検体に対する予防的介入を可能にする。【解決手段】一実施形態に係る生体情報処理装置は、被検体の生体情報を取得する生体情報取得部と、被検体の生体情報に基づいて被検体の就寝時における症状の発生を予測する学習済みモデルに対して、就寝時における被検体の生体情報を入力することにより、前記症状の発生を予測する予測部と、前記予測部により前記症状が発生すると予測された場合に、被検体に予防的介入を行う介入部と、を備える。【選択図】図1

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、生体情報処理装置に関する。
就寝時に発生する歯ぎしり、いびき、睡眠時無呼吸症候群等の症状で悩む患者は数多い。このような症状が発生すると、睡眠の質が低下するばかりでなく、歯の摩耗や筋肉痛の他、日中の眠気等、日常生活における障害となる。これらの症状が発生する原因は様々と考えられており、虫歯や歯周病、逆流性食道炎等の疾患の他に、環境やストレス、飲酒や喫煙、肥満や高血圧等の生活習慣病も関係していると言われている。
しかし、その治療法は、対処療法的なものである。例えば、就寝時にマウスピースを着用することで、歯ぎしりによる歯の摩耗を抑制したり、いびきや無呼吸の状態が発生した時点で生体的な刺激を患者に与えたりして、事後的な症状の軽減を図っているに過ぎない。このため、睡眠の質を低下させる症状に対して、予防的介入を行うことにより、症状の発生を抑制したり、発生する症状を軽減したりして、睡眠の質を向上させることができれば、患者の日常生活も改善する。
特表2017-529209号公報 特表2018-505759号公報 特表2016-515904号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、患者である被検体の生体情報に基づいて、就寝時における睡眠の質を低下させる症状の発生を予測し、被検体に対する予防的介入を可能にすることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
本実施形態に係る生体情報処理装置は、被検体の生体情報を取得する生体情報取得部と、被検体の生体情報に基づいて被検体の就寝時における症状の発生を予測する学習済みモデルに対して、就寝時における被検体の生体情報を入力することにより、前記症状の発生を予測する予測部と、前記予測部により前記症状が発生すると予測された場合に、被検体に予防的介入を行う介入部と、を備える。
本実施形態に係る生体情報処理装置の機能構成の例を示すブロック図である。 生体情報処理装置が被検体の装着する被検体介入装置と通信を行い、被検体介入装置を介して生体情報処理装置が生体的な刺激を被検体に印加して、予防的加入を行う、生体情報処理システムの構成の一例を示す図である。 生体情報処理装置の生体情報取得機能が被検体の装着する生体情報センサーと通信を行い、被検体の生体情報を取得する、生体情報処理システムの構成の一例を示す図である。 生体情報処理装置の行動情報取得機能が行動検知装置と通信を行い、被検体の行動情報を取得する、生体情報処理システムの構成の一例を示す図である。 生体情報処理装置の予測機能が、生体情報に関する学習データを用いた機械学習を行う際のデータフローの一例を説明する図である。 生体情報処理装置の予測機能が、行動情報に関する学習データを用いた機械学習を行う際のデータフローの一例を説明する図である。 生体情報処理装置の運用時において、生体情報に基づいて予測機能が症状の発生を予測する際のデータフローの一例を示す説明図である。 生体情報処理装置の運用時において、行動情報に基づいて予測機能が症状の発生を予測する際のデータフローの一例を示す説明図である。 生体情報処理装置の予測機能が、運用時の被検体の生体情報に基づいて追加の機械学習を行う際のデータフローの一例を示す説明図である。 生体情報処理装置の予測機能が、運用時の被検体の行動情報に基づいて追加の機械学習を行う際のデータフローの一例を示す説明図である。 生体情報処理装置で実行される生体情報処理の一例を説明するフローチャートを示す図である。
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る生体情報処理装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行うこととする。
図1は、本実施形態に係る生体情報処理装置1の機能構成の例を示すブロック図である。図1に例示する生体情報処理装置1は、就寝時に発生する睡眠の質を低下させる症状の改善を目的に、患者の就寝時に使用される装置である。睡眠の質を低下させる症状の代表的なものとしては、例えば、歯ぎしり、いびき、睡眠時無呼吸症候群などがあげられるが、本実施形態に係る生体情報処理装置1の使用により改善を目的とする症状は、これらに限られるものではない。
例えば、生体情報処理装置1は、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの一般的な情報処理装置により構成することができ、或いは、可搬性のある小型の専用の情報処理装置により構成することもできる。この図1に示す生体情報処理装置1は、ディスプレイ10と、入力インターフェース11と、記憶回路12と、通信回路13と、出力インターフェース14と、処理回路15とを、備えて構成されている。
ディスプレイ10は、液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な出力表示装置により構成されている。入力インターフェース11は、例えば、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、テンキーなどの一般的な入力装置により構成され、ユーザの操作に対応した操作入力信号を処理回路15に出力する。
記憶回路12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等の、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体を含んで構成されている。本実施形態では特に、記憶回路12は、処理回路15が利用するプログラムやパラメータデータや、その他のデータを記憶する。
通信回路13は、この生体情報処理装置1と他の装置との間の通信を実現するための回路であり、種々の情報通信プロトコルに対応する。生体情報処理装置1と他の装置との間の通信は、無線通信であってもよいし、或いは、有線通信であってもよい。本実施形態では、例えば、通信回路13は、被検体の口内に装着されたマウスピース型のウェアラブルデバイスや、手首に装着されたスマートウォッチ型のウェアラブルデバイスと、通信して、被検体の生体情報を取得することが可能である。また、症状が重い被検体に対しては、通信回路13は、脳波を収集するヘッドギアと通信して、被検体の生体情報を取得することが可能である。さらに、通信回路13は、咬筋の筋電図を収集して直接的に電気刺激で介入できる頬やこめかみ部に貼付するパッチと通信して、被検体の生体情報を取得したり、被検体に生体的な刺激を印加したりすることが可能である。
なお、通信回路13の代わりに、或いは、通信回路13とともに、入力インターフェース11を介して、生体情報処理装置1が、被検体の生体情報を取得するようにしてもよい。また、通信回路13の代わりに、或いは、通信回路13とともに、出力インターフェース14を介して、生体情報処理装置1が、被検体に生体的な刺激を印加するようにしてもよい。
出力インターフェース14は、例えば、被検体に生体的な刺激を印加して予防的介入を行うための、スピーカなどの音声出力装置や、光を発する発光装置などにより構成される。このため、介入機能22は、被検体に予防的介入を行う場合には、この出力インターフェース14を介して被検体に音や光を印加することにより、生体的な刺激を与える。
この予防的介入を実現する手法は様々なものが考えられる。例えば、この生体的な刺激は、光による刺激、音による刺激、振動により刺激、電流を印加することによる刺激、匂いによる刺激、温度による刺激、湿度による刺激、及び、風による刺激のうちの少なくとも1つであるが、これらに限られるものではない。
図2は、生体情報処理装置1が、被検体の装着する被検体介入装置2と通信を行い、被検体介入装置2を介して生体情報処理装置1が生体的な刺激を被検体に印加して、予防的加入を行う場合のシステム構成の一例を示す図である。これら生体情報処理装置1と被検体介入装置2とにより、本実施形態における生体情報処理システム3が構成されている。
この図2に示すように、生体情報処理装置1は、通信回路13及び/又は出力インターフェース14を介して被検体介入装置2と通信を行う。例えば、被検体介入装置2がアクチュエーターである場合には、生体情報処理装置1はアクチュエーターに制御信号を出力して、被検体に振動による刺激を印加する。また、被検体介入装置2が電極である場合には、生体情報処理装置1は電極に制御信号を出力して、被検体に電流による刺激を印加する。
また、被検体介入装置2が匂い発生装置である場合には、生体情報処理装置1は匂い発生装置に制御信号を出力して、匂い発生装置により被検体の鼻の周囲に匂いを発生させて、被検体に匂いによる刺激を印加する。さらに、被検体介入装置2が空調装置である場合には、生体情報処理装置1は空調装置に制御信号を出力して、被検体に対する風量や風向を変化させて、被検体に風による刺激を印加する。
再び図1に戻り、処理回路15は、生体情報処理装置1における各種の処理機能を実現する。特に、本実施形態においては、処理回路15は、就寝時における症状の発生を予測し、被検体に予防的介入を行うための処理を実行するプロセッサを構成する。
処理回路15のプロセッサは、生体情報取得機能20aと、行動情報取得機能20bと、予測機能21と、介入機能22と、症状検知機能23と、再学習機能24とを実現する。また、処理回路15のプロセッサは、評価判定支援機能30と、診断支援機能31と、処方アドバイス機能32とを、任意の機能として実現する。また、処理回路のプロセッサは、これらの各種処理を制御する制御機能40を実現する。
これらの各機能は、プログラムの形態で記憶回路12に記憶されている。例えば、処理回路15は、プログラムを記憶回路12から読み出し、実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路15は、図1の処理回路内に示された各機能を有することとなる。なお、図1においては、単一のプロセッサにて、各処理機能が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより、これらの機能を実現するものとしても構わない。また、図1においては、単一の記憶回路12が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明をしたが、複数の記憶回路を分散して配置して、処理回路15は個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。
生体情報取得機能20aは、上述した入力インターフェース11及び/又は通信回路13を介して、被検体の生体情報を出得する。例えば、この生体情報は、歯ぎしりに関する情報、いびきに関する情報、呼吸に関する情報、脳波に関する情報、心電図に関する情報、血中酸素濃度に関する情報、体位に関する情報、及び、体温に関する情報のうちの少なくとも1つであるが、これらに限られるものではない。
例えば、入力インターフェース11がマイクロフォンなどの音響センサーを生体情報センサーとして備えている場合、生体情報取得機能20aは、この音響センサーから、生体情報を取得することができる。すなわち、生体情報取得機能20aは、歯ぎしり音、いびき音、呼吸音を検出する音響センサーから、音声としての生体情報を取得する。
また、生体情報取得機能20aは、入力インターフェース11及び/又は通信回路13を介して、被検体が装着した生体情報センサーと通信をして、生体情報を取得するようにしてもよい。図3は、生体情報処理装置1の生体情報取得機能20aが、被検体の装着する生体情報センサー4と通信を行い、被検体の生体情報を取得する場合のシステム構成の一例を示す図である。これら生体情報処理装置1と生体情報センサー4により、本実施形態における生体情報処理システム3が構成されている。
図2及び図3から分かるように、本実施形態においては、生体情報処理システム3が、被検体介入装置2を備えるか否かは任意であり、また、生体情報センサー4を備えるか否かも任意である。
図3に示すように、この生体情報取得機能20aは、例えば、被検体の生理学的な情報を取得するための生体情報センサー4に接続され、被検体の生体情報を取得することができる。例えば、生体情報センサー4が、圧力センサーを備えるマウスピースである場合には、生体情報取得機能20aは、被検体が装着しているマウスピースの圧力センサーから、圧力信号としての生体情報を取得する。この圧力センサーは、例えば、マウスピースの奥歯の部分に配置され、歯ぎしりが発生した場合に生じる圧力を検出する。
また、例えば、生体情報センサー4が、被検体が手首に装着するスマートウォッチであり、このスマートウォッチが心拍センサーを備える場合には、生体情報取得機能20aは、このスマートウォッチの心拍センサーから、心拍数を被検体の生体情報として取得する。或いは、スマートウォッチに血中酸素濃度を計測するSpO2センサーが設けられている場合には、生体情報取得機能20aは、このスマートウォッチのSpO2センサーから、血中酸素濃度を生体情報として取得する。
さらに、例えば、生体情報センサー4が脳波や心電図の計測センサーである場合には、生体情報取得機能20aは、脳波や心電図を計測センサーから取得して、これを生体情報とする。このような種々の手法で生体情報を取得する生体情報取得機能20aが、本実施形態における生体情報取得部を構成する。
行動情報取得機能20bは、上述した入力インターフェース11及び/又は通信回路13を介して、被検体の行動情報を取得する。例えば、行動情報は、被検体の生活習慣、被検体のその日の行動、その日の温度、湿度、照度、騒音等の環境情報、コンテキストを補充するための天候や天気、及び、被検体の仕事の負荷のうちの少なくとも1つであるが、これらに限定されるものではない。
例えば、行動情報取得機能20bは、入力インターフェース11及び/又は通信回路13を介して、行動検知装置と通信をして、被検体の行動情報を取得するようにしてもよい。図4は、生体情報処理装置1の行動情報取得機能20bが、行動検知装置5と通信を行い、被検体の行動情報を取得する場合のシステム構成の一例を示す図である。これら生体情報処理装置1と行動検知装置5により、本実施形態における生体情報処理システム3が構成されている。
この図4に示すように、例えば、行動検知装置5が、加速度センサーが設けられたスマートウォッチである場合には、行動情報取得機能20bは、被検体が装着しているスマートウォッチの加速度センサーから、通信回路13を介して被検体の動作の加速度に関する情報を取得した上で、この加速度に関する情報を解析して、行動情報とするようにしてもよい。
また、例えば、行動検知装置5が、インターネット上のSNS(Social Networking Service)である場合には、行動情報取得機能20bは、被検体がSNSに入力した情報を取得し、この情報を解析して、行動情報とするようにしてもよい。この場合、行動情報取得機能20bは、インターネット上の各種サイトから、その日の温度や湿度、及び、その日の天気や天候等を、被検体の行動情報として取得するようにしてもよい。
また、生体情報処理システム3が行動検知装置5を備えてない場合に、又は、行動検知装置5で検知した被検体の行動情報に加えて、被検体が入力インターフェース11を介して、行動情報を生体情報処理装置1に入力するようにしてもよい。すまわち、行動情報取得機能20bは、被検体が入力インターフェース11を介して、生体情報処理装置1に入力された情報を、行動情報として取得するようにしてもよい。
この行動情報取得機能20bが、本実施形態における行動情報取得部を構成する。なお、この行動情報取得機能20bは、生体情報処理装置1にとっては任意の機能であり、必ずしも備えなければならない機能ではない。つまり、生体情報処理装置1は、行動情報取得機能20bと行動検知装置5を、必ずしも備えている必要はない。
再び図1に戻り、予測機能21は、機械学習を用いて、被検体の生体情報に基づいて就寝時に発生する症状に関する予測を行う。或いは、予測機能21は、生体情報に加えて、被検体の行動情報に基づいて就寝時に発生する症状に関する予測を行う。
例えば、機械学習としては、CNN(畳み込みニューラルネットワーク)や畳み込み深層信念ネットワーク(CDBN:Convolutional Deep Belief Network)などの、多層のニューラルネットワークを用いた深層学習を用いることができる。
すなわち、予測機能21は、例えば、被検体の生体情報に基づいて被検体の就寝時における症状の発生を予測する学習済みモデルを生成する。この学習済みモデルは、未学習の状態から、医師が治療をしようとしている患者である被検体の生体情報に基づいて学習をさせる。或いは、医師が治療をしようとしている患者である被検体以外の複数の被検体の生体情報に基づいて学習済みモデルを生成し、この学習済みモデルに対して、さらに、医師が治療をしようとしている患者である被検体の生体情報に基づいて学習をさせる。そして、この学習が行われた学習済みモデルに、医師が治療をしようとしている患者である被検体の就寝時における生体情報を入力することにより、睡眠時に発生する、いびきや歯ぎしり、睡眠時無呼吸症候群などの症状の発生を予測する。この予測機能21が、本実施形態における予測部を構成する。
介入機能22は、予測機能21により、これら睡眠の質を低下させる症状が被検体に発生すると予測された場合に、被検体に予防的介入を行う。具体的には、介入機能22は、予測機能21により症状が発生すると予測された場合に、被検体に第1の生体的な刺激を印加する。この第1の生体的な刺激は、例えば、光による刺激、音による刺激、振動により刺激、電流を印加することによる刺激、匂いによる刺激、温度による刺激、湿度による刺激、及び、風による刺激のうちの少なくとも1つである。
また、介入機能22は、これらの症状が発生した場合には、第1の生体的な刺激よりも強い第2の生体的な刺激を被検体に印加することもできる。この第2の生体的な刺激は、光による刺激、音による刺激、振動により刺激、電流を印加することによる刺激、匂いによる刺激、温度による刺激、湿度による刺激、及び、風による刺激のうちの少なくとも1つである。この介入機能22が、本実施形態における介入部を構成する。
症状検知機能23は、被検体に睡眠の質を低下させる症状が、実際に発生したことを検知する。症状検知機能23は、例えば、生体情報取得機能20aが取得した被検体の生体情報に基づいて、被検体に症状が発生したか否かを判定する。
例えば、症状が歯ぎしりの場合、症状検知機能23は、マウスピースに設けられた圧力センサーの値を生体情報取得機能20aを介して取得し、この圧力センサーの値が、所定の閾値より大きい場合、その症状が発生したと検知することができる。また、症状検知機能23は、生体情報取得機能20aを介して、音響センサーで収集した音響としての生体情報を取得し、この音響の情報を解析して、歯ぎしり音、いびき音、呼吸音を抽出し、これら歯ぎしり、いびき、無呼吸症候群の症状が発生したことを検知することができる。
無呼吸症候群の発生の検知は、例えば、生体情報に含まれる呼吸音に基づいて行うことが可能である。具体的には、症状検知機能23は、呼吸音が3秒以上無音になる期間の発生する回数が所定頻度以上発生した場合に、無呼吸が発生したと判定する。また、症状検知機能23は、呼吸音が5秒以上無音になる期間が発生した場合に、無呼吸が発生したと判定する。症状検知機能23における症状発生の判定処理においては、ノイズ成分等を除去するために、いわゆるフィルター処理を行うようにしてもよい。この症状検知機能23が、本実施形態における検知部を構成する。
再学習機能24は、予測機能21における学習済みモデルの再学習を行う。例えば、再学習機能24は、介入機能22が予防的介入をした場合における、被検体の症状の発生状況に基づいて、予測機能21の学習済みモデルを再学習させる。すなわち、被検体に予防的介入をした場合と、予防的介入をしなかった場合とを比較して、予防的介入の効果を把握し、より効果的な予防的介入が実現できるように、予測機能21の学習済みモデルを再学習させる。
なお、再学習機能24は、この生体情報処理装置1で治療を行う被検体のみならず、他の被検体に対して、介入機能22が予防的介入をした場合における、他の被検体の症状の発生状況に基づいて、予測機能21の学習済みモデルを再学習させるようにしてもよい。このような再学習を学習済みモデルに対して行うことにより、被検体へのさらに効果的な予防的介入を実現することができるようになる。また、学習済みモデルを再学習させることにより、この生体情報処理装置1を次の患者である別の被検体で利用する際にも、効果的な予防的介入を円滑に実現できることが期待される。なお、この再学習機能24が、本実施形態における再学習部を構成する。
これら予測機能21と介入機能22と症状検知機能23と再学習機能24とは、例えば、歯ぎしり、いびき、及び、睡眠時無呼吸症候群の症状のうちの1つに特化して、予測をしたり、介入をしたり、検知したり、再学習するように設計してもよいし、或いは、歯ぎしり、いびき、及び、睡眠時無呼吸症候群の症状のうちの複数の症状に対応して、予測をしたり、介入をしたり、検知したり、再学習したりするように設計してもよい。
上述に加えて、本実施形態に係る生体情報処理装置1は、評価判定支援機能30を追加的に備えていてもよい。この評価判定支援機能30は、患者の治療をする医師が用いる機能であり、学習モードや治療モードにおいて症状の評価を支援する。症状の評価には、歯ぎしり等の発生回数、強度、時刻、発生パターン及び期間が含まれている。これらのパラメーターは睡眠の質を示す指標でもあり、必要であれば、脳波や心拍等から推定される睡眠レベルと併せて総合的な評価を行う。また、これらの指標を治療の前後で比較することによる症状が改善されたかどうかを評価する。
また、本実施形態に係る生体情報処理装置1は、診断支援機能31を追加的に備えていてもよい。診断支援機能31は、患者の治療をする医師が用いる機能であり、評価判定支援機能30の結果を用いて、症状の程度、治療の要否及び治療法の選択等の判断を支援する。
また、本実施形態に係る生体情報処理装置1は、処方アドバイス機能32を追加的に備えていてもよい。この処方アドバイス機能32は、患者の治療をする医師が用いる機能であり、診断結果や評価結果に基づいて、治療法を処方する。医師は、例えば、症状や患者の好み等に応じて利用するセンサーの種類や数を決定する。また、医師は、例えば、センサーで得られる短期的特徴/中期的特徴/長期的特徴に基づいて、生体情報処理装置1の設定を変更したり、介入方法に関する設定を変更したりする。
制御機能40は、上述した各種機能を統括し、生体情報処理装置1における全体的な制御を行う。この制御機能40自体もプログラムであり、記憶回路12に記憶されたプログラムを読み出してプロセッサが実行することにより、この制御機能40を実現する。
上述したように、図1に示す生体情報処理装置1は、睡眠の質を低下させる症状の発生予測のための学習、及び、予防的介入、そして、予防的介入方法の効果判定を、医師と患者が連携しながら行う。なお、図1においては、生体情報処理装置1を構成する基本的な要素機能は、1つの装置内に設けられているが、患者または医師の利便性向上のためにネットワークデバイスといった形で分散利用できるように構築することもできる。また、図1に示す要素機能の一部は、物理的に統合されたユニットやデバイスとして、生体情報処理装置1の内部で構成されてもよい。
次に、処理回路15における予測機能21の機械学習時と運用時における、予測機能21の動作とデータフローについて、詳しく説明する。
図5は、予測機能21の生体情報を用いた学習時におけるデータフローの一例を説明する図である。この図5に示すように、予測機能21は、被検体の生体情報と、この生体情報により症状が発生したか否かを示す症状発生結果とのデータセットを複数用いて、ニューラルネットワーク21aに対する深層学習を行い、記憶回路12に記憶されるパラメータデータ12aを逐次的に更新する。つまり、生体情報と症状発生結果とのデータセットが、ニューラルネットワーク21aの学習データとなる。
生体情報と症状発生結果とのデータセットは、例えば、被検体Aに関しては、被検体Aの生体情報A1と、そのときの被検体Aの症状の発生の有無に関する結果である症状発生結果A2との組から、構成される。同様に、被検体Bに関しては、生体情報B1と症状発生結果B2との組から構成され、被検体Cに関しては、生体情報C1と症状発生結果C2との組か構成される。このことから分かるように、本実施形態においては、生体情報が予測機能21に対する入力となり、症状発生結果が予測機能21からの出力となるように学習を行う。
換言すれば、予測機能21は、生体情報と症状発生結果との組が与えられるごとに、ニューラルネットワーク21aで処理した結果が症状発生結果に近づくように、記憶回路12のパラメータデータ12aを更新していく、いわゆる学習を行う。一般に、パラメータデータ12aの変化割合が閾値以内に収束すると、学習は終了と判断される。
この深層学習においては、予測機能21は、症状の発生と相関の高い生体情報の特徴であって、症状の発生を予測可能とする特徴を抽出する。また、抽出された特徴に基づいて、症状が発生するまでの時間を学習し、歯ぎしりや、いびき、無呼吸状態といった症状と対応づけて、リスト形式で記憶回路12に記憶する。さらには、例えば、歯ぎしりが発生した際の筋電図信号の強度を取得して、症状の発生との相関関係を学習するようにしてもよい。また、歯ぎしりの持続パターンや持続時間等を学習するようにしてもよい。
さらに、本実施形態においては、この特徴と発生した症状との時間的な関係性から、生体情報の特徴を短期的特徴、中期的特徴、及び、長期的特徴の3つに分類し、単一あるいは複数の特徴との相関関係を学習する。
短期的特徴は、微小覚醒(マイクロアローズ)のように、症状が発生する直前(例えば、数秒以内)に生じる生理学的特徴である。中期的特徴は、交感神経の亢進や寝返り等、症状が発生する数分前に生じる生理学的特徴である。長期的特徴は、日中に摂取したタバコ、コーヒーや飲酒等のストレス源となる行動や運動等のストレス軽減となる行動(数時間前)、1日の交感/副交感神経の拮抗や1ヶ月内のサーカディックパターン等の生理学的特徴である。
さらに、予測機能21は、介入機能22が被検体に生体的な刺激を印加するタイミングも学習する。一般的に、いびき等の症状が発生する状況では、微少覚醒が生じている。この微少覚醒の周期や頻度等に基づいて、介入機能22が被検体に生体的な刺激を印加するタイミングを調整する。例えば、微少覚醒の周期や頻度等から、1分以内にいびき等の症状が発生すると予測された場合、介入機能22は、直ちに生体的な刺激を被検体に印加する。一方で、例えば、学習により10分後にいびき等の症状が発生すると高い精度で予測される場合には、その時点で被検体に刺激を印加して症状の発生状況を確認する。もし、直前に刺激を印加するよりも事前に刺激を印加した方が症状を抑制することが出来ると判断される場合には、刺激タイミングを変更する。
図6は、予測機能21の行動情報を用いた学習時におけるデータフローの一例を説明する図である。すなわち、図6は、生体情報処理装置1が行動情報取得機能20bを備えており、この行動情報取得機能20bが取得した被検体の行動情報に基づいて、被検体の就寝時における症状の発生を予測する場合に、予測機能21が行う学習のデータフローの一例を示している。
この図6に示すように、予測機能21は、被検体の行動情報と、この行動情報により症状が発生したか否かを示す症状発生結果とのデータセットを複数用いて、ニューラルネットワーク21aに対する深層学習を行い、記憶回路12に記憶されるパラメータデータ12aを逐次的に更新する。つまり、生体情報と症状発生結果とのデータセットが、ニューラルネットワーク21aの学習データとなる。この深層学習においては、予測機能21は、症状の発生と相関の高い行動情報の特徴であって、症状の発生を予測可能とする特徴を抽出する。
行動情報と症状発生結果とのデータセットは、例えば、被検体Aに関しては、被検体Aの行動情報A3と、そのときの被検体Aの症状の発生の有無に関する結果である症状発生結果A4との組から、構成される。同様に、被検体Bに関しては、行動情報B3と症状発生結果B4との組から構成され、被検体Cに関しては、行動情報C3と症状発生結果C4との組か構成される。このことから分かるように、本実施形態においては、行動情報が予測機能21に対する入力となり、症状発生結果が予測機能21からの出力となるように学習を行う。
換言すれば、予測機能21は、行動情報と症状発生結果との組が与えられるごとに、ニューラルネットワーク21aで処理した結果が症状発生結果に近づくように、記憶回路12のパラメータデータ12aを更新していく、いわゆる学習を行う。上述したように、一般に、パラメータデータ12aの変化割合が閾値以内に収束すると、学習は終了と判断される。
図7は、生体情報処理装置1の運用時における、生体情報に関する予測機能21のデータフローの一例を示す説明図である。運用時には、予測機能21に、生体情報取得機能20aから、医師が治療をしようとしている被検体Xの生体情報X1が入力され、予測機能21は、ニューラルネットワーク21aと学習済みのパラメータデータ12aを用いて、その被検体Xについて症状の発生に関する予測を行う。そして、予測機能21は、症状の発生に関する予測結果として症状発生予測結果21bを出力する。すなわち、予測機能21は、生体情報に基づいて、学習済みのニューラルネットワーク21aの推論機能を用いて、症状の発生に関する予測を行う。
これらニューラルネットワーク21aと学習済みのパラメータデータ12aが、本実施形態における学習済みモデルを構成する。ニューラルネットワーク21aは、プログラムの形態で記憶回路12に記憶される。学習済みのパラメータデータ12aは、ニューラルネットワーク21aのプログラムと同じ記憶回路12に記憶されてもよいし、ニューラルネットワーク21aのプログラムとは異なる他の記憶回路に記憶されてもよい。例えば、ニューラルネットワーク21aのプログラムと学習済みのパラメータデータ12aの双方が記憶回路12に記憶されている場合、処理回路15のプロセッサが、記憶回路12に記憶されている学習済みのパラメータデータ12aに用いて、記憶回路12から読み出したニューラルネットワーク21aのプログラムを実行することにより、被検体の生体情報に基づいて就寝時における症状の発生を予測する学習済みモデルが実現される。
なお、学習済みモデルは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路によって構築されてもよい。
本実施形態においては、予測機能21は、入力された生体情報X1から予測される症状とその特徴を、コード化して、症状発生予測結果21bとして出力する。症状の発生を予測する際には、生体情報取得機能20aから取得した生体情報により得られたデータのノイズ処理の他、学習機能で抽出された症状の強度、持続パターンや持続時間等の特徴を利用して、フィルター処理を行う。症状の発生予測には、交感神経の亢進や微小覚醒と密接に関係する特徴を捉えるようにしてもよい。
さらに、生体情報処理装置1が行動情報取得機能20bを備えている場合には、行動情報取得機能20bが取得した行動情報に基づいて被検体の就寝時に発生する症状の発生を予測する学習済みモデルに対して、生体情報に加えて、被検体の行動情報も入力することによっても、症状の発生を予測できる。
図8は、生体情報処理装置1の運用時における、行動情報に関する予測機能21のデータフローの一例を示す説明図である。運用時には、予測機能21に、行動情報取得機能20bから、医師が治療をしようとしている被検体Xの行動情報X2が入力され、予測機能21は、ニューラルネットワーク21aと学習済みのパラメータデータ12aを用いて、その被検体Xについて症状の発生に関する予測を行う。そして、予測機能21は、症状の発生に関する予測結果として症状発生予測結果21bを出力する。すなわち、予測機能21は、行動情報に基づいて、学習済みのニューラルネットワーク21aの推論機能を用いて、症状の発生に関する予測を行う。
上述したように、これらニューラルネットワーク21aと学習済みのパラメータデータ12aが、本実施形態における学習済みモデルを構成している。このため、例えば、ニューラルネットワーク21aのプログラムと学習済みのパラメータデータ12aの双方が記憶回路12に記憶されている場合、処理回路15のプロセッサが、記憶回路12に記憶されている学習済みのパラメータデータ12aに用いて、記憶回路12から読み出したニューラルネットワーク21aのプログラムを実行することにより、被検体の行動情報に基づいて就寝時における症状の発生を予測する学習済みモデルが実現される。
この行動情報に関しても、学習済みモデルは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路によって構築されてもよい。
さらに、本実施形態においては、医師が治療をしようとしている患者である被検体Xが発症する就寝時における症状について、追加の機械学習を行う。これは、歯ぎしり、いびき、及び、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠を阻害する症状が発生するまでメカニズムは、人によって千差万別であり、個人差が大きく、他人の生体情報に基づく機械学習だけでは適正な予測が難しい場合も多いからである。
図9は、生体情報処理装置1の追加の機械学習時における生体情報に関する予測機能21のデータフローの一例を示す説明図である。この図9に示すように、本実施形態においては、生体情報取得機能20aが取得した、被検体Xの就寝時における生体情報X1と、症状検知機能23が検知した、これらの症状に関する症状発生結果X2との組に基づいて、機械学習を行う。すなわち、予測機能21は、被検体Xの生体情報X1と症状発生結果X2とのデータセットを用いて、ニューラルネットワーク21aに対する深層学習を行い、記憶回路12に記憶されているパラメータデータ12aを逐次更新する。つまり、追加の機械学習においては、運用時における被検体Xの生体情報X1と症状発生結果X2のデータセットが、学習データとなる。
一般的に、睡眠の質を低下させる症状は、一晩のうちに複数回発生する。このため、図5に基づく説明と同様に、予測機能21は、症状が発生する都度、生体情報X1と症状発生結果X2との組が与えられたこととなり、ニューラルネットワーク21aで処理した結果が症状発生結果X2に近づくように、記憶回路12のパラメータデータ12aを更新していくことができる。
この追加の学習は、生体情報処理装置1の運用時において、定常的に行うようにしてもよいし、新たな被検体Xに対して運用を開始した後、パラメータデータ12aの変化割合が閾値以内に収束するまで行うようにしてもよいし、新たな被検体Xに対して運用を開始した後、所定期間(例えば3日間)経過するまで行うようにしてもよい。
また、この追加の機械学習は、上述した再学習機能24も実現することができる。すなわち、追加の機械学習により、介入機能22が生体的な刺激の印加を被検体に印加したことに関する有効性も学習するようにしてもよい。すなわち、介入機能22により生体的な刺激を被検体に印加した場合と、印加しなかった場合とを比較して、予防的介入の効果を学習させることができる。これにより、被検体に対する、より一層効果的な生体的な刺激の印加を実現することができる。
また、生体情報処理装置1が行動情報取得機能20bを備えている場合には、被検体Xの行動情報を用いて、予測機能21は追加の機械学習をすることができる。図10は、生体情報処理装置1の追加の機械学習時における行動情報に関する予測機能21のデータフローの一例を示す説明図である。この図10に示すように、本実施形態においては、行動情報取得機能20bが取得した、被検体Xの就寝時以外の行動情報X3と、症状検知機能23が検知した、これらの症状に関する症状発生結果X4との組に基づいて、機械学習を行う。すなわち、予測機能21は、被検体Xの行動情報X3と症状発生結果X4とのデータセットを用いて、ニューラルネットワーク21aに対する深層学習を行い、記憶回路12に記憶されているパラメータデータ12aを逐次更新する。つまり、追加の機械学習においては、運用時における被検体Xの行動情報X3と症状発生結果X4のデータセットが、学習データとなる。
また、上述した生体情報に基づく追加の機械学習と同様に、この行動情報に基づく追加の機械学習は、上述した再学習機能24も実現することができる。すんわち、鼓動情報に基づく追加の機械学習により、介入機能22が生体的な刺激の印加を被検体に印加したことに関する有効性も学習するようにしてもよい。すなわち、介入機能22により生体的な刺激を被検体に印加した場合と、印加しなかった場合とを比較して、予防的介入の効果を学習させることができる。これにより、被検体に対する、より一層効果的な生体的な刺激の印加を実現することができる。
本実施形態においては、上述した何れ場合でも、図7に示すような生体情報処理装置1の運用が開始された場合には、予測機能21が被検体に症状が発生すると予測した場合には、介入機能22は、被検体に予防的介入を行う。すなわち、予測機能21が被検体に症状が発生すると予測した場合、症状の発生前に被検体に第1の生体的刺激を与えることにより、後手に回りがちだった従来の対処療法的な治療よりも、高い治療効果を期待することができる。
また、本実施形態に係る生体情報処理装置1は、就寝時に被検体に生体的な刺激を与えるだけでなく、その症状の発生の予防を被検体に促すこともできる。例えば、予測機能21が、行動情報における長期的特徴として、ストレスが増強される日常行動であり症状の発生する可能性が高いと予測した場合には、介入機能22は、スマートフォンへのメッセージ送信、ハーブティー等の予約注文や配送といった介入を行うようにしてもよい。
また、生体情報処理装置1は行動情報に基づいて症状を誘発する行動を検知して、症状の発生を抑制する行動を、介入機能22がアドバイスする。例えば、被検体が喫煙や飲酒を行った場合、介入機能22は、ホットミルクを飲むことを被検体に勧めてもよい。また、被検体自身は自覚していないが、ストレスレベルが高いと判定された場合には、介入機能22は、ヨガを行うことやハーブティーを飲むことを勧めるようにしてもよい。これらのアドバイスは、例えば、スマートフォンへのメッセージ送信により行われる。
また、予測機能21が短期的特徴又は中期的特徴に基づいて症状の発生を予測した場合には、介入機能22は、学習段階で明確となった症状発生までの時間以内に、就寝時に生体的な刺激を印加する介入を行うが、予測機能21が長期的特徴に基づいて症状の発生を予測した場合には、介入機能22は、就寝時に生体的な刺激を印加するのではなく、帰宅、食事、入浴、就寝等の時刻をターゲットとした介入、つまりアドバイスを行うようにしてもよい。
なお、短期的特徴又は中期的特徴から症状の発生を予測した場合の介入時間は、学習段階で明確となった発症時間に対して、0.8等の一定の係数を乗じ、介入強度を固定とするプリセット(固定)方式や、症状の発生状況に対応して動的に変更するアダプティブ(適応)方式を採用することができる。アダプティブ方式の場合、特徴の抽出回数や頻度(インターバル)に基づいて、介入のタイミングや強度を動的に変更してもよいし、また、予防的介入を行ったにもかかわらず症状が発生した場合にも、このタイミングや強度を動的に変更してもよい。
このような短期的特徴、中期的特徴、及び、長期的特徴に基づく症状の発生の予測を行うため、本実施形態においては、記憶回路12には、症状の発生と相関性の高い特徴や、症状が発生するまでの時間、生体情報処理装置1に接続されて使用可能なセンサーや介入を行う装置などの構成や機能が記憶される。
このように、生体情報処理装置1の運用時に追加の機械学習を行って、治療対象者である被検体Xについての生体情報X1や行動情報X3に基づいて、予測機能21がさらに学習をするという観点からすれば、図5に基づいて説明した他人の生体情報と症状発生結果とを用いて行った学習や、図6に基づいて説明した他人の行動情報と症状発生結果とを用いて行った学習は、省略することも可能である。この場合、未学習の予測機能21は、治療対象者である被検体Xの生体情報X1と症状発生結果X2や、行動情報X3と症状発生結果X4と基づいて、機械学習を行い、被検体Xに特化した学習済みのパラメータデータ12aを生成する。
その一方で、予測機能21は、図9や図10に基づいて説明した追加の機械学習を行うことなく、図7や図8に基づいて説明した運用を開始することもできる。この場合、予測機能21は、他人の生体情報と症状発生結果とに基づく学習済みモデルを用いて、被検体Xの症状の発生を予測することとなる。或いは、予測機能21は、他人の生体情報と症状発生結果とに基づく及び他人の行動情報と症状発生結果とに基づく学習済みモデルを用いて、被検体Xの症状の発生を予測することとなる。睡眠の質を低下させる症状の発生には、ある程度の普遍性があると認められる場合には、このような運用も有効である。
次に、図11に基づいて、本実施形態に係る生体情報処理装置1が被検体の治療のために運用された場合に、生体情報処理装置1で実行される生体情報処理について説明する。この図11は、生体情報処理装置1で実行される生体情報処理の一例を説明するフローチャートを示す図である。この生体情報処理は、例えば、生体情報処理装置1における処理回路15で実現される、生体情報処理装置1の制御機能40の1つである。例えば、この生体情報処理は、記憶回路12に記憶されている生体情報処理プログラムを処理回路15が読み出して実行することにより、実現される処理である。
この図11に示すように、生体情報処理では、まず、上述した処理回路15の生体情報取得機能20aにより、生体情報処理装置1は、被検体の生体情報を取得する(ステップS10)。
次に、生体情報処理装置1は、上述した処理回路15の行動情報取得機能20bにより、被検体の行動情報を取得する(ステップS12)。なお、生体情報処理装置1が症状の発生を予測する際に、被検体の行動情報を用いない場合には、このステップS12の処理は省略することが可能である。
次に、生体情報処理装置1は、上述した処理回路15の予測機能21により、被検体に睡眠の質を低下させる症状が発生するか否かを予測する(ステップS14)。すなわち、ステップS10で取得した生体情報と、ステップS12で取得した行動情報とを、予測機能21の学習済みモデルに入力し、被検体に症状が発生するか否かを予測する。
そして、予測機能21により被検体に症状が発生すると予測された場合(ステップS16:Yes)には、生体情報処理装置1は、上述した処理回路15の介入機能22により、被検体に予防的介入を行う(ステップS18)。すなわち、被検体に第1の生体的な刺激を与えることにより、症状の発生を抑制し、睡眠の質の改善を試みる。そして、上述したステップS10に戻り、この生体情報処理を繰り返す。
一方、予測機能21により被検体に症状が発生するとは予測されなかった場合(ステップS16:No)には、生体情報処理装置1は、上述した処理回路15の症状検知機能23により、実際に被検体に症状が発生したか否かを判定し、症状の発生を検知する(ステップS20)。
そして、症状検知機能23が被検体に症状が発生したことを検知した場合(ステップS22:Yes)には、生体情報処理装置1は、上述した処理回路15の介入機能22により、第1の生体的な刺激よりも強い第2の生体的な刺激を被検体に与える。これにより、被検体に発生した症状が治まったり、軽減されたりすることが期待される。そして、上述したステップS10に戻り、この生体情報処理を繰り返す。
一方、症状検知機能23により被検体に症状が発生していることが検知できなかった場合(ステップS22:No)には、上述したステップS10に戻り、この生体情報処理を繰り返す。
以上のように、本実施形態に係る生体情報処理装置1によれば、予測機能21により、就寝時における被検体の症状の発生を予測し、予防的に第1の生体的な刺激を被検体に印加することとしたので、症状の発生を抑制することができる。これにより、被検体の睡眠の質を改善することができる。
また、予防的に生体的な刺激を印加したにも拘わらず、被検体が症状を発症した場合は、第1の生体的な刺激よりも強い第2の生体的な刺激を印加することとしたので、症状が発生した場合でも、その症状が発生している時間を短くしたり、症状の程度を軽くしたりすることができる。
上記説明では、処理回路15における「プロセッサ」が各処理機能に対応するプログラムを記憶回路12から読み出して実行する例を説明したが、実施形態はこれに限定されない。「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(central processing unit)、GPU (Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することで各処理機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、プログラムが記憶回路に保存される代わりに、当該処理機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その処理機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその処理機能を実現するようにしてもよい。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…生体情報処理装置、10…ディスプレイ、11…入力インターフェース、12…記憶回路、12a…パラメータデータ、13…通信回路、14…出力インターフェース、15…処理回路、20a…生体情報取得機能、20b…行動情報取得機能、21…予測機能、21a…ニューラルネットワーク、21b…症状発生予測結果、22…介入機能、23…症状検知機能、24…再学習機能、30…評価判定支援機能、31…診断支援機能、32…処方アドバイス機能

Claims (11)

  1. 被検体の生体情報を取得する生体情報取得部と、
    被検体の生体情報に基づいて被検体の就寝時における症状の発生を予測する学習済みモデルに対して、就寝時における被検体の生体情報を入力することにより、前記症状の発生を予測する予測部と、
    前記予測部により前記症状が発生すると予測された場合に、被検体に予防的介入を行う介入部と、
    を備える生体情報処理装置。
  2. 前記予測部により前記症状が発生すると予測された場合に、前記介入部は被検体に第1の生体的な刺激を印加する、請求項1に記載の生体情報処理装置。
  3. 被検体に前記症状が発生したことを検知する検知部を、さらに備えており、
    前記検知部が、前記症状が発生したことを検知した場合に、前記介入部は被検体に、前記第1の生体的な刺激よりも強い第2の生体的な刺激を印加する、請求項2に記載の生体情報処理装置。
  4. 前記第1の生体的な刺激は、光による刺激、音による刺激、振動により刺激、電流を印加することによる刺激、匂いによる刺激、温度による刺激、湿度による刺激、及び、風による刺激のうちの少なくとも1つを含んでいる、請求項3に記載の生体情報処理装置。
  5. 前記第2の生体的な刺激は、光による刺激、音による刺激、振動により刺激、電流を印加することによる刺激、匂いによる刺激、温度による刺激、湿度による刺激、及び、風による刺激のうちの少なくとも1つを含んでいる、請求項4に記載の生体情報処理装置。
  6. 前記生体情報は、歯ぎしりに関する情報、いびきに関する情報、呼吸に関する情報、脳波に関する情報、心電図に関する情報、血中酸素濃度に関する情報、体位に関する情報、及び、体温に関する情報のうちの少なくとも1つを含んでいる、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の生体情報処理装置。
  7. 前記症状は、歯ぎしり、いびき、及び、睡眠時無呼吸症候群のうちの少なくとも1つである、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の生体情報処理装置。
  8. 被検体の行動情報を取得する行動情報取得部を、さらに備えており、
    前記予測部は、前記行動情報取得部が取得した行動情報に基づいて被検体の就寝時に発生する症状の発生を予測する前記学習済みモデルに対して、前記生体情報に加えて前記行動情報を入力することにより、前記症状の発生を予測する、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の生体情報処理装置。
  9. 前記介入部が予防的介入をした場合における、被検体の前記症状の発生状況に基づいて、前記学習済みモデルを再学習させる、再学習部を、さらに備える請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の生体情報処理装置。
  10. 前記再学習部は、他の被検体に対して、前記介入部が予防的介入をした場合における、他の被検体の前記症状の発生状況に基づいて、前記学習済みモデルを再学習させる、請求項9に記載の生体情報処理装置。
  11. 被検体の生体情報を取得する生体情報取得部と、
    被検体に就寝時における症状が発生したことを症状発生結果として検知する検知部と、
    前記生体情報取得部が取得した生体情報と、前記検知部が検知した症状発生結果とを入力して、機械学習を行わせることにより、被検体の生体情報に基づいて被検体の就寝時における症状の発生を予測する学習済みモデルを生成するための予測部であって、前記学習済みモデルに、被検体の就寝時における生体情報を入力することにより、前記症状の発生を予測する予測部と、
    前記予測部により前記症状が発生すると予測された場合に、被検体に予防的介入を行う介入部と、
    を備える生体情報処理装置。
JP2021104388A 2021-06-23 2021-06-23 生体情報処理装置 Pending JP2023003299A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021104388A JP2023003299A (ja) 2021-06-23 2021-06-23 生体情報処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021104388A JP2023003299A (ja) 2021-06-23 2021-06-23 生体情報処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023003299A true JP2023003299A (ja) 2023-01-11

Family

ID=84817095

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021104388A Pending JP2023003299A (ja) 2021-06-23 2021-06-23 生体情報処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023003299A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7471222B2 (ja) 睡眠段階の予測及びそれに基づいた介入準備
US11367519B1 (en) Systems and methods for precision or personal pharmaceutical dosing
US20200077942A1 (en) Stress reduction and sleep promotion system
Hovsepian et al. cStress: towards a gold standard for continuous stress assessment in the mobile environment
EP3019073B1 (en) System for sleep management
US8348840B2 (en) Device and method to monitor, assess and improve quality of sleep
US20160121074A1 (en) System with a Heart Rate Adjusting Mechanism
CN111163693A (zh) 健康和疾病的诊断定制
WO2006045223A1 (fr) Procede pour surveiller et analyser l'etat de sante et systeme correctif correspondant
JP2008532587A (ja) 生理学的及び心理学的/生理学的モニタリングのための方法及びシステム並びにその使用
JP2016501565A (ja) 睡眠段階に応じてデバイスを制御するための電子スイッチ
US20220370757A1 (en) Personalized sleep wellness score for treatment and/or evaluation of sleep conditions
US20230389856A1 (en) Method and system for determination of treatment therapeutic window, detection, prediction, and classification of neuroelectrical, cardiac, and pulmonary events, and optimization of treatment according to the same
Sano Measuring college students' sleep, stress, mental health and wellbeing with wearable sensors and mobile phones
CN107456368A (zh) 具备按摩机的施疗系统
KR20220122729A (ko) 행동-변화 프로그램에서 개인을 돕기 위한 시스템 및 방법
JP7422797B2 (ja) 療養支援システム
US20230021336A1 (en) Methods and apparatus for predicting and preventing autistic behaviors with learning and ai algorithms
Walsh et al. Noncontact pressure-based sleep/wake discrimination
US20200214613A1 (en) Apparatus, method and computer program for identifying an obsessive compulsive disorder event
CN106845077A (zh) 一种远程医疗系统参数配置系统
JP2023003299A (ja) 生体情報処理装置
CN106650288A (zh) 一种温控充电的远程医疗系统参数配置系统
Nguyen et al. A large-scale study of a sleep tracking and improving device with closed-loop and personalized real-time acoustic stimulation
WO2022119810A1 (en) System and method for prevention, diagnosis, and treatment of health conditions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240502