JP2023003281A - グラフト共重合体 - Google Patents

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Katsuyoshi Harada
舜也 水野
Shunya Mizuno
達也 市川
Tatsuya Ichikawa
悠介 溝渕
Yusuke Mizobuchi
宏和 田中
Hirokazu Tanaka
祐一 伊東
Yuichi Ito
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Abstract

【課題】エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と不飽和基を1つ以上含有する有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部を有し、単独で乳化可能なシラン変性ポリオレフィンを提供する。【解決手段】エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と、不飽和基を1つ以上含有する有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部と、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部とを含む、グラフト共重合体(X)。【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン系重合体からなる主鎖を有するグラフト共重合体に関する。
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α-オレフィン共重合体などのオレフィン系重合体に由来する主鎖部と有機ケイ素化合物(典型的には不飽和シラン化合物)に由来するグラフト部を有するグラフト共重合は、そのグラフト部に含まれる官能基の特性を利用して、樹脂の改質剤等種々の用途への利用が検討されている。例えば、特許文献1には、改質剤等の用途に適した共重合体として、特定のエチレン・α-オレフィンランダム共重合体に対して、特定のグラフト割合で、有機ケイ素化合物(不飽和シラン化合物)によりグラフト化した特定のグラフト共重合体が、樹脂またはゴムなどの改質剤などの用途向けに検討されている。
また、上記オレフィン系重合体は、極性の高い材料との接着性改善などを目的として、該オレフィン系重合体に由来する主鎖部と、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体に由来するグラフト部とを含むグラフト共重合体にした上で、種々の用途が検討されてきている。例えば、その一例として、繊維の強度を向上させるためのサイジング剤(集束剤)として検討が進められている。
例えば、特許文献2では、特定のカルボン酸塩を含むプロピレン系樹脂を含有する水分散体が、繊維処理用水分散体として検討されている。
特開昭61-246215号公報 国際公開2010/074118号公報
上述したエチレン・α-オレフィン共重合体に由来する主鎖部と有機ケイ素化合物(例えば、不飽和基を1つ以上含有する有機ケイ素、典型的には不飽和シラン化合物)に由来するグラフト部を有するグラフト共重合体は、そのグラフト部の有機ケイ素化合物に由来する官能基のガラス繊維への親和性から、ガラス繊維のサイジング剤に用いる材料として期待されている。サイジング剤は、通常、エマルションとして用いられる場合が多く、グラフト部に有機ケイ素化合物に由来する官能基のみが含まれるグラフト共重合体も乳化してエマルションにすることが望まれる。しかし、有機ケイ素化合物(典型的には不飽和シラン化合物)に由来する官能基のみをグラフト部として有するグラフト共重合体は、単独で安定して乳化することが難しい。
そのため、安定したエマルションを作製する一つの手段として、有機ケイ素化合物(典型的には不飽和シラン化合物)に由来する官能基のみをグラフト部として有するグラフト共重合体に、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(例えば無水マレイン酸)に由来するグラフト部を有するグラフト共重合体(例えば、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体に由来するグラフト部を有するグラフト共重合体)を混合して、これを乳化する方法が考えられる。
しかしながら、上述した混合物を用いると、その混合物中に含まれるエチレン・α-オレフィン共重合体に由来する主鎖部に対する、グラフト部に含まれる有機ケイ素化合物に由来する官能基の濃度が低下してしまう。そのため、この有機ケイ素化合物に由来する官能基に由来する効果が低下してしまうおそれがある。このため、有機ケイ素化合物に由来するグラフト部とエチレン・α-オレフィン共重合体に由来する主鎖部を有するグラフト共重合体単独であっても、乳化できるグラフト共重合体が望まれていた。
本発明は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と不飽和基を1つ以上含有する有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部を有し、単独で乳化可能なグラフト共重合体を提供することを目的とする。
本発明者らが検討を進めた結果、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と不飽和基を1つ以上含有する有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部とを有し、さらに特定の不飽和化合物に由来するグラフト部を有するグラフト部を有するグラフト共重合体によれば、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、例えば以下[1]~[6]の事項を有する。
[1] エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と、不飽和基を1つ以上含有する有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部と、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部とを含む、グラフト共重合体(X)。
[2] 要件(a-1)~(a-4)を満たす未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する前記主鎖部を含み、要件(x-1)を満たす、[1]に記載のグラフト共重合体(X)。
(a-1)ブルックフィールド粘度(150℃)が1~5000mPa・sである。
(a-2)エチレン由来の骨格単位30~80mol%と、α-オレフィン由来の骨格単位70~20mol%とを含む(ただし、エチレン由来の骨格単位とα-オレフィン由来の骨格単位との合計量を100mol%とする)。
(a-3)示差走査熱量分析(DSC)により融点が観測されない。
(a-4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000~20,000である。
(x-1)有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部の割合と不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部の割合との合計が0.1~20質量%である(ただし、グラフト共重合体(X)の質量を100質量%とする)。
[3] 前記主鎖部が由来するエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、エチレン由来の骨格単位を40~75mol%の範囲(ただし、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)のエチレン由来の骨格単位とα-オレフィン由来の骨格単位との合計量を100mol%とする。)含む、[1]または[2]に記載のグラフト共重合体(X)。
[4] 有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部の割合が1~19質量%、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部の割合が1~8質量%である(グラフト共重合体(X)の質量を100質量%とする。)、[1]~[3]のいずれか1つに記載のグラフト共重合体(X)。
[5] 上記有機ケイ素化合物(B)がビニルトリメトキシシランであり、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)が無水マレイン酸である、[1]~[4]のいずれか1つに記載のグラフト共重合体(X)。
[6] グラフト共重合体(X)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められるポリスチレン換算で、重量平均分子量(Mw)が1,800~19,000の範囲、数平均分子量(Mn)が1,500~9,500の範囲、および分子量分布(Mw/Mn)が1.4~2.1の範囲にある、[1]~[5]のいずれか1つに記載のグラフト共重合体(X)。
本発明によれば、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と不飽和基を1つ以上含有する有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部を有し、単独で乳化可能なグラフト共重合体が得られる。
≪グラフト共重合体(X)≫
本発明に係るグラフト共重合体(X)は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と、不飽和基を1つ以上含有する有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部と、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部とを含む。以下、本発明に係るグラフト共重合体(X)の主鎖部と、グラフト共重合体(X)が有するグラフト部とについて述べた後、グラフト共重合体(X)の物性について説明する。なお、本明細書および特許請求の範囲では、数値範囲を示す「A~B」は、A以上B以下を示す。
<主鎖部>
グラフト共重合体(X)の主鎖部は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する。
上記主鎖部の原料となる、未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、下記の要件(a-1)~(a-4)を満たす。なお、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
要件(a-1)
150℃におけるブルックフィールド粘度(BF粘度)が、好ましくは1~5000mPa・sの範囲にあり、より好ましくは5~2500mPa・sの範囲にあり、さらに好ましくは10~1000mPa・sの範囲にある。
エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の150℃でのBF粘度が上記数値範囲内にあると、例えば、グラフト共重合体(X)を含むサイジング剤をガラス繊維に塗布した時に、塗布後のガラス繊維の取り扱いが容易であり、かつ、グラフト共重合体(X)が塗布されたガラス繊維の外観が良いので好ましい。
要件(a-2)
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、エチレン由来の骨格単位を好ましくは30~80mol%、より好ましくは40~75mol%、さらに好ましくは40~60mol%含み、かつ、炭素原子数3~20のα-オレフィン由来の骨格単位を好ましくは20~70mol%、より好ましくは25~60mol%、さらに好ましくは40~60mol%含む(ただし、エチレン由来の骨格単位と炭素原子数3~20のα-オレフィン由来の骨格単位との合計量を100mol%とする)。未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)のエチレン由来の骨格単位の割合(以下「エチレン含量」ともいう)が上記範囲にあると、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の結晶性が高くなりすぎず、流動性の低下が起こりにくいので好ましい。また、未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)のα-オレフィン由来の骨格単位の割合(以下「α-オレフィン含量」ともいう)が上記範囲にあると、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の結晶性が高くなりすぎず、流動性の低下が起こりにくいので好ましい。
炭素原子数3~20のα-オレフィンとしては、典型例として、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセンなどを例示することができる。これらα-オレフィンは1種単独で用いてもよく、あるいは、2種以上併用してもよい。
これらのα-オレフィンの中では、その入手容易性の点で、炭素数3~10のα-オレフィンが好ましく、特にプロピレンが好ましい。
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)のエチレン含量は、13C-NMR法で測定することができ、例えば実施例に後述する方法および「高分子分析ハンドブック」(朝倉書店 発行 P163~170)に記載の方法に従ってピークの同定と定量とを行うことができる。
要件(a-3)
-100℃~150℃の温度範囲を示差走査熱量分析(DSC)での観測対象とした場合、示差走査熱量分析により融点が観測されない。
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、示差走査熱量分析により融点が観測されないことが好ましい。ここで、「融点(Tm)が観測されない」とは、示差走査熱量分析において融解熱量(ΔH)(単位:J/g)が実質的に計測されないことをいう。「融解熱量(ΔH)が実質的に計測されない」とは、示差走査熱量計による測定で得られたDSC曲線においてピークが観測されないか、あるいは観測された融解熱量が1J/g以下であることである。エチレン・α-オレフィン重合体(A)の融点(Tm)および融解熱量(ΔH)は、エチレン・α-オレフィン重合体(A)を-100℃まで冷却してから昇温速度10℃/分で150℃まで昇温したときのDSC曲線を示差走査熱量計により求め、得られたDSC曲線をJIS K7121に準拠して解析し求められる。エチレン・α-オレフィン重合体(A)の融点がDSCで観測されない場合、エチレン・α-オレフィン重合体(A)中の不純物であるポリエチレンのような結晶成分の含有量が極めて低いので好ましい。
要件(a-4)
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、後述する実施例で採用された条件下において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる(ポリスチレン換算の)重量平均分子量(Mw)が、好ましくは1,000~20,000であり、より好ましくは1,000~19,000であり、さらに好ましくは1,500~18,000である。
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)のMwが前記範囲にあることで、例えば、グラフト共重合体(X)を含むサイジング剤をガラス繊維に塗布した時に、塗布後のガラス繊維の取り扱いが容易であり、かつ、グラフト共重合体(X)が塗布されたガラス繊維の外観が良いので好ましい。
また、後述する実施例に記載の方法により得られるエチレン・α-オレフィン共重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は特に限定されないが、通常3以下であり、好ましくは2.7以下、更に好ましくは2.5以下である。
<エチレン・α-オレフィン共重合体(A)の製造方法>
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)の製造方法は特に制限されず、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、バナジウム、ジルコニウム、チタニウム、ハフニウムなどの遷移金属を含む化合物と、有機アルミニウム化合物(有機アルミニウムオキシ化合物を含む)および/またはイオン化イオン性化合物とからなる触媒の存在下に、エチレンとα-オレフィンとを共重合させる方法が挙げられる。このような方法としては、例えば、国際公開第2000/34420号、特開昭62-121710号公報、国際公開第2004/29062号、特開2004-175707号公報、国際公開第2001/27124号等に記載の方法が挙げられる。このうち、ジルコノセンなどメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)を含む触媒系を用いる方法などは、高い重合活性で共重合体を製造できる他、得られる共重合体の塩素含量、およびα-オレフィンモノマーの1,1’または2,2’-結合量(インバージョン)を低減できるため好ましい。
<有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部>
グラフト共重合体(X)は有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部を有している。
グラフト共重合体(X)のグラフト部を形成する有機ケイ素化合物(B)は、不飽和基を1つ以上含有する有機ケイ素化合物であり、通常、炭素原子数が2ないし20の不飽和基を1つ以上含有する有機ケイ素化合物である。有機ケイ素化合物(B)の例として、ビニルトリメトキシシラン(VTMOS)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジエチルメチルビニルシラン、ジアセトキシエチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、エトキシジメチルビニルシラン、トリアセトキシビニルシラン、トリス(2-メトキシエトキシ)ビニルシラン、トリフェニルビニルシラン、トリフェノキシビニルシランなどのモノビニルシラン、ジフェニルジビニルシラン、アリロキシジメチルビニルシランなどのようなポリビニルシランなどを挙げることができる。
<有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部の生成条件>
有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部を生成するためのグラフト化は、溶媒の存在下で実施可能であり、また、溶媒の不存在下でも実施可能である。例えば、グラフト化される重合体を加熱して、撹拌下で、有機ケイ素化合物(B)と、ラジカル開始剤とを、連続的にまたは間欠的に供給することによりグラフト化することができる。
グラフト化の際に供給される有機ケイ素化合物(B)の割合は、未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)100質量部に対して、通常は1~150質量部、好ましくは1.2~120質量部の範囲である。ラジカル開始剤の割合は、未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)100質量部に対して、通常は0.04~5質量部、好ましくは0.1~1質量部の範囲である。反応の際の温度は、通常は120~200℃、好ましくは130~180℃の範囲である。反応に要する時間は、通常は30分~10時間、好ましくは1~5時間である。
グラフト反応に使用されるラジカル開始剤として通常は有機過酸化物が使用されるが、半減期が1時間となる分解温度が100~180℃の範囲である有機過酸化物が特に好ましい。そのような有機過酸化物の例としては、有機ペルオキシド、例えば、ジクミルペルオキシド(パークミルD)、ジ-tert-ブチルペルオキシド(パーブチルD)、1,1-ジ(tert-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン(パーヘキサC)、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート(パーブチルE)、ジ-tert-へキシルペルオキシド(パーへキシルZ)、t-へキシルペルオキシベンゾエート(パーへキシルZ)、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25M)、tert-ブチルペルオキシベンゾエート(パーブチルZ)、tert-ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(パーブチルI)、が挙げられる(なお、括弧内の表示は何れも日油(株)社の製品名である)。
<不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部>
グラフト共重合体(X)は、さらに、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部を有している。
グラフト共重合体(X)のグラフト部を形成する不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)は、通常、α、β-不飽和カルボン酸またはその誘導体である。
不飽和カルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸(エンドシス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸)等が挙げられる。
不飽和カルボン酸の誘導体としては、前記不飽和カルボン酸の酸無水物、エステル、アミドおよびイミド等が挙げられる。
不飽和カルボン酸のエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸ジエチルエステル等のエステルおよびハーフエステルが挙げられる。
不飽和カルボン酸のアミドとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸-N-モノエチルアミド、マレイン酸-N,N-ジエチルアミド、マレイン酸-N-モノブチルアミド、マレイン酸-N,N-ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸-N-モノブチルアミド、フマル酸-N,N-ジブチルアミドが挙げられる。
不飽和カルボン酸のイミドとしては、例えば、マレイミド、N-ブチルマレイミド、N-フェニルマレイミドが挙げられる。
不飽和カルボン酸およびその誘導体の中では、不飽和ジカルボン酸およびその誘導体がより好ましく、特に、変性共重合体を製造する反応においてホモポリマー等の副生物が生じにくい等の点から、マレイン酸および無水マレイン酸が特に好ましい。
<不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部の生成条件>
不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部を生成するためのグラフト化を行う場合、グラフト化される重合体を加熱して、撹拌下で、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)と、ラジカル開始剤とを、連続的にまたは間欠的に供給することによりグラフト化することができる。
不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)の仕込み量は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)100質量部に対して、通常0.010~15質量部、好ましくは0.010~5.0質量部である。ラジカル開始剤の使用量は、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)100質量部に対して、通常0.0010~1.0質量部、好ましくは0.0010~0.30質量部である。
ラジカル開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾ化合物または金属水素化物などを用いることができる。有機過酸化物としては、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシドなどが挙げられ、上記アゾ化合物としては、アゾビスイソブチルニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどが挙げられる。
ラジカル開始剤は、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)、およびグラフト化される重合体(未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)、もしくは、有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト化を行った後のエチレン・α-オレフィン共重合体)とそのまま混合しても使用することができるが、少量の有機溶媒に溶解してから使用することもできる。この有機溶媒としては、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定されない。
不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)によるグラフト変性は、従来公知の方法で行うことができる。
例えば、グラフト化される重合体を有機溶媒に溶解し、次いで不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)およびラジカル開始剤を溶液に加え、通常は70~200℃、好ましくは80~190℃の温度で、通常は0.5~15時間、好ましくは1~10時間反応させる方法が挙げられる。
また、押出機などを用いて、無溶媒で、ラジカル開始剤存在下、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)とグラフト化される重合体とを反応させて変性体を製造することもできる。この反応は、通常はグラフト化される重合体の融点以上の温度で、通常0.5~10分間行われることが望ましい。
<グラフト共重合体(X)の物性>
グラフト共重合体(X)は、好ましくは、下記の要件(x-1)を満たす。
要件(x-1)
有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部の割合と、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部の割合との合計が、好ましくは0.1~20質量%であり、より好ましくは4~15質量%であり、さらに好ましくは8~15質量%である(ただし、グラフト共重合体(X)の質量を100質量%とする)。以下、有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部の割合と、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部の割合との合計を、グラフト共重合体(X)の「変性量」と記載することがある。
グラフト共重合体(X)の変性量が上記範囲にあると、単独で乳化しやすくできる傾向があるので好ましい。このような効果が得られる理由は、親水性と疎水性のバランスがより乳化に適しているため、と推測される。なお、有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部と不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部のいずれについても、グラフト位置は特に制限されない。
グラフト共重合体(X)中の有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部の割合は、好ましくは1~19質量%であり、より好ましくは2~10質量%であり、さらに好ましくは3~10質量%である(ただし、グラフト共重合体(X)の質量を100質量%とする)。有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部の割合が上記範囲にあると、得られるグラフト共重合体(X)が他の樹脂との親和性およびガラス繊維などの無機繊維との親和性の双方に優れるので好ましい。
グラフト共重合体(X)中の有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト量は、1H-NMRにより求めることができ、具体的には後述する実施例に記載の条件において、1H-NMRスペクトルを測定し、グラフトされた有機ケイ素化合物(B)に由来する基のピーク面積を用いて、実施例に記載の方法により算出できる。
グラフト共重合体(X)中の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部の割合は、好ましくは1~8質量%であり、より好ましくは3~5質量%であり、さらに好ましくは4~5質量%である(ただし、グラフト共重合体(X)の質量を100質量%とする)。不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部の割合が上記範囲にあると、グラフト共重合体(X)を容易に乳化できるので好ましい。
グラフト共重合体(X)中の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト量は、1H-NMRにより求めることができ、具体的には後述する実施例に記載の条件において、1H-NMRスペクトルを測定し、グラフトされた不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来する基のピーク面積を用いて、実施例に記載の方法により算出できる。
グラフト共重合体(X)は、後述する実施例で採用された条件下においてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、好ましくは1,800~19,000の範囲であり、より好ましくは2,000~18,000の範囲であり、さらに好ましくは2,500~17,000の範囲である。グラフト共重合体(X)の重量平均分子量(Mw)が上記範囲にあると、例えば、グラフト共重合体(X)と他の樹脂とを混合してこの混合物を乳化する場合であっても、乳化性を良好に保ちつつ、他の樹脂との親和性が良好であるので好ましい。
グラフト共重合体(X)は、後述する実施例で採用された条件下においてGPCにより求められるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が、好ましくは1,500~9,500の範囲であり、より好ましくは1,600~9,000の範囲であり、さらに好ましくは1,650~8,500の範囲である。グラフト共重合体(X)の数平均分子量(Mn)が上記範囲にあると、例えば、グラフト共重合体(X)と他の樹脂とを混合してこの混合物を乳化する場合であっても、乳化性を良好に保ちつつ、他の樹脂との親和性が良好であるので好ましい。
グラフト共重合体(X)の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.4~2.1の範囲であり、より好ましくは1.5~2.0の範囲であり、さらに好ましくは1.5~1.9の範囲である。グラフト共重合体(X)の分子量分布(Mw/Mn)が上記範囲にあると、例えば、グラフト共重合体(X)と他の樹脂とを混合してこの混合物を乳化する場合であっても、乳化性を良好に保ちつつ、他の樹脂との親和性が良好であるので好ましい。
<グラフト共重合体(X)の製造方法>
グラフト共重合体(X)は、未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)を、不飽和基を1つ以上含有する有機ケイ素化合物(B)、ならびに不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)と反応させ、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と、有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部と、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部とを有するグラフト共重合体とすればよい。このような反応により、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と、不飽和基を1つ以上含有する有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部と、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部とを含む、グラフト共重合体(X)が得られる。
例えば、グラフト共重合体(X)は、以下の方法(M-1)~(M-3)のいずれかにより製造され得る。
方法(M-1)
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)を、ラジカル開始剤の存在下で、有機ケイ素化合物(B)と反応させてグラフト化した後、グラフト化後の共重合体を、ラジカル開始剤の存在下において、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)と反応させることにより、グラフト共重合体(X)を製造する。
方法(M-2)
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)を、ラジカル開始剤の存在下で、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)と反応させてグラフト化した後、グラフト化後の共重合体を、ラジカル開始剤の存在下において有機ケイ素化合物(B)と反応させることにより、グラフト共重合体(X)を製造する。
方法(M-3)
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)、有機ケイ素化合物(B)および、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)を、ラジカル開始剤の存在下で反応させることにより、グラフト共重合体(X)を製造する。
有機ケイ素化合物(B)と不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)との共重合体が副生成物として生成するのを抑制する観点からは、グラフト共重合体(X)の製造方法は、好ましくは、方法(M-1)、(M-2)のいずれかである。グラフト共重合体(X)の製造方法は、副生成物として高分子量体が生成し難いことから、より好ましくは方法(M-1)である。副生成物として高分子量体が生成すると、該高分子量体の存在に起因して、グラフト共重合体(X)の乳化性が悪化しやすい傾向がある。また、該高分子量体に由来してゲル分が生成しやすく、例えばグラフト共重合体(X)を含むサイジング剤を作製し、そのサイジング剤で繊維を処理した場合、繊維の外観不良が発生しやすくなる。なお、該高分子量体の存在は、例えば、GPCで特定可能である。
≪グラフト共重合体(X)の乳化方法≫
グラフト共重合体(X)は、単独で水に乳化させることにより、水分散体とすることができる。グラフト共重合体(X)を水に分散する方法は、例えば、特公平7-008933号報、特公平7-096647号報、特公平5-039975号報等に開示されているように、グラフト共重合体(X)中の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来する基を、水中で中和またはケン化することである。
水分散体の製造の際に、中和およびケン化に用いる塩基性物質としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属および/またはその他金属類、ヒドロキシルアミン、水酸化アンモニウム等の無機アミン、アンモニア、(トリ)メチルアミン、(トリ)エタノールアミン、(トリ)エチルアミン、ジメチルエタノールアミン、モルフォリン等の有機アミン、酸化ナトリウム、過酸化ナトリウム、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の酸化物および/またはその他金属類、水酸化物、水素化物、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属および/またはその他金属類の弱酸塩を挙げることができる。
塩基物質により中和またはケン化されたカルボン酸基あるいはカルボン酸エステル基としては、カルボン酸ナトリウム、カルボン酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩またはカルボン酸アンモニウムが好適である。
また、中和度またはけん化度は、水分散体の安定性と、繊維との密着性の観点より、通常50~100%、好ましくは70~100%、更に好ましくは85~100%である。
上記方法で得られたグラフト共重合体(X)の水分散体には、必要に応じて、アゾ顔料およびフタロシアニンブルー等の有機顔料;アゾ染料およびアントラキノン系染料等の染料;酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、シリカおよびチタン酸バリウム等の無機薬品等のバインダー樹脂;酸化チタン、モリブデンおよびカーボンブラック等の無機顔料等の着色剤等の成分を含有させることができる。
上記方法で得られたグラフト共重合体(X)の水分散体には、さらに酸化防止剤、耐候安定剤および耐熱安定剤等の各種安定剤;消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、防カビ剤、抗菌剤、防腐剤、触媒、充填剤、ワックス、ブロッキング防止剤、可塑剤、レベリング剤等の成分を含有させることができる。特に、グラフト共重合体(X)の水分散体を、温度がかかる工程で用いる場合、もしくは、水分散体で処理したものを成形する際に熱がかかる場合は、酸化防止剤または耐熱安定剤等を用いる事が好ましい。特に、加工、長期安定性の点から、フェノール系酸化防止剤とリン系加工安定剤を併用して用いる事が好ましい。各種安定剤の添加量(各種安定剤の合計量)としては、グラフト共重合体(X)に対して5質量%以下が好ましく、さらには2質量%以下が好ましい。
≪グラフト共重合体(X)の用途≫
グラフト共重合体(X)の水分散体は、サイジング剤として用いることができ、繊維強化樹脂に配合できる。さらに、グラフト共重合体(X)は、コーティング剤、有機フィラー分散剤、無機フィラー分散剤、電池用バインダー、粘接着付与剤などとして使用することもできる。グラフト共重合体(X)をコーティング剤として用いる場合、該コーティング剤の用途は、塗料、インク用添加剤、金属塗料、紙コート剤、ヒートシール剤、各種プライマーなどである。なお、グラフト共重合体(X)をコーティング剤として用いる場合、該コーティング剤は水系のコーティング剤と溶媒系のコーティング剤のいずれであってもよい。
グラフト共重合体(X)の水分散体からなるサイジング剤による処理の対象となる繊維は特に限定されるものではないが、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、セラミック繊維、岩石繊維、スラッグ繊維、金属繊維など、従来樹脂補強用材料として知られている無機繊維に広く用いることができる。上記無機繊維の中でも炭素繊維、ガラス繊維が好ましい。
グラフト共重合体(X)の水分散体で処理する繊維の平均繊維径は特に限定されないが、得られる成形品の力学特性と表面外観の観点から、好ましくは1~20μm、より好ましくは3~15μmの範囲内である。処理対象となる繊維束の単糸数には特に制限はなく、通常100~350,000本であり、好ましくは1,000~250,000本の範囲である。なお、処理対象が強化繊維である場合、強化繊維の生産性の観点からは、単糸数が多いものが好ましく、単糸数が20,000~100,000本の範囲内であることが好ましい。また、処理により得られるストランドの太さは、通常10~10,000texであり、好ましくは100~5,000texの範囲である。
グラフト共重合体(X)の水分散体は、ポリオレフィン繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、ガラス繊維などの繊維のサイジング剤として広く用いることができる。上記繊維の中でも、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維が好ましく、具体的にはエチレン系繊維、プロピレン系繊維、ガラス繊維等が好ましい。
グラフト共重合体(X)の水分散体で繊維を処理する方法としては、浸漬法、スプレー法、ローラーコート法等により、前記水分散体を繊維に付着させ、次いで50~300℃で1分~10時間程度乾燥する方法などがあるが、特に限定されるものではない。また、グラフト共重合体(X)の付着量は繊維が分散しやすいという点で、繊維に対して通常0.1~40質量%、好ましくは0.3~37質量%、更に好ましくは0.5~35質量%である。
グラフト共重合体(X)の水分散体で処理される対象となる繊維束を形成する単繊維は、より強い接着性を発揮する為に、単繊維表面の60%以上が樹脂で被覆されていることが好ましい。被覆されていない部分は接着性を発揮することができず、剥離の起点となり結果として接着性を低下させる。好ましくは70%以上を被覆した状態であり、さらに好ましくは80%以上を被覆した状態である。被覆状態は、走査型電子顕微鏡(SEM)または繊維表面の元素分析でカルボン酸塩の金属元素をトレースする手法などがある。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[物性の測定方法]
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)およびグラフト共重合体(X)の各種物性の測定方法は以下の通りである。
<150℃におけるブルックフィールド(BF)粘度>
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)の150℃におけるブルックフィールド粘度は、JIS K7117-1に記載の方法により測定した。
<エチレン含量(mol%)>
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)のエチレン含量は、日本電子(株)製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、下記の条件で13C-NMR測定を行った。
溶媒 :オルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒
試料濃度:55mg/0.6mL
測定温度:120℃
観測核 :13C(125MHz)
シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
パルス幅:4.7μ/s(45°パルス)、
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:1万回以上
ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)のエチレン含量は、前記測定で得られた13C-NMRスペクトルから、「高分子分析ハンドブック」(朝倉書店 発行 P163~170)、G.J.Ray(Macromolecules,10,773(1977))、J.C.Randall(Macro-molecules,15,353(1982))、K.Kimura(Polymer,25,4418(1984))らの報告に基づいて求めた。
<融点>
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)の融解ピークの測定は、セイコーインスツルメント社製X-DSC-7000を用いて行った。簡易密閉できるアルミサンプルパンに約8mgのサンプルを入れてDSCセルに配置し、DSCセルを窒素雰囲気下にて室温から、150℃まで10℃/分で昇温し、次いで、150℃で5分間保持した後、10℃/分で降温し、DSCセルを-100℃まで冷却した(降温過程)。-100℃で5分間保持した後、10℃/分で15℃まで昇温し、昇温過程で得られるDSC曲線が極大値を示す温度を融点(Tm)とし、融解に伴う吸熱量の総和を融解熱量(ΔH)とした。ピークが観測されないか、融解熱量(ΔH)の値が1J/g以下の場合、融解ピークは観測されないとみなした。融点(Tm)、および融解熱量(ΔH)はJIS K7121に基づいて求めた。
<重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)>
未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)と、グラフト共重合体(X)との各々について、下記の高速GPC測定装置を用いて下記の条件により、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定を行い、重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
高速GPC測定装置:東ソー社製HLC8320GPC
移動相:THF(和光純薬工業社製、安定剤不含有、液体クロマトグラフィー用グレード)
カラム:東ソー社製TSKgel Super MultiporeHZ-M 2本を直列連結
サンプル濃度:5mg/mL
移動相流速:0.35mL/min
測定温度:40℃
検量線用標準サンプル:東ソー社製PStQuick MP-M(標準ポリスチレンキット)
<グラフト共重合体(X)の変性量>
グラフト共重合体(X)の変性量を求めるために、有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部の割合と、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部の割合とを求めた。
有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部の割合を求めるために以下の条件で1H-NMR測定を行った。
測定装置:ブルカー・バイオスピン(株)製、AVANCEIIIcryo-270型核磁気共鳴装置(270MHz)
測定溶媒:重クロロホルム
試料濃度:20mg/0.6mL
測定温度:24.3℃
スペクトル幅:15.6ppm
シーケンス:NON
パルス幅:6.5μsec
繰り返し時間:2.5秒
積算回数:16回
ケミカルシフトの基準値:7.26ppm
下記実施例では、有機ケイ素化合物(B)としてビニルトリメトキシシランを用いているので、上記測定で得られたスペクトル中のエチレン・α-オレフィンに由来する構造(主鎖部)に対応するピークと、ビニルトリメトキシシランに由来するメトキシ基のピークとの面積比より、有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部の割合を算出した。
不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部の割合を求めるために、有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部の割合を求めた際と同様の条件で1H-NMR測定を行った。
下記実施例では、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)として無水マレイン酸を用いているので、上記測定で得られたスペクトル中のエチレン・α-オレフィンに由来する構造(主鎖部)に対応するピークと、無水マレイン酸に由来する構造に対応するピークとの面積比より、無水マレイン酸に由来するグラフト部の割合を算出した。
[実施例]
実施例では、有機ケイ素化合物(B)としてビニルトリメトキシシランを用い、上記の方法(M-2)に従って、無水マレイン酸で変性済みの共重合体を用いて、以下の方法でグラフト共重合体(X-1)を合成した。すなわち、本実施例は、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)として無水マレイン酸を用いた例に相当する。
なお、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体の主鎖部が由来する未変性のエチレン・プロピレン共重合体(A-1)の物性は以下の通りである。なお各物性は上記測定法で測定したものである。
ブルックフィールド粘度(150℃):70mPa・s
エチレン由来の骨格単位:48.5mol%
プロピレン由来の骨格単位:51.5mol%
融点(示差走査熱量分析):観測されず
重量平均分子量(Mw):4,800
無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(無水マレイン酸変性率5質量%、Mw5,620、Mn3,000)177gと、ビニルトリメトキシシラン25.5gとを1リットルのガラス製反応容器に入れ、系内を窒素置換した後、密閉した。ダブルアンカー翼を用いて200rpmで攪拌しながら、系内の温度を160℃まで昇温した。ジクミルペルオキシド(日油(株)製、製品名:パークミルD)1.02gをトルエンに溶解させた溶液50mLを、400rpmで攪拌しながら60分かけて反応容器に滴下フィードした。滴下フィード完了後、さらに90分攪拌を続けた。その後、攪拌回転数を300rpmに下げて、50℃まで冷却した。反応容器を脱圧、開放し、反応溶液を取り出し、エバポレーターで溶媒のトルエンと、ビニルトリメトキシシランとを減圧留去した。その後、90℃で真空乾燥させることにより、グラフト共重合体(X-1)を得た。
グラフト共重合体(X-1)の物性は以下の通りであった。なお各物性は上記測定法で測定したものである。
ビニルトリメトキシシランのグラフト量:4.3質量%
無水マレイン酸のグラフト量:4.9質量%
重量平均分子量(Mw):4,620
数平均分子量(Mn):2,750
分子量分布(Mw/Mn):1.9
[原材料]
以下の調製例および比較調製例で使用した原材料は以下のとおりである。
・「グラフト共重合体(X-1)」:上記実施例で合成したグラフト共重合体(X-1)を用いた。
・「シラン変性体」:シラン変性エチレン・プロピレン共重合体(Mw:約5千)
・「無水マレイン酸変性体1」:無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(Mw:約5千)
・「無水マレイン酸変性体2」:無水マレイン酸変性ポリオレフィン(Mw:約20万)
[調製例1]
18gのグラフト共重合体(X-1)と、42gの無水マレイン酸変性体1と、非イオン性界面活性剤エマルゲン1108(花王株式会社製)15gを(グラフト共重合体(X-1)/無水マレイン酸変性体1/エマルゲン1108の重量比=24/56/20)、500mL容器に投入し、100rpmで攪拌しながら90℃まで昇温した。水10g、モルフォリン5.6gを加えたのち、95℃、150rpmで30分間攪拌した(中和反応)。沸騰した熱水159.4gを加え、95℃、250rpmで60分間攪拌した(乳化)。その後、100rpmで攪拌しながら放冷し、水分散体を得た。
調製例1で得られた水分散体に対して、以下に示す方法により、乳化性評価、エマルションの平均粒径(D50値)の測定、エマルションの安定性評価を行った。
〔乳化性評価〕
得られた水分散体の乳化性を、以下の評価基準で評価した。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
○:グラフト共重合体が水中に分散する。
×:グラフト共重合体と水が混和しない(分離する)。
〔平均粒径の測定〕
得られた水分散体に含まれるエマルションの平均粒径(D50値)を、動的光散乱法により測定した。測定には、マイクロトラック・ベル株式会社製のナノ粒子径測定装置を用いた。測定結果を表1に示す。
〔エマルション安定性評価〕
得られた水分散体のエマルション安定性を、以下の評価基準で評価した。評価結果を表1に示す。なお、エマルション安定性の評価基準が×に該当する場合には、水分散体を作製できないことが原因で評価不能である場合(表1では、「-」と示す)が含まれる。
(評価基準)
○:平均粒径が250nm未満であり、分散状態が24時間以上持続する。
△:平均粒径が250nm以上1000nm未満、かつ、分散状態が持続する時間が10分以上であるか、または、平均粒径が250nm未満、かつ、分散状態が持続する時間が10分以上24時間未満。
×:平均粒径が1000nm以上であるか、または、分散状態が持続する時間が10分未満である。
[処理例1]
調製例1で得られた水分散体を、直径14μmのガラス繊維の固形分に対して1質量%添加し、ガラス繊維を集束することにより、2,400texのストランドとした。なお、グラフト共重合体(X)の付着量は、ガラス繊維の質量を100質量%とすると1質量%であった。
〔GF集束性評価〕
処理例1で得られたストランドを用いて、ガラス繊維(GF)の集束性を、以下の評価基準で評価した。評価結果を表1に示す。なお、表1では、水分散体を作製できないことが原因でストランド自体を製造できなかった場合は、「-」(評価不能)と示す。
(評価基準)
○:処理したガラス繊維束が全くほどけることなく、ロービングが容易である(取扱容易)。
△:処理したガラス繊維束がほとんどほどけることなく、ロービングが可能である(取扱可)。
×:ガラス繊維束がほどけやすく、ロービングが困難である(取扱難)。
〔柔軟性(開繊性)評価〕
処理例1で得られたストランドを用いて、ガラス繊維の柔軟性(開繊性)を、以下の評価基準で評価した。評価結果を表1に示す。なお、表1では、水分散体を作製できないことが原因でストランド自体を製造できなかった場合は、「-」(評価不能)と示す。
(評価基準)
○:ガラス繊維強化樹脂製造工程中の開繊工程(樹脂とガラス繊維とを溶融混錬する前の工程)において、開繊機で開繊しやすい程度にガラス繊維束が柔軟である。
△:開繊機でやや開繊しにくい。
×:開繊機での開繊が困難である。
[調製例2、比較調製例1~3]
水分散体の調製に用いた原料の配合を表1に記載のとおりに変更した以外は、調製例1と同様にして水分散体を調製した。調製例1と同様に乳化性およびエマルション安定性を評価し、調製例1と同様にエマルションの平均粒径を測定した。さらに、得られた水分散体を用いて処理例1と同様の方法により、ガラス繊維を処理し、得られたストランドを用いてガラス繊維集束性、柔軟性を評価した。表1に結果を示す。
[参考例]
参考例として、サイジング剤によって処理されていないガラス繊維について、上記の評価基準に従ってガラス繊維集束性と柔軟性とを評価した。参考例での評価結果を表1に示す。
Figure 2023003281000001
本発明のグラフト共重合体(X)を用いている調製例1、2の水分散体では、安定なエマルションが得られた。また、調製例1、2の水分散体を用いて製造されたストランドは、ロービングに支障がない上、ガラス繊維強化樹脂の製造工程において、樹脂とガラス繊維とを溶融混錬する前の開繊工程で容易に開繊することができた。すなわち、調製例1、2の水分散体を用いた場合に得られるストランドは、比較調製例1のように、有機ケイ素化合物に由来する官能基のみをグラフト部として有するグラフト共重合体と、無水マレイン酸変性体とから調製された水分散体を用いて得られるストランドと同等の扱いやすさとなる。したがって、本発明のグラフト共重合体(X)を用いると、ロービング工程および開繊工程における作業効率を下げることなく、水分散体の調製処理の効率を改善することができる。換言すると、本発明のグラフト共重合体(X)を用いてガラス繊維を処理すると、水分散体の調製工程、ストランドのロービング工程、ガラス繊維強化樹脂製造時の開繊工程の全てが効率的になる。

Claims (6)

  1. エチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する主鎖部と、不飽和基を1つ以上含有する有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部と、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部とを含む、グラフト共重合体(X)。
  2. 要件(a-1)~(a-4)を満たす未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(A)に由来する前記主鎖部を含み、要件(x-1)を満たす、請求項1に記載のグラフト共重合体(X)。
    (a-1)ブルックフィールド粘度(150℃)が1~5000mPa・sである。
    (a-2)エチレン由来の骨格単位30~80mol%と、α-オレフィン由来の骨格単位70~20mol%とを含む(ただし、エチレン由来の骨格単位とα-オレフィン由来の骨格単位との合計量を100mol%とする)。
    (a-3)示差走査熱量分析(DSC)により融点が観測されない。
    (a-4)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000~20,000である。
    (x-1)有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部の割合と不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部の割合との合計が0.1~20質量%である(ただし、グラフト共重合体(X)の質量を100質量%とする)。
  3. 前記主鎖部が由来するエチレン・α-オレフィン共重合体(A)は、エチレン由来の骨格単位を40~75mol%の範囲(ただし、エチレン・α-オレフィン共重合体(A)のエチレン由来の骨格単位とα-オレフィン由来の骨格単位との合計量を100mol%とする。)含む、請求項1または2に記載のグラフト共重合体(X)。
  4. 有機ケイ素化合物(B)に由来するグラフト部の割合が1~19質量%、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)に由来するグラフト部の割合が1~8質量%である(グラフト共重合体(X)の質量を100質量%とする。)、請求項1~3のいずれか1項に記載のグラフト共重合体(X)。
  5. 上記有機ケイ素化合物(B)がビニルトリメトキシシランであり、不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸誘導体(C)が無水マレイン酸である、請求項1~4のいずれか1項に記載のグラフト共重合体(X)。
  6. グラフト共重合体(X)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められるポリスチレン換算で、重量平均分子量(Mw)が1,800~19,000の範囲、数平均分子量(Mn)が1,500~9,500の範囲、および分子量分布(Mw/Mn)が1.4~2.1の範囲にある、請求項1~5のいずれか1項に記載のグラフト共重合体(X)。
JP2021104367A 2021-06-23 2021-06-23 グラフト共重合体 Pending JP2023003281A (ja)

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