JP2023003168A - 抗菌シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ナノピラー構造による抗菌効果を有する抗菌シートの提供。【解決手段】複数のナノピラー12を表面に有する合成高分子膜14を備え、前記ナノピラー12の高さが40nm以下である、抗菌シート10。【選択図】図1
Description
本発明は、抗菌シート及びその製造方法に関する。
抗生剤は、人や家畜の疾病治療、農畜水産物の生産性の向上、食品の保存等の目的で、医薬品、動物用医薬品、農薬、飼料添加物、食品添加物等として用いられている。
近年、複数種類の抗生剤に対して抵抗性を有し、抗生剤が効かない、又は効きにくくなった耐性菌の出現が問題になっている。そのため、耐性菌の出現の抑制等を目的として抗生剤の使用が制限される傾向にある。
近年、複数種類の抗生剤に対して抵抗性を有し、抗生剤が効かない、又は効きにくくなった耐性菌の出現が問題になっている。そのため、耐性菌の出現の抑制等を目的として抗生剤の使用が制限される傾向にある。
抗生剤を用いることなく抗菌効果を発揮できる技術として、物品の表面に微細な凸部を多数設ける方法が知られている。
特許文献1の実施例では、シクロオレフィン製フィルムの表面に、直径1μm、高さ1μm、ピッチ1.75μmの突起を設けた例において、黄色ブドウ球菌の増殖が抑制されたことが示されている。
特許文献2の実施例には、表面に酸化膜を有するシリコン製の試験片を用い、試験片の表面にナノサイズの凸部(ナノピラー)を設けた例が記載されている。ナノピラーのピッチPとアスペクト比Aが「A≧1.80exp(-0.00083P)」を満たすときに、大腸菌の生菌率が1%以下であったことが示されている。ナノピラーの高さは100nm以上である(図11)。
特許文献1の実施例では、シクロオレフィン製フィルムの表面に、直径1μm、高さ1μm、ピッチ1.75μmの突起を設けた例において、黄色ブドウ球菌の増殖が抑制されたことが示されている。
特許文献2の実施例には、表面に酸化膜を有するシリコン製の試験片を用い、試験片の表面にナノサイズの凸部(ナノピラー)を設けた例が記載されている。ナノピラーのピッチPとアスペクト比Aが「A≧1.80exp(-0.00083P)」を満たすときに、大腸菌の生菌率が1%以下であったことが示されている。ナノピラーの高さは100nm以上である(図11)。
抗菌性を有する物品は、その用途拡大に伴って材質や形状の多様化が期待されている。
本発明は、ナノピラー構造による抗菌効果を有する、新規な抗菌シートの提供を目的とする。
本発明は、ナノピラー構造による抗菌効果を有する、新規な抗菌シートの提供を目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] 複数のナノピラーを表面に有する合成高分子膜を備え、前記ナノピラーの高さが40nm以下である、抗菌シート。
[2] 前記合成高分子膜の99.9質量%以上が、硬化性樹脂組成物の硬化物である、[1]の抗菌シート。
[3] 前記硬化性樹脂組成物が、硬化性アクリル樹脂組成物である、[2]の抗菌シート。
[4] 前記[1]~[3]のいずれかの抗菌シートを製造する方法であって、光インプリント法で前記合成高分子膜を形成する工程を有する、抗菌シートの製造方法。
[1] 複数のナノピラーを表面に有する合成高分子膜を備え、前記ナノピラーの高さが40nm以下である、抗菌シート。
[2] 前記合成高分子膜の99.9質量%以上が、硬化性樹脂組成物の硬化物である、[1]の抗菌シート。
[3] 前記硬化性樹脂組成物が、硬化性アクリル樹脂組成物である、[2]の抗菌シート。
[4] 前記[1]~[3]のいずれかの抗菌シートを製造する方法であって、光インプリント法で前記合成高分子膜を形成する工程を有する、抗菌シートの製造方法。
本発明によれば、ナノピラー構造による抗菌効果を有する抗菌シートが得られる。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の両側の数値をその範囲内に含む。
「菌」とは、細菌、菌類等を意味する。細菌としては、黄色ブドウ球菌、大腸菌、枯草菌、乳酸菌、緑膿菌、レンサ球菌等が挙げられる。菌類としては、糸状菌(カビ、キノコ)、酵母等が挙げられる。酵母としては、サッカロマイセス、シゾサッカロマイセス、クリプトコッカス、カンジタ等が挙げられる。
「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基およびメタクリロイル基の総称である。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の両側の数値をその範囲内に含む。
「菌」とは、細菌、菌類等を意味する。細菌としては、黄色ブドウ球菌、大腸菌、枯草菌、乳酸菌、緑膿菌、レンサ球菌等が挙げられる。菌類としては、糸状菌(カビ、キノコ)、酵母等が挙げられる。酵母としては、サッカロマイセス、シゾサッカロマイセス、クリプトコッカス、カンジタ等が挙げられる。
「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基およびメタクリロイル基の総称である。
<抗菌シート>
図1は、抗菌シートの一例を示す断面図である。図2は、抗菌シートの他の例を示す断面図である。
図1、2における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。また、図2において、図1と同じ構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の抗菌シート10、20は、表面に複数のナノピラー(微細な凸部)12を有する合成高分子膜14を備える。
図1の抗菌シート10は合成高分子膜14からなる。合成高分子膜14の厚さ(ナノピラーの高さを含む)は、例えば1~1000μmが好ましい。
図1は、抗菌シートの一例を示す断面図である。図2は、抗菌シートの他の例を示す断面図である。
図1、2における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。また、図2において、図1と同じ構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の抗菌シート10、20は、表面に複数のナノピラー(微細な凸部)12を有する合成高分子膜14を備える。
図1の抗菌シート10は合成高分子膜14からなる。合成高分子膜14の厚さ(ナノピラーの高さを含む)は、例えば1~1000μmが好ましい。
図2の抗菌シート20は、合成高分子膜14のナノピラー12とは反対の面上に、基材シート16が積層された積層体である。基材シート16の材料は、硬化性樹脂組成物の硬化物、プラスチック、ガラス、セラミックス、金属等が例示できる。後述の光インプリント法における照射光を透過するプラスチックが好ましい。好ましい材料の例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等が挙げられる。基材シート16の厚さは、例えば1~1000μmが好ましい。
ナノピラー12の高さは40nm以下であり、10~35nmが好ましく、20~30nmがより好ましい。ナノピラー12の高さが前記範囲内であると、充分な抗菌効果が得られやすい。
「ナノピラー12の高さ」は、走査型電子顕微鏡(SEM)で断面を観察して、ナノピラー12の最頂部と、ナノピラー12間に存在する凹部の最底部との高低差Hを測定した。20か所の高低差Hの度数分布(階級幅5nm)を求め、最も度数が高い階級の代表値(20nm、25nm、30nm…等)を「ナノピラー12の高さ」とした。
例えば、27.5nm以上32.5nm未満の階級の度数が最も多いときのナノピラー12の高さは30nmであり、32.5nm以上37.5nm未満の階級の度数が最も多いときのナノピラー12の高さは35nmである。
「ナノピラー12の高さ」は、走査型電子顕微鏡(SEM)で断面を観察して、ナノピラー12の最頂部と、ナノピラー12間に存在する凹部の最底部との高低差Hを測定した。20か所の高低差Hの度数分布(階級幅5nm)を求め、最も度数が高い階級の代表値(20nm、25nm、30nm…等)を「ナノピラー12の高さ」とした。
例えば、27.5nm以上32.5nm未満の階級の度数が最も多いときのナノピラー12の高さは30nmであり、32.5nm以上37.5nm未満の階級の度数が最も多いときのナノピラー12の高さは35nmである。
隣接するナノピラー12のピッチは、30~100nmが好ましく、40~80nmがより好ましく、50~70nmがさらに好ましい。ナノピラー12のピッチが前記範囲の下限値以上であると、複数のナノピラー12を有する合成高分子膜14を形成しやすい。上限値以下であると、充分な抗菌効果が得られやすい。
「隣接するナノピラー12のピッチ」は、SEMで断面を観察して、ナノピラー12の最頂部の中心から隣接するナノピラー12の最頂部の中心までの距離Pを測定した。20か所の距離Pの度数分布(階級幅10nm)を求め、最も度数が多い階級の代表値(50nm、60nm、70nm…等)を「ナノピラー12のピッチ」とした。
例えば、55nm以上65nm未満の階級の度数が最も多いときのナノピラー12のピッチは60nmであり、65nm以上75nm未満の階級の度数が最も多いときのナノピラー12のピッチは70nmである。
「隣接するナノピラー12のピッチ」は、SEMで断面を観察して、ナノピラー12の最頂部の中心から隣接するナノピラー12の最頂部の中心までの距離Pを測定した。20か所の距離Pの度数分布(階級幅10nm)を求め、最も度数が多い階級の代表値(50nm、60nm、70nm…等)を「ナノピラー12のピッチ」とした。
例えば、55nm以上65nm未満の階級の度数が最も多いときのナノピラー12のピッチは60nmであり、65nm以上75nm未満の階級の度数が最も多いときのナノピラー12のピッチは70nmである。
「ナノピラー12の高さ」を「ナノピラー12のピッチ」で除したアスペクト比(高さ/ピッチ)は、0.1~1.3が好ましく、0.2~0.9がより好ましく、0.3~0.6がさらに好ましい。ナノピラー12のアスペクト比が前記範囲の下限値以上であると、充分な抗菌効果が得られやすい。上限値以下であると、ナノピラー12の充分な耐久性が得られやすい。
ナノピラー12の形状は、略円錐形状、角錐形状、釣鐘形状、円柱形状等が例示できる。特に、円錐形状、角錐形状等のように、高さ方向に直交する断面の面積が、頂部から底部に向かって連続的に増加する形状が好ましい。
合成高分子膜14の材料は、ナノピラーを有する合成高分子膜の材料として公知のものを適宜用いることができる。
ナノピラー12の形状を制御しやすい点で、硬化性樹脂組成物を硬化させて合成高分子膜14を形成することが好ましい。すなわち、合成高分子膜14は硬化性樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。
合成高分子膜14は硬化性樹脂組成物の硬化物のほかに添加成分を有してもよい。添加成分の具体例としては、離型剤、表面処理剤、潤滑剤等が挙げられる。添加成分は合成高分子膜14の表面に付着してもよく、表層に浸透していてもよく、それらの両方でもよい。
合成高分子膜14の総質量に対して、硬化性樹脂組成物の硬化物が99.9質量%以上であることが好ましく、100質量%がより好ましい。
ナノピラー12の形状を制御しやすい点で、硬化性樹脂組成物を硬化させて合成高分子膜14を形成することが好ましい。すなわち、合成高分子膜14は硬化性樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。
合成高分子膜14は硬化性樹脂組成物の硬化物のほかに添加成分を有してもよい。添加成分の具体例としては、離型剤、表面処理剤、潤滑剤等が挙げられる。添加成分は合成高分子膜14の表面に付着してもよく、表層に浸透していてもよく、それらの両方でもよい。
合成高分子膜14の総質量に対して、硬化性樹脂組成物の硬化物が99.9質量%以上であることが好ましく、100質量%がより好ましい。
硬化性樹脂組成物としては、光硬化性樹脂組成物が好ましく、光硬化性アクリル樹脂組成物がより好ましい。
光硬化性アクリル樹脂組成物は、(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物(モノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等)と、光重合開始剤とを含む。さらに必要に応じて添加剤を含んでもよい。添加剤の例としては、酸化防止剤、離型剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、光安定剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、充填剤、シランカップリング剤、着色剤、強化剤、無機フィラー、耐衝撃性改質剤等が挙げられる。
光硬化性アクリル樹脂組成物は、光インプリント法に適用できる材料として公知のUV硬化アクリル樹脂を用いることができる。具体例としては、東洋合成化学社製品名「PAK-02」等が挙げられる。
光硬化性アクリル樹脂組成物は、(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物(モノマー、オリゴマー、反応性ポリマー等)と、光重合開始剤とを含む。さらに必要に応じて添加剤を含んでもよい。添加剤の例としては、酸化防止剤、離型剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、光安定剤、難燃剤、難燃助剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、充填剤、シランカップリング剤、着色剤、強化剤、無機フィラー、耐衝撃性改質剤等が挙げられる。
光硬化性アクリル樹脂組成物は、光インプリント法に適用できる材料として公知のUV硬化アクリル樹脂を用いることができる。具体例としては、東洋合成化学社製品名「PAK-02」等が挙げられる。
<抗菌シートの製造方法>
本実施形態の抗菌シートの製造方法は、複数のナノピラー12を表面に有する合成高分子膜14を形成する工程を有する。
合成高分子膜14を形成する方法は、目標とするナノピラー構造を正確に作製できる点から、光インプリント法が好ましい。
本実施形態の抗菌シートの製造方法は、複数のナノピラー12を表面に有する合成高分子膜14を形成する工程を有する。
合成高分子膜14を形成する方法は、目標とするナノピラー構造を正確に作製できる点から、光インプリント法が好ましい。
光インプリント法としては、例えば、複数の凹部を表面に有するモールドと、基材シート16との間に光硬化性樹脂組成物を挟持した状態で、光硬化性樹脂組成物を硬化させて合成高分子膜14を形成した後、合成高分子膜14とモールドとを分離する方法が挙げられる。
モールドと基材シート16との間に光硬化性樹脂組成物を挟持する方法としては、モールドと基材シート16との間に光硬化性樹脂組成物を配置し、モールドと基材シート16が互いに近づく方向へ押圧して、モールドの凹部内に光硬化性樹脂組成物を注入する方法が例示できる。
光硬化性樹脂組成物の硬化時に、基材シート16と光硬化性樹脂組成物の硬化物とを一体化させることにより、図2に示す構成の抗菌シート20が得られる。
光硬化性樹脂組成物の硬化時に、基材シート16と光硬化性樹脂組成物の硬化物とが一体化しない場合は、硬化後に基材シート16から硬化物(合成高分子膜14)を分離して、図1に示す構成の抗菌シート10を得ることができる。
モールドと基材シート16との間に光硬化性樹脂組成物を挟持する方法としては、モールドと基材シート16との間に光硬化性樹脂組成物を配置し、モールドと基材シート16が互いに近づく方向へ押圧して、モールドの凹部内に光硬化性樹脂組成物を注入する方法が例示できる。
光硬化性樹脂組成物の硬化時に、基材シート16と光硬化性樹脂組成物の硬化物とを一体化させることにより、図2に示す構成の抗菌シート20が得られる。
光硬化性樹脂組成物の硬化時に、基材シート16と光硬化性樹脂組成物の硬化物とが一体化しない場合は、硬化後に基材シート16から硬化物(合成高分子膜14)を分離して、図1に示す構成の抗菌シート10を得ることができる。
モールドとしては、例えば、下記のモールドが挙げられる。
・リソグラフィ法によって複数の凹部表面に設けたモールド。
・レーザー加工によって複数の凹部を表面に設けたモールド。
・複数の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールド。
・複数の凸部を有するマザーモールドから電鋳法等で複製されたレプリカモールド。
特に、低コストで大面積のモールドを製造しやすい点から、陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールドが好ましい。
・リソグラフィ法によって複数の凹部表面に設けたモールド。
・レーザー加工によって複数の凹部を表面に設けたモールド。
・複数の細孔を有する陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールド。
・複数の凸部を有するマザーモールドから電鋳法等で複製されたレプリカモールド。
特に、低コストで大面積のモールドを製造しやすい点から、陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールドが好ましい。
陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールドの製造方法は公知の方法を用いることができる。
好ましい実施態様では、まず、アルミニウムシートを、酸性浴中で所定の電圧にて陽極酸化する方法で、アルミニウムシートの表面に多孔質の陽極酸化皮膜(以下、ポーラスアルミナ層ともいう。)を形成する。
アルミニウムの純度は、細孔の規則性を高めやすい点で、99%以上が好ましく、99.5%以上がより好ましく、99.8%以上が特に好ましい。
酸性浴の電解液としては硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液等を使用できる。陽極酸化条件(浴温、電圧、電解時間)によってポーラスアルミナ層の凹凸形状を調整できる。
好ましい実施態様では、まず、アルミニウムシートを、酸性浴中で所定の電圧にて陽極酸化する方法で、アルミニウムシートの表面に多孔質の陽極酸化皮膜(以下、ポーラスアルミナ層ともいう。)を形成する。
アルミニウムの純度は、細孔の規則性を高めやすい点で、99%以上が好ましく、99.5%以上がより好ましく、99.8%以上が特に好ましい。
酸性浴の電解液としては硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液等を使用できる。陽極酸化条件(浴温、電圧、電解時間)によってポーラスアルミナ層の凹凸形状を調整できる。
さらに、ポーラスアルミナ層に対してエッチングを行い、細孔の径を拡大させる処理(以下、細孔径拡大処理ともいう。)を行うことが好ましい。好ましくは、酸化皮膜を溶解するエッチング液に、ポーラスアルミナ層を浸漬する方法で細孔径拡大処理を行う。エッチング液として、例えばリン酸水溶液を使用できる。エッチング条件(エッチング液の濃度、エッチング液の温度、浸漬時間)によってポーラスアルミナ層の凹凸形状を調整できる。
細孔径拡大処理の後に、再び陽極酸化することが好ましい。これにより、細孔の底部に小径の細孔を形成できる。
さらに、細孔径拡大処理と、細孔径拡大処理後の陽極酸化を繰り返すことが好ましい。これにより、開口部から深さ方向に向かって直径が連続的に減少する形状の細孔を形成できる。前記細孔径拡大処理と陽極酸化を繰り返す場合、最後は陽極酸化で終わることが好ましい。陽極酸化および細孔径拡大処理の時間、回数、条件等によって細孔の形状を調整できる。
さらに、細孔径拡大処理と、細孔径拡大処理後の陽極酸化を繰り返すことが好ましい。これにより、開口部から深さ方向に向かって直径が連続的に減少する形状の細孔を形成できる。前記細孔径拡大処理と陽極酸化を繰り返す場合、最後は陽極酸化で終わることが好ましい。陽極酸化および細孔径拡大処理の時間、回数、条件等によって細孔の形状を調整できる。
合成高分子膜14におけるナノピラー12のピッチは、ポーラスアルミナ層における細孔のピッチに対応する。ポーラスアルミナ層における細孔のピッチは、電解液の種類や陽極酸化の電圧によって調整できる。電解液については、硫酸、シュウ酸、リン酸の順に細孔のピッチが大きくなる傾向がある。陽極酸化の電圧については、電圧を低くすると細孔間のピッチが小さくなり、電圧を高くすると細孔のピッチが大きくなる傾向がある。
こうして得られたポーラスアルミナ層をモールドとして使用する前に、離型剤を表面に付与する離型処理を行ってもよい。離型処理の方法は、例えば、フッ素含有シラン化合物をコーティングする方法、シリコーン樹脂またはフッ素含有ポリマーをコーティングする方法、フッ素含有化合物を蒸着する方法等が挙げられる。
<抗菌シート使用方法及び用途>
本実施形態の抗菌シートの使用方法は、特に限定されないが、菌の増殖を抑えたい箇所に本実施形態の抗菌シートを配置することが好ましい。
本実施形態の抗菌シートの用途としては、例えば、以下のものが挙げられる。
医療用部材:医療用部材の詳細については、後述する。
フィルター:空気清浄機のフィルター、空調機器のフィルター、エアフィルター等。
水処理部材:浄水器、シャワーノズル、配管の内面等。
建材:内装材(壁紙、壁材、床材、天井材、ドア面材、カウンター等)、水回り、ウインドフィルム、外装材、手すり等。
包装資材:食品包装用フィルム(アルミニウム蒸着フィルム、バリアフィルム等)、容器、ボトル等。
家電用部材:タッチパネル、ディスプレイの前面材、加湿器タンク、洗濯機の洗濯槽等。
家具:テーブル、椅子、調理器具等。
家庭用品:押入用カビ防止材、屋根裏カビ防止材等。
車両用部材:内装材、つり革、手すり等。
農業用資材:ビニルハウス、水耕栽培施設、配管等。
本実施形態の抗菌シートの使用方法は、特に限定されないが、菌の増殖を抑えたい箇所に本実施形態の抗菌シートを配置することが好ましい。
本実施形態の抗菌シートの用途としては、例えば、以下のものが挙げられる。
医療用部材:医療用部材の詳細については、後述する。
フィルター:空気清浄機のフィルター、空調機器のフィルター、エアフィルター等。
水処理部材:浄水器、シャワーノズル、配管の内面等。
建材:内装材(壁紙、壁材、床材、天井材、ドア面材、カウンター等)、水回り、ウインドフィルム、外装材、手すり等。
包装資材:食品包装用フィルム(アルミニウム蒸着フィルム、バリアフィルム等)、容器、ボトル等。
家電用部材:タッチパネル、ディスプレイの前面材、加湿器タンク、洗濯機の洗濯槽等。
家具:テーブル、椅子、調理器具等。
家庭用品:押入用カビ防止材、屋根裏カビ防止材等。
車両用部材:内装材、つり革、手すり等。
農業用資材:ビニルハウス、水耕栽培施設、配管等。
前記医療用部材は、本実施形態の抗菌シートのみからなるものであってもよく、本実施形態の抗菌シートと他の部材とを組み合わせたものであってもよい。
前記医療用部材は、人工臓器や医療器具そのものであってもよく、人工臓器、医療器具、医療機器等の部品であってもよく、医療施設の一部であってもよく、人工臓器、医療器具、医療機器等の包装資材であってもよい。
前記医療用部材は、人工臓器や医療器具そのものであってもよく、人工臓器、医療器具、医療機器等の部品であってもよく、医療施設の一部であってもよく、人工臓器、医療器具、医療機器等の包装資材であってもよい。
人工臓器としては、デンタルインプラント(人工歯)、人工心臓、人工関節等が挙げられる。
医療器具としては、手術器具(メス、はさみ、鉗子、ピンセット、開創器、カテーテル、ステント、固定用ボルト等)、注射器、聴診器、打診器、検鏡、担架、歯科用器具(デンタルスケーラー、デンタルミラー等)等が挙げられる。
医療機器としては、手術台、人工透析器、輸液ポンプ、人工心肺装置、透析液供給装置、成分採血装置、人工呼吸器、X線撮影装置、心電計、超音波診断装置、粒子線治療装置、分析装置、ペースメーカ、補聴器、マッサージ器、等が挙げられる。
医療施設の一部としては、病室、手術室、浴室、トイレ等の内装材(壁紙、壁材、床材、天井材、ドア面材、カウンター等)、手すり、ドアノブ等が挙げられる。
医療器具としては、手術器具(メス、はさみ、鉗子、ピンセット、開創器、カテーテル、ステント、固定用ボルト等)、注射器、聴診器、打診器、検鏡、担架、歯科用器具(デンタルスケーラー、デンタルミラー等)等が挙げられる。
医療機器としては、手術台、人工透析器、輸液ポンプ、人工心肺装置、透析液供給装置、成分採血装置、人工呼吸器、X線撮影装置、心電計、超音波診断装置、粒子線治療装置、分析装置、ペースメーカ、補聴器、マッサージ器、等が挙げられる。
医療施設の一部としては、病室、手術室、浴室、トイレ等の内装材(壁紙、壁材、床材、天井材、ドア面材、カウンター等)、手すり、ドアノブ等が挙げられる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[例1~3]
例1は実施例、例2、3は比較例である。
陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールドを用い、光インプリント法で合成高分子膜14を形成する方法で、表1に示す抗菌シートを製造した。
(モールドの製造)
(a)純度99.99%のアルミニウムシートを、酸性浴中で陽極酸化し、表面にポーラスアルミナ層を形成した。陽極酸化条件は目的とする凹凸形状に応じて下記の範囲で変更した。
電解液:硫酸又はシュウ酸の希薄水溶液。
浴温:0~30℃
電圧:10~25V
電解時間:3秒~20分間
(b)ポーラスアルミナ層が形成されたアルミニウムシートを、リン酸(H3PO4)水溶液中に浸漬してエッチングする方法で細孔径拡大処理を行った。ポーラスアルミナ層のエッチング条件は目的とする凹凸形状に応じて下記の範囲で変更した。
リン酸水溶液のリン酸濃度:5~30質量%
リン酸水溶液の温度:0~30℃
浸漬時間:2~270秒間
(c)上記工程(b)の後に、再び上記工程(a)を行う操作を、工程(b)が1回~5回となるように、かつ最後が工程(a)となるように繰り返して光インプリント用モールドを作製した。
得られたポーラスアルミナ層の表面をフッ素系離型剤で離型処理したものを、モールドとして光インプリントに使用した。フッ素系離型剤としては、フルオロアルキルシラン(ダイキン工業社製品名「オプツールDSX」)を用いた。
例1は実施例、例2、3は比較例である。
陽極酸化ポーラスアルミナが表面に形成されたモールドを用い、光インプリント法で合成高分子膜14を形成する方法で、表1に示す抗菌シートを製造した。
(モールドの製造)
(a)純度99.99%のアルミニウムシートを、酸性浴中で陽極酸化し、表面にポーラスアルミナ層を形成した。陽極酸化条件は目的とする凹凸形状に応じて下記の範囲で変更した。
電解液:硫酸又はシュウ酸の希薄水溶液。
浴温:0~30℃
電圧:10~25V
電解時間:3秒~20分間
(b)ポーラスアルミナ層が形成されたアルミニウムシートを、リン酸(H3PO4)水溶液中に浸漬してエッチングする方法で細孔径拡大処理を行った。ポーラスアルミナ層のエッチング条件は目的とする凹凸形状に応じて下記の範囲で変更した。
リン酸水溶液のリン酸濃度:5~30質量%
リン酸水溶液の温度:0~30℃
浸漬時間:2~270秒間
(c)上記工程(b)の後に、再び上記工程(a)を行う操作を、工程(b)が1回~5回となるように、かつ最後が工程(a)となるように繰り返して光インプリント用モールドを作製した。
得られたポーラスアルミナ層の表面をフッ素系離型剤で離型処理したものを、モールドとして光インプリントに使用した。フッ素系離型剤としては、フルオロアルキルシラン(ダイキン工業社製品名「オプツールDSX」)を用いた。
(抗菌シートの製造)
上記で得たモールドに、液状のUV硬化アクリル樹脂(東洋合成化学社製品名「PAK-02」)を垂らし、PETフィルム(基材シート16)で覆った。PETフィルムを介してUV硬化アクリル樹脂に紫外線を照射して硬化させた後、硬化物(合成高分子膜14)とPETフィルムの積層物をモールドから離型した。
こうして、基材シート16上に、硬化性アクリル樹脂組成物の硬化物からなる合成高分子膜14を有し、合成高分子膜14の表面に多数のナノピラー12を有する抗菌シート20を得た。
得られた抗菌シートの断面をSEMで観察し、ナノピラーの高さ及びピッチを測定した。測定結果を表1に示す。
図3は例1~3と同様にして製造した抗菌シート(ナノピラーの高さ45nm、ピッチ45nm)の表面の走査型電子顕微鏡像である。
上記で得たモールドに、液状のUV硬化アクリル樹脂(東洋合成化学社製品名「PAK-02」)を垂らし、PETフィルム(基材シート16)で覆った。PETフィルムを介してUV硬化アクリル樹脂に紫外線を照射して硬化させた後、硬化物(合成高分子膜14)とPETフィルムの積層物をモールドから離型した。
こうして、基材シート16上に、硬化性アクリル樹脂組成物の硬化物からなる合成高分子膜14を有し、合成高分子膜14の表面に多数のナノピラー12を有する抗菌シート20を得た。
得られた抗菌シートの断面をSEMで観察し、ナノピラーの高さ及びピッチを測定した。測定結果を表1に示す。
図3は例1~3と同様にして製造した抗菌シート(ナノピラーの高さ45nm、ピッチ45nm)の表面の走査型電子顕微鏡像である。
(抗菌効果の評価方法)
ATCCから購入した緑膿菌(9721)と、CIPフランスから購入した黄色ブドウ球菌(T65.8)を用いて抗菌効果を確認した。
緑膿菌と黄色ブドウ球菌をそれぞれ栄養寒天培地で継代培養し、Oxoid製栄養ブロス中、OD600が0.1になるように懸濁液を調製した。また、菌液濃度の影響を確かめるため、更に2倍に希釈してOD600が0.05となる懸濁液を調製した。
各例の抗菌シートから10mm×10mmの大きさのサンプルを切り出した。ポリスチレン製24穴の細胞培養プレートを用い、各ウェルに上記懸濁液の1mLと上記サンプルを入れ、25℃で18時間、暗所で静かに培養した。培養後、サンプルを取り出し、蒸留水で優しく洗い、生細胞・死細胞同時染色キット(LIVE/DEAD(登録商標)Baclight(商標))を用いて染色した。共焦点レーザー顕微鏡で観察し、観察された全菌数に対する死菌数の割合(%)を算出した。結果を表1に示す。
なお、例3では黄色ブドウ球菌についての試験を行っていない。
ATCCから購入した緑膿菌(9721)と、CIPフランスから購入した黄色ブドウ球菌(T65.8)を用いて抗菌効果を確認した。
緑膿菌と黄色ブドウ球菌をそれぞれ栄養寒天培地で継代培養し、Oxoid製栄養ブロス中、OD600が0.1になるように懸濁液を調製した。また、菌液濃度の影響を確かめるため、更に2倍に希釈してOD600が0.05となる懸濁液を調製した。
各例の抗菌シートから10mm×10mmの大きさのサンプルを切り出した。ポリスチレン製24穴の細胞培養プレートを用い、各ウェルに上記懸濁液の1mLと上記サンプルを入れ、25℃で18時間、暗所で静かに培養した。培養後、サンプルを取り出し、蒸留水で優しく洗い、生細胞・死細胞同時染色キット(LIVE/DEAD(登録商標)Baclight(商標))を用いて染色した。共焦点レーザー顕微鏡で観察し、観察された全菌数に対する死菌数の割合(%)を算出した。結果を表1に示す。
なお、例3では黄色ブドウ球菌についての試験を行っていない。
[参考例1]
本例は、例1と同じUV硬化アクリル樹脂の硬化物からなる、表面が平坦なシートを10mm×10mmの大きさに切り出したものをサンプルとした。
上記と同様にして死菌数の割合(%)を調べた。結果を表1に示す。
本例は、例1と同じUV硬化アクリル樹脂の硬化物からなる、表面が平坦なシートを10mm×10mmの大きさに切り出したものをサンプルとした。
上記と同様にして死菌数の割合(%)を調べた。結果を表1に示す。
表1の結果に示されるように、高さ40nm以下のナノピラーを設けた例1の抗菌シートは、表面が平坦である参考例1のシートより死菌数割合が高かった。
ナノピラーの高さが40nmを超える例2、3の抗菌シートは、例1より死菌数割合が低かった。
ナノピラーの高さが40nmを超える例2、3の抗菌シートは、例1より死菌数割合が低かった。
10、20 抗菌シート
12 ナノピラー
14 合成高分子膜
16 基材シート
12 ナノピラー
14 合成高分子膜
16 基材シート
Claims (4)
- 複数のナノピラーを表面に有する合成高分子膜を備え、前記ナノピラーの高さが40nm以下である、抗菌シート。
- 前記合成高分子膜の99.9質量%以上が、硬化性樹脂組成物の硬化物である、請求項1に記載の抗菌シート。
- 前記硬化性樹脂組成物が、硬化性アクリル樹脂組成物である、請求項2に記載の抗菌シート。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載の抗菌シートを製造する方法であって、光インプリント法で前記合成高分子膜を形成する工程を有する、抗菌シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021104179A JP2023003168A (ja) | 2021-06-23 | 2021-06-23 | 抗菌シート及びその製造方法 |
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Publications (1)
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2021
- 2021-06-23 JP JP2021104179A patent/JP2023003168A/ja active Pending
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