JP2023002272A - Otaマスタ、システム、方法、プログラム、及び車両 - Google Patents

Otaマスタ、システム、方法、プログラム、及び車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2023002272A
JP2023002272A JP2021103411A JP2021103411A JP2023002272A JP 2023002272 A JP2023002272 A JP 2023002272A JP 2021103411 A JP2021103411 A JP 2021103411A JP 2021103411 A JP2021103411 A JP 2021103411A JP 2023002272 A JP2023002272 A JP 2023002272A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control unit
electronic control
type
update data
update
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021103411A
Other languages
English (en)
Inventor
智康 石川
Tomoyasu Ishikawa
俊介 谷森
Shunsuke Tanimori
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2021103411A priority Critical patent/JP2023002272A/ja
Priority to CN202210528181.XA priority patent/CN115509568A/zh
Priority to US17/663,688 priority patent/US20220405083A1/en
Publication of JP2023002272A publication Critical patent/JP2023002272A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F8/00Arrangements for software engineering
    • G06F8/60Software deployment
    • G06F8/65Updates

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Software Systems (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Computer Security & Cryptography (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Stored Programmes (AREA)
  • Information Transfer Between Computers (AREA)

Abstract

【課題】シングルバンクメモリ及びデュアルバンクメモリに適応した電子制御ユニットのソフトウェア更新を実行することができるOTAマスタなどを提供する。【解決手段】車両に搭載された電子制御ユニットのソフトウェア更新を制御するOTAマスタであって、1つの格納領域を有する第1種別の不揮発性メモリを搭載した電子制御ユニットに向けた更新データである第1種別用更新データと、2つの格納領域を有する第2種別の不揮発性メモリを搭載した電子制御ユニットに向けた更新データである第2種別用更新データとを、センタから受信する通信部と、更新対象となる電子制御ユニットであるターゲット電子制御ユニットに対する、第1種別用更新データ及び第2種別用更新データの転送及び有効化を制御する制御部と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、電子制御ユニットのソフトウェアの更新を制御するOTAマスタなどに関する。
車両には、車両の動作を制御するための複数の電子制御ユニットが搭載されている。電子制御ユニットは、プロセッサと、RAMのような一時的な記憶部と、フラッシュROMのような不揮発性の記憶部である不揮発性メモリとを備え、プロセッサが不揮発性メモリに記憶されるソフトウェアを実行することにより電子制御ユニットの制御機能を実現する。各電子制御ユニットが記憶するソフトウェアは書き換え可能であり、より新しいバージョンのソフトウェアに更新することにより、各電子制御ユニットの機能を改善したり、新たな車両制御機能を追加したりすることができる。
電子制御ユニットのソフトウェアを更新する技術として、車載ネットワークに接続された車載通信機器とインターネットなどの通信ネットワークとを無線で接続し、車両のソフトウェアの更新処理を担う装置が、無線通信を介してサーバーからソフトウェアをダウンロードし、ダウンロードしたソフトウェアを電子制御ユニットにインストールすることにより、電子制御ユニットのソフトウェア更新や追加を行うOTA(Over The Air)技術が知られている。例えば、特許文献1を参照。
電子制御ユニットに搭載される不揮発性メモリの種別として、ソフトウェアなどのデータを格納するための1つの格納領域を有するメモリ(シングルバンクメモリ)と、ソフトウェアなどのデータを格納するための2つの格納領域を有するメモリ(デュアルバンクメモリ)とがあり、電子制御ユニットの仕様などに応じて使い分けられる場合がある。デュアルバンクメモリを搭載した電子制御ユニットは、2つの格納領域に新旧2つのバージョンのデータをそれぞれ格納することができる。
特開2004-326689号公報
車両に対してソフトウェア更新を行うイベントであるキャンペーンにおいて、シングルバンクメモリを搭載した電子制御ユニットとデュアルバンクメモリを搭載した電子制御ユニットとの両方が、ソフトウェアを更新する対象である電子制御ユニットとなる場合がある。このシングルバンクメモリを搭載した電子制御ユニットと、デュアルバンクメモリを搭載した電子制御ユニットとでは、メモリの構造上、更新を失敗したときのリカバリー方法が異なる。
このため、シングルバンクメモリを搭載した電子制御ユニットとデュアルバンクメモリを搭載した電子制御ユニットとが更新対象となる電子制御ユニットとして混在するキャンペーンを車両に適用する場合には、電子制御ユニットが接続された車載ネットワークの通信状況に応じてソフトウェア更新(インストール及びアクティベート)を実行しないと、ソフトウェア更新後の電子制御ユニットを正常に起動させるまでに時間が掛かるおそれがある。
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものであり、シングルバンクメモリ及びデュアルバンクメモリに適応した電子制御ユニットのソフトウェア更新を実行することができるOTAマスタなどを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示技術の一態様は、車両に搭載された電子制御ユニットのソフトウェア更新を制御するOTAマスタであって、1つの格納領域を有する第1種別の不揮発性メモリを搭載した電子制御ユニットに向けた更新データである第1種別用更新データと、2つの格納領域を有する第2種別の不揮発性メモリを搭載した電子制御ユニットに向けた更新データである第2種別用更新データとを、センタから受信する通信部と、更新対象となる電子制御ユニットであるターゲット電子制御ユニットに対する、第1種別用更新データ及び第2種別用更新データの転送及び有効化を制御する制御部と、を備える、OTAマスタである。
本開示のOTAマスタによれば、車載ネットワークの通信状況に基づき、シングルバンクメモリ及びデュアルバンクメモリに適応した電子制御ユニットのソフトウェア更新(インストール及びアクティベート)を実行することができる。
実施形態に係るネットワークシステムの全体構成を示すブロック図 センタの概略構成を示すブロック図 センタの機能ブロック図 OTAマスタの概略構成を示すブロック図 OTAマスタの機能ブロック図 電子制御ユニットの概略構成の一例を示すブロック図 電子制御ユニットの概略構成の一例を示すブロック図 種別情報の一例を示す図 センタ及びOTAマスタが行う具体例1によるダウンロード処理手順のフローチャート OTAマスタ及びターゲット電子制御ユニットが行う具体例2によるインストール及びアクティベート処理手順のフローチャート OTAマスタ及びターゲット電子制御ユニットが行う具体例2によるインストール及びアクティベート処理手順のフローチャート OTAマスタ及びターゲット電子制御ユニットが行う具体例3によるインストール及びアクティベート処理手順のフローチャート
本開示のネットワークシステムでは、センタからダウンロードした更新対象の電子制御ユニットの更新データについて、シングルバンクメモリを搭載した電子制御ユニットに向けた更新データとデュアルバンクメモリを搭載した電子制御ユニットに向けた更新データとについて、インストール及びアクティベートの処理順序を制御する。この処理により、搭載するメモリ種別に適応した電子制御ユニットのソフトウェア更新を実行することができる。
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<実施形態>
[構成]
図1は、本開示の一実施形態に係るネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。図1に示すネットワークシステムは、車両に搭載された複数の電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアを更新するためのシステムであり、車両の外にあるセンタ10と、車両内に構築される車載ネットワーク20と、を備える。
(1)センタ
センタ10は、ネットワーク70を介して、車載ネットワーク20が備える後述するOTAマスタ30と通信可能である。センタ10は、OTAマスタ30との間で、電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの更新データの送信や、ソフトウェア更新処理の進捗状況を示す通知の受信などを行って、OTAマスタ30に接続された複数の電子制御ユニット40a~40dのソフトウェア更新を制御及び管理することができる。このセンタ10は、いわゆるサーバーとしての機能を有する。
図2は、図1におけるセンタ10の概略構成を示すブロック図である。図2で示すように、センタ10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶装置13と、通信装置14と、を備える。記憶装置13は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などの読み書き可能な記憶媒体を備えた装置であり、ソフトウェアの更新管理を実行するためのプログラム、ソフトウェアの更新制御及び更新管理に用いる情報、及び各電子制御ユニットのソフトウェアの更新データなどを記憶する。センタ10において、CPU11は、記憶装置13から読み出したプログラムを、RAM12を作業領域として用いて実行することにより、ソフトウェア更新に関する所定の処理を実行する。通信装置14は、ネットワーク70を介してOTAマスタ30と通信を行うための装置である。
図3は、図2に示したセンタ10の機能ブロック図である。図3で示すセンタ10は、記憶部16と、通信部17と、制御部18と、を備える。記憶部16は、図2に示した記憶装置13によって実現される。通信部17及び制御部18は、図2に示したCPU11がRAM12を用いて記憶装置13に記憶されるプログラムを実行することによって実現される。
記憶部16は、車両に搭載された1つ以上の電子制御ユニットのソフトウェア更新処理に関する情報を記憶する。ソフトウェア更新処理に関する情報として、記憶部16は、車両を識別する車両識別情報(車両ID)ごとに、電子制御ユニット40a~40dで利用可能なソフトウェアを示す情報を関連付けた更新管理情報と、電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの更新データとを、少なくとも記憶する。電子制御ユニット40a~40dで利用可能なソフトウェアを示す情報としては、例えば、複数の電子制御ユニット40a~40dの各ソフトウェアの最新のバージョン情報の組み合わせが定義される。また、ソフトウェア更新処理に関する情報として、記憶部16は、車両で実施されているソフトウェアの更新状態を示す更新ステータスを記憶することができる。さらに、記憶部16は、複数の電子制御ユニット40a~40dのそれぞれに搭載される不揮発性メモリの種別に関する情報(後述する)を記憶することができる。
通信部17は、OTAマスタ30との間で、データ、情報、及び要求などの送信及び受信を行う送信部及び受信部として機能する。通信部17は、OTAマスタ30からソフトウェアの更新確認要求を受信する(受信部)。更新確認要求は、例えば、車両において電源又はイグニッションがオンされた(以下「電源ON」という)時に、OTAマスタ30からセンタ10へと送信される情報であって、後述する車両構成情報に基づいて電子制御ユニット40a~40dの更新データがあるか否かの確認をセンタ10に要求するための情報である。また、通信部17は、OTAマスタ30から受信した更新確認要求に応答して、更新データの有無を示す情報をOTAマスタ30に送信する(送信部)。また、通信部17は、OTAマスタ30からの配信パッケージの送信要求(ダウンロード要求)を受信する(受信部)。また、通信部17は、配信パッケージのダウンロード要求を受信すると、電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの更新データを含む配信パッケージをOTAマスタ30に送信する。
制御部18は、通信部17がOTAマスタ30から更新確認要求を受信すると、記憶部16に記憶されている更新管理情報に基づいて、更新確認要求に含まれる車両IDで特定される車両に搭載された電子制御ユニット40a~40dについてソフトウェアの更新データがあるか否かを判定する。制御部18による更新データがあるか否かの判定結果は、通信部17によってOTAマスタ30に送信される。制御部18は、電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの更新データがあると判定した場合、OTAマスタ30から配信パッケージのダウンロード要求を受信すると、OTAマスタ30に送信する更新データを制御する。
(2)車載ネットワーク
車載ネットワーク20は、OTAマスタ30と、複数の電子制御ユニット40a~40dと、通信モジュール50と、を備える。OTAマスタ30と通信モジュール50とは、バス60aを介して接続されている。OTAマスタ30と電子制御ユニット40a及び40bとは、バス60bを介して接続されている。OTAマスタ30と電子制御ユニット40c及び40dとは、バス60cを介して接続されている。
OTAマスタ30は、バス60a及び通信モジュール50を介してネットワーク70経由でセンタ10と無線による通信が可能である。このOTAマスタ30は、OTA状態を管理し、ソフトウェア更新処理の流れである更新シーケンスを制御して更新対象となる電子制御ユニット(以下「ターゲット電子制御ユニット」という)のソフトウェア更新を実施する機能を有する装置である。OTAマスタ30は、センタ10から取得した更新データなどに基づいて、電子制御ユニット40a~40dのうちターゲット電子制御ユニットのソフトウェア更新を制御する。OTAマスタ30は、セントラルゲートウェイ(CGW)と称される場合もある。
図4は、図1におけるOTAマスタ30の概略構成を示すブロック図である。図4で示すように、OTAマスタ30は、CPU31と、RAM32と、ROM(Read-Only Memory)33と、記憶装置34と、通信装置36と、を備える。CPU31、RAM32、ROM33、及び記憶装置34は、マイクロコンピューター35を構成する。OTAマスタ30において、CPU31は、ROM33から読み出したプログラムを、RAM32を作業領域として用いて実行することにより、ソフトウェア更新に関する所定の処理を実行する。通信装置36は、図1に示したバス60a~60cを介して、通信モジュール50及び電子制御ユニット40a~40dのそれぞれと通信を行うための装置である。
図5は、図4に示したOTAマスタ30の機能ブロック図である。図5に示すOTAマスタ30は、記憶部37と、通信部38と、制御部39と、を備える。記憶部37は、図4に示した記憶装置34によって実現される。通信部38及び制御部39は、図4に示したCPU31がRAM32を用いてROM33に記憶されるプログラムを実行することによって実現される。
記憶部37は、複数の電子制御ユニット40a~40dのソフトウェア更新を実行するためのプログラム(OTAマスタ30の制御用プログラム)や、ソフトウェア更新を実行する際に用いる各種データの他、センタ10からダウンロードしたソフトウェアの更新データなどを記憶する。また、記憶部37は、複数の電子制御ユニット40a~40dのそれぞれに搭載される不揮発性メモリの種別に関する情報(後述する)を記憶することができる。
通信部38は、センタ10との間で、データ、情報、及び要求などの送信及び受信を行う送信部及び受信部として機能する。通信部38は、例えば、車両の電源ONを契機として、ソフトウェアの更新確認要求をセンタ10に送信する(送信部)。更新確認要求は、例えば、車両を識別するための車両IDと、車載ネットワーク20に接続される電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの現バージョンに関する情報とを含む。車両ID及び電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの現バージョンは、センタ10が車両IDごとに保持するソフトウェアの最新バージョンとの比較により、電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの更新データがあるか否かを判定するために用いられる。また、通信部38は、更新確認要求に対する応答としてセンタ10から更新データの有無を示す通知を受信する(受信部)。電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの更新データがある場合、通信部38は、ソフトウェアの更新データの配信パッケージのダウンロード要求をセンタ10に送信し(送信部)、センタ10から送信される配信パッケージを受信(ダウンロード)する(受信部)。また、通信部38は、電子制御ユニット40a~40dが送信するソフトウェアの更新状態を、センタ10に送信する(送信部)。
制御部39は、通信部38が受信した更新確認要求に対するセンタ10からの応答に基づいて、電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの更新データがあるか否かを判定する。また、制御部39は、自らの制御に基づいて通信部38がセンタ10から受信(ダウンロード)して記憶部37に格納した配信パッケージの真正性を検証する。また、制御部39は、センタ10から受信(ダウンロード)した更新データを用い、電子制御ユニット40a~40dのソフトウェア更新処理(各種の検証、インストール、アクティベートなど)を制御する。具体的には、制御部39は、配信パッケージによってダウンロードした1つ以上の更新データを、所定の順序でターゲット電子制御ユニットに転送し、ターゲット電子制御ユニットに更新データに基づく更新ソフトウェアをインストールさせる。インストールの完了後、制御部39は、ターゲット電子制御ユニットに対して、インストールした更新ソフトウェアを、所定の順序で有効化させるアクティベートを指示する。このソフトウェア更新処理の際、制御部39は、複数の電子制御ユニット40a~40dにおける各種の検証、インストール、アクティベートなどの手順を好適に制御する。
複数の電子制御ユニット40a~40dは、車両の各部の動作を制御するための装置(ECU:Electronic Control Unit)である。図1においては、車載ネットワーク20が4つの電子制御ユニット40a~40dを備えている例を示したが、電子制御ユニットの数は特に限定されない。例えば、電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの更新処理時に更新データがあることの表示、車両のユーザーや管理者にソフトウェア更新に対する承諾を求めるための承諾要求画面の表示、及びソフトウェア更新の結果の表示など、各種の表示を行うための表示装置(HMI)が、OTAマスタ30に接続されていてもよい。表示装置としては、カーナビゲーションシステムなどを用いることが可能である。また、電子制御ユニットをOTAマスタ30に接続するバスの数も特に限定されない。例えば、上述の表示装置が、バス60a~60c以外のバスでOTAマスタ30に接続されてもよい。
電子制御ユニット40a~40dの概略構成の一例を、図6A及び図6Bに示す。
図6Aに示す電子制御ユニット40aは、CPU41と、RAM42と、不揮発性メモリ43aと、通信装置44と、を備える。CPU41は、不揮発性メモリ43aから読み出したプログラムを、RAM42を作業領域として用いて実行することにより、電子制御ユニット40aの機能を実現する。不揮発性メモリ43aは、ソフトウェアなどのデータを格納するための1つの格納領域45を有するメモリ(以下「シングルバンクメモリ」という)である。以下、この1つの格納領域45を有する構成の不揮発性メモリ43aのメモリ種別を「第1種別」という。格納領域45には、電子制御ユニット40aの機能を実現するためのソフトウェアの他に、バージョン情報やパラメータデータ、起動用のブートプログラム、ソフトウェア更新用のプログラムなどが格納される場合がある。通信装置44は、OTAマスタ30や車載ネットワーク20に接続される他の電子制御ユニット40b~40dとの通信を行うための装置である。
図6Bに示す電子制御ユニット40bは、電子制御ユニット40aと同様に、CPU41と、RAM42と、不揮発性メモリ43bと、通信装置44と、を備える。ただし、電子制御ユニット40bに搭載される不揮発性メモリ43bは、ソフトウェアなどのデータを格納するための2つの格納領域46a及び46bを有するメモリ(以下「デュアルバンクメモリ」という)である。以下、この2つの格納領域46a及び46bを有する構成の不揮発性メモリ43bの種別を「第2種別」という。格納領域46a及び46bには、電子制御ユニット40bの機能を実現するためのソフトウェアの他に、バージョン情報やパラメータデータ、起動用のブートプログラム、ソフトウェア更新用のプログラムなどが格納される場合がある。電子制御ユニット40bのCPU41は、不揮発性メモリ43bが有する2つの格納領域46a及び46bのうち、いずれか一方を読み出し対象の格納領域(運用面)とし、この読み出し対象の格納領域に格納されるソフトウェアを実行する。読み出し対象ではない他方の格納領域(非運用面)には、読み出し対象の格納領域(運用面)のソフトウェア(プログラム)を実行中に、バックグラウンドで更新データに基づく更新ソフトウェア(更新版のプログラム)のインストール(書き込み)が可能である。ソフトウェア更新処理におけるアクティベート(更新ソフトウェアの有効化)時には、電子制御ユニット40bのCPU41によってプログラムの読み出し対象の格納領域を切り替えることによって、更新ソフトウェアをアクティベートすることができる。
具体例として、デュアルバンクメモリである不揮発性メモリ43bの格納領域46aに現行のソフトウェアが格納されており、格納領域46bに更新ソフトウェアがインストールされた場合を想定する。OTAマスタ30から更新ソフトウェアのアクティベートが指示されると、例えば電子制御ユニット40bは、CPU41の読み出し開始アドレスを、格納領域46aの先頭アドレスから格納領域46bの先頭アドレスに切り替えることによって、このCPU41の読み出し対象(運用面)の格納領域を切り替え、格納領域46bにインストールされた更新ソフトウェアを実行することができる。なお、本開示においては、1つの格納領域を擬似的に2面に区画し、一方の面に格納されたソフトウェア(プログラム)を実行中に他方の面へのソフトウェア(プログラム)の書き込みを可能にした「1面サスペンドメモリ」と呼ばれる構成も、第2種別の不揮発性メモリに分類されるものとする。
図7に、複数の電子制御ユニット40a~40dのそれぞれに搭載される不揮発性メモリの種別に関する情報である種別情報の一例を示す。図7に例示した種別情報では、電子制御ユニットを識別するための番号であるECU_IDと、その電子制御ユニットに搭載される不揮発性メモリの種別(第1種別(シングルバンク)/第2種別(デュアルバンク))とが、対応付けられている。この種別情報は、OTAマスタ30の記憶部37及びセンタ10の記憶部16の一方又は両方に記憶されて管理される。種別情報は、車載ネットワーク20を構成する電子制御ユニット40a~40dの仕様に基づいて予め作成され、車両の製造時などにOTAマスタ30の記憶部37に格納されてもよいし、ソフトウェアの更新処理時にターゲット電子制御ユニットから車載ネットワーク20内の通信によってOTAマスタ30が取得してもよい。また、種別情報がセンタ10で管理されている場合には、OTAマスタ30がネットワーク70を介してセンタ10から種別情報を取得してもよい。
通信モジュール50は、センタ10と車両との通信を制御する機能を持ったユニットであり、車載ネットワーク20をセンタ10に接続するための通信機器である。通信モジュール50は、ネットワーク70経由でセンタ10と無線で接続され、OTAマスタ30による車両の認証や更新データのダウンロードなどが行われる。この通信モジュール50は、OTAマスタ30に含まれて構成されてもよい。
[ソフトウェア更新処理の概要]
OTAマスタ30は、例えば、車両の電源ONを契機として、ソフトウェアの更新確認要求をセンタ10に送信する。更新確認要求は、車両を識別するための車両IDと、車載ネットワーク20に接続される電子制御ユニット40a~40dのハードウェア及びソフトウェアの現バージョンなどの電子制御ユニットの状態(システム構成)に関する情報である車両構成情報と、を含む。車両構成情報は、車載ネットワーク20に接続される電子制御ユニット40a~40dから電子制御ユニットの識別番号(ECU_ID)と、電子制御ユニットのソフトウェアバージョンの識別番号(ECU_Software_ID)とを、取得することで作成可能である。車両ID及び電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの現バージョンは、センタ10が車両IDごとに保持するソフトウェアの最新バージョンとの比較により、電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの更新データがあるか否かを判定するために用いられる。センタ10は、OTAマスタ30から受信した更新確認要求に対する応答として、更新データの有無を示す通知をOTAマスタ30に送信する。電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの更新データがある場合、OTAマスタ30は、配信パッケージのダウンロード要求をセンタ10に送信する。センタ10は、OTAマスタ30から受信したダウンロード要求に応じて、更新データの配信パッケージをOTAマスタ30に送信する。配信パッケージは、更新データの他に、更新データの真正性を検証するための検証用データや、更新データの数、種別情報、ソフトウェア更新時に用いる各種の制御情報などを含んでいてもよい。
OTAマスタ30は、センタ10から受信した更新確認要求に対する応答に基づいて、電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの更新データがあるか否かを判定する。また、OTAマスタ30は、センタ10から受信して記憶装置13に格納した配信パッケージの真正性を検証する。また、OTAマスタ30は、配信パッケージでダウンロードした1つ以上の更新データを所定の順序でターゲット電子制御ユニットに転送し、ターゲット電子制御ユニットに更新データをインストールさせる。インストールの完了後、OTAマスタ30は、ターゲット電子制御ユニットに対して、インストールさせた更新版のソフトウェアを有効とするアクティベートを所定の順序で行うように指示をする。
また、OTAマスタ30は、承諾要求処理において、ソフトウェア更新に対して承諾が必要である旨の通知やソフトウェア更新を承諾した旨の入力を促す通知を、出力装置に出力させる。出力装置としては、車載ネットワーク20に設けられた表示による通知を行う表示装置(図示せず)や音声による通知を行う音声出力装置(図示せず)などを利用できる。例えば、承諾要求処理において、表示装置を出力装置として用いる場合、OTAマスタ30は、ユーザー又は管理者にソフトウェア更新の承諾を求めるための承諾要求画面を表示装置に表示させたり、ユーザー又は管理者が承諾する場合には承諾ボタンを押下するなどの特定の入力操作を促す通知を表示装置に表示させたり、することができる。また、OTAマスタ30は、承諾要求処理において、電子制御ユニット40a~40dのソフトウェアの更新データがあることを通知する文言やアイコンなどを表示装置に表示させたり、ソフトウェア更新処理の実行中における制限事項などを表示装置に表示させたり、することができる。OTAマスタ30は、ユーザー又は管理者から承諾した旨の入力を受け付けると、上述したインストール及びアクティベートの制御処理を実行し、ターゲット電子制御ユニットのソフトウェアを更新する。
ここで、ターゲット電子制御ユニットのインストールとアクティベートとがひと続きに行われる場合には、インストールの実行前に、ソフトウェア更新に対する承諾要求処理が行われる。ターゲット電子制御ユニットのインストールとアクティベートとがひと続きに行われない場合には、少なくとも、インストールの実行後かつアクティベートの実行前に、ソフトウェア更新に対する承諾要求処理が行われる。
ソフトウェア更新処理は、OTAマスタ30がセンタ10から更新データをダウンロードするフェーズ(ダウンロードフェーズ)、ダウンロードした更新データをOTAマスタ30がターゲット電子制御ユニットに転送し、ターゲット電子制御ユニットの格納領域に更新データに基づく更新ソフトウェアをインストールするフェーズ(インストールフェーズ)、及びターゲット電子制御ユニットがインストールした更新ソフトウェアを有効化するフェーズ(アクティベートフェーズ)からなる。
ダウンロードは、OTAマスタ30が、センタ10から送信された電子制御ユニットのソフトウェアを更新するための更新データを、受信して記憶部37に記憶する処理である。ダウンロードにおいては、所定の配信パッケージを用いたデュアルバンクメモリを搭載した電子制御ユニットに向けた更新データ及びシングルバンクメモリを搭載した電子制御ユニットに向けた更新データのダウンロードが行われる。ダウンロードフェーズでは、ダウンロードの実行だけでなく、ダウンロードの実行可否判断、更新データの検証など、ダウンロードに関する一連の処理の制御を含む。
センタ10からOTAマスタ30に送信される更新データは、電子制御ユニットの更新ソフトウェア(全データ又は差分データ)、更新ソフトウェアを圧縮した圧縮データ、更新ソフトウェア又は圧縮データを分割した分割データのいずれを含んでいてもよい。また、更新データは、ターゲット電子制御ユニットのECU_ID(又はシリアル番号)と、更新前のターゲット電子制御ユニットのECU_Software_IDとを、含んでいてもよい。ダウンロードされる配信パッケージには、単一の電子制御ユニットのみの更新データ又は複数の電子制御ユニットの更新データが含まれ得る。
インストールは、OTAマスタ30が、センタ10からダウンロードした更新データに基づいて、複数のターゲット電子制御ユニットの不揮発性メモリ43a及び/又は43bに更新ソフトウェア(更新版のプログラム)を定められた順序で書き込む処理である。インストールは、更新データがデュアルバンクメモリを搭載した電子制御ユニット向けか、シングルバンクメモリを搭載した電子制御ユニット向けかに基づいて、制御される。インストールフェーズでは、インストールの実行だけでなく、インストールの実行可否判断、更新データの転送及び更新ソフトウェアの検証など、インストールに関する一連の処理の制御を含む。
更新データが更新ソフトウェアそのもの(全データ)を含む場合は、インストールフェーズにおいて、OTAマスタ30が更新データ(更新ソフトウェア)をターゲット電子制御ユニットに転送する。また、更新データが更新ソフトウェアの圧縮データ、又は差分データ、あるいは分割データを含む場合は、OTAマスタ30がターゲット電子制御ユニットに更新データを転送し、ターゲット電子制御ユニットが更新データから更新ソフトウェアを生成してもよいし、OTAマスタ30が更新データから更新ソフトウェアを生成してから、更新ソフトウェアをターゲット電子制御ユニットに転送してもよい。ここで、更新ソフトウェアの生成は、圧縮データの解凍や、差分データ又は分割データの組み付け(統合)により行うことができる。
更新ソフトウェアのインストールは、OTAマスタ30からのインストール要求に基づいて、ターゲット電子制御ユニットが行うことができる。なお、更新データを受信した特定のターゲット電子制御ユニットについては、OTAマスタ30からの明示の指示を受けることなく、自律的にインストールを行ってもよい。
アクティベートは、ターゲット電子制御ユニットが、不揮発性メモリ43a及び/又は43bにインストールした更新ソフトウェアを有効化(アクティベート)する処理である。アクティベートは、更新データがデュアルバンクメモリを搭載した電子制御ユニット向けか、シングルバンクメモリを搭載した電子制御ユニット向けかに基づいて、制御される。アクティベートフェーズでは、アクティベートの実行だけでなく、アクティベートの実行可否判断、アクティベートに対する車両のユーザー又は管理者への承諾要求、実行結果の検証など、アクティベートに関する一連の制御を含む。
更新ソフトウェアのアクティベートは、OTAマスタ30からのアクティベート要求に基づいて、ターゲット電子制御ユニットが行うことができる。なお、更新データを受信した特定のターゲット電子制御ユニットについては、OTAマスタ30からの明示の指示を受けることなく、インストールの完了後に自律的にアクティベートを行ってもよい。
なお、ソフトウェア更新処理は、複数のターゲット電子制御ユニットのそれぞれに対して、連続的あるいは並列的に行うことができる。
また、本明細書における「ソフトウェア更新処理」は、ダウンロード、インストール、及びアクティベートの全てを連続して行う処理だけでなく、ダウンロード、インストール、及びアクティベートのうちの一部のみを行う処理も含む。
[処理]
次に、図8、図9A、図9B、及び図10をさらに参照して、本実施形態に係るネットワークシステムにおいて実行されるソフトウェア更新処理に関する具体例をいくつか説明する。
(1)ダウンロードの具体例1
図8は、センタ10及びOTAマスタ30が行うダウンロードの具体例1による処理手順を説明するフローチャートである。図8に例示するダウンロードの具体例1は、センタ10が、OTAマスタ30から配信パッケージのダウンロード要求を受信することによって、開始される。
(ステップS801)
センタ10は、ソフトウェアの更新対象となるターゲット電子制御ユニットの更新データを含む配信パッケージを、OTAマスタ30に送信する。この配信パッケージには、第1種別の不揮発性メモリ(シングルバンクメモリ)を搭載した電子制御ユニットに向けた更新データと、第2種別の不揮発性メモリ(デュアルバンクメモリ)を搭載した電子制御ユニットに向けた更新データとが、混在していてもよい。配信パッケージが送信されると、ステップ802に処理が進む。
(ステップS802)
OTAマスタ30は、センタ10から送信される配信パッケージを受信する。配信パッケージが受信されると、ステップS803に処理が進む。
(ステップS803)
OTAマスタ30は、センタ10から受信した配信パッケージに含まれる更新データを記憶部37に記憶する。これにより、ダウンロード処理が終了する。
(2)インストール及びアクティベートの具体例2
図9A及び図9Bは、OTAマスタ30及びターゲット電子制御ユニット(以下「ターゲットECU」という)が行う具体例2によるインストール及びアクティベートの処理手順を説明するフローチャートである。図9Aの処理と図9Bの処理とは、結合子Xで結ばれる。図9A及び図9Bに例示するインストール及びアクティベートの具体例2は、更新データのダウンロードが完了した後、かつ、所定の条件(インストール実行可、更新データの検証OKなど)が満足されることによって開始される。
(ステップS901)
OTAマスタ30は、ターゲットECUに搭載される不揮発性メモリのメモリ種別(第1種別/第2種別)を取得する。このメモリ種別は、OTAマスタ30が管理している場合には記憶部37に記憶されている種別情報を参照することによって、又はセンタ10が管理している場合には配信パッケージに含めて送信されてきたメモリ種別の情報を参照することによって、取得することができる。ターゲットECUのメモリ種別が取得されると、ステップS902に処理が進む。
(ステップS902)
OTAマスタ30は、第2種別の不揮発性メモリ(デュアルバンクメモリ)を搭載した第2種別のターゲットECUへの更新データ(第2種別用更新データ)の転送を行って、ECUの格納領域に更新ソフトウェアを書き込む処理であるインストールを実行する(第1処理)。このインストールは、第2種別のターゲットECUの全てについて、連続的及び/又は並列的に実行される。全ての第2種別のターゲットECUに対するインストールが終了すると、ステップS903に処理が進む。
(ステップS903)
OTAマスタ30は、第1種別の不揮発性メモリ(シングルバンクメモリ)を搭載した第1種別のターゲットECUへの更新データ(第1種別用更新データ)の転送を行って、ECUの格納領域に更新ソフトウェアを書き込む処理であるインストールを実行する(第2処理)。このインストールは、第1種別のターゲットECUの全てについて、連続的及び/又は並列的に実行される。全ての第1種別のターゲットECUに対するインストールが終了すると、ステップS904に処理が進む。
(ステップS904)
OTAマスタ30及び第1種別のターゲットECUは、第1種別のターゲットECUの不揮発性メモリの格納領域に書き込まれた更新ソフトウェアを有効化するアクティベートを実行する(第2処理)。このアクティベートは、インストールが終了した第1種別のターゲットECUの全てについて、一斉に又は所定の順序で行われる。なお、所定の順序で行う場合には、全ての第1種別のターゲットECUのインストール終了を待つことなく、インストールが終了した第1種別のターゲットECUから順次アクティベートを実行してもよい。第1種別のターゲットECUにおける更新ソフトウェアのアクティベートが終了すると、ステップS905に処理が進む。
(ステップS905)
OTAマスタ30及び第2種別のターゲットECUは、第2種別のターゲットECUの不揮発性メモリの格納領域に書き込まれた更新ソフトウェアを有効化するアクティベートを実行する(第3処理)。このアクティベートは、インストールが終了した第2種別のターゲットECUの全てについて、一斉に又は所定の順序で行われる。第2種別のターゲットECUにおける更新ソフトウェアのアクティベートが終了すると、本インストール及びアクティベート処理が終了する。
上記インストール及びアクティベートの具体例2によれば、更新の失敗確率が比較的低い第2種別のターゲットECUのインストールを先行して実行し、第2種別のターゲットECUのアクティベートは、第1種別のターゲットECUのインストール及びアクティベートよりも後に実行する。これにより、第1種別のターゲットECUが正常に更新された後に、第2種別のターゲットECUをアクティベートして起動することができるので、ソフトウェア更新完了までの時間を短縮できる。上述したメモリ種別に基づいたターゲットECUのインストール及びアクティベートの順序は、OTAマスタ30の記憶部37に記憶されていてもよいし、OTAマスタ30がセンタ10から(例えば、配信パッケージに含めた送信によって)取得してもよい。
(3)インストール及びアクティベートの具体例3
図10は、OTAマスタ30及びターゲットECUが行う具体例3によるインストール及びアクティベートの処理手順を説明するフローチャートである。図10に例示するインストール及びアクティベートの具体例3は、更新データのダウンロードが完了した後、かつ、所定の条件(インストール実行可、更新データの検証OKなど)が満足されることによって開始される。
(ステップS1001)
OTAマスタ30は、ターゲットECUに搭載される不揮発性メモリのメモリ種別(第1種別/第2種別)を取得する。このメモリ種別は、OTAマスタ30が管理している場合には記憶部37に記憶されている種別情報を参照することによって、又はセンタ10が管理している場合には配信パッケージに含めて送信されてきたメモリ種別の情報を参照することによって、取得することができる。ターゲットECUのメモリ種別が取得されると、ステップS1002に処理が進む。
(ステップS1002)
OTAマスタ30は、第2種別のターゲットECUへの更新データ(第2種別用更新データ)の転送を行って、ECUの格納領域に更新ソフトウェアを書き込む処理であるインストールを実行する(第1処理)。このインストールは、第2種別のターゲットECUの全てについて、連続的及び/又は並列的に実行される。全ての第2種別のターゲットECUに対するインストールが終了すると、ステップS1003に処理が進む。
(ステップS1003)
OTAマスタ30及び第2種別のターゲットECUは、第2種別のターゲットECUの不揮発性メモリの格納領域に書き込まれた更新ソフトウェアを有効化するアクティベートを実行する(第1処理)。このアクティベートは、インストールが終了した第2種別のターゲットECUの全てについて、一斉に又は所定の順序で行われる。なお、所定の順序で行う場合には、全ての第2種別のターゲットECUのインストール終了を待つことなく、インストールが終了した第2種別のターゲットECUから順次アクティベートを実行してもよい。第2種別のターゲットECUにおける更新ソフトウェアのアクティベートが終了すると、ステップS1004に処理が進む。
(ステップS1004)
OTAマスタ30は、第1種別のターゲットECUへの更新データ(第1種別用更新データ)の転送を行って、ECUの格納領域に更新ソフトウェアを書き込む処理であるインストールを実行する(第2処理)。このインストールは、第1種別のターゲットECUの全てについて、連続的及び/又は並列的に実行される。全ての第1種別のターゲットECUに対するインストールが終了すると、ステップS1005に処理が進む。
(ステップS1005)
OTAマスタ30及び第1種別のターゲットECUは、第1種別のターゲットECUの不揮発性メモリの格納領域に書き込まれた更新ソフトウェアを有効化するアクティベートを実行する(第2処理)。このアクティベートは、インストールが終了した第1種別のターゲットECUの全てについて、一斉に又は所定の順序で行われる。なお、所定の順序で行う場合には、全ての第1種別のターゲットECUのインストール終了を待つことなく、インストールが終了した第1種別のターゲットECUから順次アクティベートを実行してもよい。第1種別のターゲットECUにおける更新ソフトウェアのアクティベートが終了すると、本インストール及びアクティベート処理が終了する。
上記インストール及びアクティベートの具体例3は、ソフトウェア更新完了までの時間短縮にとって、第2種別のターゲットECUのインストール及びアクティベートを、第1種別のターゲットECUのインストール及びアクティベートよりも先に実行しておく方がよい場合に、特に有用である。上述したメモリ種別に基づいたターゲットECUのインストール及びアクティベートの順序は、OTAマスタ30の記憶部37に記憶されていてもよいし、OTAマスタ30がセンタ10から(例えば、配信パッケージに含めた送信によって)取得してもよい。
なお、このインストール及びアクティベートの具体例3のケースでは、第2種別のターゲットECUが第1種別のターゲットECUよりも先に起動してしまう。このため、第1種別のターゲットECUと第2種別のターゲットECUとを同時に起動する(制御同期をとる)ことが望ましい場合には、第1処理の終了後に第2種別のターゲットECUの起動を一時的に待機させること(停止フラグを設定する)などの対応を行えばよい。
<作用・効果>
以上のように、本開示の一実施形態に係るネットワークシステムによれば、OTAマスタは、シングルバンクメモリ(第1種別の不揮発性メモリ)を搭載した電子制御ユニットに向けた更新データ及びデュアルバンクメモリ(第2種別の不揮発性メモリ)を搭載した電子制御ユニットに向けた更新データの、インストール及びアクティベートの方法を好適に制御する。
具体的には、本実施形態に係るOTAマスタは、更新の失敗確率が比較的低いデュアルバンクメモリを搭載したターゲット電子制御ユニットのインストールを先行して実行し、このデュアルバンクメモリを搭載したターゲット電子制御ユニットのアクティベートは、シングルバンクメモリを搭載したターゲット電子制御ユニットのインストール及びアクティベートよりも後に実行する。
この処理により、シングルバンクメモリを搭載したターゲット電子制御ユニットのインストール及びアクティベートが失敗した場合でも、シングルバンクメモリを搭載したターゲット電子制御ユニットが最終的な成功を確認した後には、インストール済みのデュアルバンクメモリを搭載したターゲット電子制御ユニットをアクティベートして起動するだけなので、ソフトウェア更新完了までの時間を短縮することができる。
あるいは、本実施形態に係るOTAマスタは、デュアルバンクメモリを搭載したターゲット電子制御ユニットのインストール及びアクティベートを実行した後で、シングルバンクメモリを搭載したターゲット電子制御ユニットのインストール及びアクティベートを実行する。
この処理により、ソフトウェア更新完了までの時間短縮のために、第2種別のターゲットECUのインストール及びアクティベートを、第1種別のターゲットECUのインストール及びアクティベートよりも先に実行しておく方がよい場合には、ソフトウェア更新完了までの時間を短縮できる可能性がある。
以上、本開示技術の一実施形態を説明したが、本開示は、OTAマスタだけでなく、プロセッサとメモリを備えたOTAマスタが実行する方法、プログラム、プログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な非一時的な記憶媒体、センタ及びOTAマスタを備えるシステム、あるいはOTAマスタを備えた車両など、として捉えることが可能である。
本開示技術は、電子制御ユニットのソフトウェアを更新するためのネットワークシステムに利用できる。
10 センタ
11、31、41 CPU
12、32、42 RAM
13、34 記憶装置
14、36、44 通信装置
16、37 記憶部
17、38 通信部
18、39 制御部
20 車載ネットワーク
30 OTAマスタ
33 ROM
35 マイクロコンピューター
40a~40d 電子制御ユニット(ECU)
43a、43b 不揮発性メモリ
45、46a、46b 格納領域
50 通信モジュール
60a~60c バス
70 ネットワーク

Claims (9)

  1. 車両に搭載された電子制御ユニットのソフトウェア更新を制御するOTAマスタであって、
    1つの格納領域を有する第1種別の不揮発性メモリを搭載した前記電子制御ユニットに向けた更新データである第1種別用更新データと、2つの格納領域を有する第2種別の不揮発性メモリを搭載した前記電子制御ユニットに向けた更新データである第2種別用更新データとを、センタから受信する通信部と、
    更新対象となる前記電子制御ユニットであるターゲット電子制御ユニットに対する、前記第1種別用更新データ及び前記第2種別用更新データの転送及び有効化を制御する制御部と、を備える、OTAマスタ。
  2. 前記制御部は、前記ターゲット電子制御ユニットに対して、前記第2種別用更新データの転送を行ってから、前記第1種別用更新データの転送及び有効化を行い、その後に前記第2種別用更新データの有効化を行う、請求項1に記載のOTAマスタ。
  3. 前記制御部は、前記ターゲット電子制御ユニットに対して、前記第2種別用更新データの転送及び有効化を行い、その後に前記第1種別用更新データの転送及び有効化を行う、請求項1に記載のOTAマスタ。
  4. 車両に搭載された電子制御ユニットのソフトウェア更新を制御するOTAマスタと、前記OTAマスタと通信可能なセンタと、を備えるシステムであって、
    前記センタは、1つの格納領域を有する第1種別の不揮発性メモリを搭載した前記電子制御ユニットに向けた更新データである第1種別用更新データと、2つの格納領域を有する第2種別の不揮発性メモリを搭載した前記電子制御ユニットに向けた更新データである第2種別用更新データとを、前記OTAマスタに送信する第1通信部を備え、
    前記OTAマスタは、
    前記センタが送信した前記更新データを受信する第2通信部と、
    更新対象となる前記電子制御ユニットであるターゲット電子制御ユニットに対する、前記第1種別用更新データ及び前記第2種別用更新データの転送及び有効化を制御する制御部と、を備える、システム。
  5. 前記OTAマスタの前記制御部は、前記ターゲット電子制御ユニットに対して、前記第2種別用更新データの転送を行ってから、前記第1種別用更新データの転送及び有効化を行い、その後に前記第2種別用更新データの有効化を行う、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記OTAマスタの前記制御部は、前記ターゲット電子制御ユニットに対して、前記第2種別用更新データの転送及び有効化を行い、その後に前記第1種別用更新データの転送及び有効化を行う、請求項4に記載のシステム。
  7. プロセッサと、メモリとを備え、車両に搭載された電子制御ユニットのソフトウェア更新を制御するOTAマスタが実行する方法であって、
    1つの格納領域を有する第1種別の不揮発性メモリを搭載した前記電子制御ユニットに向けた更新データと、2つの格納領域を有する第2種別の不揮発性メモリを搭載した前記電子制御ユニットに向けた更新データとを、センタから受信するステップと、
    更新対象となる前記電子制御ユニットに対する前記更新データの転送及び有効化を制御するステップと、を含む、方法。
  8. プロセッサと、メモリとを備え、車両に搭載された電子制御ユニットのソフトウェア更新を制御するOTAマスタのコンピューターが実行するプログラムであって、
    1つの格納領域を有する第1種別の不揮発性メモリを搭載した前記電子制御ユニットに向けた更新データと、2つの格納領域を有する第2種別の不揮発性メモリを搭載した前記電子制御ユニットに向けた更新データとを、センタから受信するステップと、
    更新対象となる前記電子制御ユニットに対する前記更新データの転送及び有効化を制御するステップと、を含む、プログラム。
  9. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のOTAマスタを搭載した、車両。
JP2021103411A 2021-06-22 2021-06-22 Otaマスタ、システム、方法、プログラム、及び車両 Pending JP2023002272A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021103411A JP2023002272A (ja) 2021-06-22 2021-06-22 Otaマスタ、システム、方法、プログラム、及び車両
CN202210528181.XA CN115509568A (zh) 2021-06-22 2022-05-16 Ota管理器、系统、方法、非暂时性存储介质以及车辆
US17/663,688 US20220405083A1 (en) 2021-06-22 2022-05-17 Ota master, system, method, non-transitory storage medium, and vehicle

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021103411A JP2023002272A (ja) 2021-06-22 2021-06-22 Otaマスタ、システム、方法、プログラム、及び車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023002272A true JP2023002272A (ja) 2023-01-10

Family

ID=84489129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021103411A Pending JP2023002272A (ja) 2021-06-22 2021-06-22 Otaマスタ、システム、方法、プログラム、及び車両

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20220405083A1 (ja)
JP (1) JP2023002272A (ja)
CN (1) CN115509568A (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9098375B2 (en) * 2013-12-23 2015-08-04 Verizon Patent And Licensing Inc. Automatic management of software patch installation
DE112020004017T5 (de) * 2019-08-28 2022-05-12 Denso Corporation Elektronisches fahrzeugsteuersystem, fahrzeugmastervorrichtung, umschreibanweisungsverfahren unter spezifischem modus und umschreibanweisungsprogramm unter spezifischem modus

Also Published As

Publication number Publication date
CN115509568A (zh) 2022-12-23
US20220405083A1 (en) 2022-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230359454A1 (en) Software update device, update control method, and non-transitory storage medium
JP2022187646A (ja) Otaマスタ、システム、方法、プログラム、及び車両
JP2022187189A (ja) Otaマスタ、センタ、システム、方法、プログラム、及び車両
US11995429B2 (en) Software update device, update control method, non-transitory storage medium, and server
JP7452452B2 (ja) Otaマスタ、ソフトウェアの更新制御方法及び更新制御プログラム、otaマスタを備える車両
JP2023002272A (ja) Otaマスタ、システム、方法、プログラム、及び車両
JP2022187162A (ja) Otaマスタ、システム、方法、プログラム、及び車両
JP2023001993A (ja) Otaマスタ、システム、方法、プログラム、及び車両
JP2023002193A (ja) センタ、otaマスタ、システム、方法、プログラム、及び車両
JP7363853B2 (ja) Otaマスタ、センタ、システム、更新方法、更新プログラム、及び車両
JP7355061B2 (ja) センタ、otaマスタ、システム、配信方法、配信プログラム、及び車両
JP2022126194A (ja) Otaマスタ、センタ、システム、方法、プログラム、及び車両
JP7380468B2 (ja) ソフトウェア更新装置、更新制御方法、更新制御プログラム、サーバ、otaマスタ及びセンタ
US20230032451A1 (en) Center, method, and non-transitory storage medium
JP2023002161A (ja) センタ、otaマスタ、方法、プログラム、及び車両
JP2023005670A (ja) センタ、otaマスタ、方法、プログラム、及び車両
JP2022160125A (ja) センタ、配信制御方法、及び配信制御プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221223

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221223

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240305

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240419