JP2022549903A - 近視管理のためのコンタクトレンズソリューション - Google Patents

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Abstract

本開示は、近視のような眼軸長に関連した障害を発現している眼に装用するためのコンタクトレンズに関する。本発明は、近視を管理するためのコンタクトレンズに関し、このコンタクトレンズは、眼への実質的にトーリックまたは乱視のキューを提供するために実質的にその光軸を中心として定義された光学ゾーンと、経時的な近視進行の速度を減速、改善、制御、阻害または減少するための時間的および空間的に変動する停止信号をさらに提供するために実質的に回転対称である厚さプロファイルで構成された光学ゾーンの周りの非光学周辺キャリアゾーンとを備えて構成される。【選択図】図3

Description

相互参照
本出願は、2019年9月25日に出願された「近視用コンタクトレンズ」と題する豪州特許仮出願第2019/903580号および2020年2月14日に出願された「コンタクトレンズ」と題する別の豪州特許仮出願第2020/900412号に対する優先権を主張し、これらはいずれも参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、近視のような、眼軸長に関連した障害を発現している眼に装用するためのコンタクトレンズに関する。本発明は、近視を管理するためのコンタクトレンズに関し、このコンタクトレンズは、眼への実質的にトーリックまたは乱視の指向性キューを提供するために実質的にその光学軸の周りに定義された光学ゾーンと、経時的な近視進行の速度を減速、改善、制御、阻害または減少するための時間的および空間的に変動する指向性キューまたは光停止信号をさらに提供するために実質的に回転対称の厚さプロファイルで構成された光学ゾーンの周りの非光学周辺キャリアゾーンとを備えて構成される。
人間の眼は出生時には眼球の長さが眼の全屈折力に対して短すぎる遠視である。人が小児期から成人期に成長するとともに、眼球も成長し続け、眼の屈折状態が安定する。眼の成長は、眼の光学系を眼軸長とマッチさせ、恒常性を維持するようにフィードバック機序によって制御され、主に視覚的経験によって調節されるものと理解される。このプロセスは、正視化と呼称される。
正視化プロセスを導く信号は、網膜で受け取られる光エネルギーの変調によって始まる。網膜像の特性は、眼成長を開始または停止し、加速し、または減速するための信号を変調する生物学的プロセスによって監視される。このプロセスは、正視を達成または維持するために光学系と眼軸長とを調整する。この正視化プロセスから逸脱すると、近視のような屈折障害が生じる。網膜活動の増加は眼成長を阻害し、その逆もまた同様であるとの仮説が立てられる。
近視の発生率は、世界の多くの地域、特に東アジア地域で憂慮すべき速度で増加している。近視の個体では、眼軸長が全体的な眼の力にマッチせず、遠くの物体の焦点が網膜の手前で合うことになる。
単純な負単焦点レンズ対が、近視を矯正しうる。このようなデバイスは、眼軸長に関連する屈折誤差を光学的に矯正しうるが、近視進行における過度の眼成長の根本原因に対処しない。
強度の近視における過度の眼軸長は、白内障、緑内障、近視性黄斑症、および網膜剥離のような視力を危うくする重大な状態と関連する。したがってそのような個体のために、根本的な屈折誤差を矯正するだけでなく、過度の眼伸長または近視進行を阻止し、それによって治療効果が経時的に実質的に一貫したままである、特定の光学デバイスの必要性がなお存在する。
定義
本明細書で使用される用語は、以下で別に定義されない限り、当業者によって一般的に使用されるものである。
「近視眼」という用語は、既に近視を発現している、前近視の段階にある、近視になるリスクがある、近視に向かって進行している屈折状態を有すると診断されている、のいずれかで1DC未満の乱視を有する眼を意味する。
「進行中の近視眼」という用語は、少なくとも-0.25D/年の屈折誤差の変化または少なくとも0.1mm/年の軸長の変化のいずれかによって判定して進行していると診断される定着した近視の眼を意味する。
「近視になるリスクのある眼」という用語は、その時点では正視でありうるかまたは低遠視であるが、遺伝的要因(例えば両親が近視である)および/または年齢(例えば低年齢で低遠視であること)および/または環境要因(例えば屋外で過ごす時間)および/または行動要因(例えば近業仕事をして過ごす時間)に基づいて近視になるリスクが増していると特定されている眼を意味する。
「光停止信号」または「停止信号」という用語は、眼の成長および/または眼の屈折状態を遅くすること、逆転すること、制止すること、遅らせること、阻害することまたは制御することを促進しうる光信号または指向性キューを意味する。
「空間的に変動する光停止信号」という用語は、眼の網膜にわたり空間的に変化する、網膜で提供される光信号または指向性キューを意味する。
「時間的に変動する光停止信号」という用語は、時間とともに変化する、網膜で提供される光信号または指向性キューを意味する。
「空間的および時間的に変動する光停止信号」という用語は、眼の網膜にわたり時間とともにおよび空間的に変化する、網膜で提供される光信号または指向性キューを意味する。
「コンタクトレンズ」という用語は、バイアル、ブリスターパックまたは類似のものに通常は包装される、眼の光学性能に影響を与えるために装用者の角膜上に装着されるための完成したコンタクトレンズを意味する。
「光学ゾーン」または「光ゾーン」という用語は、処方された光学効果を有するコンタクトレンズ上の領域を意味する。光学ゾーンは、光学中心または光学軸の周りに様々な屈折力分布の領域を有することがさらに区別されうる。光学ゾーンは、フロントおよびバック光ゾーンによってさらに区別されうる。フロントおよびバック光ゾーンは、処方された光学効果に寄与するコンタクトレンズの前および後表面エリアをそれぞれ意味する。コンタクトレンズの光学ゾーンは、円形もしくは楕円形または別の不規則な形状でありうる。球面屈折力のみのコンタクトレンズの光ゾーンは、一般に円形である。しかし、トーリシティの導入により、ある実施形態においては楕円形の光学ゾーンがもたらされうる。
「光学中心」または「光中心」という用語は、コンタクトレンズの光学ゾーンの幾何学的中心を意味する。幾何的(geometrical)および幾何学的(geometric)という用語は本質的に同じである。
「光学軸」という用語は、光学中心を通り、コンタクトレンズの縁を含む面に対して実質的に直角の線を意味する。
「ブレンドゾーン」という用語は、コンタクトレンズの光学ゾーンと周辺キャリアゾーンとの間を接続するかまたは間にあるゾーンである。「ブレンディングゾーン」という用語は、ある実施形態においては「ブレンドゾーン」と同義であり、コンタクトレンズのフロント表面もしくはバック表面または両方の表面上にありうる。ブレンドゾーンは、二つの異なる隣接する表面曲率間の、研磨され、平滑化された接合部でありうる。ブレンディングゾーンの厚さは、接合部厚さとも呼称されうる。
「スルーフォーカス」という用語は、網膜に対して実質的に前後にある領域を意味する。換言すれば、網膜のほぼ直前および/またはほぼ直後の領域である。
「キャリアゾーン」という用語は、ブレンドゾーンとコンタクトレンズの縁との間を接続するかまたは間にある非光学ゾーンである。「周辺ゾーン」または「周辺キャリアゾーン」という用語は、ある実施形態においては処方された光効果のない「キャリアゾーン」と同義である。
「球面光学ゾーン」という用語または語句は、光学ゾーンが実質的な量の一次球面収差がなく均一な屈折力分布を有することを意味しうる。
「非球面光学ゾーン」という用語または語句は、光学ゾーンが均一な光学屈折力分布を有しないことを意味しうる。非球面光学ゾーンは、ある実施形態においては乱視またはトーリシティのような低次収差にさらに分類されうる。「乱視光学ゾーン」または「トーリック光学ゾーン」という用語または語句は、光学ゾーンが球面円柱屈折力分布を有することを意味しうる。
「バラスト」という用語は、眼上に置かれたときのコンタクトレンズの回転向きに影響を与えるキャリアゾーン内の厚さプロファイルの回転非対称の分布を意味する。
「プリズムバラスト」という用語は、眼上のトーリックコンタクトレンズの回転および向きを安定化するのを助けるウェッジ設計を生み出すために使用される垂直プリズムを意味する。
「スラブオフ」という用語は、所望のコンタクトレンズ回転安定化を達成するための、一つ以上の個別のエリアにおけるコンタクトレンズの上下周辺部の縁に向かったコンタクトレンズの意図的な薄肉化を意味する。
「トランケーション」という用語は、コンタクトレンズの回転安定化に対する制御のためにほぼ直線で設計されたコンタクトレンズの下縁を指す。
「負」、「平」または「正」キャリアという用語は、レンズ直径からほぼ0.1mm離れて測定して接合部厚さよりも大きい縁厚さ、接合部厚さに等しい縁厚さ、および接合部厚さよりも小さい縁厚さを有するコンタクトレンズをそれぞれ意味する。
「モデル眼」という用語は、図式モデル眼、レイトレーシングモデル眼、または物理モデル眼を意味しうる。
本明細書で使用されるところの「ジオプター(Diopter)」、「ジオプトリー(Dioptre)」または「D」という用語は、光学軸に沿ったメートル単位のレンズまたは光学系の焦点距離の逆数として定義される屈折度数の単位である。通常、文字「D」は球面屈折度数を表し、文字「DC」は円柱屈折度数を表す。
「スタームの円錐体」または「スタームの間隔」という用語は、最小錯乱円を含むタンジェンシャル面およびサジタル面を含む楕円形ぼやけパターンで表される、実質的に光学中心もしくは光学軸を中心として構成された乱視、トーリシティまたは非対称の屈折力プロファイルに起因して網膜上または網膜の周りに結果として形成される実質的に軸上のスルーフォーカス像を意味する。
「屈折力プロファイル」という用語は、光学中心を基準とする所与のアジマス角でのラジアル距離の関数としての、または所与のラジアル距離で測定されるアジマス角の関数としての、光学ゾーンにわたる局在的光学屈折力の一次元屈折力分布を意味する。
「屈折力マップ」という用語は、デカルト座標または極座標における光学ゾーンにわたる二次元屈折力分布を意味する。「ラジアル」という用語は、アジマス角に沿って定義される、光学中心から光ゾーンの縁へ外に放射する方向を意味する。「アジマス」という用語は、定義された光学軸または光学中心の周りの、あるラジアル距離の、定義された外周に沿った方向を意味する。
「後頂点屈折力」という用語は、光学ゾーン全体または指定された領域にわたる後頂点焦点距離の逆数を意味し、ジオプトリー(D)で表される。「光ゾーンの経線」という用語は、光中心の周りの任意のアジマス角における任意の経線を意味する。
「SPH」または「球面」屈折力という用語は、光ゾーンの全ての経線の間で実質的に均一な屈折力を意味する。「CYL」、「円柱」屈折力という用語は、光学ゾーン内の二つの主経線の間の後頂点屈折力の差を意味する。
「非対称の光ゾーン」という用語は、任意に選択された経線に沿った鏡面対称性を維持しながらの光中心の周りのアジマス方向に沿った局在的屈折力の変動を意味する。
「経線矯正」または「眼の経線矯正」という用語は、眼の網膜上の少なくとも一つの経線における眼への部分的矯正を意味する。「経線乱視」または「眼への経線乱視」という用語は、眼の少なくとも一つの経線における導入または誘発された乱視を意味する。
「特定の適合性」という用語は、非光学周辺キャリアゾーンが、経時的なコンタクトレンズの実質的に自由な回転を促進するために光学中心の周りで実質的に回転対称である厚さプロファイルで構成されることを意味する。本発明で言及される特定の適合性は、非光学周辺キャリアゾーンが、バラスト、もしくはプリズム、またはトランケーションを実質的に含まない厚さプロファイルで構成されることを意味する。
「中心窩下領域」という用語は、眼の網膜の中心窩のすぐ隣の領域を意味する。「傍中心窩領域」という用語は、眼の網膜の中心窩領域のすぐ隣の領域を意味する。
「黄斑下領域」という用語は、眼の網膜の黄斑領域内の領域を意味する。「傍黄斑領域」という用語は、眼の網膜の黄斑領域のすぐ隣の領域を意味する。
ある開示された実施形態は、人間の眼に入る入射光の波面特性を変えるためのコンタクトレンズを含む。ある開示された実施形態は、屈折誤差を矯正、管理、および治療するためのコンタクトレンズの構成を対象とする。
提案された本発明の実施形態の一つは、近視屈折誤差を矯正し、同時にさらなる成長または近視の進行を妨げる光停止信号を提供することの両方を目的とする。提案された光学デバイスは、中心および周辺網膜領域に与えられる実質的に連続的に変化する乱視ぼやけ(すなわち光停止信号)を提供する。
本開示は、中心および周辺網膜上に時間的および空間的に変動する乱視ぼやけ停止信号を提示するために安定化キャリアゾーンを備えずに意図的に設計された乱視またはトーリックコンタクトレンズを含む。
もう一つの提案された実施形態は、近視屈折誤差を矯正するために使用され、さらなる眼成長を阻害するかまたは眼成長の速度を減速させる光停止信号も提供する非対称コンタクトレンズである。提案された実施形態の別の特徴は、提案されたコンタクトレンズの回転非対称光学ゾーンと対称キャリアゾーンとの間のブレンディングを含みうる。このブレンディングゾーンは、円形または楕円形でありうる。
実質的に光学中心または光学軸を中心とするトーリック矯正を備えて構成されるある実施形態は、時間的および空間的に変動する停止信号を提供することによって従来技術の限界を克服しうる。これにより、近視進行に対する治療効果の飽和の最小化が可能になる。別の実施形態では、本発明は、近視進行を遅くする、止める、または予防するうちの少なくとも一つのためのコンタクトレンズを対象とする。
本開示の別の実施形態は、フロント表面と、バック表面と、光学中心と、光学中心の周りの光ゾーンと、実質的に光学中心の周りに定義されたトーリックまたは乱視屈折力プロファイルとを含むコンタクトレンズであって、トーリックまたは乱視プロファイルは、少なくとも部分的に適切な中心窩矯正、および少なくとも部分的に近視進行の速度を減少させるための光停止信号を提供するように構成され、前記コンタクトレンズは、時間的および空間的に可変の光停止信号を提供するために回転対称の周辺キャリアゾーンをさらに備えて構成され、それにより、眼成長の進行を減少させる治療有効性が経時的に実質的に一貫したままである、コンタクトレンズである。
実施形態の一つによれば、本開示は、近視眼用のコンタクトレンズを対象とする。このコンタクトレンズは、フロント表面と、バック表面と、光学軸と、光学軸の周りの光ゾーンと、光学軸の周りの非対称の屈折力プロファイルとを含み、非対称のプロファイルは、少なくとも部分的に適切な経線矯正、および少なくとも部分的に近視進行の速度を減少させるための光停止信号を提供するように構成され、前記コンタクトレンズは、時間的および空間的に可変の光停止信号を提供するために回転対称の周辺キャリアゾーンをさらに備えて構成され、それにより、眼成長の進行を減少させる治療有効性が経時的に実質的に一貫したままである。
本開示において提示される実施形態は、装用者が日課の一部として行いうる一連の活動のために装用者に合理的かつ適切な視力性能を提供しながら近視の進行を阻害しうる、強化された光学設計およびコンタクトレンズに対する現在続いている必要性を対象とする。本発明の実施形態の開示の様々な態様は、装用者のそのような必要性に対処する。
コンタクトレンズの実施形態の正面図および断面図を示す。正面図は、ある実施形態により、光中心と、光ゾーンと、ブレンドゾーンとキャリアゾーンとをさらに示す。 別のコンタクトレンズの実施形態の正面図および断面図を示す。この実施形態の光ゾーンにおける球面円柱矯正により、楕円形の光学ゾーンがもたらされうる。正面図は、ある実施形態により、実施形態のキャリアゾーンのラジアル断面が実質的に類似の厚さを有することをさらに示す。 本明細書に開示されるさらに別のコンタクトレンズの実施形態の正面図を示す。正面図は、キャリアゾーン設計の構成に起因する実質的に光学中心の周りのコンタクトレンズの自由な回転の可能性をさらに示す。ある実施形態によれば、コンタクトレンズの実質的に自由な回転は、実質的に類似のラジアル厚さプロファイルで設計されたそのキャリアゾーンによって促進される。 可視波長(例えば589nm)のバージェンスが0Dの入射光が矯正されていない-3D近視モデル眼に入射したときの網膜面での軸上幾何学的スポット分析の概略図を示す。 可視波長(例えば589nm)のバージェンスが0Dの入射光が従来技術の単焦点コンタクトレンズで矯正された-3D近視モデル眼に入射したときの網膜面での軸上幾何学的スポット分析の概略図を示す。 可視波長(589nm)のバージェンスが0Dの入射光が本明細書に開示されるコンタクトレンズの実施形態の一つで矯正された-3D近視モデル眼に入射したときの網膜面での軸上スルーフォーカス幾何学的スポット分析の概略図を示す。 本明細書に開示されるトーリックまたは球面円柱処方のコンタクトレンズの実施形態の一つの光学ゾーンだけの拡大セクションの概略図を示す。本実施形態の光学ゾーン内の屈折力プロファイル分布は、本明細書に開示されるラジアルおよびアジマス屈折力分布関数を用いて構成される。 本開示の例示的実施形態の光ゾーン内の屈折力マップ分布を示す。 本開示の例示的実施形態のコンタクトレンズ全体のラジアル厚さ分布を示す。 可視波長(例えば589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図8および9で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときの網膜面での軸上点広がり関数として描かれた、コンタクトレンズの回転に起因して時間的および空間的に変動する信号を示す。 可視波長(例えば589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図8および9で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときのワイドビュースルーフォーカス幾何学的スポット分析として描かれた、コンタクトレンズの回転に起因して時間的および空間的に変動する信号を示す。 可視波長(例えば589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図8および9で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときに計算された、図10の時間的および空間的に変動する点広がり関数の主経線および直角経線についての光学伝達関数の軸上スルーフォーカス絶対値としての、コンタクトレンズの回転に起因して描かれた網膜信号を示す。 本開示の別の例示的実施形態の光ゾーン内の屈折力マップ分布を示す。 従来技術のコンタクトレンズ全体のラジアル厚さ分布を示す。 図13に示される本開示の例示的実施形態のコンタクトレンズ全体のラジアル厚さ分布を示す。 可視波長(589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図13および15で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときの網膜面での軸上点広がり関数として描かれた、コンタクトレンズの回転に起因して時間的および空間的に変動する信号を示す。 可視波長(589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図13および15で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときのワイドビュースルーフォーカス幾何学的スポット分析として描かれた、コンタクトレンズの回転に起因して時間的および空間的に変動する信号を示す。 可視波長(例えば589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図13および15で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときに計算された、図16の時間的および空間的に変動する点広がり関数の主経線および直角経線についての光学伝達関数の軸上スルーフォーカス絶対値としての、コンタクトレンズの回転に起因して描かれた網膜信号を示す。 本開示の別の例示的実施形態の光ゾーン内の屈折力マップ分布を示す。 本開示の別の例示的実施形態のコンタクトレンズ全体のラジアル厚さ分布を示す。 可視波長(589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図19および20で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときの網膜面での軸上点広がり関数としての、コンタクトレンズの回転に起因して描かれた時間的および空間的に変動する信号を示す。 可視波長(589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図19および20で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときのワイドビュースルーフォーカス幾何学的スポット分析としての、コンタクトレンズの回転に起因して描かれた時間的および空間的に変動する信号を示す。 可視波長(例えば589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図19および20で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときに計算された、図21の時間的および空間的に変動する点広がり関数の主経線および直角経線についての光学伝達関数の軸上スルーフォーカス絶対値としての、コンタクトレンズの回転に起因して描かれた網膜信号を示す。 本開示の別の例示的実施形態の光ゾーン内の屈折力マップ分布を示す。 本開示の別の例示的実施形態のコンタクトレンズ全体のラジアル厚さ分布を示す。 可視波長(589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図24および25で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときの網膜面での軸上点広がり関数としての、コンタクトレンズの回転に起因して描かれた時間的および空間的に変動する信号を示す。 可視波長(589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図24および25で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときのワイドビュースルーフォーカス幾何学的スポット分析としての、コンタクトレンズの回転に起因して描かれた時間的および空間的に変動する信号を示す。 可視波長(例えば589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図24および25で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときに計算された、図26の時間的および空間的に変動する点広がり関数の主経線および直角経線についての光学伝達関数の軸上スルーフォーカス絶対値としての、コンタクトレンズの回転に起因して描かれた網膜信号を示す。 可視波長(589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図13および15で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときの網膜面での軸上点広がり関数としての、コンタクトレンズの偏心に起因して描かれた時間的および空間的に変動する信号を示す。 可視波長(589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図13および15で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときのワイドビュースルーフォーカス幾何学的スポット分析としての、コンタクトレンズの偏心に起因して描かれた時間的および空間的に変動する信号を示す。 可視波長(例えば589nm)のバージェンスが0Dの入射光が図13および15で説明されるコンタクトレンズの実施形態で矯正された-3D近視モデル眼に入射したときに計算された、図29の時間的および空間的に変動する点広がり関数の主経線および直角経線についての光学伝達関数の軸上スルーフォーカス絶対値としての、コンタクトレンズの偏心に起因して描かれた網膜信号を示す。 図19で説明されるコンタクトレンズの実施形態の変形例であるプロトタイプコンタクトレンズ(レンズ#1)の測定された厚さプロファイルを示す。 図19で説明されるコンタクトレンズの実施形態の変形例であるプロトタイプコンタクトレンズ(レンズ#2)の測定された厚さプロファイルを示す。 図19で説明されるコンタクトレンズの実施形態の変形例であるプロトタイプコンタクトレンズ(レンズ#1)の光ゾーンの測定された相対経線屈折力を示す。 図19で説明されるコンタクトレンズの実施形態の変形例であるプロトタイプコンタクトレンズ(レンズ#2)の光ゾーンの測定された相対経線屈折力を示す。 市販のトーリックコンタクトレンズ(対照#1)の二つの主経線(垂直および水平)の測定された厚さプロファイルを示す。 市販のトーリックコンタクトレンズ(対照#2)の二つの主経線(垂直および水平)の測定された厚さプロファイルを示す。 経時的なコンタクトレンズの回転の測定に使用されるデバイスの写真を示す。 本明細書に開示されるコンタクトレンズの実施形態の正面図を示す。正面図は、二つのプロトタイプコンタクトレンズ(レンズ#1およびレンズ#2)の経時的な光学軸の周りのアジマス位置、回転量または旋回数を測定するために使用された方法すなわちコンタクトレンズ上の二つのマーキングをさらに示す。 一つのプロトタイプコンタクトレンズ(レンズ#1)の経時的なすなわちおよそ30分のレンズ装用で測定されたアジマスポジションを示す。 一つの市販のトーリックコンタクトレンズ(対照#1)の経時的なすなわちおよそ30分のレンズ装用で測定されたアジマスポジションを示す。
本セクションでは、一部は添付の図面によって示され、裏付けられる一つ以上の実施形態を参照して本開示が詳細に説明される。実施例および実施形態は、説明のために提供され、本開示の範囲を限定するものと解釈されてならない。
以下の説明は、本開示の共通の特性および特徴を共有しうるいくつかの実施形態に関して提供される。一つの実施形態の一つ以上の特徴は、追加の実施形態を構成しうる任意の他の実施形態の一つ以上の特徴と組み合わされてもよいことが理解されねばならない。
本明細書に開示される機能的および構造的情報は、いかなる点でも限定として読み取られてはならず、開示された実施形態およびそれらの実施形態のバリエーションを様々なやり方で採用することを当業者に教示するための単なる代表的基礎として解釈されねばならない。
発明を実施するための形態のセクションで使用される副題および関連する見出し語は、読者の参照を容易にするために含められているにすぎず、決して本発明または本開示の特許請求の範囲全体を通して見出される主題を限定するために使用されてはならない。副題および関連する見出し語は、特許請求の範囲または特許請求の範囲の制限を解釈するのに使用されてはならない。
近視または進行性近視を発症するリスクは、遺伝、民族、ライフスタイル、環境、過度の近業作業等の要因の一つ以上に基づきうる。本開示のある実施形態は、近視または進行性近視を発症するリスクのある人を対象とする。
今日まで、眼成長の速度、すなわち近視の進行を制御するために多数のコンタクトレンズの光学設計が提案されている。近視進行速度を遅らせるための特性を備えた一部のコンタクトレンズの設計オプションは、通常はコンタクトレンズの光学軸の周りに回転対称に分布する、レンズの処方屈折力に関連してある程度の相対的に正の屈折力を用いた設計を含む。
同時像に基づく従来の光学設計のいくつかの問題は、それらがかなりの視覚的障害を導入することによって他の様々な距離での視覚の質を損なうことである。この副作用は主に、かなりのレベルの同時焦点ぼけ、かなりの量の球面収差の使用、または光ゾーン内の急激な屈折力の変化によるものである。
このようなレンズの有効性に対するコンタクトレンズ装用のコンプライアンスの影響を考えると、視覚性能のかなりの低減はコンプライアンス不良を促進しうる結果、有効性が低下しうる。
正視化の単純な線形モデルは、停止信号の大きさが経時的に蓄積することを示唆する。換言すれば、蓄積される停止信号は、曝露の時間分布ではなく全体の大きさに依存する。しかし、本発明者らは、様々な光学設計の臨床試験の報告から、進行速度に対して達成される有効性または遅くする効果が最初の6~12ヶ月に相対的に不均衡に大きな割合で起こることを観察している。
治療の初期バーストの後、有効性は経時的に弱まることが観察される。したがって、臨床観察に照らせば、臨床結果と一致する正視化のより忠実なモデルは、停止信号が強まるまでに遅れがあり、その後時間とともに飽和が起こり、そしておそらく停止信号の効果の低下が起こることを示唆する。
装用者に所与の期間中に異なる光学設計のコンタクトレンズを切り替える負担をかけることを必要とせずに、眼成長の速度、例えば近視の進行を遅らせるための時間的および空間的に変動する停止信号を提供することによって治療効果のこのような飽和を最小化するコンタクトレンズが当技術分野で必要とされる。
したがって、視覚性能を著しく損なわずに近視進行を減少することおよび/または遅くすることにおいて経時的に実質的により大きな、および/または実質的に一貫した有効性を達成する機構を備えた光学設計が必要とされる。一つ以上の例において、経時的に実質的に一貫した有効性は、少なくとも6、12、18、24、36、48または60ヶ月続くと考えられうる。
本開示の実施形態は、近視進行を阻害するかまたはその速度を減速するための意図的に構成された乱視ぼやけの視覚系に対する効果を利用する光学的介入に関する。特に、いくつかの実施形態は、非光学周辺キャリアゾーンに一切のまたは実質的な安定化を伴わずに意図的に設計され、速度を減速するかまたは進行性近視屈折誤差を止めるための光学特性を有するトーリックコンタクトレンズに関する。
光学特性は、少なくとも部分的に、近視眼または近視に向かって進行している可能性のある眼に対する時間的および空間的に変動する停止信号として働く、回転対称の周辺キャリアゾーンと組み合わせた装用者の眼の網膜レベルでの乱視ぼやけの導入を含みうる。
本開示は、近視進行の速度を減速させるために乱視キューを利用するコンタクトレンズを通る入射光を変更するデバイス、方法および/またはシステムも対象とする。
いくつかの実施形態では、コンタクトレンズデバイスまたは方法は、乱視ぼやけ信号に基づいて装用者の眼成長の速度を遅らせるかまたは眼成長もしくは屈折誤差の状態を停止するための停止信号を提供する。いくつかの実施形態では、回転対称の周辺キャリアゾーンを備えて構成された前記コンタクトレンズデバイスは、進行性近視を管理する効果を高めるための時間的および空間的に変動する停止信号を提供する。
いくつかの実施形態では、コンタクトレンズデバイスまたは方法は、装用者にとっての視覚性能低下の可能性の問題を抱える正の球面収差または同時焦点ぼけのいずれかにのみに基づかない。
以下の例示的実施形態は、矯正された眼の網膜面で同時乱視キューを提示するコンタクトレンズを通る入射光を変更する方法を対象とする。これは、少なくとも部分的に近視の経線矯正を提供するためにコンタクトレンズのトーリック光学ゾーンを使用することによって達成されうる。
コンタクトレンズのトーリック光学ゾーンの使用は、網膜レベルで乱視指向性キューを導入することによって近視進行の速度を減少させるように設計された性質で構成されうる。ある実施形態では、トーリックコンタクトレンズで得られる乱視指向性キューの使用は、空間的および時間的に可変であるように構成されうる。
本開示の他のある実施形態は、近視進行を阻害するかまたはその速度を減速するための指向性キューを視覚系に提供するためにコンタクトレンズの意図的に構成された非対称ゾーンの効果を利用する光学的介入に関する。特に、いくつかの実施形態は、非光学周辺キャリアゾーンに一切のまたは実質的な安定化を伴わずに意図的に設計され、速度を減速するかまたは進行性近視屈折誤差を止めるための光学特性を有する前記コンタクトレンズに関する。
図1は、本発明の実施形態が適用されうる例示的なコンタクトレンズの実施形態(100)の全体構造を示し、レンズを縮尺通りではない正面図(100a)および断面(100b)図で示す。例示的なコンタクトレンズの実施形態(100)の正面図は、光中心(101)と、光ゾーン(102)と、ブレンドゾーン(103)と、対称である非光学周辺キャリアゾーン(104)とレンズ直径(105)とを含む基材をさらに示す。この代表例では、レンズの直径はおよそ14mmであり、光ゾーンの直径はおよそ8mmであり、ブレンドゾーンの幅はおよそ0.25mmであり、キャリアゾーンの幅はおよそ2.75mmである。
図2は、別の例示的なコンタクトレンズの実施形態の縮尺通りではない正面図(200a)および断面図(200b)を示す。この例示的なコンタクトレンズの実施形態の正面図は、光中心(201)と、光ゾーン(202)と、ブレンドゾーン(203)と、非光学周辺キャリアゾーン(204)とを含む基材をさらに示す。この代表例では、レンズの直径はおよそ14mmであり、光ゾーン(202)は球面円柱または乱視またはトーリックまたは非対称であり、光ゾーンは楕円形であり、水平方向の径がおよそ8mm、垂直方向の径がおよそ7.5mmであり、ブレンドゾーンは水平経線で幅およそ0.25mm、垂直経線で幅およそ0.38mmであり、対称周辺キャリアゾーンは幅およそ2.75mmである。対称周辺キャリアゾーン(204)のラジアル断面(204a~204h)は、同じまたは実質的に類似の厚さプロファイルを有する。
ある実施形態では、異なるラジアル断面(204a~204h)に沿った厚さプロファイルの差は、レンズの光学中心の周りの所望の眼上回転を達成するように構成されうる。好ましい眼上回転は、周辺厚さプロファイルを全ての半経線にわたって回転対称に保つことによって達成されうる。
例えば、ラジアル厚さプロファイル(例えば204a~204h)は、他の任意のラジアル断面の厚さプロファイルがレンズの中心から任意の所与の距離で実質的に同一であるかまたは4%、6%、8%、または10%変動以内であるように構成されうる。
一例では、ラジアル厚さプロファイル204aは、レンズの中心から任意の所与の距離で204eのラジアル厚さプロファイルの5%、8%または10%変動以内である。別の例では、ラジアル厚さプロファイル204cは、レンズの中心から任意の所与の距離で204gのラジアル厚さプロファイルの4%、6%または8%変動以内である。
さらに別の例では、ラジアル厚さプロファイル(例えば204a~204h)は、任意の断面の厚さプロファイルが、レンズの中心から任意の所与の距離で全てのラジアル断面の平均から4%、6%、8%、または10%変動以内であるように構成されうる。非光学周辺キャリアゾーンの製造されたラジアル厚さプロファイル、例えば204a~204hがそれらの公称プロファイルに一致するかを確かめるために、定義されたラジアル距離でのコンタクトレンズのアジマス方向に沿った厚さの断面測定が所望されうる。いくつかの他の例では、非光学周辺キャリアゾーンの一つのラジアル断面で測定されるピーク厚さが別のラジアル断面で測定されるピーク厚さと比較されうる。
いくつかの実施形態では、一つ以上のラジアル断面の間のピーク厚さの差は、20μm、30μm、40μm、50μm、または60μm以下でありうる。いくつかの実施形態では、一つ以上の直角ラジアル断面の間のピーク厚さの差は、20μm、30μm、40μm、50μm、または60μm以下でありうる。
この代表例では、コンタクトレンズの実施形態(200)の球面円柱または乱視またはトーリック光ゾーン(202)の球面屈折力は、-3D近視眼を矯正するための-3Dの球面屈折力および眼の網膜で経線乱視を誘発または導入するための+1.25DCの円柱屈折力を有する。本開示のいくつかの他の例では、近視眼を矯正および管理するためのコンタクトレンズの球面屈折力は、-0.5D~-12Dの間であり得、近視眼の網膜で所望の経線乱視を誘発または導入するための望ましい乱視またはトーリックまたは円柱屈折力は、+0.75DC~+2.5DCの間の範囲でありうる。
図3は、図2に示される例示的なコンタクトレンズ(300)の実施形態の正面図を示す。この図は、コンタクトレンズの実施形態(300)、特に光中心(301)の周りに定義された光学ゾーン(302)の向きに対する下(303)および上(304)眼瞼の影響を図式的に示す。
下(303)および上(304)眼瞼の複合動作によって促進される自然な瞬きに起因して、コンタクトレンズ(300)は、光学中心(301)の上または周りで回転しうる。これにより、実質的に光学中心または光学軸を中心として定義された光学ゾーン(302)によって与えられる乱視またはトーリックまたは非対称の刺激の向きおよび位置が、実質的に自由な回転および/または偏心を提供する瞬きとともに変動し、その結果、近視の装用者の進行速度を減少させるための時間的および空間的に変動する刺激がもたらされることができ、近視を管理する効果は経時的に実質的に一貫したままである。
いくつかの実施形態では、例えば、図2および3を参照して説明されるように、コンタクトレンズは、少なくとも自然な瞬きをする動作の影響下で、実質的に自由な回転が見られるように設計される。例えば、一日のレンズ装用を通して、好ましくは6~12時間にわたって、眼瞼の相互作用により、コンタクトレンズは眼上で多数の異なる向きまたは構成で向けられるように配置されるであろう。実質的に前記コンタクトレンズの光学中心の周りに構成された乱視またはトーリックまたは非対称の光学系に起因して、眼成長の速度を制御するための指向性キューが空間的および時間的に変動するように構成されうる。
いくつかの実施形態では、コンタクトレンズの所望の眼上回転が達成されうるように、コンタクトレンズの実施形態の表面パラメータ、例えばバック表面半径および/または非球面性は、個々の眼に合わせられる。例えば、前記コンタクトレンズは、レンズ装用中の眼上回転の発生を増加させるために、眼の角膜の最も平坦な経線の曲率半径よりも少なくとも0.3mm平坦であるように構成されうる。
他の実施形態では、コンタクトレンズは、レンズ装着から1時間以内に20度未満、および一日一回180度未満の回転を有するように設計されうる。このコンタクトレンズは、挿入時のコンタクトレンズの向きに左右されるレンズの単にランダムな向きによって時間的および空間的に変動する停止信号を生成することがなお可能でありうることが理解されよう。
図4は、矯正されていない-3D近視モデル眼(400)を示す。バージェンスが0Dの可視波長(例えば589nm)の入射光(401)が矯正されていない近視眼に入射したときに、網膜上の結果として生じる像は、焦点ぼけによって引き起こされる対称のぼやけ(402)を有する。この概略図は、網膜面での軸上幾何学的スポット分析を表す。
図5は、図4の-3D近視モデル眼(500)が従来技術の単焦点球面コンタクトレンズ(501)で矯正されたときの網膜面での軸上幾何学的スポット分析の概略図を示す。この例では、バージェンスが0Dの可視波長(例えば589nm)の入射光(502)が矯正された近視眼に入射したときに、網膜上の結果として生じる像は対称の鮮明な焦点(503)を有する。
図6は、図4の-3D近視モデル眼(600)が本明細書に開示される例示的実施形態のコンタクトレンズ(602)で矯正されたときの網膜面での軸上スルーフォーカス幾何学的スポット分析の概略図を示す。この例では、バージェンスが0Dの可視波長(例えば589nm)の入射光(601)が矯正された近視眼(600)に入射したときに、網膜上の結果として生じるスルーフォーカス像は、最小錯乱円(605)ならびにタンジェンシャル面およびサジタル面(604および606)での楕円形ぼやけパターンを有するスタームの円錐体または間隔(603)を形成する。網膜の後ろの像(607および608)はいずれも焦点ずれである。この例では、本開示の例示的実施形態は、サジタル面が網膜上にある一方で、タンジェンシャル面および最小錯乱円がいずれも網膜の前にあるように構成される。ぼやけ円サイズのグラフ寸法は200μmである。
網膜の前のタンジェンシャル面(604)の楕円形ぼやけパターンは経線乱視と呼称され、サジタル面(606)の楕円形ぼやけパターンは経線矯正と呼称される。
別の例では、コンタクトレンズの実施形態(602)は、タンジェンシャル面(604)の楕円形ぼやけパターンが網膜の前にあり、サジタル面(606)の楕円形ぼやけパターンが網膜の後ろにないように処方されうる。スタームの円錐体または間隔の深さ、すなわちサジタル面とタンジェンシャル面との間のスルーフォーカス距離は、約+0.5DC~+3DCの間であるように構成されうる。タンジェンシャル面(604)の楕円形ぼやけパターンの位置は、網膜の0.6mm~0.13mm前の間に位置しうる。サジタル面(606)の楕円形ぼやけパターンの位置は、網膜の約0.13~0mm前の間でありうる。
いくつかの例では、前記経線矯正は中心窩下、中心窩、黄斑下、黄斑または傍黄斑領域に限定されうる一方で、他の例では、経線矯正は網膜上のより広い視野角に及び、例えば少なくとも10度、20度、または30度を包含しうる。
いくつかの例では、前記経線乱視は中心窩下、中心窩、黄斑下、黄斑または傍黄斑領域に限定されうる一方で、他の例では、経線乱視は網膜上のより広い視野角に及び、例えば少なくとも10度、20度、または30度を包含しうる。
網膜上の光停止信号の横方向広がりは、乱視もしくはトーリックもしくは非対称の屈折力分布の大きさ、または前記乱視もしくはトーリックもしくは非対称の屈折力分布の表面積によって決定される。
さらに、回転対称の周辺キャリアゾーンに起因して、網膜の前の光停止刺激すなわち楕円形ぼやけパターンの向きおよび位置は、実質的に経時的に自然な瞬き動作とともに変動する。コンタクトレンズの眼上回転および偏心は、空間的および時間的に変動する信号を提示する。
これらの図面および例に開示された特定の構造的および機能的詳細は、限定として読み取られてはならず、開示された実施形態を多数の他のバリエーションにおいて採用することを当業者に教示するための単なる代表的基礎として読み取られねばならない。
図4~6では例示のために概略モデル眼(表1)が選択された。しかし、他の例示的実施形態では、Liou‐Brennan、Escudero‐Navarroおよびその他のような概略レイトレーシングモデル眼が、上の単純なモデル眼の代わりに使用されてもよい。本明細書に開示される実施形態のさらなるシミュレーションを助けるために、角膜、水晶体、網膜、透光体、またはそれらの組み合わせのパラメータを変えてもよい。
本明細書に提供される例は、本発明を開示するために-3D近視モデル眼を用いているが、同開示は、他の程度の近視、例えば-1D、-2D、-5Dまたは-6Dに拡張されうる。さらに、当業者が1DCまでの乱視とあわせた様々な程度の近視の眼への拡張を導き出しうるものと理解される。例示的実施形態では589nmの特定の波長に言及したが、当業者が420nm~760nmの間の他の可視波長への拡張を導き出しうるものと理解される。
本開示のある実施形態は、自然な瞬き動作に起因して起こるコンタクトレンズの自然な眼上回転および偏心の助けを借りて達成される、時間的および空間的に変動する、換言すれば網膜位置が実質的に経時的に実質的に変動する停止信号を進行中の近視眼に提供しうるコンタクトレンズを対象とする。この時間的および空間的に変動する停止信号は、従来技術で観察される有効性の潜在的な飽和効果を最小化しうる。
本開示のある実施形態は、コンタクトレンズが装用者によってどの向きに装用または挿入されるかに関わらず、空間的および時間的に変動する停止信号を進行中の近視眼に提供しうるコンタクトレンズを対象とする。
本開示のいくつかの実施形態では、停止信号は、実質的に光中心または光学軸を中心として定義された乱視またはトーリックの非対称の屈折力プロファイルを使用して構成されうる。乱視またはトーリック屈折力プロファイルは、光中心に沿ったラジアルおよび/またはアジマス屈折力分布を使用して構成されうる。
図7は、本明細書に開示されるコンタクトレンズの実施形態の乱視、トーリックまたは球面円柱処方(701)のコンタクトレンズの実施形態の一つの光学ゾーン(702)だけの拡大セクションの概略図(700)を示す。本実施形態の光学ゾーン内の屈折力プロファイル分布は、本明細書に開示されるようにラジアル(703)およびアジマス(704)屈折力分布関数を使用して構成される。
本開示のある実施形態において、乱視またはトーリックまたは非対称の屈折力分布は、下式:トーリック実施形態の屈折力分布=球面+円柱/2(ラジアル)(アジマス)屈折力分布関数を用いて構成されうる。いくつかの実施形態では、ラジアル分布関数は、ラジアル屈折力分布=Cρの形をとることができ、式中Cは展開係数であり、ロー(ρ)(703)は正規化されたラジアル座標ρ/ρmaxである。ロー(ρ)は所与の点でのラジアル座標であるのに対し、ρmaxは光ゾーンの最大ラジアル座標または半直径(705)である。いくつかの実施形態では、アジマス屈折力分布関数は、アジマス屈折力分布=cos mθの形をとることができ、式中mは、いくつかの実施形態において1~6の間の任意の整数であり得、シータ(θ)はアジマス角(704)である。
本開示のある実施形態では、ほとんどの角膜がいくらかの乱視を有するかまたは矯正を必要とするのに十分に高い眼球乱視を有しうる事実に対処する必要がありうる。角膜または眼球乱視は、コンタクトレンズの円柱屈折力と好都合または不都合に組み合わされ得、企図された実施形態の視覚性能の変動をもたらしうる。
このような性能の変動は、近視進行の有効性の観点から判定される治療または管理効果にとって有益でありうるが、性能の変動は、装用者にとって顕著であるかまたは場合によっては煩わしいものでありうる。このような視覚性能の変動を減少するいくつかの方法は、眼球乱視を矯正するためにトーリックレンズを使用することによって達成されうる。
そのような場合には、安定化されたレンズが必要であり得、経時的にレンズを回転させる特定の指示を伴って異なる円柱屈折力および/または軸の複数のコンタクトレンズが人の眼に処方されるかまたは複数のコンタクトレンズ対が人の眼に施用されうる。
例えば、異なる日、週、または月に異なるレンズ対が装用されうる。それぞれの眼に二つ以上のレンズが特定の指示の下で装用されるときには、設計の変動により、近視の進行を遅くするための類似の空間的および時間的治療効果を達成することができ、近視の進行を遅くすることは経時的に実質的に一貫している。
複数のコンタクトレンズは、装用者および眼科医に不便さをもたらすために本開示の好ましい実施形態ではないかもしれないが、本発明の代替的な使用方法として当業者に提供するためにここで企図され取り込まれる。
例えば少なくとも+1.25DC、+1.5DC、+1.75DCまたは+2DCの矯正を必要とするより高い量の乱視の問題に取り組むための本開示の別の実施形態では、罹患眼の球面円柱誤差に対処するために装用されるように眼鏡のレンズが処方されてもよく、眼鏡のレンズと同時に装用されるように専用コンタクトレンズが処方されてもよく、このコンタクトレンズは、時間的および空間的に変動する停止信号として働くように望ましいレベルの乱視またはトーリシティを誘発するように構成される。
本開示の例示的実施形態の光学性能結果のシミュレーションのために、概略モデル眼が使用された(図8~図31)。光学モデリングおよび性能のシミュレーションに使用された概略モデル眼の処方パラメータを表1にまとめる。
この処方は、589nmの単色波長のために定義された-3D近視眼を提示する。表1に記載される処方は、企図された例示的実施形態の効果を実証するための必須の方法として解釈されてはならない。これは、光学シミュレーションの目的で当業者によって使用されうる多くの方法のうちの一つにすぎない。四(4)つの例示的なコンタクトレンズの実施形態の処方が表2に提供される。
Figure 2022549903000002
モデルコンタクトレンズの例示的実施形態のパラメータは、性能効果に関して光ゾーンをシミュレートするだけである。時間の関数としての性能変動を実証するために、表面上の偏心/傾き関数を使用して、in vivoで生理的に起こるであろう並進および回転が再現されている。光学性能結果のシミュレーションのために、例示的実施形態は0°、45°、90°および135°回転され、または水平および垂直経線に沿って±0.75mm偏心された。
図8は、直径8mmの光ゾーンにわたる例示的実施形態(実施例#1)の2次元屈折力マップ(単位D)を示す。レンズは、-3Dの球面屈折力および+1DCの円柱屈折力で構成され、屈折力プロファイルが二つの主経線に分解されると、一方の主経線(垂直実線、801)はおよそ-3Dの屈折力を有し、他方の主経線(水平破線、802)はおよそ-2Dの屈折力を有する。
破線と実線との交点である光学中心の周りのアジマスにわたる屈折力変動は、本明細書に記載されるように単純な余弦分布にしたがう。図8で説明されるコンタクトレンズは、-3D近視モデル眼に少なくとも部分的に中心窩矯正、または少なくとも部分的に経線矯正を提供し、モデル眼の網膜で誘発または導入された経線停止信号をさらに提供するように構成される。
この例では、主経線(801)は少なくとも部分的に経線矯正を提供し、主経線(802)はモデル眼の網膜で経線停止信号を提供する。
図9は、本発明の例示的実施形態の断面厚さプロファイルを示す。コンタクトレンズの実施例#1(図8)について、光ゾーンの急勾配(901)および平坦(902)セクションに沿った直角経線の二つの厚さプロファイルが示される。
図8に描かれたコンタクトレンズの実施形態の球面円柱屈折力分布は、長軸(902、弱主経線)および短軸(901、強主経線)を備えた楕円形の光学ゾーンをもたらす。この例示的実施形態では、短軸(901、強主経線)と非光学周辺キャリアゾーン(903)との間のゾーンは、段階的遷移またはブレンディングゾーン(904)を生じる。
この例示的実施形態では、例示的実施形態(実施例#1)の主経線にわたる屈折力変動は最小(すなわち平坦な屈折力プロファイル)であるように設計された。しかし、本開示のいくつかの他の実施形態では、主経線にわたる屈折力の変動が企図される。図9に見ることができるように、レンズの周辺非光学ゾーンは実質的に回転対称のキャリアゾーンを有する。この設計は、上眼瞼および下眼瞼の複合動作によって促進される自然な瞬きに起因するコンタクトレンズの実施形態(実施例#1)の光学中心の上またはその周りでの実質的に自由な回転を促進し、これがさらに、光学ゾーンによって与えられる乱視刺激を瞬きとともに変動させ、その結果近視の進行速度を減少させるための時間的および空間的に変動する刺激がもたらされ、眼成長の進行を減少させる指向性キューおよび有効性は経時的に実質的に一貫したままである。
バージェンスが0Dの可視波長(589nm)の入射光が例示的実施形態(実施例#1)で矯正された表1の近視眼に入射したときに、レンズの主経線を0°(1001)、45°(1002)、90°(1003)および135°(1104)に置いて結果として生じる網膜面での軸上の時間的および空間的に変動する点広がり関数が図10に示される。
例示的実施形態(実施例#1)の回転対称の周辺キャリアゾーンは、網膜上のサジタル面の点広がり関数として描かれた乱視刺激が自然な瞬き動作とともにコンタクトレンズの回転に起因して変動することを促進し、眼に時間的および空間的に変動する信号を提供する。
図11は、広角(すなわち±10°視野)の時間的および空間的に変動する信号を示し、コンタクトレンズの実施形態の主経線は、経時的なコンタクトレンズの回転をシミュレートするために光学中心の周りで0°、45°、90°および135°回転されている。
図11のスルーフォーカス幾何学的スポット図は、コンタクトレンズの実施形態が-3D近視モデル眼に装着され、空間的および時間的に変動する光停止信号をもたらす前記コンタクトレンズの眼上回転をまねて4つの異なる構成(0°、45°、90°および135°)でさらに回転されたときに得られる応答を積分することによって得られる光停止信号の時間積分の表現である。
Figure 2022549903000003
網膜面の周りのスルーフォーカス幾何学的スポット分析は、五(5)つの位置1101~1105で計算され、列1101および1102は網膜の-0.3mmおよび-0.1mm前の網膜位置を表し、列1103は網膜上0mmの位置を表し、列1104および1105は網膜の+0.3mmおよび+0.1mm後ろの網膜位置を表す。
見て取れるように、網膜の周りのスルーフォーカス像のモンタージュは、タンジェンシャル面(1101)およびサジタル面(1103)ならびに最小錯乱円(1102)を包含する楕円形ぼやけパターンを有するスタームの円錐体または間隔(1100)を形成する。網膜の後ろでは、楕円形ぼやけパターン(1104、1105)のサイズが大きくなり続ける。好ましい構成では、コンタクトレンズの実施形態は、楕円形焦点の一方(タンジェンシャル)が網膜の前にあり、他方の楕円形焦点(サジタル)が網膜上にあるように処方される。
網膜の前のタンジェンシャル面(1101)の楕円形ぼやけパターンは経線乱視と呼称され、サジタル面(1103)の楕円形ぼやけパターンは経線矯正と呼称される。本開示の他の例では、コンタクトレンズの実施形態は、両方の楕円形焦点(タンジェンシャルおよびサジタル)が網膜の前にあるように処方されることができ、この例では、サジタル面のポジションは、少なくとも部分的に眼への経線矯正を提供するように構成される。さらに別の構成において、コンタクトレンズの実施形態は、楕円形焦点の一方(タンジェンシャル)が網膜の前にあり、最小錯乱円が網膜上にあるように処方されうる。さらに、これらの企図された構成の各々においては、企図された実施形態の中に構成された回転対称の周辺キャリアゾーンのおかげで、網膜の前または網膜上の乱視またはトーリック光刺激は、自然な瞬き動作とともに眼上のコンタクトレンズの回転に起因して変動し、時間的および空間的に変動する光信号を提供する。
図12は、可視波長(589nm)のバージェンスが0Dの入射光が本明細書に記載されるコンタクトレンズの実施形態(実施例1)で矯正された表1の-3D近視モデル眼に入射したときの、時間的および空間的に変動する点広がり関数の主経線および直角経線についての光学伝達関数の軸上スルーフォーカス絶対値として描かれた網膜信号を示す。
この例示的実施形態では、主経線の光学伝達関数のピークは、網膜面またはそのわずかに前に位置し、これにより-3D近視眼への少なくとも部分的に中心窩矯正または少なくとも部分的に経線矯正が提供される。
直角経線の光学伝達関数のピークは網膜の約0.38mm前にあり、これにより誘発または導入された経線停止信号が提供される。この例では、主経線および直角経線のピークは、それぞれサジタル面およびタンジェンシャル面の楕円形ぼやけパターンと同義である。
いくつかの他の実施形態では、主経線の光学伝達関数のピークは、網膜上にあってもよく、網膜から0.1mmより前ではない。いくつかの他の実施形態では、直角経線の光学伝達関数のピークは、網膜のおよそ0.25mm、0.35mm、0.45mm、または0.6mm前でありうる。いくつかの実施形態では、主経線と直角経線のピークの間の距離は、光停止信号に寄与する所望のレベルの誘発された経線乱視を達成しながら視覚性能を改善するために最適化されうる。
図13は、直径8mmの光ゾーンにわたる例示的実施形態(実施例#2)の2次元屈折力マップ(単位D)を示す。レンズは、-3Dの球面屈折力および+1.5DCの円柱屈折力で構成され、屈折力プロファイルが二つの主経線に分解されると、一方の主経線(垂直実線、1301)はおよそ-3Dの屈折力を有し、他方の主経線(水平破線、1302)はおよそ-1.5Dの屈折力を有する。破線と実線との交点である光学中心の周りのアジマスにわたる屈折力変動は、本明細書に記載されるように単純な余弦分布にしたがう。
レンズは、表1に記載される-3Dの近視モデル眼への少なくとも部分的に中心窩矯正、または少なくとも部分的に経線矯正に用いられる一つの主経線に沿って-3Dの球面屈折力を有し、+1.5DCの乱視またはトーリックまたは円柱屈折力がモデル眼の網膜で誘発された経線停止信号を提供する。
図14は、トーリック光ゾーンを備えた従来技術のレンズの厚さプロファイルを示す。図14の従来技術のレンズは、プリズムバラスト安定化ゾーンを有する。プリズムバラストレンズの垂直および水平経線のラジアル厚さプロファイルをより詳しく調べると、-3.00/+1.50x90°の処方の従来技術のレンズに典型的である。
水平セクション(1401)は対称である一方、垂直セクションは、眼に装着されたときに安定した向きを提供するために、厚い下部(1402)および薄い上部(1403)を有する。垂直セクションの急勾配の厚さの曲率および水平経線における平坦な厚さの曲率は必要とされる角膜乱視に一致し、これにより任意の経線に沿って良好な視力が提供される。
対して、図15は、本発明の例示的実施形態(実施例#2)の厚さプロファイルを示す。コンタクトレンズの実施形態(実施例#2)の、光ゾーンの急勾配および平坦セクションに沿った直角経線の二つの厚さプロファイルが示される。図13に描かれたコンタクトレンズの実施形態の球面円柱屈折力分布は、長軸(1502、弱主経線)および短軸(1501、強主経線)を備えた楕円形の光学ゾーンをもたらす。
この例示的実施形態では、短軸(1501、強主経線)と非光学周辺キャリアゾーン(1503)との間のゾーンは、段階的遷移またはブレンディングゾーン(1504)を生じる。この例示的実施形態では、例示的実施形態(実施例#2)の主経線にわたる屈折力変動は最小(すなわち平坦な屈折力プロファイル)であるように設計された。
図15に見ることができるように、レンズの周辺非光学ゾーンは実質的に回転対称のキャリアゾーンを有する。この設計は、上眼瞼および下眼瞼の複合動作によって促進される自然な瞬きに起因するコンタクトレンズの実施形態(実施例#2)の光学中心の上またはその周りでの実質的に自由な回転を促進し、これがさらに、光学ゾーンによって与えられる乱視刺激を瞬きとともに変動させ、その結果近視の装用者の近視の進行速度を減少させるための時間的および空間的に変動する刺激がもたらされ、眼成長の速度を減少させる指向性キューおよび効率は経時的に実質的に一貫したままである。
バージェンスが0Dの可視波長(589nm)の入射光が例示的実施形態(実施例#2)で矯正された表1の近視眼に入射したときに、レンズの主経線を0°(1601)、45°(1602)、90°(1603)および135°(1604)に置いて結果として生じる網膜面での軸上の時間的および空間的に変動する点広がり関数が図16に示される。認められるように、実施例1を用いて得られた結果(図10)と比較すると、実施例2(図16)では網膜で捕捉される軸上点広がり関数の長さが増加しており、これはこのコンタクトレンズの実施形態(実施例#2)の円柱屈折力の増加に起因する。
例示的実施形態(実施例#2)の回転対称の周辺キャリアゾーンは、網膜上のサジタル面の点広がり関数として描かれた乱視刺激が自然な瞬き動作とともにコンタクトレンズの回転に起因して変動することを促進し、眼に時間的および空間的に変動する信号を提供する。
図17は、広角(すなわち±10°視野)の時間的および空間的に変動する信号を示し、コンタクトレンズの実施形態(実施例#2)の主経線は、経時的なコンタクトレンズの回転をシミュレートするために光学中心の周りで0°、45°、90°および135°回転されている。図17のスルーフォーカス幾何学的スポット図は、コンタクトレンズの実施形態が-3D近視モデル眼に装着され、空間的および時間的に変動する光停止信号をもたらす前記コンタクトレンズの眼上回転をまねて4つの異なる構成(0°、45°、90°および135°)でさらに回転されたときに得られる応答を積分することによって得られる光停止信号の時間積分の表現である。
網膜面の周りのスルーフォーカス幾何学的スポット分析は、五(5)つの位置1701~1705で計算され、列1701および1702は網膜の-0.3mmおよび-0.15mm前の網膜位置を表し、列1703は網膜上0mmの位置を表し、列1704および1705は網膜の+0.3mmおよび+0.15mm後ろの網膜位置を表す。
見て取れるように、網膜の周りのスルーフォーカス像のモンタージュは、タンジェンシャル面(1701)およびサジタル面(1703)ならびに最小錯乱円(1702)を包含する楕円形ぼやけパターンを有するスタームの円錐体または間隔(1700)を形成する。網膜の後ろでは、楕円形ぼやけパターン(1704、1705)のサイズが大きくなり続ける。好ましい構成では、コンタクトレンズの実施形態は、楕円形焦点の一方(タンジェンシャル)が網膜の前にあり、他方の楕円形焦点(サジタル)が網膜上にあるように処方される。
実施例1(図11)と比較すると、実施例2(図17)で得られたスルーフォーカス像に描かれたサジタル面およびタンジェンシャル面の長さが増加しており、これはこのレンズの実施形態(実施例#2)の円柱屈折力の増加に起因する。各スポット図のスケールは300μmであることが注目される。
本開示の他の例では、コンタクトレンズの実施形態は、両方の楕円形焦点(タンジェンシャルおよびサジタル)が網膜の前にあるように処方されうる。さらに別の構成において、コンタクトレンズの実施形態は、楕円形焦点の一方(タンジェンシャル)が網膜の前にあり、最小錯乱円が網膜上にあるように処方されうる。
さらに、これらの企図された構成の各々においては、企図された実施形態の中に構成された回転対称の周辺キャリアゾーンのおかげで、網膜の前または網膜上の乱視またはトーリック光刺激は、自然な瞬き動作とともに眼上のコンタクトレンズの回転に起因して変動し、時間的および空間的に変動する光信号を提供する。
図18は、可視波長(589nm)のバージェンスが0Dの入射光が本明細書に記載されるコンタクトレンズの実施形態(実施例2)で矯正された表1の-3D近視モデル眼に入射したときの、時間的および空間的に変動する点広がり関数の主経線および直角経線についての光学伝達関数の軸上スルーフォーカス絶対値として描かれた網膜信号を示す。
この例示的実施形態では、主経線の光学伝達関数のピークは、網膜面またはそのわずかに前に位置し、これにより-3D近視眼への少なくとも部分的に中心窩矯正または少なくとも部分的に経線矯正が提供される。
直角経線の光学伝達関数のピークは網膜の約0.64mm前にあり、これにより誘発または導入された経線停止信号が提供される。この例では、主経線および直角経線のピークは、それぞれサジタル面およびタンジェンシャル面の楕円形ぼやけパターンと同義である。
いくつかの他の実施形態では、主経線の光学伝達関数のピークは、網膜上にあってもよく、網膜から0.1mmより前ではない。いくつかの他の実施形態では、直角経線の光学伝達関数のピークは、網膜のおよそ0.25mm、0.35mm、0.45mm、または0.6mm前でありうる。いくつかの実施形態では、主経線と直角経線のピークの間の距離は、光停止信号に寄与する所望のレベルの誘発された経線乱視を達成しながら視覚性能を改善するために最適化されうる。
図19は、直径8mmの光ゾーンにわたる例示的実施形態(実施例#3)の2次元屈折力マップ(単位D)を示す。レンズは-3Dの球面屈折力および+1.5DCの円柱屈折力で構成され、球形円柱屈折力分布に加えて、レンズは光学ゾーンの端に定義された-0.75Dの一次球面収差で構成される。
屈折力マップが二つの主経線に分解されると、一方の主経線(垂直実線、1901)はおよそ-3Dの屈折力を有し、上に定義された大きさの負の一次球面収差が光ゾーン全体に定義され、他方の主経線(水平破線、1902)はおよそ-1.5Dの屈折力を有し、上に定義された大きさの負の一次球面収差が光ゾーン全体に定義される。破線と実線との交点である光学中心の周りのアジマスにわたる屈折力変動は、本明細書に記載されるように複素余弦分布にしたがう。
いくつかの例示的実施形態では、実質的に非対称の屈折力分布は、球面+アジマス成分の式によって記述される屈折力分布関数を用いて表され、式中、球面は眼を矯正するための距離球面処方屈折力を指し、屈折力分布関数のアジマス成分はC cos(mθ)として記述され、式中、Cはアジマス係数であり、mは1~6の間の整数であり、シータ(θ)は光ゾーンの所与の点のアジマス角である。
いくつかの他の例示的実施形態では、実質的に非対称の屈折力分布は、球面+(ラジアル成分)(アジマス成分)の式によって記述される屈折力分布関数を用いて表され、式中、球面は近視眼を矯正するための距離球面処方屈折力を指し、屈折力分布関数のラジアル成分はC ρとして記述され、式中、Cは展開係数であり、ロー(ρ)は正規化されたラジアル座標(ρ/ρmax)であり、屈折力分布関数のアジマス成分はC cos(mθ)として記述され、式中、mは1~6の間の任意の整数であり得、シータ(θ)はアジマス角であり、ロー(ρ)は所与の点でのラジアル座標であり、ρmaxは光ゾーンの最大ラジアル座標または半直径である。実施例#3のコンタクトレンズの実施形態は、表1に記載される-3D近視モデル眼への少なくとも部分的に中心窩矯正、または少なくとも部分的に経線矯正を提供するように構成され、実質的に光学軸を中心とする非対称の屈折力分布(アジマスの周りの複素余弦分布を定義した)がモデル眼の網膜で誘発された経線停止信号を提供する。本開示の他の実施形態では、コンタクトレンズの光ゾーン全体にわたって定義される変動する他の大きさの一次球面収差、例えば-0.5D、-1D、-1.25Dがより望ましい可能性がある。本開示のいくつかの他の実施形態では、所望の大きさの正の球面収差が光ゾーンの小さなエリア、例えば5mm、6mm、または7mmにわたって構成されうる。
図20は、本発明の例示的実施形態(実施例#3)の断面厚さプロファイルを示す。コンタクトレンズの実施例#3について、光ゾーンの急勾配(2001)および平坦(2002)セクションに沿った直角経線の二つの厚さプロファイルが示される。この例示的実施形態では、図19に描かれたコンタクトレンズの実施形態のアジマス方向に沿って定義される、光学中心の周りの複素余弦分布として表されうる非対称の屈折力分布は、長軸(2002、弱主経線)および短軸(2001、強主経線)を備えた楕円形の光学ゾーンをもたらす。
この例示的実施形態では、短軸(2001、強主経線)と非光学周辺キャリアゾーン(2003)との間のゾーンは、段階的遷移またはブレンディングゾーン(2004)を生じる。図20に見ることができるように、レンズの周辺非光学ゾーンは実質的に回転対称のキャリアゾーンを有する。この設計は、上眼瞼および下眼瞼の複合動作によって促進される自然な瞬きに起因するコンタクトレンズの実施形態(実施例#3)の光学中心の上またはその周りでの実質的に自由な回転を促進し、これがさらに、光学ゾーンによって与えられる乱視刺激を瞬きとともに変動させ、その結果近視の装用者における進行速度を減少させるための時間的および空間的に変動する刺激がもたらされ、眼成長の進行を減少させる指向性キューおよび有効性は経時的に実質的に一貫したままである。
バージェンスが0Dの可視波長(589nm)の入射光が例示的実施形態(実施例#3)で矯正された表1の近視眼に入射したときに、レンズの主経線を0°(2101)、45°(2202)、90°(2203)および135°(2204)に置いて結果として生じる網膜面での軸上の時間的および空間的に変動する点広がり関数が図21に示される。
認められるように、実施例1および2を用いて得られた結果(図10および16)と比較すると、実施例3(図21)では網膜で捕捉される軸上点広がり関数の長さが減少しており、これはこのコンタクトレンズの実施形態(実施例#3)の中への負の一次球面収差の導入に起因する。
例示的実施形態(実施例#3)の回転対称の周辺キャリアゾーンは、網膜上のサジタル面の点広がり関数として描かれた乱視刺激が自然な瞬き動作とともにコンタクトレンズの回転に起因して変動することを促進し、眼に時間的および空間的に変動する信号を提供する。
図22は、広角(すなわち±10°視野)の時間的および空間的に変動する信号を示し、コンタクトレンズの実施形態(実施例#3)の主経線は、経時的なコンタクトレンズの回転をシミュレートするために光学中心の周りで0°、45°、90°および135°回転されている。
図22のスルーフォーカス幾何学的スポット図は、コンタクトレンズの実施形態が-3D近視モデル眼に装着され、空間的および時間的に変動する光停止信号をもたらす前記コンタクトレンズの眼上回転をまねて4つの異なる構成(0°、45°、90°および135°)でさらに回転されたときに得られる応答を積分することによって得られる光停止信号の時間積分の表現である。
網膜面の周りのスルーフォーカス幾何学的スポット分析は、五(5)つの位置2201~2205で計算され、列2201および2202は網膜の-0.3mmおよび-0.15mm前の網膜位置を表し、列2203は網膜上0mmの位置を表し、列2204および2205は網膜の+0.3mmおよび+0.15mm後ろの網膜位置を表す。
見て取れるように、網膜の周りのスルーフォーカス像のモンタージュは、タンジェンシャル面(2201)およびサジタル面(2203)ならびに最小錯乱円(2202)を包含する楕円形ぼやけパターンを有するスタームの円錐体または間隔(2200)を形成する。網膜の後ろでは、楕円形ぼやけパターン(2204、2205)のサイズが大きくなり続ける。好ましい構成では、コンタクトレンズの実施形態は、楕円形焦点の一方(タンジェンシャル)が網膜の前にあり、他方の楕円形焦点(サジタル)が網膜上にあるように処方される。
実施例1および2(図11および17)と比較すると、実施例2(図17)で得られたスルーフォーカス像に描かれたサジタル面およびタンジェンシャル面の長さが、このレンズの実施形態(実施例#2)の中への負の一次球面収差の導入に起因して減少している。各スポット図のスケールは300μmであることが注目される。本開示の他の例では、コンタクトレンズの実施形態は、両方の楕円形焦点(タンジェンシャルおよびサジタル)が網膜の前にあるように処方されうる。さらに別の構成において、コンタクトレンズの実施形態は、楕円形焦点の一方(タンジェンシャル)が網膜の前にあり、最小錯乱円が網膜上にあるように処方されうる。さらに、これらの企図された構成の各々においては、企図された実施形態の中に構成された回転対称の周辺キャリアゾーンのおかげで、網膜の前または網膜上の非対称のぼやけ刺激は、自然な瞬き動作とともに眼上のコンタクトレンズの回転に起因して変動し、時間的および空間的に変動する光信号を提供する。
図23は、可視波長(589nm)のバージェンスが0Dの入射光が本明細書に記載されるコンタクトレンズの実施形態(実施例3)で矯正された表1の-3D近視モデル眼に入射したときの、時間的および空間的に変動する点広がり関数の主経線および直角経線についての光学伝達関数の軸上スルーフォーカス絶対値として描かれた網膜信号を示す。
この例示的実施形態では、主経線の光学伝達関数のピークは、網膜面またはそのわずかに前に位置し、これにより-3D近視眼への少なくとも部分的に中心窩矯正または少なくとも部分的に経線矯正が提供される。直角経線の光学伝達関数のピークは網膜の約0.42mm前にあり、これにより誘発または導入された経線停止信号が提供される。この例では、主経線および直角経線のピークは、それぞれサジタル面およびタンジェンシャル面の楕円形ぼやけパターンと同義である。
いくつかの他の実施形態では、主経線の光学伝達関数のピークは、網膜上にあってもよく、網膜から0.1mmより前ではない。いくつかの他の実施形態では、直角経線の光学伝達関数のピークは、網膜のおよそ0.25mm、0.35mm、0.45mm、または0.6mm前でありうる。いくつかの実施形態では、主経線と直角経線のピークの間の距離は、光停止信号に寄与する所望のレベルの誘発された経線乱視を達成しながら視覚性能を改善するために最適化されうる。
図24は、直径8mmの光ゾーンにわたる例示的実施形態(実施例#4)の2次元屈折力マップ(単位D)を示す。レンズは-3Dの球面屈折力および+1.5DCの円柱屈折力で構成され、球形円柱屈折力分布に加えて、レンズは光学ゾーンの端に定義された+0.75Dの一次球面収差で構成される。屈折力マップが二つの主経線に分解されると、一方の主経線(垂直実線、2401)はおよそ-3Dの屈折力を有し、上に定義された大きさの正の一次球面収差が光ゾーン全体に定義され、他方の主経線(水平破線、2402)はおよそ-1.5Dの屈折力を有し、上に定義された大きさの正の一次球面収差が光ゾーン全体に定義される。破線と実線との交点である光学中心の周りのアジマスにわたる屈折力変動は、本明細書に記載されるように複素余弦分布にしたがう。
いくつかの例示的実施形態では、実質的に非対称の屈折力分布は、少なくとも部分的に(n,m)の一般式の第一種ベッセル円関数の項の少なくとも一つ以上を用いて記述される屈折力分布関数を用いて表され、ベッセル円関数の項の少なくとも一つ以上は、nが1、2、3の値をとり、mが±2の値をとるときに得られる。いくつかの他の例示的実施形態では、アジマス屈折力分布関数はcos(mθ)の形であり、mは両端値を含む1~6の間の整数である。
実施例#4のコンタクトレンズの実施形態は、表1に記載される-3D近視モデル眼への少なくとも部分的に中心窩矯正、または少なくとも部分的に経線矯正を提供するように構成され、光学軸の周りの非対称の屈折力分布(アジマスの周りの複素余弦分布を定義した)がモデル眼の網膜で誘発された経線停止信号を提供する。
本開示の他の実施形態では、コンタクトレンズの光ゾーン全体にわたって定義される変動する他の大きさの一次球面収差、例えば+0.5D、+1D、+1.25Dがより望ましい可能性がある。本開示のいくつかの他の実施形態では、所望の大きさの正の球面収差が光ゾーンの小さなエリア、例えば5mm、6mm、または7mmにわたって構成されうる。
図25は、本発明の例示的実施形態(実施例#4)の断面厚さプロファイルを示す。コンタクトレンズの実施例#4について、光ゾーンの急勾配(2501)および平坦(2502)セクションに沿った直角経線の二つの厚さプロファイルが示される。この例示的実施形態では、図24に描かれたコンタクトレンズの実施形態のアジマス方向に沿って定義される、光学中心の周りの複素余弦分布として表されうる非対称の屈折力分布は、長軸(2502、弱主経線)および短軸(2501、強主経線)を備えた楕円形の光学ゾーンをもたらす。この例示的実施形態では、短軸(2501、強主経線)と非光学周辺キャリアゾーン(2503)との間のゾーンは、段階的遷移またはブレンディングゾーン(2504)を生じる。
図25に見ることができるように、レンズの周辺非光学ゾーンは実質的に回転対称のキャリアゾーンを有する。この設計は、上眼瞼および下眼瞼の複合動作によって促進される自然な瞬きに起因するコンタクトレンズの実施形態(実施例#4)の光学中心の上またはその周りでの実質的に自由な回転を促進し、これがさらに、光学ゾーンによって与えられる非対称刺激を瞬きとともに変動させ、その結果近視の装用者における進行速度を減少させるための時間的および空間的に変動する刺激がもたらされ、眼成長の進行を減少させる指向性キューおよび有効性は経時的に実質的に一貫したままである。
バージェンスが0Dの可視波長(589nm)の入射光が例示的実施形態(実施例#4)で矯正された表1の近視眼に入射したときに、レンズの主経線を0°(2601)、45°(2602)、90°(2603)および135°(2604)に置いて結果として生じる網膜面での軸上の時間的および空間的に変動する点広がり関数が図26に示される。
認められるように、実施例3を用いて得られた結果(図21)と比較すると、実施例4(図26)では網膜で捕捉される軸上点広がり関数がわずかに鮮明であり、これはこのコンタクトレンズの実施形態(実施例#4)の中への正の一次球面収差の導入に起因する。例示的実施形態(実施例#4)の回転対称の周辺キャリアゾーンは、網膜上のサジタル面の点広がり関数として描かれた非対称刺激が自然な瞬き動作とともにコンタクトレンズの回転に起因して変動することを促進し、眼に時間的および空間的に変動する信号を提供する。
図27は、広角(すなわち±10°視野)の時間的および空間的に変動する信号を示し、コンタクトレンズの実施形態(実施例#4)の主経線は、経時的なコンタクトレンズの回転をシミュレートするために光学中心の周りで0°、45°、90°および135°回転されている。図27のスルーフォーカス幾何学的スポット図は、コンタクトレンズの実施形態が-3D近視モデル眼に装着され、空間的および時間的に変動する光停止信号をもたらす前記コンタクトレンズの眼上回転をまねて4つの異なる構成(0°、45°、90°および135°)でさらに回転されたときに得られる応答を積分することによって得られる光停止信号の時間積分の表現である。網膜面の周りのスルーフォーカス幾何学的スポット分析は、五(5)つの位置2701~2705で計算され、列2701および2702は網膜の-0.3mmおよび-0.15mm前の網膜位置を表し、列2703は網膜上0mmの位置を表し、列2704および2705は網膜の+0.3mmおよび+0.15mm後ろの網膜位置を表す。図から分かるように、網膜の周りのスルーフォーカス像のモンタージュは、タンジェンシャル面(2701)およびサジタル面(2703)ならびに最小錯乱円(2702)を包含する楕円形ぼやけパターンを有するスタームの円錐体または間隔(2700)を形成する。網膜の後ろでは、楕円形ぼやけパターン(2704、2705)のサイズが大きくなり続ける。好ましい構成では、コンタクトレンズの実施形態は、楕円形焦点の一方(タンジェンシャル)が網膜の前にあり、他方の楕円形焦点(サジタル)が網膜上にあるように処方される。実施例2(図17)と比較すると、実施例4(図27)のスルーフォーカス像はわずかに増加しており、これはこのレンズの負の球面収差に起因する。各スポット図のスケールは300μmであることが注目される。
本開示の他の例では、コンタクトレンズの実施形態は、両方の楕円形焦点(タンジェンシャルおよびサジタル)が網膜の前にあるように処方されうる。さらに別の構成において、コンタクトレンズの実施形態は、楕円形焦点の一方(タンジェンシャル)が網膜の前にあり、最小錯乱円が網膜上にあるように処方されうる。さらに、これらの企図された構成の各々においては、企図された実施形態の中に構成された回転対称の周辺キャリアゾーンのおかげで、網膜の前または網膜上の非対称のぼやけ刺激は、自然な瞬き動作とともに眼上のコンタクトレンズの回転に起因して変動し、時間的および空間的に変動する光信号を提供する。
図28は、可視波長(589nm)のバージェンスが0Dの入射光が本明細書に記載されるコンタクトレンズの実施形態(実施例4)で矯正された表1の-3D近視モデル眼に入射したときの、時間的および空間的に変動する点広がり関数の主経線および直角経線についての光学伝達関数の軸上スルーフォーカス絶対値として描かれた網膜信号を示す。この例示的実施形態では、主経線の光学伝達関数のピークは、網膜面またはそのわずかに前に位置し、これにより-3D近視眼への少なくとも部分的に中心窩矯正または少なくとも部分的に経線矯正が提供される。直角経線の光学伝達関数のピークは網膜の約0.45mm前にあり、これにより誘発または導入された経線停止信号が提供される。この例では、主経線および直角経線のピークは、それぞれサジタル面およびタンジェンシャル面の楕円形ぼやけパターンと同義である。いくつかの他の実施形態では、主経線の光学伝達関数のピークは、網膜上にあってもよく、網膜から0.1mmより前ではない。いくつかの他の実施形態では、直角経線の光学伝達関数のピークは、網膜のおよそ0.25mm、0.35mm、0.45mm、または0.6mm前でありうる。いくつかの実施形態では、主経線と直角経線のピークの間の距離は、光停止信号に寄与する所望のレベルの誘発された経線乱視を達成しながら視覚性能を改善するために最適化されうる。バージェンスが0Dの可視波長(589nm)の入射光が例示的実施形態(実施例#2)で矯正された表1の近視眼に入射したときに、レンズがx軸に沿って0.75mm(2901)および-0.75mm(2902)ならびにy軸に沿って0.75mm(2903)および-0.75mm(2904)偏心されて網膜面で結果として生じる軸上偏心点広がり関数が図29に示される。
図30は、表1の-3D近視モデル眼が本明細書に開示される例示的実施形態の一つ(実施例#2)で矯正されたときの、網膜面の周りの広角(すなわち±10°視野)の時間的および空間的に変動する(すなわちレンズが経時的にx軸およびy軸に沿って±0.75mm偏心される)幾何学的スポット分析を示す。図30のスルーフォーカス幾何学的スポット図は、コンタクトレンズの実施形態が-3D近視モデル眼に装着され、空間的および時間的に変動する光停止信号をもたらす前記コンタクトレンズの眼上回転をまねて2つの異なる構成(x軸およびy軸に沿って±0.75mm)でさらに偏心されたときに得られる応答を積分することによって得られる光停止信号の空間積分の表現である。
見て取れるように、網膜の周りのスルーフォーカス像のモンタージュは、サジタル面(3002)およびタンジェンシャル面(3003)ならびに最小錯乱円(3001)を備えた楕円形ぼやけパターンを有するスタームの円錐体または間隔(3000)を形成する。網膜の後ろでは、ぼやけパターン(3004、3005)のサイズが大きくなり続ける。コンタクトレンズの実施形態は、楕円形焦点の一つが網膜の前にあるように処方される。さらに、回転対称の周辺キャリアゾーンに起因して、網膜の前の刺激は自然な瞬き動作とともに、すなわちこの例示的実施形態ではレンズの偏心に起因して変動する(時間的および空間的に変動する信号)。
図31は、可視波長(589nm)のバージェンスが0Dの入射光が本明細書に記載されるコンタクトレンズの実施形態(実施例2)で矯正された表1の-3D近視モデル眼に入射したときの、レンズが偏心されたときの時間的および空間的に変動する点広がり関数の主経線および直角経線についての光学伝達関数の軸上スルーフォーカス絶対値として描かれた網膜信号を示す。主経線の光学伝達関数のピークは、網膜面またはそのわずかに前に位置し、これにより-3D近視眼への経線矯正が提供される。直角経線の光学伝達関数のピークは網膜の約0.64mm前にあり、これにより誘発された経線停止信号が提供される。
ある他の実施形態では、スタームの円錐体または間隔によって構成される網膜上の軸上領域および軸外領域によって光信号の変化または実質的な変化が受け取られ、光停止信号は、スタームの円錐体または間隔の一部分が網膜の前に収まり、他方でスタームの円錐体または間隔の残部が網膜の周りに収まることを意味する。経線停止信号を提供するスタームの円錐体または間隔の割合は、およそ10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%でありうる。
ある実施形態では、コンタクトレンズの実施形態の光学ゾーンの乱視、またはトーリック、一部分が、少なくとも部分的に近視眼への経線矯正、および少なくとも部分的に近視進行の速度を減少させるための経線停止信号を提供する。導入または誘発された乱視、光停止信号は、少なくとも+0.5DC、+0.75DC、+1DC、+1.25DC、+1.5DC、+1.75DC、+2DC、+2.25DCまたは+2.5DCでありうる。
ある実施形態では、少なくとも部分的に近視眼への経線矯正、および少なくとも部分的に近視進行の速度を減少させるための経線停止信号を提供するコンタクトレンズの実施形態の光学ゾーンの乱視、またはトーリック、一部分の短軸および長軸によって定義される表面積は、少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、または80%でありうる。
ある他の実施形態では、導入または誘発された乱視、光停止信号の所望される処方は、負の円柱の形式で表されうる。例えば、-3D近視モデル眼を矯正および管理することを目的とした本開示の一実施形態での負の円柱の形の処方は、-2D球面屈折力および-1DC円柱屈折力となることが考えられ、この例において、この実施形態は、近視モデル眼への部分的中心窩矯正、または少なくとも部分的に経線矯正を提供すると考えられ、近視眼に少なくとも1DCの乱視ぼやけ(すなわち停止信号)をさらに提供する。
ある実施形態では、コンタクトレンズのトーリック光学ゾーンの誘発された乱視は、少なくとも+0.5DC、+0.75DC、+1DC、+1.25DC、+1.5DC、+1.75DC、+2DC、+2.25DCまたは+2.5DCでありうる。ある実施形態では、コンタクトレンズのトーリック光学ゾーンの誘発された乱視は、+0.50DC~+0.75DC、+0.5DC~+1DC、および+0.5DC~+1.25DC、+0.5DC~1.5DC、0.5DC~1.75DC、0.5DC~2DC、0.5DC~2.25DCまたは0.5DC~2.5DCの間でありうる。
ある実施形態では、コンタクトレンズのトーリック光学ゾーンは、直径が少なくとも6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、8.5mm、または9mmでありうる。ある実施形態では、コンタクトレンズのトーリック光学ゾーンは、直径が6mm~7mm、7mm~8mm、7.5mm~8.5mm、または7~9mmの間でありうる。
ある実施形態では、コンタクトレンズのブレンドゾーンまたはブレンディングゾーンは、幅が少なくとも0.05mm、0.1mm、0.15mm、0.25mm、0.35または0.5mmでありうる。ある実施形態では、コンタクトレンズのブレンドゾーンまたはブレンディングゾーンは、幅が0.05mm~0.15mm、0.1mm~0.3mm、または0.25mm~0.5mmの間でありうる。いくつかの実施形態では、ブレンディングゾーンは対称であり得、さらにいくつかの他の実施形態では、ブレンディングゾーンは非対称、例えば楕円形でありうる。ある他の実施形態では、当業者は、ブレンドゾーンまたはブレンディングゾーンを使用せずに本発明を実践することを考えうる。
ある実施形態では、光学軸または光学中心の周りに実質的に同心に定義された、トーリック矯正を備えて作製されたコンタクトレンズの光学ゾーンの実質的部分は、コンタクトレンズの光学ゾーンの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、または100%を意味すると理解されうる。ある実施形態では、光学軸または光学中心の周りに実質的に同心に定義された、トーリック矯正を備えて作製されたコンタクトレンズの光学ゾーンの実質的部分は、コンタクトレンズの光学ゾーンの50%~70%の間、60%~80%の間、60%~90%の間、50%~95%の間、80%~95%の間、85%~98%の間、または50%~100%の間を意味すると理解されうる。
ある実施形態では、コンタクトレンズの周辺非光学ゾーンまたはキャリアゾーンは、幅が少なくとも2.25mm、2.5mm、2.75mm、または3mmでありうる。ある実施形態では、コンタクトレンズの周辺ゾーンまたはキャリアゾーンは、幅が2.25mm~2.75mm、2.5mm~3mm、または2mm~3.5mmの間でありうる。ある実施形態では、コンタクトレンズの周辺ゾーンまたはキャリアゾーンは実質的に対称であり、ラジアル厚さプロファイルが水平、垂直およびその他の斜め経線にわたって実質的に類似する。
ある実施形態では、コンタクトレンズの周辺ゾーンまたはキャリアゾーンは実質的に対称であり、ラジアル厚さプロファイルが水平、垂直およびその他の斜め経線にわたって実質的に類似するが、これは、任意の半経線にわたる周辺キャリアゾーンの厚さプロファイルが任意の他の半経線の厚さプロファイルの7%、9%、11%、13%、または15%変動以内であることを意味しうる。ここで、異なる任意の経線の間で比較されるラジアル厚さプロファイルは、ラジアル距離で測定される。
ある実施形態では、コンタクトレンズの周辺ゾーンまたはキャリアゾーンは実質的に対称であり、ラジアル厚さプロファイルが水平、垂直およびその他の斜め経線にわたって実質的に類似するが、これは、任意の経線にわたる周辺キャリアゾーンの厚さプロファイルが任意の他の経線の厚さプロファイルの7%、9%、11%、13%、または15%変動以内であることを意味しうる。ここで、異なる任意の経線の間で比較されるラジアル厚さプロファイルは、ラジアル距離で測定される。ある実施形態では、コンタクトレンズの周辺ゾーンまたはキャリアゾーンは実質的に回転対称であり、ラジアル厚さプロファイルが水平、垂直およびその他の斜め経線にわたって実質的に類似するが、これは、任意の半経線にわたる周辺キャリアゾーン内の最も厚いポイントが任意の他の半経線の最も厚い周辺ポイントの最大10、15、20、25、30、35、または40μm変動以内であることを意味しうる。疑いを避けるために、厚さプロファイルはラジアル方向に測定される。
ある実施形態では、コンタクトレンズの周辺ゾーンまたはキャリアゾーンは実質的に回転対称であり、ラジアル厚さプロファイルが水平、垂直およびその他の斜め経線にわたって実質的に類似するが、これは、任意の経線にわたる周辺キャリアゾーン内の最も厚いポイントが任意の他の経線の最も厚い周辺ポイントの最大10、15、20、25、30、35、または40μm変動以内であることを意味しうる。疑いを避けるために、厚さプロファイルはラジアル方向に測定される。ある実施形態では、コンタクトレンズの周辺ゾーンまたは非光学キャリアゾーンは、眼上のコンタクトレンズの向きを安定化することを目的とした従来のトーリックコンタクトレンズまたは非対称コンタクトレンズで一般的に使用される、バラストを実質的に含まず、いかなる光学プリズムも含まず、プリズムバラストを含まず、スラブオフ設計を含まず、またはトランケートされた設計を含まないように構成される。
ある実施形態では、経時的なコンタクトレンズの実質的に自由な回転は、一日に少なくとも1回、2回、3回、4回、5回または十回180度の、およびレンズ装着から1時間以内に少なくとも10度、15度、20度、または25度の回転でありうる。他の実施形態では、経時的なコンタクトレンズの実質的に自由な回転は、一日に少なくとも1回、2回、3回、4回、5回または10回90度の、およびレンズ装着から2時間以内に少なくとも10度、15度、20度、または25度の回転でありうる。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズのトーリック部は、前表面、後表面、またはそれらの組み合わせの上に位置し、形成され、または置かれうる。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズの光学軸または光学中心の周りに実質的に同心に定義されるコンタクトレンズのトーリック部は、停止信号の特定の特徴、例えばサジタルまたはタンジェンシャル焦線のいずれかが実質的に網膜の前にある誘発された乱視を生成することに当てられる。
ある他の例では、コンタクトレンズのトーリック部は、コンタクトレンズの二つの表面のうちの一方の上に位置し、形成され、または置かれ、他方の表面は、眼成長をさらに減少させるための他の特徴を有しうる。例えば、眼の成長速度を減少させるための指向性キューまたは停止信号を提示しながら実施形態による視覚性能を改善するためのコマ、トレフォイル、または一次球面収差などの追加の光学特徴の使用。
ある実施形態では、光学ゾーン、ブレンディングゾーンおよび/または周辺キャリアゾーンの形状は、球面、非球面、拡張奇多項式、拡張偶多項式、円錐曲線、双円錐曲線、トーリック面またはゼルニケ多項式の一つ以上によって記述されうる。
いくつかの他の実施形態では、光学中心にわたるラジアルおよび/またはアジマス屈折力分布は、適切なベッセル関数、ヤコビ多項式、テイラー多項式、フーリエ展開、またはそれらの組み合わせによって記述されうる。本開示の一実施形態では、停止信号は、もっぱら乱視、乱視またはトーリック屈折力プロファイルを使用して構成されうる。しかし、他の実施形態では、一次球面収差、コマ、トレフォイルのようなより高次の収差が、構成された乱視、トーリックまたは非対称のぼやけと組み合わせられうる。当業者は理解しうるように、本発明は、近視の進行に影響する可能性のあるデバイス/方法のいずれかと組み合わせて使用されうる。これらには、様々な設計の眼鏡のレンズ、カラーフィルタ、医薬品、行動変化、および環境条件が含まれるがこれらに限定されない。
プロトタイプコンタクトレンズのレンズ#1およびレンズ#2:設計、計測、臨床データ
視覚性能を評価するため、および眼に装用されたときの経時的なレンズの回転量を判定するために、回転対称の周辺キャリアゾーンを備えた二つのトーリックコンタクトレンズが一人の対象の右目および左目のための処方において製造された。
レンズ#1およびレンズ#2は、本明細書に開示される本発明の例示的実施形態である。いずれのレンズも(レンズ#1およびレンズ#2)、-2.00Dの球面屈折力および+1.50DCの円柱屈折力を有した。しかし、コンタクトレンズの実施形態は、経線の負の球面収差を組み込み、球面収差の大きさは、正の円柱で構成された主経線が光ゾーンの端で球面にブレンドされるように選択された。この方法は、8mmの光ゾーンにわたる平均円柱屈折力をおよそ+0.8DCに減少した。いずれのレンズも、単焦点矯正と比較したときに臨床的に許容可能な視覚性能を提供した。
表4は、二つの製造されたレンズ、すなわち右目用のレンズ#1および左目用のレンズ#2の測定されたベースカーブ、レンズ直径および中心厚さの値を示す。コンタクトレンズ材料は、1.432の測定屈折率を有するContaflex42(Contamac、UK)であった。
Figure 2022549903000004
図32aおよび32bは、図19で説明されたコンタクトレンズの実施形態の変形例である二つのプロトタイプコンタクトレンズ#1(図32a)およびレンズ#2(図32b)の二つの直角経線の測定された厚さプロファイルを示す。
厚さプロファイルはOptimec is830(Optimec Ltd、UK)で測定され、周辺プリズムすなわち各レンズの経線の二つの周辺ピークの間の厚さの差が特定された。レンズ#1(3201)では、厚さの差は経線1および2でそれぞれ32.5μmおよび2.3μmであった。同様に、レンズ#2(3020)では、厚さの差は経線1および2でそれぞれ22.9μmおよび0.4μmであった。
これらのプロトタイプコンタクトレンズの周辺回転対称キャリアゾーンの設計から予想されるように、両経線にわたる周辺厚さの差は最小限であり、回転安定化のない周辺キャリアゾーンを提供した。
Optimec is830は周辺厚さプロファイルの確実な測定を可能にするが、中心光ゾーンでは機器の測定変動性が増大し、レンズ#1およびレンズ#2のトーリック光ゾーンの直角経線と水平経線との間の予想される厚さの差をこれらの測定値から正しく評価できない。代わりに、屈折力マッピング機器NIMOevo(Lambda‐X、ベルギー)を使用して、レンズ#1およびレンズ#2の中心光ゾーンの円柱屈折力が測定および確認された。
図33aおよび図33bは、図19で説明されたコンタクトレンズの実施形態の変形例である二つのプロトタイプコンタクトレンズ、レンズ#1(3301)およびレンズ#2(3302)のデータに余弦がフィッティングされた後のNIMOevoからの測定された相対経線屈折力を示す。レンズ#1およびレンズ#2の測定された円柱屈折力は、予想される円柱屈折力(すなわち円柱屈折力+経線の負の球面収差)と合致する、8mmのアパーチャでそれぞれ0.78DCおよび0.74DCであった。
図34aおよび34bは、二つの市販のトーリックコンタクトレンズ(対照#1および対照#2)の、垂直および水平経線の測定された厚さプロファイルを示す。疑いを避けるために、対照#1および対照#2は従来技術のレンズの例である。レンズは、-1.25DCの円柱屈折力のBiofinityトーリックレンズ(CooperVision、US)(材料:comfilcon A)であった。
この例では、厚さプロファイルはOptimec is830(Optimec Ltd、UK)で測定され、周辺プリズムすなわち各レンズの経線の二つの周辺ピークの間の厚さの差が特定された。対照#1(3401)では、厚さの差は経線1(垂直)および2(水平)でそれぞれ197.5μmおよび28μmであった。対照#2(3402)では、厚さの差は経線1および2でそれぞれ198.5μmおよび0.03μmであった。両方の経線で類似していたプロトタイプコンタクトレンズ、レンズ#1(3201)およびレンズ#2(3202)の厚さプロファイルおよび差とは異なり、二つの市販のトーリックコンタクトレンズ、対照#1(3401)および対照#2(3402)は、経線2に沿ってかなりの周辺プリズムが見られた。これらの周辺プリズムは、トーリックコンタクトレンズ(従来技術)を安定化する目的を有する。
図35は、経時的なコンタクトレンズの回転の測定に使用されるデバイス(3500)の写真を示す。デバイス(3500)は、小型カメラ(3503)(SQ11ミニHDカメラ)を備えたマウントアームが取り付けられた単純な眼鏡のフレーム(3501)からなる。カメラは、本明細書に開示されるコンタクトレンズの実施形態の回転、すなわち空間的および時間的に変動する刺激を評価するために、眼上に装用されたときのコンタクトレンズのビデオが経時的に撮影されうるように配置された。
図36は、コンタクトレンズの実施形態の光学中心の上またはその周りでの自由な回転を可能にする下眼瞼(3603)および上眼瞼(3604)の影響下の対称の非光学周辺キャリアゾーン(3601)を含む本明細書に開示されるコンタクトレンズの実施形態(3600)の正面図を示す。正面図は、方法、すなわちコンタクトレンズの実施形態上の同じ経線に沿った二つの異なるマーキング(3605aおよび3605b)をさらに示し、これはデバイス(3500)とあわせて、経時的なコンタクトレンズのアジマスポジション(3602)すなわち回転量を測定するために使用されうる。この例示的実施形態(3600)では、コンタクトレンズのマーキング(3605b)は、45°経線に沿って位置した。他の実施形態では、マーキングは、異なる形状、サイズまたは色であってもよく、マーキングの数は、経時的なコンタクトレンズのアジマスポジションの検出をさらに容易にするために2つより多くてもよい。
図37aおよび37bは、記載されたデバイス(3500)を装用し、記載された方法(3600)にしたがったときの、プロトタイプコンタクトレンズ#1(3701)および市販のトーリックコンタクトレンズ対照#1(3702)の経時的なすなわち約30分のレンズ装用で測定されたアジマスポジションを示す。少量のレンズ回転しか見られなかった市販のトーリックコンタクトレンズ対照#1とは異なり、プロトタイプコンタクトレンズ#1は、およそ25分のレンズ装用後におよそ250°回転した。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズは、近視眼上のコンタクトレンズの実質的に自由な回転を可能にする特定の適合性で構成されることができ、コンタクトレンズの実質的に自由な回転は、一日に少なくとも1回、2回、3回、4回または5回180度の、およびレンズ装着から1時間以内に少なくとも15度、20度、25度、30度または35度のコンタクトレンズの回転として判定される。いくつかの他の例示的実施形態が、以下の実施例セットに記載される。
実施例セット「A」‐乱視屈折力分布
眼用のコンタクトレンズであって、光学中心の周りの光学ゾーンと、光学ゾーンの周りの非光学周辺キャリアゾーンとを含み、光学ゾーンは、実質的に光学中心を中心とする実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布で構成され、少なくとも部分的に眼への経線矯正を提供し、少なくとも部分的に眼への停止信号として働く方向キューを生成する経線乱視を提供し、非光学周辺キャリアゾーンは、光学中心の周りで実質的に回転対称の厚さプロファイルで構成される、コンタクトレンズ。
実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布で構成された光学ゾーンのエリアが光学ゾーンの少なくとも50%を含み、光ゾーンの残部は眼への球面矯正で構成される、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
経線矯正および経線乱視は、コンタクトレンズの中心領域の少なくとも4mmにわたって延びる実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布で構成された光学ゾーンの領域によって提供される、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
光学ゾーンの実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、コンタクトレンズの前表面上に構成される、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
光学ゾーンの実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、コンタクトレンズの後表面上に構成される、実施例セットAの一つ以上の請求項のコンタクトレンズ。
光学ゾーンの実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、部分的にコンタクトレンズの前表面によって、部分的に後表面によって構成される、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
任意の半経線にわたる非光学周辺キャリアゾーン内の最も厚いポイントは、任意の他の半経線の最も厚い周辺ポイントの最大30μmの変動以内である、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
任意の経線における非光学周辺キャリアゾーンの実質的に回転対称の領域の厚さプロファイルは、コンタクトレンズの光学中心の周りで測定される非光学周辺キャリアゾーンの平均厚さプロファイルの少なくとも6%以内である、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
光学ゾーンと非光学周辺キャリアゾーンとの間に球面ブレンディングゾーンを含み、球面ブレンディングゾーンの幅は、コンタクトレンズの光学中心にわたる半弦直径上で測定して少なくとも0.1mmにまたがる、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、少なくとも+0.75ジオプトリー円柱屈折力の有効な乱視またはトーリシティを有する、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、少なくとも+1.25ジオプトリー円柱屈折力の有効な乱視またはトーリシティを有する、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、少なくとも+1.75ジオプトリー円柱屈折力の有効な乱視またはトーリシティを有する、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、少なくとも+2.25ジオプトリー円柱屈折力の有効な乱視またはトーリシティを有する、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、光ゾーン全体にわたって定義される少なくとも+1Dの一次球面収差と組み合わされる、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、光ゾーン全体にわたって定義される少なくとも-1Dの一次球面収差と組み合わされる、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布で構成された実質的な領域の形状は、実質的に円形または楕円形の光学ゾーンの領域内に提供される、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
非光学周辺キャリアゾーンは、眼の成長を実質的に制御する指向性信号を提供するために装用者の眼への時間的および空間的に変動する光停止信号を提供する特定の適合性を提供する、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
非光学周辺キャリアゾーンは、近視眼上の1時間の装用中のコンタクトレンズの少なくとも15度の回転、および8時間の装用中のコンタクトレンズの少なくとも3回の180度の回転のうちの少なくとも一つを可能にするように構成される、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
非光学周辺キャリアゾーンは、装用者の眼への時間的および空間的に変動する光停止信号を提供するための特定の適合性を提供し、変動する光信号は、経時的な眼成長を阻害しまたは遅くする実質的に一貫した指向性刺激または方向キューを提供する、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
コンタクトレンズは、乱視のない、または1ジオプトリー円柱屈折力未満の乱視のある近視眼用に構成される、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
コンタクトレンズは、正しく装着された市販の単焦点コンタクトレンズで得られる性能に匹敵する適切な視覚性能を装用者に提供することができる、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
コンタクトレンズは、光ゾーンを実質的にカバーする乱視またはトーリック屈折力ゾーンを備えて構成され、ラジアル屈折力プロファイルは、標準の円錐曲線、双円錐曲線、偶もしくは奇拡張多項式、またはそれらの組み合わせによって記述される、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
コンタクトレンズは、近視になるリスクがある眼用に構成される、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
光学ゾーンは、眼に少なくとも部分的に適切な中心窩矯正を提供するように構成され、少なくとも部分的に眼成長の速度を減少させるための時間的および空間的に変動する停止信号を提供するようにさらに構成される、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
光学ゾーンは、眼に少なくとも部分的に適切な中心窩矯正を提供するように構成され、少なくとも部分的に一貫した眼成長の速度を減少させるための経時的に実質的に一貫した時間的および空間的に変動する停止信号を提供するようにさらに構成される、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
コンタクトレンズは、入射光を変更することができ、近視進行の速度を減速させるために少なくとも部分的に中心光学ゾーンによって組み込まれた誘発された乱視によって提示される指向性キューを利用する、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
コンタクトレンズは、少なくとも部分的に回転対称の非光学周辺キャリアゾーンによって促進される眼上のコンタクトレンズの回転のおかげで、装用者に時間的および空間的に可変の停止信号を提示する、実施例セットAの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
コンタクトレンズを近視眼に施用するかまたは近視眼に処方するステップを含み、コンタクトレンズは、近視眼に、少なくとも眼の近視誤差を減少するための球面矯正を提供し、近視眼に乱視誤差を導入し、コンタクトレンズの装用中に眼上で回転するために有効な構成を含み、それによって乱視誤差が時間的および空間的に可変である、方法。
コンタクトレンズは、実施例セットAの上記請求項のいずれか一つ以上に記載のコンタクトレンズである、上記請求項に記載の方法。
実施例セット「B」‐他の屈折力プロファイルのバリエーションで定義される非対称分布
眼用のコンタクトレンズであって、光学中心の周りの光学ゾーンと、光学ゾーンの周りの非光学周辺キャリアゾーンとを含み、光学ゾーンは、実質的に光学中心を中心とする非対称の屈折力分布で構成され、少なくとも部分的に眼への経線矯正を提供し、少なくとも部分的に眼への経線停止信号を提供し、非光学周辺キャリアゾーンは、経線停止信号に実質的な時間的および空間的変動を提供するために実質的にバラストなしで構成されるか、あるいはその他のやり方で眼上にあるときのレンズの回転を可能にするように構成される、コンタクトレンズ。
実質的に光学中心の周りの実質的に非対称の屈折力分布で構成された光学ゾーンのエリアが、光学ゾーンの少なくとも50%を含み、光ゾーンの残部は近視眼への球面矯正で構成される、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
経線矯正および経線停止信号は、コンタクトレンズの中心領域の少なくとも4mmにわたって延びる実質的に非対称の分布で構成された光学ゾーンの領域によって提供される、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
光学ゾーンの実質的に非対称の屈折力分布は、コンタクトレンズの前表面上に構成される、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
光学ゾーンの実質的に非対称の屈折力分布は、コンタクトレンズの後表面上に構成される、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
光学ゾーンの実質的に非対称の屈折力分布は、コンタクトレンズの部分的に前表面によって、および部分的に後表面によって構成される、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
任意の一つの経線にわたる非光学周辺キャリアゾーン内の最も厚いポイントは、任意の他の経線の最も厚い周辺ポイントの最大30μmの変動以内である、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
任意の経線における非光学周辺キャリアゾーンの実質的に回転対称の領域の厚さプロファイルは、コンタクトレンズの光学中心の周りで測定される非光学周辺キャリアゾーンの平均厚さプロファイルの6%以内である、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
光学ゾーンと非光学周辺キャリアゾーンとの間に球面ブレンディングゾーンを含み、球面ブレンディングゾーンの幅は、コンタクトレンズの光学中心にわたる半弦直径上で測定して少なくとも0.1mmにまたがる、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
実質的に非対称の屈折力分布にわたる最小から最大までの屈折力の差は少なくとも+1.25ジオプトリーである、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
実質的に非対称の屈折力分布は、球面+アジマス成分の式によって記述される屈折力分布関数を用いて表され、式中、球面は眼を矯正するための距離球面処方屈折力を指し、屈折力分布関数のアジマス成分はC cos(mθ)として記述され、式中、Cはアジマス係数であり、mは1~6の間の整数であり、シータ(θ)は光ゾーンの所与の点のアジマス角である、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
実質的に非対称の屈折力分布は、球面+(ラジアル成分)(アジマス成分)の式によって記述される屈折力分布関数を用いて表され、式中、球面は近視眼を矯正するための距離球面処方屈折力を指し、屈折力分布関数のラジアル成分はC ρとして記述され、式中、Cは展開係数であり、ロー(ρ)は正規化されたラジアル座標(ρ/ρmax)であり、屈折力分布関数のアジマス成分はC cos(mθ)として記述され、式中、mは1~6の間の任意の整数であり得、シータ(θ)はアジマス角であり、ロー(ρ)は所与の点でのラジアル座標であり、ρmaxは光ゾーンの最大ラジアル座標または半直径である、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
実質的に非対称の屈折力分布は、少なくとも部分的に(n,m)の一般式の第一種ベッセル円関数の項の少なくとも一つ以上を用いて記述される屈折力分布関数を用いて表され、ベッセル円関数の項の少なくとも一つ以上は、nが1、2、3の値をとり、mが±2の値をとるときに得られる、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
アジマス屈折力分布関数はcos(mθ)の形であり、mは両端値を含む1~6の間の整数である、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
実質的に非対称の屈折力分布で構成された実質的な領域の形状は、実質的に円形または楕円形の光学ゾーンの領域内に提供される、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
非光学周辺キャリアゾーンは、眼の成長を実質的に制御する指向性信号を提供するために装用者の眼への時間的および空間的に変動する光停止信号を提供する特定の適合性を提供する、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
非光学周辺キャリアゾーンは、近視眼上の1時間の装用中のコンタクトレンズの少なくとも15度の回転、または8時間の装用中のコンタクトレンズの少なくとも3回の180度の回転のうちの少なくとも一つを可能にするように構成される、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
非光学周辺キャリアゾーンは、眼の眼成長を実質的に制御する指向性信号を提供するために装用者の眼への時間的および空間的に変動する光停止信号を提供する特定の適合性を提供する、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
非光学周辺キャリアゾーンは、経時的に実質的に一貫した眼の眼成長を実質的に制御する指向性信号を提供するために装用者の眼への時間的および空間的に変動する光停止信号を提供する特定の適合性を提供する、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
コンタクトレンズは、乱視のない、または1ジオプトリー円柱屈折力未満の乱視のある近視眼用に構成される、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
コンタクトレンズは、市販の単焦点コンタクトレンズで得られる性能に匹敵する適切な視覚性能を装用者に提供することができる、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
コンタクトレンズは、ベッセル関数、ヤコビ多項式、テイラー多項式、フーリエ展開、またはそれらの組み合わせによって記述される、実質的に光ゾーンにわたる乱視またはトーリックの屈折力プロファイルで構成される、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
コンタクトレンズは、近視になるリスクがある眼用に構成される、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
光学ゾーンは、眼に少なくとも部分的に適切な中心窩矯正を提供するように構成され、少なくとも部分的に眼成長の速度を減少させるための時間的および空間的に変動する停止信号を提供するようにさらに構成される、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
光学ゾーンは、眼に少なくとも部分的に適切な中心窩矯正を提供するように構成され、少なくとも部分的に眼成長の速度を減少させるための時間的および空間的に変動する停止信号を提供するようにさらに構成され、眼成長の治療または管理の有効性は経時的に実質的に一貫している、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
コンタクトレンズは、入射光を変更することができ、近視進行の速度を減速させるために少なくとも部分的に中心光学ゾーンによって組み込まれた誘発された非対称の光信号によって提示される指向性キューを利用する、実施例セットBの一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
コンタクトレンズを近視眼に施用するかまたは近視眼に処方するステップを含み、コンタクトレンズは、近視眼に、少なくとも近視眼の近視誤差を減少するための球面矯正を提供し、近視眼に停止信号を導入し、コンタクトレンズの装用中に眼上で回転するために有効な構成を含み、それによって停止信号が時間的および空間的に可変である、方法。
コンタクトレンズは、実施例セットBの上記請求項のいずれか一つ以上に記載のコンタクトレンズである、上記請求項に記載の方法。

Claims (20)

  1. 近視眼用のコンタクトレンズであって、フロント表面と、バック表面と、光学中心と、前記光学中心の周りの光学ゾーンと、ブレンディングゾーンと、非光学周辺キャリアゾーンとを特徴とし、前記光学ゾーンは、実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布で構成された実質的な領域を少なくとも含み、前記実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、実質的に前記光学中心の周りに構成され、前記近視眼への経線矯正を少なくとも部分的に提供し、前記近視眼への停止信号を生成する経線乱視を少なくとも部分的に導入し、前記非光学周辺キャリアゾーンは、前記近視眼上の特定の適合性を促進するために前記光学中心の周りで実質的に回転対称の厚さプロファイルで構成される、コンタクトレンズ。
  2. 前記実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布で構成された前記実質的な領域のエリアは、前記光学ゾーン全体を含む、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  3. 前記実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布で構成された前記実質的な領域のエリアは、前記光学ゾーンの少なくとも60%を含み、前記光ゾーンの残部は前記近視眼への球面矯正で構成される、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  4. 前記実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布で構成された前記実質的な領域の短軸に沿った直径は、前記コンタクトレンズの中心領域の少なくとも5mmである、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  5. 前記光学ゾーンの前記実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、前記コンタクトレンズの前表面上に構成されうる、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  6. 前記光学ゾーンの前記実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、前記コンタクトレンズの後表面上に構成されうる、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  7. 前記光学ゾーンの前記実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、前記コンタクトレンズの両表面上に構成されうる、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  8. 任意の経線における前記非光学周辺キャリアゾーンの前記実質的に回転対称の領域の前記厚さプロファイルは、前記コンタクトレンズの前記光学中心の周りで測定される前記非光学周辺キャリアゾーンの平均厚さプロファイルから6%の差以内である、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  9. 任意の経線にわたる前記非光学周辺キャリアゾーン内の最も厚いポイントは、任意の他の経線の最も厚い周辺ポイントの最大30μmの変動以内である、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  10. 前記光学ゾーンは、前記実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布の前記実質的な領域と前記非光学周辺キャリアゾーンとの間に、幅が前記コンタクトレンズの前記光学中心にわたる半弦直径上で測定して少なくとも0.1mmにまたがる球面ブレンディングゾーンを有する、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  11. 実質的に前記光ゾーンにわたる前記実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、少なくとも+1.25DCの有効な乱視またはトーリシティを有する、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  12. 実質的に前記光ゾーンにわたる前記実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、球面+(円柱/2)(アジマス成分)の式によって記述される屈折力分布関数を用いて表され、式中、前記球面は前記近視眼を矯正するための距離球面処方屈折力を指し、前記円柱は誘発された乱視またはトーリシティの大きさを指し、前記屈折力分布関数の前記アジマス成分はC cos(mθ)として記述され、式中、Cはアジマス係数であり、mは1~6の間の整数であり、シータ(θ)は前記光ゾーンの所与の点のアジマス角である、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  13. 実質的に前記光ゾーンにわたる前記実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、球面+(円柱/2)(ラジアル成分)(アジマス成分)の式によって記述される屈折力分布関数を用いて表され、式中、前記球面は前記近視眼を矯正するための距離球面処方屈折力を指し、前記円柱は誘発された乱視またはトーリシティの大きさを指し、前記屈折力分布関数の前記ラジアル成分はC ρとして記述され、式中、Cは展開係数であり、ロー(ρ)は正規化されたラジアル座標(ρ/ρmax)であり、前記屈折力分布関数の前記アジマス成分はC cos(mθ)として記述され、式中、mは1~6の間の任意の整数であり得、シータ(θ)はアジマス角であり、ロー(ρ)は所与の点でのラジアル座標であり、ρmaxは前記光ゾーンの最大ラジアル座標または半直径である、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  14. 実質的に前記光ゾーンにわたる前記実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、(n,m)の一般式の第一種ベッセル円関数の項の少なくとも一つ以上を少なくとも部分的に用いて記述される屈折力分布関数を用いて表され、ベッセル円関数の項の前記少なくとも一つ以上は、nが1、2、3の値をとり、mが±2の値をとるときに得られる、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  15. 実質的に前記光ゾーンにわたる前記実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布は、ヤコビ多項式、テイラー多項式、フーリエ級数、またはそれらの組み合わせによって記述される屈折力分布関数を少なくとも部分的に用いてさらに表される、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  16. 実質的にトーリックまたは乱視の屈折力分布で構成された前記実質的な領域の形状は、円形または楕円形である、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  17. 前記特定の適合性は、前記近視眼上の前記コンタクトレンズの実質的に自由な回転を可能にし、前記コンタクトレンズの前記実質的に自由な回転は、8時間のレンズ装用あたりに少なくとも3回180度の、およびレンズ装着から1時間以内に少なくとも15度の前記コンタクトレンズの回転として判定される、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  18. 前記特定の適合性は、装用者の眼への時間的および空間的に変動する光停止信号を提示し、前記近視眼の眼成長を実質的に制御する指向性信号を提供する、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
  19. アジマス屈折力分布関数はcos(mθ)の形をとり得、mは1~6の間の整数でありうる、請求項1~18の一つ以上に記載のコンタクトレンズ。
  20. 前記近視眼の眼成長を実質的に制御する指向性信号の有効性が経時的に実質的に一貫したままであるように、前記特定の適合性は、装用者の眼への時間的および空間的に変動する光停止信号を提示し、前記指向性信号を提供する、一つ以上の請求項に記載のコンタクトレンズ。
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