JP2022548782A - ハンドオーバに関与するユーザ機器および基地局 - Google Patents

ハンドオーバに関与するユーザ機器および基地局 Download PDF

Info

Publication number
JP2022548782A
JP2022548782A JP2022518290A JP2022518290A JP2022548782A JP 2022548782 A JP2022548782 A JP 2022548782A JP 2022518290 A JP2022518290 A JP 2022518290A JP 2022518290 A JP2022518290 A JP 2022518290A JP 2022548782 A JP2022548782 A JP 2022548782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base station
target
radio cell
timing advance
advance value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022518290A
Other languages
English (en)
Inventor
ミン-フン タオ
秀俊 鈴木
リキン シャー
昭彦 西尾
ホンチャオ リ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Corp of America
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Corp of America
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Corp of America filed Critical Panasonic Intellectual Property Corp of America
Publication of JP2022548782A publication Critical patent/JP2022548782A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W36/00Hand-off or reselection arrangements
    • H04W36/0005Control or signalling for completing the hand-off
    • H04W36/0055Transmission or use of information for re-establishing the radio link
    • H04W36/0061Transmission or use of information for re-establishing the radio link of neighbour cell information
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W36/00Hand-off or reselection arrangements
    • H04W36/0005Control or signalling for completing the hand-off
    • H04W36/0055Transmission or use of information for re-establishing the radio link
    • H04W36/0072Transmission or use of information for re-establishing the radio link of resource information of target access point
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/14Relay systems
    • H04B7/15Active relay systems
    • H04B7/185Space-based or airborne stations; Stations for satellite systems
    • H04B7/18502Airborne stations
    • H04B7/18504Aircraft used as relay or high altitude atmospheric platform
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B7/00Radio transmission systems, i.e. using radiation field
    • H04B7/14Relay systems
    • H04B7/15Active relay systems
    • H04B7/185Space-based or airborne stations; Stations for satellite systems
    • H04B7/1851Systems using a satellite or space-based relay
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W36/00Hand-off or reselection arrangements
    • H04W36/0005Control or signalling for completing the hand-off
    • H04W36/0055Transmission or use of information for re-establishing the radio link
    • H04W36/0072Transmission or use of information for re-establishing the radio link of resource information of target access point
    • H04W36/00725Random access channel [RACH]-less handover
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W36/00Hand-off or reselection arrangements
    • H04W36/0005Control or signalling for completing the hand-off
    • H04W36/0055Transmission or use of information for re-establishing the radio link
    • H04W36/0077Transmission or use of information for re-establishing the radio link of access information of target access point
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W36/00Hand-off or reselection arrangements
    • H04W36/08Reselecting an access point
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W56/00Synchronisation arrangements
    • H04W56/0005Synchronisation arrangements synchronizing of arrival of multiple uplinks
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04WWIRELESS COMMUNICATION NETWORKS
    • H04W56/00Synchronisation arrangements
    • H04W56/004Synchronisation arrangements compensating for timing error of reception due to propagation delay
    • H04W56/0045Synchronisation arrangements compensating for timing error of reception due to propagation delay compensating for timing error by altering transmission time

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Astronomy & Astrophysics (AREA)
  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

本開示は、受信機を有するユーザ機器(UE)に関し、前記UEの受信機は、ソース無線セルのソース基地局から、ターゲット無線セルに対する共通タイミングアドバンス値を受信する。前記UEは、前記ソース無線セルに接続されており、前記UEを前記ソース無線セルから前記ターゲット無線セルにハンドオーバさせるハンドオーバ手順に関与している。また、前記共通タイミングアドバンス値は、前記ソース基地局から前記ハンドオーバ手順の第1のメッセージにおいて受信され、この第1のメッセージは、前記UEからターゲット基地局に第2のメッセージを送信するためのタイミング指示も含む。そして、前記UEのプロセッサは、前記受信された共通タイミングアドバンス値および前記タイミング指示に基づいて、前記ターゲット基地局からのダウンリンク送信に関して前記ターゲット基地局へのアップリンク送信の第1のアップリンクタイミングを決定する。前記UEの送信機は、前記決定されたアップリンクタイミングに基づいて、前記ハンドオーバ手順の前記第2のメッセージを前記ターゲット基地局に送信する。前記プロセッサは、前記ターゲット無線セルにおいてアップリンク送信を実行するために前記UEによって使用される、前記UEおよび前記ターゲット無線セルに固有の、UE固有タイミングアドバンス値を決定する。

Description

本開示は、3GPP通信システムなどの通信システムにおける方法、デバイス、および物品を対象とする。
現在、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)は、次世代のセルラー技術(第5世代(5G)とも呼ばれる)の技術仕様に取り組んでいる。
1つの目的は、少なくとも拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced mobile broadband)、超高信頼・低遅延通信(URLLC:ultra-reliable low-latency communications)、大規模マシンタイプ通信(mMTC:massive machine type communication)を含む、あらゆる使用シナリオ、要件、および配置シナリオ(例えば、非特許文献1の6節を参照)に対処する、単一の技術的枠組みを提供することである。例えば、eMBBの配置シナリオには、屋内のホットスポット、密集都市部、郊外、都市部広域、および高速が含まれ得る。URLLCの配置シナリオには、産業制御システム、モバイル健康管理(遠隔モニタリング、遠隔診断、および遠隔治療)、車両のリアルタイム制御、スマートグリッドの広域監視・制御システムが含まれ得る。mMTCの配置シナリオには、スマートウェアラブルやセンサネットワークなど、遅延の影響が小さいデータ伝送を行う多数の装置を使用するシナリオが含まれ得る。eMBBサービスとURLLCサービスは、いずれも極めて広い帯域幅が要求される点で似ているが、URLLCサービスでは、極めて小さいレイテンシ(待ち時間)(latency)が好ましくは要求される点において異なる。
第2の目的は、前方互換性を達成することである。ロングタームエボリューション(LTE、LTE-A)セルラーシステムへの後方互換性は要求されず、これにより、全く新しいシステムの設計および/または新しい機能の導入が容易になる。
TR 38.913 version 15.0.0 3GPP TS 38.300 v15.6.0 3GPP TR 38.801 v14.0.0 3GPP TS 38.211 v15.6.0 TS 23.501 v16.1.0 3GPP TS 38.321 v15.6.0 TS 38.213 version 15.6.0 TR 38.821 v0.3.0 TS 38.401 3GPP規格TS 38.331 version 15.6.0
1つの非限定的かつ例示的な実施形態は、ハンドオーバ手順の改善を容易にする手順を提供することを促進する。
一実施形態において、本明細書に開示される技術は、受信機を有するユーザ機器(UE)を特徴とし、前記UEの受信機は、ソース無線セルのソース基地局から、ターゲット無線セルに対する共通タイミングアドバンス値を受信する。前記UEは、前記ソース無線セルに接続されており、前記UEを前記ソース無線セルから前記ターゲット無線セルにハンドオーバさせるハンドオーバ手順に関与している。また、前記共通タイミングアドバンス値は、前記ソース基地局から前記ハンドオーバ手順の第1のメッセージにおいて受信され、この第1のメッセージは、前記UEから前記ターゲット基地局に第2のメッセージを送信するためのタイミング指示も含む。そして、前記UEのプロセッサは、前記受信された共通タイミングアドバンス値および前記タイミング指示に基づいて、前記ターゲット基地局からのダウンリンク送信に関して前記ターゲット基地局へのアップリンク送信の第1のアップリンクタイミングを決定する。前記UEの送信機は、前記決定されたアップリンクタイミングに基づいて、前記ハンドオーバ手順の前記第2のメッセージを前記ターゲット基地局に送信する。前記プロセッサは、前記ターゲット無線セルにおいてアップリンク送信を実行するために前記UEによって使用される、前記UEおよび前記ターゲット無線セルに固有の、UE固有タイミングアドバンス値を決定する。
なお、一般的な実施形態または具体的な実施形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはこれらの任意の選択的な組合せとして、実装され得ることに留意されたい。
開示されている実施形態およびさまざまな実装形態のさらなる恩恵および利点は、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざま実施形態および特徴によって個別に得ることができる。但し、これらは、このような恩恵および/または利点の1つまたは複数を得るために、すべてを設ける必要はない。
以下、例示的な実施形態について添付の図面を参照してより詳細に説明する。
3GPP NRシステムの例示的なアーキテクチャを示す図 LTE eNB、gNB、およびUEに対する例示的なユーザおよび制御プレーンアーキテクチャを示す図 NG-RANと5GCの間の機能分割を示す概略図 RRC接続セットアップ/再設定手順のシーケンス図 拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)、および超高信頼・低遅延通信(URLLC)の使用シナリオを示す概略図 非ローミングシナリオ向けの例示的な5Gシステムアーキテクチャを示すブロック図 競合ベースのRACH手順を実行する際にeNBとUEの間で交換されるメッセージを示す図 競合なしのRACH手順を実行する際にeNBとUEの間で交換されるメッセージを示す図 アップリンクタイミングアラインメントが実行されていない場合における、基地局で受信された2つの移動端末からのアップリンク送信のタイミング不整合を示す図 2つの移動端末からのアップリンク送信に対してアップリンクタイミングアライメントが同期されているアップリンクタイミング送信を実行することの効果を示す図 透過的衛星に基づく例示的なNG RANアーキテクチャを示す図 再生衛星に基づく例示的なNG RANアーキテクチャを示す図 再生衛星シナリオを、対応する伝搬遅延および共通TA計算用の基準点と共に示す図 透過的衛星シナリオを、対応する伝搬遅延および共通TA計算用の基準点と共に示す図 レガシーハンドオーバ手順のためのシグナリング交換を示す図 RACH-lessハンドオーバ手順のためのシグナリング交換を示す図 UEおよびgNBの例示的な単純化した構造を示す図 改善されたハンドオーバ手順の例示的な実装形態によるUEの構造を示す図 改善されたハンドオーバ手順の例示的な実装形態による、UEの動作のフロー図 改善されたハンドオーバ手順の例示的な実装形態による、基地局の動作のフロー図 改善されたハンドオーバ手順の例示的な実装形態による、シグナリングおよび処理図 改善されたハンドオーバ手順の例示的な実装形態による、シグナリングおよび処理図 UEがどのようにしてターゲット無線セルのUE固有TA値を決定するかに関する第1のオプションに基づく、改善されたハンドオーバ手順の例示的な実装形態による、シグナリングおよび処理図 UEがどのようにしてターゲット無線セルのUE固有TA値を決定するかに関する第2のオプションに基づく、改善されたハンドオーバ手順の例示的な実装形態による、シグナリングおよび処理図 GNSS搭載のUEがどのようにしてターゲット無線セルのUE固有TA値を決定するかに関する第3のオプションに基づく、改善されたハンドオーバ手順の例示的な実装形態による、シグナリングおよび処理図 透過的衛星シナリオならびに通信によって生じたフィーダリンク遅延および処理遅延を示す図
5G NRシステムのアーキテクチャおよびプロトコルスタック
3GPPは、最大100GHzの周波数で動作する新しい無線アクセス技術(NR)の開発を含む第5世代セルラー技術(単に5Gと呼ばれる)の次のリリースに取り組んでいる。5G規格の最初のバージョンは、2017年の終わりに完了し、これにより、5G NR規格に準拠したスマートフォンの試験および商用展開に進むことができる。
とりわけ、全体的なシステムアーキテクチャは、gNBを有するNG-RAN(次世代無線アクセスネットワーク:Next Generation - Radio Access Network)を想定しており、これらのgNBは、NG無線アクセスユーザプレーン(SDAP/PDCP/RLC/MAC/PHY)プロトコルおよび制御プレーン(RRC)プロトコルを終端させる。gNBは、Xnインタフェースによって互いに相互接続されている。また、gNBは、次世代(NG:Next Generation)インタフェースによってNGC(次世代コア:Next Generation Core)に、より具体的には、NG-CインタフェースによってAMF(アクセスおよびモビリティ管理機能:Access and Mobility Management Function)(例えば、AMFを実行する特定のコアエンティティ)に、また、NG-UインタフェースによってUPF(ユーザプレーン機能:User Plane Function)(例えば、UPFを実行する特定のコアエンティティ)にも接続されている。NG-RANアーキテクチャを図1に示す(例えば、非特許文献2の4節を参照)。
さまざまな異なる配置シナリオをサポートすることができる(例えば、非特許文献3を参照)。この文献には、例えば、非中央集中型の配置シナリオ(例えば、非特許文献3の5.2節を参照。中央集中型の配置は、5.4節に示されている)が提示されており、5G NRをサポートする基地局を配置することができる。図2は、例示的な非中央集中型の配置シナリオを示しており(例えば、前記非特許文献3の図5.2.-1を参照)、LTE eNBおよびユーザ機器(UE)をさらに示しており、ユーザ機器(UE)は、gNBおよびLTE eNBの両方に接続されている。NR 5Gの新しいeNBは、例示的にgNBと呼ぶことができる。eLTE eNBは、eNBの進化型であり、EPC(進化型パケットコア:Evolved Packet Core)およびNGC(次世代コア:Next Generation Core)への接続性をサポートする。
NRにおけるユーザプレーンプロトコルスタック(例えば、非特許文献2の4.4.1節を参照)は、PDCP(パケットデータコンバージェンスプロトコル:Packet Data Convergence Protocol、非特許文献2の6.4節を参照)サブレイヤ、RLC(無線リンク制御:Radio Link Control、非特許文献2の6.3節を参照)サブレイヤ、MAC(媒体アクセス制御:Medium Access Control、非特許文献2の6.2節を参照)サブレイヤを含み、これらのサブレイヤは、ネットワーク側ではgNBにおいて終端する。これに加えて、PDCPの上に、アクセス層(AS:access stratum)の新しいサブレイヤ(SDAP、サービスデータアダプテーションプロトコル:Service Data Adaptation Protocol)が導入される(例えば、非特許文献2の6.5節を参照)。NRにおいても制御プレーンプロトコルスタックが定義されている(例えば、非特許文献2の4.4.2節を参照)。レイヤ2の機能の概要は、非特許文献2の6節に記載されている。PDCPサブレイヤ、RLCサブレイヤ、およびMACサブレイヤの機能は、非特許文献2の6.4節、6.3節、および6.2節にそれぞれ記載されている。RRCレイヤの機能は、非特許文献2の7節に記載されている。
例えば、媒体アクセス制御レイヤは、論理チャネルの多重化、ならびに、さまざまなヌメロロジーの処理を含む、スケジューリングおよびスケジューリング関連機能を扱う。
物理レイヤ(PHY)は、例えば、符号化、PHY HARQ処理、変調、マルチアンテナ処理、および適切な物理時間-周波数リソースへの信号のマッピングを担当する。また、物理レイヤは、物理チャネルへのトランスポートチャネルのマッピングも処理する。物理レイヤは、トランスポートチャネルの形でMAC層にサービスを提供する。物理チャネルは、特定のトランスポートチャネルの送信に使用される時間周波数リソースのセットに対応し、各トランスポートチャネルは、対応する物理チャネルにマッピングされる。1つの物理チャネルは、ランダムアクセスに使用されるPRACH(物理ランダムアクセスチャネル:Physical Random Access Channel)である。
NRのユースケース/配置シナリオには、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)、超高信頼・低遅延通信(URLLC)、大規模マシンタイプ通信(mMTC)が含まれ、これらのサービスは、データレート、レイテンシ、およびカバレッジに関して多様な要件を有する。例えば、eMBBは、IMT-Advancedによって提供される3倍のオーダーのピークデータレート(ダウンリンクが20Gbps、アップリンクが10Gbps)およびユーザ体感データレートをサポートすることが期待される。これに対して、URLLCの場合、より厳しい要件として、極めて低いレイテンシ(ユーザプレーンのレイテンシはULおよびDLそれぞれで0.5ms)と、高い信頼性(1ms内で1~10-5)とが課せられる。さらに、mMTCでは、高い接続密度(都市環境では1kmあたり1,000,000個のデバイス)、過酷な環境における広いカバレッジ、およびデバイスコストを下げるための極めて長寿命のバッテリ(15年)が、好ましくは要求され得る。
したがって、あるユースケースに適したOFDMヌメロロジー(例えば、サブキャリア間隔(subcarrier spacing)、OFDMシンボル持続時間、サイクリックプレフィックス(CP)持続時間、スケジューリング間隔あたりのシンボル数)が、別のユースケースではうまく機能しないことがある。例えば、低レイテンシのサービスでは、mMTCサービスよりも、短いシンボル持続時間(したがって、より大きいサブキャリア間隔)、および/または、スケジューリング間隔(TTIとも称される)あたりの少ないシンボルが、好ましくは要求され得る。さらには、チャネルの遅延スプレッドが大きい配置シナリオでは、遅延スプレッドが短いシナリオよりも長いCP持続時間が、好ましくは要求され得る。同程度のCPオーバーヘッドを維持するため、遅延スプレッドに応じてサブキャリア間隔を最適化するべきである。NRでは、サブキャリア間隔の2つ以上の値がサポートされ得る。したがって、現在のところ、15kHz、30kHz、60kHz、…のサブキャリア間隔が検討されている。シンボル持続時間Tuとサブキャリア間隔Δfは、式(Δf=1/T)により、直接関係している。LTEシステムの場合と同様に、1個のOFDM/SC-FDMAシンボルの長さに対する1つのサブキャリアから構成される最小リソース単位を表すのに、「リソースエレメント」という用語を使用することができる。
新しい無線システム5G-NRでは、各ヌメロロジーおよびキャリアごとに、アップリンクおよびダウンリンクそれぞれにおいて、サブキャリアとOFDMシンボルのリソースグリッドが定義される。リソースグリッド内の各要素は、リソースエレメントと呼ばれ、周波数領域における周波数インデックスと時間領域におけるシンボル位置とに基づいて識別される(非特許文献4を参照)。
NG-RANと5GCの間の5G NR機能の分割
図3は、NG-RANと5GCとの間での機能の分割を示している。NG-RANの論理ノードは、gNBまたはng-eNBである。5GCの論理ノードは、AMF、UPF、およびSMFである。
特に、gNBおよびng-eNBは、次の主要機能を処理する。
- 無線ベアラ制御(Radio Bearer Control)、無線アドミッション制御(Radio Admission Control)、接続モビリティ制御(Connection Mobility Control)、アップリンクおよびダウンリンクの両方向におけるUEへの動的なリソース割当て(スケジューリング)など、無線リソース管理(Radio Resource Management)の機能
- IPヘッダ圧縮、暗号化、およびデータの整合性保護
- UEによって提供される情報からAMFへのルーティングを決定できないときのUEのアタッチ時のAMFの選択
- UPFへのユーザプレーンデータのルーティング
- AMFへの制御プレーン情報のルーティング
- 接続の確立および解放
- ページングメッセージのスケジューリングおよび送信
- (AMFまたはOAMから送信される)システムブロードキャスト情報のスケジューリングおよび送信
- モビリティおよびスケジューリングのための測定および測定報告の設定
- アップリンクにおけるトランスポートレベルのパケットマーキング
- セッション管理
- ネットワークスライシングのサポート
- QoSフロー管理およびデータ無線ベアラへのマッピング
- RRC_INACTIVE状態のUEのサポート
- NASメッセージの配信機能
- 無線アクセスネットワークシェアリング
- デュアルコネクティビティ
- NRとE-UTRA間の緊密なインターワーキング
アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)は、次の主要機能を処理する。
- 非アクセス層(NAS:Non-Access Stratum)シグナリングの終端
- NASシグナリングのセキュリティ
- アクセス層(AS:Access Stratum)のセキュリティ制御
- 3GPPアクセスネットワーク間のモビリティのためのコアネットワーク(CN:Core Network)ノード間シグナリング
- アイドルモードUEの到達可能性(Reachability)(ページング再送の制御および実行を含む)
- レジストレーションエリア(Registration Area)管理
- システム内モビリティおよびシステム間モビリティのサポート
- アクセス認証(Access Authentication)
- ローミング権のチェックを含むアクセス認証
- モビリティ管理制御(サブスクリプションおよびポリシー)
- ネットワークスライシングのサポート
- セッション管理機能(SMF:Session Management Function)の選択
さらに、ユーザプレーン機能(UPF:User Plane Function)は、次の主要機能を処理する。
- RAT内/RAT間モビリティのためのアンカーポイント(適用可能時)
- データネットワークとの相互接続の外部PDUセッションポイント
- パケットのルーティングおよび転送
- パケット検査およびポリシールール施行のユーザプレーン部分
- トラフィック使用報告
- データネットワークへのトラフィックフローのルーティングをサポートするためのアップリンククラシファイア(classifier)
- マルチホームPDUセッションをサポートするためのブランチングポイント
- ユーザプレーンのQoS処理(例えば、パケットフィルタリング、ゲーティング、UL/DLレート強制)
- アップリンクトラフィックの検証(SDFからQoSフローへのマッピング)
- ダウンリンクパケットバッファリングおよびダウンリンクデータ通知トリガリング
最後に、セッション管理機能(SMF)は、次の主要機能を処理する。
- セッション管理
- UE IPアドレスの割当ておよび管理
- UP機能の選択および制御
- トラフィックを正しい宛先にルーティングするためのユーザプレーン機能(UPF)におけるトラフィックステアリングの設定
- ポリシー施行およびQoSの制御部分
- ダウンリンクデータ通知
RRC接続の確立および再設定手順
図4は、UEがRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDに移行するときの、NAS部分における、UE、gNB、AMF(5GCエンティティ)の間のインタラクションを示している(非特許文献2を参照)。
RRCは、UEおよびgNBの設定に使用される上位レイヤシグナリング(プロトコル)である。特に、この移行では、AMFがUEコンテキストデータ(例えば、PDUセッションコンテキスト、セキュリティキー、UE無線能力、およびUEセキュリティ能力などを含む)を準備し、それを初期コンテキストセットアップ要求(INITIAL CONTEXT SETUP REQUEST)によってgNBに送る。次に、gNBが、UEとのASセキュリティをアクティブにし、これは、gNBがSecurityModeCommandメッセージをUEに送信し、UEがSecurityModeCompleteメッセージでgNBに応答することによって実行される。その後、gNBは、シグナリング無線ベアラ2(SRB2)およびデータ無線ベアラ(DRB)を確立するために再設定を実行し、これは、gNBがRRCReconfigurationメッセージをUEに送信し、これに応答してUEからRRCReconfigurationCompleteをgNBが受信することによる。シグナリングのみの接続の場合、SRB2およびDRBが確立されないため、RRCReconfigurationに関連するこれらのステップはスキップされる。最後に、gNBは、確立手順が完了したことを、初期コンテキストセットアップ応答(INITIAL CONTEXT SETUP RESPONSE)によってAMFに通知する。
したがって、本開示では、gNodeBとユーザ機器(UE)との間にシグナリング無線ベアラが確立されるように、動作中、gNodeBとの次世代(NG)接続を確立する制御回路と、動作中、そのNG接続を介して初期コンテキストセットアップメッセージをgNodeBに送信する送信機とを有する、第5世代コア(5GC)のエンティティ(例えば、AMF、SMFなど)が提供される。特に、gNodeBは、リソース割当て設定情報要素を含む無線リソース制御(RRC)シグナリングを、シグナリング無線ベアラを介してUEに送信する。次いで、UEが、このリソース割当て設定に基づいてアップリンク送信またはダウンリンク受信を実行する。
IMT-2020以降の使用シナリオ
図5は、5G NRのユースケースのいくつかを示している。第3世代パートナーシッププロジェクトのNR(3GPP NR:3rd generation partnership project new radio)では、IMT-2020によって多種多様なサービスおよびアプリケーションをサポートすることが想定されている3つのユースケースが考慮されている。拡張モバイルブロードバンド(eMBB)のフェーズ1の仕様は決定された。現在および今後の作業としては、eMBBサポートをさらに拡張することに加えて、超高信頼・低遅延通信(URLLC)および大規模マシンタイプ通信のための標準化が含まれることになる。図5は、2020年以降のIMTについて想定される使用シナリオのいくつかの例を示している。
URLLCユースケースは、スループットやレイテンシ、可用性などの能力に関する厳しい要件を有し、工業的製造または生産プロセスの無線制御、遠隔医療手術、スマートグリッドにおける配電自動化、輸送の安全性など、将来の垂直アプリケーションを実現する手段の1つとして想定されている。URLLCの超高信頼性は、非特許文献1によって設定される要件を満たすための技術を特定することによってサポートされる。リリース15におけるNR URLLCの場合、重要な要件は、ユーザプレーンの目標レイテンシが、UL(アップリンク)に対して0.5ms、DL(ダウンリンク)に対して0.5msであることを含む。パケットの1回の送信における一般的なURLLCの要件は、1msのユーザプレーンレイテンシでパケットサイズ32バイトの場合にBLER(ブロック誤り率)1E-5である。
RAN1の観点から、信頼性は、多くの可能な方法で向上させることができる。信頼性を向上させるための現在の範囲は、URLLCのための個別のCQIテーブルや、よりコンパクトなDCIフォーマット、PDCCHの繰り返しなどを定義することを含む。しかし、(NR URLCの重要な要件について)NRがさらに安定し、開発が進むにつれて、超高信頼性を実現するための範囲が広がり得る。リリース15におけるNR URLCCの具体的なユースケースとしては、拡張現実/仮想現実(AR/VR)、e-ヘルス、e-セーフティ、およびミッションクリティカルなアプリケーションが挙げられる。
さらに、NR URLCCが対象とする技術強化は、レイテンシの改善および信頼性の向上を目標としている。レイテンシを改善するための技術強化としては、設定可能なヌメロロジー、柔軟なマッピングを使用する非スロットベースのスケジューリング、グラントフリー(設定済みグラント(configured grant))のアップリンク、データチャネルのスロットレベルの繰り返し、およびダウンリンクのプリエンプションが挙げられる。プリエンプションとは、リソースがすでに割り当てられている送信が中止され、すでに割り当てられているリソースが、後から要求された、より小さいレイテンシ/より高い優先度要件を有する別の送信に使用されることを意味する。したがって、すでに許可された送信が、より後の送信によってプリエンプトされる。プリエンプションは、特定のサービスタイプに関係なく適用される。例えば、サービスタイプA(URLCC)の送信を、サービスタイプB(eMBBなど)の送信によってプリエンプトすることができる。信頼性向上に関する技術強化としては、1E-5の目標BLERのための専用CQI/MCSテーブルが挙げられる。
mMTC(大規模マシンタイプ通信)のユースケースは、非常に多数の接続されたデバイスが、一般には遅延の影響が小さい比較的少量のデータを送信することを特徴とする。デバイスは、低コストでありかつ極めて長いバッテリ寿命を有する必要がある。NRの観点からは、非常に狭い帯域幅部分を利用することは、UEの観点からの節電を達成して長いバッテリ寿命を可能にするための1つの可能なソリューションである。
上記のように、NRにおける信頼性の範囲が広がることが予測される。あらゆるケース、特にURLLCおよびmMTCの場合に必要な1つの重要な要件は、高信頼性または超高信頼性である。無線の観点およびネットワークの観点から、信頼性を向上させるためのいくつかのメカニズムを考えることができる。一般には、信頼性の向上に役立つ可能性のある重要な領域がいくつか存在する。これらの領域としては、コンパクトな制御チャネル情報、データチャネル/制御チャネルの繰り返し、ならびに周波数領域、時間領域、および/または空間領域に関連するダイバーシチが挙げられる。これらの領域は、特定の通信シナリオには関係なく、一般的に信頼性に適用可能である。
NR URLLCの場合、例えば、工場自動化や輸送産業、電力供給など、より厳しい要件を有するさらなるユースケースが特定されている。より厳しい要件とは、ユースケースに応じて、より高い信頼性(最大10-6レベル)、より高い可用性、最大256バイトのパケットサイズ、数μs(値は周波数範囲に応じて1~数μs)のオーダーの時間同期、0.5~1msのオーダーの短いレイテンシ(特にユーザプレーンの目標レイテンシは0.5ms)である。
さらに、NR URLLCの場合、RAN1の観点からいくつかの技術強化が認識されている。特に、コンパクトなDCI、PDCCHの繰り返し、PDCCH監視の増大、に関連するPDCCH(物理ダウンリンク制御チャネル:Physical Downlink Control Channel)の強化が挙げられる。さらに、UCI(アップリンク制御情報:Uplink Control Information)の強化は、HARQ(ハイブリッド自動再送要求:Hybrid Automatic Repeat Request)の強化およびCSIフィードバックの強化に関連する。また、ミニスロットレベルのホッピングおよび再送信/繰り返しに関連するPUSCHの強化も認識されている。「ミニスロット」という用語は、スロット(14個のシンボルを含むスロット)よりも少ない数のシンボルを含む送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)を意味する。
QoS制御
5G QoS(サービス品質:Quality of Service)モデルは、QoSフローに基づいており、保証フロービットレートを必要とするQoSフロー(GBR QoSフロー)と、保証フロービットレートを必要としないQoSフロー(非GBR QoSフロー)の両方をサポートする。したがって、NASレベルでは、QoSフローはPDUセッションにおけるQoS差別化の最も細かい粒度である。QoSフローは、PDUセッション内では、NG-Uインタフェースを通じてカプセル化ヘッダ内で伝えられるQoSフローID(QFI)によって識別される。
5GCは、UEごとに、1つまたは複数のPDUセッションを確立する。NG-RANは、UEごとに、PDUセッションと一緒に少なくとも1つのデータ無線ベアラ(DRB:Data Radio Bearer)を確立し、次に、そのPDUセッションのQoSフローのための追加のDRBを、例えば、図4を参照しながら上記したように、設定することができる(いつ設定するかはNG-RANが決定する)。NG-RANは、異なるPDUセッションに属するパケットを異なるDRBにマッピングする。UEおよび5GCにおけるNASレベルのパケットフィルタが、ULおよびDLのパケットをQoSフローに関連付け、UEおよびNG-RANにおけるASレベルのマッピング規則が、ULおよびDLのQoSフローをDRBに関連付ける。
図6は、5G NR非ローミング基準アーキテクチャを示している(非特許文献5の4.23節を参照)。アプリケーション機能(AF:Application Function)(例えば、図5に例示的に記載されている5Gサービスを処理する外部アプリケーションサーバ)は、サービスを提供する目的で、3GPPコアネットワーク(Core Network)と対話する。例えば、トラフィックのルーティングに対するアプリケーションの影響をサポートしたり、ネットワーク公開機能(NEF:Network Exposure Function)にアクセスしたり、またはポリシー制御(例えば、QoS制御)のためのポリシーフレームワーク(ポリシー制御機能PCFを参照)と対話する。オペレータの配備に基づいて、オペレータによって信頼されるものとみなされるアプリケーション機能(AF)を、関連するネットワーク機能(Network Function)と直接対話できるようにすることができる。ネットワーク機能に直接アクセスすることがオペレータによって許可されていないアプリケーション機能(AF)は、NEFを介して外部の公開フレームワークを使用して、関連するネットワーク機能と対話する。
図6は、5Gアーキテクチャのさらなる機能ユニットとして、ネットワークスライス選択機能(NSSF:Network Slice Selection Function)、ネットワークリポジトリ機能(NRF:Network Repository Function)、統一データ管理(UDM:Unified Data Management)、認証サーバ機能(AUSF:Authentication Server Function)、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF:Access and Mobility Management Function)、セッション管理機能(SMF:Session Management Function)、およびデータネットワーク(DN:Data Network)(例えば、オペレータサービス、インターネットアクセスまたは第三者サービス)を示している。
ランダムアクセス手順
LTEと同様に、5G NRは、RACH(Random Access Channel:ランダムアクセスチャネル)手順(または単にランダムアクセス手順)を提供する。例えば、RACH手順は、UEが見つけたセルにアクセスするために、UEによって使用されることができる。RACH手順は、NR内の他のコンテクスト、例えば、
・ ハンドオーバの場合、新たなセルに対して同期を確立するとき、
・ デバイスからのアップリンク送信なしにあまりにも長時間経過したために同期が失われた場合に、現在のセルへのアップリンク同期を再確立すること、
・ 専用のスケジューリング要求リソースがデバイスに設定されていない場合に、アップリンクスケジューリングを要求すること、
においても使用することができる。
UEにランダムアクセス手順を実行させ得る多数のイベントが存在する(例えば、非特許文献2の9.2.6節を参照)。
以下、RACH手順について、図7および図8を参照して、より詳細に説明する。移動端末は、そのアップリンク送信が時間同期されている場合、アップリンク送信のためにスケジューリングされることができる。したがって、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)手順は、非同期移動端末(UE)とアップリンク無線アクセスの直交送信(orthogonal transmission)との間のインタフェースとしての役割を果たす。例えば、ランダムアクセスは、アップリンク同期をまだ獲得していないかまたは失ったユーザ機器のアップリンク時間同期を達成するために使用される。ユーザ機器がアップリンク同期を達成すると、基地局は、そのためのアップリンク送信リソースをスケジューリングすることができる。ランダムアクセスに関連するシナリオの1つは、RRC_CONNECTED状態のユーザ機器であってその現在のサービングセルから新たなターゲットセルにハンドオーバするものが、ターゲットセルにおけるアップリンク時間同期を達成するためにランダムアクセス手順を実行する場合である。
アクセスが、競合ベース、つまり、衝突の内在的リスクを暗示するものか、または競合なし(非競合ベース)のいずれかであることを許容する2つのタイプのランダムアクセス手順が存在し得る。ランダムアクセス手順の例示的な定義は、非特許文献6の5.1節に見出すことができる。
以下、競合ベースのランダムアクセス手順について、図7に関してより詳細に説明する。この手順は、4つの「ステップ」からなり、したがって、4ステップRACH手順とも呼ぶことができる。まず、ユーザ機器は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)で、ランダムアクセスプリアンブルを基地局に送信する(つまり、RACH手順のメッセージ1)。基地局は、RACHプリアンブルを検出した後、プリアンブルが検出された時間-周波数およびスロットを識別する(ランダムアクセス:Random Access)RA-RNTIを用いて、PDCCH上でアドレス指定されたPDSCH(Physical Downlink Shared Channel:物理ダウンリンク共有チャネル)でランダムアクセス応答(RAR:Random Access Response)メッセージ(RACH手順のメッセージ2)を送信する。複数のユーザ機器が同じRACHプリアンブルを同じPRACHリソースで送信した場合(これは衝突とも呼ばれる)、当該複数のユーザ機器は、同じランダムアクセス応答メッセージを受信することになる。RARメッセージは、検出したRACHプリアンブルと、受信したプリアンブルのタイミングに基づく後続のアップリンク送信の同期のためのタイミングアラインメントコマンド(TAコマンド)と、最初にスケジューリングされた送信を送信するための初期アップリンクリソース割当て(グラント)と、一時セル無線ネットワーク一時識別子(T-CRNTI:Temporary Cell Radio Network Temporary Identifier)の割当てと、を伝達することができる。このT-CRNTIは、RACH手順が終了するまで、RACHプリアンブルが検出された移動局をアドレス指定するために基地局によって使用される。なぜなら、この時点における移動局の「本当の」アイデンティティは、基地局によってまだ知られていないからである。
ユーザ機器は、所与の時間ウィンドウ(例えば、RAR受信ウィンドウと呼ばれる)(これは、基地局によって設定することができる)内にランダムアクセス応答メッセージを受信するためにPDCCHを監視する。基地局から受信したRARメッセージに応答して、ユーザ機器は、最初にスケジューリングされたアップリンク送信を、ランダムアクセス応答内のグラントによって割り当てられた無線リソースで送信する。このスケジューリングされたアップリンク送信は、例えば、RRC接続要求(RRC Connection Request)、RRC再開要求(RRC Resume Request)、またはバッファ状態報告など、特定の機能を有する実際のメッセージを伝達する。
RACH手順の最初のメッセージでプリアンブルの衝突が発生した場合、つまり、複数のユーザ機器が同じプリアンブルを同じPRACHリソースで送信した場合、衝突するユーザ機器は、同じT-CRNTIをランダムアクセス応答内で受信し、RACH手順の第3のステップにおいて自己のスケジューリングされた送信を送信するときに、同じアップリンクリソースでも衝突する。1つのユーザ機器からのスケジューリングされた送信の復号が基地局によって成功した場合、競合は、他のユーザ機器については未解決のままである。この種の競合を解決するために、基地局は、C-RNTIまたは一時(Temporary)C-RNTIにアドレス指定された競合解決メッセージ(第4のメッセージ)を送信する。これで手順は終了する。
図8は、競合ベースのランダムアクセス手順と比較して簡略化された、競合なしのランダムアクセス手順を示している。基地局は、第1のステップにおいて、衝突の危険性がないように、つまり、複数のユーザ機器が同じプリアンブルを送信する危険性がないように、ランダムアクセスに使用する専用のプリアンブルをユーザ機器に提供する。したがって、その後、ユーザ機器は、基地局によってシグナリングされたプリアンブルを、PRACHリソース上のアップリンクで送信している。競合なしのランダムアクセスでは、複数のUEが同じプリアンブルを送信している場合が回避されるため、本質的に、競合なしのランダムアクセス手順は、UEによるランダムアクセス応答の受信が成功した後に終了する。
また、3GPPは、5G NR向けの2ステップ(競合ベース)RACH手順の検討もしており、そこでは、4ステップLTE RACH手順におけるメッセージ1およびメッセージ3に対応するメッセージ1(msgAとも呼ぶことができる)が最初に送信される。次いで、gNBは、LTE RACH手順のメッセージ2およびメッセージ4に対応するメッセージ2(msgBとも呼ぶことができる)で応答する。このmsgBは、例えば、成功(Success)ランダムアクセス応答(RAR)、フォールバック(Fallback)RAR、および任意選択でバックオフ指示を含むことができる。2ステップRACH手順については、例えば、UEは、RACHタイプ(例えば、2ステップRACH)を決定した後、失敗まで当該同じRACHタイプを再試行し続けるなどと、いくつかさらに仮定される。しかし、一定時間後にUEが4ステップRACH手順にフォールバックすることができる可能性もあり得る。
さらに、ネットワークは、2ステップRACH手順および4ステップRACH手順を実行するのに使用する、互いに排他的である無線リソースを半静的に決定し得る。RACH手順において第1のメッセージを送信するのに使用される無線リソースは、少なくともRACHオケージョンおよびプリアンブルを含む。例えば、2ステップRACH手順において、最初のメッセージmsgAは、PRACHリソース(例えば、RACHオケージョンおよびプリアンブル)だけでなく、関連付けられたPUSCHリソースも使用する。
ランダムアクセス手順の主な目的の1つは、基地局までのアップリンク送信の時間を計るためにUEによって使用されるタイミングアドバンス値を取得することである。アップリンク直交性は、セル内の異なるユーザ装置からの送信が基地局の受信機において時間整合される(time-aligned)ようにすることによって維持される。これにより、連続するサブフレームで送信するように割り当てられたユーザ機器間、および隣接するサブキャリアで送信するユーザ機器間の両方で、セル内干渉の発生が回避される。アップリンク送信の時間整合(time alignment)は、図9および図10に例示するように、受信したダウンリンクタイミングに対して、ユーザ機器の送信機においてタイミングアドバンスを適用することによって達成される。これの主な役割は、セル内の異なるユーザ機器間のさまざまな伝搬遅延を打ち消すことである。
図9は、アップリンクタイミングアライメントが実行されていないため、基地局(ここでは例示的にeNodeBであると仮定される)が異なるタイミングで2つのUEからそれぞれのアップリンク送信を受信する場合における、2つのUEからのアップリンク送信の不整合(misalignment)を例示的に示している。UE1に対する伝搬遅延PD_eNB-UE1およびPD_UE1-eNBと、UE2に対する伝搬遅延PD_eNB-UE2およびPD_UE2-eNBとは互いに大きく異なり、そのため、UE1およびUE2によるアップリンク送信は、eNodeBによって異なる時間に受信される。
これと対照的に、図10は、2つのUEに対する同期されたアップリンク送信を示している。アップリンクタイミングアラインメント(TA:timing alignment)は、各UEによって実行され、基地局において2つのUEからのアップリンク送信がほぼ同じタイミングで到着するようにアップリンク送信に適用される。
したがって、ユーザ機器固有のタイミングアドバンスは、ユーザ機器の観点からアップリンク送信タイミングを決定する。タイミングアドバンスの基準は、図10に示すように、ユーザ機器の観点から見たダウンリンクサブフレーム境界タイミングである。
アップリンク送信に対する送信タイミング調整(timing adjustment)は、非特許文献7の4.2節および非特許文献6の5.2節に詳細に記載されている。
タイミングアドバンスコマンド(Timing Advance Command)MAC CEは、非特許文献6の表6.2.1-1に示すLCIDを有するMACサブヘッダによって識別される。これは、固定サイズを有し、次のように定義される単一オクテットから成る。
- TAGアイデンティティ(Identity)(タイミングアドバンスグループ(Timing Advance Group)ID):このフィールドは、アドレス指定されたTAGのTAGアイデンティティを示す。SpCellを含むTAGは、TAGアイデンティティが0である。フィールドの長さは、2ビットである。
- タイミングアドバンスコマンド(Timing Advance Command):このフィールドは、MACエンティティが必要とするタイミング調整の量を制御するのに使用されるインデックス値TA(0,1,2,…,63)を示す。フィールドの長さは、6ビットである。
Figure 2022548782000002
ランダムアクセス手順の間、アップリンク時間整合が実行されていない場合、UEは、DL同期タイミングに従ってプリアンブルを送信する。次に、基地局は、RARメッセージ内のタイミングアドバンス値で応答する。ここで、タイミングアドバンス値は、例えば、2×PD(P=Pと仮定する)である(Pはダウンリンク伝搬時間であり、Pはアップリンク伝搬時間である)。UEは、アップリンク送信を実行するために、受信したタイミングアドバンス値を適用する。
非陸上ネットワーク(Non-Terrestrial Network、NTN)
衛星は、列車、航空機、および船舶の乗客だけでなく、地上のカバレッジを超えた領域に到達するための最も効果的な手段であり続ける。したがって、衛星を5Gエコシステムの不可欠な部分として含めると、弾力性が加わる。衛星産業は、衛星システムが5Gエコシステムの本質的な部分として確実に統合されるよう、3GPP、EC、ITU-Tを含む、さまざまな委員会に参加してきた。目標は、1)例えば、ユビキタスカバレッジ、災害救援、公共安全要件、緊急応答、遠隔センサ接続性、放送サービスなどのユースケースのために衛星を使用して高度に利用可能で信頼性のある接続性をサポートすること、2)衛星接続を伴う際に最大275msの一方向レイテンシを有するエアインタフェースをサポートすること、および3)さまざまなレイテンシを有する地上ネットワークおよび衛星ベースのネットワークの間のシームレスなモビリティをサポートすることである。5Gにおける衛星の役割および利点は、3GPPリリース14で研究されており、衛星アクセスをサポートするための特定の要件につながっている。
図11は、透過的衛星に基づく例示的なNG RANアーキテクチャを示している。1つの例示的な実装形態(非特許文献8の5.1節を参照)によれば、衛星ペイロードは、アップリンク方向とダウンリンク方向の両方に周波数変換および無線周波数増幅器(Radio Frequency amplifier)を実装する。これは、アナログRFリピータ(repeater)に対応する。したがって、衛星は、フィーダリンク(NTNゲートウェイと衛星の間)からサービスリンク(衛星とUEの間)にNR-Uu無線インタフェースを中継し、その逆も同様である。フィーダリンク上の衛星無線インタフェース(SRI:Satellite Radio Interface)が、NR-Uuである。すなわち、衛星は、NR-Uuを終端しない。
図12は、再生衛星に基づく例示的なNG RANアーキテクチャを示している。1つの例示的な実装形態(非特許文献8の5.2節を参照)によれば、非特許文献9に記載されているNG-RAN論理アーキテクチャは、NTNシナリオのベースラインとして使用される。衛星ペイロードは、地球から受信した信号の再生(regeneration)を実装する。NR-Uu無線インタフェースは、UEと衛星の間のサービスリンク上にある。衛星無線インタフェース(SRI)は、NTNゲートウェイと衛星の間のフィーダリンク上にある。SRI(Satellite Radio Interface)は、NTN GWと衛星の間のトランスポートリンクである。
また、衛星ペイロードは、衛星同士の間の衛星間リンク(ISL:Inter-Satellite Link)も提供する。ISL(Inter-Satellite Links)は、衛星間のトランスポートリンクである。
NTNのタイミングアドバンス
NTNシナリオにおける長い遅延をサポートするために、2つの構成要素(共通タイミングアドバンス値および個別(つまり、UE固有)タイミングアドバンス値)に基づいて、完全なタイミングアドバンスを指示することが可能である。一緒になって、共通TA値および個別TA値は、総TA値を構成する。共通TAは、無線セル/ビーム内(例えば、セルの最も近い点で)の基準点位置における往復遅延(RTD:round trip delay)を補償するのに使用され、衛星と基準点の間の伝送遅延の2倍であると決定し得る。一方、個別TAは、UEごとのタイミングを制御するのに使用され、例えば、具体的なUEの位置に基づいて、変化する。
2つの異なる衛星シナリオが図13および図14に示されており、図13には再生衛星の展開が、図14には透過的衛星の展開が示されている。図示した遅延d1に対応する遅延は、図示した基準点で計算される、共通TA値によって補償することができる。一方、セル内の異なる位置(全遅延d2を有する)に対しては、d3(d3=d2-d1)に対応する差分遅延が、個別TAによってさらに補償され得る。したがって、共通TA値は、UEが基準点に位置する場合の総TA値と同じなる。
gNBは、RACH手順の間、ランダムアクセス応答メッセージにおける個別TAで応答すると例示的に仮定する。共通TA値は、例えば、無線セルのシステム情報でブロードキャストすることができる。したがって、両方のパラメータについて取得したUEは、総TA値を決定することができる。
これに対応して、UEは、ランダムアクセスプリアンブルを送信する際に共通TAを使用することができ、その後、RARにおける個別TAを取得する。RACHプリアンブルを送信する際に共通TAを適用しなければ、PRACH送信におけるガード期間(GP:Guard Period)は、NTN RTD(これは非常に長い)に対応できるように十分に長くなければならず、したがって、容易に可能でない可能性がある。これは、非NTNシナリオと異なる。非NTNシナリオでは、RACH手順を実行する場合、UEは、通常、RACHプリアンブルを送信する際にタイミングアドバンスを適用せず、むしろダウンリンクタイミングに従う。
加えて、共通TAは、無線セルごとにまたはビームごとに指示することができる。以下、共通TAはセル全体に対して有効であると例示的に仮定する。しかし、共通TA値が無線セルのビームごとである場合、複数のビームのうちの1つにそれぞれ対応する複数の共通TA値を提供することができる。その後、UEは、例えば、SSB選択(同期信号ブロック選択:Synchronization Signal Block selection)に基づいてビーム固有共通TA値のいずれかを選択する。
さらなる例示的な実装形態として、共通TAは、RTT(ラウンドトリップタイム:Round Trip Time)を補償するために時間オフセット値としてシグナリングされ得るパラメータとして理解されるべきである。また、これは、他の目的のために使用することもでき(例えば、「共通TA」と必ずしも同じ形態ではないことがある)、異なって呼ばれることもある。
ハンドオーバ手順
一般的な単純化したハンドオーバを図15に示し、以下、簡単に説明する。UEのハンドオーバは、ソース基地局がUEを隣接無線セルにハンドオーバするか否かの決定を行うことを含む。ソースセルからターゲットセルにUEをハンドオーバする決定は、通常、ソースgNBによって、例えば、UEからの測定結果(1つ以上の測定報告で伝えられる)に基づいて、行われる。
その後、2つの関係する基地局(ソース基地局およびターゲット基地局)の間で、ソースgNBがハンドオーバ要求メッセージをターゲット基地局に送信し、ターゲットgNBがハンドオーバ要求肯定応答メッセージで応答することによって、ハンドオーバが準備される(準備フェーズ)。その後、実行フェーズにおいて、UEは、ハンドオーバコマンドメッセージ(RRCReconfigurationメッセージ)を通じて、ソースセルからターゲットセルに切り替えるよう指示され、これは、例えば、ターゲット無線セルのターゲット基地局との接続を確立するようにUEの無線リソースを再構成することを含む。したがって、UEは、その再構成を実行し、新しいターゲット基地局にアタッチする。これは、同期および(競合なしの)ランダムアクセス手順の実行を含む。例えば、同期は、UEが、ターゲットセルのセルアイデンティティおよびフレームタイミングを取得するのに通常使用される同期信号(例えば、プライマリ同期信号(PSS:Primary Synchronization Signal)およびセカンダリ同期信号(SSS:Secondary Synchronization Signal)を取得し、それによって、時間および周波数の同期を達成することを含み得る。ランダムアクセス手順は、UEによって、例えば、タイミングアドバンス値を取得し、RARメッセージでアップリンク送信用のアップリンクリソースを取得するために、実行される。これは、少なくとも、RACHプリアンブルの送信(競合なしのRACHのハンドオーバコマンドメッセージにおいてプリアンブルが指示したものに沿って)、ランダムアクセス応答(例えば、アップリンクグラントを含む)の受信、ならびに、最後にランダムアクセス手順の3番目の最後のステップとして、UEが、ハンドオーバ確認メッセージ(RRCReconfigurationCompleteメッセージ)をターゲットgNBに送信することによって、再構成およびターゲットセルへのアクセスが完了したことを確認することから成る。
このようなハンドオーバ手順の例示的な実装形態は、5G NRに対して、非特許文献2の9.2.3節において定義されている。
NTNのためのRACH-lessハンドオーバ
NTNのモビリティを強化するための議論が進行中である。本発明者らは、非陸上通信の場合、往復遅延(RTD)は陸上通信の場合よりもかなり大きくなり得ることを認識した。例えば、NTNの最大RTDは、GEO(静止地球周回軌道:Geostationary Earth Orbiting、例えば、高度35786kmにおける)の場合、541.1msであり、LEO(地球低周回軌道:Low Earth Orbiting、例えば、高度600/1200kmにおける)の場合、25.76/41.76msである。陸上通信の場合、RTDは、例えば、最大5msとすることができる。
長いRTDは、ハンドオーバレイテンシの増大をもたらす可能性がある。したがって、特にリアルタイムアプリケーションのために、モバイルUEに対してハンドオーバ中のレイテンシ最小化または低減するための具体的なソリューションが必要である。
1つの考えられるソリューションは、以下に説明するようなRACH-lessハンドオーバである。
RACH-lessハンドオーバ手順に対する1つの例示的な仮定は、ソースセルとターゲットセルの間のサブフレーム境界がアラインされる(aligned)ように、ソースセルとターゲットセルとが時間同期されていることである。例えば、最も厳しい時間同期によれば、サブフレーム境界は、シンボルタイミングに至るまで、例えば、同じシステムフレーム番号、同じスロット番号、および同じシンボル番号と続いて、同期される。しかし、例えば、同じシステムフレーム番号に至るまで、または、同じスロット番号に至るまでなど、厳格さに劣る時間同期も可能である。
RACH-lessハンドオーバは、例えば、図15に関連して上記したレガシーハンドオーバと同様であり得るが、図16を参照して説明するように、いくつかの重要な違いがある。
まず、UEは、RACH-lessハンドオーバを実行するか、または他のタイプのハンドオーバ(例えば、図15のレガシーハンドオーバ手順など)を実行するかを認識する必要がある。1つの可能性は、RACH-lessハンドオーバを実行するように適宜UEを構成することである。この場合、例えば、ソース基地局は、対応する構成情報をUEに提供することができる。他の可能性は、ハンドオーバコマンドメッセージが、RACH-lessハンドオーバ手順を実行するか(または実行しないか、例えば、ランダムアクセス手順を含むレガシーハンドオーバを実行するか)の対応する指示をUEに提供することである。例えば、ハンドオーバ確認メッセージのターゲット基地局へのアップリンク送信を調整するために、ハンドオーバコマンドメッセージは、UEによってハンドオーバ確認メッセージの送信に使用されるアップリンクリソースの指示を含み得る。このリソース指示は、必ずしもレガシーハンドオーバ手順には必要ではない、なぜなら、適切なULグラントが、通常、RACH手順のランダムアクセス応答(Random Access Response)メッセージによって伝えられるからである。したがって、UEは、ハンドオーバコマンドメッセージがULグラントを含むと決定した場合、UEは、ソース基地局が、UEにRACH-lessハンドオーバを実行するよう指示したと決定し得る。さもなければ、ULグラントがハンドオーバコマンドメッセージに存在しない場合、UEは、例えば、図15のレガシーハンドオーバ手順など、他のタイプのハンドオーバを実行するものと決定する。代替的または追加的に、ハンドオーバコマンドメッセージは、単純に、UEが実行しなければならないハンドオーバ手順のタイプを符号化する1つ以上のビットを含み得る。
ハンドオーバコマンドメッセージのULグラントは、ソース基地局とターゲット基地局の間で相互に合意することができる特定の時間(例えば、特定のSFN)を指示するものとして理解することができる。例えば、ターゲット基地局は、ソースgNBへのハンドオーバ確認メッセージでULグラント情報を提供する。
ターゲットセルにハンドオーバするコマンドを受信した後、UEは、ターゲットgNBとの同期に進み得る。一方、ソースおよびターゲットgNBが(完全に)同期していると仮定すると、UEは、時間および周波数同期のためにPSSおよびSSSを取得する必要さえない可能性がある。さらに、UEは、通常のRACH手順を開始せず、したがって、ランダムアクセスプリアンブルを送信しない。これに対応して、UEは、ランダムアクセス手順を実行する(または少なくともフルランダムアクセス手順を実行する)必要がない。
代わりに、上記の相互に合意した時間に、UEは、ソース無線セルからターゲット無線セルにハンドオーバすることになる。したがって、RACH手順は開始されず、ハンドオーバ手順は、UEが、ハンドオーバコマンドメッセージで指示されたULリソースを使用してハンドオーバ確認メッセージを送信することによって、ターゲットセルへのハンドオーバを確認して進む。
ハンドオーバ手順中のRACH遅延をなくすことによって、ハンドオーバ中のデータ中断を大幅に低減し、ユーザ体験を大幅に改善することができる。これは、RTDが長い仮定されたNTNシナリオにおいて特に重要である。
しかし、ハンドオーバ中のRACH手順の主な目的の1つは、ランダムアクセス手順を実行し、ターゲットセルにおけるアップリンク送信のためにUEによって使用されるターゲットセルタイミングアドバンス値(ターゲットセルTA値)を取得することによって、ターゲットとアップリンクタイミングを適合させることである。しかし、RACH手順が存在しない場合、UEは、RARメッセージでタイミングアドバンス値を取得することはない。したがって、UEは、異なる方法でターゲットセルTA値を決定しなければならない。
1つの考えられるソリューションによれば、UEは、衛星エフェメリス(satellite ephemeris)およびUE位置に基づいて、gNBの必要なTA値を推定することができる。例えば、UEは、メッセージがターゲットノードで確実に正しく受信できるようにするために、RRCReconfigurationCompleteメッセージをターゲットセルに送る前に、ターゲットセルTA値を推定しなければならない。まず、UEは、ソースセルとターゲットセルの間のDL伝搬遅延差、例えば、T2-T1(またはT1-T2)を観測する。ここで、T1は、UEとソースgNBの間のDL伝搬遅延であり、T2は、UEとターゲットgNBの間のDL伝搬遅延である。また、UL伝搬遅延はDL伝搬遅延と同じであると仮定する。この仮定の下、UEは、以下のようにソースセルタイミングアドバンスに基づいてターゲットセルタイミングアドバンスを導出することができる。
Figure 2022548782000003
しかし、本発明者らは、特にNTNシナリオについて、一般的に時間整合およびRACH-lessハンドオーバ手順を改善する必要があることを確認した。
上記したターゲットTA値の推定(式1を参照)には、NTNにおけるRACH-lessハンドオーバ手順に適用された場合に、欠点がある。
通常のTA推定を伴う従来のRACH-lessHOは、タイミングアドバンス補正(例えば、共通TAおよび個別TA)の欠落により、後述する問題を引き起こす可能性がある。まず、UEは、ターゲットセルへのHOの直後にRACHを実行することができない、なぜなら、ターゲットセルの共通TAがまだ得られていないからである。また、UEは、競合なしのHOが成功しない場合に、競合ベースのHOを使用するためにフォールバックすることができない可能性がある、なぜなら、ターゲットセルの共通TAがまだ分からないからである。そのため、ハンドオーバを終了した後に、ターゲットセルの更新された共通TAを(例えば、システム情報で)受信した時、UEは、UL送信を実行しつつTAをどのように調整すべきかを知らない、なぜなら、個別TAがUEにいまだ知られていないからである。
さらに、UEは、ソースセルとターゲットセルの間の真のDLタイミング差を観測することができない可能性がある、なぜなら、RTDが大きいため、NTNに「SFNよりも多くの差」状況が存在し得るからである。例えば、ソースセルからの同期信号がSFN nからのものであり、ターゲットセルからの同期信号がSFN n-1からのものである場合、これら2つの同期信号は、UEに時間的に非常に接近して到着する。その後、UEは、たとえ実際のDLタイミング差がすでに10msの大きさであるにもかかわらず、これら2つのセル間のDLタイミング差は非常に小さいと考える。このシナリオは、ソースセルとUEの間の距離がターゲットセルとUEの間の距離よりもかなり長い場合、またはその逆の場合に、可能である。
加えて、このようなソリューションは、GNSS搭載のUEに対する最適なソリューションではない。
さらに、透過的衛星シナリオにおけるフィーダリンク遅延および衛星処理遅延を考慮しなければならない。
さらに、DLおよびULの伝搬遅延が同じであるという仮定は、間違っているかもしれない。特に透過的衛星ケースの場合、DLとULの伝搬遅延は異なることがある、なぜなら、伝搬遅延がフィーダリンク遅延も衛星処理遅延もカバーし、これらはDLとULのケースで異なり得るからである。
したがって、本発明者らは、UEをソース基地局からターゲット基地局にハンドオーバするために実行されるべきハンドオーバ手順を改善する可能性を特定した。このような改善されたハンドオーバ手順は、上記した問題の1つ以上の克服を容易にし得る。
以下、このようなニーズを満たすUE、基地局、および手順について、5G移動通信システムに向け想定される新しい無線アクセス技術のために説明するが、これは、LTE移動通信システムにおいても使用され得る。また、さまざまな実装形態および変更例についても説明する。以下の開示は、上記の議論および発見によって促進されたものであり、例えば、少なくともその一部に基づくものであり得る。
一般に、本開示の基礎となる原理を明瞭かつ理解しやすく説明できるように、本明細書には多くの想定がなされていることに留意されたい。しかし、これらの想定は、本開示の範囲を制限しない、説明を目的として本明細書になされた単なる例として理解されたい。当業者には、以下の開示の原理および特許請求の範囲に記載されている原理を、さまざまなシナリオに、本明細書に明示的に記載されていない方法で適用できることが認識されるであろう。
さらに、以下で使用する手順、エンティティ、レイヤなどの用語のいくつかは、たとえ次の3GPP 5G通信システムのための新しい無線アクセス技術のコンテクストで使用される具体的な用語がまだ完全には決定されておらず、または最終的に変更される可能性があるにもかかわらず、LTE/LTE-Aシステムに、または、現在の3GPP 5G標準化で使用される用語に密接に関係している。したがって、用語は、実施形態の機能に影響を及ぼすことなく、将来変更され得る。そのため、当業者は、実施形態およびその保護範囲が、他にもっと新しい用語または最終的に合意された用語がないために本明細書で例示的に使用される特定の用語に限定されるべきではなく、本開示の機能および原理の基礎となる機能および概念の観点からより広く理解されるべきであることを認識する。
例えば、移動局(mobile station)または移動ノード(mobile node)またはユーザ端末(user terminal)またはユーザ機器(UE:user equipment)は、通信ネットワーク内の物理エンティテイ(物理ノード)である。1つのノードは、いくつかの機能エンティティを有し得る。機能エンティティは、同じもしくは他のノードまたはネットワークの他の機能エンティティに所定の機能セットを実装および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを指す。ノードは、当該ノードの通信を可能にする通信設備または媒体に当該ノードを接続する1つ以上のインタフェースを有し得る。同様に、ネットワークエンティティは、他の機能エンティティまたは対応するノードとの通信を可能にする通信設備または媒体に機能エンティティを接続する論理インタフェースを有し得る。
本明細書で「基地局(base station)」または「無線基地局(radio base station)」という用語は、通信ネットワーク内の物理エンティティを指す。移動局と同様に、基地局は、いくつかの機能エンティティを有し得る。機能エンティティは、同じもしくは他のノードまたはネットワークの他の機能エンティティに所定の機能セットを実装および/または提供するソフトウェアまたはハードウェアモジュールを指す。当該物理エンティティは、1つ以上のスケジューリングおよび設定を含む、通信デバイスに関するいくつかの制御タスクを実行する。また、基地局機能および通信デバイス機能は、単一のデバイス内に統合されてもよいことに留意されたい。例えば、移動端末は、他の端末のための基地局の機能も実装し得る。LTEで使用される用語は、eNB(またはeNodeB)であり、一方、5G NRで現在使用されている用語は、gNBである。
図17は、ユーザ機器(通信デバイスとも呼ばれる)およびスケジューリングデバイス(ここでは、例示的に、基地局内、例えば、eLTE eNB(代替的にng-eNBと呼ばれる)内または5G NRのgNB内に位置するものとされる)の一般的で単純化した例示的なブロック図を示す。UEおよびeNB/gNBは、それぞれ送受信機を使用して、(無線)物理チャネルを通じて互いに通信している。
通信デバイスは、送受信機および処理回路を有し得る。次に、送受信機は、受信機および送信機を有し、および/または、受信機および送信機として機能し得る。処理回路は、例えば、1つ以上のプロセッサまたは任意のLSIなど、1つ以上のハードウェアであり得る。送受信機と処理回路の間には、入出力点(またはノード)があり、これを通じて処理回路は、動作中、送受信機を制御し、つまり、受信機および/または送信機を制御し、受信/送信データを交換することができる。送受信機は、送信機および受信機として、1つ以上のアンテナ、増幅器、RF変調器/復調器などを含むRF(無線周波数)フロントを含み得る。処理回路は、当該処理回路によって提供されるユーザデータおよび制御データを送信するように、および/または、当該処理回路によってさらに処理されるユーザデータおよび制御データを受信するように送受信機を制御することなどの制御タスクを実装し得る。また、処理回路は、例えば、判断、決定、計算、測定などの他のプロセスを実行することを担当し得る。送信機は、送信するプロセスおよびこれに関連する他のプロセスを実行することを担当し得る。受信機は、受信するプロセスおよびこれに関連する他のプロセス(例えば、チャネルを監視することなど)を実行することを担当し得る。
以下、ハンドオーバ手順の実行方法に関する改善された手順について説明する。
図18は、改善されたハンドオーバ手順の1つのソリューションによる単純化した例示的なUE構造を示し、図17に関連して説明した一般的なUE構造に基づいて実装することができる。この図に示すUEのさまざまな構造要素は、例えば、制御データおよびユーザデータならびに他の信号を交換するために、例えば、対応する入出力ノード(図示せず)を用いて、互いに相互接続することができる。説明のために図示しないが、UEは、さらなる構造要素を含み得る。
図18から明らかなように、UEは、共通タイミングアドバンス値受信機と、ハンドオーバ手順回路と、第1アップリンクタイミング決定回路と、第2メッセージタイミング指示受信機と、UE固有タイミングアドバンス値決定回路と、第2ハンドオーバメッセージ送信機とを含み得る。
したがって、この場合、以下の開示から明らかになるように、処理回路は、ターゲット基地局へのアップリンク送信の第1のアップリンクタイミングを決定すること、ターゲットセル用のUE固有タイミングアドバンス値を決定すること、ランダムアクセス手順のメッセージを送信するための第2のアップリンクタイミングを決定すること、およびアップリンクデータを送信するための第3のアップリンクタイミングを決定することなどのうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成することができる。
したがって、受信機は、共通タイミングアドバンス値とハンドオーバ手順の第2のメッセージを送信するためのタイミング指示とを含む、ハンドオーバ手順のソース基地局からの第1のメッセージを受信すること、UEおよびターゲットセルのためのUE固有タイミングアドバンス値に関する情報を含む、ハンドオーバ手順のターゲット基地局からの第3のメッセージを受信することなどのうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成することができる。
したがって、送信機は、あらかじめ決められたアップリンク送信タイミングに基づいてハンドオーバ手順の第2のメッセージをターゲット基地局に送信すること、第2のアップリンクタイミングでランダムアクセス手順のメッセージをターゲット基地局に送信すること、および第3のアップリンクタイミングでアップリンクデータをターゲット基地局に送信することなどのうちの1つ以上を少なくとも部分的に実行するように例示的に構成することができる。
より詳細に以下に開示される1つのソリューションは、以下を含むUEによって実装される。UEの受信機は、ソース無線セルのソース基地局から、ターゲット無線セルに対する共通タイミングアドバンス値を受信する。UEは、ソース無線セルに接続されており、UEをソース無線セルからターゲット無線セルにハンドオーバさせるハンドオーバ手順に関与する。また、共通タイミングアドバンス値は、ソース基地局からハンドオーバ手順の第1のメッセージにおいて受信され、ハンドオーバ手順の第1のメッセージは、UEからターゲット基地局に第2のメッセージを送信するためのタイミング指示も含んでいる。次いで、UEのプロセッサは、受信された共通タイミングアドバンス値およびタイミング指示に基づいて、ターゲット基地局からのダウンリンク送信に関してターゲット基地局へのアップリンク送信の第1のアップリンクタイミングを決定する。UEの送信機は、決定されたアップリンクタイミングに基づいて、ハンドオーバ手順の第2のメッセージをターゲット基地局に送信する。プロセッサは、ターゲット無線セルにおいてアップリンク送信を実行するためにUEによって使用される、UEおよびターゲット無線セルに固有の、UE固有のタイミングアドバンス値を決定する。
さらなる例示的な実装形態として、共通TAは、RTT(ラウンドトリップタイム:Round Trip Time)を補償するために時間オフセット値としてシグナリングされ得る。RTTは、他の目的のために使用することができる(例えば、「共通TA」と必ずしも同じ形態ではないことがある)。
これに対応して、UEは、ソースBSにまだ接続されている間に、ターゲットセルにおける通信に使用しなければならない共通TAに関する知識をすでに有している。このことは、UEが、ターゲット基地局のシステム情報を読み取らない場合に共通TA値を取得しないという事実に関連する上記の問題を克服することを容易にする。例えば、その後に送信されるメッセージ(例えば、ハンドオーバ手順の)は、共通TA値に基づいて時間整合されると、ターゲット基地局によって正しく受信される可能性が高くなる。共通ターゲットTAはハンドオーバ手順中にすでに取得されているため、UEは、ハンドオーバ手順を完了した直後にランダムアクセス手順を実行することができる。
さらに、このソリューションは、ターゲットセルで使用されるUE用のUE固有TA値を決定することを含み、これは、ターゲットセルにおける通信を容易にする。また、これは、個別TA値が既知であるため、総TAを調整し更新することを可能にする。
全体として、ランダムアクセス手順をなくすことにより、ハンドオーバを迅速化し、したがって、ハンドオーバ中断時間を大幅に低減するRACH-lessハンドオーバ手順の利点は、維持され、一方で、取得した共通TA値および決定したUE固有TA値を活用して、ターゲットセルでアップリンク通信を整合させ、これによって、RACHを実行しない場合であっても、ハンドオーバの成功率を高く維持する。
以下、上記ソリューションならびに上記ソリューションの変形例およびさらなる改善例について、より詳細に説明する。
改善されたハンドオーバ手順のソリューションの以下の説明のために、いくつかの基本的な仮定を例示的に行う。まず、NTNシナリオを仮定する。この場合、UEは、ソース無線セルにおいて衛星を通じて通信し、また、ハンドオーバのあり得るターゲットとしての隣接無線セルは、上記したような非陸上ネットワークである。さらに、UEは、ランダムアクセス手順を実行しないハンドオーバをサポートし、このようなハンドオーバを実行する、例えば、上記したようなRACH-lessハンドオーバを実行するものと仮定する。
図19、図20、および図21を参照して、このソリューションの例示的な実装形態を説明する。
図19は、例示的なUE動作のシーケンス図であり、図20は、例示的なソース基地局動作のシーケンス図であり、図21は、改善されたハンドオーバ手順を実装する、UE、ソースBS、およびターゲットBSの間のメッセージ交換を示している。ハンドオーバ手順は、ソース基地局からUEに送信される第1のハンドオーバメッセージ内にターゲットセルの共通TA値を提供することによって改善される。共通TA値は、UEのハンドオーバ先であるターゲットセルにおいて有効である。例えば、共通TA値は、ターゲットセル内のすべてのUEに共通であり、ターゲット無線セル内の基準点(例えば、衛星または無線セルの中心までの最短距離)に関して計算される。一方、後述するUE固有TA値(個別TA値ともいう)は、特定のUEとその位置だけに固有であり、共通TA値に加えて考慮されるべきものである。例示的に、共通TA値および個別TA値は、図13および図14に関連して上記したように理解されるべきである。
さらに、第1のハンドオーバメッセージは、UEによってターゲット基地局に第2のハンドオーバメッセージを送信するためのタイミング指示も伝え、したがって、UEに、その第2のハンドオーバメッセージを送信する特定の時間を提供し、したがって、ターゲット基地局へのハンドオーバ手順の実行を進める。タイミング指示は、UEに対して第2のハンドオーバメッセージの送信に使用されるアップリンクリソースをスケジューリングするアップリンクグラントの形で提供することができる。タイミング指示および共通TA値の両方を使用して、UEが第2のハンドオーバメッセージを送信する実際の時間を決定する。例えば、第2のハンドオーバメッセージを送信するためのタイミング指示による時点は、UEのアップリンク送信を他のUEからターゲット基地局への他のアップリンク送信と(少なくとも部分的に)整合させるために、共通TA値に基づいて補正される。
したがって、共通TA値および第2のハンドオーバメッセージを送信するためのアップリンク送信タイミングを提供することによって、ハンドオーバ手順は、第2のハンドオーバメッセージがターゲット基地局で正しく受信されることを容易にする。
例えば、タイミング指示は、ランダムアクセス手順中にランダムアクセス応答メッセージ(図7および8を参照)で提供されるアップリンクグラントと同じかまたは類似のものを実装することができる。
次いで、UEは、あらかじめ決められたアップリンク送信タイミングで第2のハンドオーバメッセージをターゲット基地局に送信することができる。
第2のハンドオーバメッセージの送信に続いて、UEは、次のアップリンク送信のためのアップリンク送信タイミングをより厳密に整合させることができるようにするために、ターゲットセルに対するUE固有TA値を決定し得る。UE固有TA値は、UEが、共通TA値を計算する基準点から遠く離れて位置する場合、正しいアップリンク送信時間整合にとってより重要である。逆に、UEが、共通TA値を計算する基準点またはその近くに位置する場合、UEは、ターゲットセルに対するUE固有TA値を決定する必要さえないかもしれない、なぜなら、UE固有TA値は非常に小さいかまたは0であり、共通TA値はターゲットセルにおいて総TA値とほとんど同じであるからである。したがって、UEは、例えば、自身がターゲットセルにおいて共通TA値を計算する基準点またはその十分近くに位置することを通知された場合、UE固有TA値を決定しないと決定し得る。対応する情報は、例えば、ソース基地局によって提供され得る。しかし、以下では、UEが、自身のアップリンク送信のタイミングアドバンス整合をさらに改善するために、UE固有TA値を決定すると仮定する。
いずれの場合も、このようにタイミングアドバンス値を決定する(例えば、共通TA値およびUE固有TA値を決定する)ことによって、UEは、自身のアップリンク送信タイミングを整合させることができ、したがって、ハンドオーバ手順中(共通TA値のみを使用して)ならびにハンドオーバ手順後(共通TA値および場合によってはUE固有TA値も使用して)のアップリンク送信を改善することができる。
より詳細には、UEは、ハンドオーバ手順を終了した後のある時点でターゲット基地局とランダムアクセス手順を実行し得る。ターゲット基地局が必要なUE固有タイミングアドバンス値を適切に決定することを可能にするために、UEは、共通タイミングアドバンス値のみに基づいて、例えば、以前に決定したUE固有TA値を使用しないで、RACH手順のメッセージを送信し得る。
さらに、UEは、ターゲット基地局へのアップリンクデータの送信に関連するアップリンク送信タイミングを決定する際に、共通TA値およびUE固有TA値を使用し得る。例えば、ターゲット基地局は、UEがアップリンクでデータを送信するのに使用し得るアップリンク無線リソースをUEにスケジューリングする。次いで、UEは、共通TA値およびUE固有TA値に基づいて、スケジューリングされたUL無線リソースによって与えられる送信時間を整合させる。
上記の説明において、第1のハンドオーバメッセージおよび第2のハンドオーバメッセージは、図19、図20、および図21を参照して提示されたソリューションの一部として言及されている。第1のハンドオーバメッセージは、ターゲット無線セルへの接続を確立するためにUEの無線リソース構成をどのように再構成するかをUEに指示するハンドオーバコマンドメッセージと見なすことができる。したがって、UEの観点から、ハンドオーバコマンドメッセージは、ハンドオーバ手順の最初のメッセージである。5G NR標準化シナリオにおけるソリューションの例示的な実装形態において、ハンドオーバコマンドメッセージは、対応する非特許文献10の6.2.2節(図15および対応する説明も参照)で定義されたRRCReconfigurationメッセージとして実装され得る。すでに定義されているRRCReconfigurationメッセージを再利用する場合、その内容は、タイミング指示(アップリンクグラント)および共通TA値に関する追加情報を伝えることができるように拡張されなければならない。例えば、RRCReconfigurationメッセージは、上記したタイミングアドバンスコマンド(Timing Advance Command)MAC CEを伝えるように拡張することができ、その値は、その後、UEによってターゲットセルの共通TA値とされる。例えば、TAC MAC CEの値は、RRCReconfigurationメッセージのsecondaryCellGroup情報要素(Information Element)に置くことができる。また、アップリンクグラントも、RRCReconfigurationメッセージのsecondaryCellGroup情報要素(Information Element)に置くことができる。
一方、UEからターゲット基地局に送信される第2のハンドオーバメッセージは、UEのターゲット基地局への接続の確立が完了したことをターゲット基地局に示すハンドオーバ確認メッセージと見なすことができる。5G NR標準化シナリオにおけるソリューションの例示的な実装形態において、ハンドオーバ確認メッセージは、対応する非特許文献10に定義されたRRCReconfigurationCompleteメッセージとして実装することができる。3GPP規格のすでに定義されているRRCReconfigurationCompleteに対する追加の変更は、上記のソリューションの一部として説明したハンドオーバ確認の実装には必要でないように見える。
上記では、UEがハンドオーバメッセージにおいてターゲットセルの共通TA値をソースセルから受信すると説明した。次に、ソース基地局は、ターゲットセルの共通TA値を決定することができる。これは、いくつかの方法で行うことができる。1つのソリューションによれば、ターゲット基地局は、その隣接基地局に、自身が自身の無線セルで使用しブロードキャストしている共通TA値に関する情報を提供する。例えば、ターゲットBSは、自身が、例えば、ハンドオーバ要求メッセージに応答してターゲット基地局からソース基地局に送信されるハンドオーバ肯定応答メッセージにおいて、ハンドオーバのターゲットになるよう求められた場合に、共通TA値を提供することができる。他のソリューションによれば、ターゲット基地局は、バックグラウンド情報交換の一部として、その共通TAを自身の隣接基地局に周期的かつ事前にブロードキャストする。
上記した改善されたハンドオーバ手順のさらなる例示的な実装形態において、ハンドオーバは、図15のレガシーハンドオーバ手順および図16のRACH-lessハンドオーバに対して上述したのと同じかまたは同様の方法で、UEによって実行された測定に基づいてソース基地局によって決定することができる。改善されたハンドオーバ手順の当該例示的な変形例は、図22に反映されており、同図は、UEからソース基地局への測定報告と、UEをターゲット基地局にハンドオーバさせるというソース基地局によるその後の決定とを示している。これに対応して、ソース基地局は、ハンドオーバ要求メッセージをターゲット基地局に送信する。ターゲット基地局は、ハンドオーバを承認し、ハンドオーバ肯定応答メッセージで応答すると仮定する。図22の当該例示的な実装形態において、共通TA値は、ターゲット基地局によってソース基地局にハンドオーバ肯定応答メッセージで送信されると仮定する。加えて、ハンドオーバ肯定応答メッセージは、UEが第2のハンドオーバメッセージをターゲット基地局に送信するために使用することになっている無線リソースをも指示する(ULグラントを参照)。これらの無線リソースは、UEがハンドオーバ確認メッセージをターゲット基地局に送信することになる相互に合意した時間として理解されるべきである。その後、これらの無線リソースは、すでに上述したように、ソース基地局によってUEにハンドオーバコマンドメッセージで転送される。
図20に示すソース基地局の動作は、ソース基地局が、上記の説明からすでに明らかなように、改善されたハンドオーバ手順に参加することを示している。特に、ソース基地局は、少なくとも、例えば、ターゲット基地局から受信したハンドオーバ肯定応答メッセージに含まれる対応する情報に基づいて、共通タイミングアドバンス値およびUEが第2のハンドオーバメッセージを送信するULタイミングを決定する。次いで、ソース基地局は、すでに上述したように、続けて第1のハンドオーバメッセージでUEに情報を転送する。
図22から明らかなように、また、図21に関連してすでに説明したことに沿って、ソース基地局は、ハンドオーバコマンドメッセージをUEに送信し、UEがその接続をターゲットセルに切り替えることによって、ハンドオーバを進める。
さらに、改善されたハンドオーバ手順は、UEが、改善されたハンドオーバ手順を実行するかまたは他のタイプのハンドオーバ(例えば、図15のレガシーハンドオーバ手順など)を実行するかを決定するさらなるステップも例示的に含み得る。これは、例えば、図16のRACH-lessハンドオーバ手順に関して説明したのと同様の方法で、つまり、ハンドオーバコマンドメッセージの内容に基づいて、実装され得る。例えば、UEは、ハンドオーバコマンドメッセージがULグラントおよび共通TA値のうちの1つ以上を含む場合、改善されたハンドオーバ手順を実行すると決定する。一方、UEは、ハンドオーバコマンドメッセージがULグラントも共通TA値も含まない場合、レガシーハンドオーバ手順(図15を参照)を実行すると決定し得る。さらに他の実装形態によれば、UEは、ハンドオーバコマンドがULグラントを含むが共通TA値を含まない場合、RACH-lessハンドオーバ手順(図16を参照)を実行すると決定し得る。
したがって、図20には示されていないが、ソース基地局は、UEがどのタイプのハンドオーバ手順を実行すべきかを制御し、次いで、決定に従ってハンドオーバコマンドメッセージの内容を適応させることができる。ソース基地局は、例えば、UEの位置に応じて、改善されたハンドオーバ手順またはレガシーハンドオーバ手順を実行すると決定し得る。UEが、共通TA値が計算される基準点から離れている場合、ソース基地局は、代わりにレガシーハンドオーバ手順を実行すると決定し得る、なぜなら、ソース基地局は、ターゲット基地局がハンドオーバ確認メッセージを正しく復号できることを保証したいからである。
ソース基地局は、基地局の位置情報、UEの現在のサービングビーム、UEサービングビームのビーム角度、およびUEの測定報告のうちの1つ以上に基づいて、UEの位置を決定することができる。
また、ハンドオーバ手順後のUE動作は、UEが、例えば、ターゲット無線セルにおいてブロードキャストされたシステム情報に基づいて、共通TA値を更新することも含み得る。したがって、UEが、更新された共通TA値を有するターゲットセル内のシステム情報を取得する場合、UEは、以前に取得した共通TA値ではなく、更新された共通TA値を使用して、さらなる動作を行う。例えば、ランダムアクセス手順を実行する場合、UEは、更新された共通TA値を使用し得る、また、アップリンクデータを送信する場合、UEは、更新された共通TA値+UE固有TA値を使用し得る。
改善されたハンドオーバ手順のさらなる例示的な実装形態によれば、UEが、UEおよびターゲット無線セルに固有のUE固有タイミングアドバンス値を決定するプロセスをどのように実装するかに関して、いくつかの異なるソリューションが提示される(例えば、図19、図21、図22の最後のステップを参照)。
図23に示す第1のソリューションによれば、UEは、UEがターゲット基地局への接続を確立した後、ハンドオーバ手順のさらなるメッセージにおいてUE固有TA値に関する情報をターゲット基地局から直接取得する。これに対応して、UEは、受信した情報に基づいて、UE固有TA値を決定することができる。1つの例示的なソリューションによれば、UE固有TA値は、例えば、RRCReconfigurationCompleteACKメッセージと呼ばれる、改善されたハンドオーバ手順の追加メッセージで伝えることができる。RRCReconfigurationCompleteACKメッセージは、UEからRRCReconfigurationCompleteメッセージを受信した後にターゲット基地局によってUEに送信されるメッセージである。例えば、RRCReconfigurationCompleteACKメッセージは、UEからのRRCReconfigurationCompleteメッセージの受信を確認する(acknowledge)ためにターゲット基地局によって送信され、個別TA値を伝え得る。5G NR規格における改善されたハンドオーバ手順の例示的な実装形態によれば、RRCReconfigurationCompleteACKメッセージは、上記したタイミングアドバンスコマンド(Timing Advance Command)MAC CEを含み、これによって、改善されたハンドオーバ手順を終了する。TAC MAC CEに示された値が、UEの個別TA(ITAtarget)となる。
UE固有TA値をUEに送信する前に、ターゲット基地局は、UE固有TA値を決定する必要がある。RRCReconfigurationCompleteメッセージは、以前に取得した共通TA値に基づいて、かつ、ULグラントによって指示された無線リソースを使用して、UEによって送信されることに留意されたい。1つの例示的な実装形態によれば、ターゲット基地局が、RRCReconfigurationCompleteメッセージを復号して、RRCReconfigurationCompleteメッセージの開始位置がULグラントによってUEに指示された開始位置よりもTms遅いことを見つけることができる場合、ターゲット基地局は、UE固有TA値がTmsに等しいことを知る。
さらに、他の例示的な実装形態によれば、ターゲット基地局は、RRCReconfigurationCompleteメッセージを送信するのに必要なサイズよりも大きい(時間領域において)ULグラントを構成することができる。これにより、ターゲット基地局は、RRCReconfigurationCompleteメッセージが時間領域で他のUEの他のメッセージと重複しないことを容易にし、これにより、メッセージをターゲット基地局によって正しく復号することができることを容易にする。
上記の図13および図14に関連して行った説明から明らかなように、個別TA値は、UEが共通TA値を計算する基準点から遠く離れているほど、関連性が高くなる。したがって、UEが基準点の近くに位置する場合、個別TA値は、ハンドオーバを成功裏に実行するのに必要でさえないかもしれず、RRCReconfigurationCompleteACKメッセージは、オプションであり得る。一方、UEが基準点から離れた位置にある場合、個別TA値は、アップリンク時間整合を修正し、さらなるメッセージがターゲット基地局で正しく受信されることを容易にするのに必要である。このような場合、RRCReconfigurationCompleteACKメッセージは、実際に必要である。
第2のソリューション(下記参照)と比較して、第1のソリューションは、UEがソースセルとターゲットセルの間のDLタイミング差(DL伝搬時間差)を観測する必要がなく、観測したタイミング差に基づいてターゲットセルの個別タイミングアドバンスを推定する(これは時間とプロセッサを消費することになる)必要がないという利点を有する。
UEにおいてUE固有TA値を決定する第2のソリューションによれば、UEは、UE固有TA値に関する情報をターゲット基地局から受信するのではなく、いくつかの仮定を立て、かつ、UEにおいて利用可能な情報を考慮に入れて、ターゲットセルのUE固有TA値を計算する。この目的のために、UEは、以下のパラメータを使用する。
・ ターゲット無線セルの共通タイミングアドバンス値
・ ソース無線セルのUE固有タイミングアドバンス値
・ ソース無線セルの共通タイミングアドバンス値
・ ソース基地局とターゲット基地局の間のダウンリンク伝搬時間差
これらのパラメータに基づいて、UEは、ターゲットセルのUE固有のTA値を決定することができる。ターゲットセルの共通TA値は、例えば、上記したように、ソース基地局からのハンドオーバコマンドメッセージにおいて取得される。また、ソース無線セルの共通TA値およびUE固有TA値は、ソース無線セルにおける以前の通信からUEにとって既知である。さらに、ソース基地局とターゲット基地局の間のダウンリンク伝搬時間差は、ソース基地局およびターゲット基地局からそれぞれ受信した信号に基づいて、UEによって観測することができる。これらのパラメータの相互関係に基づいて、上記した式1(TAtarget=TAsource-2×(T1-T2))と同様に、UEは、UE固有TA値を決定することができる。TAtargetはCTA_target+ITA_targetであり、TAsourceはCTA_source+ITA_sourceである。
1つの例示的な実施形態では、UEおよびターゲット無線セルのためのUE固有タイミングアドバンス値の計算が以下の式に基づく
Figure 2022548782000004
パラメータITA_targetは、計算されるUEおよびターゲット無線セルに対するUE固有タイミングアドバンス値である。パラメータCTA_sourceは、ソース無線セルの共通タイミングアドバンス値であり、ソース基地局との通信からUEに既知である。
ITA_sourceは、ソース無線セルのUE固有タイミングアドバンス値であり、CTA_targetは、ターゲット無線セルの受信した共通タイミングアドバンス値であり、(T1-T2)は、ソース基地局とターゲット基地局の間のダウンリンク伝搬時間差である。
ターゲットセルに対するUE固有タイミングアドバンス値を決定する上記第2のソリューションは、例えば、図21および図22に示すように、つまり、ハンドオーバ確認メッセージの伝送後に、実行することができる。一方、この第2のソリューションは、第1のソリューションのようにターゲット基地局からのメッセージの送信に依存することはないため、第2のソリューションは、かなり早い時間にUE固有TA値を決定することを可能にする。図24に示す改善されたハンドオーバ手順のさらなる変形例によれば、UEは、ハンドオーバ確認メッセージを送信するUL送信時間の前に、第2のソリューションに従ってUE固有TA値を決定するステップを実行する。したがって、UEは、ULグラント情報およびターゲットセルの共通TA値に加えて、UE固有TA値にも基づいて、第2のハンドオーバメッセージ(ここでは、例えば、ハンドオーバ確認メッセージ)のUL送信タイミングを決定し得る。
第2のソリューションは、ハンドオーバ完了メッセージ送信(他の例示的な実装形態ではRRCReconfigurationCompleteメッセージ)に適用される最終TAが、UEによって経験される実際のTAに非常に近くなり得るという利点を有する、なぜなら、個別TA値の決定が、UEで実行される詳細な測定に基づいており、時間整合されたアップリンク送信タイミングを決定するためにすでに適用可能であるからである。したがって、この時間整合されたアップリンク送信タイミングでUEによって送信されるハンドオーバ完了メッセージは、ターゲット基地局によって成功裏に復号される可能性が高い。
第2のソリューションの1つの考えられる欠点は、DL伝搬時間差の観測が正しい結果を提供しない可能性があることである。例えば、ソースセルとターゲットセルの間のDLタイミング差は、SFN(システムフレーム番号:system frame number)差よりも大きい(例えば、10msよりも大きい)場合があり、このような場合には、UEは、実際のDLタイミング差を誤解する可能性がある、なぜなら、UEは、対応する測定(または観測)を実行する際にターゲットセルのSFNを知らないからである。
上記の欠点を回避する考えられる方法は、ソース基地局が、UEに、そのような場合には、改善されたハンドオーバ手順を実行せずに、レガシーハンドオーバ手順を実行するよう指示することである。ソース基地局は、この「SFN差よりも大きい」状況が起こるかどうかを、例えば、ソース基地局からUEまでの近似距離およびターゲット基地局からUEまでの近似距離に従って、決定することができる。これらの近似距離は、衛星およびUEの位置に基づいて、また、場合によってはソース基地局がUEにサービスするのに使用するビームのビーム角度情報にも基づいて、おおよそ取得することができる。したがって、ソース基地局は、そのような状況を確認すると、改善されたハンドオーバ手順を実行せずにレガシーハンドオーバ手順(例えば、図15または図16に関連して説明したもののうちの1つ)を実行するよう、対応する指示をUEへのハンドオーバコマンドメッセージに提供する。これは、UEがどのタイプのハンドオーバを実行すべきかを導出することができるように、ハンドオーバコマンドメッセージの内容を適切に生成することによって行うことができる。上記したように、これは、1つ以上のビットに基づいてハンドオーバコマンドメッセージに符号化され得る、または、アップリンクグラントおよび/もしくは共通TA値の有無によって符号化され得る。
さらに、改善されたハンドオーバ手順の以下の例示的な変形例は、UEがそのような「SFN差よりも大きい」状況が存在するかどうかを決定できるようにすることによって、上記欠点の克服を容易にする。第1の変形例によれば、UEは、ソースセルとターゲットセルの共通TA値を比較して、当該「SFN差よりも大きい」状況が存在するかどうかを決定することができる。例えば、ソース無線セルの共通TA値がターゲット無線セルの共通TA値よりも大きいが、観測されたDL時間差が負である場合(つまり、CTA_source>CTA_targetかつT1-T2<0の場合)、観測されたDL伝搬差は間違っている可能性が高い、なぜなら、共通TA値は、ソース無線セルがターゲット無線セルよりも遠くにあることを示し、一方で、観測されたDLタイミング差は、ターゲット無線セルがソース無線セルよりも遠くにあることを示しているからである。
「SFN差よりも大きい」状況があるかどうかを決定する第2の変形例によれば、UEは、ターゲット無線セル(例えば、SIB、MIB、PBCHのうちの1つ以上)からシステム情報を取得して、ターゲット無線セルのシステムフレーム番号(SFN)を取得する。取得したSFN_targetに基づいて、UEは、SFN_targetがSFN_sourceと同じでない場合、「SFN差よりも大きい」状況があると決定することができる。さなければ、「SFN差よりも大きい」状況はない。
この第2の変形例によれば、UEは、ターゲットセルからシステム情報を取得する。したがって、共通TA値が基地局によってその無線セルにおいてシステム情報でブロードキャストされるソリューションを仮定すると、UEは、ソース基地局からのハンドオーバコマンドメッセージにおいてターゲットセルの共通TA値を取得することに加えて、またはその代わりに、本方法でターゲットセルの共通TA値を同様に取得し得る。このような場合、ソース基地局からUEに送信されるハンドオーバコマンドメッセージは、ターゲットセルの共通TA値を含む必要はないかもしれない。
UEがそのような「SFN差よりも大きい」状況を決定する場合、UEは、改善されたハンドオーバ手順を実行しないと決定し得るが(おそらくそうするように指示されているにもかかわらず)、他のタイプのハンドオーバ手順(例えば、図15および図16に関連して説明したレガシーハンドオーバ手順のうちの1つ)を用いる。
UEによってUE固有TA値をどのように決定するかに関する第3のソリューションの場合、UEは、グローバルナビゲーション衛星システム(Global Navigation Satellite System)ハードウェア(GNSS装備UE)を搭載していると仮定する。上記のように、改善されたハンドオーバ手順のソリューションは、GNSS搭載UEの能力を利用しない。しかし、GNSSハードウェアは、UEが自身の地球上の位置情報を取得することを可能にするため、UEは、UEの位置と、UEに既知であるターゲット衛星のエフェメリス情報とに基づいて、ターゲットセル(ここでは、例えば、GNSS_TA_targetと呼ばれる)の総タイミングアドバンスを決定することができる。
さらに、ソース基地局は、(前のソリューションで十分に説明したように)第1のハンドオーバメッセージにおいてターゲット無線セルの共通TA値を提供すると仮定する。次いで、UEは、これら2つのパラメータに基づいて、例えば、ITA_target=GNSS_TA_target-CTA_targetによって、ターゲット無線セルのUE固有TA値を決定することができる。第2のソリューションに関連して提示したように、GNSS_TA_targetの当該決定、そして、ターゲットセルのUE固有TAの決定は、ハンドオーバ確認メッセージの指示されたUL送信タイミングの前に実行することができる。したがって、UEは、GNSS_TA_targetに基づくUL送信タイミングを、CTA_targetのみによる場合よりも正確に時間整合させることができる。
さらに、ITA_target値は、ハンドオーバ確認メッセージの時間整合されたUL送信タイミングを決定するためには使用されないが、このようにITA_target値を決定することによって、UEは、ターゲット無線セルへのハンドオーバを完了した後にターゲット無線セルの共通TA値の更新を(例えば、システム情報を通じて)受信した場合、更新された総TA値を決定するのに十分な情報を有する。当該決定したITA_target値は、その後、例えば、RACH手順を実行し、更新されたITA_target値をランダムアクセス応答メッセージで受信することによって、更新することができる。
特定の実装形態を図25に示す。同図で例示的に仮定しているように、UEは、ターゲットセルの共通TA値を取得する。その後、例示的に、UEは、GNSS_TA_target値を決定し得る(上記参照)。GNSS_TA_targetおよびターゲットセルの共通TA値に基づいて、UEは、ターゲット無線セルのUE固有TA値を決定することができる。この例示的な実装形態において、UEは、以前に決定したGNSS_TA_targetおよびULグラントを使用して、第2のハンドオーバメッセージ(ここでは、ハンドオーバ確認メッセージ)をターゲット基地局に送信するための時間整合されたアップリンク送信タイミングを決定する。
しかし、GNSS_TA_target値の決定は、GNSS搭載UEに対して、必ずしも可能であるとは限らない場合がある。例えば、可視衛星がない(例えば、4個未満の衛星が可視である)場合、UEは、GNSS_TA_target値を正確に決定することができない。この状況がUEによって確認されると、UEは、上記したGNSSベースの第3のソリューションとは異なる方法で、例えば、DL伝搬時間差を観測し、式2を使用してITA_targetを計算することを含む第2のオプションを使用することによって、ITA_targetを決定することに頼り得る。
上記した改善されたハンドオーバ手順では、ハンドオーバが再生衛星シナリオで実行されるか透過的衛星シナリオで実行されるかについて区別をしなかった。図11~図14を参照してより詳細に説明したように、再生衛星では、gNBは衛星に位置するが、透明衛星シナリオでは、gNBは地上に位置し、衛星はリピータとして働く。したがって、タイミングアドバンス整合のために、透過的衛星シナリオは、衛星(リピータ)と地上に位置するgNBとの間のフィーダリンク遅延(FD_target)、および、UEからの着信ULメッセージを処理し、かかるメッセージを地上のgNBにさらに転送するための衛星処理遅延(PD_target)も考慮に入れなければならない。タイミングアドバンスのために考慮すべき追加の遅延(FD_targetおよびPD_target)を図26に示す。
これに対応して、ターゲットgNBは、そのシステム情報において、これら2つの追加の遅延も考慮に入れた共通TA値をブロードキャストする。このような透過的衛星シナリオでは、共通TA値は、遅延d1に基づくだけでなく、処理遅延PD_targetおよびフィーダリンク遅延FD_targetも考慮に入れる。すなわち、CTA_target=2×(d1+PD_target+FD_target)。
別の表現をすると、透過的衛星シナリオの共通TA値は、再生衛星の場合の共通TA値、ならびに、透過的衛星の場合の追加遅延FD_targetおよびPD_targetの2倍である。
Figure 2022548782000005
したがって、上記した改善されたハンドオーバ手順のすべてにおいて、使用されるべき共通TA値は、特定の衛星シナリオに依存する。例えば、図26のような透過的衛星シナリオでは、共通TA値(例えば、ハンドオーバコマンドメッセージでUEに送信されるCTA_target、または、CTA_source)は、処理遅延およびフィーダリンク遅延をさらに考慮に入れる。言い換えれば、透過的衛星(transS)シナリオに固有のパラメータCTA_target_transSおよびCTA_source_transSは、再生衛星(regS)シナリオに固有のCTA_target_regSおよびCTA_source_regSの代わりにそれぞれ使用されるべきである。
一方、代替的な変形例では、透過的衛星シナリオのタイミングアドバンスは、3つの異なるパラメータ、つまり、共通TA値(d1遅延のみを考慮に入れる。上記のCTA_source_regSまたはCTA_target_regSと呼ばれる)、フィーダリンク遅延(FD_sourceまたはFD_target)、および衛星処理遅延(PD_sourceまたはPD_target)に基づいて、UEに指示される。その後、ターゲットセルに関するこれら3つのパラメータは、ハンドオーバコマンドメッセージにおいてソース基地局からUEに提供することができ、その間、ソース基地局は、これら3つのパラメータを、例えば、ターゲット基地局によってソース基地局に送信されたHO要求された肯定応答メッセージで受信した情報から、決定する。
これに対応して、その後、UEは、例えば、すでに上述した以下の式を使用して、透過的衛星シナリオの共通TA値を自身で計算する必要がある。
Figure 2022548782000006
改善されたハンドオーバ手順の上記ソリューションのいくつかに対して、DL遅延(例えば、gNB→衛星→UE)は、UL遅延(UE→衛星→gNB)と同じであると仮定した。例えば、上記の式1および式2は、この仮定に基づいている。しかし、これは、例えば、DL遅延とUL遅延とが同じでないなど、いくつかの理由で、必ずしもそうであるとは限らない。例えば、ダウンリンク送信とアップリンク送信とは、異なる周波数帯域を使用し得る、および/または、衛星処理は、アップリンクとダウンリンクとで異なり得る。
したがって、「DL遅延=UL遅延」の仮定に基づくこのようなソリューションは、UL遅延とDL遅延が異なる場合には使用することができない。この制約を克服するために、上記の改善されたハンドオーバ手順の変形例によれば、ダウンリンク遅延とアップリンク遅延の間の差がさらに考慮される。例えば、式1(TAtarget=TAsource-2×(T1-T2))は、調整される必要がある。
パラメータOff_sourceは、ソース無線セルにおけるDL遅延とUL遅延の間の時間オフセットである。このパラメータは、ソース無線セル内のUEによって、例えば、適切なシステム情報ブロック(System Information Block)内のシステム情報によって、取得することができる。Off_sourceの正の値は、例えば、UL遅延が、ソース無線セルにおいてOff_sourceの指示値だけDL遅延よりも長いことを意味すると理解することができる。逆に、Off_sourceの負の値は、例えば、UL遅延が、ソース無線セルにおいてOff_sourceの指示値だけDL遅延よりも短いことを意味すると理解することができる。
同様に、パラメータOff_targetは、ターゲット無線セルにおけるDL遅延とUL遅延の間の時間オフセットである。このパラメータは、ソース無線セル内のUEによって、例えば、第1のハンドオーバメッセージ(例えば、いくつかの実装形態では、ハンドオーバコマンドメッセージ、他の実装形態では、RRCReconfigurationメッセージ)によって、例えば、ターゲット無線セルの共通TA値と共に、取得することができる。Off_targetの正の値は、例えば、UL遅延が、ターゲット無線セルにおいてOff_targetの指示値だけDL遅延よりも長いことを意味すると理解することができる。逆に、Off_targetの負の値は、例えば、UL遅延が、ターゲット無線セルにおいてOff_targetの指示値だけDL遅延よりも短いことを意味すると理解することができる。
追加のパラメータOff_sourceおよびOff_targetに基づいて、式1を修正して以下の式3を得ることができる。
Figure 2022548782000007
これに対応して、無線セルにおいてアップリンク遅延とダウンリンク遅延とが同じでないシナリオでは、式1を使用する代わりに式3を使用すべきである。
したがって、式2は、式4に変更される。ここでは、式3のパラメータTA_targetおよびTA_sourceが、(CTA_target+ITA_target)および(CTA_source+ITA_source)にそれぞれ置き換えられている。
Figure 2022548782000008
式2に基づく上記のソリューションでは、UEは、ターゲットセルのUE固有TA値を決定するために、式2の代わりに式4を使用することができる。式2に関してすでに説明したように、UEは、ターゲット無線セルのUE固有TA値ITA_targetを決定するために、式4のすべてのパラメータを取得することができなければならない。例えば、式3に関連してすでに述べたように、Off_targetは、UEによって第1のハンドオーバメッセージを通じて取得され得る。
これに対応して、UEは、まず、ソース無線セルにおけるダウンリンク伝搬遅延がソース無線セルにおけるアップリンク伝搬遅延と同じであるか否か、および、ターゲット無線セルにおけるダウンリンク伝搬遅延がターゲット無線セルにおけるアップリンク伝搬遅延と同じであるか否かを決定し得る。1つの例示的な実装形態によれば、UEは、その旨をソース基地局によって通知される。例えば、パラメータOff_sourceおよびOff_targetがハンドオーバコマンドメッセージに含まれる場合、UEは、UL遅延=DL遅延の仮定が真ではなく、異なる式を使用しなければならないと決定する。
特に、決定の結果に応じて、上記したように、適切な式1、式2、式3、または式4が使用される。特に、ソース無線セルおよびターゲット無線セルにおいて、それぞれのUL遅延およびDL遅延が実質的に同じである場合には、式1および式2を使用することができる。一方、ソース無線セルまたはターゲット無線セルにおいて、それぞれのUL遅延およびDL遅延が互いに異なる場合には、式3および式4を使用することができる。
さらなる態様
第1の態様によれば、ユーザ機器(UE)は、ソース無線セルのソース基地局から、ターゲット無線セルに対する共通タイミングアドバンス値を受信する受信機を有する。前記UEは、前記ソース無線セルに接続されており、前記UEを前記ソース無線セルから前記ターゲット無線セルにハンドオーバさせるハンドオーバ手順に関与している。また、前記共通タイミングアドバンス値は、前記ソース基地局から前記ハンドオーバ手順の第1のメッセージにおいて受信され、前記ハンドオーバ手順の前記第1のメッセージは、前記UEからターゲット基地局に第2のメッセージを送信するためのタイミング指示をさらに含む。次いで、前記UEのプロセッサは、前記受信された共通タイミングアドバンス値および前記タイミング指示に基づいて、前記ターゲット基地局からのダウンリンク送信に関して前記ターゲット基地局へのアップリンク送信の第1のアップリンクタイミングを決定する。前記UEの送信機は、前記決定されたアップリンクタイミングに基づいて、前記ハンドオーバ手順の前記第2のメッセージを前記ターゲット基地局に送信する。前記プロセッサは、前記ターゲット無線セルにおいてアップリンク送信を実行するために前記UEによって使用される、前記UEおよび前記ターゲット無線セルに固有の、UE固有タイミングアドバンス値を決定する。
前記第1の態様に加えて提供される第2の態様によれば、前記プロセッサは、前記共通タイミングアドバンス値に基づいて、かつ、前記UE固有タイミングアドバンス値に基づかないで、前記ターゲット基地局にランダムアクセス手順のメッセージを送信するための第2のアップリンクタイミングを決定する。また、前記プロセッサは、前記共通タイミングアドバンス値および前記UE固有タイミングアドバンス値に基づいて、前記ターゲット基地局にアップリンクデータを送信するための第3のアップリンクタイミングを決定する。
前記第1または第2の態様に加えて提供される第3の態様によれば、前記受信機は、前記UEおよび前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値に関する情報を含む、前記ハンドオーバ手順の第3のメッセージを前記ターゲット基地局から受信し、前記プロセッサは、前記UE固有タイミングアドバンス値に関する前記受信された情報から、前記UEおよび前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値を決定する。
前記第1から第3の態様のいずれか1つに加えて提供される第4の態様によれば、前記プロセッサは、
・ 前記ターゲット無線セルの前記受信された共通タイミングアドバンス値、
・ 前記ソース無線セルのUE固有タイミングアドバンス値、
・ 前記ソース無線セルの共通タイミングアドバンス値、
・ 前記ソース基地局と前記ターゲット基地局の間のダウンリンク伝搬時間差、
を用いた計算に基づいて、前記UEおよび前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値を決定する。
また、前記計算は、前記ターゲット基地局へのアップリンク送信の前記第1のアップリンクタイミングを決定する前に実行され、前記第1のアップリンクタイミングの前記決定は、さらに、前記計算されたUE固有タイミングアドバンス値に基づいている。任意選択的な実装形態において、前記UEおよび前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値の前記計算は、以下の式に基づいている。
Figure 2022548782000009
前記パラメータITA_targetは、前記UEおよび前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値であり、CTA_sourceは、前記ソース無線セルの前記共通タイミングアドバンス値であり、ITA_sourceは、前記ソース無線セルの前記UE固有タイミングアドバンス値であり、CTA_targetは、前記ターゲット無線セルの前記受信された共通タイミングアドバンス値であり、(T2-T1)は、前記ソース基地局と前記ターゲット基地局の間のダウンリンク伝搬時間差である。
前記第4の態様に加えて提供される第5の態様によれば、前記UEと前記ソース基地局の間のダウンリンク伝搬遅延が、前記UEと前記ソース基地局の間のアップリンク伝搬遅延と同じでない場合、前記UE固有タイミングアドバンス値の前記決定は、前記ソース無線セルにおける前記ダウンリンク遅延と前記アップリンク遅延の間の時間オフセットおよび前記ターゲット無線セルにおける前記ダウンリンク遅延と前記アップリンク遅延の間の時間オフセットをさらに考慮に入れる。任意選択的な実装形態において、前記UEおよび前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値の前記計算は、以下の式に基づいている。
Figure 2022548782000010
前記パラメータOff_sourceは、前記ソース無線セルにおける前記ダウンリンク遅延と前記アップリンク遅延の間の時間オフセットであり、Off_targetは、前記ターゲット無線セルにおける前記ダウンリンク遅延と前記アップリンク遅延の間の時間オフセットである。
前記第1から第5の態様のいずれか1つに加えて提供される第6の態様によれば、前記UEは、前記ターゲット無線セルの総タイミングアドバンス値を決定する全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)回路を搭載している。前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値を決定することは、前記ターゲット無線セルのための前記総タイミングアドバンス値および前記ターゲット無線セルのための前記受信された共通タイミングアドバンス値に基づいている。任意選択的な実装形態において、前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値は、前記ターゲット無線セルのための総タイミングアドバンス値から前記ターゲット無線セルのための前記受信された共通タイミングアドバンス値を引いたものである。
前記第6の態様に加えて提供される第7の態様によれば、前記プロセッサは、前記GNSS回路を使用して前記ターゲット無線セルの前記総タイミングアドバンス値を決定することが可能であるかどうかを決定する。可能でない場合、前記プロセッサは、前記GNSS回路を使用して前記ターゲット無線セルの前記総タイミングアドバンス値に基づいて前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値を決定するのではなく、前記第3または第4の態様に記載の前記ターゲット無線セルの前記UE固有タイミングアドバンス値を決定することを決定する。
前記第1から第7の態様のいずれか1つに加えて提供される第8の態様によれば、共通タイミングアドバンス値は、前記ソース/ターゲット無線セルにおけるすべてのUEに共通であり、前記ソース/ターゲット無線セルにおける基準点に関して計算される。UE固有タイミングアドバンス値は、前記ソース/ターゲット無線セルにおける1つのUEに固有であり、前記ソース/ターゲット無線セルにおける前記UEの位置に基づく。
前記第1から第8の態様のいずれか1つに加えて提供される第9の態様によれば、前記プロセッサは、前記ハンドオーバ手順の前記第1のメッセージが、前記ターゲット基地局とのランダムアクセス手順を実行することなく前記ハンドオーバに参加するように前記UEに指示することを決定する。任意選択的な実装形態において、前記プロセッサは、前記第1のメッセージが前記タイミング指示を含む場合、前記ランダムアクセス手順を実行することなく前記ハンドオーバを実行することを決定する。
前記第1から第9の態様のいずれか1つに加えて提供される第10の態様によれば、前記ターゲット無線セルの前記共通タイミングアドバンス値および前記タイミング指示を含む、前記ハンドオーバ手順の前記第1のメッセージは、前記ハンドオーバ手順のハンドオーバコマンドメッセージである。前記ハンドオーバコマンドメッセージは、前記ターゲット無線セルへの接続を確立するために前記UEの無線リソース構成をどのように再構成するかを前記UEに指示する。前記ハンドオーバ手順の前記第2のメッセージは、前記UEの前記ターゲット基地局への接続を確立するための前記UEの前記無線リソース再構成が完了したことを前記ターゲット基地局に示す、RRCReconfigurationCompleteメッセージである。
前記第1から第10の態様のいずれか1つに加えて提供される第11の態様によれば、前記UEは、ソース衛星を通じて地上に位置する前記ソース基地局に接続されており、前記ソース無線セルの前記共通タイミングアドバンス値は、前記ソース衛星および地上に位置する前記ソース基地局から送信されている最中に通信に発生する第1の遅延を考慮し、かつ、前記ソース衛星で処理されている最中に通信に発生する第2の遅延を考慮する。
第12の態様によれば、ユーザ機器(UE)に、ターゲット無線セルのための共通タイミングアドバンス値を送信する送信機を有する基地局が提供される。前記UEは、前記基地局の無線セルに接続されている。前記基地局は、ソース基地局として、前記UEをソース無線セルとしての前記無線セルから前記ターゲット無線セルにハンドオーバさせるハンドオーバ手順に関与している。前記共通タイミングアドバンス値は、前記ハンドオーバ手順の第1のメッセージにおいて前記ソース基地局としての前記基地局によって送信される。前記ハンドオーバ手順の前記第1のメッセージは、前記UEからターゲット基地局に第2のメッセージを送信するためのタイミング指示をさらに含む。
前記第12の態様に加えて提供される第13の態様によれば、前記基地局は、前記ターゲット無線セルの前記共通タイミングアドバンス値を決定し、前記UEから前記ターゲット基地局に第2のメッセージを送信するための前記タイミング指示を決定するプロセッサを有する。任意選択的な実装形態において、前記基地局は、前記ターゲット無線セルの前記ターゲット基地局から、前記ターゲット無線セルの前記共通タイミングアドバンス値に関する情報および前記UEから前記ターゲット基地局に前記第2のメッセージを送信するための前記タイミング指示に関する情報を受信する受信機を有する。
前記第12または第13の態様に加えて提供される第14の態様によれば、前記基地局は、ターゲット基地局として、他のUEを他のソース無線セルから前記ターゲット無線セルとしての前記無線セルにハンドオーバさせる他のハンドオーバ手順に関与している。前記基地局は、前記ターゲット基地局として、動作中、前記基地局の前記無線セルの共通タイミングアドバンス値を、前記他のソース無線セルを制御する前記他のソース無線基地局に、前記他のハンドオーバ手順の第1のメッセージにおいて送信する前記送信機を有する。前記他のハンドオーバ手順の前記第1のメッセージは、前記他のUEから前記基地局に他のメッセージを送信するためのタイミング指示をさらに含む。前記基地局は、前記ターゲット基地局として、前記他のUEから、前記無線セルの前記共通タイミングアドバンス値および前記他のメッセージを送信するための前記タイミング指示に基づいて送信された、前記他のハンドオーバ手順の前記他のメッセージを受信する受信機を有する。
第15の態様によれば、ユーザ機器(UE)によって実行される以下のステップを含む方法であって、
ソース無線セルのソース基地局から、ターゲット無線セルに対する共通タイミングアドバンス値を受信するステップであって、前記UEは、前記ソース無線セルに接続されており、前記UEを前記ソース無線セルから前記ターゲット無線セルにハンドオーバさせるハンドオーバ手順に関与しており、前記共通タイミングアドバンス値は、前記ソース基地局から前記ハンドオーバ手順の第1のメッセージにおいて受信され、前記ハンドオーバ手順の前記第1のメッセージは、前記UEからターゲット基地局に第2のメッセージを送信するためのタイミング指示をさらに含む、ステップと、
前記受信した共通タイミングアドバンス値および前記タイミング指示に基づいて、前記ターゲット基地局からのダウンリンク送信に関して前記ターゲット基地局へのアップリンク送信の第1のアップリンクタイミングを決定するステップと、
前記決定したアップリンクタイミングに基づいて、前記ハンドオーバ手順の前記第2のメッセージを前記ターゲット基地局に送信するステップと、
前記ターゲット無線セルにおいてアップリンク送信を実行するために前記UEによって使用される、前記UEおよび前記ターゲット無線セルに固有の、UE固有タイミングアドバンス値を決定するステップと、
を含む、方法が提供される。
本開示のハードウェアおよびソフトウェアの実装
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア、またはハードウェアと連携したソフトウェアで実現することができる。上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的または全体的に、集積回路などのLSIによって実現可能であり、また、各実施形態で説明した各処理は、部分的または全体的に、同じLSIまたはLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは、チップとして個別に形成されてもよいし、または、機能ブロックの一部または全部を含むように1つのチップが形成されてもよい。LSIは、データ入力とこれに接続されたデータ出力を含んでもよい。ここで、LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることがある。しかし、集積回路を実現する技術は、LSIに限られるものではなく、専用回路、汎用プロセッサ、または専用プロセッサを用いて実現されてもよい。また、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部に配置された回路セルの接続および設定を再構成可能なリコンフィギャラブル・プロセッサを使用してもよい。本開示は、デジタル処理またはアナログ処理として実現することができる。半導体技術または他の派生技術の進歩の結果として将来の集積回路技術がLSIに取って代わる場合には、その将来の集積回路技術を用いて機能ブロックを集積化することができる。バイオテクノロジーも適用可能である。
本開示は、通信装置と呼ばれる、通信機能を有するあらゆる種類の装置、デバイス、またはシステムによって実現することができる。
そのような通信装置のいくつかの非限定的な例は、電話機(例えば、携帯電話、スマートフォン)、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)(例えば、ラップトップ、デスクトップ、ノートブック)、カメラ(例えば、デジタル・スチル/ビデオ・カメラ)、デジタルプレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー)、着用可能なデバイス(例えば、ウェアラブルカメラ、スマートウォッチ、トラッキングデバイス)、ゲームコンソール、デジタルブックリーダー、テレヘルス/テレメディシン(遠隔ヘルスおよびメディシン)デバイス、通信機能を提供する車両(例えば、自動車、飛行機、船舶)、ならびにそれらのさまざまな組み合わせを含む。
通信装置は、持ち運び可能または移動可能なものに限定されず、例えば、スマートホームデバイス(例えば、家電、照明、スマートメーター、コントロールパネル)、自動販売機、その他「IoT(Internet of Things)」のネットワークにおけるあらゆる「物(things)」など、持ち運びできないまたは固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、またはシステムを含み得る。
通信は、例えば、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システムなどによるデータのやりとり、およびそれらのさまざまな組み合せによるデータのやりとりを含み得る。
通信装置は、本開示に記載された通信機能を実行する通信デバイスに接続される、コントローラやセンサなどのデバイスを有し得る。例えば、通信装置は、当該通信装置の通信機能を実行する通信装置によって使用される制御信号またはデータ信号を生成するコントローラまたはセンサを有し得る。
また、通信装置は、上記の非限定的な例における装置と通信しまたはこれを制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、もしくはシステムを含み得る。
さらに、様々な実施形態は、ソフトウェアモジュールによって実施してもよく、これらのソフトウェアモジュールは、プロセッサによって実行される、または、ハードウェアにおいて直接実行される。また、ソフトウェアモジュールとハードウェア実装の組合せも可能である。ソフトウェアモジュールは、任意の種類のコンピュータ可読記憶媒体、例えば、RAMやEPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、レジスタ、ハードディスク、CD-ROM、DVDなどに格納することができる。さらには、複数の異なる実施形態の個々の特徴は、個々に、または任意の組合せにおいて、別の実施形態の主題とすることができることに留意されたい。
具体的な実施形態に示した本開示には、様々な変更および/または修正を行うことができることが、当業者には理解されるであろう。したがって、本明細書に示した実施形態は、あらゆる点において例示的であり、本発明を制限しないものとみなされる。

Claims (15)

  1. ユーザ機器(UE)であって、
    動作中、ソース無線セルのソース基地局から、ターゲット無線セルに対する共通タイミングアドバンス値を受信する受信機であって、前記UEは、前記ソース無線セルに接続されており、前記UEを前記ソース無線セルから前記ターゲット無線セルにハンドオーバさせるハンドオーバ手順に関与しており、前記共通タイミングアドバンス値は、前記ソース基地局から前記ハンドオーバ手順の第1のメッセージにおいて受信され、前記ハンドオーバ手順の前記第1のメッセージは、前記UEからターゲット基地局に第2のメッセージを送信するためのタイミング指示をさらに含む、受信機と、
    動作中、前記受信された共通タイミングアドバンス値および前記タイミング指示に基づいて、前記ターゲット基地局からのダウンリンク送信に関して前記ターゲット基地局へのアップリンク送信の第1のアップリンクタイミングを決定するプロセッサと、
    動作中、前記決定されたアップリンクタイミングに基づいて、前記ハンドオーバ手順の前記第2のメッセージを前記ターゲット基地局に送信する送信機と、を有し、
    前記プロセッサは、動作中、前記ターゲット無線セルにおいてアップリンク送信を実行するために前記UEによって使用される、前記UEおよび前記ターゲット無線セルに固有の、UE固有タイミングアドバンス値を決定する、
    ユーザ機器。
  2. 前記プロセッサは、動作中、前記共通タイミングアドバンス値に基づいて、かつ、前記UE固有タイミングアドバンス値に基づかないで、前記ターゲット基地局にランダムアクセス手順のメッセージを送信するための第2のアップリンクタイミングを決定し、
    前記プロセッサは、動作中、前記共通タイミングアドバンス値および前記UE固有タイミングアドバンス値に基づいて、前記ターゲット基地局にアップリンクデータを送信するための第3のアップリンクタイミングを決定する、
    請求項1に記載のユーザ機器。
  3. 前記受信機は、動作中、前記UEおよび前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値に関する情報を含む、前記ハンドオーバ手順の第3のメッセージを前記ターゲット基地局から受信し、前記プロセッサは、前記UE固有タイミングアドバンス値に関する前記受信された情報から、前記UEおよび前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値を決定する、
    請求項1または2に記載のユーザ機器。
  4. 前記プロセッサは、動作中、
    ・ 前記ターゲット無線セルの前記受信された共通タイミングアドバンス値、
    ・ 前記ソース無線セルのUE固有タイミングアドバンス値、
    ・ 前記ソース無線セルの共通タイミングアドバンス値、
    ・ 前記ソース基地局と前記ターゲット基地局の間のダウンリンク伝搬時間差、
    を用いた計算に基づいて、前記UEおよび前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値を決定し、
    前記計算は、前記ターゲット基地局へのアップリンク送信の前記第1のアップリンクタイミングを決定する前に実行され、前記第1のアップリンクタイミングの前記決定は、さらに、前記計算されたUE固有タイミングアドバンス値に基づき、
    任意選択的に、前記UEおよび前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値の前記計算は、以下の式に基づき、
    Figure 2022548782000011
    ここで、ITA_targetは、前記UEおよび前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値であり、CTA_sourceは、前記ソース無線セルの前記共通タイミングアドバンス値であり、ITA_sourceは、前記ソース無線セルの前記UE固有タイミングアドバンス値であり、CTA_targetは、前記ターゲット無線セルの前記受信された共通タイミングアドバンス値であり、(T2-T1)は、前記ソース基地局と前記ターゲット基地局の間のダウンリンク伝搬時間差である、
    請求項1から3のいずれかに記載のユーザ機器。
  5. 前記UEと前記ソース基地局の間のダウンリンク伝搬遅延が、前記UEと前記ソース基地局の間のアップリンク伝搬遅延と同じでない場合、前記UE固有タイミングアドバンス値の前記決定は、前記ソース無線セルにおける前記ダウンリンク遅延と前記アップリンク遅延の間の時間オフセットおよび前記ターゲット無線セルにおける前記ダウンリンク遅延と前記アップリンク遅延の間の時間オフセットをさらに考慮に入れ、
    任意選択的に、前記UEおよび前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値の前記計算は、以下の式に基づき、
    Figure 2022548782000012
    ここで、Off_sourceは、前記ソース無線セルにおける前記ダウンリンク遅延と前記アップリンク遅延の間の時間オフセットであり、Off_targetは、前記ターゲット無線セルにおける前記ダウンリンク遅延と前記アップリンク遅延の間の時間オフセットである、
    請求項4に記載のユーザ機器。
  6. 前記UEは、動作中、前記ターゲット無線セルの総タイミングアドバンス値を決定する全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)回路を搭載しており、
    前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値を決定することは、前記ターゲット無線セルのための前記総タイミングアドバンス値および前記ターゲット無線セルのための前記受信された共通タイミングアドバンス値に基づいており、任意選択的に、前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値は、前記ターゲット無線セルのための総タイミングアドバンス値から前記ターゲット無線セルのための前記受信された共通タイミングアドバンス値を引いたものである、
    請求項1から5のいずれかに記載のユーザ機器。
  7. 前記プロセッサは、前記GNSS回路を使用して前記ターゲット無線セルの前記総タイミングアドバンス値を決定することが可能であるかどうかを決定し、
    可能でない場合、前記プロセッサは、前記GNSS回路を使用して前記ターゲット無線セルの前記総タイミングアドバンス値に基づいて前記ターゲット無線セルのための前記UE固有タイミングアドバンス値を決定するのではなく、請求項3または4に記載の前記ターゲット無線セルの前記UE固有タイミングアドバンス値を決定することを決定する、
    請求項6に記載のユーザ機器。
  8. 共通タイミングアドバンス値は、前記ソース/ターゲット無線セルにおけるすべてのUEに共通であり、前記ソース/ターゲット無線セルにおける基準点に関して計算され、
    UE固有タイミングアドバンス値は、前記ソース/ターゲット無線セルにおける1つのUEに固有であり、前記ソース/ターゲット無線セルにおける前記UEの位置に基づく、
    請求項1から7のいずれかに記載のユーザ機器。
  9. 前記プロセッサは、動作中、前記ハンドオーバ手順の前記第1のメッセージが、前記ターゲット基地局とのランダムアクセス手順を実行することなく前記ハンドオーバに参加するように前記UEに指示することを決定し、
    任意選択的に、前記プロセッサは、前記第1のメッセージが前記タイミング指示を含む場合、前記ランダムアクセス手順を実行することなく前記ハンドオーバを実行することを決定する、
    請求項1から8のいずれかに記載のユーザ機器。
  10. 前記ターゲット無線セルの前記共通タイミングアドバンス値および前記タイミング指示を含む、前記ハンドオーバ手順の前記第1のメッセージは、前記ハンドオーバ手順のハンドオーバコマンドメッセージであり、前記ハンドオーバコマンドメッセージは、前記ターゲット無線セルへの接続を確立するために前記UEの無線リソース構成をどのように再構成するかを前記UEに指示し、
    前記ハンドオーバ手順の前記第2のメッセージは、前記UEの前記ターゲット基地局への接続を確立するための前記UEの前記無線リソース再構成が完了したことを前記ターゲット基地局に示す、RRCReconfigurationCompleteメッセージである、
    請求項1から9のいずれかに記載のユーザ機器。
  11. 前記UEは、ソース衛星を通じて地上に位置する前記ソース基地局に接続されており、前記ソース無線セルの前記共通タイミングアドバンス値は、前記ソース衛星および地上に位置する前記ソース基地局から送信されている最中に通信に発生する第1の遅延を考慮し、かつ、前記ソース衛星で処理されている最中に通信に発生する第2の遅延を考慮する、
    請求項1から10のいずれかに記載のユーザ機器。
  12. 基地局であって、
    動作中、ユーザ機器(UE)に、ターゲット無線セルのための共通タイミングアドバンス値を送信する送信機であって、前記UEが、前記基地局の無線セルに接続されている、送信機を有し、前記基地局は、ソース基地局として、前記UEをソース無線セルとしての前記無線セルから前記ターゲット無線セルにハンドオーバさせるハンドオーバ手順に関与しており、前記共通タイミングアドバンス値は、前記ハンドオーバ手順の第1のメッセージにおいて前記ソース基地局としての前記基地局によって送信され、前記ハンドオーバ手順の前記第1のメッセージは、前記UEからターゲット基地局に第2のメッセージを送信するためのタイミング指示をさらに含む、
    基地局。
  13. 動作中、前記ターゲット無線セルの前記共通タイミングアドバンス値を決定し、前記UEから前記ターゲット基地局に第2のメッセージを送信するための前記タイミング指示を決定するプロセッサをさらに有し、
    任意選択的に、前記基地局は、動作中、前記ターゲット無線セルの前記ターゲット基地局から、前記ターゲット無線セルの前記共通タイミングアドバンス値に関する情報および前記UEから前記ターゲット基地局に前記第2のメッセージを送信するための前記タイミング指示に関する情報を受信する受信機を有する、
    請求項12に記載の基地局。
  14. 前記基地局は、ターゲット基地局として、他のUEを他のソース無線セルから前記ターゲット無線セルとしての前記無線セルにハンドオーバさせる他のハンドオーバ手順に関与しており、前記基地局は、前記ターゲット基地局として、動作中、前記基地局の前記無線セルの共通タイミングアドバンス値を、前記他のソース無線セルを制御する前記他のソース無線基地局に、前記他のハンドオーバ手順の第1のメッセージにおいて送信する前記送信機を有し、前記他のハンドオーバ手順の前記第1のメッセージは、前記他のUEから前記基地局に他のメッセージを送信するためのタイミング指示を含み、
    前記基地局は、前記ターゲット基地局として、動作中、前記他のUEから、前記無線セルの前記共通タイミングアドバンス値および前記他のメッセージを送信するための前記タイミング指示に基づいて送信された、前記他のハンドオーバ手順の前記他のメッセージを受信する受信機を有する、
    請求項12または13に記載の基地局。
  15. ユーザ機器(UE)によって実行される以下のステップを含む方法であって、
    ソース無線セルのソース基地局から、ターゲット無線セルに対する共通タイミングアドバンス値を受信するステップであって、前記UEは、前記ソース無線セルに接続されており、前記UEを前記ソース無線セルから前記ターゲット無線セルにハンドオーバさせるハンドオーバ手順に関与しており、前記共通タイミングアドバンス値は、前記ソース基地局から前記ハンドオーバ手順の第1のメッセージにおいて受信され、前記ハンドオーバ手順の前記第1のメッセージは、前記UEからターゲット基地局に第2のメッセージを送信するためのタイミング指示をさらに含む、ステップと、
    前記受信した共通タイミングアドバンス値および前記タイミング指示に基づいて、前記ターゲット基地局からのダウンリンク送信に関して前記ターゲット基地局へのアップリンク送信の第1のアップリンクタイミングを決定するステップと、
    前記決定したアップリンクタイミングに基づいて、前記ハンドオーバ手順の前記第2のメッセージを前記ターゲット基地局に送信するステップと、
    前記ターゲット無線セルにおいてアップリンク送信を実行するために前記UEによって使用される、前記UEおよび前記ターゲット無線セルに固有の、UE固有タイミングアドバンス値を決定するステップと、
    を含む、方法。
JP2022518290A 2019-09-24 2020-08-05 ハンドオーバに関与するユーザ機器および基地局 Pending JP2022548782A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP19199331.0 2019-09-24
EP19199331.0A EP3799470A1 (en) 2019-09-24 2019-09-24 User equipment and base station involved in a handover
PCT/EP2020/072029 WO2021058186A1 (en) 2019-09-24 2020-08-05 User equipment and base station involved in a handover

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022548782A true JP2022548782A (ja) 2022-11-21

Family

ID=68066681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022518290A Pending JP2022548782A (ja) 2019-09-24 2020-08-05 ハンドオーバに関与するユーザ機器および基地局

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20220345961A1 (ja)
EP (2) EP3799470A1 (ja)
JP (1) JP2022548782A (ja)
WO (1) WO2021058186A1 (ja)

Families Citing this family (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11800479B2 (en) * 2020-08-07 2023-10-24 Samsung Electronics Co., Ltd. Uplink timing and frequency synchronization
US20220070811A1 (en) * 2020-08-31 2022-03-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Management of ephemeris, time, delays, and ta for an ntn
CN115209494A (zh) * 2021-04-13 2022-10-18 中国移动通信有限公司研究院 一种接入网络的方法、终端及网络设备
CN117158064A (zh) * 2021-04-15 2023-12-01 株式会社Ntt都科摩 终端、无线通信方法以及基站
WO2022226803A1 (zh) * 2021-04-27 2022-11-03 北京小米移动软件有限公司 上行定时调整方法、装置及存储介质
EP4087158A1 (en) * 2021-05-05 2022-11-09 Mitsubishi Electric R&D Centre Europe B.V. Timing advance acquisition for leo systems
BR112023021472A2 (pt) * 2021-05-10 2023-12-19 Zte Corp Avanço de temporização para transmissão de informações em redes de comunicação sem fio
KR20230001449A (ko) * 2021-06-28 2023-01-04 삼성전자주식회사 무선 통신 시스템에서 다차원 구조를 갖는 prach 를 이용한 랜덤 액세스 방법 및 장치
WO2023078606A1 (en) * 2021-11-03 2023-05-11 Sony Group Corporation Methods, communications devices, and infrastructure equipment
WO2023081552A1 (en) * 2021-11-04 2023-05-11 Qualcomm Incorporated Timing and synchronization parameters for handover in non-terrestrial network
CN114175715B (zh) * 2021-11-05 2024-04-26 北京小米移动软件有限公司 信息传输方法、装置、通信设备和存储介质
WO2023111619A1 (en) * 2021-12-16 2023-06-22 Orope France Sarl Apparatus and method of wireless communication
WO2023159624A1 (zh) * 2022-02-28 2023-08-31 北京小米移动软件有限公司 上行传输方法及装置、存储介质
EP4290785A3 (en) * 2022-05-20 2024-04-03 Nokia Solutions and Networks Oy Timing synchronization for non-terrestrial network
US20230413131A1 (en) * 2022-06-20 2023-12-21 Qualcomm Incorporated Techniques for handover in non-terrestrial networks

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070123252A1 (en) * 2005-10-12 2007-05-31 Atc Technologies, Llc Systems, methods and computer program products for mobility management in hybrid satellite/terrestrial wireless communications systems
WO2018093939A1 (en) * 2016-11-16 2018-05-24 Intel IP Corporation Rach-less handover

Also Published As

Publication number Publication date
EP3799470A1 (en) 2021-03-31
EP4035453A1 (en) 2022-08-03
WO2021058186A1 (en) 2021-04-01
US20220345961A1 (en) 2022-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220345961A1 (en) User equipment and base station involved in a handover
CN115462007B (zh) 用户设备和基站
EP3905781A1 (en) User equipment and base station
KR102026952B1 (ko) 무선 통신 시스템에서 장치-대-장치 통신을 수행하는 방법 및 장치
JP2022521220A (ja) 測定報告及びハンドオーバに関与するユーザ機器
EP3301874B1 (en) Data transmission method and relevant device
EP4106422A1 (en) Reception device, transmission device, reception method, and transmission method
US10631355B2 (en) User terminal, communication control method, and base station
CN114982309A (zh) 用于非陆地网络的定时调整
US20220322449A1 (en) Transceiver device and base station
KR20210118366A (ko) 릴레이 노드를 제어하는 방법 및 그 장치
WO2023153011A1 (ja) 端末、基地局、及び、通信方法
CN117501803A (zh) 用户设备、调度节点、用户设备的方法和调度节点的方法
WO2023203740A1 (ja) 端末、基地局、及び、通信方法
EP4270813A1 (en) Power control for network-controlled repeater
WO2022208990A1 (ja) 端末、基地局、および通信方法
WO2024070402A1 (ja) 端末、基地局、通信方法、及び、集積回路
US20240179789A1 (en) User equipment and base station involved in transmission of small data
EP4344087A1 (en) Transmission configuration mechanisms for a network controlled repeater
EP3979751A1 (en) Transceiver device and scheduling device involved in transmission of small data
JP2023553174A (ja) 送信手順に関与するntnエンティティ、ユーザ機器、および基地局
CN117730607A (zh) 小数据的传输中涉及的用户设备和基站

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240611