JP2022548573A - 外科手術器具の制御 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022548573000001
外科手術器具の制御
遠隔外科医入力装置の操作に応答して外科手術器具の操作を制御するための制御システム。外科手術器具は、関節式カップリングによってシャフトに接続された、対向可能な第一および第二のエンドエフェクタ要素を備える。制御システムは、第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させる信号を発し、第一の制御関係に従い、第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度を変化させるための、外科医入力装置からのコマンドを変換し、第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかる感知された力を受信し、感知された力を閾値力と比較し、閾値力を上回ったことが判断されると、(第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させる信号を発し、第二の制御関係に従い、第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度を変化させるための、外科医入力装置からの後続のコマンドを変換し、ここで、第二の制御関係は第一の制御関係と異なる。
【選択図】図8

Description

外科手術を補助および実施するためにロボットを使用することが知られている。
図1は、典型的な外科手術ロボットシステムを例示する。外科手術ロボット100は、基部102、アーム104、および器具106からなる。基部は、ロボットを支持し、それ自体が、例えば、手術室の床、手術室の天井、またはカートにしっかりと取り付けられ得る。アームは、基部と器具との間に延在する。アームは、その長さに沿って、外科手術器具を患者に対して所望の場所に位置特定するために使用される複数の可撓性ジョイント108によって関節式に連結される。外科手術器具は、ロボットアームの遠位端に取り付けられる。外科手術器具は、外科手術部位にアクセスするように、ポートで患者の身体を貫通する。外科手術器具は、接合された関節によって遠位エンドエフェクタ110に接続されたシャフトを備える。エンドエフェクタは、外科手術手技に従事する。図1では、例示のエンドエフェクタは、一対の顎である。外科医は、遠隔外科医コンソール112を介して外科手術ロボット100を制御する。外科医コンソールは、1つ以上の外科医入力装置114を備える。これらは、ハンドコントローラまたはフットペダルの形態を取り得る。外科医コンソールはまた、ディスプレイ116を備える。
制御システム118は、外科医コンソール112を外科手術ロボット100に接続する。制御システムは、外科医入力装置(複数可)から入力を受信し、これらをロボットアーム104のジョイントおよびエンドエフェクタ110を動かすための制御信号に変換する。制御システムは、これらの制御信号をロボットに送信し、それに応じて、対応するジョイントが駆動される。
例えば、外科医入力装置114は、例えば、本体に対して可動なトリガーなど、互いに対して可動な二つの部分を有するハンドコントローラであってもよい。外科医は、トリガーを本体に対して動かして、エンドエフェクタ110の顎を開閉させうる。典型的には、外科医の動きは、意図される顎の動きよりも大きなスケールである。制御システムは、ハンドコントローラから受信した入力を、制御関係に従って顎を開閉するように駆動するための駆動信号に変換する。その制御関係は、外科医によるハンドコントローラのより大きなスケールの動きに応答して、小規模かつ正確な顎の動きを可能にするように、ハンドコントローラからの入力を有用に尺度調整する。
制御関係は、概して、その動作の全範囲にわたるトリガーの動きが、完全に開状態から閉状態までのその全範囲にわたる顎の間の開口角度の動きにマッピングされるといったものである。単独で、これは上述の顎の微細な制御を可能にする。しかしながら、外科手術部位での顎を取り囲む組織からなど、顎に外力がかかっている場合、この繊細な制御は、顎の所望の動きを引き起こすには不十分でありうる。
したがって、外科医入力装置(複数可)から受信した入力をより適切に制御信号に変換して、エンドエフェクタでの外部環境の存在下で、所望どおりにエンドエフェクタを動かす制御システムの必要性がある。
本発明の一態様によれば、遠隔外科医入力装置の操作に応答して外科手術器具の操作を制御するための制御システムが提供されており、外科手術器具は、関節式カップリングによってシャフトに接続された対向可能な第一および第二のエンドエフェクタ要素を備え、制御システムは、第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させる信号を発し、第一の制御関係に従い、第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度を変化させるための、外科医入力装置からのコマンドを変換し、第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかる感知された力を受信し、感知された力を閾値力と比較し、閾値力を上回ったことが判断されると、第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させる信号を発し、第二の制御関係に従い、第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度を変化させるための、外科医入力装置からの後続のコマンドを変換するように、構成され、ここで、第二の制御関係は第一の制御関係と異なる。
外科医入力装置は、互いに可動な2つの部分を備えてもよい。第一の制御関係は位置制御関係でもよく、また第二の制御関係は位置制御関係でもよく、ここで、位置制御関係において、外科医入力装置の2つの部分の相対位置は、外科手術器具の第一および第二のエンドエフェクタ要素の相対位置に直にマッピングされる。
感知された力は、第一および第二のエンドエフェクタ要素が互いに閉じるような方向にかかりうる。
第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度は、最大開口角度θmaxを境界とする範囲内とすることができ、閾値力は、(i)いかなる外部荷重が第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかっていないとき、かつ(ii)第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度が最大開口角度θmaxであるときに、第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかる、受信された感知された力とすることができる。
外科医入力装置からの同じコマンドの下で、制御システムは、第一の制御関係に従い、第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させ、開口角度θにする、また第二の制御関係に従い、第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させ、開口角度をθ + Δθにするように構成されてもよく、ここでΔθ > 0である。Δθは、感知された力の関数でもよい。
1つ以上のモータは、駆動信号に従って第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させるように構成されてもよく、それらの1つ以上のモータは各々、最大トルクを生成することができ、ここで、Δθは、最大値Δθmaxを有し、ここで、θ + Δθmaxは、いかなる外部荷重が第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかっていないときに、1つ以上のモータによって最大トルクで駆動される第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度である。
制御システムは、第一および第二のエンドエフェクタ要素の駆動をばねとしてモデル化してもよく、式中、Δθはばね定数Keの関数である。
制御システムは、第一の制御関係に従って外科医入力装置からのコマンドの変換から、第二の制御関係に従って外科医入力装置からの後続のコマンドの変換に移行する際、外科医入力装置から第一および第二のエンドエフェクタ要素への連続的なマッピングを提供しうる。
Figure 2022548573000002
制御システムは、第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度θが、ベースライン開口角度θbaseよりも大きい場合、第二の制御関係に従って外科医入力装置からの後続のコマンドの変換のみを行いうる。
Figure 2022548573000003
外科手術器具は、ロボット外科手術アームによって保持および駆動されるロボット外科手術器具であってもよく、ロボット外科手術アームは、1つ以上のモータから第一および第二のエンドエフェクタ要素に駆動力を伝達するよう構成される器具ドライブを備え、制御システムが受信するように構成される感知された力は、器具ドライブで測定される。
Figure 2022548573000004
Figure 2022548573000005
Figure 2022548573000006
Figure 2022548573000007
感知された力は、第一および第二のエンドエフェクタ要素を引き離して開くような方向にかけられてもよく、閾値力は把持力である。
外科医入力装置からの同じコマンドの下で、制御システムは、第一の制御関係に従い、第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させ、開口角度θにする、また第二の制御関係に従い、第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させ、開口角度θ - Δθにするように構成されてもよく、ここでΔθ > 0である。
第一の制御関係と第二の制御関係の一方または両方は、力制御関係であってもよく、力制御関係において、外科医入力装置に印加される力は、外科手術器具の第一および第二のエンドエフェクタ要素に印加される力に直にマッピングされる。
ここで、添付図面を参照して、本発明を例として説明する。図は、以下の通りである。
図1は、外科手術手技を実施するための外科手術ロボットシステムを示す。 図2aは、例示的な外科手術器具の遠位端を示す。 図2bは、例示的な外科手術器具の遠位端を示す。 図3は、外科手術ロボットを示す。 図4aは、ロボットアームと外科手術器具との間のインターフェースを示す。 図4bは、ロボットアームと外科手術器具との間のインターフェースを示す。 図4cは、ロボットアームと外科手術器具との間のインターフェースを示す。 図5は、駆動アセンブリ内のロードセルユニットを示す。 図6は、外科医入力装置を示す。 図7は、一対のエンドエフェクタ要素の開口角度θを示す。 図8は、外科医入力装置とエンドエフェクタ間の制御関係を制御する方法のフローチャートである。 図9aは、一対のエンドエフェクタ要素の広がりと、非連続的な制御関係の変化における外科医入力装置との間の対応関係の例を示す。 図9bは、一対のエンドエフェクタ要素の広がりと、連続的な制御関係の変化における外科医入力装置との間の対応関係の例を示す。 図10は、一対のエンドエフェクタ要素の広がりと、外科医入力装置との間の対応関係の例を示す。
以下は、遠隔外科医コンソールからの外科手術ロボット器具の制御について説明する。器具およびコンソールが、図1に示すタイプの外科手術ロボットシステムの一部を形成する。
外科手術器具は、ロボットアームによって支持されている。ロボットアームは、それ自体が基部によって支持される。手術中、基部は、例えば、床、天井、カートまたは患者ベッドなど、手術室の一部に固定される。ロボットアームは、常に患者の外部にある。ロボットアームは、ジョイントが点在する一連のアームリンクを備える。これらのジョイントは、回転ジョイントであってもよい。基部の遠位にあるロボットアームの端部は、1つ以上のジョイントの動きによって基部に対して関節式に連結されうる。外科手術器具は、ロボットアームの遠位端で駆動アセンブリに取り付けられる。この取付点は、患者の外部にある。
外科手術器具は、細長いプロファイルを有し、シャフトは、ロボットアームに取り付けられるその近位端と、患者体内の外科手術部位にアクセスするその遠位端との間にわたる。外科手術器具の近位端および器具シャフトは、互いに対して剛性であり、ロボットアームの遠位端に取り付けられたとき、ロボットアームの遠位端に対して剛性であってもよい。患者の体内に切開が行われ、その切開部を通じてポートが配置される。外科手術器具は、そのポートを通じて患者の身体を貫通して、外科手術部位にアクセスしうる。または、外科手術器具は、身体の生来の関口部を通して身体を貫通して、外科手術部位にアクセスしてもよい。器具の近位端で、シャフトは器具インターフェースに接続される。器具インターフェースは、ロボットアームの遠位端で駆動アセンブリと係合する。具体的には、器具インターフェースの個々の器具インターフェース要素は各々、駆動アセンブリのそれぞれの個々の駆動アセンブリインターフェース要素と係合する。器具インターフェースは、駆動アセンブリと取り外し可能に係合可能である。器具は、ツールを必要とせずに、手動でロボットアームから取り外され得る。これにより、手術中に器具を駆動アセンブリから迅速に取り外し、別の器具を取り付けることが可能になる。
外科手術器具の遠位端では、シャフトの遠位端は、関節式カップリングによってエンドエフェクタに接続される。エンドエフェクタは、外科手術部位で外科手術手技に従事する。図2aおよび2bは、一対の顎をエンドエフェクタ201として有する例示的な器具の遠位端を示す。シャフト202は、関節式カップリング203によってエンドエフェクタ201に接続されている。関節式カップリング203は、数個のジョイントを備える。これらのジョイントは、エンドエフェクタの姿勢を、器具シャフトの方向に対して変更することを可能にする。図2aおよび2bには示されていないが、エンドエフェクタはまた、ジョイント(複数可)を備えてもよい。図2aおよび2bの実施例では、関節式カップリング203は、ピッチジョイント204を備える。ピッチジョイント204は、ピッチ軸205を中心に回転し、ピッチ軸205はシャフト202の長手方向軸206に垂直である。ピッチジョイント204は、支持体213(以下に記載)、それゆえエンドエフェクタ201が、シャフトに対してピッチ軸205を中心に回転することを可能にする。図2aおよび2bの実施例では、関節式カップリングはまた、第一のヨージョイント207および第二のヨージョイント211を備える。第一のヨージョイント207は、第一のヨー軸208を中心に回転する。第二のヨージョイント211は、第二のヨー軸212を中心に回転する。ヨー軸208および212はどちらも、ピッチ軸205に対して垂直である。ヨー軸208および212は平行であってもよい。ヨー軸208および212は、同一線上であってもよい。関節式カップリング203は、支持体213を備える。一方端で、支持体213は、ピッチジョイント204によってシャフト202に接続される。その他方の端で、支持体213は、ヨージョイント207および211によってエンドエフェクタ201に接続される。この支持体は、関節式カップリングのその他の構造がより見やすくなるように、図示を容易にするために図2aでは省略されている。図示されたエンドエフェクタ201は、二つのエンドエフェクタ要素209、210を備える。代替的に、エンドエフェクタは、単一のエンドエフェクタ要素を有してもよい。図2aおよび2bに示すエンドエフェクタ要素209、210は、対向する顎である。しかしながら、エンドエフェクタ要素は、任意のタイプの対向するエンドエフェクタ要素であってもよい。第一のヨージョイント207は、第一のエンドエフェクタ要素209と固定され、第一のエンドエフェクタ要素209が、支持体213およびピッチジョイント204に対して第一のヨー軸208を中心に回転することを可能にする。第二のヨージョイント211は、第二のエンドエフェクタ要素210と固定され、第二のエンドエフェクタ要素210が支持体213およびピッチジョイント204に対して第二のヨー軸212を中心に回転することを可能にする。図2aでは、エンドエフェクタ要素209、210は、顎が当接する閉じた構成で示されている。
図2aおよび2bに図示したジョイントは、対の駆動要素によって駆動される。駆動要素は細長い。それらは、その長手方向の範囲に対して横方向に可撓性である。これらは、その長手方向の範囲に沿った圧縮力および張力に抵抗する。各対の駆動要素は、器具シャフトの他方の端で、器具インターフェースのそれぞれの器具インターフェース要素に固定される。したがって、ロボットアームは、次のように駆動力をエンドエフェクタに伝える。駆動アセンブリインターフェース要素の動きにより、器具インターフェース要素が動き、これにより、駆動要素が動き、これにより、関節部および/またはエンドエフェクタの1つ以上のジョイントが動き、これにより、エンドエフェクタが動く。駆動要素は、ケーブルであってもよい。駆動要素は、可撓性部分および剛性部分を備えうる。可撓性部分は、器具インターフェースおよび関節式カップリングの構成要素と係合し、剛性部分は、器具シャフトの全体または一部を通って延在する。例えば、可撓性部分はケーブルであってもよく、剛性部分はスポークであってもよい。他の剛性部分(複数可)は、器具インターフェースまたは器具の関節式カップリング内にあってもよい。例えば、ラックおよびピニオンが、器具インターフェースまたは器具の関節式カップリング内にあってもよい。
図2aおよび図2bは、第一のヨージョイント207の周りを移動するように制限されている、第一の対の駆動要素A1、A2の対を示す。駆動要素A1、A2は、第一のヨー軸208を中心に第一のエンドエフェクタ要素209を回転させる。図2aおよび図2bは、第二のヨージョイント211の周りを移動するように制限されている、第二の対の駆動要素B1、B2の対を示す。駆動要素B1、B2は、第二のヨー軸212を中心に第二のエンドエフェクタ要素210を回転させる。図2aおよび図2bはまた、ピッチジョイント204の周りを移動するように制限されている、第三の対の駆動要素C1、C2を示す。駆動要素C1、C2は、ピッチ軸205を中心にエンドエフェクタ201を回転させる。駆動要素C1および/またはC2に張力をかけることによって、エンドエフェクタ201をピッチ軸205を中心に回転させることができる。ピッチジョイント204およびヨージョイント207、211は、それぞれの駆動要素によって個別に駆動される。
エンドエフェクタ要素209および210は個別に回転可能である。エンドエフェクタ要素は、対向する回転方向に回転させることができる。例えば、エンドエフェクタ要素を、駆動要素A2およびB1に張力をかけることによって、対向する回転方向に互いに向かって回転させることができる。エンドエフェクタ要素は、駆動要素A1およびB2に張力をかけることによって、対向する回転方向に互いから遠ざかるように回転させることができる。両方のエンドエフェクタ要素は、駆動要素A1およびB1、あるいはA2およびB2に張力をかけることによって、同じ回転方向に回転させることができる。これにより、エンドエフェクタ要素がピボット軸208および212を中心にヨーイング(偏揺れ)する。代替的に、駆動要素A1、A2、B1、B2のうちの1つにのみ張力をかけることによって、一方のエンドエフェクタ要素を回転させ(いずれかの回転方向に)、もう一方のエンドエフェクタ要素を定位置に維持することができる。
図3は、例示的なロボット300を示す。ロボットは、外科手術手技が実施されるときに定位置に固定される基部301を備える。好適には、基部301は、シャーシに装着される。そのシャーシは、例えば、ロボットをベッドの高さに装着するためのベッドサイドカートなどのカートであってもよい。代替的に、シャーシは、天井に装着された装置、またはベッドに装着された装置であってもよい。
ロボットアーム302は、ロボットの基部301から外科手術器具304用の取り付け部303まで延在する。アームは、可撓性である。アームは、その長さに沿って複数の可撓性ジョイント305によって関節式に連結される。ジョイント間にあるのは、剛性アームリンク306である。図3のアームは、8つのジョイントを有する。ジョイントは、1つ以上のロールジョイント(ジョイントのいずれかの側上のアーム部材の長手方向に沿った回転軸を有する)、1つ以上のピッチジョイント(前のアーム部材の長手方向に対して横方向の回転軸を有する)、および1つ以上のヨージョイント(また、前のアーム部材の長手方向に対して横方向であり、かつ同じ場所に位置するピッチジョイントの回転軸に対しても横方向の回転軸を有する)を含む。図3の実施例では、ジョイント305a、305c、305e、および305hはロールジョイントであり、ジョイント305b、305d、および305fはピッチジョイントであり、ジョイント305gはヨージョイントである。ピッチジョイント305fおよびヨージョイント305gは、交差する回転軸を有する。したがって、基部301から取り付け部303へのジョイントの順序は、ロール、ピッチ、ロール、ピッチ、ピッチ、ヨー、ロールである。しかしながら、アームは、別様に連結されうる。例えば、アームは、8つより少ない、または8つより多いジョイントを有する場合がある。アームは、ジョイント、例えば、テレスコピックジョイントのそれぞれの側面の間の回転以外の動きを許容するジョイントを含み得る。ロボットは、一組のドライバ307を備え、各ドライバ307は、ジョイント305のうちの一つ以上を駆動するモータを備える。
取り付け部303は、外科手術器具304をロボットアームの遠位端に取り外し可能に取り付けられることを可能にする。外科手術器具は、アームの末端ジョイント305hの回転軸と直線的に平行に延在するように構成されてもよい。例えば、外科手術器具は、アームの末端ジョイントの回転軸と一致する軸に沿って延在してもよい。
ロボットアームは、一連のセンサ308、309を備える。これらのセンサは、ジョイントごとに、ジョイントの位置を感知するための位置センサ308、およびジョイントの回転軸の周りにかかる力またはトルクを感知するための力またはトルクセンサ309を備える。ジョイントの位置センサおよび力/トルクセンサのうちの一方または両方を、そのジョイントのモータと一体化させることができる。センサの出力は、制御システム118に渡される。
図4a、4bおよび4cは、ロボットアームの遠位端と器具の近位端との間のインターフェースを示す。図4aは、器具インターフェース401を示す。器具インターフェース401は、器具シャフト202に強固に取り付けられる。器具シャフト202は、器具インターフェース401に対して回転したり、または他の方法で動いたりしない。器具インターフェースは、器具インターフェース要素402を含み、その各々が駆動要素に固定される。その駆動要素は、関節部203のジョイントを駆動するためにシャフト202を下って延在する。器具インターフェース要素402は、ロボットアームと接続して動作できるように露出される。
図4bは、ロボットアームの遠位端にある駆動アセンブリインターフェースを示す。駆動アセンブリは、器具の第一のヨージョイント207を駆動するための第一の器具ドライブ406a、器具の第二のヨージョイント211を駆動するための第二の器具ドライブ406b、および器具のピッチジョイント204を駆動するための第三の器具ドライブ406cを含む。各器具ドライブは、親ねじ405によって駆動される駆動アセンブリインターフェース要素403を備える。駆動アセンブリインターフェース要素403はそれぞれ、器具インターフェース要素402に対して相補的な形状を有する。例えば、駆動アセンブリインターフェース要素403は、器具インターフェース要素402を受けるように成形されていてもよい。駆動アセンブリインターフェース要素403はそれぞれ、親ねじ405に沿って、ロボットアームの遠位端の長手方向軸404に平行な方向に沿って駆動可能である。器具インターフェースは、駆動アセンブリ内に降下し、器具インターフェース要素402を駆動アセンブリインターフェース要素403に係合させる。図4cは、駆動アセンブリインターフェースに係合される器具インターフェースを示す。ロボットアームはこれで、親ねじ405に沿って駆動アセンブリインターフェース要素403の動きを駆動することによって、関節部203の動きを駆動しうる。
器具ドライブ406a、406b、406cの各々は、器具ドライブにかかる力を検出するための力センサを有する。感知された力は、制御システム118に出力される。図5に示すように、複合ロードセルユニットは、器具ドライブの各々の力センサとして使用されうる。複合ロードセルユニット500は、実質的に剛性のフレームと、フレームと一体型の一組のウェブを構成する、単位本体要素を含む。フレームは、3つの環状リング501a、501b、501cを構成し、それらの壁は、駆動アセンブリ内に取り付けられたとき、親ねじ405a、405b、405cの軸と平行に延在する。リングは互いに一体である。ウェブ502a、502b、502cは、環状リングのそれぞれの内部にわたって延在する。各ウェブの中心には、フランジ503a、503b、503cおよびスルーホール504a、504b、504cがある。複合ロードセルユニットが駆動アセンブリ内に設置されると、親ねじ405a、405b、405cは、各スルーホール504a、504b、504cを通過し、それぞれのフランジ503a、503b、503cは、駆動アセンブリ内のベアリングの間にクランプ留めされる。各ウェブの中央部分は、それぞれの親ねじに軸方向に取り付けられるが、ウェブの外部部分は、フレームのそれぞれの環状リングと一体で、これはボルト505によってフレームの本体ブロックに保持される。
歪みゲージ506は、ウェブ502a、502b、502cに結合される。ウェブは薄く、ある程度可撓性であるため、その穴を通過する親ねじ405a、405b、405cによってそのフランジ503a、503b、503cに対して軸方向荷重がかかると、ウェブは偏向しうる。その屈曲は歪みゲージ506によって感知され得、それぞれの親ねじにかかる軸方向荷重を示す電気出力を提供する。ウェブは実質的に剛性の環状リング501a、501b、501cによって互いから分離されているため、各親ねじにかかる荷重を個別に感知することができる。ウェブの代わりに、偏向可能な要素は、指またはビームの形態でありうる。ウェブ間のより厚いおよび/またはより硬い領域は、ウェブ間の力の伝播を阻害し、これによって、一つの歪みゲージが、別の歪みゲージに関連付けられた力経路からの力によって損傷するという測定のリスクを低減する。
ロードセルユニットのフレームは、3つの親ねじのそれぞれに対応する3つのセンサ用のキャリアとして機能する。親ねじ405a、405b、405cは、駆動アセンブリインターフェース要素403a、403b、403cに直線運動を伝達するために回転するように駆動される。ロードセルは、親ねじにかかる軸方向荷重の測定値に影響を与えないように、その回転から分離されることが望ましい。その目的のために、各ロードセルに関連付けられた可撓性ウェブ502a、502b、502cは、以下の様式でそれぞれの親ねじに取り付けられる。可撓性ウェブは、その半径方向内側部に、ウェブの可撓性部分502a、502b、502cよりも厚いリングまたはフランジ503a、503b、503cを有する。フランジ503a、503b、503cは、二つのベアリングの間に位置する。ベアリングはフランジに対してしっかりと固定される。各ベアリングは、その軸面のうちの一面について他面に対して自由回転を可能にするが、軸方向には実質的に圧縮不能である。これは、親ねじが回転するとき、フランジ503a、503b、503c、それゆえにウェブ502a、502b、502cがその回転から分離されることを意味し、一方で、親ねじが軸方向に移動するとき、その動きは、ウェブの変形として測定できるようにフランジに忠実に渡される。ウェブが親ねじの回転運動から実質的に分離されているという事実は、力測定の精度を改善する。フランジ503a、503b、503cは、ウェブ502a、502b、502cよりも厚く、これによりベアリングの隣接する面をウェブから離間させる。これにより、ウェブ502a、502b、502cは、ベアリングの面に衝突することなく、軸方向に偏向することが可能となる。
外科手術器具は、各ジョイントについて、そのジョイントの回転軸の周りにかかるトルクを感知するためのトルクセンサを備えうる。これらのセンサの出力は、制御システム118に渡される。しかし、器具にトルクセンサを組み込むと、器具のサイズが大きくなり、器具の滅菌がより困難になる場合がある。代替的に、第一の器具ドライブでの感知された力は、第一のヨージョイント軸208の周りの第一のエンドエフェクタ要素にかかる力の測定値として使用されうる。同様に、第二の器具ドライブでの感知された力は、第二のヨージョイント軸212の周りの第二のエンドエフェクタ要素にかかる力の測定値として使用されうる。器具ドライブで力センサをこのように利用すると、器具に力センサを追加する必要性が回避される。
外科医コンソールは、1つ以上の外科医入力装置を備える。各外科医入力装置により、外科医は制御入力を制御システムに提供することが可能になる。外科医入力装置は、例えば、ハンドコントローラ、ペダルなどのフットコントローラ、指もしくは身体の別の部分によって制御されるタッチセンサ式入力、音声制御入力装置、視線制御入力装置、またはジェスチャ制御入力装置であってもよい。外科医入力装置は、外科医が個別に操作できる数個の入力を提供し得る。
図6は、例示的なハンドコントローラ600を示す。ハンドコントローラは、例えばジンバル配置(図示せず)によって外科医コンソールに接続される。これにより、ハンドコントローラを外科医コンソールに対して3度の並進自由度で動かすことが可能になる。こうした動きは、器具のエンドエフェクタ201の対応する動きを命令するために使用されうる。図示されたハンドコントローラは、右手による保持を意図するものである。鏡像ハンドコントローラは、左手によって保持され得る。ハンドコントローラは、手で掴むのに好適な本体601を備える。ハンドコントローラは、例えば、ボタン、スイッチ、レバー、スライド入力、またはトラックパッド603などの静電容量センサ入力などの追加の入力を備えてもよい。ハンドコントローラは、互いに対して可動な二つの部分を備える。例えば、ハンドコントローラは、本体601に対して可動なトリガー602を備えてもよい。図示されたハンドコントローラでは、トリガー602は、本体601に対して回転可能である。代替的に、または追加的に、トリガーは、本体601に対して直線的に並進移動してもよい。2つの部分の相対的な動き、この場合はトリガー602と本体601の相対的な動きは、器具のエンドエフェクタ要素209、210の開閉を命令するために使用されうる。ハンドコントローラは、二つのトリガーを備えてもよく、各トリガーは、エンドエフェクタ要素209、210の単一の異なる1つを個別に制御するためのものである。
制御システムは、外科医コンソールを外科手術ロボットに接続する。制御システムは、プロセッサおよびメモリを備える。メモリは、プロセッサによって実行され得るソフトウェアコードを非一時的な方法で記憶して、プロセッサに、本明細書に記載の様式で外科医コンソールおよびロボットアームおよび器具を制御させる。制御システムは、外科医入力装置から入力を受信し、これらをロボットアームのジョイント、および/または関節式カップリングのジョイント、および/またはエンドエフェクタのジョイントを動かすための制御信号に変換する。制御システムは、これらの制御信号をロボットアームに送信し、それに応じて、対応するジョイントが駆動される。それによって、外科手術器具の操作は、外科医入力装置の操作に応答して制御システムによって制御される。
制御システムは、外科医入力装置からのコマンドを、制御関係に従って、外科手術器具を操作するための駆動信号に変換する。位置制御関係は、外科医入力装置の位置が外科手術器具の位置を決定するものである。例えば、ハンドコントローラワークスペース内のハンドコントローラの位置は、エンドエフェクタワークスペース内のエンドエフェクタの位置に直に変換される。同様に、外科医入力装置の2つの部分の相対位置は、第一および第二のエンドエフェクタ要素209および210の相対位置に直に変換される。例えば、制御システムは、第一および第二のエンドエフェクタ要素209と210との間の開口角度をハンドコントローラのトリガー602と本体601との間の開口角度に合致するようにし得る。制御関係は、概して、その動作の全範囲にわたる本体601に対するトリガー602の動きが、完全に開状態から閉状態までのその全範囲にわたるエンドエフェクタ要素間の開口角度の変化にマッピングされるといったものである。このマッピングは、図10に示すようなものでもよい。図10は、x軸上の外科医入力装置のトリガーおよび本体の相対位置に対する、y軸上のエンドエフェクタ要素の広がりの相関関係の例を示す。x軸上の0はトリガーが完全に閉じているときであり、1は完全に開いているときである。45°はエンドエフェクタ要素の最大開口角度であり、0°はエンドエフェクタ要素の最小開口角度であり、0°~-45°の領域は、エンドエフェクタ要素が完全に閉じ、かつ追加的な閉じるための力を与えている時である。-45°は最大の閉じるための力がエンドエフェクタ要素によって与えられる時である。
エンドエフェクタ要素に作用する外力がない場合、エンドエフェクタ要素間の開口角度をθにするようにエンドエフェクタ要素を回転させることが意図されている、制御システムからエンドエフェクタ要素への駆動信号は、エンドエフェクタ要素間の開口角度をθにする。この開口角度θは、図7に示されている。θは、エンドエフェクタ要素209、210の長手方向軸703a、703bの間の角度である。第一のエンドエフェクタ要素209の長手方向軸は、第一のヨージョイント207の回転軸208と交差し、第一のエンドエフェクタ要素209は回転軸208を中心に回転する。第一のエンドエフェクタ要素209の長手方向軸は、その先端704aまでのその長さに沿って第一のエンドエフェクタ要素を二等分する。第二のエンドエフェクタ要素210の長手方向軸は、第二のヨージョイント211の回転軸212と交差し、第二のエンドエフェクタ要素210は回転軸212を中心に回転する。第二のエンドエフェクタ要素210の長手方向軸は、その先端704bまでのその長さに沿って第二のエンドエフェクタ要素を二等分する。θは、エンドエフェクタ要素間の最大開口角度であるθmaxまでの任意の値をとりうる。θmaxは、駆動要素A1、A2およびB1、B2によって適用されうる最大回転と、駆動アセンブリインターフェース要素403a、403bおよび器具インターフェース要素402の最大移動量と、によって機械的に制限される。θmaxはまた、エンドエフェクタ要素の対応する動きにコマンドを出す、互いに対して動く外科医入力装置(例えば、本体601およびトリガー602)の部分の最大移動量によって制限される。
外力がエンドエフェクタ要素に作用する時、制御システムからエンドエフェクタ要素への駆動信号は、エンドエフェクタ要素を所望の開口角度に回転させない場合がある。例えば、エンドエフェクタ要素の対向する表面701a、701bをその対応する接合面702a、702bに押さえつける組織は、エンドエフェクタ要素が開くことに抵抗する。このような抵抗力は、鈍的切開中に特に高い。鈍的切開は、手術中に使用される技術で、組織を切断することなく、組織平面を分離して下層構造を露出させる。これは、エンドエフェクタ(通常、把持具またはハサミ)の端部を組織に押し込んで切開し、次にエンドエフェクタ要素(顎またはブレード)を開いて組織を引き離すことによって行われる。制御システムが、エンドエフェクタ要素に作用する外力がない場合と同様に、鈍的切開中に同じ駆動信号を器具に送信して、エンドエフェクタ要素を開口角度θに開かせる場合、エンドエフェクタ要素はθに開かない。エンドエフェクタ要素の対向する表面701a、701bにかかる組織の反力が強すぎて、エンドエフェクタ要素209および210が全く開かない場合がある。したがって、エンドエフェクタ要素の開口動作に対向する組織の力が強すぎて、組織を引き離したり、または邪魔にならないように組織を保持したりすることのいずれにも、エンドエフェクタ要素を使用することができない場合がある。したがって、鈍的切開が実施できない。
図8は、外科医入力装置からのコマンドを、エンドエフェクタの動作に対向してエンドエフェクタ要素にかかる力に応じて、外科医入力装置からのコマンドをエンドエフェクタ要素の駆動信号に変換するにあたり、制御システムによって使用される制御関係を選択する、外科医入力装置の操作に応答した外科手術器具を制御する方法を説明する。制御システムは、十分な外力の存在下で、エンドエフェクタ要素の開口角度を変化させるためにより大きな力を印加する、制御関係へ変更する。
Figure 2022548573000008
感知された力は、第一および第二のエンドエフェクタ要素を互いに閉じるように、すなわち、第一および第二のエンドエフェクタ要素を互いに回転させて、それによってそれらの開口角度を閉じるような方向にかかりうる。感知された力は、第一および第二のエンドエフェクタ要素が離れるように開き、すなわち、第一および第二のエンドエフェクタ要素が開くように回転させて、それによってそれらの開口角度が広がるような方向にかかりうる。
Figure 2022548573000009
ステップ802の閾値力は、(i)いかなる外部荷重が第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかっていないとき、かつ(ii)第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度が最大開口角度θmaxであるときの、第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかる、受信された感知された力である。言い換えれば、デッドバンド力fdは、閾値力である。したがって、制御システムは、開口歪力feを、デッドバンド力fdと比較し得る。
開口歪力feは、ステップ802での0とではなく、デッドバンド力fdと比較される。これは、エンドエフェクタ要素にかかる荷重があることを示すのに受信された感知された力が十分大きくない限り、ゼロではない受信された感知された力が、第二の制御関係(以下を参照)への変更をトリガーしないようにするためである。例えば、干渉から生じるなど、エンドエフェクタ要素にかかる実際の荷重がないとき、ゼロではない検出された力センサ測定値が、第二の制御関係への変更をトリガーしない。
開口歪力feが、デッドバンド力fdよりも小さい場合、制御システムは、ステップ803に移動する。ステップ803で、制御システムは第一の制御関係を有効にする。この制御関係は、外科医入力装置の2つの部分の相対位置が、第一および第二のエンドエフェクタ要素の相対位置に直にマッピングされる、位置制御関係でありうる。
制御システムは、ステップ804に移動する。ステップ804で、制御システムは、第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度を変化させるための外科医入力装置からのコマンドを受信する。次に、制御システムは、ステップ805に進み、ここで第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させるための駆動信号を生成するために、第一の制御関係に従い外科医入力装置からのコマンドを変換する。次に、これらの駆動信号は、器具ドライブ406a、406bに送信されて、それに応じてエンドエフェクタ要素を回転させる。次に、制御ループはステップ801に戻り、さらなる感知された力が受信される。
ステップ802で、開口歪力feが、デッドバンド力fdよりも大きい場合、制御システムは、ステップ806に移動する。ステップ806で、制御システムは第二の制御関係を有効にする。この制御関係は、外科医入力装置の2つの部分の相対位置が、第一および第二のエンドエフェクタ要素の相対位置に直にマッピングされる、位置制御関係でありうる。
制御システムは、ステップ807に移動する。ステップ807で、制御システムは、第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度を変化させるための外科医入力装置からのコマンドを受信する。次に、制御システムは、ステップ808に進み、ここで第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させるための駆動信号を生成するために、第二の制御関係に従い外科医入力装置からのコマンドを変換する。次に、これらの駆動信号は、器具ドライブ406a、406bに送信されて、それに応じてエンドエフェクタ要素を回転させる。次に、制御ループはステップ801に戻り、さらなる感知された力が受信される。
したがって、図8の制御ループの各反復では、感知された力が閾値力を超えるかどうかによって決定され、第一または第二の制御関係のいずれが有効化される。したがって、制御システムは、最初に第一の制御関係を使用し、次いで、制御ループの別の反復で第二の制御関係を使用するように切り替え、その後、制御ループのさらなる反復で第一の制御関係を使用するように戻ってもよい。同様に、制御システムは、最初に第二の制御関係を使用し、その後、制御ループの別の反復で第一の制御関係を使用し、その後、制御ループのさらなる反復で第二の制御関係を使用して戻るように切り替えてもよい。
第一および第二の制御関係は、外科医入力装置からの同じコマンドの下で、エンドエフェクタ要素を互いから遠ざかるように開く際に、制御システムが、第一の制御関係に従うと、第一および第二のエンドエフェクタ要素を互いから離れるように回転させて開口角度θにするが、第二の制御関係に従うと、第一および第二のエンドエフェクタ要素を互いから離れるように回転させて開口角度θ’にする点で異なり、これは次式の通りである。
θ’ = θ + Δθ (式3)
式中、Δθ > 0である。
エンドエフェクタ要素にかかる外力によって生じる開口角度の効果的な変化に一致させ、それによってその変化を打ち消すために、Δθが計算される。したがって、第二の制御関係は、追加的な広がりΔθを命令することによって、エンドエフェクタ要素を「過剰に開く」。Δθの結果としてエンドエフェクタ要素を動かす追加的な力は、エンドエフェクタ要素にかかる外力、例えば、鈍的切開中に組織が顎/ブレードに押し付けるなど、を打ち消すために使用される。したがって、最終結果は、エンドエフェクタ要素が実際に開く角度が、外科医入力装置によって命令される所望の角度と同じであるということである。
第一および第二の制御関係は、外科医入力装置からの同じコマンドの下で、エンドエフェクタ要素を互いに向かって閉じる際に、制御システムが、第一の制御関係に従うと、第一および第二のエンドエフェクタ要素を互いに向かって回転させて開口角度θにするが、第二の制御関係に従うと、第一および第二のエンドエフェクタ要素を互いに向かって回転させて開口角度θ’’にする点で異なり、これは次式の通りである。
θ’’ = θ - Δθ (式4)
式中、Δθ > 0である。
エンドエフェクタ要素にかかる外力によって生じる開口角度の効果的な変化に一致させ、それによってその変化を打ち消すために、Δθが計算される。したがって、第二の制御関係は、低減された広がりΔθを命令することによって、エンドエフェクタ要素を「過剰に閉じる」。Δθの結果としてエンドエフェクタ要素を動かす追加的な力は、エンドエフェクタ要素にかかる外力、例えば、顎の間に保持されている一部の組織からの外力など、を打ち消すために使用される。したがって、最終結果は、エンドエフェクタ要素が実際に開く角度が、外科医入力装置によって命令される所望の角度と同じであるが、顎の間に保持される物体に対するより大きな把持力を有するということである。
好適には、Δθは、感知された力の関数である。例えば、Δθは、開口(または閉口)歪力feの関数であってもよい。
駆動要素A1、A2およびB1、B2は、荷重下で少量の伸長をしうる。例えば、これは、駆動要素がケーブルである場合に起こりうる。この伸長は、エンドエフェクタ要素の実際の位置と、器具ドライブの位置センサによって測定されるエンドエフェクタ要素の予想される位置との間の不一致を生じさせる。エンドエフェクタ要素を開く(または閉じる)ための荷重経路は、駆動要素の伸長を考慮に入れるためにばねとしてモデル化されうる。これにより、エンドエフェクタ要素の広がりθ’(またはθ’’)を、より正確に計算することができる。したがって、Δθは、システムのばね定数Keの関数としうる。
システムのばね定数Keは、以下のように決定されうる。第二の制御関係において、制御システムによって命令される追加的な広がりΔθは、最大値Δθmaxを有する。各器具ドライブ406a、406bは、ロボットアーム内のモータによって駆動される。各器具ドライブは、異なるモータによって駆動されてもよい。ジョイントコントローラは、制御システムから駆動信号を受信し、受信した駆動信号に従ってモータを駆動する。モータは、親ねじ405a、405bを回転させ、それによって駆動アセンブリインターフェース要素403a、403bを親ねじに沿って直線状に動かすトルクを生成する。各駆動アセンブリインターフェース要素403a、403bは、それが接合されている器具インターフェース要素に駆動力を伝達する。器具インターフェース要素は、駆動要素A1、A2/B1、B2を変位させ、それによってエンドエフェクタ要素209、210を回転させる。ロボットアーム内の各モータは、それが生成することができる最大トルクを有する。θ + Δθmaxは、エンドエフェクタ要素の開口動作に対向するいかなる外部荷重が第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかっていないとき、それらのエンドエフェクタ要素を最大トルクで駆動するモータ(複数可)によって駆動される第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度である。Δθmaxは、エンドエフェクタ要素を、接合面702a、702bが接触して最大トルクでモータ(複数可)を駆動する閉じた構成で保持することによって、決定されうる。器具ドライブの動きによって測定される、その最大トルクの予想開口角度 θ + Δθは、Δθmaxの値を提供する。Δθmax > 0。例えば、Δθmaxは、0.2 rad < Δθmax < 5 radの範囲内であってもよい。Δθmaxは、0.5 rad < Δθmax < 3 radの範囲内であってもよい。ばね定数Keは、エンドエフェクタ要素が開かなくなる時に、エンドエフェクタ要素の最大の広がりθ + Δθmaxが要求できなくなるまで、ばね定数の値を増加させることによって決定される。Ke > 0。例えば、Keは、10 rad/N < Ke < 200 rad/Nの範囲内であってもよい。Keは、20 rad/N < Ke< 100 rad/Nの範囲内であってもよい。
Figure 2022548573000010
数5に示すようなΔθの算出は、第一および第二の制御関係間で切り替える際に、外科医のハンドコントローラのトリガーおよび本体の相対位置のマッピングと、二つのエンドエフェクタ要素の開口角度との間の不連続な関係につながる。したがって、第一および第二の制御関係間の切り替えは、外科医には分断されたものと知覚されうる。図9aは、x軸上の外科医入力装置の2つの部分の相対位置に対する、y軸上のエンドエフェクタ要素の広がりの間の相関関係を示す。901と標識されたグラフの部分は、(この場合に)θ ≦ 0で適用される第一の制御関係と、力閾値を超えるときに、θ > 0から適用される第二の制御関係との間の不連続性を示す。
Figure 2022548573000011
図9bは、x軸上の外科医入力装置の2つの部分の相対位置に対する、y軸上のエンドエフェクタ要素の広がりの間の相関関係を示す。(この場合に))θ ≦ 0で適用される第一の制御関係と、力閾値を超えるときに、θ > 0から適用される第二の制御関係との間には不連続性はない。
上述の制御システムは、第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかる感知された力を利用して、どの制御関係が制御システムによって使用されるかを決定する。力センサからの読取値は、例えば、温度依存性に起因して、変動するか、または系統的な誤差を有する場合がある。こうした変動を軽減するために、図8の方法を実施するにあたり、制御システムによって実行される計算に、絶対的ではなく、相対的な力センサ読取値を使用してもよい。ベースライン力読取値を取得してから、以下のように、その後に測定された力の読取値からベースライン力読取値差し引くことができる。
Figure 2022548573000012
制御システムによって使用されるベースラインの感知された力の読取値fbaseは、再計算されるまで一定のままであってもよい。ベースラインの感知された力の読取値fbaseは、外科手術中に複数回取得されてもよい。ベースラインの感知された力の読取値fbaseは、定期的に取得されてもよい。ベースラインの感知された力の読取値fbaseは、外科医が手術中に器具の操作を命令している間、(i)エンドエフェクタ要素間の開口角度が値θresetまで閉じる、および(ii)(i)に続き、開口角度がθbaseに増大する、といった一連の事象が発生するたびに取得されてもよい。θresetは、θbaseよりも有意に小さくなるように選択される。例えば、θresetは0°であってもよい。θbaseよりも有意に小さいθresetを使用することで、力測定におけるヒステリシスが軽減される。ベースラインの感知された力の読取値は、ロボットアーム上の器具が取り外され、別の器具が取り付けられるたびに取得されてもよい。ベースラインの感知された力の読取値は、器具の係合が解除されるたびに取得されてもよい。これら2つのシナリオでは、第二の制御関係は、外科医がエンドエフェクタ要素に、θresetまで閉じてから、θbaseまで再度開口するように命令して、それによってfbaseが計算可能になるまで、有効化されない。
現在のベースラインの感知された力の読取値fbaseは、新しい読取値fbase’が所定の範囲内にある場合に、新たに計算されたベースラインの感知された力の読取値fbase’でのみ置換されうる。新しい読取値fbase’が、所定の範囲外にある場合には、廃棄され、制御システムは、現在の読取値fbaseを使用し続ける。例えば、現在の読取値fbaseを優先してfbase’≦0Nは、廃棄されうる。
Figure 2022548573000013
Figure 2022548573000014
Figure 2022548573000015
Figure 2022548573000016
Figure 2022548573000017
本明細書に記載される方法は、外科医入力装置と器具のエンドエフェクタ要素の開口角度との間の制御関係の変更をトリガーするために、力閾値を使用する。これにより、制御システムは、器具に作用する力によって定義される、実施される作業に適した制御関係を使用できる。第一の制御関係は、エンドエフェクタ要素にかかる外力がなく、エンドエフェクタ要素の正確な動きがより望ましい場合に使用される。第二の制御関係は、エンドエフェクタ要素の外面を押さえつける外力の存在下で、エンドエフェクタ要素を開くときに、より大きな力を印加することができるようにするために使用される。したがって、これにより、鈍的切開などの手術中に、より大きな力を印加することができる。第二の制御関係におけるエンドエフェクタ要素の開口角度を、エンドエフェクタ要素に印可される感知された力の関数に設定することによって、エンドエフェクタ要素に印加される追加的な力は、エンドエフェクタ要素の特定の環境、すなわち、それらが受けている特定の外力に合わせて調整される。
二つの制御関係を使用して、かつ満たされた力閾値に基づいてそれらの間で切り替えることによって、制御システムは、外科医入力装置の二つの部分(例えば、トリガーおよび本体)の限定された範囲の相対的動作の使用を最適化する。
本明細書に記載するように、制御システムはまた、エンドエフェクタ要素を閉じるときにより強い力を印加する第二の制御関係を有効にするための図8に関連して記載された方法を使用してもよい。これは、エンドエフェクタ要素間に保持された物体をより緊密に把持するのに有用である。例えば、縫合針が組織を押し通すのに使用されるとき、強い力を有する針ホルダの一対の顎間にその縫合針を保持するのに有用である。これは、組織の抵抗力がある状態で、縫合針が顎をすり抜けてしまうのを防止するのに役立つ。力閾値は、把持するためにエンドエフェクタ要素が使用されていることを示すレベルに設定される。
位置制御関係は、上記に記載されている。力制御関係は、外科医入力装置とエンドエフェクタとの間の別のタイプの制御関係である。力制御関係において、制御システムは、外科医入力装置に印加される力を、エンドエフェクタ要素に印加される力に直にマッピングする。例えば、ハンドコントローラのトリガーに印加される回転力は、それぞれのヨージョイントの周りのエンドエフェクタ要素に印加される相対的回転力に直にマッピングされる。
上述の第一および第二の制御関係は、どちらも位置制御関係であってもよい。第一および第二の制御関係は、どちらも力制御関係であってもよい。第一の制御関係は力制御関係でもよく、また第二の制御関係は位置制御関係でもよい。第一の制御関係は位置制御関係でもよく、また第二の制御関係は力制御関係でもよい。
本明細書に記載の方法を実施するための制御システムは、図1に示すように、制御システム118で実装されてもよい。代替的に、本明細書に記載の方法を実施するための制御システムは、ロボットアームで実装されてもよい。アーム制御システムは、プロセッサおよびメモリを備える。メモリは、プロセッサによって実行され得るソフトウェアコードを非一時的な方法で記憶して、プロセッサに、本明細書に記載の様式でロボットアームおよび器具を制御させる。アーム制御システムは、制御システム118からの入力を受信する。アーム制御システムは、これらをロボットアームのジョイント、および/または関節式カップリングのジョイント、および/またはエンドエフェクタのジョイントを動かすための制御信号に変換する。代替的に、制御システムは、ロボット外科手術システム全体にわたって分配されていてもよい。
エンドエフェクタは、任意の好適な形態をとりうる。例えば、エンドエフェクタは、一対の弯剪刀、一対のモノポーラ剪刀などの電気外科手術器具、針ホルダ、一対の顎、または有窓把持具であってもよい。
本明細書に記載のロボットは、外科手術以外の目的のために使用され得る。例えば、ポートは、自動車エンジンなどの製造品内の検査ポートであってもよく、ロボットは、エンジン内部を見るための視認ツールを制御し得る。
本明細書によって、本出願人は、本明細書に説明される各個々の特徴および2つ以上のかかる特徴の任意の組み合わせを、かかる特徴または組み合わせが、当業者に共通する一般知識に照らして、全体として本明細書に基づいて行うことができるような程度まで、かかる特徴または特徴の組み合わせが、本明細書に開示する任意の問題を解決するかにかかわらず、かつ特許請求の範囲を限定することなく、分離して開示する。本出願人は、本発明の態様が、任意のかかる個々の特徴または特徴の組み合わせからなり得ることを示している。前述の説明を考慮すると、本発明の範囲内で様々な修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。
本明細書によって、本出願人は、本明細書に説明される各個々の特徴および2つ以上のかかる特徴の任意の組み合わせを、かかる特徴または組み合わせが、当業者に共通する一般知識に照らして、全体として本明細書に基づいて行うことができるような程度まで、かかる特徴または特徴の組み合わせが、本明細書に開示する任意の問題を解決するかにかかわらず、かつ特許請求の範囲を限定することなく、分離して開示する。本出願人は、本発明の態様が、任意のかかる個々の特徴または特徴の組み合わせからなり得ることを示している。前述の説明を考慮すると、本発明の範囲内で様々な修正を行うことができることは当業者には明らかであろう。
なお、本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
[態様1]
遠隔外科医入力装置の操作に応答して外科手術器具の操作を制御するための制御システムであって、前記外科手術器具が、関節式カップリングによってシャフトに接続された、対向可能な第一および第二のエンドエフェクタ要素を備え、前記制御システムが、
前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させる信号を発し、第一の制御関係に従い、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度を変化させるための、前記外科医入力装置からのコマンドを変換し、
前記第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかる感知された力を受信し、前記感知された力を閾値力と比較し、
前記閾値力を上回ったことが判断されると、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させる信号を発し、第二の制御関係に従い、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度を変化させるための、前記外科医入力装置からの後続のコマンドを変換するように、構成され、ここで、第二の制御関係は第一の制御関係と異なる、制御システム。
[態様2]
前記外科医入力装置が、互いに対して可動な2つの部分を備え、前記第一の制御関係が位置制御関係であり、前記第二の制御関係が位置制御関係であり、位置制御関係において、前記外科医入力装置の前記2つの部分の相対位置が、前記外科手術器具の前記第一および第二のエンドエフェクタ要素の相対位置に直にマッピングされる、態様1に記載の制御システム。
[態様3]
前記感知された力が、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素が互いに閉じるような方向にかかる、態様1または態様2に記載の制御システム。
[態様4]
前記第一および第二のエンドエフェクタ要素間の前記開口角度が、最大開口角度θ max を境界とする範囲内であり、前記閾値力が、(i)いかなる外部荷重が前記第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかっていないとき、かつ(ii)前記第一および第二のエンドエフェクタ要素間の前記開口角度が前記最大開口角度θ max であるときに、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかる、受信された感知された力である、態様1~3のいずれかに記載の制御システム。
[態様5]
前記外科医入力装置からの同じコマンドの下で、前記制御システムが、
前記第一の制御関係に従い、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させ、開口角度θにする、また
前記第二の制御関係に従い、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させ、開口角度θ + Δθにするように構成され、ここでΔθ > 0である、態様1~4のいずれかに記載の制御システム。
[態様6]
Δθが、前記感知された力の関数である、態様5に記載の制御システム。
[態様7]
1つ以上のモータが、前記駆動信号に従って前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転するように構成され、それらの1つ以上のモータが各々、最大トルクを生成することができ、Δθが、最大値Δθ max を有し、θ + Δθ max は、いかなる外部荷重が前記第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかっていないとき、前記1つ以上のモータによって最大トルクでもたらされる前記第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度である、態様5または6に記載の制御システム。
[態様8]
前記第一および第二のエンドエフェクタ要素の駆動をばねとしてモデル化するように構成され、Δθがばね定数K e の関数である、態様5~7のいずれかに記載の制御システム。
[態様9]
前記第一の制御関係に従い前記外科医入力装置からのコマンドの変換から、前記第二の制御関係に従い前記外科医入力装置からの後続のコマンドを変換に移行する際、前記外科医入力装置から前記第一および第二のエンドエフェクタ要素への連続的なマッピングを提供するように構成された、態様1~8のいずれかに記載の制御システム。
[態様10]
Figure 2022548573000044
[態様11]
前記第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度θが、ベースライン開口角度θ_baseよりも大きい場合、前記第二の制御関係に従い、前記外科医入力装置からの後続のコマンドの変換のみを行うように構成された、態様5に従属する場合の態様5または態様6~10のいずれかに記載の制御システム。
[態様12]
Figure 2022548573000045
[態様13]
前記外科手術器具が、ロボット外科手術アームによって保持および駆動されるロボット外科手術器具であり、前記ロボット外科手術アームが、前記1つ以上のモータから前記第一および第二のエンドエフェクタ要素に駆動力を伝達するよう構成された器具ドライブを備え、前記制御システムが受けるよう構成された感知された力が、前記器具ドライブで測定される、態様7に従属する場合の態様7または態様8~12のいずれかに記載の制御システム。
[態様14]
Figure 2022548573000046
[態様15]
Figure 2022548573000047
[態様16]
Figure 2022548573000048
[態様17]
Figure 2022548573000049
[態様18]
前記感知された力が、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を引き離して開くような方向にかけられ、前記閾値力が把持力である、態様1または2に記載の制御システム。
[態様19]
前記外科医入力装置からの同じコマンドの下で、前記制御システムが、
前記第一の制御関係に従い、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させ、開口角度θにする、また
前記第二の制御関係に従い、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させ開口角度θ - Δθにするように構成され、Δθ > 0である、態様18に記載の制御システム。
[態様20]
前記第一の制御関係と前記第二の制御関係の一方または両方が、力制御関係であり、力制御関係において、前記外科医入力装置に印加される力が、前記外科手術器具の前記第一および第二のエンドエフェクタ要素に印加される力に直にマッピングされる、態様1に記載の制御システム。

Claims (20)

  1. 遠隔外科医入力装置の操作に応答して外科手術器具の操作を制御するための制御システムであって、前記外科手術器具が、関節式カップリングによってシャフトに接続された、対向可能な第一および第二のエンドエフェクタ要素を備え、前記制御システムが、
    前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させる信号を発し、第一の制御関係に従い、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度を変化させるための、前記外科医入力装置からのコマンドを変換し、
    前記第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかる感知された力を受信し、前記感知された力を閾値力と比較し、
    前記閾値力を上回ったことが判断されると、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させる信号を発し、第二の制御関係に従い、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度を変化させるための、前記外科医入力装置からの後続のコマンドを変換するように、構成され、ここで、第二の制御関係は第一の制御関係と異なる、制御システム。
  2. 前記外科医入力装置が、互いに対して可動な2つの部分を備え、前記第一の制御関係が位置制御関係であり、前記第二の制御関係が位置制御関係であり、位置制御関係において、前記外科医入力装置の前記2つの部分の相対位置が、前記外科手術器具の前記第一および第二のエンドエフェクタ要素の相対位置に直にマッピングされる、請求項1に記載の制御システム。
  3. 前記感知された力が、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素が互いに閉じるような方向にかかる、請求項1または請求項2に記載の制御システム。
  4. 前記第一および第二のエンドエフェクタ要素間の前記開口角度が、最大開口角度θmaxを境界とする範囲内であり、前記閾値力が、(i)いかなる外部荷重が前記第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかっていないとき、かつ(ii)前記第一および第二のエンドエフェクタ要素間の前記開口角度が前記最大開口角度θmaxであるときに、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかる、受信された感知された力である、請求項1~3のいずれか一項に記載の制御システム。
  5. 前記外科医入力装置からの同じコマンドの下で、前記制御システムが、
    前記第一の制御関係に従い、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させ、開口角度θにする、また
    前記第二の制御関係に従い、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させ、開口角度θ + Δθにするように構成され、ここでΔθ > 0である、請求項1~4のいずれか一項に記載の制御システム。
  6. Δθが、前記感知された力の関数である、請求項5に記載の制御システム。
  7. 1つ以上のモータが、前記駆動信号に従って前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転するように構成され、それらの1つ以上のモータが各々、最大トルクを生成することができ、Δθが、最大値Δθmaxを有し、θ + Δθmaxは、いかなる外部荷重が前記第一および第二のエンドエフェクタ要素にかかっていないとき、前記1つ以上のモータによって最大トルクでもたらされる前記第一および第二のエンドエフェクタ要素間の開口角度である、請求項5または6に記載の制御システム。
  8. 前記第一および第二のエンドエフェクタ要素の駆動をばねとしてモデル化するように構成され、Δθがばね定数Keの関数である、請求項5~7のいずれか一項に記載の制御システム。
  9. 前記第一の制御関係に従い前記外科医入力装置からのコマンドの変換から、前記第二の制御関係に従い前記外科医入力装置からの後続のコマンドを変換に移行する際、前記外科医入力装置から前記第一および第二のエンドエフェクタ要素への連続的なマッピングを提供するように構成された、請求項1~8のいずれか一項に記載の制御システム。
  10. Figure 2022548573000018
  11. Figure 2022548573000019
  12. Figure 2022548573000020
  13. 前記外科手術器具が、ロボット外科手術アームによって保持および駆動されるロボット外科手術器具であり、前記ロボット外科手術アームが、前記1つ以上のモータから前記第一および第二のエンドエフェクタ要素に駆動力を伝達するよう構成された器具ドライブを備え、前記制御システムが受けるよう構成された感知された力が、前記器具ドライブで測定される、請求項7に従属する場合の請求項7または請求項8~12のいずれか一項に記載の制御システム。
  14. Figure 2022548573000021
  15. Figure 2022548573000022
  16. Figure 2022548573000023
  17. Figure 2022548573000024
  18. 前記感知された力が、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を引き離して開くような方向にかけられ、前記閾値力が把持力である、請求項1または2に記載の制御システム。
  19. 前記外科医入力装置からの同じコマンドの下で、前記制御システムが、
    前記第一の制御関係に従い、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させ、開口角度θにする、また
    前記第二の制御関係に従い、前記第一および第二のエンドエフェクタ要素を駆動して回転させ開口角度θ - Δθにするように構成され、Δθ > 0である、請求項18に記載の制御システム。
  20. 前記第一の制御関係と前記第二の制御関係の一方または両方が、力制御関係であり、力制御関係において、前記外科医入力装置に印加される力が、前記外科手術器具の前記第一および第二のエンドエフェクタ要素に印加される力に直にマッピングされる、請求項1に記載の制御システム。
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