JP2022546860A - シリカ繊維止血装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
本発明の実施形態には、シリカ繊維または他のシリカ繊維組成物を用いる止血組成物、送達装置、キット、及び方法が含まれる。繊維組成物は、シリコンアルコキシド試薬、たとえばテトラエチルオルトシリケート、アルコール溶媒、及び酸触媒によって生成されたゾルゲルの電界紡糸を介して形成され得る。本発明によって、被検者における出血(放血)を処置するための組成物、キット、及び方法が提供される。種々の態様において、本発明によって、電界紡糸シリカ繊維(出血の部位に付与されると出血をすばやく止めることができる)を含む組成物が提供される。【選択図】図2
Description
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許仮出願第62/898,148号(2019年9月10日出願)、及び米国特許仮出願第63/002,475号(2020年3月31日出願)に対する優先権の利益を主張する。各文献の全体の開示は、本明細書によって参照により本明細書に組み込まれている。
本出願は、米国特許仮出願第62/898,148号(2019年9月10日出願)、及び米国特許仮出願第63/002,475号(2020年3月31日出願)に対する優先権の利益を主張する。各文献の全体の開示は、本明細書によって参照により本明細書に組み込まれている。
種々の実施形態において、本発明はシリカ繊維を用いる止血装置及び方法に関する。
出血過多または大量出血は外傷及び戦場損傷後の大量死の重大な原因である。また出血多量は外科的処置中の面倒な問題でもある。止血製品及び処理の目的は、血小板活性化、凝集、付着、及び組織標的部位における粗大な血塊形成を通して形成される止血栓の迅速な開始を支援することである。
幅広い止血製品が種々の母材(たとえば、コラーゲン、ゼラチン、セルロース、キトサン、及びフィブリン)から作られているが、これらの材料は、創傷に対する直圧が難しいかまたは不可能である内出血などの多くの用途に対して機能していない。
本発明では、種々の態様及び実施形態において、出血を迅速に制御するための止血鉗子、ならびにそれを用いるための方法及びキットが提供される。
本発明によって、被検者における出血(放血)を処置するための組成物、キット、及び方法が提供される。種々の態様において、本発明によって、電界紡糸シリカ繊維(出血の部位に付与されると出血をすばやく止めることができる)を含む組成物が提供される。こうして、本発明によって、重傷を受けた被検者の処置(損傷の部位における救急処置を含む)に有用な止血装置及び方法が提供される。本発明はさらに、外科手術中の出血を管理するための外科環境において有用である。種々の実施形態において、本発明は、種々の重症度の外傷及び損傷を処置するために使用される。また本発明の実施形態では、止血装置及び材料に対する送達装置が提供される。
電界紡糸シリカ材料は、水中でその重量の何倍もの重量(たとえば典型的に、水中でその重量の50倍を超える重量)を保持することができる。その結果、この材料は大量の血液を吸収することができるが、血球は浸透できず、物理的障壁がすばやく形成される。種々の実施形態では、シリカ繊維組成物によって凝固経路が強化される。シリカ繊維材料は綿状材料として付与してもよく、または代替的に、粉末もしくは粉塵、ゲル、ペーストとして、または流動性の母材に対する添加剤として付与してもよい。
いくつかの実施形態では、シリカ繊維組成物は、本質的にシリカ繊維(たとえば、二酸化ケイ素ナノ繊維)からなる軽量構造である。種々の実施形態では、繊維組成物は本質的にSiO2からなり(すなわち、SiO2及び意図しない不純物のみを含む)、いくつかの実施形態では、ゾルからSiO2(たとえば、水及び/または化学基たとえばエトキシル基、シラノール基、ヒドロキシル基など)への不完全な転化から生じる種及び/または複合体からなる。組成物は、繊維マット(たとえば、不織マット)を形成するために電界紡糸されるゼラチン状材料から形成してもよい。たとえば、組成物をゾルゲルを電界紡糸することによって調製してもよい。典型的なゾルゲルは、シリコンアルコキシド試薬、たとえばテトラエチルオルトシリケート(TEOS)、アルコール溶媒、及び酸触媒によって調製される。種々の実施形態では、湿度及び温度が制御された状態下で少なくとも2日間(及び、種々の実施形態では、7日未満)、ゾルは転移される。ゾルゲルを電界紡糸して、優れた手ざわり及び特性を伴うシリカ繊維マットを形成する。これは止血装置としてまたは止血装置において使用され得る。繊維は可変直径(たとえば、約50nm~5μmの範囲)であってもよい。
材料を、大量出血部位(体腔内の出血を含む)を包むための材料の好適な塊を調製するために折り畳まれて及び/または塊にされる繊維マット部分として用いてもよい。いくつかの実施形態では、シリカ繊維材料を処理して、ゆるく塊になった綿状材料にし、またこの綿状材料を、電界紡糸繊維マットの一部を細断及び/または凝集させることによって形成してもよい。いくつかの実施形態では、シリカ繊維材料に、取り扱い及び創傷部位への付与を容易にする材料を与える(たとえば、任意の好適な裏当て材または柔軟な容器)。代替的に、シリカ繊維材料を、粉末もしくは粉塵、ゲル、ペーストとして、または流動性の母材に対する添加剤として付与してもよく、このような組成物は任意的に1つ以上の充填剤を含んでいてもよい。典型的な充填剤としては、これらに限定されないが、種々の合成及び天然高分子が挙げられる。
いくつかの実施形態では、繊維組成物を出血の部位に直接付与することを、部位を材料によって任意の形態で包み、可能であればできるだけ圧力を印加することによって行う。繊維組成物は血液及び大量の流体を吸収するが、血球は材料に侵入することができず、血液のさらなる損失に対する物理的障壁がすばやく形成される。種々の実施形態では、血液または細胞外マトリックスタンパク質が材料に結合して障壁の形成を助け、痛みの軽減及び治療の促進などのさらなる利益が得られる得る。いくつかの実施形態では、激しい出血(たとえば、グレード3または4の出血)の場合であっても、シリカ繊維材料は血流を、約60秒以内に、またはいくつかの実施形態では約30秒以内に、またはいくつかの実施形態では約15秒以内に止めることができる。損傷の部位における激しい出血をすばやく止めることによって、患者は手術設備に、より迅速かつ安全に搬送され得る。シリカ繊維材料は外科手術中に医師によって容易に取り除かれ得る。
いくつかの実施形態では、出血は外科手術中または後に流れ出ている。いくつかの実施形態では、出血は外傷性出血、たとえば非圧縮性出血である。種々の実施形態では、出血は圧挫損傷、銃創または爆傷の結果である。
他の有用な用途としては鼻出血及び外傷が挙げられる。たとえば、シリカ繊維材料をパッドまたは包帯として成形して、または種々のタイプの従来の包帯材料(たとえば、綿ガーゼ)及び/または創傷包帯とともに用いて、出血制御を促してもよい。
本発明の他の態様及び実施形態は、以下の非限定的な例から明らかである。
一態様において、本発明の実施形態は被検者の出血を処置するための方法を特徴とする。本方法は、シリカ繊維組成物(たとえば、電界紡糸シリカ繊維組成物)を前記出血に、出血を止めるかまたは遅くするのに十分な量及び状態下で付与することを含み、本質的にこのように付与することからなり、またはこのように付与することからなる。
本発明の実施形態は、以下のうちの1つ以上を種々の組み合わせのいずれかで含んでいてもよい。組成物はゾルを電界紡糸することによって調製してもよい。ゾルはテトラエチルオルトシリケート(TEOS)によって調製してもよい。ゾルは、70重量%~90重量%のTEOS、8重量%~25重量%のエタノール、酸触媒、及び平衡水を含んでいてもよい。ゾルは、70重量%~90重量%のTEOS、8重量%~25重量%のエタノール、1重量%~10重量%の水、及び酸触媒を含んでいてもよい。ゾルは、75重量%~85重量%のTEOS、12重量%~20重量%のエタノール、及び約2重量%~5重量%の水を含んでいてもよい。ゾルは、約80重量%のTEOS、約17重量%のエタノール、及び約3重量%の水を含んでいてもよい。酸触媒はHClを含んでいてもよいし、本質的にHClからなっていてもよいし、またはHClからなっていてもよい。ゾルは約0.1重量%未満の酸触媒を含んでいてもよい。ゾルは0.02重量%~0.08重量%の酸触媒を含んでいてもよい。
ゾルは、湿度が約40%~約80%の範囲にあり温度が50°F~90°Fの範囲にある状態下で少なくとも2日間、転移することができてもよい。ゾルは、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、または少なくとも7日間、転移することができてもよい。ゾルは2日間~7日間、転移することができてもよい。ゾルの電界紡糸を、重量が熟成(転移)前の開始重量の20%~40%であるときに行ってもよい。ゾルの電界紡糸を、エチレン蒸気の生成が熟成(転移)中のエチレン蒸気のピーク生成に対して10%~20%であるときに行ってもよい。ゾルの電界紡糸を、そこからのエチレン蒸気の生成が熟成(転移)前のゾルに対して10%~40%であるときに行ってもよい。ゾルを150°Fを超える熱にも100°Fを超える熱にもさらさなくてよい。シリカ繊維組成物の繊維は約50nm~約5μmの可変直径であってもよい。繊維は約200nm~約1000nmの可変直径であってもよい。組成物は、SiO2を含んでいてもよいし、本質的にSiO2からなっていてもよいし、またはSiO2からなっていてもよい。組成物は、約1/8インチ~約1/4インチの厚さを伴う電界紡糸であってもよい。組成物は、約1/8インチを超えるかまたは約1/4インチを超える厚さを伴う電界紡糸であってもよい。繊維組成物は、粉末もしくは粉塵または複数の繊維片を含んでいてもよいし、本質的にこれらからなっていてもよいし、これらからなっていてもよいし、または処理してこれらにしてもよい。
被検者は哺乳動物であってもよい。被検者は獣医患者、たとえば、犬、猫、または馬であってもよい。被検者はヒト患者であってもよい。出血は少なくともグレード2の出血、たとえばグレード3またはグレード4の出血であってもよい。出血は動脈性出血であってもよい。出血は静脈性出血であってもよい。出血は外科手術中または後に流れ出ていてもよい。出血は臓器出血であってもよい。出血は一次出血であってもよい。出血は反動出血であってもよい。出血は二次出血であってもよい。出血は外傷性出血であってもよい。出血は非圧縮性出血であってもよい。出血は体腔出血であってもよい。損傷は圧挫損傷、銃創、または爆傷であってもよい。出血は鼻出血であってもよい。出血は被検者の外部であってもよい。被検者は凝固経路を抑制する治療を受けていてもよい。被検者には凝固障害があってもよい。被検者は血友病、血小板減少、低血小板数、またはフォンヴィレブランド病を伴っていてもよい。
シリカ繊維組成物を送達装置を介して出血に付与してもよい。送達装置は、中空の中央穴、移動可能プランジャ、及び中央穴と同軸の環状の外部コンパートメントを含んでいてもよいし、本質的にこれらからなっていてもよいし、またはこれらからなっていてもよい。中央穴は上端と開口した下端とを有していてもよい。プランジャは中央穴の上端に配置されていてもよい。プランジャは、シリカ繊維組成物を中央穴の開口した下端から押し動かすように送達装置のユーザによって駆動できてもよい。プランジャの一部は中央穴を下部コンパートメントと上部コンパートメントとに分離してもよい。外部コンパートメントは中央穴の上部コンパートメントに流体的に接続されていてもよい。外部コンパートメントは、出血に近接する領域と流体接続するための1つ以上の開口部を規定してもよい。シリカ繊維組成物を中央穴の開口した下端から出血へ押し動かすようにプランジャが駆動されたときに、出血に近接する流体が同時に、外部コンパートメント内に、そして中央穴の上部コンパートメント内に吸引されてもよい。中央穴は、中央穴を通る1つ以上の開口部であって、下部コンパートメントを環状の外部コンパートメントに流体的に接続する開口部を規定してもよい。
別の態様では、本発明の実施形態は、出血に近接してシリカ繊維組成物を付与するための送達装置を特徴とする。送達装置は、中空の中央穴、移動可能プランジャ、及び中央穴と同軸の環状の外部コンパートメントを含み、本質的にこれらからなり、またはこれらからなる。中央穴は上端と開口した下端とを有する。プランジャは中央穴の上端に配置されている。プランジャは、シリカ繊維組成物を中央穴の開口した下端から押し動かすように送達装置のユーザによって駆動できる。プランジャの一部は、中央穴を下部コンパートメントと上部コンパートメントとに分離する。外部コンパートメントは、中央穴の上部コンパートメントに流体的に接続されている。外部コンパートメントは、出血に近接する領域と流体接続するための1つ以上の開口部を規定する。シリカ繊維組成物を中央穴の開口した下端から出血へ押し動かすようにプランジャが駆動されたときに、出血に近接する流体は同時に、外部コンパートメント内に、そして中央穴の上部コンパートメント内に吸引される。
本発明の実施形態は、以下のうちの1つ以上を種々の組み合わせのいずれかで含んでいてもよい。中央穴は、中央穴を通る1つ以上の開口部であって、下部コンパートメントを環状の外部コンパートメントに流体的に接続する開口部を規定してもよい。シリカ繊維組成物を中央穴の下部コンパートメント内に配置してもよいた。シリカ繊維組成物は、複数のシリカ繊維を含んでいてもよいし、本質的に複数のシリカ繊維からなっていてもよいし、または複数のシリカ繊維からなっていてもよい。シリカ繊維組成物は、粉末または粉塵を含んでいてもよいし、本質的に粉末または粉塵からなっていてもよいし、または粉末または粉塵からなっていてもよい。
さらに別の態様では、本発明の実施形態は、被検者の出血を処置するためのキットを特徴とする。キットは、シリカ繊維組成物及び送達装置を含むか、本質的にシリカ繊維組成物及び送達装置からなるか、またはシリカ繊維組成物及び送達装置からなる。
本発明の実施形態は、以下のうちの1つ以上を種々の組み合わせのいずれかで含んでいてもよい。送達装置は、中空の中央穴、移動可能プランジャ、及び中央穴と同軸の環状の外部コンパートメントを含んでいてもよいし、本質的にこれらからなっていてもよいし、またはこれらからなっていてもよい。中央穴は上端と開口した下端とを有していてもよい。プランジャは中央穴の上端に配置されていてもよい。プランジャは、シリカ繊維組成物を中央穴の開口した下端から押し動かすように送達装置のユーザによって駆動できてもよい。プランジャの一部は中央穴を下部コンパートメントと上部コンパートメントとに分離してもよい。外部コンパートメントは中央穴の上部コンパートメントに流体的に接続されていてもよい。外部コンパートメントは、出血に近接する領域と流体接続するための1つ以上の開口部を規定してもよい。シリカ繊維組成物を中央穴の開口した下端から出血へ押し動かすようにプランジャが駆動されたときに、出血に近接する流体が同時に、外部コンパートメント内に、そして中央穴の上部コンパートメント内に吸引されてもよい。中央穴は、中央穴を通る1つ以上の開口部であって、下部コンパートメントを環状の外部コンパートメントに流体的に接続する開口部を規定してもよい。シリカ繊維組成物は、電界紡糸シリカ繊維組成物を含んでいてもよいし、本質的に電界紡糸シリカ繊維組成物からなっていてもよいし、または電界紡糸シリカ繊維組成物からなっていてもよい。シリカ繊維組成物は、複数のシリカ繊維を含んでいてもよいし、本質的に複数のシリカ繊維からなっていてもよいし、または複数のシリカ繊維からなっていてもよい。シリカ繊維組成物は、粉末または粉塵を含んでいてもよいし、本質的に粉末または粉塵からなっていてもよいし、または粉末または粉塵からなっていてもよい。
これら及び他の目的は、本明細書で開示する本発明の利点及び特徴とともに、以下の説明、添付図面、及び特許請求の範囲を参照することによってより明らかになる。さらに、当然のことながら、本明細書で説明する種々の実施形態の特徴は互いに排他的ではなく、種々の組み合わせ及び置換で存在し得る。本明細書で用いる場合、用語「ほぼ」、「約」、及び「実質的に」は、±10%、いくつかの実施形態では±5%を意味する。用語「本質的に~からなる」は、本明細書で別に定義がない限り、機能に寄与する他の材料を除外することを意味する。それにもかかわらず、このような他の材料は、まとめてまたは別個に、微量で存在し得る。
図面において、同様の参照文字は全般的に、種々の図の全体にわたって同じ部分を指す。また、図面は必ずしも一定の比率ではなく、その代わりに全般的に本発明の原理を例示することに重点が置かれている。以下の説明では、本発明の種々の実施形態は以下の図面を参照して説明される。
本発明によって、被検者における出血(放血)を処置するための組成物及び方法が提供される。種々の態様において、本発明によって、電界紡糸シリカ繊維(出血の部位に付与されると出血をすばやく止めることができる)を含む組成物が提供される。こうして、本発明によって、重傷を受けた被検者の処置(損傷の部位における救急処置を含む)に有用な止血装置及び方法が提供される。本発明はさらに、外科手術中の出血を管理するための外科環境において有用である。種々の実施形態において、本発明は、種々の重症度の外傷及び損傷を処置するために使用される。
電界紡糸シリカ材料は、水中でその重量の何倍もの重量(たとえば典型的に、水中でその重量の50倍を超える重量)を保持することができる。その結果、この材料は大量の血液を吸収することができるが、血球は浸透できず、物理的障壁がすばやく形成される。いくつかの実施形態では、シリカ材料は、細胞外マトリックスタンパク質及び/または血清タンパク質に結合して、障壁の形成を助ける。種々の実施形態では、シリカ繊維組成物によって凝固が強化される。体腔創傷の場合には、大量出血部位及び/または体腔にシリカ繊維材料を充填または詰めてもよい。いくつかの実施形態では、シリカ繊維材料を出血の部位に、より注意深く識別して付与する。シリカ繊維材料を綿状材料として付与してもよいし、または代替的に、粉末、粉塵、ゲル、ペーストとして、または流動性の母材に対する添加剤として付与してもよい。
いくつかの実施形態では、シリカ繊維組成物は、本質的にシリカ繊維(たとえば、二酸化ケイ素ナノ繊維)からなる軽量構造である。組成物を、繊維マット(たとえば、不織マット)を形成するために電界紡糸されるゼラチン状材料から形成してもよい。たとえば、組成物をゾルゲルを電界紡糸することによって調製してもよい。
典型的なゾルゲルは、シリコンアルコキシド試薬、たとえばテトラエチルオルトシリケート(TEOS)、アルコール溶媒、及び酸触媒によって調製される。種々の実施形態では、ゾルは、湿度及び温度が制御された状態下で、少なくとも2日間(及び、種々の実施形態では、7日未満)、転移される。ゾルゲルを電界紡糸して、優れた手ざわり及び特性を伴うシリカ繊維マットを形成する。これは止血装置としてまたは止血装置内で使用され得る。
既知の処理では、多くの用途(創傷ケアまたは健康ケア用途を含む)に対して十分な柔軟性を伴うシリカ繊維組成物は得られない。その代わりに、これらの構造は比較的脆く、硬く、及び緻密である。マットは容易に破砕するかまたは壊れる。繊維層は分離するのが難しい。また全般的に、健康ケア用途で用いるための物理特性が不足している。種々の実施形態では、組織修復にとって優れた材料を実現するためには、ゾルゲルが適切に熟成したら(または「転移したら」)それを電界紡糸して、所望の物理特性を伴う組成物を実現することが重要である。制御された環境条件下でゾルを転移し、及び/または熟成処理中にゾルゲルの調製をモニタすることによって、ゾルゲルの電界紡糸に成功する比較的短いウィンドウが特定され得る。本発明の実施形態によれば、組成物は硬くなく、綿のそれと同様の柔らかい手ざわりを有する。
繊維は可変直径(たとえば、約50nm~5μmの範囲)を有していてもよい。いくつかの実施形態では、繊維は主に約100nm~約2μmの範囲、または主に約200~約800nmの範囲にある。
いくつかの実施形態では、シリカ繊維組成物を調製するためのゾルゲルを、以下を含む方法によって調製する。アルコール溶媒、シリコンアルコキシド試薬たとえばテトラエチルオルトシリケート(TEOS)を含む第1の混合物を調製し、アルコール溶媒、水、及び酸触媒を含む第2の混合物を調製し、第1の混合物中に第2の混合物を十分に滴定し、及び混合された混合物を制御された環境条件下で処理(熟成)して、電界紡糸に対するゲルを形成する。
いくつかの実施形態では、シリコンアルコキシド試薬はTEOSである。代替的なシリコンアルコキシド試薬としては、化学式Si(OR)4を伴うものが挙げられる。ここで、Rは1~6、好ましくは1、2、または3である。いくつかの実施形態では、アルコール溶媒は無水変性エタノール、またはいくつかの実施形態では、メタノール、プロパノール、ブタノールもしくは任意の他の好適なアルコール溶媒である。第1の混合物を、たとえば電磁攪拌器または同様の撹拌手段を用いて、撹拌してもよい。第2の混合物にはアルコール溶媒、水、及び酸触媒が含まれる。第2の混合物中のアルコール溶媒も無水変性アルコールであってよいし、またはメタノール、プロパノール、ブタノールもしくは任意の他の好適に与えられたアルコール溶媒であってもよい。水は蒸留水または脱イオン水であってもよい。混合物に十分な酸触媒を添加して反応を助ける。この酸触媒は塩酸であってもよいし、または硫酸もしくは他の好適な酸触媒であってもよい。第2の混合物を、たとえば電磁攪拌器または他の撹拌手段を用いて、撹拌してもよい。いくつかの実施形態では、第1の混合物(またはゾル)及び第2の混合物(またはゾル)を、直熱を用いることなく形成する。
いくつかの実施形態では、ゾルは、約70%~約90重量%のシリコンアルコキシド(たとえば、TEOS)、約5%~約25重量%のアルコール溶媒(たとえば、無水エタノール)、酸触媒(たとえば、HClを用いるときには約0.1重量%未満)、及び平衡水を含んでいる。
いくつかの実施形態では、ゾルは、70重量%~90重量%のテトラエチルオルトシリケート(TEOS)、8重量%~25重量%のエタノール、1重量%~10重量%の水、及び酸触媒を含んでいる。いくつかの実施形態では、ゾルは、75重量%~85重量%のTEOS、12重量%~20重量%のエタノール、及び約2重量%~5重量%の水を含んでいる。典型的なゾルには、約80重量%のTEOS、約17重量%のエタノール、及び約3重量%の水が含まれる。いくつかの実施形態では、酸触媒はHClである。たとえば、ゾルは約0.1重量%未満のHClを含んでいてもよい。たとえば、ゾルは0.02%~0.08重量%のHClを含んでいてもよい。種々の実施形態では、繊維組成物が実質的に純粋なSiO2となるように、ゾルには有機ポリマーも他の実質的な試薬も含まれていない。種々の実施形態では、ゾルは、無機塩類(たとえば、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、及び/または塩化バリウム)を含んでおらず、種々の実施形態では、無機類塩は、ゾルの他の成分と混合されずゾル自体にも混合されない。種々の実施形態では、繊維組成物(及びゾル)は金属も金属酸化物(たとえば、TiO2またはZrO2)も含んでいない。種々の実施形態では、繊維組成物は本質的にSiO2からなり(すなわち、SiO2及び意図しない不純物のみを含む)、いくつかの実施形態では、ゾルからSiO2(たとえば、水及び/または化学基たとえばエトキシル基、シラノール基、ヒドロキシル基など)への不完全な転化から生じる種及び/または複合体からなる。
種々の実施形態によれば、第1の混合物と第2の混合物とを、第1の混合物中に第2の混合物を(好ましくは、撹拌しながら)滴らせるかまたは滴定することによって混合する。混合された混合物を次に、アルコール溶媒の相当な部分が蒸発して電界紡糸に適したゾルゲルが形成されるまでゾルを管理環境下で熟成することによって、さらに処理する。
種々の実施形態では、ゾルを150°Fを超える熱にも100°Fを超える熱にもさらさずに、転移が加速されることを回避する。管理環境は、少なくとも1つの通気口と任意的に混合物からガスを引き離すための排気ファンとを伴うエンクロージャを含んでいてもよい。エンクロージャは、湿度、温度、及び任意的に気圧の点で制御された状態を伴っていてもよい。たとえば、湿度を(たとえば、従来の加湿器及び/または除湿器を用いて)、約30%~約90%、たとえば約40%~約80%、またはいくつかの実施形態では、約50%~約80%、または約50%~約70%(たとえば、約55%、または約60%、または約65%)の範囲に制御してもよい。多少の湿度が溶媒の蒸発を遅くさせるのに有用であり、その結果、電界紡糸を成功させるためのウィンドウが広がる。いくつかの実施形態では、温度は約50°F~約90°F、たとえば約60°F~約80°F、または約65°F~約75°Fの範囲である。いくつかの実施形態では、気圧を任意的に制御する(たとえば、低圧真空源たとえばポンプまたはファンを用いて)。熟成中の環境条件を制御することによって、紡糸が最適である時間の間にゲルを電界紡糸することができる。紡糸が最適である時間は、熟成処理が(たとえば直熱によって)加速されすぎた場合には、数分間のみの小さいウィンドウ内で起こり得る。約55%の一定湿度及び約72°Fの一定温度でゾルを熟成すると、ゾルは数日で熟成(ゼラチン化)し、電界紡糸が成功するためのウィンドウは少なくとも数時間まで、いくつかの実施形態では数日まで、広がり得る。種々の実施形態では、熟成処理は少なくとも2日間、またはいくつかの実施形態では少なくとも3日間かかる。しかし、種々の実施形態では、熟成は10日間を超えることも、7日間を超えることもない。いくつかの実施形態では、熟成処理は、2~7日間、または2~5日間、または2~4日間(たとえば、約2、約3、または約4日間)かかる。種々の実施形態では、ゾルゲルは、より固化された非流動性の塊に転移する前は、良好に紡糸できる。
ゾルゲルを熟成するためのエンクロージャ空間は、エンクロージャからガスを排気するために少なくとも1つの表面上に通気口を含んでいてもよく、任意的に通気口は、熟成処理中に生成されたガスを排気するためのファンを含んでいてもよい。エンクロージャ空間は任意的に、エンクロージャ空間内に公称熱量を与えて好ましい温度に維持するための加熱源を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、湿度の供給源(たとえば、水または他の水性の水系液体の蓋なし容器)がエンクロージャ環境内に設けられて、湿度を所望の範囲または値に調整する。エンクロージャはさらに、1つ以上の環境モニタ、たとえば温度読み取り装置(たとえば、温度計、熱電対、または他の温度センサ)及び/または湿度読み取り装置(たとえば、湿度計または他の湿度センサ)を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、ゾルゲルの電界紡糸を、熟成プロセスを制御された環境条件で少なくとも2日間、または少なくとも36時間、または少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間(しかし種々の実施形態では、制御された環境条件下で10日間以下または7日間以下)行った後に実施する。熟成処理を遅くさせることによって、繊維を紡糸する理想的な時間が特定され得る。ゾルゲルの重量を、ゾルゲルが電界紡糸にとって理想的な時間にまたはその付近にあるときの指標として用いてもよい。理論に束縛されるものではないが、ゾルゲルの粘性は、電界紡糸に最適な時間の特定には不十分な決定要素であると考えられる。たとえば、種々の実施形態では、ゾルゲルはゾルの原重量の約10%~約60%である(転移中のアルコール溶媒の損失に基づく)。いくつかの実施形態では、ゾルゲルはゾルの原重量の15~50%、またはゾルの原重量の約20~約40%の範囲である。
いくつかの実施形態では、ゾルゲルを少なくとも2日間、または少なくとも36時間、または少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、熟成させて、組成物が生成するエチレン蒸気が、開始ゾルが生成する蒸気の約10%~約40%、たとえば約10%~約25%の範囲、たとえば約10~約20%の範囲にあるときに、電界紡糸する。エチレンは、かすかに甘くて麝香の匂いがする(溶媒蒸発が遅くなるのではっきりと分かる)無色の可燃性ガスである。エチレンはエタノールと酸との反応によって生成される。エチレンを任意的に、従来のエチレンモニタを用いて蒸気中でモニタしてもよい。他の実施形態では、ゾル熟成処理中にゾルが生成するガスをモニタして、電界紡糸にとって好適または最適な時間を決定する。ガスプロファイルをガスクロマトグラフィを用いてモニタしてもよい。
ゾルゲル混合物の処理は、混合物の上面に二酸化ケイ素結晶材料が形成されるために、混合物を種々の間隔でまたは連続的にかき回すかまたは他の撹拌を行う必要がある。このように上面に結晶材料が形成されることによって処理時間が遅くなり、エンクロージャ空間内に与えられたガス真空に混合物が露出することが、結晶材料によって封じられると考えられる。いくつかの実施形態では、任意の固体の結晶材料を混合物から取り除く。
ゾルゲル処理が完了したら、次に任意の既知の技術を用いてゾルゲルを電界紡糸する。ゾルまたはゾルゲルを、必要に応じて貯蔵(たとえば、凍結または冷蔵)してもよい(このような時間は全般的に、熟成のための時間には適用されない)。ゾルゲルを電界紡糸するための典型的なプロセスが以下の文献に記載されている。Choi,Sung-Seenら「Silica nanofibers from electrospinning/sol-gel process」,Journal of Materials Science Letters 22,2003,891~893。なおこの文献はその全体において参照により本明細書に組み込まれている。電界紡糸するための典型的なプロセスがさらに、米国特許第8,088,965号に開示されている。なおこの文献はその全体において参照により本明細書に組み込まれている。
典型的な電界紡糸技術では、ゾルゲルは、1つ以上のスピナレットに流体的に結合された1つ以上のシリンジポンプ内に配置される。スピナレットは高電圧(たとえば、5kv~50kv)源に接続されて、接地されたコレクタドラムの外部にあり、その方向に向ている。ドラムは糸中に、典型的に、スピナレットからドラムまで延びる紡糸方向にほぼ垂直な回転軸に沿って回転する。シリンジポンプ(または他の貯蔵タンク)からスピナレットにゾルゲルが供給されると、スピナレットとドラムとの間の高電圧によって、帯電した液体噴流が形成され、小さい絡まった繊維としてドラム上に堆積する。ドラムが回転して電界紡糸が続くと、シリカ繊維の繊維状マットがドラムの周囲に沿って形成される。種々の実施形態では、スピナレット及びシリンジポンプ(複数可)を、ドラムの長さに平行に移動可能な移動可能プラットフォーム上に配置してもよい。このようにして、結果として得られる繊維マットのドラムに沿った長さを、スピナレットの数を増加させることなく長くしてもよい。またドラムの直径を大きくして電界紡糸マットの面積サイズを大きくしてもよい。マットの厚さは、紡糸に用いるゾルゲルの量、したがって電界紡糸時間に大きく依存し得る。たとえば、マットは厚さが、約1/8インチを超えていてもよいし、または約1/4インチを超えていてもよいし、または約1/3インチを超えていてもよいしまたは約1/2インチを超えていてもよい。
本発明の実施形態によって生成されたシリカ繊維マット及び組成物は、最適でない時間に(たとえば、ゾルゲルの不適切な熟成によって)紡糸された繊維組成物と比べたときに、1つ以上の有用な特性を示す。たとえば、本発明の実施形態による繊維マット及び組成物は、熱または裸火を直接付与しても、燃焼することも、炭化することも、目に見えて劣化することもない。対照的に、最適でない時間に紡糸された種々の繊維組成物は、十分な熱または裸火にさらされると炭化及び/または目に見える色変化を示す。また、本発明の実施形態による繊維マット及び組成物は、湿分(たとえば、水または体液)を効果的に吸い取り、このような流体を繊維マット中に吸収する。対照的に、最適でない時間に紡糸された種々の繊維組成物は、直接適用されたときであっても、湿分を目に見えて吸収することも吸い取ることもない。このような組成物は疎水性である傾向がある。最後に、本発明の実施形態による繊維マット及び組成物は綿毛状であり、不一様、不均一、及び/または非平坦な(たとえば、曲線状の)表面または形状に、構造的完全性を破裂させることも損失することもなく容易に成形され得る。したがって、このような組成物は、種々の異なる表面に容易に付与されるかまたは適合され得る。対照的に、最適でない時間に紡糸された種々の繊維組成物は平坦で、板状で、脆い傾向があり、過剰に機械的に成形または湾曲させると少なくとも部分的に破砕する。
繊維層は、たとえば大量出血組織に付与するために、マットから容易に分離され得る。いくつかの実施形態では、組成物は約1/8インチ~約1/2インチの厚さを伴う電界紡糸である。たとえば、組成物は、いくつかの実施形態では、約1/8インチを超える厚さ、または約1/4インチ厚を超える厚さ、または約1/4厚の厚さを伴う電界紡糸であってもよいし。
材料は、水中でその重量の何倍もの重量(典型的に、水中でその重量の約50倍または約70倍を超える重量)を保持することができる。この特徴によって、材料は大量の血液を吸収することができるが、血球は浸透できず、その結果、物理的障壁がすばやく形成される。種々の実施形態では、材料は血液にさらされると凝固カスケードを強化する。材料を、大量出血部位(体腔内の出血を含む)を包むための材料の好適な塊を調製するために折り畳まれて及び/または塊にされる繊維マットとして用いてもよい。いくつかの実施形態では、シリカ繊維材料を処理して綿状材料にする。綿状材料をゆるく塊にしてもよく、電界紡糸繊維マットの一部を細断及び/または凝集させることによって形成してもよい。綿状材料を大量出血部位を包むために用いてもよい。代替的に、シリカ繊維材料を粉末もしくは粉塵、ゲル、ペーストとして、または流動性の母材に対する添加剤として付与してもよい。充填剤を材料に添加してもよく、充填剤は、種々の合成及び天然高分子を含んでいてもよく、材料、たとえば、とりわけポロキサマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、コラーゲン、ゼラチン、セルロース、キトサン、及びフィブリンを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、シリカ繊維組成物を処理して微粉または粉塵にし、粉末または粉塵を出血に付与する。たとえば、シリカ繊維のシートを1つ以上のスクリーンを通してこすってもよく、粉末サイズの範囲はメッシュサイズを変えることによって得られる。いくつかの実施形態では、粉末または粉塵を外用組成物(たとえば、ローション、軟膏、ペースト、クリーム、発泡体、またはゲル)と混合してもよい。これらの実施形態では、外用組成物は、1つ以上の薬剤または抗菌剤、たとえば抗生物質、防腐剤、抗炎症剤、または免疫抑制剤を含んでいてもよい。
種々の実施形態では、シリカ繊維組成物を次に、小さい繊維片に分割して、これらを出血に付与してもよい。結果として得られる繊維片はそれぞれ、単一の固体粒子ではなくて、シリカ繊維の絡み合った集合物である。いくつかの実施形態では、電界紡糸マットを破砕し、切断し、研削し、粉砕し、または他の方法で分割して、繊維構造を維持する小破片にしてもよい。いくつかの実施形態では、マット(またはその1つ以上の部分)を1つ以上のスクリーンまたはふるいを通してこすり、スクリーンのメッシュサイズによって、少なくとも部分的に、電界紡糸マットから生成される結果として得られる繊維片のサイズが決定される。たとえば、マットまたはマット部分を、メッシュサイズが小さくなっていく連続する2つ以上のスクリーン(たとえば、100、200、300、または400ものメッシュ数を有するスクリーン)を通してこすって、所望のサイズを有する繊維片の集合物を生成してもよい。
本明細書で用いる場合、用語「繊維片」(または「繊維状マットフラグメント」または単純に「フラグメント」)は、平均寸法がマットの繊維の少なくとも一部の幅よりも大きい(たとえば、5×、10×、または100×でさえある)繊維状マットの小さい粉塵状の粒子、部品、またはフレークを指す。種々の実施形態では、繊維片の平均サイズは長軸に沿ってほぼ20μm~ほぼ200μmの範囲である。このように、繊維片は、電界紡糸マット自体(たとえば、シリカ繊維の絡み合った集合物)の微視的スケールのバージョンと似ており、したがって、典型的に多孔性である。したがって、繊維片を、他のタイプのマイクロスケール粒子(たとえば、コロイダルシリカにおいて用いる実質的に球状の粒子)(それぞれ、繊維の小さい集合物ではなくて単一の別個の単位または粒子である)と対比させてもよい。
いくつかの実施形態では、シリカ繊維に取り扱い及び創傷部位への付与を容易にする材料を与える。たとえば、シリカ繊維材料は、裏当て材(いくつかの実施形態では、ガーゼまたは他の織物であってもよい)と組み合わせてもよいし、またはシリカ繊維材料を空にするかもしくは出血の部位に配置することができる任意の材料で形成された柔軟な容器(たとえば、バッグ)の内部にあってもよい。図1A及び1Bに、シリカ繊維材料が、創傷部位に付与するために柔軟な容器内にまたは柔軟な裏当て材上に設けられた例を示す。たとえば、図1Aに可撓性バッグ100を示す。可撓性バッグ100は、シリカ繊維材料を含み、結び用ひも110を用いることによって閉じる。種々の実施形態では、バッグ100は、ガーゼもしくは同様の材料(たとえば、コンバットガーゼ)を含むか、本質的にガーゼもしくは同様の材料からなるか、またはガーゼもしくは同様の材料からなる。図1Bに別の実施形態を示す。ここでは、パッドまたは裏材120が、シリカ繊維材料130を内部に及び/またはその上に含んでいる。種々の実施形態では、パッドまたは裏材120は、ガーゼもしくは同様の材料(たとえば、コンバットガーゼ)を含むか、本質的にガーゼもしくは同様の材料からなるか、またはガーゼもしくは同様の材料からなる。種々の実施形態では、パッドまたは裏材120の周辺の全部または一部が、パッドまたは裏材120を付与後に所定の位置に保つのに役立つように接着性であってもよい。
いくつかの実施形態では、裏当て材または容器を用いずにシリカ繊維材料自体を創傷部位に付与する。図2に、シリカ繊維パッドが創傷部位に付与するためにディスクとして成形されている実施形態例を示す。図示するように、このようなパッドを適切な容器(たとえば、図2に示すジャー)内で積み重ねて及び/または保存してもよい。
いくつかの実施形態では、繊維組成物を出血の部位に直接付与することを、部位を材料によって任意の形態で包み、可能であればできるだけ圧力を印加することによって行う。繊維組成物は血液及び大量の流体を吸収するが、血球は材料に侵入することができず、血液のさらなる損失に対する物理的障壁がすばやく形成される。いくつかの実施形態では、激しい出血(たとえば、グレード3または4出血)の場合であっても、シリカ繊維材料は血流を、約60秒以内に、またはいくつかの実施形態では約30秒以内に、またはいくつかの実施形態では約15秒以内に止め得る。損傷の部位における激しい出血をすばやく止めることによって、患者は手術設備に、より迅速かつ安全に搬送され得る。シリカ繊維材料(またはその少なくとも一部)は外科手術中に医師によって容易に取り除かれ得る。
いくつかの実施形態では、出血の部位における血流速度は、繊維組成物の直接付与を困難にするほど十分である。たとえば、破裂した血管からの血流は、シリカ繊維材料と損傷した血管との間の接触に抵抗するかまたはそれを妨げ得る。したがって、種々の実施形態では、創傷部位またはその付近における過剰な血液を吸引しながら、同時に創傷部位に繊維組成物を送達する送達装置を用いて、繊維組成物を部位に直接付与する。このようにして、繊維組成物と創傷部位との間の直接接触が容易になる。
図3A-3Cに、本発明の実施形態による繊維組成物に対する典型的な送達装置300を概略的に示す。示すように、送達装置300は、一端で開いている中空の中央穴(または「チャンバ」)305を含んでいてもよい。反対側の端部は移動可能プランジャ310によって塞がっていてもよい。図3Cに示すように、繊維組成物315を中央穴305内に詰めるかまたは他の方法で配置してもよく、ユーザがプランジャ310を駆動することによって、繊維組成物315が強制的に、中央のチャンバ305から出て創傷部位上に(または少なくともその付近に)送られる。図3B及び3Cに示すように、プランジャ310が駆動されると、中央穴305は2つの別個のコンパートメントに効果的に分割される。繊維組成物315が現れて創傷部位内に入る下部コンパートメントと、プランジャ310の一部によって下部コンパートメントから分離されている上部コンパートメントである。
繊維組成物が血液の流れによって創傷から離れることなく、繊維組成物と出血している創傷との間の十分な接触を容易にするために、種々の実施形態では、送達装置300が過剰な血液を吸引すると同時に繊維組成物を送達する。図3B及び3Cに示すように、種々の実施形態では、送達装置300は、中空の中央穴305と同軸の外部の環状コンパートメント320を含んでいてもよい。図示するように、外部コンパートメント320によって、創傷部位と中央穴305の少なくとも上部コンパートメントとの間の流体接続を容易にする開口部325が規定される。図3B及び3Cに示すように、プランジャ310が駆動されて繊維組成物が創傷部位に送達されると、プランジャ310の動作によって中央穴305の上部コンパートメント内に吸引が形成される。その結果、創傷部位からの(たとえば、1つ以上の大量出血血管からの)過剰な血液が、送達装置300の外部の環状コンパートメント320内及び上部コンパートメント内に引き込まれる。このようにして、過剰な血液または他の流体が創傷部位から取り除かれ得て、同時に繊維組成物が同時に創傷部位に付与されるため、繊維組成物と扱うべき出血との間の直接接触が容易になる。
図3B及び3Cに示すように、いくつかの実施形態では、外部の環状コンパートメント320はまた、1つ以上の開口部によって中央穴305の下部コンパートメントに流体的に接続されている。このようにして、繊維組成物を付与する間に下部コンパートメントから入った過剰な血液も、上部コンパートメント内に引き込まれ得る。
種々の実施形態では、外部の環状コンパートメント320を創傷部位及び/または上部コンパートメントと流体的に接続する開口部は十分に小さく、創傷部位から偶発的に吸引される繊維組成物はほとんど無いかまったく無い。その代わりにまたはそれに加えて、開口部上に、繊維組成物(少なくともその大きめの部片)または他の固形物の流れが、送達装置の外部の環状コンパートメント及び/または上部コンパートメント内に吸引されることを防ぐフィルタまたはスクリーンが含まれていてもよい。また図3Bに示すように、中央穴の上部コンパートメントは、環状ガスケット330によってシールされていてもよい。環状ガスケット330は、プランジャ310の動きを可能にする一方で、固体または液体材料が中央穴305の上部コンパートメント内に入ることを減らすかまたは実質的になくす。
種々の実施形態では、送達装置300の全部または一部は、1つ以上の生体適合性材料、たとえば、1つ以上のプラスチック、他のポリマー材料、またはステンレス鋼を含むか、本質的にこれらからなるか、またはこれらからなる。
シリカ繊維材料をヒト及び動物の処置に対して用いてもよい。いくつかの実施形態では、被検者は哺乳動物である。被検者としては、獣医患者、たとえば、とりわけ犬、猫、豚、または馬、が挙げられる。いくつかの実施形態では、患者はヒト患者である。
世界保健機関には0~5の出血のグレードが含まれている。いくつかの実施形態では、出血は少なくともグレード2の出血(たとえば、グレード3またはグレード4の出血)である。グレード2の出血は軽度であるが、臨床的に重要である。いくつかの実施形態では、出血はグレード4の出血である。グレード4の出血は、典型的に輸血が必要となる重度の出血として規定される。グレード5の出血は死亡に関連する。いくつかの実施形態では、出血は動脈性出血である。動脈性出血は多くの場合に、脈拍に合わせて上昇及び下降する噴射として噴出されることを示す。出血が長引く場合、及び血液以外の量の静脈内輸液が与えられたとき、見た目に水っぽくなる可能性がある。いくつかの実施形態では、出血は静脈性出血である。静脈性出血はより暗い赤色で、安定したよび大量の流れである。大きな静脈が開いていると、失血は特に早い。
いくつかの実施形態では、出血は外科手術中または後に流れ出る。たとえば、出血は臓器出血であってもよい。これらの実施形態では、シリカ繊維材料を、シリカ繊維マットの部分または他の種々の形態(たとえば、粉末もしくは粉塵、ペーストもしくはゲル、またはシリカ繊維粉塵を含む流動性の基材)を用いて、直接出血に付与してもよい。
いくつかの実施形態では、出血は一次出血であり、損傷または手術の時に生じる。いくつかの実施形態では、出血は反動出血である。反動出血は、一次出血に続いて24時間以内に(通常は4~6時間で)起こり得て、主に結紮の回転(「滑り」)、血塊の除去、または反射性血管痙攣の停止に起因する。いくつかの実施形態では、出血は二次出血である。二次出血は7~14日間後に起こり、感染及びかさぶたが取れることに起因する。
いくつかの実施形態では、出血は外傷性出血である。たとえば、出血は非圧縮性出血である。いくつかの実施形態では、出血は体腔出血である。いくつかの実施形態では、損傷は圧挫損傷である。いくつかの実施形態では、損傷は銃創または爆傷である。
いくつかの実施形態では、出血は鼻出血であり、シリカ繊維材料を鼻腔の内部に詰める。
いくつかの実施形態では、出血は外部である。たとえば、シリカ繊維材料をパッドまたは包帯として成形してもよいし、または種々のタイプの従来の包帯材料(たとえば、綿ガーゼ)及び創傷包帯とともに用いて、出血制御を容易にしてもよい。
いくつかの実施形態では、患者は凝固経路を抑制する治療を受けている。このような治療には、ヘパリン(未分画またはLMWH)を含むことができる。代替的に、患者はファクターXa阻害剤もしくは直接トロンビン阻害剤、または凝固経路の他の直接阻害剤による治療を受けていてもよい。いくつかの実施形態では、患者は遺伝性の凝固障害、たとえば血友病、血小板減少、低血小板数、またはフォンヴィレブランド病を伴っている。
本発明の他の態様及び実施形態は、以下の非限定的な例から明らかである。
例1:シリカ繊維組成物の調製
SiO2繊維を、シートを形成するローラシステム上にゾルゲルを紡糸する電気紡糸プロセスを用いて調製した。ゾルゲルを2つの部分で作る。第1に、TEOSをエタノールと混合し、そして混合物内に、HCl、水、及びエタノールを含む第2の混合物を滴定する。次にゾルゲルを、数日間、制御された状態下で熟成させることを、紡糸前に行う。
SiO2繊維を、シートを形成するローラシステム上にゾルゲルを紡糸する電気紡糸プロセスを用いて調製した。ゾルゲルを2つの部分で作る。第1に、TEOSをエタノールと混合し、そして混合物内に、HCl、水、及びエタノールを含む第2の混合物を滴定する。次にゾルゲルを、数日間、制御された状態下で熟成させることを、紡糸前に行う。
一例では、第1のゾルを、384グラムの(TEOS)テトラエチルオルトシリケート98%と41.8グラムの無水変性エタノールとの重量を計り、一緒に注ぐことによって作った。第1のゾルをビーカーに入れて放置し、電磁攪拌器を用いて均質な溶液を作った。第2のゾルを、41.8グラムの無水変性エタノール、16.4グラムの蒸留水、及び0.34グラムの塩酸を計量した後に一緒に注いで作り、均質な第2のゾルが作られるまで、電磁攪拌器によって8秒間、混合した。
第2のゾルを次に、第1のゾルを含むビーカーの上方に配置された滴定装置内に注いだ。次に滴定装置を使って約5滴/秒で滴下させることを、第1のゾルと第2のゾルとを混合する第3のゾルが作られるまで行った。滴下処理の間、第1のゾルを電磁攪拌器によって混合し続けながら、第1のゾル内に第2のゾルを滴下させる。
混合された第3のゾルを次に、エンクロージャボックス内に入れた。低圧真空をファンによって中速度で与えて煙霧を取り除く。実験において、ボックス内の気温は72°Fで湿度は60%であった。実験において、第3のゾルを約3(3)日間、放置して処理した。ゾルゲルを数日にわたってゆっくりと熟成することによって、ゾルゲルはゆっくりと転移し、電界紡糸にとって理想的な時間を特定することができる。
混合物を毎日撹拌して、結晶構造の蓄積を減らした。アルコール溶媒の蒸発とともに、第3のゾルはゾルゲルに転移し始める。ゾルゲルをモニタして、蒸気中のC2H4(エチレン)の概算量を決定してもよい。これは、熟成する前の本来のゾルに対して約10~20%の範囲である可能性がある。適切にゼラチン化されたら、ゾルゲルを電界紡糸機械内に充填するか、または凍結して電界紡糸用に保存する。ゾルゲルの総重量が約100グラム~約180グラムだったときに、適切なゼラチン化が起きる。
前述の例を適切にスケール変更して、望ましい構造を作ることができる。さらに電界紡糸にとって理想的な時間を特定するために、ゲルの一部を電界内に滴下させて、結果として得られる繊維の特性を評価することができる。
図4A~4Dは、本開示により紡糸された繊維の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である(50、100、200、及び500ミクロン目盛を示す)。図示するように、繊維は柔軟で、滑らかく、密で、連続的である(破砕していない)。これらの特性を伴う材料は、創傷及び動物組織(たとえば、コラーゲン様として)を処置するのに理想的である。
図5A~5Dは、最適でない時間(ゾルゲルが十分に熟成する前)に電界紡糸された繊維のSEM画像である(50、100、200、及び500ミクロン目盛を示す)。繊維は硬いように見え、多くの破砕が見られ、凝集塊が形成されている。図6に、同様の材料からの繊維のSEM画像(20ミクロン目盛を示す)を示す。繊維は明らかに硬く、多くの破砕がはっきりと分かる。
図7に、本開示により紡糸された繊維マットを示す。繊維の柔軟性及び連続性により、マットを1/4インチ以上の厚さで紡糸することができる。マットは柔らかくて柔軟な手ざわりであり、創傷床を覆うために繊維層を容易に分離することができる。図8A及び8Bは、本開示によりゾルゲルが熟成したときに電界紡糸したシリカ繊維マット(図8A)と、ゾルゲルが最適に熟成する前に尚早に紡糸された繊維マット(図8B)と比較する。図8Aの材料は手ざわりが柔らかくて、非常に柔軟であり、創傷部位への繊維層の付与に対して容易に取り扱われる厚さに紡糸することができる。図8Bの材料は脆くて、柔軟性がなくて、薄く、出血の部位を包むために繊維層を容易に分離することはできない。
例2:止血調査
ブタモデルを用いて、本発明の実施形態によるシリカ繊維組成物の、致命的な四肢動脈出血の止血に対する効果を調査した。具体的には、筋肉組織を取り除いて大腿動脈を露出させ、バイオパンチを用いて動脈を切断した。数秒間の出血の後に、シリカ繊維材料を切断された血管に限定された圧力で付与し、流れ続ける出血がすばやく停止した。被検者は3時間、生存していた。その間に、脚を前後に10回動かし、そして出血の有無を調べた。そして被検者をそりまで動かして、50ヤード引っ張って、戦闘中の兵士の引き出しをシミュレートした。次に創傷の出血の有無を調べた。この後、被検者を安楽死させ、損傷した血管を切除して分析した。対照被検者を、比較のために従来のクイッククロットコンバットガーゼ(すなわち、凝固を加速するためにカオリンが含浸された柔らかい不織布ガーゼ)によって処置した。
ブタモデルを用いて、本発明の実施形態によるシリカ繊維組成物の、致命的な四肢動脈出血の止血に対する効果を調査した。具体的には、筋肉組織を取り除いて大腿動脈を露出させ、バイオパンチを用いて動脈を切断した。数秒間の出血の後に、シリカ繊維材料を切断された血管に限定された圧力で付与し、流れ続ける出血がすばやく停止した。被検者は3時間、生存していた。その間に、脚を前後に10回動かし、そして出血の有無を調べた。そして被検者をそりまで動かして、50ヤード引っ張って、戦闘中の兵士の引き出しをシミュレートした。次に創傷の出血の有無を調べた。この後、被検者を安楽死させ、損傷した血管を切除して分析した。対照被検者を、比較のために従来のクイッククロットコンバットガーゼ(すなわち、凝固を加速するためにカオリンが含浸された柔らかい不織布ガーゼ)によって処置した。
実験において、シリカ繊維組成物によって処置した被検者に対する平均の失血及び出血時間は、対照被検者と比べてほぼ2分の1に減少した。最終的な平均動脈圧及び心拍数も、シリカ繊維組成物によって処置した被検者の方がわずかに高かった。シリカ繊維組成物によって処置した被検者の体温も、調査時間中に低くなる傾向があった(すなわち、改善された)。
実験後に、図9Aに示すように、ヘマトキシリン及びエオシン染色を用いて組織像を実施した。画像に観察されるように、シリカ繊維組成物(画像上で「繊維」と指定)が、動脈損傷(すなわち、「損傷した動脈」と指定された輪郭が描かれた部分)を塞いでおり、凝固している微小繊維及び位置合わせされた赤血球が損傷部位の外側に存在している。図9Bに、シリカ繊維組成物によって処置した損傷部位のマルチウススカーレットブルー(MSB)トリクロームフィブリン染色画像を示す。画像は、損傷部位を塞ぐシリカ繊維の周囲及び内部に血栓が形成されていることを示している。シリカ繊維内に成長する細胞は血管壁のそれと同様である。フィブリン繊維はシリカ繊維と絡み合っており、透明なフィブリンブリッジ(損傷部位内のより暗い染色された微小繊維によって示される)が、シリカ繊維が付与された損傷部位全体のエッジにわたって形成されている。これは、主幹動脈へのこのような大規模な損傷のこのような短い処置時間に対して予想外であり、出血の制御及び処置に対する本発明の実施形態の有効性が実証されている。
全体として、シリカ繊維組成物は、対照サンプルのガーゼよりもはるかに速く動脈性出血を止めた。3分間の処置時間が終わる前であっても、圧力を取り除くことができ、出血が無いことが観察された。ブタの脚を動かしても、さらに出血することはなかった。血塊を手動で除去するように試みる間も、止血は維持された。対照的に、対照ガーゼを用いるには、より著しい圧力を付与する必要があり、3分間の処置時間のほとんどにおいてガーゼ周辺の出血が増えた。シリカ繊維組成物とは異なり、ガーゼは止血後に取り出すようにもデザインされており、そのため、創傷内に留まって再生を導くようにはデザインされていない。シリカ繊維組成物によって止血までの時間及び全出血量が減る。また再出血イベントの数が減り、組織被覆及び再生が容易になり、最終的に、大量出血の存続の可能性が改善される。
本明細書で用いた用語及び表現は、説明の用語及び表現として用いており、限定のものではない。このような用語及び表現を用いる場合、図示及び説明した特徴またはその一部の任意の均等物を除外する意図はない。加えて、本発明の特定の実施形態を説明したので、本明細書で開示した考え方を取り入れた他の実施形態を、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく用い得ることが当業者には明らかである。したがって、説明した実施形態はすべての点で単に例示的であって限定的ではないと考えるべきである。
Claims (39)
- 被検対象の出血を処置するための方法であって、前記出血に電界紡糸シリカ繊維組成物を、前記出血を止めるのに十分な量及び状態下で付与することを含む前記方法。
- 前記シリカ繊維組成物は、70重量%~90重量%のテトラエチルオルトシリケート(TEOS)、8重量%~25重量%のエタノール、酸触媒、及び平衡水によって調製されたゾルを電界紡糸することによって調製される請求項1に記載の方法。
- 前記ゾルを、湿度が40%~80%の範囲にあり温度が50~90°Fの範囲にある状態下で、2~7日間の間、転移させる請求項2に記載の方法。
- 前記ゾルを、150°Fを超える熱にも100°Fを超える熱にもさらさない請求項3に記載の方法。
- 前記酸触媒はHClである請求項2に記載の方法。
- 前記被検対象は哺乳動物である請求項1に記載の方法。
- 前記被検対象はヒトである請求項6に記載の方法。
- 前記出血は少なくともグレード2の出血である請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記出血はグレード3またはグレード4の出血である請求項8に記載の方法。
- 前記出血は動脈性出血である請求項9に記載の方法。
- 前記出血は静脈性出血である請求項9に記載の方法。
- 前記出血は外科手術中または後に流れ出る請求項8に記載の方法。
- 前記出血は臓器出血である請求項12に記載の方法。
- 前記出血は一次出血である請求項8~13のいずれか1項に記載の方法。
- 前記出血は反動出血である請求項8~13のいずれか1項に記載の方法。
- 前記出血は二次出血である請求項8~13のいずれか1項に記載の方法。
- 前記出血は外傷性出血である請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
- 前記出血は非圧縮性出血である請求項17に記載の方法。
- 前記出血は体腔出血である請求項17に記載の方法。
- 前記損傷は圧挫損傷である請求項17~19のいずれか1項に記載の方法。
- 前記損傷は銃創または爆傷である請求項17~19のいずれか1項に記載の方法。
- 前記出血は鼻出血である請求項8に記載の方法。
- 前記出血は外部である請求項8に記載の方法。
- 前記被検対象は凝固経路を抑制する治療を受けている請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
- 前記被検対象には凝固障害がある請求項1~23のいずれか1項に記載の方法。
- 前記被検対象は血友病、血小板減少、低血小板数、またはフォンヴィレブランド病を伴っている請求項25に記載の方法。
- 前記シリカ繊維組成物は送達装置を介して前記出血に付与され、前記送達装置は、
上端と開口した下端とを有する中空の中央穴と、
前記中央穴の前記上端に配置され、前記シリカ繊維組成物を前記中央穴の前記開口した下端から押し動かすように前記送達装置のユーザによって駆動可能な移動可能プランジャであって、前記プランジャの一部は前記中央穴を下部コンパートメントと上部コンパートメントとに分離する、前記プランジャと、
前記中央穴と同軸の環状の外部コンパートメントであって、前記中央穴の前記上部コンパートメントに流体的に接続され、前記出血に近接する領域と流体接続するための1つ以上の開口部を規定する前記外部コンパートメントと、を含み、
前記シリカ繊維組成物を前記中央穴の前記開口した下端から前記出血へ押し動かすように前記プランジャが駆動されたときに、前記出血に近接する流体が同時に、前記外部コンパートメント内に、そして前記中央穴の前記上部コンパートメント内に吸引される、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。 - 前記中央穴は、前記中央穴を通る1つ以上の開口部であって、前記下部コンパートメントを前記環状の外部コンパートメントに流体的に接続する前記開口部を規定する請求項27に記載の方法。
- 出血に近接してシリカ繊維組成物を付与するための送達装置であって、前記送達装置は、
上端と開口した下端とを有する中空の中央穴と、
前記中央穴の前記上端に配置され、前記シリカ繊維組成物を前記中央穴の前記開口した下端から押し動かすように前記送達装置のユーザによって駆動可能な移動可能プランジャであって、前記プランジャの一部は前記中央穴を下部コンパートメントと上部コンパートメントとに分離する、前記プランジャと、
前記中央穴と同軸の環状の外部コンパートメントであって、前記中央穴の前記上部コンパートメントに流体的に接続され、前記出血に近接する領域と流体接続するための1つ以上の開口部を規定する前記外部コンパートメントと、を含み、
前記シリカ繊維組成物を前記中央穴の前記開口した下端から前記出血へ押し動かすように前記プランジャが駆動されたときに、前記出血に近接する流体が同時に、前記外部コンパートメント内に、そして前記中央穴の前記上部コンパートメント内に吸引される、前記送達装置。 - 前記中央穴は、前記中央穴を通る1つ以上の開口部であって、前記下部コンパートメントを前記環状の外部コンパートメントに流体的に接続する前記開口部を規定する請求項29に記載の送達装置。
- 前記中央穴の前記下部コンパートメント内に配置された前記シリカ繊維組成物をさらに含む請求項29に記載の送達装置。
- 前記シリカ繊維組成物は複数のシリカ繊維を含む請求項31に記載の送達装置。
- 前記シリカ繊維組成物は粉末または粉塵を含む請求項31に記載の送達装置。
- 被検対象の出血を処置するためのキットであって、
シリカ繊維組成物と、
出血に前記シリカ繊維組成物を付与するための送達装置と、を含む前記キット。 - 前記送達装置は、
上端と開口した下端とを有する中空の中央穴と、
前記中央穴の前記上端に配置され、前記シリカ繊維組成物を前記中央穴の前記開口した下端から押し動かすように前記送達装置のユーザによって駆動可能な移動可能プランジャであって、前記プランジャの一部は前記中央穴を下部コンパートメントと上部コンパートメントとに分離する、前記プランジャと、
前記中央穴と同軸の環状の外部コンパートメントであって、前記中央穴の前記上部コンパートメントに流体的に接続され、前記出血に近接する領域と流体接続するための1つ以上の開口部を規定する前記外部コンパートメントと、を含み、
前記シリカ繊維組成物を前記中央穴の前記開口した下端から前記出血へ押し動かすように前記プランジャが駆動されたときに、前記出血に近接する流体が同時に、前記外部コンパートメント内に、そして前記中央穴の前記上部コンパートメント内に吸引される、請求項34に記載のキット。 - 前記送達装置の前記中央穴は、前記中央穴を通る1つ以上の開口部であって、前記下部コンパートメントを前記環状の外部コンパートメントに流体的に接続する前記開口部を規定する請求項35に記載のキット。
- 前記シリカ繊維組成物は電界紡糸シリカ繊維組成物である請求項34に記載のキット。
- 前記シリカ繊維組成物は複数のシリカ繊維を含む請求項34に記載のキット。
- 前記シリカ繊維組成物は粉末または粉塵を含む請求項34に記載のキット。
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