JP2022546302A - ダンベル型dnaベクターを作出するための方法 - Google Patents

ダンベル型dnaベクターを作出するための方法 Download PDF

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Abstract

ダンベル型DNA最小ベクターは、対象の遺伝子発現カセットおよび末端閉鎖ループ構造のみから構成される遺伝子ベクターである。小型ヘアピンRNAまたはマイクロRNA発現のためのダンベルベクターは極めて小型のサイズであり、それは、細胞送達および核拡散に関して有利である。小型RNA発現ダンベルベクターを作出するための従来のストラテジーは、後にダンベル保護に使用されるそれぞれのプラスミドベクターのクローニングを要する。本明細書において、本発明者らは、小型RNA発現ダンベルベクターを作出するための新規のクローニングフリーの方法を提示し、それはまた、いかなる制限エンドヌクレアーゼも要しない。方法は、対象の配列のセンスまたはアンチセンス鎖を含有するプライマーを使用したユニバーサルDNA鋳型のPCR増幅、増幅産物を変性およびリフォールディングしてステム-ループ構造を形成するステップ、ならびにDNAリガーゼを使用して構造を共有結合的に閉じてダンベル構造を得るステップを含む。

Description

本開示は、宿主細胞に組み換えDNAおよびRNAを送達するためのダンベル型DNAベクターの低コストで効率的な合成を可能にする、新規のユニバーサル鋳型支援によるクローニングフリーの方法に関する。
遺伝性および後天性の遺伝性疾患の遺伝子療法、遺伝子ワクチン接種、幹細胞プログラミング、体細胞リプログラミング、免疫療法、CRISPR/Cas媒介性ゲノム編集、およびインビボでのタンパク質発現の操作等の方法の効率は、ノンコーディングRNAまたはタンパク質の発現を誘発するための、エクスビボまたはインビボにおける初代細胞への組み換えDNAの送達に依存している。
初代細胞において、組み換え外来エピソーム性DNA(プラスミド等)の発現は、送達の経路とは無関係に、送達後24時間以内にサイレンスされる。この効果の根底にあるメカニズムはほとんど理解されていない。初代細胞における中期および長期発現を誘発するために、レトロウイルス、レンチウイルス、およびAAVベクター等の組み込み型ウイルス送達ベクターのみが使用に成功している。しかしながら、これらのベクターは、現行の医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理の基準(current good Manufacturing Practise)(cGMP)の生産規格を考慮するとコストがかかる。cGMP規格下でウイルスベクターを産生することは、等量の「裸の」遺伝物質を作出するよりも桁違いに高価であると考えられる。加えて、ウイルスベクターは、(i)組み込みの座位における組み込まれた外来DNAの負の干渉(例えば、遺伝子機能および調節の分断)、および(ii)病原性ウイルスを起源とする構成要素の関与、に関連する安全性リスクおよび懸念を持つ。
これに代えて、初代細胞への機能的RNAの直接送達は、急速な分解をもたらし、短期効果しか提供しない。それゆえ、導入遺伝子サイレンシングを回避する新規の遺伝子ベクターの開発への強い要望がある。
プロモーター、コード遺伝子、およびRNA安定化配列を含む転写単位のみからなるDNAミニサークルまたはダンベル型ベクター等の新規のベクターは、小型のサイズに起因して、細胞送達または核拡散の向上等のいくつかの利点を有する。さらに、これらの小型ベクターは、共有結合的に閉じた構造に起因してエキソヌクレアーゼに耐性があり、一方でプラスミドは、せん断力によって誘発される一本鎖断裂、いわゆるニックを持つことが多い。不要な細菌配列または耐性タンパク質がないことは、宿主における望まれない副作用を排除し、制御されたインビトロ合成、およびフルオロフォア、細胞透過性ペプチド、抗体、アプタマー、糖類、または免疫刺激性ペプチドをループ構造に化学的に連結する選択肢により、これらのベクターの容易な操作が可能となる。
上で記載されるように、プラスミドにおける導入遺伝子サイレンシングは頻繁である。導入遺伝子発現カセットの5’および3’末端間の遺伝子外スペーサーを欠くDNAミニサークルは、マウスにおける持続的な導入遺伝子発現を可能にすることが示された。ミニサークルと比較した場合、ダンベル型ベクター、特に小型ノンコーディングRNAの発現のためのものは、分子量が桁違いに小さくあり得る。国際公開第2012/032114号(特許文献1)は、黒色腫への注射後数日間発現を維持する、ダンベル型環状ベクターを含むDNA発現構築物を開示している。伝統的なベクターの産生と比較した場合、ダンベル型ベクターの合成は、複雑でかつコストがかかることが多い。最先端の技法は、典型的に酵素依存的であり、クローニングおよび化学合成を付加的に要する。ダンベルベクターを合成するためにPCRベースの技法を利用した米国特許出願公開第2008/0153763号(特許文献2)に開示されるもの等、方法論の向上がなされているものの、当該方法は、依然としてクローニングおよび制限酵素に大きく依存しており、ダンベル型ベクターの産生をコストがかかるものにしている。
マイクロRNA(miRNA)とは、ほとんどの後生動物における遺伝子発現を転写後に調節する小型ノンコーディングRNA(ncRNA)である。それらは、miRNA遺伝子から一次miRNA転写産物(pri-miRNA)として転写され、それは、核においてヘアピン構造前駆体miRNA(pre-miRNA)にプロセシングされ、その後細胞質にエクスポートされ、それらはさらにプロセシングされて短い不完全に対合したRNA二重鎖(miRNA:miRNA)を形成する。小型のまたは短いヘアピンRNA(shRNA)とは、RNA干渉(RNAi)を効率的に誘発するための、pre-miRNAを模倣し、組み換え遺伝子から内因的に転写され得る人工ヘアピン構造RNAである。pre-miRNAおよびshRNAを含めたノンコーディングRNAならびにコードRNA遺伝子送達のために、研究者は、ウイルス性または非ウイルス性送達ベクターを探求している。ウイルスベクターは、コストがかかり、免疫応答をしばしば誘発するまたはゲノムベクター組み込みのリスクをもたらす一方で、多くの非ウイルス性送達ベクターは、細胞に対して毒性があり得る非核酸ヘルパー機能を伴う1、2。最もシンプルな非ウイルスベクターは、裸のDNAベースのベクターシステムであり、その3つの異なるタイプ:プラスミド、DNAミニサークル、およびダンベル型DNA最小ベクターがこれまでのところ記載されている。プラスミドベースの遺伝子発現は、初代細胞およびインビボにおいて急速にサイレンスされるのに対し、ミニサークルおよびダンベルベクターは、導入遺伝子サイレンシングを被らず、前臨床および臨床試験において有望な結果を示している3~7。しかしながら、環状張力に起因して300塩基対(bp)の最小サイズを要するミニサークルと比較して、ダンベルベクターは、下限サイズを有せず、事実上shRNA遺伝子と同じくらい短くあり得る。その線形構造と合わせた小型のダンベルサイズは、細胞送達、特に核ベクター拡散を促すことが示された。ダンベルベクターを発現するshRNAを作出するための4つの方法:第1に、ミスライゲートしたオフ経路産物のヌクレオチド鎖切断によって分子間ダンベルライゲーションが支持されるプロトコールである、ヌクレアーゼによって支援される酵素的ライゲーション(ELAN)10;第2に、発現カセットがPCRによって増幅され、その後にニッキング酵素切断が続いて5’オーバーハングを産生し、それが次いで分子内ライゲーションにおいてダンベルループを形成するプロトコール11、12;第3に、サイズ最小化ヘアピン鋳型転写shRNA発現ダンベルベクターを作出する最初の2つのプロトコールの特質を組み合わせる方法9、13;ならびに最後に、内部ループおよび向上した核標的化活性によって特徴付けられる優れたダンベルベクターを効率的に作出するために、化学修飾されたプライマーおよび分子内ライゲーションを採用するギャッププライマーPCRベースの方法14、が報告されている。
国際公開第2012/032114号 米国特許出願公開第2008/0153763号
一般的に、分子内ライゲーション反応の間にダンベル構造を形成するプロトコールは、最も高いベクター収率を呈する。新規のノンコーディングまたはコーディングRNAの発現のためのダンベルベクターを作出するために、上記のプロトコールのすべては、クローニングステップに依存しかつ/またはエンドヌクレアーゼを要する。
開示される方法は、pre-miRNAおよびshRNA RNAを含めたノンコーディングRNAならびにコードRNA発現のための、ヘアピン鋳型転写ダンベル型ベクターのクローニングフリーの作出を可能にする。それは、ユニバーサル鋳型を使用し、それによって特異的pre-miRNA、shRNA、タンパク質、またはペプチドをコードする配列がPCRプライマーによって導入される、PCRベースの方法を記載する。この新規のプロトコールは、サイズ最小化ヘアピン鋳型転写ダンベルを産生し、いかなる制限またはニッキングエンドヌクレアーゼも要せず、ハイスループット適合性である。開示される方法は、pre-miRNA、shRNA、およびコーディングRNAを発現するダンベルベクターの作出を早めかつ価格を下げる。開示される方法は、機能的ゲノミクスおよびスクリーニング調査に要される高度に並列化されたダンベルベクター産生を可能にし、それは、前臨床および臨床適用に要される大規模なダンベル産生を可能にする。
発明の記述
本発明の一態様によれば、ダンベル型発現ベクターであって、前記ベクターは、
i)それぞれが、発現されるべき核酸分子をコードするヌクレオチド配列を含む、1つまたは複数の線形またはヘアピン型の転写カセット;
ii)前記転写カセットに作動可能に連結された、最小転写プロモーターヌクレオチド配列;
iii)DNA核標的化配列を含むヌクレオチド配列;
iv)前記発現される核酸分子の発現を増強するための、エンハンサーヌクレオチド配列および任意選択的に前記エンハンサーヌクレオチド配列と結び付いた少なくとも1つのイントロンを含むヌクレオチド配列;
v)転写後調節エレメントまたは構成的核輸送エレメントを含むヌクレオチド配列;ならびに
vi)RNAガイドによるゲノム編集のための、一本鎖または二本鎖のいずれかである修復鋳型として働き得る、哺乳類ゲノムの一部分との相同性を有する配列を含むヌクレオチド配列
を含む、ダンベル型発現ベクターが提供される。
本発明の好ましい実施形態において、前記最小転写プロモーター配列は、転写終結ヌクレオチド配列をさらに含み、転写開始および終結ヌクレオチド配列は作動的に共役されている。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、前記ベクターは、少なくとも1つの内部ループドメインを含む。好ましくは、前記ループドメインは、脱塩基部位またはヌクレオチドミスマッチを含む。
本発明の好ましい実施形態において、前記脱塩基部位は1つまたは複数を含む
本発明の好ましい実施形態において、前記脱塩基部位は、1つまたは複数の脱プリン/脱ピリミジン脱塩基部位を含む。
本発明の好ましい実施形態において、前記ヌクレオチドミスマッチは、脱塩基部位のテトラヒドロフランベースの模倣体を含む。
本発明の好ましい実施形態において、前記転写後調節エレメントはWPRE[配列番号11]である。
本発明の好ましい実施形態において、上のi)~vi)に記載の前記ベクター核酸分子は、一本鎖または二本鎖核酸である。
本発明の好ましい実施形態において、前記哺乳類ゲノムはヒトである。
本発明の好ましい実施形態において、発現されるべき前記核酸分子は、治療用タンパク質またはペプチドをコードする。
本発明の好ましい実施形態において、前記治療用タンパク質は、Cas9、Cas9n、hSpCas9、またはhSpCas9nである。
本発明の好ましい実施形態において、前記治療用タンパク質またはペプチドは死シグナルを誘発する。
細胞死シグナルを誘発するタンパク質またはペプチドの例は、当技術分野において公知である。例えば、コレラ毒素またはジフテリア毒素、アルファ毒素、炭疽毒素、外毒素、百日咳毒素、志賀毒素、志賀様毒素等の細菌毒素は、細胞死を誘導することが公知である。さらに、Fas、TNF、カスパーゼ(イニシエーターカスパーゼ、すなわちカスパーゼ2、8、9、10、11、12、およびエフェクターカスパーゼ、すなわちカスパーゼ3、6、7)等、アポトーシスシグナル/タンパク質。加えて、非毒性薬物を毒性構成要素に変換し得る酵素:例えば単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(HSVtk)は、かなり非毒性の薬物ガンシクロビル(GCV)を毒性のトリホスフェートに変換する(HSVtk/GCVシステム)。さらなる例は、大腸菌(Escherichia coli)プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)/フルダラビン自殺遺伝子システムである。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、前記治療用タンパク質またはペプチドはHSVtkである。
本発明の代替的な好ましい実施形態において、前記発現される核酸分子は治療用核酸分子である。
本発明の好ましい実施形態において、前記治療用核酸は、siRNAまたはshRNAである。
本発明の代替的な好ましい実施形態において、前記治療用核酸分子は、アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスmiRNAである。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、前記治療用核酸分子はmiRNAである。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、前記治療用核酸分子はトランススプライシングRNAである。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、前記治療用核酸分子は、ガイドRNA、一本鎖ガイドRNA、crRNA、またはtracrRNAである。
本発明の好ましい実施形態において、前記治療用核酸分子はトランススプライシングRNAである。
本発明の代替的な好ましい実施形態において、前記治療用核酸分子は、pre-mRNAまたはmRNAである。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、前記最小転写プロモーターはRNAポリメラーゼIIIプロモーターに由来する。
本発明の好ましい実施形態において、前記RNAポリメラーゼIIIプロモーターはU6プロモーターであり、配列番号1に記載のヌクレオチド配列を含む。
本発明の代替的な好ましい実施形態において、前記RNAポリメラーゼIIIプロモーターは、配列番号2に記載のヌクレオチド配列を含むH1プロモーターである。
本発明の代替的な好ましい実施形態において、前記RNAポリメラーゼIIIプロモーターは、配列番号3に記載のヌクレオチド配列を含む最小H1(mH1)プロモーターである。
本発明のさらに代替的な好ましい実施形態において、前記RNAポリメラーゼIIIプロモーターは、制限エンドヌクレアーゼ切断部位および/または配列番号4に記載のヌクレオチド配列を含む逆位ポリメラーゼIII転写ターミネーターを含む、改変mH1プロモーターである。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、前記最小転写プロモーターはRNAポリメラーゼIIプロモーターに由来する。
本発明の好ましい実施形態において、前記RNAポリメラーゼIIプロモーターはCMVプロモーターであり、配列番号5に記載のヌクレオチド配列を含む。
本発明の好ましい実施形態において、前記転写ターミネーターヌクレオチド配列は、RNAポリメラーゼIIまたはRNAポリメラーゼIII終結配列である。
本発明の好ましい実施形態において、前記RNAポリメラーゼIII終結配列は、ヌクレオチド配列TTTTTを含む1つまたは複数のモチーフを含む。
本発明の好ましい実施形態において、前記DNA核標的化配列は、配列番号6(DTSα)および/または配列番号7(DTSβ)に記載されるヌクレオチド配列を含む。
本発明の好ましい実施形態において、前記エンハンサーヌクレオチド配列は、配列番号8に記載されるヌクレオチド配列を含む(最小エンハンサー:mSV40enh)。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、前記エンハンサーヌクレオチド配列は、配列番号9に記載されるヌクレオチド配列を含む(全長エンハンサー:fSV40enh)。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、前記イントロンは、配列番号10に記載されるヌクレオチド配列を含む。
本発明のさらなる好ましい実施形態において、前記ベクターは、検出可能なマーカーをさらにコードする。
本発明の好ましい実施形態において、前記検出可能なマーカーは蛍光マーカーである。
本発明の好ましい実施形態において、前記蛍光マーカーは蛍光レポータータンパク質である。
組織におけるプロモーター活性の分析は、「レポーター」タンパク質またはポリペプチドをコードする核酸にプロモーターを融合させることによって好都合にモニターされ得る。例は当技術分野において周知であり、βグルクロニダーゼ等の酵素を含む。タンパク質性フルオロフォアであるレポーターも、当技術分野において公知である。緑色蛍光タンパク質GFPは、太平洋クラゲのエクオリア・ビクトリア(Aequoria victoria)等の腔腸動物から単離された自発蛍光タンパク質である。その役割は、別のタンパク質であるエクオリンの青色化学発光を緑色蛍光の光にエネルギー移動によって転換することである。GFPは、それが、多種多様なタンパク質へのNおよびC末端融合を認容し、その多くは天然の機能を保持することが示されていることから、タンパク質タグとして機能し得る。ほとんどの場合、それは、コドン使用法がヒト暗号に適応されている増強GFPの形態で使用される。他のタンパク質性フルオロフォアには、黄色、赤色、および青色蛍光タンパク質が含まれる。これらは、例えばClontech(www.clontech.com)から市販されている。なおさらなる例はホタルルシフェラーゼである。
本発明の好ましい実施形態において、哺乳類ゲノムの一部分との相同性を有する前記ヌクレオチド配列は、ダンベルベクターの二本鎖DNA部分に取り入れられる。
本発明の代替的な好ましい実施形態において、哺乳類ゲノムの一部分との相同性を有する前記ヌクレオチド配列は、ダンベルベクターの一本鎖ループを含む。
本発明のさらなる態様によれば、本発明に従ったダンベル型ベクターを含む医薬組成物が提供される。
本発明のダンベル型ベクター組成物は、薬学的に許容可能な調製物で投与される。そのような調製物は、ルーチン的に、薬学的に許容可能な濃度の塩、緩衝剤、防腐剤、適合する担体、および補足的治療剤を含有し得る。本発明のダンベル型ベクター組成物は、注射を含めた任意の従来的経路によって、または経時的な漸進的注入によって投与され得る。投与は、例えば静脈内、腹腔内、筋肉内、腔内、皮下、経皮的、経口的、局所的、気管内、経鼻、膣内、または経上皮的であり得る。これに代えて、本発明のダンベル型ベクターまたはベクター組成物は、限定されるものではないが、液体ジェットインジェクション、マイクロインジェクション、マイクロニードル、粉末粒子インジェクション、金粒子インジェクション、遺伝子銃、エレクトロポレーション、またはハイドロダイナミックインジェクションを含む、物理的方法によって送達される。
本発明のダンベル型ベクター組成物は、有効量で投与される。「有効量」とは、単独でまたはさらなる投薬とともに所望の応答をもたらす、ダンベル型ベクターの量である。疾患を治療する場合、所望の応答は、疾患の進行を阻害することである。これは、疾患の進行を一時的に単に遅らせることを伴い得る(より好ましくは、それは、疾患の進行を永久に食い止めることを伴うが)。これは、ルーチン的方法によってモニターされ得る。そのような量は、当然のことながら、治療されている特定の病状、病状の重症度、年齢、身体的条件、サイズおよび体重を含めた個々の患者パラメーター、治療の継続期間、併用療法の性質(もしあれば)、投与の具体的経路、ならびに保健関係者の知識および専門技能の範囲内にある同様の因子に依存する。これらの因子は当業者に周知であり、単なるルーチン的実験を用いて対処され得る。個々の構成要素またはその組み合わせの最大用量、つまり健全な医学的判断に従った最も高い安全用量が使用されることが一般的に好ましい。しかしながら、患者は、医学的理由、心理的理由、または事実上任意の他の理由で、より低い用量または耐容用量を要求し得ることは当業者によって理解される。
前述の方法において使用されるダンベル型ベクター組成物は、好ましくは無菌であり、患者への投与に適した重量または容量の単位で所望の応答をもたらすための、本発明に従った有効量のダンベル型ベクターを含有する。対象に投与されるベクターの用量は、種々のパラメーターに従って、特に使用される投与の様態および対象の状態に従って選定され得る。他の因子には、治療の所望の期間が含まれる。対象における応答が、適用された初回用量では不十分である場合、より高い用量(または、異なるより限局性の送達経路による効率的により高い用量)が、患者耐容性が許す程度まで採用され得る。投薬量、注射のスケジュール、注射の部位、投与の様態等が前述のものとは異なる、ベクター組成物の投与のための他のプロトコールは当業者に公知である。ヒト以外の哺乳類への組成物の投与(例えば、試験目的または獣医学的治療目的のための投与)は、上記と実質的に同じ条件下で行われる。本明細書において使用される対象とは、哺乳類、好ましくはヒトであり、非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、または齧歯類を含む。
投与される場合、本発明のダンベル型ベクター組成物は、薬学的に許容可能な量でかつ薬学的に許容可能な組成物で適用される。「薬学的に許容可能な」という用語は、活性剤の生物学的活性の有効性を妨害しない非毒性の材料を意味する。そのような調製物は、ルーチン的に、塩、緩衝剤、防腐剤、適合する担体、および任意選択的に他の治療剤(例えば、具体的疾患兆候の治療において典型的に使用されるもの)を含有し得る。医学において使用される場合、塩は薬学的に許容可能であるべきであるが、薬学的に許容されない塩は、その薬学的に許容可能な塩を調製するために好都合に使用され得、本発明の範囲から除外されない。そのような薬理学的および薬学的に許容可能な塩には、限定されるものではないが、以下の酸:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸等から調製されるものが含まれる。また、薬学的に許容可能な塩は、ナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属として調製され得る。
本発明に従ったダンベル型ベクターを含有する医薬組成物は、塩の状態の酢酸;塩の状態のクエン酸;塩の状態のホウ酸;および塩の状態のリン酸を含めた、適切な緩衝剤を含有し得る。医薬組成物は、任意選択的に、塩化ベンザルコニウム;クロロブタノール;パラベン;およびチメロサール等の適切な防腐剤も含有し得る。
ダンベル型ベクター組成物は、単位剤形で好都合に提示され得、薬学の技術分野において周知の方法のいずれかによって調製され得る。すべての方法は、活性剤を、1種または複数種の補助的成分を構成するベクターと会合させるステップを含む。本発明に従ったベクターを含有する組成物は、エアロゾルとして投与され得、吸入され得る。非経口的投与に適した組成物は、レシピエントの血液と好ましくは等張である、ベクターの無菌の水性または非水性調製物を好都合に含む。この調製物は、適切な分散または湿潤剤および懸濁化剤を使用して、公知の方法に従って製剤化され得る。無菌の注射可能な調製物は、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液のような、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液または懸濁液でもあり得る。採用され得る許容可能な溶媒には、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、無菌の固定油が、溶媒または懸濁化媒体として好都合に採用される。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含めた、任意の低刺激性(bland)固定油が採用され得る。加えて、オレイン酸等の脂肪酸が、注射物質の調製において使用され得る。経口、皮下、静脈内、筋肉内等の投与に適した担体製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, PAに見出され得る。
本発明の代替的な実施形態において、前記医薬組成物は、アジュバントおよび/または担体を含むDNAワクチン組成物である。
本発明の一態様によれば、2つの発現カセットを含むダンベル型二重発現ベクターを作出する方法であって、前記ベクターは、
i)5’末端配列に第1の転写プロモーターの逆相補体および3’末端配列に第2の転写ターミネーターの配列を含む標的核酸分子を含む、第1の一本鎖核酸鋳型を含む調製物を用意するステップ;
ii)前記一本鎖核酸鋳型の3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、5’-ホスフェートおよび3’-ヒドロキシル基を含み、かつ標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第1のオリゴヌクレオチドプライマーと、前記第1の一本鎖核酸鋳型とを接触させるステップであって、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、転写されるべき対象の第1の配列を含み、かつ第1の転写ターミネーターの逆相補配列をさらに含み、かつ標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列の伸長を阻止する改変ヌクレオチド配列をさらに含む、ステップ;
iii)ポリメラーゼ連鎖反応構成要素、および3’アニールしたオリゴヌクレオチドプライマーを伸長させるプライマーを用意して、第2の鋳型を形成するステップ;
iv)前記第2の鋳型の3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、5’-ホスフェートおよび3’-ヒドロキシル基を含み、かつ第2の鋳型に相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第2のオリゴヌクレオチドプライマーと、前記第2の鋳型とを接触させるステップであって、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、転写されるべき対象の第2の配列を含み、かつ第2の転写ターミネーターの逆相補配列をさらに含み、かつ第2の鋳型に相補的でない5’ヌクレオチド配列の伸長を阻止する改変ヌクレオチド配列をさらに含む、ステップ;
v)ポリメラーゼ連鎖反応構成要素、および3’アニールしたオリゴヌクレオチドプライマーを伸長させるプライマーを用意して、二本鎖核酸を形成するステップ;
vi)ポリメラーゼ連鎖により二本鎖核酸を増幅して鋳型DNAのプールを合成し、前記鋳型をアニールさせて、標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列を含む二本鎖核酸を創出するステップ;ならびに
vii)アニールした鋳型核酸と5DNAリガーゼとを接触させて、非相補的5’ヌクレオチド配列の末端5’-ホスフェートを、前記増幅した鋳型核酸の3’-OHに連結させて、末端ループ構造を創出するステップ
を含む方法が提供される。
本発明の好ましい方法において、前記標的核酸分子は、その3’末端ヌクレオチド配列に転写プロモーターの配列を含み、その5’末端ヌクレオチド配列に転写プロモーターの逆相補配列をさらに含む。
さらなる好ましい方法において、前記転写プロモーターはポリメラーゼIIIプロモーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIIIプロモーターはU6プロモーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIIIプロモーターはH1プロモーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIIIプロモーターは最小H1プロモーターである。
代替的な好ましい方法において、前記転写プロモーターはポリメラーゼIIプロモーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIIプロモーターはCMVプロモーターである。
本発明の好ましい方法において、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、前記標的核酸分子と非相補的であるが、ステムループ構造を形成するその長さの一部分にわたる内部相補性の領域を含む、ヌクレオチド配列を含む。
本発明の好ましい方法において、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、その長さの一部分にわたる回文型ヌクレオチド配列を含む。
本発明の好ましい方法において、前記オリゴヌクレオチドプライマー改変は、前記プライマーにおける、DNAポリメラーゼによるプライマー伸長中に塩基対合のための鋳型として認識されない部位の内包である。
本発明の好ましい方法において、前記オリゴヌクレオチドプライマー改変は、前記プライマーにおける脱塩基部位の内包である。
脱塩基部位は、典型的にはDNA損傷によってまたは自然突然変異を通じて引き起こされて天然に存在しており、プリンもピリミジン塩基も有しないDNAまたはRNAにおける場所を規定する。該部位は、脱プリンまたは脱ピリミジン性と称される。
さらなる好ましい方法において、前記脱塩基部位は、脱プリン/脱ピリミジン部位である。
さらなる好ましい方法において、前記脱プリン/脱ピリミジン部位はテトラヒドロフランを含む。
さらなる好ましい方法において、前記脱塩基部位は、少なくとも1つまたは少なくとも3つの脱プリン/脱ピリミジン部位を含む。
さらなる好ましい方法において、前記脱塩基部位は、1つの脱プリン/脱ピリミジン部位を含有する。
本発明のさらなる好ましい方法において、前記脱塩基部位は、前記一本鎖核酸鋳型の3’末端ヌクレオチド配列に相補的な領域と、標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列とを分離する。
本発明の好ましい方法において、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、転写ターミネーターを含む非相補的ヌクレオチド配列を含む。
本発明のさらなる好ましい方法において、前記転写ターミネーターはポリメラーゼIII転写ターミネーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIII転写ターミネーターは小型のポリチミジン(T)伸張(small poly thymidine (T) stretch)である。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIII転写ターミネーターはT五量体である。
本発明の代替的な好ましい方法において、前記転写ターミネーターはポリメラーゼII転写ターミネーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼII転写ターミネーターはSV40ポリアデニル化部位である。
本発明の好ましい方法において、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、転写されるべき対象の配列を含む。
本発明のさらなる好ましい方法において、対象の前記配列は非タンパク質コード配列である。
本発明の代替的な好ましい方法において、対象の前記配列はタンパク質コード配列である。
本発明の好ましい方法において、前記DNAリガーゼは、ファージDNAリガーゼ、例えばT4 DNAリガーゼまたは大腸菌(E.coli)DNAリガーゼである。
本発明の代替的な好ましい方法において、前記DNAリガーゼはcircligaseである。
本発明の一態様によれば、ヘアピン構造発現カセットを含むダンベル型ベクターを作出するためのクローニングフリーでかつエンドヌクレアーゼフリーの方法であって、
i)2つの相補的配列セグメントを含む標的核酸分子を含む一本鎖核酸鋳型を含む調製物を用意するステップであって、各セグメントは転写プロモーター配列を含みかつ転写ターミネーターをさらに含み、前記2つの相補的配列セグメントは、第3の配列セグメントによって分離されている、ステップ;
ii)前記一本鎖核酸鋳型がステムを付加的に含む調製物を用意するステップ;
iii)前記一本鎖核酸鋳型の3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、3’-ヒドロキシル基を含み、かつ標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第1のオリゴヌクレオチドプライマーと、前記一本鎖核酸鋳型とを接触させ、さらに、前記一本鎖核酸鋳型の5’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的である第1のブロッキングオリゴヌクレオチドと、前記一本鎖核酸鋳型とを接触させるステップであって、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、ヘアピン構造RNAの3’アームをコードする配列を含む、ステップ;
iv)ポリメラーゼ連鎖反応構成要素を用意して、3’アニールした第1のオリゴヌクレオチドプライマーをプライマー伸長させるステップ;
v)前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、3’-ヒドロキシル基を含み、かつ標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第2のオリゴヌクレオチドプライマーと、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーとを接触させ、さらに、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの5’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的である第2のブロッキングオリゴヌクレオチドと、前記一本鎖核酸鋳型とを接触させるステップであって、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、ヘアピン構造RNAの3’アームをコードする配列を含む、ステップ;
vi)ポリメラーゼ連鎖により鋳型を増幅して鋳型DNAのプールを合成し、前記鋳型をアニールさせて二本鎖核酸を創出するステップであって、前記二本鎖核酸は、プラス鎖およびマイナス鎖の5’ヌクレオチド配列にヘアピン構造RNAの3’アームをコードする配列を含み、かつプラス鎖およびマイナス鎖の3’ヌクレオチド配列にヘアピン構造RNAの5’アームをコードする配列を含む、ステップ;
vii)前記二本鎖核酸を熱変性させ、次いで冷却して、結果として生じるプラス鎖およびマイナス鎖DNAの分子内リフォールディングを可能にして、プラスまたはマイナス鎖DNAから構成される予形成オリゴマーステム-ループ構造を創出するステップ;
viii)プラス鎖およびマイナス鎖DNAの前記予形成オリゴマーループ構造とDNAリガーゼとを接触させて、末端5’-リン酸化5’オーバーハングを、分子内ライゲーションにおいて同じDNA鎖の3’オーバーハングの末端3’-OH基に連結させて、ヘアピン構造RNAの転写のためのヘアピン構造鋳型DNAを含む共有結合的に閉じたプラス鎖由来およびマイナス鎖由来ダンベル型ベクターDNAを創出するステップ;
ix)前記ダンベル型ベクターDNAとDNAエキソヌクレアーゼとを接触させて、すべてのプライマー、ならびに5’および3’端を持つ共有結合的に閉じていないDNAを除去するステップ
を含む、方法が提供される。
好ましい方法において、前記転写プロモーターはポリメラーゼIIIプロモーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIIIプロモーターはU6プロモーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIIIプロモーターはH1プロモーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIIIプロモーターは最小H1プロモーターである。
代替的な好ましい方法において、前記転写プロモーターはポリメラーゼIIプロモーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIIプロモーターはCMVプロモーターである。
好ましい方法において、前記転写ターミネーターはポリメラーゼIII転写ターミネーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIII転写ターミネーターは小型のポリチミジン(T)伸張である。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIII転写ターミネーターはT五量体である。
代替的な好ましい方法において、前記転写ターミネーターはポリメラーゼII転写ターミネーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼII転写ターミネーターはSV40ポリアデニル化部位である。
好ましい方法において、前記ステムは人工ステムである。
さらなる好ましい方法において、前記ステムはマイクロRNA(miRNA)ステムである。
さらなる好ましい方法において、前記miRNAステムはmiRNA-30(miR-30)ステムである。
好ましい方法において、前記第3の配列セグメントはオリゴマーDNA配列である。
さらなる好ましい方法において、前記第3の配列セグメントは四量体DNA配列である。
さらなる好ましい方法において、前記第3の配列セグメントはT四量体である。
好ましい方法において、前記第1のオリゴヌクレオチドプライマーは5’ホスフェートを含む。
好ましい方法において、前記ヘアピン構造RNAは小型ヘアピンRNA(small hairpin RNA:shRNA)である。
さらなる好ましい方法において、前記ヘアピン構造RNAは前駆体miRNA(pre-miRNA)である。
好ましい方法において、前記第1のブロッキングオリゴヌクレオチドは、前記一本鎖核酸鋳型の完全な5’末端ヌクレオチド配列の約半分に相補的である。
好ましい方法において、前記第2のオリゴヌクレオチドプライマーは5’ホスフェートを含む。
好ましい方法において、前記第2のブロッキングオリゴヌクレオチドは、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの完全な5’末端ヌクレオチド配列の約半分に相補的である。
好ましい方法において、前記熱変性は96℃で5分間のインキュベーションを含む。
好ましい方法において、前記冷却は96℃から室温への漸進的冷却を含む。
本発明の好ましい方法において、前記リガーゼは一本鎖DNA特異的リガーゼである。
本発明のさらなる好ましい方法において、前記リガーゼはCircLigaseである。
本発明の好ましい方法において、前記エキソヌクレアーゼはT7 DNAポリメラーゼである。
本発明の一態様によれば、発現カセットを含むダンベル型ベクターを作出するためのクローニングフリーでかつエンドヌクレアーゼフリーの方法であって、
i)2つの相補的配列セグメントを含む標的核酸分子を含む一本鎖核酸鋳型を含む調製物を用意するステップであって、各セグメントは転写プロモーター配列を含みかつ転写ターミネーターをさらに含み、前記2つの相補的配列セグメントは、第3の配列セグメントによって分離されている、ステップ;
ii)前記一本鎖核酸鋳型がステムを付加的に含む調製物を用意するステップ;
iii)前記一本鎖核酸鋳型の3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、3’-ヒドロキシル基を含み、かつ標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第1のオリゴヌクレオチドプライマーと、前記一本鎖核酸鋳型とを接触させ、さらに、前記一本鎖核酸鋳型の5’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的である、1種、2種、3種、またはそれを上回る種類のオリゴヌクレオチドを含むブロッキングオリゴヌクレオチドの第1のセットと、前記一本鎖核酸とを接触させるステップ;
iv)ポリメラーゼ連鎖反応構成要素を用意して、3’アニールした第1のオリゴヌクレオチドプライマーをプライマー伸長させるステップ;
v)前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、3’-ヒドロキシル基を含み、かつ標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第2のオリゴヌクレオチドプライマーと、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーとを接触させ、さらに、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの5’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的である、1種、2種、3種、またはそれを上回る種類のオリゴヌクレオチドを含むブロッキングオリゴヌクレオチドの第2のセットと、前記一本鎖核酸鋳型とを接触させるステップ;
vi)ポリメラーゼ連鎖により鋳型を増幅して、伸長したオリゴヌクレオチドプライマーのプールを合成する(ならびに、前記鋳型をアニールさせて、プラス鎖およびマイナス鎖の5’ヌクレオチド配列にヘアピン構造RNAの3’アームをコードする配列を含み、かつプラス鎖およびマイナス鎖の3’ヌクレオチド配列にヘアピン構造RNAの5’アームをコードする配列を含む二本鎖核酸を創出する)ステップ;
vii)前記第1のオリゴヌクレオチドプライマーによって伸長されたオリゴヌクレオチドプライマーの3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、3’ヒドロキシル基を含み、かつ前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーに相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第3のオリゴヌクレオチドプライマーと、伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの前記プールとを接触させ、さらに、前記第2のオリゴヌクレオチドプライマーによって伸長されたオリゴヌクレオチドプライマーの3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、3’ヒドロキシル基を含み、かつ前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーに相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第4のオリゴヌクレオチドプライマーと、伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの前記プールとを接触させ、さらに、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーと、ブロッキングオリゴヌクレオチドの前記第1および第2のセットとを接触させるステップ;
viii)オリゴヌクレオチドプライマーの第5および第6、第7および第8、またはそれを上回るペアを使用して、ステップiv)およびvii)を繰り返すステップであって、プライマーの最終セットは、3’ヒドロキシル基および5’ホスフェート基を含む、ステップ;
ix)ポリメラーゼ連鎖により鋳型を増幅して、伸長したオリゴヌクレオチドプライマーのプールを合成し、前記鋳型をアニールさせて二本鎖核酸を創出するステップであって、前記二本鎖核酸は、プラス鎖およびマイナス鎖の5’ヌクレオチド配列にヘアピン構造RNAの3’アームをコードする配列を含み、かつプラス鎖およびマイナス鎖の3’ヌクレオチド配列にヘアピン構造RNAの5’アームをコードする配列を含む、ステップ;
x)前記二本鎖核酸を熱変性させ、次いで冷却して、結果として生じるプラス鎖およびマイナス鎖DNAの分子内リフォールディングを可能にして、プラスまたはマイナス鎖DNAから構成される予形成オリゴマーステム-ループ構造を創出するステップ;
xi)プラス鎖およびマイナス鎖DNAの前記予形成オリゴマーループ構造とDNAリガーゼとを接触させて、末端5’-リン酸化5’オーバーハングを、分子内ライゲーションにおいて同じDNA鎖の3’オーバーハングの末端3’-OH基に連結させて、ヘアピン構造RNAの転写のためのヘアピン構造鋳型DNAを含む共有結合的に閉じたプラス鎖由来およびマイナス鎖由来ダンベル型ベクターDNAを創出するステップ;
xii)前記ダンベル型ベクターDNAとDNAエキソヌクレアーゼとを接触させて、すべてのプライマー、ならびに5’および3’端を持つ共有結合的に閉じていないDNAを除去するステップ
を含む、方法が提供される。
好ましい方法において、前記転写プロモーターはポリメラーゼIIIプロモーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIIIプロモーターはU6プロモーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIIIプロモーターはH1プロモーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIIIプロモーターは最小H1プロモーターである。
代替的な好ましい方法において、前記転写プロモーターはポリメラーゼIIプロモーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIIプロモーターはCMVプロモーターである。
好ましい方法において、前記ステムは人工ステムである。
さらなる好ましい方法において、前記ステムはマイクロRNA(miRNA)ステムである。
さらなる好ましい方法において、前記miRNAステムはmiRNA-30(miR-30)ステムである。
好ましい方法において、前記第3の配列セグメントはオリゴマーDNA配列である。
さらなる好ましい方法において、前記第3の配列セグメントは四量体DNA配列である。
さらなる好ましい方法において、前記第3の配列セグメントはT四量体である。
代替的な好ましい方法において、前記第1および前記第2のオリゴヌクレオチドプライマーは、標的核酸分子に相補的でないそれらの5’ヌクレオチド配列に、翻訳スタートコドンの逆相補配列CATを含む。
さらなる好ましい方法において、プライマーの前記最終セットのプライマーは、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーに相補的でないそれらの5’ヌクレオチド配列に、翻訳ストップコドンの逆相補配列を含む。
さらなる好ましい方法において、前記翻訳ストップコドンは、TAG、TAAまたはTGAである。
代替的な好ましい方法において、プライマーの前記最終セットのプライマーは、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーに相補的でないそれらの5’ヌクレオチド配列に、転写ターミネーターの逆相補配列を含む。
好ましい方法において、前記転写ターミネーターはポリメラーゼIII転写ターミネーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIII転写ターミネーターは小型のポリチミジン(T)伸張である。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼIII転写ターミネーターはT五量体である。
代替的な好ましい方法において、前記転写ターミネーターはポリメラーゼII転写ターミネーターである。
さらなる好ましい方法において、前記ポリメラーゼII転写ターミネーターはSV40ポリアデニル化部位である。
代替的な好ましい方法において、前記第1のオリゴヌクレオチドプライマーは5’ホスフェートを含む。
好ましい方法において、前記ヘアピン構造RNAは小型ヘアピンRNA(shRNA)である。
さらなる好ましい方法において、前記ヘアピン構造RNAは前駆体miRNA(pre-miRNA)である。
好ましい方法において、前記第1のブロッキングオリゴヌクレオチドは、前記一本鎖核酸鋳型の完全な5’末端ヌクレオチド配列の約半分に相補的である。
好ましい方法において、前記第2のオリゴヌクレオチドプライマーは5’ホスフェートを含む。
好ましい方法において、前記第2のブロッキングオリゴヌクレオチドは、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの完全な5’末端ヌクレオチド配列の約半分に相補的である。
好ましい方法において、前記熱変性は96℃で5分間のインキュベーションを含む。
好ましい方法において、前記冷却は96℃から室温への漸進的冷却を含む。
本発明の好ましい方法において、前記リガーゼは一本鎖DNA特異的リガーゼである。
本発明のさらなる好ましい方法において、前記リガーゼはCircLigaseである。
本発明の好ましい方法において、前記エキソヌクレアーゼはT7 DNAポリメラーゼである。
本発明の一態様によれば、本発明に従った方法によって合成されたダンベル型ベクターが提供される。
本発明のさらなる態様によれば、ヒト対象から単離された初代細胞のトランスフェクションのための方法であって、
i)トランスフェクトされるべき細胞を含む単離されたサンプルを用意するステップ;
ii)前記単離された細胞サンプルを含む調製物を形成し、前記サンプルと本発明に従ったダンベル型ベクターとを接触させるステップ;
iii)前記初代細胞サンプルへの前記ダンベル型ベクターの導入、および前記ベクターに含まれる核酸分子の持続的発現を可能にする形質転換条件を提供するステップ
を含む、方法が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、遺伝子療法から恩恵を受ける疾患に罹患した患者を治療するためのエクスビボ方法であって、
i)トランスフェクトされるべき細胞を含む前記対象からサンプルを得るステップ;
ii)本発明に従ったダンベル型ベクターを含む細胞培養調製物を形成し、前記細胞に前記ベクターをトランスフェクトする条件を提供するステップ;および
iii)トランスフェクトされた細胞を前記対象に投与するステップ
を含む、方法が提供される。
本発明の好ましい方法において、前記単離されたサンプルは幹細胞を含む。
本発明の好ましい実施形態において、前記幹細胞は、多能性幹細胞、例えば胚性幹細胞または誘導多能性幹細胞、複能性(multipotent)幹細胞、系列制限(lineage restricted)幹細胞からなる群から選択される。
「幹細胞」という用語は、分化した細胞および組織を形成する様々な潜在性を保持しながら、自己再生能を所有する未分化細胞の包括的な群を表す。幹細胞は、多能性または複能性であり得る。多能性幹細胞は、インタクトな生物を形成し得ないが、多能性幹細胞は、インタクトな生物に見出されるすべての組織を形成する能力を有する細胞である。複能性細胞は、分化した細胞および組織を形成する制限された能力を有する。典型的に、成体幹細胞は複能性幹細胞であり、一部の細胞または組織を形成するおよび老化したまたは損傷した細胞/組織を補充する能力を有する前駆体幹細胞または系列制限幹細胞である。複能性幹細胞の例には、間葉系幹細胞が含まれる。間葉系幹細胞またはMSCは、骨芽細胞、軟骨細胞、筋細胞、脂肪細胞、およびニューロンを含む多様な細胞タイプに分化する。典型的に、MSCは骨髄から得られるが、脂肪組織等の他の供給源を起源とし得る。
本発明の好ましい方法において、前記細胞は末梢血単核細胞である。
本発明の好ましい方法において、前記末梢血単核細胞には、Tリンパ球[CD8 Tリンパ球またはCD4 Tリンパ球のいずれかまたは両方]、Bリンパ球、樹状細胞、調節性T細胞、自然リンパ球、またはナチュラルキラー細胞[NK細胞]が含まれる。
「末梢血単核細胞」は、血液以外の供給源、例えばリンパ節および脾臓から単離され得、末梢血単核細胞への言及は、血液から単離されたそうした細胞に本発明を限定しないことは明白である。
本発明のさらなる態様によれば、一本鎖標的核酸鋳型の3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、かつ標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含むように設計されたオリゴヌクレオチドプライマーを含むキットであって、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、標的にアニールした場合に、標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列の伸長を阻止する改変ヌクレオチド配列を含む、キットが提供される。
本発明の好ましい実施形態において、前記キットはポリメラーゼ連鎖反応構成要素も含む。
本発明の好ましい実施形態において、前記キットは、ポリメラーゼ連鎖増幅に要される熱安定性DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチド三リン酸、および補因子を含む。
本発明の好ましい実施形態において、前記キットはDNAリガーゼを含む。
本発明の好ましい実施形態において、前記キットは、細胞、好ましくはヒト細胞等の哺乳類細胞のトランスフェクションのための細胞トランスフェクション構成要素をさらに含む。
具体的な実施形態
治療用タンパク質およびペプチド
本発明は、「サイトカイン」等の薬学的タンパク質をコードする核酸を含むダンベル型ベクターを包含する。サイトカインは、数多くの多様な細胞機能に関与する。これらには、免疫系のモジュレーション、エネルギー代謝の調節、ならびに成長および発達の制御が含まれる。サイトカインは、標的細胞に対して、細胞表面に発現した受容体を介してそれらの効果を媒介する。サイトカインの例には、IL1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、および33等のインターロイキンが含まれる。他の例には、成長ホルモン、レプチン、エリスロポエチン、プロラクチン、腫瘍壊死因子[TNF]、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、カーディオトロフィン(cardiotrophin)-1(CT-1)、白血病阻害因子(LIF)、およびオンコスタチンM(OSM)、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンε、インターフェロンκ、およびωインターフェロンが含まれる。
薬学的に活性なペプチドの例には、GLP-1、抗利尿ホルモン、オキシトシン、ゴナドトロピン放出ホルモン、コルチコトロピン放出ホルモン;カルシトニン、グルカゴン、アミリン、A型ナトリウム利尿ホルモン、B型ナトリウム利尿ホルモン、グレリン、ニューロペプチドY、ニューロペプチドYY3-36、成長ホルモン放出ホルモン、ソマトスタチン、またはそのホモログもしくは類似体が含まれる。
「ケモカイン」という用語は、細胞分裂活性、走化活性、または炎症活性を有する細胞によって分泌される構造関連低分子量因子の群を指す。それらは、4つの保存されたシステイン残基を共有する、70~100個のアミノ酸残基の主としてカチオン性のタンパク質である。これらのタンパク質は、2つのアミノ末端システインの間隔に基づいて2つの群に選別され得る。第1の群において、2つのシステインは単一の残基によって分離されており(C-x-C)、一方、第2の群において、それらは隣接している(C-C)。「C-x-C」ケモカインのメンバーの例には、限定されるものではないが、血小板因子4(PF4)、血小板塩基性タンパク質(PBP)、インターロイキン-8(IL-8)、黒色腫成長刺激活性タンパク質(MGSA)、マクロファージ炎症性タンパク質2(MIP-2)、マウスMig(m119)、ニワトリ9E3(またはpCEF-4)、ブタ肺胞マクロファージ走化因子IおよびII(AMCF-Iおよび-II)、pre-B細胞成長刺激因子(PBSF)、ならびにIP10が含まれる。「C-C」群のメンバーの例には、限定されるものではないが、単球走化性タンパク質1(MCP-1)、単球走化性タンパク質2(MCP-2)、単球走化性タンパク質3(MCP-3)、単球走化性タンパク質4(MCP-4)、マクロファージ炎症性タンパク質1α(MIP-1-α)、マクロファージ炎症性タンパク質1β(MIP-1-β)、マクロファージ炎症性タンパク質1-γ(MIP-1-γ)、マクロファージ炎症性タンパク質3α(MIP-3-α)、マクロファージ炎症性タンパク質3β(MIP-3-β)、ケモカイン(ELC)、マクロファージ炎症性タンパク質-4(MIP-4)、マクロファージ炎症性タンパク質5(MIP-5)、LD78 β、RANTES、SIS-エプシロン(p500)、胸腺および活性化調節ケモカイン(TARC)、エオタキシン、I-309、ヒトタンパク質HCC-1/NCC-2、ヒトタンパク質HCC-3が含まれる。
血管新生を受けるように内皮細胞を促進/活性化するいくつかの成長因子が同定されている。これらには、血管内皮成長因子(VEGF A);VEGF B、VEGF C、およびVEGF D;形質転換成長因子(TGFb);酸性および塩基性線維芽細胞成長因子(aFGFおよびbFGF);ならびに血小板由来成長因子(PDGF)が含まれる。VEGFは、作用、すなわち内皮細胞増殖、遊走、および分化の促進の非常に特異的な部位を有する、内皮細胞特異的成長因子である。VEGFは、2つの同一の23kDポリペプチドを含む複合体である。VEGFは、それぞれが、選択的にスプライスされたmRNAに由来する、異なる分子量の4種の個別のポリペプチドとして存在し得る。bFGFは、線維芽細胞および内皮細胞の増殖を刺激するように機能する成長因子である。bFGFは、16.5Kdの分子量を有する単一ポリペプチド鎖である。それらのアミノ末端領域における長さが異なる、いくつかの分子形態のbFGFが発見されている。しかしながら、様々な分子形態の生物学的機能は同じであるように見える。
プロドラッグ活性化ポリペプチドも本発明の範囲内にある。プロドラッグ活性化遺伝子という用語は、その発現が、非治療用化合物を治療用化合物に変換し得るタンパク質の産生をもたらし、それが、細胞を外部因子による殺傷に対して感受性にするまたは細胞において毒性条件を引き起こす、ヌクレオチド配列を指す。プロドラッグ活性化遺伝子の例は、シトシンデアミナーゼ遺伝子である。シトシンデアミナーゼは、5-フルオロシトシン(5FC)を、強力な抗腫瘍剤である5フルオロウラシル(5FU)に変換する。腫瘍細胞の溶解は、腫瘍の限局された地点で5FCを5FUに変換し得るシトシンデアミナーゼの限局性バーストを提供し、多くの周囲腫瘍細胞の殺傷をもたらす。付加的に、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子産物を発現する細胞は、ガンシクロビルの投与による選択的殺傷に対して感受性になる、TK遺伝子が採用され得る(米国特許第5,631,236号および米国特許第5,601,818号を参照されたい)。プロドラッグ活性化酵素の他の例は、ニトロレダクターゼおよびシトクロムp450(例えば、CYP1A2、CYP2E1、またはCYP3A4)である。
治療用抗体
本発明に従ったダンベル型ベクターは、治療用抗体または抗体フラグメントを含む転写カセットを含み得る。
キメラ抗体とは、マウスまたはラット抗体のV領域のすべてがヒト抗体C領域と組み合わせられている組み換え抗体である。ヒト化抗体とは、齧歯類抗体V領域由来の相補性決定領域とヒト抗体V領域由来のフレームワーク領域とを融合する、組み換えハイブリッド抗体である。ヒト抗体由来のC領域も使用される。相補性決定領域(CDR)とは、V領域の変動の大多数がそこに制限される、抗体の重鎖および軽鎖の両方のN末端ドメイン内の領域である。これらの領域は、抗体分子の表面でループを形成する。これらのループは、抗体と抗原との間に結合表面を提供する。非ヒト動物由来の抗体は、外来抗体に対する免疫応答および循環からのその除去を惹起する。キメラおよびヒト化抗体の両方とも、組み換えハイブリッド抗体内に低下した量の齧歯類(すなわち、外来)抗体があるため、ヒト対象に投与された場合に低下した抗原性を有するが、一方でヒト抗体領域は免疫応答を引き出さない。これは、より弱い免疫応答および抗体のクリアランスの減少をもたらす。このことは、ヒト疾患の治療において治療用抗体を使用する場合に明らかに望ましい。ヒト化抗体は、より少ない「外来の」抗体領域を有するように設計され、それゆえ、キメラ抗体よりも免疫原性が低いと考えられる。
抗体の様々なフラグメントが当技術分野において公知である。Fabフラグメントとは、共有結合で一緒に共役された、免疫グロブリン重鎖可変領域および免疫グロブリン軽鎖可変領域の免疫学的に活性な部分からなり、抗原に特異的に結合し得る多量体タンパク質である。Fabフラグメントは、インタクトな免疫グロブリン分子のタンパク質分解的切断(例えば、パパインを用いた)を介して作出される。Fabフラグメントは、2つの接合したFabフラグメントを含む。これら2つのフラグメントが免疫グロブリンヒンジ領域によって接合される場合、F(ab’)フラグメントが生じる。Fvフラグメントとは、共有結合で一緒に共役された、免疫グロブリン重鎖可変領域および免疫グロブリン軽鎖可変領域の免疫学的に活性な部分からなり、抗原に特異的に結合し得る多量体タンパク質である。フラグメントは、1つの軽鎖可変領域のみ、または結び付いた重鎖可変領域なしで軽鎖可変領域の3つのCDRを含有するそのフラグメント、または結び付いた軽鎖部分なしで重鎖可変領域の3つのCDRを含有するそのフラグメント、を含有する単鎖ポリペプチド;および抗体フラグメントから形成される多重特異性抗体でもあり得、これは、例えば米国特許第6,248,516号に記載されている。Fvフラグメントまたは単一領域(ドメイン)フラグメントは、典型的に、関連する同定された領域の宿主細胞株における発現によって作出される。これらのおよび他の免疫グロブリンまたは抗体フラグメントは、本発明の範囲内にあり、Paul, Fundamental Immunology(1)またはJaneway et al. Immunobiology(2)等の標準的な免疫学教科書に記載される。分子生物学により、現在、これらのフラグメントの直接合成(細胞における発現によりまたは化学的に)、ならびにその組み合わせの合成が可能となっている。抗体または免疫グロブリンのフラグメントは、上記されるように二重特異性機能も有し得る。
RNAガイドによるゲノム編集
RNAガイドによるゲノム編集は、もともとは、短いRNAを使用してウイルスまたはプラスミドを起源とする外来の侵入DNAの分解を指揮する、クラスター化した規則的にスペーサーが入った短い回文型リピート(CRISPR)/CRISPR関連(Cas)システムと称される、細菌および古細菌から進化したRNA媒介性の適応的防御システムに基づく。最もよく見られるシステムは、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)(SP)II型CRISPRシステムである。ヒト細胞におけるゲノムDNAの編集に関しては、いくつかのシステム適応がなされた:1.酵素をDNA標的にガイドして切断を誘発するのに必要なCRISPR RNA(crRNA)およびトランス活性化crRNA(tracrRNA)と呼ばれる、もともとは個別の2種の短いRNA分子を融合して、一本鎖ガイドRNA(gRNA)を形成した。以下Cas相互作用ドメインと呼称される足場tracrRNAドメインは、以下DNA結合ドメイン(BD)と呼称される任意のcrRNAドメインに融合され得る。2.コドン最適化により、SPCas9をhSPCas9に変換した。3.オフターゲット編集を低下させるために、アスパラギン酸からアラニンへの置換(D10A)を導入して、DNA二本鎖断裂(DSB)誘発性hSPCas9をDNAニッカーゼhSPCas9nに変換した。gRNAのDNA結合ドメイン(長さが20~17nt)は、ここで、gRNA-Cas9複合体を、以下DNA標的部位と呼称されるプロトスペーサーと称される相補的な/相同なDNA部位にガイドし得、それは、本明細書に記載されるシステムに関しては5’-NGGであるPAM(プロトスペーサー隣接モチーフ)と呼ばれる第2の短い識別子が3’で後に続く必要がある。gRNAのBDは、編集されるべき部位と重複し得る、またはそれに代えてこの部位に近接しているべきである。次いで、hSPCas9複合体はDSBを誘発し、hSPCas9n複合体はニックを誘発する。ダブルニックを誘発するには、異なるgRNAおよびシフトした標的部位を有する2種のhSPCas9n複合体が要される。Cas9またはCas9nによって誘導されたダブルニックを含むDSBは、次いで、2つの内因性修復メカニズムのうちの一方を活性化する:1.エラーを起こしやすい非相同末端結合(NHEJ)経路において、末端はプロセシングされかつ再接合されると考えられ、それは、ランダム挿入/欠失(インデル)変異をもたらし得る。2.これに代えて、プラスミド、PCR産物、または一本鎖オリゴデオキシリボヌクレオチド(以下においてオリゴヌクレオチドと称される)の形態の修復鋳型を供給して、高忠実度の精確な編集を誘発する相同性指向修復(HDR)経路を利用し得る。シングルニックは、インタクトな鎖を鋳型として使用してHDRを誘発する。
治療用核酸
本発明は、RNAアプタマー、トランススプライシングRNA(tsRNA)、およびアンチセンスRNA(asRNA)または小型のもしくは短いヘアピンRNA(shRNA)または小型干渉RNA(siRNA)またはマイクロRNA(miRNA)または前駆体miRNA(pre-miRNA)またはアンチセンスmiRNA(as-miRNA)を含めた、遺伝子発現を取り除く細胞内の標的mRNA配列に相補的な阻害性RNAを含めた、ノンコーディングRNAを発現するダンベル型ベクターを包含する。
アプタマー分子は、小分子、アミノ酸、補因子、ペプチド、タンパク質、糖類、脂質、ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体であり得るリガンドへの結合を可能にする構造にフォールドする。
トランススプライシングRNA分子は、3つの機能的RNA配列ドメイン;第1に、1種または複数種の標的前駆体メッセンジャーRNA(pre-mRNA)配列に相補的な1種または複数種のアンチセンスRNA配列を含む標的結合ドメイン;第2に、スプライスドナー配列またはこれに代えてスプライスアクセプター配列のいずれか、分岐点、およびポリピリミジントラクトを含むスプライシングドメイン;第3に、対象のペプチドまたはタンパク質をコードするコード配列ドメイン、を含む。トランススプライシングRNA分子は、pre-mRNA標的RNAに特異的に結合し得、トランススプライシングRNAのコード配列ドメインが標的pre-mRNAに向けて接合され、キメラRNAの形成につながりかつコード配列ドメインの発現を可能にするトランススプライス反応を開始し得る。
shRNA分子は、第3の一続きのRNAを介して連結されているRNAの2本の完全なまたは部分的な相補鎖(センス鎖およびアンチセンス鎖)を含み、センスおよびアンチセンス鎖は互いにアニールして、完全にまたは部分的に塩基対合したステムおよび一本鎖ヘアピンループを含むヘアピン構造RNAを形成する。核転写の後、shRNAは一次miRNA転写産物(pri-miRNA)またはpre-miRNAを模倣し、ドローシャ(Drosha)によってまずプロセシングされる、またはエクスポーチン-5依存的核エクスポート経路を介して細胞の核から細胞質へ直接エクスポートされる。細胞質において、shRNAはダイサー(Dicer)によってプロセシングされ、ガイドRNAはRNA誘導性サイレンシング複合体(RISC)に搭載され、それは、ガイドRNAとの十分な程度の相補性を有するmRNA標的を特異的に認識しかつ切断する。
siRNA分子は、二本鎖RNA分子を形成するために互いにアニールしたRNAの2本の相補鎖(センス鎖およびアンチセンス鎖)を含む。siRNA分子は、典型的に、取り除かれるべき遺伝子のエクソンに由来する。多くの生物は、siRNAの形成につながるカスケードを活性化することによって、二本鎖RNAの存在に応答する。二本鎖RNAの存在は、二本鎖RNAを、リボヌクレオタンパク質複合体の一部分になるより小さなフラグメント(siRNA、長さがおよそ21~29ヌクレオチド)にプロセシングするRNaseIIIを含むタンパク質複合体を活性化する。siRNAは、siRNAのアンチセンス鎖に相補的なmRNAを切断するRNase複合体のガイドとして作用し、それによってmRNAの破壊をもたらす。
pre-miRNA分子は、第3の一続きのRNAを介して連結されているRNAの2本の完全なまたは部分的な相補鎖(いずれか一方または両方が成熟miRNAを含む5’アームおよび3’アーム)を含み、センスおよびアンチセンス鎖は互いにアニールして、完全にまたは部分的に塩基対合したステムおよび一本鎖ヘアピンループを含むヘアピン構造RNAを形成する。核転写の後、pre-miRNAは、ドローシャによってまずプロセシングされる、またはエクスポーチン-5依存的核エクスポート経路を介して細胞の核から細胞質へ直接エクスポートされる。細胞質において、pre-miRNAはダイサーによってプロセシングされ、成熟miRNAはRNA誘導性サイレンシング複合体(RISC)に搭載され、それは、成熟miRNAのシード領域とも称される5’末端2~7または8位に相補的であるmRNA標的を特異的に認識しかつ結合し、mRNA標的の翻訳ブロックまたは切断につながる。
本明細書において使用するとき、「アンチセンスオリゴヌクレオチド」または「アンチセンス」という用語は、特定の遺伝子を含むDNAにまたはその遺伝子のmRNA転写産物に生理学的条件下でハイブリダイズし、それによって、その遺伝子の転写および/またはそのmRNAの翻訳を阻害する、オリゴリボヌクレオチドまたはオリゴデオキシリボヌクレオチドであるオリゴヌクレオチドを記載する。アンチセンス分子は、標的遺伝子とのハイブリダイゼーションがあると、標的遺伝子の転写または翻訳に干渉するように設計される。当業者であれば、アンチセンスオリゴヌクレオチドの正確な長さおよびその標的との相補性のその程度は、標的の配列およびその配列を含む特定の塩基を含めた、選択された具体的標的に依存することを認識する。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、生理学的条件下で標的と選択的に結合するように、すなわち生理学的条件下で標的細胞における他の任意の配列よりも標的配列に実質的により多くハイブリダイズするように構築されかつ編成されることが好ましい。阻害に対して十分に選択的でありかつ強力であるために、そのようなアンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的に相補的である少なくとも7(3)個、より好ましくは少なくとも15個の連続した塩基を含むべきである。最も好ましくは、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、20~30塩基の相補的配列を含む。
as-miRNA分子は、pri-miRNA標的分子、pre-miRNA標的分子、成熟miRNA標的、または成熟miRNA標的のシード領域に完全にまたは部分的に相補的であるasRNA相補体(complementary)である。as-miRNA分子は、pri-miRNAまたはpre-miRNA標的分子のダイサープロセシング部位に相補的であることが好ましい。
DNAワクチン/アジュバント
本発明は、疾患および病原性生物に対する免疫付与における抗原性ポリペプチドをコードするダンベル型ベクターを包含する。典型的に、ダンベル型ベクターを含むDNAワクチンは、コードされる抗原に対する免疫応答を増大させるアジュバントおよび/または担体を含む。
アジュバント(免疫強化剤または免疫モジュレーター)は、ワクチン抗原に対する免疫応答を向上させるために何十年も使用されている。ワクチン製剤へのアジュバントの組み入れは、ワクチン抗原に対する特異的免疫応答を増強する、加速する、および引き延ばすことを目的としている。アジュバントの利点には、より弱い抗原の免疫原性の増強、免疫付与の成功に必要とされる抗原量の低下、必要とされるブースター免疫付与の頻度の低下、ならびに高齢者用および免疫不全用ワクチンにおける免疫応答の向上が含まれる。選択的に、アジュバントを採用して、例えば免疫グロブリンクラスに関する所望の免疫応答、および細胞傷害性またはヘルパーTリンパ球応答の誘導を最適化もし得る。加えて、ある特定のアジュバントを使用して、粘膜表面における抗体応答を促進し得る。水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウムまたはカルシウムは、ヒトワクチンにおいてルーチン的に使用されている。より最近では、IRIV(免疫刺激性再構成インフルエンザビロソーム)に組み入れられた抗原、および乳濁液ベースのアジュバントMF59を含有するワクチンが、各国で認可されている。アジュバントは、それらの供給源、作用のメカニズム、および物理的または化学的特性に従って分類され得る。最もよく記載されるアジュバントクラスは、ゲルタイプ、微生物性、油乳濁液および乳化剤ベース、微粒子性、合成、ならびにサイトカインである。1種を上回る種類のアジュバントが、最終ワクチン産物に存在し得る。それらは、ワクチンに存在する単一の抗原もしくはすべての抗原と一緒に組み合わされ得る、または各アジュバントは、1種の特定の抗原と組み合わされ得る。現在使用されているまたは開発されているアジュバントの起源および性質は非常に多様である。例えば、アルミニウムベースのアジュバントは単純な無機化合物からなり、PLGはポリマー性炭水化物であり、ビロソームは異質なウイルス粒子に由来し得、MDPは細菌細胞壁に由来し;サポニンは植物起源であり、スクアレンはサメ肝臓に由来し、組み換えの内因性免疫モジュレーターは、組み換え細菌、酵母、または哺乳類細胞に由来する。
ヒト使用には反応性が高すぎる鉱油乳濁液等、獣医学用ワクチンに対して認可されたいくつかのアジュバントがある。同様に、完全フロイントアジュバントは、公知の最も強力なアジュバントの1つであるが、ヒト使用には適さない。
担体という用語は、以下のように解釈される。担体は、第2の分子に結合された場合、後者に対する免疫応答を増大させる免疫原性分子である。一部の抗原は、本来免疫原性ではないが、キーホールリンペットヘモシアニンまたは破傷風トキソイド等の外来タンパク質分子と結び付いた場合に抗体応答を生じさせる能力があり得る。そのような抗原は、B細胞エピトープを含有するが、T細胞エピトープを含有しない。そのようなコンジュゲート(「担体」タンパク質)のタンパク質部分はT細胞エピトープを提供し、それがヘルパーT細胞を刺激し、それが今度は、形質細胞に分化しかつ抗原に対する抗体を産生するように抗原特異的B細胞を刺激する。
本明細書の説明および特許請求の範囲を通じて、「含む(comprise)」および「含有する(contain)」という単語ならびにこれらの単語の変形、例えば「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、「含むがそれに限定されない」ことを意味し、他の部分、添加物、構成要素、整数またはステップを除外することを意図しない(および除外しない)。「本質的になる」とは、本質的な要件を有するが、本質的な要件の機能に著しく影響を及ぼさない要件を含むことを意味する。
本明細書の説明および特許請求の範囲を通じて、単数形は、文脈上別様に要されない限り、複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈上別様に要されない限り、複数性ならびに単一性を企図すると理解されるべきである。
本発明の特定の態様、実施形態または例とともに記載される特質、整数、特徴、化合物、化学的部分または化学基は、それをもって不適合でない限り、本明細書に記載される他の任意の態様、実施形態または例に適用可能であると理解されるべきである。
ここで、例を挙げて、かつ以下の図を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
ユニバーサル鋳型(UT)支援によるクローニングフリーのダンベル産生のための基本的スキーム。ユニバーサルDNA鋳型は、プロモーター、発現カセット、および転写ターミネーター等の対象のコーディングまたはノンコーディング遺伝子を発現させるために要されるすべての配列を含む逆位リピートを含む二本鎖DNAである。逆位リピートは、一続きのヌクレオチドによって分離されている。ダンベル作出および精製のためのプロトコールは、4つのステップを含む。ステップ1:両方とも、対象の配列のアンチセンスまたはセンス鎖のいずれかを導入する、5’-リン酸化順方向(Fw)および/または逆方向(Rv)プライマーを使用したユニバーサル鋳型のPCR増幅;ブロッキングオリゴb1およびb2を反応に添加して、鋳型リフォールディングを抑制しかつプライマー結合を促す。点線は、UTを越えたプラスミド配列を表す。ステップ2:ダンベル構造プレフォールディングのために、PCR産物を希釈し、熱変性させ、室温までゆっくりと冷却する。ステップ3:ダンベル構造を、一本鎖DNAリガーゼを使用して共有結合的に閉じる。ステップ4:T7 DNAポリメラーゼを用いた処理により、オリゴおよびライゲートしていないダンベルDNAを除去し、共有結合的に閉じたダンベルベクターDNAを産出する。点線の矢印は、転写される配列を示す。すべてのステップ:シアン:(+)鎖UT DNA;マゼンタ:(-)マイナス鎖UT DNA;灰色:ブロッキングオリゴ;緑色:センス(s)配列;黄色:アンチセンス(as)配列。 shRNAおよびmiRNA発現ダンベルベクターのユニバーサル鋳型(UT)支援によるクローニングフリー産生のためのスキーム。ユニバーサルDNA鋳型は、99bpの最小H1プロモーター(mH1)、ポリメラーゼIII転写ターミネーター(T)、およびhsa-miR-30前駆体ステム、の逆位リピートを含む262bpの二本鎖DNAである。逆位リピートは、4つのTによって分離されている(プラス鎖)。ダンベル作出および精製のためのプロトコールは、4つのステップを含む。ステップ1:両方とも、shRNAループ配列の半分と一緒にshRNAのアンチセンスまたはセンス鎖のいずれかを導入する、5’リン酸化順方向(Fw)および/または逆方向(Rv)プライマーを使用したユニバーサル鋳型のPCR増幅;ブロッキングオリゴb1およびb2を反応に添加して、鋳型リフォールディングを抑制しかつプライマー結合を促す。点線は、UTを越えたプラスミド配列を表す。ステップ2:ダンベル構造プレフォールディングのために、PCR産物を希釈し、熱変性させ、室温までゆっくりと冷却する。ステップ3:ダンベル構造を、一本鎖DNAリガーゼを使用して共有結合的に閉じる。ステップ4:T7 DNAポリメラーゼを用いた処理により、オリゴおよびライゲートしていないダンベルDNAを除去し、共有結合的に閉じたダンベルベクターDNAを産出する。点線の矢印は、転写される配列を示す。すべてのステップ:シアン:(+)鎖UT DNA;マゼンタ:(-)マイナス鎖UT DNA;灰色:ブロッキングオリゴ;緑色:shRNAまたはmiRNAセンス(s)配列;黄色:shRNAまたはmiRNAアンチセンス(as)配列。 より長いダンベルベクターのユニバーサル鋳型(UT)支援によるクローニングフリー産生のためのスキーム。ユニバーサルDNA鋳型は、プロモーター、発現カセット、および転写ターミネーター等の対象のコーディングまたはノンコーディング遺伝子を発現させるために要されるすべての配列を含む逆位リピートを含む二本鎖DNAである。逆位リピートは、一続きのヌクレオチドによって分離されている。ダンベル作出および精製のためのプロトコールは、4つのステップを含む。ステップ1:それぞれの最も外側のプライマーは5’リン酸化されている、各セットの順方向(Fw)および/または逆方向(Rv)プライマーを使用したユニバーサル鋳型のPCR増幅であって、両セットとも、対象の配列のアンチセンスまたはセンス鎖のいずれかを段階的に導入する、PCR増幅;2セットのブロッキングオリゴb1n+iおよびb2n+iを反応に添加して、鋳型リフォールディングを抑制しかつプライマー結合を促す。点線は、UTを越えたプラスミド配列を表す。ステップ2:ダンベル構造プレフォールディングのために、PCR産物を希釈し、熱変性させ、室温までゆっくりと冷却する。ステップ3:ダンベル構造を、一本鎖DNAリガーゼを使用して共有結合的に閉じる。ステップ4:T7 DNAポリメラーゼを用いた処理により、オリゴおよびライゲートしていないダンベルDNAを除去し、共有結合的に閉じたダンベルベクターDNAを産出する。点線の矢印は、転写される配列を示す。すべてのステップ:シアン:(+)鎖UT DNA;マゼンタ:(-)マイナス鎖UT DNA;灰色:ブロッキングオリゴ;緑色:センス(s)配列;黄色:アンチセンス(as)配列。 ノンコーディングRNA発現ダンベルベクターのユニバーサル鋳型(UT)支援によるクローニングフリー産生のためのスキーム。ユニバーサルDNA鋳型は、プロモーター、発現カセット、および転写ターミネーター等の対象のノンコーディング遺伝子を発現させるために要されるすべての配列を含む逆位リピートを含む二本鎖DNAである。逆位リピートは、一続きのヌクレオチドによって分離されている。ダンベル作出および精製のためのプロトコールは、4つのステップを含む。ステップ1:それぞれの最も外側のプライマーは5’リン酸化されており、かつ非回文型配列が発現される対象となる場合に転写ターミネーターの逆相補体を導入し得る、各セットの順方向(Fw)および/または逆方向(Rv)プライマーを使用したユニバーサル鋳型のPCR増幅であって、両セットとも、対象の配列のアンチセンスまたはセンス鎖のいずれかを段階的に導入する、PCR増幅;2セットのブロッキングオリゴを反応に添加して、鋳型リフォールディングを抑制しかつプライマー結合を促す。点線は、UTを越えたプラスミド配列を表す。ステップ2:ダンベル構造プレフォールディングのために、PCR産物を希釈し、熱変性させ、室温までゆっくりと冷却する。ステップ3:ダンベル構造を、一本鎖DNAリガーゼを使用して共有結合的に閉じる。ステップ4:T7 DNAポリメラーゼを用いた処理により、オリゴおよびライゲートしていないダンベルDNAを除去し、共有結合的に閉じたダンベルベクターDNAを産出する。点線の矢印は、転写される配列を示す。すべてのステップ:シアン:(+)鎖UT DNA;マゼンタ:(-)マイナス鎖UT DNA;灰色:ブロッキングオリゴ;緑色:センス(s)配列;黄色:アンチセンス(as)配列。 コーディングRNA発現ダンベルベクターのユニバーサル鋳型(UT)支援によるクローニングフリー産生のためのスキーム。ユニバーサルDNA鋳型は、プロモーター、発現カセット、および転写ターミネーター等の対象のコーディング遺伝子を発現させるために要されるすべての配列を含む逆位リピートを含む二本鎖DNAである。逆位リピートは、一続きのヌクレオチドによって分離されている。ダンベル作出および精製のためのプロトコールは、4つのステップを含む。ステップ1:それぞれの最も内側のプライマーは翻訳スタートコドンの逆相補体(5’CAT3’)を導入し、それぞれの最も外側のプライマーは5’リン酸化されており、翻訳ストップコドンの逆相補体を導入する、各セットの順方向(Fw)および/または逆方向(Rv)プライマーを使用したユニバーサル鋳型のPCR増幅であって、両セットとも、対象の配列のアンチセンスまたはセンス鎖のいずれかを段階的に導入する、PCR増幅;2セットのブロッキングオリゴb1n+iおよびb2n+iを反応に添加して、鋳型リフォールディングを抑制しかつプライマー結合を促す。点線は、UTを越えたプラスミド配列を表す。ステップ2:ダンベル構造プレフォールディングのために、PCR産物を希釈し、熱変性させ、室温までゆっくりと冷却する。ステップ3:ダンベル構造を、一本鎖DNAリガーゼを使用して共有結合的に閉じる。ステップ4:T7 DNAポリメラーゼを用いた処理により、オリゴおよびライゲートしていないダンベルDNAを除去し、共有結合的に閉じたダンベルベクターDNAを産出する。点線の矢印は、転写される配列を示す。すべてのステップ:シアン:(+)鎖UT DNA;マゼンタ:(-)マイナス鎖UT DNA;灰色:ブロッキングオリゴ;緑色:センス(s)配列;黄色:アンチセンス(as)配列。 ダンベル型二重発現ベクターのユニバーサル鋳型(UT)支援によるクローニングフリーの作出のための基本的スキーム。ユニバーサルDNA鋳型は、各鎖に1つある、同一であるまたは異なる2つのプロモーター、および潜在的に他の調節配列を含む二本鎖DNAである。ダンベル作出および精製のためのプロトコールは、4つのステップを含む。ステップ1:両方とも、対象の配列(同じまたは異なる配列)、転写ターミネーターの逆相補体(同じまたは異なる)、1つまたは複数の脱塩基位(ギャップ)、およびヘアピン構造を形成し得る5’末端配列を導入する、5’リン酸化順方向(Fw)および/または逆方向(Rv)プライマーを使用したユニバーサル鋳型のPCR増幅;ブロッキングオリゴb1およびb2を反応に添加して、鋳型リフォールディングを抑制しかつプライマー結合を促す。点線は、UTを越えたプラスミド配列を表す。ステップ2:ダンベル構造プレフォールディングのために、PCR反応を室温まで冷却する。ステップ3:ダンベル構造を、二本鎖DNAリガーゼを使用して共有結合的に閉じる。ステップ4:T7 DNAポリメラーゼを用いた処理により、オリゴおよびライゲートしていないダンベルDNAを除去し、共有結合的に閉じたダンベルベクターDNAを産出する。点線の矢印は、転写される配列を示す。すべてのステップ:シアン:UT DNA;黄色および緑色:対象の配列;マゼンタ:脱塩基プライマー部位(ギャップ);灰色:ブロッキングオリゴ。 ダンベル型二重発現ベクターのユニバーサル鋳型(UT)支援によるクローニングフリーの作出のための詳細なスキーム。ユニバーサルDNA鋳型は、各鎖に1つある、同一であるまたは異なる2つのプロモーターP1およびP2を含む二本鎖DNAである。ダンベル作出および精製のためのプロトコールは、4つのステップを含む。ステップ1:両方とも、対象の配列SOI1およびSOI2(同じまたは異なる配列)、転写ターミネーターの逆相補体T1(-)(同じまたは異なる)、1つまたは複数の脱塩基位(ギャップ)、ならびにヘアピン構造を形成し得る5’末端配列を導入する、5’リン酸化順方向(Fw)および/または逆方向(Rv)プライマーを使用したユニバーサル鋳型のPCR増幅;ブロッキングオリゴb1およびb2を反応に添加して、鋳型リフォールディングを抑制しかつプライマー結合を促す。点線は、UTを越えたプラスミド配列を表す。ステップ2:ダンベル構造プレフォールディングのために、PCR反応を室温まで冷却する。ステップ3:ダンベル構造を、二本鎖DNAリガーゼを使用して共有結合的に閉じる。ステップ4:T7 DNAポリメラーゼを用いた処理により、オリゴおよびライゲートしていないダンベルDNAを除去し、対象の配列SOI1およびSOI2の発現のための2つの発現カセットP1(+)-SOI1-T1(+)およびP2(+)-SOI2-T2(+)を含む共有結合的に閉じたダンベルベクターDNAを産出する。点線の矢印は、転写される配列を示す。すべてのステップ:シアン:UT DNA;黄色および緑色:対象の配列;マゼンタ:脱塩基プライマー部位(ギャップ);灰色:ブロッキングオリゴ。 ユニバーサル鋳型(UT)の配列、クローニング、および検証。(A)UTプラス鎖配列。シアン:miR-30 5’および3’ステム;マゼンタ:転写ターミネーター(センスおよびアンチセンス);オレンジ:ループ形成テトラヌクレオチド配列;黒色:mH1配列(センスおよびアンチセンス)。(B)UTクローニングスキーム。5’リン酸化オリゴODN2およびODN3を、それぞれオリゴODN1およびODN4とアニールさせた。結果として生じた二重鎖をライゲートし、二本鎖UT配列を、HindIIIおよびBamHI制限部位を使用してpVax1にクローニングした。シアン:UTプラス鎖;マゼンタ:UTマイナス鎖。(C)アニールしたオリゴペアODN1/2およびODN3/4、ならびにライゲートしたハイブリッドを示した分析的1%アガロースゲル電気泳動。(D)クローニングしたプラスミドpVax1-UTの分析的HindIIIおよび/またはBamHI消化、ならびに1%アガロースゲル電気泳動。HindIII/BamHI二重消化は、262bpのUTバンドを示す。(E)pVax1-UTのHindIIIおよびBamHIクローニングサイトのシーケンシング。 PCRベースのユニバーサル鋳型(UT)支援によるダンベル産生。(A)UTのPCR増幅は、ブロッキングオリゴの添加に依存する。ブロッキングオリゴを添加しないと(-)、PCR増幅は観察されず、126bpのリフォールドしたUT一本鎖のみが検出された。ブロッキングオリゴを添加した場合(+)、PCR増幅された二本鎖ダンベルDNA(303bp)およびリフォールドしたダンベル一本鎖(146bp)の両方が検出された。(B)PCR条件の最適化。PCR収率は、52℃~65℃の域内のアニーリング温度とは事実上無関係であった。5% DMSOの添加により、二本鎖ダンベルDNAの収率が上昇した。(C)図1に規定されるステップ1~4を参照したDNA産物の査定。ステップ1:PCR UT増幅により、二本鎖ダンベルDNA(303bp)およびリフォールドしたダンベル一本鎖(146bp)が産出される;ステップ2:熱変性およびリフォールディングにより、二本鎖ダンベルDNAはダンベル一本鎖に変換される;ステップ3:5’リン酸化プライマーをPCRに使用した場合、一本鎖DNAライゲーションにより、ダンベルベクターDNAは共有結合的に閉じる;ステップ4:エキソヌクレアーゼ処理により、ライゲートしていないDNAが除去され、共有結合的に閉じたダンベルベクター(146bp)が産出される。 完全なプラスおよびマイナス鎖由来ルシフェラーゼ標的化ダンベルベクターの配列および構造。ラミンA/C標的化ベクターは、同じダンベルコアを持つ。 ダンベルベクター作出。PCR産物の5’リン酸化による(左側)、またはこれに代えてPCR反応に5’リン酸化プライマーを使用することによる(右側)、146bpのダンベルベクターDNAの作出。ステップは、図1に規定されるステップ1~4を参照している。 細胞内FACSを使用してモニターされた、プラス(+)およびマイナス(-)鎖由来ラミン標的化(Lam)ダンベル(db)ベクターによる、HEK293T細胞におけるラミンA/Cのノックダウン。(A)ダンベルベクターおよび転写されるラミンA/C標的化shRNAの配列および構造。shRNA二次構造は、mfoldおよびRNAfoldによる予測に従って描かれた。(B~D)1つの実験の代表的なヒストグラム重ね合わせ。(B)染色された(一次抗ラミンA+C抗体、それに加えて二次ロバ抗ウサギIgG H&L)対染色されなかった(一次抗ラミンA+C抗体のみ)トランスフェクトされなかった生細胞。(C)0.1、0.5、もしくは2.5pmolのプラス鎖由来抗ラミンA/C shRNA発現dbベクター[Lam(+)db]、または3pmolの抗ラミンA/C陽性対照siRNA(Lam-siRNA)によって誘発されたノックダウン。(D)0.1、0.5、もしくは2.5pmolのマイナス鎖由来抗ラミンA/C shRNA発現dbベクター[Lam(-)db]、または3pmolのLam-siRNAによって誘発されたノックダウン。(E~G)ラミンA/C染色細胞の画分によって表されるトランスフェクトされなかった細胞(100%)と比べた、染色されたHEK293T細胞におけるラミンA/Cのノックダウン(E)、ラミンA/C染色細胞の幾何平均蛍光強度(gMFI)(F)、およびラミンA/C染色細胞の蛍光強度中央値(G)。対照ダンベル(対照db)は、プラスおよびマイナス鎖由来ルシフェラーゼ標的化ダンベルDNAの1:1ミックスであった。値は、3回の独立した実験の平均値±SEMである。統計分析を、スチューデントt検定を使用して実施した。P値は、染色されたトランスフェクションなし対照に対する有意性を示す。(B~G)NTC:トランスフェクションなし対照;DNAなし対照:バッファーをトランスフェクトされた細胞。 プラス(A)およびマイナス(B)鎖由来ルシフェラーゼ標的化ダンベルに対する変換収率の判定。非リン酸化順方向および5’-リン酸化逆方向プライマーを使用してPCRを実施した。6μgのPCR産物を変性させ、リフォールドさせ、100U CircLigaseを使用して50μl反応容積においてライゲートした。ライゲートしたリフォールドしたダンベルDNAをエキソヌクレアーゼで処理し、エキソヌクレアーゼの前および後の直接比較可能なサンプルを、1%アガロースゲル電気泳動を使用して分析した。ライゲーションに成功した共有結合的に閉じたダンベルDNAのみが、エキソヌクレアーゼ処理に耐性を示す。ソフトウェアImageJ v1.48を使用してバンド強度を定量化することによって判定された、ライゲートしていない全体的ダンベルDNAをライゲートした全体的ダンベルDNAに変換する収率。プラスまたはマイナス鎖由来ダンベルDNAのいずれかのみ、すなわち総DNAの50%のみが、理論的に各反応においてライゲートされ得ることから、プラスまたはマイナス鎖由来ダンベルDNAの実際の変換収率は、検出された全体的変換収率の2倍高い。 プラス(+)およびマイナス(-)鎖由来ルシフェラーゼ標的化(Luc)ダンベル(db)ベクターによる、HEK293T細胞におけるホタルルシフェラーゼのノックダウン。(A)ダンベルベクターおよび転写されるルシフェラーゼ標的化shRNAの配列および構造。shRNA二次構造は、mfoldおよびRNAfoldによる予測に従って描かれた。(B)リン酸化順方向(5’P-Fw)または逆方向(5’P-Rv)プライマーのいずれかを使用した、(+)または(-)鎖由来dbベクターの選択的作出。ステップは、図1に規定されるステップ1~4を参照している。(C、D)プラス(+)および/またはマイナス(-)鎖由来ルシフェラーゼ標的化dbベクターの機能的検証。細胞に、ホタルルシフェラーゼレポーターベクターpGL3および0.5または1.5pmolのダンベルベクターDNAを共トランスフェクトした。NTC:トランスフェクションなし対照。阻害されていない陰性対照に対するホタルルシフェラーゼmRNA(C)または発現(D)レベルを、RT-qPCRまたはルシフェラーゼレポーターアッセイを使用して、トランスフェクションの48時間後に測定した。相対RNAレベルを倍変化(2-ΔΔCt)の観点から算出した。ここで、ΔCt=Ct ルシフェラーゼ-Ct β-アクチン。値は、3回の独立した実験の平均値±SEMである。統計分析を、スチューデントt検定(C)またはテューキーの事後多重比較検定とともに反復一元配置ANOVA(D)を使用して実施した。 エキソヌクレアーゼ処理後のダンベルベクターの純度制御。(A)プラス(+)およびマイナス(-)鎖由来ルシフェラーゼ(Luc)およびラミンA/C(Lam)標的化ダンベル(db)ベクターの1%アガロースゲル電気泳動。(B)Lam(-)db DNAのキャピラリーゲル電気泳動(Bioanalyzer、Agilent)。同定された136bpのピークは、146bpのダンベルベクターDNAを指す。検出されたおよび予想されたベクターサイズの違いは、ダンベルベクターDNAのゲル遅延度が、DNAラダーマーカーの二本鎖DNAフラグメントのものとわずかに異なるという事実を指す。 細胞内蛍光活性化細胞選別(FACS)によるラミンA/C発現のモニタリング。トランスフェクトされなかった細胞(NTC)における細胞ラミンA/C発現を、抗ラミンA+C一次抗体によって標識し(左のパネル:染色されなかった)、次いでロバ抗ウサギIgG H&L Alexa Fluor 647-A二次抗体で染色した(右のパネル:染色された)。生きたHEK293T細胞のゲーティング(A)、Alexa Fluor 647-A散布図(B)、およびヒストグラム(C)。
配列表
配列番号1:
5’-AGCTTCGCGCTCACTGAGAAGATTTTTCTGTGCTCTCATACAGAACTTATAAGATTCCCAAATCCAAAGACATTTCACGTTTATGGTGATTTCCCAGAACACATAGCGACATGCAAATATGAATTGTCCAGTT-3’
配列番号2:
5’P-GGACAATTCATATTTGCATGTCGCTATGTGTTCTGGGAAATCACCATAAACGTGAAATGTCTTTGGATTTGGGAATCTTATAAGTTCTGTATGAGAGCACAGAAAAATCTTCTCAGTGAGCGCGA-3’
配列番号3:
5’P-TTCTGGACAATTCATATTTGCATGTCGCTATGTGTTCTGGGAAATCACCATAAACGTGAAATGTCTTTGGATTTGGGAATCTTATAAGTTCTGTATGAGAGCACAGAAAAATCTTCTCAGTAGGCAAAG-3’
配列番号4:
5’-GATCCTTTGCCTACTGAGAAGATTTTTCTGTGCTCTCATACAGAACTTATAAGATTCCCAAATCCAAAGACATTTCACGTTTATGGTGATTTCCCAGAACACATAGCGACATGCAAATATGAATTGTCCAGAAAACT-3’
配列番号5:
5’-tgaaggctcctcagaaacagctcCGCGCTCACTGAGAAGATTT-3’
配列番号6:
5’-tgaaagcccagatcgtcaccacccgcCGCGCTCACTGAGAAGATTT-3’
配列番号7:
5’-agagaggctcctcagaaacagctcTTTGCCTACTGAGAAGATTTTTCTGT-3’
配列番号8:
5’-agagaagcccagatcgtcaccaccttTTTGCCTACTGAGAAGATTTTTCTGT-3’
配列番号9:
5’-GGACAATTCATATTTGCATGTCGCTATGTGTTCTGGGAAATCACCATAAACGTGAAATGTCTTTGGATTTGGGAATCTTATAAGTTCTGTATGAGAGCACAGAAAAATCTTCTCAGTGAGCGCGA-3’
配列番号10:
5’-TTCTGGACAATTCATATTTGCATGTCGCTATGTGTTCTGGGAAATCACCATAAACGTGAAATGTCTTTGGATTTGGGAATCTTATAAGTTCTGTATGAGAGCACAGAAAAATCTTCTCAGTAGGCAAAG-3’
配列番号11:
5’-CGCTGGGCGTTAATCAAAGA-3’
配列番号12:
5’-CTGGCACCCAGCACAATG-3’
配列番号13:
5’-GTGTTCGTCTTCGTCCCAGT-3’
配列番号14:
5’-GCCGATCCACACGGAGTACT-3’
配列番号15:
5’-TTTTCTGGACAATTCATATTTGCATGTCGCTATGTGTTCTGGGAAATCACCATAAACGTGAAATGTCTTTGGATTTGGGAATCTTATAAGTTCTGTATGAGAGCACAGAAAAATCTTCTCAGTAGGCAAAGAGCTGTTTCTGAGGAGCCTCTCTTGAAGGCTCCTCAGAAACAGCTCGCGGCTCACTGAGAAGATTTTTCTGTGCTCTCATACAGAACTTATAAGATTCCCAAATCCAAAGACATTTCACGTTTATGGTGATTTCCCAGAACACATAGCGACATGCAAATATGAATTGTCCAG-3’
配列番号16:
5’-CUUCUCAGUGAGCGCGGAGCUGUUUCUGAGGAGCCUUCAAGAGAGGCUCCUCAGAAACAGCUCUUUGCCUACUGAGAAGAUU-3’
配列番号17:
5’-TTTTCTGGACAATTCATATTTGCATGTCGCTATGTGTTCTGGGAAATCACCATAAACGTGAAATGTCTTTGGATTTGGGAATCTTATAAGTTCTGTATGAGAGCACAGAAAAATCTTCTCAGTGAGCGCGGAGCTGTTTCTGAGGAGCCTTCAAGAGAGGCTCCTCAGAAACAGCTCTTTGCCTACTGAGAAGATTTTTCTGTGCTCTCATACAGAACTTATAAGATTCCCAAATCCAAAGACATTTCACGTTTATGGTGATTTCCCAGAACACATAGCGACATGCAAATATGAATTGTCCAG-3’
配列番号18:
5’-CUUCUCAGUGAGGCAAAGAGCUGUUUCUGAGGAGCCUCUCUUGAAGGCUCCUCAGAAACAGCUCCGCGCUCUACUGAGAAGAUU-3’
配列番号19:
5’-TTTTCTGGACAATTCATATTTGCATGTCGCTATGTGTTCTGGGAAATCACCATAAACGTGAAATGTCTTTGGATTTGGGAATCTTATAAGTTCTGTATGAGAGCACAGAAAAATCTTCTCAGTAGGCAAAAGCCCAGATCGTCACCACCTCTCTTGAAGGTGGTGACGATCTGGGCTCGCGCTCACTGAGAAGATTTTTCTGTGCTCTCATACAGAACTTATAAGATTCCCAAATCCAAAGACATTTCACGTTTATGGTGATTTCCCAGAACACATAGCGACATGCAAATATGAATTGTCCAG-3’
配列番号20:
5’-CUUCUCAGUGAGCGCGAGCCCAGAUCGUCACCACCUUCAAGAGAGGUGGUGACGAUCUGGGCUUUUGCCUACUGAGAAGAUU-3’
配列番号21:
5’-TTTTCTGGACAATTCATATTTGCATGTCGCTATGTGTTCTGGGAAATCACCATAAACGTGAAATGTCTTTGGATTTGGGAATCTTATAAGTTCTGTATGAGAGCACAGAAAAATCTTCTCAGTGAGCGCGAGCCCAGATCGTCACCACCTTCAAGAGAGGTGGTGACGATCTGGGCTTTTGCCTACTGAGAAGATTTTTCTGTGCTCTCATACAGAACTTATAAGATTCCCAAATCCAAAGACATTTCACGTTTATGGTGATTTCCCAGAACACATAGCGACATGCAAATATGAATTGTCCAG-3’
配列番号22:
5’-CUUCUCAGUGAGGCAAAAGCCCAGAUCGUCACCACCCUCUUGAAGGUGGUGACGAUCUGGGCUCGCGCUCACUGAGAAGAUU-3’
Figure 2022546302000002
配列番号24:
5’-TTTTCTGGACAATTCATATTTGCATGTCGCTATGTGTTCTGGGAAATCACCATAAACGTGAAATGTCTTTGGATTTGGGAATCTTATAAGTTCTGTATGAGAGCACAGAAAAATCTTCTCAGTAGGCAAAGAGCTGTTTCTGAGGAGCCTCTCTTGAAGGCTCCTCAGAAACAGCTCGCGGCTCACTGAGAAGATTTTTCTGTGCTCTCATACAGAACTTATAAGATTCCCAAATCCAAAGACATTTCACGTTTATGGTGATTTCCCAGAACACATAGCGACATGCAAATATGAATTGTCCAG-3’
配列番号25:
5’-TTTTCTGGACAATTCATATTTGCATGTCGCTATGTGTTCTGGGAAATCACCATAAACGTGAAATGTCTTTGGATTTGGGAATCTTATAAGTTCTGTATGAGAGCACAGAAAAATCTTCTCAGTGAGCGCGGAGCTGTTTCTGAGGAGCCTTCAAGAGAGGCTCCTCAGAAACAGCTCTTTGCCTACTGAGAAGATTTTTCTGTGCTCTCATACAGAACTTATAAGATTCCCAAATCCAAAGACATTTCACGTTTATGGTGATTTCCCAGAACACATAGCGACATGCAAATATGAATTGTCCAG-3’
材料および方法
オリゴデオキシリボヌクレオチド(ODN)およびプライマー
ユニバーサル鋳型。内部自己相補性に起因して、ユニバーサル鋳型は、遺伝子合成によって作出され得ず、その代わりに2組のペアの相補的オリゴデオキシリボヌクレオチドから組み立てられた(IDT、Skokie、IL)(図S1A、B):オリゴUT1:
Figure 2022546302000003
;オリゴUT2:5’P-GGACAATTCATATTTGCATGTCGCTATGTGTTCTGGGAAATCACCATAAACGTGAAATGTCTTTGGATTTGGGAATCTTATAAGTTCTGTATGAGAGCACAGAAAAATCTTCTCAGTGAGCGCGA-3’;オリゴUT3:5’P-TTCTGGACAATTCATATTTGCATGTCGCTATGTGTTCTGGGAAATCACCATAAACGTGAAATGTCTTTGGATTTGGGAATCTTATAAGTTCTGTATGAGAGCACAGAAAAATCTTCTCAGTAGGCAAAG-3’;オリゴUT4:
Figure 2022546302000004
。太字:HindIIIおよびBamHI適合オーバーハング;下線:ダンベルループ形成テトラヌクレオチド。5’リン酸化オリゴUT2およびUT3を、それぞれ相補的オリゴUT1およびUT4とハイブリダイズさせた。結果として生じたUT1/UT2およびUT3/UT4二重鎖をライゲートして、HindIIIおよびBamHI適合5’オーバーハングを持するユニバーサル鋳型配列を形成し、その後それをpVax1(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)にクローニングし、ユニバーサル鋳型ベクターpVax1-UTを産出した(図S1B)。クローニングに関しては、本発明者らは、recA欠損大腸菌系統Top10を使用した。ユニバーサル鋳型のクローニングを、PCRによっておよびFastDigest BamHI/HindIII(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)エンドヌクレアーゼ的切断によって確認し、その後に、262bpの予想インサートサイズをもたらす分析的アガロースゲル電気泳動、およびライゲーション部位のシーケンシングが続いた(図S1C、D)。完全なユニバーサル鋳型のシーケンシングは、高度の自己相補性に起因して不成功に終わった。
ホタルルシフェラーゼまたはラミンA/C標的化shRNAを発現するダンベルを産生するためのプライマー。ルシフェラーゼまたはラミンA/C特異的プライマーは、AITbiotech(Singapore)またはIDT(Singapore)によって合成された。大文字はユニバーサル鋳型結合部位を示し、小文字はshRNAコード配列を示し、ループ形成ヌクレオチドに下線が引かれている:順方向プライマー:FP_ルシフェラーゼ5’-tgaaggctcctcagaaacagctcCGCGCTCACTGAGAAGATTT-3’;FP_ラミン5’-tgaaagcccagatcgtcaccacccgcCGCGCTCACTGAGAAGATTT-3’。逆方向プライマー:RP_ルシフェラーゼ5’-agagaggctcctcagaaacagctcTTTGCCTACTGAGAAGATTTTTCTGT-3’。RP_ラミン5’-agagaagcccagatcgtcaccaccttTTTGCCTACTGAGAAGATTTTTCTGT-3’。
ブロッキングODN:2種のブロッキングODN(IDT、Skokie、IL)をPCRに添加して、ユニバーサル鋳型鎖のリフォールディングおよび自己プライミングを抑制した。ブロック_1:
5’-GGACAATTCATATTTGCATGTCGCTATGTGTTCTGGGAAATCACCATAAACGTGAAATGTCTTTGGATTTGGGAATCTTATAAGTTCTGTATGAGAGCACAGAAAAATCTTCTCAGTGAGCGCGA-3’;ブロック_2:5’-TTCTGGACAATTCATATTTGCATGTCGCTATGTGTTCTGGGAAATCACCATAAACGTGAAATGTCTTTGGATTTGGGAATCTTATAAGTTCTGTATGAGAGCACAGAAAAATCTTCTCAGTAGGCAAAG-3’。
定量的逆転写PCR(RT-qPCR)のためのプライマー。ルシフェラーゼおよびβ-アクチンmRNAレベルを定量化するためのプライマーは、AITbiotech(Singapore)によって合成された。PCR順方向プライマー:qPCR_FP_ルシフェラーゼ5’-CGCTGGGCGTTAATCAAAGA-3’;qPCR_RP_β-アクチン5’-CTGGCACCCAGCACAATG-3’逆転写およびPCR逆方向プライマー:qPCR_RP_ルシフェラーゼ5’-GTGTTCGTCTTCGTCCCAGT-3’;qPCR_RP_β-アクチン5’-GCCGATCCACACGGAGTACT-3’。
プライマーリン酸化。鎖特異的ダンベルベクターの作出に関しては、順方向または逆方向プライマーのいずれかを5’-リン酸化した。各50pmolのプライマーを、1mM ATPの存在下で10U T4ポリヌクレオチドキナーゼ(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)とともに37℃で20分間インキュベートし、その後に75℃で10分間の酵素の熱不活性化が続いた。
ダンベルベクター作出
ダンベルベクターDNAのPCR増幅。ユニバーサル鋳型、およびshRNAコードDNAの付属物のPCR増幅を、1×Taq DNAポリメラーゼバッファー(Invitrogen)中30~50μlの反応容量で、1U Taq DNAポリメラーゼ(Invitrogen)、1.0μMの各プライマーおよびブロッキングODN、0.2mMの各dNTP(Invitrogen)、100ngのHindIII/BamHI切断pVax1-UT、5%v/v DMSO(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)を使用して行った。pVax1-UTの線形化は、通常PCR収率を向上させるが、必須ではない。熱サイクルを以下のとおり行った:96℃で5分間の初回変性;27サイクルの変性(95℃、30秒間)、アニーリング(59℃、30秒間)、および伸長(72℃、1分間);ならびに72℃で10分間の最終伸長。50μlのPCR反応により、約10μgのDNAが産出された。
鎖分離およびアニーリング。PCR産物を、シリカ膜ベースのスピンカラム(QIAquick PCR精製キット、Qiagen、Hilden、Germany)を通して精製した。精製された産物を、1×ハイブリダイゼーションバッファー(1M NaCl、100mM MgCl、および200mM Tris-HCl、pH7.4)中400μlに希釈し、96℃で5分間熱変性させ、その後に室温への漸進的冷却が続いて、プラスおよび/またはマイナス鎖ダンベルベクターの分子内フォールディングを可能にした。結果として生じたDNAを、エタノール沈殿を使用して濃縮し、遠心分離によってペレットにし、ヌクレアーゼフリー水に再懸濁した。
一本鎖ループDNAのライゲーション。1~6μg(約10~60pmol)のDNAを、1×CircLigaseII反応バッファー中、2.5mM MnCl、1Mベタイン(Sigma、St.Louis、MO)、および50~100U CircLigaseII(Epicenter、Madison、WI)とともに60℃で16時間インキュベートし、その後に80℃で10分間のリガーゼの熱不活性化が続いた。6μg DNAと100U CircLigaseとをライゲートした場合に、最も高い変換収率が観察された。
エキソヌクレアーゼ処理。ライゲーションの後、産物を10UのT7 DNAポリメラーゼ(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)を用いて37℃で1時間処理し、その後に80℃で10分間の熱不活性化が続いた。産物を10%ネイティブポリアクリルアミドゲルまたは1%アガロースゲルで査定し、電気泳動後にエチジウムブロマイドで染色し、かつ/またはフェノール-クロロホルム-イソアミルアルコール(25:24:1)抽出(1×)、クロロホルム-イソアミルアルコール(24:1)再抽出(3×)、およびエタノール沈殿を使用して精製した。
標的遺伝子ノックダウンアッセイ
ルシフェラーゼノックダウンアッセイ。HEK293T細胞を、10%(v/v)ウシ胎仔血清(Hyclone、South Logan、UT)および1%ペニシリン-ストレプトマイシン抗生物質溶液(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)を補足したダルベッコ改変イーグル培地(Hyclone、South Logan、UT)中で維持した。トランスフェクションの24時間前に、2×10個細胞/ウェルを96ウェルプレートに播種した。細胞に、Lipofectamin 2000(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)および1:2.5の試薬:DNA比を使用して、100ngのルシフェラーゼ発現プラスミドpGL3(Promega、Madison、WI)および1.5pmolまたは0.5pmolのプラスまたはマイナス鎖ダンベルベクターDNAのいずれかを共トランスフェクトした。陽性対照(pGL3のみ)に関しては、空のpVax1(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)をフィーダーDNAとして使用して、すべての細胞が同量のDNAを受けることを確保した。トランスフェクションの48時間後、細胞を無菌PBSで洗浄し、穏やかな振とうを採用して20μl passive lysisバッファー(Promega、Madison、WI)中で20分間溶解した。10μlの溶解物を50μlのLARII試薬(Promega、Madison、WI)で処理し、発光をBiotekリーダー(Biotek Instruments、Winooski、VT)で定量化した。
細胞内蛍光活性化細胞選別(FACS)によるラミンA/Cノックダウンのモニタリング。上記されるように、HEK293T細胞を培養し、トランスフェクションの24時間前に96ウェルプレートに播種した。細胞に、メーカーのプロトコールに従ってLipofectamine 3000(Thermo Fisher Scientific、Waltham、MA)を使用して、0.1、0.5、もしくは2.5pmolのダンベルベクターDNAまたは3pmolのsiGENOMELamin A/C対照siRNA(Dharmacon、Lafayette、CO)をトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後に培地を変え、48時間後に細胞を収穫した。FACS分析に関しては、培地を吸引し、細胞を、50μlの1×トリプシン-EDTA(Gibco)を用いたトリプシン処理の前にPBSで1回リンスした。トリプシン処理された細胞を、4200rpmで6分間の遠心分離によって200μl培地中に回収した。ペレットになった細胞を100μL培地に再懸濁し、細胞内染色の前に、メーカーのプロトコールに従ってIntracellular Fixation and Permeabilization Buffer Set(eBioscience、San Diego、CA)を用いて固定しかつ透過処理した。ラミンA/Cノックダウンを査定するために、細胞ラミンA/Cを抗ラミンA+C抗体(ab133256)(1/200)およびロバ抗ウサギIgG H&L AF647(ab150075)(1/200)(Abcam、Cambridge、UK)によって染色した。FACSをLSRFortessa細胞アナライザーで実施し、FACSDivaソフトウェアv6.1.3(BD Biosciences、San Jose、CA)をサンプルの取得に使用した。FlowJoソフトウェアV10.5.2(Tree Star、Ashland、OR)をデータ分析に使用した。
コンピューターによる二次構造予測
DNAおよびRNAの最小自由エネルギー二次構造を、mfoldおよび/またはRNAfoldアルゴリズムを使用してフォールドした17、18
統計分析
図表は、3回の独立した実験の平均値±SEMを表す。テューキーの事後多重比較検定とともに反復一元配置ANOVAを使用して(ルシフェラーゼノックダウンデータ)またはスチューデントt検定を使用して(ラミンA/Cノックダウンデータ)、統計分析を実施した。GraphPad Prismバージョン7ソフトウェア(GraphPad、La Jolla、CA)を統計分析に使用した。P値は示されるとおりである。
例:
ダンベル型ベクターを作出するための、ユニバーサル鋳型支援によるクローニング-およびエンドヌクレアーゼフリーの方法
最先端のプロトコールにおいて、あらゆる新しいダンベルベクターの作出は、プラスミドベクター内のダンベルに取り入れられるべき対象の配列を個々にクローニングすることから始まる。本発明の方法は、プロモーター、エンハンサー、DNA核局在化シグナル、イントロン、転写ターミネーター、RNA核エクスポートシグナル、WPRE、またはその他等の調節配列を含む1種のユニバーサル鋳型のみを調製することを要する。次いで、対象の配列は、化学合成されたPCRプライマーにより導入され、さらなるクローニングもエンドヌクレアーゼも要されない(図1~7)。そのように作出されたダンベルは、分子デコイまたは発現ベクターとして機能し得る。発現ベクターは、shRNA、pre-miRNA、miRNA、アプタマー、アンチセンスRNA、およびアンチセンスmiRNAを含めたノンコーディングRNAを発現し得(図1~4、6、7)、かつ/またはペプチドもしくはタンパク質コードRNAを発現し得る(図5~7)。shRNAおよびpre-miRNA等のヘアピン構造RNAに対する発現カセットは、ヘアピン鋳型転写発現カセットとして設計され得、発現カセットは、転写されたRNAのヘアピン構造に似ている。これらのベクターにおいて、冗長な配列は排除され、転写は、ダンベルループの1つを周回する。ヘアピン鋳型転写ダンベルベクターは、本発明の方法を使用して作出され得る(図1~5)。
新しい方法は、shRNA発現に関しては、(i)最小H1プロモーター15、(ii)ポリメラーゼIII転写ターミネーター(T)、および(iii)hsa-miR-30前駆体ステム、の逆位リピートを含む、ユニバーサルDNA鋳型のPCR増幅に基づく(図8A)。hsa-mir-30ステムは、shRNAプロセシングを促すことが報告され、ダンベルベクター設計に上手く取り入れられている13、16。いったん作出されると、ユニバーサル鋳型は、任意のshRNA発現ダンベルベクターのクローニングフリーの作出に使用され得る。それぞれの小型RNAの発現をコードする配列を、PCRプライマーによってPCRの間に導入する(ステップ1)。PCRプライマーの小型RNA特異的5’部分に関係なく、それらはすべて同じ3’末端標的結合部位を持ち、それは並列化PCR増幅を促す。ユニバーサルDNA鋳型の両鎖は高度の自己相補性を有し、その増幅を向上させるために、ブロッキングオリゴをPCR反応に添加して、変性したDNAの分子内リフォールディングを抑制しかつプライマー結合を支持する。結果として生じた二本鎖PCR産物の2本のDNA鎖(+および-)のそれぞれは、希釈、熱変性、および分子内リフォールディングの後に、ぶら下がった5’および3’端を有する開いたダンベル足場を産出する(ステップ2)。次いで、これらの端を、一本鎖DNA(ssDNA)リガーゼを使用してライゲートする(ステップ3)。5’または3’端を持つすべてのDNA分子を、エキソヌクレアーゼ消化によって除去し、混じりけがない共有結合的に閉じたダンベルベクターを産出する(ステップ4)。1種または2種の5’-リン酸化PCRプライマーのいずれかを使用するという決定をすると、プラス鎖、マイナス鎖、または両鎖によりダンベルベクターが産生される。
ユニバーサル鋳型の作出は、高度の自己相補性に起因して困難であり、遺伝子合成によってユニバーサル鋳型を作出するすべての試みが失敗した。その代わりに、ユニバーサル鋳型を、2組のペアの相補的オリゴデオキシリボヌクレオチド(オリゴ)から組み立て、自己相補的配列部分を互いから分離した(図8A~C)。相補的オリゴのペアをアニールさせ、それぞれは1つの相補的3’オーバーハングおよびHindIIIまたはBamHI 5’オーバーハングのいずれかを形成した。次いで、アニールしたオリゴのペアを、粘着性3’端を使用してまずライゲートし、ゲル精製し、HindIIIおよびBamHIクローニングサイトを使用してクローニングベクターpVax1に挿入し、ユニバーサル鋳型ベクターpVax1-UTを産出した。ユニバーサル鋳型のクローニングの成功を、分析的制限エンドヌクレアーゼ切断およびその後のフラグメントのゲル電気泳動によって、ならびにシーケンシングによって証明した。HindIII/BamHI二重消化により262bpの予想インサートサイズが産出され;完全なインサートのシーケンシングは、インサート自己相補性に起因して不成功であったが、クローニング部位はシーケンシングされ得た(図8D、E)。
次に、本発明者らは、公開されたホタルルシフェラーゼ標的化shRNAをコードする配列を導入するプライマーを使用して、ユニバーサル鋳型をPCR増幅することを目指した。しかしながら、ユニバーサル鋳型の固有の自己相補性は、従来のPCR増幅を妨げており、それは、予想サイズのいかなる産物も産出しなかった。産物は、2種の長いブロッキングオリゴをPCR反応に添加した後に観察された(図9A)。これらのブロッキングオリゴを、それらが、ユニバーサル鋳型のプラスまたはマイナス鎖のそれぞれの5’半分に相補的であり、ゆえに分子内鎖リフォールディングを抑制し、鋳型DNAの3’末端へのプライマー結合を促すように設計した(図2)。ブロッキングオリゴはユニバーサル鋳型配列に結合するため、それらは、このダンベル作出プロトコールの不変の標的-およびshRNA非依存的構成要素である。得られたPCR産物は、サイズが二本鎖ユニバーサル鋳型(303bp)およびリフォールドした一本鎖(146bp)に相当した。PCR反応への5%(v/v)DMSOの添加により、プライマー結合および伸長が一本鎖リフォールディングとより上手く競合したことから、より多くのより大きな産物を産出し、より効率的な増幅を示した(図9B)。次いで、精製されたPCR産物の熱変性およびリフォールディングにより、より多くのヘアピン構造一本鎖が産出された(図9C、レーン2)。予想どおり、ssDNAライゲーション(レーン3)および後続のエキソヌクレアーゼ消化(レーン4)は、5’-リン酸化プライマーをPCRに使用した場合にのみ、エキソヌクレアーゼ耐性ダンベルベクターDNAを産出した(図9C)。
5’-リン酸化順方向プライマー、5’-リン酸化逆方向プライマー、または2種のリン酸化プライマーのいずれかをPCRに使用する決定をすると、(i)プラス鎖由来ダンベル、または(ii)マイナス鎖由来ダンベル、または(iii)両方のミックスが作出され得る(図2および10)。プラスおよびマイナス鎖由来ダンベルのミックスを得るために、PCRプライマーまたはこれに代えてPCR産物の5’端がリン酸化されるかどうかは違いを生じさせない(図11)。この例において、プラスおよびマイナス鎖由来ダンベルならびに発現したshRNAは非常に類似しているが、それらは、ループにおけるおよびhsa-miR-30ステムにおける配列および構造に関して異なることから同一ではない(図12Aおよび10)。miRNAステム領域における非対称性は、部分的にミスマッチのmiRNA前駆体RNAの正しい転写は、ヘアピン鋳型転写ダンベルが、相当するミスマッチも持つ場合にのみ達成され得るという事実によるものである。その結果として、プラス鎖由来ダンベルのみが、元のmiR-30ステムを有して伸長したshRNAを発現する(図12A)。マイナス鎖由来ダンベルから発現されるshRNAは、miR-30のアンチセンス配列によって形成されるmiR様ステムを有して伸長され、プラス鎖由来shRNAにおけるループの逆相補体であるループを担持する。観察された変換収率、すなわちライゲーションに成功しかつ後続のエキソヌクレアーゼ処理に耐性である、リフォールドした146bpのダンベルベクターDNAの画分は、プラスまたはマイナス鎖由来ルシフェラーゼ標的化ダンベルの産生に対して34%または28%であることが測定された(図13)。1種のPCRプライマーのみが、これらのダンベルの作出のためにリン酸化されること、およびその結果として、リフォールドしたDNAの半分のみが理論的にライゲートされ得ることを考慮した場合には、ライゲート可能なプラスまたはマイナス鎖由来ダンベルDNAの実際の変換収率は68%または56%である。これらの反応において、本発明者らは、100UのCircLigaseを使用して6μgのDNAをライゲートした。
リン酸化された順方向または逆方向プライマーのいずれかを使用した上記プロトコールを採用して、本発明者らは、プラスおよびマイナス鎖由来ルシフェラーゼ-またはラミンA/C標的化ダンベルの両方を別個の反応において作出した(図12および14)。エキソヌクレアーゼ処理後のベクターの純度を、アガロースゲル電気泳動を使用して制御した(図15A)。付加的なキャピラリーゲル電気泳動により、マイナス鎖由来ラミンA/C標的化ダンベルの純度は83%であることが判定された(図15B)。ダンベルベクターにより誘発されるルシフェラーゼノックダウンを測定するために、HEK293T細胞に、Lipofectamine 2000を使用して、ルシフェラーゼ発現ベクターpGL3-Controlおよび0.5または1.5pmolのプラスまたはマイナス鎖由来ダンベルベクターDNAを共トランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後、ホタルルシフェラーゼmRNAおよび活性レベルを、pGL3-Controlベクターに対して定量化した(図12C、D)。両方のダンベルとも有意な用量依存的ルシフェラーゼノックダウンを誘発し、それは驚くべきことに、マイナス鎖由来ダンベルベクターの場合においてより顕著であり、非天然miR様ステムが機能的であることを示した。それぞれpGL3陽性対照と比べて、プラス鎖由来ダンベルによって誘発されたノックダウンは、1.5または0.5pmolベクターDNAで85%(p<0.001)または50%(p<0.001)であり、マイナス鎖由来ダンベルは、1.5または0.5pmol DNAで97%(p<0.001)または75%(p<0.001)のノックダウンを誘発した。ラミンA/Cのノックダウンを検討するために、HEK293T細胞に、Lipofectamine 3000を使用して、0.1、0.5、もしくは2.5pmolのプラスもしくはマイナス鎖由来ダンベルベクターDNA、またはこれに代えて3pmol siGENOMELamin A/C陽性対照siRNA、または0.5pmolルシフェラーゼ標的化ダンベル対照ベクターDNA(プラスおよびマイナス鎖由来ダンベルの1:1ミックス)をトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後、細胞内ラミンA/Cを、ウサギ抗ラミンA+C一次抗体およびロバ抗ウサギIgG H&L AF647二次抗体を使用して染色し、ラミンA/Cノックダウンをフローサイトメトリー分析によってモニターした(図14、16)。プラス鎖由来ダンベルは、2.5または0.5pmol DNAで有意な用量依存的ラミンA/Cノックダウンを誘発した一方で、マイナス鎖由来ダンベルに関して観察されたノックダウンはそれほど顕著ではなかった。
本明細書に記載されるプロトコールは、ダンベルベクター産生のための以前に報告されたプロトコールのすべての利点を組み合わせている。それは、(ii)いかなる制限またはニッキングエンドヌクレアーゼも伴わない(i)クローニングフリーのプロトコールであり、それは、(iii)効率的な分子内ライゲーション反応を採用し、それは(iv)極めて小型のヘアピン鋳型転写ダンベルベクターの産生を可能にする。以前に記載されたギャッププライマーPCRプロトコールも分子内ライゲーションを伴うが、あらゆる新しいベクターの作出にクローニングステップを要し、脱塩基配列箇所の存在に起因してヘアピン鋳型転写ベクターを作出するのに適さない14。逆に、Jiangらによって記載される方法は、ヘアピン鋳型転写ダンベルを産生するのに適しているが、制限およびニッキングエンドヌクレアーゼを要し、あまり効率的でない分子間ライゲーション反応を伴う9、13。本明細書に報告されるプロトコールに使用されるPCRプライマーは、常に、同じ3’末端鋳型結合部位、ならびに、それぞれの小型RNAに依存しかつそれによって変化するが、各それぞれのプライマーペア内でかなりの程度まで同一である5’末端配列を持つ。それゆえ、プライマーアニーリング温度は常に同じであり、プライマーダイマー形成は広範囲にわたって除外され得、その両方とも、単一のサイクルプログラムを使用した並列化PCR反応を促す。後続のライゲーション反応は、分子間ループライゲーションを伴う代替プロトコールと比較して概してより効率的である分子内ライゲーションである。当然の結果として、本方法に関して観察される変換収率は、分子間ライゲーション反応を採用するプロトコールに関して報告されるものよりも高い。ギャッププライマーPCR法に関しては、二本鎖でニックの入ったダンベルDNAをT4 DNAリガーゼを使用してライゲートした場合、最高92%というより高い変換収率が観察された;しかしながら、ぶら下がった一本鎖5’端と塩基対合した3’端とをCircLigaseを使用してライゲートした場合、75%というほんのわずかに高い変換収率が、ギャッププライマーPCR法に関して観察された。本明細書に記載される方法を用いて産生されるダンベルDNAの純度は、ギャッププライマーPCR法を用いて産生されるベクターの82%~94%の純度域内であった。将来の前臨床および臨床適用には、付加的な精製ステップが要されるであろう。
本発明者らは、この新しい方法が、部分的にミスマッチのshRNA発現ダンベルベクターを作出し得るという原理証明を実証し、該技術はmiRNA発現ダンベルの作出をも探求され得ることを示す。ダンベルベクターにおけるミスマッチは以前に報告され、ベクター活性を損なわないことが実証された13。それどころか、末端の単一ヌクレオチドミスマッチは、ダンベル型発現ベクターの核標的化および活性を向上させることが見出された14
本発明者らは、ルシフェラーゼ-またはラミンA/C標的化ダンベルの中で、マイナスまたはプラス鎖由来ダンベルが、それぞれより強い標的遺伝子ノックダウン活性を呈することを観察した。この違いは、shRNAループおよびステムの配列および構造に依存するダイサーによる内因性shRNAプロセシングの効率および精度に関する違いに起因し得る。miRNAステムは、ほとんどの場合においてshRNAプロセシングおよびノックダウン活性を促すことが報告されたことから16、本明細書において、本発明者らはhsa-miR-30ステムを採用した。その結果として、それぞれのプラスおよびマイナス鎖由来ダンベルは、同一のガイド配列をコードするにもかからわらず、転写された小型ヘアピンRNAは、上で強調されるように、異なるマイクロRNAステムおよび異なるループを含む。それゆえ、ダイサープロセシングの違いは、異なるガイドRNAレベルならびに/またはガイドRNA配列の正確な5’および3’終結に関する違いにつながり得る。これらの違いは、標的配列ならびに相当するガイドRNA配列および構造に応じて、プラスまたはマイナス鎖由来ダンベルのいずれかが、より強い標的遺伝子ノックダウンを誘発するという観察結果を説明し得る。しかしながら、miRNAステムの内包を見送った場合、および回文型ループ配列を同時に考慮した場合、プラスおよびマイナス鎖由来ダンベルの両方は同一であると考えられ、単一の反応により、単一のベクターのみが作出される。
結論として、この新規の方法は、短期間にかつ低コストで、サイズ最小化ヘアピン鋳型転写ダンベルを効率的に作出し、機能的ゲノムスクリーニングまたは薬物開発のためのshRNAまたはmiRNA発現ベクターの並列化産生を探求できる。
参考文献
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Claims (41)

  1. ヘアピン構造発現カセットを含むダンベル型ベクターを作出するためのクローニングフリーでかつエンドヌクレアーゼフリーの方法であって、
    i)2つの相補的配列セグメントを含む標的核酸分子を含む一本鎖核酸鋳型を含む調製物を用意するステップであって、各セグメントは転写プロモーター配列を含みかつ転写ターミネーターをさらに含み、前記2つの相補的配列セグメントは、第3の配列セグメントによって分離されている、ステップ;
    ii)前記一本鎖核酸鋳型がステムを付加的に含む調製物を用意するステップ;
    iii)前記一本鎖核酸鋳型を、前記一本鎖核酸鋳型の3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、3’-ヒドロキシル基を含み、かつ標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第1のオリゴヌクレオチドプライマーと接触させ、ただし、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、ヘアピン構造RNAの3’アームをコードする配列を含み、およびさらに、前記一本鎖核酸鋳型を、前記一本鎖核酸鋳型の5’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的である第1のブロッキングオリゴヌクレオチドと接触させるステップ;
    iv)ポリメラーゼ連鎖反応構成要素を用意して、3’アニールした第1のオリゴヌクレオチドプライマーをプライマー伸長させるステップ;
    v)前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーを、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、3’-ヒドロキシル基を含み、かつ標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第2のオリゴヌクレオチドプライマーと接触させ、ただし、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、ヘアピン構造RNAの3’アームをコードする配列を含み、およびさらに、前記一本鎖核酸鋳型を、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの5’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的である第2のブロッキングオリゴヌクレオチドと接触させるステップ;
    vi)ポリメラーゼ連鎖により鋳型を増幅して鋳型DNAのプールを合成し、前記鋳型をアニールさせて、プラス鎖およびマイナス鎖の5’ヌクレオチド配列にヘアピン構造RNAの3’アームをコードする配列を含み、かつプラス鎖およびマイナス鎖の3’ヌクレオチド配列にヘアピン構造RNAの5’アームをコードする配列を含む二本鎖核酸を創出するステップ;
    vii)前記二本鎖核酸を熱変性させ、次いで冷却して、結果として生じるプラス鎖およびマイナス鎖DNAの分子内リフォールディングを可能にして、プラスまたはマイナス鎖DNAから構成される予形成オリゴマーステム-ループ構造を創出するステップ;
    viii)プラス鎖およびマイナス鎖DNAの前記予形成オリゴマーループ構造を、一本鎖特異的DNAリガーゼとを接触させて、末端5’-リン酸化5’オーバーハングを、分子内ライゲーションにおいて同じDNA鎖の3’オーバーハングの末端3’-OH基に連結させて、ヘアピン構造RNAの転写のためのヘアピン構造鋳型DNAを含む共有結合的に閉じたプラス鎖由来およびマイナス鎖由来ダンベル型ベクターDNAを創出するステップ;
    ix)前記ダンベル型ベクターDNAをDNAエキソヌクレアーゼと接触させて、すべてのプライマー、ならびに5’および3’端を持つ共有結合的に閉じていないDNAを除去するステップ
    を含む、方法。
  2. 発現カセットを含むダンベル型ベクターを作出するためのクローニングフリーでかつ制限エンドヌクレアーゼフリーの方法であって、
    i)2つの相補的配列セグメントを含む標的核酸分子を含む一本鎖核酸鋳型を含む調製物を用意するステップであって、各セグメントは転写プロモーター配列を含みかつ転写ターミネーターをさらに含み、前記2つの相補的配列セグメントは、第3の配列セグメントによって分離されている、ステップ;
    ii)前記一本鎖核酸鋳型がステムを付加的に含む調製物を用意するステップ;
    iii)前記一本鎖核酸鋳型を、前記一本鎖核酸鋳型の3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、3’-ヒドロキシル基を含み、かつ標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第1のオリゴヌクレオチドプライマーと接触させ、さらに、前記一本鎖核酸を、前記一本鎖核酸鋳型の5’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的である、1種、2種、3種またはそれを上回る種類のオリゴヌクレオチドを含むブロッキングオリゴヌクレオチドの第1のセットと接触させるステップ;
    iv)ポリメラーゼ連鎖反応構成要素を用意して、3’アニールした第1のオリゴヌクレオチドプライマーをプライマー伸長させるステップ;
    v)前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーを、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、3’-ヒドロキシル基を含み、かつ標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第2のオリゴヌクレオチドプライマーと接触させ、さらに、前記一本鎖核酸鋳型を、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの5’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的である、1種、2種、3種またはそれを上回る種類のオリゴヌクレオチドを含むブロッキングオリゴヌクレオチドの第2のセットと接触させるステップ;
    vi)ポリメラーゼ連鎖により鋳型を増幅して、伸長したオリゴヌクレオチドプライマーのプールを合成する(ならびに、前記鋳型をアニールさせて、プラス鎖およびマイナス鎖の5’ヌクレオチド配列にヘアピン構造RNAの3’アームをコードする配列を含み、かつプラス鎖およびマイナス鎖の3’ヌクレオチド配列にヘアピン構造RNAの5’アームをコードする配列を含む二本鎖核酸を創出する)ステップ;
    vii)伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの前記プールを、前記第1のオリゴヌクレオチドプライマーによって伸長されたオリゴヌクレオチドプライマーの3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、3’ヒドロキシル基を含み、かつ前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーに相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第3のオリゴヌクレオチドプライマーと接触させ、さらに、伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの前記プールを、前記第2のオリゴヌクレオチドプライマーによって伸長されたオリゴヌクレオチドプライマーの3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、3’ヒドロキシル基を含み、かつ前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーに相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第4のオリゴヌクレオチドプライマーと接触させ、さらに、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーを、ブロッキングオリゴヌクレオチドの前記第1および第2のセットと接触させるステップ;
    viii)オリゴヌクレオチドプライマーの第5および第6、第7および第8、またはそれを上回るペアを使用して、ステップiv)およびvii)を繰り返すステップであって、プライマーの最終セットは、3’ヒドロキシル基および5’ホスフェート基を含む、ステップ;
    ix)ポリメラーゼ連鎖により鋳型を増幅して、伸長したオリゴヌクレオチドプライマーのプールを合成し、前記鋳型をアニールさせて、プラス鎖およびマイナス鎖の5’ヌクレオチド配列にヘアピン構造RNAの3’アームをコードする配列を含み、かつプラス鎖およびマイナス鎖の3’ヌクレオチド配列にヘアピン構造RNAの5’アームをコードする配列を含む二本鎖核酸を創出するステップ;
    x)前記二本鎖核酸を熱変性させ、次いで冷却して、結果として生じるプラス鎖およびマイナス鎖DNAの分子内リフォールディングを可能にして、プラスまたはマイナス鎖DNAから構成される予形成オリゴマーステム-ループ構造を創出するステップ;
    xi)プラス鎖およびマイナス鎖DNAの前記予形成オリゴマーループ構造を一本鎖特異的DNAリガーゼと接触させて、末端5’-リン酸化5’オーバーハングを、分子内ライゲーションにおいて同じDNA鎖の3’オーバーハングの末端3’-OH基に連結させて、ヘアピン構造RNAの転写のためのヘアピン構造鋳型DNAを含む共有結合的に閉じたプラス鎖由来およびマイナス鎖由来ダンベル型ベクターDNAを創出するステップ;
    xii)前記ダンベル型ベクターDNAをDNAエキソヌクレアーゼと接触させて、すべてのプライマー、ならびに5’および3’端を持つ共有結合的に閉じていないDNAを除去するステップ
    を含む、方法。
  3. 2つの発現カセットを含むダンベル型二重発現ベクターを作出するためのクローニングフリーでかつ制限エンドヌクレアーゼフリーの方法であって、前記ベクターは、
    i)5’末端配列に第1の転写プロモーターの逆相補体および3’末端配列に第2の転写ターミネーターの配列を含む標的核酸分子を含む、第1の一本鎖核酸鋳型を含む調製物を用意するステップ;
    ii)前記第1の一本鎖核酸鋳型を、前記一本鎖核酸鋳型の3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、5’-ホスフェートおよび3’-ヒドロキシル基を含み、かつ標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第1のオリゴヌクレオチドプライマーと接触させるステップであって、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、転写されるべき対象の第1の配列を含み、かつ第1の転写ターミネーターの逆相補配列をさらに含み、かつ標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列の伸長を阻止する改変ヌクレオチド配列をさらに含む、ステップ;
    iii)ポリメラーゼ連鎖反応構成要素、および3’アニールしたオリゴヌクレオチドプライマーを伸長させるプライマーを用意して、第2の鋳型を形成するステップ;
    iv)前記第2の鋳型を、前記第2の鋳型の3’末端ヌクレオチド配列の少なくとも一部分に相補的であり、5’-ホスフェートおよび3’-ヒドロキシル基を含み、かつ第2の鋳型に相補的でない5’ヌクレオチド配列をさらに含む第2のオリゴヌクレオチドプライマーと接触させるステップであって、前記オリゴヌクレオチドプライマーは、転写されるべき対象の第2の配列を含み、かつ第2の転写ターミネーターの逆相補配列をさらに含み、かつ第2の鋳型に相補的でない5’ヌクレオチド配列の伸長を阻止する改変ヌクレオチド配列をさらに含む、ステップ;
    v)ポリメラーゼ連鎖反応構成要素、および3’アニールしたオリゴヌクレオチドプライマーを伸長させるプライマーを用意して、二本鎖核酸を形成するステップ;
    vi)ポリメラーゼ連鎖により二本鎖核酸を増幅して鋳型DNAのプールを合成し、前記鋳型をアニールさせて、標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列を含む二本鎖核酸を創出するステップ;ならびに
    vii)アニールした鋳型核酸を5DNAリガーゼと接触させて、非相補的5’ヌクレオチド配列の末端5’-ホスフェートを、前記増幅した鋳型核酸の3’-OHに連結させて、末端ループ構造を創出するステップ
    を含む、方法。
  4. 前記転写プロモーターがRNAポリメラーゼIIIプロモーターに由来する、請求項1~3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 前記RNAポリメラーゼIIIプロモーターが、
    i)U6プロモーター;または
    ii)H1プロモーター;または
    iii)逆位ポリメラーゼIII転写ターミネーターを含む最小H1プロモーター
    である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記転写プロモーターがRNAポリメラーゼIIプロモーターに由来する、請求項1~5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 前記RNAポリメラーゼIIプロモーターがCMVプロモーターである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記転写ターミネーターヌクレオチド配列が、RNAポリメラーゼIIまたはRNAポリメラーゼIII終結配列である、請求項1~7のいずれか一つに記載の方法。
  9. 前記RNAポリメラーゼIII終結配列が、ヌクレオチド配列TTTTTを含む1つまたは複数のモチーフを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記ステムが、
    i)人工配列;または
    ii)マイクロRNAステム;または
    iii)マイクロRNA-30ステム
    に由来する、請求項1~9のいずれか一つに記載の方法。
  11. 前記第3の配列セグメントが、
    i)オリゴマーDNA配列;または
    ii)四量体DNA配列;または
    iii)配列TTTTを含む
    に由来するオリゴマーDNA配列である、請求項1~10のいずれか一つに記載の方法。
  12. 前記ベクターが、転写されるべき核酸配列を含む、請求項1~11のいずれか一つに記載の方法。
  13. 前記転写されるべき核酸配列が治療用核酸分子である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記治療用分子が、siRNAまたはshRNA、miRNAまたはpre-miRNA、アンチセンスRNA、アンチセンスmiRNA、アプタマー、トランススプライシングRNA、ガイドRNA、一本鎖ガイドRNA、crRNAまたはtracrRNA、mRNAまたはpre-mRNAの群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記転写されるべき核酸配列が、治療用タンパク質またはペプチドをコードする、請求項12に記載の方法。
  16. 前記治療用タンパク質またはペプチドが、Cas9、Cas9n、hSpCas9、hSpCas9n、HSVtk、細胞死誘発タンパク質(cell death trigger protein)、コレラ毒素、ジフテリア毒素、アルファ毒素、炭疽菌5毒素、外毒素、百日咳毒素、志賀毒素、志賀様毒素、Fas、TNF、カスパーゼ、イニシエーターカスパーゼであるカスパーゼ2、8、9、10、11、12、およびエフェクターカスパーゼであるカスパーゼ3、6、7、ならびにプリンヌクレオシドホスホリラーゼの群から選択される、請求項13に記載の方法。
  17. 前記第1および前記第2のオリゴヌクレオチドプライマーが5’ホスフェートを含む、請求項1~16のいずれか一つに記載の方法。
  18. 前記ヘアピン構造RNA配列が、小型ヘアピンRNAまたはマイクロRNA前駆体である、請求項1~17のいずれか一つに記載の方法。
  19. 前記ブロッキングオリゴヌクレオチドが、前記一本鎖核酸鋳型または前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーの完全な5’末端ヌクレオチド配列の半分に相補的である、請求項1~18のいずれか一つに記載の方法。
  20. 前記ブロッキングオリゴヌクレオチドが、配列番号9および配列番号10に記載されるヌクレオチド配列を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記熱変性が96℃で5分間のインキュベーションを含む、請求項1~20のいずれか一つに記載の方法。
  22. 前記冷却が96℃から室温への漸進的冷却を含む、請求項1~21のいずれか一つに記載の方法。
  23. 前記DNAリガーゼが、一本鎖特異的または二本鎖特異的DNAリガーゼである、請求項1~22のいずれか一つに記載の方法。
  24. 前記一本鎖特異的DNAリガーゼがCircLigaseである、請求項1~23のいずれか一つに記載の方法。
  25. 前記エキソヌクレアーゼがT7 DNAポリメラーゼである、請求項1~24のいずれか一つに記載の方法。
  26. 前記第1および第2のオリゴヌクレオチドプライマーが、標的核酸分子に相補的でないそれらの5’ヌクレオチド配列に、翻訳スタートコドンの逆相補配列CATを含む、請求項1~25のいずれか一つに記載の方法。
  27. プライマーの前記最終セットのプライマーが、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーに相補的でないそれらの5’ヌクレオチド配列に、翻訳ストップコドンTAG、TAAまたはTGAの逆相補配列CTA、TTAまたはTCAを含む、請求項1~26のいずれか一つに記載の方法。
  28. プライマーの前記最終セットのプライマーが、前記伸長したオリゴヌクレオチドプライマーに相補的でないそれらの5’ヌクレオチド配列に、転写ターミネーターの逆相補配列を含む、請求項1~27のいずれか一つに記載の方法。
  29. 前記オリゴヌクレオチドプライマーが、前記標的核酸分子と非相補的であるが、ステムループ構造を形成するその長さの一部分にわたる内部相補性の領域を含むヌクレオチド配列を含む、請求項3~28のいずれか一つに記載の方法。
  30. 前記オリゴヌクレオチドプライマーが、その長さの一部分にわたる回文型ヌクレオチド配列を含む、請求項3~29のいずれか一つに記載の方法。
  31. 前記オリゴヌクレオチドプライマー改変が、前記プライマーにおける、DNAポリメラーゼによるプライマー伸長中に塩基対合のための鋳型として認識されない部位の内包である、請求項3~30のいずれか一つに記載の方法。
  32. 前記オリゴヌクレオチドプライマー改変が、前記プライマーにおける脱塩基部位の内包である、請求項3~31のいずれか一つに記載の方法。
  33. 前記脱塩基部位が、脱プリン/脱ピリミジン部位である、請求項3~32のいずれか一つに記載の方法。
  34. 前記脱プリン/脱ピリミジン部位がテトラヒドロフランを含む、請求項3~33のいずれか一つに記載の方法。
  35. 前記脱塩基部位が、少なくとも1つまたは少なくとも3つの脱プリン/脱ピリミジン部位を含む、請求項3~34のいずれか一つに記載の方法。
  36. 前記脱塩基部位が、前記一本鎖核酸鋳型の3’末端ヌクレオチド配列に相補的な領域と、標的核酸分子に相補的でない5’ヌクレオチド配列とを分離する、請求項3~35のいずれか一つに記載の方法。
  37. 前記オリゴヌクレオチドプライマーが、転写ターミネーターを含む非相補的ヌクレオチド配列を含む、請求項3~36のいずれか一つに記載の方法。
  38. ヒト対象から単離された初代細胞のトランスフェクションのための方法であって、
    i)トランスフェクトされるべき細胞を含む単離されたサンプルを用意するステップ;
    ii)前記単離された細胞サンプルを含む調製物を形成し、前記サンプルと請求項1~37のいずれか一つに記載の方法を使用して調製されたダンベル型ベクターとを接触させるステップ;
    iii)前記初代細胞サンプルへの前記ダンベル型ベクターの導入、および前記ベクターに含まれる核酸分子の持続的発現を可能にする形質転換条件を提供するステップ
    を含む、方法。
  39. 遺伝子療法から恩恵を受ける疾患に罹患した患者を治療するためのエクスビボ方法であって、
    i)トランスフェクトされるべき細胞を含む前記対象からサンプルを得るステップ;
    ii)請求項1~37のいずれか一つに記載の方法を使用して調製されたダンベル型ベクターを含む細胞培養調製物を形成し、前記細胞に前記ベクターをトランスフェクトする条件を提供するステップ;および
    iii)トランスフェクトされた細胞を前記対象に投与するステップ
    を含む、方法。
  40. 配列番号23に記載の核酸配列。
  41. 配列番号23に記載のヌクレオチド配列を含むDNAベクター。
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