JP2022544677A - 色中立透過太陽光発電のための方法及びシステム - Google Patents

色中立透過太陽光発電のための方法及びシステム Download PDF

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Abstract

本明細書中では、色中立可視光透過型光起電装置などの可視光透過型光起電装置が開示される。色中立可視光透過型光起電装置は、可視光透過型基板と、可視光透過型基板に結合される第1の可視光透過型電極とを含む。また、装置は、第2の可視光透過型電極と、第1の可視光透過型電極と第2の可視光透過型電極との間の可視光透過型光活性層とを含む。可視光透過型光活性層は、NIR光又はUV光の少なくとも一方を光電流に変換するように構成されるとともに、NIRスペクトル又はUVスペクトルにピークを有する吸収スペクトルによって特徴付けられる。装置は、可視スペクトルに第2のピークを有する第2の吸収スペクトルによって特徴付けられる可視光吸収材料を更に含み、第2の吸収スペクトルが吸収スペクトルに対して相補的である。【選択図】図9

Description

関連出願の相互参照
[0001]この出願は、「色中立透過太陽光発電のための方法及びシステム」と題される2019年8月16日に出願された米国仮特許出願第62/887,942号の優先権の利益を主張し、この出願の全体の内容はあらゆる目的のために参照により本願に組み入れられる。
[0002]家庭、高層ビル、自動車などの窓ガラスに組み込むことができる低コストで、可視光透過型又は半透明の有機光起電(OPV)装置を使用して、太陽エネルギー収穫のための表面積を大幅に増大させることができる。例えば、建物に照射された太陽エネルギーを建物で使用又は貯蔵することができる或いは電力網にフィードバックすることができる電気エネルギーに変換するとともに太陽エネルギーによる建物の加熱を低減するために、建物一体型光起電力(PV)技術を使用することができる。しかしながら、そのようなPV技術は、例えば、従来のPV電池に関連するコスト、不透明性、及び、審美的問題に起因して広く使用されてこなかった。
[0003]この出願は、一般に、光起電材料及び装置の分野に関し、より詳細には、色中立可視光透過率を有する可視光透過型(又は半透明)光起電材料及び装置に関する。
[0004]本明細書中に開示される技術は、一般に、透明又は半透明光起電材料及び装置などの光起電材料及び装置に関する。より具体的には、限定ではないが、本明細書中には、色中立可視光透過型(又は透明)太陽光発電のための材料の組み合わせ、及び、材料の組み合わせを組み込んだ色中立可視光透過型光起電装置及びシステムが開示される。材料、材料の組み合わせ、装置、システム、モジュール、方法などを含む様々な本発明の実施形態が本明細書中に記載されている。
[0005]本発明の概要は、以下で与えられる様々な例に関連して提供される。以下で使用されるように、一連の例への任意の言及は、それらの例のそれぞれへの言及として選言的に理解されるべきである(例えば、「例1-4」は、「例1、2、3又は4」と理解されるべきである)。
[0006]例1は、可視光透過型基板と、可視光透過型基板に結合される第1の可視光透過型電極と、第2の可視光透過型電極と、第1の可視光透過型電極と第2の可視光透過型電極との間の可視光透過型光活性層であって、近赤外(NIR)光又は紫外(UV)光のうちの少なくとも一方を光電流に変換するように構成され、NIRスペクトル又はUVスペクトルにピークを有する吸収スペクトルによって特徴付けられる、可視光透過型光活性層と、可視スペクトルに第2のピークを有する第2の吸収スペクトルによって特徴付けられる可視光吸収材料であって、第2の吸収スペクトルが吸収スペクトルに対して相補的である、可視光吸収材料とを備える可視光透過型光起電装置である。
[0007]例2は、可視光透過型光起電装置が、450nm~650nmの波長間で30%未満の透過率の絶対変動を有する、可視スペクトルにわたる平坦な透過プロファイルにより特徴付けられる、例1の可視光透過型光起電装置である。
[0008]例3は、透過率の絶対変動が10%未満である、例2の可視光透過型光起電装置である。
[0009]例4は、可視光透過型光起電装置が国際照明委員会(CIE)L*a*b*(CIELAB)色空間における-10~10の透過a*値及び透過b*値によって特徴付けられる、例1の可視光透過型光起電装置である。
[0010]例5は、可視光透過型光起電装置がCIELAB色空間における-5~5の透過a*値及び透過b*値によって特徴付けられる、例4の可視光透過型光起電装置である。
[0011]例6は、可視光透過型光起電装置が国際照明委員会(CIE)L*a*b*(CIELAB)色空間における負の透過a*値及び負の透過b*値によって特徴付けられる、例1の可視光透過型光起電装置である。
[0012]例7は、可視光透過型光起電装置が40%を超える平均可視光透過率(AVT)によって特徴付けられる、例1の可視光透過型光起電装置である。
[0013]例8は、可視光透過型光活性層がドナー材料及びアクセプタ材料を含む、例1の可視光透過型光起電装置である。
[0014]例9は、可視光吸収材料が可視光透過型光活性層に含まれる、例1の可視光透過型光起電装置である。
[0015]例10は、可視光吸収材料が可視光透過型光起電装置の光学層に含まれる、例1の可視光透過型光起電装置である。
[0016]例11は、可視光吸収材料が三次又は四次ブレンドの状態で光活性層とブレンドされる、例1の可視光透過型光起電装置である。
[0017]例12は、可視光吸収材料が第1の電極と光活性層との間に配置される、例1の可視光透過型光起電装置である。
[0018]例13は、可視光吸収材料が光活性層と第2の電極との間に配置される、例1の可視光透過型光起電装置である。
[0019]例14は、可視光吸収材料が第2の電極の上方に配置される、例1の可視光透過型光起電装置である。
[0020]例15は、可視スペクトルに第3のピークを有する第3の吸収スペクトルによって特徴付けられる第2の可視光吸収材料を更に備え、第3の吸収スペクトルが吸収スペクトル及び第2の吸収スペクトルに対して相補的であり、第1の可視光吸収材料が第1の電極と光活性層との間に配置され、第2の可視光吸収材料が光活性層と第2の電極との間に配置される、例1の可視光透過型光起電装置である。
[0021]例16は、可視スペクトルに第3のピークを有する第3の吸収スペクトルによって特徴付けられる第2の可視光吸収材料を更に備え、第3の吸収スペクトルが吸収スペクトル及び第2の吸収スペクトルに対して相補的であり、第1の可視光吸収材料が第1の電極と第2の電極との間に配置され、第2の可視光吸収材料が第2の電極の上方に配置される、例1の可視光透過型光起電装置である。
[0022]例17は、可視光吸収材料が第1の可視光透過型電極と第2の可視光透過型電極との間に配置される光活性二次、三次又は四次ブレンドに含まれる、例1の可視光透過型光起電装置である。
[0023]例18は、可視光透過型光起電装置を製造する方法において、可視光透過型基板を用意するステップと、可視光透過型基板に結合される第1の可視光透過型電極を形成するステップと、第2の可視光透過型電極を形成するステップと、第1の可視光透過型電極と第2の可視光透過型電極との間に可視光透過型光活性層を形成するステップであって、前記可視光透過型光活性層が、近赤外(NIR)光又は紫外(UV)光の少なくとも一方を光電流に変換するように構成されるとともに、NIRスペクトル又はUVスペクトルにピークを有する吸収スペクトルによって特徴付けられる、ステップと、可視スペクトルに第2のピークを有する第2の吸収スペクトルによって特徴付けられる可視光吸収材料を組み込むステップであって、第2の吸収スペクトルが吸収スペクトルに対して相補的である、ステップとを含む方法である。
[0024]例19は、可視光透過型光起電装置が、450nm~650nmの波長間で30%未満の透過率の絶対変動を有する、可視スペクトルにわたる平坦な透過プロファイルにより特徴付けられる、例18の方法である。
[0025]例20は、透過率の絶対変動が10%未満である、例19の方法である。
[0026]例21は、可視光透過型光起電装置が国際照明委員会(CIE)L*a*b*(CIELAB)色空間における-10~10の透過a*値及び透過b*値によって特徴付けられる、例18の方法である。
[0027]例22は、可視光透過型光起電装置がCIELAB色空間における-5~5の透過a*値及び透過b*値によって特徴付けられる、例21の方法である。
[0028]例23は、可視光透過型光起電装置が国際照明委員会(CIE)L*a*b*(CIELAB)色空間における負の透過a*値及び負の透過b*値によって特徴付けられる、例18の方法である。
[0029]例24は、可視光透過型光起電装置が25%を超える平均可視光透過率によって特徴付けられる、例18の方法である。
[0030]例25は、可視光透過型光活性層がドナー材料及びアクセプタ材料を含む、例18の方法である。
[0031]例26は、可視光吸収材料が可視光透過型光活性層に含まれる、例18の方法である。
[0032]例27は、可視光吸収材料が可視光透過型光起電装置の光学層に含まれる、例18の方法である。
[0033]例28は、ドナー材料の最高占有分子軌道(HOMO)準位がアクセプタ材料のHOMO準位以上であり、ドナー材料の最低非占有分子軌道(LUMO)準位がアクセプタ材料のLUMO準位以上である、例8の可視光透過型光起電装置である。
[0034]例29は、可視光吸収材料が、ドナー材料に隣接するとともに、ドナー材料のHOMO準位以上のHOMO準位によって特徴付けられる、例8の可視光透過型光起電装置である。
[0035]例30は、可視光吸収材料がドナー材料のLUMO準位よりも低いLUMO準位によって特徴付けられる、例29の可視光透過型光起電装置である。
[0036]例31は、可視光吸収材料が、アクセプタ材料に隣接するとともに、アクセプタ材料のLUMO準位以下のLUMO準位によって特徴付けられる、例8の可視光透過型光起電装置である。
[0037]例32は、可視光吸収材料がアクセプタ材料のHOMO準位よりも高いHOMO準位によって特徴付けられる、例31の可視光透過型光起電装置である。
[0038]例33は、ドナー材料に隣接するとともにドナー材料のHOMO準位以上のHOMO準位によって特徴付けられる第2の可視光吸収材料を更に備える、例31の可視光透過型光起電装置である。
[0039]例34は、ドナー材料とアクセプタ材料とが同じ層で混合される、例8の可視光透過型光起電装置である。
[0040]例35は、可視光吸収材料がドナー材料のHOMO準位以上のHOMO準位によって特徴付けられる、例34の可視光透過型光起電装置である。
[0041]例36は、可視光吸収材料がアクセプタ材料のLUMO準位よりも高いLUMO準位によって特徴付けられる、例35の可視光透過型光起電装置である。
[0042]例37は、可視光吸収材料がアクセプタ材料のLUMO準位以下のLUMO準位によって特徴付けられる、例34の可視光透過型光起電装置である。
[0043]例38は、可視光吸収材料がドナー材料のHOMO準位よりも低いHOMO準位によって特徴付けられる、例37の可視光透過型光起電装置である。
[0044]例39は、ドナー材料のHOMO準位よりも高いHOMO準位によって特徴付けられる第2の可視光吸収材料を更に備える、例37の可視光透過型光起電装置である。
[0045]従来技術に優る本開示に記載される技術を使用して、多くの利点が得られる。本開示の実施形態は、可視光をほぼ均一に透過又は半透過しつつ太陽光発電のために近赤外線及び/又は紫外線を吸収するための材料及び装置の組み合わせを提供する。好適には、これらの光学特性は、依然として可視光がほぼ均一に通過できるようにするとともに色歪みの低減を伴うことなく又は伴って観察者が光起電装置を通じて見ることができるようにしつつ、光起電装置内の太陽輻射から電気を生成できる能力をもたらす。
[0046]より具体的には、材料の組み合わせは、DC電圧及び電流を外部回路に与えるために、光の吸収によって電子-正孔対を分離するのに適した電子ドナー及び/又はアクセプタをもたらす光活性化合物を含む。好適には、開示された光活性材料の組み合わせは、可視光を透過する又は約450~約650nmなどの可視帯域の比較的少量の光しか吸収しないが約650nm~約1400nmなどの近赤外(NIR)帯域又は約280nm~約450nmなどの紫外(UV)帯域でより高い吸収強度を示すものを含む。
[0047]更に、材料の組み合わせは、NIR光及び/又はUV光吸収のための材料の組み合わされた可視光吸収性に対して相補的な可視光吸収性を有する材料を含むことができる。したがって、材料の組み合わせは、可視帯域において実質的に均一な吸収性(したがって均一な透過率)を有することができる。したがって、材料の組み合わせを含む透明又は透明光起電装置は、光起電装置が取り付けられる建物の美観が影響を受けないように灰色を伴う透明であると見なすことができる。更に、透明又は透明光起電装置は、透明又は透明光起電装置を通じて人により見られる物体の色を歪めることがない。
[0048]開示された有機光活性材料の組み合わせは、可視光透過型光起電装置の製造及び性能に関して利点も与え得る。例えば、幾つかの実施形態において、本明細書中に記載される有機透明光活性材料を含む装置は、有機光活性材料が真空蒸着技術を使用して基板上に形成される技術を使用して製造され得る。真空蒸着技術を使用すると、高純度の光活性層を形成することができ、したがって、装置効率及び性能が改善され、製造の複雑さが低減される。透明光起電装置は、真空熱蒸発技術によって又は溶液処理ステップによって、開示された光活性材料を活性材料層に組み込むことができる。更に、幾つかの実施形態において、開示された光活性材料は、蒸発及び/又は昇華技術によって精製されてもよい。蒸発及び/又は昇華による精製は、高純度の光活性材料及び化合物を生成するのに役立つことができ、これにより、透明光起電装置の製造及び性能を改善することができる。
[0049]本発明のこれら及び他の実施形態及び態様は、その利点及び特徴の多くと共に、以下の本文及び添付の図面と併せてより詳細に説明される。
[0050]この概要は、特許請求の範囲に記載される主題の重要な又は本質的な特徴を特定することを意図するものでも、特許請求の範囲に記載される主題の範囲を決定するために単独で使用されることを意図するものでもない。主題は、この開示の明細書全体の適切な部分、任意の又は全ての図面、及び、各請求項を参照することによって理解されるべきである。以上は、他の特徴及び例と共に、以下の明細書、特許請求の範囲、及び、添付図面において以下により詳細に説明される。
[0051]例示的な実施形態は、以下の図に関連して以下に詳細に説明される。
特定の実施形態に係る可視帯域で色中立である可視光透過型光起電装置の一例を示す簡略図である。 特定の実施形態に係る可視光透過型光起電装置における光活性層の様々な形態を示す。 太陽スペクトル、人間の眼の感度、及び、可視光透過型光起電装置の一例の吸収スペクトルを光波長の関数として示す簡略化されたプロットである。 特定の実施形態に係る可視光透過型光起電装置の一例の簡略化されたエネルギー準位図である。 異なる電子アクセプタ及びドナー形態を伴う光活性層の例の吸収プロファイルを示す。 異なる電子アクセプタ及びドナー形態を伴う光活性層の例の吸収プロファイルを示す。 異なる電子アクセプタ及びドナー形態を伴う光活性層の例の吸収プロファイルを示す。 異なる電子アクセプタ及びドナー形態を伴う光活性層の例の吸収プロファイルを示す。 異なる電子アクセプタ及びドナー形態を伴う光活性層の例の吸収プロファイルを示す。 異なる電子アクセプタ及びドナー形態を伴う光活性層の例の吸収プロファイルを示す。 異なる電子アクセプタ及びドナー形態を伴う光活性層の例の吸収プロファイルを示す。 異なる電子アクセプタ及びドナー形態を伴う光活性層の例の吸収プロファイルを示す。 色を表すための国際照明委員会(CIE)L*a*b*(CIELAB)色空間を示す。 有機光起電(OPV)装置に使用される材料の例の透過スペクトルを示す。 特定の実施形態に係る色中立TPVを形成するための透明光電池(TPV)の一例、相補的な可視光吸収材料の一例、及び、TPV材料と装置内の可視光吸収材料との組み合わせにおける透過スペクトルを示す簡略プロットである。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置における透過スペクトルの一例を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の一例における材料の吸収スペクトルの例を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置におけるTPV材料の例及び可視光吸収材料の例の吸収スペクトルを示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の幾つかの例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の一例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の一例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。 特定の実施形態に係る可視光吸収光学層を含む色中立可視光透過型光起電装置の一例を示す。 特定の実施形態に係る異なる厚さを有する可視光吸収光学層を含む色中立可視光透過型光起電装置の例のシミュレートされた透過スペクトルを示す。 特定の実施形態に係る異なる厚さを有する可視光吸収光学層を含む色中立可視光透過型光起電装置の例を透過した可視光の色座標の例を示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置の一例の実験的に測定された透過スペクトルを示す。 特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電装置を製造するための方法の一例を示す。 可視光透過型光起電装置を形成するための方法を示す。
[0072]図面は、例示のみを目的として本開示の実施形態を示す。例えば、幾つかの図における透過スペクトル又は吸収スペクトルは、例示のみを目的としており、実際のTPV装置で使用される材料の透過スペクトル又は吸収スペクトルを表すものではない場合がある。当業者であれば以下の説明から容易に分かるように、本開示の原理又は宣伝されている利点から逸脱することなく、図示されている構造及び方法の別の実施形態が使用され得る。
[0073]添付の図では、同様の構成要素及び特徴が同じ参照ラベルを有する場合がある。また、同じタイプの様々な構成要素が、ダッシュ及び同様の構成要素間を区別する第2のラベルを参照ラベルの後に続けることによって区別される場合がある。最初の参照ラベルのみが明細書中で使用される場合、記述は、第2の参照ラベルにかかわらず同じ最初の参照ラベルを有する同様の構成要素のうちのいずれか1つに適用される。
[0074]本開示は、一般に、透明又は透明の光起電材料及び装置などの光起電材料及び装置に関する。より具体的には、限定するものではないが、本明細書では、色中立可視光透過型(又は半透明)光起電装置及び色中立可視光透過型光起電装置のための材料又は材料の組み合わせ、及び、それらの材料又は材料の組み合わせを組み込んだシステムが開示される。色中立可視光透過型光活性材料の組み合わせは、近赤外帯域及び/又は紫外帯域の光を優先的に吸収し、可視帯域の光をほぼ均一に透過するため、透明光起電装置は可視帯域で色中立である。例えば、色中立可視光透過型光起電材料は、近赤外(NIR)帯域又は紫外線(UV)帯域の光をより強く吸収することができ、一部の可視光を吸収することができる光活性材料を含むことができ、また、NIR及び/又はUV光吸収活性材料の組み合わされた可視光吸収率と相補的な組み合わされた可視光吸収率を有する1つ以上の光活性材料又は受動材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、材料の組み合わせは、可視帯域において任意の望ましい透過率を有し得る。
[0075]結晶シリコン光起電装置などの従来の光起電装置は、一般に、可視光を透過せず、したがって、建物又は他の構造物の窓ガラスにおける使用には適さない場合がある。幾つかの有機透明光活性材料ベースの透明光起電装置などの幾つかの透明光起電装置は、可視光を透過又は半透過し得る。しかしながら、これらの透明光起電装置は、可視帯域に構造化された吸収(又は透過)スペクトルを有することができ、したがって、マゼンタ、黄、緑、又は、青の特定の色調などの特定の色を示すことができ、建物の色又は透明光起電装置を通して人によって見られる物体の色を変えることができる。
[0076]特定の実施形態によれば、透明又は半透明の光活性材料及び/又は受動材料の様々な組み合わせが、可視帯域において色中立的な透過率を達成するために透明光起電(TPV)装置において使用される。幾つかの実施形態において、TPV装置の中間色は、可視光吸収がないか又は非常に低い活性材料を使用して達成され得る。幾つかの実施形態において、TPV装置の中間色は、UV及び/又はNIR光吸収のための光活性層の可視帯域吸収スペクトルに対して相補的な可視帯域吸収スペクトルを有する可視光吸収材料(すなわち、可視光吸収材料)を使用して達成することができ、それにより、可視帯域での実質的に平坦な透過率を達成することができ、これは中間色をもたらすことができる。可視光吸収材料は、光電流生成に寄与してもしなくてもよく、平均可視光透過率(AVT)をわずかに低下させ得る。
[0077]本開示に記載された技術を使用して、従来の技術よりも多くの利点を達成することができる。例えば、本開示の実施形態は、可視光をほぼ均一に透過又は半透過させながら、太陽光発電のために近赤外及び/又は紫外線を吸収するための材料及び装置の組み合わせを提供する。好適には、これらの光学特性は、依然として可視光がほぼ均一に通過できるようにするとともに最小の色歪みを伴って観察者が光起電装置を通じて見ることができるようにしつつ、光起電装置内の太陽輻射から電気を生成できる能力をもたらす。
[0078]本明細書に開示される技術は、異なる材料を組み合わせて、特定の波長又は色(例えば、赤色波長又は青色波長でのより高い吸収)における色中立透過又は優先吸収を含む、可視帯域における任意の所望の透過又は吸収特性を有する光起電層及び装置を作製するために使用することができる。
[0079]一般に、本明細書で使用される用語及び語句は、当業者に知られている標準的なテキスト、定期刊行物文献、及び文脈を参照することによって見出すことができる、当技術分野で認識されている意味を有する。以下の定義は、本開示の文脈におけるそれらの具体的な使用を明確にするために提供される。
[0080]本明細書で使用される「可視光」という用語は、約380nm~約750nm、約400nm~約700nm、又は約450nm~約650nmの波長範囲内の光を指し得る。
[0081]本明細書で使用される場合、「可視光透過型」(又は単に「透明」)及び「可視光半透過型」(又は単に「半透明」)などの用語は、約0-70%以内、例えば、70%以下、約65%以下、約60%以下、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、又は、約20%以下の可視帯域の全体的な吸収、平均吸収、又は、最大吸収を示す材料又は装置の特徴を指し得る。別の言い方をすれば、可視光透過型材料は、入射可視光の30%-100%、例えば、入射可視光の約80%以上、入射可視光の約75%以上、入射可視光の約70%以上、入射可視光の約65%以上、入射可視光の約60%以上、入射可視光の約55%以上、入射可視光の約50%以上、入射可視光の約45%以上、入射可視光の約40%以上、入射可視光の約35%以上、又は、入射可視光の約30%以上を透過することができる。材料又は装置を透過しなかった光の一部は、材料によって散乱、反射、又は吸収され得る。可視光透過型材料は、一般に、人間が見ると少なくとも部分的に透けて見える(すなわち、完全に不透明ではない)と考えられる。可視光透過型光起電装置は、単に透明光起電(TPV)装置と呼ばれることがある。
[0082]本明細書で使用される場合、「透過係数」又は「透過率」という用語は、可視帯域などの光波長又は波長の範囲若しくは帯域にわたる光重み付き透過率を指すことができ、又は、波長の帯域若しくはサブ帯域にわたる平均又は最低透過率によって表すことができる。例えば、平均可視光透過率(AVT)を使用して、全ての可視光に対する材料又は装置の全体的な透過率を特徴付けることができる。
[0083]本明細書で使用される場合、「色中立」又は「可視色中立」という用語は、白色又は灰色に近い中立トーンの色を指すことができ、灰色は、黒色と白色との間の中立トーンの色であり得る。装置又は材料は、装置又は材料の透過率、吸収率、及び/又は反射率が可視光帯域内で実質的に均一である場合、例えば、白色光ビーム(異なる色の光の組み合わせを含む)が装置又は材料を通過した後に色中立(例えば、白色又は灰色)のままであり得るように、平均値の約20%未満、約10%未満、約5%未満、又はそれ未満の変動を有する場合、色中立であり得る。例えば、可視帯域の異なる波長(例えば、約400nm~約700nm)における装置又は材料の透過率が装置又は材料のAVTの±10%以内である場合、装置又は材料は色中立であり得る。幾つかの実施形態では、以下で詳細に説明するように、白色光で照明されたときに、装置又は材料によって透過された光が、例えば[-5,5]又は[-10,10]内のCIELAB a*値、及び例えば[-5,5]又は[-10,10]内のCIELAB b*値を有するか、又は所望の象限にa*及びb*値を有する場合、装置又は材料は色中立であり得る。幾つかの実施形態では、白色光によって照明されたときに、装置又は材料によって透過された光がRGB色空間において実質的に等しいr、g、及びb値を有する場合、装置又は材料は色中立であり得る。
[0084]本明細書で使用される場合、「相補的」という用語は、2つの材料の透過率又は吸収率などの対照的又は反対の特性を有する2つの材料間の関係を指すことができ、2つの材料は、適切な割合で組み合わされた場合、可視帯域で一定の全体的な透過率又は吸収率を有することができ、したがって、上述のように色中立又は可視色中立であり得る。例えば、2つの材料の透過率(又は吸収率)の積(したがって、全体的な透過率)が可視帯域でほぼ一定のままである場合、2つの材料の透過率(又は吸収率)は互いに相補的であり得る。
[0085]本明細書で使用される場合、「最大吸収強度」という用語は、紫外帯域(200nm~450nm又は280nm~450nm)、可視帯域(450nm~650nm)、又は近赤外帯域(650nm~1400nm)などの特定のスペクトル領域における最大吸収値を指す。幾つかの例では、最大吸収強度は、吸収帯域又はピークなどの局所的又は絶対的な最大値である吸収特徴の吸収強度に対応することができ、ピーク吸収と呼ばれることがある。幾つかの例では、特定の帯域の最大吸収強度は、局所的又は絶対的な最大値に対応しなくてもよく、代わりに特定の帯域の最大吸収値に対応してもよい。そのような構成は、例えば、吸収特徴が複数の帯域(例えば、可視及び近赤外)に及び、吸収特徴のピークが紫外帯域内に位置するが吸収特徴の尾部が可視帯域まで延在する場合など、可視帯域内で生じる吸収特徴からの吸収値が近赤外帯域内で生じる吸収値よりも小さい場合に起こり得る。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の可視光透過型光活性化合物は、約650ナノメートルを超える波長(すなわち、近赤外)又は約450ナノメートル未満の波長(すなわち、紫外線において)に吸収ピークを有してもよく、可視光透過型光活性材料の吸収ピークは、約450~650ナノメートルの任意の波長における可視光透過型光活性材料の吸収より大きくてもよい。
[0086]以下の説明では、説明の目的のために、本開示の例の完全な理解を与えるために具体的な詳細が記載される。しかしながら、これらの具体的な詳細を伴うことなく様々な例を実施できることは明らかである。例えば、装置、システム、構造、アセンブリ、方法、及び他の構成要素は、例を不必要に詳細に不明瞭にしないために、ブロック図形式の構成要素として示されてもよい。他の例では、例を不明瞭にすることを避けるために、周知の装置、プロセス、システム、構造、及び技術を必要な詳細を伴うことなく示すことができる。図及び説明は、限定を意図するものではない。この開示で使用される用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用されており、また、そのような用語及び表現の使用において、示され説明された特徴又はその一部の均等物を除外する意図はない。「例」 という用語は、本明細書では「例、事例、又は、例示としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。本明細書中で「例」として説明される任意の実施形態又は形態は、必ずしも他の実施形態又は形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
[0087]図1Aは、特定の実施形態に係る可視帯域で色中立である可視光透過型光起電(TPV)装置100の一例を示す簡略図である。図1Aに示されるように、可視光透過型光起電装置100は、幾つかの層及び要素を含むことができる。前述したように、可視光透過とは、光起電装置が例えば約450nm~約650nmの可視波長帯域外の波長で光エネルギーを吸収する一方で可視波長帯域内の光を実質的に透過することを示す。例に示されるように、UV光及び/又はNIR光は、光起電装置の層及び要素によって強く吸収され得るが、可視光は装置を実質的に透過し得る。
[0088]可視光透過型光起電(TPV)装置100は、図示されている他の層及び構造に十分な機械的支持を与えるガラス又は他の可視光透過型材料であり得る基板105を含んでもよい。基板材料の例としては、様々なガラス及び硬質又は可撓性のポリマーが挙げられる。積層体などの多層基板も利用することができる。基板は、例えば、0.5mm~20mmの厚さなど、他の層及び構造に必要な機械的支持をもたらすのに適した任意の厚さを有してもよい。場合によっては、基板は、窓ガラス、表示装置などの他の構造に対する可視光透過型光起電装置100の適用を可能にする接着フィルムを含んでもよい。基板105は、光学層110,112を支持することができる。これらの光学層は、反射防止(AR)特性、波長選択反射又は分布ブラッグ反射特性、屈折率整合特性、カプセル化などを含む様々な光学特性を与えることができる。光学層110,112は、好適には、可視光透過型であってもよい。更なる光学層114は、例えば、ARコーティング、後屈折率整合、受動的な可視光、赤外光、又は、紫外光吸収層などとして利用することができる。随意的に、光学層110~114は、可視光、紫外光、及び/又は近赤外光を透過してもよく、又は、可視、紫外、及び/又は近赤外帯域の波長の少なくともサブセットを透過してもよい。形態に応じて、更なる光学層114が受動的可視光吸収層であってもよい。
[0089]装置は、全体として、可視光透過性、例えば、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、或いは、最大で100%又はほぼ100%の透過性を450~650nm範囲で示し得るが、個々に採取された特定の材料は、可視スペクトルの少なくとも一部で吸収を示し得ることが理解される。随意的に、可視光透過型光起電装置内における個々の材料又は層はそれぞれ、可視範囲内で高い透過性、例えば30%を超える(すなわち、30%~100%)高い透過性を有する。透過率又は吸収率は、パーセンテージとして表すことができ、材料の吸光度特性、吸収材料を貫く厚さ又は経路長、及び、吸収材料の濃度に依存してもよく、それにより、吸収材料を貫く経路長が短い及び/又は吸収材料が低濃度で存在する場合、可視帯域に吸光度を伴う材料は、低い吸収率又は高い透過率を示し得る。
[0090]ここで及び以下で記載されるように、様々な光活性層中の光活性材料は、好適には、可視帯域において最小の吸収率(例えば、20%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、又は、70%未満)を示し、近赤外帯域及び/又は紫外帯域において高い吸収率(例えば、50%超、60%超、70%超又は80%超の吸収ピーク)を示す。幾つかの用途では、可視帯域での吸収率が70%もの大きさとなり得る。基板、光学層、及び、バッファ層などの他の材料の様々な形態は、材料が若干の可視光吸収率を示し得る場合でも、これらの材料が全体的な可視光透過性をもたらすことができるようにし得る。例えば、AgやCu等の金属の薄膜が透明電極に含まれていてもよい。金属は可視光を吸収し得るが、薄膜形態で設けられる場合、膜の全体的な透明性は高くなり得る。同様に、光学層又はバッファ層に含まれる材料は、可視範囲で吸収を示し得るが、可視光吸収の全体量が低く可視光透過性をもたらすような濃度又は厚さで与えられてもよい。
[0091]また、可視光透過型光起電装置100は、電極120,122間に位置される光活性層140を伴う一組の透明電極120,122も含む。ITO、薄い金属膜、又は、他の適切な可視光透過型材料を使用して製造され得るこれらの電極120,122は、図示の様々な層のうちの1つ以上に対する電気接続をもたらす。例えば、銅、銀、又は、他の金属の薄膜は、これらの金属が可視帯域の光を吸収し得る場合であっても、可視光透過型電極としての使用に適し得る。約1nm~約200nm(例えば、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約25nm、約30nm、約35nm、約40nm、約45nm、約50nm、約55nm、約60nm、約65nm、約70nm、約75nm、約80nm、約85nm、約90nm、約95nm、約100nm、約105nm、約110nm、約115nm、約120nm、約125nm、約130nm、約135nm、約140nm、約145nm、約150nm、約155nm、約160nm、約165nm、約170nm、約175nm、約180nm、約185nm、約190nm、又は約195nm)の厚さを有する膜などの薄膜として設けられる場合、可視帯域における薄膜の全透過率は、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、又は、90%超など、高いままであってもよい。好適には、金属薄膜は、透明電極として使用される場合、幾つかの半導体透明導電性酸化物が、紫外帯域でバンドギャップを有し、したがって紫外光を高度に吸収する又は透過しないため、ITOなどの透明電極として有用であり得る他の半導体材料よりも紫外帯域で低い吸収を示し得る。しかしながら、場合によっては、紫外光が特定の材料を劣化させる場合があるため、紫外線吸収透明電極を使用して、紫外光の少なくとも一部を下方にある構成要素から遮蔽することができる。
[0092]原子層堆積、化学蒸着、物理蒸着、熱蒸着、スパッタ堆積、エピタキシなどの真空堆積技術を含む様々な堆積技術を使用して透明電極を生成することができる。場合によっては、スピンコーティングなどの溶液ベースの堆積技術も使用することができる。更に、透明電極は、リソグラフィ、リフトオフ、エッチングなどを含む、微細加工の技術を使用してパターニングされてもよい。
[0093]バッファ層130,132及び光活性層140は、光起電装置の電気的及び光学的な特性を実現するために利用される。これらの層は、単一の材料の層であってもよく、又は、特定の用途に適した複数の副層を含んでもよい。したがって、「層」という用語は、単一の材料の単一の層を示すことを意図するものではなく、同じ又は異なる材料の複数の副層を含むことができる。幾つかの実施形態において、バッファ層130、光活性層140、及び、バッファ層132は、積層形態で繰り返されて、多接合セルなどのタンデム装置形態をもたらす。幾つかの実施形態において、光活性層140は、ドナー及びアクセプタとも称される電子ドナー材料及び電子アクセプタ材料を含んでもよい。これらのドナー及びアクセプタは、可視光透過型であるが、可視波長帯域外を吸収して光電流を生成し得る。
[0094]バッファ層130,132は、電子輸送層、電子ブロッキング層、正孔輸送層、正孔ブロッキング層、励起子ブロッキング層、光学スペーサ、物理バッファ層、電荷再結合層、又は、電荷生成層として機能し得る。バッファ層130,132は、所望の緩衝効果をもたらすのに適した任意の厚さを有してもよく、随意的に存在しても存在しなくてもよい。バッファ層130,132は、存在する場合、約1nm~約100nmの厚さを有してもよい。更に、バッファ層130,132は、幾つかの実施形態では、光活性層に対して相補的な吸収性を有してもよい。フラーレン材料、カーボンナノチューブ材料、グラフェン材料、金属酸化物、例えば酸化モリブデン、酸化チタン、酸化亜鉛など、ポリマー、例えばポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリスチレンスルホン酸、ポリアニリンなど、コポリマー、ポリマー混合物、及び、小分子、例えばバソクプロインを含む様々な材料がバッファ層として使用されてもよい。バッファ層は、堆積プロセス(例えば、熱蒸発)又は溶液処理方法(例えば、スピンコーティング)を使用して形成することができ、1つ以上の層を含むことができる。
[0095]様々な実施形態において、可視光透過型光起電装置100は、透明電極120、光活性層140、及び、透明電極122を含むことができ、一方、基板105、光学層110,112、114、及び、バッファ層130、132のいずれか1つ以上は、随意的に含まれるか又は除外されてもよいことに留意されたい。
[0096]図1Bは、特定の実施形態に係る可視光透過型光起電装置における光活性層(例えば、光活性層140)の様々な形態を示す。光活性層140は、随意的に、混合ドナー/アクセプタ(バルクヘテロ接合)形態、平面ドナー/アクセプタ形態、平面及び混合ドナー/アクセプタ形態、勾配ドナー/アクセプタ形態、又は、積層ドナー/アクセプタ形態に対応してもよい。紫外帯域又は近赤外帯域で吸収するが可視帯域では仮に吸収するとしても最小限しか吸収しない材料など、様々な材料が光活性層140として使用されてもよい。このようにして、光活性材料を使用して、可視光透過性を与えるべく可視光に比較的影響を及ぼさないままで、紫外吸収及び/又は近赤外吸収によって外部回路に給電するための電子-正孔対を生成することができる。幾つかの実施形態において、光活性材料は、可視スペクトルで著しく吸収して光電流を生成し得る。図示のように、光活性層140は、別個のドナー層及びアクセプタ層を含む平面ヘテロ接合を含んでもよい。或いは、光活性層140は、別個のアクセプタ層及びドナー層並びに混合ドナー-アクセプタ層を含む平面混合ヘテロ接合構造を含んでもよい。或いは、光活性層140は、完全に混合されたアクセプタ-ドナー層を含む混合ヘテロ接合構造、又は、様々な相対濃度勾配を伴う混合ドナー-アクセプタ層を含む混合ヘテロ接合構造を含んでもよい。また、光活性層140は、互いに隣接する2つのバルクヘテロ接合を含む積層ヘテロ接合などの、2つのドナー/アクセプタ系を含む積層ヘテロ接合を含んでもよい。バルクヘテロ接合は、同じドナー材料若しくは同じアクセプタ材料、又は異なるドナー材料及びアクセプタ材料を含んでもよい。
[0097]場合によっては、光活性層140は、図1Bに示されるように、適切な太陽光発電特性をもたらすために、個々の副層又は層の混合物を含んでもよい。図1Bに示される様々な形態は、太陽光発電に使用される特定のドナー及びアクセプタ材料に基づいて使用されてもよい。例えば、幾つかのドナーとアクセプタとの組み合わせは特定の形態から利益を得ることができるが、他のドナーとアクセプタとの組み合わせは他の特定の形態から利益を得ることができる。ドナー材料及びアクセプタ材料は、適切な太陽光発電特性をもたらすために任意の比率又は濃度で提供されてもよい。混合層の場合、アクセプタに対するドナーの相対濃度は、約20:1~約1:20であってもよい。随意的に、アクセプタに対するドナーの相対濃度は約10:1~約1:10であってもよい。随意的に、ドナー及びアクセプタは、1:1の比であってもよい。
[0098]テトラシアノキノイドチオフェン化合物、テトラシアノインダセン化合物、カルバゾールチアポルフィリン化合物、及び/又はジチオフェンスクアリン化合物などの様々な化合物を、バッファ層、光学層、及び/又は光活性層の1つ以上として使用することができる。これらの化合物は、コア構造の電気的及び/又は光学的特性を改質するための適切に官能化されたバージョンを含むことができる。一例として、開示される化合物は、可視波長帯域の吸収を約450nmから約650nmに減少させ、約650nmを超える波長でNIR帯域の吸収を増大させる官能基を含むことができる。
[0099]本発明の様々な実施形態において活性材料/緩衝材料(輸送層)/光学材料として利用され得る材料の例としては、近IR吸収材料、UV吸収材料、及び/又は、電磁スペクトルの近IR領域又はUV領域における強い吸収ピークによって特徴付けられる材料が挙げられる。近IR吸収材料の例としては、フタロシアニン、ポルフィリン、ナフタロシアニン、スクアライン、ホウ素-ジピロメテン、ナフタレン、リレン、ペリレン、テトラシアノキノイドチオフェン化合物、テトラシアノインダセン化合物、カルバゾールチアポルフィリン化合物、金属ジチオレート、ベンゾチアジアゾール含有化合物、ジシアノメチレンインダノン含有化合物、これらの組み合わせなどが挙げられる。UV吸収材料の例としては、フラーレン、リレン、ペリレン、ベンズイミダゾール、ヘキサカルボニトリル、トリアリールアミン、ビストリアリールアミン、フェナントロリン、パラ-フェニレン、それらの組み合わせなどが挙げられる。
[0100]本明細書中に記載される材料が電子ドナー又は電子アクセプタのいずれかとして透明光起電装置内の光活性層として組み込まれる場合、層厚は、装置出力、吸光度、又は、透過率を変化させるように制御され得る。例えば、ドナー層又はアクセプタ層の厚さを増大させると、その層の光吸収率を増大させることができる。光活性層140は、任意の適切な厚さを有してもよく、所望のレベルの可視光透過性及び紫外/近赤外吸収特性をもたらすために、任意の適切な濃度又は組成の光活性材料を有することができる。光活性層の厚さの例は、約1nm~約1μm、約1nm~約300nm、又は、約1nm~約100nmの範囲であってもよい。場合によっては、ドナー層中又はアクセプタ層中のドナー/アクセプタ材料の濃度を増大させると、その層の光吸収率が同様に増大し得る。しかしながら、幾つかの実施形態では、活性材料層がドナー/アクセプタ材料の純粋若しくは実質的に純粋な層又はドナー/アクセプタ材料の純粋若しくは実質的に純粋な混合物を備える場合など、ドナー/アクセプタ材料の濃度が調整可能ではない場合がある。場合により、ドナー/アクセプタ材料は、溶媒中に供給されてもよく又はバッファ層材料などのキャリア中に懸濁されてもよく、その場合、ドナー/アクセプタ材料の濃度が調整されてもよい。幾つかの実施形態において、ドナー層濃度は、生成される電流が最大化されるように選択される。幾つかの実施形態では、アクセプタ層濃度は、生成される電流が最大化されるように選択される。
[0101]幾つかの実施形態において、電荷収集効率は、電荷キャリアにおける「移動距離」の増大並びに装置全体にわたる有効電界の減少に起因して、ドナー又はアクセプタの厚さの増大に伴って減少し得る。したがって、層の厚さが増大するにつれて吸収率が増大することと電荷収集効率が低下することとの間にはトレードオフがあり得る。したがって、厚さ当たりの光吸収率の増大を可能にするために、高い吸収係数及び/又は濃度を有する本明細書中に記載される材料を選択することが有利となり得る。
[0102]本明細書中に記載される材料から形成される個々の光活性層の厚さに加えて、透明光起電装置における他の層の厚さ及び組成も、光活性層内の吸収を増強するように選択され得る。他の層(バッファ層、電極など)は、薄膜装置積層体及び結果として生じる光学キャビティとの関連でそれらの光学特性(屈折率及び吸光係数)に基づいて選択され得る。例えば、近赤外吸収光活性層は、それが装置によってもたらされる吸収及び結果として生じる電流を最大にするために吸収する近赤外波長における光場のピークに位置され得る。これは、第2の光活性層及び/又は光学層をスペーサとして使用して光活性層を電極から適切な距離を隔てて離間させることによって達成され得る。同様の方式を紫外線吸収光活性層に関して使用することができる。多くの場合、より長い波長の光場のピークは、より短い波長の光場のピークと比較してより反射性がある2つの透明電極のうちの1つからより遠くに位置され得る。したがって、別個のドナー及びアクセプタ光活性層を使用する場合、ドナー及びアクセプタは、より赤色の吸収(より長い波長)材料をより反射性のある電極からより遠くに位置させるとともに、より青色の吸収(より短い波長)材料をより反射性のある電極の近くに位置させるように選択され得る。或いは、ドナー層及びアクセプタ層は、光電流の発生を犠牲にしてそれらの全体的な吸収を調整してより中立な色を達成するために反対の配向に配置されてもよい。
[0103]幾つかの実施形態では、ドナーがドナー層で吸収して光吸収率を増大させ、したがってドナー層によって生成される電流を増大させる波長での光場の強度を増大させるために光学層が含まれてもよい。幾つかの実施形態では、アクセプタがアクセプタ層で吸収して光吸収率を増大させ、したがってアクセプタ層によって生成される電流を増大させる波長での光場の強度を増大させるために、光学層が含まれてもよい。幾つかの実施形態では、光学層を使用して、可視光吸収又は可視光反射のいずれかを減少させることによって積層体の透過性を向上させることができる。更に、電極材料及び厚さは、可視範囲内の光を優先的に透過させながら、光活性層内の可視範囲外の吸収を増強するように選択されてもよい。幾つかの実施形態では、光学層は、以下で詳細に説明するように、可視帯域の透過率の均一性を改善するために使用される可視光吸収材料を含むことができる。
[0104]随意的に、可視光透過型光起電装置のスペクトルカバレッジを高めることは、図1Aに関連して説明したように、バッファ層130、光活性層140、及び、バッファ層132の複数の積層された事例として含まれ得る、タンデム電池と称される、可視光透過型光起電装置のマルチセル直列積層体を使用することによって達成される。この構造は、例えば、バッファ層、電荷再結合層、及び/又は、薄い金属層の組み合わせによって分離され得る2つ以上の光活性層を含む。この構造において、各サブセルで生成される電流は、対向する電極に直列に流れ、したがって、セル内の正味電流は、例えば、特定のサブセルによって生成される最小電流によって制限される。開回路電圧(VOC)はサブセルのVOCの和に等しい。太陽スペクトルの異なる領域で吸収して光電流を生成する異なるドナー-アクセプタ対を用いて製造されたサブセルを組み合わせることにより、単一セルのVOCの添加によって単一接合セルと比較して効率の大幅な改善を達成することができる。
[0105]図2は、太陽スペクトル210、人間の眼の感度230、及び、透明光起電装置の一例の吸収スペクトル220を光波長の関数として示す簡略プロット200である。図2に示されるように、本発明の実施形態は、約450nm~約650nmの可視波長帯域において低い均一な吸収を有するが、UV及びNIR帯域において、すなわち、可視波長帯域の外側において強く吸収し、可視光透過型光起電動作を可能にする光起電構造を利用する。紫外線帯域は、実施形態において、約200nm~約450nmの光の波長として説明することができる。地上レベルでの有用な太陽輻射は、約280nm未満の波長を伴う限られた量の紫外線を有してもよく、したがって、紫外線帯域又は紫外線領域は、幾つかの実施形態では、約280nm~450nmの光の波長として説明されてもよいことが理解される。近赤外帯域は、実施形態では、約650nm~約1400nmの光の波長として説明することができる。本明細書中に記載される様々な組成物は、UVピーク222及び/又はNIRピーク224を含む吸収を示すとともに、NIR領域又はUV領域における最大吸収強度よりも小さい最大吸収強度を可視帯域で示し得る。
[0106]図3は、可視光透過型光起電装置100などの、特定の実施形態による可視光透過型光起電装置300の一例の簡略化されたエネルギー準位図である。可視光透過型光起電装置300は、透明アノード310、光活性層320、及び透明カソード330を含むことができる。光活性層320は、少なくともドナー材料322及びアクセプタ材料324を含むことができる。前述したように、様々な光活性材料は、その分子特性及びバッファ層、電極などに使用される材料の種類に応じて、電子ドナー又は電子アクセプタ特性を示し得る。図3に示されるように、ドナー材料322及びアクセプタ材料324のそれぞれは、最高占有分子軌道(HOMO)準位及び最低非占有軌道(LUMO)準位を有し得る。HOMO準位からLUMO準位への電子の遷移は、光子の吸収によって起こり得る。材料のHOMO準位とLUMO準位(すなわち、HOMO-LUMOギャップ)との間のエネルギー差は、材料の光学バンドギャップのエネルギーをほぼ表す。本明細書中で提供される透明光起電装置で有用な電子ドナー材料及び電子アクセプタ材料の場合、電子ドナー材料及び電子アクセプタ材料におけるHOMO-LUMOギャップは、好ましくは可視範囲の光子のエネルギー帯域外にある。例えば、光活性材料に応じて、HOMO-LUMOギャップは、紫外帯域又は近赤外帯域にあってもよい。HOMOが従来の導体又は半導体における価電子帯に匹敵し、LUMOが従来の導体又は半導体における伝導帯に匹敵することが理解される。
[0107]有機半導体などの多くの有機分子の狭い吸収スペクトルは、単一分子種を使用して吸収スペクトル全体を吸収することを困難にする可能性がある。したがって、電子ドナー分子と電子アクセプタ分子は一般に対になって相補的な吸収スペクトルをもたらし、したがって光吸収のスペクトル範囲を増大させる。更に、ドナー分子及びアクセプタ分子は、それらのエネルギー準位(HOMO及びLUMO)が互いに好都合に存在するように選択される。ドナーとアクセプタのLUMO準位の差は、ドナー内に生成された電子-正孔対(励起子)の解離のための駆動力をもたらし、一方、ドナーとアクセプタのHOMO準位の差は、アクセプタ内に生成された電子-正孔対(励起子)の解離のための駆動力をもたらす。幾つかの実施形態では、アクセプタが高い電子移動度を有し、隣接するバッファ層又は電極に電子を効率的に輸送することが有用であり得る。幾つかの実施形態では、隣接するバッファ層又は電極に正孔を効率的に輸送するために、ドナーが高い正孔移動度を有することが有用であり得る。更に、幾つかの実施形態では、VOCは、アクセプタのLUMO準位とドナーのHOMO準位との間の差に正比例することが示されているので、開回路電圧(VOC)を増大させるために、アクセプタのLUMO準位とドナーのHOMO準位との差を増大させることが有用であり得る。光活性層内のそのようなドナー-アクセプタ対形成は、本明細書に記載の材料のうちの1つと、本明細書に記載の異なる可視光透過型光活性化合物又は完全に別個の材料系であり得る相補的材料とを適切に対形成することによって達成され得る。
[0108]ドナーに隣接するバッファ層は、一般にアノードバッファ層又は正孔輸送層と称され、バッファ層のHOMO準位又は価電子帯(無機材料の場合)がドナーからアノード310(透明電極)に正孔を輸送するためにドナーのHOMO準位と整列されるように選択される。幾つかの実施形態では、バッファ層が浅いLUMO準位を有することが有用であり得る。幾つかの実施形態では、バッファ層が高い正孔移動度を有することが有用であり得る。アクセプタに隣接するバッファ層は、一般にカソードバッファ層又は電子輸送層と称され、バッファ層のLUMO準位又は伝導帯(無機材料の場合)がアクセプタからカソード330(透明電極)に電子を輸送するためにアクセプタのLUMO準位と整列されるように選択される。幾つかの実施形態では、バッファ層が深いHOMO準位を有することが有用であり得る。幾つかの実施形態では、バッファ層が高い電子移動度を有することが有用であり得る。
[0109]図4A~図4Hは、異なる電子アクセプタ及びドナー形態を伴う光活性層の例の吸収プロファイルを示す。例えば、図4Aに示される例では、ドナー材料がNIR帯域に吸収を示し、アクセプタ材料がUV帯域に吸収を示す。図4Bは、図4Aに示される形態とは反対の形態を示し、この場合、ドナー材料がUV帯域で吸収を示し、アクセプタ材料がNIR帯域で吸収を示す。
[0110]図4Cは、ドナー材料及びアクセプタ材料の両方がNIRで吸収を示す更なる形態を示す。図示のように、太陽スペクトルは、NIR帯域では有意な量の放射を示すが紫外線帯域で比較的少量の放射しか示さず、それにより、太陽スペクトルから大量のエネルギーを捕捉するのに有用な図4Cに示される形態を成す。例えば、ドナーがアクセプタに対して青色にシフトされる図4Cに示される形態とは反対である、アクセプタがドナーに対して青色にシフトされる図4Dに示される例のように、ドナー材料及びアクセプタ材料の両方がNIR帯域において吸収を示す他の実施形態が企図されるのが分かる。
[0111]図4Eは、ドナー材料が可視帯域で吸収し、アクセプタがUV帯域で吸収する形態を示す。図4Fは、アクセプタ材料が可視帯域で吸収し、ドナーがUV帯域で吸収する反対の形態を表す。
[0112]図4Gは、ドナー材料が可視帯域で吸収し、アクセプタがNIR帯域で吸収する形態を示す。図4Hは、アクセプタ材料が可視帯域で吸収し、ドナーがNIR帯域で吸収する反対の形態を表す。
[0113]様々な化合物を、上記及び下記に記載される可視光透過型光起電装置における光活性化合物として使用することができる。例えば、光活性化合物は、場合により近赤外帯域にピーク吸収を示してもよい。光活性化合物は、紫外帯域にピーク吸収を有していてもよい。所望の光学特性を達成するために、可視光透過型光活性化合物は、紫外又は近赤外光の光子を吸収するための分子電子構造を有することができ、これにより、電子がより低い分子軌道レベルからより高い分子軌道レベルに促進でき、より低い分子軌道レベルとより高い分子軌道レベルとの間のエネルギー差は、吸収された光子のエネルギーと一致し得る。拡張された芳香族性又は拡張された共役を示す化合物は、拡張された芳香族性又は拡張された共役を有する化合物が紫外光子及び/又は近赤外光子のエネルギーと一致するエネルギーで電子吸収を示し得るので、有益である。しかしながら、場合によっては、拡張された芳香族性又は拡張された共役は、可視帯域(すなわち、約450nm~約650nm)での吸収ももたらし得る。共役及び芳香族性に加えて、吸収特徴は、窒素又は硫黄原子などの可視光透過型光活性化合物の有機構造にヘテロ原子を含めることによって調節され得る。これに加えて又は代えて、吸収特徴は、金属原子及び有機金属結合の存在及び位置によって調節されてもよい。これに加えて又は代えて、吸収特徴は、可視光透過型光活性化合物のコア又はサブ構造に結合したハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基などの電子供与基又は電子求引基の存在及び位置によって調節され得る。更に、吸収特徴は、光活性化合物内の電子ドナー基又は電子アクセプタ基の存在によって随意的に調節されてもよい。
[0114]可視光透過型光起電装置における光活性層に使用され得る光活性化合物の例としては、キノイド構造、テトラシアノキノイドチオフェン構造、テトラシアノインダセン構造、カルバゾールチアポルフィリン構造、及びジチオフェンスクアリン構造を組み込んだものが挙げられる。
[0115]可視光透過型光起電装置に使用される他の層は、透明光起電装置の動作に適した組成及び特性を示し得る。例えば、透明ガラス、透明ポリマーなどを含む様々な可視光透過型基板を使用することができる。幾つかの実施形態では、可視光透過型基板は、近赤外光(例えば、650nmを超える波長を有する光)及び/又は紫外光(例えば、450nm未満の波長を有する光)を透過してもよい。このようにして、可視光透過型基板は、可視光透過型光起電装置による光起電力エネルギー生成に適した近赤外光及び/又は紫外光を吸収しない場合がある。しかしながら、幾つかの実施形態において、可視光透過型基板は、赤外線及び/又は紫外線を吸収することができ、これは、例えば、可視光透過型基板が、光活性層を通過した後の過剰な赤外線又は可視放射線入射放射を遮断して、全体的な紫外線及び/又は赤外線透過を防止又は低減するのに役立つ形態に有用であり得る。有用な可視光透過型基板は、約50nm~約30mmの厚さを有するものを含むが、これらに限定されない。
[0116]可視光透過型電極の例としては、インジウムスズ酸化物(ITO)、又は銅、金、銀、アルミニウムなどの導電性金属の薄い透明膜、又は関連する金属合金が挙げられる。可視光透過型電極が導電性金属を含む場合、可視光透過型電極の厚さは、導電性金属がバルク中で不透明であっても、薄膜として使用される場合、導電性金属が依然として可視光の透過を可能にし得るような厚さであり得る。有用な可視光透過型電極は、約1nm~約500nmの厚さを有するものを含むが、これらに限定されない。
[0117]前述したように、本明細書に記載の可視光透過型光起電装置には、他の層も存在し得る。例えば、可視光透過型光起電装置は、随意的に、第1の可視光透過型電極と第1の可視光透過型光活性層との間に配置された第1のバッファ層及び/又は第1の(又は第2の)可視光透過型光活性層と第2の可視光透過型電極との間に配置された第2のバッファ層などの1つ以上のバッファ層を含んでもよい。バッファ層は、様々な目的を果たしてもよく、様々な組成物を含み得る。例えば、場合によっては、バッファ層は、本明細書に記載の光活性材料又は化合物を含むことができる。随意的には、バッファ層は、約1nm~約500nmの厚さを有してもよい。
[0118]太陽スペクトルのUV及び/又はNIR帯域の光を吸収する光活性材料を使用して製造されたTPV装置は、主にUV及び/又はNIR帯域で吸収することができ、UV又はNIR帯域から太陽スペクトルの可視帯域に広がる吸収を有することもできる。結果として、TPV材料又は装置は、不均一な可視光吸収のために特定の色を示すことができる。前述したように、可視光透過型光起電材料及び装置が構造及び外界の外観にあまり影響を与えないように、可視光透過型光起電材料及び装置の中間色を達成することがしばしば望ましい。
[0119]色中立可視光透過型光起電材料又は装置を特徴付けるための幾つかの方法があり得る。装置又は材料は、装置又は材料の透過率又は吸収率が可視光帯域内で実質的に均一である場合、例えば、平均可視光透過率の30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、又はそれ未満の変動を有する場合、色中立であってもよい。装置又は材料は、装置又は材料を通過した後の白色光ビーム(異なる色の光の組み合わせを含む)が白色又は灰色である場合、色中立であってもよい。例えば、幾つかの実施形態では、白色光で照明されたときに、装置又は材料によって透過された光が、国際照明委員会(CIE)L*a*b*(CIELAB)色空間又はRGB色空間などの色空間内の特定の領域にある場合、装置又は材料は色中立であってもよい。
[0120]図5は、色を記述するためのCIELAB色空間を示している。CIE L*a*b*(CIELAB)色空間は、人間の目に見える色を表し、装置に依存しないモデルである。CIELAB色空間の3つの座標は、色の明度、赤/マゼンタと緑との間の色の位置、及び黄色と青との間の色の位置を表す。CIELABは、CIELAB値の同じ量の数値変化がほぼ同じ量の視覚的に知覚される変化に対応するように設計される。RGB及びCMYK色モデルとは異なり、CIELAB色空間は人間の視覚に近似するように設計されている。
[0121]図5に示すように、CIELAB色空間の3つの座標は、L*、a*、及びb*であり、「*」は、L*、a*、及びb*をHunterのL、a、及びbと区別するために使用される。明度値L*は色の明るさを表し、L*=0の最も暗い黒からL*=100の最も明るい白までの範囲である。a*軸は緑色-赤色成分を表し、緑色が負方向、赤色が正方向である。b*軸は、青色-黄色成分を表し、青色が負方向に、黄色が正方向である。真の中立グレー色は、a*=0及びb*=0によって表される。a*軸及びb*軸のスケーリング及び制限は、特定の実施態様に依存し得る。例えば、幾つかの実施では、a*及びb*値は、±100又は-128~+127(符号付き8ビット整数)の範囲内であり得る。L*、a*、及びb*の非線形関係は、眼の非線形応答を模倣することを意図している。
[0122]幾つかの実施形態では、色中立可視光透過型光起電材料又は光起電装置を透過した後の白色光のa*及びb*値は、光起電材料、又は光起電材料又は光起電装置を透過した白色光の色又は結果として生じる色が白色又は灰色に近くなるように、例えば、図5に示すa*-b*平面内の-5から5の間、-10から10の間、又は特定の象限(例えば、象限III、ここでa*及びb*は両方とも負である)内にあってもよい。
[0123]幾つかの実施形態において、透明光起電装置は、UV及び/又はNIR帯域のみに光吸収を有し、可視帯域にはほとんど又は全く光吸収を有さない光活性材料を使用することによって、色中立性能を達成することができる。
[0124]図6は、有機光起電(OPV)装置に使用される材料のサンプルの透過スペクトル(又は曲線)を示す。図6のスペクトル610~650は、それぞれサンプル1~5の透過係数を示す。図6に示すように、サンプル1,4は、太陽スペクトルの可視帯域において比較的高く平坦な透過係数を有することができるが、サンプル2、3、及び5の透過係数は、可視帯域において大きな変動を有することができる。したがって、サンプル1,4は、主にUV帯域で吸収することができ、可視帯域ではほとんど(及び比較的均一に)又は全く吸収しない場合がある。
[0125]表1は、図6に示すOPV装置で使用される材料のサンプルの対応するL*、a*、及びb*値を示す。また、表1は、材料のサンプルの対応するR、G、及びB値を示す。表1に示すように、サンプル1,4は、CIELAB色空間において[-5,5]以内且つ(0,0)に近いa*及びb*値を有し、RGB色空間においてそれぞれ実質的に等しいr、g、及びb値を有する。サンプル2、3、5は、a*及びb*値が大きいため、CIELAB色空間のL*軸(中間色を表す)から遠く離れている。サンプル2、3、5はそれぞれ、r、g、及びb値の少なくとも2つの間に大きな差を有してもよい。
Figure 2022544677000002
[0126]特定の実施形態によれば、透明PV材料又は装置のための中間色を達成するための技術は、可視帯域において平坦な全体的な透過スペクトルを達成するために、UV及び/又はNIR吸収のための材料の透過(吸収)スペクトルに相補的な透過(吸収)スペクトルを有する可視光吸収材料を使用することである。幾つかの実施形態では、中間色は、可視帯域の少なくとも幾つかの波長で透過率を低下させ、したがってAVTを減少させることを犠牲にして達成され得る。
[0127]図7は、特定の実施形態に係る装置における、透明な光起電(TPV)材料の一例、相補的な可視光吸収材料の一例、及びTPV材料と可視光吸収材料との組み合わせの透過スペクトル(又は曲線)を示す簡略プロット700である。図7のスペクトル710は、約450nm~約650nmなどの可視帯域でより高い透過率を有し得るTPV材料の透過スペクトルに対応する。しかしながら、スペクトル710によって示されるTPV材料の透過スペクトルは、可視帯域において平坦ではなく、したがって、TPV材料は、中間色以外の色を呈し得る。
[0128]スペクトル720は、相補的な可視光吸収材料の所望の透過スペクトルに対応する。スペクトル720は、可視帯域のスペクトル710に対して相補的であってもよい。例えば、TPV材料は、450nmでより低い透過率(又はより高い吸収率)を有することができ、一方、相補的な可視光吸収材料は、450nmでより高い透過率(又はより低い吸収率)を有することができる。したがって、450nmでは、TPV材料と相補的な可視光吸収材料との組み合わせの全体的な透過率は、TPV材料の透過率よりもわずかに低くなり得る。550nmでは、TPV材料がより高い透過率(又はより低い吸収率)を有することができ、相補的な可視光吸収材料がより低い透過率(又はより高い吸収率)を有することができる。したがって、550nmにおいて、TPV材料と相補的な可視光吸収材料との組み合わせの全体的な透過率は、相補的な可視光吸収材料の透過率よりわずかに低くてもよい。したがって、TPV材料と相補的な可視光吸収材料との組み合わせの透過スペクトル730は、各個々の波長におけるスペクトル710とスペクトル720との積であってもよく、可視帯域で実質的に平坦であってもよい。
[0129]図8は、特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電(TPV)装置の透過スペクトル810の一例を示す。色中立TPV装置は、UV帯域で吸収性である第1の光活性材料と、NIR帯域で吸収性である第2の光活性材料とを含むことができる。また、色中立TPV装置は、可視帯域で吸収性である第3の材料を含むことができる。第3の材料は、受動的又は光活性的であってもよい。幾つかの実施形態では、第3の材料は、NIR帯域又はUV帯域で吸収性であってもよい。第3の材料は、TPV装置の原点(0,0)からのa*及びb*値の距離を減少させるために、TPV装置のa*及びb*値をa*-b*平面内のより望ましい象限(例えば、負の値を有するa*及びb*)に変更するために、又は、図8に示すように、可視帯域の透過スペクトルの変動を、例えば、約450nm~約650nmのAVT値の±10%以内に低減するために、色中立TPV装置に添加することができる。図8にも示すように、材料の組み合わせのAVTは、第3の材料による可視光の吸収のために、第3の材料がない場合よりも低くなり得る。幾つかの実施形態では、第1又は第2の材料は、2つ以上の材料の組み合わせを含むことができる。幾つかの実施形態では、第3の材料は、2つ以上の材料の組み合わせを含んでもよい。
[0130]図9は、特定の実施形態に係る色中立可視光透過型光起電(TPV)装置の一例における材料の吸収スペクトル(又は曲線)の例を示す。図示された吸収スペクトルは、材料の波長依存吸収係数と呼ばれることもある。色中立TPV装置は、例えば、材料1~nを含むことができ、その吸収スペクトルは図9に示されている。幾つかの実施形態では、材料1,2は、TPV装置内の活性材料(例えば、ドナー及びアクセプタ材料)であってもよい。例えば、材料1は、電子アクセプタ材料であってもよく、スペクトル910によって示されるUV帯域及び/又はスペクトル915によって示されるNIR帯域で吸収してもよい。幾つかの実施形態では、電子アクセプタ材料は、材料1.1(例えば、UV帯域において光活性)及び材料1.2(例えば、NIR帯域において光活性である)などの2つ以上の材料の組み合わせを含むことができる。材料2は、電子ドナー材料であってもよく、スペクトル920によって示されるように、太陽スペクトルのNIR帯域において吸収してもよい。材料3、4、...、及びnは、可視光吸収材料であってもよく、材料3~nの材料又は2つ以上の材料の組み合わせは、可視帯域の材料1及び2の合成吸収スペクトルに対して相補的な吸収スペクトルを有してもよい。材料1,2及び材料3~nの少なくとも1つの組み合わせは、太陽スペクトルの可視帯域において実質的に平坦な透過スペクトルをもたらし得る。幾つかの実施形態では、材料3-nもNIR又はUV帯域で吸収性であってもよい。
[0131]図10は、特定の実施形態に係るTPV材料の例及び色中立TPV装置における可視光吸収材料の例の吸収スペクトル(又は曲線)を示す図である。図示された吸収スペクトルは、材料の波長依存吸収係数と呼ばれることもある。スペクトル1010は、TPV材料1の吸収スペクトルを示す。スペクトル1020,1030は、それぞれ可視光吸収材料2,3の吸収スペクトルを示す。
[0132]図10に示す例において、TPV材料1は、一方の活性材料(例えば、ドナー又はアクセプタ材料)がNIR帯域を吸収し、他方の活性材料(例えば、ドナー又はアクセプタ材料)がUV帯域を吸収する透明活性活性材料である。活性材料の少なくとも1つは、太陽スペクトルの可視帯域の光を少なくとも部分的に吸収し得る。TPV材料1としては、例えば、UE-D-100、バックミンスターフラーレン(C60)等の活性材料が挙げられる。図10に示す実施形態及び本明細書に含まれる他の図では、例示的なドナーとしてD-100が示されているが、本発明の実施形態は特定の例に限定されず、他のドナー及び/又はドナーの組み合わせが、本発明の様々な実施形態に従って利用することができ、本発明の範囲内に含まれる。同様に、本発明は、本図に示される例示的なアクセプタに限定されず、他のアクセプタ及びアクセプタの組み合わせも本発明の範囲内に含まれる。当業者は、多くの変形、修正、及び代替を認識できる。TPV材料1は、可視帯域のTPV材料の吸収スペクトルと相補的な合成吸収スペクトルを有する1つ以上の材料(例えば、C70又は3,4,9,10ペリレンテトラカルボン酸ビスベンズイミダゾール(PTCBI))と対にすることができる。例えば、C70はUV帯域及び可視帯域で吸収することができ、PTCBIは可視帯域及びNIR帯域で吸収することができる。
[0133]図11A~図11Hは、特定の実施形態に係る色中立TPV装置の例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。図11A~図11Hに示す例では、色中立TPV装置はそれぞれ、少なくともドナー材料、アクセプタ材料、及び可視光吸収性色中和材料を含むことができる3つ以上の材料を含む。異なる装置では、3つ以上の材料の組成及びエネルギー準位、並びに装置内の3つ以上の材料の層の形態又は積層は異なっていてもよい。図11A~図11Hに示す例では、第1及び第2の材料は、UV帯域及びNIR帯域の光を吸収することができるドナー及びアクセプタ材料であってもよく、材料3は可視帯域で吸収性であってもよい。幾つかの実施形態では、材料3及び4は、電子ドナー又はアクセプタとしても作用し得る。図11A~図11Hには示されていないが、図11A~図11Hに示されている色中立TPV装置は、図1A及び図3に関して示され説明された1つ以上のバッファ層などの幾つかの他の材料層を含むことができる。
[0134]図11A及び図11Bは、色中立TPV装置1100の一例のエネルギー準位配列及び構造を示す。色中立TPV装置1100は、第1の電極1102(例えば、アノード)と、第1の材料1104(例えば、ドナー材料)と、第2の材料1106(例えば、アクセプタ材料)と、第2の電極1108(例えば、カソード)と、第3の材料1110とを含んでもよい。第2の材料1106は、材料1,2において生成される励起子の解離を促進するために、第1の材料1104のHOMO準位よりも深い(すなわち、より低い)HOMO準位と、第1の材料(1104)のLUMO準位よりも深いLUMO準位とを有することができる。
[0135]色中立TPV装置1100では、第3の材料1110は、第1の電極1102と第2の電極1108との間にはない。第3の材料1110は、色中立TPV装置1100の色を中和するための光学層として使用されてもよいが、光電流に寄与しなくてもよい。第3の材料1110は光電流に寄与しないので、そのエネルギー準位は、第1の材料1104及び第2の材料1106のエネルギー準位に関係なく位置決めされ得る。幾つかの実施形態では、第3の材料1110は、可視光を吸収することができるが、光電流(例えば、代わりに熱を生成してもよい)を生成することができない受動材料であってもよい。
[0136]図11C及び図11Dは、色中立TPV装置1120の一例のエネルギー準位配列及び構造を示す。また、色中立TPV装置1120は、第1の電極1122(例えば、アノード)と、第1の材料1126(例えば、ドナー材料)と、第2の材料1128(例えば、アクセプタ材料)と、第2の電極1130(例えば、カソード)と、第1の電極1122と第1の材料1126との間の第3の材料1124とを含んでもよい。第2の材料1128は、材料1,2において生成される励起子の解離を促進するために、第1の材料1126のHOMO準位よりも深い(すなわち、より低い)HOMO準位と、第1の材料1126のLUMO準位よりも深い(すなわち、より低い)LUMO準位とを有することができる。
[0137]色中立TPV装置1120において、第3の材料1124は、第1の電極1122(例えば、アノード)と第1の材料1126(例えば、ドナー材料)との間に平面層を形成してもよい。第3の材料1124は、良好な正孔輸送材料であってもよく、第3の材料1124のHOMO準位は、第1の材料1126から第3の材料1124及び第1の電極1122への正孔輸送のためのエネルギー障壁が存在しないように、第1の材料1126のHOMO準位よりも浅い(すなわち、より高い)か又は等しくてもよい。幾つかの実施形態において、第3の材料1124は、正孔トンネリングを可能にするのに十分に薄くてもよい。したがって、第3の材料1124は、第1の材料1126の隣に配置されると、光生成正孔をアノード(例えば、第1の電極1122)に輸送し得る。幾つかの実施形態では、色中和層がドープされてもよい。
[0138]幾つかの実施形態では、第3の材料1124のLUMO準位は、図11Cに示すように、第1の材料1126のLUMO準位よりも深くてもよい(すなわち、より低い)。幾つかの実施形態において、第3の材料1124の発光スペクトルは、第1の材料1126又は第2の材料1128の吸収スペクトルと重複してもよく、したがって、第3の材料1124は光電流に寄与し得る。
[0139]図11E及び図11Fは、色中立TPV装置1140の一例のエネルギー準位配列及び構造を示す。また、色中立TPV装置1140は、第1の電極1142(例えば、アノード)と、第1の材料1144(例えば、ドナー材料)と、第2の材料1146(例えば、アクセプタ材料)と、第2の電極1150(例えば、カソード)と、第2の電極1150と第2の材料1146との間の第3の材料1148とを含んでもよい。第2の材料1146は、材料1,2で生成された励起子の解離を容易にするために、第1の材料1144のHOMO準位よりも深いHOMO準位と、第1の材料1144のLUMO準位よりも深いLUMO準位とを有することができる。
[0140]色中立TPV装置1140では、第3の材料(1148)は、良好な電子輸送材料であってもよく、第2の材料1146から第3の材料1148及び第2の電極1150への電子輸送のためのエネルギー障壁が存在しないように、第2の材料のLUMO準位以上のLUMO準位を有してもよい。幾つかの実施形態では、第3の材料1148は、正孔トンネリングを可能にするのに十分に薄くてもよい。したがって、第3の材料1148が第2の材料1146(例えば、アクセプタ材料)の隣に配置されると、第3の材料1148は、エネルギー障壁を伴うことなく光生成電子をカソード(例えば、第2の電極1150)に輸送することができる。幾つかの実施形態では、色中和層がドープされてもよい。幾つかの実施形態において、第3の材料1148の発光スペクトルは、第1の材料1144又は第2の材料1146の吸収スペクトルと重複してもよく、したがって、第3の材料1148は光電流に寄与し得る。
[0141]図11G及び図11Hは、色中立TPV装置1160の一例のエネルギー準位配列及び構造を示す。また、色中立TPV装置1160は、第1の電極1162(例えば、アノード)と、第1の材料1166(例えば、ドナー材料)と、第2の材料1168(例えば、アクセプタ材料)と、第2の電極1170(例えば、カソード)と、第1の電極1162と第1の材料1166との間の第3の材料1164と、第2の電極1170と第2の材料1168との間の第4の材料1172とを含んでもよい。第3の材料1164及び第4の材料1172は、全体的な中間色TPVを達成するために、ドナー及びアクセプタの両側の平面層として使用することができる。第3の材料1164は、エネルギー障壁を伴うことなく正孔をアノードに輸送するために、第1の材料1166と同様又は浅いHOMO準位を有してもよい。第4の材料1172は、エネルギー障壁を伴うことなく電子をカソードに効率的に輸送するために、第2の材料1168と比較して同様又はより深いLUMO準位を有してもよい。
[0142]図12A~図12Jは、特定の実施形態に係る色中立TPV装置の例の装置構造及びエネルギー準位配列を示す。図12A~図12Jに示す例では、色中立TPV装置はそれぞれ、少なくともドナー材料、アクセプタ材料、及び可視光吸収色中和材料を含むことができる3つ以上の材料を含む。異なる装置では、3つ以上の材料の組成及びエネルギー準位、並びに装置内の3つ以上の材料の層の形態又は積層は異なっていてもよい。図12A~図12Jに示す例において、第1及び第2の材料は、UV帯域及びNIR帯域の光を吸収することができるドナー及びアクセプタ材料であってもよく、図1Bに関して前述したように混合ヘテロ接合、バルクヘテロ接合、又は勾配ヘテロ接合を形成するために混合されてもよい。第3の材料は、可視帯域で吸収性であってもよく、幾つかの実施形態では、NIR又はUV帯域でも吸収性であってもよい。図12A~図12Jには示されていないが、図12A~図12Jに示されている色中立TPV装置は、図1A及び図3に関して図示及び説明した1つ以上のバッファ層などの幾つかの他の材料層を含むことができる。
[0143]図12A及び図12Bは、色中立TPV装置1200の一例のエネルギー準位配列及び構造を示す。色中立TPV装置1200は、第1の電極1202(例えば、アノード)と、第2の材料1208と混合された第1の材料1206と、第2の電極1210(例えば、カソード)と、第1の電極1202と第1の材料1206及び第2の材料1208によって形成された混合ヘテロ接合との間の第3の材料1204とを含んでもよい。第2の材料1208は、第1の材料1206のHOMO準位よりも深いHOMO準位を有してもよく、第1の材料1206のLUMO準位よりも深いLUMO準位を有してもよい。
[0144]色中立TPV装置1200において、第3の材料1204は、平面層を形成することができ、良好な正孔輸送材料とすることができる。第3の材料1204のHOMO準位は、第1の材料1206のHOMO準位から第3の材料1204及びアノード(例えば、第1の電極1202)のHOMO準位への正孔輸送のためのエネルギー障壁が存在しないように、第1の材料1206のHOMO準位よりも浅いか又は等しくてもよい。したがって、第3の材料1204は、第1の材料1206(例えば、ドナー材料)の隣に配置されると、光生成正孔をアノード(例えば、第1の電極1202)に輸送し得る。図12Aに示すように、第3の材料1204のLUMO準位が第2の材料1208のLUMO準位よりも浅い実施形態(例えば、アクセプタ材料)では、第3の材料1204で生成された励起子は、第2の材料1208と第3の材料1204との界面で解離する場合があり、したがって、第3の材料1204は光電流に寄与し得る。第3の材料1204のLUMO準位が第2の材料1208のLUMO準位以上である場合、第3の材料1204は光電流に寄与しない場合がある。
[0145]図12C及び図12Dは、色中立TPV装置1220の一例のエネルギー準位配列及び構造を示す。また、色中立TPV装置1220は、第1の電極1222(例えば、アノード)と、第2の材料1226と混合された第1の材料1224と、第2の電極1230(例えば、カソード)と、第2の電極1230と第1の材料1224及び第2の材料1226によって形成された混合ヘテロ接合との間の第3の材料1228とを含んでもよい。第2の材料1226は、第1の材料1224のHOMO準位よりも深いHOMO準位を有してもよく、第1の材料1224のLUMO準位よりも深いLUMO準位を有してもよい。
[0146]色中立TPV装置1220において、第3の材料1228は、平面層を形成してもよく、良好な電子輸送材料であってもよい。第3の材料1228のLUMO準位は、第2の材料1226のLUMO準位から第3の材料1228及びカソード(例えば、第2の電極1230)のLUMO準位への電子輸送のためのエネルギー障壁が存在しないように、第2の材料1226のLUMO準位より深くても又は等しくてもよい。したがって、第2の材料1226(例えば、アクセプタ材料)の隣に配置されると、第3の材料1228は、光生成電子をカソード(例えば、第2の電極1230)に輸送し得る。第3の材料1228のHOMO準位が第1の材料1224のHOMO準位よりも深い(例えば、ドナー材料)実施形態では、第3の材料1228で生成された励起子は、第1の材料1224と第3の材料1228との界面で解離する場合があり、したがって、第3の材料1228は光電流に寄与し得る。第3の材料1228のHOMO準位が第1の材料1224のHOMO準位以下である場合、第3の材料1228は光電流に寄与しない場合がある。
[0147]図12E及び図12Fは、色中立TPV装置1240の一例のエネルギー準位配列及び構造を示す。色中立TPV装置1240は、第1の電極1242(例えば、アノード)と、第2の材料1246と混合された第1の材料1244と、第4の材料1250と混合された第3の材料1248と、第2の電極1252(例えば、カソード)とを含んでもよい。第2の材料1246は、第1の材料1244のHOMO準位よりも深いHOMO準位と、第1の材料1244のLUMO準位よりも深いLUMO準位とを有してもよい。
[0148]色中立TPV装置1240において、第1の材料1244のHOMO準位は、第3の材料1248からアノード(例えば、第1の電極1242)への正孔輸送に対する障壁が存在しないように、第3の材料1248のHOMO準位よりも浅いか又は等しくてもよい。同様に、第4の材料1250のLUMO準位は、第2の材料1246からカソード(例えば、第2の電極1252)への電子輸送に対する障壁が存在しないように、第2の材料1246のLUMO準位より深くても又は等しくてもよい。したがって、4つの材料は全て、色中立TPV装置1240の光電流に寄与し得る。幾つかの実施形態では、第1の材料1244及び第3の材料1248は同じドナー材料であってもよい。幾つかの実施形態では、第2の材料1246及び第4の材料1250が同じアクセプタ材料であってもよい。4つの材料は、色中立TPV装置1240の全体的な中間色を達成するために可視帯域に相補的な吸収スペクトルを有することができるように選択することができる。
[0149]図12G及び図12Hは、色中立TPV装置1260の一例のエネルギー準位配列及び構造を示す。色中立TPV装置1260は、第1の電極1262(例えば、アノード)と、第2の材料1266と混合された第1の材料1264と、第3の材料1268と、第4の材料1270と、第2の電極1272(例えば、カソード)とを含んでもよい。第3の材料1268及び第4の材料1270は、全体的な中間色TPVを達成するために、ドナー及びアクセプタの両側の平面層として使用することができる。第3の材料1168は、エネルギー障壁を伴うことなく正孔をアノードに輸送するために、第1の材料1164と同様又は浅いHOMO準位を有してもよい。第4の材料1270は、エネルギー障壁を伴うことなく電子をカソードに効率的に輸送するために、第2の材料1266と比較して同様又はより深いLUMO準位を有してもよい。
[0150]図12I及び図12Jは、色中立TPV装置1280の一例のエネルギー準位配列及び構造を示す。色中立TPV装置1280は、第1の電極1282(例えば、アノード)と、第2の材料1286と混合された第1の材料1284と、第3の材料1290と、第2の電極1290(例えば、カソード)とを含んでもよい。色中立TPV装置1280では、第3の材料1290は、第1の電極1282と第2の電極1288との間にはない。第3の材料1290は、色中立TPV装置の色を中和するための光学層として使用されてもよいが、光電流に寄与しなくてもよい。第3の材料1290は光電流に寄与しないので、そのエネルギー準位は、第1の材料1284及び第2の材料1286のエネルギー準位に関係なく位置決めされ得る。幾つかの実施形態において、第3の材料1290は、可視光を吸収することができるが、光電流(例えば、代わりに熱を生成してもよい)を生成することができない受動材料であってもよい。
[0151]図13A~図13Bは、特定の実施形態に係る色中立TPV装置1300の一例の装置形態及びエネルギー準位配列を示す。色中立TPV装置1300は、少なくともドナー材料、アクセプタ材料、及び可視光吸収色中和材料を含み得る、3つ以上の材料を含み得る。第1及び第2の材料は、UV帯域及びNIR帯域の光を吸収することができるドナー材料及びアクセプタ材料を含むことができる。第3の材料は、可視帯域で吸収性であってもよく、幾つかの実施形態では、NIR帯域及び/又はUV帯域でも吸収性であってもよい。第1、第2、及び第3の材料を混合して、図1Bに関して前述したように三次ブレンドを形成することができる。
[0152]色中立TPV装置1300は、第1の電極1302(例えば、アノード)と、第2の電極1310と、第1の材料1304、第2の材料1306及び第3の材料1308の三次ブレンドとを含んでもよい。三次ブレンドでは、3つ(又はそれ以上)の材料全てが一緒に混合される。第1の材料1304及び第2の材料1306は、透明PVの活性材料であり、光電流に寄与し得る。第3の材料1308は、前述したように、第1の材料1304及び第2の材料1306とのそのエネルギー準位配列に応じて、光電流に寄与してもしなくてもよい。図13A~図13Bには示されていないが、色中立TPV装置1300は、図1A及び図3に関して図示及び説明したような1つ以上のバッファ層などの幾つかの他の材料層を含むことができる。
[0153]図11A~図13の色中立TPV装置に関連して前述した材料の様々な組み合わせは、電気反転装置及びタンデム型装置にも使用することができる。前述の構造に係る装置の幾つかの例が、作製及び測定される。
[0154]図14は、特定の実施形態に係る可視光吸収光学層1470を含む色中立TPV装置1400の一例を示す。色中立TPV装置1400は、図11A及び図11Bを参照して前述した色中立TPV装置1100の具体例であってもよい。図示されるように、色中立TPV装置1400は、透過基板1410(例えば、ガラス基板)、第1の電極1420、正孔輸送層1430、混合電子ドナー及びアクセプタ層(例えば、ドナー:C60)を含む光起電材料層1440、電子輸送(又はバッファ)層1450、並びに例えば薄いITO層及び/又はAg層を含み得る第2の電極1460(例えば、カソード)を含み得る。光起電材料層は、UV及びNIR帯域の光を吸収して光電流を生成することができる。
[0155]可視光吸収光学層1470は、例えば、ペリレンテトラカルボン酸ビスベンズイミダゾール(PTCBI)、すなわち、
Figure 2022544677000003

を含んでもよい。
PTCBIは、可視光及びNIR光を吸収し得る。可視光吸収光学層1470は、色中立なTPV装置1400の色を中和するための光学層として使用されてもよいが、光電流に寄与しなくてもよい。可視光吸収光学層1470は、光電流に寄与しないため、そのエネルギー準位が任意である。可視光吸収光学層1470の厚さは、色中立TPV装置1400の全光吸収スペクトルを調整するように調整されてもよい。
[0156]図15は、特定の実施形態に係る異なる厚さを有する可視光吸収光学層を含む色中立TPV装置の例(例えば、色中立TPV装置1400)のシミュレートされた透過スペクトルを示す図である。例えば、スペクトル1510は、色中立TPV装置1400にPTCBI層(例えば、可視光吸収光学層1490)がない場合の色中立TPV装置1400の透過スペクトルを示す。スペクトル1520~1560は、PTCBI層(例えば、可視光吸収光学層1490)がそれぞれ10nm、20nm、30nm、40nm、及び50nmの厚さを有する場合の色中立TPV装置1400の透過スペクトルを示す。図示のように、PTCBI層の厚さを増大させると、可視帯域及びNIR帯域における色中立TPV装置の吸収を増大させることができる。図15に示す例では、PTCBI層が約50nmであるとき、色中立TPV装置1400は、可視帯域において実質的に平坦な透過スペクトルを有することができる。
[0157]図16は、特定の実施形態に係る異なる厚さを有する可視光吸収光学層を含む色中立TPV装置(例えば、色中立TPV装置1400)の例を透過した可視光の色座標の例を示す図である。例えば、スペクトル1610は、図15に示すように、異なる厚さ(例えば、0nm、10nm、20nm、30nm、40nm、及び50nm)、したがって異なるAVT値のPTCBI層を有する色中立TPV装置を透過した後の白色光のシミュレートされたa*値を示す。スペクトル1620は、図15に示すように、異なる厚さ(例えば、0nm、10nm、20nm、30nm、40nm、及び50nm)、したがって異なるAVT値のPTCBI層を有する色中立TPV装置を透過した後の白色光のシミュレートされたb*値を示す。図示のように、PTCBI層が約50nmである場合、色中立TPV装置を透過する白色光のa*及びb*値は、装置が色中立であることも示す[-5,5]内など、(0,0)に近くなり得る。
[0158]図17は、特定の実施形態に係る色中立TPV装置の一例の実験的に測定された透過スペクトル1710を示す。前述したように、色中立TPV装置は、色中立TPV装置の層の積層体内のUV/NIR吸収材料に対して相補的な吸収スペクトルを有する可視光吸収材料を含むことができる。可視光吸収材料及びUV/NIR吸収材料は、平坦な透過スペクトルをもたらし、中立な透過色を達成することができる。例えば、図17に示すように、可視帯域におけるUE-D-100:C60に対するPTCBIの相補的な吸収特性に起因して、平坦な透過スペクトル1710が可視スペクトルにわたって達成されてもよく、これにより、中立な透過色がもたらされ得る。
[0159]図18は、特定の実施形態に係る色中立TPV装置を製造するための方法の一例を示す簡略フローチャート1800である。フローチャート1800は、透明基板が用意されるブロック1805で開始することができる。有用な透明過板は、ガラス、プラスチック、石英などの可視光透過型基板を含むことが理解される。様々な実施形態では、可撓性基板及び硬質基板が有用である。随意的に、透明基板は、上面及び/又は下面に適用される1つ以上の光学層を備える。
[0160]ブロック1810において、随意的に、透明基板の上面及び/又は下面など、透明基板上又は透明基板の上方に1つ以上の光学層が形成される。随意的に、1つ以上の光学層は、介在層又は透明導体などの材料などの他の材料上に形成される。随意的に、1つ以上の光学層は、可視光透過型基板に隣接して及び/又は接触して位置される。光学層の形成は随意的であり、幾つかの実施形態は、透明基板に隣接する及び/又は透明基板と接触する光学層を含まなくてもよいことが理解される。光学層は、めっき、化学溶液堆積、スピンコーティング、浸漬コーティング、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積、及び原子層堆積などの1つ以上の化学堆積法、又は、熱蒸着、電子ビーム蒸発、分子線エピタキシ、スパッタリング、パルスレーザ堆積、イオンビーム堆積、及びエレクトロスプレー堆積などの1つ以上の物理堆積法を含むがこれらに限定されない様々な方法を使用して形成することができる。有用な光学層は、可視光透過型光学層を含むことが理解される。有用な光学層は、例えば、反射防止特性、波長選択反射又は分布ブラッグ反射特性、屈折率整合特性、カプセル化などを含む1つ以上の光学特性を与えるものを含む。有用な光学層は、場合により、紫外光及び/又は近赤外光を透過する光学層を含んでもよい。しかしながら、形態に応じて、幾つかの光学層は、随意的に、受動的な赤外線及び/又は紫外線吸収を与えてもよい。随意的に、光学層は、本明細書に記載の可視光吸収材料を含んでもよい。
[0161]ブロック1815では、透明電極が形成される。前述のように、透明電極は、インジウムスズ酸化物薄膜又は他の透明導電膜、例えば金属薄膜(例えば、Ag、Cuなど)、金属薄膜(例えば、Ag、Cuなど)及び誘電体材料を含む多層積層体、又は導電性有機材料(例えば、導電性ポリマーなど)を含んでもよい。透明電極は、可視光透過型電極を含むことが理解される。透明電極は、原子層堆積、化学蒸着、物理蒸着、熱蒸着、スパッタ堆積、エピタキシなどの真空堆積技術を含む1つ以上の堆積プロセスを使用して形成することができる。場合によっては、スピンコーティングなどの溶液ベースの堆積技術も使用することができる。更に、透明電極は、リソグラフィ、リフトオフ、エッチングなどの微細加工技術によってパターニングされてもよい。
[0162]ブロック1820において、透明電極上などに、1つ以上のバッファ層が随意的に形成される。バッファ層は、めっき、化学溶液堆積、スピンコーティング、浸漬コーティング、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積、及び原子層堆積などの1つ以上の化学堆積法、又は、熱蒸着、電子ビーム蒸発、分子線エピタキシ、スパッタリング、パルスレーザ堆積、イオンビーム堆積、及びエレクトロスプレー堆積などの1つ以上の物理堆積法を含むがこれらに限定されない様々な方法を使用して形成することができる。有用なバッファ層は、可視光透過型バッファ層を含むことが理解される。有用なバッファ層としては、電子輸送層、電子ブロッキング層、正孔輸送層、正孔ブロッキング層、光学スペーサ、物理バッファ層、電荷再結合層、又は、電荷生成層として機能するものが挙げられる。幾つかの実施形態において、バッファ層は、随意的に、本明細書に記載の可視光透過型光活性化合物を含んでもよい。
[0163]ブロック1825において、バッファ層上又は透明電極上などに、1つ以上の光活性層が形成される。前述のように、光活性層は、電子アクセプタ層及び電子ドナー層又は電子ドナー及びアクセプタの共堆積層(例えば、UE-D-100:C60)を含んでもよい。有用な光活性層は、本明細書中に記載の可視光透過型光活性化合物を備えるものを含む。前述したように、幾つかの実施形態において、光活性層は、可視帯域の可視光透過型光活性化合物の透過スペクトルに対して相補的な透過スペクトルを有して中性透過色を得ることができる可視光吸収材料(例えば、PTCBI又はC70)を含むこともできる。光活性層は、めっき、化学溶液堆積、スピンコーティング、浸漬コーティング、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積、及び原子層堆積などの1つ以上の化学堆積法、又は、熱蒸着、電子ビーム蒸発、分子線エピタキシ、スパッタリング、パルスレーザ堆積、イオンビーム堆積、及びエレクトロスプレー堆積などの1つ以上の物理堆積法を含むがこれらに限定されない様々な方法を使用して形成することができる。
[0164]幾つかの例において、光活性層に有用な可視光透過型光活性化合物は、熱蒸着などの真空蒸着技術を使用して堆積させることができる。真空蒸着は、真空チャンバ内で、例えば約10-5Torr~約10-8Torrの圧力で行われてもよい。一例では、真空蒸着を約10-7Torrの圧力で行うことができる。前述したように、様々な堆積技術を適用することができる。幾つかの実施形態では、熱蒸発が使用される。熱蒸発は、堆積される材料の供給源(すなわち、可視光透過型光活性化合物)を200℃~1800℃の温度に加熱することを含むことができる。材料供給源の温度は、約0.01nm/s~約1nm/sの薄膜成長速度を達成するように選択されてもよい。例えば、0.1nm/sの薄膜成長速度を用いてもよい。これらの成長速度は、数分から数時間にわたって約1nm~1800nmの厚さを有する薄膜を生成するのに有用である。堆積される材料の様々な特性(例えば、分子量、揮発性、熱安定性)が、供給源温度又は最大有用供給源温度を決定するか又はそれに影響を及ぼし得ることが理解される。例えば、堆積される材料の熱分解温度は、供給源の最高温度を制限し得る。別の例として、揮発性の高い堆積される材料は、揮発性の低い材料と比較して、目標の堆積速度を達成するためにより低いソース温度を必要とする場合があり、目標の堆積速度を達成するためにより高いソース温度が必要とされる場合がある。堆積される材料は、供給源から蒸発すると、より低い温度で表面(例えば、基板、光学層、透明電極、バッファ層など)に堆積され得る。例えば、表面は、約10℃~約100℃の温度を有してもよい。場合によっては、表面の温度を能動的に制御することができる。場合によっては、表面の温度を能動的に制御しなくてもよい。
[0165]ブロック1830において、光活性層上などに、1つ以上のバッファ層が随意的に形成される。ブロック1830において形成されるバッファ層は、ブロック1820において形成されるバッファ層と同様に形成されてもよい。ブロック1820、1825、及び1830は、例えば、光活性層及び随意的に様々なバッファ層を含む材料の多層積層体を形成するために、一回又は複数回繰り返されてもよいことが理解される。
[0166]ブロック1835において、バッファ層上又は光活性層上などに第2の透明電極が形成される。第2の透明電極は、ブロック1815における第1の透明電極の形成に適用可能な技術を用いて形成されてもよい。
[0167]ブロック1840において、第2の透明電極上などに、1つ以上の更なる光学層が随意的に形成される。図11A、図11B、及び図14~図16に関して前述したように、幾つかの実施形態において、光学層は、光電流に寄与しなくてもよいが中性透過色を得るために可視帯域で可視光透過型光活性材料の透過スペクトルに対して相補的な透過スペクトルを有することができる可視光吸収材料(例えば、PTCBI)を含んでもよい。
[0168]図18に示される特定のステップは、本発明の様々な実施形態に係る可視光透過型光起電装置を製造する特定の方法を提供することが理解されるべきである。別の実施形態によれば、他の一連のステップを実行することもできる。例えば、本発明の別の実施形態は、上記で概説したステップを異なる順序で実行してもよい。更に、図18に示される個々のステップは、個々のステップに適切であるように様々な順序で実行することができる複数のサブステップを含むことができる。更に、特定の用途に応じて、更なるステップを追加又は削除することができる。多くの変形、修正、及び代替が使用され得ることが理解される。
[0169]図18によって示される方法は、随意的に、電気エネルギーを生成するための方法に拡張されてもよい。例えば、電気エネルギーを生成するための方法は、方法に従って可視光透過型光起電装置を形成することなどによって、可視光透過型光起電装置を提供することを含むことができる。電気エネルギーを生成するための方法は、例えば、電気エネルギーを生成するために、前述したように、電子-正孔対の形成及び分離をもたらすために、可視光、紫外光及び/又は近赤外光に可視光透過型光起電装置を曝露することを更に含んでもよい。可視光透過型光起電装置は、光活性材料、緩衝材料、及び/又は光学層として本明細書に記載の可視光透過型光活性化合物を含むことができる。
[0170]本発明の実施形態によれば、本明細書中で論じられ、図に示されている装置構造の1つ以上は、光活性層と透明電極との間に様々なタイプのバッファ層を利用することができる。これらのバッファ層は、改善された太陽電池性能、審美性、製造、及び/又は、安定性をもたらす光学的、電子的、又は、形態学的利益を与えるために使用され得る。
[0171]図19は、可視光透過型光起電装置100、装置構造600,800、1000、1200、1400、1700、又はそれらの任意の組み合わせなどの光起電装置を形成するための方法1900を示す。様々な実施形態において、光起電装置は、可視光透過型又は不透明であってもよい。例えば、方法1900を参照して可視光透過型であるとして説明した構成要素のいずれかは、幾つかの実施形態では不透明であってもよい。方法1900は、更なるステップ又は図19に示されているよりも少ないステップを含むことができる。更に、方法1900の1つ以上のステップは、図19に示される順序とは異なる順序で実行されてもよい。
[0172]方法1900は、例えば透明基板などの基板が用意されるブロック1902で開始する。有用な透明基板は、ガラス、プラスチック、石英などの可視光透過型基板を含むことが理解される。様々な実施形態では、可撓性基板及び硬質基板が有用である。随意的に、透明基板は、上面及び/又は下面に予め形成された1つ以上の光学層を備える。
[0173]ブロック1904において、随意的に、透明基板の上面及び/又は下面など、透明基板上又は透明基板の上方に1つ以上の光学層が形成される。随意的に、1つ以上の光学層は、介在層又は透明導体などの材料などの他の材料上に形成される。随意的に、1つ以上の光学層は、可視光透過型基板に隣接して及び/又は接触して位置される。光学層の形成は随意的であり、幾つかの実施形態は、透明基板に隣接する及び/又は透明基板と接触する光学層を含まなくてもよいことが理解される。光学層は、めっき、化学溶液堆積、スピンコーティング、浸漬コーティング、スロットダイコーティング、ブレードコーティング、スプレーコーティング、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積、及び、原子層堆積などの1つ以上の化学堆積法、又は、熱蒸着、電子ビーム蒸着、分子線エピタキシ、スパッタリング、パルスレーザ堆積、イオンビーム堆積、及び、エレクトロスプレー堆積などの1つ以上の物理堆積法を含むがこれらに限定されない様々な方法を使用して形成することができる。有用な光学層は、可視光透過型光学層を含むことが理解される。有用な光学層は、例えば、反射防止特性、波長選択反射又は分布ブラッグ反射特性、屈折率整合特性、カプセル化などを含む1つ以上の光学特性を与えるものを含む。有用な光学層は、場合により、紫外光及び/又は近赤外光を透過する光学層を含んでもよい。しかしながら、形態に応じて、幾つかの光学層は、随意的に、受動的な赤外線及び/又は紫外線吸収を与えてもよい。随意的に、光学層は、本明細書に記載の可視光透過型光活性化合物を含んでもよい。
[0174]ブロック1906において、例えば第1の透明電極などの第1の(例えば、下部)電極が形成される。前述のように、透明電極は、ITO薄膜又は他の透明導電膜、例えば金属薄膜(例えば、Ag、Cuなど)、金属薄膜(例えば、Ag、Cuなど)及び誘電体材料を含む多層積層体、又は導電性有機材料(例えば、導電性ポリマーなど)に対応し得る。透明電極は、可視光透過型電極を含むことが理解される。透明電極は、原子層堆積、化学蒸着、物理蒸着、熱蒸着、スパッタ堆積、エピタキシなどの真空堆積技術を含む1つ以上の堆積プロセスを使用して形成され得る。場合によっては、スピンコーティングなどの溶液ベースの堆積技術も使用され得る。更に、透明電極は、リソグラフィ、リフトオフ、エッチングなどの微細加工技術によってパターニングされてもよい。
[0175]ブロック1908において、透明電極上などに、1つ以上のバッファ層が随意的に形成される。バッファ層は、めっき、化学溶液堆積、スピンコーティング、浸漬コーティング、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積、及び原子層堆積などの1つ以上の化学堆積法、又は、熱蒸着、電子ビーム蒸発、分子線エピタキシ、スパッタリング、パルスレーザ堆積、イオンビーム堆積、及びエレクトロスプレー堆積などの1つ以上の物理堆積法を含むがこれらに限定されない様々な方法を使用して形成することができる。有用なバッファ層は、可視光透過型バッファ層を含むことが理解される。有用なバッファ層としては、電子輸送層、電子ブロッキング層、正孔輸送層、正孔ブロッキング層、光学スペーサ、物理バッファ層、電荷再結合層、又は、電荷生成層として機能するものが挙げられる。場合によっては、開示された可視光透過型光活性化合物は、バッファ層材料として有用であり得る。例えば、バッファ層は、随意的に、本明細書に記載の可視光透過型光活性化合物を含んでもよい。
[0176]ブロック1910において、バッファ層上又は透明電極上などに、1つ以上の光活性層が形成される。前述のように、光活性層は、電子アクセプタ層及び電子ドナー層又は電子ドナー及びアクセプタの共堆積層を含んでもよい。光活性層は、めっき、化学溶液堆積、スピンコーティング、浸漬コーティング、化学気相堆積、プラズマ化学気相堆積、及び原子層堆積などの1つ以上の化学堆積法、又は、熱蒸着、電子ビーム蒸発、分子線エピタキシ、スパッタリング、パルスレーザ堆積、イオンビーム堆積、及びエレクトロスプレー堆積などの1つ以上の物理堆積法を含むがこれらに限定されない様々な方法を使用して形成することができる。
[0177]幾つかの実施形態において、ブロック1910は、1つ以上のバルクヘテロ接合(BHJ)活性層を形成することを含むことができる。例えば、ブロック1918では、第1のBHJ活性層が形成される。幾つかの実施形態において、第1のBHJ活性層は、ブロック1906で形成された第1の透明電極上又はブロック1908で形成されたバッファ層上に形成される。第1のBHJ活性層は、電子ドナー材料(すなわち、第1の電子ドナー材料)と電子アクセプタ材料(すなわち、第1の電子アクセプタ材料)とのブレンド(すなわち、第1のブレンド)を含んでもよい。第1のBHJ活性層は、第1の電子ドナー材料のHOMOエネルギー準位によって特徴付けられる(例えば、第1の電子ドナー材料のHOMOエネルギー準位に等しい)HOMOエネルギー準位(すなわち、第1のHOMOエネルギー準位)と、第1の電子アクセプタ材料のLUMOエネルギー準位によって特徴付けられる(例えば、第1の電子アクセプタ材料のLUMOエネルギー準位に等しい)LUMOエネルギー準位(すなわち、第1のLUMOエネルギー準位)とを有することができる。
[0178]第1のBHJ活性層は、電子ドナー材料(第1の電子ドナー材料を含む)及び電子アクセプタ材料(第1の電子アクセプタ材料を含む)の二次、三次、四次、又は高次ブレンドであってもよい。第1のBHJ活性層は、励起子ブロッキング層、正孔ブロッキング層、又は電子ブロッキング層によってコーティングされてもよい。幾つかの実施形態では、第1のBHJ活性層と第1の透明電極との間に励起子ブロッキング層、正孔ブロッキング層、又は電子ブロッキング層が配置される(例えば、堆積される)。
[0179]別の例として、ブロック1920では、第2のBHJ活性層が形成される。幾つかの実施形態において、第2のBHJ活性層は、ブロック1918で形成された第1のBHJ活性層上に形成される。第2のBHJ活性層は、電子ドナー材料(すなわち、第2の電子ドナー材料)と電子アクセプタ材料(すなわち、第2の電子アクセプタ材料)とのブレンド(すなわち、第2のブレンド)を含んでもよい。第2のBHJ活性層は、第2の電子ドナー材料のHOMOエネルギー準位によって特徴付けられる(例えば、第2の電子ドナー材料のHOMOエネルギー準位に等しい)HOMOエネルギー準位(すなわち、第2のHOMOエネルギー準位)と、第2の電子アクセプタ材料のLUMOエネルギー準位によって特徴付けられる(例えば、第2の電子アクセプタ材料のLUMOエネルギー準位に等しい)LUMOエネルギー準位(すなわち、第2のLUMOエネルギー準位)とを有することができる。
[0180]第2のBHJ活性層は、電子ドナー材料(第2の電子ドナー材料を含む)及び電子アクセプタ材料(第2の電子アクセプタ材料を含む)の二次、三次、四次、又は高次ブレンドであってもよい。第2のBHJ活性層は、励起子ブロッキング層、正孔ブロッキング層、又は電子ブロッキング層によってコーティングされてもよい。幾つかの実施形態では、励起子ブロッキング層、正孔ブロッキング層、又は電子ブロッキング層は、第2のBHJ活性層と第2の透明電極との間に配置される。
[0181]幾つかの実施形態において、第1のBHJ活性層は、第2のBHJ活性層とは異なる電子ドナー材料を有してもよい(例えば、第1の電子ドナー材料は、第2の電子ドナー材料と異なっていてもよい)。幾つかの実施形態において、第1のBHJ活性層は、第2のBHJ活性層と電子ドナー材料を共有してもよい(例えば、第1の電子ドナー材料は、第2の電子ドナー材料と同じであってもよい)。幾つかの実施形態において、第1のBHJ活性層は、第2のBHJ活性層とは異なる電子アクセプタ材料を有してもよい(例えば、第1の電子アクセプタ材料は、第2の電子アクセプタ材料と異なっていてもよい)。幾つかの実施形態において、第1のBHJ活性層は、第2のBHJ活性層と電子アクセプタ材料を共有してもよい(例えば、第1の電子アクセプタ材料は、第2の電子アクセプタ材料と同じであってもよい)。
[0182]様々な実施形態において、第1のLUMOエネルギー準位及び第2のLUMOエネルギー準位は、互いに100meV、200meV、300meV、400meV、又は500meV以内であってもよい。様々な実施形態において、第1のHOMOエネルギー準位及び第2のHOMOエネルギー準位は、互いに100meV、200meV、300meV、400meV、又は500meV以内であってもよい。
[0183]幾つかの実施形態において、第1のBHJ活性層は、第1のBHJ活性層による放射線の吸収がピークを示す波長である1つ以上のピーク吸収波長を有することができる。幾つかの実施形態において、第2のBHJ活性層は、第2のBHJ活性層による放射線の吸収がピークを示す波長である1つ以上のピーク吸収波長を有することができる。幾つかの実施形態において、第1のBHJ活性層のピーク吸収波長は、第2のBHJ活性層のピーク吸収波長に対して少なくとも部分的に相補的である。そのような実施形態において、第1のBHJ活性層のピーク吸収波長は、より広いスペクトル範囲を与えるように、第2のBHJ活性層のピーク吸収波長から少なくとも波長オフセット量だけオフセットされる。様々な実施形態において、波長オフセット量は、50nm、100nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、又はそれらの間の任意の値であってもよい。
[0184]ブロック1912において、光活性層上などに、1つ以上のバッファ層が随意的に形成される。ブロック1912において形成されるバッファ層は、ブロック1908において形成されるバッファ層と同様に形成されてもよい。
[0185]ブロック1914において、例えば第2の透明電極などの第2の(例えば、上部)電極が形成される。第2の透明電極は、バッファ層上に形成されていてもよく、光活性層上に形成されていてもよい。第2の透明電極は、ブロック515における第1の透明電極の形成に適用可能な技術を用いて形成されてもよい。
[0186]ブロック1916において、第2の透明電極上などに、1つ以上の更なる光学層が随意的に形成される。
[0187]方法1900は、随意的に、電気エネルギーを生成する方法に対応するように拡張されてもよい。例えば、電気エネルギーを生成するための方法は、方法1900に従って可視光透過型光起電装置を形成することなどによって、可視光透過型光起電装置を提供することを含むことができる。電気エネルギーを生成するための方法は、例えば、電気エネルギーを生成するために、電子-正孔対の形成及び分離をもたらすために、可視光、紫外光及び/又は近赤外光に可視光透過型光起電装置を曝露することを更に含んでもよい。可視光透過型光起電装置は、光活性材料、緩衝材料、及び/又は光学層として本明細書に記載の可視光透過型光活性化合物を含むことができる。
[0188]この開示全体にわたる全ての引用文献、例えば、発行又は付与された特許又は同等物を含む特許文書;特許出願公開公報及び非特許文献又はその他の原資料は、参照により個々に組み込まれているかのように、その全体が参照により本願に組み入れられる。
[0189]本開示で言及される全ての特許及び刊行物は、本発明が関係する当業者の技術レベルを示す。本明細書に引用された参考文献は、場合によっては出願日の最新技術を示すためにその全体が参照により本明細書に組み込まれ、この情報は、必要に応じて、先行技術にある特定の実施形態を除外する(例えば、特許請求の範囲)ために本明細書で使用できることが意図されている。例えば、化合物が特許請求される場合、本明細書に開示された参考文献(特に参照された特許文献)に開示された特定の化合物を含む、先行技術で公知の化合物は、特許請求の範囲に含まれることを意図しないことを理解されるべきである。
[0190]置換基の群が本明細書に開示される場合、それらの群の全ての個々のメンバー並びに置換基を使用して形成され得る全てのサブグループ及びクラスが別々に開示されることが理解される。マーカッシュグループ又は他のグループ化が本明細書で使用される場合、グループの全ての個々のメンバー及びグループの可能な全ての組み合わせ及びサブ組み合わせは、本開示に個別に含まれることが意図される。本明細書で使用される「及び/又は」は、「及び/又は」によって分離されたリスト内の項目の1つ、全て、又は任意の組み合わせがリストに含まれることを意味する。例えば、「1、2及び/又は3」は「「1」又は「2」又は「3」又は「1及び2」又は「1及び3」又は「2及び3」又は「1、2及び3」」と等価である。
[0191]特に明記しない限り、記載又は例示した成分のあらゆる製剤又は組み合わせを使用して本発明を実施することができる。当業者が同じ材料に異なる名称を付けることができることが知られているので、材料の特定の名称は例示的であることを意図している。方法、装置要素、出発材料、及び具体的に例示されたもの以外の合成方法は、過度の実験に頼ることなく本発明の実施に使用することができることが理解される。任意のそのような方法、装置要素、出発材料、及び合成方法の当技術分野で公知の機能的等価物は全て、本発明に含まれることが意図されている。本明細書で範囲、例えば温度範囲、時間範囲、又は組成範囲が与えられるときはいつでも、全ての中間範囲及び部分範囲、並びに与えられた範囲に含まれる全ての個々の値が本開示に含まれることが意図される。
[0192]本明細書中で使用される「備える」は、「含む」、「包含する」、「有する」又は「によって特徴付けられる」と同義であり、包括的又非制約的であり、更なる列挙されていない要素又は方法ステップを排除しない。本明細書で使用される「から成る」は、特許請求の範囲の要素で指定されていない任意の要素、ステップ、又は成分を除外する。本明細書中で使用される「から本質的に成る」は、特許請求の範囲の基本的且つ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない材料又はステップを排除しない。特に組成物の成分の説明又は装置の要素の説明における「備える」という用語の本明細書における列挙は、列挙された成分又は要素から本質的に成る及び列挙された成分又は要素から成るそれらの組成物及び方法を包含すると理解される。本明細書に例示的に記載された本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の1つ以上の要素、1つ以上の限定がない状態で適切に実施され得る。
[0193]本明細書中で使用される用語「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「その(the)」及び本開示を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)同様の指示対象は、本明細書中で別段に示唆されなければ或いは文脈によって明らかに矛盾しなければ、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。「接続される」という用語は、たとえ何かが介在する場合でも、~内に部分的又は全体的に含まれる、~に取り付けられる、又は、互いに接合されると解釈されるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、本明細書中で別段に示唆されなければ、その範囲内にあるそれぞれの別個の値に個別に言及する簡略化された方法として役立つように単に意図されているにすぎず、それぞれの別個の値は、あたかも本明細書中に個別に記載されているかのように本明細書中に組み入れられる。本明細書中で与えられる任意の全ての例又は典型的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本開示の実施形態をより良く明らかにすることを意図しているにすぎず、特許請求の範囲に別段に記載されなければ、本開示の範囲に制限を課さない。本明細書中の言語は、特許請求の範囲に記載されない任意の要素を本開示の実施に必須であると示すものと解釈されるべきではない。
[0194]表現「X、Y又はZのうちの少なくとも1つ」などの選言的な言語は、別段具体的に明記しなければ、一般に使用される文脈内で、項目、用語などがX、Y又はZ或いはそれらの任意の組み合わせ(例えば、X、Y及び/又はZ)のいずれかであり得ることを提示すように理解されるべく意図される。したがって、そのような選言的な言語は、一般に、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、又は、Zの少なくとも1つがそれぞれ存在することを特定の実施形態が要することを意味しようとするものではなく且つ意味するべきではない。
[0195]本明細書で利用され得る幾つかの材料(例えば、幾つかのNIR又はUV吸収材料)の略語には、以下が含まれる。
TPBi:2,2’、2’’-(1,3,5-ベンゼントリイル)-トリス(1-フェニル-1-H-ベンズイミダゾール)
HAT-CN:ジピラジノ[2,3-f:2’、3’-h]キノキサリン-2,3,6,7,10,11ヘキサカルボニトリル
PTCBI:ビスイミダゾ[2,1-a:1’、2-b’]アントラ[2,1,9-def:6,5,10-d’e’f’]ジイソグイノリン-10,21ジオン
ITO:インジウムスズ酸化物
[0196]使用された用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用され、そのような用語及び表現の使用において、示され説明された特徴又はその一部の均等物を除外する意図はないが、特許請求される発明の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。したがって、本発明は好ましい実施形態及び任意選択の特徴によって具体的に開示されているが、本明細書に開示された概念の修正及び変形は当業者によって使用されてもよく、そのような修正及び変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内であると考えられることを理解されたい。

Claims (19)

  1. 可視光透過型基板と、
    前記可視光透過型基板に結合される第1の可視光透過型電極と、
    第2の可視光透過型電極と、
    前記第1の可視光透過型電極と前記第2の可視光透過型電極との間の可視光透過型光活性層であって、近赤外(NIR)光又は紫外(UV)光のうちの少なくとも一方を光電流に変換するように構成され、NIRスペクトル又はUVスペクトルにピークを有する吸収スペクトルによって特徴付けられる、可視光透過型光活性層と、
    前記可視スペクトルに第2のピークを有する第2の吸収スペクトルによって特徴付けられる可視光吸収材料であって、前記第2の吸収スペクトルが前記吸収スペクトルに対して相補的である、可視光吸収材料と、
    を備える可視光透過型光起電装置。
  2. 前記可視光透過型光起電装置が、450nm~650nmの波長間で30%未満の透過率の絶対変動を有する、可視スペクトルにわたる平坦な透過プロファイルにより特徴付けられる、請求項1に記載の可視光透過型光起電装置。
  3. 前記透過率の絶対変動が10%未満である、請求項2に記載の可視光透過型光起電装置。
  4. 前記可視光透過型光起電装置が国際照明委員会(CIE)L*a*b*(CIELAB)色空間における-10~10の透過a*値及び透過b*値によって特徴付けられる、請求項1に記載の可視光透過型光起電装置。
  5. 前記可視光透過型光起電装置がCIELAB色空間における-5~5の透過a*値及び透過b*値によって特徴付けられる、請求項4に記載の可視光透過型光起電装置。
  6. 前記可視光透過型光起電装置が国際照明委員会(CIE)L*a*b*(CIELAB)色空間における負の透過a*値及び負の透過b*値によって特徴付けられる、請求項1に記載の可視光透過型光起電装置。
  7. 前記可視光透過型光起電装置が40%を超える平均可視光透過率(AVT)によって特徴付けられる、請求項1に記載の可視光透過型光起電装置。
  8. 前記可視光透過型光活性層がドナー材料及びアクセプタ材料を含む、請求項1に記載の可視光透過型光起電装置。
  9. 前記可視光吸収材料が前記可視光透過型光活性層に含まれる、請求項1に記載の可視光透過型光起電装置。
  10. 前記可視光吸収材料が前記可視光透過型光起電装置の光学層に含まれる、請求項1に記載の可視光透過型光起電装置。
  11. 前記可視光吸収材料が三次又は四次ブレンドの状態で前記光活性層とブレンドされる、請求項1に記載の可視光透過型光起電装置。
  12. 前記可視光吸収材料が前記第1の電極と前記光活性層との間に配置される、請求項1に記載の可視光透過型光起電装置。
  13. 前記可視光吸収材料が前記光活性層と前記第2の電極との間に配置される、請求項1に記載の可視光透過型光起電装置。
  14. 前記可視光吸収材料が前記第2の電極の上方に配置される、請求項1に記載の可視光透過型光起電装置。
  15. 前記可視スペクトルに第3のピークを有する第3の吸収スペクトルによって特徴付けられる第2の可視光吸収材料を更に備え、前記第3の吸収スペクトルが前記吸収スペクトル及び前記第2の吸収スペクトルに対して相補的であり、前記第1の可視光吸収材料が前記第1の電極と前記光活性層との間に配置され、前記第2の可視光吸収材料が前記光活性層と前記第2の電極との間に配置される、請求項1に記載の可視光透過型光起電装置。
  16. 前記可視スペクトルに第3のピークを有する第3の吸収スペクトルによって特徴付けられる第2の可視光吸収材料を更に備え、前記第3の吸収スペクトルが前記吸収スペクトル及び前記第2の吸収スペクトルに対して相補的であり、前記第1の可視光吸収材料が前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置され、前記第2の可視光吸収材料が前記第2の電極の上方に配置される、請求項1に記載の可視光透過型光起電装置。
  17. 前記可視光吸収材料が前記第1の可視光透過型電極と前記第2の可視光透過型電極との間に配置される光活性二次、三次又は四次ブレンドに含まれる、請求項1に記載の可視光透過型光起電装置。
  18. 可視光透過型光起電装置を製造する方法において、
    可視光透過型基板を用意するステップと、
    前記可視光透過型基板に結合される第1の可視光透過型電極を形成するステップと、
    第2の可視光透過型電極を形成するステップと、
    前記第1の可視光透過型電極と前記第2の可視光透過型電極との間に可視光透過型光活性層を形成するステップであって、前記可視光透過型光活性層が、近赤外(NIR)光又は紫外(UV)光の少なくとも一方を光電流に変換するように構成されるとともに、NIRスペクトル又はUVスペクトルにピークを有する吸収スペクトルによって特徴付けられる、ステップと、
    前記可視スペクトルに第2のピークを有する第2の吸収スペクトルによって特徴付けられる可視光吸収材料を組み込むステップであって、前記第2の吸収スペクトルが前記吸収スペクトルに対して相補的である、ステップと、
    を含む方法。
  19. 前記可視光透過型光起電装置が、450nm~650nmの波長間で30%未満の透過率の絶対変動を有する、可視スペクトルにわたる平坦な透過プロファイルにより特徴付けられる、請求項18に記載の方法。
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