JP2022542589A - コーティング - Google Patents

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Abstract

医療機器用の潤滑性又は血液適合性のあるコーティングについて説明する。【選択図】なし

Description

(関連出願)
この出願は、2019年7月26日に出願された米国仮特許出願第62/879,287号の優先権を主張しており、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
(技術分野)
本明細書に記載されているのは、医療機器用のコーティング及びそれらのコーティングを適用する方法である。
カテーテル及びマイクロカテーテルは、診断及び治療の血管内介入を実施するために使用される管状機器である。カテーテルの目的の1つは、血管へのアクセスを長期間維持することです。たとえば、採血や血流への薬剤の送達を可能にすることである。カテーテルは、多くの場合、高い摩擦力を持つ熱可塑性ポリマーで形成されている。この高い摩擦力は、血管のナビゲーションを困難にしている。さらに、長期間の血液接触は、血栓症、タンパク質吸着、及び血小板活性化をもたらします。本明細書に記載されるような滑らかなコーティングを備えたコーティングされたカテーテル又はマイクロカテーテルを提供することは、有用かつ有益であろうとなり得る。
本明細書に記載のコーティングは、ヒトの組織に供することができる医療機器などに適用することができる。いくつかの実施形態では、コーティングは、医療機器に適用することができ、血管又は他の管腔内で使用することができる。いくつかの実施形態では、管は血管であり得る。いくつかの実施形態では、医療機器は、カテーテル又はマイクロカテーテルであり得る。いくつかの実施形態において、医療機器は、中心静脈カテーテル又は透析カテーテルであり得る。
コーティングは、合成で耐久性があり、潤滑性があるものとすることができる。いくつかの実施形態において、コーティングは、紫外線(UV)硬化させることができる。潤滑性のコーティングは、カテーテル又はマイクロカテーテルなどの医療機器と血管壁との間の摩擦力を低減及び/又は最小化し、それによって、血管系全体における医療機器の追跡可能性を高めることができる。また、潤滑性のあるコーティングは、医療機器と血管が接触することによって引き起こされる血栓症、タンパク質吸着、血小板活性化を低減又は最小化することができる。カテーテルの表面には潤滑性のあるコーティングが改質され、摩擦力を低減し、曲がりくねった血管や遠位血管を通過する際のカテーテルの操作性を高めている。
いくつかの実施形態において、本明細書に記載されるコーティングは、ベースコート及びトップコートの2つの層を含むことができる。ベースコートは、カテーテルの熱可塑性ポリマー表面とトップコートとの間の結合層として機能する。ベースコートは、カテーテルに付着し、トップコートの接着のための結合部位を提供するように設計されている。トップコートはベースコートに接着し、カテーテルが血管内で移動する際の摩擦力を低減するための潤滑性を提供し、血管環境におけるカテーテルの血液適合性を向上させるように設計されている。トップコートは、合成又は天然由来の低分子、タンパク質、グリコサミノグリカン、又はポリマーのいずれであってもよい。
いくつかの実施形態において、コーティングは、以下のものを含むことができる:第1のテトラヒドロフルフリルアクリレートモノマーと、さらなる誘導体化を受けやすい官能基及び複数の反応性部分を含む第2のモノマーとのコポリマーを含むベースコート、及び、分子あたり2つを超える反応性部分を含むトップコート。
カテーテルやマイクロカテーテルの表面など、熱可塑性物質の表面をコーティングする方法も記載されている。方法は、第1のテトラヒドロフルフリルアクリレートモノマーと第2のモノマーとのコポリマーを含むベースコートを熱可塑性物質の表面に塗布することと、ベースコートにトップコートを塗布することであって、トップコートが分子当たり2つより多くの反応性部位を含むトップコートポリマーを含むことと、を含むことができる。
カテーテルが本明細書に記載されている通りである、それを必要とする対象にカテーテルを投与する方法もまた記載される。方法は、カテーテルを対象に挿入すること、及び本明細書に記載されるコーティングなしのカテーテルの除去時間よりも約10%~約200%長い時間でカテーテルを除去することを含むことができる。
この方法は、本明細書に記載のカテーテルを対象に挿入することを含む、その必要性のある対象に血管アクセスを提供する方法もまた記載される。
本明細書に記載のカテーテルを被験者に挿入し、被験者から体液(例えば、血液)を採取することを含む、それを必要とする被験者から体液を採取する方法についても記載する。本方法は、カテーテルを繰り返し挿入することなく、体液を繰り返し又は連続的に採取することを含むことができる。
本明細書に記載のカテーテルを対象に挿入すること、及びカテーテルを介して対象に薬剤を投与することを含む、薬剤(例えば、治療薬又は診断薬)を、それを必要とする対象に投与する方法も記載される。この方法は、カテーテルを繰り返し挿入することなく、薬剤を繰り返し又は連続的に投与することを含むことができる。
本明細書に記載の方法は、カテーテルを対象に挿入すること、及び本明細書に記載のコーティングなしのカテーテルを除去する時間よりも、約10%から約200%長い時間(例えば、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約75%、約100%、約125%、約150%、約175%、又は約200%)で、カテーテルを除去することができる。
(発明の詳細な説明)
本明細書に記載されているものは、医療機器用のコーティングである。いくつかの実施形態では、コーティングは、医療機器の潤滑性を高めることができる。いくつかの実施形態では、コーティングは、医療機器の血液適合性を高めることができる。これらの医療機器には、熱可塑性ポリマー/材料で少なくとも部分的に形成されたカテーテル及びマイクロカテーテルを含めることができる。熱可塑性ポリマーには、ポリ(アミド)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ウレタン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(カーボネート)、ポリ(塩化ビニル)、それらのコポリマー、及び誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
これらの熱可塑性ポリマーは、高い摩擦力を有する。これらの高い摩擦力は、血管ナビゲーションを困難にする。したがって、本明細書に記載されるコーティングは、熱可塑性ポリマー表面の潤滑性を増加させることができる。さらに、これらの熱可塑性ポリマーは、血液適合性を欠いているか又は血液適合性が低いものであり得る。したがって、本明細書に記載されるコーティングは、熱可塑性ポリマー表面の血液適合性を増加させることができる。いくつかの実施形態では、コーティングは、ベースコート及びトップコートを含むことができる。ベースコートは、カテーテルの熱可塑性ポリマーとトップコートの間の結合層として機能する。ベースコートは、カテーテルに付着し、トップコートの付着のための結合部位を提供するように設計されている。トップコートはベースコートに接着し、カテーテルが血管内で移動する際の摩擦力を低減するための潤滑性を提供し、あるいは血管内に配置された際の血液適合性を向上させるように設計されている。
いくつかの実施形態において、ベースコートは、第1のテトラヒドロフルフリルアクリレートモノマーと、ヒドロキシル、アミン、及びカルボン酸基などの、更なる化学反応が可能な官能基を有する少なくとも1つの他のモノマーとのコポリマーであるポリマーが含まれる。いくつかの実施形態では、ヒドロキシ基を含む少なくとも1つの他のモノマーは、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、これらの組み合わせ、及びこれらの誘導体であり得る。いくつかの実施形態では、アミノ基を含む少なくとも1つの他のモノマーは、N-(3-アミノプロピル)メタクリルアミド、2-アミノエチルメタクリレート、2-アミノエチルメタクリルアミド、及びそれらの組み合わせ、及びその誘導体であり得る。いくつかの実施形態では、カルボン酸を含む少なくとも1つの他のモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、β-カルボキシエチルアクリレート、これらの組み合わせ、及びこれらの誘導体であり得る。
ベースコートコポリマーを調製するために、2種以上のモノマー及び任意に開始剤を溶媒に溶解させることができる。溶媒は、2種以上のモノマー及び任意選択の開始剤を溶解する任意の溶媒であり得る。溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、2-メチルテトラヒドロフラン、アニソール、ベンゾニトリル、塩素化芳香族溶媒、ジイソプロピルエーテル、ジグリム、ブタノール、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。
溶液中のモノマーの重合を開始するために、開始剤を使用することができる。重合は、還元酸化、放射線、熱、又は当該技術分野で知られている他の任意の方法によって開始することができる。溶液中のモノマーの放射線架橋は、適切な開始剤を用いた紫外線又は可視光線、あるいは開始剤を用いない電離放射線(例えば、電子ビーム又はガンマ線)で達成することができる。重合は、加熱井戸のような熱源を使用して溶液を従来通り加熱することによって、又は溶液中のモノマーに赤外線を適用することによって達成することができる。
いくつかの実施形態において、開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)又は水溶性AIBN誘導体(例えば、2,2‘-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、又は、4,4’―アゾビス(4-シアノペンタン酸)である。)、他の開始剤としては、N,N,N‘,N’-テトラメチルエチレンジアミン、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、及びそれらの組み合わせ(アゾビスイソブチロニトリルを含む)を挙げることができる。
いくつかの実施形態において、開始剤濃度は、溶液中のモノマーの質量の約0.25%w/w~約2%w/wであり得る。
いくつかの実施形態では、重合反応は、約65℃~約85℃の範囲のような、高温で行うことができる。
いくつかの実施形態では、重合が完了した後、コポリマーを非溶媒中で沈殿させ、真空下で乾燥させることによって回収することができる。
いくつかの実施形態では、得られるコポリマーは、約15,000g/mole~約150,000g/moleの間の分子量、又は25,000g/mole~100,000g/moleの間の分子量を有することが可能である。この分子量は、ポリスチレン標準を用いたゲル浸透クロマトグラフィーによって導き出すことができる。
重合後、第2以上のモノマーのヒドロキシ基、アミン基、及び/又はカルボン酸基を介して、コポリマーにアクリレート及び/又はメタクリレートなどの反応性基を付加することができる。いくつかの実施形態では、誘導体化化合物は、ヘテロ二官能性化合物である。一方の部位は、コポリマーのヒドロキシ基、アミン基、及び/又はカルボン酸基と反応する。もう一方の部位は、アクリレート基又はメタクリレート基である。好適な誘導体化化合物としては、2-イソシアナトエチルアクリレート、2-イソシアナトエチルメタクリレート、アクリル酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、メタクリル酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、アクリレート基とイソシアネート酸基を有するヘテロ二官能ポリエチレングリコール、それらの組み合わせ、及びそれらの誘導体などが挙げられる。
誘導体化コポリマーを調製するために、コポリマー、及び誘導体化化合物、ならびに任意に任意の触媒を、溶媒に溶解させることができる。いくつかの実施形態では、成分を溶解する任意の溶媒を使用することができる。溶媒には、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、アセトン、アセトニトリル、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、及びそれらの組み合わせが含まれ得る。
誘導体化をベースコートコポリマーの求核性基と反応させる場合、誘導体化剤のモル当量は、利用可能な求核性基の約5%~約80%又は約10%~約50%の範囲とすることが可能である。この誘導体化度は、1分子あたり4~50個の反応性基の範囲に相当する。さらに、いくつかの実施形態では、ルイス塩基を触媒として添加することができる。ルイス塩基は、トリエチルアミン及びピリジンを含むことができる。ルイス塩基は、添加される誘導体化化合物のモル数に対して約1%~約10%の濃度で提供することができる。
反応は、ベースコートを形成するために、約45℃のような、昇温した温度で進行させることができる。誘導体化が完了した後、完成された修飾コポリマーを非溶媒中で沈殿させ、真空下で乾燥させることにより回収することができる
トップコートは、ベースコートの上に形成することができる(例えば、ベースコートは、医療機器の表面とトップコートとの間に層を形成することができる)。トップコートポリマーは、血液適合性低分子、タンパク質、多糖類、グリコサミノグリカン、又は重合性基で誘導体化されているポリマーを含むことができる。トップコートポリマーは、任意の天然に存在するポリマー又は合成ポリマー、その誘導体、及びそれらの組み合わせとすることができる。いくつかの実施形態において、トップコートポリマーは、少なくとも、ある程度、水に可溶である。
トップコートポリマーの構造は、グラフト構造、スター構造、櫛状構造、ブラシ構造、デンドリマー構造など、直鎖状又は分岐状であることができる。
トップコートは、アルブミン、ヘパリン、ホスホリルコリン、ポリ(アルコキシアルキル(メタ)アクリレート)、双性イオン型ポリマー、一酸化窒素放出ポリマー、極めて親水性のポリマー、又は極めて疎水性のポリマーを含んでもよい。
アルブミンは血液中に含まれるタンパク質で、一般にカテーテルやマイクロカテーテルなどの異物表面に吸着する。アルブミンは血小板と結合する受容体を持たないため、コーティング材料として使用した場合、血小板と表面との相互作用を阻害する可能性がある。アルブミンは、リジンやセリンなどの親核性アミノ酸を含んでおり、本明細書に記載の誘導体化処理及びコーティング処理を可能にする。
ヘパリンは、トロンビンを不活性化し、血液の凝固を抑制する多糖類である。ヘパリンを表面処理に用いることで、医療器具における血小板の付着やタンパク質の吸着を低減させることができる。ヘパリンは、構造中にカルボキシル基とヒドロキシル基を有するため、本明細書で説明する誘導体化処理及びコーティング処理が可能である。
天然由来の化合物に加えて、合成コポリマーを合成して、血液適合性を高めるためのトップコートを作成することができる。
いくつかの実施形態において、コポリマーの第1の成分は、医療機器(例えば、カテーテル又はマイクロカテーテル)表面の血液適合性を高めるための化合物である。
第2の成分としては、重合性アクリレート又はメタクリレートのほか、アミン、カルボン酸、又はヒドロキシ基を挙げることができる。アミンを含むモノマーとしては、3-アミノプロピルメタクリルアミド、2-アミノエチルメタクリレート、N-(3-メチルピリジン)アクリルアミド、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2-(tert-ブチルアミノ)エチルメタクリレート、メタクリロイルリジン、N-(2-(4-アミノフェニル)エチル)アクリルアミド、N-(4-アミノベンジル)アクリルアミド又はN-(2-(4-イミダゾリル)エチル)アクリルアミド、それらの誘導体又はそれらの組合せが含まれる。カルボン酸を含むモノマーには、アクリル酸、メタクリル酸、その誘導体、又はそれらの組合せが含まれる。ヒドロキシ基を含むモノマーには、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、これらの誘導体、又はこれらの組み合わせが含まれる。
ポリマーを調製するには、2種以上のモノマーと開始剤を溶媒に溶解させる。一般に、2種以上のモノマーと開始剤を溶解する任意の溶媒を使用することができる。いくつかの実施形態では、溶媒は、メタノール/水、エタノール/水、イソプロパノール/水、ジオキサン/水、テトラヒドロフラン/水、ジメチルホルムアミド/水、ジメチルスルホキシド又は水、及びそれらの組み合わせを含む。カルボン酸及びヒドロキシル含有モノマーでは、トルエン、キシレン、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、又はジメチルホルムアミドなどのより広い範囲の溶媒が利用され得る。
溶液中のモノマーの重合を開始させるために重合開始剤を使用することができる。重合は、還元酸化、放射線、熱、又は当該技術分野で公知の他の方法によって開始させることができる。モノマー溶液の放射線重合は、適切な開始剤を用いた紫外光又は可視光、あるいは開始剤を用いない電離放射線(例えば、電子ビーム又はガンマ線)で達成することができる。重合は、加熱井戸のような熱源を使用して溶液を従来通り加熱すること又はモノマー溶液に赤外線を適用することのいずれかによる、熱の適用によって達成することができる。いくつかの実施形態において、重合開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)又は水溶性AIBN誘導体(例えば、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド)、又は4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)である。本明細書に従って有用な他の開始剤には、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、又はそれらの組み合わせ(アゾビスイソブチロニトリルを含む)が含まれる。いくつかの実施形態において、開始剤の濃度は、溶液中のモノマーの質量に対して0.25%~2%w/wの範囲であり得る。いくつかの実施形態において、重合反応は、高温で、好ましくは65~85℃の範囲で行うことができる。重合が完了した後、ポリマーは、非溶媒中での沈殿によって回収され、真空下で乾燥させることができる。いくつかの実施形態において、コポリマーの分子量は、500amu~100,000amu、例えば、1,000amu~40,000amuの範囲とすることができる。
血液適合性を高めるための第1の成分の選択肢の1つは、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートを使用することである。アルコキシアルキル(メタ)アクリレートは、タンパク質吸着、血小板接着、及び吸着されたタンパク質のコンフォメーション変化を低減することができる。いくつかの実施形態において、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートは、2-メトキシエチルアクリレートである。いくつかの実施形態において、アルコキシアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、式(I)で表すことができる。
Figure 2022542589000001

ここで
は、水素原子又はメチル基である。
は炭素数1~4のアルキレン基、及び
は、炭素数1~4のアルキレン基である。
いくつかの実施形態においては、第1のモノマーはメトキシエチルアクリレートであり、ここでRは水素原子であり、Rはエチル基であり、そしてRはメチル基である。
いくつかの実施形態において、第1の成分は双性イオン型モノマー、すなわち、全体的に中性電荷を有するように同数の正電荷及び負電荷を含むモノマーである。これらの化合物は、細胞膜を構成するリン脂質の極性頭部基と構造が類似しているため、血液適合性がある。また、双性イオン型化合物は、電荷のために、水と強固に結合し、タンパク質のコンフォメーション変化を抑えることができる。
いくつかの実施形態において、双性イオン型モノマーは、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンである。
Figure 2022542589000002
いくつかの実施形態において、双性イオン型モノマーは、ベタイン(すなわち、カルボキシルベタイン、ホスホベタイン、又はスルホベタイン)から合成されたモノマーである。そのようなモノマーの例は、[2-(メタクリロイルオキシ)エチル]ジメチル-(3-スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシドである。
Figure 2022542589000003
第1の成分の第3の選択肢は、一酸化窒素を放出するモノマーである。一酸化窒素は血小板を抑制する。動脈の内皮細胞ライニングは、継続的に一酸化窒素を放出する。同様のレベルで一酸化窒素を放出するポリマーは、内皮細胞ライニングのものと同様の血液適合性を有する可能性がある。(メタ)アクリレートとジアゼニウムジオレートやS-ニトロソチオールのような一酸化窒素放出化学物質を含む分子を合成した後、重合してコポリマーにすることができる。
第1の成分の第4の選択肢は、非常に親水性の高いポリマー/コポリマーを使用することである。親水性表面は、表面自由エネルギーの最小化により、タンパク質吸着を減少させることが示されている。親水性モノマーには、アクリルアミド、ビニルアルコール、n-ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルメタクリレート、又はポリ(エチレングリコール)などがある。
アクリレート及び/又はメタクリレートなどの反応性基は、誘導体化化合物により、ヒドロキシル、アミン、又はカルボン酸などの任意の便利な反応性部位を介してポリマーに付加することができるが、これらに限定されるわけではない。いくつかの実施形態では、誘導体化化合物は、ヘテロ二官能性化合物であり得る。一方の部位は、コポリマーのヒドロキシ基、アミン基、及び/又はカルボン酸基と反応することができる。他の部位は、アクリレート基又はメタクリレート基であり得る。
いくつかの実施形態において、誘導体化化合物は、塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル、アクリル酸2-イソシアナトエチル、2-イソシアナトエチルメタクリレート、アクリル酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、メタクリル酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、アクリレート基及びイソシアナト基を有するヘテロ二官能性のポリ(エチレングリコール)、それらの組み合わせ、並びにそれらの誘導体などを挙げることができる。
誘導体化ポリマーを調製するには、ポリマー、誘導体化化合物、及び任意の触媒を溶媒に溶解させる。いくつかの実施形態では、トップコートポリマー、誘導体化剤、及び任意の触媒を溶解する任意の溶媒を使用することができる。溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、及びそれらの組み合わせを含む、芳香族及び塩素系溶媒を含むことができる。
誘導体化剤をトップコートポリマーの反応性部位と反応させる場合、目標とする誘導体化は、1分子あたり2個未満の基に対応する。さらに、いくつかの実施形態において、誘導体化は、触媒としてルイス塩基の添加を含むことができる。いくつかの実施形態において、ルイス塩基は、添加される誘導体化化合物のモル数の約1%~約10%の濃度の、トリエチルアミン及びピリジンであることができる。
いくつかの実施形態において、誘導体化反応は、室温で進行する。
誘導体化終了後、非溶媒に沈殿させ、真空下で乾燥させることにより、活性化ポリマーを回収することができる。
ベースコートは、医療機器表面、例えば、熱可塑性材料に塗布することができる。カテーテルは、まず、その表面からあらゆる肉眼的汚染を除去するために、溶剤による拭き取りによって洗浄される。いくつかの実施形態では、カテーテルは溶媒で拭かれる。いくつかの実施形態では、カテーテルの熱可塑性材料を溶解又は劣化させないものであれば、任意の溶媒を使用することができる。溶媒としては、グリコールエーテル、メチルエチルケトン、塩素系溶媒、テトラヒドロフラン、ヘキサン、酢酸エチル、アセトンを挙げることができる。
溶剤洗浄に続いて、いくつかの実施形態では、カテーテルシャフトは、その表面をさらに洗浄するためにプラズマ処理されることができる。いくつかの実施形態では、カテーテルはプラズマ処理されない。様々なガスに由来するプラズマを使用することができる。いくつかの実施形態では、プラズマガスは、アルゴン及び酸素であり得る。いくつかの実施形態では、アルゴン及び酸素の両方のプラズマが使用され得る。
ベースコート溶液は、溶媒、ベースコートコポリマー、任意の開始剤、及び任意の界面活性剤を含んでいてもよい。一般に、成分が溶媒又は溶媒混合物に溶解することができるという条件で、任意の溶媒又は溶媒の混合物を利用することができる。溶媒には、水、アルコール、グリコールエーテル、芳香族、極性非プロトン性溶媒、及びそれらの組み合わせが含まれ得る。いくつかの実施形態では、溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2-エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びこれらの組み合わせを含むことができる。
ベースコートコポリマーは、ベースコート溶液の所望の粘度に応じて、約0.2%w/w~約35%w/w、約0.2%w/w~約40%w/w、約0.2%w/w~約50%w/w、約0.5%w/w~約35%w/w、0.5%w/w~約40%w/w、約0.5%w/w~約50%w/w、約1%w/w~約35%w/w、約1%w/w~約40%w/w、又は、約1%w/w~約50%w/wの範囲の濃度で溶剤中に溶解させることができる。いくつかの実施形態において、ベースコートコポリマー濃度は、約15%w/wである。
いくつかの実施形態において、開始剤が含まれる場合、それは、ノリッシュタイプI開始剤、ノリッシュタイプII開始剤、及び、それらの組合せを含む。ノリッシュタイプI又はフリーラジカル光開始剤は、ベンゾイン誘導体、メチロールベンゾイン及び4-ベンゾイル-1,3-ジオキソラン誘導体、ベンジルケタール、α,α-ジアルコキシアセトフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、α-アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、アシルホスフィンスルフィド、ハロゲン化アセトフェノン誘導体又はそれらの組合せなどを挙げることができる。いくつかの実施形態において、ノリッシュタイプI光開始剤は、イルガキュア2959(2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノン)、イルガキュア651(ベンジルジメチルケタール又は2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタノン;チバガイギー)、イルガキュア184(有効成分として1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトンを含む;チバガイギー社製)、ダロキュア1173(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オンを有効成分とする;チバガイギー社製)、イルガキュア907(2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン;チバガイギー社製)、イルガキュア369(2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オンを有効成分とする;チバガイギー社製)、エサキュアKIP150(ポリ{2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパン-1-オン}、フラテッリ・ランベルティ(Fratelli Lamberti))、エサキュアKIP100F(ポリ{2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパン-1-オンと2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンのブレンド、フラテッリ・ランベルティ))、エサキュアKTO46(ポリ{2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパン-1-オン}、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド及びメチルベンゾフェノン誘導体のブレンド、フラテッリ・ランベルティ)、アシルホスフィンオキシド、例えばルシリンTPO(2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、BASF)、イルガキュア819(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、チバガイギー)、イルガキュア1700(ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキシドと2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンとの25:75%のブレンド、チバガイギー社製)、又はこれらの組み合わせが含まれる。
ある実施形態では、タイプI光開始剤の混合物を使用することができる。
ノリッシュタイプII光開始剤も、ベースコート製剤に使用することができる。これらの開始剤には、ベンゾフェノン、キサントン、ベンゾフェノンの誘導体(例:クロロベンゾフェノン)、ベンゾフェノンとベンゾフェノン誘導体のブレンド(例:フォトキュア(Photocure)81、4-メチル-ベンゾフェノンとベンゾフェノンの50/50ブレンド)、ミヒラーケトン、エチルミヒラーケトン、チオキサントン及びクォンタキュア(Quantacure)ITX(イソプロピルチオキサントン)等の他のキサントン誘導体、ベンジル、アントラキノン(例:2-エチルアントラキノン)、クマリン等の芳香族ケトン、又は,これらの光開始剤の化学誘導体又は組み合わせが、含まれる。
いくつかの実施形態において、ベースコート製剤は、ノリッシュタイプI及びノリッシュタイプII開始剤の組合せを含むことができる。
溶媒中の開始剤濃度は、約0.1%~約6%w/wの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、溶媒中の開始剤濃度は約0.6%w/wでとすることができる。
ベースコート溶液はまた、任意に界面活性剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、任意の界面活性剤が使用されてもよい。界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、Tween20、Span80、Triton X-100、Pluronic F68、Pluronic L-81、それらの組み合わせ、及びそれらの誘導体を挙げることができる。任意の界面活性剤は、約0.1%w/w~約15%w/wの範囲の濃度で選択された溶媒に溶解させることができる。いくつかの実施形態では、界面活性剤濃度は約0.8%w/wである。
いくつかの実施形態において、ベースコートをカテーテルに適用するために、コーティングされることが望まれるカテーテルの長さは、ベースコート溶液に挿入される。浸漬時間、すなわちカテーテルがベースコート溶液中で置かれる時間の量は、約0.2~約10分、約0.5~約10分、約2~約8分、約3~約6分、又は約0.5~約8分である。いくつかの実施形態では、浸漬時間は約5分とすることができる。
他の実施形態では、ベースコートは、スプレー、ブラシ、スピンコーティングなど、又はディップコーティングを含むか含まないそれらの組み合わせによって塗布することができる。
いくつかの実施形態では、カテーテルの一部のみがコーティングされる。そこで、カテーテルの一部をマスキングして、マスキングされた領域にベースコートが塗布されないようにすることができる。
ディップコーティングまたは他の方法のベースコートを施した後、カテーテルを、約10nm~約400nm、約100nm~約400nm、約200nm~約400nm、約200nm~約300nm、約300nm~約400nmの範囲の波長の紫外線に曝す。この範囲の波長の組み合わせもまた、適切なベースコートを提供することができる。一実施形態では、紫外線は、約200nm~約300nmの間の第1の波長と、約300nm~約400nmの間の第2の波長とによって適用することができる。一実施形態において、波長は、254nm及び365nmを含むことができる。
硬化時間、即ち、カテーテルが紫外線に曝露される時間の量は、約0.5~約10分、約1~約10分、約1~約8分、約0.5~約6分、約1~約6分、約1~約3分、又は約0.5~約30分の範囲である。一実施形態では、硬化時間は、約2分である。
いくつかの実施形態において、ベースコート塗布工程は、硬化時間の完了後に完了する。
トップコートは、完成したベースコートの上に塗布することができる。トップコート溶液は、溶媒、トップコートポリマー、任意の開始剤、及び任意の界面活性剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、成分が溶媒又は溶媒混合物に溶解することができるという条件で、任意の溶媒又は溶媒の混合物を利用することができる。適切な溶媒は、水、アルコール、グリコールエーテル、芳香族、極性非プロトン性溶媒、及びそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、2-エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、及びこれらの組み合わせを含むことができる。
トップコートポリマーは、約5%w/w~約75%w/w、約5%w/w~約80%w/w、約5%w/w~約90%w/w、約10%w/w~約80%w/w、約10%w/w~約75%w/w、約5%w/w~約50%w/w、約5%w/w~約40%w/w、約5%w/w~約40%w/w、約20%w/w~約40%w/w、約20%w/w~約30%w/w、の範囲の濃度で、トップコート溶液の望ましい粘性に応じて選択された溶媒に溶解され得る。一実施形態では、トップコートポリマー濃度は、約25%w/wである。
任意の開始剤は、ノリッシュタイプI開始剤、ノリッシュタイプII開始剤、及びそれらの組合せを含むことができる。ノリッシュタイプI又はフリーラジカル光開始剤は、ベンゾイン誘導体、メチロールベンゾイン及び4-ベンゾイル-1,3-ジオキソラン誘導体、ベンジルケタール、α,α-ジアルコキシアセトフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、α-アミノアルキルフェノン、アシルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、アシルホスピンスルフィド、ハロゲン化アセトフェノン誘導体等を包含することができる。ノリッシュタイプI光重合開始剤としては、イルガキュア2959(2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノン)、イルガキュア651(ベンジルジメチルケタール又は2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタノン、チバガイギー社製)、イルガキュア184(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトンを有効成分とする、チバ-ガイギー社製)、ダロキュール1173(2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オンを有効成分とする、チバガイギー社製)、イルガキュア907(2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、チバガイギー社製)、イルガキュア369(2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オンを有効成分として、チバガイギー社製)、エスカキュアKIP150(ポリ{2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパン-1-オン}、フラテッリ・ランベルティ社製)、エスカキュアKIP100F(ポリ{2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパン-1-オン}と2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、のブレンド、フラテッリ・ランベルティ社製)、エサキュアKTO46(ポリ{2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパン-1-オン}、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド及びメチルベンゾフェノン誘導体のブレンド、フラテッリ・ランベルティ社製)、ルシリンTPO(2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、BASF)、イルガキュア819(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニル-ホスフィンオキサイド、チバガイギー)等のアシルホスフィンオキサイド類、イルガキュア1700(ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキシドと2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンの25:75%混合物、チバガイギー社製)などが挙げられる。また、タイプIの光開始剤の混合物も使用できる。
使用できるノリッシュタイプII光開始剤としては、芳香族ケトン類、例えば、ベンゾフェノン、キサントン、ベンゾフェノンの誘導体(例:クロロベンゾフェノン)、ベンゾフェノンとベンゾフェノン誘導体とのブレンド、(例:フォトキュア81、4-メチルベンゾフェノンとベンゾフェノンの50/50ブレンド)、ミヒラーズ・ケトン、エチルミヒラーズケトン、チオキサントン、クアンタキュアITX(イソプロピルチオキサントン)等の他のキサントン誘導体、ベンジル、アントラキノン類(例:2-エチルアントラキノン)、クマリン等の芳香族ケトン類、又はその化学誘導体又は組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、トップコート製剤は、ノリッシュタイプI及びノリッシュタイプII開始剤の組合せを含むことができる。
溶媒中の開始剤濃度は、約0.1%~約6%w/wの範囲とすることができる。いくつかの実施形態において、溶媒中の開始剤濃度は、約0.3%w/w又は約0.5%w/wであり得る。
また、トップコート液は、界面活性剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、任意の界面活性剤を使用することができる。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、Tween20、Span80、Triton X-100、Pluronic F68、Pluronic L-81、それらの組み合わせ、及びそれらの誘導体を含むことができる。任意選択の界面活性剤は、約0.1%w/w~約5%w/wの範囲の濃度で選択された溶媒に溶解させることができる。いくつかの実施形態では、界面活性剤濃度は約0.6%w/wである。
いくつかの実施形態では、ベースコートされたカテーテルにトップコートを塗布するために、コーティングされることを望むカテーテルの長さがベースコート溶液に挿入される。浸漬時間、すなわちカテーテルがベースコート溶液中に置かれる時間の量は、約0.2~約20分、約0.5~約20分、約2~約15分、約3~約15分、又は約8~約12分である。いくつかの実施形態では、浸漬時間は約10分とすることができる。
他の実施形態では、トップコートは、スプレー、ブラシ、スピンコーティングなど、又はディップコーティングを含むか含まないかのそれらの組み合わせによって塗布することができる。
いくつかの実施形態では、カテーテルの一部のみがトップコートでコーティングされる。そこでは、トップコートがマスクされた領域に塗布されないように、カテーテルの一部をマスクすることができる。
ディップコーティング又はその他の方法でトップコートを塗布した後、カテーテルを約10nm~約400nm、約100nm~約400nm、約200nm~約400nm、約200nm~約300nm、又は約300nm~約400nmの範囲の波長の紫外線に曝す。この範囲の波長の組み合わせもまた、適切なベースコートを提供することができる。一実施形態では、紫外線は、約200nm~約300nmの間の第1の波長と、約300nm~約400nmの間の第2の波長とによって適用することができる。一実施形態において、波長は、254nm及び365nmを含む。
トップコートの硬化時間、すなわちカテーテルが紫外線に曝露される時間の量は、約0.5~約4分、約1~約4分、約1~約3分、約0.5~約3分、約1~約5分、約0.5~約3分、又は約0.5~約50分の範囲である。一実施形態では、硬化時間は約2分である。
本明細書に記載されたコーティングは、コーティングされていない機器と比較した場合、最大動摩擦力[gf]を低減することができる。いくつかの実施形態において、コーティングは、最大動摩擦力を約50%減少させることができる。他の実施形態では、コーティングは、最大動摩擦力を約75%減少させることができる。
本明細書に記載のコーティングは、コーティングされていない機器と比較した場合、60mmの変位における100サイクルの平均動的摩擦力[gf]を低減することができる。いくつかの実施形態において、コーティングは、最大動摩擦力を約50%減少させることができる。他の実施形態では、コーティングは、最大動摩擦力を約75%減少させることができる。
本明細書に記載されたコーティングは、コーティングされていない機器と比較して、潤滑性の増加を提供することができる。いくつかの実施形態において、コーティングは、約50%潤滑性を増加させることができる。他の実施形態では、コーティングは、潤滑性を約75%増加させることができる。
[実施例1:.ベースコートポリマーの調製]
1Lの丸底フラスコにテトラヒドロフルフリルアクリレート80.0g、4-ヒドロキシブチルアクリレート18.5g及びトルエン250mLを加える。この溶液にアルゴンガスを30分間通してパージし、脱気する。次に、1.0グラムのAIBN開始剤を添加し、混合物をアルゴンでさらに10分間パージする。フラスコを80℃のオイルバスに浸し、アルゴン注入口を取り付けた還流コンデンサーで還流する。混合物は、アルゴン下で16時間加熱される。反応物を冷却し、1.2Lの冷MTBEで沈殿させ、沈殿した生成物;粘性ポリマーを集め、真空で乾燥させる。典型的な収率は85~95%である。
乾燥ポリマーを乾燥DMF(200mL、約0.5g/mL)に溶解し、トリエチルアミン0.84mLとイソシアナトエチルアクリレート3.0mLで処理する。混合物を45℃に5時間加熱する。ポリマーを1.2Lの冷MTBEで沈殿させ、MTBE2×200mLで洗浄し、高真空で乾燥させる。
[実施例2:液体ベースコート溶液の調製]
適当な容器に、実施例1のポリマー6.75gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート45.0mLに溶解させる。次に、0.34gのプルロニックL-81界面活性剤、135mgのベンゾフェノン、及び135mgの1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを添加する。30分間振とうすることで完全に溶解し、透明で均質な溶液が得られる。
[実施例3:ベースコート液によるマイクロカテーテルのコーティング]
外表面がGrilamid L25でできている、12インチ(外径0.027インチ)のマイクロカテーテルの長さ領域が、コーティングのために準備され、まず中空内腔にぴったりとしたステンレス鋼マンドレルを挿入し、外表面をアセトンで拭く。次に、前記マイクロカテーテル領域をアルゴンプラズマ(365sccm、300ワット、500mtorr)でプラズマ処理し、続いて酸素プラズマ(120sccm、150ワット、400mtorr)処理する。実施例2で調製した液状ベースコート製剤を、底面を封止したガラス管(長さ12インチ、内径0.22インチ)に移し替える。次に、前記マイクロカテーテル領域をガラス管内のコーティング溶液に入れ、5分間滞留させる。前記マイクロカテーテル領域を取り出し、直ちに紫外線照射(254nmλ、1.3J/cm紫外線量)により2分間硬化させ、グリラミド基材にベースコートを重合させる。
[実施例4:トップコート用マクロマーの調製]
50g(382mmol)のメトキシエチルアクリレート(MEA)と13.8g(96mmol)の4-ヒドロキシブチルアクリレート(HBtAc)の混合物を、1LのRBフラスコ中の1,4-ジオキサン250mLに溶解させる。AIBN(0.75g)を加え、攪拌して溶解させ、水冷コンデンサーを取り付ける。フラスコを75℃に予熱したオイルバスに浸し、混合物を16時間攪拌する。反応混合物を冷却し、1.2LのMTBEに注ぎ込む。沈殿物を集め、200mLのMTBEで2回洗浄し、分離し、真空中で乾燥させる。
得られたMEA-co-HBtAcコポリマーを無水DMF(200mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.24mL,1.7mmol)に続いて2-イソシアナトエチルアクリレート(1.05mL,8.5mmol)を加え、16時間撹拌して反応させた。1.2LのMTBEから沈殿させて生成物を得、200mLのMTBEで2回洗浄し、分離して真空中で乾燥させる。
[実施例5:トップコート溶液の調製]
容器中で、実施例4で調製したMEA-co-HBtAcトップコートマクロマー9.0gをDowanol45.0mLに振盪しながら溶解させる。次に、0.23gのPluronic L-81界面活性剤、90mgのベンゾフェノン、及び90mgの1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを添加する。1分間振とうした後、完全に溶解すると、透明で均一な溶液を得る。
[実施例6:トップコート溶液によるマイクロカテーテルのコーティング]
実施例5で調製したトップコート溶液を底面がストッパー付きのガラス管に移し、実施例3のベースコートでコーティングした前記マイクロカテーテル領域をガラス管に入れ、トップコート溶液中に10分間滞留させる。その後、前記マイクロカテーテル領域を取り出し、直ちに紫外線照射(254nmλ、紫外線量1.3J/cm)により2分かけて硬化させ、トップコートをベースコート上に重合させた。
実施例6のコーティングは、未コーティングのサンプルと比較して、血液適合性が向上していることがわかる。
本明細書及び添付図面には好ましい実施形態が記載されているが、関連する技術分野の当業者には多くの変形及び修正が示唆されることが理解されよう。従って、本発明の範囲は、本明細書に記載された特定の実施形態及び例に限定されるものではなく、代替の実施形態及び等価物を包含するものとみなされるはずである。
特に断らない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量、分子量などの特性、反応条件などを表すすべての数値は、すべての場合において「約(about)」という用語によって修飾されている、と理解されるものとする。したがって、反対に示されない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載された数値パラメータは、本発明によって得ようとする所望の特性によって変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲への均等論の適用を制限しようとするものではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の桁数に照らして、通常の丸め技術を適用することにより解釈されるべきものである。本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータが近似値であるにもかかわらず、具体例に示された数値は、可能な限り正確に報告されています。しかし、どの数値も、それぞれの試験測定で見られる標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を本質的に含んでいる。
本発明を説明する文脈で(特に以下の請求項の文脈で)使用される用語「a」、「an」、「the」及び類似の参照語は、本明細書に別途示されるか、文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方をカバーするように解釈されるものとする。本明細書における値の範囲の記載は、単に、範囲内に入る各個別の値を個別に参照するための略記法として機能することを意図している。本明細書において別途指示されない限り、各個別の値は、本明細書において個別に言及されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書で特に示されない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供される任意の及び全ての例、又は例示的な言語(例えば、「等」)の使用は、単に本発明をよりよく照明することを意図しており、別途請求される本発明の範囲に制限をもたらすものではない。本明細書におけるいかなる文言も、本発明の実施に不可欠な非請求項の要素を示すものとして解釈されるべきではない。
本明細書に開示された本発明の代替要素又は実施形態のグループ分けは、限定として解釈されるものではない。各グループのメンバーは、個別に、又はグループの他のメンバー若しくは本明細書に見出される他の要素との任意の組み合わせで参照され、請求され得る。利便性及び/又は特許性の理由から、グループの1又は複数のメンバーがグループに含まれ、又はグループから削除されることが予想される。そのような包含又は削除が行われる場合、本明細書は、修正されたグループを含むとみなされ、したがって、添付の請求項で使用されるすべてのMarkushグループの記述に合致する。
本発明の特定の実施形態は、本発明を実施するために本発明者らに知られている最良の態様を含めて、本明細書に記載されている。もちろん、これらの説明された実施形態に対する変形は、前述の説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。本発明者は、当業者がこのような変形を適宜採用することを期待しており、本発明者らは、本明細書に具体的に記載された以外の方法で本発明が実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用される法律によって許可される、本明細書に添付された請求項に記載された主題のすべての変更及び等価物を含む。さらに、そのすべての可能な変形における上述の要素の任意の組み合わせは、本明細書に別途示されるか、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。
さらに、本明細書を通じて、多数の特許及び印刷出版物を参照した。上記引用された各文献及び印刷出版物は、個々にその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
最後に、本明細書に開示された本発明の実施形態は、本発明の原理を例示するものであることを理解されたい。採用され得る他の改変は、本発明の範囲内である。したがって、限定ではなく例として、本発明の代替的な構成が本明細書の教示に従って利用され得る。したがって、本発明は、まさに図示及び説明されたとおりに限定されるものではない。
(付記)
(付記1)
第1のテトラヒドロフルフリルアクリレートモノマーと、さらなる誘導体化をすることができる少なくとも1つの官能基を含む第2のモノマーとのコポリマーを含むベースコート、及び
1分子あたり2個より多くの反応性部位を含むトップコートポリマー、
を含むことを特徴とするコーティング製剤。
(付記2)
前記コポリマーが約15,000g/moleから約150,000g/moleの間の分子量を有する、付記1に記載のコーティング製剤。
(付記3)
前記トップコートが前記ベースコートの上にある、付記1に記載のコーティング製剤。
(付記4)
前記トップコートが血液適合性トップコートである、付記1に記載のコーティング製剤。
(付記5)
前記トップコートポリマーが、血液適合性低分子、タンパク質、多糖類、グリコサミノグリカン、又は少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、又は2つより多く)の重合性基で誘導体化したポリマーである、付記1に記載のコーティング製剤。
(付記6)
前記トップコートポリマーが、アルブミン、ヘパリン、ホスホリルコリン、ポリ(アルコキシアルキル(メタ)アクリレート)、双性イオン型ポリマー、一酸化窒素放出ポリマー、極めて親水性のポリマー、極めて疎水性のポリマー、又はそれらの組み合わせである、付記1に記載のコーティング製剤。
(付記7)
前記トップコートポリマーが約500amu~約100,000amuの分子量を有する、付記1に記載のコーティング製剤。
(付記8)
医療機器に潤滑性又は血液適合性を向上させる付記1に記載のコーティング製剤。
(付記9)
前記医療機器がカテーテル又はマイクロカテーテルである、付記8に記載のコーティング製剤。
(付記10)
前記少なくとも1つの官能基が、独立して、ヒドロキシル、アミン、又はカルボン酸である、付記1に記載のコーティング製剤。
(付記11)
熱可塑性物質の表面をコーティングする方法であって、
第1のテトラヒドロフルフリルアクリレートモノマーと、さらなる誘導体化をすることができる少なくとも1つの官能基を含む第2のモノマーとのコポリマーを含むベースコートを、前記熱可塑性物質の表面に塗布すること、及び
前記ベースコートにトップコートを塗布すること、を含み、
前記トップコートが、1分子あたり2つより多くの反応性部位を含むトップコートポリマーを含む、ことを特徴とする方法。
(付記12)
前記ベースコートを塗布する前に、前記熱可塑性物質の表面を洗浄する、付記11に記載の方法。
(付記13)
前記ベースコートを塗布する前に、前記熱可塑性物質の表面をプラズマ処理する、付記11に記載の方法。
(付記14)
浸漬により前記ベースコートを塗布する、付記11に記載の方法。
(付記15)
前記ベースコートを紫外線に曝露する、付記11に記載の方法。
(付記16)
前記紫外線が、約10nm~約400nmの範囲の波長である、付記15に記載の方法。
(付記17)
前記ベースコートを約0.5~約10分間硬化する、付記16に記載の方法。
(付記18)
浸漬により前記トップコートを塗布する、付記1に記載の方法。
(付記19)
前記トップコートを紫外線に曝露する、付記1に記載の方法。
(付記20)
前記紫外線が、約10nm~約400nmの範囲の波長である、付記19に記載の方法。
(付記21)
前記トップコートを約0.5~約10分間硬化する、付記19に記載の方法。
(付記22)
カテーテルの投与を必要としている対象にカテーテルを投与する方法であって、前記カテーテルを前記対象に挿入すること、及び前記カテーテルを前記対象から取り外すことを含み、前記カテーテルが付記1に記載のコーティング製剤でコーティングされている、方法。
(付記23)
血管アクセスを必要としている対象への血管アクセスを提供する方法であって、付記1に記載のコーティング製剤でコーティングされたカテーテルを前記対象に挿入することを含む、方法。
(付記24)
体液の抜き取りを必要としている対象から体液を抜き取る方法であって、付記1に記載のコーティング製剤でコーティングされたカテーテルを対象に挿入し、前記対象から前記体液を抜き取ることを含む、方法。
(付記25)
前記カテーテルを繰り返し挿入することなく、前記体液を繰り返し又は連続的に抜き取ることを含む、付記24に記載の方法。
(付記26)
薬剤(例えば、治療薬又は診断薬)投与を必要としている対象に薬剤を投与する方法であって、付記1に記載のコーティング製剤でコーティングされたカテーテルを前記対象に挿入することと、前記カテーテルを介して前記対象に前記薬剤を投与することとを含む、方法。
(付記27)
前記カテーテルを繰り返し挿入することなく、前記薬剤を繰り返し又は連続的に投与することを含む、付記26に記載の方法。
(付記28)
前記カテーテルが、付記1に記載のコーティングが含まれないカテーテルの抜去時間よりも約10%~約200%長い時間を経て前記対象から抜去される、付記22~27のいずれか一つに記載の方法。

Claims (28)

  1. 第1のテトラヒドロフルフリルアクリレートモノマーと、さらなる誘導体化をすることができる少なくとも1つの官能基を含む第2のモノマーとのコポリマーを含むベースコート、及び
    1分子あたり2個より多くの反応性部位を含むトップコートポリマー、
    を含むことを特徴とするコーティング製剤。
  2. 前記コポリマーが約15,000g/moleから約150,000g/moleの間の分子量を有する、請求項1に記載のコーティング製剤。
  3. 前記トップコートが前記ベースコートの上にある、請求項1に記載のコーティング製剤。
  4. 前記トップコートが血液適合性トップコートである、請求項1に記載のコーティング製剤。
  5. 前記トップコートポリマーが、血液適合性低分子、タンパク質、多糖類、グリコサミノグリカン、又は少なくとも1つ(例えば、少なくとも2つ、又は2つより多く)の重合性基で誘導体化したポリマーである、請求項1に記載のコーティング製剤。
  6. 前記トップコートポリマーが、アルブミン、ヘパリン、ホスホリルコリン、ポリ(アルコキシアルキル(メタ)アクリレート)、双性イオン型ポリマー、一酸化窒素放出ポリマー、極めて親水性のポリマー、極めて疎水性のポリマー、又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載のコーティング製剤。
  7. 前記トップコートポリマーが約500amu~約100,000amuの分子量を有する、請求項1に記載のコーティング製剤。
  8. 医療機器に潤滑性又は血液適合性を向上させる請求項1に記載のコーティング製剤。
  9. 前記医療機器がカテーテル又はマイクロカテーテルである、請求項8に記載のコーティング製剤。
  10. 前記少なくとも1つの官能基が、独立して、ヒドロキシル、アミン、又はカルボン酸である、請求項1に記載のコーティング製剤。
  11. 熱可塑性物質の表面をコーティングする方法であって、
    第1のテトラヒドロフルフリルアクリレートモノマーと、さらなる誘導体化をすることができる少なくとも1つの官能基を含む第2のモノマーとのコポリマーを含むベースコートを、前記熱可塑性物質の表面に塗布すること、及び
    前記ベースコートにトップコートを塗布すること、を含み、
    前記トップコートが、1分子あたり2つより多くの反応性部位を含むトップコートポリマーを含む、ことを特徴とする方法。
  12. 前記ベースコートを塗布する前に、前記熱可塑性物質の表面を洗浄する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ベースコートを塗布する前に、前記熱可塑性物質の表面をプラズマ処理する、請求項11に記載の方法。
  14. 浸漬により前記ベースコートを塗布する、請求項11に記載の方法。
  15. 前記ベースコートを紫外線に曝露する、請求項11に記載の方法。
  16. 前記紫外線が、約10nm~約400nmの範囲の波長である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記ベースコートを約0.5~約10分間硬化する、請求項16に記載の方法。
  18. 浸漬により前記トップコートを塗布する、請求項1に記載の方法。
  19. 前記トップコートを紫外線に曝露する、請求項1に記載の方法。
  20. 前記紫外線が、約10nm~約400nmの範囲の波長である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記トップコートを約0.5~約10分間硬化する、請求項19に記載の方法。
  22. カテーテルの投与を必要としている対象にカテーテルを投与する方法であって、前記カテーテルを前記対象に挿入すること、及び前記カテーテルを前記対象から取り外すことを含み、前記カテーテルが請求項1に記載のコーティング製剤でコーティングされている、方法。
  23. 血管アクセスを必要としている対象への血管アクセスを提供する方法であって、請求項1に記載のコーティング製剤でコーティングされたカテーテルを前記対象に挿入することを含む、方法。
  24. 体液の抜き取りを必要としている対象から体液を抜き取る方法であって、請求項1に記載のコーティング製剤でコーティングされたカテーテルを対象に挿入し、前記対象から前記体液を抜き取ることを含む、方法。
  25. 前記カテーテルを繰り返し挿入することなく、前記体液を繰り返し又は連続的に抜き取ることを含む、請求項24に記載の方法。
  26. 薬剤(例えば、治療薬又は診断薬)投与を必要としている対象に薬剤を投与する方法であって、請求項1に記載のコーティング製剤でコーティングされたカテーテルを前記対象に挿入することと、前記カテーテルを介して前記対象に前記薬剤を投与することとを含む、方法。
  27. 前記カテーテルを繰り返し挿入することなく、前記薬剤を繰り返し又は連続的に投与することを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記カテーテルが、請求項1に記載のコーティングが含まれないカテーテルの抜去時間よりも約10%~約200%長い時間を経て前記対象から抜去される、請求項22~27のいずれか一項に記載の方法。
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