JP2022541060A - 改善された自己復元能力を有するカプセル装置 - Google Patents

改善された自己復元能力を有するカプセル装置 Download PDF

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Abstract

患者の内腔への挿入に好適なカプセル装置であって、内腔が、内腔壁を有し、カプセル装置(100、200、300、400、500)が、a)丸み付き物体として形成され、外部表面を画定する外部形状を有する、カプセルハウジング(110、120、210、220)と、b)カプセルハウジング(110、120、210、220)に対して配置される組織接合構成要素(130、230)であって、組織接合構成要素(130、230)が、標的場所で内腔壁と相互作用するように構成されている、組織接合構成要素(130、230)と、を備え、カプセル装置が、幾何学的中心と、第1の軸に沿って幾何学的中心からオフセットされる質量中心と、を有する、自己復元カプセルとして構成されており、カプセル装置(100、200、300、400、500)が、質量中心が幾何学的中心から横方向にオフセットされるように配向されながら、内腔壁の組織によって支持されるときに、カプセル装置が、組織接合構成要素(130、230)が標的場所で内腔壁と相互作用することを可能にするために、重力の方向に沿って配向された第1の軸を有するカプセル装置を配向するように作用する、重力による外部から印加されるトルクを受け、カプセル装置(100、200、300、400、500)の外部表面の少なくとも一部分が、表面コーティング、表面粗さ、表面ジオメトリ、および表面マイクロジオメトリからなる群から選択される1つ以上の表面特性を示す表面特性を有し、該表面特性が、低静止摩擦などの低摩擦を提供するように選択され、該重力による外部から印加されるトルクが、カプセル装置上で作用するときに、内腔壁の組織に対するカプセル装置の滑り移動を確実にする、カプセル装置。【選択図】図1

Description

本発明は、医療診断および/または療法のためのカプセル装置に関し、カプセル装置は、患者の内腔への挿入のために適合されており、カプセル装置は、内腔壁の支持表面に対して自己配向する固有の能力を有する。
本発明の開示では、主に、糖尿病を治療するためのインスリンの送達などの、薬物ペイロードの送達による疾患の治療について言及がなされる。しかしながら、これは本発明の例示的な使用に過ぎない。
多くの人々が、糖尿病などの疾患に罹り、定期的に、および多くの場合、日常的に、薬物の注射を受けることを必要としている。疾患を治療するために、これらの人々は、複雑であるとみなされ得る、かつ不快な経験となり得る、異なるタスクを実施する必要がある。さらに、その人々は、外出時に注射装置、針、薬物を持参することが必要となる。したがって、治療が錠剤またはカプセルの経口摂取に基づき得る場合、そのような疾患の治療の有意な改善とみなされるであろう。
しかしながら、タンパク質ベースの薬物は、摂取時に吸収されるのではなく、分解および消化されることになるため、そのような解決策は、実現が非常に困難である。
経口摂取を通してインスリンを血流中に送達するための作用溶液を提供するために、薬物は、まず消化管の内腔に送達され、さらに消化管の壁(内腔壁)内に送達されなければならない。これは、以下の数個の課題を提示する:(1)薬物は、胃内の酸による分解または消化から保護されなければならない。(2)薬物は、胃内、または下部消化管、すなわち、胃の後に放出されなければならず、これは、薬物放出の絶好の機会を制限する。(3)薬物は、胃および下部消化管内の流体の分解環境に曝露される時間を制限するために、内腔壁に送達されなければならない。壁で放出されない場合、薬物は、放出点から壁への移動中に分解され得るか、または分解流体から保護されない限り、吸収されずに下部消化管を通過し得る。
特許文献1は、患者に診断または療法を提供するために、患者がGI管に摂取することを意図した、自己復元カプセルなどの様々な自己復元物品を開示している。自己復元物品は、自己復元物品の質量中心の場所および形状により、既定の配向で自己配向する固有の能力を示すモノスタティック本体として構成されてもよく、組織接合構成要素が内腔壁の標的部位に隣接して位置するのを可能にする。
支持表面に対して自己配向する自己復元カプセルの能力、および一旦取得されると意図される配向に位置を維持する能力は、様々な要因に依存する。自己復元カプセルの設計中、自己復元物品の異なる診断および/または治療作用に適合するために、様々な設計要因を考慮に入れなければならない。カプセルは、依然として意図される診断および/または治療作用もしくは機能を可能にしつつ、適切な自己復元能力を提供する必要がある。また、カプセルの全体的なサイズは、多くの用途において重要であり得る。例えば、小さなサイズを有するカプセルの十分な装填能力を目指す場合、物品の所望の質量中心を得ることは困難であり得、これは自己配向能力の低下をもたらし得る。
上記に関して、本発明の目的は、患者の内腔に挿入するための自己復元カプセル装置を提供することであり、使用の状況では、カプセル装置が内腔の標的場所において組織によって支持される場合、カプセル装置は、既定の配向に入るための、および一旦既定の配向がとられると既定の配向を維持するための、改善された能力を示す。本発明のさらなる目的は、自己配向する優れた能力を得ると同時に、自己配向カプセルを設計する自由度を高めることである。
国際公開第2018/213600(A1)号
本発明の開示では、上記の目的のうちの1つ以上に対処する、または例示的な実施形態の説明と同様に下記の開示から明らかな目的に対処する、実施形態および態様が説明される。
したがって、本発明の第1の態様では、患者の内腔への挿入に好適なカプセル装置が提供されており、内腔が、内腔壁を有し、カプセル装置が、
-丸み付き物体として形成され、外部表面を画定する外部形状を有する、カプセルハウジングと、
-カプセルハウジングに対して配置される組織接合構成要素であって、組織接合構成要素が、標的場所で内腔壁と相互作用するように構成されている、組織接合構成要素と、を備え、
カプセル装置が、幾何学的中心と、第1の軸に沿って幾何学的中心からオフセットされる質量中心と、を有する、自己復元カプセルとして構成されており、カプセル装置が、質量中心が幾何学的中心から横方向にオフセットされるように配向されながら、内腔壁の組織によって支持されるときに、カプセル装置が、組織接合構成要素が標的場所で内腔壁と相互作用することを可能にするために、重力の方向に沿って配向された第1の軸を有するカプセル装置を配向するように作用する、重力による外部から印加されるトルクを受け、
カプセル装置の外部表面の少なくとも一部分が、表面コーティング、表面粗さ、表面ジオメトリ、および表面マイクロジオメトリからなる群から選択される1つ以上の表面特性を示す表面特性を有し、
該表面特性が、低静止摩擦などの低摩擦を提供するように選択され、該重力による外部から印加されるトルクが、カプセル装置上で作用するときに、内腔壁の組織に対するカプセル装置の滑り移動を確実にする。
最先端カプセルについては、重力によるトルクが自己復元カプセルに作用するときに粘膜組織に対して滑ることなく、自己復元カプセルが回転する、このような密度分布、ならびにこのような幾何学的形状および表面特性を有する自己復元カプセルを構成することが提案されている。カプセルの表面部分が相対的に大きな摩擦係数を提供する、最先端の自己復元カプセルと比較して、本発明による外部表面の提案される特性は、支持内腔壁に対するカプセル装置の回転の滑りを提供する。これは、重力によって及ぼされる自己復元トルクに顕著な効果を有し、カプセル装置の改善された自己復元を提供する。自己復元の改善は、より良好かつより迅速な自己復元を確実にするために利用されてもよく、ならびに/またはカプセル装置内部の構成要素のレイアウトおよび分布の自由度などの、カプセル装置に改善された設計自由度を提供するために利用されてもよい。
カプセル装置の外部表面の少なくとも一部分の該表面特性は、カプセル装置が水平表面上に支持されるときに、低静止摩擦が、該重力による外部から印加されるトルクがカプセル装置上で作用するときに、内腔壁の組織に対するカプセル装置の滑り移動を確実にするように選択され得る。
一部の実施形態では、カプセルの外部全体は、該表面特性を有する。
他の実施形態では、カプセルの外部表面積の下半分表面積などの、組織接合構成要素に隣接するカプセル装置の下部は、該表面特性を有する表面部分を含む。
一部の実施形態では、カプセル装置の外部表面の少なくとも一部分は、0.35未満、例えば、0.30未満、例えば、0.25未満、例えば、0.20未満、例えば、0.15未満、例えば、0.10未満、例えば、0.05未満、または例えば、0.02未満の静止摩擦係数を有する低摩擦面を提供する。
一部の実施形態では、カプセル装置の外部表面の少なくとも一部分は、0.01~0.35、好ましくは、0.01~0.30、好ましくは、0.01~0.25、より好ましくは、0.01~0.20、より好ましくは、0.01~0.15、より好ましくは、0.01~0.10、およびより好ましくは、0.01~0.05の静止摩擦係数を有する低摩擦表面を提供する。
一部の実施形態では、カプセル装置の外部表面の少なくとも一部分は、0.01~0.35、好ましくは、0.01~0.30、好ましくは、0.01~0.25、より好ましくは、0.01~0.20、より好ましくは、0.01~0.15、より好ましくは、0.01~0.10、およびより好ましくは、0.01~0.05の湿潤時の静止摩擦係数を有する低摩擦表面を提供する。
一部の実施形態では、該表面特性は、該カプセル装置の外部表面の少なくとも一部分に対して、0.01~0.35の静止摩擦係数を有する低摩擦を提供するように選択される。
他の実施形態では、該表面特性は、該カプセル装置の外部表面の少なくとも一部分に対して、0.01~0.25の静止摩擦係数を有する低摩擦を提供するように選択される。
一部の実施形態では、1つ以上の表面特性は、0.01~0.10など、0.01~0.06などの、0.01~0.20程度で静止摩擦係数を有する表面積を含むように選択される。
一部の実施形態では、静止摩擦係数は、0.02~0.05程度である。
一部の実施形態によっては、カプセル装置外部表面用の研磨された材料について、例示的な表面仕上げをRa0.02~Ra0.80の範囲で提供してもよい。
一部の形態では、組織接合構成要素は、治療ペイロード、診断装置、および組織アンカー装置などの組織保持装置のうちの少なくとも1つを含む。
カプセル装置のさらなる実施形態では、組織接合構成要素は、標的場所で治療ペイロードの少なくとも一部の放出を内腔壁に提供するように構成された治療ペイロードを含むか、または画定する。
治療ペイロードは、使い捨てであるか、またはカプセル装置内に配置されるように構成されてもよく、治療ペイロードは、標的場所でカプセルから内腔壁に排出されるように構成されている。
一部の形態では、組織接合構成要素は、カプセル装置内に配置されるか、または使い捨てである送達部材をさらに備え、送達部材は、内腔壁の組織を貫通するように成形されており、かつ組織貫通端部および組織貫通端部の反対側の後端部を有しており、送達部材は、治療ペイロードを貯蔵部から送達するように構成されているか、または治療ペイロードを備える。
一部の実施形態では、カプセル装置は、送達部材に結合され、第1の構成および第2の構成を有する、アクチュエータをさらに備え、送達部材は、アクチュエータが第1の構成にあるときに、カプセル内に保持され、送達部材は、第1の構成から第2の構成へのアクチュエータの移動によって、カプセルから内腔壁内に前進するように構成されている。
送達部材は、一部の形態では、治療ペイロードを含む調製物から完全に形成された固体として提供されてもよく、送達部材は、内腔壁の組織に挿入されたときに溶解して、治療ペイロードの少なくとも一部分を組織に送達する、溶解可能な材料から作製される。
他の形態では、送達部材は、注射針であり、治療ペイロードは、カプセル内の貯蔵部から注射針を通して排出可能である液体、ゲル、または粉末として提供される。
一部の実施形態では、アクチュエータは、送達部材と関連付けられたエネルギー源を備え、エネルギー源は、第1の構成から第2の構成へのアクチュエータの移動によって、送達部材にカプセルから内腔壁へと前進するように動力供給するように構成されている。
アクチュエータは、さらなる実施形態では、駆動ばねなどのエネルギー源を備え、ばねは、送達部材に動力供給するために、引っ張られているか、または引っ張られるように構成されている。駆動ばねは、圧縮ばね、張力ばね、ねじりばね、または板ばねの形態で提供され得る。
一部の形態では、カプセル装置は、溶解可能な射出部材を備え、溶解可能な射出部材は、生物学的流体に供されたときに少なくとも部分的に溶解可能であり、溶解可能な射出部材は、少なくとも部分的に溶解されたときに、送達部材がカプセルから内腔壁へと前進するように、エネルギー源からのエネルギーの放出を可能にする。
一部の実施形態では、カプセル装置は、患者によって摂取されるように成形およびサイズ調整されたカプセルハウジングを有する摂取可能なカプセルを画定する。患者は、ヒト患者であってもよい。
カプセル装置は、異なる実施形態では、カプセルから患者の胃の内腔壁、大腸の内腔壁、および小腸の内腔壁のうちの1つに治療ペイロードを放出するように構成されて提供されてもよい。
本発明の第2の態様では、GI管の内腔への摂取に好適なカプセル装置が提供されており、内腔が、内腔壁を有し、カプセル装置が、
-丸み付き物体として形成され、外部表面を画定する外部形状を有する、カプセルハウジングと、
-カプセルハウジングに対して配置される組織接合構成要素であって、組織接合構成要素が、標的場所で内腔壁と相互作用するように構成されている、組織接合構成要素と、を備え、
カプセル装置が、幾何学的中心と、第1の軸に沿って幾何学的中心からオフセットされる質量中心と、を有する、自己復元カプセルとして構成されており、カプセル装置が、質量中心が幾何学的中心から横方向にオフセットされるように配向されながら、内腔壁の組織によって支持されるときに、カプセル装置が、組織接合構成要素が標的場所で内腔壁と相互作用することを可能にするために、重力の方向に沿って配向された第1の軸を有するカプセル装置を配向するように作用する、重力による外部から印加されるトルクを受け、
カプセル装置の外部表面の少なくとも一部分が、0.35未満、例えば、0.30未満、例えば、0.25未満、例えば、0.20未満、例えば、0.15未満、例えば、0.10未満、例えば、0.05未満、または例えば、0.02未満の静止摩擦係数を有する低摩擦面を提供する。
一部の実施形態では、カプセル装置の外部表面の少なくとも一部分は、0.01~0.35、好ましくは、0.01~0.25、より好ましくは、0.01~0.20、より好ましくは、0.01~0.15、より好ましくは、0.01~0.10、およびより好ましくは、0.01~0.05の静止摩擦係数を有する低摩擦表面を提供する。
一部の実施形態では、カプセル装置の外部表面の少なくとも一部分は、0.01~0.35、好ましくは、0.01~0.25、より好ましくは、0.01~0.20、より好ましくは、0.01~0.15、より好ましくは、0.01~0.10、およびより好ましくは、0.01~0.05の湿潤時の静止摩擦係数を有する低摩擦表面を提供する。
さらなる実施形態では、上記で第1の態様に関連して言及した任意の特徴を、第2の態様の特徴と組み合わせて提供する。
本明細書で使用される場合、「薬物」または「ペイロード」という用語は、指定された標的部位内またはその上に送達されることができる任意の薬物製剤を包含することを意味する。薬物は、単一の薬物化合物、または予混合もしくは予配合された複数の薬物化合物であってもよい。代表的な薬物としては、固体、粉末または液体の両方の形態における、ペプチド(例えば、インスリン、インスリン含有薬剤、GLP-1含有薬剤ならびにその誘導体)、タンパク質、およびホルモンなどの医薬品、生物由来または活性物質、ホルモンおよび遺伝子に基づく物質、栄養製剤、ならびに他の物質が挙げられる。具体的には、薬物は、インスリンまたはGLP-1含有薬剤であってもよく、これは、その類似体、および1つ以上の他の薬物との組み合わせを含む。
以下の本発明の実施形態は、図面を参照しながら説明される。
図1は、固体線量送達のために構成されたカプセル装置の断面側面図を示しており、これは、本発明による最先端のカプセル装置10およびカプセル装置の第1の実施形態100の両方を表すものであり、装置は、射出前構成をとっている。 図2aおよび図2bは、図1に示すカプセル装置の様々な幾何学的定義を示しており、装置は重力場に供され、接触点Pの内腔壁との単一点接触に向けられている。 図2cは、図1のカプセル装置を4つの異なる配向で示している。 図3aは、支持表面と単一点接触する図1のカプセル装置10を概略的に示しており、装置は、表面に対して滑ることなく回転するように構成されている。 図3bは、支持表面と単一点接触する図1のカプセル装置100を概略的に示しており、装置は、表面に対して滑りながら回転するように構成されている。 図4aは、支持表面と直線接触する図1のカプセル装置10を概略的に示しており、装置は、表面に対して滑ることなく回転するように構成されている。 図4bは、支持表面と直線接触する図1のカプセル装置100を概略的に示しており、装置は、表面に対して滑りながら回転するように構成されている。 図5は、図1に示すカプセル装置の様々な幾何学的定義および方程式を示しており、装置は重力場に供され、接触点Pの内腔壁との直線接触に向けられている。 図6aは、本発明によるカプセル装置の第2の実施形態200の断面側面図を示しており、装置は、射出前構成をとっている。 図6bは、所定の配向における第2の実施形態200の接触点解析であり、図は、内腔壁への3つの異なるレベルの突出高さ(h)に対応する3つの計算を示している。 図6cは、第2の実施形態200の仰角(θ)の関数として計算されたトルクレベルの曲線を示している。 図7aは、本発明によるカプセル装置の第3の実施形態300の断面側面図を示しており、装置は、射出前構成をとっている。 図7bは、所定の配向における第3の実施形態300の接触点解析であり、図は、内腔壁への3つの異なるレベルの突出高さ(h)に対応する3つの計算を示している。 図7cは、第3の実施形態300の仰角(θ)の関数として計算されたトルクレベルの曲線を示している。 図8は、第1、第2、および第3の実施形態のそれぞれの仰角(θ)の関数として計算されたトルクレベルの比較であり、トルクレベルは、内腔壁との単一点接触として計算されている。 図9aおよび図9bは、固体用量送達のために構成された本発明によるカプセル装置の第4の実施形態の断面正面図を各々示しており、装置は、それぞれ、射出前構成および射出構成をとっている。 図10は、本発明の態様によるカプセル装置で使用するためのラムおよび固形用量送達部材のアセンブリの3つの異なる構成を概略的に示している。 図11は、カプセル装置内のラムを射出する際に使用するための変形可能なラッチおよび保持部分アセンブリの対の4つの異なる構成を概略的に示している。 図12は、固体送達部材とラムとの間の固体用量送達の取り外しを可能にするための、カプセルおよびラムアセンブリの3つの異なる構成を概略的に示している。 図13a、図13b、および図13cは、カプセル装置の第5の実施形態の断面正面図を各々示しており、装置は、液体用量送達のために構成されており、装置は、それぞれ射出前構成、射出構成、および用量終了時の構成をとる。 図14は、図13cに示される正面図に対応する断面側面図である。 図15は、図6aに示される第2の実施形態のカプセル装置200の様々な幾何学的定義を示している。 図16は、様々な幾何学的定義を示す球状カプセル装置の概略図である。
図において、同様の構造物は、主として同様の参照番号によって特定される。
以下で「上」および「下」、「右」および「左」、「水平」および「垂直」などの用語、または同様の相対表現が使用されるとき、これらは、添付の図に言及するだけであり、必ずしも実際の使用状況ではない。示された図は、概略表現であり、そのため、異なる構造の構成、およびそれらの相対寸法は、例示的な目的のみを果たすことが意図される。部材または要素という用語が所与の構成要素に対して使用されるとき、これは一般的に、説明される実施形態においてこの構成要素が単一の構成要素であることを示すが、代替的に、説明される構成要素のうちの2つ以上が単一の構成要素として、例えば、単一の射出成形部品として製造される可能性があるように、同一の部材または要素がいくつかの下位構成要素を備えてもよい。「アセンブリ」および「サブアセンブリ」という用語は、説明された構成要素が所与の組み立て手順の間に単一の、または機能アセンブリまたはサブアセンブリを提供するために組み立てられる必要があることを暗示しておらず、機能的により密接に関連するものとして共にグループ化される構成要素を説明するために使用されるに過ぎない。
図1を参照すると、自己復元カプセル10を表す第1の例示的な装置が示されている。自己復元カプセル10は、患者によって摂取されて、カプセル装置が、胃内腔に入り、その後、内腔の壁に対して配向し、最終的に胃壁の粘膜組織内の標的場所における挿入のための固形用量薬物ペイロードを展開することを可能にするために好適である。カプセル装置10は、国際公開第2018/213600(A1)号に開示されている一般原理の一部を利用して、胃壁に対してカプセルの自己配向を可能にし、薬物投与のための固形用量ペイロードを展開している。
摂取可能な自己復元カプセル装置10は、ある平均密度を有する第1の部分100Aと、第1の部分100Aの平均密度とは異なる平均密度を有する第2の部分100Bと、を備える。カプセル装置10は、物品を摂取する被験体ユーザの内部放出のために薬剤を担持するためのペイロード部分130を収容する。示される実施形態では、展開前のカプセル装置の平均密度は、消化液の密度よりも大きく、カプセル装置が胃内腔の底部まで沈むことを可能にする。自己復元物品の外形は、ゴンボック形状、すなわち、形状の単一の安定した配向以外の任意の配向で表面上に配置されたとき、形状がその単一の安定した配向に再配向する傾向がある、ゴンボックタイプの形状であり得る。
図1では、示される例示的な装置10について、カプセルは、対称性の中心軸を有するように成形されている。装置の底面123が重力の方向に下向きに面しているとき、装置の対称性の中心軸は垂直に走っている。示されるカプセル装置10は、上部(近位)カプセル部品110を含み、これは、下部(遠位)カプセル部品120に嵌合して取り付く。上部カプセル部品110および下部カプセル部品120は、装置のカプセルハウジングを共に形成する。カプセルは、ペイロード部分130を収容する内部中空と、ペイロード部分130を保持する針ハブを形成するラム150と、薬物送達のためにペイロードと共に針ハブを前方に射出および駆動するように構成されたアクチュエータを含む射出および推進機構と、を画定する。ラム150上のペイロードインターフェース部分156によって保持されるペイロード部分130は、中心軸と同軸に走る射出軸に沿って配向されている。ペイロードは、射出軸に沿って移動するよう構成されている。示される実施形態では、上部カプセル部品110および下部カプセル部品120は、射出軸の周囲に実質的に対称である回転対称部品を形成する。図1では、装置10は、射出軸が垂直に向き、ペイロード部分130が下部カプセル部品120の中央に配置された出口孔124に向かって垂直に下向きに向いた状態で配向され、出口孔は、ペイロード部分130が、出口孔を通って輸送され、カプセル装置10の外側に移動されることを可能にする。下部部品120は、出口孔124を取り囲む、実質的に平坦な下部外部表面として形成される、組織係合表面123を含む。
示される実施例では、ペイロード部分130は、治療ペイロードを含む調製物から部分的にまたは完全に形成される固体の溶解可能な送達部材を画定する。示される実施形態では、固体送達部材は、内腔壁の組織を貫通するように形状決めされた薄い円筒形ロッドとして形成され、円筒形ロッドは、組織貫通端および組織貫通端の反対側の後端を有する。ロッドの組織貫通端は、内腔壁の組織内への容易な挿入を促進するために向けられるが、示される実施形態では、後端は、90度の切断によって切断された切頭円筒を画定する。カプセル装置400による送達に好適な薬物の非限定的な例は、インスリンなどの乾燥圧縮APIである。固体送達部材(ペイロード部分130)の形状が薄いロッドとして形成されるため、送達部材は、標的場所で送達部材が分解して粘膜組織を介して薬物を放出した後の標的場所で組織に押し込まれることに適している。
例示的な装置10の射出および推進機構は、駆動ばね140の形態のアクチュエータを含む。駆動ばねは、作動前の状態で、上部カプセル部品110の遠位接面として形成された上部ばねシートと、ラム150の遠位部分に配設されたフランジ155の近位接面によって形成される下部ばねシートとの間の初期圧縮状態で維持される、らせん状の圧縮ばねの形態で提供される。初期の射出前状態では、駆動ばね140は、駆動ばねがラム150の近位管状部分154を部分的に取り囲むように、ラム150と同軸に配設されている。
例示的な装置10では、カプセル装置10の射出の前に、駆動ばね140は、その圧縮状態で駆動ばね140を維持する保持力を提供する溶解可能な射出部材としての役割を果たすディスク160によって初期圧縮状態で保持される。ディスク160は、下部カプセル部品120内に配設された近位に面するディスク取り付け面と、ラム150上のフランジ155の遠位接面との間に配設されている。ディスク160は、胃液などの流体に供されると溶解する材料から作製される。したがって、ディスク160は、駆動ばね140の力がディスクの保持力を克服し、それによって、駆動ばねを解放するように、ディスクが十分に溶解されるまで、駆動ばね140をその初期圧縮状態で解放可能に保持する。示される実施例では、カプセル装置10は、ディスク160との流体相互作用を可能にするために、カプセル内に胃液を導入するための複数の開口部116を含む。
自己復元カプセル装置では、中心軸が重力の方向に位置するようにカプセル装置が静止し、カプセルの幾何学的中心および質量中心が幾何学的中心から装置底部123に向かって軸方向下向きにオフセットする設計を有することにより、質量中心が幾何学的中心から横方向にオフセットされるように配向されながらカプセル装置が支持表面によって支持されるとき、カプセル装置は、重力による外部から印加されるトルクを受ける。このトルクは、組織係合表面123が標的場所で内腔壁と相互作用することを可能にするために、重力の方向に沿って配向された第1の軸と共にカプセル装置に配向するように作用する。
示される実施形態では、カプセル装置10全体の密度分布に起因して、および装置の外部形状に起因して、カプセル装置10は、中心軸が表面(例えば、重力に実質的に直交する表面、消化管の壁などの組織の表面)に対して実質的に鉛直な状態で、それ自体を配向する傾向がある。したがって、カプセル装置は、組織係合表面123が垂直に下向きに面するように、重力の方向に対して配向する傾向がある。
カプセル装置10の胃への摂取後、胃液は、カプセル内に入り、ディスク160との相互作用を開始する。所定の時間が経過した後、ディスク160は十分に溶解されて、ラム150を出口穴124に向かって遠位に推力させる。ラム150の移動は、ラムが下部カプセル部品120の内部に配設された遠位に面するラム停止表面128に当たると停止する。この状態では、ペイロード部分130の大部分は、カプセル装置10の出口穴124に対して外側に押し出され、胃壁の下部と接触して下向きに面する組織係合面123のために、ペイロード部分130は、粘膜組織に注入され、その後、ペイロード部分130は、ラム150のペイロードインターフェース部分156から切断され、ペイロード部分が組織に挿入されたままになる。
図1に示す自己復元カプセル10は、約12.1mmの高さと、約10.0mmの最大横方向寸法とを有する。非展開カプセルの質量中心は、底面123から3.6mmに位置する。例示的なカプセル装置10のカプセル部品は、上部部品110のポリカプロラクトン(PCL)および下部部品120の316Lステンレス鋼として選択されている。
最先端カプセルについては、重力によるトルクが自己復元カプセルに作用するときに粘膜組織に対して滑ることなく、自己復元カプセルが回転する、このような密度分布、ならびにこのような幾何学的形状および表面特性を有する自己復元カプセル10を構成することが提案されている。
しかしながら、本発明によれば、カプセル装置は、自己復元中に胃壁と相互作用するモードが、カプセル表面と支持胃壁の表面との間の滑りを生じさせる圧延運動であることを確実にする表面を備えてもよい。重力を介して自己復元を分析するための以下の理論的フレームワークを示す。以下では、図1のカプセル装置10は、カプセルの表面部分が比較的高い摩擦表面である例示的なカプセル10を示しており、一方で、例示的なカプセル装置100(第1の実施形態)は、類似の全体的な設計を有するが、低摩擦表面として提供される表面部分を有するカプセルを示している。
支持表面に対して自己復元するカプセル装置10の能力を検討するための補助として、図2aおよび図2bは、装置が重力場にかけられ、接触点Pの内腔壁と単一点接触するように配向されている状態の図1に示すカプセル装置の様々な幾何学的定義を示している。カプセル装置10の質量中心は、点Oに位置し、座標系は、原点が点Oに位置し、x軸がカプセル装置10の中心軸(射出軸)に対して平行であり、y軸が中心軸に直交している。カプセル10と支持表面との間の接触、単一点接触の場所は、Pと示されている。
仰角θは、y軸と、質量中心Oと接触点Pとの間に延在する線との間の角度を示す。角度βは、y軸と重力との間の角度を示す、一方で、自己復元角(傾斜角)は、φ=θ-βとして定義される。
図2bは、例示的な配向で、かつ支持表面に対するカプセル装置10の上記の角度を示している。支持表面は、重力場に対して直交して配設されており、したがって、支持表面は患者の胃壁の下部を表す。示される配向のカプセル装置10については、接触点Pに対して横方向に位置する質量中心Oは、カプセル装置に作用するトルクを生じさせる。傾斜角φが0より大きい場合、トルクはポジティブとなり、それによって、底面123が下向きに面する状態でカプセル装置に配向するように作用する。
図2cは、支持表面に対するカプセル装置10の概略的な4つの異なる例示的な配向をさらに示している。
図3aは、装置が点P、Pの周りを回転し、トルクがτ=γmgとして与えられる場合、カプセル装置が滑る(摩擦)ことなく回転するケースを示している。
図3bは、装置が点Pの周りを回転し、トルクがτ=γmgとして与えられる場合、カプセル装置が滑って(摩擦なく)回転するケースを示している。2つのケースのトルクアーム(摩擦ありおよび摩擦なし)は、同じ大きさであり、したがって、カプセル装置に作用するトルクは同じである。
次に、カプセル装置が、その重量のために、軟質粘膜組織に表面圧力を及ぼし、粘膜組織を周囲の区域に対して押し下げる2つのケースを考慮する。これは、例えば、0.2~0.6mm程度などの突出深度hを有する組織のくぼみに対応する。図4aおよび図4bは、この状態を表すものであり、2つのケース(摩擦ありおよび摩擦なし)のトルクアームは、著しく異なることが分かる。したがって、同じ形状および密度分布を有する2つの装置について、装置10(図4a)に作用するトルクは、装置100に作用するトルク(図4b)よりもはるかに小さい。両方の場合について、外側接触点は、Pc1およびPc2と示されている。
図5は、カプセル装置10、100、トルクアームの計算に使用される方程式、ならびに摩擦のあるケースおよび滑りやすいケースの両方の結果として生じるトルクについての異なる幾何学的定義を示している。トルクの計算は、装置形状、装置質量、および装置中心質量を入力として取るプログラムされたスクリプトで自動的に行うことができる。カプセル装置に対する仰角の関数としての重力によるカプセル装置に作用するトルクを表すトルク曲線では、カプセル装置の臨界表面部分、すなわち、滑りやすい移動を得るための表面特性が有益である表面部分を決定することができる。典型的には、カプセル装置の外表面の大部分、例えば、外表面全体は、低摩擦表面として提供されてもよい。しかしながら、一部の実施形態では、低摩擦表面は、トルクが低いことが分かる、すなわち、自己復元能力が比較的低い、仰角について支持組織と接触する表面部分で特に提供される。
低摩擦表面を提供するための任意の既知の方法は、例えば、表面研磨(表面粗さ)、表面ジオメトリ、表面マイクロジオメトリおよび表面コーティングを利用することによって、低摩擦カプセルの設計に使用され得る。カプセル装置100の表面に低摩擦係数を提供する非限定的な実施例は、本体内腔内に導入されるカテーテルなどの医療器具から既知の表面コーティングなどの表面処理であってもよいか、またはそれを含んでもよい。例示的な表面コーティングとしては、例えば、国際公開第2019/034222(A1)号および国際公開第98/58988(A1)号に開示されるような、尿カテーテルから既知のこれらの材料、コーティングおよび組成物が含まれる。例示的な表面特性は、0.01~0.1などの0.01~0.20程度での静止摩擦係数を有する表面を含む。一部の実施形態では、静止摩擦係数は、0.02~0.05程度である。カプセル装置外部表面用の研磨された材料については、例示的な表面仕上げを、Ra0.02~Ra0.80の範囲で提供してもよい。
図6aは、本発明によるカプセル装置200の第2の実施形態を示している。自己復元カプセル200は、約15.1mmの高さと、約12.0mmの最大横方向寸法とを有する。非展開カプセルの質量中心は、底面123から3.2mmに位置し、一方で、容積の中心は、底部から6.8mmに配置される。第2の実施形態のカプセル装置200のカプセル部品は、上部部品110のポリカプロラクトン(PCL)および下部部品120の316Lステンレス鋼として選択されている。カプセル装置200のレイアウトは、カプセル装置100に対して再設計され、主にディスク160の位置を下げることによってより低い中心質量を提供する。また、カプセル下部部品120の材料の厚さが増加している。カプセル装置200の質量は、3.5gである。
図6bおよび図6cに関連して、第2の実施形態のカプセル装置200について、突出深度の関数として、接触点および結果として生じるトルクがどのように変化するかに関する分析がなされている。図6bは、1つの特定の仰角θの図である。突出深度hは、装置が組織内にどれだけ離れて突出するかを示す。hが変化するにつれて、装置と組織との間の接触区域も変化する。図6bの図中のほぼ垂直の線は、それぞれ、0mm、0.2mm、0.4mm、および0.6mmの突出深度の組織表面を示している。星は、これらの突出深度の各々について、結果として生じる回転の中心を示す。
突出高さの各セットについて、出力として提供される結果として生じるトルクを用いて、すべての仰角の数値計算を行った。図6cは、滑りやすいケース(低摩擦表面を有するカプセル装置200)ならびに摩擦のあるケース(装置200と類似しているが、高摩擦表面を有するカプセル装置)の両方の結果を示している。暗い線は、単数の接触ケースに対応する突出高さ0mmを示している。カプセル装置200は、摩擦のあるケースと比較して、すべての突出深度によって重力によって及ぼされる著しく高い自己復元トルクと関連していることは容易に明らかである。
図7aは、本発明によるカプセル装置300の第3の実施形態を示している。自己復元カプセル300は、約12.7mmの高さと、約12.0mmの最大横方向寸法とを有する。非展開カプセルの質量中心は、底面123から2.5mmに位置し、一方で、容積の中心は、底部から5.8mmに配置される。第2の実施形態のカプセル装置300のカプセル部品は、上部部品110のポリアミドおよび下部部品120の316Lステンレス鋼として選択されている。カプセル装置300の質量は、2.2gである。カプセル装置300のレイアウトは、カプセル装置100および200に対して再設計され、低質量中心を得ながら、ほぼ球状の外形を提供する。
図7bおよび図7cに関連して、第3の実施形態のカプセル装置300について、突出深度の関数として、接触点および結果として生じるトルクがどのように変化するかに関する分析がなされている。図7bは、1つの特定の仰角θの図である。突出深度hは、装置が組織内にどれだけ離れて突出するかを示す。hが変化するにつれて、装置と組織との間の接触区域も変化する。図7bの図中のほぼ垂直の線は、それぞれ、0mm、0.2mm、0.4mm、および0.6mmの突出深度の組織表面を示している。星は、これらの突出深度の各々について、結果として生じる回転の中心を示す。
再び、突出高さの各セットについて、出力として提供される結果として生じるトルクを用いて、すべての仰角の数値計算を行った。結果は図7cに示され、滑りやすいケース(低摩擦表面を有するカプセル装置300)ならびに摩擦のあるケース(装置300と類似しているが、高摩擦表面を有するカプセル装置)の両方の結果を示している。暗い線は、単数の接触ケースに対応する突出高さ0mmを示している。また、この場合、カプセル装置300は、摩擦のあるケースと比較して、すべての突出深度によって重力によって及ぼされる著しく高い自己復元トルクと関連していることは容易に明らかである。
図8は、自己復元カプセル装置の上述の実施形態、すなわち、単一接触点、すなわち、0.0mmの突出深度のケースにおける第1の実施形態100、第2の実施形態200、および第3の実施形態300の比較を示している。カプセル装置300は、最も低い装置質量を有するにもかかわらず、最良の自己復元特性を示した。ポジティブトルク(τ>0)は、所望の方向への自己復元を意味する。角度θ<-40度に対するカプセル装置300のネガティブ値は、数値誤差によるものである。
特に図6cおよび図7cから、組織と接触する装置の外部表面部分が静止摩擦係数に対して低い値を有することを条件として、自己復元カプセル装置200および300について、良好な自己復元特性がすべての配向に対して確実にされていることが結論付けられる。これは、トルクが比較的低いとみなされる、すなわち、検討された実施形態についての、典型的に低い角度θの仰角に自然に最も関連する。
自己復元カプセル装置が、摩擦のために、それ自体の周りを回転することによって自己復元化において妨害される臨界摩擦係数を推定するために、以下の実施例を考慮する。
図6cおよび図7cから、自己復元トルクは、接触点仰角θ≒-30°、すなわち、最も重大なケース付近で一般的に最も低いようにみなされることが注目される。この状態に基づいて、装置がこの位置で静止から開始しているときに重力および摩擦から生じるトルクが検討される。図15を参照すると、これは、こうした角度の付いた開始位置に配設された第2の実施形態の自己復元カプセル装置200の表現である。多数の実験で観察され、理論によって予測されているように、装置は、自転する。すなわち、回転点が容積の中心に近いことが分かる。これはまた、接触点の仰角が、θ≒-30°であるケースも同様である。したがって、この分析では、容積の中心(図15の黒い十字を参照)が回転の中心と近似する。したがって、自己復元を理解するために、この時点で生じるトルクを研究する。
図15を参照すると、関与する変数は以下のとおりである。
・m-装置質量[kg]
・g-重力加速度[m/s
・dgrav-質量中心(灰色の十字)から回転の中心(黒色の十字)までの距離が鉛直(水平)[mm]
・h-質量中心(灰色の十字)と回転のおおよその中心(黒色の十字)との間の距離[mm]
・α-水平線と装置のセンターラインとの間の角度
・接触角は、θ=-30°[°]
・dfric-最低接触点から回転の中心(黒い十字)までの鉛直(垂直)距離
[mm]
力:
・重力:Fgrav=-mg e(質量中心で作用する)
・摩擦力:Ffric=-mgμ e(最悪のケース:最低接触点で作用する)
トルク(黒い十字で印が付いた容積の中心付近):
・重力トルク:
τgrav=-dgravgrav=h cos(α)mg
・摩擦力:
τfric=dfricfric=-dfricmgμ
自己復元を確実にするために、全トルクはポジティブでなければならない:
Figure 2022541060000002
主な懸念事項には、1)重力Fgrav、および2)装置とそれが静止している基体との間の摩擦力Ffricの2つの力がある、図15を参照。
重力は、Fgrav=-mg eによって与えられ、mは装置質量であり、gは重力加速度であり、回転の中心の周りにポジティブトルクτgrav>0を生成し、装置を反時計回りに回転させ、そのため自己復元を行う傾向がある。トルクは、力の力点(灰色の十字で示される質量中心)から回転の中心dgravまでの水平距離(重力に対して鉛直)を見つけることによって識別され、トルクは、
・τgrav=-dgravgrav=h cos(α)mgで与えられる。
摩擦力は、可能であれば、装置と基材との間のこの滑り運動に抵抗する。摩擦力を生じさせるSOMA装置の通常の力は、接触区域に分布するが、我々の目的のために、我々は、最悪のケースシナリオ、すなわち、総摩擦力が単一の点で作用し、それが滑り運動に耐えるために最大の可能なトルクを生成できる場合であるシナリオを検討する。これは、回転の中心への最大垂直距離、すなわち、距離dfricで与えられる、接触の最低点を有する、接触区域上の点である。この接触点において、合計摩擦力は、Ffric=-mgμ eであり、ここで、μは、装置と基体との間の摩擦の静止係数であり、ネガティブトルクτfric<0を生じさせ、反時計回りのトルクに抵抗する(摩擦自体は、装置を時計回りの方向に回転させず、常に対向する力である)。摩擦トルクのアームは、最小接触点から回転点までの垂直距離(摩擦力に対して鉛直である)dfricである。摩擦トルクは、以下となる
・τfric=-dfricfric=dfricμmg。
摩擦力が自己復元を妨げる可能性がある場合、摩擦トルクは重力トルクと正確に釣り合う
・μ=μcで、τgrav+τfric=0。
2つのトルクを均等化し、摩擦係数を求めると、臨界摩擦係数
Figure 2022541060000003
が分かり、
すなわち、SOMA装置の自己復元を確実にするために、我々は、所望の摩擦係数が臨界摩擦係数μよりも低いはずであることを意味する、μ<μを確実にしなければならない。
次の3つのケースを分析する:1)球状ジオメトリからの単純化された推定、2)図6a、図6bおよび図6cに関連して論じた第2の実施形態のカプセル装置200の推定、ならびに3)図7a、図7bおよび図7cに関連して論じた第3の実施形態のカプセル装置300の推定。
実施例1 簡略化された球状装置
このケースについて、装置は、半径Rを有する球状であると局所的にみなされる、図16を参照。
力: ・重力:Fgrav=-mg e
・摩擦力:Ffric=-mgμ e
トルク(黒い十字で印が付いた容積の中心付近)
Figure 2022541060000004
・摩擦力:τfric=-dfricfric=-R mgμ
自己復元を確実にするために、全トルクはポジティブでなければならない:
Figure 2022541060000005
その質量中心については、我々は、提案される自己配向カプセル装置の多くが、その質量中心
Figure 2022541060000006
と質量中心が類似(または幾分低い)しており、したがって、ここでは
Figure 2022541060000007
α=60°であり、摩擦力については、dfric=Rを有することを観察する。臨界係数は以下となる。
Figure 2022541060000008
したがって、これらの計算に基づいて、実施例1による球状装置が滑り移動を確実に行うために、組織に接触する外部表面の表面特性は、0.25未満の摩擦係数を有し、理想的にはさらに低いはずである。この結果は、簡略化されたケースに由来することに留意されたい。
実施例2 自己復元カプセル装置、第2の実施形態
第2の実施形態では、図6a、図6b、および図6cに関連して記載される自己復元カプセル装置200には、以下の条件がある。
・h=3.6mm、α=42°およびdfric=7.3mm
Figure 2022541060000009
したがって、この設計に基づいて、実施例2による装置が滑り移動を確実に行うために、組織に接触する外部表面の表面特性は、0.37未満の摩擦係数を有し、理想的にはさらに低いはずである。
実施例3 自己復元カプセル装置、第3の実施形態
第3の実施形態では、図7a、図7b、および図7cに関連して記載される自己復元カプセル装置300には、以下の条件がある。
・h=3.4mm、α=56°およびdfric=6.6mm
Figure 2022541060000010
したがって、この設計に基づいて、実施例3による装置が滑り移動を確実に行うために、組織に接触する外部表面の表面特性は、0.29未満の摩擦係数を有し、理想的にはさらに低いはずである。
実施例の終わり
ここで図9aおよび図9bを参照すると、摂取可能な自己復元カプセル装置400の第4の実施形態が示されている。装置400は、ある平均密度を有する第1の部分100Aと、第1の部分100Aの平均密度とは異なる平均密度を有する第2の部分100Bと、を備える。カプセル装置400は、物品を摂取する被験体ユーザの内部放出のために薬剤を担持するためのペイロード部分130を収容する。示される実施形態では、展開前のカプセル装置の平均密度は、消化液の密度よりも大きく、カプセル装置が胃内腔の底部まで沈むことを可能にする。自己復元物品の外形は、ゴンボック形状、すなわち、形状の単一の安定した配向以外の任意の配向で表面上に配置されたとき、形状がその単一の安定した配向に再配向する傾向がある、ゴンボックタイプの形状である。また、この実施形態については、低摩擦のカプセル外部表面を使用することによって、優れた自己復元能力が得られる。
示されるカプセル装置は、上部(近位)カプセル部品110を含み、これは、下部(遠位)カプセル部品120に嵌合して取り付く。上部カプセル部品110および下部カプセル部品120は、装置のカプセルハウジングを共に形成する。カプセルは、ペイロード部分130を収容する内部中空と、ペイロード部分130を保持して前方に駆動するラム150と、薬物送達のためにペイロードと共にラムを前方に発射および駆動するように構成されたアクチュエータを含む発射および推進機構と、を画定する。ペイロード部分130は、射出軸に沿って配向され、射出軸に沿った移動のために構成される。示される実施形態では、上部カプセル部品110および下部カプセル部品120は、射出軸の周囲に対称である回転対称部品を形成する。図1では、装置10は、射出軸が垂直に向き、ペイロード部分130が下部カプセル部品120の中央に配置された出口孔124に向かって垂直に下向きに向いた状態で配向され、出口孔は、ペイロード部分130が、出口孔を通って輸送され、カプセル装置400の外側に移動されることを可能にする。下部部品120は、出口孔124を取り囲む、実質的に平坦な下部外部表面として形成される、組織係合表面123を含む。
図9aおよび図9bに示される実施形態のカプセル部品に好適な材料について、上部部品は、ポリカプロラクトン(PCL)などの低密度材料から好適に作製され得るが、一方、下部部品120は、316Lステンレス鋼などの高密度材料から好適に作製され得る。
示される実施形態では、カプセル装置400全体の密度分布に起因して、および装置の外部形状に起因して、カプセル装置400は、発射軸が表面(例えば、重力に実質的に直交する表面、消化管の壁などの組織の表面)に対して実質的に垂直な状態で、それ自体を配向する傾向がある。したがって、カプセル装置は、組織係合表面123が垂直に下向きに面するように、重力の方向に対して配向する傾向がある。
上部カプセル110の内部は、上部カプセル部品110の上部部品から、下部カプセル部品120に形成された内側底面によって画定されるラム停止表面128、すなわち、近位に面する停止表面に向かって、射出軸と同心状に延在するスリーブ状ラムガイド構造115を含む。さらに、示される実施形態では、第2のスリーブ状構造は、射出軸と同心状に延在し、ラムガイド構造115内で上部カプセル部品110から半径方向に延在し、射出軸に沿って下向きに延在する。第2のスリーブ状構造は、カプセル内に配置された引っ張られた駆動ばね140から放出する駆動力に対抗して、ラム150を保持するための保持構造としての役割を果たし、すなわち、駆動ばねは、ラムを第1の位置から第2の位置に前進させるためのアクチュエータとしての役割を果たす。示される実施形態では、保持構造は、保持構造の下端に配置された半径方向内向きに突出する保持部分113を有する。示される実施形態では、保持部分113は、2つの対向する半径方向内向きに突出する弧状突出部として提供される。
図9aおよび図9bに示される第4の実施形態では、ペイロード部分130は、治療ペイロードを含む調製物から完全にまたは部分的に形成される固体送達部材を画定する。示される実施形態では、固体送達部材は、内腔壁の組織を貫通するように形状決めされた薄い円筒形ロッドとして形成され、円筒形ロッドは、組織貫通端および組織貫通端の反対側の後端を有する。ロッドの組織貫通端は、内腔壁の組織内への容易な挿入を促進するために向けられるが、示される実施形態では、後端は、90度の切断によって切断された切頭円筒を画定する。カプセル装置400による送達に好適な薬物の非限定的な例は、インスリンなどの乾燥圧縮APIである。
ラム150は、上部保持部品151と、ペイロード部分130の後端を定位置に保持するために構成された下部接合部品155と、を備える。示される実施形態では、接合部品は、ペイロード部分130が孔内に堅固に取り付けられるように、ペイロード部分130の後端部を受容する下向き開口孔を含む。下部接合部品155は、ラムガイド構造115の直径よりもわずかに小さい直径を有する環状外側フランジをさらに画定する。示される実施形態では、ラム150は、図9aに示す射出前構成から図9bに示される射出構成まで、ラムガイド構造115によって軸方向移動のためにガイドされている間、移動可能である。
上述の駆動ばね140に関して、カプセル装置400では、螺旋圧縮ばねが、射出軸と同軸に配置される。駆動ばね140の近位端は、上部カプセル部品110のばね座に対して着座し、すなわち、ラムガイド構造115と保持構造との間に半径方向に位置する。駆動ばね140の遠位端は、ラム150の下部接合部品155によって画定されたフランジの近位表面によって形成されたばね座に対して着座する。カプセル装置400の組み立ての一部として、駆動ばね140は、2つのばね座の間で駆動ばね140を軸方向に圧縮することによって付勢される。したがって、ラムは、最初、10~30N程度などの、駆動ばねからの荷重下にある。駆動力を生成するために圧縮ばねを使用する代替例として、ねじりばね、板ばね、定力ばね、または類似のものなどの、カプセル装置400を付勢するために、他のばね構成が使用されてもよい。さらなる代替例では、ガスばねまたはガス発生器が使用されてもよい。
ラム150の上部保持部品151は、ラムの上部端から出口開口部124に向かって遠位方向に延在する、2つの偏向可能なアーム152の形態で提供される偏向可能なラッチを含み、各アームは、半径方向内向き方向に弾性的に偏向可能である。各偏向可能なアーム152の端は、弾性アームから半径方向外向きに突出する閉塞部分153を含む。図1aに示される射出前構成では、閉塞部分153の各々の遠位表面は、保持部分113の対応する1つの近位表面に係合する。閉塞部分153は、最初、保持部分113の近位に位置するため、ラム150は、偏向可能なアーム152が半径方向内向き方向に十分に偏向されない限り、保持部分113を通過して遠位に移動することができない。
射出前構成では、溶解可能なペレット160が、2つの偏向可能なアーム152の間に配置され、それにより、ペレット160の半径方向に対向する表面が、2つの偏向可能なアーム152の半径方向内向きに面する支持表面に係合する。示される実施形態では、ペレット160は、上部カプセル部品110内の区画内に配置され、上部カプセル部品110内の近位に配置された上部開口部は、カプセル装置が流体中に浸漬されたときに、溶解可能なペレットへの流体曝露を促進する。図1aに示される射出前構成では、溶解可能なペレット160が非圧縮状態をとるため、ペレットは、2つの偏向可能なアームが内向きに曲がることを防止する。しかしながら、患者の胃の中に存在する胃液などの流体に曝露すると、溶解可能なペレットは、溶解し始める。ペレット160は、事前定義された起動時間の後、ペレットがある程度溶解されて、2つの偏向可能なアーム152が、内向きに十分に偏向されることを可能にして、ラム150の閉塞部分153が保持部分113を遠位に通過して移動することを可能にするように、徐々に溶解されるように設計される。この条件、すなわち、射出構成では、ラム150は、駆動ばね140の荷重で射出されて、ラム150を出口孔124に向かって遠位に付勢する。ラム150は、ペイロード先端がカプセルから最初に突出して、残りのペイロード部分130を徐々に押し出すことを伴って、ペイロード部分130を遠位に駆動する。ペイロード部分130の前方移動は、ラム150が下部カプセル部品120の底部から出るときに停止される。この条件が図1bに示される。
示される実施形態では、保持部分113と閉塞部分153との間の接合部は、溶解可能なペレットが溶解されたときに、偏向可能なアームが内向きに摺動するように、およそ30°だけ勾配を有している。角度は、ペレット上の剪断力を決定し、その程度に対して、偏向可能なアームは、荷重力に供されたときに、内向きに摺動する傾向がある。射出されたときのラムの加速長と関連すると、最適な角度は、0°であるが、そのような構成を起動するためにはるかに高いばね力を必要とする。勾配を有する部分について、他の実施形態では、30°以外の角度が使用されてもよい。
図9bは、示される実施形態では、ラム150およびペイロード部分130が、射出軸に対して多少傾いた配向に入り得ることを明らかにする。この効果は、ラムがその最終目的地に到達すると、ラム150を傾ける傾動機構によって得られる。しかしながら、この示される条件は、開口内に射出されるカプセル装置について、または流体内に射出されるペイロード部分を伴う、単なる代表的なものであるため、多少仮説的である。
意図される使用の状況では、ペイロード部分130は、内腔壁の組織内に挿入され、概して射出軸に沿った方向にアンカー固定されることになる。しかしながら、駆動ストロークの終了時に、およびラム150の傾動作用に起因して、ペイロード130とラム150との間の接続を破壊するか、または別様に解放する傾向がある屈曲トルクが、ペイロード部分130上に印加される。この効果は、ペイロード部分130がラム150から強制的に分離されることを可能にして、ペイロード部分130が組織内に適切に滞留した後に組織から引き出されることを防止するように導入される。
この時点で、カプセル装置400は、意図される用量を送達しており、組織壁の内側に安着する堆積したペイロード部分130に対して放出することになる。その後、カプセル装置の残りの部品は、ユーザの消化器系を通って移動し、処分されることになる。
ペイロード130が、ラム150に、したがって、カプセル装置400の残りの部品にも依然として固定的に接続されている場合、標的場所に対するカプセル装置の移動によってペイロード部分が組織から後退される可能性が高くなる。
示される実施形態では、最終目的地到達時のラム150の傾動運動は、ラム150の接合部品155の遠位に面する表面上に偏心して配置された突出部158を形成することによって得られる。下部カプセル部品120内に形成された内側底面によって画定された近位に面するラム停止表面128は、平坦であり、射出軸に直交して配向されるため、傾動効果は、ラム150がラム停止表面128と交わるときに得られる。以下でさらに考察されるように、傾動効果は、様々な代替的な幾何学的設計によって得られ得る。また、本開示には図示されていないが、ラムガイド構造115とラム150との間のガイドシステムが、代替的に、同様の傾動効果を得るために形成されてもよい。また、カプセル装置の他の実施形態では、傾動効果が省略されてもよいことにも留意されたい。
上で考察された溶解可能な部材、すなわち、溶解可能な射出部材を形成する溶解可能なペレット160について、異なる形態および組成物が使用されてもよい。非限定的な例としては、射出成形イソモルトペレット、圧縮造粒イソマルトペレット、クエン酸/NaHCO3の顆粒組成物から作製された圧縮ペレット、またはイソマルト/クエン酸/NaHCO3の顆粒組成物から作製された圧縮ペレットが挙げられる。溶解可能ペレットの非限定的な例示的なサイズは、製造時に直径φ1×3mmを測定するペレットである。
ラム150の示される例では、上部保持部品151は、チャンバとして形成され、溶解可能なペレット160が、締まり嵌めを有するチャンバ内で受容される。示される実施形態では、カプセル装置400の中央上部部品は、カプセル内に胃液を導入するための単一の開口部を含む。他の実施形態では、カプセルは、カプセルの周囲に分布する複数の開口部などの、流体入口開口部の他の設計を含み得る。いくつかの設計では、ペイロード部分130は、溶解可能なペレットのチャンバから流体的に封止されたチャンバ内に収容される。また、出口孔124は、カプセル装置400の射出前に、水分がペイロード部分チャンバに入ることを防止するシールを含み得る。
ここで、図10を参照すると、ラムおよびペイロード部分に対する3つの代替的な好適な設計が概略的に図示されており、各設計は、ラム150とペイロード部分130との間の所望の取り付けを得て、ラム150からのペイロード部分130の所望の制御された取り外しを可能にする。
設計番号Iは、ラム150の下部接合部品155から延在する中央ピン156.Iを有するラム150を含む。ペイロード部分130は、中央ピン156.Iを受容するために構成された中央開口部と対応して形成される。
設計番号IIは、ラム150の下部接合部品155から延在する中央円錐形突出部156.IIを有するラム150を含む。ペイロード部分130は、円錐形突出部156.IIと嵌合し、それを受容するために構成された中央円錐形陥凹と対応して形成される。
設計番号IIIは、ラム150の下部接合部品155の遠位に面する表面に中央円錐形陥凹156.IIIを有するラム150を含む。ペイロード部分130は、円錐形突出部156.IIIと嵌合し、それを受容するために構成された中央円錐形突出部と対応して形成される。
上記のペイロード部分130とラム150との間のペイロードインターフェース部分156の異なる変形例は、単に例示的であり、他の構成が代わりに使用されてもよい。ペイロード部分とラムとの間の取り外し可能な取り付けは、摩擦嵌めまたは圧入を使用することによって得られ得る。あるいは、スクロースなどの接着剤が、接合部で使用されてもよい。さらに代替的に、取り付けは、最初にペイロード部分を湿潤させ、ラムとペイロード部分との間の固有スティクションを利用することによって得られ得る。使用の状況では、ラムがその最終目的地に到達すると、ペイロード部分とラムとの間の接合部で取り外しが生じ得る。他の実施形態では、所望の取り外しは、ペイロード部分の大部分を、ラムに依然として接着または固定されている残りのペイロード部分から取り外すことによって得られ得る。一部の実施形態では、ペイロード部分は、分離点を決定する脆弱点を含む。またさらなる実施形態では、以下でさらに考察されるように、ラムおよびペイロード部分は、APIを含有する組成物ですべて作製された一体構成要素として形成され得、カプセル装置から押し出される意図されたペイロード部分は、ラム部分から分離される。また、代替的な実施形態では、ペイロードは、カプセル装置から完全に離れて輸送されるように、それ自体によってラムとして作用し得る。
図11は、さらなる例示的なカプセル装置で使用される、偏向可能なラッチおよび保持構成の1つまたは2つの対のための4つの追加設計を概略的に示す。容易に明らかであろうように、偏向可能なラッチ要素の数、偏向可能なラッチ要素の場所および配向、溶解可能な射出部材の数および構成、ならびにラムの設計は、より優れた作用モードを有する射出機構を依然として得ながら、本発明の態様と一致して変更され得る。簡略化のために、ラム150の上部保持部品151のみが示されている。同様に、カプセル部品の保持構造のみが示されている。
図11では、設計番号Iの2つの偏向可能なアーム152上の閉塞要素と協働するために上向きに延在する保持構造113を有する保持部分が示される。この設計では、図9aに示されるような全体構造を有するラムおよび溶解可能な射出部材160が使用され得る。
設計番号IIはまた、ラムの大部分が懸架されている、上向きに延在する保持構造113を含む。この実施形態では、ラムは、偏向可能なアーム152の近位端上に閉塞要素を有する近位に延在する快いアームを含み、アームの近位端は、中央に位置する溶解可能な射出部材160が十分に溶解されたときに半径方向内向きに曲がるように設計される。
設計番号IIIを図示する図は、関連する構成を示すが、ラムは、単一の偏向可能なアームのみを含む。この設計では、偏向可能ではない構造が、単一の偏向可能なアームから離れて面する側部上の溶解可能な射出部材160の側部上に配置される。偏向可能ではない構造は、その一方側上で溶解可能な射出部材160を連続的に支持するが、一方、対向する側部は、単一の屈曲可能なラッチアームが半径方向内向きに移動し、保持部分113を通過する余地を作る。
最終的に、設計番号IVは、偏向可能なラッチおよび保持部分が交換された場所を有する例を概略的に示す。この設計では、ラムは、作動機構の射出中にいかなる屈曲も呈さないように設計されている保持部分153’を有する上部保持部分151’を含む。代わりに、保持構造(上部カプセル部品または下部カプセル部品のいずれかと関連付けられた)は、遠位の延在する偏向可能なラッチアーム112’の形態の2つの偏向可能なラッチを含み、各々が、その最遠位端に閉塞部分153’を有する。各偏向可能なアーム112’は、それぞれの溶解可能な射出部材160’に係合するように構成されている。したがって、該それぞれの溶解可能な射出部材160’は、共通のリング状部材として提供され得るか、または射出軸の周囲にリング構成に配置された複数の別個の部材として提供され得る。上述のように、一部の実施形態では、ペイロードは、カプセル装置の残りの部分から部分的または完全に接続解除されるように、それ自体によってラムとして作用し得る。そのようなAPIベースのラムは、作動機構の射出中にいかなる屈曲も呈さないように設計されている保持部分を含み得、保持部分は、カプセルのハウジング、例えば、上部または下部カプセル部品と関連付けられた、協働する偏向可能なラッチを通過することを可能にする。
図12は、上記のように、ラム150の傾動効果を得るための3つの設計を概略的に示す。設計番号Iでは、偏心して配設された突出部158は、ラム150の接合部品155の遠位に面する表面、すなわち、ラム停止表面128に面する表面上に形成される。設計番号IIでは、ラム停止表面128上に偏心して配設された突出部129は、ラム150の接合部品155の下面に向かって近位方向に突出するように位置する。設計IIIとして示される変形例では、ラム停止表面128は、段付き表面129’として形成され、すなわち、ラム停止表面128に到達すると、ラム150の傾動移動を誘発する、2つ以上のレベルを含む。図12に概略的に示されるもの以外の最終目的地に到達した際にラムを傾動させる他のやり方が、他の手段によって実施され得ることに留意されたい。
図13a~図13cおよび図14を参照すると、次に、本発明の態様による薬物送達装置の第5の実施形態が説明され、第5の実施形態は、液体ベースのカプセル装置から液体製剤の用量を注入するための所望の射出原理を有するカプセル装置500を提供するように設計される。開示される実施形態は、カプセル装置500であって、患者によって摂取されて、カプセル装置が、胃内腔に入り、胃壁に対して配向し、その後、胃壁の組織内の標的場所における針挿入のための注射針を展開し、最終的に、注射針から液体を排出することを可能にするために好適な、カプセル装置500に関する。第1から第4の実施形態と同様に、第5の実施形態は、低摩擦のカプセル外部表面を利用して、優れた自己復元能力を提供する。
カプセル装置500は、胃腸管(例えば、胃壁などの胃内)に放出する前に液体製剤を保持するためのチャンバ200Cと、液体の針ベースの送達機構と、針挿入およびその後の液体排出の作動のためのシステムと、を含む。
図13a~図13cは、射出および注射の実行中に3つの状態にある液体ベースのカプセル装置における様々な例示的な構成要素を示している。注射前に、液体薬物製剤は、チャンバ200Cによってシステム内部に約80マイクロLの容量で維持され、保護される。このチャンバ200Cは、以下の3つの部材を備え、それらは共に、完全密封された内部容積をなす。1)下側カプセル220の底部、2)シリコンまたはTPEから作製された外側セプタム(例えば、プラグ)227、3)硬質ポリマーから作製された2K成形された構成要素として提供されるプランジャー275、および内側セプタム276および外側プランジャーシール277の両方として作用する軟質TPE。これらのセプタムは、一般に注射針の周りに封止することができ、さらに食品または液体が外部環境から通過するのを防ぐことができる。したがって、例えば、胃内の酵素は、セプタムを通して薬物製剤に到達することができなくなり、製剤は、セプタムから漏出しないであろう。
液体薬物製剤を組織に送達するために、注射針230を使用して、送達を支援する。針230は、内側セプタム276を通して直接的に挿入され、密着シールを形成する。針は中空(例えば、チャネルを含む)であるが、液体製剤は針の上部を通過しない。代わりに、穴(例えば、入口)232が注射針230の側面に存在する。液体は、この穴を通過し、傾斜した端部、すなわち、注射針の遠位端から抜け出すように構成されている。例えば、液体チャンバ200C(例えば、貯蔵部)は、ばね240の作動時に穴232と流体連通して配置されてもよく、それによって、液体チャンバ200Cから針への流体の移送が促進される。穴232は、活性化の前に、すなわち図13aに示すように、穴が液体チャンバ200Cの外側にあるように、針上のある高さに位置する。装置が作動するときに、この実施例では、針は、例えば、5mm下方に移動する。図13bに示すように、この移動は、針230を胃組織に挿入するだけでなく、側穴232を液体チャンバ200C内に移動させて、チャンバから組織への流路を可能にする。針の上部端部は、閉じて、針ハブ255を介して作動ばね240への接続点として使用され得る。したがって、流体が針230を通って移動する唯一の道は、側面の穴232から先端の穴までである。
カプセル装置500は、第1から第4の実施形態と同じ方法で、その注射機構を組織と整列させるために、摂取後に胃内に自律的に配向する。装置の高曲率上部は、その低質量中心と結合され、装置の質量中心が局所的に最小である角度として定義される、1つの安定した配向のみを有することを確実にする。さらに、カプセル装置500の平坦な底部は、その好ましい構成を安定化し、作動中に患者が動き回るときに、内腔に転倒および不射出しないことを確実にする。カプセル装置500の射出機構は、概して、第4の実施形態によるカプセル装置400の射出機構に対応する。
カプセル装置500は、上述したカプセル装置400と概して類似した溶解可能な射出部材206を組み込んだ、解除可能な射出機構を含む。カプセル装置500が摂取されるとすぐに、水和ベースのアクチュエータプラグ(例えば、イソマルトから作製された)260が溶解し始める。プラグは、各々が対応する保持部分213の近位表面と係合するブロッキング部分253を有する、2つの対向する偏向可能なアーム252によって、注射針230に接続されたハブ255を定位置に保持する。一旦溶解されると、プラグ260は、ハブ255を解放し、圧縮されたばね240は、拡張して針230を組織に挿入する。設定された距離の後、ハブ255上の停止ジオメトリ254は、装置のハウジング上のタブ214によって停止される(図14を参照)。これにより、針230が組織内に設定された距離だけ挿入されることが確実になる。
一旦装置が針を挿入すると、針ハブ255は直ちに第2の圧縮ばね245を作動させ、プランジャー275の移動によって装填された液体製剤を送達する。中間駆動構成要素270は、第2の圧縮ばね245とプランジャー275との間に配設され、針ハブ255の軸ガイドとして、第2の圧縮ばね245のばねシート271として、および第2の圧縮ばね245からプランジャー275上に力を伝達するための駆動部材として提供される。プランジャー275は、プランジャー275が液体チャンバ200Cの底面228と係合するときに、液体チャンバ200Cの底部から外れる。示される実施形態のカプセル装置500について、液体注射から針の挿入を分離することによって、装置は、針が組織を通り抜ける際に用量を注射する代わりに、正確な組織深度でその全液体用量を注射することができる。
組織に挿入される針は、組織から除去され、収縮可能な機構、膨潤ハイグロゲルを介して装置内に戻すことができ、またはその鋭利さが失われ得る。第3のばねを使用して、針をその挿入状態から装置に戻すことができる。溶解可能な針を使用して、針を除去することができる。しかしながら、設計は現在、装置内部の流体と接触する針を使用するため、場合によっては、外部表面から溶解しないことが望ましい。したがって、設計は、例えば、針の外部表面上に保護コーティングを含み得る。こうしたコーティングは、金などの金属であってもよく、またはパリレンなどのポリマーであってもよい。この層は、300nm~5umの厚さで任意の場所にあり得る。組織に挿入された後、溶解可能な針がその機能性を維持することが望ましい。例えば、組織を容易に貫通することができるべきである。一部のケースでは、比較的鋭い先端を使用し得る。また、内部管に液体を通すように構成されてもよい。さらに、液体が入ることができるように、上部セクションに穴を有するように構成されてもよい。針が作製され得る材料のいくつかの実施例には、イソマルトまたはスクロースなどの糖または糖様材料、生分解性ポリマーまたはPVP、PVA、Soluplusなどのコポリマー、ハイドロゲル、ゼラチン、デンプンが含まれる。針は、内側管から外側へ溶解するように構成されてもよい。針が水和し、軟質となった場合、これはまた、突出針からの穿孔の可能性を排除し得る。針の先端の周りに作られた柔らかい境界がある場合、これはまた、穿孔を防止し得る。針が、パスタの切れ端などのようにフロッピーになった場合、これもまた機能し得る。針が小片に割れた場合、これもまた機能し得る。針は、破壊され得るように、分解可能な金属で作製することができる。そのような金属には、亜鉛、マグネシウム、および鉄、ならびにその他のものが含まれる。第4の実施形態に関連して上述したような送達部材分離原理に従い、かつ図12に関連して、第2の実施形態の針の分離に類似の機構を使用してもよい。
自己復元カプセルの例示的な実施形態の上記の記述は、主に胃における送達のための摂取可能なカプセルに関するものであるが、本自己復元原理は、概して、カプセル装置が体腔内に位置付けられ、カプセル装置が支持内腔壁に対して自己配向する、一般的に内腔挿入のためのカプセル装置に有用性を見出す。カプセルは、経口摂取以外の経路によって摂取されるか、または体内腔に挿入されるように構成されてもよい。カプセル装置の非限定的な例としては、腸内腔内への薬物の腸送達のためのカプセル装置が含まれ得る。薬物送達は、針などの送達部材を使用して、内腔の組織壁内に挿入されるマイクロニードルを介して、実施され得る。専用の送達部材を使用する代わりに、送達部材を使用することなく、カプセル装置の1つ以上の出口開口部を通して実施されるなど、内腔壁に直接的に射出するカプセル装置を使用してもよい。こうした装置のための例示的な実施形態は、ジェット作用によって1つ以上の薬剤を送達するカプセル装置を含み、粒子は、内腔壁に対して粒子を加速することによって組織壁内に導入される。
代替的に、または薬物送達と組み合わせて、本自己復元原理は、1つ以上の診断作用がカプセル装置によって提供される内腔挿入のためのカプセル装置に有用性を一般的に見出し、実施例としては、物理的パラメータを測定するセンサー、または画像感知を利用する感知装置などの感知装置の組み込みが含まれる。また、1つ以上のアンカー機構の使用が、自己復元カプセル装置に組み込まれてもよく、その結果、一旦自己復元カプセルが内腔壁に対して所望の配向に入ると、アンカー機構は、とられた配向を長期間にわたって維持するために展開される。
例示的実施形態の上記の説明では、異なる構成要素について説明された機能を提供する異なる構造および手段を、本発明の概念が当業者にとって明らかである程度まで、説明してきた。異なる構成要素に対する詳細な構築および仕様は、本明細書に記載されるラインに沿って当業者によって実施される通常の設計手順の対象とみなされる。

Claims (15)

  1. 患者の内腔への挿入に好適なカプセル装置であって、前記内腔が、内腔壁を有し、前記カプセル装置(100、200、300、400、500)が、
    -丸み付き物体として形成され、外部表面を画定する外部形状を有する、カプセルハウジング(110、120、210、220)と、
    -前記カプセルハウジング(110、120、210、220)に対して配置される組織接合構成要素(130、230)であって、前記組織接合構成要素(130、230)が、標的場所で前記内腔壁と相互作用するように構成されている、組織接合構成要素(130、230)と、を備え、
    前記カプセル装置が、幾何学的中心と、第1の軸に沿って前記幾何学的中心からオフセットされる質量中心と、を有する、自己復元カプセルとして構成されており、前記カプセル装置(100、200、300、400、500)が、前記質量中心が前記幾何学的中心から横方向にオフセットされるように配向されながら、前記内腔壁の組織によって支持されるときに、前記カプセル装置(100、200、300、400、500)が、前記組織接合構成要素(130、230)が前記標的場所で前記内腔壁と相互作用することを可能にするために、重力の方向に沿って配向された前記第1の軸を有する前記カプセル装置(100、200、300、400、500)を配向するように作用する、重力による外部から印加されるトルクを受け、
    前記カプセル装置(100、200、300、400、500)の前記外部表面の少なくとも一部分が、表面コーティング、表面粗さ、表面ジオメトリ、および表面マイクロジオメトリからなる群から選択される1つ以上の表面特性を示す表面特性を有し、
    前記表面特性が、低静止摩擦などの低摩擦を提供するように選択され、前記重力による外部から印加されるトルクが、前記カプセル装置(100、200、300、400、500)上で作用するときに、前記内腔壁の前記組織に対する前記カプセル装置(100、200、300、400、500)の滑り移動を確実にする、カプセル装置。
  2. 前記カプセル装置(100、200、300、400、500)が水平表面上に支持されるときに、前記低静止摩擦が、前記重力による外部から印加されるトルクが前記カプセル装置上で作用するときに、前記内腔壁の前記組織に対する前記カプセル装置の滑り移動を確実にするように、前記表面特性が選択される、請求項1に記載のカプセル装置。
  3. 前記カプセルの外部全体が、前記表面特性を有する、請求項1に記載のカプセル装置。
  4. 前記カプセルの外部表面積の下半分表面積などの、前記組織接合構成要素に隣接する前記カプセル装置(100、200、300、400、500)の下部が、前記表面特性を有する表面部分を含む、請求項1に記載のカプセル装置。
  5. 前記組織接合構成要素(130、230)が、前記標的場所で治療ペイロードの少なくとも一部の放出を前記内腔壁に提供するように構成された前記治療ペイロードを含む、請求項1~4のいずれかに記載のカプセル装置。
  6. 前記治療ペイロードが、使い捨てであるか、または前記カプセル装置(100、200、300、400、500)内に配置され、前記治療ペイロードが、前記標的場所で前記カプセルから前記内腔壁に排出されるように構成されている、請求項5に記載のカプセル装置。
  7. 前記組織接合構成要素(120、130)が、使い捨てであるか、または前記カプセル装置(100、200、300、400、500)内に配置された送達部材を備え、前記送達部材が、前記内腔壁の組織を貫通するように成形されており、かつ組織貫通端部および前記組織貫通端部の反対側の後端部を有しており、前記送達部材が、前記治療ペイロードを備えるか、または治療ペイロードを貯蔵部から送達するように構成されている、請求項5または6に記載のカプセル装置。
  8. 前記カプセル装置(100、200、300、400、500)が、前記送達部材に結合され、第1の構成および第2の構成を有する、アクチュエータ(140、240)をさらに備え、前記送達部材が、前記アクチュエータ(140、240)が前記第1の構成にあるときに、前記カプセルハウジング(110、120、210、220)内に保持され、前記送達部材が、前記第1の構成から前記第2の構成への前記アクチュエータ(140、240)の移動によって、前記カプセルハウジング(110、120、210、220)から前記内腔壁内に前進するように構成されている、請求項7に記載のカプセル装置。
  9. 前記送達部材が、前記治療ペイロードを含む調製物から完全に形成された固体であり、前記送達部材が、前記内腔壁の組織に挿入されたときに溶解して、前記治療ペイロードの少なくとも一部分を組織に送達する、溶解可能な材料から作製される、請求項7に記載のカプセル装置。
  10. 前記送達部材が、注射針であり、前記治療ペイロードが、前記カプセルハウジング(110、120、210、220)内の貯蔵部(200C)から前記注射針を通して排出可能である液体、ゲル、または粉末として提供される、請求項7に記載のカプセル装置。
  11. 前記アクチュエータ(140、240)が、前記送達部材と関連付けられたエネルギー源を備え、前記エネルギー源が、前記第1の構成から前記第2の構成への前記アクチュエータ(140、240)の移動によって、前記送達部材に前記カプセルから前記内腔壁へと前進するように動力供給するように構成されている、請求項8~10のいずれかに記載のカプセル装置。
  12. 前記アクチュエータ(140、240)の前記エネルギー源が、圧縮ばねなどの駆動ばねを備え、前記ばねが、前記送達部材に動力供給するために、引っ張られているか、または引っ張られるように構成されている、請求項11に記載のカプセル装置。
  13. 前記カプセル装置(100、200、300、400、500)が、溶解可能な射出部材(160、260)を備え、前記溶解可能な射出部材が、生物学的流体に供されたときに少なくとも部分的に溶解可能であり、前記溶解可能な射出部材(160、260)が、少なくとも部分的に溶解されたときに、前記送達部材が前記カプセルハウジング(110、120、210、220)から前記内腔壁へと前進するように、前記エネルギー源からのエネルギーの放出を可能にする、請求項11または12に記載のカプセル装置。
  14. 前記カプセル装置(100、200、300、400、500)が、ヒト患者などの患者によって摂取されるように成形およびサイズ調整されたカプセルハウジング(110、120、210、220)を有する摂取可能なカプセルを画定する、請求項1~13のいずれかに記載のカプセル装置。
  15. 前記カプセル装置(100、200、300、400、500)が、前記カプセルから患者の胃の内腔壁、大腸の内腔壁、および小腸の内腔壁のうちの1つに治療ペイロードを放出するように構成されている、請求項5~14のいずれかに記載のカプセル装置。
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