JP2022537339A - メラノーマバイオマーカー - Google Patents

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Abstract

本発明は、メラノーマ関連の自己抗体バイオマーカーに関する。本自己抗体バイオマーカーは、メラノーマを検出又は診断するために使用可能であり、更にメラノーマ患者の治療、特にチェックポイント阻害剤での治療情報を知るためにも使用できる。本自己抗体バイオマーカーは、様々な方法で使用可能であり、その方法には、チェックポイント阻害剤で治療される患者において、治療のためのメラノーマ患者を選択する方法、治療に対する応答性を予測する方法、治療に対する反応としての生存期間を予測する方法及び免疫関連有害事象(irAE)リスクを予測する方法が含まれる。【選択図】図1

Description

(発明の分野)
本発明は、メラノーマ関連の自己抗体バイオマーカーに関する。本自己抗体バイオマーカーは、メラノーマを検出又は診断するために使用可能であり、更にメラノーマ患者の治療、特にチェックポイント阻害剤での治療情報を知るためにも使用できる。本自己抗体バイオマーカーは、様々な方法で使用可能であり、その方法には、チェックポイント阻害剤で治療される患者において、治療のためのメラノーマ患者を選択する方法、治療に対する応答性を予測する方法、治療に対する反応としての生存期間を予測する方法及び免疫関連有害事象(irAE)リスクを予測する方法が含まれる。
(発明の背景)
悪性メラノーマとしても知られるメラノーマは、色素含有メラノサイトから発生する皮膚癌の一種である。メラノーマの発症の素因となる主な要因は、日光紫外線への過度の曝露及び日焼けの経歴に関連しているように見える。
メラノーマは、最も稀ではあるが、全症例の約1%を占める最も致命的な皮膚癌である。世界保健機関(WHO)によると、世界的に毎年約132,000症例のメラノーマ皮膚癌が発生している(http://www.who.int/uv/faq/skincancer/en/index1.html)。
メラノーマ患者の生存率は、原発性メラノーマの厚み、リンパ節が含まれているか、及びその患者は遠隔転移しているかどうかに依存する。患者の大多数は最初は疾患ステージI又はII(限局性メラノーマ)であり、8%は疾患ステージIII(領域疾患)であり、4%は疾患ステージIV(遠隔転移)である。
多くの症例では、手術が治療の主な選択肢であり、通常は早期ステージのメラノーマを治癒する。ここ数十年間、転移性メラノーマ患者の生存期間中央値は8~9か月であり、予後は非常に不良であった。切除不能な疾患ステージIII又はメラノーマステージIVに対するケア標準は、化学療法及び放射線療法等の古典的療法であった。
腫瘍免疫学研究における最近の進歩は、ヒト免疫系を刺激し、腫瘍を特定して破壊を進行させる手法から成る第4の治療法選択肢を導いた(癌免疫療法又は免疫腫瘍学的治療)。
癌に対する効果的な免疫反応は、腫瘍を異物として検出する能力に依存する。多くの腫瘍細胞は異常なタンパク質及び分子を発現しており、理論的には免疫系によって認識されるはずである。腫瘍内に存在して免疫反応を誘発するタンパク質は、腫瘍関連抗原(TAA)と称される。TAA群には、突然変異タンパク質、過剰発現若しくは異常発現タンパク質、腫瘍形成ウイルスによって産生されたタンパク質、生殖細胞系列により発現されたタンパク質、糖タンパク質、又は少量しか産生されない若しくは免疫系に対して曝露されないタンパク質が含まれる。TAAに対する免疫反応には、細胞プロセシング、及び、TAAに対する抗体を産生して腫瘍細胞の排除を導くことが含まれる。
しかし、長期間の抗原曝露を受けた後の腫瘍は、免疫回避機構を発達させてTエフェクター細胞の機能枯渇を誘導することができるようになる。このような免疫回避機構には、腫瘍細胞上のMHCクラスI分子のダウンレギュレーションが含まれ、Tエフェクター細胞への抗原提示を回避する。又別の、腫瘍細胞の免疫回避機構は、腫瘍細胞上のPD-1リガンド(B7-H1とも呼ばれるPD-L1)のアップレギュレーションであり、腫瘍浸潤T細胞の機能を阻害する。このような免疫反応経路の負の調節因子は、まとめて免疫チェックポイントと呼ばれる。
免疫抑制経路を調節する治療用抗体の開発は、メラノーマの治療における飛躍的進歩となった。現在、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA-4)及びプログラム死1(PD-1)/PD-L1経路を標的とする抗体は、進行性メラノーマ患者の生存率の改善を示している。
免疫チェックポイントは、それらが各自のリガンドであるCD80/86及びプログラム細胞死リガンド1及び2(PD-L1/PD-L2)と結合した時に、T細胞免疫機能の負の調節因子となる。
それに加え、リンパ球活性化遺伝子3タンパク質(LAG3)、T細胞免疫グロブリンムチン3(TIM-3)、及びIDO(インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ)等の他のチェックポイントを標的とする薬が開発中である。
イピリムマブ(Ipilimumab、ヤーボイ)は、CTLA-4の阻害剤であり、進行性又は切除不能なメラノーマの治療用に承認されている。ニボルマブ(オプジーボ)及びペムブロリズマブ(キイトルーダ)は両方ともPD-1阻害剤であり、進行性又は転移性メラノーマ患者の治療のために承認されている。
抗PD-L1阻害剤であるアベルマブ(バベンシオ)は、2017年1月に欧州医薬品庁(European Medicines Agency)によって胃癌の治療用のオーファンドラッグ指定を受けている。アベルマブは、2017年3月に米国食品医薬品局(FDA)によって、皮膚癌の急速進行型であるメルケル細胞癌用に認可された。
チェックポイント阻害剤は進行性転移性メラノーマの生存性を非常に改良した事実にもかかわらず、非応答性も又観察されており、イピリムマブ(抗CTLA-4)治療の効果を示す患者は約30%だけであった(Callahanらの文献、2013)。イピリムマブと比較して、ニボルマブ及びペムブロリズマブ(PD-1を標的とする)は転移性メラノーマにおいて改善された有効性を示した。有効性は、ニボルマブをイピリムマブと組み合わせて使用する場合にはなお一層向上する可能性があり、このことは転移性メラノーマにおいても同様に認められ、全生存率が2年間で63.8%として示された(Hodiらの文献、2016)。
免疫系を活性化するチェックポイント阻害剤の強力な能力は、免疫関連有害事象(irAE)として特徴的な組織特異的炎症を引き起こす可能性がある。主要な副作用としては、下痢、大腸炎、肝炎、皮膚毒性、関節炎、糖尿病、下垂体炎等の内分泌障害、及び甲状腺機能障害が含まれる(Spainらの文献、2016年)。特にニボルマブのイピリムマブとの併用療法は、27%のニボルマブ単剤療法又は16%のイピリムマブ単剤療法とそれぞれ比較すると、確率55%で高グレードirAEを生じる(Larkinらの文献、2015)。まれではあるが、イピリムマブ療法、及びイピリムマブの併用療法の最も懸念される効果の1つは、重症大腸炎、更には重篤な大腸炎の発症である。従って、臨床的有効性及び毒性の両方を予測するためのバイオマーカーが求められている。そのようなバイオマーカーは、単剤療法及び併用療法の両方に関して患者の選択の指標となるであろう(Topalianらの文献、2016年)。
免疫反応のCTLA-4経路とPD-1経路との間には明らかな差異がある。CTLA-4は、一般にはリンパ節におけるナイーブT細胞活性化の最初の段階で自己反応性T細胞を阻止可能であるので、免疫反応に対してより包括的に作用する。PD-1経路は、免疫反応の後期に主に末梢組織において、既に活性化されたT細胞を制御する(Buchbinder及びDesaiの文献、2016年)。
どの患者が免疫チェックポイント阻害に最も良く反応するかを予測するためのバイオマーカーを特定するために、多くの試みがなされている。PD-1経路を阻害する作用機構を考慮して、幾つかの研究では、腫瘍内でのPD-L1リガンドの発現が臨床反応のバイオマーカーとして評価されている。しかし、PD-L1発現の予測値に関して差異が見いだされている。これは、PD-L1を臨床反応予測用バイオマーカーとして使用することを現在困難にしている。このバイオマーカーとしてのPD-L1の有用性における差異は、異なる研究において使用されたアッセイ種の差異によって、及び、療法中にPD-L1の発現が変動することによって引き起こされた可能性がある(Mansonらの文献、2016年)。
チェックポイント阻害は、通常、腫瘍及び腫瘍環境内でのエフェクターT細胞の活性を増強するものとみなされるので、他のバイオマーカー手法は、T細胞によって認識されるTAAを特定することに焦点が当てられてきた。しかし、この手法は、患者特異的なMHC試薬を必要とするので、探索的分析に限定され、日常的検査室設定には実用的でない(Gulleyらの文献、2014年)。
免疫療法に関してはほとんど見過ごされている免疫細胞型としてB細胞があり、これはT細胞活性化、サイトカイン、及び抗体に関する共刺激シグナル及び阻害性シグナルを提供することによって抗腫瘍促進効果及び腫瘍促進効果の両方を発揮し得る(Chiaruttiniらの文献、2017年)。更に又、B細胞は同様に、免疫チェックポイント調節因子PD-1、PD-L1及びCTLA-4を発現する(Chiaruttiniらの文献、2017年)。従って、免疫チェックポイント分子を調節する薬剤の投与は又、B細胞活性化及び自己抗体産生に対する効果を有するであろう。
B細胞は、腫瘍細胞の抗体依存性細胞傷害(ADCC)及び補体カスケードの活性化を媒介し得る抗腫瘍抗体を産生する。多くの癌種が、診断目的に使用できる抗体反応を誘導することは充分に確立されている。一部の癌患者はその腫瘍に限定された新生抗原に対して抗体反応を示すが、大部分の癌患者中の抗体は、自己抗原を対象とするので自己抗体である(Beiらの文献、2009年)。寛容が破られ、自己抗原に対する自己抗体のレベルが高いことも又、多くの自己免疫疾患の顕著な特徴である。
従って、自己抗体は、免疫治療的手法での治療を受ける癌患者において、持続的な体液性抗腫瘍応答性/非応答性及びirAEのバイオマーカーとして機能する可能性を有する。
TAA特異的T細胞の特定を伴うバイオマーカー戦略と比較して、自己抗体の特定は、最小量の血清を使用する現代のマルチプレックスハイスループットスクリーニング手法を使用して実施することができる(Buddeらの文献、2016年)。
(発明の概要)
本出願は、メラノーマ関連の自己抗体バイオマーカーの特定を報告する。本明細書に記載された自己抗体バイオマーカーは、メラノーマ患者の治療、特にチェックポイント阻害剤でのメラノーマ患者の治療と関係する。本自己抗体バイオマーカーは、チェックポイント阻害剤での治療決定を知るため、及び/又は、チェックポイント阻害剤での治療に対する、異なる態様の患者の応答性を予測するために使用できる。
第1の態様では、本発明は、1以上のチェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択する方法を提供する。この第1態様で本明細書で提供されるのは、1以上のチェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択する方法であって、該方法は:
(a) 該患者から得られたサンプル中の、ACTB、AMPH、AQP4、BAG6、BICD2、BIRC5、C15orf48、C17orf85、CALR、CCNB1、CENPH、CENPV、CEP131、CTAG1B、CTSW、EIF3E、EOMES、FGFR1、FLNA、FRS2、GNAI2、GPHN、GRP、GSK3A、HES1、IGF2BP2、IL23A、IL36RN、KRT19、MAZ、MIF、MLLT6、MUM1、NCOA1、NOVA2、NRIP1、PAPOLG、PPP1R2、PTPRR、RALY、SDCBP、SIVA1、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SPA17、SSB、SUM02、TEX264、TMEM98、TRAF3IP3、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体の1又は複数のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ(予め設定されたカットオフ)値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも高い場合は、該患者は1又は複数のチェックポイント阻害剤での治療のために選択される、前記方法である。
更に提供されるのは、1以上のチェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択する方法であって、該方法は:
(a) 該患者から得られたサンプル中の、ABCB8、AKT2、AMPH、AP1S1、AP2B1、ATG4D、ATP13A2、BTBD2、BTRC、CAP2、CASP10、CASP8、CFB、CREB3L1、CTSW、EGFR、EIF4E2、ELMO2、EOMES、ERBB3、FADD、FGA、FN1、FOXO1、FRS2、GABARAPL2、HSPA1B、HSPB1、IL23A、IL3、IL4R、KDM4A、KLKB1、KRT7、L1CAM、LAMB2、LAMC1、LEPR、LGALS3BP、MAGEB4、MAGED2、MAPT、MITF、MUC12、MUM1、OGT、PCDH1、PDCD6IP、PECAM1、PIAS3、PLIN2、PPL、PPP1R12A、PRKCI、RAPGEF3、RELT、RPLP0、RPLP2、SIGIRR、SIPA1L1、SPA17、SPTB、SPTBN1、SUFU、TEX264、TMEM98、TOLLIP、TONSL、TP53、TPM2、TRIP4、UBAP1、UBE2Z、UBTF、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体の1又は複数のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも高くない場合は、該患者は1又は複数のチェックポイント阻害剤での治療のために選択される、前記方法である。
更に提供されるのは、1以上のチェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択する方法であって、該方法は:
(a) 該患者から得られたサンプル中の、ARRB1、BCL7B、CCDC51、CEACAM5、CSNK2A1、DFFA、DHFR、FGFR1、GNG12、GRAMD4、GRK6、HDAC1、LAMC1、MSH2、MIF、MMP3、RPS6KA1、S100A8、S100A14、SHC1及びUSB1から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体の1又は複数のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも低い場合は、該患者は1又は複数のチェックポイント阻害剤での治療のために選択される、前記方法である。
更に提供されるのは、1以上のチェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択する方法であって、該方法は:
(a) 該患者から得られたサンプル中の、CXXC1、EGLN2、ELMO2、HIST2H2AA3、HSPA2、HSPD1、IL17A、LARP1、POLR3B、RFWD2、RPRM、S100A8、SMAD9、SQSTM1、及びWHSC1L1から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体の1又は複数のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも低くない場合は、該患者は1又は複数のチェックポイント阻害剤での治療のために選択される、前記方法である。
更なる態様では、本発明は、対象のメラノーマを治療する方法であって、該方法は、該対象へ1以上のチェックポイント阻害剤を投与するステップを含み、該対象は、本発明の第1の態様の方法において治療のために選択される、前記方法を提供する。
更なる態様では、本発明は、チェックポイント阻害剤での治療に対するメラノーマ患者の応答性を予測する方法を提供する。本明細書で提供されるのは、チェックポイント阻害剤での治療に対するメラノーマ患者の応答性を予測する方法であって、該方法は:
(a) 該患者から得られたサンプル中の、ACTB、AQP4、BIRC5、C15orf48、C17orf85、CALR、CCNB1、CENPH、CENPV、CEP131、CTAG1B、EOMES、FGA、FLNA、FRS2、GNAI2、GPHN、GSK3A、HES1、IGF2BP2、IL17A、IL36RN、MAZ、MLLT6、NOVA2、NRIP1、PAPOLG、PPP1R2、PTPRR、RALY、SIVA1、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SSB、TEX264、TRAF3IP3、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体の1又は複数のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも高い場合は、改善された応答性が予測される、前記方法である。
更に提供されるのは、チェックポイント阻害剤での治療に対するメラノーマ患者の応答性を予測する方法であって、該方法は:
(a) 該患者から得られたサンプル中の、GRK6、MIF、FGFR1 GRAMD4、GNG12、CCDC51、USB1、RPS6KA1、BCL7B、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR、LAMC1及びARRB1から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも低い場合は、改善された応答性が予測される、前記方法である。
更なる態様では、本発明は、チェックポイント阻害剤での治療に対する反応としてのメラノーマ患者の生存期間を予測する方法を提供する。本明細書で提供されるのは、チェックポイント阻害剤での治療に対する反応としてのメラノーマ患者の生存期間を予測する方法であって、該方法は:
(a) 該患者から得られたサンプル中の、ACTB、AQP4、BIRC5、C15orf48、C17orf85、CALR、CCNB1、CENPH、CENPV、CEP131、CTAG1B、EOMES、FGA、FLNA、FRS2、GNAI2、GPHN、GSK3A、HES1、IGF2BP2、IL17A、IL36RN、MAZ、MLLT6、NOVA2、NRIP1、PAPOLG、PPP1R2、PTPRR、RALY、SIVA1、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SSB、TEX264、TRAF3IP3、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体の1又は複数のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも高い場合は、改善された生存期間が予測される、前記方法である。
更に提供されるのは、チェックポイント阻害剤での治療に対する反応としてのメラノーマ患者の生存期間を予測する方法であって、該方法は:
(a) 該患者から得られたサンプル中の、GRK6、MIF、FGFR1 GRAMD4、GNG12、CCDC51、USB1、GRAMD4、RPS6KA1、BCL7B、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR、LAMC1及びARRB1から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも低い場合は、改善された生存期間が予測される、前記方法である。
更なる態様では、本発明は、1以上のチェックポイント阻害剤で治療されるメラノーマ患者における免疫関連有害事象(irAE)リスクを予測する方法を提供する。本明細書で提供されるのは、1以上のチェックポイント阻害剤で治療されるメラノーマ患者における免疫関連有害事象(irAE)リスクを予測する方法であって、該方法は:
(a) 該患者から得られたサンプル中の、TEX264、CREB3L1、HSPA1B、SPTB、MUC12、ERBB3、CASP10、FOXO1、FRS2、PPP1R12A、CAP2、EOMES、CREB3L1、PLIN2、SIPA1L1、ABCB8、MAPT、XRCC5、XRCC6、UBAP1、TRIP4、EIF4E2、FADD、OGT、HSPB1、CAP2、ATP13A2、SIGIRR、HSPA1B、SPTB、PDCD6IP、RAPGEF3、PECAM1、PPL、TONSL、ELMO2、LAMB2、BTRC、SUFU、LGALS3BP、KLKB1、EGFR、TOLLIP、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、AKT2、BTBD2、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、LAMC1、RPLP0、AMPH、AP1S1、LEPR、TP53、IL23A、CFB、FGA、IL3、IL4R、TMEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、RPLP2、KRT7、MUM1、FN1、MAGEB4、CTSW、ATG4D、TPM2及びSPA17から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも高い場合は、該患者はirAEリスクが高いと決定される、前記方法である。
更に提供されるのは、1以上のチェックポイント阻害剤で治療されるメラノーマ患者における免疫関連有害事象(irAE)リスクを予測する方法であって、該方法は:
(a) 該患者から得られたサンプル中の、SUM02、GRP、SDCBP、AMPH、GPHN、BAG6、BICD2、TMEM98、MUM1、CTSW、NCOA1、MIF、SPA17、FGFR1、KRT19から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(ii) (a)で決定された自己抗体のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも高い場合は、該患者はirAEリスクが低いと決定される、前記方法である。
更に提供されるのは、1以上のチェックポイント阻害剤で治療されるメラノーマ患者における免疫関連有害事象(irAE)リスクを予測する方法であって、該方法は:
(a) 該患者から得られたサンプル中の、CXXC1、EGLN2、ELMO2、HIST2H2AA3、HSPA2、HSPD1、IL17A、LARP1、POLR3B、RFWD2、RPRM、S100A8、SMAD9、SQSTM1、及びWHSC1L1から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも低い場合は、その患者はirAEリスクが高いと決定される、前記方法である。
本明細書に記載された自己抗体バイオマーカーは又、メラノーマを検出又は診断するために使用できる。
更なる態様では、本発明は、哺乳類対象から得られたサンプル中の自己抗体を検出することにより、該哺乳類対象のメラノーマを検出する方法であって、
該自己抗体は、RPLP2、CTAG1B、EEF2、CXCL5、DNAJC8、CREB3L1、AKT3、CXCL13、NME1、ANXA4、AKAP13、CDR2L、ATP1B3、DUSP3、SDC1、CPSF1、GRK2、TRA2B、BCR、CSNK2A1、ARRB1、GRK6、CTAG2、MIF、ERBB3、SUFU、BTRC、SIGIRR、SIPA1L1、ACTB、MLLT6、SHC1、CAP2、GPHN、AQP4、及びNOVA2から選択される抗原へ特異的に結合し、該自己抗体が予備設定カットオフ値よりも上のレベルで存在する場合はメラノーマが示される、並びに/又は、
該自己抗体は、SNRPA、NRIP1、UBAP1、TEX264、PLIN2、LAMC1、CENPH、USB1、ABCB8、C15orf48/NMES1、及びMAGED1から選択される抗原へ特異的に結合し、該自己抗体が予備設定カットオフ値よりも下のレベルで存在する場合はメラノーマが示される、前記方法を提供する。
より更なる態様では、本発明は、哺乳類対象から得られたサンプル中の自己抗体を検出することにより、該哺乳類対象のメラノーマを診断する方法であって、
該自己抗体は、RPLP2、CTAG1B、EEF2、CXCL5、DNAJC8、CREB3L1、AKT3、CXCL13、NME1、ANXA4、AKAP13、CDR2L、ATP1B3、DUSP3、SDC1、CPSF1、GRK2、TRA2B、BCR、CSNK2A1、ARRB1、GRK6、CTAG2、MIF、ERBB3、SUFU、BTRC、SIGIRR、SIPA1L1、ACTB、MLLT6、SHC1、CAP2、GPHN、AQP4及びNOVA2から選択される抗原へ特異的に結合し、該自己抗体が予備設定カットオフ値よりも上のレベルで存在する場合は、該対象はメラノーマに罹患していると診断する、並びに/又は、
該自己抗体は、SNRPA、NRIP1、UBAP1、TEX264、PLIN2、LAMC1、CENPH、USB1、ABCB8、C15orf48/NMES1及びMAGED1から選択される抗原へ特異的に結合し、該自己抗体が予備設定カットオフ値よりも下のレベルで存在する場合は、該対象はメラノーマに罹患していると診断する、前記方法を提供する。
本発明は又、本発明の方法を実施するために好適なキットを提供する。更に提供されるのは、上記態様の方法において本明細書に記載された抗原の使用である。
(図面の簡単な説明)
図1は、癌スクリーニングの設計を示す。ヒトタンパク質及び抗原のKEGG経路解析(京都遺伝子ゲノムエンサイクロペディア(Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes))を癌自己抗体スクリーニングに含めた。タンパク質を選択し、下記3つのカテゴリー:天然の自己免疫性抗原、腫瘍関連抗原、自己免疫疾患における免疫関連経路及び調節不全経路、癌シグナル伝達経路、並びに、異なる癌種において過剰発現されるタンパク質又は遺伝子、を表した。個々のカテゴリーをx軸に列記し、カテゴリー当たりのタンパク質の数をy軸に示す。 図2は、免疫腫瘍学的治療又は療法当たりの分析した患者数及び血清サンプル数を示す。治療前(プレトリートメント)サンプルは療法開始前に採取し、治療後サンプルは治療後約3ヶ月及び約6ヶ月で採取した。 図3は、193人のメラノーマ患者に関するRECIST 1.1に従った最良の応答性効果を、免疫腫瘍学療法当たりのパーセントで示す。PD:疾患進行、SD:病勢安定、PR:部分奏効、及びCR:完全奏効。 図4は、193人のメラノーマ患者に関する免疫関連有害事象(irAE)を、免疫腫瘍学療法当たりのパーセントで示す。グラフは、治療当たりの全irAEのパーセント、及び特異的irAEの詳細な情報を示す。
図5は、メラノーマ患者及び健康対照(HC)における3個の自己抗体の箱ひげ図及びROC曲線を示す。箱ひげ図プロット及びROC(受信者動作特性)曲線のIgG自己抗体反応性は、メラノーマ患者及び健康対照の血清サンプル中のCREB3L、CXCL5、及びNME1に対する。y軸の数字は、log2 Luminex蛍光強度中央値(MFI)を示す。 図6は、全ての形態のチェックポイント阻害剤治療に対するDCR又はPDを予測するベースライン自己抗体の箱ひげ図を示す。箱ひげ図は、疾患進行(PD)状態の患者と、病勢コントロール率(DCR)を達成している者との治療前IgG自己抗体レベルの比較を示す。DCRは、CR、PR又はSDとして定義される。y軸の数字は、log2 Luminex蛍光強度中央値(MFI)を示す。異なるチェックポイント阻害剤で治療された患者の治療前サンプル(図2)は一緒に分析された。 図7は、メラノーマ患者におけるirAEを予測する2個のベースライン自己抗体の箱ひげ図及びROC曲線を示す。箱ひげ図及びROC曲線は、チェックポイント阻害剤で治療後にirAEを発現する患者と発生しない患者との治療前IgG自己抗体レベルの比較を示す。異なるチェックポイント阻害剤で治療された患者の治療前サンプル(図2)は一緒に分析された。 図8は、イピリムマブに対するDCR又はPDを予測するベースライン自己抗体の箱ひげ図を示す。箱ひげ図は、疾患進行(PD)状態の患者と、病勢コントロール率(DCR)を達成している者との治療前IgG自己抗体レベルの比較を示す。DCRは、CR、PR又はSDとして定義される。y軸の数字は、log2 Luminex蛍光強度中央値(MFI)を示す。抗CTLA-4遮断薬イピリムマブで治療された患者の治療前サンプルが分析される。 図9は、イピリムマブで治療される患者におけるirAEを予測するベースライン自己抗体の箱ひげ図を示す。箱ひげ図は、チェックポイント阻害剤で治療後にirAEを発現した患者と発生しない患者との治療前IgG自己抗体レベルの比較を示す。抗CTLA-4遮断薬イピリムマブで治療された患者の治療前サンプル(T0サンプル)が分析される。 図10は、ペムブロリズマブに対するDCR又はPDを予測するベースライン自己抗体の箱ひげ図を示す。箱ひげ図は、疾患進行(PD)状態の患者と、病勢コントロール率(DCR)を達成している者との治療前IgG自己抗体レベルの比較を示す。DCRは、CR、PR又はSDとして定義される。y軸の数字は、log2 Luminex蛍光強度中央値(MFI)を示す。抗PD-1/PD-L1経路遮断薬ペムブロリズマブで治療された患者のベースライン(T0)サンプルが分析される。 図11は、ペムブロリズマブで治療される患者におけるirAEを予測するベースライン自己抗体の箱ひげ図を示す。箱ひげ図は、チェックポイント阻害剤で治療後にirAEを発現する患者と発生しない患者との治療前IgG自己抗体レベルの比較を示す。抗CTLA-4遮断薬ペムブロリズマブで治療された患者の治療前サンプル(T0サンプル)が分析される。
図12は、研究サンプル及びデータ分析ワークフローを示す。データマイニングのために、患者を下記コホートモデルへ再群化した。「全治療」=全患者コホート;「ipi有り」=ipi単剤、ipi/nivo(イピリムマブ/ニボルマブ)、又はipi後にpembro(ペムブロリズマブ)で治療された患者;「ipi単剤」=ipi単剤コホート;「pembro(ipi無し)」=先行ipi無しにpembroで治療された患者。 図13は、irAE及び大腸炎を予測する47個の自己抗体に関する要約統計量を示す。有害事象(大腸炎はirAEである)を予測する自己抗体は黒色で強調する一方、低いリスクを予測するものは白色で示す。 図14は、ベースライン自己抗体及びその標的の信頼区間を伴うカプランマイヤー曲線を示し、大腸炎を予測する。血清の自己抗体レベルを二分して、高い自己抗体レベルを有する患者及び低い自己抗体レベルを有する患者に関してカプランマイヤー曲線をプロットした。X軸:時間(日)、及びY軸:無事象確率。 図15は、治療前自己抗体の信頼区間を伴うカプランマイヤー曲線及びその標的を示し、irAEを予測する。血清の自己抗体レベルを二分して、高い自己抗体レベルを有する患者及び低い自己抗体レベルを有する患者に関してカプランマイヤー曲線をプロットした。X軸:時間(日)、及びY軸:無事象確率。 図16は、大腸炎(A)及びirAE(B)の予測に最適化したマーカー組み合わせを示す。黒丸:陽性を予測する自己抗体、灰色丸:陰性を予測する自己抗体。
(詳細な説明)
(A 定義)
他に明記しない限り、本明細書で使用される技術的及び科学的用語は、本発明の属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
用語「1つの、1つの、及び前記(a、an及びthe)」は量の限定を示すものではないが、関連する項目についての「少なくとも1つの」の存在は量の限定を示す。本出願及び特許請求の範囲において、他に特記しない限り、単数形での使用は複数形を含む。更に、「又は(若しくは)」の使用は、他に特記しない限り、「及び(並びに)/又は(若しくは)」を意味する。更に、用語「含んでいる」の使用は、「含む」及び「含まれた」等の他の活用形と同様に、範囲を限定するものではない。同様に、「エレメント(要素)」又は「コンポーネント(成分)」等の用語は、他に特記しない限り、1のユニットを含むエレメント及びコンポーネント、並びに、複数のユニットを含むエレメント及びコンポーネントの両方を包含する。
用語「約」又は「おおよそ」は、ある値の統計的意義のある範囲内であることを意味する。このような範囲は、所与の値又は範囲の桁の範囲内であり、好ましくは50%以内、より好ましくは20%以内、更により好ましくは10%以内、及び更によりもっと好ましくは5%以内であり得る。用語「約」又は「おおよそ」によって包含される可能なバリエーションは、研究対象である特定のシステムに依存し、当業者によって容易に認識できる。
本明細書で使用される「自己抗体」は、対象の免疫系によって産生される抗体であって、「自己抗原(autoantigen)」、「自己抗原(self-antigen)」又はその「抗原性エピトープ」を対象とし、それらへ特異的に結合する抗体を意味する。本明細書で使用される用語「特異的に結合する」及び/又は「特異的に認識する」は、非標的分子に対する結合分子の親和性と比較して、標的分子に対する結合分子の高い親和性を指す。標的分子と特異的に結合する結合分子が、非標的分子を実質的に認識しないか結合しないこと、例えば、ある抗原が、別の分子と「特異的に結合する」及び/又は「特異的に認識する」ことは、この相互作用が、分子構造の結合的特異性、例えば抗原性エピトープ、の存在に依存していることを意味する。
本明細書で使用される用語「自己抗体バイオマーカー」は、自己抗体を指し、そのレベルは、特別なフェノタイプ、応答性又はアウトカムと関連する。本発明における自己抗体バイオマーカーは、メラノーマに関連し、そして/又はチェックポイント阻害剤での治療に対するメラノーマ患者の応答性に関連する。本明細書に記載されるように、自己抗体バイオマーカーのレベルは、対象/患者から得られたサンプル中で検出可能であり、そのレベルは、予備設定カットオフ値と比較可能である。この自己抗体バイオマーカーの評価は、メラノーマを検出/診断するために使用可能であると共に、チェックポイント阻害剤でのメラノーマ患者の治療に関する決定を知るためにも使用できる。
本明細書で使用される用語「診断」又は「診断する」若しくは「診断している」は、病状、又は疾患若しくは障害の性質又は識別性を決定することを指し、例えばメラノーマなら、対象のメラノーマを検出及び/又は分類することを指す。診断は、メラノーマの重症度に関する決定を伴うことがある。
本明細書で使用される用語「サンプル」は、インビトロ評価のために哺乳類対象又は患者から得られたサンプルを指す。サンプルは、抗体及び/又は免疫細胞を含むことが期待されるどのようなサンプルでもよい。サンプルは、血液、例えば、血清、末梢血、末梢血単核細胞(PBMC)、全血若しくは、ヘパリン、エチレンジアミン四酢酸等の抗凝血剤で前処理された全血、血漿又は血清、から採取することができる。サンプルは使用前に、血液からの血漿の調製、粘稠液の希釈その他等により前処理してもよい。サンプルの処理法は又、分離、濾過、蒸留、濃縮、干渉成分の不活化、及び/又は試薬の添加を含むことができる。
本明細書で使用される用語「治療する」、「治療」、「治療している」、又は「改善(緩解)」は、治療的処置を指し、その目的は、メラノーマ、その関連する病状及び/又は症候の進行又は重病度を、回復に向かわせる、緩和する、改善する、阻害する、遅延させる又は阻止することである。用語「治療する」は、少なくとも1つのメラノーマの有害な効果又は症候を減少又は緩和させることを含む。1以上の症候又は臨床マーカーが低い場合は、その治療は一般的に「効果的」である。その代わり又はそれに加えて、疾患の進行が低下又は停止する場合は、その治療は「効果的」である。
本明細書で使用される用語「病勢コントロール率」又は「DCR」は、患者コホートの治療に対する臨床反応、例えば、チェックポイント阻害剤への臨床反応の尺度として使用できる。DCRは、完全奏効(CR)、又は部分奏効(PR)若しくは病勢安定(SD)を達成した患者のパーセントである。
本明細書で使用される用語「チェックポイント阻害剤」は、免疫チェックポイントのタンパク質又は経路を阻害して、身体の抗腫瘍応答を刺激又は促進する薬剤を指す。本発明における好ましいチェックポイント阻害剤には、CTLA-4阻害剤及び、PD-L1/PD-1経路の阻害剤が含まれる。
CTLA-4(細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4)は、CD152(分化抗原群152)としても知られ、免疫チェックポイントとして機能して免疫反応をダウンレギュレートするタンパク質受容体である。CTLA-4は、通常のT細胞内では活性化後にのみアップレギュレートされるが、制御性T(Treg)細胞内で恒常的に発現されており、この現象は癌において特に顕著である。CTLA-4は、抗原提示細胞表面上のCD80又はCD86へ結合した時に「オフ」スイッチとして機能する。CTLA-4は、チェックポイント阻害剤療法の開発の興味深い標的として特定されており、CTLA-4のモノクローナル抗体阻害剤であるイピリムマブは、2011年にFDA及びEMAによってメラノーマ治療のために承認された。
PD-1及びそのリガンド、特にPD-L1は、免疫チェックポイント調節因子として比較的よく特徴付けられており、癌微小環境内のPD-1-PD-L1シグナル伝達経路の制御不全は、それにより腫瘍が免疫反応を抑制する重要な手段として特定されている。受容体PD-1は通常、単球、T細胞、B細胞、樹状細胞、及び腫瘍浸潤リンパ球を含む様々な免疫細胞上に発現し、そしてリガンドPD-L1は多くの異なる種類の腫瘍細胞でアップレギュレートされることが発見されている(引用により本明細書中に組み込まれているOhaegbulamらの文献、(2015) Trends Mol Med. 21(1):24-33を参照)。腫瘍細胞上のPD-L1と、免疫細胞上、特にT細胞上のPD-1との間の相互作用は、CD8+細胞傷害性T細胞のレベルでの効果を介して、及び又、Treg細胞の生成を介して免疫抑制性の腫瘍微小環境を作り出す(引用により本明細書中に組み込まれているAlsaabらの文献、(2017) Front Pharmacol. Aug 23(8):561を参照)。PD-1、PD-L1、又はPD-1-PD-L1シグナル伝達軸の活性を阻害できる多くの薬剤が、例えばAlsaabらの文献(同上、引用により組み込まれている)で報告されているように開発されている。PD-1阻害剤には、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、ピジリズマブ、REGN2810、AMP-224、MEDI0680、及びPDR001が含まれるが、これらに限定されるものではない。PD-L1阻害剤には、アテゾリズマブ、及びアベルマブが含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で使用される用語「免疫関連有害事象」又は「irAE」は、チェックポイント阻害剤の使用によって引き起こされ、免疫系の刺激の結果としての有害事象を指す。免疫関連有害事象は、通常、組織の炎症に関連しており、大腸炎、下痢、肝炎、皮膚毒性、関節炎、糖尿病、下垂体炎等の内分泌障害、及び甲状腺機能障害が含まれるが、これらに限定されるものではない。
(B メラノーマ自己抗体バイオマーカーを使用する方法)
(チェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択する方法、及び、治療のために選択されたメラノーマ患者を治療する方法)
第1の態様では、本発明は、1以上のチェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択する方法を提供する。この方法は、メラノーマ患者から得られたサンプルを分析して、1以上の標的抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルを決定するステップを含む。このサンプルは通常、身体から採取され、サンプル分析はインビトロで行われる。
患者は、以前、メラノーマに罹患していると診断された、又はメラノーマ罹患を疑われた患者でもよい。患者は、メラノーマ診断のためのどのような方法において診断されたことがあっても、又は診断されていてもよい。患者は、以前、メラノーマのための治療を受けたことがあっても、新たに診断されて以前に治療は受けたことがなくてもよい。患者は、以前の治療の失敗又は再発のために新たな治療レジメンを必要とするものでもよい。患者のメラノーマは、任意の疾患進行ステージ、例えばステージI、ステージII、ステージIII、又はステージIVの疾患でもよい。適切な実施態様では、患者は転移性メラノーマに罹患している。
ある実施態様では、患者は、例えば家族の病歴、メラノーマ関連の対立遺伝子又は遺伝子型の保有、過度の日光曝露の経歴、又は、メラノーマの後天的発症と関係するほくろ及び/若しくは損傷の存在等の理由から、メラノーマ発症リスクの高い対象である。
本明細書に記載の方法においてインビトロ分析のために取得されるサンプルは、自己抗体及び/又は免疫細胞を含むことが期待される任意のサンプルでよい。サンプルは、血液、例えば、血清、末梢血、末梢血単核細胞(PBMC)、全血若しくは、ヘパリン、エチレンジアミン四酢酸等の抗凝血剤で前処理された全血、血漿又は血清、から採取することができる。サンプルは、好ましくは血清である。サンプルは試験前に、血液からの血漿の調製、粘稠液の希釈その他等により前処理してもよい。サンプルの試験前の処理法は又、分離、濾過、蒸留、濃縮、干渉成分の不活化、及び/又は試薬の添加を含むことができる。
サンプルは又、試験前に貯蔵されてもよい。ある実施態様では、サンプルは、血漿、血清、全血、尿、汗、リンパ液、糞便、脳脊髄液、腹水、胸水、精液、痰、乳頭吸引液、術後貯留漿液(post-operative seroma)、唾液、羊水、涙、又は創部ドレナージ排液のいずれかのサンプルでもよい。
本発明の方法において、患者から得られたサンプルは、自己抗体、本明細書では又「自己抗体バイオマーカー」とも称される、について評価される。本発明のこの第1態様に従って分析された自己抗体バイオマーカーは、チェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択するために使用可能であり、それは、この自己抗体が、チェックポイント阻害剤、特にチェックポイント阻害剤であるイピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ及びそれらの組み合わせで治療された患者における、1以上の、臨床反応、生存期間、及び、免疫関連有害事象(irAE)の発生と密接に関係していることに基づく。
ある実施態様では、患者サンプルについて、ACTB、AMPH、AQP4、BAG6、BICD2、BIRC5、C15orf48、C17orf85、CALR、CCNB1、CENPH、CENPV、CEP131、CTAG1B、CTSW、EIF3E、EOMES、FGFR1、FLNA、FRS2、GNAI2、GPHN、GRP、GSK3A、HES1、IGF2BP2、IL23A、IL36RN、KRT19、MAZ、MIF、MLLT6、MUM1、NCOA1、NOVA2、NRIP1、PAPOLG、PPP1R2、PTPRR、RALY、SDCBP、SIVA1、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SPA17、SSB、SUM02、TEX264、TMEM98、TRAF3IP3、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する。この群に列記された1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーは、本発明のこの態様での患者選択のための陽性予測バイオマーカーとみなすことができる。これら自己抗体のレベルは、チェックポイント阻害剤での治療に対する反応として、改善された臨床反応、及び/若しくは、改善された生存期間、並びに/又は、低いirAEリスクを示す患者では高いことが報告された。上記で列記された1以上の陽性予測バイオマーカーが分析される実施態様では、予備設定カットオフ値と比較して、患者サンプル中の自己抗体の高いレベルは、その患者を、チェックポイント阻害剤又はチェックポイント阻害剤の組み合わせでの治療に好適な患者として特定する。
この方法の感度は、多価の(multiple)自己抗体、即ち複数の異なる抗原へ結合する自己抗体、を試験することにより向上するであろう。この観点から、患者サンプルを、2以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験してもよい。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2以上の、3以上の、4以上の、5以上の、6以上の、7以上の、8以上の、9以上の、10以上の、11以上の、12以上の、13以上の、14以上の、15以上の、16以上の、17以上の、18以上の、19以上の、20以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。本明細書に記載されたパネルの実施態様は、本発明の全ての態様における使用のために意図される。
ある実施態様では、自己抗体は、SIVA1、IGF2BP2、AQP4、C15orf48、CTAG1B及びPAPOLGから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、SIVA1、IGF2BP2、AQP4、C15orf48、CTAG1B及びPAPOLGから選択される、1、2、3、4、5又は6の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、FRS2、BIRC5、EIF3E、CENPH及びPAPOLGから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、FRS2、BIRC5、EIF3E、CENPH及びPAPOLGから選択される1、2、3、4又は5の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体バイオマーカーは、NOVA2、EOMES、SSB、IGF2BP2、ACTB、MLLT6、SNRPD1、TRAF3IP3、C17orf85、HES1、GSK3A、XRCC5、XRCC6、PPP1R2、C15orf48、PTPRR、MAZ、FLNA、TEX264、SNRNP70、CEP131、SNRPA、CENPV、NRIP1、CCNB1、RALY、CALR、GNAI2及びIL36RNから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体バイオマーカーは、NOVA2、EOMES、SSB、IGF2BP2、ACTB、MLLT6、SNRPD1、TRAF3IP3、C17orf85、HES1、GSK3A、XRCC5、XRCC6、PPP1R2、C15orf48、PTPRR、MAZ、FLNA、TEX264、SNRNP70、CEP131、SNRPA、CENPV、NRIP1、CCNB1、RALY、CALR、GNAI2及びIL36RNから選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28又は29の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体バイオマーカーは、SUM02、GRP、SDCBP、AMPH、IL23A、GPHN、BAG6、BICD2、TMEM98、MUM1、CTSW、NCOA1、MIF、SPA17、FGFR1及びKRT19から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体バイオマーカーは、SUM02、GRP、SDCBP、AMPH、IL23A、GPHN、BAG6、BICD2、TMEM98、MUM1、CTSW、NCOA1、MIF、SPA17、FGFR1及びKRT19から選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15又は16の抗原へ結合する。
ある実施態様では、患者サンプルについて、ABCB8、AKT2、AMPH、AP1S1、AP2B1、ATG4D、ATP13A2、BTBD2、BTRC、CAP2、CASP10、CASP8、CFB、CREB3L1、CTSW、EGFR、EIF4E2、ELMO2、EOMES、ERBB3、FADD、FGA、FN1、FOXO1、FRS2、GABARAPL2、HSPA1B、HSPB1、IL23A、IL3、IL4R、KDM4A、KLKB1、KRT7、L1CAM、LAMB2、LAMC1、LEPR、LGALS3BP、MAGEB4、MAGED2、MAPT、MITF、MUC12、MUM1、OGT、PCDH1、PDCD6IP、PECAM1、PIAS3、PLIN2、PPL、PPP1R12A、PRKCI、RAPGEF3、RELT、RPLP0、RPLP2、SIGIRR、SIPA1L1、SPA17、SPTB、SPTBN1、SUFU、TEX264、TMEM98、TOLLIP、TONSL、TP53、TPM2、TRIP4、UBAP1、UBE2Z、UBTF、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する。この群に列記された1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーは、チェックポイント阻害剤での治療に対する反応として、高いirAEリスクにある患者では高いことが報告された。従って、患者サンプル中の自己抗体のレベルが、予備設定カットオフ値より高くない、又は予備設定カットオフ値より低い場合には、その患者は、治療に対する反応としてirAEに苦しむリスクが高くないことに基づいて、1又は複数のチェックポイント阻害剤での治療のために選択される。
この方法の感度は、多価の自己抗体、即ち複数の異なる抗原へ結合する自己抗体、を試験することにより向上するであろう。この観点から、患者サンプルを、2以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験してもよい。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2以上の、3以上の、4以上の、5以上の、6以上の、7以上の、8以上の、9以上の、10以上の、11以上の、12以上の、13以上の、14以上の、15以上の、16以上の、17以上の、18以上の、19以上の、20以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。
ある実施態様では、自己抗体は、TEX264、CREB3L1、HSPA1B、SPTB、MUC12、ERBB3、CASP10、FOXO1、FRS2、PPP1R12A及びCAP2から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、TEX264、CREB3L1、HSPA1B、SPTB、MUC12、ERBB3、CASP10、FOXO1、FRS2、PPP1R12A及びCAP2から選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、EOMES、CREB3L1、FRS2、PLIN2、SIPA1L1、ABCB8、MAPT、XRCC5、XRCC6、UBAP1、TRIP4及びEIF4E2から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、EOMES、CREB3L1、FRS2、PLIN2、SIPA1L1、ABCB8、MAPT、XRCC5、XRCC6、UBAP1、TRIP4及びEIF4E2から選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、FADD、OGT、HSPB1、CAP2、ATP13A2、SIGIRR、TEX264、HSPA1B、SPTB、PDCD6IP、RAPGEF3、ERBB3、PECAM1、PPL、TONSL、ELMO2、LAMB2、BTRC、SUFU、LGALS3BP、KLKB1、EGFR及びTOLLIPから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、FADD、OGT、HSPB1、CAP2、ATP13A2、SIGIRR、TEX264、HSPA1B、SPTB、PDCD6IP、RAPGEF3、ERBB3、PECAM1、PPL、TONSL、ELMO2、LAMB2、BTRC、SUFU、LGALS3BP、KLKB1、EGFR及びTOLLIPから選択される1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22又は23の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、AKT2、BTBD2、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、LAMC1、RPLP2、AMPH、AP1S1、LEPR、TP53、IL23A、CFB、FGA、IL3、IL4R、THEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、RPLP2、KRT7、MUM1、FM1、MAGEB4、CTSW、ATG4D、TPM2及びSPA17から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、AKT2、BTBD2、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、LAMC1、RPLP2、AMPH、AP1S1、LEPR、TP53、IL23A、CFB、FGA、IL3、IL4R、THEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、RPLP2、KRT7、MUM1、FM1、MAGEB4、CTSW、ATG4D、TPM2及びSPA17から選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36又は37の抗原へ結合する。
ある実施態様では、患者サンプルについて、ARRB1、BCL7B、CCDC51、CEACAM5、CSNK2A1、DFFA、DHFR、FGFR1、GNG12、GRAMD4、GRK6、HDAC1、LAMC1、MSH2、MIF、MMP3、RPS6KA1、S100A8、S100A14、SHC1及びUSB1から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する。この群に列記された1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーは、本発明のこの態様での患者選択のための陰性予測バイオマーカーとみなすことができる。これら自己抗体のレベルは、チェックポイント阻害剤での治療に対する反応として、改善された臨床反応、及び/又は、改善された生存期間を示す患者では低いことが報告された。上記で列記された1以上の陰性予測バイオマーカーが分析される実施態様では、予備設定カットオフ値と比較して、患者サンプル中の自己抗体の低いレベルは、その患者を、チェックポイント阻害剤又はチェックポイント阻害剤の組み合わせでの治療に好適な患者として特定する。
この方法の感度は、多価の自己抗体、即ち複数の異なる抗原へ結合する自己抗体、を試験することにより向上するであろう。この観点から、患者サンプルを、2以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験してもよい。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2以上の、3以上の、4以上の、5以上の、6以上の、7以上の、8以上の、9以上の、10以上の、11以上の、12以上の、13以上の、14以上の、15以上の、16以上の、17以上の、18以上の、19以上の、20以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。
ある実施態様では、自己抗体は、GRK6及びGRAMD4から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、GRK6及びGRAMD4から選択される、1又は2の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、GNG12、CCDC51、USB1、GRAMD4、RPS6KA1及びBCL7Bから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、GNG12、CCDC51、USB1、GRAMD4、RPS6KA1及びBCL7Bから選択される、1、2、3、4、5又は6の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR及びARRB1から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR及びARRB1から選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の抗原へ結合する。
ある実施態様では、患者サンプルについて、CXXC1、EGLN2、ELMO2、HIST2H2AA3、HSPA2、HSPD1、IL17A、LARP1、POLR3B、RFWD2、RPRM、S100A8、SMAD9、SQSTM1、及びWHSC1L1から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する。この群に列記された1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーは、チェックポイント阻害剤での治療に対する反応として、高いirAEリスクにある患者では低いことが報告された。従って、患者サンプル中の自己抗体のレベルが、予備設定カットオフ値より低くない、又は予備設定カットオフ値より高い場合には、その患者は、治療に対する反応としてirAEに苦しむリスクが高くないことに基づいて、1又は複数のチェックポイント阻害剤での治療のために選択される。
この方法の感度は、多価の自己抗体、即ち複数の異なる抗原へ結合する自己抗体、を試験することにより向上するであろう。この観点から、患者サンプルを、2以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験してもよい。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2以上の、3以上の、4以上の、5以上の、6以上の、7以上の、8以上の、9以上の、10以上の、11以上の、12以上の、13以上の、14以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。
ある実施態様では、自己抗体は、HSPA2、SMAD9、HIST2H2AA3及びS100A8から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、HSPA2、SMAD9、HIST2H2AA3及びS100A8から選択される、1、2、3又は4の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、POLR3B、ELMO2、RFWD2、SQSTM1、HSPD1及びIL17Aから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、POLR3B、ELMO2、RFWD2、SQSTM1、HSPD1及びIL17Aから選択される、1、2、3、4、5又は6の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、CXXC1、LARP1、EGLN2、RPRM、WHSC1L1及びS100A8から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、CXXC1、LARP1、EGLN2、RPRM、WHSC1L1及びS100A8から選択される、1、2、3、4、5又は6の抗原へ結合する。
ある実施態様では、本発明の第1態様における方法は、本発明の第1態様のこの文脈で記載された抗原の任意の組み合わせへ結合する自己抗体バイオマーカーに関する、自己抗体レベルの分析を含み得る。例えば、本方法は、本明細書記載のような陽性予測バイオマーカー及び陰性予測バイオマーカーの組み合わせの分析を含み得る。その代わり又はそれに加えて、本方法は、高い及び/又は低いirAEのリスクに関連するバイオマーカーの組み合わせの分析を含み得る。自己抗体バイオマーカーのいずれの組み合わせも、本発明の第1態様に従って分析できる。
本方法には、患者サンプル中の自己抗体バイオマーカーそれぞれのレベルが決定又は測定されることが必要である。この測定は、自己抗体検出用の任意の適切なイムノアッセイ技術を使用して行うことができる。イムノアッセイ、例えばELISA、ラジオイムノアッセイ等の一般的な構成は、当業者に周知である(その内容が引用により本明細書中に組み込まれている「イムノアッセイ(Immunoassay)」E. Diamandis及びT. Christopoulusの文献、Academic Press、Inc.、San Diego、CA、1996を参照)。特に免疫学的な特異性を有する自己抗体検出用のイムノアッセイには、一般的に、関連する自己抗体と特異的な免疫学的反応性を示す試薬(抗原)の使用が必要である。アッセイ形式に応じて、この抗原は固体支持体上に固定化してもよい。試験サンプルをその抗原と接触させると、目的の免疫学的特異性を有する自己抗体がそのサンプル中に存在する場合は、それがその抗原と免疫学的反応を起こして抗原/自己抗体複合体を形成し、その複合体を検出又は定量的に測定することができる。本発明の自己抗体を検出するために使用されるイムノアッセイは、当分野で公知の標準技術に基づくものでよい。
自己抗体の検出は、自己抗体を含むと疑われるサンプル(「試験サンプル」)と抗原とを接触可能とする、任意の適切な形式で行うことができる。患者サンプルと抗原との接触は、マイクロタイタープレートのウェル等の分離された反応室内で、都合よく行うことができ、必要であれば、異なる抗原又は異なる抗原量を同時並行してアッセイ可能である。様々な量の抗原を使用するイムノアッセイとして、マイクロタイタープレートのウェルをまたぐように抗原ストックの段階希釈物を調製して、マイクロタイタープレートのウェル上にコートすることができる。抗原ストックは、既知濃度でも濃度不明でもよい。次に試験サンプルのアリコートを、各ウェルで試験サンプルの体積及び希釈度を一定に保ってプレートウェルへ添加する。マイクロタイタープレートのウェルへ添加される抗原の絶対量は、当業者が認識するであろうように、標的自己抗体の性質、試験サンプルの性質、試験サンプルの希釈度等の要素に応じて変化し得る。一般的に、抗原の量及び試験サンプルの希釈度は、本方法の抗原/自己抗体結合の検出のために選択されるリードアウトの許容検出範囲内に収まるシグナル強度範囲を生成するように選択されるであろう。
幾つかの実施態様では、好ましくは血清である患者サンプルを、固体支持体上の別々の位置又は反応サイトに固定化された抗原のサンプルと接触させる。固体支持体には、限定されるものではないが、フィルタ、膜、ビーズ(例えば、磁気ビーズ若しくはフルオロフォア標識ビーズ)、小型プレート、シリコンウェハ、ガラス、金属、プラスチック、チップ、質量分析用ターゲット又はマトリックスが含まれる。幾つかの実施態様では、固体支持体はビーズである。幾つかの実施態様では、ビーズはマイクロスフェアである。
複数の抗原へ特異的に結合する自己抗体を検出する実施態様では、抗原を複数の異なる固体支持体へ結合させてから、アレイに配置してもよい。アレイは「タンパク質アレイ」の形態でもよく、ここでタンパク質アレイは、タンパク質若しくはペプチド、又はその一部であるメラノーマ抗原の固体支持体上の体系的配置を指す。タンパク質アレイ又は「マイクロアレイ」を、異なる特異性を有する自己抗原のための多重アッセイを、1つのサンプルについて並行して行うために使用してもよい。これは、複数の抗原又は複数の抗原セットを含むアレイを使用して実施できる。
ある実施態様では、それを使用する予定のアッセイの精密な特性に応じて、抗原は、天然型タンパク質又はその断片であって、天然にはそのタンパク質内に存在しない幾つかの望ましい特性を付与する1以上の更なる分子と結合しているものを含み得る。例えば、タンパク質又は断片は、例えば蛍光標識、着色標識、発光標識、放射性標識、又は、金コロイド等の重金属等の表示標識へコンジュゲートされてもよい。他の実施態様では、タンパク質又は断片は、組換え生成された融合タンパク質として発現してもよい。例示として、融合タンパク質は、N-末端又はC-末端にあり、組換え発現した抗原の精製を補助するタグペプチドを含むことができる。
患者サンプル中の、任意の所与の自己抗体バイオマーカーのレベルは、サンプル中に存在する自己抗体と抗原との結合度の測定により決定してもよい。自己抗体及び抗原間の結合は、例えば、蛍光標識化、ビオチン化、放射性同位元素標識化、又は、コロイド金若しくはラテックス粒子標識化の手段で可視化できる。適切な技術は当業者に公知であり、本発明の方法で採用できる。結合した自己抗体は、二次抗体で補助して検出してもよく、それは、市販のレポーター分子(例えば、Cy、Alexa、Dyomics、FITC若しくは類似の蛍光色素、金コロイド若しくはラテックス粒子等)を使用して、又は、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ等のレポーター酵素、及び、対応する比色分析用の蛍光基質若しくは化学発光基質で標識される。リードアウトは、例えば、マイクロアレイレーザースキャナー、CCDカメラ等の手段で、又は、視覚的に決定可能である。
最も好ましい実施態様では、本発明における自己抗体を検出するために使用されるイムノアッセイは、ELISAである。ELISAは、一般的に当分野で周知である。通常の間接ELISAにおいて、試験される自己抗体への特異性を有する抗原を、固体表面(例えば、標準マイクロタイターアッセイプレートのウェル、又は、マイクロビーズ若しくはマイクロアレイの表面)上に固定化し、自己抗体の存在を試験するためのサンプルを固定化された抗原と接触させる。サンプル中に存在する、所望の特異性を有する自己抗体はいずれも、固定化された抗原へ結合するであろう。結合した抗原/自己抗体複合体は次に、任意の適切な方法を使用して検出することができる。1の好ましい実施態様では、抗ヒト免疫グロブリン標識二次抗体は、1以上のクラスのヒト免疫グロブリンに共通するエピトープを特異的に認識し、抗原/自己抗体複合体を検出するために使用される。通常、二次抗体は抗IgG又は抗IgMであろう。普通は、二次抗体を、検出可能なマーカー、典型的には例えばペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼ等の酵素マーカーで標識し、その酵素のための基質を添加することにより、検出可能な生成物、例えば着色された、化学発光性の又は蛍光性の産物を生成し、量的検出を可能とする。当分野で公知である他種の検出可能な標識を使用しても、同様な効果が得られるであろう。
本発明の方法の更なるステップでは、患者サンプル中で決定された、自己抗体バイオマーカーの1又は複数のレベルを、同じ抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較する。予備設定カットオフ値は、異なる自己抗体のためには異なっていてもよい。予備設定カットオフ値は、メラノーマ患者の対照コホートの分析に基づいて計算したか、計算するものでもよい。特に、任意の所与の自己抗体バイオマーカーのための予備設定カットオフは通常、メラノーマ患者の対照コホートで決定される自己抗体のアベレージレベルであろう。
本明細書の報告では、本発明の方法で使用される自己抗体バイオマーカーは、メラノーマ患者の血清中に発見できる(実施例7及び8並びに表1及び2参照)。本方法において測定される自己抗体は有用なバイオマーカーとして働き、その理由は、それらのベースラインレベル(即ち、チェックポイント阻害剤治療の開始前のそれらのレベル)は、評価されるメラノーマ患者集団全体と比較して、治療に対する臨床反応、改善された生存期間、及び/若しくは、高い/低いirAE等の応答を示すそれら患者において、高い又は低いことが発見されたからである。
「メラノーマ患者の対照コホート」は、それから予備設定カットオフ値が任意の所与の抗原のために計算されるものであり、任意の合理的サイズのメラノーマ患者コホート、例えば少なくとも50人の患者、少なくとも100人の患者、少なくとも200人の患者、少なくとも500人の患者コホートでもよい。予備設定カットオフ値は、本発明の方法においてメラノーマ患者サンプルの自己抗体が比較される相手であり、被試験患者と一致するメラノーマ患者の特別な対照コホートに基づき予備設定されてもよい。例えば、自己抗体の予備設定カットオフ値は、次の基準;メラノーマの種類、疾患ステージ、年齢、性別、既存のメラノーマ治療の使用、のいずれか1つに関して被試験患者と一致するメラノーマ患者のコホートに基づき決定してもよい。
患者サンプル中の自己抗体のレベルを、同じ標的抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較すれば、患者サンプル中の自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも、高い、低い、高くない、又は低くないかどうかの評価が行われる。本明細書の報告では、この比較により、その患者を治療のために選択するかしないかについての決定が可能となる。
患者サンプルについて、ACTB、AMPH、AQP4、BAG6、BICD2、BIRC5、C15orf48、C17orf85、CALR、CCNB1、CENPH、CENPV、CEP131、CTAG1B、CTSW、EIF3E、EOMES、FGFR1、FLNA、FRS2、GNAI2、GPHN、GRP、GSK3A、HES1、IGF2BP2、IL23A、IL36RN、KRT19、MAZ、MIF、MLLT6、MUM1、NCOA1、NOVA2、NRIP1、PAPOLG、PPP1R2、PTPRR、RALY、SDCBP、SIVA1、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SPA17、SSB、SUM02、TEX264、TMEM98、TRAF3IP3、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する態様では、予備設定カットオフ値と比較して、患者サンプル中の自己抗体の高いレベルは、その患者を、チェックポイント阻害剤又はチェックポイント阻害剤の組み合わせでの治療に好適な患者として特定し得る。予備設定カットオフ値よりも高い自己抗体のレベルは、その患者が、チェックポイント阻害剤での治療に対する反応として、改善された応答性、改善された生存期間及び/又は低いirAEリスクを生じやすいことを示す。
患者サンプルについて、ABCB8、AKT2、AMPH、AP1S1、AP2B1、ATG4D、ATP13A2、BTBD2、BTRC、CAP2、CASP10、CASP8、CFB、CREB3L1、CTSW、EGFR、EIF4E2、ELMO2、EOMES、ERBB3、FADD、FGA、FN1、FOXO1、FRS2、GABARAPL2、HSPA1B、HSPB1、IL23A、IL3、IL4R、KDM4A、KLKB1、KRT7、L1CAM、LAMB2、LAMC1、LEPR、LGALS3BP、MAGEB4、MAGED2、MAPT、MITF、MUC12、MUM1、OGT、PCDH1、PDCD6IP、PECAM1、PIAS3、PLIN2、PPL、PPP1R12A、PRKCI、RAPGEF3、RELT、RPLP0、RPLP2、SIGIRR、SIPA1L1、SPA17、SPTB、SPTBN1、SUFU、TEX264、TMEM98、TOLLIP、TONSL、TP53、TPM2、TRIP4、UBAP1、UBE2Z、UBTF、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する態様では、予備設定カットオフ値よりも高くない又は低い、患者サンプル中の自己抗体レベルは、その患者を、チェックポイント阻害剤又はチェックポイント阻害剤の組み合わせでの治療に好適な患者として特定し得る。予備設定カットオフ値よりも高くない又は低い自己抗体のレベルは、その患者はirAEリスクが高くないことを示す。
患者サンプルについて、ARRB1、BCL7B、CCDC51、CEACAM5、CSNK2A1、DFFA、DHFR、FGFR1、GNG12、GRAMD4、GRK6、HDAC1、LAMC1、MSH2、MIF、MMP3、RPS6KA1、S100A8、S100A14、SHC1及びUSB1から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する態様では、予備設定カットオフ値と比較して、患者サンプル中の自己抗体の低いレベルは、その患者を、チェックポイント阻害剤又はチェックポイント阻害剤の組み合わせでの治療に好適な患者として特定し得る。予備設定カットオフ値よりも低い自己抗体のレベルは、その患者はチェックポイント阻害剤での治療に対する反応として、改善された応答性及び/又は改善された生存期間を生じやすいことを示す。
患者サンプルについて、CXXC1、EGLN2、ELMO2、HIST2H2AA3、HSPA2、HSPD1、IL17A、LARP1、POLR3B、RFWD2、RPRM、S100A8、SMAD9、SQSTM1、及びWHSC1L1から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する態様では、予備設定カットオフ値と比較して、患者サンプル中の自己抗体の低くない又は高いレベルは、その患者を、チェックポイント阻害剤又はチェックポイント阻害剤の組み合わせでの治療に好適な患者として特定し得る。予備設定カットオフ値よりも低くない又は高い自己抗体のレベルは、その患者はirAEリスクが高くないことを示す。
自己抗体が予備設定カットオフ値よりも「高い」又は「低い」と評価される実施態様では、しきい値を適用してもよい。例えば、しきい値は、患者サンプル中の自己抗体が、治療のために選択される患者のための予備設定カットオフ値よりも少なくとも1.5倍高く又は低く、少なくとも2倍高く又は低く、少なくとも2.5倍高く又は低くなるように適用してもよい。しきい値は、患者サンプル中の自己抗体が、治療のために選択される患者のための予備設定カットオフ値よりも少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%高く又は低くなるように適用してもよい。
本方法が、前記のように複数の抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルを決定するステップを含む実施態様では、少なくとも1つの抗原のための自己抗体レベルが、その抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値よりも高い又は低い場合に、その患者をチェックポイント阻害剤での治療のために選択することができる。本方法が、前記のように複数の抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルを決定するステップを含む実施態様では、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5個の抗原のための自己抗体レベルが、その対応する抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値よりも高い又は低い場合に、その患者をチェックポイント阻害剤での治療のために選択することができる。本方法が、複数の抗原へ結合する自己抗体のレベルを決定するステップを含む幾つかの実施態様では、試験されるそれぞれの抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルが、その対応する抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値よりも高い又は低い場合に、その患者を治療のために選択することができる。
本明細書に記載された方法は、1以上のチェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択するために使用してもよく、そのチェックポイント阻害剤は、当業者に公知の阻害剤、特にメラノーマ患者の治療での使用のために公知のチェックポイント阻害剤等のいずれかから選択される。好ましい実施態様では、本方法は、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤及びPD-L1阻害剤から選択されるチェックポイント阻害剤での治療のための、メラノーマ患者を選択するために使用される。本方法は、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤及び/又はPD-L1阻害剤を含む併用療法での治療のための患者を選択するために使用できる。特別な実施態様では、本方法は、CTLA-4阻害剤及びPD-1阻害剤を含む併用療法での治療のための患者を選択するために使用される。CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤及び/又はPD-L1阻害剤は、公知のこれらチェックポイントタンパク質及び経路の阻害剤のいずれかから選択することができる。阻害剤は、好ましくはCTLA-4、PD-1及び/又はPD-L1へ結合する抗体又はその抗原結合断片である。好ましい実施態様では、患者は抗CTLA-4抗体イピリムマブでの治療のために選択される。好ましい実施態様では、患者は抗PD-1抗体ニボルマブでの治療のために選択される。好ましい実施態様では、患者は抗PD-1抗体ペムブロリズマブでの治療のために選択される。好ましい実施態様では、患者はイピリムマブ及びニボルマブの組み合わせでの治療のために選択される。
本明細書に記載された方法は、患者へ前記1以上のチェックポイント阻害剤を投与する、追加的ステップを含み得る。1以上のチェックポイント阻害剤は、メラノーマ患者へ任意の適切な投与経路を介して投与可能であり、その投与経路は、限定されるものではないが、筋肉内、静脈内、皮内、腹腔内注射、皮下、硬膜外、経鼻、経口、直腸、局所、吸入、口腔内(例えば、舌下)及び経皮投与を含む。
更なる態様では、本発明は又、1以上のチェックポイント阻害剤でメラノーマ患者を治療する方法であって、該患者は、本発明の第1の態様の任意の実施態様における方法により治療のために選択される、前記方法を提供する。同様に本明細書で提供されるのは、それを必要とする患者のメラノーマを治療で使用されるチェックポイント阻害剤であって、該患者は、本発明の第1の態様の任意の実施態様における方法により治療のために選択される、前記チェックポイント阻害剤である。
(応答性及び/又は生存期間を予測する方法)
更なる態様では、本発明は、チェックポイント阻害剤での治療に対するメラノーマ患者の応答性を予測する方法、及びチェックポイント阻害剤での治療に対する反応としてのメラノーマ患者の生存期間を予測する方法を提供する。これら更なる態様の方法のステップは、本発明の第1態様の方法のために上記ステップに類似する。そのために、本発明の第1の態様に関する全ての実施態様は、本発明のこれら更なる態様へ等しく適用可能である。特に、これら実施態様は、試験のために選択される患者、患者サンプルの性質、及び、それにより自己抗体レベルが患者サンプル中で決定されるであろう方法に関連する。
これら更なる態様の方法には、メラノーマ患者から得られたサンプルを分析し、1以上の標的抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルを決定するステップが含まれる。これら本発明の更なる態様において分析される自己抗体は、本明細書で報告されるように、臨床反応及び/又は患者生存期間のバイオマーカーとして働く。
ある実施態様では、患者サンプルについて、ACTB、AQP4、BIRC5、C15orf48、C17orf85、CALR、CCNB1、CENPH、CENPV、CEP131、CTAG1B、EOMES、FGA、FLNA、FRS2、GNAI2、GPHN、GSK3A、HES1、IGF2BP2、IL17A、IL36RN、MAZ、MLLT6、NOVA2、NRIP1、PAPOLG、PPP1R2、PTPRR、RALY、SIVA1、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SSB、TEX264、TRAF3IP3、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する。この群に列記された1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーは、臨床反応及び/又は生存期間のための陽性予測バイオマーカーとみなすことができる。これら自己抗体のレベルは、チェックポイント阻害剤での治療に対する反応として、改善された臨床反応、及び/又は、改善された生存期間を示す患者では高いことが報告された。上記で列記された1以上の陽性予測バイオマーカーが分析される実施態様では、予備設定カットオフ値と比較して、患者サンプル中の自己抗体の高いレベルは、チェックポイント阻害剤又はチェックポイント阻害剤の組み合わせでの治療の後の、改善された応答性及び/又は改善された生存期間を予測する。
この方法の感度は、多価の自己抗体、即ち複数の異なる抗原へ結合する自己抗体、を試験することにより向上するであろう。この観点から、患者サンプルを、2以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験してもよい。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2以上の、3以上の、4以上の、5以上の、6以上の、7以上の、8以上の、9以上の、10以上の、11以上の、12以上の、13以上の、14以上の、15以上の、16以上の、17以上の、18以上の、19以上の、20以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。
ある実施態様では、自己抗体は、SIVA1、IGF2BP2、AQP4、C15orf48、CTAG1B及びPAPOLGから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、SIVA1、IGF2BP2、AQP4、C15orf48、CTAG1B及びPAPOLGから選択される、1、2、3、4、5又は6の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、FRS2、GHPN、BIRC5、EIF3E、CENPH及びPAPOLGから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、FRS2、GHPN、BIRC5、EIF3E、CENPH及びPAPOLGから選択される、1、2、3、4、5又は6の抗原へ結合する。これら実施態様では、本方法は好ましくは、イピリムマブでの治療に対する応答性を予測するためのものである。
ある実施態様では、自己抗体は、NOVA2、EOMES、SSB、IGF2BP2、ACTB、MLLT6、SNRPD1、TRAF3IP3、C17orf85、HES1、GSK3A、XRCC5、XRCC6、PPP1R2、C15orf48、PTPRR、MAZ、FLNA、TEX264、SNRNP70、CEP131、SNRPA、CENPV、NRIP1、CCNB1、RALY、CALR、GNAI2、IL36RN、FGA及びGHPNから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、NOVA2、EOMES、SSB、IGF2BP2、ACTB、MLLT6、SNRPD1、TRAF3IP3、C17orf85、HES1、GSK3A、XRCC5、XRCC6、PPP1R2、C15orf48、PTPRR、MAZ、FLNA、TEX264、SNRNP70、CEP131、SNRPA、CENPV、NRIP1、CCNB1、RALY、CALR、GNAI2、IL36RN、FGA及びGHPNから選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又は31抗原へ結合する。これら実施態様では、本方法は好ましくは、ペムブロリズマブでの治療に対する応答性を予測するためのものである。
本発明のこれらの態様のある実施態様では、患者サンプルについて、GRK6、MIF、FGFR1 GRAMD4、GNG12、CCDC51、USB1、RPS6KA1、BCL7B、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR、LAMC1及びARRB1から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する。この群に列記された1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーは、臨床反応及び/又は生存期間のための陰性予測バイオマーカーとみなすことができる。これら自己抗体のレベルは、チェックポイント阻害剤での治療に対する反応として、改善された臨床反応、及び/又は、改善された生存期間を示す患者では低いことが報告された。上記で列記された1以上の陰性予測バイオマーカーが分析される実施態様では、予備設定カットオフ値と比較して、患者サンプル中の自己抗体の低いレベルは、チェックポイント阻害剤又はチェックポイント阻害剤の組み合わせでの治療の後の、改善された生存期間を予測する。
この方法の感度は、多価の自己抗体、即ち複数の異なる抗原へ結合する自己抗体、を試験することにより向上するであろう。この観点から、患者サンプルを、2以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験してもよい。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2以上の、3以上の、4以上の、5以上の、6以上の、7以上の、8以上の、9以上の、10以上の、11以上の、12以上の、13以上の、14以上の、15以上の、16以上の、17以上の、18以上の、19以上の、20以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。
ある実施態様では、自己抗体は、GRK6及びGRAMD4から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、GRK6及びGRAMD4から選択される、1又は2の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、GNG12、CCDC51、USB1、GRAMD4、RPS6KA1、BCL7Bから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、GNG12、CCDC51、USB1、GRAMD4、RPS6KA1、BCL7Bから選択される、1、2、3、4、5、6、7又はの抗原へ結合する。これら実施態様では、本方法は好ましくは、イピリムマブでの治療に対する応答性を予測するためのものである。
ある実施態様では、自己抗体は、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR、LAMC1及びARRB1から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR、LAMC1及びARRB1から選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の抗原へ結合する。これら実施態様では、本方法は好ましくは、ペムブロリズマブでの治療に対する応答性を予測するためのものである。
本方法の更なるステップでは、患者サンプル中で決定された、自己抗体バイオマーカーの1又は複数のレベルを、同じ抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較する。任意の所与の自己抗体バイオマーカーのための予備設定カットオフ値は、本発明の第1の態様に関して前記のように計算される。患者サンプル中の自己抗体のレベルを、同じ標的抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較すれば、患者サンプル中の自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも、高いかどうか又は低いかどうかの評価が行われる。本明細書の報告では、この比較により、1以上のチェックポイント阻害剤での治療後の、改善された応答性及び/又は改善された生存期間に関するその患者の尤度についてなされる予測が可能となる。
自己抗体レベルが予備設定カットオフ値よりも「高い」又は「低い」と評価される実施態様では、しきい値を適用してもよい。例えば、しきい値は、患者サンプル中の自己抗体が、改善された応答性又は改善された生存期間を有すると予測される患者のための予備設定カットオフ値よりも少なくとも1.5倍高く又は低く、少なくとも2倍高く又は低く、少なくとも2.5倍高く又は低くなるように適用してもよい。しきい値は、患者サンプル中の自己抗体が、改善された応答性又は改善された生存期間を有すると予測される患者のための予備設定カットオフ値よりも少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%高く又は低くなるように適用してもよい。
本方法が、前記のように複数の抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルを決定するステップを含む実施態様では、少なくとも1つの抗原のための自己抗体レベルが、その抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値よりも高い又は低い場合に、その患者は改善された応答性又は改善された生存期間を有すると予測することができる。本方法が、前記のように複数の抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルを決定するステップを含む実施態様では、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5個の抗原のための自己抗体レベルが、その対応する抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値よりも高い又は低い場合に、その患者は改善された応答性又は改善された生存期間を有すると予測することができる。本方法が、複数の抗原へ結合する自己抗体のレベルを決定するステップを含む幾つかの実施態様では、試験されるそれぞれの抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルが、その対応する抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値よりも高い又は低い場合に、その患者は改善された応答性又は改善された生存期間を有すると予測することができる。
本明細書に記載された、チェックポイント阻害剤での治療に対する応答性を予測する方法は、任意の所与のメラノーマ患者での臨床反応の予測を意図する。本明細書で使用される用語「改善された応答性」は、同じチェックポイント阻害剤又はチェックポイント阻害剤の組み合わせで治療されたメラノーマ患者の対照コホートで観察されるアベレージ反応と比較して、改善された臨床反応を意味するとされるべきである。本明細書に記載されるように、治療に対する臨床反応は、患者の完全奏効(CR)、患者の部分奏効(PR)、又は病勢安定状態(SD)の基準により評価することができる。メラノーマ患者のアベレージ反応は、先に行われた臨床試験又は症例対照試験から決定されてもよいし、公知でもよい。
本明細書に記載された、チェックポイント阻害剤で治療されるメラノーマ患者の生存期間を予測する方法は、例えば、全生存期間(OS)、5年生存期間、2年生存期間、及び/又は無増悪生存期間(PFS)等の様々な態様の生存期間を予測するために使用できる。本明細書で使用される用語「改善された生存期間」は、同じチェックポイント阻害剤又はチェックポイント阻害剤の組み合わせで治療されたメラノーマ患者の対照コホートで観察されるアベレージ生存期間と比較して、改善された生存期間を意味するとされるべきである。このアベレージ生存期間は、先に行われた臨床試験又は症例対照試験から決定されてもよいし、公知でもよい。
本明細書に記載された方法は、任意のチェックポイント阻害剤、特にメラノーマ患者の治療での使用のために公知のチェックポイント阻害剤等での治療に対する反応としての臨床反応又は生存期間を予測するために使用できる。好ましい実施態様では、本方法は、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤及びPD-L1阻害剤から選択されるチェックポイント阻害剤での治療に対する反応としての臨床反応又は生存期間を予測するために使用される。本方法は、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤及び/又はPD-L1阻害剤を含む併用療法での治療に対する反応としての臨床反応又は生存期間を予測するために使用できる。特別な実施態様では、本方法は、CTLA-4阻害剤及びPD-1阻害剤を含む併用療法での治療に対する反応としての臨床反応又は生存期間を予測するために使用される。CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤及び/又はPD-L1阻害剤は、公知のこれらチェックポイントタンパク質及び経路の阻害剤のいずれかから選択することができる。阻害剤は、好ましくはCTLA-4、PD-1及び/又はPD-L1へ特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片である。好ましい実施態様では、抗CTLA-4抗体はイピリムマブである。好ましい実施態様では、抗PD-1抗体はニボルマブ又はペムブロリズマブである。好ましい実施態様では、本方法は、イピリムマブ及びニボルマブを含む併用療法での治療に対する反応としての臨床反応又は生存期間を予測するために使用される。
(免疫関連有害事象(irAE)リスクを予測する方法)
更なる態様では、本発明は、1以上のチェックポイント阻害剤で治療されるメラノーマ患者における免疫関連有害事象(irAE)リスクを予測する方法を提供する。この更なる態様の方法のステップは、本発明の第1態様の方法のために上記ステップに類似する。そのために、本発明の第1の態様に関する全ての実施態様は、本発明のこの更なる態様へ等しく適用可能である。特に、これら実施態様は、試験のために選択される患者、患者サンプルの性質、及び、それにより自己抗体レベルが患者サンプル中で決定されるであろう方法に関連する。
この更なる態様の方法には、メラノーマ患者から得られたサンプルを分析して、1以上の標的抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルを決定するステップが含まれる。この態様では、自己抗体は、irAEリスクを予測するバイオマーカーとして働く。
ある実施態様では、患者サンプルについて、TEX264、CREB3L1、HSPA1B、SPTB、MUC12、ERBB3、CASP10、FOXO1、FRS2、PPP1R12A、CAP2、EOMES、CREB3L1、PLIN2、SIPA1L1、ABCB8、MAPT、XRCC5、XRCC6、UBAP1、TRIP4、EIF4E2、FADD、OGT、HSPB1、CAP2、ATP13A2、SIGIRR、HSPA1B、SPTB、PDCD6IP、RAPGEF3、PECAM1、PPL、TONSL、ELMO2、LAMB2、BTRC、SUFU、LGALS3BP、KLKB1、EGFR、TOLLIP、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、AKT2、BTBD2、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、LAMC1、RPLP0、AMPH、AP1S1、LEPR、TP53、IL23A、CFB、FGA、IL3、IL4R、TMEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、RPLP2、KRT7、MUM1、FN1、MAGEB4、CTSW、ATG4D、TPM2及びSPA17から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する。この群に列記された1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーは、高いirAEリスクのための陽性予測バイオマーカーとみなすことができる。これら自己抗体のレベルは、チェックポイント阻害剤での治療に対する反応としてirAEを発現する患者では高いことが報告された。1以上のこれら陽性予測バイオマーカーが分析される実施態様では、予備設定カットオフ値と比較して、患者サンプル中の自己抗体の高いレベルは、その患者を、チェックポイント阻害剤又はチェックポイント阻害剤の組み合わせでの治療の後のirAE発現のリスクが高い患者として特定する。
この方法の感度は、多価の自己抗体、即ち複数の異なる抗原へ結合する自己抗体、を試験することにより向上するであろう。この観点から、患者サンプルを、2以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験してもよい。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2以上の、3以上の、4以上の、5以上の、6以上の、7以上の、8以上の、9以上の、10以上の、11以上の、12以上の、13以上の、14以上の、15以上の、16以上の、17以上の、18以上の、19以上の、20以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。
ある実施態様では、自己抗体は、TEX264、CREB3L1、HSPA1B、SPTB、MUC12、ERBB3、CASP10、FOXO1、FRS2、PPP1R12A及びCAP2から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、TEX264、CREB3L1、HSPA1B、SPTB、MUC12、ERBB3、CASP10、FOXO1、FRS2、PPP1R12A及びCAP2から選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、EOMES、CREB3L1、FRS2、PLIN2、SIPA1L1、ABCB8、MAPT、XRCC5、XRCC6、UBAP1、TRIP4及びEIF4E2から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、EOMES、CREB3L1、FRS2、PLIN2、SIPA1L1、ABCB8、MAPT、XRCC5、XRCC6、UBAP1、TRIP4及びEIF4E2から選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、FADD、OGT、HSPB1、CAP2、ATP13A2、SIGIRR、TEX264、HSPA1B、SPTB、PDCD6IP、RAPGEF3、ERBB3、PECAM1、PPL、TONSL、ELMO2、LAMB2、BTRC、SUFU、LGALS3BP、KLKB1、EGFR及びTOLLIPから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、FADD、OGT、HSPB1、CAP2、ATP13A2、SIGIRR、TEX264、HSPA1B、SPTB、PDCD6IP、RAPGEF3、ERBB3、PECAM1、PPL、TONSL、ELMO2、LAMB2、BTRC、SUFU、LGALS3BP、KLKB1、EGFR及びTOLLIPから選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22又は23の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、AKT2、BTBD2、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、LAMC1、RPLP0、AMPH、AP1S1、LEPR、TP53、IL23A、CFB、FGA、IL3、IL4R、THEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、RPLP2、KRT7、MUM1、FM1、MAGEB4、CTSW、ATG4D、TPM2及びSPA17から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、AKT2、BTBD2、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、LAMC1、RPLP0、AMPH、AP1S1、LEPR、TP53、IL23A、CFB、FGA、IL3、IL4R、THEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、RPLP2、KRT7、MUM1、FM1、MAGEB4、CTSW、ATG4D、TPM2及びSPA17から選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36又は37の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、IL4R、L1CAM、MITF、PIAS3、AP1S1、ATG4D及びRPLP2から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、IL4R、L1CAM、MITF、PIAS3、AP1S1、ATG4D及びRPLP2から選択される、1、2、3、4、5、6又は7の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、RELT、CASP8、UBE2Z、IL4R、LAMC1、L1CAM及びMITFから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、RELT、CASP8、UBE2Z、IL4R、LAMC1、L1CAM及びMITFから選択される、1、2、3、4、5、6又は7の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、PIAS3、RPLP2、ATG4D、KRT7、TPM2、GABARAPL2及びMAGEB4から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、PIAS3、RPLP2、ATG4D、KRT7、TPM2、GABARAPL2及びMAGEB4から選択される、1、2、3、4、5、6又は7の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、自己抗体から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1及びPRKC1から選択される、1、2、3、4又は5の抗原へ結合する。
好ましい実施態様では、自己抗体は、MAGED2及び/又はKRT7へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、CFB、IL3、RELT、FGA、及びIL4Rから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、CFB、IL3、RELT、FGA、及びIL4Rから選択される、1、2、3、4、5、6、7又は8の抗原へ結合する。これら実施態様では、本方法は好ましくは、イピリムマブでの治療に対する反応としてのirAEを予測するためのものである。
ある実施態様では、自己抗体は、PIAS3、MITF、PRKCI、AP2B1、PDCH1、SPTBN1、及びUBTFから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、PIAS3、MITF、PRKCI、AP2B1、PDCH1、SPTBN1、及びUBTFから選択される、1、2、3、4、5、6又は7の抗原へ結合する。これら実施態様では、本方法は好ましくは、イピリムマブ及びニボルマブの組み合わせでの治療に対する反応としてのirAEを予測するためのものである。
好ましい実施態様では、本明細書に記載された方法は、大腸炎のリスクを予測するためのものである。
irAEは大腸炎である実施態様では、自己抗体バイオマーカーは、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、AKT2、BTBD2、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、LAMC1、RPLP0、AMPH、AP1S1、LEPR、TP53、IL23A、CFB、FGA、IL3、IL4R、THEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、RPLP2、KRT7、MUM1、FM1、MAGEB4及びCTSWから選択される1以上の抗原へ結合してもよい。ある実施態様では、自己抗体は、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、AKT2、BTBD2、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、LAMC1、RPLP0、AMPH、AP1S1、LEPR、TP53、IL23A、CFB、FGA、IL3、IL4R、THEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、RPLP2、KRT7、MUM1、FM1、MAGEB4及びCTSWから選択される、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33又は34の抗原へ結合する。
ある実施態様では、患者サンプルについて、SUM02、GRP、SDCBP、AMPH、GPHN、BAG6、BICD2、TMEM98、MUM1、CTSW、NCOA1、MIF、SPA17、FGFR1及びKRT19から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する。この群に列記された1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーは、低いirAEリスクのための陽性予測バイオマーカーとみなすことができる。これら自己抗体のレベルは、チェックポイント阻害剤での治療に対する反応として、低いirAEリスクにある患者では高いことが報告された。1以上のこれら陽性予測バイオマーカーが分析される実施態様では、予備設定カットオフ値と比較して、患者サンプル中の自己抗体の高いレベルは、その患者を、チェックポイント阻害剤又はチェックポイント阻害剤の組み合わせでの治療の後のirAE発現のリスクが低い患者として特定する。
この方法の感度は、多価の自己抗体、即ち複数の異なる抗原へ結合する自己抗体、を試験することにより向上するであろう。この観点から、患者サンプルを、2以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験してもよい。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2以上の、3以上の、4以上の、5以上の、6以上の、7以上の、8以上の、9以上の、10以上の、11以上の、12以上の、13以上の、又は14以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。
ある実施態様では、自己抗体は、NCOA1、MIF、SDCB4、MUM1、FGFR1及びKRT19から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、NCOA1、MIF、SDCB4、MUM1、FGFR1及びKRT19から選択される、1、2、3、4、5又は6の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、MIF、NCOA1、FGFR1及びSDCBPから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、MIF、NCOA1、FGFR1及びSDCBPから選択される、1、2、3又は4の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、SUMO2、GRP及びMIFから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、SUMO2、GRP及びMIFから選択される、1、2又は3の抗原へ結合する。
好ましい実施態様では、本明細書に記載された方法は、大腸炎のリスクを予測するためのものである。
irAEは大腸炎である実施態様では、自己抗体バイオマーカーは、SUM02、GRP、SDCBP、AMPH、GPHN、BAG6、BICD2、TMEM98及びMUM1から選択される1以上の抗原へ結合してもよい。ある実施態様では、自己抗体バイオマーカーは、SUM02、GRP、SDCBP、AMPH、GPHN、BAG6、BICD2、TMEM98及びMUM1から選択される、1、2、3、4、5、6、7、8又は9の抗原へ結合する。
ある実施態様では、患者サンプルについて、CXXC1、EGLN2、ELMO2、HIST2H2AA3、HSPA2、HSPD1、IL17A、LARP1、POLR3B、RFWD2、RPRM、S100A8、SMAD9、SQSTM1、及びWHSC1L1から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する。この群に列記された1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーは、高いirAEリスクのための陰性予測バイオマーカーとみなすことができる。これら自己抗体のレベルは、チェックポイント阻害剤での治療に対する反応として、高いirAEリスクにある患者では低いことが報告された。1以上のこれら陰性予測バイオマーカーが分析される実施態様では、予備設定カットオフ値と比較して、患者サンプル中の自己抗体の低いレベルは、その患者を、チェックポイント阻害剤又はチェックポイント阻害剤の組み合わせでの治療の後のirAE発現のリスクが高い患者として特定する。
この方法の感度は、多価の自己抗体、即ち複数の異なる抗原へ結合する自己抗体、を試験することにより向上するであろう。この観点から、患者サンプルを、2以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験してもよい。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2以上の、3以上の、4以上の、5以上の、6以上の、7以上の、8以上の、9以上の、10以上の、11以上の、12以上の、13以上の、又は14以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。ある実施態様では、患者サンプルを、上記リストからの、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14又は15の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。
ある実施態様では、自己抗体は、HSPA2、SMAD9、HIST2H2AA3及びS100A8から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、HSPA2、SMAD9、HIST2H2AA3、S100A8から選択される、1、2、3又は4の抗原へ結合する。
ある実施態様では、自己抗体は、POLR3B、ELMO2、RFWD2、SQSTM1、HSPD1及びIL17Aから選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、POLR3B、ELMO2、RFWD2、SQSTM1、HSPD1及びIL17Aから選択される、1、2、3、4、5又は6の抗原へ結合する。これら実施態様では、本方法は好ましくは、イピリムマブでの治療に対する反応としてのirAEを予測するためのものである。
ある実施態様では、自己抗体は、CXXC1、LARP1、EGLN2、RPRM、WHSC1L1及びS100A8から選択される1以上の抗原へ結合する。ある実施態様では、自己抗体は、CXXC1、LARP1、EGLN2、RPRM、WHSC1L1及びS100A8から選択される、1、2、3、4、5又は6の抗原へ結合する。これら実施態様では、本方法は好ましくは、ペムブロリズマブでの治療に対する反応としてのirAEを予測するためのものである。
本方法の更なるステップでは、患者サンプル中で決定された、自己抗体バイオマーカーの1又は複数のレベルを、同じ抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較する。任意の所与の自己抗体バイオマーカーのための予備設定カットオフ値は、本発明の第1の態様に関して前記のように計算される。患者サンプル中の自己抗体のレベルを、同じ標的抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較すれば、患者サンプル中の自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも、高いかどうか又は低いかどうかの評価が行われる。本明細書の報告では、この比較により、1以上のチェックポイント阻害剤での治療後の、irAE発現に関するその患者の可能性についてなされる予測が可能となる。
自己抗体レベルが予備設定カットオフ値よりも「高い」又は「低い」と評価される実施態様では、しきい値を適用してもよい。例えば、しきい値は、患者サンプル中の自己抗体が、高い又は低いirAEリスクにあると予測される患者のための予備設定カットオフ値よりも少なくとも1.5倍高く又は低く、少なくとも2倍高く又は低く、少なくとも2.5倍高く又は低くなるように適用してもよい。しきい値は、患者サンプル中の自己抗体が、高い又は低いirAEリスクにあると予測される患者のための予備設定カットオフ値よりも少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%高く又は低くなるように適用してもよい。
本方法が、前記のように複数の抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルを決定するステップを含む実施態様では、少なくとも1つの抗原のための自己抗体レベルが、その抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値よりも高い又は低い場合に、その患者は高い又は低いirAEリスクにあるとみなすことができる。本方法が、前記のように複数の抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルを決定するステップを含む実施態様では、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5個の抗原のための自己抗体レベルが、その対応する抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値よりも高い又は低い場合に、その患者は高い又は低いirAEリスクにあるとみなすことができる。本方法が、複数の抗原へ結合する自己抗体のレベルを決定するステップを含む幾つかの実施態様では、試験されるそれぞれの抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルが、その対応する抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値よりも高い又は低い場合に、その患者は高い又は低いirAEリスクにあるとみなすことができる。
本明細書に記載された方法は、任意のチェックポイント阻害剤、特にメラノーマ患者の治療での使用のために公知のチェックポイント阻害剤等での治療に対する反応としての、メラノーマ患者のirAEリスクを予測するために使用できる。好ましい実施態様では、本方法は、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤及びPD-L1阻害剤から選択されるチェックポイント阻害剤での治療に対する反応としてのirAEリスクを予測するために使用される。本方法は、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤及び/又はPD-L1阻害剤を含む併用療法でのirAEリスクを予測するために使用できる。特別な実施態様では、本方法は、CTLA-4阻害剤及びPD-1阻害剤を含む併用療法での治療に対する反応としてのirAEリスクを予測するために使用される。CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤及び/又はPD-L1阻害剤は、公知のこれらチェックポイントタンパク質及び経路の阻害剤のいずれかから選択することができる。阻害剤は、好ましくはCTLA-4、PD-1及び/又はPD-L1へ特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片である。好ましい実施態様では、抗CTLA-4抗体はイピリムマブである。好ましい実施態様では、抗PD-1抗体はニボルマブ又はペムブロリズマブである。好ましい実施態様では、本方法は、イピリムマブ及びニボルマブを含む併用療法での治療に対する反応としてのirAEリスクを予測するために使用される。
(メラノーマを検出する方法及び診断する方法)
更なる態様では、本発明は、哺乳類対象のメラノーマを検出する方法及び診断する方法に関する。好ましい実施態様では、本方法は、転移性メラノーマの検出及び/又は診断のためのものである。哺乳類対象は、好ましくはヒトである。
本方法は、哺乳類対象から得られたサンプル中の1以上の標的抗原と、特異的に結合する自己抗体又は「自己抗体バイオマーカー」のレベルを検出するステップを含む。サンプルは、通常は、身体から採取されてサンプル分析がインビトロで行われる。サンプルは任意の公知サンプルでもよく、又は、本明細書の別所に記載される自己抗体を含むと疑われるものでもよい。
本発明のこれら更なる態様において検出される自己抗体バイオマーカーは、それらが、健康対照と比較してメラノーマ患者では高い又は低いレベルで存在することに基づいて、メラノーマ、特に転移性メラノーマを検出又は診断するために使用可能である。
ある実施態様では、サンプルについて、RPLP2、CTAG1B、EEF2、CXCL5、DNAJC8、CREB3L1、AKT3、CXCL13、NME1、ANXA4、AKAP13、CDR2L、ATP1B3、DUSP3、SDC1、CPSF1、GRK2、TRA2B、BCR、CSNK2A1、ARRB1、GRK6、CTAG2、MIF、ERBB3、SUFU、BTRC、SIGIRR、SIPA1L1、ACTB、MLLT6、SHC1、CAP2、GPHN、AQP4、及びNOVA2から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する。この群に列記された1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーは、それら自己抗体が、健康対照と比較してメラノーマ患者では高いと報告されたことに基づいて、陽性予測バイオマーカーとみなすことができる。上記で列記された1以上の陽性予測バイオマーカーが分析される実施態様では、予備設定カットオフ値と比較して、患者サンプル中の自己抗体の高いレベルは、メラノーマを示す。
その代わり又はそれに加えて、サンプルについて、SNRPA、NRIP1、UBAP1、TEX264、PLIN2、LAMC1、CENPH、USB1、ABCB8、C15orf48/NMES1、及びMAGED1から選択される1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーを試験する。この群に列記された1以上の抗原へ結合する自己抗体バイオマーカーは、それら自己抗体が、健康対照と比較してメラノーマ患者では低いと報告されたことに基づいて、陰性予測バイオマーカーとみなすことができる。上記で列記された1以上の陰性予測バイオマーカーが分析される実施態様では、予備設定カットオフ値と比較して、患者サンプル中の自己抗体の低いレベルは、メラノーマを示す。
この方法の感度は、多価の自己抗体、即ち複数の異なる抗原へ結合する自己抗体を試験することにより向上するであろう。この観点から、サンプルを、2以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験してもよい。ある実施態様では、患者サンプルを、RPLP2、CTAG1B、EEF2、CXCL5、DNAJC8、CREB3L1、AKT3、CXCL13、NME1、ANXA4、AKAP13、CDR2L、ATP1B3、DUSP3、SDC1、CPSF1、GRK2、TRA2B、BCR、CSNK2A1、ARRB1、GRK6、CTAG2、MIF、ERBB3、SUFU、BTRC、SIGIRR、SIPA1L1、ACTB、MLLT6、SHC1、CAP2、GPHN、AQP4及びNOVA2から選択される、2以上の、3以上の、4以上の、5以上の、6以上の、7以上の、8以上の、9以上の、10以上の、11以上の、12以上の、13以上の、14以上の、15以上の、16以上の、17以上の、18以上の、19以上の、20以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。ある実施態様では、患者サンプルを、RPLP2、CTAG1B、EEF2、CXCL5、DNAJC8、CREB3L1、AKT3、CXCL13、NME1、ANXA4、AKAP13、CDR2L、ATP1B3、DUSP3、SDC1、CPSF1、GRK2、TRA2B、BCR、CSNK2A1、ARRB1、GRK6、CTAG2、MIF、ERBB3、SUFU、BTRC、SIGIRR、SIPA1L1、ACTB、MLLT6、SHC1、CAP2、GPHN、AQP4及びNOVA2から選択される、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35又は36の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。ある実施態様では、患者サンプルを、SNRPA、NRIP1、UBAP1、TEX264、PLIN2、LAMC1、CENPH、USB1、ABCB8、C15orf48/NMES1及びMAGED1から選択される、2以上の、3以上の、4以上の、5以上の、6以上の、7以上の、8以上の、9以上の、10以上の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。ある実施態様では、患者サンプルを、SNRPA、NRIP1、UBAP1、TEX264、PLIN2、LAMC1、CENPH、USB1、ABCB8、C15orf48/NMES1及びMAGED1から選択される、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の抗原のパネルへ結合する自己抗体について試験する。
本発明のこれら態様において、自己抗体レベルが比較される相手である予備設定カットオフ値は、哺乳類対象、好ましくはヒト対象の健康なコホートの分析に基づいて計算されたことがあるもの、又は、計算されるであろうものでもよい。予備設定カットオフ値は、異なる自己抗体のためには異なっていてもよい。本明細書の報告では、これら本発明の態様の方法で使用される自己抗体バイオマーカーは、健康対照と比較して、メラノーマ患者では高くても低くても、いずれでもよい(実施例8及び表2参照)。このように、これら自己抗体は、哺乳類対象から得られたサンプル中で、そのレベルを対象の健康なコホートのために決定された予備設定カットオフ値と比較して分析し、メラノーマを検出又は診断することができる。
「健康なコホート」は、それから予備設定カットオフ値が任意の所与の自己抗体のために計算されるものであり、任意の合理なサイズの健康な対象コホート、例えば少なくとも50の対象、少なくとも100の対象、少なくとも200の対象、少なくとも500の対象のコホートでもよい。予備設定カットオフ値は、本発明の方法において試験サンプルの自己抗体が比較される相手であり、被試験対象と一致する特定の健康コホートに基づき予備設定されてもよい。例えば、任意の所与の抗原へ結合する自己抗体の予備設定カットオフ値は、次の基準;年齢、性別、民族的起源、のいずれか1つに関して被試験対象と一致する健康なコホートに基づき決定してもよい。任意の所与の自己抗体のための予備設定カットオフ値は通常、哺乳類対象の健康なコホートのための自己抗体のアベレージレベル計算値であろう。
本明細書に記載の方法において試験される哺乳類対象、特にヒトは、メラノーマ罹患が疑われる任意の対象であり得る。対象は、1以上の先になされた診断試験の結果、メラノーマ罹患が疑われていてもよい。対象は、家族の病歴、メラノーマ関連の対立遺伝子又は遺伝子型の保有、過度の日光曝露の経歴、又は、メラノーマの後発的発症と関連するほくろ及び/若しくは損傷の存在等の1以上の理由から、メラノーマ罹患が疑われていてもよい。サンプルが由来する対象は、以前にメラノーマと診断されたことがあり、治療に対する応答性を観察されている対象でもよい。
自己抗体は、当業者に公知の、適切なイムノアッセイ技術のいずれかを使用して検出できる。様々な代表的な技術が本明細書に記載され、本発明の検出及び診断の方法において採用することができる。
ある実施態様では、本方法は、
(a)哺乳類対象から得られたサンプルをメラノーマ抗原と接触させるステップ、及び、
(b)自己抗体へ結合された該メラノーマ抗原の複合体の存在を決定して、該サンプル中の自己抗体のレベルを決定するステップ、並びに、
(c)該サンプル中の自己抗体のレベルを予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含む。
パネルの実施態様、即ち、複数の抗原へ結合する自己抗体が検出される態様では、本方法は、
(a)前記サンプルを2以上の抗原のパネルと接触させるステップ、
(b)該抗原それぞれのための自己抗体-抗原複合体の存在を決定して、該サンプル中の該抗原それぞれへ特異的に結合している自己抗体のレベルを決定するステップ、及び、
(c)該抗原それぞれに関する自己抗体のレベルを予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含む。
本方法が、複数の抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルを決定するステップを含む実施態様では、少なくとも1つの抗原のための自己抗体レベルが、その抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値よりも高い又は低い場合に、メラノーマを検出又は診断することができる。本方法が、前記のように複数の抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルを決定するステップを含む実施態様では、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5個の抗原のための自己抗体レベルが、その対応する抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値よりも高い又は低い場合に、メラノーマを検出又は診断することができる。本方法が、複数の抗原へ結合する自己抗体のレベルを決定するステップを含む幾つかの実施態様では、試験されるそれぞれの抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルが、その対応する抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値よりも高い又は低い場合に、メラノーマを検出又は診断することができる。
本明細書に記載されたメラノーマを検出する方法及びメラノーマを診断する方法は、疾患の陽性検出又は陽性診断に基づいて対象を治療する追加的ステップを含み得る。対象は、当業者に公知の任意のメラノーマ治療を受けてもよく、それらには、限定されるものではないが、手術、化学療法、放射線療法又は他のケア標準治療が含まれる。ある実施態様では、対象をチェックポイント阻害剤で治療してもよく、チェックポイント阻害剤にはイピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ又はその組み合わせが含まれるが、これらに限定されるものではない。
(C キット)
本発明は更に、本発明の方法のいずれかを実施するために好適なキットを包含し、そのキットは、
(a) 1以上のメラノーマ抗原、及び、
(b) メラノーマ患者又は哺乳類対象から得られた試験サンプル中に存在する自己抗体へ結合された1又は複数のメラノーマ抗原の複合体を検出可能な試薬、
を含む。
本発明は又、哺乳類対象から得られた試験サンプル中の自己抗体を検出するためのキットを包含し、そのキットは、
(a) RPLP2、CTAG1B、EEF2、CXCL5、DNAJC8、CREB3L1、AKT3、CXCL13、NME1、ANXA4、AKAP13、CDR2L、ATP1B3、DUSP3、SDC1、CPSF1、GRK2、TRA2B、BCR、CSNK2A1、ARRB1、GRK6、CTAG2、MIF、ERBB3、SUFU、BTRC、SIGIRR、SIPA1L1、ACTB、MLLT6、SHC1、CAP2、GPHN、AQP4、NOVA2、SNRPA、NRIP1、UBAP1、TEX264、PLIN2、LAMC1、CENPH、USB1、ABCB8、C15orf48/NMES1及びMAGED1から選択される1以上のメラノーマ抗原、並びに、
(b) 哺乳類対象から得られた試験サンプル中に存在する自己抗体へ結合された1又は複数のメラノーマ抗原の複合体を検出可能な試薬、
を含む。
本発明は又、メラノーマ患者から得られた試験サンプル中の自己抗体を検出するためのキットを包含し、そのキットは、
(a) ABCB8、ACTB、AKT2、AMPH、AP1S1、AP2B1、AQP4、ARRB1、ATG4D、ATP13A2、BAG6、BCL7B、BICD2、BIRC5、BTBD2、BTRC、C15orf48、C17orf85、CALR、CAP2、CASP10、CASP8、CCDC51、CCNB1、CEACAM5、CENPH、CENPV、CEP131、CFB、CREB3L1、CSNK2A1、CTAG1B、CTSW、CXXC1、DFFA、DHFR、EGFR、EGLN2、EIF4E2、ELMO2、EOMES、ERBB3、FADD、FGA、FGFR1、FLNA、FN1、FOXO1、FRS2、GABARAPL2、GNAI2、GNG12、GPHN、GRAMD4、GRK6、GRP、GSK3A、HDAC1、HES1、HIST2H2AA3、HSPA1B、HSPA2、HSPB1、HSPD1、IGF2BP2、IL3、IL4R、IL17A、IL23A、IL36RN、KDM4A、KLKB1、KRT7、KRT19、L1CAM、LAMB2、LAMC1、LARP1、LEPR、LGALS3BP、MAGEB4、MAGED2、MAPT、MAZ、MIF、MITF、MLLT6、MMP3、MSH2、MUM1、MUC12、NCOA1、NOVA2、NRIP1、OGT、PAPOLG、PCDH1、PDCD6IP、PECAM1、PIAS3、PLIN2、POLR3B、PPL、PPP1R12A、PPP1R2、PRKCI、PTPRR、RALY、RAPGEF3、RELT、RFWD2、RPLP0、RPLP2、RPRM、RPS6KA1、S100A8、S100A14、SDCBP、SHC1、SIGIRR、SIPA1L1、SIVA1、SMAD9、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SQSTM1、SPA17、SPTB、SPTBN1、SSB、SUFU、SUM02、TEX264、TMEM98、TOLLIP、TONSL、TP53、TPM2、TRAF3IP3、TRIP4、UBAP1、UBE2Z、UBTF、USB1、WHSC1L1、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上のメラノーマ抗原、並びに、
(b) メラノーマ患者から得られた試験サンプル中に存在する自己抗体へ結合された1又は複数のメラノーマ抗原の複合体を検出可能な試薬、
を含む。
本発明は又、メラノーマ患者から得られた試験サンプル中の自己抗体を検出するためのキットを包含し、そのキットは、
(a) ABCB8、ACTB、AQP4、ARRB1、ATP13A2、BCL7B、BIRC5、BTRC、C15orf48、C17orf85、CALR、CAP2、CASP10、CCDC51、CCNB1、CEACAM5、CENPH、CENPV、CEP131、CREB3L1、CSNK2A1、CTAG1B、CXXC1、DFFA、DHFR、EGFR、EGLN2、EIF4E2、ELMO2、EOMES、ERBB3、FADD、FLNA、FOXO1、FRS2、GNAI2、GNG12、GRAMD4、GRK6、GSK3A、HDAC1、HES1、HIST2H2AA3、HSPA1B、HSPA2、HSPB1、HSPD1、IGF2BP2、IL17A、IL36RN、KLKB1、LAMB2、LARP1、LGALS3BP、MAPT、MAZ、MLLT6、MMP3、MSH2、MUC12、NOVA2、NRIP1、OGT、PAPOLG、PDCD6IP、PECAM1、PLIN2、POLR3B、PPL、PPP1R12A、PPP1R2、PTPRR、RALY、RAPGEF3、RFWD2、RPRM、RPS6KA1、S100A8、S100A14、SHC1、SIGIRR、SIPA1L1、SIVA1、SMAD9、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SQSTM1、SPTB、SSB、SUFU、TEX264、TOLLIP、TONSL、TRAF3IP3、TRIP4、UBAP1、USB1、WHSC1L1、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上のメラノーマ抗原、並びに、
(b) メラノーマ患者から得られた試験サンプル中に存在する自己抗体へ結合された1又は複数のメラノーマ抗原の複合体を検出可能な試薬、
を含む。
ある実施態様では、本キットは更に、
(c) メラノーマ抗原を、哺乳類対象又はメラノーマ患者から得られた試験サンプルと接触させるための手段、
を更に含み得る。
メラノーマ抗原を試験サンプルと接触させるための手段の例には、メラノーマ抗原の、チップ、スライド、マイクロタイタープレートのウェル、ビーズ、膜、又はナノ粒子(nanoparticple)上への固定化が含まれる。
幾つかの実施態様では、キット中のメラノーマ抗原は、2以上のメラノーマ抗原のパネル内に存在してもよい。この実施態様では、パネルは、上記で特定されたメラノーマ抗原のいずれかから選択される、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45又は50の抗原を含むこともできる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、SIVA1、IGF2BP2、AQP4、C15orf48、CTAG1B及びPAPOLGを含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、HSPA2、SMAD9、HIST2H2AA3及びS100A8を含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、FRS2、BIRC5、EIF3E、CENPH及びPAPOLGを含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、POLR3B、ELMO2、RFWD2、SQSTM1、HSPD1及びIL17Aを含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、NOVA2、EOMES、SSB、IGF2BP2、ACTB、MLLT6、SNRPD1、TRAF3IP3、C17orf85、HES1、GSK3A、XRCC5、XRCC6、PPP1R2、C15orf48、PTPRR、MAZ、FLNA、TEX264、SNRNP70、CEP131、SNRPA、CENPV、NRIP1、CCNB1、RALY、CALR、GNAI2及びIL36RNを含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、CXXC1、LARP1、EGLN2、RPRM、WHSC1L1及びS100A8を含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、SUM02、GRP、SDCBP、AMPH、GPHN、BAG6、BICD2、TMEM98、MUM1、CTSW、NCOA1、MIF、SPA17、FGFR1及びKRT19を含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、NCOA1、MIF、SDCB4、MUM1、FGFR1及びKRT19を含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、MIF、NCOA1、FGFR1及びSDCBPを含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、SUMO2、GRP及びMIFを含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、GRK6及びGRAMD4を含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、TEX264、CREB3L1、HSPA1B、SPTB、MUC12、ERBB3、CASP10、FOXO1、FRS2、PPP1R12A及びCAP2を含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、GNG12、CCDC51、USB1、GRAMD4、RPS6KA1及びBCL7Bを含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、EOMES、CREB3L1、FRS2、PLIN2、SIPA1L1、ABCB8、MAPT、XRCC5、XRCC6、UBAP1、TRIP4及びEIF4E2を含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR及びARRB1を含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、FADD、OGT、HSPB1、CAP2、ATP13A2、SIGIRR、TEX264、HSPA1B、SPTB、PDCD6IP、RAPGEF3、ERBB3、PECAM1、PPL、TONSL、ELMO2、LAMB2、BTRC、SUFU、LGALS3BP、KLKB1、EGFR及びTOLLIPを含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、AKT2、BTBD2、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、LAMC1、RPLP2、AMPH、AP1S1、LEPR、TP53、IL23A、CFB、FGA、IL3、IL4R、THEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、RPLP2、KRT7、MUM1、FM1、MAGEB4、CTSW、ATG4D、TPM2及びSPA17を含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、IL4R、L1CAM、MITF、PIAS3、AP1S1、ATG4D及びRPLP2を含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、RELT、CASP8、UBE2Z、IL4R、LAMC1、L1CAM及びMITFを含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、PIAS3、RPLP2、ATG4D、KRT7、TPM2、GABARAPL2及びMAGEB4を含むか、又はそれからなる。
ある実施態様では、2以上のメラノーマ抗原のパネルは、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1及びPRKC1を含むか、又はそれからなる。
本発明のキットにおいては、患者サンプルは、血漿、血清、全血、尿、汗、リンパ液、糞便、脳脊髄液、腹水、胸水、精液、痰、乳頭吸引液、術後貯留漿液、唾液、羊水、涙、及び創部ドレナージ排液からなる群から選択することができる。
(D 使用)
本発明は又、本発明の方法における、本明細書に記載されたメラノーマ抗原の使用を包含する。
ある実施態様で、本明細書で包含されるのは、チェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択する方法においての、ABCB8、ACTB、AKT2、AMPH、AP1S1、AP2B1、AQP4、ARRB1、ATG4D、ATP13A2、BAG6、BCL7B、BICD2、BIRC5、BTBD2、BTRC、C15orf48、C17orf85、CALR、CAP2、CASP10、CASP8、CCDC51、CCNB1、CEACAM5、CENPH、CENPV、CEP131、CFB、CREB3L1、CSNK2A1、CTAG1B、CTSW、CXXC1、DFFA、DHFR、EGFR、EGLN2、EIF4E2、ELMO2、EOMES、ERBB3、FADD、FGA、FGFR1、FLNA、FN1、FOXO1、FRS2、GABARAPL2、GNAI2、GNG12、GPHN、GRAMD4、GRK6、GRP、GSK3A、HDAC1、HES1、HIST2H2AA3、HSPA1B、HSPA2、HSPB1、HSPD1、IGF2BP2、IL3、IL4R、IL17A、IL23A、IL36RN、KDM4A、KLKB1、KRT7、KRT19、L1CAM、LAMB2、LAMC1、LARP1、LEPR、LGALS3BP、MAGEB4、MAGED2、MAPT、MAZ、MIF、MITF、MLLT6、MMP3、MSH2、MUM1、MUC12、NCOA1、NOVA2、NRIP1、OGT、PAPOLG、PCDH1、PDCD6IP、PECAM1、PIAS3、PLIN2、POLR3B、PPL、PPP1R12A、PPP1R2、PRKCI、PTPRR、RALY、RAPGEF3、RELT、RFWD2、RPLP0、RPLP2、RPRM、RPS6KA1、S100A8、S100A14、SDCBP、SHC1、SIGIRR、SIPA1L1、SIVA1、SMAD9、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SQSTM1、SPA17、SPTB、SPTBN1、SSB、SUFU、SUM02、TEX264、TMEM98、TOLLIP、TONSL、TP53、TPM2、TRAF3IP3、TRIP4、UBAP1、UBE2Z、UBTF、USB1、WHSC1L1、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上のメラノーマ抗原の使用であって、該方法は本明細書に記載された患者を選択する方法に従って実施される。
ある実施態様で、本明細書で包含されるのは、チェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択する方法においての、ABCB8、ACTB、AQP4、ARRB1、ATP13A2、BCL7B、BIRC5、BTRC、C15orf48、C17orf85、CALR、CAP2、CASP10、CCDC51、CCNB1、CEACAM5、CENPH、CENPV、CEP131、CREB3L1、CSNK2A1、CTAG1B、CXXC1、DFFA、DHFR、EGFR、EGLN2、EIF4E2、ELMO2、EOMES、ERBB3、FADD、FLNA、FOXO1、FRS2、GNAI2、GNG12、GRAMD4、GRK6、GSK3A、HDAC1、HES1、HIST2H2AA3、HSPA1B、HSPA2、HSPB1、HSPD1、IGF2BP2、IL17A、IL36RN、KLKB1、LAMB2、LARP1、LGALS3BP、MAPT、MAZ、MLLT6、MMP3、MSH2、MUC12、NOVA2、NRIP1、OGT、PAPOLG、PDCD6IP、PECAM1、PLIN2、POLR3B、PPL、PPP1R12A、PPP1R2、PTPRR、RALY、RAPGEF3、RFWD2、RPRM、RPS6KA1、S100A8、S100A14、SHC1、SIGIRR、SIPA1L1、SIVA1、SMAD9、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SQSTM1、SPTB、SSB、SUFU、TEX264、TOLLIP、TONSL、TRAF3IP3、TRIP4、UBAP1、USB1、WHSC1L1、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上のメラノーマ抗原の使用であって、該方法は本明細書に記載された患者を選択する方法に従って実施される。
ある実施態様で、本明細書で包含されるのは、チェックポイント阻害剤での治療に対するメラノーマ患者の応答性を予測する方法においての、ACTB、AQP4、ARRB1、BCL7B、BIRC5、C15orf48、C17orf85、CALR、CCDC51、CCNB1、CEACAM5、CENPH、CENPV、CEP131、CSNK2A1、CTAG1B、DFFA、DHFR、EIF3E、EOMES、FGA、FGFR1、FLNA、FRS2、GNAI2、GNG12、GPHN、GRAMD4、GRK6、GSK3A、HDAC1、HES1、IGF2BP2、IL36RN、MAZ、MIF、MLLT6、MMP3、MSH2、NOVA2、NRIP1、PAPOLG、PPP1R2、PTPRR、RALY、RPS6KA1、S100A14、S100A8、SHC1、SIVA1、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SSB、TEX264、TRAF3IP3、USB1、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上のメラノーマ抗原の使用であって、該方法は本明細書に記載された応答性を予測する方法に従って実施される。
ある実施態様で、本明細書で包含されるのは、チェックポイント阻害剤での治療に対する反応としてのメラノーマ患者の生存期間を予測する方法においての、ACTB、AQP4、ARRB1、BCL7B、BIRC5、C15orf48、C17orf85、CALR、CCDC51、CCNB1、CEACAM5、CENPH、CENPV、CEP131、CSNK2A1、CTAG1B、DFFA、DHFR、EIF3E、EOMES、FGA、FGFR1、FLNA、FRS2、GNAI2、GNG12、GPHN、GRAMD4、GRK6、GSK3A、HDAC1、HES1、IGF2BP2、IL36RN、MAZ、MIF、MLLT6、MMP3、MSH2、NOVA2、NRIP1、PAPOLG、PPP1R2、PTPRR、RALY、RPS6KA1、S100A14、S100A8、SHC1、SIVA1、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SSB、TEX264、TRAF3IP3、USB1、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上のメラノーマ抗原の使用であって、該方法は本明細書に記載された生存期間を予測する方法に従って実施される。
ある実施態様で、本明細書で包含されるのは、チェックポイント阻害剤で治療されるメラノーマ患者における免疫関連有害事象(irAE)を予測する方法においての、ABCB8、AKT2、AMPH、AP1S1、AP2B1、ARRB1、ATG4D、ATP13A2、BAG6、BICD2、BTBD2、BTRC、CAP2、CASP10、CASP8、CEACAM5、CFB、CREB3L1、CSNK2A1、CTSW、CXXC1、DFFA、DHFR、EGFR、EGLN2、EIF4E2、ELMO2、EOMES、ERBB3、FADD、FGA、FGFR1、FN1、FOXO1、FRS2、GABARAPL2、GPHN、GRP、HDAC1、HIST2H2AA3、HSPA1B、HSPA2、HSPD1、IL17A、IL23A、IL3、IL4R、KDM4A、KLKB1、KRT19、KRT7、L1CAM、LAMB2、LAMC1、LARP1、LEPR、LGALS3BP、MAGEB4、MAGED2、MAPT、MIF、MITF、MMP3、MSH2、MUC12、MUM1、NCOA1、OGT、PCDH1、PDCD6IP、PECAM1、PIAS3、PLIN2、POLR3B、PPL、PPP1R12A、PRKCI、RAPGEF3、RELT、RFWD2、RPLP0、RPLP2、RPRM、S100A14、S100A8、SDCBP、SHC1、SIGIRR、SIPA1L1、SMAD9、SPA17、SPTB、SPTBN1、SQSTM1、SUFU、SUM02、TEX264、TMEM98、TOLLIP、TONSL、TP53、TPM2、TRIP4、UBAP1、UBE2Z、UBTF、WHSC1L1、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上のメラノーマ抗原の使用であって、該方法は本明細書に記載されたirAEを予測する方法に従って実施される。
ある実施態様で、本明細書で包含されるのは、チェックポイント阻害剤で治療されるメラノーマ患者における免疫関連有害事象(irAE)を予測する方法においての、ABCB8、ARRB1、ATP13A2、BTRC、CAP2、CASP10、CEACAM5、CREB3L1、CSNK2A1、CXXC1、DFFA、DHFR、EGFR、EGLN2、EIF4E2、ELMO2、EOMES、ERBB3、FADD、FOXO1、FRS2、HDAC1、HIST2H2AA3、HSPA1B、HSPA2、HSPD1、IL17A、KLKB1、LAMB2、LARP1、LGALS3BP、MAPT、MMP3、MSH2、MUC12、OGT、PDCD6IP、PECAM1、PLIN2、POLR3B、PPL、PPP1R12A、RAPGEF3、RFWD2、RPRM、S100A14、S100A8、SHC1、SIGIRR、SIPA1L1、SMAD9、SPTB、SQSTM1、SUFU、TEX264、TOLLIP、TONSL、TRIP4、UBAP1、WHSC1L1、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上のメラノーマ抗原の使用であって、該方法は本明細書に記載されたirAEを予測する方法に従って実施される。
ある実施態様で、本明細書で包含されるのは、哺乳類対象のメラノーマを検出又は診断する方法においての、RPLP2、CTAG1B、EEF2、CXCL5、DNAJC8、CREB3L1、AKT3、CXCL13、NME1、ANXA4、AKAP13、CDR2L、ATP1B3、DUSP3、SDC1、CPSF1、GRK2、TRA2B、BCR、CSNK2A1、ARRB1、GRK6、CTAG2、MIF、ERBB3、SUFU、BTRC、SIGIRR、SIPA1L1、ACTB、MLLT6、SHC1、CAP2、GPHN、AQP4、NOVA2、SNRPA、NRIP1、UBAP1、TEX264、PLIN2、LAMC1、CENPH、USB1、ABCB8、C15orf48/NMES1及びMAGED1から選択される1以上のメラノーマ抗原の使用であって、該方法は本明細書に記載されたメラノーマを検出及び診断する方法に従って実施される。
(実施例)
本発明は、下記非限定的な実施例を参照して、ここで更に理解されるであろう。本明細書中のいずれかにあるこれら及び他の例は、例示のためのみに使用され、本発明又は例示されたいずれかの用語の範囲及び意味を限定するために使用するべきではない。同様に、本発明は、本明細書に記載の特定の好ましい実施態様に限定されるものでもない。実際に、本明細書を読めば、当業者には本発明の多くの改変及び変形が明らかであり、そのような改変は、概念及び範囲において本発明の範囲外にはならずに行うことができる。従って、本発明は、添付特許請求の範囲の記載及び特許請求の範囲で規定されたものと均等な全範囲によってのみ限定されるべきである。
(実施例1:組換え自己抗原の生成)
組換え抗原を大腸菌(Escherichia coli)内で産生させた。異なるヒト組織(胎児脳、結腸、肺、肝臓、CD4誘導型及び非誘導型T細胞)に由来する5つのcDNAライブラリを使用して、組換えによりヒト抗原の産生を行った。これらのcDNAライブラリの全ては、オリゴ(dT)プライマーを有し、N末端に位置するヘキサ-ヒスチジン-タグのコード領域を含有し、(大腸菌(E.coli)由来の)ラクトース誘導性プロモーターで転写調節下にあった。cDNAライブラリの配列完全性を、5'-DNAシーケンシングによって確認した。更に、ヒトORFeomeコレクションから得た完全長配列を表す発現クローンを含めた。個々の抗原をインシリコで設計し、化学的に合成し(Life Technologies、Carlsbad、米国)、N末端に位置するHis6-タグのコード領域と融合された発現ベクターpQE30-NSTにクローニングした。組換え遺伝子発現を、ヒト遺伝子の発現を改善するためにプラスミドpSE111を有する大腸菌SCS1細胞内で行った。細胞を200 mlの自動誘導培地(Overnight Express auto-induction medium、Merck、Darmstadt、ドイツ国)内で一晩培養し、遠心分離によって回収した。細菌ペレットを、15 mlの溶解バッファ(6 Mグアニジニウム塩酸、0.1 M NaH2PO4、0.01 Mトリス塩酸、pH 8.0)内に再懸濁することによって溶解させた。
可溶性タンパク質を、Protino(登録商標)Ni-IDA 1000漏斗カラム(Macherey-Nagel、Duren、ドイツ国)へ結合させた後に、アフィニティ精製した。カラムを8 mlの洗浄バッファ(8 M尿素、0.1 M NaH2PO4、0.01 Mトリス塩酸、pH 6.3)で洗浄した。タンパク質を3 mlの溶出バッファ(6 M尿素、0.1 M NaH2PO4、0.01 Mトリス塩酸、0.5%(w/v)トレハロース、pH 4.5)で溶出させた。各タンパク質調製物を2Dバーコード付けしたチューブに移し、凍結乾燥させ、-20℃で保管した。
(実施例2:抗原の選択及び癌スクリーニング設計)
ビーズベースアレイを、腫瘍関連抗原(TAA)へ結合する自己抗体、突然変異した又は過剰発現した癌遺伝子から発現したタンパク質、及び、癌シグナル伝達経路で作用するタンパク質をスクリーニングするために設計した。更に、正常ヒトの自己反応性抗原及び典型的な自己免疫性抗原を含めた。全部で842個の、可能性のある抗原を選択した。図1は、カテゴリー当たりのスクリーニングした抗原数を示す。
(実施例3:抗原のビーズへのカップリング)
ビーズベースアレイ(BBA)を作製するために、タンパク質を磁気カルボキシル化色分けビーズ(MagPlex(商標)マイクロスフェア、Luminex Corporation、Austin、TX、米国)とカップリングした。タンパク質のMagPlex(商標)マイクロスフェアへのカップリングに関する製造者のプロトコルを適用して、液体取扱いシステムを使用した。1つのBBAの半自動化カップリング手順は、384個の分離された単独のカップリング反応を包含するものであり、これらを4つの96ウェルプレート内で行った。単独のカップリング反応それぞれについて、最大12.5μgの抗原及び、8.8×105個の1つの色領域のMagPlex(商標)ビーズ(ID)を使用した。全ての液体取扱いステップは、8チャネルピペッティングシステム(Starlet、Hamilton Robotics、Bonaduz、スイス国)又は96チャネルピペッティングシステム(Evo Freedom 150、Tecan、Mannderdorf、スイス国)のいずれかにより行った。半自動化カップリングのために、抗原をH2O中に溶解し、60μlのアリコートを2Dバーコード付チューブから96ウェルプレートへ移した。MagPlex(商標)マイクロスフェアを均一に再懸濁し、各ビーズIDを96ウェルプレートの1つのウェル内へ移した。マイクロスフェアを含有する96ウェルプレートを、磁気分離器(LifeSep(商標)、Dexter Magnetic Technologies Inc.、Elk Grove Village、米国)にかけてビーズを沈降させて洗浄ステップとし、マイクロタイタープレート振とう機(MTS2/4、IKA)にかけて定常的な混合を促進してインキュベーションステップとした。
カップリングのために、マイクロスフェアを活性化バッファ(100 mMのNaH2PO4、pH 6.2)で3回洗浄し、120μlの活性化バッファに再懸濁させた。反応性スルホ-NHS-エステル中間体を得るために、15μlの1-エチル(ethly)-3-(3-ジメチル(dimethly)アミノプロピル)カルボジイミド(50 mg/ml)、及び15μlのN-ヒドロキシ-スクシンイミド(50 mg/ml)をマイクロスフェアに適用した。20分間インキュベート後(900 rpm、室温(RT))、マイクロスフェアをカップリングバッファ(50 mMのMES、pH 5.0)で3回洗浄し、65μlのカップリングバッファに再懸濁させた。直ぐに、60μlの抗原溶液を反応性マイクロスフェアに添加し、カップリングを、定常混合(permanent mixing)下(900 rpm、RT)、120分間行った。洗浄バッファ(PBS、0.1% Tween20)を使用して洗浄サイクルを3回行った後、カップリングしたビーズをブロッキングバッファ(PBS、1% BSA、0.05% ProClin300)に再懸濁させ、20分インキュベートし(900 rpm、RT)、次に移動させて4~8℃で12~72時間維持した。
最終的に、384の抗原カップリングビーズをプールしてマルチプレックスBBAを作製した。
(実施例4:血清サンプルの、抗原カップリングビーズとのインキュベーション)
血清サンプルを2Dバーコード付チューブへ移し、96ウェルプレート中で、アッセイバッファ(PBS、0.5% BSA、10%大腸菌ライセート、50% Low-Crossバッファ(Candor Technologies、Nurnberg、ドイツ国))を用いて1:100血清希釈物を調製した。最初に血清希釈物を20分間インキュベートし、最終的に大腸菌タンパク質を対象とするような全てのヒトIgGを中和した。BBAを5分間超音波処理し、ビーズミックスを96ウェルプレート内に分配した。洗浄バッファ(PBS、0.05% Tween20)で3回の洗浄サイクル実施後、血清希釈物(50μl)をビーズミックスへ添加し、20時間インキュベートした(900 rpm、4~8℃)。3回の洗浄サイクルによってビーズから上清を分離し、R-フィコエリトリン標識化二次抗体(5μg/ml、ヤギ抗ヒト、Dianova、Hamburg、ドイツ国)を添加し、最終インキュベーションを45分間(900 rpm、RT)行った。ビーズを洗浄バッファ(PBS、0.1% Tween20)で3回洗浄し、100μlのシース液(Luminex社)に再懸濁させた。次に、ビーズをFlexMap3D装置で分析し、蛍光シグナルリードアウトを得た(DDゲーティング7.500~15.000;サンプルサイズ:80μl;ビーズID当たり1000事象;タイムアウト60秒)。結合事象を蛍光強度中央値(MFI)として示した。ビーズID当たりで計数されるビーズ事象が少数であった場合には(<30ビーズ)測定値を無視した。
(実施例5:統計解析)
統計解析を実施して、癌免疫治療の有効性及び副作用と関連があるバイオマーカーを同定した。自己抗体レベルと、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、及び免疫関連有害事象(irAE)との相関にスピアマン順位相関試験を使用した。2つの群を比較する場合は、並べ替えベースの統計学的技術であるR-プログラミング言語でのマイクロアレイの有意性分析(SAMR)を使用した(Tusherらの文献、2001年)。2つの試験群の間の差異の強度をSAMRスコアdとして計算した。更に、受信者動作特性を計算して、各抗原について曲線下面積(AUC)値を得た。ROC曲線は、パッケージpROC(Robinらの文献、2011年)を使用して作製した。
治療に対する腫瘍反応を評価するために、最良総合応答性効果(BOR)をRECIST v1.1基準に従って決定し、病勢コントロール率(DCR)を計算した。DCRは、完全奏効(CR)、又は部分奏効(PR)若しくは病勢安定(SD)を達成した患者のパーセントである。治療前サンプル(T0)で臨床反応を予測するバイオマーカーを特定するために、応答者をCR、PR、又はSD基準で特定し、疾患進行(PD)だった患者と比較してDCRであった患者の自己抗体プロファイルを特定した。
(実施例6:異なる免疫チェックポイント阻害剤で治療された転移性メラノーマ患者からの血清サンプルのコレクション)
免疫チェックポイント阻害剤で治療された転移性メラノーマ患者の血清サンプルを、腫瘍疾患国立センター(NCT、Heidelberg、ドイツ国)で入手した。血清サンプルは、免疫チェックポイント阻害剤での治療前(T0、ベースライン又は治療前サンプル)、及び治療中の2つの時点(治療後サンプル)において採取した。T1サンプルは、90日(3か月)時点に相当し、T2サンプルは、180日(6か月)時点に相当する。図2は、治療群当たりの患者及びサンプルの数を示す。
患者データは、人口統計的要素(年齢、性別)、チェックポイント阻害剤治療の種類、療法開始日、及び「固形がんの治療効果判定」(RECIST 1.1.基準)に従った最良応答性効果を含む標準形式で提供し、ここで最良応答性効果は、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、病勢安定(SD)、及び疾患進行(PD)(Eisenhauerらの文献、2009年)としてグレード付けした。図3は、異なるチェックポイント阻害剤で治療された患者で達成された応答性カテゴリー(CR、PR、SD、及びPD)を示す。
更に又、免疫関連有害事象(irAE)に関する詳細を記録した。図4は、異なるチェックポイント阻害剤での治療後に生じた異なるirAEを示す。最高パーセント(75%)のirAEは、イピリムマブ/ニボルマブ併用療法で発生した。イピリムマブ療法及びイピリムマブ/ニボルマブ併用療法中では、大腸炎が最も頻繁に発生した。
生存期間(全生存期間、OS)は、治療開始から、死亡又は患者との最終接触日までの時間として計算した。無増悪生存期間(PFS)は、治療開始から増悪までの時間として計算した。増悪が観察されなかった場合は、治療開始から死亡又は最終診察までの時間を計算した。
(実施例7:メラノーマ患者における自己抗体反応の特性評価)
腫瘍の存在により、腫瘍関連抗原(TAA)及び自己抗原に対する体液性免疫反応が誘導され得る。この自己抗体反応は、免疫腫瘍学療法を受けている癌患者の免疫状態を特徴づけるために利用することができる。抗CTLA-4(イピリムマブ)、抗PD-1(ニボルマブ若しくはペムブロリズマブ)又は抗CTLA-4/抗PD-1併用療法で治療された193人のメラノーマ患者由来の、治療前及び治療後の血清サンプルを、842個の予め選択しておいた腫瘍関連抗原(TAA)及び自己抗原に対する自己抗体の存在について分析した。
表1は、135個の抗原に対するメラノーマ患者の自己抗体応答性を示す。異なる臨床的なエンドポイントと相関するマーカーを抜き出して、別々の目録(T)として示す。表1は、下記抗原;GRAMD4、TEX264、CREB3L1、NCBP3/C17orf85、FRS2、S100A8、TRAF3IP3、NOVA2、C15orf48;NMES1、MIF、CTAG1B、CAP2、CSNK2A1、IGF2BP2、GPHN、SDCBP、HSPA1B、SPTB、HES1、MMP3、PAPOLG、SNRPD1、SSB、XRCC5、XRCC6、EOMES、ERBB3、ATG4D、ELMO2、AKAP13、HSPA2、SMAD9、BIRC5、FGA、PDCD6IP、RPS6KA1、USB1、BCL7B、EIF3E、CENPH、GNG12、CCDC51、HUS1、HSPB1、KLKB1、LARP1、LGALS3BP、OGT、PECAM1、NRIP1、PPP1R2、IL36RN、RALY、S100A14、SNRNP70、SNRPA、MUC12、HIST2H2AA3、SIVA1、AQP4、RPLP2、SDC1、TRA2B、EGLN2、RAPGEF3、RPRM、NSD3/WHSC1L1、ATP13A2、CTSW、CXXC1、FADD、ACTB、MLLT6、ARRB1、CEACAM5、GSK3A、HDAC1、LAMC1、MSH2、MAZ、PTPRR、DFFA、DHFR、FLNA、CCNB1、SHC1、CALR、GRK6、GNAI2、FGFR1、CENPV、CEP131、PPP1R12A、CASP10、FOXO1、CPSF1、GRK2、AKT3、ANXA4、ATP1B3、BCR、CDR2L、NME1、CXCL13、CXCL5、DNAJC8、DUSP3、EEF2、MAGED1、EIF4E2、HSPD1、IL17A、MAPT、POLR3B、SIPA1L1、SUMO2、TRIP4、UBAP1、BTRC、EGFR、FN1、KRT7、LAMB2、MITF、PPL、SIGIRR、SPA17、SUFU、TOLLIP、TONSL、PLIN2、RFWD2、ABCB8、SQSTM1、及びCTAG2を含む。
TRA2Bを、アミノ酸アルギニンがシトルリン化されるか又は脱アミノ化されてアミノ酸シトルリンとなる修飾を受けた、翻訳後修飾タンパク質として試験した。この修飾されたタンパク質は「TRA2B_cit」と称される。シトルリン化抗原又はペプチドへ結合する自己抗体(ACPA)は、関節リウマチ(RA)で発見される。
(表1:特定した抗原の全リスト)
Figure 2022537339000002
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遺伝子ID及び遺伝子記号は、www.ncbi. nlm.nih.govで利用可能なNCBIウェッブサイトで見ることができる。遺伝子に関する更なる情報は、例えば、NCBIウェブサイトへアクセスして遺伝子ID又は遺伝子記号を入力することにより得ることができる。
(実施例8:メラノーマ患者における治療前自己抗体反応の特定)
メラノーマ患者の治療前(T0又はベースライン)の自己抗体反応性は、メラノーマ患者の臨床反応又は、長い生存期間を予測する可能性を有する。193人のメラノーマ患者由来の血清サンプルを、抗CTLA-4(イピルムマブ(ipilumumab))療法、抗PD-1(ニボルマブ又はペムブロリズマブ)療法、又は抗CTLA-4/抗PD-1併用療法での治療の開始前に採取した。メラノーマ患者由来の血清サンプルの自己抗体レベルを、148人の健康な志願者サンプルの自己抗体プロファイルと比較したが、それには統計学的技術に基づきマイクロアレイの有意性(SAM)を使用した。正のSAMスコアd及び1を超える倍率変化は、対照群と比較してメラノーマ群においてその自己抗体が高いことを示す。負のSAMスコアd及び1未満の倍率変化は、対照群と比較してメラノーマ群においてその自己抗体レベルが低いことを示す。
転移性メラノーマ患者のベースラインで既に存在していた自己抗体レパートリーを、表2に示す。表2中の自己抗体標的は、それらのSAMスコアd計算値によって順位付けして上位から並べた。ベースライン自己抗体と、irAEの発現又は臨床反応(病勢コントロール率、DCR)等の異なる臨床的なエンドポイントとの相関性を、別々の目録(T)として示す。
表2は、健康対照と比較してメラノーマ群では高い反応性(正の倍数変化で表示される)を有する36個の自己抗体標的、RPLP2、CTAG1B、EEF2、CXCL5、DNAJC8、CREB3L1、AKT3、CXCL13、NME1、ANXA4、AKAP13、CDR2L、ATP1B3、DUSP3、SDC1、CPSF1、GRK2、TRA2B、BCR、CSNK2A1、ARRB1、GRK6、CTAG2、MIF、ERBB3、SUFU、BTRC、SIGIRR、SIPA1L1、ACTB、MLLT6、SHC1、CAP2、GPHN、AQP4、及びNOVA2を示す。
同様に、健康対照サンプルと比較してメラノーマ群では低い反応性(負の倍率変化)を有する11個の自己抗体、SNRPA、NRIP1、UBAP1、TEX264、PLIN2、LAMC1、CENPH、USB1、ABCB8、C15orf48/NMES1、及びMAGED1もある。
図5は、3個の自己抗体CREB3L1、CXCL5、及びNME1の箱ひげ図及びROC曲線を示し、それらは、健康対照と比較してメラノーマ患者の血清サンプルでは高い反応性を有する。CREB3L1、CXCL5、及びNME1の、曲線下面積(AUC)計算値は、それぞれ69%、72%、及び69%である。
CREB3L1は又、「サイクリックAMP-応答配列結合タンパク質3様タンパク質1」、「オールドアストロサイト特異的誘導物質」及びOASISと称される。CREB3L1は、転移、浸潤及び血管新生を制御する遺伝子の発現を抑制する転写因子である。抗CREB3L1抗体のベースラインは又、異なるチェックポイント阻害剤での治療後のirAEの発現を予測し(表4)、それら阻害剤にはイピリムマブも含まれる(表6)。
CXCL5は又、「C-X-Cモチーフケモカイン5」、「上皮由来好中球活性化タンパク質78」、「好中球活性化ペプチドENA-78」、「低分子量誘導性サイトカインB5」、及びENA78と称される。CXCL5は、細胞表面ケモカイン受容体CXCR2への結合の後に、血管新生特性を有する好中球の走化性を刺激するケモカインである。腫瘍関連好中球は、CXCL5/CXCR2軸を介して、腫瘍の進行を促進し、療法への抵抗を媒介し、そして免疫抑制を調節するその能力のために、ますます注目されてきている。
NME1は又、「ヌクレオシド二リン酸キナーゼA(EC:2.7.4.6)」、「NDPキナーゼA」、「グランザイムA-活性化DNアーゼ」、「転移阻害ファクターnm23」、「腫瘍転移プロセス関連タンパク質」、GAAD、NM23-H1、NME1、NDPKA、及びNM23と称される。メラノーマ中での転移サプレッサーNME1の発現は、インビトロでの細胞運動性及び浸潤並びに転移の低下と関係する。
3つの実施例は、腫瘍患者の自己抗体反応が、癌プロセスにおける役割を担うタンパク質の多様なセットに対するものであることを示す。
(表2:メラノーマ患者の自己抗体プロファイル)
Figure 2022537339000013
Figure 2022537339000014
(実施例9:免疫腫瘍学的薬剤に対する生存期間及び臨床反応に関する又はそれらを予測する自己抗体の特定)
抗癌免疫の作動に関するB細胞及びその分泌産物の役割は、未だ充分に理解されていない。B細胞により産生される自己抗体は、腫瘍促進及び抗腫瘍の両方の作用をする可能性がある。従って、自己抗体は、癌患者の、概括的な免疫適合性及びその患者の免疫腫瘍学的薬剤への反応能力のバイオマーカーとして働くことができる。
抗CTLA-4(イピルムマブ(ipilumumab))療法、抗PD-1(ニボルマブ若しくはペムブロリズマブ)療法、又は抗CTLA-4/抗PD-1併用療法で治療された、193人のメラノーマ患者由来の血清サンプルの自己抗体反応性を分析した。臨床転帰DCRとPDとの間の自己抗体レベルの差異を評価するために、統計試験法SAMを適用した。
正のSAMスコアd及び1を超える倍率変化は、PDであった患者と比較してDCRを達成しているメラノーマ群においてその自己抗体が高いことを示す。負のSAMスコアd及び1未満の倍率変化は、PDであった患者と比較してDCRを達成しているメラノーマ群においてその自己抗体レベルが低いことを示す。
スピアマン順位相関分析を使用して、自己抗体レベルと全生存期間(OS)との間の関連を評価した。
10個の自己抗体が、免疫腫瘍学的な治療全般への臨床反応(「病勢コントロール率」(DCR)を指す)を予測した。
SIVA1、IGF2BP2、AQP4、C15orf48、GPHN、及びCTAG1Bに対する6個のベースライン自己抗体が、DCRの予測因子であることを示した。
GRK6、FGFR1、MIF、及びGRAMD4に対する4個の自己抗体のベースラインレベルは、DCRを達成している患者と比較して、PDであった患者群において高かった。これら自己抗体は、免疫腫瘍学的な治療全般へ非応答である又はPDであることの予測因子であることを示した。
抗PAPOLG抗体の高いベースラインは、全生存期間と弱く関連していた(スピアマン順位相関係数r=0.32)。
表3は、異なるチェックポイント阻害剤で治療されたメラノーマ患者における、OS及びDCRと関連する自己抗体を示す。
(表3:メラノーマ患者におけるOS及びDCRと関連する自己抗体)
Figure 2022537339000015
図6は、チェックポイント阻害剤の治療全般に対する、DCRを予測する4個のベースライン自己抗体、SIVA1、IGF2BP2、AQP4、及びC15orf48、並びに、PDを予測する2個のベースライン自己抗体MIF及びGRAMD4を示す。
SIVA1は又、「アポトーシス制御タンパク質Siva」、「CD27結合タンパク質」、CD27BP、又はSIVA1と称される。SIVA1は、CD27抗原(腫瘍壊死因子受容体(TFNR)スーパーファミリーのメンバー)により誘導されるアポトーシス性(プログラム細胞死)経路において重要な役割を果たす。抗SIVA1抗体の高いベースラインが、チェックポイント阻害剤での治療後にPDであった患者と比較してDCRを達成している患者において見いだされた。更に又、高い抗SIVA1抗体が、PD-1/PD-L1経路遮断薬ペムブロリズマブでの治療後にPDであった患者と比較してDCRを達成しているメラノーマ患者において見いだされた(表7)。
IGF2BP2は又、「インスリン様増殖因子2 mRNA結合タンパク質2」、「肝細胞癌自己抗原p62」、「IGF-II mRNA結合タンパク質2」、「VICKZファミリーメンバー2」、IGF2BP2、IMP2、又はVICKZ2と称される。この遺伝子コード化IGF2BP2は、多くのヒト癌において増幅されて過剰発現し、予後診断不良を伴う(Daiらの文献、2017)。抗IGF2BP2抗体の高いベースラインが、チェックポイント阻害剤での治療後にPDであった患者と比較してDCRを達成している患者において見いだされた。更に又、抗IGF2BP2抗体の高いベースラインが、PD-1/PD-L1経路遮断薬ペムブロリズマブでの治療後にPDであった患者と比較してDCRを達成しているメラノーマ患者において見いだされた(表7)。
AQP4は又、「アクアポリン-4」、「水銀非感受性水チャネル」、MIWC、又はWCH4と称される。AQP4は水チャネルタンパク質であり、主にニューロン起源の組織内で見いだされる。抗AQP4抗体は、自己免疫性障害であり、個体の視神経及び脊髄に影響を及ぼす視神経脊髄炎(NMO)で見いだされる。抗AQP4抗体の高いベースラインが、チェックポイント阻害剤での治療後にPDであった患者と比較してDCRを達成している患者において見いだされた。更に又、高い抗AQP4抗体のレベルが、健康対照と比較してメラノーマ患者において見いだされた(表2)。
C15orf48は又、「正常食道粘膜特異的遺伝子1タンパク質」、タンパク質FOAP-11、MIR147BHG、又はNMES1と称される。抗C15orf48抗体の高いベースラインレベルが、チェックポイント阻害剤での治療後にPDであった患者と比較してDCRを達成している患者において見いだされた。更に又、自己抗体の高いレベルが、PD-1/PD-L1経路遮断薬ペムブロリズマブでの治療でPDであった患者と比較して、DCRを達成しているメラノーマ患者において見いだされた(表7)。
GRAMD4は又、「GRAMドメイン含有タンパク質4」、「死誘導タンパク質」、DIP、又はKIAA0767と称される。GRAMD4は、アポトーシス促進タンパク質として報告されている。抗GRAMD4抗体の高いベースラインレベルが、チェックポイント阻害剤での治療後にDCRを達成している患者と比較してPDであった患者において見いだされた。高い抗GRAMD3抗体は又、CTLA-4阻害剤イピリムマブで治療されたメラノーマ患者における、PD、短いPFS及び短い生存期間と関連する(表5)。
MIFは又、「マクロファージ遊走阻止因子(EC:5.3.2.1)」、「グリコシル化阻害因子」、「L-ドパクロムトートメラーゼ(EC:5.3.3.12)」、又はGIFと称される。MIFは炎症誘発性サイトカインであり、悪性メラノーマ内で過剰発現される。抗MIF抗体の高いベースラインレベルが、チェックポイント阻害剤での治療後にDCRを達成している患者と比較して、PDであった患者において見いだされた。更に又、抗MIF抗体の高いベースラインレベルが、健康対照と比較してメラノーマ患者において見いだされ(表2)、更に、PD-1/PD-L1経路遮断薬ペムブロリズマブでの治療後にirAEが発現した患者と比較してirAEを発現しないメラノーマ患者において見いだされた(表8)。
(実施例10:異なるチェックポイント阻害剤での治療後のメラノーマ患者におけるirAEを予測する、ベースライン自己抗体の特定)
重要な臨床的利益にも拘らず、チェックポイント阻害剤は免疫関連有害事象(irAE)と関連している。チェックポイント阻害剤がirAEを誘発する機構は、完全には理解されていない。負のチェックポイントを遮断することにより、一般的な免疫増強が起こると考えられている。又、耐性を制御する免疫チェックポイントを解除することにより、T細胞又はB細胞のいずれかである自己反応性リンパ球の活性化が可能である。自己免疫疾患では、自己反応性B細胞が自己抗体を産生し、その自己抗体はADCCを介して組織損傷を誘発できることは周知である。従って、自己抗原に向かって広がるエピトープは、irAEの指標となる可能性がある。
irAEを予測する自己抗体を、抗CTLA-4療法、抗PD-1療法、又は抗CTLA-4及び抗PD-1の併用療法等の異なるチェックポイント阻害剤を投与される患者からの治療前サンプル中で特定した。irAE発現患者とそうでない患者との間の自己抗体レベルの差異を評価するために、統計試験法SAMを適用した。
正のSAMスコアd及び1を超える倍率変化は、irAE無しの者と比較して、irAEを有したメラノーマ群においてその自己抗体が高いことを示す。負のSAMスコアd及び1未満の倍率変化は、irAE無しの者と比較してirAEを有したメラノーマ群においてその自己抗体レベルが低いことを示す。
表4は、TEX264、CREB3L1、HSPA1B、SPTB、MUC12、ERBB3、ATG4D、CASP10、FOXO1、FRS2、及びPPP1R12Aと反応する12個の自己抗体を含み、それらはベースラインサンプル中でirAEを予測することを示した。表4は、5個の自己抗体HSPA2、SMAD9、HIST2H2AA3、S100A8、及びSDCBPを含み、これら自己抗体の高いレベルを有する患者ではirAEが発現しないことを予測する。
(表4:異なるチェックポイント阻害剤での治療後のメラノーマ患者におけるirAEを予測するベースライン自己抗体)
Figure 2022537339000016
図7は、抗TEX264及び抗SDCBP抗体のベースラインレベルの箱ひげ図及びROC曲線を示し、チェックポイント阻害剤治療に対する応答でirAEを発現しない患者からirAEを発現する患者を区別することを可能にする。抗TEX264及び抗SDCBPの曲線下面積(AUC)計算値は、それぞれ60%及び69%である。
TEX264は又、「精巣発現タンパク質264」、又は「推定分泌タンパク質Zsig11」と称される。この遺伝子コード化TEX264の機能は、現在は不明である。抗TEX264抗体の高いベースラインは、チェックポイント阻害剤に対するirAEの発現を予測する。更に又、抗TEX264抗体は、抗PD-1遮断薬ペムブロリズマブで治療される患者において、DCRとして定義される臨床反応(表7)及びirAEの発現を予測する(表8)。
SDCBPは又、「シンテニン-1」、「メラノーマ分化関連タンパク質9」、MDA-9、「プロTGF-α細胞質ドメイン相互作用タンパク質18」、TACIP18、「骨格タンパク質Pbp1」、「シンデカン結合タンパク質1」、MDA9、又はSYCLと称される。SDCBPはメラノーマで発現され、腫瘍細胞及び微小環境の両方を調節することにより転移に影響する(Dasらの文献、2012)。抗SDCBP抗体の高いベースラインが、免疫チェックポイント阻害剤治療後にirAEを発現しない患者で見いだされた。更に又、抗CTLA-4阻害剤イピリムマブでの治療後にirAEを発現しない患者では、抗SDCBP抗体レベルが高かった(表6)。
(実施例11:イピリムマブでの治療に対する生存期間及び臨床反応に関する又はそれらを予測する自己抗体の特定)
患者の癌療法を終結する、又は療法を変更する理由の一つは、疾患の進行である。
イピリムマブ療法の効果を示す患者を特定可能とする自己抗体を特定するために、イピリムマブで治療された82人のメラノーマ患者由来の血清サンプルを分析した。
無増悪生存期間(PFS)又は全生存期間(OS)と相関するバイオマーカーを、スピアマン相関を用いて計算した。臨床転帰DCRとPDとの間の自己抗体レベルの差異を評価するために、統計試験法SAMを適用した。
正のSAMスコアd及び1を超える倍率変化は、PDであった患者と比較してDCRを達成しているメラノーマ群においてその自己抗体が高いことを示す。負のSAMスコアd及び1未満の倍率変化は、PDであった者と比較してDCRを達成しているメラノーマ群においてその自己抗体レベルが低いことを示す。
表5は、13個の自己抗体、FRS2、GPHN、BIRC5、EIF3E、CENPH、PAPOLG、HUS1、GNG12、CCDC51、USB1、GRAMD4、RPS6KA1、及びBCL7Bを示し、ベースラインサンプル中のそれらは、PFS、OSと正若しくは負の相関を示す、又は、DCR若しくはPDを予測する。
図8は、イピリムマブに対するDCR又はPDを予測する、6個のベースライン自己抗体FRS2、GPHN、BIRC5、GRAMD4、RPS6Ka2、及びBCL7Bの箱ひげ図を示す。
BIRC5は又、「バキュロウイルスIAPリピート含有タンパク質5」、「アポトーシス阻害剤4」、「アポトーシス阻害剤サバイビング」API4、又はIAP4としても知られる。BIRC5はヒト癌中で過剰発現され、アポトーシス阻害、化学療法への耐性、及び腫瘍の急速進行性において役割を果たしている(Gargらの文献、2016)。抗BIRC5抗体の高いベースラインレベルが、イピリムマブでの治療後にPDを伴う患者と比較してDCRを達成している患者で見いだされた。
FRS2は又、「線維芽細胞増殖因子受容体基質2」、「FGFRシグナル伝達アダプターSNT」、「Suc1関連神経栄養因子ターゲット1」、又はSNT-1としても知られる。FRS2は幾つかの癌種中で過剰発現され、増幅される。それは、受容体チロシンキナーゼのためのドッキングタンパク質として働き、増殖、生存、遊走、及び分化を媒介する(Luo及びHahnの文献、2015)。
抗FRS2抗体の高いベースラインレベルが、イピリムマブ治療後にPDを伴う患者と比較してDCRを達成している患者で見いだされた。更に又、抗FRS2抗体の高いベースラインレベルは同様に、抗CTLA-4治療に対する応答(表5)及びirAEの発現(表6)の両方を予測する。
「B細胞CLL/リンパ腫7タンパク質ファミリーメンバーB」としても知られるBCL7Bは又、BCL7遺伝子ファミリーのメンバーであり、Wnt及びアポトーシスを含む複数の経路の調節に関与している。BCL7ファミリーは、癌の発生頻度、発現、及び進行に関与している(Ueharaらの文献、2015)。抗BCL7B抗体の高いベースラインレベルが、イピリムマブ治療後にDCRを達成している患者と比較して、PDであった患者で見いだされた。
RPS6KA1は又、「リボソームタンパク質S6キナーゼα1(EC:2.7.11.1)」、「MAPキナーゼ-活性化プロテインキナーゼ1a」、p90RSK1、RSK-1、又はMAPKAPK1Aとしても知られる。RSK(90 kDaリボソームS6キナーゼ)ファミリーには、細胞の成長、増殖、生存、及び運動性を含む多様な細胞プロセスを調節する、高度に関連しているセリン/トレオニンキナーゼのグループが含まれる。RSK発現及び活性の調節不全は、複数の癌種と関連していた(Houles及びRouxの文献、2017)。抗RPS6KA1抗体の高いベースラインレベルが、イピリムマブ治療後にDCRを達成している患者と比較してPDであった患者で見いだされた。
GPHNは又、「ゲフィリン」、「モリブドプテリンアデニリルトランスフェラーゼ(EC:2.7.7.75)」、MPT、又はKIAA1385としても知られる。ゲフィリンは、抑制性シナプスのシナプス後部タンパク質ネットワークの構成要素である93kDaの多機能型タンパク質である。非ニューロン組織では、コードされたタンパク質は、亜硫酸オキシダーゼ、アルデヒドオキシダーゼ、及びキサンチンオキシドレダクターゼの補因子である、モリブデン補因子の生合成のために必要とされる(Smolinskyらの文献、2008)。抗GPHN抗体の高いベースラインレベルが、イピリムマブ治療後にPDであった患者と比較してDCRを達成している患者で見いだされた。抗CTLA-4療法に対する応答性の予測の他に、GPHNは又、正常ヒトからメラノーマ患者を区別し(表2)、異なるチェックポイント阻害剤で治療されるメラノーマ患者における、DCRを予測するために有用なマーカーである(表3)。
(表5:イピリムマブで治療されたメラノーマ患者における、PFS、OS及びDCRと関連する自己抗体)
Figure 2022537339000017
(実施例12:イピリムマブで治療された患者におけるirAEと関連する自己抗体の特定)
抗CTLA-4療法を受けた患者由来の治療前サンプル内で、irAEを予測する自己抗体を特定した。irAEが発現した患者とそうでない者との間の自己抗体レベルの差異を評価するために、統計試験法SAMを適用した。
表6は、EOMES、CREB3L1、FRS2、PLIN2、SIPA1L1、ABCB8、MAPT、ATG4D、XRCC5、XRCC6、UBAP1、TRIP4、及びEIF4E2と反応する13個の自己抗体を含み、それらはベースラインサンプル中でirAEを予測することを示した。
正のSAMスコアd及び1を超える倍率変化は、irAE無しの者と比較してirAEを有したメラノーマ群においてその自己抗体が高いことを示す。負のSAMスコアd及び1未満の倍率変化は、irAE無しの者と比較してirAEを有したメラノーマ群においてその自己抗体レベルが低いことを示す。
表6は、8個の自己抗体POLR3B、ELMO2、SUMO2、RFWD2、SQSTM1、SDCBP、HSPD1、及びIL17Aを含み、これら自己抗体の高いレベルを有する患者ではirAEが発現しないことを予測する。
(表6:イピリムマブで治療されたメラノーマ患者における、irAEを予測するベースライン自己抗体)
Figure 2022537339000018
図9は、6個のベースライン自己抗体、FRS2、SIPA1L1、XRCC5/XRCC6、IL17A、SQSTM1、及びSDCBPの箱ひげ図を示し、それら自己抗体は、イピリムマブで治療した患者におけるirAEの発現と関連する。
抗FRS2抗体の高いベースラインレベルが、イピリムマブ治療後にirAE無しの者と比較してirAEを有した患者で見いだされた。更に又、高い抗FRS2抗体が、イピリムマブ後にPDであった患者と比較してDCRを達成している患者で見いだされた(表5)。
SIPA1L1は又、「シグナル誘導される増殖関連1様タンパク質1」、「高リスク型ヒトパピローマウイルスのE6腫瘍性タンパク質の標的タンパク質1」、E6TP1、又はKIAA0440としても知られる。irAE発現の予測の他に、抗SIPA1L1抗体の高いベースラインが、イピリムマブ治療後にirAE無しの患者と比較して、irAEを有した患者で見いだされた。高い抗SIPA1L1は又、健康対照と比較して、メラノーマ患者で見いだされた(表2)。従って、抗SIPA1L1は、正常ヒトからメラノーマ患者を区別するための有用なマーカーであろう。
抗原XRCC5及び抗原XRCC6のダイマーは、ループスKu自己抗原タンパク質を形成する。XRCC5/XRCC6に対する自己抗体の高いベースラインレベルは、イピリムマブ治療される患者におけるirAEの発現を予測する。XRCC5は又、「X線修復交差補完タンパク質5」、ループスKu自己抗原タンパク質p86、Ku80、又はKu86としても知られる。XRCC6は又、「X線修復交差補完タンパク質6」、Ku抗原の70 kDaサブユニット、ループスKu自己抗原タンパク質p70、Ku70、又は甲状腺ループス自己抗原としても知られる。
抗XRCC5及び抗XRCC6抗体の高いレベルが、イピリムマブ治療後にirAE無しの患者と比較してirAEを有した患者で検出された。
抗CTLA-4療法後のirAEの発現の予測の他に、抗XRCC5/XRCC6抗体は又、PD-1/PD-L1経路遮断薬ペムブロリズマブで治療されるメラノーマ患者における、DCRとして定義される臨床反応を予測する(表7)。
抗IL17A抗体の高いレベルが、イピリムマブ治療後にirAEを有した患者と比較してirAEを発現しない患者で見いだされた。IL17Aは又、「インターロイキン17A」、CTLA8、又はIL-17としても知られる。IL17は、活性化されたT細胞により産生される炎症誘発性サイトカインである。
SQSTM1は又、「セクエストソーム1」、p60、p62、A170、DMRV、OSIL、PDB3、ZIP3、p62B、NADGP、又はFTDALS3としても知られる。SQSTM1は、選択的オートファジーによってそれへ結合する他のタンパク質を標的とするオートファゴソームカーゴタンパク質である。それは又、シグナル伝達分子と相互作用して、炎症性遺伝子の発現を促進する(Moscatらの文献、2016)。高い抗SQSTM1抗体が、イピリムマブ治療後にirAEを有した患者と比較してirAEを発現しないメラノーマ患者で見いだされた。
(実施例13:ペムブロリズマブでの治療に対する生存期間及び臨床反応に関する又はそれらを予測する自己抗体の特定)
PD-1/PD-L1経路阻害剤による治療の効果を示す患者を特定可能とする自己抗体を特定するために、ペムブロリズマブで治療された41人のメラノーマ患者由来の血清サンプルを分析した。
無増悪生存期間(PFS)又は全生存期間(OS)と相関するバイオマーカーを、スピアマン相関を用いて計算した。臨床転帰DCRとPDとの間の自己抗体レベルの差異を評価するために、統計試験法SAMを適用した。
正のSAMスコアd及び1を超える倍率変化は、PDであった患者と比較してDCRを達成しているメラノーマ群においてその自己抗体が高いことを示す。負のSAMスコアd及び1未満の倍率変化は、PDであった者と比較してDCRを達成しているメラノーマ群においてその自己抗体レベルが低いことを示す。
表7に、42個の自己抗体標的、NOVA2、EOMES、SSB、IGF2BP2、ACTB、MLLT6、SNRPD1、TRAF3IP3、C17orf85、HES1、GSK3A、XRCC5、XRCC6、PPP1R2、C15orf48、PTPRR、MAZ、FLNA、TEX264、SNRNP70、CEP131、SNRPA、CENPV、NRIP1、CCNB1、RALY、FGA、CALR、GNAI2、IL36RN、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、LAMC1、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR、及びARRB1を列記し、それらは、ペムブロリズマブ療法への応答又は非応答と関連する。
10個の自己抗体、TRAF3IP3、C17orf85、HES1、CCNB1、SNRPD1、FGA、CALR、NRIP1、CSNK2A1、及びSSBの高い血清レベルは、長い全生存期間(OS)と正の相関を示した(スピアマン相関r>0.3)。
一方、4個の自己抗体、SHC1、MMP3、GNAI2、及びIL36RNは、全生存期間と逆相関し、かつ、短い生存期間と関連した(スピアマンr<-0.3)。
表7は、19個のベースライン自己抗体NOVA2、EOMES、SSB、IGF2BP2、ACTB、MLLT6、SNRPD1、TRAF3IP3、C17orf85、HES1、GSK3A、XRCC5、XRCC6、PPP1R2、C15orf48、PTPRR、MAZ、FLNA、及びTEX264を含み、それらはペムブロリズマブ治療後にDCRを達成する患者で高かった(SAMスコアd>1.8)。
更に又、8個のベースライン自己抗体ARRB1、DHFR、CEACAM5、MSH2、HDAC1、S100A8、LAMC1、及びDFFAを含む自己抗体識別特性では、ペムブロリズマブ療法に反応せず疾患進行(PD)である患者では同様に高かった(SAM DCRスコアd<-1.8)。
(表7:ペムブロリズマブで治療されたメラノーマ患者における、PFS、OS及びDCRと関連する自己抗体)
Figure 2022537339000019
Figure 2022537339000020
図10は、ペムブロリズマブに対するDCR又はPDを予測する、IGF2BP2、SNRPD1、TRAF3IP3、及びARRB1を標的とする4個のベースライン自己抗体の箱ひげ図を示す。
抗IGFBP2の高いベースラインレベルが、ペムブロリズマブでの治療後にPDを伴う患者と比較してDCRを達成している患者において見いだされた。更に又、抗IGFBP2自己抗体の高いベースラインレベルは、異なるチェックポイント阻害剤で治療される患者においてDCRとして定義される臨床反応を予測する(表3)。
TRAF3IP3は又、「TRAF3相互作用JNK活性化調節因子」、「TRAF3相互作用タンパク質3」、又はT3JAMとしても知られる。TRAF3IP3は、免疫器官及び免疫組織内で特異的に発現し、T細胞及び/又はB細胞発生において役割を果たす(Pengらの文献、2015)。抗TRAF3IP3抗体のレベルは、ペムブロリズマブでの治療後の生存期間(r=0.41)及びPFS(r=0.49)と正の関係を示し、PDを伴う患者と比較してDCRを達成している患者において高かった。
SNRPD1は又、「核内低分子リボヌクレオタンパク質Sm D1」、snRNPコアタンパク質D1としても知られており、コアコンポーネント核内低分子リボヌクレオタンパク質(snRNP)複合体である。SNRPD1又はSm-D1は、公知の自己抗原であり、このタンパク質に対する自己抗体は、自己免疫疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)と特異的に関連している。抗SNRPD1抗体のレベルは、ペムブロリズマブでの治療後の生存期間(r=0.37)と正の関係を示し、PDを伴う患者と比較してDCRを達成している患者において高かった。
ARRB1は又、「β-アレスチン-1」、又はARR1としても知られる。ARRB1は、CD4+T細胞の生存に関して重要であり、自己免疫に対する感受性因子である(Shiらの文献、2007)。高い抗ARRB1抗体が、ペムブロリズマブ療法に対してDCR を伴う患者と比較して、臨床的非応答(PD)を伴うメラノーマ患者のベースラインサンプル中に見いだされた。
(実施例14:ペムブロリズマブで治療された患者におけるirAEと関連する自己抗体の特定)
表8に、ペムブロリズマブで治療された患者におけるirAEの発現と関連する35個のベースライン自己抗体を列記する。
irAEを発現した患者とそうでない者との間の自己抗体レベルの差異を評価するために、統計試験法SAMを適用した。正のSAMスコアd及び1を超える倍率変化は、この自己抗体が、PDであった患者と比較してDCRを達成しているメラノーマ群で高いことを示す。負のSAMスコアd及び1未満の倍率変化は、この自己抗体レベルがPDであった者と比較してDCRを達成しているメラノーマ群で低いことを示す。
27個の自己抗体、FADD、OGT、HSPB1、CAP2、FN1、CTSW、ATP13A2、SIGIRR、TEX264、HSPA1B、SPTB、PDCD6IP、MITF、RAPGEF3、KRT7、ERBB3、PECAM1、PPL、TONSL、ELMO2、LAMB2、BTRC、SUFU、LGALS3BP、KLKB1、EGFR、及びTOLLIPは、irAE無しの患者と比較してirAEを発現した患者のベースラインサンプル中で高い反応性を示し、irAEの発現を予測する。
8個のベースライン自己抗体、CXXC1、SPA17、LARP1、EGLN2、RPRM、WHSC1L1、MIF、及びS100A8は、irAE無しの患者と比較して、irAEを発現しないメラノーマ患者群で高い反応性を示した。
(表8:ペムブロリズマブで治療されるメラノーマ患者におけるirAEを予測するベースライン自己抗体)
Figure 2022537339000021
Figure 2022537339000022
図11は、ペムブロリズマブ治療された患者におけるirAEを予測する、FADD、FN1、HSPB1、及びOGTを標的とする4個のベースライン自己抗体の箱ひげ図を示す。
炎症誘発性サイトカインS100A8及びMIFに対する高い自己抗体が、ペムブロリズマブでの治療後にirAEを発現しないメラノーマ患者において見いだされた。
MIFは又、「マクロファージ遊走阻止因子(EC:5.3.2.1)」、「グリコシル化阻害因子」、L-ドパクロムトートメラーゼ(EC:5.3.3.12)、「フェニルピルビン酸トートメラーゼ」、GLIF、又はMIFとしても知られる。MIFは広域スペクトル炎症誘発性サイトカインであり、炎症性疾患及び自己免疫疾患において役割を果たすが、又、腫瘍促進効果も有する(Kindtらの文献、2016)。抗MIF1抗体の高いベースラインレベルが、ペムブロリズマブ治療後にirAEを伴う者と比較してirAEを発現しない患者で見いだされた。
S100A8は又、「タンパク質S100-A8」、「カルグラニュリンA」、「カルプロテクチンL1Lサブユニット」、「遊走阻止因子関連タンパク質8」、CFAG、又はMRP8としても知られる。S100A8は、カルシウム及び亜鉛結合タンパク質であり、炎症性プロセス及び免疫反応の調節で重要な役割を果たす。メラノーマを含む多くの癌種において、100A8の過剰発現は、腫瘍の増殖、転移、血管新生及び免疫回避に寄与する(Bresnickらの文献、2015)。抗S100A8抗体の高いベースラインレベルが、ペムブロリズマブでの治療後にirAEを伴う者と比較してirAEを発現しない患者において見いだされた。
抗S100A8抗体の高いレベルも又、ペムブロリズマブ後にDCRである患者と比較して疾患進行を伴うメラノーマ患者で見いだされた(表7)。
FADDは又、「FAS関連死ドメインタンパク質」、「増殖阻害遺伝子3タンパク質」、「受容体誘導毒性メディエータ」、MORT1、又はGIG3としても知られる。FADDは、アダプタータンパク質であり、アポトーシス中に、Fas受容体等の腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーをプロカスパーゼ8及び10へブリッジして死誘導シグナル伝達複合体(DISC)を形成する。FADDは、アポトーシス、細胞周期調節及び細胞生存期間において重要な役割を有しており、腫瘍抑制及び腫瘍促進の両方の役割を果たすことができる。FADDは又、自己免疫疾患における炎症性プロセスに関与している(Cudaらの文献、2016)。高い抗FADD抗体が、ペムブロリズマブでの治療後にirAE無しの者と比較してirAEを発現する患者において見いだされた。
FN1は又、「フィブロネクチン」、「低温不溶性グロブリン」、又はCIGとしても知られる。フィブロネクチンは、創部治癒で役割を果たす細胞外マトリックスの構成要素である。癌におけるフィブロネクチンは、腫瘍成長/生存を促進して療法に対して抵抗する。高い抗FN1抗体が、ペムブロリズマブでの治療後にirAE無しの者と比較してirAEを発現する患者において見いだされた。
HSBP1は又、「熱ショックタンパク質β-1」、「28 kDa熱ショックタンパク質」、「エストロゲン調節24 kDaタンパク質」、「熱ショック27 kDaタンパク質」、HSP27、又はHSP28としても知られる。HSBP1は、タンパク質シャペロン及び抗酸化剤として作用する多機能タンパク質である。癌におけるHSP27はアポトーシスを阻害する役割を果たす。高い抗HSBP1抗体が、ペムブロリズマブでの治療後にirAE無しの者と比較してirAEを発現する患者において見いだされた。
OGTは又、「UDP-Nアセチルグルコサミン-ペプチドN-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼ110 kDaサブユニット(EC:2.4.1.2554)」、又は「O-GlcNAcトランスフェラーゼサブユニットp110」としても知られる。OGTは、多くの核タンパク質及び細胞質タンパク質のO-GlcNAc形成を触媒し、それにより細胞増殖及びシグナル伝達経路を調節する。多くの癌種が、O-GlcNAc形成の上昇及びOGTの異常な発現を示し、代謝が浸潤及び転移と結びつけられる(Ferrerらの文献、2016)。高い抗OGT抗体が、ペムブロリズマブでの治療後にirAE無しの者と比較してirAEを発現する患者において見いだされた。
(実施例15:irAEの発現リスクを予測するためのバイオマーカーの開発)
irAE用のバイオマーカーパネルを開発するために、転移性メラノーマサンプルの複数コホートを、下記の通り入手した。
333人の転移性メラノーマ患者から血清サンプルを採取したが、それは5か所の欧州癌センターで、下記治療用モノクローナル抗体、イピリムマブ(ipi、抗CTLA-4)療法、ニボルマブ(nivo、抗PD-1)療法、ペムブロリズマブ(pembro、抗PD-1)療法、又はイピリムマブ及びニボルマブの併用療法での治療に先立って行われた(図12)。血清サンプルを832個の抗原を含む癌免疫治療抗原アレイを使用して分析し(図1)、irAE及びそのサブタイプである大腸炎のための自己抗体バイオマーカーパネルを開発するために使用した。
全個体が告知に基づく同意書を提出し、本研究は各倫理委員会によって承認された。患者データは、人口統計要素(年齢、性別)、治療、療法開始日、及び最良応答性効果(RECIST 1.1.基準)を含めて提供された。更に、irAEを、発症日及びグレードを含めて記録した。大腸炎のリスクが転移性メラノーマの治療法の選択、即ち抗PD-1単剤療法又はipi/nivo組み合わせでの治療の決定に影響を与える可能性があるため、特に注目するirAEとして大腸炎を含めた。
患者として含まれた333人は、年齢中央値が61歳であり、38%が女性であった。全体として、103人の患者(31%)がirAEを発症し、この患者達には大腸炎の44人の患者(13%)が含まれていた。ipi単剤療法で治療した98人の患者中、34人の患者(35%)でいずれかのグレード及び種類のirAEが発現し、18人(18%)は大腸炎であった。ペムブロリズマブ(pembro)で治療された152人の患者中、37人(24%)でいずれかのグレードのirAEが発現し、11人の患者(7%)は大腸炎であった。pembro治療を受けた患者の50人(32.9%)は以前ipi治療を受けたことがあったが、それらはirAE群の14人の患者(38%)及び大腸炎群の6人の患者(55%)であった。64人の患者がipi/nivo併用療法で治療され、そのうち28人(44%)がいずれかの種類のirAEを有し、15人(23%)が大腸炎だった。
irAEの発現リスクを予測するための統計解析を、下記の通り行った。
異なる種類のチェックポイント阻害剤(抗CTLA-4及び抗PD-1)を因子としてエンコードするために、データ分析用に5個のコホートモデルを用意した(図12)。作製したのは、2つのCPI(チェックポイント阻害剤)単剤療法群であって、そのCPI以外は投与されない患者しか含まない群(「ipi単剤」及び「pembro(ipi無し)」)、並びに1つの併用療法群「ipi/nivo」である。ipi単剤、ipi-nivoで治療された患者、又は、以前ipiで治療されたことのある者を一緒にして、「ipi有り」群とした。又、全患者333人をまとめて「全治療」分析群として調査した。
最も関連するバイオマーカーを特定するために、線形及び非線形データマイニング法を、特徴選択のために互いに補完し合うような組み合わせで使用した。マイクロアレイの有意性分析(SAM)を使用して、クラス標識irAE又は大腸炎に従って患者を比較した。それぞれの自己抗体特徴に関する多重検定アプローチで1,000並べ替えを使用し、モデル頑強性を担保した。特徴量順位付けは、出力d-スコアの絶対値を使用して達成した。バイオマーカー候補を、SAMスコア|d|>1.8のしきい値を使用して、最終的なバイオマーカー候補のセットに含ませた。正のSAMスコアd及び1を超える倍率変化は、irAE無し又は大腸炎無しの者と比較して、irAE又は大腸炎を発現した患者においてその自己抗体が高いことを示す。負のSAMスコアd及び1未満の倍率変化は、irAE無し又は大腸炎無しの者と比較して、irAE又は大腸炎を発現した患者においてその自己抗体レベルが低いことを示す。
特徴選択のための第2のアプローチとして、Cox回帰分析を実施し、治療前の自己抗体レベルが事象のハザード比に関連しているかどうかを、Rのsurvivalパッケージ(https://cran.r-project.org/web/packages/survival/index.html)を使用して調査した。Cox回帰のために、3つの治療クラス(PD-1、CTLA-4、PD-1+CTLA-4)を共変量因子として使用することにより治療レジメンを含ませた。事象発生までの時間内において、PD-1又はCTLA-4阻害の存在に関する全ての関連する治療を共変量因子で考慮した。モデルを、1因子ボトムアップ型多重検定アプローチで作成した(即ち、各バイオマーカーを次々に調査した)。特徴選択のために、Cox回帰の未調整p値(p<0.05)を最小係数(coef>0.25)と組み合わせて使用した。「最後の接触」(並びにirAE及び大腸炎による「死亡」)を、データ検閲のために取得し、脱落した患者からのデータ点を確認した。
カプランマイヤー曲線を、Cox回帰のためと同じ群のためのログランク検定(Rのsurvivalパッケージの「survdiff」を使用)と組み合わせて計算したが、それには全治療群(http://www.sthda.com/english/rpkgs/survminer)は含めなかった。事象発生までの時間を、CPI療法での開始から記録した。自己抗体データを、マーカー固有のしきい値として健康対照血清の平均MFI値+1 SDを使用して、高値の自己抗体と低値の自己抗体に二分した。
特徴量順位付けのための補完的アプローチとして、ランダムフォレスト(RF)を計算した。KNIMEからの「Tree-ensemble-learner」を使用して、[10]で説明されている2クラス分類法の修正を使用した。10,000個の異なるモデルを作製した。ツリー深さを4に制限して、浅いツリーの小型パネルを調査し、最小スプリットノードサイズは10、最小子ノードサイズは5であった。各モデルに使用されるトレーニングデータの割合は80%であり、属性サンプリングは、各ツリーノードのリサンプリングと組み合わせた合計属性の平方根のサンプリングであった。特徴量順位付けを実行し、各ツリーの最初の2レベルにおける関連するマーカーの寄与のスコアを作成した。
最終的な特徴量の順位付けを、各検定でのそれらの出現(appearance)に従ったマーカー順位付けにより実行した。最終的なマーカー選択を実施し、少なくとも3つの検定でしきい値を超えたマーカーを取得した。
表9は、irAE又は大腸炎を予測する上位47個の自己抗体を示す。
予測可能な自己抗体の識別特性には、下記抗原;SUMO2、MAGED2、PIAS3、MITF、GRP、AP2B1、PRKCI、BTBD2、AKT2、UBE2Z、L1CAM、LAMC1、GABARAPL2、RPLP0、SDCBP、AP1S1、CFB、FGA、IL3、IL4R、AMPH、LEPR、TP53、GPHN、IL23A、BAG6、BICD2、TMEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、MUM1、RPLP2、KRT7、FN1、MAGEB4、CTSW、NCOA1、MIF、SPA17、FGFR1、KRT19、TPM2、ATG4D特異性が含まれる。
図13に、統計的試験結果を要約し、irAE又は大腸炎を予測する自己抗体を正(黒丸)又は負(白丸)で強調表示する。
(表9:irAE又は大腸炎を予測する上位47個のマーカーのリスト)
しきい値は、コホートモデルのいずれでもSAM分析(スコアd>1.8)及びCox回帰分析(p<0.05、係数>0.25)であった。
Figure 2022537339000023
Figure 2022537339000024
Figure 2022537339000025
Figure 2022537339000026
Figure 2022537339000027
相関ルールマイニングを、ソフトウェアNatto Ef Prime Inc.(日本)を使用して行い、対応する相関性に関するネットワークグラフを作製した。自己抗体強度データを、3つのカテゴリー(低、中、高強度)に分類した。記述スコアを指標として計算したが、この指標は、Xが相互情報量としてネットワーク内の各エッジについて説明可能であるYの不確実性の割合を表す。irAE及び大腸炎を選択して、モデル内で最高の記述スコア(相互情報量)を有する関連属性を強調するための標的とした。
(実施例16:大腸炎予測のための自己抗体識別特性の探求)
SAM分析及びCox回帰分析を実施し、チェックポイント阻害剤での治療後の大腸炎の発生と関連する自己抗体反応性を特定した。下記治療群;全患者333人をまとめた「全治療」群、「ipi単剤」群、「ipi-nivo」併用療法群、「ipi有り」群及び「pembro(ipi無し)」群を調査した。この分析により、大腸炎を予測するための34個の自己抗体が得られ、これらは図13に示すように少なくとも3群の比較で見いだされた。
高い自己抗体レベルを示す患者でのCox回帰分析の結果及び関連するirAE発現ハザードリスク(HR)を、irAE及び大腸炎を予測する自己抗体識別特性に関する表10に示す。
34個の自己抗体は、下記抗原;SUMO2、MAGED2、PIAS3、MITF、GRP、AP2B1、PRKCI、BTBD2、AKT2、UBE2Z、L1CAM、LAMC1、GABARAPL2、RPLP0、SDCBP、AP1S1、CFB、FGA、IL3、IL4R、AMPH、LEPR、TP53、GPHN、IL23A、BAG6、BICD2、TMEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT及びSPTBN1特異性を有する。
34個中6個の自己抗体反応性は、チェックポイント阻害剤での治療後の大腸炎発生の低いリスクと関連していた。大腸炎なしの患者は、大腸炎を伴う者と比較して、自己抗体SUMO2、GRP、SDCBP、GPHN、BAG6、及びBICD2の高いレベルを有していた。
34個中26個の自己抗体反応性は、大腸炎発生の高いリスクと関連していた。チェックポイント阻害剤での治療後に大腸炎になった患者は、大腸炎なしの患者と比較して、下記抗原;MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、BTBD2、AKT2、UBE2Z、L1CAM、LAMC1、GABARAPL2、RPLP0、AP1S1、CFB、FGA、IL3、IL4R、AMPH、LEPR、TP53、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、及びSPTBN1特異性を有する自己抗体の高いレベルを有していた。
2個の自己抗体、抗TMEM98及び抗IL23Aは、「ipi有り」群の患者では大腸炎発生に対して低いリスクと関連していたが、pembroで治療された場合に大腸炎になった患者のベースラインサンプルでは高かった。
34個中30個の抗原を、「ipi有り」群中での抗CTLA-4療法の大腸炎発生との強い相関性を示すものとして特定した(図13、表10)。
しかし又、「ipi単剤」と「ipi/nivo併用療法」との間には自己抗体パターンにおいて差異が見られた。例えば、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、CFB、IL3、RELT、FGA、及びIL4Rに対する自己抗体は、ipi単剤群での大腸炎を予測する一方、PIAS3、SUMO2、MITF、GRP、PRKCI、AP2B1、SDCBP、PDCH1、SPTBN1、及びUBTFを標的とする自己抗体は、ipi/nivoコホートで予測的であった。大腸炎予測のための最高スコアを有する自己抗体は、MAGED2、PIAS3、MITF、PRKC1、及びAP2B1であった(図13)。2個の高スコアリングマーカーが、大腸炎発生の低いリスクを予測し、それらはSUMO2、及びGRPを標的とする自己抗体であった。
大腸炎予測のための最高スコアを有するマーカーは、抗MAGED2であり、「全治療」(HR 1.35、p=0.002)、「ipi有り」(HR 1.36、p=0.0012)、(ipi単剤」(HR 1.48、p=0.024)、及び「ipi/nivo群」(HR 1.31、p=0.036)において有意な相関性が見られた。「ipi有り群」中で最小のp値を有するマーカーは、抗PIAS3であり、「全治療」(HR 1.42、p=0.00005)、ipi有り(HR 1.46、p=0.000009)、及びipi/nivo群(HR 1.52、p=0.0004)において有意な相関性を有していた。
抗SUMO2自己抗体の高いレベルは、「全治療」(HR 0.53、p=0.0022)、「ipi有り」(HR 0.51、p=0.0026)、「ipi単剤」(HR 0.32、p=0.0012)、及び「ipi/nivo」群(HR 0.5、p=0.049)において、大腸炎発生の低いリスクを予測した。
図14は、「ipi有り」群における抗PIAS3及び抗SUM02のためのカプラン-マイヤー曲線、並びに大腸炎発生のリスクの例を示す。抗PIAS3自己抗体の高いベースラインレベルを有する患者は、低い自己抗体レベルを有する者と比較して、irAE発現の高いリスクを有していた。抗SUMO2自己抗体の高いベースラインレベルを有する患者は、低い自己抗体レベルを有する者と比較して大腸炎発生の低いリスクを有していた。
(表10:大腸炎を予測する自己抗体のCox回帰分析結果)
p値<0.05は太字で強調してあり、HR=ハザード比である。
Figure 2022537339000028
Figure 2022537339000029
(実施例17:irAEを予測する自己抗体識別特性の探求)
SAM分析及びCox回帰分析を実施し、チェックポイント阻害剤での治療後のirAEの発現と関連する自己抗体反応性を特定した。下記治療群;全患者333人をまとめた「全治療」群、「ipi単剤」群、「ipi-nivo」併用療法群、「ipi有り」群及び「pembro(ipi無し)」群を調査した。
特徴量順位付けアプローチを、irAEのための15個の最も重要なバイオマーカー候補を選択するために適用したが、これらは図13に示すように少なくとも3群の比較で見いだされた。異なる治療群のためのCox回帰分析の結果及び関連するirAE発現ハザードリスク(HR)を、表11に示す。
irAE予測のための15個の最も重要な自己抗体の特異性には、次の抗原;PIAS3、RPLP2、NCOA1、ATG4D、KRT7、MIF、TPM2、GABARAPL2、SDCBP、MUM1、MAGEB4、CTSW、SPA17、FGFR1、KRT19が含まれる。
15個中7個の自己抗体は、高いirAEリスクと関連しており、下記抗原;PIAS3、RPLP2、ATG4D、KRT7、TPM2、GABARAPL2、及びMAGEB4を標的としていた。irAEを有した患者は、irAE無しの患者と比較してこれら抗原に対する自己抗体の高いレベルを有していた。15個中6個の自己抗体は低いirAEリスクと関連しており、下記抗原;NCOA1、MIF、SDCB4、MUM1、FGFR1、及びKRT19を標的としていた。IrAEを有した患者は、irAE無しの患者と比較してこれら抗原に対する自己抗体の高いレベルを有していた。
治療に関連する差異も同様に観察され、例えば、抗KRT7及び抗FN1は、「pembro(ipi無し)」及び「ipi/nivo」群を含む抗PD-1治療された患者でのみ予測可能であった。抗MAGEB4及び抗MAGED2は、「ipi単剤」及び「ipi有り」治療群を含む抗CTLA-4療法群において、優先的に予測的であった。
抗CTLA-4療法に関するirAEのための最上のバイオマーカーは、抗PIAS3抗体であり、「全治療群」(HR 1.29、p=0.0001)、「ipi有り」群(HR 1.29、p=0.0002;HR 1.35)及び「ipi/nivo」群(HR 1.32、p=0.0035)で有意な相関性が見られた。
抗PD1療法に関するirAEのための最上のバイオマーカーは、抗KRT7であり、ipi/nivo群(HR 1.31、p=0.04)及びpembro(ipi無し)群(HR 1.55、p=0.0008)で有意な相関性が見られた。
図15は、irAE並びに抗PIAS3抗体及び抗KRT7抗体に関するカプラン-マイヤー曲線の例を示す。
抗PIAS3及び抗KRT7自己抗体の高いベースラインレベルを有する患者は、低い自己抗体レベルを有する患者と比較してirAE発現の高いリスクを有していた。
治療に関連する差異が、低いirAEリスクを予測する自己抗体に関して観察された。抗MUM1(HR 0.69、p=0.0074) 抗体及び抗FGFR1(HR 0.69、p=0.037)抗体は、抗CTLA-4療法(「ipi有り」群)と関連していたが、抗MIF1抗体は、「pembro(ipi無し)」群(HR 0.49、p=0.032)における低いirAEリスクを予測した。
(表11:irAEを予測する自己抗体のCox回帰分析結果)
p値<0.05は太字で強調してあり、HR=ハザード比である。
Figure 2022537339000030
Figure 2022537339000031
(実施例18:大腸炎のために最適化されたマーカーパネルの開発)
単独のマーカーは、大腸炎予測のために非常に限定された感度しか示さないので、大腸炎のための最高の相互情報量を示すマーカーの相関ルールを探求した。図16Aは、大腸炎予測のための最良の10個のマーカーのセットを示す。このセットは、大腸炎の発生に対する高いリスク(RELT、CASP8、UBE2Z、IL4R、LAMC1、L1CAM、MITF)を予測するだけでなく、低いリスク(SUMO2、GRP、MIF)も予測する自己抗体反応性を有する。
(実施例19:irAEのために最適化されたマーカーパネルの開発)
単独のマーカーは、irAE予測のために非常に限定された感度しか示さないので、irAEのための最高の相互情報量を示すマーカーの相関ルールを探求した。図16Bは、irAE予測のために最良のマーカーセットを示す。このセットは、irAEの発現に対する高いリスク(IL4R、L1CAM、MITF、PIAS3、AP1S1、ATG4D、RPLP2)を予測するだけでなく、低いリスク(MIF、NCOA1、FGFR1、SDCBP)も予測する自己抗体特異性を有する。
(参考文献)
Figure 2022537339000032
Figure 2022537339000033
本発明は、本明細書に記載された特定の実施態様によってはその範囲を限定されない。実際に、本明細書に記載されたものに加えて、本発明の様々な改変が上記記載及び添付の図面から当業者に明らかであろう。このような改変は、添付の特許請求の範囲の内であることを意図する。更に、本明細書に記載された本発明の全ての態様及び実施態様は、広義に適用可能であり、その他の矛盾しない実施態様のいずれか及び全てと組み合わせ可能であり、それら実施態様には、本発明の他の態様から取り出したもの(分離することも含む)を適切に含むとみなされる。
様々な文献及び特許出願が本明細書で挙げらており、それらの開示は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれている。

Claims (128)

1以上のチェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択する方法であって、該方法は;
(a) 該患者から得られたサンプル中の、ACTB、AMPH、AQP4、BAG6、BICD2、BIRC5、C15orf48、C17orf85、CALR、CCNB1、CENPH、CENPV、CEP131、CTAG1B、CTSW、EIF3E、EOMES、FGFR1、FLNA、FRS2、GNAI2、GPHN、GRP、GSK3A、HES1、IGF2BP2、IL23A、IL36RN、KRT19、MAZ、MIF、MLLT6、MUM1、NCOA1、NOVA2、NRIP1、PAPOLG、PPP1R2、PTPRR、RALY、SDCBP、SIVA1、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SPA17、SSB、SUM02、TEX264、TMEM98、TRAF3IP3、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体の1又は複数のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも高い場合は、該患者は1又は複数のチェックポイント阻害剤での治療のために選択される、前記方法。
前記1以上の抗原は、SIVA1、IGF2BP2、AQP4、C15orf48、CTAG1B及びPAPOLGから選択される、請求項1記載の方法。
前記1以上の抗原は、FRS2、BIRC5、EIF3E、CENPH及びPAPOLGから選択される、請求項1記載の方法。
前記1以上の抗原は、NOVA2、EOMES、SSB、IGF2BP2、ACTB、MLLT6、SNRPD1、TRAF3IP3、C17orf85、HES1、GSK3A、XRCC5、XRCC6、PPP1R2、C15orf48、PTPRR、MAZ、FLNA、TEX264、SNRNP70、CEP131、SNRPA、CENPV、NRIP1、CCNB1、RALY、CALR、GNAI2及びIL36RNから選択される、請求項1記載の方法。
前記1以上の抗原は、SUM02、GRP、SDCBP、AMPH、IL23A、GPHN、BAG6、BICD2、TMEM98、MUM1、CTSW、NCOA1、MIF、SPA17、FGFR1及びKRT19から選択される、請求項1記載の方法。
1以上のチェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択する方法であって、該方法は;
(a) 該患者から得られたサンプル中の、ABCB8、AKT2、AMPH、AP1S1、AP2B1、ATG4D、ATP13A2、BTBD2、BTRC、CAP2、CASP10、CASP8、CFB、CREB3L1、CTSW、EGFR、EIF4E2、ELMO2、EOMES、ERBB3、FADD、FGA、FN1、FOXO1、FRS2、GABARAPL2、HSPA1B、HSPB1、IL23A、IL3、IL4R、KDM4A、KLKB1、KRT7、L1CAM、LAMB2、LAMC1、LEPR、LGALS3BP、MAGEB4、MAGED2、MAPT、MITF、MUC12、MUM1、OGT、PCDH1、PDCD6IP、PECAM1、PIAS3、PLIN2、PPL、PPP1R12A、PRKCI、RAPGEF3、RELT、RPLP0、RPLP2、SIGIRR、SIPA1L1、SPA17、SPTB、SPTBN1、SUFU、TEX264、TMEM98、TOLLIP、TONSL、TP53、TPM2、TRIP4、UBAP1、UBE2Z、UBTF、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体の1又は複数のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも高くない場合は、該患者は1又は複数のチェックポイント阻害剤での治療のために選択される、前記方法。
前記1以上の抗原は、TEX264、CREB3L1、HSPA1B、SPTB、MUC12、ERBB3、CASP10、FOXO1、FRS2、PPP1R12A及びCAP2から選択される、請求項6記載の方法。
前記1以上の抗原は、EOMES、CREB3L1、FRS2、PLIN2、SIPA1L1、ABCB8、MAPT、XRCC5、XRCC6、UBAP1、TRIP4及びEIF4E2から選択される、請求項6記載の方法。
前記1以上の抗原は、FADD、OGT、HSPB1、CAP2、ATP13A2、SIGIRR、TEX264、HSPA1B、SPTB、PDCD6IP、RAPGEF3、ERBB3、PECAM1、PPL、TONSL、ELMO2、LAMB2、BTRC、SUFU、LGALS3BP、KLKB1、EGFR及びTOLLIPから選択される、請求項6記載の方法。
前記1以上の抗原は、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、AKT2、BTBD2、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、LAMC1、RPLP0、AMPH、AP1S1、LEPR、TP53、IL23A、CFB、FGA、IL3、IL4R、TMEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、RPLP2、KRT7、MUM1、FN1、MAGEB4、CTSW、ATG4D、TPM2及びSPA17から選択される、請求項6記載の方法。
追加的に、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法のステップを含む、請求項6~10のいずれか1項に記載の方法。
1以上のチェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択する方法であって、該方法は;
(a) 該患者から得られたサンプル中の、ARRB1、BCL7B、CCDC51、CEACAM5、CSNK2A1、DFFA、DHFR、FGFR1、GNG12、GRAMD4、GRK6、HDAC1、LAMC1、MSH2、MIF、MMP3、RPS6KA1、S100A8、S100A14、SHC1及びUSB1から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体の1又は複数のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも低い場合は、該患者は1又は複数のチェックポイント阻害剤での治療のために選択される、前記方法。
前記1以上の抗原は、GRK6、MIF、FGFR1及びGRAMD4から選択される、請求項12記載の方法。
前記1以上の抗原は、GNG12、CCDC51、USB1、GRAMD4、RPS6KA1及びBCL7Bから選択される、請求項12記載の方法。
前記1以上の抗原は、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR、LAMC1及びARRB1から選択される、請求項12記載の方法。
追加的に、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法のステップを含む、請求項12~15のいずれか1項に記載の方法。
1以上のチェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択する方法であって、該方法は;
(a) 該患者から得られたサンプル中の、CXXC1、EGLN2、ELMO2、HIST2H2AA3、HSPA2、HSPD1、IL17A、LARP1、POLR3B、RFWD2、RPRM、S100A8、SMAD9、SQSTM1及びWHSC1L1から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体の1又は複数のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも低くない場合は、該患者は1又は複数のチェックポイント阻害剤での治療のために選択される、前記方法。
前記1以上の抗原は、HSPA2、SMAD9、HIST2H2AA3及びS100A8から選択される、請求項17記載の方法。
前記1以上の抗原は、POLR3B、ELMO2、RFWD2、SQSTM1、HSPD1及びIL17Aから選択される、請求項17記載の方法。
前記1以上の抗原は、CXXC1、LARP1、EGLN2、RPRM、WHSC1L1及びS100A8から選択される、請求項17記載の方法。
追加的に、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法のステップを含む、請求項17~20のいずれか1項に記載の方法。
前記1以上のチェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤及びPD-L1阻害剤から選択される、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤はイピリムマブである、請求項22記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤はニボルマブである、請求項22記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤はペムブロリズマブである、請求項22記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤はイピリムマブ及びニボルマブの組み合わせである、請求項22記載の方法。
前記患者サンプル中の自己抗体のレベルは、該サンプルを固体支持体上に固定化された抗原と接触させることにより決定される、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
前記2以上の、3以上の、4以上の、5以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルは、前記患者サンプル中で決定される、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
前記患者サンプル中の自己抗体のレベルは、該サンプルを固体支持体上に固定化された前記抗原のパネル又はアレイと接触させることにより決定される、請求項28に記載の方法。
前記自己抗体のための予備設定カットオフ値は、メラノーマ患者の対照コホートのために決定された、前記抗原へ特異的に結合する自己抗体のアベレージレベルである、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
更に、前記患者へ前記1以上のチェックポイント阻害剤を投与するステップを含む、請求項1~30のいずれか1項に記載の方法。
対象のメラノーマを治療する方法であって、該方法は、該対象へ1以上のチェックポイント阻害剤を投与するステップを含み、該対象は、請求項1~31のいずれか1項に記載の方法に従って治療のために選択される、前記方法。
チェックポイント阻害剤での治療に対するメラノーマ患者の応答性を予測する方法であって、該方法は;
(a) 該患者から得られたサンプル中の、ACTB、AQP4、BIRC5、C15orf48、C17orf85、CALR、CCNB1、CENPH、CENPV、CEP131、CTAG1B、EIF3B、EOMES、FLNA、FRS2、GNAI2、GPHN、GSK3A、HES1、IGF2BP2、IL36RN、MAZ、MLLT6、NOVA2、NRIP1、PAPOLG、PPP1R2、PTPRR、RALY、SIVA1、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SSB、TEX264、TRAF3IP3、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体の1又は複数のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも高い場合は、改善された応答性が予測される、前記方法。
前記チェックポイント阻害剤はイピリムマブであり、前記1以上の抗原は、FRS2、GPHN、BIRC5、EIF3E、CENPH及びPAPOLGから選択される、請求項33記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤はペムブロリズマブであり、前記1以上の抗原は、NOVA2、EOMES、SSB、IGF2BP2、ACTB、MLLT6、SNRPD1、TRAF3IP3、C17orf85、HES1、GSK3A、XRCC5、XRCC6、PPP1R2、C15orf48、PTPRR、MAZ、FLNA、TEX264 SNRNP70、CEP131、SNRPA、CENPV、NRIP1、CCNB1、RALY、CALR、GNAI2、IL36RN、FGA及びGHPNから選択される、請求項33記載の方法。
チェックポイント阻害剤での治療に対するメラノーマ患者の応答性を予測する方法であって、該方法は;
(a) 該患者から得られたサンプル中の、GRK6、MIF、FGFR1 GRAMD4、GNG12、CCDC51、USB1、RPS6KA1、BCL7B、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR、LAMC1及びARRB1から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも低い場合は、改善された応答性が予測される、前記方法。
前記チェックポイント阻害剤はイピリムマブであり、前記1以上の抗原は、GNG12、CCDC51、USB1、GRAMD4、RPS6KA1、BCL7Bから選択される、請求項36記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤はペムブロリズマブであり、前記1以上の抗原は、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR、LAMC1及びARRB1から選択される、請求項36記載の方法。
追加的に、請求項33~35のいずれか1項に記載の方法のステップを含む、請求項36~38のいずれか1項に記載の方法。
治療に対する応答性は、完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、又は病勢安定(SD)の基準により評価される、請求項33~39のいずれか1項に記載の方法。
チェックポイント阻害剤での治療に対する反応としてのメラノーマ患者の生存期間を予測する方法であって、該方法は;
(a) 該患者から得られたサンプル中の、ACTB、AQP4、BIRC5、C15orf48、C17orf85、CALR、CCNB1、CENPH、CENPV、CEP131、CTAG1B、EIF3B、EOMES、FLNA、FRS2、GNAI2、GPHN、GSK3A、HES1、IGF2BP2、IL36RN、MAZ、MLLT6、NOVA2、NRIP1、PAPOLG、PPP1R2、PTPRR、RALY、SIVA1、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SSB、TEX264、TRAF3IP3、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体の1又は複数のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも高い場合は、改善された生存期間が予測される、前記方法。
前記チェックポイント阻害剤はイピリムマブであり、前記1以上の抗原は、FRS2、GPHN、BIRC5、EIF3E、CENPH及びPAPOLGから選択される、請求項41記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤はペムブロリズマブであり、前記1以上の抗原は、NOVA2、EOMES、SSB、IGF2BP2、ACTB、MLLT6、SNRPD1、TRAF3IP3、C17orf85、HES1、GSK3A、XRCC5、XRCC6、PPP1R2、C15orf48、PTPRR、MAZ、FLNA、TEX264 SNRNP70、CEP131、SNRPA、CENPV、NRIP1、CCNB1、RALY、CALR、GNAI2 IL36RN.、FGA及びGHPNから選択される、請求項41記載の方法。
チェックポイント阻害剤での治療に対する反応としてのメラノーマ患者の生存期間を予測する方法であって、該方法は;
(a) 該患者から得られたサンプル中の、GRK6、MIF、FGFR1 GRAMD4、GNG12、CCDC51、USB1、GRAMD4、RPS6KA1、BCL7B、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR、LAMC1及びARRB1から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも低い場合は、改善された生存期間が予測される、前記方法。
前記チェックポイント阻害剤はイピリムマブであり、前記1以上の抗原は、GNG12、CCDC51、USB1、GRAMD4、RPS6KA1及びBCL7Bから選択される、請求項44記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤はペムブロリズマブであり、前記1以上の抗原は、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR、LAMC1及びARRB1から選択される、請求項44記載の方法。
追加的に、請求項41~43のいずれか1項に記載の方法のステップを含む、請求項44~46のいずれか1項に記載の方法。
生存期間は、全生存期間又は無増悪生存期間である、請求項41~47のいずれか1項に記載の方法。
1以上のチェックポイント阻害剤で治療されるメラノーマ患者における免疫関連有害事象(irAE)リスクを予測する方法であって、該方法は;
(a) 該患者から得られたサンプル中の、TEX264、CREB3L1、HSPA1B、SPTB、MUC12、ERBB3、CASP10、FOXO1、FRS2、PPP1R12A、CAP2、EOMES、CREB3L1、PLIN2、SIPA1L1、ABCB8、MAPT、XRCC5、XRCC6、UBAP1、TRIP4、EIF4E2、FADD、OGT、HSPB1、ATP13A2、SIGIRR、HSPA1B、SPTB、PDCD6IP、RAPGEF3、PECAM1、PPL、TONSL、ELMO2、LAMB2、BTRC、SUFU、LGALS3BP、KLKB1、EGFR、TOLLIP、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、AKT2、BTBD2、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、LAMC1、RPLP0、AMPH、AP1S1、LEPR、TP53、IL23A、CFB、FGA、IL3、IL4R、TMEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、RPLP2、KRT7、MUM1、FN1、MAGEB4、CTSW、ATG4D、TPM2及びSPA17から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも高い場合は、該患者はirAEリスクが高いと決定される、前記方法。
前記1以上の抗原は、TEX264、CREB3L1、HSPA1B、SPTB、MUC12、ERBB3、CASP10、FOXO1、FRS2、PPP1R12A及びCAP2から選択される、請求項49記載の方法。
前記1以上の抗原は、EOMES、CREB3L1、FRS2、PLIN2、SIPA1L1、ABCB8、MAPT、XRCC5、XRCC6、UBAP1、TRIP4及びEIF4E2から選択される、請求項49記載の方法。
前記1以上の抗原は、FADD、OGT、HSPB1、CAP2、ATP13A2、SIGIRR、TEX264、HSPA1B、SPTB、PDCD6IP、RAPGEF3、ERBB3、PECAM1、PPL、TONSL、ELMO2、LAMB2、BTRC、SUFU、LGALS3BP、KLKB1、EGFR及びTOLLIPから選択される、請求項49記載の方法。
前記1以上の抗原は、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、AKT2、BTBD2、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、LAMC1、RPLP0、AMPH、AP1S1、LEPR、TP53、IL23A、CFB、FGA、IL3、IL4R、TMEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、RPLP2、KRT7、MUM1、FN1、MAGEB4、CTSW、ATG4D、TPM2及びSPA17から選択される、請求項49記載の方法。
前記irAEは大腸炎であり、前記1以上の抗原は、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、AKT2、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、LAMC1、RPLP0、AMPH、AP1S1、LEPR、TP53、IL23A、CFB、FGA、IL3、IL4R、TMEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、RPLP2、KRT7、FN1、BTBD2、MAGEB4、CTSW及びMUM1から選択される、請求項53記載の方法。
前記1以上の抗原は、IL4R、L1CAM、MITF、PIAS3、AP1S1、ATG4D及びRPLP2から選択される、請求項53記載の方法。
前記1以上の抗原は、RELT、CASP8、UBE2Z、IL4R、LAMC1、L1CAM及びMITFから選択される、請求項53又は請求項54記載の方法。
前記1以上の抗原は、PIAS3、RPLP2、ATG4D、KRT7、TPM2、GABARAPL2及びMAGEB4から選択される、請求項53又は請求項54記載の方法。
前記1以上の抗原は、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1及びPRKCIから選択される、請求項53又は請求項54記載の方法。
前記抗原はMAGED2である、請求項53又は請求項54記載の方法。
前記抗原はKRT7である、請求項53記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤はイピリムマブであり、前記1以上の抗原は、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、CFB、IL3、RELT、FGA、及びIL4Rから選択される、請求項53又は請求項54記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤はイピリムマブ及びニボルマブであり、前記1以上の抗原は、PIAS3、MITF、PRKCI、AP2B1、PDCH1、SPTBN1及びUBTFから選択される、請求項53記載の方法。
1以上のチェックポイント阻害剤で治療されるメラノーマ患者における免疫関連有害事象(irAE)リスクを予測する方法であって、該方法は;
(a) 該患者から得られたサンプル中の、SUM02、GRP、SDCBP、AMPH、GPHN、BAG6、BICD2、TMEM98、MUM1、CTSW、NCOA1、MIF、SPA17、FGFR1及びKRT19から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(ii) (a)で決定された自己抗体のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも高い場合は、該患者はirAEリスクが低いと決定される、前記方法。
前記1以上の抗原は、NCOA1、MIF、SDCB4、MUM1、FGFR1及びKRT19から選択される、請求項63記載の方法。
前記1以上の抗原は、MIF、NCOA1、FGFR1及びSDCBPから選択される、請求項63記載の方法。
前記1以上の抗原は、SUMO2、GRP及びMIFから選択される、請求項63記載の方法。
前記irAEは大腸炎であり、前記1以上の抗原は、SUM02、GRP、SDCBP、GPHN、BAG6、BICD2及びTMEM98から選択される、請求項63記載の方法。
追加的に、請求項49~62のいずれか1項に記載の方法のステップを含む、請求項63~67のいずれか1項に記載の方法。
1以上のチェックポイント阻害剤で治療されるメラノーマ患者における免疫関連有害事象(irAE)リスクを予測する方法であって、該方法は;
(a) 該患者から得られたサンプル中の、CXXC1、EGLN2、ELMO2、HIST2H2AA3、HSPA2、HSPD1、IL17A、LARP1、POLR3B、RFWD2、RPRM、S100A8、SMAD9、SQSTM1、及びWHSC1L1から選択される1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体の、1又は複数のレベルを決定するステップ、並びに、
(b) (a)で決定された自己抗体のレベルを、同じ1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のための予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含み、ここで、該患者サンプル中で決定された自己抗体のレベルが該予備設定カットオフ値よりも低い場合は、該患者はirAEリスクが高いと決定される、前記方法。
前記1以上の抗原は、HSPA2、SMAD9、HIST2H2AA3及びS100A8から選択される、請求項69記載の方法。
前記1以上の抗原は、POLR3B、ELMO2、RFWD2、SQSTM1、HSPD1及びIL17Aから選択される、請求項69記載の方法。
前記1以上の抗原は、CXXC1、LARP1、EGLN2、RPRM、WHSC1L1及びS100A8から選択される、請求項69記載の方法。
追加的に、請求項49~68のいずれか1項に記載の方法のステップを含む、請求項69~72のいずれか1項に記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤、PD-1阻害剤及びPD-L1阻害剤から選択される、請求項33~73のいずれか1項に記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤はイピリムマブである、請求項74記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤はニボルマブである、請求項74記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤はペムブロリズマブである、請求項74記載の方法。
前記チェックポイント阻害剤はイピリムマブ及びニボルマブの組み合わせである、請求項74記載の方法。
前記患者サンプル中の自己抗体のレベルは、該サンプルを固体支持体上に固定化された抗原と接触させることにより決定される、請求項33~78のいずれか1項に記載の方法。
前記2以上の、3以上の、4以上の、5以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルは、前記患者サンプル中で決定される、請求項33~79のいずれか1項に記載の方法。
前記患者サンプル中の自己抗体のレベルは、該サンプルを固体支持体上に固定化された前記抗原のパネル又はアレイと接触させることにより決定される、請求項80記載の方法。
前記自己抗体のための予備設定カットオフ値は、メラノーマ患者の対照コホートのために決定された、抗原へ特異的に結合する自己抗体のアベレージレベルである、請求項33~81のいずれか1項に記載の方法。
哺乳類対象から得られたサンプル中の自己抗体を検出することにより、該哺乳類対象のメラノーマを検出する方法であって、
該自己抗体は、RPLP2、CTAG1B、EEF2、CXCL5、DNAJC8、CREB3L1、AKT3、CXCL13、NME1、ANXA4、AKAP13、CDR2L、ATP1B3、DUSP3、SDC1、CPSF1、GRK2、TRA2B、BCR、CSNK2A1、ARRB1、GRK6、CTAG2、MIF、ERBB3、SUFU、BTRC、SIGIRR、SIPA1L1、ACTB、MLLT6、SHC1、CAP2、GPHN、AQP4及びNOVA2から選択される抗原へ特異的に結合し、該自己抗体が予備設定カットオフ値よりも上のレベルで存在する場合はメラノーマが示される、並びに/又は、
該自己抗体は、SNRPA、NRIP1、UBAP1、TEX264、PLIN2、LAMC1、CENPH、USB1、ABCB8、C15orf48/NMES1及びMAGED1から選択される抗原へ特異的に結合し、該自己抗体が予備設定カットオフ値よりも下のレベルで存在する場合はメラノーマが示される、前記方法。
哺乳類対象から得られたサンプル中の自己抗体を検出することにより、該哺乳類対象のメラノーマを診断する方法であって、
該自己抗体は、RPLP2、CTAG1B、EEF2、CXCL5、DNAJC8、CREB3L1、AKT3、CXCL13、NME1、ANXA4、AKAP13、CDR2L、ATP1B3、DUSP3、SDC1、CPSF1、GRK2、TRA2B、BCR、CSNK2A1、ARRB1、GRK6、CTAG2、MIF、ERBB3、SUFU、BTRC、SIGIRR、SIPA1L1、ACTB、MLLT6、SHC1、CAP2、GPHN、AQP4及びNOVA2から選択される抗原へ特異的に結合し、該自己抗体が予備設定カットオフ値よりも上のレベルで存在する場合は、該対象はメラノーマに罹患していると診断する、並びに/又は、
該自己抗体は、SNRPA、NRIP1、UBAP1、TEX264、PLIN2、LAMC1、CENPH、USB1、ABCB8、C15orf48/NMES1及びMAGED1から選択される抗原へ特異的に結合し、該自己抗体が予備設定カットオフ値よりも下のレベルで存在する場合は、該対象はメラノーマに罹患していると診断する、前記方法。
(a) 前記サンプルを前記メラノーマ抗原と接触させるステップ、及び
(b) 自己抗体へ結合された該メラノーマ抗原の複合体の存在を決定して、該サンプル中の自己抗体のレベルを決定するステップ、並びに、
(c) 該サンプル中の自己抗体のレベルを予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含む、請求項83又は請求項84記載の方法。
前記予備設定カットオフ値は哺乳類対象の健康なコホートに基づく、請求項83~85のいずれか1項に記載の方法。
前記自己抗体は、CREB3L1、CXCL5及びNME1から選択される抗原へ特異的に結合する、請求項83~86のいずれか1項に記載の方法。
RPLP2、CTAG1B、EEF2、CXCL5、DNAJC8、CREB3L1、AKT3、CXCL13、NME1、ANXA4、AKAP13、CDR2L、ATP1B3、DUSP3、SDC1、CPSF1、GRK2、TRA2B、BCR、CSNK2A1、ARRB1、GRK6、CTAG2、MIF、ERBB3、SUFU、BTRC、SIGIRR、SIPA1L1、ACTB、MLLT6、SHC1、CAP2、GPHN、AQP4及びNOVA2から選択される2以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体が検出される、請求項83~87のいずれか1項に記載の方法。
CREB3L1、CXCL5及びNME1へ特異的に結合する自己抗体が検出される、請求項88記載の方法。
SNRPA、NRIP1、UBAP1、TEX264、PLIN2、LAMC1、CENPH、USB1、ABCB8、C15orf48/NMES1及びMAGED1から選択される2以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体が検出される、請求項83~89のいずれか1項に記載の方法。
(a) 前記サンプルを2以上の抗原のパネルと接触させるステップ、
(b) 該抗原それぞれのための自己抗体-抗原複合体の存在を決定して、該サンプル中の該抗原それぞれへ特異的に結合している自己抗体のレベルを決定するステップ、及び、
(c) 該抗原それぞれに関する自己抗体のレベルを予備設定カットオフ値と比較するステップ、
を含む、請求項88~90のいずれか1項に記載の方法。
前記1以上の抗原へ特異的に結合する自己抗体のレベルが、前記予備設定カットオフ値よりも上又は下の場合に、その結果は、メラノーマを示すか又はメラノーマ陽性診断である、請求項91記載の方法。
前記試験された抗原それぞれへ特異的に結合する自己抗体のレベルが、前記予備設定カットオフ値よりも上又は下の場合に、その結果は、メラノーマを示すか又はメラノーマ陽性診断である、請求項91記載の方法。
前記哺乳類対象はヒトである、請求項83~93のいずれか1項に記載の方法。
(a) 1以上のメラノーマ抗原、及び、
(b) メラノーマ患者又は哺乳類対象から得られたサンプル中に存在する自己抗体へ結合された該メラノーマ抗原の複合体を検出可能な試薬、
を含む、請求項1~94のいずれか1項に記載の方法を実施するために好適なキット。
哺乳類対象から得られた試験サンプル中の自己抗体を検出するためのキットであって;
(a) RPLP2、CTAG1B、EEF2、CXCL5、DNAJC8、CREB3L1、AKT3、CXCL13、NME1、ANXA4、AKAP13、CDR2L、ATP1B3、DUSP3、SDC1、CPSF1、GRK2、TRA2B、BCR、CSNK2A1、ARRB1、GRK6、CTAG2、MIF、ERBB3、SUFU、BTRC、SIGIRR、SIPA1L1、ACTB、MLLT6、SHC1、CAP2、GPHN、AQP4、NOVA2、SNRPA、NRIP1、UBAP1、TEX264、PLIN2、LAMC1、CENPH、USB1、ABCB8、C15orf48/NMES1及びMAGED1から選択される1以上のメラノーマ抗原、並びに、
(b) 該哺乳類対象から得られた試験サンプル中に存在する自己抗体へ結合された該メラノーマ抗原の複合体を検出可能な試薬、
を含む、前記キット。
メラノーマ患者から得られた試験サンプル中の自己抗体を検出するためのキットであって;
(a) ABCB8、ACTB、AKT2、AMPH、AP1S1、AP2B1、AQP4、ARRB1、ATG4D、ATP13A2、BAG6、BCL7B、BICD2、BIRC5、BTBD2、BTRC、C15orf48、C17orf85、CALR、CAP2、CASP10、CASP8、CCDC51、CCNB1、CEACAM5、CENPH、CENPV、CEP131、CFB、CREB3L1、CSNK2A1、CTAG1B、CTSW、CXXC1、DFFA、DHFR、EGFR、EGLN2、EIF4E2、ELMO2、EOMES、ERBB3、FADD、FGA、FGFR1、FLNA、FN1、FOXO1、FRS2、GABARAPL2、GNAI2、GNG12、GPHN、GRAMD4、GRK6、GRP、GSK3A、HDAC1、HES1、HIST2H2AA3、HSPA1B、HSPA2、HSPB1、HSPD1、IGF2BP2、IL3、IL4R、IL17A、IL23A、IL36RN、KDM4A、KLKB1、KRT7、KRT19、L1CAM、LAMB2、LAMC1、LARP1、LEPR、LGALS3BP、MAGEB4、MAGED2、MAPT、MAZ、MIF、MITF、MLLT6、MMP3、MSH2、MUM1、MUC12、NCOA1、NOVA2、NRIP1、OGT、PAPOLG、PCDH1、PDCD6IP、PECAM1、PIAS3、PLIN2、POLR3B、PPL、PPP1R12A、PPP1R2、PRKCI、PTPRR、RALY、RAPGEF3、RELT、RFWD2、RPLP0、RPLP2、RPRM、RPS6KA1、S100A8、S100A14、SDCBP、SHC1、SIGIRR、SIPA1L1、SIVA1、SMAD9、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SQSTM1、SPA17、SPTB、SPTBN1、SSB、SUFU、SUM02、TEX264、TMEM98、TOLLIP、TONSL、TP53、TPM2、TRAF3IP3、TRIP4、UBAP1、UBE2Z、UBTF、USB1、WHSC1L1、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上のメラノーマ抗原、並びに、
(b) 該メラノーマ患者から得られた試験サンプル中に存在する自己抗体へ結合された該メラノーマ抗原の複合体を検出可能な試薬、
を含む、前記キット。
メラノーマ患者から得られた試験サンプル中の自己抗体を検出するためのキットであって;
(a) ABCB8、ACTB、AQP4、ARRB1、ATP13A2、BCL7B、BIRC5、BTRC、C15orf48、C17orf85、CALR、CAP2、CASP10、CCDC51、CCNB1、CEACAM5、CENPH、CENPV、CEP131、CREB3L1、CSNK2A1、CTAG1B、CXXC1、DFFA、DHFR、EGFR、EGLN2、EIF4E2、ELMO2、EOMES、ERBB3、FADD、FLNA、FOXO1、FRS2、GNAI2、GNG12、GRAMD4、GRK6、GSK3A、HDAC1、HES1、HIST2H2AA3、HSPA1B、HSPA2、HSPB1、HSPD1、IGF2BP2、IL17A、IL36RN、KLKB1、LAMB2、LARP1、LGALS3BP、MAPT、MAZ、MLLT6、MMP3、MSH2、MUC12、NOVA2、NRIP1、OGT、PAPOLG、PDCD6IP、PECAM1、PLIN2、POLR3B、PPL、PPP1R12A、PPP1R2、PTPRR、RALY、RAPGEF3、RFWD2、RPRM、RPS6KA1、S100A8、S100A14、SHC1、SIGIRR、SIPA1L1、SIVA1、SMAD9、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SQSTM1、SPTB、SSB、SUFU、TEX264、TOLLIP、TONSL、TRAF3IP3、TRIP4、UBAP1、USB1、WHSC1L1、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上のメラノーマ抗原、並びに、
(b) 該メラノーマ患者から得られた試験サンプル中に存在する自己抗体へ結合された該メラノーマ抗原の複合体を検出可能な試薬、
を含む、前記キット。
(c) 前記メラノーマ抗原を、前記哺乳類対象又はメラノーマ患者から得られた試験サンプルと接触させるための手段、
を更に含む、請求項95~98のいずれか1項に記載のキット。
前記メラノーマ抗原を前記試験サンプルと接触させるための手段は、チップ、スライド、プレート、マイクロタイタープレートのウェル、ビーズ、膜、又はナノ粒子上に固定化された該抗原を含む、請求項99記載のキット。
前記メラノーマ抗原は、2以上の別個のメラノーマ抗原のパネル内に存在する、請求項95~100のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、SIVA1、IGF2BP2、AQP4、C15orf48、CTAG1B及びPAPOLGを含む、請求項101記載のキット。
前記パネルは、HSPA2、SMAD9、HIST2H2AA3及びS100A8を含む、請求項101又は請求項102記載のキット。
前記パネルは、FRS2、BIRC5、EIF3E、CENPH及びPAPOLGを含む、請求項101~103のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、POLR3B、ELMO2、RFWD2、SQSTM1、HSPD1及びIL17Aを含む、請求項101~104のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、NOVA2、EOMES、SSB、IGF2BP2、ACTB、MLLT6、SNRPD1、TRAF3IP3、C17orf85、HES1、GSK3A、XRCC5、XRCC6、PPP1R2、C15orf48、PTPRR、MAZ、FLNA、TEX264、SNRNP70、CEP131、SNRPA、CENPV、NRIP1、CCNB1、RALY、CALR、GNAI2及びIL36RNを含む、請求項101~105のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、CXXC1、LARP1、EGLN2、RPRM、WHSC1L1及びS100A8を含む、請求項100~106のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、SUM02、GRP、SDCBP、AMPH、GPHN、BAG6、BICD2、TMEM98、MUM1、CTSW、NCOA1、MIF、SPA17、FGFR1及びKRT19を含む、請求項101~107のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、NCOA1、MIF、SDCB4、MUM1、FGFR1及びKRT19を含む、請求項101~108のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、MIF、NCOA1、FGFR1及びSDCBPを含む、請求項101~109のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、SUMO2、GRP及びMIFを含む、請求項101~110のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、GRK6及びGRAMD4を含む、請求項101~111のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、TEX264、CREB3L1、HSPA1B、SPTB、MUC12、ERBB3、CASP10、FOXO1、FRS2、PPP1R12A及びCAP2を含む、請求項101~112のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、GNG12、CCDC51、USB1、GRAMD4、RPS6KA1及びBCL7Bを含む、請求項101~113のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、EOMES、CREB3L1、FRS2、PLIN2、SIPA1L1、ABCB8、MAPT、XRCC5、XRCC6、UBAP1、TRIP4及びEIF4E2を含む、請求項101~114のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、S100A14、MMP3、SHC1、CSNK2A1、DFFA、S100A8、HDAC1、MSH2、CEACAM5、DHFR及びARRB1を含む、請求項101~115のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、FADD、OGT、HSPB1、CAP2、ATP13A2、SIGIRR、TEX264、HSPA1B、SPTB、PDCD6IP、RAPGEF3、ERBB3、PECAM1、PPL、TONSL、ELMO2、LAMB2、BTRC、SUFU、LGALS3BP、KLKB1、EGFR及びTOLLIPを含む、請求項101~116のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1、PRKCI、AKT2、BTBD2、UBE2Z、L1CAM、GABARAPL2、LAMC1、RPLP2、AMPH、AP1S1、LEPR、TP53、IL23A、CFB、FGA、IL3、IL4R、TMEM98、KDM4A、UBTF、CASP8、PCDH1、RELT、SPTBN1、RPLP2、KRT7、MUM1、FN1、MAGEB4、CTSW、ATG4D、TPM2及びSPA17を含む、請求項101~117のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、IL4R、L1CAM、MITF、PIAS3、AP1S1、ATG4D及びRPLP2を含む、請求項101~118のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、RELT、CASP8、UBE2Z、IL4R、LAMC1、L1CAM及びMITFを含む、請求項101~119のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、PIAS3、RPLP2、ATG4D、KRT7、TPM2、GABARAPL2及びMAGEB4を含む、請求項101~120のいずれか1項に記載のキット。
前記パネルは、MAGED2、PIAS3、MITF、AP2B1及びPRKC1を含む、請求項101~121のいずれか1項に記載のキット。
前記試験サンプルは、血漿、血清、全血、尿、汗、リンパ液、糞便、脳脊髄液、腹水、胸水、精液、痰、乳頭吸引液、術後貯留漿液、唾液、羊水、涙、及び創部ドレナージ排液からなる群から選択される、請求項95~122のいずれか1項に記載のキット。
チェックポイント阻害剤での治療のためのメラノーマ患者を選択する方法においての、ABCB8、ACTB、AKT2、AMPH、AP1S1、AP2B1、AQP4、ARRB1、ATG4D、ATP13A2、BAG6、BCL7B、BICD2、BIRC5、BTBD2、BTRC、C15orf48、C17orf85、CALR、CAP2、CASP10、CASP8、CCDC51、CCNB1、CEACAM5、CENPH、CENPV、CEP131、CFB、CREB3L1、CSNK2A1、CTAG1B、CTSW、CXXC1、DFFA、DHFR、EGFR、EGLN2、EIF4E2、ELMO2、EOMES、ERBB3、FADD、FGA、FGFR1、FLNA、FN1、FOXO1、FRS2、GABARAPL2、GNAI2、GNG12、GPHN、GRAMD4、GRK6、GRP、GSK3A、HDAC1、HES1、HIST2H2AA3、HSPA1B、HSPA2、HSPB1、HSPD1、IGF2BP2、IL3、IL4R、IL17A、IL23A、IL36RN、KDM4A、KLKB1、KRT7、KRT19、L1CAM、LAMB2、LAMC1、LARP1、LEPR、LGALS3BP、MAGEB4、MAGED2、MAPT、MAZ、MIF、MITF、MLLT6、MMP3、MSH2、MUM1、MUC12、NCOA1、NOVA2、NRIP1、OGT、PAPOLG、PCDH1、PDCD6IP、PECAM1、PIAS3、PLIN2、POLR3B、PPL、PPP1R12A、PPP1R2、PRKCI、PTPRR、RALY、RAPGEF3、RELT、RFWD2、RPLP0、RPLP2、RPRM、RPS6KA1、S100A8、S100A14、SDCBP、SHC1、SIGIRR、SIPA1L1、SIVA1、SMAD9、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SQSTM1、SPA17、SPTB、SPTBN1、SSB、SUFU、SUM02、TEX264、TMEM98、TOLLIP、TONSL、TP53、TPM2、TRAF3IP3、TRIP4、UBAP1、UBE2Z、UBTF、USB1、WHSC1L1、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上のメラノーマ抗原の使用であって、該方法は請求項1~31のいずれか1項の記載に従って実施される、前記使用。
チェックポイント阻害剤での治療に対するメラノーマ患者の応答性を予測する方法においての、ACTB、AQP4、ARRB1、BCL7B、BIRC5、C15orf48、C17orf85、CALR、CCDC51、CCNB1、CEACAM5、CENPH、CENPV、CEP131、CSNK2A1、CTAG1B、DFFA、DHFR、EIF3E、EOMES、FGA、FGFR1、FLNA、FRS2、GNAI2、GNG12、GPHN、GRAMD4、GRK6、GSK3A、HDAC1、HES1、IGF2BP2、IL36RN、MAZ、MIF、MLLT6、MMP3、MSH2、NOVA2、NRIP1、PAPOLG、PPP1R2、PTPRR、RALY、RPS6KA1、S100A14、S100A8、SHC1、SIVA1、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SSB、TEX264、TRAF3IP3、USB1、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上のメラノーマ抗原の使用であって、該方法は請求項33~40のいずれか1項の記載に従って実施される、前記使用。
チェックポイント阻害剤での治療に対する反応としてのメラノーマ患者の生存期間を予測する方法においての、ACTB、AQP4、ARRB1、BCL7B、BIRC5、C15orf48、C17orf85、CALR、CCDC51、CCNB1、CEACAM5、CENPH、CENPV、CEP131、CSNK2A1、CTAG1B、DFFA、DHFR、EIF3E、EOMES、FGA、FGFR1、FLNA、FRS2、GNAI2、GNG12、GPHN、GRAMD4、GRK6、GSK3A、HDAC1、HES1、IGF2BP2、IL36RN、MAZ、MIF、MLLT6、MMP3、MSH2、NOVA2、NRIP1、PAPOLG、PPP1R2、PTPRR、RALY、RPS6KA1、S100A14、S100A8、SHC1、SIVA1、SNRNP70、SNRPA、SNRPD1、SSB、TEX264、TRAF3IP3、USB1、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上のメラノーマ抗原の使用であって、該方法は請求項41~48のいずれか1項の記載に従って実施される、前記使用。
チェックポイント阻害剤で治療されるメラノーマ患者における免疫関連有害事象(irAE)リスクを予測する方法においての、ABCB8、AKT2、AMPH、AP1S1、AP2B1、ARRB1、ATG4D、ATP13A2、BAG6、BICD2、BTBD2、BTRC、CAP2、CASP10、CASP8、CEACAM5、CFB、CREB3L1、CSNK2A1、CTSW、CXXC1、DFFA、DHFR、EGFR、EGLN2、EIF4E2、ELMO2、EOMES、ERBB3、FADD、FGA、FGFR1、FN1、FOXO1、FRS2、GABARAPL2、GPHN、GRP、HDAC1、HIST2H2AA3、HSPA1B、HSPA2、HSPD1、IL17A、IL23A、IL3、IL4R、KDM4A、KLKB1、KRT19、KRT7、L1CAM、LAMB2、LAMC1、LARP1、LEPR、LGALS3BP、MAGEB4、MAGED2、MAPT、MIF、MITF、MMP3、MSH2、MUC12、MUM1、NCOA1、OGT、PCDH1、PDCD6IP、PECAM1、PIAS3、PLIN2、POLR3B、PPL、PPP1R12A、PRKCI、RAPGEF3、RELT、RFWD2、RPLP0、RPLP2、RPRM、S100A14、S100A8、SDCBP、SHC1、SIGIRR、SIPA1L1、SMAD9、SPA17、SPTB、SPTBN1、SQSTM1、SUFU、SUM02、TEX264、TMEM98、TOLLIP、TONSL、TP53、TPM2、TRIP4、UBAP1、UBE2Z、UBTF、WHSC1L1、XRCC5及びXRCC6から選択される1以上のメラノーマ抗原の使用であって、該方法は請求項49~82のいずれか1項の記載に従って実施される、前記使用。
哺乳類対象のメラノーマを検出又は診断する方法においての、RPLP2、CTAG1B、EEF2、CXCL5、DNAJC8、CREB3L1、AKT3、CXCL13、NME1、ANXA4、AKAP13、CDR2L、ATP1B3、DUSP3、SDC1、CPSF1、GRK2、TRA2B、BCR、CSNK2A1、ARRB1、GRK6、CTAG2、MIF、ERBB3、SUFU、BTRC、SIGIRR、SIPA1L1、ACTB、MLLT6、SHC1、CAP2、GPHN、AQP4、NOVA2、SNRPA、NRIP1、UBAP1、TEX264、PLIN2、LAMC1、CENPH、USB1、ABCB8、C15orf48/NMES1及びMAGED1から選択される1以上のメラノーマ抗原の使用であって、該方法は請求項83~94のいずれか1項の記載に従って実施される、前記使用。
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